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隙間時間観光経路作成支援システムの開発に関する研究
Development of interactive recommendation
system for time constrained tour planning
複合情報学専攻
調和系工学研究室
丸山加奈
時間制約の中で評価値の総和が最大となる観光スポット集合を訪問観光スポットとする手法[丸山敦史, 2004][松田,2005][倉田,2000]
→ユーザとの対話により観光経路作成
様々な要因を考慮した観光経路作成が困難
背景
観光経路作成支援
複雑系 複数の要因により系としての振る舞いが決定
ある対象地域に属する観光スポットの中から,
ユーザの様々な要因(時間制約,組合せ,優先度,置かれた状況) を考慮した訪問観光スポットと訪問順番の決定支援
実用的な観光経路作成支援システムを設計・構築
目的 • 観光経路作成支援システムの開発に関する基礎研究
– 対話的観光経路作成法の提案
– システムの設計・実装・評価
観光経路作成支援システムのフレームワークを提示
実際のシステム開発に貢献
朝6時から2時間で
ホテル近辺の観光したい.
出張,旅行において・・・
・時間制約のある観光
隙間時間観光
アプローチ
• 要求仕様を定義
• システム構成
• データベース
• 観光経路作成
• システム評価
要求仕様
• 機能的要求仕様 – 観光経路作成機能
• 観光スポット検索
• 訪問希望観光スポット集合の 選択支援
• 訪問希望観光スポット集合の 巡回経路計算
– 入出力管理機能
• 地図
– データ管理機能
• 観光スポットデータ
• 経路データ
• 履歴データ
• 非機能的要求仕様 – 計算時間は10秒以内
– 画面遷移回数は0
アプリケーション
インターフェース
データベース
システム構成
DBサーバ (PostgreSQL)
Webサーバ(Apache)
画面生成
モジュール Ajax
Google Maps
API
観光経路作成
モジュール(C++)
コア
モジュール (PHP)
データベース アプリケーション インターフェース
出発地/到着地
出発時刻/到着時刻
訪問希望観光スポット集合
エンレイソウ
札幌駅
30分
15分
25分
お勧め観光スポット
観光経路
スケジュール
15分増加
10分減少
入力
※出力結果を基に,
訪問希望観光スポット集合を変更
出力
ポプラ並木
id
位置(緯度,経度) デフォルトの滞在時間
評価値
名前
定休日
開店,閉店時刻
説明
写真
費用
住所
カテゴリ(自然,歴史など)
データベース:観光スポットデータ
※17つの属性を採用
モデルバーン
4/29~11/3(第4月曜を除く)
7:00~18:00
(公開時刻 10:00~16:00)
無料
北海道札幌市北区北18西8
北海道大学構内 e-mail:なし
クラーク博士自身の発想と指導により明治10年に建設された模範家畜房です.昭和44年に国の重要文化財に指定されています.
