金城台276号2019年12月1日 第276号 主を畏れることは知恵の初め。 timor domini...
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二〇一七年の秋、このような本が出版さ
れました。堀井憲一郎著『愛と狂瀾のメ
リークリスマス
―
なぜ異教徒の祭典が日
本化したのか』(講談社)です。日本では
キリスト教徒でもないのになぜ皆クリスマ
スを祝うのか?という多くの人が抱く疑
問 ― その疑問の一つには、なぜクリスマ
スは恋人と過ごすべき日になっているのか
謎だ、も含まれるでしょう
―
を、日本の
約五〇〇年間の歴史から説明してみせてい
るものです。
この本によれば、西洋と異なって日本に
おけるクリスマスは、日露戦争に日本が勝
利した後の一九〇六年から「大人たちが大
騒ぎする日」になったこと、そして一九四
五年以降の戦後の高度経済成長期には「子
どもの楽しみの日」となっていったこと、
それが一九七〇年代からは「若者」が中心
となり、さらに一九八〇年代から、消費文
化社会の担い手として女性が主体となるに
つれ、クリスマスはロマンティックに過ご
したいと女性たちが願い、それに男性が応
じてきた、という趣旨のことが、著者の綿
密な文献調査から明らかにされています。
ここから私が気づかされたことは、今
は、恋人と過ごすべきクリスマスというイ
メージが大変強いわけですが、日本におけ
るクリスマスのこれまでの祝いで一貫して
いることは、仲間と騒ぐ、家族と過ごす、
恋人と過ごす、というように、いずれも誰
か〝人〟と一緒に過ごすことにこそ、意味・
価値を見出してきたようだ、という点でし
た。そう、クリスマスは人と人の絆を確か
める時と、どうやら日本では多くの人は思
いこんでいる
―
さて、クリスマスの時期、一般世間は非
常に華やいだ雰囲気となります。それは周
囲を見渡せばすぐに分かることです。しか
しその一方で、その華やいだ雰囲気の中で、
心から喜ぶことのできない方たちが一定数
いるのもまた事実です。具体的には、誰か
と、たとえば家族や恋人と一緒に過ごすこ
とができず、孤独を感じている方たちのこ
とです。いや、家族・恋人がいても、また
子どもがいても、そこに心の溝があれば、
その孤独感はむしろ一人で過ごす以上に辛
いものがあるでしょう。そのようになって
しまう理由を、私の神学校時代の同級生
で、知人の牧師である齋藤真行・別府不老
町教会牧師は、日本における世の中のクリ
スマスが「人と人の絆の祭り」、「人間愛の
祭り」となってしまっているからだと言い
ました1。
それだけに、私たちは、齋藤牧師の示唆
に従って、本来クリスマスは「人間愛の祭
り」などではないということに気づきた
い。クリスマスは、イエス様が、ヨセフと
マリアの間から、今から約二〇〇〇年前に
お生まれになったことをお祝いする日です
けれども、そのイエス様の誕生の光景はと
いうと、馬小屋・飼い葉桶での出産
―
現
代で言えば、事情があってほとんど誰から
も見守られないで生まれてくる出産の光景
か
―
、貧しい羊飼いたちの登場
―
現代
で言えば、過酷な環境下でありながら社会
からは尊敬されることの少ない労働者の
姿か
―
、またヘロデ王の追手から逃げ
るヨセフとマリアの姿
―
現代で言えば、
権力者の横暴に苦しむ小さくされた人々
か
―
と、聖書のクリスマスには「人間愛
の祭り」としての要素はほとんどありませ
ん。し
かし、まさにイエス様は、その真っ只
中にお生まれになられたのでした。神様の
独り子として、父なる神様から遣わされた
のでした。それは、神の愛のあらわれであ
り、真実に「わたしたちが生きるようにな
るため」です(ヨハネの手紙一
四・9)。
つまり、クリスマスは、神様と人との愛の
交わりの証しであります。クリスマスの本
当の喜び
―
それは「人間愛の祭り」を超
えて、私たちをひたすらに愛してくださる
お方がおられることを知る喜びです。皆様、
クリスマス、おめでとう。
注1
https://www.facebook.com
/
saitomaiku/posts/2099250883487145
神と人とのクリスマス
文学部宗教主事
落
合
建
仁
「
神は、独り子を世にお遣わしになりました。
その方によって、わたしたちが生きるよう
になるためです。ここに、神の愛がわたし
たちの内に示されました。」
ヨハネの手紙一
四:九
2019年12月1日 第276号
主を畏れることは知恵の初め。 TIMOR DOMINI PRINCIPIUM SCIENTIAE(Proverbis 1.7.)
