通信路符号化法 ガロア体とbch符号...ガロア体...

17
Information Theory, 2013 by Toyoaki Nishida 通信路符号化法 ガロア体とBCH符号 Copyright © 2013 Toyoaki Nishida All Rights Reserved.

Upload: others

Post on 20-Apr-2020

1 views

Category:

Documents


0 download

TRANSCRIPT

Information Theory, 2013 by Toyoaki Nishida

通信路符号化法 ガロア体とBCH符号

Copyright © 2013 Toyoaki Nishida All Rights Reserved.

ガロア体

n 体:加減乗除の四則演算について閉じている系.

n 有限体(ガロア体):有限個の元しか持たない体

… qは元の数(「位数」) (pは素数,mは正整数)

n 素体 (pは素数) … mod演算で作られる

)(qGF

mpqqGF =Û)(

)( pGF

素体の例

)2(GF

素体の例

)7(GF

+ 0 1 2 3 4 5 6 0 0 1 2 3 4 5 6 1 1 2 3 4 5 6 0 2 2 3 4 5 6 0 1 3 3 4 5 6 0 1 2 4 4 5 6 0 1 2 3 5 5 6 0 1 2 3 4 6 6 0 1 2 3 4 5

× 0 1 2 3 4 5 6 0 0 0 0 0 0 0 0 1 0 1 2 3 4 5 6 2 0 2 4 6 1 3 5 3 0 3 6 2 5 1 4 4 0 4 1 5 2 6 3 5 0 5 3 1 6 4 2 6 0 6 5 4 3 2 1

拡大体

n 拡大体 (pは素数, )は,素体 に,m次原始多項式

(周期が となるm次の多項式)の根を1個追加して体を作る.

n のm次の拡大体 は,m次原始多項式の根 のべき

から構成する.

ここで, であり, は の原始元と呼ばれる.

)( mpGF m£2 )( pGF

1-mp

)2(GF

)2( mGF

a22210 ,,,, -m

aaaa L

112 =-m

a

)2( mGF

a

拡大体

11415

0313414

023123413

012323412

12311

0122410

139

021248

013347

236

125

014

=+=

+=++=

++=+++=

+++=++=

++=

++=+=

+=

+=++=

++=+=

+=

+=

+=

aaa

aaaaaa

aaaaaaaa

aaaaaaaa

aaaa

aaaaaa

aaa

aaaaaa

aaaaaa

aaa

aaa

aaa GF(24)の作り方

n GF(2)上の多項式 は原始多項式である.その

根を α とし, α をGF(2)に付加した体を考える.

n この体は, を含む.

n 乗算の結果は,この体に含まれなければならない. α は

の根,つまり, であることに注意

して,この体に含まれるべき要素を枚挙していくと,

で閉じていることが分かる(加算に関しても,すべての

に対して, が出

現している).

14 ++ xx

},1,0{ a

14 ++ xx014 aaa +=

},,,{ 0123 aaaa

},,,,,,,,,,,,,,1,0{ 141312111098765432 aaaaaaaaaaaaaa

00

11

22

33 aaaa aaaa +++

拡大体

GF(3) の2次の拡大体GF(32)の構成

(1) GF(3)の原始多項式の探索:下記の通り, は原始多項式である.

つまり, かつ, なる に対し とならない.

22 ++ xx

( ) ( )1|2 132 2

-++ -xxx 132 -<n ( ) ( )1|22 -++ nxxx

1 2 2 0 2 1 1 1 1 2 1 0 0 0 0 0 0 0 2

1 1 2 2 1 0

2 2 1 2 2 0

2 2 1 0 2 0

0 0 0 2 0 0

2 2 1 1 2 0

1 1 2 1 1 2

1 1 2 0

)

n

拡大体

GF(3) の2次の拡大体GF(32)の構成 (つづき)

(2) の根を と置いて,GF(3)を拡張する. であるから,

22 ++ xx 022 =++ bbb

1222 +=--= bbb22)12(22 23 +=++=+= bbbbbb

22)12(2)(2 24 =++=+= bbbbbbb 25 =

2)12(22 26 +=+== bbbb12)12(2)2( 27 +=++=+=+= bbbbbbbb

1)12()1( 28 =++=+=+= bbbbbbb

さらに, が全部そろっているから, となっていることがわかる. ■

)3(01 GFbbb i Î+b

},,,,,,,1,0{)3( 765432 bbbbbbb=GF

拡大体 GF(2m)の元のベクトル表現

n が,m次原始多項式

の根であったとする.ここで, はGF(2)の元

である.

n であるので,

n これを用いると, を,GF(2)の元

を係数とする の1次式

で表すことができる.

n GF(2)の要素からなるGF(2)上の係数ベクトル

をGF(2m)の元のベクトル表現と呼ぶ.

