食道癌の手術以外の治療

神奈川県立がんセンター

消化器内科消化管 西村 賢

食道狭窄

• 良性狭窄：術後、内視鏡治療後など

→ ブジー、バルーン拡張、RIC

• 悪性狭窄

→ステント、胃瘻など

バルーン拡張

RIC

カバードメタリックステント

ステント挿入前 ステント挿入後

ステント

臨床ステージ別治療

T1a

T1b

T2

T3

T4

N0 N1 N2 N3

0 内視鏡

化学療法

手術

N4 M1

放射線化学療法

Ⅰ

手術 Ⅰ

化学療法→手術 Ⅱ, Ⅲ

Ⅳa

Ⅳb

放射線化学療法

Ⅲ

EMR/ESD

EMR (Endoscopic Mucosal Resection)

胃の粘膜を挙上してスネアをかけ、高周波により焼灼切除する方法

ESD (Endoscopic Submucosal Dissection)

高周波ナイフを用いて病巣の粘膜を切開し、さらに粘膜下層を剥離して切除する方法

EMR

EMR

ESD

ESD

【症例 ： 胸部下部食道 前壁 0-Ⅱc】

ESD

内視鏡治療後ステージ

T1a

T1b

T2

T3

T4

N0 N1 N2 N3

0 内視鏡

化学療法

手術

N4 M1

放射線化学療法

Ⅰ

手術 Ⅰ

化学療法→手術 Ⅱ, Ⅲ

Ⅳa

Ⅳb

放射線化学療法

Ⅲ

JＣＯＧ0508 SM1-2が疑われる食道扁平上皮癌

T1N0M0, 長径5cm以下, 周在性3/4以下, 副病変は2個まで, PS0-1, 20歳以上75歳以下

経過観察

EMR, ESD

断端が陰性の場合

pM3以浅の場合

脈管侵襲(-)の場合 脈管侵襲(+)の場合

予防的化学放射線療法 根治的化学放射線療法

pSM1-2の場合

・断端が陽性の場合

・明らかに腫瘍が残存している場合

・すべての切除標本が回収されなかった場合

・組織的評価が十分にできなかった場合

臨床ステージ別治療

T1a

T1b

T2

T3

T4

N0 N1 N2 N3

0 内視鏡

化学療法

手術

N4 M1

放射線化学療法

Ⅰ

手術 Ⅰ

化学療法→手術 Ⅱ, Ⅲ

Ⅳa

Ⅳb

放射線化学療法

Ⅲ

放射線化学療法

StageⅠ食道扁平上皮癌

T1N0M0

前治療なし PS０ 20-75歳

CR以外 or CR後の再発

外科的切除

放射線化学療法

2コース

CDDP 70mg/m2 div d1

5FU 700mg/m2 civ

対外照射 30Gy/15fr/3w d1-21

4週1コースx2

JCOG9708

完全奏功割合：87.5％

4年生存率：80.5％

手術 VS 放射線化学療法(JCOG0502)

臨床ステージ別治療

T1a

T1b

T2

T3

T4

N0 N1 N2 N3

0 内視鏡

化学療法

手術

N4 M1

放射線化学療法

Ⅰ

手術 Ⅰ

化学療法→手術 Ⅱ, Ⅲ

Ⅳa

Ⅳb

放射線化学療法

Ⅲ

放射線化学療法

放射線化学療法

（5-FU+CDDP+Radiation)

+

追加化学療法

(5-FU+CDDP)

術前化学療法

(5-FU+CDDP 2コース)

+

食道切除

食道切除

+

術後化学療法

(5-FU+CDDP 2コース)

JCOG9907

JCOG9906

JCOG1109

cStageⅠB/Ⅱ/Ⅲ（nonT4） 前治療なし PS０-1 20-75歳

A群: 術前CF療法

5FU 800mg/m2 day1-5, 22-

26

CDDP 80mg/m2 day1, 22

B群: 術前DCF療法

5FU 750mg/m2

day1-5, 22-26, 43-47

CDDP 80mg/m2 day1, 22, 43

Docetaxel 70mg/m2 day1, 22, 43

C群: 術前CF-RT療法

5FU 1000mg/m2 day1-4, 29-32

CDDP 75mg/m2 day1, 29

Radiation 1.8Gy x23fr

(41.4Gy)

食道切除+D2以上リンパ節郭清

CROC

Induction chemotherapy

(DCF)

Surgery

Salvage surgery

FP-CRT

臨床ステージ別治療

T1a

T1b

T2

T3

T4

N0 N1 N2 N3

0 内視鏡

化学療法

手術

N4 M1

放射線化学療法

Ⅰ

手術 Ⅰ

化学療法→手術 Ⅱ, Ⅲ

Ⅳa

Ⅳb

放射線化学療法

Ⅲ

放射線化学療法

報告者

RTOG9405

（JCOG0909)

T1-4 N0,1 M0

JCOG9516 T4 N0,1 M0

対象病期 5-FU CDDP 期間xコース数 1回量x回数

1000mg/m2

4days

75mg/m2 4週ごとx2 1.8Gyx28

700mg/m2

4days

70mg/m2 4週ごとx2 2.0Gyx30

化学療法 放射線療法

臨床ステージ別治療

T1a

T1b

T2

T3

T4

N0 N1 N2 N3

0 内視鏡

化学療法

手術

N4 M1

放射線化学療法

Ⅰ

手術 Ⅰ

化学療法→手術 Ⅱ, Ⅲ

Ⅳa

Ⅳb

放射線化学療法

Ⅲ

5-FU+CDDP (FP)

シスプラチン 80mg/m2 div

5-FU

800mg/m2 80mg/m2 p.o.

Day 1-5 休薬期間

28

ドセタキセル 30mg/m2 div

シスプラチン 60-70mg/m2 div

5-FU 80mg/m2 p.o.

5-FU+CDDP+DOC (DCF) RR 62%, PFS 5.9, OS 11.9

Retrospective: RR 35%, OS 9.3-9.8

Day 1-5 休薬期間

28 15

治験

• 2次治療以降：MK-3475 vs

ドセタキセル、パクリタキセル、イリノテカン

• 有効治療終了後：HSP105由来ペプチドワクチン