送風法による茶園の凍霜害防止技術送風法による茶園の凍霜害防止技術...

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送風法による茶園の凍霜害防止技術 誌名 誌名 実用化技術レポート 著者 著者 農林水産技術会議事務局, 巻/号 巻/号 63号 掲載ページ 掲載ページ p. 1-33 発行年月 発行年月 1978年12月 農林水産省 農林水産技術会議事務局筑波産学連携支援センター Tsukuba Business-Academia Cooperation Support Center, Agriculture, Forestry and Fisheries Research Council Secretariat

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  • 送風法による茶園の凍霜害防止技術

    誌名誌名 実用化技術レポート

    著者著者 農林水産技術会議事務局,

    巻/号巻/号 63号

    掲載ページ掲載ページ p. 1-33

    発行年月発行年月 1978年12月

    農林水産省 農林水産技術会議事務局筑波産学連携支援センターTsukuba Business-Academia Cooperation Support Center, Agriculture, Forestry and Fisheries Research CouncilSecretariat

  • 実用化技術レポート No.63

    送風法による

    茶園の凍霜害防 止 技術

    "~ ~\ I I I』

    農林水産技術会議事務局

    1 9 7 8

  • 寅用化技綱レポート No.63

    . 送風法による

    茶園の凍霜害防止技術

    1 9 7 8

    農林水産技術会議事務局

  • ィi

    r

    送風法による平担地茶1俎の防面施設

    (三市県三屯郡菰野町茶屋ノ上)

    囀ヽ

    ` ^

    ;

    送風法による傾斜地茶因の防霜施設

    (奈良県奈良市矢田原町)

  • ---送風機 2,200W機, 直径 80cm

    防霜の効果 日の出直前, 770W 1機

    (三覧県亀山市亀田町)

  • 実用化技術レポートの刊行に当たって

    我が国の農業は諸情勢の変化に即応し,い〈たの困難な条件を克服して

    発展してきた。

    しかし,最近の世界の穀物需給のひっ迫傾向等の中で,我が国農産物の

    自給力の向上が強く要請され,水田の高度利用,裏作利用の増進,飼料作

    物の生産増強等生産対策の強化などが必要とされてきている。

    また,農業内部においても,栽培管理の粗放化や家畜飼養の多頭化等に

    よる環境汚染など新しい問題が派生してきている。

    これまで,国及ぴ都道府県の農業関係試験研究機関では、新しい技術の

    開発により農業生産の拡大等に大き〈貢献してきたが,以上のような農業

    内外の種々の要請に応えていくためには研究成果である新技術を,広範に,

    しかも迅速に普及することが益々重要になってきている。

    農林水産技術会議事務局では,昭和48年度からこのような新しく開発さ

    れた技術のう ち,比較的広域に現場に適用できると期待されるものをとり

    上げ,普及,行政等の関係者の実践的な手引書として活用できるよ う随時

    取りまとめ,「実用化技術レポート」という名称のもとにシリーズとして刊

    行している。

    この冊子は,このシリーズの一つであり,この冊子が新技術の迅速な普

    及,定着に役立つとともに農業の発展の一助となることを期待する。

    終わりに,取りまとめに当たって御協力を賜わった関係者各位に,深〈

    感謝の意を表する次第である。

    昭和53年 1月

    農林水産技術会議事務局長

    堀川春彦

  • はしがき

    我が国の茶樹の栽培面積は昭和 52年現在約 59,700ヘククールで,その伸び率は鈍

    化する傾向にあるが,全国的匠みると九州地域での増加が著しく,交た栽培形態は全体

    の約 88 %が専用園で,そのほかは兼用固とな っている,

    とく応最近では茶園の集団化が積極的に進められ,同時に改梢面積が若しく増加し

    ていることが特徴的で,全般的花は優良品種茶園,集団茶園への移行がうかがわれる()

    このようた状況のなかで,全国の低とんどの茶園地帝において, 一番茶の萌芽,生育

    期に凍新害が発生し,良質茶の生産を阻害する大きな要因とな っており ,茶栽培梨家に

    とって致命的な影響をもたらしているn

    従来からこれらの対策としては種々の方法が謂じられてはきたが,必ずしも十分なも

    のとはたっておらず,茶栽培農家から省力的で安易な防霜技術の開発が強く要請されて

    いた。

    このため, 三重県農業技術セソクー茶業セソクーでは,これら凍霜害防止を目的柘,

    晩新の発生しやすい早春に接地層附近に生ずる気混の逆転陪を送風機で攪乱し,その気

    流を茶の摘採面に吹きつけ,温度上昇を図ることにより,凍霜害を防止する方法を検討

    してきた。

    その結果,この方法が防莉効果の混いこ とと併せて,生育促進の効果も得られること

    などが確認され,その実用性も検証され,送風法による茶園の凍詣害防止技術を確立し

    たn

    本レボート は,これ らの成果に某づき自然の気象条件を有効に利用して, 早春期の凍

    霜害を防止するための条件,憬械 ・施設の選定とその設置法,気象条件匠対応した機械

    ・施設の取扱いとその応用技術などを内容と して解説 したものである。なお,この技術

    の適用に当た っては,留意事項を参照の上活用されたい。

    終わりに本稿のとりまとめに当たって協力された関係隈関各位に深く 謝意を表する次第

    である。

    昭和 53年 11月関東東山東海地域技術連絡会議議長

    農事試験場長

    川嶋良

  • 目 次

    実用化技術レポートの刊行侭当た って

    はしがき

    l 技術開発の背景とねらい ・・・・・・・・・・・・ ......···•········ .. .. .. ... .. . ... ... .. . ・・・・・・ ··•· ·····. .. .. ... 3

    l 技術の特徴とその効果.................................•··........ . .... .............. .. . ..... . ... .. 4

    9 送風法による茶圏の凍霜害防止技術・・・・・・・・・ ・・・...·····• ··•. .. ..•..•...•.• •.•.....• .•.•. •.•.•. 5

    1 技術の適用条件・・.·•·. .......... . ..... . ... .... ... .. ... ...... ... •• ·••• ····· · •. • •.•. .• ·••· •• ··•···. . 5

    2 技術の使用法 … •• .... ····•·...... ・・・・・・・・・ ·· · •··.... .. ...... . .. ····•·.. 5

    (I) 送風匠よる気盤の逆転層の利用・.....................................................・・・-・5

    I)摘採面上層における夜間の温度・・・・・・.........・・・・・・ ・・・・・・・・・............... ・・・-・・・・・.. 5

    2 ) 摘採面混度および逆転層温度と防霜効果・・・•••…..................... …···• ·····.. 6

    3) 送風点の昇温効果と有効面積・・・・・・ ・・・.................................................. 7

    4 ) 地形と逆転陪形成状況・・・ · ··· · ·········· · ··· ·· · -- ········· · ··· ·· ······ · ··· · ·--··· • · ·· ·--· 、 9

    5) 運転期間と始動混度・・・・・・・ ·· ··· · · ·· ····· ·· ····•· · ····•···········--· ····· .... ............ . 9

    (2) 機械施設および設置方法・・・...... ...... ...... ..• ... ... ...... ...... •.• ..• ... .•. ... .•. •.. ••• • 9

    I)送風機と防霜効果・..・・・・・・................................................ ·········•--···· · 9

    2) その他の施設・・・・・・......・・・... ・・・ ......... ・・・ ・・・ ... ··• ·· • ••· •·· ·•· ··• ... ・・・...... ・・・ ... ・・・・・ I 2

    3) 設置方法....................................................................................・・ 12

    (3) 応用技術:チャの新芽の生育促進法・・・・・・・.................·•· ... ........ . .... .......... , 4

    3 技術導入の効果...........................................................................•· · ・・・・・・15

    4 普及指導上の留意事項・・・・・・・・................................................................・・ I 5

