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製造業における計画,製造実行および制御システムの 連携のためのモデリングとインターフェイス
2005.6.15
MESX(PSLX/FAOP/MfgX)ジョイントワーキンググループ三菱電機(株) 渡部 裕二
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内容
MESXとは
製造業におけるXML標準化動向
MESX検討成果
実証システム
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MES
製造実行システム(Manufacturing Execution System)MESA International設立(1992年)「MES機能モデル」11の機能モジュール(1997年)
製造工場の現場のための情報システム国内での普及はこれからパーッケージもあるが、現場個々のインテグレーションやカスタマイズが必須インテグレーション容易さのキーはインタフェース
制御システム(制御系)
製造実行システム(実行系)
業務・計画システム(計画系)オフィス
工場
工程
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MESX
PSLXおよびFAOPで実行系の上下の層を検討
PSLX(計画系)ではAPS間、APS/ERP間を規定
FAOP(制御系)ではデバイス/コントローラ/装置を中心に検討
ERP/APSと装置/コントローラの間にはMESがある。この間を記述できなければシステム全体をトータルに表現できない。
→ PSLXとFAOPのジョイントで、XMLを使った実用レベルの仕組みを構築したい。
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MESXの目的とメリット
利用者(製造業)
システム構築時に機能を自由に選択・組合せ可能
生産管理システムのソリューションベンダユーザ/設備毎のMESインタフェースが一元化
MESベンダ
接続先の上位システム/下位機器ごとに作成していたインタフェースを一元化
生産機器および計測機器のメーカ
現場直結のリアルタイム生産システムを容易に構成できる機器製品を提供
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目標とする成果物
現状のインタフェースを中心としたMES利用状況や関連他標準に関する白書
サービス内容の定義
接続方式
接続のアーキテクチャに関する規約
交換データの概念モデル(辞書)
交換データおよびプロトコルの規約(言語)
規約変更および拡張の手続き
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これまでの経過概要
設立趣意書(’03/4発足)
PSLXとFAOP-XMLメンバーを中心にスタート
問題提起と進め方の議論(第1回~第2回)
他標準の動向(第3回~第4回)OpenMES,SP95,PSLX,MIMOSAなど
ユースケースを元にした検討(第5回~10回)ユースケース図、タイプ図、アクティビティ図
ホワイトペーパ完了(’04/5)
⇒⇒ 通信プロトコルとしてメッセージを
各層の定義などはS95に沿うインタフェースはエージェント間/オブジェクト間
XML定義する
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製造業における関連標準化動向
業種 規約名 制定 内容
S88 ISA バッチプラントの運転管理とコンセプトの標準化 S95 ISA ERP,MES との接続の標準化 OPC-DX OPC-XML
OPC 各社シーケンサのインターオペラビリティ インターネットを介したデータアクセスによって,組織間の生産システム連携を目指す
プラント
MIMOSA MIMOSA 統合化企業情報システムと連携した機械設備の保守・保全 MRO の XML ベースのオープン標準を指向
半導体 SEMI/EES SEMI 半導体製造装置の歩留まり管理,装置エンジニアリング用情報交換規約
ISO15745-1 ISO 製造装置,製造プロセスのXML を用いたデータ交換に関するフレームワーク
OPEN-MES FAOP 工作機械,産業用ロボット等の制御階層を対象としたオブジェクト指向モデルによる MES フレームワーク
加工組立
PSLX PSLX 広意のスケジューラ間の XML 通信規約
自動車 ASAM-GDI ASAM 自動車用計測装置および計測システム間の情報通信規約
印刷 CIF3/4 JDF
CIP 印刷工場のフルオートメーション化を目的として,作業指示情報,装置情報などを XML 化
プリント基板製造
IPC-25XX IPC プリント基板製造装置,チップマウンタと,その生産管理システム,ERP との XML による情報通信規約。 CAD/CAM,MES,SCM 領域をカバーする広範な規約
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製造業における標準化動向(1)OpenMES
製造科学技術センター(MSTC)のFAオープン推進協議会(FAOP)で1997年から検討開始された
オブジェクト指向により、標準となる部品化されたMESテンプレートを開発
CORBA分散オブジェクトを用い、Javaで実装
対象はディスクリート系
課題としては、CORBAの使用、特定ベンダーツールの使用など
OpenMES仕様書Ver1.0(1999/12)
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製造業における標準化動向(2)PSLX(Planning and Sceduling Language on XML specification)
国内スケジューラベンダーが集まり、PSLXコンソシアムが2001年に設立され、検討が開始された。
対象は、生産における計画とスケジューリング(APS)を中心とした製造情報システム。
APSがいくつかのエージェントの連携によって構成されるモデルを策定。APSエージェント間あるいはAPSエージェントと外部とのやりとりをXMLメッセージとして規定する。
PSLX仕様書(’03/6勧告)
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製造業における標準化動向(3)
S951996年よりISAで検討開始S88の後継あるいは拡大?
