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苅田町のバランスシート 行政コスト計算書 平成20年3月

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苅田町のバランスシート & 行政コスト計算書

平成20年3月

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は じ め に 本格的な地方分権の時代を迎え、地方公共団体においては、自らの責任で、自ら決定する行

政運営の取り組みが、より一層求められています。 このような状況にあって、地域の持つあらゆる資源を効率的・効果的に活用しながら、明確な優

先順位のもと迅速な意思決定と着実な課題解決を行っていくためには、「町経営の視点」からの

取り組みが必要です。 この取り組みを財政的な観点から進めるため、町の資産や負債の状況を把握するとともに、コス

ト意識の強化に向けて、町では、平成12年度からバランスシート(貸借対照表)を作成していま

す。 平成12年3月に自治省(現総務省)からバランスシートの作成基準が示され、多くの地方自治体

がこの基準に従い作成を行っておりますが、本町は、この1年間、より多様な角度からの分析方法

について、検討し、作成いたしました。 又、地方分権も実践の段階を迎え、町民とともにその地域をどう考え、今後、どのような地域にし

ていくかが大きな問題となっています。 そのためには、町の資産形成につながらない行政サービスの経費を把握する手段、行政コスト

計算書の作成が重要となってきます。 平成18年度における町の行政分野や施策ごとのコストの状況、また、その分野に充てられた財

源の状況が分かるものとなっています。 まちづくりを進めるにあたっては、町民参画や町民との協働が不可欠であり、これらを一層推進

していくためには、町の財政状況を色々な角度から町民にわかりやすく説明するなど情報の共有

化を図っていく必要があります。この面からも、このバランスシートと行政コスト計算書を合わせて

用いることにより、より効率的・効果的な財政運営に役立つとともに、町民の皆様にいろいろな角

度から町の財政状況を分かりやすく説明できるものの一つとして考えています。 これをお読みいただき、町政に対するより一層のご理解とご協力をいただきますようお願いいた

します。

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目 次 1 バランスシート作成の背景・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・P3

1. 地方公共団体における財政状況の把握 2. ストック分析の必要性

2 地方公共団体のバランスシート 1. 地方公共団体におけるバランスシートの意義 2. 作成上の基準

3 苅田町のバランスシート・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・P5 1. 苅田町のバランスシート 参考 バランスシートの用語の解説

4 苅田町のバランスシートの現状・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・P7 1. 資産 2. 負債 3. 正味資産

5 バランスシートを用いた財務分析と今後の課題・・・・・・・・・・・・・・・・・・・P8 1. 社会資本形成の世代間負担比率 2. 予算額対資本比率 3. 正味資産比率 4. 住民1人あたりのバランスシート 5. バランスシートの経年比較 6. 今後の課題

6 地方公共団体の行政コスト計算書・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・P12 1. 行政コスト計算書の意義

2. 作成上の基準 7 苅田町の行政コスト計算書・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・P14

参考 行政コスト計算書の解説 8 施策別・事業別コスト計算書・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・P17

9 バランスシートと行政コスト計算書のまとめ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・P26

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1 バランスシート作成の背景 1.地方公共団体における財政状況の把握 地方公共団体においては、議決された予算の適正・確実な執行を行うことなどに財政運営

の重点を置いています。 このため、会計処理の方法も単式簿記を用い、もっぱら年間の資金の流れの把握を中心

とした現金主義です。現金主義では、資産は評価しない為に、これまでに形成された資産や

負債の状況については、道路台帳等の各種の財産台帳や、公債費台帳で管理し、起債(町

債)の残高を把握しています。しかし、フロー(現金収支)の情報とストック(資産の財務的管

理)の情報が関連していないので、今現在、どれくらいの資産価値があるかという実態や変化

を把握することが、困難な状況にあります。 2.バランスシートの必要性 このように、現金主義会計では、ストック(資産の財務的管理)の表示が十分でないので、資

産がどれだけ残されており、負債との量的な関係が明らかでないことと、非現金支出を考慮し

てない為に、自治体の財政が実質的に赤字なのか黒字なのかわからないという問題がありま

す。こうした将来の負担をふくめて、自治体の財政の実態を把握する為に、民間企業で一般

的に活用されている複式簿記を用い、バランスシートを作成するなど企業会計手法を導入し、

正確な行政コストの把握や社会資本整備に伴う世代間の公正性の判断を行える取組みが必

要であると考えます。 単式簿記と複式簿記 単式簿記が取引の一面、例えば、家計簿のように収入あるいは支出から把握するのに

対し、複式簿記は、取引が原因と結果の二面から把握されます。例えば、図書館建設

費の支出は、固定資産である建物の増加(原因)、流動資産である現金の減少(結果)と

して把握されます。 2 地方公共団体のバランスシート 1.作成上の基準 ①取得原価(普通会計の建設事業費の累計)による資産評価 資産の評価は、現在の資産価値としてではなく、取得に要した支出との関係で把握する必要

