金 賞 今私たちが真剣に考えるべきこと 太田市立東中学校 2年 ... ·...

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− 38 − 中学生の部 金 賞 今私たちが真剣に考えるべきこと 太田市立東中学校 2年 藤 田 真 央 最近、「地球にやさしい生活をしよう」というフレーズをよく耳にする。自分なりにエ コ活動は意識しているつもりだが、もっと真剣にいろいろと考えてみた。 その中で、「ネオニコ禁止運動」というものを知り興味を持った。きっかけは、毎年家 族といく秋田で自然活動をしているおじさん夫婦の言葉だ。 「秋田は群馬より自然がいっぱいあるけれど、最近、海の汚染でウニやサザエが減って いる。ミツバチや赤トンボなどの虫もなんだよ。」 その原因は、ネオニコチノイド系農薬だという。ネオニコチノイドは、人体にも影響が あるといわれている。だが、便利でよく効くとされているので、今も農薬、除草剤、殺虫 剤として身近に利用されていると知った。 私はネオニコチノイドについて調べてみた。調べる程、驚きと恐怖を抱き、私達みんな が今真剣に利用方法を考えなくてはならないと感じた。特に気になったのは、ネオニコチ ノイドによって世界中のミツバチが大量死していることだ。それは科学的に立証されてい るという説もある。だから、欧米では使用規制さえされている。日本でも、ネオニコチノ イドを問題視している自治体もある。しかし、国としては、まだ規制されておらず、日常 的に商品として出回り、実際私の家でも使用していた。 海外で「危険」とされているものが、どうして日本では規制されないのだろう。現実的 に、日本でもミツバチの大量死が問題になり、食卓にのぼるハチミツの値段も高くなって いるようだ。ミツバチは、作物の約70〜80%の受粉に貢献している有益な昆虫だ。もちろ ん他の虫達にも影響があり、数が減少している。小さな虫達だけれど、地球上の生物には、 それぞれ役割があって、存在しているのだと思った。 地球は当然、人間だけのものではない。ネオニコチノイドを、便利だからといってむや みに使用することは、生態系を破壊し、人間の生活も脅かすことにつながっていると思う。 この怖ろしい農薬「ネオニコチノイド」のことをもっとみんなに知ってもらいたいと思っ た。今起こっている環境異変を伝えたい。そしてみんなに、このことについて一緒に考え てほしいと思った。効果があって便利さを追求することは悪いことではないけれど、使用 することで地球に悪影響があるなら、 「地球にやさしく」なんかはない。手間がかかっても、 人間や生物たちにやさしい生活のしかたを考えていくことが必要だと思う。そして、自然

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   中学生の部

 金 賞  今私たちが真剣に考えるべきこと

太田市立東中学校 2年 藤 田 真 央 

 最近、「地球にやさしい生活をしよう」というフレーズをよく耳にする。自分なりにエコ活動は意識しているつもりだが、もっと真剣にいろいろと考えてみた。 その中で、「ネオニコ禁止運動」というものを知り興味を持った。きっかけは、毎年家族といく秋田で自然活動をしているおじさん夫婦の言葉だ。 「秋田は群馬より自然がいっぱいあるけれど、最近、海の汚染でウニやサザエが減っている。ミツバチや赤トンボなどの虫もなんだよ。」 その原因は、ネオニコチノイド系農薬だという。ネオニコチノイドは、人体にも影響があるといわれている。だが、便利でよく効くとされているので、今も農薬、除草剤、殺虫剤として身近に利用されていると知った。 私はネオニコチノイドについて調べてみた。調べる程、驚きと恐怖を抱き、私達みんなが今真剣に利用方法を考えなくてはならないと感じた。特に気になったのは、ネオニコチノイドによって世界中のミツバチが大量死していることだ。それは科学的に立証されているという説もある。だから、欧米では使用規制さえされている。日本でも、ネオニコチノイドを問題視している自治体もある。しかし、国としては、まだ規制されておらず、日常的に商品として出回り、実際私の家でも使用していた。 海外で「危険」とされているものが、どうして日本では規制されないのだろう。現実的に、日本でもミツバチの大量死が問題になり、食卓にのぼるハチミツの値段も高くなっているようだ。ミツバチは、作物の約70〜80%の受粉に貢献している有益な昆虫だ。もちろん他の虫達にも影響があり、数が減少している。小さな虫達だけれど、地球上の生物には、それぞれ役割があって、存在しているのだと思った。 地球は当然、人間だけのものではない。ネオニコチノイドを、便利だからといってむやみに使用することは、生態系を破壊し、人間の生活も脅かすことにつながっていると思う。この怖ろしい農薬「ネオニコチノイド」のことをもっとみんなに知ってもらいたいと思った。今起こっている環境異変を伝えたい。そしてみんなに、このことについて一緒に考えてほしいと思った。効果があって便利さを追求することは悪いことではないけれど、使用することで地球に悪影響があるなら、「地球にやさしく」なんかはない。手間がかかっても、人間や生物たちにやさしい生活のしかたを考えていくことが必要だと思う。そして、自然

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と共存していくことを私達一人一人が、もっと真剣に考えるべきだと思った。

