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航測 SEP、 1972 《】 写真説明t夏の穂高届,だれしも尾根の小径をたどったり.欝漁こ立って 悪たいと恩わ塗るすばらしい眺めです。そこここに空箭が転がり,ビニー ル袋が風に上ラヒラなどという光景に想徽もしたくない,大切にしたし、自 然。昭和47年8月17日,梅血3,700mから撮鴎カメラLC8。 (共立航姫(嫌)挫供) 日本ホホ業技術協会

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Page 1: 森林航測航森林航測航 SEP、 1972 《】 わ 写真説明t夏の穂高届,だれしも尾根の小径をたどったり.欝漁こ立って 悪たいと恩わ塗るすばらしい眺めです。そこここに空箭が転がり,ビニー

森林航測航

SEP、 1972

《】

写真説明t夏の穂高届,だれしも尾根の小径をたどったり.欝漁こ立って

悪たいと恩わ塗るすばらしい眺めです。そこここに空箭が転がり,ビニー

ル袋が風に上ラヒラなどという光景に想徽もしたくない,大切にしたし、自

然。昭和47年8月17日,梅血3,700mから撮鴎カメラLC8。

(共立航姫(嫌)挫供)

日本ホホ業技術協会本 業 術

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(203())

に二三言三三三二三二三三一一三一三三一一三二三三三三三三三三一三一三三三三一二二三一二三一三三一一三一三三一三三三三三三三三三三三一三三一一一三一三三三三壱厚-

判断のものさしⅢ

ⅡⅡ

イタイイタイ病、水俣病、そして四日市と、いわゆる公害訴訟は次なと原Ⅲ

Ⅲ告の勝訴になった。Ⅲ

正、非の判断のもとになる「人間社会にとっては何が大切か」の考え方がⅢ

川産業開発が進むにつれて急に変ってきた国土の現実や、社会を作り上げていⅧⅡ

Ⅲる各層の発言力の移り変わりとともに変化してゆくものであることを示してⅢl

川いる。また、これらの判決に共通している》」ととしては「被害発生の因果関Ⅲ

ⅢI↑、係は科学的に立証できない」とした被告側の反論がすべて脚下されたことで川

喝以ある。ここではいわゆる学理というものが実社会に役に立つためには、それ川Ⅱ

だけか特別のものさしをもったものでは使いものにならないことを表わしてⅢⅡ

いる。この両方ともに現在まで人間が開発を進めてきた「技術とは何か」をⅢ

航考壬雇る。‐Ⅱ

今までの科学の進め方は学問を極端に細分化し、測ったり判定したりするⅢ

Ⅲことを専門化していった。その細かしものさしか技術のよりどころであるとⅢ

Ⅲ考える人たちにとっては、これらの判決からは「反技術主義」がでてくる。Ⅷ

11

Mもっと一般的な人たちからは「技術軽視」の風潮が現われてくる。だが、物Ⅲ

Ⅱを測ったり判断したりするには何を目的にするかでそれそれ鰻適な視野の大川

川小、目朧りの精秘がある。

Ⅲ技術の本質というものは目的に応じてどのような判定のものさしを使うべⅢ

Ⅲき分野であるかを判断して、それに効果的な科学化された手法を実用化するⅢ

Ⅱことだろう。

わたくしたちは森林を取り扱っている。その実態を知るためには目的によ川

ⅡⅡ

Ⅲっては電子顕微鏡を必要とすることもあるし、時には宇宙写真を必要とするⅢ

Ⅲこともある。それぞれが測ったり判断したりするのに最もよい領域がある。Ⅱ

Ⅲ空中写其で森林を調べるときのものさしは一本一本を測るための目盛りのⅢⅡ

Ⅲものではない。対象は木木が集まり合って、また広がりをもった集団としてⅡ

叩の姿である。捲れがまた、将来へも統くものであるところに林業の実態があ川

Ⅲるのだ。そこに産業でありながら経済的評価だけで催測ることのできない社Ⅲ

Ⅲ会的な公共性がある。ことにそれが無視しえない現代となってきている。川

川ともすれば画一的なものさしで測らねばならぬとした今までの技術判定のⅢ

川装準というものを、目的に応じて自在に選びうる映像のような尺度で再編成Ⅲ

Ⅲしていかなしかぎり、この両面の融合を図ることはできないだろう。(中)川

ⅢⅢ

ⅡⅡ

割三一三一三三三三一一三一三一三三三薑一三一一三一三三二一三三三三三三一三三三三三三三一一一三一一三三三三二三一三一三一三三三三三三三三三三一三一一一三一一訂

空から承た治山・治水⑨::日置幸雄..”

農林高校における航測技術教育

生徒に関心を持たせる手だて

.:・・・・:・・・::.::佐礁義明

八山と地形V

地形と空中写真②.

ふたたび・航測あらかると

続続桜とネオン・・:・ J

林業とコンピュータ1mく

国有林野事業における

コンピューターを考える 、

‐ノ

南方森林の調査と空中写真上く

環境測定と空中写真

赤外カラー写真による樹木の活力評価

.:・.::.::・:・鈴鹿寛呂

森林航測恥拠(九月号)目次

航跡..・・・・;.:.:.:.:。・・・:2

~一

(8)く1真

柴孝司

西雌元充

洲本正隆・皿

樋渡幸男:72() 17 ll 3 2

-2-

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(2031)

識罎 環境測定と空中写真

・赤外カラー写真による樹木の活力評価・

鈴 鹿 寛 昌

(科学技術庁・資源柵在所)

1. 環境の測定

人間をとり堂く顔境に催,人為環境と自然環境があ

る。この両我ば,轍に変化しているが,両者の調和が今

日ほど問題になった時代は,過去に見当たらない。

この調和の服点は,わが国にお↓、てここ10数年間に

とくに著しく移り型わった。と同時に.どのような自然

の物理現象が.人為環境から排l11すあ汚染賀の濃庇を左

右し,地域を左右して、‘ろのか,その結果. どの地域の

生物にし、つごろ.どの曝陛の被密を与えているのか,わ

れわれのもって↓、る知見が非71Fに乏し↓、ことが總識され

るようになってきた。

そこで、人為と自然の澗和の原点を明確にするため

に.ここで、、う猟境測定が問題とされてきたといえよう。

ストックホルムの人IMI環境会議の報告番におl,ても,

潔境のモニタリングに関するリ噸があげられている。こ

の専門的な概念づけは別の機会にゆずるとして. この報

告書でば「これ力・らの資撚棚発は,大気.水,土地,生

物を有効に活川し,生物の復元不可能な状態を引き起こ

すような過庇の人為的IIM発に陥らないようにすることか

必要であるか,これには,斑象・海象と農林・水鯉生物

および人間をふくむ生物の疾癒に対する総合的かつ科学

的にデザインされたモニタリングが絶体に必要である」

として、、る。

環境測定の対象としては,排出される汚染鷺の移送・

変化・分布・消峨の状況はいうまでもなく, これと相互

に影智し合う郁市の気鯉や水文,内湾の海流,潮流の変

化や底閣の地形,地斌守の測定,さらにこれらの環境変

化が陸上の樹木,微生物,鮎虫,野生‘船獣や河ノ||,海中

におけ遥庇生動物,ブランクI,ソ,魚頬などの諸生物に

及ぼす影響などがあげられて↓、る。

従来の測定法では,これらの現般の一部を専門分野か

ら地上で測定する掛合が多いので.臆とんどが一次元の

拡散現象や物理的現蝋の測定が多かった・

し力、し環境測定の目的を潤足させるためには,地上の

点的測定の熟でば,十分とはいえず,而測定のための航

空機塔賊,資源斯腿聯赦のリモー1,セソシングが注目さ

れてきたわけである。すなわち,水平而の観測のほか,

高度別,水深別に3次元の気象,海象呪鮫の測定が必要

となってきた。

日本のように,季節的変化が大きい,臨海地域では‘

大平洋岸, 日本海嫌ともに夏季(5~9月)下卿大気や

臨蒲海水の閉鎖的状態が発生しやすLため' WI鋤棚箇内

の大菟と海水ともに汚染機皮か間まり.これら混合砿WI

率の高い地域において.生物に叫影僻を与える。しかし

冬季間(10~4月)IMI餓柵造の発生が少なくな為時期は,

臨海地域の生物の回復期でもある。しかし.生物季節か

ら黙諺と陸上も海中も5~9月は,悲さに生物の繁慰,

成長期に当たるため,閉鍍柵造の時期が畏びく地域で.

汚染排出総鼠が多い地域では汚染濃度か生物の自浄容励

を越えるため・生育力は衰え’冬期回似力を失う場合も

ありうる。

内湾の底層の無生物地域や陸上の耐生隈喚を越えた指

標樹木の多く見られる地域ばその適例であろう

二のような時間的変化をつかむためには.断続的測定

では不十分で.連続測定の必要が生じてくる。

このために’ リモートセシシングのセンサーの側発に

よる面測定や連統測定の技術には.今後大きな朋待がも

たれる。

2. 環境と資源開発の調和勧告について

去る5月30p演涼調恋会惟「商密陛地域における演

源利川と環境保全の洲和に関する勧告」をF1学技術庁長

官に提出した。

この報告内容は,すでに5月31日のWII:l1各紙に報逝さ

れたので,その主旨脱明は桁くことにして. この硴案作

成過程において,空中写真が勧告Iノォ容にどのような効川

をもたらしたかにつL,て述べることとしよう。

まずこの勧告は、 「膜l蒐南部の下刷大気は,夏季に閉

鎖的構造が発生し易く,この勘合,西側の約1,000mW

高の山の壁,天井1|000m~115"m以下の混合胴倣商

商度の壁,北側の茨城県海岸線から吹<爽風の蝋と東南

側の南來風の壁, (夜間千蕊雌房総半勘の山の斜而が冷

源となるために吹く南東風)の蝿で閉鎖的柵造ができる」

-3-

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(2032)

