香芝市国民健康保険 保健 ¦業実施計画 (データヘル...

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香芝市国民健康保険 保健事業実施計画 (データヘルス計画) (第 1 期計画:平成 28 年度~平成 29 年度) 平成 28 年 3 月 香芝市国民健康保険

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香芝市国民健康保険

保健事業実施計画

(データヘルス計画) (第 1 期計画:平成 28 年度~平成 29 年度)

平成 28年 3月

香芝市国民健康保険

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目次

1. 保健事業実施計画(データヘルス計画)策定の概要 ..................................................... 1

背景と主旨............................................................................................................. 1

データヘルス計画の位置づけ ............................................................................... 3

計画期間 ................................................................................................................ 4

2. 香芝市の概況 ................................................................................................................... 5

地域の特性............................................................................................................. 5

医療費の状況 ....................................................................................................... 12

特定健康診査の状況 ............................................................................................ 24

特定保健指導の状況 ............................................................................................ 33

ジェネリック医薬品の普及状況 .......................................................................... 36

考察 ..................................................................................................................... 37

3. 健康課題のまとめ ......................................................................................................... 40

4. 現状の保健事業 ............................................................................................................. 41

5. 目標設定 ........................................................................................................................ 43

特定健診の受診率向上 ........................................................................................ 43

特定保健指導の実施率向上 ................................................................................. 43

要治療者の治療率向上 ........................................................................................ 44

6. 具体的な実施施策 ......................................................................................................... 45

特定健診の受診率向上対策 ................................................................................. 45

特定保健指導の実施率向上対策 .......................................................................... 45

要治療者の治療率向上対策 ................................................................................. 45

特定保健指導の対象外への対策 .......................................................................... 45

7. データヘルス計画の見直し ........................................................................................... 46

8. データヘルス計画の公表・周知方法 ............................................................................ 46

9. 事業運営上の留意事項 .................................................................................................. 46

10. 個人情報の保護 ........................................................................................................ 46

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1. 保健事業実施計画(データヘルス計画)策定の概要

背景と主旨

我が国は少子高齢化の進展に伴い平成 26 年の高齢化率は 26.0%で約 4 人に 1 人が高齢

者となっています。平成 65 年には 1.3 人に 1 人と予測され超高齢化と人口減少が急激に進

むことになります。超高齢化と人口減少は社会保障制度の崩壊につながり、特に国民健康保

険加入者は高齢者が多く、医療需要も高くなっていることから国保料の負担と医療給付費

のバランスを維持するのが困難になると想定されます。

本市における人口減少と超高齢化は全国と比較して約 10年の遅れで徐々に出現すると予

測されており、疾病予防や介護予防、地域連携など健康寿命の延伸に向けた取り組みが重要

になってきます。

平成 17 年に策定された「医療制度改革大綱」では、平成 23 年度当初よりレセプトオン

ラインを完全義務化する方針が示され、レセプト電子化が保険者機能をさらに強化するも

のとなり、電子化によりレセプト情報を効率的に解析できるようになったため、そのデータ

に基づいて保健事業を展開できるようになりました。

また、平成 25 年 6 月 14 日に閣議決定された「日本再興戦略」においては、データヘル

ス計画の作成・公表、事業実施、評価等の取り組みを求める方針が打ち出されました。

本市も特定健康診査(以下「特定健診」という。)の結果や、医療機関の診療報酬明細書

等(以下「レセプト」という。)の電子化が進み、保険者として健康状況や受診状況・医療

費状況を以前よりも容易かつ正確に把握できるようになりました。

それを踏まえて、香芝市国民健康保険では生活習慣病対策をはじめとする被保険者の健

康増進、重症化予防等のため健康・医療情報を活用して PDCA サイクルに沿った効果的か

つ効率的な保健事業を行うため保健事業実施計画(データヘルス計画)を策定し医療給付費

の適正化と健康なまちづくりを目指します。

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図表 1 保健事業(健診・保健指導)の PDCA サイクル

出所:厚生労働省「標準的な健診・保健指導プログラム【改訂版】」

改善

(Action)

検証結果に基

づく、課題解決

に向けた計画

の修正。

健康課題をより

明確にした戦略

的取組の検討。

[データ分析]

集団全体の健康問題の特徴をデータから分析

[健康課題の明確化]

集団の優先的な健康課題を選択。

どのような疾病にどれくらいの医療費を要しているのか、より高額な医療費の原

因は何か、それは予防可能な疾病なのか等を検討。

[目標の設定]

最も効果が期待できる課題を重点的に対応すべき課題として目標を設定。

例えば、「糖尿病の有無を**%減少させる」等、できる限り数値目標とし、

事業終了後の評価ができる目標を設定。

[保健指導対象者の明確化]

[効率的・効果的な保健指導の実施]

支援方法・優先順位等を検討。

対象者のライフスタイルや行動変容の準備状態

にあわせた学習教材を用意。

確実に行動変容を促す支援を実施。

[保健指導の評価]

検査データの改善度、行動目標の達成度、

生活習慣の改善状況等を評価。

計画(Plan)

実施(Do)

評価(Check)生活習慣病の有病者・予備群の減少

生活習慣病関連の医療費の適正化

より効率的・効果的な方法・内容に改善

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データヘルス計画の位置づけ

近年の日本の健康戦略の目標は、増大する医療費と患者数の削減を通して、人々の健康格

差を縮小することにあります。特に、虚血性心疾患・脳血管疾患・糖尿病性合併症等の対策

が求められており、そのためには高血圧や肥満といった生活習慣病の発症者を未然に抑止

することが重要です。こうした一次予防重視の方針が「健康日本 21」で打ち出され、それ

を実現するための方策として、「特定健康診査等実施計画」において 40 歳〜74 歳の特定健

診実施義務と、メタボリックシンドローム予備群・該当者の特定保健指導が規定されました。

データヘルス計画は、統計資料や電子レセプトデータの分析を通して地域の健康課題と

改善目標を明確化し、PDCA サイクルによって効果的・効率的に保健事業を実施するため

の計画です。これには、やみくもに事業を実施するのではなく、データを活用して科学的に

アプローチすることで事業の実効性を高めていくねらいがあります。

図表 2 特定健診・特定保健指導と健康日本 21(第二次)

出所:厚生労働省「標準的な健診・保健指導プログラム【改訂版】」

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「データヘルス計画」、「特定健康診査等実施計画」と「健康かしば 21 計画」の位置関

係について、まとめたものが次の図表 3 になります。

図表 3 データヘルス計画の位置づけ

データヘルス計画 特定健康診査等実施計画 健康かしば 21 計画

根拠法 国民健康保険法

第 82 条

高齢者の医療の確保に関

する法律 第 19 条

健康増進法

第 8 条 第 9 条

計画策定者 香芝市 香芝市 香芝市

対象期間 平成 28-29 年度 平成 25-29 年度

(第 2 期)

平成 23-33 年度

(第 2 次)

対象者 国保被保険者 国保被保険者(40-74 歳) 香芝市民

共通の考え方

健康寿命の延伸及び健康格差縮小に向けて、生活習慣病の予防や重症化

予防を図り、健康増進を目指すと共に医療費適正化を通して社会保障制

度の維持を目指す。

主な特徴

特定健診や電子レ

セプト等の医療情

報の積極的な活用

を求めている。

医療保険者別に特定健診

の受診率及び特定保健指

導の実施率の目標値を設

定している。

乳幼児・若者・成年期・

壮年期・高齢期のライフ

ステージごとのめざす

姿の実現へ向けて健康

づくり支援を実施する。

(壮年期・高齢期が特定

健診に関連する)

出所:香芝市

計画期間

計画期間については、関係する計画との整合性を図るため、保健事業実施指針第 4 の 5

「特定健診等実施計画及び健康増進計画との整合性を踏まえ、複数年とすること」を踏まえ

て設定します。具体的には、平成 27 年度中に保健事業実施計画(データヘルス計画)を策

定し、香芝市国民健康保険特定健康診査等実施計画(第 2 期)の最終年度である平成 29 年

度までを基本的な計画期間とします。

健康かしば 21 計画(第 2 次) 平成 23~33 年度

特定健康診査等実施計画

(第 2 期)平成 25~29 年度

特定健康診査等実施計画

(第 3 期)平成 30 年~

データヘルス計画

(第 1 期)平成 28~29 年度

データヘルス計画

(第 2 期)平成 30 年~

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2. 香芝市の概況

地域の特性

環境

本市は、奈良県の北西部にあり、面積 24.26km2、金剛生駒紀泉国定公園を挟んで大阪府

に接しています。道路網では大阪市から三重県津市を結ぶ国道 165 号、和歌山県新宮市か

ら大阪府枚方市を結ぶ国道 168 号、及び大阪府松原市から名古屋方面に接続する西名阪自

動車道香芝インターチェンジを有しています。鉄道網では JR 和歌山線、近鉄大阪線及び近

鉄南大阪線が市の中心部を縦横に走り、8 つの駅を有し、大阪市内へは最短 22 分という至

便なところに位置しています。古くから大阪と奈良を結ぶ要衝として重要な役割を担って

きました。

人口

人口は、74,122 人で、人口に占める 39 歳以下の割合が 49.2%と、県及び全国と比較して

高くなっています。

図表 4 人口構成の比較

出所:KDB 地域の全体像の把握 平成 26 年度(国勢調査 平成 22 年度)

