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読影に役立つ画像処理~腹部領域~
兵庫県放射線技師会読影セミナー
本日の内容
✓画像処理表示法✓画像の画質に関する因子✓各検査における画像処理のポイント・肝臓・胆嚢・膵臓・腎臓・消化管・大血管
画像処理表示法
・MPR(Multi Planer Reconstruction)・CPR(Curved Planer Reconstruction)・Slab MIP
・VR(Volume Rendering)・MIP(Maximum Intensity Projection)・MinIP (Minimum Intensity Projection)・RaySum (Ray Summation)・SSD (Shaded Surface Display)・VE (Virtual Endoscopy)
実機にて作成
WSにて作成
画像処理表示法
・MPR
多断面再構成法と呼ばれボリュームデータに対し、任意断面を抽出し表示する方法である。
画像処理表示法
・CPR
蛇行した面や曲面に沿って、断面を再構成する方法。臓器や病変、血管などの曲面に沿った観察をする場合に使用される。
画像処理表示法
・VR(Volume Rendering)すべてのボクセルに対して不透明度(opacity)と色調を設定することで閾値処理をすることなく3次元画像を得る。現在3D画像で最も多く使用されている。
画像処理表示法
・MIP(Maximum Intensity Projection)ボリュームデータに対して任意の視点方向に投影処理を行い、その投影経路中の最大値を投影面に表示する方法である。
画像処理表示法
・MinIP (Minimum Intensity Projection)ボリュームデータに対して任意の視点方向に投影処理を行い、その投影経路中の最小値を投影面に表示する方法である。
画像処理表示法
・ RaySum (Ray Summation)投影経路中の平均値をその光線の信号値とする。RaySum
で処理すると単純X線画像のような画像となる。
画像処理表示法
・ SSD (Shaded Surface Display)ボリュームデータに対しCT値のHU閾値を定め、それより高いCT値の領域を2値化する。現在ほとんど使用されていない。
画像処理表示法
・ VE (Virtual Endoscopy)3D画像処理をした部位を光学内視鏡と同様に観察または
表示する方法。極端にCT値の差を生じた領域に用いると、臓器内腔の隆起病変などをより詳細に確認できる。
本日の内容
✓画像処理表示法✓画像の画質に関する因子✓各検査における画像処理のポイント・肝臓・胆嚢・膵臓・腎臓・消化管・大血管
画像の画質に関する因子
・元画像
✓スライス厚と再構成間隔👉小さいほど空間分解能↑
✓再構成関数👉高周波数強調するほど分解能↑ 画像ノイズ↑
✓撮影条件👉目的部位に合わせた撮影線量などの最適化
✓造影方法👉検査目的に合わせる
その他
・回転方向
見たい所が広角となる保存を!!
その他
・回転軸
その他
・回転角度
その他
・回転角度
本日の内容
✓画像処理表示法✓画像の画質に関する因子✓各検査における画像処理のポイント・肝臓・胆嚢・膵臓・腎臓・消化管・大血管
肝臓
肝臓は、動脈、門脈の2重血行支配であり、それがもたらす肝実質の造影効果の時相差が多血性腫瘍の描出に重要とされている。CTは肝腫瘤の質的診断をさらに向上させた。
肝臓CTの画像処理!
・MPR
→病変と周囲臓器との関係が明瞭になる→栄養血管の走行を把握(手術、IVRのため)
肝臓
肝臓
胆嚢(DIC)
DICは胆道系の3D画像の作成、内視鏡的胆嚢摘出術の術前検査として三管合流部の位置、総胆管内の結石の有無、胆嚢管の分岐異常、副肝管の有無などの診断に有用である。
DIC-CTの画像処理!
・MIP
→胆道の形態把握・RaySum
→胆嚢内腔の観察も可
胆嚢(DIC)
胆嚢(DIC)
X線陰性結石の描出も可
膵臓
膵臓のCTは腫瘤の大きさや位置の把握、血行動態の評価ができることから膵癌の検査において重要とされている。また、急性膵炎の重篤度や予後予測にも有用である。
膵臓CTの画像処理!