カテゴリ:歴史 表示例 属性
データ例
データベース:経路データ
属性
データ保存形式
spot1
spot2
距離
経路
データ保存方法
Dijkstra法により
最短経路とその距離を計算
緯度,経度から
道路の直線距離を計算
※計算コストを削減
LINESTRING(141.3467 43.0709,141.3471 43.0710, 141.3481 43.0709)
最短経路をGISオブジェクトとして保存
対話的な観光経路作成法
1. に基づき最適化を行い, を得る
2. の場合(巡回時間>隙間時間)
3. からk 箇所削除した全ての 列挙
4. 全 に関して を計算し, をユーザへ提示
5. ある が選択されれば 後1へ,
選択されなければ終了
U optP
TC opt )(P
'UU
'U opt'P
'U
|)'()(| optopt CC PP
UU '
訪問希望観光スポット集合 隙間時間
の最短巡回経路
の巡回時間 optP
optP )( optC P
U
U
T
対話的な観光経路作成法
1. に基づき最適化を行い, を得る
2. の場合(巡回時間<隙間時間)
3. からk 箇所追加してできる全ての を列挙
4. 全 に関して を計算し, をユーザへ提示
5. ある が選択されれば 後1へ,
選択されなければ終了
U optP
TC opt )(P
'UU
'U opt'P
'U
|)'()(| optopt CC PP
UU '
訪問希望観光スポット集合 隙間時間
の最短巡回経路
の巡回時間 optP
optP )( optC P
U
U
T
実験システムとその評価
• 実際の観光地への適用
– 北大キャンパスをテストベッドとして実装
• 計算実験によるシステムの性能評価
– 最適化の計算に必要な時間コストについて検証する
• グループインタビューによるシステム評価
– 利便性についてのアンケート調査
実験システムの設定
観光スポット集合 D
実際に北大キャンパスを
調査し35箇所を採用 クラーク像、ポプラ並木、イチョウ並木など
拠点集合 S 北大キャンパスへの出入り口14箇所を採用
移動速度[m/s] 歩行速度0.8 v
北大キャンパスの設定
ユーザの設定
0
50
100
150
1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11
訪問希望観光スポット数|U|
計算時間[s]
最短巡回路計算
計算実験によるシステムの性能評価 最短巡回経路計算に要する計算時間 実験方法
計算機環境
CPU Clock Pentium4 1800MHz
Main Memory 256MB
最短巡回経路計算に要する計算時間
0
50
100
150
1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11
訪問希望観光スポット数|U|
計算時間[s]
最短巡回路計算
2時間で
訪問可能な観光スポット数9箇所
計算実験によるシステムの性能評価 実験方法
計算機環境
CPU Clock Pentium4 1800MHz
Main Memory 256MB
要求仕様での計算時間制約10[s]
0
50
100
150
200
250
1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11訪問希望観光スポット数|U|
計算時間[s]
最短巡回路計算
削除計算
追加計算
計算実験によるシステムの性能評価 追加削除のときの計算時間 実験方法
に追加削除して を求める U 'U 1|||'| UU
計算機環境
CPU Clock Pentium4 1800MHz
Main Memory 256MB
計算時間制約10[s]
2時間
ユーザによるシステム評価
コンセプト 隙間時間での観光は今後需要が出てくると考えられるため,それを対象とした観光経路作成支援システムは魅力的である.
入力時の操作性 操作方法や操作手順を明示的にする必要がある.現在は目的地を全てユーザが選択する必要があるが,基準となる観光経路を基に修正を行いながら観光経路を作成する方がユーザに親切である.
出力結果の
分かりやすさ 地図上に経路が表示され,どの観光スポットをどのようなスケジュールで周るかを視覚的にみることができるためわかりやすい.
6名のユーザ(学生2名と観光業界に関る社会人4名)による評価
システムの利便性を調査 実験目的
実験設定
デモンストレーション
まとめ • 対話的な観光経路作成を行うためにモデル化を行い, 対話的観光経路作成手順を提案した
• 観光経路作成支援システムを開発するためのフレームワークを提案した
• 今後は,さらに多くの観光地への適用に向けヒューリスティックを用い観光経路作成の計算時間を改善する予定である
丸山 加奈, 山本 雅人, 大内 東:Trip Plannning Systemの設計に関する研究,
観光情報学会第3回全国大会, 函館, (2006)
丸山 加奈, 山本 雅人, 大内 東:観光経路作成支援システムの提案と北大キャンパスへの適用に関する基礎研究,
第22回ファジィシステムシンポジウム講演論文概要集, 札幌, pp. 90 (2006)
丸山 加奈, 山本 雅人, 大内 東:ユーザの時間制約と嗜好を考慮した
観光情報提供システム構築,観光情報学会第3回全国大会, 新潟, (2007)
丸山 加奈, 山本 雅人, 大内 東:観光経路作成支援における代替観光経路の提案手法,
, FIT2007 第6回情報科学技術フォーラム講演論文集, 愛知, A-002(2007)
業績