49.2 41.7 42.8

32.6 34.2 34.0

10.7 12.9 12.0

7.6 11.1 11.2

0

10

20

30

40

50

60

70

80

90

100

香芝市 奈良県 全国

(%)

75歳以上

65~74歳

40~64歳

39歳以下

74,122人

36,432人

24,135人

7,914人

5,641人

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少子高齢化により国内の人口減少が続く中でも、本市の人口は増加の見込みです。ただし、

高齢者の割合が増加していることが、下の図表 5 からも分かります。

現在、5 人に 1 人が高齢者となっていますが、20 年後の平成 47 年には高齢化率が 27%

となり、4 人に 1 人が高齢者となりその後徐々に人口減少が始まると予測されます。

図表 5 人口の推移(将来推計を含む)

注記:平成 27 年度以降は国立社会保障・人口問題研究所で試算した日本市区町村別将来推計人口

出所:香芝市ホームページ

高齢化率

国保において平成 22 年の高齢化率は 18.3%で、県(24.0%)や国(23.0%)と比較しても

低い値となっています。平成 37 年の推計値では 23.9%と、5.6 ポイント上昇していますが、

県の 8.6 ポイント、国の 7.3 ポイントと比較して、ゆっくりと進んでいることが分かりま

す。

図表 6 人口統計と将来推計

出所:国立社会保障・人口問題研究所(2013)「日本の地域別将来推計人口」

0

10,000

20,000

30,000

40,000

50,000

60,000

70,000

80,000

90,000

H20 H21 H22 H23 H24 H25 H26 H27 H32 H37 H42 H47

(人)

75歳以上

65-74歳

40-64歳

0-39歳

65歳以上

75歳以上

65歳以上

75歳以上

65歳以上

75歳以上

2010年(H22) 75,227人 18.3% 7.6% 1,400,728人 24.0% 11.1% 128,057,352人 23.0% 11.1%

2015年(H27) 78,156人 21.8% 9.6% 1,370,353人 28.6% 13.4% 126,596,522人 26.8% 13.0%

2020年(H32) 79,782人 23.4% 11.9% 1,330,085人 31.3% 16.2% 124,182,540人 29.1% 15.1%

2025年(H37) 80,725人 23.9% 14.5% 1,279,718人 32.6% 19.8% 120,902,030人 30.3% 18.1%

増加率

(H22~H37)7.0%7.3% 6.9% -8.6% 8.7% -5.6% 7.3%8.6%5.6%

総人口 総人口

香芝市 奈良県 全国

総人口高齢化率 高齢化率 高齢化率

※将来推計(予測値)

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平均寿命・健康寿命

健康寿命は男性、女性ともに国や県と比較して同程度です。平均寿命については、男性は

国や県と比較して同程度ですが、女性は国や県と比べると約1年長くなっています。

また、平均寿命と健康寿命の差は男性で約 14 年、女性は約 20 年となっています。この

差が自立して生活できない期間となり、女性は男性に比べ 6 年も長くなっています。

図表 7 平均寿命と健康寿命の差

平均寿命:その年に生まれた方が、その後何年生きられるかという期待値

健康寿命:健康上の理由で、日常生活が制限されない期間

KDB システムでは次の計算式により健康寿命を算出しており、厚生労働省公表値とは異なります。

<0 歳平均余命-65~69 歳平均余命-(1-介護認定者数÷40 歳以上人口)×65~69 歳定常人口÷65 歳生存数>

出所:KDB 地域の全体像の把握 平成 26 年度

79.6

80.1

80.2

65.2

65.7

65.7

60 65 70 75 80 85 90

奈良県

香芝市

(歳)

男性

健康寿命

平均寿命

14.5歳

14.4歳

14.4歳

86.4

86.6

87.7

66.8

67.1

67.4

60 65 70 75 80 85 90

奈良県

香芝市

(歳)

女性

健康寿命

平均寿命

20.3歳

19.5歳

19.6歳

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国民健康保険の状況

国保の被保険者の構成を見ますと、高齢者が 38%を占めており、県よりは低いですが、

国より高くなっていることが分かります。高齢者層の 65~74 歳が 38%であるのに対し、0

~64 歳は 62%であることから、国保がいかに高齢者によって構成されているかが分かりま

す。

図表 8 国保被保険者の年齢構成比較

出所:KDB 地域の全体像の把握 平成 26 年度

国保の被保険者数は平成 24 年度をピークに減少傾向にあります。

図表 9 国保被保険者数と香芝市の高齢化率(65 歳以上)の推移

出所:香芝市

29.0 26.1 28.9

33.0 33.8 34.8

38.1 40.2 36.2

0

10

20

30

40

50

60

70

80

90

100

香芝市 奈良県 全国

(%)

65~74歳

40~64歳

39歳以下

17,831 17,923

18,097 18,212 18,197

17,882

17.4 17.6 18.2 19.2 20.1 21.0

0

5

10

15

20

25

17,200

17,600

18,000

18,400

18,800

19,200

平成21年度 平成22年度 平成23年度 平成24年度 平成25年度 平成26年度

(%)(人) 国保被保険者数 高齢化率

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国保の被保険者数を性別年齢別の人口ピラミッドで見ますと、55~59 歳と 60~64 歳の

間で、大きな変化が発生していることが分かります。これは退職等に伴う他医療保険からの

流入であることが想定されます。

図表 10 国保被保険者の性別年齢別人数

出所:香芝市 平成 27 年 4 月 1 日現在

0 500 1,000 1,500 2,000 2,500

05001,0001,5002,0002,500

0-4歳

5-9歳

10-14歳

15-19歳

20-24歳

25-29歳

30-34歳

35-39歳

40-44歳

45-49歳

50-54歳

55-59歳

60-64歳

65-69歳

70-74歳

(人)男性 女性

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介護保険の状況

要支援・要介護の認定率は、平成 23 年度の 15.7%をピークに平成 26 年度 14.5%と下が

っていますが、認定者数は、年々増加しており、平成 21 年度から平成 26 年度にかけては

増加率 19.3%です。後期高齢者の増加に伴い要介護認定者数も増加していくことが予測さ

れます。また、要支援 1 から要介護 2 までの軽度認定者が 65.7%と約半数を占めています。

図表 11 要支援・要介護認定者の推移

出所:香芝市

認定者数は増加しているものの、第 1 号被保険者の認定率 16.8%は、県や国と比較して

低い値となっています。

図表 12 要介護認定率(第1号被保険者)

出所:香芝市 平成 26 年度

218 220 224 258 300 266

240 296 315 311 333 349

344 391 396 381

434 481 365

379 431 464 403 437 347

357 330 319 297 303 240 224 231 233 249

273 200

205 213 227 231 223

15.2 15.6 15.7 15.2

14.7 14.5

0

2

4

6

8

10

12

14

16

0

500

1,000

1,500

2,000

2,500

平成21年度平成22年度平成23年度平成24年度平成25年度平成26年度

(%)(人)

要介護5

要介護4

要介護3

要介護2

要介護1

要支援2

要支援1

認定率

16.8

19.9 20.0

15

16

17

18

19

20

21

香芝市 奈良県 全国

(%)

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65 歳以上の要支援・要介護の原因を見ますと、運動器官による原因が目立ちますが、糖

尿病や心臓の病気、脳卒中といった生活習慣病に起因すると考えられる原因も、それぞれ

10%以上を占めています。高齢になってからではなく若年期・中年期から生活習慣病を予防

し、健康づくりに取り組むことが介護予防につながります。

図表 13 65 歳以上の要支援・要介護の原因

出所:香芝市 第6期介護保険事業計画策定に伴う日常生活圏域ニーズ調査 平成 26 年度

死因

死因を見ますと、悪性新生物が 28.9%と 1 番高く、生活習慣病に関する死因である心疾

患 17.1%と、脳血管疾患 7.9%との 3 つで 53.9%を占めています。

図表 14 死因別割合

出所:葛城保健所事業概況 平成 25 年度~26 年度

10.7

12.7

12.8

15.6

16.0

16.2

22.8

0 5 10 15 20 25

糖尿病

心臓の病気

脳卒中

筋骨格系の障害

認知症

骨折・転倒

高齢による衰弱

(%)

