平年度の減収見込額 百万円 (制度自体の減収額) ( 5,000 百万 …...5,262百万円...

183
令和2年度税制改正(租税特別措置)要望事項(新設・拡充・延長) (国土交通省総合政策局環境政策課) より環境負荷の小さい輸送手段への転換及び公共交通機関の利用者利 便の増進に資する事業に係る特例措置の延長 地球温暖化対策のための税 【制度の概要】 地球温暖化対策を適正に推進するため、モーダルシフトの推進及び公共交通 機関の利用者利便の増進に資する事業の用に供される以下の燃料に係る地球温 暖化対策のための税が還付される。 ①内航運送又は一般旅客定期航路事業(遊覧除く)の用に供した軽油又は 重油 ②第一種鉄道事業及び第二種鉄道事業の用に供した軽油 ③国内定期航空運送事業の用に供した航空機燃料 【要望の内容】 現行の還付措置を3年間(令和2年度~令和4年度)延長する。 【関係条文】 租税特別措置法 第 90 条の3の2、第 90 条の3の4、第 90 条の7(第3項を 除く。) 租税特別措置法施行令 第 48 条の7 租税特別措置法施行規則 第 39 条の4、第 39 条の5 平年度の減収見込額 百万円 (制度自体の減収額) (▲5,000 百万円 の内数) (改 正 増 減 収 額) ( 百万円) 1-1

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  • 令和2年度税制改正(租税特別措置)要望事項(新設・拡充・延長)

    (国土交通省総合政策局環境政策課)

    項 目 名 より環境負荷の小さい輸送手段への転換及び公共交通機関の利用者利便の増進に資する事業に係る特例措置の延長

    税 目 地球温暖化対策のための税

    【制度の概要】 地球温暖化対策を適正に推進するため、モーダルシフトの推進及び公共交通機関の利用者利便の増進に資する事業の用に供される以下の燃料に係る地球温暖化対策のための税が還付される。 ①内航運送又は一般旅客定期航路事業(遊覧除く)の用に供した軽油又は

    重油 ②第一種鉄道事業及び第二種鉄道事業の用に供した軽油 ③国内定期航空運送事業の用に供した航空機燃料

    【要望の内容】 現行の還付措置を3年間(令和2年度~令和4年度)延長する。 【関係条文】 租税特別措置法 第 90 条の3の2、第 90 条の3の4、第 90 条の7(第3項を除く。) 租税特別措置法施行令 第 48 条の7 租税特別措置法施行規則 第 39 条の4、第 39 条の5

    平年度の減収見込額 百万円

    (制度自体の減収額) (▲5,000 百万円

    の内数)

    (改 正 増 減 収 額) ( 百万円)

    1-1

  • ⑴ 政策目的 「地球温暖化対策計画」(平成 28 年5月閣議決定)においては、2030 年度

    における運輸部門のエネルギー起源二酸化炭素の排出量を、2013 年度比で約27.6%減の水準にすることとされている。

    運輸部門は、我が国の二酸化炭素排出量の約2割を占めることから、運輸部門の低炭素化が我が国の温室効果ガス削減に果たす役割は大きい。そのため、「地球温暖化対策計画」(平成 28 年5月閣議決定)においては、地球温暖化対策・施策として、「物流体系全体のグリーン化を推進するため、自動車輸送から二酸化炭素排出量の少ない内航海運又は鉄道による輸送への転換を促進する」こと(モーダルシフトの推進)や、「公共交通機関の利用促進」が位置づけられている。また、「交通政策基本計画」(平成 27 年2月閣議決定)において、「更なるモーダルシフトの推進」、「公共交通の利用促進」が、「パリ協定に基づく成長戦略としての長期戦略」(令和元年6月閣議決定)において、「自動車輸送から CO2 排出量の少ない内航海運又は鉄道による輸送への転換(モーダルシフト)を促進する」ことや、「公共交通の利用促進」が位置づけられているところである。

    このような状況の中、引き続きモーダルシフトを推進し、公共交通機関の利用を促進するよう、当該事業の用に供される燃料に係る地球温暖化対策のための税の還付措置を延長し、我が国の地球温暖化対策を促進する。

    ⑵ 施策の必要性

    運輸部門は、我が国の二酸化炭素排出量の約2割を占めることから、運輸部門の低炭素化が我が国の温室効果ガス削減に果たす役割は大きい。還付措置により地球温暖化対策のための税がモーダルシフトの推進及び公共交通機関の利用促進に逆行する負の経済的インセンティブとなることを回避するため、これらの事業の用に供される燃料については引き続き還付措置が必要である。

    政 策 体 系

    に お け る

    政策目的の

    位 置 付 け

    ○政策目標3 地球環境の保全 施策目標9 地球温暖化防止等の環境の保全を行う ○政策目標8 都市・地域交通等の快適性、利便性の向上 施策目標 27 地域公共交通の維持・活性化を推進する

    政 策 の

    達成目標

    温室効果ガスの排出量の削減に寄与する。

    租税特別措

    置の適用又

    は延長期間

    3年間(令和2年度~令和4年度)

    同上の期間

    中 の 達 成

    目 標

    温室効果ガスの排出量の削減に寄与する。

    政策目標の

    達 成 状 況

    温室効果ガスの排出量の削減に寄与している。

    1-2

  • 要 望 の

    措 置 の

    適用見込み

    392 業者(海運 338 業者、鉄道 35 業者、航空 19 業者)

    要望の措置

    の効果見込

    み(手段とし

    ての有効性)

    地球温暖化対策のための税がモーダルシフトの推進及び公共交通機関の利用者利便の増進に逆行する負のインセンティブとなることを回避し、温室効果ガスの排出量の削減に寄与する。

    当該要望項

    目以外の税

    制上の支援

    措 置

    予算上の

    措置等の

    要求内容

    及び金額

    上記の予算

    上の措置等

    と要望項目

    と の 関 係

    要望の措置

    の 妥 当 性

    本措置は、地球温暖化対策のための税に係る還付措置の延長を求めるものであり、当該税がモーダルシフトの推進及び公共交通機関の利用者利便の増進に逆行する負の経済的インセンティブとなることを回避することによって温室効果ガスの排出削減を図る適正な方法である。また、補助金等による補填等に比べて最も効果的かつ効率的な措置である。

    これまでの租税特別措置の適用実績と効果に関

    連する事項

    租税特別

    措 置 の

    適用実績

    平成 27 年度 392 業者(海運 337 業者、鉄道 36 業者、航空 19 業者) ▲3,395 百万円 平成 28 年度 392 業者(海運 339 業者、鉄道 35 業者、航空 18 業者) ▲5,201 百万円 平成 29 年度 392 業者(海運 338 業者、鉄道 35 業者、航空 19 業者) ▲5,262 百万円 (平成 29 年度要望時の減収見込額 ▲4,000 百万円)

    租特透明化

    法に基づく

    適 用 実 態

    調 査 結 果

    1-3

  • 租税特別措

    置の適用に

    よ る 効 果

    (手段として

    の有効性)

    温室効果ガスの排出量の削減に寄与している。

    前回要望時

    の達成目標

    温室効果ガスの排出量の削減に寄与する。

    前回要望時

    からの達成

    度及び目標

    に達してい

    ない場合の

    理 由

    温室効果ガスの排出量の削減に寄与している。

    これまでの

    要 望 経 緯

    平成 22 年度 新設要望 平成 24 年度 創設 平成 26 年度 延長 平成 29 年度 延長

    1-4

  • 令和2年度税制改正(租税特別措置)要望事項(新設・拡充・延長)

    (国土交通省総合政策局参事官(物流産業)室)

    項 目 名 物流総合効率化法の認定計画に基づき取得した事業用資産に係る特例措置の延長

    税 目 所得税・法人税

    【制度の概要】

    「流通業務の総合化及び効率化の促進に関する法律」(以下「物流総合効率

    化法」という。)に基づく物流効率化のための計画(以下「総合効率化計画」

    という。)の認定を受けた者が、同計画に基づき取得した事業用資産(以下

    「特定流通業務施設」という。)に係る特例措置を講ずる。

    【要望の内容】

    改正物流総合効率化法に基づく総合効率化計画の認定を受けた事業者が、同

    計画に基づき取得した特定流通業務施設について、各事業年度の償却限度額

    を、普通償却限度額と当該普通償却限度額の 100 分の 10 に相当する金額との合

    計額とすることを認めている現行措置(10%の割増償却)について、適用期限

    を2年間(令和4年3月 31 日まで)延長する。

    【関係条文】

    ・租税特別措置法 第 15 条、第 48 条、第 68 条の 36

    ・租税特別措置法施行令 第8条、第 29 条の6、第 39 条の 65

    ・税特別措置法施行規則 第6条の2、第 20 条の 22、第 22 条の 43 ・流通業務の総合化及び効率化の促進に関する法律 第2条、第4条、第7条

    平年度の減収見込額 - 百万円

    (制度自体の減収額) ( 0 百万円)

