資料25-1-1 1 : 20120614ゲノム概要資料 部会用 · 永井 良三...

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1 「ヒトゲノム・遺伝子解析研究に関する倫理指針」の 見直しに係る状況について 平成24年6月18日 1.ゲノム指針とは ヒトゲノム・遺伝子解析研究(以下「ゲノム研究」という。)は、研究の過程で得 られる遺伝情報により提供者及び血縁者の遺伝的素因が明らかになるおそれがある ことなどから、人権が尊重され、社会の理解と協力を得て研究の適正な推進が図ら れることを目的として、研究現場で遵守されるべき倫理指針として、平成 13 年 に、 文部科学省・厚生労働省・経済産業省が「ヒトゲノム・遺伝子解析研究に関する倫 理指針 」(以下「指針」という。)を策定。(別紙1参照) <経緯> ・平成12年 6月 科学技術会議生命倫理委員会が「ヒトゲノム研究に関する基本原則」策定 ・平成13年 3月 文部科学省・厚生労働省・経済産業省が「ヒトゲノム・遺伝子解析研究に関する 倫理指針」を公布(平成13年4月施行) ・平成15年 5月 「個人情報の保護に関する法律」等公布(平成17年4月全面施行) ・平成16年12月 ゲノム指針の全部改正(平成17年4月施行 2.ゲノム指針の見直し ○ 平成 16 年のゲノム指針の全面改正に際しては、個人情報保護法等の成立を受 けた個人情報保護の視点からの見直しに重点が置かれた ことから、研究の進展 に対応した見直しは必ずしも十分ではなく 、3省における見直しのための委員 会でも、その取りまとめに際し、今後、研究の進展を踏まえて検討を行うこと が必要との指摘。 ○ ヒトゲノム・遺伝子解析研究については、個人の遺伝情報に対応した医療の実 現等に向けて様々な研究が進められており、近年では解析技術の進展に伴い、よ り高速かつ簡易な遺伝情報の解読が可能 となり、複数の機関が共同で大量の遺伝 情報を取り扱う など研究スタイルが多様化してきている。 ○ このため、昨年4月より3省の専門委員会を合同開催し(別紙2参照)、パブリ ック・コメント(本年2~3月)の結果も踏まえて、同専門委員会(本年4月 16日)においてゲノム指針の見直しについて了承 資料25-1-1

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Page 1: 資料25-1-1 1 : 20120614ゲノム概要資料 部会用 · 永井 良三 東京大学大学院医学系研究科教授 臨床医学(循環器) 辰井 聡子 明治学院大学法学部准教授

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「ヒトゲノム・遺伝子解析研究に関する倫理指針」の

見直しに係る状況について

平成24年6月18日

1.ゲノム指針とは

ヒトゲノム・遺伝子解析研究(以下「ゲノム研究」という。)は、研究の過程で得られる遺伝情報により提供者及び血縁者の遺伝的素因が明らかになるおそれがあることなどから、人権が尊重され、社会の理解と協力を得て研究の適正な推進が図られることを目的として、研究現場で遵守されるべき倫理指針として、平成13年に、文部科学省・厚生労働省・経済産業省が「ヒトゲノム・遺伝子解析研究に関する倫理指針」(以下「指針」という。)を策定。(別紙1参照)

<経緯>

・平成12年 6月 科学技術会議生命倫理委員会が「ヒトゲノム研究に関する基本原則」策定

・平成13年 3月 文部科学省・厚生労働省・経済産業省が「ヒトゲノム・遺伝子解析研究に関する

倫理指針」を公布(平成13年4月施行)

・平成15年 5月 「個人情報の保護に関する法律」等公布(平成17年4月全面施行)

・平成16年12月 ゲノム指針の全部改正(平成17年4月施行)