 銀 賞  ある夏の気づき

太田市立南中学校 1年 小 林 陽 南 

 6月のある日、母の実家に家族で出かけました。旅行で留守にしている祖父母に代わり、雨が降らず、水がなくなってしまった田んぼに水をはるため、出かけました。 私の家では、いつも祖父母の家で収穫されたお米を分けてもらって、食べています。それなので、お店でお米を買うことはほとんどありません。ですが、いつもお米をもらってはいても、お米を作るために、いつどんな作業があるか、全く知りませんでした。 今回、父が祖父に代わり川の水を汲み上げている間、私も周りで、その様子を弟と一緒に見ていました。ひびが入り、干上がっていた田んぼに水が徐々に入ってくると、それまで姿を見せなかった、おたまじゃくしやアメンボが、たくさん出てきました。水が入った途端、元気に泳ぎ出した姿を見て、これらの昆虫たちが、今までどこで過ごしていたのか不思議でなりませんでした。おたまじゃくしは、とても嬉しそうに泳いでいました。 私が普段の生活の中で、おたまじゃくしを目にすることは、ほとんどありません。こんなにたくさんのおたまじゃくしを見たのは、生まれてはじめての経験なので、とても驚きました。生き物が大好きな弟は、大喜びしていました。 自宅へと帰る車の中で、たくさんのおたまじゃくしを見たことを、母に話しました。すると、「昔は田んぼももっとたくさんあって、タガメや水かまきり、タニシなどもいた。」と話してくれました。私は昆虫は苦手だけれど、人間の身勝手な開発のせいで生き物達の居場所がなくなってしまうのは、嫌だなと思いました。 私の家の周りも、以前は田んぼや畑がありましたが、少し前に大型の店舗ができて、なくなってしまいました。お店が近くにあると、いつでも買い物ができとても便利ですが、虫達の居場所を消してしまうのは、人間の身勝手だと思います。人間のそういった行為が環境破壊を起こし、天災を増加させ、人間達に跳ね返ってきています。 雨が降りそうな時はかえるの大合唱がおこり、秋になれば、虫達が素敵な演奏会を開いてくれる。今後も、これらの営みが続いていってほしい、と思います。そのために私にできることは何か、自然を守るために何をすべきか、それは便利さだけを追い求めない、と

 選 評  このところ話題となったネオニコチノイド系農薬に触れ、現代日本の環境に対して問題提起をしています。

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いうことだと思います。打ち水を行ったり、緑のカーテンを活用し、夏場でもエアコンの設定温度を高めにする、まずは身近なところから、周りをまきこんですすめていきたいと思います。そして、次の世代へ、この美しい自然を必ず引き継いでいきたいと思います。

 銀 賞  一人一人のその行動

太田市立藪塚本町中学校 2年 河 内 浩太朗 

 地球は今、とても悲鳴をあげていると思う。なぜなら、毎日のように排気ガスが排出され海が汚れ、地球内の気温が今まででは想像もできない位まで上がってしまっているからである。学校などでも「いじめ」という問題が起こるが、僕達人間は地球という一つの星を74億人というたくさんの人達でいじめているのが現状である。 この現状を変えるのはとても大変だが、一人一人が地球をいじめるのをやめ、周りにも呼びかければ止めることができるのかもしれない。 どのようにすれば地球は助かるのかを考えたら、一人一人の少しの行動を良くすれば助けられるのではないかと思った。例えば当たり前の事だが、使っている人がいない家電製品の電源を切るか必要以上に使わないということが大切だと思う。電源を切ることは多くの人ができていると思うが、必要以上に使わないというのはあまりできていない気がする。夏の暑い頃は買い物で店に行くと、寒い位に冷房の温度を下げ、強い風を送り出し無駄に電気を使っていたりする。これは、はっきり言って意識の問題だと思う。一人一人が意識を変え、お金のように無駄遣いしなければ、とても地球が助かると思う。 そして一番の問題は、使えるものを捨てるということだと思う。これによりゴミが増え、排気ガスが増え、また欲しい物を作るのに木などが伐採され石油が使われ、地球に大ダメージを加えてしまう。「自分一人だけでは変わらない。」と思っている人もいるかもしれないが、その一人が捨てるのをやめ周りにも呼びかければ、一人の行動がとても大きな影響を及ぼすかもしれない。 ある研究によると、エアコンなどから発生するフロンガスという物質は、二酸化炭素の数千倍オゾン層を破壊するといわれている。オゾン層は、日光が地球上に当たるのを防ぐ働きをしていて、このまま排気ガスを増やすと20年後には、オゾン層が現在の3分の1になってしまい皮膚ガンになる人が急増したりして、やがて地球上の生物は生きていけなく

 選 評  普段何気なく見ている田んぼにも、小さな生き物の生命の息吹があります。そのことに気づいているところが新鮮でした。

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なってしまう。それを一人一人が協力して、防がなくてはならない。 結果、このままでは地球が助からないとわかったので、少しでも多くの人が、もちろん自分が地球に優しい行動をして、救ってあげるような世の中になって欲しいと心から願う。

 銀 賞  環境美化運動

太田市立太田中学校 2年 茂 木 一 駿 

 私の住む太田市には春と秋の2回クリーン作戦があります。道路や河川・公園・広場などみんなで使う場所をきれいにするクリーン作戦に私は参加しています。 私の地域でのクリーン作戦の進めかたは、こうです。 まず最初に参加する人は朝早く起きて、集会所に集まります。集会所では、クリーン作戦の活動をするにあたって必要になる、太田市で指定されたゴミ袋が配られます。 私の地区は、だれがどこをやるとはきまっていないので、私は、家の周りと、線路沿いを主にやっています。 なかでも一番クリーン作戦をやっていて驚いたことは、線路沿いにたまるゴミの量の多さです。線路沿いには、ペットボトル・空き缶・レジ袋などいろいろありました。私は、この様子を見て、なぜもっときれいに使おう、ゴミをちゃんと、持ちかえろうと思えないのだろうと、腹立たしくなりました。そして、もっとがんばって少しでもゴミを減らせるように取り組みたいと、感じました。 私の地区では資源回収も行っています。家庭からでる古紙やアルミ缶などを、育成会のみんなで集めて、回収業者にひきわたします。わたすことによってゴミが資源になるかわりのお金が渡され、育成会費になり、リサイクル不用品や廃棄物の資源再生にもなる活動に私も参加しています。 地球環境をより良くするには、人間一人一人の行動が大切です。私は、これからも、もっともっと地球の環境をよりよくするために、だれかが、じゃなくて、自分がやると言えるようになりたいです。 そんな地域の活動ですが、最近参加者が少なくなって来ている気がします。お年寄りの人達が中心で、若い人達の数が少ないのです。これから先、今のお年寄りが参加できなくなってきた場合クリーン作戦が続いているのか心配に思います。

