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装備品等の技術研究開発に係る課題について 平成20年1月 技術計画官 資料2

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Page 1: 装備品等の技術研究開発に係る課題について · 研究開発が終了し、装備化された装備品について、運用段階におけるフォローアップ

装備品等の技術研究開発に係る課題について

平成20年1月

技術計画官

資料2

Page 2: 装備品等の技術研究開発に係る課題について · 研究開発が終了し、装備化された装備品について、運用段階におけるフォローアップ

1

• 研究開発のあり方に係るこれまでの取組み

• 研究開発に係る大臣指示

• 研究開発評価を踏まえた意思決定プロセス

• 新たな評価体制の確立(イメージ)

• 検討状況及び今後の予定

• 国際的な研究開発の動向

• 国際共同開発の事例

• 国際共同開発の利点・問題点

• 日米共同開発と欧州型の共同開発

• 国際協力の可能性を探る技術交流の推進

• 検討状況及び今後の予定

目 次

1.検討課題

2.装備品の検証

3.国際的な動向

Page 3: 装備品等の技術研究開発に係る課題について · 研究開発が終了し、装備化された装備品について、運用段階におけるフォローアップ

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1.検討課題 研究開発のあり方に係るこれまでの取組み

重点技術分野を示した技術戦略の策定

防衛構想と研究開発の整合性強化

研究開発の評価制度の充実

技術研究本部の体制の見直し

19.4 『中長期技術見積り』を策定

18.3 運用実証型研究を導入18.11『M&Sガイドライン』

を策定

18.3 『研究開発評価指針』を策定

18.7 研究開発評価官を新設

18.7 技術企画部、先進技術推進センターを新設

○ 平成16年に石破長官(当時)の長官指示に示された研究開発に係る課題に対し、長官に報告の上、引き続き検討し、各種施策を実施してきたところ

実施した主要な施策16.9長官指示

に示された課題

これまでの取組み

資源の「選択と集中」を推進

外部資源の積極的活用が課題

研究開発プロセスの立案、実施段階を充実

意思決定プロセスへの反映が課題

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2 効果的・効率的な研究開発のあり方の検討最新の軍事科学技術の動向や研究開発を巡る国際的な情勢を踏まえつつ、防衛構想に

対応した効果的・効率的な研究開発を行うことが必要である。このため、研究開発した装備品等が十分な効果を挙げているかについて検証し、今後の研究開発のあり方について検討せよ。

大臣指示

○ 研究開発した装備品について、国際平和協力活動や領空侵犯対処等の「実践」を通じて得た経験を踏まえて評価

第1回総合取得改革推進PTでの議論

大臣指示を踏まえ、本プロジェクトチームにおいては、研究開発評価を踏まえた全省的意思決定プロセスの確立と国際的な研究開発の動向への対応を中心に研究開発のあり方を検討

1.検討課題 研究開発に係る大臣指示

Page 5: 装備品等の技術研究開発に係る課題について · 研究開発が終了し、装備化された装備品について、運用段階におけるフォローアップ

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○ 20年3月までに、現行制度を見直し、研究開発事業の全段階において必要性、コスト等を評価し、評価内容を省内で共有することで実効的な全省的意思決定プロセスを整備

○ 運用段階におけるフォローアップについて、装備品の実運用実績を活用する追跡評価を実施

○ 従来、研究開発事業の各段階(事前段階・中間段階・事後段階)において、評価委員会・評価部会において評価を実施。

しかしながら、これまで、研究開発評価の内容については、省内での共有化が不十分であり、意思決定プロセスへの反映が不十分であった。

○ 研究開発が終了し、装備化された装備品について、運用段階におけるフォローアップについて、省全体の取組みが不十分であった。

従来の研究開発評価の問題点

新たな評価体制の策定

2.意思決定プロセス 研究開発評価を踏まえた意思決定プロセス

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2.意思決定プロセス 新たな評価体制の確立(イメージ)

研究開発段階研究開発段階 運用段階運用段階構想段階構想段階

(研究開発事業の着手妥当性の評価)

(研究開発の進捗状況、計画変更等の必要性等の評価)

