「実践ダイレクト・マーケティング」〜世界一ダイレクト・マーケティングに
詳しい男が教える短期間で高収入を生み出す事業の作り方〜
ドレートン・バード
著者ドレートン・バードについて
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コピーライター、クリエイティブ・ディレクターとして、また近年では世界最大のダイレクトマーケティング・ネットワーク「オグルヴィ・アンド・メイザー・ダイレクト」の副会長兼
クリエイティブ・ディレクターとして45年以上の経験を持つ。現在は、大小に関わらず、ダイレクトマーケティングその他のマーケティング活動を扱う「ドレートン・バード・
パートナーシップ」の会長。世界的に名高い講演者であり、コラムニストでもある。
またベストセラーとなった『CommonsenseDirectMarketing(良識あるダイレクトマーケティング)』、『MarketinginsightsandOutrages(マーケティングへの洞察と憤怒)』(いずれもコーガン・ページ社刊)の著者でもある。
このレッスンで学ぶこと
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●ダイレクト・マーケティングの全てがわかる●反応率が高いセールスレターが書ける●今日からダイレクト・マーケティングをすぐに実践できる
実践ダイレクト・マーケティングの法則その1
「売り込みの必要をなくす」
ダイレクト・マーケティングの定義
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ダイレクト・マーケティングとは?企業及び個人の見込み客、あるいは顧客とダイレクトな関係を築き、それを利用するあらゆる宣伝活動
“広告”(Advertising)
通常、個人ではなく、社会全体に向けて発信する。現在では大部分の広告が、ウェブサイトへの誘導などの方法で、受け取った人からの反応を受け付けているが、一般的に広告は特に直接の反応を狙ったものではない。消費者に影響を与え、消費者が決断をする際―たとえば買い物など―に、自分たちのブランドを選んでもらうことを意図している。
販売促進”(Salespromotion)
普通店頭での行動を左右しようとしている。ダイレクトマーケティングと同じ手法を使うことが多い。また名簿も発生する。しかし、データベースの可能性を最大限に活用し、反応した人と持続的な関係を築くために努力を続けることはまれである。
“広報”(Publicrelations)
他社が管理しているメディアを利用して好意的な世論を作ろうとするものである。ここでも、たとえば社説への反響などのデータベースを構築することがあり、非常に質の高いものができることが多い。
パッケージ”(Packaging)
製品を守ると同時に関心を引く。また自社の製品に対する人びとの信頼を強めたり、再確認させたり、何かを提案したり、安価に名前を集め、データベースを作ったりすることができる。
経験価値マーケティンク◌゙”(Experientialmarketing)
かつてイベントと呼んでいたものにファッショナブルな名前を付けたもので、明らかに関係を構築するための機会を作るものだが、実際に関係が構築されることはあまりない。
ダイレクト・
マーケティングは、顧客に
「行動の依頼」をすること
HPが送ったダイレクト・メールの内容
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HP(ヒューレッド・パッカード)が送った販促メールには、企業経営者の興味をそそる内容が書かれていた
To:●●●●
ゲーテ、チャーチル、
アインシュタインなど
有名人が語った言葉の中であなたの座右の銘を教えてください!
行動の依頼
有名企業の最上級幹部にメール
反応行動
メルセデスベンツの会長が興味を持ち、メールに返信をした
メルセデスベンツの会長
これは、面白い!
エクササイズ
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あなたのセールスレターは、行動を促すように書かれていますか?
実践ダイレクト・マーケティングの法則その2
「区別する、関係を持続する、測定できる」
ダイレクト・マーケティングの魅力
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個人を区別する
関係を持続する
測定ができる
誰かを“個人として区別する”と、自動的に彼らを他の個人と隔てているものを発見することになる。彼らに特有の性質は何か?そうして相手について手に入れた知識や相手との関係を使って個人としての彼らに話しかけることによって、個人個人により関係の深いアピールの仕方ができるようになる。
相手がより興味を持ちそうなタイミングで相手が興味を持ちそうな製品やサービスを勧めることによって、“持続的な関係を築ける”ことである。そしてほとんどのビジネスにおいて最も費用がかかるのは顧客の獲得であることから、顧客との関係は長続きすればするほど良いということになる。それは関係構築にかかっている。
特定のメディアに特定の時期に掲載した特定のメッセージに対して特定の個人がどのような反応をしたかを測定することができる。何が効果的で何が効果的でないかを知るだけでなく、そこからさらにテストを行って、活動の効果を継続的に改善可能である。それは、最も効果のあるものに投資することにつながるのだ。
実践ダイレクト・マーケティングの法則その3
「見込み客に、コンタクトを取り続けろ」
コンタクトは1回で終わらせるな
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上得意先
関心の高い見込み客
見込み客
リスト取得&重複排除
ダイレクトマーケティング・
テレマーケティングの実践
購入
ダイレクトマーケティング・
テレマーケティングの
フォローアップ
ダイレクトマーケティング・
テレマーケティングの
フォローアップ
1週間後
2週間後
購入
購入
マーケティング・コミュニケーション計画
期間を変更する
価格を下げる
無料試用を提案フォローを続ける
実践ダイレクト・マーケティングの法則その4
「リストの価値を高めよ」
リストの価値を高める12の基準
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1あなたの顧客か、他社の顧客か?