2.ゲノム指針の見直し

○ 平成 16 年のゲノム指針の全面改正に際しては、個人情報保護法等の成立を受けた個人情報保護の視点からの見直しに重点が置かれたことから、研究の進展に対応した見直しは必ずしも十分ではなく、3省における見直しのための委員会でも、その取りまとめに際し、今後、研究の進展を踏まえて検討を行うことが必要との指摘。

○ ヒトゲノム・遺伝子解析研究については、個人の遺伝情報に対応した医療の実現等に向けて様々な研究が進められており、近年では解析技術の進展に伴い、より高速かつ簡易な遺伝情報の解読が可能となり、複数の機関が共同で大量の遺伝情報を取り扱うなど研究スタイルが多様化してきている。

○ このため、昨年4月より3省の専門委員会を合同開催し(別紙2参照)、パブリック・コメント(本年2~3月)の結果も踏まえて、同専門委員会(本年4月 16日)においてゲノム指針の見直しについて了承。

資料25-1-1

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3.厚生労働省における医療等情報の取扱い等に関する法案について

○ 平成23年6月、政府・与党社会保障改革検討本部※は社会保障と税に関わる

番号制度に関して、政府・与党として方向性を示すため「社会保障・税番号大

綱」を取りまとめ。(別紙3参照) ※社会保障改革の全体像について検討する場として、政府・与党が内閣総理大臣の下に設置

○ 平成24年2月、同大綱を踏まえ、内閣官房は「行政手続における特定の個人

を識別するための番号の利用等に関する法律案」(マイナンバー法案)を国会に

提出。(別紙4参照)

○ また、同大綱においては、機微性の高い医療等情報の取扱いに関して、個人情

報保護法等の特別法をあわせて整備することとされており(別紙5参照)、厚生

労働省は内閣官房と連携しつつ、本年4月より検討を開始し※※、医療等情報の

取扱い等に関する法案の平成25年通常国会への提出を目指し、まずは夏頃ま

でに法案化にあたっての基本的な論点等について整理が行われる予定。

(別紙5参照) ※※「社会保障サブワーキンググループ・医療機関等における個人情報保護のあり方に関する検討会」

を合同開催

○ この検討においては、遺伝情報を含む医療等情報について、保護の厳格化及び

利活用の推進という両面から検討されており、この中では学術研究への適用に

ついても検討が進められている。

4.今後の対応(案)

○ 今後、上記法案の検討の方向性によっては、ヒトゲノム研究における遺伝情報

を含む医療等情報の取扱いにも影響があり得ることから、今回のゲノム指針の

見直しについては、上記法案の検討の方向性を踏まえて、最終的に取りまとめ

ることとしてはどうか。

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(別紙1)

「ヒトゲノム・遺伝子解析研究に関する倫理指針」の概要

1.経緯等

「ヒトゲノム研究に関する基本原則」(平成12年科学技術会議生命倫理委員

会)等を踏まえ、すべてのヒトゲノム・遺伝子解析研究に適用され、研究現場

で遵守されるべき倫理指針として、文部科学省・厚生労働省・経済産業省によ

り平成13年に制定。

平成16年には、個人情報保護法の全面施行に合わせて全部改正を実施。

2.主な内容

○ 研究の適正な実施

・研究計画の倫理審査委員会による事前審査と研究機関の長による許可

・試料等や遺伝情報の原則匿名化

・研究結果の公表等による透明性の確保

・研究終了後の試料等の原則廃棄

・ヒト細胞・遺伝子・組織バンクにおける試料等の連結不可能匿名化

・その他研究計画に従った研究の適正な実施

○ 提供者に対する配慮

・事前の十分な説明と自由意思による同意(インフォームド・コンセント)

を基本

・提供者から要求があった場合の遺伝情報の原則開示

・遺伝カウンセリングの機会提供の配慮

・苦情窓口の設置

○ 個人情報の保護

・個人情報の漏えい等の防止に関する安全管理措置

・個人情報管理者の設置

・利用目的の特定や第三者提供等の制限

・提供者から要求があった場合の個人情報の開示等

○ その他

・必要に応じ又は施行後5年を目途に見直しの検討

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(別紙2)