    (改 正 増 減 収 額) ( - 百万円)

    2-1

  • ⑴ 政策目的

    物流分野における労働力不足、より一層の地球温暖化対策の必要性等、昨今の物流をめぐる社会情勢の変化に対応するため、省労働力型の物流体系を構築し、もって我が国の産業や国民生活に必要な物流機能の安定的かつ持続的な確保を図る。

    ⑵ 施策の必要性

    我が国においては、トラックドライバーをはじめとした物流分野の労働力不足が深刻化しており、人口減少の進展等、変化する社会状況に的確に対応していくためには、物流の生産性の大幅な向上を図ることにより、効率的・持続的・安定的に機能を発揮する「強い物流」を実現していく必要がある。こうした状況を受け、2017 年に、「未来投資戦略 2017」(平成 29 年6月閣議決定)において、「総合物流施策大綱」の推進を通じて、「2020 年までに物流事業者の労働生産性を2割程度向上させるなど、生産性革命の実現を図る。」との目標を掲げたところであり、また、「総合物流施策大綱(2017 年度~2020 年度)」(平成 29 年7月 28 日閣議決定)において、「輸送の回転率を上昇させることにより、時間当たりの生産性や収益性を向上させる必要がある。このため、トラック予約受付システム(中略)の導入(中略)を通じた荷待ち時間・荷役時間の短縮を促進する」、「物流総合効率化法の枠組みも活用し、(中略)物流の結節点として効果的な立地への物流施設の誘導を促進するとともに、トラック予約受付システムの導入(中略)等の物流事業者間の連携を促進することにより、物流の円滑化を図る。併せて、老朽化した物流施設について、更新・高機能化を推進することによって、物流事業の生産性向上に資するような物流施設の整備を促進する。」とされたところである。

    このような状況の下、持続可能な物流を実現するため、物流の効率化・労働生産性の向上を図る必要があり、平成 28 年 10 月に改正した物流総合効率化法により、環境負荷低減を求めつつ、多様な関係者が連携した幅広い物流効率化のための取組の支援を通じて省労働力型の物流体系を構築することが不可欠となっている。同取組を実効的に推進するため、同法の適用を受けた倉庫用建物等を新たに取得した場合に、税制特例措置によるインセンティブを付与しているところである。

    さらに、「自動車運送事業の働き方改革の実現に向けた政府行動計画」(平成 30 年5月関係省庁連絡会議決定)を中心に、「トラック予約受付システムの導入促進」、「宅配ボックスの普及促進」、「ダブル連結トラックの導入促進」等の取り組みを推進することにより、労働生産性が着実に改善されるなど、一定の成果が表れてきたところである。

    しかしながら、民間の調査会社の推計※によれば、ネット通販拡大に伴う荷物量増加等により、2027 年までに、トラックドライバーの労働力需要は 13万人分増加する一方、少子高齢化等を背景にトラックドライバー人口は 11 万人減少し、合計 24 万人のトラックドライバー不足が見込まれるなど、労働力不足の深刻化は増すばかりであり、多頻度小口輸送や時間指定等、高度化する物流を支えきれず、物流が停滞し、産業活動のみならず、国民生活全般に大きな影響を及ぼす恐れがある。

    こうした状況を踏まえ、2019 年には、「経済財政運営と改革の基本方針2019」(令和元年6月 21 日 閣議決定)において、「引き続き、時間外労働の上限規制の適用が猶予される業務 39 については、その業務特有の事情を踏まえたきめ細やかな取組を省庁横断的に実施して労働時間の短縮を図り、上限規制の適用に向けた環境整備を着実に進める。」「脚注 39 自動車運送事業については、生産性の向上や働きやすい労働環境の実現を目指した「ホワイト物流」推進運動の展開など、働き方改革の実現に向けた政府行動計画を着実に実施する。」、「AI・IoTの活用によるコンテナターミナルの機能強化などの物流の効率性・安全性の向上や効率的な渋滞対策を進める。データ、自動運転などの新技術を活用し、生産性向上等の取組を進める」としている。

    このように、政府として、物流生産性の向上、物流の効率化、トラックドライバー不足への対応等の課題に対して全力で取り組むこととしている中で、本措置は、倉庫業者を中心とした物流関係者の連携により、これらの課題の解決に資するものであり、引き続き措置する必要がある。

    ※ボストンコンサルティンググループ 2017 年 10 月 27 日プレスリリース

    2-2

  • 政 策 体 系

    に お け る

    政策目的の

    位 置 付 け

    政策目標 6 国際競争力、観光交流、広域・地域間連携等の

    確保・強化 施策目標 19 海上物流基盤の強化等総合的な物流体系整備の

    促進、みなとの振興、安定的な国際海上輸送の確保を推進する

    政 策 の

    達成目標

    物流事業者の労働生産性の向上を図るため、概ね無駄な待機が発生しない営業倉庫(特定流通業務施設)を、新設される営業倉庫の2割とする。 (参考) ・「未来投資戦略 2017」(平成 29 年6月9日閣議決定)では、物流事業の労働生産性向上の観点から、「総合物流施策大綱」の推進を通じて、「2020 年までに物流事業者の労働生産性を2割程度向上させるなど、生産性革命の実現を図る。」としている。 ・「総合物流施策大綱(2017 年度~2020 年度)」(平成 29 年7月 28 日閣議決定)に基づく「総合物流施策推進プログラム」(平成 31 年3月改定 総合物流施策推進会議)では、「物流事業の労働生産性を将来的に全産業平均並みに引き上げることを目指して、2020 年度までに2割程度向上させる。」としている。 <総合物流施策推進プログラムにおける目標> ・物流総合効率化法による認定件数(輸送網の集約)

    【2016 年度 8件 → 2020 年度 150 件】 ※次期プログラム改定時に新たな目標を設定する。

    租税特別措

    置の適用又

    は延長期間

    2年間(令和2年度及び3年度)

    同上の期間

    中 の 達 成

    目 標

    概ね無駄な待機が発生しない営業倉庫(特定流通業務施設)を、新設される営業倉庫の2割とする。このうち、本措置の適用件数を各年度 25 件とする。

    政策目標の

    達 成 状 況

    平成 30 年度に新設・増設された営業倉庫は 137 件であり、目標件数 27 件(137 件×2割)に対して、物流総合効率化法の認定を受けたものは 27 件(100%)である。このうち、当該年度における本措置の対象件数は、目標件数 25 件に対して 14 件(約60%)である。

    要 望 の

    措 置 の

    適用見込み

    25 件/年(各年度)

    要望の措置

    の効果見込

    み(手段とし

    ての有効性)

    特定流通業務施設の整備に当たっては、多額の設備投資資金

    が必要となる一方、投資の回収にも時間を要するため、本措置による課税の繰り延べ効果により、初期投資の負担が軽減され、キャッシュフローの改善につながるとともに、トラック予約受付システム等を導入するインセンティブとなる。 本措置を適用する要件として、2以上の者の連携による取組

    を求めることで、輸送フローの効率化が実現し、トラックの荷待ち時間の削減、環境負荷の低減に資する特定流通業務施設の整備が促進される。

    2-3

  • 当該要望項

    目以外の税

    制上の支援

    措 置

    固定資産税及び都市計画税の課税標準の特例措置を要望中。

    予算上の

    措置等の

    要求内容

    及び金額

    ・計画策定費に係る補助、及び物流総合効率化法の認定を受けた庫内作業フロー改善に必要な設備投資に係る補助(物流総合効率化支援事業)(100 百万円の内数) ・物流施設における省エネ型省人化機器及び再生可能エネルギー設備等の同時導入に係る補助(自立型ゼロエネルギー倉庫モデル促進事業)(1,550 百万円)

    上記の予算

    上の措置等

    と要望項目

    と の 関 係

    ・本措置に係る事業の計画立案段階において、上記計画策定費に係る補助金を活用し、事業への参入の動機付けを行う。 ・庫内作業フロー改善等により、物流施設側の作業の平準化や人手不足を補うことで、本特例措置の適用要件であるトラック予約受付システムとの相乗効果により、トラックドライバーの荷待ち時間削減を図る。

    要望の措置

    の 妥 当 性

    本措置の適用は、物流総合効率化法の認定を受けた総合効率

    化計画に基づき、倉庫用建物等を新たに取得した事業者に限定しており、かつ、措置の内容は、課税の直接的な減免ではなく、課税の繰り延べであることから、省労働力型の物流体系を構築するためのインセンティブを与えるという政策目的に照らして、適切かつ必要最低限の措置であるといえる。 また、本措置は、法令に規定された明確かつ形式的な要件に