悪性新生物

28.9%

心疾患

17.1%肺炎

12.8%脳血管

疾患

7.9%

不慮の事故

2.8%

老衰

2.3%

大動脈瘤及び解離

2.3%

自殺

1.5%

腎不全

1.5%

慢性閉塞性肺疾患

0.9%

その他

22.0%

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医療費の状況

国保の総医療費を見ますと、平成 23 年度に下がりましたが、その後は年々増加している

ことが分かります。平成 21 年度 49 億 2 千 261 万円と比較して、平成 26 年度は 57 億 2 千

283 万円と 16.3%増加しています。

図表 15 被保険者数と総医療費

出所:香芝市

1 人当たり医療費の推移を見ますと総医療費と同様に平成 23 年度に下がりましたが、そ

の後は年々増加しており、平成 21 年度から 26 年度までの間に 14.7%の増加を認めていま

す。県と市を比較すると、医療費は低い値で推移しており、平成 24 年以降その差は縮まっ

ています。

図表 16 1人当たり医療費の推移

出所:奈良県 平成 26 年度国民健康保険事業状況報告書 速報値

4,922,612

5,238,554 5,215,5565,338,627

5,660,270 5,722,83017,912

18,023

18,111

18,285

18,390

18,155

17,600

17,800

18,000

18,200

18,400

4,800,000

5,300,000

5,800,000

6,300,000

6,800,000

平成21年度 平成22年度 平成23年度 平成24年度 平成25年度 平成26年度

(人)(千円) 医療費 国保被保険者数

274,822

290,659 287,977291,968

307,791315,221

288,970

299,258

309,011316,103

324,419330,944

260,000

280,000

300,000

320,000

340,000

平成21年度 平成22年度 平成23年度 平成24年度 平成25年度 平成26年度

(円)香芝市 奈良県

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1 人当たり年間医療費の県内比較では、本市は 5 番目に低く 315,221 円となっています。

県と比較すると 15,723 円、国と比較すると 12,234 円差があり、本市のほうが低い状況で

す。

図表 17 1 人当たり医療費の県内比較

出所:奈良県 平成 26 年度国民健康保険事業状況報告書 速報値

生活習慣病の状況(*P15 生活習慣病の定義参照)

総医療費における生活習慣病の占める割合は 23.9%となっています。一部生活習慣に起

因する可能性の高い悪性新生物にかかる医療費と合わせると、36.7%が生活習慣の改善で抑

制できる医療費と考えられます。

図表 18 総医療費における生活習慣病の占める割合

出所:医療費分析ツール「Focus」 平成 26 年度

315,221

奈良県

330,944

全国

327,455

250,000

300,000

350,000

400,000

450,000

上北山村

山添村

曽爾村

下市町

御杖村

吉野町

野迫川村

黒滝村

東吉野村

明日香村

下北山村

河合町

平群町

斑鳩町

十津川村

上牧町

三郷町

王寺町

大和郡山市

川上村

宇陀市

高取町

御所市

奈良市

川西町

安堵町

生駒市

橿原市

五條市

広陵町

大和高田市

大淀町

天川村

葛城市

香芝市

桜井市

田原本町

三宅町

天理市

(円)

生活習慣病

23.9%

悪性新生物

12.8%

精神及び行

動の障害

6.2%

その他

57.1%

<生活習慣病の医療費上位の傷病名>

I10: 本態性(原発性<一次性>)高血圧(症)

E14: 詳細不明の糖尿病

N18: 慢性腎不全 【同月に基礎疾患の糖尿病が

ある場合、生活習慣病と判定しています】

E78: リポたんぱく<蛋白>代謝障害及びその他

の脂(質)血症

E11: インスリン非依存性糖尿病<NIDDM>

I20: 狭心症

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14

図表 19 総医療費の「その他」の上位20傷病名

1 K21 胃食道逆流症

2 N18 慢性腎不全

3 M81 骨粗しょう<鬆>症<オステオポローシス>,病的骨折を伴わないもの

4 M17 膝関節症[膝の関節症]

5 H26 その他の白内障

6 M06 その他の関節リウマチ

7 J30 血管運動性鼻炎及びアレルギー性鼻炎<鼻アレルギー>

8 J45 喘息

9 H40 緑内障

10 M48 その他の脊椎障害

11 B18 慢性ウイルス肝炎

12 K25 胃潰瘍

13 I48 心房細動及び粗動

14 G47 睡眠障害

15 K29 胃炎及び十二指腸炎

16 G20 パーキンソン<Parkinson>病

17 G40 てんかん

18 M47 脊椎症

19 H35 その他の網膜障害

20 M16 股関節症[股関節部の関節症]

出所:医療費分析ツール「Focus」 平成 26 年度

図表 20 からもわかるように、総医療費における生活習慣病は年齢が高くなるにつれて増

加しています。60 歳を過ぎると 40 代の約 2 倍、65 歳以上になると約 4 倍となり、高齢者

の国保加入者に占める割合が増えてくることに伴い医療費も上昇することが予測されます。

図表 20 総医療費における生活習慣病の年齢別

出所:医療費分析ツール「Focus」 平成 26 年度

58 76 195 232 284 263 429

1,108

2,317 2,596

0

500

1,000

1,500

2,000

2,500

3,000

20歳未満 20代 30代 40-44歳 45-49歳 50-54歳 55-59歳 60-64歳 65-69歳 70-74歳

(人)

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15

*生活習慣病とは、「食習慣、運動習慣、休養、喫煙、飲酒等の生活習慣が、その発症・

進行に関与する疾患群」(厚生労働省「生活習慣に着目した疾病対策の基本的方向性につい

て(意見具申)」より)と定義されています。

本計画書においては、次の図表 21 のように ICD10 コード(異なる国や地域から、異な

る時点で集計された死亡や疾病のデータの体系的な記録、分析、解釈及び比較を行うため、

世界保健機関憲章に基づき、世界保健機関(WHO)が作成した分類の第 10 版のこと)で

生活習慣病を定義します。

また、「糖尿病」「高血圧症」「脂質異常症」を「基礎疾患」と定義し、重症化・合併症

疾患を「脳血管疾患群」「虚血性心疾患群」「糖尿病性合併症群」に分類したものを「重症

化疾患群」と定義します。

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16

図表 21 生活習慣病の定義

出所:医療費分析ツール「Focus」

脳血管

疾患群

虚血性

心疾患群

糖尿病性合

併症群

(糖尿病)

糖尿病性合

併症群(慢

性腎臓病)