(技術課題の達成度や所要性能発揮の評価)

(運用段階でのフォローアップ)

事前評価 中間評価 事後評価 追跡評価

大 臣

副 大 臣

政 務 官

評価委員会・評価部会

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2.意思決定プロセス 検討状況と今後の予定

年度 19 20

実施内容

研究開発評価指針及び実施要領等の見直し

新たな研究開発のあり方として、全省的な意思決定システムを構築するため、研

究開発事業の全段階で評価を実施し、省内で情報を共有できる新たな研究開発

評価体制を策定

新たな研究開発のあり方として、全省的な意思決定システムを構築するため、研

究開発事業の全段階で評価を実施し、省内で情報を共有できる新たな研究開発

評価体制を策定

▽今回報告

成果

これまでの研究開発事業の評価

新たな制度の施行

Page 8: 装備品等の技術研究開発に係る課題について · 研究開発が終了し、装備化された装備品について、運用段階におけるフォローアップ

7日米安全保障体制、武器輸出三原則の下で、最先端分野であるBMD開発を実施日米安全保障体制、武器輸出三原則の下で、最先端分野であるBMD開発を実施

3.国際的な動向 国際的な研究開発の動向

冷戦後の軍事費削減、技術のグローバル化及び広域市場確保

防衛産業の国際的な再編及び国家の垣根を越えた企業体の形成アエロスパシアル(仏)+DASA(独)+CASA(スペイン) → EADS(欧州航空宇宙防衛会社)

BAE(英)+サーブ(スウェーデン)+マルコニー(伊) → BAEシステムズ

コンソーシアム形式 (例)ユーロファイター社(機体)、ユーロジェット社(エンジン)

欧州単一市場及び経済・通貨統合から、共通外交安全保障政策へ統合が深化1967年欧州共同体(EC)発足:経済・通商分野での統合開始

1993年欧州連合(EU)発足:政治・安全保障分野に関する政策方針を規定

冷戦後の軍事費削減、技術のグローバル化及び広域市場確保

防衛産業の国際的な再編及び国家の垣根を越えた企業体の形成アエロスパシアル(仏)+DASA(独)+CASA(スペイン) → EADS(欧州航空宇宙防衛会社)

BAE(英)+サーブ(スウェーデン)+マルコニー(伊) → BAEシステムズ

コンソーシアム形式 (例)ユーロファイター社(機体)、ユーロジェット社(エンジン)

欧州単一市場及び経済・通貨統合から、共通外交安全保障政策へ統合が深化1967年欧州共同体(EC)発足:経済・通商分野での統合開始

1993年欧州連合(EU)発足:政治・安全保障分野に関する政策方針を規定

日米における流れ日米における流れ

欧州における流れ欧州における流れ

近年の研究開発を巡る国際的な動向として、国際共同研究・開発の活発化が挙げられる。我が国の研究開発の効率化に資するべく、こうした国際共同研究・開発の背景、事例、利点・欠点等について検討する。

近年の研究開発を巡る国際的な動向として、国際共同研究・開発の活発化が挙げられる。我が国の研究開発の効率化に資するべく、こうした国際共同研究・開発の背景、事例、利点・欠点等について検討する。

限られた内部の資源を「選択と集中」するとともに、優れた外部の資源を積極的に活用することが効果的かつ効率的

限られた内部の資源を「選択と集中」するとともに、優れた外部の資源を積極的に活用することが効果的かつ効率的

我が国の研究開発における課題我が国の研究開発における課題

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3.国際的な動向 国際共同開発の事例

ユーロファイタ タイフーン EF-2000 (ドイツ、イタリア、スペイン、英国)ユーロファイタ タイフーン EF-2000 (ドイツ、イタリア、スペイン、英国)

JSF F-35 ライトニングⅡ (米国、英国、イタリア、オランダ、トルコ、オーストラリア、ノルウェー、デンマーク、カナダ)JSF F-35 ライトニングⅡ (米国、英国、イタリア、オランダ、トルコ、オーストラリア、ノルウェー、デンマーク、カナダ)