    基づいて、要件を満たす事業者が等しく租税特別措置の適用を受けることが可能であるため、予算の範囲で対象者が限定的となる補助金等と異なり、適用の可否についての予見可能性が高いこと、また、特定流通業務施設の整備にあたっては、計画から土地の取得、施設整備まで一定期間を要するため、単年度の予算措置の場合、事業者が施設整備計画を立てることが容易ではないことから、補助金等と比較して手段としての妥当性が認められる。

    これまでの租税特別措置の適用実績と効果に関連する

    事項

    租税特別

    措 置 の

    適用実績

    ○ 適用件数、適用総額及び減収額 (単位:件、百万円)

    年度 区分

    平成 28 29 30

    適用件数 18 21 30

    適用総額 138 172 413

    減 収 額 32 40 96

    注1 平成 28 年度・29 年度における適用件数及び適用総額は、「租税特別措置の適用実態調査の結果に関する報告書(平成 31 年2月国会提出)」に基づき記載。減収額は、適用総額に当該年度に適用された法人税率を乗じて算出。

    注2 平成 30 年度における適用件数及び適用総額は、地方運輸

    局長が発行した「新設・増設倉庫証明書」に基づき記載。減収額は、適用総額に当該年度に適用された法人税率を乗じて算出。

    2-4

  • ≪適用数が僅少、偏りがないか≫ 平成 30 年度までの改正物流総合効率化法による認定件数は 66件であり、このうち、税制特例措置を利用した事業者は 35 件であり、約 53%が本措置を利用していることから、僅少、偏っているとは言えない。

    租特透明化

    法に基づく

    適 用 実 態

    調 査 結 果

    倉庫用建物等の割増償却 ① 租税特別措置法の条項:第 15 条、第 48 条、第 68 条の 36 ② 適用件数:21 件 ③ 適用額:171,828 千円

    租税特別措

    置の適用に

    よ る 効 果

    (手段として

    の有効性)

    本措置は、認定事業者が、物流総合効率化法の認定を受けた

    総合効率化計画に基づき、倉庫用建物等を新たに取得した場合に、物流関係者による連携の推進、輸送フローの効率化によるトラックドライバーの荷待ち時間の削減、環境負荷の低減等の総合効率化計画に定められた取組を実行するためのインセンティブを与えるものである。このため、物流生産性の向上、物流効率化・省力化等の本措置の目的を達成するために効果的である。

    前回要望時

    の達成目標

    物流事業者の労働生産性の向上を図るため、概ね無駄な待機

    が発生しない営業倉庫(特定流通業務施設)を、新設される営

    業倉庫の2割とする。

    (参考) ・「未来投資戦略 2017」(平成 29 年6月9日閣議決定)では、物流事業の労働生産性向上の観点から、「総合物流施策大綱」の推進を通じて、「2020 年までに物流事業者の労働生産性を2割程度向上させるなど、生産性革命の実現を図る。」としている。 (租税特別措置の適用期間中の達成目標) 概ね無駄な待機が発生しない営業倉庫(特定流通業務施設)を、新設される営業倉庫の2割とする。このうち、本措置の適用件数を各年度 25 件とする。

    前回要望時

    からの達成

    度及び目標

    に達してい

    ない場合の

    理 由

    (新設される営業倉庫の2割について) 平成 29 年度は目標 30 件に対して実績 32 件、 平成 30 年度は目標 27 件に対して実績 27 件であり、 前回要望時以降の両年度ともに目標件数に達しており、着実に積みあがっているところ。 (租税特別措置の適用件数 25 件/年度について) 平成 29 年度は目標 20 件に対して実績 18 件、 平成 30 年度は目標 25 件に対して実績 14 件である。目標に対して実績が下回った理由としては、「トラック予約受付システム」は、都市部を中心に普及しつつあるものの、地方部では、当該システム以上に「トラック営業所等設置」が選択される傾向があること等が考えられる。 その背景として、 ・地方部での人手不足が深刻化するなかで、庫内作業が追いつかず、予約時間通りに荷卸し等の作業が開始されることに懐疑的であり、その結果、同システムを導入しても十分に利用されないこと

    ・地方部においては、出入りするトラック事業者が比較的限定されており、かつ、用地確保も比較的容易であることから、「トラック営業所等設置」が選択される傾向が高い 等

    が考えられる。 他方で、トラックドライバー不足が地方において一層深刻化

    するなかで、複数拠点間を運行する運送事業者からすると、「トラック予約受付システム」により得られる情報に基づき、

    2-5

  • 各拠点ごとの混雑状況を踏まえて、運行計画を策定することにより、輸送の回転率を向上させることが可能となるなど、地方部においても、同システムを備えた営業倉庫(特定流通業務施設)を整備していく必要があるところ。 以上のような状況を踏まえ、省人化を通じた物流施設の生産

    性向上に係る取組を支援等するとともに、引き続き、同システムの導入を本措置により支援することで、地方部における特定流通業務施設の整備促進に取り組んでいく必要がある。

    これまでの

    要 望 経 緯

    平成 8年度 延長(償却率 20/100)地区要件の追加 平成 10 年度 延長(償却率 18/100)ランプウェイ構造追加 平成 12 年度 延長 (償却率 16/100) 平成 14 年度 延長(償却率 12/100)規模要件の引き上げ 平成 16 年度 延長(償却率 10/100)輸入対応型倉庫用建物等の 000000000000000000000000000000000 廃止 平成 17 年度 延長(償却率 10/100)要件の見直し 平成 18 年度 延長(償却率 10/100) 平成 19 年度 延長(償却率 10/100) 平成 21 年度 延長(償却率 10/100)要件の見直し 平成 23 年度 延長(償却率 10/100)要件の見直し 平成 25 年度 延長(償却率 10/100)災害要件の追加 平成 27 年度 延長(償却率 10/100)規模要件の引き上げ 平成 28 年度 延長(償却率 10/100)要件の見直し 平成 30 年度 延長(償却率 10/100)

    2-6

  • 令和2年度税制改正(租税特別措置)要望事項(新設・拡充・延長)

    (国土交通省土地・建設産業局不動産市場整備課)

    制 度 名 低未利用地の適切な利用・管理を促進するための特例措置の創設

    税 目 所得税

    個人が、譲渡価額が低額のもの等一定の土地等を譲渡した場合に、長期譲渡所得の特例措置を創設する。 【関係条文】 -

    平年度の減収見込額 ― 百万円

    (制度自体の減収額) ( ― 百万円)

    (改 正 増 減 収 額) ( ― 百万円)

    3 - 1

  • ⑴ 政策目的

    低未利用地について、当該土地に新たな価値を見出す者による土地の適切な利用・管理を確保することで、土地の有効活用を通じた投資の促進、地域活性化を実現するとともに、更なる所有者不明土地の発生を予防する。

    ⑵ 施策の必要性

    平成 25年土地基本調査によれば、平成 15 年からの 10年間で世帯が保有する空き地等の面積は約 1.4 倍に増加するなど、地方部を中心に低未利用地の面積は近年急激な増加傾向にあり、人口減少等に伴い、今後もより一層増加することが懸念される。

    こうした低未利用地が増加し、所有者による利用・管理が期待できない土地は、適切な利用・管理がなされないことで、治安、衛生、景観等の悪化により地域住民の生活環境に深刻な影響を及ぼすだけでなく、地域活力の低下、周辺地価の下落誘発等、経済面でも負の影響を及ぼすこととなる。また、こうした土地は、今後の高齢化の進展に伴い将来的に所有者不明土地となる可能性が高い。このため、低未利用地の利活用の促進、低未利用地の将来的な増加の抑制を図ることが喫緊の課題となっている。

    「経済財政運営と改革の基本方針 2019」(令和元年6月 21 日閣議決定)においても、「土地の適切な利用・管理の確保(略)、所有者不明土地の発生を予防するための仕組み(略)等について(略)期限を区切って対策を推進する。」とされているところ。

    低未利用地の適切な利用・管理のためには、土地利用ニーズをもつ新しい主体に土地が譲り渡されることにより、新たな所有者による適切な利用・管理を図ることが重要であり、土地利用ニーズが低下している場合においては、手放したいニーズと利用したいニーズのマッチングを行うことの重要性が増していく。しかし、このように土地利用ニーズが低下している場合に、より買主を見つけやすくするために、売主は売却希望価格を下げていくこととなり、その結果、売却のための測量費や解体費等の負担が相対的に重くなる一方で、譲渡者の手元に残る金額は少額となることから、売却するインセンティブが少なくなり、利活用していない土地を売却せずに所有し続けることとなってしまう。

    今後、高齢化の進展に伴い所有者自身が土地を利用・管理する意向のない土地が増加し、所有者不明土地が発生しやすい状況となることが予想される中で、このような土地の所有者が、当該土地を適切に利用・管理を行う意欲のある者に譲渡することへのインセンティブを付与し、適切な土地の利用・管理を確保し、土地の有効利用を通じた投資の促進、地域活性化を図るとともに、所有者不明土地の更なる発生を予防することが必要である。

