欧州洋上風力発電事業入札価格の動向・背景と そこ …...-...
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1 | 再生可能エネルギーの大量導入時代における政策課題に関する研究会(第3回) | 14 June 2017 | PUBLIC
再生可能エネルギーの大量導入時代における政策課題に関する研究会(第3回)
欧州洋上風力発電事業入札価格の動向・背景と
そこから日本が学べること
MASATO YAMADAVice President, Chief Strategy Officer
資料2
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2 | 再生可能エネルギーの大量導入時代における政策課題に関する研究会(第3回) | 14 June 2017 | PUBLIC
目次
I 欧州洋上風力市場の現況
II COE (Cost of Energy) 低下の主要因
III 洋上風力発電コスト低減のために欧州から学べること
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3 | 再生可能エネルギーの大量導入時代における政策課題に関する研究会(第3回) | 14 June 2017 | PUBLIC
洋上風力発電とは• 風車とその基礎、変電所などの洋上設備、陸上とそれらをつなぐケーブルから構成。
• 陸上に比べて一般的に風況が良い。土地制約が少ないため大型タービンを導入しやすく大規模プロジェクト開発が可能。
• 一方、建設・運転保守とも洋上作業は困難でコストが高く天候に左右されるため、 これをいかに克服できるかがコスト低減の鍵となる。
Source: Vattenfall, MHI Vestas
デンマーク Horns Rev1の事例
洋上変電設備洋上ウィンドファーム (V80-2.0MW x 80基)
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4 | 再生可能エネルギーの大量導入時代における政策課題に関する研究会(第3回) | 14 June 2017 | PUBLIC
洋上風力発電とは |2016年欧州実績
Source: WindEurope
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5 | 再生可能エネルギーの大量導入時代における政策課題に関する研究会(第3回) | 14 June 2017 | PUBLIC
欧州
11,034
91%
アジア
(日本、中国、韓国)
1073、9%
北米
0.02
地域別導入状況(単位:MW 2015年末までの累計出典:GWEC)
上位5か国は、順次競争入札制度を導入し、事業者の投資意欲を掻き立てながら着実にCoE低減を実現しており、今後さらなる導入規模の拡大が見込まれる。• 英国 : CfD(固定価格買取制度)がスタート、第1回入札の結果、2015年2月、2プロジェクトが採
択された。2017年4月に第2回の入札実施。(4/21締め切り。 9月までに発表となる見込み)
• ドイツ:FITからオークション方式に移行し、オランダ同様CoEの低減を図る。2017年に第1回移行期入札の結果、4プロジェクトが採択。うち3プロジェクトは補助金ゼロで落札。
• オランダ:700MW/年(350MWx2PJT) x 5年の洋上風車プロジェクト開発計画。周到に練られたセントラル方式の入札により、劇的にCoEが下がった。2016年7月の第1回入札でDONGが、同年12月の第2回ではShell、ENECO、三菱商事らで構成されるコンソーシアムが、それぞれ事業者に採択された。
93 318 349 614 931 816 1,171 1,606 1,452
3,013
1,5588011,119 1,468
2,0823,013
3,8295,000
6,6068,058
11,071
12,629
0
2,000
4,000
6,000
8,000
10,000
12,000
14,000
~2006 2007 2008 2009 2010 2011 2012 2013 2014 2015 2016
欧州 年別導入状況 (MWベース 出典:WindEurope) 単年 累計
- 累計導入実績は約12.6GW 欧州10か国、81の洋上ファームが操業中- 現在建設中 4.8GW 建設許可済みのものもあわせると、2020年には累計24.6GWに達する見通し
UK5,15641%
Germany4,10832%
Denmark1,27110%
Netherlands1,1189%
Belgium712 6%
Sweden202 2% Others,
62, 0%
欧州 国別導入状況(MWベース 2016年末までの累計出典:WindEurope)
- UK、ドイツを始めとする北海沿岸が中心Others ・・・ Finland, Ireland, Spain, Norway
欧州が世界の洋上風車の90%以上を占め、1-2GW/年で成長。英国、デンマーク、ドイツ、ベルギー、オランダの5か国が欧州の98%を占める。
欧州洋上風力市場|現況
