麦の参考資料 - maff.go.jp · 2020-03-31 · 2014/15 2015/16 2016/17 2017/18 2018/19...

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麦の参考資料

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麦の参考資料

麦の参考資料 麦の需給に関する見通し(動向編)

Ⅰ 麦の需給に関する動向1 食生活における麦の位置付け1(1)麦の主な用途(2)食料消費において麦が占める割合

2 麦の流通の概要3(1)小麦

(2)大麦及びはだか麦

3 穀物の国際需給と国際価格の動向 4(1)穀物の国際需給の動向

(2)小麦の国際価格の動向

(3)為替の動向

(4)海上運賃の動向

4 外国産食糧用麦の輸入状況7(1)小麦

(2)大麦及びはだか麦

5 外国産食糧用麦の売渡方式8(1)外国産食糧用小麦の政府売渡

(2)即時販売方式

(3)食糧麦備蓄対策事業

6 外国産食糧用小麦の政府売渡価格の動向10

Ⅱ 小麦粉麦製品の生産と価格の動向

1 小麦粉麦製品の生産量112 小麦粉麦製品の価格の動向12(参考1)麦製品の輸入動向

(参考2)麦製品の輸出動向

(参考3)麦製品の生産動向

3 製粉企業の状況16(1)大手製粉企業及び中小製粉企業の動向

(2)製粉企業のコスト削減や品質安全性の向上に向けた取組

Ⅲ 国内産麦の生産と流通の動向

1 国内産麦の生産状況19(1)小麦

(2)大麦及びはだか麦

2 国内産麦の品質状況21(1)農産物検査

(2)品質評価

3 国内産麦に対する支援 22(1)畑作物の直接支払交付金

(2)水田活用の直接支払交付金

4 国内産食糧用麦の流通動向24(1)取引の概要(2)流通の動向

5 国内産食糧用麦の価格の動向26(1)平成31年産の入札の概要(2)平成31年産国内産食糧用小麦の産地別銘柄別落札価格の動向

6 国内産麦の新品種の育成状況 287 国内産麦を利用した製品の動向 29(参考)国内産小麦を利用した製品の販売状況

8 民間流通制度の運用改善299 国内産麦の需要拡大イベント及び情報発信の取組3110 食料農業農村基本計画における麦の位置付け 33

Ⅳ 米粉に関する動向1 生産動向342 需要拡大に向けた対応343 米粉用米に対する支援35

Ⅴ TPP11及び日EUEPAの協定概要(麦関係)1 TPP11協定概要(麦)(平成30年12月30日発効)362 日EUEPA協定概要(麦)(平成31年2月1日発効) 36(参考)麦の国境措置

目 次

1 食生活における麦の位置付け

(1)麦の主な用途

麦は我が国の食生活においてパン麺菓子みそ主食用(麦飯)等多様な用途で使用されています

原料として使用される小麦の種類は小麦粉の種類用途に応じて異なっています小麦粉の種類はたんぱく質の含有量によって強力粉(パン用)準強力粉(中華麺用)中力粉(うどん用)薄力粉(菓子用)等に分類されています(表Ⅰ-1)

また二条大麦はビールや焼酎六条大麦は主食用や麦茶はだか麦は主食用やみその原料になります(表Ⅰ-2)

表Ⅰ-1 小麦の主な用途

表Ⅰ-2 大麦及びはだか麦の主な用途

小麦粉の種類

主な用途 たんぱく質の含有量 主な原料小麦(( )内は略称)

強 力 粉 食パン115~130

カナダ産ウェスタンレッドスプリング(CW) アメリカ産ダークノーザ

ンスプリング(DNS)

準強力粉中華麺ギョウザの皮

105~125

オーストラリア産プライムハ-ド(PH)

アメリカ産ハードレッドウィンター(HRW)

中 力 粉うどん即席麺ビスケット和菓子

75~105

国内産オーストラリア産スタンダードホワイト(ASW)

薄 力 粉カステラケ-キ和菓子天ぷら粉ビスケット

65~90

アメリカ産ウェスタンホワイト(WW)

デュラムセモリナ

マカロニスパゲッティ

110~140

カナダ産デュラム(DRM)

大麦及びはだか麦の種類

主な用途 主な原料麦 備 考

二条大麦 焼酎ビ-ル国内産

オーストラリア産

6列ある麦の穂のうち2列のみに大粒の実が稔る麦大粒大麦ともいう

六条大麦 主食用麦茶国内産

カナダ産

6列の麦の穂全てに小粒の実が稔る麦小粒大麦ともいう

はだか麦 主食用みそ国内産

アメリカ産

大麦の中でも子実の外皮が剥がれ易く粒が裸になる種類の麦

Ⅰ 麦の需給に関する動向

- 1 -

図Ⅰ-1 平成29年度の食料自給率(2)食料消費において麦が占める割合

平成29年度のカロリーベースの食料自給率は38であり小麦については14となっています(図Ⅰ-1)

- 2 -

資料農林水産省作成

〇 平成29年度の食料自給率

カロリーベース

38(3765)

生産額ベース

67(6717)

38(3778)

65(6499)

平成28年度

平成29年度

〇 品目別供給熱量自給率

米 小麦 大豆 野菜 果実

97 14 28 75 34

畜産物 砂糖類 油脂類 魚介類 その他

16 32 3 59 23

図Ⅰ-2 食糧用麦の流通の現状

(2)大麦及びはだか麦

(単位万トン)

(単位万トン)

- 3 -

生産者

民間流通 10

国家貿易 23

カナダ 6

豪州 16

他 1

政府

15

精麦企業 23

焼酎みそ押麦等用

焼酎みそメーカー

麦茶メーカー

ビールメーカー

2

麦茶用 5

ビール用 8

3

契約生産(ビール用)

8

資料農林水産省決算農林水産省調べ注流通量は過去5年(平成25年度~29年度)の平均数量である

(1)小麦

2 麦の流通の概要

麦は需要量の約9割を外国産麦の輸入で賄っています

国内産食糧用麦は民間流通により取引されており外国産食糧用麦は政府が国家貿易により計画的に輸入し需要者に売り渡しています

また米とは異なり最終的にパンや麺として消費されるため流通過程において各種の加工工程を経ています

(1)小麦

小麦は主に製粉企業が製粉して小麦粉にしその小麦粉を原料として二次加工メーカーがパン麺菓子等を製造します(図Ⅰ-2(1))

(2)大麦及びはだか麦

大麦及びはだか麦は精麦して焼酎みそ等の発酵用にしたり蒸気で加熱圧ぺんして押麦(麦飯)用にするといった加工工程を経て流通しています

なお国内産ビール大麦は生産者団体とビール会社の間で契約栽培により供給され麦芽等に加工されて流通しています(図Ⅰ-2(2))

民間流通 80

国家貿易496アメリカ 251カナダ 159豪州 86

496

みそ醤油等 10

パン麺菓子用等 566

家庭用

生産者

製粉企業醤油メーカー等

パン麺菓子メーカー

5

3 穀物の国際需給と国際価格の動向

(1)穀物の国際需給の動向

① 世界の中長期的な穀物の国際需給は

ア 総人口の継続的な増加緩やかな所得水準の向上等に伴う新興国及び途上国を中心とした食用飼料用需要の増加

イ 供給面では収穫面積の伸びがほぼ横ばいとなるものの単収増による生産の増加

等により需要と供給はほぼ拮抗すると見込まれていま

す農林水産政策研究所「2028年における世界の食料需給見通し」(平成31年3月)

② 201819年度(平成30年度)の穀物の国際需給は消費量が生産量を3千4百万トン上回ることが見込まれていますこのため期末在庫率はやや低下し295(対前年18ポイント)となることが見込まれています(表Ⅰ-3)

③ 201819年度(平成30年度)の小麦の生産量は作柄に恵まれた米国カナダ等で増加するもののロシアEU豪州等で減少が見込まれることから前年度を下回ると見込まれています

大麦の生産量はトルコ等で増加するもののロシアEU等で減少することから世界全体では前年度を下回ることが見込まれています

また201819年度(平成30年度)の小麦の消費量は生産量を上回ることから期末在庫率はやや低下するものの365(対前年11ポイント)と引き続き高水準となることが見込まれています(表Ⅰ-4)

大麦についても消費量が生産量を上回ることから期末在庫率はやや低下し130(対前年03ポイント)となることが見込まれています(表Ⅰ-5)

- 4 -

表Ⅰ-3 穀物の国際需給

表Ⅰ-4 小麦の国際需給

表Ⅰ-5 大麦の国際需給

資料注表Ⅰ-3に同じ

資料注表Ⅰ-3に同じ

(単位百万トン)201415 201516 201617 201718 201819(平成26年) (平成27年) (平成28年) (平成29年) (平成30年)

見込 予測25588 25175 26619 26154 2606524610 24550 26027 25985 264016739 7365 7958 8126 7789274 300 306 313 295

3941 3769 4291 4117 4251

154 150 161 157 163

年   度

貿 易 量貿 易 比 率()

生 産 量消 費 量期 末 在 庫

期末在庫率()

資料アメリカ農務省(2019年3月発表)穀物には小麦コメとうもろこし大麦オーツライ麦キビ等雑穀を含む

注1)期末在庫率()は消費量に対する在庫量の割合である2)貿易比率()は生産量に対する貿易量の割合である

(単位百万トン)201415 201516 201617 201718 201819(平成26年) (平成27年) (平成28年) (平成29年) (平成30年)

見込 予測7304 7384 7564 7631 73307051 7163 7398 7444 74212223 2444 2609 2796 2705315 341 353 376 365

1642 1728 1833 1812 1789

225 234 242 238 244

期末在庫率()

貿 易 量貿 易 比 率()

年   度

生 産 量消 費 量期 末 在 庫

(単位百万トン)201415 201516 201617 201718 201819(平成26年) (平成27年) (平成28年) (平成29年) (平成30年)

見込 予測1420 1498 1471 1437 14071425 1477 1503 1472 1418242 263 230 195 184170 178 153 133 130

290 308 283 273 258

204 206 193 190 183

生 産 量消 費 量期 末 在 庫

期末在庫率()

年   度

貿 易 量貿 易 比 率()

USDA(世界計)

資料アメリカ農務省(2010年1月発表)による注1)期末在庫率()は消費量に対する在庫量の割合である  2)貿易比率()は生産量に対する貿易量の割合である
資料アメリカ農務省(2010年1月発表)による注1)期末在庫率()は消費量に対する在庫量の割合である  2)貿易比率()は生産量に対する貿易量の割合である
world agricultural supply and demandworld market and trade (USDA 20101)による
資料アメリカ農務省(2014年1月発表)注1)期末在庫率()は消費量に対する在庫量の割合である  2)貿易比率()は生産量に対する貿易量の割合である

Sheet1

USDA(世界計)

資料アメリカ農務省(2010年3月発表)による注1)期末在庫率()は消費量に対する在庫量の割合である  2)貿易比率()は生産量に対する貿易量の割合である
資料アメリカ農務省(2010年1月発表)による注1)期末在庫率()は消費量に対する在庫量の割合である  2)貿易比率()は生産量に対する貿易量の割合である
world agricultural supply and demandworld market and trade (USDA 20101)による
資料アメリカ農務省(2010年3月発表)注1)期末在庫率()は消費量に対する在庫量の割合である  2)貿易比率()は生産量に対する貿易量の割合である

Sheet1

USDA(世界計)

資料アメリカ農務省(2010年3月発表)による注1)期末在庫率()は消費量に対する在庫量の割合である  2)貿易比率()は生産量に対する貿易量の割合である
world agricultural supply and demandworld market and trade (USDA 20101)による
資料アメリカ農務省(2010年3月発表)注1)期末在庫率()は消費量に対する在庫量の割合である  2)貿易比率()は生産量に対する貿易量の割合である

Sheet1

図Ⅰ-3 穀物の国際価格

注1)小麦とうもろこし大豆の価格はシカゴ商品取引所における各月第1金曜日の期近価格

2)1ブッシェル≒(大豆小麦272kgとうもろこし254)

3)図右端の数値は平成31年3月1日時点のものである

- 5 -

大豆

90

小麦

45

とうもろこし

36

(2)小麦の国際価格の動向

小麦の国際価格は主産地である北米豪州欧州黒

海沿岸地域等における天候及び作柄の変化にこれまで大

きく影響を受けています

直近では2018年(平成30年)7月中旬以降ロシア

EU等の乾燥による生産減少懸念等から上昇したもののそ

の後は世界的に潤沢な供給量等を背景に全体的に軟調に

推移し2019年(平成31年)3月上旬現在のシカゴ小麦先

物相場は4ドルブッシェル台半ばとなっています(図

Ⅰ-3)

10

30

50

70

H261 H267 H271 H277 H281 H287 H291 297 H301 307 H311

(3)為替の動向

日本円と米国ドルの為替は平成30年以降円安基調で推

移し平成31年に入ってからは一時円高となりましたが3

月上旬では113円ドル程度で推移しています(図Ⅰ-4)

(4)海上運賃の動向

海上運賃は平成28年以降上昇傾向で推移してきました

が平成30年11月からは燃料油価格の下落を受けて軟調に推

移しています(図Ⅰ-5)

- 6 -

図Ⅰ-4 為替の推移

資料三菱東京UFJ銀行の公表資料注図右端の数値は平成30年3月4日時点のものである

資料TRAMP Data Service Co Ltd 「WORLD MARITIME ANALYSIS WEEKLY REPORT」注1)2万トン級のフレート

2)図右端の数値は平成30年3月4日時点のものである

図Ⅰ-5 海上運賃の推移

図Ⅰ-4 為替の推移

円米ドル

ドルトン

70

80

90

100

110

120

130

H261 H267 H271 H277 H281 H287 H291 H297 H301 H307 H311

表Ⅰ-6 外国産食糧用小麦の銘柄別輸入量

注1)数量は決算ベース2)四捨五入の関係で計と内訳が一致しない場合がある3)( )内の数量はSBS方式により輸入された数量で内数である

4 外国産食糧用麦の輸入状況

外国産食糧用麦については国内産食糧用麦では量的又は質的に満たせない需要分について政府が国家貿易により計画的に輸入し需要者に売り渡しています現在の主な輸入先国はアメリカカナダ豪州の3か国と

なっています

(1)小麦

外国産食糧用小麦の輸入量は国内産小麦の作柄や輸出国

における輸送状況等により変動し近年は450万~520万トン

程度で推移しています(表Ⅰ-6)

(2)大麦及びはだか麦

外国産食糧用大麦及びはだか麦の輸入量は近年は20万~

25万トン程度で推移しています(表Ⅰ-7)

(単位千トン)

- 7 -

注1)数量は決算ベース

2)四捨五入の関係で計と内訳が一致しない場合がある

表Ⅰ-7 外国産食糧用大麦及びはだか麦の銘柄別輸入量(単位千トン)

ウェスタンホワイト 610 775 683 631 (23) 711

ハードレッドウィンター(115) 727 855 790 807 891

ダークノーザンスプリング 877 1245 850 831 (59) 1198

その他 (1) 28 (1) 1 (3) 3 (6) 6 (16) 16

計 (1) 2242 (1) 2877 (3) 2327 (6) 2276 (98) 2815

ウェスタンレッドスプリング 1228 1258 1527 1547 1355

デュラム (210) 210 (222) 222 (219) 219 (175) 193 (186) 186

その他 (3) 3 (3) 3 (1) 1 (1) 1 (2) 2

計 (213) 1441 (225) 1484 (220) 1747 (176) 1742 (188) 1543

スタンダードホワイト 759 794 737 755 797

プライムハード (83) 83 (83) 83 (84) 84 (64) 64 (80) 80

その他 (0) 2 (0) 0 (28) 28 (5) 15 (0) 0

計 (83) 844 (83) 877 (111) 848 (68) 833 (80) 877

(6) 6 (7) 7 (7) 7 (8) 8 (6) 6

(304) 4532 (316) 5245 (343) 4929 (259) 4858 (372) 5242

豪州

その他

26

合  計

平成25年度 28 2927

アメリカ

カナダ

25 26 27 28 29

二条大麦 - 1 1 1 11

六条大麦 1 2 1 2 2

はだか麦 2 3 2 8 20

計 3 5 4 11 33

二条大麦 15 13 9 14 7

六条大麦 39 53 46 40 36

はだか麦 1 1 2 4 5

計 54 67 58 58 48

二条大麦 146 174 168 180 152

はだか麦 - - 0 0 1

計 146 174 168 180 153

- - 2 2 2

203 245 232 250 236合 計

年度

アメリカ

カナダ

豪州

その他

図Ⅰ-6 政府売渡価格の構成

5 外国産食糧用麦の売渡方式

(1)外国産食糧用小麦の政府売渡

外国産食糧用小麦の政府売渡については平成19年4月以降輸入価格(過去の一定期間における輸入価格の平均値)にマークアップ(政府管理経費及び国内産小麦の生産振興対策に充当)を上乗せした価格で売り渡す「相場連動制」に移行しました(表Ⅰ-8図Ⅰ-6)

表Ⅰ-8 政府売渡価格改定ルール

項 目 基本的なルール

価格改定 現在年2回(4月期10月期)

買付価格算定期間 直近6か月間

- 8 -

輸入価格

政府売渡価格

小麦の国際価格や海上運賃為替等により変動

マークアップ

(輸 入 差 益)

港 湾 諸 経 費

買 付 価 格

(3)食糧麦備蓄対策事業

即時販売方式の導入後は製粉企業等が23か月分の外国産

食糧用小麦の備蓄を行った場合国が18か月分の保管経費を

助成しています(図Ⅰ-7)

また不測の事態が生じた場合には国は製粉企業等に

対して備蓄する外国産食糧用小麦の取崩しの指示等を行い

ます

図Ⅰ-7 食糧麦備蓄対策事業のスキーム(2)即時販売方式

外国産食糧用小麦の売渡しについては平成22年10月以降輸入した小麦を直ちに製粉企業等に販売し製粉企業等が一定期間備蓄することとなっています

- 9 -

6 外国産食糧用小麦の政府売渡価格の動向

外国産食糧用小麦の政府売渡価格は穀物の国際相場や海上

運賃為替等の動向を反映した買付価格に連動して年2回改

定されています

平成30年10月期の政府売渡価格は輸入小麦の平均買付価格

(平成30年3月第2週~9月第1週)が①米国及び豪州の一

部の地域の乾燥による減収懸念等から小麦の価格が上昇②燃

料油価格の影響により海上運賃が上昇したことにより前期

に比べ上昇したことから5銘柄加重平均(税込価格)で

55560円トン対前期比22の引上げとなりました

また平成31年4月期の政府売渡価格は輸入小麦の平均買

付価格(平成30年9月第2週~平成31年3月第1週)が①小

麦の国際価格に大きな変動がない中②為替は円安傾向であっ

たものの海上運賃が下落したことにより前期に比べ低下し

たことまたTPP11協定に基づきカナダ豪州産小麦

にマークアップの引下げを適用したことから5銘柄加重平均

(税込価格)で54630円トン対前期比17の引下げとなり

ました(表Ⅰ-9)

表Ⅰ-9 外国産食糧用小麦の政府売渡価格

注1)5銘柄加重平均価格は税込み価格である2)5銘柄とはアメリカ産ダークノーザンスプリング(主にパン中華麺用)カ

ナダ産ウェスタンレッドスプリング(主にパン用)アメリカ産ハードレッドウィンター(主にパン中華麺用)オーストラリア産スタンダードホワイト(主に日本麺用)アメリカ産ウェスタンホワイト(主に菓子用)

時 期5銘柄加重平均価格

(円トン)対前期比()

平成29年4月期 50690 +46

平成29年10月期 52510 +36

平成30年4月期 54370 +35

平成30年10月期 55560 +22

平成31年4月期 54630 17

- 10 -

Ⅱ 小麦粉麦製品の生産と価格の動向

資料平成21年度までは農林水産省「米麦加工食品生産動態統計調査年報」平成22年度からは農林水産省「食品産業動態調査」及び農林水産省「製粉精麦工場需給実績報告」平成21年度以降の麦茶の生産量については全国麦茶工業協同組合調べ

注1)麺類及びパン類の生産量は小麦粉使用量でその他は製品生産量である2)小麦粉精麦及び麦茶の生産量は年度の計でありその他は暦年の計である

(単位千トン)

表Ⅱ-1 小麦粉麦製品の生産量の推移

1 小麦粉麦製品の生産量

小麦粉の生産量は460万~470万トンで安定的に推移してい

ます(表Ⅱ-1)

小麦の二次加工製品のうち

① パン類の生産量は平成22年以降プライベートブラン

ドの菓子パンや高価格帯食パンの人気等により堅調に推

移しています

② 麺類の生産量は平成23年には東日本大震災による即

席麺の需要増等から増加しましたその後冷凍麺や外食

産業での消費増等により平成30年は147万トンと増加し

ています

③ ビスケットの生産量は平成20年から26年までは24万ト

ン前後で推移しました平成27年は円安の影響による輸入

量の減少等に伴い増加しその後は25万トン程度で推移し

ています

焼酎みそ主食用に仕向けられる精麦の生産量は平成16

年度まで本格焼酎ブームにより増加傾向で推移しましたがそ

の後の焼酎用需要の低迷等により減少しました近年は主食用

の需要の伸びにより17万トン前後で推移しています

一方平成28年(2016年)以降健康志向等を背景に大麦及

びはだか麦の需要が増加しています特に水溶性食物繊維

(大麦β-グルカン)が豊富なもち性はだか麦の需要は平成

29年(2017年)半ば以降は落ち着いてきたものの引き続き高

い水準で推移しています(図Ⅱ-1 )

- 11 -

図Ⅱ-1 もち麦を使用した製品の販売額の推移(首都圏)

区分

前年 前年 前年 前年 前年 前年

増減率 増減率 増減率 増減率 増減率 増減率

年 (年度計) () (暦年計) () (暦年計) () (暦年計) () (年度計) () (年度計) ()

平成12 4623 01 1279 23 1421 09 223 19 161 45 49 89

13 4607 03 1272 05 1441 14 218 21 164 19 51 41

14 4591 03 1245 21 1421 13 210 39 177 75 51 00

15 4662 15 1247 01 1425 02 219 43 189 71 45 118

16 4667 01 1243 03 1414 08 214 20 212 118 47 44

17 4623 09 1232 09 1368 32 213 05 201 51 47 00

18 4599 05 1218 11 1324 32 218 24 196 25 47 00

19 4684 18 1211 06 1319 03 225 29 197 06 48 21

20 4564 26 1181 24 1277 32 240 70 173 120 50 42

21 4612 11 1179 02 1265 10 243 10 168 29 48 40

22 4725 25 1196 15 1251 11 241 06 161 45 52 83

23 4708 04 1215 16 1283 26 243 06 155 35 54 38

24 4654 11 1219 03 1269 11 239 14 164 60 55 19

25 4694 09 1226 06 1324 43 237 12 158 37 66 200

26 4683 02 1234 07 1371 35 244 33 162 25 66 00

27 4702 04 1234 00 1396 19 259 59 162 04 68 30

28 4683 04 1238 03 1409 09 258 05 169 44 60 118

29 4703 04 1254 13 1445 26 252 22 172 20 64 67

30 - - 1221 27 1473 19 259 30 - - - -

精麦 麦茶小麦粉 パン類 麺類 ビスケット

資料日本経済新聞デジタルメディア社による首都圏のスーパーマーケットなど119店におけるPOSデータに基づき農林水産政策研究所において集計

図Ⅱ-2 小麦粉麦製品の価格(消費者物価指数)の変化

資料総務省「消費者物価指数」(全国)

(参考) 家計に占める小麦関連製品の支出 (単位円世帯)

資料総務省「家計調査」(全国二人以上の世帯)

年間計(平成30年)

1か月平均

消 費 支 出 3447783 287315食 料 952172 79348

小 麦 関 連 製 品 計 82108 6842パ ン 30555 2546

め ん 類 17369 1447小 麦 粉 596 50

菓子類(ビスケット等) 11397 950調理食品(調理パン) 5352 446

外食(うどん等) 16839 1403

(平成27年=100)

2 小麦粉麦製品の価格の動向

小麦粉及び麦関連製品の価格は輸入小麦の政府売渡価

格の引上げ等による原材料費の上昇人件費や物流費の上

昇等の影響を受け平成30年以降小麦粉及びパンの価格

は上昇傾向にあります(図Ⅱ-2)

- 12 -

85

90

95

100

105

110

食料品総合 パン めん類 小麦粉

表Ⅱ-2 麦製品の輸入量の推移(参考1) 麦製品の輸入動向

(1)小麦粉調製品

小麦粉に砂糖脱脂粉乳等を混合した小麦粉調製品の輸

入量は平成11年以降デフレに伴う低価格品需要の拡大

により増加傾向で推移してきましたが麦の国際相場の

高騰に伴う輸入価格の上昇等により平成18年から平成20年

にかけて減少しましたその後も減少傾向で推移しており

平成30年は8万3千トンの輸入量となっています

(2)麦加工製品

①マカロニスパゲッティ

マカロニスパゲッティについては国内の全体需要が

増加する中で輸入量が増加傾向で推移してきました

平成30年は過去最高の輸入量であった前年からは減少

し13万8千トンとなっています

②ビスケット

ビスケットの輸入量は平成25年以降円安の影響を受

けて減少していましたが平成28年度以降増加傾向にあり

平成30年の輸入量は2万5千トンとなっています

資料財務省「貿易統計」注小麦粉調製品は穀粉が占める割合が85以下のものの輸入量

なお小麦粉調製品のうち加糖のものは一般に菓子類菓子パン類等の原料として利用され無糖のものは麺類等の原料として使用される

(単位千トン)

- 13 -

対前年 対前年 対前年 対前年 対前年

増減率 増減率 増減率 増減率 増減率

() () () () ()

平成12 107 118 85 92 97 26 45 95 108 11 123

13 121 126 75 99 81 27 51 93 25 13 209

14 126 131 35 102 30 29 52 101 94 15 142

15 116 133 13 101 06 31 82 108 63 21 400

16 108 136 28 98 32 38 222 112 35 25 219

17 110 140 26 98 01 42 90 110 17 24 49

18 116 139 09 99 12 39 59 110 02 24 23

19 118 117 155 87 128 30 224 104 49 23 56

20 104 100 144 72 173 29 60 127 219 18 221

21 94 102 23 73 15 30 42 116 85 17 83

22 88 107 40 73 07 33 119 121 36 19 173

23 80 108 12 78 59 30 90 134 115 22 143

24 80 106 16 78 02 28 63 142 58 22 07

25 97 100 53 73 64 28 25 133 68 18 182

26 105 98 21 73 02 25 83 133 03 17 74

27 121 94 40 69 55 25 03 132 08 14 166

28 109 91 32 65 58 26 40 145 99 19 348

29 112 92 05 65 02 27 14 150 32 24 296

30 110 83 92 59 85 24 110 138 75 25 23

国 名輸入割合()

国 名輸入割合()

国 名輸入割合()

国 名輸入割合()

国 名輸入割合()

韓国 409 韓国 528 シンガポール 442 イタリア 465 インドネシア 242

シンガポール 202 フランス 151 米国 126 トルコ 355 中国 205

フランス 114 シンガポール 105 韓国 114 米国 142 マレーシア 84

米国 75 中国 78 ニュージーランド 98 ギリシャ 20 ベトナム 63

中国 57 米国 55 豪州 69 アラブ首長国連邦 10 イタリア 55

国 名対前年増減率()

国 名対前年増減率()

国 名対前年増減率()

国 名対前年増減率()

国 名対前年増減率()

韓国 10 韓国 13 シンガポール 221 イタリア 107 インドネシア 202

シンガポール 124 フランス 92 米国 136 トルコ 45 中国 76

フランス 87 シンガポール 108 韓国 30 米国 09 マレーシア 245

米国 116 中国 546 ニュージーランド 87 ギリシャ 152 ベトナム 137

中国 543 米国 98 豪州 344 アラブ首長国連邦 135 イタリア 119

30

輸入上位5カ国

区分

為替レー

円ドル)

小麦粉調製品 麦加工製品

加糖のもの 無糖のもの マカロニスパゲッティ ビスケット

(参考2) 麦製品の輸出動向

麦製品の輸出量のうちその大部分を占める小麦粉の輸出量

は近年主要輸出先国の製粉技術の向上や現地製粉工場の立

上げ等により減少傾向で推移し平成30年は約16万トンとなっ

ています(表Ⅱ-3)

表Ⅱ-3 麦製品の輸出量の推移

資料財務省「貿易統計」

(単位トン)

- 14 -

対前年増減率()

対前年増減率()

対前年増減率()

309594 75 376 431 1028 375

321028 37 315 162 967 59

319968 03 253 197 953 14

318706 04 410 621 1052 104

304465 45 328 200 769 269

289911 48 1054 2213 719 65

290033 00 1196 135 762 60

255377 119 1150 38 1098 441

187040 268 743 354 1198 91

185403 09 822 106 898 250

196183 58 770 63 974 85

191480 24 607 212 698 283

192598 06 598 15 780 117

168205 127 573 42 769 14

166311 11 571 04 861 120

157938 50 553 32 1249 451

158896 06 549 07 1287 30

167600 55 532 32 778 395

163640 24 535 06 894 148

国 名輸出割合

() 国 名輸出割合

() 国 名輸出割合

()

香港 496 香港 888 中国 483シンガポール 207 中国 43 香港 314ベトナム 96 韓国 21 台湾 64

タイ 59 米国 17 ベトナム 37台湾 58 台湾 11 シンガポール 29

国 名対前年増減率() 国 名

対前年増減率() 国 名

対前年増減率()

香港 175 香港 26 中国 251シンガポール 583 中国 62 香港 329ベトナム 135 韓国 437 台湾 59

タイ 81 米国 1047 ベトナム 418台湾 47 台湾 261 シンガポール 449

24

30

輸出上位5カ国

25

181920212223

2627282930

17

  区分

小麦粉マカロニスパゲッティ

スイートビスケット

平成1213141516

(参考3) 麦製品の生産動向

麦製品の生産量は食パンや乾麺のように生産量が減少している製品もある一方で菓子パンや即席麺冷凍麺のように生産量が増加している製品もあることから使用される小麦粉の数量は平成22年以降概ね横ばい傾向で推移しています麦製品は食生活の多様化や簡便性といった消費者ニーズを

捉えつつ継続した新製品の開発がなされており新たな定番となる商品の登場や期間限定の商品やイベントなどが消費者の購買を促進していると考えられます(図Ⅱ-3表Ⅱ-4)

表Ⅱ-4 麦製品の生産量の推移

(単位千トン)

- 15 -

資料平成21年度までは農林水産省「米麦加工食品生産動態統計調査年報」平成22年度からは農林水産省「食品産業動態調査」及び農林水産省「製粉精麦工場需給実績報告」冷凍麺の生産量は(一社)日本冷凍食品協会調べ

注1)麺類及びパン類の生産量は小麦粉使用量で冷凍麺は製品生産量である2)小麦粉は年度の計でありその他は暦年の計である

区分

パ ン 麺 類 冷凍麺

小麦粉 食パン菓子パ

ンその他のパン

生麺 乾麺 即席麺

年度計 暦年計 暦年計 暦年計 暦年計 暦年計 暦年計 暦年計 暦年計 暦年計

昭和45 3422 970 469 - - - 514 327 267 -

50 3978 1062 588 251 63 - 541 289 335 -

55 4079 1189 687 285 89 1334 610 275 325 -

60 4243 1178 653 291 133 1397 659 297 316 9

平成2 4338 1193 661 321 146 1407 687 274 316 41

7 4633 1220 623 368 178 1456 729 268 314 120

12 4623 1279 619 382 235 1421 687 235 343 190

22 4725 1196 576 375 215 1251 555 203 332 257

23 4708 1215 580 392 215 1283 548 209 361 270

24 4654 1219 580 392 221 1269 542 204 363 283

25 4694 1226 598 384 218 1324 562 213 386 314

26 4683 1234 608 387 214 1371 578 213 410 318

27 4702 1234 605 403 201 1396 624 195 414 308

28 4683 1238 604 403 206 1409 652 186 419 308

29 4703 1254 602 409 218 1445 691 186 416 313

30 - 1221 585 401 211 1473 712 188 420 -

〔低糖質製品〕

〔多種多様な携帯サンドイッチ〕

〔手軽な冷凍麺〕

図Ⅱ-3 麦製品の商品事例

H18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29

製粉工場数 124 122 121 119 117 118 117 114 109 104 102 98

製粉企業数 100 98 98 96 94 95 94 90 88 83 81 77

うち輸入小麦取扱製粉工場数 91 91 90 90 87 87 86 83 78 76 74 73

うち輸入小麦取扱製粉企業数 67 67 67 65 64 64 64 60 57 55 53 52

50

70

90

110

130

150製粉工場数

製粉企業数

うち輸入小麦取扱製粉工場数

うち輸入小麦取扱製粉企業数

3 製粉企業の状況

(1)大手製粉企業及び中小製粉企業の動向

① 大手製粉企業4社の小麦粉の生産量は全体の78を占

めておりこれに年間小麦粉生産量が3万トン以上の企業

の生産量を加えた13社ベースでは全体の90を占めてい

ます

② 大手製粉企業は生産設備の臨海工場への集約化を進め

つつ工場の大規模化合理化を推進しています

平成29年度の1工場当たりの生産量は17万トンまた

稼働率は89となっています

③ 年間小麦粉生産量3万トン以上の中小製粉企業は工場

のほとんどが臨海地域に立地し小麦粉を域内の二次加工

メーカー等に供給しています

平成29年度の1工場当たりの生産量は約6万トン稼働

率は67となっています

④ 年間小麦粉生産量1千トン以上3万トン未満の中小製粉

企業は主に内陸に位置し小麦粉を地元のパン麺等の

加工業者に供給するほか乾麺等の製造を兼ねるものも多

くなっています

平成29年度の1工場当たりの生産量は13万トンと大

手製粉企業の約14分の1稼働率は35となっています

⑤ 年間小麦粉生産量1千トン未満の中小製粉企業は輸入

小麦を取り扱わない企業が大部分を占め国内産小麦のみ

を使用し麺用や菓子用に供給しています

表Ⅱ-5 大手製粉企業中小製粉企業の小麦粉生産等の動向

資料農林水産省調べ注四捨五入の関係で計と内訳が一致しない場合がある

(参考)製粉企業数と工場数の推移(企業工場)

- 16 -

3万トン以上1千トン以上3万トン未満

1千トン未満

平成24 94 4 90 9 50 31

29 77 4 73 9 38 26

24 4853 3679 1174 536 636 3

29 4877 3801 1075 569 504 2

24 100 758 242 110 131 01

29 100 779 221 117 103 00

24 3245 1177 2068 632 1360 76

29 2806 1057 1749 581 1114 54

24 1496 3126 568 848 468 39

29 1738 3596 615 980 452 44

24 415 1533 126 596 120 01

29 498 1728 142 569 126 01

24 692 887 414 709 311 42

29 731 888 454 670 347 46

全体 大手製粉

中 小 製 粉年間生産量

稼働率()

製粉企業数

小麦粉生産量(千トン)

生産シェア()

従業員数(人)

従業員一人当たりの生産量

(トン)

一工場当たりの生産量(千トン)

(2)製粉企業のコスト削減や品質安全性の向上に向けた取組

製粉企業は生産能力の増強によるコスト削減や品質安全性の向上に向けた取組を進めています(図Ⅱ-4)

また国も農業競争力強化プログラムを策定し製粉企業の取組みを支援しています(図Ⅱ-5)

① 供給能力の強化等によるコストダウン

製粉企業は供給能力の強化生産性の向上と原料小麦の受入体制の整備によるコストダウンを図るため製粉工場や原料サイロの増強等の設備投資を行っています

② 資本業務の提携

製粉企業の中には他の製粉企業と資本業務提携を行うこと等により原料調達規模の拡大や生産の効率化等による競争力の強化を図る取組もみられます

③ 品質安全性の向上

製粉企業は近年消費者の安全安心への関心が高まる中食品の品質安全性を確保するための設備やAIB食品安全システムの導入ISO認証の取得等様々な取組を行っています

④ 工場の集約化

大手製粉企業は内陸工場を閉鎖し海外からの原料調達に有利な臨海工場への集約を進めるとともに臨海工場の生産能力を増強させる等生産性の向上を図っています

⑤ 海外市場への進出

製粉企業の中にはアジア大洋州地域における買収や工場増設等海外市場に積極的な進出をする取組もみられます

① 供給能力の強化等によるコストダウン 日清製粉は関東地区の小麦サイロ収容力の増強を進め更なる原料小麦の安定供給を推進するため鶴見工場の原料小麦サイロを増設(平成28年)

日本製粉は神戸甲南工場の原料サイロの新設等(平成24年)千葉工場の原料サイロの増設(平成26年)を行い今後原料サイロを福岡工場及び知多新工場へ新設神戸甲南工場(第2期)へ増設する予定

千葉製粉は新たな顧客ニーズへの対応付加価値製品の創出等を図るため専用ラインを新設(平成27年)

② 資本業務提携 資本業務提携を行っている製粉企業

増田製粉所(兵庫) hArr 日東富士製粉

木田製粉(北海道)内外製粉(三重)奥本製粉(大阪)セントラル製

粉(愛知) hArr 昭和産業

東福製粉(福岡) hArr 日本製粉

③ 品質安全性の向上 多くの製粉企業がISO9001(品質マネジメントシステム)ISO22000(食品安全マネジメントシステム)の認証を受けることにより品質管理や食品安全管理を実施

④ 工場の集約化 日清製粉は生産性向上のため内陸工場を順次閉鎖し臨海工場への集約化を推進

筑後工場(福岡)鳥栖工場(佐賀) rarr 福岡工場(福岡)へ集約

(平成26年)

名古屋工場の2ライン rarr 知多工場(愛知)の新ラインへ集約

(平成27年)

日本製粉は生産性向上のため総生産能力の80を臨海部の大型工場に集約

⑤ 海外市場への進出状況(平成30年度) 日清製粉は豪州の小麦粉市場においてトップシェアを持つアライドピナクル社を買収またタイでは子会社の日清STC製粉がタイの製粉工場を買収するとともにベトナムでは業務用プレミックスの生産工場を建設することを決定

昭和産業はベトナムに新たにプレミックス製造会社を設立し生産工場を建設することを決定

図Ⅱ-4 製粉企業の各種取組の事例

- 17-

⑥ 再編合理化の取組

製粉企業の中には国の支援を活用した再編合理化の取

組もみられます

⑦ 地産地消の推進

中小製粉企業は地域とのつながりの強さや独自の立地

条件を活かした特色ある経営を模索する中で生産者と協

力した積極的な地産地消の取組を進めています

⑦ 地産地消の推進

岩手県主な実施者岩手県学校給食会岩手県パン工業組合県内製粉企業取 組 内 容 平成28年度から地元県産小麦(銀河のちからゆきちから)を

100使用した学校給食用パンを県内の小中学校に提供開始埼玉県

主な実施者埼玉産小麦ネットワーク「SWING group」(県内製粉企業が中心となり生産者加工業者販売業者等180社が加盟)

取 組 内 容 埼玉県産小麦のブランド価値を高めることなどを目的として埼玉県産小麦を自社製品に利用することで高付加価値商品の開発による自社の発展などを目指すとともに研修会の実施やイベントホームページなどを通じた消費者への情報提供を実施

京都府主な実施者地元製粉企業京都府全農京都府本部生産者府内製麺製

パン業者飲食店取 組 内 容 平成30年産から京都府産小麦品種を「せときらら」へ全面切替を

行ったことを機にブランド名を「京小麦」とし「京小麦」を100使用したメニューを参加店舗にて提供するイベント「京小麦の収穫祭」を平成31年1月21日から2月17日まで開催

福岡県主な実施者福岡県ラー麦普及推進協議会(県JA全農ふくれん県内製粉

業者5社製麺業者関係団体)取 組 内 容 以下の取組によりラーメン用小麦「ラー麦」を普及推進

産地への生産技術の普及指導 小麦品質評価最適製粉加工方法の検討 利用や消費を促進するための普及宣伝(試

食イベント等) 毎年産の製粉製麺適性評価および食味

官能評価の実施 平成21年に本小麦の名称「ラー麦」とロ

ゴデザインを商標登録しブランド化

- 18 -

2 生産者が有利な条件で安定取引を行うことができる流通加工の業界構造の確立

(1)生産者に有利な流通加工構造の確立現在の食料需給消費の実態等を踏まえた効率的機能

的で農業者と消費者双方がメリットを受けられる流通加工構造を確立するため以下のとおり取り組む

その際農林水産省経済産業省をはじめ政府一体となって取り組む①~⑦ (略)⑧ 加工業については生産性の低い工場が乱立している

種類の加工業界(製粉乳業等)について国は国際競争に対応できる生産性の確保を目指した業界再編設備投資等を推進することとし政府系金融機関の融資農林漁業成長産業化支援機構の出資等による支援を行う

⑨ 上記改革を推進するため農産物の流通加工に関し国の責務業界再編に向けた推進手法等を明記した法整備を進める

⑩ 上記改革を推進するため金融機関による流通加工関連産業の生産性向上に資する経営支援や資金供給の促進政府系金融機関や農林漁業成長産業化支援機構等との連携強化等を図る

図Ⅱ-5 農業競争力強化プログラム(抜粋)

(平成28年11月29日 農林水産業地域の活力創造本部決定)

⑥ 再編合理化の取組

製粉工場の廃棄撤去製粉施設の一部又は全部を撤去しミックス粉等の関連事業を拡大

(製粉工場等再編合理化事業(平成2728年度7件))

図Ⅲ-1 国内産小麦の収穫量と作付面積の推移

表Ⅲ-1 小麦の主な作付品種(平成29年産)

Ⅲ 国内産麦の生産と流通の動向

1 国内産麦の生産状況

(1)小麦

① 作付面積

近年の国内産小麦の作付面積は約21万haと横ばいで推移して

います平成30年産の作付面積は北海道は121万ha都府県

は91万ha全国では212万haとなり前年産並となっていま

② 収穫量

平成30年産の国内産小麦の収穫量は主産地の北海道での6

月中旬から7月中旬にかけての低温日照不足の影響により登

熟不良となったこと等から前年産に比べ北海道で134万ト

ン(22)減少都府県では05万トン(2)減少全国

では139万ha(15)減少の768万トンとなり(図Ⅲ-1)

10a当たりの平均収量対比は91となりました

③ 小麦の作付品種の状況

栽培品種については各産地の気候条件や用途等に適した品

種が作付されており29年産では日本麺用では「きたほなみ」

「さとのそら」「シロガネコムギ」といった品種パン

中華麺用では「春よ恋」「ゆめちから」といった品種が上位

を占めています(表Ⅲ-1)

資料農林水産省「作物統計」品種毎の面積は農林水産省政策統括官調べ

注品種の育成年についてはシロガネコムギは農林認定が行われた年

それ以外の品種は出願公表が行われた年としている

資料農林水産省「作物統計」30年産の数値は概算値

- 19 -

(千トン)

年産

910 881

674

571

746

858 812

852

1004

791

907

768

210 209 208 207 212 209 210 213 213 214 212 212

100

120

140

160

180

200

220

240

260

280

300

0

200

400

600

800

1000

H19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30

収穫量 作付面積(千ha)

品種名 育成年 作付面積(千ha) 割合 主な作付地域

きたほなみ 平成19年 878 41 北海道

さとのそら 平成21年 159 7 関東東海

シロガネコムギ 昭和49年 152 7 九州近畿

春よ恋 平成11年 143 7 北海道

ゆめちから 平成20年 137 6 北海道

上位5品種計 1469 69

小麦作付面積 - 2123

図Ⅲ-2 国内産大麦及びはだか麦の収穫量と作付面積の推移

表Ⅲ-2 大麦及びはだか麦の主な作付品種(平成29年産)

(2)大麦及びはだか麦

① 作付面積

近年国内産大麦及びはだか麦の作付面積は約6万と横ば

いで推移しており平成30年産は前年産と比較すると二条

大麦は前年産並六条大麦は800ha(4)減少はだか麦

で460ha(9)増加となり全体では340ha(1)減少の

61万haとなりました(図Ⅲ-2)

② 収穫量

平成30年産の大麦及びはだか麦の収穫量は二条大麦及びは

だか麦はおおむね天候に恵まれ生育が順調で登熟も良好

であったこと等から前年産に比べ二条大麦は01万トン

(1)増加はだか麦は01万トン(8)増加となりました

六条大麦については北陸地方において大雪の影響で融雪時期

が遅れたこと等により穂数が少なくなり前年産に比べ14万

トン(26)減少しました

この結果大麦及びはだか麦の収穫量は合計で173万トンと

なり前年産に比べて12万トン(6)減少となりました

(図Ⅲ-2)

③ 大麦及びはだか麦の作付品種の状況

栽培品種については各産地の気候条件や用途等に適した品

種が作付されており29年産では二条大麦はビール用の「サ

チホゴールデン」六条大麦は主食用や麦茶用の「ファイ

バースノウ」はだか麦は麦味噌用の「マンネンボシ」いっ

た品種が上位を占めています(表Ⅲ-2)

資料農林水産省「作物統計」30年産の数値は概算値

- 20 -

(千トン)

資料農林水産省「作物統計」農林水産省調べ

注品種の育成年についてはシュンライイチバンボシは農林認定が行われ

た年それ以外の品種は出願公表が行われた年としている

195 217

179 161

172 172 183

170 177 170 185

173

54 57 58 59 60 60 59 60 61 61 61 61

0

10

20

30

40

50

60

70

80

90

100

0

50

100

150

200

250

H19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30

収穫量 作付面積 (千ha)

年産

麦種 品種名 育成年作付面積(千ha)

割合 主な作付地域

二条大麦

サチホゴールデン 平成18年 189 31 九州関東中国

はるしずく 平成17年 44 7 九州

ニシノホシ 平成11年 27 4 九州

六条大麦

ファイバースノウ 平成13年 107 17 北陸関東東海

シュンライ 平成2年 33 5 関東東北近畿

カシマゴール 平成22年 13 2 関東東海

はだか麦

マンネンボシ 平成13年 15 2 四国

イチバンボシ 平成4年 14 2 四国九州

トヨノカゼ 平成18年 11 2 九州中国

大麦はだか麦作付面積

- 614

資料農林水産省調べ

Aランク評価項目の基準値を3つ以上達成しかつ許容値を全て達成している麦Bランク評価項目の基準値を2つ達成しかつ許容値を全て達成している麦Cランク評価項目の基準値を1つ達成しかつ許容値を全て達成している麦

評価項目の基準値を2つ以上達成しているものの許容値を達成していない麦DランクA~Cランクのいずれにも該当しない麦

【評価項目】①小麦 日本麺用パン中華麺用(たんぱく灰分容積重フォーリングナンバー)

醸造用(たんぱく3項目容積重)②二条大麦 主食等用(容積重細麦率白度正常粒率)

麦茶用(たんぱく3項目細麦率)③六条大麦はだか麦 主食等用(容積重細麦率白度硝子率)

麦茶用(たんぱく3項目細麦率)

(参考) 麦の品質区分

(単位)

- 21 -

(2)品質評価

たんぱく質や灰分の含有率等に基づく品質評価結果につい

ては平成30年産の小麦ではAランクが899となってお

り過去5年平均(Aランク比率849)と比べ5ポイン

ト高くなっています

また平成30年産の大麦はだか麦ではAランクが

849となっており過去5年平均(Aランク比率832)

と比べ17ポイント高くなっています(表Ⅲ-4)

表Ⅲ-4 平成30年産麦の品質評価結果

2 国内産麦の品質状況

(1)農産物検査① 平成30年産の小麦について全国の1等比率は761

(平成30年12月末時点)と過去5年平均799と比較して低くなっています(表Ⅲ-3)

② 平成30年産の小粒大麦大粒大麦はだか麦及びビール大麦について1等比率は大粒大麦を除き過去5年平均と比較して低くなっています(表Ⅲ-3)

表Ⅲ-3 国内産麦の1等比率の推移(単位)

Aランク Bランク Cランク DランクAランク

過去5年平均(平成25~29年産)

小 麦 899 67 33 01 849

大麦はだか麦

849 37 108 06 832

注1)各年産翌年4月末時点の値であるただし平成30年産は30年12月末時点の値である

2)強力小麦の検査数量を含む値である

3 国内産麦に対する支援

平成31年度は経営所得安定対策等の対策のうち主に畑作

物の直接支払交付金と水田活用の直接支払交付金により国内

産麦に対する支援が行われます

(1)畑作物の直接支払交付金

畑作物の直接支払交付金として麦を生産する農業者に対

し標準的な生産費と標準的な販売価格の差額分を直接交付

することとしています

支払いは当年産の麦の品質及び生産量に応じて交付する

数量払を基本とし当年産の麦の作付面積に応じて交付する

面積払(営農継続支払)を数量払の先払いとして交付する仕

組みにしています

数量払の交付単価は品質に応じた単価を設けており需要

に応じた生産と品質に対する営農努力を適切に反映させる仕

組みになっています(表Ⅲ-5)

表Ⅲ-5 畑作物の直接支払交付金の麦の交付単価

(円単位数量)

品質区分(等級ランク)

1等 2等

A B C D A B C D

小麦(パン中華麵

用品種)(60kg当たり)

9040 8540 8390 8330 7880 7380 7230 7170

小麦(パン中華麺用品種以外)(60kg当たり)

6740 6240 6090 6030 5580 5080 4930 4870

二条大麦(50kg当たり) 5550 5130 5010 4960 4690 4270 4140 4090

六条大麦(50kg当たり) 6030 5610 5480 5430 5000 4580 4460 4410

はだか麦(60kg当たり) 8650 8150 8000 7910 7080 6580 6430 6350

(参考)

【平均交付単価小麦6940円60kg二条大麦5490円50kg六条大麦5720円50kg

はだか麦8230円60kg】

②面積払

当年産の作付面積に応じて交付 2万円10a

①数量払(品質に応じた単価)

- 22 -

【平成31年産に適用】

標準的な生産費

差額

ゲタ交付単価

標準的な販売価格

【交付単価のイメージ】lt畑作物の直接支払交付金のイメージgt

面積払(数量払の際に控除されます)

数量払

収量

交付金額

(2)水田活用の直接支払交付金

水田のフル活用を推進し食料自給率自給力の向上を図

るため水田で麦を生産する農業者に対しては畑作物の直

接支払交付金に加え水田活用の直接支払交付金(35000円

10a)を直接交付することとしています(表Ⅲ-6)

表Ⅲ-6 水田活用の直接支払交付金の交付単価

作 物 単 価

麦大豆飼料作物 35000円10a

WCS(ホールクロップサイレージ)用稲 80000円10a

加工用米 20000円10a

飼料用米米粉用米収量に応じ

55000円~105000円10a

このほか「産地交付金」により地域で作成する水田フル活用ビジョンに基づき二毛作や耕畜連携を含め産地づくりに向けた取組を支援します

戦略作物助成

注実需者等との出荷販売契約等を締結すること出荷販売することが要件

- 23 -

4 国内産食糧用麦の流通動向

(1)取引の概要

国内産食糧用麦は加工原料としての商品特性から需要に応じて計画的に生産できるようは種前契約に基づく取引が行われています

まず取引の指標となる透明性のある適正な価格を形成するためは種前に販売予定数量の3~4割(具体の比率は民間流通地方連絡協議会の協議を踏まえ決定)について入札が行われます残りは相対取引が行われておりその価格については入札で形成された指標価格(落札加重平均価格)を基本として取引当事者間で決められています(図Ⅲ-3)

また取引を円滑に進めるため生産者需要者等で構成される民間流通連絡協議会において取引に必要な情報交換取引に係る基本事項の見直し等が行われています(表Ⅲ-7)

今後とも国内産食糧用麦については円滑な流通が確保されるようは種前契約を基本としつつ適切に対応していきます

図Ⅲ-3 国内産食糧用麦の基本的な流通フロー

表Ⅲ-7 国内産食糧用麦の入札の仕組み

項 目 概 要 見直しの変遷

実施主体 一般社団法人 全国米麦改良協会

実施時期 は種前に2回実施(8~9月)平成13年産から1回rarr2回へ見直し

上場数量

産地銘柄別に販売予定数量が小麦3千トン以上大麦はだか麦1千トン以上の銘柄についてその30~40を上場(ほかに希望上場あり)

平成31年産から30rarr30~40へ見直し

基準価格

小麦は前年産の落札加重平均価格に当年産の入札実施時点での外国産麦の政府売渡価格の変動率を乗じた価格大麦はだか麦は前年産の落札加重平均価格

小麦の外国産麦との連動は平成24年産から実施

値幅制限 基準価格のplusmn10

小麦平成12年産~16年産plusmn5平成17年産~21年産plusmn7平成22年産plusmn10平成23年産plusmn30平成24年産~ plusmn10大麦はだか麦平成12年産~18年産plusmn5平成19年産~21年産plusmn7平成22年産plusmn10平成23年産plusmn15平成24年産~ plusmn10

取引価格の事後調整(小麦のみ)

外国産食糧用小麦の政府売渡価格の改定(410月)に合わせては種前の入札又は相対により契約された価格に外国産食糧用小麦の政府売渡価格の変動率を乗じて取引価格を改定

平成23年産から実施

申込限度数 量

買い手別に上場数量times買受実績シェアtimes145

小麦は平成17年産から大麦及びはだか麦は平成19年産から135rarr145へ見直し

相対取引入札で形成された指標価格を基本に生産者団体と需要者の間で協議決定

平成19年産から過去の実績シェアに基づく取引ルールを廃止

再入札

第1回入札及び第2回入札において落札残数量が発生した場合は売り手の希望により再度入札に付すか相対による契約を行うかいずれかの方法をとることができる

平成25年産から売り手の申し出により再入札における入札の値幅を設定できること等を規定

生産者団体から販売予定数量需要者団体から購入希望数量の相互提示

入札取引の実施(販売予定数量の約3~4割)

相対取引の実施(販売予定数量の約6~7割)

は 種(秋まき春まきは収穫年の4月)

収 穫 及 び 検 査

生産者団体と需要者の間では種前に契約を締結

需 要 者 へ 引 渡 し

<生産の流れ>

麦の生育期間

<契約の流れ>

は種前契約に基づき計画的に作付(は種)

収穫前年7月~

8~9月

9月~

~12月

6~8月

6月~

収穫年26年産から国内産麦の需要拡大を図るため地域の食文化のブランド化等による高付加価値化の取組等に対し安定的な原料供給が可能となる需要拡大推進枠を導入

- 24 -

表Ⅲ-8 国内産食糧用麦の供給量 (単位千トン)

注集荷団体からの聞き取り数量である

(2)流通の動向

平成30年産の国内産食糧用小麦の供給量は前年産から

約14万4千トン減少し約70万1千トンとなっています

また国内産食糧用大麦及びはだか麦の供給量は前年

産から約3千トン減少し約10万3千トンとなっています

(表Ⅲ-8)

生産者側から提示された平成31年産麦の販売予定数量は

国内産食糧用小麦で約82万4千トン国内産食糧用大麦及

びはだか麦で約10万8千トンとなっています

一方需要者側から提示された平成31年産麦の購入希望

数量は国内産食糧用小麦で約86万3千トン国内産食糧

用大麦及びはだか麦で約13万トンとなっています(表Ⅲ-

9)

表Ⅲ-9 国内産食糧用麦の販売予定数量及び購入希望数量の推移(単位千トン)

資料民間流通連絡協議会調べ注四捨五入の関係で差し引きが一致しないことがある

- 25 -

年産 20 21 22 23 24 25 26 27 28 2930

(見込)

小   麦 841 639 532 694 811 767 808 946 734 845 701

大麦はだか麦 125 100 84 98 93 105 103 103 92 106 103

年産 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31

販売予定数量① 887 906 909 951 948 909 905 880 820 846 834 824

購入希望数量② 833 880 818 859 904 869 751 802 834 875 880 863

①-② 54 25 91 91 44 40 154 78 14 29 46 39

(①-②)①() 61 28 100 96 47 44 170 89 18 34 55 47

販売予定数量① 121 132 134 127 122 116 110 112 113 112 108 108

購入希望数量② 199 219 135 149 147 138 141 149 145 138 148 130

①-② 78 87 1 23 26 21 31 37 32 26 39 22

(①-②)①() 640 660 06 179 209 182 282 330 284 234 363 204

表Ⅲ-10 国内産食糧用麦の入札結果の推移

資料一般社団法人全国米麦改良協会調べ

注1価格は税込み(26年産までは527年産以降は8)である

ただし31年産の落札価格は一般社団法人全国米麦改良協会公表の価格(税抜き)を基に農林水産省で税込み価格を算出

5 国内産食糧用麦の価格の動向

(1)平成31年産の入札の概要

平成31年産麦の入札は第1回は平成30年9月12日に第

2回は平成30年9月26日に実施されました

麦種別の入札結果をみると小麦は上場数量約21万4千

トンのうち約20万4千トンが落札(落札率954)され落

札価格は61714円トン(対前年産比1151)となりました

小粒大麦は上場数量約1万1千トンのうち約1万1千

トンが落札(落札率991)され落札価格は46560円トン

(対前年産比997)となりました

大粒大麦は上場数量約7千8百トンのうち5千6百トン

が落札(落札率717)され落札価格は46923円トン(対

前年産比879)となりました

はだか麦は上場数量約2千3百トンのうち約2千1百

トンが落札(落札率897)され落札価格は50817円トン

(対前年産比961)となりました(表Ⅲ-10)

なお国内産小麦については近年消費者の国産志向の高

まりなどを受け大手外食チェーンや2次加工メーカーが国

内産小麦を使用したパン中華麺等の商品を相次いで発表す

るなど人気が高まってきていますこれらを背景として平

成31年産小麦の落札価格は多くの銘柄で値幅制限の上限付

近となっておりまた申込倍数も14倍と高いものとなって

います

- 26 -

20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31

上場数量

(トン)①243510 243020 242310 251370 250980 244880 244320 234010 213360 221380 218500 214200

落札数量

(トン)②234930 238410 189350 247770 245320 220590 188240 192240 201140 214060 210560 204420

落札率

②①965 981 781 986 977 901 770 822 943 967 964 954

落札価格

(円トン)43229 59885 55241 48732 58340 49333 49319 49770 54164 51570 53624 61714

対前年産比 1064 1385 922 882 1197 846 1000 1009 1088 952 1040 1151

上場数量

(トン)①12240 13590 14210 13300 11760 11220 11290 11930 12210 12200 11750 11040

落札数量

(トン)②12050 13510 14040 13170 11550 10850 10900 11830 12090 12200 11440 10940

落札率

②①984 994 988 990 982 967 965 992 990 1000 974 991

落札価格

(円トン)45479 59709 53448 45871 46485 46453 46290 47595 47565 46880 46708 46560

対前年産比 1084 1313 895 858 1013 999 996 1028 999 986 996 997

上場数量

(トン)①10020 9690 10330 9290 9000 8700 7210 7620 7450 7620 6880 7810

落札数量

(トン)②8880 8920 8910 7990 7990 7830 6480 7130 6600 6700 6340 5600

落札率

②①886 921 863 860 888 900 899 936 886 879 922 717

落札価格

(円トン)36532 50492 46097 39649 40394 41582 42881 45740 47827 50442 53384 46923

対前年産比 1059 1382 913 860 1019 1029 1031 1067 1046 1055 1058 879

上場数量

(トン)①2910 3150 3030 3260 3060 2830 2840 2890 2740 2660 2570 2330

落札数量

(トン)②2910 3150 3030 3090 3020 2830 2810 2810 2520 2600 2470 2090

落札率

②①1000 1000 1000 948 987 1000 989 972 920 977 961 897

落札価格

(円トン)42222 58527 61489 52791 51905 52294 49656 47712 46547 48527 52876 50817

対前年産比 1063 1386 1051 859 983 1007 950 961 976 1043 1090 961

年産

小麦

小粒大麦(六条大麦)

大粒大麦(二条大麦)

はだか麦

平成31年産国内産食糧用小麦の入札結果をみると産地別銘柄別

の需給状況等を反映して落札価格に差が生じています

代表的な銘柄である北海道産「きたほなみ」は前年産の価格を

153上回る64752円トン香川県産「さぬきの夢2009」は前

年産の価格を152上回る73186円トンとなりましたまたパ

ン中華麺用の北海道産「ゆめちから」は前年産の価格を180

上回る62777円トン北海道産「春よ恋」は前年産の価格を

180上回る68792円トンとなりました(図Ⅲ-4図Ⅲ-5)

図Ⅲ-4 平成31年産国内産食糧用小麦の産地別銘柄別落札価格

資料農林水産省調べ注外国産小麦5銘柄加重平均価格は平成30年4月期の輸入小麦の政府売渡価格である

(2)平成31年産国内産食糧用小麦の産地別銘柄別落札価格の動向

資料農林水産省調べ注1国内産小麦の価格は(一社)全国米麦改良協会が実施する民間流通麦にかかる入札の第1回第2回

及び再入札の落札加重平均価格(税込み)年産の下段の( )内は当該第1回入札の実施年月である注2外国産小麦の価格は18年までは当該年度平均の実績価格であり19年以降は民間流通麦にかかる第

1回入札の実施年月時点での輸入小麦の政府売渡価格(5銘柄平均)である注3ホクシン(きたほなみ)については22年産までは「ホクシン」の価格であり23年産からは「きたほ

なみ」の価格である注4さぬきの夢については24年産までは「さぬきの夢2000」の価格であり25年産からは「さぬきの夢

2009」の価格である注5農林61号(さとのそら)については23年産までは「農林61号」の価格であり24年産からは「さとの

そら」の価格である

図Ⅲ-5 国内産食糧用小麦の産地別銘柄別落札価格の推移

- 27 -

(単位円トン税込み)

30000

60000

北海道ゆめちから 62777

福岡ミナミノカオリ 68393

滋賀農林61号 50763

茨城さとのそら 46310

佐賀チクゴイズミ 52193

岩手ゆきちから 39929

全銘柄落札加重平均 61714

香川さぬきの夢2009 73186

北海道きたほなみ 64752

外国産小麦5銘柄加重平均 54370

群馬さとのそら 48669

北海道キタノカオリ 63090

大分チクゴイズミ 48265

福岡シロガネコムギ 50643

佐賀シロガネコムギ 47998

40000

福岡チクゴイズミ 52203

滋賀ふくさやか 49534

岐阜イワイノダイチ 46874

埼玉さとのそら 47159

宮城シラネコムギ 44607

群馬つるぴかり 49785

北海道春よ恋 68792

愛知きぬあかり 50114

北海道はるきらり 60201

50000

埼玉あやひかり 46072

岐阜さとのそら 45919

70000

30000

40000

50000

60000

70000

80000

90000

100000

110000

120000

130000

12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 年産

(単位円トン税込み)

北海道ホクシン

香川さぬきの夢200973186円

茨城農林61号

香川さぬきの夢2000

茨城さとのそら

46310円

北海道きたほなみ

64752円

北海道ゆめちから

62777円

外国産小麦

5銘柄平均

54370円

北海道春よ恋

68792円

(128) (138) (148) (158) (168) (178)(1810) (199) (208)(2110)(2212) (239) (2410)(2510)(269)(279) (289) (299)(119) (309)

6 国内産麦の新品種の育成状況

(1)国内産麦については縞萎縮病抵抗性や耐倒伏性を備え

需要者等のニ-ズに合った新品種の開発が進められています

また作付け面積が1万haを超える「ゆめちから」「さとの

そら」をはじめ多数の品種が生産現場に導入されています

(図Ⅲ-6)

(2)今後とも赤かび病抵抗性や穂発芽耐性が高い小麦品種

小麦粉の色相や製粉性が優れる日本麺用小麦品種パンの膨

らみがカナダ産「1CW」並の小麦品種焼酎押麦味噌

などの加工適性が高い大麦品種等の開発を推進します

小麦品種「ゆめちから」及び「さとのそら」は優れた栽培特性

と加工適性を備えており作付けが拡大しています(平成29年

推定値「ゆめちから」約1万2千ha「さとのそら」約1万5

千ha)

パン用小麦品種の開発近年国産の小麦粉を使ったパンの需要増加に応えるためグルテンやでん粉の組成などパンの膨らみに関連する特性に注目した育種が進められていますその結果平成25年に製パン適性が「1CW」に近く多収の「せときらら」平成29年にはパン生地の力が強く穂発芽耐性や赤かび抵抗性が改良された「夏黄金」が育成されました

加工適性の高い大麦品種の開発機能性成分β-グルカンを多く含むもち性大麦の需要の高まりに応えるため平成29年に「はねうまもち」が育成されましたまた高品質なはだか麦の需要増加に対応して平成24年に味噌加工適性の高い「ハルヒメボシ」が育成されました

図Ⅲ-6 平成19年以降に育成された麦類の主な新品種

日本麺用小麦ゆめきらり

パン用小麦ゆめかおり福井県大3号

六条大麦ホワイトファイバー

北信越

日本麺用小麦あおばの恋

パン用小麦銀河のちから

東北

日本麺用小麦さとのそらきぬあかり

パン用小麦ゆめかおり

二条大麦とちのいぶき彩の星アスカゴールデンニューサチホゴールデン

六条大麦カシマゴール

はだか麦キラリモチ

関東東海

日本麺用小麦ふくはるかさぬきの夢2009

パン用小麦ゆめちからせときらら

はだか麦ハルヒメボシ

近畿中国四国

中華麺用小麦ちくしW2号

二条大麦煌二条白妙二条はるか二条トヨノホシ

九州

日本麺用小麦きたほなみ

中華麺用小麦つるきち

パン用小麦ゆめちからはるきらり

二条大麦札育2号

北海道

新品種のうち平成30年産で概ね100ha以上作付けされていると推定される品種を選定(農林水産省調べ)

- 28 -

7 国内産麦を利用した製品の動向

食料自給率の向上を図るためには国内産麦の需要開拓を行う

ことが必要です最近の消費者の国産志向の高まりや生産者と実

需者が一体となった地産地消の推進地域農業の振興を図る取り

組み等から国内産麦を使った麦製品(パン麺等)が増えてき

ており中には国内産麦を100使用した商品もあります(図Ⅲ-

7)

- 29 -

8 民間流通制度の運用改善

国内産麦の人気の高まりにより近年需要量が生産量を上回

る状況が継続しており国内産麦を積極的に使用したい実需者が

必要量を確保できない等の課題もあります

このような課題に対応するため民間流通連絡協議会において

入札上場比率の選択制の導入需要拡大推進枠設定の要件緩和

相対取引需要拡大推進枠において多様な取組が可能であること

の明確化等民間流通制度の運用改善が行われました(図Ⅲ-

8)

ピッツァ専用粉(北海道)(小麦)地元の製粉企業が北海道産小麦(きたほなみキタノカオリゆめち

から)を100使用した国内で初めてのピッツァ専用粉を開発平成30年2月に都内で試食会を開催し平成30年5月から販売

ピッツァ専用粉(群馬県)(小麦)地元の製粉企業が地元のピッツァ専門店ピッツァ窯メーカーと協力

して品質改良を重ね群馬県産小麦(さとのそらつるぴかりきぬの波)を100使用したピッツァ専用粉を平成30年4月から発売ピッツァイベントやイタリアン食材の展示会に出展

学校給食用パン(東京都)(小麦)都学校給食会の「学校給食パン加工規格」による配合基準に基づき国

内産小麦を100使用した学校給食パンを平成27年度から都内の一部の小中学校で提供を開始平成28年度からは都内全域の規格として採用

〇 市販用中華麺(愛知県)(小麦)地元の製粉企業が自社製品として愛知県産小麦きぬあかりを100使用

した中華麺を平成30年6月から自社通販で販売平成30年8月から一般販売を開始

フランスパン用粉(佐賀県)(小麦)近県製粉企業が農研機構と共同で育成した九州地域等の暖地温暖地

向けのフランスパン加工適性に優れる準強力小麦品種「さちかおり」を100使用したフランスパン用粉を平成30年8月から発売

市販用ゆで麺(長崎県)(小麦)地元の製麺企業近県製粉企業県生麺協同組合JA県等が連携し

平成26年3月に「長崎県育成麦活用開発協議会」を立ち上げ長崎県産長崎W2号(商標登録名長崎ちゃん麦)を100使用したちゃんぽん用のゆで麺を平成29年4月に製品化原料小麦の生産量が整った段階での本格販売を予定

もち性大麦を使用した機能性表示食品(静岡県)(大麦)地元の精麦企業が国内産もち性大麦でβ-グルカン量の多い銘柄を使用し

炊飯用精麦を製品化機能性表示食品として平成29年1月に届出し十分な原料を手当でき次第随時販売予定

〇 もち性大麦を使用したシリアル(愛知県)(大麦)地元の精麦企業が食物繊維が20を超える愛知県産もち性大麦「ワキ

シーファイバー」を使用した国内産もち麦100シリアルを開発平成30年4月から販売開始

図Ⅲ-7 国内産麦を100使用した商品事例

図Ⅲ-8 民間流通制度の運用改善のポイント

0

50

100

150

200

250

300

350

400円千人

大手製パンメーカーA社が国内産小麦100使用の新製品を発売

大手製食品スーパーB社が国内産小麦100使用の新製品をPBで発売

大手製パンメーカーA社が国内産小麦100使用の製品を初めて発売

(参考)国内産小麦を利用した製品の販売状況

(1)国内産小麦100使用の食パンの販売額

大きなシェアを占めるにはいたっていないものの国内産

小麦を100使用した食パンの販売金額の推移を見ると新製

品が登場する度に国内産小麦100使用の食パン市場が拡大し

ています(図Ⅲ-9)

図Ⅲ-9 国内産小麦100使用の食パンの販売額の推移(首都圏)

資料日本経済新聞デジタルメディア社による首都圏のスーパーマーケットなど100店舗におけるPOSデータに基づき農林水産政策研究所において集計

注食パンのうち国内産小麦を100使用していることが明らかな製品のみ計上菓子パン等は含んでいない

表Ⅲ-11 生麺ゆで麺(チルド)の販売金額のシェア(首都圏平成30年)

資料日本経済新聞デジタルメディア社による首都圏のスーパーマーケットなど120店舗におけるPOSデータに基づき農林水産政策研究所において集計

(2)生麺ゆで麺(チルド)の販売金額

生麺ゆで麺全体で上位15製品の売上高に占める国内産

小麦使用表示のある製品のシェアは30となっていますま

た主要な麺製品のうどんラーメン冷やし中華焼そば

全てで国内産小麦使用製品がランクインしています(表Ⅲ

-11)

2013年 2014年 2015年 2016年 2017年 2018年 2019年

                      (単位)

製品の種類製造企業の規模産地表示販売金額シェア

焼そば大手製品(国内産小麦使用表示なし) 99そば大手製品(国内産小麦使用表示なし) 27冷やしラーメン大手製品(国内産小麦使用表示なし) 20うどん大手製品(北海道産小麦使用表示あり) 20ラーメン大手製品(北海道産小麦使用表示あり) 14冷やし中華大手製品(国内産小麦使用表示なし) 14うどん大手製品(国内産小麦使用表示あり) 13焼そば大手製品(国内産小麦使用表示なし) 12焼うどん大手製品(国内産小麦使用表示なし) 12うどん大手製品(国内産小麦使用表示あり) 11焼そば大手製品(国内産小麦使用表示あり) 11そうめん大手製品(国内産小麦使用表示あり) 10うどんPB製品(北海道産小麦使用表示あり) 10つけ麺大手製品(国内産小麦使用表示なし) 10冷麺中小製品(国内産小麦使用表示なし) 10

303

14

89

15上位15製品の売上高に占める国内産小麦使用表示のある製品の

シェア

順位

1

10111213

234567

- 30 -

図Ⅲ-10 外食産業等と連携した農産物の需要拡大対策事業(麦類)

9 国内産麦の需要拡大イベント及び情報発信の取組

近年生産者と実需者等が連携し国内産麦を使用した製品が

数多く開発販売されており各地でイベント等の需要拡大の

取組みが行われております

また農林水産省としては平成30年度産地と外食事業者等

が連携して行う国内産麦を活用した新商品の開発試作製

造するために必要な取組を支援する「外食産業等と連携した農

産物の需要拡大対策事業」を一般社団法人全国米麦改良協会を

実施主体として行っているところです

農林水産省のホームページにおいてこれらのイベント等につい

て情報発信を行うとともに一般社団法人全国米麦改良協会が

開設している国産麦応援情報ホームページでの情報提供等を

行っています(図Ⅲ-10~12)

「国内産麦使用試作品全国統一試食会商談会」開催日平成31年2月12日~19日(土日を除く)場 所むぎくらべ(東京都千代田区神田小川町)

内 容平成29年度補正予算事業「外食産業等と連携した農産物の需要拡大対策事業」の一環として行われた国内産麦を使用した試作品の試食会商談会

「国内産麦使用試作品全国統一試食会商談会」で出品された試作品

- 31 -

第8回全国ご当地うどんサミットin 熊谷 開催日平成30年11月10日~11日 場 所熊谷スポーツ文化公園にぎわい広

場(埼玉県) 内 容全国の国内産小麦を使用した「ご

当地うどん」が一堂に集まりグランプリを決定

図Ⅲ-11 全国各地で開催されたイベント 図Ⅲ-12 一般社団法人 全国米麦改良協会の取組

国産麦応援情報ホームページ「日本の麦の底力」内容国産小麦粉ブランド名鑑国産小麦の逸品イベント情報研究

情報等を掲載URL httpnihonnomugicom

北海道小麦キャンプ2018 in オホーツク 開催日平成30年7月10日~11日 場 所ホテル黒部を主会場としたオホーツ

ク管内(北海道) 内 容国内産小麦北海道産小麦の魅力

を全国に広めることを目的にバスツアーやパン講習会などを実施

麦わらぼうしフェスタ 開催日平成30年11月4日 場 所笠原産業株式会社(栃木県) 内 容国内産小麦を使用したうどんパン

などの試食販売うどん教室などを実施

第7回 信州粉もん祭り 開催日平成30年11月11日 場 所JAながの ちくま埴生支所(長野県) 内 容長野県産小麦を使用した「粉もん料

理」が大集合粉もん試食会や手打ちうどん講習会 などを実施

国内産麦アンテナショップ「むぎくらべ」内容国内産麦を使用した商品のPRと販売の場を提供するものとして

平成30年7月東京都千代田区にオープン

- 32 -

オープニングセレモニーには上月前農林水産大臣政務官(写真中央)も出席

10 食料農業農村基本計画における麦の位置付け

平成27年3月31日に平成37年度を目標とする「食料農業

農村基本計画」が閣議決定され小麦は95万トン大麦はだ

か麦は22万トンの生産努力目標が設定されています(表Ⅲ-

12)

食料消費の見通し 生産努力目標(万トン) 克服すべき課題

1人1年当たり消費量

(kg人年)

国内消費仕向量

(万トン)

平成25年度

平成37年度

平成25年度

平成37年度

平成25年度

平成37年度

小麦 33 32 699 611 81 95

国内産小麦の需要拡大に向けた産地形成やブランド化

実需者ニーズに対応した生産流通体制の確立

新品種新技術の開発導入輪作体系の最適化排水対策等による収量品質の高位安定化

農地の集積集約化経営規模の拡大に対応した省力化に資する技術の開発導入等による生産コストの低減

大麦はだか麦

03 02 208 213 18 22

外国産大麦が多く用いられている焼酎用等の国内産麦の需要拡大

実需者ニーズに対応した生産流通体制の確立

新品種新技術の開発導入輪作体系の最適化排水対策等による収量品質の高位安定化

農地の集積集約化経営規模の拡大に対応した省力化に資する技術の開発導入等による生産コストの低減

表Ⅲ-12 麦の平成37年度における食料消費の見通し及び生産努力目標

資料「食料農業農村基本計画」(平成27年3月閣議決定)注1)国内消費仕向量には飼料用等の食糧用以外の用途への仕向量を含む

2)大麦はだか麦の国内消費仕向量及び生産努力目標にはビール大麦を含む

- 33 -

Ⅳ 米粉に関する動向

1 生産動向

米粉用米の生産量は平成25年産以降2万トン前後で推移していましたが平成29年度以降は約3万トンまで回復しています(表Ⅳ-1)

2 需要拡大に向けた対応

米粉用米の利用量は平成24年度以降年間2万数千トンで推移していましたがグルテンを使用しない米粉商品の開発や新たな米加工品(α化米粉米ゲルなど)の保湿性や粘性に着目した商品の開発「米粉の用途別基準」や「ノングルテン米粉製品第三者認証制度」の運用開始により平成29年度は25千トン30年度は31千トンに増加しています(表Ⅳ-2)

今後の更なる国内海外の需要拡大のためノングルテン米粉や用途別基準に適合する高品質な日本産米粉の流通を契機とした魅力ある新商品の開発や日本産米粉の優位性の情報発信等を推進する必要があります

表Ⅳ-1 上位5県の米粉用米の生産量と作付面積の推移

(参考) 米粉及び小麦粉の販売価格(税抜き)

米粉100~290円kg程度

(小麦粉 100円kg程度)

注1)平成26~29年度については新規需要米取組計画を認定した全需要者からの聞き取り注2)平成30年度については新規需要米取組計画を認定した主要な需要者からの聞き取り

により推計

表Ⅳ-2 米粉用米の利用量(需要者からの聞き取り)

- 34 -

資料26~29年産は新規需要米生産集出荷数量30年産は新規需要米取組計画

認定数量(農林水産省)

(単位千トン)

26年度 27年度 28年度 29年度 30年度見込

22 23 23 25 31

(単位千トン千ha)

26年産 27年産 28年産 29年産 30年産

生産量 59 97 87 130 107作付面積 11 18 15 24 19生産量 10 10 09 30 31作付面積 02 02 02 06 06生産量 08 10 00 19 30作付面積 01 02 00 03 06生産量 10 12 12 12 16作付面積 02 03 02 02 03生産量 20 24 07 12 13作付面積 03 04 01 02 02生産量 184 230 190 284 281作付面積 34 42 34 53 53

秋田県

全国計

新潟県

埼玉県

栃木県

群馬県

農林水産大臣は米穀の新用途への利用の促進に関する基本方針を定める

生産製造連携事業計画

生産者 製造事業者 促進事業者

必須

米穀の新用途への利用の促進に関する法律

米穀の新用途への利用の促進に関する基本方針

関係者が連携して計画を作成米穀の新用途への利用の促進に関する基本方針に照らし適切な計画について農林水産大臣が認定(計画期間は3~5年)

図Ⅳ 米粉用米に対する支援措置

3 米粉用米に対する支援

① 米粉用米についてはその利用の拡大を図るために平成21年に「米穀の新用途への利用の促進に関する法律」が制定されました同法に基づく「生産製造連携事業計画」の認定を受け「農山漁村

活性化計画」の採択を受けた取組に対して米粉用米の生産加工に必要な施設整備等の支援を行っています

② 米粉用米の生産者に対しては水田活用の直接支払交付金による支援を行っていますまたノングルテン米粉表示や米粉の用途別基準により需要者ニーズに合った高品質な米粉の製造や輸出拡大の取組を支援しています

③ 平成31年度は国内海外の需要獲得に向け引き続き魅力ある新商品開発を推進するほか日本産米粉の優位性の情報発信やノングルテン米粉の製造手法マニュアルの作成など輸出を含めた日本産米粉の需要拡大に向けた取組を支援していくこととしています

予 算 措 置

【水田活用の直接支払交付金】水田を活用して米粉用米等の作物を生産する農業者に対し交付金を直接交付 (米粉用米収量に応じ55万円~105万円10a)

【農山漁村振興交付金】米粉飼料用米の生産加工に係る施設整備に対し交付金を交付(補助率定額12)

【持続的生産強化対策事業】

日本産米粉の優位性の情報発信ノングルテン米粉の製造手法マニュアルの作成米粉用米生産者と製造事業者とのマッチング

等の取組を支援

金 融 措 置

【日本政策金融公庫による低利融資】(食品安定供給施設整備資金)

米粉製造施設米粉を原料とした食品の製造加工施設等への融資

(輸出を含めた日本産米粉の需要拡大支援事業)

(補助率定額)

【外食産業等と連携した需要拡大対策事業】

国産農林水産物食品の輸出等需要フロンティアの開拓を図るため産地と複数年契約を締結する民間企業(外食加工業者)に対し国産農林水産物を活用した新商品の開発やそれに必要な技術開発等を支援 (補助率定額12)

- 35 -

【農林水産物食品輸出促進緊急対策事業】コメ海外市場拡大戦略プロジェクトに参加する輸出産地や輸出事業者等が連携して戦略的に取り組む中国等の海外市場開拓プロモーション等を支援

(補助率定額12)

品目 現在の関税率 合意内容

小麦

枠内税率無税+マークアップ

枠外税率55円kg

現行の国家貿易制度を維持するとともに枠外税率(55円kg)を維持

既存のWTO枠に加え米国(15万(7年目以降))【不適用】カナダ(53万(同))豪州(5万(同))にSBS方式の国別枠を設定

マークアップを9年目までに45削減

大麦

枠内税率無税+マークアップ

枠外税率39円kg

現行の国家貿易制度を維持するとともに枠外税率(39円kg)を維持

既存のWTO枠に加えSBS方式のTPP枠(65万(9年目以降))を設定

マークアップを9年目までに45削減

1 TPP11協定概要(麦)(平成30年12月30日発効)

Ⅴ TPP11及び日EUEPAの協定概要(麦関係)

(参考主な麦製品)

現在の関税率合意内容

税率 枠数量

いった小麦小麦粉等

(国家貿易品目)

枠内税率125~25+マークアップ

枠外税率85~134円kg

枠内即時無税+マークアップ

(枠外税率は維持)

(発効時) (6年目)125千rarr175千

ベーカリー製品製造用

小麦粉調製品16~24

枠内即時無税(枠外税率は維持)

(発効時) (6年目)米国 105千rarr12千【不適用】米国以外 68千rarr 8千

その他小麦粉調製品

16~28枠内即時無税

(枠外税率は維持)(発効時) (6年目)15千rarr225千

マカロニスパゲティ

30円kg9年目までに60削減

ビスケット 1315 6年目に無税 -

注1)いった小麦とは小麦をいったものであり主にシリアル食品等に使用される

2)その他小麦粉調製品とは製麺まんじゅう等のベーカリー製品以外の製造用の

小麦粉調製品である

- 36 -

2 日EUEPA協定概要(麦)(平成31年2月1日発効)

品目 現在の関税率 合意内容

小麦

枠内税率無税+マークアップ

枠外税率55円kg

現行の国家貿易制度を維持するとともに枠外税率(55円kg)を維持

既存のWTO枠に加えSBS方式のEU枠(270(7年目以降))を設定

枠内のマークアップを9年目までに45削減

大麦

枠内税率無税+マークアップ

枠外税率39円kg

現行の国家貿易制度を維持するとともに枠外税率(39円kg)を維持

既存のWTO枠に加えSBS方式のEU枠(30(即時))を設定

枠内のマークアップを9年目までに45削減

(参考主な麦製品)

現在の関税率合意内容

税率 枠数量

いった小麦小麦粉等

(国家貿易品目)

枠内税率125~25+マークアップ

枠外税率85~134円kg

枠内即時無税+マークアップ

(枠外税率は維持)

(発効時) (6年目)38千rarr44千

ベーカリー製品製造用

小麦粉調製品16~24

枠内即時無税(枠外税率は維持)

(発効時) (6年目)104千rarr142千

その他小麦粉調製品

16~28枠内即時無税

(枠外税率は維持)(発効時) (6年目)

2千rarr3千

マカロニスパゲティ

30円kg 11年目に無税 -

ビスケット 1315 6年目に無税 -

注1)いった小麦とは小麦をいったものであり主にシリアル食品等に使用される

2)その他小麦粉調製品とは製麺まんじゅう等のベーカリー製品以外の製造用の

小麦粉調製品である

(参考) 麦の国境措置

小 麦 大 麦

輸入数量

価格

輸入数量

価格

政府売渡価格

マークアップ(輸入差益)

452円kgを上限

輸入価格

(枠内税率0円kg)

枠内輸入(国家貿易) 枠外輸入

(民間貿易)枠外税率を支払って輸入された数量(平成29年度)12千トン

WTOカレントアクセス数量5740千トン

枠外税率55円

政府売渡価格

輸入価格(枠内税率0円kg)

WTOカレントアクセス数量1369千トン

枠内輸入(国家貿易) 枠外輸入(民間貿易)

枠外税率を支払って輸入された数量(平成29年度)06千トン

枠外税率39円

民間貿易の場合の輸入価格

民間貿易の場合の輸入価格

286円kgを上限

マークアップ(輸入差益)

- 37 -

  • スライド番号 1
  • スライド番号 2
  • 麦の参考資料 麦の需給に関する見通し(動向編)
  • スライド番号 4
  • スライド番号 5
  • スライド番号 6
  • スライド番号 7
  • スライド番号 8
  • スライド番号 9
  • スライド番号 10
  • スライド番号 11
  • スライド番号 12
  • スライド番号 13
  • スライド番号 14
  • Ⅱ 小麦粉麦製品の生産と価格の動向
  • スライド番号 16
  • スライド番号 17
  • スライド番号 18
  • スライド番号 19
  • スライド番号 20
  • スライド番号 21
  • スライド番号 22
  • スライド番号 23
  • スライド番号 24
  • スライド番号 25
  • スライド番号 26
  • スライド番号 27
  • スライド番号 28
  • スライド番号 29
  • スライド番号 30
  • スライド番号 31
  • スライド番号 32
  • スライド番号 33
  • スライド番号 34
  • スライド番号 35
  • スライド番号 36
  • スライド番号 37
  • スライド番号 38
  • スライド番号 39
  • スライド番号 40
  • スライド番号 41
Country Attribute Commodity 20042005 20052006 20062007 20072008 20082009 20092010
World Production (1000 MT) Barley 152674 136756 137430 133168 153539 0
Corn 715732 699101 712375 791492 791039 0
Millet 30947 32455 33529 34951 35619 0
Mixed Grain 16885 15213 13063 14616 15057 0
Oats 25667 23861 23163 25577 26191 0
Rice Milled 401435 418487 420633 431309 439081 0
Rye 17002 14492 12382 14245 17176 0
Sorghum 57529 58365 56628 63533 63792 0
Wheat 625700 620044 596101 610188 682865 0
Wheat Durum 0 0 0 0 3680 0
2043571 2018774 2005304 2119079 2228039
Exports (1000 MT) Barley 15098 18231 15328 15708 20175 0
Corn 77643 80966 93799 95466 76877 0
Oats 1901 1930 2114 2830 2304 0
Rye 854 610 709 556 560 0
Sorghum 5403 5379 5461 9237 4902 0
Wheat 111235 116756 111201 115377 123881 0
240641 254246 259958 269594 258464
TY Exports (1000 MT) Barley 16989 17428 14516 18412 19190 0
Corn 75964 82580 91199 96027 77925 0
Oats 1955 2254 2184 2742 2300 0
Rye 974 622 661 481 560 0
Sorghum 5366 5496 5780 8802 4950 0
Wheat 113210 113872 115500 115492 125165 0
243637 251744 261908 271184 259660
Exports (1000 MT) Rice Milled 28507 30374 31346 30420 29765 0
TY Exports (1000 MT) Rice Milled 29179 29492 32068 29228 29570 0
Domestic Consumption (1000 MT) Barley 143271 139989 144389 135872 142892 0
Corn 688190 704591 725361 773235 783288 0
Millet 30947 32855 33489 34941 35619 0
Mixed Grain 15972 15331 14092 14255 14515 0
Oats 25318 24233 23552 24709 25192 0
Rice Milled 406828 412171 418290 424999 432423 0
Rye 17595 15748 13870 14419 15498 0
Sorghum 57794 58004 56327 63305 62231 0
Wheat 605365 617369 619124 614865 652947 0
1991280 2020291 2048494 2100600 2164605
Ending Stocks (1000 MT) Barley 32783 28641 21070 18259 28244 0
Corn 131811 124624 108845 128218 136033 0
Millet 600 200 240 250 250 0
Mixed Grain 1654 1536 507 868 1410 0
Oats 3550 3126 2813 3395 4316 0
Rice Milled 73152 75676 75391 78687 82659 0
Rye 3882 2639 1065 756 2437 0
Sorghum 4297 4524 4117 4418 5752 0
Wheat 150972 147636 127009 119371 148362 0
Wheat Durum 0 0 0 0 3680 0
402701 388602 341057 354222 413143
小麦の国際需給状況 コムギ
(単位百万トン)
200607 200708 200809 200910
年   度 (平成18年) ヘイセイネン (平成19年) ヘイセイネン (平成20年) ヘイセイネン (平成21年) ヘイセイネン
見込 予測
生 産 量 ショウサンリョウ 5957 6104 6827 6780
消 費 量 ケヒリョウ 6165 6169 6404 6468
期 末 在 庫 1298 1233 1656 1968
期末在庫率() 211 200 259 304
貿 易 量 リョウ 1116 1172 1430 1251
貿 易 比 率() 187 192 209 185
大麦の国際需給状況 オオ 穀物の国際需給状況 コクモツ
(単位百万トン) (単位百万トン)
200809 200910 201011 201314 201415 201516 201617 201718 201819 200506 200607 200708 200809 200910
(平成20年) ヘイセイネン 年   度 (平成21年) ヘイセイネン (平成22年) ヘイセイネン (平成25年) ヘイセイネン (平成26年) ヘイセイネン (平成27年) ヘイセイネン (平成28年) ヘイセイネン (平成29年) ヘイセイネン (平成30年) ヘイセイネン 年   度 (平成17年) ヘイセイネン (平成18年) ヘイセイネン (平成19年) ヘイセイネン (平成20年) ヘイセイネン (平成21年) ヘイセイネン
見込 ミコ 予測 見込 予測
1550 生 産 量 ショウサンリョウ 1508 1231 1443 1420 1498 1471 1437 1407 生 産 量 ショウサンリョウ 20176 20029 21230 22346 22185
1439 消 費 量 ケヒリョウ 1448 1362 1411 1425 1477 1503 1472 1418 消 費 量 ケヒリョウ 20216 20444 20952 21416 21879
315 期 末 在 庫 375 243 250 242 263 230 195 184 期 末 在 庫 3902 3435 3652 4474 4729
219 期末在庫率() 259 179 177 170 178 153 133 130 期末在庫率() 193 168 174 209 216
182 貿 易 量 リョウ 173 152 239 290 308 283 273 258 貿 易 量 リョウ 2534 2608 2756 2843 2662
117 貿 易 比 率() 115 123 166 204 206 193 190 183 貿 易 比 率() 126 130 130 127 120
穀物の国際需給状況 コクモツ
(単位百万トン)
2004 2005 2006 2007
年   度 05 06 07 08
見込 予測
【穀 物 計】 コクブツケイ
生 産 量 ショウサンリョウ 20189 20050 21167 21950
消 費 量 ケヒリョウ 20334 20533 21106 21741
期 末 在 庫 3886 3403 3464 3673
期末在庫率() 191 166 164 169
【うち小麦】 ショウムギ
生 産 量 ショウサンリョウ 6209 5963 6109 6763
消 費 量 ケヒリョウ 6242 6169 6195 6549
期 末 在 庫 1477 1271 1185 1399
期末在庫率() 237 206 191 214
Country Attribute Commodity 20042005 20052006 20062007 20072008 20082009 20092010
World Production (1000 MT) Barley 152674 136756 137430 133168 153539 0
Corn 715732 699101 712375 791492 791039 0
Millet 30947 32455 33529 34951 35619 0
Mixed Grain 16885 15213 13063 14616 15057 0
Oats 25667 23861 23163 25577 26191 0
Rice Milled 401435 418487 420633 431309 439081 0
Rye 17002 14492 12382 14245 17176 0
Sorghum 57529 58365 56628 63533 63792 0
Wheat 625700 620044 596101 610188 682865 0
Wheat Durum 0 0 0 0 3680 0
2043571 2018774 2005304 2119079 2228039
Exports (1000 MT) Barley 15098 18231 15328 15708 20175 0
Corn 77643 80966 93799 95466 76877 0
Oats 1901 1930 2114 2830 2304 0
Rye 854 610 709 556 560 0
Sorghum 5403 5379 5461 9237 4902 0
Wheat 111235 116756 111201 115377 123881 0
240641 254246 259958 269594 258464
TY Exports (1000 MT) Barley 16989 17428 14516 18412 19190 0
Corn 75964 82580 91199 96027 77925 0
Oats 1955 2254 2184 2742 2300 0
Rye 974 622 661 481 560 0
Sorghum 5366 5496 5780 8802 4950 0
Wheat 113210 113872 115500 115492 125165 0
243637 251744 261908 271184 259660
Exports (1000 MT) Rice Milled 28507 30374 31346 30420 29765 0
TY Exports (1000 MT) Rice Milled 29179 29492 32068 29228 29570 0
Domestic Consumption (1000 MT) Barley 143271 139989 144389 135872 142892 0
Corn 688190 704591 725361 773235 783288 0
Millet 30947 32855 33489 34941 35619 0
Mixed Grain 15972 15331 14092 14255 14515 0
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Rice Milled 406828 412171 418290 424999 432423 0
Rye 17595 15748 13870 14419 15498 0
Sorghum 57794 58004 56327 63305 62231 0
Wheat 605365 617369 619124 614865 652947 0
1991280 2020291 2048494 2100600 2164605
Ending Stocks (1000 MT) Barley 32783 28641 21070 18259 28244 0
Corn 131811 124624 108845 128218 136033 0
Millet 600 200 240 250 250 0
Mixed Grain 1654 1536 507 868 1410 0
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Rice Milled 73152 75676 75391 78687 82659 0
Rye 3882 2639 1065 756 2437 0
Sorghum 4297 4524 4117 4418 5752 0
Wheat 150972 147636 127009 119371 148362 0
Wheat Durum 0 0 0 0 3680 0
402701 388602 341057 354222 413143
小麦の国際需給状況 コムギ
(単位百万トン)
200809 200910 201011 201314 201415 201516 201617 201718 201819
(平成20年) ヘイセイネン 年   度 (平成21年) ヘイセイネン (平成22年) ヘイセイネン (平成25年) ヘイセイネン (平成26年) ヘイセイネン (平成27年) ヘイセイネン (平成28年) ヘイセイネン (平成29年) ヘイセイネン (平成30年) ヘイセイネン
見込 ミコ 予測
6836 生 産 量 ショウサンリョウ 6866 6496 7151 7304 7384 7564 7631 7330
6437 消 費 量 ケヒリョウ 6538 6534 6909 7051 7163 7398 7444 7421
1682 期 末 在 庫 2010 1980 1949 2223 2444 2609 2796 2705
261 期末在庫率() 307 303 282 315 341 353 376 365
1435 貿 易 量 リョウ 1356 1341 1625 1642 1728 1833 1812 1789
210 貿 易 比 率() 197 207 227 225 234 242 238 244
大麦の国際需給状況 オオ 穀物の国際需給状況 コクモツ
(単位百万トン) (単位百万トン)
200607 200708 200809 200910 200506 200607 200708 200809 200910
年   度 (平成18年) ヘイセイネン (平成19年) ヘイセイネン (平成20年) ヘイセイネン (平成21年) ヘイセイネン 年   度 (平成17年) ヘイセイネン (平成18年) ヘイセイネン (平成19年) ヘイセイネン (平成20年) ヘイセイネン (平成21年) ヘイセイネン
見込 予測 見込 予測
生 産 量 ショウサンリョウ 1364 1327 1539 1492 生 産 量 ショウサンリョウ 20176 20029 21230 22346 22185
消 費 量 ケヒリョウ 1428 1346 1437 1471 消 費 量 ケヒリョウ 20216 20444 20952 21416 21879
期 末 在 庫 208 192 293 313 期 末 在 庫 3902 3435 3652 4474 4729
期末在庫率() 146 143 204 213 期末在庫率() 193 168 174 209 216
貿 易 量 リョウ 154 155 199 173 貿 易 量 リョウ 2534 2608 2756 2843 2662
貿 易 比 率() 113 117 129 116 貿 易 比 率() 126 130 130 127 120
穀物の国際需給状況 コクモツ
(単位百万トン)
2004 2005 2006 2007
年   度 05 06 07 08
見込 予測
【穀 物 計】 コクブツケイ
生 産 量 ショウサンリョウ 20189 20050 21167 21950
消 費 量 ケヒリョウ 20334 20533 21106 21741
期 末 在 庫 3886 3403 3464 3673
期末在庫率() 191 166 164 169
【うち小麦】 ショウムギ
生 産 量 ショウサンリョウ 6209 5963 6109 6763
消 費 量 ケヒリョウ 6242 6169 6195 6549
期 末 在 庫 1477 1271 1185 1399
期末在庫率() 237 206 191 214
Country Attribute Commodity 20042005 20052006 20062007 20072008 20082009 20092010
World Production (1000 MT) Barley 152674 136756 137430 133168 153539 0
Corn 715732 699101 712375 791492 791039 0
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Rice Milled 401435 418487 420633 431309 439081 0
Rye 17002 14492 12382 14245 17176 0
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2043571 2018774 2005304 2119079 2228039
Exports (1000 MT) Barley 15098 18231 15328 15708 20175 0
Corn 77643 80966 93799 95466 76877 0
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Sorghum 5403 5379 5461 9237 4902 0
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240641 254246 259958 269594 258464
TY Exports (1000 MT) Barley 16989 17428 14516 18412 19190 0
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243637 251744 261908 271184 259660
Exports (1000 MT) Rice Milled 28507 30374 31346 30420 29765 0
TY Exports (1000 MT) Rice Milled 29179 29492 32068 29228 29570 0
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Rice Milled 406828 412171 418290 424999 432423 0
Rye 17595 15748 13870 14419 15498 0
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1991280 2020291 2048494 2100600 2164605
Ending Stocks (1000 MT) Barley 32783 28641 21070 18259 28244 0
Corn 131811 124624 108845 128218 136033 0
Millet 600 200 240 250 250 0
Mixed Grain 1654 1536 507 868 1410 0
Oats 3550 3126 2813 3395 4316 0
Rice Milled 73152 75676 75391 78687 82659 0
Rye 3882 2639 1065 756 2437 0
Sorghum 4297 4524 4117 4418 5752 0
Wheat 150972 147636 127009 119371 148362 0
Wheat Durum 0 0 0 0 3680 0
402701 388602 341057 354222 413143
小麦の国際需給状況 コムギ
(単位百万トン)
200506 200607 200708 200809 200910
年   度 (平成17年) ヘイセイネン (平成18年) ヘイセイネン (平成19年) ヘイセイネン (平成20年) ヘイセイネン (平成21年) ヘイセイネン
見込 予測
生 産 量 ショウサンリョウ 6199 5957 6105 6827 6761
消 費 量 ケヒリョウ 6171 6186 6132 6333 6424
期 末 在 庫 1475 1276 1211 1639 1956
期末在庫率() 239 206 197 259 304
貿 易 量 リョウ 1166 1116 1172 1429 1232
貿 易 比 率() 188 187 192 209 182
大麦の国際需給状況 オオ 穀物の国際需給状況 コクモツ
(単位百万トン) (単位百万トン)
200506 200607 200708 200809 200910 200809 200910 201011 201112 201314 201415 201516 201617 201718 201819
年   度 (平成17年) ヘイセイネン (平成18年) ヘイセイネン (平成19年) ヘイセイネン (平成20年) ヘイセイネン (平成21年) ヘイセイネン (平成20年) ヘイセイネン 年   度 (平成21年) ヘイセイネン (平成22年) ヘイセイネン (平成23年) ヘイセイネン (平成25年) ヘイセイネン (平成26年) ヘイセイネン (平成27年) ヘイセイネン (平成28年) ヘイセイネン (平成29年) ヘイセイネン (平成30年) ヘイセイネン
見込 予測 見込 ミコ 予測
生 産 量 ショウサンリョウ 1363 1364 1327 1539 1492 22445 生 産 量 ショウサンリョウ 22434 22008 23208 24772 25588 25175 26619 26154 26065
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期 末 在 庫 276 208 192 293 313 4553 期 末 在 庫 4936 4625 4665 5285 6739 7365 7958 8126 7789
期末在庫率() 196 146 143 204 213 211 期末在庫率() 224 207 202 221 274 300 306 313 295
貿 易 量 リョウ 183 154 155 199 173 2836 貿 易 量 リョウ 2862 2841 3447 3719 3941 3769 4291 4117 4251
貿 易 比 率() 134 113 117 129 116 126 貿 易 比 率() 128 129 149 150 154 150 161 157 163
穀物の国際需給状況 コクモツ
(単位百万トン)
2003 2004 2005 2006 2007
年   度 04 05 06 07 08
見込 予測
【穀 物 計】 コクブツケイ
生 産 量 ショウサンリョウ 20436 20189 20050 21167 21950
消 費 量 ケヒリョウ 19955 20334 20533 21106 21741
期 末 在 庫 4031 3886 3403 3464 3673
期末在庫率() 202 191 166 164 169
【うち小麦】 ショウムギ
生 産 量 ショウサンリョウ 6257 6209 5963 6109 6763
消 費 量 ケヒリョウ 6068 6242 6169 6195 6549
期 末 在 庫 1511 1477 1271 1185 1399
期末在庫率() 249 237 206 191 214
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麦の参考資料 麦の需給に関する見通し(動向編)

Ⅰ 麦の需給に関する動向1 食生活における麦の位置付け1(1)麦の主な用途(2)食料消費において麦が占める割合

2 麦の流通の概要3(1)小麦

(2)大麦及びはだか麦

3 穀物の国際需給と国際価格の動向 4(1)穀物の国際需給の動向

(2)小麦の国際価格の動向

(3)為替の動向

(4)海上運賃の動向

4 外国産食糧用麦の輸入状況7(1)小麦

(2)大麦及びはだか麦

5 外国産食糧用麦の売渡方式8(1)外国産食糧用小麦の政府売渡

(2)即時販売方式

(3)食糧麦備蓄対策事業

6 外国産食糧用小麦の政府売渡価格の動向10

Ⅱ 小麦粉麦製品の生産と価格の動向

1 小麦粉麦製品の生産量112 小麦粉麦製品の価格の動向12(参考1)麦製品の輸入動向

(参考2)麦製品の輸出動向

(参考3)麦製品の生産動向

3 製粉企業の状況16(1)大手製粉企業及び中小製粉企業の動向

(2)製粉企業のコスト削減や品質安全性の向上に向けた取組

Ⅲ 国内産麦の生産と流通の動向

1 国内産麦の生産状況19(1)小麦

(2)大麦及びはだか麦

2 国内産麦の品質状況21(1)農産物検査

(2)品質評価

3 国内産麦に対する支援 22(1)畑作物の直接支払交付金

(2)水田活用の直接支払交付金

4 国内産食糧用麦の流通動向24(1)取引の概要(2)流通の動向

5 国内産食糧用麦の価格の動向26(1)平成31年産の入札の概要(2)平成31年産国内産食糧用小麦の産地別銘柄別落札価格の動向

6 国内産麦の新品種の育成状況 287 国内産麦を利用した製品の動向 29(参考)国内産小麦を利用した製品の販売状況

8 民間流通制度の運用改善299 国内産麦の需要拡大イベント及び情報発信の取組3110 食料農業農村基本計画における麦の位置付け 33

Ⅳ 米粉に関する動向1 生産動向342 需要拡大に向けた対応343 米粉用米に対する支援35

Ⅴ TPP11及び日EUEPAの協定概要(麦関係)1 TPP11協定概要(麦)(平成30年12月30日発効)362 日EUEPA協定概要(麦)(平成31年2月1日発効) 36(参考)麦の国境措置

目 次

1 食生活における麦の位置付け

(1)麦の主な用途

麦は我が国の食生活においてパン麺菓子みそ主食用(麦飯)等多様な用途で使用されています

原料として使用される小麦の種類は小麦粉の種類用途に応じて異なっています小麦粉の種類はたんぱく質の含有量によって強力粉(パン用)準強力粉(中華麺用)中力粉(うどん用)薄力粉(菓子用)等に分類されています(表Ⅰ-1)

また二条大麦はビールや焼酎六条大麦は主食用や麦茶はだか麦は主食用やみその原料になります(表Ⅰ-2)

表Ⅰ-1 小麦の主な用途

表Ⅰ-2 大麦及びはだか麦の主な用途

小麦粉の種類

主な用途 たんぱく質の含有量 主な原料小麦(( )内は略称)

強 力 粉 食パン115~130

カナダ産ウェスタンレッドスプリング(CW) アメリカ産ダークノーザ

ンスプリング(DNS)

準強力粉中華麺ギョウザの皮

105~125

オーストラリア産プライムハ-ド(PH)

アメリカ産ハードレッドウィンター(HRW)

中 力 粉うどん即席麺ビスケット和菓子

75~105

国内産オーストラリア産スタンダードホワイト(ASW)

薄 力 粉カステラケ-キ和菓子天ぷら粉ビスケット

65~90

アメリカ産ウェスタンホワイト(WW)

デュラムセモリナ

マカロニスパゲッティ

110~140

カナダ産デュラム(DRM)

大麦及びはだか麦の種類

主な用途 主な原料麦 備 考

二条大麦 焼酎ビ-ル国内産

オーストラリア産

6列ある麦の穂のうち2列のみに大粒の実が稔る麦大粒大麦ともいう

六条大麦 主食用麦茶国内産

カナダ産

6列の麦の穂全てに小粒の実が稔る麦小粒大麦ともいう

はだか麦 主食用みそ国内産

アメリカ産

大麦の中でも子実の外皮が剥がれ易く粒が裸になる種類の麦

Ⅰ 麦の需給に関する動向

- 1 -

図Ⅰ-1 平成29年度の食料自給率(2)食料消費において麦が占める割合

平成29年度のカロリーベースの食料自給率は38であり小麦については14となっています(図Ⅰ-1)

- 2 -

資料農林水産省作成

〇 平成29年度の食料自給率

カロリーベース

38(3765)

生産額ベース

67(6717)

38(3778)

65(6499)

平成28年度

平成29年度

〇 品目別供給熱量自給率

米 小麦 大豆 野菜 果実

97 14 28 75 34

畜産物 砂糖類 油脂類 魚介類 その他

16 32 3 59 23

図Ⅰ-2 食糧用麦の流通の現状

(2)大麦及びはだか麦

(単位万トン)

(単位万トン)

- 3 -

生産者

民間流通 10

国家貿易 23

カナダ 6

豪州 16

他 1

政府

15

精麦企業 23

焼酎みそ押麦等用

焼酎みそメーカー

麦茶メーカー

ビールメーカー

2

麦茶用 5

ビール用 8

3

契約生産(ビール用)

8

資料農林水産省決算農林水産省調べ注流通量は過去5年(平成25年度~29年度)の平均数量である

(1)小麦

2 麦の流通の概要

麦は需要量の約9割を外国産麦の輸入で賄っています

国内産食糧用麦は民間流通により取引されており外国産食糧用麦は政府が国家貿易により計画的に輸入し需要者に売り渡しています

また米とは異なり最終的にパンや麺として消費されるため流通過程において各種の加工工程を経ています

(1)小麦

小麦は主に製粉企業が製粉して小麦粉にしその小麦粉を原料として二次加工メーカーがパン麺菓子等を製造します(図Ⅰ-2(1))

(2)大麦及びはだか麦

大麦及びはだか麦は精麦して焼酎みそ等の発酵用にしたり蒸気で加熱圧ぺんして押麦(麦飯)用にするといった加工工程を経て流通しています

なお国内産ビール大麦は生産者団体とビール会社の間で契約栽培により供給され麦芽等に加工されて流通しています(図Ⅰ-2(2))

民間流通 80

国家貿易496アメリカ 251カナダ 159豪州 86

496

みそ醤油等 10

パン麺菓子用等 566

家庭用

生産者

製粉企業醤油メーカー等

パン麺菓子メーカー

5

3 穀物の国際需給と国際価格の動向

(1)穀物の国際需給の動向

① 世界の中長期的な穀物の国際需給は

ア 総人口の継続的な増加緩やかな所得水準の向上等に伴う新興国及び途上国を中心とした食用飼料用需要の増加

イ 供給面では収穫面積の伸びがほぼ横ばいとなるものの単収増による生産の増加

等により需要と供給はほぼ拮抗すると見込まれていま

す農林水産政策研究所「2028年における世界の食料需給見通し」(平成31年3月)

② 201819年度(平成30年度)の穀物の国際需給は消費量が生産量を3千4百万トン上回ることが見込まれていますこのため期末在庫率はやや低下し295(対前年18ポイント)となることが見込まれています(表Ⅰ-3)

③ 201819年度(平成30年度)の小麦の生産量は作柄に恵まれた米国カナダ等で増加するもののロシアEU豪州等で減少が見込まれることから前年度を下回ると見込まれています

大麦の生産量はトルコ等で増加するもののロシアEU等で減少することから世界全体では前年度を下回ることが見込まれています

また201819年度(平成30年度)の小麦の消費量は生産量を上回ることから期末在庫率はやや低下するものの365(対前年11ポイント)と引き続き高水準となることが見込まれています(表Ⅰ-4)

大麦についても消費量が生産量を上回ることから期末在庫率はやや低下し130(対前年03ポイント)となることが見込まれています(表Ⅰ-5)

- 4 -

表Ⅰ-3 穀物の国際需給

表Ⅰ-4 小麦の国際需給

表Ⅰ-5 大麦の国際需給

資料注表Ⅰ-3に同じ

資料注表Ⅰ-3に同じ

(単位百万トン)201415 201516 201617 201718 201819(平成26年) (平成27年) (平成28年) (平成29年) (平成30年)

見込 予測25588 25175 26619 26154 2606524610 24550 26027 25985 264016739 7365 7958 8126 7789274 300 306 313 295

3941 3769 4291 4117 4251

154 150 161 157 163

年   度

貿 易 量貿 易 比 率()

生 産 量消 費 量期 末 在 庫

期末在庫率()

資料アメリカ農務省(2019年3月発表)穀物には小麦コメとうもろこし大麦オーツライ麦キビ等雑穀を含む

注1)期末在庫率()は消費量に対する在庫量の割合である2)貿易比率()は生産量に対する貿易量の割合である

(単位百万トン)201415 201516 201617 201718 201819(平成26年) (平成27年) (平成28年) (平成29年) (平成30年)

見込 予測7304 7384 7564 7631 73307051 7163 7398 7444 74212223 2444 2609 2796 2705315 341 353 376 365

1642 1728 1833 1812 1789

225 234 242 238 244

期末在庫率()

貿 易 量貿 易 比 率()

年   度

生 産 量消 費 量期 末 在 庫

(単位百万トン)201415 201516 201617 201718 201819(平成26年) (平成27年) (平成28年) (平成29年) (平成30年)

見込 予測1420 1498 1471 1437 14071425 1477 1503 1472 1418242 263 230 195 184170 178 153 133 130

290 308 283 273 258

204 206 193 190 183

生 産 量消 費 量期 末 在 庫

期末在庫率()

年   度

貿 易 量貿 易 比 率()

USDA(世界計)

資料アメリカ農務省(2010年1月発表)による注1)期末在庫率()は消費量に対する在庫量の割合である  2)貿易比率()は生産量に対する貿易量の割合である
資料アメリカ農務省(2010年1月発表)による注1)期末在庫率()は消費量に対する在庫量の割合である  2)貿易比率()は生産量に対する貿易量の割合である
world agricultural supply and demandworld market and trade (USDA 20101)による
資料アメリカ農務省(2014年1月発表)注1)期末在庫率()は消費量に対する在庫量の割合である  2)貿易比率()は生産量に対する貿易量の割合である

Sheet1

USDA(世界計)

資料アメリカ農務省(2010年3月発表)による注1)期末在庫率()は消費量に対する在庫量の割合である  2)貿易比率()は生産量に対する貿易量の割合である
資料アメリカ農務省(2010年1月発表)による注1)期末在庫率()は消費量に対する在庫量の割合である  2)貿易比率()は生産量に対する貿易量の割合である
world agricultural supply and demandworld market and trade (USDA 20101)による
資料アメリカ農務省(2010年3月発表)注1)期末在庫率()は消費量に対する在庫量の割合である  2)貿易比率()は生産量に対する貿易量の割合である

Sheet1

USDA(世界計)

資料アメリカ農務省(2010年3月発表)による注1)期末在庫率()は消費量に対する在庫量の割合である  2)貿易比率()は生産量に対する貿易量の割合である
world agricultural supply and demandworld market and trade (USDA 20101)による
資料アメリカ農務省(2010年3月発表)注1)期末在庫率()は消費量に対する在庫量の割合である  2)貿易比率()は生産量に対する貿易量の割合である

Sheet1

図Ⅰ-3 穀物の国際価格

注1)小麦とうもろこし大豆の価格はシカゴ商品取引所における各月第1金曜日の期近価格

2)1ブッシェル≒(大豆小麦272kgとうもろこし254)

3)図右端の数値は平成31年3月1日時点のものである

- 5 -

大豆

90

小麦

45

とうもろこし

36

(2)小麦の国際価格の動向

小麦の国際価格は主産地である北米豪州欧州黒

海沿岸地域等における天候及び作柄の変化にこれまで大

きく影響を受けています

直近では2018年(平成30年)7月中旬以降ロシア

EU等の乾燥による生産減少懸念等から上昇したもののそ

の後は世界的に潤沢な供給量等を背景に全体的に軟調に

推移し2019年(平成31年)3月上旬現在のシカゴ小麦先

物相場は4ドルブッシェル台半ばとなっています(図

Ⅰ-3)

10

30

50

70

H261 H267 H271 H277 H281 H287 H291 297 H301 307 H311

(3)為替の動向

日本円と米国ドルの為替は平成30年以降円安基調で推

移し平成31年に入ってからは一時円高となりましたが3

月上旬では113円ドル程度で推移しています(図Ⅰ-4)

(4)海上運賃の動向

海上運賃は平成28年以降上昇傾向で推移してきました

が平成30年11月からは燃料油価格の下落を受けて軟調に推

移しています(図Ⅰ-5)

- 6 -

図Ⅰ-4 為替の推移

資料三菱東京UFJ銀行の公表資料注図右端の数値は平成30年3月4日時点のものである

資料TRAMP Data Service Co Ltd 「WORLD MARITIME ANALYSIS WEEKLY REPORT」注1)2万トン級のフレート

2)図右端の数値は平成30年3月4日時点のものである

図Ⅰ-5 海上運賃の推移

図Ⅰ-4 為替の推移

円米ドル

ドルトン

70

80

90

100

110

120

130

H261 H267 H271 H277 H281 H287 H291 H297 H301 H307 H311

表Ⅰ-6 外国産食糧用小麦の銘柄別輸入量

注1)数量は決算ベース2)四捨五入の関係で計と内訳が一致しない場合がある3)( )内の数量はSBS方式により輸入された数量で内数である

4 外国産食糧用麦の輸入状況

外国産食糧用麦については国内産食糧用麦では量的又は質的に満たせない需要分について政府が国家貿易により計画的に輸入し需要者に売り渡しています現在の主な輸入先国はアメリカカナダ豪州の3か国と

なっています

(1)小麦

外国産食糧用小麦の輸入量は国内産小麦の作柄や輸出国

における輸送状況等により変動し近年は450万~520万トン

程度で推移しています(表Ⅰ-6)

(2)大麦及びはだか麦

外国産食糧用大麦及びはだか麦の輸入量は近年は20万~

25万トン程度で推移しています(表Ⅰ-7)

(単位千トン)

- 7 -

注1)数量は決算ベース

2)四捨五入の関係で計と内訳が一致しない場合がある

表Ⅰ-7 外国産食糧用大麦及びはだか麦の銘柄別輸入量(単位千トン)

ウェスタンホワイト 610 775 683 631 (23) 711

ハードレッドウィンター(115) 727 855 790 807 891

ダークノーザンスプリング 877 1245 850 831 (59) 1198

その他 (1) 28 (1) 1 (3) 3 (6) 6 (16) 16

計 (1) 2242 (1) 2877 (3) 2327 (6) 2276 (98) 2815

ウェスタンレッドスプリング 1228 1258 1527 1547 1355

デュラム (210) 210 (222) 222 (219) 219 (175) 193 (186) 186

その他 (3) 3 (3) 3 (1) 1 (1) 1 (2) 2

計 (213) 1441 (225) 1484 (220) 1747 (176) 1742 (188) 1543

スタンダードホワイト 759 794 737 755 797

プライムハード (83) 83 (83) 83 (84) 84 (64) 64 (80) 80

その他 (0) 2 (0) 0 (28) 28 (5) 15 (0) 0

計 (83) 844 (83) 877 (111) 848 (68) 833 (80) 877

(6) 6 (7) 7 (7) 7 (8) 8 (6) 6

(304) 4532 (316) 5245 (343) 4929 (259) 4858 (372) 5242

豪州

その他

26

合  計

平成25年度 28 2927

アメリカ

カナダ

25 26 27 28 29

二条大麦 - 1 1 1 11

六条大麦 1 2 1 2 2

はだか麦 2 3 2 8 20

計 3 5 4 11 33

二条大麦 15 13 9 14 7

六条大麦 39 53 46 40 36

はだか麦 1 1 2 4 5

計 54 67 58 58 48

二条大麦 146 174 168 180 152

はだか麦 - - 0 0 1

計 146 174 168 180 153

- - 2 2 2

203 245 232 250 236合 計

年度

アメリカ

カナダ

豪州

その他

図Ⅰ-6 政府売渡価格の構成

5 外国産食糧用麦の売渡方式

(1)外国産食糧用小麦の政府売渡

外国産食糧用小麦の政府売渡については平成19年4月以降輸入価格(過去の一定期間における輸入価格の平均値)にマークアップ(政府管理経費及び国内産小麦の生産振興対策に充当)を上乗せした価格で売り渡す「相場連動制」に移行しました(表Ⅰ-8図Ⅰ-6)

表Ⅰ-8 政府売渡価格改定ルール

項 目 基本的なルール

価格改定 現在年2回(4月期10月期)

買付価格算定期間 直近6か月間

- 8 -

輸入価格

政府売渡価格

小麦の国際価格や海上運賃為替等により変動

マークアップ

(輸 入 差 益)

港 湾 諸 経 費

買 付 価 格

(3)食糧麦備蓄対策事業

即時販売方式の導入後は製粉企業等が23か月分の外国産

食糧用小麦の備蓄を行った場合国が18か月分の保管経費を

助成しています(図Ⅰ-7)

また不測の事態が生じた場合には国は製粉企業等に

対して備蓄する外国産食糧用小麦の取崩しの指示等を行い

ます

図Ⅰ-7 食糧麦備蓄対策事業のスキーム(2)即時販売方式

外国産食糧用小麦の売渡しについては平成22年10月以降輸入した小麦を直ちに製粉企業等に販売し製粉企業等が一定期間備蓄することとなっています

- 9 -

6 外国産食糧用小麦の政府売渡価格の動向

外国産食糧用小麦の政府売渡価格は穀物の国際相場や海上

運賃為替等の動向を反映した買付価格に連動して年2回改

定されています

平成30年10月期の政府売渡価格は輸入小麦の平均買付価格

(平成30年3月第2週~9月第1週)が①米国及び豪州の一

部の地域の乾燥による減収懸念等から小麦の価格が上昇②燃

料油価格の影響により海上運賃が上昇したことにより前期

に比べ上昇したことから5銘柄加重平均(税込価格)で

55560円トン対前期比22の引上げとなりました

また平成31年4月期の政府売渡価格は輸入小麦の平均買

付価格(平成30年9月第2週~平成31年3月第1週)が①小

麦の国際価格に大きな変動がない中②為替は円安傾向であっ

たものの海上運賃が下落したことにより前期に比べ低下し

たことまたTPP11協定に基づきカナダ豪州産小麦

にマークアップの引下げを適用したことから5銘柄加重平均

(税込価格)で54630円トン対前期比17の引下げとなり

ました(表Ⅰ-9)

表Ⅰ-9 外国産食糧用小麦の政府売渡価格

注1)5銘柄加重平均価格は税込み価格である2)5銘柄とはアメリカ産ダークノーザンスプリング(主にパン中華麺用)カ

ナダ産ウェスタンレッドスプリング(主にパン用)アメリカ産ハードレッドウィンター(主にパン中華麺用)オーストラリア産スタンダードホワイト(主に日本麺用)アメリカ産ウェスタンホワイト(主に菓子用)

時 期5銘柄加重平均価格

(円トン)対前期比()

平成29年4月期 50690 +46

平成29年10月期 52510 +36

平成30年4月期 54370 +35

平成30年10月期 55560 +22

平成31年4月期 54630 17

- 10 -

Ⅱ 小麦粉麦製品の生産と価格の動向

資料平成21年度までは農林水産省「米麦加工食品生産動態統計調査年報」平成22年度からは農林水産省「食品産業動態調査」及び農林水産省「製粉精麦工場需給実績報告」平成21年度以降の麦茶の生産量については全国麦茶工業協同組合調べ

注1)麺類及びパン類の生産量は小麦粉使用量でその他は製品生産量である2)小麦粉精麦及び麦茶の生産量は年度の計でありその他は暦年の計である

(単位千トン)

表Ⅱ-1 小麦粉麦製品の生産量の推移

1 小麦粉麦製品の生産量

小麦粉の生産量は460万~470万トンで安定的に推移してい

ます(表Ⅱ-1)

小麦の二次加工製品のうち

① パン類の生産量は平成22年以降プライベートブラン

ドの菓子パンや高価格帯食パンの人気等により堅調に推

移しています

② 麺類の生産量は平成23年には東日本大震災による即

席麺の需要増等から増加しましたその後冷凍麺や外食

産業での消費増等により平成30年は147万トンと増加し

ています

③ ビスケットの生産量は平成20年から26年までは24万ト

ン前後で推移しました平成27年は円安の影響による輸入

量の減少等に伴い増加しその後は25万トン程度で推移し

ています

焼酎みそ主食用に仕向けられる精麦の生産量は平成16

年度まで本格焼酎ブームにより増加傾向で推移しましたがそ

の後の焼酎用需要の低迷等により減少しました近年は主食用

の需要の伸びにより17万トン前後で推移しています

一方平成28年(2016年)以降健康志向等を背景に大麦及

びはだか麦の需要が増加しています特に水溶性食物繊維

(大麦β-グルカン)が豊富なもち性はだか麦の需要は平成

29年(2017年)半ば以降は落ち着いてきたものの引き続き高

い水準で推移しています(図Ⅱ-1 )

- 11 -

図Ⅱ-1 もち麦を使用した製品の販売額の推移(首都圏)

区分

前年 前年 前年 前年 前年 前年

増減率 増減率 増減率 増減率 増減率 増減率

年 (年度計) () (暦年計) () (暦年計) () (暦年計) () (年度計) () (年度計) ()

平成12 4623 01 1279 23 1421 09 223 19 161 45 49 89

13 4607 03 1272 05 1441 14 218 21 164 19 51 41

14 4591 03 1245 21 1421 13 210 39 177 75 51 00

15 4662 15 1247 01 1425 02 219 43 189 71 45 118

16 4667 01 1243 03 1414 08 214 20 212 118 47 44

17 4623 09 1232 09 1368 32 213 05 201 51 47 00

18 4599 05 1218 11 1324 32 218 24 196 25 47 00

19 4684 18 1211 06 1319 03 225 29 197 06 48 21

20 4564 26 1181 24 1277 32 240 70 173 120 50 42

21 4612 11 1179 02 1265 10 243 10 168 29 48 40

22 4725 25 1196 15 1251 11 241 06 161 45 52 83

23 4708 04 1215 16 1283 26 243 06 155 35 54 38

24 4654 11 1219 03 1269 11 239 14 164 60 55 19

25 4694 09 1226 06 1324 43 237 12 158 37 66 200

26 4683 02 1234 07 1371 35 244 33 162 25 66 00

27 4702 04 1234 00 1396 19 259 59 162 04 68 30

28 4683 04 1238 03 1409 09 258 05 169 44 60 118

29 4703 04 1254 13 1445 26 252 22 172 20 64 67

30 - - 1221 27 1473 19 259 30 - - - -

精麦 麦茶小麦粉 パン類 麺類 ビスケット

資料日本経済新聞デジタルメディア社による首都圏のスーパーマーケットなど119店におけるPOSデータに基づき農林水産政策研究所において集計

図Ⅱ-2 小麦粉麦製品の価格(消費者物価指数)の変化

資料総務省「消費者物価指数」(全国)

(参考) 家計に占める小麦関連製品の支出 (単位円世帯)

資料総務省「家計調査」(全国二人以上の世帯)

年間計(平成30年)

1か月平均

消 費 支 出 3447783 287315食 料 952172 79348

小 麦 関 連 製 品 計 82108 6842パ ン 30555 2546

め ん 類 17369 1447小 麦 粉 596 50

菓子類(ビスケット等) 11397 950調理食品(調理パン) 5352 446

外食(うどん等) 16839 1403

(平成27年=100)

2 小麦粉麦製品の価格の動向

小麦粉及び麦関連製品の価格は輸入小麦の政府売渡価

格の引上げ等による原材料費の上昇人件費や物流費の上

昇等の影響を受け平成30年以降小麦粉及びパンの価格

は上昇傾向にあります(図Ⅱ-2)

- 12 -

85

90

95

100

105

110

食料品総合 パン めん類 小麦粉

表Ⅱ-2 麦製品の輸入量の推移(参考1) 麦製品の輸入動向

(1)小麦粉調製品

小麦粉に砂糖脱脂粉乳等を混合した小麦粉調製品の輸

入量は平成11年以降デフレに伴う低価格品需要の拡大

により増加傾向で推移してきましたが麦の国際相場の

高騰に伴う輸入価格の上昇等により平成18年から平成20年

にかけて減少しましたその後も減少傾向で推移しており

平成30年は8万3千トンの輸入量となっています

(2)麦加工製品

①マカロニスパゲッティ

マカロニスパゲッティについては国内の全体需要が

増加する中で輸入量が増加傾向で推移してきました

平成30年は過去最高の輸入量であった前年からは減少

し13万8千トンとなっています

②ビスケット

ビスケットの輸入量は平成25年以降円安の影響を受

けて減少していましたが平成28年度以降増加傾向にあり

平成30年の輸入量は2万5千トンとなっています

資料財務省「貿易統計」注小麦粉調製品は穀粉が占める割合が85以下のものの輸入量

なお小麦粉調製品のうち加糖のものは一般に菓子類菓子パン類等の原料として利用され無糖のものは麺類等の原料として使用される

(単位千トン)

- 13 -

対前年 対前年 対前年 対前年 対前年

増減率 増減率 増減率 増減率 増減率

() () () () ()

平成12 107 118 85 92 97 26 45 95 108 11 123

13 121 126 75 99 81 27 51 93 25 13 209

14 126 131 35 102 30 29 52 101 94 15 142

15 116 133 13 101 06 31 82 108 63 21 400

16 108 136 28 98 32 38 222 112 35 25 219

17 110 140 26 98 01 42 90 110 17 24 49

18 116 139 09 99 12 39 59 110 02 24 23

19 118 117 155 87 128 30 224 104 49 23 56

20 104 100 144 72 173 29 60 127 219 18 221

21 94 102 23 73 15 30 42 116 85 17 83

22 88 107 40 73 07 33 119 121 36 19 173

23 80 108 12 78 59 30 90 134 115 22 143

24 80 106 16 78 02 28 63 142 58 22 07

25 97 100 53 73 64 28 25 133 68 18 182

26 105 98 21 73 02 25 83 133 03 17 74

27 121 94 40 69 55 25 03 132 08 14 166

28 109 91 32 65 58 26 40 145 99 19 348

29 112 92 05 65 02 27 14 150 32 24 296

30 110 83 92 59 85 24 110 138 75 25 23

国 名輸入割合()

国 名輸入割合()

国 名輸入割合()

国 名輸入割合()

国 名輸入割合()

韓国 409 韓国 528 シンガポール 442 イタリア 465 インドネシア 242

シンガポール 202 フランス 151 米国 126 トルコ 355 中国 205

フランス 114 シンガポール 105 韓国 114 米国 142 マレーシア 84

米国 75 中国 78 ニュージーランド 98 ギリシャ 20 ベトナム 63

中国 57 米国 55 豪州 69 アラブ首長国連邦 10 イタリア 55

国 名対前年増減率()

国 名対前年増減率()

国 名対前年増減率()

国 名対前年増減率()

国 名対前年増減率()

韓国 10 韓国 13 シンガポール 221 イタリア 107 インドネシア 202

シンガポール 124 フランス 92 米国 136 トルコ 45 中国 76

フランス 87 シンガポール 108 韓国 30 米国 09 マレーシア 245

米国 116 中国 546 ニュージーランド 87 ギリシャ 152 ベトナム 137

中国 543 米国 98 豪州 344 アラブ首長国連邦 135 イタリア 119

30

輸入上位5カ国

区分

為替レー

円ドル)

小麦粉調製品 麦加工製品

加糖のもの 無糖のもの マカロニスパゲッティ ビスケット

(参考2) 麦製品の輸出動向

麦製品の輸出量のうちその大部分を占める小麦粉の輸出量

は近年主要輸出先国の製粉技術の向上や現地製粉工場の立

上げ等により減少傾向で推移し平成30年は約16万トンとなっ

ています(表Ⅱ-3)

表Ⅱ-3 麦製品の輸出量の推移

資料財務省「貿易統計」

(単位トン)

- 14 -

対前年増減率()

対前年増減率()

対前年増減率()

309594 75 376 431 1028 375

321028 37 315 162 967 59

319968 03 253 197 953 14

318706 04 410 621 1052 104

304465 45 328 200 769 269

289911 48 1054 2213 719 65

290033 00 1196 135 762 60

255377 119 1150 38 1098 441

187040 268 743 354 1198 91

185403 09 822 106 898 250

196183 58 770 63 974 85

191480 24 607 212 698 283

192598 06 598 15 780 117

168205 127 573 42 769 14

166311 11 571 04 861 120

157938 50 553 32 1249 451

158896 06 549 07 1287 30

167600 55 532 32 778 395

163640 24 535 06 894 148

国 名輸出割合

() 国 名輸出割合

() 国 名輸出割合

()

香港 496 香港 888 中国 483シンガポール 207 中国 43 香港 314ベトナム 96 韓国 21 台湾 64

タイ 59 米国 17 ベトナム 37台湾 58 台湾 11 シンガポール 29

国 名対前年増減率() 国 名

対前年増減率() 国 名

対前年増減率()

香港 175 香港 26 中国 251シンガポール 583 中国 62 香港 329ベトナム 135 韓国 437 台湾 59

タイ 81 米国 1047 ベトナム 418台湾 47 台湾 261 シンガポール 449

24

30

輸出上位5カ国

25

181920212223

2627282930

17

  区分

小麦粉マカロニスパゲッティ

スイートビスケット

平成1213141516

(参考3) 麦製品の生産動向

麦製品の生産量は食パンや乾麺のように生産量が減少している製品もある一方で菓子パンや即席麺冷凍麺のように生産量が増加している製品もあることから使用される小麦粉の数量は平成22年以降概ね横ばい傾向で推移しています麦製品は食生活の多様化や簡便性といった消費者ニーズを

捉えつつ継続した新製品の開発がなされており新たな定番となる商品の登場や期間限定の商品やイベントなどが消費者の購買を促進していると考えられます(図Ⅱ-3表Ⅱ-4)

表Ⅱ-4 麦製品の生産量の推移

(単位千トン)

- 15 -

資料平成21年度までは農林水産省「米麦加工食品生産動態統計調査年報」平成22年度からは農林水産省「食品産業動態調査」及び農林水産省「製粉精麦工場需給実績報告」冷凍麺の生産量は(一社)日本冷凍食品協会調べ

注1)麺類及びパン類の生産量は小麦粉使用量で冷凍麺は製品生産量である2)小麦粉は年度の計でありその他は暦年の計である

区分

パ ン 麺 類 冷凍麺

小麦粉 食パン菓子パ

ンその他のパン

生麺 乾麺 即席麺

年度計 暦年計 暦年計 暦年計 暦年計 暦年計 暦年計 暦年計 暦年計 暦年計

昭和45 3422 970 469 - - - 514 327 267 -

50 3978 1062 588 251 63 - 541 289 335 -

55 4079 1189 687 285 89 1334 610 275 325 -

60 4243 1178 653 291 133 1397 659 297 316 9

平成2 4338 1193 661 321 146 1407 687 274 316 41

7 4633 1220 623 368 178 1456 729 268 314 120

12 4623 1279 619 382 235 1421 687 235 343 190

22 4725 1196 576 375 215 1251 555 203 332 257

23 4708 1215 580 392 215 1283 548 209 361 270

24 4654 1219 580 392 221 1269 542 204 363 283

25 4694 1226 598 384 218 1324 562 213 386 314

26 4683 1234 608 387 214 1371 578 213 410 318

27 4702 1234 605 403 201 1396 624 195 414 308

28 4683 1238 604 403 206 1409 652 186 419 308

29 4703 1254 602 409 218 1445 691 186 416 313

30 - 1221 585 401 211 1473 712 188 420 -

〔低糖質製品〕

〔多種多様な携帯サンドイッチ〕

〔手軽な冷凍麺〕

図Ⅱ-3 麦製品の商品事例

H18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29

製粉工場数 124 122 121 119 117 118 117 114 109 104 102 98

製粉企業数 100 98 98 96 94 95 94 90 88 83 81 77

うち輸入小麦取扱製粉工場数 91 91 90 90 87 87 86 83 78 76 74 73

うち輸入小麦取扱製粉企業数 67 67 67 65 64 64 64 60 57 55 53 52

50

70

90

110

130

150製粉工場数

製粉企業数

うち輸入小麦取扱製粉工場数

うち輸入小麦取扱製粉企業数

3 製粉企業の状況

(1)大手製粉企業及び中小製粉企業の動向

① 大手製粉企業4社の小麦粉の生産量は全体の78を占

めておりこれに年間小麦粉生産量が3万トン以上の企業

の生産量を加えた13社ベースでは全体の90を占めてい

ます

② 大手製粉企業は生産設備の臨海工場への集約化を進め

つつ工場の大規模化合理化を推進しています

平成29年度の1工場当たりの生産量は17万トンまた

稼働率は89となっています

③ 年間小麦粉生産量3万トン以上の中小製粉企業は工場

のほとんどが臨海地域に立地し小麦粉を域内の二次加工

メーカー等に供給しています

平成29年度の1工場当たりの生産量は約6万トン稼働

率は67となっています

④ 年間小麦粉生産量1千トン以上3万トン未満の中小製粉

企業は主に内陸に位置し小麦粉を地元のパン麺等の

加工業者に供給するほか乾麺等の製造を兼ねるものも多

くなっています

平成29年度の1工場当たりの生産量は13万トンと大

手製粉企業の約14分の1稼働率は35となっています

⑤ 年間小麦粉生産量1千トン未満の中小製粉企業は輸入

小麦を取り扱わない企業が大部分を占め国内産小麦のみ

を使用し麺用や菓子用に供給しています

表Ⅱ-5 大手製粉企業中小製粉企業の小麦粉生産等の動向

資料農林水産省調べ注四捨五入の関係で計と内訳が一致しない場合がある

(参考)製粉企業数と工場数の推移(企業工場)

- 16 -

3万トン以上1千トン以上3万トン未満

1千トン未満

平成24 94 4 90 9 50 31

29 77 4 73 9 38 26

24 4853 3679 1174 536 636 3

29 4877 3801 1075 569 504 2

24 100 758 242 110 131 01

29 100 779 221 117 103 00

24 3245 1177 2068 632 1360 76

29 2806 1057 1749 581 1114 54

24 1496 3126 568 848 468 39

29 1738 3596 615 980 452 44

24 415 1533 126 596 120 01

29 498 1728 142 569 126 01

24 692 887 414 709 311 42

29 731 888 454 670 347 46

全体 大手製粉

中 小 製 粉年間生産量

稼働率()

製粉企業数

小麦粉生産量(千トン)

生産シェア()

従業員数(人)

従業員一人当たりの生産量

(トン)

一工場当たりの生産量(千トン)

(2)製粉企業のコスト削減や品質安全性の向上に向けた取組

製粉企業は生産能力の増強によるコスト削減や品質安全性の向上に向けた取組を進めています(図Ⅱ-4)

また国も農業競争力強化プログラムを策定し製粉企業の取組みを支援しています(図Ⅱ-5)

① 供給能力の強化等によるコストダウン

製粉企業は供給能力の強化生産性の向上と原料小麦の受入体制の整備によるコストダウンを図るため製粉工場や原料サイロの増強等の設備投資を行っています

② 資本業務の提携

製粉企業の中には他の製粉企業と資本業務提携を行うこと等により原料調達規模の拡大や生産の効率化等による競争力の強化を図る取組もみられます

③ 品質安全性の向上

製粉企業は近年消費者の安全安心への関心が高まる中食品の品質安全性を確保するための設備やAIB食品安全システムの導入ISO認証の取得等様々な取組を行っています

④ 工場の集約化

大手製粉企業は内陸工場を閉鎖し海外からの原料調達に有利な臨海工場への集約を進めるとともに臨海工場の生産能力を増強させる等生産性の向上を図っています

⑤ 海外市場への進出

製粉企業の中にはアジア大洋州地域における買収や工場増設等海外市場に積極的な進出をする取組もみられます

① 供給能力の強化等によるコストダウン 日清製粉は関東地区の小麦サイロ収容力の増強を進め更なる原料小麦の安定供給を推進するため鶴見工場の原料小麦サイロを増設(平成28年)

日本製粉は神戸甲南工場の原料サイロの新設等(平成24年)千葉工場の原料サイロの増設(平成26年)を行い今後原料サイロを福岡工場及び知多新工場へ新設神戸甲南工場(第2期)へ増設する予定

千葉製粉は新たな顧客ニーズへの対応付加価値製品の創出等を図るため専用ラインを新設(平成27年)

② 資本業務提携 資本業務提携を行っている製粉企業

増田製粉所(兵庫) hArr 日東富士製粉

木田製粉(北海道)内外製粉(三重)奥本製粉(大阪)セントラル製

粉(愛知) hArr 昭和産業

東福製粉(福岡) hArr 日本製粉

③ 品質安全性の向上 多くの製粉企業がISO9001(品質マネジメントシステム)ISO22000(食品安全マネジメントシステム)の認証を受けることにより品質管理や食品安全管理を実施

④ 工場の集約化 日清製粉は生産性向上のため内陸工場を順次閉鎖し臨海工場への集約化を推進

筑後工場(福岡)鳥栖工場(佐賀) rarr 福岡工場(福岡)へ集約

(平成26年)

名古屋工場の2ライン rarr 知多工場(愛知)の新ラインへ集約

(平成27年)

日本製粉は生産性向上のため総生産能力の80を臨海部の大型工場に集約

⑤ 海外市場への進出状況(平成30年度) 日清製粉は豪州の小麦粉市場においてトップシェアを持つアライドピナクル社を買収またタイでは子会社の日清STC製粉がタイの製粉工場を買収するとともにベトナムでは業務用プレミックスの生産工場を建設することを決定

昭和産業はベトナムに新たにプレミックス製造会社を設立し生産工場を建設することを決定

図Ⅱ-4 製粉企業の各種取組の事例

- 17-

⑥ 再編合理化の取組

製粉企業の中には国の支援を活用した再編合理化の取

組もみられます

⑦ 地産地消の推進

中小製粉企業は地域とのつながりの強さや独自の立地

条件を活かした特色ある経営を模索する中で生産者と協

力した積極的な地産地消の取組を進めています

⑦ 地産地消の推進

岩手県主な実施者岩手県学校給食会岩手県パン工業組合県内製粉企業取 組 内 容 平成28年度から地元県産小麦(銀河のちからゆきちから)を

100使用した学校給食用パンを県内の小中学校に提供開始埼玉県

主な実施者埼玉産小麦ネットワーク「SWING group」(県内製粉企業が中心となり生産者加工業者販売業者等180社が加盟)

取 組 内 容 埼玉県産小麦のブランド価値を高めることなどを目的として埼玉県産小麦を自社製品に利用することで高付加価値商品の開発による自社の発展などを目指すとともに研修会の実施やイベントホームページなどを通じた消費者への情報提供を実施

京都府主な実施者地元製粉企業京都府全農京都府本部生産者府内製麺製

パン業者飲食店取 組 内 容 平成30年産から京都府産小麦品種を「せときらら」へ全面切替を

行ったことを機にブランド名を「京小麦」とし「京小麦」を100使用したメニューを参加店舗にて提供するイベント「京小麦の収穫祭」を平成31年1月21日から2月17日まで開催

福岡県主な実施者福岡県ラー麦普及推進協議会(県JA全農ふくれん県内製粉

業者5社製麺業者関係団体)取 組 内 容 以下の取組によりラーメン用小麦「ラー麦」を普及推進

産地への生産技術の普及指導 小麦品質評価最適製粉加工方法の検討 利用や消費を促進するための普及宣伝(試

食イベント等) 毎年産の製粉製麺適性評価および食味

官能評価の実施 平成21年に本小麦の名称「ラー麦」とロ

ゴデザインを商標登録しブランド化

- 18 -

2 生産者が有利な条件で安定取引を行うことができる流通加工の業界構造の確立

(1)生産者に有利な流通加工構造の確立現在の食料需給消費の実態等を踏まえた効率的機能

的で農業者と消費者双方がメリットを受けられる流通加工構造を確立するため以下のとおり取り組む

その際農林水産省経済産業省をはじめ政府一体となって取り組む①~⑦ (略)⑧ 加工業については生産性の低い工場が乱立している

種類の加工業界(製粉乳業等)について国は国際競争に対応できる生産性の確保を目指した業界再編設備投資等を推進することとし政府系金融機関の融資農林漁業成長産業化支援機構の出資等による支援を行う

⑨ 上記改革を推進するため農産物の流通加工に関し国の責務業界再編に向けた推進手法等を明記した法整備を進める

⑩ 上記改革を推進するため金融機関による流通加工関連産業の生産性向上に資する経営支援や資金供給の促進政府系金融機関や農林漁業成長産業化支援機構等との連携強化等を図る

図Ⅱ-5 農業競争力強化プログラム(抜粋)

(平成28年11月29日 農林水産業地域の活力創造本部決定)

⑥ 再編合理化の取組

製粉工場の廃棄撤去製粉施設の一部又は全部を撤去しミックス粉等の関連事業を拡大

(製粉工場等再編合理化事業(平成2728年度7件))

図Ⅲ-1 国内産小麦の収穫量と作付面積の推移

表Ⅲ-1 小麦の主な作付品種(平成29年産)

Ⅲ 国内産麦の生産と流通の動向

1 国内産麦の生産状況

(1)小麦

① 作付面積

近年の国内産小麦の作付面積は約21万haと横ばいで推移して

います平成30年産の作付面積は北海道は121万ha都府県

は91万ha全国では212万haとなり前年産並となっていま

② 収穫量

平成30年産の国内産小麦の収穫量は主産地の北海道での6

月中旬から7月中旬にかけての低温日照不足の影響により登

熟不良となったこと等から前年産に比べ北海道で134万ト

ン(22)減少都府県では05万トン(2)減少全国

では139万ha(15)減少の768万トンとなり(図Ⅲ-1)

10a当たりの平均収量対比は91となりました

③ 小麦の作付品種の状況

栽培品種については各産地の気候条件や用途等に適した品

種が作付されており29年産では日本麺用では「きたほなみ」

「さとのそら」「シロガネコムギ」といった品種パン

中華麺用では「春よ恋」「ゆめちから」といった品種が上位

を占めています(表Ⅲ-1)

資料農林水産省「作物統計」品種毎の面積は農林水産省政策統括官調べ

注品種の育成年についてはシロガネコムギは農林認定が行われた年

それ以外の品種は出願公表が行われた年としている

資料農林水産省「作物統計」30年産の数値は概算値

- 19 -

(千トン)

年産

910 881

674

571

746

858 812

852

1004

791

907

768

210 209 208 207 212 209 210 213 213 214 212 212

100

120

140

160

180

200

220

240

260

280

300

0

200

400

600

800

1000

H19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30

収穫量 作付面積(千ha)

品種名 育成年 作付面積(千ha) 割合 主な作付地域

きたほなみ 平成19年 878 41 北海道

さとのそら 平成21年 159 7 関東東海

シロガネコムギ 昭和49年 152 7 九州近畿

春よ恋 平成11年 143 7 北海道

ゆめちから 平成20年 137 6 北海道

上位5品種計 1469 69

小麦作付面積 - 2123

図Ⅲ-2 国内産大麦及びはだか麦の収穫量と作付面積の推移

表Ⅲ-2 大麦及びはだか麦の主な作付品種(平成29年産)

(2)大麦及びはだか麦

① 作付面積

近年国内産大麦及びはだか麦の作付面積は約6万と横ば

いで推移しており平成30年産は前年産と比較すると二条

大麦は前年産並六条大麦は800ha(4)減少はだか麦

で460ha(9)増加となり全体では340ha(1)減少の

61万haとなりました(図Ⅲ-2)

② 収穫量

平成30年産の大麦及びはだか麦の収穫量は二条大麦及びは

だか麦はおおむね天候に恵まれ生育が順調で登熟も良好

であったこと等から前年産に比べ二条大麦は01万トン

(1)増加はだか麦は01万トン(8)増加となりました

六条大麦については北陸地方において大雪の影響で融雪時期

が遅れたこと等により穂数が少なくなり前年産に比べ14万

トン(26)減少しました

この結果大麦及びはだか麦の収穫量は合計で173万トンと

なり前年産に比べて12万トン(6)減少となりました

(図Ⅲ-2)

③ 大麦及びはだか麦の作付品種の状況

栽培品種については各産地の気候条件や用途等に適した品

種が作付されており29年産では二条大麦はビール用の「サ

チホゴールデン」六条大麦は主食用や麦茶用の「ファイ

バースノウ」はだか麦は麦味噌用の「マンネンボシ」いっ

た品種が上位を占めています(表Ⅲ-2)

資料農林水産省「作物統計」30年産の数値は概算値

- 20 -

(千トン)

資料農林水産省「作物統計」農林水産省調べ

注品種の育成年についてはシュンライイチバンボシは農林認定が行われ

た年それ以外の品種は出願公表が行われた年としている

195 217

179 161

172 172 183

170 177 170 185

173

54 57 58 59 60 60 59 60 61 61 61 61

0

10

20

30

40

50

60

70

80

90

100

0

50

100

150

200

250

H19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30

収穫量 作付面積 (千ha)

年産

麦種 品種名 育成年作付面積(千ha)

割合 主な作付地域

二条大麦

サチホゴールデン 平成18年 189 31 九州関東中国

はるしずく 平成17年 44 7 九州

ニシノホシ 平成11年 27 4 九州

六条大麦

ファイバースノウ 平成13年 107 17 北陸関東東海

シュンライ 平成2年 33 5 関東東北近畿

カシマゴール 平成22年 13 2 関東東海

はだか麦

マンネンボシ 平成13年 15 2 四国

イチバンボシ 平成4年 14 2 四国九州

トヨノカゼ 平成18年 11 2 九州中国

大麦はだか麦作付面積

- 614

資料農林水産省調べ

Aランク評価項目の基準値を3つ以上達成しかつ許容値を全て達成している麦Bランク評価項目の基準値を2つ達成しかつ許容値を全て達成している麦Cランク評価項目の基準値を1つ達成しかつ許容値を全て達成している麦

評価項目の基準値を2つ以上達成しているものの許容値を達成していない麦DランクA~Cランクのいずれにも該当しない麦

【評価項目】①小麦 日本麺用パン中華麺用(たんぱく灰分容積重フォーリングナンバー)

醸造用(たんぱく3項目容積重)②二条大麦 主食等用(容積重細麦率白度正常粒率)

麦茶用(たんぱく3項目細麦率)③六条大麦はだか麦 主食等用(容積重細麦率白度硝子率)

麦茶用(たんぱく3項目細麦率)

(参考) 麦の品質区分

(単位)

- 21 -

(2)品質評価

たんぱく質や灰分の含有率等に基づく品質評価結果につい

ては平成30年産の小麦ではAランクが899となってお

り過去5年平均(Aランク比率849)と比べ5ポイン

ト高くなっています

また平成30年産の大麦はだか麦ではAランクが

849となっており過去5年平均(Aランク比率832)

と比べ17ポイント高くなっています(表Ⅲ-4)

表Ⅲ-4 平成30年産麦の品質評価結果

2 国内産麦の品質状況

(1)農産物検査① 平成30年産の小麦について全国の1等比率は761

(平成30年12月末時点)と過去5年平均799と比較して低くなっています(表Ⅲ-3)

② 平成30年産の小粒大麦大粒大麦はだか麦及びビール大麦について1等比率は大粒大麦を除き過去5年平均と比較して低くなっています(表Ⅲ-3)

表Ⅲ-3 国内産麦の1等比率の推移(単位)

Aランク Bランク Cランク DランクAランク

過去5年平均(平成25~29年産)

小 麦 899 67 33 01 849

大麦はだか麦

849 37 108 06 832

注1)各年産翌年4月末時点の値であるただし平成30年産は30年12月末時点の値である

2)強力小麦の検査数量を含む値である

3 国内産麦に対する支援

平成31年度は経営所得安定対策等の対策のうち主に畑作

物の直接支払交付金と水田活用の直接支払交付金により国内

産麦に対する支援が行われます

(1)畑作物の直接支払交付金

畑作物の直接支払交付金として麦を生産する農業者に対

し標準的な生産費と標準的な販売価格の差額分を直接交付

することとしています

支払いは当年産の麦の品質及び生産量に応じて交付する

数量払を基本とし当年産の麦の作付面積に応じて交付する

面積払(営農継続支払)を数量払の先払いとして交付する仕

組みにしています

数量払の交付単価は品質に応じた単価を設けており需要

に応じた生産と品質に対する営農努力を適切に反映させる仕

組みになっています(表Ⅲ-5)

表Ⅲ-5 畑作物の直接支払交付金の麦の交付単価

(円単位数量)

品質区分(等級ランク)

1等 2等

A B C D A B C D

小麦(パン中華麵

用品種)(60kg当たり)

9040 8540 8390 8330 7880 7380 7230 7170

小麦(パン中華麺用品種以外)(60kg当たり)

6740 6240 6090 6030 5580 5080 4930 4870

二条大麦(50kg当たり) 5550 5130 5010 4960 4690 4270 4140 4090

六条大麦(50kg当たり) 6030 5610 5480 5430 5000 4580 4460 4410

はだか麦(60kg当たり) 8650 8150 8000 7910 7080 6580 6430 6350

(参考)

【平均交付単価小麦6940円60kg二条大麦5490円50kg六条大麦5720円50kg

はだか麦8230円60kg】

②面積払

当年産の作付面積に応じて交付 2万円10a

①数量払(品質に応じた単価)

- 22 -

【平成31年産に適用】

標準的な生産費

差額

ゲタ交付単価

標準的な販売価格

【交付単価のイメージ】lt畑作物の直接支払交付金のイメージgt

面積払(数量払の際に控除されます)

数量払

収量

交付金額

(2)水田活用の直接支払交付金

水田のフル活用を推進し食料自給率自給力の向上を図

るため水田で麦を生産する農業者に対しては畑作物の直

接支払交付金に加え水田活用の直接支払交付金(35000円

10a)を直接交付することとしています(表Ⅲ-6)

表Ⅲ-6 水田活用の直接支払交付金の交付単価

作 物 単 価

麦大豆飼料作物 35000円10a

WCS(ホールクロップサイレージ)用稲 80000円10a

加工用米 20000円10a

飼料用米米粉用米収量に応じ

55000円~105000円10a

このほか「産地交付金」により地域で作成する水田フル活用ビジョンに基づき二毛作や耕畜連携を含め産地づくりに向けた取組を支援します

戦略作物助成

注実需者等との出荷販売契約等を締結すること出荷販売することが要件

- 23 -

4 国内産食糧用麦の流通動向

(1)取引の概要

国内産食糧用麦は加工原料としての商品特性から需要に応じて計画的に生産できるようは種前契約に基づく取引が行われています

まず取引の指標となる透明性のある適正な価格を形成するためは種前に販売予定数量の3~4割(具体の比率は民間流通地方連絡協議会の協議を踏まえ決定)について入札が行われます残りは相対取引が行われておりその価格については入札で形成された指標価格(落札加重平均価格)を基本として取引当事者間で決められています(図Ⅲ-3)

また取引を円滑に進めるため生産者需要者等で構成される民間流通連絡協議会において取引に必要な情報交換取引に係る基本事項の見直し等が行われています(表Ⅲ-7)

今後とも国内産食糧用麦については円滑な流通が確保されるようは種前契約を基本としつつ適切に対応していきます

図Ⅲ-3 国内産食糧用麦の基本的な流通フロー

表Ⅲ-7 国内産食糧用麦の入札の仕組み

項 目 概 要 見直しの変遷

実施主体 一般社団法人 全国米麦改良協会

実施時期 は種前に2回実施(8~9月)平成13年産から1回rarr2回へ見直し

上場数量

産地銘柄別に販売予定数量が小麦3千トン以上大麦はだか麦1千トン以上の銘柄についてその30~40を上場(ほかに希望上場あり)

平成31年産から30rarr30~40へ見直し

基準価格

小麦は前年産の落札加重平均価格に当年産の入札実施時点での外国産麦の政府売渡価格の変動率を乗じた価格大麦はだか麦は前年産の落札加重平均価格

小麦の外国産麦との連動は平成24年産から実施

値幅制限 基準価格のplusmn10

小麦平成12年産~16年産plusmn5平成17年産~21年産plusmn7平成22年産plusmn10平成23年産plusmn30平成24年産~ plusmn10大麦はだか麦平成12年産~18年産plusmn5平成19年産~21年産plusmn7平成22年産plusmn10平成23年産plusmn15平成24年産~ plusmn10

取引価格の事後調整(小麦のみ)

外国産食糧用小麦の政府売渡価格の改定(410月)に合わせては種前の入札又は相対により契約された価格に外国産食糧用小麦の政府売渡価格の変動率を乗じて取引価格を改定

平成23年産から実施

申込限度数 量

買い手別に上場数量times買受実績シェアtimes145

小麦は平成17年産から大麦及びはだか麦は平成19年産から135rarr145へ見直し

相対取引入札で形成された指標価格を基本に生産者団体と需要者の間で協議決定

平成19年産から過去の実績シェアに基づく取引ルールを廃止

再入札

第1回入札及び第2回入札において落札残数量が発生した場合は売り手の希望により再度入札に付すか相対による契約を行うかいずれかの方法をとることができる

平成25年産から売り手の申し出により再入札における入札の値幅を設定できること等を規定

生産者団体から販売予定数量需要者団体から購入希望数量の相互提示

入札取引の実施(販売予定数量の約3~4割)

相対取引の実施(販売予定数量の約6~7割)

は 種(秋まき春まきは収穫年の4月)

収 穫 及 び 検 査

生産者団体と需要者の間では種前に契約を締結

需 要 者 へ 引 渡 し

<生産の流れ>

麦の生育期間

<契約の流れ>

は種前契約に基づき計画的に作付(は種)

収穫前年7月~

8~9月

9月~

~12月

6~8月

6月~

収穫年26年産から国内産麦の需要拡大を図るため地域の食文化のブランド化等による高付加価値化の取組等に対し安定的な原料供給が可能となる需要拡大推進枠を導入

- 24 -

表Ⅲ-8 国内産食糧用麦の供給量 (単位千トン)

注集荷団体からの聞き取り数量である

(2)流通の動向

平成30年産の国内産食糧用小麦の供給量は前年産から

約14万4千トン減少し約70万1千トンとなっています

また国内産食糧用大麦及びはだか麦の供給量は前年

産から約3千トン減少し約10万3千トンとなっています

(表Ⅲ-8)

生産者側から提示された平成31年産麦の販売予定数量は

国内産食糧用小麦で約82万4千トン国内産食糧用大麦及

びはだか麦で約10万8千トンとなっています

一方需要者側から提示された平成31年産麦の購入希望

数量は国内産食糧用小麦で約86万3千トン国内産食糧

用大麦及びはだか麦で約13万トンとなっています(表Ⅲ-

9)

表Ⅲ-9 国内産食糧用麦の販売予定数量及び購入希望数量の推移(単位千トン)

資料民間流通連絡協議会調べ注四捨五入の関係で差し引きが一致しないことがある

- 25 -

年産 20 21 22 23 24 25 26 27 28 2930

(見込)

小   麦 841 639 532 694 811 767 808 946 734 845 701

大麦はだか麦 125 100 84 98 93 105 103 103 92 106 103

年産 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31

販売予定数量① 887 906 909 951 948 909 905 880 820 846 834 824

購入希望数量② 833 880 818 859 904 869 751 802 834 875 880 863

①-② 54 25 91 91 44 40 154 78 14 29 46 39

(①-②)①() 61 28 100 96 47 44 170 89 18 34 55 47

販売予定数量① 121 132 134 127 122 116 110 112 113 112 108 108

購入希望数量② 199 219 135 149 147 138 141 149 145 138 148 130

①-② 78 87 1 23 26 21 31 37 32 26 39 22

(①-②)①() 640 660 06 179 209 182 282 330 284 234 363 204

表Ⅲ-10 国内産食糧用麦の入札結果の推移

資料一般社団法人全国米麦改良協会調べ

注1価格は税込み(26年産までは527年産以降は8)である

ただし31年産の落札価格は一般社団法人全国米麦改良協会公表の価格(税抜き)を基に農林水産省で税込み価格を算出

5 国内産食糧用麦の価格の動向

(1)平成31年産の入札の概要

平成31年産麦の入札は第1回は平成30年9月12日に第

2回は平成30年9月26日に実施されました

麦種別の入札結果をみると小麦は上場数量約21万4千

トンのうち約20万4千トンが落札(落札率954)され落

札価格は61714円トン(対前年産比1151)となりました

小粒大麦は上場数量約1万1千トンのうち約1万1千

トンが落札(落札率991)され落札価格は46560円トン

(対前年産比997)となりました

大粒大麦は上場数量約7千8百トンのうち5千6百トン

が落札(落札率717)され落札価格は46923円トン(対

前年産比879)となりました

はだか麦は上場数量約2千3百トンのうち約2千1百

トンが落札(落札率897)され落札価格は50817円トン

(対前年産比961)となりました(表Ⅲ-10)

なお国内産小麦については近年消費者の国産志向の高

まりなどを受け大手外食チェーンや2次加工メーカーが国

内産小麦を使用したパン中華麺等の商品を相次いで発表す

るなど人気が高まってきていますこれらを背景として平

成31年産小麦の落札価格は多くの銘柄で値幅制限の上限付

近となっておりまた申込倍数も14倍と高いものとなって

います

- 26 -

20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31

上場数量

(トン)①243510 243020 242310 251370 250980 244880 244320 234010 213360 221380 218500 214200

落札数量

(トン)②234930 238410 189350 247770 245320 220590 188240 192240 201140 214060 210560 204420

落札率

②①965 981 781 986 977 901 770 822 943 967 964 954

落札価格

(円トン)43229 59885 55241 48732 58340 49333 49319 49770 54164 51570 53624 61714

対前年産比 1064 1385 922 882 1197 846 1000 1009 1088 952 1040 1151

上場数量

(トン)①12240 13590 14210 13300 11760 11220 11290 11930 12210 12200 11750 11040

落札数量

(トン)②12050 13510 14040 13170 11550 10850 10900 11830 12090 12200 11440 10940

落札率

②①984 994 988 990 982 967 965 992 990 1000 974 991

落札価格

(円トン)45479 59709 53448 45871 46485 46453 46290 47595 47565 46880 46708 46560

対前年産比 1084 1313 895 858 1013 999 996 1028 999 986 996 997

上場数量

(トン)①10020 9690 10330 9290 9000 8700 7210 7620 7450 7620 6880 7810

落札数量

(トン)②8880 8920 8910 7990 7990 7830 6480 7130 6600 6700 6340 5600

落札率

②①886 921 863 860 888 900 899 936 886 879 922 717

落札価格

(円トン)36532 50492 46097 39649 40394 41582 42881 45740 47827 50442 53384 46923

対前年産比 1059 1382 913 860 1019 1029 1031 1067 1046 1055 1058 879

上場数量

(トン)①2910 3150 3030 3260 3060 2830 2840 2890 2740 2660 2570 2330

落札数量

(トン)②2910 3150 3030 3090 3020 2830 2810 2810 2520 2600 2470 2090

落札率

②①1000 1000 1000 948 987 1000 989 972 920 977 961 897

落札価格

(円トン)42222 58527 61489 52791 51905 52294 49656 47712 46547 48527 52876 50817

対前年産比 1063 1386 1051 859 983 1007 950 961 976 1043 1090 961

年産

小麦

小粒大麦(六条大麦)

大粒大麦(二条大麦)

はだか麦

平成31年産国内産食糧用小麦の入札結果をみると産地別銘柄別

の需給状況等を反映して落札価格に差が生じています

代表的な銘柄である北海道産「きたほなみ」は前年産の価格を

153上回る64752円トン香川県産「さぬきの夢2009」は前

年産の価格を152上回る73186円トンとなりましたまたパ

ン中華麺用の北海道産「ゆめちから」は前年産の価格を180

上回る62777円トン北海道産「春よ恋」は前年産の価格を

180上回る68792円トンとなりました(図Ⅲ-4図Ⅲ-5)

図Ⅲ-4 平成31年産国内産食糧用小麦の産地別銘柄別落札価格

資料農林水産省調べ注外国産小麦5銘柄加重平均価格は平成30年4月期の輸入小麦の政府売渡価格である

(2)平成31年産国内産食糧用小麦の産地別銘柄別落札価格の動向

資料農林水産省調べ注1国内産小麦の価格は(一社)全国米麦改良協会が実施する民間流通麦にかかる入札の第1回第2回

及び再入札の落札加重平均価格(税込み)年産の下段の( )内は当該第1回入札の実施年月である注2外国産小麦の価格は18年までは当該年度平均の実績価格であり19年以降は民間流通麦にかかる第

1回入札の実施年月時点での輸入小麦の政府売渡価格(5銘柄平均)である注3ホクシン(きたほなみ)については22年産までは「ホクシン」の価格であり23年産からは「きたほ

なみ」の価格である注4さぬきの夢については24年産までは「さぬきの夢2000」の価格であり25年産からは「さぬきの夢

2009」の価格である注5農林61号(さとのそら)については23年産までは「農林61号」の価格であり24年産からは「さとの

そら」の価格である

図Ⅲ-5 国内産食糧用小麦の産地別銘柄別落札価格の推移

- 27 -

(単位円トン税込み)

30000

60000

北海道ゆめちから 62777

福岡ミナミノカオリ 68393

滋賀農林61号 50763

茨城さとのそら 46310

佐賀チクゴイズミ 52193

岩手ゆきちから 39929

全銘柄落札加重平均 61714

香川さぬきの夢2009 73186

北海道きたほなみ 64752

外国産小麦5銘柄加重平均 54370

群馬さとのそら 48669

北海道キタノカオリ 63090

大分チクゴイズミ 48265

福岡シロガネコムギ 50643

佐賀シロガネコムギ 47998

40000

福岡チクゴイズミ 52203

滋賀ふくさやか 49534

岐阜イワイノダイチ 46874

埼玉さとのそら 47159

宮城シラネコムギ 44607

群馬つるぴかり 49785

北海道春よ恋 68792

愛知きぬあかり 50114

北海道はるきらり 60201

50000

埼玉あやひかり 46072

岐阜さとのそら 45919

70000

30000

40000

50000

60000

70000

80000

90000

100000

110000

120000

130000

12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 年産

(単位円トン税込み)

北海道ホクシン

香川さぬきの夢200973186円

茨城農林61号

香川さぬきの夢2000

茨城さとのそら

46310円

北海道きたほなみ

64752円

北海道ゆめちから

62777円

外国産小麦

5銘柄平均

54370円

北海道春よ恋

68792円

(128) (138) (148) (158) (168) (178)(1810) (199) (208)(2110)(2212) (239) (2410)(2510)(269)(279) (289) (299)(119) (309)

6 国内産麦の新品種の育成状況

(1)国内産麦については縞萎縮病抵抗性や耐倒伏性を備え

需要者等のニ-ズに合った新品種の開発が進められています

また作付け面積が1万haを超える「ゆめちから」「さとの

そら」をはじめ多数の品種が生産現場に導入されています

(図Ⅲ-6)

(2)今後とも赤かび病抵抗性や穂発芽耐性が高い小麦品種

小麦粉の色相や製粉性が優れる日本麺用小麦品種パンの膨

らみがカナダ産「1CW」並の小麦品種焼酎押麦味噌

などの加工適性が高い大麦品種等の開発を推進します

小麦品種「ゆめちから」及び「さとのそら」は優れた栽培特性

と加工適性を備えており作付けが拡大しています(平成29年

推定値「ゆめちから」約1万2千ha「さとのそら」約1万5

千ha)

パン用小麦品種の開発近年国産の小麦粉を使ったパンの需要増加に応えるためグルテンやでん粉の組成などパンの膨らみに関連する特性に注目した育種が進められていますその結果平成25年に製パン適性が「1CW」に近く多収の「せときらら」平成29年にはパン生地の力が強く穂発芽耐性や赤かび抵抗性が改良された「夏黄金」が育成されました

加工適性の高い大麦品種の開発機能性成分β-グルカンを多く含むもち性大麦の需要の高まりに応えるため平成29年に「はねうまもち」が育成されましたまた高品質なはだか麦の需要増加に対応して平成24年に味噌加工適性の高い「ハルヒメボシ」が育成されました

図Ⅲ-6 平成19年以降に育成された麦類の主な新品種

日本麺用小麦ゆめきらり

パン用小麦ゆめかおり福井県大3号

六条大麦ホワイトファイバー

北信越

日本麺用小麦あおばの恋

パン用小麦銀河のちから

東北

日本麺用小麦さとのそらきぬあかり

パン用小麦ゆめかおり

二条大麦とちのいぶき彩の星アスカゴールデンニューサチホゴールデン

六条大麦カシマゴール

はだか麦キラリモチ

関東東海

日本麺用小麦ふくはるかさぬきの夢2009

パン用小麦ゆめちからせときらら

はだか麦ハルヒメボシ

近畿中国四国

中華麺用小麦ちくしW2号

二条大麦煌二条白妙二条はるか二条トヨノホシ

九州

日本麺用小麦きたほなみ

中華麺用小麦つるきち

パン用小麦ゆめちからはるきらり

二条大麦札育2号

北海道

新品種のうち平成30年産で概ね100ha以上作付けされていると推定される品種を選定(農林水産省調べ)

- 28 -

7 国内産麦を利用した製品の動向

食料自給率の向上を図るためには国内産麦の需要開拓を行う

ことが必要です最近の消費者の国産志向の高まりや生産者と実

需者が一体となった地産地消の推進地域農業の振興を図る取り

組み等から国内産麦を使った麦製品(パン麺等)が増えてき

ており中には国内産麦を100使用した商品もあります(図Ⅲ-

7)

- 29 -

8 民間流通制度の運用改善

国内産麦の人気の高まりにより近年需要量が生産量を上回

る状況が継続しており国内産麦を積極的に使用したい実需者が

必要量を確保できない等の課題もあります

このような課題に対応するため民間流通連絡協議会において

入札上場比率の選択制の導入需要拡大推進枠設定の要件緩和

相対取引需要拡大推進枠において多様な取組が可能であること

の明確化等民間流通制度の運用改善が行われました(図Ⅲ-

8)

ピッツァ専用粉(北海道)(小麦)地元の製粉企業が北海道産小麦(きたほなみキタノカオリゆめち

から)を100使用した国内で初めてのピッツァ専用粉を開発平成30年2月に都内で試食会を開催し平成30年5月から販売

ピッツァ専用粉(群馬県)(小麦)地元の製粉企業が地元のピッツァ専門店ピッツァ窯メーカーと協力

して品質改良を重ね群馬県産小麦(さとのそらつるぴかりきぬの波)を100使用したピッツァ専用粉を平成30年4月から発売ピッツァイベントやイタリアン食材の展示会に出展

