中小トラック運送事業者のための
リスク対策ガイドブック
公益社団法人全日本トラック協会
目 次
1.ガイドブックの活用にあたって 12.知識編 ~ 事業継続とリスク対策 ~ 2(1)トラック運送事業者にとってのリスク=運送サービスが止まること 2(2)事業継続上で想定されるリスク 2(3)事業継続と早期復旧のための備え= BCP 2(4)防災マニュアルがあれば BCPはいらないのか 2(5)どのような準備をすればよいのか ~トラック運送事業者の場合 3(6)BCP策定作業のポイント 5(7)緊急救援物資輸送について 83.本ガイドブックのBCP(事業継続計画書)の構成 11
表紙 121.基本方針 13
1-1.BCPの基本方針 131-2.BCPの対象事業 131-3.BCPの適用範囲 131-4.想定する災害 13
2.BCP体制 142-1.対策本部の組織と役割・担当 142-2.発動宣言と終了宣言 14
3.緊急連絡体制 153-1従業員連絡リスト 153-2荷主企業連絡リスト 163-3協力運送会社連絡リスト 173-4その他緊急連絡リスト 18
4.初動対応 194-1.BCP発動宣言 194-2.避難 194-3.人命救助と人的被害状況の把握 204-4.従業員の行動指針 204-5.物的被害状況の把握 204-6.荷主企業との連絡 224-7.協力運送会社、燃料調達先等の仕入れ先との連絡 224-8.関係行政、トラック協会との連絡 224-9.情報収集 224-10.事業継続のための財務計画 22
5.重要業務の継続対応と事前対策 235-1.重要業務と目標復旧時間 235-2.重要業務別にみたリスクの想定と対策 245-3.事前対策 27
6.緊急救援物資輸送 296-1.被災地内における緊急救援物資輸送 296-2.他地域にある被災地に向けての輸送 30
7.復旧の記録 328.運用管理規定 33
8-1.配布と回収及び取扱の注意事項 338-2.教育訓練 338-3.現状の点検と内容の見直し 338-4.携行カード 35
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1.ガイドブックの活用にあたって
■リスク対策が求められています
東日本大震災は業種や規模を問わず多くの企業に被害をもたらしました。長期間にわた
って事業が休止したり、場合によっては廃業に追い込まれるなど厳しい状況が生じました。
こうした事業活動に対する自然災害の影響を目の当たりにし、リスク対策に取り組む企業
が急速に増えています。
リスクは回避できればそれに越したことはないのですが、企業の自助努力のみでは回避
できないものも多々あります。先の東日本大震災もそうですし、2011 年秋のモンスーン
期に起こったタイ洪水、その他にはテロや新型インフルエンザの流行など社会的な緊急事
態もそれに当たります。
緊急事態は突然発生します。従業員とその家族の安全確保、設備・機器の早期復旧、代
替手段の準備など、緊急・非常時に対して迅速に対応し、取引先や社会からの信頼を高め、
事業継続ができるような有効な手を打つことが重要視されています。こうしたリスクに対
処しなければ、取引が継続できず、事業が縮小するなどの危険も想定されます。
トラック運送業では、リスク発生による影響をできるだけ小さくし、運送サービスを止
めることなく継続することが荷主のパートナーとしての役割として求められています。ま
た、救援物資輸送の担い手として社会の信頼に応えることも重要です。
■本ガイドブックの特徴はイージーオーダー型
一般的なリスク対策マニュアルや BCP ガイドブックは、重要業務の洗い出しやリス
クが事業に与える影響の想定を一から行って計画書を作成します。作成の方法は指南
してありますが、自ら仕立てる「オーダーメイド」型の計画書となるため手間や時間
がかかります。人材の少ない中小・零細企業では手に余ると感じた方も多いと思いま
す。
このため、本ガイドブックでは、トラック運送業務の特徴を踏まえ、特に中小・零
細のトラック運送事業者に焦点を当て、社内独自の情報を書き加えれば、基本的にそ
のまま運用可能なものとなるよう構成されています。いわば「イージーオーダー」型
の計画書です。
本ガイドブックでは、「2.知識編」において、BCP とはどんなものなのかを理解
できるよう基本的な知識を平易に解説しています。基本的な知識を得たら、事業継続
計画書のひな形(エクセル、ワードで構成されています)に自社の実態やデータを記
入して BCP を作成します。
なお、知識編では緊急救援物資輸送についても解説していますので、参考にして下
さい。
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2.知識編 ~ 事業継続とリスク対策 ~
(1)トラック運送事業者にとってのリスク=運送サービスが止まること
平成 23 年 3 月 11 日に発生した東日本大震災は未曾有の大惨事をもたらしましたが、そ
の一方でトラック輸送がわが国の経済活動と国民生活を支える重要なライフラインである
ことを再確認させる機会にもなりました。
トラック輸送が機能しないということは、荷主企業にとってはサプライチェーンの寸断
と同意でした。トラック運送事業者は荷主企業のパートナーであり、荷主企業の事業継続
の要です。また被災地への緊急救援物資の輸送という社会的責任を果たすためにも、トラ
ック運送事業者は自らの運送サービスを止めてはいけません。
運送サービスを止めないこと、それがトラック運送事業者に求められるリスク対策の...
