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資料5 総合エネルギー調査会 省エネルギー・新エネルギー分科会省エネルギー小委員会 電子計算機及び磁気ディスク装置判断基準 ワーキンググループ 取りまとめ(案) ・電子計算機のエネルギー消費性能の向上に関するエネルギー消費機器等製造事業 者等の判断基準等の改正について

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Page 1: 電子計算機及び磁気ディスク装置判断基準 ワーキン …資料5 総合エネルギー調査会 省エネルギー・新エネルギー分科会省エネルギー小委員会

資料5

総合エネルギー調査会

省エネルギー・新エネルギー分科会省エネルギー小委員会

電子計算機及び磁気ディスク装置判断基準

ワーキンググループ

取りまとめ(案)

・電子計算機のエネルギー消費性能の向上に関するエネルギー消費機器等製造事業

者等の判断基準等の改正について

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総合エネルギー調査会省エネルギー・新エネルギー分科会省エネルギー小委員会

電子計算機及び磁気ディスク装置判断基準ワーキンググループでは、2011年度に目

標年度を迎えた電子計算機について、製造事業者又は輸入事業者(以下「製造事業

者等」という。)の判断の基準等について審議を行い、以下のとおり取りまとめを行っ

た。

現行の電子計算機のエネルギー消費効率は、消費電力(単位:ワット)を、性能指標

(単位:ギガ演算、複合理論性能 :CTP)で除した数値としている。

サーバ型電子計算機及びクライアント型電子計算機のエネルギー消費効率について

は、2011年度目標基準値を達成すると2007年度比で77.9%改善する見通しであったが、

2007年度実績に対する2011年度実績によると、サーバ型電子計算機のエネルギー消費

効率は85%改善、クライアント型電子計算機のエネルギー消費効率は84%改善、電子計算

機全体のエネルギー消費効率は85%改善と、予想を上回ったことを確認した。このように

電子計算機についてはエネルギー消費効率の改善が図られてきており、電子計算機

における省エネルギーは着実に進展している。

エネルギー消費効率の実績

(2007年度及び2011年度)

(出所)経済産業省調べ

(説明) 単位はW/GTOPS、エネルギー消費効率は対象機器のエネルギー消費効率を出荷台数で加重平均した

効率(括弧内は2007年度実績からの改善率)

今回の電子計算機の基準見直しにあたっては、以下の周辺状況を踏まえつつ検討

を行っている。

インターネットの普及、モバイル機器の普及により、ビジネスだけではなく広く社会

全体のデジタル化・ネットワーク化が進展することで電子計算機の処理する通信

量が増大することが見込まれ、電子計算機の処理能力向上や磁気ディスク等の

記録の需要が高まっている。その一方で、電子計算機等の性能の向上に伴う消

2007年度実績 2011年度実績

1.87 0.28(85%)

サーバ型電子計算機 15.9 2.3(85%)

クライアント型電子計算機 1.37 0.23(84%)

電子計算機全体

Ⅰ.現行基準の評価

Ⅱ.基準見直しにあたっての基本的な考え

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費電力の増大が懸念されるため、これらの機器の更なるエネルギー消費性能の

向上が必要である。

サーバ型電子計算機のエネルギー消費性能の測定方法として、実際にテストプロ

グラムを使用して負荷計算させて評価する新しい測定方法についてISO規格化が

検討されている。また、クライアント型電子計算機については、国際規格である

IEC規格及びこれに準拠した日本工業規格JIS C 62623:2014「パーソナルコン

ピュータの消費電力測定方法」が策定されている。これらの国際動向を踏まえた

新しい電子計算機のエネルギー消費効率の測定方法及び指標について検討する

必要がある。

Ⅲ.判断基準等

1.対象とする範囲【別添1】

現行と同様にサーバ型電子計算機及びクライアント型電子計算機を対象とする。

ただし、以下のものについては、対象から除外する。

(1)高度な処理能力を有するもの

①演算処理装置、主記憶装置、入出力用制御装置及び電源装置がいずれも多重化

された構造のもの

②入出力用信号伝送路(最大データ転送速度が1秒につき10ギガビット以上のもの

に限る。)が512本以上のもの

(2)測定方法、評価方法が確立しておらず目標基準値を定めること自体が困難なもの

①5以上のCPUソケット数からなるもの

②サーバ型電子計算機のうちx86、SPARC、Power以外のプロセッサ(CPU)を搭

載したもの

(3)総エネルギー消費量がすくないもの

①専ら内蔵された電池を用いて、電力線から電力供給を受けることなしに使用される

もの

2.エネルギー消費効率及びその測定方法

(1)サーバ型電子計算機【別添2】

①エネルギー消費効率

サーバ型電子計算機のエネルギー消費効率は、SERTver2.0で定められた方法

により測定したCPU、ストレージ及びメモリの各消費電力あたりの性能を、SERT

ver2.0で定められた手順で幾何平均化して算出するもの。

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②エネルギー消費効率の測定方法

SERTver2.0で定められたサーバ型電子計算機の構成の機器について、一定の

測定環境のもと、CPU、メモリ、ストレージ(構成要素)に対してテストプログラムに

よる負荷(ワークレット)を与え、各構成要素の性能及びその消費電力をワットで表

した数値で測定し、その結果得られた性能を消費電力で除した値を各構成要素で

重み付けて幾何平均した値とする。

(2)クライアント型電子計算機【別添3】

①エネルギー消費効率

クライアント型電子計算機のエネルギー消費効率は、JIS C 62623:2014で定め

られた方法により測定した年間消費電力量をキロワット時毎年で表した数値とす

る。

②エネルギー消費効率の測定方法

JISで定められたクライアント型電子計算機の構成の機器について、一定の測定

環境のもと、電子計算機の各モード(オフモード、スリープモード、ショートアイドル

モード、ロングアイドルモード)による消費電力を測定し、そのモード時の消費電力

に機器毎に規定された負荷プロファイル特性による年間比率(負荷サイクル特性)

を乗じたものの和とする。

3.製造事業者等の判断の基準となるべき事項等

(1)目標年度【別添4】

サーバ型電子計算機:2021年度

クライアント型電子計算機:2022年度

(2)目標達成のための区分と目標基準値【別添5,6】

①サーバ型電子計算機

各製造事業者等は、目標年度以降の各年度において国内向けに出荷するサー

バ型電子計算機について、2.(1)②によりにより測定したエネルギー消費

効率を下表の区分毎に事業者毎に出荷台数により加重平均した値が同表の右欄

に掲げる目標基準値(基準エネルギー消費効率)を下回らないようにすること。

なお、目標年度以降の各年度における出荷台数が過去の1年度の最高出荷台

数の10%以下であるサーバ型電子計算機については適用しない。

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表 1 サーバ型電子計算機の目標基準値

CPU 種別 CPU ソケット数 区分名 目標基準値

X86

1 A 8.9

2 B 11.9

4 C 8.9

SPARC

1 D 6.3

2 E 4.2

4 F 3.5

Power

1 G 4.6

2 H 4.9

4 I 4.2

備考1 「サーバ型電子計算機」とは、ネットワーク上でサービス等を提供する24時間稼動することを前提として設計された電

子計算機であって、専らネットワークを介してアクセスされるものをいう。

2 「x86」とは、ビット数の異なる複数の命令を実行できるように設計されたCPUのうち、電子計算機毎に設計されたCPU

以外のCPU であり、32ビットアーキテクチャと互換性をもった64ビットアーキテクチャのものをいう。

3 「SPARC」とは、ビット数の異なる複数の命令を実行できるように設計されていないCPUのうち、10進浮動小数点演算

データ処理機構と、レジスタの内容をCPU内に退避・復元する機構をもつことで、主プログラムで使用中のレジスタの

内容をメモリに退避・復元することなくサブルーチンプログラムで該当レジスタを使用可能とするレジスタ制御機能の

両方を備えたものをいう。

4 「Power」とは、ビット数の異なる複数の命令を実行できるように設計されていないCPUのうち、10進浮動小数点演算

データ処理機構を備えるが、レジスタの内容をCPU内に退避・復元する機構をもつことで、主プログラムで使用中のレ

ジスタの内容をメモリに退避・復元することなくサブルーチンプログラムで該当レジスタを使用可能とするレジスタ制御

機能は備えていないものをいう。

②クライアント型電子計算機

各製造事業者等は、目標年度以降の各年度において国内向けに出荷するクライ

アント型電子計算機について2.(2)②によりで定める方法により測定したエネ

ルギー消費効率(年間電力消費量)を下表の区分ごとに出荷台数により加重平均し

た値が、同表の右欄に掲げる各電子計算機の目標基準値(基準エネルギー消費効

率、同表の右欄に掲げる算定式により算定したもの)を下表の区分ごとに出荷台数

により加重平均した値を上回らないようにすること。

なお、目標年度以降の各年度における出荷台数が過去の1年度の最高出荷台数

の10%以下であるクライアント型電子計算機については適用しない。

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表 2 クライアント型電子計算機の目標基準値(基準エネルギー消費効率)