学校給食用パン(東京都)(小麦)都学校給食会の「学校給食パン加工規格」による配合基準に基づき国

内産小麦を100使用した学校給食パンを平成27年度から都内の一部の小中学校で提供を開始平成28年度からは都内全域の規格として採用

〇 市販用中華麺(愛知県)(小麦)地元の製粉企業が自社製品として愛知県産小麦きぬあかりを100使用

した中華麺を平成30年6月から自社通販で販売平成30年8月から一般販売を開始

フランスパン用粉(佐賀県)(小麦)近県製粉企業が農研機構と共同で育成した九州地域等の暖地温暖地

向けのフランスパン加工適性に優れる準強力小麦品種「さちかおり」を100使用したフランスパン用粉を平成30年8月から発売

市販用ゆで麺(長崎県)(小麦)地元の製麺企業近県製粉企業県生麺協同組合JA県等が連携し

平成26年3月に「長崎県育成麦活用開発協議会」を立ち上げ長崎県産長崎W2号(商標登録名長崎ちゃん麦)を100使用したちゃんぽん用のゆで麺を平成29年4月に製品化原料小麦の生産量が整った段階での本格販売を予定

もち性大麦を使用した機能性表示食品(静岡県)(大麦)地元の精麦企業が国内産もち性大麦でβ-グルカン量の多い銘柄を使用し

炊飯用精麦を製品化機能性表示食品として平成29年1月に届出し十分な原料を手当でき次第随時販売予定

〇 もち性大麦を使用したシリアル(愛知県)(大麦)地元の精麦企業が食物繊維が20を超える愛知県産もち性大麦「ワキ

シーファイバー」を使用した国内産もち麦100シリアルを開発平成30年4月から販売開始

図Ⅲ-7 国内産麦を100使用した商品事例

図Ⅲ-8 民間流通制度の運用改善のポイント

0

50

100

150

200

250

300

350

400円千人

大手製パンメーカーA社が国内産小麦100使用の新製品を発売

大手製食品スーパーB社が国内産小麦100使用の新製品をPBで発売

大手製パンメーカーA社が国内産小麦100使用の製品を初めて発売

(参考)国内産小麦を利用した製品の販売状況

(1)国内産小麦100使用の食パンの販売額

大きなシェアを占めるにはいたっていないものの国内産

小麦を100使用した食パンの販売金額の推移を見ると新製

品が登場する度に国内産小麦100使用の食パン市場が拡大し

ています(図Ⅲ-9)

図Ⅲ-9 国内産小麦100使用の食パンの販売額の推移(首都圏)

資料日本経済新聞デジタルメディア社による首都圏のスーパーマーケットなど100店舗におけるPOSデータに基づき農林水産政策研究所において集計

注食パンのうち国内産小麦を100使用していることが明らかな製品のみ計上菓子パン等は含んでいない

表Ⅲ-11 生麺ゆで麺(チルド)の販売金額のシェア(首都圏平成30年)

資料日本経済新聞デジタルメディア社による首都圏のスーパーマーケットなど120店舗におけるPOSデータに基づき農林水産政策研究所において集計

(2)生麺ゆで麺(チルド)の販売金額

生麺ゆで麺全体で上位15製品の売上高に占める国内産

小麦使用表示のある製品のシェアは30となっていますま

た主要な麺製品のうどんラーメン冷やし中華焼そば

全てで国内産小麦使用製品がランクインしています(表Ⅲ

-11)

2013年 2014年 2015年 2016年 2017年 2018年 2019年

                      (単位)

製品の種類製造企業の規模産地表示販売金額シェア

焼そば大手製品(国内産小麦使用表示なし) 99そば大手製品(国内産小麦使用表示なし) 27冷やしラーメン大手製品(国内産小麦使用表示なし) 20うどん大手製品(北海道産小麦使用表示あり) 20ラーメン大手製品(北海道産小麦使用表示あり) 14冷やし中華大手製品(国内産小麦使用表示なし) 14うどん大手製品(国内産小麦使用表示あり) 13焼そば大手製品(国内産小麦使用表示なし) 12焼うどん大手製品(国内産小麦使用表示なし) 12うどん大手製品(国内産小麦使用表示あり) 11焼そば大手製品(国内産小麦使用表示あり) 11そうめん大手製品(国内産小麦使用表示あり) 10うどんPB製品(北海道産小麦使用表示あり) 10つけ麺大手製品(国内産小麦使用表示なし) 10冷麺中小製品(国内産小麦使用表示なし) 10

303

14

89

15上位15製品の売上高に占める国内産小麦使用表示のある製品の

シェア

順位

1

10111213

234567

- 30 -

図Ⅲ-10 外食産業等と連携した農産物の需要拡大対策事業(麦類)

9 国内産麦の需要拡大イベント及び情報発信の取組

近年生産者と実需者等が連携し国内産麦を使用した製品が

数多く開発販売されており各地でイベント等の需要拡大の

取組みが行われております

また農林水産省としては平成30年度産地と外食事業者等

が連携して行う国内産麦を活用した新商品の開発試作製

造するために必要な取組を支援する「外食産業等と連携した農

産物の需要拡大対策事業」を一般社団法人全国米麦改良協会を

実施主体として行っているところです

農林水産省のホームページにおいてこれらのイベント等につい

て情報発信を行うとともに一般社団法人全国米麦改良協会が

開設している国産麦応援情報ホームページでの情報提供等を

行っています(図Ⅲ-10~12)

「国内産麦使用試作品全国統一試食会商談会」開催日平成31年2月12日~19日(土日を除く)場 所むぎくらべ(東京都千代田区神田小川町)

内 容平成29年度補正予算事業「外食産業等と連携した農産物の需要拡大対策事業」の一環として行われた国内産麦を使用した試作品の試食会商談会

「国内産麦使用試作品全国統一試食会商談会」で出品された試作品

- 31 -

第8回全国ご当地うどんサミットin 熊谷 開催日平成30年11月10日~11日 場 所熊谷スポーツ文化公園にぎわい広

場(埼玉県) 内 容全国の国内産小麦を使用した「ご

当地うどん」が一堂に集まりグランプリを決定

図Ⅲ-11 全国各地で開催されたイベント 図Ⅲ-12 一般社団法人 全国米麦改良協会の取組

国産麦応援情報ホームページ「日本の麦の底力」内容国産小麦粉ブランド名鑑国産小麦の逸品イベント情報研究

情報等を掲載URL httpnihonnomugicom

北海道小麦キャンプ2018 in オホーツク 開催日平成30年7月10日~11日 場 所ホテル黒部を主会場としたオホーツ

ク管内(北海道) 内 容国内産小麦北海道産小麦の魅力

を全国に広めることを目的にバスツアーやパン講習会などを実施

麦わらぼうしフェスタ 開催日平成30年11月4日 場 所笠原産業株式会社(栃木県) 内 容国内産小麦を使用したうどんパン

などの試食販売うどん教室などを実施

第7回 信州粉もん祭り 開催日平成30年11月11日 場 所JAながの ちくま埴生支所(長野県) 内 容長野県産小麦を使用した「粉もん料

理」が大集合粉もん試食会や手打ちうどん講習会 などを実施

国内産麦アンテナショップ「むぎくらべ」内容国内産麦を使用した商品のPRと販売の場を提供するものとして

平成30年7月東京都千代田区にオープン

- 32 -

オープニングセレモニーには上月前農林水産大臣政務官(写真中央)も出席

10 食料農業農村基本計画における麦の位置付け

平成27年3月31日に平成37年度を目標とする「食料農業

農村基本計画」が閣議決定され小麦は95万トン大麦はだ

か麦は22万トンの生産努力目標が設定されています(表Ⅲ-

12)

食料消費の見通し 生産努力目標(万トン) 克服すべき課題

1人1年当たり消費量

(kg人年)

国内消費仕向量

(万トン)

平成25年度

平成37年度

平成25年度

平成37年度

平成25年度

平成37年度

小麦 33 32 699 611 81 95

国内産小麦の需要拡大に向けた産地形成やブランド化

実需者ニーズに対応した生産流通体制の確立

新品種新技術の開発導入輪作体系の最適化排水対策等による収量品質の高位安定化

農地の集積集約化経営規模の拡大に対応した省力化に資する技術の開発導入等による生産コストの低減

大麦はだか麦

03 02 208 213 18 22

外国産大麦が多く用いられている焼酎用等の国内産麦の需要拡大

実需者ニーズに対応した生産流通体制の確立

新品種新技術の開発導入輪作体系の最適化排水対策等による収量品質の高位安定化

農地の集積集約化経営規模の拡大に対応した省力化に資する技術の開発導入等による生産コストの低減

表Ⅲ-12 麦の平成37年度における食料消費の見通し及び生産努力目標

資料「食料農業農村基本計画」(平成27年3月閣議決定)注1)国内消費仕向量には飼料用等の食糧用以外の用途への仕向量を含む

2)大麦はだか麦の国内消費仕向量及び生産努力目標にはビール大麦を含む

- 33 -

Ⅳ 米粉に関する動向

1 生産動向

米粉用米の生産量は平成25年産以降2万トン前後で推移していましたが平成29年度以降は約3万トンまで回復しています(表Ⅳ-1)

2 需要拡大に向けた対応

米粉用米の利用量は平成24年度以降年間2万数千トンで推移していましたがグルテンを使用しない米粉商品の開発や新たな米加工品(α化米粉米ゲルなど)の保湿性や粘性に着目した商品の開発「米粉の用途別基準」や「ノングルテン米粉製品第三者認証制度」の運用開始により平成29年度は25千トン30年度は31千トンに増加しています(表Ⅳ-2)

今後の更なる国内海外の需要拡大のためノングルテン米粉や用途別基準に適合する高品質な日本産米粉の流通を契機とした魅力ある新商品の開発や日本産米粉の優位性の情報発信等を推進する必要があります

表Ⅳ-1 上位5県の米粉用米の生産量と作付面積の推移

(参考) 米粉及び小麦粉の販売価格(税抜き)

米粉100~290円kg程度

(小麦粉 100円kg程度)

注1)平成26~29年度については新規需要米取組計画を認定した全需要者からの聞き取り注2)平成30年度については新規需要米取組計画を認定した主要な需要者からの聞き取り

により推計

表Ⅳ-2 米粉用米の利用量(需要者からの聞き取り)

- 34 -

資料26~29年産は新規需要米生産集出荷数量30年産は新規需要米取組計画

認定数量(農林水産省)

(単位千トン)

26年度 27年度 28年度 29年度 30年度見込

22 23 23 25 31

(単位千トン千ha)

26年産 27年産 28年産 29年産 30年産

生産量 59 97 87 130 107作付面積 11 18 15 24 19生産量 10 10 09 30 31作付面積 02 02 02 06 06生産量 08 10 00 19 30作付面積 01 02 00 03 06生産量 10 12 12 12 16作付面積 02 03 02 02 03生産量 20 24 07 12 13作付面積 03 04 01 02 02生産量 184 230 190 284 281作付面積 34 42 34 53 53

秋田県

全国計

新潟県

埼玉県

栃木県

群馬県

農林水産大臣は米穀の新用途への利用の促進に関する基本方針を定める

生産製造連携事業計画

生産者 製造事業者 促進事業者

必須

米穀の新用途への利用の促進に関する法律

米穀の新用途への利用の促進に関する基本方針

関係者が連携して計画を作成米穀の新用途への利用の促進に関する基本方針に照らし適切な計画について農林水産大臣が認定(計画期間は3~5年)

図Ⅳ 米粉用米に対する支援措置

3 米粉用米に対する支援

① 米粉用米についてはその利用の拡大を図るために平成21年に「米穀の新用途への利用の促進に関する法律」が制定されました同法に基づく「生産製造連携事業計画」の認定を受け「農山漁村

活性化計画」の採択を受けた取組に対して米粉用米の生産加工に必要な施設整備等の支援を行っています

② 米粉用米の生産者に対しては水田活用の直接支払交付金による支援を行っていますまたノングルテン米粉表示や米粉の用途別基準により需要者ニーズに合った高品質な米粉の製造や輸出拡大の取組を支援しています

③ 平成31年度は国内海外の需要獲得に向け引き続き魅力ある新商品開発を推進するほか日本産米粉の優位性の情報発信やノングルテン米粉の製造手法マニュアルの作成など輸出を含めた日本産米粉の需要拡大に向けた取組を支援していくこととしています

予 算 措 置

【水田活用の直接支払交付金】水田を活用して米粉用米等の作物を生産する農業者に対し交付金を直接交付 (米粉用米収量に応じ55万円~105万円10a)

【農山漁村振興交付金】米粉飼料用米の生産加工に係る施設整備に対し交付金を交付(補助率定額12)

【持続的生産強化対策事業】

日本産米粉の優位性の情報発信ノングルテン米粉の製造手法マニュアルの作成米粉用米生産者と製造事業者とのマッチング

等の取組を支援

金 融 措 置

【日本政策金融公庫による低利融資】(食品安定供給施設整備資金)

米粉製造施設米粉を原料とした食品の製造加工施設等への融資

(輸出を含めた日本産米粉の需要拡大支援事業)

(補助率定額)

【外食産業等と連携した需要拡大対策事業】

国産農林水産物食品の輸出等需要フロンティアの開拓を図るため産地と複数年契約を締結する民間企業(外食加工業者)に対し国産農林水産物を活用した新商品の開発やそれに必要な技術開発等を支援 (補助率定額12)

- 35 -

【農林水産物食品輸出促進緊急対策事業】コメ海外市場拡大戦略プロジェクトに参加する輸出産地や輸出事業者等が連携して戦略的に取り組む中国等の海外市場開拓プロモーション等を支援

(補助率定額12)

品目 現在の関税率 合意内容

小麦

枠内税率無税+マークアップ

枠外税率55円kg

現行の国家貿易制度を維持するとともに枠外税率(55円kg)を維持

既存のWTO枠に加え米国(15万(7年目以降))【不適用】カナダ(53万(同))豪州(5万(同))にSBS方式の国別枠を設定

マークアップを9年目までに45削減

大麦

枠内税率無税+マークアップ

枠外税率39円kg

現行の国家貿易制度を維持するとともに枠外税率(39円kg)を維持

既存のWTO枠に加えSBS方式のTPP枠(65万(9年目以降))を設定

マークアップを9年目までに45削減

1 TPP11協定概要(麦)(平成30年12月30日発効)

Ⅴ TPP11及び日EUEPAの協定概要(麦関係)

(参考主な麦製品)

現在の関税率合意内容

税率 枠数量

いった小麦小麦粉等

(国家貿易品目)

枠内税率125~25+マークアップ

枠外税率85~134円kg

枠内即時無税+マークアップ

(枠外税率は維持)

(発効時) (6年目)125千rarr175千

ベーカリー製品製造用

小麦粉調製品16~24

枠内即時無税(枠外税率は維持)

(発効時) (6年目)米国 105千rarr12千【不適用】米国以外 68千rarr 8千

その他小麦粉調製品

16~28枠内即時無税

(枠外税率は維持)(発効時) (6年目)15千rarr225千

マカロニスパゲティ

30円kg9年目までに60削減

ビスケット 1315 6年目に無税 -

注1)いった小麦とは小麦をいったものであり主にシリアル食品等に使用される

2)その他小麦粉調製品とは製麺まんじゅう等のベーカリー製品以外の製造用の

小麦粉調製品である

- 36 -

2 日EUEPA協定概要(麦)(平成31年2月1日発効)

品目 現在の関税率 合意内容

小麦

枠内税率無税+マークアップ

枠外税率55円kg

現行の国家貿易制度を維持するとともに枠外税率(55円kg)を維持

既存のWTO枠に加えSBS方式のEU枠(270(7年目以降))を設定

枠内のマークアップを9年目までに45削減

大麦

枠内税率無税+マークアップ

枠外税率39円kg

現行の国家貿易制度を維持するとともに枠外税率(39円kg)を維持

既存のWTO枠に加えSBS方式のEU枠(30(即時))を設定

枠内のマークアップを9年目までに45削減

(参考主な麦製品)

現在の関税率合意内容

税率 枠数量

いった小麦小麦粉等

(国家貿易品目)

枠内税率125~25+マークアップ

枠外税率85~134円kg

枠内即時無税+マークアップ

(枠外税率は維持)

(発効時) (6年目)38千rarr44千

ベーカリー製品製造用

小麦粉調製品16~24

枠内即時無税(枠外税率は維持)

(発効時) (6年目)104千rarr142千

その他小麦粉調製品

16~28枠内即時無税

(枠外税率は維持)(発効時) (6年目)

2千rarr3千

マカロニスパゲティ

30円kg 11年目に無税 -

ビスケット 1315 6年目に無税 -

注1)いった小麦とは小麦をいったものであり主にシリアル食品等に使用される

2)その他小麦粉調製品とは製麺まんじゅう等のベーカリー製品以外の製造用の

小麦粉調製品である

(参考) 麦の国境措置

小 麦 大 麦

輸入数量

価格

輸入数量

価格

政府売渡価格

マークアップ(輸入差益)

452円kgを上限

輸入価格

(枠内税率0円kg)

枠内輸入(国家貿易) 枠外輸入

(民間貿易)枠外税率を支払って輸入された数量(平成29年度)12千トン

WTOカレントアクセス数量5740千トン

枠外税率55円

政府売渡価格

輸入価格(枠内税率0円kg)

WTOカレントアクセス数量1369千トン

枠内輸入(国家貿易) 枠外輸入(民間貿易)

枠外税率を支払って輸入された数量(平成29年度)06千トン

枠外税率39円

民間貿易の場合の輸入価格

民間貿易の場合の輸入価格

286円kgを上限

マークアップ(輸入差益)

- 37 -

  • スライド番号 1
  • スライド番号 2
  • 麦の参考資料 麦の需給に関する見通し(動向編)
  • スライド番号 4
  • スライド番号 5
  • スライド番号 6
  • スライド番号 7
  • スライド番号 8
  • スライド番号 9
  • スライド番号 10
  • スライド番号 11
  • スライド番号 12
  • スライド番号 13
  • スライド番号 14
  • Ⅱ 小麦粉麦製品の生産と価格の動向
  • スライド番号 16
  • スライド番号 17
  • スライド番号 18
  • スライド番号 19
  • スライド番号 20
  • スライド番号 21
  • スライド番号 22
  • スライド番号 23
  • スライド番号 24
  • スライド番号 25
  • スライド番号 26
  • スライド番号 27
  • スライド番号 28
  • スライド番号 29
  • スライド番号 30
  • スライド番号 31
  • スライド番号 32
  • スライド番号 33
  • スライド番号 34
  • スライド番号 35
  • スライド番号 36
  • スライド番号 37
  • スライド番号 38
  • スライド番号 39
  • スライド番号 40
  • スライド番号 41
Country Attribute Commodity 20042005 20052006 20062007 20072008 20082009 20092010
World Production (1000 MT) Barley 152674 136756 137430 133168 153539 0
Corn 715732 699101 712375 791492 791039 0
Millet 30947 32455 33529 34951 35619 0
Mixed Grain 16885 15213 13063 14616 15057 0
Oats 25667 23861 23163 25577 26191 0
Rice Milled 401435 418487 420633 431309 439081 0
Rye 17002 14492 12382 14245 17176 0
Sorghum 57529 58365 56628 63533 63792 0
Wheat 625700 620044 596101 610188 682865 0
Wheat Durum 0 0 0 0 3680 0
2043571 2018774 2005304 2119079 2228039
Exports (1000 MT) Barley 15098 18231 15328 15708 20175 0
Corn 77643 80966 93799 95466 76877 0
Oats 1901 1930 2114 2830 2304 0
Rye 854 610 709 556 560 0
Sorghum 5403 5379 5461 9237 4902 0
Wheat 111235 116756 111201 115377 123881 0
240641 254246 259958 269594 258464
TY Exports (1000 MT) Barley 16989 17428 14516 18412 19190 0
Corn 75964 82580 91199 96027 77925 0
Oats 1955 2254 2184 2742 2300 0
Rye 974 622 661 481 560 0
Sorghum 5366 5496 5780 8802 4950 0
Wheat 113210 113872 115500 115492 125165 0
243637 251744 261908 271184 259660
Exports (1000 MT) Rice Milled 28507 30374 31346 30420 29765 0
TY Exports (1000 MT) Rice Milled 29179 29492 32068 29228 29570 0
Domestic Consumption (1000 MT) Barley 143271 139989 144389 135872 142892 0
Corn 688190 704591 725361 773235 783288 0
Millet 30947 32855 33489 34941 35619 0
Mixed Grain 15972 15331 14092 14255 14515 0
Oats 25318 24233 23552 24709 25192 0
Rice Milled 406828 412171 418290 424999 432423 0
Rye 17595 15748 13870 14419 15498 0
Sorghum 57794 58004 56327 63305 62231 0
Wheat 605365 617369 619124 614865 652947 0
1991280 2020291 2048494 2100600 2164605
Ending Stocks (1000 MT) Barley 32783 28641 21070 18259 28244 0
Corn 131811 124624 108845 128218 136033 0
Millet 600 200 240 250 250 0
Mixed Grain 1654 1536 507 868 1410 0
Oats 3550 3126 2813 3395 4316 0
Rice Milled 73152 75676 75391 78687 82659 0
Rye 3882 2639 1065 756 2437 0
Sorghum 4297 4524 4117 4418 5752 0
Wheat 150972 147636 127009 119371 148362 0
Wheat Durum 0 0 0 0 3680 0
402701 388602 341057 354222 413143
小麦の国際需給状況 コムギ
(単位百万トン)
200607 200708 200809 200910
年   度 (平成18年) ヘイセイネン (平成19年) ヘイセイネン (平成20年) ヘイセイネン (平成21年) ヘイセイネン
見込 予測
生 産 量 ショウサンリョウ 5957 6104 6827 6780
消 費 量 ケヒリョウ 6165 6169 6404 6468
期 末 在 庫 1298 1233 1656 1968
期末在庫率() 211 200 259 304
貿 易 量 リョウ 1116 1172 1430 1251
貿 易 比 率() 187 192 209 185
大麦の国際需給状況 オオ 穀物の国際需給状況 コクモツ
(単位百万トン) (単位百万トン)
200809 200910 201011 201314 201415 201516 201617 201718 201819 200506 200607 200708 200809 200910
(平成20年) ヘイセイネン 年   度 (平成21年) ヘイセイネン (平成22年) ヘイセイネン (平成25年) ヘイセイネン (平成26年) ヘイセイネン (平成27年) ヘイセイネン (平成28年) ヘイセイネン (平成29年) ヘイセイネン (平成30年) ヘイセイネン 年   度 (平成17年) ヘイセイネン (平成18年) ヘイセイネン (平成19年) ヘイセイネン (平成20年) ヘイセイネン (平成21年) ヘイセイネン
見込 ミコ 予測 見込 予測
1550 生 産 量 ショウサンリョウ 1508 1231 1443 1420 1498 1471 1437 1407 生 産 量 ショウサンリョウ 20176 20029 21230 22346 22185
1439 消 費 量 ケヒリョウ 1448 1362 1411 1425 1477 1503 1472 1418 消 費 量 ケヒリョウ 20216 20444 20952 21416 21879
315 期 末 在 庫 375 243 250 242 263 230 195 184 期 末 在 庫 3902 3435 3652 4474 4729
219 期末在庫率() 259 179 177 170 178 153 133 130 期末在庫率() 193 168 174 209 216
182 貿 易 量 リョウ 173 152 239 290 308 283 273 258 貿 易 量 リョウ 2534 2608 2756 2843 2662
117 貿 易 比 率() 115 123 166 204 206 193 190 183 貿 易 比 率() 126 130 130 127 120
穀物の国際需給状況 コクモツ
(単位百万トン)
2004 2005 2006 2007
年   度 05 06 07 08
見込 予測
【穀 物 計】 コクブツケイ
生 産 量 ショウサンリョウ 20189 20050 21167 21950
消 費 量 ケヒリョウ 20334 20533 21106 21741
期 末 在 庫 3886 3403 3464 3673
期末在庫率() 191 166 164 169
【うち小麦】 ショウムギ
生 産 量 ショウサンリョウ 6209 5963 6109 6763
消 費 量 ケヒリョウ 6242 6169 6195 6549
期 末 在 庫 1477 1271 1185 1399
期末在庫率() 237 206 191 214
Country Attribute Commodity 20042005 20052006 20062007 20072008 20082009 20092010
World Production (1000 MT) Barley 152674 136756 137430 133168 153539 0
Corn 715732 699101 712375 791492 791039 0
Millet 30947 32455 33529 34951 35619 0
Mixed Grain 16885 15213 13063 14616 15057 0
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Rice Milled 401435 418487 420633 431309 439081 0
Rye 17002 14492 12382 14245 17176 0
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2043571 2018774 2005304 2119079 2228039
Exports (1000 MT) Barley 15098 18231 15328 15708 20175 0
Corn 77643 80966 93799 95466 76877 0
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Sorghum 5403 5379 5461 9237 4902 0
Wheat 111235 116756 111201 115377 123881 0
240641 254246 259958 269594 258464
TY Exports (1000 MT) Barley 16989 17428 14516 18412 19190 0
Corn 75964 82580 91199 96027 77925 0
Oats 1955 2254 2184 2742 2300 0
Rye 974 622 661 481 560 0
Sorghum 5366 5496 5780 8802 4950 0
Wheat 113210 113872 115500 115492 125165 0
243637 251744 261908 271184 259660
Exports (1000 MT) Rice Milled 28507 30374 31346 30420 29765 0
TY Exports (1000 MT) Rice Milled 29179 29492 32068 29228 29570 0
Domestic Consumption (1000 MT) Barley 143271 139989 144389 135872 142892 0
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Rye 17595 15748 13870 14419 15498 0
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1991280 2020291 2048494 2100600 2164605
Ending Stocks (1000 MT) Barley 32783 28641 21070 18259 28244 0
Corn 131811 124624 108845 128218 136033 0
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Sorghum 4297 4524 4117 4418 5752 0
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402701 388602 341057 354222 413143
小麦の国際需給状況 コムギ
(単位百万トン)
200809 200910 201011 201314 201415 201516 201617 201718 201819
(平成20年) ヘイセイネン 年   度 (平成21年) ヘイセイネン (平成22年) ヘイセイネン (平成25年) ヘイセイネン (平成26年) ヘイセイネン (平成27年) ヘイセイネン (平成28年) ヘイセイネン (平成29年) ヘイセイネン (平成30年) ヘイセイネン
見込 ミコ 予測
6836 生 産 量 ショウサンリョウ 6866 6496 7151 7304 7384 7564 7631 7330
6437 消 費 量 ケヒリョウ 6538 6534 6909 7051 7163 7398 7444 7421
1682 期 末 在 庫 2010 1980 1949 2223 2444 2609 2796 2705
261 期末在庫率() 307 303 282 315 341 353 376 365
1435 貿 易 量 リョウ 1356 1341 1625 1642 1728 1833 1812 1789
210 貿 易 比 率() 197 207 227 225 234 242 238 244
大麦の国際需給状況 オオ 穀物の国際需給状況 コクモツ
(単位百万トン) (単位百万トン)
200607 200708 200809 200910 200506 200607 200708 200809 200910
年   度 (平成18年) ヘイセイネン (平成19年) ヘイセイネン (平成20年) ヘイセイネン (平成21年) ヘイセイネン 年   度 (平成17年) ヘイセイネン (平成18年) ヘイセイネン (平成19年) ヘイセイネン (平成20年) ヘイセイネン (平成21年) ヘイセイネン
見込 予測 見込 予測
生 産 量 ショウサンリョウ 1364 1327 1539 1492 生 産 量 ショウサンリョウ 20176 20029 21230 22346 22185
消 費 量 ケヒリョウ 1428 1346 1437 1471 消 費 量 ケヒリョウ 20216 20444 20952 21416 21879
期 末 在 庫 208 192 293 313 期 末 在 庫 3902 3435 3652 4474 4729
期末在庫率() 146 143 204 213 期末在庫率() 193 168 174 209 216
貿 易 量 リョウ 154 155 199 173 貿 易 量 リョウ 2534 2608 2756 2843 2662
貿 易 比 率() 113 117 129 116 貿 易 比 率() 126 130 130 127 120
穀物の国際需給状況 コクモツ
(単位百万トン)
2004 2005 2006 2007
年   度 05 06 07 08
見込 予測
【穀 物 計】 コクブツケイ
生 産 量 ショウサンリョウ 20189 20050 21167 21950
消 費 量 ケヒリョウ 20334 20533 21106 21741
期 末 在 庫 3886 3403 3464 3673
期末在庫率() 191 166 164 169
【うち小麦】 ショウムギ
生 産 量 ショウサンリョウ 6209 5963 6109 6763
消 費 量 ケヒリョウ 6242 6169 6195 6549
期 末 在 庫 1477 1271 1185 1399
期末在庫率() 237 206 191 214
Country Attribute Commodity 20042005 20052006 20062007 20072008 20082009 20092010
World Production (1000 MT) Barley 152674 136756 137430 133168 153539 0
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2043571 2018774 2005304 2119079 2228039
Exports (1000 MT) Barley 15098 18231 15328 15708 20175 0
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TY Exports (1000 MT) Barley 16989 17428 14516 18412 19190 0
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243637 251744 261908 271184 259660
Exports (1000 MT) Rice Milled 28507 30374 31346 30420 29765 0
TY Exports (1000 MT) Rice Milled 29179 29492 32068 29228 29570 0
Domestic Consumption (1000 MT) Barley 143271 139989 144389 135872 142892 0
Corn 688190 704591 725361 773235 783288 0
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Mixed Grain 15972 15331 14092 14255 14515 0
Oats 25318 24233 23552 24709 25192 0
Rice Milled 406828 412171 418290 424999 432423 0
Rye 17595 15748 13870 14419 15498 0
Sorghum 57794 58004 56327 63305 62231 0
Wheat 605365 617369 619124 614865 652947 0
1991280 2020291 2048494 2100600 2164605
Ending Stocks (1000 MT) Barley 32783 28641 21070 18259 28244 0
Corn 131811 124624 108845 128218 136033 0
Millet 600 200 240 250 250 0
Mixed Grain 1654 1536 507 868 1410 0
Oats 3550 3126 2813 3395 4316 0
Rice Milled 73152 75676 75391 78687 82659 0
Rye 3882 2639 1065 756 2437 0
Sorghum 4297 4524 4117 4418 5752 0
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402701 388602 341057 354222 413143
小麦の国際需給状況 コムギ
(単位百万トン)
200506 200607 200708 200809 200910
年   度 (平成17年) ヘイセイネン (平成18年) ヘイセイネン (平成19年) ヘイセイネン (平成20年) ヘイセイネン (平成21年) ヘイセイネン
見込 予測
生 産 量 ショウサンリョウ 6199 5957 6105 6827 6761
消 費 量 ケヒリョウ 6171 6186 6132 6333 6424
期 末 在 庫 1475 1276 1211 1639 1956
期末在庫率() 239 206 197 259 304
貿 易 量 リョウ 1166 1116 1172 1429 1232
貿 易 比 率() 188 187 192 209 182
大麦の国際需給状況 オオ 穀物の国際需給状況 コクモツ
(単位百万トン) (単位百万トン)
200506 200607 200708 200809 200910 200809 200910 201011 201112 201314 201415 201516 201617 201718 201819
年   度 (平成17年) ヘイセイネン (平成18年) ヘイセイネン (平成19年) ヘイセイネン (平成20年) ヘイセイネン (平成21年) ヘイセイネン (平成20年) ヘイセイネン 年   度 (平成21年) ヘイセイネン (平成22年) ヘイセイネン (平成23年) ヘイセイネン (平成25年) ヘイセイネン (平成26年) ヘイセイネン (平成27年) ヘイセイネン (平成28年) ヘイセイネン (平成29年) ヘイセイネン (平成30年) ヘイセイネン
見込 予測 見込 ミコ 予測
生 産 量 ショウサンリョウ 1363 1364 1327 1539 1492 22445 生 産 量 ショウサンリョウ 22434 22008 23208 24772 25588 25175 26619 26154 26065
消 費 量 ケヒリョウ 1405 1428 1346 1437 1471 21629 消 費 量 ケヒリョウ 22051 22319 23138 23904 24610 24550 26027 25985 26401
期 末 在 庫 276 208 192 293 313 4553 期 末 在 庫 4936 4625 4665 5285 6739 7365 7958 8126 7789
期末在庫率() 196 146 143 204 213 211 期末在庫率() 224 207 202 221 274 300 306 313 295
貿 易 量 リョウ 183 154 155 199 173 2836 貿 易 量 リョウ 2862 2841 3447 3719 3941 3769 4291 4117 4251
貿 易 比 率() 134 113 117 129 116 126 貿 易 比 率() 128 129 149 150 154 150 161 157 163
穀物の国際需給状況 コクモツ
(単位百万トン)
2003 2004 2005 2006 2007
年   度 04 05 06 07 08
見込 予測
【穀 物 計】 コクブツケイ
生 産 量 ショウサンリョウ 20436 20189 20050 21167 21950
消 費 量 ケヒリョウ 19955 20334 20533 21106 21741
期 末 在 庫 4031 3886 3403 3464 3673
期末在庫率() 202 191 166 164 169
【うち小麦】 ショウムギ
生 産 量 ショウサンリョウ 6257 6209 5963 6109 6763
消 費 量 ケヒリョウ 6068 6242 6169 6195 6549
期 末 在 庫 1511 1477 1271 1185 1399
期末在庫率() 249 237 206 191 214
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1 食生活における麦の位置付け

(1)麦の主な用途

麦は我が国の食生活においてパン麺菓子みそ主食用(麦飯)等多様な用途で使用されています

原料として使用される小麦の種類は小麦粉の種類用途に応じて異なっています小麦粉の種類はたんぱく質の含有量によって強力粉(パン用)準強力粉(中華麺用)中力粉(うどん用)薄力粉(菓子用)等に分類されています(表Ⅰ-1)

また二条大麦はビールや焼酎六条大麦は主食用や麦茶はだか麦は主食用やみその原料になります(表Ⅰ-2)

表Ⅰ-1 小麦の主な用途

表Ⅰ-2 大麦及びはだか麦の主な用途

小麦粉の種類

主な用途 たんぱく質の含有量 主な原料小麦(( )内は略称)

強 力 粉 食パン115~130

カナダ産ウェスタンレッドスプリング(CW) アメリカ産ダークノーザ

ンスプリング(DNS)

準強力粉中華麺ギョウザの皮

105~125

オーストラリア産プライムハ-ド(PH)

アメリカ産ハードレッドウィンター(HRW)

中 力 粉うどん即席麺ビスケット和菓子

75~105

国内産オーストラリア産スタンダードホワイト(ASW)

薄 力 粉カステラケ-キ和菓子天ぷら粉ビスケット

65~90

アメリカ産ウェスタンホワイト(WW)

デュラムセモリナ

マカロニスパゲッティ

110~140

カナダ産デュラム(DRM)

大麦及びはだか麦の種類

主な用途 主な原料麦 備 考

二条大麦 焼酎ビ-ル国内産

オーストラリア産

6列ある麦の穂のうち2列のみに大粒の実が稔る麦大粒大麦ともいう

六条大麦 主食用麦茶国内産

カナダ産

6列の麦の穂全てに小粒の実が稔る麦小粒大麦ともいう

はだか麦 主食用みそ国内産

アメリカ産

大麦の中でも子実の外皮が剥がれ易く粒が裸になる種類の麦

Ⅰ 麦の需給に関する動向

- 1 -

図Ⅰ-1 平成29年度の食料自給率(2)食料消費において麦が占める割合

平成29年度のカロリーベースの食料自給率は38であり小麦については14となっています(図Ⅰ-1)

- 2 -

資料農林水産省作成

〇 平成29年度の食料自給率

カロリーベース

38(3765)

生産額ベース

67(6717)

38(3778)

65(6499)

平成28年度

平成29年度

〇 品目別供給熱量自給率

米 小麦 大豆 野菜 果実

97 14 28 75 34

畜産物 砂糖類 油脂類 魚介類 その他

16 32 3 59 23

図Ⅰ-2 食糧用麦の流通の現状

(2)大麦及びはだか麦

(単位万トン)

(単位万トン)

- 3 -

生産者

民間流通 10

国家貿易 23

カナダ 6

豪州 16

他 1

政府

15

精麦企業 23

焼酎みそ押麦等用

焼酎みそメーカー

麦茶メーカー

ビールメーカー

2

麦茶用 5

ビール用 8

3

契約生産(ビール用)

8

資料農林水産省決算農林水産省調べ注流通量は過去5年(平成25年度~29年度)の平均数量である

(1)小麦

2 麦の流通の概要

麦は需要量の約9割を外国産麦の輸入で賄っています

国内産食糧用麦は民間流通により取引されており外国産食糧用麦は政府が国家貿易により計画的に輸入し需要者に売り渡しています

また米とは異なり最終的にパンや麺として消費されるため流通過程において各種の加工工程を経ています

(1)小麦

小麦は主に製粉企業が製粉して小麦粉にしその小麦粉を原料として二次加工メーカーがパン麺菓子等を製造します(図Ⅰ-2(1))

(2)大麦及びはだか麦

大麦及びはだか麦は精麦して焼酎みそ等の発酵用にしたり蒸気で加熱圧ぺんして押麦(麦飯)用にするといった加工工程を経て流通しています

なお国内産ビール大麦は生産者団体とビール会社の間で契約栽培により供給され麦芽等に加工されて流通しています(図Ⅰ-2(2))

民間流通 80

国家貿易496アメリカ 251カナダ 159豪州 86

496

みそ醤油等 10

パン麺菓子用等 566

家庭用

生産者

製粉企業醤油メーカー等

パン麺菓子メーカー

5

3 穀物の国際需給と国際価格の動向

(1)穀物の国際需給の動向

① 世界の中長期的な穀物の国際需給は

ア 総人口の継続的な増加緩やかな所得水準の向上等に伴う新興国及び途上国を中心とした食用飼料用需要の増加

イ 供給面では収穫面積の伸びがほぼ横ばいとなるものの単収増による生産の増加

等により需要と供給はほぼ拮抗すると見込まれていま

す農林水産政策研究所「2028年における世界の食料需給見通し」(平成31年3月)

② 201819年度(平成30年度)の穀物の国際需給は消費量が生産量を3千4百万トン上回ることが見込まれていますこのため期末在庫率はやや低下し295(対前年18ポイント)となることが見込まれています(表Ⅰ-3)

③ 201819年度(平成30年度)の小麦の生産量は作柄に恵まれた米国カナダ等で増加するもののロシアEU豪州等で減少が見込まれることから前年度を下回ると見込まれています

大麦の生産量はトルコ等で増加するもののロシアEU等で減少することから世界全体では前年度を下回ることが見込まれています

また201819年度(平成30年度)の小麦の消費量は生産量を上回ることから期末在庫率はやや低下するものの365(対前年11ポイント)と引き続き高水準となることが見込まれています(表Ⅰ-4)

大麦についても消費量が生産量を上回ることから期末在庫率はやや低下し130(対前年03ポイント)となることが見込まれています(表Ⅰ-5)

- 4 -

表Ⅰ-3 穀物の国際需給

表Ⅰ-4 小麦の国際需給

表Ⅰ-5 大麦の国際需給

資料注表Ⅰ-3に同じ

資料注表Ⅰ-3に同じ

(単位百万トン)201415 201516 201617 201718 201819(平成26年) (平成27年) (平成28年) (平成29年) (平成30年)

見込 予測25588 25175 26619 26154 2606524610 24550 26027 25985 264016739 7365 7958 8126 7789274 300 306 313 295

3941 3769 4291 4117 4251

154 150 161 157 163

年   度

貿 易 量貿 易 比 率()

生 産 量消 費 量期 末 在 庫

期末在庫率()

資料アメリカ農務省(2019年3月発表)穀物には小麦コメとうもろこし大麦オーツライ麦キビ等雑穀を含む

注1)期末在庫率()は消費量に対する在庫量の割合である2)貿易比率()は生産量に対する貿易量の割合である

(単位百万トン)201415 201516 201617 201718 201819(平成26年) (平成27年) (平成28年) (平成29年) (平成30年)

見込 予測7304 7384 7564 7631 73307051 7163 7398 7444 74212223 2444 2609 2796 2705315 341 353 376 365

1642 1728 1833 1812 1789

225 234 242 238 244

期末在庫率()

貿 易 量貿 易 比 率()

年   度

生 産 量消 費 量期 末 在 庫

(単位百万トン)201415 201516 201617 201718 201819(平成26年) (平成27年) (平成28年) (平成29年) (平成30年)

見込 予測1420 1498 1471 1437 14071425 1477 1503 1472 1418242 263 230 195 184170 178 153 133 130

290 308 283 273 258

204 206 193 190 183

生 産 量消 費 量期 末 在 庫

期末在庫率()

年   度

貿 易 量貿 易 比 率()

USDA(世界計)

資料アメリカ農務省(2010年1月発表)による注1)期末在庫率()は消費量に対する在庫量の割合である  2)貿易比率()は生産量に対する貿易量の割合である
資料アメリカ農務省(2010年1月発表)による注1)期末在庫率()は消費量に対する在庫量の割合である  2)貿易比率()は生産量に対する貿易量の割合である
world agricultural supply and demandworld market and trade (USDA 20101)による
資料アメリカ農務省(2014年1月発表)注1)期末在庫率()は消費量に対する在庫量の割合である  2)貿易比率()は生産量に対する貿易量の割合である

Sheet1

USDA(世界計)

資料アメリカ農務省(2010年3月発表)による注1)期末在庫率()は消費量に対する在庫量の割合である  2)貿易比率()は生産量に対する貿易量の割合である
資料アメリカ農務省(2010年1月発表)による注1)期末在庫率()は消費量に対する在庫量の割合である  2)貿易比率()は生産量に対する貿易量の割合である
world agricultural supply and demandworld market and trade (USDA 20101)による
資料アメリカ農務省(2010年3月発表)注1)期末在庫率()は消費量に対する在庫量の割合である  2)貿易比率()は生産量に対する貿易量の割合である

Sheet1

USDA(世界計)

資料アメリカ農務省(2010年3月発表)による注1)期末在庫率()は消費量に対する在庫量の割合である  2)貿易比率()は生産量に対する貿易量の割合である
world agricultural supply and demandworld market and trade (USDA 20101)による
資料アメリカ農務省(2010年3月発表)注1)期末在庫率()は消費量に対する在庫量の割合である  2)貿易比率()は生産量に対する貿易量の割合である

Sheet1

図Ⅰ-3 穀物の国際価格

注1)小麦とうもろこし大豆の価格はシカゴ商品取引所における各月第1金曜日の期近価格

2)1ブッシェル≒(大豆小麦272kgとうもろこし254)

3)図右端の数値は平成31年3月1日時点のものである

- 5 -

大豆

90

小麦

45

とうもろこし

36

(2)小麦の国際価格の動向

小麦の国際価格は主産地である北米豪州欧州黒

海沿岸地域等における天候及び作柄の変化にこれまで大

きく影響を受けています

直近では2018年(平成30年)7月中旬以降ロシア

EU等の乾燥による生産減少懸念等から上昇したもののそ

の後は世界的に潤沢な供給量等を背景に全体的に軟調に

推移し2019年(平成31年)3月上旬現在のシカゴ小麦先

物相場は4ドルブッシェル台半ばとなっています(図

Ⅰ-3)

10

30

50

70

H261 H267 H271 H277 H281 H287 H291 297 H301 307 H311

(3)為替の動向

日本円と米国ドルの為替は平成30年以降円安基調で推

移し平成31年に入ってからは一時円高となりましたが3

月上旬では113円ドル程度で推移しています(図Ⅰ-4)

(4)海上運賃の動向

海上運賃は平成28年以降上昇傾向で推移してきました

が平成30年11月からは燃料油価格の下落を受けて軟調に推

移しています(図Ⅰ-5)

- 6 -

図Ⅰ-4 為替の推移

資料三菱東京UFJ銀行の公表資料注図右端の数値は平成30年3月4日時点のものである

資料TRAMP Data Service Co Ltd 「WORLD MARITIME ANALYSIS WEEKLY REPORT」注1)2万トン級のフレート

2)図右端の数値は平成30年3月4日時点のものである

図Ⅰ-5 海上運賃の推移

図Ⅰ-4 為替の推移

円米ドル

ドルトン

70

80

90

100

110

120

130

H261 H267 H271 H277 H281 H287 H291 H297 H301 H307 H311

表Ⅰ-6 外国産食糧用小麦の銘柄別輸入量

注1)数量は決算ベース2)四捨五入の関係で計と内訳が一致しない場合がある3)( )内の数量はSBS方式により輸入された数量で内数である

4 外国産食糧用麦の輸入状況

外国産食糧用麦については国内産食糧用麦では量的又は質的に満たせない需要分について政府が国家貿易により計画的に輸入し需要者に売り渡しています現在の主な輸入先国はアメリカカナダ豪州の3か国と

なっています

(1)小麦

外国産食糧用小麦の輸入量は国内産小麦の作柄や輸出国

における輸送状況等により変動し近年は450万~520万トン

程度で推移しています(表Ⅰ-6)

(2)大麦及びはだか麦

外国産食糧用大麦及びはだか麦の輸入量は近年は20万~

25万トン程度で推移しています(表Ⅰ-7)

(単位千トン)

- 7 -

注1)数量は決算ベース

2)四捨五入の関係で計と内訳が一致しない場合がある

表Ⅰ-7 外国産食糧用大麦及びはだか麦の銘柄別輸入量(単位千トン)

ウェスタンホワイト 610 775 683 631 (23) 711

ハードレッドウィンター(115) 727 855 790 807 891

ダークノーザンスプリング 877 1245 850 831 (59) 1198

その他 (1) 28 (1) 1 (3) 3 (6) 6 (16) 16

計 (1) 2242 (1) 2877 (3) 2327 (6) 2276 (98) 2815

ウェスタンレッドスプリング 1228 1258 1527 1547 1355

デュラム (210) 210 (222) 222 (219) 219 (175) 193 (186) 186

その他 (3) 3 (3) 3 (1) 1 (1) 1 (2) 2

計 (213) 1441 (225) 1484 (220) 1747 (176) 1742 (188) 1543

スタンダードホワイト 759 794 737 755 797

プライムハード (83) 83 (83) 83 (84) 84 (64) 64 (80) 80

その他 (0) 2 (0) 0 (28) 28 (5) 15 (0) 0

計 (83) 844 (83) 877 (111) 848 (68) 833 (80) 877

(6) 6 (7) 7 (7) 7 (8) 8 (6) 6

(304) 4532 (316) 5245 (343) 4929 (259) 4858 (372) 5242

豪州

その他

26

合  計

平成25年度 28 2927

アメリカ

カナダ

25 26 27 28 29

二条大麦 - 1 1 1 11

六条大麦 1 2 1 2 2

はだか麦 2 3 2 8 20

計 3 5 4 11 33

二条大麦 15 13 9 14 7

六条大麦 39 53 46 40 36

はだか麦 1 1 2 4 5

計 54 67 58 58 48

二条大麦 146 174 168 180 152

はだか麦 - - 0 0 1

計 146 174 168 180 153

- - 2 2 2

203 245 232 250 236合 計

年度

アメリカ

カナダ

豪州

その他

図Ⅰ-6 政府売渡価格の構成

5 外国産食糧用麦の売渡方式

(1)外国産食糧用小麦の政府売渡

外国産食糧用小麦の政府売渡については平成19年4月以降輸入価格(過去の一定期間における輸入価格の平均値)にマークアップ(政府管理経費及び国内産小麦の生産振興対策に充当)を上乗せした価格で売り渡す「相場連動制」に移行しました(表Ⅰ-8図Ⅰ-6)

表Ⅰ-8 政府売渡価格改定ルール

項 目 基本的なルール

価格改定 現在年2回(4月期10月期)

買付価格算定期間 直近6か月間

- 8 -

輸入価格

政府売渡価格

小麦の国際価格や海上運賃為替等により変動

マークアップ

(輸 入 差 益)

港 湾 諸 経 費

買 付 価 格

(3)食糧麦備蓄対策事業

即時販売方式の導入後は製粉企業等が23か月分の外国産

食糧用小麦の備蓄を行った場合国が18か月分の保管経費を

助成しています(図Ⅰ-7)

また不測の事態が生じた場合には国は製粉企業等に

対して備蓄する外国産食糧用小麦の取崩しの指示等を行い

ます

図Ⅰ-7 食糧麦備蓄対策事業のスキーム(2)即時販売方式

外国産食糧用小麦の売渡しについては平成22年10月以降輸入した小麦を直ちに製粉企業等に販売し製粉企業等が一定期間備蓄することとなっています

- 9 -

6 外国産食糧用小麦の政府売渡価格の動向

外国産食糧用小麦の政府売渡価格は穀物の国際相場や海上

運賃為替等の動向を反映した買付価格に連動して年2回改

定されています

平成30年10月期の政府売渡価格は輸入小麦の平均買付価格

(平成30年3月第2週~9月第1週)が①米国及び豪州の一

部の地域の乾燥による減収懸念等から小麦の価格が上昇②燃

料油価格の影響により海上運賃が上昇したことにより前期

に比べ上昇したことから5銘柄加重平均(税込価格)で

55560円トン対前期比22の引上げとなりました

また平成31年4月期の政府売渡価格は輸入小麦の平均買

付価格(平成30年9月第2週~平成31年3月第1週)が①小

麦の国際価格に大きな変動がない中②為替は円安傾向であっ

たものの海上運賃が下落したことにより前期に比べ低下し

たことまたTPP11協定に基づきカナダ豪州産小麦

にマークアップの引下げを適用したことから5銘柄加重平均

(税込価格)で54630円トン対前期比17の引下げとなり

ました(表Ⅰ-9)

表Ⅰ-9 外国産食糧用小麦の政府売渡価格

注1)5銘柄加重平均価格は税込み価格である2)5銘柄とはアメリカ産ダークノーザンスプリング(主にパン中華麺用)カ

ナダ産ウェスタンレッドスプリング(主にパン用)アメリカ産ハードレッドウィンター(主にパン中華麺用)オーストラリア産スタンダードホワイト(主に日本麺用)アメリカ産ウェスタンホワイト(主に菓子用)

時 期5銘柄加重平均価格

(円トン)対前期比()

平成29年4月期 50690 +46

平成29年10月期 52510 +36

平成30年4月期 54370 +35

平成30年10月期 55560 +22

平成31年4月期 54630 17

- 10 -

Ⅱ 小麦粉麦製品の生産と価格の動向

資料平成21年度までは農林水産省「米麦加工食品生産動態統計調査年報」平成22年度からは農林水産省「食品産業動態調査」及び農林水産省「製粉精麦工場需給実績報告」平成21年度以降の麦茶の生産量については全国麦茶工業協同組合調べ

注1)麺類及びパン類の生産量は小麦粉使用量でその他は製品生産量である2)小麦粉精麦及び麦茶の生産量は年度の計でありその他は暦年の計である

(単位千トン)

表Ⅱ-1 小麦粉麦製品の生産量の推移

1 小麦粉麦製品の生産量

小麦粉の生産量は460万~470万トンで安定的に推移してい

ます(表Ⅱ-1)

小麦の二次加工製品のうち

① パン類の生産量は平成22年以降プライベートブラン

ドの菓子パンや高価格帯食パンの人気等により堅調に推

移しています

② 麺類の生産量は平成23年には東日本大震災による即

席麺の需要増等から増加しましたその後冷凍麺や外食

産業での消費増等により平成30年は147万トンと増加し

ています

③ ビスケットの生産量は平成20年から26年までは24万ト

ン前後で推移しました平成27年は円安の影響による輸入

量の減少等に伴い増加しその後は25万トン程度で推移し

ています

焼酎みそ主食用に仕向けられる精麦の生産量は平成16

年度まで本格焼酎ブームにより増加傾向で推移しましたがそ

の後の焼酎用需要の低迷等により減少しました近年は主食用

の需要の伸びにより17万トン前後で推移しています

一方平成28年(2016年)以降健康志向等を背景に大麦及

びはだか麦の需要が増加しています特に水溶性食物繊維

(大麦β-グルカン)が豊富なもち性はだか麦の需要は平成

29年(2017年)半ば以降は落ち着いてきたものの引き続き高

い水準で推移しています(図Ⅱ-1 )

- 11 -

図Ⅱ-1 もち麦を使用した製品の販売額の推移(首都圏)

区分

前年 前年 前年 前年 前年 前年

増減率 増減率 増減率 増減率 増減率 増減率

年 (年度計) () (暦年計) () (暦年計) () (暦年計) () (年度計) () (年度計) ()

平成12 4623 01 1279 23 1421 09 223 19 161 45 49 89

13 4607 03 1272 05 1441 14 218 21 164 19 51 41

14 4591 03 1245 21 1421 13 210 39 177 75 51 00

15 4662 15 1247 01 1425 02 219 43 189 71 45 118

16 4667 01 1243 03 1414 08 214 20 212 118 47 44

17 4623 09 1232 09 1368 32 213 05 201 51 47 00

18 4599 05 1218 11 1324 32 218 24 196 25 47 00

19 4684 18 1211 06 1319 03 225 29 197 06 48 21

20 4564 26 1181 24 1277 32 240 70 173 120 50 42

21 4612 11 1179 02 1265 10 243 10 168 29 48 40

22 4725 25 1196 15 1251 11 241 06 161 45 52 83

23 4708 04 1215 16 1283 26 243 06 155 35 54 38

24 4654 11 1219 03 1269 11 239 14 164 60 55 19

25 4694 09 1226 06 1324 43 237 12 158 37 66 200

26 4683 02 1234 07 1371 35 244 33 162 25 66 00

27 4702 04 1234 00 1396 19 259 59 162 04 68 30

28 4683 04 1238 03 1409 09 258 05 169 44 60 118

29 4703 04 1254 13 1445 26 252 22 172 20 64 67

30 - - 1221 27 1473 19 259 30 - - - -

精麦 麦茶小麦粉 パン類 麺類 ビスケット

資料日本経済新聞デジタルメディア社による首都圏のスーパーマーケットなど119店におけるPOSデータに基づき農林水産政策研究所において集計

図Ⅱ-2 小麦粉麦製品の価格(消費者物価指数)の変化

資料総務省「消費者物価指数」(全国)

(参考) 家計に占める小麦関連製品の支出 (単位円世帯)

資料総務省「家計調査」(全国二人以上の世帯)

年間計(平成30年)

1か月平均

消 費 支 出 3447783 287315食 料 952172 79348

小 麦 関 連 製 品 計 82108 6842パ ン 30555 2546

め ん 類 17369 1447小 麦 粉 596 50

菓子類(ビスケット等) 11397 950調理食品(調理パン) 5352 446

外食(うどん等) 16839 1403

(平成27年=100)

2 小麦粉麦製品の価格の動向

小麦粉及び麦関連製品の価格は輸入小麦の政府売渡価

格の引上げ等による原材料費の上昇人件費や物流費の上

昇等の影響を受け平成30年以降小麦粉及びパンの価格

は上昇傾向にあります(図Ⅱ-2)

- 12 -

85

90

95

100

105

110

食料品総合 パン めん類 小麦粉

表Ⅱ-2 麦製品の輸入量の推移(参考1) 麦製品の輸入動向

(1)小麦粉調製品

小麦粉に砂糖脱脂粉乳等を混合した小麦粉調製品の輸

入量は平成11年以降デフレに伴う低価格品需要の拡大

により増加傾向で推移してきましたが麦の国際相場の

高騰に伴う輸入価格の上昇等により平成18年から平成20年

にかけて減少しましたその後も減少傾向で推移しており

平成30年は8万3千トンの輸入量となっています

(2)麦加工製品

①マカロニスパゲッティ

マカロニスパゲッティについては国内の全体需要が

増加する中で輸入量が増加傾向で推移してきました

平成30年は過去最高の輸入量であった前年からは減少

し13万8千トンとなっています

②ビスケット

ビスケットの輸入量は平成25年以降円安の影響を受

けて減少していましたが平成28年度以降増加傾向にあり

平成30年の輸入量は2万5千トンとなっています

資料財務省「貿易統計」注小麦粉調製品は穀粉が占める割合が85以下のものの輸入量

なお小麦粉調製品のうち加糖のものは一般に菓子類菓子パン類等の原料として利用され無糖のものは麺類等の原料として使用される

(単位千トン)

- 13 -

対前年 対前年 対前年 対前年 対前年

増減率 増減率 増減率 増減率 増減率

() () () () ()

平成12 107 118 85 92 97 26 45 95 108 11 123

13 121 126 75 99 81 27 51 93 25 13 209

14 126 131 35 102 30 29 52 101 94 15 142

15 116 133 13 101 06 31 82 108 63 21 400

16 108 136 28 98 32 38 222 112 35 25 219

17 110 140 26 98 01 42 90 110 17 24 49

18 116 139 09 99 12 39 59 110 02 24 23

19 118 117 155 87 128 30 224 104 49 23 56

20 104 100 144 72 173 29 60 127 219 18 221

21 94 102 23 73 15 30 42 116 85 17 83

22 88 107 40 73 07 33 119 121 36 19 173

23 80 108 12 78 59 30 90 134 115 22 143

24 80 106 16 78 02 28 63 142 58 22 07

25 97 100 53 73 64 28 25 133 68 18 182

26 105 98 21 73 02 25 83 133 03 17 74

27 121 94 40 69 55 25 03 132 08 14 166

28 109 91 32 65 58 26 40 145 99 19 348

29 112 92 05 65 02 27 14 150 32 24 296

30 110 83 92 59 85 24 110 138 75 25 23

国 名輸入割合()

国 名輸入割合()

国 名輸入割合()

国 名輸入割合()

国 名輸入割合()

韓国 409 韓国 528 シンガポール 442 イタリア 465 インドネシア 242

シンガポール 202 フランス 151 米国 126 トルコ 355 中国 205

フランス 114 シンガポール 105 韓国 114 米国 142 マレーシア 84

米国 75 中国 78 ニュージーランド 98 ギリシャ 20 ベトナム 63

中国 57 米国 55 豪州 69 アラブ首長国連邦 10 イタリア 55

国 名対前年増減率()

国 名対前年増減率()

国 名対前年増減率()

国 名対前年増減率()

国 名対前年増減率()

韓国 10 韓国 13 シンガポール 221 イタリア 107 インドネシア 202

シンガポール 124 フランス 92 米国 136 トルコ 45 中国 76

フランス 87 シンガポール 108 韓国 30 米国 09 マレーシア 245

米国 116 中国 546 ニュージーランド 87 ギリシャ 152 ベトナム 137

中国 543 米国 98 豪州 344 アラブ首長国連邦 135 イタリア 119

30

輸入上位5カ国

区分

為替レー

円ドル)

小麦粉調製品 麦加工製品

加糖のもの 無糖のもの マカロニスパゲッティ ビスケット

(参考2) 麦製品の輸出動向

麦製品の輸出量のうちその大部分を占める小麦粉の輸出量

は近年主要輸出先国の製粉技術の向上や現地製粉工場の立

上げ等により減少傾向で推移し平成30年は約16万トンとなっ

ています(表Ⅱ-3)

表Ⅱ-3 麦製品の輸出量の推移

資料財務省「貿易統計」

(単位トン)

- 14 -

対前年増減率()

対前年増減率()

対前年増減率()

309594 75 376 431 1028 375

321028 37 315 162 967 59

319968 03 253 197 953 14

318706 04 410 621 1052 104

304465 45 328 200 769 269

289911 48 1054 2213 719 65

290033 00 1196 135 762 60

255377 119 1150 38 1098 441

187040 268 743 354 1198 91

185403 09 822 106 898 250

196183 58 770 63 974 85

191480 24 607 212 698 283

192598 06 598 15 780 117

168205 127 573 42 769 14

166311 11 571 04 861 120

157938 50 553 32 1249 451

158896 06 549 07 1287 30

167600 55 532 32 778 395

163640 24 535 06 894 148

国 名輸出割合

() 国 名輸出割合

() 国 名輸出割合

()

香港 496 香港 888 中国 483シンガポール 207 中国 43 香港 314ベトナム 96 韓国 21 台湾 64

タイ 59 米国 17 ベトナム 37台湾 58 台湾 11 シンガポール 29

国 名対前年増減率() 国 名

対前年増減率() 国 名

対前年増減率()

香港 175 香港 26 中国 251シンガポール 583 中国 62 香港 329ベトナム 135 韓国 437 台湾 59

タイ 81 米国 1047 ベトナム 418台湾 47 台湾 261 シンガポール 449

24

30

輸出上位5カ国

25

181920212223

2627282930

17

  区分

小麦粉マカロニスパゲッティ

スイートビスケット

平成1213141516

(参考3) 麦製品の生産動向

麦製品の生産量は食パンや乾麺のように生産量が減少している製品もある一方で菓子パンや即席麺冷凍麺のように生産量が増加している製品もあることから使用される小麦粉の数量は平成22年以降概ね横ばい傾向で推移しています麦製品は食生活の多様化や簡便性といった消費者ニーズを

捉えつつ継続した新製品の開発がなされており新たな定番となる商品の登場や期間限定の商品やイベントなどが消費者の購買を促進していると考えられます(図Ⅱ-3表Ⅱ-4)

表Ⅱ-4 麦製品の生産量の推移

(単位千トン)

- 15 -

資料平成21年度までは農林水産省「米麦加工食品生産動態統計調査年報」平成22年度からは農林水産省「食品産業動態調査」及び農林水産省「製粉精麦工場需給実績報告」冷凍麺の生産量は(一社)日本冷凍食品協会調べ

注1)麺類及びパン類の生産量は小麦粉使用量で冷凍麺は製品生産量である2)小麦粉は年度の計でありその他は暦年の計である

区分

パ ン 麺 類 冷凍麺

小麦粉 食パン菓子パ

ンその他のパン

生麺 乾麺 即席麺

年度計 暦年計 暦年計 暦年計 暦年計 暦年計 暦年計 暦年計 暦年計 暦年計

昭和45 3422 970 469 - - - 514 327 267 -

50 3978 1062 588 251 63 - 541 289 335 -

55 4079 1189 687 285 89 1334 610 275 325 -

60 4243 1178 653 291 133 1397 659 297 316 9

平成2 4338 1193 661 321 146 1407 687 274 316 41

7 4633 1220 623 368 178 1456 729 268 314 120

12 4623 1279 619 382 235 1421 687 235 343 190

22 4725 1196 576 375 215 1251 555 203 332 257

23 4708 1215 580 392 215 1283 548 209 361 270

24 4654 1219 580 392 221 1269 542 204 363 283

25 4694 1226 598 384 218 1324 562 213 386 314

26 4683 1234 608 387 214 1371 578 213 410 318

27 4702 1234 605 403 201 1396 624 195 414 308

28 4683 1238 604 403 206 1409 652 186 419 308

29 4703 1254 602 409 218 1445 691 186 416 313

30 - 1221 585 401 211 1473 712 188 420 -

〔低糖質製品〕

〔多種多様な携帯サンドイッチ〕

〔手軽な冷凍麺〕

図Ⅱ-3 麦製品の商品事例

H18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29

製粉工場数 124 122 121 119 117 118 117 114 109 104 102 98

製粉企業数 100 98 98 96 94 95 94 90 88 83 81 77

うち輸入小麦取扱製粉工場数 91 91 90 90 87 87 86 83 78 76 74 73

うち輸入小麦取扱製粉企業数 67 67 67 65 64 64 64 60 57 55 53 52

50

70

90

110

130

150製粉工場数

製粉企業数

うち輸入小麦取扱製粉工場数

うち輸入小麦取扱製粉企業数

3 製粉企業の状況

(1)大手製粉企業及び中小製粉企業の動向

① 大手製粉企業4社の小麦粉の生産量は全体の78を占

めておりこれに年間小麦粉生産量が3万トン以上の企業

の生産量を加えた13社ベースでは全体の90を占めてい

ます

② 大手製粉企業は生産設備の臨海工場への集約化を進め

つつ工場の大規模化合理化を推進しています

平成29年度の1工場当たりの生産量は17万トンまた

稼働率は89となっています

③ 年間小麦粉生産量3万トン以上の中小製粉企業は工場

のほとんどが臨海地域に立地し小麦粉を域内の二次加工

メーカー等に供給しています

平成29年度の1工場当たりの生産量は約6万トン稼働

率は67となっています

④ 年間小麦粉生産量1千トン以上3万トン未満の中小製粉

企業は主に内陸に位置し小麦粉を地元のパン麺等の

加工業者に供給するほか乾麺等の製造を兼ねるものも多

くなっています

平成29年度の1工場当たりの生産量は13万トンと大

手製粉企業の約14分の1稼働率は35となっています

⑤ 年間小麦粉生産量1千トン未満の中小製粉企業は輸入

小麦を取り扱わない企業が大部分を占め国内産小麦のみ

を使用し麺用や菓子用に供給しています

表Ⅱ-5 大手製粉企業中小製粉企業の小麦粉生産等の動向

資料農林水産省調べ注四捨五入の関係で計と内訳が一致しない場合がある

(参考)製粉企業数と工場数の推移(企業工場)

- 16 -

3万トン以上1千トン以上3万トン未満

1千トン未満

平成24 94 4 90 9 50 31

29 77 4 73 9 38 26

24 4853 3679 1174 536 636 3

29 4877 3801 1075 569 504 2

24 100 758 242 110 131 01

29 100 779 221 117 103 00

24 3245 1177 2068 632 1360 76

29 2806 1057 1749 581 1114 54

24 1496 3126 568 848 468 39

29 1738 3596 615 980 452 44

24 415 1533 126 596 120 01

29 498 1728 142 569 126 01

24 692 887 414 709 311 42

29 731 888 454 670 347 46

全体 大手製粉

中 小 製 粉年間生産量

稼働率()

製粉企業数

小麦粉生産量(千トン)

生産シェア()

従業員数(人)

従業員一人当たりの生産量

(トン)

一工場当たりの生産量(千トン)

(2)製粉企業のコスト削減や品質安全性の向上に向けた取組

製粉企業は生産能力の増強によるコスト削減や品質安全性の向上に向けた取組を進めています(図Ⅱ-4)

また国も農業競争力強化プログラムを策定し製粉企業の取組みを支援しています(図Ⅱ-5)

① 供給能力の強化等によるコストダウン

製粉企業は供給能力の強化生産性の向上と原料小麦の受入体制の整備によるコストダウンを図るため製粉工場や原料サイロの増強等の設備投資を行っています

② 資本業務の提携

製粉企業の中には他の製粉企業と資本業務提携を行うこと等により原料調達規模の拡大や生産の効率化等による競争力の強化を図る取組もみられます

③ 品質安全性の向上

製粉企業は近年消費者の安全安心への関心が高まる中食品の品質安全性を確保するための設備やAIB食品安全システムの導入ISO認証の取得等様々な取組を行っています

④ 工場の集約化

大手製粉企業は内陸工場を閉鎖し海外からの原料調達に有利な臨海工場への集約を進めるとともに臨海工場の生産能力を増強させる等生産性の向上を図っています

⑤ 海外市場への進出

製粉企業の中にはアジア大洋州地域における買収や工場増設等海外市場に積極的な進出をする取組もみられます

① 供給能力の強化等によるコストダウン 日清製粉は関東地区の小麦サイロ収容力の増強を進め更なる原料小麦の安定供給を推進するため鶴見工場の原料小麦サイロを増設(平成28年)

日本製粉は神戸甲南工場の原料サイロの新設等(平成24年)千葉工場の原料サイロの増設(平成26年)を行い今後原料サイロを福岡工場及び知多新工場へ新設神戸甲南工場(第2期)へ増設する予定

千葉製粉は新たな顧客ニーズへの対応付加価値製品の創出等を図るため専用ラインを新設(平成27年)

② 資本業務提携 資本業務提携を行っている製粉企業

増田製粉所(兵庫) hArr 日東富士製粉

木田製粉(北海道)内外製粉(三重)奥本製粉(大阪)セントラル製

粉(愛知) hArr 昭和産業

東福製粉(福岡) hArr 日本製粉

③ 品質安全性の向上 多くの製粉企業がISO9001(品質マネジメントシステム)ISO22000(食品安全マネジメントシステム)の認証を受けることにより品質管理や食品安全管理を実施

④ 工場の集約化 日清製粉は生産性向上のため内陸工場を順次閉鎖し臨海工場への集約化を推進

筑後工場(福岡)鳥栖工場(佐賀) rarr 福岡工場(福岡)へ集約

(平成26年)

名古屋工場の2ライン rarr 知多工場(愛知)の新ラインへ集約

(平成27年)

日本製粉は生産性向上のため総生産能力の80を臨海部の大型工場に集約

⑤ 海外市場への進出状況(平成30年度) 日清製粉は豪州の小麦粉市場においてトップシェアを持つアライドピナクル社を買収またタイでは子会社の日清STC製粉がタイの製粉工場を買収するとともにベトナムでは業務用プレミックスの生産工場を建設することを決定

昭和産業はベトナムに新たにプレミックス製造会社を設立し生産工場を建設することを決定

図Ⅱ-4 製粉企業の各種取組の事例

- 17-

⑥ 再編合理化の取組

製粉企業の中には国の支援を活用した再編合理化の取

組もみられます

⑦ 地産地消の推進

中小製粉企業は地域とのつながりの強さや独自の立地

条件を活かした特色ある経営を模索する中で生産者と協

力した積極的な地産地消の取組を進めています

⑦ 地産地消の推進

岩手県主な実施者岩手県学校給食会岩手県パン工業組合県内製粉企業取 組 内 容 平成28年度から地元県産小麦(銀河のちからゆきちから)を

100使用した学校給食用パンを県内の小中学校に提供開始埼玉県

主な実施者埼玉産小麦ネットワーク「SWING group」(県内製粉企業が中心となり生産者加工業者販売業者等180社が加盟)

取 組 内 容 埼玉県産小麦のブランド価値を高めることなどを目的として埼玉県産小麦を自社製品に利用することで高付加価値商品の開発による自社の発展などを目指すとともに研修会の実施やイベントホームページなどを通じた消費者への情報提供を実施

京都府主な実施者地元製粉企業京都府全農京都府本部生産者府内製麺製

パン業者飲食店取 組 内 容 平成30年産から京都府産小麦品種を「せときらら」へ全面切替を

行ったことを機にブランド名を「京小麦」とし「京小麦」を100使用したメニューを参加店舗にて提供するイベント「京小麦の収穫祭」を平成31年1月21日から2月17日まで開催

福岡県主な実施者福岡県ラー麦普及推進協議会(県JA全農ふくれん県内製粉

業者5社製麺業者関係団体)取 組 内 容 以下の取組によりラーメン用小麦「ラー麦」を普及推進

産地への生産技術の普及指導 小麦品質評価最適製粉加工方法の検討 利用や消費を促進するための普及宣伝(試

食イベント等) 毎年産の製粉製麺適性評価および食味

官能評価の実施 平成21年に本小麦の名称「ラー麦」とロ

ゴデザインを商標登録しブランド化

- 18 -

2 生産者が有利な条件で安定取引を行うことができる流通加工の業界構造の確立

(1)生産者に有利な流通加工構造の確立現在の食料需給消費の実態等を踏まえた効率的機能

的で農業者と消費者双方がメリットを受けられる流通加工構造を確立するため以下のとおり取り組む

その際農林水産省経済産業省をはじめ政府一体となって取り組む①~⑦ (略)⑧ 加工業については生産性の低い工場が乱立している

種類の加工業界(製粉乳業等)について国は国際競争に対応できる生産性の確保を目指した業界再編設備投資等を推進することとし政府系金融機関の融資農林漁業成長産業化支援機構の出資等による支援を行う

⑨ 上記改革を推進するため農産物の流通加工に関し国の責務業界再編に向けた推進手法等を明記した法整備を進める

⑩ 上記改革を推進するため金融機関による流通加工関連産業の生産性向上に資する経営支援や資金供給の促進政府系金融機関や農林漁業成長産業化支援機構等との連携強化等を図る

図Ⅱ-5 農業競争力強化プログラム(抜粋)

(平成28年11月29日 農林水産業地域の活力創造本部決定)

⑥ 再編合理化の取組

製粉工場の廃棄撤去製粉施設の一部又は全部を撤去しミックス粉等の関連事業を拡大

(製粉工場等再編合理化事業(平成2728年度7件))

図Ⅲ-1 国内産小麦の収穫量と作付面積の推移

表Ⅲ-1 小麦の主な作付品種(平成29年産)

Ⅲ 国内産麦の生産と流通の動向

1 国内産麦の生産状況

(1)小麦

① 作付面積

近年の国内産小麦の作付面積は約21万haと横ばいで推移して

います平成30年産の作付面積は北海道は121万ha都府県

は91万ha全国では212万haとなり前年産並となっていま

② 収穫量

平成30年産の国内産小麦の収穫量は主産地の北海道での6

月中旬から7月中旬にかけての低温日照不足の影響により登

熟不良となったこと等から前年産に比べ北海道で134万ト

ン(22)減少都府県では05万トン(2)減少全国

では139万ha(15)減少の768万トンとなり(図Ⅲ-1)

10a当たりの平均収量対比は91となりました

③ 小麦の作付品種の状況

栽培品種については各産地の気候条件や用途等に適した品

種が作付されており29年産では日本麺用では「きたほなみ」

「さとのそら」「シロガネコムギ」といった品種パン

中華麺用では「春よ恋」「ゆめちから」といった品種が上位

を占めています(表Ⅲ-1)

資料農林水産省「作物統計」品種毎の面積は農林水産省政策統括官調べ

注品種の育成年についてはシロガネコムギは農林認定が行われた年

それ以外の品種は出願公表が行われた年としている

資料農林水産省「作物統計」30年産の数値は概算値

- 19 -

(千トン)

年産

910 881

674

571

746

858 812

852

1004

791

907

768

210 209 208 207 212 209 210 213 213 214 212 212

100

120

140

160

180

200

220

240

260

280

300

0

200

400

600

800

1000

H19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30

収穫量 作付面積(千ha)

品種名 育成年 作付面積(千ha) 割合 主な作付地域

きたほなみ 平成19年 878 41 北海道

さとのそら 平成21年 159 7 関東東海

シロガネコムギ 昭和49年 152 7 九州近畿

春よ恋 平成11年 143 7 北海道

ゆめちから 平成20年 137 6 北海道

上位5品種計 1469 69

小麦作付面積 - 2123

図Ⅲ-2 国内産大麦及びはだか麦の収穫量と作付面積の推移

表Ⅲ-2 大麦及びはだか麦の主な作付品種(平成29年産)

(2)大麦及びはだか麦

① 作付面積

近年国内産大麦及びはだか麦の作付面積は約6万と横ば

いで推移しており平成30年産は前年産と比較すると二条

大麦は前年産並六条大麦は800ha(4)減少はだか麦

で460ha(9)増加となり全体では340ha(1)減少の

61万haとなりました(図Ⅲ-2)

② 収穫量

平成30年産の大麦及びはだか麦の収穫量は二条大麦及びは

だか麦はおおむね天候に恵まれ生育が順調で登熟も良好

であったこと等から前年産に比べ二条大麦は01万トン

(1)増加はだか麦は01万トン(8)増加となりました

六条大麦については北陸地方において大雪の影響で融雪時期

が遅れたこと等により穂数が少なくなり前年産に比べ14万

トン(26)減少しました

この結果大麦及びはだか麦の収穫量は合計で173万トンと

なり前年産に比べて12万トン(6)減少となりました

(図Ⅲ-2)

③ 大麦及びはだか麦の作付品種の状況

栽培品種については各産地の気候条件や用途等に適した品

種が作付されており29年産では二条大麦はビール用の「サ

チホゴールデン」六条大麦は主食用や麦茶用の「ファイ

バースノウ」はだか麦は麦味噌用の「マンネンボシ」いっ

た品種が上位を占めています(表Ⅲ-2)

資料農林水産省「作物統計」30年産の数値は概算値

- 20 -

(千トン)

資料農林水産省「作物統計」農林水産省調べ

注品種の育成年についてはシュンライイチバンボシは農林認定が行われ

た年それ以外の品種は出願公表が行われた年としている

195 217

179 161

172 172 183

170 177 170 185

173

54 57 58 59 60 60 59 60 61 61 61 61

0

10

20

30

40

50

60

70

80

90

100

0

50

100

150

200

250

H19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30

収穫量 作付面積 (千ha)

年産

麦種 品種名 育成年作付面積(千ha)

割合 主な作付地域

二条大麦

サチホゴールデン 平成18年 189 31 九州関東中国

はるしずく 平成17年 44 7 九州

ニシノホシ 平成11年 27 4 九州

六条大麦

ファイバースノウ 平成13年 107 17 北陸関東東海

シュンライ 平成2年 33 5 関東東北近畿

カシマゴール 平成22年 13 2 関東東海

はだか麦

マンネンボシ 平成13年 15 2 四国

イチバンボシ 平成4年 14 2 四国九州

トヨノカゼ 平成18年 11 2 九州中国

大麦はだか麦作付面積

- 614

資料農林水産省調べ

Aランク評価項目の基準値を3つ以上達成しかつ許容値を全て達成している麦Bランク評価項目の基準値を2つ達成しかつ許容値を全て達成している麦Cランク評価項目の基準値を1つ達成しかつ許容値を全て達成している麦

評価項目の基準値を2つ以上達成しているものの許容値を達成していない麦DランクA~Cランクのいずれにも該当しない麦

【評価項目】①小麦 日本麺用パン中華麺用(たんぱく灰分容積重フォーリングナンバー)

醸造用(たんぱく3項目容積重)②二条大麦 主食等用(容積重細麦率白度正常粒率)

麦茶用(たんぱく3項目細麦率)③六条大麦はだか麦 主食等用(容積重細麦率白度硝子率)

麦茶用(たんぱく3項目細麦率)

(参考) 麦の品質区分

(単位)

- 21 -

(2)品質評価

たんぱく質や灰分の含有率等に基づく品質評価結果につい

ては平成30年産の小麦ではAランクが899となってお

り過去5年平均(Aランク比率849)と比べ5ポイン

ト高くなっています

また平成30年産の大麦はだか麦ではAランクが

849となっており過去5年平均(Aランク比率832)

と比べ17ポイント高くなっています(表Ⅲ-4)

表Ⅲ-4 平成30年産麦の品質評価結果

2 国内産麦の品質状況

(1)農産物検査① 平成30年産の小麦について全国の1等比率は761

(平成30年12月末時点)と過去5年平均799と比較して低くなっています(表Ⅲ-3)

② 平成30年産の小粒大麦大粒大麦はだか麦及びビール大麦について1等比率は大粒大麦を除き過去5年平均と比較して低くなっています(表Ⅲ-3)

表Ⅲ-3 国内産麦の1等比率の推移(単位)

Aランク Bランク Cランク DランクAランク

過去5年平均(平成25~29年産)

小 麦 899 67 33 01 849

大麦はだか麦

849 37 108 06 832

注1)各年産翌年4月末時点の値であるただし平成30年産は30年12月末時点の値である

2)強力小麦の検査数量を含む値である

3 国内産麦に対する支援

平成31年度は経営所得安定対策等の対策のうち主に畑作

物の直接支払交付金と水田活用の直接支払交付金により国内

産麦に対する支援が行われます

(1)畑作物の直接支払交付金

畑作物の直接支払交付金として麦を生産する農業者に対

し標準的な生産費と標準的な販売価格の差額分を直接交付

することとしています

支払いは当年産の麦の品質及び生産量に応じて交付する

数量払を基本とし当年産の麦の作付面積に応じて交付する

面積払(営農継続支払)を数量払の先払いとして交付する仕

組みにしています

数量払の交付単価は品質に応じた単価を設けており需要

に応じた生産と品質に対する営農努力を適切に反映させる仕

組みになっています(表Ⅲ-5)

表Ⅲ-5 畑作物の直接支払交付金の麦の交付単価

(円単位数量)

品質区分(等級ランク)

1等 2等

A B C D A B C D

小麦(パン中華麵

用品種)(60kg当たり)

9040 8540 8390 8330 7880 7380 7230 7170

小麦(パン中華麺用品種以外)(60kg当たり)

6740 6240 6090 6030 5580 5080 4930 4870

二条大麦(50kg当たり) 5550 5130 5010 4960 4690 4270 4140 4090

六条大麦(50kg当たり) 6030 5610 5480 5430 5000 4580 4460 4410

はだか麦(60kg当たり) 8650 8150 8000 7910 7080 6580 6430 6350

(参考)

【平均交付単価小麦6940円60kg二条大麦5490円50kg六条大麦5720円50kg

はだか麦8230円60kg】

②面積払

当年産の作付面積に応じて交付 2万円10a

①数量払(品質に応じた単価)

- 22 -

【平成31年産に適用】

標準的な生産費

差額

ゲタ交付単価

標準的な販売価格

【交付単価のイメージ】lt畑作物の直接支払交付金のイメージgt

面積払(数量払の際に控除されます)

数量払

収量

交付金額

(2)水田活用の直接支払交付金

水田のフル活用を推進し食料自給率自給力の向上を図

るため水田で麦を生産する農業者に対しては畑作物の直

接支払交付金に加え水田活用の直接支払交付金(35000円

10a)を直接交付することとしています(表Ⅲ-6)

表Ⅲ-6 水田活用の直接支払交付金の交付単価

作 物 単 価

麦大豆飼料作物 35000円10a

WCS(ホールクロップサイレージ)用稲 80000円10a

加工用米 20000円10a

飼料用米米粉用米収量に応じ

55000円~105000円10a

このほか「産地交付金」により地域で作成する水田フル活用ビジョンに基づき二毛作や耕畜連携を含め産地づくりに向けた取組を支援します

戦略作物助成

注実需者等との出荷販売契約等を締結すること出荷販売することが要件

- 23 -

4 国内産食糧用麦の流通動向

(1)取引の概要

国内産食糧用麦は加工原料としての商品特性から需要に応じて計画的に生産できるようは種前契約に基づく取引が行われています

まず取引の指標となる透明性のある適正な価格を形成するためは種前に販売予定数量の3~4割(具体の比率は民間流通地方連絡協議会の協議を踏まえ決定)について入札が行われます残りは相対取引が行われておりその価格については入札で形成された指標価格(落札加重平均価格)を基本として取引当事者間で決められています(図Ⅲ-3)

また取引を円滑に進めるため生産者需要者等で構成される民間流通連絡協議会において取引に必要な情報交換取引に係る基本事項の見直し等が行われています(表Ⅲ-7)

今後とも国内産食糧用麦については円滑な流通が確保されるようは種前契約を基本としつつ適切に対応していきます

図Ⅲ-3 国内産食糧用麦の基本的な流通フロー

表Ⅲ-7 国内産食糧用麦の入札の仕組み

項 目 概 要 見直しの変遷

実施主体 一般社団法人 全国米麦改良協会

実施時期 は種前に2回実施(8~9月)平成13年産から1回rarr2回へ見直し

上場数量

産地銘柄別に販売予定数量が小麦3千トン以上大麦はだか麦1千トン以上の銘柄についてその30~40を上場(ほかに希望上場あり)

平成31年産から30rarr30~40へ見直し

基準価格

小麦は前年産の落札加重平均価格に当年産の入札実施時点での外国産麦の政府売渡価格の変動率を乗じた価格大麦はだか麦は前年産の落札加重平均価格

小麦の外国産麦との連動は平成24年産から実施

値幅制限 基準価格のplusmn10

小麦平成12年産~16年産plusmn5平成17年産~21年産plusmn7平成22年産plusmn10平成23年産plusmn30平成24年産~ plusmn10大麦はだか麦平成12年産~18年産plusmn5平成19年産~21年産plusmn7平成22年産plusmn10平成23年産plusmn15平成24年産~ plusmn10

取引価格の事後調整(小麦のみ)

外国産食糧用小麦の政府売渡価格の改定(410月)に合わせては種前の入札又は相対により契約された価格に外国産食糧用小麦の政府売渡価格の変動率を乗じて取引価格を改定

平成23年産から実施

申込限度数 量

買い手別に上場数量times買受実績シェアtimes145

小麦は平成17年産から大麦及びはだか麦は平成19年産から135rarr145へ見直し

相対取引入札で形成された指標価格を基本に生産者団体と需要者の間で協議決定

平成19年産から過去の実績シェアに基づく取引ルールを廃止

再入札

第1回入札及び第2回入札において落札残数量が発生した場合は売り手の希望により再度入札に付すか相対による契約を行うかいずれかの方法をとることができる

平成25年産から売り手の申し出により再入札における入札の値幅を設定できること等を規定

生産者団体から販売予定数量需要者団体から購入希望数量の相互提示

入札取引の実施(販売予定数量の約3~4割)

相対取引の実施(販売予定数量の約6~7割)

は 種(秋まき春まきは収穫年の4月)

収 穫 及 び 検 査

生産者団体と需要者の間では種前に契約を締結

需 要 者 へ 引 渡 し

<生産の流れ>

麦の生育期間

<契約の流れ>

は種前契約に基づき計画的に作付(は種)

収穫前年7月~

8~9月

9月~

~12月

6~8月

6月~

収穫年26年産から国内産麦の需要拡大を図るため地域の食文化のブランド化等による高付加価値化の取組等に対し安定的な原料供給が可能となる需要拡大推進枠を導入

- 24 -

表Ⅲ-8 国内産食糧用麦の供給量 (単位千トン)

注集荷団体からの聞き取り数量である

(2)流通の動向

平成30年産の国内産食糧用小麦の供給量は前年産から

約14万4千トン減少し約70万1千トンとなっています

また国内産食糧用大麦及びはだか麦の供給量は前年

産から約3千トン減少し約10万3千トンとなっています

(表Ⅲ-8)

生産者側から提示された平成31年産麦の販売予定数量は

国内産食糧用小麦で約82万4千トン国内産食糧用大麦及

びはだか麦で約10万8千トンとなっています

一方需要者側から提示された平成31年産麦の購入希望

数量は国内産食糧用小麦で約86万3千トン国内産食糧

用大麦及びはだか麦で約13万トンとなっています(表Ⅲ-

9)

表Ⅲ-9 国内産食糧用麦の販売予定数量及び購入希望数量の推移(単位千トン)

資料民間流通連絡協議会調べ注四捨五入の関係で差し引きが一致しないことがある

- 25 -

年産 20 21 22 23 24 25 26 27 28 2930

(見込)

小   麦 841 639 532 694 811 767 808 946 734 845 701

大麦はだか麦 125 100 84 98 93 105 103 103 92 106 103

年産 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31

販売予定数量① 887 906 909 951 948 909 905 880 820 846 834 824

購入希望数量② 833 880 818 859 904 869 751 802 834 875 880 863

①-② 54 25 91 91 44 40 154 78 14 29 46 39

(①-②)①() 61 28 100 96 47 44 170 89 18 34 55 47

販売予定数量① 121 132 134 127 122 116 110 112 113 112 108 108

購入希望数量② 199 219 135 149 147 138 141 149 145 138 148 130

①-② 78 87 1 23 26 21 31 37 32 26 39 22

(①-②)①() 640 660 06 179 209 182 282 330 284 234 363 204

表Ⅲ-10 国内産食糧用麦の入札結果の推移

資料一般社団法人全国米麦改良協会調べ

注1価格は税込み(26年産までは527年産以降は8)である

ただし31年産の落札価格は一般社団法人全国米麦改良協会公表の価格(税抜き)を基に農林水産省で税込み価格を算出

5 国内産食糧用麦の価格の動向

(1)平成31年産の入札の概要

平成31年産麦の入札は第1回は平成30年9月12日に第

2回は平成30年9月26日に実施されました

麦種別の入札結果をみると小麦は上場数量約21万4千

トンのうち約20万4千トンが落札(落札率954)され落

札価格は61714円トン(対前年産比1151)となりました

小粒大麦は上場数量約1万1千トンのうち約1万1千

トンが落札(落札率991)され落札価格は46560円トン

(対前年産比997)となりました

大粒大麦は上場数量約7千8百トンのうち5千6百トン

が落札(落札率717)され落札価格は46923円トン(対

前年産比879)となりました

はだか麦は上場数量約2千3百トンのうち約2千1百

トンが落札(落札率897)され落札価格は50817円トン

(対前年産比961)となりました(表Ⅲ-10)

なお国内産小麦については近年消費者の国産志向の高

まりなどを受け大手外食チェーンや2次加工メーカーが国

内産小麦を使用したパン中華麺等の商品を相次いで発表す

るなど人気が高まってきていますこれらを背景として平

成31年産小麦の落札価格は多くの銘柄で値幅制限の上限付

近となっておりまた申込倍数も14倍と高いものとなって

います

- 26 -

20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31

上場数量

(トン)①243510 243020 242310 251370 250980 244880 244320 234010 213360 221380 218500 214200

落札数量

(トン)②234930 238410 189350 247770 245320 220590 188240 192240 201140 214060 210560 204420

落札率

②①965 981 781 986 977 901 770 822 943 967 964 954

落札価格

(円トン)43229 59885 55241 48732 58340 49333 49319 49770 54164 51570 53624 61714

対前年産比 1064 1385 922 882 1197 846 1000 1009 1088 952 1040 1151

上場数量

(トン)①12240 13590 14210 13300 11760 11220 11290 11930 12210 12200 11750 11040

落札数量

(トン)②12050 13510 14040 13170 11550 10850 10900 11830 12090 12200 11440 10940

落札率

②①984 994 988 990 982 967 965 992 990 1000 974 991

落札価格

(円トン)45479 59709 53448 45871 46485 46453 46290 47595 47565 46880 46708 46560

対前年産比 1084 1313 895 858 1013 999 996 1028 999 986 996 997

上場数量

(トン)①10020 9690 10330 9290 9000 8700 7210 7620 7450 7620 6880 7810

落札数量

(トン)②8880 8920 8910 7990 7990 7830 6480 7130 6600 6700 6340 5600

落札率

②①886 921 863 860 888 900 899 936 886 879 922 717

落札価格

(円トン)36532 50492 46097 39649 40394 41582 42881 45740 47827 50442 53384 46923

対前年産比 1059 1382 913 860 1019 1029 1031 1067 1046 1055 1058 879

上場数量

(トン)①2910 3150 3030 3260 3060 2830 2840 2890 2740 2660 2570 2330

落札数量

(トン)②2910 3150 3030 3090 3020 2830 2810 2810 2520 2600 2470 2090

落札率

②①1000 1000 1000 948 987 1000 989 972 920 977 961 897

落札価格

(円トン)42222 58527 61489 52791 51905 52294 49656 47712 46547 48527 52876 50817

対前年産比 1063 1386 1051 859 983 1007 950 961 976 1043 1090 961

年産

小麦

小粒大麦(六条大麦)

大粒大麦(二条大麦)

はだか麦

平成31年産国内産食糧用小麦の入札結果をみると産地別銘柄別

の需給状況等を反映して落札価格に差が生じています

代表的な銘柄である北海道産「きたほなみ」は前年産の価格を

153上回る64752円トン香川県産「さぬきの夢2009」は前

年産の価格を152上回る73186円トンとなりましたまたパ

ン中華麺用の北海道産「ゆめちから」は前年産の価格を180

上回る62777円トン北海道産「春よ恋」は前年産の価格を

180上回る68792円トンとなりました(図Ⅲ-4図Ⅲ-5)

図Ⅲ-4 平成31年産国内産食糧用小麦の産地別銘柄別落札価格

資料農林水産省調べ注外国産小麦5銘柄加重平均価格は平成30年4月期の輸入小麦の政府売渡価格である

(2)平成31年産国内産食糧用小麦の産地別銘柄別落札価格の動向

資料農林水産省調べ注1国内産小麦の価格は(一社)全国米麦改良協会が実施する民間流通麦にかかる入札の第1回第2回

及び再入札の落札加重平均価格(税込み)年産の下段の( )内は当該第1回入札の実施年月である注2外国産小麦の価格は18年までは当該年度平均の実績価格であり19年以降は民間流通麦にかかる第

1回入札の実施年月時点での輸入小麦の政府売渡価格(5銘柄平均)である注3ホクシン(きたほなみ)については22年産までは「ホクシン」の価格であり23年産からは「きたほ

なみ」の価格である注4さぬきの夢については24年産までは「さぬきの夢2000」の価格であり25年産からは「さぬきの夢

2009」の価格である注5農林61号(さとのそら)については23年産までは「農林61号」の価格であり24年産からは「さとの

そら」の価格である

図Ⅲ-5 国内産食糧用小麦の産地別銘柄別落札価格の推移

- 27 -

(単位円トン税込み)

30000

60000

北海道ゆめちから 62777

福岡ミナミノカオリ 68393

滋賀農林61号 50763

茨城さとのそら 46310

佐賀チクゴイズミ 52193

岩手ゆきちから 39929

全銘柄落札加重平均 61714

香川さぬきの夢2009 73186

北海道きたほなみ 64752

外国産小麦5銘柄加重平均 54370

群馬さとのそら 48669

北海道キタノカオリ 63090

大分チクゴイズミ 48265

福岡シロガネコムギ 50643

佐賀シロガネコムギ 47998

40000

福岡チクゴイズミ 52203

滋賀ふくさやか 49534

岐阜イワイノダイチ 46874

埼玉さとのそら 47159

宮城シラネコムギ 44607

群馬つるぴかり 49785

北海道春よ恋 68792

愛知きぬあかり 50114

北海道はるきらり 60201

50000

埼玉あやひかり 46072

岐阜さとのそら 45919

70000

30000

40000

50000

60000

70000

80000

90000

100000

110000

120000

130000

12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 年産

(単位円トン税込み)

北海道ホクシン

香川さぬきの夢200973186円

茨城農林61号

香川さぬきの夢2000

茨城さとのそら

46310円

北海道きたほなみ

64752円

北海道ゆめちから

62777円

外国産小麦

5銘柄平均

54370円

北海道春よ恋

68792円

(128) (138) (148) (158) (168) (178)(1810) (199) (208)(2110)(2212) (239) (2410)(2510)(269)(279) (289) (299)(119) (309)

6 国内産麦の新品種の育成状況

(1)国内産麦については縞萎縮病抵抗性や耐倒伏性を備え

需要者等のニ-ズに合った新品種の開発が進められています

また作付け面積が1万haを超える「ゆめちから」「さとの

そら」をはじめ多数の品種が生産現場に導入されています

(図Ⅲ-6)

(2)今後とも赤かび病抵抗性や穂発芽耐性が高い小麦品種

小麦粉の色相や製粉性が優れる日本麺用小麦品種パンの膨

らみがカナダ産「1CW」並の小麦品種焼酎押麦味噌

などの加工適性が高い大麦品種等の開発を推進します

小麦品種「ゆめちから」及び「さとのそら」は優れた栽培特性

と加工適性を備えており作付けが拡大しています(平成29年

推定値「ゆめちから」約1万2千ha「さとのそら」約1万5

千ha)

パン用小麦品種の開発近年国産の小麦粉を使ったパンの需要増加に応えるためグルテンやでん粉の組成などパンの膨らみに関連する特性に注目した育種が進められていますその結果平成25年に製パン適性が「1CW」に近く多収の「せときらら」平成29年にはパン生地の力が強く穂発芽耐性や赤かび抵抗性が改良された「夏黄金」が育成されました

加工適性の高い大麦品種の開発機能性成分β-グルカンを多く含むもち性大麦の需要の高まりに応えるため平成29年に「はねうまもち」が育成されましたまた高品質なはだか麦の需要増加に対応して平成24年に味噌加工適性の高い「ハルヒメボシ」が育成されました

図Ⅲ-6 平成19年以降に育成された麦類の主な新品種

日本麺用小麦ゆめきらり

パン用小麦ゆめかおり福井県大3号

六条大麦ホワイトファイバー

北信越

日本麺用小麦あおばの恋

パン用小麦銀河のちから

東北

日本麺用小麦さとのそらきぬあかり

パン用小麦ゆめかおり

二条大麦とちのいぶき彩の星アスカゴールデンニューサチホゴールデン

六条大麦カシマゴール

はだか麦キラリモチ

関東東海

日本麺用小麦ふくはるかさぬきの夢2009

パン用小麦ゆめちからせときらら

はだか麦ハルヒメボシ

近畿中国四国

中華麺用小麦ちくしW2号

二条大麦煌二条白妙二条はるか二条トヨノホシ

九州

日本麺用小麦きたほなみ

中華麺用小麦つるきち

パン用小麦ゆめちからはるきらり

二条大麦札育2号

北海道

新品種のうち平成30年産で概ね100ha以上作付けされていると推定される品種を選定(農林水産省調べ)

- 28 -

7 国内産麦を利用した製品の動向

食料自給率の向上を図るためには国内産麦の需要開拓を行う

ことが必要です最近の消費者の国産志向の高まりや生産者と実

需者が一体となった地産地消の推進地域農業の振興を図る取り

組み等から国内産麦を使った麦製品(パン麺等)が増えてき

ており中には国内産麦を100使用した商品もあります(図Ⅲ-

7)

- 29 -

8 民間流通制度の運用改善

国内産麦の人気の高まりにより近年需要量が生産量を上回

る状況が継続しており国内産麦を積極的に使用したい実需者が

必要量を確保できない等の課題もあります

このような課題に対応するため民間流通連絡協議会において

入札上場比率の選択制の導入需要拡大推進枠設定の要件緩和

相対取引需要拡大推進枠において多様な取組が可能であること

の明確化等民間流通制度の運用改善が行われました(図Ⅲ-

8)

ピッツァ専用粉(北海道)(小麦)地元の製粉企業が北海道産小麦(きたほなみキタノカオリゆめち

から)を100使用した国内で初めてのピッツァ専用粉を開発平成30年2月に都内で試食会を開催し平成30年5月から販売

ピッツァ専用粉(群馬県)(小麦)地元の製粉企業が地元のピッツァ専門店ピッツァ窯メーカーと協力

して品質改良を重ね群馬県産小麦(さとのそらつるぴかりきぬの波)を100使用したピッツァ専用粉を平成30年4月から発売ピッツァイベントやイタリアン食材の展示会に出展

学校給食用パン(東京都)(小麦)都学校給食会の「学校給食パン加工規格」による配合基準に基づき国

内産小麦を100使用した学校給食パンを平成27年度から都内の一部の小中学校で提供を開始平成28年度からは都内全域の規格として採用

〇 市販用中華麺(愛知県)(小麦)地元の製粉企業が自社製品として愛知県産小麦きぬあかりを100使用

した中華麺を平成30年6月から自社通販で販売平成30年8月から一般販売を開始

フランスパン用粉(佐賀県)(小麦)近県製粉企業が農研機構と共同で育成した九州地域等の暖地温暖地

向けのフランスパン加工適性に優れる準強力小麦品種「さちかおり」を100使用したフランスパン用粉を平成30年8月から発売

市販用ゆで麺(長崎県)(小麦)地元の製麺企業近県製粉企業県生麺協同組合JA県等が連携し

平成26年3月に「長崎県育成麦活用開発協議会」を立ち上げ長崎県産長崎W2号(商標登録名長崎ちゃん麦)を100使用したちゃんぽん用のゆで麺を平成29年4月に製品化原料小麦の生産量が整った段階での本格販売を予定

もち性大麦を使用した機能性表示食品(静岡県)(大麦)地元の精麦企業が国内産もち性大麦でβ-グルカン量の多い銘柄を使用し

炊飯用精麦を製品化機能性表示食品として平成29年1月に届出し十分な原料を手当でき次第随時販売予定

〇 もち性大麦を使用したシリアル(愛知県)(大麦)地元の精麦企業が食物繊維が20を超える愛知県産もち性大麦「ワキ

シーファイバー」を使用した国内産もち麦100シリアルを開発平成30年4月から販売開始

図Ⅲ-7 国内産麦を100使用した商品事例

図Ⅲ-8 民間流通制度の運用改善のポイント

0

50

100

150

200

250

300

350

400円千人

大手製パンメーカーA社が国内産小麦100使用の新製品を発売

大手製食品スーパーB社が国内産小麦100使用の新製品をPBで発売

大手製パンメーカーA社が国内産小麦100使用の製品を初めて発売

(参考)国内産小麦を利用した製品の販売状況

(1)国内産小麦100使用の食パンの販売額

大きなシェアを占めるにはいたっていないものの国内産

小麦を100使用した食パンの販売金額の推移を見ると新製

品が登場する度に国内産小麦100使用の食パン市場が拡大し

ています(図Ⅲ-9)

図Ⅲ-9 国内産小麦100使用の食パンの販売額の推移(首都圏)

資料日本経済新聞デジタルメディア社による首都圏のスーパーマーケットなど100店舗におけるPOSデータに基づき農林水産政策研究所において集計

注食パンのうち国内産小麦を100使用していることが明らかな製品のみ計上菓子パン等は含んでいない

表Ⅲ-11 生麺ゆで麺(チルド)の販売金額のシェア(首都圏平成30年)

資料日本経済新聞デジタルメディア社による首都圏のスーパーマーケットなど120店舗におけるPOSデータに基づき農林水産政策研究所において集計

(2)生麺ゆで麺(チルド)の販売金額

生麺ゆで麺全体で上位15製品の売上高に占める国内産

小麦使用表示のある製品のシェアは30となっていますま

た主要な麺製品のうどんラーメン冷やし中華焼そば

全てで国内産小麦使用製品がランクインしています(表Ⅲ

-11)

2013年 2014年 2015年 2016年 2017年 2018年 2019年

                      (単位)

製品の種類製造企業の規模産地表示販売金額シェア

焼そば大手製品(国内産小麦使用表示なし) 99そば大手製品(国内産小麦使用表示なし) 27冷やしラーメン大手製品(国内産小麦使用表示なし) 20うどん大手製品(北海道産小麦使用表示あり) 20ラーメン大手製品(北海道産小麦使用表示あり) 14冷やし中華大手製品(国内産小麦使用表示なし) 14うどん大手製品(国内産小麦使用表示あり) 13焼そば大手製品(国内産小麦使用表示なし) 12焼うどん大手製品(国内産小麦使用表示なし) 12うどん大手製品(国内産小麦使用表示あり) 11焼そば大手製品(国内産小麦使用表示あり) 11そうめん大手製品(国内産小麦使用表示あり) 10うどんPB製品(北海道産小麦使用表示あり) 10つけ麺大手製品(国内産小麦使用表示なし) 10冷麺中小製品(国内産小麦使用表示なし) 10

303

14

89

15上位15製品の売上高に占める国内産小麦使用表示のある製品の

シェア

順位

1

10111213

234567

- 30 -

図Ⅲ-10 外食産業等と連携した農産物の需要拡大対策事業(麦類)

9 国内産麦の需要拡大イベント及び情報発信の取組

近年生産者と実需者等が連携し国内産麦を使用した製品が

数多く開発販売されており各地でイベント等の需要拡大の

取組みが行われております

また農林水産省としては平成30年度産地と外食事業者等

が連携して行う国内産麦を活用した新商品の開発試作製

造するために必要な取組を支援する「外食産業等と連携した農

産物の需要拡大対策事業」を一般社団法人全国米麦改良協会を

実施主体として行っているところです

農林水産省のホームページにおいてこれらのイベント等につい

て情報発信を行うとともに一般社団法人全国米麦改良協会が

開設している国産麦応援情報ホームページでの情報提供等を

行っています(図Ⅲ-10~12)

「国内産麦使用試作品全国統一試食会商談会」開催日平成31年2月12日~19日(土日を除く)場 所むぎくらべ(東京都千代田区神田小川町)

内 容平成29年度補正予算事業「外食産業等と連携した農産物の需要拡大対策事業」の一環として行われた国内産麦を使用した試作品の試食会商談会

「国内産麦使用試作品全国統一試食会商談会」で出品された試作品

- 31 -

第8回全国ご当地うどんサミットin 熊谷 開催日平成30年11月10日~11日 場 所熊谷スポーツ文化公園にぎわい広

場(埼玉県) 内 容全国の国内産小麦を使用した「ご

当地うどん」が一堂に集まりグランプリを決定

図Ⅲ-11 全国各地で開催されたイベント 図Ⅲ-12 一般社団法人 全国米麦改良協会の取組

国産麦応援情報ホームページ「日本の麦の底力」内容国産小麦粉ブランド名鑑国産小麦の逸品イベント情報研究

情報等を掲載URL httpnihonnomugicom

北海道小麦キャンプ2018 in オホーツク 開催日平成30年7月10日~11日 場 所ホテル黒部を主会場としたオホーツ

ク管内(北海道) 内 容国内産小麦北海道産小麦の魅力

を全国に広めることを目的にバスツアーやパン講習会などを実施

麦わらぼうしフェスタ 開催日平成30年11月4日 場 所笠原産業株式会社(栃木県) 内 容国内産小麦を使用したうどんパン

などの試食販売うどん教室などを実施

第7回 信州粉もん祭り 開催日平成30年11月11日 場 所JAながの ちくま埴生支所(長野県) 内 容長野県産小麦を使用した「粉もん料

理」が大集合粉もん試食会や手打ちうどん講習会 などを実施

国内産麦アンテナショップ「むぎくらべ」内容国内産麦を使用した商品のPRと販売の場を提供するものとして

平成30年7月東京都千代田区にオープン

- 32 -

オープニングセレモニーには上月前農林水産大臣政務官(写真中央)も出席

10 食料農業農村基本計画における麦の位置付け

平成27年3月31日に平成37年度を目標とする「食料農業

農村基本計画」が閣議決定され小麦は95万トン大麦はだ

か麦は22万トンの生産努力目標が設定されています(表Ⅲ-

12)

食料消費の見通し 生産努力目標(万トン) 克服すべき課題

1人1年当たり消費量

(kg人年)

国内消費仕向量

(万トン)

平成25年度

平成37年度

平成25年度

平成37年度

平成25年度

平成37年度

小麦 33 32 699 611 81 95

国内産小麦の需要拡大に向けた産地形成やブランド化

実需者ニーズに対応した生産流通体制の確立

新品種新技術の開発導入輪作体系の最適化排水対策等による収量品質の高位安定化

農地の集積集約化経営規模の拡大に対応した省力化に資する技術の開発導入等による生産コストの低減

大麦はだか麦

03 02 208 213 18 22

外国産大麦が多く用いられている焼酎用等の国内産麦の需要拡大

実需者ニーズに対応した生産流通体制の確立

新品種新技術の開発導入輪作体系の最適化排水対策等による収量品質の高位安定化

農地の集積集約化経営規模の拡大に対応した省力化に資する技術の開発導入等による生産コストの低減

表Ⅲ-12 麦の平成37年度における食料消費の見通し及び生産努力目標

資料「食料農業農村基本計画」(平成27年3月閣議決定)注1)国内消費仕向量には飼料用等の食糧用以外の用途への仕向量を含む

2)大麦はだか麦の国内消費仕向量及び生産努力目標にはビール大麦を含む

- 33 -

Ⅳ 米粉に関する動向

1 生産動向

米粉用米の生産量は平成25年産以降2万トン前後で推移していましたが平成29年度以降は約3万トンまで回復しています(表Ⅳ-1)

2 需要拡大に向けた対応

米粉用米の利用量は平成24年度以降年間2万数千トンで推移していましたがグルテンを使用しない米粉商品の開発や新たな米加工品(α化米粉米ゲルなど)の保湿性や粘性に着目した商品の開発「米粉の用途別基準」や「ノングルテン米粉製品第三者認証制度」の運用開始により平成29年度は25千トン30年度は31千トンに増加しています(表Ⅳ-2)

今後の更なる国内海外の需要拡大のためノングルテン米粉や用途別基準に適合する高品質な日本産米粉の流通を契機とした魅力ある新商品の開発や日本産米粉の優位性の情報発信等を推進する必要があります

表Ⅳ-1 上位5県の米粉用米の生産量と作付面積の推移

(参考) 米粉及び小麦粉の販売価格(税抜き)

米粉100~290円kg程度

(小麦粉 100円kg程度)

注1)平成26~29年度については新規需要米取組計画を認定した全需要者からの聞き取り注2)平成30年度については新規需要米取組計画を認定した主要な需要者からの聞き取り

により推計

表Ⅳ-2 米粉用米の利用量(需要者からの聞き取り)

- 34 -

資料26~29年産は新規需要米生産集出荷数量30年産は新規需要米取組計画

認定数量(農林水産省)

(単位千トン)

26年度 27年度 28年度 29年度 30年度見込

22 23 23 25 31

(単位千トン千ha)

26年産 27年産 28年産 29年産 30年産

生産量 59 97 87 130 107作付面積 11 18 15 24 19生産量 10 10 09 30 31作付面積 02 02 02 06 06生産量 08 10 00 19 30作付面積 01 02 00 03 06生産量 10 12 12 12 16作付面積 02 03 02 02 03生産量 20 24 07 12 13作付面積 03 04 01 02 02生産量 184 230 190 284 281作付面積 34 42 34 53 53

秋田県

全国計

新潟県

埼玉県

栃木県

群馬県

農林水産大臣は米穀の新用途への利用の促進に関する基本方針を定める

生産製造連携事業計画

生産者 製造事業者 促進事業者

必須

米穀の新用途への利用の促進に関する法律

米穀の新用途への利用の促進に関する基本方針

関係者が連携して計画を作成米穀の新用途への利用の促進に関する基本方針に照らし適切な計画について農林水産大臣が認定(計画期間は3~5年)

図Ⅳ 米粉用米に対する支援措置

3 米粉用米に対する支援

① 米粉用米についてはその利用の拡大を図るために平成21年に「米穀の新用途への利用の促進に関する法律」が制定されました同法に基づく「生産製造連携事業計画」の認定を受け「農山漁村

活性化計画」の採択を受けた取組に対して米粉用米の生産加工に必要な施設整備等の支援を行っています

② 米粉用米の生産者に対しては水田活用の直接支払交付金による支援を行っていますまたノングルテン米粉表示や米粉の用途別基準により需要者ニーズに合った高品質な米粉の製造や輸出拡大の取組を支援しています

③ 平成31年度は国内海外の需要獲得に向け引き続き魅力ある新商品開発を推進するほか日本産米粉の優位性の情報発信やノングルテン米粉の製造手法マニュアルの作成など輸出を含めた日本産米粉の需要拡大に向けた取組を支援していくこととしています

予 算 措 置

【水田活用の直接支払交付金】水田を活用して米粉用米等の作物を生産する農業者に対し交付金を直接交付 (米粉用米収量に応じ55万円~105万円10a)

【農山漁村振興交付金】米粉飼料用米の生産加工に係る施設整備に対し交付金を交付(補助率定額12)

【持続的生産強化対策事業】

日本産米粉の優位性の情報発信ノングルテン米粉の製造手法マニュアルの作成米粉用米生産者と製造事業者とのマッチング

等の取組を支援

金 融 措 置

【日本政策金融公庫による低利融資】(食品安定供給施設整備資金)

米粉製造施設米粉を原料とした食品の製造加工施設等への融資

(輸出を含めた日本産米粉の需要拡大支援事業)

(補助率定額)

【外食産業等と連携した需要拡大対策事業】

国産農林水産物食品の輸出等需要フロンティアの開拓を図るため産地と複数年契約を締結する民間企業(外食加工業者)に対し国産農林水産物を活用した新商品の開発やそれに必要な技術開発等を支援 (補助率定額12)

- 35 -

【農林水産物食品輸出促進緊急対策事業】コメ海外市場拡大戦略プロジェクトに参加する輸出産地や輸出事業者等が連携して戦略的に取り組む中国等の海外市場開拓プロモーション等を支援

(補助率定額12)

品目 現在の関税率 合意内容

小麦

枠内税率無税+マークアップ

枠外税率55円kg

現行の国家貿易制度を維持するとともに枠外税率(55円kg)を維持

既存のWTO枠に加え米国(15万(7年目以降))【不適用】カナダ(53万(同))豪州(5万(同))にSBS方式の国別枠を設定

マークアップを9年目までに45削減

大麦

枠内税率無税+マークアップ

枠外税率39円kg

現行の国家貿易制度を維持するとともに枠外税率(39円kg)を維持

既存のWTO枠に加えSBS方式のTPP枠(65万(9年目以降))を設定

マークアップを9年目までに45削減

1 TPP11協定概要(麦)(平成30年12月30日発効)

Ⅴ TPP11及び日EUEPAの協定概要(麦関係)

(参考主な麦製品)

現在の関税率合意内容

税率 枠数量

いった小麦小麦粉等

(国家貿易品目)

枠内税率125~25+マークアップ

枠外税率85~134円kg

枠内即時無税+マークアップ

(枠外税率は維持)

(発効時) (6年目)125千rarr175千

ベーカリー製品製造用

小麦粉調製品16~24

枠内即時無税(枠外税率は維持)

(発効時) (6年目)米国 105千rarr12千【不適用】米国以外 68千rarr 8千

その他小麦粉調製品

16~28枠内即時無税

(枠外税率は維持)(発効時) (6年目)15千rarr225千

マカロニスパゲティ

30円kg9年目までに60削減

ビスケット 1315 6年目に無税 -

注1)いった小麦とは小麦をいったものであり主にシリアル食品等に使用される

2)その他小麦粉調製品とは製麺まんじゅう等のベーカリー製品以外の製造用の

小麦粉調製品である

- 36 -

2 日EUEPA協定概要(麦)(平成31年2月1日発効)

品目 現在の関税率 合意内容

小麦

枠内税率無税+マークアップ

枠外税率55円kg

現行の国家貿易制度を維持するとともに枠外税率(55円kg)を維持

既存のWTO枠に加えSBS方式のEU枠(270(7年目以降))を設定

枠内のマークアップを9年目までに45削減

大麦

枠内税率無税+マークアップ

枠外税率39円kg

現行の国家貿易制度を維持するとともに枠外税率(39円kg)を維持

既存のWTO枠に加えSBS方式のEU枠(30(即時))を設定

枠内のマークアップを9年目までに45削減

(参考主な麦製品)

現在の関税率合意内容

税率 枠数量

いった小麦小麦粉等

(国家貿易品目)

枠内税率125~25+マークアップ

枠外税率85~134円kg

枠内即時無税+マークアップ

(枠外税率は維持)

(発効時) (6年目)38千rarr44千

ベーカリー製品製造用

小麦粉調製品16~24

枠内即時無税(枠外税率は維持)

(発効時) (6年目)104千rarr142千

その他小麦粉調製品

16~28枠内即時無税

(枠外税率は維持)(発効時) (6年目)

2千rarr3千

マカロニスパゲティ

30円kg 11年目に無税 -

ビスケット 1315 6年目に無税 -

注1)いった小麦とは小麦をいったものであり主にシリアル食品等に使用される

2)その他小麦粉調製品とは製麺まんじゅう等のベーカリー製品以外の製造用の

小麦粉調製品である

(参考) 麦の国境措置

小 麦 大 麦

輸入数量

価格

輸入数量

価格

政府売渡価格

マークアップ(輸入差益)

452円kgを上限

輸入価格

(枠内税率0円kg)

枠内輸入(国家貿易) 枠外輸入

(民間貿易)枠外税率を支払って輸入された数量(平成29年度)12千トン

WTOカレントアクセス数量5740千トン

枠外税率55円

政府売渡価格

輸入価格(枠内税率0円kg)

WTOカレントアクセス数量1369千トン

枠内輸入(国家貿易) 枠外輸入(民間貿易)

枠外税率を支払って輸入された数量(平成29年度)06千トン

枠外税率39円

民間貿易の場合の輸入価格

民間貿易の場合の輸入価格

286円kgを上限

マークアップ(輸入差益)

- 37 -

  • スライド番号 1
  • スライド番号 2
  • 麦の参考資料 麦の需給に関する見通し(動向編)
  • スライド番号 4
  • スライド番号 5
  • スライド番号 6
  • スライド番号 7
  • スライド番号 8
  • スライド番号 9
  • スライド番号 10
  • スライド番号 11
  • スライド番号 12
  • スライド番号 13
  • スライド番号 14
  • Ⅱ 小麦粉麦製品の生産と価格の動向
  • スライド番号 16
  • スライド番号 17
  • スライド番号 18
  • スライド番号 19
  • スライド番号 20
  • スライド番号 21
  • スライド番号 22
  • スライド番号 23
  • スライド番号 24
  • スライド番号 25
  • スライド番号 26
  • スライド番号 27
  • スライド番号 28
  • スライド番号 29
  • スライド番号 30
  • スライド番号 31
  • スライド番号 32
  • スライド番号 33
  • スライド番号 34
  • スライド番号 35
  • スライド番号 36
  • スライド番号 37
  • スライド番号 38
  • スライド番号 39
  • スライド番号 40
  • スライド番号 41
Country Attribute Commodity 20042005 20052006 20062007 20072008 20082009 20092010
World Production (1000 MT) Barley 152674 136756 137430 133168 153539 0
Corn 715732 699101 712375 791492 791039 0
Millet 30947 32455 33529 34951 35619 0
Mixed Grain 16885 15213 13063 14616 15057 0
Oats 25667 23861 23163 25577 26191 0
Rice Milled 401435 418487 420633 431309 439081 0
Rye 17002 14492 12382 14245 17176 0
Sorghum 57529 58365 56628 63533 63792 0
Wheat 625700 620044 596101 610188 682865 0
Wheat Durum 0 0 0 0 3680 0
2043571 2018774 2005304 2119079 2228039
Exports (1000 MT) Barley 15098 18231 15328 15708 20175 0
Corn 77643 80966 93799 95466 76877 0
Oats 1901 1930 2114 2830 2304 0
Rye 854 610 709 556 560 0
Sorghum 5403 5379 5461 9237 4902 0
Wheat 111235 116756 111201 115377 123881 0
240641 254246 259958 269594 258464
TY Exports (1000 MT) Barley 16989 17428 14516 18412 19190 0
Corn 75964 82580 91199 96027 77925 0
Oats 1955 2254 2184 2742 2300 0
Rye 974 622 661 481 560 0
Sorghum 5366 5496 5780 8802 4950 0
Wheat 113210 113872 115500 115492 125165 0
243637 251744 261908 271184 259660
Exports (1000 MT) Rice Milled 28507 30374 31346 30420 29765 0
TY Exports (1000 MT) Rice Milled 29179 29492 32068 29228 29570 0
Domestic Consumption (1000 MT) Barley 143271 139989 144389 135872 142892 0
Corn 688190 704591 725361 773235 783288 0
Millet 30947 32855 33489 34941 35619 0
Mixed Grain 15972 15331 14092 14255 14515 0
Oats 25318 24233 23552 24709 25192 0
Rice Milled 406828 412171 418290 424999 432423 0
Rye 17595 15748 13870 14419 15498 0
Sorghum 57794 58004 56327 63305 62231 0
Wheat 605365 617369 619124 614865 652947 0
1991280 2020291 2048494 2100600 2164605
Ending Stocks (1000 MT) Barley 32783 28641 21070 18259 28244 0
Corn 131811 124624 108845 128218 136033 0
Millet 600 200 240 250 250 0
Mixed Grain 1654 1536 507 868 1410 0
Oats 3550 3126 2813 3395 4316 0
Rice Milled 73152 75676 75391 78687 82659 0
Rye 3882 2639 1065 756 2437 0
Sorghum 4297 4524 4117 4418 5752 0
Wheat 150972 147636 127009 119371 148362 0
Wheat Durum 0 0 0 0 3680 0
402701 388602 341057 354222 413143
小麦の国際需給状況 コムギ
(単位百万トン)
200607 200708 200809 200910
年   度 (平成18年) ヘイセイネン (平成19年) ヘイセイネン (平成20年) ヘイセイネン (平成21年) ヘイセイネン
見込 予測
生 産 量 ショウサンリョウ 5957 6104 6827 6780
消 費 量 ケヒリョウ 6165 6169 6404 6468
期 末 在 庫 1298 1233 1656 1968
期末在庫率() 211 200 259 304
貿 易 量 リョウ 1116 1172 1430 1251
貿 易 比 率() 187 192 209 185
大麦の国際需給状況 オオ 穀物の国際需給状況 コクモツ
(単位百万トン) (単位百万トン)
200809 200910 201011 201314 201415 201516 201617 201718 201819 200506 200607 200708 200809 200910
(平成20年) ヘイセイネン 年   度 (平成21年) ヘイセイネン (平成22年) ヘイセイネン (平成25年) ヘイセイネン (平成26年) ヘイセイネン (平成27年) ヘイセイネン (平成28年) ヘイセイネン (平成29年) ヘイセイネン (平成30年) ヘイセイネン 年   度 (平成17年) ヘイセイネン (平成18年) ヘイセイネン (平成19年) ヘイセイネン (平成20年) ヘイセイネン (平成21年) ヘイセイネン
見込 ミコ 予測 見込 予測
1550 生 産 量 ショウサンリョウ 1508 1231 1443 1420 1498 1471 1437 1407 生 産 量 ショウサンリョウ 20176 20029 21230 22346 22185
1439 消 費 量 ケヒリョウ 1448 1362 1411 1425 1477 1503 1472 1418 消 費 量 ケヒリョウ 20216 20444 20952 21416 21879
315 期 末 在 庫 375 243 250 242 263 230 195 184 期 末 在 庫 3902 3435 3652 4474 4729
219 期末在庫率() 259 179 177 170 178 153 133 130 期末在庫率() 193 168 174 209 216
182 貿 易 量 リョウ 173 152 239 290 308 283 273 258 貿 易 量 リョウ 2534 2608 2756 2843 2662
117 貿 易 比 率() 115 123 166 204 206 193 190 183 貿 易 比 率() 126 130 130 127 120
穀物の国際需給状況 コクモツ
(単位百万トン)
2004 2005 2006 2007
年   度 05 06 07 08
見込 予測
【穀 物 計】 コクブツケイ
生 産 量 ショウサンリョウ 20189 20050 21167 21950
消 費 量 ケヒリョウ 20334 20533 21106 21741
期 末 在 庫 3886 3403 3464 3673
期末在庫率() 191 166 164 169
【うち小麦】 ショウムギ
生 産 量 ショウサンリョウ 6209 5963 6109 6763
消 費 量 ケヒリョウ 6242 6169 6195 6549
期 末 在 庫 1477 1271 1185 1399
期末在庫率() 237 206 191 214
Country Attribute Commodity 20042005 20052006 20062007 20072008 20082009 20092010
World Production (1000 MT) Barley 152674 136756 137430 133168 153539 0
Corn 715732 699101 712375 791492 791039 0
Millet 30947 32455 33529 34951 35619 0
Mixed Grain 16885 15213 13063 14616 15057 0
Oats 25667 23861 23163 25577 26191 0
Rice Milled 401435 418487 420633 431309 439081 0
Rye 17002 14492 12382 14245 17176 0
Sorghum 57529 58365 56628 63533 63792 0
Wheat 625700 620044 596101 610188 682865 0
Wheat Durum 0 0 0 0 3680 0
2043571 2018774 2005304 2119079 2228039
Exports (1000 MT) Barley 15098 18231 15328 15708 20175 0
Corn 77643 80966 93799 95466 76877 0
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Rye 854 610 709 556 560 0
Sorghum 5403 5379 5461 9237 4902 0
Wheat 111235 116756 111201 115377 123881 0
240641 254246 259958 269594 258464
TY Exports (1000 MT) Barley 16989 17428 14516 18412 19190 0
Corn 75964 82580 91199 96027 77925 0
Oats 1955 2254 2184 2742 2300 0
Rye 974 622 661 481 560 0
Sorghum 5366 5496 5780 8802 4950 0
Wheat 113210 113872 115500 115492 125165 0
243637 251744 261908 271184 259660
Exports (1000 MT) Rice Milled 28507 30374 31346 30420 29765 0
TY Exports (1000 MT) Rice Milled 29179 29492 32068 29228 29570 0
Domestic Consumption (1000 MT) Barley 143271 139989 144389 135872 142892 0
Corn 688190 704591 725361 773235 783288 0
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Mixed Grain 15972 15331 14092 14255 14515 0
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Rice Milled 406828 412171 418290 424999 432423 0
Rye 17595 15748 13870 14419 15498 0
Sorghum 57794 58004 56327 63305 62231 0
Wheat 605365 617369 619124 614865 652947 0
1991280 2020291 2048494 2100600 2164605
Ending Stocks (1000 MT) Barley 32783 28641 21070 18259 28244 0
Corn 131811 124624 108845 128218 136033 0
Millet 600 200 240 250 250 0
Mixed Grain 1654 1536 507 868 1410 0
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Rice Milled 73152 75676 75391 78687 82659 0
Rye 3882 2639 1065 756 2437 0
Sorghum 4297 4524 4117 4418 5752 0
Wheat 150972 147636 127009 119371 148362 0
Wheat Durum 0 0 0 0 3680 0
402701 388602 341057 354222 413143
小麦の国際需給状況 コムギ
(単位百万トン)
200809 200910 201011 201314 201415 201516 201617 201718 201819
(平成20年) ヘイセイネン 年   度 (平成21年) ヘイセイネン (平成22年) ヘイセイネン (平成25年) ヘイセイネン (平成26年) ヘイセイネン (平成27年) ヘイセイネン (平成28年) ヘイセイネン (平成29年) ヘイセイネン (平成30年) ヘイセイネン
見込 ミコ 予測
6836 生 産 量 ショウサンリョウ 6866 6496 7151 7304 7384 7564 7631 7330
6437 消 費 量 ケヒリョウ 6538 6534 6909 7051 7163 7398 7444 7421
1682 期 末 在 庫 2010 1980 1949 2223 2444 2609 2796 2705
261 期末在庫率() 307 303 282 315 341 353 376 365
1435 貿 易 量 リョウ 1356 1341 1625 1642 1728 1833 1812 1789
210 貿 易 比 率() 197 207 227 225 234 242 238 244
大麦の国際需給状況 オオ 穀物の国際需給状況 コクモツ
(単位百万トン) (単位百万トン)
200607 200708 200809 200910 200506 200607 200708 200809 200910
年   度 (平成18年) ヘイセイネン (平成19年) ヘイセイネン (平成20年) ヘイセイネン (平成21年) ヘイセイネン 年   度 (平成17年) ヘイセイネン (平成18年) ヘイセイネン (平成19年) ヘイセイネン (平成20年) ヘイセイネン (平成21年) ヘイセイネン
見込 予測 見込 予測
生 産 量 ショウサンリョウ 1364 1327 1539 1492 生 産 量 ショウサンリョウ 20176 20029 21230 22346 22185
消 費 量 ケヒリョウ 1428 1346 1437 1471 消 費 量 ケヒリョウ 20216 20444 20952 21416 21879
期 末 在 庫 208 192 293 313 期 末 在 庫 3902 3435 3652 4474 4729
期末在庫率() 146 143 204 213 期末在庫率() 193 168 174 209 216
貿 易 量 リョウ 154 155 199 173 貿 易 量 リョウ 2534 2608 2756 2843 2662
貿 易 比 率() 113 117 129 116 貿 易 比 率() 126 130 130 127 120
穀物の国際需給状況 コクモツ
(単位百万トン)
2004 2005 2006 2007
年   度 05 06 07 08
見込 予測
【穀 物 計】 コクブツケイ
生 産 量 ショウサンリョウ 20189 20050 21167 21950
消 費 量 ケヒリョウ 20334 20533 21106 21741
期 末 在 庫 3886 3403 3464 3673
期末在庫率() 191 166 164 169
【うち小麦】 ショウムギ
生 産 量 ショウサンリョウ 6209 5963 6109 6763
消 費 量 ケヒリョウ 6242 6169 6195 6549
期 末 在 庫 1477 1271 1185 1399
期末在庫率() 237 206 191 214
Country Attribute Commodity 20042005 20052006 20062007 20072008 20082009 20092010
World Production (1000 MT) Barley 152674 136756 137430 133168 153539 0
Corn 715732 699101 712375 791492 791039 0
Millet 30947 32455 33529 34951 35619 0
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Oats 25667 23861 23163 25577 26191 0
Rice Milled 401435 418487 420633 431309 439081 0
Rye 17002 14492 12382 14245 17176 0
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2043571 2018774 2005304 2119079 2228039
Exports (1000 MT) Barley 15098 18231 15328 15708 20175 0
Corn 77643 80966 93799 95466 76877 0
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240641 254246 259958 269594 258464
TY Exports (1000 MT) Barley 16989 17428 14516 18412 19190 0
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243637 251744 261908 271184 259660
Exports (1000 MT) Rice Milled 28507 30374 31346 30420 29765 0
TY Exports (1000 MT) Rice Milled 29179 29492 32068 29228 29570 0
Domestic Consumption (1000 MT) Barley 143271 139989 144389 135872 142892 0
Corn 688190 704591 725361 773235 783288 0
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Mixed Grain 15972 15331 14092 14255 14515 0
Oats 25318 24233 23552 24709 25192 0
Rice Milled 406828 412171 418290 424999 432423 0
Rye 17595 15748 13870 14419 15498 0
Sorghum 57794 58004 56327 63305 62231 0
Wheat 605365 617369 619124 614865 652947 0
1991280 2020291 2048494 2100600 2164605
Ending Stocks (1000 MT) Barley 32783 28641 21070 18259 28244 0
Corn 131811 124624 108845 128218 136033 0
Millet 600 200 240 250 250 0
Mixed Grain 1654 1536 507 868 1410 0
Oats 3550 3126 2813 3395 4316 0
Rice Milled 73152 75676 75391 78687 82659 0
Rye 3882 2639 1065 756 2437 0
Sorghum 4297 4524 4117 4418 5752 0
Wheat 150972 147636 127009 119371 148362 0
Wheat Durum 0 0 0 0 3680 0
402701 388602 341057 354222 413143
小麦の国際需給状況 コムギ
(単位百万トン)
200506 200607 200708 200809 200910
年   度 (平成17年) ヘイセイネン (平成18年) ヘイセイネン (平成19年) ヘイセイネン (平成20年) ヘイセイネン (平成21年) ヘイセイネン
見込 予測
生 産 量 ショウサンリョウ 6199 5957 6105 6827 6761
消 費 量 ケヒリョウ 6171 6186 6132 6333 6424
期 末 在 庫 1475 1276 1211 1639 1956
期末在庫率() 239 206 197 259 304
貿 易 量 リョウ 1166 1116 1172 1429 1232
貿 易 比 率() 188 187 192 209 182
大麦の国際需給状況 オオ 穀物の国際需給状況 コクモツ
(単位百万トン) (単位百万トン)
200506 200607 200708 200809 200910 200809 200910 201011 201112 201314 201415 201516 201617 201718 201819
年   度 (平成17年) ヘイセイネン (平成18年) ヘイセイネン (平成19年) ヘイセイネン (平成20年) ヘイセイネン (平成21年) ヘイセイネン (平成20年) ヘイセイネン 年   度 (平成21年) ヘイセイネン (平成22年) ヘイセイネン (平成23年) ヘイセイネン (平成25年) ヘイセイネン (平成26年) ヘイセイネン (平成27年) ヘイセイネン (平成28年) ヘイセイネン (平成29年) ヘイセイネン (平成30年) ヘイセイネン
見込 予測 見込 ミコ 予測
生 産 量 ショウサンリョウ 1363 1364 1327 1539 1492 22445 生 産 量 ショウサンリョウ 22434 22008 23208 24772 25588 25175 26619 26154 26065
消 費 量 ケヒリョウ 1405 1428 1346 1437 1471 21629 消 費 量 ケヒリョウ 22051 22319 23138 23904 24610 24550 26027 25985 26401
期 末 在 庫 276 208 192 293 313 4553 期 末 在 庫 4936 4625 4665 5285 6739 7365 7958 8126 7789
期末在庫率() 196 146 143 204 213 211 期末在庫率() 224 207 202 221 274 300 306 313 295
貿 易 量 リョウ 183 154 155 199 173 2836 貿 易 量 リョウ 2862 2841 3447 3719 3941 3769 4291 4117 4251
貿 易 比 率() 134 113 117 129 116 126 貿 易 比 率() 128 129 149 150 154 150 161 157 163
穀物の国際需給状況 コクモツ
(単位百万トン)
2003 2004 2005 2006 2007
年   度 04 05 06 07 08
見込 予測
【穀 物 計】 コクブツケイ
生 産 量 ショウサンリョウ 20436 20189 20050 21167 21950
消 費 量 ケヒリョウ 19955 20334 20533 21106 21741
期 末 在 庫 4031 3886 3403 3464 3673
期末在庫率() 202 191 166 164 169
【うち小麦】 ショウムギ
生 産 量 ショウサンリョウ 6257 6209 5963 6109 6763
消 費 量 ケヒリョウ 6068 6242 6169 6195 6549
期 末 在 庫 1511 1477 1271 1185 1399
期末在庫率() 249 237 206 191 214
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図Ⅰ-1 平成29年度の食料自給率(2)食料消費において麦が占める割合

平成29年度のカロリーベースの食料自給率は38であり小麦については14となっています(図Ⅰ-1)

- 2 -

資料農林水産省作成

〇 平成29年度の食料自給率

カロリーベース

38(3765)

生産額ベース

67(6717)

38(3778)

65(6499)

平成28年度

平成29年度

〇 品目別供給熱量自給率

米 小麦 大豆 野菜 果実

97 14 28 75 34

畜産物 砂糖類 油脂類 魚介類 その他

16 32 3 59 23

図Ⅰ-2 食糧用麦の流通の現状

(2)大麦及びはだか麦

(単位万トン)

(単位万トン)

- 3 -

生産者

民間流通 10

国家貿易 23

カナダ 6

豪州 16

他 1

政府

15

精麦企業 23

焼酎みそ押麦等用

焼酎みそメーカー

麦茶メーカー

ビールメーカー

2

麦茶用 5

ビール用 8

3

契約生産(ビール用)

8

資料農林水産省決算農林水産省調べ注流通量は過去5年(平成25年度~29年度)の平均数量である

(1)小麦

2 麦の流通の概要

麦は需要量の約9割を外国産麦の輸入で賄っています

国内産食糧用麦は民間流通により取引されており外国産食糧用麦は政府が国家貿易により計画的に輸入し需要者に売り渡しています

また米とは異なり最終的にパンや麺として消費されるため流通過程において各種の加工工程を経ています

(1)小麦

小麦は主に製粉企業が製粉して小麦粉にしその小麦粉を原料として二次加工メーカーがパン麺菓子等を製造します(図Ⅰ-2(1))

(2)大麦及びはだか麦

大麦及びはだか麦は精麦して焼酎みそ等の発酵用にしたり蒸気で加熱圧ぺんして押麦(麦飯)用にするといった加工工程を経て流通しています

なお国内産ビール大麦は生産者団体とビール会社の間で契約栽培により供給され麦芽等に加工されて流通しています(図Ⅰ-2(2))

民間流通 80

国家貿易496アメリカ 251カナダ 159豪州 86

496

みそ醤油等 10

パン麺菓子用等 566

家庭用

生産者

製粉企業醤油メーカー等

パン麺菓子メーカー

5

3 穀物の国際需給と国際価格の動向

(1)穀物の国際需給の動向

① 世界の中長期的な穀物の国際需給は

ア 総人口の継続的な増加緩やかな所得水準の向上等に伴う新興国及び途上国を中心とした食用飼料用需要の増加

イ 供給面では収穫面積の伸びがほぼ横ばいとなるものの単収増による生産の増加

等により需要と供給はほぼ拮抗すると見込まれていま

す農林水産政策研究所「2028年における世界の食料需給見通し」(平成31年3月)

② 201819年度(平成30年度)の穀物の国際需給は消費量が生産量を3千4百万トン上回ることが見込まれていますこのため期末在庫率はやや低下し295(対前年18ポイント)となることが見込まれています(表Ⅰ-3)

③ 201819年度(平成30年度)の小麦の生産量は作柄に恵まれた米国カナダ等で増加するもののロシアEU豪州等で減少が見込まれることから前年度を下回ると見込まれています

大麦の生産量はトルコ等で増加するもののロシアEU等で減少することから世界全体では前年度を下回ることが見込まれています

また201819年度(平成30年度)の小麦の消費量は生産量を上回ることから期末在庫率はやや低下するものの365(対前年11ポイント)と引き続き高水準となることが見込まれています(表Ⅰ-4)

大麦についても消費量が生産量を上回ることから期末在庫率はやや低下し130(対前年03ポイント)となることが見込まれています(表Ⅰ-5)

- 4 -

表Ⅰ-3 穀物の国際需給

表Ⅰ-4 小麦の国際需給

表Ⅰ-5 大麦の国際需給

資料注表Ⅰ-3に同じ

資料注表Ⅰ-3に同じ

(単位百万トン)201415 201516 201617 201718 201819(平成26年) (平成27年) (平成28年) (平成29年) (平成30年)

見込 予測25588 25175 26619 26154 2606524610 24550 26027 25985 264016739 7365 7958 8126 7789274 300 306 313 295

3941 3769 4291 4117 4251

154 150 161 157 163

年   度

貿 易 量貿 易 比 率()

生 産 量消 費 量期 末 在 庫

期末在庫率()

資料アメリカ農務省(2019年3月発表)穀物には小麦コメとうもろこし大麦オーツライ麦キビ等雑穀を含む

注1)期末在庫率()は消費量に対する在庫量の割合である2)貿易比率()は生産量に対する貿易量の割合である

(単位百万トン)201415 201516 201617 201718 201819(平成26年) (平成27年) (平成28年) (平成29年) (平成30年)

見込 予測7304 7384 7564 7631 73307051 7163 7398 7444 74212223 2444 2609 2796 2705315 341 353 376 365

1642 1728 1833 1812 1789

225 234 242 238 244

期末在庫率()

貿 易 量貿 易 比 率()

年   度

生 産 量消 費 量期 末 在 庫

(単位百万トン)201415 201516 201617 201718 201819(平成26年) (平成27年) (平成28年) (平成29年) (平成30年)

見込 予測1420 1498 1471 1437 14071425 1477 1503 1472 1418242 263 230 195 184170 178 153 133 130

290 308 283 273 258

204 206 193 190 183

生 産 量消 費 量期 末 在 庫

期末在庫率()

年   度

貿 易 量貿 易 比 率()

USDA(世界計)

資料アメリカ農務省(2010年1月発表)による注1)期末在庫率()は消費量に対する在庫量の割合である  2)貿易比率()は生産量に対する貿易量の割合である
資料アメリカ農務省(2010年1月発表)による注1)期末在庫率()は消費量に対する在庫量の割合である  2)貿易比率()は生産量に対する貿易量の割合である
world agricultural supply and demandworld market and trade (USDA 20101)による
資料アメリカ農務省(2014年1月発表)注1)期末在庫率()は消費量に対する在庫量の割合である  2)貿易比率()は生産量に対する貿易量の割合である

Sheet1

USDA(世界計)

資料アメリカ農務省(2010年3月発表)による注1)期末在庫率()は消費量に対する在庫量の割合である  2)貿易比率()は生産量に対する貿易量の割合である
資料アメリカ農務省(2010年1月発表)による注1)期末在庫率()は消費量に対する在庫量の割合である  2)貿易比率()は生産量に対する貿易量の割合である
world agricultural supply and demandworld market and trade (USDA 20101)による
資料アメリカ農務省(2010年3月発表)注1)期末在庫率()は消費量に対する在庫量の割合である  2)貿易比率()は生産量に対する貿易量の割合である

Sheet1

USDA(世界計)

資料アメリカ農務省(2010年3月発表)による注1)期末在庫率()は消費量に対する在庫量の割合である  2)貿易比率()は生産量に対する貿易量の割合である
world agricultural supply and demandworld market and trade (USDA 20101)による
資料アメリカ農務省(2010年3月発表)注1)期末在庫率()は消費量に対する在庫量の割合である  2)貿易比率()は生産量に対する貿易量の割合である

Sheet1

図Ⅰ-3 穀物の国際価格

注1)小麦とうもろこし大豆の価格はシカゴ商品取引所における各月第1金曜日の期近価格

2)1ブッシェル≒(大豆小麦272kgとうもろこし254)

3)図右端の数値は平成31年3月1日時点のものである

- 5 -

大豆

90

小麦

45

とうもろこし

36

(2)小麦の国際価格の動向

小麦の国際価格は主産地である北米豪州欧州黒

海沿岸地域等における天候及び作柄の変化にこれまで大

きく影響を受けています

直近では2018年(平成30年)7月中旬以降ロシア

EU等の乾燥による生産減少懸念等から上昇したもののそ

の後は世界的に潤沢な供給量等を背景に全体的に軟調に

推移し2019年(平成31年)3月上旬現在のシカゴ小麦先

物相場は4ドルブッシェル台半ばとなっています(図

Ⅰ-3)

10

30

50

70

H261 H267 H271 H277 H281 H287 H291 297 H301 307 H311

(3)為替の動向

日本円と米国ドルの為替は平成30年以降円安基調で推

移し平成31年に入ってからは一時円高となりましたが3

月上旬では113円ドル程度で推移しています(図Ⅰ-4)

(4)海上運賃の動向

海上運賃は平成28年以降上昇傾向で推移してきました

が平成30年11月からは燃料油価格の下落を受けて軟調に推

移しています(図Ⅰ-5)

- 6 -

図Ⅰ-4 為替の推移

資料三菱東京UFJ銀行の公表資料注図右端の数値は平成30年3月4日時点のものである

資料TRAMP Data Service Co Ltd 「WORLD MARITIME ANALYSIS WEEKLY REPORT」注1)2万トン級のフレート

2)図右端の数値は平成30年3月4日時点のものである

図Ⅰ-5 海上運賃の推移

図Ⅰ-4 為替の推移

円米ドル

ドルトン

70

80

90

100

110

120

130

H261 H267 H271 H277 H281 H287 H291 H297 H301 H307 H311

表Ⅰ-6 外国産食糧用小麦の銘柄別輸入量

注1)数量は決算ベース2)四捨五入の関係で計と内訳が一致しない場合がある3)( )内の数量はSBS方式により輸入された数量で内数である

4 外国産食糧用麦の輸入状況

外国産食糧用麦については国内産食糧用麦では量的又は質的に満たせない需要分について政府が国家貿易により計画的に輸入し需要者に売り渡しています現在の主な輸入先国はアメリカカナダ豪州の3か国と

なっています

(1)小麦

外国産食糧用小麦の輸入量は国内産小麦の作柄や輸出国

における輸送状況等により変動し近年は450万~520万トン

程度で推移しています(表Ⅰ-6)

(2)大麦及びはだか麦

外国産食糧用大麦及びはだか麦の輸入量は近年は20万~

25万トン程度で推移しています(表Ⅰ-7)

(単位千トン)

- 7 -

注1)数量は決算ベース

2)四捨五入の関係で計と内訳が一致しない場合がある

表Ⅰ-7 外国産食糧用大麦及びはだか麦の銘柄別輸入量(単位千トン)

ウェスタンホワイト 610 775 683 631 (23) 711

ハードレッドウィンター(115) 727 855 790 807 891

ダークノーザンスプリング 877 1245 850 831 (59) 1198

その他 (1) 28 (1) 1 (3) 3 (6) 6 (16) 16

計 (1) 2242 (1) 2877 (3) 2327 (6) 2276 (98) 2815

ウェスタンレッドスプリング 1228 1258 1527 1547 1355

デュラム (210) 210 (222) 222 (219) 219 (175) 193 (186) 186

その他 (3) 3 (3) 3 (1) 1 (1) 1 (2) 2

計 (213) 1441 (225) 1484 (220) 1747 (176) 1742 (188) 1543

スタンダードホワイト 759 794 737 755 797

プライムハード (83) 83 (83) 83 (84) 84 (64) 64 (80) 80

その他 (0) 2 (0) 0 (28) 28 (5) 15 (0) 0

計 (83) 844 (83) 877 (111) 848 (68) 833 (80) 877

(6) 6 (7) 7 (7) 7 (8) 8 (6) 6

(304) 4532 (316) 5245 (343) 4929 (259) 4858 (372) 5242

豪州

その他

26

合  計

平成25年度 28 2927

アメリカ

カナダ

25 26 27 28 29

二条大麦 - 1 1 1 11

六条大麦 1 2 1 2 2

はだか麦 2 3 2 8 20

計 3 5 4 11 33

二条大麦 15 13 9 14 7

六条大麦 39 53 46 40 36

はだか麦 1 1 2 4 5

計 54 67 58 58 48

二条大麦 146 174 168 180 152

はだか麦 - - 0 0 1

計 146 174 168 180 153

- - 2 2 2

203 245 232 250 236合 計

年度

アメリカ

カナダ

豪州

その他

図Ⅰ-6 政府売渡価格の構成

5 外国産食糧用麦の売渡方式

(1)外国産食糧用小麦の政府売渡

外国産食糧用小麦の政府売渡については平成19年4月以降輸入価格(過去の一定期間における輸入価格の平均値)にマークアップ(政府管理経費及び国内産小麦の生産振興対策に充当)を上乗せした価格で売り渡す「相場連動制」に移行しました(表Ⅰ-8図Ⅰ-6)

表Ⅰ-8 政府売渡価格改定ルール

項 目 基本的なルール

価格改定 現在年2回(4月期10月期)

買付価格算定期間 直近6か月間

- 8 -

輸入価格

政府売渡価格

小麦の国際価格や海上運賃為替等により変動

マークアップ

(輸 入 差 益)

港 湾 諸 経 費

買 付 価 格

(3)食糧麦備蓄対策事業

即時販売方式の導入後は製粉企業等が23か月分の外国産

食糧用小麦の備蓄を行った場合国が18か月分の保管経費を

助成しています(図Ⅰ-7)

また不測の事態が生じた場合には国は製粉企業等に

対して備蓄する外国産食糧用小麦の取崩しの指示等を行い

ます

図Ⅰ-7 食糧麦備蓄対策事業のスキーム(2)即時販売方式

外国産食糧用小麦の売渡しについては平成22年10月以降輸入した小麦を直ちに製粉企業等に販売し製粉企業等が一定期間備蓄することとなっています

- 9 -

6 外国産食糧用小麦の政府売渡価格の動向

外国産食糧用小麦の政府売渡価格は穀物の国際相場や海上

運賃為替等の動向を反映した買付価格に連動して年2回改

定されています

平成30年10月期の政府売渡価格は輸入小麦の平均買付価格

(平成30年3月第2週~9月第1週)が①米国及び豪州の一

部の地域の乾燥による減収懸念等から小麦の価格が上昇②燃

料油価格の影響により海上運賃が上昇したことにより前期

に比べ上昇したことから5銘柄加重平均(税込価格)で

55560円トン対前期比22の引上げとなりました

また平成31年4月期の政府売渡価格は輸入小麦の平均買

付価格(平成30年9月第2週~平成31年3月第1週)が①小

麦の国際価格に大きな変動がない中②為替は円安傾向であっ

たものの海上運賃が下落したことにより前期に比べ低下し

たことまたTPP11協定に基づきカナダ豪州産小麦

にマークアップの引下げを適用したことから5銘柄加重平均

(税込価格)で54630円トン対前期比17の引下げとなり

ました(表Ⅰ-9)

表Ⅰ-9 外国産食糧用小麦の政府売渡価格

注1)5銘柄加重平均価格は税込み価格である2)5銘柄とはアメリカ産ダークノーザンスプリング(主にパン中華麺用)カ

ナダ産ウェスタンレッドスプリング(主にパン用)アメリカ産ハードレッドウィンター(主にパン中華麺用)オーストラリア産スタンダードホワイト(主に日本麺用)アメリカ産ウェスタンホワイト(主に菓子用)

時 期5銘柄加重平均価格

(円トン)対前期比()

平成29年4月期 50690 +46

平成29年10月期 52510 +36

平成30年4月期 54370 +35

平成30年10月期 55560 +22

平成31年4月期 54630 17

- 10 -

Ⅱ 小麦粉麦製品の生産と価格の動向

資料平成21年度までは農林水産省「米麦加工食品生産動態統計調査年報」平成22年度からは農林水産省「食品産業動態調査」及び農林水産省「製粉精麦工場需給実績報告」平成21年度以降の麦茶の生産量については全国麦茶工業協同組合調べ

注1)麺類及びパン類の生産量は小麦粉使用量でその他は製品生産量である2)小麦粉精麦及び麦茶の生産量は年度の計でありその他は暦年の計である

(単位千トン)

表Ⅱ-1 小麦粉麦製品の生産量の推移

1 小麦粉麦製品の生産量

小麦粉の生産量は460万~470万トンで安定的に推移してい

ます(表Ⅱ-1)

小麦の二次加工製品のうち

① パン類の生産量は平成22年以降プライベートブラン

ドの菓子パンや高価格帯食パンの人気等により堅調に推

移しています

② 麺類の生産量は平成23年には東日本大震災による即

席麺の需要増等から増加しましたその後冷凍麺や外食

産業での消費増等により平成30年は147万トンと増加し

ています

③ ビスケットの生産量は平成20年から26年までは24万ト

ン前後で推移しました平成27年は円安の影響による輸入

量の減少等に伴い増加しその後は25万トン程度で推移し

ています

焼酎みそ主食用に仕向けられる精麦の生産量は平成16

年度まで本格焼酎ブームにより増加傾向で推移しましたがそ

の後の焼酎用需要の低迷等により減少しました近年は主食用

の需要の伸びにより17万トン前後で推移しています

一方平成28年(2016年)以降健康志向等を背景に大麦及

びはだか麦の需要が増加しています特に水溶性食物繊維

(大麦β-グルカン)が豊富なもち性はだか麦の需要は平成

29年(2017年)半ば以降は落ち着いてきたものの引き続き高

い水準で推移しています(図Ⅱ-1 )

- 11 -

図Ⅱ-1 もち麦を使用した製品の販売額の推移(首都圏)

区分

前年 前年 前年 前年 前年 前年

増減率 増減率 増減率 増減率 増減率 増減率

年 (年度計) () (暦年計) () (暦年計) () (暦年計) () (年度計) () (年度計) ()

平成12 4623 01 1279 23 1421 09 223 19 161 45 49 89

13 4607 03 1272 05 1441 14 218 21 164 19 51 41

14 4591 03 1245 21 1421 13 210 39 177 75 51 00

15 4662 15 1247 01 1425 02 219 43 189 71 45 118

16 4667 01 1243 03 1414 08 214 20 212 118 47 44

17 4623 09 1232 09 1368 32 213 05 201 51 47 00

18 4599 05 1218 11 1324 32 218 24 196 25 47 00

19 4684 18 1211 06 1319 03 225 29 197 06 48 21

20 4564 26 1181 24 1277 32 240 70 173 120 50 42

21 4612 11 1179 02 1265 10 243 10 168 29 48 40

22 4725 25 1196 15 1251 11 241 06 161 45 52 83

23 4708 04 1215 16 1283 26 243 06 155 35 54 38

24 4654 11 1219 03 1269 11 239 14 164 60 55 19

25 4694 09 1226 06 1324 43 237 12 158 37 66 200

26 4683 02 1234 07 1371 35 244 33 162 25 66 00

27 4702 04 1234 00 1396 19 259 59 162 04 68 30

28 4683 04 1238 03 1409 09 258 05 169 44 60 118

29 4703 04 1254 13 1445 26 252 22 172 20 64 67

30 - - 1221 27 1473 19 259 30 - - - -

精麦 麦茶小麦粉 パン類 麺類 ビスケット

資料日本経済新聞デジタルメディア社による首都圏のスーパーマーケットなど119店におけるPOSデータに基づき農林水産政策研究所において集計

図Ⅱ-2 小麦粉麦製品の価格(消費者物価指数)の変化

資料総務省「消費者物価指数」(全国)

(参考) 家計に占める小麦関連製品の支出 (単位円世帯)

資料総務省「家計調査」(全国二人以上の世帯)

年間計(平成30年)

1か月平均

消 費 支 出 3447783 287315食 料 952172 79348

小 麦 関 連 製 品 計 82108 6842パ ン 30555 2546

め ん 類 17369 1447小 麦 粉 596 50

菓子類(ビスケット等) 11397 950調理食品(調理パン) 5352 446

外食(うどん等) 16839 1403

(平成27年=100)

2 小麦粉麦製品の価格の動向

小麦粉及び麦関連製品の価格は輸入小麦の政府売渡価

格の引上げ等による原材料費の上昇人件費や物流費の上

昇等の影響を受け平成30年以降小麦粉及びパンの価格

は上昇傾向にあります(図Ⅱ-2)

- 12 -

85

90

95

100

105

110

食料品総合 パン めん類 小麦粉

表Ⅱ-2 麦製品の輸入量の推移(参考1) 麦製品の輸入動向

(1)小麦粉調製品

小麦粉に砂糖脱脂粉乳等を混合した小麦粉調製品の輸

入量は平成11年以降デフレに伴う低価格品需要の拡大

により増加傾向で推移してきましたが麦の国際相場の

高騰に伴う輸入価格の上昇等により平成18年から平成20年

にかけて減少しましたその後も減少傾向で推移しており

平成30年は8万3千トンの輸入量となっています

(2)麦加工製品

①マカロニスパゲッティ

マカロニスパゲッティについては国内の全体需要が

増加する中で輸入量が増加傾向で推移してきました

平成30年は過去最高の輸入量であった前年からは減少

し13万8千トンとなっています

②ビスケット

ビスケットの輸入量は平成25年以降円安の影響を受

けて減少していましたが平成28年度以降増加傾向にあり

平成30年の輸入量は2万5千トンとなっています

資料財務省「貿易統計」注小麦粉調製品は穀粉が占める割合が85以下のものの輸入量

なお小麦粉調製品のうち加糖のものは一般に菓子類菓子パン類等の原料として利用され無糖のものは麺類等の原料として使用される

(単位千トン)

- 13 -

対前年 対前年 対前年 対前年 対前年

増減率 増減率 増減率 増減率 増減率

() () () () ()

平成12 107 118 85 92 97 26 45 95 108 11 123

13 121 126 75 99 81 27 51 93 25 13 209

14 126 131 35 102 30 29 52 101 94 15 142

15 116 133 13 101 06 31 82 108 63 21 400

16 108 136 28 98 32 38 222 112 35 25 219

17 110 140 26 98 01 42 90 110 17 24 49

18 116 139 09 99 12 39 59 110 02 24 23

19 118 117 155 87 128 30 224 104 49 23 56

20 104 100 144 72 173 29 60 127 219 18 221

21 94 102 23 73 15 30 42 116 85 17 83

22 88 107 40 73 07 33 119 121 36 19 173

23 80 108 12 78 59 30 90 134 115 22 143

24 80 106 16 78 02 28 63 142 58 22 07

25 97 100 53 73 64 28 25 133 68 18 182

26 105 98 21 73 02 25 83 133 03 17 74

27 121 94 40 69 55 25 03 132 08 14 166

28 109 91 32 65 58 26 40 145 99 19 348

29 112 92 05 65 02 27 14 150 32 24 296

30 110 83 92 59 85 24 110 138 75 25 23

国 名輸入割合()

国 名輸入割合()

国 名輸入割合()

国 名輸入割合()

国 名輸入割合()

韓国 409 韓国 528 シンガポール 442 イタリア 465 インドネシア 242

シンガポール 202 フランス 151 米国 126 トルコ 355 中国 205

フランス 114 シンガポール 105 韓国 114 米国 142 マレーシア 84

米国 75 中国 78 ニュージーランド 98 ギリシャ 20 ベトナム 63

中国 57 米国 55 豪州 69 アラブ首長国連邦 10 イタリア 55

国 名対前年増減率()

国 名対前年増減率()

国 名対前年増減率()

国 名対前年増減率()

国 名対前年増減率()

韓国 10 韓国 13 シンガポール 221 イタリア 107 インドネシア 202

シンガポール 124 フランス 92 米国 136 トルコ 45 中国 76

フランス 87 シンガポール 108 韓国 30 米国 09 マレーシア 245

米国 116 中国 546 ニュージーランド 87 ギリシャ 152 ベトナム 137

中国 543 米国 98 豪州 344 アラブ首長国連邦 135 イタリア 119

30

輸入上位5カ国

区分

為替レー

円ドル)

小麦粉調製品 麦加工製品

加糖のもの 無糖のもの マカロニスパゲッティ ビスケット

(参考2) 麦製品の輸出動向

麦製品の輸出量のうちその大部分を占める小麦粉の輸出量

は近年主要輸出先国の製粉技術の向上や現地製粉工場の立

上げ等により減少傾向で推移し平成30年は約16万トンとなっ

ています(表Ⅱ-3)

表Ⅱ-3 麦製品の輸出量の推移

資料財務省「貿易統計」

(単位トン)

- 14 -

対前年増減率()

対前年増減率()

対前年増減率()

309594 75 376 431 1028 375

321028 37 315 162 967 59

319968 03 253 197 953 14

318706 04 410 621 1052 104

304465 45 328 200 769 269

289911 48 1054 2213 719 65

290033 00 1196 135 762 60

255377 119 1150 38 1098 441

187040 268 743 354 1198 91

185403 09 822 106 898 250

196183 58 770 63 974 85

191480 24 607 212 698 283

192598 06 598 15 780 117

168205 127 573 42 769 14

166311 11 571 04 861 120

157938 50 553 32 1249 451

158896 06 549 07 1287 30

167600 55 532 32 778 395

163640 24 535 06 894 148

国 名輸出割合

() 国 名輸出割合

() 国 名輸出割合

()

香港 496 香港 888 中国 483シンガポール 207 中国 43 香港 314ベトナム 96 韓国 21 台湾 64

タイ 59 米国 17 ベトナム 37台湾 58 台湾 11 シンガポール 29

国 名対前年増減率() 国 名

対前年増減率() 国 名

対前年増減率()

香港 175 香港 26 中国 251シンガポール 583 中国 62 香港 329ベトナム 135 韓国 437 台湾 59

タイ 81 米国 1047 ベトナム 418台湾 47 台湾 261 シンガポール 449

24

30

輸出上位5カ国

25

181920212223

2627282930

17

  区分

小麦粉マカロニスパゲッティ

スイートビスケット

平成1213141516

(参考3) 麦製品の生産動向

麦製品の生産量は食パンや乾麺のように生産量が減少している製品もある一方で菓子パンや即席麺冷凍麺のように生産量が増加している製品もあることから使用される小麦粉の数量は平成22年以降概ね横ばい傾向で推移しています麦製品は食生活の多様化や簡便性といった消費者ニーズを

捉えつつ継続した新製品の開発がなされており新たな定番となる商品の登場や期間限定の商品やイベントなどが消費者の購買を促進していると考えられます(図Ⅱ-3表Ⅱ-4)

表Ⅱ-4 麦製品の生産量の推移

(単位千トン)

- 15 -

資料平成21年度までは農林水産省「米麦加工食品生産動態統計調査年報」平成22年度からは農林水産省「食品産業動態調査」及び農林水産省「製粉精麦工場需給実績報告」冷凍麺の生産量は(一社)日本冷凍食品協会調べ

注1)麺類及びパン類の生産量は小麦粉使用量で冷凍麺は製品生産量である2)小麦粉は年度の計でありその他は暦年の計である

区分

パ ン 麺 類 冷凍麺

小麦粉 食パン菓子パ

ンその他のパン

生麺 乾麺 即席麺

年度計 暦年計 暦年計 暦年計 暦年計 暦年計 暦年計 暦年計 暦年計 暦年計

昭和45 3422 970 469 - - - 514 327 267 -

50 3978 1062 588 251 63 - 541 289 335 -

55 4079 1189 687 285 89 1334 610 275 325 -

60 4243 1178 653 291 133 1397 659 297 316 9

平成2 4338 1193 661 321 146 1407 687 274 316 41

7 4633 1220 623 368 178 1456 729 268 314 120

12 4623 1279 619 382 235 1421 687 235 343 190

22 4725 1196 576 375 215 1251 555 203 332 257

23 4708 1215 580 392 215 1283 548 209 361 270

24 4654 1219 580 392 221 1269 542 204 363 283

25 4694 1226 598 384 218 1324 562 213 386 314

26 4683 1234 608 387 214 1371 578 213 410 318

27 4702 1234 605 403 201 1396 624 195 414 308

28 4683 1238 604 403 206 1409 652 186 419 308

29 4703 1254 602 409 218 1445 691 186 416 313

30 - 1221 585 401 211 1473 712 188 420 -

〔低糖質製品〕

〔多種多様な携帯サンドイッチ〕

〔手軽な冷凍麺〕

図Ⅱ-3 麦製品の商品事例

H18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29

製粉工場数 124 122 121 119 117 118 117 114 109 104 102 98

製粉企業数 100 98 98 96 94 95 94 90 88 83 81 77

うち輸入小麦取扱製粉工場数 91 91 90 90 87 87 86 83 78 76 74 73

うち輸入小麦取扱製粉企業数 67 67 67 65 64 64 64 60 57 55 53 52

50

70

90

110

130

150製粉工場数

製粉企業数

うち輸入小麦取扱製粉工場数

うち輸入小麦取扱製粉企業数

3 製粉企業の状況

(1)大手製粉企業及び中小製粉企業の動向

① 大手製粉企業4社の小麦粉の生産量は全体の78を占

めておりこれに年間小麦粉生産量が3万トン以上の企業

の生産量を加えた13社ベースでは全体の90を占めてい

ます

② 大手製粉企業は生産設備の臨海工場への集約化を進め

つつ工場の大規模化合理化を推進しています

平成29年度の1工場当たりの生産量は17万トンまた

稼働率は89となっています

③ 年間小麦粉生産量3万トン以上の中小製粉企業は工場

のほとんどが臨海地域に立地し小麦粉を域内の二次加工

メーカー等に供給しています

平成29年度の1工場当たりの生産量は約6万トン稼働

率は67となっています

④ 年間小麦粉生産量1千トン以上3万トン未満の中小製粉

企業は主に内陸に位置し小麦粉を地元のパン麺等の

加工業者に供給するほか乾麺等の製造を兼ねるものも多

くなっています

平成29年度の1工場当たりの生産量は13万トンと大

手製粉企業の約14分の1稼働率は35となっています

⑤ 年間小麦粉生産量1千トン未満の中小製粉企業は輸入

小麦を取り扱わない企業が大部分を占め国内産小麦のみ

を使用し麺用や菓子用に供給しています

表Ⅱ-5 大手製粉企業中小製粉企業の小麦粉生産等の動向

資料農林水産省調べ注四捨五入の関係で計と内訳が一致しない場合がある

(参考)製粉企業数と工場数の推移(企業工場)

- 16 -

3万トン以上1千トン以上3万トン未満

1千トン未満

平成24 94 4 90 9 50 31

29 77 4 73 9 38 26

24 4853 3679 1174 536 636 3

29 4877 3801 1075 569 504 2

24 100 758 242 110 131 01

29 100 779 221 117 103 00

24 3245 1177 2068 632 1360 76

29 2806 1057 1749 581 1114 54

24 1496 3126 568 848 468 39

29 1738 3596 615 980 452 44

24 415 1533 126 596 120 01

29 498 1728 142 569 126 01

24 692 887 414 709 311 42

29 731 888 454 670 347 46

全体 大手製粉

中 小 製 粉年間生産量

稼働率()

製粉企業数

小麦粉生産量(千トン)

生産シェア()

従業員数(人)

従業員一人当たりの生産量

(トン)

一工場当たりの生産量(千トン)

(2)製粉企業のコスト削減や品質安全性の向上に向けた取組

製粉企業は生産能力の増強によるコスト削減や品質安全性の向上に向けた取組を進めています(図Ⅱ-4)

また国も農業競争力強化プログラムを策定し製粉企業の取組みを支援しています(図Ⅱ-5)

① 供給能力の強化等によるコストダウン

製粉企業は供給能力の強化生産性の向上と原料小麦の受入体制の整備によるコストダウンを図るため製粉工場や原料サイロの増強等の設備投資を行っています

② 資本業務の提携

製粉企業の中には他の製粉企業と資本業務提携を行うこと等により原料調達規模の拡大や生産の効率化等による競争力の強化を図る取組もみられます

③ 品質安全性の向上

製粉企業は近年消費者の安全安心への関心が高まる中食品の品質安全性を確保するための設備やAIB食品安全システムの導入ISO認証の取得等様々な取組を行っています

④ 工場の集約化

大手製粉企業は内陸工場を閉鎖し海外からの原料調達に有利な臨海工場への集約を進めるとともに臨海工場の生産能力を増強させる等生産性の向上を図っています

⑤ 海外市場への進出

製粉企業の中にはアジア大洋州地域における買収や工場増設等海外市場に積極的な進出をする取組もみられます

① 供給能力の強化等によるコストダウン 日清製粉は関東地区の小麦サイロ収容力の増強を進め更なる原料小麦の安定供給を推進するため鶴見工場の原料小麦サイロを増設(平成28年)

日本製粉は神戸甲南工場の原料サイロの新設等(平成24年)千葉工場の原料サイロの増設(平成26年)を行い今後原料サイロを福岡工場及び知多新工場へ新設神戸甲南工場(第2期)へ増設する予定

千葉製粉は新たな顧客ニーズへの対応付加価値製品の創出等を図るため専用ラインを新設(平成27年)

② 資本業務提携 資本業務提携を行っている製粉企業

増田製粉所(兵庫) hArr 日東富士製粉

木田製粉(北海道)内外製粉(三重)奥本製粉(大阪)セントラル製

粉(愛知) hArr 昭和産業

東福製粉(福岡) hArr 日本製粉

③ 品質安全性の向上 多くの製粉企業がISO9001(品質マネジメントシステム)ISO22000(食品安全マネジメントシステム)の認証を受けることにより品質管理や食品安全管理を実施

④ 工場の集約化 日清製粉は生産性向上のため内陸工場を順次閉鎖し臨海工場への集約化を推進

筑後工場(福岡)鳥栖工場(佐賀) rarr 福岡工場(福岡)へ集約

(平成26年)

名古屋工場の2ライン rarr 知多工場(愛知)の新ラインへ集約

(平成27年)

日本製粉は生産性向上のため総生産能力の80を臨海部の大型工場に集約

⑤ 海外市場への進出状況(平成30年度) 日清製粉は豪州の小麦粉市場においてトップシェアを持つアライドピナクル社を買収またタイでは子会社の日清STC製粉がタイの製粉工場を買収するとともにベトナムでは業務用プレミックスの生産工場を建設することを決定

昭和産業はベトナムに新たにプレミックス製造会社を設立し生産工場を建設することを決定

図Ⅱ-4 製粉企業の各種取組の事例

- 17-

⑥ 再編合理化の取組

製粉企業の中には国の支援を活用した再編合理化の取

組もみられます

⑦ 地産地消の推進

中小製粉企業は地域とのつながりの強さや独自の立地

条件を活かした特色ある経営を模索する中で生産者と協

力した積極的な地産地消の取組を進めています

⑦ 地産地消の推進

岩手県主な実施者岩手県学校給食会岩手県パン工業組合県内製粉企業取 組 内 容 平成28年度から地元県産小麦(銀河のちからゆきちから)を

100使用した学校給食用パンを県内の小中学校に提供開始埼玉県

主な実施者埼玉産小麦ネットワーク「SWING group」(県内製粉企業が中心となり生産者加工業者販売業者等180社が加盟)

取 組 内 容 埼玉県産小麦のブランド価値を高めることなどを目的として埼玉県産小麦を自社製品に利用することで高付加価値商品の開発による自社の発展などを目指すとともに研修会の実施やイベントホームページなどを通じた消費者への情報提供を実施

京都府主な実施者地元製粉企業京都府全農京都府本部生産者府内製麺製

パン業者飲食店取 組 内 容 平成30年産から京都府産小麦品種を「せときらら」へ全面切替を

行ったことを機にブランド名を「京小麦」とし「京小麦」を100使用したメニューを参加店舗にて提供するイベント「京小麦の収穫祭」を平成31年1月21日から2月17日まで開催