3 I, 、II11

鞠、

Iw

Ⅲ柵

写真 1 姉ヶ崎昼

写典3 新宿御苑

力指傑は他服で.赤外線カラーによる判定東j〔湾沿L,と

はっきり活〃雄が出てくるばずである。

この証明に高庇500mからとった姉ケ崎.高滝の神社

の森の比絞と・1,0M)mの連続搬彫写真は適確にこたえて

くれた。

赤外線カラー写真はこのようにして従来の点測定の欠

陥地域(11噸森林地fIF)をおぎない,面測定の効川を発

抑したのである。

以後,鈍收測定点の不足による委員会の議論は終止符

とな勺た。

今ひとつ肱,樹木被害陳間が大気汚染のほかに地下水

の下降』峰や.蹄患かため.その他の郁市環境要因によ

ることが‘撫倫され.大気汚染が主悶となるかどう力・によ

って'淵斑の進行かIこまりかけた時である。

地下水によ為被害の場合と大猟汚染による被害の場合

のl伽|りだによる麓が問題となった。

火災汚染の勘合ば,マイクロには,林縁部の樹木で他

より樹間の刑ぃ棚木が汚染風の風通に斑たって被害をう

けるはずである。

もしそのような位|趾に随害仙l木の配股が測定されてL,

たら.大知り染がl引火lと、、えあはずである。

500mの亦外カラーは, UI補神隊の林縁(入口.鉄近

沿線側の11M*)Wa.新描仙11苑のlJIi側の林紬部,自然教育

l罰|の歩迩の林織部にそった樹所に.被害樹木が発生分布

して↓'ることを示した。これは大蕪汚染諭廿の布力な証りjとなった。

次に勧告ilI本文の'I1力、らとくに、樹木活力指標による

地域環境梛価の猟を紹介しておく

3.樹木活力指標による地域環境評価

B

写真2 商 滝

ことを指摘した。

この場合,天井の混合簡賎高商庇の壁は,館野の高度

別温陛の状態曲線,北側の蛎風の蝿よ埼玉の数il!リ定点で

の侮時風向測定で証り'できたが,最後の東南側の附束風

の壁は房総半島の山岳部にほとんど気蝕観測成がな↓、た

め,風系線の確定が困難となった。

この時,ちょうど千莱県の東京湾海雅線力・ら距離約

15km位の範囲にある姉ケ崎と商滝の地点につL、て亦外

カラー字典により商度500mで搬影<IV{和|46年9月)した

樹木の活力解析と,商度'1,0()0mで撮影(昭和416年8月)

したものとにより, この2地点間の13kml川に風系線が

存在することを空'・I'写典で証I’Iすることかできたのである。

すなわち.汚染された東成湾海|轍風は,夜間睦瓜とな

って東京湾にもどってくるが,千無M1の東京湾沿いの線

で,南東風にばぱまれ,房総半周の森林地榊深くはいっ

てこなL,と↓、う想定であった。

もし.汚染大気がはL,ってこなけれ朧,当然燦林の活

・---41 ,---‐

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(2033)

関1〔耐部地域における環境の質を示す指漂生物とし

て.樹木では.シイ, ケヤキイチョウ, ソノイョシノ,

ヒー零ラヤシーダ, ク樗苛ツ,アカマツなど11樹鮒を選

び.公閲緑地など22地点に生育するこれら指標木につ

いて

①航空機によるリモートセンシングを川い赤外カ

ラー写期1lリ定による,洲在対象」也域の比較訓迩

②地上j1M在によぁ活力比絞洲在

の2つの方法によって,活力指標およびその正術な状態

と正柑力・らのIMりを示す状態を杷互に対照して.地域蝋

境の比核検討が行なわれた。

(1) しいの耐性限度一活力指探の標準点

樹木活力指標の標準点を定めるため,数千年にわたっ

て生苛し,われわれの生活環境の主要な構成要素となっ

てきたシイを選び,都市域では比較的自然状態に近L、林

地として保渡されてきた目黒の自然教育園において.被

害がこれ以上になり,活力が弱ると復元不可能になると

いう状態(耐性限庇)をシイの健康度から評価し,線険

的ではあるか,枝葉密度4()%となり,枝の枯死が大伎

にまで及び, 1神からir(接再出枝が生ずる状態を掴元不1'1

能な状態にあると判定した.

(2)地上州光による樹木活力状況の詳仙i

捌雌木は,樅枝,施肥などの椿理,病虫害.移倣,小

口礎など一般的な条件にな↓,ものを除き『各樹伽別に,

写興解析可能な位股にあるもの10本をまず選定した。

樹木の活力(彼書度)を示す要素として,樹勢,樹形,

枝の仲焚,仙端の枯損,枝葉の密度,業の形状や大きさ.

紫色、ネク浦シス.落蕊状況などがあげられるが,名樹

木につ1、てこの調目ごとに1点(生育状態良好)から・1

点(生ff状態劣愁)で評点して,活力指標とした。

震た, この活力脂標によりシイの健服度によるI耐性限

度を腓価すると, 2.2~2,41点となった。

また,樹柳川Iこおける各要因(調交項Ⅱ)柑亙llllのイll

MIIMI係を求めた納果によれば, ケヤキと他の樹棚|ⅡIのイⅡ

関性が娘も尚も、ことが明らかになった。 (シイの耐性限

度を示す濡力術擦2.2~2..1点をケヤキに換算すると,

24~26となる。)

(3) リモートセンシングによる樹木活力評価

赤外カラー写真は,冠磁波スベクドルの0.5~0.8ノル、

範囲の波艇の反射光をとらえ,加色により近が外城

(0.76/fm以上)を赤く発色させる。樹木の樹冠の反射

光量の波促特性は,雛全な樹木の場合.緑色(0.55/In')

よりも赤外域が特しく商く, 0.7, 1.4, 1.0/fmの周辺

に強↓、吸収部分をもつ。この波形は樹木活力の低下(梁

緑素, MII胞蜘川,細胞内の組成水分の変化)により灘化

剛凹Q‘

"!皇寺子キズキ

/6〔1 I

、● 1

5(1

3〔)

I(}

20

』"・

l齢

へ。

10 猷I 30 40 50HP。

図1赤外カラー写真による'ミイバンド測定(新宿御苑)

し,樹冠像の色は'赤から青,そして黄,白へと変わる。

このことから, 70mmプィルムの大縮尺写典(1 :6,000)

による燗との樹木の活力状態を測泄する方法として‘次

の二つの方法をとった.

一つは, ′:イノミンドによるカラーバランスをⅢリ定する

方法である。これは,写真色測の赤成分および育成分の

光駄を分光フィルターで分離し、それぞれの測定値の比

率(赤色/青色の比率=パイ,急ンド比率)で示される。

(図1参照)このバイパンド比率は.扱影条件に帰因す

る写真像の明暗に関係なく樹像の赤要紫.背嬰素のパラ

ンスを示すものであり.撮影時点での値l木樹冠の活力を

示す指標となりうるものである。

上記ケヤキの耐性限座2.‘1~26点は,バイバンド比

率では0.65~0.8となり, これより低L,ものは耐性限度

を越えたものと象ることができ為。(閃2参1蝋)

いま一~つは,反射光最を測定する方法であ融。汚染限

庇の商い状態が長く続くと,樹木の紫伎の惜鹿や樹形に

0.寵U,3

蔬協照宙

‘大師

、壷

r 0.湖

勾母り』

ケヤキ門〃蛎繍

~~

1 i比薪翼

姉今篭戻

I

0-5 ]0 151( 11

バイ '《″ドォ職:

IXI 2 1ャキのバィバンド比率と活力術標の関係

---5---.

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(2034)

炎1千葉県市原市1/13,000赤外カラー写真分光走撫似測航

A

R光趾B光跣R/B

B C

R光疏B光趾R/B

地 城

R光猛B光量R/B R光蚤B光量R/B

畑 5555

6817

●●●■

20り》0

沌一鮨訪

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型一割狸

●522

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2.75

1.2()

3.50

1.92

!1.25

2.71

水広針

一。ロ0Q型

蕊樹

蕊樹

雛(1)敢紫工推地粥の海岸線からの距離 A3km, B8.5km, C13km, D20km(2)晒而内のⅢll定地域は同一にした

(3)D地域は蛇行河川を'l',央にもつ凹地形である(.1)C地域の針紫樹林はゆるやかな南斜而, D地域の広莱刷林は北斜1mである

経年変化があらわれあ。』'嚇蕗紫が続く場合.菜面積は

減少し,紫伎の悔度も疎になってくる。この現象は樹冠

像の色澗とりl庇の墹大となって現われる。高濃度汚染に

さらされる年数が多く.さらに地域的に澗査樹木の多L

場合につl、て象ると.全体として衰退木の存在する割合

が多いほど反射光戯値の偲差は大きくなる。

このように被菩の羅年変化を示すものとして,反射光

最の測走は布効であった。

意た,千蕊隈下の小縮尺写真(1 : 13,000)5こより.広

域にわたる仙物活力の状況を.micro-photo-Densit-

meterで,赤,青フィルター透過駐によあ分光自記観測

記録を求め,稀地域における地域別バイバンド平均値を

求めた。(表1参照)

表1のバイバンド測定値は.大縮尺写真と同じく、そ

の地域における仙物の生青活力を示すものである。A地

区に近づくにしたがって赤色嬰素の光量の減少がとくに

箸い、。この給果,活力秤価は, C, D, B,Aの順と

炎2赤外線カラー蛎典分光解析竿による総合地域評価

なった。

これらの測斑の紬果,赤外カラー写真の樹木像の分光

測定値をハルて樹木活ノノの肝価,また広域生育環境の測

定が可能であることが明らかになった。これによって従

来の肉眼観察にお↓、てはきわめて困難であった樹勢の客

観的数鮭判定の効串化をもたらすことが期待されよう。

し力・し,より詳細な甜祇を行なうためには,なお多く

の検討と識料の果職が必要であり,実施上の問題点とし

て,調査木の選定に確腿.発色条件の確認,地上調査に

よる活力指標の確認の点があげられてL、る。

4.生物指標による総合地域評価

以上に述べた各捌迩によあ地域評価を示すと表2のご

とくである。

このように,脚光地域におけるバイバンド比率,反射

光斌値によって示さj&た地域評価と,活力指標によって

示された地域州I1とはだ↓、た、、一致した。

ただ千梁県の東京湾沿い地域(姉ケ崎)は活力指標で

はケヤキ1.8,シイ. l.6と懇くないが,バイバンド比

率で肱,0.51を示し・拠影時点(9月27日)の前短期

間の汚染濃度など現境の質の悪いことを示しており.他

方,反射光戯では. 32.13を示して,川崎大師に比べて

〈7‘4)経年変化は短く,むしろ今後の経年変化に問題の

あることを示した。

これに比べ同じ千無県の東戒湾から13km位東に位す

る高沌のケヤキの示す季:イ,ミンド比率は,、4を示し,反

射光3.4(これば谷IIWの傾斜而における赤色の反射光量

を示す)で雛服庇正常な値を示した。

また,菜耐微生物の測避でも,都心と郊外では微生物

の煎頽と数に約10倍近い差があると↓、う結果がでてい

る。また. この捌迩で,ケヤキ莱中l,おう含量と活力指

概,パイ’:ソド比率,反射光賦の関係に高い相関のある

ことにつ↓、てもわかった。

捌在Jil 一罐峰榊%恥一一羽四嶋晦、画一

ャ全量含QQQQQ0

ヶ中うぐ

癖蝿錘唖率率一郵塞郵諏郡岬

の・164・Gc●

活く差

33881211禽

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29.5

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8.91

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15.18

87一○60-,6-J89

38463ワー3106

の・164・Gc●

豚差副

調恋地点

大師公閲

姉ケ崎

新宿御苑

清澄公園

上野公園

日比谷公剛

砧緑地|

和田堀|神代植物醐

高 滝■

回uo1ワ』ワーワ]ウ》ワーワ】ワ》-1

注:大師公側肱ケ●・ヤキが少ないため,イチョウのハ

イバンド比率,反射光殿値を示した。

----6-

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(2035)