大の目的です。
(2)事業継続上で想定されるリスク
一般にリスクを想定するというと、自然災害(大地震、津波、水害、噴火など)新型イ
ンフルエンザ、火災・重大事故、鳥インフル、口蹄疫等の家畜伝染病、テロ攻撃など、様
々な災害事象が想定されます。一方、ここでは災害事象が何であれ、「運送サービスが止
まる」という状況を想像し、どんな状況になったら止まるのか、という具体的な状況を挙
げていきます。具体的には、ドライバーや従業員が出社できない、稼働可能な車両がない、
燃料が手に入らない、荷役機械が使えない、通信ができない、道路が寸断された、といっ
た事態が運送サービス停止のリスクとして挙げられるでしょう。
(3)事業継続と早期復旧のための備え=BCP
いかなる緊急事態が発生した場合でも、運送サービスを止めない、止まってしまったと
してもできるだけ短時間で復旧させる、そのための準備がトラック運送事業者の BCP
(Business Continuity Plan:事業継続計画)策定です。BCP とは、経営資源の損害を 小限
にとどめ、重要な事業の継続と早期の復旧を可能とするために、平時から行うべき対策や
緊急時における対策、代替手段などを事前に取り決めたものです。
(4)防災マニュアルがあればBCPはいらないのか
防災マニュアルは「人の命」を、BCP は「会社の事業」を守ることを主たる目的とし
たものです。言うまでもなく、緊急事態が発生したら、まずは命を守ることが 優先です。
防災マニュアルは消火、避難誘導、救護などの人命に関わる初動に求められる対策を整理
したものです。
そして、一定の時間が経過すると、とりあえず生命の危機は去ります。その時点から、
事業の早期復旧に必要となる対策を整理した BCP が機能することになります。
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(5)どのような準備をすればよいのか ~トラック運送事業者の場合
運送サービスは在庫のきかないサービス財です。トラック運送事業者にとって運送サー
ビスを止めるということは、すなわち運送収入の途絶、従業員への賃金の支払いをはじめ
とした資金繰り難に直結します。停止している間に競合他社に取引先を奪われてしまうこ
とも想像に難くありません。
ここではトラック運送事業者が運送サービスを継続させる(運送サービスを止めない)
ために、どんなことを準備すればいいのか、ざっくりと概観してみましょう。
①重要業務を軸として想像を巡らせる
運送サービスの場合、その重要業務は①受注、②運行管理、③配送の 3 分野に絞り込ま
れるでしょう。
図表1 トラック運送事業者の3つの重要業務
経理、総務なども会社運営には欠かすことのできない業務ではありますが、「緊急事態
が起こったときに優先的に復旧させる」のは、やはりコアとなる上記3業務です。
輸送のほか、保管、流通加工等の業務を請け負っている場合は保管や入出庫などの物流
センター業務も対象になりますが、ここでは中小のトラック運送事業者を想定し、上記の
3業務を軸として、リスクの洗い出しと中断した場合の影響の想定を行います。
②リスクの洗い出し
「これがなければ輸送できない」「こうなったら運送サービスを継続できない」という
ボトルネックやリスクを3つの重要業務ごとに洗い出します。
図表2 作業の流れ
1)経営資源が使えないリスク
重要業務の遂行に必要な経営資源を洗い出します。車両、燃料(業務用の軽油、通勤用
のガソリン)、通信手段、電源などは、トラック運送事業であれば当然必要とされる経営
資源です。一方、人(経験や資格などが必要となる人材)やデータ、設備機械などのよう
に各業務分野によって内容の異なる経営資源もあります。
受注、配送指示情報、顧客管理
配送計画、運行管理燃料調達、点呼・点検
積み卸し、運転
受 注 運行管理 配 送
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2)重要業務を中断させるリスク
災害等の発生により上記の 3 業務が中断するリスクにはどのようなものがあるのかを想
定、列挙します。たとえば「車両が水没して動かない可能性」「いつも利用している給油
施設が被災して燃料調達できない可能性」「道路が寸断・封鎖されて通常の配送ルートを
使うことができない可能性」「パソコンが転倒・損傷して出荷指示データを取り出せない
可能性」など、いろいろ考えることができると思います。
経営資源やリスクの洗い出しでは、「もしそうなったら大変だ」という状況を網羅的に
想定することが求められます。社内でこの想定・列挙の作業を行う場合は、各業務分野の
スタッフにも協力を求め、分担してリストアップし、その後に全体を整理すると漏れがな
くなるでしょう。
③代替物や代替手段、事前対策、復旧対策の検討
経営資源の代替物、代替手段、減災のための事前対策、早期復旧のための事後対策を検
討します。
たとえば、「車両」という経営資源が損傷した場合の代替としては、「傭車の確保」「緊
急修理に応じてくれるメンテナンス業者の手配」「他の荷主で使っている車両の一時的な
融通」などが考えられます。また「いつも利用している給油施設が被災して燃料調達でき
ない可能性」というリスクに対しては、「ふだんから調達先を1社に絞り込まず常時複数
社から仕入れる」「 低3日間程度は運行できるだけの燃料を備蓄する」「緊急救援物資
輸送に備えて災害対応型給油所の場所を確認しておく」といった対策を挙げることができ
るでしょう。
なお、ガソリンや軽油については危険物であることから、備蓄(貯蔵)についての制限
があります。軽油だけの貯蔵であれば以下の規制を受けます。
<軽油のみの貯蔵>
■ 200 ㍑未満 ・容器の制限あり
■ 200 ㍑以上 1000 ㍑未満 ・少量危険物貯蔵に関わる届出が必要
・容器の制限のほか貯蔵場所の構造や設備等につ
いて火災予防条例の規制あり
※ 詳しくは下記アドレス「ガソリンや軽油に関する規制の早見表」を参照
http://www.jta.or.jp/kotsuanzen/earthquake/hayami_hyo.pdf
④対策に優先順位をつける
限られた時間の中で効果的、効率的に取り組むために、各対策に優先順位を付けます。
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(6)BCP策定作業のポイント
①優先順位の考え方
BCP の策定作業の過程ではたくさんの対策が列挙されますが、できるだけ効果的に対
策を打つためには、これらに優先順位を付ける必要があります。
本ガイドブックでは、 重要と思われる項目をあらかじめ列挙していますが、自社の事
業内容を考え合わせ、不足すると思われる項目は追加していって下さい。追加した項目の
優先順位は、当該リスクの影響度の大きさや復旧の緊急度などから評価します。
なお、影響度や緊急度は対策の優先順位付けのための参考データであり、必ずしも厳密
である必要はありません。
<優先順位付けについて>
■影響度の考え方
影響度の大きさを総合的に評価する場合、列挙したリスクを、「A)売上、コス
ト、利益等に直結する影響」「B)品質、信用、荷主等への影響」等の切り口から、
影響がないもの:1 点、影響があるもの:2 点、大きな影響があるもの:3 点
などとして点数付けを行います。A × B の合計点が大きいものに優先順位を与
えます。
■緊急度の考え方
列挙したリスク別に、その復旧が「これ以上遅れると大変なことになる」「こ
れまでには復旧させたい」という目安時間(日数)を想定します。タイムリミッ
トが短いものに優先順位を与えます。
② Plan(計画)- Do(訓練)- Check(確認)- Action(計画メンテナンス、更新)