福岡県主な実施者福岡県ラー麦普及推進協議会(県JA全農ふくれん県内製粉

業者5社製麺業者関係団体)取 組 内 容 以下の取組によりラーメン用小麦「ラー麦」を普及推進

産地への生産技術の普及指導 小麦品質評価最適製粉加工方法の検討 利用や消費を促進するための普及宣伝(試

食イベント等) 毎年産の製粉製麺適性評価および食味

官能評価の実施 平成21年に本小麦の名称「ラー麦」とロ

ゴデザインを商標登録しブランド化

- 18 -

2 生産者が有利な条件で安定取引を行うことができる流通加工の業界構造の確立

(1)生産者に有利な流通加工構造の確立現在の食料需給消費の実態等を踏まえた効率的機能

的で農業者と消費者双方がメリットを受けられる流通加工構造を確立するため以下のとおり取り組む

その際農林水産省経済産業省をはじめ政府一体となって取り組む①~⑦ (略)⑧ 加工業については生産性の低い工場が乱立している

種類の加工業界(製粉乳業等)について国は国際競争に対応できる生産性の確保を目指した業界再編設備投資等を推進することとし政府系金融機関の融資農林漁業成長産業化支援機構の出資等による支援を行う

⑨ 上記改革を推進するため農産物の流通加工に関し国の責務業界再編に向けた推進手法等を明記した法整備を進める

⑩ 上記改革を推進するため金融機関による流通加工関連産業の生産性向上に資する経営支援や資金供給の促進政府系金融機関や農林漁業成長産業化支援機構等との連携強化等を図る

図Ⅱ-5 農業競争力強化プログラム(抜粋)

(平成28年11月29日 農林水産業地域の活力創造本部決定)

⑥ 再編合理化の取組

製粉工場の廃棄撤去製粉施設の一部又は全部を撤去しミックス粉等の関連事業を拡大

(製粉工場等再編合理化事業(平成2728年度7件))

図Ⅲ-1 国内産小麦の収穫量と作付面積の推移

表Ⅲ-1 小麦の主な作付品種(平成29年産)

Ⅲ 国内産麦の生産と流通の動向

1 国内産麦の生産状況

(1)小麦

① 作付面積

近年の国内産小麦の作付面積は約21万haと横ばいで推移して

います平成30年産の作付面積は北海道は121万ha都府県

は91万ha全国では212万haとなり前年産並となっていま

② 収穫量

平成30年産の国内産小麦の収穫量は主産地の北海道での6

月中旬から7月中旬にかけての低温日照不足の影響により登

熟不良となったこと等から前年産に比べ北海道で134万ト

ン(22)減少都府県では05万トン(2)減少全国

では139万ha(15)減少の768万トンとなり(図Ⅲ-1)

10a当たりの平均収量対比は91となりました

③ 小麦の作付品種の状況

栽培品種については各産地の気候条件や用途等に適した品

種が作付されており29年産では日本麺用では「きたほなみ」

「さとのそら」「シロガネコムギ」といった品種パン

中華麺用では「春よ恋」「ゆめちから」といった品種が上位

を占めています(表Ⅲ-1)

資料農林水産省「作物統計」品種毎の面積は農林水産省政策統括官調べ

注品種の育成年についてはシロガネコムギは農林認定が行われた年

それ以外の品種は出願公表が行われた年としている

資料農林水産省「作物統計」30年産の数値は概算値

- 19 -

(千トン)

年産

910 881

674

571

746

858 812

852

1004

791

907

768

210 209 208 207 212 209 210 213 213 214 212 212

100

120

140

160

180

200

220

240

260

280

300

0

200

400

600

800

1000

H19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30

収穫量 作付面積(千ha)

品種名 育成年 作付面積(千ha) 割合 主な作付地域

きたほなみ 平成19年 878 41 北海道

さとのそら 平成21年 159 7 関東東海

シロガネコムギ 昭和49年 152 7 九州近畿

春よ恋 平成11年 143 7 北海道

ゆめちから 平成20年 137 6 北海道

上位5品種計 1469 69

小麦作付面積 - 2123

図Ⅲ-2 国内産大麦及びはだか麦の収穫量と作付面積の推移

表Ⅲ-2 大麦及びはだか麦の主な作付品種(平成29年産)

(2)大麦及びはだか麦

① 作付面積

近年国内産大麦及びはだか麦の作付面積は約6万と横ば

いで推移しており平成30年産は前年産と比較すると二条

大麦は前年産並六条大麦は800ha(4)減少はだか麦

で460ha(9)増加となり全体では340ha(1)減少の

61万haとなりました(図Ⅲ-2)

② 収穫量

平成30年産の大麦及びはだか麦の収穫量は二条大麦及びは

だか麦はおおむね天候に恵まれ生育が順調で登熟も良好

であったこと等から前年産に比べ二条大麦は01万トン

(1)増加はだか麦は01万トン(8)増加となりました

六条大麦については北陸地方において大雪の影響で融雪時期

が遅れたこと等により穂数が少なくなり前年産に比べ14万

トン(26)減少しました

この結果大麦及びはだか麦の収穫量は合計で173万トンと

なり前年産に比べて12万トン(6)減少となりました

(図Ⅲ-2)

③ 大麦及びはだか麦の作付品種の状況

栽培品種については各産地の気候条件や用途等に適した品

種が作付されており29年産では二条大麦はビール用の「サ

チホゴールデン」六条大麦は主食用や麦茶用の「ファイ

バースノウ」はだか麦は麦味噌用の「マンネンボシ」いっ

た品種が上位を占めています(表Ⅲ-2)

資料農林水産省「作物統計」30年産の数値は概算値

- 20 -

(千トン)

資料農林水産省「作物統計」農林水産省調べ

注品種の育成年についてはシュンライイチバンボシは農林認定が行われ

た年それ以外の品種は出願公表が行われた年としている

195 217

179 161

172 172 183

170 177 170 185

173

54 57 58 59 60 60 59 60 61 61 61 61

0

10

20

30

40

50

60

70

80

90

100

0

50

100

150

200

250

H19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30

収穫量 作付面積 (千ha)

年産

麦種 品種名 育成年作付面積(千ha)

割合 主な作付地域

二条大麦

サチホゴールデン 平成18年 189 31 九州関東中国

はるしずく 平成17年 44 7 九州

ニシノホシ 平成11年 27 4 九州

六条大麦

ファイバースノウ 平成13年 107 17 北陸関東東海

シュンライ 平成2年 33 5 関東東北近畿

カシマゴール 平成22年 13 2 関東東海

はだか麦

マンネンボシ 平成13年 15 2 四国

イチバンボシ 平成4年 14 2 四国九州

トヨノカゼ 平成18年 11 2 九州中国

大麦はだか麦作付面積

- 614

資料農林水産省調べ

Aランク評価項目の基準値を3つ以上達成しかつ許容値を全て達成している麦Bランク評価項目の基準値を2つ達成しかつ許容値を全て達成している麦Cランク評価項目の基準値を1つ達成しかつ許容値を全て達成している麦

評価項目の基準値を2つ以上達成しているものの許容値を達成していない麦DランクA~Cランクのいずれにも該当しない麦

【評価項目】①小麦 日本麺用パン中華麺用(たんぱく灰分容積重フォーリングナンバー)

醸造用(たんぱく3項目容積重)②二条大麦 主食等用(容積重細麦率白度正常粒率)

麦茶用(たんぱく3項目細麦率)③六条大麦はだか麦 主食等用(容積重細麦率白度硝子率)

麦茶用(たんぱく3項目細麦率)

(参考) 麦の品質区分

(単位)

- 21 -

(2)品質評価

たんぱく質や灰分の含有率等に基づく品質評価結果につい

ては平成30年産の小麦ではAランクが899となってお

り過去5年平均(Aランク比率849)と比べ5ポイン

ト高くなっています

また平成30年産の大麦はだか麦ではAランクが

849となっており過去5年平均(Aランク比率832)

と比べ17ポイント高くなっています(表Ⅲ-4)

表Ⅲ-4 平成30年産麦の品質評価結果

2 国内産麦の品質状況

(1)農産物検査① 平成30年産の小麦について全国の1等比率は761

(平成30年12月末時点)と過去5年平均799と比較して低くなっています(表Ⅲ-3)

② 平成30年産の小粒大麦大粒大麦はだか麦及びビール大麦について1等比率は大粒大麦を除き過去5年平均と比較して低くなっています(表Ⅲ-3)

表Ⅲ-3 国内産麦の1等比率の推移(単位)

Aランク Bランク Cランク DランクAランク

過去5年平均(平成25~29年産)

小 麦 899 67 33 01 849

大麦はだか麦

849 37 108 06 832

注1)各年産翌年4月末時点の値であるただし平成30年産は30年12月末時点の値である

2)強力小麦の検査数量を含む値である

3 国内産麦に対する支援

平成31年度は経営所得安定対策等の対策のうち主に畑作

物の直接支払交付金と水田活用の直接支払交付金により国内

産麦に対する支援が行われます

(1)畑作物の直接支払交付金

畑作物の直接支払交付金として麦を生産する農業者に対

し標準的な生産費と標準的な販売価格の差額分を直接交付

することとしています

支払いは当年産の麦の品質及び生産量に応じて交付する

数量払を基本とし当年産の麦の作付面積に応じて交付する

面積払(営農継続支払)を数量払の先払いとして交付する仕

組みにしています

数量払の交付単価は品質に応じた単価を設けており需要

に応じた生産と品質に対する営農努力を適切に反映させる仕

組みになっています(表Ⅲ-5)

表Ⅲ-5 畑作物の直接支払交付金の麦の交付単価

(円単位数量)

品質区分(等級ランク)

1等 2等

A B C D A B C D

小麦(パン中華麵

用品種)(60kg当たり)

9040 8540 8390 8330 7880 7380 7230 7170

小麦(パン中華麺用品種以外)(60kg当たり)

6740 6240 6090 6030 5580 5080 4930 4870

二条大麦(50kg当たり) 5550 5130 5010 4960 4690 4270 4140 4090

六条大麦(50kg当たり) 6030 5610 5480 5430 5000 4580 4460 4410

はだか麦(60kg当たり) 8650 8150 8000 7910 7080 6580 6430 6350

(参考)

【平均交付単価小麦6940円60kg二条大麦5490円50kg六条大麦5720円50kg

はだか麦8230円60kg】

②面積払

当年産の作付面積に応じて交付 2万円10a

①数量払(品質に応じた単価)

- 22 -

【平成31年産に適用】

標準的な生産費

差額

ゲタ交付単価

標準的な販売価格

【交付単価のイメージ】lt畑作物の直接支払交付金のイメージgt

面積払(数量払の際に控除されます)

数量払

収量

交付金額

(2)水田活用の直接支払交付金

水田のフル活用を推進し食料自給率自給力の向上を図

るため水田で麦を生産する農業者に対しては畑作物の直

接支払交付金に加え水田活用の直接支払交付金(35000円

10a)を直接交付することとしています(表Ⅲ-6)

表Ⅲ-6 水田活用の直接支払交付金の交付単価

作 物 単 価

麦大豆飼料作物 35000円10a

WCS(ホールクロップサイレージ)用稲 80000円10a

加工用米 20000円10a

飼料用米米粉用米収量に応じ

55000円~105000円10a

このほか「産地交付金」により地域で作成する水田フル活用ビジョンに基づき二毛作や耕畜連携を含め産地づくりに向けた取組を支援します

戦略作物助成

注実需者等との出荷販売契約等を締結すること出荷販売することが要件

- 23 -

4 国内産食糧用麦の流通動向

(1)取引の概要

国内産食糧用麦は加工原料としての商品特性から需要に応じて計画的に生産できるようは種前契約に基づく取引が行われています

まず取引の指標となる透明性のある適正な価格を形成するためは種前に販売予定数量の3~4割(具体の比率は民間流通地方連絡協議会の協議を踏まえ決定)について入札が行われます残りは相対取引が行われておりその価格については入札で形成された指標価格(落札加重平均価格)を基本として取引当事者間で決められています(図Ⅲ-3)

また取引を円滑に進めるため生産者需要者等で構成される民間流通連絡協議会において取引に必要な情報交換取引に係る基本事項の見直し等が行われています(表Ⅲ-7)

今後とも国内産食糧用麦については円滑な流通が確保されるようは種前契約を基本としつつ適切に対応していきます

図Ⅲ-3 国内産食糧用麦の基本的な流通フロー

表Ⅲ-7 国内産食糧用麦の入札の仕組み

項 目 概 要 見直しの変遷

実施主体 一般社団法人 全国米麦改良協会

実施時期 は種前に2回実施(8~9月)平成13年産から1回rarr2回へ見直し

上場数量

産地銘柄別に販売予定数量が小麦3千トン以上大麦はだか麦1千トン以上の銘柄についてその30~40を上場(ほかに希望上場あり)

平成31年産から30rarr30~40へ見直し

基準価格

小麦は前年産の落札加重平均価格に当年産の入札実施時点での外国産麦の政府売渡価格の変動率を乗じた価格大麦はだか麦は前年産の落札加重平均価格

小麦の外国産麦との連動は平成24年産から実施

値幅制限 基準価格のplusmn10

小麦平成12年産~16年産plusmn5平成17年産~21年産plusmn7平成22年産plusmn10平成23年産plusmn30平成24年産~ plusmn10大麦はだか麦平成12年産~18年産plusmn5平成19年産~21年産plusmn7平成22年産plusmn10平成23年産plusmn15平成24年産~ plusmn10

取引価格の事後調整(小麦のみ)

外国産食糧用小麦の政府売渡価格の改定(410月)に合わせては種前の入札又は相対により契約された価格に外国産食糧用小麦の政府売渡価格の変動率を乗じて取引価格を改定

平成23年産から実施

申込限度数 量

買い手別に上場数量times買受実績シェアtimes145

小麦は平成17年産から大麦及びはだか麦は平成19年産から135rarr145へ見直し

相対取引入札で形成された指標価格を基本に生産者団体と需要者の間で協議決定

平成19年産から過去の実績シェアに基づく取引ルールを廃止

再入札

第1回入札及び第2回入札において落札残数量が発生した場合は売り手の希望により再度入札に付すか相対による契約を行うかいずれかの方法をとることができる

平成25年産から売り手の申し出により再入札における入札の値幅を設定できること等を規定

生産者団体から販売予定数量需要者団体から購入希望数量の相互提示

入札取引の実施(販売予定数量の約3~4割)

相対取引の実施(販売予定数量の約6~7割)

は 種(秋まき春まきは収穫年の4月)

収 穫 及 び 検 査

生産者団体と需要者の間では種前に契約を締結

需 要 者 へ 引 渡 し

<生産の流れ>

麦の生育期間

<契約の流れ>

は種前契約に基づき計画的に作付(は種)

収穫前年7月~

8~9月

9月~

~12月

6~8月

6月~

収穫年26年産から国内産麦の需要拡大を図るため地域の食文化のブランド化等による高付加価値化の取組等に対し安定的な原料供給が可能となる需要拡大推進枠を導入

- 24 -

表Ⅲ-8 国内産食糧用麦の供給量 (単位千トン)

注集荷団体からの聞き取り数量である

(2)流通の動向

平成30年産の国内産食糧用小麦の供給量は前年産から

約14万4千トン減少し約70万1千トンとなっています

また国内産食糧用大麦及びはだか麦の供給量は前年

産から約3千トン減少し約10万3千トンとなっています

(表Ⅲ-8)

生産者側から提示された平成31年産麦の販売予定数量は

国内産食糧用小麦で約82万4千トン国内産食糧用大麦及

びはだか麦で約10万8千トンとなっています

一方需要者側から提示された平成31年産麦の購入希望

数量は国内産食糧用小麦で約86万3千トン国内産食糧

用大麦及びはだか麦で約13万トンとなっています(表Ⅲ-

9)

表Ⅲ-9 国内産食糧用麦の販売予定数量及び購入希望数量の推移(単位千トン)

資料民間流通連絡協議会調べ注四捨五入の関係で差し引きが一致しないことがある

- 25 -

年産 20 21 22 23 24 25 26 27 28 2930

(見込)

小   麦 841 639 532 694 811 767 808 946 734 845 701

大麦はだか麦 125 100 84 98 93 105 103 103 92 106 103

年産 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31

販売予定数量① 887 906 909 951 948 909 905 880 820 846 834 824

購入希望数量② 833 880 818 859 904 869 751 802 834 875 880 863

①-② 54 25 91 91 44 40 154 78 14 29 46 39

(①-②)①() 61 28 100 96 47 44 170 89 18 34 55 47

販売予定数量① 121 132 134 127 122 116 110 112 113 112 108 108

購入希望数量② 199 219 135 149 147 138 141 149 145 138 148 130

①-② 78 87 1 23 26 21 31 37 32 26 39 22

(①-②)①() 640 660 06 179 209 182 282 330 284 234 363 204

表Ⅲ-10 国内産食糧用麦の入札結果の推移

資料一般社団法人全国米麦改良協会調べ

注1価格は税込み(26年産までは527年産以降は8)である

ただし31年産の落札価格は一般社団法人全国米麦改良協会公表の価格(税抜き)を基に農林水産省で税込み価格を算出

5 国内産食糧用麦の価格の動向

(1)平成31年産の入札の概要

平成31年産麦の入札は第1回は平成30年9月12日に第

2回は平成30年9月26日に実施されました

麦種別の入札結果をみると小麦は上場数量約21万4千

トンのうち約20万4千トンが落札(落札率954)され落

札価格は61714円トン(対前年産比1151)となりました

小粒大麦は上場数量約1万1千トンのうち約1万1千

トンが落札(落札率991)され落札価格は46560円トン

(対前年産比997)となりました

大粒大麦は上場数量約7千8百トンのうち5千6百トン

が落札(落札率717)され落札価格は46923円トン(対

前年産比879)となりました

はだか麦は上場数量約2千3百トンのうち約2千1百

トンが落札(落札率897)され落札価格は50817円トン

(対前年産比961)となりました(表Ⅲ-10)

なお国内産小麦については近年消費者の国産志向の高

まりなどを受け大手外食チェーンや2次加工メーカーが国

内産小麦を使用したパン中華麺等の商品を相次いで発表す

るなど人気が高まってきていますこれらを背景として平

成31年産小麦の落札価格は多くの銘柄で値幅制限の上限付

近となっておりまた申込倍数も14倍と高いものとなって

います

- 26 -

20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31

上場数量

(トン)①243510 243020 242310 251370 250980 244880 244320 234010 213360 221380 218500 214200

落札数量

(トン)②234930 238410 189350 247770 245320 220590 188240 192240 201140 214060 210560 204420

落札率

②①965 981 781 986 977 901 770 822 943 967 964 954

落札価格

(円トン)43229 59885 55241 48732 58340 49333 49319 49770 54164 51570 53624 61714

対前年産比 1064 1385 922 882 1197 846 1000 1009 1088 952 1040 1151

上場数量

(トン)①12240 13590 14210 13300 11760 11220 11290 11930 12210 12200 11750 11040

落札数量

(トン)②12050 13510 14040 13170 11550 10850 10900 11830 12090 12200 11440 10940

落札率

②①984 994 988 990 982 967 965 992 990 1000 974 991

落札価格

(円トン)45479 59709 53448 45871 46485 46453 46290 47595 47565 46880 46708 46560

対前年産比 1084 1313 895 858 1013 999 996 1028 999 986 996 997

上場数量

(トン)①10020 9690 10330 9290 9000 8700 7210 7620 7450 7620 6880 7810

落札数量

(トン)②8880 8920 8910 7990 7990 7830 6480 7130 6600 6700 6340 5600

落札率

②①886 921 863 860 888 900 899 936 886 879 922 717

落札価格

(円トン)36532 50492 46097 39649 40394 41582 42881 45740 47827 50442 53384 46923

対前年産比 1059 1382 913 860 1019 1029 1031 1067 1046 1055 1058 879

上場数量

(トン)①2910 3150 3030 3260 3060 2830 2840 2890 2740 2660 2570 2330

落札数量

(トン)②2910 3150 3030 3090 3020 2830 2810 2810 2520 2600 2470 2090

落札率

②①1000 1000 1000 948 987 1000 989 972 920 977 961 897

落札価格

(円トン)42222 58527 61489 52791 51905 52294 49656 47712 46547 48527 52876 50817

対前年産比 1063 1386 1051 859 983 1007 950 961 976 1043 1090 961

年産

小麦

小粒大麦(六条大麦)

大粒大麦(二条大麦)

はだか麦

平成31年産国内産食糧用小麦の入札結果をみると産地別銘柄別

の需給状況等を反映して落札価格に差が生じています

代表的な銘柄である北海道産「きたほなみ」は前年産の価格を

153上回る64752円トン香川県産「さぬきの夢2009」は前

年産の価格を152上回る73186円トンとなりましたまたパ

ン中華麺用の北海道産「ゆめちから」は前年産の価格を180

上回る62777円トン北海道産「春よ恋」は前年産の価格を

180上回る68792円トンとなりました(図Ⅲ-4図Ⅲ-5)

図Ⅲ-4 平成31年産国内産食糧用小麦の産地別銘柄別落札価格

資料農林水産省調べ注外国産小麦5銘柄加重平均価格は平成30年4月期の輸入小麦の政府売渡価格である

(2)平成31年産国内産食糧用小麦の産地別銘柄別落札価格の動向

資料農林水産省調べ注1国内産小麦の価格は(一社)全国米麦改良協会が実施する民間流通麦にかかる入札の第1回第2回

及び再入札の落札加重平均価格(税込み)年産の下段の( )内は当該第1回入札の実施年月である注2外国産小麦の価格は18年までは当該年度平均の実績価格であり19年以降は民間流通麦にかかる第

1回入札の実施年月時点での輸入小麦の政府売渡価格(5銘柄平均)である注3ホクシン(きたほなみ)については22年産までは「ホクシン」の価格であり23年産からは「きたほ

なみ」の価格である注4さぬきの夢については24年産までは「さぬきの夢2000」の価格であり25年産からは「さぬきの夢

2009」の価格である注5農林61号(さとのそら)については23年産までは「農林61号」の価格であり24年産からは「さとの

そら」の価格である

図Ⅲ-5 国内産食糧用小麦の産地別銘柄別落札価格の推移

- 27 -

(単位円トン税込み)

30000

60000

北海道ゆめちから 62777

福岡ミナミノカオリ 68393

滋賀農林61号 50763

茨城さとのそら 46310

佐賀チクゴイズミ 52193

岩手ゆきちから 39929

全銘柄落札加重平均 61714

香川さぬきの夢2009 73186

北海道きたほなみ 64752

外国産小麦5銘柄加重平均 54370

群馬さとのそら 48669

北海道キタノカオリ 63090

大分チクゴイズミ 48265

福岡シロガネコムギ 50643

佐賀シロガネコムギ 47998

40000

福岡チクゴイズミ 52203

滋賀ふくさやか 49534

岐阜イワイノダイチ 46874

埼玉さとのそら 47159

宮城シラネコムギ 44607

群馬つるぴかり 49785

北海道春よ恋 68792

愛知きぬあかり 50114

北海道はるきらり 60201

50000

埼玉あやひかり 46072

岐阜さとのそら 45919

70000

30000

40000

50000

60000

70000

80000

90000

100000

110000

120000

130000

12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 年産

(単位円トン税込み)

北海道ホクシン

香川さぬきの夢200973186円

茨城農林61号

香川さぬきの夢2000

茨城さとのそら

46310円

北海道きたほなみ

64752円

北海道ゆめちから

62777円

外国産小麦

5銘柄平均

54370円

北海道春よ恋

68792円

(128) (138) (148) (158) (168) (178)(1810) (199) (208)(2110)(2212) (239) (2410)(2510)(269)(279) (289) (299)(119) (309)

6 国内産麦の新品種の育成状況

(1)国内産麦については縞萎縮病抵抗性や耐倒伏性を備え

需要者等のニ-ズに合った新品種の開発が進められています

また作付け面積が1万haを超える「ゆめちから」「さとの

そら」をはじめ多数の品種が生産現場に導入されています

(図Ⅲ-6)

(2)今後とも赤かび病抵抗性や穂発芽耐性が高い小麦品種

小麦粉の色相や製粉性が優れる日本麺用小麦品種パンの膨

らみがカナダ産「1CW」並の小麦品種焼酎押麦味噌

などの加工適性が高い大麦品種等の開発を推進します

小麦品種「ゆめちから」及び「さとのそら」は優れた栽培特性

と加工適性を備えており作付けが拡大しています(平成29年

推定値「ゆめちから」約1万2千ha「さとのそら」約1万5

千ha)

パン用小麦品種の開発近年国産の小麦粉を使ったパンの需要増加に応えるためグルテンやでん粉の組成などパンの膨らみに関連する特性に注目した育種が進められていますその結果平成25年に製パン適性が「1CW」に近く多収の「せときらら」平成29年にはパン生地の力が強く穂発芽耐性や赤かび抵抗性が改良された「夏黄金」が育成されました

加工適性の高い大麦品種の開発機能性成分β-グルカンを多く含むもち性大麦の需要の高まりに応えるため平成29年に「はねうまもち」が育成されましたまた高品質なはだか麦の需要増加に対応して平成24年に味噌加工適性の高い「ハルヒメボシ」が育成されました

図Ⅲ-6 平成19年以降に育成された麦類の主な新品種

日本麺用小麦ゆめきらり

パン用小麦ゆめかおり福井県大3号

六条大麦ホワイトファイバー

北信越

日本麺用小麦あおばの恋

パン用小麦銀河のちから

東北

日本麺用小麦さとのそらきぬあかり

パン用小麦ゆめかおり

二条大麦とちのいぶき彩の星アスカゴールデンニューサチホゴールデン

六条大麦カシマゴール

はだか麦キラリモチ

関東東海

日本麺用小麦ふくはるかさぬきの夢2009

パン用小麦ゆめちからせときらら

はだか麦ハルヒメボシ

近畿中国四国

中華麺用小麦ちくしW2号

二条大麦煌二条白妙二条はるか二条トヨノホシ

九州

日本麺用小麦きたほなみ

中華麺用小麦つるきち

パン用小麦ゆめちからはるきらり

二条大麦札育2号

北海道

新品種のうち平成30年産で概ね100ha以上作付けされていると推定される品種を選定(農林水産省調べ)

- 28 -

7 国内産麦を利用した製品の動向

食料自給率の向上を図るためには国内産麦の需要開拓を行う

ことが必要です最近の消費者の国産志向の高まりや生産者と実

需者が一体となった地産地消の推進地域農業の振興を図る取り

組み等から国内産麦を使った麦製品(パン麺等)が増えてき

ており中には国内産麦を100使用した商品もあります(図Ⅲ-

7)

- 29 -

8 民間流通制度の運用改善

国内産麦の人気の高まりにより近年需要量が生産量を上回

る状況が継続しており国内産麦を積極的に使用したい実需者が

必要量を確保できない等の課題もあります

このような課題に対応するため民間流通連絡協議会において

入札上場比率の選択制の導入需要拡大推進枠設定の要件緩和

相対取引需要拡大推進枠において多様な取組が可能であること

の明確化等民間流通制度の運用改善が行われました(図Ⅲ-

8)

ピッツァ専用粉(北海道)(小麦)地元の製粉企業が北海道産小麦(きたほなみキタノカオリゆめち

から)を100使用した国内で初めてのピッツァ専用粉を開発平成30年2月に都内で試食会を開催し平成30年5月から販売

ピッツァ専用粉(群馬県)(小麦)地元の製粉企業が地元のピッツァ専門店ピッツァ窯メーカーと協力

して品質改良を重ね群馬県産小麦(さとのそらつるぴかりきぬの波)を100使用したピッツァ専用粉を平成30年4月から発売ピッツァイベントやイタリアン食材の展示会に出展

学校給食用パン(東京都)(小麦)都学校給食会の「学校給食パン加工規格」による配合基準に基づき国

内産小麦を100使用した学校給食パンを平成27年度から都内の一部の小中学校で提供を開始平成28年度からは都内全域の規格として採用

〇 市販用中華麺(愛知県)(小麦)地元の製粉企業が自社製品として愛知県産小麦きぬあかりを100使用

した中華麺を平成30年6月から自社通販で販売平成30年8月から一般販売を開始

フランスパン用粉(佐賀県)(小麦)近県製粉企業が農研機構と共同で育成した九州地域等の暖地温暖地

向けのフランスパン加工適性に優れる準強力小麦品種「さちかおり」を100使用したフランスパン用粉を平成30年8月から発売

市販用ゆで麺(長崎県)(小麦)地元の製麺企業近県製粉企業県生麺協同組合JA県等が連携し

平成26年3月に「長崎県育成麦活用開発協議会」を立ち上げ長崎県産長崎W2号(商標登録名長崎ちゃん麦)を100使用したちゃんぽん用のゆで麺を平成29年4月に製品化原料小麦の生産量が整った段階での本格販売を予定

もち性大麦を使用した機能性表示食品(静岡県)(大麦)地元の精麦企業が国内産もち性大麦でβ-グルカン量の多い銘柄を使用し

炊飯用精麦を製品化機能性表示食品として平成29年1月に届出し十分な原料を手当でき次第随時販売予定

〇 もち性大麦を使用したシリアル(愛知県)(大麦)地元の精麦企業が食物繊維が20を超える愛知県産もち性大麦「ワキ

シーファイバー」を使用した国内産もち麦100シリアルを開発平成30年4月から販売開始

図Ⅲ-7 国内産麦を100使用した商品事例

図Ⅲ-8 民間流通制度の運用改善のポイント

0

50

100

150

200

250

300

350

400円千人

大手製パンメーカーA社が国内産小麦100使用の新製品を発売

大手製食品スーパーB社が国内産小麦100使用の新製品をPBで発売

大手製パンメーカーA社が国内産小麦100使用の製品を初めて発売

(参考)国内産小麦を利用した製品の販売状況

(1)国内産小麦100使用の食パンの販売額

大きなシェアを占めるにはいたっていないものの国内産

小麦を100使用した食パンの販売金額の推移を見ると新製

品が登場する度に国内産小麦100使用の食パン市場が拡大し

ています(図Ⅲ-9)

図Ⅲ-9 国内産小麦100使用の食パンの販売額の推移(首都圏)

資料日本経済新聞デジタルメディア社による首都圏のスーパーマーケットなど100店舗におけるPOSデータに基づき農林水産政策研究所において集計

注食パンのうち国内産小麦を100使用していることが明らかな製品のみ計上菓子パン等は含んでいない

表Ⅲ-11 生麺ゆで麺(チルド)の販売金額のシェア(首都圏平成30年)

資料日本経済新聞デジタルメディア社による首都圏のスーパーマーケットなど120店舗におけるPOSデータに基づき農林水産政策研究所において集計

(2)生麺ゆで麺(チルド)の販売金額

生麺ゆで麺全体で上位15製品の売上高に占める国内産

小麦使用表示のある製品のシェアは30となっていますま

た主要な麺製品のうどんラーメン冷やし中華焼そば

全てで国内産小麦使用製品がランクインしています(表Ⅲ

-11)

2013年 2014年 2015年 2016年 2017年 2018年 2019年

                      (単位)

製品の種類製造企業の規模産地表示販売金額シェア

焼そば大手製品(国内産小麦使用表示なし) 99そば大手製品(国内産小麦使用表示なし) 27冷やしラーメン大手製品(国内産小麦使用表示なし) 20うどん大手製品(北海道産小麦使用表示あり) 20ラーメン大手製品(北海道産小麦使用表示あり) 14冷やし中華大手製品(国内産小麦使用表示なし) 14うどん大手製品(国内産小麦使用表示あり) 13焼そば大手製品(国内産小麦使用表示なし) 12焼うどん大手製品(国内産小麦使用表示なし) 12うどん大手製品(国内産小麦使用表示あり) 11焼そば大手製品(国内産小麦使用表示あり) 11そうめん大手製品(国内産小麦使用表示あり) 10うどんPB製品(北海道産小麦使用表示あり) 10つけ麺大手製品(国内産小麦使用表示なし) 10冷麺中小製品(国内産小麦使用表示なし) 10

303

14

89

15上位15製品の売上高に占める国内産小麦使用表示のある製品の

シェア

順位

1

10111213

234567

- 30 -

図Ⅲ-10 外食産業等と連携した農産物の需要拡大対策事業(麦類)

9 国内産麦の需要拡大イベント及び情報発信の取組

近年生産者と実需者等が連携し国内産麦を使用した製品が

数多く開発販売されており各地でイベント等の需要拡大の

取組みが行われております

また農林水産省としては平成30年度産地と外食事業者等

が連携して行う国内産麦を活用した新商品の開発試作製

造するために必要な取組を支援する「外食産業等と連携した農

産物の需要拡大対策事業」を一般社団法人全国米麦改良協会を

実施主体として行っているところです

農林水産省のホームページにおいてこれらのイベント等につい

て情報発信を行うとともに一般社団法人全国米麦改良協会が

開設している国産麦応援情報ホームページでの情報提供等を

行っています(図Ⅲ-10~12)

「国内産麦使用試作品全国統一試食会商談会」開催日平成31年2月12日~19日(土日を除く)場 所むぎくらべ(東京都千代田区神田小川町)

内 容平成29年度補正予算事業「外食産業等と連携した農産物の需要拡大対策事業」の一環として行われた国内産麦を使用した試作品の試食会商談会

「国内産麦使用試作品全国統一試食会商談会」で出品された試作品

- 31 -

第8回全国ご当地うどんサミットin 熊谷 開催日平成30年11月10日~11日 場 所熊谷スポーツ文化公園にぎわい広

場(埼玉県) 内 容全国の国内産小麦を使用した「ご

当地うどん」が一堂に集まりグランプリを決定

図Ⅲ-11 全国各地で開催されたイベント 図Ⅲ-12 一般社団法人 全国米麦改良協会の取組

国産麦応援情報ホームページ「日本の麦の底力」内容国産小麦粉ブランド名鑑国産小麦の逸品イベント情報研究

情報等を掲載URL httpnihonnomugicom

北海道小麦キャンプ2018 in オホーツク 開催日平成30年7月10日~11日 場 所ホテル黒部を主会場としたオホーツ

ク管内(北海道) 内 容国内産小麦北海道産小麦の魅力

を全国に広めることを目的にバスツアーやパン講習会などを実施

麦わらぼうしフェスタ 開催日平成30年11月4日 場 所笠原産業株式会社(栃木県) 内 容国内産小麦を使用したうどんパン

などの試食販売うどん教室などを実施

第7回 信州粉もん祭り 開催日平成30年11月11日 場 所JAながの ちくま埴生支所(長野県) 内 容長野県産小麦を使用した「粉もん料

理」が大集合粉もん試食会や手打ちうどん講習会 などを実施

国内産麦アンテナショップ「むぎくらべ」内容国内産麦を使用した商品のPRと販売の場を提供するものとして

平成30年7月東京都千代田区にオープン

- 32 -

オープニングセレモニーには上月前農林水産大臣政務官(写真中央)も出席

10 食料農業農村基本計画における麦の位置付け

平成27年3月31日に平成37年度を目標とする「食料農業

農村基本計画」が閣議決定され小麦は95万トン大麦はだ

か麦は22万トンの生産努力目標が設定されています(表Ⅲ-

12)

食料消費の見通し 生産努力目標(万トン) 克服すべき課題

1人1年当たり消費量

(kg人年)

国内消費仕向量

(万トン)

平成25年度

平成37年度

平成25年度

平成37年度

平成25年度

平成37年度

小麦 33 32 699 611 81 95

国内産小麦の需要拡大に向けた産地形成やブランド化

実需者ニーズに対応した生産流通体制の確立

新品種新技術の開発導入輪作体系の最適化排水対策等による収量品質の高位安定化

農地の集積集約化経営規模の拡大に対応した省力化に資する技術の開発導入等による生産コストの低減

大麦はだか麦

03 02 208 213 18 22

外国産大麦が多く用いられている焼酎用等の国内産麦の需要拡大

実需者ニーズに対応した生産流通体制の確立

新品種新技術の開発導入輪作体系の最適化排水対策等による収量品質の高位安定化

農地の集積集約化経営規模の拡大に対応した省力化に資する技術の開発導入等による生産コストの低減

表Ⅲ-12 麦の平成37年度における食料消費の見通し及び生産努力目標

資料「食料農業農村基本計画」(平成27年3月閣議決定)注1)国内消費仕向量には飼料用等の食糧用以外の用途への仕向量を含む

2)大麦はだか麦の国内消費仕向量及び生産努力目標にはビール大麦を含む

- 33 -

Ⅳ 米粉に関する動向

1 生産動向

米粉用米の生産量は平成25年産以降2万トン前後で推移していましたが平成29年度以降は約3万トンまで回復しています(表Ⅳ-1)

2 需要拡大に向けた対応

米粉用米の利用量は平成24年度以降年間2万数千トンで推移していましたがグルテンを使用しない米粉商品の開発や新たな米加工品(α化米粉米ゲルなど)の保湿性や粘性に着目した商品の開発「米粉の用途別基準」や「ノングルテン米粉製品第三者認証制度」の運用開始により平成29年度は25千トン30年度は31千トンに増加しています(表Ⅳ-2)

今後の更なる国内海外の需要拡大のためノングルテン米粉や用途別基準に適合する高品質な日本産米粉の流通を契機とした魅力ある新商品の開発や日本産米粉の優位性の情報発信等を推進する必要があります

表Ⅳ-1 上位5県の米粉用米の生産量と作付面積の推移

(参考) 米粉及び小麦粉の販売価格(税抜き)

米粉100~290円kg程度

(小麦粉 100円kg程度)

注1)平成26~29年度については新規需要米取組計画を認定した全需要者からの聞き取り注2)平成30年度については新規需要米取組計画を認定した主要な需要者からの聞き取り

により推計

表Ⅳ-2 米粉用米の利用量(需要者からの聞き取り)

- 34 -

資料26~29年産は新規需要米生産集出荷数量30年産は新規需要米取組計画

認定数量(農林水産省)

(単位千トン)

26年度 27年度 28年度 29年度 30年度見込

22 23 23 25 31

(単位千トン千ha)

26年産 27年産 28年産 29年産 30年産

生産量 59 97 87 130 107作付面積 11 18 15 24 19生産量 10 10 09 30 31作付面積 02 02 02 06 06生産量 08 10 00 19 30作付面積 01 02 00 03 06生産量 10 12 12 12 16作付面積 02 03 02 02 03生産量 20 24 07 12 13作付面積 03 04 01 02 02生産量 184 230 190 284 281作付面積 34 42 34 53 53

秋田県

全国計

新潟県

埼玉県

栃木県

群馬県

農林水産大臣は米穀の新用途への利用の促進に関する基本方針を定める

生産製造連携事業計画

生産者 製造事業者 促進事業者

必須

米穀の新用途への利用の促進に関する法律

米穀の新用途への利用の促進に関する基本方針

関係者が連携して計画を作成米穀の新用途への利用の促進に関する基本方針に照らし適切な計画について農林水産大臣が認定(計画期間は3~5年)

図Ⅳ 米粉用米に対する支援措置

3 米粉用米に対する支援

① 米粉用米についてはその利用の拡大を図るために平成21年に「米穀の新用途への利用の促進に関する法律」が制定されました同法に基づく「生産製造連携事業計画」の認定を受け「農山漁村

活性化計画」の採択を受けた取組に対して米粉用米の生産加工に必要な施設整備等の支援を行っています

② 米粉用米の生産者に対しては水田活用の直接支払交付金による支援を行っていますまたノングルテン米粉表示や米粉の用途別基準により需要者ニーズに合った高品質な米粉の製造や輸出拡大の取組を支援しています

③ 平成31年度は国内海外の需要獲得に向け引き続き魅力ある新商品開発を推進するほか日本産米粉の優位性の情報発信やノングルテン米粉の製造手法マニュアルの作成など輸出を含めた日本産米粉の需要拡大に向けた取組を支援していくこととしています

予 算 措 置

【水田活用の直接支払交付金】水田を活用して米粉用米等の作物を生産する農業者に対し交付金を直接交付 (米粉用米収量に応じ55万円~105万円10a)

【農山漁村振興交付金】米粉飼料用米の生産加工に係る施設整備に対し交付金を交付(補助率定額12)

【持続的生産強化対策事業】

日本産米粉の優位性の情報発信ノングルテン米粉の製造手法マニュアルの作成米粉用米生産者と製造事業者とのマッチング

等の取組を支援

金 融 措 置

【日本政策金融公庫による低利融資】(食品安定供給施設整備資金)

米粉製造施設米粉を原料とした食品の製造加工施設等への融資

(輸出を含めた日本産米粉の需要拡大支援事業)

(補助率定額)

【外食産業等と連携した需要拡大対策事業】

国産農林水産物食品の輸出等需要フロンティアの開拓を図るため産地と複数年契約を締結する民間企業(外食加工業者)に対し国産農林水産物を活用した新商品の開発やそれに必要な技術開発等を支援 (補助率定額12)

- 35 -

【農林水産物食品輸出促進緊急対策事業】コメ海外市場拡大戦略プロジェクトに参加する輸出産地や輸出事業者等が連携して戦略的に取り組む中国等の海外市場開拓プロモーション等を支援

(補助率定額12)

品目 現在の関税率 合意内容

小麦

枠内税率無税+マークアップ

枠外税率55円kg

現行の国家貿易制度を維持するとともに枠外税率(55円kg)を維持

既存のWTO枠に加え米国(15万(7年目以降))【不適用】カナダ(53万(同))豪州(5万(同))にSBS方式の国別枠を設定

マークアップを9年目までに45削減

大麦

枠内税率無税+マークアップ

枠外税率39円kg

現行の国家貿易制度を維持するとともに枠外税率(39円kg)を維持

既存のWTO枠に加えSBS方式のTPP枠(65万(9年目以降))を設定

マークアップを9年目までに45削減

1 TPP11協定概要(麦)(平成30年12月30日発効)

Ⅴ TPP11及び日EUEPAの協定概要(麦関係)

(参考主な麦製品)

現在の関税率合意内容

税率 枠数量

いった小麦小麦粉等

(国家貿易品目)

枠内税率125~25+マークアップ

枠外税率85~134円kg

枠内即時無税+マークアップ

(枠外税率は維持)

(発効時) (6年目)125千rarr175千

ベーカリー製品製造用

小麦粉調製品16~24

枠内即時無税(枠外税率は維持)

(発効時) (6年目)米国 105千rarr12千【不適用】米国以外 68千rarr 8千

その他小麦粉調製品

16~28枠内即時無税

(枠外税率は維持)(発効時) (6年目)15千rarr225千

マカロニスパゲティ

30円kg9年目までに60削減

ビスケット 1315 6年目に無税 -

注1)いった小麦とは小麦をいったものであり主にシリアル食品等に使用される

2)その他小麦粉調製品とは製麺まんじゅう等のベーカリー製品以外の製造用の

小麦粉調製品である

- 36 -

2 日EUEPA協定概要(麦)(平成31年2月1日発効)

品目 現在の関税率 合意内容

小麦

枠内税率無税+マークアップ

枠外税率55円kg

現行の国家貿易制度を維持するとともに枠外税率(55円kg)を維持

既存のWTO枠に加えSBS方式のEU枠(270(7年目以降))を設定

枠内のマークアップを9年目までに45削減

大麦

枠内税率無税+マークアップ

枠外税率39円kg

現行の国家貿易制度を維持するとともに枠外税率(39円kg)を維持

既存のWTO枠に加えSBS方式のEU枠(30(即時))を設定

枠内のマークアップを9年目までに45削減

(参考主な麦製品)

現在の関税率合意内容

税率 枠数量

いった小麦小麦粉等

(国家貿易品目)

枠内税率125~25+マークアップ

枠外税率85~134円kg

枠内即時無税+マークアップ

(枠外税率は維持)

(発効時) (6年目)38千rarr44千

ベーカリー製品製造用

小麦粉調製品16~24

枠内即時無税(枠外税率は維持)

(発効時) (6年目)104千rarr142千

その他小麦粉調製品

16~28枠内即時無税

(枠外税率は維持)(発効時) (6年目)

2千rarr3千

マカロニスパゲティ

30円kg 11年目に無税 -

ビスケット 1315 6年目に無税 -

注1)いった小麦とは小麦をいったものであり主にシリアル食品等に使用される

2)その他小麦粉調製品とは製麺まんじゅう等のベーカリー製品以外の製造用の

小麦粉調製品である

(参考) 麦の国境措置

小 麦 大 麦

輸入数量

価格

輸入数量

価格

政府売渡価格

マークアップ(輸入差益)

452円kgを上限

輸入価格

(枠内税率0円kg)

枠内輸入(国家貿易) 枠外輸入

(民間貿易)枠外税率を支払って輸入された数量(平成29年度)12千トン

WTOカレントアクセス数量5740千トン

枠外税率55円

政府売渡価格

輸入価格(枠内税率0円kg)

WTOカレントアクセス数量1369千トン

枠内輸入(国家貿易) 枠外輸入(民間貿易)

枠外税率を支払って輸入された数量(平成29年度)06千トン

枠外税率39円

民間貿易の場合の輸入価格

民間貿易の場合の輸入価格

286円kgを上限

マークアップ(輸入差益)

- 37 -

  • スライド番号 1
  • スライド番号 2
  • 麦の参考資料 麦の需給に関する見通し(動向編)
  • スライド番号 4
  • スライド番号 5
  • スライド番号 6
  • スライド番号 7
  • スライド番号 8
  • スライド番号 9
  • スライド番号 10
  • スライド番号 11
  • スライド番号 12
  • スライド番号 13
  • スライド番号 14
  • Ⅱ 小麦粉麦製品の生産と価格の動向
  • スライド番号 16
  • スライド番号 17
  • スライド番号 18
  • スライド番号 19
  • スライド番号 20
  • スライド番号 21
  • スライド番号 22
  • スライド番号 23
  • スライド番号 24
  • スライド番号 25
  • スライド番号 26
  • スライド番号 27
  • スライド番号 28
  • スライド番号 29
  • スライド番号 30
  • スライド番号 31
  • スライド番号 32
  • スライド番号 33
  • スライド番号 34
  • スライド番号 35
  • スライド番号 36
  • スライド番号 37
  • スライド番号 38
  • スライド番号 39
  • スライド番号 40
  • スライド番号 41
Country Attribute Commodity 20042005 20052006 20062007 20072008 20082009 20092010
World Production (1000 MT) Barley 152674 136756 137430 133168 153539 0
Corn 715732 699101 712375 791492 791039 0
Millet 30947 32455 33529 34951 35619 0
Mixed Grain 16885 15213 13063 14616 15057 0
Oats 25667 23861 23163 25577 26191 0
Rice Milled 401435 418487 420633 431309 439081 0
Rye 17002 14492 12382 14245 17176 0
Sorghum 57529 58365 56628 63533 63792 0
Wheat 625700 620044 596101 610188 682865 0
Wheat Durum 0 0 0 0 3680 0
2043571 2018774 2005304 2119079 2228039
Exports (1000 MT) Barley 15098 18231 15328 15708 20175 0
Corn 77643 80966 93799 95466 76877 0
Oats 1901 1930 2114 2830 2304 0
Rye 854 610 709 556 560 0
Sorghum 5403 5379 5461 9237 4902 0
Wheat 111235 116756 111201 115377 123881 0
240641 254246 259958 269594 258464
TY Exports (1000 MT) Barley 16989 17428 14516 18412 19190 0
Corn 75964 82580 91199 96027 77925 0
Oats 1955 2254 2184 2742 2300 0
Rye 974 622 661 481 560 0
Sorghum 5366 5496 5780 8802 4950 0
Wheat 113210 113872 115500 115492 125165 0
243637 251744 261908 271184 259660
Exports (1000 MT) Rice Milled 28507 30374 31346 30420 29765 0
TY Exports (1000 MT) Rice Milled 29179 29492 32068 29228 29570 0
Domestic Consumption (1000 MT) Barley 143271 139989 144389 135872 142892 0
Corn 688190 704591 725361 773235 783288 0
Millet 30947 32855 33489 34941 35619 0
Mixed Grain 15972 15331 14092 14255 14515 0
Oats 25318 24233 23552 24709 25192 0
Rice Milled 406828 412171 418290 424999 432423 0
Rye 17595 15748 13870 14419 15498 0
Sorghum 57794 58004 56327 63305 62231 0
Wheat 605365 617369 619124 614865 652947 0
1991280 2020291 2048494 2100600 2164605
Ending Stocks (1000 MT) Barley 32783 28641 21070 18259 28244 0
Corn 131811 124624 108845 128218 136033 0
Millet 600 200 240 250 250 0
Mixed Grain 1654 1536 507 868 1410 0
Oats 3550 3126 2813 3395 4316 0
Rice Milled 73152 75676 75391 78687 82659 0
Rye 3882 2639 1065 756 2437 0
Sorghum 4297 4524 4117 4418 5752 0
Wheat 150972 147636 127009 119371 148362 0
Wheat Durum 0 0 0 0 3680 0
402701 388602 341057 354222 413143
小麦の国際需給状況 コムギ
(単位百万トン)
200607 200708 200809 200910
年   度 (平成18年) ヘイセイネン (平成19年) ヘイセイネン (平成20年) ヘイセイネン (平成21年) ヘイセイネン
見込 予測
生 産 量 ショウサンリョウ 5957 6104 6827 6780
消 費 量 ケヒリョウ 6165 6169 6404 6468
期 末 在 庫 1298 1233 1656 1968
期末在庫率() 211 200 259 304
貿 易 量 リョウ 1116 1172 1430 1251
貿 易 比 率() 187 192 209 185
大麦の国際需給状況 オオ 穀物の国際需給状況 コクモツ
(単位百万トン) (単位百万トン)
200809 200910 201011 201314 201415 201516 201617 201718 201819 200506 200607 200708 200809 200910
(平成20年) ヘイセイネン 年   度 (平成21年) ヘイセイネン (平成22年) ヘイセイネン (平成25年) ヘイセイネン (平成26年) ヘイセイネン (平成27年) ヘイセイネン (平成28年) ヘイセイネン (平成29年) ヘイセイネン (平成30年) ヘイセイネン 年   度 (平成17年) ヘイセイネン (平成18年) ヘイセイネン (平成19年) ヘイセイネン (平成20年) ヘイセイネン (平成21年) ヘイセイネン
見込 ミコ 予測 見込 予測
1550 生 産 量 ショウサンリョウ 1508 1231 1443 1420 1498 1471 1437 1407 生 産 量 ショウサンリョウ 20176 20029 21230 22346 22185
1439 消 費 量 ケヒリョウ 1448 1362 1411 1425 1477 1503 1472 1418 消 費 量 ケヒリョウ 20216 20444 20952 21416 21879
315 期 末 在 庫 375 243 250 242 263 230 195 184 期 末 在 庫 3902 3435 3652 4474 4729
219 期末在庫率() 259 179 177 170 178 153 133 130 期末在庫率() 193 168 174 209 216
182 貿 易 量 リョウ 173 152 239 290 308 283 273 258 貿 易 量 リョウ 2534 2608 2756 2843 2662
117 貿 易 比 率() 115 123 166 204 206 193 190 183 貿 易 比 率() 126 130 130 127 120
穀物の国際需給状況 コクモツ
(単位百万トン)
2004 2005 2006 2007
年   度 05 06 07 08
見込 予測
【穀 物 計】 コクブツケイ
生 産 量 ショウサンリョウ 20189 20050 21167 21950
消 費 量 ケヒリョウ 20334 20533 21106 21741
期 末 在 庫 3886 3403 3464 3673
期末在庫率() 191 166 164 169
【うち小麦】 ショウムギ
生 産 量 ショウサンリョウ 6209 5963 6109 6763
消 費 量 ケヒリョウ 6242 6169 6195 6549
期 末 在 庫 1477 1271 1185 1399
期末在庫率() 237 206 191 214
Country Attribute Commodity 20042005 20052006 20062007 20072008 20082009 20092010
World Production (1000 MT) Barley 152674 136756 137430 133168 153539 0
Corn 715732 699101 712375 791492 791039 0
Millet 30947 32455 33529 34951 35619 0
Mixed Grain 16885 15213 13063 14616 15057 0
Oats 25667 23861 23163 25577 26191 0
Rice Milled 401435 418487 420633 431309 439081 0
Rye 17002 14492 12382 14245 17176 0
Sorghum 57529 58365 56628 63533 63792 0
Wheat 625700 620044 596101 610188 682865 0
Wheat Durum 0 0 0 0 3680 0
2043571 2018774 2005304 2119079 2228039
Exports (1000 MT) Barley 15098 18231 15328 15708 20175 0
Corn 77643 80966 93799 95466 76877 0
Oats 1901 1930 2114 2830 2304 0
Rye 854 610 709 556 560 0
Sorghum 5403 5379 5461 9237 4902 0
Wheat 111235 116756 111201 115377 123881 0
240641 254246 259958 269594 258464
TY Exports (1000 MT) Barley 16989 17428 14516 18412 19190 0
Corn 75964 82580 91199 96027 77925 0
Oats 1955 2254 2184 2742 2300 0
Rye 974 622 661 481 560 0
Sorghum 5366 5496 5780 8802 4950 0
Wheat 113210 113872 115500 115492 125165 0
243637 251744 261908 271184 259660
Exports (1000 MT) Rice Milled 28507 30374 31346 30420 29765 0
TY Exports (1000 MT) Rice Milled 29179 29492 32068 29228 29570 0
Domestic Consumption (1000 MT) Barley 143271 139989 144389 135872 142892 0
Corn 688190 704591 725361 773235 783288 0
Millet 30947 32855 33489 34941 35619 0
Mixed Grain 15972 15331 14092 14255 14515 0
Oats 25318 24233 23552 24709 25192 0
Rice Milled 406828 412171 418290 424999 432423 0
Rye 17595 15748 13870 14419 15498 0
Sorghum 57794 58004 56327 63305 62231 0
Wheat 605365 617369 619124 614865 652947 0
1991280 2020291 2048494 2100600 2164605
Ending Stocks (1000 MT) Barley 32783 28641 21070 18259 28244 0
Corn 131811 124624 108845 128218 136033 0
Millet 600 200 240 250 250 0
Mixed Grain 1654 1536 507 868 1410 0
Oats 3550 3126 2813 3395 4316 0
Rice Milled 73152 75676 75391 78687 82659 0
Rye 3882 2639 1065 756 2437 0
Sorghum 4297 4524 4117 4418 5752 0
Wheat 150972 147636 127009 119371 148362 0
Wheat Durum 0 0 0 0 3680 0
402701 388602 341057 354222 413143
小麦の国際需給状況 コムギ
(単位百万トン)
200809 200910 201011 201314 201415 201516 201617 201718 201819
(平成20年) ヘイセイネン 年   度 (平成21年) ヘイセイネン (平成22年) ヘイセイネン (平成25年) ヘイセイネン (平成26年) ヘイセイネン (平成27年) ヘイセイネン (平成28年) ヘイセイネン (平成29年) ヘイセイネン (平成30年) ヘイセイネン
見込 ミコ 予測
6836 生 産 量 ショウサンリョウ 6866 6496 7151 7304 7384 7564 7631 7330
6437 消 費 量 ケヒリョウ 6538 6534 6909 7051 7163 7398 7444 7421
1682 期 末 在 庫 2010 1980 1949 2223 2444 2609 2796 2705
261 期末在庫率() 307 303 282 315 341 353 376 365
1435 貿 易 量 リョウ 1356 1341 1625 1642 1728 1833 1812 1789
210 貿 易 比 率() 197 207 227 225 234 242 238 244
大麦の国際需給状況 オオ 穀物の国際需給状況 コクモツ
(単位百万トン) (単位百万トン)
200607 200708 200809 200910 200506 200607 200708 200809 200910
年   度 (平成18年) ヘイセイネン (平成19年) ヘイセイネン (平成20年) ヘイセイネン (平成21年) ヘイセイネン 年   度 (平成17年) ヘイセイネン (平成18年) ヘイセイネン (平成19年) ヘイセイネン (平成20年) ヘイセイネン (平成21年) ヘイセイネン
見込 予測 見込 予測
生 産 量 ショウサンリョウ 1364 1327 1539 1492 生 産 量 ショウサンリョウ 20176 20029 21230 22346 22185
消 費 量 ケヒリョウ 1428 1346 1437 1471 消 費 量 ケヒリョウ 20216 20444 20952 21416 21879
期 末 在 庫 208 192 293 313 期 末 在 庫 3902 3435 3652 4474 4729
期末在庫率() 146 143 204 213 期末在庫率() 193 168 174 209 216
貿 易 量 リョウ 154 155 199 173 貿 易 量 リョウ 2534 2608 2756 2843 2662
貿 易 比 率() 113 117 129 116 貿 易 比 率() 126 130 130 127 120
穀物の国際需給状況 コクモツ
(単位百万トン)
2004 2005 2006 2007
年   度 05 06 07 08
見込 予測
【穀 物 計】 コクブツケイ
生 産 量 ショウサンリョウ 20189 20050 21167 21950
消 費 量 ケヒリョウ 20334 20533 21106 21741
期 末 在 庫 3886 3403 3464 3673
期末在庫率() 191 166 164 169
【うち小麦】 ショウムギ
生 産 量 ショウサンリョウ 6209 5963 6109 6763
消 費 量 ケヒリョウ 6242 6169 6195 6549
期 末 在 庫 1477 1271 1185 1399
期末在庫率() 237 206 191 214
Country Attribute Commodity 20042005 20052006 20062007 20072008 20082009 20092010
World Production (1000 MT) Barley 152674 136756 137430 133168 153539 0
Corn 715732 699101 712375 791492 791039 0
Millet 30947 32455 33529 34951 35619 0
Mixed Grain 16885 15213 13063 14616 15057 0
Oats 25667 23861 23163 25577 26191 0
Rice Milled 401435 418487 420633 431309 439081 0
Rye 17002 14492 12382 14245 17176 0
Sorghum 57529 58365 56628 63533 63792 0
Wheat 625700 620044 596101 610188 682865 0
Wheat Durum 0 0 0 0 3680 0
2043571 2018774 2005304 2119079 2228039
Exports (1000 MT) Barley 15098 18231 15328 15708 20175 0
Corn 77643 80966 93799 95466 76877 0
Oats 1901 1930 2114 2830 2304 0
Rye 854 610 709 556 560 0
Sorghum 5403 5379 5461 9237 4902 0
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240641 254246 259958 269594 258464
TY Exports (1000 MT) Barley 16989 17428 14516 18412 19190 0
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Rye 974 622 661 481 560 0
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Wheat 113210 113872 115500 115492 125165 0
243637 251744 261908 271184 259660
Exports (1000 MT) Rice Milled 28507 30374 31346 30420 29765 0
TY Exports (1000 MT) Rice Milled 29179 29492 32068 29228 29570 0
Domestic Consumption (1000 MT) Barley 143271 139989 144389 135872 142892 0
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Rice Milled 406828 412171 418290 424999 432423 0
Rye 17595 15748 13870 14419 15498 0
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1991280 2020291 2048494 2100600 2164605
Ending Stocks (1000 MT) Barley 32783 28641 21070 18259 28244 0
Corn 131811 124624 108845 128218 136033 0
Millet 600 200 240 250 250 0
Mixed Grain 1654 1536 507 868 1410 0
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Rice Milled 73152 75676 75391 78687 82659 0
Rye 3882 2639 1065 756 2437 0
Sorghum 4297 4524 4117 4418 5752 0
Wheat 150972 147636 127009 119371 148362 0
Wheat Durum 0 0 0 0 3680 0
402701 388602 341057 354222 413143
小麦の国際需給状況 コムギ
(単位百万トン)
200506 200607 200708 200809 200910
年   度 (平成17年) ヘイセイネン (平成18年) ヘイセイネン (平成19年) ヘイセイネン (平成20年) ヘイセイネン (平成21年) ヘイセイネン
見込 予測
生 産 量 ショウサンリョウ 6199 5957 6105 6827 6761
消 費 量 ケヒリョウ 6171 6186 6132 6333 6424
期 末 在 庫 1475 1276 1211 1639 1956
期末在庫率() 239 206 197 259 304
貿 易 量 リョウ 1166 1116 1172 1429 1232
貿 易 比 率() 188 187 192 209 182
大麦の国際需給状況 オオ 穀物の国際需給状況 コクモツ
(単位百万トン) (単位百万トン)
200506 200607 200708 200809 200910 200809 200910 201011 201112 201314 201415 201516 201617 201718 201819
年   度 (平成17年) ヘイセイネン (平成18年) ヘイセイネン (平成19年) ヘイセイネン (平成20年) ヘイセイネン (平成21年) ヘイセイネン (平成20年) ヘイセイネン 年   度 (平成21年) ヘイセイネン (平成22年) ヘイセイネン (平成23年) ヘイセイネン (平成25年) ヘイセイネン (平成26年) ヘイセイネン (平成27年) ヘイセイネン (平成28年) ヘイセイネン (平成29年) ヘイセイネン (平成30年) ヘイセイネン
見込 予測 見込 ミコ 予測
生 産 量 ショウサンリョウ 1363 1364 1327 1539 1492 22445 生 産 量 ショウサンリョウ 22434 22008 23208 24772 25588 25175 26619 26154 26065
消 費 量 ケヒリョウ 1405 1428 1346 1437 1471 21629 消 費 量 ケヒリョウ 22051 22319 23138 23904 24610 24550 26027 25985 26401
期 末 在 庫 276 208 192 293 313 4553 期 末 在 庫 4936 4625 4665 5285 6739 7365 7958 8126 7789
期末在庫率() 196 146 143 204 213 211 期末在庫率() 224 207 202 221 274 300 306 313 295
貿 易 量 リョウ 183 154 155 199 173 2836 貿 易 量 リョウ 2862 2841 3447 3719 3941 3769 4291 4117 4251
貿 易 比 率() 134 113 117 129 116 126 貿 易 比 率() 128 129 149 150 154 150 161 157 163
穀物の国際需給状況 コクモツ
(単位百万トン)
2003 2004 2005 2006 2007
年   度 04 05 06 07 08
見込 予測
【穀 物 計】 コクブツケイ
生 産 量 ショウサンリョウ 20436 20189 20050 21167 21950
消 費 量 ケヒリョウ 19955 20334 20533 21106 21741
期 末 在 庫 4031 3886 3403 3464 3673
期末在庫率() 202 191 166 164 169
【うち小麦】 ショウムギ
生 産 量 ショウサンリョウ 6257 6209 5963 6109 6763
消 費 量 ケヒリョウ 6068 6242 6169 6195 6549
期 末 在 庫 1511 1477 1271 1185 1399
期末在庫率() 249 237 206 191 214
Page 5: 麦の参考資料 - maff.go.jp · 2020-03-31 · 2014/15 2015/16 2016/17 2017/18 2018/19 (平成26年) (平成27年) (平成28年)(平成29年)(平成30年) 見込

図Ⅰ-2 食糧用麦の流通の現状

(2)大麦及びはだか麦

(単位万トン)

(単位万トン)

- 3 -

生産者

民間流通 10

国家貿易 23

カナダ 6

豪州 16

他 1

政府

15

精麦企業 23

焼酎みそ押麦等用

焼酎みそメーカー

麦茶メーカー

ビールメーカー

2

麦茶用 5

ビール用 8

3

契約生産(ビール用)

8

資料農林水産省決算農林水産省調べ注流通量は過去5年(平成25年度~29年度)の平均数量である

(1)小麦

2 麦の流通の概要

麦は需要量の約9割を外国産麦の輸入で賄っています

国内産食糧用麦は民間流通により取引されており外国産食糧用麦は政府が国家貿易により計画的に輸入し需要者に売り渡しています

また米とは異なり最終的にパンや麺として消費されるため流通過程において各種の加工工程を経ています

(1)小麦

小麦は主に製粉企業が製粉して小麦粉にしその小麦粉を原料として二次加工メーカーがパン麺菓子等を製造します(図Ⅰ-2(1))

(2)大麦及びはだか麦

大麦及びはだか麦は精麦して焼酎みそ等の発酵用にしたり蒸気で加熱圧ぺんして押麦(麦飯)用にするといった加工工程を経て流通しています

なお国内産ビール大麦は生産者団体とビール会社の間で契約栽培により供給され麦芽等に加工されて流通しています(図Ⅰ-2(2))

民間流通 80

国家貿易496アメリカ 251カナダ 159豪州 86

496

みそ醤油等 10

パン麺菓子用等 566

家庭用

生産者

製粉企業醤油メーカー等

パン麺菓子メーカー

5

3 穀物の国際需給と国際価格の動向

(1)穀物の国際需給の動向

① 世界の中長期的な穀物の国際需給は

ア 総人口の継続的な増加緩やかな所得水準の向上等に伴う新興国及び途上国を中心とした食用飼料用需要の増加

イ 供給面では収穫面積の伸びがほぼ横ばいとなるものの単収増による生産の増加

等により需要と供給はほぼ拮抗すると見込まれていま

す農林水産政策研究所「2028年における世界の食料需給見通し」(平成31年3月)

② 201819年度(平成30年度)の穀物の国際需給は消費量が生産量を3千4百万トン上回ることが見込まれていますこのため期末在庫率はやや低下し295(対前年18ポイント)となることが見込まれています(表Ⅰ-3)

③ 201819年度(平成30年度)の小麦の生産量は作柄に恵まれた米国カナダ等で増加するもののロシアEU豪州等で減少が見込まれることから前年度を下回ると見込まれています

大麦の生産量はトルコ等で増加するもののロシアEU等で減少することから世界全体では前年度を下回ることが見込まれています

また201819年度(平成30年度)の小麦の消費量は生産量を上回ることから期末在庫率はやや低下するものの365(対前年11ポイント)と引き続き高水準となることが見込まれています(表Ⅰ-4)

大麦についても消費量が生産量を上回ることから期末在庫率はやや低下し130(対前年03ポイント)となることが見込まれています(表Ⅰ-5)

- 4 -

表Ⅰ-3 穀物の国際需給

表Ⅰ-4 小麦の国際需給

表Ⅰ-5 大麦の国際需給

資料注表Ⅰ-3に同じ

資料注表Ⅰ-3に同じ

(単位百万トン)201415 201516 201617 201718 201819(平成26年) (平成27年) (平成28年) (平成29年) (平成30年)

見込 予測25588 25175 26619 26154 2606524610 24550 26027 25985 264016739 7365 7958 8126 7789274 300 306 313 295

3941 3769 4291 4117 4251

154 150 161 157 163

年   度

貿 易 量貿 易 比 率()

生 産 量消 費 量期 末 在 庫

期末在庫率()

資料アメリカ農務省(2019年3月発表)穀物には小麦コメとうもろこし大麦オーツライ麦キビ等雑穀を含む

注1)期末在庫率()は消費量に対する在庫量の割合である2)貿易比率()は生産量に対する貿易量の割合である

(単位百万トン)201415 201516 201617 201718 201819(平成26年) (平成27年) (平成28年) (平成29年) (平成30年)

見込 予測7304 7384 7564 7631 73307051 7163 7398 7444 74212223 2444 2609 2796 2705315 341 353 376 365

1642 1728 1833 1812 1789

225 234 242 238 244

期末在庫率()

貿 易 量貿 易 比 率()

年   度

生 産 量消 費 量期 末 在 庫

(単位百万トン)201415 201516 201617 201718 201819(平成26年) (平成27年) (平成28年) (平成29年) (平成30年)

見込 予測1420 1498 1471 1437 14071425 1477 1503 1472 1418242 263 230 195 184170 178 153 133 130

290 308 283 273 258

204 206 193 190 183

生 産 量消 費 量期 末 在 庫

期末在庫率()

年   度

貿 易 量貿 易 比 率()

USDA(世界計)

資料アメリカ農務省(2010年1月発表)による注1)期末在庫率()は消費量に対する在庫量の割合である  2)貿易比率()は生産量に対する貿易量の割合である
資料アメリカ農務省(2010年1月発表)による注1)期末在庫率()は消費量に対する在庫量の割合である  2)貿易比率()は生産量に対する貿易量の割合である
world agricultural supply and demandworld market and trade (USDA 20101)による
資料アメリカ農務省(2014年1月発表)注1)期末在庫率()は消費量に対する在庫量の割合である  2)貿易比率()は生産量に対する貿易量の割合である

Sheet1

USDA(世界計)

資料アメリカ農務省(2010年3月発表)による注1)期末在庫率()は消費量に対する在庫量の割合である  2)貿易比率()は生産量に対する貿易量の割合である
資料アメリカ農務省(2010年1月発表)による注1)期末在庫率()は消費量に対する在庫量の割合である  2)貿易比率()は生産量に対する貿易量の割合である
world agricultural supply and demandworld market and trade (USDA 20101)による
資料アメリカ農務省(2010年3月発表)注1)期末在庫率()は消費量に対する在庫量の割合である  2)貿易比率()は生産量に対する貿易量の割合である

Sheet1

USDA(世界計)

資料アメリカ農務省(2010年3月発表)による注1)期末在庫率()は消費量に対する在庫量の割合である  2)貿易比率()は生産量に対する貿易量の割合である
world agricultural supply and demandworld market and trade (USDA 20101)による
資料アメリカ農務省(2010年3月発表)注1)期末在庫率()は消費量に対する在庫量の割合である  2)貿易比率()は生産量に対する貿易量の割合である

Sheet1

図Ⅰ-3 穀物の国際価格

注1)小麦とうもろこし大豆の価格はシカゴ商品取引所における各月第1金曜日の期近価格

2)1ブッシェル≒(大豆小麦272kgとうもろこし254)

3)図右端の数値は平成31年3月1日時点のものである

- 5 -

大豆

90

小麦

45

とうもろこし

36

(2)小麦の国際価格の動向

小麦の国際価格は主産地である北米豪州欧州黒

海沿岸地域等における天候及び作柄の変化にこれまで大

きく影響を受けています

直近では2018年(平成30年)7月中旬以降ロシア

EU等の乾燥による生産減少懸念等から上昇したもののそ

の後は世界的に潤沢な供給量等を背景に全体的に軟調に

推移し2019年(平成31年)3月上旬現在のシカゴ小麦先

物相場は4ドルブッシェル台半ばとなっています(図

Ⅰ-3)

10

30

50

70

H261 H267 H271 H277 H281 H287 H291 297 H301 307 H311

(3)為替の動向

日本円と米国ドルの為替は平成30年以降円安基調で推

移し平成31年に入ってからは一時円高となりましたが3

月上旬では113円ドル程度で推移しています(図Ⅰ-4)

(4)海上運賃の動向

海上運賃は平成28年以降上昇傾向で推移してきました

が平成30年11月からは燃料油価格の下落を受けて軟調に推

移しています(図Ⅰ-5)

- 6 -

図Ⅰ-4 為替の推移

資料三菱東京UFJ銀行の公表資料注図右端の数値は平成30年3月4日時点のものである

資料TRAMP Data Service Co Ltd 「WORLD MARITIME ANALYSIS WEEKLY REPORT」注1)2万トン級のフレート

2)図右端の数値は平成30年3月4日時点のものである

図Ⅰ-5 海上運賃の推移

図Ⅰ-4 為替の推移

円米ドル

ドルトン

70

80

90

100

110

120

130

H261 H267 H271 H277 H281 H287 H291 H297 H301 H307 H311

表Ⅰ-6 外国産食糧用小麦の銘柄別輸入量

注1)数量は決算ベース2)四捨五入の関係で計と内訳が一致しない場合がある3)( )内の数量はSBS方式により輸入された数量で内数である

4 外国産食糧用麦の輸入状況

外国産食糧用麦については国内産食糧用麦では量的又は質的に満たせない需要分について政府が国家貿易により計画的に輸入し需要者に売り渡しています現在の主な輸入先国はアメリカカナダ豪州の3か国と

なっています

(1)小麦

外国産食糧用小麦の輸入量は国内産小麦の作柄や輸出国

における輸送状況等により変動し近年は450万~520万トン

程度で推移しています(表Ⅰ-6)

(2)大麦及びはだか麦

外国産食糧用大麦及びはだか麦の輸入量は近年は20万~

25万トン程度で推移しています(表Ⅰ-7)

(単位千トン)

- 7 -

注1)数量は決算ベース

2)四捨五入の関係で計と内訳が一致しない場合がある

表Ⅰ-7 外国産食糧用大麦及びはだか麦の銘柄別輸入量(単位千トン)

ウェスタンホワイト 610 775 683 631 (23) 711

ハードレッドウィンター(115) 727 855 790 807 891

ダークノーザンスプリング 877 1245 850 831 (59) 1198

その他 (1) 28 (1) 1 (3) 3 (6) 6 (16) 16

計 (1) 2242 (1) 2877 (3) 2327 (6) 2276 (98) 2815

ウェスタンレッドスプリング 1228 1258 1527 1547 1355

デュラム (210) 210 (222) 222 (219) 219 (175) 193 (186) 186

その他 (3) 3 (3) 3 (1) 1 (1) 1 (2) 2

計 (213) 1441 (225) 1484 (220) 1747 (176) 1742 (188) 1543

スタンダードホワイト 759 794 737 755 797

プライムハード (83) 83 (83) 83 (84) 84 (64) 64 (80) 80

その他 (0) 2 (0) 0 (28) 28 (5) 15 (0) 0

計 (83) 844 (83) 877 (111) 848 (68) 833 (80) 877

(6) 6 (7) 7 (7) 7 (8) 8 (6) 6

(304) 4532 (316) 5245 (343) 4929 (259) 4858 (372) 5242

豪州

その他

26

合  計

平成25年度 28 2927

アメリカ

カナダ

25 26 27 28 29

二条大麦 - 1 1 1 11

六条大麦 1 2 1 2 2

はだか麦 2 3 2 8 20

計 3 5 4 11 33

二条大麦 15 13 9 14 7

六条大麦 39 53 46 40 36

はだか麦 1 1 2 4 5

計 54 67 58 58 48

二条大麦 146 174 168 180 152

はだか麦 - - 0 0 1

計 146 174 168 180 153

- - 2 2 2

203 245 232 250 236合 計

年度

アメリカ

カナダ

豪州

その他

図Ⅰ-6 政府売渡価格の構成

5 外国産食糧用麦の売渡方式

(1)外国産食糧用小麦の政府売渡

外国産食糧用小麦の政府売渡については平成19年4月以降輸入価格(過去の一定期間における輸入価格の平均値)にマークアップ(政府管理経費及び国内産小麦の生産振興対策に充当)を上乗せした価格で売り渡す「相場連動制」に移行しました(表Ⅰ-8図Ⅰ-6)

表Ⅰ-8 政府売渡価格改定ルール

項 目 基本的なルール

価格改定 現在年2回(4月期10月期)

買付価格算定期間 直近6か月間

- 8 -

輸入価格

政府売渡価格

小麦の国際価格や海上運賃為替等により変動

マークアップ

(輸 入 差 益)

港 湾 諸 経 費

買 付 価 格

(3)食糧麦備蓄対策事業

即時販売方式の導入後は製粉企業等が23か月分の外国産

食糧用小麦の備蓄を行った場合国が18か月分の保管経費を

助成しています(図Ⅰ-7)

また不測の事態が生じた場合には国は製粉企業等に

対して備蓄する外国産食糧用小麦の取崩しの指示等を行い

ます

図Ⅰ-7 食糧麦備蓄対策事業のスキーム(2)即時販売方式

外国産食糧用小麦の売渡しについては平成22年10月以降輸入した小麦を直ちに製粉企業等に販売し製粉企業等が一定期間備蓄することとなっています

- 9 -

6 外国産食糧用小麦の政府売渡価格の動向

外国産食糧用小麦の政府売渡価格は穀物の国際相場や海上

運賃為替等の動向を反映した買付価格に連動して年2回改

定されています

平成30年10月期の政府売渡価格は輸入小麦の平均買付価格

(平成30年3月第2週~9月第1週)が①米国及び豪州の一

部の地域の乾燥による減収懸念等から小麦の価格が上昇②燃

料油価格の影響により海上運賃が上昇したことにより前期

に比べ上昇したことから5銘柄加重平均(税込価格)で

55560円トン対前期比22の引上げとなりました

また平成31年4月期の政府売渡価格は輸入小麦の平均買

付価格(平成30年9月第2週~平成31年3月第1週)が①小

麦の国際価格に大きな変動がない中②為替は円安傾向であっ

たものの海上運賃が下落したことにより前期に比べ低下し

たことまたTPP11協定に基づきカナダ豪州産小麦

にマークアップの引下げを適用したことから5銘柄加重平均

(税込価格)で54630円トン対前期比17の引下げとなり

ました(表Ⅰ-9)

表Ⅰ-9 外国産食糧用小麦の政府売渡価格

注1)5銘柄加重平均価格は税込み価格である2)5銘柄とはアメリカ産ダークノーザンスプリング(主にパン中華麺用)カ

ナダ産ウェスタンレッドスプリング(主にパン用)アメリカ産ハードレッドウィンター(主にパン中華麺用)オーストラリア産スタンダードホワイト(主に日本麺用)アメリカ産ウェスタンホワイト(主に菓子用)

時 期5銘柄加重平均価格

(円トン)対前期比()

平成29年4月期 50690 +46

平成29年10月期 52510 +36

平成30年4月期 54370 +35

平成30年10月期 55560 +22

平成31年4月期 54630 17

- 10 -

Ⅱ 小麦粉麦製品の生産と価格の動向

資料平成21年度までは農林水産省「米麦加工食品生産動態統計調査年報」平成22年度からは農林水産省「食品産業動態調査」及び農林水産省「製粉精麦工場需給実績報告」平成21年度以降の麦茶の生産量については全国麦茶工業協同組合調べ

注1)麺類及びパン類の生産量は小麦粉使用量でその他は製品生産量である2)小麦粉精麦及び麦茶の生産量は年度の計でありその他は暦年の計である

(単位千トン)

表Ⅱ-1 小麦粉麦製品の生産量の推移

1 小麦粉麦製品の生産量

小麦粉の生産量は460万~470万トンで安定的に推移してい

ます(表Ⅱ-1)

小麦の二次加工製品のうち

① パン類の生産量は平成22年以降プライベートブラン

ドの菓子パンや高価格帯食パンの人気等により堅調に推

移しています

② 麺類の生産量は平成23年には東日本大震災による即

席麺の需要増等から増加しましたその後冷凍麺や外食

産業での消費増等により平成30年は147万トンと増加し

ています

③ ビスケットの生産量は平成20年から26年までは24万ト

ン前後で推移しました平成27年は円安の影響による輸入

量の減少等に伴い増加しその後は25万トン程度で推移し

ています

焼酎みそ主食用に仕向けられる精麦の生産量は平成16

年度まで本格焼酎ブームにより増加傾向で推移しましたがそ

の後の焼酎用需要の低迷等により減少しました近年は主食用

の需要の伸びにより17万トン前後で推移しています

一方平成28年(2016年)以降健康志向等を背景に大麦及

びはだか麦の需要が増加しています特に水溶性食物繊維

(大麦β-グルカン)が豊富なもち性はだか麦の需要は平成

29年(2017年)半ば以降は落ち着いてきたものの引き続き高

い水準で推移しています(図Ⅱ-1 )

- 11 -

図Ⅱ-1 もち麦を使用した製品の販売額の推移(首都圏)

区分

前年 前年 前年 前年 前年 前年

増減率 増減率 増減率 増減率 増減率 増減率

年 (年度計) () (暦年計) () (暦年計) () (暦年計) () (年度計) () (年度計) ()

平成12 4623 01 1279 23 1421 09 223 19 161 45 49 89

13 4607 03 1272 05 1441 14 218 21 164 19 51 41

14 4591 03 1245 21 1421 13 210 39 177 75 51 00

15 4662 15 1247 01 1425 02 219 43 189 71 45 118

16 4667 01 1243 03 1414 08 214 20 212 118 47 44

17 4623 09 1232 09 1368 32 213 05 201 51 47 00

18 4599 05 1218 11 1324 32 218 24 196 25 47 00

19 4684 18 1211 06 1319 03 225 29 197 06 48 21

20 4564 26 1181 24 1277 32 240 70 173 120 50 42

21 4612 11 1179 02 1265 10 243 10 168 29 48 40

22 4725 25 1196 15 1251 11 241 06 161 45 52 83

23 4708 04 1215 16 1283 26 243 06 155 35 54 38

24 4654 11 1219 03 1269 11 239 14 164 60 55 19

25 4694 09 1226 06 1324 43 237 12 158 37 66 200

26 4683 02 1234 07 1371 35 244 33 162 25 66 00

27 4702 04 1234 00 1396 19 259 59 162 04 68 30

28 4683 04 1238 03 1409 09 258 05 169 44 60 118

29 4703 04 1254 13 1445 26 252 22 172 20 64 67

30 - - 1221 27 1473 19 259 30 - - - -

精麦 麦茶小麦粉 パン類 麺類 ビスケット

資料日本経済新聞デジタルメディア社による首都圏のスーパーマーケットなど119店におけるPOSデータに基づき農林水産政策研究所において集計

図Ⅱ-2 小麦粉麦製品の価格(消費者物価指数)の変化

資料総務省「消費者物価指数」(全国)

(参考) 家計に占める小麦関連製品の支出 (単位円世帯)

資料総務省「家計調査」(全国二人以上の世帯)

年間計(平成30年)

1か月平均

消 費 支 出 3447783 287315食 料 952172 79348

小 麦 関 連 製 品 計 82108 6842パ ン 30555 2546

め ん 類 17369 1447小 麦 粉 596 50

菓子類(ビスケット等) 11397 950調理食品(調理パン) 5352 446

外食(うどん等) 16839 1403

(平成27年=100)

2 小麦粉麦製品の価格の動向

小麦粉及び麦関連製品の価格は輸入小麦の政府売渡価

格の引上げ等による原材料費の上昇人件費や物流費の上

昇等の影響を受け平成30年以降小麦粉及びパンの価格

は上昇傾向にあります(図Ⅱ-2)

- 12 -

85

90

95

100

105

110

食料品総合 パン めん類 小麦粉

表Ⅱ-2 麦製品の輸入量の推移(参考1) 麦製品の輸入動向

(1)小麦粉調製品

小麦粉に砂糖脱脂粉乳等を混合した小麦粉調製品の輸

入量は平成11年以降デフレに伴う低価格品需要の拡大

により増加傾向で推移してきましたが麦の国際相場の

高騰に伴う輸入価格の上昇等により平成18年から平成20年

にかけて減少しましたその後も減少傾向で推移しており

平成30年は8万3千トンの輸入量となっています

(2)麦加工製品

①マカロニスパゲッティ

マカロニスパゲッティについては国内の全体需要が

増加する中で輸入量が増加傾向で推移してきました

平成30年は過去最高の輸入量であった前年からは減少

し13万8千トンとなっています

②ビスケット

ビスケットの輸入量は平成25年以降円安の影響を受

けて減少していましたが平成28年度以降増加傾向にあり

平成30年の輸入量は2万5千トンとなっています

資料財務省「貿易統計」注小麦粉調製品は穀粉が占める割合が85以下のものの輸入量

なお小麦粉調製品のうち加糖のものは一般に菓子類菓子パン類等の原料として利用され無糖のものは麺類等の原料として使用される

(単位千トン)

- 13 -

対前年 対前年 対前年 対前年 対前年

増減率 増減率 増減率 増減率 増減率

() () () () ()

平成12 107 118 85 92 97 26 45 95 108 11 123

13 121 126 75 99 81 27 51 93 25 13 209

14 126 131 35 102 30 29 52 101 94 15 142

15 116 133 13 101 06 31 82 108 63 21 400

16 108 136 28 98 32 38 222 112 35 25 219

17 110 140 26 98 01 42 90 110 17 24 49

18 116 139 09 99 12 39 59 110 02 24 23

19 118 117 155 87 128 30 224 104 49 23 56

20 104 100 144 72 173 29 60 127 219 18 221

21 94 102 23 73 15 30 42 116 85 17 83

22 88 107 40 73 07 33 119 121 36 19 173

23 80 108 12 78 59 30 90 134 115 22 143

24 80 106 16 78 02 28 63 142 58 22 07

25 97 100 53 73 64 28 25 133 68 18 182

26 105 98 21 73 02 25 83 133 03 17 74

27 121 94 40 69 55 25 03 132 08 14 166

28 109 91 32 65 58 26 40 145 99 19 348

29 112 92 05 65 02 27 14 150 32 24 296

30 110 83 92 59 85 24 110 138 75 25 23

国 名輸入割合()

国 名輸入割合()

国 名輸入割合()

国 名輸入割合()

国 名輸入割合()

韓国 409 韓国 528 シンガポール 442 イタリア 465 インドネシア 242

シンガポール 202 フランス 151 米国 126 トルコ 355 中国 205

フランス 114 シンガポール 105 韓国 114 米国 142 マレーシア 84

米国 75 中国 78 ニュージーランド 98 ギリシャ 20 ベトナム 63

中国 57 米国 55 豪州 69 アラブ首長国連邦 10 イタリア 55

国 名対前年増減率()

国 名対前年増減率()

国 名対前年増減率()

国 名対前年増減率()

国 名対前年増減率()

韓国 10 韓国 13 シンガポール 221 イタリア 107 インドネシア 202

シンガポール 124 フランス 92 米国 136 トルコ 45 中国 76

フランス 87 シンガポール 108 韓国 30 米国 09 マレーシア 245

米国 116 中国 546 ニュージーランド 87 ギリシャ 152 ベトナム 137

中国 543 米国 98 豪州 344 アラブ首長国連邦 135 イタリア 119

30

輸入上位5カ国

区分

為替レー

円ドル)

小麦粉調製品 麦加工製品

加糖のもの 無糖のもの マカロニスパゲッティ ビスケット

(参考2) 麦製品の輸出動向

麦製品の輸出量のうちその大部分を占める小麦粉の輸出量

は近年主要輸出先国の製粉技術の向上や現地製粉工場の立

上げ等により減少傾向で推移し平成30年は約16万トンとなっ

ています(表Ⅱ-3)

表Ⅱ-3 麦製品の輸出量の推移

資料財務省「貿易統計」

(単位トン)

- 14 -

対前年増減率()

対前年増減率()

対前年増減率()

309594 75 376 431 1028 375

321028 37 315 162 967 59

319968 03 253 197 953 14

318706 04 410 621 1052 104

304465 45 328 200 769 269

289911 48 1054 2213 719 65

290033 00 1196 135 762 60

255377 119 1150 38 1098 441

187040 268 743 354 1198 91

185403 09 822 106 898 250

196183 58 770 63 974 85

191480 24 607 212 698 283

192598 06 598 15 780 117

168205 127 573 42 769 14

166311 11 571 04 861 120

157938 50 553 32 1249 451

158896 06 549 07 1287 30

167600 55 532 32 778 395

163640 24 535 06 894 148

国 名輸出割合

() 国 名輸出割合

() 国 名輸出割合

()

香港 496 香港 888 中国 483シンガポール 207 中国 43 香港 314ベトナム 96 韓国 21 台湾 64

タイ 59 米国 17 ベトナム 37台湾 58 台湾 11 シンガポール 29

国 名対前年増減率() 国 名

対前年増減率() 国 名

対前年増減率()

香港 175 香港 26 中国 251シンガポール 583 中国 62 香港 329ベトナム 135 韓国 437 台湾 59

タイ 81 米国 1047 ベトナム 418台湾 47 台湾 261 シンガポール 449

24

30

輸出上位5カ国

25

181920212223

2627282930

17

  区分

小麦粉マカロニスパゲッティ

スイートビスケット

平成1213141516

(参考3) 麦製品の生産動向

麦製品の生産量は食パンや乾麺のように生産量が減少している製品もある一方で菓子パンや即席麺冷凍麺のように生産量が増加している製品もあることから使用される小麦粉の数量は平成22年以降概ね横ばい傾向で推移しています麦製品は食生活の多様化や簡便性といった消費者ニーズを

捉えつつ継続した新製品の開発がなされており新たな定番となる商品の登場や期間限定の商品やイベントなどが消費者の購買を促進していると考えられます(図Ⅱ-3表Ⅱ-4)

表Ⅱ-4 麦製品の生産量の推移

(単位千トン)

- 15 -

資料平成21年度までは農林水産省「米麦加工食品生産動態統計調査年報」平成22年度からは農林水産省「食品産業動態調査」及び農林水産省「製粉精麦工場需給実績報告」冷凍麺の生産量は(一社)日本冷凍食品協会調べ

注1)麺類及びパン類の生産量は小麦粉使用量で冷凍麺は製品生産量である2)小麦粉は年度の計でありその他は暦年の計である

区分

パ ン 麺 類 冷凍麺

小麦粉 食パン菓子パ

ンその他のパン

生麺 乾麺 即席麺

年度計 暦年計 暦年計 暦年計 暦年計 暦年計 暦年計 暦年計 暦年計 暦年計

昭和45 3422 970 469 - - - 514 327 267 -

50 3978 1062 588 251 63 - 541 289 335 -

55 4079 1189 687 285 89 1334 610 275 325 -

60 4243 1178 653 291 133 1397 659 297 316 9

平成2 4338 1193 661 321 146 1407 687 274 316 41

7 4633 1220 623 368 178 1456 729 268 314 120

12 4623 1279 619 382 235 1421 687 235 343 190

22 4725 1196 576 375 215 1251 555 203 332 257

23 4708 1215 580 392 215 1283 548 209 361 270

24 4654 1219 580 392 221 1269 542 204 363 283

25 4694 1226 598 384 218 1324 562 213 386 314

26 4683 1234 608 387 214 1371 578 213 410 318

27 4702 1234 605 403 201 1396 624 195 414 308

28 4683 1238 604 403 206 1409 652 186 419 308

29 4703 1254 602 409 218 1445 691 186 416 313

30 - 1221 585 401 211 1473 712 188 420 -

〔低糖質製品〕

〔多種多様な携帯サンドイッチ〕

〔手軽な冷凍麺〕

図Ⅱ-3 麦製品の商品事例

H18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29

製粉工場数 124 122 121 119 117 118 117 114 109 104 102 98

製粉企業数 100 98 98 96 94 95 94 90 88 83 81 77

うち輸入小麦取扱製粉工場数 91 91 90 90 87 87 86 83 78 76 74 73

うち輸入小麦取扱製粉企業数 67 67 67 65 64 64 64 60 57 55 53 52

50

70

90

110

130

150製粉工場数

製粉企業数

うち輸入小麦取扱製粉工場数

うち輸入小麦取扱製粉企業数

3 製粉企業の状況

(1)大手製粉企業及び中小製粉企業の動向

① 大手製粉企業4社の小麦粉の生産量は全体の78を占

めておりこれに年間小麦粉生産量が3万トン以上の企業

の生産量を加えた13社ベースでは全体の90を占めてい

ます

② 大手製粉企業は生産設備の臨海工場への集約化を進め

つつ工場の大規模化合理化を推進しています

平成29年度の1工場当たりの生産量は17万トンまた

稼働率は89となっています

③ 年間小麦粉生産量3万トン以上の中小製粉企業は工場

のほとんどが臨海地域に立地し小麦粉を域内の二次加工

メーカー等に供給しています

平成29年度の1工場当たりの生産量は約6万トン稼働

率は67となっています

④ 年間小麦粉生産量1千トン以上3万トン未満の中小製粉

企業は主に内陸に位置し小麦粉を地元のパン麺等の

加工業者に供給するほか乾麺等の製造を兼ねるものも多

くなっています

平成29年度の1工場当たりの生産量は13万トンと大

手製粉企業の約14分の1稼働率は35となっています

⑤ 年間小麦粉生産量1千トン未満の中小製粉企業は輸入

小麦を取り扱わない企業が大部分を占め国内産小麦のみ

を使用し麺用や菓子用に供給しています

表Ⅱ-5 大手製粉企業中小製粉企業の小麦粉生産等の動向

資料農林水産省調べ注四捨五入の関係で計と内訳が一致しない場合がある

(参考)製粉企業数と工場数の推移(企業工場)

- 16 -

3万トン以上1千トン以上3万トン未満

1千トン未満

平成24 94 4 90 9 50 31

29 77 4 73 9 38 26

24 4853 3679 1174 536 636 3

29 4877 3801 1075 569 504 2

24 100 758 242 110 131 01

29 100 779 221 117 103 00

24 3245 1177 2068 632 1360 76

29 2806 1057 1749 581 1114 54

24 1496 3126 568 848 468 39

29 1738 3596 615 980 452 44

24 415 1533 126 596 120 01

29 498 1728 142 569 126 01

24 692 887 414 709 311 42

29 731 888 454 670 347 46

全体 大手製粉

中 小 製 粉年間生産量

稼働率()

製粉企業数

小麦粉生産量(千トン)

生産シェア()

従業員数(人)

従業員一人当たりの生産量

(トン)

一工場当たりの生産量(千トン)

(2)製粉企業のコスト削減や品質安全性の向上に向けた取組

製粉企業は生産能力の増強によるコスト削減や品質安全性の向上に向けた取組を進めています(図Ⅱ-4)

また国も農業競争力強化プログラムを策定し製粉企業の取組みを支援しています(図Ⅱ-5)

① 供給能力の強化等によるコストダウン

製粉企業は供給能力の強化生産性の向上と原料小麦の受入体制の整備によるコストダウンを図るため製粉工場や原料サイロの増強等の設備投資を行っています

② 資本業務の提携

製粉企業の中には他の製粉企業と資本業務提携を行うこと等により原料調達規模の拡大や生産の効率化等による競争力の強化を図る取組もみられます

③ 品質安全性の向上

製粉企業は近年消費者の安全安心への関心が高まる中食品の品質安全性を確保するための設備やAIB食品安全システムの導入ISO認証の取得等様々な取組を行っています

④ 工場の集約化

大手製粉企業は内陸工場を閉鎖し海外からの原料調達に有利な臨海工場への集約を進めるとともに臨海工場の生産能力を増強させる等生産性の向上を図っています

⑤ 海外市場への進出

製粉企業の中にはアジア大洋州地域における買収や工場増設等海外市場に積極的な進出をする取組もみられます

① 供給能力の強化等によるコストダウン 日清製粉は関東地区の小麦サイロ収容力の増強を進め更なる原料小麦の安定供給を推進するため鶴見工場の原料小麦サイロを増設(平成28年)

日本製粉は神戸甲南工場の原料サイロの新設等(平成24年)千葉工場の原料サイロの増設(平成26年)を行い今後原料サイロを福岡工場及び知多新工場へ新設神戸甲南工場(第2期)へ増設する予定

千葉製粉は新たな顧客ニーズへの対応付加価値製品の創出等を図るため専用ラインを新設(平成27年)

② 資本業務提携 資本業務提携を行っている製粉企業

増田製粉所(兵庫) hArr 日東富士製粉

木田製粉(北海道)内外製粉(三重)奥本製粉(大阪)セントラル製

粉(愛知) hArr 昭和産業

東福製粉(福岡) hArr 日本製粉

③ 品質安全性の向上 多くの製粉企業がISO9001(品質マネジメントシステム)ISO22000(食品安全マネジメントシステム)の認証を受けることにより品質管理や食品安全管理を実施

④ 工場の集約化 日清製粉は生産性向上のため内陸工場を順次閉鎖し臨海工場への集約化を推進

筑後工場(福岡)鳥栖工場(佐賀) rarr 福岡工場(福岡)へ集約

(平成26年)

名古屋工場の2ライン rarr 知多工場(愛知)の新ラインへ集約

(平成27年)

日本製粉は生産性向上のため総生産能力の80を臨海部の大型工場に集約

⑤ 海外市場への進出状況(平成30年度) 日清製粉は豪州の小麦粉市場においてトップシェアを持つアライドピナクル社を買収またタイでは子会社の日清STC製粉がタイの製粉工場を買収するとともにベトナムでは業務用プレミックスの生産工場を建設することを決定

昭和産業はベトナムに新たにプレミックス製造会社を設立し生産工場を建設することを決定

図Ⅱ-4 製粉企業の各種取組の事例

- 17-

⑥ 再編合理化の取組

製粉企業の中には国の支援を活用した再編合理化の取

組もみられます

⑦ 地産地消の推進

中小製粉企業は地域とのつながりの強さや独自の立地

条件を活かした特色ある経営を模索する中で生産者と協

力した積極的な地産地消の取組を進めています

⑦ 地産地消の推進

岩手県主な実施者岩手県学校給食会岩手県パン工業組合県内製粉企業取 組 内 容 平成28年度から地元県産小麦(銀河のちからゆきちから)を

100使用した学校給食用パンを県内の小中学校に提供開始埼玉県

主な実施者埼玉産小麦ネットワーク「SWING group」(県内製粉企業が中心となり生産者加工業者販売業者等180社が加盟)

取 組 内 容 埼玉県産小麦のブランド価値を高めることなどを目的として埼玉県産小麦を自社製品に利用することで高付加価値商品の開発による自社の発展などを目指すとともに研修会の実施やイベントホームページなどを通じた消費者への情報提供を実施

京都府主な実施者地元製粉企業京都府全農京都府本部生産者府内製麺製

パン業者飲食店取 組 内 容 平成30年産から京都府産小麦品種を「せときらら」へ全面切替を

行ったことを機にブランド名を「京小麦」とし「京小麦」を100使用したメニューを参加店舗にて提供するイベント「京小麦の収穫祭」を平成31年1月21日から2月17日まで開催

福岡県主な実施者福岡県ラー麦普及推進協議会(県JA全農ふくれん県内製粉

業者5社製麺業者関係団体)取 組 内 容 以下の取組によりラーメン用小麦「ラー麦」を普及推進

産地への生産技術の普及指導 小麦品質評価最適製粉加工方法の検討 利用や消費を促進するための普及宣伝(試

食イベント等) 毎年産の製粉製麺適性評価および食味

官能評価の実施 平成21年に本小麦の名称「ラー麦」とロ

ゴデザインを商標登録しブランド化

- 18 -

2 生産者が有利な条件で安定取引を行うことができる流通加工の業界構造の確立

(1)生産者に有利な流通加工構造の確立現在の食料需給消費の実態等を踏まえた効率的機能

的で農業者と消費者双方がメリットを受けられる流通加工構造を確立するため以下のとおり取り組む

その際農林水産省経済産業省をはじめ政府一体となって取り組む①~⑦ (略)⑧ 加工業については生産性の低い工場が乱立している

種類の加工業界(製粉乳業等)について国は国際競争に対応できる生産性の確保を目指した業界再編設備投資等を推進することとし政府系金融機関の融資農林漁業成長産業化支援機構の出資等による支援を行う

⑨ 上記改革を推進するため農産物の流通加工に関し国の責務業界再編に向けた推進手法等を明記した法整備を進める

⑩ 上記改革を推進するため金融機関による流通加工関連産業の生産性向上に資する経営支援や資金供給の促進政府系金融機関や農林漁業成長産業化支援機構等との連携強化等を図る

図Ⅱ-5 農業競争力強化プログラム(抜粋)

(平成28年11月29日 農林水産業地域の活力創造本部決定)

⑥ 再編合理化の取組

製粉工場の廃棄撤去製粉施設の一部又は全部を撤去しミックス粉等の関連事業を拡大

(製粉工場等再編合理化事業(平成2728年度7件))

図Ⅲ-1 国内産小麦の収穫量と作付面積の推移

表Ⅲ-1 小麦の主な作付品種(平成29年産)

Ⅲ 国内産麦の生産と流通の動向

1 国内産麦の生産状況

(1)小麦

① 作付面積

近年の国内産小麦の作付面積は約21万haと横ばいで推移して

います平成30年産の作付面積は北海道は121万ha都府県

は91万ha全国では212万haとなり前年産並となっていま

② 収穫量

平成30年産の国内産小麦の収穫量は主産地の北海道での6

月中旬から7月中旬にかけての低温日照不足の影響により登

熟不良となったこと等から前年産に比べ北海道で134万ト

ン(22)減少都府県では05万トン(2)減少全国

では139万ha(15)減少の768万トンとなり(図Ⅲ-1)

10a当たりの平均収量対比は91となりました

③ 小麦の作付品種の状況

栽培品種については各産地の気候条件や用途等に適した品

種が作付されており29年産では日本麺用では「きたほなみ」

「さとのそら」「シロガネコムギ」といった品種パン

中華麺用では「春よ恋」「ゆめちから」といった品種が上位

を占めています(表Ⅲ-1)

資料農林水産省「作物統計」品種毎の面積は農林水産省政策統括官調べ

注品種の育成年についてはシロガネコムギは農林認定が行われた年

それ以外の品種は出願公表が行われた年としている

資料農林水産省「作物統計」30年産の数値は概算値

- 19 -

(千トン)

年産

910 881

674

571

746

858 812

852

1004

791

907

768

210 209 208 207 212 209 210 213 213 214 212 212

100

120

140

160

180

200

220

240

260

280

300

0

200

400

600

800

1000

H19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30

収穫量 作付面積(千ha)

品種名 育成年 作付面積(千ha) 割合 主な作付地域

きたほなみ 平成19年 878 41 北海道

さとのそら 平成21年 159 7 関東東海

シロガネコムギ 昭和49年 152 7 九州近畿

春よ恋 平成11年 143 7 北海道

ゆめちから 平成20年 137 6 北海道

上位5品種計 1469 69

小麦作付面積 - 2123

図Ⅲ-2 国内産大麦及びはだか麦の収穫量と作付面積の推移

表Ⅲ-2 大麦及びはだか麦の主な作付品種(平成29年産)

(2)大麦及びはだか麦

① 作付面積

近年国内産大麦及びはだか麦の作付面積は約6万と横ば

いで推移しており平成30年産は前年産と比較すると二条

大麦は前年産並六条大麦は800ha(4)減少はだか麦

で460ha(9)増加となり全体では340ha(1)減少の

61万haとなりました(図Ⅲ-2)

② 収穫量

平成30年産の大麦及びはだか麦の収穫量は二条大麦及びは

だか麦はおおむね天候に恵まれ生育が順調で登熟も良好

であったこと等から前年産に比べ二条大麦は01万トン

(1)増加はだか麦は01万トン(8)増加となりました

六条大麦については北陸地方において大雪の影響で融雪時期

が遅れたこと等により穂数が少なくなり前年産に比べ14万

トン(26)減少しました

この結果大麦及びはだか麦の収穫量は合計で173万トンと

なり前年産に比べて12万トン(6)減少となりました

(図Ⅲ-2)

③ 大麦及びはだか麦の作付品種の状況

栽培品種については各産地の気候条件や用途等に適した品

種が作付されており29年産では二条大麦はビール用の「サ

チホゴールデン」六条大麦は主食用や麦茶用の「ファイ

バースノウ」はだか麦は麦味噌用の「マンネンボシ」いっ

た品種が上位を占めています(表Ⅲ-2)

資料農林水産省「作物統計」30年産の数値は概算値

- 20 -

(千トン)

資料農林水産省「作物統計」農林水産省調べ

注品種の育成年についてはシュンライイチバンボシは農林認定が行われ

た年それ以外の品種は出願公表が行われた年としている

195 217

179 161

172 172 183

170 177 170 185

173

54 57 58 59 60 60 59 60 61 61 61 61

0

10

20

30

40

50

60

70

80

90

100

0

50

100

150

200

250

H19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30

収穫量 作付面積 (千ha)

年産

麦種 品種名 育成年作付面積(千ha)

割合 主な作付地域

二条大麦

サチホゴールデン 平成18年 189 31 九州関東中国

はるしずく 平成17年 44 7 九州

ニシノホシ 平成11年 27 4 九州

六条大麦

ファイバースノウ 平成13年 107 17 北陸関東東海

シュンライ 平成2年 33 5 関東東北近畿

カシマゴール 平成22年 13 2 関東東海

はだか麦

マンネンボシ 平成13年 15 2 四国

イチバンボシ 平成4年 14 2 四国九州

トヨノカゼ 平成18年 11 2 九州中国

大麦はだか麦作付面積

- 614

資料農林水産省調べ

Aランク評価項目の基準値を3つ以上達成しかつ許容値を全て達成している麦Bランク評価項目の基準値を2つ達成しかつ許容値を全て達成している麦Cランク評価項目の基準値を1つ達成しかつ許容値を全て達成している麦

評価項目の基準値を2つ以上達成しているものの許容値を達成していない麦DランクA~Cランクのいずれにも該当しない麦

【評価項目】①小麦 日本麺用パン中華麺用(たんぱく灰分容積重フォーリングナンバー)

醸造用(たんぱく3項目容積重)②二条大麦 主食等用(容積重細麦率白度正常粒率)

麦茶用(たんぱく3項目細麦率)③六条大麦はだか麦 主食等用(容積重細麦率白度硝子率)

麦茶用(たんぱく3項目細麦率)

(参考) 麦の品質区分

(単位)

- 21 -

(2)品質評価

たんぱく質や灰分の含有率等に基づく品質評価結果につい

ては平成30年産の小麦ではAランクが899となってお

り過去5年平均(Aランク比率849)と比べ5ポイン

ト高くなっています

また平成30年産の大麦はだか麦ではAランクが

849となっており過去5年平均(Aランク比率832)

と比べ17ポイント高くなっています(表Ⅲ-4)

表Ⅲ-4 平成30年産麦の品質評価結果

2 国内産麦の品質状況

(1)農産物検査① 平成30年産の小麦について全国の1等比率は761

(平成30年12月末時点)と過去5年平均799と比較して低くなっています(表Ⅲ-3)

② 平成30年産の小粒大麦大粒大麦はだか麦及びビール大麦について1等比率は大粒大麦を除き過去5年平均と比較して低くなっています(表Ⅲ-3)

表Ⅲ-3 国内産麦の1等比率の推移(単位)

Aランク Bランク Cランク DランクAランク

過去5年平均(平成25~29年産)

小 麦 899 67 33 01 849

大麦はだか麦

849 37 108 06 832

注1)各年産翌年4月末時点の値であるただし平成30年産は30年12月末時点の値である

2)強力小麦の検査数量を含む値である

3 国内産麦に対する支援

平成31年度は経営所得安定対策等の対策のうち主に畑作

物の直接支払交付金と水田活用の直接支払交付金により国内

産麦に対する支援が行われます

(1)畑作物の直接支払交付金

畑作物の直接支払交付金として麦を生産する農業者に対

し標準的な生産費と標準的な販売価格の差額分を直接交付

することとしています

支払いは当年産の麦の品質及び生産量に応じて交付する

数量払を基本とし当年産の麦の作付面積に応じて交付する

面積払(営農継続支払)を数量払の先払いとして交付する仕

組みにしています

数量払の交付単価は品質に応じた単価を設けており需要

に応じた生産と品質に対する営農努力を適切に反映させる仕

組みになっています(表Ⅲ-5)

表Ⅲ-5 畑作物の直接支払交付金の麦の交付単価

(円単位数量)

品質区分(等級ランク)

1等 2等

A B C D A B C D

小麦(パン中華麵

用品種)(60kg当たり)

9040 8540 8390 8330 7880 7380 7230 7170

小麦(パン中華麺用品種以外)(60kg当たり)

6740 6240 6090 6030 5580 5080 4930 4870

二条大麦(50kg当たり) 5550 5130 5010 4960 4690 4270 4140 4090

六条大麦(50kg当たり) 6030 5610 5480 5430 5000 4580 4460 4410

はだか麦(60kg当たり) 8650 8150 8000 7910 7080 6580 6430 6350

(参考)

【平均交付単価小麦6940円60kg二条大麦5490円50kg六条大麦5720円50kg

はだか麦8230円60kg】

②面積払

当年産の作付面積に応じて交付 2万円10a

①数量払(品質に応じた単価)

- 22 -

【平成31年産に適用】

標準的な生産費

差額

ゲタ交付単価

標準的な販売価格

【交付単価のイメージ】lt畑作物の直接支払交付金のイメージgt

面積払(数量払の際に控除されます)

数量払

収量

交付金額

(2)水田活用の直接支払交付金

水田のフル活用を推進し食料自給率自給力の向上を図

るため水田で麦を生産する農業者に対しては畑作物の直

接支払交付金に加え水田活用の直接支払交付金(35000円

10a)を直接交付することとしています(表Ⅲ-6)

表Ⅲ-6 水田活用の直接支払交付金の交付単価

作 物 単 価

麦大豆飼料作物 35000円10a

WCS(ホールクロップサイレージ)用稲 80000円10a

加工用米 20000円10a

飼料用米米粉用米収量に応じ

55000円~105000円10a

このほか「産地交付金」により地域で作成する水田フル活用ビジョンに基づき二毛作や耕畜連携を含め産地づくりに向けた取組を支援します

戦略作物助成

注実需者等との出荷販売契約等を締結すること出荷販売することが要件

- 23 -

4 国内産食糧用麦の流通動向

(1)取引の概要

国内産食糧用麦は加工原料としての商品特性から需要に応じて計画的に生産できるようは種前契約に基づく取引が行われています

まず取引の指標となる透明性のある適正な価格を形成するためは種前に販売予定数量の3~4割(具体の比率は民間流通地方連絡協議会の協議を踏まえ決定)について入札が行われます残りは相対取引が行われておりその価格については入札で形成された指標価格(落札加重平均価格)を基本として取引当事者間で決められています(図Ⅲ-3)

また取引を円滑に進めるため生産者需要者等で構成される民間流通連絡協議会において取引に必要な情報交換取引に係る基本事項の見直し等が行われています(表Ⅲ-7)

今後とも国内産食糧用麦については円滑な流通が確保されるようは種前契約を基本としつつ適切に対応していきます

図Ⅲ-3 国内産食糧用麦の基本的な流通フロー

表Ⅲ-7 国内産食糧用麦の入札の仕組み

項 目 概 要 見直しの変遷

実施主体 一般社団法人 全国米麦改良協会

実施時期 は種前に2回実施(8~9月)平成13年産から1回rarr2回へ見直し

上場数量

産地銘柄別に販売予定数量が小麦3千トン以上大麦はだか麦1千トン以上の銘柄についてその30~40を上場(ほかに希望上場あり)

平成31年産から30rarr30~40へ見直し

基準価格

小麦は前年産の落札加重平均価格に当年産の入札実施時点での外国産麦の政府売渡価格の変動率を乗じた価格大麦はだか麦は前年産の落札加重平均価格

小麦の外国産麦との連動は平成24年産から実施

値幅制限 基準価格のplusmn10

小麦平成12年産~16年産plusmn5平成17年産~21年産plusmn7平成22年産plusmn10平成23年産plusmn30平成24年産~ plusmn10大麦はだか麦平成12年産~18年産plusmn5平成19年産~21年産plusmn7平成22年産plusmn10平成23年産plusmn15平成24年産~ plusmn10

取引価格の事後調整(小麦のみ)

外国産食糧用小麦の政府売渡価格の改定(410月)に合わせては種前の入札又は相対により契約された価格に外国産食糧用小麦の政府売渡価格の変動率を乗じて取引価格を改定

平成23年産から実施

申込限度数 量

買い手別に上場数量times買受実績シェアtimes145

小麦は平成17年産から大麦及びはだか麦は平成19年産から135rarr145へ見直し

相対取引入札で形成された指標価格を基本に生産者団体と需要者の間で協議決定

平成19年産から過去の実績シェアに基づく取引ルールを廃止

再入札

第1回入札及び第2回入札において落札残数量が発生した場合は売り手の希望により再度入札に付すか相対による契約を行うかいずれかの方法をとることができる

平成25年産から売り手の申し出により再入札における入札の値幅を設定できること等を規定

生産者団体から販売予定数量需要者団体から購入希望数量の相互提示

入札取引の実施(販売予定数量の約3~4割)

相対取引の実施(販売予定数量の約6~7割)

は 種(秋まき春まきは収穫年の4月)

収 穫 及 び 検 査

生産者団体と需要者の間では種前に契約を締結

需 要 者 へ 引 渡 し

<生産の流れ>

麦の生育期間

<契約の流れ>

は種前契約に基づき計画的に作付(は種)

収穫前年7月~

8~9月

9月~

~12月

6~8月

6月~

収穫年26年産から国内産麦の需要拡大を図るため地域の食文化のブランド化等による高付加価値化の取組等に対し安定的な原料供給が可能となる需要拡大推進枠を導入

- 24 -

表Ⅲ-8 国内産食糧用麦の供給量 (単位千トン)

注集荷団体からの聞き取り数量である

(2)流通の動向

平成30年産の国内産食糧用小麦の供給量は前年産から

約14万4千トン減少し約70万1千トンとなっています

また国内産食糧用大麦及びはだか麦の供給量は前年

産から約3千トン減少し約10万3千トンとなっています

(表Ⅲ-8)

生産者側から提示された平成31年産麦の販売予定数量は

国内産食糧用小麦で約82万4千トン国内産食糧用大麦及

びはだか麦で約10万8千トンとなっています

一方需要者側から提示された平成31年産麦の購入希望

数量は国内産食糧用小麦で約86万3千トン国内産食糧

用大麦及びはだか麦で約13万トンとなっています(表Ⅲ-

9)

表Ⅲ-9 国内産食糧用麦の販売予定数量及び購入希望数量の推移(単位千トン)

資料民間流通連絡協議会調べ注四捨五入の関係で差し引きが一致しないことがある

- 25 -

年産 20 21 22 23 24 25 26 27 28 2930

(見込)

小   麦 841 639 532 694 811 767 808 946 734 845 701

大麦はだか麦 125 100 84 98 93 105 103 103 92 106 103

年産 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31

販売予定数量① 887 906 909 951 948 909 905 880 820 846 834 824

購入希望数量② 833 880 818 859 904 869 751 802 834 875 880 863

①-② 54 25 91 91 44 40 154 78 14 29 46 39

(①-②)①() 61 28 100 96 47 44 170 89 18 34 55 47

販売予定数量① 121 132 134 127 122 116 110 112 113 112 108 108

購入希望数量② 199 219 135 149 147 138 141 149 145 138 148 130

①-② 78 87 1 23 26 21 31 37 32 26 39 22

(①-②)①() 640 660 06 179 209 182 282 330 284 234 363 204

表Ⅲ-10 国内産食糧用麦の入札結果の推移

資料一般社団法人全国米麦改良協会調べ

注1価格は税込み(26年産までは527年産以降は8)である

ただし31年産の落札価格は一般社団法人全国米麦改良協会公表の価格(税抜き)を基に農林水産省で税込み価格を算出

5 国内産食糧用麦の価格の動向

(1)平成31年産の入札の概要

平成31年産麦の入札は第1回は平成30年9月12日に第

2回は平成30年9月26日に実施されました

麦種別の入札結果をみると小麦は上場数量約21万4千

トンのうち約20万4千トンが落札(落札率954)され落

札価格は61714円トン(対前年産比1151)となりました

小粒大麦は上場数量約1万1千トンのうち約1万1千

トンが落札(落札率991)され落札価格は46560円トン

(対前年産比997)となりました

大粒大麦は上場数量約7千8百トンのうち5千6百トン

が落札(落札率717)され落札価格は46923円トン(対

前年産比879)となりました

はだか麦は上場数量約2千3百トンのうち約2千1百

トンが落札(落札率897)され落札価格は50817円トン

(対前年産比961)となりました(表Ⅲ-10)

なお国内産小麦については近年消費者の国産志向の高

まりなどを受け大手外食チェーンや2次加工メーカーが国

内産小麦を使用したパン中華麺等の商品を相次いで発表す

るなど人気が高まってきていますこれらを背景として平

成31年産小麦の落札価格は多くの銘柄で値幅制限の上限付

近となっておりまた申込倍数も14倍と高いものとなって

います

- 26 -

20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31

上場数量

(トン)①243510 243020 242310 251370 250980 244880 244320 234010 213360 221380 218500 214200

落札数量

(トン)②234930 238410 189350 247770 245320 220590 188240 192240 201140 214060 210560 204420

落札率

②①965 981 781 986 977 901 770 822 943 967 964 954

落札価格

(円トン)43229 59885 55241 48732 58340 49333 49319 49770 54164 51570 53624 61714

対前年産比 1064 1385 922 882 1197 846 1000 1009 1088 952 1040 1151

上場数量

(トン)①12240 13590 14210 13300 11760 11220 11290 11930 12210 12200 11750 11040

落札数量

(トン)②12050 13510 14040 13170 11550 10850 10900 11830 12090 12200 11440 10940

落札率

②①984 994 988 990 982 967 965 992 990 1000 974 991

落札価格

(円トン)45479 59709 53448 45871 46485 46453 46290 47595 47565 46880 46708 46560

対前年産比 1084 1313 895 858 1013 999 996 1028 999 986 996 997

上場数量

(トン)①10020 9690 10330 9290 9000 8700 7210 7620 7450 7620 6880 7810

落札数量

(トン)②8880 8920 8910 7990 7990 7830 6480 7130 6600 6700 6340 5600

落札率

②①886 921 863 860 888 900 899 936 886 879 922 717

落札価格

(円トン)36532 50492 46097 39649 40394 41582 42881 45740 47827 50442 53384 46923

対前年産比 1059 1382 913 860 1019 1029 1031 1067 1046 1055 1058 879

上場数量

(トン)①2910 3150 3030 3260 3060 2830 2840 2890 2740 2660 2570 2330

落札数量

(トン)②2910 3150 3030 3090 3020 2830 2810 2810 2520 2600 2470 2090

落札率

②①1000 1000 1000 948 987 1000 989 972 920 977 961 897

落札価格

(円トン)42222 58527 61489 52791 51905 52294 49656 47712 46547 48527 52876 50817

対前年産比 1063 1386 1051 859 983 1007 950 961 976 1043 1090 961

年産

小麦

小粒大麦(六条大麦)

大粒大麦(二条大麦)

はだか麦

平成31年産国内産食糧用小麦の入札結果をみると産地別銘柄別

の需給状況等を反映して落札価格に差が生じています

代表的な銘柄である北海道産「きたほなみ」は前年産の価格を

153上回る64752円トン香川県産「さぬきの夢2009」は前

年産の価格を152上回る73186円トンとなりましたまたパ

ン中華麺用の北海道産「ゆめちから」は前年産の価格を180

上回る62777円トン北海道産「春よ恋」は前年産の価格を

180上回る68792円トンとなりました(図Ⅲ-4図Ⅲ-5)

図Ⅲ-4 平成31年産国内産食糧用小麦の産地別銘柄別落札価格

資料農林水産省調べ注外国産小麦5銘柄加重平均価格は平成30年4月期の輸入小麦の政府売渡価格である

(2)平成31年産国内産食糧用小麦の産地別銘柄別落札価格の動向

資料農林水産省調べ注1国内産小麦の価格は(一社)全国米麦改良協会が実施する民間流通麦にかかる入札の第1回第2回

及び再入札の落札加重平均価格(税込み)年産の下段の( )内は当該第1回入札の実施年月である注2外国産小麦の価格は18年までは当該年度平均の実績価格であり19年以降は民間流通麦にかかる第

1回入札の実施年月時点での輸入小麦の政府売渡価格(5銘柄平均)である注3ホクシン(きたほなみ)については22年産までは「ホクシン」の価格であり23年産からは「きたほ

なみ」の価格である注4さぬきの夢については24年産までは「さぬきの夢2000」の価格であり25年産からは「さぬきの夢

2009」の価格である注5農林61号(さとのそら)については23年産までは「農林61号」の価格であり24年産からは「さとの

そら」の価格である

図Ⅲ-5 国内産食糧用小麦の産地別銘柄別落札価格の推移

- 27 -

(単位円トン税込み)

30000

60000

北海道ゆめちから 62777

福岡ミナミノカオリ 68393

滋賀農林61号 50763

茨城さとのそら 46310

佐賀チクゴイズミ 52193

岩手ゆきちから 39929

全銘柄落札加重平均 61714

香川さぬきの夢2009 73186

北海道きたほなみ 64752

外国産小麦5銘柄加重平均 54370

群馬さとのそら 48669

北海道キタノカオリ 63090

大分チクゴイズミ 48265

福岡シロガネコムギ 50643

佐賀シロガネコムギ 47998

40000

福岡チクゴイズミ 52203

滋賀ふくさやか 49534

岐阜イワイノダイチ 46874

埼玉さとのそら 47159

宮城シラネコムギ 44607

群馬つるぴかり 49785

北海道春よ恋 68792

愛知きぬあかり 50114

北海道はるきらり 60201

50000

埼玉あやひかり 46072

岐阜さとのそら 45919

70000

30000

40000

50000

60000

70000

80000

90000

100000

110000

120000

130000

12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 年産

(単位円トン税込み)

北海道ホクシン

香川さぬきの夢200973186円

茨城農林61号

香川さぬきの夢2000

茨城さとのそら

46310円

北海道きたほなみ

64752円

北海道ゆめちから

62777円

外国産小麦

5銘柄平均

54370円

北海道春よ恋

68792円

(128) (138) (148) (158) (168) (178)(1810) (199) (208)(2110)(2212) (239) (2410)(2510)(269)(279) (289) (299)(119) (309)

6 国内産麦の新品種の育成状況

(1)国内産麦については縞萎縮病抵抗性や耐倒伏性を備え

需要者等のニ-ズに合った新品種の開発が進められています

また作付け面積が1万haを超える「ゆめちから」「さとの

そら」をはじめ多数の品種が生産現場に導入されています

(図Ⅲ-6)

(2)今後とも赤かび病抵抗性や穂発芽耐性が高い小麦品種

小麦粉の色相や製粉性が優れる日本麺用小麦品種パンの膨

らみがカナダ産「1CW」並の小麦品種焼酎押麦味噌

などの加工適性が高い大麦品種等の開発を推進します

小麦品種「ゆめちから」及び「さとのそら」は優れた栽培特性

と加工適性を備えており作付けが拡大しています(平成29年

推定値「ゆめちから」約1万2千ha「さとのそら」約1万5

千ha)

パン用小麦品種の開発近年国産の小麦粉を使ったパンの需要増加に応えるためグルテンやでん粉の組成などパンの膨らみに関連する特性に注目した育種が進められていますその結果平成25年に製パン適性が「1CW」に近く多収の「せときらら」平成29年にはパン生地の力が強く穂発芽耐性や赤かび抵抗性が改良された「夏黄金」が育成されました

加工適性の高い大麦品種の開発機能性成分β-グルカンを多く含むもち性大麦の需要の高まりに応えるため平成29年に「はねうまもち」が育成されましたまた高品質なはだか麦の需要増加に対応して平成24年に味噌加工適性の高い「ハルヒメボシ」が育成されました

図Ⅲ-6 平成19年以降に育成された麦類の主な新品種

日本麺用小麦ゆめきらり

パン用小麦ゆめかおり福井県大3号

六条大麦ホワイトファイバー

北信越

日本麺用小麦あおばの恋

パン用小麦銀河のちから

東北

日本麺用小麦さとのそらきぬあかり

パン用小麦ゆめかおり

二条大麦とちのいぶき彩の星アスカゴールデンニューサチホゴールデン

六条大麦カシマゴール

はだか麦キラリモチ

関東東海

日本麺用小麦ふくはるかさぬきの夢2009

パン用小麦ゆめちからせときらら

はだか麦ハルヒメボシ

近畿中国四国

中華麺用小麦ちくしW2号

二条大麦煌二条白妙二条はるか二条トヨノホシ

九州

日本麺用小麦きたほなみ

中華麺用小麦つるきち

パン用小麦ゆめちからはるきらり

二条大麦札育2号

北海道

新品種のうち平成30年産で概ね100ha以上作付けされていると推定される品種を選定(農林水産省調べ)

- 28 -

7 国内産麦を利用した製品の動向

食料自給率の向上を図るためには国内産麦の需要開拓を行う

ことが必要です最近の消費者の国産志向の高まりや生産者と実

需者が一体となった地産地消の推進地域農業の振興を図る取り

組み等から国内産麦を使った麦製品(パン麺等)が増えてき

ており中には国内産麦を100使用した商品もあります(図Ⅲ-

7)

- 29 -

8 民間流通制度の運用改善

国内産麦の人気の高まりにより近年需要量が生産量を上回

る状況が継続しており国内産麦を積極的に使用したい実需者が

必要量を確保できない等の課題もあります

このような課題に対応するため民間流通連絡協議会において

入札上場比率の選択制の導入需要拡大推進枠設定の要件緩和

相対取引需要拡大推進枠において多様な取組が可能であること

の明確化等民間流通制度の運用改善が行われました(図Ⅲ-

8)

ピッツァ専用粉(北海道)(小麦)地元の製粉企業が北海道産小麦(きたほなみキタノカオリゆめち

から)を100使用した国内で初めてのピッツァ専用粉を開発平成30年2月に都内で試食会を開催し平成30年5月から販売

ピッツァ専用粉(群馬県)(小麦)地元の製粉企業が地元のピッツァ専門店ピッツァ窯メーカーと協力

して品質改良を重ね群馬県産小麦(さとのそらつるぴかりきぬの波)を100使用したピッツァ専用粉を平成30年4月から発売ピッツァイベントやイタリアン食材の展示会に出展

学校給食用パン(東京都)(小麦)都学校給食会の「学校給食パン加工規格」による配合基準に基づき国

内産小麦を100使用した学校給食パンを平成27年度から都内の一部の小中学校で提供を開始平成28年度からは都内全域の規格として採用

〇 市販用中華麺(愛知県)(小麦)地元の製粉企業が自社製品として愛知県産小麦きぬあかりを100使用

した中華麺を平成30年6月から自社通販で販売平成30年8月から一般販売を開始

フランスパン用粉(佐賀県)(小麦)近県製粉企業が農研機構と共同で育成した九州地域等の暖地温暖地

向けのフランスパン加工適性に優れる準強力小麦品種「さちかおり」を100使用したフランスパン用粉を平成30年8月から発売

市販用ゆで麺(長崎県)(小麦)地元の製麺企業近県製粉企業県生麺協同組合JA県等が連携し

平成26年3月に「長崎県育成麦活用開発協議会」を立ち上げ長崎県産長崎W2号(商標登録名長崎ちゃん麦)を100使用したちゃんぽん用のゆで麺を平成29年4月に製品化原料小麦の生産量が整った段階での本格販売を予定

もち性大麦を使用した機能性表示食品(静岡県)(大麦)地元の精麦企業が国内産もち性大麦でβ-グルカン量の多い銘柄を使用し

炊飯用精麦を製品化機能性表示食品として平成29年1月に届出し十分な原料を手当でき次第随時販売予定

〇 もち性大麦を使用したシリアル(愛知県)(大麦)地元の精麦企業が食物繊維が20を超える愛知県産もち性大麦「ワキ

シーファイバー」を使用した国内産もち麦100シリアルを開発平成30年4月から販売開始

図Ⅲ-7 国内産麦を100使用した商品事例

図Ⅲ-8 民間流通制度の運用改善のポイント

0

50

100

150

200

250

300

350

400円千人

大手製パンメーカーA社が国内産小麦100使用の新製品を発売

大手製食品スーパーB社が国内産小麦100使用の新製品をPBで発売

大手製パンメーカーA社が国内産小麦100使用の製品を初めて発売

(参考)国内産小麦を利用した製品の販売状況

(1)国内産小麦100使用の食パンの販売額

大きなシェアを占めるにはいたっていないものの国内産

小麦を100使用した食パンの販売金額の推移を見ると新製

品が登場する度に国内産小麦100使用の食パン市場が拡大し

ています(図Ⅲ-9)

図Ⅲ-9 国内産小麦100使用の食パンの販売額の推移(首都圏)

資料日本経済新聞デジタルメディア社による首都圏のスーパーマーケットなど100店舗におけるPOSデータに基づき農林水産政策研究所において集計

注食パンのうち国内産小麦を100使用していることが明らかな製品のみ計上菓子パン等は含んでいない

表Ⅲ-11 生麺ゆで麺(チルド)の販売金額のシェア(首都圏平成30年)

資料日本経済新聞デジタルメディア社による首都圏のスーパーマーケットなど120店舗におけるPOSデータに基づき農林水産政策研究所において集計

(2)生麺ゆで麺(チルド)の販売金額

生麺ゆで麺全体で上位15製品の売上高に占める国内産

小麦使用表示のある製品のシェアは30となっていますま

た主要な麺製品のうどんラーメン冷やし中華焼そば

全てで国内産小麦使用製品がランクインしています(表Ⅲ

-11)

2013年 2014年 2015年 2016年 2017年 2018年 2019年

                      (単位)

製品の種類製造企業の規模産地表示販売金額シェア

焼そば大手製品(国内産小麦使用表示なし) 99そば大手製品(国内産小麦使用表示なし) 27冷やしラーメン大手製品(国内産小麦使用表示なし) 20うどん大手製品(北海道産小麦使用表示あり) 20ラーメン大手製品(北海道産小麦使用表示あり) 14冷やし中華大手製品(国内産小麦使用表示なし) 14うどん大手製品(国内産小麦使用表示あり) 13焼そば大手製品(国内産小麦使用表示なし) 12焼うどん大手製品(国内産小麦使用表示なし) 12うどん大手製品(国内産小麦使用表示あり) 11焼そば大手製品(国内産小麦使用表示あり) 11そうめん大手製品(国内産小麦使用表示あり) 10うどんPB製品(北海道産小麦使用表示あり) 10つけ麺大手製品(国内産小麦使用表示なし) 10冷麺中小製品(国内産小麦使用表示なし) 10

303

14

89

15上位15製品の売上高に占める国内産小麦使用表示のある製品の

シェア

順位

1

10111213

234567

- 30 -

図Ⅲ-10 外食産業等と連携した農産物の需要拡大対策事業(麦類)

9 国内産麦の需要拡大イベント及び情報発信の取組

近年生産者と実需者等が連携し国内産麦を使用した製品が

数多く開発販売されており各地でイベント等の需要拡大の

取組みが行われております

また農林水産省としては平成30年度産地と外食事業者等

が連携して行う国内産麦を活用した新商品の開発試作製

造するために必要な取組を支援する「外食産業等と連携した農

産物の需要拡大対策事業」を一般社団法人全国米麦改良協会を

実施主体として行っているところです

農林水産省のホームページにおいてこれらのイベント等につい

て情報発信を行うとともに一般社団法人全国米麦改良協会が

開設している国産麦応援情報ホームページでの情報提供等を

行っています(図Ⅲ-10~12)

「国内産麦使用試作品全国統一試食会商談会」開催日平成31年2月12日~19日(土日を除く)場 所むぎくらべ(東京都千代田区神田小川町)

内 容平成29年度補正予算事業「外食産業等と連携した農産物の需要拡大対策事業」の一環として行われた国内産麦を使用した試作品の試食会商談会

「国内産麦使用試作品全国統一試食会商談会」で出品された試作品

- 31 -

第8回全国ご当地うどんサミットin 熊谷 開催日平成30年11月10日~11日 場 所熊谷スポーツ文化公園にぎわい広

場(埼玉県) 内 容全国の国内産小麦を使用した「ご

当地うどん」が一堂に集まりグランプリを決定

図Ⅲ-11 全国各地で開催されたイベント 図Ⅲ-12 一般社団法人 全国米麦改良協会の取組

国産麦応援情報ホームページ「日本の麦の底力」内容国産小麦粉ブランド名鑑国産小麦の逸品イベント情報研究

情報等を掲載URL httpnihonnomugicom

北海道小麦キャンプ2018 in オホーツク 開催日平成30年7月10日~11日 場 所ホテル黒部を主会場としたオホーツ

ク管内(北海道) 内 容国内産小麦北海道産小麦の魅力

を全国に広めることを目的にバスツアーやパン講習会などを実施

麦わらぼうしフェスタ 開催日平成30年11月4日 場 所笠原産業株式会社(栃木県) 内 容国内産小麦を使用したうどんパン

などの試食販売うどん教室などを実施

第7回 信州粉もん祭り 開催日平成30年11月11日 場 所JAながの ちくま埴生支所(長野県) 内 容長野県産小麦を使用した「粉もん料

理」が大集合粉もん試食会や手打ちうどん講習会 などを実施

国内産麦アンテナショップ「むぎくらべ」内容国内産麦を使用した商品のPRと販売の場を提供するものとして

平成30年7月東京都千代田区にオープン

- 32 -

オープニングセレモニーには上月前農林水産大臣政務官(写真中央)も出席

10 食料農業農村基本計画における麦の位置付け

平成27年3月31日に平成37年度を目標とする「食料農業

農村基本計画」が閣議決定され小麦は95万トン大麦はだ

か麦は22万トンの生産努力目標が設定されています(表Ⅲ-

12)

食料消費の見通し 生産努力目標(万トン) 克服すべき課題

1人1年当たり消費量

(kg人年)

国内消費仕向量

(万トン)

平成25年度

平成37年度

平成25年度

平成37年度

平成25年度

平成37年度

小麦 33 32 699 611 81 95

国内産小麦の需要拡大に向けた産地形成やブランド化

実需者ニーズに対応した生産流通体制の確立

新品種新技術の開発導入輪作体系の最適化排水対策等による収量品質の高位安定化

農地の集積集約化経営規模の拡大に対応した省力化に資する技術の開発導入等による生産コストの低減

大麦はだか麦

03 02 208 213 18 22

外国産大麦が多く用いられている焼酎用等の国内産麦の需要拡大

実需者ニーズに対応した生産流通体制の確立

新品種新技術の開発導入輪作体系の最適化排水対策等による収量品質の高位安定化

農地の集積集約化経営規模の拡大に対応した省力化に資する技術の開発導入等による生産コストの低減

表Ⅲ-12 麦の平成37年度における食料消費の見通し及び生産努力目標

資料「食料農業農村基本計画」(平成27年3月閣議決定)注1)国内消費仕向量には飼料用等の食糧用以外の用途への仕向量を含む

2)大麦はだか麦の国内消費仕向量及び生産努力目標にはビール大麦を含む

- 33 -

Ⅳ 米粉に関する動向

1 生産動向

米粉用米の生産量は平成25年産以降2万トン前後で推移していましたが平成29年度以降は約3万トンまで回復しています(表Ⅳ-1)

2 需要拡大に向けた対応

米粉用米の利用量は平成24年度以降年間2万数千トンで推移していましたがグルテンを使用しない米粉商品の開発や新たな米加工品(α化米粉米ゲルなど)の保湿性や粘性に着目した商品の開発「米粉の用途別基準」や「ノングルテン米粉製品第三者認証制度」の運用開始により平成29年度は25千トン30年度は31千トンに増加しています(表Ⅳ-2)

今後の更なる国内海外の需要拡大のためノングルテン米粉や用途別基準に適合する高品質な日本産米粉の流通を契機とした魅力ある新商品の開発や日本産米粉の優位性の情報発信等を推進する必要があります

表Ⅳ-1 上位5県の米粉用米の生産量と作付面積の推移

(参考) 米粉及び小麦粉の販売価格(税抜き)

米粉100~290円kg程度

(小麦粉 100円kg程度)

注1)平成26~29年度については新規需要米取組計画を認定した全需要者からの聞き取り注2)平成30年度については新規需要米取組計画を認定した主要な需要者からの聞き取り

により推計

表Ⅳ-2 米粉用米の利用量(需要者からの聞き取り)

- 34 -

資料26~29年産は新規需要米生産集出荷数量30年産は新規需要米取組計画

認定数量(農林水産省)

(単位千トン)

26年度 27年度 28年度 29年度 30年度見込

22 23 23 25 31

(単位千トン千ha)

26年産 27年産 28年産 29年産 30年産

生産量 59 97 87 130 107作付面積 11 18 15 24 19生産量 10 10 09 30 31作付面積 02 02 02 06 06生産量 08 10 00 19 30作付面積 01 02 00 03 06生産量 10 12 12 12 16作付面積 02 03 02 02 03生産量 20 24 07 12 13作付面積 03 04 01 02 02生産量 184 230 190 284 281作付面積 34 42 34 53 53

秋田県

全国計

新潟県

埼玉県

栃木県

群馬県

農林水産大臣は米穀の新用途への利用の促進に関する基本方針を定める

生産製造連携事業計画

生産者 製造事業者 促進事業者

必須

米穀の新用途への利用の促進に関する法律

米穀の新用途への利用の促進に関する基本方針

関係者が連携して計画を作成米穀の新用途への利用の促進に関する基本方針に照らし適切な計画について農林水産大臣が認定(計画期間は3~5年)

図Ⅳ 米粉用米に対する支援措置

3 米粉用米に対する支援

① 米粉用米についてはその利用の拡大を図るために平成21年に「米穀の新用途への利用の促進に関する法律」が制定されました同法に基づく「生産製造連携事業計画」の認定を受け「農山漁村

活性化計画」の採択を受けた取組に対して米粉用米の生産加工に必要な施設整備等の支援を行っています

② 米粉用米の生産者に対しては水田活用の直接支払交付金による支援を行っていますまたノングルテン米粉表示や米粉の用途別基準により需要者ニーズに合った高品質な米粉の製造や輸出拡大の取組を支援しています

③ 平成31年度は国内海外の需要獲得に向け引き続き魅力ある新商品開発を推進するほか日本産米粉の優位性の情報発信やノングルテン米粉の製造手法マニュアルの作成など輸出を含めた日本産米粉の需要拡大に向けた取組を支援していくこととしています

予 算 措 置

【水田活用の直接支払交付金】水田を活用して米粉用米等の作物を生産する農業者に対し交付金を直接交付 (米粉用米収量に応じ55万円~105万円10a)

【農山漁村振興交付金】米粉飼料用米の生産加工に係る施設整備に対し交付金を交付(補助率定額12)

【持続的生産強化対策事業】

日本産米粉の優位性の情報発信ノングルテン米粉の製造手法マニュアルの作成米粉用米生産者と製造事業者とのマッチング

等の取組を支援

金 融 措 置

【日本政策金融公庫による低利融資】(食品安定供給施設整備資金)

米粉製造施設米粉を原料とした食品の製造加工施設等への融資

(輸出を含めた日本産米粉の需要拡大支援事業)

(補助率定額)

【外食産業等と連携した需要拡大対策事業】

国産農林水産物食品の輸出等需要フロンティアの開拓を図るため産地と複数年契約を締結する民間企業(外食加工業者)に対し国産農林水産物を活用した新商品の開発やそれに必要な技術開発等を支援 (補助率定額12)

- 35 -

【農林水産物食品輸出促進緊急対策事業】コメ海外市場拡大戦略プロジェクトに参加する輸出産地や輸出事業者等が連携して戦略的に取り組む中国等の海外市場開拓プロモーション等を支援

(補助率定額12)

品目 現在の関税率 合意内容

小麦

枠内税率無税+マークアップ

枠外税率55円kg

現行の国家貿易制度を維持するとともに枠外税率(55円kg)を維持

既存のWTO枠に加え米国(15万(7年目以降))【不適用】カナダ(53万(同))豪州(5万(同))にSBS方式の国別枠を設定

マークアップを9年目までに45削減

大麦

枠内税率無税+マークアップ

枠外税率39円kg

現行の国家貿易制度を維持するとともに枠外税率(39円kg)を維持

既存のWTO枠に加えSBS方式のTPP枠(65万(9年目以降))を設定

マークアップを9年目までに45削減

1 TPP11協定概要(麦)(平成30年12月30日発効)

Ⅴ TPP11及び日EUEPAの協定概要(麦関係)

(参考主な麦製品)

現在の関税率合意内容

税率 枠数量

いった小麦小麦粉等

(国家貿易品目)

枠内税率125~25+マークアップ

枠外税率85~134円kg

枠内即時無税+マークアップ

(枠外税率は維持)

(発効時) (6年目)125千rarr175千

ベーカリー製品製造用

小麦粉調製品16~24

枠内即時無税(枠外税率は維持)

(発効時) (6年目)米国 105千rarr12千【不適用】米国以外 68千rarr 8千

その他小麦粉調製品

16~28枠内即時無税

(枠外税率は維持)(発効時) (6年目)15千rarr225千

マカロニスパゲティ

30円kg9年目までに60削減

ビスケット 1315 6年目に無税 -

注1)いった小麦とは小麦をいったものであり主にシリアル食品等に使用される

2)その他小麦粉調製品とは製麺まんじゅう等のベーカリー製品以外の製造用の

小麦粉調製品である

- 36 -

2 日EUEPA協定概要(麦)(平成31年2月1日発効)

品目 現在の関税率 合意内容

小麦

枠内税率無税+マークアップ

枠外税率55円kg

現行の国家貿易制度を維持するとともに枠外税率(55円kg)を維持

既存のWTO枠に加えSBS方式のEU枠(270(7年目以降))を設定

枠内のマークアップを9年目までに45削減

大麦

枠内税率無税+マークアップ

枠外税率39円kg

現行の国家貿易制度を維持するとともに枠外税率(39円kg)を維持

既存のWTO枠に加えSBS方式のEU枠(30(即時))を設定

枠内のマークアップを9年目までに45削減

(参考主な麦製品)

現在の関税率合意内容

税率 枠数量

いった小麦小麦粉等

(国家貿易品目)

枠内税率125~25+マークアップ

枠外税率85~134円kg

枠内即時無税+マークアップ

(枠外税率は維持)

(発効時) (6年目)38千rarr44千

ベーカリー製品製造用

小麦粉調製品16~24

枠内即時無税(枠外税率は維持)

(発効時) (6年目)104千rarr142千

その他小麦粉調製品

16~28枠内即時無税

(枠外税率は維持)(発効時) (6年目)

2千rarr3千

マカロニスパゲティ

30円kg 11年目に無税 -

ビスケット 1315 6年目に無税 -

注1)いった小麦とは小麦をいったものであり主にシリアル食品等に使用される

2)その他小麦粉調製品とは製麺まんじゅう等のベーカリー製品以外の製造用の

小麦粉調製品である

(参考) 麦の国境措置

小 麦 大 麦

輸入数量

価格

輸入数量

価格

政府売渡価格

マークアップ(輸入差益)

452円kgを上限

輸入価格

(枠内税率0円kg)

枠内輸入(国家貿易) 枠外輸入

(民間貿易)枠外税率を支払って輸入された数量(平成29年度)12千トン

WTOカレントアクセス数量5740千トン

枠外税率55円

政府売渡価格

輸入価格(枠内税率0円kg)

WTOカレントアクセス数量1369千トン

枠内輸入(国家貿易) 枠外輸入(民間貿易)

枠外税率を支払って輸入された数量(平成29年度)06千トン

枠外税率39円

民間貿易の場合の輸入価格

民間貿易の場合の輸入価格

286円kgを上限

マークアップ(輸入差益)

- 37 -

  • スライド番号 1
  • スライド番号 2
  • 麦の参考資料 麦の需給に関する見通し(動向編)
  • スライド番号 4
  • スライド番号 5
  • スライド番号 6
  • スライド番号 7
  • スライド番号 8
  • スライド番号 9
  • スライド番号 10
  • スライド番号 11
  • スライド番号 12
  • スライド番号 13
  • スライド番号 14
  • Ⅱ 小麦粉麦製品の生産と価格の動向
  • スライド番号 16
  • スライド番号 17
  • スライド番号 18
  • スライド番号 19
  • スライド番号 20
  • スライド番号 21
  • スライド番号 22
  • スライド番号 23
  • スライド番号 24
  • スライド番号 25
  • スライド番号 26
  • スライド番号 27
  • スライド番号 28
  • スライド番号 29
  • スライド番号 30
  • スライド番号 31
  • スライド番号 32
  • スライド番号 33
  • スライド番号 34
  • スライド番号 35
  • スライド番号 36
  • スライド番号 37
  • スライド番号 38
  • スライド番号 39
  • スライド番号 40
  • スライド番号 41
Country Attribute Commodity 20042005 20052006 20062007 20072008 20082009 20092010
World Production (1000 MT) Barley 152674 136756 137430 133168 153539 0
Corn 715732 699101 712375 791492 791039 0
Millet 30947 32455 33529 34951 35619 0
Mixed Grain 16885 15213 13063 14616 15057 0
Oats 25667 23861 23163 25577 26191 0
Rice Milled 401435 418487 420633 431309 439081 0
Rye 17002 14492 12382 14245 17176 0
Sorghum 57529 58365 56628 63533 63792 0
Wheat 625700 620044 596101 610188 682865 0
Wheat Durum 0 0 0 0 3680 0
2043571 2018774 2005304 2119079 2228039
Exports (1000 MT) Barley 15098 18231 15328 15708 20175 0
Corn 77643 80966 93799 95466 76877 0
Oats 1901 1930 2114 2830 2304 0
Rye 854 610 709 556 560 0
Sorghum 5403 5379 5461 9237 4902 0
Wheat 111235 116756 111201 115377 123881 0
240641 254246 259958 269594 258464
TY Exports (1000 MT) Barley 16989 17428 14516 18412 19190 0
Corn 75964 82580 91199 96027 77925 0
Oats 1955 2254 2184 2742 2300 0
Rye 974 622 661 481 560 0
Sorghum 5366 5496 5780 8802 4950 0
Wheat 113210 113872 115500 115492 125165 0
243637 251744 261908 271184 259660
Exports (1000 MT) Rice Milled 28507 30374 31346 30420 29765 0
TY Exports (1000 MT) Rice Milled 29179 29492 32068 29228 29570 0
Domestic Consumption (1000 MT) Barley 143271 139989 144389 135872 142892 0
Corn 688190 704591 725361 773235 783288 0
Millet 30947 32855 33489 34941 35619 0
Mixed Grain 15972 15331 14092 14255 14515 0
Oats 25318 24233 23552 24709 25192 0
Rice Milled 406828 412171 418290 424999 432423 0
Rye 17595 15748 13870 14419 15498 0
Sorghum 57794 58004 56327 63305 62231 0
Wheat 605365 617369 619124 614865 652947 0
1991280 2020291 2048494 2100600 2164605
Ending Stocks (1000 MT) Barley 32783 28641 21070 18259 28244 0
Corn 131811 124624 108845 128218 136033 0
Millet 600 200 240 250 250 0
Mixed Grain 1654 1536 507 868 1410 0
Oats 3550 3126 2813 3395 4316 0
Rice Milled 73152 75676 75391 78687 82659 0
Rye 3882 2639 1065 756 2437 0
Sorghum 4297 4524 4117 4418 5752 0
Wheat 150972 147636 127009 119371 148362 0
Wheat Durum 0 0 0 0 3680 0
402701 388602 341057 354222 413143
小麦の国際需給状況 コムギ
(単位百万トン)
200607 200708 200809 200910
年   度 (平成18年) ヘイセイネン (平成19年) ヘイセイネン (平成20年) ヘイセイネン (平成21年) ヘイセイネン
見込 予測
生 産 量 ショウサンリョウ 5957 6104 6827 6780
消 費 量 ケヒリョウ 6165 6169 6404 6468
期 末 在 庫 1298 1233 1656 1968
期末在庫率() 211 200 259 304
貿 易 量 リョウ 1116 1172 1430 1251
貿 易 比 率() 187 192 209 185
大麦の国際需給状況 オオ 穀物の国際需給状況 コクモツ
(単位百万トン) (単位百万トン)
200809 200910 201011 201314 201415 201516 201617 201718 201819 200506 200607 200708 200809 200910
(平成20年) ヘイセイネン 年   度 (平成21年) ヘイセイネン (平成22年) ヘイセイネン (平成25年) ヘイセイネン (平成26年) ヘイセイネン (平成27年) ヘイセイネン (平成28年) ヘイセイネン (平成29年) ヘイセイネン (平成30年) ヘイセイネン 年   度 (平成17年) ヘイセイネン (平成18年) ヘイセイネン (平成19年) ヘイセイネン (平成20年) ヘイセイネン (平成21年) ヘイセイネン
見込 ミコ 予測 見込 予測
1550 生 産 量 ショウサンリョウ 1508 1231 1443 1420 1498 1471 1437 1407 生 産 量 ショウサンリョウ 20176 20029 21230 22346 22185
1439 消 費 量 ケヒリョウ 1448 1362 1411 1425 1477 1503 1472 1418 消 費 量 ケヒリョウ 20216 20444 20952 21416 21879
315 期 末 在 庫 375 243 250 242 263 230 195 184 期 末 在 庫 3902 3435 3652 4474 4729
219 期末在庫率() 259 179 177 170 178 153 133 130 期末在庫率() 193 168 174 209 216
182 貿 易 量 リョウ 173 152 239 290 308 283 273 258 貿 易 量 リョウ 2534 2608 2756 2843 2662
117 貿 易 比 率() 115 123 166 204 206 193 190 183 貿 易 比 率() 126 130 130 127 120
穀物の国際需給状況 コクモツ
(単位百万トン)
2004 2005 2006 2007
年   度 05 06 07 08
見込 予測
【穀 物 計】 コクブツケイ
生 産 量 ショウサンリョウ 20189 20050 21167 21950
消 費 量 ケヒリョウ 20334 20533 21106 21741
期 末 在 庫 3886 3403 3464 3673
期末在庫率() 191 166 164 169
【うち小麦】 ショウムギ
生 産 量 ショウサンリョウ 6209 5963 6109 6763
消 費 量 ケヒリョウ 6242 6169 6195 6549
期 末 在 庫 1477 1271 1185 1399
期末在庫率() 237 206 191 214
Country Attribute Commodity 20042005 20052006 20062007 20072008 20082009 20092010
World Production (1000 MT) Barley 152674 136756 137430 133168 153539 0
Corn 715732 699101 712375 791492 791039 0
Millet 30947 32455 33529 34951 35619 0
Mixed Grain 16885 15213 13063 14616 15057 0
Oats 25667 23861 23163 25577 26191 0
Rice Milled 401435 418487 420633 431309 439081 0
Rye 17002 14492 12382 14245 17176 0
Sorghum 57529 58365 56628 63533 63792 0
Wheat 625700 620044 596101 610188 682865 0
Wheat Durum 0 0 0 0 3680 0
2043571 2018774 2005304 2119079 2228039
Exports (1000 MT) Barley 15098 18231 15328 15708 20175 0
Corn 77643 80966 93799 95466 76877 0
Oats 1901 1930 2114 2830 2304 0
Rye 854 610 709 556 560 0
Sorghum 5403 5379 5461 9237 4902 0
Wheat 111235 116756 111201 115377 123881 0
240641 254246 259958 269594 258464
TY Exports (1000 MT) Barley 16989 17428 14516 18412 19190 0
Corn 75964 82580 91199 96027 77925 0
Oats 1955 2254 2184 2742 2300 0
Rye 974 622 661 481 560 0
Sorghum 5366 5496 5780 8802 4950 0
Wheat 113210 113872 115500 115492 125165 0
243637 251744 261908 271184 259660
Exports (1000 MT) Rice Milled 28507 30374 31346 30420 29765 0
TY Exports (1000 MT) Rice Milled 29179 29492 32068 29228 29570 0
Domestic Consumption (1000 MT) Barley 143271 139989 144389 135872 142892 0
Corn 688190 704591 725361 773235 783288 0
Millet 30947 32855 33489 34941 35619 0
Mixed Grain 15972 15331 14092 14255 14515 0
Oats 25318 24233 23552 24709 25192 0
Rice Milled 406828 412171 418290 424999 432423 0
Rye 17595 15748 13870 14419 15498 0
Sorghum 57794 58004 56327 63305 62231 0
Wheat 605365 617369 619124 614865 652947 0
1991280 2020291 2048494 2100600 2164605
Ending Stocks (1000 MT) Barley 32783 28641 21070 18259 28244 0
Corn 131811 124624 108845 128218 136033 0
Millet 600 200 240 250 250 0
Mixed Grain 1654 1536 507 868 1410 0
Oats 3550 3126 2813 3395 4316 0
Rice Milled 73152 75676 75391 78687 82659 0
Rye 3882 2639 1065 756 2437 0
Sorghum 4297 4524 4117 4418 5752 0
Wheat 150972 147636 127009 119371 148362 0
Wheat Durum 0 0 0 0 3680 0
402701 388602 341057 354222 413143
小麦の国際需給状況 コムギ
(単位百万トン)
200809 200910 201011 201314 201415 201516 201617 201718 201819
(平成20年) ヘイセイネン 年   度 (平成21年) ヘイセイネン (平成22年) ヘイセイネン (平成25年) ヘイセイネン (平成26年) ヘイセイネン (平成27年) ヘイセイネン (平成28年) ヘイセイネン (平成29年) ヘイセイネン (平成30年) ヘイセイネン
見込 ミコ 予測
6836 生 産 量 ショウサンリョウ 6866 6496 7151 7304 7384 7564 7631 7330
6437 消 費 量 ケヒリョウ 6538 6534 6909 7051 7163 7398 7444 7421
1682 期 末 在 庫 2010 1980 1949 2223 2444 2609 2796 2705
261 期末在庫率() 307 303 282 315 341 353 376 365
1435 貿 易 量 リョウ 1356 1341 1625 1642 1728 1833 1812 1789
210 貿 易 比 率() 197 207 227 225 234 242 238 244
大麦の国際需給状況 オオ 穀物の国際需給状況 コクモツ
(単位百万トン) (単位百万トン)
200607 200708 200809 200910 200506 200607 200708 200809 200910
年   度 (平成18年) ヘイセイネン (平成19年) ヘイセイネン (平成20年) ヘイセイネン (平成21年) ヘイセイネン 年   度 (平成17年) ヘイセイネン (平成18年) ヘイセイネン (平成19年) ヘイセイネン (平成20年) ヘイセイネン (平成21年) ヘイセイネン
見込 予測 見込 予測
生 産 量 ショウサンリョウ 1364 1327 1539 1492 生 産 量 ショウサンリョウ 20176 20029 21230 22346 22185
消 費 量 ケヒリョウ 1428 1346 1437 1471 消 費 量 ケヒリョウ 20216 20444 20952 21416 21879
期 末 在 庫 208 192 293 313 期 末 在 庫 3902 3435 3652 4474 4729
期末在庫率() 146 143 204 213 期末在庫率() 193 168 174 209 216
貿 易 量 リョウ 154 155 199 173 貿 易 量 リョウ 2534 2608 2756 2843 2662
貿 易 比 率() 113 117 129 116 貿 易 比 率() 126 130 130 127 120
穀物の国際需給状況 コクモツ
(単位百万トン)
2004 2005 2006 2007
年   度 05 06 07 08
見込 予測
【穀 物 計】 コクブツケイ
生 産 量 ショウサンリョウ 20189 20050 21167 21950
消 費 量 ケヒリョウ 20334 20533 21106 21741
期 末 在 庫 3886 3403 3464 3673
期末在庫率() 191 166 164 169
【うち小麦】 ショウムギ
生 産 量 ショウサンリョウ 6209 5963 6109 6763
消 費 量 ケヒリョウ 6242 6169 6195 6549
期 末 在 庫 1477 1271 1185 1399
期末在庫率() 237 206 191 214
Country Attribute Commodity 20042005 20052006 20062007 20072008 20082009 20092010
World Production (1000 MT) Barley 152674 136756 137430 133168 153539 0
Corn 715732 699101 712375 791492 791039 0
Millet 30947 32455 33529 34951 35619 0
Mixed Grain 16885 15213 13063 14616 15057 0
Oats 25667 23861 23163 25577 26191 0
Rice Milled 401435 418487 420633 431309 439081 0
Rye 17002 14492 12382 14245 17176 0
Sorghum 57529 58365 56628 63533 63792 0
Wheat 625700 620044 596101 610188 682865 0
Wheat Durum 0 0 0 0 3680 0
2043571 2018774 2005304 2119079 2228039
Exports (1000 MT) Barley 15098 18231 15328 15708 20175 0
Corn 77643 80966 93799 95466 76877 0
Oats 1901 1930 2114 2830 2304 0
Rye 854 610 709 556 560 0
Sorghum 5403 5379 5461 9237 4902 0
Wheat 111235 116756 111201 115377 123881 0
240641 254246 259958 269594 258464
TY Exports (1000 MT) Barley 16989 17428 14516 18412 19190 0
Corn 75964 82580 91199 96027 77925 0
Oats 1955 2254 2184 2742 2300 0
Rye 974 622 661 481 560 0
Sorghum 5366 5496 5780 8802 4950 0
Wheat 113210 113872 115500 115492 125165 0
243637 251744 261908 271184 259660
Exports (1000 MT) Rice Milled 28507 30374 31346 30420 29765 0
TY Exports (1000 MT) Rice Milled 29179 29492 32068 29228 29570 0
Domestic Consumption (1000 MT) Barley 143271 139989 144389 135872 142892 0
Corn 688190 704591 725361 773235 783288 0
Millet 30947 32855 33489 34941 35619 0
Mixed Grain 15972 15331 14092 14255 14515 0
Oats 25318 24233 23552 24709 25192 0
Rice Milled 406828 412171 418290 424999 432423 0
Rye 17595 15748 13870 14419 15498 0
Sorghum 57794 58004 56327 63305 62231 0
Wheat 605365 617369 619124 614865 652947 0
1991280 2020291 2048494 2100600 2164605
Ending Stocks (1000 MT) Barley 32783 28641 21070 18259 28244 0
Corn 131811 124624 108845 128218 136033 0
Millet 600 200 240 250 250 0
Mixed Grain 1654 1536 507 868 1410 0
Oats 3550 3126 2813 3395 4316 0
Rice Milled 73152 75676 75391 78687 82659 0
Rye 3882 2639 1065 756 2437 0
Sorghum 4297 4524 4117 4418 5752 0
Wheat 150972 147636 127009 119371 148362 0
Wheat Durum 0 0 0 0 3680 0
402701 388602 341057 354222 413143
小麦の国際需給状況 コムギ
(単位百万トン)
200506 200607 200708 200809 200910
年   度 (平成17年) ヘイセイネン (平成18年) ヘイセイネン (平成19年) ヘイセイネン (平成20年) ヘイセイネン (平成21年) ヘイセイネン
見込 予測
生 産 量 ショウサンリョウ 6199 5957 6105 6827 6761
消 費 量 ケヒリョウ 6171 6186 6132 6333 6424
期 末 在 庫 1475 1276 1211 1639 1956
期末在庫率() 239 206 197 259 304
貿 易 量 リョウ 1166 1116 1172 1429 1232
貿 易 比 率() 188 187 192 209 182
大麦の国際需給状況 オオ 穀物の国際需給状況 コクモツ
(単位百万トン) (単位百万トン)
200506 200607 200708 200809 200910 200809 200910 201011 201112 201314 201415 201516 201617 201718 201819
年   度 (平成17年) ヘイセイネン (平成18年) ヘイセイネン (平成19年) ヘイセイネン (平成20年) ヘイセイネン (平成21年) ヘイセイネン (平成20年) ヘイセイネン 年   度 (平成21年) ヘイセイネン (平成22年) ヘイセイネン (平成23年) ヘイセイネン (平成25年) ヘイセイネン (平成26年) ヘイセイネン (平成27年) ヘイセイネン (平成28年) ヘイセイネン (平成29年) ヘイセイネン (平成30年) ヘイセイネン
見込 予測 見込 ミコ 予測
生 産 量 ショウサンリョウ 1363 1364 1327 1539 1492 22445 生 産 量 ショウサンリョウ 22434 22008 23208 24772 25588 25175 26619 26154 26065
消 費 量 ケヒリョウ 1405 1428 1346 1437 1471 21629 消 費 量 ケヒリョウ 22051 22319 23138 23904 24610 24550 26027 25985 26401
期 末 在 庫 276 208 192 293 313 4553 期 末 在 庫 4936 4625 4665 5285 6739 7365 7958 8126 7789
期末在庫率() 196 146 143 204 213 211 期末在庫率() 224 207 202 221 274 300 306 313 295
貿 易 量 リョウ 183 154 155 199 173 2836 貿 易 量 リョウ 2862 2841 3447 3719 3941 3769 4291 4117 4251
貿 易 比 率() 134 113 117 129 116 126 貿 易 比 率() 128 129 149 150 154 150 161 157 163
穀物の国際需給状況 コクモツ
(単位百万トン)
2003 2004 2005 2006 2007
年   度 04 05 06 07 08
見込 予測
【穀 物 計】 コクブツケイ
生 産 量 ショウサンリョウ 20436 20189 20050 21167 21950
消 費 量 ケヒリョウ 19955 20334 20533 21106 21741
期 末 在 庫 4031 3886 3403 3464 3673
期末在庫率() 202 191 166 164 169
【うち小麦】 ショウムギ
生 産 量 ショウサンリョウ 6257 6209 5963 6109 6763
消 費 量 ケヒリョウ 6068 6242 6169 6195 6549
期 末 在 庫 1511 1477 1271 1185 1399
期末在庫率() 249 237 206 191 214
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3 穀物の国際需給と国際価格の動向

(1)穀物の国際需給の動向

① 世界の中長期的な穀物の国際需給は

ア 総人口の継続的な増加緩やかな所得水準の向上等に伴う新興国及び途上国を中心とした食用飼料用需要の増加

イ 供給面では収穫面積の伸びがほぼ横ばいとなるものの単収増による生産の増加

等により需要と供給はほぼ拮抗すると見込まれていま

す農林水産政策研究所「2028年における世界の食料需給見通し」(平成31年3月)

② 201819年度(平成30年度)の穀物の国際需給は消費量が生産量を3千4百万トン上回ることが見込まれていますこのため期末在庫率はやや低下し295(対前年18ポイント)となることが見込まれています(表Ⅰ-3)

③ 201819年度(平成30年度)の小麦の生産量は作柄に恵まれた米国カナダ等で増加するもののロシアEU豪州等で減少が見込まれることから前年度を下回ると見込まれています

大麦の生産量はトルコ等で増加するもののロシアEU等で減少することから世界全体では前年度を下回ることが見込まれています

また201819年度(平成30年度)の小麦の消費量は生産量を上回ることから期末在庫率はやや低下するものの365(対前年11ポイント)と引き続き高水準となることが見込まれています(表Ⅰ-4)

大麦についても消費量が生産量を上回ることから期末在庫率はやや低下し130(対前年03ポイント)となることが見込まれています(表Ⅰ-5)

- 4 -

表Ⅰ-3 穀物の国際需給

表Ⅰ-4 小麦の国際需給

表Ⅰ-5 大麦の国際需給

資料注表Ⅰ-3に同じ

資料注表Ⅰ-3に同じ

(単位百万トン)201415 201516 201617 201718 201819(平成26年) (平成27年) (平成28年) (平成29年) (平成30年)

見込 予測25588 25175 26619 26154 2606524610 24550 26027 25985 264016739 7365 7958 8126 7789274 300 306 313 295

3941 3769 4291 4117 4251

154 150 161 157 163

年   度

貿 易 量貿 易 比 率()

生 産 量消 費 量期 末 在 庫

期末在庫率()

資料アメリカ農務省(2019年3月発表)穀物には小麦コメとうもろこし大麦オーツライ麦キビ等雑穀を含む

注1)期末在庫率()は消費量に対する在庫量の割合である2)貿易比率()は生産量に対する貿易量の割合である

(単位百万トン)201415 201516 201617 201718 201819(平成26年) (平成27年) (平成28年) (平成29年) (平成30年)

見込 予測7304 7384 7564 7631 73307051 7163 7398 7444 74212223 2444 2609 2796 2705315 341 353 376 365

1642 1728 1833 1812 1789

225 234 242 238 244

期末在庫率()

貿 易 量貿 易 比 率()

年   度

生 産 量消 費 量期 末 在 庫

(単位百万トン)201415 201516 201617 201718 201819(平成26年) (平成27年) (平成28年) (平成29年) (平成30年)

見込 予測1420 1498 1471 1437 14071425 1477 1503 1472 1418242 263 230 195 184170 178 153 133 130

290 308 283 273 258

204 206 193 190 183

生 産 量消 費 量期 末 在 庫

期末在庫率()

年   度

貿 易 量貿 易 比 率()

USDA(世界計)

資料アメリカ農務省(2010年1月発表)による注1)期末在庫率()は消費量に対する在庫量の割合である  2)貿易比率()は生産量に対する貿易量の割合である
資料アメリカ農務省(2010年1月発表)による注1)期末在庫率()は消費量に対する在庫量の割合である  2)貿易比率()は生産量に対する貿易量の割合である
world agricultural supply and demandworld market and trade (USDA 20101)による
資料アメリカ農務省(2014年1月発表)注1)期末在庫率()は消費量に対する在庫量の割合である  2)貿易比率()は生産量に対する貿易量の割合である

Sheet1

USDA(世界計)

資料アメリカ農務省(2010年3月発表)による注1)期末在庫率()は消費量に対する在庫量の割合である  2)貿易比率()は生産量に対する貿易量の割合である
資料アメリカ農務省(2010年1月発表)による注1)期末在庫率()は消費量に対する在庫量の割合である  2)貿易比率()は生産量に対する貿易量の割合である
world agricultural supply and demandworld market and trade (USDA 20101)による
資料アメリカ農務省(2010年3月発表)注1)期末在庫率()は消費量に対する在庫量の割合である  2)貿易比率()は生産量に対する貿易量の割合である

Sheet1

USDA(世界計)

資料アメリカ農務省(2010年3月発表)による注1)期末在庫率()は消費量に対する在庫量の割合である  2)貿易比率()は生産量に対する貿易量の割合である
world agricultural supply and demandworld market and trade (USDA 20101)による
資料アメリカ農務省(2010年3月発表)注1)期末在庫率()は消費量に対する在庫量の割合である  2)貿易比率()は生産量に対する貿易量の割合である

Sheet1

図Ⅰ-3 穀物の国際価格

注1)小麦とうもろこし大豆の価格はシカゴ商品取引所における各月第1金曜日の期近価格

2)1ブッシェル≒(大豆小麦272kgとうもろこし254)

3)図右端の数値は平成31年3月1日時点のものである

- 5 -

大豆

90

小麦

45

とうもろこし

36

(2)小麦の国際価格の動向

小麦の国際価格は主産地である北米豪州欧州黒

海沿岸地域等における天候及び作柄の変化にこれまで大

きく影響を受けています

直近では2018年(平成30年)7月中旬以降ロシア

EU等の乾燥による生産減少懸念等から上昇したもののそ

の後は世界的に潤沢な供給量等を背景に全体的に軟調に

推移し2019年(平成31年)3月上旬現在のシカゴ小麦先

物相場は4ドルブッシェル台半ばとなっています(図

Ⅰ-3)

10

30

50

70

H261 H267 H271 H277 H281 H287 H291 297 H301 307 H311

(3)為替の動向

日本円と米国ドルの為替は平成30年以降円安基調で推

移し平成31年に入ってからは一時円高となりましたが3

月上旬では113円ドル程度で推移しています(図Ⅰ-4)

(4)海上運賃の動向

海上運賃は平成28年以降上昇傾向で推移してきました

が平成30年11月からは燃料油価格の下落を受けて軟調に推

移しています(図Ⅰ-5)

- 6 -

図Ⅰ-4 為替の推移

資料三菱東京UFJ銀行の公表資料注図右端の数値は平成30年3月4日時点のものである

資料TRAMP Data Service Co Ltd 「WORLD MARITIME ANALYSIS WEEKLY REPORT」注1)2万トン級のフレート

2)図右端の数値は平成30年3月4日時点のものである

図Ⅰ-5 海上運賃の推移

図Ⅰ-4 為替の推移

円米ドル

ドルトン

70

80

90

100

110

120

130

H261 H267 H271 H277 H281 H287 H291 H297 H301 H307 H311

表Ⅰ-6 外国産食糧用小麦の銘柄別輸入量

注1)数量は決算ベース2)四捨五入の関係で計と内訳が一致しない場合がある3)( )内の数量はSBS方式により輸入された数量で内数である

4 外国産食糧用麦の輸入状況

外国産食糧用麦については国内産食糧用麦では量的又は質的に満たせない需要分について政府が国家貿易により計画的に輸入し需要者に売り渡しています現在の主な輸入先国はアメリカカナダ豪州の3か国と

なっています

(1)小麦

外国産食糧用小麦の輸入量は国内産小麦の作柄や輸出国

における輸送状況等により変動し近年は450万~520万トン

程度で推移しています(表Ⅰ-6)

(2)大麦及びはだか麦

外国産食糧用大麦及びはだか麦の輸入量は近年は20万~

25万トン程度で推移しています(表Ⅰ-7)

(単位千トン)

- 7 -

注1)数量は決算ベース

2)四捨五入の関係で計と内訳が一致しない場合がある

表Ⅰ-7 外国産食糧用大麦及びはだか麦の銘柄別輸入量(単位千トン)