ご援助と在イ日本大使館および現地の森林開発事

業に従事されている日本商社の方だのご協力を得

たことを深く感謝する。

2. インドネシアの森林

インドネシアの土地総而枇は約2"1'aでわが国

の約5.5倍の広さである。そのうちの約60%が森

林で,面職は約1億2千万haと記されてし、為。

スマトラのアチエから西イリアンの最東部まで

の距離は,東京からスラウ桑シのマカッサルまで

の距離とほぼ同じぐら'、でああ。したがって一口

にインドネシアの森林といってもさまざまな形態

をしていることが想像つくであろう。

おおざっぱにインドネシアの森林を分けると、

熱帯降雨林地帯と雨緑林地幣の二つに分類され,

降雨林地帯はさらにフタバガキ科の樹秘の混交が

多↓、カリマンタンとスーマトラ勘. フタパガキ科が

非常に少なく極を雑多な樹棚の混交をなすスラウ

ヱシと西イリアンの降雨林, ブクパガキ科がやや

混交する西部ジャワの降雨林の三つのタイプに分

けられよう。雨緑林はジ1.ワ『'1東部からヌサツン

ガラ, -マルク諸島にかけて乾期雨期がばっきり現

われる地域に分布する。このほか山岳地帯にばカ

シ. シイ,クリなどの照葉樹林,塩水が浸水する海

岸地帯にIまマング淳一ブ, ニッパヤシ林などが分

布する。

これらの森林の中で. わが脚の森林開発事業が

行なわれている地域は,おもにフタバガキ科のメ

ランテ,f"(Shoreasp.)が多く分布するカリマ

ンクンとスマトラに集中している。次に各地方の

:!IIInini'''''IIII'''ll'0'11111IIIIn'''ull'''i'lli'''''l'''',IIII!川'h8018011tIIIIIII川,llll川リ'1川lll'm''l''1''lll11'':薑 =

三=

皇冒南方森林の調査 =皇言二 言言 と空中写真 薑

薑(上) ==

薑=.

樋渡幸男 蟇=

(林試・航測研究室) 皇=

言=

訂'vIIIIIII,1IIIIIIIII1IIIwIIIIIⅡ川111lllllllll''llllHmⅡⅡII1,1,IIIIQ川IIIIIIIMIIIIIMIlllllll'lllll,,11,illⅡⅡ111,,8,,liz

1. まえがき

わが国の木材輸入量は年ごとに増加の一途をた

どり.ついに昭和44年度より国内の木材供給戯を

上室わってしまった。なかでも特にインドネシア

碓材の輸入墹加が目だっている。このような馴柵

が反映して,近年,森林航測の分野でも熱附|朧雨

林の空中写其澗査についての話題が盛んになって

きた。

たまたま雛巻は林業試験場木材部の簡本技官と

ともに,昨年11月末から約3カ月間インドネシア

の林業邪↑11緬査のため農林省熱帯農業研究センタ

ーから派泄されて, ジャワ、スマトラ.カリマンタ

ン.西イリアンの各地を見て蓑わる機会を僻た°

しかし広大なインドネシアの森林を観察するに

は期間も短く, ところどころつ蓑歎食いをしたに

すぎないが.森林航測の立場からゑたインドネシ

アの森林につb,て.そのあらましを述べ読考諾氏

のご批判ご指導をいただきた↓、。

なお出リ臘中, インドネシア林野総局の絶大な為

やノクワリ

、一

エピレ ジヰヤプも

一閥イ'1アン

、a

-7-

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(2036)

森林の榊成状態について.その概略を述べる。

2-1 カリマンタン

ヵリマンタンのなかでも特に東カリマンクンは

メランティ類が評しく優勢な地域である。この地

域のフタバガキ科林の狩徴は. ブタバガキ科のメ

ランティ類,パンキライ(ShOrealaevifOlia),カブ

ール(DryobalanoPs), クルィン(Dipterocarpus)

と.その他の科のウリン(Eusidel・oxylonzwage-

ri), ケンバス(Koompassia)などで樅成され,

ha当たり全立木材職は130~300m3(メランティ

30%! カブール1()%, クルイン10%、商業樹穂

の小径水10%, その他40%)といわれてし、る。

これを胸間il'(if60cm以上の大径木に限って難た

場合, 1漉林I鷺の例を象潟と伐採対象木(メラン

ティ類、 カブール)の丸太刺職は30~130m3/ha

で主要樹樋別柵成比はメランティ約70%・ カブー

ル6%, クルインとバンキライ7%, その他の非

伐採水18%となっていた。したがってこの地域の

開発適地の森林では.空!',写亜から判読できる上

層木の70%裡陛は商業樹靴とゑてよいであろう。

中カリマンタンの州都パランカラヤ付近の真白

い石英砂土(Pasirkwarsa)の土壊にはアカチス

(Agathis)が群生をなしてb,た。材祇は10~150

m3/haとb、われている。またII'カリマンタンには

アガチスとメルール(Dacrydium針業樹)の混交

林型,湿地淵に率られるラミン(Gonystylus).

ジニルトン(Dyl・ea), 7-トー(Pala(luium), メル

ールなどとブタ':ガキ科との湿地降雨林型,低地

に象られるバンキライ, クルイン, ウリン, ケソ

パス, メラソティなどからなる低地降雨林型があ

あ。西カリマンクンの柵地,低地の森林も催ぽ同

様なもので㈱東カリマンタンのようにメランティ

顔は多くなく.蒋職の愛勤か大きく6~100m3/ha

と1J‘われてL,る。

|櫛カリマンタンの測地‘淵にはメラワン(Ho-

pea). コラカ(Parinal・i),ツラップ(A1・tocarpus).

クルイン, ウリン, メルノ<ウ(Intsia)などとメラ

ンティ顔の混交林が20~170m3/haの蕎讃をもつ

と見秋もられて1,、る。

2-2スマトラ

カリマンタンと同じくフタパガキ科の多↓、降雨

林が大部分を占めて、、る・ブタ〃2ガキ科でばバラ

ンティ.メラヮン.メルサワ(Anisaptel・a), レサッ

ク(Vatica).カブール, クルイン.バラウ(Sho-

reaglauca)などが広範囲に分布している。そし

て北部の湿地および低地林では,レンガス(Mela-

norrhoea)やビンタンゴール(Calophyllum)な

どと混交し、丘陵地でばカブール. クルインの混

交割合が多くなる。

南部のバレンバンとジ.1,ンピイ付近ではメラン

ティ獄とウリンの低地|蠅雨林がある。またこの地

方の湿地林にはメランティ,プライ(AIstonia)"

ンバス, ラミンなどからなる混交林がある。この

ほかにスマ|・ラの東海隙,特にリアウ州の沿海岸

にはマングローブ林が発述し60m3/haの蓄職を

有すると、、われて1,為。

アチニ州のに|'央部にはメルクシマツの純林が約

3万ha, メルクシマツと他の樹靴との天然生混交

林が約12万haあり. いずれもha当たり100mm

の蓄談を持つといわれて'‘,る°またトバ湖周辺に

はメルクシマツの人工造林地が2.5"haある。

2-3スラゥェシ

スラウーシはフタバカキ科の分布がきわめて少

なく、 メラワン,レサックがゑられる軽度である。

おもな森林地描はマムジュとパ戸ポを結ぶ線よ

り北側と東側に分布し, 南側は見るべき森林はほ

とんどな、,。中部と南東スラウェシにはメルバウ,

プライ. ピンクンゴール, ナI、一などからなる混

交林があり. 40~75m3/haの蓄秋といわれてL、

る。またこの地域と北部にかけてアガチスが群生

する約300万haの森林があり, その響職は100

rn3/haといわれていあ。

わが刺に照タンの名で知られていあエポニイ

(DioSpyros)はト ミニイ瀦渦いと'1'部スラウェシ

にケドンドン(Santil・ia),パラピイ(Madhuca)、

メラワンとの混交林をなして. 30~40m3/haの

蓄積を有する。

2-4西イリアン

西イリアンの森林而秋は約3, 100"haでカリ

マンタンに次ぐ広大な森林地蹄をなしている。

すでに述べたように. フタバカキ科の樹砿はレ

サック(Vatica)がゑられる狸腫で,マトア, メ

ルバウ, ピンクンゴール, プライ, ジ、,Pンブウ

(Eugenia). ヒア(Homalium).ジュニI、リ(Ela-

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(2037)

当してL,る。地図部には地図課,測蹴課.航測課

の三つの課がある。

器材としてはステレオトップが2台と反射式立

体鏡が数台あるが, ステレオトップは格納され

たままで現在使朋されている形跡は忠られなかっ

た。航空写真の撮影および撫林洲査は林業公社か

行なう直営事業部門を除き林野総局ili独で実施す

ることはまれで,それらの大半は群林伐採権を与

えた地域に限られ、 伐採椛申鯏若のMMハ1負担によ

って行なわれて、・る。1970年室でに実施された森

林調査面積は2,346万haで全森林面談の約19%

となって、、る°搬影面談はこれよりかなり下まわ

るものと思われるが,正確な而枇はわからない。

航空写真の撮影事業は,圃営のP.N・Aerial

Surveyや半官半民的なP.'1,.Ai]・kaltoIndonesia

など2,3の航測会社によって行なわれ,林野総

局の森林地帯の図化もわが剛11嫌これらの航測会

社に外注されて1、る・

地図部の航測課のおもな業務は疎林判読である

か現在のところ森林地帯の境界線判読が主で,森

林内部の林相区分の実施までにはL、たっていな

'』 、◎

地図部の幹部職員にはオランダのI.'r、C(航測

の国際研修センター)を修業したものが多く、現

在も研修生として年に2,3矯派過し,航測技術

の向上に努めてし、る。

ここに現在の地図部の前身である空中写真判読

所細梨の〃空中写真判就典〃があるので熱帯林の

辱真判読上の参考資料としてその概要を述べる。

空中写真判読集(LegendaPenafsiranPotret

Udara)

| ,森林(Hutan;ForeSt)