I63 I63 脳梗塞

I693 I69.3 脳梗塞の続発・後遺症

I61 I61 脳内出血

I691 I69.1 脳内出血の続発・後遺症

I60 I60 くも膜下出血

I690 I69.0 くも膜下出血の続発・後遺症

I62 I62 その他の非外傷性頭蓋内出血

I64 I64 脳卒中,脳出血又は脳梗塞と明示されないもの

I65 I65 脳実質外動脈の閉塞及び狭窄,脳梗塞に至らなかったもの

I66 I66 脳動脈の閉塞及び狭窄,脳梗塞に至らなかったもの

I67 I67 その他の脳血管疾患

I69 I69 脳血管疾患の続発・後遺症 I690,I691,I693を除く

○ 血管性認知症 F01 F01 血管性認知症

○ 狭心症 I20 I20 狭心症

I21 I21 急性心筋梗塞

I22 I22 再発性心筋梗塞

I23 I23 急性心筋梗塞の続発合併症

I24 I24 その他の急性虚血性心疾患

I25 I25 慢性虚血性心疾患

I119 I11.9 心不全(うっ血性)を伴わない高血圧性心疾患

○ 心筋症 I42 I42 心筋症

○ 心肥大 I517 I51.7 心(臓)拡大

I110 I11.0 心不全(うっ血性)を伴う高血圧性心疾患

I50 I50 心不全

E112 E11.2 インスリン非依存性糖尿病<NIDDM>,腎合併症を伴うもの

E122 E12.2 栄養障害に関連する糖尿病,腎合併症を伴うもの

E132 E13.2 その他の明示された糖尿病,腎合併症を伴うもの

E142 E14.2 詳細不明の糖尿病,腎合併症を伴うもの

E113 E11.3 インスリン非依存性糖尿病<NIDDM>,眼合併症を伴うもの

E123 E12.3 栄養障害に関連する糖尿病,眼合併症を伴うもの

E133 E13.3 その他の明示された糖尿病,眼合併症を伴うもの

E143 E14.3 詳細不明の糖尿病,眼合併症を伴うもの

H221 H22.1 他に分類されるその他の疾患における虹彩毛様体炎

H280 H28.0  糖尿病(性)白内障

H360 H36.0  糖尿病(性)網膜症

H588 H58.8 他に分類される疾患における眼及び付属器のその他の明示された障害

E114 E11.4 インスリン非依存性糖尿病<NIDDM>,神経(学的)合併症を伴うもの

E124 E12.4 栄養障害に関連する糖尿病,神経(学的)合併症を伴うもの

E134 E13.4 その他の明示された糖尿病,神経(学的)合併症を伴うもの

E144 E14.4 詳細不明の糖尿病,神経(学的)合併症を伴うもの

G590 G59.0 糖尿病性単ニューロパチ<シ>ー

G632 G63.2 糖尿病性多発(性)ニューロパチ<シ>ー

G730 G73.0 内分泌疾患における筋無力(症)症候群

G736 G73.6 代謝疾患におけるミオパチ<シ>ー

G990 G99.0 内分泌疾患及び代謝疾患における自律神経ニューロパチ<シ>ー

N312 N31.2 し<弛>緩性神経因性膀胱(機能障害),他に分類されないもの

E115 E11.5 インスリン非依存性糖尿病<NIDDM>,末梢循環合併症を伴うもの

E125 E12.5 栄養障害に関連する糖尿病,末梢循環合併症を伴うもの

E135 E13.5 その他の明示された糖尿病,末梢循環合併症を伴うもの

E145 E14.5 詳細不明の糖尿病,末梢循環合併症を伴うもの

I792 I79.2 他に分類される疾患における末梢血管症<アンギオパシー>

I798 I79.8 他に分類される疾患における動脈,細動脈及び毛細血管のその他の障害

L984 L98.4 皮膚の慢性潰瘍,他に分類されないもの

E110 E11.0 インスリン非依存性糖尿病<NIDDM>,昏睡を伴うもの

E120 E12.0 栄養障害に関連する糖尿病,昏睡を伴うもの

E130 E13.0 その他の明示された糖尿病,昏睡を伴うもの

E140 E14.0 詳細不明の糖尿病,昏睡を伴うもの

E111 E11.1 インスリン非依存性糖尿病<NIDDM>,ケトアシドーシスを伴うもの

E121 E12.1 栄養障害に関連する糖尿病,ケトアシドーシスを伴うもの

E131 E13.1 その他の明示された糖尿病,ケトアシドーシスを伴うもの

E141 E14.1 詳細不明の糖尿病,ケトアシドーシスを伴うもの

E116 E11.6 インスリン非依存性糖尿病<NIDDM>,その他の明示された合併症を伴うもの

E126 E12.6 栄養障害に関連する糖尿病,その他の明示された合併症を伴うもの

E136 E13.6 その他の明示された糖尿病,その他の明示された合併症を伴うもの

E146 E14.6 詳細不明の糖尿病,その他の明示された合併症を伴うもの

E117 E11.7 インスリン非依存性糖尿病<NIDDM>,多発合併症をを伴うもの

E127 E12.7 栄養障害に関連する糖尿病,多発合併症をを伴うもの

E137 E13.7 その他の明示された糖尿病,多発合併症をを伴うもの

E147 E14.7 詳細不明の糖尿病,多発合併症をを伴うもの

I15 I15  二次性<続発性>高血圧(症)

3621010 高血圧性網膜症 電算コード

8833424 高血圧性視神経網膜症 電算コード

H350 H35.0 背景網膜症及び網膜血管変化且つ、同月・他医療機関含む病名(ICD-10)に

I10が有る

I120 I12.0 腎不全を伴う高血圧性腎疾患

N17 N17 急性腎不全

N18 N18 慢性腎不全

N19 N19 詳細不明の腎不全

E11 E11 インスリン非依存性糖尿病<NIDDM>E110,E111,E112,E113,E114,E115,E116,E117

を除く

E12 E12 栄養障害に関連する糖尿病E120,E121,E122,E123,E124,E125,E126,E127

を除く

E13 E13 その他の明示された糖尿病E130,E131,E132,E133,E134,E135,E136,E137

を除く

E14 E14 詳細不明の糖尿病E140,E141,E142,E143,E144,E145,E146,E147

を除く

高血圧症 I10 I10 本態性(原発性<一次性>)高血圧(症)

E780 E78.0 純型高コレステロール血症

E781 E78.1 純型高グリセリド血症

E782 E78.2 混合型高脂(質)血症

E783 E78.3 高カイロミクロン血症

E784 E78.4 その他の高脂(質)血症

E785 E78.5 高脂(質)血症,詳細不明

基礎疾患

糖尿病

脂質異常症

○ 腎不全且つ、同月・他医療機関含む病名(ICD-10)に

E11~E14が有る

○糖尿病性合併症

(その他)

○ 高血圧性網膜症

且つ、同月・他医療機関含む病名(ICD-10)に

E11~E14が有る

且つ、同月・他医療機関含む病名(ICD-10)に

E11~E14が有る

○ 糖尿病神経障害

且つ、同月・他医療機関含む病名(ICD-10)に

E11~E14が有る

○ 糖尿病潰瘍・壊疽

○ 糖尿病性腎症

○ 糖尿病性網膜症

○虚血性心疾患

(その他)

○ 心不全

○脳血管疾患

(その他)

○ 心筋梗塞

○ 脳出血

○ くも膜下出血

生活習慣病の重症化疾患群

重症化疾患 ICD10 名称 備考

○ 脳梗塞

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17

次に、高額レセプトに注目して見ます。ここに現れる疾病の発症を予防できれば、総医療

費の増加を食い止めるのに効果的と見込まれています。

高額レセプト(80 万円以上)における生活習慣病が占める割合は、総医療費で見た割合

(23.9%)と、ほぼ同じ 22.2%が生活習慣病であることがわかります。

図表 22 高額レセプト(80 万円以上)における生活習慣病が占める割合

出所:医療費分析ツール「Focus」 平成 26 年度

80 万円以上の高額レセプトにおいて、生活習慣病が最も多く、年齢が高くなるにつれて

医療費が多くかかっています。生活習慣病の中でも狭心症、脳梗塞、急性心筋梗塞が医療費

の上位を占めています。

図表 23 高額レセプト(80 万円以上)における生活習慣病の年齢別

出所:医療費分析ツール「Focus」 平成 26 年度

生活習慣病

22.2%

悪性新生物

20.3%

精神及び

行動の障害

0.6%

その他

56.9%

4 0 5 11 12 12 19

48

106

173

0

50

100

150

200

20歳未満 20代 30代 40-44歳 45-49歳 50-54歳 55-59歳 60-64歳 65-69歳 70-74歳

(人)

<生活習慣病の医療費上位の傷病名>

I20: 狭心症

I63: 脳梗塞

I21: 急性心筋梗塞

I60: くも膜下出血

N18: 慢性腎不全

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18

次に、医療費が継続して発生している長期入院レセプト(6 ヵ月以上) に注目して見ま

すと、20.6%が生活習慣病であることが分かります。

図表 24 長期入院レセプト(6 ヵ月以上)における生活習慣病が占める割合

出所:医療費分析ツール「Focus」 平成 26 年度

長期入院レセプトにおいて、生活習慣病の占める割合は高く、年齢が高くなるにつれて

医療費が多くかかっています。生活習慣病の中でも慢性腎不全、くも膜下出血、糖尿病が

医療費の上位を占めています。

図表 25 長期入院レセプト(6 ヵ月以上)における生活習慣病の年齢別

出所:医療費分析ツール「Focus」 平成 26 年度

生活習慣病

20.6%

悪性新生物

14.7%

精神及び行動の障害

29.1%

その他

35.7%

1 2 3 4 2

4

10

22

17

28

0

5

10

15

20

25

30

20歳未満 20代 30代 40-44歳 45-49歳 50-54歳 55-59歳 60-64歳 65-69歳 70-74歳

(人)

<生活習慣病の医療費上位の傷病名>

N18: 慢性腎不全

I60: くも膜下出血

E14: 詳細不明の糖尿病

I63: 脳梗塞

I61: 脳内出血

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19

慢性腎不全による人工透析が、どれくらい発生しているかを見ますと、全体で 46人の内、

生活習慣病由来の方は、半数以上の 27 人で、総医療費は 1 億 4 千 594 万円となっていま

す。1 人当たりの 1 年間総医療費は 546 万円となっています。

図表 26 人工透析における生活習慣病が占める割合

注) 人数の全体は実人数、年間集計のため生活習慣病「由来」と「由来しない」両方に集計されます。

出所:医療費分析ツール「Focus」 平成 26 年度

生活習慣病の基礎疾患、重症化疾患群の状況

生活習慣病医療費をさらに分解し、基礎疾患別医療費を見ますと、高血圧症が一番高く 3

億 1 千 506 万円となっています。患者数でも高血圧症が 5,291 人と 1 番多くなっています。

高血圧症と脂質異常では患者数はほぼ同じですが、医療費は高血圧症のほうが高い傾向に

あります。

図表 27 基礎疾患別の医療費と患者数

出所:医療費分析ツール「Focus」 平成 26 年度

生活習慣病由来の人工透析

生活習慣病に由来しない人工透析

27人 22人

58.7% 47.8%

262件 194件

57.5% 42.5%

145,937千円 95,808千円

60.4% 39.6%

全体

人数 46人

レセプト件数 456件

総医療費 241,745千円

315,064

173,679 181,378

5,291 5,160

4,386

0

1,000

2,000

3,000

4,000

5,000

6,000

7,000

0

50,000

100,000

150,000

200,000

250,000

300,000

350,000

高血圧症 脂質異常 糖尿病

(人)(千円)