概要 双発のマルチロール戦闘機

経緯 1986年開発着手、1994年初飛行、2002年量産開始

特記事項 ①要求性能・開発分担金・エンジン選定により1985年仏国脱退、②ドイツ統一の影響や合意

形成に時間がかかり約3年計画が遅延、③各国調達計画変更(765機→620機)による量産

価格の変動、④参加国の脱退(仏)などによる開発経費(16.1億£→44億£)の増加

概要 F-16、F/A-18、AV-8の後継機として開発中の単発マルチロール・ステルス戦闘機。3形態

経緯 2001年システム開発実証フェーズ開始、2006年初飛行、2012年米海兵隊部隊建設

特記事項 ①米国が約9割資本出資、②各国の思惑どおりの製造分担確保が困難、③米国から参加国

への十分な技術情報の開示がなされていない、④米側に起因した事業上の潜在リスクが存在

(開発経費が1996年当初見積もりに対して1.8倍、量産単価1.4~1.9倍)

フォルバン級駆逐艦 (フランス、イタリア)フォルバン級駆逐艦 (フランス、イタリア)

概要 ステルス性に配慮された防空駆逐艦

経緯 1992年開発着手、2007年仏海軍フォルバン級、2008年伊海軍アンドレア・ドリア級

特記事項 要求性能及び搭載装備品選定不一致により1999年英国脱退

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3.国際的な動向 国際共同開発の利点・問題点

利点利点 資金負担の軽減が期待

相手方の優れた技術の取得及び技術上のリスク低減

調達数の増加による量産効果が期待

参加国間でのインターオペラビリティ確保

安全保障関係の醸成に寄与 など

資金負担の軽減が期待

相手方の優れた技術の取得及び技術上のリスク低減

調達数の増加による量産効果が期待

参加国間でのインターオペラビリティ確保

安全保障関係の醸成に寄与 など

問題点問題点 要求性能の調整が困難

製造分担・開発分担の交渉結果、自国に技術基盤及び生産基盤を確保

できない可能性

相手国の開発計画・調達計画の変更によるリスク

知的財産権など技術移転問題が生起する可能性

独自改善事業が困難 など

要求性能の調整が困難

製造分担・開発分担の交渉結果、自国に技術基盤及び生産基盤を確保

できない可能性

相手国の開発計画・調達計画の変更によるリスク

知的財産権など技術移転問題が生起する可能性

独自改善事業が困難 など

国際共同研究開発の利点・問題点は、以下のものが考えられる。

ケース・バイ・ケースで異なるが、概して参加国が多くなればなるほど複雑化する傾向。

国際共同研究開発の利点・問題点は、以下のものが考えられる。

ケース・バイ・ケースで異なるが、概して参加国が多くなればなるほど複雑化する傾向。

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3.国際的な動向 日米共同開発と欧州型の共同開発

○ 日米共同運営委員会(日米国防当局

者で構成)が事業を管理

○ 両国の開発分担分野を調整し、それに

必要な開発費をそれぞれ執行

○ 契約形態はそれぞれの国の会計法に

基づき、独立して国内企業と契約

○ 参加国国防当局からの出向者で構成

されるNATOユーロファイター・トーネード管理

局(NETMA)が一元的に事業を管理

○ 参加国はNETMAに対し、費用分担に

応じて開発資金を拠出

○ 参加国企業が共同出資で設立した国

際コンソーシアム(ユーロファイター社及びユーロ

ジェット社)がNETMAと開発事業を契約

○ 欧州型の共同開発形態を考える場合、検討すべき各種課題が存在・ 各国間の研究開発体制の相違(官民の役割分担の相違)・ 国際共同管理組織や国際コンソーシアム等への出資方法、要員の派遣方法・ 事業に参加する企業等との契約形態 等

日米共同開発(例:BMD) 欧州型の共同開発(例:EF-2000)

※ 欧州型の細部については引き続き要調査

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3.国際的な動向 国際協力の可能性を探る技術交流の推進3.国際的な動向 国際協力の可能性を探る技術交流の推進

