青森県アルコール健康障害対策推進計画...青森県アルコール健康障害対策推進計画...

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青森県アルコール健康障害対策推進計画 平成 年 月 青 森 県 平成31年3月

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Page 1: 青森県アルコール健康障害対策推進計画...青森県アルコール健康障害対策推進計画 平成 年 月 青 森 県 平成31年3月 青 森 県 はじめに

青森県アルコール健康障害対策推進計画

平成 年 月

青 森 県

平成31年3月

青 森 県

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はじめに

本県では、平均寿命が男女ともに全国最下位の状態が長期にわたり続いており、

その要因のひとつとして県民の飲酒習慣があると言われています。

このため、県では、2013年(平成 25年)に青森県健康増進計画「健康あおもり

21(第2次)」を策定し、県民の生活習慣の改善に向けて、節度ある適度な量の飲酒

の普及啓発等に取り組んできました。

一方、国においては、アルコールの多飲による心身への健康障害と、アルコールに

関連して起こる飲酒運転や暴力、虐待などの問題を個人の問題としてではなく、社会

全体の問題としてとらえ、その対策を総合的かつ計画的に推進していくため、2013年

(平成 25年)に「アルコール健康障害対策基本法」を制定するとともに、2016年(平

成 28年)に「アルコール健康障害対策推進基本計画」を策定しています。

こうした国の動向などを踏まえ、本県の実情に即したアルコール健康障害対策を総

合的に進めるため、この度「青森県アルコール健康障害対策推進計画」を策定しまし

た。

アルコール健康障害の発生、進行及び再発の防止やアルコール健康障害を有する方

などに対する支援の充実を図ることにより、県民の皆様の健康を守り、もって安心し

て暮らすことのできる青森県の実現に向けて、市町村や関係機関と連携しながら、計

画に掲げる施策を着実に推進していきたいと考えています。

結びに、本計画の策定にあたり、貴重な御意見を賜りました青森県アルコール健康

障害対策推進計画検討委員会の委員の皆様をはじめ、関係者の皆様に心から感謝申し

上げます。

平成 31年 3月

青森県知事 三村 申吾

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目 次

第1章 はじめに

1 計画策定の趣旨・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 1

2 計画の位置付け・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 1

3 計画の期間・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 1

第2章 青森県の現状

1 本県のアルコール消費量・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 2

2 県民の飲酒の状況・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 2

(1)飲酒習慣がある者の割合・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 2

(2)生活習慣病のリスクを高める量を飲酒している者の割合・・・・・・・・ 3

(3)飲酒と平均寿命・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 4

(4)20歳未満の飲酒・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 5

(5)妊娠中の飲酒・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 7

3 アルコール依存症患者の状況・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 7

(1)アルコール依存症の生涯経験者・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 7

(2)アルコール依存症による在院患者推移・・・・・・・・・・・・・・・・ 7

(3)アルコール関連疾患の通院患者数・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 8

4 アルコール関連問題の状況・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 8

(1)飲酒運転による事故・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 8

(2)暴力・虐待・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 9

(3)自殺の状況・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 10

(4)相談状況・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 11

5 自助グループ・家族会の状況・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 12

6 医療機関の状況・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 12

第3章 計画の基本的な考え方

1 基本的な考え方・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 15

2 基本方針・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 15

第4章 重点目標

重点目標1 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 16

重点目標2 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 17

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第5章 基本施策

1 教育・広報等の推進・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 19

2 不適切な飲酒の誘引の防止・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 20

3 健診及び保健指導・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 21

4 アルコール健康障害に係る医療の充実等・・・・・・・・・・・・・・・・ 22

5 アルコール健康障害に関連して飲酒運転等をした者に対する指導等・・・・ 23

6 相談支援等 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 24

7 社会復帰の支援・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 26

8 民間団体の活動に対する支援・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 27

第6章 計画の推進体制等

1 関連施策との有機的な連携について・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 29

2 推進体制・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 29

3 計画の見直しについて・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 29

4 各機関の役割・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 29

参考資料

1 アルコール依存 診療対応医療機関一覧 ・・・・・・・・・・・・・・・ 32

2 自助グループ・家族会 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 32

3 相談・支援機関 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 33

4 AUDIT ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 34

5 青森県アルコール健康障害対策推進計画検討委員会設置要綱 ・・・・・・ 41

6 青森県アルコール健康障害対策推進計画検討委員会委員名簿 ・・・・・・ 43

7 アルコール健康障害対策基本法 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 44

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1

第1章 はじめに

1 計画策定の趣旨

酒類は私たちの生活に豊かさと潤いを与えるとともに、酒類にまつわる伝統と文化は私

たちの生活に深く浸透しています。

一方で、多量の飲酒、20 歳未満の者や妊産婦の飲酒等の不適切な飲酒は、肝臓などの臓

器疾患やアルコール依存症などアルコール健康障害1)の原因となるほか、胎児や乳児の発育

にも影響を及ぼします。また、アルコール健康障害は、本人の健康面の問題だけではなく、

飲酒運転や急性アルコール中毒、暴力、虐待、自殺等の重大な社会問題を引き起こし、家族

や周囲の人への深刻な影響を及ぼすことから、その健康障害対策は極めて重要です。

このため、アルコール健康障害対策を総合的かつ計画的に推進して、アルコール健康障

害の発生、進行及び再発の防止を図り、併せてアルコール健康障害を有する者等に対する

支援の充実を図ることにより、国民の健康を保護するとともに、安心して暮らすことので

きる社会の実現に寄与することを目的として、2014 年(平成 26年)6月に「アルコール健

康障害対策基本法」(以下「基本法」という。)が施行されました。

基本法では、都道府県は、それぞれの都道府県の実情に即したアルコール健康障害の推

進に関する計画を策定するよう努めなければならないとされています。

本県は男女とも、長期にわたり全国一の短命県となっていることから、平均寿命の延伸

が大きな課題となっています。特に、男性は生活習慣病のリスクを高める量を飲酒してい

る者の割合が全国で最も高いなど、飲酒が早世の一因とも指摘されており、アルコール健

康障害対策の推進は平均寿命の延伸にも大きな影響を与えるものと考えられます。

こうしたことから、アルコール健康障害対策に関する動向や本県の現状を踏まえ、本県

におけるアルコール健康障害対策を総合的に推進するため、青森県アルコール健康障害対

策推進計画を策定するものです。

2 計画の位置付け

本計画は、基本法第 14 条第1項に基づき本県が策定する「都道府県アルコール健康障害

対策推進計画」です。

また、「青森県保健医療計画」、青森県健康増進計画「健康あおもり 21(第2次)」及び青

森県自殺対策計画「いのち支える青森県自殺対策計画」との整合を図っています。

3 計画の期間

本計画の期間は、2019 年度(平成 31 年度)から 2023年度までの5年間とします。

1) アルコール依存症その他の多量の飲酒、20 歳未満の者の飲酒、妊婦の飲酒等の不適切な飲酒の影響による心

身の健康障害のことをいう。

【都道府県アルコール健康障害対策推進計画(基本法第 14 条第1項)】

都道府県は、アルコール健康障害対策推進基本計画を基本とするとともに、当該都道府県の実情に即し

たアルコール健康障害対策の推進に関する計画(以下「都道府県アルコール健康障害対策推進計画」とい

う。)を策定するよう努めなければならない。

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第2章 青森県の現状

1 本県のアルコール消費量

本県における酒類の販売(消費)数量は、減少傾向にはあるものの、成人1人当たりの酒

類販売(消費)数量は、2016年度(平成 28 年度)は 92.7 ℓ で、東京都(111.2 ℓ)、高知

県(97.9 ℓ)、宮崎県(94.8 ℓ)に次いで全国4位となっています。

種類別にみると、本県では、リキュールが 26.0ℓ と最も多く、次いで、ビールが 23.8ℓ、

発泡酒が 9.9 ℓ などとなっています。

【表1】本県の酒類販売(消費)数量推移 (単位:㎘)

【図1】2016年度(平成 28年度)成人 1人当たりの酒類販売(消費)数量(種類別)

2 県民の飲酒の状況

(1)飲酒習慣がある者2)の割合

平成 28 年度青森県県民健康・栄養調査によると、「飲酒習慣がある者(20 歳以上)」の割

合は、男性では、40.2%(全国:33.0%)、女性では 8.8%(全国:8.6%)と男女ともに全

国よりも高い状況にあります。男性は、いずれの年代も全国より高く、女性は、特に 30歳

代が全国より高くなっています。

2) 週に 3 回以上飲酒し、飲酒日 1 日当たり 1 合以上を飲酒すると回答した者

飲酒日の1日当たりの飲酒量(青森県県民健康・栄養調査生活習慣調査票より)

日本酒(清酒)1 合(180ml)の目安:ビール中瓶 1 本(約 500ml)、焼酎 35 度(80ml) ウイスキーダブル 1 杯(60ml)、ワイン 2 杯(240ml)

年 度 H24 H25 H26 H27 H28

販売(消費)量 105,932 106,480 103,467 101,895 100,729

出典:国税庁「酒税」

26.0

23.8

9.9

7.1 6.3 4.7

3.2 2.8 1.8

0.7 0.5 0.1 0.1

5.8

19.8

25.4

7.0

3.6 5.2

3.9 4.4

3.4

1.4 0.3 1.0

0.1 0.1

5.5

0

5

10

15

20

25

30

リキュール

ビール

発泡酒

連続式蒸留焼酎

清酒

スピリッツ等

単式蒸留焼酎

果実酒

ウイスキー

合成清酒

みりん

ブランデー

甘味果実酒

その他の醸造酒等

青森県 全 国

(ℓ)

2016年度

青森県合計 92.7ℓ

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【図2】飲酒習慣がある者(20歳以上)の割合

出典:(青森県)県がん・生活習慣病対策課「平成 28年度青森県県民健康・栄養調査結果」

(全 国)厚生労働省「平成 28年国民健康・栄養調査」(割合は全国補正値であり、単なる人数比とは異なる)

(2)生活習慣病のリスクを高める量を飲酒している者3)の割合

生活習慣病(循環器疾患、糖尿病等)のリスクを高める量を飲酒している者(以下「高リ

スク飲酒者」という。)の割合は、男性は横ばい、女性は微増傾向となっています。

【図3】高リスク飲酒者の割合

出典:県がん・生活習慣病対策課「平成 28年度市町村国民健康保険特定健康診査データ(40~74歳)」

飲酒日1日当たりの飲酒量が男性2合以上、女性1合以上と回答している者を集計対象とした。

3) 生活習慣病(循環器疾患、糖尿病等)のリスクを高める量を飲酒している者:

1日当たりの純アルコール摂取量が男性 40g 以上、女性 20g 以上の者

(参考)純アルコール 20g の量

33.0

10.9

29.0

37.9

46.1

41.8

23.4

40.2

17.4

34.4

48.046.6

51.9

29.0

0

10

20

30

40

50

60

総数 20-29歳 30-39歳 40-49歳 50-59歳 60-69歳 70歳以上

男性

全国 青森県

(%)

8.6

4.4

9.2

15.6

12.4

9.9

2.1

8.8

5.3

14.8

12.7

11.9

9.3

3.0

0

4

8

12

16

20

総数 20-29歳 30-39歳 40-49歳 50-59歳 60-69歳 70歳以上

女性

全国 青森県

(%)

31.4 31.4 31.6 32.3 32.0 32.4 32.2

16.9 17.0 17.1 17.9 18.419.4 19.3

0

10

20

30

40

H22年度 H23年度 H24年度 H25年度 H26年度 H27年度 H28年度

(%)

男性 女性

酒の種類(基準%) 酒の量 だいたいの目安量

ビール・発泡酒(5%) 500ml 中ビンまたはロング缶1本

チュウハイ(7%) 360ml 350ml缶の1本

焼酎(25%) 100ml 0.5合強

日本酒(15%) 170ml 1合弱

ウィスキー・ジンなど(40%) 60ml ダブル1杯

ワイン(12%) 200ml ワイングラス2杯弱

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本県の平成 27年度特定健康診査受診者(40~74 歳)みると、「毎日飲酒する」と答えた者

は、男性は 70~74歳を除き全ての年代で、女性は 40~50歳代前半で高くなっています。

【表2】特定健康診査データからみる飲酒頻度(全国を 100とした場合の全国比) (単位:%)

また、飲酒日の1日当たりの飲酒量について年代別に割合をみると、1日当たりの飲酒

量が3合以上である割合が最も高いのは、男性では 55~59 歳、女性では 40~44 歳の年代

となっています。また、全国の割合と比較すると、1合以上の飲酒者の占める割合は、男女

とも全国を上回っています。

【表3】特定健康診査データからみる飲酒量 (単位:%)

(3)飲酒と平均寿命

厚生労働省の平成 27 年度特定健康診査受診者(40~74歳)について、高リスク飲酒者の

占める割合と平成 27 年都道府県別生命表の関係をみてみると、本県の男性は全国で最も高

リスク飲酒者の割合が高く、かつ平均寿命も最も短い位置にあります。また、女性につい

ても、高リスク飲酒者の割合は全国よりも高く、平均寿命も最も短い状況となっています。

40~44歳

45~49歳

50~54歳

55~59歳

60~64歳

65~69歳

70~74歳

計40~44歳

45~49歳

50~54歳

55~59歳

60~64歳

65~69歳

70~74歳

毎日 111.1 113.2 110.7 106.4 105.8 103.7 97.8 109.1 108.6 106.6 101.5 90.2 78.5 69.7 59.4 86.8