もし他社の顧客なら、より良い反応を得るために、名簿の持ち主を説得してあなたの製品
の推薦状を書いてもらい、ダイレクトメールと一緒に送る方法がある。
7現金か、信用払いか?
現金購入者は、分割
払い購入者より利益が上がるだろう。しかし、クレジッカード購入者
のほうが現金購入者よりいい。そしてチャージカード購入者はクレシ
◌゙ットカード購入者よりさらにいい。
2取引1回当たりいくら使ったか?
明らかに1000ポンド買った人は10ポンド買った人より利益の上がる見込み客になる可能性が高い。同様に、相手に連絡を取る際には、それぞれに合わせ
た口調を使うことになる。
8購入か?問い合わせか?購入者のほうが質問
者よりいい。しかし、外部の名簿を借りる場合などでは、質問者のほうが効果的なこともある。
9ビジネス関係を築いた人びとの名簿か?
電話帳などの印刷され
た記録から作られた名簿か?すでにどこかで取引したことのある人
の名簿なら、その関係に言及してアプローチすることができる。
3最近購入したか?
最近購入したばかりの人は、他の人より可
能性が高い。ある企業では、購入から6週間経過した顧客に送って
も効果がなかったダイレクトメールを、購入したばかりの顧客に送っ
たところ、大成功を収めたことがあった。
10他人の取引先リスト場合は似た顧客を探す
年齢、社会経済学的
背景、企業間取引の場合は会社を比べる。同様の製品の購入がないかもチェック。
最高のリストは、自社と似通った製品を購入
したことのある人たちのリスト。
11どのくらい頻繁に郵送に使われているか?
最高のリストは頻繁に郵送に使われているリスト。顧客がオファーに対して反応するのが習
慣になるからだ。もし過去6カ月に一度しか使われなかったリストは使えない。
4頻繁に購入しているか?
頻繁であるかも重要で
ある。実際にデータヘ◌゙ースから名簿を選ぶ際に、大きな違いにつながる3つの要素(正確さを除く)は、最近であること、頻繁であること、そして購入額なのだ。
5名簿の新しさ
引越しや転職をする人も多い。古くなったデー
タは刷新の必要がある。企業間ビジネスの名簿は、特にお粗末な
ことがある。非常に評判のある情報源から得た名簿だったのに、50%が正確ではなかったということもある。
6メールオーダーする人? しない人?
小売業者の購入者名
簿や懸賞応募者名簿では、メールオーダー購入者のリストほど効
果が上がらない可能性も。同じ原則が、オンライン購入者にも当てはまる。
12 肩書きの記載はあるか?
