Download - Ubuntu Tokyo Meeting 9.08
Ubuntu Tokyo Meeting 9.08 @ AkihabaraNaruhiko Ogasawara (OpenPrinting Japan)
Ubuntu に見る
Desktop Linux印刷
その現状
そして未来
本日の内容
自己紹介
なぜ Ubuntuなの? Ubuntuで快適に印刷するには? 幸せハッピーのための標準化活動
Ubuntu 印刷 FAQ
※( )重要なご注意:今回の発表はあくまでもおがさわらなるひこ個人の意見と見解に基づくものであり、 OpenPrinting をいかなる意味でも代表するものではありません。
自己紹介
とある事務機器メーカの中の人
*nix 印刷標準化団体 OpenPrinting の中の人
元々 Windows エンジニア 今でも *nix の技術的なことはよくわかりません (^^;)
最初は「 Linux印刷技術動向調査」が仕事だった 見てるうちに、 Linux印刷環境のひどさにビビる なんとかしなきゃ!と周囲を説得したりするのが仕事
コミュニティ活動にも参加したりした(してる)
なぜ Ubuntu?
Desktop Linux としての使い勝手を高めようという思いが一番強く感じられた WindowsやMacのような「普通の」 Desktop OS指向 Fedoraは理由忘れたけど印象がよくなかったし openSUSE ……はクセがありすぎてちょっと
Ubuntuは実は OpenPrintingの実験台 新しい機能が提案されるとまず Ubuntuに入る
PDF Print Path とか PPD/Driver Automatic Download とか
Ubuntuで快適に印刷するには
Linuxの印刷は他の Desktop OSに比べてヘボい しかし、快適に印刷する方法が!
買ってしまえば問題なし!(ちょっとは)
複合機なら HP 社の製品を
レーザーならブラザー社の製品を
なぜ HP か?
HPは世界一のプリンタベンダ( LPシェア 8割 ) お金持ってます
HPLIP というシステムを HP 専用で開発してます HP関係者しかいないけど「オープンプロジェクト」です ディストリビューションにも取り込まれます
もちろん Debian や Ubuntu にだって
プリンタ・スキャナ・ファックス全部使えます
HP専用のプロジェクトで、例えば「日本語化」などをやる人がいるとは思えないですが
なぜブラザーか?
ブラザーのプリンタは主に海外市場向けでした
のでわざわざ日本ローカルなプリンタ言語を作りませんでした あるクラスから上のプリンタは Postscript 互換な BR-
Script というプリンタ言語を載せてます しかも安いです
Linux ではアプリ自身が PS を生成する印刷モデルなので、 PSそのままで印刷するのが一番無難です
でもそれは「現状ではたまたまよい選択である」ということでしかないですね
それってホントに「いいこと」かな?
私はもちろん各社さんの経営判断に口をはさむつもりはありませんです。
でも問いたいのですが、 複合機をちゃんと使えるシステムが欲しかったら特定の会社の製品以外選べない
Linux でトラブルなく印刷したければ Postscript 互換言語搭載のプリンタしか選べない
そういう世界で本当にいいのでしょうか?
ユーザとベンダがそれぞれ幸せになるためにはどうすればいいでしょうか?
クイズ:この数字はなんでしょう?
100 : 10 : 1
100 : 5 : 1
正解:プリンタドライバ開発者比率
※あくまで私のフィーリングで、根拠があるわけではありません。
Windows Mac Linux
幸せハッピーのための標準化活動
ただでさえ少ない開発リソースを、各社でバラバラに使ってしまうのはあまりにももったいなさすぎる
なるべく多くの部分を共通にし、標準化しよう ベンダは参入が楽になるし、開発コストも下がって幸せ
ユーザは選択肢が増えてハッピー
そういう活動が OpenPrinting! Look The OpenPrinting Developer site!
アプリ共通で使える印刷ダイアログを作ろうとか 色々問題がある Postscript の代わりに PDF にしようとか CJK処理をちゃんとやろうとか
≠標準化 実装、なんだけど
OpenPrinting は標準化団体 こうした方がいいんじゃね? という提案とか
すでにある技術を標準と認めたりとか
実装団体ではない 本当に実装するのは GNOME / KDE だったり OOo だったり特定ベンダだったり
でも「誰も使わない標準」なんか無意味 だから開発力をコミュニティに提供して実装し
できたものを使ってみんなが得する世界を作ろう!
色々大変なんだけど応援してください〜〜〜
Ubuntu 印刷 FAQ (1)
Q: どのプリンタを買ったらいいですか?
A: バイヤーズガイドは他にお任せしたい (^^;)
理想論はともかく現実としては「複合機は HP 」「 PSまたは互換言語を採用しているプリンタは無難」というのは割と正しいです。
あとベンダさんがドライバを出しているキヤノン、系列会社のアヴァシスがドライバを開発しているエプソンも候補になります。
この場合は購入前に対応機種リストは確認した方がいいと個人的には思います。
Ubuntu 印刷 FAQ (2)
Q: 私のプリンタはメーカーが Linux サポートを表明していないのですが、使えませんか?