ウェスタンホワイト 610 775 683 631 (23) 711

ハードレッドウィンター(115) 727 855 790 807 891

ダークノーザンスプリング 877 1245 850 831 (59) 1198

その他 (1) 28 (1) 1 (3) 3 (6) 6 (16) 16

計 (1) 2242 (1) 2877 (3) 2327 (6) 2276 (98) 2815

ウェスタンレッドスプリング 1228 1258 1527 1547 1355

デュラム (210) 210 (222) 222 (219) 219 (175) 193 (186) 186

その他 (3) 3 (3) 3 (1) 1 (1) 1 (2) 2

計 (213) 1441 (225) 1484 (220) 1747 (176) 1742 (188) 1543

スタンダードホワイト 759 794 737 755 797

プライムハード (83) 83 (83) 83 (84) 84 (64) 64 (80) 80

その他 (0) 2 (0) 0 (28) 28 (5) 15 (0) 0

計 (83) 844 (83) 877 (111) 848 (68) 833 (80) 877

(6) 6 (7) 7 (7) 7 (8) 8 (6) 6

(304) 4532 (316) 5245 (343) 4929 (259) 4858 (372) 5242

豪州

その他

26

合  計

平成25年度 28 2927

アメリカ

カナダ

25 26 27 28 29

二条大麦 - 1 1 1 11

六条大麦 1 2 1 2 2

はだか麦 2 3 2 8 20

計 3 5 4 11 33

二条大麦 15 13 9 14 7

六条大麦 39 53 46 40 36

はだか麦 1 1 2 4 5

計 54 67 58 58 48

二条大麦 146 174 168 180 152

はだか麦 - - 0 0 1

計 146 174 168 180 153

- - 2 2 2

203 245 232 250 236合 計

年度

アメリカ

カナダ

豪州

その他

図Ⅰ-6 政府売渡価格の構成

5 外国産食糧用麦の売渡方式

(1)外国産食糧用小麦の政府売渡

外国産食糧用小麦の政府売渡については平成19年4月以降輸入価格(過去の一定期間における輸入価格の平均値)にマークアップ(政府管理経費及び国内産小麦の生産振興対策に充当)を上乗せした価格で売り渡す「相場連動制」に移行しました(表Ⅰ-8図Ⅰ-6)

表Ⅰ-8 政府売渡価格改定ルール

項 目 基本的なルール

価格改定 現在年2回(4月期10月期)

買付価格算定期間 直近6か月間

- 8 -

輸入価格

政府売渡価格

小麦の国際価格や海上運賃為替等により変動

マークアップ

(輸 入 差 益)

港 湾 諸 経 費

買 付 価 格

(3)食糧麦備蓄対策事業

即時販売方式の導入後は製粉企業等が23か月分の外国産

食糧用小麦の備蓄を行った場合国が18か月分の保管経費を

助成しています(図Ⅰ-7)

また不測の事態が生じた場合には国は製粉企業等に

対して備蓄する外国産食糧用小麦の取崩しの指示等を行い

ます

図Ⅰ-7 食糧麦備蓄対策事業のスキーム(2)即時販売方式

外国産食糧用小麦の売渡しについては平成22年10月以降輸入した小麦を直ちに製粉企業等に販売し製粉企業等が一定期間備蓄することとなっています

- 9 -

6 外国産食糧用小麦の政府売渡価格の動向

外国産食糧用小麦の政府売渡価格は穀物の国際相場や海上

運賃為替等の動向を反映した買付価格に連動して年2回改

定されています

平成30年10月期の政府売渡価格は輸入小麦の平均買付価格

(平成30年3月第2週~9月第1週)が①米国及び豪州の一

部の地域の乾燥による減収懸念等から小麦の価格が上昇②燃

料油価格の影響により海上運賃が上昇したことにより前期

に比べ上昇したことから5銘柄加重平均(税込価格)で

55560円トン対前期比22の引上げとなりました

また平成31年4月期の政府売渡価格は輸入小麦の平均買

付価格(平成30年9月第2週~平成31年3月第1週)が①小

麦の国際価格に大きな変動がない中②為替は円安傾向であっ

たものの海上運賃が下落したことにより前期に比べ低下し

たことまたTPP11協定に基づきカナダ豪州産小麦

にマークアップの引下げを適用したことから5銘柄加重平均

(税込価格)で54630円トン対前期比17の引下げとなり

ました(表Ⅰ-9)

表Ⅰ-9 外国産食糧用小麦の政府売渡価格

注1)5銘柄加重平均価格は税込み価格である2)5銘柄とはアメリカ産ダークノーザンスプリング(主にパン中華麺用)カ

ナダ産ウェスタンレッドスプリング(主にパン用)アメリカ産ハードレッドウィンター(主にパン中華麺用)オーストラリア産スタンダードホワイト(主に日本麺用)アメリカ産ウェスタンホワイト(主に菓子用)

時 期5銘柄加重平均価格

(円トン)対前期比()

平成29年4月期 50690 +46

平成29年10月期 52510 +36

平成30年4月期 54370 +35

平成30年10月期 55560 +22

平成31年4月期 54630 17

- 10 -

Ⅱ 小麦粉麦製品の生産と価格の動向

資料平成21年度までは農林水産省「米麦加工食品生産動態統計調査年報」平成22年度からは農林水産省「食品産業動態調査」及び農林水産省「製粉精麦工場需給実績報告」平成21年度以降の麦茶の生産量については全国麦茶工業協同組合調べ

注1)麺類及びパン類の生産量は小麦粉使用量でその他は製品生産量である2)小麦粉精麦及び麦茶の生産量は年度の計でありその他は暦年の計である

(単位千トン)

表Ⅱ-1 小麦粉麦製品の生産量の推移

1 小麦粉麦製品の生産量

小麦粉の生産量は460万~470万トンで安定的に推移してい

ます(表Ⅱ-1)

小麦の二次加工製品のうち

① パン類の生産量は平成22年以降プライベートブラン

ドの菓子パンや高価格帯食パンの人気等により堅調に推

移しています

② 麺類の生産量は平成23年には東日本大震災による即

席麺の需要増等から増加しましたその後冷凍麺や外食

産業での消費増等により平成30年は147万トンと増加し

ています

③ ビスケットの生産量は平成20年から26年までは24万ト

ン前後で推移しました平成27年は円安の影響による輸入

量の減少等に伴い増加しその後は25万トン程度で推移し

ています

焼酎みそ主食用に仕向けられる精麦の生産量は平成16

年度まで本格焼酎ブームにより増加傾向で推移しましたがそ

の後の焼酎用需要の低迷等により減少しました近年は主食用

の需要の伸びにより17万トン前後で推移しています

一方平成28年(2016年)以降健康志向等を背景に大麦及

びはだか麦の需要が増加しています特に水溶性食物繊維

(大麦β-グルカン)が豊富なもち性はだか麦の需要は平成

29年(2017年)半ば以降は落ち着いてきたものの引き続き高

い水準で推移しています(図Ⅱ-1 )

- 11 -

図Ⅱ-1 もち麦を使用した製品の販売額の推移(首都圏)

区分

前年 前年 前年 前年 前年 前年

増減率 増減率 増減率 増減率 増減率 増減率

年 (年度計) () (暦年計) () (暦年計) () (暦年計) () (年度計) () (年度計) ()

平成12 4623 01 1279 23 1421 09 223 19 161 45 49 89

13 4607 03 1272 05 1441 14 218 21 164 19 51 41

14 4591 03 1245 21 1421 13 210 39 177 75 51 00

15 4662 15 1247 01 1425 02 219 43 189 71 45 118

16 4667 01 1243 03 1414 08 214 20 212 118 47 44

17 4623 09 1232 09 1368 32 213 05 201 51 47 00

18 4599 05 1218 11 1324 32 218 24 196 25 47 00

19 4684 18 1211 06 1319 03 225 29 197 06 48 21

20 4564 26 1181 24 1277 32 240 70 173 120 50 42

21 4612 11 1179 02 1265 10 243 10 168 29 48 40

22 4725 25 1196 15 1251 11 241 06 161 45 52 83

23 4708 04 1215 16 1283 26 243 06 155 35 54 38

24 4654 11 1219 03 1269 11 239 14 164 60 55 19

25 4694 09 1226 06 1324 43 237 12 158 37 66 200

26 4683 02 1234 07 1371 35 244 33 162 25 66 00

27 4702 04 1234 00 1396 19 259 59 162 04 68 30

28 4683 04 1238 03 1409 09 258 05 169 44 60 118

29 4703 04 1254 13 1445 26 252 22 172 20 64 67

30 - - 1221 27 1473 19 259 30 - - - -

精麦 麦茶小麦粉 パン類 麺類 ビスケット

資料日本経済新聞デジタルメディア社による首都圏のスーパーマーケットなど119店におけるPOSデータに基づき農林水産政策研究所において集計

図Ⅱ-2 小麦粉麦製品の価格(消費者物価指数)の変化

資料総務省「消費者物価指数」(全国)

(参考) 家計に占める小麦関連製品の支出 (単位円世帯)

資料総務省「家計調査」(全国二人以上の世帯)

年間計(平成30年)

1か月平均

消 費 支 出 3447783 287315食 料 952172 79348

小 麦 関 連 製 品 計 82108 6842パ ン 30555 2546

め ん 類 17369 1447小 麦 粉 596 50

菓子類(ビスケット等) 11397 950調理食品(調理パン) 5352 446

外食(うどん等) 16839 1403

(平成27年=100)

2 小麦粉麦製品の価格の動向

小麦粉及び麦関連製品の価格は輸入小麦の政府売渡価

格の引上げ等による原材料費の上昇人件費や物流費の上

昇等の影響を受け平成30年以降小麦粉及びパンの価格

は上昇傾向にあります(図Ⅱ-2)

- 12 -

85

90

95

100

105

110

食料品総合 パン めん類 小麦粉

表Ⅱ-2 麦製品の輸入量の推移(参考1) 麦製品の輸入動向

(1)小麦粉調製品

小麦粉に砂糖脱脂粉乳等を混合した小麦粉調製品の輸

入量は平成11年以降デフレに伴う低価格品需要の拡大

により増加傾向で推移してきましたが麦の国際相場の

高騰に伴う輸入価格の上昇等により平成18年から平成20年

にかけて減少しましたその後も減少傾向で推移しており

平成30年は8万3千トンの輸入量となっています

(2)麦加工製品

①マカロニスパゲッティ

マカロニスパゲッティについては国内の全体需要が

増加する中で輸入量が増加傾向で推移してきました

平成30年は過去最高の輸入量であった前年からは減少

し13万8千トンとなっています

②ビスケット

ビスケットの輸入量は平成25年以降円安の影響を受

けて減少していましたが平成28年度以降増加傾向にあり

平成30年の輸入量は2万5千トンとなっています

資料財務省「貿易統計」注小麦粉調製品は穀粉が占める割合が85以下のものの輸入量

なお小麦粉調製品のうち加糖のものは一般に菓子類菓子パン類等の原料として利用され無糖のものは麺類等の原料として使用される

(単位千トン)

- 13 -

対前年 対前年 対前年 対前年 対前年

増減率 増減率 増減率 増減率 増減率

() () () () ()

平成12 107 118 85 92 97 26 45 95 108 11 123

13 121 126 75 99 81 27 51 93 25 13 209

14 126 131 35 102 30 29 52 101 94 15 142

15 116 133 13 101 06 31 82 108 63 21 400

16 108 136 28 98 32 38 222 112 35 25 219

17 110 140 26 98 01 42 90 110 17 24 49

18 116 139 09 99 12 39 59 110 02 24 23

19 118 117 155 87 128 30 224 104 49 23 56

20 104 100 144 72 173 29 60 127 219 18 221

21 94 102 23 73 15 30 42 116 85 17 83

22 88 107 40 73 07 33 119 121 36 19 173

23 80 108 12 78 59 30 90 134 115 22 143

24 80 106 16 78 02 28 63 142 58 22 07

25 97 100 53 73 64 28 25 133 68 18 182

26 105 98 21 73 02 25 83 133 03 17 74

27 121 94 40 69 55 25 03 132 08 14 166

28 109 91 32 65 58 26 40 145 99 19 348

29 112 92 05 65 02 27 14 150 32 24 296

30 110 83 92 59 85 24 110 138 75 25 23

国 名輸入割合()

国 名輸入割合()

国 名輸入割合()

国 名輸入割合()

国 名輸入割合()

韓国 409 韓国 528 シンガポール 442 イタリア 465 インドネシア 242

シンガポール 202 フランス 151 米国 126 トルコ 355 中国 205

フランス 114 シンガポール 105 韓国 114 米国 142 マレーシア 84

米国 75 中国 78 ニュージーランド 98 ギリシャ 20 ベトナム 63

中国 57 米国 55 豪州 69 アラブ首長国連邦 10 イタリア 55

国 名対前年増減率()

国 名対前年増減率()

国 名対前年増減率()

国 名対前年増減率()

国 名対前年増減率()

韓国 10 韓国 13 シンガポール 221 イタリア 107 インドネシア 202

シンガポール 124 フランス 92 米国 136 トルコ 45 中国 76

フランス 87 シンガポール 108 韓国 30 米国 09 マレーシア 245

米国 116 中国 546 ニュージーランド 87 ギリシャ 152 ベトナム 137

中国 543 米国 98 豪州 344 アラブ首長国連邦 135 イタリア 119

30

輸入上位5カ国

区分

為替レー

円ドル)

小麦粉調製品 麦加工製品

加糖のもの 無糖のもの マカロニスパゲッティ ビスケット

(参考2) 麦製品の輸出動向

麦製品の輸出量のうちその大部分を占める小麦粉の輸出量

は近年主要輸出先国の製粉技術の向上や現地製粉工場の立

上げ等により減少傾向で推移し平成30年は約16万トンとなっ

ています(表Ⅱ-3)

表Ⅱ-3 麦製品の輸出量の推移

資料財務省「貿易統計」

(単位トン)

- 14 -

対前年増減率()

対前年増減率()

対前年増減率()

309594 75 376 431 1028 375

321028 37 315 162 967 59

319968 03 253 197 953 14

318706 04 410 621 1052 104

304465 45 328 200 769 269

289911 48 1054 2213 719 65

290033 00 1196 135 762 60

255377 119 1150 38 1098 441

187040 268 743 354 1198 91

185403 09 822 106 898 250

196183 58 770 63 974 85

191480 24 607 212 698 283

192598 06 598 15 780 117

168205 127 573 42 769 14

166311 11 571 04 861 120

157938 50 553 32 1249 451

158896 06 549 07 1287 30

167600 55 532 32 778 395

163640 24 535 06 894 148

国 名輸出割合

() 国 名輸出割合

() 国 名輸出割合

()

香港 496 香港 888 中国 483シンガポール 207 中国 43 香港 314ベトナム 96 韓国 21 台湾 64

タイ 59 米国 17 ベトナム 37台湾 58 台湾 11 シンガポール 29

国 名対前年増減率() 国 名

対前年増減率() 国 名

対前年増減率()

香港 175 香港 26 中国 251シンガポール 583 中国 62 香港 329ベトナム 135 韓国 437 台湾 59

タイ 81 米国 1047 ベトナム 418台湾 47 台湾 261 シンガポール 449

24

30

輸出上位5カ国

25

181920212223

2627282930

17

  区分

小麦粉マカロニスパゲッティ

スイートビスケット

平成1213141516

(参考3) 麦製品の生産動向

麦製品の生産量は食パンや乾麺のように生産量が減少している製品もある一方で菓子パンや即席麺冷凍麺のように生産量が増加している製品もあることから使用される小麦粉の数量は平成22年以降概ね横ばい傾向で推移しています麦製品は食生活の多様化や簡便性といった消費者ニーズを

捉えつつ継続した新製品の開発がなされており新たな定番となる商品の登場や期間限定の商品やイベントなどが消費者の購買を促進していると考えられます(図Ⅱ-3表Ⅱ-4)

表Ⅱ-4 麦製品の生産量の推移

(単位千トン)

- 15 -

資料平成21年度までは農林水産省「米麦加工食品生産動態統計調査年報」平成22年度からは農林水産省「食品産業動態調査」及び農林水産省「製粉精麦工場需給実績報告」冷凍麺の生産量は(一社)日本冷凍食品協会調べ

注1)麺類及びパン類の生産量は小麦粉使用量で冷凍麺は製品生産量である2)小麦粉は年度の計でありその他は暦年の計である

区分

パ ン 麺 類 冷凍麺

小麦粉 食パン菓子パ

ンその他のパン

生麺 乾麺 即席麺

年度計 暦年計 暦年計 暦年計 暦年計 暦年計 暦年計 暦年計 暦年計 暦年計

昭和45 3422 970 469 - - - 514 327 267 -

50 3978 1062 588 251 63 - 541 289 335 -

55 4079 1189 687 285 89 1334 610 275 325 -

60 4243 1178 653 291 133 1397 659 297 316 9

平成2 4338 1193 661 321 146 1407 687 274 316 41

7 4633 1220 623 368 178 1456 729 268 314 120

12 4623 1279 619 382 235 1421 687 235 343 190

22 4725 1196 576 375 215 1251 555 203 332 257

23 4708 1215 580 392 215 1283 548 209 361 270

24 4654 1219 580 392 221 1269 542 204 363 283

25 4694 1226 598 384 218 1324 562 213 386 314

26 4683 1234 608 387 214 1371 578 213 410 318

27 4702 1234 605 403 201 1396 624 195 414 308

28 4683 1238 604 403 206 1409 652 186 419 308

29 4703 1254 602 409 218 1445 691 186 416 313

30 - 1221 585 401 211 1473 712 188 420 -

〔低糖質製品〕

〔多種多様な携帯サンドイッチ〕

〔手軽な冷凍麺〕

図Ⅱ-3 麦製品の商品事例

H18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29

製粉工場数 124 122 121 119 117 118 117 114 109 104 102 98

製粉企業数 100 98 98 96 94 95 94 90 88 83 81 77

うち輸入小麦取扱製粉工場数 91 91 90 90 87 87 86 83 78 76 74 73

うち輸入小麦取扱製粉企業数 67 67 67 65 64 64 64 60 57 55 53 52

50

70

90

110

130

150製粉工場数

製粉企業数

うち輸入小麦取扱製粉工場数

うち輸入小麦取扱製粉企業数

3 製粉企業の状況

(1)大手製粉企業及び中小製粉企業の動向

① 大手製粉企業4社の小麦粉の生産量は全体の78を占

めておりこれに年間小麦粉生産量が3万トン以上の企業

の生産量を加えた13社ベースでは全体の90を占めてい

ます

② 大手製粉企業は生産設備の臨海工場への集約化を進め

つつ工場の大規模化合理化を推進しています

平成29年度の1工場当たりの生産量は17万トンまた

稼働率は89となっています

③ 年間小麦粉生産量3万トン以上の中小製粉企業は工場

のほとんどが臨海地域に立地し小麦粉を域内の二次加工

メーカー等に供給しています

平成29年度の1工場当たりの生産量は約6万トン稼働

率は67となっています

④ 年間小麦粉生産量1千トン以上3万トン未満の中小製粉

企業は主に内陸に位置し小麦粉を地元のパン麺等の

加工業者に供給するほか乾麺等の製造を兼ねるものも多

くなっています

平成29年度の1工場当たりの生産量は13万トンと大

手製粉企業の約14分の1稼働率は35となっています

⑤ 年間小麦粉生産量1千トン未満の中小製粉企業は輸入

小麦を取り扱わない企業が大部分を占め国内産小麦のみ

を使用し麺用や菓子用に供給しています

表Ⅱ-5 大手製粉企業中小製粉企業の小麦粉生産等の動向

資料農林水産省調べ注四捨五入の関係で計と内訳が一致しない場合がある

(参考)製粉企業数と工場数の推移(企業工場)

- 16 -

3万トン以上1千トン以上3万トン未満

1千トン未満

平成24 94 4 90 9 50 31

29 77 4 73 9 38 26

24 4853 3679 1174 536 636 3

29 4877 3801 1075 569 504 2

24 100 758 242 110 131 01

29 100 779 221 117 103 00

24 3245 1177 2068 632 1360 76

29 2806 1057 1749 581 1114 54

24 1496 3126 568 848 468 39

29 1738 3596 615 980 452 44

24 415 1533 126 596 120 01

29 498 1728 142 569 126 01

24 692 887 414 709 311 42

29 731 888 454 670 347 46

全体 大手製粉

中 小 製 粉年間生産量

稼働率()

製粉企業数

小麦粉生産量(千トン)

生産シェア()

従業員数(人)

従業員一人当たりの生産量

(トン)

一工場当たりの生産量(千トン)

(2)製粉企業のコスト削減や品質安全性の向上に向けた取組

製粉企業は生産能力の増強によるコスト削減や品質安全性の向上に向けた取組を進めています(図Ⅱ-4)

また国も農業競争力強化プログラムを策定し製粉企業の取組みを支援しています(図Ⅱ-5)

① 供給能力の強化等によるコストダウン

製粉企業は供給能力の強化生産性の向上と原料小麦の受入体制の整備によるコストダウンを図るため製粉工場や原料サイロの増強等の設備投資を行っています

② 資本業務の提携

製粉企業の中には他の製粉企業と資本業務提携を行うこと等により原料調達規模の拡大や生産の効率化等による競争力の強化を図る取組もみられます

③ 品質安全性の向上

製粉企業は近年消費者の安全安心への関心が高まる中食品の品質安全性を確保するための設備やAIB食品安全システムの導入ISO認証の取得等様々な取組を行っています

④ 工場の集約化

大手製粉企業は内陸工場を閉鎖し海外からの原料調達に有利な臨海工場への集約を進めるとともに臨海工場の生産能力を増強させる等生産性の向上を図っています

⑤ 海外市場への進出

製粉企業の中にはアジア大洋州地域における買収や工場増設等海外市場に積極的な進出をする取組もみられます

① 供給能力の強化等によるコストダウン 日清製粉は関東地区の小麦サイロ収容力の増強を進め更なる原料小麦の安定供給を推進するため鶴見工場の原料小麦サイロを増設(平成28年)

日本製粉は神戸甲南工場の原料サイロの新設等(平成24年)千葉工場の原料サイロの増設(平成26年)を行い今後原料サイロを福岡工場及び知多新工場へ新設神戸甲南工場(第2期)へ増設する予定

千葉製粉は新たな顧客ニーズへの対応付加価値製品の創出等を図るため専用ラインを新設(平成27年)

② 資本業務提携 資本業務提携を行っている製粉企業

増田製粉所(兵庫) hArr 日東富士製粉

木田製粉(北海道)内外製粉(三重)奥本製粉(大阪)セントラル製

粉(愛知) hArr 昭和産業

東福製粉(福岡) hArr 日本製粉

③ 品質安全性の向上 多くの製粉企業がISO9001(品質マネジメントシステム)ISO22000(食品安全マネジメントシステム)の認証を受けることにより品質管理や食品安全管理を実施

④ 工場の集約化 日清製粉は生産性向上のため内陸工場を順次閉鎖し臨海工場への集約化を推進

筑後工場(福岡)鳥栖工場(佐賀) rarr 福岡工場(福岡)へ集約

(平成26年)

名古屋工場の2ライン rarr 知多工場(愛知)の新ラインへ集約

(平成27年)

日本製粉は生産性向上のため総生産能力の80を臨海部の大型工場に集約

⑤ 海外市場への進出状況(平成30年度) 日清製粉は豪州の小麦粉市場においてトップシェアを持つアライドピナクル社を買収またタイでは子会社の日清STC製粉がタイの製粉工場を買収するとともにベトナムでは業務用プレミックスの生産工場を建設することを決定

昭和産業はベトナムに新たにプレミックス製造会社を設立し生産工場を建設することを決定

図Ⅱ-4 製粉企業の各種取組の事例

- 17-

⑥ 再編合理化の取組

製粉企業の中には国の支援を活用した再編合理化の取

組もみられます

⑦ 地産地消の推進

中小製粉企業は地域とのつながりの強さや独自の立地

条件を活かした特色ある経営を模索する中で生産者と協

力した積極的な地産地消の取組を進めています

⑦ 地産地消の推進

岩手県主な実施者岩手県学校給食会岩手県パン工業組合県内製粉企業取 組 内 容 平成28年度から地元県産小麦(銀河のちからゆきちから)を

100使用した学校給食用パンを県内の小中学校に提供開始埼玉県

主な実施者埼玉産小麦ネットワーク「SWING group」(県内製粉企業が中心となり生産者加工業者販売業者等180社が加盟)

取 組 内 容 埼玉県産小麦のブランド価値を高めることなどを目的として埼玉県産小麦を自社製品に利用することで高付加価値商品の開発による自社の発展などを目指すとともに研修会の実施やイベントホームページなどを通じた消費者への情報提供を実施

京都府主な実施者地元製粉企業京都府全農京都府本部生産者府内製麺製

パン業者飲食店取 組 内 容 平成30年産から京都府産小麦品種を「せときらら」へ全面切替を

行ったことを機にブランド名を「京小麦」とし「京小麦」を100使用したメニューを参加店舗にて提供するイベント「京小麦の収穫祭」を平成31年1月21日から2月17日まで開催

福岡県主な実施者福岡県ラー麦普及推進協議会(県JA全農ふくれん県内製粉

業者5社製麺業者関係団体)取 組 内 容 以下の取組によりラーメン用小麦「ラー麦」を普及推進

産地への生産技術の普及指導 小麦品質評価最適製粉加工方法の検討 利用や消費を促進するための普及宣伝(試

食イベント等) 毎年産の製粉製麺適性評価および食味

官能評価の実施 平成21年に本小麦の名称「ラー麦」とロ

ゴデザインを商標登録しブランド化

- 18 -

2 生産者が有利な条件で安定取引を行うことができる流通加工の業界構造の確立

(1)生産者に有利な流通加工構造の確立現在の食料需給消費の実態等を踏まえた効率的機能

的で農業者と消費者双方がメリットを受けられる流通加工構造を確立するため以下のとおり取り組む

その際農林水産省経済産業省をはじめ政府一体となって取り組む①~⑦ (略)⑧ 加工業については生産性の低い工場が乱立している

種類の加工業界(製粉乳業等)について国は国際競争に対応できる生産性の確保を目指した業界再編設備投資等を推進することとし政府系金融機関の融資農林漁業成長産業化支援機構の出資等による支援を行う

⑨ 上記改革を推進するため農産物の流通加工に関し国の責務業界再編に向けた推進手法等を明記した法整備を進める

⑩ 上記改革を推進するため金融機関による流通加工関連産業の生産性向上に資する経営支援や資金供給の促進政府系金融機関や農林漁業成長産業化支援機構等との連携強化等を図る

図Ⅱ-5 農業競争力強化プログラム(抜粋)

(平成28年11月29日 農林水産業地域の活力創造本部決定)

⑥ 再編合理化の取組

製粉工場の廃棄撤去製粉施設の一部又は全部を撤去しミックス粉等の関連事業を拡大

(製粉工場等再編合理化事業(平成2728年度7件))

図Ⅲ-1 国内産小麦の収穫量と作付面積の推移

表Ⅲ-1 小麦の主な作付品種(平成29年産)

Ⅲ 国内産麦の生産と流通の動向

1 国内産麦の生産状況

(1)小麦

① 作付面積

近年の国内産小麦の作付面積は約21万haと横ばいで推移して

います平成30年産の作付面積は北海道は121万ha都府県

は91万ha全国では212万haとなり前年産並となっていま

② 収穫量

平成30年産の国内産小麦の収穫量は主産地の北海道での6

月中旬から7月中旬にかけての低温日照不足の影響により登

熟不良となったこと等から前年産に比べ北海道で134万ト

ン(22)減少都府県では05万トン(2)減少全国

では139万ha(15)減少の768万トンとなり(図Ⅲ-1)

10a当たりの平均収量対比は91となりました

③ 小麦の作付品種の状況

栽培品種については各産地の気候条件や用途等に適した品

種が作付されており29年産では日本麺用では「きたほなみ」

「さとのそら」「シロガネコムギ」といった品種パン

中華麺用では「春よ恋」「ゆめちから」といった品種が上位

を占めています(表Ⅲ-1)

資料農林水産省「作物統計」品種毎の面積は農林水産省政策統括官調べ

注品種の育成年についてはシロガネコムギは農林認定が行われた年

それ以外の品種は出願公表が行われた年としている

資料農林水産省「作物統計」30年産の数値は概算値

- 19 -

(千トン)

年産

910 881

674

571

746

858 812

852

1004

791

907

768

210 209 208 207 212 209 210 213 213 214 212 212

100

120

140

160

180

200

220

240

260

280

300

0

200

400

600

800

1000

H19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30

収穫量 作付面積(千ha)

品種名 育成年 作付面積(千ha) 割合 主な作付地域

きたほなみ 平成19年 878 41 北海道

さとのそら 平成21年 159 7 関東東海

シロガネコムギ 昭和49年 152 7 九州近畿

春よ恋 平成11年 143 7 北海道

ゆめちから 平成20年 137 6 北海道

上位5品種計 1469 69

小麦作付面積 - 2123

図Ⅲ-2 国内産大麦及びはだか麦の収穫量と作付面積の推移

表Ⅲ-2 大麦及びはだか麦の主な作付品種(平成29年産)

(2)大麦及びはだか麦

① 作付面積

近年国内産大麦及びはだか麦の作付面積は約6万と横ば

いで推移しており平成30年産は前年産と比較すると二条

大麦は前年産並六条大麦は800ha(4)減少はだか麦

で460ha(9)増加となり全体では340ha(1)減少の

61万haとなりました(図Ⅲ-2)

② 収穫量

平成30年産の大麦及びはだか麦の収穫量は二条大麦及びは

だか麦はおおむね天候に恵まれ生育が順調で登熟も良好

であったこと等から前年産に比べ二条大麦は01万トン

(1)増加はだか麦は01万トン(8)増加となりました

六条大麦については北陸地方において大雪の影響で融雪時期

が遅れたこと等により穂数が少なくなり前年産に比べ14万

トン(26)減少しました

この結果大麦及びはだか麦の収穫量は合計で173万トンと

なり前年産に比べて12万トン(6)減少となりました

(図Ⅲ-2)

③ 大麦及びはだか麦の作付品種の状況

栽培品種については各産地の気候条件や用途等に適した品

種が作付されており29年産では二条大麦はビール用の「サ

チホゴールデン」六条大麦は主食用や麦茶用の「ファイ

バースノウ」はだか麦は麦味噌用の「マンネンボシ」いっ

た品種が上位を占めています(表Ⅲ-2)

資料農林水産省「作物統計」30年産の数値は概算値

- 20 -

(千トン)

資料農林水産省「作物統計」農林水産省調べ

注品種の育成年についてはシュンライイチバンボシは農林認定が行われ

た年それ以外の品種は出願公表が行われた年としている

195 217

179 161

172 172 183

170 177 170 185

173

54 57 58 59 60 60 59 60 61 61 61 61

0

10

20

30

40

50

60

70

80

90

100

0

50

100

150

200

250

H19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30

収穫量 作付面積 (千ha)

年産

麦種 品種名 育成年作付面積(千ha)

割合 主な作付地域

二条大麦

サチホゴールデン 平成18年 189 31 九州関東中国

はるしずく 平成17年 44 7 九州

ニシノホシ 平成11年 27 4 九州

六条大麦

ファイバースノウ 平成13年 107 17 北陸関東東海

シュンライ 平成2年 33 5 関東東北近畿

カシマゴール 平成22年 13 2 関東東海

はだか麦

マンネンボシ 平成13年 15 2 四国

イチバンボシ 平成4年 14 2 四国九州

トヨノカゼ 平成18年 11 2 九州中国

大麦はだか麦作付面積

- 614

資料農林水産省調べ

Aランク評価項目の基準値を3つ以上達成しかつ許容値を全て達成している麦Bランク評価項目の基準値を2つ達成しかつ許容値を全て達成している麦Cランク評価項目の基準値を1つ達成しかつ許容値を全て達成している麦

評価項目の基準値を2つ以上達成しているものの許容値を達成していない麦DランクA~Cランクのいずれにも該当しない麦

【評価項目】①小麦 日本麺用パン中華麺用(たんぱく灰分容積重フォーリングナンバー)

醸造用(たんぱく3項目容積重)②二条大麦 主食等用(容積重細麦率白度正常粒率)

麦茶用(たんぱく3項目細麦率)③六条大麦はだか麦 主食等用(容積重細麦率白度硝子率)

麦茶用(たんぱく3項目細麦率)

(参考) 麦の品質区分

(単位)

- 21 -

(2)品質評価

たんぱく質や灰分の含有率等に基づく品質評価結果につい

ては平成30年産の小麦ではAランクが899となってお

り過去5年平均(Aランク比率849)と比べ5ポイン

ト高くなっています

また平成30年産の大麦はだか麦ではAランクが

849となっており過去5年平均(Aランク比率832)

と比べ17ポイント高くなっています(表Ⅲ-4)

表Ⅲ-4 平成30年産麦の品質評価結果

2 国内産麦の品質状況

(1)農産物検査① 平成30年産の小麦について全国の1等比率は761

(平成30年12月末時点)と過去5年平均799と比較して低くなっています(表Ⅲ-3)

② 平成30年産の小粒大麦大粒大麦はだか麦及びビール大麦について1等比率は大粒大麦を除き過去5年平均と比較して低くなっています(表Ⅲ-3)

表Ⅲ-3 国内産麦の1等比率の推移(単位)

Aランク Bランク Cランク DランクAランク

過去5年平均(平成25~29年産)

小 麦 899 67 33 01 849

大麦はだか麦

849 37 108 06 832

注1)各年産翌年4月末時点の値であるただし平成30年産は30年12月末時点の値である

2)強力小麦の検査数量を含む値である

3 国内産麦に対する支援

平成31年度は経営所得安定対策等の対策のうち主に畑作

物の直接支払交付金と水田活用の直接支払交付金により国内

産麦に対する支援が行われます

(1)畑作物の直接支払交付金

畑作物の直接支払交付金として麦を生産する農業者に対

し標準的な生産費と標準的な販売価格の差額分を直接交付

することとしています

支払いは当年産の麦の品質及び生産量に応じて交付する

数量払を基本とし当年産の麦の作付面積に応じて交付する

面積払(営農継続支払)を数量払の先払いとして交付する仕

組みにしています

数量払の交付単価は品質に応じた単価を設けており需要

に応じた生産と品質に対する営農努力を適切に反映させる仕

組みになっています(表Ⅲ-5)

表Ⅲ-5 畑作物の直接支払交付金の麦の交付単価

(円単位数量)

品質区分(等級ランク)

1等 2等

A B C D A B C D

小麦(パン中華麵

用品種)(60kg当たり)

9040 8540 8390 8330 7880 7380 7230 7170

小麦(パン中華麺用品種以外)(60kg当たり)

6740 6240 6090 6030 5580 5080 4930 4870

二条大麦(50kg当たり) 5550 5130 5010 4960 4690 4270 4140 4090

六条大麦(50kg当たり) 6030 5610 5480 5430 5000 4580 4460 4410

はだか麦(60kg当たり) 8650 8150 8000 7910 7080 6580 6430 6350

(参考)

【平均交付単価小麦6940円60kg二条大麦5490円50kg六条大麦5720円50kg

はだか麦8230円60kg】

②面積払

当年産の作付面積に応じて交付 2万円10a

①数量払(品質に応じた単価)

- 22 -

【平成31年産に適用】

標準的な生産費

差額

ゲタ交付単価

標準的な販売価格

【交付単価のイメージ】lt畑作物の直接支払交付金のイメージgt

面積払(数量払の際に控除されます)

数量払

収量

交付金額

(2)水田活用の直接支払交付金

水田のフル活用を推進し食料自給率自給力の向上を図

るため水田で麦を生産する農業者に対しては畑作物の直

接支払交付金に加え水田活用の直接支払交付金(35000円

10a)を直接交付することとしています(表Ⅲ-6)

表Ⅲ-6 水田活用の直接支払交付金の交付単価

作 物 単 価

麦大豆飼料作物 35000円10a

WCS(ホールクロップサイレージ)用稲 80000円10a

加工用米 20000円10a

飼料用米米粉用米収量に応じ

55000円~105000円10a

このほか「産地交付金」により地域で作成する水田フル活用ビジョンに基づき二毛作や耕畜連携を含め産地づくりに向けた取組を支援します

戦略作物助成

注実需者等との出荷販売契約等を締結すること出荷販売することが要件

- 23 -

4 国内産食糧用麦の流通動向

(1)取引の概要

国内産食糧用麦は加工原料としての商品特性から需要に応じて計画的に生産できるようは種前契約に基づく取引が行われています

まず取引の指標となる透明性のある適正な価格を形成するためは種前に販売予定数量の3~4割(具体の比率は民間流通地方連絡協議会の協議を踏まえ決定)について入札が行われます残りは相対取引が行われておりその価格については入札で形成された指標価格(落札加重平均価格)を基本として取引当事者間で決められています(図Ⅲ-3)

また取引を円滑に進めるため生産者需要者等で構成される民間流通連絡協議会において取引に必要な情報交換取引に係る基本事項の見直し等が行われています(表Ⅲ-7)

今後とも国内産食糧用麦については円滑な流通が確保されるようは種前契約を基本としつつ適切に対応していきます

図Ⅲ-3 国内産食糧用麦の基本的な流通フロー

表Ⅲ-7 国内産食糧用麦の入札の仕組み

項 目 概 要 見直しの変遷

実施主体 一般社団法人 全国米麦改良協会

実施時期 は種前に2回実施(8~9月)平成13年産から1回rarr2回へ見直し

上場数量

産地銘柄別に販売予定数量が小麦3千トン以上大麦はだか麦1千トン以上の銘柄についてその30~40を上場(ほかに希望上場あり)

平成31年産から30rarr30~40へ見直し

基準価格

小麦は前年産の落札加重平均価格に当年産の入札実施時点での外国産麦の政府売渡価格の変動率を乗じた価格大麦はだか麦は前年産の落札加重平均価格

小麦の外国産麦との連動は平成24年産から実施

値幅制限 基準価格のplusmn10

小麦平成12年産~16年産plusmn5平成17年産~21年産plusmn7平成22年産plusmn10平成23年産plusmn30平成24年産~ plusmn10大麦はだか麦平成12年産~18年産plusmn5平成19年産~21年産plusmn7平成22年産plusmn10平成23年産plusmn15平成24年産~ plusmn10

取引価格の事後調整(小麦のみ)

外国産食糧用小麦の政府売渡価格の改定(410月)に合わせては種前の入札又は相対により契約された価格に外国産食糧用小麦の政府売渡価格の変動率を乗じて取引価格を改定

平成23年産から実施

申込限度数 量

買い手別に上場数量times買受実績シェアtimes145

小麦は平成17年産から大麦及びはだか麦は平成19年産から135rarr145へ見直し

相対取引入札で形成された指標価格を基本に生産者団体と需要者の間で協議決定

平成19年産から過去の実績シェアに基づく取引ルールを廃止

再入札

第1回入札及び第2回入札において落札残数量が発生した場合は売り手の希望により再度入札に付すか相対による契約を行うかいずれかの方法をとることができる

平成25年産から売り手の申し出により再入札における入札の値幅を設定できること等を規定

生産者団体から販売予定数量需要者団体から購入希望数量の相互提示

入札取引の実施(販売予定数量の約3~4割)

相対取引の実施(販売予定数量の約6~7割)

は 種(秋まき春まきは収穫年の4月)

収 穫 及 び 検 査

生産者団体と需要者の間では種前に契約を締結

需 要 者 へ 引 渡 し

<生産の流れ>

麦の生育期間

<契約の流れ>

は種前契約に基づき計画的に作付(は種)

収穫前年7月~

8~9月

9月~

~12月

6~8月

6月~

収穫年26年産から国内産麦の需要拡大を図るため地域の食文化のブランド化等による高付加価値化の取組等に対し安定的な原料供給が可能となる需要拡大推進枠を導入

- 24 -

表Ⅲ-8 国内産食糧用麦の供給量 (単位千トン)

注集荷団体からの聞き取り数量である

(2)流通の動向

平成30年産の国内産食糧用小麦の供給量は前年産から

約14万4千トン減少し約70万1千トンとなっています

また国内産食糧用大麦及びはだか麦の供給量は前年

産から約3千トン減少し約10万3千トンとなっています

(表Ⅲ-8)

生産者側から提示された平成31年産麦の販売予定数量は

国内産食糧用小麦で約82万4千トン国内産食糧用大麦及

びはだか麦で約10万8千トンとなっています

一方需要者側から提示された平成31年産麦の購入希望

数量は国内産食糧用小麦で約86万3千トン国内産食糧

用大麦及びはだか麦で約13万トンとなっています(表Ⅲ-

9)

表Ⅲ-9 国内産食糧用麦の販売予定数量及び購入希望数量の推移(単位千トン)

資料民間流通連絡協議会調べ注四捨五入の関係で差し引きが一致しないことがある

- 25 -

年産 20 21 22 23 24 25 26 27 28 2930

(見込)

小   麦 841 639 532 694 811 767 808 946 734 845 701

大麦はだか麦 125 100 84 98 93 105 103 103 92 106 103

年産 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31

販売予定数量① 887 906 909 951 948 909 905 880 820 846 834 824

購入希望数量② 833 880 818 859 904 869 751 802 834 875 880 863

①-② 54 25 91 91 44 40 154 78 14 29 46 39

(①-②)①() 61 28 100 96 47 44 170 89 18 34 55 47

販売予定数量① 121 132 134 127 122 116 110 112 113 112 108 108

購入希望数量② 199 219 135 149 147 138 141 149 145 138 148 130

①-② 78 87 1 23 26 21 31 37 32 26 39 22

(①-②)①() 640 660 06 179 209 182 282 330 284 234 363 204

表Ⅲ-10 国内産食糧用麦の入札結果の推移

資料一般社団法人全国米麦改良協会調べ

注1価格は税込み(26年産までは527年産以降は8)である

ただし31年産の落札価格は一般社団法人全国米麦改良協会公表の価格(税抜き)を基に農林水産省で税込み価格を算出

5 国内産食糧用麦の価格の動向

(1)平成31年産の入札の概要

平成31年産麦の入札は第1回は平成30年9月12日に第

2回は平成30年9月26日に実施されました

麦種別の入札結果をみると小麦は上場数量約21万4千

トンのうち約20万4千トンが落札(落札率954)され落

札価格は61714円トン(対前年産比1151)となりました

小粒大麦は上場数量約1万1千トンのうち約1万1千

トンが落札(落札率991)され落札価格は46560円トン

(対前年産比997)となりました

大粒大麦は上場数量約7千8百トンのうち5千6百トン

が落札(落札率717)され落札価格は46923円トン(対

前年産比879)となりました

はだか麦は上場数量約2千3百トンのうち約2千1百

トンが落札(落札率897)され落札価格は50817円トン

(対前年産比961)となりました(表Ⅲ-10)

なお国内産小麦については近年消費者の国産志向の高

まりなどを受け大手外食チェーンや2次加工メーカーが国

内産小麦を使用したパン中華麺等の商品を相次いで発表す

るなど人気が高まってきていますこれらを背景として平

成31年産小麦の落札価格は多くの銘柄で値幅制限の上限付

近となっておりまた申込倍数も14倍と高いものとなって

います

- 26 -

20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31

上場数量

(トン)①243510 243020 242310 251370 250980 244880 244320 234010 213360 221380 218500 214200

落札数量

(トン)②234930 238410 189350 247770 245320 220590 188240 192240 201140 214060 210560 204420

落札率

②①965 981 781 986 977 901 770 822 943 967 964 954

落札価格

(円トン)43229 59885 55241 48732 58340 49333 49319 49770 54164 51570 53624 61714

対前年産比 1064 1385 922 882 1197 846 1000 1009 1088 952 1040 1151

上場数量

(トン)①12240 13590 14210 13300 11760 11220 11290 11930 12210 12200 11750 11040

落札数量

(トン)②12050 13510 14040 13170 11550 10850 10900 11830 12090 12200 11440 10940

落札率

②①984 994 988 990 982 967 965 992 990 1000 974 991

落札価格

(円トン)45479 59709 53448 45871 46485 46453 46290 47595 47565 46880 46708 46560

対前年産比 1084 1313 895 858 1013 999 996 1028 999 986 996 997

上場数量

(トン)①10020 9690 10330 9290 9000 8700 7210 7620 7450 7620 6880 7810

落札数量

(トン)②8880 8920 8910 7990 7990 7830 6480 7130 6600 6700 6340 5600

落札率

②①886 921 863 860 888 900 899 936 886 879 922 717

落札価格

(円トン)36532 50492 46097 39649 40394 41582 42881 45740 47827 50442 53384 46923

対前年産比 1059 1382 913 860 1019 1029 1031 1067 1046 1055 1058 879

上場数量

(トン)①2910 3150 3030 3260 3060 2830 2840 2890 2740 2660 2570 2330

落札数量

(トン)②2910 3150 3030 3090 3020 2830 2810 2810 2520 2600 2470 2090

落札率

②①1000 1000 1000 948 987 1000 989 972 920 977 961 897

落札価格

(円トン)42222 58527 61489 52791 51905 52294 49656 47712 46547 48527 52876 50817

対前年産比 1063 1386 1051 859 983 1007 950 961 976 1043 1090 961

年産

小麦

小粒大麦(六条大麦)

大粒大麦(二条大麦)

はだか麦

平成31年産国内産食糧用小麦の入札結果をみると産地別銘柄別

の需給状況等を反映して落札価格に差が生じています

代表的な銘柄である北海道産「きたほなみ」は前年産の価格を

153上回る64752円トン香川県産「さぬきの夢2009」は前

年産の価格を152上回る73186円トンとなりましたまたパ

ン中華麺用の北海道産「ゆめちから」は前年産の価格を180

上回る62777円トン北海道産「春よ恋」は前年産の価格を

180上回る68792円トンとなりました(図Ⅲ-4図Ⅲ-5)

図Ⅲ-4 平成31年産国内産食糧用小麦の産地別銘柄別落札価格

資料農林水産省調べ注外国産小麦5銘柄加重平均価格は平成30年4月期の輸入小麦の政府売渡価格である

(2)平成31年産国内産食糧用小麦の産地別銘柄別落札価格の動向

資料農林水産省調べ注1国内産小麦の価格は(一社)全国米麦改良協会が実施する民間流通麦にかかる入札の第1回第2回

及び再入札の落札加重平均価格(税込み)年産の下段の( )内は当該第1回入札の実施年月である注2外国産小麦の価格は18年までは当該年度平均の実績価格であり19年以降は民間流通麦にかかる第

1回入札の実施年月時点での輸入小麦の政府売渡価格(5銘柄平均)である注3ホクシン(きたほなみ)については22年産までは「ホクシン」の価格であり23年産からは「きたほ

なみ」の価格である注4さぬきの夢については24年産までは「さぬきの夢2000」の価格であり25年産からは「さぬきの夢

2009」の価格である注5農林61号(さとのそら)については23年産までは「農林61号」の価格であり24年産からは「さとの

そら」の価格である

図Ⅲ-5 国内産食糧用小麦の産地別銘柄別落札価格の推移

- 27 -

(単位円トン税込み)

30000

60000

北海道ゆめちから 62777

福岡ミナミノカオリ 68393

滋賀農林61号 50763

茨城さとのそら 46310

佐賀チクゴイズミ 52193

岩手ゆきちから 39929

全銘柄落札加重平均 61714

香川さぬきの夢2009 73186

北海道きたほなみ 64752

外国産小麦5銘柄加重平均 54370

群馬さとのそら 48669

北海道キタノカオリ 63090

大分チクゴイズミ 48265

福岡シロガネコムギ 50643

佐賀シロガネコムギ 47998

40000

福岡チクゴイズミ 52203

滋賀ふくさやか 49534

岐阜イワイノダイチ 46874

埼玉さとのそら 47159

宮城シラネコムギ 44607

群馬つるぴかり 49785

北海道春よ恋 68792

愛知きぬあかり 50114

北海道はるきらり 60201

50000

埼玉あやひかり 46072

岐阜さとのそら 45919

70000

30000

40000

50000

60000

70000

80000

90000

100000

110000

120000

130000

12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 年産

(単位円トン税込み)

北海道ホクシン

香川さぬきの夢200973186円

茨城農林61号

香川さぬきの夢2000

茨城さとのそら

46310円

北海道きたほなみ

64752円

北海道ゆめちから

62777円

外国産小麦

5銘柄平均

54370円

北海道春よ恋

68792円

(128) (138) (148) (158) (168) (178)(1810) (199) (208)(2110)(2212) (239) (2410)(2510)(269)(279) (289) (299)(119) (309)

6 国内産麦の新品種の育成状況

(1)国内産麦については縞萎縮病抵抗性や耐倒伏性を備え

需要者等のニ-ズに合った新品種の開発が進められています

また作付け面積が1万haを超える「ゆめちから」「さとの

そら」をはじめ多数の品種が生産現場に導入されています

(図Ⅲ-6)

(2)今後とも赤かび病抵抗性や穂発芽耐性が高い小麦品種

小麦粉の色相や製粉性が優れる日本麺用小麦品種パンの膨

らみがカナダ産「1CW」並の小麦品種焼酎押麦味噌

などの加工適性が高い大麦品種等の開発を推進します

小麦品種「ゆめちから」及び「さとのそら」は優れた栽培特性

と加工適性を備えており作付けが拡大しています(平成29年

推定値「ゆめちから」約1万2千ha「さとのそら」約1万5

千ha)

パン用小麦品種の開発近年国産の小麦粉を使ったパンの需要増加に応えるためグルテンやでん粉の組成などパンの膨らみに関連する特性に注目した育種が進められていますその結果平成25年に製パン適性が「1CW」に近く多収の「せときらら」平成29年にはパン生地の力が強く穂発芽耐性や赤かび抵抗性が改良された「夏黄金」が育成されました

加工適性の高い大麦品種の開発機能性成分β-グルカンを多く含むもち性大麦の需要の高まりに応えるため平成29年に「はねうまもち」が育成されましたまた高品質なはだか麦の需要増加に対応して平成24年に味噌加工適性の高い「ハルヒメボシ」が育成されました

図Ⅲ-6 平成19年以降に育成された麦類の主な新品種

日本麺用小麦ゆめきらり

パン用小麦ゆめかおり福井県大3号

六条大麦ホワイトファイバー

北信越

日本麺用小麦あおばの恋

パン用小麦銀河のちから

東北

日本麺用小麦さとのそらきぬあかり

パン用小麦ゆめかおり

二条大麦とちのいぶき彩の星アスカゴールデンニューサチホゴールデン

六条大麦カシマゴール

はだか麦キラリモチ

関東東海

日本麺用小麦ふくはるかさぬきの夢2009

パン用小麦ゆめちからせときらら

はだか麦ハルヒメボシ

近畿中国四国

中華麺用小麦ちくしW2号

二条大麦煌二条白妙二条はるか二条トヨノホシ

九州

日本麺用小麦きたほなみ

中華麺用小麦つるきち

パン用小麦ゆめちからはるきらり

二条大麦札育2号

北海道

新品種のうち平成30年産で概ね100ha以上作付けされていると推定される品種を選定(農林水産省調べ)

- 28 -

7 国内産麦を利用した製品の動向

食料自給率の向上を図るためには国内産麦の需要開拓を行う

ことが必要です最近の消費者の国産志向の高まりや生産者と実

需者が一体となった地産地消の推進地域農業の振興を図る取り

組み等から国内産麦を使った麦製品(パン麺等)が増えてき

ており中には国内産麦を100使用した商品もあります(図Ⅲ-

7)

- 29 -

8 民間流通制度の運用改善

国内産麦の人気の高まりにより近年需要量が生産量を上回

る状況が継続しており国内産麦を積極的に使用したい実需者が

必要量を確保できない等の課題もあります

このような課題に対応するため民間流通連絡協議会において

入札上場比率の選択制の導入需要拡大推進枠設定の要件緩和

相対取引需要拡大推進枠において多様な取組が可能であること

の明確化等民間流通制度の運用改善が行われました(図Ⅲ-

8)

ピッツァ専用粉(北海道)(小麦)地元の製粉企業が北海道産小麦(きたほなみキタノカオリゆめち

から)を100使用した国内で初めてのピッツァ専用粉を開発平成30年2月に都内で試食会を開催し平成30年5月から販売

ピッツァ専用粉(群馬県)(小麦)地元の製粉企業が地元のピッツァ専門店ピッツァ窯メーカーと協力

して品質改良を重ね群馬県産小麦(さとのそらつるぴかりきぬの波)を100使用したピッツァ専用粉を平成30年4月から発売ピッツァイベントやイタリアン食材の展示会に出展

学校給食用パン(東京都)(小麦)都学校給食会の「学校給食パン加工規格」による配合基準に基づき国

内産小麦を100使用した学校給食パンを平成27年度から都内の一部の小中学校で提供を開始平成28年度からは都内全域の規格として採用

〇 市販用中華麺(愛知県)(小麦)地元の製粉企業が自社製品として愛知県産小麦きぬあかりを100使用

した中華麺を平成30年6月から自社通販で販売平成30年8月から一般販売を開始

フランスパン用粉(佐賀県)(小麦)近県製粉企業が農研機構と共同で育成した九州地域等の暖地温暖地

向けのフランスパン加工適性に優れる準強力小麦品種「さちかおり」を100使用したフランスパン用粉を平成30年8月から発売

市販用ゆで麺(長崎県)(小麦)地元の製麺企業近県製粉企業県生麺協同組合JA県等が連携し

平成26年3月に「長崎県育成麦活用開発協議会」を立ち上げ長崎県産長崎W2号(商標登録名長崎ちゃん麦)を100使用したちゃんぽん用のゆで麺を平成29年4月に製品化原料小麦の生産量が整った段階での本格販売を予定

もち性大麦を使用した機能性表示食品(静岡県)(大麦)地元の精麦企業が国内産もち性大麦でβ-グルカン量の多い銘柄を使用し

炊飯用精麦を製品化機能性表示食品として平成29年1月に届出し十分な原料を手当でき次第随時販売予定

〇 もち性大麦を使用したシリアル(愛知県)(大麦)地元の精麦企業が食物繊維が20を超える愛知県産もち性大麦「ワキ

シーファイバー」を使用した国内産もち麦100シリアルを開発平成30年4月から販売開始

図Ⅲ-7 国内産麦を100使用した商品事例

図Ⅲ-8 民間流通制度の運用改善のポイント

0

50

100

150

200

250

300

350

400円千人

大手製パンメーカーA社が国内産小麦100使用の新製品を発売

大手製食品スーパーB社が国内産小麦100使用の新製品をPBで発売

大手製パンメーカーA社が国内産小麦100使用の製品を初めて発売

(参考)国内産小麦を利用した製品の販売状況

(1)国内産小麦100使用の食パンの販売額

大きなシェアを占めるにはいたっていないものの国内産

小麦を100使用した食パンの販売金額の推移を見ると新製

品が登場する度に国内産小麦100使用の食パン市場が拡大し

ています(図Ⅲ-9)

図Ⅲ-9 国内産小麦100使用の食パンの販売額の推移(首都圏)

資料日本経済新聞デジタルメディア社による首都圏のスーパーマーケットなど100店舗におけるPOSデータに基づき農林水産政策研究所において集計

注食パンのうち国内産小麦を100使用していることが明らかな製品のみ計上菓子パン等は含んでいない

表Ⅲ-11 生麺ゆで麺(チルド)の販売金額のシェア(首都圏平成30年)

資料日本経済新聞デジタルメディア社による首都圏のスーパーマーケットなど120店舗におけるPOSデータに基づき農林水産政策研究所において集計

(2)生麺ゆで麺(チルド)の販売金額

生麺ゆで麺全体で上位15製品の売上高に占める国内産

小麦使用表示のある製品のシェアは30となっていますま

た主要な麺製品のうどんラーメン冷やし中華焼そば

全てで国内産小麦使用製品がランクインしています(表Ⅲ

-11)

2013年 2014年 2015年 2016年 2017年 2018年 2019年

                      (単位)

製品の種類製造企業の規模産地表示販売金額シェア

焼そば大手製品(国内産小麦使用表示なし) 99そば大手製品(国内産小麦使用表示なし) 27冷やしラーメン大手製品(国内産小麦使用表示なし) 20うどん大手製品(北海道産小麦使用表示あり) 20ラーメン大手製品(北海道産小麦使用表示あり) 14冷やし中華大手製品(国内産小麦使用表示なし) 14うどん大手製品(国内産小麦使用表示あり) 13焼そば大手製品(国内産小麦使用表示なし) 12焼うどん大手製品(国内産小麦使用表示なし) 12うどん大手製品(国内産小麦使用表示あり) 11焼そば大手製品(国内産小麦使用表示あり) 11そうめん大手製品(国内産小麦使用表示あり) 10うどんPB製品(北海道産小麦使用表示あり) 10つけ麺大手製品(国内産小麦使用表示なし) 10冷麺中小製品(国内産小麦使用表示なし) 10

303

14

89

15上位15製品の売上高に占める国内産小麦使用表示のある製品の

シェア

順位

1

10111213

234567

- 30 -

図Ⅲ-10 外食産業等と連携した農産物の需要拡大対策事業(麦類)

9 国内産麦の需要拡大イベント及び情報発信の取組

近年生産者と実需者等が連携し国内産麦を使用した製品が

数多く開発販売されており各地でイベント等の需要拡大の

取組みが行われております

また農林水産省としては平成30年度産地と外食事業者等

が連携して行う国内産麦を活用した新商品の開発試作製

造するために必要な取組を支援する「外食産業等と連携した農

産物の需要拡大対策事業」を一般社団法人全国米麦改良協会を

実施主体として行っているところです

農林水産省のホームページにおいてこれらのイベント等につい

て情報発信を行うとともに一般社団法人全国米麦改良協会が

開設している国産麦応援情報ホームページでの情報提供等を

行っています(図Ⅲ-10~12)

「国内産麦使用試作品全国統一試食会商談会」開催日平成31年2月12日~19日(土日を除く)場 所むぎくらべ(東京都千代田区神田小川町)

内 容平成29年度補正予算事業「外食産業等と連携した農産物の需要拡大対策事業」の一環として行われた国内産麦を使用した試作品の試食会商談会

「国内産麦使用試作品全国統一試食会商談会」で出品された試作品

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第8回全国ご当地うどんサミットin 熊谷 開催日平成30年11月10日~11日 場 所熊谷スポーツ文化公園にぎわい広

場(埼玉県) 内 容全国の国内産小麦を使用した「ご

当地うどん」が一堂に集まりグランプリを決定

図Ⅲ-11 全国各地で開催されたイベント 図Ⅲ-12 一般社団法人 全国米麦改良協会の取組

国産麦応援情報ホームページ「日本の麦の底力」内容国産小麦粉ブランド名鑑国産小麦の逸品イベント情報研究

情報等を掲載URL httpnihonnomugicom

北海道小麦キャンプ2018 in オホーツク 開催日平成30年7月10日~11日 場 所ホテル黒部を主会場としたオホーツ

ク管内(北海道) 内 容国内産小麦北海道産小麦の魅力

を全国に広めることを目的にバスツアーやパン講習会などを実施

麦わらぼうしフェスタ 開催日平成30年11月4日 場 所笠原産業株式会社(栃木県) 内 容国内産小麦を使用したうどんパン

などの試食販売うどん教室などを実施

第7回 信州粉もん祭り 開催日平成30年11月11日 場 所JAながの ちくま埴生支所(長野県) 内 容長野県産小麦を使用した「粉もん料

理」が大集合粉もん試食会や手打ちうどん講習会 などを実施

国内産麦アンテナショップ「むぎくらべ」内容国内産麦を使用した商品のPRと販売の場を提供するものとして

平成30年7月東京都千代田区にオープン

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オープニングセレモニーには上月前農林水産大臣政務官(写真中央)も出席

10 食料農業農村基本計画における麦の位置付け

平成27年3月31日に平成37年度を目標とする「食料農業

農村基本計画」が閣議決定され小麦は95万トン大麦はだ

か麦は22万トンの生産努力目標が設定されています(表Ⅲ-

12)

食料消費の見通し 生産努力目標(万トン) 克服すべき課題

1人1年当たり消費量

(kg人年)

国内消費仕向量

(万トン)

平成25年度

平成37年度

平成25年度

平成37年度

平成25年度

平成37年度

小麦 33 32 699 611 81 95

国内産小麦の需要拡大に向けた産地形成やブランド化

実需者ニーズに対応した生産流通体制の確立

新品種新技術の開発導入輪作体系の最適化排水対策等による収量品質の高位安定化

農地の集積集約化経営規模の拡大に対応した省力化に資する技術の開発導入等による生産コストの低減

大麦はだか麦

03 02 208 213 18 22

外国産大麦が多く用いられている焼酎用等の国内産麦の需要拡大

実需者ニーズに対応した生産流通体制の確立

新品種新技術の開発導入輪作体系の最適化排水対策等による収量品質の高位安定化

農地の集積集約化経営規模の拡大に対応した省力化に資する技術の開発導入等による生産コストの低減

表Ⅲ-12 麦の平成37年度における食料消費の見通し及び生産努力目標

資料「食料農業農村基本計画」(平成27年3月閣議決定)注1)国内消費仕向量には飼料用等の食糧用以外の用途への仕向量を含む

2)大麦はだか麦の国内消費仕向量及び生産努力目標にはビール大麦を含む

- 33 -

Ⅳ 米粉に関する動向

1 生産動向

米粉用米の生産量は平成25年産以降2万トン前後で推移していましたが平成29年度以降は約3万トンまで回復しています(表Ⅳ-1)

2 需要拡大に向けた対応

米粉用米の利用量は平成24年度以降年間2万数千トンで推移していましたがグルテンを使用しない米粉商品の開発や新たな米加工品(α化米粉米ゲルなど)の保湿性や粘性に着目した商品の開発「米粉の用途別基準」や「ノングルテン米粉製品第三者認証制度」の運用開始により平成29年度は25千トン30年度は31千トンに増加しています(表Ⅳ-2)

今後の更なる国内海外の需要拡大のためノングルテン米粉や用途別基準に適合する高品質な日本産米粉の流通を契機とした魅力ある新商品の開発や日本産米粉の優位性の情報発信等を推進する必要があります

表Ⅳ-1 上位5県の米粉用米の生産量と作付面積の推移

(参考) 米粉及び小麦粉の販売価格(税抜き)

米粉100~290円kg程度

(小麦粉 100円kg程度)

注1)平成26~29年度については新規需要米取組計画を認定した全需要者からの聞き取り注2)平成30年度については新規需要米取組計画を認定した主要な需要者からの聞き取り

により推計

表Ⅳ-2 米粉用米の利用量(需要者からの聞き取り)

- 34 -

資料26~29年産は新規需要米生産集出荷数量30年産は新規需要米取組計画

認定数量(農林水産省)

(単位千トン)

26年度 27年度 28年度 29年度 30年度見込

22 23 23 25 31

(単位千トン千ha)

26年産 27年産 28年産 29年産 30年産

生産量 59 97 87 130 107作付面積 11 18 15 24 19生産量 10 10 09 30 31作付面積 02 02 02 06 06生産量 08 10 00 19 30作付面積 01 02 00 03 06生産量 10 12 12 12 16作付面積 02 03 02 02 03生産量 20 24 07 12 13作付面積 03 04 01 02 02生産量 184 230 190 284 281作付面積 34 42 34 53 53

秋田県

全国計

新潟県

埼玉県

栃木県

群馬県

農林水産大臣は米穀の新用途への利用の促進に関する基本方針を定める

生産製造連携事業計画

生産者 製造事業者 促進事業者

必須

米穀の新用途への利用の促進に関する法律

米穀の新用途への利用の促進に関する基本方針

関係者が連携して計画を作成米穀の新用途への利用の促進に関する基本方針に照らし適切な計画について農林水産大臣が認定(計画期間は3~5年)

図Ⅳ 米粉用米に対する支援措置

3 米粉用米に対する支援

① 米粉用米についてはその利用の拡大を図るために平成21年に「米穀の新用途への利用の促進に関する法律」が制定されました同法に基づく「生産製造連携事業計画」の認定を受け「農山漁村

活性化計画」の採択を受けた取組に対して米粉用米の生産加工に必要な施設整備等の支援を行っています

② 米粉用米の生産者に対しては水田活用の直接支払交付金による支援を行っていますまたノングルテン米粉表示や米粉の用途別基準により需要者ニーズに合った高品質な米粉の製造や輸出拡大の取組を支援しています

③ 平成31年度は国内海外の需要獲得に向け引き続き魅力ある新商品開発を推進するほか日本産米粉の優位性の情報発信やノングルテン米粉の製造手法マニュアルの作成など輸出を含めた日本産米粉の需要拡大に向けた取組を支援していくこととしています

予 算 措 置

【水田活用の直接支払交付金】水田を活用して米粉用米等の作物を生産する農業者に対し交付金を直接交付 (米粉用米収量に応じ55万円~105万円10a)

【農山漁村振興交付金】米粉飼料用米の生産加工に係る施設整備に対し交付金を交付(補助率定額12)

【持続的生産強化対策事業】

日本産米粉の優位性の情報発信ノングルテン米粉の製造手法マニュアルの作成米粉用米生産者と製造事業者とのマッチング

等の取組を支援

金 融 措 置

【日本政策金融公庫による低利融資】(食品安定供給施設整備資金)

米粉製造施設米粉を原料とした食品の製造加工施設等への融資

(輸出を含めた日本産米粉の需要拡大支援事業)

(補助率定額)

【外食産業等と連携した需要拡大対策事業】

国産農林水産物食品の輸出等需要フロンティアの開拓を図るため産地と複数年契約を締結する民間企業(外食加工業者)に対し国産農林水産物を活用した新商品の開発やそれに必要な技術開発等を支援 (補助率定額12)

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【農林水産物食品輸出促進緊急対策事業】コメ海外市場拡大戦略プロジェクトに参加する輸出産地や輸出事業者等が連携して戦略的に取り組む中国等の海外市場開拓プロモーション等を支援

(補助率定額12)

品目 現在の関税率 合意内容

小麦

枠内税率無税+マークアップ

枠外税率55円kg

現行の国家貿易制度を維持するとともに枠外税率(55円kg)を維持

既存のWTO枠に加え米国(15万(7年目以降))【不適用】カナダ(53万(同))豪州(5万(同))にSBS方式の国別枠を設定

マークアップを9年目までに45削減

大麦

枠内税率無税+マークアップ

枠外税率39円kg

現行の国家貿易制度を維持するとともに枠外税率(39円kg)を維持

既存のWTO枠に加えSBS方式のTPP枠(65万(9年目以降))を設定

マークアップを9年目までに45削減

1 TPP11協定概要(麦)(平成30年12月30日発効)

Ⅴ TPP11及び日EUEPAの協定概要(麦関係)

(参考主な麦製品)

現在の関税率合意内容

税率 枠数量

いった小麦小麦粉等

(国家貿易品目)

枠内税率125~25+マークアップ

枠外税率85~134円kg

枠内即時無税+マークアップ

(枠外税率は維持)

(発効時) (6年目)125千rarr175千

ベーカリー製品製造用

小麦粉調製品16~24

枠内即時無税(枠外税率は維持)

(発効時) (6年目)米国 105千rarr12千【不適用】米国以外 68千rarr 8千

その他小麦粉調製品

16~28枠内即時無税

(枠外税率は維持)(発効時) (6年目)15千rarr225千

マカロニスパゲティ

30円kg9年目までに60削減

ビスケット 1315 6年目に無税 -

注1)いった小麦とは小麦をいったものであり主にシリアル食品等に使用される

2)その他小麦粉調製品とは製麺まんじゅう等のベーカリー製品以外の製造用の

小麦粉調製品である

- 36 -

2 日EUEPA協定概要(麦)(平成31年2月1日発効)

品目 現在の関税率 合意内容

小麦

枠内税率無税+マークアップ

枠外税率55円kg

現行の国家貿易制度を維持するとともに枠外税率(55円kg)を維持

既存のWTO枠に加えSBS方式のEU枠(270(7年目以降))を設定

枠内のマークアップを9年目までに45削減

大麦

枠内税率無税+マークアップ

枠外税率39円kg

現行の国家貿易制度を維持するとともに枠外税率(39円kg)を維持

既存のWTO枠に加えSBS方式のEU枠(30(即時))を設定

枠内のマークアップを9年目までに45削減

(参考主な麦製品)

現在の関税率合意内容

税率 枠数量

いった小麦小麦粉等

(国家貿易品目)

枠内税率125~25+マークアップ

枠外税率85~134円kg

枠内即時無税+マークアップ

(枠外税率は維持)

(発効時) (6年目)38千rarr44千

ベーカリー製品製造用

小麦粉調製品16~24

枠内即時無税(枠外税率は維持)

(発効時) (6年目)104千rarr142千

その他小麦粉調製品

16~28枠内即時無税

(枠外税率は維持)(発効時) (6年目)

2千rarr3千

マカロニスパゲティ

30円kg 11年目に無税 -

ビスケット 1315 6年目に無税 -

注1)いった小麦とは小麦をいったものであり主にシリアル食品等に使用される

2)その他小麦粉調製品とは製麺まんじゅう等のベーカリー製品以外の製造用の

小麦粉調製品である

(参考) 麦の国境措置

小 麦 大 麦

輸入数量

価格

輸入数量

価格

政府売渡価格

マークアップ(輸入差益)

452円kgを上限

輸入価格

(枠内税率0円kg)

枠内輸入(国家貿易) 枠外輸入

(民間貿易)枠外税率を支払って輸入された数量(平成29年度)12千トン

WTOカレントアクセス数量5740千トン

枠外税率55円

政府売渡価格

輸入価格(枠内税率0円kg)

WTOカレントアクセス数量1369千トン

枠内輸入(国家貿易) 枠外輸入(民間貿易)

枠外税率を支払って輸入された数量(平成29年度)06千トン

枠外税率39円

民間貿易の場合の輸入価格

民間貿易の場合の輸入価格

286円kgを上限

マークアップ(輸入差益)

- 37 -

  • スライド番号 1
  • スライド番号 2
  • 麦の参考資料 麦の需給に関する見通し(動向編)
  • スライド番号 4
  • スライド番号 5
  • スライド番号 6
  • スライド番号 7
  • スライド番号 8
  • スライド番号 9
  • スライド番号 10
  • スライド番号 11
  • スライド番号 12
  • スライド番号 13
  • スライド番号 14
  • Ⅱ 小麦粉麦製品の生産と価格の動向
  • スライド番号 16
  • スライド番号 17
  • スライド番号 18
  • スライド番号 19
  • スライド番号 20
  • スライド番号 21
  • スライド番号 22
  • スライド番号 23
  • スライド番号 24
  • スライド番号 25
  • スライド番号 26
  • スライド番号 27
  • スライド番号 28
  • スライド番号 29
  • スライド番号 30
  • スライド番号 31
  • スライド番号 32
  • スライド番号 33
  • スライド番号 34
  • スライド番号 35
  • スライド番号 36
  • スライド番号 37
  • スライド番号 38
  • スライド番号 39
  • スライド番号 40
  • スライド番号 41
Country Attribute Commodity 20042005 20052006 20062007 20072008 20082009 20092010
World Production (1000 MT) Barley 152674 136756 137430 133168 153539 0
Corn 715732 699101 712375 791492 791039 0
Millet 30947 32455 33529 34951 35619 0
Mixed Grain 16885 15213 13063 14616 15057 0
Oats 25667 23861 23163 25577 26191 0
Rice Milled 401435 418487 420633 431309 439081 0
Rye 17002 14492 12382 14245 17176 0
Sorghum 57529 58365 56628 63533 63792 0
Wheat 625700 620044 596101 610188 682865 0
Wheat Durum 0 0 0 0 3680 0
2043571 2018774 2005304 2119079 2228039
Exports (1000 MT) Barley 15098 18231 15328 15708 20175 0
Corn 77643 80966 93799 95466 76877 0
Oats 1901 1930 2114 2830 2304 0
Rye 854 610 709 556 560 0
Sorghum 5403 5379 5461 9237 4902 0
Wheat 111235 116756 111201 115377 123881 0
240641 254246 259958 269594 258464
TY Exports (1000 MT) Barley 16989 17428 14516 18412 19190 0
Corn 75964 82580 91199 96027 77925 0
Oats 1955 2254 2184 2742 2300 0
Rye 974 622 661 481 560 0
Sorghum 5366 5496 5780 8802 4950 0
Wheat 113210 113872 115500 115492 125165 0
243637 251744 261908 271184 259660
Exports (1000 MT) Rice Milled 28507 30374 31346 30420 29765 0
TY Exports (1000 MT) Rice Milled 29179 29492 32068 29228 29570 0
Domestic Consumption (1000 MT) Barley 143271 139989 144389 135872 142892 0
Corn 688190 704591 725361 773235 783288 0
Millet 30947 32855 33489 34941 35619 0
Mixed Grain 15972 15331 14092 14255 14515 0
Oats 25318 24233 23552 24709 25192 0
Rice Milled 406828 412171 418290 424999 432423 0
Rye 17595 15748 13870 14419 15498 0
Sorghum 57794 58004 56327 63305 62231 0
Wheat 605365 617369 619124 614865 652947 0
1991280 2020291 2048494 2100600 2164605
Ending Stocks (1000 MT) Barley 32783 28641 21070 18259 28244 0
Corn 131811 124624 108845 128218 136033 0
Millet 600 200 240 250 250 0
Mixed Grain 1654 1536 507 868 1410 0
Oats 3550 3126 2813 3395 4316 0
Rice Milled 73152 75676 75391 78687 82659 0
Rye 3882 2639 1065 756 2437 0
Sorghum 4297 4524 4117 4418 5752 0
Wheat 150972 147636 127009 119371 148362 0
Wheat Durum 0 0 0 0 3680 0
402701 388602 341057 354222 413143
小麦の国際需給状況 コムギ
(単位百万トン)
200607 200708 200809 200910
年   度 (平成18年) ヘイセイネン (平成19年) ヘイセイネン (平成20年) ヘイセイネン (平成21年) ヘイセイネン
見込 予測
生 産 量 ショウサンリョウ 5957 6104 6827 6780
消 費 量 ケヒリョウ 6165 6169 6404 6468
期 末 在 庫 1298 1233 1656 1968
期末在庫率() 211 200 259 304
貿 易 量 リョウ 1116 1172 1430 1251
貿 易 比 率() 187 192 209 185
大麦の国際需給状況 オオ 穀物の国際需給状況 コクモツ
(単位百万トン) (単位百万トン)
200809 200910 201011 201314 201415 201516 201617 201718 201819 200506 200607 200708 200809 200910
(平成20年) ヘイセイネン 年   度 (平成21年) ヘイセイネン (平成22年) ヘイセイネン (平成25年) ヘイセイネン (平成26年) ヘイセイネン (平成27年) ヘイセイネン (平成28年) ヘイセイネン (平成29年) ヘイセイネン (平成30年) ヘイセイネン 年   度 (平成17年) ヘイセイネン (平成18年) ヘイセイネン (平成19年) ヘイセイネン (平成20年) ヘイセイネン (平成21年) ヘイセイネン
見込 ミコ 予測 見込 予測
1550 生 産 量 ショウサンリョウ 1508 1231 1443 1420 1498 1471 1437 1407 生 産 量 ショウサンリョウ 20176 20029 21230 22346 22185
1439 消 費 量 ケヒリョウ 1448 1362 1411 1425 1477 1503 1472 1418 消 費 量 ケヒリョウ 20216 20444 20952 21416 21879
315 期 末 在 庫 375 243 250 242 263 230 195 184 期 末 在 庫 3902 3435 3652 4474 4729
219 期末在庫率() 259 179 177 170 178 153 133 130 期末在庫率() 193 168 174 209 216
182 貿 易 量 リョウ 173 152 239 290 308 283 273 258 貿 易 量 リョウ 2534 2608 2756 2843 2662
117 貿 易 比 率() 115 123 166 204 206 193 190 183 貿 易 比 率() 126 130 130 127 120
穀物の国際需給状況 コクモツ
(単位百万トン)
2004 2005 2006 2007
年   度 05 06 07 08
見込 予測
【穀 物 計】 コクブツケイ
生 産 量 ショウサンリョウ 20189 20050 21167 21950
消 費 量 ケヒリョウ 20334 20533 21106 21741
期 末 在 庫 3886 3403 3464 3673
期末在庫率() 191 166 164 169
【うち小麦】 ショウムギ
生 産 量 ショウサンリョウ 6209 5963 6109 6763
消 費 量 ケヒリョウ 6242 6169 6195 6549
期 末 在 庫 1477 1271 1185 1399
期末在庫率() 237 206 191 214
Country Attribute Commodity 20042005 20052006 20062007 20072008 20082009 20092010
World Production (1000 MT) Barley 152674 136756 137430 133168 153539 0
Corn 715732 699101 712375 791492 791039 0
Millet 30947 32455 33529 34951 35619 0
Mixed Grain 16885 15213 13063 14616 15057 0
Oats 25667 23861 23163 25577 26191 0
Rice Milled 401435 418487 420633 431309 439081 0
Rye 17002 14492 12382 14245 17176 0
Sorghum 57529 58365 56628 63533 63792 0
Wheat 625700 620044 596101 610188 682865 0
Wheat Durum 0 0 0 0 3680 0
2043571 2018774 2005304 2119079 2228039
Exports (1000 MT) Barley 15098 18231 15328 15708 20175 0
Corn 77643 80966 93799 95466 76877 0
Oats 1901 1930 2114 2830 2304 0
Rye 854 610 709 556 560 0
Sorghum 5403 5379 5461 9237 4902 0
Wheat 111235 116756 111201 115377 123881 0
240641 254246 259958 269594 258464
TY Exports (1000 MT) Barley 16989 17428 14516 18412 19190 0
Corn 75964 82580 91199 96027 77925 0
Oats 1955 2254 2184 2742 2300 0
Rye 974 622 661 481 560 0
Sorghum 5366 5496 5780 8802 4950 0
Wheat 113210 113872 115500 115492 125165 0
243637 251744 261908 271184 259660
Exports (1000 MT) Rice Milled 28507 30374 31346 30420 29765 0
TY Exports (1000 MT) Rice Milled 29179 29492 32068 29228 29570 0
Domestic Consumption (1000 MT) Barley 143271 139989 144389 135872 142892 0
Corn 688190 704591 725361 773235 783288 0
Millet 30947 32855 33489 34941 35619 0
Mixed Grain 15972 15331 14092 14255 14515 0
Oats 25318 24233 23552 24709 25192 0
Rice Milled 406828 412171 418290 424999 432423 0
Rye 17595 15748 13870 14419 15498 0
Sorghum 57794 58004 56327 63305 62231 0
Wheat 605365 617369 619124 614865 652947 0
1991280 2020291 2048494 2100600 2164605
Ending Stocks (1000 MT) Barley 32783 28641 21070 18259 28244 0
Corn 131811 124624 108845 128218 136033 0
Millet 600 200 240 250 250 0
Mixed Grain 1654 1536 507 868 1410 0
Oats 3550 3126 2813 3395 4316 0
Rice Milled 73152 75676 75391 78687 82659 0
Rye 3882 2639 1065 756 2437 0
Sorghum 4297 4524 4117 4418 5752 0
Wheat 150972 147636 127009 119371 148362 0
Wheat Durum 0 0 0 0 3680 0
402701 388602 341057 354222 413143
小麦の国際需給状況 コムギ
(単位百万トン)
200809 200910 201011 201314 201415 201516 201617 201718 201819
(平成20年) ヘイセイネン 年   度 (平成21年) ヘイセイネン (平成22年) ヘイセイネン (平成25年) ヘイセイネン (平成26年) ヘイセイネン (平成27年) ヘイセイネン (平成28年) ヘイセイネン (平成29年) ヘイセイネン (平成30年) ヘイセイネン
見込 ミコ 予測
6836 生 産 量 ショウサンリョウ 6866 6496 7151 7304 7384 7564 7631 7330
6437 消 費 量 ケヒリョウ 6538 6534 6909 7051 7163 7398 7444 7421
1682 期 末 在 庫 2010 1980 1949 2223 2444 2609 2796 2705
261 期末在庫率() 307 303 282 315 341 353 376 365
1435 貿 易 量 リョウ 1356 1341 1625 1642 1728 1833 1812 1789
210 貿 易 比 率() 197 207 227 225 234 242 238 244
大麦の国際需給状況 オオ 穀物の国際需給状況 コクモツ
(単位百万トン) (単位百万トン)
200607 200708 200809 200910 200506 200607 200708 200809 200910
年   度 (平成18年) ヘイセイネン (平成19年) ヘイセイネン (平成20年) ヘイセイネン (平成21年) ヘイセイネン 年   度 (平成17年) ヘイセイネン (平成18年) ヘイセイネン (平成19年) ヘイセイネン (平成20年) ヘイセイネン (平成21年) ヘイセイネン
見込 予測 見込 予測
生 産 量 ショウサンリョウ 1364 1327 1539 1492 生 産 量 ショウサンリョウ 20176 20029 21230 22346 22185
消 費 量 ケヒリョウ 1428 1346 1437 1471 消 費 量 ケヒリョウ 20216 20444 20952 21416 21879
期 末 在 庫 208 192 293 313 期 末 在 庫 3902 3435 3652 4474 4729
期末在庫率() 146 143 204 213 期末在庫率() 193 168 174 209 216
貿 易 量 リョウ 154 155 199 173 貿 易 量 リョウ 2534 2608 2756 2843 2662
貿 易 比 率() 113 117 129 116 貿 易 比 率() 126 130 130 127 120
穀物の国際需給状況 コクモツ
(単位百万トン)
2004 2005 2006 2007
年   度 05 06 07 08
見込 予測
【穀 物 計】 コクブツケイ
生 産 量 ショウサンリョウ 20189 20050 21167 21950
消 費 量 ケヒリョウ 20334 20533 21106 21741
期 末 在 庫 3886 3403 3464 3673
期末在庫率() 191 166 164 169
【うち小麦】 ショウムギ
生 産 量 ショウサンリョウ 6209 5963 6109 6763
消 費 量 ケヒリョウ 6242 6169 6195 6549
期 末 在 庫 1477 1271 1185 1399
期末在庫率() 237 206 191 214
Country Attribute Commodity 20042005 20052006 20062007 20072008 20082009 20092010
World Production (1000 MT) Barley 152674 136756 137430 133168 153539 0
Corn 715732 699101 712375 791492 791039 0
Millet 30947 32455 33529 34951 35619 0
Mixed Grain 16885 15213 13063 14616 15057 0
Oats 25667 23861 23163 25577 26191 0
Rice Milled 401435 418487 420633 431309 439081 0
Rye 17002 14492 12382 14245 17176 0
Sorghum 57529 58365 56628 63533 63792 0
Wheat 625700 620044 596101 610188 682865 0
Wheat Durum 0 0 0 0 3680 0
2043571 2018774 2005304 2119079 2228039
Exports (1000 MT) Barley 15098 18231 15328 15708 20175 0
Corn 77643 80966 93799 95466 76877 0
Oats 1901 1930 2114 2830 2304 0
Rye 854 610 709 556 560 0
Sorghum 5403 5379 5461 9237 4902 0
Wheat 111235 116756 111201 115377 123881 0
240641 254246 259958 269594 258464
TY Exports (1000 MT) Barley 16989 17428 14516 18412 19190 0
Corn 75964 82580 91199 96027 77925 0
Oats 1955 2254 2184 2742 2300 0
Rye 974 622 661 481 560 0
Sorghum 5366 5496 5780 8802 4950 0
Wheat 113210 113872 115500 115492 125165 0
243637 251744 261908 271184 259660
Exports (1000 MT) Rice Milled 28507 30374 31346 30420 29765 0
TY Exports (1000 MT) Rice Milled 29179 29492 32068 29228 29570 0
Domestic Consumption (1000 MT) Barley 143271 139989 144389 135872 142892 0
Corn 688190 704591 725361 773235 783288 0
Millet 30947 32855 33489 34941 35619 0
Mixed Grain 15972 15331 14092 14255 14515 0
Oats 25318 24233 23552 24709 25192 0
Rice Milled 406828 412171 418290 424999 432423 0
Rye 17595 15748 13870 14419 15498 0
Sorghum 57794 58004 56327 63305 62231 0
Wheat 605365 617369 619124 614865 652947 0
1991280 2020291 2048494 2100600 2164605
Ending Stocks (1000 MT) Barley 32783 28641 21070 18259 28244 0
Corn 131811 124624 108845 128218 136033 0
Millet 600 200 240 250 250 0
Mixed Grain 1654 1536 507 868 1410 0
Oats 3550 3126 2813 3395 4316 0
Rice Milled 73152 75676 75391 78687 82659 0
Rye 3882 2639 1065 756 2437 0
Sorghum 4297 4524 4117 4418 5752 0
Wheat 150972 147636 127009 119371 148362 0
Wheat Durum 0 0 0 0 3680 0
402701 388602 341057 354222 413143
小麦の国際需給状況 コムギ
(単位百万トン)
200506 200607 200708 200809 200910
年   度 (平成17年) ヘイセイネン (平成18年) ヘイセイネン (平成19年) ヘイセイネン (平成20年) ヘイセイネン (平成21年) ヘイセイネン
見込 予測
生 産 量 ショウサンリョウ 6199 5957 6105 6827 6761
消 費 量 ケヒリョウ 6171 6186 6132 6333 6424
期 末 在 庫 1475 1276 1211 1639 1956
期末在庫率() 239 206 197 259 304
貿 易 量 リョウ 1166 1116 1172 1429 1232
貿 易 比 率() 188 187 192 209 182
大麦の国際需給状況 オオ 穀物の国際需給状況 コクモツ
(単位百万トン) (単位百万トン)
200506 200607 200708 200809 200910 200809 200910 201011 201112 201314 201415 201516 201617 201718 201819
年   度 (平成17年) ヘイセイネン (平成18年) ヘイセイネン (平成19年) ヘイセイネン (平成20年) ヘイセイネン (平成21年) ヘイセイネン (平成20年) ヘイセイネン 年   度 (平成21年) ヘイセイネン (平成22年) ヘイセイネン (平成23年) ヘイセイネン (平成25年) ヘイセイネン (平成26年) ヘイセイネン (平成27年) ヘイセイネン (平成28年) ヘイセイネン (平成29年) ヘイセイネン (平成30年) ヘイセイネン
見込 予測 見込 ミコ 予測
生 産 量 ショウサンリョウ 1363 1364 1327 1539 1492 22445 生 産 量 ショウサンリョウ 22434 22008 23208 24772 25588 25175 26619 26154 26065
消 費 量 ケヒリョウ 1405 1428 1346 1437 1471 21629 消 費 量 ケヒリョウ 22051 22319 23138 23904 24610 24550 26027 25985 26401
期 末 在 庫 276 208 192 293 313 4553 期 末 在 庫 4936 4625 4665 5285 6739 7365 7958 8126 7789
期末在庫率() 196 146 143 204 213 211 期末在庫率() 224 207 202 221 274 300 306 313 295
貿 易 量 リョウ 183 154 155 199 173 2836 貿 易 量 リョウ 2862 2841 3447 3719 3941 3769 4291 4117 4251
貿 易 比 率() 134 113 117 129 116 126 貿 易 比 率() 128 129 149 150 154 150 161 157 163
穀物の国際需給状況 コクモツ
(単位百万トン)
2003 2004 2005 2006 2007
年   度 04 05 06 07 08
見込 予測
【穀 物 計】 コクブツケイ
生 産 量 ショウサンリョウ 20436 20189 20050 21167 21950
消 費 量 ケヒリョウ 19955 20334 20533 21106 21741
期 末 在 庫 4031 3886 3403 3464 3673
期末在庫率() 202 191 166 164 169
【うち小麦】 ショウムギ
生 産 量 ショウサンリョウ 6257 6209 5963 6109 6763
消 費 量 ケヒリョウ 6068 6242 6169 6195 6549
期 末 在 庫 1511 1477 1271 1185 1399
期末在庫率() 249 237 206 191 214
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USDA(世界計)

資料アメリカ農務省(2010年1月発表)による注1)期末在庫率()は消費量に対する在庫量の割合である  2)貿易比率()は生産量に対する貿易量の割合である
資料アメリカ農務省(2010年1月発表)による注1)期末在庫率()は消費量に対する在庫量の割合である  2)貿易比率()は生産量に対する貿易量の割合である
world agricultural supply and demandworld market and trade (USDA 20101)による
資料アメリカ農務省(2014年1月発表)注1)期末在庫率()は消費量に対する在庫量の割合である  2)貿易比率()は生産量に対する貿易量の割合である

Sheet1

USDA(世界計)

資料アメリカ農務省(2010年3月発表)による注1)期末在庫率()は消費量に対する在庫量の割合である  2)貿易比率()は生産量に対する貿易量の割合である
資料アメリカ農務省(2010年1月発表)による注1)期末在庫率()は消費量に対する在庫量の割合である  2)貿易比率()は生産量に対する貿易量の割合である
world agricultural supply and demandworld market and trade (USDA 20101)による
資料アメリカ農務省(2010年3月発表)注1)期末在庫率()は消費量に対する在庫量の割合である  2)貿易比率()は生産量に対する貿易量の割合である

Sheet1

USDA(世界計)

資料アメリカ農務省(2010年3月発表)による注1)期末在庫率()は消費量に対する在庫量の割合である  2)貿易比率()は生産量に対する貿易量の割合である
world agricultural supply and demandworld market and trade (USDA 20101)による
資料アメリカ農務省(2010年3月発表)注1)期末在庫率()は消費量に対する在庫量の割合である  2)貿易比率()は生産量に対する貿易量の割合である

Sheet1

図Ⅰ-3 穀物の国際価格

注1)小麦とうもろこし大豆の価格はシカゴ商品取引所における各月第1金曜日の期近価格

2)1ブッシェル≒(大豆小麦272kgとうもろこし254)

3)図右端の数値は平成31年3月1日時点のものである

- 5 -

大豆

90

小麦

45

とうもろこし

36

(2)小麦の国際価格の動向

小麦の国際価格は主産地である北米豪州欧州黒

海沿岸地域等における天候及び作柄の変化にこれまで大

きく影響を受けています

直近では2018年(平成30年)7月中旬以降ロシア

EU等の乾燥による生産減少懸念等から上昇したもののそ

の後は世界的に潤沢な供給量等を背景に全体的に軟調に

推移し2019年(平成31年)3月上旬現在のシカゴ小麦先

物相場は4ドルブッシェル台半ばとなっています(図

Ⅰ-3)

10

30

50

70

H261 H267 H271 H277 H281 H287 H291 297 H301 307 H311

(3)為替の動向

日本円と米国ドルの為替は平成30年以降円安基調で推

移し平成31年に入ってからは一時円高となりましたが3

月上旬では113円ドル程度で推移しています(図Ⅰ-4)

(4)海上運賃の動向

海上運賃は平成28年以降上昇傾向で推移してきました

が平成30年11月からは燃料油価格の下落を受けて軟調に推

移しています(図Ⅰ-5)

- 6 -

図Ⅰ-4 為替の推移

資料三菱東京UFJ銀行の公表資料注図右端の数値は平成30年3月4日時点のものである

資料TRAMP Data Service Co Ltd 「WORLD MARITIME ANALYSIS WEEKLY REPORT」注1)2万トン級のフレート

2)図右端の数値は平成30年3月4日時点のものである

図Ⅰ-5 海上運賃の推移

図Ⅰ-4 為替の推移

円米ドル

ドルトン

70

80

90

100

110

120

130

H261 H267 H271 H277 H281 H287 H291 H297 H301 H307 H311

表Ⅰ-6 外国産食糧用小麦の銘柄別輸入量

注1)数量は決算ベース2)四捨五入の関係で計と内訳が一致しない場合がある3)( )内の数量はSBS方式により輸入された数量で内数である

4 外国産食糧用麦の輸入状況

外国産食糧用麦については国内産食糧用麦では量的又は質的に満たせない需要分について政府が国家貿易により計画的に輸入し需要者に売り渡しています現在の主な輸入先国はアメリカカナダ豪州の3か国と

なっています

(1)小麦

外国産食糧用小麦の輸入量は国内産小麦の作柄や輸出国

における輸送状況等により変動し近年は450万~520万トン

程度で推移しています(表Ⅰ-6)

(2)大麦及びはだか麦

外国産食糧用大麦及びはだか麦の輸入量は近年は20万~

25万トン程度で推移しています(表Ⅰ-7)

(単位千トン)

- 7 -

注1)数量は決算ベース

2)四捨五入の関係で計と内訳が一致しない場合がある

表Ⅰ-7 外国産食糧用大麦及びはだか麦の銘柄別輸入量(単位千トン)

ウェスタンホワイト 610 775 683 631 (23) 711

ハードレッドウィンター(115) 727 855 790 807 891

ダークノーザンスプリング 877 1245 850 831 (59) 1198

その他 (1) 28 (1) 1 (3) 3 (6) 6 (16) 16

計 (1) 2242 (1) 2877 (3) 2327 (6) 2276 (98) 2815

ウェスタンレッドスプリング 1228 1258 1527 1547 1355

デュラム (210) 210 (222) 222 (219) 219 (175) 193 (186) 186

その他 (3) 3 (3) 3 (1) 1 (1) 1 (2) 2

計 (213) 1441 (225) 1484 (220) 1747 (176) 1742 (188) 1543

スタンダードホワイト 759 794 737 755 797

プライムハード (83) 83 (83) 83 (84) 84 (64) 64 (80) 80

その他 (0) 2 (0) 0 (28) 28 (5) 15 (0) 0

計 (83) 844 (83) 877 (111) 848 (68) 833 (80) 877

(6) 6 (7) 7 (7) 7 (8) 8 (6) 6

(304) 4532 (316) 5245 (343) 4929 (259) 4858 (372) 5242

豪州

その他

26

合  計

平成25年度 28 2927

アメリカ

カナダ

25 26 27 28 29

二条大麦 - 1 1 1 11

六条大麦 1 2 1 2 2

はだか麦 2 3 2 8 20

計 3 5 4 11 33

二条大麦 15 13 9 14 7

六条大麦 39 53 46 40 36

はだか麦 1 1 2 4 5

計 54 67 58 58 48

二条大麦 146 174 168 180 152

はだか麦 - - 0 0 1

計 146 174 168 180 153

- - 2 2 2

203 245 232 250 236合 計

年度

アメリカ

カナダ

豪州

その他

図Ⅰ-6 政府売渡価格の構成

5 外国産食糧用麦の売渡方式

(1)外国産食糧用小麦の政府売渡

外国産食糧用小麦の政府売渡については平成19年4月以降輸入価格(過去の一定期間における輸入価格の平均値)にマークアップ(政府管理経費及び国内産小麦の生産振興対策に充当)を上乗せした価格で売り渡す「相場連動制」に移行しました(表Ⅰ-8図Ⅰ-6)

表Ⅰ-8 政府売渡価格改定ルール

項 目 基本的なルール

価格改定 現在年2回(4月期10月期)

買付価格算定期間 直近6か月間

- 8 -

輸入価格

政府売渡価格

小麦の国際価格や海上運賃為替等により変動

マークアップ

(輸 入 差 益)

港 湾 諸 経 費

買 付 価 格

(3)食糧麦備蓄対策事業

即時販売方式の導入後は製粉企業等が23か月分の外国産

食糧用小麦の備蓄を行った場合国が18か月分の保管経費を

助成しています(図Ⅰ-7)

また不測の事態が生じた場合には国は製粉企業等に

対して備蓄する外国産食糧用小麦の取崩しの指示等を行い

ます

図Ⅰ-7 食糧麦備蓄対策事業のスキーム(2)即時販売方式

外国産食糧用小麦の売渡しについては平成22年10月以降輸入した小麦を直ちに製粉企業等に販売し製粉企業等が一定期間備蓄することとなっています

- 9 -

6 外国産食糧用小麦の政府売渡価格の動向

外国産食糧用小麦の政府売渡価格は穀物の国際相場や海上

運賃為替等の動向を反映した買付価格に連動して年2回改

定されています

平成30年10月期の政府売渡価格は輸入小麦の平均買付価格

(平成30年3月第2週~9月第1週)が①米国及び豪州の一

部の地域の乾燥による減収懸念等から小麦の価格が上昇②燃

料油価格の影響により海上運賃が上昇したことにより前期

に比べ上昇したことから5銘柄加重平均(税込価格)で

55560円トン対前期比22の引上げとなりました

また平成31年4月期の政府売渡価格は輸入小麦の平均買

付価格(平成30年9月第2週~平成31年3月第1週)が①小

麦の国際価格に大きな変動がない中②為替は円安傾向であっ

たものの海上運賃が下落したことにより前期に比べ低下し

たことまたTPP11協定に基づきカナダ豪州産小麦

にマークアップの引下げを適用したことから5銘柄加重平均

(税込価格)で54630円トン対前期比17の引下げとなり

ました(表Ⅰ-9)

表Ⅰ-9 外国産食糧用小麦の政府売渡価格

注1)5銘柄加重平均価格は税込み価格である2)5銘柄とはアメリカ産ダークノーザンスプリング(主にパン中華麺用)カ

ナダ産ウェスタンレッドスプリング(主にパン用)アメリカ産ハードレッドウィンター(主にパン中華麺用)オーストラリア産スタンダードホワイト(主に日本麺用)アメリカ産ウェスタンホワイト(主に菓子用)

時 期5銘柄加重平均価格

(円トン)対前期比()

平成29年4月期 50690 +46

平成29年10月期 52510 +36

平成30年4月期 54370 +35

平成30年10月期 55560 +22

平成31年4月期 54630 17

- 10 -

Ⅱ 小麦粉麦製品の生産と価格の動向

資料平成21年度までは農林水産省「米麦加工食品生産動態統計調査年報」平成22年度からは農林水産省「食品産業動態調査」及び農林水産省「製粉精麦工場需給実績報告」平成21年度以降の麦茶の生産量については全国麦茶工業協同組合調べ

注1)麺類及びパン類の生産量は小麦粉使用量でその他は製品生産量である2)小麦粉精麦及び麦茶の生産量は年度の計でありその他は暦年の計である

(単位千トン)

表Ⅱ-1 小麦粉麦製品の生産量の推移

1 小麦粉麦製品の生産量

小麦粉の生産量は460万~470万トンで安定的に推移してい

ます(表Ⅱ-1)

小麦の二次加工製品のうち

① パン類の生産量は平成22年以降プライベートブラン

ドの菓子パンや高価格帯食パンの人気等により堅調に推

移しています

② 麺類の生産量は平成23年には東日本大震災による即

席麺の需要増等から増加しましたその後冷凍麺や外食

産業での消費増等により平成30年は147万トンと増加し

ています

③ ビスケットの生産量は平成20年から26年までは24万ト

ン前後で推移しました平成27年は円安の影響による輸入

量の減少等に伴い増加しその後は25万トン程度で推移し

ています

焼酎みそ主食用に仕向けられる精麦の生産量は平成16

年度まで本格焼酎ブームにより増加傾向で推移しましたがそ

の後の焼酎用需要の低迷等により減少しました近年は主食用

の需要の伸びにより17万トン前後で推移しています

一方平成28年(2016年)以降健康志向等を背景に大麦及

びはだか麦の需要が増加しています特に水溶性食物繊維

(大麦β-グルカン)が豊富なもち性はだか麦の需要は平成

29年(2017年)半ば以降は落ち着いてきたものの引き続き高

い水準で推移しています(図Ⅱ-1 )

- 11 -

図Ⅱ-1 もち麦を使用した製品の販売額の推移(首都圏)

区分

前年 前年 前年 前年 前年 前年

増減率 増減率 増減率 増減率 増減率 増減率

年 (年度計) () (暦年計) () (暦年計) () (暦年計) () (年度計) () (年度計) ()

平成12 4623 01 1279 23 1421 09 223 19 161 45 49 89

13 4607 03 1272 05 1441 14 218 21 164 19 51 41

14 4591 03 1245 21 1421 13 210 39 177 75 51 00

15 4662 15 1247 01 1425 02 219 43 189 71 45 118

16 4667 01 1243 03 1414 08 214 20 212 118 47 44

17 4623 09 1232 09 1368 32 213 05 201 51 47 00

18 4599 05 1218 11 1324 32 218 24 196 25 47 00

19 4684 18 1211 06 1319 03 225 29 197 06 48 21

20 4564 26 1181 24 1277 32 240 70 173 120 50 42

21 4612 11 1179 02 1265 10 243 10 168 29 48 40

22 4725 25 1196 15 1251 11 241 06 161 45 52 83

23 4708 04 1215 16 1283 26 243 06 155 35 54 38

24 4654 11 1219 03 1269 11 239 14 164 60 55 19

25 4694 09 1226 06 1324 43 237 12 158 37 66 200

26 4683 02 1234 07 1371 35 244 33 162 25 66 00

27 4702 04 1234 00 1396 19 259 59 162 04 68 30

28 4683 04 1238 03 1409 09 258 05 169 44 60 118

29 4703 04 1254 13 1445 26 252 22 172 20 64 67

30 - - 1221 27 1473 19 259 30 - - - -

精麦 麦茶小麦粉 パン類 麺類 ビスケット

資料日本経済新聞デジタルメディア社による首都圏のスーパーマーケットなど119店におけるPOSデータに基づき農林水産政策研究所において集計

図Ⅱ-2 小麦粉麦製品の価格(消費者物価指数)の変化

資料総務省「消費者物価指数」(全国)

(参考) 家計に占める小麦関連製品の支出 (単位円世帯)

資料総務省「家計調査」(全国二人以上の世帯)

年間計(平成30年)

1か月平均

消 費 支 出 3447783 287315食 料 952172 79348

小 麦 関 連 製 品 計 82108 6842パ ン 30555 2546

め ん 類 17369 1447小 麦 粉 596 50

菓子類(ビスケット等) 11397 950調理食品(調理パン) 5352 446

外食(うどん等) 16839 1403

(平成27年=100)

2 小麦粉麦製品の価格の動向

小麦粉及び麦関連製品の価格は輸入小麦の政府売渡価

格の引上げ等による原材料費の上昇人件費や物流費の上

昇等の影響を受け平成30年以降小麦粉及びパンの価格

は上昇傾向にあります(図Ⅱ-2)

- 12 -

85

90

95

100

105

110

食料品総合 パン めん類 小麦粉

表Ⅱ-2 麦製品の輸入量の推移(参考1) 麦製品の輸入動向

(1)小麦粉調製品

小麦粉に砂糖脱脂粉乳等を混合した小麦粉調製品の輸

入量は平成11年以降デフレに伴う低価格品需要の拡大

により増加傾向で推移してきましたが麦の国際相場の

高騰に伴う輸入価格の上昇等により平成18年から平成20年

にかけて減少しましたその後も減少傾向で推移しており

平成30年は8万3千トンの輸入量となっています

(2)麦加工製品

①マカロニスパゲッティ

マカロニスパゲッティについては国内の全体需要が

増加する中で輸入量が増加傾向で推移してきました

平成30年は過去最高の輸入量であった前年からは減少

し13万8千トンとなっています

②ビスケット

ビスケットの輸入量は平成25年以降円安の影響を受

けて減少していましたが平成28年度以降増加傾向にあり

平成30年の輸入量は2万5千トンとなっています

資料財務省「貿易統計」注小麦粉調製品は穀粉が占める割合が85以下のものの輸入量

なお小麦粉調製品のうち加糖のものは一般に菓子類菓子パン類等の原料として利用され無糖のものは麺類等の原料として使用される

(単位千トン)

- 13 -

対前年 対前年 対前年 対前年 対前年

増減率 増減率 増減率 増減率 増減率

() () () () ()

平成12 107 118 85 92 97 26 45 95 108 11 123

13 121 126 75 99 81 27 51 93 25 13 209

14 126 131 35 102 30 29 52 101 94 15 142

15 116 133 13 101 06 31 82 108 63 21 400

16 108 136 28 98 32 38 222 112 35 25 219

17 110 140 26 98 01 42 90 110 17 24 49

18 116 139 09 99 12 39 59 110 02 24 23

19 118 117 155 87 128 30 224 104 49 23 56

20 104 100 144 72 173 29 60 127 219 18 221

21 94 102 23 73 15 30 42 116 85 17 83

22 88 107 40 73 07 33 119 121 36 19 173

23 80 108 12 78 59 30 90 134 115 22 143

24 80 106 16 78 02 28 63 142 58 22 07

25 97 100 53 73 64 28 25 133 68 18 182

26 105 98 21 73 02 25 83 133 03 17 74

27 121 94 40 69 55 25 03 132 08 14 166

28 109 91 32 65 58 26 40 145 99 19 348

29 112 92 05 65 02 27 14 150 32 24 296

30 110 83 92 59 85 24 110 138 75 25 23

国 名輸入割合()

国 名輸入割合()

国 名輸入割合()

国 名輸入割合()

国 名輸入割合()

韓国 409 韓国 528 シンガポール 442 イタリア 465 インドネシア 242

シンガポール 202 フランス 151 米国 126 トルコ 355 中国 205

フランス 114 シンガポール 105 韓国 114 米国 142 マレーシア 84

米国 75 中国 78 ニュージーランド 98 ギリシャ 20 ベトナム 63

中国 57 米国 55 豪州 69 アラブ首長国連邦 10 イタリア 55

国 名対前年増減率()

国 名対前年増減率()

国 名対前年増減率()

国 名対前年増減率()

国 名対前年増減率()

韓国 10 韓国 13 シンガポール 221 イタリア 107 インドネシア 202

シンガポール 124 フランス 92 米国 136 トルコ 45 中国 76

フランス 87 シンガポール 108 韓国 30 米国 09 マレーシア 245

米国 116 中国 546 ニュージーランド 87 ギリシャ 152 ベトナム 137

中国 543 米国 98 豪州 344 アラブ首長国連邦 135 イタリア 119

30

輸入上位5カ国

区分

為替レー

円ドル)

小麦粉調製品 麦加工製品

加糖のもの 無糖のもの マカロニスパゲッティ ビスケット

(参考2) 麦製品の輸出動向

麦製品の輸出量のうちその大部分を占める小麦粉の輸出量

は近年主要輸出先国の製粉技術の向上や現地製粉工場の立

上げ等により減少傾向で推移し平成30年は約16万トンとなっ

ています(表Ⅱ-3)

表Ⅱ-3 麦製品の輸出量の推移

資料財務省「貿易統計」

(単位トン)

- 14 -

対前年増減率()

対前年増減率()

対前年増減率()

309594 75 376 431 1028 375

321028 37 315 162 967 59

319968 03 253 197 953 14

318706 04 410 621 1052 104

304465 45 328 200 769 269

289911 48 1054 2213 719 65

290033 00 1196 135 762 60

255377 119 1150 38 1098 441

187040 268 743 354 1198 91

185403 09 822 106 898 250

196183 58 770 63 974 85

191480 24 607 212 698 283

192598 06 598 15 780 117

168205 127 573 42 769 14

166311 11 571 04 861 120

157938 50 553 32 1249 451

158896 06 549 07 1287 30

167600 55 532 32 778 395

163640 24 535 06 894 148

国 名輸出割合

() 国 名輸出割合

() 国 名輸出割合

()

香港 496 香港 888 中国 483シンガポール 207 中国 43 香港 314ベトナム 96 韓国 21 台湾 64

タイ 59 米国 17 ベトナム 37台湾 58 台湾 11 シンガポール 29

国 名対前年増減率() 国 名

対前年増減率() 国 名

対前年増減率()

香港 175 香港 26 中国 251シンガポール 583 中国 62 香港 329ベトナム 135 韓国 437 台湾 59

タイ 81 米国 1047 ベトナム 418台湾 47 台湾 261 シンガポール 449

24

30

輸出上位5カ国

25

181920212223

2627282930

17

  区分

小麦粉マカロニスパゲッティ

スイートビスケット

平成1213141516

(参考3) 麦製品の生産動向

麦製品の生産量は食パンや乾麺のように生産量が減少している製品もある一方で菓子パンや即席麺冷凍麺のように生産量が増加している製品もあることから使用される小麦粉の数量は平成22年以降概ね横ばい傾向で推移しています麦製品は食生活の多様化や簡便性といった消費者ニーズを

捉えつつ継続した新製品の開発がなされており新たな定番となる商品の登場や期間限定の商品やイベントなどが消費者の購買を促進していると考えられます(図Ⅱ-3表Ⅱ-4)

表Ⅱ-4 麦製品の生産量の推移

(単位千トン)

- 15 -

資料平成21年度までは農林水産省「米麦加工食品生産動態統計調査年報」平成22年度からは農林水産省「食品産業動態調査」及び農林水産省「製粉精麦工場需給実績報告」冷凍麺の生産量は(一社)日本冷凍食品協会調べ

注1)麺類及びパン類の生産量は小麦粉使用量で冷凍麺は製品生産量である2)小麦粉は年度の計でありその他は暦年の計である

区分

パ ン 麺 類 冷凍麺

小麦粉 食パン菓子パ

ンその他のパン

生麺 乾麺 即席麺

年度計 暦年計 暦年計 暦年計 暦年計 暦年計 暦年計 暦年計 暦年計 暦年計

昭和45 3422 970 469 - - - 514 327 267 -

50 3978 1062 588 251 63 - 541 289 335 -

55 4079 1189 687 285 89 1334 610 275 325 -

60 4243 1178 653 291 133 1397 659 297 316 9

平成2 4338 1193 661 321 146 1407 687 274 316 41

7 4633 1220 623 368 178 1456 729 268 314 120

12 4623 1279 619 382 235 1421 687 235 343 190

22 4725 1196 576 375 215 1251 555 203 332 257

23 4708 1215 580 392 215 1283 548 209 361 270

24 4654 1219 580 392 221 1269 542 204 363 283

25 4694 1226 598 384 218 1324 562 213 386 314

26 4683 1234 608 387 214 1371 578 213 410 318

27 4702 1234 605 403 201 1396 624 195 414 308

28 4683 1238 604 403 206 1409 652 186 419 308

29 4703 1254 602 409 218 1445 691 186 416 313

30 - 1221 585 401 211 1473 712 188 420 -

〔低糖質製品〕

〔多種多様な携帯サンドイッチ〕

〔手軽な冷凍麺〕

図Ⅱ-3 麦製品の商品事例

H18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29

製粉工場数 124 122 121 119 117 118 117 114 109 104 102 98

製粉企業数 100 98 98 96 94 95 94 90 88 83 81 77

うち輸入小麦取扱製粉工場数 91 91 90 90 87 87 86 83 78 76 74 73

うち輸入小麦取扱製粉企業数 67 67 67 65 64 64 64 60 57 55 53 52

50

70

90

110

130

150製粉工場数

製粉企業数

うち輸入小麦取扱製粉工場数

うち輸入小麦取扱製粉企業数

3 製粉企業の状況

(1)大手製粉企業及び中小製粉企業の動向

① 大手製粉企業4社の小麦粉の生産量は全体の78を占

めておりこれに年間小麦粉生産量が3万トン以上の企業

の生産量を加えた13社ベースでは全体の90を占めてい

ます

② 大手製粉企業は生産設備の臨海工場への集約化を進め

つつ工場の大規模化合理化を推進しています

平成29年度の1工場当たりの生産量は17万トンまた

稼働率は89となっています

③ 年間小麦粉生産量3万トン以上の中小製粉企業は工場

のほとんどが臨海地域に立地し小麦粉を域内の二次加工

メーカー等に供給しています

平成29年度の1工場当たりの生産量は約6万トン稼働

率は67となっています

④ 年間小麦粉生産量1千トン以上3万トン未満の中小製粉

企業は主に内陸に位置し小麦粉を地元のパン麺等の

加工業者に供給するほか乾麺等の製造を兼ねるものも多

くなっています

平成29年度の1工場当たりの生産量は13万トンと大

手製粉企業の約14分の1稼働率は35となっています

⑤ 年間小麦粉生産量1千トン未満の中小製粉企業は輸入

小麦を取り扱わない企業が大部分を占め国内産小麦のみ

を使用し麺用や菓子用に供給しています

表Ⅱ-5 大手製粉企業中小製粉企業の小麦粉生産等の動向

資料農林水産省調べ注四捨五入の関係で計と内訳が一致しない場合がある

(参考)製粉企業数と工場数の推移(企業工場)

- 16 -

3万トン以上1千トン以上3万トン未満

1千トン未満

平成24 94 4 90 9 50 31

29 77 4 73 9 38 26

24 4853 3679 1174 536 636 3

29 4877 3801 1075 569 504 2

24 100 758 242 110 131 01

29 100 779 221 117 103 00

24 3245 1177 2068 632 1360 76

29 2806 1057 1749 581 1114 54

24 1496 3126 568 848 468 39

29 1738 3596 615 980 452 44

24 415 1533 126 596 120 01

29 498 1728 142 569 126 01

24 692 887 414 709 311 42

29 731 888 454 670 347 46

全体 大手製粉

中 小 製 粉年間生産量

稼働率()

製粉企業数

小麦粉生産量(千トン)

生産シェア()

従業員数(人)

従業員一人当たりの生産量

(トン)

一工場当たりの生産量(千トン)

(2)製粉企業のコスト削減や品質安全性の向上に向けた取組

製粉企業は生産能力の増強によるコスト削減や品質安全性の向上に向けた取組を進めています(図Ⅱ-4)

また国も農業競争力強化プログラムを策定し製粉企業の取組みを支援しています(図Ⅱ-5)

① 供給能力の強化等によるコストダウン

製粉企業は供給能力の強化生産性の向上と原料小麦の受入体制の整備によるコストダウンを図るため製粉工場や原料サイロの増強等の設備投資を行っています

② 資本業務の提携

製粉企業の中には他の製粉企業と資本業務提携を行うこと等により原料調達規模の拡大や生産の効率化等による競争力の強化を図る取組もみられます

③ 品質安全性の向上

製粉企業は近年消費者の安全安心への関心が高まる中食品の品質安全性を確保するための設備やAIB食品安全システムの導入ISO認証の取得等様々な取組を行っています

④ 工場の集約化

大手製粉企業は内陸工場を閉鎖し海外からの原料調達に有利な臨海工場への集約を進めるとともに臨海工場の生産能力を増強させる等生産性の向上を図っています

⑤ 海外市場への進出

製粉企業の中にはアジア大洋州地域における買収や工場増設等海外市場に積極的な進出をする取組もみられます

① 供給能力の強化等によるコストダウン 日清製粉は関東地区の小麦サイロ収容力の増強を進め更なる原料小麦の安定供給を推進するため鶴見工場の原料小麦サイロを増設(平成28年)

日本製粉は神戸甲南工場の原料サイロの新設等(平成24年)千葉工場の原料サイロの増設(平成26年)を行い今後原料サイロを福岡工場及び知多新工場へ新設神戸甲南工場(第2期)へ増設する予定

千葉製粉は新たな顧客ニーズへの対応付加価値製品の創出等を図るため専用ラインを新設(平成27年)

② 資本業務提携 資本業務提携を行っている製粉企業

増田製粉所(兵庫) hArr 日東富士製粉

木田製粉(北海道)内外製粉(三重)奥本製粉(大阪)セントラル製

粉(愛知) hArr 昭和産業

東福製粉(福岡) hArr 日本製粉

③ 品質安全性の向上 多くの製粉企業がISO9001(品質マネジメントシステム)ISO22000(食品安全マネジメントシステム)の認証を受けることにより品質管理や食品安全管理を実施

④ 工場の集約化 日清製粉は生産性向上のため内陸工場を順次閉鎖し臨海工場への集約化を推進

筑後工場(福岡)鳥栖工場(佐賀) rarr 福岡工場(福岡)へ集約

(平成26年)

名古屋工場の2ライン rarr 知多工場(愛知)の新ラインへ集約

(平成27年)

日本製粉は生産性向上のため総生産能力の80を臨海部の大型工場に集約

⑤ 海外市場への進出状況(平成30年度) 日清製粉は豪州の小麦粉市場においてトップシェアを持つアライドピナクル社を買収またタイでは子会社の日清STC製粉がタイの製粉工場を買収するとともにベトナムでは業務用プレミックスの生産工場を建設することを決定

昭和産業はベトナムに新たにプレミックス製造会社を設立し生産工場を建設することを決定

図Ⅱ-4 製粉企業の各種取組の事例

- 17-

⑥ 再編合理化の取組

製粉企業の中には国の支援を活用した再編合理化の取

組もみられます

⑦ 地産地消の推進

中小製粉企業は地域とのつながりの強さや独自の立地

条件を活かした特色ある経営を模索する中で生産者と協

力した積極的な地産地消の取組を進めています

⑦ 地産地消の推進

岩手県主な実施者岩手県学校給食会岩手県パン工業組合県内製粉企業取 組 内 容 平成28年度から地元県産小麦(銀河のちからゆきちから)を

100使用した学校給食用パンを県内の小中学校に提供開始埼玉県

主な実施者埼玉産小麦ネットワーク「SWING group」(県内製粉企業が中心となり生産者加工業者販売業者等180社が加盟)

取 組 内 容 埼玉県産小麦のブランド価値を高めることなどを目的として埼玉県産小麦を自社製品に利用することで高付加価値商品の開発による自社の発展などを目指すとともに研修会の実施やイベントホームページなどを通じた消費者への情報提供を実施

京都府主な実施者地元製粉企業京都府全農京都府本部生産者府内製麺製

パン業者飲食店取 組 内 容 平成30年産から京都府産小麦品種を「せときらら」へ全面切替を

行ったことを機にブランド名を「京小麦」とし「京小麦」を100使用したメニューを参加店舗にて提供するイベント「京小麦の収穫祭」を平成31年1月21日から2月17日まで開催

福岡県主な実施者福岡県ラー麦普及推進協議会(県JA全農ふくれん県内製粉

業者5社製麺業者関係団体)取 組 内 容 以下の取組によりラーメン用小麦「ラー麦」を普及推進

産地への生産技術の普及指導 小麦品質評価最適製粉加工方法の検討 利用や消費を促進するための普及宣伝(試

食イベント等) 毎年産の製粉製麺適性評価および食味

官能評価の実施 平成21年に本小麦の名称「ラー麦」とロ

ゴデザインを商標登録しブランド化

- 18 -

2 生産者が有利な条件で安定取引を行うことができる流通加工の業界構造の確立

(1)生産者に有利な流通加工構造の確立現在の食料需給消費の実態等を踏まえた効率的機能

的で農業者と消費者双方がメリットを受けられる流通加工構造を確立するため以下のとおり取り組む

その際農林水産省経済産業省をはじめ政府一体となって取り組む①~⑦ (略)⑧ 加工業については生産性の低い工場が乱立している

種類の加工業界(製粉乳業等)について国は国際競争に対応できる生産性の確保を目指した業界再編設備投資等を推進することとし政府系金融機関の融資農林漁業成長産業化支援機構の出資等による支援を行う

⑨ 上記改革を推進するため農産物の流通加工に関し国の責務業界再編に向けた推進手法等を明記した法整備を進める

⑩ 上記改革を推進するため金融機関による流通加工関連産業の生産性向上に資する経営支援や資金供給の促進政府系金融機関や農林漁業成長産業化支援機構等との連携強化等を図る

図Ⅱ-5 農業競争力強化プログラム(抜粋)

(平成28年11月29日 農林水産業地域の活力創造本部決定)

⑥ 再編合理化の取組

製粉工場の廃棄撤去製粉施設の一部又は全部を撤去しミックス粉等の関連事業を拡大

(製粉工場等再編合理化事業(平成2728年度7件))

図Ⅲ-1 国内産小麦の収穫量と作付面積の推移

表Ⅲ-1 小麦の主な作付品種(平成29年産)

Ⅲ 国内産麦の生産と流通の動向

1 国内産麦の生産状況

(1)小麦

① 作付面積

近年の国内産小麦の作付面積は約21万haと横ばいで推移して

います平成30年産の作付面積は北海道は121万ha都府県

は91万ha全国では212万haとなり前年産並となっていま

② 収穫量

平成30年産の国内産小麦の収穫量は主産地の北海道での6

月中旬から7月中旬にかけての低温日照不足の影響により登

熟不良となったこと等から前年産に比べ北海道で134万ト

ン(22)減少都府県では05万トン(2)減少全国

では139万ha(15)減少の768万トンとなり(図Ⅲ-1)

10a当たりの平均収量対比は91となりました

③ 小麦の作付品種の状況

栽培品種については各産地の気候条件や用途等に適した品

種が作付されており29年産では日本麺用では「きたほなみ」

「さとのそら」「シロガネコムギ」といった品種パン

中華麺用では「春よ恋」「ゆめちから」といった品種が上位

を占めています(表Ⅲ-1)

資料農林水産省「作物統計」品種毎の面積は農林水産省政策統括官調べ

注品種の育成年についてはシロガネコムギは農林認定が行われた年

それ以外の品種は出願公表が行われた年としている

資料農林水産省「作物統計」30年産の数値は概算値

- 19 -

(千トン)

年産

910 881

674

571

746

858 812

852

1004

791

907

768

210 209 208 207 212 209 210 213 213 214 212 212

100

120

140

160

180

200

220

240

260

280

300

0

200

400

600

800

1000

H19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30

収穫量 作付面積(千ha)

品種名 育成年 作付面積(千ha) 割合 主な作付地域

きたほなみ 平成19年 878 41 北海道

さとのそら 平成21年 159 7 関東東海

シロガネコムギ 昭和49年 152 7 九州近畿

春よ恋 平成11年 143 7 北海道

ゆめちから 平成20年 137 6 北海道

上位5品種計 1469 69

小麦作付面積 - 2123

図Ⅲ-2 国内産大麦及びはだか麦の収穫量と作付面積の推移

表Ⅲ-2 大麦及びはだか麦の主な作付品種(平成29年産)

(2)大麦及びはだか麦

① 作付面積

近年国内産大麦及びはだか麦の作付面積は約6万と横ば

いで推移しており平成30年産は前年産と比較すると二条

大麦は前年産並六条大麦は800ha(4)減少はだか麦

で460ha(9)増加となり全体では340ha(1)減少の

61万haとなりました(図Ⅲ-2)

② 収穫量

平成30年産の大麦及びはだか麦の収穫量は二条大麦及びは

だか麦はおおむね天候に恵まれ生育が順調で登熟も良好

であったこと等から前年産に比べ二条大麦は01万トン

(1)増加はだか麦は01万トン(8)増加となりました

六条大麦については北陸地方において大雪の影響で融雪時期

が遅れたこと等により穂数が少なくなり前年産に比べ14万

トン(26)減少しました

この結果大麦及びはだか麦の収穫量は合計で173万トンと

なり前年産に比べて12万トン(6)減少となりました

(図Ⅲ-2)

③ 大麦及びはだか麦の作付品種の状況

栽培品種については各産地の気候条件や用途等に適した品

種が作付されており29年産では二条大麦はビール用の「サ

チホゴールデン」六条大麦は主食用や麦茶用の「ファイ

バースノウ」はだか麦は麦味噌用の「マンネンボシ」いっ

た品種が上位を占めています(表Ⅲ-2)

資料農林水産省「作物統計」30年産の数値は概算値

- 20 -

(千トン)

資料農林水産省「作物統計」農林水産省調べ

注品種の育成年についてはシュンライイチバンボシは農林認定が行われ

た年それ以外の品種は出願公表が行われた年としている

195 217

179 161

172 172 183

170 177 170 185

173

54 57 58 59 60 60 59 60 61 61 61 61

0

10

20

30

40

50

60

70

80

90

100

0

50

100

150

200

250

H19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30

収穫量 作付面積 (千ha)

年産

麦種 品種名 育成年作付面積(千ha)

割合 主な作付地域

二条大麦

サチホゴールデン 平成18年 189 31 九州関東中国

はるしずく 平成17年 44 7 九州

ニシノホシ 平成11年 27 4 九州

六条大麦

ファイバースノウ 平成13年 107 17 北陸関東東海

シュンライ 平成2年 33 5 関東東北近畿

カシマゴール 平成22年 13 2 関東東海

はだか麦

マンネンボシ 平成13年 15 2 四国

イチバンボシ 平成4年 14 2 四国九州

トヨノカゼ 平成18年 11 2 九州中国

大麦はだか麦作付面積

- 614

資料農林水産省調べ

Aランク評価項目の基準値を3つ以上達成しかつ許容値を全て達成している麦Bランク評価項目の基準値を2つ達成しかつ許容値を全て達成している麦Cランク評価項目の基準値を1つ達成しかつ許容値を全て達成している麦

評価項目の基準値を2つ以上達成しているものの許容値を達成していない麦DランクA~Cランクのいずれにも該当しない麦

【評価項目】①小麦 日本麺用パン中華麺用(たんぱく灰分容積重フォーリングナンバー)

醸造用(たんぱく3項目容積重)②二条大麦 主食等用(容積重細麦率白度正常粒率)

麦茶用(たんぱく3項目細麦率)③六条大麦はだか麦 主食等用(容積重細麦率白度硝子率)

麦茶用(たんぱく3項目細麦率)

(参考) 麦の品質区分

(単位)

- 21 -

(2)品質評価

たんぱく質や灰分の含有率等に基づく品質評価結果につい

ては平成30年産の小麦ではAランクが899となってお

り過去5年平均(Aランク比率849)と比べ5ポイン

ト高くなっています

また平成30年産の大麦はだか麦ではAランクが

849となっており過去5年平均(Aランク比率832)

と比べ17ポイント高くなっています(表Ⅲ-4)

表Ⅲ-4 平成30年産麦の品質評価結果

2 国内産麦の品質状況

(1)農産物検査① 平成30年産の小麦について全国の1等比率は761

(平成30年12月末時点)と過去5年平均799と比較して低くなっています(表Ⅲ-3)

② 平成30年産の小粒大麦大粒大麦はだか麦及びビール大麦について1等比率は大粒大麦を除き過去5年平均と比較して低くなっています(表Ⅲ-3)

表Ⅲ-3 国内産麦の1等比率の推移(単位)

Aランク Bランク Cランク DランクAランク

過去5年平均(平成25~29年産)

小 麦 899 67 33 01 849

大麦はだか麦

849 37 108 06 832

注1)各年産翌年4月末時点の値であるただし平成30年産は30年12月末時点の値である

2)強力小麦の検査数量を含む値である

3 国内産麦に対する支援

平成31年度は経営所得安定対策等の対策のうち主に畑作

物の直接支払交付金と水田活用の直接支払交付金により国内

産麦に対する支援が行われます

(1)畑作物の直接支払交付金

畑作物の直接支払交付金として麦を生産する農業者に対

し標準的な生産費と標準的な販売価格の差額分を直接交付

することとしています

支払いは当年産の麦の品質及び生産量に応じて交付する

数量払を基本とし当年産の麦の作付面積に応じて交付する

面積払(営農継続支払)を数量払の先払いとして交付する仕

組みにしています

数量払の交付単価は品質に応じた単価を設けており需要

に応じた生産と品質に対する営農努力を適切に反映させる仕

組みになっています(表Ⅲ-5)

表Ⅲ-5 畑作物の直接支払交付金の麦の交付単価

(円単位数量)

品質区分(等級ランク)

1等 2等

A B C D A B C D

小麦(パン中華麵

用品種)(60kg当たり)

9040 8540 8390 8330 7880 7380 7230 7170

小麦(パン中華麺用品種以外)(60kg当たり)

6740 6240 6090 6030 5580 5080 4930 4870

二条大麦(50kg当たり) 5550 5130 5010 4960 4690 4270 4140 4090

六条大麦(50kg当たり) 6030 5610 5480 5430 5000 4580 4460 4410

はだか麦(60kg当たり) 8650 8150 8000 7910 7080 6580 6430 6350

(参考)

【平均交付単価小麦6940円60kg二条大麦5490円50kg六条大麦5720円50kg

はだか麦8230円60kg】

②面積払

当年産の作付面積に応じて交付 2万円10a

①数量払(品質に応じた単価)

- 22 -

【平成31年産に適用】

標準的な生産費

差額

ゲタ交付単価

標準的な販売価格

【交付単価のイメージ】lt畑作物の直接支払交付金のイメージgt

面積払(数量払の際に控除されます)

数量払

収量

交付金額

(2)水田活用の直接支払交付金

水田のフル活用を推進し食料自給率自給力の向上を図

るため水田で麦を生産する農業者に対しては畑作物の直

接支払交付金に加え水田活用の直接支払交付金(35000円

10a)を直接交付することとしています(表Ⅲ-6)

表Ⅲ-6 水田活用の直接支払交付金の交付単価

作 物 単 価

麦大豆飼料作物 35000円10a

WCS(ホールクロップサイレージ)用稲 80000円10a

加工用米 20000円10a

飼料用米米粉用米収量に応じ

55000円~105000円10a

このほか「産地交付金」により地域で作成する水田フル活用ビジョンに基づき二毛作や耕畜連携を含め産地づくりに向けた取組を支援します

戦略作物助成

注実需者等との出荷販売契約等を締結すること出荷販売することが要件

- 23 -

4 国内産食糧用麦の流通動向

(1)取引の概要

国内産食糧用麦は加工原料としての商品特性から需要に応じて計画的に生産できるようは種前契約に基づく取引が行われています

まず取引の指標となる透明性のある適正な価格を形成するためは種前に販売予定数量の3~4割(具体の比率は民間流通地方連絡協議会の協議を踏まえ決定)について入札が行われます残りは相対取引が行われておりその価格については入札で形成された指標価格(落札加重平均価格)を基本として取引当事者間で決められています(図Ⅲ-3)

また取引を円滑に進めるため生産者需要者等で構成される民間流通連絡協議会において取引に必要な情報交換取引に係る基本事項の見直し等が行われています(表Ⅲ-7)

今後とも国内産食糧用麦については円滑な流通が確保されるようは種前契約を基本としつつ適切に対応していきます

図Ⅲ-3 国内産食糧用麦の基本的な流通フロー

表Ⅲ-7 国内産食糧用麦の入札の仕組み

項 目 概 要 見直しの変遷

実施主体 一般社団法人 全国米麦改良協会

実施時期 は種前に2回実施(8~9月)平成13年産から1回rarr2回へ見直し

上場数量

産地銘柄別に販売予定数量が小麦3千トン以上大麦はだか麦1千トン以上の銘柄についてその30~40を上場(ほかに希望上場あり)

平成31年産から30rarr30~40へ見直し

基準価格

小麦は前年産の落札加重平均価格に当年産の入札実施時点での外国産麦の政府売渡価格の変動率を乗じた価格大麦はだか麦は前年産の落札加重平均価格

小麦の外国産麦との連動は平成24年産から実施

値幅制限 基準価格のplusmn10

小麦平成12年産~16年産plusmn5平成17年産~21年産plusmn7平成22年産plusmn10平成23年産plusmn30平成24年産~ plusmn10大麦はだか麦平成12年産~18年産plusmn5平成19年産~21年産plusmn7平成22年産plusmn10平成23年産plusmn15平成24年産~ plusmn10

取引価格の事後調整(小麦のみ)

外国産食糧用小麦の政府売渡価格の改定(410月)に合わせては種前の入札又は相対により契約された価格に外国産食糧用小麦の政府売渡価格の変動率を乗じて取引価格を改定

平成23年産から実施

申込限度数 量

買い手別に上場数量times買受実績シェアtimes145

小麦は平成17年産から大麦及びはだか麦は平成19年産から135rarr145へ見直し

相対取引入札で形成された指標価格を基本に生産者団体と需要者の間で協議決定

平成19年産から過去の実績シェアに基づく取引ルールを廃止

再入札

第1回入札及び第2回入札において落札残数量が発生した場合は売り手の希望により再度入札に付すか相対による契約を行うかいずれかの方法をとることができる

平成25年産から売り手の申し出により再入札における入札の値幅を設定できること等を規定

生産者団体から販売予定数量需要者団体から購入希望数量の相互提示

入札取引の実施(販売予定数量の約3~4割)

相対取引の実施(販売予定数量の約6~7割)

は 種(秋まき春まきは収穫年の4月)

収 穫 及 び 検 査

生産者団体と需要者の間では種前に契約を締結

需 要 者 へ 引 渡 し

<生産の流れ>

麦の生育期間

<契約の流れ>

は種前契約に基づき計画的に作付(は種)

収穫前年7月~

8~9月

9月~

~12月

6~8月

6月~

収穫年26年産から国内産麦の需要拡大を図るため地域の食文化のブランド化等による高付加価値化の取組等に対し安定的な原料供給が可能となる需要拡大推進枠を導入

- 24 -

表Ⅲ-8 国内産食糧用麦の供給量 (単位千トン)

注集荷団体からの聞き取り数量である

(2)流通の動向

平成30年産の国内産食糧用小麦の供給量は前年産から

約14万4千トン減少し約70万1千トンとなっています

また国内産食糧用大麦及びはだか麦の供給量は前年

産から約3千トン減少し約10万3千トンとなっています

(表Ⅲ-8)

生産者側から提示された平成31年産麦の販売予定数量は

国内産食糧用小麦で約82万4千トン国内産食糧用大麦及

びはだか麦で約10万8千トンとなっています

一方需要者側から提示された平成31年産麦の購入希望

数量は国内産食糧用小麦で約86万3千トン国内産食糧

用大麦及びはだか麦で約13万トンとなっています(表Ⅲ-

9)

表Ⅲ-9 国内産食糧用麦の販売予定数量及び購入希望数量の推移(単位千トン)

資料民間流通連絡協議会調べ注四捨五入の関係で差し引きが一致しないことがある

- 25 -

年産 20 21 22 23 24 25 26 27 28 2930

(見込)

小   麦 841 639 532 694 811 767 808 946 734 845 701

大麦はだか麦 125 100 84 98 93 105 103 103 92 106 103

年産 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31

販売予定数量① 887 906 909 951 948 909 905 880 820 846 834 824

購入希望数量② 833 880 818 859 904 869 751 802 834 875 880 863

①-② 54 25 91 91 44 40 154 78 14 29 46 39

(①-②)①() 61 28 100 96 47 44 170 89 18 34 55 47

販売予定数量① 121 132 134 127 122 116 110 112 113 112 108 108

購入希望数量② 199 219 135 149 147 138 141 149 145 138 148 130

①-② 78 87 1 23 26 21 31 37 32 26 39 22

(①-②)①() 640 660 06 179 209 182 282 330 284 234 363 204

表Ⅲ-10 国内産食糧用麦の入札結果の推移

資料一般社団法人全国米麦改良協会調べ

注1価格は税込み(26年産までは527年産以降は8)である

ただし31年産の落札価格は一般社団法人全国米麦改良協会公表の価格(税抜き)を基に農林水産省で税込み価格を算出

5 国内産食糧用麦の価格の動向

(1)平成31年産の入札の概要

平成31年産麦の入札は第1回は平成30年9月12日に第

2回は平成30年9月26日に実施されました

麦種別の入札結果をみると小麦は上場数量約21万4千

トンのうち約20万4千トンが落札(落札率954)され落

札価格は61714円トン(対前年産比1151)となりました

小粒大麦は上場数量約1万1千トンのうち約1万1千

トンが落札(落札率991)され落札価格は46560円トン

(対前年産比997)となりました

大粒大麦は上場数量約7千8百トンのうち5千6百トン

が落札(落札率717)され落札価格は46923円トン(対

前年産比879)となりました

はだか麦は上場数量約2千3百トンのうち約2千1百

トンが落札(落札率897)され落札価格は50817円トン

(対前年産比961)となりました(表Ⅲ-10)

なお国内産小麦については近年消費者の国産志向の高

まりなどを受け大手外食チェーンや2次加工メーカーが国

内産小麦を使用したパン中華麺等の商品を相次いで発表す

るなど人気が高まってきていますこれらを背景として平

成31年産小麦の落札価格は多くの銘柄で値幅制限の上限付

近となっておりまた申込倍数も14倍と高いものとなって

います

- 26 -

20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31

上場数量

(トン)①243510 243020 242310 251370 250980 244880 244320 234010 213360 221380 218500 214200

落札数量

(トン)②234930 238410 189350 247770 245320 220590 188240 192240 201140 214060 210560 204420

落札率

②①965 981 781 986 977 901 770 822 943 967 964 954

落札価格

(円トン)43229 59885 55241 48732 58340 49333 49319 49770 54164 51570 53624 61714

対前年産比 1064 1385 922 882 1197 846 1000 1009 1088 952 1040 1151

上場数量

(トン)①12240 13590 14210 13300 11760 11220 11290 11930 12210 12200 11750 11040

落札数量

(トン)②12050 13510 14040 13170 11550 10850 10900 11830 12090 12200 11440 10940

落札率

②①984 994 988 990 982 967 965 992 990 1000 974 991

落札価格

(円トン)45479 59709 53448 45871 46485 46453 46290 47595 47565 46880 46708 46560

対前年産比 1084 1313 895 858 1013 999 996 1028 999 986 996 997

上場数量

(トン)①10020 9690 10330 9290 9000 8700 7210 7620 7450 7620 6880 7810

落札数量

(トン)②8880 8920 8910 7990 7990 7830 6480 7130 6600 6700 6340 5600

落札率

②①886 921 863 860 888 900 899 936 886 879 922 717

落札価格

(円トン)36532 50492 46097 39649 40394 41582 42881 45740 47827 50442 53384 46923

対前年産比 1059 1382 913 860 1019 1029 1031 1067 1046 1055 1058 879

上場数量

(トン)①2910 3150 3030 3260 3060 2830 2840 2890 2740 2660 2570 2330

落札数量

(トン)②2910 3150 3030 3090 3020 2830 2810 2810 2520 2600 2470 2090

落札率

②①1000 1000 1000 948 987 1000 989 972 920 977 961 897

落札価格

(円トン)42222 58527 61489 52791 51905 52294 49656 47712 46547 48527 52876 50817

対前年産比 1063 1386 1051 859 983 1007 950 961 976 1043 1090 961

年産

小麦

小粒大麦(六条大麦)

大粒大麦(二条大麦)

はだか麦

平成31年産国内産食糧用小麦の入札結果をみると産地別銘柄別

の需給状況等を反映して落札価格に差が生じています

代表的な銘柄である北海道産「きたほなみ」は前年産の価格を

153上回る64752円トン香川県産「さぬきの夢2009」は前

年産の価格を152上回る73186円トンとなりましたまたパ

ン中華麺用の北海道産「ゆめちから」は前年産の価格を180

上回る62777円トン北海道産「春よ恋」は前年産の価格を

180上回る68792円トンとなりました(図Ⅲ-4図Ⅲ-5)

図Ⅲ-4 平成31年産国内産食糧用小麦の産地別銘柄別落札価格

資料農林水産省調べ注外国産小麦5銘柄加重平均価格は平成30年4月期の輸入小麦の政府売渡価格である

(2)平成31年産国内産食糧用小麦の産地別銘柄別落札価格の動向

資料農林水産省調べ注1国内産小麦の価格は(一社)全国米麦改良協会が実施する民間流通麦にかかる入札の第1回第2回

及び再入札の落札加重平均価格(税込み)年産の下段の( )内は当該第1回入札の実施年月である注2外国産小麦の価格は18年までは当該年度平均の実績価格であり19年以降は民間流通麦にかかる第

1回入札の実施年月時点での輸入小麦の政府売渡価格(5銘柄平均)である注3ホクシン(きたほなみ)については22年産までは「ホクシン」の価格であり23年産からは「きたほ

なみ」の価格である注4さぬきの夢については24年産までは「さぬきの夢2000」の価格であり25年産からは「さぬきの夢

2009」の価格である注5農林61号(さとのそら)については23年産までは「農林61号」の価格であり24年産からは「さとの

そら」の価格である

図Ⅲ-5 国内産食糧用小麦の産地別銘柄別落札価格の推移

- 27 -

(単位円トン税込み)

30000

60000

北海道ゆめちから 62777

福岡ミナミノカオリ 68393

滋賀農林61号 50763

茨城さとのそら 46310

佐賀チクゴイズミ 52193

岩手ゆきちから 39929

全銘柄落札加重平均 61714

香川さぬきの夢2009 73186

北海道きたほなみ 64752

外国産小麦5銘柄加重平均 54370

群馬さとのそら 48669

北海道キタノカオリ 63090

大分チクゴイズミ 48265

福岡シロガネコムギ 50643

佐賀シロガネコムギ 47998

40000

福岡チクゴイズミ 52203

滋賀ふくさやか 49534

岐阜イワイノダイチ 46874

埼玉さとのそら 47159

宮城シラネコムギ 44607

群馬つるぴかり 49785

北海道春よ恋 68792

愛知きぬあかり 50114

北海道はるきらり 60201

50000

埼玉あやひかり 46072

岐阜さとのそら 45919

70000

30000

40000

50000

60000

70000

80000

90000

100000

110000

120000

130000

12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 年産

(単位円トン税込み)

北海道ホクシン

香川さぬきの夢200973186円

茨城農林61号

香川さぬきの夢2000

茨城さとのそら

46310円

北海道きたほなみ

64752円

北海道ゆめちから

62777円

外国産小麦

5銘柄平均

54370円

北海道春よ恋

68792円

(128) (138) (148) (158) (168) (178)(1810) (199) (208)(2110)(2212) (239) (2410)(2510)(269)(279) (289) (299)(119) (309)

6 国内産麦の新品種の育成状況

(1)国内産麦については縞萎縮病抵抗性や耐倒伏性を備え

需要者等のニ-ズに合った新品種の開発が進められています

また作付け面積が1万haを超える「ゆめちから」「さとの

そら」をはじめ多数の品種が生産現場に導入されています

(図Ⅲ-6)

(2)今後とも赤かび病抵抗性や穂発芽耐性が高い小麦品種

小麦粉の色相や製粉性が優れる日本麺用小麦品種パンの膨

らみがカナダ産「1CW」並の小麦品種焼酎押麦味噌

などの加工適性が高い大麦品種等の開発を推進します

小麦品種「ゆめちから」及び「さとのそら」は優れた栽培特性

と加工適性を備えており作付けが拡大しています(平成29年

推定値「ゆめちから」約1万2千ha「さとのそら」約1万5

千ha)

パン用小麦品種の開発近年国産の小麦粉を使ったパンの需要増加に応えるためグルテンやでん粉の組成などパンの膨らみに関連する特性に注目した育種が進められていますその結果平成25年に製パン適性が「1CW」に近く多収の「せときらら」平成29年にはパン生地の力が強く穂発芽耐性や赤かび抵抗性が改良された「夏黄金」が育成されました

加工適性の高い大麦品種の開発機能性成分β-グルカンを多く含むもち性大麦の需要の高まりに応えるため平成29年に「はねうまもち」が育成されましたまた高品質なはだか麦の需要増加に対応して平成24年に味噌加工適性の高い「ハルヒメボシ」が育成されました

図Ⅲ-6 平成19年以降に育成された麦類の主な新品種

日本麺用小麦ゆめきらり

パン用小麦ゆめかおり福井県大3号

六条大麦ホワイトファイバー

北信越

日本麺用小麦あおばの恋

パン用小麦銀河のちから

東北

日本麺用小麦さとのそらきぬあかり

パン用小麦ゆめかおり

二条大麦とちのいぶき彩の星アスカゴールデンニューサチホゴールデン

六条大麦カシマゴール

はだか麦キラリモチ

関東東海

日本麺用小麦ふくはるかさぬきの夢2009

パン用小麦ゆめちからせときらら

はだか麦ハルヒメボシ

近畿中国四国

中華麺用小麦ちくしW2号

二条大麦煌二条白妙二条はるか二条トヨノホシ

九州

日本麺用小麦きたほなみ

中華麺用小麦つるきち

パン用小麦ゆめちからはるきらり

二条大麦札育2号

北海道

新品種のうち平成30年産で概ね100ha以上作付けされていると推定される品種を選定(農林水産省調べ)

- 28 -

7 国内産麦を利用した製品の動向

食料自給率の向上を図るためには国内産麦の需要開拓を行う

ことが必要です最近の消費者の国産志向の高まりや生産者と実

需者が一体となった地産地消の推進地域農業の振興を図る取り

組み等から国内産麦を使った麦製品(パン麺等)が増えてき

ており中には国内産麦を100使用した商品もあります(図Ⅲ-

7)

- 29 -

8 民間流通制度の運用改善

国内産麦の人気の高まりにより近年需要量が生産量を上回

る状況が継続しており国内産麦を積極的に使用したい実需者が

必要量を確保できない等の課題もあります

このような課題に対応するため民間流通連絡協議会において

入札上場比率の選択制の導入需要拡大推進枠設定の要件緩和

相対取引需要拡大推進枠において多様な取組が可能であること

の明確化等民間流通制度の運用改善が行われました(図Ⅲ-

8)

ピッツァ専用粉(北海道)(小麦)地元の製粉企業が北海道産小麦(きたほなみキタノカオリゆめち

から)を100使用した国内で初めてのピッツァ専用粉を開発平成30年2月に都内で試食会を開催し平成30年5月から販売

ピッツァ専用粉(群馬県)(小麦)地元の製粉企業が地元のピッツァ専門店ピッツァ窯メーカーと協力

して品質改良を重ね群馬県産小麦(さとのそらつるぴかりきぬの波)を100使用したピッツァ専用粉を平成30年4月から発売ピッツァイベントやイタリアン食材の展示会に出展

学校給食用パン(東京都)(小麦)都学校給食会の「学校給食パン加工規格」による配合基準に基づき国

内産小麦を100使用した学校給食パンを平成27年度から都内の一部の小中学校で提供を開始平成28年度からは都内全域の規格として採用

〇 市販用中華麺(愛知県)(小麦)地元の製粉企業が自社製品として愛知県産小麦きぬあかりを100使用

した中華麺を平成30年6月から自社通販で販売平成30年8月から一般販売を開始

フランスパン用粉(佐賀県)(小麦)近県製粉企業が農研機構と共同で育成した九州地域等の暖地温暖地

向けのフランスパン加工適性に優れる準強力小麦品種「さちかおり」を100使用したフランスパン用粉を平成30年8月から発売

市販用ゆで麺(長崎県)(小麦)地元の製麺企業近県製粉企業県生麺協同組合JA県等が連携し

平成26年3月に「長崎県育成麦活用開発協議会」を立ち上げ長崎県産長崎W2号(商標登録名長崎ちゃん麦)を100使用したちゃんぽん用のゆで麺を平成29年4月に製品化原料小麦の生産量が整った段階での本格販売を予定

もち性大麦を使用した機能性表示食品(静岡県)(大麦)地元の精麦企業が国内産もち性大麦でβ-グルカン量の多い銘柄を使用し

炊飯用精麦を製品化機能性表示食品として平成29年1月に届出し十分な原料を手当でき次第随時販売予定

〇 もち性大麦を使用したシリアル(愛知県)(大麦)地元の精麦企業が食物繊維が20を超える愛知県産もち性大麦「ワキ

シーファイバー」を使用した国内産もち麦100シリアルを開発平成30年4月から販売開始

図Ⅲ-7 国内産麦を100使用した商品事例

図Ⅲ-8 民間流通制度の運用改善のポイント

0

50

100

150

200

250

300

350

400円千人

大手製パンメーカーA社が国内産小麦100使用の新製品を発売

大手製食品スーパーB社が国内産小麦100使用の新製品をPBで発売

大手製パンメーカーA社が国内産小麦100使用の製品を初めて発売

(参考)国内産小麦を利用した製品の販売状況

(1)国内産小麦100使用の食パンの販売額

大きなシェアを占めるにはいたっていないものの国内産

小麦を100使用した食パンの販売金額の推移を見ると新製

品が登場する度に国内産小麦100使用の食パン市場が拡大し

ています(図Ⅲ-9)

図Ⅲ-9 国内産小麦100使用の食パンの販売額の推移(首都圏)

資料日本経済新聞デジタルメディア社による首都圏のスーパーマーケットなど100店舗におけるPOSデータに基づき農林水産政策研究所において集計

注食パンのうち国内産小麦を100使用していることが明らかな製品のみ計上菓子パン等は含んでいない

表Ⅲ-11 生麺ゆで麺(チルド)の販売金額のシェア(首都圏平成30年)

資料日本経済新聞デジタルメディア社による首都圏のスーパーマーケットなど120店舗におけるPOSデータに基づき農林水産政策研究所において集計

(2)生麺ゆで麺(チルド)の販売金額

生麺ゆで麺全体で上位15製品の売上高に占める国内産

小麦使用表示のある製品のシェアは30となっていますま

た主要な麺製品のうどんラーメン冷やし中華焼そば

全てで国内産小麦使用製品がランクインしています(表Ⅲ

-11)

2013年 2014年 2015年 2016年 2017年 2018年 2019年

                      (単位)

製品の種類製造企業の規模産地表示販売金額シェア

焼そば大手製品(国内産小麦使用表示なし) 99そば大手製品(国内産小麦使用表示なし) 27冷やしラーメン大手製品(国内産小麦使用表示なし) 20うどん大手製品(北海道産小麦使用表示あり) 20ラーメン大手製品(北海道産小麦使用表示あり) 14冷やし中華大手製品(国内産小麦使用表示なし) 14うどん大手製品(国内産小麦使用表示あり) 13焼そば大手製品(国内産小麦使用表示なし) 12焼うどん大手製品(国内産小麦使用表示なし) 12うどん大手製品(国内産小麦使用表示あり) 11焼そば大手製品(国内産小麦使用表示あり) 11そうめん大手製品(国内産小麦使用表示あり) 10うどんPB製品(北海道産小麦使用表示あり) 10つけ麺大手製品(国内産小麦使用表示なし) 10冷麺中小製品(国内産小麦使用表示なし) 10

303

14

89

15上位15製品の売上高に占める国内産小麦使用表示のある製品の

シェア

順位

1

10111213

234567

- 30 -

図Ⅲ-10 外食産業等と連携した農産物の需要拡大対策事業(麦類)

9 国内産麦の需要拡大イベント及び情報発信の取組

近年生産者と実需者等が連携し国内産麦を使用した製品が

数多く開発販売されており各地でイベント等の需要拡大の

取組みが行われております

また農林水産省としては平成30年度産地と外食事業者等

が連携して行う国内産麦を活用した新商品の開発試作製

造するために必要な取組を支援する「外食産業等と連携した農

産物の需要拡大対策事業」を一般社団法人全国米麦改良協会を

実施主体として行っているところです

農林水産省のホームページにおいてこれらのイベント等につい

て情報発信を行うとともに一般社団法人全国米麦改良協会が

開設している国産麦応援情報ホームページでの情報提供等を

行っています(図Ⅲ-10~12)

「国内産麦使用試作品全国統一試食会商談会」開催日平成31年2月12日~19日(土日を除く)場 所むぎくらべ(東京都千代田区神田小川町)

内 容平成29年度補正予算事業「外食産業等と連携した農産物の需要拡大対策事業」の一環として行われた国内産麦を使用した試作品の試食会商談会

「国内産麦使用試作品全国統一試食会商談会」で出品された試作品

- 31 -

第8回全国ご当地うどんサミットin 熊谷 開催日平成30年11月10日~11日 場 所熊谷スポーツ文化公園にぎわい広

場(埼玉県) 内 容全国の国内産小麦を使用した「ご

当地うどん」が一堂に集まりグランプリを決定

図Ⅲ-11 全国各地で開催されたイベント 図Ⅲ-12 一般社団法人 全国米麦改良協会の取組

国産麦応援情報ホームページ「日本の麦の底力」内容国産小麦粉ブランド名鑑国産小麦の逸品イベント情報研究

情報等を掲載URL httpnihonnomugicom

北海道小麦キャンプ2018 in オホーツク 開催日平成30年7月10日~11日 場 所ホテル黒部を主会場としたオホーツ

ク管内(北海道) 内 容国内産小麦北海道産小麦の魅力

を全国に広めることを目的にバスツアーやパン講習会などを実施

麦わらぼうしフェスタ 開催日平成30年11月4日 場 所笠原産業株式会社(栃木県) 内 容国内産小麦を使用したうどんパン

などの試食販売うどん教室などを実施

第7回 信州粉もん祭り 開催日平成30年11月11日 場 所JAながの ちくま埴生支所(長野県) 内 容長野県産小麦を使用した「粉もん料

理」が大集合粉もん試食会や手打ちうどん講習会 などを実施

国内産麦アンテナショップ「むぎくらべ」内容国内産麦を使用した商品のPRと販売の場を提供するものとして

平成30年7月東京都千代田区にオープン

- 32 -

オープニングセレモニーには上月前農林水産大臣政務官(写真中央)も出席

10 食料農業農村基本計画における麦の位置付け

平成27年3月31日に平成37年度を目標とする「食料農業

農村基本計画」が閣議決定され小麦は95万トン大麦はだ

か麦は22万トンの生産努力目標が設定されています(表Ⅲ-

12)

食料消費の見通し 生産努力目標(万トン) 克服すべき課題

1人1年当たり消費量

(kg人年)

国内消費仕向量

(万トン)

平成25年度

平成37年度

平成25年度

平成37年度

平成25年度

平成37年度

小麦 33 32 699 611 81 95

国内産小麦の需要拡大に向けた産地形成やブランド化

実需者ニーズに対応した生産流通体制の確立

新品種新技術の開発導入輪作体系の最適化排水対策等による収量品質の高位安定化

農地の集積集約化経営規模の拡大に対応した省力化に資する技術の開発導入等による生産コストの低減

大麦はだか麦

03 02 208 213 18 22

外国産大麦が多く用いられている焼酎用等の国内産麦の需要拡大

実需者ニーズに対応した生産流通体制の確立

新品種新技術の開発導入輪作体系の最適化排水対策等による収量品質の高位安定化

農地の集積集約化経営規模の拡大に対応した省力化に資する技術の開発導入等による生産コストの低減

表Ⅲ-12 麦の平成37年度における食料消費の見通し及び生産努力目標

資料「食料農業農村基本計画」(平成27年3月閣議決定)注1)国内消費仕向量には飼料用等の食糧用以外の用途への仕向量を含む

2)大麦はだか麦の国内消費仕向量及び生産努力目標にはビール大麦を含む

- 33 -

Ⅳ 米粉に関する動向

1 生産動向

米粉用米の生産量は平成25年産以降2万トン前後で推移していましたが平成29年度以降は約3万トンまで回復しています(表Ⅳ-1)

2 需要拡大に向けた対応

米粉用米の利用量は平成24年度以降年間2万数千トンで推移していましたがグルテンを使用しない米粉商品の開発や新たな米加工品(α化米粉米ゲルなど)の保湿性や粘性に着目した商品の開発「米粉の用途別基準」や「ノングルテン米粉製品第三者認証制度」の運用開始により平成29年度は25千トン30年度は31千トンに増加しています(表Ⅳ-2)

今後の更なる国内海外の需要拡大のためノングルテン米粉や用途別基準に適合する高品質な日本産米粉の流通を契機とした魅力ある新商品の開発や日本産米粉の優位性の情報発信等を推進する必要があります

表Ⅳ-1 上位5県の米粉用米の生産量と作付面積の推移

(参考) 米粉及び小麦粉の販売価格(税抜き)

米粉100~290円kg程度

(小麦粉 100円kg程度)

注1)平成26~29年度については新規需要米取組計画を認定した全需要者からの聞き取り注2)平成30年度については新規需要米取組計画を認定した主要な需要者からの聞き取り

により推計

表Ⅳ-2 米粉用米の利用量(需要者からの聞き取り)

- 34 -

資料26~29年産は新規需要米生産集出荷数量30年産は新規需要米取組計画

認定数量(農林水産省)

(単位千トン)

26年度 27年度 28年度 29年度 30年度見込

22 23 23 25 31

(単位千トン千ha)

26年産 27年産 28年産 29年産 30年産

生産量 59 97 87 130 107作付面積 11 18 15 24 19生産量 10 10 09 30 31作付面積 02 02 02 06 06生産量 08 10 00 19 30作付面積 01 02 00 03 06生産量 10 12 12 12 16作付面積 02 03 02 02 03生産量 20 24 07 12 13作付面積 03 04 01 02 02生産量 184 230 190 284 281作付面積 34 42 34 53 53

秋田県

全国計

新潟県

埼玉県

栃木県

群馬県

農林水産大臣は米穀の新用途への利用の促進に関する基本方針を定める

生産製造連携事業計画

生産者 製造事業者 促進事業者

必須

米穀の新用途への利用の促進に関する法律

米穀の新用途への利用の促進に関する基本方針

関係者が連携して計画を作成米穀の新用途への利用の促進に関する基本方針に照らし適切な計画について農林水産大臣が認定(計画期間は3~5年)

図Ⅳ 米粉用米に対する支援措置

3 米粉用米に対する支援

① 米粉用米についてはその利用の拡大を図るために平成21年に「米穀の新用途への利用の促進に関する法律」が制定されました同法に基づく「生産製造連携事業計画」の認定を受け「農山漁村

活性化計画」の採択を受けた取組に対して米粉用米の生産加工に必要な施設整備等の支援を行っています

② 米粉用米の生産者に対しては水田活用の直接支払交付金による支援を行っていますまたノングルテン米粉表示や米粉の用途別基準により需要者ニーズに合った高品質な米粉の製造や輸出拡大の取組を支援しています

③ 平成31年度は国内海外の需要獲得に向け引き続き魅力ある新商品開発を推進するほか日本産米粉の優位性の情報発信やノングルテン米粉の製造手法マニュアルの作成など輸出を含めた日本産米粉の需要拡大に向けた取組を支援していくこととしています

予 算 措 置

【水田活用の直接支払交付金】水田を活用して米粉用米等の作物を生産する農業者に対し交付金を直接交付 (米粉用米収量に応じ55万円~105万円10a)

【農山漁村振興交付金】米粉飼料用米の生産加工に係る施設整備に対し交付金を交付(補助率定額12)

【持続的生産強化対策事業】

日本産米粉の優位性の情報発信ノングルテン米粉の製造手法マニュアルの作成米粉用米生産者と製造事業者とのマッチング

等の取組を支援

金 融 措 置

【日本政策金融公庫による低利融資】(食品安定供給施設整備資金)

米粉製造施設米粉を原料とした食品の製造加工施設等への融資

(輸出を含めた日本産米粉の需要拡大支援事業)

(補助率定額)

【外食産業等と連携した需要拡大対策事業】

国産農林水産物食品の輸出等需要フロンティアの開拓を図るため産地と複数年契約を締結する民間企業(外食加工業者)に対し国産農林水産物を活用した新商品の開発やそれに必要な技術開発等を支援 (補助率定額12)

- 35 -

【農林水産物食品輸出促進緊急対策事業】コメ海外市場拡大戦略プロジェクトに参加する輸出産地や輸出事業者等が連携して戦略的に取り組む中国等の海外市場開拓プロモーション等を支援

(補助率定額12)

品目 現在の関税率 合意内容

小麦

枠内税率無税+マークアップ

枠外税率55円kg

現行の国家貿易制度を維持するとともに枠外税率(55円kg)を維持

既存のWTO枠に加え米国(15万(7年目以降))【不適用】カナダ(53万(同))豪州(5万(同))にSBS方式の国別枠を設定

マークアップを9年目までに45削減

大麦

枠内税率無税+マークアップ

枠外税率39円kg

現行の国家貿易制度を維持するとともに枠外税率(39円kg)を維持

既存のWTO枠に加えSBS方式のTPP枠(65万(9年目以降))を設定

マークアップを9年目までに45削減

1 TPP11協定概要(麦)(平成30年12月30日発効)

Ⅴ TPP11及び日EUEPAの協定概要(麦関係)

(参考主な麦製品)

現在の関税率合意内容

税率 枠数量

いった小麦小麦粉等

(国家貿易品目)

枠内税率125~25+マークアップ

枠外税率85~134円kg

枠内即時無税+マークアップ

(枠外税率は維持)

(発効時) (6年目)125千rarr175千

ベーカリー製品製造用

小麦粉調製品16~24

枠内即時無税(枠外税率は維持)

(発効時) (6年目)米国 105千rarr12千【不適用】米国以外 68千rarr 8千

その他小麦粉調製品

16~28枠内即時無税

(枠外税率は維持)(発効時) (6年目)15千rarr225千

マカロニスパゲティ

30円kg9年目までに60削減

ビスケット 1315 6年目に無税 -

注1)いった小麦とは小麦をいったものであり主にシリアル食品等に使用される

2)その他小麦粉調製品とは製麺まんじゅう等のベーカリー製品以外の製造用の

小麦粉調製品である

- 36 -

2 日EUEPA協定概要(麦)(平成31年2月1日発効)

品目 現在の関税率 合意内容

小麦

枠内税率無税+マークアップ

枠外税率55円kg

現行の国家貿易制度を維持するとともに枠外税率(55円kg)を維持

既存のWTO枠に加えSBS方式のEU枠(270(7年目以降))を設定

枠内のマークアップを9年目までに45削減

大麦

枠内税率無税+マークアップ

枠外税率39円kg

現行の国家貿易制度を維持するとともに枠外税率(39円kg)を維持

既存のWTO枠に加えSBS方式のEU枠(30(即時))を設定

枠内のマークアップを9年目までに45削減

(参考主な麦製品)

現在の関税率合意内容

税率 枠数量

いった小麦小麦粉等

(国家貿易品目)

枠内税率125~25+マークアップ

枠外税率85~134円kg

枠内即時無税+マークアップ

(枠外税率は維持)

(発効時) (6年目)38千rarr44千

ベーカリー製品製造用

小麦粉調製品16~24

枠内即時無税(枠外税率は維持)

(発効時) (6年目)104千rarr142千

その他小麦粉調製品

16~28枠内即時無税

(枠外税率は維持)(発効時) (6年目)

2千rarr3千

マカロニスパゲティ

30円kg 11年目に無税 -

ビスケット 1315 6年目に無税 -

注1)いった小麦とは小麦をいったものであり主にシリアル食品等に使用される

2)その他小麦粉調製品とは製麺まんじゅう等のベーカリー製品以外の製造用の

小麦粉調製品である

(参考) 麦の国境措置

小 麦 大 麦

輸入数量

価格

輸入数量

価格

政府売渡価格

マークアップ(輸入差益)

452円kgを上限

輸入価格

(枠内税率0円kg)

枠内輸入(国家貿易) 枠外輸入

(民間貿易)枠外税率を支払って輸入された数量(平成29年度)12千トン

WTOカレントアクセス数量5740千トン

枠外税率55円

政府売渡価格

輸入価格(枠内税率0円kg)

WTOカレントアクセス数量1369千トン

枠内輸入(国家貿易) 枠外輸入(民間貿易)

枠外税率を支払って輸入された数量(平成29年度)06千トン

枠外税率39円

民間貿易の場合の輸入価格

民間貿易の場合の輸入価格

286円kgを上限

マークアップ(輸入差益)