があるため、取得価格を用いることとしました。また、算定にあたっては、データの取得が容易

であり、全国的な比較が可能なことから、決算統計を用いて昭和44年度から平成18年度ま

での38年間に支出した普通会計の建設事業費(道路橋梁費、学校等の建設に要する経費)

を累計しました。 ②減価償却 建設事業費の区分(土木費、民生費、教育費など)ごとに耐用年数(10年~60年)を設定し、

定額法(毎年一定額を償却)により行います。なお、土地は、減価償却の対象としません。

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③他団体に支出した負担金、補助金の取り扱い 当該団体が所有する財産を資産として計上するという考えに基づき、国や県が行う事業への

負担金など、他団体の資産形成に充当されるものは計上しません。 ④町債の取り扱い 作成基準日の町債残高のうち、翌年度の償還予定額を流動負債とし、翌々年度以降の償還

予定額を固定負債とします。 ⑤退職給与引当金 職員のこれまでの勤務により既に発生している退職給与支払予定額(年度末に職員全員が普

通退職したと想定した額)を退職給与引当金として固定負債に計上します。 普通会計と決算統計 一般会計、特別会計など各会計で経理する事業の範囲が各地方公共団体ごとに

異なっているため、統一的基準で整理し、比較できるようにした全国共通の統計上の

会計区分を普通会計といい、普通会計の決算数値の統計資料を決算統計といいま

す。

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3.苅田町のバランスシート

バ  ラ  ン  ス  シ  ー  ト

(平成19年3月31日現在)

(単位:千円)

     借       方       貸      方

[資産の部] [負債の部]

1.有形固定資産 1.固定負債

(1)総務費 1,232,638

(2)民生費 3,466,819 (1)地方債 12,184,432

(3)衛生費 2,307,886

(4)労働費 0 (2)債務負担行為

(5)農林水産業費 1,609,368 ①物件の購入等 0

(6)商工費 157,766 ②債務保証又は損失補償 0

(7)土木費 18,728,610 債務負担行為計 0

(8)消防費 490,004

(9)教育費 10,134,542 (3)退職給与引当金 2,298,650

(10)その他 746,193 (4)その他の負債 556,062

計 38,873,826

(うち土地 8,888,040 ) 固定負債合計 15,039,144

有形固定資産合計 38,873,826 2.流動負債

2.投資等 (1)翌年度償還予定額 946,540

(1)投資及び出資金 1,736,153

(2)貸付金 376,502 (2)翌年度繰上充用金 0

(3)基金

①特定目的基金 764,985 流動負債合計 946,540

②土地開発基金 0

③定額運用基金 12,500

基金計 777,485 負 債 合 計 15,985,684

(4)退職手当組合積立金 0

投資等合計 2,890,140

3.流動資産

(1)現金・預金 [正味資産の部]

①財政調整基金 3,879,018

②減債基金 186,039 1.国庫支出金 5,564,826

③歳計現金 3,332,264 .

現金・預金計 7,397,321 2.都道府県支出金 883,382

(2)未収金

①地方税 506,603 3.一般財源等 27,704,850

②その他 470,852

未収金計 977,455

流動資産合計 8,374,776 正 味 資 産 合 計 34,153,058

資 産 合 計 50,138,742 負 債・正 味 資 産 合 計 50,138,742

※債務負担行為に係る補償等  ①物件の購入等に係るもの 0 千円

 ②債務保証及び損失補償に係るもの 3,000,000 千円

 ③利子補給等に係るもの 0 千円

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参 考 バランスシートの用語の解説 1.資産 行政活動の結果として形成されたもので、町民サービスを行うために必要とされる経営資源

のことをいい、有形固定資産、投資等、流動資産の三つに区分されます。 ① 有形固定資産 道路、町営住宅、学校、図書館、庁舎などの建物や、土地、設備や機械、車両など町民サ

ービスを行うために必要な物質的な資産。 ② 投資等 公営企業や外郭団体等への出資金、奨学金や都市基盤整備のための貸付金など特定の

目的に使用するために積み立てられている基金。 ③ 流動資産 形式収支(当該年度の歳入-歳出)に相当する歳計現金等の現金や町税等の未収金な

ど。なお、年度の間の財政調整に用いられる財政調整基金や毎年度の町債の償還に用いら

れる公債償還基金は流動性(現金化の容易さの度合い)が高いことからこの中に含めて計上

しています。 2.負債 資産を形成するために用いられた町債の未償還残高など後世代の負担となるものであり、固定負債と流動負債に区分されます。 ① 固定負債 町債残高のうち翌々年度以降の償還予定額、退職給与引当金など。 ② 流動負債 町債残高のうち翌年度の償還予定額。 3.正味資産 資産と負債の差であり、これまでの世代によって負担され、後世代が実質的に引き継ぐ価値

を表しており、国庫支出金、県支出金、一般財源等の三つに区分されます。 ① 国庫支出金・県支出金

資産の形成に充当された国庫支出金、県支出金の累計額。 ② 一般財源等 資産の形成に充当された町税や交付税等の累計額。 一般財源等=正味資産-(国庫支出金+県支出金)で表されます。