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6 | 再生可能エネルギーの大量導入時代における政策課題に関する研究会(第3回) | 14 June 2017 | PUBLIC
英国、ドイツ、オランダが牽引し、従来の政府計画では3GW/年前後の新設市場が見込まれている。
欧州洋上風力市場|今後の見通し
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7 | 再生可能エネルギーの大量導入時代における政策課題に関する研究会(第3回) | 14 June 2017 | PUBLIC
近年の落札価格低下を受けてWindEuropeは2017年6月、2030年までに欧州で60GWまで導入が進むとのベース・シナリオを発表。
欧州洋上風力市場|最新のトピック
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8 | 再生可能エネルギーの大量導入時代における政策課題に関する研究会(第3回) | 14 June 2017 | PUBLIC
2017年6月6日、ベルギー、ドイツ、デンマーク政府部局と風力関連25社との間で、官民一体で 2020年~2030年に大規模な洋上風力を導入しコスト削減に努力することを宣言した。産業界としては累計で60GWもしくは最低4GW/年の市場規模があれば発電原価€65/MWh未満(系統接続含む)が可能だと主張した。
欧州洋上風力市場|最新のトピック
Source: WindEurope
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9 | 再生可能エネルギーの大量導入時代における政策課題に関する研究会(第3回) | 14 June 2017 | PUBLIC
目次
I 欧州洋上風力市場の現況
II COE(Cost of Energy)低下の主要因
III 洋上風力発電コスト低減のために欧州から学べること
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10 | 再生可能エネルギーの大量導入時代における政策課題に関する研究会(第3回) | 14 June 2017 | PUBLIC
欧州洋上風力市場 事業入札動向2015年からの2年間で落札価格が大幅に下落。セントラル方式のオークションの導入により事業者間の競争が激化したことが主因だが、25年以上の経験を通じて産業界全体が経験と実力を積み上げてきたことが背景にある。
2015.2 デンマーク Horns Reef 3 (406MW) 104 EUR/MWh
(Vattenfall)
2016.6 オランダ Borssele 1+2 (350MW x 2) 72.7 EUR/MWh
(DONG)
2016.9 デンマーク Danish Nearshore (350MW) 63.7 EUR/MWh
(Vattenfall)
2016.11 デンマーク Kriegers Flak (600MW) 49.9 EUR/MWh
(Vattenfall)
2016.12 オランダ Borssele 3+4 (350MW x 2) 54.5 EUR/MWh
(Shell, Van Oord, Eneco,三菱商事)
2017.4 ドイツ Gode Wind III (110MW) 60.0 EUR/MWh
(DONG)
ドイツ Borkum Riffgrund West II + OWP West (240MW + 240MW) 市場価格(補助金ゼロ)
(DONG)
ドイツ He Dreiht (900MW) 市場価格(補助金ゼロ)
(EnBW)
COEの推移と予想レンジ
Source: BVG Associates for WindWurope
MHI Vestas
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11 | 再生可能エネルギーの大量導入時代における政策課題に関する研究会(第3回) | 14 June 2017 | PUBLIC
1) 制度的要因:長期的かつ野心的な導入目標の設定と政策・制度面での事業環境整備大規模な導入目標を打ち出し、FITによる立上り期を経て周到なセントラル方式の入札を行うことで事業者の開発リスクを低減、有効な競争環境を創出
2) 技術的要因:風車や建設インフラの大型化と信頼性向上、規模の利益によるコストダウン3) 経済的要因:洋上風力産業、サプライチェーンの成熟によるリスクの低下
長年のプロジェクト経験により、プロジェクトマネジメント、契約スキーム、ファイナンススキームも確立し、完工リスク、 運用リスクが大幅に低下、Financialなコストも低減
欧州洋上風力市場 | COE低下の主要因
CoEが大幅に下落さらなる導入拡大の好循環プロセス
欧州での25年以上の官民の経験の上に、競争効果があいまってCOEが下落、洋上風力の競争力が大きく高まり、導入規模のさらなる拡大が見込まれている
巧妙な入札制度による競争の激化
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12 | 再生可能エネルギーの大量導入時代における政策課題に関する研究会(第3回) | 14 June 2017 | PUBLIC
UK Germany Denmark The Netherlands Belgium