会社の中期経営計画など差し迫ったスケジュールではない計画書は神棚に祭り上げられ
てしまうことが多いようですが、BCP も同様の傾向にあります。計画を策定しただけで
満足してはいけません。PDCA:(P)BCP をつくる→(D)社員に対して教育と訓練を行
う、意識付けを行う→(C)進捗状況を確認・チェックする→(A)計画をメンテナンス、
更新する のサイクルを繰り返すことで、はじめて計画は活かされます。
図表3 事業継続のためのPDCA
ACTION
CHECK
DO
PLAN
BCPをつくる
訓練意識付け
進捗確認
メンテナンス更新
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③教育・訓練の実施
BCP の書類があっても実際に模擬訓練をしたことがなければ思考や行動が滞ってしま
います。また日頃から「リスクを予見する」という癖がついていないと、全てが「想定外
の事態でどうしようもなかった」となりかねません。進捗確認を行わなければ対策の取り
こぼしがあるかも知れませんし、長期間メンテナンスをしていないと取引先情報、社員の
連絡先、経営資源などの内容は入れ替わっているかも知れません。業務自体が変化してい
る可能性もあります。BCP には訓練、チェック、定期的なメンテナンスが不可欠です。
■教育・訓練の実施方法と内容
BCP体制、具体的対策などの理解のための社内講習、防災訓練は少なくとも年に
1回は実施したいものです。防災の日(9 月 1 日)や防災週間(8 月 30 日~ 9 月 5 日)、
消防署が定期的に実施している講習や訓練に合わせて行うのも良い方法です。
教育・訓練では、BCP の理解は当然ですが、特に ① BCP 発動時の体制と自分の
担当・役割の確認 ②初動時の安否確認の方法についての確認 ③重要業務の緊急点
検訓練 などがポイントとなります。なお、災害用伝言ダイヤルは体験提供日が設定
されているので、是非一度実際に使用してみて下さい。また、イメージトレーニング
(BCP をもとにした全員参加によるグループ討議)を行うだけでも効果はあります。
■連絡リストのメンテナンス
人事異動、退職や採用により担当者は変わるものです。社内のBCPの担当や従業
員の連絡リスト、荷主や荷主の担当者リストは常に 新にしておく必要があります。
このため、変更があれば都度更新するのが望ましいですが、少なくとも教育・訓練時
に合わせてリストのメンテナンスを行いましょう。
また連絡の際に重要となるのが電話番号や携帯番号、メールアドレスですが、これ
らは変わってしまっていることも多いので、実際にかけてみて確認しましょう。
④リスクを分散させる
長引く景気低迷のもと、事業所を集約、統合して効率化を追及(リストラ)する企業が
多数ありました。しかし被災地の事業者では、拠点を集約した結果、そこが被災したこと
で事業全体が停止してしまった、という状況も発生しました。効率化には大きな落とし穴
もあることを改めて認識することとなりました。
同様に想像してみましょう。例えば、燃料調達について、仕入れ先を1カ所に集中させ
れば取引量が増え有利な価格で調達できるかもしれませんが、もしその仕入れ先が被災す
るなどして使えなくなったらどうなるでしょう。あるいは、大口荷主は大変有り難いお客
様ですが、その荷主の貨物しか扱っておらず、そんな経営の下で荷主の出荷が止まってし
まったらどうなるでしょう。
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日々の経営では経営資源等の分散は決して効率的でなかったり必要性を感じなかったり
するかもしれませんが、これらはリスク回避という視点では「重要な備え」といえます。
⑤内部留保
事業活動が再開し、売上が入金されるまでは、従業員の賃金をはじめとした運転資金は
手持ち資金(現金)で賄うこととなります。確実な事業継続のためにも、普段から内部留
保に努めることが重要です。
⑥できることから取り組む
BCPをゼロから勉強しようと思うと腰がひけてしまうかも知れません。でも完璧な BCP
を策定していなくても、とりあえず事前に「リスクを想定してみた」経験がある人とそう
でない人とでは、いざという時の行動に明らかな差が出ます。
初は、携行カード、持ち出し品リスト、連絡リスト(従業員、荷主企業、協力運送会
社)、業務用資産チェックシートなどの BCP の部品を作成してみましょう。すでに防災マ
ニュアル等で整理している同様のリストがあれば、それをベースにしても結構です。
次に、重要業務のリスク想定について、モデルに書かれている項目を活かしながら自社
でアレンジします。運用管理規定はサンプル書式をベースに、必要があれば修正して下さ
い。
まずは取り組みやすいこと、できることから、事業継続のための準備をしていきましょ
う。
図表4 できることから、手間をかけずに
なお、全ト協では、地震、新型インフルエンザの個別対策として、下記のガイドブ
ック等を作成していますので、こちらも参考にして下さい。
■地震発生時の初動:「防災手帳」
http://www.jta.or.jp/member/pf_kotsuanzen/bosai_techo2008.pdf
■新型インフルエンザ:「物流業における新型インフルエンザ対策ガイドライン(緊
急対策マニュアル)」
http://www.jta.or.jp/rodotaisaku/influ/index.html
リストの作成
•各社のオリジナルデータで作成
リスク想定と
対策の検討
•本ガイドブックの項目を部分的にアレンジ
運用管理規定
•本ガイドブックの雛形をそのまま利用
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(7)緊急救援物資輸送について
①緊急救援物資輸送とは
被災地の援助や復興のための輸送を「緊急・救援輸送」といい、具体的には次のような
ものを指します。
・被災者の応急生活を確保するための救援物資の輸送(食料品、飲料水、衣料、日用品、
熱源、医薬品、仮設住宅など)
・被災地の後片付けのための物資輸送
・被災地の都市機能回復のための資材や機材などの輸送(道路・鉄道・河川・水道・ガ
ス・電力・通信などの復旧資材、車両、燃料など)
②トラック運送事業者の役割
被災後ではさまざまな物資を、短期間に、大量に輸送しなければなりません。トラック
運送事業者には、これら輸送の担い手として大きな役割が期待されています。
③輸送要請の流れと要請事項
緊急・救援輸送は、都道府県等から都道府県トラック協会に要請され、それを受けて出
動することになります。
図表5 緊急・救援輸送要請の流れ
要請事項としては、「出動する車種・台数、集合(出動)場所、出動日時、輸送品目、
輸送先」などで、会員事業者に電話やファックスで連絡されます。
要請は、深夜や早朝に発せられる場合もあり、出動までの時間が短い場合もあります。
そのため要請後は迅速な対応が必要です。
④緊急輸送車両に与えられる優先事項
緊急・救援輸送を行う車両は、一刻も早く目的地に到着し、業務を果たすことが求めら
れるため、一般車両の通行が禁止されている緊急交通路の通行許可や、(緊急交通路が有
都道府県等
都道府県トラック協会
トラック協会支部
トラック運送事業者
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料の場合は)通行料金が無料となる場合もあります。その際、一般車両と区別するため、
緊急通行車両を証明する標章(ステッカー)と証明書が必要となります。
緊急通行車両を証明する「緊急通行車両標章」および「緊急通行車両確認証明書」は、
都道府県知事か公安委員会が交付します。なお、緊急通行車両には事前届出制度がありま
す。