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4.苅田町のバランスシートの現状 1. 資産 昭和44年度から平成18年度までの38年間に形成された資産は、501億となっていま

す。このうち38年間の建設事業から減価償却費を差し引いた有形固定資産が388億円と

最も多く、次いで流動資産が84億円、投資等が29億円となっています。 なお、資産の根幹をなす有形固定資産の中では、道路、公園、町営住宅などの土木費

が187億円と最も多く、次いで学校や公民館、図書館などの教育費が101億円、パンジー

プラザなどからなる民生費が35億円となっています。

資産割合

有形固定資産77%

投資等6%

流動資産17%

有形固定資産の目的別構成表

総務3%

消防1%

教育26%

その他2% 衛生

6%民生9% 農林水

産業4%

商工1%

土木48%

2. 負債

資産を形成するのに投下された資金のうち、将来の負担となる負債は、160億円となっ

ています。内訳は、翌々年度以降の地方債償還金や退職給与引当金などの固定負債が

150億円、翌年度償還予定の地方債元金である流動負債が10億円となっています。 3. 正味資産

資産形成に投下された資金のうち、既にこれまでの世代により負担され返済の必要のな

い正味資産は341億円となっています。このうち補助金である国庫支出金が55億円、県

支出金が9億円、自己資本といえる一般財源等が277億円となっています。

正味資産の構成割合

一般財源等81%

県支出金3%

国庫支出金16%

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5.バランスシートを用いた財務分析 民間企業の場合、その活動目的は「利益の追求」であり、経営者が最も配慮すべきことは、

「企業の継続」にあります。一方、地方公共団体の場合、その活動目的は「公共の福祉の増進」

にあり、民間と同じ指標で財務分析を行うのは適当でありません。ここでは、次に揚げる指標に

より分析を試みました。 (1) 社会資本形成の世代間負担比率 社会資本の整備の結果を示す有形固定資産のうち、正味資産によって形成されてい

る比率です。正味資産は主にいままでの世代の負担により形成された社会資本の額をさ

していることから、この比率はこれまでの世代によって既に納付された税金等によって社

会資本が形成された割合を示すものです。この比率が高いほど、将来世代への分が少

なく健全であるといえます。 ア. これまでの世代による社会資本の負担比率

87.9% (正味資産÷有形固定資産) イ. 後世代による社会資本の負担比率 41.1% (負債合計÷有形固定資産) 社会資本負担比率の3ヵ年度推移

単位:百万円

項  目 平成16年度 平成17年度 平成18年度

有形固定資産残高 35,488 38,360 38,874

正味資産合計 30,733 32,592 34,153

現世代社会資本負担比率 86.6 85.0 87.9

負債合計 14,452 15,786 15,986

後世代社会資本負担比率 40.7 41.2 41.1

(2) 予算額対資産比率

ストックである社会資本の形成に何年分の歳入が充当されたかを見るもので、この比

率が高いほど、社会資本整備に重点を置いてきたといえます。 予算額対資産比率 2.91年 (資産合計÷歳入合計)

予算額対資産比率の3ヵ年度推移

 単位:百万円

項  目 平成16年度 平成17年度 平成18年度

歳入合計 14,507 18,150 17,201

資産合計 45,185 48,378 50,139

予算額対資産比率(年) 3.11 2.67 2.91

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(3) 正味資産比率 企業会計でいう自己資本比率に相当し、この正味資産比率が高いほど財政状態が

健全であるといえます。ただし、企業会計上の自己資本とは「社外からの資本及び獲

得した利益の内部留保の額」であるのに対し、地方公共団体のバランスシートの正味

資産は「これまでの世代の社会資本形成の負担額」であり、それぞれの指標が示す意

味合いに相違があるので、一律に民間と比較することは適当ではありません。 正味資産比率 68.1% (正味資産合計÷負債・正味資産合計)

正味資産比率の3ヵ年度推移

単位:百万円

項  目 平成16年度 平成17年度 平成18年度

正味資産合計 30,733 32,592 34,153

負債・正味資産合計 45,185 48,378 50,139

正味資産比率 68.0 67.4 68.1 (4) 住民一人あたりのバランスシート

通常のバランスシートでは団体の人口規模等により単純な他団体比較が困難ですが

バランスシートの各項目を住基人口(住民基本台帳に登録)で除すことにより単純な比較が可能となります。

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住 民 一 人 あ た り の バ ラ ン ス シ ー ト

(平成19年3月31日現在)

(単位:千円)

     借       方       貸      方

[資産の部] [負債の部]

1.有形固定資産 1.固定負債

(1)総務費 36

(2)民生費 102 (1)地方債 358

(3)衛生費 68

(4)労働費 0 (2)債務負担行為

(5)農林水産業費 48 ①物件の購入等 0

(6)商工費 5 ②債務保証又は損失補償 0

(7)土木費 551 債務負担行為計 0

(8)消防費 14

(9)教育費 298 (3)退職給与引当金 68

(10)その他 22 (4)その他の負債 16

計 1,144

(うち土地 262 ) 固定負債合計 442

有形固定資産合計 1,144 2.流動負債

2.投資等 (1)翌年度償還予定額 28

(1)投資及び出資金 51

(2)貸付金 11 (2)翌年度繰上充用金 0

(3)基金

①特定目的基金 23 流動負債合計 28

②土地開発基金 0

③定額運用基金 0

基金計 23 負 債 合 計 470

(4)退職手当組合積立金 0

投資等合計 85

3.流動資産

(1)現金・預金 [正味資産の部]