森林タイプは次の三つの錐本的要因で分けられ

る。

(1)樹冠疎密度(Kerapatantadjuk)

e)地形と水位(Topogl・afidanHydrOgrafi)

(3)樹種(DjenispohoImja)

樹冠疎密度:

優勢木と準優勢水の樹冠疎楕度の象によって区

分する。現在主でのところ肢も艤済性の高い低地

林と丘陵林の一部で実施された。樹冠疎密度の判

読ばステレオス彗一プで旗接眺象とるか樹冠疎密

eocarpus), ナトー,チンガ(Neonauclea)など

によって柵成される低地降雨林が分布する。この

中で商業樹柵のマトアは胸高直径40Cm以上で

30~60m3/haの蓄積を占め, メルバウは40~70

m3/haの蒋職を持つとのことであった。慨して低

地と丘陵林にはマ'、アとメルバウが比絞的多く散

在して↓、るが群生とまでは、えない。

アガチメはこれらの低地降雨林内の後方で群状

をなし. アローカリア(Araucaria)はさらに後方

の高地降I*i林に出現する。その他マングローブ林

朧西海岸沿L,に帝生している。

なお西イリアンのマノクワリには西イリアン営

林局の’セクションである森林計画研究,教育

部局があり鵬葉館や航空写真判読室などが雛附さ

れていて. 西イリアンにおける林業技術教育の中

心的役鯏を果たしてした。

航空写爽はオランダ統治時代に搬影されたもの

で, 西イリアンの北側海岸線付近はおおむねカバ

ーされていた。写典縮尺{まl/10,000と1/40,00()

の2緬矧であった。そのほか樹極判読上有益な大

縮尺の斜写興が若干保管されて、.る。航測器典は

日本製の反射式立体鏡が1台だけであった。

2一5ジャワ

西部ジャワには降雨林があり, フタパガキ科の

樹木の混交はスマトラやカリマンタンほど多くな

いがスラウェシや西イリアンより多く混交して卜、

る◎

中東部の雨緑林地帯にはクマツヅラ科のチーク

の造林地が多、、。概してジャワ鳥の森林の特徴は

他臘,に比!峡して人工林が多L,ことであろう。

チーク林は中東部の石灰質土壌地帯(特にチェ

ブウとスマラン地区)に広く分布し、布塙林業地

を形成してL、る。伐期(90年)に達したチーク林

のha当たり蓄穣は120m3程度のようであった。

インドネシア全体のチーク林面職は約90万ha

である。そのほか空中写真で判読可能樹抓とされ

ているモクマオウ林(Casuarina)も東部ジャワに

分布している。

3. 森林航測の現状

インドネシアにおける森林航測業務はポゴール

にある林野総局計画局の地図部(DillasPemeta-

anDirektoratPe'・entjanaallKellutanan)が担

----9-

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(2038)

写其1雌下部の海津線の1

度仮と比較して行ない次の三つのクラスに区分

される。

密(Hutanlebat) f樹冠疎密度70%以上

中(Hutansedang) :樹冠疎密度40~70%

疎(Hutandjarang) :樹冠疎密度10~40%

地形と水位:

地形と水位による区分は森林開発計画に有川な

情報を提供する。すなわち立地条件や存在する樹

種の経済価値の度合↓、を知ることができる。地形

と水位による区分は次のとおりである。

(1)山丘林(HutanPegununganTinggi)

通常海抜高2,000m付近に生育し,樹冠の小さ

な一層の嬢林で織成されてL、る。空中写典には肺

陵林より明るい色に写り容易に判読することがで

きる。

(2)丘陵林(HUtanBukit)

高地に生育する2次林を含象急傾斜地と脈陵地

に分布する。通術樹冠競争が激しく,数肘の腹M

林になるため,樹冠による陰影が空中写爽上に現

われ.写真からの判読が容妨である。

(3)乾性低地林(HutanTanah-rendah

Ke'・ing)

森林の形態は氏陵林と同じであるが.侃陵地から

強く起伏する平坦地章での間に難られる°

(4)湿性低地林(HutallTanall-1・endahBasah)

このタイプは河川の両111で.剛期には河の水が

あふれるところに承られる。また乾性低地林と潅

水林または湿地林との間に染られる。通術このタ

イプは少なく, また存在する場合でも粥状に細く

現われるので判読が困難であり,写真判読上では

1列がモクマ淵-1シ‘クマオウ‘他の地域唯2次林

乾性低地林に入れること多い。

(5)湿地林(HutanRawa)

平畑地で術に淡水が注ぎ.埋水林と乾性低地林

との間に分布する。通常林木の間に薮や繩なの草

本木が繁茂し、大僅木IMIには凹地(満)があって

水が注L、でL、る。この森林タイプに類別される泥

炭林は東スマトラ. 西カリマンタンそして東カリ

マンタンに分布する。

(6)埋水林(HutanPajau)-マング匡一プ林

海水が没水する海岸やぬかる糸の河口の↓、たる

ところで感られ.各樹航それぞれ相違する植生条

件を持って↓、るので樹冠の競争は少ない。現在こ

のタイプは少なくなりつつある。樹冠は小さく写

興上の色調はりjるし、ものから賭し、色調まである。

仙生樹抓(Djenirl,umbuhall) :

樹靴の判読はその樹紘特有の形(模様)を写真

上に示すほどの特徴をもつ樹稲につ1,ては判読可

能である。またそれぞれの樹細の械生分布につ、

ての知識は樹械判誌を容易にするであろう。

聯蒋を形成する樹棚については群群自体の植生

状態力‘ら判読することが容搦である。判読が容易

なものとして, 次に柵げる樹靴または作物は、、ず

れも緋別の典型的な形態をもつものである。

(1) モクマオウ('rjemara,Casuarina)

遡淵海州&の船級に4鋼するがi儲山に生育する樹

靴もあ為。樹冠は典型的なIIl雛型をなしているか

ら‘ まわりの他の樹抓から容易に識別することが

できる。色澗は一般にIJIZく樹商は30mに連す

る海浄では通州石灰賛の砂地でSandhillに生育

する。 (以下次号)

-1()-

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〈2039)

第3段階は, 館2段階までは既存組紬の変災は

考臘されて↓、なかったのであるが, データ処理方

法との関連において再細成し, コンピューター耶

勝処理体系での組繊を作り上げるものである。そ

こでは定型的, 日常的な判断はコンピューターで

代行できる。

第4段階は経常の懲思決定の逝程を標地化, 自

励化しようとす為ものであるが, これの実現が可

能か否かにつ↓、ては鍛諭のあるところである。

以上のようなコンピューターの発展段階を想定

すると, アメリカでは第3段階にはL,っている先

駆的な企業もあるようであるが,わが国では多く

の企業は第2段階にとどまっているといわれてい

る。国右林野事業では第1段階も緒についたとこ

ろであるが, これからのコンピューター利用の帷

進方法を検討してし、くには,従来進めてきた那務

近代化事業の経過と乳況を理解してお↓、ていただ

きたく、 まず,あらすじを紹介しておきたい。

--<林業とコンピューター>--

国有林野事業における

コンピューター利用を考える

(1)

真柴孝司

(林野庁監在課)

l まえがき

これまで9回にわたり,林業におけるコンピュ

ーターの利用方法につ↓、て多くの例が詳細に紹介

された。そこでそれら利用技術を参考とし,積

極的に取り入れていくことを配慮しながら. これ

から本樵的なコンピューター利用を始めようとし

てし、る国有林野事業では, どのように推進してい

くべきかにつし、て考えていきたい。

国有林野事業は緑林のもつ公益的諸磯能への要

請など.急激な社会変化の中にあって,戦略的計

画の問題が相対的にきわめて重要になってきてお

り、一方事業収支の傾向的な悪化現象にかんが象,

間接部門の合理化など,総合的かつ抜本的な改善

が検討されている。=ソピューター利期の推進方

法唯こうした国有林野事業をめぐる環境に対処し

ていく方策として位置づけられることはもちろん

である。

さて, コンピューターの利用には、、くつかの

発展段階があるといわれている。

その第1段階は,給与計算や統計業務といった

集計計算を内容とする定型的な個別業務を機械化

して,人手を減少させ,事務処理をより速く正確

にしようとするものである。

第2段階は,綾械化された業務が拡大するにつ

れて,従来は各部門が同じ内容を別なの操式で垂

復して作成して、、たことが明らかとなり,形式や

内容を全体の総合的な観点から統一をはかろうと

する,いわゆる標準化を行なうものである。また

コンピューター利用を効果的にするため,処理の

基本となるデータ・ファイルも一つにまとめてし、

こうとする。

l 国有林野事業におけるコンピューター利用

の現況

国有林野事業における即蛎近代化は,昭和36年

に営林局署の4蛎近代化1蝶から始まった。これ

は「タック 「ユーザック500」等の計算タイプラ

イターを導入して, 日給制職員の鏡金計算,月給

制職員の給与計算.立木の販売予定価幡の計算,

製品の販売予定価絡の計算(以上を4関係業筋と

呼んで、、る)等の業務を処理するもので,現在も

全国で58台が稼動して、、る°

この辨務機械化と併行して.電子計卿機による

叫嚇処理方式等に関する調査研究を進め, とくに

昭和4<)年度からは個別業務のシステム設計を主

体とした準附研究が続けられた。昭和43年皮に

ば林野庁に国有林野事業経営邸勝近代化推進委員

会および経営事務近代化室を設侭して,電子計算

機等の事務機械を利用して行なう継営近代化に閥

する埜本椛想の簸定および具体的諸叫噸の検討が

行なわれた。

こうして、昭和45年度から,営林局暇におけ

る定型的業務を集中一賞処理する方法に関して,

東京営林局にOUK9200型通子計算機を段撤し,

答内全営林署について4関係業務を処理対象に実

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(2()40)

務化の実験を継続実施してきてL,る。システム開

発プログラム作成につb,ては,給与、徹金関係

がほぼ終了し,立木および製品関係は売払報告、

統計などが残されて、、る。

一方, こうした篭子計算機の導入による利用の

推進とともに,職員・労務・販売などの統計,森

林資源集計計算(森林調査簿の作成),測鼠成果計

算,地位指数計算(数量化計算),など多くの業務

に民間施設を利用してし‘る。

ところで, これらの具体的なシステム設計にあ

たっては,電子計算機の汎用性と高度処理能力を

十分に活用し, 原始データを集約的に利用する一

貫処理方式の推進と各甑符理資料の作成など.処

理範囲の拡大を図ることに留意してはいるが‘導

入機による実務化実敦の対象業務は従来タック等

の計算タイプライターで処理してきた4関係業務

であり,外注して、、る業務も定型的個別業務であ

る。すなわちコンピューター利用発展の第1段階

を推進してきたのであるが, ライン中心の事務を

機械化しようとするためラインの便利性,意向にしたかつて行なわれ,標準化,手統化,単一化な

どの合理性には必ずしも満足しなし、ものになり,

混乱を招し、たり, メリットが少ないとか,かえっ

て負担ばかり増大するとかの批判がでる場合がある、

一方国有林野事業内外の条件,環境の複雑さ.

