航空プログラムニュース › topics › magazine › pdf › apgnews_no008.pdfc l ¡ i 5 o...

12
[特集] 次世代運航システムDREAMS 空の交通安全を守る 技術が変わり始めた [研究現場から] その1 超音速機の ソニックブーム許容性の研究 その2 大型航空機エンジン用 低NOx 燃料ノズルの研究

Upload: others

Post on 06-Jul-2020

0 views

Category:

Documents


0 download

TRANSCRIPT

Page 1: 航空プログラムニュース › topics › magazine › pdf › APGnews_no008.pdfC l ¡ i 5 O ´ C n 6 l 8 O ù ö ¡ * n e | ÷ { l ² u / W l O ù Q . ~ ÷ C µ l l h r n -

航 空 プ ロ グ ラ ム ニ ュ ー ス

[特集]

次世代運航システムDREAMS

空の交通安全を守る技術が変わり始めた[研究現場から]その1超音速機のソニックブーム許容性の研究その2大型航空機エンジン用低NOx燃料ノズルの研究

Page 2: 航空プログラムニュース › topics › magazine › pdf › APGnews_no008.pdfC l ¡ i 5 O ´ C n 6 l 8 O ù ö ¡ * n e | ÷ { l ² u / W l O ù Q . ~ ÷ C µ l l h r n -

空の交通安全を守る技術が変わり始めた従来の航空機の運航システムでは、増え続ける交通量に対応しにくくなっていることから、それらを解決する次世代システムの導入が必要とされています。多くの航空機が遅延なく安全に飛行するための技術について紹介します。

航空交通量は現在の1.5倍に

変わり始めた運航システム

分散型高効率航空交通管理システム

Page 3: 航空プログラムニュース › topics › magazine › pdf › APGnews_no008.pdfC l ¡ i 5 O ´ C n 6 l 8 O ù ö ¡ * n e | ÷ { l ² u / W l O ù Q . ~ ÷ C µ l l h r n -

図1 DREAMSで開発する5つの技術

Page 4: 航空プログラムニュース › topics › magazine › pdf › APGnews_no008.pdfC l ¡ i 5 O ´ C n 6 l 8 O ù ö ¡ * n e | ÷ { l ² u / W l O ù Q . ~ ÷ C µ l l h r n -

JAXAの技術を国際標準に

図2 小型高精度航法装置 「Micro-GAIA」

図3 DREAMS技術実証機を用いた飛行実験の様子

Page 5: 航空プログラムニュース › topics › magazine › pdf › APGnews_no008.pdfC l ¡ i 5 O ´ C n 6 l 8 O ù ö ¡ * n e | ÷ { l ² u / W l O ù Q . ~ ÷ C µ l l h r n -

図4 災害救援航空機情報共有ネットワーク「D-NET」

Page 6: 航空プログラムニュース › topics › magazine › pdf › APGnews_no008.pdfC l ¡ i 5 O ´ C n 6 l 8 O ù ö ¡ * n e | ÷ { l ² u / W l O ù Q . ~ ÷ C µ l l h r n -

超音速機のソニックブーム許容性の研究-社会に受け入れられる静かさとは?

陸地上空での超音速飛行を実現するために

ソニックブームを忠実に再現できるシミュレータ

図1 ソニックブームの影響

Page 7: 航空プログラムニュース › topics › magazine › pdf › APGnews_no008.pdfC l ¡ i 5 O ´ C n 6 l 8 O ù ö ¡ * n e | ÷ { l ² u / W l O ù Q . ~ ÷ C µ l l h r n -

国際基準策定への貢献

図2 ソニックブームシミュレータ

図3 ソニックブーム音響・構造振動試験装置(左:背面、右:前面)

空力設計技術セクション(左より)牧野好和、中右介、伊藤健

Page 8: 航空プログラムニュース › topics › magazine › pdf › APGnews_no008.pdfC l ¡ i 5 O ´ C n 6 l 8 O ù ö ¡ * n e | ÷ { l ² u / W l O ù Q . ~ ÷ C µ l l h r n -

大型航空機エンジン用低NOx燃料ノズルの研究

Nox排出量を5分の1まで下げることに成功

図1 航空機エンジンの燃焼器

Page 9: 航空プログラムニュース › topics › magazine › pdf › APGnews_no008.pdfC l ¡ i 5 O ´ C n 6 l 8 O ù ö ¡ * n e | ÷ { l ² u / W l O ù Q . ~ ÷ C µ l l h r n -

(後列左より)山本武、牧田光正佐藤拓男、下平一雄、岩瀬常利

(前列左より)松山竜左、藤原仁志

図3 燃料噴霧レーザ計測(左)とCFD(右)

地球環境保全へエンジン技術で貢献

(左)ノズルからの燃料噴霧の様子をレーザを使って観察し   ている(右)コンピュータでシミュレーションを行うことによって   燃料ノズル内部の流れを計算した結果を可視化したもの

図2 

高温高圧燃焼試験設備

Page 10: 航空プログラムニュース › topics › magazine › pdf › APGnews_no008.pdfC l ¡ i 5 O ´ C n 6 l 8 O ù ö ¡ * n e | ÷ { l ² u / W l O ù Q . ~ ÷ C µ l l h r n -

Interview「夢を飛ばす人々」Vol.8

  

日本以外で無人機はどの

ように活用されているのです

か?