医療費 患者数

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20

重症化疾患では、虚血性心疾患群が 1 番高く 1 億 9 千 689 万円となっています。患者数

でも虚血性心疾患群が 2,977 人と 1 番多くなっています。

図表 28 重症化疾患群別の医療費と患者数

出所:医療費分析ツール「Focus」 平成 26 年度

平成 26 年度に重症化疾患群のレセプトが新たに発生した年齢を見ますと、65~69 歳が

一番多く 421 人が発症しています。また、20 歳未満で既に虚血性心疾患群、脳血管疾患群

が発症しています。

図表 29 新規重症化疾患群の年齢別

出所:医療費分析ツール「Focus」 平成 26 年度

196,892170,230 158,518

2,977

1,884

1,110

0

1,000

2,000

3,000

4,000

5,000

6,000

7,000

0

50,000

100,000

150,000

200,000

250,000

300,000

350,000

虚血性心疾患群 脳血管疾患群 糖尿病性合併症群

(人)(千円)医療費 患者数

19 17 23 30 30 29 48

110

209 199

9 10 18 18 26 17

40

74

153129

0 45 5

78

11

51

59

62

0

50

100

150

200

250

300

350

400

450

20歳未満 20代 30代 40-44歳 45-49歳 50-54歳 55-59歳 60-64歳 65-69歳 70-74歳

(人)虚血性心疾患群 脳血管疾患群 糖尿病性合併症群

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21

生活習慣病の重症化疾患群の内訳

虚血性心疾患群の医療費の内訳を見ますと、狭心症が 1 番多く 46.6%を占め、心筋梗塞

22.3%、心不全 15.4%と続いています。

図表 30 虚血性心疾患群の医療費内訳

出所:医療費分析ツール「Focus」 平成 26 年度

脳血管疾患群では、脳梗塞が 1 番多く 45.9%を占め、脳出血 27.5%、くも膜下出血 13.9%

と続いています。

図表 31 脳血管疾患群の医療費内訳

出所:医療費分析ツール「Focus」 平成 26 年度

狭心症

191,581千円

46.6%

心筋梗塞

91,423千円

22.3%

心不全

63,415千円

15.4%

虚血性心疾患

48,494千円

11.8%

心筋症

14,445千円

3.5%

心肥大

1,322千円

0.3%

脳梗塞

107,063千円

45.9%脳出血

64,150千円

27.5%

くも膜下出血

32,519千円

13.9%

脳血管疾患(その他)

27,443千円

11.8%

血管性認知症

2,157千円

0.9%

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22

糖尿病性合併症群では、腎不全が 74.4%と全体の 3/4 を占めており、糖尿病性腎症 9.1%、

糖尿病性網膜症 5.7%と続きます。

図表 32 糖尿病性合併症群の医療費内訳

出所:医療費分析ツール「Focus」 平成 26 年度

腎不全

136,911千円

74.4%糖尿病性腎症

16,791千円

9.1%

糖尿病性網膜症

10,504千円

5.7%

糖尿病神経障害

9,272千円

5.0%

糖尿病性合併症

7,608千円

4.1%

糖尿病潰瘍・壊疽

1,751千円

1.0%

高血圧性網膜症

1,194千円

0.6%

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23

生活習慣病の重症化疾患群と基礎疾患の関係性

生活習慣病においては、高血圧、高血糖、脂質異常が主な基礎疾患となります。この基礎

疾患がリスク因子となり、複数のリスク因子の組み合わせにより、生活習慣病を発症させ重

症化していきます。

ある重症化疾患群を発症する要因をリスク因子といい、リスク因子となる疾病を基礎疾

患といいます。

生活習慣病の重症化疾患群と基礎疾患の関係性を見ますと、どの重症化疾患群において

も、3 つ全ての基礎疾患をもっている方が 1 番多く、いずれの重症化疾患群においても 30%

を超えています。その中でも特に、虚血性心疾患群では高血圧症との関連性が見られ、脳血

管疾患群では高血圧症と脂質異常症との関連性が見られます。

またいずれの重症化疾患群においても、2 つ以上の基礎疾患を保有する割合が 65%以上

を占めており、基礎疾患の重なりが、やがて重症化していくことが分かります。

図表 33 生活習慣病の重症化疾患群と基礎疾患の関係性

出所:医療費分析ツール「Focus」 平成 26 年度

重症化疾患群

人数(人)

割合(%)

人数(人)

割合(%)

人数(人)

割合(%)

高血圧症 246 9.0 156 8.9 37 3.6脂質異常症 141 5.2 127 7.2 6 0.6糖尿病 176 6.4 92 5.2 96 9.3

高血圧症+脂質異常症 424 15.5 285 16.2 57 5.5高血圧症+糖尿病 314 11.5 166 9.4 181 17.5脂質異常症+糖尿病 273 10.0 160 9.1 133 12.9高血圧症+脂質異常症+糖尿病 926 33.9 562 31.9 508 49.22つ以上の基礎疾患を保有する合計 1,937 70.8 1,173 66.5 879 85.2その他 236 8.6 215 12.2 14 1.4合計 2,736 100.0 1,763 100.0 1,032 100.0

基礎疾患虚血性心疾患群 脳血管疾患群 糖尿病性合併症群

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24

特定健康診査の状況

特定健診の受診率は 30.4%であり、県内他市町村国保及び全国と比較すると県の受診率

29.5%(推定値)を上回っていますが、県内では 26 番目と低い受診率となっています。

図表 34 受診率県内比較

出所:特定健診等データ管理システム 法定報告値 平成 26 年度

特定健診の受診率の推移を見ますと、特定健診の始まった平成 20 年度は 39.9%と、県や

国と比較しても高い受診率でしたが、近年では県平均と同程度になっています。

図表 35 受診率の推移

出所:特定健診等データ管理システム 法定報告値

30.4 奈良県

29.5

全国

35.4

0

10

20

30

40

50

60

下北山村

山添村

御杖村

曽爾村

平群町

上北山村

三宅町

野迫川村

川西町

十津川村

黒滝村

王寺町

明日香村

生駒市

安堵町

広陵町

御所市

吉野町

下市町

三郷町

高取町

斑鳩町

橿原市

東吉野村

川上村

香芝市

天川村

奈良市

葛城市

大和郡山市

宇陀市

桜井市

河合町

田原本町

上牧町

天理市

五條市

大和高田市

大淀町

(%)

39.9

31.2

33.3 34.4

31.0

28.3

30.4

24.1 23.7 24.0 25.3

27.5

27.9 29.6

30.9 31.4

32.0 32.7

33.7 34.3 35.4

20

25

30

35

40

平成20年度 平成21年度 平成22年度 平成23年度 平成24年度 平成25年度 平成26年度

(%)香芝市 奈良県 全国市町村国保

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25

対象者数と受診者数の推移を見ますと、対象者は平成 25 年度まで年々増加の傾向にあり

ますが、受診者数は平成 21 年度から平成 23 年度まで増加し、その後、減少傾向に向かい、

平成 26 年度に増加しています。

図表 36 特定健診対象者と受診者の推移

出所:特定健診等データ管理システム 法定報告値

年齢階層ごとの特定健診受診率を見ますと、65 歳以上の高齢者が常に 30%以上の受診率

であるのに対し、40~50 代の受診率は、平成 20 年度と平成 22 年度を除いて、常に 20%を

切っていることが分かります。

図表 37 特定健診の年齢別対象者に対する受診率の推移

出所:特定健診等データ管理システム 法定報告値

10,929 11,073 11,107 11,244 11,479 11,713 11,680

4,360 3,453 3,700 3,872 3,555 3,316 3,545

39.9 31.2 33.3 34.4

31.0 28.3 30.4

0

10

20

30

40

50

60

70

0

2,000

4,000

6,000

8,000

10,000

12,000

14,000

平成20年度 平成21年度 平成22年度 平成23年度 平成24年度 平成25年度 平成26年度

(%)(人)受診対象者 受診者 受診率

20.7 15.8 19.2 18.8 18.3 14.4 14.1

20.2 14.8 21.2 19.0 15.2 12.9 14.0

19.9 17.3

17.3 19.9 15.7 14.7 15.6

25.1 17.9

19.2 19.5 16.7

17.1 18.4

31.4

25.8 26.4 28.6

24.2 24.3 24.5

40.9

31.9 36.4 36.0

35.5 32.0 35.0

45.2

35.5 35.7 40.0

34.5 32.4

33.5

平成20年度 平成21年度 平成22年度 平成23年度 平成24年度 平成25年度 平成26年度

(%)

70-74歳

65-69歳

60-64歳

55-59歳

50-54歳

45-49歳

40-44歳

(-11.7)

(-5.9)

(-6.9)

(-6.7)

(-4.3)

(-6.2)

(-6.6)

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26

月別の受診者数を見ますと、健診期間の最初と最後に増加する傾向がありますが、未受診

者への受診勧奨通知後の 9 月から 11 月にかけても増加傾向があります。

図表 38 特定健診の月別受診者数

出所:特定健診等データ管理システム 法定報告値

特定健診受診者の過去 3 年間の受診状況を見ますと、継続未受診者(一度も受診してい

ない方)が年々増えていることが分かります。

図表 39 特定健診対象者の受診状況

継続受診者: 当該年度を含め過去 3 年において毎年受診された方

新規受診者: 新たに特定健診対象者となり、その年に受診された方

不定期受診者: 過去 2 年の内、どちらかに受診歴があり、当該年度に受診された方

不定期未受診者: 過去 2 年の内、どちらかに受診歴があり、当該年度は未受診の方

継続未受診者: 当該年度を含め過去 3 年間全て未受診の方

出所:医療費分析ツール「Focus」

0

100

200

300

400

500

600

700

800

4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月 1月 2月 3月

(人)平成24年度 平成25年度 平成26年度

15.8 15.6 15.3 14.5 14.9

8.1 8.5 6.7 5.3 6.8

8.5 8.8 7.2 6.4 6.6

16.7 12.4 14.1 14.2 10.7

50.9 54.6 56.8 59.6 61.0

0

10

20

30

40

50

60

70

80

90

100

平成22年度 平成23年度 平成24年度 平成25年度 平成26年度

(%)

