新しい育種技術(nbt) new plant breeding techniques) 8...2019/06/14 · (new plant breeding...
TRANSCRIPT
8種類の新たな育種技術が紹介
・ゲノム編集・オリゴヌクレオチド指定突然変異導入技術(ODM)
・RNA依存DNAメチル化(RdDM)・シスジェネシス/イントラジェネシス・接ぎ木・逆育種・アグロインフィルトレーション・人工ゲノム
新しい育種技術(NBT) (New Plant Breeding Techniques)
10
2011年 Lusser et al.
標的遺伝子の切断
ゲノム編集とは
切断部位に欠失・挿入・塩基置換が導入できる
①標的変異お手本を使わないDNA修復
非相同末端結合(NHEJ) 欠失
挿入 塩基置換
遺伝子の望むべき部位に欠失・挿入・ 塩基置換・モチーフ交換が誘導できる
②標的組換え(ジーンターゲッティング) お手本を使うDNA修復
5’
3’
3’
5’ *
*
*
*
* *
相同組換え(HR)
*
*
* *
* *
SDN-1 (数塩基の欠失・挿入)
SDN-2 (数塩基の置換)
SDN-3 相同組換えに よる遺伝子導入
11
人工ヌクレアーゼを利用したゲノム編集技術
12
ZFN(ジンクフィンガーヌクレアーゼ)
TALEN
ジンクフィンガー DNA結合タンパク質 20-30アミノ酸から構成される
TAL effector 病原菌Xanthomonas属が保有する タンパク質、プロモーターに結合して宿主の特定のタンパク質を発現させる。病原菌の罹病化を促進させる
SpCas9
5’ 3’ I I I I I I I I I I I I I
20bp
NGG NCC
3’
5’
5’
3’
Cas9 Marker sgRNA
RB LB
目的配列によって、この20bpは変更される
sgRNA
Scaffold
化膿連鎖球菌由来のCas9 (SpCas9)
PAM配列
CRISPR/Cas9システムによるゲノム編集
13
突然変異とゲノム編集技術の比較
14
人為突然変異(放射線、化学物質)
自然突然変異 変異箇所は偶然性に従う
作物育種は変異の拡大とその利用
ゲノム編集を使うと
狙った場所を設計通りに変異させることができる
画期的な技術 (従来は不可能であった)
変異の拡大方法
1系:ゲノム機能改変技術開発
代表: 廣瀬咲子(農研機構)
3系:育種素材・品種開発
代表: 江面浩(筑波大)
2系:ターゲット遺伝子のリソース化
代表: 阿部知子(理研)
コーディネート知財戦略
4系:新たな育種技術の社会実装
代表: 大澤良(筑波大)
ものづくり
社会実装
ゲノム編集用技術の提供
ゲノム編集作物の提供
目的形質を示す変異点情報の提供
SIP戦略的イノベーション創造プログラム 「新たな育種体系の確立」推進体制
15
ゲノム編集で開発中のもの(例)
16
※
肉厚マダイ
myostatin 遺伝子(骨格筋増殖の抑制遺伝子)のノックアウトによる筋肉量増加の研究提供:京都大学
※戦略的イノベーション創造プログラム(SIP)の「次世代農林水産業創造技術」及び厚生労働省の資料を一部改変
一穂あたりの籾数の増加と種子の大型化
現在の食用品種
(5 ton/ ha)
飼料用育成系統
(10 ton/ ha)
ゲノム編集
隔離ほ場における栽培
PCR及びサザン分析などでヌルセグリガントを選抜
隔離ほ場栽培(つくば市) 選抜系統
シンク能改変
17 本隔離ほ場試験は国内初の試験
文部科学省及び環境省からの承認
ヤモゲニン
(肝臓の脂質代謝改善)
CYP88B1
芽が出ても安心ジャガイモ
ソラニン
阪大 村中俊哉博士 提供
代謝経路の改変による物質生産
18
ゲノム編集技術の農業分野への応用
ウドンコ病抵抗性コムギの作出ゲノム編集技術の有効性コムギは六倍体で同様の遺伝子を複数
持っているため同時に特定の遺伝子を壊すことは困難
19
次世代ワキシーコーン アミロペクチンの割合が100%に近いコーン
いずれもゲノム編集に用いた外来遺伝子の導入はないことを証明している。
USDA-APHISは、ヌルセグリガント*であり、植物病原菌及び有害雑草にならないとして規制対象に当たらないと回答