- 37 -

  • スライド番号 1
  • スライド番号 2
  • 麦の参考資料 麦の需給に関する見通し(動向編)
  • スライド番号 4
  • スライド番号 5
  • スライド番号 6
  • スライド番号 7
  • スライド番号 8
  • スライド番号 9
  • スライド番号 10
  • スライド番号 11
  • スライド番号 12
  • スライド番号 13
  • スライド番号 14
  • Ⅱ 小麦粉麦製品の生産と価格の動向
  • スライド番号 16
  • スライド番号 17
  • スライド番号 18
  • スライド番号 19
  • スライド番号 20
  • スライド番号 21
  • スライド番号 22
  • スライド番号 23
  • スライド番号 24
  • スライド番号 25
  • スライド番号 26
  • スライド番号 27
  • スライド番号 28
  • スライド番号 29
  • スライド番号 30
  • スライド番号 31
  • スライド番号 32
  • スライド番号 33
  • スライド番号 34
  • スライド番号 35
  • スライド番号 36
  • スライド番号 37
  • スライド番号 38
  • スライド番号 39
  • スライド番号 40
  • スライド番号 41
Country Attribute Commodity 20042005 20052006 20062007 20072008 20082009 20092010
World Production (1000 MT) Barley 152674 136756 137430 133168 153539 0
Corn 715732 699101 712375 791492 791039 0
Millet 30947 32455 33529 34951 35619 0
Mixed Grain 16885 15213 13063 14616 15057 0
Oats 25667 23861 23163 25577 26191 0
Rice Milled 401435 418487 420633 431309 439081 0
Rye 17002 14492 12382 14245 17176 0
Sorghum 57529 58365 56628 63533 63792 0
Wheat 625700 620044 596101 610188 682865 0
Wheat Durum 0 0 0 0 3680 0
2043571 2018774 2005304 2119079 2228039
Exports (1000 MT) Barley 15098 18231 15328 15708 20175 0
Corn 77643 80966 93799 95466 76877 0
Oats 1901 1930 2114 2830 2304 0
Rye 854 610 709 556 560 0
Sorghum 5403 5379 5461 9237 4902 0
Wheat 111235 116756 111201 115377 123881 0
240641 254246 259958 269594 258464
TY Exports (1000 MT) Barley 16989 17428 14516 18412 19190 0
Corn 75964 82580 91199 96027 77925 0
Oats 1955 2254 2184 2742 2300 0
Rye 974 622 661 481 560 0
Sorghum 5366 5496 5780 8802 4950 0
Wheat 113210 113872 115500 115492 125165 0
243637 251744 261908 271184 259660
Exports (1000 MT) Rice Milled 28507 30374 31346 30420 29765 0
TY Exports (1000 MT) Rice Milled 29179 29492 32068 29228 29570 0
Domestic Consumption (1000 MT) Barley 143271 139989 144389 135872 142892 0
Corn 688190 704591 725361 773235 783288 0
Millet 30947 32855 33489 34941 35619 0
Mixed Grain 15972 15331 14092 14255 14515 0
Oats 25318 24233 23552 24709 25192 0
Rice Milled 406828 412171 418290 424999 432423 0
Rye 17595 15748 13870 14419 15498 0
Sorghum 57794 58004 56327 63305 62231 0
Wheat 605365 617369 619124 614865 652947 0
1991280 2020291 2048494 2100600 2164605
Ending Stocks (1000 MT) Barley 32783 28641 21070 18259 28244 0
Corn 131811 124624 108845 128218 136033 0
Millet 600 200 240 250 250 0
Mixed Grain 1654 1536 507 868 1410 0
Oats 3550 3126 2813 3395 4316 0
Rice Milled 73152 75676 75391 78687 82659 0
Rye 3882 2639 1065 756 2437 0
Sorghum 4297 4524 4117 4418 5752 0
Wheat 150972 147636 127009 119371 148362 0
Wheat Durum 0 0 0 0 3680 0
402701 388602 341057 354222 413143
小麦の国際需給状況 コムギ
(単位百万トン)
200607 200708 200809 200910
年   度 (平成18年) ヘイセイネン (平成19年) ヘイセイネン (平成20年) ヘイセイネン (平成21年) ヘイセイネン
見込 予測
生 産 量 ショウサンリョウ 5957 6104 6827 6780
消 費 量 ケヒリョウ 6165 6169 6404 6468
期 末 在 庫 1298 1233 1656 1968
期末在庫率() 211 200 259 304
貿 易 量 リョウ 1116 1172 1430 1251
貿 易 比 率() 187 192 209 185
大麦の国際需給状況 オオ 穀物の国際需給状況 コクモツ
(単位百万トン) (単位百万トン)
200809 200910 201011 201314 201415 201516 201617 201718 201819 200506 200607 200708 200809 200910
(平成20年) ヘイセイネン 年   度 (平成21年) ヘイセイネン (平成22年) ヘイセイネン (平成25年) ヘイセイネン (平成26年) ヘイセイネン (平成27年) ヘイセイネン (平成28年) ヘイセイネン (平成29年) ヘイセイネン (平成30年) ヘイセイネン 年   度 (平成17年) ヘイセイネン (平成18年) ヘイセイネン (平成19年) ヘイセイネン (平成20年) ヘイセイネン (平成21年) ヘイセイネン
見込 ミコ 予測 見込 予測
1550 生 産 量 ショウサンリョウ 1508 1231 1443 1420 1498 1471 1437 1407 生 産 量 ショウサンリョウ 20176 20029 21230 22346 22185
1439 消 費 量 ケヒリョウ 1448 1362 1411 1425 1477 1503 1472 1418 消 費 量 ケヒリョウ 20216 20444 20952 21416 21879
315 期 末 在 庫 375 243 250 242 263 230 195 184 期 末 在 庫 3902 3435 3652 4474 4729
219 期末在庫率() 259 179 177 170 178 153 133 130 期末在庫率() 193 168 174 209 216
182 貿 易 量 リョウ 173 152 239 290 308 283 273 258 貿 易 量 リョウ 2534 2608 2756 2843 2662
117 貿 易 比 率() 115 123 166 204 206 193 190 183 貿 易 比 率() 126 130 130 127 120
穀物の国際需給状況 コクモツ
(単位百万トン)
2004 2005 2006 2007
年   度 05 06 07 08
見込 予測
【穀 物 計】 コクブツケイ
生 産 量 ショウサンリョウ 20189 20050 21167 21950
消 費 量 ケヒリョウ 20334 20533 21106 21741
期 末 在 庫 3886 3403 3464 3673
期末在庫率() 191 166 164 169
【うち小麦】 ショウムギ
生 産 量 ショウサンリョウ 6209 5963 6109 6763
消 費 量 ケヒリョウ 6242 6169 6195 6549
期 末 在 庫 1477 1271 1185 1399
期末在庫率() 237 206 191 214
Country Attribute Commodity 20042005 20052006 20062007 20072008 20082009 20092010
World Production (1000 MT) Barley 152674 136756 137430 133168 153539 0
Corn 715732 699101 712375 791492 791039 0
Millet 30947 32455 33529 34951 35619 0
Mixed Grain 16885 15213 13063 14616 15057 0
Oats 25667 23861 23163 25577 26191 0
Rice Milled 401435 418487 420633 431309 439081 0
Rye 17002 14492 12382 14245 17176 0
Sorghum 57529 58365 56628 63533 63792 0
Wheat 625700 620044 596101 610188 682865 0
Wheat Durum 0 0 0 0 3680 0
2043571 2018774 2005304 2119079 2228039
Exports (1000 MT) Barley 15098 18231 15328 15708 20175 0
Corn 77643 80966 93799 95466 76877 0
Oats 1901 1930 2114 2830 2304 0
Rye 854 610 709 556 560 0
Sorghum 5403 5379 5461 9237 4902 0
Wheat 111235 116756 111201 115377 123881 0
240641 254246 259958 269594 258464
TY Exports (1000 MT) Barley 16989 17428 14516 18412 19190 0
Corn 75964 82580 91199 96027 77925 0
Oats 1955 2254 2184 2742 2300 0
Rye 974 622 661 481 560 0
Sorghum 5366 5496 5780 8802 4950 0
Wheat 113210 113872 115500 115492 125165 0
243637 251744 261908 271184 259660
Exports (1000 MT) Rice Milled 28507 30374 31346 30420 29765 0
TY Exports (1000 MT) Rice Milled 29179 29492 32068 29228 29570 0
Domestic Consumption (1000 MT) Barley 143271 139989 144389 135872 142892 0
Corn 688190 704591 725361 773235 783288 0
Millet 30947 32855 33489 34941 35619 0
Mixed Grain 15972 15331 14092 14255 14515 0
Oats 25318 24233 23552 24709 25192 0
Rice Milled 406828 412171 418290 424999 432423 0
Rye 17595 15748 13870 14419 15498 0
Sorghum 57794 58004 56327 63305 62231 0
Wheat 605365 617369 619124 614865 652947 0
1991280 2020291 2048494 2100600 2164605
Ending Stocks (1000 MT) Barley 32783 28641 21070 18259 28244 0
Corn 131811 124624 108845 128218 136033 0
Millet 600 200 240 250 250 0
Mixed Grain 1654 1536 507 868 1410 0
Oats 3550 3126 2813 3395 4316 0
Rice Milled 73152 75676 75391 78687 82659 0
Rye 3882 2639 1065 756 2437 0
Sorghum 4297 4524 4117 4418 5752 0
Wheat 150972 147636 127009 119371 148362 0
Wheat Durum 0 0 0 0 3680 0
402701 388602 341057 354222 413143
小麦の国際需給状況 コムギ
(単位百万トン)
200809 200910 201011 201314 201415 201516 201617 201718 201819
(平成20年) ヘイセイネン 年   度 (平成21年) ヘイセイネン (平成22年) ヘイセイネン (平成25年) ヘイセイネン (平成26年) ヘイセイネン (平成27年) ヘイセイネン (平成28年) ヘイセイネン (平成29年) ヘイセイネン (平成30年) ヘイセイネン
見込 ミコ 予測
6836 生 産 量 ショウサンリョウ 6866 6496 7151 7304 7384 7564 7631 7330
6437 消 費 量 ケヒリョウ 6538 6534 6909 7051 7163 7398 7444 7421
1682 期 末 在 庫 2010 1980 1949 2223 2444 2609 2796 2705
261 期末在庫率() 307 303 282 315 341 353 376 365
1435 貿 易 量 リョウ 1356 1341 1625 1642 1728 1833 1812 1789
210 貿 易 比 率() 197 207 227 225 234 242 238 244
大麦の国際需給状況 オオ 穀物の国際需給状況 コクモツ
(単位百万トン) (単位百万トン)
200607 200708 200809 200910 200506 200607 200708 200809 200910
年   度 (平成18年) ヘイセイネン (平成19年) ヘイセイネン (平成20年) ヘイセイネン (平成21年) ヘイセイネン 年   度 (平成17年) ヘイセイネン (平成18年) ヘイセイネン (平成19年) ヘイセイネン (平成20年) ヘイセイネン (平成21年) ヘイセイネン
見込 予測 見込 予測
生 産 量 ショウサンリョウ 1364 1327 1539 1492 生 産 量 ショウサンリョウ 20176 20029 21230 22346 22185
消 費 量 ケヒリョウ 1428 1346 1437 1471 消 費 量 ケヒリョウ 20216 20444 20952 21416 21879
期 末 在 庫 208 192 293 313 期 末 在 庫 3902 3435 3652 4474 4729
期末在庫率() 146 143 204 213 期末在庫率() 193 168 174 209 216
貿 易 量 リョウ 154 155 199 173 貿 易 量 リョウ 2534 2608 2756 2843 2662
貿 易 比 率() 113 117 129 116 貿 易 比 率() 126 130 130 127 120
穀物の国際需給状況 コクモツ
(単位百万トン)
2004 2005 2006 2007
年   度 05 06 07 08
見込 予測
【穀 物 計】 コクブツケイ
生 産 量 ショウサンリョウ 20189 20050 21167 21950
消 費 量 ケヒリョウ 20334 20533 21106 21741
期 末 在 庫 3886 3403 3464 3673
期末在庫率() 191 166 164 169
【うち小麦】 ショウムギ
生 産 量 ショウサンリョウ 6209 5963 6109 6763
消 費 量 ケヒリョウ 6242 6169 6195 6549
期 末 在 庫 1477 1271 1185 1399
期末在庫率() 237 206 191 214
Country Attribute Commodity 20042005 20052006 20062007 20072008 20082009 20092010
World Production (1000 MT) Barley 152674 136756 137430 133168 153539 0
Corn 715732 699101 712375 791492 791039 0
Millet 30947 32455 33529 34951 35619 0
Mixed Grain 16885 15213 13063 14616 15057 0
Oats 25667 23861 23163 25577 26191 0
Rice Milled 401435 418487 420633 431309 439081 0
Rye 17002 14492 12382 14245 17176 0
Sorghum 57529 58365 56628 63533 63792 0
Wheat 625700 620044 596101 610188 682865 0
Wheat Durum 0 0 0 0 3680 0
2043571 2018774 2005304 2119079 2228039
Exports (1000 MT) Barley 15098 18231 15328 15708 20175 0
Corn 77643 80966 93799 95466 76877 0
Oats 1901 1930 2114 2830 2304 0
Rye 854 610 709 556 560 0
Sorghum 5403 5379 5461 9237 4902 0
Wheat 111235 116756 111201 115377 123881 0
240641 254246 259958 269594 258464
TY Exports (1000 MT) Barley 16989 17428 14516 18412 19190 0
Corn 75964 82580 91199 96027 77925 0
Oats 1955 2254 2184 2742 2300 0
Rye 974 622 661 481 560 0
Sorghum 5366 5496 5780 8802 4950 0
Wheat 113210 113872 115500 115492 125165 0
243637 251744 261908 271184 259660
Exports (1000 MT) Rice Milled 28507 30374 31346 30420 29765 0
TY Exports (1000 MT) Rice Milled 29179 29492 32068 29228 29570 0
Domestic Consumption (1000 MT) Barley 143271 139989 144389 135872 142892 0
Corn 688190 704591 725361 773235 783288 0
Millet 30947 32855 33489 34941 35619 0
Mixed Grain 15972 15331 14092 14255 14515 0
Oats 25318 24233 23552 24709 25192 0
Rice Milled 406828 412171 418290 424999 432423 0
Rye 17595 15748 13870 14419 15498 0
Sorghum 57794 58004 56327 63305 62231 0
Wheat 605365 617369 619124 614865 652947 0
1991280 2020291 2048494 2100600 2164605
Ending Stocks (1000 MT) Barley 32783 28641 21070 18259 28244 0
Corn 131811 124624 108845 128218 136033 0
Millet 600 200 240 250 250 0
Mixed Grain 1654 1536 507 868 1410 0
Oats 3550 3126 2813 3395 4316 0
Rice Milled 73152 75676 75391 78687 82659 0
Rye 3882 2639 1065 756 2437 0
Sorghum 4297 4524 4117 4418 5752 0
Wheat 150972 147636 127009 119371 148362 0
Wheat Durum 0 0 0 0 3680 0
402701 388602 341057 354222 413143
小麦の国際需給状況 コムギ
(単位百万トン)
200506 200607 200708 200809 200910
年   度 (平成17年) ヘイセイネン (平成18年) ヘイセイネン (平成19年) ヘイセイネン (平成20年) ヘイセイネン (平成21年) ヘイセイネン
見込 予測
生 産 量 ショウサンリョウ 6199 5957 6105 6827 6761
消 費 量 ケヒリョウ 6171 6186 6132 6333 6424
期 末 在 庫 1475 1276 1211 1639 1956
期末在庫率() 239 206 197 259 304
貿 易 量 リョウ 1166 1116 1172 1429 1232
貿 易 比 率() 188 187 192 209 182
大麦の国際需給状況 オオ 穀物の国際需給状況 コクモツ
(単位百万トン) (単位百万トン)
200506 200607 200708 200809 200910 200809 200910 201011 201112 201314 201415 201516 201617 201718 201819
年   度 (平成17年) ヘイセイネン (平成18年) ヘイセイネン (平成19年) ヘイセイネン (平成20年) ヘイセイネン (平成21年) ヘイセイネン (平成20年) ヘイセイネン 年   度 (平成21年) ヘイセイネン (平成22年) ヘイセイネン (平成23年) ヘイセイネン (平成25年) ヘイセイネン (平成26年) ヘイセイネン (平成27年) ヘイセイネン (平成28年) ヘイセイネン (平成29年) ヘイセイネン (平成30年) ヘイセイネン
見込 予測 見込 ミコ 予測
生 産 量 ショウサンリョウ 1363 1364 1327 1539 1492 22445 生 産 量 ショウサンリョウ 22434 22008 23208 24772 25588 25175 26619 26154 26065
消 費 量 ケヒリョウ 1405 1428 1346 1437 1471 21629 消 費 量 ケヒリョウ 22051 22319 23138 23904 24610 24550 26027 25985 26401
期 末 在 庫 276 208 192 293 313 4553 期 末 在 庫 4936 4625 4665 5285 6739 7365 7958 8126 7789
期末在庫率() 196 146 143 204 213 211 期末在庫率() 224 207 202 221 274 300 306 313 295
貿 易 量 リョウ 183 154 155 199 173 2836 貿 易 量 リョウ 2862 2841 3447 3719 3941 3769 4291 4117 4251
貿 易 比 率() 134 113 117 129 116 126 貿 易 比 率() 128 129 149 150 154 150 161 157 163
穀物の国際需給状況 コクモツ
(単位百万トン)
2003 2004 2005 2006 2007
年   度 04 05 06 07 08
見込 予測
【穀 物 計】 コクブツケイ
生 産 量 ショウサンリョウ 20436 20189 20050 21167 21950
消 費 量 ケヒリョウ 19955 20334 20533 21106 21741
期 末 在 庫 4031 3886 3403 3464 3673
期末在庫率() 202 191 166 164 169
【うち小麦】 ショウムギ
生 産 量 ショウサンリョウ 6257 6209 5963 6109 6763
消 費 量 ケヒリョウ 6068 6242 6169 6195 6549
期 末 在 庫 1511 1477 1271 1185 1399
期末在庫率() 249 237 206 191 214
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Sheet1

USDA(世界計)

資料アメリカ農務省(2010年3月発表)による注1)期末在庫率()は消費量に対する在庫量の割合である  2)貿易比率()は生産量に対する貿易量の割合である
資料アメリカ農務省(2010年1月発表)による注1)期末在庫率()は消費量に対する在庫量の割合である  2)貿易比率()は生産量に対する貿易量の割合である
world agricultural supply and demandworld market and trade (USDA 20101)による
資料アメリカ農務省(2010年3月発表)注1)期末在庫率()は消費量に対する在庫量の割合である  2)貿易比率()は生産量に対する貿易量の割合である

Sheet1

USDA(世界計)

資料アメリカ農務省(2010年3月発表)による注1)期末在庫率()は消費量に対する在庫量の割合である  2)貿易比率()は生産量に対する貿易量の割合である
world agricultural supply and demandworld market and trade (USDA 20101)による
資料アメリカ農務省(2010年3月発表)注1)期末在庫率()は消費量に対する在庫量の割合である  2)貿易比率()は生産量に対する貿易量の割合である

Sheet1

図Ⅰ-3 穀物の国際価格

注1)小麦とうもろこし大豆の価格はシカゴ商品取引所における各月第1金曜日の期近価格

2)1ブッシェル≒(大豆小麦272kgとうもろこし254)

3)図右端の数値は平成31年3月1日時点のものである

- 5 -

大豆

90

小麦

45

とうもろこし

36

(2)小麦の国際価格の動向

小麦の国際価格は主産地である北米豪州欧州黒

海沿岸地域等における天候及び作柄の変化にこれまで大

きく影響を受けています

直近では2018年(平成30年)7月中旬以降ロシア

EU等の乾燥による生産減少懸念等から上昇したもののそ

の後は世界的に潤沢な供給量等を背景に全体的に軟調に

推移し2019年(平成31年)3月上旬現在のシカゴ小麦先

物相場は4ドルブッシェル台半ばとなっています(図

Ⅰ-3)

10

30

50

70

H261 H267 H271 H277 H281 H287 H291 297 H301 307 H311

(3)為替の動向

日本円と米国ドルの為替は平成30年以降円安基調で推

移し平成31年に入ってからは一時円高となりましたが3

月上旬では113円ドル程度で推移しています(図Ⅰ-4)

(4)海上運賃の動向

海上運賃は平成28年以降上昇傾向で推移してきました

が平成30年11月からは燃料油価格の下落を受けて軟調に推

移しています(図Ⅰ-5)

- 6 -

図Ⅰ-4 為替の推移

資料三菱東京UFJ銀行の公表資料注図右端の数値は平成30年3月4日時点のものである

資料TRAMP Data Service Co Ltd 「WORLD MARITIME ANALYSIS WEEKLY REPORT」注1)2万トン級のフレート

2)図右端の数値は平成30年3月4日時点のものである

図Ⅰ-5 海上運賃の推移

図Ⅰ-4 為替の推移

円米ドル

ドルトン

70

80

90

100

110

120

130

H261 H267 H271 H277 H281 H287 H291 H297 H301 H307 H311

表Ⅰ-6 外国産食糧用小麦の銘柄別輸入量

注1)数量は決算ベース2)四捨五入の関係で計と内訳が一致しない場合がある3)( )内の数量はSBS方式により輸入された数量で内数である

4 外国産食糧用麦の輸入状況

外国産食糧用麦については国内産食糧用麦では量的又は質的に満たせない需要分について政府が国家貿易により計画的に輸入し需要者に売り渡しています現在の主な輸入先国はアメリカカナダ豪州の3か国と

なっています

(1)小麦

外国産食糧用小麦の輸入量は国内産小麦の作柄や輸出国

における輸送状況等により変動し近年は450万~520万トン

程度で推移しています(表Ⅰ-6)

(2)大麦及びはだか麦

外国産食糧用大麦及びはだか麦の輸入量は近年は20万~

25万トン程度で推移しています(表Ⅰ-7)

(単位千トン)

- 7 -

注1)数量は決算ベース

2)四捨五入の関係で計と内訳が一致しない場合がある

表Ⅰ-7 外国産食糧用大麦及びはだか麦の銘柄別輸入量(単位千トン)

ウェスタンホワイト 610 775 683 631 (23) 711

ハードレッドウィンター(115) 727 855 790 807 891

ダークノーザンスプリング 877 1245 850 831 (59) 1198

その他 (1) 28 (1) 1 (3) 3 (6) 6 (16) 16

計 (1) 2242 (1) 2877 (3) 2327 (6) 2276 (98) 2815

ウェスタンレッドスプリング 1228 1258 1527 1547 1355

デュラム (210) 210 (222) 222 (219) 219 (175) 193 (186) 186

その他 (3) 3 (3) 3 (1) 1 (1) 1 (2) 2

計 (213) 1441 (225) 1484 (220) 1747 (176) 1742 (188) 1543

スタンダードホワイト 759 794 737 755 797

プライムハード (83) 83 (83) 83 (84) 84 (64) 64 (80) 80

その他 (0) 2 (0) 0 (28) 28 (5) 15 (0) 0

計 (83) 844 (83) 877 (111) 848 (68) 833 (80) 877

(6) 6 (7) 7 (7) 7 (8) 8 (6) 6

(304) 4532 (316) 5245 (343) 4929 (259) 4858 (372) 5242

豪州

その他

26

合  計

平成25年度 28 2927

アメリカ

カナダ

25 26 27 28 29

二条大麦 - 1 1 1 11

六条大麦 1 2 1 2 2

はだか麦 2 3 2 8 20

計 3 5 4 11 33

二条大麦 15 13 9 14 7

六条大麦 39 53 46 40 36

はだか麦 1 1 2 4 5

計 54 67 58 58 48

二条大麦 146 174 168 180 152

はだか麦 - - 0 0 1

計 146 174 168 180 153

- - 2 2 2

203 245 232 250 236合 計

年度

アメリカ

カナダ

豪州

その他

図Ⅰ-6 政府売渡価格の構成

5 外国産食糧用麦の売渡方式

(1)外国産食糧用小麦の政府売渡

外国産食糧用小麦の政府売渡については平成19年4月以降輸入価格(過去の一定期間における輸入価格の平均値)にマークアップ(政府管理経費及び国内産小麦の生産振興対策に充当)を上乗せした価格で売り渡す「相場連動制」に移行しました(表Ⅰ-8図Ⅰ-6)

表Ⅰ-8 政府売渡価格改定ルール

項 目 基本的なルール

価格改定 現在年2回(4月期10月期)

買付価格算定期間 直近6か月間

- 8 -

輸入価格

政府売渡価格

小麦の国際価格や海上運賃為替等により変動

マークアップ

(輸 入 差 益)

港 湾 諸 経 費

買 付 価 格

(3)食糧麦備蓄対策事業

即時販売方式の導入後は製粉企業等が23か月分の外国産

食糧用小麦の備蓄を行った場合国が18か月分の保管経費を

助成しています(図Ⅰ-7)

また不測の事態が生じた場合には国は製粉企業等に

対して備蓄する外国産食糧用小麦の取崩しの指示等を行い

ます

図Ⅰ-7 食糧麦備蓄対策事業のスキーム(2)即時販売方式

外国産食糧用小麦の売渡しについては平成22年10月以降輸入した小麦を直ちに製粉企業等に販売し製粉企業等が一定期間備蓄することとなっています

- 9 -

6 外国産食糧用小麦の政府売渡価格の動向

外国産食糧用小麦の政府売渡価格は穀物の国際相場や海上

運賃為替等の動向を反映した買付価格に連動して年2回改

定されています

平成30年10月期の政府売渡価格は輸入小麦の平均買付価格

(平成30年3月第2週~9月第1週)が①米国及び豪州の一

部の地域の乾燥による減収懸念等から小麦の価格が上昇②燃

料油価格の影響により海上運賃が上昇したことにより前期

に比べ上昇したことから5銘柄加重平均(税込価格)で

55560円トン対前期比22の引上げとなりました

また平成31年4月期の政府売渡価格は輸入小麦の平均買

付価格(平成30年9月第2週~平成31年3月第1週)が①小

麦の国際価格に大きな変動がない中②為替は円安傾向であっ

たものの海上運賃が下落したことにより前期に比べ低下し

たことまたTPP11協定に基づきカナダ豪州産小麦

にマークアップの引下げを適用したことから5銘柄加重平均

(税込価格)で54630円トン対前期比17の引下げとなり

ました(表Ⅰ-9)

表Ⅰ-9 外国産食糧用小麦の政府売渡価格

注1)5銘柄加重平均価格は税込み価格である2)5銘柄とはアメリカ産ダークノーザンスプリング(主にパン中華麺用)カ

ナダ産ウェスタンレッドスプリング(主にパン用)アメリカ産ハードレッドウィンター(主にパン中華麺用)オーストラリア産スタンダードホワイト(主に日本麺用)アメリカ産ウェスタンホワイト(主に菓子用)

時 期5銘柄加重平均価格

(円トン)対前期比()

平成29年4月期 50690 +46

平成29年10月期 52510 +36

平成30年4月期 54370 +35

平成30年10月期 55560 +22

平成31年4月期 54630 17

- 10 -

Ⅱ 小麦粉麦製品の生産と価格の動向

資料平成21年度までは農林水産省「米麦加工食品生産動態統計調査年報」平成22年度からは農林水産省「食品産業動態調査」及び農林水産省「製粉精麦工場需給実績報告」平成21年度以降の麦茶の生産量については全国麦茶工業協同組合調べ

注1)麺類及びパン類の生産量は小麦粉使用量でその他は製品生産量である2)小麦粉精麦及び麦茶の生産量は年度の計でありその他は暦年の計である

(単位千トン)

表Ⅱ-1 小麦粉麦製品の生産量の推移

1 小麦粉麦製品の生産量

小麦粉の生産量は460万~470万トンで安定的に推移してい

ます(表Ⅱ-1)

小麦の二次加工製品のうち

① パン類の生産量は平成22年以降プライベートブラン

ドの菓子パンや高価格帯食パンの人気等により堅調に推

移しています

② 麺類の生産量は平成23年には東日本大震災による即

席麺の需要増等から増加しましたその後冷凍麺や外食

産業での消費増等により平成30年は147万トンと増加し

ています

③ ビスケットの生産量は平成20年から26年までは24万ト

ン前後で推移しました平成27年は円安の影響による輸入

量の減少等に伴い増加しその後は25万トン程度で推移し

ています

焼酎みそ主食用に仕向けられる精麦の生産量は平成16

年度まで本格焼酎ブームにより増加傾向で推移しましたがそ

の後の焼酎用需要の低迷等により減少しました近年は主食用

の需要の伸びにより17万トン前後で推移しています

一方平成28年(2016年)以降健康志向等を背景に大麦及

びはだか麦の需要が増加しています特に水溶性食物繊維

(大麦β-グルカン)が豊富なもち性はだか麦の需要は平成

29年(2017年)半ば以降は落ち着いてきたものの引き続き高

い水準で推移しています(図Ⅱ-1 )

- 11 -

図Ⅱ-1 もち麦を使用した製品の販売額の推移(首都圏)

区分

前年 前年 前年 前年 前年 前年

増減率 増減率 増減率 増減率 増減率 増減率

年 (年度計) () (暦年計) () (暦年計) () (暦年計) () (年度計) () (年度計) ()

平成12 4623 01 1279 23 1421 09 223 19 161 45 49 89

13 4607 03 1272 05 1441 14 218 21 164 19 51 41

14 4591 03 1245 21 1421 13 210 39 177 75 51 00

15 4662 15 1247 01 1425 02 219 43 189 71 45 118

16 4667 01 1243 03 1414 08 214 20 212 118 47 44

17 4623 09 1232 09 1368 32 213 05 201 51 47 00

18 4599 05 1218 11 1324 32 218 24 196 25 47 00

19 4684 18 1211 06 1319 03 225 29 197 06 48 21

20 4564 26 1181 24 1277 32 240 70 173 120 50 42

21 4612 11 1179 02 1265 10 243 10 168 29 48 40

22 4725 25 1196 15 1251 11 241 06 161 45 52 83

23 4708 04 1215 16 1283 26 243 06 155 35 54 38

24 4654 11 1219 03 1269 11 239 14 164 60 55 19

25 4694 09 1226 06 1324 43 237 12 158 37 66 200

26 4683 02 1234 07 1371 35 244 33 162 25 66 00

27 4702 04 1234 00 1396 19 259 59 162 04 68 30

28 4683 04 1238 03 1409 09 258 05 169 44 60 118

29 4703 04 1254 13 1445 26 252 22 172 20 64 67

30 - - 1221 27 1473 19 259 30 - - - -

精麦 麦茶小麦粉 パン類 麺類 ビスケット

資料日本経済新聞デジタルメディア社による首都圏のスーパーマーケットなど119店におけるPOSデータに基づき農林水産政策研究所において集計

図Ⅱ-2 小麦粉麦製品の価格(消費者物価指数)の変化

資料総務省「消費者物価指数」(全国)

(参考) 家計に占める小麦関連製品の支出 (単位円世帯)

資料総務省「家計調査」(全国二人以上の世帯)

年間計(平成30年)

1か月平均

消 費 支 出 3447783 287315食 料 952172 79348

小 麦 関 連 製 品 計 82108 6842パ ン 30555 2546

め ん 類 17369 1447小 麦 粉 596 50

菓子類(ビスケット等) 11397 950調理食品(調理パン) 5352 446

外食(うどん等) 16839 1403

(平成27年=100)

2 小麦粉麦製品の価格の動向

小麦粉及び麦関連製品の価格は輸入小麦の政府売渡価

格の引上げ等による原材料費の上昇人件費や物流費の上

昇等の影響を受け平成30年以降小麦粉及びパンの価格

は上昇傾向にあります(図Ⅱ-2)

- 12 -

85

90

95

100

105

110

食料品総合 パン めん類 小麦粉

表Ⅱ-2 麦製品の輸入量の推移(参考1) 麦製品の輸入動向

(1)小麦粉調製品

小麦粉に砂糖脱脂粉乳等を混合した小麦粉調製品の輸

入量は平成11年以降デフレに伴う低価格品需要の拡大

により増加傾向で推移してきましたが麦の国際相場の

高騰に伴う輸入価格の上昇等により平成18年から平成20年

にかけて減少しましたその後も減少傾向で推移しており

平成30年は8万3千トンの輸入量となっています

(2)麦加工製品

①マカロニスパゲッティ

マカロニスパゲッティについては国内の全体需要が

増加する中で輸入量が増加傾向で推移してきました

平成30年は過去最高の輸入量であった前年からは減少

し13万8千トンとなっています

②ビスケット

ビスケットの輸入量は平成25年以降円安の影響を受

けて減少していましたが平成28年度以降増加傾向にあり

平成30年の輸入量は2万5千トンとなっています

資料財務省「貿易統計」注小麦粉調製品は穀粉が占める割合が85以下のものの輸入量

なお小麦粉調製品のうち加糖のものは一般に菓子類菓子パン類等の原料として利用され無糖のものは麺類等の原料として使用される

(単位千トン)

- 13 -

対前年 対前年 対前年 対前年 対前年

増減率 増減率 増減率 増減率 増減率

() () () () ()

平成12 107 118 85 92 97 26 45 95 108 11 123

13 121 126 75 99 81 27 51 93 25 13 209

14 126 131 35 102 30 29 52 101 94 15 142

15 116 133 13 101 06 31 82 108 63 21 400

16 108 136 28 98 32 38 222 112 35 25 219

17 110 140 26 98 01 42 90 110 17 24 49

18 116 139 09 99 12 39 59 110 02 24 23

19 118 117 155 87 128 30 224 104 49 23 56

20 104 100 144 72 173 29 60 127 219 18 221

21 94 102 23 73 15 30 42 116 85 17 83

22 88 107 40 73 07 33 119 121 36 19 173

23 80 108 12 78 59 30 90 134 115 22 143

24 80 106 16 78 02 28 63 142 58 22 07

25 97 100 53 73 64 28 25 133 68 18 182

26 105 98 21 73 02 25 83 133 03 17 74

27 121 94 40 69 55 25 03 132 08 14 166

28 109 91 32 65 58 26 40 145 99 19 348

29 112 92 05 65 02 27 14 150 32 24 296

30 110 83 92 59 85 24 110 138 75 25 23

国 名輸入割合()

国 名輸入割合()

国 名輸入割合()

国 名輸入割合()

国 名輸入割合()

韓国 409 韓国 528 シンガポール 442 イタリア 465 インドネシア 242

シンガポール 202 フランス 151 米国 126 トルコ 355 中国 205

フランス 114 シンガポール 105 韓国 114 米国 142 マレーシア 84

米国 75 中国 78 ニュージーランド 98 ギリシャ 20 ベトナム 63

中国 57 米国 55 豪州 69 アラブ首長国連邦 10 イタリア 55

国 名対前年増減率()

国 名対前年増減率()

国 名対前年増減率()

国 名対前年増減率()

国 名対前年増減率()

韓国 10 韓国 13 シンガポール 221 イタリア 107 インドネシア 202

シンガポール 124 フランス 92 米国 136 トルコ 45 中国 76

フランス 87 シンガポール 108 韓国 30 米国 09 マレーシア 245

米国 116 中国 546 ニュージーランド 87 ギリシャ 152 ベトナム 137

中国 543 米国 98 豪州 344 アラブ首長国連邦 135 イタリア 119

30

輸入上位5カ国

区分

為替レー

円ドル)

小麦粉調製品 麦加工製品

加糖のもの 無糖のもの マカロニスパゲッティ ビスケット

(参考2) 麦製品の輸出動向

麦製品の輸出量のうちその大部分を占める小麦粉の輸出量

は近年主要輸出先国の製粉技術の向上や現地製粉工場の立

上げ等により減少傾向で推移し平成30年は約16万トンとなっ

ています(表Ⅱ-3)

表Ⅱ-3 麦製品の輸出量の推移

資料財務省「貿易統計」

(単位トン)

- 14 -

対前年増減率()

対前年増減率()

対前年増減率()

309594 75 376 431 1028 375

321028 37 315 162 967 59

319968 03 253 197 953 14

318706 04 410 621 1052 104

304465 45 328 200 769 269

289911 48 1054 2213 719 65

290033 00 1196 135 762 60

255377 119 1150 38 1098 441

187040 268 743 354 1198 91

185403 09 822 106 898 250

196183 58 770 63 974 85

191480 24 607 212 698 283

192598 06 598 15 780 117

168205 127 573 42 769 14

166311 11 571 04 861 120

157938 50 553 32 1249 451

158896 06 549 07 1287 30

167600 55 532 32 778 395

163640 24 535 06 894 148

国 名輸出割合

() 国 名輸出割合

() 国 名輸出割合

()

香港 496 香港 888 中国 483シンガポール 207 中国 43 香港 314ベトナム 96 韓国 21 台湾 64

タイ 59 米国 17 ベトナム 37台湾 58 台湾 11 シンガポール 29

国 名対前年増減率() 国 名

対前年増減率() 国 名

対前年増減率()

香港 175 香港 26 中国 251シンガポール 583 中国 62 香港 329ベトナム 135 韓国 437 台湾 59

タイ 81 米国 1047 ベトナム 418台湾 47 台湾 261 シンガポール 449

24

30

輸出上位5カ国

25

181920212223

2627282930

17

  区分

小麦粉マカロニスパゲッティ

スイートビスケット

平成1213141516

(参考3) 麦製品の生産動向

麦製品の生産量は食パンや乾麺のように生産量が減少している製品もある一方で菓子パンや即席麺冷凍麺のように生産量が増加している製品もあることから使用される小麦粉の数量は平成22年以降概ね横ばい傾向で推移しています麦製品は食生活の多様化や簡便性といった消費者ニーズを

捉えつつ継続した新製品の開発がなされており新たな定番となる商品の登場や期間限定の商品やイベントなどが消費者の購買を促進していると考えられます(図Ⅱ-3表Ⅱ-4)

表Ⅱ-4 麦製品の生産量の推移

(単位千トン)

- 15 -

資料平成21年度までは農林水産省「米麦加工食品生産動態統計調査年報」平成22年度からは農林水産省「食品産業動態調査」及び農林水産省「製粉精麦工場需給実績報告」冷凍麺の生産量は(一社)日本冷凍食品協会調べ

注1)麺類及びパン類の生産量は小麦粉使用量で冷凍麺は製品生産量である2)小麦粉は年度の計でありその他は暦年の計である

区分

パ ン 麺 類 冷凍麺

小麦粉 食パン菓子パ

ンその他のパン

生麺 乾麺 即席麺

年度計 暦年計 暦年計 暦年計 暦年計 暦年計 暦年計 暦年計 暦年計 暦年計

昭和45 3422 970 469 - - - 514 327 267 -

50 3978 1062 588 251 63 - 541 289 335 -

55 4079 1189 687 285 89 1334 610 275 325 -

60 4243 1178 653 291 133 1397 659 297 316 9

平成2 4338 1193 661 321 146 1407 687 274 316 41

7 4633 1220 623 368 178 1456 729 268 314 120

12 4623 1279 619 382 235 1421 687 235 343 190

22 4725 1196 576 375 215 1251 555 203 332 257

23 4708 1215 580 392 215 1283 548 209 361 270

24 4654 1219 580 392 221 1269 542 204 363 283

25 4694 1226 598 384 218 1324 562 213 386 314

26 4683 1234 608 387 214 1371 578 213 410 318

27 4702 1234 605 403 201 1396 624 195 414 308

28 4683 1238 604 403 206 1409 652 186 419 308

29 4703 1254 602 409 218 1445 691 186 416 313

30 - 1221 585 401 211 1473 712 188 420 -

〔低糖質製品〕

〔多種多様な携帯サンドイッチ〕

〔手軽な冷凍麺〕

図Ⅱ-3 麦製品の商品事例

H18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29

製粉工場数 124 122 121 119 117 118 117 114 109 104 102 98

製粉企業数 100 98 98 96 94 95 94 90 88 83 81 77

うち輸入小麦取扱製粉工場数 91 91 90 90 87 87 86 83 78 76 74 73

うち輸入小麦取扱製粉企業数 67 67 67 65 64 64 64 60 57 55 53 52

50

70

90

110

130

150製粉工場数

製粉企業数

うち輸入小麦取扱製粉工場数

うち輸入小麦取扱製粉企業数

3 製粉企業の状況

(1)大手製粉企業及び中小製粉企業の動向

① 大手製粉企業4社の小麦粉の生産量は全体の78を占

めておりこれに年間小麦粉生産量が3万トン以上の企業

の生産量を加えた13社ベースでは全体の90を占めてい

ます

② 大手製粉企業は生産設備の臨海工場への集約化を進め

つつ工場の大規模化合理化を推進しています

平成29年度の1工場当たりの生産量は17万トンまた

稼働率は89となっています

③ 年間小麦粉生産量3万トン以上の中小製粉企業は工場

のほとんどが臨海地域に立地し小麦粉を域内の二次加工

メーカー等に供給しています

平成29年度の1工場当たりの生産量は約6万トン稼働

率は67となっています

④ 年間小麦粉生産量1千トン以上3万トン未満の中小製粉

企業は主に内陸に位置し小麦粉を地元のパン麺等の

加工業者に供給するほか乾麺等の製造を兼ねるものも多

くなっています

平成29年度の1工場当たりの生産量は13万トンと大

手製粉企業の約14分の1稼働率は35となっています

⑤ 年間小麦粉生産量1千トン未満の中小製粉企業は輸入

小麦を取り扱わない企業が大部分を占め国内産小麦のみ

を使用し麺用や菓子用に供給しています

表Ⅱ-5 大手製粉企業中小製粉企業の小麦粉生産等の動向

資料農林水産省調べ注四捨五入の関係で計と内訳が一致しない場合がある

(参考)製粉企業数と工場数の推移(企業工場)

- 16 -

3万トン以上1千トン以上3万トン未満

1千トン未満

平成24 94 4 90 9 50 31

29 77 4 73 9 38 26

24 4853 3679 1174 536 636 3

29 4877 3801 1075 569 504 2

24 100 758 242 110 131 01

29 100 779 221 117 103 00

24 3245 1177 2068 632 1360 76

29 2806 1057 1749 581 1114 54

24 1496 3126 568 848 468 39

29 1738 3596 615 980 452 44

24 415 1533 126 596 120 01

29 498 1728 142 569 126 01

24 692 887 414 709 311 42

29 731 888 454 670 347 46

全体 大手製粉

中 小 製 粉年間生産量

稼働率()

製粉企業数

小麦粉生産量(千トン)

生産シェア()

従業員数(人)

従業員一人当たりの生産量

(トン)

一工場当たりの生産量(千トン)

(2)製粉企業のコスト削減や品質安全性の向上に向けた取組

製粉企業は生産能力の増強によるコスト削減や品質安全性の向上に向けた取組を進めています(図Ⅱ-4)

また国も農業競争力強化プログラムを策定し製粉企業の取組みを支援しています(図Ⅱ-5)

① 供給能力の強化等によるコストダウン

製粉企業は供給能力の強化生産性の向上と原料小麦の受入体制の整備によるコストダウンを図るため製粉工場や原料サイロの増強等の設備投資を行っています

② 資本業務の提携

製粉企業の中には他の製粉企業と資本業務提携を行うこと等により原料調達規模の拡大や生産の効率化等による競争力の強化を図る取組もみられます

③ 品質安全性の向上

製粉企業は近年消費者の安全安心への関心が高まる中食品の品質安全性を確保するための設備やAIB食品安全システムの導入ISO認証の取得等様々な取組を行っています

④ 工場の集約化

大手製粉企業は内陸工場を閉鎖し海外からの原料調達に有利な臨海工場への集約を進めるとともに臨海工場の生産能力を増強させる等生産性の向上を図っています

⑤ 海外市場への進出

製粉企業の中にはアジア大洋州地域における買収や工場増設等海外市場に積極的な進出をする取組もみられます

① 供給能力の強化等によるコストダウン 日清製粉は関東地区の小麦サイロ収容力の増強を進め更なる原料小麦の安定供給を推進するため鶴見工場の原料小麦サイロを増設(平成28年)

日本製粉は神戸甲南工場の原料サイロの新設等(平成24年)千葉工場の原料サイロの増設(平成26年)を行い今後原料サイロを福岡工場及び知多新工場へ新設神戸甲南工場(第2期)へ増設する予定

千葉製粉は新たな顧客ニーズへの対応付加価値製品の創出等を図るため専用ラインを新設(平成27年)

② 資本業務提携 資本業務提携を行っている製粉企業

増田製粉所(兵庫) hArr 日東富士製粉

木田製粉(北海道)内外製粉(三重)奥本製粉(大阪)セントラル製

粉(愛知) hArr 昭和産業

東福製粉(福岡) hArr 日本製粉

③ 品質安全性の向上 多くの製粉企業がISO9001(品質マネジメントシステム)ISO22000(食品安全マネジメントシステム)の認証を受けることにより品質管理や食品安全管理を実施

④ 工場の集約化 日清製粉は生産性向上のため内陸工場を順次閉鎖し臨海工場への集約化を推進

筑後工場(福岡)鳥栖工場(佐賀) rarr 福岡工場(福岡)へ集約

(平成26年)

名古屋工場の2ライン rarr 知多工場(愛知)の新ラインへ集約

(平成27年)

日本製粉は生産性向上のため総生産能力の80を臨海部の大型工場に集約

⑤ 海外市場への進出状況(平成30年度) 日清製粉は豪州の小麦粉市場においてトップシェアを持つアライドピナクル社を買収またタイでは子会社の日清STC製粉がタイの製粉工場を買収するとともにベトナムでは業務用プレミックスの生産工場を建設することを決定

昭和産業はベトナムに新たにプレミックス製造会社を設立し生産工場を建設することを決定

図Ⅱ-4 製粉企業の各種取組の事例

- 17-

⑥ 再編合理化の取組

製粉企業の中には国の支援を活用した再編合理化の取

組もみられます

⑦ 地産地消の推進

中小製粉企業は地域とのつながりの強さや独自の立地

条件を活かした特色ある経営を模索する中で生産者と協

力した積極的な地産地消の取組を進めています

⑦ 地産地消の推進

岩手県主な実施者岩手県学校給食会岩手県パン工業組合県内製粉企業取 組 内 容 平成28年度から地元県産小麦(銀河のちからゆきちから)を

100使用した学校給食用パンを県内の小中学校に提供開始埼玉県

主な実施者埼玉産小麦ネットワーク「SWING group」(県内製粉企業が中心となり生産者加工業者販売業者等180社が加盟)

取 組 内 容 埼玉県産小麦のブランド価値を高めることなどを目的として埼玉県産小麦を自社製品に利用することで高付加価値商品の開発による自社の発展などを目指すとともに研修会の実施やイベントホームページなどを通じた消費者への情報提供を実施

京都府主な実施者地元製粉企業京都府全農京都府本部生産者府内製麺製

パン業者飲食店取 組 内 容 平成30年産から京都府産小麦品種を「せときらら」へ全面切替を

行ったことを機にブランド名を「京小麦」とし「京小麦」を100使用したメニューを参加店舗にて提供するイベント「京小麦の収穫祭」を平成31年1月21日から2月17日まで開催

福岡県主な実施者福岡県ラー麦普及推進協議会(県JA全農ふくれん県内製粉

業者5社製麺業者関係団体)取 組 内 容 以下の取組によりラーメン用小麦「ラー麦」を普及推進

産地への生産技術の普及指導 小麦品質評価最適製粉加工方法の検討 利用や消費を促進するための普及宣伝(試

食イベント等) 毎年産の製粉製麺適性評価および食味

官能評価の実施 平成21年に本小麦の名称「ラー麦」とロ

ゴデザインを商標登録しブランド化

- 18 -

2 生産者が有利な条件で安定取引を行うことができる流通加工の業界構造の確立

(1)生産者に有利な流通加工構造の確立現在の食料需給消費の実態等を踏まえた効率的機能

的で農業者と消費者双方がメリットを受けられる流通加工構造を確立するため以下のとおり取り組む

その際農林水産省経済産業省をはじめ政府一体となって取り組む①~⑦ (略)⑧ 加工業については生産性の低い工場が乱立している

種類の加工業界(製粉乳業等)について国は国際競争に対応できる生産性の確保を目指した業界再編設備投資等を推進することとし政府系金融機関の融資農林漁業成長産業化支援機構の出資等による支援を行う

⑨ 上記改革を推進するため農産物の流通加工に関し国の責務業界再編に向けた推進手法等を明記した法整備を進める

⑩ 上記改革を推進するため金融機関による流通加工関連産業の生産性向上に資する経営支援や資金供給の促進政府系金融機関や農林漁業成長産業化支援機構等との連携強化等を図る

図Ⅱ-5 農業競争力強化プログラム(抜粋)

(平成28年11月29日 農林水産業地域の活力創造本部決定)

⑥ 再編合理化の取組

製粉工場の廃棄撤去製粉施設の一部又は全部を撤去しミックス粉等の関連事業を拡大

(製粉工場等再編合理化事業(平成2728年度7件))

図Ⅲ-1 国内産小麦の収穫量と作付面積の推移

表Ⅲ-1 小麦の主な作付品種(平成29年産)

Ⅲ 国内産麦の生産と流通の動向

1 国内産麦の生産状況

(1)小麦

① 作付面積

近年の国内産小麦の作付面積は約21万haと横ばいで推移して

います平成30年産の作付面積は北海道は121万ha都府県

は91万ha全国では212万haとなり前年産並となっていま

② 収穫量

平成30年産の国内産小麦の収穫量は主産地の北海道での6

月中旬から7月中旬にかけての低温日照不足の影響により登

熟不良となったこと等から前年産に比べ北海道で134万ト

ン(22)減少都府県では05万トン(2)減少全国

では139万ha(15)減少の768万トンとなり(図Ⅲ-1)

10a当たりの平均収量対比は91となりました

③ 小麦の作付品種の状況

栽培品種については各産地の気候条件や用途等に適した品

種が作付されており29年産では日本麺用では「きたほなみ」

「さとのそら」「シロガネコムギ」といった品種パン

中華麺用では「春よ恋」「ゆめちから」といった品種が上位

を占めています(表Ⅲ-1)

資料農林水産省「作物統計」品種毎の面積は農林水産省政策統括官調べ

注品種の育成年についてはシロガネコムギは農林認定が行われた年

それ以外の品種は出願公表が行われた年としている

資料農林水産省「作物統計」30年産の数値は概算値

- 19 -

(千トン)

年産

910 881

674

571

746

858 812

852

1004

791

907

768

210 209 208 207 212 209 210 213 213 214 212 212

100

120

140

160

180

200

220

240

260

280

300

0

200

400

600

800

1000

H19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30

収穫量 作付面積(千ha)

品種名 育成年 作付面積(千ha) 割合 主な作付地域

きたほなみ 平成19年 878 41 北海道

さとのそら 平成21年 159 7 関東東海

シロガネコムギ 昭和49年 152 7 九州近畿

春よ恋 平成11年 143 7 北海道

ゆめちから 平成20年 137 6 北海道

上位5品種計 1469 69

小麦作付面積 - 2123

図Ⅲ-2 国内産大麦及びはだか麦の収穫量と作付面積の推移

表Ⅲ-2 大麦及びはだか麦の主な作付品種(平成29年産)

(2)大麦及びはだか麦

① 作付面積

近年国内産大麦及びはだか麦の作付面積は約6万と横ば

いで推移しており平成30年産は前年産と比較すると二条

大麦は前年産並六条大麦は800ha(4)減少はだか麦

で460ha(9)増加となり全体では340ha(1)減少の

61万haとなりました(図Ⅲ-2)

② 収穫量

平成30年産の大麦及びはだか麦の収穫量は二条大麦及びは

だか麦はおおむね天候に恵まれ生育が順調で登熟も良好

であったこと等から前年産に比べ二条大麦は01万トン

(1)増加はだか麦は01万トン(8)増加となりました

六条大麦については北陸地方において大雪の影響で融雪時期

が遅れたこと等により穂数が少なくなり前年産に比べ14万

トン(26)減少しました

この結果大麦及びはだか麦の収穫量は合計で173万トンと

なり前年産に比べて12万トン(6)減少となりました

(図Ⅲ-2)

③ 大麦及びはだか麦の作付品種の状況

栽培品種については各産地の気候条件や用途等に適した品

種が作付されており29年産では二条大麦はビール用の「サ

チホゴールデン」六条大麦は主食用や麦茶用の「ファイ

バースノウ」はだか麦は麦味噌用の「マンネンボシ」いっ

た品種が上位を占めています(表Ⅲ-2)

資料農林水産省「作物統計」30年産の数値は概算値

- 20 -

(千トン)

資料農林水産省「作物統計」農林水産省調べ

注品種の育成年についてはシュンライイチバンボシは農林認定が行われ

た年それ以外の品種は出願公表が行われた年としている

195 217

179 161

172 172 183

170 177 170 185

173

54 57 58 59 60 60 59 60 61 61 61 61

0

10

20

30

40

50

60

70

80

90

100

0

50

100

150

200

250

H19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30

収穫量 作付面積 (千ha)

年産

麦種 品種名 育成年作付面積(千ha)

割合 主な作付地域

二条大麦

サチホゴールデン 平成18年 189 31 九州関東中国

はるしずく 平成17年 44 7 九州

ニシノホシ 平成11年 27 4 九州

六条大麦

ファイバースノウ 平成13年 107 17 北陸関東東海

シュンライ 平成2年 33 5 関東東北近畿

カシマゴール 平成22年 13 2 関東東海

はだか麦

マンネンボシ 平成13年 15 2 四国

イチバンボシ 平成4年 14 2 四国九州

トヨノカゼ 平成18年 11 2 九州中国

大麦はだか麦作付面積

- 614

資料農林水産省調べ

Aランク評価項目の基準値を3つ以上達成しかつ許容値を全て達成している麦Bランク評価項目の基準値を2つ達成しかつ許容値を全て達成している麦Cランク評価項目の基準値を1つ達成しかつ許容値を全て達成している麦

評価項目の基準値を2つ以上達成しているものの許容値を達成していない麦DランクA~Cランクのいずれにも該当しない麦

【評価項目】①小麦 日本麺用パン中華麺用(たんぱく灰分容積重フォーリングナンバー)

醸造用(たんぱく3項目容積重)②二条大麦 主食等用(容積重細麦率白度正常粒率)

麦茶用(たんぱく3項目細麦率)③六条大麦はだか麦 主食等用(容積重細麦率白度硝子率)

麦茶用(たんぱく3項目細麦率)

(参考) 麦の品質区分

(単位)

- 21 -

(2)品質評価

たんぱく質や灰分の含有率等に基づく品質評価結果につい

ては平成30年産の小麦ではAランクが899となってお

り過去5年平均(Aランク比率849)と比べ5ポイン

ト高くなっています

また平成30年産の大麦はだか麦ではAランクが

849となっており過去5年平均(Aランク比率832)

と比べ17ポイント高くなっています(表Ⅲ-4)

表Ⅲ-4 平成30年産麦の品質評価結果

2 国内産麦の品質状況

(1)農産物検査① 平成30年産の小麦について全国の1等比率は761

(平成30年12月末時点)と過去5年平均799と比較して低くなっています(表Ⅲ-3)

② 平成30年産の小粒大麦大粒大麦はだか麦及びビール大麦について1等比率は大粒大麦を除き過去5年平均と比較して低くなっています(表Ⅲ-3)

表Ⅲ-3 国内産麦の1等比率の推移(単位)

Aランク Bランク Cランク DランクAランク

過去5年平均(平成25~29年産)

小 麦 899 67 33 01 849

大麦はだか麦

849 37 108 06 832

注1)各年産翌年4月末時点の値であるただし平成30年産は30年12月末時点の値である

2)強力小麦の検査数量を含む値である

3 国内産麦に対する支援

平成31年度は経営所得安定対策等の対策のうち主に畑作

物の直接支払交付金と水田活用の直接支払交付金により国内

産麦に対する支援が行われます

(1)畑作物の直接支払交付金

畑作物の直接支払交付金として麦を生産する農業者に対

し標準的な生産費と標準的な販売価格の差額分を直接交付

することとしています

支払いは当年産の麦の品質及び生産量に応じて交付する

数量払を基本とし当年産の麦の作付面積に応じて交付する

面積払(営農継続支払)を数量払の先払いとして交付する仕

組みにしています

数量払の交付単価は品質に応じた単価を設けており需要

に応じた生産と品質に対する営農努力を適切に反映させる仕

組みになっています(表Ⅲ-5)

表Ⅲ-5 畑作物の直接支払交付金の麦の交付単価

(円単位数量)

品質区分(等級ランク)

1等 2等

A B C D A B C D

小麦(パン中華麵

用品種)(60kg当たり)

9040 8540 8390 8330 7880 7380 7230 7170

小麦(パン中華麺用品種以外)(60kg当たり)

6740 6240 6090 6030 5580 5080 4930 4870

二条大麦(50kg当たり) 5550 5130 5010 4960 4690 4270 4140 4090

六条大麦(50kg当たり) 6030 5610 5480 5430 5000 4580 4460 4410

はだか麦(60kg当たり) 8650 8150 8000 7910 7080 6580 6430 6350

(参考)

【平均交付単価小麦6940円60kg二条大麦5490円50kg六条大麦5720円50kg

はだか麦8230円60kg】

②面積払

当年産の作付面積に応じて交付 2万円10a

①数量払(品質に応じた単価)

- 22 -

【平成31年産に適用】

標準的な生産費

差額

ゲタ交付単価

標準的な販売価格

【交付単価のイメージ】lt畑作物の直接支払交付金のイメージgt

面積払(数量払の際に控除されます)

数量払

収量

交付金額

(2)水田活用の直接支払交付金

水田のフル活用を推進し食料自給率自給力の向上を図

るため水田で麦を生産する農業者に対しては畑作物の直

接支払交付金に加え水田活用の直接支払交付金(35000円

10a)を直接交付することとしています(表Ⅲ-6)

表Ⅲ-6 水田活用の直接支払交付金の交付単価

作 物 単 価

麦大豆飼料作物 35000円10a

WCS(ホールクロップサイレージ)用稲 80000円10a

加工用米 20000円10a

飼料用米米粉用米収量に応じ

55000円~105000円10a

このほか「産地交付金」により地域で作成する水田フル活用ビジョンに基づき二毛作や耕畜連携を含め産地づくりに向けた取組を支援します

戦略作物助成

注実需者等との出荷販売契約等を締結すること出荷販売することが要件

- 23 -

4 国内産食糧用麦の流通動向

(1)取引の概要

国内産食糧用麦は加工原料としての商品特性から需要に応じて計画的に生産できるようは種前契約に基づく取引が行われています

まず取引の指標となる透明性のある適正な価格を形成するためは種前に販売予定数量の3~4割(具体の比率は民間流通地方連絡協議会の協議を踏まえ決定)について入札が行われます残りは相対取引が行われておりその価格については入札で形成された指標価格(落札加重平均価格)を基本として取引当事者間で決められています(図Ⅲ-3)

また取引を円滑に進めるため生産者需要者等で構成される民間流通連絡協議会において取引に必要な情報交換取引に係る基本事項の見直し等が行われています(表Ⅲ-7)

今後とも国内産食糧用麦については円滑な流通が確保されるようは種前契約を基本としつつ適切に対応していきます

図Ⅲ-3 国内産食糧用麦の基本的な流通フロー

表Ⅲ-7 国内産食糧用麦の入札の仕組み

項 目 概 要 見直しの変遷

実施主体 一般社団法人 全国米麦改良協会

実施時期 は種前に2回実施(8~9月)平成13年産から1回rarr2回へ見直し

上場数量

産地銘柄別に販売予定数量が小麦3千トン以上大麦はだか麦1千トン以上の銘柄についてその30~40を上場(ほかに希望上場あり)

平成31年産から30rarr30~40へ見直し

基準価格

小麦は前年産の落札加重平均価格に当年産の入札実施時点での外国産麦の政府売渡価格の変動率を乗じた価格大麦はだか麦は前年産の落札加重平均価格

小麦の外国産麦との連動は平成24年産から実施

値幅制限 基準価格のplusmn10

小麦平成12年産~16年産plusmn5平成17年産~21年産plusmn7平成22年産plusmn10平成23年産plusmn30平成24年産~ plusmn10大麦はだか麦平成12年産~18年産plusmn5平成19年産~21年産plusmn7平成22年産plusmn10平成23年産plusmn15平成24年産~ plusmn10

取引価格の事後調整(小麦のみ)

外国産食糧用小麦の政府売渡価格の改定(410月)に合わせては種前の入札又は相対により契約された価格に外国産食糧用小麦の政府売渡価格の変動率を乗じて取引価格を改定

平成23年産から実施

申込限度数 量

買い手別に上場数量times買受実績シェアtimes145

小麦は平成17年産から大麦及びはだか麦は平成19年産から135rarr145へ見直し

相対取引入札で形成された指標価格を基本に生産者団体と需要者の間で協議決定

平成19年産から過去の実績シェアに基づく取引ルールを廃止

再入札

第1回入札及び第2回入札において落札残数量が発生した場合は売り手の希望により再度入札に付すか相対による契約を行うかいずれかの方法をとることができる

平成25年産から売り手の申し出により再入札における入札の値幅を設定できること等を規定

生産者団体から販売予定数量需要者団体から購入希望数量の相互提示

入札取引の実施(販売予定数量の約3~4割)

相対取引の実施(販売予定数量の約6~7割)

は 種(秋まき春まきは収穫年の4月)

収 穫 及 び 検 査

生産者団体と需要者の間では種前に契約を締結

需 要 者 へ 引 渡 し

<生産の流れ>

麦の生育期間

<契約の流れ>

は種前契約に基づき計画的に作付(は種)

収穫前年7月~

8~9月

9月~

~12月

6~8月

6月~

収穫年26年産から国内産麦の需要拡大を図るため地域の食文化のブランド化等による高付加価値化の取組等に対し安定的な原料供給が可能となる需要拡大推進枠を導入

- 24 -

表Ⅲ-8 国内産食糧用麦の供給量 (単位千トン)

注集荷団体からの聞き取り数量である

(2)流通の動向

平成30年産の国内産食糧用小麦の供給量は前年産から

約14万4千トン減少し約70万1千トンとなっています

また国内産食糧用大麦及びはだか麦の供給量は前年

産から約3千トン減少し約10万3千トンとなっています

(表Ⅲ-8)

生産者側から提示された平成31年産麦の販売予定数量は

国内産食糧用小麦で約82万4千トン国内産食糧用大麦及

びはだか麦で約10万8千トンとなっています

一方需要者側から提示された平成31年産麦の購入希望

数量は国内産食糧用小麦で約86万3千トン国内産食糧

用大麦及びはだか麦で約13万トンとなっています(表Ⅲ-

9)

表Ⅲ-9 国内産食糧用麦の販売予定数量及び購入希望数量の推移(単位千トン)

資料民間流通連絡協議会調べ注四捨五入の関係で差し引きが一致しないことがある

- 25 -

年産 20 21 22 23 24 25 26 27 28 2930

(見込)

小   麦 841 639 532 694 811 767 808 946 734 845 701

大麦はだか麦 125 100 84 98 93 105 103 103 92 106 103

年産 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31

販売予定数量① 887 906 909 951 948 909 905 880 820 846 834 824

購入希望数量② 833 880 818 859 904 869 751 802 834 875 880 863

①-② 54 25 91 91 44 40 154 78 14 29 46 39

(①-②)①() 61 28 100 96 47 44 170 89 18 34 55 47

販売予定数量① 121 132 134 127 122 116 110 112 113 112 108 108

購入希望数量② 199 219 135 149 147 138 141 149 145 138 148 130

①-② 78 87 1 23 26 21 31 37 32 26 39 22

(①-②)①() 640 660 06 179 209 182 282 330 284 234 363 204

表Ⅲ-10 国内産食糧用麦の入札結果の推移

資料一般社団法人全国米麦改良協会調べ

注1価格は税込み(26年産までは527年産以降は8)である

ただし31年産の落札価格は一般社団法人全国米麦改良協会公表の価格(税抜き)を基に農林水産省で税込み価格を算出

5 国内産食糧用麦の価格の動向

(1)平成31年産の入札の概要

平成31年産麦の入札は第1回は平成30年9月12日に第

2回は平成30年9月26日に実施されました

麦種別の入札結果をみると小麦は上場数量約21万4千

トンのうち約20万4千トンが落札(落札率954)され落

札価格は61714円トン(対前年産比1151)となりました

小粒大麦は上場数量約1万1千トンのうち約1万1千

トンが落札(落札率991)され落札価格は46560円トン

(対前年産比997)となりました

大粒大麦は上場数量約7千8百トンのうち5千6百トン

が落札(落札率717)され落札価格は46923円トン(対

前年産比879)となりました

はだか麦は上場数量約2千3百トンのうち約2千1百

トンが落札(落札率897)され落札価格は50817円トン

(対前年産比961)となりました(表Ⅲ-10)

なお国内産小麦については近年消費者の国産志向の高

まりなどを受け大手外食チェーンや2次加工メーカーが国

内産小麦を使用したパン中華麺等の商品を相次いで発表す

るなど人気が高まってきていますこれらを背景として平

成31年産小麦の落札価格は多くの銘柄で値幅制限の上限付

近となっておりまた申込倍数も14倍と高いものとなって

います

- 26 -

20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31

上場数量

(トン)①243510 243020 242310 251370 250980 244880 244320 234010 213360 221380 218500 214200

落札数量

(トン)②234930 238410 189350 247770 245320 220590 188240 192240 201140 214060 210560 204420

落札率

②①965 981 781 986 977 901 770 822 943 967 964 954

落札価格

(円トン)43229 59885 55241 48732 58340 49333 49319 49770 54164 51570 53624 61714

対前年産比 1064 1385 922 882 1197 846 1000 1009 1088 952 1040 1151

上場数量

(トン)①12240 13590 14210 13300 11760 11220 11290 11930 12210 12200 11750 11040

落札数量

(トン)②12050 13510 14040 13170 11550 10850 10900 11830 12090 12200 11440 10940

落札率

②①984 994 988 990 982 967 965 992 990 1000 974 991

落札価格

(円トン)45479 59709 53448 45871 46485 46453 46290 47595 47565 46880 46708 46560

対前年産比 1084 1313 895 858 1013 999 996 1028 999 986 996 997

上場数量

(トン)①10020 9690 10330 9290 9000 8700 7210 7620 7450 7620 6880 7810

落札数量

(トン)②8880 8920 8910 7990 7990 7830 6480 7130 6600 6700 6340 5600

落札率

②①886 921 863 860 888 900 899 936 886 879 922 717

落札価格

(円トン)36532 50492 46097 39649 40394 41582 42881 45740 47827 50442 53384 46923

対前年産比 1059 1382 913 860 1019 1029 1031 1067 1046 1055 1058 879

上場数量

(トン)①2910 3150 3030 3260 3060 2830 2840 2890 2740 2660 2570 2330

落札数量

(トン)②2910 3150 3030 3090 3020 2830 2810 2810 2520 2600 2470 2090

落札率

②①1000 1000 1000 948 987 1000 989 972 920 977 961 897

落札価格

(円トン)42222 58527 61489 52791 51905 52294 49656 47712 46547 48527 52876 50817

対前年産比 1063 1386 1051 859 983 1007 950 961 976 1043 1090 961

年産

小麦

小粒大麦(六条大麦)

大粒大麦(二条大麦)

はだか麦

平成31年産国内産食糧用小麦の入札結果をみると産地別銘柄別

の需給状況等を反映して落札価格に差が生じています

代表的な銘柄である北海道産「きたほなみ」は前年産の価格を

153上回る64752円トン香川県産「さぬきの夢2009」は前

年産の価格を152上回る73186円トンとなりましたまたパ

ン中華麺用の北海道産「ゆめちから」は前年産の価格を180

上回る62777円トン北海道産「春よ恋」は前年産の価格を

180上回る68792円トンとなりました(図Ⅲ-4図Ⅲ-5)

図Ⅲ-4 平成31年産国内産食糧用小麦の産地別銘柄別落札価格

資料農林水産省調べ注外国産小麦5銘柄加重平均価格は平成30年4月期の輸入小麦の政府売渡価格である

(2)平成31年産国内産食糧用小麦の産地別銘柄別落札価格の動向

資料農林水産省調べ注1国内産小麦の価格は(一社)全国米麦改良協会が実施する民間流通麦にかかる入札の第1回第2回

及び再入札の落札加重平均価格(税込み)年産の下段の( )内は当該第1回入札の実施年月である注2外国産小麦の価格は18年までは当該年度平均の実績価格であり19年以降は民間流通麦にかかる第

1回入札の実施年月時点での輸入小麦の政府売渡価格(5銘柄平均)である注3ホクシン(きたほなみ)については22年産までは「ホクシン」の価格であり23年産からは「きたほ

なみ」の価格である注4さぬきの夢については24年産までは「さぬきの夢2000」の価格であり25年産からは「さぬきの夢

2009」の価格である注5農林61号(さとのそら)については23年産までは「農林61号」の価格であり24年産からは「さとの

そら」の価格である

図Ⅲ-5 国内産食糧用小麦の産地別銘柄別落札価格の推移

- 27 -

(単位円トン税込み)

30000

60000

北海道ゆめちから 62777

福岡ミナミノカオリ 68393

滋賀農林61号 50763

茨城さとのそら 46310

佐賀チクゴイズミ 52193

岩手ゆきちから 39929

全銘柄落札加重平均 61714

香川さぬきの夢2009 73186

北海道きたほなみ 64752

外国産小麦5銘柄加重平均 54370

群馬さとのそら 48669

北海道キタノカオリ 63090

大分チクゴイズミ 48265

福岡シロガネコムギ 50643

佐賀シロガネコムギ 47998

40000

福岡チクゴイズミ 52203

滋賀ふくさやか 49534

岐阜イワイノダイチ 46874

埼玉さとのそら 47159

宮城シラネコムギ 44607

群馬つるぴかり 49785

北海道春よ恋 68792

愛知きぬあかり 50114

北海道はるきらり 60201

50000

埼玉あやひかり 46072

岐阜さとのそら 45919

70000

30000

40000

50000

60000

70000

80000

90000

100000

110000

120000

130000

12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 年産

(単位円トン税込み)

北海道ホクシン

香川さぬきの夢200973186円

茨城農林61号

香川さぬきの夢2000

茨城さとのそら

46310円

北海道きたほなみ

64752円

北海道ゆめちから

62777円

外国産小麦

5銘柄平均

54370円

北海道春よ恋

68792円

(128) (138) (148) (158) (168) (178)(1810) (199) (208)(2110)(2212) (239) (2410)(2510)(269)(279) (289) (299)(119) (309)

6 国内産麦の新品種の育成状況

(1)国内産麦については縞萎縮病抵抗性や耐倒伏性を備え

需要者等のニ-ズに合った新品種の開発が進められています

また作付け面積が1万haを超える「ゆめちから」「さとの

そら」をはじめ多数の品種が生産現場に導入されています

(図Ⅲ-6)

(2)今後とも赤かび病抵抗性や穂発芽耐性が高い小麦品種

小麦粉の色相や製粉性が優れる日本麺用小麦品種パンの膨

らみがカナダ産「1CW」並の小麦品種焼酎押麦味噌

などの加工適性が高い大麦品種等の開発を推進します

小麦品種「ゆめちから」及び「さとのそら」は優れた栽培特性

と加工適性を備えており作付けが拡大しています(平成29年

推定値「ゆめちから」約1万2千ha「さとのそら」約1万5

千ha)

パン用小麦品種の開発近年国産の小麦粉を使ったパンの需要増加に応えるためグルテンやでん粉の組成などパンの膨らみに関連する特性に注目した育種が進められていますその結果平成25年に製パン適性が「1CW」に近く多収の「せときらら」平成29年にはパン生地の力が強く穂発芽耐性や赤かび抵抗性が改良された「夏黄金」が育成されました

加工適性の高い大麦品種の開発機能性成分β-グルカンを多く含むもち性大麦の需要の高まりに応えるため平成29年に「はねうまもち」が育成されましたまた高品質なはだか麦の需要増加に対応して平成24年に味噌加工適性の高い「ハルヒメボシ」が育成されました

図Ⅲ-6 平成19年以降に育成された麦類の主な新品種

日本麺用小麦ゆめきらり

パン用小麦ゆめかおり福井県大3号

六条大麦ホワイトファイバー

北信越

日本麺用小麦あおばの恋

パン用小麦銀河のちから

東北

日本麺用小麦さとのそらきぬあかり

パン用小麦ゆめかおり

二条大麦とちのいぶき彩の星アスカゴールデンニューサチホゴールデン

六条大麦カシマゴール

はだか麦キラリモチ

関東東海

日本麺用小麦ふくはるかさぬきの夢2009

パン用小麦ゆめちからせときらら

はだか麦ハルヒメボシ

近畿中国四国

中華麺用小麦ちくしW2号

二条大麦煌二条白妙二条はるか二条トヨノホシ

九州

日本麺用小麦きたほなみ

中華麺用小麦つるきち

パン用小麦ゆめちからはるきらり

二条大麦札育2号

北海道

新品種のうち平成30年産で概ね100ha以上作付けされていると推定される品種を選定(農林水産省調べ)

- 28 -

7 国内産麦を利用した製品の動向

食料自給率の向上を図るためには国内産麦の需要開拓を行う

ことが必要です最近の消費者の国産志向の高まりや生産者と実

需者が一体となった地産地消の推進地域農業の振興を図る取り

組み等から国内産麦を使った麦製品(パン麺等)が増えてき

ており中には国内産麦を100使用した商品もあります(図Ⅲ-

7)

- 29 -

8 民間流通制度の運用改善

国内産麦の人気の高まりにより近年需要量が生産量を上回

る状況が継続しており国内産麦を積極的に使用したい実需者が

必要量を確保できない等の課題もあります

このような課題に対応するため民間流通連絡協議会において

入札上場比率の選択制の導入需要拡大推進枠設定の要件緩和

相対取引需要拡大推進枠において多様な取組が可能であること

の明確化等民間流通制度の運用改善が行われました(図Ⅲ-

8)

ピッツァ専用粉(北海道)(小麦)地元の製粉企業が北海道産小麦(きたほなみキタノカオリゆめち

から)を100使用した国内で初めてのピッツァ専用粉を開発平成30年2月に都内で試食会を開催し平成30年5月から販売

ピッツァ専用粉(群馬県)(小麦)地元の製粉企業が地元のピッツァ専門店ピッツァ窯メーカーと協力

して品質改良を重ね群馬県産小麦(さとのそらつるぴかりきぬの波)を100使用したピッツァ専用粉を平成30年4月から発売ピッツァイベントやイタリアン食材の展示会に出展

学校給食用パン(東京都)(小麦)都学校給食会の「学校給食パン加工規格」による配合基準に基づき国

内産小麦を100使用した学校給食パンを平成27年度から都内の一部の小中学校で提供を開始平成28年度からは都内全域の規格として採用

〇 市販用中華麺(愛知県)(小麦)地元の製粉企業が自社製品として愛知県産小麦きぬあかりを100使用

した中華麺を平成30年6月から自社通販で販売平成30年8月から一般販売を開始

フランスパン用粉(佐賀県)(小麦)近県製粉企業が農研機構と共同で育成した九州地域等の暖地温暖地

向けのフランスパン加工適性に優れる準強力小麦品種「さちかおり」を100使用したフランスパン用粉を平成30年8月から発売

市販用ゆで麺(長崎県)(小麦)地元の製麺企業近県製粉企業県生麺協同組合JA県等が連携し

平成26年3月に「長崎県育成麦活用開発協議会」を立ち上げ長崎県産長崎W2号(商標登録名長崎ちゃん麦)を100使用したちゃんぽん用のゆで麺を平成29年4月に製品化原料小麦の生産量が整った段階での本格販売を予定

もち性大麦を使用した機能性表示食品(静岡県)(大麦)地元の精麦企業が国内産もち性大麦でβ-グルカン量の多い銘柄を使用し

炊飯用精麦を製品化機能性表示食品として平成29年1月に届出し十分な原料を手当でき次第随時販売予定

〇 もち性大麦を使用したシリアル(愛知県)(大麦)地元の精麦企業が食物繊維が20を超える愛知県産もち性大麦「ワキ

シーファイバー」を使用した国内産もち麦100シリアルを開発平成30年4月から販売開始

図Ⅲ-7 国内産麦を100使用した商品事例

図Ⅲ-8 民間流通制度の運用改善のポイント

0

50

100

150

200

250

300

350

400円千人

大手製パンメーカーA社が国内産小麦100使用の新製品を発売

大手製食品スーパーB社が国内産小麦100使用の新製品をPBで発売

大手製パンメーカーA社が国内産小麦100使用の製品を初めて発売

(参考)国内産小麦を利用した製品の販売状況

(1)国内産小麦100使用の食パンの販売額

大きなシェアを占めるにはいたっていないものの国内産

小麦を100使用した食パンの販売金額の推移を見ると新製

品が登場する度に国内産小麦100使用の食パン市場が拡大し

ています(図Ⅲ-9)

図Ⅲ-9 国内産小麦100使用の食パンの販売額の推移(首都圏)

資料日本経済新聞デジタルメディア社による首都圏のスーパーマーケットなど100店舗におけるPOSデータに基づき農林水産政策研究所において集計

注食パンのうち国内産小麦を100使用していることが明らかな製品のみ計上菓子パン等は含んでいない

表Ⅲ-11 生麺ゆで麺(チルド)の販売金額のシェア(首都圏平成30年)

資料日本経済新聞デジタルメディア社による首都圏のスーパーマーケットなど120店舗におけるPOSデータに基づき農林水産政策研究所において集計

(2)生麺ゆで麺(チルド)の販売金額

生麺ゆで麺全体で上位15製品の売上高に占める国内産

小麦使用表示のある製品のシェアは30となっていますま

た主要な麺製品のうどんラーメン冷やし中華焼そば

全てで国内産小麦使用製品がランクインしています(表Ⅲ

-11)

2013年 2014年 2015年 2016年 2017年 2018年 2019年

                      (単位)

製品の種類製造企業の規模産地表示販売金額シェア

焼そば大手製品(国内産小麦使用表示なし) 99そば大手製品(国内産小麦使用表示なし) 27冷やしラーメン大手製品(国内産小麦使用表示なし) 20うどん大手製品(北海道産小麦使用表示あり) 20ラーメン大手製品(北海道産小麦使用表示あり) 14冷やし中華大手製品(国内産小麦使用表示なし) 14うどん大手製品(国内産小麦使用表示あり) 13焼そば大手製品(国内産小麦使用表示なし) 12焼うどん大手製品(国内産小麦使用表示なし) 12うどん大手製品(国内産小麦使用表示あり) 11焼そば大手製品(国内産小麦使用表示あり) 11そうめん大手製品(国内産小麦使用表示あり) 10うどんPB製品(北海道産小麦使用表示あり) 10つけ麺大手製品(国内産小麦使用表示なし) 10冷麺中小製品(国内産小麦使用表示なし) 10

303

14

89

15上位15製品の売上高に占める国内産小麦使用表示のある製品の

シェア

順位

1

10111213

234567

- 30 -

図Ⅲ-10 外食産業等と連携した農産物の需要拡大対策事業(麦類)

9 国内産麦の需要拡大イベント及び情報発信の取組

近年生産者と実需者等が連携し国内産麦を使用した製品が

数多く開発販売されており各地でイベント等の需要拡大の

取組みが行われております

また農林水産省としては平成30年度産地と外食事業者等

が連携して行う国内産麦を活用した新商品の開発試作製

造するために必要な取組を支援する「外食産業等と連携した農

産物の需要拡大対策事業」を一般社団法人全国米麦改良協会を

実施主体として行っているところです

農林水産省のホームページにおいてこれらのイベント等につい

て情報発信を行うとともに一般社団法人全国米麦改良協会が

開設している国産麦応援情報ホームページでの情報提供等を

行っています(図Ⅲ-10~12)

「国内産麦使用試作品全国統一試食会商談会」開催日平成31年2月12日~19日(土日を除く)場 所むぎくらべ(東京都千代田区神田小川町)

内 容平成29年度補正予算事業「外食産業等と連携した農産物の需要拡大対策事業」の一環として行われた国内産麦を使用した試作品の試食会商談会

「国内産麦使用試作品全国統一試食会商談会」で出品された試作品

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第8回全国ご当地うどんサミットin 熊谷 開催日平成30年11月10日~11日 場 所熊谷スポーツ文化公園にぎわい広

場(埼玉県) 内 容全国の国内産小麦を使用した「ご

当地うどん」が一堂に集まりグランプリを決定

図Ⅲ-11 全国各地で開催されたイベント 図Ⅲ-12 一般社団法人 全国米麦改良協会の取組

国産麦応援情報ホームページ「日本の麦の底力」内容国産小麦粉ブランド名鑑国産小麦の逸品イベント情報研究

情報等を掲載URL httpnihonnomugicom

北海道小麦キャンプ2018 in オホーツク 開催日平成30年7月10日~11日 場 所ホテル黒部を主会場としたオホーツ

ク管内(北海道) 内 容国内産小麦北海道産小麦の魅力

を全国に広めることを目的にバスツアーやパン講習会などを実施

麦わらぼうしフェスタ 開催日平成30年11月4日 場 所笠原産業株式会社(栃木県) 内 容国内産小麦を使用したうどんパン

などの試食販売うどん教室などを実施

第7回 信州粉もん祭り 開催日平成30年11月11日 場 所JAながの ちくま埴生支所(長野県) 内 容長野県産小麦を使用した「粉もん料

理」が大集合粉もん試食会や手打ちうどん講習会 などを実施

国内産麦アンテナショップ「むぎくらべ」内容国内産麦を使用した商品のPRと販売の場を提供するものとして

平成30年7月東京都千代田区にオープン

- 32 -

オープニングセレモニーには上月前農林水産大臣政務官(写真中央)も出席

10 食料農業農村基本計画における麦の位置付け

平成27年3月31日に平成37年度を目標とする「食料農業

農村基本計画」が閣議決定され小麦は95万トン大麦はだ

か麦は22万トンの生産努力目標が設定されています(表Ⅲ-

12)

食料消費の見通し 生産努力目標(万トン) 克服すべき課題

1人1年当たり消費量

(kg人年)

国内消費仕向量

(万トン)

平成25年度

平成37年度

平成25年度

平成37年度

平成25年度

平成37年度

小麦 33 32 699 611 81 95

国内産小麦の需要拡大に向けた産地形成やブランド化

実需者ニーズに対応した生産流通体制の確立

新品種新技術の開発導入輪作体系の最適化排水対策等による収量品質の高位安定化

農地の集積集約化経営規模の拡大に対応した省力化に資する技術の開発導入等による生産コストの低減

大麦はだか麦

03 02 208 213 18 22

外国産大麦が多く用いられている焼酎用等の国内産麦の需要拡大

実需者ニーズに対応した生産流通体制の確立

新品種新技術の開発導入輪作体系の最適化排水対策等による収量品質の高位安定化

農地の集積集約化経営規模の拡大に対応した省力化に資する技術の開発導入等による生産コストの低減

表Ⅲ-12 麦の平成37年度における食料消費の見通し及び生産努力目標

資料「食料農業農村基本計画」(平成27年3月閣議決定)注1)国内消費仕向量には飼料用等の食糧用以外の用途への仕向量を含む

2)大麦はだか麦の国内消費仕向量及び生産努力目標にはビール大麦を含む

- 33 -

Ⅳ 米粉に関する動向

1 生産動向

米粉用米の生産量は平成25年産以降2万トン前後で推移していましたが平成29年度以降は約3万トンまで回復しています(表Ⅳ-1)

2 需要拡大に向けた対応

米粉用米の利用量は平成24年度以降年間2万数千トンで推移していましたがグルテンを使用しない米粉商品の開発や新たな米加工品(α化米粉米ゲルなど)の保湿性や粘性に着目した商品の開発「米粉の用途別基準」や「ノングルテン米粉製品第三者認証制度」の運用開始により平成29年度は25千トン30年度は31千トンに増加しています(表Ⅳ-2)

今後の更なる国内海外の需要拡大のためノングルテン米粉や用途別基準に適合する高品質な日本産米粉の流通を契機とした魅力ある新商品の開発や日本産米粉の優位性の情報発信等を推進する必要があります

表Ⅳ-1 上位5県の米粉用米の生産量と作付面積の推移

(参考) 米粉及び小麦粉の販売価格(税抜き)

米粉100~290円kg程度

(小麦粉 100円kg程度)

注1)平成26~29年度については新規需要米取組計画を認定した全需要者からの聞き取り注2)平成30年度については新規需要米取組計画を認定した主要な需要者からの聞き取り

により推計

表Ⅳ-2 米粉用米の利用量(需要者からの聞き取り)

- 34 -

資料26~29年産は新規需要米生産集出荷数量30年産は新規需要米取組計画

認定数量(農林水産省)

(単位千トン)

26年度 27年度 28年度 29年度 30年度見込

22 23 23 25 31

(単位千トン千ha)

26年産 27年産 28年産 29年産 30年産

生産量 59 97 87 130 107作付面積 11 18 15 24 19生産量 10 10 09 30 31作付面積 02 02 02 06 06生産量 08 10 00 19 30作付面積 01 02 00 03 06生産量 10 12 12 12 16作付面積 02 03 02 02 03生産量 20 24 07 12 13作付面積 03 04 01 02 02生産量 184 230 190 284 281作付面積 34 42 34 53 53

秋田県

全国計

新潟県

埼玉県

栃木県

群馬県

農林水産大臣は米穀の新用途への利用の促進に関する基本方針を定める

生産製造連携事業計画

生産者 製造事業者 促進事業者

必須

米穀の新用途への利用の促進に関する法律

米穀の新用途への利用の促進に関する基本方針

関係者が連携して計画を作成米穀の新用途への利用の促進に関する基本方針に照らし適切な計画について農林水産大臣が認定(計画期間は3~5年)

図Ⅳ 米粉用米に対する支援措置

3 米粉用米に対する支援

① 米粉用米についてはその利用の拡大を図るために平成21年に「米穀の新用途への利用の促進に関する法律」が制定されました同法に基づく「生産製造連携事業計画」の認定を受け「農山漁村

活性化計画」の採択を受けた取組に対して米粉用米の生産加工に必要な施設整備等の支援を行っています

② 米粉用米の生産者に対しては水田活用の直接支払交付金による支援を行っていますまたノングルテン米粉表示や米粉の用途別基準により需要者ニーズに合った高品質な米粉の製造や輸出拡大の取組を支援しています

③ 平成31年度は国内海外の需要獲得に向け引き続き魅力ある新商品開発を推進するほか日本産米粉の優位性の情報発信やノングルテン米粉の製造手法マニュアルの作成など輸出を含めた日本産米粉の需要拡大に向けた取組を支援していくこととしています

予 算 措 置

【水田活用の直接支払交付金】水田を活用して米粉用米等の作物を生産する農業者に対し交付金を直接交付 (米粉用米収量に応じ55万円~105万円10a)

【農山漁村振興交付金】米粉飼料用米の生産加工に係る施設整備に対し交付金を交付(補助率定額12)

【持続的生産強化対策事業】

日本産米粉の優位性の情報発信ノングルテン米粉の製造手法マニュアルの作成米粉用米生産者と製造事業者とのマッチング

等の取組を支援

金 融 措 置

【日本政策金融公庫による低利融資】(食品安定供給施設整備資金)

米粉製造施設米粉を原料とした食品の製造加工施設等への融資

(輸出を含めた日本産米粉の需要拡大支援事業)

(補助率定額)

【外食産業等と連携した需要拡大対策事業】

国産農林水産物食品の輸出等需要フロンティアの開拓を図るため産地と複数年契約を締結する民間企業(外食加工業者)に対し国産農林水産物を活用した新商品の開発やそれに必要な技術開発等を支援 (補助率定額12)

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【農林水産物食品輸出促進緊急対策事業】コメ海外市場拡大戦略プロジェクトに参加する輸出産地や輸出事業者等が連携して戦略的に取り組む中国等の海外市場開拓プロモーション等を支援

(補助率定額12)

品目 現在の関税率 合意内容

小麦

枠内税率無税+マークアップ

枠外税率55円kg

現行の国家貿易制度を維持するとともに枠外税率(55円kg)を維持

既存のWTO枠に加え米国(15万(7年目以降))【不適用】カナダ(53万(同))豪州(5万(同))にSBS方式の国別枠を設定

マークアップを9年目までに45削減

大麦

枠内税率無税+マークアップ

枠外税率39円kg

現行の国家貿易制度を維持するとともに枠外税率(39円kg)を維持

既存のWTO枠に加えSBS方式のTPP枠(65万(9年目以降))を設定

マークアップを9年目までに45削減

1 TPP11協定概要(麦)(平成30年12月30日発効)

Ⅴ TPP11及び日EUEPAの協定概要(麦関係)

(参考主な麦製品)

現在の関税率合意内容

税率 枠数量

いった小麦小麦粉等

(国家貿易品目)

枠内税率125~25+マークアップ

枠外税率85~134円kg

枠内即時無税+マークアップ

(枠外税率は維持)

(発効時) (6年目)125千rarr175千

ベーカリー製品製造用

小麦粉調製品16~24

枠内即時無税(枠外税率は維持)

(発効時) (6年目)米国 105千rarr12千【不適用】米国以外 68千rarr 8千

その他小麦粉調製品

16~28枠内即時無税

(枠外税率は維持)(発効時) (6年目)15千rarr225千

マカロニスパゲティ

30円kg9年目までに60削減

ビスケット 1315 6年目に無税 -

注1)いった小麦とは小麦をいったものであり主にシリアル食品等に使用される

2)その他小麦粉調製品とは製麺まんじゅう等のベーカリー製品以外の製造用の

小麦粉調製品である

- 36 -

2 日EUEPA協定概要(麦)(平成31年2月1日発効)

品目 現在の関税率 合意内容

小麦

枠内税率無税+マークアップ

枠外税率55円kg

現行の国家貿易制度を維持するとともに枠外税率(55円kg)を維持

既存のWTO枠に加えSBS方式のEU枠(270(7年目以降))を設定

枠内のマークアップを9年目までに45削減

大麦

枠内税率無税+マークアップ

枠外税率39円kg

現行の国家貿易制度を維持するとともに枠外税率(39円kg)を維持

既存のWTO枠に加えSBS方式のEU枠(30(即時))を設定

枠内のマークアップを9年目までに45削減

(参考主な麦製品)

現在の関税率合意内容

税率 枠数量

いった小麦小麦粉等

(国家貿易品目)

枠内税率125~25+マークアップ

枠外税率85~134円kg

枠内即時無税+マークアップ

(枠外税率は維持)

(発効時) (6年目)38千rarr44千

ベーカリー製品製造用

小麦粉調製品16~24

枠内即時無税(枠外税率は維持)

(発効時) (6年目)104千rarr142千

その他小麦粉調製品

16~28枠内即時無税

(枠外税率は維持)(発効時) (6年目)

2千rarr3千

マカロニスパゲティ

30円kg 11年目に無税 -

ビスケット 1315 6年目に無税 -

注1)いった小麦とは小麦をいったものであり主にシリアル食品等に使用される

2)その他小麦粉調製品とは製麺まんじゅう等のベーカリー製品以外の製造用の

小麦粉調製品である

(参考) 麦の国境措置

小 麦 大 麦

輸入数量

価格

輸入数量

価格

政府売渡価格

マークアップ(輸入差益)

452円kgを上限

輸入価格

(枠内税率0円kg)

枠内輸入(国家貿易) 枠外輸入

(民間貿易)枠外税率を支払って輸入された数量(平成29年度)12千トン

WTOカレントアクセス数量5740千トン

枠外税率55円

政府売渡価格

輸入価格(枠内税率0円kg)

WTOカレントアクセス数量1369千トン

枠内輸入(国家貿易) 枠外輸入(民間貿易)

枠外税率を支払って輸入された数量(平成29年度)06千トン

枠外税率39円

民間貿易の場合の輸入価格

民間貿易の場合の輸入価格

286円kgを上限

マークアップ(輸入差益)

- 37 -

  • スライド番号 1
  • スライド番号 2
  • 麦の参考資料 麦の需給に関する見通し(動向編)
  • スライド番号 4
  • スライド番号 5
  • スライド番号 6
  • スライド番号 7
  • スライド番号 8
  • スライド番号 9
  • スライド番号 10
  • スライド番号 11
  • スライド番号 12
  • スライド番号 13
  • スライド番号 14
  • Ⅱ 小麦粉麦製品の生産と価格の動向
  • スライド番号 16
  • スライド番号 17
  • スライド番号 18
  • スライド番号 19
  • スライド番号 20
  • スライド番号 21
  • スライド番号 22
  • スライド番号 23
  • スライド番号 24
  • スライド番号 25
  • スライド番号 26
  • スライド番号 27
  • スライド番号 28
  • スライド番号 29
  • スライド番号 30
  • スライド番号 31
  • スライド番号 32
  • スライド番号 33
  • スライド番号 34
  • スライド番号 35
  • スライド番号 36
  • スライド番号 37
  • スライド番号 38
  • スライド番号 39
  • スライド番号 40
  • スライド番号 41
Country Attribute Commodity 20042005 20052006 20062007 20072008 20082009 20092010
World Production (1000 MT) Barley 152674 136756 137430 133168 153539 0
Corn 715732 699101 712375 791492 791039 0
Millet 30947 32455 33529 34951 35619 0
Mixed Grain 16885 15213 13063 14616 15057 0
Oats 25667 23861 23163 25577 26191 0
Rice Milled 401435 418487 420633 431309 439081 0
Rye 17002 14492 12382 14245 17176 0
Sorghum 57529 58365 56628 63533 63792 0
Wheat 625700 620044 596101 610188 682865 0
Wheat Durum 0 0 0 0 3680 0
2043571 2018774 2005304 2119079 2228039
Exports (1000 MT) Barley 15098 18231 15328 15708 20175 0
Corn 77643 80966 93799 95466 76877 0
Oats 1901 1930 2114 2830 2304 0
Rye 854 610 709 556 560 0
Sorghum 5403 5379 5461 9237 4902 0
Wheat 111235 116756 111201 115377 123881 0
240641 254246 259958 269594 258464
TY Exports (1000 MT) Barley 16989 17428 14516 18412 19190 0
Corn 75964 82580 91199 96027 77925 0
Oats 1955 2254 2184 2742 2300 0
Rye 974 622 661 481 560 0
Sorghum 5366 5496 5780 8802 4950 0
Wheat 113210 113872 115500 115492 125165 0
243637 251744 261908 271184 259660
Exports (1000 MT) Rice Milled 28507 30374 31346 30420 29765 0
TY Exports (1000 MT) Rice Milled 29179 29492 32068 29228 29570 0
Domestic Consumption (1000 MT) Barley 143271 139989 144389 135872 142892 0
Corn 688190 704591 725361 773235 783288 0
Millet 30947 32855 33489 34941 35619 0
Mixed Grain 15972 15331 14092 14255 14515 0
Oats 25318 24233 23552 24709 25192 0
Rice Milled 406828 412171 418290 424999 432423 0
Rye 17595 15748 13870 14419 15498 0
Sorghum 57794 58004 56327 63305 62231 0
Wheat 605365 617369 619124 614865 652947 0
1991280 2020291 2048494 2100600 2164605
Ending Stocks (1000 MT) Barley 32783 28641 21070 18259 28244 0
Corn 131811 124624 108845 128218 136033 0
Millet 600 200 240 250 250 0
Mixed Grain 1654 1536 507 868 1410 0
Oats 3550 3126 2813 3395 4316 0
Rice Milled 73152 75676 75391 78687 82659 0
Rye 3882 2639 1065 756 2437 0
Sorghum 4297 4524 4117 4418 5752 0
Wheat 150972 147636 127009 119371 148362 0
Wheat Durum 0 0 0 0 3680 0
402701 388602 341057 354222 413143
小麦の国際需給状況 コムギ
(単位百万トン)
200607 200708 200809 200910
年   度 (平成18年) ヘイセイネン (平成19年) ヘイセイネン (平成20年) ヘイセイネン (平成21年) ヘイセイネン
見込 予測
生 産 量 ショウサンリョウ 5957 6104 6827 6780
消 費 量 ケヒリョウ 6165 6169 6404 6468
期 末 在 庫 1298 1233 1656 1968
期末在庫率() 211 200 259 304
貿 易 量 リョウ 1116 1172 1430 1251
貿 易 比 率() 187 192 209 185
大麦の国際需給状況 オオ 穀物の国際需給状況 コクモツ
(単位百万トン) (単位百万トン)
200809 200910 201011 201314 201415 201516 201617 201718 201819 200506 200607 200708 200809 200910
(平成20年) ヘイセイネン 年   度 (平成21年) ヘイセイネン (平成22年) ヘイセイネン (平成25年) ヘイセイネン (平成26年) ヘイセイネン (平成27年) ヘイセイネン (平成28年) ヘイセイネン (平成29年) ヘイセイネン (平成30年) ヘイセイネン 年   度 (平成17年) ヘイセイネン (平成18年) ヘイセイネン (平成19年) ヘイセイネン (平成20年) ヘイセイネン (平成21年) ヘイセイネン
見込 ミコ 予測 見込 予測
1550 生 産 量 ショウサンリョウ 1508 1231 1443 1420 1498 1471 1437 1407 生 産 量 ショウサンリョウ 20176 20029 21230 22346 22185
1439 消 費 量 ケヒリョウ 1448 1362 1411 1425 1477 1503 1472 1418 消 費 量 ケヒリョウ 20216 20444 20952 21416 21879
315 期 末 在 庫 375 243 250 242 263 230 195 184 期 末 在 庫 3902 3435 3652 4474 4729
219 期末在庫率() 259 179 177 170 178 153 133 130 期末在庫率() 193 168 174 209 216
182 貿 易 量 リョウ 173 152 239 290 308 283 273 258 貿 易 量 リョウ 2534 2608 2756 2843 2662
117 貿 易 比 率() 115 123 166 204 206 193 190 183 貿 易 比 率() 126 130 130 127 120
穀物の国際需給状況 コクモツ
(単位百万トン)
2004 2005 2006 2007
年   度 05 06 07 08
見込 予測
【穀 物 計】 コクブツケイ
生 産 量 ショウサンリョウ 20189 20050 21167 21950
消 費 量 ケヒリョウ 20334 20533 21106 21741
期 末 在 庫 3886 3403 3464 3673
期末在庫率() 191 166 164 169
【うち小麦】 ショウムギ
生 産 量 ショウサンリョウ 6209 5963 6109 6763
消 費 量 ケヒリョウ 6242 6169 6195 6549
期 末 在 庫 1477 1271 1185 1399
期末在庫率() 237 206 191 214
Country Attribute Commodity 20042005 20052006 20062007 20072008 20082009 20092010
World Production (1000 MT) Barley 152674 136756 137430 133168 153539 0
Corn 715732 699101 712375 791492 791039 0
Millet 30947 32455 33529 34951 35619 0
Mixed Grain 16885 15213 13063 14616 15057 0
Oats 25667 23861 23163 25577 26191 0
Rice Milled 401435 418487 420633 431309 439081 0
Rye 17002 14492 12382 14245 17176 0
Sorghum 57529 58365 56628 63533 63792 0
Wheat 625700 620044 596101 610188 682865 0
Wheat Durum 0 0 0 0 3680 0
2043571 2018774 2005304 2119079 2228039
Exports (1000 MT) Barley 15098 18231 15328 15708 20175 0
Corn 77643 80966 93799 95466 76877 0
Oats 1901 1930 2114 2830 2304 0
Rye 854 610 709 556 560 0
Sorghum 5403 5379 5461 9237 4902 0
Wheat 111235 116756 111201 115377 123881 0
240641 254246 259958 269594 258464
TY Exports (1000 MT) Barley 16989 17428 14516 18412 19190 0
Corn 75964 82580 91199 96027 77925 0
Oats 1955 2254 2184 2742 2300 0
Rye 974 622 661 481 560 0
Sorghum 5366 5496 5780 8802 4950 0
Wheat 113210 113872 115500 115492 125165 0
243637 251744 261908 271184 259660
Exports (1000 MT) Rice Milled 28507 30374 31346 30420 29765 0
TY Exports (1000 MT) Rice Milled 29179 29492 32068 29228 29570 0
Domestic Consumption (1000 MT) Barley 143271 139989 144389 135872 142892 0
Corn 688190 704591 725361 773235 783288 0
Millet 30947 32855 33489 34941 35619 0
Mixed Grain 15972 15331 14092 14255 14515 0
Oats 25318 24233 23552 24709 25192 0
Rice Milled 406828 412171 418290 424999 432423 0
Rye 17595 15748 13870 14419 15498 0
Sorghum 57794 58004 56327 63305 62231 0
Wheat 605365 617369 619124 614865 652947 0
1991280 2020291 2048494 2100600 2164605
Ending Stocks (1000 MT) Barley 32783 28641 21070 18259 28244 0
Corn 131811 124624 108845 128218 136033 0
Millet 600 200 240 250 250 0
Mixed Grain 1654 1536 507 868 1410 0
Oats 3550 3126 2813 3395 4316 0
Rice Milled 73152 75676 75391 78687 82659 0
Rye 3882 2639 1065 756 2437 0
Sorghum 4297 4524 4117 4418 5752 0
Wheat 150972 147636 127009 119371 148362 0
Wheat Durum 0 0 0 0 3680 0
402701 388602 341057 354222 413143
小麦の国際需給状況 コムギ
(単位百万トン)
200809 200910 201011 201314 201415 201516 201617 201718 201819
(平成20年) ヘイセイネン 年   度 (平成21年) ヘイセイネン (平成22年) ヘイセイネン (平成25年) ヘイセイネン (平成26年) ヘイセイネン (平成27年) ヘイセイネン (平成28年) ヘイセイネン (平成29年) ヘイセイネン (平成30年) ヘイセイネン
見込 ミコ 予測
6836 生 産 量 ショウサンリョウ 6866 6496 7151 7304 7384 7564 7631 7330
6437 消 費 量 ケヒリョウ 6538 6534 6909 7051 7163 7398 7444 7421
1682 期 末 在 庫 2010 1980 1949 2223 2444 2609 2796 2705
261 期末在庫率() 307 303 282 315 341 353 376 365
1435 貿 易 量 リョウ 1356 1341 1625 1642 1728 1833 1812 1789
210 貿 易 比 率() 197 207 227 225 234 242 238 244
大麦の国際需給状況 オオ 穀物の国際需給状況 コクモツ
(単位百万トン) (単位百万トン)
200607 200708 200809 200910 200506 200607 200708 200809 200910
年   度 (平成18年) ヘイセイネン (平成19年) ヘイセイネン (平成20年) ヘイセイネン (平成21年) ヘイセイネン 年   度 (平成17年) ヘイセイネン (平成18年) ヘイセイネン (平成19年) ヘイセイネン (平成20年) ヘイセイネン (平成21年) ヘイセイネン
見込 予測 見込 予測
生 産 量 ショウサンリョウ 1364 1327 1539 1492 生 産 量 ショウサンリョウ 20176 20029 21230 22346 22185
消 費 量 ケヒリョウ 1428 1346 1437 1471 消 費 量 ケヒリョウ 20216 20444 20952 21416 21879
期 末 在 庫 208 192 293 313 期 末 在 庫 3902 3435 3652 4474 4729
期末在庫率() 146 143 204 213 期末在庫率() 193 168 174 209 216
貿 易 量 リョウ 154 155 199 173 貿 易 量 リョウ 2534 2608 2756 2843 2662
貿 易 比 率() 113 117 129 116 貿 易 比 率() 126 130 130 127 120
穀物の国際需給状況 コクモツ
(単位百万トン)
2004 2005 2006 2007
年   度 05 06 07 08
見込 予測
【穀 物 計】 コクブツケイ
生 産 量 ショウサンリョウ 20189 20050 21167 21950
消 費 量 ケヒリョウ 20334 20533 21106 21741
期 末 在 庫 3886 3403 3464 3673
期末在庫率() 191 166 164 169
【うち小麦】 ショウムギ
生 産 量 ショウサンリョウ 6209 5963 6109 6763
消 費 量 ケヒリョウ 6242 6169 6195 6549
期 末 在 庫 1477 1271 1185 1399
期末在庫率() 237 206 191 214
Country Attribute Commodity 20042005 20052006 20062007 20072008 20082009 20092010
World Production (1000 MT) Barley 152674 136756 137430 133168 153539 0
Corn 715732 699101 712375 791492 791039 0
Millet 30947 32455 33529 34951 35619 0
Mixed Grain 16885 15213 13063 14616 15057 0
Oats 25667 23861 23163 25577 26191 0
Rice Milled 401435 418487 420633 431309 439081 0
Rye 17002 14492 12382 14245 17176 0
Sorghum 57529 58365 56628 63533 63792 0
Wheat 625700 620044 596101 610188 682865 0
Wheat Durum 0 0 0 0 3680 0
2043571 2018774 2005304 2119079 2228039
Exports (1000 MT) Barley 15098 18231 15328 15708 20175 0
Corn 77643 80966 93799 95466 76877 0
Oats 1901 1930 2114 2830 2304 0
Rye 854 610 709 556 560 0
Sorghum 5403 5379 5461 9237 4902 0
Wheat 111235 116756 111201 115377 123881 0
240641 254246 259958 269594 258464
TY Exports (1000 MT) Barley 16989 17428 14516 18412 19190 0
Corn 75964 82580 91199 96027 77925 0
Oats 1955 2254 2184 2742 2300 0
Rye 974 622 661 481 560 0
Sorghum 5366 5496 5780 8802 4950 0
Wheat 113210 113872 115500 115492 125165 0
243637 251744 261908 271184 259660
Exports (1000 MT) Rice Milled 28507 30374 31346 30420 29765 0
TY Exports (1000 MT) Rice Milled 29179 29492 32068 29228 29570 0
Domestic Consumption (1000 MT) Barley 143271 139989 144389 135872 142892 0
Corn 688190 704591 725361 773235 783288 0
Millet 30947 32855 33489 34941 35619 0
Mixed Grain 15972 15331 14092 14255 14515 0
Oats 25318 24233 23552 24709 25192 0
Rice Milled 406828 412171 418290 424999 432423 0
Rye 17595 15748 13870 14419 15498 0
Sorghum 57794 58004 56327 63305 62231 0
Wheat 605365 617369 619124 614865 652947 0
1991280 2020291 2048494 2100600 2164605
Ending Stocks (1000 MT) Barley 32783 28641 21070 18259 28244 0
Corn 131811 124624 108845 128218 136033 0
Millet 600 200 240 250 250 0
Mixed Grain 1654 1536 507 868 1410 0
Oats 3550 3126 2813 3395 4316 0
Rice Milled 73152 75676 75391 78687 82659 0
Rye 3882 2639 1065 756 2437 0
Sorghum 4297 4524 4117 4418 5752 0
Wheat 150972 147636 127009 119371 148362 0
Wheat Durum 0 0 0 0 3680 0
402701 388602 341057 354222 413143
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USDA(世界計)

資料アメリカ農務省(2010年3月発表)による注1)期末在庫率()は消費量に対する在庫量の割合である  2)貿易比率()は生産量に対する貿易量の割合である
資料アメリカ農務省(2010年1月発表)による注1)期末在庫率()は消費量に対する在庫量の割合である  2)貿易比率()は生産量に対する貿易量の割合である
world agricultural supply and demandworld market and trade (USDA 20101)による
資料アメリカ農務省(2010年3月発表)注1)期末在庫率()は消費量に対する在庫量の割合である  2)貿易比率()は生産量に対する貿易量の割合である

Sheet1

USDA(世界計)

資料アメリカ農務省(2010年3月発表)による注1)期末在庫率()は消費量に対する在庫量の割合である  2)貿易比率()は生産量に対する貿易量の割合である
world agricultural supply and demandworld market and trade (USDA 20101)による
資料アメリカ農務省(2010年3月発表)注1)期末在庫率()は消費量に対する在庫量の割合である  2)貿易比率()は生産量に対する貿易量の割合である

Sheet1

図Ⅰ-3 穀物の国際価格

注1)小麦とうもろこし大豆の価格はシカゴ商品取引所における各月第1金曜日の期近価格

2)1ブッシェル≒(大豆小麦272kgとうもろこし254)

3)図右端の数値は平成31年3月1日時点のものである

- 5 -

大豆

90

小麦

45

とうもろこし

36

(2)小麦の国際価格の動向

小麦の国際価格は主産地である北米豪州欧州黒

海沿岸地域等における天候及び作柄の変化にこれまで大

きく影響を受けています

直近では2018年(平成30年)7月中旬以降ロシア

EU等の乾燥による生産減少懸念等から上昇したもののそ

の後は世界的に潤沢な供給量等を背景に全体的に軟調に

推移し2019年(平成31年)3月上旬現在のシカゴ小麦先

物相場は4ドルブッシェル台半ばとなっています(図

Ⅰ-3)

10

30

50

70

H261 H267 H271 H277 H281 H287 H291 297 H301 307 H311

(3)為替の動向

日本円と米国ドルの為替は平成30年以降円安基調で推

移し平成31年に入ってからは一時円高となりましたが3

月上旬では113円ドル程度で推移しています(図Ⅰ-4)

(4)海上運賃の動向

海上運賃は平成28年以降上昇傾向で推移してきました

が平成30年11月からは燃料油価格の下落を受けて軟調に推

移しています(図Ⅰ-5)

- 6 -

図Ⅰ-4 為替の推移

資料三菱東京UFJ銀行の公表資料注図右端の数値は平成30年3月4日時点のものである

資料TRAMP Data Service Co Ltd 「WORLD MARITIME ANALYSIS WEEKLY REPORT」注1)2万トン級のフレート

2)図右端の数値は平成30年3月4日時点のものである

図Ⅰ-5 海上運賃の推移

図Ⅰ-4 為替の推移

円米ドル

ドルトン

70

80

90

100

110

120

130

H261 H267 H271 H277 H281 H287 H291 H297 H301 H307 H311

表Ⅰ-6 外国産食糧用小麦の銘柄別輸入量

注1)数量は決算ベース2)四捨五入の関係で計と内訳が一致しない場合がある3)( )内の数量はSBS方式により輸入された数量で内数である

4 外国産食糧用麦の輸入状況

外国産食糧用麦については国内産食糧用麦では量的又は質的に満たせない需要分について政府が国家貿易により計画的に輸入し需要者に売り渡しています現在の主な輸入先国はアメリカカナダ豪州の3か国と

なっています

(1)小麦

外国産食糧用小麦の輸入量は国内産小麦の作柄や輸出国

における輸送状況等により変動し近年は450万~520万トン

程度で推移しています(表Ⅰ-6)

(2)大麦及びはだか麦

外国産食糧用大麦及びはだか麦の輸入量は近年は20万~

25万トン程度で推移しています(表Ⅰ-7)

(単位千トン)

- 7 -

注1)数量は決算ベース

2)四捨五入の関係で計と内訳が一致しない場合がある

表Ⅰ-7 外国産食糧用大麦及びはだか麦の銘柄別輸入量(単位千トン)

ウェスタンホワイト 610 775 683 631 (23) 711

ハードレッドウィンター(115) 727 855 790 807 891

ダークノーザンスプリング 877 1245 850 831 (59) 1198

その他 (1) 28 (1) 1 (3) 3 (6) 6 (16) 16

計 (1) 2242 (1) 2877 (3) 2327 (6) 2276 (98) 2815

ウェスタンレッドスプリング 1228 1258 1527 1547 1355

デュラム (210) 210 (222) 222 (219) 219 (175) 193 (186) 186

その他 (3) 3 (3) 3 (1) 1 (1) 1 (2) 2

計 (213) 1441 (225) 1484 (220) 1747 (176) 1742 (188) 1543

スタンダードホワイト 759 794 737 755 797

プライムハード (83) 83 (83) 83 (84) 84 (64) 64 (80) 80

その他 (0) 2 (0) 0 (28) 28 (5) 15 (0) 0

計 (83) 844 (83) 877 (111) 848 (68) 833 (80) 877

(6) 6 (7) 7 (7) 7 (8) 8 (6) 6

(304) 4532 (316) 5245 (343) 4929 (259) 4858 (372) 5242

豪州

その他

26

合  計

平成25年度 28 2927

アメリカ

カナダ

25 26 27 28 29

二条大麦 - 1 1 1 11

六条大麦 1 2 1 2 2

はだか麦 2 3 2 8 20

計 3 5 4 11 33

二条大麦 15 13 9 14 7

六条大麦 39 53 46 40 36

はだか麦 1 1 2 4 5

計 54 67 58 58 48

二条大麦 146 174 168 180 152

はだか麦 - - 0 0 1

計 146 174 168 180 153

- - 2 2 2

203 245 232 250 236合 計

年度

アメリカ

カナダ

豪州

その他

図Ⅰ-6 政府売渡価格の構成

5 外国産食糧用麦の売渡方式

(1)外国産食糧用小麦の政府売渡

外国産食糧用小麦の政府売渡については平成19年4月以降輸入価格(過去の一定期間における輸入価格の平均値)にマークアップ(政府管理経費及び国内産小麦の生産振興対策に充当)を上乗せした価格で売り渡す「相場連動制」に移行しました(表Ⅰ-8図Ⅰ-6)

表Ⅰ-8 政府売渡価格改定ルール

項 目 基本的なルール

価格改定 現在年2回(4月期10月期)

買付価格算定期間 直近6か月間

- 8 -

輸入価格

政府売渡価格

小麦の国際価格や海上運賃為替等により変動

マークアップ

(輸 入 差 益)

港 湾 諸 経 費

買 付 価 格

(3)食糧麦備蓄対策事業

即時販売方式の導入後は製粉企業等が23か月分の外国産

食糧用小麦の備蓄を行った場合国が18か月分の保管経費を

助成しています(図Ⅰ-7)

また不測の事態が生じた場合には国は製粉企業等に

対して備蓄する外国産食糧用小麦の取崩しの指示等を行い

ます

図Ⅰ-7 食糧麦備蓄対策事業のスキーム(2)即時販売方式

外国産食糧用小麦の売渡しについては平成22年10月以降輸入した小麦を直ちに製粉企業等に販売し製粉企業等が一定期間備蓄することとなっています

- 9 -

6 外国産食糧用小麦の政府売渡価格の動向

外国産食糧用小麦の政府売渡価格は穀物の国際相場や海上

運賃為替等の動向を反映した買付価格に連動して年2回改

定されています

平成30年10月期の政府売渡価格は輸入小麦の平均買付価格

(平成30年3月第2週~9月第1週)が①米国及び豪州の一

部の地域の乾燥による減収懸念等から小麦の価格が上昇②燃

料油価格の影響により海上運賃が上昇したことにより前期

に比べ上昇したことから5銘柄加重平均(税込価格)で

55560円トン対前期比22の引上げとなりました

また平成31年4月期の政府売渡価格は輸入小麦の平均買

付価格(平成30年9月第2週~平成31年3月第1週)が①小

麦の国際価格に大きな変動がない中②為替は円安傾向であっ

たものの海上運賃が下落したことにより前期に比べ低下し

たことまたTPP11協定に基づきカナダ豪州産小麦

にマークアップの引下げを適用したことから5銘柄加重平均

(税込価格)で54630円トン対前期比17の引下げとなり

ました(表Ⅰ-9)

表Ⅰ-9 外国産食糧用小麦の政府売渡価格

注1)5銘柄加重平均価格は税込み価格である2)5銘柄とはアメリカ産ダークノーザンスプリング(主にパン中華麺用)カ

ナダ産ウェスタンレッドスプリング(主にパン用)アメリカ産ハードレッドウィンター(主にパン中華麺用)オーストラリア産スタンダードホワイト(主に日本麺用)アメリカ産ウェスタンホワイト(主に菓子用)

時 期5銘柄加重平均価格

(円トン)対前期比()

平成29年4月期 50690 +46

平成29年10月期 52510 +36

平成30年4月期 54370 +35

平成30年10月期 55560 +22

平成31年4月期 54630 17

- 10 -

Ⅱ 小麦粉麦製品の生産と価格の動向

資料平成21年度までは農林水産省「米麦加工食品生産動態統計調査年報」平成22年度からは農林水産省「食品産業動態調査」及び農林水産省「製粉精麦工場需給実績報告」平成21年度以降の麦茶の生産量については全国麦茶工業協同組合調べ

注1)麺類及びパン類の生産量は小麦粉使用量でその他は製品生産量である2)小麦粉精麦及び麦茶の生産量は年度の計でありその他は暦年の計である

(単位千トン)

表Ⅱ-1 小麦粉麦製品の生産量の推移

1 小麦粉麦製品の生産量

小麦粉の生産量は460万~470万トンで安定的に推移してい

ます(表Ⅱ-1)

小麦の二次加工製品のうち

① パン類の生産量は平成22年以降プライベートブラン

ドの菓子パンや高価格帯食パンの人気等により堅調に推

移しています

② 麺類の生産量は平成23年には東日本大震災による即

席麺の需要増等から増加しましたその後冷凍麺や外食

産業での消費増等により平成30年は147万トンと増加し

ています

③ ビスケットの生産量は平成20年から26年までは24万ト

ン前後で推移しました平成27年は円安の影響による輸入

量の減少等に伴い増加しその後は25万トン程度で推移し

ています

焼酎みそ主食用に仕向けられる精麦の生産量は平成16

年度まで本格焼酎ブームにより増加傾向で推移しましたがそ

の後の焼酎用需要の低迷等により減少しました近年は主食用

の需要の伸びにより17万トン前後で推移しています

一方平成28年(2016年)以降健康志向等を背景に大麦及

びはだか麦の需要が増加しています特に水溶性食物繊維

(大麦β-グルカン)が豊富なもち性はだか麦の需要は平成

29年(2017年)半ば以降は落ち着いてきたものの引き続き高

い水準で推移しています(図Ⅱ-1 )

- 11 -

図Ⅱ-1 もち麦を使用した製品の販売額の推移(首都圏)

区分

前年 前年 前年 前年 前年 前年

増減率 増減率 増減率 増減率 増減率 増減率

年 (年度計) () (暦年計) () (暦年計) () (暦年計) () (年度計) () (年度計) ()

平成12 4623 01 1279 23 1421 09 223 19 161 45 49 89

13 4607 03 1272 05 1441 14 218 21 164 19 51 41

14 4591 03 1245 21 1421 13 210 39 177 75 51 00

15 4662 15 1247 01 1425 02 219 43 189 71 45 118

16 4667 01 1243 03 1414 08 214 20 212 118 47 44

17 4623 09 1232 09 1368 32 213 05 201 51 47 00

18 4599 05 1218 11 1324 32 218 24 196 25 47 00

19 4684 18 1211 06 1319 03 225 29 197 06 48 21

20 4564 26 1181 24 1277 32 240 70 173 120 50 42

21 4612 11 1179 02 1265 10 243 10 168 29 48 40

22 4725 25 1196 15 1251 11 241 06 161 45 52 83

23 4708 04 1215 16 1283 26 243 06 155 35 54 38

24 4654 11 1219 03 1269 11 239 14 164 60 55 19

25 4694 09 1226 06 1324 43 237 12 158 37 66 200

26 4683 02 1234 07 1371 35 244 33 162 25 66 00

27 4702 04 1234 00 1396 19 259 59 162 04 68 30

28 4683 04 1238 03 1409 09 258 05 169 44 60 118

29 4703 04 1254 13 1445 26 252 22 172 20 64 67

30 - - 1221 27 1473 19 259 30 - - - -

精麦 麦茶小麦粉 パン類 麺類 ビスケット

資料日本経済新聞デジタルメディア社による首都圏のスーパーマーケットなど119店におけるPOSデータに基づき農林水産政策研究所において集計

図Ⅱ-2 小麦粉麦製品の価格(消費者物価指数)の変化

資料総務省「消費者物価指数」(全国)

(参考) 家計に占める小麦関連製品の支出 (単位円世帯)

資料総務省「家計調査」(全国二人以上の世帯)

年間計(平成30年)

1か月平均

消 費 支 出 3447783 287315食 料 952172 79348

小 麦 関 連 製 品 計 82108 6842パ ン 30555 2546

め ん 類 17369 1447小 麦 粉 596 50

菓子類(ビスケット等) 11397 950調理食品(調理パン) 5352 446

外食(うどん等) 16839 1403

(平成27年=100)

2 小麦粉麦製品の価格の動向

小麦粉及び麦関連製品の価格は輸入小麦の政府売渡価

格の引上げ等による原材料費の上昇人件費や物流費の上

昇等の影響を受け平成30年以降小麦粉及びパンの価格

は上昇傾向にあります(図Ⅱ-2)

- 12 -

85

90

95

100

105

110

食料品総合 パン めん類 小麦粉

表Ⅱ-2 麦製品の輸入量の推移(参考1) 麦製品の輸入動向

(1)小麦粉調製品

小麦粉に砂糖脱脂粉乳等を混合した小麦粉調製品の輸

入量は平成11年以降デフレに伴う低価格品需要の拡大

により増加傾向で推移してきましたが麦の国際相場の

高騰に伴う輸入価格の上昇等により平成18年から平成20年

にかけて減少しましたその後も減少傾向で推移しており

平成30年は8万3千トンの輸入量となっています

(2)麦加工製品

①マカロニスパゲッティ

マカロニスパゲッティについては国内の全体需要が

増加する中で輸入量が増加傾向で推移してきました

平成30年は過去最高の輸入量であった前年からは減少

し13万8千トンとなっています

②ビスケット

ビスケットの輸入量は平成25年以降円安の影響を受

けて減少していましたが平成28年度以降増加傾向にあり

平成30年の輸入量は2万5千トンとなっています

資料財務省「貿易統計」注小麦粉調製品は穀粉が占める割合が85以下のものの輸入量

なお小麦粉調製品のうち加糖のものは一般に菓子類菓子パン類等の原料として利用され無糖のものは麺類等の原料として使用される

(単位千トン)

- 13 -

対前年 対前年 対前年 対前年 対前年

増減率 増減率 増減率 増減率 増減率

() () () () ()

平成12 107 118 85 92 97 26 45 95 108 11 123

13 121 126 75 99 81 27 51 93 25 13 209

14 126 131 35 102 30 29 52 101 94 15 142

15 116 133 13 101 06 31 82 108 63 21 400

16 108 136 28 98 32 38 222 112 35 25 219

17 110 140 26 98 01 42 90 110 17 24 49

18 116 139 09 99 12 39 59 110 02 24 23

19 118 117 155 87 128 30 224 104 49 23 56

20 104 100 144 72 173 29 60 127 219 18 221

21 94 102 23 73 15 30 42 116 85 17 83

22 88 107 40 73 07 33 119 121 36 19 173

23 80 108 12 78 59 30 90 134 115 22 143

24 80 106 16 78 02 28 63 142 58 22 07

25 97 100 53 73 64 28 25 133 68 18 182

26 105 98 21 73 02 25 83 133 03 17 74

27 121 94 40 69 55 25 03 132 08 14 166

28 109 91 32 65 58 26 40 145 99 19 348

29 112 92 05 65 02 27 14 150 32 24 296

30 110 83 92 59 85 24 110 138 75 25 23

国 名輸入割合()

国 名輸入割合()

国 名輸入割合()

国 名輸入割合()

国 名輸入割合()

韓国 409 韓国 528 シンガポール 442 イタリア 465 インドネシア 242

シンガポール 202 フランス 151 米国 126 トルコ 355 中国 205

フランス 114 シンガポール 105 韓国 114 米国 142 マレーシア 84

米国 75 中国 78 ニュージーランド 98 ギリシャ 20 ベトナム 63

中国 57 米国 55 豪州 69 アラブ首長国連邦 10 イタリア 55

国 名対前年増減率()

国 名対前年増減率()

国 名対前年増減率()

国 名対前年増減率()

国 名対前年増減率()

韓国 10 韓国 13 シンガポール 221 イタリア 107 インドネシア 202

シンガポール 124 フランス 92 米国 136 トルコ 45 中国 76

フランス 87 シンガポール 108 韓国 30 米国 09 マレーシア 245

米国 116 中国 546 ニュージーランド 87 ギリシャ 152 ベトナム 137

中国 543 米国 98 豪州 344 アラブ首長国連邦 135 イタリア 119

30

輸入上位5カ国

区分

為替レー

円ドル)

小麦粉調製品 麦加工製品

加糖のもの 無糖のもの マカロニスパゲッティ ビスケット

(参考2) 麦製品の輸出動向

麦製品の輸出量のうちその大部分を占める小麦粉の輸出量

は近年主要輸出先国の製粉技術の向上や現地製粉工場の立

上げ等により減少傾向で推移し平成30年は約16万トンとなっ

ています(表Ⅱ-3)

表Ⅱ-3 麦製品の輸出量の推移

資料財務省「貿易統計」

(単位トン)

- 14 -

対前年増減率()

対前年増減率()

対前年増減率()

309594 75 376 431 1028 375

321028 37 315 162 967 59

319968 03 253 197 953 14

318706 04 410 621 1052 104

304465 45 328 200 769 269

289911 48 1054 2213 719 65

290033 00 1196 135 762 60

255377 119 1150 38 1098 441

187040 268 743 354 1198 91

185403 09 822 106 898 250

196183 58 770 63 974 85

191480 24 607 212 698 283

192598 06 598 15 780 117

168205 127 573 42 769 14

166311 11 571 04 861 120

157938 50 553 32 1249 451

158896 06 549 07 1287 30

167600 55 532 32 778 395

163640 24 535 06 894 148

国 名輸出割合

() 国 名輸出割合

() 国 名輸出割合

()

香港 496 香港 888 中国 483シンガポール 207 中国 43 香港 314ベトナム 96 韓国 21 台湾 64

タイ 59 米国 17 ベトナム 37台湾 58 台湾 11 シンガポール 29

国 名対前年増減率() 国 名

対前年増減率() 国 名

対前年増減率()

香港 175 香港 26 中国 251シンガポール 583 中国 62 香港 329ベトナム 135 韓国 437 台湾 59

タイ 81 米国 1047 ベトナム 418台湾 47 台湾 261 シンガポール 449

24

30

輸出上位5カ国

25

181920212223

2627282930

17

  区分

小麦粉マカロニスパゲッティ

スイートビスケット

平成1213141516

(参考3) 麦製品の生産動向

麦製品の生産量は食パンや乾麺のように生産量が減少している製品もある一方で菓子パンや即席麺冷凍麺のように生産量が増加している製品もあることから使用される小麦粉の数量は平成22年以降概ね横ばい傾向で推移しています麦製品は食生活の多様化や簡便性といった消費者ニーズを

捉えつつ継続した新製品の開発がなされており新たな定番となる商品の登場や期間限定の商品やイベントなどが消費者の購買を促進していると考えられます(図Ⅱ-3表Ⅱ-4)

表Ⅱ-4 麦製品の生産量の推移

(単位千トン)

- 15 -

資料平成21年度までは農林水産省「米麦加工食品生産動態統計調査年報」平成22年度からは農林水産省「食品産業動態調査」及び農林水産省「製粉精麦工場需給実績報告」冷凍麺の生産量は(一社)日本冷凍食品協会調べ

注1)麺類及びパン類の生産量は小麦粉使用量で冷凍麺は製品生産量である2)小麦粉は年度の計でありその他は暦年の計である

区分

パ ン 麺 類 冷凍麺

小麦粉 食パン菓子パ

ンその他のパン

生麺 乾麺 即席麺

年度計 暦年計 暦年計 暦年計 暦年計 暦年計 暦年計 暦年計 暦年計 暦年計

昭和45 3422 970 469 - - - 514 327 267 -

50 3978 1062 588 251 63 - 541 289 335 -

55 4079 1189 687 285 89 1334 610 275 325 -

60 4243 1178 653 291 133 1397 659 297 316 9

平成2 4338 1193 661 321 146 1407 687 274 316 41

7 4633 1220 623 368 178 1456 729 268 314 120

12 4623 1279 619 382 235 1421 687 235 343 190

22 4725 1196 576 375 215 1251 555 203 332 257

23 4708 1215 580 392 215 1283 548 209 361 270

24 4654 1219 580 392 221 1269 542 204 363 283

25 4694 1226 598 384 218 1324 562 213 386 314

26 4683 1234 608 387 214 1371 578 213 410 318

27 4702 1234 605 403 201 1396 624 195 414 308

28 4683 1238 604 403 206 1409 652 186 419 308

29 4703 1254 602 409 218 1445 691 186 416 313

30 - 1221 585 401 211 1473 712 188 420 -

〔低糖質製品〕

〔多種多様な携帯サンドイッチ〕

〔手軽な冷凍麺〕

図Ⅱ-3 麦製品の商品事例

H18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29

製粉工場数 124 122 121 119 117 118 117 114 109 104 102 98

製粉企業数 100 98 98 96 94 95 94 90 88 83 81 77

うち輸入小麦取扱製粉工場数 91 91 90 90 87 87 86 83 78 76 74 73

うち輸入小麦取扱製粉企業数 67 67 67 65 64 64 64 60 57 55 53 52

50

70

90

110

130

150製粉工場数

製粉企業数

うち輸入小麦取扱製粉工場数

うち輸入小麦取扱製粉企業数

3 製粉企業の状況

(1)大手製粉企業及び中小製粉企業の動向

① 大手製粉企業4社の小麦粉の生産量は全体の78を占

めておりこれに年間小麦粉生産量が3万トン以上の企業

の生産量を加えた13社ベースでは全体の90を占めてい

ます

② 大手製粉企業は生産設備の臨海工場への集約化を進め

つつ工場の大規模化合理化を推進しています

平成29年度の1工場当たりの生産量は17万トンまた

稼働率は89となっています

③ 年間小麦粉生産量3万トン以上の中小製粉企業は工場

のほとんどが臨海地域に立地し小麦粉を域内の二次加工

メーカー等に供給しています

平成29年度の1工場当たりの生産量は約6万トン稼働

率は67となっています

④ 年間小麦粉生産量1千トン以上3万トン未満の中小製粉

企業は主に内陸に位置し小麦粉を地元のパン麺等の

加工業者に供給するほか乾麺等の製造を兼ねるものも多

くなっています

平成29年度の1工場当たりの生産量は13万トンと大

手製粉企業の約14分の1稼働率は35となっています

⑤ 年間小麦粉生産量1千トン未満の中小製粉企業は輸入

小麦を取り扱わない企業が大部分を占め国内産小麦のみ

を使用し麺用や菓子用に供給しています

表Ⅱ-5 大手製粉企業中小製粉企業の小麦粉生産等の動向

資料農林水産省調べ注四捨五入の関係で計と内訳が一致しない場合がある

(参考)製粉企業数と工場数の推移(企業工場)

- 16 -

3万トン以上1千トン以上3万トン未満

1千トン未満

平成24 94 4 90 9 50 31

29 77 4 73 9 38 26

24 4853 3679 1174 536 636 3

29 4877 3801 1075 569 504 2

24 100 758 242 110 131 01

29 100 779 221 117 103 00

24 3245 1177 2068 632 1360 76

29 2806 1057 1749 581 1114 54

24 1496 3126 568 848 468 39

29 1738 3596 615 980 452 44

24 415 1533 126 596 120 01

29 498 1728 142 569 126 01

24 692 887 414 709 311 42

29 731 888 454 670 347 46

全体 大手製粉

中 小 製 粉年間生産量

稼働率()

製粉企業数

小麦粉生産量(千トン)

生産シェア()

従業員数(人)

従業員一人当たりの生産量

(トン)

一工場当たりの生産量(千トン)

(2)製粉企業のコスト削減や品質安全性の向上に向けた取組

製粉企業は生産能力の増強によるコスト削減や品質安全性の向上に向けた取組を進めています(図Ⅱ-4)

また国も農業競争力強化プログラムを策定し製粉企業の取組みを支援しています(図Ⅱ-5)

① 供給能力の強化等によるコストダウン

製粉企業は供給能力の強化生産性の向上と原料小麦の受入体制の整備によるコストダウンを図るため製粉工場や原料サイロの増強等の設備投資を行っています

② 資本業務の提携

製粉企業の中には他の製粉企業と資本業務提携を行うこと等により原料調達規模の拡大や生産の効率化等による競争力の強化を図る取組もみられます

③ 品質安全性の向上

製粉企業は近年消費者の安全安心への関心が高まる中食品の品質安全性を確保するための設備やAIB食品安全システムの導入ISO認証の取得等様々な取組を行っています

④ 工場の集約化

大手製粉企業は内陸工場を閉鎖し海外からの原料調達に有利な臨海工場への集約を進めるとともに臨海工場の生産能力を増強させる等生産性の向上を図っています

⑤ 海外市場への進出

製粉企業の中にはアジア大洋州地域における買収や工場増設等海外市場に積極的な進出をする取組もみられます

① 供給能力の強化等によるコストダウン 日清製粉は関東地区の小麦サイロ収容力の増強を進め更なる原料小麦の安定供給を推進するため鶴見工場の原料小麦サイロを増設(平成28年)

日本製粉は神戸甲南工場の原料サイロの新設等(平成24年)千葉工場の原料サイロの増設(平成26年)を行い今後原料サイロを福岡工場及び知多新工場へ新設神戸甲南工場(第2期)へ増設する予定

千葉製粉は新たな顧客ニーズへの対応付加価値製品の創出等を図るため専用ラインを新設(平成27年)

② 資本業務提携 資本業務提携を行っている製粉企業

増田製粉所(兵庫) hArr 日東富士製粉

木田製粉(北海道)内外製粉(三重)奥本製粉(大阪)セントラル製

粉(愛知) hArr 昭和産業

東福製粉(福岡) hArr 日本製粉

③ 品質安全性の向上 多くの製粉企業がISO9001(品質マネジメントシステム)ISO22000(食品安全マネジメントシステム)の認証を受けることにより品質管理や食品安全管理を実施

④ 工場の集約化 日清製粉は生産性向上のため内陸工場を順次閉鎖し臨海工場への集約化を推進

筑後工場(福岡)鳥栖工場(佐賀) rarr 福岡工場(福岡)へ集約

(平成26年)

名古屋工場の2ライン rarr 知多工場(愛知)の新ラインへ集約

(平成27年)

日本製粉は生産性向上のため総生産能力の80を臨海部の大型工場に集約

⑤ 海外市場への進出状況(平成30年度) 日清製粉は豪州の小麦粉市場においてトップシェアを持つアライドピナクル社を買収またタイでは子会社の日清STC製粉がタイの製粉工場を買収するとともにベトナムでは業務用プレミックスの生産工場を建設することを決定

昭和産業はベトナムに新たにプレミックス製造会社を設立し生産工場を建設することを決定

図Ⅱ-4 製粉企業の各種取組の事例

- 17-

⑥ 再編合理化の取組

製粉企業の中には国の支援を活用した再編合理化の取

組もみられます

⑦ 地産地消の推進

中小製粉企業は地域とのつながりの強さや独自の立地

条件を活かした特色ある経営を模索する中で生産者と協

力した積極的な地産地消の取組を進めています

⑦ 地産地消の推進

岩手県主な実施者岩手県学校給食会岩手県パン工業組合県内製粉企業取 組 内 容 平成28年度から地元県産小麦(銀河のちからゆきちから)を

100使用した学校給食用パンを県内の小中学校に提供開始埼玉県

主な実施者埼玉産小麦ネットワーク「SWING group」(県内製粉企業が中心となり生産者加工業者販売業者等180社が加盟)

取 組 内 容 埼玉県産小麦のブランド価値を高めることなどを目的として埼玉県産小麦を自社製品に利用することで高付加価値商品の開発による自社の発展などを目指すとともに研修会の実施やイベントホームページなどを通じた消費者への情報提供を実施

京都府主な実施者地元製粉企業京都府全農京都府本部生産者府内製麺製

パン業者飲食店取 組 内 容 平成30年産から京都府産小麦品種を「せときらら」へ全面切替を

行ったことを機にブランド名を「京小麦」とし「京小麦」を100使用したメニューを参加店舗にて提供するイベント「京小麦の収穫祭」を平成31年1月21日から2月17日まで開催

福岡県主な実施者福岡県ラー麦普及推進協議会(県JA全農ふくれん県内製粉

業者5社製麺業者関係団体)取 組 内 容 以下の取組によりラーメン用小麦「ラー麦」を普及推進

産地への生産技術の普及指導 小麦品質評価最適製粉加工方法の検討 利用や消費を促進するための普及宣伝(試

食イベント等) 毎年産の製粉製麺適性評価および食味

官能評価の実施 平成21年に本小麦の名称「ラー麦」とロ

ゴデザインを商標登録しブランド化

- 18 -

2 生産者が有利な条件で安定取引を行うことができる流通加工の業界構造の確立

(1)生産者に有利な流通加工構造の確立現在の食料需給消費の実態等を踏まえた効率的機能

的で農業者と消費者双方がメリットを受けられる流通加工構造を確立するため以下のとおり取り組む

その際農林水産省経済産業省をはじめ政府一体となって取り組む①~⑦ (略)⑧ 加工業については生産性の低い工場が乱立している

種類の加工業界(製粉乳業等)について国は国際競争に対応できる生産性の確保を目指した業界再編設備投資等を推進することとし政府系金融機関の融資農林漁業成長産業化支援機構の出資等による支援を行う

⑨ 上記改革を推進するため農産物の流通加工に関し国の責務業界再編に向けた推進手法等を明記した法整備を進める

⑩ 上記改革を推進するため金融機関による流通加工関連産業の生産性向上に資する経営支援や資金供給の促進政府系金融機関や農林漁業成長産業化支援機構等との連携強化等を図る

図Ⅱ-5 農業競争力強化プログラム(抜粋)

(平成28年11月29日 農林水産業地域の活力創造本部決定)

⑥ 再編合理化の取組

製粉工場の廃棄撤去製粉施設の一部又は全部を撤去しミックス粉等の関連事業を拡大

(製粉工場等再編合理化事業(平成2728年度7件))

図Ⅲ-1 国内産小麦の収穫量と作付面積の推移

表Ⅲ-1 小麦の主な作付品種(平成29年産)

Ⅲ 国内産麦の生産と流通の動向

1 国内産麦の生産状況

(1)小麦

① 作付面積

近年の国内産小麦の作付面積は約21万haと横ばいで推移して

います平成30年産の作付面積は北海道は121万ha都府県

は91万ha全国では212万haとなり前年産並となっていま

② 収穫量

平成30年産の国内産小麦の収穫量は主産地の北海道での6

月中旬から7月中旬にかけての低温日照不足の影響により登

熟不良となったこと等から前年産に比べ北海道で134万ト

ン(22)減少都府県では05万トン(2)減少全国

では139万ha(15)減少の768万トンとなり(図Ⅲ-1)

10a当たりの平均収量対比は91となりました

③ 小麦の作付品種の状況

栽培品種については各産地の気候条件や用途等に適した品

種が作付されており29年産では日本麺用では「きたほなみ」

「さとのそら」「シロガネコムギ」といった品種パン

中華麺用では「春よ恋」「ゆめちから」といった品種が上位

を占めています(表Ⅲ-1)

資料農林水産省「作物統計」品種毎の面積は農林水産省政策統括官調べ

注品種の育成年についてはシロガネコムギは農林認定が行われた年

それ以外の品種は出願公表が行われた年としている

資料農林水産省「作物統計」30年産の数値は概算値

- 19 -

(千トン)

年産

910 881

674

571

746

858 812

852

1004

791

907

768

210 209 208 207 212 209 210 213 213 214 212 212

100

120

140

160

180

200

220

240

260

280

300

0

200

400

600

800

1000

H19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30

収穫量 作付面積(千ha)

品種名 育成年 作付面積(千ha) 割合 主な作付地域

きたほなみ 平成19年 878 41 北海道

さとのそら 平成21年 159 7 関東東海

シロガネコムギ 昭和49年 152 7 九州近畿

春よ恋 平成11年 143 7 北海道

ゆめちから 平成20年 137 6 北海道

上位5品種計 1469 69

小麦作付面積 - 2123

図Ⅲ-2 国内産大麦及びはだか麦の収穫量と作付面積の推移

表Ⅲ-2 大麦及びはだか麦の主な作付品種(平成29年産)

(2)大麦及びはだか麦

① 作付面積

近年国内産大麦及びはだか麦の作付面積は約6万と横ば

いで推移しており平成30年産は前年産と比較すると二条

大麦は前年産並六条大麦は800ha(4)減少はだか麦

で460ha(9)増加となり全体では340ha(1)減少の

61万haとなりました(図Ⅲ-2)

② 収穫量

平成30年産の大麦及びはだか麦の収穫量は二条大麦及びは

だか麦はおおむね天候に恵まれ生育が順調で登熟も良好

であったこと等から前年産に比べ二条大麦は01万トン

(1)増加はだか麦は01万トン(8)増加となりました

六条大麦については北陸地方において大雪の影響で融雪時期

が遅れたこと等により穂数が少なくなり前年産に比べ14万

トン(26)減少しました

この結果大麦及びはだか麦の収穫量は合計で173万トンと

なり前年産に比べて12万トン(6)減少となりました

(図Ⅲ-2)

③ 大麦及びはだか麦の作付品種の状況

栽培品種については各産地の気候条件や用途等に適した品

種が作付されており29年産では二条大麦はビール用の「サ

チホゴールデン」六条大麦は主食用や麦茶用の「ファイ

バースノウ」はだか麦は麦味噌用の「マンネンボシ」いっ

た品種が上位を占めています(表Ⅲ-2)

資料農林水産省「作物統計」30年産の数値は概算値

- 20 -

(千トン)

資料農林水産省「作物統計」農林水産省調べ

注品種の育成年についてはシュンライイチバンボシは農林認定が行われ

た年それ以外の品種は出願公表が行われた年としている

195 217

179 161

172 172 183

170 177 170 185

173

54 57 58 59 60 60 59 60 61 61 61 61

0

10

20

30

40

50

60

70

80

90

100

0

50

100

150

200

250

H19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30

収穫量 作付面積 (千ha)

年産

麦種 品種名 育成年作付面積(千ha)

割合 主な作付地域

二条大麦

サチホゴールデン 平成18年 189 31 九州関東中国

はるしずく 平成17年 44 7 九州

ニシノホシ 平成11年 27 4 九州

六条大麦

ファイバースノウ 平成13年 107 17 北陸関東東海

シュンライ 平成2年 33 5 関東東北近畿

カシマゴール 平成22年 13 2 関東東海

はだか麦

マンネンボシ 平成13年 15 2 四国

イチバンボシ 平成4年 14 2 四国九州

トヨノカゼ 平成18年 11 2 九州中国

大麦はだか麦作付面積

- 614

資料農林水産省調べ

Aランク評価項目の基準値を3つ以上達成しかつ許容値を全て達成している麦Bランク評価項目の基準値を2つ達成しかつ許容値を全て達成している麦Cランク評価項目の基準値を1つ達成しかつ許容値を全て達成している麦

評価項目の基準値を2つ以上達成しているものの許容値を達成していない麦DランクA~Cランクのいずれにも該当しない麦

【評価項目】①小麦 日本麺用パン中華麺用(たんぱく灰分容積重フォーリングナンバー)

醸造用(たんぱく3項目容積重)②二条大麦 主食等用(容積重細麦率白度正常粒率)

麦茶用(たんぱく3項目細麦率)③六条大麦はだか麦 主食等用(容積重細麦率白度硝子率)

麦茶用(たんぱく3項目細麦率)

(参考) 麦の品質区分

(単位)

- 21 -

(2)品質評価

たんぱく質や灰分の含有率等に基づく品質評価結果につい

ては平成30年産の小麦ではAランクが899となってお

り過去5年平均(Aランク比率849)と比べ5ポイン

ト高くなっています

また平成30年産の大麦はだか麦ではAランクが

849となっており過去5年平均(Aランク比率832)

と比べ17ポイント高くなっています(表Ⅲ-4)

表Ⅲ-4 平成30年産麦の品質評価結果

2 国内産麦の品質状況

(1)農産物検査① 平成30年産の小麦について全国の1等比率は761

(平成30年12月末時点)と過去5年平均799と比較して低くなっています(表Ⅲ-3)

② 平成30年産の小粒大麦大粒大麦はだか麦及びビール大麦について1等比率は大粒大麦を除き過去5年平均と比較して低くなっています(表Ⅲ-3)

表Ⅲ-3 国内産麦の1等比率の推移(単位)

Aランク Bランク Cランク DランクAランク

過去5年平均(平成25~29年産)

小 麦 899 67 33 01 849

大麦はだか麦

849 37 108 06 832

注1)各年産翌年4月末時点の値であるただし平成30年産は30年12月末時点の値である

2)強力小麦の検査数量を含む値である

3 国内産麦に対する支援

平成31年度は経営所得安定対策等の対策のうち主に畑作

物の直接支払交付金と水田活用の直接支払交付金により国内

産麦に対する支援が行われます

(1)畑作物の直接支払交付金

畑作物の直接支払交付金として麦を生産する農業者に対

し標準的な生産費と標準的な販売価格の差額分を直接交付

することとしています

支払いは当年産の麦の品質及び生産量に応じて交付する

数量払を基本とし当年産の麦の作付面積に応じて交付する

面積払(営農継続支払)を数量払の先払いとして交付する仕

組みにしています

数量払の交付単価は品質に応じた単価を設けており需要

に応じた生産と品質に対する営農努力を適切に反映させる仕

組みになっています(表Ⅲ-5)

表Ⅲ-5 畑作物の直接支払交付金の麦の交付単価

(円単位数量)

品質区分(等級ランク)

1等 2等

A B C D A B C D

小麦(パン中華麵

用品種)(60kg当たり)

9040 8540 8390 8330 7880 7380 7230 7170

小麦(パン中華麺用品種以外)(60kg当たり)

6740 6240 6090 6030 5580 5080 4930 4870

二条大麦(50kg当たり) 5550 5130 5010 4960 4690 4270 4140 4090

六条大麦(50kg当たり) 6030 5610 5480 5430 5000 4580 4460 4410

はだか麦(60kg当たり) 8650 8150 8000 7910 7080 6580 6430 6350

(参考)

【平均交付単価小麦6940円60kg二条大麦5490円50kg六条大麦5720円50kg

はだか麦8230円60kg】

②面積払

当年産の作付面積に応じて交付 2万円10a

①数量払(品質に応じた単価)

- 22 -

【平成31年産に適用】

標準的な生産費

差額

ゲタ交付単価

標準的な販売価格

【交付単価のイメージ】lt畑作物の直接支払交付金のイメージgt

面積払(数量払の際に控除されます)

数量払

収量

交付金額

(2)水田活用の直接支払交付金

水田のフル活用を推進し食料自給率自給力の向上を図

るため水田で麦を生産する農業者に対しては畑作物の直

接支払交付金に加え水田活用の直接支払交付金(35000円

10a)を直接交付することとしています(表Ⅲ-6)

表Ⅲ-6 水田活用の直接支払交付金の交付単価

作 物 単 価

麦大豆飼料作物 35000円10a

WCS(ホールクロップサイレージ)用稲 80000円10a

加工用米 20000円10a

飼料用米米粉用米収量に応じ

55000円~105000円10a

このほか「産地交付金」により地域で作成する水田フル活用ビジョンに基づき二毛作や耕畜連携を含め産地づくりに向けた取組を支援します

戦略作物助成

注実需者等との出荷販売契約等を締結すること出荷販売することが要件

- 23 -

4 国内産食糧用麦の流通動向

(1)取引の概要

国内産食糧用麦は加工原料としての商品特性から需要に応じて計画的に生産できるようは種前契約に基づく取引が行われています

まず取引の指標となる透明性のある適正な価格を形成するためは種前に販売予定数量の3~4割(具体の比率は民間流通地方連絡協議会の協議を踏まえ決定)について入札が行われます残りは相対取引が行われておりその価格については入札で形成された指標価格(落札加重平均価格)を基本として取引当事者間で決められています(図Ⅲ-3)

また取引を円滑に進めるため生産者需要者等で構成される民間流通連絡協議会において取引に必要な情報交換取引に係る基本事項の見直し等が行われています(表Ⅲ-7)

今後とも国内産食糧用麦については円滑な流通が確保されるようは種前契約を基本としつつ適切に対応していきます

図Ⅲ-3 国内産食糧用麦の基本的な流通フロー

表Ⅲ-7 国内産食糧用麦の入札の仕組み

項 目 概 要 見直しの変遷

実施主体 一般社団法人 全国米麦改良協会

実施時期 は種前に2回実施(8~9月)平成13年産から1回rarr2回へ見直し

上場数量

産地銘柄別に販売予定数量が小麦3千トン以上大麦はだか麦1千トン以上の銘柄についてその30~40を上場(ほかに希望上場あり)

平成31年産から30rarr30~40へ見直し

基準価格

小麦は前年産の落札加重平均価格に当年産の入札実施時点での外国産麦の政府売渡価格の変動率を乗じた価格大麦はだか麦は前年産の落札加重平均価格

小麦の外国産麦との連動は平成24年産から実施

値幅制限 基準価格のplusmn10

小麦平成12年産~16年産plusmn5平成17年産~21年産plusmn7平成22年産plusmn10平成23年産plusmn30平成24年産~ plusmn10大麦はだか麦平成12年産~18年産plusmn5平成19年産~21年産plusmn7平成22年産plusmn10平成23年産plusmn15平成24年産~ plusmn10

取引価格の事後調整(小麦のみ)

外国産食糧用小麦の政府売渡価格の改定(410月)に合わせては種前の入札又は相対により契約された価格に外国産食糧用小麦の政府売渡価格の変動率を乗じて取引価格を改定

平成23年産から実施

申込限度数 量

買い手別に上場数量times買受実績シェアtimes145

小麦は平成17年産から大麦及びはだか麦は平成19年産から135rarr145へ見直し

相対取引入札で形成された指標価格を基本に生産者団体と需要者の間で協議決定

平成19年産から過去の実績シェアに基づく取引ルールを廃止

再入札

第1回入札及び第2回入札において落札残数量が発生した場合は売り手の希望により再度入札に付すか相対による契約を行うかいずれかの方法をとることができる

平成25年産から売り手の申し出により再入札における入札の値幅を設定できること等を規定

生産者団体から販売予定数量需要者団体から購入希望数量の相互提示

入札取引の実施(販売予定数量の約3~4割)

相対取引の実施(販売予定数量の約6~7割)

は 種(秋まき春まきは収穫年の4月)

収 穫 及 び 検 査

生産者団体と需要者の間では種前に契約を締結

需 要 者 へ 引 渡 し

<生産の流れ>

麦の生育期間

<契約の流れ>

は種前契約に基づき計画的に作付(は種)

収穫前年7月~

8~9月

9月~

~12月

6~8月

6月~

収穫年26年産から国内産麦の需要拡大を図るため地域の食文化のブランド化等による高付加価値化の取組等に対し安定的な原料供給が可能となる需要拡大推進枠を導入

- 24 -

表Ⅲ-8 国内産食糧用麦の供給量 (単位千トン)

注集荷団体からの聞き取り数量である

(2)流通の動向

平成30年産の国内産食糧用小麦の供給量は前年産から

約14万4千トン減少し約70万1千トンとなっています

また国内産食糧用大麦及びはだか麦の供給量は前年

産から約3千トン減少し約10万3千トンとなっています

(表Ⅲ-8)

生産者側から提示された平成31年産麦の販売予定数量は

国内産食糧用小麦で約82万4千トン国内産食糧用大麦及

びはだか麦で約10万8千トンとなっています

一方需要者側から提示された平成31年産麦の購入希望

数量は国内産食糧用小麦で約86万3千トン国内産食糧

用大麦及びはだか麦で約13万トンとなっています(表Ⅲ-

9)

表Ⅲ-9 国内産食糧用麦の販売予定数量及び購入希望数量の推移(単位千トン)

資料民間流通連絡協議会調べ注四捨五入の関係で差し引きが一致しないことがある

- 25 -

年産 20 21 22 23 24 25 26 27 28 2930

(見込)

小   麦 841 639 532 694 811 767 808 946 734 845 701

大麦はだか麦 125 100 84 98 93 105 103 103 92 106 103

年産 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31

販売予定数量① 887 906 909 951 948 909 905 880 820 846 834 824

購入希望数量② 833 880 818 859 904 869 751 802 834 875 880 863

①-② 54 25 91 91 44 40 154 78 14 29 46 39

(①-②)①() 61 28 100 96 47 44 170 89 18 34 55 47

販売予定数量① 121 132 134 127 122 116 110 112 113 112 108 108

購入希望数量② 199 219 135 149 147 138 141 149 145 138 148 130

①-② 78 87 1 23 26 21 31 37 32 26 39 22

(①-②)①() 640 660 06 179 209 182 282 330 284 234 363 204

表Ⅲ-10 国内産食糧用麦の入札結果の推移

資料一般社団法人全国米麦改良協会調べ

注1価格は税込み(26年産までは527年産以降は8)である

ただし31年産の落札価格は一般社団法人全国米麦改良協会公表の価格(税抜き)を基に農林水産省で税込み価格を算出

5 国内産食糧用麦の価格の動向

(1)平成31年産の入札の概要

平成31年産麦の入札は第1回は平成30年9月12日に第

2回は平成30年9月26日に実施されました

麦種別の入札結果をみると小麦は上場数量約21万4千

トンのうち約20万4千トンが落札(落札率954)され落

札価格は61714円トン(対前年産比1151)となりました

小粒大麦は上場数量約1万1千トンのうち約1万1千

トンが落札(落札率991)され落札価格は46560円トン

(対前年産比997)となりました

大粒大麦は上場数量約7千8百トンのうち5千6百トン

が落札(落札率717)され落札価格は46923円トン(対

前年産比879)となりました

はだか麦は上場数量約2千3百トンのうち約2千1百

トンが落札(落札率897)され落札価格は50817円トン

(対前年産比961)となりました(表Ⅲ-10)

なお国内産小麦については近年消費者の国産志向の高

まりなどを受け大手外食チェーンや2次加工メーカーが国

内産小麦を使用したパン中華麺等の商品を相次いで発表す

るなど人気が高まってきていますこれらを背景として平

成31年産小麦の落札価格は多くの銘柄で値幅制限の上限付

近となっておりまた申込倍数も14倍と高いものとなって

います

- 26 -

20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31

上場数量

(トン)①243510 243020 242310 251370 250980 244880 244320 234010 213360 221380 218500 214200

落札数量

(トン)②234930 238410 189350 247770 245320 220590 188240 192240 201140 214060 210560 204420

落札率

②①965 981 781 986 977 901 770 822 943 967 964 954

落札価格

(円トン)43229 59885 55241 48732 58340 49333 49319 49770 54164 51570 53624 61714

対前年産比 1064 1385 922 882 1197 846 1000 1009 1088 952 1040 1151

上場数量

(トン)①12240 13590 14210 13300 11760 11220 11290 11930 12210 12200 11750 11040

落札数量

(トン)②12050 13510 14040 13170 11550 10850 10900 11830 12090 12200 11440 10940

落札率

②①984 994 988 990 982 967 965 992 990 1000 974 991

落札価格

(円トン)45479 59709 53448 45871 46485 46453 46290 47595 47565 46880 46708 46560

対前年産比 1084 1313 895 858 1013 999 996 1028 999 986 996 997

上場数量

(トン)①10020 9690 10330 9290 9000 8700 7210 7620 7450 7620 6880 7810

落札数量

(トン)②8880 8920 8910 7990 7990 7830 6480 7130 6600 6700 6340 5600

落札率

②①886 921 863 860 888 900 899 936 886 879 922 717

落札価格

(円トン)36532 50492 46097 39649 40394 41582 42881 45740 47827 50442 53384 46923

対前年産比 1059 1382 913 860 1019 1029 1031 1067 1046 1055 1058 879

上場数量

(トン)①2910 3150 3030 3260 3060 2830 2840 2890 2740 2660 2570 2330

落札数量

(トン)②2910 3150 3030 3090 3020 2830 2810 2810 2520 2600 2470 2090

落札率

②①1000 1000 1000 948 987 1000 989 972 920 977 961 897

落札価格

(円トン)42222 58527 61489 52791 51905 52294 49656 47712 46547 48527 52876 50817

対前年産比 1063 1386 1051 859 983 1007 950 961 976 1043 1090 961

年産

小麦

小粒大麦(六条大麦)

大粒大麦(二条大麦)

はだか麦

平成31年産国内産食糧用小麦の入札結果をみると産地別銘柄別

の需給状況等を反映して落札価格に差が生じています

代表的な銘柄である北海道産「きたほなみ」は前年産の価格を

153上回る64752円トン香川県産「さぬきの夢2009」は前

年産の価格を152上回る73186円トンとなりましたまたパ

ン中華麺用の北海道産「ゆめちから」は前年産の価格を180

上回る62777円トン北海道産「春よ恋」は前年産の価格を

180上回る68792円トンとなりました(図Ⅲ-4図Ⅲ-5)

図Ⅲ-4 平成31年産国内産食糧用小麦の産地別銘柄別落札価格

資料農林水産省調べ注外国産小麦5銘柄加重平均価格は平成30年4月期の輸入小麦の政府売渡価格である

(2)平成31年産国内産食糧用小麦の産地別銘柄別落札価格の動向

資料農林水産省調べ注1国内産小麦の価格は(一社)全国米麦改良協会が実施する民間流通麦にかかる入札の第1回第2回

及び再入札の落札加重平均価格(税込み)年産の下段の( )内は当該第1回入札の実施年月である注2外国産小麦の価格は18年までは当該年度平均の実績価格であり19年以降は民間流通麦にかかる第

1回入札の実施年月時点での輸入小麦の政府売渡価格(5銘柄平均)である注3ホクシン(きたほなみ)については22年産までは「ホクシン」の価格であり23年産からは「きたほ

なみ」の価格である注4さぬきの夢については24年産までは「さぬきの夢2000」の価格であり25年産からは「さぬきの夢

2009」の価格である注5農林61号(さとのそら)については23年産までは「農林61号」の価格であり24年産からは「さとの

そら」の価格である

図Ⅲ-5 国内産食糧用小麦の産地別銘柄別落札価格の推移

- 27 -

(単位円トン税込み)

30000

60000

北海道ゆめちから 62777

福岡ミナミノカオリ 68393

滋賀農林61号 50763

茨城さとのそら 46310

佐賀チクゴイズミ 52193

岩手ゆきちから 39929

全銘柄落札加重平均 61714

香川さぬきの夢2009 73186

北海道きたほなみ 64752

外国産小麦5銘柄加重平均 54370

群馬さとのそら 48669

北海道キタノカオリ 63090

大分チクゴイズミ 48265

福岡シロガネコムギ 50643

佐賀シロガネコムギ 47998

40000

福岡チクゴイズミ 52203

滋賀ふくさやか 49534

岐阜イワイノダイチ 46874

埼玉さとのそら 47159

宮城シラネコムギ 44607

群馬つるぴかり 49785

北海道春よ恋 68792

愛知きぬあかり 50114

北海道はるきらり 60201

50000

埼玉あやひかり 46072

岐阜さとのそら 45919

70000

30000

40000

50000

60000

70000

80000

90000

100000

110000

120000

130000

12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 年産

(単位円トン税込み)

北海道ホクシン

香川さぬきの夢200973186円

茨城農林61号

香川さぬきの夢2000

茨城さとのそら

46310円

北海道きたほなみ

64752円

北海道ゆめちから

62777円

外国産小麦

5銘柄平均

54370円

北海道春よ恋

68792円

(128) (138) (148) (158) (168) (178)(1810) (199) (208)(2110)(2212) (239) (2410)(2510)(269)(279) (289) (299)(119) (309)

6 国内産麦の新品種の育成状況

(1)国内産麦については縞萎縮病抵抗性や耐倒伏性を備え

需要者等のニ-ズに合った新品種の開発が進められています

また作付け面積が1万haを超える「ゆめちから」「さとの

そら」をはじめ多数の品種が生産現場に導入されています

(図Ⅲ-6)

(2)今後とも赤かび病抵抗性や穂発芽耐性が高い小麦品種

小麦粉の色相や製粉性が優れる日本麺用小麦品種パンの膨

らみがカナダ産「1CW」並の小麦品種焼酎押麦味噌

などの加工適性が高い大麦品種等の開発を推進します

小麦品種「ゆめちから」及び「さとのそら」は優れた栽培特性

と加工適性を備えており作付けが拡大しています(平成29年

推定値「ゆめちから」約1万2千ha「さとのそら」約1万5

千ha)

パン用小麦品種の開発近年国産の小麦粉を使ったパンの需要増加に応えるためグルテンやでん粉の組成などパンの膨らみに関連する特性に注目した育種が進められていますその結果平成25年に製パン適性が「1CW」に近く多収の「せときらら」平成29年にはパン生地の力が強く穂発芽耐性や赤かび抵抗性が改良された「夏黄金」が育成されました

加工適性の高い大麦品種の開発機能性成分β-グルカンを多く含むもち性大麦の需要の高まりに応えるため平成29年に「はねうまもち」が育成されましたまた高品質なはだか麦の需要増加に対応して平成24年に味噌加工適性の高い「ハルヒメボシ」が育成されました

図Ⅲ-6 平成19年以降に育成された麦類の主な新品種

日本麺用小麦ゆめきらり

パン用小麦ゆめかおり福井県大3号

六条大麦ホワイトファイバー

北信越

日本麺用小麦あおばの恋

パン用小麦銀河のちから

東北

日本麺用小麦さとのそらきぬあかり

パン用小麦ゆめかおり

二条大麦とちのいぶき彩の星アスカゴールデンニューサチホゴールデン

六条大麦カシマゴール

はだか麦キラリモチ

関東東海

日本麺用小麦ふくはるかさぬきの夢2009

パン用小麦ゆめちからせときらら

はだか麦ハルヒメボシ

近畿中国四国

中華麺用小麦ちくしW2号

二条大麦煌二条白妙二条はるか二条トヨノホシ

九州

日本麺用小麦きたほなみ

中華麺用小麦つるきち

パン用小麦ゆめちからはるきらり

二条大麦札育2号

北海道

新品種のうち平成30年産で概ね100ha以上作付けされていると推定される品種を選定(農林水産省調べ)

- 28 -

7 国内産麦を利用した製品の動向

食料自給率の向上を図るためには国内産麦の需要開拓を行う

ことが必要です最近の消費者の国産志向の高まりや生産者と実

需者が一体となった地産地消の推進地域農業の振興を図る取り

組み等から国内産麦を使った麦製品(パン麺等)が増えてき

ており中には国内産麦を100使用した商品もあります(図Ⅲ-

7)

- 29 -

8 民間流通制度の運用改善

国内産麦の人気の高まりにより近年需要量が生産量を上回

る状況が継続しており国内産麦を積極的に使用したい実需者が

必要量を確保できない等の課題もあります

このような課題に対応するため民間流通連絡協議会において

入札上場比率の選択制の導入需要拡大推進枠設定の要件緩和

相対取引需要拡大推進枠において多様な取組が可能であること

の明確化等民間流通制度の運用改善が行われました(図Ⅲ-

8)

ピッツァ専用粉(北海道)(小麦)地元の製粉企業が北海道産小麦(きたほなみキタノカオリゆめち

から)を100使用した国内で初めてのピッツァ専用粉を開発平成30年2月に都内で試食会を開催し平成30年5月から販売

ピッツァ専用粉(群馬県)(小麦)地元の製粉企業が地元のピッツァ専門店ピッツァ窯メーカーと協力

して品質改良を重ね群馬県産小麦(さとのそらつるぴかりきぬの波)を100使用したピッツァ専用粉を平成30年4月から発売ピッツァイベントやイタリアン食材の展示会に出展

学校給食用パン(東京都)(小麦)都学校給食会の「学校給食パン加工規格」による配合基準に基づき国

内産小麦を100使用した学校給食パンを平成27年度から都内の一部の小中学校で提供を開始平成28年度からは都内全域の規格として採用

〇 市販用中華麺(愛知県)(小麦)地元の製粉企業が自社製品として愛知県産小麦きぬあかりを100使用

した中華麺を平成30年6月から自社通販で販売平成30年8月から一般販売を開始

フランスパン用粉(佐賀県)(小麦)近県製粉企業が農研機構と共同で育成した九州地域等の暖地温暖地

向けのフランスパン加工適性に優れる準強力小麦品種「さちかおり」を100使用したフランスパン用粉を平成30年8月から発売

市販用ゆで麺(長崎県)(小麦)地元の製麺企業近県製粉企業県生麺協同組合JA県等が連携し

平成26年3月に「長崎県育成麦活用開発協議会」を立ち上げ長崎県産長崎W2号(商標登録名長崎ちゃん麦)を100使用したちゃんぽん用のゆで麺を平成29年4月に製品化原料小麦の生産量が整った段階での本格販売を予定

もち性大麦を使用した機能性表示食品(静岡県)(大麦)地元の精麦企業が国内産もち性大麦でβ-グルカン量の多い銘柄を使用し

炊飯用精麦を製品化機能性表示食品として平成29年1月に届出し十分な原料を手当でき次第随時販売予定

〇 もち性大麦を使用したシリアル(愛知県)(大麦)地元の精麦企業が食物繊維が20を超える愛知県産もち性大麦「ワキ

シーファイバー」を使用した国内産もち麦100シリアルを開発平成30年4月から販売開始

図Ⅲ-7 国内産麦を100使用した商品事例

図Ⅲ-8 民間流通制度の運用改善のポイント

0

50

100

150

200

250

300

350

400円千人

大手製パンメーカーA社が国内産小麦100使用の新製品を発売

大手製食品スーパーB社が国内産小麦100使用の新製品をPBで発売

大手製パンメーカーA社が国内産小麦100使用の製品を初めて発売

(参考)国内産小麦を利用した製品の販売状況

(1)国内産小麦100使用の食パンの販売額

大きなシェアを占めるにはいたっていないものの国内産

小麦を100使用した食パンの販売金額の推移を見ると新製

品が登場する度に国内産小麦100使用の食パン市場が拡大し

ています(図Ⅲ-9)

図Ⅲ-9 国内産小麦100使用の食パンの販売額の推移(首都圏)

資料日本経済新聞デジタルメディア社による首都圏のスーパーマーケットなど100店舗におけるPOSデータに基づき農林水産政策研究所において集計

注食パンのうち国内産小麦を100使用していることが明らかな製品のみ計上菓子パン等は含んでいない

表Ⅲ-11 生麺ゆで麺(チルド)の販売金額のシェア(首都圏平成30年)

資料日本経済新聞デジタルメディア社による首都圏のスーパーマーケットなど120店舗におけるPOSデータに基づき農林水産政策研究所において集計

(2)生麺ゆで麺(チルド)の販売金額

生麺ゆで麺全体で上位15製品の売上高に占める国内産

小麦使用表示のある製品のシェアは30となっていますま

た主要な麺製品のうどんラーメン冷やし中華焼そば

全てで国内産小麦使用製品がランクインしています(表Ⅲ

-11)

2013年 2014年 2015年 2016年 2017年 2018年 2019年

                      (単位)

製品の種類製造企業の規模産地表示販売金額シェア

焼そば大手製品(国内産小麦使用表示なし) 99そば大手製品(国内産小麦使用表示なし) 27冷やしラーメン大手製品(国内産小麦使用表示なし) 20うどん大手製品(北海道産小麦使用表示あり) 20ラーメン大手製品(北海道産小麦使用表示あり) 14冷やし中華大手製品(国内産小麦使用表示なし) 14うどん大手製品(国内産小麦使用表示あり) 13焼そば大手製品(国内産小麦使用表示なし) 12焼うどん大手製品(国内産小麦使用表示なし) 12うどん大手製品(国内産小麦使用表示あり) 11焼そば大手製品(国内産小麦使用表示あり) 11そうめん大手製品(国内産小麦使用表示あり) 10うどんPB製品(北海道産小麦使用表示あり) 10つけ麺大手製品(国内産小麦使用表示なし) 10冷麺中小製品(国内産小麦使用表示なし) 10

303

14

89

15上位15製品の売上高に占める国内産小麦使用表示のある製品の

シェア

順位

1

10111213

234567

- 30 -

図Ⅲ-10 外食産業等と連携した農産物の需要拡大対策事業(麦類)

9 国内産麦の需要拡大イベント及び情報発信の取組

近年生産者と実需者等が連携し国内産麦を使用した製品が

数多く開発販売されており各地でイベント等の需要拡大の

取組みが行われております

また農林水産省としては平成30年度産地と外食事業者等

が連携して行う国内産麦を活用した新商品の開発試作製

造するために必要な取組を支援する「外食産業等と連携した農

産物の需要拡大対策事業」を一般社団法人全国米麦改良協会を

実施主体として行っているところです

農林水産省のホームページにおいてこれらのイベント等につい

て情報発信を行うとともに一般社団法人全国米麦改良協会が

開設している国産麦応援情報ホームページでの情報提供等を

行っています(図Ⅲ-10~12)

「国内産麦使用試作品全国統一試食会商談会」開催日平成31年2月12日~19日(土日を除く)場 所むぎくらべ(東京都千代田区神田小川町)

内 容平成29年度補正予算事業「外食産業等と連携した農産物の需要拡大対策事業」の一環として行われた国内産麦を使用した試作品の試食会商談会

「国内産麦使用試作品全国統一試食会商談会」で出品された試作品

- 31 -

第8回全国ご当地うどんサミットin 熊谷 開催日平成30年11月10日~11日 場 所熊谷スポーツ文化公園にぎわい広

場(埼玉県) 内 容全国の国内産小麦を使用した「ご

当地うどん」が一堂に集まりグランプリを決定

図Ⅲ-11 全国各地で開催されたイベント 図Ⅲ-12 一般社団法人 全国米麦改良協会の取組

国産麦応援情報ホームページ「日本の麦の底力」内容国産小麦粉ブランド名鑑国産小麦の逸品イベント情報研究

情報等を掲載URL httpnihonnomugicom

北海道小麦キャンプ2018 in オホーツク 開催日平成30年7月10日~11日 場 所ホテル黒部を主会場としたオホーツ

ク管内(北海道) 内 容国内産小麦北海道産小麦の魅力

を全国に広めることを目的にバスツアーやパン講習会などを実施

麦わらぼうしフェスタ 開催日平成30年11月4日 場 所笠原産業株式会社(栃木県) 内 容国内産小麦を使用したうどんパン

などの試食販売うどん教室などを実施

第7回 信州粉もん祭り 開催日平成30年11月11日 場 所JAながの ちくま埴生支所(長野県) 内 容長野県産小麦を使用した「粉もん料

理」が大集合粉もん試食会や手打ちうどん講習会 などを実施

国内産麦アンテナショップ「むぎくらべ」内容国内産麦を使用した商品のPRと販売の場を提供するものとして

平成30年7月東京都千代田区にオープン

- 32 -

オープニングセレモニーには上月前農林水産大臣政務官(写真中央)も出席

10 食料農業農村基本計画における麦の位置付け

平成27年3月31日に平成37年度を目標とする「食料農業

農村基本計画」が閣議決定され小麦は95万トン大麦はだ

か麦は22万トンの生産努力目標が設定されています(表Ⅲ-

12)

食料消費の見通し 生産努力目標(万トン) 克服すべき課題

1人1年当たり消費量

(kg人年)

国内消費仕向量

(万トン)

平成25年度

平成37年度

平成25年度

平成37年度

平成25年度

平成37年度

小麦 33 32 699 611 81 95

国内産小麦の需要拡大に向けた産地形成やブランド化

実需者ニーズに対応した生産流通体制の確立

新品種新技術の開発導入輪作体系の最適化排水対策等による収量品質の高位安定化

農地の集積集約化経営規模の拡大に対応した省力化に資する技術の開発導入等による生産コストの低減

大麦はだか麦

03 02 208 213 18 22

外国産大麦が多く用いられている焼酎用等の国内産麦の需要拡大

実需者ニーズに対応した生産流通体制の確立

新品種新技術の開発導入輪作体系の最適化排水対策等による収量品質の高位安定化

農地の集積集約化経営規模の拡大に対応した省力化に資する技術の開発導入等による生産コストの低減

表Ⅲ-12 麦の平成37年度における食料消費の見通し及び生産努力目標

資料「食料農業農村基本計画」(平成27年3月閣議決定)注1)国内消費仕向量には飼料用等の食糧用以外の用途への仕向量を含む

2)大麦はだか麦の国内消費仕向量及び生産努力目標にはビール大麦を含む

- 33 -

Ⅳ 米粉に関する動向

1 生産動向

米粉用米の生産量は平成25年産以降2万トン前後で推移していましたが平成29年度以降は約3万トンまで回復しています(表Ⅳ-1)

2 需要拡大に向けた対応

米粉用米の利用量は平成24年度以降年間2万数千トンで推移していましたがグルテンを使用しない米粉商品の開発や新たな米加工品(α化米粉米ゲルなど)の保湿性や粘性に着目した商品の開発「米粉の用途別基準」や「ノングルテン米粉製品第三者認証制度」の運用開始により平成29年度は25千トン30年度は31千トンに増加しています(表Ⅳ-2)

今後の更なる国内海外の需要拡大のためノングルテン米粉や用途別基準に適合する高品質な日本産米粉の流通を契機とした魅力ある新商品の開発や日本産米粉の優位性の情報発信等を推進する必要があります

表Ⅳ-1 上位5県の米粉用米の生産量と作付面積の推移

(参考) 米粉及び小麦粉の販売価格(税抜き)

米粉100~290円kg程度

(小麦粉 100円kg程度)

注1)平成26~29年度については新規需要米取組計画を認定した全需要者からの聞き取り注2)平成30年度については新規需要米取組計画を認定した主要な需要者からの聞き取り

により推計

表Ⅳ-2 米粉用米の利用量(需要者からの聞き取り)

- 34 -

資料26~29年産は新規需要米生産集出荷数量30年産は新規需要米取組計画

認定数量(農林水産省)

(単位千トン)

26年度 27年度 28年度 29年度 30年度見込

22 23 23 25 31

(単位千トン千ha)