    IV 試験研究結果の概要・・・ ............................................................................., 7

    1 茶園面における夜間気混の垂直分布・・・ ・・・・・・ ·•· ··· •· · ·····• ··• ·····• ·· • ・・・......... ・・・・・・・・ I 7

    (I) 摘採面上層における夜間の気混・・・・・・ ................................. ..................・・I7

    (2) 地形による気福の逆転層形成状況の差異 ・ ・・ ・ ・ ・•• • …………• ・・・・・・・・ ・・・・・・・・....…・I 7

    (3) 傾斜地茶園における夜間気湿の経時変化・・・・・・...…........................... …• •• ー ・ 1 8

    2 送風点の昇湿効果・..•·· ··· •·• ···••···· •· ···•··• •····••. • ・・・ ・・・・・・・・・ ・・・・・・・・・・・・ ................. , s 3 摘採面椙度および逆転層気湿と送風による昇混効果… •ー・・ ・ ・ ・ ・ ・ • •• …......... ・・・・・・・・19

    4 機種と防霜効果・・・・・・・........................................................··•· ··. ........... ・・2 0

    (I) 機種による防霜効果の比較・・・・・・・・・................................................•··. .... 20

    (2) 出力と防繹効率との関係・・・...・・・・・・...................................................... ・・21