「ヒトゲノム・遺伝子解析研究に関する倫理指針」の

見直しに係る検討体制

検討にあたっては、文部科学省、厚生労働省及び経済産業省における以下の委員会を合

同で開催して議論を進める。

○文部科学省: 科学技術・学術審議会生命倫理・安全部会

「ヒトゲノム・遺伝子解析研究に関する倫理指針の見直しに関する専門委員会」

○厚生労働省: 厚生科学審議会科学技術部会

「ヒトゲノム・遺伝子解析研究倫理指針に関する専門委員会」

○経済産業省: 産業構造審議会化学・バイオ部会

「個人遺伝情報保護小委員会」

<委員名簿(計19名)> (敬称略、◎:主査)

委員候補名 所属 専門 所

◎ 永井 良三 東京大学大学院医学系研究科教授 臨床医学(循環器)

辰井 聡子 明治学院大学法学部准教授 刑法、医事法、科学技術政策

玉起 美恵子 アステラス製薬株式会社研究本部研究推進部課長 産業界

三省

福井 次矢 社団法人日本病院会常務理事(聖路加国際病院院長) 医療関係者

山縣 然太郎 山梨大学大学院医学工学総合研究部教授 公衆衛生学、人類遺伝学、疫学・分子遺伝疫学

文・厚

知野 恵子 読売新聞東京本社編集局編集委員 マスコミ

徳永 勝士 東京大学大学院医学系研究科教授 人類遺伝学

武藤 香織 東京大学医科学研究所准教授 社会学、医療福祉論

文・経

栗山 真理子 NPO法人アレルギー児を支える全国ネットアラジーポット専務理事 患者代表

藤原 康弘 独立行政法人国立がん研究センター中央病院副院長 臨床医学

増井 徹 独立行政法人医薬基盤研究所難病・疾患資源研究部長 基礎医学

俣野 哲朗 国立感染症研究所エイズ研究センター長 基礎医学

高芝 利仁 高芝法律事務所弁護士 法律

堤 正好 NPO個人遺伝情報取扱協議会理事長 産業界

藤原 静雄 中央大学法科大学院教授 法律、個人情報保護

横野 恵 早稲田大学社会科学総合学術院専任講師 医事法

小幡 裕一 (独)理化学研究所筑波研究所長 遺伝子工学

鎌谷 直之 (独)理化学研究所ゲノム医科学研究センター長 ゲノム解析

前田 正一 慶應義塾大学大学院健康マネジメント研究科准教授 生命倫理、個人情報保護法

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(別紙3)

社会保障・税番号大綱(抄)

(平成23年6月30日政府・与党社会保障改革検討本部)

第4 情報の機微性に応じた特段の措置

社会保障分野、特に医療分野等において取り扱われる情報には、個人の生命・身

体・健康等に関わる情報をはじめ、特に機微性の高い情報が含まれていることから、

個人情報保護法成立の際、特に個人情報の漏洩が深刻なプライバシー侵害につなが

る危険性があるとして医療分野等の個別法を検討することが衆参両院で附帯決議※

されている。

今般、番号制度の導入に当たり、番号法において「番号」に係る個人情報の取扱

いについて、個人情報保護法より厳格な取扱いを求めることから、医療分野等にお

いて番号制度の利便性を高め国民に安心して活用してもらうため、医療分野等の特

に機微性の高い医療情報等の取扱いに関し、個人情報保護法又は番号法の特別法と

して、その機微性や情報の特性に配慮した特段の措置を定める法制を番号法と併せ

て整備する。なお、法案の作成は、社会保障分野サブワーキンググループでの議論

を踏まえ、内閣官房と連携しつつ、厚生労働省において行う。

※個人情報保護法成立時の附帯決議

(衆議院 個人情報の保護に関する特別委員会(平成15年4月25日))