1)( 11

1 ++++= -- xfxfxxF m

mm L

0)( =aF 111

1 +++= -- aaa ff m

mm L

a

)22,,1,0( -= mi i La

011 ,,, aaam L-

011

1 aaa mm

i +++= -- aaa L

1,,,1 aa L-m

),,,( 011 aaam L-

べき表現 による展開 ベクトル表現 0123 ,,, aaaa

11 ,, -mff L

拡大体

GF(32)のべき表現とベクトル表現

BCH符号 n を の原始元, を 以下の任意の正整数とするとき,

をすべて根として持つ,最小次数のGF(2)上の多項式を

生成多項式とする符号長 の2元巡回符号をBCH符号と呼ぶ. l はふつう1か0に選ばれる.

n 最もよく用いられるBCH符号: .このとき,生成多項式は, 2t 個の元: を根とする最小次数の多項式である.

n BCH限界:BCH符号の最小距離 は を満たす.

n BCH符号は, 符号長 情報ビット数 誤り訂正能力 となる巡回符号である.

a )2( mGF d 12 -m

21 ,,, -++ dlll aaa L

12 -= mn

12,1 +== tdlt22 ,,, aaa L

12 -= mnmtk m --³ 12

tt ³0

mind mindd £

BCH符号

n 上の多項式 の根を とすると, も根である.なぜならば, であるので, ならば, であるから.

n このように t 個の元: を根とする最小次数の多項式の次数

は mt 以下であり,それを生成多項式として使うBCH符号の検査ビット数 を mt 以下にすることができる.

)2(GF 011

1)( fxfxfxfxF ss

ss ++++= -

- L2bb

123 ,,, -taaa L

kn -

0)( =bF

[ ] ( )

)()(

)()(

)(

20

21

221

2

1010

0101

)2(2

)2(2

)1(1

)1(1

00)1()1(

11

201

11

2

xFfxfxfxfxffxff

xffxffxffxffffxffxff

fxfxfxfxF

ss

ss

ssss

ssss

ssss

ssss

ssss

ssss

ss

ss

=++++=

++

++++

+++=

++++=

--

++

+--

-+-

+--

-+-

-+---

+

--

L

L

L

L

0)( 2 =bF

BCH符号

(例) 原始多項式 (根をαとする)を用いて,m=4, t=2とする(少なくとも)2誤り訂

正能力をもつ(15,7)BCH符号を構成する.

(1) 生成多項式の構成

m1(x): αを根とする多項式 → 原始多項式そのもの:

m3(x): α3を根とする多項式: → 求め方は次スライド

生成多項式:

(2) 符号語はG(x)を使って巡回符号の場合と同様に構成する.

14 ++ xx

14 ++ xx

1234 ++++ xxxx

1)1)(1(

))(),((LCM)(

4678

234431

++++=

++++++=

=

xxxxxxxxxx

xmxmxG

BCH符号 m3(x)の求め方:

(α: の根) 014 =++ xx

BCH符号の復号

n 受信多項式 に対して, によりシンドローム を計算する.

n シンドロームがすべて0ならば,誤りなしと判定する.

n シンドロームのなかに0でないものがあるときは,シンドロームから誤り位置多

項式 を求める.

n の根 を求める.

n から, を求め,これらの位置の記号を訂正する.

n 上の復号過程がうまくいかないときは,訂正不可能な誤りが生じたと判定する.

また,訂正された結果に対して,シンドローム を計算し,すべて0になることを確

かめる.

011

1)( yxyxyxY nn +++= -

- L

)2,,2,1()( tiYS ii L== a tSSS 221 ,,, L

0)( =zs ljjj --- aaa ,,, 21 L

0)( =zs

ljjj --- aaa ,,, 21 L ljjj ,,, 21 L

BCH符号の復号

BCH符号の復号