・CPR
→膵臓の形状はへの字であり、膵管・血管の走行に
合わせて同一面にて表示する
→他臓器浸潤等の評価がしやすくなる
膵臓
膵臓
膵頭部から膵尾部までの膵実質と主膵管が同一面で観察できる
本日の内容
✓画像処理表示法✓画像の画質に関する因子✓各検査における画像処理のポイント・肝臓・胆嚢・膵臓・腎臓・消化管・大血管
腎臓
腎臓のCTはRCC・腎移植前等の術前において重要とされている。特に腎動脈や腎静脈の本数を評価するのに有用である。
腎CTの画像処理!
・MPR
→腫瘍の大きさや他臓器浸潤等の評価・VR/MIP
→手術・IVR前の腎血管の評価
腎臓
腎臓
腎臓(腎動脈狭窄)
こういった症例は横回転だけではなく・・・・
腎臓(腎動脈狭窄)
腎臓(腎移植前 レシピエント)
腎移植前のレシピエントCTでは腸骨動脈および腸骨静脈の描出が必要。静脈の描出には逐次近似応用再構成などのノイズ低減ソフトの使用を推奨。
弱 強strength
腎臓(腎移植前 レシピエント)
弱 強
本日の内容
✓画像処理表示法✓画像の画質に関する因子✓各検査における画像処理のポイント・肝臓・胆嚢・膵臓・腎臓・消化管・大血管
消化管
消化管の診断は一般的に内視鏡検査が行われているが、大腸癌などの場合壁外や他臓器への進展度、リンパ節転移、遠隔転移を評価する際にCTが有用とされている。特に術前において血管走行の把握、術式の決定に3DCTAが有用である。
消化管
消化管CTの画像処理!
・MPR
→腫瘍の大きさや他臓器浸潤等の評価
・VR
→手術前の解剖学的情報(血管など)
消化管(大腸癌)
消化管(大腸癌)
恥骨
S1
S2
3
4
5
RS
Ra
Rb
・直腸S状部RS→高位前方切除術
・上部直腸 Ra→低位前方切除術
・下部直腸 Rb→直腸切断術
消化管(大腸癌)
本日の内容
✓画像処理表示法✓画像の画質に関する因子✓各検査における画像処理のポイント・肝臓・胆嚢・膵臓・腎臓・消化管・大血管
大血管(腹部大動脈瘤)
大動脈瘤CTでは、瘤の存在診断の他、大きさと進展範囲、
瘤壁の石灰化や瘤壁の状況(炎症性大動脈瘤等)、壁在血栓の量やその状態、瘤と周辺臓器との関係さらに瘤と主要大動脈分岐の位置関係等を知ることができる。瘤径は手術適応を決める重要な因子であるが、CTによる評価の際には最大短径を用いることを原則とする
大動脈CTの画像処理!
・MPR
・VR
→手術・IVR前の血管の評価
大血管(腹部大動脈瘤)
不要な血管をカットして表示する
大血管(腹部大動脈瘤)
大血管(出血)
出血にはSlabMIPが必須!
MPR COR SlabMIP COR
大血管(出血)
では、血管を見る場合すべてSlabMIPでよいのではないか?
MPR SlabMIP
ステントで血管の情報が埋もれてしまう!!
大血管(出血)
では、血管を見る場合すべてSlabMIPでよいのではないか?
MPR SlabMIP
血栓が血管で埋もれて表示される!
石灰化が多い血管でMIPにすると血管の情報が乏しくなる
大血管(石灰化)
石灰化が強い血管でMIPにすると血管の情報が乏しくなる↑
そこでG-MIPの使用を推奨!!
G-MIPとはGradientMIPの事で高いCT 値をGradient処理し石灰化や金属を透過して表示するもの
大血管(石灰化)
G-MIPを使用することで簡単に内腔を描出することができる
大血管(石灰化)