迅速性の要求のきびしさなどから適切,豊漁な経

営情報が要求されて、、ることに対しては.前述の

問題点を克服して第1段階から第2段階に積皐上

げてL,くには.努力と時間が必要である。

そこで.現在必要悪視され,被害意識さえもた

れてL、る事務について,今日の問題点を認識し,

=ンピニーター利用の推進方法をもう一度考えて

蕊ることにする。

ライン活動にr職役だたせるためには変化してい

く塊象|'1体も克IJ1に把握されなければならな↓,か

ら、正確性と詳細性が要求され, 個別という伽に

とらわれたものになっていた。前述のコンピュー

ター利用発展の鋪1段階は明らかにこうしたライ

ンの日常業務活動の把握のための'l鰯処理能力の

垪大をめざしたものである。

さて.経常が多搬化,簡度化するにつれてり噸

負担がjW大する。例右林野馴業にお↓、ても,間接

要員かかなり肥大化した状態にあり. それでもな

おかつ溌林局, 林野庁と上位組繊になるにしたか

って「貸料が不足して、、る」とL,う不満が郷、の

である。それは国布林がかかえ込んでいる分析検

討を要する継営問題は山職熟しているか. それに

つ、、て何か検討しようとするとき必要な冊報が

不足あるLは見いだせないとL,うことを示してい

る.したがって.業務の実怖を明らかにしてお、・

て,そのうえに判断を加えて決定しようという考

え方に立つため,実術を明砿にするためにあの瞥

頚を出せ. これを作れと命令することになり,膨

大な報告苔を提供させられるライン部IIl1はたいへ

んな小務を負担させられることになる。

すなわち, 1鰯負担の増大はライン活動か大雄

多様化,復雑化したものばかりではなく. むしろ

ライン活動を有効に遂行させる経営締理の而から

の要請か強いことによる場合が多い。ここで問題

となるのは, このように要求される術報の槻相が

変化してきているのに, ライン担当者の私物に近

↓、姿の1鰯を. その婁室で強化しようとするとこ

ろに存在すると思われる。

トップやミドル・マネジメンl・あるL、はスタッ

フか利用する磯料は広い範囲のものであり, それ

に伴って大まかなものになるのに対し, ライン担

当者が利用するものは具体的行動をつねに最適に

させようとするものであるから, 貸料は明細にな

り. したがって大鼓に交錯する。業筋活動の記録

をそれぞれの担当者がバラバラに作り薇承上げた

報告沓ば,相互に関連性が薄、、ものの符染めにな

っており. 個盈の活勤や部分的な管理には役だっ

ても.全体的な, しかも予測的な今日の経営の要

諦には応じられない。そうなると, これからは削基上げられた報告書を曇て,維営や糠理の涜料と

~

11 コンピューターによる事務処理方法のデザ

イン

(1)今日の班務の問題点

従来の国有林野経営は日常の業務活動に依仔し

ていた--すなわち, ラインの努力と熟練に依存

してL,たと、、える。ラインの日常活動か主体であ

るから,事務は現象の把握という姿でとらえられ,

-12-

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(20'il)

する従来のやり方をすて,経営や管理の目的を遠

成するために資料を探究すると、、う,従来の報告

書制度とは逆の流れによって,経営符理↑I!i報を処

理することか重要となってくる。そこでは,貸料

の収集処理はあくまで計画錐定や管理機能のうえ

のシステムの一環であり.経営管理のI1的を達成

するうえで追求されるべきデータ・システムであ

る。

このように考えてくると. こうした計画策定や

管理のための情報としてのデータ・システムは.

目的を達成するのに必要な質料作成の基礎情報を

獲得しておいて, それを資料に変換するとも、うこ

とにより,必要とするところが, 自ら必要とする

資料を決定し、 自ら原始データを収集し処理しな

ければならない。すなわち,林野庁なり営林局は

自らの計画策定に必要な資料は,従来のように報

告識に依存するのではなく. 自らが必要な原始デ

ータを獲得し,変換処理しなければならない。そ

の資料は要求のつど原始データの収集から始め為

のでは間に合わないから. 日常から必要な原始デ

ータは収集・蓄職しておく.すなわちファイル化

しておき,定型,不定型,臨時の資料作成にもつ

ねに応じられる態勢を整えておく必要がある。

ここで.以上のような計画策定や管理のための

資料を経営管理情報, 日常の業務活動に心要な資

料を施業管理情報と呼ぶことにする。

さて,国有林の各組織一林野庁営林局,営

林署あるいは担当区事業所一が必要とする情

報の内容は,林野庁は経営管理情報が主体である

が,営林局,営林署になると施業管理情報の比亜

が増加し,担当区,事業所等現場組織では施業管

理情報が主体となるであろう。

前述したように,経営管理情報,施業管理梢報

ともに原始データを収集蓄積するのであるが,

生産する林木ほ自然条件に多くを依存し広大な

面積を管理する国有林野事業では,多くの原始デ

ータが各組織に共通して必要とするであろう。経

営管理怖報を主体とする林野庁の原始データが,

営林局でば林野庁独自の経営管理に関するデータ

ば棄却されるが,営林局独自の経営管理データ(多

くはないと思われる)と施業管理データが付加さ

れるであろう。

組織別原始データの内容

I,l5

I・is

伽)

現塒州撤

沸休将

こうして,林野庁から現場組織に移るにしたが

って共通データは経営筍哩hli|報から施業管理附報

として活附され,,付加あるも,は棄却されるデータ

ば経営符理データから施業笹理データに切り換え

ていかれるであろう。

以上のように桑てくると、股上位組識(林野庁)

の原始データ・ブァイルの作成から始め‘それに

付加・莱却して,営林局以下の下位紺繊の原始デ

ータ・ファイルを順次作成していく方法が考えら

れる。

この方法によれば,国ネj林野郡業内外のきびし

L,環境から要誌される経営臂理悩報データ・シス

テムの早期の作成,報告糾の廃止などによる]IF務

負担の軽減, ライン中心の事獅の機械化からの脱

却による標準化や統一化の促進などができる。

しかしながら. ライン活勁に直結する聯務は,

晴報の符哩体制に完全に包摂されるようになるま

では,あくまでもラインの手もとで処理され.か

つ利用されなければならない。全体としては. ま

だまだラインの努力と熟練に依存している面が大

きい現状力・らして, |測接部|"Iの合理化の要鯏に対

しては,定型的個別業務の通算化も同時に必要で

ある。

したがって.現実的には将来の統合を考噸し調

整しながら.上位組織から始める経営管理を主体

とする?l輪と,下位組織から始める施業智理を主

体とする4蛎を併行して進めていくのがよ↓、と考

えられる。

そこで、以上述べてきた問題点とその考え方か

ら.次号では,まず国有林野叩喋において, 馴蛎

のコンピニークー処理を実際に推進していく方法

をデザインして詮ることにする。

に.

-13-

共通データ

⑬←-経付軒理1僻{iとしての|伽き-④④-施業瀞理↑11級としての働き-→② )

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(2042)

8IIIO0IIII001I1Ⅱ”IⅡ1.。ⅡIⅡ001ⅡID‘IⅡ1100ⅡⅡ可ロ11Ⅱ100ⅡⅡ05111ⅡbOIIII0cIIIIIoaIⅡ畦呂 := == =一

山と地形-9 畠■

=言■

g■

三 三goIIIIh..'Ⅱ10.111Ⅱ.。11Ⅱ。、ⅡIⅡ。.Ⅱ冊・・ⅢU1..Ⅲ】・・11Ⅲ..Ⅱ11..1m1..1UⅡ・・IⅡ11.房

れやすい。一方,崖の低bゆるやかな斜面では,

BがなくなりCの部分もごく小さなものとなり,

ほとんどAとDのみからなる,ゆるくうねった地

形となる。 (写真-2)

また, ‐ド方侵食を行なってL、る河川に接した谷

の斜面は,その上部の斜面よりも傾斜が大きくな

るがこれは,川の侵食によってできるものである。

さて, このような基本的な形態をもつ斜面の全

体としての変化につ、て考える。岩屑や土壌が斜

面を下に向かって移勤していくことを全体として

-マス・ムーブメントと呼び, これには安定した地

塊との境にあるすべり面によって引き起こされる

地すべりや単純な山崩れ,土石流泥流,土壌の

クリープ(梱行)や雨食などがある。

シャープ(1938)は. このようなマス・ムーブ

メン1,を次のような四つの事項を基準にして分類

した。

1)連動の禰類:すべりまたは流れ

2)速さ:速↓,または遅、,

3)運動する物質の種類:岩屑や土壌または基

盤岩

4)運動する物質中の水または氷の脳:

これらを図式化したものが表-1である。

○柵行

最もゆっくりしたマス・ムープメントを伽行と

呼ぷ。棡行の速さは表面で最大となり!深くなる

につれて小さくなりやがて0となる。これは,地

面近くの幹の曲がった木や,傾いた概造物(垣根

や電柱など)によって知ることができる。この連

動は主として.土壌中にし象こむ雨水や鮒によっ

て引き起こされるものであり,植物の根によって

も生ずる。もち上げられた粒子が諏力によって下

方に移動することにより.起こるものであ為。

地形と空中写真

(2)

淵本正隆

(アジア航測KK)

斜面のなりたち

斜面のなりたちにつし、て, A・ウッドはそれが

四つの部分からなることを推察した。(図-1)す

なわち,上部から下部に向かって次のような順序

で並んでb,る・

A)次第に急になる斜面;丘の表面で次第に急

になりBに続く凸形斜面

B)自由面:切りたった崖の一般に裸地の部分

で風化された岩屑が落下する

C)一定の斜面: Bからもたらされる岩屑の安

息角になった斜面で巌錐斜面と呼ばれる

D)次第にゆるくなる斜面:谷底に続くゆるや

かな斜面で凹形斜面となる

すべての斜面で, この四つの部分が全部あるわ

けではなく, ある部分かくり返し出現したり、あ

る部分が欠落していたりする。

たとえば、写真-1に示されるように、 BとC

がくり返し起こる場合がある。これはBの部分に

相当するところが,抵抗力のある硬い岩石からな

ってい為ためで, Cの部分はBよりも早く侵食さ

~

表-1 夷'ス・ムーブメントの分類

(シャープ,A・ホームズ)