時々 96.5 95.7 97.3 103.3 99.7 108.4 113.7 98.3 99.0 99.7 104.1 104.9 95.6 92.3 82.3 94.3

ほとんど飲まない(飲めない) 92.8 89.0 87.6 85.5 90.1 87.0 93.5 89.0 98.1 98.1 97.2 100.1 105.8 106.5 108.2 105.4

出典:厚生労働省「第3回NDBオープンデータ」

青森県(男性) 青森県(女性)

飲酒の頻度

40~44歳

45~49歳

50~54歳

55~59歳

60~64歳

65~69歳

70~74歳

計40~44歳

45~49歳

50~54歳

55~59歳

60~64歳

65~69歳

70~74歳

1合未満 32.8 29.7 27.2 24.2 27.3 31.9 39.7 30.0 39.9 61.9 62.2 63.4 68.6 76.7 83.9 89.2 73.2 76.1

1~2合未満 35.3 35.6 36.1 36.8 37.6 37.7 37.0 36.6 35.6 26.8 27.6 27.5 23.5 18.5 13.0 8.9 20.2 17.9

2~3合未満 20.8 22.7 24.9 26.4 23.8 19.5 15.1 22.2 18.2 8.4 7.8 7.0 6.3 3.7 2.4 1.6 5.1 4.6

3合以上 11.2 12.0 11.8 12.6 11.3 10.9 8.2 11.3 6.3 2.9 2.5 2.0 1.6 1.1 0.8 0.4 1.5 1.3

出典:厚生労働省「第3回NDBオープンデータ」

青森県(女性)

全国(女性)

飲酒日の1日当たりの飲酒量

青森県(男性)

全国(男性)

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【図4】高リスク飲酒者の割合と H27平均寿命

出典:厚生労働省「第 3回 NDBオープンデータ」、厚生労働省「平成 27年都道府県別生命表」

(4)20歳未満の飲酒

2015年度(平成 27年度)の公立小・中・高等学校における飲酒経験者4)の割合は、小学

5年生で 22.4%、中学1年生で 17.8%、中学3年生で 21.1%、高校3年生で 27.1%とな

っており、2007年度(平成 19年度)調査以降、全ての学年で減少しています。

また、飲酒習慣者5)の割合は、小学5年生で 1.8%、中学1年生で 2.1%、中学3年生で

3.9%、高校3年生で 6.9%となっており、学年が進むにつれて高くなっていますが、2007

年度(平成 19年度)以降は、全ての学年で減少しています。

4) 飲酒経験があるが現在は飲まない児童生徒と現在も飲んでいる児童生徒を合わせたもの 5) 現在も時々飲んでいる児童生徒

78.5

79.0

79.5

80.0

80.5

81.0

81.5

82.0

15% 20% 25% 30% 35%

男 性

高リスク飲酒者の割合

平均寿命

(歳)

全国

青森県

85.8

86.0

86.2

86.4

86.6

86.8

87.0

87.2

87.4

87.6

87.8

10% 15% 20% 25% 30% 35%

女 性

高リスク飲酒者の割合

平均寿命

(歳)

全国

青森県

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6

【表4】公立小・中・高等学校における飲酒の状況 (単位:人、%)

【図5】公立小・中・高等学校における飲酒経験者の割合の推移

出典:県がん・生活習慣病対策課「公立小・中・高等学校における児童生徒の喫煙等状況調査結果」

【図6】公立小・中・高等学校における飲酒習慣者の割合の推移

出典:県がん・生活習慣病対策課「公立小・中・高等学校における児童生徒の喫煙等状況調査結果」

飲酒のきっかけについてみてみると、小学5年生、中学3年生では「なんとなく」が最も

高くなっていますが、中学1年生、高校3年生では、「家族からすすめられて」が最も高く、

「家族からすすめられて」が占める割合は、小学5年生を除いた学年で2割を超えています。

人数 割合 人数 割合 人数 割合 人数 割合 人数 割合

小学5年生 2,812 75.7% 832 22.4% 766 20.6% 66 1.8% 70 1.9%

中学1年生 3,312 80.2% 734 17.8% 648 15.7% 86 2.1% 82 2.0%

中学3年生 3,288 77.4% 898 21.1% 732 17.2% 166 3.9% 62 1.5%

高校3年生 2,360 70.9% 902 27.1% 671 20.2% 231 6.9% 67 2.0%

出典:県がん・生活習慣病対策課「平成27年度公立小・中・高等学校における児童生徒の喫煙等状況調査結果」

飲んだことはない 飲酒経験者 飲んだことはあるが、今後は飲まない

現在も時々飲んでいる

未回答

34.9 34.7

44.3

65.7

30.526.1

33.1

38.7

22.417.8

21.1

27.1

0

10

20

30

40

50

60

70

小学5年生 中学1年生 中学3年生 高校3年生

(%)

平成19年度 平成23年度 平成27年度

3.6

6.7

12.7

33.8

2.5 4.1

8.2

14.6

1.8 2.1 3.9

6.9

0

10

20

30

40

小学5年生 中学1年生 中学3年生 高校3年生

(%)

平成19年度 平成23年度 平成27年度

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【図7】公立小・中・高等学校における飲酒経験者のお酒をはじめて飲んだきっかけ (単位:%)

出典:県がん・生活習慣病対策課「平成 27年度公立小・中・高等学校における児童生徒の喫煙等状況調査結果」

(5)妊娠中の飲酒

本県の妊婦の飲酒率は近年減少傾向にあり、2017 年度(平成 29 年度)は 2.3%となって

います。

【表5】妊婦の飲酒率

3 アルコール依存症患者の状況

(1)アルコール依存症の生涯経験者

2013年(平成 25 年)に厚生労働省の研究班が実施した「成人の飲酒行動に関する全国調

査」によると、全国のアルコール依存症の生涯経験者の推計数は 109 万人と推計され、全

国の生涯経験者数を本県に置き換えた場合、県内のアルコール依存症の生涯経験者数は

11,200人と推計されます。

【表6】アルコール依存症の生涯経験者数(平成 24 年人口における推計値) (単位:人)

なお、本県においては、飲酒習慣がある者の割合が全国よりも高い状況にあることか

ら、「飲酒習慣がある者の割合」(本県:男性 40.2%、女性 8.8%、全国:男性 33.0%、女性

8.6%、P3参照)を参考に推計すると、男女合計で 13,300人とも考えられます。

(2)アルコール依存症による在院患者推移

アルコール依存症は、精神疾患であり、精神科医療機関での治療が必要です。

2015年度(平成 27年度)のアルコール依存症による県内の在院患者数は 171人で、横ば

い傾向となっています。

20.8

18.8

21.0

22.3

1.1

0.8

2.3

5.9

0.6

0.7

0.2

0.7

1.1

0.6

0.3

0.2

19.9

22.9

21.8

27.8

21.2

19.1

26.8

22.6

33.7

31.4

21.6

16.5

1.6

5.7

5.8

4.1

小学5年生(n=813)

中学1年生(n=707)

中学3年生(n=879)

高校3年生(n=885)

興味 友人 かっこよい 大人の気分 家族から なんとなく その他 未回答

年度 H25 H26 H27 H28 H29

青森県 3.3% 3.6% 2.6% 2.4% 2.3%

出典:県こどもみらい課「妊婦連絡票」

男性 女性 合計 男性 女性 合計

9,700 1,500 11,200 950,000 140,000 1,090,000

出典:(青森県)全国値に基づき平成24年10月の20歳以上の男女の本県総人口より推計

   (全 国)厚生労働省「成人の飲酒行動に関する全国調査」

青森県 全国

診断基準によるアルコール依存症(ICD-10)

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8

【表7】アルコール依存症による在院患者数 (単位:人)

(3)アルコール関連疾患の通院患者数

2017年度(平成 29 年度)の自立支援医療(精神通院医療)6)受給者証所持者のうち、ア

ルコール関連疾患の通院患者数は 685人と年々増加傾向にあります。

【表8】アルコール関連疾患の通院患者数 (単位:人)

4 アルコール関連問題7)の状況

(1)飲酒運転による事故

県内における交通事故発生数は、年々減少傾向にありますが、飲酒事故は年間 30~50件

前後となっています。

【表9】飲酒運転による交通事故の状況

また、運転免許保有者 10万人当たりの飲酒運転事故件数では、本県は 3.5 件と全国平

均の 4.4件を下回っています。

一方、2017 年(平成 29年)の飲酒運転事故率(原付以上(第1当事者)の全事故件数

に占める原付以上(第1当事者)の飲酒運転事故率)について全国の状況をみると、本県

は 0.93%と全国平均の 0.80%を上回っています。

6) 精神障害により通院による治療を続ける必要がある者の通院医療費の自己負担を軽減するための公費負担医

療制度 7) アルコール健康障害及びこれに関連して生ずる飲酒運転、暴力、虐待、自殺等の問題のことをいう。

H24年 H25年 H26年 H27年

青森県 165 169 164 171

全 国 12,206 11,877 11,371 11,199

出典:厚生労働省「精神保健福祉資料(6月30日時点)」

H24年度 H25年度 H26年度 H27年度 H28年度 H29年度

通院者数 698 711 765 836 844 859

アルコール依存症(再掲) 536 547 587 650 676 685

出典:県障害福祉課調べ

H24年 H25年 H26年 H27年 H28年 H29年

5,221件 4,963件 4,133件 3,854件 3,740件 3,258件

発生件数 51件 46件 51件 39件 41件 30件

死者数 2人 4人 3人 3人 5人 2人

負傷者数 68人 51人 64人 49人 42人 38人

出典: 県警察本部「交通年鑑」

全交通事故

うち飲酒事故発生状況

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9

【表 10】都道府県別飲酒運転事故の状況 【図8】都道府県別飲酒運転事故率

(2017年(平成 29年))

出典:公益財団法人交通事故総合分析センター2017のデータをもとに一般財団法人日本損害保険協会が試算

(2)暴力・虐待

日本アルコール関連問題学会等が作成した簡易版「アルコール白書」によると、暴力時

における飲酒の影響として、酩酊による抑制力や判断力の低下、養育や夫婦関係における

適切な判断ができなくなることなどが指摘されています。また、長期的影響として、アル

飲酒運転事故件数

ワースト順位

運転免許保有

者10万人当た

りの飲酒運転

事故件数

ワースト順位

飲酒運転

事故率

(※)

ワースト順位

全 国 3582 - 4 .4 - 0 .80% -

北海道 127 10 3 .8 36 1 .20% 14

青森県 30 38 3 .5 39 0 .93% 27

岩手県 30 38 3 .6 38 1 .35% 11

宮城県 71 17 4 .6 24 0 .96% 24

秋田県 22 43 3 .3 44 1 .09% 17

山形県 31 36 4 32 0 .55% 45

福島県 82 15 6 .3 9 1 .49% 7

茨城県 152 8 7 .4 4 1 .62% 5

栃木県 62 21 4 .4 26 1 .41% 9

群馬県 98 12 6 .9 6 0 .79% 32

埼玉県 160 7 3 .4 42 0 .67% 37

千葉県 178 4 4 .4 27 1 .06% 19

東京都 174 6 2 .2 47 0 .59% 42

神奈川県 193 3 3 .4 41 0 .74% 34

新潟県 62 21 4 33 1 .52% 6

富山県 37 33 4 .9 15 1 .18% 15

石川県 26 40 3 .3 43 0 .83% 31

福井県 26 40 4 .8 18 1 .70% 3

山梨県 55 26 9 .3 1 1 .36% 10

長野県 83 14 5 .6 11 1 .06% 20

岐阜県 66 19 4 .7 22 1 .22% 13

静岡県 135 9 5 .3 13 0 .47% 46

愛知県 220 1 4 .3 28 0 .60% 40

三重県 34 35 2 .7 46 0 .66% 38

滋賀県 67 18 7 5 1 .45% 8

京都府 59 24 3 .7 37 0 .88% 29

大阪府 207 2 4 .1 31 0 .61% 39

兵庫県 176 5 5 .1 14 0 .74% 33

奈良県 37 33 4 .1 30 0 .88% 30

和歌山県 31 36 4 .6 23 1 .28% 12

鳥取県 18 46 4 .7 21 1 .91% 1

島根県 22 43 4 .8 19 1 .75% 2

岡山県 64 20 4 .9 16 0 .92% 28

広島県 89 13 4 .8 20 1 .06% 21

山口県 45 29 4 .9 17 0 .93% 26

徳島県 18 46 3 .4 40 0 .59% 41

香川県 43 31 6 .3 8 0 .72% 35

愛媛県 39 32 4 .2 29 1 .01% 22

高知県 19 45 3 .9 34 1 .14% 16

福岡県 126 11 3 .8 35 0 .37% 47

佐賀県 46 28 8 .2 3 0 .70% 36

長崎県 56 25 6 .5 7 1 .06% 18

熊本県 53 27 4 .4 25 0 .94% 25

大分県 24 42 3 .1 45 0 .59% 43

宮崎県 45 29 5 .9 10 0 .55% 44

鹿児島県 62 21 5 .6 12 0 .97% 23

沖縄県 82 15 8 .7 2 1 .63% 4

※ 飲酒運転事故率:原付以上(第1当事者)の全事故件数に占める

   原付以上(第1当事者)の飲酒運転事故率

1.91%

1.75%

1.70%

1.63%

1.62%

1.52%

1.49%

1.45%

1.41%

1.36%

1.35%

1.28%

1.22%

1.20%

1.18%

1.14%

1.09%

1.06%

1.06%

1.06%

1.06%

1.01%

0.97%

0.96%

0.94%

0.93%

0.93%

0.92%

0.88%

0.88%

0.83%

0.80%

0.79%

0.74%

0.74%

0.72%

0.70%

0.67%

0.66%

0.61%

0.60%

0.59%

0.59%

0.59%

0.55%

0.55%

0.47%

0.37%

0.00% 0.50% 1.00% 1.50% 2.00% 2.50%

鳥取県

島根県

福井県

沖縄県

茨城県

新潟県

福島県

滋賀県

栃木県

山梨県

岩手県

和歌山県

岐阜県

北海道

富山県

高知県

秋田県

千葉県

長野県

広島県

長崎県

愛媛県

鹿児島県

宮城県

熊本県

青森県

山口県

岡山県

京都府

奈良県

石川県

全国

群馬県

神奈川県

兵庫県

香川県

佐賀県

埼玉県

三重県

大阪府

愛県知

東京都

徳島県

大分県

山形県

宮崎県

静岡県

福岡県

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10

コール乱用・依存の進行とともに、当事者の問題や家族機能の低下が生じ、DV(ドメステ

ィック・バイオレンス/配偶者からの暴力)や児童虐待に結びつくことが指摘されています。

<参考>

以下のデータは、アルコール問題も含む全体の相談・対応件数等を示したものです。

【表 11】配偶者暴力相談支援センターにおける相談件数 (単位:件)

