造影理論に基づいた注入技術 - kyushu...

第１回九州CTフォーラム

Contrast Media Injection grounded on Principles of CT Contrast Enhancement

長野赤十字病院中央放射線部八町淳

造影理論に基づいた注入技術



☆ 造影の基本

☆ ＴＤＣの変化

☆ ＴＤＣの補正



単純動脈相平衡相（高分化型）

（未分化型）



1997/11/03 1998/01/09 1998/4/27

65kg 60kg 50kg

（９００S）造影剤注入３０ｓｅｃ後

２９．３gI ３００mgI ９７ml２７．０gI ３００mgI ９０ml２２．５gI ３２０mgI ７０ml



再現性

描出能を一定にする

TDCの管理

造影検査における造影剤の適正化をはかる



・造影理論

・注入技術

・使用ヨード量



使用ヨード量

一般的フィルミングでの場合（質的診断）

ウィンドウ（ＷＷ）の値で決まる

いつの時点・どの場所！！

３ＤＣＴＡ（形状診断）

目的とする血管の太さ

必要ＣＴ値は？



グレースケールとＷＷ・ＷＬの関係を利用した方法



56

51

42

28

38

32

0

15

30

45

60

75

SSCT 600mg

SSCT 525mg

SSCT 450mg

SSCT 375mg

MSCT 450mg

MSCT 500mg

(EU)

ヨード量・注入時間とCT（平衡相）



CT値により太さが変化する

１００HU ２００３００４００

2mm

同径のストローにCT値を調整した造影剤を封入し水ファントムに固定



296

277257

250

206

100

200

300

400

千

500mg 30sec

500mg 35sec

450mg 30sec

450mg 35sec可変

450mg 35sec

(EU)

ヨード量・注入時間とCT値（動脈相）



☆ 造影の基本





TDCの影響を与えるパラメータ

・フローレート(ml/sec)

・注入時間(sec)

・造影剤使用量(ml)

造影剤使用量＝フローレート×注入持続時間

単位を考えてみます！



0

100

200

300

0 20 40 60 80

300 mg 50 ml

350 mg 50 ml

300 mg 75 ml

350 mg 75 ml

300 mg 100 ml

350 mg 100 ml

(sec)

(HU)

33.3 sec

25 sec

16.6 sec

300 vs. 350 (3 ml/sec)



・造影剤使用量(ml)

・フローレート(ml/sec)

時間毎ヨード量(mg/sec)

・注入時間(sec) 注入時間(sec)

時間毎ヨード量(mg/sec)×注入時間(sec)

造影剤使用量(g)



パラメータとＴＤＣ

50

0

100

200

300

0 100

（HU）

（sec）

① ②

③④

⑤

Injection time

EU

⑥

(3) 最大CT値到達時間

(4) 最大CT値

(5) 持続時間

(6) 平衡相CT値

HU：Hounsfield Units

EU：Enhancement Units

時間毎ヨード量 (mg/sec) 時間毎ヨード量 (mg/sec)

注入時間 (sec)

注入時間 (sec)

造影剤使用量 (g)

Y=-0.002X+12.51(R=0.882) Y=0.0159X+1.8132(R=0.986)

Y=0.9462X+8.7913(R=0.998)

Y=0.1699X+93.215(R=0.902)

Y=0.8961X+0.5821(R=0.997)

Y=4.2582X-10.03(R=0.996)

(1) 造影剤到達時間 (10HU) (2) 傾き

時間毎ヨード量 (mg/sec)



(HU)

(sec)

Ⅰ

Ⅱ

Ⅲ

TDCの2相性

(HU)

(sec)

25sec

TDCと再循環

再循環あり

再循環なし



y = 0.8961x + 0.5821

R² = 0.994

y = 0.6659x - 0.2566

R² = 0.9017

y = 0.2886x + 12.059

R² = 0.8519

0

10

20

30

40

50

60

70

80

90

100

0 10 20 30 40 50 60 70 80 90 100 110

(sec)注入時間

持続時間（se

c)

500

100

200

300

0 100

（HU）

（sec）

①

②

③④

⑤

Injection time

EU⑥

安定したTDC

最大ＣＴ値／２

注入時間×0.9

最大CT値×0.8

25秒以下×0.67

25秒以上×0.29+12秒

(a)

(b)

(c)



0

0

（HU）

（sec）

Injection duration time

mg/sec

sec

g

パラメータとTDCの関係

25秒

（映像情報Medical 2007 Vol.39 No.6 604～609）

注入時間25秒＞ 0.67x注入時間s注入時間25秒＜ 0.29x注入時間+12s

0.95x注入時間+8.8s

12.5s



わかったような、わからないような！！

臨床に合わせて教えて！！

今までの話に被験者パラメータがありません

一番影響があると思われる体重を考慮してみましょう！！



(300mg 100ml)