五 医療、金融・信用、情報通信等、国民から高いレベルでの個人情報の保護が求めら

れている分野について、特に適正な取扱いの厳格な実施を確保する必要がある個人情

報を保護するための個別法を早急に検討すること。

※個人情報保護法成立時の附帯決議

(参議院 個人情報の保護に関する特別委員会(平成15年5月21日))

五 医療(遺伝子治療等先端的医療技術の確立のため国民の協力が不可欠な分野につい

ての研究・開発・利用を含む)、金融・信用、情報通信等、国民から高いレベルでの個

人情報の保護が求められている分野について、特に適正な取扱いの厳格な実施を確保

する必要がある個人情報を保護するための個別法を早急に検討し、本法の全面施行時

には少なくとも一定の具体的結論を得ること。

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社会保障・税番号制度の概要社会保障・税番号制度の概要

○27年1月以降、社会保障、税、防災等の各分野のうち、可能な範囲でマイナンバーの利用開始

○ 市町村長は、法定受託事務として、住民票コードを変換して得られるマイナンバーを定め、書面により本人に通知。盗用、漏洩等の被害を受けた場合等に限り変更可。中長期在留者、特別永住者等の外国人住民も対象。

○ マイナンバーの利用範囲を法律に規定。具体的には、①国・地方の機関での社会保障分野の事務、国税・地方税の賦課徴収及び防災等に係る事務での利用、②当該事務に係る申請・届出等を行う者(代理人・受託者を含む。)が事務処理上必要な範囲での利用、③災害時の金融機関での利用に限定。

○ マイナンバー法に規定する場合を除き、他人にマイナンバーの提供を求めることは禁止。本人からマイナンバーの提供を受ける場合、個人番号カードの提示を受ける等の本人確認を行う必要。

○ 市町村長は、法定受託事務として、住民票コードを変換して得られるマイナンバーを定め、書面により本人に通知。盗用、漏洩等の被害を受けた場合等に限り変更可。中長期在留者、特別永住者等の外国人住民も対象。

○ マイナンバーの利用範囲を法律に規定。具体的には、①国・地方の機関での社会保障分野の事務、国税・地方税の賦課徴収及び防災等に係る事務での利用、②当該事務に係る申請・届出等を行う者(代理人・受託者を含む。)が事務処理上必要な範囲での利用、③災害時の金融機関での利用に限定。

○ マイナンバー法に規定する場合を除き、他人にマイナンバーの提供を求めることは禁止。本人からマイナンバーの提供を受ける場合、個人番号カードの提示を受ける等の本人確認を行う必要。

○ マイナンバー法により、より公平な社会保障制度の基盤となる「社会保障・税番号制度」を導入する。○ これにより、国民の給付と負担の公平性、明確性を確保するとともに、国民の利便性の更なる向上を図ることが可能となるほか、行政の効率化・スリム化に資する効果が期待できる。

○ マイナンバー法の規定によるものを除き、特定個人情報(マイナンバー付きの個人情報)の収集・保管、特定個人情報ファイルの作成を禁止。

○ 特定個人情報の提供は原則禁止。ただし、行政機関等は情報提供ネットワークシステムでの情報提供などマイナンバー法に規定するものに限り可能。

○ 情報提供ネットワークシステムでの情報提供を行う際の連携キーとしてマイナンバーを用いないなど、個人情報の一元管理ができない仕組みを構築。

○ 国民が自宅のパソコンから情報提供等の記録を確認できる仕組み(マイ・ポータル)の提供、特定個人情報保護評価の実施、個人番号情報保護委員会の設置、罰則の強化など、十分な個人情報保護策を講じる。

○ 国税庁長官は、法人等に法人番号を通知。法人番号は原則公表。民間での自由な利用も可。

個人番号(マイナンバー)