通 勤 岩屑または土壌

落す速お

下りれれ

岩屑や土壌の落下

岩屑や土壌のすべり

土石流、泥流

器隅や土壌の伽行

ル、流

そL、流

図-1斜面の要素(A・ホームズ)

-14-

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(20」13)

一・零‘.ーマーーロ“6

■■ 刻、|が

匙凸。』

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、瞠且昌幸L

…麦

1

I

が典-1銚子市付近の海弾

ヶ期r砦

写真-2 UI都町付近の山地

O土洞流と泥流 ○山崩れ

この巡勤は1m行より急速で一般に谷に沿って流 一般に山崩れと地すべりは‘

れるものであり‘水びたしになった岩肝や土壊か 移動の形式によって,分けて

かゆ状になり, ↓、つきに流下する。火山の爆発に では.急速なマス・ムープメ

関連し,水に飽,fI1された火山灰が泥流となり流下 ことにする。

し,大きな災Wを引き起こすことがある。 モランの法則によりすべり

-15-

一般に山崩れと地すべりは‘ すべり面の打熈や

移動の形式によって,分けて考えられるが,ここ

では.急速なマス・ムープメントを山川jれと呼ぶ

ことにする。

モランの法則によりすべりの耀擦係数は,傾斜

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(2044)

図-2地層が流れ盤になって、る斜面

(A・ホームズ)

角のtangentに等しL,ことが知られている。一般

にl曜襟係数が1よりも大き↓,ものはあまりないの

で. 45°以上の斜面では摩擦だけで岩屑や土壌を

表面に保持することはむずかしい。したがって,

雄やカールの上部などの急斜面では,岩脳などの

落下が起こる。山崩れが起こるのに必要な条件は,

急斜面の前面にささえかないことと,すべり面が

あることである。河川や逆路などで~ドが切り取ら

れた斜面,特に地層や節理が流れ盤になって、、る

ところでは崩れが起こりやすし, (図-2)。また,

岩屑の崩壊は,湾曲したすべり面に沿って起こる

(図-3)。

いわゆる地すべりと呼ばれるものであり, その

跡地は馬蹄形の地形で特徴づけられる。

O雨食

図-3地すべり,未間結の地層の中の湾曲した面に

沿って崩落する。 (A・ホームズ)

土壌が‘随物でおおわれ、 保護されて、、ないとこ

ろでは,雨滴によって侵食される。

雨滴のこの働きにつb、ての最近の研究では,強

L,雨の場合, 4000m2当たり100tの土壌が動くこ

とがわかった。雨滴による侵食を防ぐために段を

畑を作ったりしているが, ほとんど効果がなし、と

、,われている。械物などのおおいが必要なのであ

る。この雨滴の険食の結果は土柱と呼ばれる特異

な地形を作り, その斜面の縦断形はほとんど直線

となり、ほぼ平行に後退していく。

斜面のなりたちについて,以上の事項は一つの

斜面のできてb、く過程であり.河川や野氷などの

営力を別にすれば、 このようにして斜面は作られ

発達しながら現在承る山地の地形が形成されてい

く。

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(2045)

しかし本陵における航測技術教育は, これまで

のところ測樹」の部門だけにとど室り,「測|iit」

には及んでL、なL,ことを残念に思うとともに,お

ことわりを御て以下の記述を進めて、、きたいと思

う。

クコ 』”夕 〃〃〃少ク

ククゥ

印P

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″■・

〃少与p〃か才f

ひげ庁凸

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やむも屯、、

。■●ccも巳農林高校における

,錫 ?〃

航測技術教育、

2. 本校における航測技術教育の位置づけ

本校林業科における現行教育課狸(Wl!1教科)

は次のとおりである。

。F争

生も認ク

PJ〃牝

fザ〃卑

艮J■げ

り〃グク

タゲ〃卓

押〃岬”

抄〃ヴク

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徒に関心を〃f"グイザザグか"’‘ク』必』j』〃のβグ』

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たせる"""βタグeFJタゲ"ググタヴクググタグdタケPヴヴgロ ■ロゲヴタク〃クタ”ダタ”』

枚ド:’ 科 目

青.林

伐木運材

砂防

休産製造

木材加工

森林経理法規

測量

唯用力学

林莱機械

総合爽習

3 !i23

13 2

333

8333599334

佐藤義明

(大分県立日Ⅲ林工商等学佼)

3533

ワ岸ワ】4

農粥1. はじめに

昭墹131年に農林猫校に赴任し「林業経済」を担

当することになった。

当時の「測樹は教科書に航測技術につL、て,ほ

んの数行出かれているにすぎな↓、ので, まったく

その内容にふれ為ことなく授業を進めていた。

その数年後に農山村の人口流出が社会問題化さ

れはじめ, これに伴って林業労賃の衞鵬が目だち

はじめてから蘇林計測の近代化の必要性力蛸大す

るとともに航測技術に関する瞥籍が次念に発刊さ

れ.林業雑雄にもたびたび登場するようになって

きたと思う。

このような背策のなかで,林業の現場でも航測

技術を導入する機会が多くなってきたので,農林

高校にお↓、てもこれら教育の必要性が生じてき

た。

しかし残念ながら本校教師のなかで航測技術教

育をうけた瀦は皆無であったので, b,ちばん若年

のわたくしが勉強して象ようとb,うことになり.

九大股学部林学第一紋室に内地留学をお願いし

た。

わずか6カ月の短L・期間ではあったが,先生方

の懇切てl,ねいなど指導により航測技術のアウト

ラインがつかめたように思えてきた。

その翌年より「森林経理法規」と改まった教科

のなかで本校では,初めて航測技術教育の場が設

けられるようになった。

ワごり】

34

,:| 11 17 5()ゾリ凹哩

」表○印の部分の2単位で航測技術敦宥を取り扱

っている。

その内択は.①20時間が標本抽出調査の仕方,

②20時間が航空写真による森林蓄職推定の仕方で

あり,上記の内容がおよそ理解できた段階で10月

ド旬に淡習林実習(3泊4日)において.そのデ

ータを収集し,③残り20時間をもって航空写典の

判読によぁデータを加えて卒業レポ-1・の作成を

行なわせて↓る。戸

3. 航測技術教育に関する器材

本校における航測技術教育関係の現有器材は汰

のとおりであ為・

反射式実体鏡 4台

ポケッ1、式実体鏡 20台

フィルドァウトプットF・D 4MI

航測判読スケール 4組

点椛子絞 4組

となっている。

4. 生徒に関心をもたせる手だて

-17-

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(2046)

農林高校における技術教育では理論を脱き,原

理を理解させることももちろん瓜要ではあるが,

技術を要求される現場でどのように活ハ1すること

ができるかの知識および技能の修御がそれ以上に

重要であろうと思われる。

このため教育活動としては,通りいつくんの識

義中心の授業では技術教育の理解は十分ではな

、、。そこで本校では航測器材の布効利川と航空写

真を身近に感じさせ,興味と関心をもたせるため

のひとつの手段として次のように1クラスを20名

単位の2班に分割して4時間連統の授業を行なっ

ている。

e肉眼で実体視できるよう練習をくり返させ

このようにして立体像の観察ができるようにな

ると興味をもち抵抗なく写真に近づくことがで

きるようになる。

4. 主体および目標事物の指針と移写の仕方

指針と移写は航測技術教育のなかでも基本的事

菰であり竃要であるので十分時間をさいて何度も

くり返し徹底的に履修させなければならない。

5. 使用航空写真の撮影高度や基線長の計算

この場合は計算方法を説明するなかで,各グル

ープごとに異なる写真を用意してやり, 1/50,000

の地図を与え,併行して計算させると効果が大き

いc

もちろん,教師側でまえもって計算値は確かめ

ておき.正しく求められるように指導してし、かな

けれぱならない。

6. 森林の判読の仕方

,卜|職スケールを用b,て,疎密度樹冠直径,そ

の他多くの要因の判読をしなければならなL,が,

爵蕊で説明しても技術教育の効果はあげにくい。

実際に航空写典を実体視して判読をくり返すこと

によりはじめて技術の修得が得られる。

7 視差測定梓による視謹なの測定の仕方

この祝麓なの測定の仕方は言菜ではどうしても

表現しにくく, また生徒の理解も得られにくいの

で何度も視差測定梓の操作をくり返し根気強く指

導する以外に方法はない。校舎の高さ,校庭の樹

間等を実測しておし、て, 各人の読皐とった視差灸

の値と対比させて正しい値が求められるよう反復

減習するようにしている。この技術をマスターす

るには個人差か大きくどうしてもできないまま卒

業していく者がかなり多いことは残念でならな

い。しかし今年は双視実体鏡の購入のメドがつい

たので全員が読ぶとりできるようL、っそうの努力

をしたいと思ってb,る°

以上述べてきたように航測技術教育は講義や説

明によって修得できるものではなく、反復浪習に

よっての皐身につけることができるのである。そ

れゆえに技術をマスターできなL、生徒は関心もな

く,葛びも得られない。

根気強く,ひとつ.ひとつ技術を自分のものに

(A班)離法1週おきに

勝偏潅,(B斑)育林

経法羅法育林育林

護法経法育林育林

授業の進め方としては,始業前に航空写爽およ

び必要器材を準備しておき.授業の進行途中で↓、

つでも写真をのぞけるようにしておき,技術を修

得しやすくするように心がけてし、る。

たとえば次のような場合にこの方法が効果的で

あり関心を高めるのに役だてることができる。

1. 航空写典の搬影の仕方

一連の航空写典を川懲しておき0I, SIがどの

くらいあるかは各人が写典で砿かめることにより

理解が助けられる。

2, 航空写真の並べ方

一応の写其の並べ方は指導するが.実際にどの

ように並べれば正しく観察できるかを各グループ

(5翁1班)ごとに研究して確実に虻えさせるの

に効果がある。

3. 特定事物の実体視の仕方

山頂,谷,尾根,柵。池物,林分,孤立木輔の

実体視を行なわせる。

最初はどのような場合が実体視できて、、るかが

よくわからないので汰のような手順で行なわせて

いるo

①赤外線,紫外線写真の組皐合わせたものを

メガネでのぞかせ立体像を把握させる

@ポケット実体鏡を各人に与えて、、ろいろな

実体視の練習をさせる

④反射式実体鏡をハ1L、てし、ろいろな那物の実体視を練習させる

-18-

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(20』17)

けれども.現在これに取り組んでし、る学校はきわ

めて少数であると聞も、てL,る。

林業の現糊では大輻に採用されて、、るにもかか

わらず、 淵校教育の場であまり取り扱われて1,な

いのは次のような理由によるものと思われる。

1. 前号(93号)で風間先生が指摘しているよう

に,指灘要慨では「航空写真による資源調査とし

て写典の見方とそれに基づく森林の樹樋本数の

判定,林水の樹擶,直径,材積,成長鎧などの測

定法およびこれを利用した賃源調査のあらましを

理解させる」としながらも教科書ではわずか2ペ

ージをさL,ているにすぎず, ウエイトをかけてい

るとは思われないような扱いをして、、るところに

まずII1題があると思う。

次回の改訂では大幅にとり入れてし、ただくよう

に関係老が努力しなければならない。

2. 農林高校の教師のなかで.在学中航測教育を

うけてL,なし、者が大多数であると思う。

日進月歩の産業界に教育か立ち遅れないように

するためには,教師に研修の機会を十分与えて↓、

ただけるよう予算の配分職員定数配分等におい

ても当局に働きかける努力をしなければならな

’,。ただ航測技術教育を開始するにあたっては図

化教育振り職を活川して器材の購入を行なって普

及に努力すべき時期にきていると思う。

壁口声

茜繊〆一

f『こ--

=雷

していき,征1IMの満足感を与えながら進まなけれ

ばならないところにむずかしさがある.

