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本日の内容
• 医療における指導者養成 – ADDIEモデル応用
• 症例検討会へのPDS応用 – PDS: performance development system
• ISDを応用した医療学生授業 – KellerのARCSモデル応用
25 December 2011 ISD for learning of health professionals 2
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私の体験:麻酔科医の社会貢献とは
• 2001年頃: – 麻酔科医として14年、このままでいいのか? – 麻酔科医は手術室に居ることが多い
• 病院組織・社会に別の貢献はないか? – 患者急変対応システムが必要 – 心肺蘇生術訓練を定期開催(2002年から)
• 心肺蘇生術訓練には指導者養成が重要
25 December 2011 ISD for learning of health professionals 3
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ICLSインストラクターへの道 (ICLS: 二次救命処置、Immediate Cardiopulmonary Life Support)
• インストラクター資格 – 1) ICLSコース終了→アシスタントで指導経験5回 – 2) ICLSコース終了→アシスタントで指導経験2回+指導者養成ワークショップ
• 特徴 – 1) コース終了でアシスタントインストラクター
• インストラクターの様々な役目のなかから,出来るもので参加(正統的周辺参加の例?)
– 2)指導者養成ワークショップは必須ではない • 指導経験だけでもインストラクターになれる
ISD for learning of health professionals 4 25 December 2011
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AHA インストラクターへの道 • AHA コアインストラクターコース
– 受講資格:AHA BLS/ACLS/PALS コース終了証 – 教材:AHA コアインストラクターコーステキスト
• AHA インストラクターコース – 受講資格:AHA コアインストラクターコース終了証 – 教材:AHA BLS/ACLS/PALS インストラクターキット
• 特徴 – 全てのインストラクターはコアインストラクターコースで学ぶ
ISD for learning of health professionals 5 25 December 2011
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ISD for learning of health professionals 6
AHAコアインストラクターコース (AHA: American Heart Association アメリカ心臓協会)
• AHA 心肺蘇生術インストラクターコース受講前のコース – 自習用DVDソフトウエア – オンライン双方向性プログラム
• 素晴らしい教材,プログラム – これは教育学プロの仕業に違いない
• テキスト裏表紙: – “このコースは,「ibstpiインストラクターコンピテンシー」に準拠している“
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ISD for learning of health professionals 7
ibstpi インストラクターコンピテンシー
ibstpi
• ibstpi:The International Board of Standards for Training, Performance and Instruction – 研修・職能・教育に関する国際標準委員会
– 教授システム学専門家が含まれる
• 18項目のコンピテンシー – 5つの領域に分類 – コンピテンシー毎に具体的記述
• 合計98記述
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ISD for learning of health professionals 8
専門的基礎 コンピテンシー 1:効果的なコミュニケーション コンピテンシー 2:自身の専門的知識とスキルの更新と改善 コンピテンシー 3:確立された倫理的/法的な標準への準拠 コンピテンシー 4:専門家としての信用の確立と維持 計画と準備 コンピテンシー 5:指導方法と教材の計画 コンピテンシー 6:指導のための準備。 指導方法と方略 コンピテンシー 7:学習者の動機付けと係り合い刺激の維持 コンピテンシー 8:効果的なプレゼンテーションスキルの実演 コンピテンシー 9:効果的な進行スキルの実演 コンピテンシー 10:効果的な質問スキルの実演 コンピテンシー 11:釈明とフィードバックの提供 コンピテンシー 12:知識とスキルの保持の促進 コンピテンシー 13:知識とスキルの伝達の促進 コンピテンシー 14:メディアとテクノロジーを活用した学習とパフォーマンスの促進 アセスメントと評価 コンピテンシー 15:学習とパフォーマンスのアセスメント コンピテンシー 16:指導効果の評価 管理 コンピテンシー 17:学習と実践を促進する環境の管理 コンピテンシー 18:テクノロジーを適切に使用して教授過程を管理する
ibstpi インストラクターコンピテンシー
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日本語でお読みになりたい方へ
• 論文「インストラクターコンピテンシーの医療者教育への応用」 – ibstpi インストラクターコンピテンシーの解説と応用提案
• 資料「ibstpi インストラクターコンピテンシー 第4章」 – 18項目の粗訳