個人情報保護

法人番号

○ 市町村長は、住民からの申請により、顔写真付きの個人番号カードを交付。

個人番号カード

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別紙4

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⇒国民が税務当局に提出する確定申告書、届出書、調書等に記載。当局の内部事務等に利用。⇒国民が税務当局に提出する確定申告書、届出書、調書等に記載。当局の内部事務等に利用。

⇒被災者生活再建支援金の支給に関する事務その他地方公共団体の条例で定める事務等に利用。

社会保障分野

社会保障分野

防災分野防災分野

年金分野

年金分野

労働分野

労働分野

福祉・医療・その他分野

福祉・医療・その他分野

⇒年金の資格取得・確認、給付を受ける際に利用。

○児童扶養手当法による児童扶養手当の支給に関する事務○母子及び寡婦福祉法による資金の貸付け、母子家庭自立支援給付金の支給に関する事務○障害者自立支援法による自立支援給付の支給に関する事務○特別児童扶養手当法による特別児童扶養手当等の支給に関する事務○生活保護法による保護の決定、実施に関する事務○介護保険法による保険給付の支給、保険料の徴収に関する事務○健康保険法、船員保険法、国民健康保険法、高齢者の医療の確保に関する法律による保険給付

の支給、保険料の徴収に関する事務○日本学生支援機構法による学資の貸与に関する事務○公営住宅法による公営住宅、改良住宅の管理に関する事務 等

税分野税分野

○国民年金法、厚生年金保険法による年金である給付の支給に関する事務○国家公務員共済組合法、地方公務員等共済組合法、私立学校教職員共済法による年金

である給付の支給に関する事務○確定給付企業年金法、確定拠出年金法による給付の支給に関する事務○独立行政法人農業者年金基金法による農業者年金事業の給付の支給に関する事務 等

○雇用保険法による失業等給付の支給、雇用安定事業、能力開発事業の実施に関する事務○労働者災害補償保険法による保険給付の支給、社会復帰促進等事業の実施に関する事務 等

⇒医療保険等の保険料徴収等の医療保険者における手続、福祉分野の給付、生活保護の実施等低所得者対策の事務等に利用。

⇒雇用保険等の資格取得・確認、給付を受ける際に利用。ハローワーク等の事務等に利用。

マイナンバーの主な利用範囲マイナンバーの主な利用範囲 ⇒社会保障、税、防災分野等の事務で利用

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医療等の分野の機微性の高い個人情報について特段の措置を検討

総合運用テスト

2015年2012年 2013年 2014年

制度構築

基本設計

マイ

ナンバー

国民対話

システム構築

順次、マイナンバーの利用開始

【2015年1月から利用する手続のイメージ】○社会保障分野・年金に関する相談・照会

○税分野・申告書・法定調書等への記載

○防災分野・要援護者リストへのマイナンバー記載※ただし、事前に条例の手当てが必要

システム要件定義

実証事業

詳細設計 プログラム設計、単体テスト

法案成立

政省令

情報保護評価ガイドライン作成(情報保護評価SWG)

個人番号情報保護委

委員国会同意

2016年

法案成立

政省令

工程管理支援業務

2016年1月より、国の機関間の連携から

開始し、2016年7月を目途に地方公共団

体との連携についても開始

47都道府県リレーシンポジウム

マイナンバー法整備法案提出

特定個人情報保護評価の実施・承認等

委員国会同意 委員国会同意

番号制度の国民広報

情報提供ネットワークシステム等の監査

委員会規則

個人番号カードの交付

センター・バックアップセンター構築

番号通知

情報提供ネットワークシステム、マイ・ポータルの運用開始

社会保障・税番号制度の導入に向けたロードマップ社会保障・税番号制度の導入に向けたロードマップ

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医療等分野における個別法の検討について(「社会保障分野サブワーキンググループ」・「医療機関等における個人情報のあり方に関する検討会」の合同開催)