奥山

金子

奥山

興味を持つことから始まる

子どもの頃の夢は?

奥山

金子

学生時代に熱中していた

ことは?

金子

奥山

休日はどのように過ごし

ているのですか?

金子

奥山

仕事でやりがいを感じる

のはどのようなときですか?

奥山

金子

研究者を目指している方

に向けてメッセージをお願い

します。

奥山

金子

奥山政広LTAシステム技術セクション大学院では航空工学を専攻

地上局のようす

飛行船は台車に載せて移動させます

Page 11: 航空プログラムニュース › topics › magazine › pdf › APGnews_no008.pdfC l ¡ i 5 O ´ C n 6 l 8 O ù ö ¡ * n e | ÷ { l ² u / W l O ù Q . ~ ÷ C µ l l h r n -

Interview夢を飛ばす人々

Vol.8

無人機だからできること災害現場で、人に代わって空から支援を行う無人航空機のはなし

無人機・未来型航空機チーム奥山政広●金子宣彦

日本において無人航空機

の代表的な用途といえば、無

人ヘリコプタによる農薬散布

なのだそうです。そのほか気

象観測などにも使われていま

す。近年では無人航空機を自

然災害発生時の支援に役立て

ようと研究が進められていま

す。JAXAでもこれまでの

無人機技術を応用して、災害

現場で運用できる無人機シス

テムの開発を行っています。

小型の飛行船と飛行機で

担当しているお仕事の内

容を教えてください。

奥山

金子

実現に向けてどのような

課題がありますか?

奥山

金子

金子宣彦無人機システム技術セクション大学では機械工学を専攻

無人機に搭載したカメラで高度110mから撮影した画像

カメラ

自動車

テストチャート(縦8m×横8m)

Page 12: 航空プログラムニュース › topics › magazine › pdf › APGnews_no008.pdfC l ¡ i 5 O ´ C n 6 l 8 O ù ö ¡ * n e | ÷ { l ² u / W l O ù Q . ~ ÷ C µ l l h r n -

『航 空 プ ロ グ ラ ム ニ ュ ー ス』

ファンボローエアショーへ出展 2008年7月14~20日に、英国でファンボローエアショーが開催されます。ファンボローエアショーはロンドン郊外で2年に1度開催される航空宇宙関連の展示会です。 JAXAは、前回(2006年)に続く今回の出展で、技術力を世界へアピールします。 航空プログラムグループでは、静粛超音速研究機模型(写真)や高精度低コスト複合材成形法による主翼外翼実大構造物の展示を通して、超音速機技術の研究開発について紹介します。

林チーム長にノーベル平和賞受賞への貢献に対する感謝状 2007年ノーベル平和賞を受賞した国連組織「気候変動に関する政府間パネル(IPCC)」から、JAXA航空プログラムグループ環境適応エンジンチームの林茂チーム長に感謝状が贈られました。林チーム長は、IPCCが1999年に発行した特別報告書『Aviation and The Global Atmosphere(航空と地球大気)』の作成に携わっており、この度その貢献に謝意が表されたものです。

 IPCCは、人為起源による気候変化、影響、適応および緩和方策に関し、科学的、技術的、社会経済学的な見地から包括的な評価を行うことを目的として設立された組織です。 林チーム長が共同執筆したのは、上記特別報告書の第7章「航空機技術と排出ガスとの関係」で、その中で航空需要の高まりを背景に、人類が排出する二酸化炭素(CO2)全量のうち航空機の排出が占める割合は現在の数%から2050年には2桁まで増加する可能性があると予測。それに伴って窒素酸化物(NOx)や粒子状物質の排出も増大することから、先進的なクリーンエンジン技術の開発が不可欠との報告をまとめました。 環境適応エンジンチームでは、現在よりもNOxやCO2の排出量を低減し、騒音も少ないエンジンを実現するための技術の研究開発を行っています。この度の感謝状は、同チームの日頃の研究活動の評価にもつながるものとJAXAではうれしく思っています。

IPCC 議長は受賞に際し「これまで IPCCの活動に参加してきた全ての科学者がこの賞の受賞者である」と述べている。