26年産 27年産 28年産 29年産 30年産

生産量 59 97 87 130 107作付面積 11 18 15 24 19生産量 10 10 09 30 31作付面積 02 02 02 06 06生産量 08 10 00 19 30作付面積 01 02 00 03 06生産量 10 12 12 12 16作付面積 02 03 02 02 03生産量 20 24 07 12 13作付面積 03 04 01 02 02生産量 184 230 190 284 281作付面積 34 42 34 53 53

秋田県

全国計

新潟県

埼玉県

栃木県

群馬県

農林水産大臣は米穀の新用途への利用の促進に関する基本方針を定める

生産製造連携事業計画

生産者 製造事業者 促進事業者

必須

米穀の新用途への利用の促進に関する法律

米穀の新用途への利用の促進に関する基本方針

関係者が連携して計画を作成米穀の新用途への利用の促進に関する基本方針に照らし適切な計画について農林水産大臣が認定(計画期間は3~5年)

図Ⅳ 米粉用米に対する支援措置

3 米粉用米に対する支援

① 米粉用米についてはその利用の拡大を図るために平成21年に「米穀の新用途への利用の促進に関する法律」が制定されました同法に基づく「生産製造連携事業計画」の認定を受け「農山漁村

活性化計画」の採択を受けた取組に対して米粉用米の生産加工に必要な施設整備等の支援を行っています

② 米粉用米の生産者に対しては水田活用の直接支払交付金による支援を行っていますまたノングルテン米粉表示や米粉の用途別基準により需要者ニーズに合った高品質な米粉の製造や輸出拡大の取組を支援しています

③ 平成31年度は国内海外の需要獲得に向け引き続き魅力ある新商品開発を推進するほか日本産米粉の優位性の情報発信やノングルテン米粉の製造手法マニュアルの作成など輸出を含めた日本産米粉の需要拡大に向けた取組を支援していくこととしています

予 算 措 置

【水田活用の直接支払交付金】水田を活用して米粉用米等の作物を生産する農業者に対し交付金を直接交付 (米粉用米収量に応じ55万円~105万円10a)

【農山漁村振興交付金】米粉飼料用米の生産加工に係る施設整備に対し交付金を交付(補助率定額12)

【持続的生産強化対策事業】

日本産米粉の優位性の情報発信ノングルテン米粉の製造手法マニュアルの作成米粉用米生産者と製造事業者とのマッチング

等の取組を支援

金 融 措 置

【日本政策金融公庫による低利融資】(食品安定供給施設整備資金)

米粉製造施設米粉を原料とした食品の製造加工施設等への融資

(輸出を含めた日本産米粉の需要拡大支援事業)

(補助率定額)

【外食産業等と連携した需要拡大対策事業】

国産農林水産物食品の輸出等需要フロンティアの開拓を図るため産地と複数年契約を締結する民間企業(外食加工業者)に対し国産農林水産物を活用した新商品の開発やそれに必要な技術開発等を支援 (補助率定額12)

- 35 -

【農林水産物食品輸出促進緊急対策事業】コメ海外市場拡大戦略プロジェクトに参加する輸出産地や輸出事業者等が連携して戦略的に取り組む中国等の海外市場開拓プロモーション等を支援

(補助率定額12)

品目 現在の関税率 合意内容

小麦

枠内税率無税+マークアップ

枠外税率55円kg

現行の国家貿易制度を維持するとともに枠外税率(55円kg)を維持

既存のWTO枠に加え米国(15万(7年目以降))【不適用】カナダ(53万(同))豪州(5万(同))にSBS方式の国別枠を設定

マークアップを9年目までに45削減

大麦

枠内税率無税+マークアップ

枠外税率39円kg

現行の国家貿易制度を維持するとともに枠外税率(39円kg)を維持

既存のWTO枠に加えSBS方式のTPP枠(65万(9年目以降))を設定

マークアップを9年目までに45削減

1 TPP11協定概要(麦)(平成30年12月30日発効)

Ⅴ TPP11及び日EUEPAの協定概要(麦関係)

(参考主な麦製品)

現在の関税率合意内容

税率 枠数量

いった小麦小麦粉等

(国家貿易品目)

枠内税率125~25+マークアップ

枠外税率85~134円kg

枠内即時無税+マークアップ

(枠外税率は維持)

(発効時) (6年目)125千rarr175千

ベーカリー製品製造用

小麦粉調製品16~24

枠内即時無税(枠外税率は維持)

(発効時) (6年目)米国 105千rarr12千【不適用】米国以外 68千rarr 8千

その他小麦粉調製品

16~28枠内即時無税

(枠外税率は維持)(発効時) (6年目)15千rarr225千

マカロニスパゲティ

30円kg9年目までに60削減

ビスケット 1315 6年目に無税 -

注1)いった小麦とは小麦をいったものであり主にシリアル食品等に使用される

2)その他小麦粉調製品とは製麺まんじゅう等のベーカリー製品以外の製造用の

小麦粉調製品である

- 36 -

2 日EUEPA協定概要(麦)(平成31年2月1日発効)

品目 現在の関税率 合意内容

小麦

枠内税率無税+マークアップ

枠外税率55円kg

現行の国家貿易制度を維持するとともに枠外税率(55円kg)を維持

既存のWTO枠に加えSBS方式のEU枠(270(7年目以降))を設定

枠内のマークアップを9年目までに45削減

大麦

枠内税率無税+マークアップ

枠外税率39円kg

現行の国家貿易制度を維持するとともに枠外税率(39円kg)を維持

既存のWTO枠に加えSBS方式のEU枠(30(即時))を設定

枠内のマークアップを9年目までに45削減

(参考主な麦製品)

現在の関税率合意内容

税率 枠数量

いった小麦小麦粉等

(国家貿易品目)

枠内税率125~25+マークアップ

枠外税率85~134円kg

枠内即時無税+マークアップ

(枠外税率は維持)

(発効時) (6年目)38千rarr44千

ベーカリー製品製造用

小麦粉調製品16~24

枠内即時無税(枠外税率は維持)

(発効時) (6年目)104千rarr142千

その他小麦粉調製品

16~28枠内即時無税

(枠外税率は維持)(発効時) (6年目)

2千rarr3千

マカロニスパゲティ

30円kg 11年目に無税 -

ビスケット 1315 6年目に無税 -

注1)いった小麦とは小麦をいったものであり主にシリアル食品等に使用される

2)その他小麦粉調製品とは製麺まんじゅう等のベーカリー製品以外の製造用の

小麦粉調製品である

(参考) 麦の国境措置

小 麦 大 麦

輸入数量

価格

輸入数量

価格

政府売渡価格

マークアップ(輸入差益)

452円kgを上限

輸入価格

(枠内税率0円kg)

枠内輸入(国家貿易) 枠外輸入

(民間貿易)枠外税率を支払って輸入された数量(平成29年度)12千トン

WTOカレントアクセス数量5740千トン

枠外税率55円

政府売渡価格

輸入価格(枠内税率0円kg)

WTOカレントアクセス数量1369千トン

枠内輸入(国家貿易) 枠外輸入(民間貿易)

枠外税率を支払って輸入された数量(平成29年度)06千トン

枠外税率39円

民間貿易の場合の輸入価格

民間貿易の場合の輸入価格

286円kgを上限

マークアップ(輸入差益)

- 37 -

  • スライド番号 1
  • スライド番号 2
  • 麦の参考資料 麦の需給に関する見通し(動向編)
  • スライド番号 4
  • スライド番号 5
  • スライド番号 6
  • スライド番号 7
  • スライド番号 8
  • スライド番号 9
  • スライド番号 10
  • スライド番号 11
  • スライド番号 12
  • スライド番号 13
  • スライド番号 14
  • Ⅱ 小麦粉麦製品の生産と価格の動向
  • スライド番号 16
  • スライド番号 17
  • スライド番号 18
  • スライド番号 19
  • スライド番号 20
  • スライド番号 21
  • スライド番号 22
  • スライド番号 23
  • スライド番号 24
  • スライド番号 25
  • スライド番号 26
  • スライド番号 27
  • スライド番号 28
  • スライド番号 29
  • スライド番号 30
  • スライド番号 31
  • スライド番号 32
  • スライド番号 33
  • スライド番号 34
  • スライド番号 35
  • スライド番号 36
  • スライド番号 37
  • スライド番号 38
  • スライド番号 39
  • スライド番号 40
  • スライド番号 41
Country Attribute Commodity 20042005 20052006 20062007 20072008 20082009 20092010
World Production (1000 MT) Barley 152674 136756 137430 133168 153539 0
Corn 715732 699101 712375 791492 791039 0
Millet 30947 32455 33529 34951 35619 0
Mixed Grain 16885 15213 13063 14616 15057 0
Oats 25667 23861 23163 25577 26191 0
Rice Milled 401435 418487 420633 431309 439081 0
Rye 17002 14492 12382 14245 17176 0
Sorghum 57529 58365 56628 63533 63792 0
Wheat 625700 620044 596101 610188 682865 0
Wheat Durum 0 0 0 0 3680 0
2043571 2018774 2005304 2119079 2228039
Exports (1000 MT) Barley 15098 18231 15328 15708 20175 0
Corn 77643 80966 93799 95466 76877 0
Oats 1901 1930 2114 2830 2304 0
Rye 854 610 709 556 560 0
Sorghum 5403 5379 5461 9237 4902 0
Wheat 111235 116756 111201 115377 123881 0
240641 254246 259958 269594 258464
TY Exports (1000 MT) Barley 16989 17428 14516 18412 19190 0
Corn 75964 82580 91199 96027 77925 0
Oats 1955 2254 2184 2742 2300 0
Rye 974 622 661 481 560 0
Sorghum 5366 5496 5780 8802 4950 0
Wheat 113210 113872 115500 115492 125165 0
243637 251744 261908 271184 259660
Exports (1000 MT) Rice Milled 28507 30374 31346 30420 29765 0
TY Exports (1000 MT) Rice Milled 29179 29492 32068 29228 29570 0
Domestic Consumption (1000 MT) Barley 143271 139989 144389 135872 142892 0
Corn 688190 704591 725361 773235 783288 0
Millet 30947 32855 33489 34941 35619 0
Mixed Grain 15972 15331 14092 14255 14515 0
Oats 25318 24233 23552 24709 25192 0
Rice Milled 406828 412171 418290 424999 432423 0
Rye 17595 15748 13870 14419 15498 0
Sorghum 57794 58004 56327 63305 62231 0
Wheat 605365 617369 619124 614865 652947 0
1991280 2020291 2048494 2100600 2164605
Ending Stocks (1000 MT) Barley 32783 28641 21070 18259 28244 0
Corn 131811 124624 108845 128218 136033 0
Millet 600 200 240 250 250 0
Mixed Grain 1654 1536 507 868 1410 0
Oats 3550 3126 2813 3395 4316 0
Rice Milled 73152 75676 75391 78687 82659 0
Rye 3882 2639 1065 756 2437 0
Sorghum 4297 4524 4117 4418 5752 0
Wheat 150972 147636 127009 119371 148362 0
Wheat Durum 0 0 0 0 3680 0
402701 388602 341057 354222 413143
小麦の国際需給状況 コムギ
(単位百万トン)
200607 200708 200809 200910
年   度 (平成18年) ヘイセイネン (平成19年) ヘイセイネン (平成20年) ヘイセイネン (平成21年) ヘイセイネン
見込 予測
生 産 量 ショウサンリョウ 5957 6104 6827 6780
消 費 量 ケヒリョウ 6165 6169 6404 6468
期 末 在 庫 1298 1233 1656 1968
期末在庫率() 211 200 259 304
貿 易 量 リョウ 1116 1172 1430 1251
貿 易 比 率() 187 192 209 185
大麦の国際需給状況 オオ 穀物の国際需給状況 コクモツ
(単位百万トン) (単位百万トン)
200809 200910 201011 201314 201415 201516 201617 201718 201819 200506 200607 200708 200809 200910
(平成20年) ヘイセイネン 年   度 (平成21年) ヘイセイネン (平成22年) ヘイセイネン (平成25年) ヘイセイネン (平成26年) ヘイセイネン (平成27年) ヘイセイネン (平成28年) ヘイセイネン (平成29年) ヘイセイネン (平成30年) ヘイセイネン 年   度 (平成17年) ヘイセイネン (平成18年) ヘイセイネン (平成19年) ヘイセイネン (平成20年) ヘイセイネン (平成21年) ヘイセイネン
見込 ミコ 予測 見込 予測
1550 生 産 量 ショウサンリョウ 1508 1231 1443 1420 1498 1471 1437 1407 生 産 量 ショウサンリョウ 20176 20029 21230 22346 22185
1439 消 費 量 ケヒリョウ 1448 1362 1411 1425 1477 1503 1472 1418 消 費 量 ケヒリョウ 20216 20444 20952 21416 21879
315 期 末 在 庫 375 243 250 242 263 230 195 184 期 末 在 庫 3902 3435 3652 4474 4729
219 期末在庫率() 259 179 177 170 178 153 133 130 期末在庫率() 193 168 174 209 216
182 貿 易 量 リョウ 173 152 239 290 308 283 273 258 貿 易 量 リョウ 2534 2608 2756 2843 2662
117 貿 易 比 率() 115 123 166 204 206 193 190 183 貿 易 比 率() 126 130 130 127 120
穀物の国際需給状況 コクモツ
(単位百万トン)
2004 2005 2006 2007
年   度 05 06 07 08
見込 予測
【穀 物 計】 コクブツケイ
生 産 量 ショウサンリョウ 20189 20050 21167 21950
消 費 量 ケヒリョウ 20334 20533 21106 21741
期 末 在 庫 3886 3403 3464 3673
期末在庫率() 191 166 164 169
【うち小麦】 ショウムギ
生 産 量 ショウサンリョウ 6209 5963 6109 6763
消 費 量 ケヒリョウ 6242 6169 6195 6549
期 末 在 庫 1477 1271 1185 1399
期末在庫率() 237 206 191 214
Country Attribute Commodity 20042005 20052006 20062007 20072008 20082009 20092010
World Production (1000 MT) Barley 152674 136756 137430 133168 153539 0
Corn 715732 699101 712375 791492 791039 0
Millet 30947 32455 33529 34951 35619 0
Mixed Grain 16885 15213 13063 14616 15057 0
Oats 25667 23861 23163 25577 26191 0
Rice Milled 401435 418487 420633 431309 439081 0
Rye 17002 14492 12382 14245 17176 0
Sorghum 57529 58365 56628 63533 63792 0
Wheat 625700 620044 596101 610188 682865 0
Wheat Durum 0 0 0 0 3680 0
2043571 2018774 2005304 2119079 2228039
Exports (1000 MT) Barley 15098 18231 15328 15708 20175 0
Corn 77643 80966 93799 95466 76877 0
Oats 1901 1930 2114 2830 2304 0
Rye 854 610 709 556 560 0
Sorghum 5403 5379 5461 9237 4902 0
Wheat 111235 116756 111201 115377 123881 0
240641 254246 259958 269594 258464
TY Exports (1000 MT) Barley 16989 17428 14516 18412 19190 0
Corn 75964 82580 91199 96027 77925 0
Oats 1955 2254 2184 2742 2300 0
Rye 974 622 661 481 560 0
Sorghum 5366 5496 5780 8802 4950 0
Wheat 113210 113872 115500 115492 125165 0
243637 251744 261908 271184 259660
Exports (1000 MT) Rice Milled 28507 30374 31346 30420 29765 0
TY Exports (1000 MT) Rice Milled 29179 29492 32068 29228 29570 0
Domestic Consumption (1000 MT) Barley 143271 139989 144389 135872 142892 0
Corn 688190 704591 725361 773235 783288 0
Millet 30947 32855 33489 34941 35619 0
Mixed Grain 15972 15331 14092 14255 14515 0
Oats 25318 24233 23552 24709 25192 0
Rice Milled 406828 412171 418290 424999 432423 0
Rye 17595 15748 13870 14419 15498 0
Sorghum 57794 58004 56327 63305 62231 0
Wheat 605365 617369 619124 614865 652947 0
1991280 2020291 2048494 2100600 2164605
Ending Stocks (1000 MT) Barley 32783 28641 21070 18259 28244 0
Corn 131811 124624 108845 128218 136033 0
Millet 600 200 240 250 250 0
Mixed Grain 1654 1536 507 868 1410 0
Oats 3550 3126 2813 3395 4316 0
Rice Milled 73152 75676 75391 78687 82659 0
Rye 3882 2639 1065 756 2437 0
Sorghum 4297 4524 4117 4418 5752 0
Wheat 150972 147636 127009 119371 148362 0
Wheat Durum 0 0 0 0 3680 0
402701 388602 341057 354222 413143
小麦の国際需給状況 コムギ
(単位百万トン)
200809 200910 201011 201314 201415 201516 201617 201718 201819
(平成20年) ヘイセイネン 年   度 (平成21年) ヘイセイネン (平成22年) ヘイセイネン (平成25年) ヘイセイネン (平成26年) ヘイセイネン (平成27年) ヘイセイネン (平成28年) ヘイセイネン (平成29年) ヘイセイネン (平成30年) ヘイセイネン
見込 ミコ 予測
6836 生 産 量 ショウサンリョウ 6866 6496 7151 7304 7384 7564 7631 7330
6437 消 費 量 ケヒリョウ 6538 6534 6909 7051 7163 7398 7444 7421
1682 期 末 在 庫 2010 1980 1949 2223 2444 2609 2796 2705
261 期末在庫率() 307 303 282 315 341 353 376 365
1435 貿 易 量 リョウ 1356 1341 1625 1642 1728 1833 1812 1789
210 貿 易 比 率() 197 207 227 225 234 242 238 244
大麦の国際需給状況 オオ 穀物の国際需給状況 コクモツ
(単位百万トン) (単位百万トン)
200607 200708 200809 200910 200506 200607 200708 200809 200910
年   度 (平成18年) ヘイセイネン (平成19年) ヘイセイネン (平成20年) ヘイセイネン (平成21年) ヘイセイネン 年   度 (平成17年) ヘイセイネン (平成18年) ヘイセイネン (平成19年) ヘイセイネン (平成20年) ヘイセイネン (平成21年) ヘイセイネン
見込 予測 見込 予測
生 産 量 ショウサンリョウ 1364 1327 1539 1492 生 産 量 ショウサンリョウ 20176 20029 21230 22346 22185
消 費 量 ケヒリョウ 1428 1346 1437 1471 消 費 量 ケヒリョウ 20216 20444 20952 21416 21879
期 末 在 庫 208 192 293 313 期 末 在 庫 3902 3435 3652 4474 4729
期末在庫率() 146 143 204 213 期末在庫率() 193 168 174 209 216
貿 易 量 リョウ 154 155 199 173 貿 易 量 リョウ 2534 2608 2756 2843 2662
貿 易 比 率() 113 117 129 116 貿 易 比 率() 126 130 130 127 120
穀物の国際需給状況 コクモツ
(単位百万トン)
2004 2005 2006 2007
年   度 05 06 07 08
見込 予測
【穀 物 計】 コクブツケイ
生 産 量 ショウサンリョウ 20189 20050 21167 21950
消 費 量 ケヒリョウ 20334 20533 21106 21741
期 末 在 庫 3886 3403 3464 3673
期末在庫率() 191 166 164 169
【うち小麦】 ショウムギ
生 産 量 ショウサンリョウ 6209 5963 6109 6763
消 費 量 ケヒリョウ 6242 6169 6195 6549
期 末 在 庫 1477 1271 1185 1399
期末在庫率() 237 206 191 214
Page 10: 麦の参考資料 - maff.go.jp · 2020-03-31 · 2014/15 2015/16 2016/17 2017/18 2018/19 (平成26年) (平成27年) (平成28年)(平成29年)(平成30年) 見込

Sheet1

USDA(世界計)

資料アメリカ農務省(2010年3月発表)による注1)期末在庫率()は消費量に対する在庫量の割合である  2)貿易比率()は生産量に対する貿易量の割合である
world agricultural supply and demandworld market and trade (USDA 20101)による
資料アメリカ農務省(2010年3月発表)注1)期末在庫率()は消費量に対する在庫量の割合である  2)貿易比率()は生産量に対する貿易量の割合である

Sheet1

図Ⅰ-3 穀物の国際価格

注1)小麦とうもろこし大豆の価格はシカゴ商品取引所における各月第1金曜日の期近価格

2)1ブッシェル≒(大豆小麦272kgとうもろこし254)

3)図右端の数値は平成31年3月1日時点のものである

- 5 -

大豆

90

小麦

45

とうもろこし

36

(2)小麦の国際価格の動向

小麦の国際価格は主産地である北米豪州欧州黒

海沿岸地域等における天候及び作柄の変化にこれまで大

きく影響を受けています

直近では2018年(平成30年)7月中旬以降ロシア

EU等の乾燥による生産減少懸念等から上昇したもののそ

の後は世界的に潤沢な供給量等を背景に全体的に軟調に

推移し2019年(平成31年)3月上旬現在のシカゴ小麦先

物相場は4ドルブッシェル台半ばとなっています(図

Ⅰ-3)

10

30

50

70

H261 H267 H271 H277 H281 H287 H291 297 H301 307 H311

(3)為替の動向

日本円と米国ドルの為替は平成30年以降円安基調で推

移し平成31年に入ってからは一時円高となりましたが3

月上旬では113円ドル程度で推移しています(図Ⅰ-4)

(4)海上運賃の動向

海上運賃は平成28年以降上昇傾向で推移してきました

が平成30年11月からは燃料油価格の下落を受けて軟調に推

移しています(図Ⅰ-5)

- 6 -

図Ⅰ-4 為替の推移

資料三菱東京UFJ銀行の公表資料注図右端の数値は平成30年3月4日時点のものである

資料TRAMP Data Service Co Ltd 「WORLD MARITIME ANALYSIS WEEKLY REPORT」注1)2万トン級のフレート

2)図右端の数値は平成30年3月4日時点のものである

図Ⅰ-5 海上運賃の推移

図Ⅰ-4 為替の推移

円米ドル

ドルトン

70

80

90

100

110

120

130

H261 H267 H271 H277 H281 H287 H291 H297 H301 H307 H311

表Ⅰ-6 外国産食糧用小麦の銘柄別輸入量

注1)数量は決算ベース2)四捨五入の関係で計と内訳が一致しない場合がある3)( )内の数量はSBS方式により輸入された数量で内数である

4 外国産食糧用麦の輸入状況

外国産食糧用麦については国内産食糧用麦では量的又は質的に満たせない需要分について政府が国家貿易により計画的に輸入し需要者に売り渡しています現在の主な輸入先国はアメリカカナダ豪州の3か国と

なっています

(1)小麦

外国産食糧用小麦の輸入量は国内産小麦の作柄や輸出国

における輸送状況等により変動し近年は450万~520万トン

程度で推移しています(表Ⅰ-6)

(2)大麦及びはだか麦

外国産食糧用大麦及びはだか麦の輸入量は近年は20万~

25万トン程度で推移しています(表Ⅰ-7)

(単位千トン)

- 7 -

注1)数量は決算ベース

2)四捨五入の関係で計と内訳が一致しない場合がある

表Ⅰ-7 外国産食糧用大麦及びはだか麦の銘柄別輸入量(単位千トン)

ウェスタンホワイト 610 775 683 631 (23) 711

ハードレッドウィンター(115) 727 855 790 807 891

ダークノーザンスプリング 877 1245 850 831 (59) 1198

その他 (1) 28 (1) 1 (3) 3 (6) 6 (16) 16

計 (1) 2242 (1) 2877 (3) 2327 (6) 2276 (98) 2815

ウェスタンレッドスプリング 1228 1258 1527 1547 1355

デュラム (210) 210 (222) 222 (219) 219 (175) 193 (186) 186

その他 (3) 3 (3) 3 (1) 1 (1) 1 (2) 2

計 (213) 1441 (225) 1484 (220) 1747 (176) 1742 (188) 1543

スタンダードホワイト 759 794 737 755 797

プライムハード (83) 83 (83) 83 (84) 84 (64) 64 (80) 80

その他 (0) 2 (0) 0 (28) 28 (5) 15 (0) 0

計 (83) 844 (83) 877 (111) 848 (68) 833 (80) 877

(6) 6 (7) 7 (7) 7 (8) 8 (6) 6

(304) 4532 (316) 5245 (343) 4929 (259) 4858 (372) 5242

豪州

その他

26

合  計

平成25年度 28 2927

アメリカ

カナダ

25 26 27 28 29

二条大麦 - 1 1 1 11

六条大麦 1 2 1 2 2

はだか麦 2 3 2 8 20

計 3 5 4 11 33

二条大麦 15 13 9 14 7

六条大麦 39 53 46 40 36

はだか麦 1 1 2 4 5

計 54 67 58 58 48

二条大麦 146 174 168 180 152

はだか麦 - - 0 0 1

計 146 174 168 180 153

- - 2 2 2

203 245 232 250 236合 計

年度

アメリカ

カナダ

豪州

その他

図Ⅰ-6 政府売渡価格の構成

5 外国産食糧用麦の売渡方式

(1)外国産食糧用小麦の政府売渡

外国産食糧用小麦の政府売渡については平成19年4月以降輸入価格(過去の一定期間における輸入価格の平均値)にマークアップ(政府管理経費及び国内産小麦の生産振興対策に充当)を上乗せした価格で売り渡す「相場連動制」に移行しました(表Ⅰ-8図Ⅰ-6)

表Ⅰ-8 政府売渡価格改定ルール

項 目 基本的なルール

価格改定 現在年2回(4月期10月期)

買付価格算定期間 直近6か月間

- 8 -

輸入価格

政府売渡価格

小麦の国際価格や海上運賃為替等により変動

マークアップ

(輸 入 差 益)

港 湾 諸 経 費

買 付 価 格

(3)食糧麦備蓄対策事業

即時販売方式の導入後は製粉企業等が23か月分の外国産

食糧用小麦の備蓄を行った場合国が18か月分の保管経費を

助成しています(図Ⅰ-7)

また不測の事態が生じた場合には国は製粉企業等に

対して備蓄する外国産食糧用小麦の取崩しの指示等を行い

ます

図Ⅰ-7 食糧麦備蓄対策事業のスキーム(2)即時販売方式

外国産食糧用小麦の売渡しについては平成22年10月以降輸入した小麦を直ちに製粉企業等に販売し製粉企業等が一定期間備蓄することとなっています

- 9 -

6 外国産食糧用小麦の政府売渡価格の動向

外国産食糧用小麦の政府売渡価格は穀物の国際相場や海上

運賃為替等の動向を反映した買付価格に連動して年2回改

定されています

平成30年10月期の政府売渡価格は輸入小麦の平均買付価格

(平成30年3月第2週~9月第1週)が①米国及び豪州の一

部の地域の乾燥による減収懸念等から小麦の価格が上昇②燃

料油価格の影響により海上運賃が上昇したことにより前期

に比べ上昇したことから5銘柄加重平均(税込価格)で

55560円トン対前期比22の引上げとなりました

また平成31年4月期の政府売渡価格は輸入小麦の平均買

付価格(平成30年9月第2週~平成31年3月第1週)が①小

麦の国際価格に大きな変動がない中②為替は円安傾向であっ

たものの海上運賃が下落したことにより前期に比べ低下し

たことまたTPP11協定に基づきカナダ豪州産小麦

にマークアップの引下げを適用したことから5銘柄加重平均

(税込価格)で54630円トン対前期比17の引下げとなり

ました(表Ⅰ-9)

表Ⅰ-9 外国産食糧用小麦の政府売渡価格

注1)5銘柄加重平均価格は税込み価格である2)5銘柄とはアメリカ産ダークノーザンスプリング(主にパン中華麺用)カ

ナダ産ウェスタンレッドスプリング(主にパン用)アメリカ産ハードレッドウィンター(主にパン中華麺用)オーストラリア産スタンダードホワイト(主に日本麺用)アメリカ産ウェスタンホワイト(主に菓子用)

時 期5銘柄加重平均価格

(円トン)対前期比()

平成29年4月期 50690 +46

平成29年10月期 52510 +36

平成30年4月期 54370 +35

平成30年10月期 55560 +22

平成31年4月期 54630 17

- 10 -

Ⅱ 小麦粉麦製品の生産と価格の動向

資料平成21年度までは農林水産省「米麦加工食品生産動態統計調査年報」平成22年度からは農林水産省「食品産業動態調査」及び農林水産省「製粉精麦工場需給実績報告」平成21年度以降の麦茶の生産量については全国麦茶工業協同組合調べ

注1)麺類及びパン類の生産量は小麦粉使用量でその他は製品生産量である2)小麦粉精麦及び麦茶の生産量は年度の計でありその他は暦年の計である

(単位千トン)

表Ⅱ-1 小麦粉麦製品の生産量の推移

1 小麦粉麦製品の生産量

小麦粉の生産量は460万~470万トンで安定的に推移してい

ます(表Ⅱ-1)

小麦の二次加工製品のうち

① パン類の生産量は平成22年以降プライベートブラン

ドの菓子パンや高価格帯食パンの人気等により堅調に推

移しています

② 麺類の生産量は平成23年には東日本大震災による即

席麺の需要増等から増加しましたその後冷凍麺や外食

産業での消費増等により平成30年は147万トンと増加し

ています

③ ビスケットの生産量は平成20年から26年までは24万ト

ン前後で推移しました平成27年は円安の影響による輸入

量の減少等に伴い増加しその後は25万トン程度で推移し

ています

焼酎みそ主食用に仕向けられる精麦の生産量は平成16

年度まで本格焼酎ブームにより増加傾向で推移しましたがそ

の後の焼酎用需要の低迷等により減少しました近年は主食用

の需要の伸びにより17万トン前後で推移しています

一方平成28年(2016年)以降健康志向等を背景に大麦及

びはだか麦の需要が増加しています特に水溶性食物繊維

(大麦β-グルカン)が豊富なもち性はだか麦の需要は平成

29年(2017年)半ば以降は落ち着いてきたものの引き続き高

い水準で推移しています(図Ⅱ-1 )

- 11 -

図Ⅱ-1 もち麦を使用した製品の販売額の推移(首都圏)

区分

前年 前年 前年 前年 前年 前年

増減率 増減率 増減率 増減率 増減率 増減率

年 (年度計) () (暦年計) () (暦年計) () (暦年計) () (年度計) () (年度計) ()

平成12 4623 01 1279 23 1421 09 223 19 161 45 49 89

13 4607 03 1272 05 1441 14 218 21 164 19 51 41

14 4591 03 1245 21 1421 13 210 39 177 75 51 00

15 4662 15 1247 01 1425 02 219 43 189 71 45 118

16 4667 01 1243 03 1414 08 214 20 212 118 47 44

17 4623 09 1232 09 1368 32 213 05 201 51 47 00

18 4599 05 1218 11 1324 32 218 24 196 25 47 00

19 4684 18 1211 06 1319 03 225 29 197 06 48 21

20 4564 26 1181 24 1277 32 240 70 173 120 50 42

21 4612 11 1179 02 1265 10 243 10 168 29 48 40

22 4725 25 1196 15 1251 11 241 06 161 45 52 83

23 4708 04 1215 16 1283 26 243 06 155 35 54 38

24 4654 11 1219 03 1269 11 239 14 164 60 55 19

25 4694 09 1226 06 1324 43 237 12 158 37 66 200

26 4683 02 1234 07 1371 35 244 33 162 25 66 00

27 4702 04 1234 00 1396 19 259 59 162 04 68 30

28 4683 04 1238 03 1409 09 258 05 169 44 60 118

29 4703 04 1254 13 1445 26 252 22 172 20 64 67

30 - - 1221 27 1473 19 259 30 - - - -

精麦 麦茶小麦粉 パン類 麺類 ビスケット

資料日本経済新聞デジタルメディア社による首都圏のスーパーマーケットなど119店におけるPOSデータに基づき農林水産政策研究所において集計

図Ⅱ-2 小麦粉麦製品の価格(消費者物価指数)の変化

資料総務省「消費者物価指数」(全国)

(参考) 家計に占める小麦関連製品の支出 (単位円世帯)

資料総務省「家計調査」(全国二人以上の世帯)

年間計(平成30年)

1か月平均

消 費 支 出 3447783 287315食 料 952172 79348

小 麦 関 連 製 品 計 82108 6842パ ン 30555 2546

め ん 類 17369 1447小 麦 粉 596 50

菓子類(ビスケット等) 11397 950調理食品(調理パン) 5352 446

外食(うどん等) 16839 1403

(平成27年=100)

2 小麦粉麦製品の価格の動向

小麦粉及び麦関連製品の価格は輸入小麦の政府売渡価

格の引上げ等による原材料費の上昇人件費や物流費の上

昇等の影響を受け平成30年以降小麦粉及びパンの価格

は上昇傾向にあります(図Ⅱ-2)

- 12 -

85

90

95

100

105

110

食料品総合 パン めん類 小麦粉

表Ⅱ-2 麦製品の輸入量の推移(参考1) 麦製品の輸入動向

(1)小麦粉調製品

小麦粉に砂糖脱脂粉乳等を混合した小麦粉調製品の輸

入量は平成11年以降デフレに伴う低価格品需要の拡大

により増加傾向で推移してきましたが麦の国際相場の

高騰に伴う輸入価格の上昇等により平成18年から平成20年

にかけて減少しましたその後も減少傾向で推移しており

平成30年は8万3千トンの輸入量となっています

(2)麦加工製品

①マカロニスパゲッティ

マカロニスパゲッティについては国内の全体需要が

増加する中で輸入量が増加傾向で推移してきました

平成30年は過去最高の輸入量であった前年からは減少

し13万8千トンとなっています

②ビスケット

ビスケットの輸入量は平成25年以降円安の影響を受

けて減少していましたが平成28年度以降増加傾向にあり

平成30年の輸入量は2万5千トンとなっています

資料財務省「貿易統計」注小麦粉調製品は穀粉が占める割合が85以下のものの輸入量

なお小麦粉調製品のうち加糖のものは一般に菓子類菓子パン類等の原料として利用され無糖のものは麺類等の原料として使用される

(単位千トン)

- 13 -

対前年 対前年 対前年 対前年 対前年

増減率 増減率 増減率 増減率 増減率

() () () () ()

平成12 107 118 85 92 97 26 45 95 108 11 123

13 121 126 75 99 81 27 51 93 25 13 209

14 126 131 35 102 30 29 52 101 94 15 142

15 116 133 13 101 06 31 82 108 63 21 400

16 108 136 28 98 32 38 222 112 35 25 219

17 110 140 26 98 01 42 90 110 17 24 49

18 116 139 09 99 12 39 59 110 02 24 23

19 118 117 155 87 128 30 224 104 49 23 56

20 104 100 144 72 173 29 60 127 219 18 221

21 94 102 23 73 15 30 42 116 85 17 83

22 88 107 40 73 07 33 119 121 36 19 173

23 80 108 12 78 59 30 90 134 115 22 143

24 80 106 16 78 02 28 63 142 58 22 07

25 97 100 53 73 64 28 25 133 68 18 182

26 105 98 21 73 02 25 83 133 03 17 74

27 121 94 40 69 55 25 03 132 08 14 166

28 109 91 32 65 58 26 40 145 99 19 348

29 112 92 05 65 02 27 14 150 32 24 296

30 110 83 92 59 85 24 110 138 75 25 23

国 名輸入割合()

国 名輸入割合()

国 名輸入割合()

国 名輸入割合()

国 名輸入割合()

韓国 409 韓国 528 シンガポール 442 イタリア 465 インドネシア 242

シンガポール 202 フランス 151 米国 126 トルコ 355 中国 205

フランス 114 シンガポール 105 韓国 114 米国 142 マレーシア 84

米国 75 中国 78 ニュージーランド 98 ギリシャ 20 ベトナム 63

中国 57 米国 55 豪州 69 アラブ首長国連邦 10 イタリア 55

国 名対前年増減率()

国 名対前年増減率()

国 名対前年増減率()

国 名対前年増減率()

国 名対前年増減率()

韓国 10 韓国 13 シンガポール 221 イタリア 107 インドネシア 202

シンガポール 124 フランス 92 米国 136 トルコ 45 中国 76

フランス 87 シンガポール 108 韓国 30 米国 09 マレーシア 245

米国 116 中国 546 ニュージーランド 87 ギリシャ 152 ベトナム 137

中国 543 米国 98 豪州 344 アラブ首長国連邦 135 イタリア 119

30

輸入上位5カ国

区分

為替レー

円ドル)

小麦粉調製品 麦加工製品

加糖のもの 無糖のもの マカロニスパゲッティ ビスケット

(参考2) 麦製品の輸出動向

麦製品の輸出量のうちその大部分を占める小麦粉の輸出量

は近年主要輸出先国の製粉技術の向上や現地製粉工場の立

上げ等により減少傾向で推移し平成30年は約16万トンとなっ

ています(表Ⅱ-3)

表Ⅱ-3 麦製品の輸出量の推移

資料財務省「貿易統計」

(単位トン)

- 14 -

対前年増減率()

対前年増減率()

対前年増減率()

309594 75 376 431 1028 375

321028 37 315 162 967 59

319968 03 253 197 953 14

318706 04 410 621 1052 104

304465 45 328 200 769 269

289911 48 1054 2213 719 65

290033 00 1196 135 762 60

255377 119 1150 38 1098 441

187040 268 743 354 1198 91

185403 09 822 106 898 250

196183 58 770 63 974 85

191480 24 607 212 698 283

192598 06 598 15 780 117

168205 127 573 42 769 14

166311 11 571 04 861 120

157938 50 553 32 1249 451

158896 06 549 07 1287 30

167600 55 532 32 778 395

163640 24 535 06 894 148

国 名輸出割合

() 国 名輸出割合

() 国 名輸出割合

()

香港 496 香港 888 中国 483シンガポール 207 中国 43 香港 314ベトナム 96 韓国 21 台湾 64

タイ 59 米国 17 ベトナム 37台湾 58 台湾 11 シンガポール 29

国 名対前年増減率() 国 名

対前年増減率() 国 名

対前年増減率()

香港 175 香港 26 中国 251シンガポール 583 中国 62 香港 329ベトナム 135 韓国 437 台湾 59

タイ 81 米国 1047 ベトナム 418台湾 47 台湾 261 シンガポール 449

24

30

輸出上位5カ国

25

181920212223

2627282930

17

  区分

小麦粉マカロニスパゲッティ

スイートビスケット

平成1213141516

(参考3) 麦製品の生産動向

麦製品の生産量は食パンや乾麺のように生産量が減少している製品もある一方で菓子パンや即席麺冷凍麺のように生産量が増加している製品もあることから使用される小麦粉の数量は平成22年以降概ね横ばい傾向で推移しています麦製品は食生活の多様化や簡便性といった消費者ニーズを

捉えつつ継続した新製品の開発がなされており新たな定番となる商品の登場や期間限定の商品やイベントなどが消費者の購買を促進していると考えられます(図Ⅱ-3表Ⅱ-4)

表Ⅱ-4 麦製品の生産量の推移

(単位千トン)

- 15 -

資料平成21年度までは農林水産省「米麦加工食品生産動態統計調査年報」平成22年度からは農林水産省「食品産業動態調査」及び農林水産省「製粉精麦工場需給実績報告」冷凍麺の生産量は(一社)日本冷凍食品協会調べ

注1)麺類及びパン類の生産量は小麦粉使用量で冷凍麺は製品生産量である2)小麦粉は年度の計でありその他は暦年の計である

区分

パ ン 麺 類 冷凍麺

小麦粉 食パン菓子パ

ンその他のパン

生麺 乾麺 即席麺

年度計 暦年計 暦年計 暦年計 暦年計 暦年計 暦年計 暦年計 暦年計 暦年計

昭和45 3422 970 469 - - - 514 327 267 -

50 3978 1062 588 251 63 - 541 289 335 -

55 4079 1189 687 285 89 1334 610 275 325 -

60 4243 1178 653 291 133 1397 659 297 316 9

平成2 4338 1193 661 321 146 1407 687 274 316 41

7 4633 1220 623 368 178 1456 729 268 314 120

12 4623 1279 619 382 235 1421 687 235 343 190

22 4725 1196 576 375 215 1251 555 203 332 257

23 4708 1215 580 392 215 1283 548 209 361 270

24 4654 1219 580 392 221 1269 542 204 363 283

25 4694 1226 598 384 218 1324 562 213 386 314

26 4683 1234 608 387 214 1371 578 213 410 318

27 4702 1234 605 403 201 1396 624 195 414 308

28 4683 1238 604 403 206 1409 652 186 419 308

29 4703 1254 602 409 218 1445 691 186 416 313

30 - 1221 585 401 211 1473 712 188 420 -

〔低糖質製品〕

〔多種多様な携帯サンドイッチ〕

〔手軽な冷凍麺〕

図Ⅱ-3 麦製品の商品事例

H18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29

製粉工場数 124 122 121 119 117 118 117 114 109 104 102 98

製粉企業数 100 98 98 96 94 95 94 90 88 83 81 77

うち輸入小麦取扱製粉工場数 91 91 90 90 87 87 86 83 78 76 74 73

うち輸入小麦取扱製粉企業数 67 67 67 65 64 64 64 60 57 55 53 52

50

70

90

110

130

150製粉工場数

製粉企業数

うち輸入小麦取扱製粉工場数

うち輸入小麦取扱製粉企業数

3 製粉企業の状況

(1)大手製粉企業及び中小製粉企業の動向

① 大手製粉企業4社の小麦粉の生産量は全体の78を占

めておりこれに年間小麦粉生産量が3万トン以上の企業

の生産量を加えた13社ベースでは全体の90を占めてい

ます

② 大手製粉企業は生産設備の臨海工場への集約化を進め

つつ工場の大規模化合理化を推進しています

平成29年度の1工場当たりの生産量は17万トンまた

稼働率は89となっています

③ 年間小麦粉生産量3万トン以上の中小製粉企業は工場

のほとんどが臨海地域に立地し小麦粉を域内の二次加工

メーカー等に供給しています

平成29年度の1工場当たりの生産量は約6万トン稼働

率は67となっています

④ 年間小麦粉生産量1千トン以上3万トン未満の中小製粉

企業は主に内陸に位置し小麦粉を地元のパン麺等の

加工業者に供給するほか乾麺等の製造を兼ねるものも多

くなっています

平成29年度の1工場当たりの生産量は13万トンと大

手製粉企業の約14分の1稼働率は35となっています

⑤ 年間小麦粉生産量1千トン未満の中小製粉企業は輸入

小麦を取り扱わない企業が大部分を占め国内産小麦のみ

を使用し麺用や菓子用に供給しています

表Ⅱ-5 大手製粉企業中小製粉企業の小麦粉生産等の動向

資料農林水産省調べ注四捨五入の関係で計と内訳が一致しない場合がある

(参考)製粉企業数と工場数の推移(企業工場)

- 16 -

3万トン以上1千トン以上3万トン未満

1千トン未満

平成24 94 4 90 9 50 31

29 77 4 73 9 38 26

24 4853 3679 1174 536 636 3

29 4877 3801 1075 569 504 2

24 100 758 242 110 131 01

29 100 779 221 117 103 00

24 3245 1177 2068 632 1360 76

29 2806 1057 1749 581 1114 54

24 1496 3126 568 848 468 39

29 1738 3596 615 980 452 44

24 415 1533 126 596 120 01

29 498 1728 142 569 126 01

24 692 887 414 709 311 42

29 731 888 454 670 347 46

全体 大手製粉

中 小 製 粉年間生産量

稼働率()

製粉企業数

小麦粉生産量(千トン)

生産シェア()

従業員数(人)

従業員一人当たりの生産量

(トン)

一工場当たりの生産量(千トン)

(2)製粉企業のコスト削減や品質安全性の向上に向けた取組

製粉企業は生産能力の増強によるコスト削減や品質安全性の向上に向けた取組を進めています(図Ⅱ-4)

また国も農業競争力強化プログラムを策定し製粉企業の取組みを支援しています(図Ⅱ-5)

① 供給能力の強化等によるコストダウン

製粉企業は供給能力の強化生産性の向上と原料小麦の受入体制の整備によるコストダウンを図るため製粉工場や原料サイロの増強等の設備投資を行っています

② 資本業務の提携

製粉企業の中には他の製粉企業と資本業務提携を行うこと等により原料調達規模の拡大や生産の効率化等による競争力の強化を図る取組もみられます

③ 品質安全性の向上

製粉企業は近年消費者の安全安心への関心が高まる中食品の品質安全性を確保するための設備やAIB食品安全システムの導入ISO認証の取得等様々な取組を行っています

④ 工場の集約化

大手製粉企業は内陸工場を閉鎖し海外からの原料調達に有利な臨海工場への集約を進めるとともに臨海工場の生産能力を増強させる等生産性の向上を図っています

⑤ 海外市場への進出

製粉企業の中にはアジア大洋州地域における買収や工場増設等海外市場に積極的な進出をする取組もみられます

① 供給能力の強化等によるコストダウン 日清製粉は関東地区の小麦サイロ収容力の増強を進め更なる原料小麦の安定供給を推進するため鶴見工場の原料小麦サイロを増設(平成28年)

日本製粉は神戸甲南工場の原料サイロの新設等(平成24年)千葉工場の原料サイロの増設(平成26年)を行い今後原料サイロを福岡工場及び知多新工場へ新設神戸甲南工場(第2期)へ増設する予定

千葉製粉は新たな顧客ニーズへの対応付加価値製品の創出等を図るため専用ラインを新設(平成27年)

② 資本業務提携 資本業務提携を行っている製粉企業

増田製粉所(兵庫) hArr 日東富士製粉

木田製粉(北海道)内外製粉(三重)奥本製粉(大阪)セントラル製

粉(愛知) hArr 昭和産業

東福製粉(福岡) hArr 日本製粉

③ 品質安全性の向上 多くの製粉企業がISO9001(品質マネジメントシステム)ISO22000(食品安全マネジメントシステム)の認証を受けることにより品質管理や食品安全管理を実施

④ 工場の集約化 日清製粉は生産性向上のため内陸工場を順次閉鎖し臨海工場への集約化を推進

筑後工場(福岡)鳥栖工場(佐賀) rarr 福岡工場(福岡)へ集約

(平成26年)

名古屋工場の2ライン rarr 知多工場(愛知)の新ラインへ集約

(平成27年)

日本製粉は生産性向上のため総生産能力の80を臨海部の大型工場に集約

⑤ 海外市場への進出状況(平成30年度) 日清製粉は豪州の小麦粉市場においてトップシェアを持つアライドピナクル社を買収またタイでは子会社の日清STC製粉がタイの製粉工場を買収するとともにベトナムでは業務用プレミックスの生産工場を建設することを決定

昭和産業はベトナムに新たにプレミックス製造会社を設立し生産工場を建設することを決定

図Ⅱ-4 製粉企業の各種取組の事例

- 17-

⑥ 再編合理化の取組

製粉企業の中には国の支援を活用した再編合理化の取

組もみられます

⑦ 地産地消の推進

中小製粉企業は地域とのつながりの強さや独自の立地

条件を活かした特色ある経営を模索する中で生産者と協

力した積極的な地産地消の取組を進めています

⑦ 地産地消の推進

岩手県主な実施者岩手県学校給食会岩手県パン工業組合県内製粉企業取 組 内 容 平成28年度から地元県産小麦(銀河のちからゆきちから)を

100使用した学校給食用パンを県内の小中学校に提供開始埼玉県

主な実施者埼玉産小麦ネットワーク「SWING group」(県内製粉企業が中心となり生産者加工業者販売業者等180社が加盟)

取 組 内 容 埼玉県産小麦のブランド価値を高めることなどを目的として埼玉県産小麦を自社製品に利用することで高付加価値商品の開発による自社の発展などを目指すとともに研修会の実施やイベントホームページなどを通じた消費者への情報提供を実施

京都府主な実施者地元製粉企業京都府全農京都府本部生産者府内製麺製

パン業者飲食店取 組 内 容 平成30年産から京都府産小麦品種を「せときらら」へ全面切替を

行ったことを機にブランド名を「京小麦」とし「京小麦」を100使用したメニューを参加店舗にて提供するイベント「京小麦の収穫祭」を平成31年1月21日から2月17日まで開催

福岡県主な実施者福岡県ラー麦普及推進協議会(県JA全農ふくれん県内製粉

業者5社製麺業者関係団体)取 組 内 容 以下の取組によりラーメン用小麦「ラー麦」を普及推進

産地への生産技術の普及指導 小麦品質評価最適製粉加工方法の検討 利用や消費を促進するための普及宣伝(試

食イベント等) 毎年産の製粉製麺適性評価および食味

官能評価の実施 平成21年に本小麦の名称「ラー麦」とロ

ゴデザインを商標登録しブランド化

- 18 -

2 生産者が有利な条件で安定取引を行うことができる流通加工の業界構造の確立

(1)生産者に有利な流通加工構造の確立現在の食料需給消費の実態等を踏まえた効率的機能

的で農業者と消費者双方がメリットを受けられる流通加工構造を確立するため以下のとおり取り組む

その際農林水産省経済産業省をはじめ政府一体となって取り組む①~⑦ (略)⑧ 加工業については生産性の低い工場が乱立している

種類の加工業界(製粉乳業等)について国は国際競争に対応できる生産性の確保を目指した業界再編設備投資等を推進することとし政府系金融機関の融資農林漁業成長産業化支援機構の出資等による支援を行う

⑨ 上記改革を推進するため農産物の流通加工に関し国の責務業界再編に向けた推進手法等を明記した法整備を進める

⑩ 上記改革を推進するため金融機関による流通加工関連産業の生産性向上に資する経営支援や資金供給の促進政府系金融機関や農林漁業成長産業化支援機構等との連携強化等を図る

図Ⅱ-5 農業競争力強化プログラム(抜粋)

(平成28年11月29日 農林水産業地域の活力創造本部決定)

⑥ 再編合理化の取組

製粉工場の廃棄撤去製粉施設の一部又は全部を撤去しミックス粉等の関連事業を拡大

(製粉工場等再編合理化事業(平成2728年度7件))

図Ⅲ-1 国内産小麦の収穫量と作付面積の推移

表Ⅲ-1 小麦の主な作付品種(平成29年産)

Ⅲ 国内産麦の生産と流通の動向

1 国内産麦の生産状況

(1)小麦

① 作付面積

近年の国内産小麦の作付面積は約21万haと横ばいで推移して

います平成30年産の作付面積は北海道は121万ha都府県

は91万ha全国では212万haとなり前年産並となっていま

② 収穫量

平成30年産の国内産小麦の収穫量は主産地の北海道での6

月中旬から7月中旬にかけての低温日照不足の影響により登

熟不良となったこと等から前年産に比べ北海道で134万ト

ン(22)減少都府県では05万トン(2)減少全国

では139万ha(15)減少の768万トンとなり(図Ⅲ-1)

10a当たりの平均収量対比は91となりました

③ 小麦の作付品種の状況

栽培品種については各産地の気候条件や用途等に適した品

種が作付されており29年産では日本麺用では「きたほなみ」

「さとのそら」「シロガネコムギ」といった品種パン

中華麺用では「春よ恋」「ゆめちから」といった品種が上位

を占めています(表Ⅲ-1)

資料農林水産省「作物統計」品種毎の面積は農林水産省政策統括官調べ

注品種の育成年についてはシロガネコムギは農林認定が行われた年

それ以外の品種は出願公表が行われた年としている

資料農林水産省「作物統計」30年産の数値は概算値

- 19 -

(千トン)

年産

910 881

674

571

746

858 812

852

1004

791

907

768

210 209 208 207 212 209 210 213 213 214 212 212

100

120

140

160

180

200

220

240

260

280

300

0

200

400

600

800

1000

H19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30

収穫量 作付面積(千ha)

品種名 育成年 作付面積(千ha) 割合 主な作付地域

きたほなみ 平成19年 878 41 北海道

さとのそら 平成21年 159 7 関東東海

シロガネコムギ 昭和49年 152 7 九州近畿

春よ恋 平成11年 143 7 北海道

ゆめちから 平成20年 137 6 北海道

上位5品種計 1469 69

小麦作付面積 - 2123

図Ⅲ-2 国内産大麦及びはだか麦の収穫量と作付面積の推移

表Ⅲ-2 大麦及びはだか麦の主な作付品種(平成29年産)

(2)大麦及びはだか麦

① 作付面積

近年国内産大麦及びはだか麦の作付面積は約6万と横ば

いで推移しており平成30年産は前年産と比較すると二条

大麦は前年産並六条大麦は800ha(4)減少はだか麦

で460ha(9)増加となり全体では340ha(1)減少の

61万haとなりました(図Ⅲ-2)

② 収穫量

平成30年産の大麦及びはだか麦の収穫量は二条大麦及びは

だか麦はおおむね天候に恵まれ生育が順調で登熟も良好

であったこと等から前年産に比べ二条大麦は01万トン

(1)増加はだか麦は01万トン(8)増加となりました

六条大麦については北陸地方において大雪の影響で融雪時期

が遅れたこと等により穂数が少なくなり前年産に比べ14万

トン(26)減少しました

この結果大麦及びはだか麦の収穫量は合計で173万トンと

なり前年産に比べて12万トン(6)減少となりました

(図Ⅲ-2)

③ 大麦及びはだか麦の作付品種の状況

栽培品種については各産地の気候条件や用途等に適した品

種が作付されており29年産では二条大麦はビール用の「サ

チホゴールデン」六条大麦は主食用や麦茶用の「ファイ

バースノウ」はだか麦は麦味噌用の「マンネンボシ」いっ

た品種が上位を占めています(表Ⅲ-2)

資料農林水産省「作物統計」30年産の数値は概算値

- 20 -

(千トン)

資料農林水産省「作物統計」農林水産省調べ

注品種の育成年についてはシュンライイチバンボシは農林認定が行われ

た年それ以外の品種は出願公表が行われた年としている

195 217

179 161

172 172 183

170 177 170 185

173

54 57 58 59 60 60 59 60 61 61 61 61

0

10

20

30

40

50

60

70

80

90

100

0

50

100

150

200

250

H19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30

収穫量 作付面積 (千ha)

年産

麦種 品種名 育成年作付面積(千ha)

割合 主な作付地域

二条大麦

サチホゴールデン 平成18年 189 31 九州関東中国

はるしずく 平成17年 44 7 九州

ニシノホシ 平成11年 27 4 九州

六条大麦

ファイバースノウ 平成13年 107 17 北陸関東東海

シュンライ 平成2年 33 5 関東東北近畿

カシマゴール 平成22年 13 2 関東東海

はだか麦

マンネンボシ 平成13年 15 2 四国

イチバンボシ 平成4年 14 2 四国九州

トヨノカゼ 平成18年 11 2 九州中国

大麦はだか麦作付面積

- 614

資料農林水産省調べ

Aランク評価項目の基準値を3つ以上達成しかつ許容値を全て達成している麦Bランク評価項目の基準値を2つ達成しかつ許容値を全て達成している麦Cランク評価項目の基準値を1つ達成しかつ許容値を全て達成している麦

評価項目の基準値を2つ以上達成しているものの許容値を達成していない麦DランクA~Cランクのいずれにも該当しない麦

【評価項目】①小麦 日本麺用パン中華麺用(たんぱく灰分容積重フォーリングナンバー)

醸造用(たんぱく3項目容積重)②二条大麦 主食等用(容積重細麦率白度正常粒率)

麦茶用(たんぱく3項目細麦率)③六条大麦はだか麦 主食等用(容積重細麦率白度硝子率)

麦茶用(たんぱく3項目細麦率)

(参考) 麦の品質区分

(単位)

- 21 -

(2)品質評価

たんぱく質や灰分の含有率等に基づく品質評価結果につい

ては平成30年産の小麦ではAランクが899となってお

り過去5年平均(Aランク比率849)と比べ5ポイン

ト高くなっています

また平成30年産の大麦はだか麦ではAランクが

849となっており過去5年平均(Aランク比率832)

と比べ17ポイント高くなっています(表Ⅲ-4)

表Ⅲ-4 平成30年産麦の品質評価結果

2 国内産麦の品質状況

(1)農産物検査① 平成30年産の小麦について全国の1等比率は761

(平成30年12月末時点)と過去5年平均799と比較して低くなっています(表Ⅲ-3)

② 平成30年産の小粒大麦大粒大麦はだか麦及びビール大麦について1等比率は大粒大麦を除き過去5年平均と比較して低くなっています(表Ⅲ-3)

表Ⅲ-3 国内産麦の1等比率の推移(単位)

Aランク Bランク Cランク DランクAランク

過去5年平均(平成25~29年産)

小 麦 899 67 33 01 849

大麦はだか麦

849 37 108 06 832

注1)各年産翌年4月末時点の値であるただし平成30年産は30年12月末時点の値である

2)強力小麦の検査数量を含む値である

3 国内産麦に対する支援

平成31年度は経営所得安定対策等の対策のうち主に畑作

物の直接支払交付金と水田活用の直接支払交付金により国内

産麦に対する支援が行われます

(1)畑作物の直接支払交付金

畑作物の直接支払交付金として麦を生産する農業者に対

し標準的な生産費と標準的な販売価格の差額分を直接交付

することとしています

支払いは当年産の麦の品質及び生産量に応じて交付する

数量払を基本とし当年産の麦の作付面積に応じて交付する

面積払(営農継続支払)を数量払の先払いとして交付する仕

組みにしています

数量払の交付単価は品質に応じた単価を設けており需要

に応じた生産と品質に対する営農努力を適切に反映させる仕

組みになっています(表Ⅲ-5)

表Ⅲ-5 畑作物の直接支払交付金の麦の交付単価

(円単位数量)

品質区分(等級ランク)

1等 2等

A B C D A B C D

小麦(パン中華麵

用品種)(60kg当たり)

9040 8540 8390 8330 7880 7380 7230 7170

小麦(パン中華麺用品種以外)(60kg当たり)

6740 6240 6090 6030 5580 5080 4930 4870

二条大麦(50kg当たり) 5550 5130 5010 4960 4690 4270 4140 4090

六条大麦(50kg当たり) 6030 5610 5480 5430 5000 4580 4460 4410

はだか麦(60kg当たり) 8650 8150 8000 7910 7080 6580 6430 6350

(参考)

【平均交付単価小麦6940円60kg二条大麦5490円50kg六条大麦5720円50kg

はだか麦8230円60kg】

②面積払

当年産の作付面積に応じて交付 2万円10a

①数量払(品質に応じた単価)

- 22 -

【平成31年産に適用】

標準的な生産費

差額

ゲタ交付単価

標準的な販売価格

【交付単価のイメージ】lt畑作物の直接支払交付金のイメージgt

面積払(数量払の際に控除されます)

数量払

収量

交付金額

(2)水田活用の直接支払交付金

水田のフル活用を推進し食料自給率自給力の向上を図

るため水田で麦を生産する農業者に対しては畑作物の直

接支払交付金に加え水田活用の直接支払交付金(35000円

10a)を直接交付することとしています(表Ⅲ-6)

表Ⅲ-6 水田活用の直接支払交付金の交付単価

作 物 単 価

麦大豆飼料作物 35000円10a

WCS(ホールクロップサイレージ)用稲 80000円10a

加工用米 20000円10a

飼料用米米粉用米収量に応じ

55000円~105000円10a

このほか「産地交付金」により地域で作成する水田フル活用ビジョンに基づき二毛作や耕畜連携を含め産地づくりに向けた取組を支援します

戦略作物助成

注実需者等との出荷販売契約等を締結すること出荷販売することが要件

- 23 -

4 国内産食糧用麦の流通動向

(1)取引の概要

国内産食糧用麦は加工原料としての商品特性から需要に応じて計画的に生産できるようは種前契約に基づく取引が行われています

まず取引の指標となる透明性のある適正な価格を形成するためは種前に販売予定数量の3~4割(具体の比率は民間流通地方連絡協議会の協議を踏まえ決定)について入札が行われます残りは相対取引が行われておりその価格については入札で形成された指標価格(落札加重平均価格)を基本として取引当事者間で決められています(図Ⅲ-3)

また取引を円滑に進めるため生産者需要者等で構成される民間流通連絡協議会において取引に必要な情報交換取引に係る基本事項の見直し等が行われています(表Ⅲ-7)

今後とも国内産食糧用麦については円滑な流通が確保されるようは種前契約を基本としつつ適切に対応していきます

図Ⅲ-3 国内産食糧用麦の基本的な流通フロー

表Ⅲ-7 国内産食糧用麦の入札の仕組み

項 目 概 要 見直しの変遷

実施主体 一般社団法人 全国米麦改良協会

実施時期 は種前に2回実施(8~9月)平成13年産から1回rarr2回へ見直し

上場数量

産地銘柄別に販売予定数量が小麦3千トン以上大麦はだか麦1千トン以上の銘柄についてその30~40を上場(ほかに希望上場あり)

平成31年産から30rarr30~40へ見直し

基準価格

小麦は前年産の落札加重平均価格に当年産の入札実施時点での外国産麦の政府売渡価格の変動率を乗じた価格大麦はだか麦は前年産の落札加重平均価格

小麦の外国産麦との連動は平成24年産から実施

値幅制限 基準価格のplusmn10

小麦平成12年産~16年産plusmn5平成17年産~21年産plusmn7平成22年産plusmn10平成23年産plusmn30平成24年産~ plusmn10大麦はだか麦平成12年産~18年産plusmn5平成19年産~21年産plusmn7平成22年産plusmn10平成23年産plusmn15平成24年産~ plusmn10

取引価格の事後調整(小麦のみ)

外国産食糧用小麦の政府売渡価格の改定(410月)に合わせては種前の入札又は相対により契約された価格に外国産食糧用小麦の政府売渡価格の変動率を乗じて取引価格を改定

平成23年産から実施

申込限度数 量

買い手別に上場数量times買受実績シェアtimes145

小麦は平成17年産から大麦及びはだか麦は平成19年産から135rarr145へ見直し

相対取引入札で形成された指標価格を基本に生産者団体と需要者の間で協議決定

平成19年産から過去の実績シェアに基づく取引ルールを廃止

再入札

第1回入札及び第2回入札において落札残数量が発生した場合は売り手の希望により再度入札に付すか相対による契約を行うかいずれかの方法をとることができる

平成25年産から売り手の申し出により再入札における入札の値幅を設定できること等を規定

生産者団体から販売予定数量需要者団体から購入希望数量の相互提示

入札取引の実施(販売予定数量の約3~4割)

相対取引の実施(販売予定数量の約6~7割)

は 種(秋まき春まきは収穫年の4月)

収 穫 及 び 検 査

生産者団体と需要者の間では種前に契約を締結

需 要 者 へ 引 渡 し

<生産の流れ>

麦の生育期間

<契約の流れ>

は種前契約に基づき計画的に作付(は種)

収穫前年7月~

8~9月

9月~

~12月

6~8月

6月~

収穫年26年産から国内産麦の需要拡大を図るため地域の食文化のブランド化等による高付加価値化の取組等に対し安定的な原料供給が可能となる需要拡大推進枠を導入

- 24 -

表Ⅲ-8 国内産食糧用麦の供給量 (単位千トン)

注集荷団体からの聞き取り数量である

(2)流通の動向

平成30年産の国内産食糧用小麦の供給量は前年産から

約14万4千トン減少し約70万1千トンとなっています

また国内産食糧用大麦及びはだか麦の供給量は前年

産から約3千トン減少し約10万3千トンとなっています

(表Ⅲ-8)

生産者側から提示された平成31年産麦の販売予定数量は

国内産食糧用小麦で約82万4千トン国内産食糧用大麦及

びはだか麦で約10万8千トンとなっています

一方需要者側から提示された平成31年産麦の購入希望

数量は国内産食糧用小麦で約86万3千トン国内産食糧

用大麦及びはだか麦で約13万トンとなっています(表Ⅲ-

9)

表Ⅲ-9 国内産食糧用麦の販売予定数量及び購入希望数量の推移(単位千トン)

資料民間流通連絡協議会調べ注四捨五入の関係で差し引きが一致しないことがある

- 25 -

年産 20 21 22 23 24 25 26 27 28 2930

(見込)

小   麦 841 639 532 694 811 767 808 946 734 845 701

大麦はだか麦 125 100 84 98 93 105 103 103 92 106 103

年産 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31

販売予定数量① 887 906 909 951 948 909 905 880 820 846 834 824

購入希望数量② 833 880 818 859 904 869 751 802 834 875 880 863

①-② 54 25 91 91 44 40 154 78 14 29 46 39

(①-②)①() 61 28 100 96 47 44 170 89 18 34 55 47

販売予定数量① 121 132 134 127 122 116 110 112 113 112 108 108

購入希望数量② 199 219 135 149 147 138 141 149 145 138 148 130

①-② 78 87 1 23 26 21 31 37 32 26 39 22

(①-②)①() 640 660 06 179 209 182 282 330 284 234 363 204

表Ⅲ-10 国内産食糧用麦の入札結果の推移

資料一般社団法人全国米麦改良協会調べ

注1価格は税込み(26年産までは527年産以降は8)である

ただし31年産の落札価格は一般社団法人全国米麦改良協会公表の価格(税抜き)を基に農林水産省で税込み価格を算出

5 国内産食糧用麦の価格の動向

(1)平成31年産の入札の概要

平成31年産麦の入札は第1回は平成30年9月12日に第

2回は平成30年9月26日に実施されました

麦種別の入札結果をみると小麦は上場数量約21万4千

トンのうち約20万4千トンが落札(落札率954)され落

札価格は61714円トン(対前年産比1151)となりました

小粒大麦は上場数量約1万1千トンのうち約1万1千

トンが落札(落札率991)され落札価格は46560円トン

(対前年産比997)となりました

大粒大麦は上場数量約7千8百トンのうち5千6百トン

が落札(落札率717)され落札価格は46923円トン(対

前年産比879)となりました

はだか麦は上場数量約2千3百トンのうち約2千1百

トンが落札(落札率897)され落札価格は50817円トン

(対前年産比961)となりました(表Ⅲ-10)

なお国内産小麦については近年消費者の国産志向の高

まりなどを受け大手外食チェーンや2次加工メーカーが国

内産小麦を使用したパン中華麺等の商品を相次いで発表す

るなど人気が高まってきていますこれらを背景として平

成31年産小麦の落札価格は多くの銘柄で値幅制限の上限付

近となっておりまた申込倍数も14倍と高いものとなって

います

- 26 -

20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31

上場数量

(トン)①243510 243020 242310 251370 250980 244880 244320 234010 213360 221380 218500 214200

落札数量

(トン)②234930 238410 189350 247770 245320 220590 188240 192240 201140 214060 210560 204420

落札率

②①965 981 781 986 977 901 770 822 943 967 964 954

落札価格

(円トン)43229 59885 55241 48732 58340 49333 49319 49770 54164 51570 53624 61714

対前年産比 1064 1385 922 882 1197 846 1000 1009 1088 952 1040 1151

上場数量

(トン)①12240 13590 14210 13300 11760 11220 11290 11930 12210 12200 11750 11040

落札数量

(トン)②12050 13510 14040 13170 11550 10850 10900 11830 12090 12200 11440 10940

落札率

②①984 994 988 990 982 967 965 992 990 1000 974 991

落札価格

(円トン)45479 59709 53448 45871 46485 46453 46290 47595 47565 46880 46708 46560

対前年産比 1084 1313 895 858 1013 999 996 1028 999 986 996 997

上場数量

(トン)①10020 9690 10330 9290 9000 8700 7210 7620 7450 7620 6880 7810

落札数量

(トン)②8880 8920 8910 7990 7990 7830 6480 7130 6600 6700 6340 5600

落札率

②①886 921 863 860 888 900 899 936 886 879 922 717

落札価格

(円トン)36532 50492 46097 39649 40394 41582 42881 45740 47827 50442 53384 46923

対前年産比 1059 1382 913 860 1019 1029 1031 1067 1046 1055 1058 879

上場数量

(トン)①2910 3150 3030 3260 3060 2830 2840 2890 2740 2660 2570 2330

落札数量

(トン)②2910 3150 3030 3090 3020 2830 2810 2810 2520 2600 2470 2090

落札率

②①1000 1000 1000 948 987 1000 989 972 920 977 961 897

落札価格

(円トン)42222 58527 61489 52791 51905 52294 49656 47712 46547 48527 52876 50817

対前年産比 1063 1386 1051 859 983 1007 950 961 976 1043 1090 961

年産

小麦

小粒大麦(六条大麦)

大粒大麦(二条大麦)

はだか麦

平成31年産国内産食糧用小麦の入札結果をみると産地別銘柄別

の需給状況等を反映して落札価格に差が生じています

代表的な銘柄である北海道産「きたほなみ」は前年産の価格を

153上回る64752円トン香川県産「さぬきの夢2009」は前

年産の価格を152上回る73186円トンとなりましたまたパ

ン中華麺用の北海道産「ゆめちから」は前年産の価格を180

上回る62777円トン北海道産「春よ恋」は前年産の価格を

180上回る68792円トンとなりました(図Ⅲ-4図Ⅲ-5)

図Ⅲ-4 平成31年産国内産食糧用小麦の産地別銘柄別落札価格

資料農林水産省調べ注外国産小麦5銘柄加重平均価格は平成30年4月期の輸入小麦の政府売渡価格である

(2)平成31年産国内産食糧用小麦の産地別銘柄別落札価格の動向

資料農林水産省調べ注1国内産小麦の価格は(一社)全国米麦改良協会が実施する民間流通麦にかかる入札の第1回第2回

及び再入札の落札加重平均価格(税込み)年産の下段の( )内は当該第1回入札の実施年月である注2外国産小麦の価格は18年までは当該年度平均の実績価格であり19年以降は民間流通麦にかかる第

1回入札の実施年月時点での輸入小麦の政府売渡価格(5銘柄平均)である注3ホクシン(きたほなみ)については22年産までは「ホクシン」の価格であり23年産からは「きたほ

なみ」の価格である注4さぬきの夢については24年産までは「さぬきの夢2000」の価格であり25年産からは「さぬきの夢

2009」の価格である注5農林61号(さとのそら)については23年産までは「農林61号」の価格であり24年産からは「さとの

そら」の価格である

図Ⅲ-5 国内産食糧用小麦の産地別銘柄別落札価格の推移

- 27 -

(単位円トン税込み)

30000

60000

北海道ゆめちから 62777

福岡ミナミノカオリ 68393

滋賀農林61号 50763

茨城さとのそら 46310

佐賀チクゴイズミ 52193

岩手ゆきちから 39929

全銘柄落札加重平均 61714

香川さぬきの夢2009 73186

北海道きたほなみ 64752

外国産小麦5銘柄加重平均 54370

群馬さとのそら 48669

北海道キタノカオリ 63090

大分チクゴイズミ 48265

福岡シロガネコムギ 50643

佐賀シロガネコムギ 47998

40000

福岡チクゴイズミ 52203

滋賀ふくさやか 49534

岐阜イワイノダイチ 46874

埼玉さとのそら 47159

宮城シラネコムギ 44607

群馬つるぴかり 49785

北海道春よ恋 68792

愛知きぬあかり 50114

北海道はるきらり 60201

50000

埼玉あやひかり 46072

岐阜さとのそら 45919

70000

30000

40000

50000

60000

70000

80000

90000

100000

110000

120000

130000

12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 年産

(単位円トン税込み)

北海道ホクシン

香川さぬきの夢200973186円

茨城農林61号

香川さぬきの夢2000

茨城さとのそら

46310円

北海道きたほなみ

64752円

北海道ゆめちから

62777円

外国産小麦

5銘柄平均

54370円

北海道春よ恋

68792円

(128) (138) (148) (158) (168) (178)(1810) (199) (208)(2110)(2212) (239) (2410)(2510)(269)(279) (289) (299)(119) (309)

6 国内産麦の新品種の育成状況

(1)国内産麦については縞萎縮病抵抗性や耐倒伏性を備え

需要者等のニ-ズに合った新品種の開発が進められています

また作付け面積が1万haを超える「ゆめちから」「さとの

そら」をはじめ多数の品種が生産現場に導入されています

(図Ⅲ-6)

(2)今後とも赤かび病抵抗性や穂発芽耐性が高い小麦品種

小麦粉の色相や製粉性が優れる日本麺用小麦品種パンの膨

らみがカナダ産「1CW」並の小麦品種焼酎押麦味噌

などの加工適性が高い大麦品種等の開発を推進します

小麦品種「ゆめちから」及び「さとのそら」は優れた栽培特性

と加工適性を備えており作付けが拡大しています(平成29年

推定値「ゆめちから」約1万2千ha「さとのそら」約1万5

千ha)

パン用小麦品種の開発近年国産の小麦粉を使ったパンの需要増加に応えるためグルテンやでん粉の組成などパンの膨らみに関連する特性に注目した育種が進められていますその結果平成25年に製パン適性が「1CW」に近く多収の「せときらら」平成29年にはパン生地の力が強く穂発芽耐性や赤かび抵抗性が改良された「夏黄金」が育成されました

加工適性の高い大麦品種の開発機能性成分β-グルカンを多く含むもち性大麦の需要の高まりに応えるため平成29年に「はねうまもち」が育成されましたまた高品質なはだか麦の需要増加に対応して平成24年に味噌加工適性の高い「ハルヒメボシ」が育成されました

図Ⅲ-6 平成19年以降に育成された麦類の主な新品種

日本麺用小麦ゆめきらり

パン用小麦ゆめかおり福井県大3号

六条大麦ホワイトファイバー

北信越

日本麺用小麦あおばの恋

パン用小麦銀河のちから

東北

日本麺用小麦さとのそらきぬあかり

パン用小麦ゆめかおり

二条大麦とちのいぶき彩の星アスカゴールデンニューサチホゴールデン

六条大麦カシマゴール

はだか麦キラリモチ

関東東海

日本麺用小麦ふくはるかさぬきの夢2009

パン用小麦ゆめちからせときらら

はだか麦ハルヒメボシ

近畿中国四国

中華麺用小麦ちくしW2号

二条大麦煌二条白妙二条はるか二条トヨノホシ

九州

日本麺用小麦きたほなみ

中華麺用小麦つるきち

パン用小麦ゆめちからはるきらり

二条大麦札育2号

北海道

新品種のうち平成30年産で概ね100ha以上作付けされていると推定される品種を選定(農林水産省調べ)

- 28 -

7 国内産麦を利用した製品の動向

食料自給率の向上を図るためには国内産麦の需要開拓を行う

ことが必要です最近の消費者の国産志向の高まりや生産者と実

需者が一体となった地産地消の推進地域農業の振興を図る取り

組み等から国内産麦を使った麦製品(パン麺等)が増えてき

ており中には国内産麦を100使用した商品もあります(図Ⅲ-

7)

- 29 -

8 民間流通制度の運用改善

国内産麦の人気の高まりにより近年需要量が生産量を上回

る状況が継続しており国内産麦を積極的に使用したい実需者が

必要量を確保できない等の課題もあります

このような課題に対応するため民間流通連絡協議会において

入札上場比率の選択制の導入需要拡大推進枠設定の要件緩和

相対取引需要拡大推進枠において多様な取組が可能であること

の明確化等民間流通制度の運用改善が行われました(図Ⅲ-

8)

ピッツァ専用粉(北海道)(小麦)地元の製粉企業が北海道産小麦(きたほなみキタノカオリゆめち

から)を100使用した国内で初めてのピッツァ専用粉を開発平成30年2月に都内で試食会を開催し平成30年5月から販売

ピッツァ専用粉(群馬県)(小麦)地元の製粉企業が地元のピッツァ専門店ピッツァ窯メーカーと協力

して品質改良を重ね群馬県産小麦(さとのそらつるぴかりきぬの波)を100使用したピッツァ専用粉を平成30年4月から発売ピッツァイベントやイタリアン食材の展示会に出展

学校給食用パン(東京都)(小麦)都学校給食会の「学校給食パン加工規格」による配合基準に基づき国

内産小麦を100使用した学校給食パンを平成27年度から都内の一部の小中学校で提供を開始平成28年度からは都内全域の規格として採用

〇 市販用中華麺(愛知県)(小麦)地元の製粉企業が自社製品として愛知県産小麦きぬあかりを100使用

した中華麺を平成30年6月から自社通販で販売平成30年8月から一般販売を開始

フランスパン用粉(佐賀県)(小麦)近県製粉企業が農研機構と共同で育成した九州地域等の暖地温暖地

向けのフランスパン加工適性に優れる準強力小麦品種「さちかおり」を100使用したフランスパン用粉を平成30年8月から発売

市販用ゆで麺(長崎県)(小麦)地元の製麺企業近県製粉企業県生麺協同組合JA県等が連携し

平成26年3月に「長崎県育成麦活用開発協議会」を立ち上げ長崎県産長崎W2号(商標登録名長崎ちゃん麦)を100使用したちゃんぽん用のゆで麺を平成29年4月に製品化原料小麦の生産量が整った段階での本格販売を予定

もち性大麦を使用した機能性表示食品(静岡県)(大麦)地元の精麦企業が国内産もち性大麦でβ-グルカン量の多い銘柄を使用し

炊飯用精麦を製品化機能性表示食品として平成29年1月に届出し十分な原料を手当でき次第随時販売予定

〇 もち性大麦を使用したシリアル(愛知県)(大麦)地元の精麦企業が食物繊維が20を超える愛知県産もち性大麦「ワキ

シーファイバー」を使用した国内産もち麦100シリアルを開発平成30年4月から販売開始

図Ⅲ-7 国内産麦を100使用した商品事例

図Ⅲ-8 民間流通制度の運用改善のポイント

0

50

100

150

200

250

300

350

400円千人

大手製パンメーカーA社が国内産小麦100使用の新製品を発売

大手製食品スーパーB社が国内産小麦100使用の新製品をPBで発売

大手製パンメーカーA社が国内産小麦100使用の製品を初めて発売

(参考)国内産小麦を利用した製品の販売状況

(1)国内産小麦100使用の食パンの販売額

大きなシェアを占めるにはいたっていないものの国内産

小麦を100使用した食パンの販売金額の推移を見ると新製

品が登場する度に国内産小麦100使用の食パン市場が拡大し

ています(図Ⅲ-9)

図Ⅲ-9 国内産小麦100使用の食パンの販売額の推移(首都圏)

資料日本経済新聞デジタルメディア社による首都圏のスーパーマーケットなど100店舗におけるPOSデータに基づき農林水産政策研究所において集計

注食パンのうち国内産小麦を100使用していることが明らかな製品のみ計上菓子パン等は含んでいない

表Ⅲ-11 生麺ゆで麺(チルド)の販売金額のシェア(首都圏平成30年)

資料日本経済新聞デジタルメディア社による首都圏のスーパーマーケットなど120店舗におけるPOSデータに基づき農林水産政策研究所において集計

(2)生麺ゆで麺(チルド)の販売金額

生麺ゆで麺全体で上位15製品の売上高に占める国内産

小麦使用表示のある製品のシェアは30となっていますま

た主要な麺製品のうどんラーメン冷やし中華焼そば

全てで国内産小麦使用製品がランクインしています(表Ⅲ

-11)

2013年 2014年 2015年 2016年 2017年 2018年 2019年

                      (単位)

製品の種類製造企業の規模産地表示販売金額シェア

焼そば大手製品(国内産小麦使用表示なし) 99そば大手製品(国内産小麦使用表示なし) 27冷やしラーメン大手製品(国内産小麦使用表示なし) 20うどん大手製品(北海道産小麦使用表示あり) 20ラーメン大手製品(北海道産小麦使用表示あり) 14冷やし中華大手製品(国内産小麦使用表示なし) 14うどん大手製品(国内産小麦使用表示あり) 13焼そば大手製品(国内産小麦使用表示なし) 12焼うどん大手製品(国内産小麦使用表示なし) 12うどん大手製品(国内産小麦使用表示あり) 11焼そば大手製品(国内産小麦使用表示あり) 11そうめん大手製品(国内産小麦使用表示あり) 10うどんPB製品(北海道産小麦使用表示あり) 10つけ麺大手製品(国内産小麦使用表示なし) 10冷麺中小製品(国内産小麦使用表示なし) 10

303

14

89

15上位15製品の売上高に占める国内産小麦使用表示のある製品の

シェア

順位

1

10111213

234567

- 30 -

図Ⅲ-10 外食産業等と連携した農産物の需要拡大対策事業(麦類)

9 国内産麦の需要拡大イベント及び情報発信の取組

近年生産者と実需者等が連携し国内産麦を使用した製品が

数多く開発販売されており各地でイベント等の需要拡大の

取組みが行われております

また農林水産省としては平成30年度産地と外食事業者等

が連携して行う国内産麦を活用した新商品の開発試作製

造するために必要な取組を支援する「外食産業等と連携した農

産物の需要拡大対策事業」を一般社団法人全国米麦改良協会を

実施主体として行っているところです

農林水産省のホームページにおいてこれらのイベント等につい

て情報発信を行うとともに一般社団法人全国米麦改良協会が

開設している国産麦応援情報ホームページでの情報提供等を

行っています(図Ⅲ-10~12)

「国内産麦使用試作品全国統一試食会商談会」開催日平成31年2月12日~19日(土日を除く)場 所むぎくらべ(東京都千代田区神田小川町)

内 容平成29年度補正予算事業「外食産業等と連携した農産物の需要拡大対策事業」の一環として行われた国内産麦を使用した試作品の試食会商談会

「国内産麦使用試作品全国統一試食会商談会」で出品された試作品

- 31 -

第8回全国ご当地うどんサミットin 熊谷 開催日平成30年11月10日~11日 場 所熊谷スポーツ文化公園にぎわい広

場(埼玉県) 内 容全国の国内産小麦を使用した「ご

当地うどん」が一堂に集まりグランプリを決定

図Ⅲ-11 全国各地で開催されたイベント 図Ⅲ-12 一般社団法人 全国米麦改良協会の取組

国産麦応援情報ホームページ「日本の麦の底力」内容国産小麦粉ブランド名鑑国産小麦の逸品イベント情報研究

情報等を掲載URL httpnihonnomugicom

北海道小麦キャンプ2018 in オホーツク 開催日平成30年7月10日~11日 場 所ホテル黒部を主会場としたオホーツ

ク管内(北海道) 内 容国内産小麦北海道産小麦の魅力

を全国に広めることを目的にバスツアーやパン講習会などを実施

麦わらぼうしフェスタ 開催日平成30年11月4日 場 所笠原産業株式会社(栃木県) 内 容国内産小麦を使用したうどんパン

などの試食販売うどん教室などを実施

第7回 信州粉もん祭り 開催日平成30年11月11日 場 所JAながの ちくま埴生支所(長野県) 内 容長野県産小麦を使用した「粉もん料

理」が大集合粉もん試食会や手打ちうどん講習会 などを実施

国内産麦アンテナショップ「むぎくらべ」内容国内産麦を使用した商品のPRと販売の場を提供するものとして

平成30年7月東京都千代田区にオープン

- 32 -

オープニングセレモニーには上月前農林水産大臣政務官(写真中央)も出席

10 食料農業農村基本計画における麦の位置付け

平成27年3月31日に平成37年度を目標とする「食料農業

農村基本計画」が閣議決定され小麦は95万トン大麦はだ

か麦は22万トンの生産努力目標が設定されています(表Ⅲ-

12)

食料消費の見通し 生産努力目標(万トン) 克服すべき課題

1人1年当たり消費量

(kg人年)

国内消費仕向量

(万トン)

平成25年度

平成37年度

平成25年度

平成37年度

平成25年度

平成37年度

小麦 33 32 699 611 81 95

国内産小麦の需要拡大に向けた産地形成やブランド化

実需者ニーズに対応した生産流通体制の確立

新品種新技術の開発導入輪作体系の最適化排水対策等による収量品質の高位安定化

農地の集積集約化経営規模の拡大に対応した省力化に資する技術の開発導入等による生産コストの低減

大麦はだか麦

03 02 208 213 18 22

外国産大麦が多く用いられている焼酎用等の国内産麦の需要拡大

実需者ニーズに対応した生産流通体制の確立

新品種新技術の開発導入輪作体系の最適化排水対策等による収量品質の高位安定化

農地の集積集約化経営規模の拡大に対応した省力化に資する技術の開発導入等による生産コストの低減

表Ⅲ-12 麦の平成37年度における食料消費の見通し及び生産努力目標

資料「食料農業農村基本計画」(平成27年3月閣議決定)注1)国内消費仕向量には飼料用等の食糧用以外の用途への仕向量を含む

2)大麦はだか麦の国内消費仕向量及び生産努力目標にはビール大麦を含む

- 33 -

Ⅳ 米粉に関する動向

1 生産動向

米粉用米の生産量は平成25年産以降2万トン前後で推移していましたが平成29年度以降は約3万トンまで回復しています(表Ⅳ-1)

2 需要拡大に向けた対応

米粉用米の利用量は平成24年度以降年間2万数千トンで推移していましたがグルテンを使用しない米粉商品の開発や新たな米加工品(α化米粉米ゲルなど)の保湿性や粘性に着目した商品の開発「米粉の用途別基準」や「ノングルテン米粉製品第三者認証制度」の運用開始により平成29年度は25千トン30年度は31千トンに増加しています(表Ⅳ-2)

今後の更なる国内海外の需要拡大のためノングルテン米粉や用途別基準に適合する高品質な日本産米粉の流通を契機とした魅力ある新商品の開発や日本産米粉の優位性の情報発信等を推進する必要があります

表Ⅳ-1 上位5県の米粉用米の生産量と作付面積の推移

(参考) 米粉及び小麦粉の販売価格(税抜き)

米粉100~290円kg程度

(小麦粉 100円kg程度)

注1)平成26~29年度については新規需要米取組計画を認定した全需要者からの聞き取り注2)平成30年度については新規需要米取組計画を認定した主要な需要者からの聞き取り

により推計

表Ⅳ-2 米粉用米の利用量(需要者からの聞き取り)

- 34 -

資料26~29年産は新規需要米生産集出荷数量30年産は新規需要米取組計画

認定数量(農林水産省)

(単位千トン)

26年度 27年度 28年度 29年度 30年度見込

22 23 23 25 31

(単位千トン千ha)

26年産 27年産 28年産 29年産 30年産

生産量 59 97 87 130 107作付面積 11 18 15 24 19生産量 10 10 09 30 31作付面積 02 02 02 06 06生産量 08 10 00 19 30作付面積 01 02 00 03 06生産量 10 12 12 12 16作付面積 02 03 02 02 03生産量 20 24 07 12 13作付面積 03 04 01 02 02生産量 184 230 190 284 281作付面積 34 42 34 53 53

秋田県

全国計

新潟県

埼玉県

栃木県

群馬県

農林水産大臣は米穀の新用途への利用の促進に関する基本方針を定める

生産製造連携事業計画

生産者 製造事業者 促進事業者

必須

米穀の新用途への利用の促進に関する法律

米穀の新用途への利用の促進に関する基本方針

関係者が連携して計画を作成米穀の新用途への利用の促進に関する基本方針に照らし適切な計画について農林水産大臣が認定(計画期間は3~5年)

図Ⅳ 米粉用米に対する支援措置

3 米粉用米に対する支援

① 米粉用米についてはその利用の拡大を図るために平成21年に「米穀の新用途への利用の促進に関する法律」が制定されました同法に基づく「生産製造連携事業計画」の認定を受け「農山漁村

活性化計画」の採択を受けた取組に対して米粉用米の生産加工に必要な施設整備等の支援を行っています

② 米粉用米の生産者に対しては水田活用の直接支払交付金による支援を行っていますまたノングルテン米粉表示や米粉の用途別基準により需要者ニーズに合った高品質な米粉の製造や輸出拡大の取組を支援しています

③ 平成31年度は国内海外の需要獲得に向け引き続き魅力ある新商品開発を推進するほか日本産米粉の優位性の情報発信やノングルテン米粉の製造手法マニュアルの作成など輸出を含めた日本産米粉の需要拡大に向けた取組を支援していくこととしています

予 算 措 置

【水田活用の直接支払交付金】水田を活用して米粉用米等の作物を生産する農業者に対し交付金を直接交付 (米粉用米収量に応じ55万円~105万円10a)

【農山漁村振興交付金】米粉飼料用米の生産加工に係る施設整備に対し交付金を交付(補助率定額12)

【持続的生産強化対策事業】

日本産米粉の優位性の情報発信ノングルテン米粉の製造手法マニュアルの作成米粉用米生産者と製造事業者とのマッチング

等の取組を支援

金 融 措 置

【日本政策金融公庫による低利融資】(食品安定供給施設整備資金)

米粉製造施設米粉を原料とした食品の製造加工施設等への融資

(輸出を含めた日本産米粉の需要拡大支援事業)

(補助率定額)

【外食産業等と連携した需要拡大対策事業】

国産農林水産物食品の輸出等需要フロンティアの開拓を図るため産地と複数年契約を締結する民間企業(外食加工業者)に対し国産農林水産物を活用した新商品の開発やそれに必要な技術開発等を支援 (補助率定額12)

- 35 -

【農林水産物食品輸出促進緊急対策事業】コメ海外市場拡大戦略プロジェクトに参加する輸出産地や輸出事業者等が連携して戦略的に取り組む中国等の海外市場開拓プロモーション等を支援

(補助率定額12)

品目 現在の関税率 合意内容

小麦

枠内税率無税+マークアップ

枠外税率55円kg

現行の国家貿易制度を維持するとともに枠外税率(55円kg)を維持

既存のWTO枠に加え米国(15万(7年目以降))【不適用】カナダ(53万(同))豪州(5万(同))にSBS方式の国別枠を設定

マークアップを9年目までに45削減

大麦

枠内税率無税+マークアップ

枠外税率39円kg

現行の国家貿易制度を維持するとともに枠外税率(39円kg)を維持

既存のWTO枠に加えSBS方式のTPP枠(65万(9年目以降))を設定

マークアップを9年目までに45削減

1 TPP11協定概要(麦)(平成30年12月30日発効)

Ⅴ TPP11及び日EUEPAの協定概要(麦関係)

(参考主な麦製品)

現在の関税率合意内容

税率 枠数量

いった小麦小麦粉等

(国家貿易品目)

枠内税率125~25+マークアップ

枠外税率85~134円kg

枠内即時無税+マークアップ

(枠外税率は維持)

(発効時) (6年目)125千rarr175千

ベーカリー製品製造用

小麦粉調製品16~24

枠内即時無税(枠外税率は維持)

(発効時) (6年目)米国 105千rarr12千【不適用】米国以外 68千rarr 8千

その他小麦粉調製品

16~28枠内即時無税

(枠外税率は維持)(発効時) (6年目)15千rarr225千

マカロニスパゲティ

30円kg9年目までに60削減

ビスケット 1315 6年目に無税 -

注1)いった小麦とは小麦をいったものであり主にシリアル食品等に使用される

2)その他小麦粉調製品とは製麺まんじゅう等のベーカリー製品以外の製造用の

小麦粉調製品である

- 36 -

2 日EUEPA協定概要(麦)(平成31年2月1日発効)

品目 現在の関税率 合意内容

小麦

枠内税率無税+マークアップ

枠外税率55円kg

現行の国家貿易制度を維持するとともに枠外税率(55円kg)を維持

既存のWTO枠に加えSBS方式のEU枠(270(7年目以降))を設定

枠内のマークアップを9年目までに45削減

大麦

枠内税率無税+マークアップ

枠外税率39円kg

現行の国家貿易制度を維持するとともに枠外税率(39円kg)を維持

既存のWTO枠に加えSBS方式のEU枠(30(即時))を設定

枠内のマークアップを9年目までに45削減

(参考主な麦製品)

現在の関税率合意内容

税率 枠数量

いった小麦小麦粉等

(国家貿易品目)

枠内税率125~25+マークアップ

枠外税率85~134円kg

枠内即時無税+マークアップ

(枠外税率は維持)

(発効時) (6年目)38千rarr44千

ベーカリー製品製造用

小麦粉調製品16~24

枠内即時無税(枠外税率は維持)

(発効時) (6年目)104千rarr142千

その他小麦粉調製品

16~28枠内即時無税

(枠外税率は維持)(発効時) (6年目)

2千rarr3千

マカロニスパゲティ

30円kg 11年目に無税 -

ビスケット 1315 6年目に無税 -

注1)いった小麦とは小麦をいったものであり主にシリアル食品等に使用される

2)その他小麦粉調製品とは製麺まんじゅう等のベーカリー製品以外の製造用の

小麦粉調製品である

(参考) 麦の国境措置

小 麦 大 麦

輸入数量

価格

輸入数量

価格

政府売渡価格

マークアップ(輸入差益)

452円kgを上限

輸入価格

(枠内税率0円kg)

枠内輸入(国家貿易) 枠外輸入

(民間貿易)枠外税率を支払って輸入された数量(平成29年度)12千トン

WTOカレントアクセス数量5740千トン

枠外税率55円

政府売渡価格

輸入価格(枠内税率0円kg)

WTOカレントアクセス数量1369千トン

枠内輸入(国家貿易) 枠外輸入(民間貿易)

枠外税率を支払って輸入された数量(平成29年度)06千トン

枠外税率39円

民間貿易の場合の輸入価格

民間貿易の場合の輸入価格

286円kgを上限

マークアップ(輸入差益)

- 37 -

  • スライド番号 1
  • スライド番号 2
  • 麦の参考資料 麦の需給に関する見通し(動向編)
  • スライド番号 4
  • スライド番号 5
  • スライド番号 6
  • スライド番号 7
  • スライド番号 8
  • スライド番号 9
  • スライド番号 10
  • スライド番号 11
  • スライド番号 12
  • スライド番号 13
  • スライド番号 14
  • Ⅱ 小麦粉麦製品の生産と価格の動向
  • スライド番号 16
  • スライド番号 17
  • スライド番号 18
  • スライド番号 19
  • スライド番号 20
  • スライド番号 21
  • スライド番号 22
  • スライド番号 23
  • スライド番号 24
  • スライド番号 25
  • スライド番号 26
  • スライド番号 27
  • スライド番号 28
  • スライド番号 29
  • スライド番号 30
  • スライド番号 31
  • スライド番号 32
  • スライド番号 33
  • スライド番号 34
  • スライド番号 35
  • スライド番号 36
  • スライド番号 37
  • スライド番号 38
  • スライド番号 39
  • スライド番号 40
  • スライド番号 41
Country Attribute Commodity 20042005 20052006 20062007 20072008 20082009 20092010
World Production (1000 MT) Barley 152674 136756 137430 133168 153539 0
Corn 715732 699101 712375 791492 791039 0
Millet 30947 32455 33529 34951 35619 0
Mixed Grain 16885 15213 13063 14616 15057 0
Oats 25667 23861 23163 25577 26191 0
Rice Milled 401435 418487 420633 431309 439081 0
Rye 17002 14492 12382 14245 17176 0
Sorghum 57529 58365 56628 63533 63792 0
Wheat 625700 620044 596101 610188 682865 0
Wheat Durum 0 0 0 0 3680 0
2043571 2018774 2005304 2119079 2228039
Exports (1000 MT) Barley 15098 18231 15328 15708 20175 0
Corn 77643 80966 93799 95466 76877 0
Oats 1901 1930 2114 2830 2304 0
Rye 854 610 709 556 560 0
Sorghum 5403 5379 5461 9237 4902 0
Wheat 111235 116756 111201 115377 123881 0
240641 254246 259958 269594 258464
TY Exports (1000 MT) Barley 16989 17428 14516 18412 19190 0
Corn 75964 82580 91199 96027 77925 0
Oats 1955 2254 2184 2742 2300 0
Rye 974 622 661 481 560 0
Sorghum 5366 5496 5780 8802 4950 0
Wheat 113210 113872 115500 115492 125165 0
243637 251744 261908 271184 259660
Exports (1000 MT) Rice Milled 28507 30374 31346 30420 29765 0
TY Exports (1000 MT) Rice Milled 29179 29492 32068 29228 29570 0
Domestic Consumption (1000 MT) Barley 143271 139989 144389 135872 142892 0
Corn 688190 704591 725361 773235 783288 0
Millet 30947 32855 33489 34941 35619 0
Mixed Grain 15972 15331 14092 14255 14515 0
Oats 25318 24233 23552 24709 25192 0
Rice Milled 406828 412171 418290 424999 432423 0
Rye 17595 15748 13870 14419 15498 0
Sorghum 57794 58004 56327 63305 62231 0
Wheat 605365 617369 619124 614865 652947 0
1991280 2020291 2048494 2100600 2164605
Ending Stocks (1000 MT) Barley 32783 28641 21070 18259 28244 0
Corn 131811 124624 108845 128218 136033 0
Millet 600 200 240 250 250 0
Mixed Grain 1654 1536 507 868 1410 0
Oats 3550 3126 2813 3395 4316 0
Rice Milled 73152 75676 75391 78687 82659 0
Rye 3882 2639 1065 756 2437 0
Sorghum 4297 4524 4117 4418 5752 0
Wheat 150972 147636 127009 119371 148362 0
Wheat Durum 0 0 0 0 3680 0
402701 388602 341057 354222 413143
小麦の国際需給状況 コムギ
(単位百万トン)
200607 200708 200809 200910
年   度 (平成18年) ヘイセイネン (平成19年) ヘイセイネン (平成20年) ヘイセイネン (平成21年) ヘイセイネン
見込 予測
生 産 量 ショウサンリョウ 5957 6104 6827 6780
消 費 量 ケヒリョウ 6165 6169 6404 6468
期 末 在 庫 1298 1233 1656 1968
期末在庫率() 211 200 259 304
貿 易 量 リョウ 1116 1172 1430 1251
貿 易 比 率() 187 192 209 185
大麦の国際需給状況 オオ 穀物の国際需給状況 コクモツ
(単位百万トン) (単位百万トン)
200809 200910 201011 201314 201415 201516 201617 201718 201819 200506 200607 200708 200809 200910
(平成20年) ヘイセイネン 年   度 (平成21年) ヘイセイネン (平成22年) ヘイセイネン (平成25年) ヘイセイネン (平成26年) ヘイセイネン (平成27年) ヘイセイネン (平成28年) ヘイセイネン (平成29年) ヘイセイネン (平成30年) ヘイセイネン 年   度 (平成17年) ヘイセイネン (平成18年) ヘイセイネン (平成19年) ヘイセイネン (平成20年) ヘイセイネン (平成21年) ヘイセイネン
見込 ミコ 予測 見込 予測
1550 生 産 量 ショウサンリョウ 1508 1231 1443 1420 1498 1471 1437 1407 生 産 量 ショウサンリョウ 20176 20029 21230 22346 22185
1439 消 費 量 ケヒリョウ 1448 1362 1411 1425 1477 1503 1472 1418 消 費 量 ケヒリョウ 20216 20444 20952 21416 21879
315 期 末 在 庫 375 243 250 242 263 230 195 184 期 末 在 庫 3902 3435 3652 4474 4729
219 期末在庫率() 259 179 177 170 178 153 133 130 期末在庫率() 193 168 174 209 216
182 貿 易 量 リョウ 173 152 239 290 308 283 273 258 貿 易 量 リョウ 2534 2608 2756 2843 2662
117 貿 易 比 率() 115 123 166 204 206 193 190 183 貿 易 比 率() 126 130 130 127 120
穀物の国際需給状況 コクモツ
(単位百万トン)
2004 2005 2006 2007
年   度 05 06 07 08
見込 予測
【穀 物 計】 コクブツケイ
生 産 量 ショウサンリョウ 20189 20050 21167 21950
消 費 量 ケヒリョウ 20334 20533 21106 21741
期 末 在 庫 3886 3403 3464 3673
期末在庫率() 191 166 164 169
【うち小麦】 ショウムギ
生 産 量 ショウサンリョウ 6209 5963 6109 6763
消 費 量 ケヒリョウ 6242 6169 6195 6549
期 末 在 庫 1477 1271 1185 1399
期末在庫率() 237 206 191 214
Country Attribute Commodity 20042005 20052006 20062007 20072008 20082009 20092010
World Production (1000 MT) Barley 152674 136756 137430 133168 153539 0
Corn 715732 699101 712375 791492 791039 0
Millet 30947 32455 33529 34951 35619 0
Mixed Grain 16885 15213 13063 14616 15057 0
Oats 25667 23861 23163 25577 26191 0
Rice Milled 401435 418487 420633 431309 439081 0
Rye 17002 14492 12382 14245 17176 0
Sorghum 57529 58365 56628 63533 63792 0
Wheat 625700 620044 596101 610188 682865 0
Wheat Durum 0 0 0 0 3680 0
2043571 2018774 2005304 2119079 2228039
Exports (1000 MT) Barley 15098 18231 15328 15708 20175 0
Corn 77643 80966 93799 95466 76877 0
Oats 1901 1930 2114 2830 2304 0
Rye 854 610 709 556 560 0
Sorghum 5403 5379 5461 9237 4902 0
Wheat 111235 116756 111201 115377 123881 0
240641 254246 259958 269594 258464
TY Exports (1000 MT) Barley 16989 17428 14516 18412 19190 0
Corn 75964 82580 91199 96027 77925 0
Oats 1955 2254 2184 2742 2300 0
Rye 974 622 661 481 560 0
Sorghum 5366 5496 5780 8802 4950 0
Wheat 113210 113872 115500 115492 125165 0
243637 251744 261908 271184 259660
Exports (1000 MT) Rice Milled 28507 30374 31346 30420 29765 0
TY Exports (1000 MT) Rice Milled 29179 29492 32068 29228 29570 0
Domestic Consumption (1000 MT) Barley 143271 139989 144389 135872 142892 0
Corn 688190 704591 725361 773235 783288 0
Millet 30947 32855 33489 34941 35619 0
Mixed Grain 15972 15331 14092 14255 14515 0
Oats 25318 24233 23552 24709 25192 0
Rice Milled 406828 412171 418290 424999 432423 0
Rye 17595 15748 13870 14419 15498 0
Sorghum 57794 58004 56327 63305 62231 0
Wheat 605365 617369 619124 614865 652947 0
1991280 2020291 2048494 2100600 2164605
Ending Stocks (1000 MT) Barley 32783 28641 21070 18259 28244 0
Corn 131811 124624 108845 128218 136033 0
Millet 600 200 240 250 250 0
Mixed Grain 1654 1536 507 868 1410 0
Oats 3550 3126 2813 3395 4316 0
Rice Milled 73152 75676 75391 78687 82659 0
Rye 3882 2639 1065 756 2437 0
Sorghum 4297 4524 4117 4418 5752 0
Wheat 150972 147636 127009 119371 148362 0
Wheat Durum 0 0 0 0 3680 0
402701 388602 341057 354222 413143
Page 11: 麦の参考資料 - maff.go.jp · 2020-03-31 · 2014/15 2015/16 2016/17 2017/18 2018/19 (平成26年) (平成27年) (平成28年)(平成29年)(平成30年) 見込

USDA(世界計)

資料アメリカ農務省(2010年3月発表)による注1)期末在庫率()は消費量に対する在庫量の割合である  2)貿易比率()は生産量に対する貿易量の割合である
world agricultural supply and demandworld market and trade (USDA 20101)による
資料アメリカ農務省(2010年3月発表)注1)期末在庫率()は消費量に対する在庫量の割合である  2)貿易比率()は生産量に対する貿易量の割合である

Sheet1

図Ⅰ-3 穀物の国際価格

注1)小麦とうもろこし大豆の価格はシカゴ商品取引所における各月第1金曜日の期近価格

2)1ブッシェル≒(大豆小麦272kgとうもろこし254)

3)図右端の数値は平成31年3月1日時点のものである

- 5 -

大豆

90

小麦

45

とうもろこし

36

(2)小麦の国際価格の動向

小麦の国際価格は主産地である北米豪州欧州黒

海沿岸地域等における天候及び作柄の変化にこれまで大

きく影響を受けています

直近では2018年(平成30年)7月中旬以降ロシア

EU等の乾燥による生産減少懸念等から上昇したもののそ

の後は世界的に潤沢な供給量等を背景に全体的に軟調に

推移し2019年(平成31年)3月上旬現在のシカゴ小麦先

物相場は4ドルブッシェル台半ばとなっています(図

Ⅰ-3)

10

30

50

70

H261 H267 H271 H277 H281 H287 H291 297 H301 307 H311

(3)為替の動向

日本円と米国ドルの為替は平成30年以降円安基調で推

移し平成31年に入ってからは一時円高となりましたが3

月上旬では113円ドル程度で推移しています(図Ⅰ-4)

(4)海上運賃の動向

海上運賃は平成28年以降上昇傾向で推移してきました

が平成30年11月からは燃料油価格の下落を受けて軟調に推

移しています(図Ⅰ-5)

- 6 -

図Ⅰ-4 為替の推移

資料三菱東京UFJ銀行の公表資料注図右端の数値は平成30年3月4日時点のものである

資料TRAMP Data Service Co Ltd 「WORLD MARITIME ANALYSIS WEEKLY REPORT」注1)2万トン級のフレート

2)図右端の数値は平成30年3月4日時点のものである

図Ⅰ-5 海上運賃の推移

図Ⅰ-4 為替の推移

円米ドル

ドルトン

70

80

90

100

110

120

130

H261 H267 H271 H277 H281 H287 H291 H297 H301 H307 H311

表Ⅰ-6 外国産食糧用小麦の銘柄別輸入量

注1)数量は決算ベース2)四捨五入の関係で計と内訳が一致しない場合がある3)( )内の数量はSBS方式により輸入された数量で内数である

4 外国産食糧用麦の輸入状況

外国産食糧用麦については国内産食糧用麦では量的又は質的に満たせない需要分について政府が国家貿易により計画的に輸入し需要者に売り渡しています現在の主な輸入先国はアメリカカナダ豪州の3か国と

なっています

(1)小麦

外国産食糧用小麦の輸入量は国内産小麦の作柄や輸出国

における輸送状況等により変動し近年は450万~520万トン

程度で推移しています(表Ⅰ-6)

(2)大麦及びはだか麦

外国産食糧用大麦及びはだか麦の輸入量は近年は20万~

25万トン程度で推移しています(表Ⅰ-7)

(単位千トン)

- 7 -

注1)数量は決算ベース

2)四捨五入の関係で計と内訳が一致しない場合がある

表Ⅰ-7 外国産食糧用大麦及びはだか麦の銘柄別輸入量(単位千トン)

ウェスタンホワイト 610 775 683 631 (23) 711

ハードレッドウィンター(115) 727 855 790 807 891

ダークノーザンスプリング 877 1245 850 831 (59) 1198

その他 (1) 28 (1) 1 (3) 3 (6) 6 (16) 16

計 (1) 2242 (1) 2877 (3) 2327 (6) 2276 (98) 2815

ウェスタンレッドスプリング 1228 1258 1527 1547 1355

デュラム (210) 210 (222) 222 (219) 219 (175) 193 (186) 186

その他 (3) 3 (3) 3 (1) 1 (1) 1 (2) 2

計 (213) 1441 (225) 1484 (220) 1747 (176) 1742 (188) 1543

スタンダードホワイト 759 794 737 755 797

プライムハード (83) 83 (83) 83 (84) 84 (64) 64 (80) 80

その他 (0) 2 (0) 0 (28) 28 (5) 15 (0) 0

計 (83) 844 (83) 877 (111) 848 (68) 833 (80) 877

(6) 6 (7) 7 (7) 7 (8) 8 (6) 6

(304) 4532 (316) 5245 (343) 4929 (259) 4858 (372) 5242

豪州

その他

26

合  計

平成25年度 28 2927

アメリカ

カナダ

25 26 27 28 29

二条大麦 - 1 1 1 11

六条大麦 1 2 1 2 2

はだか麦 2 3 2 8 20

計 3 5 4 11 33

二条大麦 15 13 9 14 7

六条大麦 39 53 46 40 36

はだか麦 1 1 2 4 5

計 54 67 58 58 48

二条大麦 146 174 168 180 152

はだか麦 - - 0 0 1

計 146 174 168 180 153

- - 2 2 2

203 245 232 250 236合 計

年度

アメリカ

カナダ

豪州

その他

図Ⅰ-6 政府売渡価格の構成

5 外国産食糧用麦の売渡方式

(1)外国産食糧用小麦の政府売渡

外国産食糧用小麦の政府売渡については平成19年4月以降輸入価格(過去の一定期間における輸入価格の平均値)にマークアップ(政府管理経費及び国内産小麦の生産振興対策に充当)を上乗せした価格で売り渡す「相場連動制」に移行しました(表Ⅰ-8図Ⅰ-6)

表Ⅰ-8 政府売渡価格改定ルール

項 目 基本的なルール

価格改定 現在年2回(4月期10月期)

買付価格算定期間 直近6か月間

- 8 -

輸入価格

政府売渡価格

小麦の国際価格や海上運賃為替等により変動

マークアップ

(輸 入 差 益)

港 湾 諸 経 費

買 付 価 格

(3)食糧麦備蓄対策事業

即時販売方式の導入後は製粉企業等が23か月分の外国産

食糧用小麦の備蓄を行った場合国が18か月分の保管経費を

助成しています(図Ⅰ-7)

また不測の事態が生じた場合には国は製粉企業等に

対して備蓄する外国産食糧用小麦の取崩しの指示等を行い

ます

図Ⅰ-7 食糧麦備蓄対策事業のスキーム(2)即時販売方式

外国産食糧用小麦の売渡しについては平成22年10月以降輸入した小麦を直ちに製粉企業等に販売し製粉企業等が一定期間備蓄することとなっています

- 9 -

6 外国産食糧用小麦の政府売渡価格の動向

外国産食糧用小麦の政府売渡価格は穀物の国際相場や海上

運賃為替等の動向を反映した買付価格に連動して年2回改

定されています

平成30年10月期の政府売渡価格は輸入小麦の平均買付価格

(平成30年3月第2週~9月第1週)が①米国及び豪州の一

部の地域の乾燥による減収懸念等から小麦の価格が上昇②燃

料油価格の影響により海上運賃が上昇したことにより前期

に比べ上昇したことから5銘柄加重平均(税込価格)で

55560円トン対前期比22の引上げとなりました

また平成31年4月期の政府売渡価格は輸入小麦の平均買

付価格(平成30年9月第2週~平成31年3月第1週)が①小

麦の国際価格に大きな変動がない中②為替は円安傾向であっ

たものの海上運賃が下落したことにより前期に比べ低下し

たことまたTPP11協定に基づきカナダ豪州産小麦

にマークアップの引下げを適用したことから5銘柄加重平均

(税込価格)で54630円トン対前期比17の引下げとなり

ました(表Ⅰ-9)

表Ⅰ-9 外国産食糧用小麦の政府売渡価格

注1)5銘柄加重平均価格は税込み価格である2)5銘柄とはアメリカ産ダークノーザンスプリング(主にパン中華麺用)カ

ナダ産ウェスタンレッドスプリング(主にパン用)アメリカ産ハードレッドウィンター(主にパン中華麺用)オーストラリア産スタンダードホワイト(主に日本麺用)アメリカ産ウェスタンホワイト(主に菓子用)

時 期5銘柄加重平均価格

(円トン)対前期比()

平成29年4月期 50690 +46

平成29年10月期 52510 +36

平成30年4月期 54370 +35

平成30年10月期 55560 +22

平成31年4月期 54630 17

- 10 -

Ⅱ 小麦粉麦製品の生産と価格の動向

資料平成21年度までは農林水産省「米麦加工食品生産動態統計調査年報」平成22年度からは農林水産省「食品産業動態調査」及び農林水産省「製粉精麦工場需給実績報告」平成21年度以降の麦茶の生産量については全国麦茶工業協同組合調べ

注1)麺類及びパン類の生産量は小麦粉使用量でその他は製品生産量である2)小麦粉精麦及び麦茶の生産量は年度の計でありその他は暦年の計である

(単位千トン)

表Ⅱ-1 小麦粉麦製品の生産量の推移

1 小麦粉麦製品の生産量

小麦粉の生産量は460万~470万トンで安定的に推移してい

ます(表Ⅱ-1)

小麦の二次加工製品のうち

① パン類の生産量は平成22年以降プライベートブラン

ドの菓子パンや高価格帯食パンの人気等により堅調に推

移しています

② 麺類の生産量は平成23年には東日本大震災による即

席麺の需要増等から増加しましたその後冷凍麺や外食

産業での消費増等により平成30年は147万トンと増加し

ています

③ ビスケットの生産量は平成20年から26年までは24万ト

ン前後で推移しました平成27年は円安の影響による輸入

量の減少等に伴い増加しその後は25万トン程度で推移し

ています

焼酎みそ主食用に仕向けられる精麦の生産量は平成16

年度まで本格焼酎ブームにより増加傾向で推移しましたがそ

の後の焼酎用需要の低迷等により減少しました近年は主食用

の需要の伸びにより17万トン前後で推移しています

一方平成28年(2016年)以降健康志向等を背景に大麦及

びはだか麦の需要が増加しています特に水溶性食物繊維

(大麦β-グルカン)が豊富なもち性はだか麦の需要は平成

29年(2017年)半ば以降は落ち着いてきたものの引き続き高

い水準で推移しています(図Ⅱ-1 )

- 11 -

図Ⅱ-1 もち麦を使用した製品の販売額の推移(首都圏)

区分

前年 前年 前年 前年 前年 前年

増減率 増減率 増減率 増減率 増減率 増減率

年 (年度計) () (暦年計) () (暦年計) () (暦年計) () (年度計) () (年度計) ()

平成12 4623 01 1279 23 1421 09 223 19 161 45 49 89

13 4607 03 1272 05 1441 14 218 21 164 19 51 41

14 4591 03 1245 21 1421 13 210 39 177 75 51 00

15 4662 15 1247 01 1425 02 219 43 189 71 45 118

16 4667 01 1243 03 1414 08 214 20 212 118 47 44

17 4623 09 1232 09 1368 32 213 05 201 51 47 00

18 4599 05 1218 11 1324 32 218 24 196 25 47 00

19 4684 18 1211 06 1319 03 225 29 197 06 48 21

20 4564 26 1181 24 1277 32 240 70 173 120 50 42

21 4612 11 1179 02 1265 10 243 10 168 29 48 40

22 4725 25 1196 15 1251 11 241 06 161 45 52 83

23 4708 04 1215 16 1283 26 243 06 155 35 54 38

24 4654 11 1219 03 1269 11 239 14 164 60 55 19

25 4694 09 1226 06 1324 43 237 12 158 37 66 200

26 4683 02 1234 07 1371 35 244 33 162 25 66 00

27 4702 04 1234 00 1396 19 259 59 162 04 68 30

28 4683 04 1238 03 1409 09 258 05 169 44 60 118

29 4703 04 1254 13 1445 26 252 22 172 20 64 67

30 - - 1221 27 1473 19 259 30 - - - -

精麦 麦茶小麦粉 パン類 麺類 ビスケット

資料日本経済新聞デジタルメディア社による首都圏のスーパーマーケットなど119店におけるPOSデータに基づき農林水産政策研究所において集計

図Ⅱ-2 小麦粉麦製品の価格(消費者物価指数)の変化

資料総務省「消費者物価指数」(全国)

(参考) 家計に占める小麦関連製品の支出 (単位円世帯)

資料総務省「家計調査」(全国二人以上の世帯)

年間計(平成30年)

1か月平均

消 費 支 出 3447783 287315食 料 952172 79348

小 麦 関 連 製 品 計 82108 6842パ ン 30555 2546

め ん 類 17369 1447小 麦 粉 596 50

菓子類(ビスケット等) 11397 950調理食品(調理パン) 5352 446

外食(うどん等) 16839 1403

(平成27年=100)

2 小麦粉麦製品の価格の動向

小麦粉及び麦関連製品の価格は輸入小麦の政府売渡価

格の引上げ等による原材料費の上昇人件費や物流費の上

昇等の影響を受け平成30年以降小麦粉及びパンの価格

は上昇傾向にあります(図Ⅱ-2)

- 12 -

85

90

95

100

105

110

食料品総合 パン めん類 小麦粉

表Ⅱ-2 麦製品の輸入量の推移(参考1) 麦製品の輸入動向

(1)小麦粉調製品

小麦粉に砂糖脱脂粉乳等を混合した小麦粉調製品の輸

入量は平成11年以降デフレに伴う低価格品需要の拡大

により増加傾向で推移してきましたが麦の国際相場の

高騰に伴う輸入価格の上昇等により平成18年から平成20年

にかけて減少しましたその後も減少傾向で推移しており

平成30年は8万3千トンの輸入量となっています

(2)麦加工製品

①マカロニスパゲッティ

マカロニスパゲッティについては国内の全体需要が

増加する中で輸入量が増加傾向で推移してきました

平成30年は過去最高の輸入量であった前年からは減少

し13万8千トンとなっています

②ビスケット

ビスケットの輸入量は平成25年以降円安の影響を受

けて減少していましたが平成28年度以降増加傾向にあり

平成30年の輸入量は2万5千トンとなっています

資料財務省「貿易統計」注小麦粉調製品は穀粉が占める割合が85以下のものの輸入量

なお小麦粉調製品のうち加糖のものは一般に菓子類菓子パン類等の原料として利用され無糖のものは麺類等の原料として使用される

(単位千トン)

- 13 -

対前年 対前年 対前年 対前年 対前年

増減率 増減率 増減率 増減率 増減率

() () () () ()

平成12 107 118 85 92 97 26 45 95 108 11 123

13 121 126 75 99 81 27 51 93 25 13 209

14 126 131 35 102 30 29 52 101 94 15 142

15 116 133 13 101 06 31 82 108 63 21 400

16 108 136 28 98 32 38 222 112 35 25 219

17 110 140 26 98 01 42 90 110 17 24 49

18 116 139 09 99 12 39 59 110 02 24 23

19 118 117 155 87 128 30 224 104 49 23 56

20 104 100 144 72 173 29 60 127 219 18 221

21 94 102 23 73 15 30 42 116 85 17 83

22 88 107 40 73 07 33 119 121 36 19 173

23 80 108 12 78 59 30 90 134 115 22 143

24 80 106 16 78 02 28 63 142 58 22 07

25 97 100 53 73 64 28 25 133 68 18 182

26 105 98 21 73 02 25 83 133 03 17 74

27 121 94 40 69 55 25 03 132 08 14 166

28 109 91 32 65 58 26 40 145 99 19 348

29 112 92 05 65 02 27 14 150 32 24 296

30 110 83 92 59 85 24 110 138 75 25 23

国 名輸入割合()

国 名輸入割合()

国 名輸入割合()

国 名輸入割合()

国 名輸入割合()

韓国 409 韓国 528 シンガポール 442 イタリア 465 インドネシア 242

シンガポール 202 フランス 151 米国 126 トルコ 355 中国 205

フランス 114 シンガポール 105 韓国 114 米国 142 マレーシア 84

米国 75 中国 78 ニュージーランド 98 ギリシャ 20 ベトナム 63

中国 57 米国 55 豪州 69 アラブ首長国連邦 10 イタリア 55

国 名対前年増減率()

国 名対前年増減率()

国 名対前年増減率()

国 名対前年増減率()

国 名対前年増減率()

韓国 10 韓国 13 シンガポール 221 イタリア 107 インドネシア 202

シンガポール 124 フランス 92 米国 136 トルコ 45 中国 76

フランス 87 シンガポール 108 韓国 30 米国 09 マレーシア 245

米国 116 中国 546 ニュージーランド 87 ギリシャ 152 ベトナム 137

中国 543 米国 98 豪州 344 アラブ首長国連邦 135 イタリア 119

30

輸入上位5カ国

区分

為替レー

円ドル)

小麦粉調製品 麦加工製品

加糖のもの 無糖のもの マカロニスパゲッティ ビスケット

(参考2) 麦製品の輸出動向

麦製品の輸出量のうちその大部分を占める小麦粉の輸出量

は近年主要輸出先国の製粉技術の向上や現地製粉工場の立

上げ等により減少傾向で推移し平成30年は約16万トンとなっ

ています(表Ⅱ-3)

表Ⅱ-3 麦製品の輸出量の推移

資料財務省「貿易統計」

(単位トン)

- 14 -

対前年増減率()

対前年増減率()

対前年増減率()

309594 75 376 431 1028 375

321028 37 315 162 967 59

319968 03 253 197 953 14

318706 04 410 621 1052 104

304465 45 328 200 769 269

289911 48 1054 2213 719 65

290033 00 1196 135 762 60

255377 119 1150 38 1098 441

187040 268 743 354 1198 91

185403 09 822 106 898 250

196183 58 770 63 974 85

191480 24 607 212 698 283

192598 06 598 15 780 117

168205 127 573 42 769 14

166311 11 571 04 861 120

157938 50 553 32 1249 451

158896 06 549 07 1287 30

167600 55 532 32 778 395

163640 24 535 06 894 148

国 名輸出割合

() 国 名輸出割合

() 国 名輸出割合

()

香港 496 香港 888 中国 483シンガポール 207 中国 43 香港 314ベトナム 96 韓国 21 台湾 64

タイ 59 米国 17 ベトナム 37台湾 58 台湾 11 シンガポール 29

国 名対前年増減率() 国 名

対前年増減率() 国 名

対前年増減率()

香港 175 香港 26 中国 251シンガポール 583 中国 62 香港 329ベトナム 135 韓国 437 台湾 59

タイ 81 米国 1047 ベトナム 418台湾 47 台湾 261 シンガポール 449

24

30

輸出上位5カ国

25

181920212223

2627282930

17

  区分

小麦粉マカロニスパゲッティ

スイートビスケット

平成1213141516

(参考3) 麦製品の生産動向

麦製品の生産量は食パンや乾麺のように生産量が減少している製品もある一方で菓子パンや即席麺冷凍麺のように生産量が増加している製品もあることから使用される小麦粉の数量は平成22年以降概ね横ばい傾向で推移しています麦製品は食生活の多様化や簡便性といった消費者ニーズを

捉えつつ継続した新製品の開発がなされており新たな定番となる商品の登場や期間限定の商品やイベントなどが消費者の購買を促進していると考えられます(図Ⅱ-3表Ⅱ-4)

表Ⅱ-4 麦製品の生産量の推移

(単位千トン)

- 15 -

資料平成21年度までは農林水産省「米麦加工食品生産動態統計調査年報」平成22年度からは農林水産省「食品産業動態調査」及び農林水産省「製粉精麦工場需給実績報告」冷凍麺の生産量は(一社)日本冷凍食品協会調べ

注1)麺類及びパン類の生産量は小麦粉使用量で冷凍麺は製品生産量である2)小麦粉は年度の計でありその他は暦年の計である

区分

パ ン 麺 類 冷凍麺

小麦粉 食パン菓子パ

ンその他のパン

生麺 乾麺 即席麺

年度計 暦年計 暦年計 暦年計 暦年計 暦年計 暦年計 暦年計 暦年計 暦年計

昭和45 3422 970 469 - - - 514 327 267 -

50 3978 1062 588 251 63 - 541 289 335 -

55 4079 1189 687 285 89 1334 610 275 325 -

60 4243 1178 653 291 133 1397 659 297 316 9

平成2 4338 1193 661 321 146 1407 687 274 316 41

7 4633 1220 623 368 178 1456 729 268 314 120

12 4623 1279 619 382 235 1421 687 235 343 190

22 4725 1196 576 375 215 1251 555 203 332 257

23 4708 1215 580 392 215 1283 548 209 361 270

24 4654 1219 580 392 221 1269 542 204 363 283

25 4694 1226 598 384 218 1324 562 213 386 314

26 4683 1234 608 387 214 1371 578 213 410 318

27 4702 1234 605 403 201 1396 624 195 414 308

28 4683 1238 604 403 206 1409 652 186 419 308

29 4703 1254 602 409 218 1445 691 186 416 313

30 - 1221 585 401 211 1473 712 188 420 -

〔低糖質製品〕

〔多種多様な携帯サンドイッチ〕

〔手軽な冷凍麺〕

図Ⅱ-3 麦製品の商品事例

H18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29

製粉工場数 124 122 121 119 117 118 117 114 109 104 102 98

製粉企業数 100 98 98 96 94 95 94 90 88 83 81 77

うち輸入小麦取扱製粉工場数 91 91 90 90 87 87 86 83 78 76 74 73

うち輸入小麦取扱製粉企業数 67 67 67 65 64 64 64 60 57 55 53 52

50

70

90

110

130

150製粉工場数

製粉企業数

うち輸入小麦取扱製粉工場数

うち輸入小麦取扱製粉企業数

3 製粉企業の状況

(1)大手製粉企業及び中小製粉企業の動向

① 大手製粉企業4社の小麦粉の生産量は全体の78を占

めておりこれに年間小麦粉生産量が3万トン以上の企業

の生産量を加えた13社ベースでは全体の90を占めてい

ます

② 大手製粉企業は生産設備の臨海工場への集約化を進め

つつ工場の大規模化合理化を推進しています

平成29年度の1工場当たりの生産量は17万トンまた

稼働率は89となっています

③ 年間小麦粉生産量3万トン以上の中小製粉企業は工場

のほとんどが臨海地域に立地し小麦粉を域内の二次加工

メーカー等に供給しています

平成29年度の1工場当たりの生産量は約6万トン稼働

率は67となっています

④ 年間小麦粉生産量1千トン以上3万トン未満の中小製粉

企業は主に内陸に位置し小麦粉を地元のパン麺等の

加工業者に供給するほか乾麺等の製造を兼ねるものも多

くなっています

平成29年度の1工場当たりの生産量は13万トンと大

手製粉企業の約14分の1稼働率は35となっています

⑤ 年間小麦粉生産量1千トン未満の中小製粉企業は輸入

小麦を取り扱わない企業が大部分を占め国内産小麦のみ

を使用し麺用や菓子用に供給しています

表Ⅱ-5 大手製粉企業中小製粉企業の小麦粉生産等の動向

資料農林水産省調べ注四捨五入の関係で計と内訳が一致しない場合がある

(参考)製粉企業数と工場数の推移(企業工場)

- 16 -

3万トン以上1千トン以上3万トン未満

1千トン未満

平成24 94 4 90 9 50 31

29 77 4 73 9 38 26

24 4853 3679 1174 536 636 3

29 4877 3801 1075 569 504 2

24 100 758 242 110 131 01

29 100 779 221 117 103 00

24 3245 1177 2068 632 1360 76

29 2806 1057 1749 581 1114 54

24 1496 3126 568 848 468 39

29 1738 3596 615 980 452 44

24 415 1533 126 596 120 01

29 498 1728 142 569 126 01

24 692 887 414 709 311 42

29 731 888 454 670 347 46

全体 大手製粉

中 小 製 粉年間生産量

稼働率()

製粉企業数

小麦粉生産量(千トン)

生産シェア()

従業員数(人)

従業員一人当たりの生産量

(トン)

一工場当たりの生産量(千トン)

(2)製粉企業のコスト削減や品質安全性の向上に向けた取組

製粉企業は生産能力の増強によるコスト削減や品質安全性の向上に向けた取組を進めています(図Ⅱ-4)

また国も農業競争力強化プログラムを策定し製粉企業の取組みを支援しています(図Ⅱ-5)

① 供給能力の強化等によるコストダウン

製粉企業は供給能力の強化生産性の向上と原料小麦の受入体制の整備によるコストダウンを図るため製粉工場や原料サイロの増強等の設備投資を行っています

② 資本業務の提携

製粉企業の中には他の製粉企業と資本業務提携を行うこと等により原料調達規模の拡大や生産の効率化等による競争力の強化を図る取組もみられます

③ 品質安全性の向上

製粉企業は近年消費者の安全安心への関心が高まる中食品の品質安全性を確保するための設備やAIB食品安全システムの導入ISO認証の取得等様々な取組を行っています

④ 工場の集約化

大手製粉企業は内陸工場を閉鎖し海外からの原料調達に有利な臨海工場への集約を進めるとともに臨海工場の生産能力を増強させる等生産性の向上を図っています

⑤ 海外市場への進出

製粉企業の中にはアジア大洋州地域における買収や工場増設等海外市場に積極的な進出をする取組もみられます

① 供給能力の強化等によるコストダウン 日清製粉は関東地区の小麦サイロ収容力の増強を進め更なる原料小麦の安定供給を推進するため鶴見工場の原料小麦サイロを増設(平成28年)

日本製粉は神戸甲南工場の原料サイロの新設等(平成24年)千葉工場の原料サイロの増設(平成26年)を行い今後原料サイロを福岡工場及び知多新工場へ新設神戸甲南工場(第2期)へ増設する予定

千葉製粉は新たな顧客ニーズへの対応付加価値製品の創出等を図るため専用ラインを新設(平成27年)

② 資本業務提携 資本業務提携を行っている製粉企業

増田製粉所(兵庫) hArr 日東富士製粉

木田製粉(北海道)内外製粉(三重)奥本製粉(大阪)セントラル製

粉(愛知) hArr 昭和産業

東福製粉(福岡) hArr 日本製粉

③ 品質安全性の向上 多くの製粉企業がISO9001(品質マネジメントシステム)ISO22000(食品安全マネジメントシステム)の認証を受けることにより品質管理や食品安全管理を実施

④ 工場の集約化 日清製粉は生産性向上のため内陸工場を順次閉鎖し臨海工場への集約化を推進

筑後工場(福岡)鳥栖工場(佐賀) rarr 福岡工場(福岡)へ集約

(平成26年)

名古屋工場の2ライン rarr 知多工場(愛知)の新ラインへ集約

(平成27年)

日本製粉は生産性向上のため総生産能力の80を臨海部の大型工場に集約

⑤ 海外市場への進出状況(平成30年度) 日清製粉は豪州の小麦粉市場においてトップシェアを持つアライドピナクル社を買収またタイでは子会社の日清STC製粉がタイの製粉工場を買収するとともにベトナムでは業務用プレミックスの生産工場を建設することを決定

昭和産業はベトナムに新たにプレミックス製造会社を設立し生産工場を建設することを決定

図Ⅱ-4 製粉企業の各種取組の事例

- 17-

⑥ 再編合理化の取組

製粉企業の中には国の支援を活用した再編合理化の取

組もみられます

⑦ 地産地消の推進

中小製粉企業は地域とのつながりの強さや独自の立地

条件を活かした特色ある経営を模索する中で生産者と協

力した積極的な地産地消の取組を進めています

⑦ 地産地消の推進

岩手県主な実施者岩手県学校給食会岩手県パン工業組合県内製粉企業取 組 内 容 平成28年度から地元県産小麦(銀河のちからゆきちから)を

100使用した学校給食用パンを県内の小中学校に提供開始埼玉県

主な実施者埼玉産小麦ネットワーク「SWING group」(県内製粉企業が中心となり生産者加工業者販売業者等180社が加盟)

取 組 内 容 埼玉県産小麦のブランド価値を高めることなどを目的として埼玉県産小麦を自社製品に利用することで高付加価値商品の開発による自社の発展などを目指すとともに研修会の実施やイベントホームページなどを通じた消費者への情報提供を実施

京都府主な実施者地元製粉企業京都府全農京都府本部生産者府内製麺製

パン業者飲食店取 組 内 容 平成30年産から京都府産小麦品種を「せときらら」へ全面切替を

行ったことを機にブランド名を「京小麦」とし「京小麦」を100使用したメニューを参加店舗にて提供するイベント「京小麦の収穫祭」を平成31年1月21日から2月17日まで開催

福岡県主な実施者福岡県ラー麦普及推進協議会(県JA全農ふくれん県内製粉

業者5社製麺業者関係団体)取 組 内 容 以下の取組によりラーメン用小麦「ラー麦」を普及推進

産地への生産技術の普及指導 小麦品質評価最適製粉加工方法の検討 利用や消費を促進するための普及宣伝(試

食イベント等) 毎年産の製粉製麺適性評価および食味

官能評価の実施 平成21年に本小麦の名称「ラー麦」とロ

ゴデザインを商標登録しブランド化

- 18 -

2 生産者が有利な条件で安定取引を行うことができる流通加工の業界構造の確立

(1)生産者に有利な流通加工構造の確立現在の食料需給消費の実態等を踏まえた効率的機能

的で農業者と消費者双方がメリットを受けられる流通加工構造を確立するため以下のとおり取り組む

その際農林水産省経済産業省をはじめ政府一体となって取り組む①~⑦ (略)⑧ 加工業については生産性の低い工場が乱立している

種類の加工業界(製粉乳業等)について国は国際競争に対応できる生産性の確保を目指した業界再編設備投資等を推進することとし政府系金融機関の融資農林漁業成長産業化支援機構の出資等による支援を行う

⑨ 上記改革を推進するため農産物の流通加工に関し国の責務業界再編に向けた推進手法等を明記した法整備を進める

⑩ 上記改革を推進するため金融機関による流通加工関連産業の生産性向上に資する経営支援や資金供給の促進政府系金融機関や農林漁業成長産業化支援機構等との連携強化等を図る

図Ⅱ-5 農業競争力強化プログラム(抜粋)

(平成28年11月29日 農林水産業地域の活力創造本部決定)

⑥ 再編合理化の取組

製粉工場の廃棄撤去製粉施設の一部又は全部を撤去しミックス粉等の関連事業を拡大

(製粉工場等再編合理化事業(平成2728年度7件))

図Ⅲ-1 国内産小麦の収穫量と作付面積の推移

表Ⅲ-1 小麦の主な作付品種(平成29年産)

Ⅲ 国内産麦の生産と流通の動向

1 国内産麦の生産状況

(1)小麦

① 作付面積

近年の国内産小麦の作付面積は約21万haと横ばいで推移して

います平成30年産の作付面積は北海道は121万ha都府県

は91万ha全国では212万haとなり前年産並となっていま

② 収穫量

平成30年産の国内産小麦の収穫量は主産地の北海道での6

月中旬から7月中旬にかけての低温日照不足の影響により登

熟不良となったこと等から前年産に比べ北海道で134万ト

ン(22)減少都府県では05万トン(2)減少全国

では139万ha(15)減少の768万トンとなり(図Ⅲ-1)

10a当たりの平均収量対比は91となりました

③ 小麦の作付品種の状況

栽培品種については各産地の気候条件や用途等に適した品

種が作付されており29年産では日本麺用では「きたほなみ」

「さとのそら」「シロガネコムギ」といった品種パン

中華麺用では「春よ恋」「ゆめちから」といった品種が上位

を占めています(表Ⅲ-1)

資料農林水産省「作物統計」品種毎の面積は農林水産省政策統括官調べ

注品種の育成年についてはシロガネコムギは農林認定が行われた年

それ以外の品種は出願公表が行われた年としている

資料農林水産省「作物統計」30年産の数値は概算値

- 19 -

(千トン)

年産

910 881

674

571

746

858 812

852

1004

791

907

768

210 209 208 207 212 209 210 213 213 214 212 212

100

120

140

160

180

200

220

240

260

280

300

0

200

400

600

800

1000

H19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30

収穫量 作付面積(千ha)

品種名 育成年 作付面積(千ha) 割合 主な作付地域

きたほなみ 平成19年 878 41 北海道

さとのそら 平成21年 159 7 関東東海

シロガネコムギ 昭和49年 152 7 九州近畿

春よ恋 平成11年 143 7 北海道

ゆめちから 平成20年 137 6 北海道

上位5品種計 1469 69

小麦作付面積 - 2123

図Ⅲ-2 国内産大麦及びはだか麦の収穫量と作付面積の推移

表Ⅲ-2 大麦及びはだか麦の主な作付品種(平成29年産)

(2)大麦及びはだか麦

① 作付面積

近年国内産大麦及びはだか麦の作付面積は約6万と横ば

いで推移しており平成30年産は前年産と比較すると二条

大麦は前年産並六条大麦は800ha(4)減少はだか麦

で460ha(9)増加となり全体では340ha(1)減少の

61万haとなりました(図Ⅲ-2)

② 収穫量

平成30年産の大麦及びはだか麦の収穫量は二条大麦及びは

だか麦はおおむね天候に恵まれ生育が順調で登熟も良好

であったこと等から前年産に比べ二条大麦は01万トン

(1)増加はだか麦は01万トン(8)増加となりました

六条大麦については北陸地方において大雪の影響で融雪時期

が遅れたこと等により穂数が少なくなり前年産に比べ14万

トン(26)減少しました

この結果大麦及びはだか麦の収穫量は合計で173万トンと

なり前年産に比べて12万トン(6)減少となりました

(図Ⅲ-2)

③ 大麦及びはだか麦の作付品種の状況

栽培品種については各産地の気候条件や用途等に適した品

種が作付されており29年産では二条大麦はビール用の「サ

チホゴールデン」六条大麦は主食用や麦茶用の「ファイ

バースノウ」はだか麦は麦味噌用の「マンネンボシ」いっ

た品種が上位を占めています(表Ⅲ-2)

資料農林水産省「作物統計」30年産の数値は概算値

- 20 -

(千トン)

資料農林水産省「作物統計」農林水産省調べ

注品種の育成年についてはシュンライイチバンボシは農林認定が行われ

た年それ以外の品種は出願公表が行われた年としている

195 217

179 161

172 172 183

170 177 170 185

173

54 57 58 59 60 60 59 60 61 61 61 61

0

10

20

30

40

50

60

70

80

90

100

0

50

100

150

200

250

H19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30

収穫量 作付面積 (千ha)

年産

麦種 品種名 育成年作付面積(千ha)

割合 主な作付地域

二条大麦

サチホゴールデン 平成18年 189 31 九州関東中国

はるしずく 平成17年 44 7 九州

ニシノホシ 平成11年 27 4 九州

六条大麦

ファイバースノウ 平成13年 107 17 北陸関東東海

シュンライ 平成2年 33 5 関東東北近畿

カシマゴール 平成22年 13 2 関東東海

はだか麦

マンネンボシ 平成13年 15 2 四国

イチバンボシ 平成4年 14 2 四国九州

トヨノカゼ 平成18年 11 2 九州中国

大麦はだか麦作付面積

- 614

資料農林水産省調べ

Aランク評価項目の基準値を3つ以上達成しかつ許容値を全て達成している麦Bランク評価項目の基準値を2つ達成しかつ許容値を全て達成している麦Cランク評価項目の基準値を1つ達成しかつ許容値を全て達成している麦

評価項目の基準値を2つ以上達成しているものの許容値を達成していない麦DランクA~Cランクのいずれにも該当しない麦

【評価項目】①小麦 日本麺用パン中華麺用(たんぱく灰分容積重フォーリングナンバー)

醸造用(たんぱく3項目容積重)②二条大麦 主食等用(容積重細麦率白度正常粒率)

麦茶用(たんぱく3項目細麦率)③六条大麦はだか麦 主食等用(容積重細麦率白度硝子率)

麦茶用(たんぱく3項目細麦率)

(参考) 麦の品質区分

(単位)

- 21 -

(2)品質評価

たんぱく質や灰分の含有率等に基づく品質評価結果につい

ては平成30年産の小麦ではAランクが899となってお

り過去5年平均(Aランク比率849)と比べ5ポイン

ト高くなっています

また平成30年産の大麦はだか麦ではAランクが

849となっており過去5年平均(Aランク比率832)

と比べ17ポイント高くなっています(表Ⅲ-4)

表Ⅲ-4 平成30年産麦の品質評価結果

2 国内産麦の品質状況

(1)農産物検査① 平成30年産の小麦について全国の1等比率は761

(平成30年12月末時点)と過去5年平均799と比較して低くなっています(表Ⅲ-3)

② 平成30年産の小粒大麦大粒大麦はだか麦及びビール大麦について1等比率は大粒大麦を除き過去5年平均と比較して低くなっています(表Ⅲ-3)

表Ⅲ-3 国内産麦の1等比率の推移(単位)

Aランク Bランク Cランク DランクAランク

過去5年平均(平成25~29年産)

小 麦 899 67 33 01 849

大麦はだか麦

849 37 108 06 832

注1)各年産翌年4月末時点の値であるただし平成30年産は30年12月末時点の値である

2)強力小麦の検査数量を含む値である

3 国内産麦に対する支援

平成31年度は経営所得安定対策等の対策のうち主に畑作

物の直接支払交付金と水田活用の直接支払交付金により国内

産麦に対する支援が行われます

(1)畑作物の直接支払交付金

畑作物の直接支払交付金として麦を生産する農業者に対

し標準的な生産費と標準的な販売価格の差額分を直接交付

することとしています

支払いは当年産の麦の品質及び生産量に応じて交付する

数量払を基本とし当年産の麦の作付面積に応じて交付する

面積払(営農継続支払)を数量払の先払いとして交付する仕

組みにしています

数量払の交付単価は品質に応じた単価を設けており需要

に応じた生産と品質に対する営農努力を適切に反映させる仕

組みになっています(表Ⅲ-5)

表Ⅲ-5 畑作物の直接支払交付金の麦の交付単価

(円単位数量)

品質区分(等級ランク)

1等 2等

A B C D A B C D

小麦(パン中華麵

用品種)(60kg当たり)

9040 8540 8390 8330 7880 7380 7230 7170

小麦(パン中華麺用品種以外)(60kg当たり)

6740 6240 6090 6030 5580 5080 4930 4870

二条大麦(50kg当たり) 5550 5130 5010 4960 4690 4270 4140 4090

六条大麦(50kg当たり) 6030 5610 5480 5430 5000 4580 4460 4410

はだか麦(60kg当たり) 8650 8150 8000 7910 7080 6580 6430 6350

(参考)

【平均交付単価小麦6940円60kg二条大麦5490円50kg六条大麦5720円50kg

はだか麦8230円60kg】

②面積払

当年産の作付面積に応じて交付 2万円10a

①数量払(品質に応じた単価)

- 22 -

【平成31年産に適用】

標準的な生産費

差額

ゲタ交付単価

標準的な販売価格

【交付単価のイメージ】lt畑作物の直接支払交付金のイメージgt

面積払(数量払の際に控除されます)

数量払

収量

交付金額

(2)水田活用の直接支払交付金

水田のフル活用を推進し食料自給率自給力の向上を図

るため水田で麦を生産する農業者に対しては畑作物の直

接支払交付金に加え水田活用の直接支払交付金(35000円

10a)を直接交付することとしています(表Ⅲ-6)

表Ⅲ-6 水田活用の直接支払交付金の交付単価

作 物 単 価

麦大豆飼料作物 35000円10a

WCS(ホールクロップサイレージ)用稲 80000円10a

加工用米 20000円10a

飼料用米米粉用米収量に応じ

55000円~105000円10a

このほか「産地交付金」により地域で作成する水田フル活用ビジョンに基づき二毛作や耕畜連携を含め産地づくりに向けた取組を支援します

戦略作物助成

注実需者等との出荷販売契約等を締結すること出荷販売することが要件

- 23 -

4 国内産食糧用麦の流通動向

(1)取引の概要

国内産食糧用麦は加工原料としての商品特性から需要に応じて計画的に生産できるようは種前契約に基づく取引が行われています

まず取引の指標となる透明性のある適正な価格を形成するためは種前に販売予定数量の3~4割(具体の比率は民間流通地方連絡協議会の協議を踏まえ決定)について入札が行われます残りは相対取引が行われておりその価格については入札で形成された指標価格(落札加重平均価格)を基本として取引当事者間で決められています(図Ⅲ-3)

また取引を円滑に進めるため生産者需要者等で構成される民間流通連絡協議会において取引に必要な情報交換取引に係る基本事項の見直し等が行われています(表Ⅲ-7)

今後とも国内産食糧用麦については円滑な流通が確保されるようは種前契約を基本としつつ適切に対応していきます

図Ⅲ-3 国内産食糧用麦の基本的な流通フロー

表Ⅲ-7 国内産食糧用麦の入札の仕組み

項 目 概 要 見直しの変遷

実施主体 一般社団法人 全国米麦改良協会

実施時期 は種前に2回実施(8~9月)平成13年産から1回rarr2回へ見直し

上場数量

産地銘柄別に販売予定数量が小麦3千トン以上大麦はだか麦1千トン以上の銘柄についてその30~40を上場(ほかに希望上場あり)

平成31年産から30rarr30~40へ見直し

基準価格

小麦は前年産の落札加重平均価格に当年産の入札実施時点での外国産麦の政府売渡価格の変動率を乗じた価格大麦はだか麦は前年産の落札加重平均価格

小麦の外国産麦との連動は平成24年産から実施

値幅制限 基準価格のplusmn10

小麦平成12年産~16年産plusmn5平成17年産~21年産plusmn7平成22年産plusmn10平成23年産plusmn30平成24年産~ plusmn10大麦はだか麦平成12年産~18年産plusmn5平成19年産~21年産plusmn7平成22年産plusmn10平成23年産plusmn15平成24年産~ plusmn10

取引価格の事後調整(小麦のみ)

外国産食糧用小麦の政府売渡価格の改定(410月)に合わせては種前の入札又は相対により契約された価格に外国産食糧用小麦の政府売渡価格の変動率を乗じて取引価格を改定

平成23年産から実施

申込限度数 量

買い手別に上場数量times買受実績シェアtimes145

小麦は平成17年産から大麦及びはだか麦は平成19年産から135rarr145へ見直し

相対取引入札で形成された指標価格を基本に生産者団体と需要者の間で協議決定

平成19年産から過去の実績シェアに基づく取引ルールを廃止

再入札

第1回入札及び第2回入札において落札残数量が発生した場合は売り手の希望により再度入札に付すか相対による契約を行うかいずれかの方法をとることができる

平成25年産から売り手の申し出により再入札における入札の値幅を設定できること等を規定

生産者団体から販売予定数量需要者団体から購入希望数量の相互提示

入札取引の実施(販売予定数量の約3~4割)

相対取引の実施(販売予定数量の約6~7割)

は 種(秋まき春まきは収穫年の4月)

収 穫 及 び 検 査

生産者団体と需要者の間では種前に契約を締結

需 要 者 へ 引 渡 し

<生産の流れ>

麦の生育期間

<契約の流れ>

は種前契約に基づき計画的に作付(は種)

収穫前年7月~

8~9月

9月~

~12月

6~8月

6月~

収穫年26年産から国内産麦の需要拡大を図るため地域の食文化のブランド化等による高付加価値化の取組等に対し安定的な原料供給が可能となる需要拡大推進枠を導入

- 24 -

表Ⅲ-8 国内産食糧用麦の供給量 (単位千トン)

注集荷団体からの聞き取り数量である

(2)流通の動向

平成30年産の国内産食糧用小麦の供給量は前年産から

約14万4千トン減少し約70万1千トンとなっています

また国内産食糧用大麦及びはだか麦の供給量は前年

産から約3千トン減少し約10万3千トンとなっています

(表Ⅲ-8)

生産者側から提示された平成31年産麦の販売予定数量は

国内産食糧用小麦で約82万4千トン国内産食糧用大麦及

びはだか麦で約10万8千トンとなっています

一方需要者側から提示された平成31年産麦の購入希望

数量は国内産食糧用小麦で約86万3千トン国内産食糧

用大麦及びはだか麦で約13万トンとなっています(表Ⅲ-

9)

表Ⅲ-9 国内産食糧用麦の販売予定数量及び購入希望数量の推移(単位千トン)

資料民間流通連絡協議会調べ注四捨五入の関係で差し引きが一致しないことがある

- 25 -

年産 20 21 22 23 24 25 26 27 28 2930

(見込)

小   麦 841 639 532 694 811 767 808 946 734 845 701

大麦はだか麦 125 100 84 98 93 105 103 103 92 106 103

年産 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31

販売予定数量① 887 906 909 951 948 909 905 880 820 846 834 824

購入希望数量② 833 880 818 859 904 869 751 802 834 875 880 863

①-② 54 25 91 91 44 40 154 78 14 29 46 39

(①-②)①() 61 28 100 96 47 44 170 89 18 34 55 47

販売予定数量① 121 132 134 127 122 116 110 112 113 112 108 108

購入希望数量② 199 219 135 149 147 138 141 149 145 138 148 130

①-② 78 87 1 23 26 21 31 37 32 26 39 22

(①-②)①() 640 660 06 179 209 182 282 330 284 234 363 204

表Ⅲ-10 国内産食糧用麦の入札結果の推移

資料一般社団法人全国米麦改良協会調べ

注1価格は税込み(26年産までは527年産以降は8)である

ただし31年産の落札価格は一般社団法人全国米麦改良協会公表の価格(税抜き)を基に農林水産省で税込み価格を算出

5 国内産食糧用麦の価格の動向

(1)平成31年産の入札の概要

平成31年産麦の入札は第1回は平成30年9月12日に第

2回は平成30年9月26日に実施されました

麦種別の入札結果をみると小麦は上場数量約21万4千

トンのうち約20万4千トンが落札(落札率954)され落

札価格は61714円トン(対前年産比1151)となりました

小粒大麦は上場数量約1万1千トンのうち約1万1千

トンが落札(落札率991)され落札価格は46560円トン

(対前年産比997)となりました

大粒大麦は上場数量約7千8百トンのうち5千6百トン

が落札(落札率717)され落札価格は46923円トン(対

前年産比879)となりました

はだか麦は上場数量約2千3百トンのうち約2千1百

トンが落札(落札率897)され落札価格は50817円トン

(対前年産比961)となりました(表Ⅲ-10)

なお国内産小麦については近年消費者の国産志向の高

まりなどを受け大手外食チェーンや2次加工メーカーが国

内産小麦を使用したパン中華麺等の商品を相次いで発表す

るなど人気が高まってきていますこれらを背景として平

成31年産小麦の落札価格は多くの銘柄で値幅制限の上限付

近となっておりまた申込倍数も14倍と高いものとなって

います

- 26 -

20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31

上場数量

(トン)①243510 243020 242310 251370 250980 244880 244320 234010 213360 221380 218500 214200

落札数量

(トン)②234930 238410 189350 247770 245320 220590 188240 192240 201140 214060 210560 204420

落札率

②①965 981 781 986 977 901 770 822 943 967 964 954

落札価格

(円トン)43229 59885 55241 48732 58340 49333 49319 49770 54164 51570 53624 61714

対前年産比 1064 1385 922 882 1197 846 1000 1009 1088 952 1040 1151

上場数量

(トン)①12240 13590 14210 13300 11760 11220 11290 11930 12210 12200 11750 11040

落札数量

(トン)②12050 13510 14040 13170 11550 10850 10900 11830 12090 12200 11440 10940

落札率

②①984 994 988 990 982 967 965 992 990 1000 974 991

落札価格

(円トン)45479 59709 53448 45871 46485 46453 46290 47595 47565 46880 46708 46560

対前年産比 1084 1313 895 858 1013 999 996 1028 999 986 996 997

上場数量

(トン)①10020 9690 10330 9290 9000 8700 7210 7620 7450 7620 6880 7810

落札数量

(トン)②8880 8920 8910 7990 7990 7830 6480 7130 6600 6700 6340 5600

落札率

②①886 921 863 860 888 900 899 936 886 879 922 717

落札価格

(円トン)36532 50492 46097 39649 40394 41582 42881 45740 47827 50442 53384 46923

対前年産比 1059 1382 913 860 1019 1029 1031 1067 1046 1055 1058 879

上場数量

(トン)①2910 3150 3030 3260 3060 2830 2840 2890 2740 2660 2570 2330

落札数量

(トン)②2910 3150 3030 3090 3020 2830 2810 2810 2520 2600 2470 2090

落札率

②①1000 1000 1000 948 987 1000 989 972 920 977 961 897

落札価格

(円トン)42222 58527 61489 52791 51905 52294 49656 47712 46547 48527 52876 50817

対前年産比 1063 1386 1051 859 983 1007 950 961 976 1043 1090 961

年産

小麦

小粒大麦(六条大麦)

大粒大麦(二条大麦)

はだか麦

平成31年産国内産食糧用小麦の入札結果をみると産地別銘柄別

の需給状況等を反映して落札価格に差が生じています

代表的な銘柄である北海道産「きたほなみ」は前年産の価格を

153上回る64752円トン香川県産「さぬきの夢2009」は前

年産の価格を152上回る73186円トンとなりましたまたパ

ン中華麺用の北海道産「ゆめちから」は前年産の価格を180

上回る62777円トン北海道産「春よ恋」は前年産の価格を

180上回る68792円トンとなりました(図Ⅲ-4図Ⅲ-5)

図Ⅲ-4 平成31年産国内産食糧用小麦の産地別銘柄別落札価格

資料農林水産省調べ注外国産小麦5銘柄加重平均価格は平成30年4月期の輸入小麦の政府売渡価格である

(2)平成31年産国内産食糧用小麦の産地別銘柄別落札価格の動向

資料農林水産省調べ注1国内産小麦の価格は(一社)全国米麦改良協会が実施する民間流通麦にかかる入札の第1回第2回

及び再入札の落札加重平均価格(税込み)年産の下段の( )内は当該第1回入札の実施年月である注2外国産小麦の価格は18年までは当該年度平均の実績価格であり19年以降は民間流通麦にかかる第

1回入札の実施年月時点での輸入小麦の政府売渡価格(5銘柄平均)である注3ホクシン(きたほなみ)については22年産までは「ホクシン」の価格であり23年産からは「きたほ

なみ」の価格である注4さぬきの夢については24年産までは「さぬきの夢2000」の価格であり25年産からは「さぬきの夢

2009」の価格である注5農林61号(さとのそら)については23年産までは「農林61号」の価格であり24年産からは「さとの

そら」の価格である

図Ⅲ-5 国内産食糧用小麦の産地別銘柄別落札価格の推移

- 27 -

(単位円トン税込み)

30000

60000

北海道ゆめちから 62777

福岡ミナミノカオリ 68393

滋賀農林61号 50763

茨城さとのそら 46310

佐賀チクゴイズミ 52193

岩手ゆきちから 39929

全銘柄落札加重平均 61714

香川さぬきの夢2009 73186

北海道きたほなみ 64752

外国産小麦5銘柄加重平均 54370

群馬さとのそら 48669

北海道キタノカオリ 63090

大分チクゴイズミ 48265

福岡シロガネコムギ 50643

佐賀シロガネコムギ 47998

40000

福岡チクゴイズミ 52203

滋賀ふくさやか 49534

岐阜イワイノダイチ 46874

埼玉さとのそら 47159

宮城シラネコムギ 44607

群馬つるぴかり 49785

北海道春よ恋 68792

愛知きぬあかり 50114

北海道はるきらり 60201

50000

埼玉あやひかり 46072

岐阜さとのそら 45919

70000

30000

40000

50000

60000

70000

80000

90000

100000

110000

120000

130000

12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 年産

(単位円トン税込み)

北海道ホクシン

香川さぬきの夢200973186円

茨城農林61号

香川さぬきの夢2000

茨城さとのそら

46310円

北海道きたほなみ

64752円

北海道ゆめちから

62777円

外国産小麦

5銘柄平均

54370円

北海道春よ恋

68792円

(128) (138) (148) (158) (168) (178)(1810) (199) (208)(2110)(2212) (239) (2410)(2510)(269)(279) (289) (299)(119) (309)

6 国内産麦の新品種の育成状況

(1)国内産麦については縞萎縮病抵抗性や耐倒伏性を備え

需要者等のニ-ズに合った新品種の開発が進められています

また作付け面積が1万haを超える「ゆめちから」「さとの

そら」をはじめ多数の品種が生産現場に導入されています

(図Ⅲ-6)

(2)今後とも赤かび病抵抗性や穂発芽耐性が高い小麦品種

小麦粉の色相や製粉性が優れる日本麺用小麦品種パンの膨

らみがカナダ産「1CW」並の小麦品種焼酎押麦味噌

などの加工適性が高い大麦品種等の開発を推進します

小麦品種「ゆめちから」及び「さとのそら」は優れた栽培特性

と加工適性を備えており作付けが拡大しています(平成29年

推定値「ゆめちから」約1万2千ha「さとのそら」約1万5

千ha)

パン用小麦品種の開発近年国産の小麦粉を使ったパンの需要増加に応えるためグルテンやでん粉の組成などパンの膨らみに関連する特性に注目した育種が進められていますその結果平成25年に製パン適性が「1CW」に近く多収の「せときらら」平成29年にはパン生地の力が強く穂発芽耐性や赤かび抵抗性が改良された「夏黄金」が育成されました

加工適性の高い大麦品種の開発機能性成分β-グルカンを多く含むもち性大麦の需要の高まりに応えるため平成29年に「はねうまもち」が育成されましたまた高品質なはだか麦の需要増加に対応して平成24年に味噌加工適性の高い「ハルヒメボシ」が育成されました

図Ⅲ-6 平成19年以降に育成された麦類の主な新品種

日本麺用小麦ゆめきらり

パン用小麦ゆめかおり福井県大3号

六条大麦ホワイトファイバー

北信越

日本麺用小麦あおばの恋

パン用小麦銀河のちから

東北

日本麺用小麦さとのそらきぬあかり

パン用小麦ゆめかおり

二条大麦とちのいぶき彩の星アスカゴールデンニューサチホゴールデン

六条大麦カシマゴール

はだか麦キラリモチ

関東東海

日本麺用小麦ふくはるかさぬきの夢2009

パン用小麦ゆめちからせときらら

はだか麦ハルヒメボシ

近畿中国四国

中華麺用小麦ちくしW2号

二条大麦煌二条白妙二条はるか二条トヨノホシ

九州

日本麺用小麦きたほなみ

中華麺用小麦つるきち

パン用小麦ゆめちからはるきらり

二条大麦札育2号

北海道

新品種のうち平成30年産で概ね100ha以上作付けされていると推定される品種を選定(農林水産省調べ)

- 28 -

7 国内産麦を利用した製品の動向

食料自給率の向上を図るためには国内産麦の需要開拓を行う

ことが必要です最近の消費者の国産志向の高まりや生産者と実

需者が一体となった地産地消の推進地域農業の振興を図る取り

組み等から国内産麦を使った麦製品(パン麺等)が増えてき

ており中には国内産麦を100使用した商品もあります(図Ⅲ-

7)

- 29 -

8 民間流通制度の運用改善

国内産麦の人気の高まりにより近年需要量が生産量を上回

る状況が継続しており国内産麦を積極的に使用したい実需者が

必要量を確保できない等の課題もあります

このような課題に対応するため民間流通連絡協議会において

入札上場比率の選択制の導入需要拡大推進枠設定の要件緩和

相対取引需要拡大推進枠において多様な取組が可能であること

の明確化等民間流通制度の運用改善が行われました(図Ⅲ-

8)

ピッツァ専用粉(北海道)(小麦)地元の製粉企業が北海道産小麦(きたほなみキタノカオリゆめち

から)を100使用した国内で初めてのピッツァ専用粉を開発平成30年2月に都内で試食会を開催し平成30年5月から販売

ピッツァ専用粉(群馬県)(小麦)地元の製粉企業が地元のピッツァ専門店ピッツァ窯メーカーと協力

して品質改良を重ね群馬県産小麦(さとのそらつるぴかりきぬの波)を100使用したピッツァ専用粉を平成30年4月から発売ピッツァイベントやイタリアン食材の展示会に出展

学校給食用パン(東京都)(小麦)都学校給食会の「学校給食パン加工規格」による配合基準に基づき国

内産小麦を100使用した学校給食パンを平成27年度から都内の一部の小中学校で提供を開始平成28年度からは都内全域の規格として採用

〇 市販用中華麺(愛知県)(小麦)地元の製粉企業が自社製品として愛知県産小麦きぬあかりを100使用

した中華麺を平成30年6月から自社通販で販売平成30年8月から一般販売を開始

フランスパン用粉(佐賀県)(小麦)近県製粉企業が農研機構と共同で育成した九州地域等の暖地温暖地

向けのフランスパン加工適性に優れる準強力小麦品種「さちかおり」を100使用したフランスパン用粉を平成30年8月から発売

市販用ゆで麺(長崎県)(小麦)地元の製麺企業近県製粉企業県生麺協同組合JA県等が連携し

平成26年3月に「長崎県育成麦活用開発協議会」を立ち上げ長崎県産長崎W2号(商標登録名長崎ちゃん麦)を100使用したちゃんぽん用のゆで麺を平成29年4月に製品化原料小麦の生産量が整った段階での本格販売を予定

もち性大麦を使用した機能性表示食品(静岡県)(大麦)地元の精麦企業が国内産もち性大麦でβ-グルカン量の多い銘柄を使用し

炊飯用精麦を製品化機能性表示食品として平成29年1月に届出し十分な原料を手当でき次第随時販売予定

〇 もち性大麦を使用したシリアル(愛知県)(大麦)地元の精麦企業が食物繊維が20を超える愛知県産もち性大麦「ワキ

シーファイバー」を使用した国内産もち麦100シリアルを開発平成30年4月から販売開始

図Ⅲ-7 国内産麦を100使用した商品事例

図Ⅲ-8 民間流通制度の運用改善のポイント

0

50

100

150

200

250

300

350

400円千人

大手製パンメーカーA社が国内産小麦100使用の新製品を発売

大手製食品スーパーB社が国内産小麦100使用の新製品をPBで発売

大手製パンメーカーA社が国内産小麦100使用の製品を初めて発売

(参考)国内産小麦を利用した製品の販売状況

(1)国内産小麦100使用の食パンの販売額

大きなシェアを占めるにはいたっていないものの国内産

小麦を100使用した食パンの販売金額の推移を見ると新製

品が登場する度に国内産小麦100使用の食パン市場が拡大し

ています(図Ⅲ-9)

図Ⅲ-9 国内産小麦100使用の食パンの販売額の推移(首都圏)

資料日本経済新聞デジタルメディア社による首都圏のスーパーマーケットなど100店舗におけるPOSデータに基づき農林水産政策研究所において集計

注食パンのうち国内産小麦を100使用していることが明らかな製品のみ計上菓子パン等は含んでいない

表Ⅲ-11 生麺ゆで麺(チルド)の販売金額のシェア(首都圏平成30年)

資料日本経済新聞デジタルメディア社による首都圏のスーパーマーケットなど120店舗におけるPOSデータに基づき農林水産政策研究所において集計

(2)生麺ゆで麺(チルド)の販売金額

生麺ゆで麺全体で上位15製品の売上高に占める国内産

小麦使用表示のある製品のシェアは30となっていますま

た主要な麺製品のうどんラーメン冷やし中華焼そば

全てで国内産小麦使用製品がランクインしています(表Ⅲ

-11)

2013年 2014年 2015年 2016年 2017年 2018年 2019年

                      (単位)

製品の種類製造企業の規模産地表示販売金額シェア

焼そば大手製品(国内産小麦使用表示なし) 99そば大手製品(国内産小麦使用表示なし) 27冷やしラーメン大手製品(国内産小麦使用表示なし) 20うどん大手製品(北海道産小麦使用表示あり) 20ラーメン大手製品(北海道産小麦使用表示あり) 14冷やし中華大手製品(国内産小麦使用表示なし) 14うどん大手製品(国内産小麦使用表示あり) 13焼そば大手製品(国内産小麦使用表示なし) 12焼うどん大手製品(国内産小麦使用表示なし) 12うどん大手製品(国内産小麦使用表示あり) 11焼そば大手製品(国内産小麦使用表示あり) 11そうめん大手製品(国内産小麦使用表示あり) 10うどんPB製品(北海道産小麦使用表示あり) 10つけ麺大手製品(国内産小麦使用表示なし) 10冷麺中小製品(国内産小麦使用表示なし) 10

303

14

89

15上位15製品の売上高に占める国内産小麦使用表示のある製品の

シェア

順位

1

10111213

234567

- 30 -

図Ⅲ-10 外食産業等と連携した農産物の需要拡大対策事業(麦類)

9 国内産麦の需要拡大イベント及び情報発信の取組

近年生産者と実需者等が連携し国内産麦を使用した製品が

数多く開発販売されており各地でイベント等の需要拡大の

取組みが行われております

また農林水産省としては平成30年度産地と外食事業者等

が連携して行う国内産麦を活用した新商品の開発試作製

造するために必要な取組を支援する「外食産業等と連携した農

産物の需要拡大対策事業」を一般社団法人全国米麦改良協会を

実施主体として行っているところです

農林水産省のホームページにおいてこれらのイベント等につい

て情報発信を行うとともに一般社団法人全国米麦改良協会が

開設している国産麦応援情報ホームページでの情報提供等を

行っています(図Ⅲ-10~12)

「国内産麦使用試作品全国統一試食会商談会」開催日平成31年2月12日~19日(土日を除く)場 所むぎくらべ(東京都千代田区神田小川町)

内 容平成29年度補正予算事業「外食産業等と連携した農産物の需要拡大対策事業」の一環として行われた国内産麦を使用した試作品の試食会商談会

「国内産麦使用試作品全国統一試食会商談会」で出品された試作品

- 31 -

第8回全国ご当地うどんサミットin 熊谷 開催日平成30年11月10日~11日 場 所熊谷スポーツ文化公園にぎわい広

場(埼玉県) 内 容全国の国内産小麦を使用した「ご

当地うどん」が一堂に集まりグランプリを決定

図Ⅲ-11 全国各地で開催されたイベント 図Ⅲ-12 一般社団法人 全国米麦改良協会の取組

国産麦応援情報ホームページ「日本の麦の底力」内容国産小麦粉ブランド名鑑国産小麦の逸品イベント情報研究

情報等を掲載URL httpnihonnomugicom

北海道小麦キャンプ2018 in オホーツク 開催日平成30年7月10日~11日 場 所ホテル黒部を主会場としたオホーツ

ク管内(北海道) 内 容国内産小麦北海道産小麦の魅力

を全国に広めることを目的にバスツアーやパン講習会などを実施

麦わらぼうしフェスタ 開催日平成30年11月4日 場 所笠原産業株式会社(栃木県) 内 容国内産小麦を使用したうどんパン

などの試食販売うどん教室などを実施

第7回 信州粉もん祭り 開催日平成30年11月11日 場 所JAながの ちくま埴生支所(長野県) 内 容長野県産小麦を使用した「粉もん料

理」が大集合粉もん試食会や手打ちうどん講習会 などを実施

国内産麦アンテナショップ「むぎくらべ」内容国内産麦を使用した商品のPRと販売の場を提供するものとして

平成30年7月東京都千代田区にオープン

- 32 -

オープニングセレモニーには上月前農林水産大臣政務官(写真中央)も出席

10 食料農業農村基本計画における麦の位置付け

平成27年3月31日に平成37年度を目標とする「食料農業

農村基本計画」が閣議決定され小麦は95万トン大麦はだ

か麦は22万トンの生産努力目標が設定されています(表Ⅲ-

12)

食料消費の見通し 生産努力目標(万トン) 克服すべき課題

1人1年当たり消費量

(kg人年)

国内消費仕向量

(万トン)

平成25年度

平成37年度

平成25年度

平成37年度

平成25年度

平成37年度

小麦 33 32 699 611 81 95

国内産小麦の需要拡大に向けた産地形成やブランド化

実需者ニーズに対応した生産流通体制の確立

新品種新技術の開発導入輪作体系の最適化排水対策等による収量品質の高位安定化

農地の集積集約化経営規模の拡大に対応した省力化に資する技術の開発導入等による生産コストの低減

大麦はだか麦

03 02 208 213 18 22

外国産大麦が多く用いられている焼酎用等の国内産麦の需要拡大

実需者ニーズに対応した生産流通体制の確立

新品種新技術の開発導入輪作体系の最適化排水対策等による収量品質の高位安定化

農地の集積集約化経営規模の拡大に対応した省力化に資する技術の開発導入等による生産コストの低減

表Ⅲ-12 麦の平成37年度における食料消費の見通し及び生産努力目標

資料「食料農業農村基本計画」(平成27年3月閣議決定)注1)国内消費仕向量には飼料用等の食糧用以外の用途への仕向量を含む

2)大麦はだか麦の国内消費仕向量及び生産努力目標にはビール大麦を含む

- 33 -

Ⅳ 米粉に関する動向

1 生産動向

米粉用米の生産量は平成25年産以降2万トン前後で推移していましたが平成29年度以降は約3万トンまで回復しています(表Ⅳ-1)

2 需要拡大に向けた対応

米粉用米の利用量は平成24年度以降年間2万数千トンで推移していましたがグルテンを使用しない米粉商品の開発や新たな米加工品(α化米粉米ゲルなど)の保湿性や粘性に着目した商品の開発「米粉の用途別基準」や「ノングルテン米粉製品第三者認証制度」の運用開始により平成29年度は25千トン30年度は31千トンに増加しています(表Ⅳ-2)

今後の更なる国内海外の需要拡大のためノングルテン米粉や用途別基準に適合する高品質な日本産米粉の流通を契機とした魅力ある新商品の開発や日本産米粉の優位性の情報発信等を推進する必要があります

