集中講義 次世代の...
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担当教員
福島第一原発事故を契機として、ひきつづき原発依存度の低減が求められる中、将来の日本のエネルギー需給をいかに構想すべきか。
「エネルギーワークショップ」*の手法と簡易版シミュレーションを使って、徹底的に議論します。科学に期待される役割が大きいが科学のみでは答えが出せない、「科学と社会のはざま」の問題に、
異分野の人と協働してねばり強く取り組む能力を培う授業です。文系を含む、理学院以外の大学院生の受講も歓迎します。
理学院専門科目「自然史科学特別講義Ⅳ」2017 年度 北海道大学大学院
次世代のエネルギー選択を考える
理学院 科学技術コミュニケーション研究室(担当:三上)E-mail [email protected] /内線 5306
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集 中 講 義
2 単 位
三上直之(理学院准教授)
本科目の責任教員。専門は科学技術社会論、科学技術コミュニケーション、環境社会学。高等教育推進機構高等教育研究部門所属。
柳下正治(上智大学客員教授、環境政策対話研究所代表理事)
専門は環境政策。環境省勤務を経て、名古屋大、上智大教授を歴任。低炭素社会やエネルギー政策を対象として市民参加手法の開発・実践に取り組む。
木村 浩(NPO法人パブリックアウトリーチ研究統括)
専門は原子力に関するリスクコミュニケーション。話し合いのファシリテーションにも造詣が深い。東大大学院工学系研究科博士課程修了。博士(工学)。
5月27日土、 28日日6月17日土、 18日日
2017年日時[5 月 27 日土 10:30 開講]
※時間割の詳細は授業初日にお知らせします
場所 北海道大学理学部 5号館2階201室
定員 約30名受講希望者は授業内容を確認の上、所属の研究科・学院等で履修登録の手続きをしてください。
授業の詳細は裏面をご覧ください。理学院シラバスも合わせて参照してください。
*�「エネルギーワークショップ」は、次代を担う若者のために開発された参加型エネルギー教育プログラムです。2014年から現在までに、北海道から九州まで全国44大学の大学院生・学部生や、三つの高等専門学校の学生、社会人など約250人が参加し、日本社会の未来像とエネルギー選択について議論を深めました。詳細は、環境政策対話研究所のウェブサイト�https://www.inst-dep.com�へ。
大学院理学院 自然史科学特別講義 IV(集中講義)次世代のエネルギー選択を考える (1)&(2)
⑴と⑵の2単位分をセットで開講します。必ず両者を合わせて履修してください
2011 年の福島第一原発事故を契機として原発依存度の低減が求められる中、地球温暖化という環境制約や、経済、国際関係、科学技術などの要因も考慮に入れつつ、今後のエネルギー需給をどのように構想していくべきか。この「エネルギー選択」の問題は、今の日本社会が抱える最も重要な論点の一つである。 エネルギー選択は、その判断を行う上で科学に期待される役割が大きいが、それだけでは決して答えが出せない、いわば「科学と社会のはざま」に存在する問題である。こうした問題は、エネルギーに限らず、食の安全や先端医療、情報通信技術、災害対策など、今日、様々な領域に存在している。この種の問題について、専門分野や価値観を異にする人と議論を通じて考えを深め、互いに協力して解決の方向を見出していく能力は、文系・理系を問わず、自らの高度な専門知識を生かして活躍しようとする人にとって、ますます不可欠な素養となってきている。本科目は、日本のエネルギー選択の問題を教材として、こうした能力を総合的、実践的に高めることをねらいとした集中講義である。 授業は、前半の「次世代のエネルギー選択を考える⑴」と、後半の「次世代のエネルギー選択を考える⑵」の計 2単位分で構成する。前半(5月 27 日、28 日)は、基礎知識の習得を中心に議論の準備を行い、後半(6月 17 日、18 日)では、外部講師(柳下・木村)の指導のもと、「エネルギーワークショップ~30 年後のエネルギー選択を考える~」のプログラムを用いてエネルギー選択の議論を行う。 グループ討論や、簡易ウェブツールを用いたシミュレーション、プレゼンテーションなどを織り交ぜつつ進める。大学院レベルにふさわしいアクティブラーニング(能動的な協同学習)のスキルを身につける機会としても活用してほしい。