くり返して述べるのでくどくなると思うが,航

測技術教育を行なうにあたってわたくしは次のよ

うなことに割窓して指導しなければならないと思

ってL、る。

①職義‘|』心の授業の進め方でば理解が不十分

であり関心も示さなL,。

航空写真や必要な器材を常時利用できる態勢を

作ってやり,技術を身につけるのに都合のよ↓環

境を盤えてやること。

②教師は時間内の指導だけにとらわれず,実

習教師との泗棚を密にして課外の指導もやらなけ

ればならな↓、こともあること。

③技術修r!}の途中で落後し興味も関心もなく

してしまう生徒の生じることを防止するためには

ときにはきわめてきびしい指導をしなければなら

ない。そして征服の満足感をできるだけ多くの生

徒に味わわせることか砿要であること.

これらのことを猟感するものである。

本校では航測技術教育を始めて今年で6年目を

迎えた。今日になって思うことは,指導者が未熟

であるため指導の撤底を欠、・たことが多かった。

初めのうちは生徒に関心をもたせる教育を行なう

余椿すらなく,納得のいく授業ができなかったこ

とを残念に思うととも牧師として申し訳なく思っ

て↓る。今後もひきつづき研修を兎ね航測技術

教育に典味をし、だかせる方法を求めなければなら

ないと思ってし‘る。諸兄のご助言を賜わりたい。

誤植訂正

○93号(7月号) 「デジクルカラー写真による緑地

捌瀧の執兼謝板垣,八木両氏より計算ミスの訂正

がござ↓、ましたので.おわびとともに次のように訂

正いたします。

OP14,表-2, 1/50,000の明緑×一○

○右側上4行目,黒から暗緑一→黒から明緑

O炎-3, 1/50,000の緑地などの暗緑一→明緑

O喪-3, 1/50,000の緑地などの28%-→32%

O変-3, 1/50,000の緑地の28%一→32%

OP23の写真2,写真3の写真が逆にぱいっており

ましたので悩んでおわび申し上げ訂正いたします。

5. むすび

農林高校における航測技術教育とひと口に、、う

-19-

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(2048)

ひょうて↓、先生が,思わずもらしたつぶやきの

ひと言は実はひょうてい先生の頭の中に渦巻い

ている新い、技術の州発のことであった。い、よい

よだ』と↓、った,そのいよいよJは,長い間ひそ

かにもくろんで↓‘たある実験のスタートが, 1,

よいよ飴まることを葱味していたのである。

フォールス・カラーという便利なものが、 反面

非常に不便利な一而を捗って、,ることは前にも少

し熱,た°そのほかにもまだ幾つかあった。この

不便利を解消する方法,つまり薗典の真の意味は、

常に安定した測定や澗張のできる物質や方法が作

り出せ紗、のか. ということなのである。この問

題に,つまり現代の股新とb、われる技術に侠疑の

念を抱したのは,実ばずっと古くからであった。

昭和39年から昭刷140年にかけて. 日本の経済

界には激し、、嵐が吹きまくっていたことは, いま

だに多くの日本人の記憾に幾っている邪実なので

ある。貧乏人は炎を食え, と放討した大臓の,所

得倍増論の掛け声で‘好況の熱に浮かれていた結

末はあ室りにも無惨であった。

商度経済成畏政餓のひず染は. 日本国土のすべ

てにわたって,企業倒箙という形で表面化してき

たのである。ひょうてし、先生か勤めていた前の会

社もそのひとつであった。先生の記悩の底に,わ

ずかに残っている, 当時のお砿ろげな追憶の糸を

たどって染ると, それはjliに経済状況だけが原因

でもなく,実は経僻者の放泄な経慨にも原悶があ

ったようである。とにかく肝究室に|洲じこもって

いた先生が,それを知ったのは, し,ままで月末に

きちんともらっていたサラリーが, あるH,突然

出なくなったということからであった。

そのころのひ鋲うて、、先堆は, 2色カラーの研

究と開発に没頭して↓、た。2色カラーとし、うのは.

アメリカのランド博士によって発見された新い、

色彩学上の理論であった。人間ば長い間, 自分た

ちの眼に映る外界の多様な色彩を、すべて3原色

の理論でかたずけてきたのである。これは小学生

のころから頭の中に叩きこまれてきた助かすこと

のできな↓、ものとされてL,たことは,ほとんどの

人たちが身に覚えのあることだろう。

ところがランド博士の発見によると、 3脱色で

なく2色ですべての色彩かii"↓できると、、う, ま

さに長い間の学問の雌火を変えるような驚くべき

大発見であった。 |世界!|』の学料や技術新たちが蝋って, この追試をした。新IⅡiや維離もそれを火を

的に報じた。そしてその結果は,↓、ずれも,ランド

博士の説が正しかったことを,卿J1したのである。

人生の大半を.空中写其の世界に生きてき, そ

の中でも. カラー写其の研究を.人に先がけて実

験してきたひェうてい先生にとって, これらの4ド

実は,見のがすことのできないことであった。

ランド博士の2色の理輪か,噌中写典に再現で

きな↓、かと、、うことであった。幾日も幾夜も考え

抜&・た末,実験は,やはり鵡礎から始められた。

そのころの勤秘先の屋上で.その実織が始まっ

たのである。たばこを喫わないひょうてL,先生が,

たばこ屋の店頭に並んで、、る全部のたばこを, 1

箱ずつ買ってくれるように, 研究室のお嬢さんに

頼んだ時, そのお峻さんのびっくりした,まるま

ると見開、、た、 あの奇瀧な|脳か、なぜかひょうて

い先生の記憶に鮮やかに残って↓、る。 1畠仙台の上

に並べられたたばこの箱の枇に,花瓶に鵬った花

束と,あるカラーチ1.-卜が玖てられた。映川IMI係の人の間では‘附拙になっているカラーチャート

も空中写真の関係者にとっては, 初めて見るしろ

ものであった。プロの使う大型の2眼レフを据え

つけて, これを搬影したのである。白黒のフィル

ムであった。ステレオ専用の三脚の左の端におり、

たカメラには,ある鞭のフィル′-がつけられた。

何枚か露出を変えて写した後で,右端に寄せられ

-20

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(20.19)