    政 策 体 系

    に お け る

    政策目的の

    位 置 付 け

    政策目標1 少子・高齢化等に対応した住生活の安定の確保及

    び向上の促進 施策目標1 居住の安定確保と暮らしやすい居住環境・良質な

    住宅ストックの形成を図る 政策目標9 市場環境の整備、産業の生産性向上、消費者利益

    の保護 施策目標31 不動産市場の整備や適正な土地利用のための条件

    整備を推進する

    政 策 の

    達成目標

    ・法人及び世帯が所有する宅地などに係る低未利用地(空き地

    等)の面積(平成 25年:15.5万 ha→13.1万 ha) ・土地取引件数(平成 27年:129万件→令和7年:139万件)

    租税特別措

    置の適用又

    は延長期間

    3 - 2

  • 同上の期間

    中 の 達 成

    目 標

    政策目標の

    達 成 状 況

    要 望 の

    措 置 の

    適用見込み

    要望の措置

    の効果見込

    み(手段とし

    ての有効性)

    低未利用地の適切な利用・管理の確保のためには、土地譲渡

    益に係る税負担を軽減することにより、当該土地の所有者が、当該土地に新たな価値を見出す者へ土地を譲渡するインセンティブを与えるとともに、新たな所有者の取得価額を軽減することによる需要の喚起を図ることが効果的である。

    当 性

    当該要望項

    目以外の税

    制上の支援

    措 置

    予算上の

    措置等の

    要求内容

    及び金額

    ・空き家等の流通・活用促進事業 (令和2年度予算概算要求額 60百万円) ・土地基本法の改正を踏まえたランドバンクの活用等による土地の適切な利用・管理の推進

    (令和2年度予算概算要求額 70百万円) ・所有者不明土地法の円滑な運用に向けた地域支援 (令和2年度予算概算要求額 90百万円)

    上記の予算

    上の措置等

    と要望項目

    と の 関 係

    上記予算措置により、土地に新たな価値を見出す者に対する情報提供等を円滑化し、空き家・空き地等の流通・活用の促進を図るとともに、本特例措置によって空き地等の所有者に対してその土地の譲渡に係る税制上のインセンティブを付与することにより、低未利用地に新たな価値を見出し、適切な利用・管理を行う者による有効活用等を一体的に促進するものである。

    要望の措置

    の 妥 当 性

    低未利用地の適切な利用・管理の確保、有効活用の促進とい

    う目的を、重点的・効果的に実現するため、対象となる土地の限定(更地等)、対象取引の限定(取引額の上限設定)を行うことで、政策目的に沿った必要最小限の措置となっている。

    これまでの租税特別措

    置の適用実績と効果に

    関連する事項

    租税特別

    措 置 の

    適用実績

    租特透明化

    法に基づく

    適 用 実 態

    調 査 結 果

    3 - 3

  • 租税特別措

    置の適用に

    よ る 効 果

    (手段として

    の有効性)

    前回要望時

    の達成目標

    前回要望時

    からの達成

    度及び目標

    に達してい

    ない場合の

    理 由

    これまでの

    要 望 経 緯

    3 - 4

  • 令和2年度税制改正(租税特別措置)要望事項(新設・拡充・延長)

    (国土交通省土地・建設産業局不動産市場整備課)

    制 度 名 土地等の譲渡益に対する追加課税制度(重課)の停止期限の延長

    税 目 所得税、法人税

    棚卸資産である土地等又は雑所得の基因となる土地等を譲渡した場合におい

    て、所有期間5年以下の土地等の譲渡による事業所得又は雑所得については、他の所得と分離して、重課(税率は住民税を含め 52/100 等)される本制度(令和2年3月 31日まで課税停止中)を3年間課税停止する。 【関係条文】 租税特別措置法第 28条の4

    法人の土地譲渡益に対して、通常の法人税のほか、追加課税として特別税率

    (長期所有(5年超)5/100、短期所有(5年以下)10/100)が課される重課制度(令和2年3月 31日まで課税停止中)を3年間課税停止する。 【関係条文】 租税特別措置法第 62条の3、第 63条、第 68条の 68、第 68条の 69

    平年度の減収見込額 - 百万円

    (制度自体の減収額) ( - 百万円)

    (改 正 増 減 収 額) ( - 百万円)

    ⑴ 政策目的

    土地取引の活性化を通じた土地の有効利用の促進

    ⑵ 施策の必要性

    本重課措置は、地価の高騰を背景として、昭和 48 年に法人等による土地投機の抑制を図る目的で創設されたものである。

    我が国における地価は、バブル崩壊以降ほぼ一貫して長期的な下落傾向にあり、いわゆる土地神話崩壊後、土地の資産としての有利性は縮小しているところ、バブル崩壊以前と異なり収益性・利便性を重視した実需中心の土地取引が定着し、投機的土地取引は起こりにくい状況になっている。また、平成9年2月 10 日に閣議決定された「新総合土地政策推進要綱」においては、土地政策の目標を、地価の抑制から土地の有効利用へと転換する方針が示された。このような背景の中、土地税制については、平成 10 年度より、地価税や重課制度などの停止措置が講じられ、土地取引の活性化・有効利用を目的とする措置が講じられてきたところである。

    しかしながら、重課停止措置を講じた当時と比較しても、現下の土地を取り巻く経済情勢は必ずしも良くなく、重課停止措置を解除すれば、企業等の保有する土地を市場に供給することに対してのディスインセンティブとして働き、不動産市場への影響は甚大である。また、「経済財政運営と改革の基本方針2019」(令和2年6月 21 日閣議決定)においては、「デフレ脱却・経済再生最優先との安倍内閣の基本方針を堅持し、(略)あらゆる政策を総動員し、経済運営に万全を期す」と掲げられており、重課停止措置を継続することは今日的にも政府の方針に沿うものであるといえる。

    このため、本重課措置の目的である土地投機の抑制という観点、及び、土地取引の活性化・有効利用を促進する観点から、現在、重課措置を復活させる合理的な理由はなく、停止措置を延長する必要がある。

    4 - 1

  • 政 策 体 系

    に お け る

    政策目的の

    位 置 付 け

    政策目標9 市場環境の整備、産業の生産性向上、消費者利益 の保護

    施策目標31 不動産市場の整備や適正な土地利用のための条件 整備を推進する

    政 策 の

    達成目標

    土地取引を活性化させ、土地を有効利用しようとする者への移転を促進する。

    租税特別措

    置の適用又

    は延長期間

    3年間(令和2年4月1日~令和5年3月 31日)

    同上の期間

    中 の 達 成

    目 標

    土地取引を活性化させ、土地を有効利用しようとする者への移転を促進する。

    政策目標の

    達 成 状 況

    重課が措置されていない現在、土地等の譲渡益に対して追加

    分離課税されることがないため、重課が企業等の保有する土地を市場に供給することに対するディスインセンティブとして働いていない。

    要 望 の

    措 置 の

    適用見込み

    要望の措置

    の効果見込

    み(手段とし

    ての有効性)

    重課は、企業等の保有する土地を市場に供給することに対し

    てのディスインセンティブとして働くこととなるところ、課税停止措置により、土地取引の活性化・有効利用の促進につながる。

    性 当該要望項

    目以外の税

    制上の支援

    措 置

    土地等の譲渡益に対する追加課税制度(重課)の課税停止措置(個人住民税・法人住民税)

    予算上の

    措置等の

    要求内容

    及び金額

    上記の予算

    上の措置等

    と要望項目

    と の 関 係

    要望の措置

    の 妥 当 性

    土地の有利性が縮小し、土地の投機的取引が起こりにくい状

    況にある現在、土地取引の活性化・有効利用の促進のため、企業等の保有する土地を市場に供給することに対してのディスインセンティブとして働く本特例措置の停止期限を延長することは、必要最低限の措置である。

    4 - 2

  • これまでの租税特別措置の適用実績と効果に関連する事項

    租税特別

    措 置 の

    適用実績

    <参考:土地の売買による所有権の移転件数> 平成 23年度 114 万件 平成 24年度 120 万件 平成 25年度 128 万件 平成 26年度 126 万件 平成 27年度 129 万件 平成 28年度 129 万件 平成 29年度 132 万件 平成 30年度 131 万件

    租特透明化

    法に基づく

    適 用 実 態

    調 査 結 果

    租税特別措

    置の適用に

    よ る 効 果

    (手段として

    の有効性)

    重課は、企業等の保有する土地を市場に供給することに対し

    てのディスインセンティブとして働くこととなるところ、課税停止措置により土地取引の活性化・有効利用の促進につながっている。

    前回要望時

    の達成目標

    土地取引を活性化させ、土地を有効利用しようとする者への

    移転を促進する。

    前回要望時

    からの達成

    度及び目標

    に達してい

    ない場合の

    理 由

    地価については、三大都市圏では、平成 17~20 年頃にかけて

    回復傾向が見られたが、平成 21 年以降再び下落傾向が続き、地方圏では長期的に下落傾向が続いているところ、直近の地価公示においては、三大都市圏を中心に緩やかな回復傾向が見られ、地方四市を除くその他の地域の商業地が平成5年から続いた下落から横ばいとなるなど、地方圏にも波及しつつある。 また、売買による土地取引件数は、平成 20 年秋のリーマンシ