(箴言 第1章7節:金城学院スクールモットー)
信仰とは、望んでいる事柄を確信し、 見えない事実を確認することです。(ヘブライ人への手紙第11章1節:2019年度金城学院聖句標語)
〈クリスマスツリーについて〉
W2棟ロビーにてアドベント期間中に
点灯いたします。(12/2~12/26)
▪昼のミニコンサート
12時40分~13時10分
エラ・ヒューストン記念礼拝堂
vol.51
12月13日㈮
オルガニスト養成講座受講生
▪第30回クリスマス・ハンドベル・
チャリティ・コンサート
日程
12月7日㈯
開場16時45分
開演17時30分
場所
アニー・ランドルフ記念講堂
入場料:1、500円(全席自由)
(
収益金の一部をもみじの家、アジア
保健研修所へ寄付します。)
お問い合わせ:080
-
4549
-
6139
(平日9時30分~17時)
▪キリスト教活動参加ご協力のお願い♪
本学のキリスト教活動にご協力くださ
る方々を募集しています。
お問合せ:キリスト教センター
)
▪クリスマスの行事
金城学院大学のクリスマス行事をご紹
介いたします。イエス・キリストのご降
誕をみんなでお祝いしましょう!
アドベントキャンドルサービス
12月2日㈪~12月24日㈫
朝の礼拝
8時45分~9時
エラ・ヒューストン記念礼拝堂
アドベントは日本語で「待降節」とい
い、クリスマスの四週間前の日曜日から
始まります。イエス・キリストのご降誕
を、喜びつつ待ち望む季節の到来です。
朝の礼拝では、アドベントクランツに灯
をともします。
クリスマスツリー点灯式
12月2日㈪
16時50分~17時20分
N1棟前
奨励:文学部教授 T
テ
イ
ラ
ー
AYLOR, M
マシュー
atthew A.
氏
キャンパスのクリスマス行事はこの点
灯式から始まります。この日からクリス
マスツリーが点灯され、アドベントを過
ごします。
オルガンミニコンサート
12月2日㈪
17時30分~18時00分
エラ・ヒューストン記念礼拝堂
演奏者:
有田知子氏(大学礼拝オルガニ
スト)
大学クリスマス礼拝
12月19日㈭
17時~18時
アニー・ランドルフ記念講堂
説教:日本基督教団金城教会牧師
木下
喜也氏
※クリスマス祝会
礼拝終了後、18時30分よりリリーノースに
て行います。
礼拝では、ハンドベルクワイアやクワ
イアの美しいハーモニーとともに、聖書
の言葉に耳を傾けることを通して、神の
救いの御業であるイエス・キリストの誕
生を皆でお祝いします。
▪クリスマス献金のお願い
「わたしの兄弟であるこの最も小さい
者の一人にしたのは、わたしにしてくれ
たことなのである」(マタイによる福音書25章40節)
12月2日~12月19日の期間中、キリス
ト教センター、各学部事務室、学生生活
支援センター窓口、リリーショップ等に
献金箱を設置します。ご協力をお願いい
たします。
〈主な献金先〉
災害救援のため
(
東日本大震災、台風15号、19号によ
る被災地へ)
※日本基督教団を通して
▪
教会の『キャンドルサービス』、『クリス
マス礼拝』に行ってみませんか?
クリスマスを教会で過ごしてみません
か。お近くのキリスト教会を紹介いたし
ます。(キリスト教センターには、名古
屋市内とその周辺の教会案内もあります
のでご利用ください。)
▪受洗者申し出のお願い
洗礼を受けた方、信仰告白をされた
方、キリスト教センターまでお越しくだ
さい。記念品をお贈りいたします。
〔第二七六号〕二〇一九年十二月一日発行
発
行
金城学院大学
キリスト教センター委員会
名古屋市守山区大森二丁目一七二三番地
編
集
『金城台』編集委員会
落合
建仁
小室
尚子
岸
和廣
原田
峻
西野三緒子
印
刷
株
式
会
社
カ
ミ
ヤ
マ
*カードを貼る台紙はキリスト教センターに 設置しています。
クリスマスカードを集めてプレゼントをもらおう!12月2日(月)から朝、昼の礼拝で配布するミニカードを5枚集めて、最後に12月19日(木)のクリスマス礼拝で配布するリースのシールを集めると、素敵なプレゼントがもらえます。プレゼントの引換は、19日(木)クリスマス礼拝後の祝会プレゼント交換コーナーで。
イラスト:国際情報学科4年 石川裕葵(クリスマスイラスト
デザインコンテスト最優秀賞)
〔 4〕2019年12月1日 第276号