○ 政府で検討している社会保障・税番号制度は、行政機関等の法定手続を対象としており、医療機関等の間の情報

連携は対象としていない。

○ 他方で、医療等のサービスの充実や質の向上は国民生活の充実に直結するものであり、医療機関等の関係機関

間での地域連携や、公衆衛生・医療水準の向上に資する医学研究等が推進されるような情報連携のためには、相当

の長期にわたり個人を識別できる基盤が望まれる。

○ 医療等分野については、一般的に機微性の高いといわれる情報を扱うことになるため、極度に個人の識別性が向

上した状況下では、現行の個人情報保護法で十分な措置といえるか疑義が生じるところ。

○ このため医療等分野について、厳格な情報保護措置を図りつつ、必要な利活用が適切に行えるようにするため、個

人情報保護法第6条の委任により医療等分野における特段の措置について検討を行い、情報の利活用と保護に関

する法制の整備を目指す。

○ 医療等分野の個別法は、24年4月から検討を開始し、25年通常国会への提出を目指す(4月12日に第1回を開催)

スケジュール

趣旨

○ 番号制度を踏まえた医療機関等の関係機関間

での情報連携のあり方とともに、現行のガイドライ

ンも踏まえた個人情報保護のあり方の検討も必要

であることから、「医療機関等における個人情報保

護のあり方に関する検討会」と「社会保障分野サ

ブワーキンググループ」との合同開催により、検討

を行う。

検討体制<検討体制図>

別紙5

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「社会保障分野サブワーキンググループ」・「医療機関等における個人情報のあり方に関する検討会」 構成員

(敬称略、五十音順)

石川 広己 日本医師会 常任理事

稲垣 恵正 健康保険組合連合会 理事

小田 利郎 日本薬剤師会 常務理事

◎金子 郁容 慶應義塾大学大学院政策・メディア研究科教授

後藤 省二 三鷹市企画部地域情報化担当部長

駒村 康平 慶応義塾大学経済学部教授

佐藤 慶浩 日本ヒューレット・パッカード(株)個人情報保護対策室室長

鈴木 正朝 新潟大学法科大学院教授

高橋 紘士 国際医療福祉大学大学院教授(日本福祉介護情報学会代表理事)

高山 憲之 一橋大学名誉教授

冨山 雅史 日本歯科医師会 常務理事

樋口 範雄 東京大学大学院法学政治学研究科教授

松本 泰 セコム(株)IS研究所基盤技術ディビジョン認証基盤グループグループリーダ

○山本 隆一 東京大学大学院情報学環准教授

◎については、座長○については、座長代理

(敬称略、五十音順)

石川 広己 日本医師会 常任理事

岩渕 勝好 東北福祉大学教授

宇賀 克也 東京大学大学院法学政治学研究科教授

大道 久 社会保険横浜中央病院長

○大山 永昭 東京工業大学像情報工学研究施設教授

小田 利郎 日本薬剤師会 常務理事

小森 直之 日本医療法人協会常任理事

高橋 紘士 国際医療福祉大学大学院教授(日本福祉介護情報学会代表理事)

寺野 彰 日本私立医科大学協会副会長

冨山 雅史 日本歯科医師会 常務理事

◎樋口 範雄 東京大学大学院法学政治学研究科教授

福井 トシ子 日本看護協会常任理事

山口 育子 NPO法人ささえあい医療人権センターCOML理事長

◎については、座長○については、座長代理

社会保障分野サブワーキンググループ 医療機関等における個人情報のあり方に関する検討会

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医療等情報個別法の検討にあたっての論点案(イメージ)

・ 患者等が医療等情報に関して有する権利を考える・患者等が権利を主張する上で負うべき責務を考える

・ IT化、ネットワーク化に特有のプライヴァシー上の問題について考える・番号制度の導入により個人の識別性が極度に高まることについて考える・行政等が個人の情報を一元的に管理出来得るという不信感について考える

・もともと「医療」という行為に結果責任が問いにくい状況について考える・規制の厳格化により情報連携が委縮しないよう考える・ 「善きサマリア人の法」のような考え方(※)ついてどのように考えるか