【表 12】警察におけるDV相談取扱状況 (単位:件)

【表 13】虐待相談対応件数 (単位:件)

(3)自殺の状況

本県の 2017 年(平成 29 年)の自殺者数は 265 人で、前年と比較して6人減少しました

が、人口 10 万人当たりの自殺死亡率は 20.8 で全国ワースト3位となっており、特に高齢

層や壮年期男性の自殺が多くなっています。

自殺予防総合対策センター(現:自殺総合対策推進センター)が実施した心理学的剖検

調査によると、自殺者のうち、約 21%が死亡前1年以内に、アルコール依存症と診断され

ていなくても多量の飲酒や飲酒による人間関係のトラブル、飲酒運転やけんか等のアルコ

ールに関連する何らかの問題を呈していたこと、また、その多くが中高年の男性であった

ことが指摘されています。

<参考>

以下のデータは、アルコール問題も含む自殺者数・自殺死亡率を示したものです。

H24年度 H25年度 H26年度 H27年度 H28年度 H29年度

青森県 715 747 720 896 850 797

全 国 89,490 99,961 102,963 111,630 106,367 106,110

出典:(青森県)県こどもみらい課まとめ

   (全 国)配偶者暴力相談支援センターにおける相談件数

H24年 H25年 H26年 H27年 H28年 H29年

青森県 456 501 561 474 491 462

全 国 43,950 49,553 59,072 63,141 69,908 72,455

出典:(青森県)青森県警本部  

 (全 国)警察庁まとめ

H24年度 H25年度 H26年度 H27年度 H28年度 H29年度

青森県 842 822 834 922 949 1,073

全 国 66,701 73,802 88,931 103,286 122,575 133,778

出典:(青森県)県こどもみらい課「県内児童相談所における相談対応件数」

   (全 国)厚生労働省「福祉行政報告例」

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11

【図9】自殺者数・自殺死亡率の推移

出典:厚生労働省「人口動態統計」

(4)相談状況

本県の保健所8)及び県立精神保健福祉センター9)におけるアルコール健康障害に関する

2017年度(平成 29 年度)の相談件数は、保健所は 123 件、県立精神保健福祉センターは 21

件となり、前年度から減少しています。

【表 14】保健所における相談件数 (単位:件)

【表 15】県立精神保健福祉センターにおける相談件数 (単位:件)

8) 地域保健法及び精神保健及び精神障害者福祉に関する法律(以下「精神保健福祉法」という。)を根拠とした

地域における精神保健及び精神障害福祉の業務の中心的な行政機関であり相談や訪問指導、入院及び通院医療

関係事務、市町村への協力及び連携など、地域住民のこころの健康の保持増進を図るための業務を行う。 9) 精神保健福祉法を根拠として、精神保健の向上から適切な精神医療の推進、精神障害者の社会参加の支援ま

でを含めた精神保健福祉の総合技術センターとして、アルコール依存症に関する精神保健福祉相談や、自助グ

ループ等の組織育成の業務等を行う。

576554 527

441469 473 476

403

356327

311270 267 271

265

39.5 38.3

36.8

31.1 33.4 34.1 34.6

29.4 26.2

24.3 23.3

20.5 20.5 21.0

20.8

25.5 24.0 24.2 23.7 24.4 24.0 24.4 23.4 22.9

21.0 20.7 19.5

18.5 16.8 16.4

0

10

20

30

40

50

0

200

400

600

H15 H16 H17 H18 H19 H20 H21 H22 H23 H24 H25 H26 H27 H28 H29

男性 女性 県自殺死亡率 全国自殺死亡率

(人) (人口10万対)

H24年度 H25年度 H26年度 H27年度 H28年度 H29年度

面接 25 44 31 32 35 49

訪問 15 16 11 27 21 17

電話 33 54 78 76 85 57

合計 73 114 120 135 141 123

出典:厚生労働省「地域保健・健康増進事業報告」※中核市保健所を含む

H24年度 H25年度 H26年度 H27年度 H28年度 H29年度

面接 0 1 1 2 5 2

電話 0 16 16 21 23 19

合計 0 17 17 23 28 21

出典:厚生労働省「衛生行政報告例」

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12

5 自助グループ・家族会の状況

県内には、アルコール関連の自助グループ10)として、断酒会が3ヶ所、AA(アルコホー

リクス・アノニマス)が4ヶ所あるほか、家族会が2ヶ所あります。(休止中含む)

青森市

弘前市

八戸市

【自助グループ】〇八戸断酒会

第1・3水曜日19:00~20:00(青南病院待合室)

〇八戸東断酒会第2・4水曜日19:00~20:00(八戸市立東公民館)

〇AA(おいらせG)毎週水曜日19:00~20:30

(田面木公民館)【家族会】〇ブーケの会

第2・4水曜日13:30~15:30(三戸地方保健所)

【自助グループ】〇AA(青森G)

毎週火曜日 19:00~20:30(横内市民センター)

○AA(青森本町G)(活動休止中)【家族会】○青森(アルコール・薬物等の依存症者)家族会

原則毎月第2土曜日 13:00~16:00(青森市西部市民センター)

【自助グループ】〇津軽断酒会(活動休止中)〇AA(弘前G)毎週金曜日 16:45~18:00(藤代町会集会所)

6 医療機関の状況

県内の精神科医療機関において、アルコール依存症の専門外来がある医療機関は4ヶ所、専

門プログラムがある医療機関は6ヶ所、専門性を有した医師が担当する入院治療を行っている

医療機関は10ヶ所、重度アルコール依存症入院医療管理加算の施設基準に係る届出医療機関

は6ヶ所あります。

10) 同じ飲酒問題を抱えた人が相互援助を目的として、自発的に結びついた集まり。グループメンバーと支えあ

いながら体験を共有し、自分の課題を見つめ直すことで自分を変化させていく効果が期待できる。アルコール

依存症の家族を対象とした会などもある。

青森市

弘前市

八戸市

十和田市

五所川原市

病院名 機能

県立つくしが丘病院 ○ ◎

芙蓉会病院 ○ ◎ ★

村上病院 ○

生協さくら病院 ■ ◎

青い森病院 ■病院名 機能

布施病院 ■ ◎ ★

病院名 機能

弘前愛成会病院 ■ ◎ ★

藤代健生病院 ○ ■ ◎ ★

聖康会病院 ◎

病院名 機能

青南病院 ■ ◎ ★

さくら病院 ◎

湊病院 ◎

病院名 機能

十和田市立中央病院 ★

青森県の医療機関の状況

○ 専門外来を有する医療機関数 4

■ 依存症専門プログラムのある医療機関数 6

◎専門性を有した医師が担当し入院治療を行っている医療機関数

10

★重度アルコール依存症入院医療管理加算の施設基準に係る届出医療機関数

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13

断酒会は、お酒に悩む人達による自助組織で、本県では、現在2つの断酒会が活動しています。

例会は、断酒会員や家族が語る体験談からさまざまな「気づき」を得る場であり、体験談は「言

いっぱなし、聞きっぱなし」で、発言者に対するコメントやアドバイスは原則禁止となっていま

す。

断酒会に参加することで、自分だけがアルコール依存症で苦しんでいるのではなく、仲間がい

るという「一体感」、断酒を続けることへの「自覚」が生まれてきます。この「一体感」と「自覚」

が断酒継続の原動力となり、「一日断酒」「例会出席」を繰り返していくことで、依存症からの回

復を図ります。

○八戸断酒会の活動について

「一日断酒、例会出席」

八戸断酒会は平成元年の創設以来この言葉を合言葉にして例会を行っています。例会は

毎月第一水曜日と第三水曜日の午後 7 時から 8 時まで、青南病院の外来待合室を病院の

厚意により無料でお借りして実施しています。例会の内容は、①断酒の誓いの唱和、②会

員からの体験談、③会から連絡事項、④意見や質問感想などとなっております。参加対象

は、酒害者本人、酒害者の家族、お酒で困っている人、親戚、医療関係者などです。

現在例会に出席している人は、精神科に入院後断酒会に入会して26年断酒している人、

退院後入会して20年断酒を継続している人、入院せずに15年間断酒を継続している人、

2018年の夏から本人の意思と会社の勧めで参加している人、退院前カンファレンスとし

て参加している人など様々です。

酒害者にとって断酒会に繫がることはかなりの決意、決断のいることですが、依存症に

とって断酒会は、自分はもとより家族をも幸せにできる会であることを理解して欲しいと

願っています。

コラム 1 断酒会(自助グループ)

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14

AA(アルコホーリクス・アノニマス)は、飲酒を止めたいという思いを持った、飲酒問題を

抱える当事者の集まりで、発祥地であるアメリカを始め世界の約 180 以上の国や地域で活動が

展開されています。日本では全国約 600以上のグループがあると言われています。

AAでは、定期的にメンバーが集まるミーティングを開催しています。ミーティングでは、参

加者は名前や職業などを明らかにする必要はなく、飲酒しない生き方を続けていくために、参加

者が自らの飲酒の問題を語り、同じ問題を抱えている他者の話に耳を傾けることにより、経験を

共有します。

また、参加者が話したことに対して、意見、アドバイスや批判はしません。

ミーティングに参加し思いや経験を共有することで、自身が飲酒しない生活を継続していくこ

と、さらには、他の人に対しても飲酒しない生き方を達成できるよう支援していくことがAAの

活動の目的とされています。

県内では、3 ヶ所(休止中を除く)でミーティングを開催しており、飲酒の問題を解決しよう

としている人であれば誰でも、家族や関係者も含めての参加ができ、事前の予約は不要です。(他

県の会場では、女性だけのミーティングや当事者のみの集まりなど参加者が限定されているもの

もあります。)

コラム 2 AA(自助グループ)

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15

第3章 計画の基本的な考え方

1 基本的な考え方

基本法第3条を踏まえ、本県におけるアルコール健康障害対策は、アルコール健康障害

の発生、進行及び再発の各段階に応じた防止対策を適切に実施するとともに、アルコール

健康障害を有し、又は有していた者とその家族が、日常生活及び社会生活を円滑に営むこ

とができるよう支援することを基本とします。

また、その実施に当たっては、アルコール健康障害が、飲酒運転、暴力、虐待、自殺等の

問題に密接に関連することに鑑み、アルコール健康障害に関連して生ずるこれらの問題の

根本的な解決に資するため、これらの問題に関する施策との有機的な連携が図られるよう、

必要な配慮がなされるものとします。

2 基本方針

アルコール健康障害の発生、進行、再発の防止、また、アルコール健康障害を有する者等

に対する支援の充実を図ることにより、県民の健康を守り、安心して暮らすことのできる

青森県の実現を目指し、以下の方向に沿って、アルコール健康障害対策を推進します。

(1)正しい知識の普及及び不適切な飲酒を防止する社会づくり

飲酒に伴うリスクやアルコール依存症について正しく理解した上で、お酒と付き合っ

ていける社会をつくるための教育・啓発の推進及び不適切な飲酒の誘引を防止するため

の取組を促進します。

(2)誰もが相談できる相談場所と、必要な支援につなげる相談支援体制づくり

県立精神保健福祉センターや保健所を中心に、アルコール関連問題の相談支援の場所

を確保し、市町村等の関係機関や、自助グループ及び民間団体との連携により、適切な指

導、相談、社会復帰の支援につなげる体制づくりを行います。

(3)医療における質の向上と連携の促進

地域において、アルコール依存症の治療の拠点となる「専門医療機関」を定めるととも

に、アルコール健康障害への早期介入を含め、一般医療機関と専門医療機関との連携を

推進します。

(4)アルコール依存症者が円滑に回復、社会復帰するための社会づくり

アルコール依存症者の回復、社会復帰が円滑に進むよう、社会全体でアルコール依存

症並びにその回復及び社会復帰について、理解を促進します。

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16

第4章 重点目標

重点目標 1

飲酒に伴うリスクに関する知識の普及を徹底し、将来にわたるアルコール健康障害の発生

を予防します。

【現状】

○本県は、20歳以上の飲酒習慣がある者の割合及び高リスク飲酒者の割合が男女ともに全国

より高い状況にあります。

○本県の健康増進計画「健康あおもり 21(第2次)」においても、全体目標達成に向けて、「飲

酒」について「生活習慣病のリスクを高める量を飲酒している者の割合の減少」、「未成年者

(20歳未満の者)の飲酒をなくす」、「妊娠中の飲酒をなくす」を目標項目として掲げ、県民

への情報提供や健康教育等の取組を進めていますが、いずれも目標値の達成には至っていま

せん。

【目標項目】

① 生活習慣病のリスクを高める量を飲酒している者の割合を、男性 26.7%、女性 14.4%

まで減少させます。

② 20 歳未満の者の飲酒をなくします。

③ 妊娠中の飲酒をなくします。

【数値目標】

指 標 現状値目標値

(2023年度)