  • 5 萌芽ならびに生育促進試験・ 22

    6 防霜茶圏の収位および品質 24

    7 経済性に関する調査 .. . . ... ・ ・25

    (I) 凍霜害の時期と摘採期の遅れ . . . .、..... 25

    (2) 荒茶価格の推移. 25

    V 参考資料 ・27

    I 茶樹の萌芽期.摘採期および終霜日 .. ・27

    2 送風法防霜施設の経済性試算 -27

    3 送風横の風速特性 ・30

    VI 参考文献 ・32

    試験研究担当者等 ... .. ・33

    とり充とめ担当者 . . . . .... ・33

    2

  • I 技術開発の背景とねらい

    我が国における茶樹栽培の経済的北限は,最低極混がおよそー 15°c c短時間)の地

    域とされており,日本海側では新潟県,太平洋側では茨城県である。冬季間匠おける茶

    樹の耐寒性は比較的強いが,萌芽期以降は耐寒性が急激に低下する。そのため, 4, 5

    月にはチャの新芽が晩霜害を受ける危険性が高く.全国保とんどの茶樹栽培地域で. 一

    番茶の萌芽• 生育期妬凍繹害の発生がみ られ,良質茶の生産阻害要因の一つとたってい

    るの

    経営の面か らみれば,一番茶の収益が年間収益の主体を占めているため,凍罪害は茶

    樹栽培梨家侭とって致命的な影響を与える気象災害とな っている。なお充た.一番茶の

    被害は二番茶の生育匠も悪影響を及ぽし,二番茶の収量.品質をも低下させている例も

    少た〈たい。

    このようたことから,茶圏の防霜には古くか らさ充ざ充な方法が考え出され試みられ

    てきた。すなわち. くん煙法,加熱法,散水氷結法,被覆法などであるが,それぞれに

    長所短所があり ,栽培技術の近代化と労働事情の変化に伴い姿を消しているものもある。

    そのなかにあ って.被覆による防霜法は被覆栽培を兼ねて最も広く採用されてきたが,

    多くの労力と施設.資材を要するこ とか ら小面積に限られており ,他の省力的な防霜技

    術の開発が強〈要望されてきた。

    このよ うな状況のなかで.茶圏において風を用いる防霜法は,高橋,竹野ら (1957

    ~ 1958年)によ って試み られ.水乎回転式送風機(設薩高度 I. 5 m)で逆転渚の攪拌による昇混の実験を行った報告がなされたが,実用化には至らなかった。

    このレボー トで述べる技術は.移動性高気圧の下で接地層附近に生ずる気淵の逆転現

    象を利用しようとするものである。 I97 I年から 4年間匠わた って小型前方送風式の送

    風機を用いた送風実験の結果.摘採面葉体混の昇温効果の大きいことが確認され,充た

    凍顆害防止と併せ,省力化と良質茶の安定生産への期待も持つことができたので.技術

    の開発と実用化を図ったものである。

    3

  • II 技術の特徴とその効果

    ここに述べる 「送風法による茶園の凍霜害防止技術」は,自然の微気象現象を人為的

    に有効に利用しよう とする仕組みのものである n 茶樹の萌芽•生育期 ( 3 月 ~5 月 ) の

    低棉かつ静穏な夜間には地表附近の比較的低い気庖 (高度 8~1Om)に強度の気椙の

    逆転展が形成されるので,この上層の暖気を為さ約 6.5 mに設置した送風機を用いて摘

    採面に送風し,チャの葉体温を上昇させて新芽の凍霜害防止,あるいは生育促進を行う

    方法で,自然の徴気象現象と自動化した送風施設を組み合せて実用化したものである。

    (1) 技術の特徴

    この技術における摘採面葉体棉の昇棉効果の大小,有効面積の多少などは,凍霜の

    起きる夜間の摘採面温度の下降の程度や気湿逆転の強度に支配されるところが大きい

    が.これらの条件は主た,時期の早晩,地形などによ っても異なる。

    すなわち,摘採面最低温度は,萌芽期ごろにはかなり低いが日が経過し新芽の開葉

    が進むにつれて高支り,平行的に逆転層上方の福度も高くなるので, I頓次この技術の

    効果が大き〈なる。をた,地形によ って気混逆転の強度が異なり,平坦地主たは緩傾

    斜地では凍鐸時における気混の逆転はかなり強度で好結果がえられる。

    この技術では送風機の始動は摘採面淵度の低下妬伴い自動的に作動する方式を採用

    し,逆転層上方の高温部の空気を摘採面付近にのみ送風し,葉体濫の上昇をより効果

    的にした。

    また防霜と兼ねてチャの新芽の生育促進のため,その時期の最低混度の上昇に並

    行して送風機の始動温度を1胴次段階的に調整する点が特徴といえよう。

    (2) 効果

    この防霜・ンステムによ I?, 一番茶の凍霜害防止代より製茶品質の確保と収益の安定

    化を図ることができる。さらに防霜と同時に新芽の生育が促進されて摘採期が早ま

    るので,早期出荷が可能になる。また,このシステムは自然気象と自動化した送風施

    設を組み合わせた方式であるため,防繹紀要する労力は極めて少ない。

    4

  • III 送風法による茶園の凍霜害防止技術

    1 技術の適用条件

    この技術では,摘採面葉体洞の最低が一 8°C附近までは防霜が可能である。 ただし,

    その効果は葉体温の低いときは小さく,裔いときは大きくなり 一定ではない。また,適

    用条件の範囲は,時期,地形,品種の早晩性などによ ってやや異なる。

    適用時期は,萌芽期か ら5月にかけてが主で,風を伴 った凍害などが発生する I, 2

    月妬は適用できない。

    我が国では, 一番茶の萌芽期から生育期にかけて凍繹害が全国の茶樹栽培地域のほと

    んどで発生しているが,萌芽期の平年日 (参考府料V-I)は 4月 2日(鹿児島)から

    4月 23日 (埼玉)であるので,時期的代はこれらの全地域妬適用できる。

    地形的代は,平坦地,緩傾斜地等のほとんどの茶園に適用できる。 しかし,小盆地ま

    たは極端な〈ぽ地では気棉の逆転が弱いため摘採面上層妬有効な暖気が得られない場合

    があ IJ' 適用できない。

    また,品種の早晩性からみると,極早生種は時期的に最低気淵の低いころから防霜が

    必要となるが,その時期は 8m付近の逆転層上方の気湿が o0c付近になるようなこと

    もあ って萌芽期の防霜効果は小さくなりやすい。これ侭対して,中 ・晩生品種では,時

    期的に最低気盤の上昇がみ られ,摘採面と逆転暦上方の気棉との間に温度の較差が大き

    くなるので,この技術の好適条件が得 られやすい。

    2 技術の使用法

    (I) 送風による気淵の逆転層の利用

    I) 摘採面上庖における夜間の温度

    3月中,下旬から 5月ころ,寒冷な大陸性高気圧の日本列島への移動に伴 って急

    速に冷え込む静穏な夜間代は,多くの茶園がしばしば凍繹害を被るが,このような

    気圧配置のときには茶園面上隠の比較的浅い庖 (平坦地で 8~IO m, 傾斜地では

    やや低い)の気温は,摘採面混度(気湿,葉体洞)よりかなり裔淵で,かなり安定

    的に持続されることが確認されている。例えば,乎坦地茶園の摘採面葉体混が

    -2.6°C~-3.9°Cを示した時点で, 高度 IO mの気混との湿度較差は s.1°c

    ~5.9°Cにも達している(表IV-4参照% さらに晩莉時における気混の逆転

    状況が,これと一致した傾向を示す例が多い。

    これらの事例は,凍霜時における気混の逆転がいかに強〈 ,比較的浅い層に混度

    5

  • 較差の大きい気層が得られやすいかを示すもので,この気層を利用することは比較

    的容易で,かつ有意義である。図 1-2はその一例である。

    1972-4-9北西の風強 く晴 一時曇り

    気温 5.6℃摘採面温度 4.I℃

    (前日 )

    • 4. I 0凍霜発生時気温 I.0°C

    摘採面温度ー 3.4・c, 晴

    (結霜 B)

    図I-I 凍霜害発生前後の気圧配置

    2) 摘採面混度および逆

    転層温度と防霜効果

    この技術による防罪効

    果は,摘採面葉体温,送

    風時の気層温度の高低

    送風の摘採面到達風醤の

    多少などが関連しあ って

    m

    10 I (c)(b) (d)(a)

    高8

    6

    度4

    21

    -4 -2 0 2 4 6 8 I 0 ℃

    温 度

    (a) 2 4時, (b) 5時(摘採面最低温度時 ),(c)6時 (日の出

    直前) ,(d)7時(日の出 直後 )

    らの関連を十分匠つかん 平坦地 (1972-3-27- 28)

    で,防霜予定時期.送風 図 ,-2 晩霜時における茶困面浅層の湿度垂直

    機の出力規模,単位面積 分布 (三重茶セ )

    当たり設龍台数などを設定することが必要である。

    平坦地または緩傾斜地においては,凍霜時の摘採面葉体湿の最低値と謁度 8 m付

    近の気層混度の最低値との間には高い相関関係があ って,これらの混度はほぽ平行

    異な ってくるので,技術

    導入の実際場面ではこれ

    6

  • 的である(図 I-3)。したが って, 昇温程度,防霜面積の大小は,摘採面葉体混

    の最低値と高い相関関係を示す(図 ,-4)。

    8

    m

    (最

    ℃ 4

    2

    -゚I

    -2

    (b) (~)

    (゚a)・摘採面気温

    y = 0. 878 5. 34 r= 0.963

    荘(b) x惰採面娯体温

    y = 0.897x-t-6.13 r= 0.921**

    (c)o 770w, 送風点(前方 IOm)燥体溢y = I. I I 7x+I. 78

    r = 0. 970** (平田地又は綬ほ斜地)

    -10 -8 -6 -4 -2 0 2

    墳採面気温,虻体渇(最低)

    6 ℃

    摘採面混度と高度 8mの気層椙度との関係 (三重茶セ )

    3) 送風点の昇混効果と有効面積

    凍霜時における送風点の昇混程度,有効面積などは.その時,その場所匠よ って

    異なりー率のものではなく.凍繹の起含る夜間の冷え込みの強さ,地形などに閲連

    して決まるもので.微気象現象を利用したこの技術の特徴でもある。

    -~

    函 屑ー3

    ↓T

    ↓f

    T

    ゜• x

    X

    -8

    • ・・・ A機種X B ,

    C C ,

    (750-770 W)

    y=O .01 I9x-9 .05

    r=O. 887,μ

    (平1旦地士たは緩傾斜地)

    600 rrl

    図 1-4

    200 400 防霜面 積

    摘採面葉体温の最低値と防霜面積と

    の関係(三重茶セ)

    すなわち,効果の主要因とな

    るも の応摘採面の葉体混,逆

    の温度の高低.送風の摘採

    面到達風絨の多少などがあげら

    れる。例えば,平坦地茶圏の摘

    採面の葉体混が最低ー 4.0℃付

    近まで降下する場合,高さ 6.5

    m, 伏角 45゚妬設置された送風

    機 (750W, 首振角度 30°) 1

    機が,高度およそ gmの逆転層

    上方の暖気を茶圏面匠送風した

    ときに得られる摘採面の葉体温

    の昇温程度と防霜有効面積は,

    次のようになる場合が多い。

    7

  • 葉体混が最低温度を記録した時間帯 (4時 45分)での一例をあげると .摘採面

    の葉体混が一 3.9℃,高度 8mの気層混度が 1.6℃と最も降下した時でも,送風機

    前方 10.5m 点では葉体温は 一0.6℃で 3.3℃の昇湿がみられ.それから前方左右

    に遠ざかるにつれて順次昇温の程度は低下しているが.同 15 mおよび 19.5m 点

    でも葉体混は一 1. 1℃の昇温効果が認められている(表 IV-4)。

    また,霜害を免れる葉体湿の限界混度は一 2.o0c付近,その時点は多くの場合

    日の出直前とみなされる。

    前述の場合の昇混状況(葉体混最低ー 3.9°C凍霜時)で得られる有効面積は,

    およそ 430~450m2である。

    また,昇混の程度,有効面積をさ らに増加するためには.茶園面に到達する風

    を多くすればよい。この場合,送風機の設置台数の増加.或いは謁出力機種の採用

    などが考えられるn

    図1-5は.凍霜夜間における摘採面混度(気温および葉体盤)と嵩度 8~I 0

    mの気温送風点葉体淵の昇混状況を電子式自動湿度平衡記録計が示した実測値で

    ある。

    (三重県亀:::::二"T"'

    22峙 23 24

    注 (i)770W, 16)2,200W機送風 IOm点葉体温

    図 1-5 凍霜夜間における逆転層気温と送風点葉体福の昇温状況(三重茶七)

    4) 地形と逆転層形成状況

    3 月中下旬から 5 月までの茶衝の萌芽• 生育期に凍霜害の発生が予想されるよう

    な夜間の気温の逆転度は地形によ ってかなり異なる。

    8

  • ℃ 10 1972.3.27へ-28

    亀11.J(平祖地)

    6

    温 4

    2

    -2 .... ``

    -4

    度23 24 1 2 3 4 5 6 7

    大台

    (小盆地)

    。-2

    . ‘ ヽヽ-------→ ` -r---" ヽ-4

    ,/ NoZ 1

    / 、、 Iヽ ~

    ‘’ ,,

    No4

    23 24 1 2 3 4 5 6 7

    Nol 高度 !Om気温 No2 麻度 8m気温

    No3 摘採面気温 No4 摘採葉体温

    凶 1-6 地形と気温の逆転度(三重茶七)

    平坦地,緩傾

    斜地では.気温

    の逆転は ,前

    述のとおりかな

    りの強度があり

    この技術の適

    用上好都合で

    ある。例えば.