①財政調整基金 114

②減債基金 6 1.国庫支出金 164

③歳計現金 98

現金・預金計 218 2.都道府県支出金 26

(2)未収金

①地方税 15 3.一般財源等 816

②その他 14

未収金計 29

流動資産合計 247 正 味 資 産 合 計 1,006

資 産 合 計 1,476 負 債・正 味 資 産 合 計 1,476

※債務負担行為に係る補償等  ①物件の購入等に係るもの 0 千円

 ②債務保証及び損失補償に係るもの 88 千円

 ③利子補給等に係るもの 0 千円

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住民1人あたりの資産は148万円、またこの資産を形成するために、将来の負担となる額

は1人あたり47万円、既に負担が終わり返済する必要のない額は101万円となっていま

す。 バランスシートの経年比較 単位:百万円

50,13948,37845,185

15,786 15,98614,452

30,733 32,592 34,153

0

10,000

20,000

30,000

40,000

50,000

60,000

16 17 18

年度

百万円

資産

負債

正味資産

平成16年度から平成18年度までを比較すると、資産、負債、正味資産のどれも増

加しています。その中で負債の増加割合よりも、正味資産の増加割合の方が大きくな

っています。このことから、ここ3ヵ年での資産の増加は、負債よりも正味資産の増加を

伴う割合が高いことが分かります。 このように、現金の出入りのみを追った会計では、見えなかった部分が、バランスシ

ートを作成したことにより、減価償却費や退職給与引当金といった現金収支をともなわ

ない費用(コスト)の概念を導入することができ、その結果として、企業会計で一般的に

行われている発生主義的な要素を取り入れることが可能になりました。

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6.地方公共団体の行政コスト計算書 1.行政コストの必要性

バランスシートを作成することで、従来までの財務分析とは異なる角度からの分析を可

能としましたが、それ以外にも企業会計の手法を取り入れた分析方法があります。バランス

シートはストック面からの分析には有効ですが、地方公共団体の行政活動は、人的サービ

スや給付サービスなど資産の形成にはつながらない行政サービスが大きなウエートを占め

ています。この活動に消費された資源、いわゆるコストがどれぐらいかかったのかを示すた

めに、行政コスト計算書も同時に作成することが必要であると考えます。 行政コスト計算書=資産形成につながる支出を除いた現金支出 +減価償却、不能欠損、退職給与引当金の非現金支出

2.行政コスト計算書の違い コストを把握するための方法には、公会計における決算書や民間企業で採用されてい

る損益計算書がありますが、これらと行政コスト計算書では、次の点が違います。 ① 公会計との違い

現在の地方公共団体で採用している公会計は、現金の支出をベースとしてコストを把

握しています。しかし、地方公共団体の活動の実態を把握するためには、現金の支出

だけでは捉えきれるものではないことから、減価償却費や退職給与引当金などの非現

金支出を含めています。 ② 損益計算書との違い

行政コスト計算書は、民間企業の損益計算書に相当するものですが、利益の追求を

目的としている民間企業と異なり、地方公共団体は、住民福祉の向上を図ることを目的

としています。このため、損益計算書(売上-経費=利益)のようにどれくらいの利益が

あったのかを計算するものではなく、どのような行政サービスにどれくらいの一般財源が

必要なのかなど、行政コストの内容自体の分析を行うことを目的としています。

3.作成上の基準 ① 対象会計の範囲 決算統計のデータなどを活用する必要があることから、バランスシートと同様に普通会

計とします。 ② コスト項目の分類 コスト分析を容易にするため、行政サービスの分野ごとに、その性質別の内訳を示す

こととし、目的別経費と性質別経費をマトリックスに表します。 ア.目的別経費 総務費、民生費、商工費、土木費、教育費などの決算統計の区分によります。 イ.性質別経費

※ 人にかかるコスト 人件費、退職給与引当金繰入額

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※ 物にかかるコスト 物件費、維持補修費、減価償却費 ※ 移転支出的なコスト 扶助費、補助費、繰出金、普通建設事業費 ※ その他のコスト 災害復旧事業費、公債費、不納欠損額 ③ 発生主義による調整(主なもの) ア.人件費、退職給与引当金繰入額 人件費には、退職手当支払額を除いた額を計上しています。退職給与引当金繰入

額には、当該年度に引当金として新たに繰り入れられた分に相当する額について計上

しています。 イ.普通建設事業費

普通建設事業費のうち町における資産形成に該当するものは、バランスシートで経

理するため、これを除いています。国・県直轄事業負担金に対する補助金など、他団

体において資産形成されるものを計上しています。 ウ.公債費 公債費のうち元金分については、バランスシートで経理するため、これを除き利子分

のみを計上しています。 エ.不納欠損額 現金主義である公会計ではコストに計上されませんが、発生主義のコスト計算書で

は、未収金のうち不納欠損処理を行った額を計上しています。

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7.苅田町の行政コスト計算書

行政コスト (単位:千円)