製品形態 CPU性能

[P スコア]

画面

サイズ

きょう

(筐)体

容量

基準エネルギー消費効率の算定式(kWh/年)

ノートブック

コンピュータ

8 未満 15 インチ

未満 ― J E= 5.21+TECMEMORY+TECINT_DISPLAY+TECSTORAGE+TECGRAPHIC

15 インチ

以上 ― K E=7.75+TECMEMORY+TECINT_DISPLAY+TECSTORAGE+TECGRAPHIC

8 以上 ― ― L E=11.34+TECMEMORY+TECINT_DISPLAY+TECSTORAGE+TECGRAPHIC

デス

クトッ

プ

コン

ピュ

ータ

一体

8 未満 ― ― M E=39.87+TECMEMORY+TECINT_DISPLAY+TECSTORAGE+TECGRAPHIC

8 以上 ― ― N E=53.32+TECMEMORY+TECINT_DISPLAY+TECSTORAGE+TECGRAPHIC

分離

― ― 5L 未満 O E=29.59+TECMEMORY

+TECSTORAGE+TECGRAPHIC+TECPOWER

― ― 5L 以上

20L 未満 P

E=31.33+TECMEMORY

+TECSTORAGE+TECGRAPHIC+TECPOWER

― ― 20L 以上

35L 未満 Q

E=28.45+TECMEMORY

+TECSTORAGE+TECGRAPHIC+TECPOWER

― ― 35L 以上 R E=40.47+TECMEMORY

+TECSTORAGE+TECGRAPHIC+TECPOWER

備考1.「Pスコア」とは、CPUコア数×CPUクロック周波数(GHz)を表す。

コア数は物理的なCPUコア数、CPUクロック周波数はTDP(熱設計消費電力)最大コア周波数を表

す。

2.「画面サイズ」とは、表示画面の対角外径寸法をセンチメートル単位で表した数値を2.54 で除し

て小数点第2位以下を四捨五入した数値をいう。

3.「きょう(筐)体容量」とは、電子計算機においてハードウェアを構成する部品をまとめて収納し

ておくケースの容量L(リットル)で表した値をいう。

4. Eは次の数値を表すものとする。

E:基準エネルギー消費効率(kWh/年)

5. TEC補正値である、TECMEMORY、TECINT_DISPLAY、TECSTORAGE、TECGRAPHIC、TECPOWERは以下に表すとおり。

TECMEMORY:主記憶装置に関するTEC補正値(kWh)

TECINT_DISPLAY:画面に関するTEC補正値(kWh)

TECSTORAGE:補助記憶装置に関するTEC補正値(kWh)

TECGRAPHIC:独立型GPUに関するTEC補正値(kWh)

TECPOWER:電源容量に関するTEC補正値(kWh)

区分のTEC補正値の値は、下表のとおり。

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表 3 TEC補正値

(単位:kWh)

TEC 補正値

主記憶装

画面 補助記憶装置 独立型

GPU 電源容量

17.4 インチ未満 17.4 インチ以上 SSD 2.5

HDD

3.5

HDD

J 最大記憶

容量

[GB]×0.1

86

(8.76×0.30)×(LCD サイズ[平方イン

チ]×0.0300+解像度[M-pixel]×0.244)

0 2.510 - 4.198 -

K -

L -

M 最大記憶

容量

[GB]×0.2

48

(8.76×0.35)×(LCD

サイズ[平方イン

チ]×0.0300+解像度

[M-pixel]

×0.244)

(8.76×0.35)×(LCD

サイズ[平方イン

チ]×0.0393)

3.140 20.380 0.587

×フレーム

バッファー

帯域幅

[GB/s]

30.463

※上限

を 130

とする

N -

O - - -

P - - 定格電力

×

0.0543[W

]

Q - -

R - -

備考 1. 「主記憶装置」は、キャッシュメモリーを除いた容量をギガバイト表示したものをいう。

2. 「画面面積」とは、表示画面の対角外径寸法をセンチメートル単位で表した数値を2.54で除して

小数点第2位以下を四捨五入した数値を二乗した数値をいう。

3. 「画面解像度」とは、画面に表示される総画素数をメガピクセル表示したものをいう。

4. 「補助記憶装置」とは、電子計算機本体に組み込まれたり、外部記憶装置として使用される2.5

インチHDDもしくは3.5インチHDDをいう。

5. 「独立型GPU(グラフィック・プロセッシング・ユニット)」とは、画像データ処理用のプロセ

ッサのうち、専用のローカルメモリを有するものをいう。独立型GPUの性能は、FB_BW(フレー

ムバッファ―帯域幅)をギガバイト毎秒(GB/ s)表示したもので表される。

フレームバッファ―帯域幅は、画面に表示する画像データを一時的に保管しておくメモリ領域

である。

6. 「電源容量」とは、内部電源装置の定格出力をワット表示したものをいう。

(3)表示事項等

①表示事項

電子計算機のエネルギー消費効率に関し、製造事業者等は、次の事項を表示す

ること。

イ)品名又は形名

ロ)区分名

ハ)エネルギー消費効率

ニ)製造事業者等の氏名又は名称

ホ)エネルギー消費効率とは、サーバ型電子計算機の場合は、CPU、ストレージ

及びメモリの消費電力あたりの性能を幾何平均して得られる数値、クライアン

ト型電子計算機の場合は、エネルギー消費効率とは、JIS C 62623(2014)に

規定する方法により測定した年間消費電力量である旨

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②遵守事項

イ)エネルギー消費効率は、省エネ法施行規則別表第3下欄に掲げる数値をサー

バ型電子計算機については、小数点第1位まで、クライアント型電子計算機につ

いては、小数点第1位まで表示すること。

ロ)①に掲げる表示事項の表示は、性能に関する表示のあるカタログ及び機器の

選定に当たり製造事業者等により提示される資料の見やすい箇所に容易に消

えない方法で記載して行うこと。

③その他

・ 測定やカタログ等の切り替えに要する期間を考慮する必要があることから、1年

間程度の猶予期間を設ける。

・ CPUメーカによる複合理論性能の提供は行わなくなる方向にあること、現行基準

の目標基準年度(平成24年時点)での達成率は144%となっていることを踏ま

え、新基準の施行と同時に、現行規制を廃止する。

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Ⅴ.省エネルギーに向けた提言

(1)使用者の取組

①エネルギー消費効率の良い電子計算機の選択に努めること。

②電子計算機の使用に当たっては、適切かつ効率的な使用により省エネルギーを

図るよう努めること。

(2)製造事業者等の取組

①電子計算機の省エネルギー化のための技術開発を推進し、エネルギー消費効率

の良い電子計算機の開発に努めること。

②エネルギー消費効率の良い電子計算機の普及を図る観点から、「省エネルギーラ

ベル」の速やかな導入を図り、使用者がエネルギー消費効率の良い電子計算機

の選択に資するよう適切な情報の提供に努めること。

③使用者に対して新しいエネルギー消費効率の理解の推進を図るように努めるこ

と。また、新しい表示の切り替えに使用者が混乱しないよう、表示切り替えについ

て周知を行うこと。

④省エネルギーラベルの実施に当たっては、使用者に分かり易く誤解を与えないよ

う配慮した表示内容にすること。

⑤国際的な基準、測定方法等についての改正動向について情報収集を行い、その

妥当性について検討を行うこと。

⑥エネルギー消費効率の測定方法についてJIS規格化の検討を行うこと。

(3)政府の取組

①エネルギー消費効率の良い電子計算機の普及を図る観点から、使用者及び製造

事業者等の取組を促進すべく、必要な措置を講ずるよう努めること。

②製造事業者等の表示の実施状況を定期的・継続的に把握し、使用者に対してエネ

ルギー消費効率等に関する正しく、分かり易い情報の提供がなされるよう適切な

法運用に努めること。また、新しい表示の切り替えに使用者が混乱しないよう、表

示切り替えについて周知を行うこと。

③国際的な動向を注視し、より実際の使用に近い測定方法等について採用するた

め、柔軟な対応を行うこと。

④電子計算機の開発動向やタブレット端末等の普及状況を注視し、必要に応じて規

制の対象範囲の見直し等を検討すること。

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別添1

対象とする電子計算機の範囲について

1.「電子計算機」の範囲

サーバ型電子計算機及びクライアント型電子計算機を対象とする。

2.除外品目

(1)高度な処理能力を有する電子計算機

①演算処理装置、主記憶装置、入出力制御装置及び電源装置がいずれも多重化さ

れた構造のもの【現行政令から継続】

主に経済・社会を支える基幹システム(金融機関のシステム等)に用いられ、特

別な高信頼性の確保が必要であるため適用除外とする。

※2015年度出荷台数 1945台(出荷台数比率:1.51%)