・公益利用の確保のため、どのような用途を公益と位置づけるか考える・利用目的と取得、活用に関する監査・検証する方策を考える

患者等の権利と責務(医療等情報を考えるにあたり必要となるものを中心に)

患者等の権利と責務(医療等情報を考えるにあたり必要となるものを中心に)

法の位置づけ、適用範囲と履行確保法の位置づけ、適用範囲と履行確保

・ 資格法等でなく、情報を取り扱う者全てを対象とする方策を考える・個人識別性のみならず、情報の機微性を評価する手法について考える・個人情報保護法制、番号法案との関係をどのように整理するか考える

医療等サービスを受ける側 (患者等) 医療等のサービス提供側(医療機関等)

情報の取得と利活用情報の取得と利活用

罰則と医療等サービス提供側が情報の利活用に萎縮しないための仕組み

罰則と医療等サービス提供側が情報の利活用に萎縮しないための仕組み

患者等の自己の情報を保護(秘匿)される権利、自己の情報に関して開示・訂正・削除を請求する権利の確保

患者等の自己の情報を保護(秘匿)される権利、自己の情報に関して開示・訂正・削除を請求する権利の確保

医療等サービス提供側の義務(医療等情報を考えるにあたり必要となるものを中心に)

医療等サービス提供側の義務(医療等情報を考えるにあたり必要となるものを中心に)