収入項目

使用料・手数料 144,003

分担金・負担金・寄付金 287,270

国庫支出金 815,405

県支出金 496,980

財産収入 233,880

諸収入 95,631

繰入金 0

特定財源計 B 2,073,169

B÷A (%) 18.25

一般財源 C 10,217,262

C÷A (%) 89.95

収入(B+C)E 12,290,431

正味資産国(県)支出金償却額 F 362,999

差引(E-A+F) G 1,294,604

総 額 (構成比率)%

(1)人件費 2,324,847 20.47

(2)退職給与引当金繰入額 206,424 1.81

小計(人にかかるコスト) 2,531,271 22.28

(1)物件費 2,624,038 23.10

(2)維持補修費 69,449 0.61

(3)減価償却費 1,829,282 16.11

小計(物にかかるコスト) 4,522,769 39.82

(1)扶助費 1,200,138 10.57

(2)補助費等 1,338,212 11.78

(3)繰出金 938,833 8.27

(4)普通建設事業費 519,487 4.57

小計(移転支出的なコスト) 3,996,670 35.19

(1)災害復旧事業費 21,322 0.19

(2)公債費(利子分のみ) 264,771 2.33

(3)不納欠損額 22,023 0.19

小計(その他のコスト) 308,116 2.71

行政コスト A 11,358,826 100.00

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参 考 行政コスト計算書の解説 行政コスト 1. 人にかかるコスト ① 人件費 決算統計の人件費から当該年度の退職手当支払額を除いた額を計上します。

=2,474,710(決算額)-225,547(退職手当組合の納付額) + 75,684(毎年度の退職手当組合納付金の過不足額累計

の前年度比増減額) ② 退職給与引当金繰入額 一年間に職員が、勤続したことにより、発生する退職手当の増

加分を計上します。 =225,547(退職手当組合の納付額)-19,123(退職金の引当金の減少)

2. 物にかかるコスト ①物件費 備品や消耗品の購入、光熱水費、業務委託などに要する経費です。

②維持補修費 建物など施設の維持修繕に要する経費です。 ③減価償却費 有形固定資産の減価償却相当額を計上します。 H17の有形固定資産の残存額-H18の有形固定資産の残存額+H18の有形固定資産

の取得額 =38,359,987-38,873,826+2,343,121

3.移転支出的なコスト ①扶助費 保育所などの運営、医療費の援助や各種手当の支給などに要する経費です。 ②補助費等 公営企業会計や各種団体への補助金などです。

③繰出金 特別会計への繰出金です。 ④普通建設事業費 国・県直轄事業負担金や他団体への補助金のように、他団体での資産

形成に支出した負担金や補助金などです。 (町の資産形成につながるものは、バランスシートに計上)

=2,862,608(決算額)-2,343,121(町の資産形成につながるもの) 4.その他のコスト ①災害復旧事業費 災害復旧事業に要した経費です。 ②公債費 町債の利子支払額です。 =1,192,411(決算額)-927,640(町債の元金支払額)

③不納欠損額 町税や使用料などの未収金で不納欠損処理を行った額です。 収入項目 1. 使用料・手数料 町営住宅使用料、住民票等交付手数料等です 2. 分担金・負担金・寄付金 学校給食事業収入、寄付金等です。 3. 諸収入 受託事業、貸付金収入(元金返済分を除く)等です。 =198,321(決算額)-102,690(貸付金回収分)

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4. その他の収入 財産運用収入や財産売払収入等です。 5. 国庫(県)支出金 国庫補助金や県補助金等です。 <国庫支出金>=1,209,322(決算額)-393,917(有形固定資産取得経費充当分) <県支出金> = 547,442(決算額)-50,462 (有形固定資産取得経費充当分) 6. 正味資産国県支出償却額 バランスシートに計上されている国県支出金のうち有形固定資産の減価償却にあわせ