100

200

300

100 200 300

体重によるＣＴ値の変化（ダイナミックスキャンのよる臨床データ）

45kg

55kg

65kg

腹部大動脈

HU

sec

TDCの適正化

小循環系血液量に相関



5%

25%

11%

6%

42%

10%

0%

25%

50%

心臓肺動脈毛細管静脈肝脾

血液の分布（救急医療の基本と実際（４）出血とショック：情報開発研究所より）

血液量＝体重／13／(比重(1.055)×0.3）

時間あたりヨウド量(mg/sec)

＝時間・体重あたりヨウド量(mg/sec・kg)

÷体重(kg)

動脈相門脈相平衡相



0

100

200

300

0 20 40 60 80

時間毎ヨード量 (mg/sec・kg)

時間毎ヨード量 (mg/sec・kg)注入時間 (sec)

注入時間 (sec)

造影剤使用量 (g/kg)

造影剤到達時間 (10HU)

傾き

時間毎ヨード量(mg/sec・kg)

最大CT値到達時間最大CT値

持続時間

平衡相CT値

30sec

変化なし

変化なし

ヨウド量一定体重が重くなったら！



造影検査における再現性

TDCを一定にする

注入スピード（フローレート）を可変する

・目的に合わせた造影剤量を体重で変化させる

・注入時間を一定にする。(mg/sec・kg)



☆ 造影の基本





ヨウド使用量：体重可変ｖｓ一定

0

100

200

300

400

30 40 50 60 70 80 90 100

動脈

肺動脈

200mg/kg 35秒注入撮像開始30秒

(EU)

(kg)

N = 170

0

100

200

300

400

30 40 50 60 70 80 90 100

動脈

肺動脈

12g一定 35秒注入撮像開始30秒

(EU)

(kg)

N = 50

縦隔部のTDCに対する影響



15ml±5ml

ボリューム効果

35g → 350mg/ml 100ml

300mg/ml 117ml

停溜分20ml → 350mg/ml 80ml 28.0g

300mg/ml 97ml 29.1g



注入30秒後

撮像時間１秒

肺動脈造影不良

ボリューム効果と静脈投与



下大静脈と肺動脈・大動脈のCT値の関係

r = 0.34 (P<0.001)

大動脈

r = 0.55 (P<0.001)

肺動脈

N=174



54y, 55kg, F

175mg/ml, 62ml, 1.8ml/sec

IVC=167HU, PA=227HU, Ao=170HU

66y, 50kg, F

350mg/ml, 28ml, 0.8ml/sec

IVC=75HU, PA=172HU, Ao=155HU



ＴＤＣに生食後打ちが与える影響

0

50

100

150

200

0 10 20 30 40 50 60 70 80 90 100 110 120 130

Single injection

Double injection

(Saline Solution)

50sec（2.0ml/sec）

チューブ容積１２ｍｌ

生食 10sec (2.0ml/sec)

44sec

50sec

臨床では約5秒程度注入時間が短くなっています！！

注入時間25秒＜0.29x注入時間+12s



心拍数の違いによるTDC

HU

sec

Injection time(20sec)

78kg-20秒6L 450mg/kg

4.8L/min

5.5L/min6.4L/min

動脈への影響

Injection time(30sec)

78kg-30秒

6L 450mg/kg4.8L/min

5.5L/min6.4L/min

HU

sec



可変注入法１段注入法

ml/sec

sec

0

1

2

3

4

5

0 10 20 30

可変注入造影剤の多彩な使用方法

停止時注入スピード／開始時注入スピード＝可変定数



可変注入によるTDC

0

50

100

150

200

250

0 10 20 30 40 50 60 70

EU

sec

2.0-3.0ml/sec (1.5)

3.9-1.1ml/sec (0.3)

2.6ml/sec (1.0)

3.4-1.7ml/sec (0.5)

35sec(injection)

240mg/ml×90ml

可変定数(Variable Rate)



40秒

35秒

45秒

再循環が加算されたTDC

2.8mL/sec一定

一段注入によるTDC 可変注入(0.5)によるTDC

20秒

25秒

30秒

注入方法の違いによる最大CT値



ＣＴ値[

ＨＵ]

0

100

200

300

400

500

600

0 5 10 15 20

900sXvisionSPXvigerAsteionAquilion16ProSeedEFAdvantageQX/ILightSpeedUltra16PLUS4PLUS4VolumeZoomSensation16Brilliance40

各CT装置におけるヨウド量とCT値の関係By 室賀

ヨウド量[mg/ml]



0

50

100

150

200

250

300

0 10 20 30 40 50 60 70

XvisionSP：102ml

Brilliance40：102ml

ＣＴ値[

ＥＵ]

時間[sec]300mg/ml・35秒注入

ファントムデータからシュミレーションしたTDC By 室賀

126ml



造影剤使用量の適正化は

ヨード量ではなくＣＴ値で考える！！



TDCを安定させるためには！！

最低25秒以上の注入時間

2.0ml/sec以上のボリュウム

体重によりヨード量を変化

体重により濃度を変更

注入方法で工夫（生食同時注入・可変注入など）



ＣＴ装置性能がけではなくインジェクタ性能も考慮！！



A250プロトタイプ

A300

Dual Shot GX

（生食注入）



e-mail [email protected]

ご静聴あ

りがとうございました

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