 選 評  自然豊かな地球を大切にしたい、どうしたらいいのかという作者の気持ちが強く伝わってくる作品です。

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 若い人の参加者を増やすためにはどうすればいいのでしょう。私はこう思います。学校の授業で地域の活動の大切さについてクラスで話し合いをし、実際にクラスで参加すれば良いのではないでしょうか。 これからは、若い人が中心になってクリーン作戦を進められるようにすることが地域の活動を長く続けるために必要だと思います。私もその一人としてがんばっていきます。

 銅 賞  ホタルの里を見て

太田市立北中学校 2年 小山田 雄 一 

 毎年、6月になると、ぼくは家族と一緒に名草にホタルを見に行きます。六つ年上の姉たちが幼いころからこの習慣はあったようです。 物心ついたころには「また今年もホタルを見にきたな」と名草のまだ少し肌寒い夜の中感じます。 毎年見る風景でした。何十メートルか先の木々が暗く影絵のように静かに立ち並び、数える程のホタルの光が揺れ動いています。はかなく、幻想的なホタルの光。冷たく、清々しい空気は、喋ることははばかられるようでした。 ゲンジボタルとは、初夏に成虫になり、発光します。成虫は水以外の養分をとらず、成虫になってから生きられる期間は2、3週間しかありません。ゲンジボタルの幼虫は川の中に生息しますが、その川がきれいでない水だと生きることができません。川が汚れるとそこからホタルがいなくなってしまうのです。 名草のホタルも、生息環境の悪化で、一時期数が減りました。そのため、地域の人達が「名草源氏ホタル保存会」を発足し、ゲンジボタルの養殖や保護、地域の自然環境の整備など環境を守るボランティア活動を続けたそうです。その成果で、現在は1000匹以上のホタルが飛び交う「ホタルの里」として蘇りました。ホタルのために環境を守ろうという地域の一人一人の思いが、1000匹のホタルになったのです。 環境が汚染されること、それはある種がそこから姿を消さなければいけない、場合によっては種が絶滅してしまうこともあります。人間の都合により居場所を追われてしまう種がでてきてしまうということはとても悲しいことだと思います。 しかし、それをまた守り、整え、復活させていくのも人間のできることです。

 選 評  太田市のクリーン作戦を題材に挙げ、ゴミのない暮らしの提案や資源の再利用について書かれています。

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 では、自分には何ができるのでしょう。 水の汚染に関しては、生活排水の問題が、身近にできることとして大きいと思います。例えば、油料理の後は、古着の布で拭いてから洗う、牛乳などを飲み残さない、など、ほかにもできることはたくさんあります。 家族そろってホタルを見に行くことは、姉たちが大学生になり、無くなってしまったけれど、小さなことでも、一人一人が続ければ大きなことになる。そうやって、環境を守って、ホタルなどの生き物を守っていきたいです。

 銅 賞  人間も危ない

太田市立休泊中学校 3年 大 濵 里 菜 

 私達が生活しているこの地球では、動物園でよく見かけるようなライオン、トラ、ジャイアントパンダなどの、誰もが知っている動物が絶滅の危機におちいっています。また、「うなぎのぼり」という比喩の語源になっているニホンウナギも、近年漁獲量が激減し、絶滅危惧種に指定されてしまいました。 私は、この絶滅危惧種の問題について一人一人が原因を知り、解決策を考えるべきだと思いました。 絶滅危惧種は、人間の生活が生物の環境に与える影響がとても大きくなったことが原因で増加してしまいました。人々は、自分達が暮らしやすくするために動植物のことを考えずに活動してしまい、生物の住処を奪ってしまうのです。例えば、今の地球では爆発的に人口が増加しています。これからもっと人口が増加していき、住む場所がたくさん必要となってきます。そこで、私達は家を建てるために必要な木材を伐採してしまいます。それが、森林で暮らしている動植物の住処を奪っているということにつながってしまうのです。他にも、動植物が自然に増える速度を超えて過剰に捕獲してしまう乱獲や、地球温暖化によって北極の氷が減少して、ホッキョクグマなどが餌を取れなくて絶滅してしまうというケースもあります。また、温度変化や異常気象によって住処を失ったり、食べ物を失ったりすることで絶滅することもあります。 1975年以前は、1年間に絶滅する種数は1種以下でしたが、現在では1年間に4万種もの生き物が絶滅しているそうです。このままでは近い将来、地球上に動植物が存在してい

 選 評  名草に生息する蛍を題材にした作品です。「家族そろって蛍を見る」という体験をとおして環境の大切さを訴えています。

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ないかもしれません。科学が発展して、宇宙から人々が食べられるものが見つかったとしたら、それに頼り切ってしまい、全宇宙の食料が無くなれば、地球だけでなく全ての惑星が崩壊してしまうのではないでしょうか。 人間だけが生活しやすければ良いと思っている人も多いかもしれません。ですが、動植物が絶滅すれば生態系のバランスが崩れ、自分達が食べるものが無くなってしまい、人間へ影響を及ぼす場合もあるのです。そして、いつかは人間までもが絶滅してしまうのではないでしょうか。 私達がより良い生活をするには、まずどんな種類が絶滅の危機にあり、その原因は何なのか、解決策は何なのか、一人一人が知り、動植物を大切にすることが大切だと思います。 私は将来、絶滅危惧種が少しでも減るように、動植物の保護活動のような仕事に携わり環境を守る手助けをしたいと思います。そして、全ての生物がより良く生活できるような環境をつくれたらいいなと思いました。