て、年度内に償却されるものです。 7. 差引 将来の資産形成や行政活動を行うための資金として残ったものです。

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8. 施策別、事業別コスト計算書

1.施策別コスト計算

 行政コストの詳細を示すため、主な行政分野について、施策別に行政コスト計算書を作成しました。

①民生・衛生費

行政コスト 単位:千円

科 目 名 民生・衛生費構成比社会福祉費 老人福祉費 児童福祉費 災害救助費 保健衛生費 清掃費

人件費 342,133 7.3 234,177 3,981 4,338 70,907 28,730

退職給与引当金繰入額 31,809 0.7 21,984 7,037 2,788

小計(人にかかるコスト) 373,942 8.0 256,161 0 3,981 4,338 77,944 31,518

物件費 1,415,841 30.2 141,516 38,838 189,467 668 164,123 881,229

維持補修費 14,495 0.3 4,346 513 2,691 6,945

減価償却費 308,774 6.6 164,740 556 18,271 125,207

小計(物にかかるコスト) 1,739,110 37.1 145,862 203,578 190,023 1,181 185,085 1,013,381

扶助費 1,177,552 25.1 321,752 70,266 782,096 500 2,938

補助費 223,268 4.8 79,213 38,100 52,884 2,145 44,275 6,651

普通建設事業費 262,570 5.6 15,000 224,404 23,166

繰出金 908,989 19.4 418,077 490,912

小計(移転支出的なコスト) 2,572,379 54.9 819,042 614,278 1,059,384 2,645 47,213 29,817

公債費 0 0.0

小計(その他のコスト) 0 0.0 0 0 0 0 0 0

行政コスト A 4,685,431 100 1,221,065 817,856 1,253,388 8,164 310,242 1,074,716

構成比率 26.1 17.5 26.7 0.2 6.6 22.9

収入項目

国庫支出金 448,293 114,409 317,363 16,521

県支出金 430,543 193,274 4,376 211,936 19,957 1,000

使用料・手数料 36,069 11,273 7,881 16,915

分担金負担金 168,277 5,156 163,121

諸収入 43,595 35,510 12 7,628 310 135

その他 11,778 3,127 64 8,587

特定財源 B 1,138,555 357,593 9,544 700,048 0 44,733 26,637

B/A (%) 24.3 29.3 1.2 55.9 0.0 14.4 2.5

差引一般財源 C 3,546,876 863,472 808,312 553,340 8,164 265,509 1,048,079

C/A (%) 75.7 70.7 98.8 44.1 100.0 85.6 97.5

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社会福祉費 国民健康保険被保険者の負担軽減等のための経費や身体障害者、知的障害者等の援護関係

経費などです。

内訳は、国民健康保険特別会計繰出金418,077千円が最も多く、次いで、知的障害者や身

体障害者の援護施設措置費などからなる扶助費321,752千円で、人件費234,177千円があり

ます。 収入の主なものは、扶助費に対する国県支出金307,683千円などです。 総コスト 1,221,065千円 所要一般財源 863,472千円

(町民一人当り 35.9千円) (町民一人当り 25.4千円) 老人福祉費(6,680人) 高齢者が「いきいき」と「あんしん」して暮らしていけるための施策を推進する経費です。 内訳は、老人保健特別会計や介護保険特別会計への繰出金490,912千円が最も多く、次い

で、老人福祉センター等の減価償却費164,740千円、老人保護措置費、老人医療費などから

なる扶助費70,266千円などがあります。 収入の主なものは、老人保護措置費などへ国県支出金4,376千円などです。 総コスト 817,856千円 所要一般財源 808,312千円 (町民一人当り 24.1千円) (町民一人当り 23.8千円) 高齢者(65歳以上)一人当りに要するコスト 122.4千円 児童福祉費 子どもの健全育成をはかるための施策を推進する経費です。 内訳は、保育所への運営費、児童手当などからなる扶助費782,096千円が最も多く、次いで、

物件費189,467千円などがあります。 収入の主なものは、保育所などへ国庫・県支出金529,299千円、保育所保育料などの負担金

163,121千円などです。 総コスト 1,253,388千円 所要一般財源 553,340千円 (町民一人当たり 36.9千円) (町民一人当たり 16.3千円) 災害救助費 災害の起こる前、または起こった後に、災害に関することに対して要する経費です。 内訳は、災害見舞金などの扶助費500千円などとなっています。 収入に主なものはなく、全額一般財源で賄っています。 総コスト 8,164千円 所要一般財源 8,164千円 (町民一人当たり 0.24千円) (町民一人当たり 0.24千円)

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保健衛生費 保健、母子衛生、成人病対策などに要する経費です。 内訳は、健康診査委託や予防接種委託などからなる物件費164,123千円などとなっていま

す。 収入の主なものは、老人保健事業への国県支出金36,478千円などです。 総コスト 310,242千円 所要一般財源 265,509千円 (町民一人当り 9.1千円) (町民一人当り 7.8千円) 清掃費(13,778世帯) 家庭などから排出されるゴミを一般廃棄物といい、その収集運搬、処理などに要する経費です。 内訳は、清掃委託やし尿汲み取り委託などからなる物件費881,229千円などとなっています。 収入の主なものは、ゴミ処理手数料16,915千円などです。 総コスト 1,074,716千円 所要一般財源 1,048,079千円 (町民一人当り 31.6千円) (町民一人当り 30.8千円) 1世帯当りの処理に要するコスト 78.0千円