 男性:32.2%(2016年度(平成28年度))

 女性:19.3%(2016年度(平成28年度))

※市町村国民健康保険特定健康診査データ (40~74歳)

飲酒経験者男性(高校3年生)28.0%女性(高校3年生)26.2%

※県がん・生活習慣病対策課調べ「平成 27年度公立小・中・高等学校における児童生徒の喫煙等状況調査」

 2.3%(2017年度(平成29年度))

※県こどもみらい課 妊婦連絡票

飲酒経験のある20歳未満の者の割合 0%

妊娠中の飲酒率 0%

生活習慣病のリスクを高める量(1日あたりの純アルコール摂取量が男性40g以上、女性20g以上)を飲酒している者の割合

男性:26.7%女性:14.4%

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17

重点目標 2

アルコール健康障害に関する予防及び相談から治療、回復支援に至る切れ目のない支援体

制を整備します。

【現状】

○2016年(平成 28年)に内閣府において実施された「アルコール依存症に対する意識に関す

る世論調査」では、相談場所として知っているのは、医療機関が 76.2%ですが、公的機関(県

立精神保健福祉センターや保健所など)は 33.9%にとどまっており、相談窓口が認知されて

いない状況にあります。

○アルコール依存症は自殺の危険因子のひとつと指摘されているなか、本県の自殺死亡率は

全国平均を上回っており、自殺者数も近年は横ばいとなっています。アルコール関連問題を

有する当事者が、早期に適切な相談、治療につながる体制を整備する必要があります。

【目標項目】

① 本県における相談拠点を1カ所以上選定し、相談体制を整備します。

② アルコール依存症に対する適切な医療を提供することができる専門医療機関11)を3カ

所以上選定し、治療体制を整備します。

【数値目標】

11) アルコール依存症に対する適切な医療が提供できる医療機関であり、厚生労働省が定める選定基準に基づ

き、知事が選定する。

指標 現状 目標(2023年度)

本県における相談拠点数 - 1ヶ所以上選定

アルコール依存症に対する適切な医療を提供することができる専門医療機関数

- 3ヶ所以上選定

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第5章 基本施策

<計画の施策体系>

基 本 施 策

アルコール健康障害に関する予防及び相談から治療、回復支援に至る切れ目のない支援体制の整備

1 正しい知識の普及及び不適切な飲酒を防止する社会づくり2 誰もが相談できる相談場所と必要な支援につなげる相談支援体制づくり3 医療における質の向上と連携の促進4 アルコール依存症者が円滑に回復、社会復帰するための社会づくり

基本方針

重点目標

施 策 体 系

具 体 的 取 組

教育、広報等の推進飲酒に伴うリスクに関する知識及び治療により回復するという認識を普及

アルコール健康障害に係る医療の充実等専門医療機関の機能の整備、医療連携のための基盤整備

相談支援等相談、治療、回復支援に関係する機関の情報共有と連携の促進

健診及び保健指導地域及び職域での予防体制の整備

・SBIRTS(エスバーツ)の技法を用いた地域におけるアルコール健康障害への早期介入の推進

・職域における対応の促進

アルコール健康障害に関連して飲酒運転等をした者に対する指導等関係機関が連携し適切な支援につなぐ体制の構築

・地域における相談支援体制の構築・相談支援従事者の育成

・飲酒運転をした者に対する指導等・暴力・虐待・自殺未遂等をした者に対する指導等

・アルコール健康障害に係る医療の質の向上

・医療連携の推進(内科、救急等の一般医療と専門医療の連携)

不適切な飲酒の誘引の防止社会全体で不適切な飲酒の誘引を防止

社会復帰の支援地域における自助グループ、回復施設との情報共有・連携

・就労及び復職の支援・アルコール依存症からの回復支援

民間団体の活動に対する支援行政と自助グループ、民間団体との連携の推進

・自助グループ等の機能・役割の啓発・当事者等が自助グループ等につながりやすい環境の整備

発生予防(一次)

進行予防(二次)

再発予防(三次)

・広告、販売・提供、少年補導の強化

飲酒に伴うリスクに関する知識の普及を徹底し、将来にわたるアルコール健康障害の発生を予防

・学校教育等の推進・20歳未満の者の保護者に対する啓発の推進

・妊産婦に対する啓発の推進・職場教育の推進・広報・啓発の推進

計画の推進体制

県 (仮称)青森県アルコール健康障害対策推進委員会

重点目標等の達成状況を報告

意見・提言

重点目標1

重点目標2

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1 教育、広報等の推進

【課題】

・飲酒に伴うリスク等について保護者等の周囲の大人に十分理解されていない状況がありま

す。

・妊娠中の飲酒は、胎児性アルコール・スペクトラム障害(アルコールの影響で胎児に脳の

発達障害等が起こる疾患)や発育障害を引き起こすことが指摘されている他、母乳を介し

て乳児の発育に影響することから、出産後も授乳中は飲酒を控えることが望ましいとされ

ています。

・アルコールの多飲は、様々ながん等の疾患や自殺リスクを高めると指摘されています。ま

た、アルコールの持つ依存性によりアルコール依存症を併発する可能性があること、さら

に、アルコールは、心身への影響のみならず多くの社会問題との関連も指摘されているこ

とから、飲酒に伴うリスクについて、啓発していく必要があります。

・アルコール依存症については、飲酒量をコントロールできなくなる疾患であるという理解

がされず、患者本人の意思が弱いという誤解や偏見があることから、社会全体におけるア

ルコール依存症の正しい理解を浸透させていく必要があります。

(施策の方向性)

飲酒に伴うリスクに関する知識及びアルコール依存症は精神疾患であり、治療により回復

するという認識の普及を図ります。

(具体的な取組)

(1)学校教育等の推進

・保健教育等を通じ、飲酒に関する正しい知識の普及啓発に努め、関係機関と連携して児

童生徒の飲酒防止に取り組みます。(健康福祉部・教育庁)

・教職員を対象とした会議や研修会において、アルコールが心身に及ぼす影響等について

周知します。(健康福祉部・教育庁)

・大学等の学生担当の教職員が集まる会議や研修会の場において、飲酒に伴うリスクの啓

発やアルコールハラスメント12)、20 歳未満の者の飲酒防止等について、各大学等の取組

を促すため、必要な周知を行います。(健康福祉部)

(2)20歳未満の者の保護者に対する啓発の推進

・保護者に対して 20 歳未満の者の飲酒に伴うリスクについて啓発を行い、家庭における 20

歳未満の者の飲酒を防止します。(教育庁)

(3)妊産婦に対する啓発の推進

・妊娠中や出産後の飲酒防止に向け、妊婦健診や母親学級、両親学級などで、飲酒が妊婦自

身、胎児、乳児に与える影響に関する知識等の普及啓発を行います。(健康福祉部)

(4)職場教育の推進

・産業保健関係者や事業主等と協力しながら、従業員の健康管理の一環として、生活習慣

12) 飲酒に関連した嫌がらせや迷惑行為、人権侵害のことで、具体的には、飲酒の強要やイッキ飲み(一息で飲

み干すこと)、酔った状態での悪ふざけ、暴言・暴力などの迷惑行為のことをいう。

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病リスクを高める飲酒量やアルコール健康障害の正しい知識についての啓発を行います。

(健康福祉部)

(5)広報・啓発の推進

・飲酒に伴うリスクに関する知識やアルコール依存症に関する正しい理解の啓発を、アル

コール関連問題啓発週間(毎年 11月 10日から 16日)に合わせて行うなど、広く県民へ

の周知を図ります。(健康福祉部)

・関係機関、各種団体と連携し、県民全体に飲酒運転をしない、させない環境づくりの推進

により、飲酒運転根絶の意識の醸成を推進します。(警察本部)

・依存症について広く啓発するために、自助グループや関係機関と連携し、県民向けフォ

ーラム等を開催し、様々な依存症の啓発を行います。(健康福祉部)

・アルコール依存症に関する正しい知識と理解の促進について、自助グループと連携し、

当事者の体験談や講演、活動の紹介を行うなど、効果的な知識の普及につながるよう、

各種機会を通じて普及啓発を図ります。(健康福祉部)

2 不適切な飲酒の誘引の防止

【課題】

・20歳未満の者の飲酒は、未成年者飲酒禁止法で禁止されており、脳の萎縮や第二次性徴の

遅れ、アルコール依存症のリスクの高まりなど、心身の発育への影響が指摘されています。

・不適切な飲酒の誘引を防止するため、酒類業者等との連携を推進し、社会全体で取り組む

必要があります。

(施策の方向性)

酒類関係事業者と連携し、社会全体で、不適切な飲酒の誘引を防止します。

(具体的な取組)

(1)広告

・20 歳未満の者や妊産婦などの、飲酒すべきではない者の飲酒の誘引防止及びアルコール

依存症の当事者への配慮の観点から、不適切な飲酒を誘引することのないよう酒類関係

事業者が行う広告・宣伝に関する自主基準の周知に協力します。(健康福祉部)

(2)販売及び提供

・酒類を販売又は供与する営業者による 20 歳未満の者への酒類販売・供与について、指導・

取締りの強化を図ります。(警察本部)

・風俗営業管理者等に対し、管理者講習等を通じて 20 歳未満の者への酒類提供の禁止の周

知を徹底します。(警察本部)

・風俗営業所への立ち入り等を通じて、営業所での 20 歳未満の者への酒類提供について適

切な指導・監督等取締りを行います。(警察本部)

(3)少年補導の強化

・酒類を飲用等した少年の補導の強化とその後の指導等を行います。(警察本部)

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3 健診及び保健指導

【課題】

・本県は、飲酒習慣がある者(20歳以上)の割合及び高リスク飲酒者の割合が、男女ともに

全国より高くなっています。

・特定健康診査等の健診においては、飲酒頻度や摂取量についての問診項目が含まれていま

すが、「アルコール=嗜好品」と捉える者も多いことから、アルコール健康障害への早期介

入・早期治療につながっていないという指摘もあります。

・健診や保健指導において、その実施者及び保健指導従事者が、アルコール健康障害を有す

る人またはその疑いのある人を早期に発見し、適切な助言を行い、必要な治療につなげる

必要があります。

(施策の方向性)

地域及び職域におけるアルコール健康障害予防のための体制の整備を図ります。

(具体的な取組)

(1)SBIRTSエ ス バ ー ツ

13)の技法を用いた地域におけるアルコール健康障害への早期介入の推進

・市町村や保険者、事業者などと連携し、特定健診の受診率向上によるアルコール健康障

害を有する人の早期発見と、アルコールに関する健康教育及び生活習慣改善に向けた保

健指導を実施します。(健康福祉部)

・健診や保健指導においては、保険者等と連携し、「標準的な健診・保健指導プログラム(平

成 30 年度版)」14)に基づくアルコール使用障害スクリーニング(AUDIT)15)の実施

と、スクリーニング(S)の結果、アルコール依存症が疑われる者については、アルコー

ル依存症の治療を行う医療機関への受診につなぐよう努めます。(健康福祉部)

・問題飲酒はあるがアルコール依存症までには至っていないと判断された者に対し、国の

研究成果を踏まえ、適切な減酒支援(BI)16)等を実施できるよう、健診や保健指導に従

事する者に対する人材育成を行います。(健康福祉部)

・アルコール依存症が疑われる者に対しては、県立精神保健福祉センターや保健所、市町

村等から適切な医療機関を紹介する(RT)ほか、必要に応じて自助グループ(S)等を

紹介するなど断酒に向けた支援を行います。(健康福祉部)

13) Sはスクリーニング(ふるいわけ)、BIはブリーフ・インターベンション(簡易介入)、RTはリファーラ

ル・トゥ・トリートメントで専門治療機関への紹介、Sはセルフ・ヘルプ・グループで自助グループを紹介す

ること。アルコール健康障害への早期介入の技法 14) 効果的な健診・特定保健指導を行うに当たり、医師、保健師、管理栄養士等が理解しておくべき基本的な考

え方や実施する際の留意点等を示したもの。アルコール使用障害スクリーニング(AUDIT)の結果、アル

コール依存症が疑われる者には専門医療機関への受診につなげることが推奨されている。

15) 10 項目からなる質問調査で、危険または有害な飲酒をしているかが判定できるスクリーニング法。WHO

(世界保健機関)が、問題飲酒を早期に発見する目的で作成し、世界で最もよく使われている。 16) 簡易介入とも呼ばれ、対象となる者の飲酒行動に変化をもたらすことを目的とした短時間のカウンセリン