 銅 賞  ポイ捨ての現状

太田市立宝泉中学校 2年 峯 崎 明日香 

 突然ですが、皆さんはポイ捨てがどれだけ人を悩ませるか知っていますか。私は、よく知っています。そして、この作文を通してさまざまな人にポイ捨ての重大さを知ってもらおうと考えています。 私の家には祖父母の農地があります。それは道路をはさんだ広大な田畑です。今ではもう荒れ地で、道路をはさんでいるので、いろんな人からポイ捨てをされます。何度かその現場を目撃した事さえあります。毎日持ち帰っては家で捨てています。それでも、全て持ち帰る事の出来ない量です。臭い飲みかけカップ、ガラスビン、先の尖ったアルミカン。自由な時間を奪われ、家に帰るだけで憂鬱な気分になります。そして、農作業をしている祖母は危険で見ていられません。さらに、品質も落ち、怒りが込み上げます。 この間、テレビで世界各地のポイ捨ての状況を紹介していました。タバコやガムが散乱していました。タバコで火事が起こったらどうするのだろうとか、ポイ捨ては世界のどこでもある問題なのだなとか、いろんな事を思いました。ポイ捨てという点で日本人は海外から賞賛されているそうです。私は、その価値観を失わないでほしいと願っています。

 選 評  人類が抱えている問題の一つである絶滅危惧種について書かれている作品です。動物と人間の共存に触れています。

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 私は、国や県の行っている対策や活動をインターネットで調べてみる事にしました。まず対策です。インターネットや新聞で、ボランティアの活動内容やポイ捨てについての作品が掲載されています。次に活動です。世界各地でボランティア活動や寄付金集めが行われています。さらにボランティアグループをサポートしている、会社などの組織もあります。これらの事、一つ一つがポイ捨て被害者にとっては、他人の事でも感謝です。 その他にも、個人的にゴミを拾ってくれる人を見ると、涙が流れそうになるほど嬉しくてたまりません。ただ地球上に落ちているゴミが一つでも少なくなる、それだけで、人の価値観は変わります。 私は最後に一つ、人々に伝えたい事があります。「一人が拾えば、皆が拾う」という事です。私は今まで、一人が捨てれば、皆が捨てる悪循環が起きていると思っていました。実際、私の家でも初めてゴミが見つかった時と、今の捨てられている量の違いは、一目瞭然です。けれどそれは、捨てるという行為でも、拾うという行為でも同じだと思います。人間というのは真似るという事が大好きです。だから、流行というものがあるのでしょう。ではそれは、ゴミ拾いでも通じる事です。是非、初めに拾う人にでも、真似をする人にでもなってください。そしたらいつかきっと、綺麗な地球が見れるはずです。

    銅 賞  家族団欒環境保全

太田市立毛里田中学校 2年 冨 所 蒼 空 

 リビング。我が家では一日の中で誰もが一番多く過ごす部屋である。自然と家族が集まってくる。二階家一戸建。僕の部屋、弟の部屋、他に二つの部屋など。そしてそこにはシーリングライトが設けられ、コンセントも各々数カ所設置。テレビのアンテナも配備されている。 ある時、ふと気付いた事がある。 「これって使っていないな…。」 自分の部屋をぐるりと見回すと、コンセントが三つ、テレビのアンテナが一つ。シーリングライトが一台。その内、前者二つは、ほとんど使っていない。ライトも夜に寝る前に少し灯りを付ける程度だ。他の部屋も同様だった。 逆に、よく使用している場所は、みんなが集う部屋、リビングだった。フルにコンセン

 選 評  ポイ捨ての現状と対策について、祖父母の農地が「被害」を受けている体験を基に書かれています。

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トを使い、シーリングライトも大きいサイズ。ダウンライトもある。冬になれば、こたつも出される。 節電タイプの家電の使用、オール電化の取り入れ、LEDの活用など両親の行動や会話からもエコについての事をよく耳にする。メディアや学校の授業でもよく着目され、学ぶ機会も少なくない。 そこで、よく思う事がある。 例えば、エコ対応のエアコンが一家に5台あるとする。家族それぞれがその部屋で一斉にそのエアコンを作動させたら、これはエコになっているのだろうか。 一目瞭然、そうではない。 それなら、一つの場所で1台のエアコンを使用してみる。そこに人が集まればいい。 エコに節電、家族とのコミュニケーション。 家族団欒をしながら環境を守る! 大げさな表現かもしれないが、妥当であるとも思う。地球温暖化防止に役立てる事は、ひとりひとりが色々なアイディアを出し、実行する事。やがて大きなチカラになる。 地球で生活するには、地球をケアする、環境を守っていく事が日常化されている。 実際起こり始めているオゾン層の破壊、全体の温暖化、これによる海面上昇、異常気象の発生。連鎖する人的被害。 小さな事からできる事を実践し、また新たに提案していく、実行する。これが求められていると考える。 中2の自分ができる事は限られているかもしれない。節電、節水、ゴミの分別、食事の完食、物を大切にする、マイバックの使用、リサイクルの活用。 でも、何かのきっかけでアイディアを思い付いた時、それを実現していける知識と行動力を身につけていけたら自分ができる事はまだまだ無限に広がっていくと思う。