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②土木費

行政コスト 単位:千円

科 目 名 土木費 構成比道路橋梁費 街路費 公園費 住宅費 その他

人件費 234,827 11.4 32,567 29,320 172,940

退職給与引当金繰入額 25,164 1.2 3,843 3,109 18,212

小計(人にかかるコスト) 259,991 12.6 36,410 0 0 32,429 191,152

物件費 66,631 3.3 6,656 6,656 34,384 4,401 14,534

維持補修費 17,208 0.8 1,967 2,416 12,825 0

減価償却費 997,024 48.5 252,752 279,169 61,879 66,048 337,176

小計(物にかかるコスト) 1,080,863 52.6 261,375 285,825 98,679 83,274 351,710

扶助費 0 0.0 0

補助費 467,760 22.7 1,095 4,531 50 2,055 460,029

普通建設事業費 248,417 12.1 35,387 100,041 112,989

繰出金 0.0 0

小計(移転支出的なコスト) 716,177 34.8 36,482 104,572 50 2,055 573,018

公債費 0.0 0

小計(その他のコスト) 0 0.0 0 0 0 0 0

行政コスト A 2,057,031 100 334,267 390,397 98,729 117,758 1,115,880

構成比率 16.3 19.0 4.8 5.7 54.2

収入項目

国庫支出金 15,181 15,181

県支出金 861 861

使用料・手数料 54,051 410 52,346 1,295

分担金負担金 0

諸収入 184 184

その他 267 267

特定財源 B 70,544 0 0 410 67,794 2,340

B/A (%) 3.4 0.0 0.0 0.4 57.6 0.2

差引一般財源 C 1,986,487 334,267 390,397 98,319 49,964 1,113,540

C/A (%) 96.6 100.0 100.0 99.6 42.4 99.8

※その他には、土木管理費、河川費、港湾費、下水道費、区画整理費、空港費などが含まれています。

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道路橋りょう費 道路や橋などの設置、管理に要する経費です。 内容は、施設の減価償却費252,752千円で最も多く、次いで、県営事業負担金などからなる

普通建設事業費35,387千円などがあります。 収入は特にありません。 総コスト 334,267千円 所要一般財源 334,267千円 (町民一人当り 9.8千円) (町民一人当り 9.8千円) 街路費(主に、都市計画決定された道路) 街路の設置、管理に要する経費です。 内容は、施設の減価償却費279,169千円が最も多く、次いで、県営事業負担金などからなる

普通建設事業費100,041千円などがあります。 収入は特にありません。 総コスト 390,397千円 所要一般財源 390,397千円 (町民一人当り 11.5千円) (町民一人当り 11.5千円) 公園費 町内の公園35ヶ所の設置、管理に要する経費です。 内訳は、施設の減価償却費61,879千円などとなっています。 収入の主なものは、使用料・手数料410千円などです。 総コスト 98,729千円 所要一般財源 98,319千円 (町民一人当り 2.9千円) (町民一人当り 2.9千円) 住宅費 町営住宅666戸の設置、管理に要する経費です。 内訳は、施設の減価償却費66,048千円が最も多く、次いで、人件費29,320千円、維持補修

費12,825千円などとなっています。 収入の主なものは、住宅使用料(家賃)などの使用料・手数料52,346千円などです。 総コスト 117,758千円 所要一般財源 49,964千円 (町民一人当り 3.5千円) (町民一人当り 1.5千円) 町営住宅一戸当り 176.8千円

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③教育費

行政コスト 単位:千円

科 目 名 教育費 構成比 小学校費 中学校費 社会教育費 学校給食費 その他

人件費 346,147 22.4 37,075 18,191 174,581 26,581 89,719

退職給与引当金繰入額 32,207 2.1 3,994 1,892 15,387 2,322 8,612

小計(人にかかるコスト) 378,354 24.5 41,069 20,083 189,968 28,903 98,331

物件費 730,528 47.3 152,728 66,090 211,120 221,959 78,631

維持補修費 31,367 2.0 13,261 8,236 5,881 3,989 0

減価償却費 292,869 18.9 105,886 55,136 87,202 44,645 0

小計(物にかかるコスト) 1,054,764 68.2 271,875 129,462 304,203 270,593 78,631

扶助費 22,586 1.5 6,980 7,287 8,319

補助費 90,280 5.8 9,800 6,947 22,587 90 50,856

普通建設事業 0 0.0 0

繰出金 0 0.0 0

小計(移転支出的なコスト) 112,866 7.3 16,780 14,234 22,587 90 59,175

公債費 0 0.0 0

小計(その他のコスト) 0 0.0 0 0 0 0 0

行政コスト A 1,545,984 100 329,724 163,779 516,758 299,586 236,137

構成比率 21.3 10.6 33.4 19.4 15.3

収入項目

国庫支出金 8,843 680 696 480 85 6,902

県支出金 5,824 4,936 888

使用料・手数料 19,865 12,653 7,212

分担金負担金 117,971 117,971 0

諸収入 8,394 1,359 453 6,450 132

その他 54 33 21

特定財源 B 160,951 2,039 1,149 24,552 118,056 15,155

B/A (%) 10.4 0.6 0.7 4.8 39.4 6.4

差引一般財源 C 1,385,033 327,685 162,630 492,206 181,530 220,982

C/A (%) 89.6 99.4 99.3 95.2 60.6 93.6

※その他には、教育総務費、幼稚園費、体育施設費などが、含まれています。

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小学校費(2,002人) 小学校6校の管理運営に要する経費です。 内訳は、光熱水費、教材、教具などにかかる物件費152,728千円が最も多く、次いで施設の

