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Electronic Navigation Research Institute
航法システム領域
※福島荘之介,齊藤真二
浅い降下角の中間セグメントを伴う
RNP to xLS進入方式の設計条件
平成30年度(第18回) 電子航法研究所発表会
航空交通管理領域
森亮太
第18回 電子航法研究所発表会 2018年6月1日
内 容
1. 背景
2. 方式設計の課題
3. 設計手法
4. フライトシミュレータ検証
5. 最大降下角の計算結果
6. まとめ
2
第18回 電子航法研究所発表会 2018年6月1日
衛星航法による進入と将来
3
安全性・アクセス性向上,柔軟な経路 GNSS航法
GBAS 精密進入(GLS):B737/A320以上
SBAS LPV進入:小型機・RJが牽引
RNAV/RNP進入 RNP AR ABAS
GNSSを活用した将来運航
飛行方式 Flight Procedure
高角度進入
滑走路端オフセット
曲線 GBAS-TAP
RNP to xLS
第18回 電子航法研究所発表会 2018年6月1日
RNP to xLS進入
4
FACF IAF
中間進入
FAF
FAF FACF
IAF
RNP AR RNP to xLS
xLS
FAF
経路短縮特別許可 非精密
精密進入
精密 進入
FAF
初期進入 最終進入
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浅い降下角の中間セグメントの提案 FAA PARC (Performance-based Operations Aviation
Rulemaking Committee) :諮問機関(産業会で構成)
浅い降下角のキャプチャレグ 燃料消費・環境負荷削減
高温時パス 標準気温 会合点
標準パス
低温時パス
高温時 会合点
低温時 会合点
レグ長 降下角
経路設計の手法を確立する必要がある
第18回 電子航法研究所発表会 2018年6月1日 6
グライドスロープへの会合高度
高温時
低温時
標準気温
Dfap
Zfap
θ Zdcp
中間セグメント
中間セグメント上を飛行する航空機は気圧高度を利用 地上気温に依存して,飛行高度(真高度)が異なり,会合点
の位置が異なる
第18回 電子航法研究所発表会 2018年6月1日 7
気温と高度差 国際標準大気: ISA, International Standard Atmosphere (海面気温 15℃,気温減率 ~ –2℃/ 1,000 ft)
1000 2000 3000 4000 5000
Altitude on MLS (FT)
0
200
400
600
Corr
ectio
n (F
T) ISA+20°C 6.8 %
ISA+10°C 3.4 %
海面高度 (FT)
真高
度と
の差
(FT
)
ISA+30°C 10.2 %
第18回 電子航法研究所発表会 2018年6月1日 8
RNP to xLS設計の課題
GSへのキャプチャレグが短い場合,高温時にAFCS(自動飛行制御)がLOCよりGSが先にキャプチャ(捕捉)する可能性(降下角にも依存)
GSキャプチャ点
LOCキャプチャ点
高温時はAFCS動作に課題(コース外で降下)
低温時は課題なし
第18回 電子航法研究所発表会 2018年6月1日 9
方式設計の前提条件(1/2) 1. ARINC 424(航法システムのデータベース仕様)
ARINC 424-19 仕様を前提とする 現在,ほとんどの航空機がARINC 424-20に未対応
2. 高温日の最高気温 ISA+30°C 45℃ 海面
424-19 (2008) すべての進入方式は,FACFで始
めること GLS進入方式は,LOCコーディン
グと同等
424-20 (2011) GLSの最終進入コーディングに
おいては,FACFウェイポイントを要求しない
第18回 電子航法研究所発表会 2018年6月1日 10
方式設計の前提条件(2/2)
3. LOCの後にGSがキャプチャすること
5. GSがキャプチャする境界 1/2 DOT
タイプ A 航空機を前提とする
タイプ A 航空機: LOCより先のGSキャプチャが可能
タイプ B 航空機: LOCより先のGSキャプチャを禁止
4. GSポインタが 1 DOTを越えること
操縦士がAPPスイッチを押すための余裕 APP
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標準的な方式設計
WP Y
WP X FACF
FAF
( 90FT )
CF LEG
RW24R FAF
WP-Y
RF LEG
TF LEG
MAX 180KIAS
At 3189FT
GLS: GKW (FREQ: 21475)
WP-X At 3189FT
2.0 NM 3.0 NM
V/A 3.0 V/A 3.0
ANG
LEN
FACF ANG
TF LEG
5.0 LEN 7.85 X.X
LEN (NM)
