解散当日の16日、国会はどさくさに紛れてろくに審議もせ...

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解散当日の16日、国会はどさくさに紛れてろくに審議もせ ずに国民の暮らしを直撃し、議会制民主主義を破壊する悪法 をまるで「火事場泥棒」のように相次いで成立させました。この 暴挙の決着は総選挙でキッチリ付けようではありませんか。 今回はお年寄りの老後の暮らしを支えるだけでなく 地域経 済に重要な役割を果たしている年金の減額問題をとりあげま 琴浦町で年金は最大の収入源といっても過言ではありません。琴浦町の 一般会計と国民健康保険や介護保険などの特別会計の総額は約 175 億円 2011 年度決算)です。一方、琴浦町の高齢者に払われる年金は総額 73 200 万円(2010 年度)と町予算の半分近くと巨額です。 年金は大別して基礎年金といわれる「国民年金」と 2 階部分の「厚生年 金」に分かれます。琴浦町の場合、国民年金は 5981 人に 41 300 万円(平 均月額 5 7,200 円)、厚生年金は 5,357 人に 31 9,900 万円(平均月額 4 9800 円)です。 国民年金受給者と厚生年金受給者数の差が、国民年金だけの人で約 600 人あまりがとりわけ低年金となっています。 す。 政権交代前に公明党は「100年安心の年金」と豪語してい ました。また、民主党は「消えた年金」を取り戻すといって政 権につきましたが、「年金を消す」という真っ逆さまなだまし討 を自民・公明との談合で強行しました。密室談合政治ここに 極まるといった憤慨やるかたない異常な事態です。 どさくさで強行した年金の2.5%削 減。琴浦町では3年間に1億8260万 円減額され、マクロ経済スライドでさら に減額が増えます。 特産品といわれる農産品目の売上 額が1億円といわれる中で、年金の減 額はまるまる特産品が二つもなくなっ てしまうようなものです。これは又、不 況にあえぐ地域経済を一層冷え込ま せ、地域全体を萎縮させかねません。 年金の削減は若い世代にとっても人ご とではありません。年金の削減は、若い 世代の将来の年金受給額を減らすだけ でなく、低年金の親を支える現在の子ど もの世代も直撃し、3 世代にわたって被 害を及ぼします。 政府が、若者と高齢者の対立をあおり “若者のため”の年金削減であるかのよ うに描くのはごまかし以外の何者でもあ りません。政府のごまかしを見抜き だま されてはなりません。 元祖「アメリカいいなり」の自民党が TPP に前向きにカジを切りました。 自民党の安倍晋三総裁は、日本商工 会議所の岡村正会頭らと会談し、環太平 洋連携協定(TPP)交渉参加に前向きな 意向を示しました。 一方、野田佳彦首相はオバマ大統領 と電話で会談し、TPP について「昨年11 月、交渉参加に向けて関係国と協議に 入るという考えは変わっていない」と TPP を推進する姿勢を強調。オバマ大統領 は歓迎の意を示しました。 民主党の「自民党化」が完成する中で 首相から解散を仕掛けたように見せかけ ながらの自民党への「協力呼び掛け」は 総選挙後の民自公大連立ならぬ大野合 への布石という声も聞かれます。 政府の年金減額の「口実」は “物価 下落”です。しかしその口実は成り立ち ません。そもそも政府のいう「物価」に は税や社会保険料は含まれません。 下がったという物価は高齢者にあまり 縁のないパンソコンなどが主なもの、 実際の年金生活者の手取り額は物価 下落幅以上に減っています。 夫婦で月に 25 万円の場合、所得税・ 住民税、医療・介護保険の上昇によ り、10 年間で 28 万円(10%)も手取りが 減り、ひと月分を上回る年金が消えて います。 日本の公的年金制度は貧弱そのもので す。老齢年金受給者は6割が年収150 万 円以下で暮らしています。とりわけ女性の 場合、65%が100 万円以下です。 60 歳以上の無職単身者は、2010年か ら2011年の1年間で5.5%も可処分所 得が減っています(総務省「家計調査」)。 ギリギリで暮らす高齢者の年金を減ら し、消費税を5%から2倍の10%に増税 すればダブルパンチで暮らしを壊し、消費 を冷え込ませ、日本の経済を“どん底”に 突き落とす“愚策中の愚策”です。 総選挙で日本共産党を伸ばして悪政に ストップをかけたいものです。

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  • 解散当日の16日、国会はどさくさに紛れてろくに審議もせ

    ずに国民の暮らしを直撃し、議会制民主主義を破壊する悪法

    をまるで「火事場泥棒」のように相次いで成立させました。この

    暴挙の決着は総選挙でキッチリ付けようではありませんか。

    今回はお年寄りの老後の暮らしを支えるだけでなく 地域経

    済に重要な役割を果たしている年金の減額問題をとりあげま

    琴浦町で年金は最大の収入源といっても過言ではありません。琴浦町の

    一般会計と国民健康保険や介護保険などの特別会計の総額は約 175 億円(2011 年度決算)です。一方、琴浦町の高齢者に払われる年金は総額 73億 200 万円(2010 年度)と町予算の半分近くと巨額です。 年金は大別して基礎年金といわれる「国民年金」と 2 階部分の「厚生年