○ 日本国内には優れた民生技術が存在

○ 優れた民生技術を防衛分野に取り込むための各種事業及び調査を実施

○ 日本国内には優れた民生技術が存在

○ 優れた民生技術を防衛分野に取り込むための各種事業及び調査を実施

○ 米国との技術交流の深化

○ デュアル・ユース技術分野を足掛かりに各国との技術交流を実施

○ 各国が保有する優れた技術及び研究開発の方向性に関する調査体制の充実

一層の推進を検討

○ 米国との技術交流の深化

○ デュアル・ユース技術分野を足掛かりに各国との技術交流を実施

○ 各国が保有する優れた技術及び研究開発の方向性に関する調査体制の充実

一層の推進を検討

国内外の技術交流を推進国内外の技術交流を推進

○ 独法研究機関・大学等との連携・交流

○ 公募型動向調査&企画競争型調査研究

○ 技術動向調査体制の強化 ○ 米国:共同研究・開発事業の推進技術者交換計画の活性化

○ フランス:水槽比較特性試験の実施等○ スウェーデン:技本職員の派遣○ 英国:相互訪問 など

活用

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年度 19 20

実施内容

3.国際的な動向 検討状況と今後の予定

海外の事例の詳細調査

日米共同研究開発の教訓

新たな研究開発のあり方として、国際共同研究開発を実施するために克服しな

ければならない課題に対する方策の検討

新たな研究開発のあり方として、国際共同研究開発を実施するために克服しな

ければならない課題に対する方策の検討

比較検討・課題の抽出

▽今回報告

成果

国内外の技術交流の推進

国内外の技術交流については20年度以降も引き続き実施

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装備品等の技術研究開発に係る課題参考資料

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これまでに研究開発した装備品開発完了年度 陸上自衛隊 海上自衛隊 航空自衛隊

平成7年度96式装輪装甲車

96式多目的誘導弾

平成8年度

平成9年度 水上自走標的

平成10年度

平成11年度

平成13年度

平成14年度

平成15年度

平成16年度

遠隔操縦観測システム(FFOS) 97式魚雷

99式自走155mmりゅう弾砲

新野戦特科射撃指揮装置(FADAC)

00式射撃指揮装置(FCS-3)

01式水上艦用ソナー

99式空対空誘導弾(AAM-4)

観測ヘリコプター(OH-1)

電子戦システム(TSI)

00式105mm戦車砲用演習弾

00式120mm戦車砲用演習弾

00式個人用防護装備

03式155mmりゅう弾用多目的弾

地上無線機 次期潜水艦システム

03式中距離地対空誘導弾

重物料投下器材

水中航走式機雷掃討具(S-10)

水上艦用EW管制システム

通信電子妨害システム(TSE/J)

基幹連隊指揮統制システム(ReCS)

師団通信システム(iDICS)

地上レーダ装置(改)

哨戒ヘリコプター(SH-60K) 外装型FLIR装置(J/AAQ-2)

04式空対空誘導弾(AAM-5)

支援戦闘機(F-2)

射出型ECM装置平成12年度

01式軽対戦車誘導弾(ATM-5)

軽装甲機動車

野外無線機

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計画名 参加国 概要 イメージ図

HORIZON 仏・伊

※1999年に英離脱(∵ 防空能力範囲で対立)

・防空駆逐艦 (個艦~艦隊防空能力)

・1992年~ (2008年運用予定)

・汎用フリゲート計画FREMMへ継承

(2005年、仏・伊で開始)

EF-2000英・独・伊・西

※1985年に仏離脱(∵ 開発分担金で対立)

・マルチロール戦闘機

(Closed-Coupled形式)

・1980年~ (2000年運用)

NEURON仏主導・

瑞・伊・西等6カ国

・攻撃用無人航空機

(ステルス性・アビオニクス性重視)

・2005年~ (2011年初飛行予定)

・戦闘ヘリコプタ (対戦車、火力支援)

・1988年~ (2005年運用)

・豪・西へ輸出 (武装偵察ヘリ)

・大型軍用輸送機

(ターボプロップエンジン4基使用)

・1982年~ (2008年初飛行予定)

