水平円柱の自然対流熱伝達における九州工業大学研究報告(工学)no,251972年6月...
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九州工業大学研究報告(工学)No,251972年6月 55
水平円柱の自然対流熱伝達における 上昇対流について(第2報)
(昭和47年4月28日 原稿受理)
機械工学教室宮 部 喜代二 〃 〃 勝 原 哲 治
Swaying Plume by Free Convective Heat Transfer from Horizontal Cylinder(2 nd report)
by Kiyoji MIYABE
Tetsuji KATSUHARA
Experimental results of swaying plume by free convective heat transfer from a
heated horizontal cylinder are considered with the numerical solution for steady
laminar且ow above a horizontal line heat source. Water and spindle oil are used for the test舳d, and the diameter of the horizo-
ntal cylinders are 8.1,21.7and 27 mm.
The flow patterns of the plume may be classified to three types:(a)the maxi・
mum temperature ∠t in the plume has a good agreement with the theoreticalvalue,(b)has a lower value to the theory and(c)has a lower volue and a difFusivi-
tical tendency.
4:伝熱面直径,L:伝熱面長さ, X:伝熱面中
1・序 言 心よりの高さ,H:伝熱面中心より液面までの高
水平円柱からの自然対流熱伝達に関しては, さ,τ..:バルク温度,’が伝熱面表面温度,τ。:
Joldbauerの実験 Hermanの解析以後,現在 高さxにおける対流層内最高温度(中心点),
までかなりの報告が知られているが,その上昇対 加一し一τ.。,∠τが理論解で示される値(=τ城一
流の対流層の傾向についての考察は,最近の二, τ..),4、:伝熱面長さ当り熱量,g:重力の加速
三の論文が知られているのみのようである。 度,β:体膨張係数 レ:動粘性係数,λ:熱伝導
藤井らは,線熱源からの上昇対流の理論解析と 率,1㌃プラントル数 θ:温度の次元をもっ
その数値解を示し1),また,実験結果との比較検 た数(-9./(λ・E),乃(0):無次元温度最大値,
討を試みている2)。ところで,筆者らは,上昇対 G。*:修正グラスホフ数(-gβX3θ/〃2),γ:伝熱
流に週期的揺動現象の存在することを示した 面中心軸をふくむ垂直面より直角方向の距離,
が3),藤井らは上記論文2)において,線熱源理論 τ:揺動週期,β:高さxにおける揺動の最大振
解と実験値との間の相異は,揺動現象に起因する 巾,〃:記録紙送り速度,1:記録紙よりのよみと
ものであろうと述べている。そこで,筆者らは, り時間((2)式参照)。
伝熱面直経の大きい場合における上昇対流の実験結果と線熱源数値解との比較を試みる目的で以下 3 実験装置および測定方法
の実験に着手した。 液槽の大きさ,伝熱面寸法,実験条件などを表
1に示す。また,表2は他の実験研究の同様な条 2・記 号 件を表にして示したものである。 ’
56
表1 実験条件その他
蘂×横×高 剰α6×α5×α61 α8×α8×・・8
側 板 な し あ り300mm
あ り300mm
な し な し
φ mi 2m 1&ユ 2・・7 i 2・・712τ・L, mm 300 500 500 500 300主ヒータ長さ, mm 300 500 300 300 300
温度測定1α・噸融|〃 _〃 1 〃 1〃11, mm 240 300~700 64~716 64~716 60~500
x, mm. 30~150 10~400 ユ6~300 16~400 ユ6~250
4, w/m 200~700 100~500 130~800 130~800 60~800
Gr* ユ06~108 102~107 ユ03~107 103~107 103~107
表2 各実験者の実験条件その他
実験者1 藤 井 (2) 1(5)1(6)1(7)流 体1空 ⇒ 水 1スピンドル油空 ⇒空 気1シリコン油嚢×横×高剰4×5×41ぱ3×・2×α31α3×α3×・・2[ 1α8×α6×Lユ1α14×α翌唖
4, mm O.5 1.0 0.075 1.02 0.127
L, mm 156 212 250 354 51,153
ち mmi&6-・61・・-2・12・-2・・」・・竺・1旦3-25∋75-78
測定方法巨渉計己電川熱電対1干渉計1熱電対已渉計仏 w/ml 24156-244}58-4・6i9751・・6-・7・・56-28
Gザ 1…一・ぴ ・ぴ一・ぴ ・四一・ぴ ユぴ一・∋・ぽ一…1・併一・ぴ
図1 伝熱面の構造略図
伝熱面は図1に示す構造のものを用い,内臓さ
れた05ψ『クロム線により電気加熱する。伝熱 図2液櫛伝熱面および側板
面の液槽への設定方法は図2に示すとおりで・液
面までの高さHは伝熱面を上下に移動させて定 める。同図中に示す伝熱面上方に互に平行におか
アクリ 側扱
一:
=〔2
@「 1
=一
工
一一 k¶
57
れた二枚のアクリル板は間隔L・-300mmで・ ランプ上昇対流の繍の影響をカ・トするために謝 i≧蕾 △る。以後このアクリル板を側板と称する。高さX ”イ
の位置における対流層の温度および揺動週期は, 乳匂邑 ...._.__......