る。これは研究費の少ない実験にとっては, うっ

てつけの材料であった。たった1本のカラーフイ

ルムをつめた愛用のニーンで. 団地の屋隈を写し

とるだけで.莫大なカラー対空標識の設置晩か節

約できたのである。

前の屋上でのテストと、その後の手作りの器材

を使って,ふたたび同じテス1,がくり返された。

結果は, 重さに上々の出来であった。ひょうてし、

先4kの予感は的中したのである。そして, このし

溌一卜こそ、 煮っ先に外国で発表しよう。こうし

て若↓、助手の人たちの協力で. 着匙と実験データ

の雛理と,英文のレポートが作られた。ほとんど

の雌伽ができた時,突然, ひょうてい先生たちに

告げられたのは,勤め先の会社が室さに倒産寸前

まできてL、ると↓、う,驚くべき率実の発表であっ

た。すべての努力も,貴重な実験のデータも.す

べてはゼ戸になってし蓑った°

あれから,すでに数年の年月が,まるで瞬間の

ように流れ去ってしまった。そして,ひょうてい

先生の身にも,大きな変化があった。それより,も

っと大きな変化は,ひょうて↓、先生の住んでL、る

蟻中年典の世界であった。アメリカとソ巡の,火

の出るような宇宙開発の競争は,必然的に空中写

典の仙界へ波及しなければならなかった。はあか

宇宙の彼方にある,未知の他の天体を調べるのに

は.空中写真に頼る以外にはなかったのである。

あの巨大な戸ケットも,数盈の宇宙開発へのテス

トも‘妓初は,すべて他の天体の. ここでは月に

指向されていたが,表面の写真を写すためと極言

してもさしつかえないといってよいだろう。

新しく宇宙写真とL,う言葉も生まれたぼどであ

る。こうした全く未知の物体を.人間が直接手に

ふれてみることのできなし物体を.ただ写爽によ

って正碓に判断しなければならな↓,という命題を

解決するために生まれた新しL,空中写其がある。

それは,ひょうてい先生が, 発表しないまま,む

なしくキャビネットにしまいこまねばならなかっ

た2色カラーの実験を, さらに大きく変展させた

方式であった。この方式は,マルチ・スペクI、ラ

ル・イメージ・システムと呼織れた。酒の席の終

わりに,ひょうてい先生が,思わずつぶやいた寓

葉は,=l;kこのマルチ・イメージの研究のスター

トをもらしたつぶやきであったのである。

カメラには,別のフィルターがつけられた。そし

て現像されたプ部ルムから作られた大型の誰ジブ

ィルムが, ある裟臘をした反射立体鏡にセットさ

れた。

たばこと花束とカラーチャートは浮き出してき

て立体に見えてきた。ひょうてい先生の手が,反

射血体鏡のところで,何かもさもさと動、、た。次

に槻察した人の眼には, いままで白黒の立体写興だったのに,不忠雛にも色彩が,鮮やかとまでは

いかないが色が出てしたのである。たばこの紺の

色は,たし、ていの人が知ってb,る。皆それぞれに

箱の色を答えた。現物もそこにあった。あるたば

この箱は,正直にそのものずばりの色であったが,

ある職のたばこの箱の色は若干変化していた。ま

た色そのものは同じように見えても.濃度は違っ

て↓、た。

例のニヤニヤしたし叢りのな、顔付で,ひょう

てい先生は, ホルダーに挟みこんだ紙片に克明に

何人かの観嬢者の回答を記入してL,た。ここにひ

とつのトリックがあった。たばこの箱の色は知っ

ていても,その柵にあるカラーチャートの色彩は,

誰も知らなかった。ひょうてい先生が,丹念に記

入していたのは,観察者が報告するカラーチ1,-

1、のそれぞれの枠内がどんな色に見えるかであっ

た。ひと通りの実験が終わってからのちは1人の

助手によって,幾日ものテストが続けられた。そ

してある日,実際の飛行テストが開始されたので

ある。それ叢でにはかなりの日数が経過していた。

アメリカから大型のゼラチンフィルターが届↓、

た・秋紫原から葹気器具が買い求められた。手作

りのベニヤ板製の遊具も作られた。そうしたある

日.実際に飛行機は, ひょうてL、先生の家の上を

中心にして一徹線に21''1のテスト撮影が行なわれ

たのである。もちろん,そのフライトのたびに,機

上で肱フィルヅーの交換が行なわれたのである。

なぜ,ひょうてL,先生の家の上を飛んだのであ

ろうか?理由はいたって簡単であった。それば

ひょうてい先生が引っ越したばかりの郊外の山の

斜面に作られた団地の.分譲住宅ばかりが30軒余

り並んだ,その団地内の家は.すべてカラートタ

ンの屋根であって, しかも都合のよいことには,

すべて, 1軒1軒巡ったペンキ塗りであった。つ

まり団地の家を, カラーの対空標識にしたのであ

-2】.-

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(2050)

空からみた治山・治水

〔9〕

日磁幸雄

(林野庁業務課)

大沢崩れ

~お憐士さんの手術~

へプロローグ

「日本人の心の故郷である窟士1l.1がアブナイ。こ

のま童、、けば真っ三つになってしまう。」一昨年の

国会の黍員会でこの話が出て以来窟士山の大沢

崩れはがぜんll上11ilの注目を浴びることになった。

「山鳴りとともにゴォーッと音をたてて山の上

から黒し、カタマリが押し寄せてくる。言葉じゃい

えな↓'こわさ(滴』:砂防工鯲事務所)土石流~大

量の水を含んだ土砂が山肌から崩れ, これが巨大

な岩をも呑糸こんで猛烈な勢↓、で流下する。今年

はまさに大沢くずれのあばれ年と↓、えそうであ

るo 5月に2度, 6月に1腱そして7月に1度,

土石流は下流に押し出されて霊峰常士に刻み込ま

れた傷は,そのたびに深く大きくなっていく。

大沢崩れ

大沢崩れ,正式の墹称は,南士・大沢川という。

標高3,776m, 日本股澗の山頂rI下(剣ケ柔北側)

から山龍まで緋く沢。洲土山を真っ二つに引き裂

くとい、われるこの沢は,深さ200mのV字型の

谷を作り,年間20数万1113の土石を絶え間なく生

産してb、る。

この大沢は,堆秋州を除く侵食帯から流過帯に

至る渓流を,侵食僻,準優食帯.準流下帯,流下

帯に分けている。刷壊地上部(3,700m)から5合

目の御中逆(標商2,500m)までが侵食帯御中

道から大滝(標間1,500m)が灘侵食帯,大滝か

ら岩甑上部(槻間1,250m)までが準流下帯,岩

樋からその下端(標臘i 90()m)が流下帯となって

下方の扇状堆秋地につながっている。 し、ままでに

もこれらの地粥に適応した対簸が緋ぜられてきた

写真-1 常1:11 1大沢崩れ.源噸部より下方にかけての侵食部分,思わず目を見はるすさまじ↓、荒廃である。溶器流と玄武甥・火山灰砂によるV字谷には土石が不安定に唯制して下流に牙をむI、てl、る。この源沢部の崩れを人工的にとめるのは.現在の技術で【ま不可能に近い。

が,最近の大沢のあばれよう!ま, これらの対莱を

根本から再検討する必典に迫られて、,る・

今年の6月はじめの豪開では.土砂の一部が渦

井川の渓床を商めながら, 30km下流の田子の浦

湾まで一気に流下した。そして同時に過去の防災

施設を埋没させるとともに. 下流の白糸一大坂線

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(2051)

写真-2期侵食地帯の国有柿こ東京営林局が築批

したNo.5治山ダムである。渓床勾配を緩和すると

ともに1町岩を固定して土禰流の侵食を軽減している。

72年の災沸でもこれらのダム群は大きな効果を発揮して対縦委蜘のノン,<-に賞賛されたことは本文に

も郷、た。問埠の植生は,質ケカンバ,シラペ, ミヤマハンノキ, コブ.ラ.ヤシャプシの瀦木林である。

ここの防災にグリーンベルト陰必要であり, これをつくるのが林野庁である。

の河床橘は巨岩がゴロゴP堆積して通行止め,大

石寺枇を流れる淵井川の渓床は2mもあがり.美

し↓、大沼沌も泥だらけになった。

エンの下の力持ち

この大沢崩れ防災率業のパイオニア、つまり,

大沢の大瀧廃地に最初に挑戦したのはほかならぬ

国右林である。国有林治山事業は.標高1,250m

から1160()mまでの両岸が国有林である準侵食帯

に昭和33年から45年までに,えん堤5基,床固

1韮,水制工10",護岸工などを施工して.災磐

の防止,軽減に努めてきた。

しかしこの国布林の努力は世間にはあまり知ら

れていな↓、。災害のたびにマスコミは.建設省を

大きく取りあげるけれども, これが筆者には不可

思識に思えてならな1,。ともあれ国有林のこの陰

の力をここで訴えたいのである。

そしてさらに一言,今年の災害の実態から、大沢

ルlれ対餓郡l '11委此会が各省庁等の専門家を中心に

組繊されたが, 先日の現地調査で国有林の施設が

予想外に大きな機能を果たして, 災害を妓少限に

食い」'二めている事実を知り,賞賛の声がしきりで

あったという.まさにニンの下の力持ちであろう。

宮士を守る

遠望すればひときわ気高t、富士も.中に入れば

写其-3, $1床間と蛇篭で抑止された下流堆枇扇

状地僻の荒廃状況である。連設省(南士山砂防工11ドリ柵所)はここに大規摸の砂防ダム等を造って.災害防止に立ち向かっている,砂防と土流治山とは細憎な迎係が図られなければならない。

大娠石の崩落が続く荒廃の山である。火山国日本

の禰命とはいえ,今回も火山を取りあげることに

なった。それにしてもあ主りにもそのスケールは

大きく、大自然に真向から挑むには人の力はあま

りにも小さ↓,ようである。しかし狭1,国土から山

の災害をなくすため,今日も治山,砂防の技術岩

は黙灸とこの山肌に取りくんでL,為。美しい盤か

で平和な国土を作るため血と汗にま難れてその努

力は黙盗と続けられているのだ。

IV{和47年9月l「1発行(2カ月1回発行)

森林航測第94号

発行所社団法人日本林業技術協会

東厳梛千代m区六番町7秀地・郵便瀞号(102)電話蝿(261)5281(代表)-5振替)I"60.148

定価1部60円 (送料爽磯)

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鯉日本林野測量協会(略称林測協)(昭和46年10月6日社団法人測可)

〔アルプァベット順〕

中日本航空測量K.K.名古屋市熱田区7餓町3-2-l

お古屋(881)6178

中庭測通K. K刺疎都渋谷区惑比寿3-1-3(443)7311

日 本航業K_ K.膜魁市出肪2-13-18広島(51)2334

日本林業技術協会東京稲千代田区六溢町7(261〕5281

株式会社オオ(東京都目胤区青菜台4-4-12-101号(4m0111

K. K.大阪写真測量所大阪市天王寺区上本町3-3大阪(768)3141

大阪測鎧K. K.大阪市生野区猫飼野中l-5大阪<717)2139

パシブdf ツク航業K.K典京郡目叫区加u2-13-5(715) 1611

セントラル航業KK.金沢市隈野町2-5-22金沢(42)6281

昭和測批工業K. K.東蹴都北区.h中里1-11-6(91の7111

大成測麓K. K_東京都世|II1'谷区深沢町5-22-9(703) 1321

大洋測鐙K、 K.東京邪大圃腫脹池k台41-21-9(726)2511

玉野測危設計K. K.名古騎I疎区小川町49名古屋(971)85‘11

東北測量K. K.腎森市合棚1-2-16青森(34)8331

束典測戯設計K. K.蛎京郁目凧区上目州↓-17-1 (719)6491

東洋航空惑業K.K.リリ鰍都蝋胤区爽池袋1-25-1(日本火災海上ピル4F) (987)1551

羽 後 測 澄 所秋田市泉錐ノ町28-15 秋田(23)0438

アジア航測K. K.東京郁世田谷区独巻5-2-16〈429)2151

朝日測斌設計KK.東京都中野区中野6-32-18(369〉1266

第一航業K、 K.東京都杉並区阿住谷北3-41-12(339)2191

大和測赴設計K. K.東京都杉並区営前3-34-23(334)3311

大同航測K. K.東京都杉並区成田東4-10-13(313)8321

窟士測鐙K. K大阪市天王寺区伶人町65大阪(771)5422

富士航測ゴソサルタントK.K.尼崎市枕棚専烏11大賑(401)7486

八州測量K、 K・東京郁W陥区西新宿6-9-20(342)3621

平和 illl H: K. K.東京都港区白金台2-9-25(441)3905

束日本航空K_ K.新座市野火止22560484(71)2555

北海航測K. K.札幌市北.1条西20丁目(北西ピル内)

札提(611)8043

関東測鐘K. K.前侭市変町1-18-割前侭(21)1435

K. K・ 協同測量社長野市安茂肌671長野(2の5691

K.K.協立コンサルタント東蹴都大田区矢口2-13-6〔75の7721

北日本測錘K. K.金沢市洩野木町2-2-5金沢(5"3211

国際航業K. K.東京都千代in区六冊町2(262)6221

K. K・航空写真測量所東京抓台東区上野3-1-8(833)4251

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5.B■日日■■■89qaEK■9正50

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事務局・東京都千代田区六番町七稀地(〒10の

日本林業技術協会内

TEL (261)321 1~2