9 ISD for learning of health professionals
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ISD for learning of health professionals 10
ibstpi インストラクターコンピテンシー
ibstpi
• ibstpi:The International Board of Standards for Training, Performance and Instruction – 研修・職能・教育に関する国際標準委員会
– 教授システム学専門家が含まれる
• 18項目のコンピテンシー – 5つの領域に分類 – コンピテンシー毎に具体的記述
• 合計98項目
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ISD for learning of health professionals 11
ADDIEモデル
• ID過程の5つの段階を頭文字で示したもの – Analyze :学習者の特性,教育内容を分析する – Design :目標を設定し,教授手段を決める – Develop:教材を作成する – Implement:実際に教授を行う – Evaluate:教材が目標達成を果たしたか評価する
A D I E D
分析 → 設計 → 開発 → 実施 → 評価
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ISD for learning of health professionals 12
専門的基礎 コンピテンシー 1:効果的なコミュニケーション コンピテンシー 2:自身の専門的知識とスキルの更新と改善 コンピテンシー 3:確立された倫理的/法的な標準への準拠 コンピテンシー 4:専門家としての信用の確立と維持 計画と準備 コンピテンシー 5:指導方法と教材の計画 コンピテンシー 6:指導のための準備。 指導方法と方略 コンピテンシー 7:学習者の動機付けと係り合い刺激の維持 コンピテンシー 8:効果的なプレゼンテーションスキルの実演 コンピテンシー 9:効果的な進行スキルの実演 コンピテンシー 10:効果的な質問スキルの実演 コンピテンシー 11:釈明とフィードバックの提供 コンピテンシー 12:知識とスキルの保持の促進 コンピテンシー 13:知識とスキルの伝達の促進 コンピテンシー 14:メディアとテクノロジーを活用した学習とパフォーマンスの促進 アセスメントと評価 コンピテンシー 15:学習とパフォーマンスのアセスメント コンピテンシー 16:指導効果の評価 管理 コンピテンシー 17:学習と実践を促進する環境の管理 コンピテンシー 18:テクノロジーを適切に使用して教授過程を管理する
インストラクターコンピテンシーとID A D I E D
分析 → 設計 → 開発 → 実施 → 評価
D
A
D
I
E
I
インストラクターコンピテンシーで
IDを実践
25 December 2011
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ISD for learning of health professionals 13
教授法は芸であり科学でないのか
医療の科学⇒ 医療行為の標準⇒
インストラクタの標準⇒ インストラクタの科学⇒
看護学,医科学、基礎医学 ガイドライン インストラクターコンピテンシー 教授システム学 (インストラクショナルデザイン)
医療での芸を科学へ
教授法の芸を科学へ
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指導者の教育根拠は? 指導者の最大のよりどころは 自分の学習者経験 例:習った先生の真似 次のよりどころは 自分が教えた経験からの知識 「教えたことがある」が,いつしか,「教え方を知っている」に
(47 章フィードバック363頁より)
医療者の教育に学習科学の応用が 強く求められている。
ISD for learning of health professionals 25 December 2011 14
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ISD for learning of health professionals 15
ID+ICに基づく医療人教育 適格(一人前)な医療人
インストラクターコンピテンシー(IC)の 習得/実践(研修中~指導者)
悩めるプリセプタ/指導医 プリセプティー/研修医 困った私道医
インストラクションデザイン(ID)の 理解/実践(卒業前)
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25 December 2011 ISD for learning of health professionals
プロフェッショナルとしての基礎 1. 効果的なコミュニケーションを行う。 2. 専門分野の知識やスキルを常に磨いておく。 3. 規定の倫理や法を順守する。 4. プロフェッショナルとしての信用を確立する。 企画と準備 5. インストラクションと方法と教材を企画準備する。 6. インストラクションに必要な具体的な準備をする。 方法と戦略 7. 受講者が意欲的に、集中して学べるように働きかける。 8. プレゼンテーションを効果的に行う。 9. ファシリテ-ションを効果的に行う。 10. タイミングよく的確に質問をする。 11. 明確な説明とフィードバックを与える。 12. 学んだ知識やスキルが持続するように働きかける。 13. 学んだ知識やスキルが実際に使えるように働きかける。 14. メディアやテクノロジーを使って学習効果を高める。 評価 15. 学習成果とその実用性を評価する。 16. インストラクションの効果を評価する。 マネジメント 17.学習効率と学んだことの実践を促進する環境を維持する。 18.適切なテクノロジーを使って、インストラクションのプロセスを管理する。