温度記録計に馴して測定する.測定例姻4に \
示す。記録紙送り速度を早くすると,同図左側ニ ラ ンつの山のように温度の時間的変化を知ることがで プ
きまた記録紙速度を遅くすると,同図右側の記録
図3中に示すY型の0.1φC、-C。熱電対をペン書 ス∫一’
例のように醐週期の測定に齢の良い言己録をう 丞=/
田1
綱リ噸7凸 カメラ
図5 写真撮影の方法
ることができる。また,このY型熱電対は三次元
Cwc。田 方向に移動可能で,移動距離も測定できる。例えTherrnoco e
ば,高さXの位置における揺動の最大振巾は,図
4の記録例のような温度の時間的応答がなくなる5φガラス管 点まで熱電対をγ方向に移動させることにより測
定しうる。
対流様相の観察および写真撮影は図5に示すよ
砂ガラス管 うに,いわゆる,ミラージュ法を用いて行なっ
た4)。
L形 Y形 4実験結果 図3 熱 電 対 水平円柱からの上昇対流の週期的揺動現象につ
言o∨㊨ 一
τ寸
No 155 H3710mmW=235m ご苫=70m而0’0.5mv g
Poqp
ぐ
寸
一 . , ≡ 一 A ≡ ・ ●一 一 ■ ■ ● 一 ● , 〉 一 一 ⑳ ■ , ・ , 一 ・ ・ … . ⇒ , ・・ . ’ 魯 A ・ ・ . . ・ ’ s 一 ● s-一 一 ’一 , 一一 - ● . ■ 一 ● =, 一一 ●⑳●●●一 ■一← . ■ ■- 1■ 一▼’ ≡一 一一 一 ’一 一 r - 一一 ・ ● 一 一 . 一 一 一 一 ⊇ ● 一 一 ■ - s ● ’ ± 一
25‘司 ⑮ 『 5 10 5 o
遡 5⊂500隔鵡淘・i 8【輪
図4記録紙の測定例
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いてはすでに報告した3)。今回の実験においても cに示す領域のようになる。
揺動週期の測定は行なったが,その整理は第3報 (a)週期,振巾ともに一定の領域
で示す予定で,ここでは,前述のように,線熱源 (b)振巾が多少各週期毎に乱れる領域,
の理論値との比較を試みた結果について述べる。 (c)週期,振巾ともに乱れ,fiatteringの様相
41. 揺動様相の観察 が強くなり,やがて周囲流体へと拡散する。
観察および測定結果の傾向からみて,高さX方 対流層最大温度4τもかなりばらつき,理論
向に変化するパターンを大別すると図6のa,b, “値からの外れも大きくなる。
o
(り 4則板なし
アフのレ僧リ放
l I (;1) イ貝リ 元ト及 膓㌧ り
図6 揺動のパターン 図7 軸方向の揺動のパターン
(b1) (b2)
(a)
忘 1表・11輌m「ぴmm
a
b1,1)2
C
E2∋3、。C 21.7
D 21.7
516
64
4。,w/m
66.0
250
250
(c)
図8上昇対流の様相
59
£oε8
o内
§
o
一 図9 揺動現象の連続写真(15秒おき)
4=21.7,且=516㎜,q杉=38①w/m,τ=169 sec、
(表主Dグループ)
図7の(i)および(ii)は,それぞれ「側板な 4・2.κと4’との関係(理論値との比較)
し」および「あり」の場合,伝熱面軸方向に生じ 藤井らの線熱源に関する解析によれば1),伝熱
る揺動波形を示したものである。同図からわかる 面からの高さXの位置において,対流層内の最大
ように,側板なしの場合,伝熱面両端では波形の 温度4ち海は次式で示される。
節が認められ・波蜘=2の例でみられるよう ∠・,刷・)/ぴ一叫号ぷ (、)に,軸方向に波数が多くくなると両端のみでなく軸方向上に多くの節力・みられるようセこなる.図8 x~∠竺実測値の傾向姻11のA~Eにま
た,無次兀表示による実験点の関係を図12に示(a)および(c)は,このような様相の観察例を示したもので,同図(。)⊇』が,」、さいた す・両図中のA~Eはいず鳩表1の記号に対
め謡動が緬まで達しないで消滅する耳犬態をも 竺るもので・また渓縦輪解析値の傾向を