政策目標*1
英国政府:
10GW by 2020
ドイツ連邦政府:6.5GW by 2020
デンマーク政府:1.3GW by 2020
オランダ政府:4.45GW by 2020
ベルギー政府:0.5GW by 2018
3GW by 2020
助成スキーム助成期間等*1, *2, *3, *4, *5
2014年よりCfD入札に移行。落札時の申出電力価格(Strike price)と卸売価格との差額を国が15年間負担する。 (卸売電力価格の方が高い場合は事業者は差額を国に返還)
2016年に改正された再生可能エネルギー法に基づき、FIT
方式から、現在は移行期入札実施中。2021-25運開のプロジェクトが対象で、落札発電価格で買取(20年間)。入札は2017年と2018年の2回、1.55GW規模で実施。2026年以降運開予定のプロジェクトに対しては、デンマークやオランダと同様のセントラルオークション方式に移行。
エネルギーに関する基本方針(DK Energy Agreement,
March 22 2012)に基づき、政府がプロジェクトを開発し事業者入札を実施。プロジェクトの事前調査や環境アセスはTSO(Energinet.dk)が行う。定格出力50,000時間分(約10-12年分に相当)の発電電力に対し、落札発電価格と市場価格との差分を補填。
かつては一貫性・長期的視野に欠ける政策で再生可能エネルギーの導入で後れを取ったが、2013年の基本政策(Agreement on
Energy for Sustainable
Growth)に基づき政府がプロジェクトを選定して入札を実施する方式に見直し。各回の入札規模の大規模化、標準化を図り、事業者の競争を促す。落札発電価格と市場価格との差分を政府が最大15
年間補填。
CfD方式(発電価格は入札ではなく政府が公示)。デンマークやオランダと同様の入札スキームへの見直しを検討中。
系統への接続*5
デンマーク・オランダベルギー・ドイツ*
英国**
*ドイツの場合は各ウィンドファームで変電所を設置し、系統運用者が設置する洋上変電所まで接続を要す*“ただし、変電所から陸上グリッドまでの間は洋上系統運用者(OFTO)に売却する
1) COE低下の主要因|制度的要因
出典: *1 MAKE consulting: Global Offshore Wind Power Market, 14 Dec 2016
*2 蘭 Borssele公募資料 http://offshorewind.rvo.nl/file/download/44692942
*3 Bloomberg 13 Apr 2017, https://www.bloomberg.com/news/articles/2017-04-13/germany-gets-bids-for-first-subsidy-free-offshore-wind-farms
*4 Project Finance International December 14 2016, Watson Farley & Williams, http://www.wfw.com/wp-content/uploads/2017/01/[email protected]
*5 offshorewind.biz http://www.offshorewind.biz/2015/01/19/offshore-wind-support-schemes-current-status-of-european-support-schemes/
洋上風車導入主要国は戦略的、野心的な目標を設定して民間の投資を促してきた他、互いの政策に学び、切磋琢磨しながら効果的な施策を導入してきた。
発電事業者 系統運用者
発電事業者 系統運用者
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13 | 再生可能エネルギーの大量導入時代における政策課題に関する研究会(第3回) | 14 June 2017 | PUBLIC
1) COE低下の主要因|制度的要因(オランダの事例)事業者にとって最も好ましい条件を政府が周到かつ入念に用意し、低価格での落札につなげている。
1.オランダ政府が大規模(3.5GW)な洋上風力を2023年までに導入することを発表
2.系統接続とその設備はTSOが供給
3.国が開発に責任を持ち、環境アセスなどを行う。
4.建設許可と補助金の助成のプロセスが一体化している。
5.各入札350MW x 2のプロジェクト規模。規模の利益が得られやすい。
6.個々のプロジェクトが類似な条件のため、標準化しやすい。
7.水深16-38m、離岸距離22kmと現在の技術で十分対応できる条件。
事業者の開発リスクを最小化
1.長期の明確な導入計画
2.系統接続に政府が責任を持つ
3.政府がプロジェクトを開発
4.建設許可と補助金助成の一元化
5.巨大なプロジェクト規模
6.プロジェクトの標準化
7.恵まれたプロジェクト条件
Source: MAKE,
Netherlands Enterprise Agency
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14 | 再生可能エネルギーの大量導入時代における政策課題に関する研究会(第3回) | 14 June 2017 | PUBLIC