減価償却費105,886千円などとなっています。 収入は、就学援助費などの国庫支出金680千円です。 総コスト 329,724千円 所要一般財源 327,685千円 (町民一人当り 9.7千円) (町民一人当り 9.6千円) 児童一人当りに要するコスト 164.7千円 中学校費(962人) 中学校2校の管理運営に要する経費です。 内訳は、光熱水費、教材、教具などにかかる物件費66,090千円が最も多く、次いで施設の減

価償却費55,136千円などとなっています。 収入は、就学援助費などの国庫支出金696千円です。 総コスト 163,779千円 所要一般財源 162,630千円 (町民一人当り 4.8千円) (町民一人当り 4.8千円) 生徒一人当りに要するコスト 170.2千円 社会教育費 生涯教育、青少年対策、文化振興に要する経費や公民館、図書館などの管理運営に要する経

費です。 内訳は、光熱水費や管理運営委託などの物件費211,120千円が最も多く、次いで施設管理

に要する人件費174,581千円、施設等の減価償却費87,202千円などとなっています。 収入の主なものは、各施設の使用料・手数料12,653千円などです。 総コスト 516,758千円 所要一般財源 492,206千円 (町民一人あたり 15.2千円) (町民一人当たり 14.5千円) 学校給食費(2,964人) 小・中学校8校の給食を作るための経費です。 内訳は、光熱水費、給食材料などにかかる物件費221,959千円が最も多く、建物などの減価

償却費44,645千円などとなっています。 収入の主なものは、児童からの給食費117,971千円などです。 総コスト 299,586千円 所要一般財源 181,530千円 (町民一人当たり 8.8千円) (町民一人当たり 5.3千円) 児童一人当たりに要するコスト 101.1千円

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2.事業別コスト計算書

行政コスト計算書は、事業所ごとにも作成することが可能です。ここでは町民に身近な

事務事業について、そのコストや財源などの内訳を試算いたしました。

(単位:千円) 町民窓口業務

科 目 名 戸籍・住民台帳費 住民登録や印鑑証明、戸籍謄本の発行など、

人件費 49,855 町民の窓口の業務に要する経費です。

退職給与引当金繰入額 4,957

小計(人にかかるコスト) 54,812 内訳は、人件費49,855千円が最も多く、

物件費 20,744 窓口業務に必要な事務費や電算化した戸籍

維持補修費 システムによる経費からなる物件費20,744

減価償却費 千円などとなっています。

小計(物にかかるコスト) 20,744

扶助費 収入は、住民票や印鑑証明などの手数料

補助費 43 15,816千円、外国人登録などに伴う

繰出金 国県支出金891千円などです。

普通建設事業費

小計(移転支出的なコスト) 43

公債費

小計(その他のコスト) 0

行政コスト A 75,599 総コスト 75,599千円

(町民一人当たり 2,225円)

国庫支出金 858

県支出金 33 所要一般財源 58,892千円

使用料・手数料 15,816 (町民一人当たり 1,733円)

分担金負担金

諸収入 住民票や戸籍謄本、印鑑証明等の発行について

その他 1年間の発行件数 63,733件

特定財源計 B 16,707 1件当たりに要する一般財源 924円

B/A (%) 22.1

差引一般財源 C 58,892

C/A (%) 77.9

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(単位:千円) 救急業務

科 目 名 救急業務 消防署救急隊の救急活動に要する経費です。

人件費 50,445

退職給与引当金繰入額 4,804 内訳は、人件費50,445千円が最も多く、次に

小計(人にかかるコスト) 55,250 救急車の修繕費、燃料費、救急資機材等からなる

物件費 6,131 物件費6,131千円、救急車の減価償却費

維持補修費 5,909千円などとなっています。

減価償却費 5,909

小計(物にかかるコスト) 12,040

扶助費

補助費 2,327

繰出金 総コスト 69,616千円

普通建設事業 (町民一人当たり 2,049円)

小計(移転支出的なコスト) 2,327

公債費

小計(その他のコスト)

行政コスト A 69,616 所要一般財源 68,757千円

(町民一人当たり 2,023円)

国庫(県)支出金 2

使用料・手数料 363

分担金負担金

諸収入 492 救急車による搬送について

その他 2 1年間の搬送者数 1,309名

特定財源計 B 859 1名当りに要する一般財源 52,526円

B/A (%) 1.2

差引一般財源 C 68,757

C/A (%) 98.8

Page 27: 苅田町のバランスシート 行政コスト計算書...3 1 バランスシート作成の背景 1.地方公共団体における財政状況の把握 地方公共団体においては、議決された予算の適正・確実な執行を行うことなどに財政運営

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9 バランスシートと行政コスト計算書のまとめ これまで作成したようにバランスシートからは、平成19年3月31日現在の資産の財政状況(38

年間)が分かり、将来のあり方を検討する判断材料となり、一方、行政コスト計算書からは、平成

18年度の一年間の活動状況がわかり、コストと行政活動の効果を比較することによって、行政

活動の効率性を判断する材料になると考えられます。