②入出力用信号伝送路(最大データ転送速度が1秒につき10ギガビット以上のもの

に限る。)が512本以上のもの【現行省令を一部変更】

金融機関等で1台のサーバに支店の多数のプリンターが接続される等の極め

て大規模な入出力制御用であり、用途が限定的であるため適用除外とする。現行

判断基準では最大データ転送速度が1秒につき100メガビット以上として規定され

ているが、技術進展に伴い、閾値を変更することとする。

※2015年度出荷台数 9台(出荷台数比率:0.01%)

(2)測定方法、評価方法が確立しておらず、目標基準値を定めること自体が困難であ

る電子計算機

①サーバ型電子計算機のCPUソケット数が5以上であるもの【現行省令を一部変更】

新基準の測定方法では、CPUソケット数が5以上のものは測定対象外となって

いる。

②サーバ型電子計算機のCPUの種別がx86、SPARC、Power以外のもの

【新規】

サーバ型電子計算機の新基準の測定方法で測定可能なCPUであるx86、

SPARC、Power以外のCPU種を搭載したサーバ型電子計算機(例えば、メインフ

レームサーバ)は適用除外とする。

※上記①及び②の2015年度出荷台数 265台(出荷台数比率:0.21%)

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(3)総エネルギー消費量が少ないものとして除外する電子計算機

①携帯情報端末等(専ら内蔵された電池を用いて、電力線から電力供給を受けることなしに使用されるもの) 【現行省令を一部変更】

消費電力量が少なく(数ワット程度)であり総エネルギー消費量でみても少ない

ため適用除外とする。現行規制では「専ら内蔵された電池を用いて、電力線から

電力供給を受けることなしに使用されるものであつて、磁気ディスク装置を内蔵し

ていないもの」と規定されているが、半導体ディスクの普及に伴い、条件を変更す

ることとする。

※2015年度出荷台数

携帯情報端末 13,036台(市場割合 約0.19%)

タブレット端末 約890万台(総エネルギー消費量が少ない)

3.基準の達成判定において除外するもの【現行告示から継続】

社会インフラ等の情報システムを容易に更新できないシステムにおいては、同一仕

様の機種を長期間にわたって使用する必要があるため、それらの機関向けに長期間

同一機種を販売する必要がある。このため、次期目標基準の達成状況の判定におい

ても、既に販売ピークを過ぎた製品を除外すべく、目標年度以降の各年度における出

荷台数が過去の1年度の最高出荷台数の10%以下である機種については適用しない

こととする。

※2015年度出荷台数

40,203台(市場割合 約0.58%)

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別添2

サーバ型電子計算機のエネルギー消費効率の測定方法について

1.サーバ型電子計算機の構成

サーバ型電子計算機の構成はSERT ver.2に定められているとおりとする。

・ ハードディスクドライブ(HDD)は 2 台とし、最も回転数が高く、容量が大きいもの

を搭載する。HDD が搭載されない場合は、半導体ディスクドライブ(SSD)を搭載

する。

・ CPU は、コア数、コアあたりのスレッド数及び周波数の積が最小のものとする。

メモリ容量(ギガバイト)は、サーバシステムの総スレッド数以上とする(例:16ス

レッドならば16ギガバイト以上)。ただし、総スレッド数は、総スレッド数=コアあ

たりスレッド数×総コア数=コアあたりスレッド数×(CPU あたりコア数×総 CPU

数)とする。なお、複数のメモリチャネルがあるサーバの場合は、各チャネルに同

一 DIMM(複数の DRAM チップをプリント基板上に搭載したメモリモジュール)を

同一数実装すること。

ただし、マルチコア仕様のCPUが搭載されているサーバでは、複数のワークレット

に対してそれぞれ使用するCPUコアを限定できるが、次期基準においては全コアを

有効にすることとする。

2.測定環境

測定環境は、SERTver.2.0に定められているとおりとする。

・ 周囲温度 20℃と装置仕様環境温度の上限の間とする。

・ 電源電圧 定格入力電圧の±5%以内とする。

・ 電源周波数 定格電源周波数の±1%以内とする。

3.作業負荷

CPU、メモリ、ストレージの各構成要素に負荷を与える作業負荷は、SERT ver.2.0

に定められたとおりとする。

SERTでは、この各構成要素に対する作業負荷(テストプログラムの一種)を「ワー

クロード」と呼んでいる。また、ワークロードには、複数の種類の異なる小さい作業負

荷が含まれており、この小さい作業負荷を「ワークレット」と呼んでいる。ワークレット

については、更に複数の負荷水準を設定して実行することとしている。

CPUに対する7種類のワークレットをまとめてCPUワークロード、メモリに対する2

種類のワークレットをまとめてメモリワークロード、ストレージに対する2種類のワー

クレットをまとめてストレージワークロードという。具体的には、次の表のとおり。

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各ワークレットの試験内容

構成要

(ワー

クロー

ド)

ワークレット 試験内容 負荷率(%) 性能の定義

CPU Compress データを圧縮し、さらに解凍す

る。

25, 50, 75,

100

1秒あたりの実

行回数

※CPUが行うデ

ータ加工処理

を、実際の利用

シーンから想定

したパターン化

しそれらの処理

をどれだけ速く

実行できるか

を、単位時間あ

たりの実行回数

で計測する。

Crypto AES データを暗号化および解読す

る。

LU 高密度行列のLU因数分解を

計算する。

SHA256 SHA(Secure Hashing

Algorithm)256という暗号学的

ハッシング関数を実施する。

SOR 逐次加速緩和法と呼ばれる、

例えば、2次元ラプラス方程式

を解くときのような、有限差分

法での典型的なアクセスパタ

ーンを実行する。

SORT 乱数化された64ビットの整数

を並び替える。

SSJ オンライントランザクションプロ

セッシングを模擬した以下の

処理を行う。

・新規注文の受付

・顧客の支払いの記録

・受付済み注文の状態の確認

・配達注文の処理

・配達

・最近注文された品目で在庫

が少ないものの発見

・顧客に対する最近の行動の

報告書作成

12.5, 25, 37.5,

50, 62.5, 75,

87.5, 100

メモリ Flood 3 単純なコピー動作、一定倍率

を掛けたコピー動作、和を求

めてコピーする動作、一定倍

率を掛けた項との和を求めて

コピーする動作、の4通りの処

理を行う

50, 100

帯域幅

※単位時間あ

たりに読み書き

可能なデータ量

を計測してい

る。(単位はB

(バイト)/秒))

Capacity 3 XMLドキュメントの検証を実行

する。

4GB(基本)、

物理的搭載可

能な量の半分

1秒あたりの実

行回数にメモリ

容量の1/2を乗

じたもの

※Web画面など

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構成要

(ワー

クロー

ド)

ワークレット 試験内容 負荷率(%) 性能の定義

XML(Extensible

Markup

Language)とい

う文章の見た目

や構造を記述

する言語が、メ

モリ上の一時的

な作業領域

(「キャッシュ」

領域という)で、

正しい文法で記

述されているか

検証する処理

速度を測定す

る。

ストレ

ージ

Random ランダムな読み書きを実行す

る。

50, 100

1秒あたりのIO

動作回数

※書き込みや

読み込みの際

に単位時間に

何回の読み書

きを行えるかを

計測する。

Sequential シーケンシャルな読み書きを

実行

4.エネルギー消費効率の幾何平均の手順

(1)ワークレットのエネルギー消費効率

各ワークレットを所定の負荷率で動作させ、得られた性能を消費電力で除して得ら

れた数値を各負荷率におけるエネルギー消費効率とする。得られた各負荷率におけ

るエネルギー消費効率を幾何平均化し、各ワークレットのエネルギー消費効率とす

る。

各負荷率におけるエネルギー消費効率=性能(単位:無次元数)/消費電力(単位:W)