    図 11-fiにより

    平坦地の摘採

    面と裔度 8 m

    付近の涸度較

    差をみると9.8

    ℃ (2 4時)~

    5.8℃ (5時)

    にも達してい

    て,適用性が

    高い。これに

    対し, 4ヽ盆地ま

    たはくぽ地の よ

    うな地形では ,

    気温の逆転度

    が弱く,摘採面と高度 8m付近との濫度較差が平坦地の 1/2以下のこともある。

    このことから,小盆地または極端 なくぽ地などではこの技術は導入しないtiうがよ

    い。

    5)運転期間と始動温度

    送風視の運転は,チャの新芽の萌芽直前から摘採を完了するまで行う必要がある。

    例えば,萌芽の 7- 1 0日前ごろから摘採期までである。始勧の混度は摘採面気混

    と葉体湿との温度差を考慮して,サーモスク ・ノ トの指示温度をおよそ 2.5-3.o°C

    付近に設定する。

    (2) 機械施設および設置方法

    1) 送風機と防霜効果

  • 機種 の条件型式を選定する。例えば摘採管理機械の使用の支障とならぬような機種

    機種は気象地形,茶圏の規模のほか,耕種条件などを考慮して出力,

    の選定,配置を考慮する必要がある。

    送風機の性能の面では風最,風速分布特性,首振方式,送風角度など.機械工学的

    には堅牢さ ,耐久性を.また安全性の面では防水加工処置などの条件を重視する。

    送風機が同一出力の場合,防莉効果に関係する主な要因は.送風角度(首振角度) .

    風鵞などであろう 。

    JO

    A

    出力 2,200W, 羽根径 80cm

    首振機構 水乎 90°

    電源 3相 , 200 V, 6 P

    B

    出力 750W, 羽根径 60 cm

    酋振機構 水平 60°

    電源 3相, 200 V , 6 P

    C D

    出力 950W,羽根径 70 cm 出力 750W, 羽根計 55 cm

    首振機構水平 90° 首振様構 円錐 45°

    源 3相 , 200 V , 6 P 電~3 相, 200 V, 4 P

    図1-7 送風機の主な機種 (A~D)

  • 送風角度と防霜面積との関係 (図1-8)は,凍霜時に摘採面の温度が送風角度

    下降する程度によ って異なり, 一概に角度が大きければよいわけではない。

    送風角度を大きくすると ,摘採面の

    olooo

    2

    8

    4

    200 300 400 500 600 >rt

    有効面積

    図,-8 送風角度(首振角度)と有効

    面積との関係( 三重茶セ)

    切 mtn BOf>-

    量20

    y = 0.945 x •2 16.91

    r = 0. 686

    100 200 300 400 500 600品

    有効面積

    函1-9 風量と有効面積との閑係

    広い範囲へ送風することになるので,

    摘採面に到達する単位面積当たりの風y =0.345x-79.645

    r = 0.993科 量は少なくなる。 したが って摘採面の

    葉体混が一 2.5°Cとかー 3.o°Cの

    ように下降する程度が比較的小さい場

    合に霜を防ぐには有利であるが,ー5.0°

    Cとかー 6.o°Cのように下降の大き

    い場合には摘採面に詣を防ぐための昇

    盤匠必要な単位面積当たり風益を到達

    させることが無理な場合も起り得る。

    風祉は機種の理論値でな風量

    く,実際の摘採面到達風贔

    (単位時間当たり )が霞要で.それが

    多い厄ど防霜効果は大きくなる (図 9

    - 9)。 しかし,送風機の出力を大き

    くすると効率の低下.機体重茄 (支柱

    の構造や強度に関係する), 騒音など

    (三重茶セ) もこれに伴 って大き〈なる。

    出出力と防繹効率(出力単位当たりの防霜の率)について,770W機と 2,280

    ヵW機を比較する と,この出力の限界では出力を大きくした場合の効率の低下

    はなく,むしろ 2,280W檄のほうが送風気流の吸引力がやや大きいようで, 送風点

    の葉体混は 770W機より 0.2°C~o.s0c高めに経過することが多い (固 I- 5,

    図IV-2)。

    平坦地または緩傾紺地における IO a当たりの設置台数は.摘採面の葉送風機 の

    体混の最低混度と防霜有効面積との関係(図 I-4)を基準にして,これ設置 台敬

    に5%~10% (茶困面において防霜効果が重なる接続部分の面積率)を

    加箕して決める。例えば,摘採面の葉体湿の最低値が一 4.5°C~-5.o°Cの凍霜

    を対象とした場合,出力 750W~770W機で 2.5 ~ 3台/lOa, 2,250W機で 1

    台/IOa程度を基準とする。これより低温,或いは高湿の凍霜に対しては,前述の関

    係(図 I-4)に基づき設置台数を増減する。

    11

  • 機種 の組防霜施設を設僅するとき,摘採機械導入のた以C茶園の障害物を最少限に

    するためと資材の節減を函るために出力の異なる機種を組み合わせることみ合わせ

    がある。例えば, 2,250 W機を中心にして 750W機を補正に用いようと

    する場合は,両機種の単位出力当たりの防霜可能面積には大きな差がないものとみて,

    それぞれ 1対 3の割合で設図する。

    2) その他の施設

    固IIー l0 木柱に設置した送風機(750 W)

    電電涜は 3相 200Yが必要で,

    源施設の設定に先だ って引込み配

    線の手配をしておく 。

    送風機の設置高度が十分に確支柱

    保できる長さで,長年月にわた

    り横械器具の保持が完全にできることの厄

    か,台風豪雨などの災害にも耐えられる

    強さのものが必要である。例えば, コンク

    リート電庄木柱 (防腐加工電柱).鋼板

    組立鸞柱などの 8m柱を使用する。

    送風機の始勤は.必要時に始 動装置

    メインスイ ッチを入れておけ

    ば摘採面の混度が予め設定したサーモ スク

    ットの指示温度に達 したとき , クイマーを

    経てマグネ ットスイ ッチにより作勤する自

    動・ンステムで行われる。 したが って,用い

    る機器類は,これらの機能を長く持統でき

    るものが望まし〈,また始動時の電圧変化が過度にならないように作動に間隔をお

    くように設計してお〈必要がある。

    3) 設置方法

    設置位償は送風機台数,選定機種などによ って異なるが,例えば, 750送風機 の

    W機 2.5台/IOaの場合には送風方向へ 20 m, 側方へ 10 mを有効距設置位置

    離とし 20mX20mの間隔(二列目は千鳥に配列)で位置を決める。ま

    た 2,200W横 1. 3台/10 aの場合には送風方向へ 45 m, 側方へ I7 .1 m を有効

    距離とし 45mX34.2mの間隔(同前)で位囮を決める。また,地形,茶園の平面

    的形状などから機種の出力形式を数種用いるような場合にも,それぞれ性能に応じて

    位置を定める。

    12

  • 支柱の設置

    送 風機 の

    設置高 度

    電柱の長さによ って埋め込

    みの深さに規定があり,長さ

    の 1/6以上,8m電柱では l.33m~l.50

    mを埋め込む必要がある。また,摘採機械の

    使用状況を考慮し,できるだけ摘採管理に支

    障がないよう妬配列を工夫する。

    平坦地または緩傾斜 地では

    6. 5 mとし,高度およそ 8m付

    近の気流を 45 o伏角の送風機

    が吸引できるように配慮する。小型機では設

    置高度を更に高めると送風の到達距離が減少

    する。

    ~ M -I Iは送風機取

    り付け工事の状況である

    が,このとき 囮II-1 2,

    1 3により送風機の水平,伏角などの調整を

    行なう。水平および伏角は茶固面に対して決

    定することが重要で,地形によ ってかなり異なる。伏角は園面に対し 45° が効率的

    で,水乎に首を振ったとき送風が茶園面に対し一定角度を保持するのに大切な条件で

    ある。首振り角度は 60-90°

    (限度)に設定するのが一般的

    であるが,地形,時期, 摘採面

    最低混度などを考慮して加減す

    図I-I 1 送風横の取り付け工事(2,200W機 )

