制御弁式鉛蓄電池の紹介 - panasonic...第 1 章 制 御 弁 式 鉛 蓄 電 池 の 概...
TRANSCRIPT
第1章
制御弁式鉛蓄電池の概要
3制御弁式鉛蓄電池
[正極] PbSO4 PbO2 O2
[硫酸鉛] [二酸化鉛] [酸素]
[負極] PbSO4 Pb(O2)
[硫酸鉛] [鉛]
(反応)
構造と電解液および電気化学反応
構造
電気化学反応
●正・負極端子
蓄電池の種類によりファストンタブタイプ、ボル ト埋め込みタイプなどがあります。端子部の密閉性は、接着剤に埋込む距離を確保する構造と、接着力の強いエポキシ系接着剤の採用により保たれています。端子の寸法・形状の詳細については「端子形状」をご参照ください。
●電槽
本体および蓋の材質は、ABS樹脂を採用しています。
(注)移行性可塑剤を含む樹脂を蓄電池に接触させないでください。また、シンナー、ガソリン、灯油、ベンジン等の有機溶剤や液体洗剤を使用しないでください。
●正極板
鉛-錫-カルシウム系合金を採用した格子状の枠体に多孔性の二酸化鉛を活物質として保持している、板状の電極です。
●ゴム弁ネオプレンゴム等の材料を採用し、誤充電、充電器の故障、異常などによって蓄電池が過度の過充電状態となり、蓄電池内でガスが発生した場合そのガスの圧力が一定の範囲(7.1~43.6kPa)に保たれるように開弁し、蓄電池内部の圧力を開放します。弁は復元性のものですから、1回作動してもその後繰り返しその機能を果たします。通常使用の場合ゴム弁は閉じており、空気中の酸素と負極の活物質が反応しないように、蓄電池内に空気が浸入するのを防いでいます。
●セパレータ
電解液の保持と正・負極板間の短絡防止の役目を果たしています。電解液の希硫酸中で化学的に安定した、細いガラス繊維の不織布を採用しています。多孔率の高いセパレータは、極板中の活物質が反応するために必要な電解液を含浸保持しています。
●負極版鉛-錫-カルシウム系合金を採用した格子状の枠体に、海綿状鉛を活物質として保持している、板状の電極です。
●極柱極板群の棚(ストラップ)部に連結してある柱状の電気導体です。
●上ふた蓄電池の上面を覆うふたで、ゴム弁の復元に関与します。
弁押え
上フタ
中フタ 吸液マット
ゴム弁
【ゴム弁構造の一例】
電解液蓄電池内の電気化学反応時にイオンを伝導させる媒体と
して希硫酸が使われています。
制御弁式(シール)鉛蓄電池の電気化学反応のプロセス
は、右記のとおりです。
充電とは、蓄電池に外部電源から直流を供給し極板活物質
を化学変化させて、蓄電池内に電気エネルギーを化学エネ
ルギーとして蓄えることです。
放電とは、機器を使用するとき蓄電池から電気エネルギー
を取り出すことです。
充電の最終段階において、正極板から酸素ガスが発生す
る反応が起こります。
この酸素ガスは蓄電池内部を移動し、ついで負極板の表
面で吸収され消費されます。
[正極] [負極] [電解質] [正極] [負極] [電解質]
PbO2 + Pb +2H2SO4 PbSO4 + PbSO4 + 2H2O4
[二酸化鉛] [鉛] [硫酸] [硫酸鉛] [硫酸鉛] [水]
充電 過充電
充電
[ガス吸収反応サイクル]
放電
充電
第1章
制御弁式鉛蓄電池の概要
4制御弁式鉛蓄電池
一般的な特長
現行タイプ
(6V4.2Ah) 旧タイプ(6V4.0Ah)
電
流(A)
充電時間(時間)
〔試験条件〕放電:6Ω 24時間放電放置:一カ月間開路状態で放置充電:6.9V 定電圧制御
最大電流 1.6A16時間
温度:25℃
[過放電放置後の充電受入れ性の一例]
漏液しにくい構造
長 寿 命
保守が簡単
硫酸ミストおよびガスの発生抑制
深い放電後の優れた充電受入れ性および容量回復性
電解液はその量を制限し、正極板、負極板、セパレータに含浸保持され、自由に流動しないようにしてあります。また、端子部は接着剤に埋込む距離を確保する構造と、接着力の強いエポキシ系接着剤の採用により、漏液しにくくしてあります。(注)バックアップ電源用途において、放電持続時間が初期の50%に減
少した時点《寿命判定基準》を越えて使用し続けると、電槽が割れて蓄電池から電解液が漏液する原因になることがあります。
当社のトリクル長寿命シリーズ(LC-P)は、従来シリーズ(LC-V)の約2倍の寿命を発揮します。<放電条件(温度:25℃/電流:0.25CA/終止電圧:1.75V/2V,頻度:6カ月毎)、充電条件(充電電圧:2.28V /2V)>
従来の自由に流動する電解液を有する蓄電池に比べ、電解液の比重測定や補水を必要としない構造で、蓄電池が十分に機能するための保守が簡単です。
当社の推奨する使用条件下では、流動する電解液のある従来の蓄電池に比べ硫酸ミストおよびガスの発生 ただし推奨条件をはずれる場合はガス発生の可能性がありますので、電池の収納部分を密閉構造にしないでください。
当社の制御弁式鉛蓄電池は、機器のスイッチ切り忘れ等により容易に起こる深い放電、およびそれに引き続いて起こる放置(室温で1カ月程度を想定)後においても、以下に示すような
2 0
1 6
1 2
0 8
0.4
0 00 4 8 12 16 20