継続未受診者

不定期未受診者

不定期受診者

新規受診者

継続受診者

12,470人 12,804人 13,458人 13,675人 13,413人

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27

継続未受診者の内、約半数は生活習慣病に関連する疾病の治療中であり、医療機関に罹っ

ていることから、半数強が 3 年間一度も健診を受けていないと考えられます。

図表 40 継続未受診者の生活習慣病関連のレセプト有無

出所:医療費分析ツール「Focus」

次に 2 年連続受診されている方の状況を見てみますと、特定健診を受診した方が翌年も

受診する割合は過去 2 年間では増加傾向にあり、平成 21 年度から平成 26 年度にかけて

15.2%上昇しています。

図表 41 特定健診受診者の2年連続受診者の割合

出所:医療費分析ツール「Focus」

しかし、3 年連続継続受診者に着目しますと、2 年連続受診者と比較して、大きく数字が

下がっていることが分かります。

図表 42 特定健診受診者の 3 年継続受診者の割合

出所:医療費分析ツール「Focus」

43.2 48.9 48.8

56.8 51.1 51.2

0

50

100

平成24年度 平成25年度 平成26年度

(%)

レセプト無

レセプト有

60.1

72.6 72.5 68.5 69.1

75.3

50

60

70

80

平成21年度 平成22年度 平成23年度 平成24年度 平成25年度 平成26年度

(%)

15.8 15.6 15.3

14.5 14.9

13

14

15

16

平成22年度 平成23年度 平成24年度 平成25年度 平成26年度

(%)

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28

継続受診者を男女別の割合で見ますと、女性の方が継続して受診する傾向があることが

分かります。

図表 43 特定健診継続受診者の男女別割合の推移

出所:医療費分析ツール「Focus」

継続受診者を年齢別の割合で見ますと、継続受診者の割合は高齢者ほど高く、継続受診者

の 90%弱が 60 代以上であることが分かります。また、不定期受診者及び不定期未受診者で

は 40 代 50 代の割合は継続受診者に比べ年々増加しています。

図表 44 特定健診継続受診者及び不定期受診者+不定期未受診者の年齢別割合の推移

出所:医療費分析ツール「Focus」

37.4 38.2 38.1 38.7 38.2

62.6 61.8 61.9 61.3 61.8

0

20

40

60

80

100

平成22年度 平成23年度 平成24年度 平成25年度 平成26年度

(%)

女性

男性

5.1 5.3 5.0 4.6 4.4

9.1 8.7 7.5 7.2 7.0

49.7 46.4 48.0 48.7 48.1

36.1 39.6 39.5 39.4 40.5

0

10

20

30

40

50

60

70

80

90

100

H22 H23 H24 H25 H26

(%)

継続受診者

40代 50代 60代 70代

9.5 11.1 12.1 12.1 13.6

12.2 11.3 11.5 11.2 11.0

47.5 47.3 45.3 43.5 43.9

30.8 30.4 31.1 33.2 31.5

0

10

20

30

40

50

60

70

80

90

100

H22 H23 H24 H25 H26

(%)

不定期受診者+不定期未受診者

40代 50代 60代 70代

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29

特定健診受診による医療費抑制

特定健診の受診有無と生活習慣病治療費に関連性があるかどうかを次の図表 45で見ます

と、平成 26 年度では特定健診受診者が 4,626 円であるのに対し、未受診者が 33,915 円で

あり、29,289 円の差があることが分かります。

この差は県平均より少ないですが、全国平均より多くなっています。

図表 45 特定健診の受診有無と生活習慣病治療にかかる治療費

出所:KDB 健診・医療・介護データからみる地域の健康課題

34,432 円

35,790 円

33,915 円

6,025 円

4,791 円

4,626 円

全国

奈良県

香芝市

【平成26年度】

健診受診者

健診未受診者

差額 29,289 円

33,626 円

35,151 円

34,248 円

6,051 円

4,548 円

4,334 円

全国

奈良県

香芝市

【平成25年度】

健診受診者

健診未受診者

差額 29,914 円

28,202 円

30,027 円

28,526 円

10,186 円

8,365 円

8,404 円

全国

奈良県

香芝市

【平成24年度】

健診受診者

健診未受診者

差額 20,122 円

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30

特定健診受診による重症化予防効果

重症化疾患群の入院患者の過去 4 年間の特定健診受診歴を見ますと、97%の方が特定健

診未受診者となっています。

図表 46 重症化疾患群入院患者の特定健診受診歴

出所:医療費分析ツール「Focus」 平成 26 年度

特定健診未受診

444人

97%

特定健診受診

15人

3%

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31

要治療者の治療状況

特定健診の受診結果から要治療者と判定された方の治療状況を見ますと、要治療者の

31%にあたる 645 人の方が未治療者です。

図表 47 要治療者の治療者・未治療者の割合

出所:医療費分析ツール「Focus」 平成 26 年度

未治療者は脂質異常と高血圧のリスク因子を保有している方が大半を占めています。

図表 48 未治療者のリスク因子保有状況

出所:医療費分析ツール「Focus」 平成 26 年度

治療者

1,431人

69%

未治療者

645人

31%

脂質異常

265人

41.1%

高血圧+脂質異常

249人

38.6%

高血圧

70人

10.9%

3つ全て

34人

5.3%

高血糖+脂質異常

16人

2.5%

高血圧+高血糖

8人

1.2% 高血糖

3人

0.5%

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32

要医療域のメタボと内服状況

特定健診の受診結果から血圧と血糖と脂質の検査値において、要医療に該当するかを見

ますと、メタボ基準該当者の内、要医療の判定となった方は、血圧で一番多く 237 人とな

っています。また、要医療者の内、58%の方が内服しています。

また、脂質においては要医療の判定となった方が 1,141 人と一番多く、メタボ非該当であ

っても要医療の判定となった方が、863 人と、どの検査よりも多くなっています。

いずれか 1 つでも要医療の方の内、メタボ該当者は 71%の方が要医療になっていること

から、メタボ該当者は要医療になる傾向があるといえます。

図表 49 要医療域のメタボと内服状況 単位:人

出所:医療費分析ツール「Focus」 平成 26 年度

要医療要医療以外

総計

基準該当 237 304 541

あり 138 206 344

なし 99 98 197

予備群該当 115 220 335

あり 48 65 113

なし 67 155 222

非該当 595 2,159 2,754

あり 235 470 705

なし 360 1,689 2,049

総計 947 2,683 3,630

血圧

メタボ判定

内服

内服

内服

要医療要医療以外

総計

基準該当 137 404 541

あり 67 37 104

なし 70 367 437

予備群該当 8 327 335

あり 5 0 5

なし 3 327 330

非該当 148 2,606 2,754

あり 77 54 131

なし 71 2,552 2,623

総計 293 3,337 3,630

血糖

メタボ判定

内服

内服

内服

要医療要医療以外

総計

基準該当 169 372 541

あり 61 219 280

なし 108 153 261

予備群該当 109 226 335

あり 5 34 39

なし 104 192 296

非該当 863 1,891 2,754

あり 125 509 634

なし 738 1,382 2,120

総計 1,141 2,489 3,630

脂質

メタボ判定

内服

内服

内服

要医療要医療以外

総計

基準該当 384 157 541

予備群該当 192 143 335

非該当 1,316 1,438 2,754

総計 1,892 1,738 3,630

いずれか

1つでも要医療

メタボ判定

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33

特定保健指導の状況

特定保健指導の実施率は 19.4%であり、県平均の 14.4%を上回っていますが、県内では

22 番目と低い実施率となっています。

図表 50 特定保健指導実施率の県内比較

出所:特定健診等データ管理システム 法定報告値 平成 26 年度

実施率を経年で見ますと、平成 25 年度までは低い数値で推移しています。対象者が減少

しているにも関わらず終了者が増えないことを課題と捉え、平成 26 年度より特定保健指導

を外部委託に切り替えたことにより、実施率が大きく伸びています。

図表 51 特定保健指導実施率

出所:特定健診等データ管理システム 法定報告値

19.4

奈良県

14.4

全国

24.4

0

10

20

30

40

50

60

70

80

90

100

下北山村

野迫川村

川上村

黒滝村

御杖村

安堵町

山添村

曽爾村

十津川村

御所市

明日香村

田原本町

天理市

斑鳩町

宇陀市

川西町

葛城市

王寺町

平群町

東吉野村

下市町

香芝市

桜井市

大和高田市

上北山村

生駒市

大和郡山市

高取町

橿原市

天川村

吉野町

奈良市

上牧町

広陵町

五條市

大淀町

河合町

三郷町

三宅町

(%)

692

499 545

500

411 365 356

65 42 41 46 8

37 69

9.4 8.4

7.5

9.2

1.9

10.1

19.4

0

5

10

15

20

0

100

200

300

400

500

600

700

800

平成20年度 平成21年度 平成22年度 平成23年度 平成24年度 平成25年度 平成26年度

(人) 対象者 終了者 実施率

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34

メタボ該当者及び予備群の該当者は女性よりも男性の方が多くなっています。

図表 52 メタボ該当者及び予備群の推移

出所:医療費分析ツール「Focus」

メタボ該当者及び予備群の方が翌年度にメタボ非該当になった割合(メタボ脱出率)は、

14.3%~17.3%の間で推移しています。

図表 53 メタボ脱出率の推移

出所:医療費分析ツール「Focus」

39.4 38.5 39.3 37.5 40.3 40.8 43.3

27.1 26.7 28.8 30.4 28.1 28.0 25.6

20.9 21.7 20.1 19.7 18.5 20.0 18.5

12.7 13.1 11.7 12.4 13.1 11.3 12.7

0

10

20

30

40

50

60

70

80

90

100

平成20年度 平成21年度 平成22年度 平成23年度 平成24年度 平成25年度 平成26年度

(%)