示したものである。 不す・
るように,領域aでは∠τは理論値と一致する図9は15秒おき噸影した揺動波形を示す・ 傾向にあり,領域bでは理論値より低いがxと
全体で約6°秒間の変化を示している揃である の関係には一定の傾向があるとみられ,領域。セこ
が,写真例の揺動週期はτ一169秒である。 なるとX~4τ間の傾向の規則性は乱れ始めるよ 図10は・それぞれ液位Hおよび仏三種の条 うである。図12-Aをみると,これらの傾向を
件に応じた写真観察例を示したもので・液位H 一層はっきり認めることができる。同図からわか
が小さくなり・熱量仏が大きくなるとともに周 ることは,熱量4、が異なっても同一傾向にまと
囲流体の乱れが目立ってくることがわかる・(例 まっていることで,領域a,b, cの分類も図示
えば同図(b3))。なお・同図bおよびcseries のように示したが, b, c領域の分け方は確定的
中に示す矢印は様相として撮影された対流の液表 なものではない。流体が水の場合振幅の測定は
面と推定される位置を示すもので・カメラと液面 極めて困難で,また外部からの僅かな乱れが加わ
との角度のために写真としては図示のようなもの ると揺動週期および振幅の乱れを生じるので,
がえられる。 bc領域の境界を推定するには,現象の観察を主
60
lil
㌣ 1
震
、《 霞 o巨〉 ’ o め
(a1) (a2) (a3)
撚羅臨翻1一繍/鞘翻 隷
灘ll麟爵嚢{i藷} ・封聯
,li!}・翼:iilii{i…1…il竃劉//き !叫i:l l
1蕪梅ii;ilii㍉織
1;iilΣ;i:ii;li;li㍗濠霞藷
(b1) (b2) (b3)
、」’ 辜h’ ←レ ∴ シ㌻ O
・ , 、鯵 ㌘・ づ.隊 ・・パ・垂 る
(c1) (c2)
4。,w/m
H,mm1 2 3
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§
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…
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780
780
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廷
廷
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a
b
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~700
300
~64
135
135
135
380
380
380
図10 各種条件(1ヨ,qDにおける揺動の様相 (表主Dグループ)
61>
∫0
oo へ
怜
W《入teγ
魚\°ラ6>R\°\㍍゜°
dエ27L=300
H=240
倒板なし
α一→←ム C
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H 6 ク/6
● △ Φ
Φ
∫0 ∫00 10 /00
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(D) (E)図11(A)~(E) 凋と4’.との関係..1 .’,∴∴ジ.z、...∵...芝:
62
/(デ /04 105 10・ /0・ /0・ /0・ 1¢°一’
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Φ ~700 △△△△ △
△ ~300
● ~64 一2P0/(ヂ 1∂ 1♂ ’05 10‘ 10η /08 109 /σ゜@ α却
図12 無次元表示による実験点4’/[θ・力(0)]~(矛*の傾向
体とする以外にはない。 比較して理論値とほぼ等しい∠’を示す点がかな
B~Eグループの実験点は,流体としてスピン り多く,線経の影響が現われているようである。