    ョック後に大幅に減少したものの、その後徐々に持ち直しつつあり、課税停止措置以前の下落傾向が緩和された状態で推移している。 このことから、重課制度の停止期限の延長は地価の上昇、土

    地取引の増加に一定の効果を示していると考えられる。

    これまでの

    要 望 経 緯

    平成 10年度 課税停止 平成 16年度 延長 平成 21年度 延長 平成 26年度 延長 平成 29年度 延長

    4 - 3

  • 令和2年度税制改正(租税特別措置)要望事項(新設・拡充・延長)

    (国土交通省土地・建設産業局建設市場整備課)

    制 度 名 工事請負契約書及び不動産譲渡契約書に係る印紙税の特例措置の延長

    税 目 印紙税

    【制度の概要】 平成 30 年4月1日から令和2年3月 31 日までに作成される工事請負契約書

    及び不動産譲渡契約書については、下表のとおり印紙税軽減の特例措置が適用される。

    契約金額

    本則 現行の特例措置

    (軽減率) 不動産の譲渡

    に関する契約書

    建設工事の請負

    に関する契約書

    10 万円超 50万円以下 100万円超 200万円以下 400円 200円(50%減)

    50 万円超 100 万円以下 200万円超 300万円以下 1,000 円 500円(50%減)

    100万円超 500万円以下 300万円超 500万円以下 2,000 円 1,000 円(50%減)

    500万円超 1,000 万円以下 1 万円 5,000 円(50%減)

    1,000 万円超 5,000 万円以下 2 万円 1 万円(50%減)

    5,000 万円超 1億円以下 6 万円 3 万円(50%減)

    1 億円超 5億円以下 10 万円 6 万円(40%減)

    5 億円超 10億円以下 20 万円 16 万円(20%減)

    10 億円超 50億円以下 40 万円 32 万円(20%減)

    50 億円超 60 万円 48 万円(20%減)

    【要望の内容】 本特例措置の適用期間(現行:令和2年3月 31 日まで)を令和4年3月 31 日

    まで2年間延長する

    【関係条文】

    印紙税法別表第1 租税特別措置法第 91条

    平年度の減収見込額 - 百万円

    (制度自体の減収額) (▲33,000 百万円)

    (改 正 増 減 収 額) ( - 百万円)

    5 - 1

  • ⑴ 政策目的

    高額な負担となっている建設工事請負及び不動産譲渡に係る印紙税について

    の消費者負担を軽減し、建設工事や不動産流通のコストを抑制することによ

    り、建設投資の促進、不動産取引の活性化を図る。

    (2) 施策の必要性

    ① 建設投資の促進、不動産取引の活性化

    ・建設投資市場の現状

    建設投資市場は、これまで長期にわたり縮小してきており、近年はやや持

    ち直しが見られるものの、平成 30年度には、建設投資額がピーク時(平成4

    年度:84 兆円)から 32%減の 57兆円となっている。

    また、平成 29年度における建設業の売上高経常利益率は近年上昇傾向であ

    ったが、前年の 5.0%から 0.3%減少に転じており、また製造業の 7.0%と比

    べて 2.3 ポイント低く、全産業の 5.4%と比べて 0.7ポイント低い状況にあ

    る。さらに、平成 30年度の倒産件数の割合は、全産業の 17.1%を占めてい

    る。このように、建設産業は、他の産業と比べて経営環境が厳しい状況にあ

    るといえる。

    建設産業は、各地域における経済活動や雇用の1割弱を占める基幹産業で

    あるとともに、除雪、災害対応等の地域の維持も担っていることから、各地

    域の活性化や雇用の維持、さらには地域の安全・安心の確保という観点か

    ら、建設投資の促進等による建設産業の再生が重要な政策課題となってい

    る。

    ・不動産市場の現状

    不動産取引は高額な取引であることから、経済情勢や消費税増税等の影響

    を受けやすく、住宅着工戸数やマンション供給戸数は一時の落ち込みから回

    復しつつあるものの低水準で推移している。

    不動産業の国内総生産は約 61.8 兆円で全体の約 11.3%を占めており、ま

    た、国民資産に占める不動産額が約 2,606 兆円、不動産の割合が約 23.9%で

    あること等からすれば、不動産市場は我が国の経済活動において大きな役割

    を果たしている。このため、我が国が更なる経済成長を目指すためには、不

    動産取引を促進し、不動産市場の活性化を図ることが重要である。

    「経済財政運営と改革の基本方針 2019」(令和元年6月21日閣議決定)に

    おいても、「2020 年頃の名目GDP600 兆円経済の達成」、「デフレ脱却・

    経済再生最優先」を目指すとされ、重要課題への取組の1つには「既存住宅

    市場の活性化」が挙げられている。

    5 - 2

  • 以上のような状況を踏まえ、建設投資の促進や不動産取引の活性化を推し進め、デフレからの完全な脱却と経済成長の実現を確実なものとし、あわせて建設産業の再生を図る必要がある。

    ② 建設投資の促進、不動産取引の活性化を図るための建設工事や不動産流通のコストの抑制

    建設工事請負や不動産取引では、

    ・重層的な下請契約関係の中で行われる建設工事において多段階にわたって 課される印紙税 ・不動産譲渡契約書に課される印紙税

    といった印紙税負担が、課税企業からエンドユーザーである消費者(例:戸 建住宅や分譲マンションを購入する個人、工場建設の施主となる中小企業など)に転嫁されている。 さらに、建設工事請負や不動産取引では、その対象物の性質上、一件当たりの取引額が高額となることから、結果として税負担も高額となる。 こうしたことから、消費者にとって高額な負担となっている建設工事請負及び不動産譲渡に係る印紙税の負担軽減、すなわち建設工事や不動産流通のコストの抑制を図ることにより、建設投資の促進、不動産取引の活性化につなげていくことが必要である。

    また、昨今の建設投資額の伸びは 2020年東京オリンピック・パラリンピックによる建設需要が大きく寄与しているが、終了後においては同様の建設需要の伸びが期待されにくく、景気の腰折れを防ぐためにも、本特例措置は必要である。

    性 政 策 体 系

    に お け る

    政策目的の

    位 置 付 け

    ① 工事請負契約書に係る印紙税 政策目標9 市場環境の整備、産業の生産性向上、消費者利益

    の保護 施策目標32 建設市場の整備を推進する

    ② 不動産譲渡契約書に係る印紙税 政策目標9 市場環境の整備、産業の生産性向上、消費者利益

    の保護 施策目標31 不動産市場の整備や適正な土地利用のための条件

    整備を推進する

    政 策 の

    達成目標

    建設工事・不動産譲渡に係る消費者負担の軽減により、建設

    投資の促進、不動産取引の活性化を図る。

    ① 工事請負契約書に係る印紙税 民間建設投資の回復 令和7年度 39.7兆円

    ② 不動産譲渡契約書に係る印紙税 不動産流通市場の環境整備の推進による不動産市場の拡大、活性化の状況を示す指定流通機構(レインズ)における売却 物件の成約報告件数

    令和3年度 213千件

    5 - 3

  • 租税特別措

    置の適用又

    は延長期間

    2年間(令和2年4月1日~令和4年3月 31日)

    同上の期間

    中 の 達 成

    目 標

    ① 工事請負契約書に係る印紙税

    民間建設投資の回復 令和3年度 34.8兆円

    ② 不動産譲渡契約書に係る印紙税

    指定流通機構(レインズ)における売却物件の成約報告件数 令和3年度 213千件

    政策目標の

    達 成 状 況

    取引頻度の高い工事請負契約や不動産譲渡契約において本特

    例措置による負担軽減がなされたことにより、建設投資・不動産取引の円滑化及び不動産流通コストの抑制が一定程度図られた。引き続き本特例措置の継続が必要である。 工事請負契約 民間建設投資の回復 平成 30年度 34.1兆円(見通し) 不動産譲渡契約 指定流通機構(レインズ)における売却物件

    の成約報告件数 平成 30年度 185千件

    有 効

    要 望 の

    措 置 の

    適用見込み

    令和2年度~令和3年度の各年度適用見込み件数 工事請負契約書数 約 1,782,291 件 不動産譲渡契約数 約 475,592 件

    要望の措置

    の効果見込

    み(手段とし

    ての有効性)