女性 メタボ予備群

女性 メタボ該当

男性 メタボ予備群

男性 メタボ該当

14.3

17.3 15.7

14.5 16.1 16.2

0

5

10

15

20

平成21年度 平成22年度 平成23年度 平成24年度 平成25年度 平成26年度

(%)

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35

特定健診受診者の中で、メタボ該当者及び予備群と判定された方の割合を見ますと、メタ

ボ該当者が受診者全体の14.0~15.7%、メタボ予備群が8.8~11.0%いることが分かります。

受診者全体で 4~5 人に 1 人がメタボ該当者か予備群にあたります。

図表 54 メタボ該当者及び予備群のメタボ状況

出所:医療費分析ツール「Focus」

メタボリックシンドローム(メタボ)判定基準

15.3 15.7 14.9 14.7

14.0 14.0 14.2

10.1 10.4 10.1 11.0

9.8 9.0 8.8

0

2

4

6

8

10

12

14

16

18

平成20年度 平成21年度 平成22年度 平成23年度 平成24年度 平成25年度 平成26年度

(%)メタボ該当者 メタボ予備群

判定1

男性 85cm以上

女性 90cm以上腹囲

非該当メタボリックシンドローム

予備群

メタボリックシンドローム

該当

判定2

空腹時血糖 110mg/dl以上

または HbA1c(NGSP値)6.0%以上

または 薬剤治療している場合

血糖

中性脂肪 150mg/dl以上

または HDLコレステロール 40mg/dl未満

または 薬剤治療している場合

脂質

収縮期血圧 130mmHg以上

または 拡張期血圧 85mmHg以上

または 薬剤治療している場合

血圧

該当

該当せず 1つ該当 2つ該当

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36

ジェネリック医薬品の普及状況

ジェネリック医薬品(後発品)普及率に関して、処方されている医薬品全体の中から先発

品と後発品の使用割合を見ますと、後発品の使用は 27%で、後発品のある先発薬が 34%と

なっています。また、後発品のない先発薬を除くと後発品の使用率は 44%です。

図表 55 現状の普及率と普及割合(数量ベース)

出所:医療費分析ツール「Focus」 平成 26 年度

先発品(後発品あり)が後発品に全て切り替わった場合、後発品の価格にもよりますが、

現在の薬剤料 10 億 381 万円が 8 億 2 千 760 万円~8 億 8 千 590 万円になり、現状より 1

億 1 千 791 万円~1 億 7 千 621 万円の削減が可能となります。

図表 56 現状の普及率と普及割合

出所:医療費分析ツール「Focus」 平成 26 年度

後発品使用

27%

先発品(後発品あり)

34%

先発品(後発品なし)

39%

後発品使用

44%

先発品(後発品あり)

56%

1,003,809885,897 827,601

0

200,000

400,000

600,000

800,000

1,000,000

1,200,000

現状の薬剤料 最小効果反映後の薬剤料 最大効果反映後の薬剤料

(千円)

効果額

117,912

効果額

176,208

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考察

地域の特性

少子高齢化により国内の人口減少が続く中、本市の人口は増加の見込みです。しかし、高

齢者の割合は増加しており、平成 47 年には高齢化率 27%、4 人に 1 人が高齢者となり、そ

の後徐々に人口減少が始まると予測されます。

平均寿命と健康寿命との差は国や県と比較すると同程度ですが、今後高齢化率の上昇に

伴い、社会保障費(医療費や介護費用)が増える懸念があります。

国保の加入者数は、人口増加に関わらず平成 24 年度以降減少傾向にあります。これは、

被保険者の年齢構成において高齢者層の割合の増加に伴い、年々後期高齢者医療保険へ移

行する人の割合が 64 歳以下の加入者割合を上回っていることが要因であると考えられま

す。さらに、65 歳以上の高齢者の占める割合は 38.1%と高く、要支援・要介護認定者数も

増加傾向にあることから、今後は生涯現役を目指した健康長寿なまちづくりを推進するた

め地域包括支援センターと連携しての取り組みが必要となります。

医療費の状況

国保の被保険者数が減少しているにも関わらず、総医療費は過去 3 年間で増加傾向にあ

ります。また、1人当たり医療費を見ても同様に増加傾向にあります。

その中でも、生活習慣病医療費が全体の 23.9%を占めており、生活習慣病が総医療費、

高額医療費の上位にあります。長期入院費でも 20.6%を占め、レセプトで人工透析の費用額

の内、生活習慣病が占める割合が 60.4%であることから、生活習慣病の治療費が、高額で長

期化していることが分かります。

この高額医療費及び長期入院費は高齢者に多い傾向があり、このまま高齢化が進むと、さ

らに患者及び医療費が増える懸念があります。既に罹患した患者の治療及び改善対策と併

せて新規患者の生活習慣病予防と重症化予防の対策が不可欠です。

生活習慣病重症化疾患群の発症リスク因子である基礎疾患では、高血圧症が上位にあり、

脂質異常症も上位を占めています。また、リスク因子の重なりが重症化疾患群の発症を増大

させることから、基礎疾患の内、高血圧症・脂質異常症が起因して発症する虚血性心疾患群・

脳血管疾患群も多くなっています。

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したがって、これらの疾患の発症を抑制することが、医療費削減の最も効果的な対策とな