    送風機の取リ付

    けおよび調整

    ファソ本体水平角調整ポルト

    芭留糾需四斗モ る。

    図 II-I 2

    送阻 方向

    の設定

    水乎角調整ポルト操作個所

    普通の場合,大陸の移動性尚気圧の移動方向である西から東の方向また

    は西北西から東南東の方向に送風するように設定する。しかし,東の方向

    を高い山脈がふさぐような山麓では,霜の夜間の気流はこれと反対方向に

    流れるので,このような場合は自然の気流の方向に沿 って送風するように設定する。

    サーモスタ ッ ト

    の設 定位置

    設定はサ ーモスクットごとに摘採面混度の最も低下しやすい場所

    を選ぷ。園面から 10 ~ I 5 cm直上忙感淵部を取り付ければ摘採面

    湿度の動きに近い湿度で作動させることができる。

    13

  • 伏角指示針

    IJ図I-I 3 伏角調整操作個所

    送風機の設置が終わったならば.送風機の羽根回転方向,送風状況,施設 の点検

    サーモスタットの温度誤差,作動状況などの点検をしておく。

    (3) 応用技術:チャの新芽の生育促進法

    この技術は防霜と同時に 一番茶の萌芽.生育期 (3月下旬~5月上中旬)の低湿

    かつ静穏な夜間,逆転層上方の空気を茶菌面に送風し.夜間の葉体混を昇温すること

    によりチャの新芽の萌芽,生育を促進する方法である。 3月中は風を伴う低温の夜間

    が多く,有効な温度較差が得られないため萌芽の促進効果は期待できないが, 4月の

    新芽の生育期には,有効な気温の逆転が起きる夜間の頻度が高まり, 'やぷきた' .

    'あさつゆ'などで 4~ 5日, やや晩生の在来種で 7日程度摘採期を早めることが可

    能である。

    また,新芽の生育促進に用いる送風機の始動温度は,その時期の最低気混の上昇経

    過(図I-I 4)と平行して,順次高めていくと効果的である。

    6

    4

    2

    0

    2

    _

    温y= l.726x-4.771

    r = 0. 974**

    4/1 2 3 4 5 6

    例えばサーモスクットの指示

    温度を 3月下旬 3.o°C, 4月

    上旬 5.o°C, 4月中旬以降

    7 .o°C付近となるような温度

    の設定をする。

    半旬

    図I-I 4 4月中における半旬別 5ケ年最低気温の変化 (三重茶セ)(1968~72, 亀山)

    14

  • 3 技術導入の効果

    (!) 防莉労力の省力化

    この技術の防霜ッステムは,自然の微気象現象と自動化した送風施設を組み合わせ

    たもので,防霜に要する労力を大幅に省くことができる11か,茶生産塁家の凍霜害妬

    対する精神的負担を醗減する効果も期待することができる。

    (2) 生産の安定化

    一番茶の凍霜害を防止することにより ,製茶品質の保証効果が得られ,茶園粗収益

    の過半を占める一番茶の生産を安定させることができる。

    (3) 防霜施設の多目的利用

    防霜施設を多目的に利用することはその経済性を高める一方法であるが,防詣と併

    せて,チャの新芽の生育期に摘採面の夜間棉度を裔めることにより, 一番茶新芽の生

    育を促進し摘採期を早め,荒茶の取引価格を有利に導〈ことができる。

    (4) 生産の組織化

    防霜施設は,広域にわたり設置することが経費および効果の面から望ましいので,

    これを中心とした生産の組織化を期待することができる。

    4 普及指導上の留意事項

    (1) この技術に用いる防霜施設は, 1 0年程度の耐用年数を見込むことができるが,

    年間の費用はかなりの額になるので,技術の導入に当た っては,その茶圏の粗収益と

    の関係,凍霜害の発生頻度,およびその時期などから経済性に十分留意する必要があ

    る(参考資料V-2 l。

    (2) この技術に用いる送風機の設僅台数は,防霜を開始する時期の摘採面最低混度と

    防霜有効面積との関係(図 II — 4 ) を墓準に判断すればよいが , 経済性の面から無理

    がある場合は,例えば,萌芽期(霜害が摘採期の遅れ,収祉,品質などに及1在す影響

    の比較的少ない時期)を経過した萌芽直後~開葉初期以降の防霜に目標をおく適用方

    法を考えてもよい。

    (3) 小盆地,極端な〈 1定地などでは,凍霜の夜間における気温の逆転が弱いことから,

    この技術の不適地とみなされるので,普及に当たってはこの点を十分留意する必要が

    ある。

    (4) 送風機の騒音は,立地条件によ っても異なるが,出力 750W-2,280W機では,

    50m前方でおよそ 44 db (A) -5 0 db (A)程度で実用上問題はないが,人家から

    は少なくとも 50m以上は離れて設憤するように留意する。

    (5) 摘採面混度の動きに応じて,送風機を始動または停止させることがサーモスクッ

    15

  • トの役割であるので,摘採面以外の場所,例えば送風機の支柱に感温部を設置すると,

    真の摘採面温度の動きを感知することが不可能となるので特に留意する必要がある。

    (6) 毎年,運転開始期前に,送風機の作動状況,羽根回転方向,サーモスク ットの感

    湿状況などを点検する11か,運転期間中も ,霜予報,警報などの発令時,あるいは霜

    の危険性のあるときは,作動の点検を行う配慮が必要である。

    16

  • W 試験研究結果の概要

    1 茶固面における夜間気温の垂直分布

    (1l 摘採面上層Ireおける夜間の気湿

    3月中旬から 4, 5月における静穂な夜間,急速に冷え込んだ平坦地または傾斜地

    茶圏の上層の気混と摘採面温度(気温葉体温)との関係を調査し,逆転層の形成状

    況葉体混との盤度較差などを明確にするため, 1 9 7 1年から数年間,平坦地茶圏

    および傾斜地茶圏の摘採面から上方 IOmまでにおける気混の垂直分布(特に,凍霜

    時の状況)を調査検討したn

    表 IV-1 凍霜時における気温の垂直分布

    (=重茶七)

    2~ 時 I2 4 I I I 2 I 3 I 4 I 5 I 6 I 7 高度 IOm気温 9.5℃ 8.5℃ 6.7℃ 4.R℃ 6.0℃ 5.5℃ 4.R℃ 4.3℃ R.O℃

    11 Sm 11 8.J 7.6 6.8 4. 3 5.2 a.2 3.6 3.9 7. 7

    11 6m 11 6.4 6.5 4.5 4.2 4.5 4 . 5 2.5 3.2 7.5

    摘採面 ( I .Om,, ) 0.3 -2.2 -I .5 -I .3 -l.2 -1.H -2.2 -2 .0 6.2

    ’ 葉体湿 -] .6 -2. I -2.3 -I.! -2. 7 -2. 2 -3.9 -2.6 5.5

    調査日: I 9 7 2年 3月 27日~2R日, 平坦地茶園(三重県亀山市)

    (2) 地形による気混の逆転層形成状況の差異

    地形による気湿の逆転層形成状況の差異を調査し,その適応性を検討するため,

    1 9 7 2年 3月28日, 4月 3日および l0日の凍霜発生時に地形の異なる 2地城

    (平坦地,小盆地)の気湿の逆転状況を調査した。

    地形の概要:

    ① 亀山(平坦地);標高 70 mの台地に開けた成木茶園

    ② 大台(小盆地);標嵩 70 mの周囲 (北西方向の一部を除く)丘陵と山地に

    囲まれた南北約 50 0 m, 東西約 80 0 mの小盆地に栽棺された成木茶圏

    17

  • 表 IV-2 地形別気濫の逆転度(三重茶セ)