    工事請負契約数は約 178 万件、不動産譲渡契約数も約 48 万件

    (平成 30 年度国土交通省調べ)となっており、これら膨大な契

    約数について、印紙税の特例措置が適用されている。 本特例措置は、建設業者、宅地建物取引業者のみならず、最

    終的には、消費者等に係る不動産流通コスト等の負担軽減に寄与しており、活発な建設投資・不動産取引が行われうる環境の整備に効果があるといえる。

    当該要望項

    目以外の税

    制上の支援

    措 置

    予算上の

    措置等の

    要求内容

    及び金額

    上記の予算

    上の措置等

    と要望項目

    と の 関 係

    5 - 4

  • 要望の措置

    の 妥 当 性

    工事請負契約書及び不動産譲渡契約書に係る印紙税が高額であることを踏まえれば、活発な建設投資・不動産取引が行われ得る環境の整備を図るためには、取引等に係るコストを低減するための特例措置の延長が的確かつ必要なものである。

    また、昨今の建設投資額の伸びは 2020 年東京オリンピック・パラリンピックによる建設需要が大きく寄与しているが、終了後においては同様の建設需要の伸びが期待されにくく、景気の腰折れを防ぐためにも、本特例措置は必要である。

    これまでの租税特別措置の適用実績と効果に関連する事項

    租税特別

    措 置 の

    適用実績

    平成 30年度 32,000百万円 平成 29年度 32,000百万円 平成 28年度 32,000百万円

    租特透明化

    法に基づく

    適 用 実 態

    調 査 結 果

    租税特別措

    置の適用に

    よ る 効 果

    (手段として

    の有効性)

    印紙税の特例措置は、不動産流通コスト等の負担軽減に寄与

    することにより不動産取引を活発化させ、建設・不動産投資を

    押し上げる効果が存するといえる。

    政策目標である民間建設投資の回復については、平成 30 年度

    は 34.1 兆円と目標は達成されておらず、引き続き本特例措置が

    必要である。また、指定流通機構(レインズ)におけるデータ

    を鑑みるに、不動産取引の活性化に一定の効果を示している。

    前回要望時

    の達成目標

    建設工事における書面契約の促進を図るとともに、不動産譲

    渡に係る消費者負担の軽減により、建設投資・不動産取引の活

    性化を図る。

    ① 工事請負契約書に係る印紙税 民間建設投資の回復 令和7年度 39.7兆円

    ② 不動産譲渡契約書に係る印紙税

    指定流通機構(レインズ)における売却物件の成約報告件数 令和3年度 213千件

    前回要望時

    からの達成

    度及び目標

    に達してい

    ない場合の

    理 由

    工事請負契約書に係る目標について、印紙税の特例措置によ

    る不動産流通コスト等の負担が軽減されたことにより、平成 30年度の民間建設投資は 34.1 兆円と回復基調にあるものの、令和7年度 39.7兆円の目標には未だ達していない。 不動産譲渡契約書に係る目標についても、指定流通機構(レ

    インズ)における平成 30 年度の売却物件の成約報告件数は 185千件と毎年増加しているが、既存住宅流通の取引件数は緩やかな増加傾向にとどまっており、令和3年度 213 千件の目標には未だ達していない。

    5 - 5

  • これまでの

    要 望 経 緯

    平成 9年度税制改正 創設

    平成 11年度税制改正 2年間延長

    平成 13年度税制改正 2年間延長

    平成 15年度税制改正 2年間延長

    平成 17年度税制改正 2年間延長

    平成 19年度税制改正 2年間延長

    平成 21年度税制改正 2年間延長

    平成 23年度税制改正 2年間延長

    平成 25年度税制改正 5年間延長と平成 26年度から適用する

    特例措置の拡充

    平成 30年度税制改正 2年間延長

    5 - 6

  • 令和2年度税制改正(租税特別措置)要望事項(新設・拡充・延長)

    (国土交通省都市局都市計画課)

    制 度 名 農と住の調和したまちづくりの推進のための特例措置の創設

    税 目 相続税・贈与税

    【制度の概要】

    農と住の調和したまちづくりに係る新たな地区計画制度を創設し、当該区域内の農地に対して田園住居地域と同等の規制制度を設ける。

    【要望の内容】 上記規制が適用される三大都市圏特定市の市街化区域農地について、都市営農農地

    等として、相続税及び贈与税の納税猶予の特例の適用を講じる。

    【関係条文】

    租税特別措置法第 70 条の4、第 70 条の6

    平年度の減収見込額 ▲97.4 百万円

    (制度自体の減収額) ( - 百万円)

    (改 正 増 減 収 額) ( - 百万円)

    (1) 政策目的

    より小さなエリアでの機動的な都市農地の保全を促進し、もって良好な市街地の形成を図る。

    (2) 施策の必要性

    平成 27 年に都市農業振興基本法が成立し、平成 28 年に都市農業振興基本計画を閣議決定した。これらを受け、営農環境と居住環境の両立を図るべく、平成 29 年度に都市計画法を改正し用途地域の新たな類型となる田園住居地域を創設した。

    都市農業振興基本計画においては、まちづくりと連携した制度の検討が必要であ

    ること、都市計画制度の充実を図ること、三大都市圏特定市以外の地域において

    も、地域の実情に応じて活用される制度とする必要があること等が謳われており、

    用途地域の創設はそれらの要請に対応したものであった。田園住居地域制度は、三

    大都市圏特定市の1割程度が指定の検討を行っており、特定市以外においても具体

    的な指定に向けた検討が進められている。

    一方、令和元年7月に公表された都市計画基本問題小委員会中間とりまとめにお

    いて、現存する緑地や農地を保全することは、市街地の拡散や管理放棄地化の抑止

    に資するものであるとの観点から、緑地や農地の保全につながる制度の活用を引き

    続き積極的に促進するとともに、地域特性に応じてより細かに活用できる仕組みに

    ついても検討すべきとされたところである。

    このため、新たに農地保全に係る地区計画制度を創設することとし、関連する税

    制措置を要望するもの。

    関連制度の検討状況:「都市計画法の改正」

    6-1

  • 政 策 体 系

    に お け る

    政策目的の

    位 置 付 け

    政策目標 2 良好な生活環境、自然環境の形成、バリアフリー社会の実現

    施策目標 7 良好で緑豊かな都市空間の形成、歴史的風土の再生等を

    推進する

    業績指標 23 都市域における水と緑の公的空間(制度等により永続性が

    担保されている自然的環境)確保量

    政 策 の

    達成目標

    都市域における水と緑の公的空間(制度等により永続性が担保され

    ている自然的環境)確保量

    租税特別措

    置の適用又

    は延長期間

    同上の期間

    中 の 達 成

    目 標

    都市域における水と緑の公的空間(制度等により永続性が担保され

    ている自然的環境)確保量

    (令和2年度:14.1 ㎡/人)

    政策目標の

    達 成 状 況

    都市域における水と緑の公的空間(制度等により永続性が担保され

    ている自然的環境)確保量 (平成 28年度:13.3 ㎡/人)

    要 望 の

    措 置 の

    適用見込み

    毎年 10 箇所を指定。指定面積については以下のとおり。

    特定市:4ha (うち農地面積 2ha)

    一般市:6ha(うち農地面積 5.4ha)

    要望の措置

    の効果見込

    み(手段とし

    ての有効性)

    本特例措置により、農と住の調和したまちづくりが促進され、もっ

    てコンパクトシティの実現と良好で緑豊かな都市環境の形成が図られる。

    性 当該要望項

    目以外の税

    制上の支援

    措 置

    農と住の調和したまちづくりの推進のための特例措置の創設(地方税)

    予算上の

    措置等の

    要求内容

    及び金額

    上記の予算

    上の措置等

    と要望項目

    と の 関 係

    要望の措置

    の 妥 当 性

    都市農業振興基本計画及び都市計画基本問題小委員会中間とりまと

    めを踏まえ、都市農地の保全による農と住の調和したまちづくりの推

    進を進めるためには、地方公共団体による取り組みが不可欠である。

    地区計画は 797 市町村 7,375 地区(平成 29 年度3月時点)で活用さ

    れている制度であり運用になじみがある制度であり、市街地の状況に

    応じてきめ細やかに活用することができることから、本要望により農

    と住の調和したまちづくりを一層推進することが可能となる。

    6-2

  • これまでの租税特別措置の適用実績と効果に関連する事項

    租税特別

    措 置 の

    適用実績

    租特透明化

    法に基づく

    適 用 実 態

    調 査 結 果

    租税特別措

    置の適用に

    よ る 効 果

    (手段として

    の有効性)

    前回要望時

    の達成目標

    前回要望時

    からの達成

    度及び目標

    に達してい

    ない場合の

    理 由

    これまでの

    要 望 経 緯

    平成 28 年度:都市農業振興基本法の制定を受けた都市農地・緑地に

    係る所要の措置

    平成 29 年度:生産緑地地区の要件緩和に伴う特例措置の拡充 平成 30 年度:都市農地の保全のための制度充実に伴う所要の措置

    6-3

  • 令和2年度税制改正(租税特別措置)要望事項(新設・拡充・延長)