グ。問題飲酒はあっても、アルコール依存症までには至っていない者が対象となる。

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(2)職域における対応の促進

・従業員に対する研修の充実を図り、生活習慣病のリスクを高める量の飲酒などアルコー

ル健康問題に関する学習の場や情報の提供、相談等の実施を推進するほか、多量飲酒や

アルコール依存症が疑われる者に対し、必要に応じ地域の相談機関や医療機関につなげ

るよう支援します。(健康福祉部)

4 アルコール健康障害に係る医療の充実等

【課題】

・居住する地域によっては、近隣市町村でのアルコール依存症の治療が難しい場合がありま

す。

・アルコール依存症の治療を行う医療機関とかかりつけ医や産業医等の連携する仕組みが十

分ではないため、アルコール依存症の当事者は重症化してから治療につながる傾向にあり

ます。

・アルコール依存症の早期発見・早期治療のために、一般医療機関や精神科医療機関(依存

症治療を専門としない医療機関を含む。)、自助グループ等の民間団体や支援機関との連携

の強化を図ることが必要です。

(施策の方向性)

アルコール依存症者の当事者が、その居住する地域に関わらず、適切な医療を受けられる

よう、専門医療機関及び治療拠点機関の選定に努め、医療の提供体制を整備し、関係機関と

のネットワーク化を推進します。

(具体的な取組)

(1)アルコール健康障害に係る医療の質の向上

・アルコール依存症の専門治療が受けられるよう、国の定める要件を備えた専門医療機関

を定め、治療体制を整備します。(健康福祉部)

・アルコール依存症を専門的に治療できる人材を育成するため、国が実施しているアルコ

ール関連問題に関する研修への医療従事者等の参加を促進します。(健康福祉部)

(2)医療連携の推進(内科、救急等の一般医療と専門医療の連携)

・アルコール依存症が疑われる者を適切な治療に結び付けるため、一般医療機関や産業医

等に対して、アルコール依存症等の研修を実施します。(健康福祉部)

・専門医療機関を中心に、アルコール健康障害を有している者が受診していることが多い

と考えられる一般医療機関や民間団体等の関係機関との連携を強化します。(健康福祉部)

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5 アルコール健康障害に関連して飲酒運転等をした者に対する指導等

【課題】

・飲酒運転を繰り返す人には、その背景にアルコール依存症の問題がある可能性があること、

また、アルコール依存症が自殺の危険因子の一つであることが指摘されています。

・飲酒の結果、理性の働きが抑えられること等による暴力との関係、身体運動機能や認知機

能が低下することによる様々な事故との関連も指摘されています。

・アルコール健康障害に関連して飲酒運転、暴力行為、虐待、自殺未遂等をした人やその家

族に対し、適切な支援をしていく必要があります。

(施策の方向性)

飲酒運転等をした者やその家族について、県立精神保健福祉センターや保健所等を中心と

した地域の関係機関の連携により、適切な支援につなぐ体制の構築を図ります。

(具体的な取組)

(1)飲酒運転をした者に対する指導等

・飲酒運転による運転免許停止処分者や取消処分者に対する講習において、アルコールの

身体及び運転に及ぼす影響について教育するとともに、地域の相談・治療機関の情報提

供や自助グループの活用等により、アルコール依存症のおそれのある者が、相談や治療

を受けに行くきっかけとなるよう更なる取組を行います。(警察本部)

・飲酒運転事犯者等、問題飲酒を繰り返す者に対する指導を行う際に、アルコール依存か

らの回復に向け、地域での相談機関の紹介や自助グループ等の支援活動、医療機関等の

専門治療につなぐ取組を推進します。(警察本部)

(2)暴力・虐待・自殺未遂等をした者に対する指導等

・関係機関(警察、消防、配偶者暴力相談支援センター、児童相談所、県立精神保健福祉セ

ンター、保健所、市町村等)が連携し、アルコールにより暴力・虐待や自殺未遂等の問題

を起こした者又はその家族を、アルコール関連問題の相談や自助グループ等の行う節酒・

断酒に向けた支援、専門医療機関等における治療につなぐための取組を推進します。(健

康福祉部・警察本部)

・DV、児童等の虐待被害の拡大防止に向け、関係機関と連携した対応を推進します。(健

康福祉部・警察本部)

・アルコール依存症は自殺の危険因子の一つであることから、青森県自殺対策計画「いの

ち支える青森県自殺対策計画」(2018 年(平成 30 年)3月策定)に基づき、その背景に

ある社会的・経済的要因の視点も踏まえ、アルコール問題に関わる関係機関等と連携し、

啓発、相談窓口の整備、人材育成、自殺未遂者の再度の自殺企図の防止等の自殺対策を

推進します。(健康福祉部)

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6 相談支援等

【課題】

・アルコール健康障害を有している人及びその家族は、アルコール健康障害のほか、暴力、

虐待、自殺等のアルコール関連問題、経済問題、アルコール健康障害以外の健康問題など、

様々な問題を抱えていることがあり、個々の状況に応じた適切な相談支援が求められてい

ます。

・相談窓口が十分利用されていないと考えられることから、相談窓口の利用を促進する必要

があります。また併せて、相談や治療の流れなどの情報も周知していく必要があります。

・アルコール健康障害を有している人の家族が、お互いの悩みを話し合い、アルコールによ

る問題行動への対応を学べる場が求められています。

・アルコール依存症の当事者やその家族に対し、関わる機関それぞれが適切な相談対応がで

きるよう、人材育成を行う必要があります。

(施策の方向性)

相談から治療、回復支援に関係する機関の情報共有と連携の促進を図ることにより、地域

において、アルコール健康障害を有している者とその家族が適切な支援を受けられる体制の

構築を図ります。

(具体的な取組)

(1)地域における相談支援体制の構築

・県立精神保健福祉センターを相談拠点と位置付け、保健所や市町村、自助グループ等の

関係団体と連携した相談支援体制を構築します。また、相談の拠点や地域で相談できる

窓口を明確化し、周知します。(健康福祉部)

・依存症医療・相談提供体制相談従事者向けリーフレットを活用し、関係機関との連携体

制を構築していきます。(健康福祉部)

・地域保健と職域保健の連携体制を構築することにより、職域におけるアルコール健康障

害の普及啓発を図ります。(健康福祉部)

・県立精神保健福祉センターにおいて依存の問題に苦しむ本人や家族を対象としたミーテ

ィングを開催するとともに、各圏域においても、ミーティングを開催できるように体制

整備を図り、支援体制の強化を図ります。(健康福祉部)

(2)相談支援従事者の育成

・関係機関等に対し、国が指定した依存症対策全国拠点機関等が実施している研修等に関

する情報を提供し、参加を促進します。(健康福祉部)

・県立精神保健福祉センターにおいて、薬物・アルコール・ギャンブル依存症者の相談支援

に携わる職員等を対象に、依存症について理解を深めることや本人支援に必要な技術を

習得することを目的とした研修を開催します。(健康福祉部)

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精神保健福祉センターでは、依存症の問題に苦しむご本人やその家族が、同じ悩みや苦しみを

支え合い、理解し合える仲間との出会いやつながりを作ってもらうことを目的として、依存症の

グループを開催しています。

◆ 対象者:アルコール、ギャンブル、薬物などの依存の問題に苦しむご本人及びその家族。

当センターでの相談歴がない方は、グループについての説明もいたしますので一度面接

に来ていただいてからの参加をお勧めします。

◆ 場所:青森県立精神保健福祉センター 2階 研修室

◆ 内容:依存症に関する基本的な理解及び対応に関するミニレクチャー、参加者どうしの体

験を語る話し合い、回復者や自助グループの方を招いての講話など。

◆ 開催日時:【ご家族の会】と【ご本人の会】をそれぞれ開催しております。

おおむね1か月に1回の開催となりますので、日程等はお問合せください。

◆ スタッフ:心理士など、相談を担当しているスタッフが対応します。

◆ 参加費:無料。

詳細は、青森県立精神保健福祉センター(017-787-3951)までお気軽にお問合せ

ください。

<グループの様子>

コラム 3

33

“依存症グループ”について(県立精神保健福祉センター)

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7 社会復帰の支援

【課題】

・職場を含む社会全体において、アルコール依存症に関する理解が不足しているため、各種

の支援制度の利用につながりにくいことが考えられます。

・アルコール依存症の当事者が断酒を続け、円滑な社会復帰を促進するためには、アルコー

ル依存症が回復する病気であることを始め、通院や自助グループへの参加が有効であるこ

とを職場や周囲が理解し、配慮する必要があります。

・アルコール依存症の当事者の就労、復職に際して、通院や自助グループへの参加等におい

て、職場における周囲の理解と支援が必要とされます。

・アルコール依存症に関連する各種のサービスや制度を広く情報提供する必要があります。

(施策の方向性)

アルコール依存症が回復する病気であること等のアルコール依存症者に対する理解を進め、

就労や復職における必要な支援を行うとともに、地域における自助グループや回復施設と情

報共有や必要な連携を図り、社会復帰を促進します。

(具体的な取組)

(1)就労及び復職の支援

・アルコール依存症の当事者の回復、社会復帰の支援が円滑に進むよう、アルコール依存

症が回復する病気であること等を社会全体に啓発し、アルコール依存症に対する理解を

促します。(健康福祉部)

・アルコール依存症は自殺の危険因子の一つであることから、自殺対策のための取組とし

て行われている関係機関会議や事業所訪問等の際にアルコール健康障害に関する資料を

提供し、アルコール依存症の当事者の休職からの復職・継続就労への支援について、理

解を促します。(健康福祉部)

(2)アルコール依存症からの回復支援

・県立精神保健福祉センターや保健所、市町村、医療機関において、アルコール依存症等の

治療、回復支援に資する社会資源の情報を共有し、相談者が適切な支援につながるよう、

断酒に向けた支援を行います。(健康福祉部)

・県立精神保健福祉センターにおいて依存の問題に苦しむ本人や家族を対象としたミーテ

ィングを開催するとともに、各圏域においても、ミーティングを開催できるように体制

整備を図り、支援体制の強化を図ります。(再掲)。

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8 民間団体の活動に対する支援

【課題】

・自助グループが身近にない地域もあるほか、会員の高齢化や会員数の減少がみられます。

・アルコール依存症の回復においては、アルコール依存症の当事者やその家族による自助グ

ループ等が重要な役割を果たしており、行政機関、専門医療機関等、民間団体における連

携等を推進する必要があります。

(施策の方向性)

自助グループや民間団体との連携を推進します。

(具体的な取組)

(1)自助グループ等の機能・役割の啓発

・自助グループや支援グループの機能・役割について啓発を行い、広く県民に周知を図ると

ともに、貴重な社会資源として、啓発や相談等において医療機関や地域で積極的に活用し

ていきます。(健康福祉部)

・自助グループや支援グループと連携して、フォーラムや相談会等を開催し、より効果的な

アルコール関連問題に関する啓発等を実施します。(健康福祉部)

(2)当事者等が自助グループ等につながりやすい環境の整備

・アルコール依存症の当事者への支援においては、自助グループや支援グループと連携を強

化し、アルコール依存症の当事者やその家族が自助グループや支援グループにつながりや

すい環境を整えます。(健康福祉部)

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アルコール依存症は、当事者の体や心の健康に大きな影響を与えるのはもちろんですが、家族

も精神的にダメージを受けることから、家族に対するケアも重要です。

ブーケの会では、参加者は名前などを明らかにする必要はなく、参加者がそれぞれの体験談や

悩みを話す、聞くというスタイルで実施しています。また、ミーティングで話したこと、聞いた

ことは外部には話さないというルールがあります。

家族会に参加された方から話を聞くと、家族会があることは知っていても実際に参加するまで

には、時間がかかったといいます。その背景には、「自分たちの家族のことだから、家族で解決し

なければ」と考えがちになってしまうことがあります。

アルコールの問題は、健康障害だけではなく、経済的な問題や家族の居場所の確保など多岐に

及ぶことから、すぐに解決できることばかりではありませんが、家族会で話を聞くことや話すこ

とは参加者自身の精神的な支えにもなります。

依存症の家族の方で相談したいことがある方、思いを共有したい方は、是非御参加ください。

青森家族会は、アルコール依存や薬物などの依存症の方の家族の集まりで、毎月1回定例会を

開催しています。

定例会では、参加者が各自の経験や近況などを話し、体験や思いを共有しますが、会の中で聞

いたことは外には持ち出さないことを決まりとしており、匿名でも参加できます。

依存症者の家族にとって重要なことは、「先ゆく人」(経験者)の話を聞き、そのなかから、共

感できることを見つけ出していくことです。

依存症者とその家族は、「自分がなんとかしなければ」という気持ちから、過剰な献身を繰り返

す共依存の関係になっている場合が多いと言われています。

共依存の背景として、誰かのために一生懸命やることで、自分の存在を認めてもらいたいとい

うことがあり、共依存の状態にあることに気づくためにも家族会への参加が重要と考えています。

依存症は、家族を巻き込む病気です。

それを理解させてくれるのが家族会です。家族会には、同じ悩みを持った仲間がいます。

独りで悩みを抱え込まず、勇気を持って家族会に参加して、依存症者を変えるためにではなく、

まず、自分を変えてみませんか。あなたと同じ悩みを持った仲間が集まっています。

コラム 4 33

ブーケの会(家族会)