    湯 所 時刻別温度( ℃)測定点

    23 I 24 I I I 2 I 3 I 4 I 5 I 6 I (地 形) 7 高度 10 m

    9.5 8.5 6.7 4 .s 6.0 5 .5 4,8 4.3 8.0 気 温

    亀 山 摘採面-I . 6 -2 . I -2. 3 -I . I -2. 7 -2 . 2 -3 . 9 -2. 6 5.5

    (平 坦) 葉体温

    温度較差 11. 1 10 .6 9.0 5.9 8.7 7.7 8.7 6.9 2.5

    高度 IOm

    気 温 1.9 l .3 0.2 -0.3 0.8 0 . I --0 . 5 -0. 8 t.3

    大台摘採面

    (小盆地)葉体温 -1.2 -2.5 -2.6 -2.7 -3.1 -2.6 -4.3 -3.7 0.2

    温度較差 3. I 3.8 2.8 2.4 3.9 2.7 3.8 2.9 I.I

    測定時期 I 9 7 2年 3月27日~28日

    (3) 傾約地茶園における夜間気温の経時変化(奈良県農試茶業分場)

    三 喜 一℃

    時 l-1.4-4.s -2.s 1 .6 --4.4 -3.4 1時 t-3.5 -5. 3 -4 . 7 -3. 9 -6 . 6 -5 . 6 I .6 --4 .4・

    2 .2 -5. I -4. I 2 t--3. 8 -6. 4 -5. 7 -4. I -8. 2 -6. 2

    2 .o ---5 .3 -4. 2 3 t-4 . 7 -6 . 6 -5. 5 -5 . I -7. 8 -6. 2

    2.4 -5.3 -4.6 4 f-4.8 -6.5 -5.7 -5.1 -1.0 -6.6

    2.3 -'5.8 -4.7 5 t-5.3 -7.3 -6.6 -5.9 -8.7 -6.8

    I .8 -4 .9 -3.9 6 t-4.3 -5.8 -5.5 -5.0 -7 .9 -6.3

    高所、低所の距離 20 m, 傾釣度約 If, 榛高差 4 .Om

    2 送風点の昇温効果

    1 9 7 1年 4月 12日, 三重県亀山市亀田町の茶園(平坦地,はさみ摘み仕立)に

    おいて,送風機(羽根径 60 011 4枚,毎分 1,200回転, 9 ~ 1 0秒間隔 15° 首振)設置高度 6.5m, 伏角 45゚ ,始動混度 2.5℃ (サーモスク ット)により,チャ

    の葉体混の昇混効果を検討した。

    18

  • 表 rv-4 逆転層の嵩度別混度と送風点葉体湿の昇湿効果(三重茶セ)

    温度較差 (高度 !Om

    四 0分 1.30 2.30 3.30 4:30(45) 5:30 気温対無送風 )

    瓦度 10 m 気温 5.5℃ 4.9 4.2 3.2 2. 4(2. l) 2.3

    高度 8 m 気温 5.2 3.8 3.2 2.7 1.7(1.6) 2.0

    高度 6.5m (送園懲散入) II 5.2 4.0 2.5 1.8 1.0(1.2) I . 8 I 8. I℃

    前方 IO.5 m送風点葉体温 2.4 I. 3 I. 3 -0 . 5 -0. 3(-0f,) -0 . 3

    II 15 ffi ” 1.2 o.o I .O -0 . 8 -0. 4 (-11) -0 . 3 5.9

    ” I 9 .Sm “ o.o --0 . 7 0.6 -0. 8 -0 . 5 (-1 1) -0 . 4 l 対照 (無送風) 葉体温 -2.6 -3.2 -2.7 -2.9 -3.5(-3.9) -3.6 I 9 7 I年 4月 I2 A, 摘採面葉体温(最低)ー 3.9℃の凍霜時

    ()内は無送風葉体温の最低時(平坦地)

    3 摘採面温度および逆転層気温と送風による昇温効果

    凍霜時における摘採面湿度および逆転層上方の気温と送風妬よる昇温効果との関係

    を明確にするため, 1 9 7 2年 3月 16日以降 4月,平坦または緩傾斜地に発生した

    凍霜の夜間における気温.摘採面混度(気温葉体濫)などの最低涸度ならびに摘採

    面上庖匠形成された逆転庖の気温送風点における葉体温などを調査し. これらの関

    連を検討したn

    表 IV-5 凍霜時における各調査点の最低混度 (三重茶セ)

    気 温 摘 採 面 同葉体温 屁度 8m 気温 送風!Om点葉体温月 Bl

    (百葉箱 • 最低) 最低混度 (最 低) (最 低) (最 低)

    47. 3. I 6 -I -8℃ -8.5℃ -9.0℃ -I. 7℃ -2.7℃

    3.22 -0.2 -5.7 -6.7 1.0 -) .5

    3.28 1 .6 -2 2 -3 .9 3.6 1.3

    4. 3 -2.1 -6. 5 -6.9 -I .3 -2.0

    4.10 I. 0 -3.4 -4.2 2.2 0.3

    4. 14 2.6 ー2.3 -2.6 3.3 1.9

    19

  • 2

    3

    2

    1

    0

    1

    8

    m

    • 築体温最低値(無送風)

    y = 0.897 x •6. 128

    r=0.921**

    @送風点薬体温(前方 !Om点)

    y = 1 . 11 7 x+ 1 . 783

    r=0.970**

    x送風点築体温(前方 20m点)

    y = 0.954x+3.757

    r = 0.919虹

    -10 -8 -6 -4 2 0

    濱採面菓体温(最低値)

    2 4 ℃

    図IV-1 摘採面葉体温の最低値(無送風.送風)

    と高度 Smの気混(最低値)との関係

    (三重茶七)

    4-機種と防霜効果

    特に送風角度および風量と防霜効果,出力と防霜効率,騒音などとの関係を明ら

    かにした。

    (!) 機種による防霜効果の比較

    1 9 7 2年 3月28日摘採面葉体温最低値ー 3.9℃, 4月3日同--6.9℃, 1 0日同

    -4.2℃ 1 4日同 ー2.3℃の連続発生した平坦地茶圏の凍霜時に,送風を行った試

    作機 (750~770W級) 4種 (A, B, B', Clの性能,特に送風角度(左右首

    振角度),風量などと防霜面積との関係を調査した。

    20

  • 表 IV-6 楼種と防霜効果 (三重茶七 l

    設屈渇度 6.5 m, 伏角 45゚.送風中心方向(東) .はさみ摘み仕立.成木

    刷前,':7,Im,:~ 詈竺[こ:1 ~.I:竺:「三戸ミ:"' B I 22.1 20.1 13.3 13.0 435 213 25.8 21.3 408.6

    B' - 23.4 - 12 .9 I 97 26.5 19.4 313.5

    C I 25.0 25.7 7 .4 JO .s 129 179 25.3 13.2 247.5

    111は3月 28日, (21は4月 3日,()内は後方ファ ン,

    発芽の有効面積調査, 5月 4日

    表rv―7 送風角度(左右首振角度)および風量と有効面積( 三重茶セ)

    送風角度 I風 量 有効面積 (m')

    試験区記号'- I (首振角度) (m'/mm) 発芽 の有効面積 出力 (750W)単位当たり

    A 351/(328) 467. 8/(126.0) 2 9 6 . 9

    8 7 0 0 4 0 8 . 5 3 9 7 . 9

    B' 6 9 5 3 I 3 • 5 3 I 3 . 5

    ゜2 5 0 2 4 7 . 5 2 4 7 . 5

    ()内は後方ファン

    (2) 出力と防霜効率との関係

    出力A(770W),出力 B(2, 280W)機の示す防莉状況(有効距離.幅,面積

    効率) .有効防莉位匿(送風機基部.前方.側方)の到達風速.騒音などを調査し.