図表6 緊急通行車両標章
図表7 緊急通行車両確認証明書
出典:神戸市地域防災計画 防災データベース 地震対策編 応急対応計画
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⑤緊急通行車両の事前届出
都道府県等が災害応急対策活動上、「災害応急対策を実施するために使用される計画が
ある車両である」と判断すれば、都道府県等と運送事業者が協定を結んで公安委員会に申
請することで、事前届出車両として登録することができます。
図表8 緊急通行車両の事前届出制度フローチャート(例)
出典:神戸市地域防災計画 防災データベース 地震対策編 応急対応計画
届出車両には、証明書(緊急通行車両等事前届出済証)が交付されます。災害時に、緊
急・救援輸送活動に従事する場合、緊急通行車両等事前届出済証と緊急通行車両確認証明
書(申請書)を警察署や検問所等に提出すれば、前記の標章(ステッカー)、証明書の交
付を受けることができます。
参考:(社)全日本トラック協会「防災手帳」
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3.本ガイドブックのBCP(事業継続計画書)の構成
図表9 ガイドブックの構成
BCP本文.doc(Word) BCPサブシート.xls(Excel)
BCP表紙
1.基本方針 1-1.BCPの基本方針
1-2.BCPの対象事業
1-3.BCPの適用範囲
1-4.想定する被害
2.BCP体制 2-1.対策本部の組織と役割・担当
2-1対策本部
2-2.発動宣言と終了宣言
3.緊急連絡体制 3-1.従業員連絡リスト
3-1従業員連絡リスト
3-2.荷主企業連絡リスト 3-2荷主企業連絡リスト
3-3.協力運送会社連絡リスト 3-3協力運送会社連絡リスト
3-4.その他緊急連絡リスト 3-4その他緊急連絡リスト
4.初動対応 4-1.BCP発動宣言
4-2.避難
4-3.人命救助と人的被害状況の把握
4-4.従業員の行動指針
4-5.物的被害状況の把握 4-5被害状況チェックシート
4-6.荷主企業との連絡
4-7.協力運送会社、燃料調達先等の仕入先との連絡
4-8.関係行政、トラック協会との連絡
4-9.情報収集
4-10.事業継続のための財務計画
5.重要業務の継続対応 5-1.重要業務と目標復旧時間
5-2.重要業務別にみたリスクの想定と対策 5-2リスクの想定と対策5-2業務用資産チェックシート
5-3.事前対策 5-3バックアップリスト5-3持ち出し品リスト
6.緊急救援物資輸送 6-1.被災地内における緊急救援物資輸送
6-2.他地域にある被災地に向けての輸送
7.復旧の記録 7復旧記録シート
8.運用管理規定 8-1.配布と回収及び取扱の注意事項
8-2.教育訓練
8-3.現状の点検と内容の見直し 8-3現状評価チェックシート
8-4.携行カード 8-4携行カード
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表紙
Ver1.0.0
BCP(事業継続計画書)
○○運送株式会社
平成 年 月 日 作成
平成 年 月 日 改訂(第 版)
更新年月日、版 平成○○年○月○日 第○版
承認者 ○○ ○○
担当者 ○○ ○○
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1.基本方針
1-1.BCPの基本方針
当社は、大災害による被災時においては従業員の安全確保と事業資産の保護を図り、
トラック運送事業に係る業務の迅速な回復と影響の 小化に取り組み、荷主企業との
関係強化と信頼確保、さらには緊急救援物資輸送など社会的使命を果たすことを目指
す。
そのため、事業継続のための体制、具体的な対策及び仕組みを、事業継続計画(BCP)
として検討・策定し、発災時の運用規定とする。
1-2.BCPの対象事業
・トラック運送事業
1-3.BCPの適用範囲
・本社 :○○○○○
・支店・営業所 :○○○○○
・協力事業者 :○○○○○
1-4.想定する災害
・震度6強程度の大地震、津波
・台風による風水害、河川等の氾濫による洪水
・その他事業継続を行うにあたり多大な影響を及ぼす事象
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2.BCP体制
2-1.対策本部の組織と役割・担当
当社の BCP 体制の組織と役割・担当は、以下のとおりである。
リーダーが不在、連絡不通の場合はサブリーダーを代行者とする。
[BCP サブシート.xls] 2-1 対策本部
2-2.発動宣言と終了宣言
①当社では想定した災害による不測の事態により業務が中断した場合、 対策本部長(社
長) または 副本部長 の判断により、ただちに BCP の発動宣言を行う。
②通常の事業運営の指揮命令系統から BCP 体制の指揮命令系統に切り替える。
③ 対策本部長(社長) または 副本部長 の判断により、災害の復旧と業務の稼働確認
ができた時点で BCP の終了宣言を行う。
名称 役割 名称 担当者 携帯番号
■BCP対策本部
本部長 ○○○社長 090-0000-0000
(代行者) ○○○専務 090-0000-0001
■災害復旧チーム
リーダー ○○○○業務部長 090-0000-0000
サブリーダー ○○○○次長 090-0000-0001
メンバー ○○○○ 090-0000-0002
メンバー ○○○○ 090-0000-0003
■人材管理チーム
リーダー ○○○○総務部長 090-0000-0000
サブリーダー ○○○○人事課長 090-0000-0001
メンバー ○○○○ 090-0000-0002
■営業・対外調整チーム
リーダー ○○○○営業部長 090-0000-0000
サブリーダー ○○○○営業課長 090-0000-0001
メンバー ○○○○ 090-0000-0002
■財務管理チーム
リーダー ○○○○管理部長 090-0000-0000
サブリーダー ○○○○経理課長 090-0000-0001
メンバー ○○○○ 090-0000-0002
・被害金額の算定、復旧に係る費用試算・運転資金の調達、復旧費用の資金調達
・BCPの発動と終了の決定・指揮命令
・物的被害情報の把握、復旧対応計画の立案・車両、物流関連施設の復旧・燃料の残量確認と調達・IT、通信等の復旧・傭車先の情報収集
・人的被害状況の把握、安否確認・帰宅困難者、出勤困難者の対応・食料品、医薬品の確保
・荷主、納入先の被害状況の収集・把握・荷主の輸送ニーズの把握・対応・トラック協会等の緊急物資輸送への対応
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3.緊急連絡体制
3-1従業員連絡リスト
従業員への連絡や安否確認にあたっては、「従業員連絡リスト」を用いる。迅速かつ確実に行うため、連絡状況欄にチェックする。
被害が「有り」の場合、備考欄に具体的な状況や被害の程度を記載する。
[BCP サブシート .xls] 3-1 従業員連絡リスト
*個人情報につき取扱には 大限注意すること**個人情報につき取扱には 大限注意すること*
組織名 名前 自宅電話 携帯電話 Eメール 住所 通勤手段 連絡 被害の有無 備考
1 ○○ ○○ 000-000-0000 090-0000-0000 ○県○市○区 ○-○ 乗用車/JR○○線 □済み □無し □有り
2 □済み □無し □有り
3 □済み □無し □有り
4 □済み □無し □有り
5 □済み □無し □有り
6 □済み □無し □有り
7 □済み □無し □有り
8 □済み □無し □有り
9 □済み □無し □有り
10 □済み □無し □有り