コラム 5 33

青森(アルコール・薬物等の依存症者)家族会(家族会)

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第6章 計画の推進体制等

1 関連施策との有機的な連携について

アルコール健康障害対策の推進に当たっては、アルコール関連問題に関する施策との有

機的な連携が図られるよう、行政機関同士や庁内連携を一層密接にし、相互に必要な連絡・

調整を行うとともに、事業者、関係団体等とも連携を図り、アルコール健康障害対策を推

進していきます。

2 推進体制

県は、本計画の重点目標の達成状況、統計等のデータ及び関連事業の実施状況等を毎年

度把握し、計画の進捗状況について評価を行います。その結果について保健、医療・福祉、

当事者団体、酒類関係事業者等からなる「青森県アルコール健康障害対策推進委員会」(仮

称)に報告し、御意見をいただきながら、その後の対策の実施や計画の見直しなどに反映

させて進行管理を行います。

3 計画の見直しについて

計画の最終年度に計画の評価を行い、計画の見直しを行います。また、5年間の計画対

象期間が終了する前であっても、必要があれば計画の見直しを行います。

4 各機関の役割

〇 県

本県のアルコール健康障害に関する施策を総合的に策定し、国、市町村、酒類関係事業

者、医療関係者、自助グループ等、健康増進事業実施者と連携して、本県のアルコール健

康障害対策を推進します。

〇 市町村

住民にとって最も身近な行政機関として、県立精神保健福祉センターや保健所と協力し

てアルコール健康障害に関する正しい知識の普及、アルコール健康障害に関する保健指導

等の地域の状況に応じた施策を策定し、実施する責務があります。

〇 酒類関係事業者

酒類の製造または販売(飲用に供することを含む)を行う事業者は、県及び市町村が行

うアルコール健康障害対策に協力するとともに、事業を行うに当たって、アルコール健康

障害の発生、進行及び再発の防止に配慮するよう努めます。

〇 県民

アルコール関連問題に関する関心と理解を深め、アルコール健康障害の予防に必要な注

意を払うよう努めます。

〇 医療関係者

県及び市町村が行うアルコール健康障害対策に協力し、アルコール健康障害の発生、進

行及び再発の防止に寄与するよう努めるとともに、アルコール健康障害に係る良質かつ適

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切な医療を行うよう努めます。

〇 健康増進事業実施者

県及び市町村が行うアルコール健康障害対策に協力するよう努めます。

〇 自助グループ等

アルコール依存症からの回復における重要な社会資源として、当事者が断酒を続けるた

めのミーティングの開催や、情報発信に取り組むよう努めます。また、県立精神保健福祉

センター、保健所、市町村と連携し、県及び市町村が実施するアルコール健康障害対策に

協力するよう努めます。

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【参考資料】

1 アルコール依存 診療対応医療機関一覧

2 自助グループ・家族会

3 相談・支援機関

4 AUDIT(アルコール使用障害スクリーニング)

5 青森県アルコール健康障害対策推進計画検討委員会設置要綱

6 青森県アルコール健康障害対策推進計画検討委員会委員名簿

7 アルコール健康障害対策基本法

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1 アルコール依存 診療対応医療機関一覧

2 自助グループ・家族会

○ 断酒会

市町村 名 称専門性を有する医師による入院

治療

重度アルコール依存症入院医療

管理料算定

窓口・電話番号

青森市 青森県立つくしが丘病院 〇月曜日~金曜日9:00-11:00

- 〇 -医療連携室017-787-2121

芙蓉会病院 〇火曜日午前

- 〇 〇地域医療連携室017-764-1155

村上病院 〇月曜日13:30-16:30

- - -医療看護相談室017-752-1188

生協さくら病院 - 〇アルコール・リハビリテーション・プログラム 〇 -

地域医療連携室017-738-2101

青い森病院 - 〇 HAPPY(※1) - -医療相談室017-729-3330

弘前市 弘前愛成会病院 - 〇 GTMACK(※2) 〇 〇医療福祉相談室0172-34-7111

藤代健生病院 〇月曜日・木曜日8:30-11:30 〇

アディクション・リハビリテーション・プログラム

〇 〇地域連携室0172-36-5181

聖康会病院 - - 〇 -代表電話0172-27-4121

八戸市 青南病院 - 〇 〇 〇医療連携室0178-27-2016

さくら病院 - - 〇 -医療相談室0178-70-2011

湊病院 - - 〇 -地域医療連携室0178-25-0011

五所川原市 布施病院 - 〇入院:アルコール・リハビリテーション・プログラム外来:断酒会

〇 〇相談室0173-35-3470

十和田市 十和田市立中央病院 - - - 〇代表電話0176-23-5121

※1 アルコール関連問題早期教育、介入用プログラム※2 久里浜版新認知行動治療プログラム

 専門外来の有無・ 対応曜日・時間

専門プログラム

市町村 名称 開催場所 問合せ先

弘前市 津軽断酒会 (休会中)弘前市文化センター

金属町体育センター

弘前保健所0172-33-8521

八戸市 八戸断酒会 第1・3水曜日 19:00~20:00 青南病院外来待合室柴田 方0178-88-5522

八戸市 八戸東断酒会 第2・4水曜日 19:00~20:00 八戸市立東公民館竹林 方0178-31-4967

開催日時

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33

○ AA

○ 家族会

○ 社会復帰回復施設

3 相談・支援機関

○ 精神保健福祉センター

○ 保健所

市町村 名称 開催場所 問合せ先

青森市 青森G 毎週火曜日 19:00~20:30 横内市民センター

青森本町G (休会中) カトリック本町教会

弘前市 弘前G 毎週金曜日 16:45~18:00 藤代町会集会所

八戸市 おいらせG 毎週水曜日 19:00~20:30 田面木公民館

東北セントラルオフィス(仙台市)TEL:022-276-5210月・水・金13:00~16:00

開催日時

市町村 名称 開催場所 問合せ先

青森市 青森家族会 第2土曜日 13:00~16:00 青森市西部市民センター今 方090-3397-1043

八戸市 ブーケの会 第2・4水曜日 13:30~15:30 三戸地方保健所分枝(ぶんばい)方

090-8615-1651

開催日時

市町村 名称 問合せ先

青森市 青森ダルク 017-718-2090社会復帰支援施設の運営、相談、学校講演(薬物乱用防止教育の実施)等

実施内容

電話番号 受付時間(※)

青森県立精神保健福祉センター 017-787-3951 8:30-17:15

(※)土日祝日、年末年始を除く

機関名

保健所名 電話番号 受付時間(※)

青森市保健所保健予防課

青森市 017-765-5285 8:30-17:00

八戸市保健所保健予防課

八戸市 0178-43-229210:00-12:0013:00-16:00

東地方保健所健康増進課

017-739-5421 8:30-17:15

弘前保健所健康増進課

0172-33-8521 8:30-17:15

三戸地方保健所健康増進課

0178-27-5111 8:30-17:15

五所川原保健所健康増進課

0173-34-2108 8:30-17:15

上十三保健所健康増進課

0176-23-4261 8:30-17:15

むつ保健所健康増進課

0175-31-1388 8:30-17:15

(※)土日祝日、年末年始を除く

管轄市町村

弘前市、黒石市、平川市、西目屋村、藤崎町、大鰐町、田舎館村、板柳町

平内町、外ヶ浜町、今別町、蓬田村

おいらせ町、三戸町、五戸町、田子町、南部町、階上町、新郷村

五所川原市、つがる市、鰺ヶ沢町、深浦町、鶴田町、中泊町

十和田市、三沢市、野辺地町、七戸町、六戸町、横浜町、東北町、六ヶ所村

むつ市、大間町、東通村、風間浦村、佐井村

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34

4 AUDIT(アルコール使用障害スクリーニング)

「危険な飲酒や有害な飲酒に対するスクリーニングおよびブリーフインターベンション」は、

WHOが2011年に採択した「アルコールの有害な使用を低減するための世界戦略」において推奨されています。

保健指導におけるアルコール使用障害スクリーニング(AUDIT)と

その評価結果に基づく減酒支援(ブリーフインターベンション)の手引き

【作成】厚生労働省科学研究費補助金 循環器疾患・糖尿病等生活習慣病総合研究事業

「わが国における飲酒の実態把握およびアルコールに関連する生活習慣病とその対策に関する総合研究」

(研究代表者:樋口 進 国立病院機構久里浜医療センター病院長)

スクリーニング ブリーフインターベンション

“オーディット”

Q)アルコール使用障害同定テスト(AUDIT:Alcohol

Use Disorders Identification Test)とは?

A)アルコール問題のスクリーニングの一つ。WHO

が問題飲酒を早期に発見する目的で作成したもの

で、世界で最もよく使われています。

Q)減酒支援(Brief Intervention)とは?

A)対象者の特定の行動(この場合は飲酒行動)

に変化をもたらすことを目的とした短時間のカウン

セリング。海外では活発に用いられています。

要 約

・AUDITという、10の質問から構成されるスクリーニングテストを用います。

・対象者が自ら答えを記載し、保健指導実施者がスコア化することをお勧めします。

この手引きの「利用者」とは?

この手引きの「対象者」とは?

アルコール問題の程度を定量的に評価できるの?

AUDITの結果 判 定 対 応

0~7点 問題飲酒ではないと思われる 介入不要

8~14点問題飲酒ではあるが、アルコール依存症までは至っていない

減酒支援を行う(ブリーフインターベンション)

15~40点 アルコール依存症が疑われる専門医療機関の受診につなげる

・医師、保健師、管理栄養士等の保健指導実施者に、任意で活用いただくものです。

・対象者のアルコール問題の程度を評価して、問題の程度にふさわしい適切な対応をとるために活用できます。

・特定健診における「標準的な質問票」で、日本酒換算で1~2合以上のアルコールを「毎日」 又は「時々」飲むと答えた人に活用することをお勧めします。これらの方々は、生活習慣病のリスクを高める量の飲酒をしている可能性が高いためです。

手引きの内容を簡単に言うと?

この手引きの「利用者」とは?

この手引きの「対象者」とは?

アルコール問題の程度を定量的に評価できるの?

「標準的な健診・保健指導プログラム【平成 30年度版】第3編 保健指導」

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35

AUDIT(アルコール使用障害スクリーニング)①

0 点 飲まない

1 点 1ヶ月に1度以下

2 点 1ヶ月に2~4度

3 点 週に2~3度

4 点 週に4度以上

質問2

質問3 1度に6ドリンク以上飲酒することがどのくらいの頻度でありますか?

0 点 0~2ドリンク

1 点 3~4ドリンク

2 点 5~6ドリンク

3 点 7~9ドリンク

4 点 10ドリンク以上

(注)○「ドリンク」は純アルコール換算の単位で、

1ドリンクは純アルコール換算で10グラムです。○ 1ドリンクは、ビール中ビン半分(250㎖)、

日本酒0.5合、焼酎(25度)50㎖に相当します。 ※通常のAUDITは「1~2ドリンク」ですが、すべてを分類できるよう、本手引きでは敢えて「0」の場合を含めています。

(注)○ 「6ドリンク」とは、ビールだと中ビン3本、

日本酒だと3合、焼酎(25度)だと1.7合(300㎖)に相当します。

0 点 ない

1 点 月に1度未満

2 点 月に1度

3 点 週に1度

4 点 毎日あるいはほとんど毎日

あなたはアルコール含有飲料(お酒)をどのくらいの頻度で飲みますか?

飲酒するときには通常どのくらいの量を飲みますか?

質問1

AUDIT(アルコール使用障害スクリーニング)②

質問4 過去1年間に、飲み始めると止められなかったことが、どのくらいの頻度でありましたか?

0 点 ない

1 点 月に1度未満

2 点 月に1度

3 点 週に1度

4 点 毎日あるいはほとんど毎日

質問5 過去1年間に、普通だと行えることを飲酒していたためにできなかったことが、どのくらいの頻度でありましたか?

質問6 過去1年間に、深酒の後体調を整えるために、朝迎え酒をしなければならなかったことが、どのくらいの頻度でありましたか?

0 点 ない

1 点 月に1度未満

2 点 月に1度

3 点 週に1度

4 点 毎日あるいはほとんど毎日

0 点 ない

1 点 月に1度未満

2 点 月に1度

3 点 週に1度

4 点 毎日あるいはほとんど毎日

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36

AUDIT(アルコール使用障害スクリーニング)③

質問7 過去1年に、飲酒後罪悪感や自責の念にかられたことが、どのくらいの頻度でありましたか?

0 点 ない

1 点 月に1度未満

2 点 月に1度

3 点 週に1度

4 点 毎日あるいはほとんど毎日

質問8

質問10

質問9

過去1年間に、飲酒のため前夜の出来事を思い出せなかったことが、どのくらいの頻度でありましたか?

あなたの飲酒のために、あなた自身か他の誰かがけがをしたことがありますか?

肉親や親戚、友人、医師、あるいは他の健康管理にたずさわる人が、あなたの飲酒について心配したり、飲酒量を減らすように勧めたりしたことがありますか?