・欧州各国は180機調達合意 (2003年)

TIGER 独・仏

A400M

英・独・仏・伊・西等8カ国

※ 2003年前に米離脱(∵ 新型C-130開発着手)

アンドレア・ドリア級駆逐艦 (伊海軍、2008年)

EF-2000 (独空軍、2000年)

TIGER (独陸軍、2005年)

UCAV NEURON (2011年初飛行予定)

A400M (独空軍、2010年運用開始予定)

欧州諸国間の共同研究開発事例

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計画名 欧州参加国 概要 イメージ図

MLRS 英・西独・仏・伊

・長距離火力支援兵器

(冷戦期の東側陸軍力に対抗)

・1971年~ (1983年運用)

・NBC防護装置完備

・欧州各国は1980年から参加

・高々度長時間滞空型無人航空機

(広域偵察・諜報・監視を想定)

・2005年~ (2010年運用予定)

・Global Hawk B形態を基礎

・独・欧州各国製の任務器材搭載

・統合攻撃戦闘機

(超音速、ステルス性、兵器搭載能力大、

航続距離大)

・NATO諸国のF-16後継

・3派生型 (通常離着陸機、艦載機、

短距離離陸・垂直着陸機)

・2000年~ (2012年米海兵隊部隊建設)

Euro Hawk 独

JSF英・蘭・伊等

9ヶ国

M270 MLRS (米陸軍、1983年)

Euro Hawk(独空軍、2010年運用予定)

F-35A(X-35、2000年試験飛行)

欧州諸国と米国間の共同研究開発事例

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3.国際的な動向 過去の日米共同研究・開発における教訓

1988から実施した過去の事業(共同開発2件、共同研究15件)における事例を抽出1988から実施した過去の事業(共同開発2件、共同研究15件)における事例を抽出

○ 二国間取極上の問題 (MOU交渉の長期化、ワークシェア交渉)

○ 要求上の問題 (要求性能の整合、研究目標に対する概念)

○ 制度上の問題 (会計年度、契約形態、開発手法の多様化、事業実施形態)

○ 事業実施上の問題 (輸出・輸入ライセンス取得の長期化、成果情報の取り扱い、情報保全、

事務手続きの複雑化)

○ 二国間取極上の問題 (MOU交渉の長期化、ワークシェア交渉)

○ 要求上の問題 (要求性能の整合、研究目標に対する概念)

○ 制度上の問題 (会計年度、契約形態、開発手法の多様化、事業実施形態)

○ 事業実施上の問題 (輸出・輸入ライセンス取得の長期化、成果情報の取り扱い、情報保全、

事務手続きの複雑化)

一部は制度化し対応 (進化的開発訓令の制定(平成18年度))一部は制度化し対応 (進化的開発訓令の制定(平成18年度))

○ 米側技術へのアクセス (技術情報及び試験評価施設情報にかかるノウハウの取得)

○ 技術向上の相乗効果

○ 経費負担及び事業リスクの軽減

○ 米側技術へのアクセス (技術情報及び試験評価施設情報にかかるノウハウの取得)

○ 技術向上の相乗効果

○ 経費負担及び事業リスクの軽減

問題点問題点

利点利点

日本国とアメリカ合衆国との間の相互防衛援助協定及び同協定に基づく細目取極に従う交換公文(EN)の下、日米防衛当局にて締結する了解覚書(MOU)に基づき、日米共同研究・開発を実施

日本国とアメリカ合衆国との間の相互防衛援助協定及び同協定に基づく細目取極に従う交換公文(EN)の下、日米防衛当局にて締結する了解覚書(MOU)に基づき、日米共同研究・開発を実施

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国際協力の可能性を探る技術交流の推進

国名 国防研究機関 技術交流状況

フランス

スウェーデン

韓国 国防開発庁① 情報交換の取極有 (平成16年12月締結)② ADDと技本の間で相互訪問(平成15年3月から)