    出力の増大と防罪効率.騒音などとの関係を検討した。

    21

  • . . 柑

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    `戸_一ニ―ー一:~-~ーニ―:J]~)~゚::_l I 1.0 2.0

    A=出力 7 7 0 W 首振水平 7I 0 B = • 2,280 W• 9。。)設置高度 6.5m(下向角度 4:f) 摘採面葉体温(最低 l-8.0℃.高度 Bm気温: 4. I℃ (0時) --o .5℃ (7B寺)時期 :I 9 7 4年 I2月 I3日 測定時刻: 7時

    図IV-2 出力と防霜効率(三重茶セ)

    5 萌芽ならびに生育促進試験

    凍霜害防止と同時に低温の夜間,逆転層上方の暖気を茶園面に送風して,チャ の新

    芽の湿度を高めることにより萌芽ならびに生育を促進し,摘採期を早める方法を検討

    するため, l !l 7 2および 74年,標嵩 70 m (平坦地)の緑茶品種比較厄場 (33

    年生)および在来種 (35年生)を供試して,次の試験区を設定し実験を行った。

    22

  • 0 送風機設置の概要

    1 9 7 2 (萌芽.生育試験) .

    7 5 0 W機 (30° 首振).設置裔度 6.5m, 伏角 45°

    1 9 7 4 (生育試験)

    2,280 W機 (90° 首振) ,

    0 サーモスクット指示温度

    扇芽促進 (7 2)

    3月 18~ 9日 2.5 ℃

    1 0日 ~1 9日 3.5

    2 0日~朋芽日 5.0

    設置嵩度 6.5m, 伏角 45°

    生育促進 < 12 l I < 14 l

    4月 1Fl-1 0日 5.0℃ 3.0 ℃

    1 I日-2 0日 7.0 5 .0

    2 I日~摘採日 10.0 7.0

    対照区:無送風(凍霜時. こもくら掛)

    表 IV-8 送風による萌芽期の促進効果(三重茶セ I9 7 2)

    対照

    やぷきた(秋整枝) Iあさつゆ< . l I大 棟

    3 / 3 0

    4/ 2

    3 / 2 8

    4/ I

    3 / 3 0 (秋整枝)

    4/ 1 (春”)

    崩芽率 70 %日 (1区 20芽, 3区平均)

    ""' 6 ヘ 3

    芽 5 開 2 薬

    長 4 数 1ヘ

    3 ~ ゚C胃9ツ 2

    芽長 ←← : 1972,4/8 13 18 24 28

    時 期

    図fV-3 送風による生育促進状況(やぶきた)

    (三重茶セ)

    23

  • 表rv-g 送風の摘採期および茶芽た及ぽす影響(三重茶七)

    年 次 区 分 摘採 日 1出開度 iXJI芽長 (cmll開葉数 1葉水分的

    送風 5月 2日 65.8 6.6 3.5 77.45 やぷきた (

    対照,

    6 Fl 67.3 5.2 3.5 77.69

    I 9 7 2 送風

    , 1日 59.9 3. 7 3.5 79.89

    あさつゆ{対照 . 6日 54.4 4.4 3. 1 79.08

    送風 5月I6日 46.4 3.7 I 9 7 4 在来種{

    対照 ・23日 40.5 4. 3

    6 防霜茶圏の収量および品質

    第 1葉開葉期における凍霜害の被害率と摘採期の茶芽および製茶品質との関係を.

    送風法防霜試験区の種々の位置において調査した。

    表IV-1 o 凍霜害の被害率と一番茶摘採期の茶芽(三重茶セ l971)

    No . I No-2 No.3 No.4 No.5 (No 2の↓ No . 6 j対 照

    (6 m) (10.5ml (15ml (19.5ml 側方 5m

    円閤嚢む恰)) 1.0 I .9 3.2 3.3 6.0 64. 5 100

    摘採期(月.日) 1 5. I 7 5 .18 5 .17 5.20 5. 21 5.25 5.31

    出開度{%) I ss. 3 55.3 57.2 61. 3 58.6 59.9 68.0

    芽数 (20X20沙む)I 95 93 91 75 75 70 99

    芽長 (cm)I 6,4 5.7 6.5 5.5 6.6 5.8 4. I

    芽重(g/20X20cm)I 42.3 37.0 46.2 32.3 34. 3 29.2 34.0

    開 葉 数1 3.7 4 .o 3.8 3.9 4. I 3.4 3.5

    収量 Cg/m')lss6.6 7 4 8. 3 l , 00 6. 7 741. 7 776.7 858.3 663. 3

    調査区の(漕きは.送風機支柱からの距離区分(次表も同じ)

    24

  • 表IV-1 1 凍莉害の被害率別の製茶品質(三重茶セ I971)

    No. 1 No.2 No. 3 No. 4

    (6m) (105ml (15ml (19.'im) ( 砥No2の) No. 6 対 照

    5m 1 .o I .9 3.2 3.3 6.0 64.5 100 I I 2 I I 2 I I 2 I I 2 I I 2 1 I 2 I I 2

    3

    5

    8

    3

    1

    1

    3

    5

    8

    3

    1

    1

    6

    5

    0

    3

    1

    2

    6

    5

    7

    3

    1

    1

    5

    9

    6

    3

    1

    1

    6

    7

    0

    3

    1

    2

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    8

    3

    1

    1

    7

    9

    0

    3

    1

    2

    5

    0

    9

    3

    2

    1

    0

    0

    7

    4

    2

    1

    8

    7

    6

    3

    1

    1

    0

    7

    9

    4

    1

    1

    8

    0

    8

    3

    2

    1

    8

    0

    0

    3

    2

    2

    味 20 19 19 15 1 7 I 9 20 19 19 15 I 7 18 1 7 l 8

    at I 98 95 95 86 94 93 96 93 92 85 85 89 83 84

    I, 2の平均 I 96.5 90.5 93.5 94.5 88.5 87.0 83.5

    一番茶.品質評点は.外観 40点.香気.水色,味各 20点の 10 0点満点とした。

    7 経済性に関する調査

    (1) 凍籍害の時期と摘採期の遅れ

    1971~1977年に三重県内で発生した凍霜害の被害調査から,凍霜害の発

    生時期と摘採期の遅れとの関係を推定した。

    表IV-1 2 凍籍害の時期と摘採期の遅れ( 三重茶セ )

    凍霜害の時期 生 育 期 摘 採 期 の遅れ

    1973.4. 3 (亀山) 胡 芽 期 3日 (測定1直)

    1972.4. 9 (.) 朋芽直後 5日 ( .)

    19 71 . 4. 12 (.) 第 1葉開葉期 l 4 - l 5日( .)

    1977.4.23 (飯南) 第 2葉 I 8 - 2 0日(調査報告

    1974 .5. 2 (山本) 第 3葉 . 25-30日( ,)

    被害芽率(生長点枯死) 90~100%の茶園

    摘採期の判定,出開度 70~85%fl

    (2) 荒茶価格の推移

    1 9 7 5年,高能率生産団地動態調査の一環として一番茶荒茶価格の推移を調査し

    た。

    25

  • 表IV-1 3 地域別一番茶荒茶日別乎均価格の推移

    (三重中北勢地方専技室 I9 7 5)

    地域名 日別取引価格の回帰式 傭考

    水 沢 F 5,101.26 - 121 .90x かぷせ茶生産地域

    山 本 y= 4,762.27 - 114. !Ox

    /II 島 y= 5,270.60 - 179.SOx

    亀 山 y= 3,318.60 - 88.36x 煎茶生産地域

    大 ム口 y= 4,849.60 - 101.SOx

    飯 南 y= 4, 634. 16 - 97. 40x

    y : X 日の平均取引価格 (kg • 円)

    X : 経過日数 (5月 1日起算~5月末日)

    亀山は, I 9 7 3年価格 X I. 56 (農.沐絞計)の換算値によ る。

    (I 9 7 5 年, 三重県経済連南 , 北勢茶セ ンクー• 水沢,亀山茶農協取引価格)

    26

  • V 参 考 資 料

    1 茶樹の萌芽期.t裔採期および終霜 日

    (全国茶業試験研究機関作況報告抜すい, 1973~77)

    府県名 絹芽期の平年日 摘採期 の平年日 終霜 B

    埼 玉 4月 23日 5月 20日 5月 24日

    静 岡 4 ’ 8 3

    愛 知 4 , 4 4 6

    直,

    6 , 1 1 5 I 8

    滋 賀 , , I 5 ・ 24 奈 良 • 1 9 、2I 2 4

    京 都 • 6 '

    6 I 8

    高 知 ・1I ’ 8 4 .