11 □済み □無し □有り
12 □済み □無し □有り
13 □済み □無し □有り
14 □済み □無し □有り
15 □済み □無し □有り
16 □済み □無し □有り
17 □済み □無し □有り
18 □済み □無し □有り
19 □済み □無し □有り
20 □済み □無し □有り
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3-2荷主企業連絡リスト
荷主企業への連絡や安否確認にあたっては、「荷主企業連絡リスト」を用いる。迅速かつ確実に行うため、連絡状況欄にチェックする。
被害が「有り」の場合、備考欄に具体的な状況や被害の程度を記載する。
重要度がA,Bランクの荷主企業について、重点的に実施する。
[BCP サブシート .xls] 3 -2 荷主企業連絡リスト
*個人情報につき取扱には 大限注意すること*
荷主名 部署名 担当者名 電話 FAX 携帯 Eメール 住所 重要度 連絡 被害の有無 備考
1 A製造㈱ 物流部 ○○ ○○ 000-000-0000 000-000-0000 090-0000-0000 ○県○市○区 ○-○ □A □B □C □済み □無し □有り
2 □A □B □C □済み □無し □有り
3 □A □B □C □済み □無し □有り
4 □A □B □C □済み □無し □有り
5 □A □B □C □済み □無し □有り
6 □A □B □C □済み □無し □有り
7 □A □B □C □済み □無し □有り
8 □A □B □C □済み □無し □有り
9 □A □B □C □済み □無し □有り
10 □A □B □C □済み □無し □有り
11 □A □B □C □済み □無し □有り
12 □A □B □C □済み □無し □有り
13 □A □B □C □済み □無し □有り
14 □A □B □C □済み □無し □有り
15 □A □B □C □済み □無し □有り
16 □A □B □C □済み □無し □有り
17 □A □B □C □済み □無し □有り
18 □A □B □C □済み □無し □有り
19 □A □B □C □済み □無し □有り
20 □A □B □C □済み □無し □有り
A:売上高が大きい主要荷主
B:A以外の主要荷主
C:その他の荷主
- 17 -
3-3協力運送会社連絡リスト
協力運送会社への連絡や安否確認にあたっては、「協力運送会社連絡リスト」を用いる。迅速かつ確実に行うため、連絡状況欄にチェ
ックする。
被害が「有り」の場合、備考欄に具体的な状況や被害の程度を記載する。
重要度がA,Bランクの協力運送会社について、重点的に実施する。
[BCP サブシート .xls] 3 -3 協力運送会社連絡リスト
*個人情報につき取扱には 大限注意すること*
協力運送会社名 部署名 担当者 電話 FAX 携帯 Eメール 住所 重要度 連絡 被害の有無 備考
1 △△運送㈱ ○○営業所 ○○ ○○ 00-0000-0000 00-0000-0000 090-0000-0000 ○県○市○区 ○-○ □A □B □C □済み □無し □有り
2 □A □B □C □済み □無し □有り
3 □A □B □C □済み □無し □有り
4 □A □B □C □済み □無し □有り
5 □A □B □C □済み □無し □有り
6 □A □B □C □済み □無し □有り
7 □A □B □C □済み □無し □有り
8 □A □B □C □済み □無し □有り
9 □A □B □C □済み □無し □有り
10 □A □B □C □済み □無し □有り
11 □A □B □C □済み □無し □有り
12 □A □B □C □済み □無し □有り
13 □A □B □C □済み □無し □有り
14 □A □B □C □済み □無し □有り
15 □A □B □C □済み □無し □有り
16 □A □B □C □済み □無し □有り
17 □A □B □C □済み □無し □有り
18 □A □B □C □済み □無し □有り
19 □A □B □C □済み □無し □有り
20 □A □B □C □済み □無し □有り
A:傭車台数が多い重要傭車先
B:A以外の主要傭車先
C:その他
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3-4その他緊急連絡リスト
関係機関に対する情報収集、連絡に用いる。
[BCP サブシート .xls] 3 -4 その他緊急連絡リスト
緊急連絡先名称 部署名 担当者 電話 FAX 携帯 Eメール 住所
1 行政(運輸支局)
2 行政(都道府県/市町村
3 トラック協会
4 消防
5 警察
6 病院
7 電気
8 ガス
9 水道
10 電話会社
11 携帯会社
12 銀行・金融機関
13 保険会社
14 IT/システム会社
15 税理士/会計士
16 SS/組合給油施設
17 自動車修理場
18
19
20
- 19 -
4.初動対応
事業継続のため、以下の内容で、避難、初期防災活動、被害状況の把握等の初動対応を
はかる。
4-1.BCP発動宣言
BCP 対策本部長 が BCP 発動宣言を行う。
前出:【2-1対策本部の組織と役割・担当、2-2.発動宣言と終了宣言】
4-2.避難
所定の避難場所まで、避難経路図を参考に移動する。
【避難経路図】
①一時避難場所
②広域避難場所
※複数事業所がある場合はそれごとに作成。当該地域のハザードマップを参考とすること。
- 20 -
4-3.人命救助と人的被害状況の把握
所定の担当チームを中心に、人命救助、負傷者の治療、従業員・その家族の安否確認、
二次災害の防止などを行う。安否確認については「従業員連絡リスト」を利用。
①人命救助、負傷者の治療、二次災害の防止
担当:人材管理チーム
参考資料:「防災手帳」
②従業員と家族の安否確認
担当:人材管理チーム
対象:内勤従業員、配送途上の運転者、従業員の家族
4-4.従業員の行動指針
①就業中(社内在所)の従業員の対応
1)身の安全の確保
2)家族の安否を確認し、人材管理チーム または 上司 へ報告
3)職場状況を確認し、物的被害に関する状況を 災害復旧チーム または 上司 に報告
4)人材管理チーム の指示に従い、非常持ち出し品を携行
5)人材管理チーム または 上司 の指示により社内待機もしくは帰宅、または避難所
へ避難
6)社内または避難集合所で点呼を行い、人材管理チーム または 上司 へ報告
②就業時間外、社外、外出先、運転途上等の対応
1)自身や家族等の安全を確保
2)安否状況を 人材管理チーム に報告
3)運転途上の場合、災害復旧チーム または 上司 に車両等の被害状況を報告、必要
に応じて避難所へ避難
③帰宅困難者対策
1)公共交通機関の途絶により帰宅できない従業員は、建物が安全ならば社内待機
2)人材管理チーム は帰宅困難者に非常時備蓄(食料、水、寝袋等)を提供
④出社判断
1)原則として全員が出社、出社不要の場合は会社から連絡
2)交通機関の途絶、ライフラインの寸断等の場合は自宅待機可
4-5.物的被害状況の把握
建物・設備・車両等の物的被害、通信システム、ライフライン等の状況を把握するとと
もに、復旧に向けた業務を推進する。「被害状況チェックシート」を用いて緊急点検を実
施(特に基本事項、30 分以内目途)。点検が終了したら直ちに BCP 対策本部長 に報告。
担当: 災害復旧チーム
- 21 -
[BCP サブシート.xls] 4-5 被害状況チェックシート
- 22 -
4-6.荷主企業との連絡
A,Bランクの荷主企業について、「荷主企業連絡リスト」を用い、被害状況、自社の
輸送可能状況、配送スケジュールの変更可能性、復旧の見込み、通常輸送ニーズ、緊急輸