リストによっては企業名しか書かれていないこともある。不正確と思われる人物名が掲載されてい
るものでお茶を濁すより、肩書きが書かれた
ものを探すほうがいい。
エクササイズ
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●顧客情報をデータベース化しているか確認してみましょう。
・顧客と接触するあらゆる人に、名前と住所を記録させる。電話オペレーター、ショールームの受け付け、苦情受付係、サービス係、営業担当者、マーケティング担当者。・小売店舗や代理店、販売業者のチェーンがある場合には、そこでも同じことをしてもらう。・保証を提供しているか?その場合は名前と住所をファイルに入力する。・過去の記録はどうなっているだろうか?発送した伝票、過去の顧客(逃してしまった顧客は、“最高の”見込み客の一種である)、過去の問い合わせ。・見本市やショーに出展しているか?そこでも名前を集める。・コンテストはどうだろうか?参加者の名前は常に記録しておく。
実践ダイレクト・マーケティングの法則その5
「AIDAもしくはAIDCAの法則に従って書く」
公式AID(P)(C)A法で書く
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「冒頭」で読み手の注意(attention)を引き、読む気にさせる。「説明」と「描写」で、読み手が頭の中で商品が想像できるようにし、興味(interest)を持続させる。「主張」を展開することによってその商品への欲求(desire)を呼び起こす。「説得」(persuasionあるいはconviction)によって、読み手がその商品は自分のニーズに合っていると考えるよう導く。買うことへの別の理由を追加する「誘導」を行なう。
「頂点」へともっていく。つまり、読み手が注文しやすいようにして、相手に確実に行動(action)してもらう。
エクササイズ
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●あなたのセールスレターの書き出しを次のようにしてみよう。
実践ダイレクト・マーケティングの法則その6
「商品紹介には、人の好きなことをアピールせよ」
人間に行動をさせる9の動機
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①お金を儲けること。②お金の節約をすること。③時間と労力を節約すること。④家族を楽にさせること。⑤安心すること。⑥他人を感心させること。⑦楽しみを得ること。⑧自らを向上させること。⑨グループに属すること。
9の動機に沿って商品紹介をする
エクササイズ
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●あなたのセールスレターは、9の動機に沿って書かれているか検証をしてみましょう。
実践ダイレクト・マーケティングの法則その7
「よい見出しを思いついたら、保険で利点を書き添える」
見出しの保険で利点を書き添える
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●よい見出しは、一方でその見出しをよいと思わない人もいる。だからこそ、利点を書き添える
嬉しい
利点があることがわかる
本文は、読み手を思い浮かべて読み手を何回うなずかせるか考える。
短い見出しは100%読むが、7語以上は70%へ減少する
エクササイズ
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●あなたのセールスレターの見出しに利点を書き添えましょう。そして、読み手の支持を得られる明快な文章を書きましょう。
例:・「カナダのすばらしい新製品の販売権を獲得したとき、あなたのことが真っ先に頭に浮かびました」・「完璧な整理だんすには、6つの特別な性質が備わっているべきだと考えています。私のチェックリストはあなたのお考えと一致するでしょうか?」・「弊社が達成したばかりの驚くべき進歩についてお話ししたいと思います。このことについては、まだほとんどのお客様にご案内しておりません」
「もしご興味がおありでしたらお教えしますが、あなたはすばらしい会社にお勤めです」「と申しますのも、すでにイギリスの大手ダイレクトマーケティング企業3社がぜひとも御社とお取引したいと、機会をうかがっているからです」・「わたくしと同じように、きっとあなたも“またとない”経験の“限定”オファー攻撃にさらされていらっしゃることでしょう。この手紙を書くにあたってわたくしが非常に困っているのはそのせいなのです」
実践ダイレクト・マーケティングの法則その8
「疑い深い読者に納得してもらう7つの書き方」
読者を納得させる7つの書き方
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誇張をしない
具体的に説明する
技術的な
商品は仕様を説明する
“です”“ます”で言い切る
読者がすることが、
いかに簡単か明示する
最後に利点を繰り返す
情報商材の場合、目次をできる限り詳細に
どちらが効果があったか?
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左側の広告が効果があった。顧客が専門家であれば、専門的な用語を使う。その方が効果がある
エクササイズ
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●あなたのセールスレターは、7つの書き方に合致しているか確認してみましょう。
実践ダイレクト・マーケティングの法則その9
「セールスレターを読む前から、顧客に行動を促せ」
封筒は、顧客に行動を求める
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成功を収めている人とそうでない人の違い、
それは封筒の中身を必ず見ているかどうかです
封筒を開けないと何か逃してしまうとほのめかすことで、
読者に行動を促している。
人間はとても不思議なものである。数年前、あるクライアントへ
いつもの料金後納郵便と、顧客が切手を貼らなければならない
封筒を使ってテストを行った。信じられないかもしれないが、
料金後納郵便のほうが良い結果が出たわけではなかった。
エクササイズ
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●あなたのセールスレターに、行動を求める“しかけ”はありますか? 人は自分の名前で呼ばれるのが好きです。顧客の名前がセールスレターに書かれていますか?
実践ダイレクト・マーケティングの法則その9
「目に余計な仕事をさせるな」
目は上から下へ動く
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上から下へ目の負担を軽減することができているか?
エクササイズ
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●あなたのセールスレターは、見出し→本文 の並びになっていますか? 奇をてらっていませんか?
実践ダイレクト・マーケティングの法則その10
「テストは、1回につき1要素のみ」
効果測定をするために1つ変える
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オファーを変える、封筒を大きなものにする、紙の質を変える
一つの要素を変えたことで、どのくらい効果があったのか?を検証する。すべてを変えると何が良くて、何が悪いのかがわからない。
エクササイズ
36
●効果がなかったセールスレターの1つの要素を変えて、もう一度、検証してみましょう。
ダイレクトマーケティングのノウハウを活用し、あなたの広告の効果を向上させましょう!