A: Gutenprint というフリーのプリンタドライバ作成プロジェクトがあるので確認してみるといいでしょう。主
に Epson のインクジェットに対応しています。
ネットワーク上にWindows PC がある場合はredmon (Redirect Port Monitor) というツールを使ってWindowsを印刷サーバにできます。
また幸運にもあなたが Postscript またはその互換プリンタをお使いなら、ここだけの ヒミツですが Windows のドライバパッケージから PPD を引っこ抜いて使うこともで
きます。方法は公開できません (^^;)
Ubuntu 印刷 FAQ (3)
Q: プリンタとパソコンとの接続のおすすめは ?
A: 家庭用なら USB でしょう。インストールに少しコツがいるので必ずマニュアルを参照してください。
大抵はドライバパッケージを先にインストールしてからプリンタを繋ぐことになると思います。繋いだときにドライバの構成ファイルが読める必要があるので。
ネットワークの場合は Port 9100 、いわゆるJetDirect と呼ばれる接続形態が一番トラブルがないと思います。 http://プリンタのアドレス :9100 という形式の奴ですね。
Ubuntu 印刷 FAQ(4)
Q: ベンダ製ドライバを使いたいのですが、サポートディストリビューションに最新の xxxが入ってません。またはマニュアルのインストール手順がぜんぜん違います。
A: なにせ印刷まわりは変化が早いうえに各ベンダ・ドライバ開発コミュニティは人手不足なので、そこのところは神様仏様マホメットさまに免じてご容赦してあげてください。基本的にはわかりやすい方向に進化しているはずなので大丈夫だと思いますが、分からない場合はコミュニティで聞きましょう。
Ubuntu 印刷 FAQ(5)
Q: TeX から日本語が印刷ができない。あるいはPDF で日本語が化けるのですが?
A: cmap-adobe-japan1 および poppler-data というパッケージを入れてください。これらに必要なデータ
を Adobe が改変不可で配布しているため、デフォルトでインストールされないのが原因です。
なお OOo や Firefox などのアプリケーションは印刷データを作る際に和文フォントをビットマップで埋め込むので、問題になりません。
Ubuntu 印刷 FAQ(6)
Q:縦書きの PSデータがうまく印刷できない
A: Ghostscript 8.60 〜 8.63 では政治的な理由でCJK サポートの縦書き機能が落とされていたため、Ubuntu 8.10 までの GS ではうまくいきません。GSを入れ替えるか Jaunty 以降を使ってください。
Ubuntu 印刷 FAQ(7)
Q: 印刷で困ったらどのコミュニティに聞けば?
A: 私を含め何人かの有識者が覗いているUbuntu-jp ML が一番いいと思います。もし気力があったら、このサイトを参照してログをつけて質問すると喜ばれると思います (このドキュメント古いので直すの手伝ってくれる人いませんか? ) 。
少なくとも私はフォーラムはチェックしてません><
あと [email protected] も印刷のトラブルシューティング受付場所となっています。
?
オマケ:主要 OSの印刷シナリオ紹介
印刷シナリオとは? アプリケーションから「印刷」をぽっちんとしてから紙が出るまでのシナリオのこと
前提 プリンタは「絵を描くための命令」で動作する
「命令を作るまで」が対象で、「どう繋がるか」は関心外
アプリ描画命令
Windows の印刷シナリオ (GDI)
アプリ
Win32API
GraphicDevice
Interface(GDI)
プリンタドライバ描画モジュール
描画命令
設定画面出して〜!
プリンタドライバUIモジュール
ここに丸とここに四角と
ここに文字描いて
ドライバ向けに変換するが座標は pixelに
Windowsの印刷シナリオ (2)
利点
アプリから見ると設定画面の表示、描画共々OSが抽象化してくれているので、作り分け不要
OSが厳密にページ概念を定義しているのでページ順入れ替えなどを伴う機能を提供しやすい
欠点
設定画面をどう作るかという決まりや支援するサービスもないので、作る工数が膨大になり、操作感も統一できない
プリンタドライバに描画情報が渡されたときには既にドット単位で描画されているので、解像度が違うデバイスでは結果が変わってしまう (Excel で文字がはみ出るのはこのせい )
それなりに考えられているが、設計の古さは否めない
Mac OS Xの印刷シナリオ
アプリ
CocoaFrame-
work
Quartz 描画命令
設定画面出して〜!
ここに丸とここに四角と
ここに文字描いて
PDFに変換
CUPS
PDFto描画命令フィルタ
PDE
UIプラグイン
CUPS API
PPD
Desktop Linuxの印刷シナリオ
アプリ
独自のダイアログ
Cairo
描画命令
ここに丸とここに四角と
ここに文字描いて
Postscriptに変換
CUPS
PSto描画命令フィルタ
CUPS API
PPD
アプリ独自描画部
GTK+Dialog
設定画面出して〜!
Linuxの印刷シナリオ (2)
利点
そんなものはない!
欠点
アプリ間で統一された UIの API仕様が存在しない ベンダ独自の機能を提供したくてもアプリからベンダ独自のプリンタ UIを表示する方法がない
統一されたグラフィックエンジンが存在しない
各自自分勝手に Postscript をはくので大変 PDFに乗り換えようとしているが、 PSにしろ PDFにしろ Adobeとの戦いが待っている
まだまだやることいっぱいありますネ!
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http://creativecommons.org/licenses/by-sa/3.0/deed.ja