表Ⅳ-1 上位5県の米粉用米の生産量と作付面積の推移

(参考) 米粉及び小麦粉の販売価格(税抜き)

米粉100~290円kg程度

(小麦粉 100円kg程度)

注1)平成26~29年度については新規需要米取組計画を認定した全需要者からの聞き取り注2)平成30年度については新規需要米取組計画を認定した主要な需要者からの聞き取り

により推計

表Ⅳ-2 米粉用米の利用量(需要者からの聞き取り)

- 34 -

資料26~29年産は新規需要米生産集出荷数量30年産は新規需要米取組計画

認定数量(農林水産省)

(単位千トン)

26年度 27年度 28年度 29年度 30年度見込

22 23 23 25 31

(単位千トン千ha)

26年産 27年産 28年産 29年産 30年産

生産量 59 97 87 130 107作付面積 11 18 15 24 19生産量 10 10 09 30 31作付面積 02 02 02 06 06生産量 08 10 00 19 30作付面積 01 02 00 03 06生産量 10 12 12 12 16作付面積 02 03 02 02 03生産量 20 24 07 12 13作付面積 03 04 01 02 02生産量 184 230 190 284 281作付面積 34 42 34 53 53

秋田県

全国計

新潟県

埼玉県

栃木県

群馬県

農林水産大臣は米穀の新用途への利用の促進に関する基本方針を定める

生産製造連携事業計画

生産者 製造事業者 促進事業者

必須

米穀の新用途への利用の促進に関する法律

米穀の新用途への利用の促進に関する基本方針

関係者が連携して計画を作成米穀の新用途への利用の促進に関する基本方針に照らし適切な計画について農林水産大臣が認定(計画期間は3~5年)

図Ⅳ 米粉用米に対する支援措置

3 米粉用米に対する支援

① 米粉用米についてはその利用の拡大を図るために平成21年に「米穀の新用途への利用の促進に関する法律」が制定されました同法に基づく「生産製造連携事業計画」の認定を受け「農山漁村

活性化計画」の採択を受けた取組に対して米粉用米の生産加工に必要な施設整備等の支援を行っています

② 米粉用米の生産者に対しては水田活用の直接支払交付金による支援を行っていますまたノングルテン米粉表示や米粉の用途別基準により需要者ニーズに合った高品質な米粉の製造や輸出拡大の取組を支援しています

③ 平成31年度は国内海外の需要獲得に向け引き続き魅力ある新商品開発を推進するほか日本産米粉の優位性の情報発信やノングルテン米粉の製造手法マニュアルの作成など輸出を含めた日本産米粉の需要拡大に向けた取組を支援していくこととしています

予 算 措 置

【水田活用の直接支払交付金】水田を活用して米粉用米等の作物を生産する農業者に対し交付金を直接交付 (米粉用米収量に応じ55万円~105万円10a)

【農山漁村振興交付金】米粉飼料用米の生産加工に係る施設整備に対し交付金を交付(補助率定額12)

【持続的生産強化対策事業】

日本産米粉の優位性の情報発信ノングルテン米粉の製造手法マニュアルの作成米粉用米生産者と製造事業者とのマッチング

等の取組を支援

金 融 措 置

【日本政策金融公庫による低利融資】(食品安定供給施設整備資金)

米粉製造施設米粉を原料とした食品の製造加工施設等への融資

(輸出を含めた日本産米粉の需要拡大支援事業)

(補助率定額)

【外食産業等と連携した需要拡大対策事業】

国産農林水産物食品の輸出等需要フロンティアの開拓を図るため産地と複数年契約を締結する民間企業(外食加工業者)に対し国産農林水産物を活用した新商品の開発やそれに必要な技術開発等を支援 (補助率定額12)

- 35 -

【農林水産物食品輸出促進緊急対策事業】コメ海外市場拡大戦略プロジェクトに参加する輸出産地や輸出事業者等が連携して戦略的に取り組む中国等の海外市場開拓プロモーション等を支援

(補助率定額12)

品目 現在の関税率 合意内容

小麦

枠内税率無税+マークアップ

枠外税率55円kg

現行の国家貿易制度を維持するとともに枠外税率(55円kg)を維持

既存のWTO枠に加え米国(15万(7年目以降))【不適用】カナダ(53万(同))豪州(5万(同))にSBS方式の国別枠を設定

マークアップを9年目までに45削減

大麦

枠内税率無税+マークアップ

枠外税率39円kg

現行の国家貿易制度を維持するとともに枠外税率(39円kg)を維持

既存のWTO枠に加えSBS方式のTPP枠(65万(9年目以降))を設定

マークアップを9年目までに45削減

1 TPP11協定概要(麦)(平成30年12月30日発効)

Ⅴ TPP11及び日EUEPAの協定概要(麦関係)

(参考主な麦製品)

現在の関税率合意内容

税率 枠数量

いった小麦小麦粉等

(国家貿易品目)

枠内税率125~25+マークアップ

枠外税率85~134円kg

枠内即時無税+マークアップ

(枠外税率は維持)

(発効時) (6年目)125千rarr175千

ベーカリー製品製造用

小麦粉調製品16~24

枠内即時無税(枠外税率は維持)

(発効時) (6年目)米国 105千rarr12千【不適用】米国以外 68千rarr 8千

その他小麦粉調製品

16~28枠内即時無税

(枠外税率は維持)(発効時) (6年目)15千rarr225千

マカロニスパゲティ

30円kg9年目までに60削減

ビスケット 1315 6年目に無税 -

注1)いった小麦とは小麦をいったものであり主にシリアル食品等に使用される

2)その他小麦粉調製品とは製麺まんじゅう等のベーカリー製品以外の製造用の

小麦粉調製品である

- 36 -

2 日EUEPA協定概要(麦)(平成31年2月1日発効)

品目 現在の関税率 合意内容

小麦

枠内税率無税+マークアップ

枠外税率55円kg

現行の国家貿易制度を維持するとともに枠外税率(55円kg)を維持

既存のWTO枠に加えSBS方式のEU枠(270(7年目以降))を設定

枠内のマークアップを9年目までに45削減

大麦

枠内税率無税+マークアップ

枠外税率39円kg

現行の国家貿易制度を維持するとともに枠外税率(39円kg)を維持

既存のWTO枠に加えSBS方式のEU枠(30(即時))を設定

枠内のマークアップを9年目までに45削減

(参考主な麦製品)

現在の関税率合意内容

税率 枠数量

いった小麦小麦粉等

(国家貿易品目)

枠内税率125~25+マークアップ

枠外税率85~134円kg

枠内即時無税+マークアップ

(枠外税率は維持)

(発効時) (6年目)38千rarr44千

ベーカリー製品製造用

小麦粉調製品16~24

枠内即時無税(枠外税率は維持)

(発効時) (6年目)104千rarr142千

その他小麦粉調製品

16~28枠内即時無税

(枠外税率は維持)(発効時) (6年目)

2千rarr3千

マカロニスパゲティ

30円kg 11年目に無税 -

ビスケット 1315 6年目に無税 -

注1)いった小麦とは小麦をいったものであり主にシリアル食品等に使用される

2)その他小麦粉調製品とは製麺まんじゅう等のベーカリー製品以外の製造用の

小麦粉調製品である

(参考) 麦の国境措置

小 麦 大 麦

輸入数量

価格

輸入数量

価格

政府売渡価格

マークアップ(輸入差益)

452円kgを上限

輸入価格

(枠内税率0円kg)

枠内輸入(国家貿易) 枠外輸入

(民間貿易)枠外税率を支払って輸入された数量(平成29年度)12千トン

WTOカレントアクセス数量5740千トン

枠外税率55円

政府売渡価格

輸入価格(枠内税率0円kg)

WTOカレントアクセス数量1369千トン

枠内輸入(国家貿易) 枠外輸入(民間貿易)

枠外税率を支払って輸入された数量(平成29年度)06千トン

枠外税率39円

民間貿易の場合の輸入価格

民間貿易の場合の輸入価格

286円kgを上限

マークアップ(輸入差益)

- 37 -

  • スライド番号 1
  • スライド番号 2
  • 麦の参考資料 麦の需給に関する見通し(動向編)
  • スライド番号 4
  • スライド番号 5
  • スライド番号 6
  • スライド番号 7
  • スライド番号 8
  • スライド番号 9
  • スライド番号 10
  • スライド番号 11
  • スライド番号 12
  • スライド番号 13
  • スライド番号 14
  • Ⅱ 小麦粉麦製品の生産と価格の動向
  • スライド番号 16
  • スライド番号 17
  • スライド番号 18
  • スライド番号 19
  • スライド番号 20
  • スライド番号 21
  • スライド番号 22
  • スライド番号 23
  • スライド番号 24
  • スライド番号 25
  • スライド番号 26
  • スライド番号 27
  • スライド番号 28
  • スライド番号 29
  • スライド番号 30
  • スライド番号 31
  • スライド番号 32
  • スライド番号 33
  • スライド番号 34
  • スライド番号 35
  • スライド番号 36
  • スライド番号 37
  • スライド番号 38
  • スライド番号 39
  • スライド番号 40
  • スライド番号 41
Country Attribute Commodity 20042005 20052006 20062007 20072008 20082009 20092010
World Production (1000 MT) Barley 152674 136756 137430 133168 153539 0
Corn 715732 699101 712375 791492 791039 0
Millet 30947 32455 33529 34951 35619 0
Mixed Grain 16885 15213 13063 14616 15057 0
Oats 25667 23861 23163 25577 26191 0
Rice Milled 401435 418487 420633 431309 439081 0
Rye 17002 14492 12382 14245 17176 0
Sorghum 57529 58365 56628 63533 63792 0
Wheat 625700 620044 596101 610188 682865 0
Wheat Durum 0 0 0 0 3680 0
2043571 2018774 2005304 2119079 2228039
Exports (1000 MT) Barley 15098 18231 15328 15708 20175 0
Corn 77643 80966 93799 95466 76877 0
Oats 1901 1930 2114 2830 2304 0
Rye 854 610 709 556 560 0
Sorghum 5403 5379 5461 9237 4902 0
Wheat 111235 116756 111201 115377 123881 0
240641 254246 259958 269594 258464
TY Exports (1000 MT) Barley 16989 17428 14516 18412 19190 0
Corn 75964 82580 91199 96027 77925 0
Oats 1955 2254 2184 2742 2300 0
Rye 974 622 661 481 560 0
Sorghum 5366 5496 5780 8802 4950 0
Wheat 113210 113872 115500 115492 125165 0
243637 251744 261908 271184 259660
Exports (1000 MT) Rice Milled 28507 30374 31346 30420 29765 0
TY Exports (1000 MT) Rice Milled 29179 29492 32068 29228 29570 0
Domestic Consumption (1000 MT) Barley 143271 139989 144389 135872 142892 0
Corn 688190 704591 725361 773235 783288 0
Millet 30947 32855 33489 34941 35619 0
Mixed Grain 15972 15331 14092 14255 14515 0
Oats 25318 24233 23552 24709 25192 0
Rice Milled 406828 412171 418290 424999 432423 0
Rye 17595 15748 13870 14419 15498 0
Sorghum 57794 58004 56327 63305 62231 0
Wheat 605365 617369 619124 614865 652947 0
1991280 2020291 2048494 2100600 2164605
Ending Stocks (1000 MT) Barley 32783 28641 21070 18259 28244 0
Corn 131811 124624 108845 128218 136033 0
Millet 600 200 240 250 250 0
Mixed Grain 1654 1536 507 868 1410 0
Oats 3550 3126 2813 3395 4316 0
Rice Milled 73152 75676 75391 78687 82659 0
Rye 3882 2639 1065 756 2437 0
Sorghum 4297 4524 4117 4418 5752 0
Wheat 150972 147636 127009 119371 148362 0
Wheat Durum 0 0 0 0 3680 0
402701 388602 341057 354222 413143
小麦の国際需給状況 コムギ
(単位百万トン)
200607 200708 200809 200910
年   度 (平成18年) ヘイセイネン (平成19年) ヘイセイネン (平成20年) ヘイセイネン (平成21年) ヘイセイネン
見込 予測
生 産 量 ショウサンリョウ 5957 6104 6827 6780
消 費 量 ケヒリョウ 6165 6169 6404 6468
期 末 在 庫 1298 1233 1656 1968
期末在庫率() 211 200 259 304
貿 易 量 リョウ 1116 1172 1430 1251
貿 易 比 率() 187 192 209 185
大麦の国際需給状況 オオ 穀物の国際需給状況 コクモツ
(単位百万トン) (単位百万トン)
200809 200910 201011 201314 201415 201516 201617 201718 201819 200506 200607 200708 200809 200910
(平成20年) ヘイセイネン 年   度 (平成21年) ヘイセイネン (平成22年) ヘイセイネン (平成25年) ヘイセイネン (平成26年) ヘイセイネン (平成27年) ヘイセイネン (平成28年) ヘイセイネン (平成29年) ヘイセイネン (平成30年) ヘイセイネン 年   度 (平成17年) ヘイセイネン (平成18年) ヘイセイネン (平成19年) ヘイセイネン (平成20年) ヘイセイネン (平成21年) ヘイセイネン
見込 ミコ 予測 見込 予測
1550 生 産 量 ショウサンリョウ 1508 1231 1443 1420 1498 1471 1437 1407 生 産 量 ショウサンリョウ 20176 20029 21230 22346 22185
1439 消 費 量 ケヒリョウ 1448 1362 1411 1425 1477 1503 1472 1418 消 費 量 ケヒリョウ 20216 20444 20952 21416 21879
315 期 末 在 庫 375 243 250 242 263 230 195 184 期 末 在 庫 3902 3435 3652 4474 4729
219 期末在庫率() 259 179 177 170 178 153 133 130 期末在庫率() 193 168 174 209 216
182 貿 易 量 リョウ 173 152 239 290 308 283 273 258 貿 易 量 リョウ 2534 2608 2756 2843 2662
117 貿 易 比 率() 115 123 166 204 206 193 190 183 貿 易 比 率() 126 130 130 127 120
穀物の国際需給状況 コクモツ
(単位百万トン)
2004 2005 2006 2007
年   度 05 06 07 08
見込 予測
【穀 物 計】 コクブツケイ
生 産 量 ショウサンリョウ 20189 20050 21167 21950
消 費 量 ケヒリョウ 20334 20533 21106 21741
期 末 在 庫 3886 3403 3464 3673
期末在庫率() 191 166 164 169
【うち小麦】 ショウムギ
生 産 量 ショウサンリョウ 6209 5963 6109 6763
消 費 量 ケヒリョウ 6242 6169 6195 6549
期 末 在 庫 1477 1271 1185 1399
期末在庫率() 237 206 191 214
Page 12: 麦の参考資料 - maff.go.jp · 2020-03-31 · 2014/15 2015/16 2016/17 2017/18 2018/19 (平成26年) (平成27年) (平成28年)(平成29年)(平成30年) 見込

Sheet1

図Ⅰ-3 穀物の国際価格

注1)小麦とうもろこし大豆の価格はシカゴ商品取引所における各月第1金曜日の期近価格

2)1ブッシェル≒(大豆小麦272kgとうもろこし254)

3)図右端の数値は平成31年3月1日時点のものである

- 5 -

大豆

90

小麦

45

とうもろこし

36

(2)小麦の国際価格の動向

小麦の国際価格は主産地である北米豪州欧州黒

海沿岸地域等における天候及び作柄の変化にこれまで大

きく影響を受けています

直近では2018年(平成30年)7月中旬以降ロシア

EU等の乾燥による生産減少懸念等から上昇したもののそ

の後は世界的に潤沢な供給量等を背景に全体的に軟調に

推移し2019年(平成31年)3月上旬現在のシカゴ小麦先

物相場は4ドルブッシェル台半ばとなっています(図

Ⅰ-3)

10

30

50

70

H261 H267 H271 H277 H281 H287 H291 297 H301 307 H311

(3)為替の動向

日本円と米国ドルの為替は平成30年以降円安基調で推

移し平成31年に入ってからは一時円高となりましたが3

月上旬では113円ドル程度で推移しています(図Ⅰ-4)

(4)海上運賃の動向

海上運賃は平成28年以降上昇傾向で推移してきました

が平成30年11月からは燃料油価格の下落を受けて軟調に推

移しています(図Ⅰ-5)

- 6 -

図Ⅰ-4 為替の推移

資料三菱東京UFJ銀行の公表資料注図右端の数値は平成30年3月4日時点のものである

資料TRAMP Data Service Co Ltd 「WORLD MARITIME ANALYSIS WEEKLY REPORT」注1)2万トン級のフレート

2)図右端の数値は平成30年3月4日時点のものである

図Ⅰ-5 海上運賃の推移

図Ⅰ-4 為替の推移

円米ドル

ドルトン

70

80

90

100

110

120

130

H261 H267 H271 H277 H281 H287 H291 H297 H301 H307 H311

表Ⅰ-6 外国産食糧用小麦の銘柄別輸入量

注1)数量は決算ベース2)四捨五入の関係で計と内訳が一致しない場合がある3)( )内の数量はSBS方式により輸入された数量で内数である

4 外国産食糧用麦の輸入状況

外国産食糧用麦については国内産食糧用麦では量的又は質的に満たせない需要分について政府が国家貿易により計画的に輸入し需要者に売り渡しています現在の主な輸入先国はアメリカカナダ豪州の3か国と

なっています

(1)小麦

外国産食糧用小麦の輸入量は国内産小麦の作柄や輸出国

における輸送状況等により変動し近年は450万~520万トン

程度で推移しています(表Ⅰ-6)

(2)大麦及びはだか麦

外国産食糧用大麦及びはだか麦の輸入量は近年は20万~

25万トン程度で推移しています(表Ⅰ-7)

(単位千トン)

- 7 -

注1)数量は決算ベース

2)四捨五入の関係で計と内訳が一致しない場合がある

表Ⅰ-7 外国産食糧用大麦及びはだか麦の銘柄別輸入量(単位千トン)

ウェスタンホワイト 610 775 683 631 (23) 711

ハードレッドウィンター(115) 727 855 790 807 891

ダークノーザンスプリング 877 1245 850 831 (59) 1198

その他 (1) 28 (1) 1 (3) 3 (6) 6 (16) 16

計 (1) 2242 (1) 2877 (3) 2327 (6) 2276 (98) 2815

ウェスタンレッドスプリング 1228 1258 1527 1547 1355

デュラム (210) 210 (222) 222 (219) 219 (175) 193 (186) 186

その他 (3) 3 (3) 3 (1) 1 (1) 1 (2) 2

計 (213) 1441 (225) 1484 (220) 1747 (176) 1742 (188) 1543

スタンダードホワイト 759 794 737 755 797

プライムハード (83) 83 (83) 83 (84) 84 (64) 64 (80) 80

その他 (0) 2 (0) 0 (28) 28 (5) 15 (0) 0

計 (83) 844 (83) 877 (111) 848 (68) 833 (80) 877

(6) 6 (7) 7 (7) 7 (8) 8 (6) 6

(304) 4532 (316) 5245 (343) 4929 (259) 4858 (372) 5242

豪州

その他

26

合  計

平成25年度 28 2927

アメリカ

カナダ

25 26 27 28 29

二条大麦 - 1 1 1 11

六条大麦 1 2 1 2 2

はだか麦 2 3 2 8 20

計 3 5 4 11 33

二条大麦 15 13 9 14 7

六条大麦 39 53 46 40 36

はだか麦 1 1 2 4 5

計 54 67 58 58 48

二条大麦 146 174 168 180 152

はだか麦 - - 0 0 1

計 146 174 168 180 153

- - 2 2 2

203 245 232 250 236合 計

年度

アメリカ

カナダ

豪州

その他

図Ⅰ-6 政府売渡価格の構成

5 外国産食糧用麦の売渡方式

(1)外国産食糧用小麦の政府売渡

外国産食糧用小麦の政府売渡については平成19年4月以降輸入価格(過去の一定期間における輸入価格の平均値)にマークアップ(政府管理経費及び国内産小麦の生産振興対策に充当)を上乗せした価格で売り渡す「相場連動制」に移行しました(表Ⅰ-8図Ⅰ-6)

表Ⅰ-8 政府売渡価格改定ルール

項 目 基本的なルール

価格改定 現在年2回(4月期10月期)

買付価格算定期間 直近6か月間

- 8 -

輸入価格

政府売渡価格

小麦の国際価格や海上運賃為替等により変動

マークアップ

(輸 入 差 益)

港 湾 諸 経 費

買 付 価 格

(3)食糧麦備蓄対策事業

即時販売方式の導入後は製粉企業等が23か月分の外国産

食糧用小麦の備蓄を行った場合国が18か月分の保管経費を

助成しています(図Ⅰ-7)

また不測の事態が生じた場合には国は製粉企業等に

対して備蓄する外国産食糧用小麦の取崩しの指示等を行い

ます

図Ⅰ-7 食糧麦備蓄対策事業のスキーム(2)即時販売方式

外国産食糧用小麦の売渡しについては平成22年10月以降輸入した小麦を直ちに製粉企業等に販売し製粉企業等が一定期間備蓄することとなっています

- 9 -

6 外国産食糧用小麦の政府売渡価格の動向

外国産食糧用小麦の政府売渡価格は穀物の国際相場や海上

運賃為替等の動向を反映した買付価格に連動して年2回改

定されています

平成30年10月期の政府売渡価格は輸入小麦の平均買付価格

(平成30年3月第2週~9月第1週)が①米国及び豪州の一

部の地域の乾燥による減収懸念等から小麦の価格が上昇②燃

料油価格の影響により海上運賃が上昇したことにより前期

に比べ上昇したことから5銘柄加重平均(税込価格)で

55560円トン対前期比22の引上げとなりました

また平成31年4月期の政府売渡価格は輸入小麦の平均買

付価格(平成30年9月第2週~平成31年3月第1週)が①小

麦の国際価格に大きな変動がない中②為替は円安傾向であっ

たものの海上運賃が下落したことにより前期に比べ低下し

たことまたTPP11協定に基づきカナダ豪州産小麦

にマークアップの引下げを適用したことから5銘柄加重平均

(税込価格)で54630円トン対前期比17の引下げとなり

ました(表Ⅰ-9)

表Ⅰ-9 外国産食糧用小麦の政府売渡価格

注1)5銘柄加重平均価格は税込み価格である2)5銘柄とはアメリカ産ダークノーザンスプリング(主にパン中華麺用)カ

ナダ産ウェスタンレッドスプリング(主にパン用)アメリカ産ハードレッドウィンター(主にパン中華麺用)オーストラリア産スタンダードホワイト(主に日本麺用)アメリカ産ウェスタンホワイト(主に菓子用)

時 期5銘柄加重平均価格

(円トン)対前期比()

平成29年4月期 50690 +46

平成29年10月期 52510 +36

平成30年4月期 54370 +35

平成30年10月期 55560 +22

平成31年4月期 54630 17

- 10 -

Ⅱ 小麦粉麦製品の生産と価格の動向

資料平成21年度までは農林水産省「米麦加工食品生産動態統計調査年報」平成22年度からは農林水産省「食品産業動態調査」及び農林水産省「製粉精麦工場需給実績報告」平成21年度以降の麦茶の生産量については全国麦茶工業協同組合調べ

注1)麺類及びパン類の生産量は小麦粉使用量でその他は製品生産量である2)小麦粉精麦及び麦茶の生産量は年度の計でありその他は暦年の計である

(単位千トン)

表Ⅱ-1 小麦粉麦製品の生産量の推移

1 小麦粉麦製品の生産量

小麦粉の生産量は460万~470万トンで安定的に推移してい

ます(表Ⅱ-1)

小麦の二次加工製品のうち

① パン類の生産量は平成22年以降プライベートブラン

ドの菓子パンや高価格帯食パンの人気等により堅調に推

移しています

② 麺類の生産量は平成23年には東日本大震災による即

席麺の需要増等から増加しましたその後冷凍麺や外食

産業での消費増等により平成30年は147万トンと増加し

ています

③ ビスケットの生産量は平成20年から26年までは24万ト

ン前後で推移しました平成27年は円安の影響による輸入

量の減少等に伴い増加しその後は25万トン程度で推移し

ています

焼酎みそ主食用に仕向けられる精麦の生産量は平成16

年度まで本格焼酎ブームにより増加傾向で推移しましたがそ

の後の焼酎用需要の低迷等により減少しました近年は主食用

の需要の伸びにより17万トン前後で推移しています

一方平成28年(2016年)以降健康志向等を背景に大麦及

びはだか麦の需要が増加しています特に水溶性食物繊維

(大麦β-グルカン)が豊富なもち性はだか麦の需要は平成

29年(2017年)半ば以降は落ち着いてきたものの引き続き高

い水準で推移しています(図Ⅱ-1 )

- 11 -

図Ⅱ-1 もち麦を使用した製品の販売額の推移(首都圏)

区分

前年 前年 前年 前年 前年 前年

増減率 増減率 増減率 増減率 増減率 増減率

年 (年度計) () (暦年計) () (暦年計) () (暦年計) () (年度計) () (年度計) ()

平成12 4623 01 1279 23 1421 09 223 19 161 45 49 89

13 4607 03 1272 05 1441 14 218 21 164 19 51 41

14 4591 03 1245 21 1421 13 210 39 177 75 51 00

15 4662 15 1247 01 1425 02 219 43 189 71 45 118

16 4667 01 1243 03 1414 08 214 20 212 118 47 44

17 4623 09 1232 09 1368 32 213 05 201 51 47 00

18 4599 05 1218 11 1324 32 218 24 196 25 47 00

19 4684 18 1211 06 1319 03 225 29 197 06 48 21

20 4564 26 1181 24 1277 32 240 70 173 120 50 42

21 4612 11 1179 02 1265 10 243 10 168 29 48 40

22 4725 25 1196 15 1251 11 241 06 161 45 52 83

23 4708 04 1215 16 1283 26 243 06 155 35 54 38

24 4654 11 1219 03 1269 11 239 14 164 60 55 19

25 4694 09 1226 06 1324 43 237 12 158 37 66 200

26 4683 02 1234 07 1371 35 244 33 162 25 66 00

27 4702 04 1234 00 1396 19 259 59 162 04 68 30

28 4683 04 1238 03 1409 09 258 05 169 44 60 118

29 4703 04 1254 13 1445 26 252 22 172 20 64 67

30 - - 1221 27 1473 19 259 30 - - - -

精麦 麦茶小麦粉 パン類 麺類 ビスケット

資料日本経済新聞デジタルメディア社による首都圏のスーパーマーケットなど119店におけるPOSデータに基づき農林水産政策研究所において集計

図Ⅱ-2 小麦粉麦製品の価格(消費者物価指数)の変化

資料総務省「消費者物価指数」(全国)

(参考) 家計に占める小麦関連製品の支出 (単位円世帯)

資料総務省「家計調査」(全国二人以上の世帯)

年間計(平成30年)

1か月平均

消 費 支 出 3447783 287315食 料 952172 79348

小 麦 関 連 製 品 計 82108 6842パ ン 30555 2546

め ん 類 17369 1447小 麦 粉 596 50

菓子類(ビスケット等) 11397 950調理食品(調理パン) 5352 446

外食(うどん等) 16839 1403

(平成27年=100)

2 小麦粉麦製品の価格の動向

小麦粉及び麦関連製品の価格は輸入小麦の政府売渡価

格の引上げ等による原材料費の上昇人件費や物流費の上

昇等の影響を受け平成30年以降小麦粉及びパンの価格

は上昇傾向にあります(図Ⅱ-2)

- 12 -

85

90

95

100

105

110

食料品総合 パン めん類 小麦粉

表Ⅱ-2 麦製品の輸入量の推移(参考1) 麦製品の輸入動向

(1)小麦粉調製品

小麦粉に砂糖脱脂粉乳等を混合した小麦粉調製品の輸

入量は平成11年以降デフレに伴う低価格品需要の拡大

により増加傾向で推移してきましたが麦の国際相場の

高騰に伴う輸入価格の上昇等により平成18年から平成20年

にかけて減少しましたその後も減少傾向で推移しており

平成30年は8万3千トンの輸入量となっています

(2)麦加工製品

①マカロニスパゲッティ

マカロニスパゲッティについては国内の全体需要が

増加する中で輸入量が増加傾向で推移してきました

平成30年は過去最高の輸入量であった前年からは減少

し13万8千トンとなっています

②ビスケット

ビスケットの輸入量は平成25年以降円安の影響を受

けて減少していましたが平成28年度以降増加傾向にあり

平成30年の輸入量は2万5千トンとなっています

資料財務省「貿易統計」注小麦粉調製品は穀粉が占める割合が85以下のものの輸入量

なお小麦粉調製品のうち加糖のものは一般に菓子類菓子パン類等の原料として利用され無糖のものは麺類等の原料として使用される

(単位千トン)

- 13 -

対前年 対前年 対前年 対前年 対前年

増減率 増減率 増減率 増減率 増減率

() () () () ()

平成12 107 118 85 92 97 26 45 95 108 11 123

13 121 126 75 99 81 27 51 93 25 13 209

14 126 131 35 102 30 29 52 101 94 15 142

15 116 133 13 101 06 31 82 108 63 21 400

16 108 136 28 98 32 38 222 112 35 25 219

17 110 140 26 98 01 42 90 110 17 24 49

18 116 139 09 99 12 39 59 110 02 24 23

19 118 117 155 87 128 30 224 104 49 23 56

20 104 100 144 72 173 29 60 127 219 18 221

21 94 102 23 73 15 30 42 116 85 17 83

22 88 107 40 73 07 33 119 121 36 19 173

23 80 108 12 78 59 30 90 134 115 22 143

24 80 106 16 78 02 28 63 142 58 22 07

25 97 100 53 73 64 28 25 133 68 18 182

26 105 98 21 73 02 25 83 133 03 17 74

27 121 94 40 69 55 25 03 132 08 14 166

28 109 91 32 65 58 26 40 145 99 19 348

29 112 92 05 65 02 27 14 150 32 24 296

30 110 83 92 59 85 24 110 138 75 25 23

国 名輸入割合()

国 名輸入割合()

国 名輸入割合()

国 名輸入割合()

国 名輸入割合()

韓国 409 韓国 528 シンガポール 442 イタリア 465 インドネシア 242

シンガポール 202 フランス 151 米国 126 トルコ 355 中国 205

フランス 114 シンガポール 105 韓国 114 米国 142 マレーシア 84

米国 75 中国 78 ニュージーランド 98 ギリシャ 20 ベトナム 63

中国 57 米国 55 豪州 69 アラブ首長国連邦 10 イタリア 55

国 名対前年増減率()

国 名対前年増減率()

国 名対前年増減率()

国 名対前年増減率()

国 名対前年増減率()

韓国 10 韓国 13 シンガポール 221 イタリア 107 インドネシア 202

シンガポール 124 フランス 92 米国 136 トルコ 45 中国 76

フランス 87 シンガポール 108 韓国 30 米国 09 マレーシア 245

米国 116 中国 546 ニュージーランド 87 ギリシャ 152 ベトナム 137

中国 543 米国 98 豪州 344 アラブ首長国連邦 135 イタリア 119

30

輸入上位5カ国

区分

為替レー

円ドル)

小麦粉調製品 麦加工製品

加糖のもの 無糖のもの マカロニスパゲッティ ビスケット

(参考2) 麦製品の輸出動向

麦製品の輸出量のうちその大部分を占める小麦粉の輸出量

は近年主要輸出先国の製粉技術の向上や現地製粉工場の立

上げ等により減少傾向で推移し平成30年は約16万トンとなっ

ています(表Ⅱ-3)

表Ⅱ-3 麦製品の輸出量の推移

資料財務省「貿易統計」

(単位トン)

- 14 -

対前年増減率()

対前年増減率()

対前年増減率()

309594 75 376 431 1028 375

321028 37 315 162 967 59

319968 03 253 197 953 14

318706 04 410 621 1052 104

304465 45 328 200 769 269

289911 48 1054 2213 719 65

290033 00 1196 135 762 60

255377 119 1150 38 1098 441

187040 268 743 354 1198 91

185403 09 822 106 898 250

196183 58 770 63 974 85

191480 24 607 212 698 283

192598 06 598 15 780 117

168205 127 573 42 769 14

166311 11 571 04 861 120

157938 50 553 32 1249 451

158896 06 549 07 1287 30

167600 55 532 32 778 395

163640 24 535 06 894 148

国 名輸出割合

() 国 名輸出割合

() 国 名輸出割合

()

香港 496 香港 888 中国 483シンガポール 207 中国 43 香港 314ベトナム 96 韓国 21 台湾 64

タイ 59 米国 17 ベトナム 37台湾 58 台湾 11 シンガポール 29

国 名対前年増減率() 国 名

対前年増減率() 国 名

対前年増減率()

香港 175 香港 26 中国 251シンガポール 583 中国 62 香港 329ベトナム 135 韓国 437 台湾 59

タイ 81 米国 1047 ベトナム 418台湾 47 台湾 261 シンガポール 449

24

30

輸出上位5カ国

25

181920212223

2627282930

17

  区分

小麦粉マカロニスパゲッティ

スイートビスケット

平成1213141516

(参考3) 麦製品の生産動向

麦製品の生産量は食パンや乾麺のように生産量が減少している製品もある一方で菓子パンや即席麺冷凍麺のように生産量が増加している製品もあることから使用される小麦粉の数量は平成22年以降概ね横ばい傾向で推移しています麦製品は食生活の多様化や簡便性といった消費者ニーズを

捉えつつ継続した新製品の開発がなされており新たな定番となる商品の登場や期間限定の商品やイベントなどが消費者の購買を促進していると考えられます(図Ⅱ-3表Ⅱ-4)

表Ⅱ-4 麦製品の生産量の推移

(単位千トン)

- 15 -

資料平成21年度までは農林水産省「米麦加工食品生産動態統計調査年報」平成22年度からは農林水産省「食品産業動態調査」及び農林水産省「製粉精麦工場需給実績報告」冷凍麺の生産量は(一社)日本冷凍食品協会調べ

注1)麺類及びパン類の生産量は小麦粉使用量で冷凍麺は製品生産量である2)小麦粉は年度の計でありその他は暦年の計である

区分

パ ン 麺 類 冷凍麺

小麦粉 食パン菓子パ

ンその他のパン

生麺 乾麺 即席麺

年度計 暦年計 暦年計 暦年計 暦年計 暦年計 暦年計 暦年計 暦年計 暦年計

昭和45 3422 970 469 - - - 514 327 267 -

50 3978 1062 588 251 63 - 541 289 335 -

55 4079 1189 687 285 89 1334 610 275 325 -

60 4243 1178 653 291 133 1397 659 297 316 9

平成2 4338 1193 661 321 146 1407 687 274 316 41

7 4633 1220 623 368 178 1456 729 268 314 120

12 4623 1279 619 382 235 1421 687 235 343 190

22 4725 1196 576 375 215 1251 555 203 332 257

23 4708 1215 580 392 215 1283 548 209 361 270

24 4654 1219 580 392 221 1269 542 204 363 283

25 4694 1226 598 384 218 1324 562 213 386 314

26 4683 1234 608 387 214 1371 578 213 410 318

27 4702 1234 605 403 201 1396 624 195 414 308

28 4683 1238 604 403 206 1409 652 186 419 308

29 4703 1254 602 409 218 1445 691 186 416 313

30 - 1221 585 401 211 1473 712 188 420 -

〔低糖質製品〕

〔多種多様な携帯サンドイッチ〕

〔手軽な冷凍麺〕

図Ⅱ-3 麦製品の商品事例

H18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29

製粉工場数 124 122 121 119 117 118 117 114 109 104 102 98

製粉企業数 100 98 98 96 94 95 94 90 88 83 81 77

うち輸入小麦取扱製粉工場数 91 91 90 90 87 87 86 83 78 76 74 73

うち輸入小麦取扱製粉企業数 67 67 67 65 64 64 64 60 57 55 53 52

50

70

90

110

130

150製粉工場数

製粉企業数

うち輸入小麦取扱製粉工場数

うち輸入小麦取扱製粉企業数

3 製粉企業の状況

(1)大手製粉企業及び中小製粉企業の動向

① 大手製粉企業4社の小麦粉の生産量は全体の78を占

めておりこれに年間小麦粉生産量が3万トン以上の企業

の生産量を加えた13社ベースでは全体の90を占めてい

ます

② 大手製粉企業は生産設備の臨海工場への集約化を進め

つつ工場の大規模化合理化を推進しています

平成29年度の1工場当たりの生産量は17万トンまた

稼働率は89となっています

③ 年間小麦粉生産量3万トン以上の中小製粉企業は工場

のほとんどが臨海地域に立地し小麦粉を域内の二次加工

メーカー等に供給しています

平成29年度の1工場当たりの生産量は約6万トン稼働

率は67となっています

④ 年間小麦粉生産量1千トン以上3万トン未満の中小製粉

企業は主に内陸に位置し小麦粉を地元のパン麺等の

加工業者に供給するほか乾麺等の製造を兼ねるものも多

くなっています

平成29年度の1工場当たりの生産量は13万トンと大

手製粉企業の約14分の1稼働率は35となっています

⑤ 年間小麦粉生産量1千トン未満の中小製粉企業は輸入

小麦を取り扱わない企業が大部分を占め国内産小麦のみ

を使用し麺用や菓子用に供給しています

表Ⅱ-5 大手製粉企業中小製粉企業の小麦粉生産等の動向

資料農林水産省調べ注四捨五入の関係で計と内訳が一致しない場合がある

(参考)製粉企業数と工場数の推移(企業工場)

- 16 -

3万トン以上1千トン以上3万トン未満

1千トン未満

平成24 94 4 90 9 50 31

29 77 4 73 9 38 26

24 4853 3679 1174 536 636 3

29 4877 3801 1075 569 504 2

24 100 758 242 110 131 01

29 100 779 221 117 103 00

24 3245 1177 2068 632 1360 76

29 2806 1057 1749 581 1114 54

24 1496 3126 568 848 468 39

29 1738 3596 615 980 452 44

24 415 1533 126 596 120 01

29 498 1728 142 569 126 01

24 692 887 414 709 311 42

29 731 888 454 670 347 46

全体 大手製粉

中 小 製 粉年間生産量

稼働率()

製粉企業数

小麦粉生産量(千トン)

生産シェア()

従業員数(人)

従業員一人当たりの生産量

(トン)

一工場当たりの生産量(千トン)

(2)製粉企業のコスト削減や品質安全性の向上に向けた取組

製粉企業は生産能力の増強によるコスト削減や品質安全性の向上に向けた取組を進めています(図Ⅱ-4)

また国も農業競争力強化プログラムを策定し製粉企業の取組みを支援しています(図Ⅱ-5)

① 供給能力の強化等によるコストダウン

製粉企業は供給能力の強化生産性の向上と原料小麦の受入体制の整備によるコストダウンを図るため製粉工場や原料サイロの増強等の設備投資を行っています

② 資本業務の提携

製粉企業の中には他の製粉企業と資本業務提携を行うこと等により原料調達規模の拡大や生産の効率化等による競争力の強化を図る取組もみられます

③ 品質安全性の向上

製粉企業は近年消費者の安全安心への関心が高まる中食品の品質安全性を確保するための設備やAIB食品安全システムの導入ISO認証の取得等様々な取組を行っています

④ 工場の集約化

大手製粉企業は内陸工場を閉鎖し海外からの原料調達に有利な臨海工場への集約を進めるとともに臨海工場の生産能力を増強させる等生産性の向上を図っています

⑤ 海外市場への進出

製粉企業の中にはアジア大洋州地域における買収や工場増設等海外市場に積極的な進出をする取組もみられます

① 供給能力の強化等によるコストダウン 日清製粉は関東地区の小麦サイロ収容力の増強を進め更なる原料小麦の安定供給を推進するため鶴見工場の原料小麦サイロを増設(平成28年)

日本製粉は神戸甲南工場の原料サイロの新設等(平成24年)千葉工場の原料サイロの増設(平成26年)を行い今後原料サイロを福岡工場及び知多新工場へ新設神戸甲南工場(第2期)へ増設する予定

千葉製粉は新たな顧客ニーズへの対応付加価値製品の創出等を図るため専用ラインを新設(平成27年)

② 資本業務提携 資本業務提携を行っている製粉企業

増田製粉所(兵庫) hArr 日東富士製粉

木田製粉(北海道)内外製粉(三重)奥本製粉(大阪)セントラル製

粉(愛知) hArr 昭和産業

東福製粉(福岡) hArr 日本製粉

③ 品質安全性の向上 多くの製粉企業がISO9001(品質マネジメントシステム)ISO22000(食品安全マネジメントシステム)の認証を受けることにより品質管理や食品安全管理を実施

④ 工場の集約化 日清製粉は生産性向上のため内陸工場を順次閉鎖し臨海工場への集約化を推進

筑後工場(福岡)鳥栖工場(佐賀) rarr 福岡工場(福岡)へ集約

(平成26年)

名古屋工場の2ライン rarr 知多工場(愛知)の新ラインへ集約

(平成27年)

日本製粉は生産性向上のため総生産能力の80を臨海部の大型工場に集約

⑤ 海外市場への進出状況(平成30年度) 日清製粉は豪州の小麦粉市場においてトップシェアを持つアライドピナクル社を買収またタイでは子会社の日清STC製粉がタイの製粉工場を買収するとともにベトナムでは業務用プレミックスの生産工場を建設することを決定

昭和産業はベトナムに新たにプレミックス製造会社を設立し生産工場を建設することを決定

図Ⅱ-4 製粉企業の各種取組の事例

- 17-

⑥ 再編合理化の取組

製粉企業の中には国の支援を活用した再編合理化の取

組もみられます

⑦ 地産地消の推進

中小製粉企業は地域とのつながりの強さや独自の立地

条件を活かした特色ある経営を模索する中で生産者と協

力した積極的な地産地消の取組を進めています

⑦ 地産地消の推進

岩手県主な実施者岩手県学校給食会岩手県パン工業組合県内製粉企業取 組 内 容 平成28年度から地元県産小麦(銀河のちからゆきちから)を

100使用した学校給食用パンを県内の小中学校に提供開始埼玉県

主な実施者埼玉産小麦ネットワーク「SWING group」(県内製粉企業が中心となり生産者加工業者販売業者等180社が加盟)

取 組 内 容 埼玉県産小麦のブランド価値を高めることなどを目的として埼玉県産小麦を自社製品に利用することで高付加価値商品の開発による自社の発展などを目指すとともに研修会の実施やイベントホームページなどを通じた消費者への情報提供を実施

京都府主な実施者地元製粉企業京都府全農京都府本部生産者府内製麺製

パン業者飲食店取 組 内 容 平成30年産から京都府産小麦品種を「せときらら」へ全面切替を

行ったことを機にブランド名を「京小麦」とし「京小麦」を100使用したメニューを参加店舗にて提供するイベント「京小麦の収穫祭」を平成31年1月21日から2月17日まで開催

福岡県主な実施者福岡県ラー麦普及推進協議会(県JA全農ふくれん県内製粉

業者5社製麺業者関係団体)取 組 内 容 以下の取組によりラーメン用小麦「ラー麦」を普及推進

産地への生産技術の普及指導 小麦品質評価最適製粉加工方法の検討 利用や消費を促進するための普及宣伝(試

食イベント等) 毎年産の製粉製麺適性評価および食味

官能評価の実施 平成21年に本小麦の名称「ラー麦」とロ

ゴデザインを商標登録しブランド化

- 18 -

2 生産者が有利な条件で安定取引を行うことができる流通加工の業界構造の確立

(1)生産者に有利な流通加工構造の確立現在の食料需給消費の実態等を踏まえた効率的機能

的で農業者と消費者双方がメリットを受けられる流通加工構造を確立するため以下のとおり取り組む

その際農林水産省経済産業省をはじめ政府一体となって取り組む①~⑦ (略)⑧ 加工業については生産性の低い工場が乱立している

種類の加工業界(製粉乳業等)について国は国際競争に対応できる生産性の確保を目指した業界再編設備投資等を推進することとし政府系金融機関の融資農林漁業成長産業化支援機構の出資等による支援を行う

⑨ 上記改革を推進するため農産物の流通加工に関し国の責務業界再編に向けた推進手法等を明記した法整備を進める

⑩ 上記改革を推進するため金融機関による流通加工関連産業の生産性向上に資する経営支援や資金供給の促進政府系金融機関や農林漁業成長産業化支援機構等との連携強化等を図る

図Ⅱ-5 農業競争力強化プログラム(抜粋)

(平成28年11月29日 農林水産業地域の活力創造本部決定)

⑥ 再編合理化の取組

製粉工場の廃棄撤去製粉施設の一部又は全部を撤去しミックス粉等の関連事業を拡大

(製粉工場等再編合理化事業(平成2728年度7件))

図Ⅲ-1 国内産小麦の収穫量と作付面積の推移

表Ⅲ-1 小麦の主な作付品種(平成29年産)

Ⅲ 国内産麦の生産と流通の動向

1 国内産麦の生産状況

(1)小麦

① 作付面積

近年の国内産小麦の作付面積は約21万haと横ばいで推移して

います平成30年産の作付面積は北海道は121万ha都府県

は91万ha全国では212万haとなり前年産並となっていま

② 収穫量

平成30年産の国内産小麦の収穫量は主産地の北海道での6

月中旬から7月中旬にかけての低温日照不足の影響により登

熟不良となったこと等から前年産に比べ北海道で134万ト

ン(22)減少都府県では05万トン(2)減少全国

では139万ha(15)減少の768万トンとなり(図Ⅲ-1)

10a当たりの平均収量対比は91となりました

③ 小麦の作付品種の状況

栽培品種については各産地の気候条件や用途等に適した品

種が作付されており29年産では日本麺用では「きたほなみ」

「さとのそら」「シロガネコムギ」といった品種パン

中華麺用では「春よ恋」「ゆめちから」といった品種が上位

を占めています(表Ⅲ-1)

資料農林水産省「作物統計」品種毎の面積は農林水産省政策統括官調べ

注品種の育成年についてはシロガネコムギは農林認定が行われた年

それ以外の品種は出願公表が行われた年としている

資料農林水産省「作物統計」30年産の数値は概算値

- 19 -

(千トン)

年産

910 881

674

571

746

858 812

852

1004

791

907

768

210 209 208 207 212 209 210 213 213 214 212 212

100

120

140

160

180

200

220

240

260

280

300

0

200

400

600

800

1000

H19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30

収穫量 作付面積(千ha)

品種名 育成年 作付面積(千ha) 割合 主な作付地域

きたほなみ 平成19年 878 41 北海道

さとのそら 平成21年 159 7 関東東海

シロガネコムギ 昭和49年 152 7 九州近畿

春よ恋 平成11年 143 7 北海道

ゆめちから 平成20年 137 6 北海道

上位5品種計 1469 69

小麦作付面積 - 2123

図Ⅲ-2 国内産大麦及びはだか麦の収穫量と作付面積の推移

表Ⅲ-2 大麦及びはだか麦の主な作付品種(平成29年産)

(2)大麦及びはだか麦

① 作付面積

近年国内産大麦及びはだか麦の作付面積は約6万と横ば

いで推移しており平成30年産は前年産と比較すると二条

大麦は前年産並六条大麦は800ha(4)減少はだか麦

で460ha(9)増加となり全体では340ha(1)減少の

61万haとなりました(図Ⅲ-2)

② 収穫量

平成30年産の大麦及びはだか麦の収穫量は二条大麦及びは

だか麦はおおむね天候に恵まれ生育が順調で登熟も良好

であったこと等から前年産に比べ二条大麦は01万トン

(1)増加はだか麦は01万トン(8)増加となりました

六条大麦については北陸地方において大雪の影響で融雪時期

が遅れたこと等により穂数が少なくなり前年産に比べ14万

トン(26)減少しました

この結果大麦及びはだか麦の収穫量は合計で173万トンと

なり前年産に比べて12万トン(6)減少となりました

(図Ⅲ-2)

③ 大麦及びはだか麦の作付品種の状況

栽培品種については各産地の気候条件や用途等に適した品

種が作付されており29年産では二条大麦はビール用の「サ

チホゴールデン」六条大麦は主食用や麦茶用の「ファイ

バースノウ」はだか麦は麦味噌用の「マンネンボシ」いっ

た品種が上位を占めています(表Ⅲ-2)

資料農林水産省「作物統計」30年産の数値は概算値

- 20 -

(千トン)

資料農林水産省「作物統計」農林水産省調べ

注品種の育成年についてはシュンライイチバンボシは農林認定が行われ

た年それ以外の品種は出願公表が行われた年としている

195 217

179 161

172 172 183

170 177 170 185

173

54 57 58 59 60 60 59 60 61 61 61 61

0

10

20

30

40

50

60

70

80

90

100

0

50

100

150

200

250

H19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30

収穫量 作付面積 (千ha)

年産

麦種 品種名 育成年作付面積(千ha)

割合 主な作付地域

二条大麦

サチホゴールデン 平成18年 189 31 九州関東中国

はるしずく 平成17年 44 7 九州

ニシノホシ 平成11年 27 4 九州

六条大麦

ファイバースノウ 平成13年 107 17 北陸関東東海

シュンライ 平成2年 33 5 関東東北近畿

カシマゴール 平成22年 13 2 関東東海

はだか麦

マンネンボシ 平成13年 15 2 四国

イチバンボシ 平成4年 14 2 四国九州

トヨノカゼ 平成18年 11 2 九州中国

大麦はだか麦作付面積

- 614

資料農林水産省調べ

Aランク評価項目の基準値を3つ以上達成しかつ許容値を全て達成している麦Bランク評価項目の基準値を2つ達成しかつ許容値を全て達成している麦Cランク評価項目の基準値を1つ達成しかつ許容値を全て達成している麦

評価項目の基準値を2つ以上達成しているものの許容値を達成していない麦DランクA~Cランクのいずれにも該当しない麦

【評価項目】①小麦 日本麺用パン中華麺用(たんぱく灰分容積重フォーリングナンバー)

醸造用(たんぱく3項目容積重)②二条大麦 主食等用(容積重細麦率白度正常粒率)

麦茶用(たんぱく3項目細麦率)③六条大麦はだか麦 主食等用(容積重細麦率白度硝子率)

麦茶用(たんぱく3項目細麦率)

(参考) 麦の品質区分

(単位)

- 21 -

(2)品質評価

たんぱく質や灰分の含有率等に基づく品質評価結果につい

ては平成30年産の小麦ではAランクが899となってお

り過去5年平均(Aランク比率849)と比べ5ポイン

ト高くなっています

また平成30年産の大麦はだか麦ではAランクが

849となっており過去5年平均(Aランク比率832)

と比べ17ポイント高くなっています(表Ⅲ-4)

表Ⅲ-4 平成30年産麦の品質評価結果

2 国内産麦の品質状況

(1)農産物検査① 平成30年産の小麦について全国の1等比率は761

(平成30年12月末時点)と過去5年平均799と比較して低くなっています(表Ⅲ-3)

② 平成30年産の小粒大麦大粒大麦はだか麦及びビール大麦について1等比率は大粒大麦を除き過去5年平均と比較して低くなっています(表Ⅲ-3)

表Ⅲ-3 国内産麦の1等比率の推移(単位)

Aランク Bランク Cランク DランクAランク

過去5年平均(平成25~29年産)

小 麦 899 67 33 01 849

大麦はだか麦

849 37 108 06 832

注1)各年産翌年4月末時点の値であるただし平成30年産は30年12月末時点の値である

2)強力小麦の検査数量を含む値である

3 国内産麦に対する支援

平成31年度は経営所得安定対策等の対策のうち主に畑作

物の直接支払交付金と水田活用の直接支払交付金により国内

産麦に対する支援が行われます

(1)畑作物の直接支払交付金

畑作物の直接支払交付金として麦を生産する農業者に対

し標準的な生産費と標準的な販売価格の差額分を直接交付

することとしています

支払いは当年産の麦の品質及び生産量に応じて交付する

数量払を基本とし当年産の麦の作付面積に応じて交付する

面積払(営農継続支払)を数量払の先払いとして交付する仕

組みにしています

数量払の交付単価は品質に応じた単価を設けており需要

に応じた生産と品質に対する営農努力を適切に反映させる仕

組みになっています(表Ⅲ-5)

表Ⅲ-5 畑作物の直接支払交付金の麦の交付単価

(円単位数量)

品質区分(等級ランク)

1等 2等

A B C D A B C D

小麦(パン中華麵

用品種)(60kg当たり)

9040 8540 8390 8330 7880 7380 7230 7170

小麦(パン中華麺用品種以外)(60kg当たり)

6740 6240 6090 6030 5580 5080 4930 4870

二条大麦(50kg当たり) 5550 5130 5010 4960 4690 4270 4140 4090

六条大麦(50kg当たり) 6030 5610 5480 5430 5000 4580 4460 4410

はだか麦(60kg当たり) 8650 8150 8000 7910 7080 6580 6430 6350

(参考)

【平均交付単価小麦6940円60kg二条大麦5490円50kg六条大麦5720円50kg

はだか麦8230円60kg】

②面積払

当年産の作付面積に応じて交付 2万円10a

①数量払(品質に応じた単価)

- 22 -

【平成31年産に適用】

標準的な生産費

差額

ゲタ交付単価

標準的な販売価格

【交付単価のイメージ】lt畑作物の直接支払交付金のイメージgt

面積払(数量払の際に控除されます)

数量払

収量

交付金額

(2)水田活用の直接支払交付金

水田のフル活用を推進し食料自給率自給力の向上を図

るため水田で麦を生産する農業者に対しては畑作物の直

接支払交付金に加え水田活用の直接支払交付金(35000円

10a)を直接交付することとしています(表Ⅲ-6)

表Ⅲ-6 水田活用の直接支払交付金の交付単価

作 物 単 価

麦大豆飼料作物 35000円10a

WCS(ホールクロップサイレージ)用稲 80000円10a

加工用米 20000円10a

飼料用米米粉用米収量に応じ

55000円~105000円10a

このほか「産地交付金」により地域で作成する水田フル活用ビジョンに基づき二毛作や耕畜連携を含め産地づくりに向けた取組を支援します

戦略作物助成

注実需者等との出荷販売契約等を締結すること出荷販売することが要件

- 23 -

4 国内産食糧用麦の流通動向

(1)取引の概要

国内産食糧用麦は加工原料としての商品特性から需要に応じて計画的に生産できるようは種前契約に基づく取引が行われています

まず取引の指標となる透明性のある適正な価格を形成するためは種前に販売予定数量の3~4割(具体の比率は民間流通地方連絡協議会の協議を踏まえ決定)について入札が行われます残りは相対取引が行われておりその価格については入札で形成された指標価格(落札加重平均価格)を基本として取引当事者間で決められています(図Ⅲ-3)

また取引を円滑に進めるため生産者需要者等で構成される民間流通連絡協議会において取引に必要な情報交換取引に係る基本事項の見直し等が行われています(表Ⅲ-7)

今後とも国内産食糧用麦については円滑な流通が確保されるようは種前契約を基本としつつ適切に対応していきます

図Ⅲ-3 国内産食糧用麦の基本的な流通フロー

表Ⅲ-7 国内産食糧用麦の入札の仕組み

項 目 概 要 見直しの変遷

実施主体 一般社団法人 全国米麦改良協会

実施時期 は種前に2回実施(8~9月)平成13年産から1回rarr2回へ見直し

上場数量

産地銘柄別に販売予定数量が小麦3千トン以上大麦はだか麦1千トン以上の銘柄についてその30~40を上場(ほかに希望上場あり)

平成31年産から30rarr30~40へ見直し

基準価格

小麦は前年産の落札加重平均価格に当年産の入札実施時点での外国産麦の政府売渡価格の変動率を乗じた価格大麦はだか麦は前年産の落札加重平均価格

小麦の外国産麦との連動は平成24年産から実施

値幅制限 基準価格のplusmn10

小麦平成12年産~16年産plusmn5平成17年産~21年産plusmn7平成22年産plusmn10平成23年産plusmn30平成24年産~ plusmn10大麦はだか麦平成12年産~18年産plusmn5平成19年産~21年産plusmn7平成22年産plusmn10平成23年産plusmn15平成24年産~ plusmn10

取引価格の事後調整(小麦のみ)

外国産食糧用小麦の政府売渡価格の改定(410月)に合わせては種前の入札又は相対により契約された価格に外国産食糧用小麦の政府売渡価格の変動率を乗じて取引価格を改定

平成23年産から実施

申込限度数 量

買い手別に上場数量times買受実績シェアtimes145

小麦は平成17年産から大麦及びはだか麦は平成19年産から135rarr145へ見直し

相対取引入札で形成された指標価格を基本に生産者団体と需要者の間で協議決定

平成19年産から過去の実績シェアに基づく取引ルールを廃止

再入札

第1回入札及び第2回入札において落札残数量が発生した場合は売り手の希望により再度入札に付すか相対による契約を行うかいずれかの方法をとることができる

平成25年産から売り手の申し出により再入札における入札の値幅を設定できること等を規定

生産者団体から販売予定数量需要者団体から購入希望数量の相互提示

入札取引の実施(販売予定数量の約3~4割)

相対取引の実施(販売予定数量の約6~7割)

は 種(秋まき春まきは収穫年の4月)

収 穫 及 び 検 査

生産者団体と需要者の間では種前に契約を締結

需 要 者 へ 引 渡 し

<生産の流れ>

麦の生育期間

<契約の流れ>

は種前契約に基づき計画的に作付(は種)

収穫前年7月~

8~9月

9月~

~12月

6~8月

6月~

収穫年26年産から国内産麦の需要拡大を図るため地域の食文化のブランド化等による高付加価値化の取組等に対し安定的な原料供給が可能となる需要拡大推進枠を導入

- 24 -

表Ⅲ-8 国内産食糧用麦の供給量 (単位千トン)

注集荷団体からの聞き取り数量である

(2)流通の動向

平成30年産の国内産食糧用小麦の供給量は前年産から

約14万4千トン減少し約70万1千トンとなっています

また国内産食糧用大麦及びはだか麦の供給量は前年

産から約3千トン減少し約10万3千トンとなっています

(表Ⅲ-8)

生産者側から提示された平成31年産麦の販売予定数量は

国内産食糧用小麦で約82万4千トン国内産食糧用大麦及

びはだか麦で約10万8千トンとなっています

一方需要者側から提示された平成31年産麦の購入希望

数量は国内産食糧用小麦で約86万3千トン国内産食糧

用大麦及びはだか麦で約13万トンとなっています(表Ⅲ-

9)

表Ⅲ-9 国内産食糧用麦の販売予定数量及び購入希望数量の推移(単位千トン)

資料民間流通連絡協議会調べ注四捨五入の関係で差し引きが一致しないことがある

- 25 -

年産 20 21 22 23 24 25 26 27 28 2930

(見込)

小   麦 841 639 532 694 811 767 808 946 734 845 701

大麦はだか麦 125 100 84 98 93 105 103 103 92 106 103

年産 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31

販売予定数量① 887 906 909 951 948 909 905 880 820 846 834 824

購入希望数量② 833 880 818 859 904 869 751 802 834 875 880 863

①-② 54 25 91 91 44 40 154 78 14 29 46 39

(①-②)①() 61 28 100 96 47 44 170 89 18 34 55 47

販売予定数量① 121 132 134 127 122 116 110 112 113 112 108 108

購入希望数量② 199 219 135 149 147 138 141 149 145 138 148 130

①-② 78 87 1 23 26 21 31 37 32 26 39 22

(①-②)①() 640 660 06 179 209 182 282 330 284 234 363 204

表Ⅲ-10 国内産食糧用麦の入札結果の推移

資料一般社団法人全国米麦改良協会調べ

注1価格は税込み(26年産までは527年産以降は8)である

ただし31年産の落札価格は一般社団法人全国米麦改良協会公表の価格(税抜き)を基に農林水産省で税込み価格を算出

5 国内産食糧用麦の価格の動向

(1)平成31年産の入札の概要

平成31年産麦の入札は第1回は平成30年9月12日に第

2回は平成30年9月26日に実施されました

麦種別の入札結果をみると小麦は上場数量約21万4千

トンのうち約20万4千トンが落札(落札率954)され落

札価格は61714円トン(対前年産比1151)となりました

小粒大麦は上場数量約1万1千トンのうち約1万1千

トンが落札(落札率991)され落札価格は46560円トン

(対前年産比997)となりました

大粒大麦は上場数量約7千8百トンのうち5千6百トン

が落札(落札率717)され落札価格は46923円トン(対

前年産比879)となりました

はだか麦は上場数量約2千3百トンのうち約2千1百

トンが落札(落札率897)され落札価格は50817円トン

(対前年産比961)となりました(表Ⅲ-10)

なお国内産小麦については近年消費者の国産志向の高

まりなどを受け大手外食チェーンや2次加工メーカーが国

内産小麦を使用したパン中華麺等の商品を相次いで発表す

るなど人気が高まってきていますこれらを背景として平

成31年産小麦の落札価格は多くの銘柄で値幅制限の上限付

近となっておりまた申込倍数も14倍と高いものとなって

います

- 26 -

20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31

上場数量

(トン)①243510 243020 242310 251370 250980 244880 244320 234010 213360 221380 218500 214200

落札数量

(トン)②234930 238410 189350 247770 245320 220590 188240 192240 201140 214060 210560 204420

落札率

②①965 981 781 986 977 901 770 822 943 967 964 954

落札価格

(円トン)43229 59885 55241 48732 58340 49333 49319 49770 54164 51570 53624 61714

対前年産比 1064 1385 922 882 1197 846 1000 1009 1088 952 1040 1151

上場数量

(トン)①12240 13590 14210 13300 11760 11220 11290 11930 12210 12200 11750 11040

落札数量

(トン)②12050 13510 14040 13170 11550 10850 10900 11830 12090 12200 11440 10940

落札率

②①984 994 988 990 982 967 965 992 990 1000 974 991

落札価格

(円トン)45479 59709 53448 45871 46485 46453 46290 47595 47565 46880 46708 46560

対前年産比 1084 1313 895 858 1013 999 996 1028 999 986 996 997

上場数量

(トン)①10020 9690 10330 9290 9000 8700 7210 7620 7450 7620 6880 7810

落札数量

(トン)②8880 8920 8910 7990 7990 7830 6480 7130 6600 6700 6340 5600

落札率

②①886 921 863 860 888 900 899 936 886 879 922 717

落札価格

(円トン)36532 50492 46097 39649 40394 41582 42881 45740 47827 50442 53384 46923

対前年産比 1059 1382 913 860 1019 1029 1031 1067 1046 1055 1058 879

上場数量

(トン)①2910 3150 3030 3260 3060 2830 2840 2890 2740 2660 2570 2330

落札数量

(トン)②2910 3150 3030 3090 3020 2830 2810 2810 2520 2600 2470 2090

落札率

②①1000 1000 1000 948 987 1000 989 972 920 977 961 897

落札価格

(円トン)42222 58527 61489 52791 51905 52294 49656 47712 46547 48527 52876 50817

対前年産比 1063 1386 1051 859 983 1007 950 961 976 1043 1090 961

年産

小麦

小粒大麦(六条大麦)

大粒大麦(二条大麦)

はだか麦

平成31年産国内産食糧用小麦の入札結果をみると産地別銘柄別

の需給状況等を反映して落札価格に差が生じています

代表的な銘柄である北海道産「きたほなみ」は前年産の価格を

153上回る64752円トン香川県産「さぬきの夢2009」は前

年産の価格を152上回る73186円トンとなりましたまたパ

ン中華麺用の北海道産「ゆめちから」は前年産の価格を180

上回る62777円トン北海道産「春よ恋」は前年産の価格を

180上回る68792円トンとなりました(図Ⅲ-4図Ⅲ-5)

図Ⅲ-4 平成31年産国内産食糧用小麦の産地別銘柄別落札価格

資料農林水産省調べ注外国産小麦5銘柄加重平均価格は平成30年4月期の輸入小麦の政府売渡価格である

(2)平成31年産国内産食糧用小麦の産地別銘柄別落札価格の動向

資料農林水産省調べ注1国内産小麦の価格は(一社)全国米麦改良協会が実施する民間流通麦にかかる入札の第1回第2回

及び再入札の落札加重平均価格(税込み)年産の下段の( )内は当該第1回入札の実施年月である注2外国産小麦の価格は18年までは当該年度平均の実績価格であり19年以降は民間流通麦にかかる第

1回入札の実施年月時点での輸入小麦の政府売渡価格(5銘柄平均)である注3ホクシン(きたほなみ)については22年産までは「ホクシン」の価格であり23年産からは「きたほ

なみ」の価格である注4さぬきの夢については24年産までは「さぬきの夢2000」の価格であり25年産からは「さぬきの夢

2009」の価格である注5農林61号(さとのそら)については23年産までは「農林61号」の価格であり24年産からは「さとの

そら」の価格である

図Ⅲ-5 国内産食糧用小麦の産地別銘柄別落札価格の推移

- 27 -

(単位円トン税込み)

30000

60000

北海道ゆめちから 62777

福岡ミナミノカオリ 68393

滋賀農林61号 50763

茨城さとのそら 46310

佐賀チクゴイズミ 52193

岩手ゆきちから 39929

全銘柄落札加重平均 61714

香川さぬきの夢2009 73186

北海道きたほなみ 64752

外国産小麦5銘柄加重平均 54370

群馬さとのそら 48669

北海道キタノカオリ 63090

大分チクゴイズミ 48265

福岡シロガネコムギ 50643

佐賀シロガネコムギ 47998

40000

福岡チクゴイズミ 52203

滋賀ふくさやか 49534

岐阜イワイノダイチ 46874

埼玉さとのそら 47159

宮城シラネコムギ 44607

群馬つるぴかり 49785

北海道春よ恋 68792

愛知きぬあかり 50114

北海道はるきらり 60201

50000

埼玉あやひかり 46072

岐阜さとのそら 45919

70000

30000

40000

50000

60000

70000

80000

90000

100000

110000

120000

130000

12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 年産

(単位円トン税込み)

北海道ホクシン

香川さぬきの夢200973186円

茨城農林61号

香川さぬきの夢2000

茨城さとのそら

46310円

北海道きたほなみ

64752円

北海道ゆめちから

62777円

外国産小麦

5銘柄平均

54370円

北海道春よ恋

68792円

(128) (138) (148) (158) (168) (178)(1810) (199) (208)(2110)(2212) (239) (2410)(2510)(269)(279) (289) (299)(119) (309)

6 国内産麦の新品種の育成状況

(1)国内産麦については縞萎縮病抵抗性や耐倒伏性を備え

需要者等のニ-ズに合った新品種の開発が進められています

また作付け面積が1万haを超える「ゆめちから」「さとの

そら」をはじめ多数の品種が生産現場に導入されています

(図Ⅲ-6)

(2)今後とも赤かび病抵抗性や穂発芽耐性が高い小麦品種

小麦粉の色相や製粉性が優れる日本麺用小麦品種パンの膨

らみがカナダ産「1CW」並の小麦品種焼酎押麦味噌

などの加工適性が高い大麦品種等の開発を推進します

小麦品種「ゆめちから」及び「さとのそら」は優れた栽培特性

と加工適性を備えており作付けが拡大しています(平成29年

推定値「ゆめちから」約1万2千ha「さとのそら」約1万5

千ha)

パン用小麦品種の開発近年国産の小麦粉を使ったパンの需要増加に応えるためグルテンやでん粉の組成などパンの膨らみに関連する特性に注目した育種が進められていますその結果平成25年に製パン適性が「1CW」に近く多収の「せときらら」平成29年にはパン生地の力が強く穂発芽耐性や赤かび抵抗性が改良された「夏黄金」が育成されました

加工適性の高い大麦品種の開発機能性成分β-グルカンを多く含むもち性大麦の需要の高まりに応えるため平成29年に「はねうまもち」が育成されましたまた高品質なはだか麦の需要増加に対応して平成24年に味噌加工適性の高い「ハルヒメボシ」が育成されました

図Ⅲ-6 平成19年以降に育成された麦類の主な新品種

日本麺用小麦ゆめきらり

パン用小麦ゆめかおり福井県大3号

六条大麦ホワイトファイバー

北信越

日本麺用小麦あおばの恋

パン用小麦銀河のちから

東北

日本麺用小麦さとのそらきぬあかり

パン用小麦ゆめかおり

二条大麦とちのいぶき彩の星アスカゴールデンニューサチホゴールデン

六条大麦カシマゴール

はだか麦キラリモチ

関東東海

日本麺用小麦ふくはるかさぬきの夢2009

パン用小麦ゆめちからせときらら

はだか麦ハルヒメボシ

近畿中国四国

中華麺用小麦ちくしW2号

二条大麦煌二条白妙二条はるか二条トヨノホシ

九州

日本麺用小麦きたほなみ

中華麺用小麦つるきち

パン用小麦ゆめちからはるきらり

二条大麦札育2号

北海道

新品種のうち平成30年産で概ね100ha以上作付けされていると推定される品種を選定(農林水産省調べ)

- 28 -

7 国内産麦を利用した製品の動向

食料自給率の向上を図るためには国内産麦の需要開拓を行う

ことが必要です最近の消費者の国産志向の高まりや生産者と実

需者が一体となった地産地消の推進地域農業の振興を図る取り

組み等から国内産麦を使った麦製品(パン麺等)が増えてき

ており中には国内産麦を100使用した商品もあります(図Ⅲ-

7)

- 29 -

8 民間流通制度の運用改善

国内産麦の人気の高まりにより近年需要量が生産量を上回

る状況が継続しており国内産麦を積極的に使用したい実需者が

必要量を確保できない等の課題もあります

このような課題に対応するため民間流通連絡協議会において

入札上場比率の選択制の導入需要拡大推進枠設定の要件緩和

相対取引需要拡大推進枠において多様な取組が可能であること

の明確化等民間流通制度の運用改善が行われました(図Ⅲ-

8)

ピッツァ専用粉(北海道)(小麦)地元の製粉企業が北海道産小麦(きたほなみキタノカオリゆめち

から)を100使用した国内で初めてのピッツァ専用粉を開発平成30年2月に都内で試食会を開催し平成30年5月から販売

ピッツァ専用粉(群馬県)(小麦)地元の製粉企業が地元のピッツァ専門店ピッツァ窯メーカーと協力

して品質改良を重ね群馬県産小麦(さとのそらつるぴかりきぬの波)を100使用したピッツァ専用粉を平成30年4月から発売ピッツァイベントやイタリアン食材の展示会に出展

学校給食用パン(東京都)(小麦)都学校給食会の「学校給食パン加工規格」による配合基準に基づき国

内産小麦を100使用した学校給食パンを平成27年度から都内の一部の小中学校で提供を開始平成28年度からは都内全域の規格として採用

〇 市販用中華麺(愛知県)(小麦)地元の製粉企業が自社製品として愛知県産小麦きぬあかりを100使用

した中華麺を平成30年6月から自社通販で販売平成30年8月から一般販売を開始

フランスパン用粉(佐賀県)(小麦)近県製粉企業が農研機構と共同で育成した九州地域等の暖地温暖地

向けのフランスパン加工適性に優れる準強力小麦品種「さちかおり」を100使用したフランスパン用粉を平成30年8月から発売

市販用ゆで麺(長崎県)(小麦)地元の製麺企業近県製粉企業県生麺協同組合JA県等が連携し

平成26年3月に「長崎県育成麦活用開発協議会」を立ち上げ長崎県産長崎W2号(商標登録名長崎ちゃん麦)を100使用したちゃんぽん用のゆで麺を平成29年4月に製品化原料小麦の生産量が整った段階での本格販売を予定

もち性大麦を使用した機能性表示食品(静岡県)(大麦)地元の精麦企業が国内産もち性大麦でβ-グルカン量の多い銘柄を使用し

炊飯用精麦を製品化機能性表示食品として平成29年1月に届出し十分な原料を手当でき次第随時販売予定

〇 もち性大麦を使用したシリアル(愛知県)(大麦)地元の精麦企業が食物繊維が20を超える愛知県産もち性大麦「ワキ

シーファイバー」を使用した国内産もち麦100シリアルを開発平成30年4月から販売開始

図Ⅲ-7 国内産麦を100使用した商品事例

図Ⅲ-8 民間流通制度の運用改善のポイント

0

50

100

150

200

250

300

350

400円千人

大手製パンメーカーA社が国内産小麦100使用の新製品を発売

大手製食品スーパーB社が国内産小麦100使用の新製品をPBで発売

大手製パンメーカーA社が国内産小麦100使用の製品を初めて発売

(参考)国内産小麦を利用した製品の販売状況

(1)国内産小麦100使用の食パンの販売額

大きなシェアを占めるにはいたっていないものの国内産

小麦を100使用した食パンの販売金額の推移を見ると新製

品が登場する度に国内産小麦100使用の食パン市場が拡大し

ています(図Ⅲ-9)

図Ⅲ-9 国内産小麦100使用の食パンの販売額の推移(首都圏)

資料日本経済新聞デジタルメディア社による首都圏のスーパーマーケットなど100店舗におけるPOSデータに基づき農林水産政策研究所において集計

注食パンのうち国内産小麦を100使用していることが明らかな製品のみ計上菓子パン等は含んでいない

表Ⅲ-11 生麺ゆで麺(チルド)の販売金額のシェア(首都圏平成30年)

資料日本経済新聞デジタルメディア社による首都圏のスーパーマーケットなど120店舗におけるPOSデータに基づき農林水産政策研究所において集計

(2)生麺ゆで麺(チルド)の販売金額

生麺ゆで麺全体で上位15製品の売上高に占める国内産

小麦使用表示のある製品のシェアは30となっていますま

た主要な麺製品のうどんラーメン冷やし中華焼そば

全てで国内産小麦使用製品がランクインしています(表Ⅲ

-11)

2013年 2014年 2015年 2016年 2017年 2018年 2019年

                      (単位)

製品の種類製造企業の規模産地表示販売金額シェア

焼そば大手製品(国内産小麦使用表示なし) 99そば大手製品(国内産小麦使用表示なし) 27冷やしラーメン大手製品(国内産小麦使用表示なし) 20うどん大手製品(北海道産小麦使用表示あり) 20ラーメン大手製品(北海道産小麦使用表示あり) 14冷やし中華大手製品(国内産小麦使用表示なし) 14うどん大手製品(国内産小麦使用表示あり) 13焼そば大手製品(国内産小麦使用表示なし) 12焼うどん大手製品(国内産小麦使用表示なし) 12うどん大手製品(国内産小麦使用表示あり) 11焼そば大手製品(国内産小麦使用表示あり) 11そうめん大手製品(国内産小麦使用表示あり) 10うどんPB製品(北海道産小麦使用表示あり) 10つけ麺大手製品(国内産小麦使用表示なし) 10冷麺中小製品(国内産小麦使用表示なし) 10

303

14

89

15上位15製品の売上高に占める国内産小麦使用表示のある製品の

シェア

順位

1

10111213

234567

- 30 -

図Ⅲ-10 外食産業等と連携した農産物の需要拡大対策事業(麦類)

9 国内産麦の需要拡大イベント及び情報発信の取組

近年生産者と実需者等が連携し国内産麦を使用した製品が

数多く開発販売されており各地でイベント等の需要拡大の

取組みが行われております

また農林水産省としては平成30年度産地と外食事業者等

が連携して行う国内産麦を活用した新商品の開発試作製

造するために必要な取組を支援する「外食産業等と連携した農

産物の需要拡大対策事業」を一般社団法人全国米麦改良協会を

実施主体として行っているところです

農林水産省のホームページにおいてこれらのイベント等につい

て情報発信を行うとともに一般社団法人全国米麦改良協会が

開設している国産麦応援情報ホームページでの情報提供等を

行っています(図Ⅲ-10~12)

「国内産麦使用試作品全国統一試食会商談会」開催日平成31年2月12日~19日(土日を除く)場 所むぎくらべ(東京都千代田区神田小川町)

内 容平成29年度補正予算事業「外食産業等と連携した農産物の需要拡大対策事業」の一環として行われた国内産麦を使用した試作品の試食会商談会

「国内産麦使用試作品全国統一試食会商談会」で出品された試作品

- 31 -

第8回全国ご当地うどんサミットin 熊谷 開催日平成30年11月10日~11日 場 所熊谷スポーツ文化公園にぎわい広

場(埼玉県) 内 容全国の国内産小麦を使用した「ご

当地うどん」が一堂に集まりグランプリを決定

図Ⅲ-11 全国各地で開催されたイベント 図Ⅲ-12 一般社団法人 全国米麦改良協会の取組

国産麦応援情報ホームページ「日本の麦の底力」内容国産小麦粉ブランド名鑑国産小麦の逸品イベント情報研究

情報等を掲載URL httpnihonnomugicom

北海道小麦キャンプ2018 in オホーツク 開催日平成30年7月10日~11日 場 所ホテル黒部を主会場としたオホーツ

ク管内(北海道) 内 容国内産小麦北海道産小麦の魅力

を全国に広めることを目的にバスツアーやパン講習会などを実施

麦わらぼうしフェスタ 開催日平成30年11月4日 場 所笠原産業株式会社(栃木県) 内 容国内産小麦を使用したうどんパン

などの試食販売うどん教室などを実施

第7回 信州粉もん祭り 開催日平成30年11月11日 場 所JAながの ちくま埴生支所(長野県) 内 容長野県産小麦を使用した「粉もん料

理」が大集合粉もん試食会や手打ちうどん講習会 などを実施

国内産麦アンテナショップ「むぎくらべ」内容国内産麦を使用した商品のPRと販売の場を提供するものとして

平成30年7月東京都千代田区にオープン

- 32 -

オープニングセレモニーには上月前農林水産大臣政務官(写真中央)も出席

10 食料農業農村基本計画における麦の位置付け

平成27年3月31日に平成37年度を目標とする「食料農業

農村基本計画」が閣議決定され小麦は95万トン大麦はだ

か麦は22万トンの生産努力目標が設定されています(表Ⅲ-

12)

食料消費の見通し 生産努力目標(万トン) 克服すべき課題

1人1年当たり消費量

(kg人年)

国内消費仕向量

(万トン)

平成25年度

平成37年度

平成25年度

平成37年度

平成25年度

平成37年度

小麦 33 32 699 611 81 95

国内産小麦の需要拡大に向けた産地形成やブランド化

実需者ニーズに対応した生産流通体制の確立

新品種新技術の開発導入輪作体系の最適化排水対策等による収量品質の高位安定化

農地の集積集約化経営規模の拡大に対応した省力化に資する技術の開発導入等による生産コストの低減

大麦はだか麦

03 02 208 213 18 22

外国産大麦が多く用いられている焼酎用等の国内産麦の需要拡大

実需者ニーズに対応した生産流通体制の確立

新品種新技術の開発導入輪作体系の最適化排水対策等による収量品質の高位安定化

農地の集積集約化経営規模の拡大に対応した省力化に資する技術の開発導入等による生産コストの低減

表Ⅲ-12 麦の平成37年度における食料消費の見通し及び生産努力目標

資料「食料農業農村基本計画」(平成27年3月閣議決定)注1)国内消費仕向量には飼料用等の食糧用以外の用途への仕向量を含む

2)大麦はだか麦の国内消費仕向量及び生産努力目標にはビール大麦を含む

- 33 -

Ⅳ 米粉に関する動向

1 生産動向

米粉用米の生産量は平成25年産以降2万トン前後で推移していましたが平成29年度以降は約3万トンまで回復しています(表Ⅳ-1)

2 需要拡大に向けた対応

米粉用米の利用量は平成24年度以降年間2万数千トンで推移していましたがグルテンを使用しない米粉商品の開発や新たな米加工品(α化米粉米ゲルなど)の保湿性や粘性に着目した商品の開発「米粉の用途別基準」や「ノングルテン米粉製品第三者認証制度」の運用開始により平成29年度は25千トン30年度は31千トンに増加しています(表Ⅳ-2)

今後の更なる国内海外の需要拡大のためノングルテン米粉や用途別基準に適合する高品質な日本産米粉の流通を契機とした魅力ある新商品の開発や日本産米粉の優位性の情報発信等を推進する必要があります

表Ⅳ-1 上位5県の米粉用米の生産量と作付面積の推移

(参考) 米粉及び小麦粉の販売価格(税抜き)

米粉100~290円kg程度

(小麦粉 100円kg程度)

注1)平成26~29年度については新規需要米取組計画を認定した全需要者からの聞き取り注2)平成30年度については新規需要米取組計画を認定した主要な需要者からの聞き取り

により推計

表Ⅳ-2 米粉用米の利用量(需要者からの聞き取り)

- 34 -

資料26~29年産は新規需要米生産集出荷数量30年産は新規需要米取組計画

認定数量(農林水産省)

(単位千トン)

26年度 27年度 28年度 29年度 30年度見込

22 23 23 25 31

(単位千トン千ha)

26年産 27年産 28年産 29年産 30年産

生産量 59 97 87 130 107作付面積 11 18 15 24 19生産量 10 10 09 30 31作付面積 02 02 02 06 06生産量 08 10 00 19 30作付面積 01 02 00 03 06生産量 10 12 12 12 16作付面積 02 03 02 02 03生産量 20 24 07 12 13作付面積 03 04 01 02 02生産量 184 230 190 284 281作付面積 34 42 34 53 53

秋田県

全国計

新潟県

埼玉県

栃木県

群馬県

農林水産大臣は米穀の新用途への利用の促進に関する基本方針を定める

生産製造連携事業計画

生産者 製造事業者 促進事業者

必須

米穀の新用途への利用の促進に関する法律

米穀の新用途への利用の促進に関する基本方針

関係者が連携して計画を作成米穀の新用途への利用の促進に関する基本方針に照らし適切な計画について農林水産大臣が認定(計画期間は3~5年)

図Ⅳ 米粉用米に対する支援措置

3 米粉用米に対する支援

① 米粉用米についてはその利用の拡大を図るために平成21年に「米穀の新用途への利用の促進に関する法律」が制定されました同法に基づく「生産製造連携事業計画」の認定を受け「農山漁村

活性化計画」の採択を受けた取組に対して米粉用米の生産加工に必要な施設整備等の支援を行っています

② 米粉用米の生産者に対しては水田活用の直接支払交付金による支援を行っていますまたノングルテン米粉表示や米粉の用途別基準により需要者ニーズに合った高品質な米粉の製造や輸出拡大の取組を支援しています

③ 平成31年度は国内海外の需要獲得に向け引き続き魅力ある新商品開発を推進するほか日本産米粉の優位性の情報発信やノングルテン米粉の製造手法マニュアルの作成など輸出を含めた日本産米粉の需要拡大に向けた取組を支援していくこととしています

予 算 措 置

【水田活用の直接支払交付金】水田を活用して米粉用米等の作物を生産する農業者に対し交付金を直接交付 (米粉用米収量に応じ55万円~105万円10a)

【農山漁村振興交付金】米粉飼料用米の生産加工に係る施設整備に対し交付金を交付(補助率定額12)

【持続的生産強化対策事業】

日本産米粉の優位性の情報発信ノングルテン米粉の製造手法マニュアルの作成米粉用米生産者と製造事業者とのマッチング

等の取組を支援

金 融 措 置

【日本政策金融公庫による低利融資】(食品安定供給施設整備資金)

米粉製造施設米粉を原料とした食品の製造加工施設等への融資

(輸出を含めた日本産米粉の需要拡大支援事業)

(補助率定額)

【外食産業等と連携した需要拡大対策事業】

国産農林水産物食品の輸出等需要フロンティアの開拓を図るため産地と複数年契約を締結する民間企業(外食加工業者)に対し国産農林水産物を活用した新商品の開発やそれに必要な技術開発等を支援 (補助率定額12)

- 35 -

【農林水産物食品輸出促進緊急対策事業】コメ海外市場拡大戦略プロジェクトに参加する輸出産地や輸出事業者等が連携して戦略的に取り組む中国等の海外市場開拓プロモーション等を支援

(補助率定額12)

品目 現在の関税率 合意内容

小麦

枠内税率無税+マークアップ

枠外税率55円kg

現行の国家貿易制度を維持するとともに枠外税率(55円kg)を維持

既存のWTO枠に加え米国(15万(7年目以降))【不適用】カナダ(53万(同))豪州(5万(同))にSBS方式の国別枠を設定

マークアップを9年目までに45削減

大麦

枠内税率無税+マークアップ

枠外税率39円kg

現行の国家貿易制度を維持するとともに枠外税率(39円kg)を維持

既存のWTO枠に加えSBS方式のTPP枠(65万(9年目以降))を設定

マークアップを9年目までに45削減

1 TPP11協定概要(麦)(平成30年12月30日発効)

Ⅴ TPP11及び日EUEPAの協定概要(麦関係)

(参考主な麦製品)

現在の関税率合意内容

税率 枠数量

いった小麦小麦粉等

(国家貿易品目)

枠内税率125~25+マークアップ

枠外税率85~134円kg

枠内即時無税+マークアップ

(枠外税率は維持)

(発効時) (6年目)125千rarr175千

ベーカリー製品製造用

小麦粉調製品16~24

枠内即時無税(枠外税率は維持)

(発効時) (6年目)米国 105千rarr12千【不適用】米国以外 68千rarr 8千

その他小麦粉調製品

16~28枠内即時無税

(枠外税率は維持)(発効時) (6年目)15千rarr225千

マカロニスパゲティ

30円kg9年目までに60削減

ビスケット 1315 6年目に無税 -

注1)いった小麦とは小麦をいったものであり主にシリアル食品等に使用される

2)その他小麦粉調製品とは製麺まんじゅう等のベーカリー製品以外の製造用の

小麦粉調製品である

- 36 -

2 日EUEPA協定概要(麦)(平成31年2月1日発効)

品目 現在の関税率 合意内容

小麦

枠内税率無税+マークアップ

枠外税率55円kg

現行の国家貿易制度を維持するとともに枠外税率(55円kg)を維持

既存のWTO枠に加えSBS方式のEU枠(270(7年目以降))を設定

枠内のマークアップを9年目までに45削減

大麦

枠内税率無税+マークアップ

枠外税率39円kg

現行の国家貿易制度を維持するとともに枠外税率(39円kg)を維持

既存のWTO枠に加えSBS方式のEU枠(30(即時))を設定

枠内のマークアップを9年目までに45削減

(参考主な麦製品)

現在の関税率合意内容

税率 枠数量

いった小麦小麦粉等

(国家貿易品目)

枠内税率125~25+マークアップ

枠外税率85~134円kg

枠内即時無税+マークアップ

(枠外税率は維持)

(発効時) (6年目)38千rarr44千

ベーカリー製品製造用

小麦粉調製品16~24

枠内即時無税(枠外税率は維持)

(発効時) (6年目)104千rarr142千

その他小麦粉調製品

16~28枠内即時無税

(枠外税率は維持)(発効時) (6年目)

2千rarr3千

マカロニスパゲティ

30円kg 11年目に無税 -

ビスケット 1315 6年目に無税 -

注1)いった小麦とは小麦をいったものであり主にシリアル食品等に使用される

2)その他小麦粉調製品とは製麺まんじゅう等のベーカリー製品以外の製造用の

小麦粉調製品である

(参考) 麦の国境措置

小 麦 大 麦

輸入数量

価格

輸入数量

価格

政府売渡価格

マークアップ(輸入差益)

452円kgを上限

輸入価格

(枠内税率0円kg)

枠内輸入(国家貿易) 枠外輸入

(民間貿易)枠外税率を支払って輸入された数量(平成29年度)12千トン

WTOカレントアクセス数量5740千トン

枠外税率55円

政府売渡価格

輸入価格(枠内税率0円kg)

WTOカレントアクセス数量1369千トン

枠内輸入(国家貿易) 枠外輸入(民間貿易)

枠外税率を支払って輸入された数量(平成29年度)06千トン

枠外税率39円

民間貿易の場合の輸入価格

民間貿易の場合の輸入価格

286円kgを上限

マークアップ(輸入差益)

- 37 -

  • スライド番号 1
  • スライド番号 2
  • 麦の参考資料 麦の需給に関する見通し(動向編)
  • スライド番号 4
  • スライド番号 5
  • スライド番号 6
  • スライド番号 7
  • スライド番号 8
  • スライド番号 9
  • スライド番号 10
  • スライド番号 11
  • スライド番号 12
  • スライド番号 13
  • スライド番号 14
  • Ⅱ 小麦粉麦製品の生産と価格の動向
  • スライド番号 16
  • スライド番号 17
  • スライド番号 18
  • スライド番号 19
  • スライド番号 20
  • スライド番号 21
  • スライド番号 22
  • スライド番号 23
  • スライド番号 24
  • スライド番号 25
  • スライド番号 26
  • スライド番号 27
  • スライド番号 28
  • スライド番号 29
  • スライド番号 30
  • スライド番号 31
  • スライド番号 32
  • スライド番号 33
  • スライド番号 34
  • スライド番号 35
  • スライド番号 36
  • スライド番号 37
  • スライド番号 38
  • スライド番号 39
  • スライド番号 40
  • スライド番号 41
Country Attribute Commodity 20042005 20052006 20062007 20072008 20082009 20092010
World Production (1000 MT) Barley 152674 136756 137430 133168 153539 0
Corn 715732 699101 712375 791492 791039 0
Millet 30947 32455 33529 34951 35619 0
Mixed Grain 16885 15213 13063 14616 15057 0
Oats 25667 23861 23163 25577 26191 0
Rice Milled 401435 418487 420633 431309 439081 0
Rye 17002 14492 12382 14245 17176 0
Sorghum 57529 58365 56628 63533 63792 0
Wheat 625700 620044 596101 610188 682865 0
Wheat Durum 0 0 0 0 3680 0
2043571 2018774 2005304 2119079 2228039
Exports (1000 MT) Barley 15098 18231 15328 15708 20175 0
Corn 77643 80966 93799 95466 76877 0
Oats 1901 1930 2114 2830 2304 0
Rye 854 610 709 556 560 0
Sorghum 5403 5379 5461 9237 4902 0
Wheat 111235 116756 111201 115377 123881 0
240641 254246 259958 269594 258464
TY Exports (1000 MT) Barley 16989 17428 14516 18412 19190 0
Corn 75964 82580 91199 96027 77925 0
Oats 1955 2254 2184 2742 2300 0
Rye 974 622 661 481 560 0
Sorghum 5366 5496 5780 8802 4950 0
Wheat 113210 113872 115500 115492 125165 0
243637 251744 261908 271184 259660
Exports (1000 MT) Rice Milled 28507 30374 31346 30420 29765 0
TY Exports (1000 MT) Rice Milled 29179 29492 32068 29228 29570 0
Domestic Consumption (1000 MT) Barley 143271 139989 144389 135872 142892 0
Corn 688190 704591 725361 773235 783288 0
Millet 30947 32855 33489 34941 35619 0
Mixed Grain 15972 15331 14092 14255 14515 0
Oats 25318 24233 23552 24709 25192 0
Rice Milled 406828 412171 418290 424999 432423 0
Rye 17595 15748 13870 14419 15498 0
Sorghum 57794 58004 56327 63305 62231 0
Wheat 605365 617369 619124 614865 652947 0
1991280 2020291 2048494 2100600 2164605
Ending Stocks (1000 MT) Barley 32783 28641 21070 18259 28244 0
Corn 131811 124624 108845 128218 136033 0
Millet 600 200 240 250 250 0
Mixed Grain 1654 1536 507 868 1410 0
Oats 3550 3126 2813 3395 4316 0
Rice Milled 73152 75676 75391 78687 82659 0
Rye 3882 2639 1065 756 2437 0
Sorghum 4297 4524 4117 4418 5752 0
Wheat 150972 147636 127009 119371 148362 0
Wheat Durum 0 0 0 0 3680 0
402701 388602 341057 354222 413143
Page 13: 麦の参考資料 - maff.go.jp · 2020-03-31 · 2014/15 2015/16 2016/17 2017/18 2018/19 (平成26年) (平成27年) (平成28年)(平成29年)(平成30年) 見込

図Ⅰ-3 穀物の国際価格

注1)小麦とうもろこし大豆の価格はシカゴ商品取引所における各月第1金曜日の期近価格

2)1ブッシェル≒(大豆小麦272kgとうもろこし254)

3)図右端の数値は平成31年3月1日時点のものである

- 5 -

大豆

90

小麦

45

とうもろこし

36

(2)小麦の国際価格の動向

小麦の国際価格は主産地である北米豪州欧州黒

海沿岸地域等における天候及び作柄の変化にこれまで大

きく影響を受けています

直近では2018年(平成30年)7月中旬以降ロシア

EU等の乾燥による生産減少懸念等から上昇したもののそ

の後は世界的に潤沢な供給量等を背景に全体的に軟調に

推移し2019年(平成31年)3月上旬現在のシカゴ小麦先

物相場は4ドルブッシェル台半ばとなっています(図

Ⅰ-3)

10

30

50

70

H261 H267 H271 H277 H281 H287 H291 297 H301 307 H311

(3)為替の動向

日本円と米国ドルの為替は平成30年以降円安基調で推

移し平成31年に入ってからは一時円高となりましたが3

月上旬では113円ドル程度で推移しています(図Ⅰ-4)

(4)海上運賃の動向

海上運賃は平成28年以降上昇傾向で推移してきました

が平成30年11月からは燃料油価格の下落を受けて軟調に推

移しています(図Ⅰ-5)

- 6 -

図Ⅰ-4 為替の推移

資料三菱東京UFJ銀行の公表資料注図右端の数値は平成30年3月4日時点のものである

資料TRAMP Data Service Co Ltd 「WORLD MARITIME ANALYSIS WEEKLY REPORT」注1)2万トン級のフレート

2)図右端の数値は平成30年3月4日時点のものである

図Ⅰ-5 海上運賃の推移

図Ⅰ-4 為替の推移

円米ドル

ドルトン

70

80

90

100

110

120

130

H261 H267 H271 H277 H281 H287 H291 H297 H301 H307 H311

表Ⅰ-6 外国産食糧用小麦の銘柄別輸入量

注1)数量は決算ベース2)四捨五入の関係で計と内訳が一致しない場合がある3)( )内の数量はSBS方式により輸入された数量で内数である

4 外国産食糧用麦の輸入状況

外国産食糧用麦については国内産食糧用麦では量的又は質的に満たせない需要分について政府が国家貿易により計画的に輸入し需要者に売り渡しています現在の主な輸入先国はアメリカカナダ豪州の3か国と

なっています

(1)小麦

外国産食糧用小麦の輸入量は国内産小麦の作柄や輸出国

における輸送状況等により変動し近年は450万~520万トン

程度で推移しています(表Ⅰ-6)

(2)大麦及びはだか麦

外国産食糧用大麦及びはだか麦の輸入量は近年は20万~

25万トン程度で推移しています(表Ⅰ-7)

(単位千トン)

- 7 -

注1)数量は決算ベース

2)四捨五入の関係で計と内訳が一致しない場合がある

表Ⅰ-7 外国産食糧用大麦及びはだか麦の銘柄別輸入量(単位千トン)

ウェスタンホワイト 610 775 683 631 (23) 711

ハードレッドウィンター(115) 727 855 790 807 891

ダークノーザンスプリング 877 1245 850 831 (59) 1198

その他 (1) 28 (1) 1 (3) 3 (6) 6 (16) 16

計 (1) 2242 (1) 2877 (3) 2327 (6) 2276 (98) 2815

ウェスタンレッドスプリング 1228 1258 1527 1547 1355

デュラム (210) 210 (222) 222 (219) 219 (175) 193 (186) 186

その他 (3) 3 (3) 3 (1) 1 (1) 1 (2) 2

計 (213) 1441 (225) 1484 (220) 1747 (176) 1742 (188) 1543

スタンダードホワイト 759 794 737 755 797

プライムハード (83) 83 (83) 83 (84) 84 (64) 64 (80) 80

その他 (0) 2 (0) 0 (28) 28 (5) 15 (0) 0

計 (83) 844 (83) 877 (111) 848 (68) 833 (80) 877

(6) 6 (7) 7 (7) 7 (8) 8 (6) 6

(304) 4532 (316) 5245 (343) 4929 (259) 4858 (372) 5242

豪州

その他

26

合  計

平成25年度 28 2927

アメリカ

カナダ

25 26 27 28 29

二条大麦 - 1 1 1 11

六条大麦 1 2 1 2 2

はだか麦 2 3 2 8 20

計 3 5 4 11 33

二条大麦 15 13 9 14 7

六条大麦 39 53 46 40 36

はだか麦 1 1 2 4 5

計 54 67 58 58 48

二条大麦 146 174 168 180 152

はだか麦 - - 0 0 1

計 146 174 168 180 153

- - 2 2 2

203 245 232 250 236合 計

年度

アメリカ

カナダ

豪州

その他

図Ⅰ-6 政府売渡価格の構成

5 外国産食糧用麦の売渡方式

(1)外国産食糧用小麦の政府売渡

外国産食糧用小麦の政府売渡については平成19年4月以降輸入価格(過去の一定期間における輸入価格の平均値)にマークアップ(政府管理経費及び国内産小麦の生産振興対策に充当)を上乗せした価格で売り渡す「相場連動制」に移行しました(表Ⅰ-8図Ⅰ-6)

表Ⅰ-8 政府売渡価格改定ルール

項 目 基本的なルール

価格改定 現在年2回(4月期10月期)

買付価格算定期間 直近6か月間

- 8 -

輸入価格

政府売渡価格

小麦の国際価格や海上運賃為替等により変動

マークアップ

(輸 入 差 益)

港 湾 諸 経 費

買 付 価 格

(3)食糧麦備蓄対策事業

即時販売方式の導入後は製粉企業等が23か月分の外国産

食糧用小麦の備蓄を行った場合国が18か月分の保管経費を

助成しています(図Ⅰ-7)

また不測の事態が生じた場合には国は製粉企業等に

対して備蓄する外国産食糧用小麦の取崩しの指示等を行い

ます

図Ⅰ-7 食糧麦備蓄対策事業のスキーム(2)即時販売方式

外国産食糧用小麦の売渡しについては平成22年10月以降輸入した小麦を直ちに製粉企業等に販売し製粉企業等が一定期間備蓄することとなっています

- 9 -

6 外国産食糧用小麦の政府売渡価格の動向

外国産食糧用小麦の政府売渡価格は穀物の国際相場や海上

運賃為替等の動向を反映した買付価格に連動して年2回改

定されています

平成30年10月期の政府売渡価格は輸入小麦の平均買付価格

(平成30年3月第2週~9月第1週)が①米国及び豪州の一

部の地域の乾燥による減収懸念等から小麦の価格が上昇②燃

料油価格の影響により海上運賃が上昇したことにより前期

に比べ上昇したことから5銘柄加重平均(税込価格)で

55560円トン対前期比22の引上げとなりました

また平成31年4月期の政府売渡価格は輸入小麦の平均買

付価格(平成30年9月第2週~平成31年3月第1週)が①小

麦の国際価格に大きな変動がない中②為替は円安傾向であっ

たものの海上運賃が下落したことにより前期に比べ低下し

たことまたTPP11協定に基づきカナダ豪州産小麦

にマークアップの引下げを適用したことから5銘柄加重平均

(税込価格)で54630円トン対前期比17の引下げとなり

ました(表Ⅰ-9)

表Ⅰ-9 外国産食糧用小麦の政府売渡価格

注1)5銘柄加重平均価格は税込み価格である2)5銘柄とはアメリカ産ダークノーザンスプリング(主にパン中華麺用)カ

ナダ産ウェスタンレッドスプリング(主にパン用)アメリカ産ハードレッドウィンター(主にパン中華麺用)オーストラリア産スタンダードホワイト(主に日本麺用)アメリカ産ウェスタンホワイト(主に菓子用)

時 期5銘柄加重平均価格

(円トン)対前期比()

平成29年4月期 50690 +46

平成29年10月期 52510 +36

平成30年4月期 54370 +35

平成30年10月期 55560 +22

平成31年4月期 54630 17

- 10 -

Ⅱ 小麦粉麦製品の生産と価格の動向

資料平成21年度までは農林水産省「米麦加工食品生産動態統計調査年報」平成22年度からは農林水産省「食品産業動態調査」及び農林水産省「製粉精麦工場需給実績報告」平成21年度以降の麦茶の生産量については全国麦茶工業協同組合調べ

注1)麺類及びパン類の生産量は小麦粉使用量でその他は製品生産量である2)小麦粉精麦及び麦茶の生産量は年度の計でありその他は暦年の計である

(単位千トン)

表Ⅱ-1 小麦粉麦製品の生産量の推移

1 小麦粉麦製品の生産量

小麦粉の生産量は460万~470万トンで安定的に推移してい

ます(表Ⅱ-1)

小麦の二次加工製品のうち

① パン類の生産量は平成22年以降プライベートブラン

ドの菓子パンや高価格帯食パンの人気等により堅調に推

移しています

② 麺類の生産量は平成23年には東日本大震災による即

席麺の需要増等から増加しましたその後冷凍麺や外食

産業での消費増等により平成30年は147万トンと増加し

ています

③ ビスケットの生産量は平成20年から26年までは24万ト

ン前後で推移しました平成27年は円安の影響による輸入

量の減少等に伴い増加しその後は25万トン程度で推移し

ています

焼酎みそ主食用に仕向けられる精麦の生産量は平成16

年度まで本格焼酎ブームにより増加傾向で推移しましたがそ

の後の焼酎用需要の低迷等により減少しました近年は主食用

の需要の伸びにより17万トン前後で推移しています

一方平成28年(2016年)以降健康志向等を背景に大麦及

びはだか麦の需要が増加しています特に水溶性食物繊維

(大麦β-グルカン)が豊富なもち性はだか麦の需要は平成

29年(2017年)半ば以降は落ち着いてきたものの引き続き高

い水準で推移しています(図Ⅱ-1 )

- 11 -

図Ⅱ-1 もち麦を使用した製品の販売額の推移(首都圏)

区分

前年 前年 前年 前年 前年 前年

増減率 増減率 増減率 増減率 増減率 増減率

年 (年度計) () (暦年計) () (暦年計) () (暦年計) () (年度計) () (年度計) ()

平成12 4623 01 1279 23 1421 09 223 19 161 45 49 89

13 4607 03 1272 05 1441 14 218 21 164 19 51 41

14 4591 03 1245 21 1421 13 210 39 177 75 51 00

15 4662 15 1247 01 1425 02 219 43 189 71 45 118

16 4667 01 1243 03 1414 08 214 20 212 118 47 44

17 4623 09 1232 09 1368 32 213 05 201 51 47 00

18 4599 05 1218 11 1324 32 218 24 196 25 47 00

19 4684 18 1211 06 1319 03 225 29 197 06 48 21

20 4564 26 1181 24 1277 32 240 70 173 120 50 42

21 4612 11 1179 02 1265 10 243 10 168 29 48 40

22 4725 25 1196 15 1251 11 241 06 161 45 52 83

23 4708 04 1215 16 1283 26 243 06 155 35 54 38

24 4654 11 1219 03 1269 11 239 14 164 60 55 19

25 4694 09 1226 06 1324 43 237 12 158 37 66 200

26 4683 02 1234 07 1371 35 244 33 162 25 66 00

27 4702 04 1234 00 1396 19 259 59 162 04 68 30

28 4683 04 1238 03 1409 09 258 05 169 44 60 118

29 4703 04 1254 13 1445 26 252 22 172 20 64 67

30 - - 1221 27 1473 19 259 30 - - - -

精麦 麦茶小麦粉 パン類 麺類 ビスケット

資料日本経済新聞デジタルメディア社による首都圏のスーパーマーケットなど119店におけるPOSデータに基づき農林水産政策研究所において集計

図Ⅱ-2 小麦粉麦製品の価格(消費者物価指数)の変化

資料総務省「消費者物価指数」(全国)

(参考) 家計に占める小麦関連製品の支出 (単位円世帯)

資料総務省「家計調査」(全国二人以上の世帯)

年間計(平成30年)

1か月平均

消 費 支 出 3447783 287315食 料 952172 79348

小 麦 関 連 製 品 計 82108 6842パ ン 30555 2546

め ん 類 17369 1447小 麦 粉 596 50

菓子類(ビスケット等) 11397 950調理食品(調理パン) 5352 446

外食(うどん等) 16839 1403

(平成27年=100)

2 小麦粉麦製品の価格の動向

小麦粉及び麦関連製品の価格は輸入小麦の政府売渡価

格の引上げ等による原材料費の上昇人件費や物流費の上

昇等の影響を受け平成30年以降小麦粉及びパンの価格

は上昇傾向にあります(図Ⅱ-2)

- 12 -

85

90

95

100

105

110

食料品総合 パン めん類 小麦粉

表Ⅱ-2 麦製品の輸入量の推移(参考1) 麦製品の輸入動向

(1)小麦粉調製品

小麦粉に砂糖脱脂粉乳等を混合した小麦粉調製品の輸

入量は平成11年以降デフレに伴う低価格品需要の拡大

により増加傾向で推移してきましたが麦の国際相場の

高騰に伴う輸入価格の上昇等により平成18年から平成20年

にかけて減少しましたその後も減少傾向で推移しており

平成30年は8万3千トンの輸入量となっています

(2)麦加工製品

①マカロニスパゲッティ

マカロニスパゲッティについては国内の全体需要が

増加する中で輸入量が増加傾向で推移してきました

平成30年は過去最高の輸入量であった前年からは減少

し13万8千トンとなっています

②ビスケット

ビスケットの輸入量は平成25年以降円安の影響を受

けて減少していましたが平成28年度以降増加傾向にあり

平成30年の輸入量は2万5千トンとなっています

資料財務省「貿易統計」注小麦粉調製品は穀粉が占める割合が85以下のものの輸入量

なお小麦粉調製品のうち加糖のものは一般に菓子類菓子パン類等の原料として利用され無糖のものは麺類等の原料として使用される

(単位千トン)

- 13 -

対前年 対前年 対前年 対前年 対前年

増減率 増減率 増減率 増減率 増減率

() () () () ()

平成12 107 118 85 92 97 26 45 95 108 11 123

13 121 126 75 99 81 27 51 93 25 13 209

14 126 131 35 102 30 29 52 101 94 15 142

15 116 133 13 101 06 31 82 108 63 21 400

16 108 136 28 98 32 38 222 112 35 25 219

17 110 140 26 98 01 42 90 110 17 24 49

18 116 139 09 99 12 39 59 110 02 24 23

19 118 117 155 87 128 30 224 104 49 23 56

20 104 100 144 72 173 29 60 127 219 18 221

21 94 102 23 73 15 30 42 116 85 17 83

22 88 107 40 73 07 33 119 121 36 19 173

23 80 108 12 78 59 30 90 134 115 22 143

24 80 106 16 78 02 28 63 142 58 22 07

25 97 100 53 73 64 28 25 133 68 18 182

26 105 98 21 73 02 25 83 133 03 17 74

27 121 94 40 69 55 25 03 132 08 14 166

28 109 91 32 65 58 26 40 145 99 19 348

29 112 92 05 65 02 27 14 150 32 24 296

30 110 83 92 59 85 24 110 138 75 25 23

国 名輸入割合()

国 名輸入割合()

国 名輸入割合()

国 名輸入割合()

国 名輸入割合()

韓国 409 韓国 528 シンガポール 442 イタリア 465 インドネシア 242

シンガポール 202 フランス 151 米国 126 トルコ 355 中国 205

フランス 114 シンガポール 105 韓国 114 米国 142 マレーシア 84

米国 75 中国 78 ニュージーランド 98 ギリシャ 20 ベトナム 63

中国 57 米国 55 豪州 69 アラブ首長国連邦 10 イタリア 55

国 名対前年増減率()

国 名対前年増減率()

国 名対前年増減率()

国 名対前年増減率()

国 名対前年増減率()

韓国 10 韓国 13 シンガポール 221 イタリア 107 インドネシア 202

シンガポール 124 フランス 92 米国 136 トルコ 45 中国 76

フランス 87 シンガポール 108 韓国 30 米国 09 マレーシア 245

米国 116 中国 546 ニュージーランド 87 ギリシャ 152 ベトナム 137

中国 543 米国 98 豪州 344 アラブ首長国連邦 135 イタリア 119

30

輸入上位5カ国

区分

為替レー

円ドル)

小麦粉調製品 麦加工製品

加糖のもの 無糖のもの マカロニスパゲッティ ビスケット

(参考2) 麦製品の輸出動向

麦製品の輸出量のうちその大部分を占める小麦粉の輸出量

は近年主要輸出先国の製粉技術の向上や現地製粉工場の立

上げ等により減少傾向で推移し平成30年は約16万トンとなっ

ています(表Ⅱ-3)

表Ⅱ-3 麦製品の輸出量の推移

資料財務省「貿易統計」

(単位トン)

- 14 -

対前年増減率()

対前年増減率()

対前年増減率()

309594 75 376 431 1028 375

321028 37 315 162 967 59

319968 03 253 197 953 14

318706 04 410 621 1052 104

304465 45 328 200 769 269

289911 48 1054 2213 719 65

290033 00 1196 135 762 60

255377 119 1150 38 1098 441

187040 268 743 354 1198 91

185403 09 822 106 898 250

196183 58 770 63 974 85

191480 24 607 212 698 283

192598 06 598 15 780 117

168205 127 573 42 769 14

166311 11 571 04 861 120

157938 50 553 32 1249 451

158896 06 549 07 1287 30

167600 55 532 32 778 395

163640 24 535 06 894 148

国 名輸出割合

() 国 名輸出割合

() 国 名輸出割合

()

香港 496 香港 888 中国 483シンガポール 207 中国 43 香港 314ベトナム 96 韓国 21 台湾 64

タイ 59 米国 17 ベトナム 37台湾 58 台湾 11 シンガポール 29

国 名対前年増減率() 国 名

対前年増減率() 国 名

対前年増減率()

香港 175 香港 26 中国 251シンガポール 583 中国 62 香港 329ベトナム 135 韓国 437 台湾 59

タイ 81 米国 1047 ベトナム 418台湾 47 台湾 261 シンガポール 449

24

30

輸出上位5カ国

25

181920212223

2627282930

17

  区分

小麦粉マカロニスパゲッティ

スイートビスケット

平成1213141516

(参考3) 麦製品の生産動向

麦製品の生産量は食パンや乾麺のように生産量が減少している製品もある一方で菓子パンや即席麺冷凍麺のように生産量が増加している製品もあることから使用される小麦粉の数量は平成22年以降概ね横ばい傾向で推移しています麦製品は食生活の多様化や簡便性といった消費者ニーズを

捉えつつ継続した新製品の開発がなされており新たな定番となる商品の登場や期間限定の商品やイベントなどが消費者の購買を促進していると考えられます(図Ⅱ-3表Ⅱ-4)

表Ⅱ-4 麦製品の生産量の推移

(単位千トン)

- 15 -

資料平成21年度までは農林水産省「米麦加工食品生産動態統計調査年報」平成22年度からは農林水産省「食品産業動態調査」及び農林水産省「製粉精麦工場需給実績報告」冷凍麺の生産量は(一社)日本冷凍食品協会調べ

注1)麺類及びパン類の生産量は小麦粉使用量で冷凍麺は製品生産量である2)小麦粉は年度の計でありその他は暦年の計である

区分

パ ン 麺 類 冷凍麺

小麦粉 食パン菓子パ

ンその他のパン

生麺 乾麺 即席麺

年度計 暦年計 暦年計 暦年計 暦年計 暦年計 暦年計 暦年計 暦年計 暦年計

昭和45 3422 970 469 - - - 514 327 267 -

50 3978 1062 588 251 63 - 541 289 335 -

55 4079 1189 687 285 89 1334 610 275 325 -

60 4243 1178 653 291 133 1397 659 297 316 9

平成2 4338 1193 661 321 146 1407 687 274 316 41

7 4633 1220 623 368 178 1456 729 268 314 120

12 4623 1279 619 382 235 1421 687 235 343 190

22 4725 1196 576 375 215 1251 555 203 332 257

23 4708 1215 580 392 215 1283 548 209 361 270

24 4654 1219 580 392 221 1269 542 204 363 283

25 4694 1226 598 384 218 1324 562 213 386 314

26 4683 1234 608 387 214 1371 578 213 410 318

27 4702 1234 605 403 201 1396 624 195 414 308

28 4683 1238 604 403 206 1409 652 186 419 308

29 4703 1254 602 409 218 1445 691 186 416 313

30 - 1221 585 401 211 1473 712 188 420 -

〔低糖質製品〕

〔多種多様な携帯サンドイッチ〕

〔手軽な冷凍麺〕

図Ⅱ-3 麦製品の商品事例

H18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29

製粉工場数 124 122 121 119 117 118 117 114 109 104 102 98

製粉企業数 100 98 98 96 94 95 94 90 88 83 81 77

うち輸入小麦取扱製粉工場数 91 91 90 90 87 87 86 83 78 76 74 73

うち輸入小麦取扱製粉企業数 67 67 67 65 64 64 64 60 57 55 53 52

50

70

90

110

130

150製粉工場数

製粉企業数

うち輸入小麦取扱製粉工場数

うち輸入小麦取扱製粉企業数

3 製粉企業の状況

(1)大手製粉企業及び中小製粉企業の動向

① 大手製粉企業4社の小麦粉の生産量は全体の78を占

めておりこれに年間小麦粉生産量が3万トン以上の企業

の生産量を加えた13社ベースでは全体の90を占めてい

ます

② 大手製粉企業は生産設備の臨海工場への集約化を進め

つつ工場の大規模化合理化を推進しています

平成29年度の1工場当たりの生産量は17万トンまた

稼働率は89となっています

③ 年間小麦粉生産量3万トン以上の中小製粉企業は工場

のほとんどが臨海地域に立地し小麦粉を域内の二次加工

メーカー等に供給しています

平成29年度の1工場当たりの生産量は約6万トン稼働

率は67となっています

④ 年間小麦粉生産量1千トン以上3万トン未満の中小製粉

企業は主に内陸に位置し小麦粉を地元のパン麺等の

加工業者に供給するほか乾麺等の製造を兼ねるものも多

くなっています

平成29年度の1工場当たりの生産量は13万トンと大

手製粉企業の約14分の1稼働率は35となっています

⑤ 年間小麦粉生産量1千トン未満の中小製粉企業は輸入

小麦を取り扱わない企業が大部分を占め国内産小麦のみ

を使用し麺用や菓子用に供給しています

表Ⅱ-5 大手製粉企業中小製粉企業の小麦粉生産等の動向

資料農林水産省調べ注四捨五入の関係で計と内訳が一致しない場合がある

(参考)製粉企業数と工場数の推移(企業工場)

- 16 -

3万トン以上1千トン以上3万トン未満

1千トン未満

平成24 94 4 90 9 50 31

29 77 4 73 9 38 26

24 4853 3679 1174 536 636 3

29 4877 3801 1075 569 504 2

24 100 758 242 110 131 01

29 100 779 221 117 103 00

24 3245 1177 2068 632 1360 76

29 2806 1057 1749 581 1114 54

24 1496 3126 568 848 468 39

29 1738 3596 615 980 452 44

24 415 1533 126 596 120 01

29 498 1728 142 569 126 01

24 692 887 414 709 311 42

29 731 888 454 670 347 46

全体 大手製粉

中 小 製 粉年間生産量

稼働率()

製粉企業数

小麦粉生産量(千トン)

生産シェア()

従業員数(人)

従業員一人当たりの生産量

(トン)

一工場当たりの生産量(千トン)

(2)製粉企業のコスト削減や品質安全性の向上に向けた取組

製粉企業は生産能力の増強によるコスト削減や品質安全性の向上に向けた取組を進めています(図Ⅱ-4)

また国も農業競争力強化プログラムを策定し製粉企業の取組みを支援しています(図Ⅱ-5)

① 供給能力の強化等によるコストダウン

製粉企業は供給能力の強化生産性の向上と原料小麦の受入体制の整備によるコストダウンを図るため製粉工場や原料サイロの増強等の設備投資を行っています

② 資本業務の提携

製粉企業の中には他の製粉企業と資本業務提携を行うこと等により原料調達規模の拡大や生産の効率化等による競争力の強化を図る取組もみられます

③ 品質安全性の向上

製粉企業は近年消費者の安全安心への関心が高まる中食品の品質安全性を確保するための設備やAIB食品安全システムの導入ISO認証の取得等様々な取組を行っています

④ 工場の集約化

大手製粉企業は内陸工場を閉鎖し海外からの原料調達に有利な臨海工場への集約を進めるとともに臨海工場の生産能力を増強させる等生産性の向上を図っています

⑤ 海外市場への進出

製粉企業の中にはアジア大洋州地域における買収や工場増設等海外市場に積極的な進出をする取組もみられます

① 供給能力の強化等によるコストダウン 日清製粉は関東地区の小麦サイロ収容力の増強を進め更なる原料小麦の安定供給を推進するため鶴見工場の原料小麦サイロを増設(平成28年)

日本製粉は神戸甲南工場の原料サイロの新設等(平成24年)千葉工場の原料サイロの増設(平成26年)を行い今後原料サイロを福岡工場及び知多新工場へ新設神戸甲南工場(第2期)へ増設する予定

千葉製粉は新たな顧客ニーズへの対応付加価値製品の創出等を図るため専用ラインを新設(平成27年)

② 資本業務提携 資本業務提携を行っている製粉企業

増田製粉所(兵庫) hArr 日東富士製粉

木田製粉(北海道)内外製粉(三重)奥本製粉(大阪)セントラル製

粉(愛知) hArr 昭和産業

東福製粉(福岡) hArr 日本製粉

③ 品質安全性の向上 多くの製粉企業がISO9001(品質マネジメントシステム)ISO22000(食品安全マネジメントシステム)の認証を受けることにより品質管理や食品安全管理を実施

④ 工場の集約化 日清製粉は生産性向上のため内陸工場を順次閉鎖し臨海工場への集約化を推進

筑後工場(福岡)鳥栖工場(佐賀) rarr 福岡工場(福岡)へ集約

(平成26年)

名古屋工場の2ライン rarr 知多工場(愛知)の新ラインへ集約

(平成27年)

日本製粉は生産性向上のため総生産能力の80を臨海部の大型工場に集約

⑤ 海外市場への進出状況(平成30年度) 日清製粉は豪州の小麦粉市場においてトップシェアを持つアライドピナクル社を買収またタイでは子会社の日清STC製粉がタイの製粉工場を買収するとともにベトナムでは業務用プレミックスの生産工場を建設することを決定

昭和産業はベトナムに新たにプレミックス製造会社を設立し生産工場を建設することを決定

図Ⅱ-4 製粉企業の各種取組の事例

- 17-

⑥ 再編合理化の取組

製粉企業の中には国の支援を活用した再編合理化の取

組もみられます

⑦ 地産地消の推進

中小製粉企業は地域とのつながりの強さや独自の立地

条件を活かした特色ある経営を模索する中で生産者と協

力した積極的な地産地消の取組を進めています

⑦ 地産地消の推進

岩手県主な実施者岩手県学校給食会岩手県パン工業組合県内製粉企業取 組 内 容 平成28年度から地元県産小麦(銀河のちからゆきちから)を

100使用した学校給食用パンを県内の小中学校に提供開始埼玉県

主な実施者埼玉産小麦ネットワーク「SWING group」(県内製粉企業が中心となり生産者加工業者販売業者等180社が加盟)

取 組 内 容 埼玉県産小麦のブランド価値を高めることなどを目的として埼玉県産小麦を自社製品に利用することで高付加価値商品の開発による自社の発展などを目指すとともに研修会の実施やイベントホームページなどを通じた消費者への情報提供を実施

京都府主な実施者地元製粉企業京都府全農京都府本部生産者府内製麺製

パン業者飲食店取 組 内 容 平成30年産から京都府産小麦品種を「せときらら」へ全面切替を

行ったことを機にブランド名を「京小麦」とし「京小麦」を100使用したメニューを参加店舗にて提供するイベント「京小麦の収穫祭」を平成31年1月21日から2月17日まで開催

福岡県主な実施者福岡県ラー麦普及推進協議会(県JA全農ふくれん県内製粉

業者5社製麺業者関係団体)取 組 内 容 以下の取組によりラーメン用小麦「ラー麦」を普及推進

産地への生産技術の普及指導 小麦品質評価最適製粉加工方法の検討 利用や消費を促進するための普及宣伝(試

食イベント等) 毎年産の製粉製麺適性評価および食味

官能評価の実施 平成21年に本小麦の名称「ラー麦」とロ

ゴデザインを商標登録しブランド化

- 18 -

2 生産者が有利な条件で安定取引を行うことができる流通加工の業界構造の確立

(1)生産者に有利な流通加工構造の確立現在の食料需給消費の実態等を踏まえた効率的機能

的で農業者と消費者双方がメリットを受けられる流通加工構造を確立するため以下のとおり取り組む

その際農林水産省経済産業省をはじめ政府一体となって取り組む①~⑦ (略)⑧ 加工業については生産性の低い工場が乱立している

種類の加工業界(製粉乳業等)について国は国際競争に対応できる生産性の確保を目指した業界再編設備投資等を推進することとし政府系金融機関の融資農林漁業成長産業化支援機構の出資等による支援を行う

⑨ 上記改革を推進するため農産物の流通加工に関し国の責務業界再編に向けた推進手法等を明記した法整備を進める

⑩ 上記改革を推進するため金融機関による流通加工関連産業の生産性向上に資する経営支援や資金供給の促進政府系金融機関や農林漁業成長産業化支援機構等との連携強化等を図る

図Ⅱ-5 農業競争力強化プログラム(抜粋)

(平成28年11月29日 農林水産業地域の活力創造本部決定)

⑥ 再編合理化の取組

製粉工場の廃棄撤去製粉施設の一部又は全部を撤去しミックス粉等の関連事業を拡大

(製粉工場等再編合理化事業(平成2728年度7件))

図Ⅲ-1 国内産小麦の収穫量と作付面積の推移

表Ⅲ-1 小麦の主な作付品種(平成29年産)

Ⅲ 国内産麦の生産と流通の動向

1 国内産麦の生産状況

(1)小麦

① 作付面積

近年の国内産小麦の作付面積は約21万haと横ばいで推移して

います平成30年産の作付面積は北海道は121万ha都府県

は91万ha全国では212万haとなり前年産並となっていま

② 収穫量

平成30年産の国内産小麦の収穫量は主産地の北海道での6

月中旬から7月中旬にかけての低温日照不足の影響により登

熟不良となったこと等から前年産に比べ北海道で134万ト

ン(22)減少都府県では05万トン(2)減少全国

では139万ha(15)減少の768万トンとなり(図Ⅲ-1)

10a当たりの平均収量対比は91となりました

③ 小麦の作付品種の状況

栽培品種については各産地の気候条件や用途等に適した品

種が作付されており29年産では日本麺用では「きたほなみ」

「さとのそら」「シロガネコムギ」といった品種パン

中華麺用では「春よ恋」「ゆめちから」といった品種が上位

を占めています(表Ⅲ-1)

資料農林水産省「作物統計」品種毎の面積は農林水産省政策統括官調べ

注品種の育成年についてはシロガネコムギは農林認定が行われた年

それ以外の品種は出願公表が行われた年としている

資料農林水産省「作物統計」30年産の数値は概算値

- 19 -

(千トン)

年産

910 881

674

571

746

858 812

852

1004

791

907

768

210 209 208 207 212 209 210 213 213 214 212 212

100

120

140

160

180

200

220

240

260

280

300

0

200

400

600

800

1000

H19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30

収穫量 作付面積(千ha)

品種名 育成年 作付面積(千ha) 割合 主な作付地域

きたほなみ 平成19年 878 41 北海道

さとのそら 平成21年 159 7 関東東海

シロガネコムギ 昭和49年 152 7 九州近畿

春よ恋 平成11年 143 7 北海道

ゆめちから 平成20年 137 6 北海道

上位5品種計 1469 69

小麦作付面積 - 2123

図Ⅲ-2 国内産大麦及びはだか麦の収穫量と作付面積の推移

表Ⅲ-2 大麦及びはだか麦の主な作付品種(平成29年産)

(2)大麦及びはだか麦

① 作付面積

近年国内産大麦及びはだか麦の作付面積は約6万と横ば

いで推移しており平成30年産は前年産と比較すると二条

大麦は前年産並六条大麦は800ha(4)減少はだか麦

で460ha(9)増加となり全体では340ha(1)減少の

61万haとなりました(図Ⅲ-2)

② 収穫量

平成30年産の大麦及びはだか麦の収穫量は二条大麦及びは

だか麦はおおむね天候に恵まれ生育が順調で登熟も良好

であったこと等から前年産に比べ二条大麦は01万トン

(1)増加はだか麦は01万トン(8)増加となりました

六条大麦については北陸地方において大雪の影響で融雪時期

が遅れたこと等により穂数が少なくなり前年産に比べ14万

トン(26)減少しました

この結果大麦及びはだか麦の収穫量は合計で173万トンと

なり前年産に比べて12万トン(6)減少となりました

(図Ⅲ-2)

③ 大麦及びはだか麦の作付品種の状況

栽培品種については各産地の気候条件や用途等に適した品

種が作付されており29年産では二条大麦はビール用の「サ

チホゴールデン」六条大麦は主食用や麦茶用の「ファイ

バースノウ」はだか麦は麦味噌用の「マンネンボシ」いっ

た品種が上位を占めています(表Ⅲ-2)

資料農林水産省「作物統計」30年産の数値は概算値

- 20 -

(千トン)

資料農林水産省「作物統計」農林水産省調べ

注品種の育成年についてはシュンライイチバンボシは農林認定が行われ

た年それ以外の品種は出願公表が行われた年としている

195 217

179 161

172 172 183

170 177 170 185

173

54 57 58 59 60 60 59 60 61 61 61 61

0

10

20

30

40

50

60

70

80

90

100

0

50

100

150

200

250

H19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30

収穫量 作付面積 (千ha)

年産

麦種 品種名 育成年作付面積(千ha)

割合 主な作付地域

二条大麦

サチホゴールデン 平成18年 189 31 九州関東中国

はるしずく 平成17年 44 7 九州

ニシノホシ 平成11年 27 4 九州

六条大麦

ファイバースノウ 平成13年 107 17 北陸関東東海

シュンライ 平成2年 33 5 関東東北近畿

カシマゴール 平成22年 13 2 関東東海

はだか麦

マンネンボシ 平成13年 15 2 四国

イチバンボシ 平成4年 14 2 四国九州

トヨノカゼ 平成18年 11 2 九州中国

大麦はだか麦作付面積

- 614

資料農林水産省調べ

Aランク評価項目の基準値を3つ以上達成しかつ許容値を全て達成している麦Bランク評価項目の基準値を2つ達成しかつ許容値を全て達成している麦Cランク評価項目の基準値を1つ達成しかつ許容値を全て達成している麦

評価項目の基準値を2つ以上達成しているものの許容値を達成していない麦DランクA~Cランクのいずれにも該当しない麦

【評価項目】①小麦 日本麺用パン中華麺用(たんぱく灰分容積重フォーリングナンバー)

醸造用(たんぱく3項目容積重)②二条大麦 主食等用(容積重細麦率白度正常粒率)

麦茶用(たんぱく3項目細麦率)③六条大麦はだか麦 主食等用(容積重細麦率白度硝子率)

麦茶用(たんぱく3項目細麦率)

(参考) 麦の品質区分

(単位)

- 21 -

(2)品質評価

たんぱく質や灰分の含有率等に基づく品質評価結果につい

ては平成30年産の小麦ではAランクが899となってお

り過去5年平均(Aランク比率849)と比べ5ポイン

ト高くなっています

また平成30年産の大麦はだか麦ではAランクが

849となっており過去5年平均(Aランク比率832)

と比べ17ポイント高くなっています(表Ⅲ-4)

表Ⅲ-4 平成30年産麦の品質評価結果

2 国内産麦の品質状況

(1)農産物検査① 平成30年産の小麦について全国の1等比率は761

(平成30年12月末時点)と過去5年平均799と比較して低くなっています(表Ⅲ-3)

② 平成30年産の小粒大麦大粒大麦はだか麦及びビール大麦について1等比率は大粒大麦を除き過去5年平均と比較して低くなっています(表Ⅲ-3)

表Ⅲ-3 国内産麦の1等比率の推移(単位)

Aランク Bランク Cランク DランクAランク

過去5年平均(平成25~29年産)

小 麦 899 67 33 01 849

大麦はだか麦

849 37 108 06 832

注1)各年産翌年4月末時点の値であるただし平成30年産は30年12月末時点の値である

2)強力小麦の検査数量を含む値である

3 国内産麦に対する支援

平成31年度は経営所得安定対策等の対策のうち主に畑作

物の直接支払交付金と水田活用の直接支払交付金により国内

産麦に対する支援が行われます

(1)畑作物の直接支払交付金

畑作物の直接支払交付金として麦を生産する農業者に対

し標準的な生産費と標準的な販売価格の差額分を直接交付

することとしています

支払いは当年産の麦の品質及び生産量に応じて交付する

数量払を基本とし当年産の麦の作付面積に応じて交付する

面積払(営農継続支払)を数量払の先払いとして交付する仕

組みにしています

数量払の交付単価は品質に応じた単価を設けており需要

に応じた生産と品質に対する営農努力を適切に反映させる仕

組みになっています(表Ⅲ-5)

表Ⅲ-5 畑作物の直接支払交付金の麦の交付単価

(円単位数量)

品質区分(等級ランク)

1等 2等

A B C D A B C D

小麦(パン中華麵

用品種)(60kg当たり)

9040 8540 8390 8330 7880 7380 7230 7170

小麦(パン中華麺用品種以外)(60kg当たり)

6740 6240 6090 6030 5580 5080 4930 4870

二条大麦(50kg当たり) 5550 5130 5010 4960 4690 4270 4140 4090

六条大麦(50kg当たり) 6030 5610 5480 5430 5000 4580 4460 4410

はだか麦(60kg当たり) 8650 8150 8000 7910 7080 6580 6430 6350

(参考)

【平均交付単価小麦6940円60kg二条大麦5490円50kg六条大麦5720円50kg

はだか麦8230円60kg】

②面積払

当年産の作付面積に応じて交付 2万円10a

①数量払(品質に応じた単価)

- 22 -

【平成31年産に適用】

標準的な生産費

差額

ゲタ交付単価

標準的な販売価格

【交付単価のイメージ】lt畑作物の直接支払交付金のイメージgt

面積払(数量払の際に控除されます)

数量払

収量

交付金額

(2)水田活用の直接支払交付金

水田のフル活用を推進し食料自給率自給力の向上を図

るため水田で麦を生産する農業者に対しては畑作物の直

接支払交付金に加え水田活用の直接支払交付金(35000円

10a)を直接交付することとしています(表Ⅲ-6)

表Ⅲ-6 水田活用の直接支払交付金の交付単価

作 物 単 価

麦大豆飼料作物 35000円10a

WCS(ホールクロップサイレージ)用稲 80000円10a

加工用米 20000円10a

飼料用米米粉用米収量に応じ

55000円~105000円10a

このほか「産地交付金」により地域で作成する水田フル活用ビジョンに基づき二毛作や耕畜連携を含め産地づくりに向けた取組を支援します

戦略作物助成

注実需者等との出荷販売契約等を締結すること出荷販売することが要件

- 23 -

4 国内産食糧用麦の流通動向

(1)取引の概要

国内産食糧用麦は加工原料としての商品特性から需要に応じて計画的に生産できるようは種前契約に基づく取引が行われています

まず取引の指標となる透明性のある適正な価格を形成するためは種前に販売予定数量の3~4割(具体の比率は民間流通地方連絡協議会の協議を踏まえ決定)について入札が行われます残りは相対取引が行われておりその価格については入札で形成された指標価格(落札加重平均価格)を基本として取引当事者間で決められています(図Ⅲ-3)

また取引を円滑に進めるため生産者需要者等で構成される民間流通連絡協議会において取引に必要な情報交換取引に係る基本事項の見直し等が行われています(表Ⅲ-7)

今後とも国内産食糧用麦については円滑な流通が確保されるようは種前契約を基本としつつ適切に対応していきます

図Ⅲ-3 国内産食糧用麦の基本的な流通フロー

表Ⅲ-7 国内産食糧用麦の入札の仕組み

項 目 概 要 見直しの変遷

実施主体 一般社団法人 全国米麦改良協会

実施時期 は種前に2回実施(8~9月)平成13年産から1回rarr2回へ見直し

上場数量

産地銘柄別に販売予定数量が小麦3千トン以上大麦はだか麦1千トン以上の銘柄についてその30~40を上場(ほかに希望上場あり)

平成31年産から30rarr30~40へ見直し

基準価格

小麦は前年産の落札加重平均価格に当年産の入札実施時点での外国産麦の政府売渡価格の変動率を乗じた価格大麦はだか麦は前年産の落札加重平均価格

小麦の外国産麦との連動は平成24年産から実施

値幅制限 基準価格のplusmn10

小麦平成12年産~16年産plusmn5平成17年産~21年産plusmn7平成22年産plusmn10平成23年産plusmn30平成24年産~ plusmn10大麦はだか麦平成12年産~18年産plusmn5平成19年産~21年産plusmn7平成22年産plusmn10平成23年産plusmn15平成24年産~ plusmn10

取引価格の事後調整(小麦のみ)

外国産食糧用小麦の政府売渡価格の改定(410月)に合わせては種前の入札又は相対により契約された価格に外国産食糧用小麦の政府売渡価格の変動率を乗じて取引価格を改定

平成23年産から実施

申込限度数 量

買い手別に上場数量times買受実績シェアtimes145

小麦は平成17年産から大麦及びはだか麦は平成19年産から135rarr145へ見直し

相対取引入札で形成された指標価格を基本に生産者団体と需要者の間で協議決定

平成19年産から過去の実績シェアに基づく取引ルールを廃止

再入札

第1回入札及び第2回入札において落札残数量が発生した場合は売り手の希望により再度入札に付すか相対による契約を行うかいずれかの方法をとることができる

平成25年産から売り手の申し出により再入札における入札の値幅を設定できること等を規定

生産者団体から販売予定数量需要者団体から購入希望数量の相互提示

入札取引の実施(販売予定数量の約3~4割)

相対取引の実施(販売予定数量の約6~7割)

は 種(秋まき春まきは収穫年の4月)

収 穫 及 び 検 査

生産者団体と需要者の間では種前に契約を締結

需 要 者 へ 引 渡 し

<生産の流れ>

麦の生育期間

<契約の流れ>

は種前契約に基づき計画的に作付(は種)

収穫前年7月~

8~9月

9月~

~12月

6~8月

6月~

収穫年26年産から国内産麦の需要拡大を図るため地域の食文化のブランド化等による高付加価値化の取組等に対し安定的な原料供給が可能となる需要拡大推進枠を導入

- 24 -

表Ⅲ-8 国内産食糧用麦の供給量 (単位千トン)

注集荷団体からの聞き取り数量である

(2)流通の動向

平成30年産の国内産食糧用小麦の供給量は前年産から

約14万4千トン減少し約70万1千トンとなっています

また国内産食糧用大麦及びはだか麦の供給量は前年

産から約3千トン減少し約10万3千トンとなっています

(表Ⅲ-8)

生産者側から提示された平成31年産麦の販売予定数量は

国内産食糧用小麦で約82万4千トン国内産食糧用大麦及

びはだか麦で約10万8千トンとなっています

一方需要者側から提示された平成31年産麦の購入希望

数量は国内産食糧用小麦で約86万3千トン国内産食糧

用大麦及びはだか麦で約13万トンとなっています(表Ⅲ-

9)

表Ⅲ-9 国内産食糧用麦の販売予定数量及び購入希望数量の推移(単位千トン)

資料民間流通連絡協議会調べ注四捨五入の関係で差し引きが一致しないことがある

- 25 -

年産 20 21 22 23 24 25 26 27 28 2930

(見込)

小   麦 841 639 532 694 811 767 808 946 734 845 701

大麦はだか麦 125 100 84 98 93 105 103 103 92 106 103

年産 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31

販売予定数量① 887 906 909 951 948 909 905 880 820 846 834 824

購入希望数量② 833 880 818 859 904 869 751 802 834 875 880 863

①-② 54 25 91 91 44 40 154 78 14 29 46 39

(①-②)①() 61 28 100 96 47 44 170 89 18 34 55 47

販売予定数量① 121 132 134 127 122 116 110 112 113 112 108 108

購入希望数量② 199 219 135 149 147 138 141 149 145 138 148 130

①-② 78 87 1 23 26 21 31 37 32 26 39 22

(①-②)①() 640 660 06 179 209 182 282 330 284 234 363 204

表Ⅲ-10 国内産食糧用麦の入札結果の推移

資料一般社団法人全国米麦改良協会調べ

注1価格は税込み(26年産までは527年産以降は8)である

ただし31年産の落札価格は一般社団法人全国米麦改良協会公表の価格(税抜き)を基に農林水産省で税込み価格を算出

5 国内産食糧用麦の価格の動向

(1)平成31年産の入札の概要

平成31年産麦の入札は第1回は平成30年9月12日に第

2回は平成30年9月26日に実施されました

麦種別の入札結果をみると小麦は上場数量約21万4千

トンのうち約20万4千トンが落札(落札率954)され落

札価格は61714円トン(対前年産比1151)となりました

小粒大麦は上場数量約1万1千トンのうち約1万1千

トンが落札(落札率991)され落札価格は46560円トン

(対前年産比997)となりました

大粒大麦は上場数量約7千8百トンのうち5千6百トン

が落札(落札率717)され落札価格は46923円トン(対

前年産比879)となりました

はだか麦は上場数量約2千3百トンのうち約2千1百

トンが落札(落札率897)され落札価格は50817円トン

(対前年産比961)となりました(表Ⅲ-10)

なお国内産小麦については近年消費者の国産志向の高

まりなどを受け大手外食チェーンや2次加工メーカーが国

内産小麦を使用したパン中華麺等の商品を相次いで発表す

るなど人気が高まってきていますこれらを背景として平

成31年産小麦の落札価格は多くの銘柄で値幅制限の上限付

近となっておりまた申込倍数も14倍と高いものとなって

います

- 26 -

20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31

上場数量

(トン)①243510 243020 242310 251370 250980 244880 244320 234010 213360 221380 218500 214200

落札数量

(トン)②234930 238410 189350 247770 245320 220590 188240 192240 201140 214060 210560 204420

落札率

②①965 981 781 986 977 901 770 822 943 967 964 954

落札価格

(円トン)43229 59885 55241 48732 58340 49333 49319 49770 54164 51570 53624 61714

対前年産比 1064 1385 922 882 1197 846 1000 1009 1088 952 1040 1151

上場数量

(トン)①12240 13590 14210 13300 11760 11220 11290 11930 12210 12200 11750 11040

落札数量

(トン)②12050 13510 14040 13170 11550 10850 10900 11830 12090 12200 11440 10940

落札率

②①984 994 988 990 982 967 965 992 990 1000 974 991

落札価格

(円トン)45479 59709 53448 45871 46485 46453 46290 47595 47565 46880 46708 46560

対前年産比 1084 1313 895 858 1013 999 996 1028 999 986 996 997

上場数量

(トン)①10020 9690 10330 9290 9000 8700 7210 7620 7450 7620 6880 7810

落札数量

(トン)②8880 8920 8910 7990 7990 7830 6480 7130 6600 6700 6340 5600

落札率

②①886 921 863 860 888 900 899 936 886 879 922 717

落札価格

(円トン)36532 50492 46097 39649 40394 41582 42881 45740 47827 50442 53384 46923

対前年産比 1059 1382 913 860 1019 1029 1031 1067 1046 1055 1058 879

上場数量

(トン)①2910 3150 3030 3260 3060 2830 2840 2890 2740 2660 2570 2330

落札数量

(トン)②2910 3150 3030 3090 3020 2830 2810 2810 2520 2600 2470 2090

落札率

②①1000 1000 1000 948 987 1000 989 972 920 977 961 897

落札価格

(円トン)42222 58527 61489 52791 51905 52294 49656 47712 46547 48527 52876 50817

対前年産比 1063 1386 1051 859 983 1007 950 961 976 1043 1090 961

年産

小麦

小粒大麦(六条大麦)

大粒大麦(二条大麦)

はだか麦

平成31年産国内産食糧用小麦の入札結果をみると産地別銘柄別

の需給状況等を反映して落札価格に差が生じています

代表的な銘柄である北海道産「きたほなみ」は前年産の価格を

153上回る64752円トン香川県産「さぬきの夢2009」は前

年産の価格を152上回る73186円トンとなりましたまたパ

ン中華麺用の北海道産「ゆめちから」は前年産の価格を180

上回る62777円トン北海道産「春よ恋」は前年産の価格を

180上回る68792円トンとなりました(図Ⅲ-4図Ⅲ-5)

図Ⅲ-4 平成31年産国内産食糧用小麦の産地別銘柄別落札価格

資料農林水産省調べ注外国産小麦5銘柄加重平均価格は平成30年4月期の輸入小麦の政府売渡価格である

(2)平成31年産国内産食糧用小麦の産地別銘柄別落札価格の動向

資料農林水産省調べ注1国内産小麦の価格は(一社)全国米麦改良協会が実施する民間流通麦にかかる入札の第1回第2回

及び再入札の落札加重平均価格(税込み)年産の下段の( )内は当該第1回入札の実施年月である注2外国産小麦の価格は18年までは当該年度平均の実績価格であり19年以降は民間流通麦にかかる第

1回入札の実施年月時点での輸入小麦の政府売渡価格(5銘柄平均)である注3ホクシン(きたほなみ)については22年産までは「ホクシン」の価格であり23年産からは「きたほ

なみ」の価格である注4さぬきの夢については24年産までは「さぬきの夢2000」の価格であり25年産からは「さぬきの夢

2009」の価格である注5農林61号(さとのそら)については23年産までは「農林61号」の価格であり24年産からは「さとの

そら」の価格である

図Ⅲ-5 国内産食糧用小麦の産地別銘柄別落札価格の推移

- 27 -

(単位円トン税込み)

30000

60000

北海道ゆめちから 62777

福岡ミナミノカオリ 68393

滋賀農林61号 50763

茨城さとのそら 46310

佐賀チクゴイズミ 52193

岩手ゆきちから 39929

全銘柄落札加重平均 61714

香川さぬきの夢2009 73186

北海道きたほなみ 64752

外国産小麦5銘柄加重平均 54370

群馬さとのそら 48669

北海道キタノカオリ 63090

大分チクゴイズミ 48265

福岡シロガネコムギ 50643

佐賀シロガネコムギ 47998

40000

福岡チクゴイズミ 52203

滋賀ふくさやか 49534

岐阜イワイノダイチ 46874

埼玉さとのそら 47159

宮城シラネコムギ 44607

群馬つるぴかり 49785

北海道春よ恋 68792

愛知きぬあかり 50114

北海道はるきらり 60201

50000

埼玉あやひかり 46072

岐阜さとのそら 45919

70000

30000

40000

50000

60000

70000

80000

90000

100000

110000

120000

130000

12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 年産

(単位円トン税込み)

北海道ホクシン

香川さぬきの夢200973186円

茨城農林61号

香川さぬきの夢2000

茨城さとのそら

46310円

北海道きたほなみ

64752円

北海道ゆめちから

62777円

外国産小麦

5銘柄平均

54370円

北海道春よ恋

68792円

(128) (138) (148) (158) (168) (178)(1810) (199) (208)(2110)(2212) (239) (2410)(2510)(269)(279) (289) (299)(119) (309)

6 国内産麦の新品種の育成状況

(1)国内産麦については縞萎縮病抵抗性や耐倒伏性を備え

需要者等のニ-ズに合った新品種の開発が進められています

また作付け面積が1万haを超える「ゆめちから」「さとの

そら」をはじめ多数の品種が生産現場に導入されています

(図Ⅲ-6)

(2)今後とも赤かび病抵抗性や穂発芽耐性が高い小麦品種

小麦粉の色相や製粉性が優れる日本麺用小麦品種パンの膨

らみがカナダ産「1CW」並の小麦品種焼酎押麦味噌

などの加工適性が高い大麦品種等の開発を推進します

小麦品種「ゆめちから」及び「さとのそら」は優れた栽培特性

と加工適性を備えており作付けが拡大しています(平成29年

推定値「ゆめちから」約1万2千ha「さとのそら」約1万5

千ha)

パン用小麦品種の開発近年国産の小麦粉を使ったパンの需要増加に応えるためグルテンやでん粉の組成などパンの膨らみに関連する特性に注目した育種が進められていますその結果平成25年に製パン適性が「1CW」に近く多収の「せときらら」平成29年にはパン生地の力が強く穂発芽耐性や赤かび抵抗性が改良された「夏黄金」が育成されました

加工適性の高い大麦品種の開発機能性成分β-グルカンを多く含むもち性大麦の需要の高まりに応えるため平成29年に「はねうまもち」が育成されましたまた高品質なはだか麦の需要増加に対応して平成24年に味噌加工適性の高い「ハルヒメボシ」が育成されました

図Ⅲ-6 平成19年以降に育成された麦類の主な新品種

日本麺用小麦ゆめきらり

パン用小麦ゆめかおり福井県大3号

六条大麦ホワイトファイバー

北信越

日本麺用小麦あおばの恋

パン用小麦銀河のちから

東北

日本麺用小麦さとのそらきぬあかり

パン用小麦ゆめかおり

二条大麦とちのいぶき彩の星アスカゴールデンニューサチホゴールデン

六条大麦カシマゴール

はだか麦キラリモチ

関東東海

日本麺用小麦ふくはるかさぬきの夢2009

パン用小麦ゆめちからせときらら

はだか麦ハルヒメボシ

近畿中国四国

中華麺用小麦ちくしW2号

二条大麦煌二条白妙二条はるか二条トヨノホシ

九州

日本麺用小麦きたほなみ

中華麺用小麦つるきち

パン用小麦ゆめちからはるきらり

二条大麦札育2号

北海道

新品種のうち平成30年産で概ね100ha以上作付けされていると推定される品種を選定(農林水産省調べ)

- 28 -

7 国内産麦を利用した製品の動向

食料自給率の向上を図るためには国内産麦の需要開拓を行う

ことが必要です最近の消費者の国産志向の高まりや生産者と実

需者が一体となった地産地消の推進地域農業の振興を図る取り

組み等から国内産麦を使った麦製品(パン麺等)が増えてき

ており中には国内産麦を100使用した商品もあります(図Ⅲ-

7)

- 29 -

8 民間流通制度の運用改善

国内産麦の人気の高まりにより近年需要量が生産量を上回

る状況が継続しており国内産麦を積極的に使用したい実需者が

必要量を確保できない等の課題もあります

このような課題に対応するため民間流通連絡協議会において

入札上場比率の選択制の導入需要拡大推進枠設定の要件緩和

相対取引需要拡大推進枠において多様な取組が可能であること

の明確化等民間流通制度の運用改善が行われました(図Ⅲ-

8)

ピッツァ専用粉(北海道)(小麦)地元の製粉企業が北海道産小麦(きたほなみキタノカオリゆめち

から)を100使用した国内で初めてのピッツァ専用粉を開発平成30年2月に都内で試食会を開催し平成30年5月から販売

ピッツァ専用粉(群馬県)(小麦)地元の製粉企業が地元のピッツァ専門店ピッツァ窯メーカーと協力

して品質改良を重ね群馬県産小麦(さとのそらつるぴかりきぬの波)を100使用したピッツァ専用粉を平成30年4月から発売ピッツァイベントやイタリアン食材の展示会に出展

学校給食用パン(東京都)(小麦)都学校給食会の「学校給食パン加工規格」による配合基準に基づき国

内産小麦を100使用した学校給食パンを平成27年度から都内の一部の小中学校で提供を開始平成28年度からは都内全域の規格として採用

〇 市販用中華麺(愛知県)(小麦)地元の製粉企業が自社製品として愛知県産小麦きぬあかりを100使用

した中華麺を平成30年6月から自社通販で販売平成30年8月から一般販売を開始

フランスパン用粉(佐賀県)(小麦)近県製粉企業が農研機構と共同で育成した九州地域等の暖地温暖地

向けのフランスパン加工適性に優れる準強力小麦品種「さちかおり」を100使用したフランスパン用粉を平成30年8月から発売

市販用ゆで麺(長崎県)(小麦)地元の製麺企業近県製粉企業県生麺協同組合JA県等が連携し

平成26年3月に「長崎県育成麦活用開発協議会」を立ち上げ長崎県産長崎W2号(商標登録名長崎ちゃん麦)を100使用したちゃんぽん用のゆで麺を平成29年4月に製品化原料小麦の生産量が整った段階での本格販売を予定

もち性大麦を使用した機能性表示食品(静岡県)(大麦)地元の精麦企業が国内産もち性大麦でβ-グルカン量の多い銘柄を使用し

炊飯用精麦を製品化機能性表示食品として平成29年1月に届出し十分な原料を手当でき次第随時販売予定

〇 もち性大麦を使用したシリアル(愛知県)(大麦)地元の精麦企業が食物繊維が20を超える愛知県産もち性大麦「ワキ

シーファイバー」を使用した国内産もち麦100シリアルを開発平成30年4月から販売開始

図Ⅲ-7 国内産麦を100使用した商品事例

図Ⅲ-8 民間流通制度の運用改善のポイント

0

50

100

150

200

250

300

350

400円千人

大手製パンメーカーA社が国内産小麦100使用の新製品を発売

大手製食品スーパーB社が国内産小麦100使用の新製品をPBで発売

大手製パンメーカーA社が国内産小麦100使用の製品を初めて発売

(参考)国内産小麦を利用した製品の販売状況

(1)国内産小麦100使用の食パンの販売額

大きなシェアを占めるにはいたっていないものの国内産

小麦を100使用した食パンの販売金額の推移を見ると新製

品が登場する度に国内産小麦100使用の食パン市場が拡大し

ています(図Ⅲ-9)

図Ⅲ-9 国内産小麦100使用の食パンの販売額の推移(首都圏)

資料日本経済新聞デジタルメディア社による首都圏のスーパーマーケットなど100店舗におけるPOSデータに基づき農林水産政策研究所において集計

注食パンのうち国内産小麦を100使用していることが明らかな製品のみ計上菓子パン等は含んでいない

表Ⅲ-11 生麺ゆで麺(チルド)の販売金額のシェア(首都圏平成30年)

資料日本経済新聞デジタルメディア社による首都圏のスーパーマーケットなど120店舗におけるPOSデータに基づき農林水産政策研究所において集計

(2)生麺ゆで麺(チルド)の販売金額

生麺ゆで麺全体で上位15製品の売上高に占める国内産

小麦使用表示のある製品のシェアは30となっていますま

た主要な麺製品のうどんラーメン冷やし中華焼そば

全てで国内産小麦使用製品がランクインしています(表Ⅲ

-11)

2013年 2014年 2015年 2016年 2017年 2018年 2019年

                      (単位)

製品の種類製造企業の規模産地表示販売金額シェア

焼そば大手製品(国内産小麦使用表示なし) 99そば大手製品(国内産小麦使用表示なし) 27冷やしラーメン大手製品(国内産小麦使用表示なし) 20うどん大手製品(北海道産小麦使用表示あり) 20ラーメン大手製品(北海道産小麦使用表示あり) 14冷やし中華大手製品(国内産小麦使用表示なし) 14うどん大手製品(国内産小麦使用表示あり) 13焼そば大手製品(国内産小麦使用表示なし) 12焼うどん大手製品(国内産小麦使用表示なし) 12うどん大手製品(国内産小麦使用表示あり) 11焼そば大手製品(国内産小麦使用表示あり) 11そうめん大手製品(国内産小麦使用表示あり) 10うどんPB製品(北海道産小麦使用表示あり) 10つけ麺大手製品(国内産小麦使用表示なし) 10冷麺中小製品(国内産小麦使用表示なし) 10

303

14

89

15上位15製品の売上高に占める国内産小麦使用表示のある製品の

シェア

順位

1

10111213

234567

- 30 -

図Ⅲ-10 外食産業等と連携した農産物の需要拡大対策事業(麦類)

9 国内産麦の需要拡大イベント及び情報発信の取組

近年生産者と実需者等が連携し国内産麦を使用した製品が

数多く開発販売されており各地でイベント等の需要拡大の

取組みが行われております

また農林水産省としては平成30年度産地と外食事業者等

が連携して行う国内産麦を活用した新商品の開発試作製

造するために必要な取組を支援する「外食産業等と連携した農

産物の需要拡大対策事業」を一般社団法人全国米麦改良協会を

実施主体として行っているところです

農林水産省のホームページにおいてこれらのイベント等につい

て情報発信を行うとともに一般社団法人全国米麦改良協会が

開設している国産麦応援情報ホームページでの情報提供等を

行っています(図Ⅲ-10~12)

「国内産麦使用試作品全国統一試食会商談会」開催日平成31年2月12日~19日(土日を除く)場 所むぎくらべ(東京都千代田区神田小川町)

内 容平成29年度補正予算事業「外食産業等と連携した農産物の需要拡大対策事業」の一環として行われた国内産麦を使用した試作品の試食会商談会

「国内産麦使用試作品全国統一試食会商談会」で出品された試作品

- 31 -

第8回全国ご当地うどんサミットin 熊谷 開催日平成30年11月10日~11日 場 所熊谷スポーツ文化公園にぎわい広

場(埼玉県) 内 容全国の国内産小麦を使用した「ご

当地うどん」が一堂に集まりグランプリを決定

図Ⅲ-11 全国各地で開催されたイベント 図Ⅲ-12 一般社団法人 全国米麦改良協会の取組

国産麦応援情報ホームページ「日本の麦の底力」内容国産小麦粉ブランド名鑑国産小麦の逸品イベント情報研究

情報等を掲載URL httpnihonnomugicom

北海道小麦キャンプ2018 in オホーツク 開催日平成30年7月10日~11日 場 所ホテル黒部を主会場としたオホーツ

ク管内(北海道) 内 容国内産小麦北海道産小麦の魅力

を全国に広めることを目的にバスツアーやパン講習会などを実施

麦わらぼうしフェスタ 開催日平成30年11月4日 場 所笠原産業株式会社(栃木県) 内 容国内産小麦を使用したうどんパン

などの試食販売うどん教室などを実施

第7回 信州粉もん祭り 開催日平成30年11月11日 場 所JAながの ちくま埴生支所(長野県) 内 容長野県産小麦を使用した「粉もん料

理」が大集合粉もん試食会や手打ちうどん講習会 などを実施

国内産麦アンテナショップ「むぎくらべ」内容国内産麦を使用した商品のPRと販売の場を提供するものとして

平成30年7月東京都千代田区にオープン

- 32 -

オープニングセレモニーには上月前農林水産大臣政務官(写真中央)も出席

10 食料農業農村基本計画における麦の位置付け

平成27年3月31日に平成37年度を目標とする「食料農業

農村基本計画」が閣議決定され小麦は95万トン大麦はだ

か麦は22万トンの生産努力目標が設定されています(表Ⅲ-

12)

食料消費の見通し 生産努力目標(万トン) 克服すべき課題

1人1年当たり消費量

(kg人年)

国内消費仕向量

(万トン)

平成25年度

平成37年度

平成25年度

平成37年度

平成25年度

平成37年度

小麦 33 32 699 611 81 95

国内産小麦の需要拡大に向けた産地形成やブランド化

実需者ニーズに対応した生産流通体制の確立

新品種新技術の開発導入輪作体系の最適化排水対策等による収量品質の高位安定化

農地の集積集約化経営規模の拡大に対応した省力化に資する技術の開発導入等による生産コストの低減

大麦はだか麦

03 02 208 213 18 22

外国産大麦が多く用いられている焼酎用等の国内産麦の需要拡大

実需者ニーズに対応した生産流通体制の確立

新品種新技術の開発導入輪作体系の最適化排水対策等による収量品質の高位安定化

農地の集積集約化経営規模の拡大に対応した省力化に資する技術の開発導入等による生産コストの低減

表Ⅲ-12 麦の平成37年度における食料消費の見通し及び生産努力目標

資料「食料農業農村基本計画」(平成27年3月閣議決定)注1)国内消費仕向量には飼料用等の食糧用以外の用途への仕向量を含む

2)大麦はだか麦の国内消費仕向量及び生産努力目標にはビール大麦を含む

- 33 -

Ⅳ 米粉に関する動向

1 生産動向

米粉用米の生産量は平成25年産以降2万トン前後で推移していましたが平成29年度以降は約3万トンまで回復しています(表Ⅳ-1)

2 需要拡大に向けた対応

米粉用米の利用量は平成24年度以降年間2万数千トンで推移していましたがグルテンを使用しない米粉商品の開発や新たな米加工品(α化米粉米ゲルなど)の保湿性や粘性に着目した商品の開発「米粉の用途別基準」や「ノングルテン米粉製品第三者認証制度」の運用開始により平成29年度は25千トン30年度は31千トンに増加しています(表Ⅳ-2)

今後の更なる国内海外の需要拡大のためノングルテン米粉や用途別基準に適合する高品質な日本産米粉の流通を契機とした魅力ある新商品の開発や日本産米粉の優位性の情報発信等を推進する必要があります

表Ⅳ-1 上位5県の米粉用米の生産量と作付面積の推移

(参考) 米粉及び小麦粉の販売価格(税抜き)

米粉100~290円kg程度

(小麦粉 100円kg程度)

注1)平成26~29年度については新規需要米取組計画を認定した全需要者からの聞き取り注2)平成30年度については新規需要米取組計画を認定した主要な需要者からの聞き取り

により推計

表Ⅳ-2 米粉用米の利用量(需要者からの聞き取り)

- 34 -

資料26~29年産は新規需要米生産集出荷数量30年産は新規需要米取組計画

認定数量(農林水産省)

(単位千トン)

26年度 27年度 28年度 29年度 30年度見込

22 23 23 25 31

(単位千トン千ha)

26年産 27年産 28年産 29年産 30年産

生産量 59 97 87 130 107作付面積 11 18 15 24 19生産量 10 10 09 30 31作付面積 02 02 02 06 06生産量 08 10 00 19 30作付面積 01 02 00 03 06生産量 10 12 12 12 16作付面積 02 03 02 02 03生産量 20 24 07 12 13作付面積 03 04 01 02 02生産量 184 230 190 284 281作付面積 34 42 34 53 53

秋田県

全国計

新潟県

埼玉県

栃木県

群馬県

農林水産大臣は米穀の新用途への利用の促進に関する基本方針を定める

生産製造連携事業計画

生産者 製造事業者 促進事業者

必須

米穀の新用途への利用の促進に関する法律

米穀の新用途への利用の促進に関する基本方針

関係者が連携して計画を作成米穀の新用途への利用の促進に関する基本方針に照らし適切な計画について農林水産大臣が認定(計画期間は3~5年)

図Ⅳ 米粉用米に対する支援措置

3 米粉用米に対する支援

① 米粉用米についてはその利用の拡大を図るために平成21年に「米穀の新用途への利用の促進に関する法律」が制定されました同法に基づく「生産製造連携事業計画」の認定を受け「農山漁村

活性化計画」の採択を受けた取組に対して米粉用米の生産加工に必要な施設整備等の支援を行っています

② 米粉用米の生産者に対しては水田活用の直接支払交付金による支援を行っていますまたノングルテン米粉表示や米粉の用途別基準により需要者ニーズに合った高品質な米粉の製造や輸出拡大の取組を支援しています

③ 平成31年度は国内海外の需要獲得に向け引き続き魅力ある新商品開発を推進するほか日本産米粉の優位性の情報発信やノングルテン米粉の製造手法マニュアルの作成など輸出を含めた日本産米粉の需要拡大に向けた取組を支援していくこととしています

予 算 措 置

【水田活用の直接支払交付金】水田を活用して米粉用米等の作物を生産する農業者に対し交付金を直接交付 (米粉用米収量に応じ55万円~105万円10a)

【農山漁村振興交付金】米粉飼料用米の生産加工に係る施設整備に対し交付金を交付(補助率定額12)

【持続的生産強化対策事業】

日本産米粉の優位性の情報発信ノングルテン米粉の製造手法マニュアルの作成米粉用米生産者と製造事業者とのマッチング

等の取組を支援

金 融 措 置

【日本政策金融公庫による低利融資】(食品安定供給施設整備資金)

米粉製造施設米粉を原料とした食品の製造加工施設等への融資

(輸出を含めた日本産米粉の需要拡大支援事業)

(補助率定額)

【外食産業等と連携した需要拡大対策事業】

国産農林水産物食品の輸出等需要フロンティアの開拓を図るため産地と複数年契約を締結する民間企業(外食加工業者)に対し国産農林水産物を活用した新商品の開発やそれに必要な技術開発等を支援 (補助率定額12)

- 35 -

【農林水産物食品輸出促進緊急対策事業】コメ海外市場拡大戦略プロジェクトに参加する輸出産地や輸出事業者等が連携して戦略的に取り組む中国等の海外市場開拓プロモーション等を支援

(補助率定額12)

品目 現在の関税率 合意内容

小麦

枠内税率無税+マークアップ

枠外税率55円kg

現行の国家貿易制度を維持するとともに枠外税率(55円kg)を維持

既存のWTO枠に加え米国(15万(7年目以降))【不適用】カナダ(53万(同))豪州(5万(同))にSBS方式の国別枠を設定

マークアップを9年目までに45削減

大麦

枠内税率無税+マークアップ

枠外税率39円kg

現行の国家貿易制度を維持するとともに枠外税率(39円kg)を維持

既存のWTO枠に加えSBS方式のTPP枠(65万(9年目以降))を設定

マークアップを9年目までに45削減

1 TPP11協定概要(麦)(平成30年12月30日発効)

Ⅴ TPP11及び日EUEPAの協定概要(麦関係)

(参考主な麦製品)

現在の関税率合意内容

税率 枠数量

いった小麦小麦粉等

(国家貿易品目)

枠内税率125~25+マークアップ

枠外税率85~134円kg

枠内即時無税+マークアップ

(枠外税率は維持)

(発効時) (6年目)125千rarr175千

ベーカリー製品製造用

小麦粉調製品16~24

枠内即時無税(枠外税率は維持)

(発効時) (6年目)米国 105千rarr12千【不適用】米国以外 68千rarr 8千

その他小麦粉調製品

16~28枠内即時無税

(枠外税率は維持)(発効時) (6年目)15千rarr225千

マカロニスパゲティ

30円kg9年目までに60削減

ビスケット 1315 6年目に無税 -

注1)いった小麦とは小麦をいったものであり主にシリアル食品等に使用される

2)その他小麦粉調製品とは製麺まんじゅう等のベーカリー製品以外の製造用の

小麦粉調製品である

- 36 -

2 日EUEPA協定概要(麦)(平成31年2月1日発効)

品目 現在の関税率 合意内容

小麦

枠内税率無税+マークアップ

枠外税率55円kg

現行の国家貿易制度を維持するとともに枠外税率(55円kg)を維持

既存のWTO枠に加えSBS方式のEU枠(270(7年目以降))を設定

枠内のマークアップを9年目までに45削減

大麦

枠内税率無税+マークアップ

枠外税率39円kg

現行の国家貿易制度を維持するとともに枠外税率(39円kg)を維持

既存のWTO枠に加えSBS方式のEU枠(30(即時))を設定

枠内のマークアップを9年目までに45削減

(参考主な麦製品)

現在の関税率合意内容

税率 枠数量

いった小麦小麦粉等

(国家貿易品目)

枠内税率125~25+マークアップ

枠外税率85~134円kg

枠内即時無税+マークアップ

(枠外税率は維持)

(発効時) (6年目)38千rarr44千

ベーカリー製品製造用

小麦粉調製品16~24

枠内即時無税(枠外税率は維持)

(発効時) (6年目)104千rarr142千

その他小麦粉調製品

16~28枠内即時無税

(枠外税率は維持)(発効時) (6年目)

2千rarr3千

マカロニスパゲティ

30円kg 11年目に無税 -

ビスケット 1315 6年目に無税 -

注1)いった小麦とは小麦をいったものであり主にシリアル食品等に使用される

2)その他小麦粉調製品とは製麺まんじゅう等のベーカリー製品以外の製造用の

小麦粉調製品である

(参考) 麦の国境措置

小 麦 大 麦

輸入数量

価格

輸入数量

価格

政府売渡価格

マークアップ(輸入差益)

452円kgを上限

輸入価格

(枠内税率0円kg)

枠内輸入(国家貿易) 枠外輸入

(民間貿易)枠外税率を支払って輸入された数量(平成29年度)12千トン

WTOカレントアクセス数量5740千トン

枠外税率55円

政府売渡価格

輸入価格(枠内税率0円kg)

WTOカレントアクセス数量1369千トン

枠内輸入(国家貿易) 枠外輸入(民間貿易)

枠外税率を支払って輸入された数量(平成29年度)06千トン

枠外税率39円

民間貿易の場合の輸入価格

民間貿易の場合の輸入価格

286円kgを上限

マークアップ(輸入差益)

- 37 -

  • スライド番号 1
  • スライド番号 2
  • 麦の参考資料 麦の需給に関する見通し(動向編)
  • スライド番号 4
  • スライド番号 5
  • スライド番号 6
  • スライド番号 7
  • スライド番号 8
  • スライド番号 9
  • スライド番号 10
  • スライド番号 11
  • スライド番号 12
  • スライド番号 13
  • スライド番号 14
  • Ⅱ 小麦粉麦製品の生産と価格の動向
  • スライド番号 16
  • スライド番号 17
  • スライド番号 18
  • スライド番号 19
  • スライド番号 20
  • スライド番号 21
  • スライド番号 22
  • スライド番号 23
  • スライド番号 24
  • スライド番号 25
  • スライド番号 26
  • スライド番号 27
  • スライド番号 28
  • スライド番号 29
  • スライド番号 30
  • スライド番号 31
  • スライド番号 32
  • スライド番号 33
  • スライド番号 34
  • スライド番号 35
  • スライド番号 36
  • スライド番号 37
  • スライド番号 38
  • スライド番号 39
  • スライド番号 40
  • スライド番号 41
Page 14: 麦の参考資料 - maff.go.jp · 2020-03-31 · 2014/15 2015/16 2016/17 2017/18 2018/19 (平成26年) (平成27年) (平成28年)(平成29年)(平成30年) 見込

10

30

50

70

H261 H267 H271 H277 H281 H287 H291 297 H301 307 H311

(3)為替の動向

日本円と米国ドルの為替は平成30年以降円安基調で推

移し平成31年に入ってからは一時円高となりましたが3

月上旬では113円ドル程度で推移しています(図Ⅰ-4)

(4)海上運賃の動向

海上運賃は平成28年以降上昇傾向で推移してきました

が平成30年11月からは燃料油価格の下落を受けて軟調に推

移しています(図Ⅰ-5)

- 6 -

図Ⅰ-4 為替の推移

資料三菱東京UFJ銀行の公表資料注図右端の数値は平成30年3月4日時点のものである

資料TRAMP Data Service Co Ltd 「WORLD MARITIME ANALYSIS WEEKLY REPORT」注1)2万トン級のフレート

2)図右端の数値は平成30年3月4日時点のものである

図Ⅰ-5 海上運賃の推移

図Ⅰ-4 為替の推移

円米ドル

ドルトン

70

80

90

100

110

120

130

H261 H267 H271 H277 H281 H287 H291 H297 H301 H307 H311

表Ⅰ-6 外国産食糧用小麦の銘柄別輸入量

注1)数量は決算ベース2)四捨五入の関係で計と内訳が一致しない場合がある3)( )内の数量はSBS方式により輸入された数量で内数である

4 外国産食糧用麦の輸入状況

外国産食糧用麦については国内産食糧用麦では量的又は質的に満たせない需要分について政府が国家貿易により計画的に輸入し需要者に売り渡しています現在の主な輸入先国はアメリカカナダ豪州の3か国と

なっています

(1)小麦

外国産食糧用小麦の輸入量は国内産小麦の作柄や輸出国

における輸送状況等により変動し近年は450万~520万トン

程度で推移しています(表Ⅰ-6)

(2)大麦及びはだか麦

外国産食糧用大麦及びはだか麦の輸入量は近年は20万~

25万トン程度で推移しています(表Ⅰ-7)

(単位千トン)