英国 国防科学技術研究所① 情報交換の取極有 (平成16年12月締結)② Dstlと技本の間で相互訪問

独、豪、加 ― ① 情報交換の取極有

印、伊 ― ◆ 具体的な技術交流について検討中

装備庁

① 情報交換の取極有 (平成5年6月締結)② 講演会形式の情報交換 (平成5年より継続的実施)③ 二国間研究協力

・大型回流水槽の比較試験取決め (平成18年11月)・技本フローノイズシミュレータ(FNS)と仏国装備庁大型キャビテーション水槽(GTH)の比較特性試験を実施

国防研究所① 情報交換の取極有 (平成15年3月締結)② 二国間研究協力

・ FOIのNBC防護部に1年間技官派遣 (平成18年8月)

国際的な協力の可能性を探るためには、各国がどのような装備・技術分野に関心を有するかを調査し、どのような研究開発の方向性を打ち出しているのか調査が不可欠。現在、デュアル・ユース技術分野を足掛かりに各国との技術交流を実施しており、一層の拡大を検討。

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○ 平成14年度から、新エネルギー産業技術総合開発機構(NEDO)との連携開始(実績)「 ミリ波送信デバイス(低消費電力モジュール:MMPM)」、「量子ドット型赤外線センサ(QDIP)」

「RF-MEMS可変回路」、etc

○ 平成15年度から、独法研究機関・大学等への委託研究を開始(委託先実績) 産総研、JAXA、電航研、東大、東北大、東工大、筑波大、慶応大等

○ 平成16年度から、独法研究機関等との研究交流の取決締結を開始(締結実績) 宇宙航空研究開発機構(JAXA)、情報処理推進機構(IPA)、医薬品食品衛生研究所

○ 独法研究機関における技術動向及び技術交流の可能性を調査する専門グループを編成

国内の先進的民生技術の調査

◆効率的な装備品の研究開発のため、幅広い民生技術の取り入れが促進されるよう調査研究を実施

○ 『生物・化学剤の検知に関する動向調査』

○ 『将来の搭載用小型軽量高強度温度補償光学系技術に関する調査研究』

○ 『先進防護衣用超撥水撥油素材に関する調査研究』

公募型動向調査&企画競争型調査研究公募型動向調査&企画競争型調査研究

日本国内には、海外から注目される民生技術が存在。そうした技術を調査し、防衛分野に取り入れることも、国際的な協力の可能性を探る上で重要。このため、大学・独法研究機関等で実施されている先進的な民生技術の取り入れを促進するための事業を実施。

独法研究機関・大学等との連携・交流独法研究機関・大学等との連携・交流

技術動向調査体制の強化技術動向調査体制の強化

Page 21: 装備品等の技術研究開発に係る課題について · 研究開発が終了し、装備化された装備品について、運用段階におけるフォローアップ

20(出典: Defense Industrial Base Capabilities Study: Command and Control, June 2004)

技術分野 概要 我が国の民生先進技術 イメージ図

フィールド・プログラマブル・ゲートアレイ技術(航空機データリンク用)通信・

ネットワーク

・通信経路:最適化(データ伝送速度・容量、セキュリティ、移動性等を考慮)

光通信技術

小型化高容量低パワーメモリ技術

小型化低パワープロセッサ技術

スーパーコンピューティングプロセッサ技術

MEMS技術

ナノコンポジットソーラーセル技術

Ni-金属ハイブリッドバッテリー技術

オキシライドバッテリー技術

位置・識別

・敵・味方目標位置決め・識別:重要→戦闘ID決定の迅速・正確化可能

次世代ATCトランスポンダ技術

コンピュータ

・高速性、高効率性、高耐久性:必要・大量の戦場情報を受信・分類・分析・情報合成の範囲を拡張

→人間の意志決定者の負荷軽減

コンパクトホログラフィックメモリ技術

触媒マイクロ燃焼器技術

データ管理

・近代的な戦場認識→固有かつ大量のデータ利用:必要

・情報の安全性・アクセス可能性を確保→H/W媒体の小型化・信頼性向上

パワー生成・ストレージ

・全ての電気的・機械的駆動源:必要→様々なサイズ、形態で輸送可能

米国防省が関心を示す我が国の先進民生技術例