0 点 ない

1 点 月に1度未満

2 点 月に1度

3 点 週に1度

4 点 毎日あるいはほとんど毎日

0 点 ない

2 点 あるが、過去1年にはなし

4 点 過去1年間にあり

0 点 ない

2 点 あるが、過去1年にはなし

4 点 過去1年間にあり

AUDITの判定方法

質問1

質問2

質問3

質問4

質問5

質問6

質問7

質問8

質問9

質問10

合計

(0~40点)

8~14点

15点~

【判定】問題飲酒は

ないと思われる

【判定】問題飲酒はあるが

依存症には至らない

【判定】依存症が疑われる

「今のままお酒と上手に付き合っていきましょう」

と伝える(介入不要)

減酒支援(ブリーフインターベンション)

対象者自らが減酒目標を立て、飲酒日記をつけて減酒に取り組むことを支援する。

アルコール依存症の疑いがあるため、可能なら精神保健福祉センター等と連携し、専門医療機関での治療(断酒等)につながるよう支援する。

~7点

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(1)「ドリンク」数の計算には次の式を用います。

純アルコール量⒢=飲んだ酒の量(㎖)×酒の濃度(度数/100)×0.8

ドリンク数=純アルコール量⒢ ÷ 10

(2)質問2~8については、対象者には、

より近いと思われる項目を選ぶよう伝えてください。

(3)ここではアルコール依存症を疑う境界を14点と15点の間においていますが、AUDITの点数は

あくまでも判断材料の一つであり、アルコール依存症か否かに関しては医師が総合的に診断します。

(4)対象者が問題を隠していれば、依存症に分類されるべき人がこの減酒指導群に入ってしまいます。

点数は14点以下であっても、深刻な問題点があれば、専門医療機関で相談することを勧めてください。

このような場合の深刻な飲酒問題とは、次のようなものを指します。

・飲酒すると、大声を出したり、暴力的になったりして、周囲に迷惑をかける場合。

・肝臓障害、膵炎、低栄養状態、うつ病など、飲酒が原因の深刻な健康問題が併存している場合。

・飲酒が原因の深刻な家族問題、社会的問題がある場合(暴力・暴言、養育拒否、虐待等)。

AUDITの解説

【計算例】

① 日本酒(15度)1合のドリンク数は?180㎖( 1合 ) × 0.15 × 0.8 = 21.6g ( ≓ 2.2ドリンク)

② さらに、ビール(5度) 350㎖カンを2本飲めば、350㎖ × 2 × 0.05 × 0.8 = 28 g ( = 2.8ドリンク)

③ ①と②の合計で5.0ドリンク

(5)AUDITの結果が15点以上の場合は、アルコール依存症の疑いが強いケースです。専門的な治療が必要になりますので、対象者の気づきを促しつつ、可能なら精神保健福祉センター

等と連携してアルコール依存症の専門医療機関での治療につながるよう、支援してください。対象者が治療を受けようとしなかったり、家族からの協力も得られない等、対象者を治療につなげる

ことが困難なケースもあります。その場合、決して一人で背負いこまないようにし、チームの仲間と情報を共有し、仲間からの協力を得るようにしてください。

【参考】一般住民におけるAUDITの点数別分布

76.1%

10.4%

8.5%

3.4% 1.6%

~7点

8~10点

11~14点

15~19点

20点以上~7点

約19%

約5%

男 性(n=1,184人)

出典:成人の飲酒実態調査(2003年)樋口ら

96.7%

1.6%1.0% 0.5% 0.2%

~7点

女 性(n=1,363人)

約3% 約1%8~14点

15点~ 15点~8~14点

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減酒支援(ブリーフインターベンション)の具体的な手順

支援初日

支援2回目

目安:2~4週間後

【ステップ1】普段の飲酒

の評価

・普段の飲酒状況を改めて確認します。AUDIT質問1~3の内容が有用です。

・この情報をもとに減酒目標を作るため、できるだけ具体的に聞くことが重要です。

・対象者に、お酒の飲み過ぎが原因と思われる問題があるかを質問します。

・対象者が自ら問題を認識していれば、整理して共有します。

・もし対象者が問題を認識していないのであれば、飲酒の害に関する教材を活用

して気づきを促しながら問題点を整理していきます。

・減酒を提案し、対象者に合う方法をともに考え、対象者自ら書き出してもらいます。

・具体的な減酒目標を立てます。例)週に2日休肝日をつくる、多く飲む日でも日本酒3合までにする

・その日からさっそく、「飲酒日記」を付けることを促します。

・次回面接日を設定し、その日まで日記をつけ目標の達成を目指すよう、励まします。

・支援初日から今までの飲酒状況について、「飲酒日記」を見ながら話し合います。

・減酒できていれば努力を賞賛し、できなかった場合はその理由を話し合います。

・飲酒日記をつけていなかった場合には、「なぜつけなかったか、なぜつけたくない

のか」という点に立ち返って話し合い、再び取り組むことにつなげます。

【ステップ2】飲酒問題の評価と整理

【ステップ3】減酒の提案と目標設定

【ステップ4】フォローアップ

支援

減酒支援(ブリーフインターベンション)のポイント

○「何らかの形で始める」ことが重要です。評価のための聞き取りだけでも、酒量が減ることが多く見られますので、支援内容の細部にこだわり過ぎず、とにかく始めてみましょう。

○共感することが重要です。飲酒習慣を変えることの困難さ、背景にあるかもしれない日常生活における苦労を受け止めて共感する姿勢を示すと、介入効果も高まります。

○減酒目標は達成可能なものにし、押しつけることなく対象者が自ら設定することを支援しましょう。

○1回目の支援を行ってから2回目の支援(フォローアップ支援)を行うまでの期間は、2~4週間程度としましょう。ただ、これはあくまで目安ですので、保健指導の流れに合わせて柔軟に対応していただくことが可能です。また、基本は2回ですが、必要に応じて3回、4回と続けます。

○フォローアップ時に飲酒量が減っていなくとも、再度チャレンジしてみるよう促しましょう。目標が高すぎると思われた場合には、フォローアップ支援時に目標を見直すことも可能です。

○このような簡単な支援によって酒量は減り、その効果は比較的長く続くことが多く研究によって示されています。しかし、アルコール依存症である対象者にこの減酒支援を実施した場合は、この効果はあまり期待できません。この点も踏まえ、飲酒量の多い対象者であって、支援を開始して4~6週間たっても酒量が減らないか、むしろ増えた場合には、可能なら精神保健福祉センター等と連携して専門医療機関での治療につなげるようにしましょう。

酒類のドリンク換算表、健康に関する資料、飲酒方法を減らす具体的な方法のリスト、飲酒日記の様式等の各種教材については、下記から入手できます。

URL:http://kurihama-med.jp/health_guidance/index.html

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・自分の飲酒習慣を変えたいと思っている方は、毎日の飲酒を正直に記録していくことが手助けになります。

・自分が立てた目標を記録することで、少しずつ目標に向かっていることが確認でき、励みにもなります。

・ここでまず、あなたが立てた飲酒目標を確認しましょう。

私の飲酒目標は 。

飲 酒 日 記

( )週目 飲んだ種類と量 飲んだ状況飲酒目標

達成

月 日 ( )

月 日( )

月 日( )

月 日( )

月 日( )

月 日( )

月 日( )

私の飲酒目標は 。

飲酒日記の付け方1. まず、「飲んだ種類と量」を記入してください。できるだけ具体的に書いてください。2種類以上のお酒を飲

んだ場合には、 それぞれを書いてください。2. 飲酒した時は、「飲んだ状況」を記入します。3. お酒を飲まないで済んだ日には、その理由や飲まないためにあなたが使った方法を「飲んだ状況」に記

入してください。4. 「飲酒目標達成」には、全く飲まなかった場合「◎」、飲んだが飲酒目標以下であった場合「○」、飲酒目

標を超えてしまった場合「×」を記入してください。

( )週目 飲んだ種類と量 飲んだ状況飲酒目標

達成

月 日 ( )

月 日( )

月 日( )

月 日( )

月 日( )

月 日( )

月 日( )

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酒類のドリンク換算表

※ AUDIT-C について

オーディットの簡易版として使われているもので、質問1~3を使用して、その合計点数が男

性で4点以下、女性で3点以下の場合には、「問題なし」と判定します。(その場合、質問4以下

は省略できます。)

また、男性5点以上、女性4点以上の場合には、「問題あり」と判定して、オーディットの残

りの7項目を「スクリーニングB」として判定するものです。

問題飲酒がない場合は短時間に終わらせることができるため、健康診断やプライマリー医療な

どで取り組みやすいスクリーニング方法です。

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5 青森県アルコール健康障害対策推進計画検討委員会設置要綱

(設置)

第1条 アルコール健康障害対策基本法(平成25年法律第109号)第14条に規定する県の

アルコール健康障害対策推進のための計画(以下「計画」という。)の策定に当たり、その

内容を検討するため、青森県アルコール健康障害対策推進計画検討委員会(以下「委員会」

という。)を設置する。

(協議事項)

第2条 委員会は計画を策定するため、必要な検討を行うものとする。

(構成及び任期等)

第3条 委員会は、別表に掲げる職にある者をもって充てる。

2 委員の任期は、委嘱の日から平成31年3月31日までとする。

(会長及び副会長)

第4条 委員会に会長1名及び副会長1名を置く。

2 委員長及び副委員長は、健康福祉部長(以下「部長」という。)が指名する。

3 委員長は、会務を総括する。

4 副委員長は、委員長を補佐し、委員長に事故あるときは、その職務を代理する。

(会議)

第5条 委員会は、部長が招集する。

2 委員長は、委員会の議長となる。

3 委員長は、必要に応じて、委員以外の者を出席させ、意見を求めることができる。

(庶務)

第6条 委員会の庶務は、健康福祉部障害福祉課において処理する。

(その他)

第7条 この要綱に定めるもののほか、委員会の運営に関し必要な事項は、委員長が別に定める。

附則

この要綱は、平成30年6月22日から施行する。

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(別表)

分野 団体名

医療・保健・福祉

青森県医師会

青森県精神科病院・診療所協会

藤代健生病院

青森県肝炎対策協議会

青森県精神保健福祉士協会

学識経験者 青森県立保健大学

当事者・家族 青森県断酒連合会

ブーケの会

製造・販売 青森県酒造組合

青森県小売酒販組合連合会

行政 青森県市町村保健師活動協議会

事務局 障害福祉課

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6 青森県アルコール健康障害対策推進計画検討委員会委員名簿

平成 31年2月現在

分野 団体名 所属・職名 氏名 備考

医療・保健・福祉

青森県医師会 常任理事 下田 肇

青森県精神科病院・

診療所協会 生協さくら病院 山崎 照光

藤代健生病院 名誉院長 坂本 隆 委員長

青森県肝炎対策協議会 青森県立中央病院

消化器内科部長 沼尾 宏

青森県精神保健福祉士

協会

布施病院

精神保健福祉士 三浦 良介

学識経験者 青森県立保健大学 准教授 千葉 敦子

当事者・家族

青森県断酒連合会 会長 竹林 忠志

ブーケの会

(家族会) 会長 分枝 朗子

製造・販売

青森県酒造組合 理事 鳴海 信宏

青森県小売酒販組合

連合会 事務長 長谷川 麻衣子

行政 青森県市町村保健師 活動協議会

副会長 須藤 留美子

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7 アルコール健康障害対策基本法 (平成 25年法律第 109号)

目次

第1章 総則(第1条―第 11条)

第2章 アルコール健康障害対策推進基本計画等(第 12条―第 14条)

第3章 基本的施策(第 15条―第 24条)

第4章 アルコール健康障害対策推進会議(第 25条)

第5章 アルコール健康障害対策関係者会議(第 26条・第 27条)

附則

第1章 総則

(目的)

第1条 この法律は、酒類が国民の生活に豊かさと潤いを与えるものであるとともに、酒類に

関する伝統と文化が国民の生活に深く浸透している一方で、不適切な飲酒はアルコール健康

障害の原因となり、アルコール健康障害は、本人の健康の問題であるのみならず、その家族

への深刻な影響や重大な社会問題を生じさせる危険性が高いことに鑑み、アルコール健康障

害対策に関し、基本理念を定め、及び国、地方公共団体等の責務を明らかにするとともに、

アルコール健康障害対策の基本となる事項を定めること等により、アルコール健康障害対策

を総合的かつ計画的に推進して、アルコール健康障害の発生、進行及び再発の防止を図り、

あわせてアルコール健康障害を有する者等に対する支援の充実を図り、もって国民の健康を

保護するとともに、安心して暮らすことのできる社会の実現に寄与することを目的とする。

(定義)

第2条 この法律において「アルコール健康障害」とは、アルコール依存症その他の多量の飲

酒、未成年者の飲酒、妊婦の飲酒等の不適切な飲酒の影響による心身の健康障害をいう。

(基本理念)

第3条 アルコール健康障害対策は、次に掲げる事項を基本理念として行われなければならな

い。

1 アルコール健康障害の発生、進行及び再発の各段階に応じた防止対策を適切に実施する

とともに、アルコール健康障害を有し、又は有していた者とその家族が日常生活及び社会

生活を円滑に営むことができるように支援すること。

2 アルコール健康障害対策を実施するに当たっては、アルコール健康障害が、飲酒運転、

暴力、虐待、自殺等の問題に密接に関連することに鑑み、アルコール健康障害に関連して

生ずるこれらの問題の根本的な解決に資するため、これらの問題に関する施策との有機的

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な連携が図られるよう、必要な配慮がなされるものとすること。

(国の責務)