 選 評  「エコ生活」を実践するために家族がリビングに集まろうという提言など、中2ならではの真摯な意見を述べています。

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 銅 賞  水

太田市立木崎中学校 2年 松 尾 寿 珠 

 「水」は、私達生き物が生きていくために、必要不可欠なものだ。体内に水をとりいれなければ死んでしまう生き物がほとんどだし、水中でしか生きられないものも、もちろんいる。しかし、地球に存在する、私達が使える「水」には限りがある。私達人間はそれを知っていながらも、「水」を必要以上に使い、汚してしまっている。自分達の生活を、より豊かにすることばかりを考えている。 地球は、「水の惑星」と言われている。しかし、全体の約98パーセントは海水で、淡水はわずか2パーセント程度である。しかも、大部分は北極や南極の氷山などであるため、陸上生物が利用できる水は、全体の0.01パーセントに満たないという。そんな中、私達日本人は、一日に一人あたり約250リットルもの水を使うことができている。しかしその一方で、世界の人口のおよそ6分の1の人々は、安全な水を十分に使うことができずに暮らしている。また、不衛生な水しか得られず、毎日何千人もの子供たちが亡くなっているのだという。私達は先進国の恵まれた環境で育っているので、蛇口を捻れば水が出るのは当たり前というような感覚になってしまいがちである。だが、安全な水をいつでも飲むことができるというのは、有難いことなのだと思った。 また、人間が水を汚してしまったという例もいくつもある。1960年頃に多摩川の水が急激に汚染されたことなどが代表的だ。これは、洗濯機や合成洗剤の普及によって起きてしまった出来事だ。その時多摩川の水面は洗剤によって白く泡立ち、川に住む多くの生物が姿を消していったという。私達の生活が豊かになるのとひきかえに、限りある資源や他の生き物の命が犠牲になっていたのだ。 今まで述べてきたことから、私達は「水」に生かされながらも、「水」という資源を雑に使っていると言わざるをえない。だが、水が汚れ、なくなっていくのをだまって見ていることしかできないのだろうか。そんなことはない、と私は思う。例えば、廃食用油をシンクに流さない。シャワーの水の量を少しだけ減らす。特別なことをする必要はないと思う。塵も積もれば山となるのだ。どんなに小さなことでも、何年、何十年後には水不足や水の汚染をくい止めることにつながるだろう。地球のためにも、他の生き物のためにも、未来の私達のためにも、そのことを意識して生きていきたいと思う。

 選 評  人間にとって大切な 「水」をテーマにした作品です。「水」がいかに私たちにとって必要か、自分の意見を述べています。

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 佳 作  次世代に目を向けて

太田市立西中学校 3年 吉 野 圭 祐 

 「今日は、今年一番の猛暑日となることでしょう。」テレビからは、ほぼ毎日のようにこんな声が聞こえてくる。今現在、全国の最高気温は、岐阜県多治見市で39.7度を観測している。なぜ地球温暖化は、これほどまでに深刻になってしまったのだろうか。 地球温暖化の原因となっているガスには、様々なものがある。中でも二酸化炭素はもっとも温暖化への影響が大きい。日本人一人あたりの年間の二酸化炭素排出量で最も多いのは、自家用車である。また照明機器の使用も自家用車と並んで排出量が多い。最近では、電気自動車が注目されている。電気をエネルギー源とし、電動機を動力源として走行する自動車である。ガソリン車に対する電気自動車の二酸化炭素排出量は、約55パーセントも削減できる。そして照明機器も、LEDの電球に進化している。今まで使っていた白熱電球の消費電力は、およそ54ワットであった。しかし現在使われているLED電球の消費電力はおよそ七ワットになったのである。白熱電球に比べて約8分の1になったことがいえる。しかし進化したものは、これらだけではない。どの家庭にも必ず一台はあるであろう冷蔵庫。二十四時間三百六十五日使い続ける冷蔵庫は、なんと十年前に比べておよそ半分の消費電力になり、年間で約一万三千円もの節約ができるようになったのである。この様に、身近なもの一つとっても、さまざまな工夫により、地球温暖化を防ごうという取り組みが進められているのだ。 しかし、これらは地球温暖化を防ぐための一部でしかない。日本全体でも、地球温暖化を防ごうという取り組みが進められているのである。それは、「クールビズ」というものだ。2005年に当時環境大臣であり、現在東京都知事となった小池百合子さんが打ち立てた政策であり、10年以上も続き、年々実施率が上がっている。着用率も5割を超えたようだ。そもそもクールビズとは、一体どういうものなのか。今まで真夏でも、スーツにネクタイという服装があたり前だった。しかしそれでは、エアコンの温度を低く設定しなければいけない。そこで、社会全体で軽装にすることを推奨しエアコンの温度をやや高めに設定することで、消費電力を抑え、結果として地球温暖化の原因とされる二酸化炭素が削減されたのだ。 では、これからの未来に向けて私達には何ができるのだろうか。やはり使っていない電気などは消す。歯みがきの時は、コップに水を入れるなど基本的な事はもちろん、LEDライトや省エネ家電などを普段の生活に取り入れ、地球温暖化の原因となる二酸化炭素を

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減らしていくことが今の私達にできることだと思う。次世代の子供達に自然豊かな地球を残していくためにも。

 佳 作  みどりいっぱいの街に

太田市立休泊中学校 1年 青 木 那 由 

 私の自宅のとなりは、以前たんぼでした。夏にはカエルが、秋には鈴虫が季節の変わり目を知らせてくれました。しかし、数年前に開発され、住宅が立ち並びました。町内がにぎやかになったのはよかったのですが、反面あのころの虫たちの鳴き声が懐かしくなりました。 近所に、小さな公園があります。鉄棒、滑り台、ブランコがある程度の小さな公園です。私は中学生ですから、もうその公園で遊ばなくなりました。以前そこには、とても大きくみごとな桜の木がありました。幼稚園に入園の年や小学校に入学の年など、花が満開に咲いていたことを覚えています。しかし数年前、知らない間に伐採されていました。理由は害虫駆除などが大変だとのことでした。私は、切り株の年輪が、泣いているように見えました。 今年の夏休み家族旅行へ行った帰り道のことです。北関東自動車道太田桐生インターチェンジ近くの車窓から、山が崩されているような工事現場が見えました。茶色の山肌が表れ、とても悲しい気持ちになりました。 自宅にもどりパソコンで調べてみると、新しくインターチェンジができることが分かりました。それができることによって、産業の活性、観光振興、緊急医療や災害活動支援、周辺住民の利便性などの効果が期待されるそうです。確かにそうかもしれません。しかし、そこに生息していた動植物はどうなっているのでしょうか。 後日、新しくできるインターチェンジや、その付近の工業団地へ実際に行ってみました。そこは、現在あるインターチェンジとそんなに離れていないものの、工業団地からの交通はとても便利なところにあることがわかりました。また、工業団地では、まわりに緑が残されていたり、古墳も公園として残されていたりしました。生活環境をよくするには、自然環境を破壊することも仕方ないことだと思います。ですが、ぎせいを必要最小限に留め、より多くの緑が残るように工夫する必要があると思いました。 今、私たちにできることは、庭さきに花を植えたり、植樹などのボランティア活動に参加したりすることなどです。また、間接的なことだと、木製品3R活動に取り組むことなどです。