    (国土交通省都市局都市計画課)

    項 目 名 低未利用土地権利設定等促進計画に係る特例措置の延長

    税 目 登録免許税

    【制度の概要】 市町村が低未利用土地などの利用意向を捉えて、関係地権者等の合意を得ながら、計画を策定し、必要な所有権・利用権の設定を促進する制度。 【要望の内容】

    市町村が作成する低未利用土地権利設定等促進計画(都市再生特別措置法(平成 14

    年法律第 22 号)第 109 条の5等)に基づく土地・建物の取得等に係る以下の登録免許

    税の特例措置について、適用期限を2年間延長する。

    ・地上権等の設定登記等(本則1%→0.5%) ・所有権の移転登記(本則2%→1%)

    【関係条文】 租税特別措置法第 83 条の2

    平年度の減収見込額 ― 百万円

    (制度自体の減収額) ( ― 百万円)

    (改 正 増 減 収 額) ( ― 百万円)

    (1) 政策目的

    居住や都市機能の集積を図るべき区域において、低未利用土地の有効かつ適切な利用の促進を図ることにより、居住環境の向上、都市機能の維持増進等を図り、もって人口減少社会においても持続可能な都市構造の実現に向けた都市の再生を推進する。

    (2) 施策の必要性 人口減少下にあっても持続可能なコンパクトシティの形成に向けて、平成 26 年の都

    市再生特別措置法の改正により立地適正化計画制度を創設し、その取組を促進してい

    る。しかしながら、多くの都市では、空き地・空き家等の低未利用土地が時間的・空

    間的にランダムに生じる「都市のスポンジ化」が進行し、居住や都市機能の誘導を図

    るべき区域においても、生活利便性の低下、治安・景観の悪化、地域の魅力(地域バ

    リュー)の低下等の問題を生じさせ、コンパクトなまちづくりを進める上で重大な障

    害となっている。

    このため、低未利用土地の利用促進が積極的に図られるべき区域(都市機能誘導区

    域等)においては、低未利用土地の地権者等と利用希望者等とを行政がコーディネー

    トし、複数の土地や建物に一括して所有権・利用権を設定する計画を市町村が作成可

    能な制度(低未利用土地利用権利設定等促進計画)を平成 30 年度に創設したところで

    あり、当該施策を引き続き推進するため、本特例措置の適用期限を延長する必要があ

    る。

    7-1

  • 政 策 体 系

    に お け る

    政策目的の

    位 置 付 け

    政策目標 7 都市再生・地域再生の推進

    施策目標 25 都市再生・地域再生を推進する 参考指標 63 市町村の全人口に対して、居住誘導区域内に居住して

    いる人口の占める割合が増加している市町村数

    政 策 の

    達成目標

    市町村の全人口に対して、居住誘導区域内に居住している人口の占

    める割合が増加している市町村数について、令和7年までに評価対象都市の2/3とする。

    租税特別措

    置の適用又

    は延長期間

    2年間(令和2年4月1日~令和4年3月 31 日)

    同上の期間

    中 の 達 成

    目 標

    市町村の全人口に対して、居住誘導区域内に居住している人口の占

    める割合が増加している市町村数を増加させる。

    政策目標の

    達 成 状 況

    平成 31 年4月時点では、70.3%の都市が増加しているところであ

    るが、引き続き、目標達成に向け、コンパクトシティの形成に向けた取組を推進することが必要。

    要 望 の

    措 置 の

    適用見込み

    令和2年度:3件 令和3年度:3件

    要望の措置

    の効果見込

    み(手段とし

    ての有効性)

    本特例措置により、低未利用土地利用権設定等促進計画の策定・当該計画に基づく土地建物の取得等が促進されることで、都市機能誘導区域等における低未利用土地の利用促進が進み、居住環境の向上、都市機能の維持増進等が図られる。

    性 当該要望項

    目以外の税

    制上の支援

    措 置

    低未利用土地権利設定等促進計画に係る特例措置(地方税)

    予算上の

    措置等の

    要求内容

    及び金額

    コンパクトシティ形成支援事業(令和2年度予算概算要求額 5.86 億円) 社会資本整備総合交付金(令和2年度予算概算要求額 10,037 億円の内数)

    上記の予算

    上の措置等

    と要望項目

    と の 関 係

    予算措置は、コンパクト・プラス・ネットワークの実現に向けて、誘導施設の整備促進等のための支援措置を通じて、主に市町村によるコンパクトなまちづくりの取組を促進しようとするものである。一方、本特例措置は、都市機能誘導区域等における低未利用土地に係る取引をインセンティブにより促進しようとするものである。

    要望の措置

    の 妥 当 性

    本特例措置は、低未利用土地権利設定等促進計画に基づく取引についてインセンティブを与えることにより低未利用土地の利用促進を図ろうとするものであり、必要な措置である。

    7-2

  • これまでの租税特別措置の適用実績と効果に関連する事項

    租税特別

    措 置 の

    適用実績

    平成 30 年度:0件

    租特透明化

    法に基づく

    適 用 実 態

    調 査 結 果

    租税特別措

    置の適用に

    よ る 効 果

    (手段として

    の有効性)

    平成 30 年7月に計画制度を創設したところであり、現時点では本

    特例措置の適用実績はないが、低未利用土地利用権設定等促進計画の策定・当該計画に基づく土地・建物の取得等が促進される効果がある。

    前回要望時

    の達成目標

    全人口に占める立地適正化計画に定められた居住誘導区域内に居住

    する人口の割合が増加している都市数を増加させる。(2020 年(令和2年)までに 100 都市とする。)

    前回要望時

    からの達成

    度及び目標

    に達してい

    ない場合の

    理 由

    平成 31 年4月時点では、70.3%の都市が増加しているところであるが、引き続き、目標達成に向け、コンパクトシティの形成に向けた取組を推進することが必要。

    これまでの

    要 望 経 緯

    平成 30 年度 創設

    7-3

  • 令和2年度税制改正(租税特別措置)要望事項(新設・拡充・延長)

    (国土交通省都市局まちづくり推進課)

    項 目 名 三大都市圏の政策区域における特定の事業用資産の買換え等の特例措置の延長

    税 目 所得税、法人税

    【制度の概要】

    個人または事業者が、既成市街地等*1内にある事業用資産を譲渡し、特定の

    地域内にそれに代わる資産を取得して事業の用に供した場合の買換え特例。

    【要望の内容】

    個人または事業者が、既成市街地等*1内にある事業用資産を譲渡し、特定の

    地域内にそれに代わる資産を取得して事業の用に供した場合、その譲渡益 80%

    の課税を繰り延べることができる現行措置について、適用期限を3年間延長す

    る。

    譲渡対象:既成市街地等*1の区域内で工場、作業場、研究所、営業所、倉庫そ

    の他これらに類する施設(福利厚生施設を除く。)として使用され

    ている建物又は土地等*2で所有期間が 10 年を超えるもの。

    買換対象:土地等*2、建物、構築物又は機械及び装置のうち、近郊整備地帯等*3

    及び政令指定都市の市街化区域又は都市開発区域の市街化調整区域

    以外の区域にあるもの(農林業は市街化区域以外)。

    ただし、立地適正化計画を作成した市町村の都市機能誘導区域以外

    の地域内にある誘導施設に係るものを除く。

    *1…首都圏の既成市街地、近畿圏の既成都市区域及び名古屋市の一部

    *2…土地又は土地の上に存する権利

    *3…首都圏の近郊整備地帯、近畿圏の近郊整備区域及び中部圏の都市整備区

    域(名古屋市の一部を除く)

    【関係条文】

    (所得税)租税特別措置法第 37 条第1項の表の第1号

    (法人税)租税特別措置法第 65 条の7第1項の表の第1号、第 68 条の 78

    第1項の表の第1号

    平年度の減収見込額 ― 百万円

    (制度自体の減収額) ( ▲94,200 百万円

    の内数)

    (改 正 増 減 収 額) ( ― 百万円)

    8-1

  • (1) 政策目的

    三大都市圏の既成市街地等への産業及び人口の過度な集中を抑制するため、これまで政策区域において産業及び人口の適正配置を推進することで成果をもたらした。引き続き、過度な集中による外部不経済の解消と活力ある持続可能な都市の実現に向け、大都市圏の秩序ある発展を目指す。

    (2) 施策の必要性

    人口・産業の過度な集中による外部不経済(環境の悪化・交通混雑等)が発生している既成市街地等において、その弊害を排除するために措置してきたところであり、着実に成果を上げているところ。引き続き過度な集中による外部不経済の解消を目指し、三大都市圏の秩序ある発展を図る上で必要不可欠である。