・ 患者等の権利の確保のためにサービス提供者が果たすべき義務

を考える

【論点2】医療等情報個別法の法的枠組みについてどのように考えるか【論点2】医療等情報個別法の法的枠組みについてどのように考えるか

【論点3】医療等分野における効率的で安全に情報を取得し利活用することを可能にする法的・技術的仕組みはどのようなものか

【論点3】医療等分野における効率的で安全に情報を取得し利活用することを可能にする法的・技術的仕組みはどのようなものか

【論点4】医療等分野の罰則のあり方と医療等サービス提供側が情報の利活用に萎縮しない

ための仕組みについてどのように考えるか

【論点4】医療等分野の罰則のあり方と医療等サービス提供側が情報の利活用に萎縮しない

ための仕組みについてどのように考えるか

【論点5】個別法の位置づけ、適用範囲と履行確保についてどのように考えるか

【論点5】個別法の位置づけ、適用範囲と履行確保についてどのように考えるか

【論点1】医療等情報個別法の必要性についてどのように考えるか【論点1】医療等情報個別法の必要性についてどのように考えるか

※ 善意に基づく行為の結果生じた不都合について免罰するという考え方

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医療等分野の個別法の検討にあたっての論点案

論点1 医療等分野の個別法の必要性についてどのように考えるか

(1)個別法の必要性

現在、政府では「社会保障・税番号制度」の導入の検討が進められており、

これにより行政機関等における情報連携のための基盤が整備されることが予定

されているが、医療機関等の情報連携は対象とされていない。

また、医療等分野においては、IT 化・ネットワーク化が進展しているが、地

域連携や医学研究等のさらなる推進には、情報連携のために相当の長期にわた

り個人を識別できる基盤が望まれる。

このため、医療等分野の情報を一層有効活用するために、医療等分野におけ

る効率的で安全な情報連携の方策を定めるとともに、患者等と医療等サービス

提供側の相互を保護する法制が必要ではないか。

(2)個別法により推進されること

①医療機関等の役割分担と連携を通じた切れ目ないサービス提供

・急性期を始めとした医療機能の強化

・病院・病床機能の役割分担・連携の推進

・在宅医療の充実 等

②公衆衛生や医療水準の向上に資する医学研究等のより一層の推進

・レセプト・健診データの活用

・地域がん登録や難病研究等に資するデータの蓄積・活用の促進 等

③医療保険者機能の強化

・地域の医療費等分析

・保健指導の効果的な推進

・医療の利用に関する情報提供 等

④国民全てを漏れなくカバーするための皆保険制度の効果的運営

・保険資格の取得・喪失事務の効果的・効率的運営

・オンライン資格確認の実現 等

(3)個別法において措置すべき事項

医療等分野における効率的で安全な情報連携の手段を確立する。

一方で、患者等に対するプライヴァシー保護措置を厳格化する。

かつ、医療等サービス提供側が法的リスクに対して萎縮することがないよう

措置する。

資料4

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※厚生労働省「第1回社会保障分野サブワーキンググループ及び医療機関等における個人情報保護のあり方に関する検討会」資料4
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(参考1)
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Page 18: 資料25-1-1 1 : 20120614ゲノム概要資料 部会用 · 永井 良三 東京大学大学院医学系研究科教授 臨床医学(循環器) 辰井 聡子 明治学院大学法学部准教授

論点2 個別法の法的枠組みについてどのように考えるか

・患者等の権利と医療等サービス提供側が負うべき義務はどのようなものか(医

療等情報の検討に必要なものを中心に)

・患者等が権利を主張する上で負うべき責務はどのようなものか(医療等情報の

検討に必要なものを中心に)

・IT 化・ネットワーク化の進展、番号制度の検討等を踏まえ、医療等の情報に

関する患者等の権利を確保するために、どのような環境整備が必要か 等

論点3 医療等分野における効率的で安全に情報を取得し利活用するこ

とを可能にする法的・技術的仕組みはどのようなものか

・公益目的の情報の取得・利活用を促進するための本人同意のあり方についてど

のように考えるか

・医療等に関する情報の目的外利用や第三者提供が医療等のために必要な場合の

本人の同意のあり方についてどのように考えるか

・医療等に関する情報の開示や、本人等に対する情報提供のあり方についてどの

ように考えるか

・医療等分野の効率的で安全な情報連携を可能にするための基盤はどのようなも

のか

・利用目的と取得・活用を監査・検証・評価するためどのような方策が必要か 等

論点4 医療等分野の罰則のあり方と医療等サービス提供側の免責につ

いてどのように考えるか

・医療等に関する情報の漏えい等に対する罰則はどうあるべきか

・情報取扱について規制が厳格化する中で、医療等サービス提供側が情報連携に

委縮することがないようにするためにどのような措置が必要か

・公益目的や医療等サービス提供に必要な場合に情報漏えい等が合った場合の免

責についてどう考えるか 等

論点5 個別法の位置づけ、適用範囲と履行確保についてどのように考

えるか

・個人情報保護法及び番号法案との関係についてどのように考えるか

・国の行政機関、独立行政法人等に対する適用関係、地方公共団体の定める条例

との適用関係はどうあるべきか

・学術研究等に対する適用はどうあるべきか

・個別法の適用範囲をどのように考えるか(「医療等に関する情報」をどう定め

るか(死者の情報や介護等に関する情報等の取扱い)、「医療等に関する情報を

取り扱う者」をどう定めるか(小規模事業者や情報処理関連事業者等の取扱い))

・個別法の履行確保のための勧告、命令等の仕組みはどうあるべきか 等

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Page 19: 資料25-1-1 1 : 20120614ゲノム概要資料 部会用 · 永井 良三 東京大学大学院医学系研究科教授 臨床医学(循環器) 辰井 聡子 明治学院大学法学部准教授

今後の進め方について

6月20日(水)

・これまでの議論の整理

・「保護」についての議論(ユースケースごとの検討を含む)

(個人情報保護法の特例としての医療特別法の側面)

6月下旬

・関係者ヒアリング

・「利活用」についての議論(医療等の情報の連携基盤についての議

論を含む)

(マイナンバー法の特例としての医療特別法の側面)

7月下旬 (必要に応じて回数を追加)

8月下旬~9月上旬 報告書案について2~3回程度

資料4

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※厚生労働省「第4回社会保障分野サブワーキンググループ及び医療機関等における個人情報保護のあり方に関する検討会」資料4
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