対象はバッチだけでなく、連続/バッチ/ディスクリート制御装置や設備機器領域だけでなく、生産管理/品質管理/在庫管理まで
Part1 (ISO/IEC62264-1) :モデル及び用語Part2 (ISO/IEC62264-2) :オブジェクトモデルの属性Part3~:審議中
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階層モデルと各標準化活動
レベル 0~2
レベル 5
レベル 4
レベル 3
⑩製品の追跡と製品体系
⑥作業者管理
④文書管理
①生産資源の配分と監視
⑪実績分析
②作業スケジュール
⑦プロセス管理 ⑧設備保守・保全管理
③差立て・製造指示
⑤データ収集(通知、アップロード、ダウンロード)
販売管理 生産計画 在庫管理
経営管理 需要予測
離散制御
連続制御
バッチ制御
MESX
FAOP
PSLX
S95の範囲
S88
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標準制定の手順
1 ユースケースの獲得
アクタ,目的,機能の実行による変化,アクタとシステムの対話,などを含む「ユースケース記述」で表現
2 タイプ図の作成
UMLのクラス図の表記法で記述
実装方法を規定しないクラス,データ属性と操作
3 インタフェースの設計
4 メッセージの設計
KQML(Knowledge Query and Manipuration Language)を参考に,命令部とデータ部,制御部で構成
XMLでエンコードする
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ユースケースの例ユースケース名:異物混入の出荷品を特定する
アクタ:
品質保証担当者、生産技術者
目的:
異物が混入した恐れのある出荷品を特定する。
事前条件:
異物混入の発生した、系列、時刻(期間)、装置がわかっている。
手順:
1.アクタは異物混入の通知を受けて、このユースケースを起動する
2.アクタは、系列、時刻(期間)、装置をシステムに入力する。
3.システムは、該当する時刻に該当装置内にあった仕掛品LOTを検索する。
4.システムは、該当する仕掛品LOTが使用された全出荷品と仕掛品を検索する。
5.システムは、該当する全出荷品、仕掛品を画面に表示し、印刷する。
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ユースケース図の例
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タイプ図
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シーケンス図
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メッセージの設計例(1)
操業担当者
製造指示を受ける
製造実績を報告する
《同期する》
《同期する》 監督者
レベル4 レベル3
製造指示を出す
製造実績報告を受ける
製造指示要求するメッセージ(PSLXgetSchedule
:message-type request:sender operator1:receiver system:request-number 0037:content (要求内容...):reply-with acknowledgment)
製造指示を出すメッセージ(PSLXgetSchedule
:message-type reply:sender system:receiver operator1:relate-request-number 0037:content ( ManufacturingOrder(#0001,start 20040303:182355,
makeitem (rope(f=s w=10 l=2000m p=12 st=2t a=b),qtty 32,container y),consumeitem (wire(f=s w=1 l=2222m),qtty 320),instruction ‘do your best’)
))
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レベル2レベル3
操業担当者
メッセージの設計例(2)
《同期する》指示を受ける作業を開始する
VDD(NC)《同期する》報告を受ける 作業開始を報告する
作業開始を指示するメッセージ(MESXsetReadyToGo
:message-type request:sender operator1:receiver VDD1:request-number 0037:content (recipe xxxxxx.doc):reply-with acknowledgment)
作業開始を報告するメッセージ(MESXsetProgress
:message-type report:sender VDD1:receiver operator1:relate-request-number 0037:content ( Status(started 200401003:112355)
))
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実証システム案(1)05年度内のデモを目指してシステム検討中
SPBOM + Rock’n Planner + ASTPlanner
MES
《SOAP》/《MESX》
MELSEC
《MQ》/《PSLX》
VDD(MESX通信ユニット)《EZSocket》
《CC-Link》
レベル4
レベル3 SPBOM
Rock’n Plannner エクサ提供ASTPLanner: 横河電機提供MES ケーティーシステム提供MESX通信ユニットMELSEC(PLC) 三菱電機提供
レベル2
EZSocket:PLC通信I/FCC-Link:フィールドネットワーク
(装置:実証システムでは仮想)
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実証システム案(2)
レ ベ ル 4
レ ベ ル 3
レ ベ ル 2
S P B O M + R o c k ’ n P la n n e r + A S T P la n n e r
M E S
《 S O A P 》 / 《 M E S X 》
P L C
《 M Q 》 / 《 P S L X 》
V D D ( M E S X 通 信 ユ ニ ッ ト )
《 E Z S o c k e t》
( 実 証 シ ス テ ム で は 仮 想 )
《 C C - L in k 》M E S X 通 信 ユ ニ ッ ト
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おわり