ANG (deg)
A 1.0 1.4 B 1.5 1.5 C 2.0 1.6
TOTAL 17.85
仮FACF 仮FAF GS intercept alt: 1700FT GS crossing alt: 1053FT
2.5NM
レグ長 降下角
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LOC/GS偏移とキャプチャ位置
0 1 2 3 4 5
-2
-1
0
1
2
FAFからの距離 (NM)
LOC
/GS
偏移
(dot
)
LOCキャプチャ
GS キャプチャ ISA
ISA+30°C FACF FAF
ISA
VNAV
ISA+ 30°C
GS Dev
LOC キャプチャ
GS キャプチャ
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最大降下角(ANG)の計算法
LEN等のパラメータを与える
ANG = ANG + ∆
IF 距離 < 距離 & 最大GS偏移 > 1.0 dot
ANGを出力する
反復法
計算
距離 : RF 経路に沿ったFAFから までの距離
0°C VNAV
FACF FAF
∆ISA 30°C
GS Dev
FAA ORDER 8260.58A, PANS-OPS
GSキャプチャ がLOCキャプチャ に近づく
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シミュレータ検証
テイラード航法データベース(ARINC 424)をコーディング 品質チェックとFMSでロード可能なファイルへの変換 ANA訓練センターでフライトシミュレータ検証を実施
‒ 海面気温を可変,各種データ収集
オンパス
パスの上
パスの下
PFD GS
指示
第18回 電子航法研究所発表会 2018年6月1日 15
計算とシミュレータの比較
RFコースに沿ったFAFからの水平距離 (NM)
計算値 シミュレータ
0 1 2 3 4 5
-2
-1
0
1
2
LOC
ISA
ISA+15°C
ISA+30°C GS
0 1 2 3 4 5
-2
-1
0
1
2ISA
ISA+15°C
ISA+30°C GS
A
LO
C/G
S 偏
移 (D
OT)
A LOC
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計算とシミュレータの比較 計算値 シミュレータ
0 1 2 3 4 5
-2
-1
0
1
2
+45°C
ISA
+15°C
+30°C GS
LOC B
0 1 2 3 4 5
-2
-1
0
1
2 ISA
+15°C
+30°C GS
LOC C 0 1 2 3 4 5
-2
-1
0
1
2 ISA
+15°C
+30°C GS
LOC C
0 1 2 3 4 5
-2
-1
0
1
2
B +45°C
ISA
+15°C
+30°C GS
LOC
RFコースに沿ったFAFからの水平距離 (NM)
LO
C/G
S 偏
移 (D
OT)
第18回 電子航法研究所発表会 2018年6月1日 17
FAFの前の高度変動
0 1 2 3 4 5-40
-20
0
20
40
高度
変動
(FT)
IAS [KT]
200
160
FLAP 5
FLAP 25 FLAP 20
0 1 2 3 4 5-40
-20
0
20
40
フラップやギアによる高度変動が存在 シビアタービランスにおいても,最大+20FT
FAFからの距離 (NM)
風無し
FAFからの距離 (NM)
シビア タービランス
第18回 電子航法研究所発表会 2018年6月1日
中間セグメント設計のパラメータ計算
+50FT (20FT + Margin)
1500 2000 2500 3000 3500 4000 4500
FAF altitude (FT)
0.2
0.4
0.6
0.8
1
1.2
1.4
1.6
1.8
2
Max
imum
inte
rmid
iate
seg
men
t ang
le (
deg)
キャプチャレグ長 (NM)
ISA+30°C
2.0 1.9
1.8 1.7
1.6 1.5
1.4 1.3
1.2
1.1 1.0
FAFの高度(FT)
キャ
プチ
ャレ
グの
最大
降下
角
(度
)
FAF高度が低い
キャプチャレグが長く
キャプチャレグの 最大降下角を 大きくできる
高度変動の条件を追加
第18回 電子航法研究所発表会 2018年6月1日 19
まとめ
ICAO飛行方式設計パネルで検討されているRNP to xLS方式(浅い降下角の中間セグメント)設計条件と手法を検討
設計条件を仮定し,反復法で最大降下角を求める方法を提案
フライトシミュレータ検証実験により,計算した設計パラメータが妥当であることを確認
この結果,LOC/GSキャプチャに関する課題を解決し,飛行方式設計者がRNP to xLS方式を設計可能とした
第18回 電子航法研究所発表会 2018年6月1日 20
謝 辞
シミュレータ検証実験にあたり,ご支援・
ご助言頂いた関係各位に深く感謝致します