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 失ったものを取りもどすことはできませんが、緑の減少を少しでも抑えることや、新たに創造していくことが必要だと思います。

 佳 作  もったいないことしてないかい?

太田市立強戸中学校 3年 孕 石 真侑子 

 私は社会の公民の時間に社会の先生が、アフリカ人女性として初めてノーベル賞を受賞したケニアのワンガリ・マータイさんは、「日本語の『もったいない』という言葉にこめられた、ものに感謝し、大切にし、無駄にしないようにするという精神でごみを減らし、物を再使用し、さらにリサイクルしていかなければならない。」と演説しました。 私はこの演説を読んで、この日本人独自の「もったいない」という言葉はほかの国にはないすごい言葉なんだなと思いました。 みなさんは『もったいないばあさん』という本を読んだことはありますか。 もったいないばあさんはもったいないことをしている子どものところへ「もったいなーい」と言ってやって来ます。そこで、その子どもにご飯の食べ残しや、水などの資源を無駄にしてはいけないということ、物を再使用、再利用の方法を教えてくれるというお話です。 私は、私が小さいときによくお母さんに読んでもらっていました。その時、私はもったいないばあさんは突然出てきてケチでおもしろいおばさんだなと思っていました。 ですが、今になって考えてみると、もったいないばあさんは私に、物や限りある資源を大切にすることの重要さを教えてくれていたのです。 今は昔に比べ、物があふれている時代だと思います。物がなくて困ることの少ない今の時代だからこそ、自分の身の回りにあるものを大切にしなければいけないと、ワンガリ・マータイさんや、もったいないばあさんは伝えたかったのではないのでしょうか。 私は、このようなもったいない精神が、今の地球の環境問題やごみ問題の一番の解決策だと思います。「まだ使えるのではないか」「この行動は資源を無駄にしてしまっているのではないか」などとひとつひとつの行動について考えることが大切です。 「地球を救う」と言われるとスケールが大きなことで自分がそんなことに関わることができるのだろうかと思います。それに、地球を救わなければならないと分かっていても、なかなか行動に移すことは難しいでしょう。 私はこの作文を書くために「もったいない」という言葉を思い出しました。ですが、その言葉は日本人でさえ忘れかけているのです。

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 この言葉をもう一度、私たちの心の中で思い起こすことにより、環境問題やごみの問題に自然と私たちは関わっていくことができるのではないのでしょうか。

 佳 作  環境問題について

太田市立毛里田中学校 1年 萩 原 陸 斗 

 僕は、毎年夏休みに足利の花火大会を見に行っています。花火はとてもきれいなので家族で行くことを毎年楽しみにしています。 ただ一つ気になることがあります。それはゴミの問題です。テレビやインターネットなどでどこの花火大会もゴミによる問題が毎年多く取り上げられています。大きなイベントとなると屋台も多く出店し、場も楽しくなります。しかし、食べ物の容器である紙やパッケージは不要になります。ゴミ箱は用意されていますが、一度にたくさんの量を捨ててしまうとすぐにいっぱいになり、あふれてしまいます。それでも自分の手元からゴミを手放したくてゴミ箱の下に置いたり、人目のつかない所に置いたり、更には、足元に放置したりし、このくり返しが一晩でゴミの山になってしまいます。看板でも呼びかけていますが、人の多さでまともに見る人があまりいないと思います。こうしたことを改善するためには一人一人の協力が必要だと思います。一つだから大丈夫という気持ちでは絶対に解決しません。僕は、この状況を真剣に受け止め、自分に何が出来るかを考えて行動するよう心掛けています。難しいことではなく、まずゴミはきちんと分別し、ゴミ箱へ捨てるという当たり前のことをしっかりやるように努力しています。 このように一人一人が気持ちを変えることによりゴミの無い花火大会が出来ると思います。毎年きれいな花火を見るためにこれらのことを心掛けるだけで変えられると思います。自分達のマナーの悪さが原因で、毎年のイベントを廃止させないようにしたいと思います。ゴミの無い環境で、来年も楽しい思い出をたくさん作りたいと思います。 僕の住む地区では、年に数回、育成会の集まりで、小学校の通学路清掃を父兄の方達が行ってくれています。一見きれいに見えても目の届かない所にペットボトルや空き缶などが見つかるそうです。作業が終わる頃には、ゴミ袋5枚以上のゴミが出てしまうそうです。僕は、毎日自転車で学校に通学していますが普段何気なく通る道も地域の方たちが見えない所でがんばってきれいにしてくれているのかと思うと感謝の気持ちでいっぱいです。僕も何かやらなければいけないなぁと思います。 先日中学までの登校中に、近所の家の前を通った車がゴミを落として行ったらしく、ダンボールに「ゴミを捨てるな」と書いてありました。その下に落として行ったものがつる