送ニーズ等の情報収集を行う。
担当:営業・対外調整チーム
4-7.協力運送会社、燃料調達先等の仕入れ先との連絡
A,Bランクの協力運送会社について、「協力運送会社連絡リスト」を用い、被害状況、
提供可能車両台数、復旧の見込み等の情報収集を行う。
燃料について、その残量の確認を行うとともに、燃料調達先の営業状況、緊急時給油施
設の給油の見込み等の情報収集を行う。
担当:災害復旧チーム
4-8.関係行政、トラック協会との連絡
通行可能道路情報、緊急救援物資輸送ニーズ、燃料調達方法等の情報収集を行う。「そ
の他緊急連絡リスト」を用いる。
担当:営業・対外調整チーム
4-9.情報収集
自治体、マスコミ、インターネット等から地域の災害情報を収集する。
担当:営業・対外調整チーム
4-10.事業継続のための財務計画
被災状況に基づき、直ちに復旧のための費用の概算、資金繰りの状況把握等を行う。
担当:財務管理チーム
内容:支払期限到来の確認、運転資金の確保状況の確認、運転資金不足が見込まれる
場合の短期借入先との交渉、被災に係る復旧費用の積算、売上変動額の積算、
事業中断期間の損失(営業利益減)の積算、手持ち資金の積算、資金調達の是
非確認、資金調達先の候補、公的資金等の情報収集
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5.重要業務の継続対応と事前対策
5-1.重要業務と目標復旧時間
貨物自動車運送事業の重要業務である ①受注 ②運行管理 ③配送 については目標
復旧時間を3日以内( )とする。
④その他の業務を含む事業全体については目標復旧時間を7日以内( )とする。
なお、当面の目標復旧レベルは通常操業レベルの8割( )とする。
【留意点】
目標復旧時間は「これ以上業務が停止したり制限的であったりすると契約の継続性
が危ぶまれる」というタイムリミットです。取引先関係者も含め検討して下さい。
- 24 -
5-2.重要業務別にみたリスクの想定と対策
■リスクの想定と対策
重要業務に必要となる経営資源が利用できないリスク、重要業務が中断するリスク、及
びそれらの対策を確認したものは以下の通り。
このシートは各部署の検討結果をもとに、 BCP 対策本部 がとりまとめる。
[BCP サブシート.xls] 5-2 リスクの想定と対策
懐中電灯の備え付け。停電後復旧マニュアルの整備。 ○
長期間停電に備えて非常用電源(バッテリー)、無停電電源装置、自家発電機を設置(●台、●万円)。
○
平時に171(災害用伝言ダイヤル)の利用訓練。 ○
10円、100円硬貨の常時携帯(公衆電話用)。 ○
衛星電話購入(●万円)。 ○
衛星電話、災害用伝言ダイヤルの利用。PHSの併用。 ○
非常口、エレベータ、消火器などの点検。フロアレイアウト、ネットワーク構成図、屋内配線、各種マニュアルの整備。
○
A営業所に本社機能を仮移転。Aが使えない場合はB若しくはCを利用。
○
箇所別に修理・補修会社に依頼。 ○
転倒防止、耐震補強(工事費用●万円)。地震保険特約。
○
業務マニュアルの整備。経験者(他部署所属を含む)のリストアップ。
○
人員確保のため他部署に応援要請(●人)。 ○
業務マニュアルの整備。経験者(他部署所属を含む)のリストアップ。
○
人員確保のため他部署に応援要請(●人)。 ○
有資格者、経験者(他部署所属を含む)のリストアップ。フォーク、荷役機械が使えない場合は人力の可能性も検討。
○
人員確保のため他部署に応援要請(●人)。必要資格:大型●人、中型●人、フォーク●人
○
低3日間は運行できるだけの燃料備蓄と備蓄に係る規制の確認。
○
調達先を1社に絞り込まず常時複数社から仕入れる。 ○
緊急救援物資輸送に備えて災害対応型給油所の場所を確認しておく。
○
平時に乗り合い、徒歩等の予行演習を実施。 ○
乗り合い、徒歩・自転車による通勤。 ○
協力業者と非常時における協定を締結しておく。 ○
ディーラー、修理業者のリストアップ。 ○
傭車の手配。他の荷主で使っている車両の一時的な融通。
○
レンタカーの利用(事前届出の手続きが必要)。 ○
修理依頼または新規購入。 ○
地震保険特約。 ○
受注
運行管理
配送
その他
取り組み時期
発災後
対策
停電
燃料確保難(通勤用のガソリン)
○ ○ ○
通信途絶、利用難(電話、FAX、携帯電話、メール)
リスクの例
影響を受ける重要業務
対策
①経営資源が利用できないリスク
事前対策
○ ○ ○ ○
○
○
○
車両の故障、被害 ○
燃料確保難(業務用の軽油)
○
事務所の被害 ○
○
○ ○ ○
○
人的被害(営業経験者) ○
人的被害(運行管理資格保有者)
人的被害(ドライバー、フォーク運転者、荷役作業者)
○
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【留意点】
この表の「リスク」「対策」は、一般的な中小トラック運送事業者を想定して整理
しています。とくに「対策」の具体内容については、各社の実情にあわせて取捨選択、
または追加して下さい。
定期的なバックアップ、紙による出力。 ○
クラウドサービス等の利用。 ○
マニュアルの整備。 ○
メンテナンス業者のリストアップ。 ○
手作業による業務処理シミュレーションの実施。 ○
メンテナンス業者に復旧依頼。 ○
メンテナンス業者のリストアップ。地震保険特約。 ○
メンテナンス業者に復旧依頼。 ○
2階以上に設置(洪水)。 ○
機材メンテナンス業者のリストアップ、転倒防止策(●万円)。
○
ウイルス対策ソフトの導入。 ○
私有パソコンの借受リストの作成。 ○
一時的に社員の私有機材を借り受け。 ○
機材メンテナンス業者に復旧依頼。 ○
営業状況がブラックボックス化しないよう、荷主や協力業者などの関係者に安否連絡。情報交換。
○
荷主企業連絡リスト、協力業者連絡リストの整備。 ○
不通時の業務処理方法について、荷主と事前に取り決めを行う。
○
連絡中継地(遠方)を決めておく。 ○
法定の安全管理や検査ができない
○運輸支局、トラック協会に相談し猶予措置等の情報を収集。
○
道路交通網が寸断 ○迂回路を利用。走行距離の増加に伴うコスト増を見積もる。
○
輸送中の貨物が損傷 ○ 免責条項の確認。貨物保険加入。 ○
協力会社の車が使えない ○常時、複数の協力業者と取引しておく。協力業者と非常時における協定を締結しておく。
○
途中燃料切れで帰庫できないとき
○配送先近辺の緊急給油所を確認しておく。ドライバーのみ帰庫の場合(途中で車両を留め置く等)のルールを確認。
○
手持ち資金●カ月分確保。 ○
国や県の公的融資(つなぎ融資)等の制度活用を検討。
○
特定荷主企業の集中度を下げる(リスク分散)。 ○
荷主企業の復旧状況を随時確認する。トラック運送事業者の立場から復旧協力の提案を行う。
○
雇用調整助成金の活用を検討(事業活動の縮小を余儀なくされた場合)。
○
社屋、車両、設備の復旧のため再投資資金が必要
○国や県、トラック協会等の補助金、公的融資、税制優遇等の制度活用を検討。
○
荷主が被災して輸送する貨物がなくなった
○
売上がたたず、支払いが滞ったとき
○
①経営資源が利用できないリスク
○機械設備(フォークリフト、デジタコ、ALC)の故障、被害
○
事務機の故障、障害(パソコン、プリンター)
○ ○ ○
混乱により当社の営業状況が関係者に伝わっていない
リスクの例
影響を受ける重要業務
対策
②重要業務が中断するリスク
事前対策
受注
運行管理
配送
その他
取り組み時期
配送取引先、配送指示、経理等のデータ消失やサーバ、システムの障害
○
発災後
対策
- 26 -
■重要業務に係る資産の事前チェック
経営資源のメンテナンスや代替品の検討に際しては、「業務用資産チェックリスト」を