医療者学習ファシリテータ基本コースでの ibspti インストラクターコンピテンシー項目
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25 December 2011 ISD for learning of health professionals
プロフェッショナルとしての基礎 1. 効果的なコミュニケーションを行う。 2. 専門分野の知識やスキルを常に磨いておく。 3. 規定の倫理や法を順守する。 4. プロフェッショナルとしての信用を確立する。 企画と準備 5. インストラクションと方法と教材を企画準備する。 6. インストラクションに必要な具体的な準備をする。 方法と戦略 7. 受講者が意欲的に、集中して学べるように働きかける。 8. プレゼンテーションを効果的に行う。 9. ファシリテ-ションを効果的に行う。 10. タイミングよく的確に質問をする。 11. 明確な説明とフィードバックを与える。 12. 学んだ知識やスキルが持続するように働きかける。 13. 学んだ知識やスキルが実際に使えるように働きかける。 14. メディアやテクノロジーを使って学習効果を高める。 評価 15. 学習成果とその実用性を評価する。 16. インストラクションの効果を評価する。 マネジメント 17.学習効率と学んだことの実践を促進する環境を維持する。 18.適切なテクノロジーを使って、インストラクションのプロセスを管理する。
医療者学習ファシリテータ応用コースでの ibstpi インストラクターコンピテンシー項目
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医療者学習ファシリテータ コース案
• 医療者学習ファシリテータ基本コース – 目標:インストラクタ/院内研修指導者養成 – 中心内容:
• ibstpiインストラクターコンピテンシー1,7,11など
• 医療者学習ファシリテータ応用コース – 目標:ファシリテータ/院内学習管理者養成 – 中心内容
• ibstpiインストラクターコンピテンシー1,9,10など
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医療者学習ファシリテータ養成コース 実施例
• 対象:国家公務員共済組合連合会病院 • コース試行版呈示
– 2010年10月1日、共済医学会(札幌市)
• グループ病院でのコース実施 – 2011年1月20-21日、呉共済病院 – 2011年7月28-29日、札幌共済病院
ISD for learning of health professionals 19 25 December 2011
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小まとめ1
• ibstpi インストラクターコンピテンシーとの遭遇 – 心肺蘇生術指導者養成の根拠探求中に
• ISDを基盤にした医療学習支援者養成 – ibstpiインストラクターコンピテンシー応用
25 December 2011 ISD for learning of health professionals 20
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症例検討会へのPDS応用 (PDS: PERFORMANCE DEVELOPMENT SYSTEM)
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【背景】症例検討会が機能不全
• 症例検討会とは、 – 体験した患者・症例を振り返り、改善を図る
• 症例検討会のモンダイ – 通常、「失敗を反省」→辛い雰囲気(低い魅力) – 当事者、職種間の責めに至ることも
• その場を去る者が発生する可能性もあり
– 結論は、ほとんど「より高い知識・技術を訓練!」
25 December 2011 ISD for learning of health professionals 22
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症例検討会にパラダイムシフトを • 改善すべき理由)現在の症例検討会では、
– 辛い学びは効果が低い – 医療チーム作り逆効果 – 訓練だけでは、パフォーマンスは改善しない
• 症例検討会→効果的・効率的・魅力的学習の場に変えたい
• 症例検討会にISDを応用 – 特に、PDS (keller)は有効では? – 「HOW TO LINK ISD and HRD TO ORGANIZATIONAL
NEEDS」 – http://isd-resource-space.wikispaces.com/file/view/How+to+Link+HRD+to+Organizational+Needs.pdf
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PDS概略
組織の 使命、目標
組織の 実際、問題
ギャップ
実践分析 (理想と現実の差)
原因分析
解決策
評価改善
25 December 2011 24 ISD for learning of health professionals
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従来の症例検討会の例
• 患者名、年齢、性別 • 疾患名、経過(軽快、死亡など) • 経過中の問題点抽出
– 診断、治療、経過観察などでの出来事列挙 – 過ち、無知、失敗の対策検討
• 「次は、気をつけて」で終了 – 時には、◎◎訓練・講義を企画
25 December 2011 ISD for learning of health professionals 25
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PDS応用した症例検討会1