ワークレットの効率 = 𝒆𝒆𝒆𝒆𝒆𝒆�1𝒏𝒏

× ∑ 𝒍𝒍𝒏𝒏(各負荷率における効率)𝒏𝒏𝒊𝒊=1 � × 1000

n:ワークレットにおける各負荷率の数

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(2)ワークロードのエネルギー消費効率

(1)のCPUのワークレットのエネルギー消費効率を幾何平均化しCPUワークロ

ードのエネルギー消費効率とし、メモリのワークレットのエネルギー消費効率を幾

何平均化しメモリワークロードのエネルギー消費効率とし、ストレージのワークレッ

トのエネルギー消費効率を幾何平均化しストレージワークロードのエネルギー消

費効率とする。

ワークロードの効率 = 𝒆𝒆𝒆𝒆𝒆𝒆�1𝒏𝒏

× ∑ 𝒍𝒍𝒏𝒏(ワークレットの効率)𝒏𝒏𝒊𝒊=1 �

n:ワークロードにおけるワークレットの数

(3)サーバ型電子計算機のエネルギー消費効率

サーバ型電子計算機のエネルギー消費効率は、(2)のCPUワークロードのエネ

ルギー消費効率に65%、ストレージワークロードのエネルギー消費効率に30%、及

びメモリワークロードのエネルギー消費効率に5%のウェイトを乗じて幾何平均して

得られた数値(SERT値)とする。

EffCPU:CPUワークロードのエネルギー消費効率

EffMemory:メモリワークロードのエネルギー消費効率

Effstorage:ストレージワークロードのエネルギー消費効率

𝐒𝐒𝐒𝐒𝐒𝐒𝐒𝐒 𝐒𝐒𝐄𝐄𝐄𝐄𝐄𝐄𝐄𝐄𝐄𝐄𝐄𝐄𝐄𝐄𝐄𝐄𝐄𝐄 𝐒𝐒𝐄𝐄𝐒𝐒𝐒𝐒𝐄𝐄

= 𝐄𝐄𝐞𝐞𝐞𝐞�𝟎𝟎.𝟔𝟔𝟔𝟔 ∗ 𝒍𝒍𝒏𝒏(𝑬𝑬𝑬𝑬𝑬𝑬𝑪𝑪𝑪𝑪𝑪𝑪) + 𝟎𝟎.𝟑𝟑 ∗ 𝒍𝒍𝒏𝒏�𝑬𝑬𝑬𝑬𝑬𝑬𝑴𝑴𝒆𝒆𝑴𝑴𝑴𝑴𝑴𝑴𝑴𝑴� + 𝟎𝟎.𝟎𝟎𝟔𝟔

∗ 𝒍𝒍𝒏𝒏�𝑬𝑬𝑬𝑬𝑬𝑬𝑺𝑺𝑺𝑺𝑴𝑴𝑴𝑴𝑺𝑺𝑺𝑺𝒆𝒆��

Page 16: 電子計算機及び磁気ディスク装置判断基準 ワーキン …資料5 総合エネルギー調査会 省エネルギー・新エネルギー分科会省エネルギー小委員会

15

各作業負荷(ワークレット、ワークロード)と負荷率のイメージ

出所:Server Energy Efficiency Workshop(2017,the green grid)

Page 17: 電子計算機及び磁気ディスク装置判断基準 ワーキン …資料5 総合エネルギー調査会 省エネルギー・新エネルギー分科会省エネルギー小委員会

16

別添3

クライアント型電子計算機のエネルギー消費効率の測定方法について

クライアント型電子計算機は、ディスプレイ等のCPU以外の構成要素の消費電力も大きい

割合を占める。

クライアント型電子計算機におけるCPU世代別の各要素別消費電力推移 ※縦軸は第3世代のショートアイドル時のシステム全体の消費電力を100%とする。

出所)JEITA提供資料

これまでは CPU 以外のエネルギー消費性能を評価する方法が無かったが、クライアント

型電子計算機では、ISO/IEC 規格をもとに技術的内容を変更して作成した JIS C

62623:2014「パーソナルコンピュータの消費電力測定方法」がある。これらの測定方法の次

期基準において採用する。

1.クライアント型電子計算機の構成

JISでは、試験対象機器は初期設定によって出荷される全てのハードウェア附属品及

びソフトウェアを含め、JISの手順において特に指定がない限り、製品とともに提供される

指示によって構成することと規定されている。

しかしながら、市販のパーソナルコンピュータは、組み合わせる部品の種類、メモリ容

量、付属装置構成等が多種多様であり、その全てについて測定し、目標基準値と比較す

ることは困難である。

よって、次期基準における試験対象のクライアント型電子計算機の機器構成を、下記

のように設定する。

・ 電子計算機の基本機能を損なうことなく電子計算機から着脱することができる入出

力用制御装置、通信制御装置、磁気ディスク装置等を除外する。

・ 出荷時に搭載している最大のメモリ及び CPU 構成で測定する。

0.0%

20.0%

40.0%

60.0%

80.0%

100.0%

第3世代

IvyBridge第4世代

Haswell第5世代

Broadwell第6世代

Skylake

消費

電力

比率

ACアダプター

電源・その他の消費電力

液晶ディスプレイ

ストレージ

メモリ

CPU

Page 18: 電子計算機及び磁気ディスク装置判断基準 ワーキン …資料5 総合エネルギー調査会 省エネルギー・新エネルギー分科会省エネルギー小委員会

17

・ CPUの数を拡張することが可能であるものについては、最小構成のプロセッサ数で

測定する。

2.測定環境

測定環境は、JIS C 62623:2014において下記のとおり定められている。 ・ 周囲温度 23℃の±5℃以内とする。

・ 電源電圧 100V の±5Va.c.以内とする。

・ 電源周波数 50Hz 又は 60Hz の±1%以内とする。

クライアント型電子計算機のエネルギー消費効率は、次式により算出した数値(年間

消費電力量(kWh/年))とする。

TECestimated=(8760/1000)×[Poff×Toff+Psleep×Tsleep+Pidle×Tidle+Psidle×(Tsidle+Twork)]

100%=Toff+Tsleep+Tidle+Tsidle+Twork

Toff :製品がオフモードに費やす時間の年間比率

Tsleep:製品がスリープモードに費やす時間の年間比率

Tidle:製品がオン状態でありロングアイドルモード(画面表示なし)である時間の年間比

Tsidle:製品がオン状態でありショートアイドルモード(画面表示あり)である時間の年間

比率

Twork:製品がオン状態でありアクティブモード(画面表示あり)である時間の年間比率

Poff:オフモードにおける平均消費電力測定値

Psleep:スリープモードにおける平均消費電力測定値

Pidle:ロングアイドルモードにおける平均消費電力測定値

Psidle:ショートアイドルモードにおける平均消費電力測定値

3.各モードの年間比率

当該計算式に用いる各コンピュータの各モードの年間比率は、JIS C 62623:2014 附属

書Bに規定された負荷サイクル特性(各モードの年間使用時間比率)の比率を使用し、下

記の算出式のとおり算定する。

JISにおいてはこの負荷サイクル特性を使用することが推奨とされ、ISO/IEC及び国際

エネルギースタープログラム コンピュータ基準7.0においても当該比率が規定されてい

る。

・ デスクトップコンピュータ TECestimated

=8.76×(Poff×45%+Psleep×5%+Pidle×15%+Psidle×35%)

・ ノートブックコンピュータ TECestimated

=8.76×(Poff×25%+Psleep×35%+Pidle×10%+Psidle×30%)