用い、製品名、メーカー、基本仕様、価格、必要数量、購入店、販売店などの情報を参考
に確認する。
なお、このシートは各部署の検討結果をもとに、 BCP 対策本部 がとりまとめる。
[BCP サブシート.xls] 5-2 業務用資産チェックリスト
■車両
車両については車両管理台帳をベースとし、これに価格、販売店などの情報を追加。
①車両番号 ⑤車検有効期限
②車体番号 ⑥保険会社の連絡先(自賠責、任意)
③メーカー、車種・型式 ⑦定期点検実施期日とその内訳
④購入・リース年月日 など
■車両以外の業務用資産・設備
製品名 (型式、バージョン )
メーカー名
仕様
ライセンス番号 シリアルナンバー
価格 円 必要数量
販売店 電話:FAX
メンテナンス 電話:FAX
製品名 (型式、バージョン )
メーカー名
仕様
ライセンス番号 シリアルナンバー
価格 円 必要数量
販売店 電話:FAX
メンテナンス 電話:FAX
製品名 (型式、バージョン )
メーカー名
仕様
ライセンス番号 シリアルナンバー
価格 円 必要数量
販売店 電話:FAX
メンテナンス 電話:FAX
- 27 -
5-3.事前対策
■データのバックアップ
担当部署 は、データ消失やシステム障害対策として、財務・会計、人事・労務、荷主
情報、輸配送業務等に係るバックアップが必要なデータを洗い出し、「バックアップリス
ト」を作成する。
担当部署 は、「バックアップリスト」に基づき、対象データを定めた頻度、タイミン
グでバックアップを行い、 BCP 対策本部 に提出する。
バックアップ方法、その保存場所は下記とする。
・バックアップ方法:(例)外付けハードディスク
・保存場所 :(例)事務所4階の耐火金庫、社長自宅の2階
[BCP サブシート.xls] 5-3 バックアップリスト
■非常用持ち出し、備蓄品のチェック
人材管理チーム は、非常時に必要な持ち出し・備蓄品を洗い出し、「非常用持ち出
し・備蓄品チェックリスト」を作成する。これに基づき、備蓄品について以下の項目の点
検を行う。
(定期的な点検項目)
・動作確認
・消費期限等を考慮し新しいものへの入れ替え
・保管場所の適切性
取扱部署 管理担当 文書名 ファイル名 保管場所頻度
タイミング機密レベル
(ABC)
1
2
3
4
5
6
7
8
9
10
機密レベル A:高い
B:中程度
C:低い
- 28 -
[BCP サブシート.xls] 5-3 持ち出し品リスト
確認時点 ( 年 月)
項 目備蓄数量の目安
【食料飲料関係】
□ 従業員分の水(飲料用・生活用、一人当たり一日3㍑目安)
□ 従業員分の食物(非腐敗性食品を少なくとも3日間分)
□ 缶切栓抜き、紙製やプラスチック製の食器、割り箸、なべ・水筒
□ カセットコンロ、ガスボンベ
【通信】
□ 携帯電話、衛星電話
□ ラジオ(乾電池型、手巻充電型)と予備乾電池
□ 懐中電燈と予備乾電池
□ 拡声器
□ 笛(救助を求めるためのもの)
【日用品】
□ 救急箱
□ 作業用防具類(ヘルメット、防塵マスク、アイガード、軍手、厚底靴など)
□ 衛生用具類(ウェットティッシュ、トイレットペーパー、マスクなど)
□ 蓋付きポリバケツ、ゴミ袋、ほうき
□ ビニールシート及びテープ(部屋を閉じるため)
□ ブルーシート
□ 簡易トイレ製品(または、トイレ用ビニール袋及びビニールテープ)
□ 工具類(ペンチ、ハンマー、遮断レンチ、シャベル、てこ用棒など)
□ 文具類(鉛筆、マジックペン(数色)、ノートなど)
□ カメラ、フィルム、予備乾電池(損害を記録するため。使い捨てカメラでもOK)
□ 毛布(可能ならば、簡易ベッドやマットなどもあるとよい)
【貴重品】
□ 現金(小銭含む)、キャッシュカード、クレジットカード
□ 預金通帳、キャッシュカード、印鑑
【重要書類】
□ 連絡先リスト(従業員、警察、消防等の公益事業会社などの緊急サービスなど)
□ 事業継続のための活動項目リスト
□ 地図、コンパス、ビル内フロアマップ
【個人用として】
□ 免許証などの身分証明書、健康保険証、年金手帳等
□ メガネ・コンタクト用品、洗面具、生理用品紙おむつ
□ 防寒具、使い捨てカイロ、衣料、タオル、雨具
□
【その他】
□
□
- 29 -
6.緊急救援物資輸送
緊急物資輸送は、営業・対外調整チームの指示により、緊急救援物資輸送の協力の可否
を判断し、実施する。
6-1.被災地内における緊急救援物資輸送
①稼働可能な車両の確認
被災地内での配送(全国から集まった救援物資を、物資集積所から被災地内の避難所や
他の物資集配拠点に運ぶ輸送)では、機動性のある 2 ㌧小型車両による配送が有効とされ
ているため、適合する車種の稼働可能台数を確認する。
②出動にあたっての準備
■燃料の確保
出動する車両の燃料を確保するため、トラック協会の本部や支部を通じて「被災地内で
稼働している燃料供給所」の情報を入手する。
■輸送ルートの確認
被災地(特に災害発生の初期段階)内の通行可能な輸送ルートの情報収集を行う。
■ドライバーに十分な携帯品を所持させる
被災地では、道路の渋滞などにより配送時間が長時間にわたる可能性があり、出動させ
る場合には、次の携帯品を準備して携帯させる。
・現金(公衆電話用の 10 円、100 円硬貨を含む)
・作業服(ヘルメット、軍手)
・作業靴、懐中電灯
・携帯食料品、飲料
・救急医療品
・携帯電話などの通信手段
・連絡リスト(社内、関係者等)
・その他必要なもの
③積み込みと配送
■送り状と受領印
物資集積所では、現地の責任者の指示に従って、必要な物資を迅速に積み込む。
輸送の正確さを期するため(後日の運賃精算にも必要)、できるだけ現地の責任者から
配送する物資の「送り状」を作成してもらい、配送先では「受領印」をもらう。
- 30 -
■緊急救援物資輸送ステッカー、横断幕の装着
出動車両には「緊急・救援輸送車両であることを識別する」ステッカーと証明書、都道
府県トラック協会独自の横断幕などが支給される。
トラック前面もしくは横側(荷台部)に、正しく装着する。
④注意事項
■輸送途中の情報連絡
被災地内の輸送途中での連絡のため、携帯電話(PHS携帯の併用)、公衆電話用硬貨
を所持させる。
■トラック協会等への報告
避難所などへの配送が終了したら、営業・対外調整チームは都道府県トラック協会の本
部・支部に完了報告を行う。
6-2.他地域にある被災地に向けての輸送
①稼働可能な車両の確認
他地域にある被災地に向けての輸送では、大量の荷物を運ぶことが多く 11 ㌧車など大
型車両が有効とされているため、適合する車種の稼働可能台数を確認する。
②出動にあたっての準備
■燃料の確保
長距離輸送となるため、出動する車両の燃料を満タンにする必要がある。また、復路の
ためにトラック協会の本部や支部を通じて、「被災地内で稼働している燃料供給所」の情
報を入手する。
■輸送ルートの確認
被災地(特に災害発生の初期段階)までの通行可能な輸送ルートの情報収集を行う。
■ドライバーに十分な携帯品を所持させる
被災地間の輸送では、輸送期間も数日以上になる可能性があり、出動させる場合には、
次のような携帯品を準備して携帯させる。
・下着、着替 ・携帯食料品、飲料
・懐中電灯 ・携帯電話などの通信手段
・緊急医薬品 ・連絡リスト(社内、関係者等)
・作業靴 ・その他必要なもの
・作業着(ヘルメット、軍手)
・現金(公衆電話用の 10 円、100 円硬貨を含む)
- 31 -
③積み込みと配送
■送り状と受領印
集合場所(都道府県の備蓄倉庫や庁舎等)では、都道府県やトラック協会の職員の指示
に従って、必要な物資を積み込む。また、輸送内容を確認しておく。
配送先への到着時には、責任者に、どこから運ばれてきた、どんな物資であるかを明確
に伝え、「受領印」をもらう。
■緊急・救援輸送ステッカー、横断幕の装着