第4条 国は、前条の基本理念にのっとり、アルコール健康障害対策を総合的に策定し、及び

実施する責務を有する。

(地方公共団体の責務)

第5条 地方公共団体は、第3条の基本理念にのっとり、アルコール健康障害対策に関し、国

との連携を図りつつ、その地域の状況に応じた施策を策定し、及び実施する責務を有する。

(事業者の責務)

第6条 酒類の製造又は販売(飲用に供することを含む。以下同じ。)を行う事業者は、国及び

地方公共団体が実施するアルコール健康障害対策に協力するとともに、その事業活動を行う

に当たって、アルコール健康障害の発生、進行及び再発の防止に配慮するよう努めるものと

する。

(国民の責務)

第7条 国民は、アルコール関連問題(アルコール健康障害及びこれに関連して生ずる飲酒運

転、暴力、虐待、自殺等の問題をいう。以下同じ。)に関する関心と理解を深め、アルコール

健康障害の予防に必要な注意を払うよう努めなければならない。

(医師等の責務)

第8条 医師その他の医療関係者は、国及び地方公共団体が実施するアルコール健康障害対策

に協力し、アルコール健康障害の発生、進行及び再発の防止に寄与するよう努めるととも

に、アルコール健康障害に係る良質かつ適切な医療を行うよう努めなければならない。

(健康増進事業実施者の責務)

第9条 健康増進事業実施者(健康増進法(平成 14年法律第 103 号)第6条に規定する健康増

進事業実施者をいう。)は、国及び地方公共団体が実施するアルコール健康障害対策に協力す

るよう努めなければならない。

(アルコール関連問題啓発週間)

第 10条 国民の間に広くアルコール関連問題に関する関心と理解を深めるため、アルコール関

連問題啓発週間を設ける。

2 アルコール関連問題啓発週間は、11月 10日から同月 16日までとする。

3 国及び地方公共団体は、アルコール関連問題啓発週間の趣旨にふさわしい事業が実施され

るよう努めるものとする。

(法制上の措置等)

第 11条 政府は、アルコール健康障害対策を実施するため必要な法制上、財政上又は税制上の

措置その他の措置を講じなければならない。

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第2章 アルコール健康障害対策推進基本計画等

(アルコール健康障害対策推進基本計画)

第 12条 政府は、アルコール健康障害対策の総合的かつ計画的な推進を図るため、アルコール

健康障害対策の推進に関する基本的な計画(以下「アルコール健康障害対策推進基本計画」

という。)を策定しなければならない。

2 アルコール健康障害対策推進基本計画に定める施策については、原則として、当該施策の

具体的な目標及びその達成の時期を定めるものとする。

3 政府は、適時に、前項の規定により定める目標の達成状況を調査し、その結果をインター

ネットの利用その他適切な方法により公表しなければならない。

4 政府は、アルコール健康障害に関する状況の変化を勘案し、及びアルコール健康障害対策

の効果に関する評価を踏まえ、少なくとも5年ごとに、アルコール健康障害対策推進基本計

画に検討を加え、必要があると認めるときには、これを変更しなければならない。

5 アルコール健康障害対策推進基本計画を変更しようとするときは、厚生労働大臣は、あら

かじめ関係行政機関の長に協議するとともに、アルコール健康障害対策関係者会議の意見を

聴いて、アルコール健康障害対策推進基本計画の変更の案を作成し、閣議の決定を求めなけ

ればならない。

6 政府は、アルコール健康障害対策推進基本計画を変更したときは、遅滞なく、これを国会

に報告するとともに、インターネットの利用その他適切な方法により公表しなければならな

い。

(関係行政機関への要請)

第 13条 厚生労働大臣は、必要があると認めるときは、関係行政機関の長に対して、アルコー

ル健康障害対策推進基本計画の変更のための資料の提出又はアルコール健康障害対策推進基

本計画において定められた施策であって当該行政機関の所管に係るものの実施について、必

要な要請をすることができる。

(都道府県アルコール健康障害対策推進計画)

第 14条 都道府県は、アルコール健康障害対策推進基本計画を基本とするとともに、当該都道

府県の実情に即したアルコール健康障害対策の推進に関する計画(以下「都道府県アルコー

ル健康障害対策推進計画」という。)を策定するよう努めなければならない。

2 都道府県アルコール健康障害対策推進計画は、医療法(昭和 23 年法律第 205号)第 30条

の4第1項に規定する医療計画、健康増進法第8条第1項に規定する都道府県健康増進計画

その他の法令の規定による計画であって保健、医療又は福祉に関する事項を定めるものと調

和が保たれたものでなければならない。

3 都道府県は、当該都道府県におけるアルコール健康障害に関する状況の変化を勘案し、及

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び当該都道府県におけるアルコール健康障害対策の効果に関する評価を踏まえ、少なくとも

5年ごとに、都道府県アルコール健康障害対策推進計画に検討を加え、必要があると認める

ときには、これを変更するよう努めなければならない。

第3章 基本的施策

(教育の振興等)

第 15条 国及び地方公共団体は、国民がアルコール関連問題に関する関心と理解を深め、アル

コール健康障害の予防に必要な注意を払うことができるよう、家庭、学校、職場その他の

様々な場におけるアルコール関連問題に関する教育及び学習の振興並びに広報活動等を通じ

たアルコール関連問題に関する知識の普及のために必要な施策を講ずるものとする。

(不適切な飲酒の誘引の防止)

第 16条 国は、酒類の表示、広告その他販売の方法について、酒類の製造又は販売を行う事業

者の自主的な取組を尊重しつつ、アルコール健康障害を発生させるような不適切な飲酒を誘

引することとならないようにするために必要な施策を講ずるものとする。

(健康診断及び保健指導)

第 17条 国及び地方公共団体は、アルコール健康障害の発生、進行及び再発の防止に資するよ

う、健康診断及び保健指導において、アルコール健康障害の発見及び飲酒についての指導等

が適切に行われるようにするために必要な施策を講ずるものとする。

(アルコール健康障害に係る医療の充実等)

第 18条 国及び地方公共団体は、アルコール健康障害に係る医療について、アルコール健康障

害の進行を防止するための節酒又は断酒の指導並びにアルコール依存症の専門的な治療及び

リハビリテーションを受けることについての指導の充実、当該専門的な治療及びリハビリテ

ーションの充実、当該専門的な治療及びリハビリテーションの提供を行う医療機関とその他

の医療機関との連携の確保その他の必要な施策を講ずるものとする。

(アルコール健康障害に関連して飲酒運転等をした者に対する指導等)

第 19条 国及び地方公共団体は、アルコール健康障害に関連して飲酒運転、暴力行為、虐待、

自殺未遂等をした者に対し、その者に係るアルコール関連問題の状況に応じたアルコール健

康障害に関する指導、助言、支援等を推進するために必要な施策を講ずるものとする。

(相談支援等)

第 20条 国及び地方公共団体は、アルコール健康障害を有し、又は有していた者及びその家族

に対する相談支援等を推進するために必要な施策を講ずるものとする。

(社会復帰の支援)

第 21条 国及び地方公共団体は、アルコール依存症にかかった者の円滑な社会復帰に資するよ

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う、就労の支援その他の支援を推進するために必要な施策を講ずるものとする。

(民間団体の活動に対する支援)

第 22条 国及び地方公共団体は、アルコール依存症にかかった者が互いに支え合ってその再発

を防止するための活動その他の民間の団体が行うアルコール健康障害対策に関する自発的な

活動を支援するために必要な施策を講ずるものとする。

(人材の確保等)

第 23条 国及び地方公共団体は、医療、保健、福祉、教育、矯正その他のアルコール関連問題

に関連する業務に従事する者について、アルコール関連問題に関し十分な知識を有する人材

の確保、養成及び資質の向上に必要な施策を講ずるものとする。

(調査研究の推進等)

第 24条 国及び地方公共団体は、アルコール健康障害の発生、進行及び再発の防止並びに治療

の方法に関する研究、アルコール関連問題に関する実態調査その他の調査研究を推進するた

めに必要な施策を講ずるものとする。

第4章 アルコール健康障害対策推進会議

第 25条 政府は、内閣府、法務省、財務省、文部科学省、厚生労働省、警察庁その他の関係行

政機関の職員をもって構成するアルコール健康障害対策推進会議を設け、アルコール健康障

害対策の総合的、計画的、効果的かつ効率的な推進を図るための連絡調整を行うものとす

る。

2 アルコール健康障害対策推進会議は、前項の連絡調整を行うに際しては、アルコール健康

障害対策関係者会議の意見を聴くものとする。

第5章 アルコール健康障害対策関係者会議

第 26条 厚生労働省に、アルコール健康障害対策関係者会議(以下「関係者会議」という。)

を置く。

2 関係者会議は、次に掲げる事務をつかさどる。

1 アルコール健康障害対策推進基本計画に関し、第 12条第5項に規定する事項を処理する

こと。

2 前条第一項の連絡調整に際して、アルコール健康障害対策推進会議に対し、意見を述べ

ること。

第 27条 関係者会議は、委員 20人以内で組織する。

2 関係者会議の委員は、アルコール関連問題に関し専門的知識を有する者並びにアルコール

健康障害を有し、又は有していた者及びその家族を代表する者のうちから、厚生労働大臣が

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任命する。

3 関係者会議の委員は、非常勤とする。

4 前3項に定めるもののほか、関係者会議の組織及び運営に関し必要な事項は、政令で定め

る。

附 則

(施行期日)

第1条 この法律は、公布の日から起算して6月を超えない範囲内において政令で定める日か

ら施行する。ただし、附則第3条、第4条、第6条及び第7条の規定は、アルコール健康障

害対策推進基本計画が策定された日から起算して3年を超えない範囲内において政令で定め

る日から施行する。

2 政府は、前項ただし書の政令を定めるに当たっては、アルコール健康障害対策推進基本計

画に定める施策の実施の状況に配慮しなければならない。

(検討)

第2条 この法律の規定については、この法律の施行後5年を目途として、この法律の施行の

状況について検討が加えられ、必要があると認められるときは、その結果に基づいて必要な

措置が講ぜられるものとする。

(アルコール健康障害対策基本法の一部改正)

第3条 アルコール健康障害対策基本法(平成 25年法律第 109号)の一部を次のように改正す

る。

第 12条第1項中「、この法律の施行後2年以内に」を削り、同条第3項及び第4項を削

り、同条第五項中「第2項」を「前項」に改め、同項を同条第3項とし、同条第6項を同条

第4項とし、同条第7項を削り、同条に次の2項を加える。

5 アルコール健康障害対策推進基本計画を変更しようとするときは、厚生労働大臣は、あら

かじめ関係行政機関の長に協議するとともに、アルコール健康障害対策関係者会議の意見

を聴いて、アルコール健康障害対策推進基本計画の変更の案を作成し、閣議の決定を求め

なければならない。

6 政府は、アルコール健康障害対策推進基本計画を変更したときは、遅滞なく、これを国会

に報告するとともに、インターネットの利用その他適切な方法により公表しなければなら

ない。

第 13 条中「内閣総理大臣」を「厚生労働大臣」に、「策定」を「変更」に改める。

第 26条第1項中「内閣府」を「厚生労働省」に改め、同条第2項第1号中「第 12条第3

項(同条第7項において準用する場合を含む。)」を「第 12条第5項」に改める。

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第 27 条第2項中「内閣総理大臣」を「厚生労働大臣」に改める。

(アルコール健康障害対策関係者会議に関する経過措置)

第4条 附則第1条第1項ただし書に規定する規定の施行の際現に内閣府に置かれたアルコール

健康障害対策関係者会議の委員である者は、同項ただし書に規定する規定の施行の日に、前

条の規定による改正後のアルコール健康障害対策基本法第 27条第2項の規定により、厚生労

働省に置かれるアルコール健康障害対策関係者会議の委員として任命されたものとみなす。

(内閣府設置法の一部改正)

第5条 内閣府設置法(平成 11年法律第 89号)の一部を次のように改正する。

第4条第3項第 46 号の3の次に次の1号を加える。

46の4 アルコール健康障害対策推進基本計画(アルコール健康障害対策基本法(平成 25

年法律第 109号)第 12条第1項に規定するものをいう。)の策定及び推進に関するこ

と。

第 37条第3項の表障害者政策委員会の項の次に次のように加える。

アルコール健康障害対策関係者会議 アルコール健康障害対策基本法

第6条 内閣府設置法の一部を次のように改正する。

第4条第3項第 46 号の2を削る。

第 37 条第3項の表アルコール健康障害対策関係者会議の項を削る。

(厚生労働省設置法の一部改正)

第7条 厚生労働省設置法(平成 11年法律第 97号)の一部を次のように改正する。

第4条第1項第 89 号の3の次に次の1号を加える。

89の4 アルコール健康障害対策基本法(平成 25 年法律第 109号)第 12 条第1項に規定

するアルコール健康障害対策推進基本計画の策定(変更に係るものに限る。)及び推進に

関すること。

第6条第2項中「過労死等防止対策推進協議会」を

「過労死等防止対策推進協議会

アルコール健康障害対策関係者会議」に改める。

第 13 条の2の次に次の1条を加える。

(アルコール健康障害対策関係者会議)

第 13 条の3 アルコール健康障害対策関係者会議については、アルコール健康障害対策基

本法(これに基づく命令を含む。)の定めるところによる。

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青森県アルコール健康障害対策推進計画

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