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18

エネルギー消費効率の算定に使用する負荷サイクル特性

デスクトップコンピュータ ノートブックコンピュータ

Toff 45% 25%

Tsleep 5% 35%

Tidle 15% 10%

Tsidle 35% 30%

Twork 0% 0%

4.モードの概要

JIS においてはオフモード、スリープモード、ロングアイドルモード、ショートアイドルモー

ドの4つのモードの消費電力を測定することが規定されている。

ただし、スリープモードを有さず代替として低電力モードを搭載する製品も存在する。よ

って次期基準ではスリープモードが存在しない製品については、初期設定により有効に

される最短待ち時間または使用者起動のモードを代替のスリープモードとして消費電力

を測定することとする。

(1)オフモード

オフモードとは、被試験機器を交流電源に接続し、製造業者の指示に従い使用す

るときに、使用者が解除することができず不定時間保たれる可能性のある最低消費

電力モードとし、シャットダウン、完全な電源オフ又は電源投入に必要な電流だけ通

電する状態をいう。

(2)スリープモード

スリープモードとは、被試験機器が一定の非アクティブ時間後に自動的に、又は手

動選択によって移行することが可能な最低消費電力モードとし、メモリへの通電及び

再起動に必要な電流だけ通電する状態をいう。

(3)ショートアイドルモード

ショートアイドルモードとは、次の条件を満たす状態をいう。

①被試験機器はアイドル1状態にある。

②画面はウォームアップのために30分間以上はオン状態にあって、JISで規定する

輝度に設定されている。

③ロングアイドル電力管理機能は動作していない。

(4)ロングアイドルモード

ロングアイドルモードとは、次の要件を満たしている状態をいう。

①被試験機器はアイドル状態にある。

②主要ディスプレイの画面は無表示であるが、被試験機器は作業状態を維持してい

る状態。

1 アイドルモードは、オペレーティングシステム及び他のソフトウェアの読込みが完了し、製品はスリープモードではなく、また、そのシス

テムが初期設定によって開始する基本アプリケーションに動作が限定されている状態をいう。

Page 20: 電子計算機及び磁気ディスク装置判断基準 ワーキン …資料5 総合エネルギー調査会 省エネルギー・新エネルギー分科会省エネルギー小委員会

19

③電力管理機能は、出荷時に設定している場合において動作しているが、被試験機

器はスリープモードに移行することを抑制している。

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20

別添4

電子計算機の目標年度

1.サーバ型電子計算機

電子計算機のエネルギー消費効率に大きな影響を及ぼすCPUの技術開発では、CPU

アーキテクチャの変更とCPU半導体製造プロセスの変更が約3年周期で交互に行われて

おり、製造プロセス変更には約6年を要する。

このため、サーバ型電子計算機の目標年度については、製品開発期間、設備投資期

間等を考慮し、基準年度(2015年度)から6年度を経た時期として2021年度とする。

2.クライアント型電子計算機

次期基準では、クライアント型電子計算機のエネルギー消費効率は年間消費電力量と

なった。基準年度である(2015年度)から新基準の施行年度である2019年まで、エネルギ

ー消費効率の水準が比較的高いと考えられる電子計算についてCPUの世代別で見ても

消費電力量はほぼ低減していない。

エネルギー消費効率の低減には、CPU以外の構成の効率向上が必要であり、その開

発には電子計算機の設計や開発等に期間が3年必要になる。このため、次期基準(規

制)の適用後(2019年度)から3年度を経た時期として2022年度とする。

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21

別添5

電子計算機の目標設定のための区分について

1.基本的な考え方

現行基準の区分設定と同様に、消費者ニーズの代表制を有する要素を踏まえ、製品

形態及び性能の特性を踏まえ区分を設定する。

2.製品形態の特性に基づく区分

(1)サーバ型電子計算機とクライアント型電子計算機の区分

電子計算機は、使用形態や必要性能の面で大別すると以下のとおり分類される。

○サーバ型電子計算機

○クライアント型電子計算機

これらは電子計算機の市場、用途に違いにより、処理性能といった機器の基本的な製品

仕様が異なるため、区分する。なお、サーバ型電子計算機とクライアント型電子計算機に

ついて、現行規則での区分を継続し、以下のとおりとする。

○「サーバ型電子計算機」とは、ネットワーク上でサービス等を提供する24時間稼動す

ることを前提として設計された電子計算機であって、専らネットワークを介してアクセス

されるものをいう。

○「クライアント型電子計算機」とは、「サーバ型電子計算機」以外の電子計算機をいう。

(2)サーバ型電子計算機の区分については、エネルギー消費効率に関係の

深い機能及び物理量の指標であるCPU種及びCPUソケット数を使用し、測定方法におけ

る区分を参考に次期基準の区分を設定した。

(3)クライアント型電子計算機の区分(ノートブック型、一体形デスクトップ、デスクトップ型)

特に多様性を求められているクライアント型電子計算機は、現行基準の「ノートブック

型」及び「デスクトップ型」による区分のほか、ノートブック型とデスクトップ型の中間的な

製品である一体形デスクトップを追加する。

2.性能特性に基づく区分

サーバ型電子計算機とクライアント型電子計算機をそれぞれのエネルギー消費効率と

の関連を踏まえ区分を設定。

(1)サーバ型電子計算機

現行規制と同様に用途等の観点からx86、SPARC、Powerの3つのCPUにおいてそ

れぞれのCPUソケット数に応じて、AからIまでの9区分を設定。

Page 23: 電子計算機及び磁気ディスク装置判断基準 ワーキン …資料5 総合エネルギー調査会 省エネルギー・新エネルギー分科会省エネルギー小委員会

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製品特性及び性能特性に基づく区分

区分 CPU 種 CPU ソケット数

A

x86

1

B 2

C 4

D

SPARC

1

E 2

F 4

G

Power

1

H 2

I 4

①CPUの種別

測定方法における区分と同様にするため、区分をCPU種であるx86(旧区分のIA64及

びIA32を包含。)、SPARC、Powerの3種類とする。SPARCについてはデータベース用の

サーバに主として使用され、Powerについては主に科学技術分野の演算用サーバとして

使用されている。

②CPUソケット数による区分

CPUソケットとはCPUを電子回路基板に装着するための部品である。CPUソケット数毎

にCPUアーキテクチャが異なるため、CPUソケット数により消費電力は大きく変動するた

め、CPUソケット数を基本指標として区分を設定することとする。

Page 24: 電子計算機及び磁気ディスク装置判断基準 ワーキン …資料5 総合エネルギー調査会 省エネルギー・新エネルギー分科会省エネルギー小委員会

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(2)クライアント型電子計算機

消費者ニーズの代表性を有する要素を踏まえ、製品形態及び性能特性であるCPU性

能、画面サイズ、きょう(筐)体容量に基づき、区分を設定する。

区分 製品形態 CPU 性能

[P スコア] 画面サイズ

きょう(筐)体容

J

ノートブックコンピュータ 8 未満

15 インチ未満 ―

K 15 インチ以上 ―

L 8 以上 ― ―

M

デスクトップコン

ピュータ

一体形 8 未満 ― ―

N 8 以上 ― ―

O

分離型

― ― 5L 未満

P ― ― 5L 以上 20L 未

Q ― ― 20L 以上 35L 未

R ― ― 35L 以上

備考

1.「Pスコア」とは、CPUコア数×CPUクロック周波数(GHz)を表す。コア数は物理的なCPUコ

ア数、CPUクロック周波数はTDP(熱設計消費電力)最大コア周波数を表す。

2.「画面サイズ」とは、表示画面の対角外径寸法をセンチメートル単位で表した数値を2.54

で除して小数点第2位以下を四捨五入した数値をいう。

3.「筐体容量」とは、電子計算機においてハードウェアを構成する部品をまとめて収納して

おくケースの容量であってL(リットル)で表される数値をいう。

①製品形態に基づく区分

本基準においては、設計思想や構造の差異に由来するエネルギー消費効率の違い

から、クライアント型電子計算機をノートブック型電子計算機とデスクトップ型電子計算機

に大別する。デスクトップPCはさらに、コンピュータとディスプレイ(画面)が一体となった

「一体形デスクトップPC」と、ディスプレイを有さない「分離型デスクトップPC」に分類す

る。

②CPU 性能による区分

CPUの演算性能は、理論的にはコア数やクロック周波数に比例し、CPUの演算性能は

Pスコア(CPUコア数×クロック周波数(GHz))という指標で示すことができる。コア数は物

理的なCPUコア数、CPUクロック周波数はTDP(熱設計消費電力)最大コア周波数を表

Page 25: 電子計算機及び磁気ディスク装置判断基準 ワーキン …資料5 総合エネルギー調査会 省エネルギー・新エネルギー分科会省エネルギー小委員会

24

す。

CPUコア数とは演算装置そのものの数であり、コア数が2倍になるとCPUの演算回路

の回路規模も2倍になる。回路規模が大きくなると、回路動作時の消費電力も概ね回路

規模に比例して大きくなる。複数コアを同時に動作する状態の最大動作電力に耐えられ

る電源回路を搭載するため、CPUがほぼ動作していないアイドル状態での電力ロスは

CPUコア数に応じて増えることになる。クロック周波数が高くなると、スイッチングの回数

が増え、回路中の電流の量が増加する。このため、クロック周波数の増加に応じて消費

電力も増加する。

Pスコアに関わらず同一区分において、同一の目標基準値を設定した場合、Pスコア8

以上の製品は目標基準値の達成が困難となり、Pスコア8以上の製品を出荷することが

難しくなれば、消費者の多様なニーズに対応できなくなることが懸念される。したがって、

ノートブックPCと一体形デスクトップについてはPスコア8未満、8以上で区分を設定する。

③画面サイズによる区分

画面サイズ15インチ未満のノートブック型は、持ち運びでの利用を想定した設計となっ

ており、画面サイズ15インチ以上のノートブック型は、主に据え付けでの利用を想定した

設計となっており、性能や拡張性を重視する特徴がある。具体的には、画面サイズ15イン

チ以上のノートブックPCでは、高性能なCPUや多くのメモリを搭載した高性能・高機能な

機種、光学ドライブを搭載した機種、多くの外部ポートを搭載した機種等が存在する。こ

のため画面サイズ15インチ以上のノートブックPCは、最大動作時の消費電力が大きくな

り、それに応じて電源回路も大型化する必要があり、15インチ未満のノートブックPCと比

較すると、アイドル時の電力ロスが大きくなる。画面サイズの消費電力量補正値では、画

面サイズ15インチ以上と15インチ未満のノートブックPCとの電力差を補うことができない

ため、区分を設ける。

なお、Pスコアが8以上の製品については、2015年度に出荷された製品が少なく、測定

データによる十分な検証ができないため、画面サイズによる区分は設定しない。

④拡張性能に基づく区分

分離型デスクトップPCの特徴は、用途に応じた機能拡張が可能なことであり、製品の

拡張性能に応じて市場やエネルギー消費効率も異なる。拡張性向上のためには、それを

機能させるための部品数が増え、マザーボードの面積(規格)や内部電源の容量、ファン

の大きさ等の仕様に影響し、結果として筐体容量が大きくなるため、拡張性能と筐体容量

には関連がある。分離型デスクトップPCを大別すると、筐体容量5L未満、5L以上20L未

満、20L以上35L未満、35L以上で主な用途が異なり、エネルギー消費効率に影響を与え

る技術的、構造的な差異が存在する。このため分離型デスクトップPCについては筐体容

量に応じた区分を設定する。

Page 26: 電子計算機及び磁気ディスク装置判断基準 ワーキン …資料5 総合エネルギー調査会 省エネルギー・新エネルギー分科会省エネルギー小委員会

25

分離型デスクトップPCの筐体容量別の主な用途

筐体

容量

呼称 内部電

マザーボー

ド

規格

ポート数/

PCI スロット

主な用途 求められる機能・仕

5L 未

コン

パクト

50~

230W

各社独

自規格

6.7"x7.1

"