• 症例の呈示 • この症例に関わる、国際標準、組織内規定の医療水準を抽出 – ◎◎の治療ガイドライン – 「理想状態」が明文化されていなことも
• 実際の医療実践と上記水準とのギャップを明確にする – 入院期間が標準よりも1週間長かった
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PDS応用した症例検討会1
• 症例の呈示 • この症例に関わる、国際標準、組織内規定の医療水準を抽出 – 例)◎◎の治療ガイドライン – 「理想状態」が明文化されていなことも
• 実際の医療実践と上記水準とのギャップを明確にする – 例)入院期間が標準よりも1週間長かった – 良く出来ている点も抽出
25 December 2011 ISD for learning of health professionals 27
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PDS応用した症例検討会2
• 原因分析(何が足りない?) – 技能・知識:例)体液不足を検知する技能 – 報酬: – 動機付け:パフォーマンス改善効果を認識させる – 環境:例)外部で学んだ知識を活かせない環境
• 原因分類毎に解決策を検討
25 December 2011 ISD for learning of health professionals 28
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PDS:原因別解決策
原因 • 知識・技能不足
• 環境の問題
• 適切な報酬
• 動機
解決策 • 訓練、業務支援、学習シス
テム • 業務の再構築、職場改善
• 卓越を認める、実践に応じ
た昇進、報償の仕組み • 自律や責任感の増強、自
信をつけさせる(認める)
25 December 2011 29 ISD for learning of health professionals
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小まとめ2
• 医療現場での「症例検討会」が機能不全 – 辛い反省会 – 個人・職種攻撃 – チームワーク形成への悪影響、離職増加
• 症例検討会にPDSを応用 – 訓練だけで改善しない問題へ対応
25 December 2011 ISD for learning of health professionals 30
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ISDを応用した医療学生授業
25 December 2011 ISD for learning of health professionals 31
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【背景1】医学部学生の目標設定での 理想と現実
• 【理想】 – 科学的根拠に基づく臨床実践者になる – 患者安全な医療実践者になる – 医科学の研究者になる – 医療行政者になる
• 【現実】 – 医師国家試験合格
• 試験合格率が減少し、古典授業へ変更した大学あり • 国家試験合格が減少すると大学補助金削減もあり
25 December 2011 ISD for learning of health professionals 32
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【背景2】医学部授業の問題点
• 授業が機能していない – シラバスは無い。有っても機能せず。 – 出席して学習が成立する学生が少ない
• 出席が少ない • 出席しても居眠り、私語 • 「国試合格に授業は不要」と、感じる学生多数
– 講師のモンダイも多要素あり • 古典的講義 • PBL (Problem Based)
• 医学部授業に改革が必要
25 December 2011 ISD for learning of health professionals 33
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医学部授業をISDで改善
• ADDIEモデル応用 – A: 授業内容の工夫 – D & D: Classroom response systemと携帯端末集計システムを応用。
– I: 授業で講義を避ける – E: 授業後、携帯端末集計システムで知識習得確認と授業評価
• カークパトリックレベル3を確認 – 自律的参加形式の学習会開設
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授業前約2週間
• 主任教授より、麻酔科系統講義の第1回目を担当するよう指示
• この授業の機能を考察 – 麻酔科関連医療・医学の導入 – 卒業(初期研修)までの学生(研修医)の在り方への影響
• 授業準備 – 授業での話題を学生に呈示(電子メール) – 学生の興味・関心項目を投票(携帯集計システム)
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麻酔科関連 医学生の卒業前ゴール
• 【試験合格】 – OSCE、卒業試験、医師国家試験
• 【医療者の基本を身につける】 – 病態生理の理解 – 基本技術習得 – 患者安全 – 科学とはなにか – 医療者学習、継続学習、卒前卒後教育連携
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【試験合格】の話題例
• 国家試験既出問題を抽出 • 麻酔科関連問題を解説
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【病態生理】の話題例
• 血圧の意味は?どこまで下がって良い? • 脈拍数、少ない、多い場合の病態と対応 • 酸素はどれほど必要か? • 血液ガスデータは何から読むか? • 輸液選択の基本 • 疼痛管理の基本 • 赤血球輸血はいつ始めるか?