出動車両には「緊急・救援輸送車両であることを識別する」ステッカーと証明書、都道
府県トラック協会独自の横断幕などが支給される。
トラック前面もしくは横側(荷台部)に、正しく装着する。
④注意事項
■輸送隊を編成する場合
長距離輸送で、輸送隊を編成して出動する場合は、途中で集合するサービスエリアなど
を決めて走行し、輸送隊を崩さないようにする。
■パトカーが先導する場合
パトカーや白バイの先導がある場合は、その指示に従う。
■輸送ルートの確認
被災地近くの輸送ルートの確認は、被災地都道府県の警察署や交通管理センターへの問
い合わせ、全日本トラック協会を通じて全国のトラックステーションで掲示する予定の輸
送ルート情報などを利用する。
■危険物を輸送する場合
燃料など危険物を輸送する場合は、横転や衝突による惨事を引き起こさないように十分
注意する(消火器の常備)。
■輸送途中の情報連絡
輸送途中での連絡のため、携帯電話(PHS携帯の併用)、公衆電話用硬貨を所持させ
る。
■トラック協会等への報告
避難所などへの配送が終了したら、営業・対外調整チームは都道府県トラック協会の本
部・支部に完了報告を行う。
- 32 -
7.復旧の記録
災害復旧チーム 、人材管理チーム 、営業・対外調整チーム 、財務管理チーム は、BCP
の発動宣言後に行った復旧の内容とそれに係る課題、生じた問題、代替策等を「復旧記録
シート」に記録する。
BCP対策本部 は、全体の復旧記録をとりまとめる。
[BCP サブシート.xls] 7 復旧記録シート
日付 時刻 復旧の内容 課題、問題、代替策等 担当者名
1 :
2 :
3 :
4 :
5 :
6 :
7 :
8 :
9 :
10 :
11 :
12 :
13 :
14 :
15 :
- 33 -
8.運用管理規定
8-1.配布と回収及び取扱の注意事項
・配布 :BCP は、個人情報や顧客情報等の機密情報を含むため、閲覧、所
持を認められた者に限る。所持を認められた者とは、原則として経
営者、対策本部の本部長、各チームリーダー、サブリーダー、メン
バーとする。また、配布方法は用紙に出力し、配布日時、配布番号
を記入した上で2部配布する。
・回収 :BCP 所持者は異動や退職などにより所持資格を失った場合には、
速やかに BCPを対策本部に返却する。
・取扱注意事項:配布された BCP は職場と家庭に1部づつ保管する。BCP には個人
情報や顧客情報を含むため秘密の保持できるよう 大限取扱に注意
する。
8-2.教育訓練
・BCP 教育は年に1回(○月)、定期的に行う。
BCP 訓練(防災訓練)は年に1回(○月)、定期的に行う。
BCP 訓練は協力運送業者にも連絡し、できる限り参加を要請する。
・管轄消防署にも連絡し、その指導を受けられるか確認する。
8-3.現状の点検と内容の見直し
・BCP 教育の時期に合わせて、「現状評価チェックシート」を用いて対応状況の点検
を行う。
・BCP の内容、対策本部の担当、各種の連絡リストは時間の経過と共に変化するた
め、変更が生じた都度、及び BCP 教育の時期に合わせて全体の見直しを行う。
- 34 -
[BCP サブシート.xls] 8-3 現状評価チェックシート
評価項目 未了 検討中 完了
1 緊急時の避難、誘導手順は示されているか
2 定期的に避難、誘導の実地訓練を行っているか
3 ボトムアップの安否確認の必要性を指導しているか
4 災害用伝言ダイヤルの利用訓練を行っているか
5 従業員全員が携行カードを作成し、携帯しているか
6 社屋が被災した場合の代替拠点(複数)を設けているか
7 緊急時の持ち出し品、備蓄品を備えているか
8 緊急時の連絡リスト(従業員、荷主企業、協力運送会社、行政等)を備えているか、更新しているか
9 何日以上運送サービスが停止すると経営に深刻な影響が出るかを想定しているか(リスクの想定)
10 重要業務(受注、運行管理、配送)の遂行に不可欠な人材が足りないときの代替要員はいるか
11 業務マニュアルは整備されているか(上記の代替要員のスムーズな活動のため)
12 重要なデータをバックアップしているか、同時被災のおそれのない所に保管しているか
13 重要な業務用資産、情報資産についてリストを備えているか、更新しているか
14 建物や設備の耐震、転倒、落下防止対策をしているか
15 荷主企業を分散させているか(集中リスクの回避)
16 燃料調達先から供給が停止した場合の代替先はあるか(集中リスクの回避)
17 燃料を備蓄しているか、備蓄に係る規制に対応しているか
18 荷主企業との間に、運送サービスが停止した場合の業務処理方法に係る事前取り決めはあるか
19 協力運送会社との間に、非常時における事前取り決めはあるか
20 定期的な教育訓練、BCPの内容見直しを行っているか
- 35 -
8-4.携行カード
・従業員は「携行カード」を作成・携帯する。
[BCP サブシート.xls] 8-4 携行カード
【留意点】
携行カードは、できるだけ破けにくい紙、水に強い紙(耐水紙)を利用しましょう。
記入する際は油性ボールペン等を利用するなど、水ににじまない工夫をしましょう。
自宅電話番号
会社名 家族
家族
※ このカードを取得された方は下記までご連絡下さい 家族
所在地 〒 家族
地域外に住む親戚
電話 FAX 社長
運行管理者・上司
社内緊急連絡網の連絡相手
上記不在時の連絡相手
荷主
荷主
荷主
トラック協会
給油所
修理工場
【災害用伝言ダイヤル 《171》 の使い方】
伝言の録音 171 → 1
伝言の再生 171 → 2
【携帯電話の災害用伝言板の使い方】
【連絡不通時等の主な行動ルール 】
※ 切り取って折りたたんで、定期や財布に収納
血液型
持病・アレルギー
かかりつけ医師
伝言板は大きな災害が発生した場合にケータイのネット上に緊急設置。
■■伝言の登録 登録 → メッセージ → 登録
■■伝言の確認 確認 → 電話番号 → 検索
就業時の避難場所
携行カード
緊急時の行動
被災自宅や被災地相手
側の電話番号を市外局
番からダイヤル
録音 1
再生 2
終了 9
自宅付近の避難場所
①外出・帰社途中: 寄り事業所又は 寄り避難所又は直帰 ②出社判
断:原則出社、交通機関マヒ、ライフライン寸断時は原則待機、BCP対策本部要
員は可能な限り出社 ③帰宅判断:交通機関マヒ、ライフライン寸断時は原則待
機、徒歩の場合は夜間や一人行動はしない
連絡先:電話(携帯)番号、メールアドレス等
本人情報氏名
対策本部へ
の報告事項自分や家族の安否、自分の居場所、車の状況、貨物の状況
事業所内
①安全確保 ②自身や同僚、家族の安否を会社に報告
③必要に応じ避難 ④BCP役割分担に沿った任務遂行
【BCP体制における自分の担当】
: :
運転中
①地震が発生したら車を止める(路肩など)、橋やトンネルは
通過 ②カーラジオで情報収集 ③路上に止める場合はエ
ンジンキーを付けたまま ④避難(津波のおそれがある場合
は高台) ⑤会社に連絡し指示を受ける ⑥車から出るとき
の持ち物は伝票類、車検証、ETCカード、軍手、タオル、懐中
電灯、携帯電話、小銭(公衆電話用)など、ドアロックしない
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中小トラック運送事業者のためのリスク対策ガイドブック
発行日 平成24年9月
発 行 公益社団法人全日本トラック協会
〒163-1519 東京都新宿区西新宿1-6-1 新宿エルタワー19階
TEL 03-5323-7109(代表) FAX 03-5323-7230
URL http://www.jta.or.jp/
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