2) COE低下の主要因|技術的要因 –風車の大型化プロジェクトの大型化と、プロジェクト条件の困難化(水深・離岸距離大)に伴い風車の大型化が進み、現在は7-8MW機が主流になっている。
Source:
WindEurope
MHI Vestas
V39-500kW
(1995 Tunø Knob)
V80-2.0 MW
(2002 Horns Rev 1)
V112-3.0 MW
(2013 Karehamn)
V90-3.0 MW
(2005 Kentish Flats)
V164-8.0 MW
(2017 Burbo Bank Extention)MHI Vestasの事例
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15 | 再生可能エネルギーの大量導入時代における政策課題に関する研究会(第3回) | 14 June 2017 | PUBLIC
2) COE低下の主要因|技術的要因 – モノパイル基礎の大型化
• ジャケットに比べて安価なモノパイル基礎で、7-8MWクラスの風車で水深40mにも対応可能な大口径のものが開発されている。
• 同時にメーカの淘汰が進み、現在では10m径クラスのモノパイルを供給可能な主要3社に絞られて来ている。
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16 | 再生可能エネルギーの大量導入時代における政策課題に関する研究会(第3回) | 14 June 2017 | PUBLIC
2) COE低下の主要因|技術的要因 –据付船の大型化
• 当初はOil & Gas向けSEP船の転用やバージ利用からはじまった据付船も、市場の拡大につれて大型化や風力専用船化が進展。
• 7-8MWのタービンを使用したプロジェクトが主流となっている現在では、これまで3-4MWクラス向けに使用されてきた在来型の据付船がだぶついてきている。
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17 | 再生可能エネルギーの大量導入時代における政策課題に関する研究会(第3回) | 14 June 2017 | PUBLIC
2) COE低下の主要因|技術的要因 –建設工法・インフラの整備
陸上でできる作業は極力洋上から陸上にシフトする:洋上作業時間の短縮によるコスト低減、天候リスク・品質リスクの低減
洋上風車仮組立・出荷基地でのタワーの全組立、ナセルの試運転などを実施(Plug & Play Operation)
ルフタダウネン, オランダ (V112-3.0MW) 2015年サネット, 英国 (V90-3.0MW) 2010年
100日間で100基の洋上風車を建設 一日に最大2基の洋上風車を据付
船舶およびクレーンの大型化や専用船化の進展、メーカ側も合わせた建設工法の改良により建設期間が着実に短縮されている。
Source: MHI Vestas
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18 | 再生可能エネルギーの大量導入時代における政策課題に関する研究会(第3回) | 14 June 2017 | PUBLIC
2) COE低下の主要因|技術的要因 – タービン信頼性(稼働率)の向上 (MHI Vestasの実例)
LPF(Lost Product Factor)
(発電可能量-実際の発電量)
発電可能量=
※MHI Vestasがサービス契約中の洋上案件が対象
MHI Vestas Fleet Lost Production Factor (LPF)
2.31%
Source: MHI Vestas
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19 | 再生可能エネルギーの大量導入時代における政策課題に関する研究会(第3回) | 14 June 2017 | PUBLIC
2004年買収
JV設立2015年
2001年以降
1980以降
2015年買収
2007年買収
2002年買収
2007年買収
1981年以降
2001年買収
1979以降
1980以降
JV設立 2014年
2017 Q1統合
Siemens67.8%
MHI Vestas16.4%
Senvion (REpower)
6.2%
Adwen5.2%
BARD, 3.2%
GE0.3% Other
0.9%
MWベース
2016年末までの累計
出典:WindEurope
2017年Areva撤退
現在は陸上にほぼ特化
大型機種なく、欧州での洋上実績些少
3) COE低下の主要因|経済的要因–タービンメーカの集約
欧州 メーカ別市場シェア
MWベース2016~2020年末までの各年見通し
出典:MAKE
プロジェクト規模の大型化に伴い、事業者は技術や実績のみならずメーカの財務体力を重視。近年、重電大手を軸とした統合が急速に進んでいる。
Source: MHI Vestas
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20 | 再生可能エネルギーの大量導入時代における政策課題に関する研究会(第3回) | 14 June 2017 | PUBLIC
3) COE低下の主要因|経済的要因 –BOPメーカの集約