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携帯集計システム
• 開発元:木村情報技術社 – http://www.k-
idea.jp/company/syuukeitai.html
• アクセスサイトとQRコード呈示 – http://mana.3esys.jp/tju/1/
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集計結果1
• 生理学、試験対策が上位だった
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issu
es
0 20 40 60
examination
physiology
patient safety
science
learning
vote
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集計結果2
• 病態・生理学の話題では「徐脈・頻脈の病態と対応」と「疼痛管理の基本」が上位だった。 – 疼痛管理は別時限に授業があるので今回は触れず
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vote
issu
es
0 10 20 30 40 50
blood pressure
bradycardia & tachycardia
oxygen needs
blood gas analysis
infusion
red blood cell transfusion
pain management
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集計結果に基づく授業計画
• 主な内容 – 徐脈・頻脈の病態と対応 – 国家試験既出問題 – 学ぶ意義
• 学習方法 – 少人数グループディスカッション
• なるべく、講義はしない
– Classroom response system応用
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授業当日の躓き
• 例年からの予想よりも、出席者数が多かった – 自前の3e-analyzerは20組しかなく、使用できず
• http://www.k-idea.jp/3e/analyzer/index.html
• 教室で携帯端末電波が弱かった – シュウケイタイ利用出来ず
• 居眠りが1名
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授業後アンケート
• 目的 – 授業での学習内容理解
• 国家試験既出問題を出題
– 授業の印象を得る
• 回答数:約30名 – アクセス途中で切断例があり、正確な数字不明
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授業後アンケート回答1
• 問)今回の授業で印象に残ったのはなにか? – 一方的でない授業-----8.51% – 考える授業-----40.43% – 生理学の重要性-----23.40% – 患者安全の重要性-----7.45% – 日本の医師国家試験のみを目指すことの危うさ--
---20.21%
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授業後アンケート回答2
• 問)今回の授業で改善すべき点は? – 得られた知識量が少ない-----12.50% – 授業の資料が不適切----- 10.71% – よく理解できなかった----- 3.57% – 時間が長く感じられた----- 1.79% – 特に改善点は思いつかない----- 71.43%
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授業後アンケート回答3
• 問)今回の授業後、あなたの気持ち・態度は? – つまらなかった-----1.72% – 何も変わらない----- 17.24% – 学習に意欲が出た----- 60.34% – このような授業を、他の先生にもやって欲しい-----
20.69%
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まとめ:授業のデザイン
• 授業の準備 – メールでの授業内容通知 – 携帯集計システムでの授業内容希望投票
• 授業 – 授業内容選択投票結果に基づく授業 – 少人数グループディスカッション主体の授業
• 授業後 – 携帯集計システムでの授業内容知識獲得確認 – 携帯集計システムでの授業後意識調査
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授業後、自発学習の場を提供
• 「臨床につながる生理学」学習会の開設 • 要領
– 週1回、19時頃から90分間程度 – 曜日不定期 – 開催予定はメーリングリストで通知 – テキスト: “principles of physiology for anaesthetists,
2nd ed” • 第1, 2回学習会 開催
– 12月1, 12日 19時から20時過ぎまで – 参加者 約20名(ほとんど4年生)
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「臨床につながる生理学」 学習会後、学生からのメール
• 私は暗に暗記が推奨されている医学部の勉強に途中嫌気がさしてしまい・・・
• 講義もろくに出ていませんでしたし。 • しかし来年4年生で臨床医学を学ぶことを考えたとき、生理学からきちんと結び付けられればどんなに楽しいことだろう、と考えておりました。
• 先生の学習会で暗記ではなく活きた医学を学ぶ姿勢を身につけたいと考えております。
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考察1:携帯集計システムの効果
• この授業での知見 – 学生の動機づけ
• 授業前、授業内容選択に学生の約70%が投票
– 学習効果の確認 • 授業中、理解度確認の投票 • 授業後、クイズ(試験問題)に投票
• 今後の発展性 – ユビキタス授業の可能性
• 教室に来なくても、授業に参加可能
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考察2:対面型授業の機能
• この授業で確認できた機能 – 授業で情報・知識を得る機能は低下
• 求められるのは、授業でしか得られない情報
– 学びの意欲を起こす機能が重要では? • 今回は、課外学習会に学生が参加
• 今後の展開 • 協同作業志向型授業
– Team-based Learning, ワークショップ
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今後の課題
• 携帯端末でインターネットアクセスが出来ない学生への配慮が必要 – 電子メールでの連絡、資料郵送
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小まとめ3
• Classroom Response Systemが授業を変える可能性あり – 授業前:授業内容の希望調査、予習問題提示 – 授業中:学生の反応・理解度把握(今回出来ず) – 授業後:学習発生確認、意欲変化把握
• 効果的・効率的・魅力的な学習の場の追求を – 授業の機能は、学びの魅力、意欲、協同作業を起こす場
• 情報伝達の役目は少ない
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Take Home Messages
• 医療者の学習にISDを応用 – 学生の授業:動機づけモデル – 現場での医療事例の振り返り:PDS – 医療者学習支援者の養成:ADDIEモデル
• 医療には目標と評価の応用促進が重要 – 目標不明確な教育が多い – 評価方略を持たない訓練・改善が多い
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