◆授業を通じて学べること(到達目標) 1. 日本のエネルギー政策の経緯や、主要なエネルギー源の特徴と課題、エネルギー・環境に関する諸外国の動向について、概要をバランスよく理解した上で、その知識を、将来のエネルギー選択に関する自分の意見を固めるため用いることができる。
2. 将来のエネルギー選択を考える上で鍵となる「8つの視点」を理解した上で、視点同士のトレードオフも考慮に入れながら、自分はどの視点を特に重視するかを、理由も合わせて考えることができる。
3. 日本社会の 2050 年頃を対象に描かれた「5つの未来社会像」の内容と、エネルギー選択への含意を理解した上で、どの未来社会像を選択すべきかについて、理由とともに自分の意見を提示することができる。
4. エネルギー需給と温暖化対策の簡易版シミュレーションツールである「2050 低炭素ナビ」ウェブツールを操作することができる。
5. エネルギー選択に関する自らの判断や、グループでの議論の質を高めるために、関連する分野の専門家が有する学識を効果的に引き出す質問を考えることができる。
6. 日本のエネルギー政策の経緯や、主要なエネルギー源の特徴と課題、エネルギー・環境に関する諸外国の動向、エネルギー選択を考える上での「5つの未来社会像」と「8つの視点」について、準備した質問を用いて専門家と対話し、理解を深めることができる。
7. 将来の日本のエネルギー選択について、グループで話し合って意見をまとめ、プレゼンテーションすることができる。
8. 簡易版シミュレーションツールである「2050 低炭素ナビ」ウェブツールを正しく操作し、エネルギー選択の判断材料を得ることができる。
9. 異なる価値観を持つ人と話し合い、互いの立場の違いを理解するとともに、自分自身に欠けている視点に気づき、エネルギー選択に生かすことができる。
10. 集中講義全体の議論を踏まえて、「30 年後の日本のエネルギー選択」についての自分の意見を固め、レポートの形で表現することができる。
◆授業の主な内容 ・東日本大震災と日本のエネルギー政策・主要なエネルギー源の特徴と課題・エネルギーや環境に関する諸外国の動向・エネルギー選択における「8つの視点」・「5つの未来社会像」から考える 2050 年の日本・簡易版シミュレーションツール「2050 低炭素ナビ」の体験・専門家(外部講師)に対する質問づくりと質疑応答・類似価値観グループでの討論・「2050 低炭素ナビ」を用いたエネルギーシミュレーション・異価値観グループでの討論・成果の取りまとめと発表・まとめとふりかえり
◆ 教科書 木村浩・竹中一真・柳下正治・脇山尚子(2016)『エネルギーワークショップ~30 年後のエネルギー選択を考える~ 情報資料集』環境政策対話研究所
◆履修方法など 受講希望者は授業内容を確認の上、所属の研究科・学院等で履修登録の手続きをしてください。ワークショップ運営の都合上、定員を約 30 名とします。履修申込者がこれを上回った場合、履修調整を行うことがあります。履修調整の有無および実施した場合の結果は、掲示等で連絡します。
このチラシは授業の概要を簡潔に紹介したものです。正式な授業内容は、必ずシラバスで確認してください。
授業概要
◆問い合わせ・連絡先:理学院 科学技術コミュニケーション研究室(担当:三上) E-mail [email protected] /内線 5306
◆日 時2017年 5月 27日㈯、28日㈰� � � � � �6 月 17日㈯、18日㈰5月27日㈯ 10:30開講 時間割の詳細は授業初日にお知らせします
◆場 所北海道大学理学部5号館 2階 201室
◆担当教員柳下正治(上智大学客員教授、一般社団法人環境政策対話研究所代表理事)木村 浩(NPO法人パブリックアウトリーチ研究統括)三上直之(理学院/高等教育推進機構 准教授、本科目の責任教員)