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してありました。数日後には無くなっていましたが、ゴミをゴミ箱以外に捨ててしまうと他の人に迷惑になってしまうのでポイ捨てはしてはいけない行為だと改めて気付かされました。 環境を守るために自分にもできることを常に考え、みんなが気持ちよく生活できるように僕もがんばりたいと思います。

 佳 作  地球温暖化と私たち

太田市立城東中学校 1年 加 藤   遍 

 最近、地球温暖化が話題になっています。以前調べたことがあったのですが、地球温暖化は二酸化炭素やメタンガス、フロンガスなどの温室効果ガスによって、宇宙空間へエネルギーをうまく放射できないのが原因で起こるのだそうです。そのことにより、世界各地での異常気象や、極地域での氷の減少、サンゴ礁の破壊などが引き起こされます。 みなさんは、地球温暖化防止のために何か取り組んでいることはありますか。 私の家では、詰め替え商品の購入やゴミの分別、電気をこまめに消すことなどを心がけ、太陽光発電をしています。ほかにも、エアコンの使用をひかえることや、風呂の残り湯の使用などもしています。 今現在も、貴重な美しい動植物などが地球温暖化によって危機にさらされているかもしれません。映画『ファインディングニモ』にでてきたグレートバリアリーフや、テレビで見たサンゴ礁はとても美しく、いつか実際に見てみたいです。でも地球温暖化によって、サンゴ礁の生態系に影響が出ていると聞きます。サンゴが白くなってしまい、酸素を作り出す働きをなくしてしまうのだそうです。鮮やかなサンゴが白くなってしまうことはとても残念なことですね。 北極にはホッキョクグマやアザラシが住んでいます。北極では近年、氷が解けてどんどん住む範囲がせばまっていると聞きます。もし、このままどんどんせばまって行けば、北極に住んでいる動物たちが絶滅してしまうかもしれません。 ほかにも危機にさらされている動植物はたくさんあると思います。 もちろん、私たち人間の生活も脅かされています。以前、ニュースで地球温暖化の影響で、南太平洋の島々の浸水が進んでいると聞きました。このまま進むと、島全体が沈んでしまうとのことでした。もし沈んでしまったら、もちろんその島に住んでいる人は困ってしまいますね。 最近では、熱帯などの暑い地域に住んでいるはずの害虫が日本などに上陸しているとい

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う話を聞きます。これも地球温暖化の影響なのだそうです。外来種の害虫は毒を持っていそうなので、怖いです。海外からの外来種は人間だけでなく、その国の生態系も壊してしまう恐れがあるので、とても心配です。 こんなふうにさまざまなところに影響を与える地球温暖化は、早い段階で止めなくてはいけないと思います。そのためには、自分たちで何とかしなくてはいけません。難しく考えなくても、小さなことから少しずつ始めることはできます。ですから、未来のために美しい地球を次の世代へつないでいきましょう。

 佳 作  環境を守ろう

太田市立旭中学校 1年 中 本 音 佳 

 私は初め、あまり環境問題には興味ありませんでした。地球にはたくさんの人がいるので、「自分だけ節水や節電・リサイクルをしても役に立つのかな。」と思っていたからです。 それが、小学生の時に、家庭でのISO活動を1週間行うという宿題が出ました。その時家族で、何をするか話し合いをしました。目標は「節電と節水」でした。 節電は、①人がいない部屋はこまめに電気を消す。②使っていないコンセントは抜く。③エアコンは28度より下げないことにして、扇風機を使うことにする。ということに決めました。自分は、かみの毛が長いので、タオルで良く水分をふき取り、ドライヤーの時間を短くしました。母は冷蔵庫に、ビニールのカーテンをしたり、開け閉めを少なくしました。姉は、ビデオの予約録画をやめました。 節水は、お風呂の浴そうの水の量を少し減らして、シャワーの時間を気にするようにしました。他にも、残ったお湯を洗たくに使いました。 1週間は、あっという間に終わりました。 電気は、外の電気メーターを毎日記録してみました。でも、今まで、1日の使用量を調べたことがなかったので、どれくらい使用量が減っているのか、1日ずつの数字だけではよくわかりませんでした。しかし、1ケ月後電気の使用量が少し減っていたので、「節電できたんだな。」と思いました。 水の使用量は、これはインターネットにも、具体的に、「○○すると、○○だけ節約できます。」と、とてもわかりやすく書いてありました。ちょっと気にするだけで、家族4人でもかなりの量の水が節約できることが分かりました。 たった4人の家族であっても節電や節水をすることができるんだと思いました。また、私は東日本大震災の時に、計画停電を経験しました。ろうそくや懐中電灯で数時間ですが

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過ごしました。あの時、本当に電気のありがたさを知りました。毎日、ボタンを押したりするだけで快適な生活ができることは、とても、幸せなことだと知ることができました。 今年の夏も家では毎日エアコンにお世話になっています。暑いからエアコンを付けないと生活できないですが、温度を考えたり、工夫をすることで少しでもエコな生活をしていくことが必要だと思います。 節水もちょっとした工夫で、することができます。私の家では、小学校の時もらったエコシールが、今でもお風呂場や洗面所、台所に貼ってあります。水を使う前に見るだけで気持ちが違います。これからも、ちょっとの工夫でエコな生活を続けるようにしていきたいと思います。