USB 5~8

PCI 0

一般 OA 用途

特殊・特定用途(機

器・装置制御用、サ

イネージ用等)

省スペース・設置自

由度

静音性

AC アダプタ

長期安定稼働

5L 以

20L

未満

スリ

ムタ

ワー

100~

900W

各社独

自規格

6.8"x

7.6"

USB 6~

9

PCI 0~22

一般 OA 用途(オフ

ィス系マルチタスク)

特殊・特定用途(機

器・装置制御用、組

込み)

省スペース

BTO(CPU、d-GPU

などデバイス)

内蔵 ODD

20L

以上

35L

未満

マイ

クロタ

ワー

300~

1300W

microAT

X~ATX

USB 9~

12

PCI 22

CAD/CAM/CAE

クリエイティブ(コン

テンツ作製、プログ

ラミング)

特殊・特定用途(産

業装置制御、画像

診断)

ゲーミング

高性能

BTO(CPU、d-GPU

などデバイス)

拡張性(デバイス搭

載可能数)

大容量電源

35L

以上

タワ

500~

1800w

microAT

X~ATX

USB 9~

12

PCI 39~

81

各種計算・高度シミ

ュレーション

ゲーム・ソフト開発

高負荷状態を長時

間維持

最高性能

BTO(CPU、d-GPU

フルレングスなどデ

バイス)

拡張性(デバイス搭

載可能数)

大容量電源

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26

別添6

電子計算機の目標基準値について

1.サーバ型電子計算機

(1)トップ値の選定及び効率改善見通し

①x86(区分 A,B,C)

2015 年度に出荷された電子計算機について、エネルギー消費効率の実測値(SERT 値)

からトップランナー値(最も値が大きい電子計算機)を選定。x86サーバに使用されるCPU

における半導体プロセス改善による向上率を検討し、x86 の半導体プロセスが 1 ソケット

と 2、4 ソケットで異なるため、1ソケットで 10%、2ソケット及び4ソケットで 18%と見込ん

だ。

図1.トップ値の選定及び効率改善(x86)

②SPARC(D,E,F)

2015 年度に出荷された電子計算機について、エネルギー消費効率の実測値(SERT 値)

からトップランナー値を選定。SPARC サーバに使用される CPU における半導体プロセス

Page 28: 電子計算機及び磁気ディスク装置判断基準 ワーキン …資料5 総合エネルギー調査会 省エネルギー・新エネルギー分科会省エネルギー小委員会

27

改善による向上率を検討し、10%の改善率を見込んだ。

図2.トップ値の選定及び効率改善(SPARC)

③Power(G,H,I)

2015 年度に出荷された電子計算機について、エネルギー消費効率の実測値からトップ

ランナー値を選定。Power サーバに使用される CPU における半導体プロセス改善による

向上率を検討し、6%の改善率を見込んだ。

図3.トップ値の選定及び効率改善(Power)

(2)目標基準値

基準年度におけるトップ値(トップランナー)のエネルギー消費効率を基準に、目標年度

までの技術開発による効率改善見込みを勘案した値を、各区分における目標基準値とす

る。

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表1 具体的な目標基準値

区分 CPU 種 CPU

ソケット数

基準年度

(2015 年度)ト

ップ値

効率改善見込み 目標

基準値 世代あたりの改

善見通し

改善

世代数

A

x86

1 8.1 10% 1 世代 8.9

B 2 10.1 18% 1世代

11.9

C 4 7.5 8.9

D

SPARC

1 5.7

10% 1 世代

6.3

E 2 3.8 4.2

F 4 3.2 3.5

G

Power

1 4.3

6% 1世代

4.6

H 2 4.6 4.9

I 4 4.0 4.2

Page 30: 電子計算機及び磁気ディスク装置判断基準 ワーキン …資料5 総合エネルギー調査会 省エネルギー・新エネルギー分科会省エネルギー小委員会

29

2.クライアント型電子計算機

(1)目標基準値の補正

クライアント型電子計算機については消費者の多様なニーズにより求められる機能・特

性によって搭載する部品(主記憶装置、ディスプレイ、補助記憶装置、独立型GPU及び電

源容量)の種類の組み合わせが非常に多い。このため、搭載する部品が少ない製品や

性能をあまり重視しない製品のエネルギー消費効率を目標基準値として設定すると、搭

載する部品が多い製品や性能を重視する製品がそのエネルギー消費効率を実現するこ

とは、技術的に極めて困難となる可能性が考えられる。

JIS C 62623(2014)では、電子計算機に機能を追加または設定した場合、その機器の

TEC値を一定量増加させる補正を設けることができると規定されている。このため、製品

形態に応じて、主記憶装置、ディスプレイ(画面面積・画面解像度)、補助記憶装置、独立

型GPU、電源容量のスペックや有無がTEC値に影響を与えることから、次期基準では、こ

れらに係るTEC補正値を与える。

備考 1. 「主記憶装置」は、キャッシュメモリーを除いた容量をギガバイト表示したものをいう。

2. 「画面面積」とは、表示画面の対角外径寸法をセンチメートル単位で表した数値を2.54で除して小数点第2位以下を四捨五入した数値を二乗した

数値をいう。

3. 「画面解像度」とは、画面に表示される総画素数をメガピクセル表示したものをいう。

4. 「補助記憶装置」とは、電子計算機本体に組み込まれたり、外部記憶装置として使用されるSSD、2.5インチHDDもしくは3.5インチHDDをいう。

5. 「独立型GPU(グラフィック・プロセッシング・ユニット)」とは、画像データ処理用のプロセッサのうち、専用のローカルメモリを有するものをいう。独

立型GPUの性能は、

FB_BW(フレームバッファ―帯域幅)をギガバイト毎秒(GB/ s)表示したもので表される。フレームバッファ―帯域幅は、画面に表示する画像デ

ータを一時的に保管

しておくメモリ領域である。

6. 「電源容量」とは、内部電源装置の定格出力をワット表示したものをいう。

(2)具体的な補正値の設定

①主記憶装置

主記憶装置は容量に応じて保持のための電圧印加が必要となるため、主記憶装置

の容量に応じたTEC補正値を設定する。ノートブックコンピュータ1台に対して、主記憶

装置の容量を変化させて(4GB・8GB・16GB・32GB)得られたTEC値に基づき、主記憶

装置の容量に係るTEC補正値を設定。

主記憶装置画面面積[平方インチ] 補助記憶装置

独立型GPUの有無及びフレームバッファ 電源容量

(GB/w) 画面解像度[M-pixl]

(2.5インチHDD3.5インチHDDの有無)

帯域幅[FB_BW] [定格出力]

ノートブックコンピュータ一体形

デスクトップコンピュータ分離型

デスクトップコンピュータ 〇〇

〇〇 〇

Page 31: 電子計算機及び磁気ディスク装置判断基準 ワーキン …資料5 総合エネルギー調査会 省エネルギー・新エネルギー分科会省エネルギー小委員会

30

②ディスプレイ

画面は面積の増加に伴い発光量が増加し、画素数の増加に伴い電圧も大きくなるた

め、画面の面積及び解像度に応じたTEC補正値を設定する。設定にあたっては、2015年

度出荷製品に対して、画面の面積と解像度を変数として、出荷ウェイトを考慮し、ショート

アイドル時とロングアイドル時との消費電力の差分を画面の消費電力とし、重回帰分析を

おこなった。年間点灯時間を勘案することにより、画面の面積及び解像度に係るTEC補

正値を設定した。

17.4インチ以上の画面は発色性や視認性が重視され、輝度が高く設定されるため、消

費電力は大きくなる傾向にある。画面面積17.4インチ未満と以上で要求性能が異なるた

め、TEC補正値を別途設置した。一体形デスクトップコンピュータは、解像度のTEC補正

値は設定せず、画面面積のTEC補正値のみを設定する。具体的な設定にあたって、17.4

インチ未満の画面と同様に、画面の面積を変数として、出荷ウェイトを考慮し、ショートア

イドル時とロングアイドル時との消費電力の差分を画面の消費電力とし分析をおこなっ

た。

主記憶装置のTEC補正値[kWh/年]ノートブックコンピュータ 0.186×最大記憶容量[GB]デスクトップコンピュータ 0.248×最大記憶容量[GB]