ドル油を用いた結果を示したものである。 この点についても後に述べる。図12中の細い実
Bグループは,本回の実験では伝熱面直経の最 線は,(B~E),いずれも図6の流動パターンの
も小さい4-8.1mmの場合の実験結果である。 領域bに相当する範囲を示したものである。図
図11-Bおよび図12のBグループの実験点の傾 12のBグループで,この細い実線より下に散在
向からわかることは,後述するC~Eグループと する実験点はcパターンに相当するとみられるも
63
のである。これらの点は,液位が同じでも熱量 一プの相異する点は,」rの値が理論値と一致す
●,が異なると領域cへの遷移する点が異なるた る範囲が多少異なるとみられることで,それぞれ
め,図のように散在する傾向を示すのである。こ 大凡¢*≦1・5×104,5×103である。
の点,図12のAグループのように,液位Hが一 以上述べた,A~Eグループの実験点の傾向を
定であれば(-240mm)9,が異なっても無次元 まとめると以下のようである。
表示の実験点は一定のまとまった傾向を示すのと 各グループの実験において,」τの値が理論値
は異なった様相である。流体が水とスピンドル油 と一致する範囲の〔G。*〕、.の値を次表に示す。同
と異なったがために現われた現象であろうか,伝 表中には,藤井らの示した値2)も示しておいた。
熱面直径の影響とともに今後の問題点とし後で論 表3からわかることは,流体が水とスピンドル
じる。 油とでは,伝熱直径の影響が逆となることで,そ
Cグループの傾向は明確なものが多い,H一 の理由は現在のところ不明であり,水に対する伝
716mmの実験点は,本実験範囲においてすべて 熱面直径の異なる実験が不足ともみられるので,
理論面より低い」τの値を示している。液位H 目下実験準備中であり,その実験結果をえて後,
が小さくなると,理論値と良く一致する4τの範 直径の影響については改めて検討を試みたいと考
囲が認められるようになり,H-314.64 mmで える。
の,∠τが理論値と一致する点はほぼG。*≦1.5× なお,藤井らによれば2),空気およびシリコン
10・である。CグループではBグループのように 油の実験結果の∠τはいずれも理論値より小さ
c領域に属するパターンの実験点がみられないの く,〔G。*〕,。は認められていないが,その理由も
は,Cグループの実験条件が上昇対流の乱れを最 現在の段階では明らかになしえない。また,上昇
も少なくするからであろうと考える。すなわち, 対流の流動のパターソは,側板を置くことによっ
側板を置くことによって上昇対流の縮流をカット てかなり整流化されるとみて良いが,Cグループ
する(この点はBグループも同様)とともに,伝 のH-716mmの液位の場合のみ全実験範囲で
熱面内臓の補助ヒータによって,側板の幅L- ∠’が理論値より低い傾向を示す理由も不明であ
300mmの範囲内の伝熱面表面温度が一定に保た る。
れるため,上昇対流の安定性が良くなることが, 液位H≦300mmの条件では,流動パターンの
Cグループ実験点の傾向のまとまりの良さを示し 領域a,bは各グループごとにほぼまとまった傾
ている理由であろう。 向を示すことが図12の無次元表示結果から認め
DおよびEグループは側板のない場合の実験点 られる。
で,それぞれ4-21・7mmおよび4-27 mmの 4.3.対流層の温度分布
伝熱面に対応する実験結果である。両グループは 図4に示したように,熱電対を用いて測定点を
ほぼ同様の傾向を示し,実験範囲内のxの値に対 通過する対流層のy方向の温度変化を測定する
して,流動パターンの領域cの実験点が散在する ことができるが,記録紙の横軸は時間軸であるの
ことが認められ,また,Cグループと異なるの で,このままでは温度分布曲線をうることはでき
は,H≡700 mmの液位の条件でも,低い値のH ない。図13の左に示す時間軸の温度分布曲線か
と同様の傾向がみられることである。D, Eグル ら右に示すy軸の温度分布曲線をうるためにつ