タービンのみならず、基礎、ケーブルのサプライヤーも淘汰が進み競争力のある数社に絞られてきた。
タービン基礎
2016年年間施工実績インターアレイケーブル(風車-洋上変電所間のケーブル)
エクスポートケーブル(洋上変電所-陸上グリッド間のケーブル)
Source: WindEurope
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21 | 再生可能エネルギーの大量導入時代における政策課題に関する研究会(第3回) | 14 June 2017 | PUBLIC
3) COE低下の主要因|経済的要因 洋上風力産業の成熟
• 洋上初期はEPCI契約もあったがあまりにコスト高かったため、次第に事業者がとりまとめる複数契約に移行。多数の経験でプロジェクトリスクが明確になり、複数契約でもリスク管理が十分可能になりコンティンジェンシー・コストも低減。
• 特に大手の事業者(DONG, Vattenfall)などは大量の人員を抱えてプロジェクト、契約をコントロールすることで契約を細分化しコストの低減を図っている。
• 今後建設されるプロジェクトの60%は6個未満の契約で組成されている。( K2 Management社調べ)
コスト高リスク低
コスト低リスク高
事業者の組織・人材・経験・力量 高 事業者の組織・人材・経験・力量 低
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22 | 再生可能エネルギーの大量導入時代における政策課題に関する研究会(第3回) | 14 June 2017 | PUBLIC
目次
I 欧州洋上風力市場の現況
II COE(Cost of Energy)低下の主要因
III 洋上風力発電コスト低減のために欧州から学べること
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23 | 再生可能エネルギーの大量導入時代における政策課題に関する研究会(第3回) | 14 June 2017 | PUBLIC
洋上風力発電コスト低減のために欧州から学べることタービンの大型化とプロジェクトの立地条件(水深、離岸距離)が厳しくなったことが建設コストを押し上げる要因となったが、設備利用率の向上、規模の経済と習熟効果、さらに激しい競争効果により発電コスト(COE)は大幅に下落。
デンマーク英国
Source: MAKE
COEの推移
2014~現在競争時代
⑤競争効果
デンマーク・オランダ・ドイツ
2012~2014成熟期
④サプライチェーンの成熟と規模の経済
2005~2012拡大期
③プロジェクトコストの増大と設備利用率の改善
2000~2005成長期
②タービンとプロジェクトの大型化
1990-2000実証機~実用化初期
①習熟効果
タービン出力(MW) ~0.5 1.5-3.0 2.3-3.6 3.3-8.0
CAPEX (EURm/MW) 2.3-4.6 1.5-2.3 2.3-5.0 3.0-4.5
水深(m) 7 10 19 27
-水深が浅く、離岸距離も短い-初期プロジェクトからの習熟効果→CAPEXが低減
-厳しいプロジェクトの立地条件-タービン・プロジェクト規模の大型化-契約価格は下がったが見積過少で実コストは大幅に増加→多数のサプライヤーが倒産
-より厳しいプロジェクトの立地条件-供給不足と原材料費の高騰でCAPEXが増加-設備利用率の向上
-規模の経済で建設費低減-タービンの大幅な大型で発電量の増加-サプライチェーンの成熟
-タービンの大型化と競争が進みAEPも増大
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24 | 再生可能エネルギーの大量導入時代における政策課題に関する研究会(第3回) | 14 June 2017 | PUBLIC
1. 大規模で長期的かつ明確な導入計画
• 洋上風力発電の導入への明確なコミットメント
• 一定以上の年間新設規模を中長期的に明示することで民間の投資意思決定を促進
2. 法制度、環境の整備と障壁のクリア
• 系統インフラの整備、合理的で競争的な接続ルールの設定
• 一般海域利用に関する根拠法・フレームワーク・利害関係者との調整・ゾーニングの推進
• 透明で合理的かつ迅速な許認可プロセス(含む環境アセス)
• 将来的に公平で競争効果の高いセントラル方式による入札の導入
3. 欧州の最新知見の積極的な導入
• 風車の信頼性評価、建設工法、据付船の活用
• プロジェクトマネジメント手法の導入
• 契約・リスク管理スキーム、ファイナンス手法の導入
• O&M(技術、運営手法、船舶の運用等)
洋上風力の自立化に向けて必要なこと「洋上風力は一日にしてならず」ただし、過去25年以上の欧州での試行錯誤の経験と教訓に最大限学べば、日本なりに短期間でのコスト低減は可能
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25 | 再生可能エネルギーの大量導入時代における政策課題に関する研究会(第3回) | 14 June 2017 | PUBLIC
Let’s move the horizon.
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