ります。特に発症率が高くなる 55~59 歳の発症を抑えるために 40~50 代を対象とした重

症化予防対策が重要となります。

特定健康診査の状況

特定健診受診者は、自身の健康をチェックし自覚症状が出る前に、特定健診の受診結果に

よって早期発見・早期治療、あるいは重症化を予防できている方が多いことが推測されます。

特定健診は、健康状態を把握する手段として重要ですが、受診率は近年において低下傾向に

あります。健康状態をより正確に把握し、リスクの高い対象者を発見して特定保健指導等の

予防事業につなげるためにも、特定健診の受診率向上の取り組みが必要です。

本市の受診率低迷の要因と考えられるのは、継続未受診者の多さと 40~50 代の受診率の

低さです。未受診者の中でも、もっとも受診勧奨が困難と考えられる継続未受診者が対象者

の過半数以上で推移しております。しかし、不定期受診者と不定期未受診者の割合は年々少

しずつ上昇していることから、1 度受診した方が継続受診するような働きかけを実施するこ

とが受診率向上につながると考えます。

40~50 代における特定健診の受診率の低さは大きな課題であり、この働き盛り世代の特

定健診の受診が、早期発見早期治療につながり、将来的な医療費削減の足掛かりになるはず

です。

特定健診未受診者の医療費は、受診者と比べて 7.3 倍となっています。また、生活習慣病

の重症化疾患入院患者を見ても、過去 4 年間の特定健診受診者は僅か 3%であり、自身の健

康状態を把握できていない特定健診未受診者が、適切な対処(生活改善や早期治療等)がで

きないままに、重症化している可能性があります。

特定健診受診者であっても要治療と判断された方の 31%が未治療者であり、さらに状態

の悪化を招き重症化につながっていることが懸念されます。

特定健診の結果、メタボ該当者は要医療になる率が 2.5 倍となっており、メタボ対策が重

要です。特に高血圧の方が多く、対策が必要です。

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特定保健指導の状況

実施率は低く推移しており、継続的な介入につなげるフォローが重要となります。対象者

数は受診率の傾向と類似しています。特定健診受診者全体で 4~5 人に 1 人がメタボ該当者

及び予備群と判定されています。

特定保健指導の効果判定を行うことにより、実施方法を見直し、特定保健指導の実施率の

向上を図ることが重要となります。

また、実施率の向上が生活習慣の改善につながってきます。

さらに、特定健診の受診率が向上することにより、受診者の健康への意識が高まり、行動

変容へつながり、特定保健指導の対象者が減少し、その結果、生活習慣病の発症予防や健康

寿命の延伸へとつながることが期待できます。

ジェネリックの状況

後発医薬品の使用率は 44%と低いため、今後も普及啓発は必要です。

ジェネリック医薬品の差額通知を継続し、窓口でパンフレットやジェネリック医薬品の

希望シールを配布する等、使用率の向上を目指した取り組みを行うことにより、医療費の適

正化が期待できます。

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3. 健康課題のまとめ

分析結果から導き出された課題をまとめると、一連のつながりが見えてきます。

これらの課題により、まずは特定健診の受診率・特定保健指導の利用率を向上させるため

のポピュレーションアプローチ、ハイリスクアプローチにより、健康意識の向上を目指し、

全体的な受診率や保健指導利用率の底上げを行うことが非常に重要です。

また、生活習慣病の医療費は全体の 23.9%を占めており、高血圧症や虚血性心疾患群等

の医療費も非常に高いまま推移していることから、生活習慣病の新規発症者の抑制や重症

化予防への対策が医療費適正化へつながり、さらには市民ひとりひとりの健康寿命の延伸

へとつながります。

特定健診

特定保健指導

•40~59歳の特定健診受診率が低い。さらに継続して受診している人が少ない。

•3年以上受診していない方が61.0%。

•特定保健指導対象者では、「高血圧」+「脂質異常」のリスク因子が高い。

医療情報

•特定健診で要治療者の未治療者が多い。

•高血圧症、虚血性心疾患群の医療費が高い。

•重症化疾患治療者では、基礎疾患が重複している人の割合が高い。

•重症化疾患入院患者の97%が過去4年間で特定健診を受診していない。

介護情報

•要支援・要介護認定者は増加傾向にある。

•要介護原因に生活習慣病を起因とするものが多く存在する。

•要支援、要介護1までが49%と軽度該当者が半数を占める。

健康意識の

低さ

自覚症状が

出て受診

重症化の

恐れ

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4. 現状の保健事業

本市では、近年、以下の保健事業を実施しています。

図表 57 保健事業実施状況

目的 実施事業 対象等 実績

健康の保持増進、

疾病の発症予防、

早期発見、

早期治療

特定健診 40~74 歳の被保険者 3 方式(①集団健診(保健セン

ターで実施)、②個別健診(医

療機関で実施)、③国保人間ド

ック)により実施。市が実施す

る各種がん検診や歯周病健診と

同時受診できるように配慮

特定健診受診率

向上対策

40~74 歳の被保険者 受診機会を増やす

・休日健診の実施

・個別健診の受診期間の延長

(H24 より)

特定健診未受診者 受診勧奨期間中 2 回、ハガキ

による勧奨通知を送付

人間ドック 40~74 歳の被保険者 受診者が支払う検査料金の一部

として、1人当たり 10,000 円

を助成。

H21:48 人 H24:65 人

H22:35 人 H25:79 人

H23:40 人 H26:80 人

脳ドック 特定健診受診者(定員

200 人)

当該年度の特定健診を受診した

者に限り「脳ドック」の検査料

金の一部として、1人当たり

11,200 円の助成。

H21:165 人 H24:141 人

H22:192 人 H25:173 人

H23:135 人 H26:183 人

がん検診 40 歳以上の被保険者

(集団特定健診と同時実

施にて)

肺がん検診と同時開催

歯周病検診 前年度特定健康診査受

診者で生活習慣病への

リスクが高い者へ個人

通知。

広報にて周知で希望者

40 歳以上の被保険者

単独実施と集団特定健診と同時

実施で行う

H24:144 人(6 回/年)

H25:171 人(6 回/年)

H26:236 人(6 回/年)

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目的 実施事業 対象等 実績

メタボリックシン

ドロームの予防・

改善、

生活習慣病の予

防・重症化予防

特定健診結果説

明会

集団特定健診受診者 医師による結果説明会。簡易

体力測定。委託事業者による

保健指導。保健センター職員

による重症化予防対象者への

個別指導等。

重症化予防事業 特定健診受診者で重症域

に該当しているが未治療

受診状況確認及び受診勧奨通

知。保健指導対象者への個別

指導及び相談会等への勧奨。

適切な医療機関受

診促進・医療費適

正化・医療費削減

療養費レセプト

点検

柔道整復、鍼灸、あんま

マッサージのレセプト

平成 23 年 8 月より従来の診

療分レセプト点検に加え実施

H23:10,651 件

H24:13,359 件

H25:13,067 件

H26:12,685 件

医療費通知の送

香芝市国民健康保険で医

療機関に受診をされた方

年 6 回、偶数月に 2 か月分ず

つ送付

H23:45,890 件

H24:31,227 件

H25:48,598 件

H26:48,972 件

ジェネリック医

薬品の使用促進

事業

先発医薬品を処方したレ

セプトで、後発医薬品を

利用した時に一定額以上

の削減効果が望まれる 40

歳以上の被保険者

希望カードの配布及び利用差

額通知の送付

H23.8 月より実施。

H23:2,190 件(8 回)

H24:2,125 件(12 回)

H25:2,226 件(4 回)

H26:2,429 件(4 回)

生活習慣改善事業 栄養指導 特定健診受診者で内服中

のため特定保健指導対象

外になった者で生活習慣

の改善が必要な者への個

別指導

H25:41 人(35 回)

H26:36 人(36 回)

地域の草の根ネッ

トワーク事業

ストレッチリー

ダー養成及びリ

ダー研修

香芝市民でストレッチリ

ーダーとして活躍する意

欲がありボランティア活

動ができる者

平成 27 年度登録数 48 人

地域公民館での検

診や生活習慣病予

防の普及啓発事業

健康体操

ストレッチ体操

がん検診

機器を使用して

健康チェック等

地区公民館において健康

体操やストレッチ体操、

測定、健康教育、健康相

談など希望する者

H22:20 件(1 回)1 地区

H23:655 件(20 回)2 地区

H24:875 件(25 回)2 地区

H25:1,095 件(28 回)3 地区

H26:1,981 件(34 回)4 地区

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5. 目標設定

特定健診の受診率向上

特定健康診査等実施計画第二期の特定健診受診率実施目標と同じ実施率とします。

アウトカム指標 平成 27 年度 平成 28 年度 平成 29 年度

特定健診受診率 40.0% 42.0% 45.0%

上記アウトカム指標を達成するために以下の指標をアウトプット指標とします。

アウトプット指標 平成 27 年度 平成 28 年度 平成 29 年度

特定健診3年継続受診者の割合 15.0% 20.0% 25.0%

40~50 歳代の特定健診新規受診

者の割合 7.0% 8.0% 10.0%

特定保健指導の実施率向上

特定健康診査等実施計画第二期の特定健診受診率実施目標と同じ実施率とします。平成

26 年度に目標値を超えていますが、実施率にばらつきがあるため毎年確実に到達すること

を目標とします。

アウトカム指標 平成 27 年度 平成 28 年度 平成 29 年度

特定保健指導実施率 13.0% 14.0% 15.0%

上記アウトカム指標を達成するために以下の指標をアウトプット指標とします。

アウトプット指標 平成 27 年度 平成 28 年度 平成 29 年度

特定保健指導該当者率 11.0% 10.0% 9.0%

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要治療者の治療率向上

特定健診未受診者の中には、多くの要治療者が隠れている可能性が高く、特定健診受診率

が上がれば、対象者が必然的に増えます。その中で、治療率を上げるのは、かなり難易度が

高い課題ですが、重症化予防のためにも対応が必要です。

アウトカム指標 平成 27 年度 平成 28 年度 平成 29 年度

要治療者の治療率 70.0% 73.0% 77.0%

上記アウトカム指標を達成するために以下の指標をアウトプット指標とします。

アウトプット指標 平成 27 年度 平成 28 年度 平成 29 年度

メタボ脱出率 16.0% 17.0% 18.0%

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6. 具体的な実施施策

設定した目標達成のため具体的な施策を以下にまとめました。

特定健診の受診率向上対策

40~50 代の受診率向上が大きな課題ですが、まずは特定健診受診を市全体で習慣にする

ことが重要となります。そこで、従来の勧奨通知に加え過去に受診歴のある方を対象に、特

性に応じた勧奨を実施します。

また、地区公民館などを拠点とし、健診の必要性及び継続受診を勧めるなど、受診率の向

上へつなげます。

特定保健指導の実施率向上対策

保健指導対象者には、個々に応じた健診結果の説明等を行い、健康意識の改善により行動

変容を促し実施率の向上を目指します。

また、保健指導の向上を目指した対策に向けて専門機関を活用することにより、取り組み

を強化します。

要治療者の治療率向上対策

特定健康診査の結果の要治療者の内、未治療となっている方については、重症化する可能

性が高い対象者をデータ分析によって特定して、優先的に介入するようにします。

早期治療を促し、基礎疾患、特に高血圧、脂質異常のリスク因子を保有する方の重症化を

防ぐための支援へつなげます。

また、治療者についても医療機関と連携し、電話等による支援で治療の継続を促し、早期

重症化の予防に努めます。

特定保健指導の対象外への対策

メタボ該当者への対策を行います。メタボ該当者は要医療になる率が高いため、個別指導

や集団健康教室を行います。

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7. データヘルス計画の見直し

課題に沿った事業について、PDCA サイクルの中で毎年評価を実施します。

また、最終年度となる平成 29 年度には、計画に掲げた目標の達成状況を評価し、それを

踏まえて計画の見直しを実施します。

8. データヘルス計画の公表・周知方法

策定した計画は、香芝市のホームページ等に掲載するとともに、実施状況の取りまとめを

行い、報告書を作成します。

9. 事業運営上の留意事項

香芝市では、国保医療課と保健センターが連携し平成 20 年度からの特定健診・特定保健

指導事業を実施しています。今後も保健師や栄養士等の専門職と連携し、保健事業に取り組

むものとします。

10. 個人情報の保護

香芝市における個人情報の取り扱いは、香芝市個人情報保護条例(平成 15 年 10 月 1 日

条例第 15 号)によるものとします。

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香芝市国民健康保険

保健事業実施計画(データヘルス計画)

□発 行 平成 28 年 3 月

□発行者 香芝市 国保医療課

〒639-0251 奈良県香芝市逢坂 1-374-1

TEL(0745)79-7528

FAX(0745)79-7532