表3 [(守*]cr の 略 値
実験グ・レープ}A已井…lBlclDlE惨井…酩 mm 271… &・12・・712・・71271…
[G・・]・・「-4×… 8×…1-4×…1-・・5×…一・・5×…-5×…1-3×…
64
って無次元量(∠’・μり~(ξ/δ)を示したのが図
14である。ここに4τ,は中心よりアの距離の点
△tオ の温度を・ξ/δはγの鰍元量である・ 図15は図3に示しれL型γ型熱電対を用い
て測定した∠τの相異を示したもので,L型を用
いるとかなり低い温度値を示すことがわかり不適
゜黒・ 当である。揺動周期の測定には十分であるが,温 (D dり 度値を測定するには適しないので,温度測定の図13 D揺動対流層内の温度分柚線 際の鯛対の識形式に注意を要することが知ら(i) 記録紙(∠ち~の横軸が時間軸(ii)普通の温度分布曲線:(∠ち~y) れる・
ぎの方法を用いた。対流層の揺動を単振動と仮定 5・結 言
し・測定した最大振巾βと揺動周期τおよび記 流体として水およびスピンドル油を用い,ま
録紙の時間軸長さ1とから次式によりγを求め た,伝熱面直径三種によって行なった水平円柱か
る。 らの自然対流熱伝達実験において,上昇対流の傾
γ_(2π.1.)/@.τ) (2) 向を線熱源の理論解析解と比較検討し,つぎの結
果をえた。上式より求めたγを恥・麟らの綱’)縦 (・)働様相のパターンとして}ま,4⑳値が
ミ
ぜ
(a)線熱源の解と一致する領域(b)理論値より
゜d二6認蒜是需Tm 低いがまとまった傾向を示す領域(c)理論値よ
.、品=誌↓鷺m り外れるのみでなく不規則に乱れる領域に分類し Q=1150|v%H=514mrn うる。各領域はまたそれぞれ(a)周期振巾一定
Th・。噸i・d・d“ (b)多少の乱れ(c)乱れと拡散といった表現を
もなしうるようである。
(2) 実験点を∠’/〔θ・夙0)〕~G。*で無次元表
示すると,液位H別および流体別に,流動パタ\こ、ここ 一ンの領甑bでは良くまとまった傾向を示
゜°51ξ/e152Z5 す・ 、 _ (3) CグループのH-716mmの全実験点に 図14温度分布曲線の無次元赫 おける∠、の値が輪値より低い醐は疏井ら
20 Therm。 C。UPIe の示した空気およびシリコン油の実験点が同様の
\。 LW多’Y形 傾向にあることとともに明らかになしえず,今後
_m\°. ドル油で逆の傾向を示す繰がえられ,これも今
2
1
H=707mm @ \.° 後の解明すべき課題として残る。 o°Y形Q=115・lw \・LW多115.5 °\ミ゜ °・\, 最後に数々の助言を頂いた九州大学生産研藤井 10 20 50 100 200 500 哲教授ならびに上原春男助手に感謝する。また,
エmm 本実験に協力して預いた本学の原田孝二君ならび
図15L型, Y型熱電対による温度測定値の比較 に当時の学生,森,柳楽,神山,香迷の諸君にも
65
謝意を表する。 313-3ユ6および九州工大研究報告23号(1971),
5-15.
文献 4)藤井ほか:日本機械学会論文集・36-288(1970)・ 1349-1357. 1)藤井ほか:九大生産研報告,33号(ユ962),38号 5)Brodowicz, K. et a1:Int. J. Heat Mass Tr-
(1964)およびInt. J. Heat Mass Transfer,6 ansfer,9臼966),81-93.
(1963),597-605. 6)Forstrom, R. J. et a1:Int. J. Heat Mass
2)藤井ほか:日本機械学会論文集,No.717-3 Transfer,10(1967),321-330. (1971),169-172. 7)Schorr, A. W. et a1:Int. J. Heat mass Tr-
3)宮部ほか:第8回伝熱シンポジュウム(1971), ansfer,13(1970),557-571.