Page 32: 電子計算機及び磁気ディスク装置判断基準 ワーキン …資料5 総合エネルギー調査会 省エネルギー・新エネルギー分科会省エネルギー小委員会

31

③補助記憶装置 ハードディスクドライブ(HDD)は回転体の駆動を要するため、半導体素子メモリのSSD

よりも消費電力が大きく、HDDは2.5インチよりも3.5インチの方が回転体を駆動するモータ

の電力差に起因して消費電力が大きくなるため、 2.5インチと3.5インチの有無に応じて

TEC補正値を設定する。

分離型デスクトップコンピュータ1台に対して、補助記憶装置(SSD、2.5インチHDD、3.5

インチHDD)の種類を入れ替えて得られた消費電力に基づき、補助記憶装置別のTEC補

正値を設定。ノートブックコンピュータについては、デスクトップコンピュータの消費電力に

対して、負荷サイクル特性の違いを勘案し、2.5インチHDDのTEC補正値を設定。

④グラフィック 高度な画像処理のため、グラ フィックスプロセッサである を付加する場合、追加の消費電力が発生するため、 の性能に応じた補正値を設定する。

デスクトップについては、分離型デスクトップPC1台に対して、 d-GPUの画像処理性能

を示すフレームバッファ帯域幅を変化させて(29GB/s、80GB/s、106GB/s)得られたTEC

値に基づき、 d-GPUの性能に係るTEC補正値を設定。ノートブック型については、d-GPU

は基板上に直接接続されており着脱して測定することが不可能であるため、d-GPUの搭

載有無別のトップ値(性能や機能が類似している機器)の差分に基づき、グラフィックに係

るTEC補正値を設定。

⑤電源容量

拡張性の高い分離型デスクトップコンピュータでは、電源容量の大型化に伴い、性能測

定時(アイドル状態)の負荷率低下により電源の変換効率が低下する。特に電源容量幅

の大きい筐体容量5L以上の分離型デスクトップコンピュータについて、定格電力に応じた

TEC補正値を設定する。分離型デスクトップに対して、定格電力の異なる内部電源装置

独立型GPUのTEC補正値 [kWh/年]0.587×フレームバッファ帯域幅[GB/s]+30.463ただし、上限は130kWh

グラフィックのTEC補正値 [kWh/年]ノートブック型 4.198

分離型デスクトップ・一体形デスクトップ

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(IPS)を付け替え、得られたTEC値に基づき、電源容量に係るTEC補正値を設定。

3.具体的な目標基準値

機能等の差を除外した状態で目指すべきエネルギー消費効率の水準として、消費電力

量(TEC値)に大きな影響を与える要素に応じて消費電力量(TEC補正値)を控除した値

(TECベース値)の最小値トップランナーを選定する。

CPUの半導体プロセスの改善等による消費電力の低減は得られたものの、拡張性の

増大による消費電力の増加により製品全体としては消費電力量が横ばい状態である。ト

ップランナー製品に導入されている以外の省エネ技術の導入を目標年度(2022年度)に

おいて見込むことは困難であり、改善率は見込まないこととする。そのため、各区分の最

小値のTECベース値(トップランナー)を目標基準値とする。

電源容量のTEC補正値 [kWh/年]分離型デスクトップのうち筐体容量5L以上のもの 0.0543×定格電力[W]

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(1)ノートブックコンピュータ(J,K,L)

2015年度に出荷された電子計算機について、エネルギー消費効率の実測値からトップ

ランナー値を選定。一部に消費者ニーズを捨象している機器があり、トップランナーの対

象から除いている。

(2)デスクトップコンピュータ(M,N,O,P,Q,R)

2015年度に出荷された電子計算機について、エネルギー消費効率の実測値からトップ

ランナー値を選定。一部に消費者ニーズを捨象している機器があり、トップランナーの対

象から除いている。

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(3)目標基準値

各区分のトップランナー及びTEC補正値を踏まえ目標基準値は以下のとおり。

表 クライアント型電子計算機の目標基準値(基準エネルギー消費効率)

製品形態 CPU性能

[P スコア]

画面

サイズ

きょう

(筐)体

容量

基準エネルギー消費効率の算定式(kWh/年)

ノートブック

コンピュータ

8未満 15 インチ

未満 ― J E= 5.21+TECMEMORY+TECINT_DISPLAY+TECSTORAGE+TECGRAPHIC

15 インチ

以上 ― K E=7.75+TECMEMORY+TECINT_DISPLAY+TECSTORAGE+TECGRAPHIC

8以上 ― ― L E=11.34+TECMEMORY+TECINT_DISPLAY+TECSTORAGE+TECGRAPHIC

デスク

トップ

コンピ

ュータ

一体

8未満 ― ― M E=39.87+TECMEMORY+TECINT_DISPLAY+TECSTORAGE+TECGRAPHIC

8以上 ― ― N E=53.32+TECMEMORY+TECINT_DISPLAY+TECSTORAGE+TECGRAPHIC

分離

― ― 5L未満 O E=29.59+TECMEMORY +TECSTORAGE+TECGRAPHIC+TECPOWER

― ― 5L以上

20L未満 P E=31.33+TECMEMORY +TECSTORAGE+TECGRAPHIC+TECPOWER

― ― 20L以上

35L未満 Q E=28.45+TECMEMORY +TECSTORAGE+TECGRAPHIC+TECPOWER

― ― 35L以上 R E=40.47+TECMEMORY +TECSTORAGE+TECGRAPHIC+TECPOWER

備考1.「Pスコア」とは、CPUコア数×CPUクロック周波数(GHz)を表す。

コア数は物理的なCPUコア数、CPUクロック周波数はTDP(熱設計消費電力)最大コア周波数を表す。

2.「画面サイズ」とは、表示画面の対角外径寸法をセンチメートル単位で表した数値を2.54 で除して小数

点第2位以下を四捨五入した数値をいう。

3.「きょう(筐)体容量」とは、電子計算機においてハードウェアを構成する部品をまとめて収納しておく

ケースの容量をいう。

4. Eは次の数値を表すものとする。

E:基準エネルギー消費効率(kWh/年)

5. TECMEMORY、TECINT_DISPLAY、TECSTORAGE、TECGRAPHIC、TECPOWERとは以下を表す。

TECMEMORY:主記憶装置に関するTEC補正値(kWh)

TECINT_DISPLAY:画面に関するTEC補正値(kWh)

TECSTORAGE:補助記憶装置に関するTEC補正値(kWh)

TECGRAPHIC:独立型GPUに関するTEC補正値(kWh)

TECPOWER:電源容量に関するTEC補正値(kWh)

TECベースに対して各製品の機能に応じて加算するTEC補正値の値は、下表のとおり。

表 TEC補正値 (単位:kWh)

TEC補正値

主記憶装置

画面 補助記憶装置 独立型

GPU 電源容量

17.4インチ未満 17.4インチ以上 SSD 2.5HDD 3.5HDD

J 最大記憶容量

[GB]×0.186

(8.76×0.30)×(LCD サイズ[平方インチ]×0.0300+

解像度[M-pixel]×0.244)

0 2.510 - 4.198 -

K -

L -

M 最大記憶容量

[GB]×0.248

(8.76×0.35)×(LCD サ

イズ[平方インチ]×0.0300

+解像度[M-pixel]

×0.244)

(8.76×0.35)×(LCD サ

イズ[平方イン

チ]×0.0393)

3.140 20.380 0.587×

フレームバッ

ファー帯域

[GB/s]

30.463

※上限

を 130

とする

N -

O - - -

P - - 定格電力×

0.0543[W] Q - -

R - -

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備考 1. 「主記憶装置」は、キャッシュメモリーを除いた容量をギガバイト表示したものをいう。

2. 「画面面積」とは、表示画面の対角外径寸法をセンチメートル単位で表した数値を2.54で除して小数点

第2位以下を四捨五入した数値を二乗した数値をいう。

3. 「画面解像度」とは、画面に表示される総画素数をメガピクセル表示したものをいう。

4. 「補助記憶装置」とは、電子計算機本体に組み込まれたり、外部記憶装置として使用される2.5インチ

HDDもしくは3.5インチHDDをいう。

5. 「独立型GPU(グラフィック・プロセッシング・ユニット)」とは、画像データ処理用のプロセッサの

うち、専用のローカルメモリを有するものをいう。独立型GPUの性能は、

FB_BW(フレームバッファ―帯域幅)をギガバイト毎秒(GB/ s)表示したもので表される。フレー

ムバッファ―帯域幅は、画面に表示する画像データを一時的に保管

しておくメモリ領域である。

6. 「電源容量」とは、内部電源装置の定格出力をワット表示したものをいう。

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総合エネルギー調査会

省エネルギー・新エネルギー分科会省エネルギー小委員会

電子計算機及び磁気ディスク装置判断基準ワーキンググループ

開催経緯

第1回WG(平成30年11月26日)