    金」に分かれます。琴浦町の場合、国民年金は 5981 人に 41 億 300 万円(平均月額 5 万 7,200 円)、厚生年金は 5,357 人に 31 億 9,900 万円(平均月額 4万 9800 円)です。 国民年金受給者と厚生年金受給者数の差が、国民年金だけの人で約 600

    人あまりがとりわけ低年金となっています。

    す。

    政権交代前に公明党は「100年安心の年金」と豪語してい

    ました。また、民主党は「消えた年金」を取り戻すといって政

    権につきましたが、「年金を消す」という真っ逆さまなだまし討

    を自民・公明との談合で強行しました。密室談合政治ここに

    極まるといった憤慨やるかたない異常な事態です。

    どさくさで強行した年金の2.5%削

    減。琴浦町では3年間に1億8260万

    円減額され、マクロ経済スライドでさら

    に減額が増えます。

    特産品といわれる農産品目の売上

    額が1億円といわれる中で、年金の減

    額はまるまる特産品が二つもなくなっ

    てしまうようなものです。これは又、不

    況にあえぐ地域経済を一層冷え込ま

    せ、地域全体を萎縮させかねません。 年金の削減は若い世代にとっても人ご

    とではありません。年金の削減は、若い

    世代の将来の年金受給額を減らすだけ

    でなく、低年金の親を支える現在の子ど

    もの世代も直撃し、3 世代にわたって被

    害を及ぼします。

    政府が、若者と高齢者の対立をあおり

    “若者のため”の年金削減であるかのよ

    うに描くのはごまかし以外の何者でもあ

    りません。政府のごまかしを見抜き だま

    されてはなりません。

    元祖「アメリカいいなり」の自民党が

    TPP に前向きにカジを切りました。

    自民党の安倍晋三総裁は、日本商工

    会議所の岡村正会頭らと会談し、環太平

    洋連携協定(TPP)交渉参加に前向きな

    意向を示しました。

    一方、野田佳彦首相はオバマ大統領

    と電話で会談し、TPP について「昨年11

    月、交渉参加に向けて関係国と協議に

    入るという考えは変わっていない」と TPP

    を推進する姿勢を強調。オバマ大統領

    は歓迎の意を示しました。

    民主党の「自民党化」が完成する中で

    首相から解散を仕掛けたように見せかけ

    ながらの自民党への「協力呼び掛け」は

    総選挙後の民自公大連立ならぬ大野合

    への布石という声も聞かれます。

    政府の年金減額の「口実」は “物価

    下落”です。しかしその口実は成り立ち

    ません。そもそも政府のいう「物価」に

    は税や社会保険料は含まれません。

    下がったという物価は高齢者にあまり

    縁のないパンソコンなどが主なもの、

    実際の年金生活者の手取り額は物価

    下落幅以上に減っています。

    夫婦で月に 25 万円の場合、所得税・

    住民税、医療・介護保険の上昇によ

    り、10年間で28万円(10%)も手取りが

    減り、ひと月分を上回る年金が消えて

    います。

    日本の公的年金制度は貧弱そのもので

    す。老齢年金受給者は6割が年収150 万

    円以下で暮らしています。とりわけ女性の

    場合、65%が100 万円以下です。

    60 歳以上の無職単身者は、2010年か

    ら2011年の1年間で5.5%も可処分所

    得が減っています(総務省「家計調査」)。

    ギリギリで暮らす高齢者の年金を減ら

    し、消費税を5%から2倍の10%に増税

    すればダブルパンチで暮らしを壊し、消費

    を冷え込ませ、日本の経済を“どん底”に

    突き落とす“愚策中の愚策”です。

    総選挙で日本共産党を伸ばして悪政に

    ストップをかけたいものです。

  • 今の永田町、あまりにも身勝手が過ぎます。民意を無視して

    消費税大増税を押し付けながら、一方で「政治家自ら“身を切

    る”」といって民意を切り捨てる定数削減を押し付ける。これって

    二重の許しがたい暴挙ではないですか。

    政党の離合集散は目を覆うばかり。その基準が政党助成金を

    受け取れる国会議員5人以上が判断基準。税金のぶん取り病

    は日本共産党以外の全政党の骨の髄まで蝕んでいます。

    政党助成金が導入されてから17年、日本共産党が受け取り

    を 拒 否 し た 政

    党助成金の総

    額は 350 億円

    を上回ります。

    国の財政がピ

    ンチだといって増税を押し付け、政治家が「身を切る」とい

    うなら、まず、政党助成金こそ真っ先に撤廃すべきではな

    いでしょうか。

    1975 年岡山市生まれ。 岡山南高校卒。園芸会社勤務

    を経て民主青年同盟の岡山

    県委員長などを歴任。 現在、日本共産党岡山県委

    員、国民運動委員長。 映画鑑賞、フラワーアレンジ

    メントなどが趣味。家族は父

    母と妹。

    1975 年南部町に生まれる。米子東高から千葉大

    学工学部へ。 大学で原水禁運動から民

    主青年同盟、日本共産党

    に加わる。 卒業とともに帰郷、赤旗

    記者などを経て現在党西

    部地区委員長。