 佳 作  ささいなことでも

太田市立生品中学校 2年 小 暮 優 菜 

 私は、環境を守る大切さについて改めて考えました。環境を守るために、私たちには、どのようなことができるのでしょうか。 私は、環境を守るために行っていることが三つあります。 一つ目は、リサイクルです。カンやビンを分別したり、地域の資源回収に参加したりしています。リサイクルを行うだけで、必要とされないものが、必要とされるものに大変身するものはいくつかあります。例えば、毎日飲んでいる給食の牛乳パックは、飲み終えた後、全く必要でないものになります。しかし、リサイクルされることにより、毎日の生活に欠かせないトイレットペーパーに大変身するのです。 二つ目は、ものを、再び使ったり、使ってもらったりすることです。サイズが合わなくなったシャツなどの、いらなくなった衣服を、インターネットを通して売っています。使わないより使う方が絶対にいいと思います。それから、買った側も喜ぶし、売った側も、気に入ってもらえたと思うと、とても気持ちがいいです。私は、サイズが合わなくなったTシャツを売ってみました。すると、売れたので、買ってもらえて良かったな、と嬉しい気持ちになりました。 そして三つ目は、伝えることです。家族などに、それは環境によくないからやめた方がいいよ、とか、こうした方がいいよ、などの言葉を伝えています。伝えなくても、わかっていればいいのですが、人は無意識に環境を守ることに反してしまいがちです。だから、私たちがお互いに声をかけ合っていく必要があるのです。例えば、何のためらいもなく、ごみを捨てている人がいるとします。これは、環境にとってよくないことです。そのよう

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な人の前で、環境にとってよくないから、ごみを捨てないで、という一言を伝えるだけで、環境を守ったことになるのだと、私は思います。 このように、私が行っていることは、びっくりするほど大きなことではありません。ほんのささいなことです。そして、簡単なことだけど、大事なことなのです。そのようなささいなことでもやろうとするかしないかは、一人一人の気持ちによります。そして、それによって環境は変化していきます。やろうとする気持ちが増えれば、環境は守られていくし、減れば、環境は破壊される一方です。環境が破壊されることのないよう、人々のため、そして地球のために、ささいなことでも、今の自分ができる限りのことを実践していきましょう。

 佳 作  地球温暖化について

太田市立綿打中学校 1年 桜 井 あやめ 

 今、世界ではあることが問題視されています。それは、地球温暖化です。 そもそも、地球温暖化とはどういうものなのでしょうか。それは簡単に言うと地球全体がだんだんと暖かくなってしまうということです。地球の周りの一部は、二酸化炭素やフロン、メタンなどによってできたガスに覆われています。このガスは太陽の光を通す反面熱を吸収する働きがあります。これまでは、このガスにより地球内の気温は適度な状態を保ってきました。しかし、人間の自然破壊によってこのガスが少しずつ増え続けています。このまま増え続けるとどうなるのでしょうか。このガスは熱を吸収する働きをもってるため地球内の熱が逃げにくくなり、気温が高くなってしまうのです。このまま、この状態を放っておくと地球は大変なことになってしまいます。 では、それを防ぐために私達にできることがあるのでしょうか。例えば、公園のごみ拾いや、リサイクルなど身近でできることはたくさんあります。そして日本でも世界中から集まる環境NGOの仲間たちとともに国連会議での交渉の発展を見守るとともに、各国の政府代表団に温暖化対策のあり方についての提言や働きかけを続け、WWFジャパンもWWFの国際的なネットワークの一員として、日本をはじめとする世界のNGOの仲間たちと協力して、各国政府にはたらきかけを行っているそうです。 こうして、世界で問題視されている地球温暖化に対して色々な対策が行われています。でもたった一人の少しなら大丈夫、ごみをポイ捨てしても・・・。これだけでも状態が悪化してしまうのです。それか、リサイクルやごみ拾いなどの行動ができないとしたら、地球温暖化をそしするために自然破壊はだめという意識をもつことが温暖化対策の第一歩に

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なります。もし、あなたがごみを持っていて少しならポイ捨てしても大丈夫と思うか、それともちゃんと分別して捨てなきゃと思うかで地球の運命が大きく左右することを忘れないでください。

 佳 作  見習いたい人がいる

太田市立太田中学校 1年 古 瀬 弥 宙 

 僕の家のすぐ裏は渡良瀬川が流れていて、その土手は近所の方々の散歩やランニングコースとなっています。僕の通学コースにもなっているので、毎日通る土手でほぼ同じ時間に会うおじいさんがいます。おじいさんは手にレジ袋を持ちゴミを拾いながら散歩をしているのです。僕が、小学校入学前から時々会っているので少なくとも10年はゴミを拾い続けていることになります。そしてとても感心することは、そのゴミの拾い方がスマートで、とても自然にレジ袋に入れるということです。土手には多くのタバコの吸い殻や空きカン、雑誌などが捨てられています。おじいさんはそれらのゴミを次々に、持っているレジ袋に入れていきます。 以前、母とそのおじいさんの話をした時、母も犬の散歩で時々見掛けると言っていました。そして集めたゴミはゴミ収集日にきちんと分別して捨てているのも見たことがあると話していました。おじいさんの行動は誰にでも出来ることのようですが、それはとても難しくて勇気のいることだと思いました。自分の家のゴミはきちんと片付けるのに、そのゴミが外へ出て公共の場所等に落ちていたら、自分からすすんでゴミを拾おうと思う人は少ないのではないでしょうか。「今、散歩中だから」や「ゴミ袋を持ってないから」など何らかの言い訳をしてその場から逃げていく人がほとんどだと思います。僕も「あっこんなところにゴミが落ちてる」と思うことはあっても、ゴミを拾って家に持ち帰ることまではできませんでした。一歩踏み出す勇気がなかったのです。けれども、心のどこかにおじいさんのようになりたいと思っている自分もいました。そして道に落ちている他人のゴミを拾うことは、こんなにも勇気のいることなのだと考えさせられました。 色々と考えてみて、僕なりに自分がまずできることからやってみようと思いました。おじいさんみたいにレジ袋を持ち、ゴミを拾いながらウォーキングをすることはできませんが、家の周りで気になるゴミを見かけたら、見て見ぬふりなどしないで一つでもいいからゴミを持ち帰ってみようと思いました。それが次につながり、家の周りから通学路へと広げていけるように、かっこいいおじいさんを見習っていこうと思います。