・議事の取扱い等について

・電子計算機の現状について

・電子計算機のエネルギー消費効率及びその測定方法について

・電子計算機の対象範囲について

第2回WG(平成30年12月25日)

・第1回 WG における指摘事項について

・目標年度について

・目標基準値について

・表示事項について

・とりまとめ案について

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別添8

総合エネルギー調査会

省エネルギー・新エネルギー分科会省エネルギー小委員会

電子計算機及び磁気ディスク装置判断基準ワーキンググループ

委員名簿

(座長)

金山 敏彦 国立研究開発法人産業技術総合研究所 特別顧問

(委員)

天野 英晴 慶應義塾大学理工学部 教授

新 誠一 電気通信大学情報理工学研究科機械知能システム学専攻 教授

中田 登志之 東京大学大学院情報理工学系研究科ソーシャルICT研究センター

教授

中野 幸夫 関東学院大学理工学部 教授

早井 佳世 財団法人省エネルギーセンター 省エネ支援サービス本部広報部

主幹

村上 千里 公益社団法人日本消費生活アドバイザー・コンサルタント・

相談員協会 理事 環境委員会委員長

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参考資料

電子計算機の現状について

1.トップランナー制度の概要

近年の内外におけるエネルギー消費量の著しい増加、国際的な地球環境問題への関

心の高まり等の状況の下、エネルギー消費と密接に関連する地球温暖化問題等の解決

に向け、エネルギー需要の伸びを抑えていくことが喫緊の課題となっている。このような状

況の中、エネルギーの使用の合理化等に関する法律(以下「省エネ法」という。)で規定し

ている機械器具等に係る措置、いわゆる「トップランナー制度」では、機械器具等に係る

省エネ対策として、エネルギーを消費する機械器具のうち、特にエネルギー消費の大きい

製品を指定して、エネルギー消費効率の改善を図ることとされている。

具体的に、トップランナー制度では、目標基準値策定時点において、市場に存在する最

もエネルギー効率が優れた製品のエネルギー消費性能の値や、技術開発の将来見通し

を考慮して基準値とすることとしている。当該機器の製造事業者及び輸入事業者は、目

標の達成判定においては、目標年度の出荷製品について出荷台数による加重平均した

エネルギー消費性能の値と目標基準値と比較することで評価される。トップランナー制度

の対象となっている機器は29機器であり、これまで多くの機器で複数回の基準等の見直

しを実施し、その結果、エネルギー消費効率が大幅に改善されてきている。

電子計算機(サーバ型電子計算機、クライアント型電子計算機)については、2005 年

度目標基準、2007 年度目標基準、さらに 2011 年度目標基準が策定され、各改正に伴い、

適用範囲の拡大、区分定義の見直し、測定方法の見直し等が行われた。

2.現行規制における電子計算機の範囲

現行のトップランナー制度での電子計算機は、次のものを除いている。

・ 演算処理装置、主記憶装置、入出力制御装置及び電源装置がいずれも多重化さ

れた構造のもの

・ 複合理論性能が一秒につき 20 万メガ演算以上のもの

・ 256 を超えるプロセッサからなる演算処理装置を用いて演算を実行することができ

るもの

・ 入出力用信号伝送路(最大データ転送速度が一秒につき百メガビット以上のものに

限る。)が 512 本以上のもの

・ 複合理論性能が一秒につき 100 メガ演算未満のもの

・ 専ら内蔵された電池を用いて、電力線から電力供給を受けることなしに使用されるも

のであつて、磁気ディスク装置を内蔵していないもの

その上で、使用形態や必要な性能の観点から、ネットワークを介してサービス等を提供

するために設計された電子計算機をサーバ型電子計算機とし、それ以外をクライアント型

電子計算機としている。サーバ型電子計算機は、主に大規模システム管理、金融業務等

に用いられている。クライアント型電子計算機は、サーバ型電子計算機以外の電子計算

機であり、企業、家庭、学校等でパーソナルコンピュータとして用いられている。

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また、達成判定においては出荷台数が過去の一年度の最高出荷台数の10%以下であ

る機種については適用除外とされている。

現行トップランナー制度の対象範囲

3.2011年度目標基準達成の状況

現行の電子計算機のエネルギー消費効率は、消費電力(単位:ワット)を、性能指標(単

位:ギガ演算、複合理論性能 :CTP)で除した数値としている。

電子計算機については、これまで半導体製造プロセスの微細化、マルチコア化等により、

エネルギー消費効率の改善が図られてきた。サーバ型電子計算機及びクライアント型電子

計算機の2007年度の出荷構成に加重平均したエネルギー消費効率は、2011年度目標基準

は2007年度比で77.9%改善する見通しであったが、2007年度実績に対する2011年度時点の

実績では、サーバ型電子計算機のエネルギー消費効率は85%改善、クライアント型電子計

算機のエネルギー消費効率は84%改善、電子計算機全体のエネルギー消費効率は85%改

善、となったことを確認した。

エネルギー消費効率の実績

(2007年度及び2011年度)

(出所)経済産業省調べ

(説明) 単位はW/GTOPS、括弧内は2007年度実績からの改善率、エネルギー消費効率は対象機器のエネルギ

ー消費効率を出荷台数で加重平均した効率

製造事業者等の省エネルギーに対する取り組みの結果、電子計算機における省エネル

ギーは進展している。

2007年度実績 2011年度実績

1.87 0.28(85%)

サーバ型電子計算機 15.9 2.3(85%)

クライアント型電子計算機 1.37 0.23(84%)

電子計算機全体

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4.トップランナー制度における電子計算機の位置づけ

インターネットの普及、モバイル機器の普及により、ビジネスだけではなく広く社会全体

のデジタル化・ネットワーク化が進展することで電子計算機の処理する通信量が増大する

ことが見込まれ、電子計算機の処理能力向上や磁気ディスク等の記録の需要が高まって

いる。その一方で、電子計算機等の性能の向上に伴う消費電力の増大が懸念されるた

め、これらの機器の更なるエネルギー消費性能の向上が重要となる。

我が国の通信量の推移

出所)『電気通信業における地球温暖化対策の取組み 低炭素社会実行計画フェーズⅡ』

(2017 年9 月11 日 一般社団法人電気通信事業者協会)

5.電子計算機の国内出荷台数等の推移

2015年度の国内出荷台数は、サーバ型電子計算機は32万台、クライアント型電子計算

機は1,070万台である。

サーバ型電子計算機の国内出荷台数の推移 出所)JEITA(※JEITA会員企業のみの台数)

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クライアント型電子計算機の国内出荷台数の推移

出所)JEITA(※①:JEITA会員企業のみ、②:JEITA非会員企業も含む市場全体)

6.エネルギー消費量

電子計算機の我が国全体のエネルギー消費量について、出荷台数1台あたりの1年間

の消費電力量及び出荷量から推計した。

2015年度時点で、サーバ型電子計算機全体の年間消費電力量は7184百万kWh/年、

クライアント型電子計算機全体の年間消費電力量は4413百万kWh/年と推計される。

2007 2008 2009 2010 2011 2012 2013 2014 2015 2016

ノートPC(①) 624 625 615 742 766 821 792 764 551 532

デスクトップPC(①) 381 305 258 334 321 306 327 321 185 178

総数(②) 1,445 1,462 1,531 1,330 1,150 1,070 1,060

0

200

400

600

800

1,000

1,200

1,400

1,600

1,800

出荷台数

[万台

]

ノートPC(①) デスクトップPC(①) 総数(②)

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7.省エネルギー技術の現状

サーバ型電子計算機及びクライアント型電子計算機は、演算装置・制御装置である

CPU、主記憶装置であるメモリ、補助記憶装置であるストレージ、電源及び筐体から構成

される。また、さらにクライアント型電子計算機には、入力装置としてのキーボードや出力

装置としてのディスプレイが追加され、これらの構成要素ごとに各種省エネ技術が開発さ

れている。

各構成要素における省エネ技術

構成要素 サーバ型 クライアント型

CPU 半導体製造プロセスの微細化、薄膜化による低電圧化

メモリ 半導体製造プロセスの微細化、薄膜化による低電圧化

ストレージ 半導体ディスクの高速・高容量化

電源

交流入力から直流入力への変換効

率の向上(例えば80Plus規格のプラ

チナランクの採用)

電源効率の改善(交流入力から直流入力への

変換効率の向上、例えば80Plus規格のゴール

ドランクの採用)

窒化ガリウム(GaN)や炭化ケイ素

(SiC)等の次世代スイッチング素子

の採用

-

ディスプレ

イ - バックライト効率改善等による低消費電力化

d-GPU - 半導体製造プロセスの微細化、薄膜化による

低電圧化