    政 策 体 系

    に お け る

    政策目的の

    位 置 付 け

    政策目標:7 都市再生・地域再生の推進 施策目標:25 都市再生・地域再生を推進する

    政 策 の

    達成目標

    本特例措置の政策目標としては、市街化区域等内の公害発生

    密度※1を指標とし、東京特別区・大阪市・名古屋市における平

    均値を、現行の三大都市圏制度が措置された※2平成 18 年度の近

    郊整備地帯等を有する都府県の平均値(4.0 件/年・㎢)を令和

    7年度までに低減することとする。 ※1 市街化区域等内の公害発生密度(件/年・㎢) = 公害苦情調査(公害等調整委員会)等による市街化区域等内の公害苦情件数

    / 都市計画現況調査(国土交通省都市局)による市街化区域等面積

    〔市街化区域等:市街化区域及び用途地域〕

    ※2 国土計画制度の再編の中で、三大都市圏では既成市街地等における産業及び人口の過度の集中といった課題に対応する必要があることから、首都圏整備計画等を創設し、現行の三大都市圏制度を措置したもの

    租税特別措

    置の適用又

    は延長期間

    3年間 (所得税)令和2年 12 月 31 日⇒令和5年 12 月 31 日 (法人税)令和2年 3月 31 日⇒令和5年 3月 31 日

    8-2

  • 同上の期間

    中 の 達 成

    目 標

    市街化区域等内の公害発生密度※1を指標とし、東京特別

    区・大阪市・名古屋市における平均値を、現行の三大都市圏制度が措置された※2平成 18 年度の近郊整備地帯等を有する都府県の平均値(4.0 件/年・㎢)を令和7年度までに低減することとする。

    政策目標の

    達 成 状 況

    表のとおり、既成市街地等における市街化区域等内の公害発

    生密度は、平成 18 年度以降、約 0.2 件/年・㎢のペースで低減してきているところ。近年は好景気により鈍化傾向と考えられるが、今後は環状道路や工業団地などインフラの整備効果が一層期待されるため、これらとあわせて本特例措置を活用し工場等の移転を更に促進することで、国土形成計画や首都圏整備計画等の期間中(令和7年度まで)の目標達成が可能と考えている。

    表 市街化区域等内の公害発生密度(件/年・㎢)の推移

    年度 H18 H19 H20 H21 H22 H23

    既成市街地等(東

    京特別区・名古屋

    市・大阪市)の平

    均値

    8.3 7.6 7.0 7.0 7.0 7.1

    H24 H25 H26 H27 H28 H29

    7.1 6.9 6.9 6.6 6.1 6.4

    出典:公害苦情統計調査(東京都)、大阪市環境白書(大阪

    市)、名古屋市環境白書(名古屋市)、都市計画現況調

    査(国土交通省都市局)

    有 効

    要 望 の

    措 置 の

    適用見込み

    所得税 63 件 法人税 66 件 計 129 件

    ※平成 27~29 年度の適用件数の平均値を用いて推計。

    要望の措置

    の効果見込

    み(手段とし

    ての有効性)

    本特例措置は民間事業者に対し、既成市街地等における過度

    な集中により外部不経済をもたらす工場等を移転する際の税制上のインセンティブを提供することで、効率的かつ持続可能な都市圏構造への円滑な再編へ寄与すると考えられる。

    当該要望項

    目以外の税

    制上の支援

    措 置

    予算上の

    措置等の

    要求内容

    及び金額

    上記の予算

    上の措置等

    と要望項目

    と の 関 係

    8-3

  • 要望の措置

    の 妥 当 性

    事業用資産の買換え等については、その税負担が重要な判断

    要素のひとつとなっており、要件に該当する資産の買換え等による設備投資等を確実に支援するためには、税制上の特例措置により対応することが相当である。

    これまでの租税特別措置の適用実績と効果に関連する事項

    租税特別

    措 置 の

    適用実績

    (所得税)

    平成 26 年度 59 件 804 百万円

    平成 27 年度 68 件 935 百万円

    平成 28 年度 75 件 1,031 百万円

    (平成 29 年度要望時見込 75 件、1,031 百万円)

    平成 29 年度 72 件 336 百万円

    (平成 29 年度要望時見込 75 件、1,031 百万円)

    (法人税)

    平成 26 年度 62 件 5,633 百万円

    平成 27 年度 48 件 19,035 百万円

    平成 28 年度 63 件 17,450 百万円

    (平成 29 年度要望時見込 63 件、1,352 百万円)

    平成 29 年度 53 件 5,190 百万円

    (平成 29 年度要望時見込 63 件、1,352 百万円)

    ※平成 26 年に制度を大きく見直したため、平成 26 年以降の数

    値を記載している。 ※「租税特別措置の適用実態調査の結果に関する報告書」及び「対象自治体へのアンケート調査結果」をもとに算出。

    租特透明化

    法に基づく

    適 用 実 態

    調 査 結 果

    ①根拠条文:65 の7~65 の9、68 の 78~68 の 80 ②適用件数:53 件 ③適用総額:5,190,386 千円 ※法人税のみ

    租税特別措

    置の適用に

    よ る 効 果

    (手段として

    の有効性)

    課税の繰延べ措置を講ずることにより、資産の買換え等に伴

    う税負担が軽減され、効果的に資産の買換え等による設備投資等が行われることが期待されるため、施策実現に向けて有効な手段である。

    前回要望時

    の達成目標

    三大都市圏の近郊整備地帯等及び都市開発区域に、業務・商

    業等の都市機能が集積された効率的な都市圏構造への再編を図ることを目標とする。 具体的には、市街化区域等内の公害発生密度を指標とし、東

    京特別区・大阪市・名古屋市における平均値を、現行の三大都市圏制度が措置された平成 18 年度の近郊整備地帯等を有する都府県の平均値(4.0 件/年・㎢)を令和7年度までに低減することとする。

    前回要望時

    からの達成

    度及び目標

    に達してい

    ない場合の

    理 由

    市街化区域等内の公害発生密度については、前回要望時の 6.6

    件/年・㎢から 6.4 件/年・㎢と、ほぼ順調に低減しており、既成市街地等における人口・産業の過度の集中を防止し、均衡ある都市圏構造への再編を図ることが一定程度進捗しているものと評価できる。

    8-4

  • これまでの

    要 望 経 緯

    昭和44年度 創設

    昭和50年度 5年延長

    昭和55年度 5年延長

    昭和60年度 5年延長

    平成2年度 1年延長

    平成3年度 5年延長(条件変更)

    平成6年度 条件変更

    平成7年度 条件変更

    平成8年度 5年延長

    平成10年度 条件変更

    平成13年度 5年延長(条件変更)

    平成18年度 5年延長

    平成23年度 3年延長(条件変更) 平成26年度 3年延長 (条件変更:4号廃止、5号を縮減し1号に統合) 平成29年度 3年延長

    8-5

  • 令和2年度税制改正(租税特別措置)要望事項(新設・拡充・延長)

    (国土交通省都市局まちづくり推進課)

    項 目 名 都市機能誘導区域外から区域内への特定の事業用資産の買換え等の特例措置の延長

    税 目 所得税、法人税

    【制度の概要】 都市機能誘導区域外に存する事業用資産を譲渡して都市機能誘導区域内に存

    する事業用資産を取得した場合の事業用資産の買換え特例。 【要望の内容】 個人又は法人が、都市機能誘導区域の外において所有する事業用資産を譲渡

    し、認定誘導事業者により都市機能誘導区域内において施行される民間誘導施設等整備事業計画に記載された誘導施設に買換える場合、譲渡資産の譲渡益の80%について、課税を繰り延べる。(損金算入) 【関係条文】 (所得税)租税特別措置法第 37 条第1項の表の第4号 (法人税)租税特別措置法第 65 条の7第1項の表の第4号

    租税特別措置法第 68 条の 78 第1項の表の第4号

    平年度の減収見込額 ― 百万円

    (制度自体の減収額) ( ▲94,200 百万円

    の内数)

    (改 正 増 減 収 額) ( ― 百万円)

    9-1

  • (1) 政策目的

    人口減少時代を迎えるに当たり、居住者の生活や経済活動が維持された持続可能な都市経営がなされるためには、一定の人口密度の維持、効率的にアクセス可能なエリアへの都市機能(医療・福祉・商業等)の立地を図る必要があることから、地域の核となるエリアへの都市機能の計画的な配置等を推進し、もって都市の再生を実現する。

    (2) 施策の必要性 これまで都市は、人口の流入等により市街地が急速に拡大してきたが、今

    後、人口の急速な減少が予想され、拡大した市街地に住民が点在して居住する

    ことになり、都市において提供される生活機能が低下し、地域経済・活力が衰

    退する恐れがある。

    こうした中、各種の閣議決定(※)を踏まえ、コンパクト・プラス・ネット

    ワークについては、「コンパクトシティ形成支援チーム」の枠組を通じ、都市

    のコンパクト化と公共交通ネットワーク構築に向けた取組の省庁横断的な支

    援、モデル的な取組の横