    襦 岡 6 , l 4 5 . 7

    熊 本 5 ヽ 6 4 . 2 5

    長 崎 2 l 0 I 0

    佐 賀 2 1 0 5 2

    宮 崎 • 4 ”

    4 4 I 0

    鹿児島 • 2 , 2 5 . 2

    終霜 Bは,前5か年における最終日

    2 送風法防霜施設の経済性試算

    (1 9 7 7年.三重県中北勢地方専技室)

    27

  • "" Co (1) 粗収入増加曲線の積算基礎(項目は一番茶の数字)

    ‘ 項目 1 ① I② ④ 臼 x③ ⑥ ⑥ ① ⑥ R=

  • ~

    93 費用増加直線の積算基磋 (10 a当り防霜施設の経費)

    l) 条件

    0 送風機設囮台数

    0 サーモスクット,

    2) 防霜施設の族価償却および修理骰計算

    7 5 0 W機 2.5台/ 10a

    l O a当たり l/ 5セット

    施 設 名 数 調 達価 額 耐用年数①

    年間償却費R

    年間修理費@=① +R

    防霜施設ー式 2.5台 400,000円 1 0年 36,000円 I 2,000円 48,000円

    注 (1>年1111償却費=調達価額 XO.9

    耐 用年数②

    年1m修理費=調達価額 XO.3

    耐用年数

    3) 電力料金の計算(基本料金)

    3月 5月 その他の期間 ④ 計

    920 円 X 3ヶ月 X 1.875KW

    = 5,175円

    920 円 X 1/2 X 9ヶ月 X 1. 875 KW

    = 7,763円 12,938円

    4) 使用電力料金の計箕

    使 用 時 間 数 電 力 量 電 力 科 金

    8 0

    6 4

    時 間

    時 間

    0.75KWX80H X2.5台 = !50KWH

    0. 7 5KW X 64 H x 2. 5台 = 120KWH

    円ISOKWHXI I. 55 =I, 733円

    円120KWHxll.55 =J ,386円

    5) 費用合計

    項 目

    償却費およ

    び修理 費

    ⑤ =@+④

    基『‘計金 (固定費)

    使

    力電

    釦(麟)X 5 % IR=@-+c+0 電気税 合計

    8 0時間使用

    6 4時間使用

    48,000

    48,000

    12,938

    12,938

    60,938

    60,938

    1, 733

    7 34

    63,405

    I, 386 716 63,040

    29

  • (3) 粗収入増加曲線と施設費用額との関係

    千円

    350

    0

    0

    0

    0

    5

    0

    3

    2

    2

    0

    0

    5

    0

    I

    I

    m合

    50

    一吊茶粗収入 50万円/!Oaの茶隣

    25万円/1Oa ,

    壻害発生釦 度

    (5(1'/o)

    (30"ん)

    ー笛古発生粕 1覧, ‘’ .- (SO'lん)-, , , - , ヽ-- --_.,- -- (3びん)

    _—--- --――_― ー _., 笈動"

    ―----------= 固定で

    -----ヽ~〇

    照(

    絹芽JIJJ

    ゞ絹牙直後 第 1娯f)lj築期第 2薬,9

    (5日)

    4ヽ(I 5日)

    中(20日)

    第 3築”・・・(生ガ時期)

    (30日)・・・(摘採期 の遅れ)枯

    被 害区 分

    3 送風機の風速特性

    (I) 風速分布特性(出力 75 0 w, A機)

    心"'JI 20~ V 60 H, 4 p 9噸遍↓^咆 n伽IMよ)

    ,.

    ,.

    30

  • (2) 首振角度 36'風速分布特性 (出力 750w,A褐)

    JO"

    ••" J J !OV H,

    ------

    ¥3) 風速到達距離特性(理論値 )

    (出力 75 0 w, A横 )

    ぶ紙 3 J 200 V 60HZ H (鴨颯状..,

    ●嶽頃•“

    ----------30" 0飯 n似鳴賓 ,.HV分 (60 .. 贔 Olli遍賓,.,,./分)

    一・ ・一.,."馘 n.,咆.''同/

  • VI 参考文献

    1 青野英也.嵩橋恒二:茶面の凍霜害防除に関する研究 (l). 茶業技術研究 9'

    43~59. 1953

    2 横山俊祐ほか:送風法による茶の凍霜害防止について. 日茶技協讀要 Nov ,

    8~13. 1971

    3 横山俊祐,川瀬春樹.揉尚:送風法による茶の凍霜害防止技術. 日茶技協謂要

    Oc t, 7 ~ 8. 1 9 7 5

    4 三重県農業技術センクー:送風法による茶の凍霜害防止た関する研究.三重県農技

    研究速報 48~49年号, 109~112. 1974

    5 農林水産技術会議編 :送風法による茶の凍窃害防止技術.総合野菜・畑作技術事典

    VI. 352~353. 1977

    6 横山俊祐:送風法による茶の凍霜害防止に関する研究(音料).茶業研究報告 45,

    93~94. 1977

    7 埼玉県茶業試験場ほか:作況報告. 1973~1977

    8 三菱電横中津川製作所:送風槻の風速特性テスト報告. 1 9 7 3

    9 三重県中北勢地方専技室:送風法防霜施設の経済性試箕.普及音料. 1 9 7 7

    10 三重県中北勢地方専技室:一.二番茶荒茶価格の推移.普及資料. I 9 7 6

    11 高橋恒二,青野英也.田中静夫,簗瀬好充:茶樹の凍霜害防除に関する研究 CIl) .

    日作紀 27(!), 135~136. 1958

    12 此本晴夫,鈴木幸隆,木村政美,岩綺正男.木村進.小野循男:茶菌における小型

    送風機の防霜効果.静岡県茶試研究報告 7. 43~57. 1976

    13 静岡県茶業会議所 :新茶業全柑.23~29. 1971

    32

  • 試験研究担当者等

    この実用化技術レポー トの甚礎とな ったのは, l 9 7 3年~1 Ci 7 S年度の殷林省姪

    合助成試験事業による「送風法および人工霧による凍霜害防止に関する研究」(三重県

    農業技術センター茶業センタ ー )と県単事業紅よる奈良県との協力研究の成果を主とし

    た l9 7 l年~1 Ci 7 S年の関係試験研究の成果である。

    関係磯関および担当研究者は次のとおりである。

    研究担 ・、り者

    ::::印県牒業技術センクー茶業センクー場長

    t任技師

    技師

    協力研究担当者

    奈良県牒業試験場茶業分場長

    技師

    とりまとめ担当者

    執箪担当者

    三重県梨業技術センク ー茶業センター場長

    執筆協力者

    閑林水産省茶業試験場企画連絡室企画連絡科長

    同 茶樹第三研究室長

    とりまとめ協力者

    農林水産省茶業試験場企画連絡室長

    編集

    横山悛祐

    川瀬春樹

    櫂 尚

    今西 実

    寺田求重

    横山悛祐

    三ツ井 稔

    青野英也

    坂本 裕

    担当者 :農林水産省農事試験場企画連絡室連絡科長 塚 田 章二郎

    I司企画連絡室連絡科主任研究官 柿沼 計

    協議視関:関東東山東海地域技術連絡会議

    33