- 7 -

注1)数量は決算ベース

2)四捨五入の関係で計と内訳が一致しない場合がある

表Ⅰ-7 外国産食糧用大麦及びはだか麦の銘柄別輸入量(単位千トン)

ウェスタンホワイト 610 775 683 631 (23) 711

ハードレッドウィンター(115) 727 855 790 807 891

ダークノーザンスプリング 877 1245 850 831 (59) 1198

その他 (1) 28 (1) 1 (3) 3 (6) 6 (16) 16

計 (1) 2242 (1) 2877 (3) 2327 (6) 2276 (98) 2815

ウェスタンレッドスプリング 1228 1258 1527 1547 1355

デュラム (210) 210 (222) 222 (219) 219 (175) 193 (186) 186

その他 (3) 3 (3) 3 (1) 1 (1) 1 (2) 2

計 (213) 1441 (225) 1484 (220) 1747 (176) 1742 (188) 1543

スタンダードホワイト 759 794 737 755 797

プライムハード (83) 83 (83) 83 (84) 84 (64) 64 (80) 80

その他 (0) 2 (0) 0 (28) 28 (5) 15 (0) 0

計 (83) 844 (83) 877 (111) 848 (68) 833 (80) 877

(6) 6 (7) 7 (7) 7 (8) 8 (6) 6

(304) 4532 (316) 5245 (343) 4929 (259) 4858 (372) 5242

豪州

その他

26

合  計

平成25年度 28 2927

アメリカ

カナダ

25 26 27 28 29

二条大麦 - 1 1 1 11

六条大麦 1 2 1 2 2

はだか麦 2 3 2 8 20

計 3 5 4 11 33

二条大麦 15 13 9 14 7

六条大麦 39 53 46 40 36

はだか麦 1 1 2 4 5

計 54 67 58 58 48

二条大麦 146 174 168 180 152

はだか麦 - - 0 0 1

計 146 174 168 180 153

- - 2 2 2

203 245 232 250 236合 計

年度

アメリカ

カナダ

豪州

その他

図Ⅰ-6 政府売渡価格の構成

5 外国産食糧用麦の売渡方式

(1)外国産食糧用小麦の政府売渡

外国産食糧用小麦の政府売渡については平成19年4月以降輸入価格(過去の一定期間における輸入価格の平均値)にマークアップ(政府管理経費及び国内産小麦の生産振興対策に充当)を上乗せした価格で売り渡す「相場連動制」に移行しました(表Ⅰ-8図Ⅰ-6)

表Ⅰ-8 政府売渡価格改定ルール

項 目 基本的なルール

価格改定 現在年2回(4月期10月期)

買付価格算定期間 直近6か月間

- 8 -

輸入価格

政府売渡価格

小麦の国際価格や海上運賃為替等により変動

マークアップ

(輸 入 差 益)

港 湾 諸 経 費

買 付 価 格

(3)食糧麦備蓄対策事業

即時販売方式の導入後は製粉企業等が23か月分の外国産

食糧用小麦の備蓄を行った場合国が18か月分の保管経費を

助成しています(図Ⅰ-7)

また不測の事態が生じた場合には国は製粉企業等に

対して備蓄する外国産食糧用小麦の取崩しの指示等を行い

ます

図Ⅰ-7 食糧麦備蓄対策事業のスキーム(2)即時販売方式

外国産食糧用小麦の売渡しについては平成22年10月以降輸入した小麦を直ちに製粉企業等に販売し製粉企業等が一定期間備蓄することとなっています

- 9 -

6 外国産食糧用小麦の政府売渡価格の動向

外国産食糧用小麦の政府売渡価格は穀物の国際相場や海上

運賃為替等の動向を反映した買付価格に連動して年2回改

定されています

平成30年10月期の政府売渡価格は輸入小麦の平均買付価格

(平成30年3月第2週~9月第1週)が①米国及び豪州の一

部の地域の乾燥による減収懸念等から小麦の価格が上昇②燃

料油価格の影響により海上運賃が上昇したことにより前期

に比べ上昇したことから5銘柄加重平均(税込価格)で

55560円トン対前期比22の引上げとなりました

また平成31年4月期の政府売渡価格は輸入小麦の平均買

付価格(平成30年9月第2週~平成31年3月第1週)が①小

麦の国際価格に大きな変動がない中②為替は円安傾向であっ

たものの海上運賃が下落したことにより前期に比べ低下し

たことまたTPP11協定に基づきカナダ豪州産小麦

にマークアップの引下げを適用したことから5銘柄加重平均

(税込価格)で54630円トン対前期比17の引下げとなり

ました(表Ⅰ-9)

表Ⅰ-9 外国産食糧用小麦の政府売渡価格

注1)5銘柄加重平均価格は税込み価格である2)5銘柄とはアメリカ産ダークノーザンスプリング(主にパン中華麺用)カ

ナダ産ウェスタンレッドスプリング(主にパン用)アメリカ産ハードレッドウィンター(主にパン中華麺用)オーストラリア産スタンダードホワイト(主に日本麺用)アメリカ産ウェスタンホワイト(主に菓子用)

時 期5銘柄加重平均価格

(円トン)対前期比()

平成29年4月期 50690 +46

平成29年10月期 52510 +36

平成30年4月期 54370 +35

平成30年10月期 55560 +22

平成31年4月期 54630 17

- 10 -

Ⅱ 小麦粉麦製品の生産と価格の動向

資料平成21年度までは農林水産省「米麦加工食品生産動態統計調査年報」平成22年度からは農林水産省「食品産業動態調査」及び農林水産省「製粉精麦工場需給実績報告」平成21年度以降の麦茶の生産量については全国麦茶工業協同組合調べ

注1)麺類及びパン類の生産量は小麦粉使用量でその他は製品生産量である2)小麦粉精麦及び麦茶の生産量は年度の計でありその他は暦年の計である

(単位千トン)

表Ⅱ-1 小麦粉麦製品の生産量の推移

1 小麦粉麦製品の生産量

小麦粉の生産量は460万~470万トンで安定的に推移してい

ます(表Ⅱ-1)

小麦の二次加工製品のうち

① パン類の生産量は平成22年以降プライベートブラン

ドの菓子パンや高価格帯食パンの人気等により堅調に推

移しています

② 麺類の生産量は平成23年には東日本大震災による即

席麺の需要増等から増加しましたその後冷凍麺や外食

産業での消費増等により平成30年は147万トンと増加し

ています

③ ビスケットの生産量は平成20年から26年までは24万ト

ン前後で推移しました平成27年は円安の影響による輸入

量の減少等に伴い増加しその後は25万トン程度で推移し

ています

焼酎みそ主食用に仕向けられる精麦の生産量は平成16

年度まで本格焼酎ブームにより増加傾向で推移しましたがそ

の後の焼酎用需要の低迷等により減少しました近年は主食用

の需要の伸びにより17万トン前後で推移しています

一方平成28年(2016年)以降健康志向等を背景に大麦及

びはだか麦の需要が増加しています特に水溶性食物繊維

(大麦β-グルカン)が豊富なもち性はだか麦の需要は平成

29年(2017年)半ば以降は落ち着いてきたものの引き続き高

い水準で推移しています(図Ⅱ-1 )

- 11 -

図Ⅱ-1 もち麦を使用した製品の販売額の推移(首都圏)

区分

前年 前年 前年 前年 前年 前年

増減率 増減率 増減率 増減率 増減率 増減率

年 (年度計) () (暦年計) () (暦年計) () (暦年計) () (年度計) () (年度計) ()

平成12 4623 01 1279 23 1421 09 223 19 161 45 49 89

13 4607 03 1272 05 1441 14 218 21 164 19 51 41

14 4591 03 1245 21 1421 13 210 39 177 75 51 00

15 4662 15 1247 01 1425 02 219 43 189 71 45 118

16 4667 01 1243 03 1414 08 214 20 212 118 47 44

17 4623 09 1232 09 1368 32 213 05 201 51 47 00

18 4599 05 1218 11 1324 32 218 24 196 25 47 00

19 4684 18 1211 06 1319 03 225 29 197 06 48 21

20 4564 26 1181 24 1277 32 240 70 173 120 50 42

21 4612 11 1179 02 1265 10 243 10 168 29 48 40

22 4725 25 1196 15 1251 11 241 06 161 45 52 83

23 4708 04 1215 16 1283 26 243 06 155 35 54 38

24 4654 11 1219 03 1269 11 239 14 164 60 55 19

25 4694 09 1226 06 1324 43 237 12 158 37 66 200

26 4683 02 1234 07 1371 35 244 33 162 25 66 00

27 4702 04 1234 00 1396 19 259 59 162 04 68 30

28 4683 04 1238 03 1409 09 258 05 169 44 60 118

29 4703 04 1254 13 1445 26 252 22 172 20 64 67

30 - - 1221 27 1473 19 259 30 - - - -

精麦 麦茶小麦粉 パン類 麺類 ビスケット

資料日本経済新聞デジタルメディア社による首都圏のスーパーマーケットなど119店におけるPOSデータに基づき農林水産政策研究所において集計

図Ⅱ-2 小麦粉麦製品の価格(消費者物価指数)の変化

資料総務省「消費者物価指数」(全国)

(参考) 家計に占める小麦関連製品の支出 (単位円世帯)

資料総務省「家計調査」(全国二人以上の世帯)

年間計(平成30年)

1か月平均

消 費 支 出 3447783 287315食 料 952172 79348

小 麦 関 連 製 品 計 82108 6842パ ン 30555 2546

め ん 類 17369 1447小 麦 粉 596 50

菓子類(ビスケット等) 11397 950調理食品(調理パン) 5352 446

外食(うどん等) 16839 1403

(平成27年=100)

2 小麦粉麦製品の価格の動向

小麦粉及び麦関連製品の価格は輸入小麦の政府売渡価

格の引上げ等による原材料費の上昇人件費や物流費の上

昇等の影響を受け平成30年以降小麦粉及びパンの価格

は上昇傾向にあります(図Ⅱ-2)

- 12 -

85

90

95

100

105

110

食料品総合 パン めん類 小麦粉

表Ⅱ-2 麦製品の輸入量の推移(参考1) 麦製品の輸入動向

(1)小麦粉調製品

小麦粉に砂糖脱脂粉乳等を混合した小麦粉調製品の輸

入量は平成11年以降デフレに伴う低価格品需要の拡大

により増加傾向で推移してきましたが麦の国際相場の

高騰に伴う輸入価格の上昇等により平成18年から平成20年

にかけて減少しましたその後も減少傾向で推移しており

平成30年は8万3千トンの輸入量となっています

(2)麦加工製品

①マカロニスパゲッティ

マカロニスパゲッティについては国内の全体需要が

増加する中で輸入量が増加傾向で推移してきました

平成30年は過去最高の輸入量であった前年からは減少

し13万8千トンとなっています

②ビスケット

ビスケットの輸入量は平成25年以降円安の影響を受

けて減少していましたが平成28年度以降増加傾向にあり

平成30年の輸入量は2万5千トンとなっています

資料財務省「貿易統計」注小麦粉調製品は穀粉が占める割合が85以下のものの輸入量

なお小麦粉調製品のうち加糖のものは一般に菓子類菓子パン類等の原料として利用され無糖のものは麺類等の原料として使用される

(単位千トン)

- 13 -

対前年 対前年 対前年 対前年 対前年

増減率 増減率 増減率 増減率 増減率

() () () () ()

平成12 107 118 85 92 97 26 45 95 108 11 123

13 121 126 75 99 81 27 51 93 25 13 209

14 126 131 35 102 30 29 52 101 94 15 142

15 116 133 13 101 06 31 82 108 63 21 400

16 108 136 28 98 32 38 222 112 35 25 219

17 110 140 26 98 01 42 90 110 17 24 49

18 116 139 09 99 12 39 59 110 02 24 23

19 118 117 155 87 128 30 224 104 49 23 56

20 104 100 144 72 173 29 60 127 219 18 221

21 94 102 23 73 15 30 42 116 85 17 83

22 88 107 40 73 07 33 119 121 36 19 173

23 80 108 12 78 59 30 90 134 115 22 143

24 80 106 16 78 02 28 63 142 58 22 07

25 97 100 53 73 64 28 25 133 68 18 182

26 105 98 21 73 02 25 83 133 03 17 74

27 121 94 40 69 55 25 03 132 08 14 166

28 109 91 32 65 58 26 40 145 99 19 348

29 112 92 05 65 02 27 14 150 32 24 296

30 110 83 92 59 85 24 110 138 75 25 23

国 名輸入割合()

国 名輸入割合()

国 名輸入割合()

国 名輸入割合()

国 名輸入割合()

韓国 409 韓国 528 シンガポール 442 イタリア 465 インドネシア 242

シンガポール 202 フランス 151 米国 126 トルコ 355 中国 205

フランス 114 シンガポール 105 韓国 114 米国 142 マレーシア 84

米国 75 中国 78 ニュージーランド 98 ギリシャ 20 ベトナム 63

中国 57 米国 55 豪州 69 アラブ首長国連邦 10 イタリア 55

国 名対前年増減率()

国 名対前年増減率()

国 名対前年増減率()

国 名対前年増減率()

国 名対前年増減率()

韓国 10 韓国 13 シンガポール 221 イタリア 107 インドネシア 202

シンガポール 124 フランス 92 米国 136 トルコ 45 中国 76

フランス 87 シンガポール 108 韓国 30 米国 09 マレーシア 245

米国 116 中国 546 ニュージーランド 87 ギリシャ 152 ベトナム 137

中国 543 米国 98 豪州 344 アラブ首長国連邦 135 イタリア 119

30

輸入上位5カ国

区分

為替レー

円ドル)

小麦粉調製品 麦加工製品

加糖のもの 無糖のもの マカロニスパゲッティ ビスケット

(参考2) 麦製品の輸出動向

麦製品の輸出量のうちその大部分を占める小麦粉の輸出量

は近年主要輸出先国の製粉技術の向上や現地製粉工場の立

上げ等により減少傾向で推移し平成30年は約16万トンとなっ

ています(表Ⅱ-3)

表Ⅱ-3 麦製品の輸出量の推移

資料財務省「貿易統計」

(単位トン)

- 14 -

対前年増減率()

対前年増減率()

対前年増減率()

309594 75 376 431 1028 375

321028 37 315 162 967 59

319968 03 253 197 953 14

318706 04 410 621 1052 104

304465 45 328 200 769 269

289911 48 1054 2213 719 65

290033 00 1196 135 762 60

255377 119 1150 38 1098 441

187040 268 743 354 1198 91

185403 09 822 106 898 250

196183 58 770 63 974 85

191480 24 607 212 698 283

192598 06 598 15 780 117

168205 127 573 42 769 14

166311 11 571 04 861 120

157938 50 553 32 1249 451

158896 06 549 07 1287 30

167600 55 532 32 778 395

163640 24 535 06 894 148

国 名輸出割合

() 国 名輸出割合

() 国 名輸出割合

()

香港 496 香港 888 中国 483シンガポール 207 中国 43 香港 314ベトナム 96 韓国 21 台湾 64

タイ 59 米国 17 ベトナム 37台湾 58 台湾 11 シンガポール 29

国 名対前年増減率() 国 名

対前年増減率() 国 名

対前年増減率()

香港 175 香港 26 中国 251シンガポール 583 中国 62 香港 329ベトナム 135 韓国 437 台湾 59

タイ 81 米国 1047 ベトナム 418台湾 47 台湾 261 シンガポール 449

24

30

輸出上位5カ国

25

181920212223

2627282930

17

  区分

小麦粉マカロニスパゲッティ

スイートビスケット

平成1213141516

(参考3) 麦製品の生産動向

麦製品の生産量は食パンや乾麺のように生産量が減少している製品もある一方で菓子パンや即席麺冷凍麺のように生産量が増加している製品もあることから使用される小麦粉の数量は平成22年以降概ね横ばい傾向で推移しています麦製品は食生活の多様化や簡便性といった消費者ニーズを

捉えつつ継続した新製品の開発がなされており新たな定番となる商品の登場や期間限定の商品やイベントなどが消費者の購買を促進していると考えられます(図Ⅱ-3表Ⅱ-4)

表Ⅱ-4 麦製品の生産量の推移

(単位千トン)

- 15 -

資料平成21年度までは農林水産省「米麦加工食品生産動態統計調査年報」平成22年度からは農林水産省「食品産業動態調査」及び農林水産省「製粉精麦工場需給実績報告」冷凍麺の生産量は(一社)日本冷凍食品協会調べ

注1)麺類及びパン類の生産量は小麦粉使用量で冷凍麺は製品生産量である2)小麦粉は年度の計でありその他は暦年の計である

区分

パ ン 麺 類 冷凍麺

小麦粉 食パン菓子パ

ンその他のパン

生麺 乾麺 即席麺

年度計 暦年計 暦年計 暦年計 暦年計 暦年計 暦年計 暦年計 暦年計 暦年計

昭和45 3422 970 469 - - - 514 327 267 -

50 3978 1062 588 251 63 - 541 289 335 -

55 4079 1189 687 285 89 1334 610 275 325 -

60 4243 1178 653 291 133 1397 659 297 316 9

平成2 4338 1193 661 321 146 1407 687 274 316 41

7 4633 1220 623 368 178 1456 729 268 314 120

12 4623 1279 619 382 235 1421 687 235 343 190

22 4725 1196 576 375 215 1251 555 203 332 257

23 4708 1215 580 392 215 1283 548 209 361 270

24 4654 1219 580 392 221 1269 542 204 363 283

25 4694 1226 598 384 218 1324 562 213 386 314

26 4683 1234 608 387 214 1371 578 213 410 318

27 4702 1234 605 403 201 1396 624 195 414 308

28 4683 1238 604 403 206 1409 652 186 419 308

29 4703 1254 602 409 218 1445 691 186 416 313

30 - 1221 585 401 211 1473 712 188 420 -

〔低糖質製品〕

〔多種多様な携帯サンドイッチ〕

〔手軽な冷凍麺〕

図Ⅱ-3 麦製品の商品事例

H18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29

製粉工場数 124 122 121 119 117 118 117 114 109 104 102 98

製粉企業数 100 98 98 96 94 95 94 90 88 83 81 77

うち輸入小麦取扱製粉工場数 91 91 90 90 87 87 86 83 78 76 74 73

うち輸入小麦取扱製粉企業数 67 67 67 65 64 64 64 60 57 55 53 52

50

70

90

110

130

150製粉工場数

製粉企業数

うち輸入小麦取扱製粉工場数

うち輸入小麦取扱製粉企業数

3 製粉企業の状況

(1)大手製粉企業及び中小製粉企業の動向

① 大手製粉企業4社の小麦粉の生産量は全体の78を占

めておりこれに年間小麦粉生産量が3万トン以上の企業

の生産量を加えた13社ベースでは全体の90を占めてい

ます

② 大手製粉企業は生産設備の臨海工場への集約化を進め

つつ工場の大規模化合理化を推進しています

平成29年度の1工場当たりの生産量は17万トンまた

稼働率は89となっています

③ 年間小麦粉生産量3万トン以上の中小製粉企業は工場

のほとんどが臨海地域に立地し小麦粉を域内の二次加工

メーカー等に供給しています

平成29年度の1工場当たりの生産量は約6万トン稼働

率は67となっています

④ 年間小麦粉生産量1千トン以上3万トン未満の中小製粉

企業は主に内陸に位置し小麦粉を地元のパン麺等の

加工業者に供給するほか乾麺等の製造を兼ねるものも多

くなっています

平成29年度の1工場当たりの生産量は13万トンと大

手製粉企業の約14分の1稼働率は35となっています

⑤ 年間小麦粉生産量1千トン未満の中小製粉企業は輸入

小麦を取り扱わない企業が大部分を占め国内産小麦のみ

を使用し麺用や菓子用に供給しています

表Ⅱ-5 大手製粉企業中小製粉企業の小麦粉生産等の動向

資料農林水産省調べ注四捨五入の関係で計と内訳が一致しない場合がある

(参考)製粉企業数と工場数の推移(企業工場)

- 16 -

3万トン以上1千トン以上3万トン未満

1千トン未満

平成24 94 4 90 9 50 31

29 77 4 73 9 38 26

24 4853 3679 1174 536 636 3

29 4877 3801 1075 569 504 2

24 100 758 242 110 131 01

29 100 779 221 117 103 00

24 3245 1177 2068 632 1360 76

29 2806 1057 1749 581 1114 54

24 1496 3126 568 848 468 39

29 1738 3596 615 980 452 44

24 415 1533 126 596 120 01

29 498 1728 142 569 126 01

24 692 887 414 709 311 42

29 731 888 454 670 347 46

全体 大手製粉

中 小 製 粉年間生産量

稼働率()

製粉企業数

小麦粉生産量(千トン)

生産シェア()

従業員数(人)

従業員一人当たりの生産量

(トン)

一工場当たりの生産量(千トン)

(2)製粉企業のコスト削減や品質安全性の向上に向けた取組

製粉企業は生産能力の増強によるコスト削減や品質安全性の向上に向けた取組を進めています(図Ⅱ-4)

また国も農業競争力強化プログラムを策定し製粉企業の取組みを支援しています(図Ⅱ-5)

① 供給能力の強化等によるコストダウン

製粉企業は供給能力の強化生産性の向上と原料小麦の受入体制の整備によるコストダウンを図るため製粉工場や原料サイロの増強等の設備投資を行っています

② 資本業務の提携

製粉企業の中には他の製粉企業と資本業務提携を行うこと等により原料調達規模の拡大や生産の効率化等による競争力の強化を図る取組もみられます

③ 品質安全性の向上

製粉企業は近年消費者の安全安心への関心が高まる中食品の品質安全性を確保するための設備やAIB食品安全システムの導入ISO認証の取得等様々な取組を行っています

④ 工場の集約化

大手製粉企業は内陸工場を閉鎖し海外からの原料調達に有利な臨海工場への集約を進めるとともに臨海工場の生産能力を増強させる等生産性の向上を図っています

⑤ 海外市場への進出

製粉企業の中にはアジア大洋州地域における買収や工場増設等海外市場に積極的な進出をする取組もみられます

① 供給能力の強化等によるコストダウン 日清製粉は関東地区の小麦サイロ収容力の増強を進め更なる原料小麦の安定供給を推進するため鶴見工場の原料小麦サイロを増設(平成28年)

日本製粉は神戸甲南工場の原料サイロの新設等(平成24年)千葉工場の原料サイロの増設(平成26年)を行い今後原料サイロを福岡工場及び知多新工場へ新設神戸甲南工場(第2期)へ増設する予定

千葉製粉は新たな顧客ニーズへの対応付加価値製品の創出等を図るため専用ラインを新設(平成27年)

② 資本業務提携 資本業務提携を行っている製粉企業

増田製粉所(兵庫) hArr 日東富士製粉

木田製粉(北海道)内外製粉(三重)奥本製粉(大阪)セントラル製

粉(愛知) hArr 昭和産業

東福製粉(福岡) hArr 日本製粉

③ 品質安全性の向上 多くの製粉企業がISO9001(品質マネジメントシステム)ISO22000(食品安全マネジメントシステム)の認証を受けることにより品質管理や食品安全管理を実施

④ 工場の集約化 日清製粉は生産性向上のため内陸工場を順次閉鎖し臨海工場への集約化を推進

筑後工場(福岡)鳥栖工場(佐賀) rarr 福岡工場(福岡)へ集約

(平成26年)

名古屋工場の2ライン rarr 知多工場(愛知)の新ラインへ集約

(平成27年)

日本製粉は生産性向上のため総生産能力の80を臨海部の大型工場に集約

⑤ 海外市場への進出状況(平成30年度) 日清製粉は豪州の小麦粉市場においてトップシェアを持つアライドピナクル社を買収またタイでは子会社の日清STC製粉がタイの製粉工場を買収するとともにベトナムでは業務用プレミックスの生産工場を建設することを決定

昭和産業はベトナムに新たにプレミックス製造会社を設立し生産工場を建設することを決定

図Ⅱ-4 製粉企業の各種取組の事例

- 17-

⑥ 再編合理化の取組

製粉企業の中には国の支援を活用した再編合理化の取

組もみられます

⑦ 地産地消の推進

中小製粉企業は地域とのつながりの強さや独自の立地

条件を活かした特色ある経営を模索する中で生産者と協

力した積極的な地産地消の取組を進めています

⑦ 地産地消の推進

岩手県主な実施者岩手県学校給食会岩手県パン工業組合県内製粉企業取 組 内 容 平成28年度から地元県産小麦(銀河のちからゆきちから)を

100使用した学校給食用パンを県内の小中学校に提供開始埼玉県

主な実施者埼玉産小麦ネットワーク「SWING group」(県内製粉企業が中心となり生産者加工業者販売業者等180社が加盟)

取 組 内 容 埼玉県産小麦のブランド価値を高めることなどを目的として埼玉県産小麦を自社製品に利用することで高付加価値商品の開発による自社の発展などを目指すとともに研修会の実施やイベントホームページなどを通じた消費者への情報提供を実施

京都府主な実施者地元製粉企業京都府全農京都府本部生産者府内製麺製

パン業者飲食店取 組 内 容 平成30年産から京都府産小麦品種を「せときらら」へ全面切替を

行ったことを機にブランド名を「京小麦」とし「京小麦」を100使用したメニューを参加店舗にて提供するイベント「京小麦の収穫祭」を平成31年1月21日から2月17日まで開催

福岡県主な実施者福岡県ラー麦普及推進協議会(県JA全農ふくれん県内製粉

業者5社製麺業者関係団体)取 組 内 容 以下の取組によりラーメン用小麦「ラー麦」を普及推進

産地への生産技術の普及指導 小麦品質評価最適製粉加工方法の検討 利用や消費を促進するための普及宣伝(試

食イベント等) 毎年産の製粉製麺適性評価および食味

官能評価の実施 平成21年に本小麦の名称「ラー麦」とロ

ゴデザインを商標登録しブランド化

- 18 -

2 生産者が有利な条件で安定取引を行うことができる流通加工の業界構造の確立

(1)生産者に有利な流通加工構造の確立現在の食料需給消費の実態等を踏まえた効率的機能

的で農業者と消費者双方がメリットを受けられる流通加工構造を確立するため以下のとおり取り組む

その際農林水産省経済産業省をはじめ政府一体となって取り組む①~⑦ (略)⑧ 加工業については生産性の低い工場が乱立している

種類の加工業界(製粉乳業等)について国は国際競争に対応できる生産性の確保を目指した業界再編設備投資等を推進することとし政府系金融機関の融資農林漁業成長産業化支援機構の出資等による支援を行う

⑨ 上記改革を推進するため農産物の流通加工に関し国の責務業界再編に向けた推進手法等を明記した法整備を進める

⑩ 上記改革を推進するため金融機関による流通加工関連産業の生産性向上に資する経営支援や資金供給の促進政府系金融機関や農林漁業成長産業化支援機構等との連携強化等を図る

図Ⅱ-5 農業競争力強化プログラム(抜粋)

(平成28年11月29日 農林水産業地域の活力創造本部決定)

⑥ 再編合理化の取組

製粉工場の廃棄撤去製粉施設の一部又は全部を撤去しミックス粉等の関連事業を拡大

(製粉工場等再編合理化事業(平成2728年度7件))

図Ⅲ-1 国内産小麦の収穫量と作付面積の推移

表Ⅲ-1 小麦の主な作付品種(平成29年産)

Ⅲ 国内産麦の生産と流通の動向

1 国内産麦の生産状況

(1)小麦

① 作付面積

近年の国内産小麦の作付面積は約21万haと横ばいで推移して

います平成30年産の作付面積は北海道は121万ha都府県

は91万ha全国では212万haとなり前年産並となっていま

② 収穫量

平成30年産の国内産小麦の収穫量は主産地の北海道での6

月中旬から7月中旬にかけての低温日照不足の影響により登

熟不良となったこと等から前年産に比べ北海道で134万ト

ン(22)減少都府県では05万トン(2)減少全国

では139万ha(15)減少の768万トンとなり(図Ⅲ-1)

10a当たりの平均収量対比は91となりました

③ 小麦の作付品種の状況

栽培品種については各産地の気候条件や用途等に適した品

種が作付されており29年産では日本麺用では「きたほなみ」

「さとのそら」「シロガネコムギ」といった品種パン

中華麺用では「春よ恋」「ゆめちから」といった品種が上位

を占めています(表Ⅲ-1)

資料農林水産省「作物統計」品種毎の面積は農林水産省政策統括官調べ

注品種の育成年についてはシロガネコムギは農林認定が行われた年

それ以外の品種は出願公表が行われた年としている

資料農林水産省「作物統計」30年産の数値は概算値

- 19 -

(千トン)

年産

910 881

674

571

746

858 812

852

1004

791

907

768

210 209 208 207 212 209 210 213 213 214 212 212

100

120

140

160

180

200

220

240

260

280

300

0

200

400

600

800

1000

H19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30

収穫量 作付面積(千ha)

品種名 育成年 作付面積(千ha) 割合 主な作付地域

きたほなみ 平成19年 878 41 北海道

さとのそら 平成21年 159 7 関東東海

シロガネコムギ 昭和49年 152 7 九州近畿

春よ恋 平成11年 143 7 北海道

ゆめちから 平成20年 137 6 北海道

上位5品種計 1469 69

小麦作付面積 - 2123

図Ⅲ-2 国内産大麦及びはだか麦の収穫量と作付面積の推移

表Ⅲ-2 大麦及びはだか麦の主な作付品種(平成29年産)

(2)大麦及びはだか麦

① 作付面積

近年国内産大麦及びはだか麦の作付面積は約6万と横ば

いで推移しており平成30年産は前年産と比較すると二条

大麦は前年産並六条大麦は800ha(4)減少はだか麦

で460ha(9)増加となり全体では340ha(1)減少の

61万haとなりました(図Ⅲ-2)

② 収穫量

平成30年産の大麦及びはだか麦の収穫量は二条大麦及びは

だか麦はおおむね天候に恵まれ生育が順調で登熟も良好

であったこと等から前年産に比べ二条大麦は01万トン

(1)増加はだか麦は01万トン(8)増加となりました

六条大麦については北陸地方において大雪の影響で融雪時期

が遅れたこと等により穂数が少なくなり前年産に比べ14万

トン(26)減少しました

この結果大麦及びはだか麦の収穫量は合計で173万トンと

なり前年産に比べて12万トン(6)減少となりました

(図Ⅲ-2)

③ 大麦及びはだか麦の作付品種の状況

栽培品種については各産地の気候条件や用途等に適した品

種が作付されており29年産では二条大麦はビール用の「サ

チホゴールデン」六条大麦は主食用や麦茶用の「ファイ

バースノウ」はだか麦は麦味噌用の「マンネンボシ」いっ

た品種が上位を占めています(表Ⅲ-2)

資料農林水産省「作物統計」30年産の数値は概算値

- 20 -

(千トン)

資料農林水産省「作物統計」農林水産省調べ

注品種の育成年についてはシュンライイチバンボシは農林認定が行われ

た年それ以外の品種は出願公表が行われた年としている

195 217

179 161

172 172 183

170 177 170 185

173

54 57 58 59 60 60 59 60 61 61 61 61

0

10

20

30

40

50

60

70

80

90

100

0

50

100

150

200

250

H19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30

収穫量 作付面積 (千ha)

年産

麦種 品種名 育成年作付面積(千ha)

割合 主な作付地域

二条大麦

サチホゴールデン 平成18年 189 31 九州関東中国

はるしずく 平成17年 44 7 九州

ニシノホシ 平成11年 27 4 九州

六条大麦

ファイバースノウ 平成13年 107 17 北陸関東東海

シュンライ 平成2年 33 5 関東東北近畿

カシマゴール 平成22年 13 2 関東東海

はだか麦

マンネンボシ 平成13年 15 2 四国

イチバンボシ 平成4年 14 2 四国九州

トヨノカゼ 平成18年 11 2 九州中国

大麦はだか麦作付面積

- 614

資料農林水産省調べ

Aランク評価項目の基準値を3つ以上達成しかつ許容値を全て達成している麦Bランク評価項目の基準値を2つ達成しかつ許容値を全て達成している麦Cランク評価項目の基準値を1つ達成しかつ許容値を全て達成している麦

評価項目の基準値を2つ以上達成しているものの許容値を達成していない麦DランクA~Cランクのいずれにも該当しない麦

【評価項目】①小麦 日本麺用パン中華麺用(たんぱく灰分容積重フォーリングナンバー)

醸造用(たんぱく3項目容積重)②二条大麦 主食等用(容積重細麦率白度正常粒率)

麦茶用(たんぱく3項目細麦率)③六条大麦はだか麦 主食等用(容積重細麦率白度硝子率)

麦茶用(たんぱく3項目細麦率)

(参考) 麦の品質区分

(単位)

- 21 -

(2)品質評価

たんぱく質や灰分の含有率等に基づく品質評価結果につい

ては平成30年産の小麦ではAランクが899となってお

り過去5年平均(Aランク比率849)と比べ5ポイン

ト高くなっています

また平成30年産の大麦はだか麦ではAランクが

849となっており過去5年平均(Aランク比率832)

と比べ17ポイント高くなっています(表Ⅲ-4)

表Ⅲ-4 平成30年産麦の品質評価結果

2 国内産麦の品質状況

(1)農産物検査① 平成30年産の小麦について全国の1等比率は761

(平成30年12月末時点)と過去5年平均799と比較して低くなっています(表Ⅲ-3)

② 平成30年産の小粒大麦大粒大麦はだか麦及びビール大麦について1等比率は大粒大麦を除き過去5年平均と比較して低くなっています(表Ⅲ-3)

表Ⅲ-3 国内産麦の1等比率の推移(単位)

Aランク Bランク Cランク DランクAランク

過去5年平均(平成25~29年産)

小 麦 899 67 33 01 849

大麦はだか麦

849 37 108 06 832

注1)各年産翌年4月末時点の値であるただし平成30年産は30年12月末時点の値である

2)強力小麦の検査数量を含む値である

3 国内産麦に対する支援

平成31年度は経営所得安定対策等の対策のうち主に畑作

物の直接支払交付金と水田活用の直接支払交付金により国内

産麦に対する支援が行われます

(1)畑作物の直接支払交付金

畑作物の直接支払交付金として麦を生産する農業者に対

し標準的な生産費と標準的な販売価格の差額分を直接交付

することとしています

支払いは当年産の麦の品質及び生産量に応じて交付する

数量払を基本とし当年産の麦の作付面積に応じて交付する

面積払(営農継続支払)を数量払の先払いとして交付する仕

組みにしています

数量払の交付単価は品質に応じた単価を設けており需要

に応じた生産と品質に対する営農努力を適切に反映させる仕

組みになっています(表Ⅲ-5)

表Ⅲ-5 畑作物の直接支払交付金の麦の交付単価

(円単位数量)

品質区分(等級ランク)

1等 2等

A B C D A B C D

小麦(パン中華麵

用品種)(60kg当たり)

9040 8540 8390 8330 7880 7380 7230 7170

小麦(パン中華麺用品種以外)(60kg当たり)

6740 6240 6090 6030 5580 5080 4930 4870

二条大麦(50kg当たり) 5550 5130 5010 4960 4690 4270 4140 4090

六条大麦(50kg当たり) 6030 5610 5480 5430 5000 4580 4460 4410

はだか麦(60kg当たり) 8650 8150 8000 7910 7080 6580 6430 6350

(参考)

【平均交付単価小麦6940円60kg二条大麦5490円50kg六条大麦5720円50kg

はだか麦8230円60kg】

②面積払

当年産の作付面積に応じて交付 2万円10a

①数量払(品質に応じた単価)

- 22 -

【平成31年産に適用】

標準的な生産費

差額

ゲタ交付単価

標準的な販売価格

【交付単価のイメージ】lt畑作物の直接支払交付金のイメージgt

面積払(数量払の際に控除されます)

数量払

収量

交付金額

(2)水田活用の直接支払交付金

水田のフル活用を推進し食料自給率自給力の向上を図

るため水田で麦を生産する農業者に対しては畑作物の直

接支払交付金に加え水田活用の直接支払交付金(35000円

10a)を直接交付することとしています(表Ⅲ-6)

表Ⅲ-6 水田活用の直接支払交付金の交付単価

作 物 単 価

麦大豆飼料作物 35000円10a

WCS(ホールクロップサイレージ)用稲 80000円10a

加工用米 20000円10a

飼料用米米粉用米収量に応じ

55000円~105000円10a

このほか「産地交付金」により地域で作成する水田フル活用ビジョンに基づき二毛作や耕畜連携を含め産地づくりに向けた取組を支援します

戦略作物助成

注実需者等との出荷販売契約等を締結すること出荷販売することが要件

- 23 -

4 国内産食糧用麦の流通動向

(1)取引の概要

国内産食糧用麦は加工原料としての商品特性から需要に応じて計画的に生産できるようは種前契約に基づく取引が行われています

まず取引の指標となる透明性のある適正な価格を形成するためは種前に販売予定数量の3~4割(具体の比率は民間流通地方連絡協議会の協議を踏まえ決定)について入札が行われます残りは相対取引が行われておりその価格については入札で形成された指標価格(落札加重平均価格)を基本として取引当事者間で決められています(図Ⅲ-3)

また取引を円滑に進めるため生産者需要者等で構成される民間流通連絡協議会において取引に必要な情報交換取引に係る基本事項の見直し等が行われています(表Ⅲ-7)

今後とも国内産食糧用麦については円滑な流通が確保されるようは種前契約を基本としつつ適切に対応していきます

図Ⅲ-3 国内産食糧用麦の基本的な流通フロー

表Ⅲ-7 国内産食糧用麦の入札の仕組み

項 目 概 要 見直しの変遷

実施主体 一般社団法人 全国米麦改良協会

実施時期 は種前に2回実施(8~9月)平成13年産から1回rarr2回へ見直し

上場数量

産地銘柄別に販売予定数量が小麦3千トン以上大麦はだか麦1千トン以上の銘柄についてその30~40を上場(ほかに希望上場あり)

平成31年産から30rarr30~40へ見直し

基準価格

小麦は前年産の落札加重平均価格に当年産の入札実施時点での外国産麦の政府売渡価格の変動率を乗じた価格大麦はだか麦は前年産の落札加重平均価格

小麦の外国産麦との連動は平成24年産から実施

値幅制限 基準価格のplusmn10

小麦平成12年産~16年産plusmn5平成17年産~21年産plusmn7平成22年産plusmn10平成23年産plusmn30平成24年産~ plusmn10大麦はだか麦平成12年産~18年産plusmn5平成19年産~21年産plusmn7平成22年産plusmn10平成23年産plusmn15平成24年産~ plusmn10

取引価格の事後調整(小麦のみ)

外国産食糧用小麦の政府売渡価格の改定(410月)に合わせては種前の入札又は相対により契約された価格に外国産食糧用小麦の政府売渡価格の変動率を乗じて取引価格を改定

平成23年産から実施

申込限度数 量

買い手別に上場数量times買受実績シェアtimes145

小麦は平成17年産から大麦及びはだか麦は平成19年産から135rarr145へ見直し

相対取引入札で形成された指標価格を基本に生産者団体と需要者の間で協議決定

平成19年産から過去の実績シェアに基づく取引ルールを廃止

再入札

第1回入札及び第2回入札において落札残数量が発生した場合は売り手の希望により再度入札に付すか相対による契約を行うかいずれかの方法をとることができる

平成25年産から売り手の申し出により再入札における入札の値幅を設定できること等を規定

生産者団体から販売予定数量需要者団体から購入希望数量の相互提示

入札取引の実施(販売予定数量の約3~4割)

相対取引の実施(販売予定数量の約6~7割)

は 種(秋まき春まきは収穫年の4月)

収 穫 及 び 検 査

生産者団体と需要者の間では種前に契約を締結

需 要 者 へ 引 渡 し

<生産の流れ>

麦の生育期間

<契約の流れ>

は種前契約に基づき計画的に作付(は種)

収穫前年7月~

8~9月

9月~

~12月

6~8月

6月~

収穫年26年産から国内産麦の需要拡大を図るため地域の食文化のブランド化等による高付加価値化の取組等に対し安定的な原料供給が可能となる需要拡大推進枠を導入

- 24 -

表Ⅲ-8 国内産食糧用麦の供給量 (単位千トン)

注集荷団体からの聞き取り数量である

(2)流通の動向

平成30年産の国内産食糧用小麦の供給量は前年産から

約14万4千トン減少し約70万1千トンとなっています

また国内産食糧用大麦及びはだか麦の供給量は前年

産から約3千トン減少し約10万3千トンとなっています

(表Ⅲ-8)

生産者側から提示された平成31年産麦の販売予定数量は

国内産食糧用小麦で約82万4千トン国内産食糧用大麦及

びはだか麦で約10万8千トンとなっています

一方需要者側から提示された平成31年産麦の購入希望

数量は国内産食糧用小麦で約86万3千トン国内産食糧

用大麦及びはだか麦で約13万トンとなっています(表Ⅲ-

9)

表Ⅲ-9 国内産食糧用麦の販売予定数量及び購入希望数量の推移(単位千トン)

資料民間流通連絡協議会調べ注四捨五入の関係で差し引きが一致しないことがある

- 25 -

年産 20 21 22 23 24 25 26 27 28 2930

(見込)

小   麦 841 639 532 694 811 767 808 946 734 845 701

大麦はだか麦 125 100 84 98 93 105 103 103 92 106 103

年産 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31

販売予定数量① 887 906 909 951 948 909 905 880 820 846 834 824

購入希望数量② 833 880 818 859 904 869 751 802 834 875 880 863

①-② 54 25 91 91 44 40 154 78 14 29 46 39

(①-②)①() 61 28 100 96 47 44 170 89 18 34 55 47

販売予定数量① 121 132 134 127 122 116 110 112 113 112 108 108

購入希望数量② 199 219 135 149 147 138 141 149 145 138 148 130

①-② 78 87 1 23 26 21 31 37 32 26 39 22

(①-②)①() 640 660 06 179 209 182 282 330 284 234 363 204

表Ⅲ-10 国内産食糧用麦の入札結果の推移

資料一般社団法人全国米麦改良協会調べ

注1価格は税込み(26年産までは527年産以降は8)である

ただし31年産の落札価格は一般社団法人全国米麦改良協会公表の価格(税抜き)を基に農林水産省で税込み価格を算出

5 国内産食糧用麦の価格の動向

(1)平成31年産の入札の概要

平成31年産麦の入札は第1回は平成30年9月12日に第

2回は平成30年9月26日に実施されました

麦種別の入札結果をみると小麦は上場数量約21万4千

トンのうち約20万4千トンが落札(落札率954)され落

札価格は61714円トン(対前年産比1151)となりました

小粒大麦は上場数量約1万1千トンのうち約1万1千

トンが落札(落札率991)され落札価格は46560円トン

(対前年産比997)となりました

大粒大麦は上場数量約7千8百トンのうち5千6百トン

が落札(落札率717)され落札価格は46923円トン(対

前年産比879)となりました

はだか麦は上場数量約2千3百トンのうち約2千1百

トンが落札(落札率897)され落札価格は50817円トン

(対前年産比961)となりました(表Ⅲ-10)

なお国内産小麦については近年消費者の国産志向の高

まりなどを受け大手外食チェーンや2次加工メーカーが国

内産小麦を使用したパン中華麺等の商品を相次いで発表す

るなど人気が高まってきていますこれらを背景として平

成31年産小麦の落札価格は多くの銘柄で値幅制限の上限付

近となっておりまた申込倍数も14倍と高いものとなって

います

- 26 -

20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31

上場数量

(トン)①243510 243020 242310 251370 250980 244880 244320 234010 213360 221380 218500 214200

落札数量

(トン)②234930 238410 189350 247770 245320 220590 188240 192240 201140 214060 210560 204420

落札率

②①965 981 781 986 977 901 770 822 943 967 964 954

落札価格

(円トン)43229 59885 55241 48732 58340 49333 49319 49770 54164 51570 53624 61714

対前年産比 1064 1385 922 882 1197 846 1000 1009 1088 952 1040 1151

上場数量

(トン)①12240 13590 14210 13300 11760 11220 11290 11930 12210 12200 11750 11040

落札数量

(トン)②12050 13510 14040 13170 11550 10850 10900 11830 12090 12200 11440 10940

落札率

②①984 994 988 990 982 967 965 992 990 1000 974 991

落札価格

(円トン)45479 59709 53448 45871 46485 46453 46290 47595 47565 46880 46708 46560

対前年産比 1084 1313 895 858 1013 999 996 1028 999 986 996 997

上場数量

(トン)①10020 9690 10330 9290 9000 8700 7210 7620 7450 7620 6880 7810

落札数量

(トン)②8880 8920 8910 7990 7990 7830 6480 7130 6600 6700 6340 5600

落札率

②①886 921 863 860 888 900 899 936 886 879 922 717

落札価格

(円トン)36532 50492 46097 39649 40394 41582 42881 45740 47827 50442 53384 46923

対前年産比 1059 1382 913 860 1019 1029 1031 1067 1046 1055 1058 879

上場数量

(トン)①2910 3150 3030 3260 3060 2830 2840 2890 2740 2660 2570 2330

落札数量

(トン)②2910 3150 3030 3090 3020 2830 2810 2810 2520 2600 2470 2090

落札率

②①1000 1000 1000 948 987 1000 989 972 920 977 961 897

落札価格

(円トン)42222 58527 61489 52791 51905 52294 49656 47712 46547 48527 52876 50817

対前年産比 1063 1386 1051 859 983 1007 950 961 976 1043 1090 961

年産

小麦

小粒大麦(六条大麦)

大粒大麦(二条大麦)

はだか麦

平成31年産国内産食糧用小麦の入札結果をみると産地別銘柄別

の需給状況等を反映して落札価格に差が生じています

代表的な銘柄である北海道産「きたほなみ」は前年産の価格を

153上回る64752円トン香川県産「さぬきの夢2009」は前

年産の価格を152上回る73186円トンとなりましたまたパ

ン中華麺用の北海道産「ゆめちから」は前年産の価格を180

上回る62777円トン北海道産「春よ恋」は前年産の価格を

180上回る68792円トンとなりました(図Ⅲ-4図Ⅲ-5)

図Ⅲ-4 平成31年産国内産食糧用小麦の産地別銘柄別落札価格

資料農林水産省調べ注外国産小麦5銘柄加重平均価格は平成30年4月期の輸入小麦の政府売渡価格である

(2)平成31年産国内産食糧用小麦の産地別銘柄別落札価格の動向

資料農林水産省調べ注1国内産小麦の価格は(一社)全国米麦改良協会が実施する民間流通麦にかかる入札の第1回第2回

及び再入札の落札加重平均価格(税込み)年産の下段の( )内は当該第1回入札の実施年月である注2外国産小麦の価格は18年までは当該年度平均の実績価格であり19年以降は民間流通麦にかかる第

1回入札の実施年月時点での輸入小麦の政府売渡価格(5銘柄平均)である注3ホクシン(きたほなみ)については22年産までは「ホクシン」の価格であり23年産からは「きたほ

なみ」の価格である注4さぬきの夢については24年産までは「さぬきの夢2000」の価格であり25年産からは「さぬきの夢

2009」の価格である注5農林61号(さとのそら)については23年産までは「農林61号」の価格であり24年産からは「さとの

そら」の価格である

図Ⅲ-5 国内産食糧用小麦の産地別銘柄別落札価格の推移

- 27 -

(単位円トン税込み)

30000

60000

北海道ゆめちから 62777

福岡ミナミノカオリ 68393

滋賀農林61号 50763

茨城さとのそら 46310

佐賀チクゴイズミ 52193

岩手ゆきちから 39929

全銘柄落札加重平均 61714

香川さぬきの夢2009 73186

北海道きたほなみ 64752

外国産小麦5銘柄加重平均 54370

群馬さとのそら 48669

北海道キタノカオリ 63090

大分チクゴイズミ 48265

福岡シロガネコムギ 50643

佐賀シロガネコムギ 47998

40000

福岡チクゴイズミ 52203

滋賀ふくさやか 49534

岐阜イワイノダイチ 46874

埼玉さとのそら 47159

宮城シラネコムギ 44607

群馬つるぴかり 49785

北海道春よ恋 68792

愛知きぬあかり 50114

北海道はるきらり 60201

50000

埼玉あやひかり 46072

岐阜さとのそら 45919

70000

30000

40000

50000

60000

70000

80000

90000

100000

110000

120000

130000

12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 年産

(単位円トン税込み)

北海道ホクシン

香川さぬきの夢200973186円

茨城農林61号

香川さぬきの夢2000

茨城さとのそら

46310円

北海道きたほなみ

64752円

北海道ゆめちから

62777円

外国産小麦

5銘柄平均

54370円

北海道春よ恋

68792円

(128) (138) (148) (158) (168) (178)(1810) (199) (208)(2110)(2212) (239) (2410)(2510)(269)(279) (289) (299)(119) (309)

6 国内産麦の新品種の育成状況

(1)国内産麦については縞萎縮病抵抗性や耐倒伏性を備え

需要者等のニ-ズに合った新品種の開発が進められています

また作付け面積が1万haを超える「ゆめちから」「さとの

そら」をはじめ多数の品種が生産現場に導入されています

(図Ⅲ-6)

(2)今後とも赤かび病抵抗性や穂発芽耐性が高い小麦品種

小麦粉の色相や製粉性が優れる日本麺用小麦品種パンの膨

らみがカナダ産「1CW」並の小麦品種焼酎押麦味噌

などの加工適性が高い大麦品種等の開発を推進します

小麦品種「ゆめちから」及び「さとのそら」は優れた栽培特性

と加工適性を備えており作付けが拡大しています(平成29年

推定値「ゆめちから」約1万2千ha「さとのそら」約1万5

千ha)

パン用小麦品種の開発近年国産の小麦粉を使ったパンの需要増加に応えるためグルテンやでん粉の組成などパンの膨らみに関連する特性に注目した育種が進められていますその結果平成25年に製パン適性が「1CW」に近く多収の「せときらら」平成29年にはパン生地の力が強く穂発芽耐性や赤かび抵抗性が改良された「夏黄金」が育成されました

加工適性の高い大麦品種の開発機能性成分β-グルカンを多く含むもち性大麦の需要の高まりに応えるため平成29年に「はねうまもち」が育成されましたまた高品質なはだか麦の需要増加に対応して平成24年に味噌加工適性の高い「ハルヒメボシ」が育成されました

図Ⅲ-6 平成19年以降に育成された麦類の主な新品種

日本麺用小麦ゆめきらり

パン用小麦ゆめかおり福井県大3号

六条大麦ホワイトファイバー

北信越

日本麺用小麦あおばの恋

パン用小麦銀河のちから

東北

日本麺用小麦さとのそらきぬあかり

パン用小麦ゆめかおり

二条大麦とちのいぶき彩の星アスカゴールデンニューサチホゴールデン

六条大麦カシマゴール

はだか麦キラリモチ

関東東海

日本麺用小麦ふくはるかさぬきの夢2009

パン用小麦ゆめちからせときらら

はだか麦ハルヒメボシ

近畿中国四国

中華麺用小麦ちくしW2号

二条大麦煌二条白妙二条はるか二条トヨノホシ

九州

日本麺用小麦きたほなみ

中華麺用小麦つるきち

パン用小麦ゆめちからはるきらり

二条大麦札育2号

北海道

新品種のうち平成30年産で概ね100ha以上作付けされていると推定される品種を選定(農林水産省調べ)

- 28 -

7 国内産麦を利用した製品の動向

食料自給率の向上を図るためには国内産麦の需要開拓を行う

ことが必要です最近の消費者の国産志向の高まりや生産者と実

需者が一体となった地産地消の推進地域農業の振興を図る取り

組み等から国内産麦を使った麦製品(パン麺等)が増えてき

ており中には国内産麦を100使用した商品もあります(図Ⅲ-

7)

- 29 -

8 民間流通制度の運用改善

国内産麦の人気の高まりにより近年需要量が生産量を上回

る状況が継続しており国内産麦を積極的に使用したい実需者が

必要量を確保できない等の課題もあります

このような課題に対応するため民間流通連絡協議会において

入札上場比率の選択制の導入需要拡大推進枠設定の要件緩和

相対取引需要拡大推進枠において多様な取組が可能であること

の明確化等民間流通制度の運用改善が行われました(図Ⅲ-

8)

ピッツァ専用粉(北海道)(小麦)地元の製粉企業が北海道産小麦(きたほなみキタノカオリゆめち

から)を100使用した国内で初めてのピッツァ専用粉を開発平成30年2月に都内で試食会を開催し平成30年5月から販売

ピッツァ専用粉(群馬県)(小麦)地元の製粉企業が地元のピッツァ専門店ピッツァ窯メーカーと協力

して品質改良を重ね群馬県産小麦(さとのそらつるぴかりきぬの波)を100使用したピッツァ専用粉を平成30年4月から発売ピッツァイベントやイタリアン食材の展示会に出展

学校給食用パン(東京都)(小麦)都学校給食会の「学校給食パン加工規格」による配合基準に基づき国

内産小麦を100使用した学校給食パンを平成27年度から都内の一部の小中学校で提供を開始平成28年度からは都内全域の規格として採用

〇 市販用中華麺(愛知県)(小麦)地元の製粉企業が自社製品として愛知県産小麦きぬあかりを100使用

した中華麺を平成30年6月から自社通販で販売平成30年8月から一般販売を開始

フランスパン用粉(佐賀県)(小麦)近県製粉企業が農研機構と共同で育成した九州地域等の暖地温暖地

向けのフランスパン加工適性に優れる準強力小麦品種「さちかおり」を100使用したフランスパン用粉を平成30年8月から発売

市販用ゆで麺(長崎県)(小麦)地元の製麺企業近県製粉企業県生麺協同組合JA県等が連携し

平成26年3月に「長崎県育成麦活用開発協議会」を立ち上げ長崎県産長崎W2号(商標登録名長崎ちゃん麦)を100使用したちゃんぽん用のゆで麺を平成29年4月に製品化原料小麦の生産量が整った段階での本格販売を予定

もち性大麦を使用した機能性表示食品(静岡県)(大麦)地元の精麦企業が国内産もち性大麦でβ-グルカン量の多い銘柄を使用し

炊飯用精麦を製品化機能性表示食品として平成29年1月に届出し十分な原料を手当でき次第随時販売予定

〇 もち性大麦を使用したシリアル(愛知県)(大麦)地元の精麦企業が食物繊維が20を超える愛知県産もち性大麦「ワキ

シーファイバー」を使用した国内産もち麦100シリアルを開発平成30年4月から販売開始

図Ⅲ-7 国内産麦を100使用した商品事例

図Ⅲ-8 民間流通制度の運用改善のポイント

0

50

100

150

200

250

300

350

400円千人

大手製パンメーカーA社が国内産小麦100使用の新製品を発売

大手製食品スーパーB社が国内産小麦100使用の新製品をPBで発売

大手製パンメーカーA社が国内産小麦100使用の製品を初めて発売

(参考)国内産小麦を利用した製品の販売状況

(1)国内産小麦100使用の食パンの販売額

大きなシェアを占めるにはいたっていないものの国内産

小麦を100使用した食パンの販売金額の推移を見ると新製

品が登場する度に国内産小麦100使用の食パン市場が拡大し

ています(図Ⅲ-9)

図Ⅲ-9 国内産小麦100使用の食パンの販売額の推移(首都圏)

資料日本経済新聞デジタルメディア社による首都圏のスーパーマーケットなど100店舗におけるPOSデータに基づき農林水産政策研究所において集計

注食パンのうち国内産小麦を100使用していることが明らかな製品のみ計上菓子パン等は含んでいない

表Ⅲ-11 生麺ゆで麺(チルド)の販売金額のシェア(首都圏平成30年)

資料日本経済新聞デジタルメディア社による首都圏のスーパーマーケットなど120店舗におけるPOSデータに基づき農林水産政策研究所において集計

(2)生麺ゆで麺(チルド)の販売金額

生麺ゆで麺全体で上位15製品の売上高に占める国内産

小麦使用表示のある製品のシェアは30となっていますま

た主要な麺製品のうどんラーメン冷やし中華焼そば

全てで国内産小麦使用製品がランクインしています(表Ⅲ

-11)

2013年 2014年 2015年 2016年 2017年 2018年 2019年

                      (単位)

製品の種類製造企業の規模産地表示販売金額シェア

焼そば大手製品(国内産小麦使用表示なし) 99そば大手製品(国内産小麦使用表示なし) 27冷やしラーメン大手製品(国内産小麦使用表示なし) 20うどん大手製品(北海道産小麦使用表示あり) 20ラーメン大手製品(北海道産小麦使用表示あり) 14冷やし中華大手製品(国内産小麦使用表示なし) 14うどん大手製品(国内産小麦使用表示あり) 13焼そば大手製品(国内産小麦使用表示なし) 12焼うどん大手製品(国内産小麦使用表示なし) 12うどん大手製品(国内産小麦使用表示あり) 11焼そば大手製品(国内産小麦使用表示あり) 11そうめん大手製品(国内産小麦使用表示あり) 10うどんPB製品(北海道産小麦使用表示あり) 10つけ麺大手製品(国内産小麦使用表示なし) 10冷麺中小製品(国内産小麦使用表示なし) 10

303

14

89

15上位15製品の売上高に占める国内産小麦使用表示のある製品の

シェア

順位

1

10111213

234567

- 30 -

図Ⅲ-10 外食産業等と連携した農産物の需要拡大対策事業(麦類)

9 国内産麦の需要拡大イベント及び情報発信の取組

近年生産者と実需者等が連携し国内産麦を使用した製品が

数多く開発販売されており各地でイベント等の需要拡大の

取組みが行われております

また農林水産省としては平成30年度産地と外食事業者等

が連携して行う国内産麦を活用した新商品の開発試作製

造するために必要な取組を支援する「外食産業等と連携した農

産物の需要拡大対策事業」を一般社団法人全国米麦改良協会を

実施主体として行っているところです

農林水産省のホームページにおいてこれらのイベント等につい

て情報発信を行うとともに一般社団法人全国米麦改良協会が

開設している国産麦応援情報ホームページでの情報提供等を

行っています(図Ⅲ-10~12)

「国内産麦使用試作品全国統一試食会商談会」開催日平成31年2月12日~19日(土日を除く)場 所むぎくらべ(東京都千代田区神田小川町)

内 容平成29年度補正予算事業「外食産業等と連携した農産物の需要拡大対策事業」の一環として行われた国内産麦を使用した試作品の試食会商談会

「国内産麦使用試作品全国統一試食会商談会」で出品された試作品

- 31 -

第8回全国ご当地うどんサミットin 熊谷 開催日平成30年11月10日~11日 場 所熊谷スポーツ文化公園にぎわい広

場(埼玉県) 内 容全国の国内産小麦を使用した「ご

当地うどん」が一堂に集まりグランプリを決定

図Ⅲ-11 全国各地で開催されたイベント 図Ⅲ-12 一般社団法人 全国米麦改良協会の取組

国産麦応援情報ホームページ「日本の麦の底力」内容国産小麦粉ブランド名鑑国産小麦の逸品イベント情報研究

情報等を掲載URL httpnihonnomugicom

北海道小麦キャンプ2018 in オホーツク 開催日平成30年7月10日~11日 場 所ホテル黒部を主会場としたオホーツ

ク管内(北海道) 内 容国内産小麦北海道産小麦の魅力

を全国に広めることを目的にバスツアーやパン講習会などを実施

麦わらぼうしフェスタ 開催日平成30年11月4日 場 所笠原産業株式会社(栃木県) 内 容国内産小麦を使用したうどんパン

などの試食販売うどん教室などを実施

第7回 信州粉もん祭り 開催日平成30年11月11日 場 所JAながの ちくま埴生支所(長野県) 内 容長野県産小麦を使用した「粉もん料

理」が大集合粉もん試食会や手打ちうどん講習会 などを実施

国内産麦アンテナショップ「むぎくらべ」内容国内産麦を使用した商品のPRと販売の場を提供するものとして

平成30年7月東京都千代田区にオープン

- 32 -

オープニングセレモニーには上月前農林水産大臣政務官(写真中央)も出席

10 食料農業農村基本計画における麦の位置付け

平成27年3月31日に平成37年度を目標とする「食料農業

農村基本計画」が閣議決定され小麦は95万トン大麦はだ

か麦は22万トンの生産努力目標が設定されています(表Ⅲ-

12)

食料消費の見通し 生産努力目標(万トン) 克服すべき課題

1人1年当たり消費量

(kg人年)

国内消費仕向量

(万トン)

平成25年度

平成37年度

平成25年度

平成37年度

平成25年度

平成37年度

小麦 33 32 699 611 81 95

国内産小麦の需要拡大に向けた産地形成やブランド化

実需者ニーズに対応した生産流通体制の確立

新品種新技術の開発導入輪作体系の最適化排水対策等による収量品質の高位安定化

農地の集積集約化経営規模の拡大に対応した省力化に資する技術の開発導入等による生産コストの低減

大麦はだか麦

03 02 208 213 18 22

外国産大麦が多く用いられている焼酎用等の国内産麦の需要拡大

実需者ニーズに対応した生産流通体制の確立

新品種新技術の開発導入輪作体系の最適化排水対策等による収量品質の高位安定化

農地の集積集約化経営規模の拡大に対応した省力化に資する技術の開発導入等による生産コストの低減

表Ⅲ-12 麦の平成37年度における食料消費の見通し及び生産努力目標

資料「食料農業農村基本計画」(平成27年3月閣議決定)注1)国内消費仕向量には飼料用等の食糧用以外の用途への仕向量を含む

2)大麦はだか麦の国内消費仕向量及び生産努力目標にはビール大麦を含む

- 33 -

Ⅳ 米粉に関する動向

1 生産動向

米粉用米の生産量は平成25年産以降2万トン前後で推移していましたが平成29年度以降は約3万トンまで回復しています(表Ⅳ-1)

2 需要拡大に向けた対応

米粉用米の利用量は平成24年度以降年間2万数千トンで推移していましたがグルテンを使用しない米粉商品の開発や新たな米加工品(α化米粉米ゲルなど)の保湿性や粘性に着目した商品の開発「米粉の用途別基準」や「ノングルテン米粉製品第三者認証制度」の運用開始により平成29年度は25千トン30年度は31千トンに増加しています(表Ⅳ-2)

今後の更なる国内海外の需要拡大のためノングルテン米粉や用途別基準に適合する高品質な日本産米粉の流通を契機とした魅力ある新商品の開発や日本産米粉の優位性の情報発信等を推進する必要があります

表Ⅳ-1 上位5県の米粉用米の生産量と作付面積の推移

(参考) 米粉及び小麦粉の販売価格(税抜き)

米粉100~290円kg程度

(小麦粉 100円kg程度)

注1)平成26~29年度については新規需要米取組計画を認定した全需要者からの聞き取り注2)平成30年度については新規需要米取組計画を認定した主要な需要者からの聞き取り

により推計

表Ⅳ-2 米粉用米の利用量(需要者からの聞き取り)

- 34 -

資料26~29年産は新規需要米生産集出荷数量30年産は新規需要米取組計画

認定数量(農林水産省)

(単位千トン)

26年度 27年度 28年度 29年度 30年度見込

22 23 23 25 31

(単位千トン千ha)

26年産 27年産 28年産 29年産 30年産

生産量 59 97 87 130 107作付面積 11 18 15 24 19生産量 10 10 09 30 31作付面積 02 02 02 06 06生産量 08 10 00 19 30作付面積 01 02 00 03 06生産量 10 12 12 12 16作付面積 02 03 02 02 03生産量 20 24 07 12 13作付面積 03 04 01 02 02生産量 184 230 190 284 281作付面積 34 42 34 53 53

秋田県

全国計

新潟県

埼玉県

栃木県

群馬県

農林水産大臣は米穀の新用途への利用の促進に関する基本方針を定める

生産製造連携事業計画

生産者 製造事業者 促進事業者

必須

米穀の新用途への利用の促進に関する法律

米穀の新用途への利用の促進に関する基本方針

関係者が連携して計画を作成米穀の新用途への利用の促進に関する基本方針に照らし適切な計画について農林水産大臣が認定(計画期間は3~5年)

図Ⅳ 米粉用米に対する支援措置

3 米粉用米に対する支援

① 米粉用米についてはその利用の拡大を図るために平成21年に「米穀の新用途への利用の促進に関する法律」が制定されました同法に基づく「生産製造連携事業計画」の認定を受け「農山漁村

活性化計画」の採択を受けた取組に対して米粉用米の生産加工に必要な施設整備等の支援を行っています

② 米粉用米の生産者に対しては水田活用の直接支払交付金による支援を行っていますまたノングルテン米粉表示や米粉の用途別基準により需要者ニーズに合った高品質な米粉の製造や輸出拡大の取組を支援しています

③ 平成31年度は国内海外の需要獲得に向け引き続き魅力ある新商品開発を推進するほか日本産米粉の優位性の情報発信やノングルテン米粉の製造手法マニュアルの作成など輸出を含めた日本産米粉の需要拡大に向けた取組を支援していくこととしています

予 算 措 置

【水田活用の直接支払交付金】水田を活用して米粉用米等の作物を生産する農業者に対し交付金を直接交付 (米粉用米収量に応じ55万円~105万円10a)

【農山漁村振興交付金】米粉飼料用米の生産加工に係る施設整備に対し交付金を交付(補助率定額12)

【持続的生産強化対策事業】

日本産米粉の優位性の情報発信ノングルテン米粉の製造手法マニュアルの作成米粉用米生産者と製造事業者とのマッチング

等の取組を支援

金 融 措 置

【日本政策金融公庫による低利融資】(食品安定供給施設整備資金)

米粉製造施設米粉を原料とした食品の製造加工施設等への融資

(輸出を含めた日本産米粉の需要拡大支援事業)

(補助率定額)

【外食産業等と連携した需要拡大対策事業】

国産農林水産物食品の輸出等需要フロンティアの開拓を図るため産地と複数年契約を締結する民間企業(外食加工業者)に対し国産農林水産物を活用した新商品の開発やそれに必要な技術開発等を支援 (補助率定額12)

- 35 -

【農林水産物食品輸出促進緊急対策事業】コメ海外市場拡大戦略プロジェクトに参加する輸出産地や輸出事業者等が連携して戦略的に取り組む中国等の海外市場開拓プロモーション等を支援

(補助率定額12)

品目 現在の関税率 合意内容

小麦

枠内税率無税+マークアップ

枠外税率55円kg

現行の国家貿易制度を維持するとともに枠外税率(55円kg)を維持

既存のWTO枠に加え米国(15万(7年目以降))【不適用】カナダ(53万(同))豪州(5万(同))にSBS方式の国別枠を設定

マークアップを9年目までに45削減

大麦

枠内税率無税+マークアップ

枠外税率39円kg

現行の国家貿易制度を維持するとともに枠外税率(39円kg)を維持

既存のWTO枠に加えSBS方式のTPP枠(65万(9年目以降))を設定

マークアップを9年目までに45削減

1 TPP11協定概要(麦)(平成30年12月30日発効)

Ⅴ TPP11及び日EUEPAの協定概要(麦関係)

(参考主な麦製品)

現在の関税率合意内容

税率 枠数量

いった小麦小麦粉等

(国家貿易品目)

枠内税率125~25+マークアップ

枠外税率85~134円kg

枠内即時無税+マークアップ

(枠外税率は維持)

(発効時) (6年目)125千rarr175千

ベーカリー製品製造用

小麦粉調製品16~24

枠内即時無税(枠外税率は維持)

(発効時) (6年目)米国 105千rarr12千【不適用】米国以外 68千rarr 8千

その他小麦粉調製品

16~28枠内即時無税

(枠外税率は維持)(発効時) (6年目)15千rarr225千

マカロニスパゲティ

30円kg9年目までに60削減

ビスケット 1315 6年目に無税 -

注1)いった小麦とは小麦をいったものであり主にシリアル食品等に使用される

2)その他小麦粉調製品とは製麺まんじゅう等のベーカリー製品以外の製造用の

小麦粉調製品である

- 36 -

2 日EUEPA協定概要(麦)(平成31年2月1日発効)

品目 現在の関税率 合意内容

小麦

枠内税率無税+マークアップ

枠外税率55円kg

現行の国家貿易制度を維持するとともに枠外税率(55円kg)を維持

既存のWTO枠に加えSBS方式のEU枠(270(7年目以降))を設定

枠内のマークアップを9年目までに45削減

大麦

枠内税率無税+マークアップ

枠外税率39円kg

現行の国家貿易制度を維持するとともに枠外税率(39円kg)を維持

既存のWTO枠に加えSBS方式のEU枠(30(即時))を設定

枠内のマークアップを9年目までに45削減

(参考主な麦製品)

現在の関税率合意内容

税率 枠数量

いった小麦小麦粉等

(国家貿易品目)

枠内税率125~25+マークアップ

枠外税率85~134円kg

枠内即時無税+マークアップ

(枠外税率は維持)

(発効時) (6年目)38千rarr44千

ベーカリー製品製造用

小麦粉調製品16~24

枠内即時無税(枠外税率は維持)

(発効時) (6年目)104千rarr142千

その他小麦粉調製品

16~28枠内即時無税

(枠外税率は維持)(発効時) (6年目)

2千rarr3千

マカロニスパゲティ

30円kg 11年目に無税 -

ビスケット 1315 6年目に無税 -

注1)いった小麦とは小麦をいったものであり主にシリアル食品等に使用される

2)その他小麦粉調製品とは製麺まんじゅう等のベーカリー製品以外の製造用の

小麦粉調製品である

(参考) 麦の国境措置

小 麦 大 麦

輸入数量

価格

輸入数量

価格

政府売渡価格

マークアップ(輸入差益)

452円kgを上限

輸入価格

(枠内税率0円kg)

枠内輸入(国家貿易) 枠外輸入

(民間貿易)枠外税率を支払って輸入された数量(平成29年度)12千トン

WTOカレントアクセス数量5740千トン

枠外税率55円

政府売渡価格

輸入価格(枠内税率0円kg)

WTOカレントアクセス数量1369千トン

枠内輸入(国家貿易) 枠外輸入(民間貿易)

枠外税率を支払って輸入された数量(平成29年度)06千トン

枠外税率39円

民間貿易の場合の輸入価格

民間貿易の場合の輸入価格

286円kgを上限

マークアップ(輸入差益)

- 37 -

  • スライド番号 1
  • スライド番号 2
  • 麦の参考資料 麦の需給に関する見通し(動向編)
  • スライド番号 4
  • スライド番号 5
  • スライド番号 6
  • スライド番号 7
  • スライド番号 8
  • スライド番号 9
  • スライド番号 10
  • スライド番号 11
  • スライド番号 12
  • スライド番号 13
  • スライド番号 14
  • Ⅱ 小麦粉麦製品の生産と価格の動向
  • スライド番号 16
  • スライド番号 17
  • スライド番号 18
  • スライド番号 19
  • スライド番号 20
  • スライド番号 21
  • スライド番号 22
  • スライド番号 23
  • スライド番号 24
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  • スライド番号 29
  • スライド番号 30
  • スライド番号 31
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  • スライド番号 39
  • スライド番号 40
  • スライド番号 41
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表Ⅰ-6 外国産食糧用小麦の銘柄別輸入量

注1)数量は決算ベース2)四捨五入の関係で計と内訳が一致しない場合がある3)( )内の数量はSBS方式により輸入された数量で内数である

4 外国産食糧用麦の輸入状況

外国産食糧用麦については国内産食糧用麦では量的又は質的に満たせない需要分について政府が国家貿易により計画的に輸入し需要者に売り渡しています現在の主な輸入先国はアメリカカナダ豪州の3か国と

なっています

(1)小麦

外国産食糧用小麦の輸入量は国内産小麦の作柄や輸出国

における輸送状況等により変動し近年は450万~520万トン

程度で推移しています(表Ⅰ-6)

(2)大麦及びはだか麦

外国産食糧用大麦及びはだか麦の輸入量は近年は20万~

25万トン程度で推移しています(表Ⅰ-7)

(単位千トン)

- 7 -

注1)数量は決算ベース

2)四捨五入の関係で計と内訳が一致しない場合がある

表Ⅰ-7 外国産食糧用大麦及びはだか麦の銘柄別輸入量(単位千トン)

ウェスタンホワイト 610 775 683 631 (23) 711

ハードレッドウィンター(115) 727 855 790 807 891

ダークノーザンスプリング 877 1245 850 831 (59) 1198

その他 (1) 28 (1) 1 (3) 3 (6) 6 (16) 16

計 (1) 2242 (1) 2877 (3) 2327 (6) 2276 (98) 2815

ウェスタンレッドスプリング 1228 1258 1527 1547 1355

デュラム (210) 210 (222) 222 (219) 219 (175) 193 (186) 186

その他 (3) 3 (3) 3 (1) 1 (1) 1 (2) 2

計 (213) 1441 (225) 1484 (220) 1747 (176) 1742 (188) 1543

スタンダードホワイト 759 794 737 755 797

プライムハード (83) 83 (83) 83 (84) 84 (64) 64 (80) 80

その他 (0) 2 (0) 0 (28) 28 (5) 15 (0) 0

計 (83) 844 (83) 877 (111) 848 (68) 833 (80) 877

(6) 6 (7) 7 (7) 7 (8) 8 (6) 6

(304) 4532 (316) 5245 (343) 4929 (259) 4858 (372) 5242

豪州

その他

26

合  計

平成25年度 28 2927

アメリカ

カナダ

25 26 27 28 29

二条大麦 - 1 1 1 11

六条大麦 1 2 1 2 2

はだか麦 2 3 2 8 20

計 3 5 4 11 33

二条大麦 15 13 9 14 7

六条大麦 39 53 46 40 36

はだか麦 1 1 2 4 5

計 54 67 58 58 48

二条大麦 146 174 168 180 152

はだか麦 - - 0 0 1

計 146 174 168 180 153

- - 2 2 2

203 245 232 250 236合 計

年度

アメリカ

カナダ

豪州

その他

図Ⅰ-6 政府売渡価格の構成

5 外国産食糧用麦の売渡方式

(1)外国産食糧用小麦の政府売渡

外国産食糧用小麦の政府売渡については平成19年4月以降輸入価格(過去の一定期間における輸入価格の平均値)にマークアップ(政府管理経費及び国内産小麦の生産振興対策に充当)を上乗せした価格で売り渡す「相場連動制」に移行しました(表Ⅰ-8図Ⅰ-6)

表Ⅰ-8 政府売渡価格改定ルール

項 目 基本的なルール

価格改定 現在年2回(4月期10月期)

買付価格算定期間 直近6か月間

- 8 -

輸入価格

政府売渡価格

小麦の国際価格や海上運賃為替等により変動

マークアップ

(輸 入 差 益)

港 湾 諸 経 費

買 付 価 格

(3)食糧麦備蓄対策事業

即時販売方式の導入後は製粉企業等が23か月分の外国産

食糧用小麦の備蓄を行った場合国が18か月分の保管経費を

助成しています(図Ⅰ-7)

また不測の事態が生じた場合には国は製粉企業等に

対して備蓄する外国産食糧用小麦の取崩しの指示等を行い

ます

図Ⅰ-7 食糧麦備蓄対策事業のスキーム(2)即時販売方式

外国産食糧用小麦の売渡しについては平成22年10月以降輸入した小麦を直ちに製粉企業等に販売し製粉企業等が一定期間備蓄することとなっています

- 9 -

6 外国産食糧用小麦の政府売渡価格の動向

外国産食糧用小麦の政府売渡価格は穀物の国際相場や海上

運賃為替等の動向を反映した買付価格に連動して年2回改

定されています

平成30年10月期の政府売渡価格は輸入小麦の平均買付価格

(平成30年3月第2週~9月第1週)が①米国及び豪州の一

部の地域の乾燥による減収懸念等から小麦の価格が上昇②燃

料油価格の影響により海上運賃が上昇したことにより前期

に比べ上昇したことから5銘柄加重平均(税込価格)で

55560円トン対前期比22の引上げとなりました

また平成31年4月期の政府売渡価格は輸入小麦の平均買

付価格(平成30年9月第2週~平成31年3月第1週)が①小

麦の国際価格に大きな変動がない中②為替は円安傾向であっ

たものの海上運賃が下落したことにより前期に比べ低下し

たことまたTPP11協定に基づきカナダ豪州産小麦

にマークアップの引下げを適用したことから5銘柄加重平均

(税込価格)で54630円トン対前期比17の引下げとなり

ました(表Ⅰ-9)

表Ⅰ-9 外国産食糧用小麦の政府売渡価格

注1)5銘柄加重平均価格は税込み価格である2)5銘柄とはアメリカ産ダークノーザンスプリング(主にパン中華麺用)カ

ナダ産ウェスタンレッドスプリング(主にパン用)アメリカ産ハードレッドウィンター(主にパン中華麺用)オーストラリア産スタンダードホワイト(主に日本麺用)アメリカ産ウェスタンホワイト(主に菓子用)

時 期5銘柄加重平均価格

(円トン)対前期比()

平成29年4月期 50690 +46

平成29年10月期 52510 +36

平成30年4月期 54370 +35

平成30年10月期 55560 +22

平成31年4月期 54630 17

- 10 -

Ⅱ 小麦粉麦製品の生産と価格の動向

資料平成21年度までは農林水産省「米麦加工食品生産動態統計調査年報」平成22年度からは農林水産省「食品産業動態調査」及び農林水産省「製粉精麦工場需給実績報告」平成21年度以降の麦茶の生産量については全国麦茶工業協同組合調べ

注1)麺類及びパン類の生産量は小麦粉使用量でその他は製品生産量である2)小麦粉精麦及び麦茶の生産量は年度の計でありその他は暦年の計である

(単位千トン)

表Ⅱ-1 小麦粉麦製品の生産量の推移

1 小麦粉麦製品の生産量

小麦粉の生産量は460万~470万トンで安定的に推移してい

ます(表Ⅱ-1)

小麦の二次加工製品のうち

① パン類の生産量は平成22年以降プライベートブラン

ドの菓子パンや高価格帯食パンの人気等により堅調に推

移しています

② 麺類の生産量は平成23年には東日本大震災による即

席麺の需要増等から増加しましたその後冷凍麺や外食

産業での消費増等により平成30年は147万トンと増加し

ています

③ ビスケットの生産量は平成20年から26年までは24万ト

ン前後で推移しました平成27年は円安の影響による輸入

量の減少等に伴い増加しその後は25万トン程度で推移し

ています

焼酎みそ主食用に仕向けられる精麦の生産量は平成16

年度まで本格焼酎ブームにより増加傾向で推移しましたがそ

の後の焼酎用需要の低迷等により減少しました近年は主食用

の需要の伸びにより17万トン前後で推移しています

一方平成28年(2016年)以降健康志向等を背景に大麦及

びはだか麦の需要が増加しています特に水溶性食物繊維

(大麦β-グルカン)が豊富なもち性はだか麦の需要は平成

29年(2017年)半ば以降は落ち着いてきたものの引き続き高

い水準で推移しています(図Ⅱ-1 )

- 11 -

図Ⅱ-1 もち麦を使用した製品の販売額の推移(首都圏)

区分

前年 前年 前年 前年 前年 前年

増減率 増減率 増減率 増減率 増減率 増減率

年 (年度計) () (暦年計) () (暦年計) () (暦年計) () (年度計) () (年度計) ()

平成12 4623 01 1279 23 1421 09 223 19 161 45 49 89

13 4607 03 1272 05 1441 14 218 21 164 19 51 41

14 4591 03 1245 21 1421 13 210 39 177 75 51 00

15 4662 15 1247 01 1425 02 219 43 189 71 45 118

16 4667 01 1243 03 1414 08 214 20 212 118 47 44

17 4623 09 1232 09 1368 32 213 05 201 51 47 00

18 4599 05 1218 11 1324 32 218 24 196 25 47 00

19 4684 18 1211 06 1319 03 225 29 197 06 48 21

20 4564 26 1181 24 1277 32 240 70 173 120 50 42

21 4612 11 1179 02 1265 10 243 10 168 29 48 40

22 4725 25 1196 15 1251 11 241 06 161 45 52 83

23 4708 04 1215 16 1283 26 243 06 155 35 54 38

24 4654 11 1219 03 1269 11 239 14 164 60 55 19

25 4694 09 1226 06 1324 43 237 12 158 37 66 200

26 4683 02 1234 07 1371 35 244 33 162 25 66 00

27 4702 04 1234 00 1396 19 259 59 162 04 68 30

28 4683 04 1238 03 1409 09 258 05 169 44 60 118

29 4703 04 1254 13 1445 26 252 22 172 20 64 67

30 - - 1221 27 1473 19 259 30 - - - -

精麦 麦茶小麦粉 パン類 麺類 ビスケット

資料日本経済新聞デジタルメディア社による首都圏のスーパーマーケットなど119店におけるPOSデータに基づき農林水産政策研究所において集計

図Ⅱ-2 小麦粉麦製品の価格(消費者物価指数)の変化

資料総務省「消費者物価指数」(全国)

(参考) 家計に占める小麦関連製品の支出 (単位円世帯)

資料総務省「家計調査」(全国二人以上の世帯)

年間計(平成30年)

1か月平均

消 費 支 出 3447783 287315食 料 952172 79348

小 麦 関 連 製 品 計 82108 6842パ ン 30555 2546

め ん 類 17369 1447小 麦 粉 596 50

菓子類(ビスケット等) 11397 950調理食品(調理パン) 5352 446

外食(うどん等) 16839 1403

(平成27年=100)

2 小麦粉麦製品の価格の動向

小麦粉及び麦関連製品の価格は輸入小麦の政府売渡価

格の引上げ等による原材料費の上昇人件費や物流費の上

昇等の影響を受け平成30年以降小麦粉及びパンの価格

は上昇傾向にあります(図Ⅱ-2)

- 12 -

85

90

95

100

105

110

食料品総合 パン めん類 小麦粉

表Ⅱ-2 麦製品の輸入量の推移(参考1) 麦製品の輸入動向

(1)小麦粉調製品

小麦粉に砂糖脱脂粉乳等を混合した小麦粉調製品の輸

入量は平成11年以降デフレに伴う低価格品需要の拡大

により増加傾向で推移してきましたが麦の国際相場の

高騰に伴う輸入価格の上昇等により平成18年から平成20年

にかけて減少しましたその後も減少傾向で推移しており

平成30年は8万3千トンの輸入量となっています

(2)麦加工製品

①マカロニスパゲッティ

マカロニスパゲッティについては国内の全体需要が

増加する中で輸入量が増加傾向で推移してきました

平成30年は過去最高の輸入量であった前年からは減少

し13万8千トンとなっています

②ビスケット

ビスケットの輸入量は平成25年以降円安の影響を受

けて減少していましたが平成28年度以降増加傾向にあり

平成30年の輸入量は2万5千トンとなっています

資料財務省「貿易統計」注小麦粉調製品は穀粉が占める割合が85以下のものの輸入量

なお小麦粉調製品のうち加糖のものは一般に菓子類菓子パン類等の原料として利用され無糖のものは麺類等の原料として使用される

(単位千トン)

- 13 -

対前年 対前年 対前年 対前年 対前年

増減率 増減率 増減率 増減率 増減率

() () () () ()

平成12 107 118 85 92 97 26 45 95 108 11 123

13 121 126 75 99 81 27 51 93 25 13 209

14 126 131 35 102 30 29 52 101 94 15 142

15 116 133 13 101 06 31 82 108 63 21 400

16 108 136 28 98 32 38 222 112 35 25 219

17 110 140 26 98 01 42 90 110 17 24 49

18 116 139 09 99 12 39 59 110 02 24 23

19 118 117 155 87 128 30 224 104 49 23 56

20 104 100 144 72 173 29 60 127 219 18 221

21 94 102 23 73 15 30 42 116 85 17 83

22 88 107 40 73 07 33 119 121 36 19 173

23 80 108 12 78 59 30 90 134 115 22 143

24 80 106 16 78 02 28 63 142 58 22 07

25 97 100 53 73 64 28 25 133 68 18 182

26 105 98 21 73 02 25 83 133 03 17 74

27 121 94 40 69 55 25 03 132 08 14 166

28 109 91 32 65 58 26 40 145 99 19 348

29 112 92 05 65 02 27 14 150 32 24 296

30 110 83 92 59 85 24 110 138 75 25 23

国 名輸入割合()

国 名輸入割合()

国 名輸入割合()

国 名輸入割合()

国 名輸入割合()

韓国 409 韓国 528 シンガポール 442 イタリア 465 インドネシア 242

シンガポール 202 フランス 151 米国 126 トルコ 355 中国 205

フランス 114 シンガポール 105 韓国 114 米国 142 マレーシア 84

米国 75 中国 78 ニュージーランド 98 ギリシャ 20 ベトナム 63

中国 57 米国 55 豪州 69 アラブ首長国連邦 10 イタリア 55

国 名対前年増減率()

国 名対前年増減率()

国 名対前年増減率()

国 名対前年増減率()

国 名対前年増減率()

韓国 10 韓国 13 シンガポール 221 イタリア 107 インドネシア 202

シンガポール 124 フランス 92 米国 136 トルコ 45 中国 76

フランス 87 シンガポール 108 韓国 30 米国 09 マレーシア 245

米国 116 中国 546 ニュージーランド 87 ギリシャ 152 ベトナム 137

中国 543 米国 98 豪州 344 アラブ首長国連邦 135 イタリア 119

30

輸入上位5カ国

区分

為替レー

円ドル)

小麦粉調製品 麦加工製品

加糖のもの 無糖のもの マカロニスパゲッティ ビスケット

(参考2) 麦製品の輸出動向

麦製品の輸出量のうちその大部分を占める小麦粉の輸出量

は近年主要輸出先国の製粉技術の向上や現地製粉工場の立

上げ等により減少傾向で推移し平成30年は約16万トンとなっ

ています(表Ⅱ-3)

表Ⅱ-3 麦製品の輸出量の推移

資料財務省「貿易統計」

(単位トン)

- 14 -

対前年増減率()

対前年増減率()

対前年増減率()

309594 75 376 431 1028 375

321028 37 315 162 967 59

319968 03 253 197 953 14

318706 04 410 621 1052 104

304465 45 328 200 769 269

289911 48 1054 2213 719 65

290033 00 1196 135 762 60

255377 119 1150 38 1098 441

187040 268 743 354 1198 91

185403 09 822 106 898 250

196183 58 770 63 974 85

191480 24 607 212 698 283

192598 06 598 15 780 117

168205 127 573 42 769 14

166311 11 571 04 861 120

157938 50 553 32 1249 451

158896 06 549 07 1287 30

167600 55 532 32 778 395

163640 24 535 06 894 148

国 名輸出割合

() 国 名輸出割合

() 国 名輸出割合

()

香港 496 香港 888 中国 483シンガポール 207 中国 43 香港 314ベトナム 96 韓国 21 台湾 64

タイ 59 米国 17 ベトナム 37台湾 58 台湾 11 シンガポール 29

国 名対前年増減率() 国 名

対前年増減率() 国 名

対前年増減率()

香港 175 香港 26 中国 251シンガポール 583 中国 62 香港 329ベトナム 135 韓国 437 台湾 59

タイ 81 米国 1047 ベトナム 418台湾 47 台湾 261 シンガポール 449

24

30

輸出上位5カ国

25

181920212223

2627282930

17

  区分

小麦粉マカロニスパゲッティ

スイートビスケット

平成1213141516

(参考3) 麦製品の生産動向

麦製品の生産量は食パンや乾麺のように生産量が減少している製品もある一方で菓子パンや即席麺冷凍麺のように生産量が増加している製品もあることから使用される小麦粉の数量は平成22年以降概ね横ばい傾向で推移しています麦製品は食生活の多様化や簡便性といった消費者ニーズを

捉えつつ継続した新製品の開発がなされており新たな定番となる商品の登場や期間限定の商品やイベントなどが消費者の購買を促進していると考えられます(図Ⅱ-3表Ⅱ-4)

表Ⅱ-4 麦製品の生産量の推移

(単位千トン)

- 15 -

資料平成21年度までは農林水産省「米麦加工食品生産動態統計調査年報」平成22年度からは農林水産省「食品産業動態調査」及び農林水産省「製粉精麦工場需給実績報告」冷凍麺の生産量は(一社)日本冷凍食品協会調べ

注1)麺類及びパン類の生産量は小麦粉使用量で冷凍麺は製品生産量である2)小麦粉は年度の計でありその他は暦年の計である

区分

パ ン 麺 類 冷凍麺

小麦粉 食パン菓子パ

ンその他のパン

生麺 乾麺 即席麺

年度計 暦年計 暦年計 暦年計 暦年計 暦年計 暦年計 暦年計 暦年計 暦年計

昭和45 3422 970 469 - - - 514 327 267 -

50 3978 1062 588 251 63 - 541 289 335 -

55 4079 1189 687 285 89 1334 610 275 325 -

60 4243 1178 653 291 133 1397 659 297 316 9

平成2 4338 1193 661 321 146 1407 687 274 316 41

7 4633 1220 623 368 178 1456 729 268 314 120

12 4623 1279 619 382 235 1421 687 235 343 190

22 4725 1196 576 375 215 1251 555 203 332 257

23 4708 1215 580 392 215 1283 548 209 361 270

24 4654 1219 580 392 221 1269 542 204 363 283

25 4694 1226 598 384 218 1324 562 213 386 314

26 4683 1234 608 387 214 1371 578 213 410 318

27 4702 1234 605 403 201 1396 624 195 414 308

28 4683 1238 604 403 206 1409 652 186 419 308

29 4703 1254 602 409 218 1445 691 186 416 313

30 - 1221 585 401 211 1473 712 188 420 -

〔低糖質製品〕

〔多種多様な携帯サンドイッチ〕

〔手軽な冷凍麺〕

図Ⅱ-3 麦製品の商品事例

H18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29

製粉工場数 124 122 121 119 117 118 117 114 109 104 102 98

製粉企業数 100 98 98 96 94 95 94 90 88 83 81 77

うち輸入小麦取扱製粉工場数 91 91 90 90 87 87 86 83 78 76 74 73

うち輸入小麦取扱製粉企業数 67 67 67 65 64 64 64 60 57 55 53 52

50

70

90

110

130

150製粉工場数

製粉企業数

うち輸入小麦取扱製粉工場数

うち輸入小麦取扱製粉企業数

3 製粉企業の状況

(1)大手製粉企業及び中小製粉企業の動向

① 大手製粉企業4社の小麦粉の生産量は全体の78を占

めておりこれに年間小麦粉生産量が3万トン以上の企業

の生産量を加えた13社ベースでは全体の90を占めてい

ます

② 大手製粉企業は生産設備の臨海工場への集約化を進め

つつ工場の大規模化合理化を推進しています

平成29年度の1工場当たりの生産量は17万トンまた

稼働率は89となっています

③ 年間小麦粉生産量3万トン以上の中小製粉企業は工場

のほとんどが臨海地域に立地し小麦粉を域内の二次加工

メーカー等に供給しています

平成29年度の1工場当たりの生産量は約6万トン稼働

率は67となっています

④ 年間小麦粉生産量1千トン以上3万トン未満の中小製粉

企業は主に内陸に位置し小麦粉を地元のパン麺等の

加工業者に供給するほか乾麺等の製造を兼ねるものも多

くなっています

平成29年度の1工場当たりの生産量は13万トンと大

手製粉企業の約14分の1稼働率は35となっています

⑤ 年間小麦粉生産量1千トン未満の中小製粉企業は輸入

小麦を取り扱わない企業が大部分を占め国内産小麦のみ

を使用し麺用や菓子用に供給しています

表Ⅱ-5 大手製粉企業中小製粉企業の小麦粉生産等の動向

資料農林水産省調べ注四捨五入の関係で計と内訳が一致しない場合がある

(参考)製粉企業数と工場数の推移(企業工場)

- 16 -

3万トン以上1千トン以上3万トン未満

1千トン未満

平成24 94 4 90 9 50 31

29 77 4 73 9 38 26

24 4853 3679 1174 536 636 3

29 4877 3801 1075 569 504 2

24 100 758 242 110 131 01

29 100 779 221 117 103 00

24 3245 1177 2068 632 1360 76

29 2806 1057 1749 581 1114 54

24 1496 3126 568 848 468 39

29 1738 3596 615 980 452 44

24 415 1533 126 596 120 01

29 498 1728 142 569 126 01

24 692 887 414 709 311 42

29 731 888 454 670 347 46

全体 大手製粉

中 小 製 粉年間生産量

稼働率()

製粉企業数

小麦粉生産量(千トン)

生産シェア()

従業員数(人)

従業員一人当たりの生産量

(トン)

一工場当たりの生産量(千トン)

(2)製粉企業のコスト削減や品質安全性の向上に向けた取組

製粉企業は生産能力の増強によるコスト削減や品質安全性の向上に向けた取組を進めています(図Ⅱ-4)

また国も農業競争力強化プログラムを策定し製粉企業の取組みを支援しています(図Ⅱ-5)

① 供給能力の強化等によるコストダウン

製粉企業は供給能力の強化生産性の向上と原料小麦の受入体制の整備によるコストダウンを図るため製粉工場や原料サイロの増強等の設備投資を行っています

② 資本業務の提携

製粉企業の中には他の製粉企業と資本業務提携を行うこと等により原料調達規模の拡大や生産の効率化等による競争力の強化を図る取組もみられます

③ 品質安全性の向上

製粉企業は近年消費者の安全安心への関心が高まる中食品の品質安全性を確保するための設備やAIB食品安全システムの導入ISO認証の取得等様々な取組を行っています

④ 工場の集約化

大手製粉企業は内陸工場を閉鎖し海外からの原料調達に有利な臨海工場への集約を進めるとともに臨海工場の生産能力を増強させる等生産性の向上を図っています

⑤ 海外市場への進出

製粉企業の中にはアジア大洋州地域における買収や工場増設等海外市場に積極的な進出をする取組もみられます

① 供給能力の強化等によるコストダウン 日清製粉は関東地区の小麦サイロ収容力の増強を進め更なる原料小麦の安定供給を推進するため鶴見工場の原料小麦サイロを増設(平成28年)

日本製粉は神戸甲南工場の原料サイロの新設等(平成24年)千葉工場の原料サイロの増設(平成26年)を行い今後原料サイロを福岡工場及び知多新工場へ新設神戸甲南工場(第2期)へ増設する予定

千葉製粉は新たな顧客ニーズへの対応付加価値製品の創出等を図るため専用ラインを新設(平成27年)

② 資本業務提携 資本業務提携を行っている製粉企業

増田製粉所(兵庫) hArr 日東富士製粉

木田製粉(北海道)内外製粉(三重)奥本製粉(大阪)セントラル製

粉(愛知) hArr 昭和産業

東福製粉(福岡) hArr 日本製粉

③ 品質安全性の向上 多くの製粉企業がISO9001(品質マネジメントシステム)ISO22000(食品安全マネジメントシステム)の認証を受けることにより品質管理や食品安全管理を実施

④ 工場の集約化 日清製粉は生産性向上のため内陸工場を順次閉鎖し臨海工場への集約化を推進

筑後工場(福岡)鳥栖工場(佐賀) rarr 福岡工場(福岡)へ集約

(平成26年)

名古屋工場の2ライン rarr 知多工場(愛知)の新ラインへ集約

(平成27年)

日本製粉は生産性向上のため総生産能力の80を臨海部の大型工場に集約

⑤ 海外市場への進出状況(平成30年度) 日清製粉は豪州の小麦粉市場においてトップシェアを持つアライドピナクル社を買収またタイでは子会社の日清STC製粉がタイの製粉工場を買収するとともにベトナムでは業務用プレミックスの生産工場を建設することを決定

昭和産業はベトナムに新たにプレミックス製造会社を設立し生産工場を建設することを決定

図Ⅱ-4 製粉企業の各種取組の事例

- 17-

⑥ 再編合理化の取組

製粉企業の中には国の支援を活用した再編合理化の取

組もみられます

⑦ 地産地消の推進

中小製粉企業は地域とのつながりの強さや独自の立地

条件を活かした特色ある経営を模索する中で生産者と協

力した積極的な地産地消の取組を進めています

⑦ 地産地消の推進

岩手県主な実施者岩手県学校給食会岩手県パン工業組合県内製粉企業取 組 内 容 平成28年度から地元県産小麦(銀河のちからゆきちから)を

100使用した学校給食用パンを県内の小中学校に提供開始埼玉県

主な実施者埼玉産小麦ネットワーク「SWING group」(県内製粉企業が中心となり生産者加工業者販売業者等180社が加盟)

取 組 内 容 埼玉県産小麦のブランド価値を高めることなどを目的として埼玉県産小麦を自社製品に利用することで高付加価値商品の開発による自社の発展などを目指すとともに研修会の実施やイベントホームページなどを通じた消費者への情報提供を実施

京都府主な実施者地元製粉企業京都府全農京都府本部生産者府内製麺製

パン業者飲食店取 組 内 容 平成30年産から京都府産小麦品種を「せときらら」へ全面切替を

行ったことを機にブランド名を「京小麦」とし「京小麦」を100使用したメニューを参加店舗にて提供するイベント「京小麦の収穫祭」を平成31年1月21日から2月17日まで開催

福岡県主な実施者福岡県ラー麦普及推進協議会(県JA全農ふくれん県内製粉

業者5社製麺業者関係団体)取 組 内 容 以下の取組によりラーメン用小麦「ラー麦」を普及推進

産地への生産技術の普及指導 小麦品質評価最適製粉加工方法の検討 利用や消費を促進するための普及宣伝(試

食イベント等) 毎年産の製粉製麺適性評価および食味

官能評価の実施 平成21年に本小麦の名称「ラー麦」とロ

ゴデザインを商標登録しブランド化

- 18 -

2 生産者が有利な条件で安定取引を行うことができる流通加工の業界構造の確立

(1)生産者に有利な流通加工構造の確立現在の食料需給消費の実態等を踏まえた効率的機能

的で農業者と消費者双方がメリットを受けられる流通加工構造を確立するため以下のとおり取り組む

その際農林水産省経済産業省をはじめ政府一体となって取り組む①~⑦ (略)⑧ 加工業については生産性の低い工場が乱立している

種類の加工業界(製粉乳業等)について国は国際競争に対応できる生産性の確保を目指した業界再編設備投資等を推進することとし政府系金融機関の融資農林漁業成長産業化支援機構の出資等による支援を行う

⑨ 上記改革を推進するため農産物の流通加工に関し国の責務業界再編に向けた推進手法等を明記した法整備を進める

⑩ 上記改革を推進するため金融機関による流通加工関連産業の生産性向上に資する経営支援や資金供給の促進政府系金融機関や農林漁業成長産業化支援機構等との連携強化等を図る

図Ⅱ-5 農業競争力強化プログラム(抜粋)

(平成28年11月29日 農林水産業地域の活力創造本部決定)

⑥ 再編合理化の取組

製粉工場の廃棄撤去製粉施設の一部又は全部を撤去しミックス粉等の関連事業を拡大

(製粉工場等再編合理化事業(平成2728年度7件))

図Ⅲ-1 国内産小麦の収穫量と作付面積の推移

表Ⅲ-1 小麦の主な作付品種(平成29年産)

Ⅲ 国内産麦の生産と流通の動向

1 国内産麦の生産状況

(1)小麦

① 作付面積

近年の国内産小麦の作付面積は約21万haと横ばいで推移して

います平成30年産の作付面積は北海道は121万ha都府県

は91万ha全国では212万haとなり前年産並となっていま

② 収穫量

平成30年産の国内産小麦の収穫量は主産地の北海道での6

月中旬から7月中旬にかけての低温日照不足の影響により登

熟不良となったこと等から前年産に比べ北海道で134万ト

ン(22)減少都府県では05万トン(2)減少全国

では139万ha(15)減少の768万トンとなり(図Ⅲ-1)

10a当たりの平均収量対比は91となりました

③ 小麦の作付品種の状況

栽培品種については各産地の気候条件や用途等に適した品

種が作付されており29年産では日本麺用では「きたほなみ」

「さとのそら」「シロガネコムギ」といった品種パン

中華麺用では「春よ恋」「ゆめちから」といった品種が上位

を占めています(表Ⅲ-1)

資料農林水産省「作物統計」品種毎の面積は農林水産省政策統括官調べ

注品種の育成年についてはシロガネコムギは農林認定が行われた年

それ以外の品種は出願公表が行われた年としている

資料農林水産省「作物統計」30年産の数値は概算値

- 19 -

(千トン)

年産

910 881

674

571

746

858 812

852

1004

791

907

768

210 209 208 207 212 209 210 213 213 214 212 212

100

120

140

160

180

200

220

240

260

280

300

0

200

400

600

800

1000

H19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30

収穫量 作付面積(千ha)

品種名 育成年 作付面積(千ha) 割合 主な作付地域

きたほなみ 平成19年 878 41 北海道

さとのそら 平成21年 159 7 関東東海

シロガネコムギ 昭和49年 152 7 九州近畿

春よ恋 平成11年 143 7 北海道

ゆめちから 平成20年 137 6 北海道

上位5品種計 1469 69

小麦作付面積 - 2123

図Ⅲ-2 国内産大麦及びはだか麦の収穫量と作付面積の推移

表Ⅲ-2 大麦及びはだか麦の主な作付品種(平成29年産)

(2)大麦及びはだか麦

① 作付面積

近年国内産大麦及びはだか麦の作付面積は約6万と横ば

いで推移しており平成30年産は前年産と比較すると二条

大麦は前年産並六条大麦は800ha(4)減少はだか麦

で460ha(9)増加となり全体では340ha(1)減少の

61万haとなりました(図Ⅲ-2)

② 収穫量

平成30年産の大麦及びはだか麦の収穫量は二条大麦及びは

だか麦はおおむね天候に恵まれ生育が順調で登熟も良好

であったこと等から前年産に比べ二条大麦は01万トン

(1)増加はだか麦は01万トン(8)増加となりました

六条大麦については北陸地方において大雪の影響で融雪時期

が遅れたこと等により穂数が少なくなり前年産に比べ14万

トン(26)減少しました

この結果大麦及びはだか麦の収穫量は合計で173万トンと

なり前年産に比べて12万トン(6)減少となりました

(図Ⅲ-2)

③ 大麦及びはだか麦の作付品種の状況

栽培品種については各産地の気候条件や用途等に適した品

種が作付されており29年産では二条大麦はビール用の「サ

チホゴールデン」六条大麦は主食用や麦茶用の「ファイ

バースノウ」はだか麦は麦味噌用の「マンネンボシ」いっ

た品種が上位を占めています(表Ⅲ-2)

資料農林水産省「作物統計」30年産の数値は概算値

- 20 -

(千トン)

資料農林水産省「作物統計」農林水産省調べ

注品種の育成年についてはシュンライイチバンボシは農林認定が行われ

た年それ以外の品種は出願公表が行われた年としている

195 217

179 161

172 172 183

170 177 170 185

173

54 57 58 59 60 60 59 60 61 61 61 61

0

10

20

30

40

50

60

70

80

90

100

0

50

100

150

200

250

H19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30

収穫量 作付面積 (千ha)

年産

麦種 品種名 育成年作付面積(千ha)

割合 主な作付地域

二条大麦

サチホゴールデン 平成18年 189 31 九州関東中国

はるしずく 平成17年 44 7 九州

ニシノホシ 平成11年 27 4 九州

六条大麦

ファイバースノウ 平成13年 107 17 北陸関東東海

シュンライ 平成2年 33 5 関東東北近畿

カシマゴール 平成22年 13 2 関東東海

はだか麦

マンネンボシ 平成13年 15 2 四国

イチバンボシ 平成4年 14 2 四国九州

トヨノカゼ 平成18年 11 2 九州中国

大麦はだか麦作付面積

- 614

資料農林水産省調べ

Aランク評価項目の基準値を3つ以上達成しかつ許容値を全て達成している麦Bランク評価項目の基準値を2つ達成しかつ許容値を全て達成している麦Cランク評価項目の基準値を1つ達成しかつ許容値を全て達成している麦

評価項目の基準値を2つ以上達成しているものの許容値を達成していない麦DランクA~Cランクのいずれにも該当しない麦

【評価項目】①小麦 日本麺用パン中華麺用(たんぱく灰分容積重フォーリングナンバー)

醸造用(たんぱく3項目容積重)②二条大麦 主食等用(容積重細麦率白度正常粒率)

麦茶用(たんぱく3項目細麦率)③六条大麦はだか麦 主食等用(容積重細麦率白度硝子率)

麦茶用(たんぱく3項目細麦率)

(参考) 麦の品質区分

(単位)

- 21 -

(2)品質評価

たんぱく質や灰分の含有率等に基づく品質評価結果につい

ては平成30年産の小麦ではAランクが899となってお

り過去5年平均(Aランク比率849)と比べ5ポイン

ト高くなっています

また平成30年産の大麦はだか麦ではAランクが

849となっており過去5年平均(Aランク比率832)

と比べ17ポイント高くなっています(表Ⅲ-4)

表Ⅲ-4 平成30年産麦の品質評価結果

2 国内産麦の品質状況

(1)農産物検査① 平成30年産の小麦について全国の1等比率は761

(平成30年12月末時点)と過去5年平均799と比較して低くなっています(表Ⅲ-3)

② 平成30年産の小粒大麦大粒大麦はだか麦及びビール大麦について1等比率は大粒大麦を除き過去5年平均と比較して低くなっています(表Ⅲ-3)

表Ⅲ-3 国内産麦の1等比率の推移(単位)

Aランク Bランク Cランク DランクAランク

過去5年平均(平成25~29年産)

小 麦 899 67 33 01 849

大麦はだか麦

849 37 108 06 832

注1)各年産翌年4月末時点の値であるただし平成30年産は30年12月末時点の値である

2)強力小麦の検査数量を含む値である

3 国内産麦に対する支援

平成31年度は経営所得安定対策等の対策のうち主に畑作

物の直接支払交付金と水田活用の直接支払交付金により国内

産麦に対する支援が行われます

(1)畑作物の直接支払交付金

畑作物の直接支払交付金として麦を生産する農業者に対

し標準的な生産費と標準的な販売価格の差額分を直接交付

することとしています

支払いは当年産の麦の品質及び生産量に応じて交付する

数量払を基本とし当年産の麦の作付面積に応じて交付する

面積払(営農継続支払)を数量払の先払いとして交付する仕

組みにしています

数量払の交付単価は品質に応じた単価を設けており需要

に応じた生産と品質に対する営農努力を適切に反映させる仕

組みになっています(表Ⅲ-5)

表Ⅲ-5 畑作物の直接支払交付金の麦の交付単価

(円単位数量)

品質区分(等級ランク)

1等 2等

A B C D A B C D

小麦(パン中華麵

用品種)(60kg当たり)

9040 8540 8390 8330 7880 7380 7230 7170

小麦(パン中華麺用品種以外)(60kg当たり)

6740 6240 6090 6030 5580 5080 4930 4870

二条大麦(50kg当たり) 5550 5130 5010 4960 4690 4270 4140 4090

六条大麦(50kg当たり) 6030 5610 5480 5430 5000 4580 4460 4410

はだか麦(60kg当たり) 8650 8150 8000 7910 7080 6580 6430 6350

(参考)

【平均交付単価小麦6940円60kg二条大麦5490円50kg六条大麦5720円50kg

はだか麦8230円60kg】

②面積払

当年産の作付面積に応じて交付 2万円10a

①数量払(品質に応じた単価)

- 22 -

【平成31年産に適用】

標準的な生産費

差額

ゲタ交付単価

標準的な販売価格

【交付単価のイメージ】lt畑作物の直接支払交付金のイメージgt

面積払(数量払の際に控除されます)

数量払

収量

交付金額

(2)水田活用の直接支払交付金

水田のフル活用を推進し食料自給率自給力の向上を図

るため水田で麦を生産する農業者に対しては畑作物の直

接支払交付金に加え水田活用の直接支払交付金(35000円

10a)を直接交付することとしています(表Ⅲ-6)

表Ⅲ-6 水田活用の直接支払交付金の交付単価

作 物 単 価

麦大豆飼料作物 35000円10a

WCS(ホールクロップサイレージ)用稲 80000円10a

加工用米 20000円10a

飼料用米米粉用米収量に応じ

55000円~105000円10a

このほか「産地交付金」により地域で作成する水田フル活用ビジョンに基づき二毛作や耕畜連携を含め産地づくりに向けた取組を支援します

戦略作物助成

注実需者等との出荷販売契約等を締結すること出荷販売することが要件

- 23 -

4 国内産食糧用麦の流通動向

(1)取引の概要

国内産食糧用麦は加工原料としての商品特性から需要に応じて計画的に生産できるようは種前契約に基づく取引が行われています

まず取引の指標となる透明性のある適正な価格を形成するためは種前に販売予定数量の3~4割(具体の比率は民間流通地方連絡協議会の協議を踏まえ決定)について入札が行われます残りは相対取引が行われておりその価格については入札で形成された指標価格(落札加重平均価格)を基本として取引当事者間で決められています(図Ⅲ-3)

また取引を円滑に進めるため生産者需要者等で構成される民間流通連絡協議会において取引に必要な情報交換取引に係る基本事項の見直し等が行われています(表Ⅲ-7)

今後とも国内産食糧用麦については円滑な流通が確保されるようは種前契約を基本としつつ適切に対応していきます

図Ⅲ-3 国内産食糧用麦の基本的な流通フロー

表Ⅲ-7 国内産食糧用麦の入札の仕組み

項 目 概 要 見直しの変遷

実施主体 一般社団法人 全国米麦改良協会

実施時期 は種前に2回実施(8~9月)平成13年産から1回rarr2回へ見直し

上場数量

産地銘柄別に販売予定数量が小麦3千トン以上大麦はだか麦1千トン以上の銘柄についてその30~40を上場(ほかに希望上場あり)

平成31年産から30rarr30~40へ見直し

基準価格

小麦は前年産の落札加重平均価格に当年産の入札実施時点での外国産麦の政府売渡価格の変動率を乗じた価格大麦はだか麦は前年産の落札加重平均価格

小麦の外国産麦との連動は平成24年産から実施

値幅制限 基準価格のplusmn10

小麦平成12年産~16年産plusmn5平成17年産~21年産plusmn7平成22年産plusmn10平成23年産plusmn30平成24年産~ plusmn10大麦はだか麦平成12年産~18年産plusmn5平成19年産~21年産plusmn7平成22年産plusmn10平成23年産plusmn15平成24年産~ plusmn10

取引価格の事後調整(小麦のみ)

外国産食糧用小麦の政府売渡価格の改定(410月)に合わせては種前の入札又は相対により契約された価格に外国産食糧用小麦の政府売渡価格の変動率を乗じて取引価格を改定

平成23年産から実施

申込限度数 量

買い手別に上場数量times買受実績シェアtimes145

小麦は平成17年産から大麦及びはだか麦は平成19年産から135rarr145へ見直し

相対取引入札で形成された指標価格を基本に生産者団体と需要者の間で協議決定

平成19年産から過去の実績シェアに基づく取引ルールを廃止

再入札

第1回入札及び第2回入札において落札残数量が発生した場合は売り手の希望により再度入札に付すか相対による契約を行うかいずれかの方法をとることができる

平成25年産から売り手の申し出により再入札における入札の値幅を設定できること等を規定

生産者団体から販売予定数量需要者団体から購入希望数量の相互提示

入札取引の実施(販売予定数量の約3~4割)

相対取引の実施(販売予定数量の約6~7割)

は 種(秋まき春まきは収穫年の4月)

収 穫 及 び 検 査

生産者団体と需要者の間では種前に契約を締結

需 要 者 へ 引 渡 し

<生産の流れ>

麦の生育期間

<契約の流れ>

は種前契約に基づき計画的に作付(は種)

収穫前年7月~

8~9月

9月~

~12月

6~8月

6月~

収穫年26年産から国内産麦の需要拡大を図るため地域の食文化のブランド化等による高付加価値化の取組等に対し安定的な原料供給が可能となる需要拡大推進枠を導入

- 24 -

表Ⅲ-8 国内産食糧用麦の供給量 (単位千トン)

注集荷団体からの聞き取り数量である

(2)流通の動向

平成30年産の国内産食糧用小麦の供給量は前年産から

約14万4千トン減少し約70万1千トンとなっています

また国内産食糧用大麦及びはだか麦の供給量は前年

産から約3千トン減少し約10万3千トンとなっています

(表Ⅲ-8)

生産者側から提示された平成31年産麦の販売予定数量は

国内産食糧用小麦で約82万4千トン国内産食糧用大麦及

びはだか麦で約10万8千トンとなっています

一方需要者側から提示された平成31年産麦の購入希望

数量は国内産食糧用小麦で約86万3千トン国内産食糧

用大麦及びはだか麦で約13万トンとなっています(表Ⅲ-

9)

表Ⅲ-9 国内産食糧用麦の販売予定数量及び購入希望数量の推移(単位千トン)

資料民間流通連絡協議会調べ注四捨五入の関係で差し引きが一致しないことがある

- 25 -

年産 20 21 22 23 24 25 26 27 28 2930

(見込)

小   麦 841 639 532 694 811 767 808 946 734 845 701

大麦はだか麦 125 100 84 98 93 105 103 103 92 106 103

年産 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31

販売予定数量① 887 906 909 951 948 909 905 880 820 846 834 824

購入希望数量② 833 880 818 859 904 869 751 802 834 875 880 863

①-② 54 25 91 91 44 40 154 78 14 29 46 39

(①-②)①() 61 28 100 96 47 44 170 89 18 34 55 47

販売予定数量① 121 132 134 127 122 116 110 112 113 112 108 108

購入希望数量② 199 219 135 149 147 138 141 149 145 138 148 130

①-② 78 87 1 23 26 21 31 37 32 26 39 22

(①-②)①() 640 660 06 179 209 182 282 330 284 234 363 204

表Ⅲ-10 国内産食糧用麦の入札結果の推移

資料一般社団法人全国米麦改良協会調べ

注1価格は税込み(26年産までは527年産以降は8)である

ただし31年産の落札価格は一般社団法人全国米麦改良協会公表の価格(税抜き)を基に農林水産省で税込み価格を算出

5 国内産食糧用麦の価格の動向

(1)平成31年産の入札の概要

平成31年産麦の入札は第1回は平成30年9月12日に第

2回は平成30年9月26日に実施されました

麦種別の入札結果をみると小麦は上場数量約21万4千

トンのうち約20万4千トンが落札(落札率954)され落

札価格は61714円トン(対前年産比1151)となりました

小粒大麦は上場数量約1万1千トンのうち約1万1千

トンが落札(落札率991)され落札価格は46560円トン

(対前年産比997)となりました

大粒大麦は上場数量約7千8百トンのうち5千6百トン

が落札(落札率717)され落札価格は46923円トン(対

前年産比879)となりました

はだか麦は上場数量約2千3百トンのうち約2千1百

トンが落札(落札率897)され落札価格は50817円トン

(対前年産比961)となりました(表Ⅲ-10)

なお国内産小麦については近年消費者の国産志向の高

まりなどを受け大手外食チェーンや2次加工メーカーが国

内産小麦を使用したパン中華麺等の商品を相次いで発表す

るなど人気が高まってきていますこれらを背景として平

成31年産小麦の落札価格は多くの銘柄で値幅制限の上限付

近となっておりまた申込倍数も14倍と高いものとなって

います

- 26 -

20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31

上場数量

(トン)①243510 243020 242310 251370 250980 244880 244320 234010 213360 221380 218500 214200

落札数量

(トン)②234930 238410 189350 247770 245320 220590 188240 192240 201140 214060 210560 204420

落札率

②①965 981 781 986 977 901 770 822 943 967 964 954

落札価格

(円トン)43229 59885 55241 48732 58340 49333 49319 49770 54164 51570 53624 61714

対前年産比 1064 1385 922 882 1197 846 1000 1009 1088 952 1040 1151

上場数量

(トン)①12240 13590 14210 13300 11760 11220 11290 11930 12210 12200 11750 11040

落札数量

(トン)②12050 13510 14040 13170 11550 10850 10900 11830 12090 12200 11440 10940

落札率

②①984 994 988 990 982 967 965 992 990 1000 974 991

落札価格

(円トン)45479 59709 53448 45871 46485 46453 46290 47595 47565 46880 46708 46560

対前年産比 1084 1313 895 858 1013 999 996 1028 999 986 996 997

上場数量

(トン)①10020 9690 10330 9290 9000 8700 7210 7620 7450 7620 6880 7810

落札数量

(トン)②8880 8920 8910 7990 7990 7830 6480 7130 6600 6700 6340 5600

落札率

②①886 921 863 860 888 900 899 936 886 879 922 717

落札価格

(円トン)36532 50492 46097 39649 40394 41582 42881 45740 47827 50442 53384 46923

対前年産比 1059 1382 913 860 1019 1029 1031 1067 1046 1055 1058 879

上場数量

(トン)①2910 3150 3030 3260 3060 2830 2840 2890 2740 2660 2570 2330

落札数量

(トン)②2910 3150 3030 3090 3020 2830 2810 2810 2520 2600 2470 2090

落札率

②①1000 1000 1000 948 987 1000 989 972 920 977 961 897

落札価格

(円トン)42222 58527 61489 52791 51905 52294 49656 47712 46547 48527 52876 50817

対前年産比 1063 1386 1051 859 983 1007 950 961 976 1043 1090 961

年産

小麦

小粒大麦(六条大麦)

大粒大麦(二条大麦)

はだか麦

平成31年産国内産食糧用小麦の入札結果をみると産地別銘柄別

の需給状況等を反映して落札価格に差が生じています

代表的な銘柄である北海道産「きたほなみ」は前年産の価格を

153上回る64752円トン香川県産「さぬきの夢2009」は前

年産の価格を152上回る73186円トンとなりましたまたパ

ン中華麺用の北海道産「ゆめちから」は前年産の価格を180

上回る62777円トン北海道産「春よ恋」は前年産の価格を

180上回る68792円トンとなりました(図Ⅲ-4図Ⅲ-5)

図Ⅲ-4 平成31年産国内産食糧用小麦の産地別銘柄別落札価格

資料農林水産省調べ注外国産小麦5銘柄加重平均価格は平成30年4月期の輸入小麦の政府売渡価格である

(2)平成31年産国内産食糧用小麦の産地別銘柄別落札価格の動向

資料農林水産省調べ注1国内産小麦の価格は(一社)全国米麦改良協会が実施する民間流通麦にかかる入札の第1回第2回

及び再入札の落札加重平均価格(税込み)年産の下段の( )内は当該第1回入札の実施年月である注2外国産小麦の価格は18年までは当該年度平均の実績価格であり19年以降は民間流通麦にかかる第

1回入札の実施年月時点での輸入小麦の政府売渡価格(5銘柄平均)である注3ホクシン(きたほなみ)については22年産までは「ホクシン」の価格であり23年産からは「きたほ

なみ」の価格である注4さぬきの夢については24年産までは「さぬきの夢2000」の価格であり25年産からは「さぬきの夢

2009」の価格である注5農林61号(さとのそら)については23年産までは「農林61号」の価格であり24年産からは「さとの

そら」の価格である

図Ⅲ-5 国内産食糧用小麦の産地別銘柄別落札価格の推移

- 27 -

(単位円トン税込み)

30000

60000

北海道ゆめちから 62777

福岡ミナミノカオリ 68393

滋賀農林61号 50763

茨城さとのそら 46310

佐賀チクゴイズミ 52193

岩手ゆきちから 39929

全銘柄落札加重平均 61714

香川さぬきの夢2009 73186

北海道きたほなみ 64752

外国産小麦5銘柄加重平均 54370

群馬さとのそら 48669

北海道キタノカオリ 63090

大分チクゴイズミ 48265

福岡シロガネコムギ 50643

佐賀シロガネコムギ 47998

40000

福岡チクゴイズミ 52203

滋賀ふくさやか 49534

岐阜イワイノダイチ 46874

埼玉さとのそら 47159

宮城シラネコムギ 44607

群馬つるぴかり 49785

北海道春よ恋 68792

愛知きぬあかり 50114

北海道はるきらり 60201

50000

埼玉あやひかり 46072

岐阜さとのそら 45919

70000

30000

40000

50000

60000

70000

80000

90000

100000

110000

120000

130000

12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 年産

(単位円トン税込み)

北海道ホクシン

香川さぬきの夢200973186円

茨城農林61号

香川さぬきの夢2000

茨城さとのそら

46310円

北海道きたほなみ

64752円

北海道ゆめちから

62777円

外国産小麦

5銘柄平均

54370円

北海道春よ恋

68792円

(128) (138) (148) (158) (168) (178)(1810) (199) (208)(2110)(2212) (239) (2410)(2510)(269)(279) (289) (299)(119) (309)

6 国内産麦の新品種の育成状況

(1)国内産麦については縞萎縮病抵抗性や耐倒伏性を備え

需要者等のニ-ズに合った新品種の開発が進められています

また作付け面積が1万haを超える「ゆめちから」「さとの

そら」をはじめ多数の品種が生産現場に導入されています

(図Ⅲ-6)

(2)今後とも赤かび病抵抗性や穂発芽耐性が高い小麦品種

小麦粉の色相や製粉性が優れる日本麺用小麦品種パンの膨

らみがカナダ産「1CW」並の小麦品種焼酎押麦味噌

などの加工適性が高い大麦品種等の開発を推進します

小麦品種「ゆめちから」及び「さとのそら」は優れた栽培特性

と加工適性を備えており作付けが拡大しています(平成29年

推定値「ゆめちから」約1万2千ha「さとのそら」約1万5

千ha)

パン用小麦品種の開発近年国産の小麦粉を使ったパンの需要増加に応えるためグルテンやでん粉の組成などパンの膨らみに関連する特性に注目した育種が進められていますその結果平成25年に製パン適性が「1CW」に近く多収の「せときらら」平成29年にはパン生地の力が強く穂発芽耐性や赤かび抵抗性が改良された「夏黄金」が育成されました

加工適性の高い大麦品種の開発機能性成分β-グルカンを多く含むもち性大麦の需要の高まりに応えるため平成29年に「はねうまもち」が育成されましたまた高品質なはだか麦の需要増加に対応して平成24年に味噌加工適性の高い「ハルヒメボシ」が育成されました

図Ⅲ-6 平成19年以降に育成された麦類の主な新品種

日本麺用小麦ゆめきらり

パン用小麦ゆめかおり福井県大3号

六条大麦ホワイトファイバー

北信越

日本麺用小麦あおばの恋

パン用小麦銀河のちから

東北

日本麺用小麦さとのそらきぬあかり

パン用小麦ゆめかおり

二条大麦とちのいぶき彩の星アスカゴールデンニューサチホゴールデン

六条大麦カシマゴール

はだか麦キラリモチ

関東東海

日本麺用小麦ふくはるかさぬきの夢2009

パン用小麦ゆめちからせときらら

はだか麦ハルヒメボシ

近畿中国四国

中華麺用小麦ちくしW2号

二条大麦煌二条白妙二条はるか二条トヨノホシ

九州

日本麺用小麦きたほなみ

中華麺用小麦つるきち

パン用小麦ゆめちからはるきらり

二条大麦札育2号

北海道

新品種のうち平成30年産で概ね100ha以上作付けされていると推定される品種を選定(農林水産省調べ)

- 28 -

7 国内産麦を利用した製品の動向

食料自給率の向上を図るためには国内産麦の需要開拓を行う

ことが必要です最近の消費者の国産志向の高まりや生産者と実

需者が一体となった地産地消の推進地域農業の振興を図る取り

組み等から国内産麦を使った麦製品(パン麺等)が増えてき

ており中には国内産麦を100使用した商品もあります(図Ⅲ-

7)

- 29 -

8 民間流通制度の運用改善

国内産麦の人気の高まりにより近年需要量が生産量を上回

る状況が継続しており国内産麦を積極的に使用したい実需者が

必要量を確保できない等の課題もあります

このような課題に対応するため民間流通連絡協議会において

入札上場比率の選択制の導入需要拡大推進枠設定の要件緩和

相対取引需要拡大推進枠において多様な取組が可能であること

の明確化等民間流通制度の運用改善が行われました(図Ⅲ-

8)

ピッツァ専用粉(北海道)(小麦)地元の製粉企業が北海道産小麦(きたほなみキタノカオリゆめち

から)を100使用した国内で初めてのピッツァ専用粉を開発平成30年2月に都内で試食会を開催し平成30年5月から販売

ピッツァ専用粉(群馬県)(小麦)地元の製粉企業が地元のピッツァ専門店ピッツァ窯メーカーと協力

して品質改良を重ね群馬県産小麦(さとのそらつるぴかりきぬの波)を100使用したピッツァ専用粉を平成30年4月から発売ピッツァイベントやイタリアン食材の展示会に出展

学校給食用パン(東京都)(小麦)都学校給食会の「学校給食パン加工規格」による配合基準に基づき国

内産小麦を100使用した学校給食パンを平成27年度から都内の一部の小中学校で提供を開始平成28年度からは都内全域の規格として採用

〇 市販用中華麺(愛知県)(小麦)地元の製粉企業が自社製品として愛知県産小麦きぬあかりを100使用

した中華麺を平成30年6月から自社通販で販売平成30年8月から一般販売を開始

フランスパン用粉(佐賀県)(小麦)近県製粉企業が農研機構と共同で育成した九州地域等の暖地温暖地

向けのフランスパン加工適性に優れる準強力小麦品種「さちかおり」を100使用したフランスパン用粉を平成30年8月から発売

市販用ゆで麺(長崎県)(小麦)地元の製麺企業近県製粉企業県生麺協同組合JA県等が連携し

平成26年3月に「長崎県育成麦活用開発協議会」を立ち上げ長崎県産長崎W2号(商標登録名長崎ちゃん麦)を100使用したちゃんぽん用のゆで麺を平成29年4月に製品化原料小麦の生産量が整った段階での本格販売を予定

もち性大麦を使用した機能性表示食品(静岡県)(大麦)地元の精麦企業が国内産もち性大麦でβ-グルカン量の多い銘柄を使用し

炊飯用精麦を製品化機能性表示食品として平成29年1月に届出し十分な原料を手当でき次第随時販売予定

〇 もち性大麦を使用したシリアル(愛知県)(大麦)地元の精麦企業が食物繊維が20を超える愛知県産もち性大麦「ワキ

シーファイバー」を使用した国内産もち麦100シリアルを開発平成30年4月から販売開始

図Ⅲ-7 国内産麦を100使用した商品事例

図Ⅲ-8 民間流通制度の運用改善のポイント

0

50

100

150

200

250

300

350

400円千人

大手製パンメーカーA社が国内産小麦100使用の新製品を発売

大手製食品スーパーB社が国内産小麦100使用の新製品をPBで発売

大手製パンメーカーA社が国内産小麦100使用の製品を初めて発売

(参考)国内産小麦を利用した製品の販売状況

(1)国内産小麦100使用の食パンの販売額

大きなシェアを占めるにはいたっていないものの国内産

小麦を100使用した食パンの販売金額の推移を見ると新製

品が登場する度に国内産小麦100使用の食パン市場が拡大し

ています(図Ⅲ-9)

図Ⅲ-9 国内産小麦100使用の食パンの販売額の推移(首都圏)

資料日本経済新聞デジタルメディア社による首都圏のスーパーマーケットなど100店舗におけるPOSデータに基づき農林水産政策研究所において集計

注食パンのうち国内産小麦を100使用していることが明らかな製品のみ計上菓子パン等は含んでいない

表Ⅲ-11 生麺ゆで麺(チルド)の販売金額のシェア(首都圏平成30年)

資料日本経済新聞デジタルメディア社による首都圏のスーパーマーケットなど120店舗におけるPOSデータに基づき農林水産政策研究所において集計

(2)生麺ゆで麺(チルド)の販売金額

生麺ゆで麺全体で上位15製品の売上高に占める国内産

小麦使用表示のある製品のシェアは30となっていますま

た主要な麺製品のうどんラーメン冷やし中華焼そば

全てで国内産小麦使用製品がランクインしています(表Ⅲ

-11)

2013年 2014年 2015年 2016年 2017年 2018年 2019年

                      (単位)

製品の種類製造企業の規模産地表示販売金額シェア

焼そば大手製品(国内産小麦使用表示なし) 99そば大手製品(国内産小麦使用表示なし) 27冷やしラーメン大手製品(国内産小麦使用表示なし) 20うどん大手製品(北海道産小麦使用表示あり) 20ラーメン大手製品(北海道産小麦使用表示あり) 14冷やし中華大手製品(国内産小麦使用表示なし) 14うどん大手製品(国内産小麦使用表示あり) 13焼そば大手製品(国内産小麦使用表示なし) 12焼うどん大手製品(国内産小麦使用表示なし) 12うどん大手製品(国内産小麦使用表示あり) 11焼そば大手製品(国内産小麦使用表示あり) 11そうめん大手製品(国内産小麦使用表示あり) 10うどんPB製品(北海道産小麦使用表示あり) 10つけ麺大手製品(国内産小麦使用表示なし) 10冷麺中小製品(国内産小麦使用表示なし) 10

303

14

89

15上位15製品の売上高に占める国内産小麦使用表示のある製品の

シェア

順位

1

10111213

234567

- 30 -

図Ⅲ-10 外食産業等と連携した農産物の需要拡大対策事業(麦類)

9 国内産麦の需要拡大イベント及び情報発信の取組

近年生産者と実需者等が連携し国内産麦を使用した製品が

数多く開発販売されており各地でイベント等の需要拡大の

取組みが行われております

また農林水産省としては平成30年度産地と外食事業者等

が連携して行う国内産麦を活用した新商品の開発試作製

造するために必要な取組を支援する「外食産業等と連携した農

産物の需要拡大対策事業」を一般社団法人全国米麦改良協会を

実施主体として行っているところです

農林水産省のホームページにおいてこれらのイベント等につい

て情報発信を行うとともに一般社団法人全国米麦改良協会が

開設している国産麦応援情報ホームページでの情報提供等を

行っています(図Ⅲ-10~12)

「国内産麦使用試作品全国統一試食会商談会」開催日平成31年2月12日~19日(土日を除く)場 所むぎくらべ(東京都千代田区神田小川町)

内 容平成29年度補正予算事業「外食産業等と連携した農産物の需要拡大対策事業」の一環として行われた国内産麦を使用した試作品の試食会商談会

「国内産麦使用試作品全国統一試食会商談会」で出品された試作品

- 31 -

第8回全国ご当地うどんサミットin 熊谷 開催日平成30年11月10日~11日 場 所熊谷スポーツ文化公園にぎわい広

場(埼玉県) 内 容全国の国内産小麦を使用した「ご

当地うどん」が一堂に集まりグランプリを決定

図Ⅲ-11 全国各地で開催されたイベント 図Ⅲ-12 一般社団法人 全国米麦改良協会の取組

国産麦応援情報ホームページ「日本の麦の底力」内容国産小麦粉ブランド名鑑国産小麦の逸品イベント情報研究

情報等を掲載URL httpnihonnomugicom

北海道小麦キャンプ2018 in オホーツク 開催日平成30年7月10日~11日 場 所ホテル黒部を主会場としたオホーツ

ク管内(北海道) 内 容国内産小麦北海道産小麦の魅力

を全国に広めることを目的にバスツアーやパン講習会などを実施

麦わらぼうしフェスタ 開催日平成30年11月4日 場 所笠原産業株式会社(栃木県) 内 容国内産小麦を使用したうどんパン

などの試食販売うどん教室などを実施

第7回 信州粉もん祭り 開催日平成30年11月11日 場 所JAながの ちくま埴生支所(長野県) 内 容長野県産小麦を使用した「粉もん料

理」が大集合粉もん試食会や手打ちうどん講習会 などを実施

国内産麦アンテナショップ「むぎくらべ」内容国内産麦を使用した商品のPRと販売の場を提供するものとして

平成30年7月東京都千代田区にオープン

- 32 -

オープニングセレモニーには上月前農林水産大臣政務官(写真中央)も出席

10 食料農業農村基本計画における麦の位置付け

平成27年3月31日に平成37年度を目標とする「食料農業

農村基本計画」が閣議決定され小麦は95万トン大麦はだ

か麦は22万トンの生産努力目標が設定されています(表Ⅲ-

12)

食料消費の見通し 生産努力目標(万トン) 克服すべき課題

1人1年当たり消費量

(kg人年)

国内消費仕向量

(万トン)

平成25年度

平成37年度

平成25年度

平成37年度

平成25年度

平成37年度

小麦 33 32 699 611 81 95

国内産小麦の需要拡大に向けた産地形成やブランド化

実需者ニーズに対応した生産流通体制の確立

新品種新技術の開発導入輪作体系の最適化排水対策等による収量品質の高位安定化

農地の集積集約化経営規模の拡大に対応した省力化に資する技術の開発導入等による生産コストの低減

大麦はだか麦

03 02 208 213 18 22

外国産大麦が多く用いられている焼酎用等の国内産麦の需要拡大

実需者ニーズに対応した生産流通体制の確立

新品種新技術の開発導入輪作体系の最適化排水対策等による収量品質の高位安定化

農地の集積集約化経営規模の拡大に対応した省力化に資する技術の開発導入等による生産コストの低減

表Ⅲ-12 麦の平成37年度における食料消費の見通し及び生産努力目標

資料「食料農業農村基本計画」(平成27年3月閣議決定)注1)国内消費仕向量には飼料用等の食糧用以外の用途への仕向量を含む

2)大麦はだか麦の国内消費仕向量及び生産努力目標にはビール大麦を含む

- 33 -

Ⅳ 米粉に関する動向

1 生産動向

米粉用米の生産量は平成25年産以降2万トン前後で推移していましたが平成29年度以降は約3万トンまで回復しています(表Ⅳ-1)

2 需要拡大に向けた対応

米粉用米の利用量は平成24年度以降年間2万数千トンで推移していましたがグルテンを使用しない米粉商品の開発や新たな米加工品(α化米粉米ゲルなど)の保湿性や粘性に着目した商品の開発「米粉の用途別基準」や「ノングルテン米粉製品第三者認証制度」の運用開始により平成29年度は25千トン30年度は31千トンに増加しています(表Ⅳ-2)

今後の更なる国内海外の需要拡大のためノングルテン米粉や用途別基準に適合する高品質な日本産米粉の流通を契機とした魅力ある新商品の開発や日本産米粉の優位性の情報発信等を推進する必要があります

表Ⅳ-1 上位5県の米粉用米の生産量と作付面積の推移

(参考) 米粉及び小麦粉の販売価格(税抜き)

米粉100~290円kg程度

(小麦粉 100円kg程度)

注1)平成26~29年度については新規需要米取組計画を認定した全需要者からの聞き取り注2)平成30年度については新規需要米取組計画を認定した主要な需要者からの聞き取り

により推計

表Ⅳ-2 米粉用米の利用量(需要者からの聞き取り)

- 34 -

資料26~29年産は新規需要米生産集出荷数量30年産は新規需要米取組計画

認定数量(農林水産省)

(単位千トン)

26年度 27年度 28年度 29年度 30年度見込

22 23 23 25 31

(単位千トン千ha)

26年産 27年産 28年産 29年産 30年産

生産量 59 97 87 130 107作付面積 11 18 15 24 19生産量 10 10 09 30 31作付面積 02 02 02 06 06生産量 08 10 00 19 30作付面積 01 02 00 03 06生産量 10 12 12 12 16作付面積 02 03 02 02 03生産量 20 24 07 12 13作付面積 03 04 01 02 02生産量 184 230 190 284 281作付面積 34 42 34 53 53

秋田県

全国計

新潟県

埼玉県

栃木県

群馬県

農林水産大臣は米穀の新用途への利用の促進に関する基本方針を定める

生産製造連携事業計画

生産者 製造事業者 促進事業者

必須

米穀の新用途への利用の促進に関する法律

米穀の新用途への利用の促進に関する基本方針

関係者が連携して計画を作成米穀の新用途への利用の促進に関する基本方針に照らし適切な計画について農林水産大臣が認定(計画期間は3~5年)

図Ⅳ 米粉用米に対する支援措置

3 米粉用米に対する支援

① 米粉用米についてはその利用の拡大を図るために平成21年に「米穀の新用途への利用の促進に関する法律」が制定されました同法に基づく「生産製造連携事業計画」の認定を受け「農山漁村

活性化計画」の採択を受けた取組に対して米粉用米の生産加工に必要な施設整備等の支援を行っています

② 米粉用米の生産者に対しては水田活用の直接支払交付金による支援を行っていますまたノングルテン米粉表示や米粉の用途別基準により需要者ニーズに合った高品質な米粉の製造や輸出拡大の取組を支援しています

③ 平成31年度は国内海外の需要獲得に向け引き続き魅力ある新商品開発を推進するほか日本産米粉の優位性の情報発信やノングルテン米粉の製造手法マニュアルの作成など輸出を含めた日本産米粉の需要拡大に向けた取組を支援していくこととしています

予 算 措 置

【水田活用の直接支払交付金】水田を活用して米粉用米等の作物を生産する農業者に対し交付金を直接交付 (米粉用米収量に応じ55万円~105万円10a)

【農山漁村振興交付金】米粉飼料用米の生産加工に係る施設整備に対し交付金を交付(補助率定額12)

【持続的生産強化対策事業】

日本産米粉の優位性の情報発信ノングルテン米粉の製造手法マニュアルの作成米粉用米生産者と製造事業者とのマッチング

等の取組を支援

金 融 措 置

【日本政策金融公庫による低利融資】(食品安定供給施設整備資金)

米粉製造施設米粉を原料とした食品の製造加工施設等への融資

(輸出を含めた日本産米粉の需要拡大支援事業)

(補助率定額)

【外食産業等と連携した需要拡大対策事業】

国産農林水産物食品の輸出等需要フロンティアの開拓を図るため産地と複数年契約を締結する民間企業(外食加工業者)に対し国産農林水産物を活用した新商品の開発やそれに必要な技術開発等を支援 (補助率定額12)

- 35 -

【農林水産物食品輸出促進緊急対策事業】コメ海外市場拡大戦略プロジェクトに参加する輸出産地や輸出事業者等が連携して戦略的に取り組む中国等の海外市場開拓プロモーション等を支援

(補助率定額12)

品目 現在の関税率 合意内容

小麦

枠内税率無税+マークアップ

枠外税率55円kg

現行の国家貿易制度を維持するとともに枠外税率(55円kg)を維持

既存のWTO枠に加え米国(15万(7年目以降))【不適用】カナダ(53万(同))豪州(5万(同))にSBS方式の国別枠を設定

マークアップを9年目までに45削減

大麦

枠内税率無税+マークアップ

枠外税率39円kg

現行の国家貿易制度を維持するとともに枠外税率(39円kg)を維持

既存のWTO枠に加えSBS方式のTPP枠(65万(9年目以降))を設定

マークアップを9年目までに45削減

1 TPP11協定概要(麦)(平成30年12月30日発効)

Ⅴ TPP11及び日EUEPAの協定概要(麦関係)

(参考主な麦製品)

現在の関税率合意内容

税率 枠数量

いった小麦小麦粉等

(国家貿易品目)

枠内税率125~25+マークアップ

枠外税率85~134円kg

枠内即時無税+マークアップ

(枠外税率は維持)

(発効時) (6年目)125千rarr175千

ベーカリー製品製造用

小麦粉調製品16~24

枠内即時無税(枠外税率は維持)

(発効時) (6年目)米国 105千rarr12千【不適用】米国以外 68千rarr 8千

その他小麦粉調製品

16~28枠内即時無税

(枠外税率は維持)(発効時) (6年目)15千rarr225千

マカロニスパゲティ

30円kg9年目までに60削減

ビスケット 1315 6年目に無税 -

注1)いった小麦とは小麦をいったものであり主にシリアル食品等に使用される

2)その他小麦粉調製品とは製麺まんじゅう等のベーカリー製品以外の製造用の

小麦粉調製品である

- 36 -

2 日EUEPA協定概要(麦)(平成31年2月1日発効)

品目 現在の関税率 合意内容

小麦

枠内税率無税+マークアップ

枠外税率55円kg

現行の国家貿易制度を維持するとともに枠外税率(55円kg)を維持

既存のWTO枠に加えSBS方式のEU枠(270(7年目以降))を設定

枠内のマークアップを9年目までに45削減

大麦

枠内税率無税+マークアップ

枠外税率39円kg

現行の国家貿易制度を維持するとともに枠外税率(39円kg)を維持

既存のWTO枠に加えSBS方式のEU枠(30(即時))を設定

枠内のマークアップを9年目までに45削減

(参考主な麦製品)

現在の関税率合意内容

税率 枠数量

いった小麦小麦粉等

(国家貿易品目)

枠内税率125~25+マークアップ

枠外税率85~134円kg

枠内即時無税+マークアップ

(枠外税率は維持)

(発効時) (6年目)38千rarr44千

ベーカリー製品製造用

小麦粉調製品16~24

枠内即時無税(枠外税率は維持)

(発効時) (6年目)104千rarr142千

その他小麦粉調製品

16~28枠内即時無税

(枠外税率は維持)(発効時) (6年目)

2千rarr3千

マカロニスパゲティ

30円kg 11年目に無税 -

ビスケット 1315 6年目に無税 -

注1)いった小麦とは小麦をいったものであり主にシリアル食品等に使用される

2)その他小麦粉調製品とは製麺まんじゅう等のベーカリー製品以外の製造用の

小麦粉調製品である

(参考) 麦の国境措置

小 麦 大 麦

輸入数量

価格

輸入数量

価格

政府売渡価格

マークアップ(輸入差益)

452円kgを上限

輸入価格

(枠内税率0円kg)

枠内輸入(国家貿易) 枠外輸入

(民間貿易)枠外税率を支払って輸入された数量(平成29年度)12千トン

WTOカレントアクセス数量5740千トン

枠外税率55円

政府売渡価格

輸入価格(枠内税率0円kg)

WTOカレントアクセス数量1369千トン

枠内輸入(国家貿易) 枠外輸入(民間貿易)

枠外税率を支払って輸入された数量(平成29年度)06千トン

枠外税率39円

民間貿易の場合の輸入価格

民間貿易の場合の輸入価格

286円kgを上限

マークアップ(輸入差益)

- 37 -

  • スライド番号 1
  • スライド番号 2
  • 麦の参考資料 麦の需給に関する見通し(動向編)
  • スライド番号 4
  • スライド番号 5
  • スライド番号 6
  • スライド番号 7
  • スライド番号 8
  • スライド番号 9
  • スライド番号 10
  • スライド番号 11
  • スライド番号 12
  • スライド番号 13
  • スライド番号 14
  • Ⅱ 小麦粉麦製品の生産と価格の動向
  • スライド番号 16
  • スライド番号 17
  • スライド番号 18
  • スライド番号 19
  • スライド番号 20
  • スライド番号 21
  • スライド番号 22
  • スライド番号 23
  • スライド番号 24
  • スライド番号 25
  • スライド番号 26
  • スライド番号 27
  • スライド番号 28
  • スライド番号 29
  • スライド番号 30
  • スライド番号 31
  • スライド番号 32
  • スライド番号 33
  • スライド番号 34
  • スライド番号 35
  • スライド番号 36
  • スライド番号 37
  • スライド番号 38
  • スライド番号 39
  • スライド番号 40
  • スライド番号 41
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図Ⅰ-6 政府売渡価格の構成

5 外国産食糧用麦の売渡方式

(1)外国産食糧用小麦の政府売渡

外国産食糧用小麦の政府売渡については平成19年4月以降輸入価格(過去の一定期間における輸入価格の平均値)にマークアップ(政府管理経費及び国内産小麦の生産振興対策に充当)を上乗せした価格で売り渡す「相場連動制」に移行しました(表Ⅰ-8図Ⅰ-6)

表Ⅰ-8 政府売渡価格改定ルール

項 目 基本的なルール

価格改定 現在年2回(4月期10月期)

買付価格算定期間 直近6か月間

- 8 -

輸入価格

政府売渡価格

小麦の国際価格や海上運賃為替等により変動

マークアップ

(輸 入 差 益)

港 湾 諸 経 費

買 付 価 格

(3)食糧麦備蓄対策事業

即時販売方式の導入後は製粉企業等が23か月分の外国産

食糧用小麦の備蓄を行った場合国が18か月分の保管経費を

助成しています(図Ⅰ-7)

また不測の事態が生じた場合には国は製粉企業等に

対して備蓄する外国産食糧用小麦の取崩しの指示等を行い

ます

図Ⅰ-7 食糧麦備蓄対策事業のスキーム(2)即時販売方式

外国産食糧用小麦の売渡しについては平成22年10月以降輸入した小麦を直ちに製粉企業等に販売し製粉企業等が一定期間備蓄することとなっています

- 9 -

6 外国産食糧用小麦の政府売渡価格の動向

外国産食糧用小麦の政府売渡価格は穀物の国際相場や海上

運賃為替等の動向を反映した買付価格に連動して年2回改

定されています

平成30年10月期の政府売渡価格は輸入小麦の平均買付価格

(平成30年3月第2週~9月第1週)が①米国及び豪州の一

部の地域の乾燥による減収懸念等から小麦の価格が上昇②燃

料油価格の影響により海上運賃が上昇したことにより前期

に比べ上昇したことから5銘柄加重平均(税込価格)で

55560円トン対前期比22の引上げとなりました

また平成31年4月期の政府売渡価格は輸入小麦の平均買

付価格(平成30年9月第2週~平成31年3月第1週)が①小

麦の国際価格に大きな変動がない中②為替は円安傾向であっ

たものの海上運賃が下落したことにより前期に比べ低下し

たことまたTPP11協定に基づきカナダ豪州産小麦

にマークアップの引下げを適用したことから5銘柄加重平均

(税込価格)で54630円トン対前期比17の引下げとなり

ました(表Ⅰ-9)

表Ⅰ-9 外国産食糧用小麦の政府売渡価格

注1)5銘柄加重平均価格は税込み価格である2)5銘柄とはアメリカ産ダークノーザンスプリング(主にパン中華麺用)カ

ナダ産ウェスタンレッドスプリング(主にパン用)アメリカ産ハードレッドウィンター(主にパン中華麺用)オーストラリア産スタンダードホワイト(主に日本麺用)アメリカ産ウェスタンホワイト(主に菓子用)

時 期5銘柄加重平均価格

(円トン)対前期比()

平成29年4月期 50690 +46

平成29年10月期 52510 +36

平成30年4月期 54370 +35

平成30年10月期 55560 +22

平成31年4月期 54630 17

- 10 -

Ⅱ 小麦粉麦製品の生産と価格の動向

資料平成21年度までは農林水産省「米麦加工食品生産動態統計調査年報」平成22年度からは農林水産省「食品産業動態調査」及び農林水産省「製粉精麦工場需給実績報告」平成21年度以降の麦茶の生産量については全国麦茶工業協同組合調べ

注1)麺類及びパン類の生産量は小麦粉使用量でその他は製品生産量である2)小麦粉精麦及び麦茶の生産量は年度の計でありその他は暦年の計である

(単位千トン)

表Ⅱ-1 小麦粉麦製品の生産量の推移

1 小麦粉麦製品の生産量

小麦粉の生産量は460万~470万トンで安定的に推移してい

ます(表Ⅱ-1)

小麦の二次加工製品のうち

① パン類の生産量は平成22年以降プライベートブラン

ドの菓子パンや高価格帯食パンの人気等により堅調に推

移しています

② 麺類の生産量は平成23年には東日本大震災による即

席麺の需要増等から増加しましたその後冷凍麺や外食

産業での消費増等により平成30年は147万トンと増加し

ています

③ ビスケットの生産量は平成20年から26年までは24万ト

ン前後で推移しました平成27年は円安の影響による輸入

量の減少等に伴い増加しその後は25万トン程度で推移し

ています

焼酎みそ主食用に仕向けられる精麦の生産量は平成16

年度まで本格焼酎ブームにより増加傾向で推移しましたがそ

の後の焼酎用需要の低迷等により減少しました近年は主食用

の需要の伸びにより17万トン前後で推移しています

一方平成28年(2016年)以降健康志向等を背景に大麦及

びはだか麦の需要が増加しています特に水溶性食物繊維

(大麦β-グルカン)が豊富なもち性はだか麦の需要は平成

29年(2017年)半ば以降は落ち着いてきたものの引き続き高

い水準で推移しています(図Ⅱ-1 )

- 11 -

図Ⅱ-1 もち麦を使用した製品の販売額の推移(首都圏)

区分

前年 前年 前年 前年 前年 前年

増減率 増減率 増減率 増減率 増減率 増減率

年 (年度計) () (暦年計) () (暦年計) () (暦年計) () (年度計) () (年度計) ()

平成12 4623 01 1279 23 1421 09 223 19 161 45 49 89

13 4607 03 1272 05 1441 14 218 21 164 19 51 41

14 4591 03 1245 21 1421 13 210 39 177 75 51 00

15 4662 15 1247 01 1425 02 219 43 189 71 45 118

16 4667 01 1243 03 1414 08 214 20 212 118 47 44

17 4623 09 1232 09 1368 32 213 05 201 51 47 00

18 4599 05 1218 11 1324 32 218 24 196 25 47 00

19 4684 18 1211 06 1319 03 225 29 197 06 48 21

20 4564 26 1181 24 1277 32 240 70 173 120 50 42

21 4612 11 1179 02 1265 10 243 10 168 29 48 40

22 4725 25 1196 15 1251 11 241 06 161 45 52 83

23 4708 04 1215 16 1283 26 243 06 155 35 54 38

24 4654 11 1219 03 1269 11 239 14 164 60 55 19

25 4694 09 1226 06 1324 43 237 12 158 37 66 200

26 4683 02 1234 07 1371 35 244 33 162 25 66 00

27 4702 04 1234 00 1396 19 259 59 162 04 68 30

28 4683 04 1238 03 1409 09 258 05 169 44 60 118

29 4703 04 1254 13 1445 26 252 22 172 20 64 67

30 - - 1221 27 1473 19 259 30 - - - -

精麦 麦茶小麦粉 パン類 麺類 ビスケット

資料日本経済新聞デジタルメディア社による首都圏のスーパーマーケットなど119店におけるPOSデータに基づき農林水産政策研究所において集計

図Ⅱ-2 小麦粉麦製品の価格(消費者物価指数)の変化

資料総務省「消費者物価指数」(全国)

(参考) 家計に占める小麦関連製品の支出 (単位円世帯)

資料総務省「家計調査」(全国二人以上の世帯)

年間計(平成30年)

1か月平均

消 費 支 出 3447783 287315食 料 952172 79348

小 麦 関 連 製 品 計 82108 6842パ ン 30555 2546

め ん 類 17369 1447小 麦 粉 596 50

菓子類(ビスケット等) 11397 950調理食品(調理パン) 5352 446

外食(うどん等) 16839 1403

(平成27年=100)

2 小麦粉麦製品の価格の動向

小麦粉及び麦関連製品の価格は輸入小麦の政府売渡価

格の引上げ等による原材料費の上昇人件費や物流費の上

昇等の影響を受け平成30年以降小麦粉及びパンの価格

は上昇傾向にあります(図Ⅱ-2)

- 12 -

85

90

95

100

105

110

食料品総合 パン めん類 小麦粉

表Ⅱ-2 麦製品の輸入量の推移(参考1) 麦製品の輸入動向

(1)小麦粉調製品

小麦粉に砂糖脱脂粉乳等を混合した小麦粉調製品の輸

入量は平成11年以降デフレに伴う低価格品需要の拡大

により増加傾向で推移してきましたが麦の国際相場の

高騰に伴う輸入価格の上昇等により平成18年から平成20年

にかけて減少しましたその後も減少傾向で推移しており

平成30年は8万3千トンの輸入量となっています

(2)麦加工製品

①マカロニスパゲッティ

マカロニスパゲッティについては国内の全体需要が

増加する中で輸入量が増加傾向で推移してきました

平成30年は過去最高の輸入量であった前年からは減少

し13万8千トンとなっています

②ビスケット

ビスケットの輸入量は平成25年以降円安の影響を受

けて減少していましたが平成28年度以降増加傾向にあり

平成30年の輸入量は2万5千トンとなっています

資料財務省「貿易統計」注小麦粉調製品は穀粉が占める割合が85以下のものの輸入量

なお小麦粉調製品のうち加糖のものは一般に菓子類菓子パン類等の原料として利用され無糖のものは麺類等の原料として使用される

(単位千トン)

- 13 -

対前年 対前年 対前年 対前年 対前年

増減率 増減率 増減率 増減率 増減率

() () () () ()

平成12 107 118 85 92 97 26 45 95 108 11 123

13 121 126 75 99 81 27 51 93 25 13 209

14 126 131 35 102 30 29 52 101 94 15 142

15 116 133 13 101 06 31 82 108 63 21 400

16 108 136 28 98 32 38 222 112 35 25 219

17 110 140 26 98 01 42 90 110 17 24 49

18 116 139 09 99 12 39 59 110 02 24 23

19 118 117 155 87 128 30 224 104 49 23 56

20 104 100 144 72 173 29 60 127 219 18 221

21 94 102 23 73 15 30 42 116 85 17 83

22 88 107 40 73 07 33 119 121 36 19 173

23 80 108 12 78 59 30 90 134 115 22 143

24 80 106 16 78 02 28 63 142 58 22 07

25 97 100 53 73 64 28 25 133 68 18 182

26 105 98 21 73 02 25 83 133 03 17 74

27 121 94 40 69 55 25 03 132 08 14 166

28 109 91 32 65 58 26 40 145 99 19 348

29 112 92 05 65 02 27 14 150 32 24 296

30 110 83 92 59 85 24 110 138 75 25 23

国 名輸入割合()

国 名輸入割合()

国 名輸入割合()

国 名輸入割合()

国 名輸入割合()

韓国 409 韓国 528 シンガポール 442 イタリア 465 インドネシア 242

シンガポール 202 フランス 151 米国 126 トルコ 355 中国 205

フランス 114 シンガポール 105 韓国 114 米国 142 マレーシア 84

米国 75 中国 78 ニュージーランド 98 ギリシャ 20 ベトナム 63

中国 57 米国 55 豪州 69 アラブ首長国連邦 10 イタリア 55

国 名対前年増減率()

国 名対前年増減率()

国 名対前年増減率()

国 名対前年増減率()

国 名対前年増減率()

韓国 10 韓国 13 シンガポール 221 イタリア 107 インドネシア 202

シンガポール 124 フランス 92 米国 136 トルコ 45 中国 76

フランス 87 シンガポール 108 韓国 30 米国 09 マレーシア 245

米国 116 中国 546 ニュージーランド 87 ギリシャ 152 ベトナム 137

中国 543 米国 98 豪州 344 アラブ首長国連邦 135 イタリア 119

30

輸入上位5カ国

区分

為替レー

円ドル)

小麦粉調製品 麦加工製品

加糖のもの 無糖のもの マカロニスパゲッティ ビスケット

(参考2) 麦製品の輸出動向

麦製品の輸出量のうちその大部分を占める小麦粉の輸出量

は近年主要輸出先国の製粉技術の向上や現地製粉工場の立

上げ等により減少傾向で推移し平成30年は約16万トンとなっ

ています(表Ⅱ-3)

表Ⅱ-3 麦製品の輸出量の推移

資料財務省「貿易統計」

(単位トン)

- 14 -

対前年増減率()

対前年増減率()

対前年増減率()

309594 75 376 431 1028 375

321028 37 315 162 967 59

319968 03 253 197 953 14

318706 04 410 621 1052 104

304465 45 328 200 769 269

289911 48 1054 2213 719 65

290033 00 1196 135 762 60

255377 119 1150 38 1098 441

187040 268 743 354 1198 91

185403 09 822 106 898 250

196183 58 770 63 974 85

191480 24 607 212 698 283

192598 06 598 15 780 117

168205 127 573 42 769 14

166311 11 571 04 861 120

157938 50 553 32 1249 451

158896 06 549 07 1287 30

167600 55 532 32 778 395

163640 24 535 06 894 148

国 名輸出割合

() 国 名輸出割合

() 国 名輸出割合

()

香港 496 香港 888 中国 483シンガポール 207 中国 43 香港 314ベトナム 96 韓国 21 台湾 64

タイ 59 米国 17 ベトナム 37台湾 58 台湾 11 シンガポール 29

国 名対前年増減率() 国 名

対前年増減率() 国 名

対前年増減率()

香港 175 香港 26 中国 251シンガポール 583 中国 62 香港 329ベトナム 135 韓国 437 台湾 59

タイ 81 米国 1047 ベトナム 418台湾 47 台湾 261 シンガポール 449

24

30

輸出上位5カ国

25

181920212223

2627282930

17

  区分

小麦粉マカロニスパゲッティ

スイートビスケット

平成1213141516

(参考3) 麦製品の生産動向

麦製品の生産量は食パンや乾麺のように生産量が減少している製品もある一方で菓子パンや即席麺冷凍麺のように生産量が増加している製品もあることから使用される小麦粉の数量は平成22年以降概ね横ばい傾向で推移しています麦製品は食生活の多様化や簡便性といった消費者ニーズを

捉えつつ継続した新製品の開発がなされており新たな定番となる商品の登場や期間限定の商品やイベントなどが消費者の購買を促進していると考えられます(図Ⅱ-3表Ⅱ-4)

表Ⅱ-4 麦製品の生産量の推移

(単位千トン)

- 15 -

資料平成21年度までは農林水産省「米麦加工食品生産動態統計調査年報」平成22年度からは農林水産省「食品産業動態調査」及び農林水産省「製粉精麦工場需給実績報告」冷凍麺の生産量は(一社)日本冷凍食品協会調べ

注1)麺類及びパン類の生産量は小麦粉使用量で冷凍麺は製品生産量である2)小麦粉は年度の計でありその他は暦年の計である

区分

パ ン 麺 類 冷凍麺

小麦粉 食パン菓子パ

ンその他のパン

生麺 乾麺 即席麺

年度計 暦年計 暦年計 暦年計 暦年計 暦年計 暦年計 暦年計 暦年計 暦年計

昭和45 3422 970 469 - - - 514 327 267 -

50 3978 1062 588 251 63 - 541 289 335 -

55 4079 1189 687 285 89 1334 610 275 325 -

60 4243 1178 653 291 133 1397 659 297 316 9

平成2 4338 1193 661 321 146 1407 687 274 316 41

7 4633 1220 623 368 178 1456 729 268 314 120

12 4623 1279 619 382 235 1421 687 235 343 190

22 4725 1196 576 375 215 1251 555 203 332 257

23 4708 1215 580 392 215 1283 548 209 361 270

24 4654 1219 580 392 221 1269 542 204 363 283

25 4694 1226 598 384 218 1324 562 213 386 314

26 4683 1234 608 387 214 1371 578 213 410 318

27 4702 1234 605 403 201 1396 624 195 414 308

28 4683 1238 604 403 206 1409 652 186 419 308

29 4703 1254 602 409 218 1445 691 186 416 313

30 - 1221 585 401 211 1473 712 188 420 -

〔低糖質製品〕

〔多種多様な携帯サンドイッチ〕

〔手軽な冷凍麺〕

図Ⅱ-3 麦製品の商品事例

H18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29

製粉工場数 124 122 121 119 117 118 117 114 109 104 102 98

製粉企業数 100 98 98 96 94 95 94 90 88 83 81 77

うち輸入小麦取扱製粉工場数 91 91 90 90 87 87 86 83 78 76 74 73

うち輸入小麦取扱製粉企業数 67 67 67 65 64 64 64 60 57 55 53 52

50

70

90

110

130

150製粉工場数

製粉企業数

うち輸入小麦取扱製粉工場数

うち輸入小麦取扱製粉企業数

3 製粉企業の状況

(1)大手製粉企業及び中小製粉企業の動向

① 大手製粉企業4社の小麦粉の生産量は全体の78を占

めておりこれに年間小麦粉生産量が3万トン以上の企業

の生産量を加えた13社ベースでは全体の90を占めてい

ます

② 大手製粉企業は生産設備の臨海工場への集約化を進め

つつ工場の大規模化合理化を推進しています

平成29年度の1工場当たりの生産量は17万トンまた

稼働率は89となっています

③ 年間小麦粉生産量3万トン以上の中小製粉企業は工場

のほとんどが臨海地域に立地し小麦粉を域内の二次加工

メーカー等に供給しています

平成29年度の1工場当たりの生産量は約6万トン稼働

率は67となっています

④ 年間小麦粉生産量1千トン以上3万トン未満の中小製粉

企業は主に内陸に位置し小麦粉を地元のパン麺等の

加工業者に供給するほか乾麺等の製造を兼ねるものも多

くなっています

平成29年度の1工場当たりの生産量は13万トンと大

手製粉企業の約14分の1稼働率は35となっています

⑤ 年間小麦粉生産量1千トン未満の中小製粉企業は輸入

小麦を取り扱わない企業が大部分を占め国内産小麦のみ

を使用し麺用や菓子用に供給しています

表Ⅱ-5 大手製粉企業中小製粉企業の小麦粉生産等の動向

資料農林水産省調べ注四捨五入の関係で計と内訳が一致しない場合がある

(参考)製粉企業数と工場数の推移(企業工場)

- 16 -

3万トン以上1千トン以上3万トン未満

1千トン未満

平成24 94 4 90 9 50 31

29 77 4 73 9 38 26

24 4853 3679 1174 536 636 3

29 4877 3801 1075 569 504 2

24 100 758 242 110 131 01

29 100 779 221 117 103 00

24 3245 1177 2068 632 1360 76

29 2806 1057 1749 581 1114 54

24 1496 3126 568 848 468 39

29 1738 3596 615 980 452 44

24 415 1533 126 596 120 01

29 498 1728 142 569 126 01

24 692 887 414 709 311 42

29 731 888 454 670 347 46

全体 大手製粉

中 小 製 粉年間生産量

稼働率()

製粉企業数

小麦粉生産量(千トン)

生産シェア()

従業員数(人)

従業員一人当たりの生産量

(トン)

一工場当たりの生産量(千トン)

(2)製粉企業のコスト削減や品質安全性の向上に向けた取組

製粉企業は生産能力の増強によるコスト削減や品質安全性の向上に向けた取組を進めています(図Ⅱ-4)

また国も農業競争力強化プログラムを策定し製粉企業の取組みを支援しています(図Ⅱ-5)

① 供給能力の強化等によるコストダウン

製粉企業は供給能力の強化生産性の向上と原料小麦の受入体制の整備によるコストダウンを図るため製粉工場や原料サイロの増強等の設備投資を行っています

② 資本業務の提携

製粉企業の中には他の製粉企業と資本業務提携を行うこと等により原料調達規模の拡大や生産の効率化等による競争力の強化を図る取組もみられます

③ 品質安全性の向上

製粉企業は近年消費者の安全安心への関心が高まる中食品の品質安全性を確保するための設備やAIB食品安全システムの導入ISO認証の取得等様々な取組を行っています

④ 工場の集約化

大手製粉企業は内陸工場を閉鎖し海外からの原料調達に有利な臨海工場への集約を進めるとともに臨海工場の生産能力を増強させる等生産性の向上を図っています

⑤ 海外市場への進出

製粉企業の中にはアジア大洋州地域における買収や工場増設等海外市場に積極的な進出をする取組もみられます

① 供給能力の強化等によるコストダウン 日清製粉は関東地区の小麦サイロ収容力の増強を進め更なる原料小麦の安定供給を推進するため鶴見工場の原料小麦サイロを増設(平成28年)

日本製粉は神戸甲南工場の原料サイロの新設等(平成24年)千葉工場の原料サイロの増設(平成26年)を行い今後原料サイロを福岡工場及び知多新工場へ新設神戸甲南工場(第2期)へ増設する予定

千葉製粉は新たな顧客ニーズへの対応付加価値製品の創出等を図るため専用ラインを新設(平成27年)

② 資本業務提携 資本業務提携を行っている製粉企業

増田製粉所(兵庫) hArr 日東富士製粉

木田製粉(北海道)内外製粉(三重)奥本製粉(大阪)セントラル製

粉(愛知) hArr 昭和産業

東福製粉(福岡) hArr 日本製粉

③ 品質安全性の向上 多くの製粉企業がISO9001(品質マネジメントシステム)ISO22000(食品安全マネジメントシステム)の認証を受けることにより品質管理や食品安全管理を実施

④ 工場の集約化 日清製粉は生産性向上のため内陸工場を順次閉鎖し臨海工場への集約化を推進

筑後工場(福岡)鳥栖工場(佐賀) rarr 福岡工場(福岡)へ集約

(平成26年)

名古屋工場の2ライン rarr 知多工場(愛知)の新ラインへ集約

(平成27年)

日本製粉は生産性向上のため総生産能力の80を臨海部の大型工場に集約

⑤ 海外市場への進出状況(平成30年度) 日清製粉は豪州の小麦粉市場においてトップシェアを持つアライドピナクル社を買収またタイでは子会社の日清STC製粉がタイの製粉工場を買収するとともにベトナムでは業務用プレミックスの生産工場を建設することを決定

昭和産業はベトナムに新たにプレミックス製造会社を設立し生産工場を建設することを決定

図Ⅱ-4 製粉企業の各種取組の事例

- 17-

⑥ 再編合理化の取組

製粉企業の中には国の支援を活用した再編合理化の取

組もみられます

⑦ 地産地消の推進

中小製粉企業は地域とのつながりの強さや独自の立地

条件を活かした特色ある経営を模索する中で生産者と協

力した積極的な地産地消の取組を進めています

⑦ 地産地消の推進

岩手県主な実施者岩手県学校給食会岩手県パン工業組合県内製粉企業取 組 内 容 平成28年度から地元県産小麦(銀河のちからゆきちから)を

100使用した学校給食用パンを県内の小中学校に提供開始埼玉県

主な実施者埼玉産小麦ネットワーク「SWING group」(県内製粉企業が中心となり生産者加工業者販売業者等180社が加盟)

取 組 内 容 埼玉県産小麦のブランド価値を高めることなどを目的として埼玉県産小麦を自社製品に利用することで高付加価値商品の開発による自社の発展などを目指すとともに研修会の実施やイベントホームページなどを通じた消費者への情報提供を実施

京都府主な実施者地元製粉企業京都府全農京都府本部生産者府内製麺製

パン業者飲食店取 組 内 容 平成30年産から京都府産小麦品種を「せときらら」へ全面切替を

行ったことを機にブランド名を「京小麦」とし「京小麦」を100使用したメニューを参加店舗にて提供するイベント「京小麦の収穫祭」を平成31年1月21日から2月17日まで開催

福岡県主な実施者福岡県ラー麦普及推進協議会(県JA全農ふくれん県内製粉

業者5社製麺業者関係団体)取 組 内 容 以下の取組によりラーメン用小麦「ラー麦」を普及推進

産地への生産技術の普及指導 小麦品質評価最適製粉加工方法の検討 利用や消費を促進するための普及宣伝(試

食イベント等) 毎年産の製粉製麺適性評価および食味

官能評価の実施 平成21年に本小麦の名称「ラー麦」とロ

ゴデザインを商標登録しブランド化

- 18 -

2 生産者が有利な条件で安定取引を行うことができる流通加工の業界構造の確立

(1)生産者に有利な流通加工構造の確立現在の食料需給消費の実態等を踏まえた効率的機能

的で農業者と消費者双方がメリットを受けられる流通加工構造を確立するため以下のとおり取り組む

その際農林水産省経済産業省をはじめ政府一体となって取り組む①~⑦ (略)⑧ 加工業については生産性の低い工場が乱立している

種類の加工業界(製粉乳業等)について国は国際競争に対応できる生産性の確保を目指した業界再編設備投資等を推進することとし政府系金融機関の融資農林漁業成長産業化支援機構の出資等による支援を行う

⑨ 上記改革を推進するため農産物の流通加工に関し国の責務業界再編に向けた推進手法等を明記した法整備を進める

⑩ 上記改革を推進するため金融機関による流通加工関連産業の生産性向上に資する経営支援や資金供給の促進政府系金融機関や農林漁業成長産業化支援機構等との連携強化等を図る

図Ⅱ-5 農業競争力強化プログラム(抜粋)

(平成28年11月29日 農林水産業地域の活力創造本部決定)

⑥ 再編合理化の取組

製粉工場の廃棄撤去製粉施設の一部又は全部を撤去しミックス粉等の関連事業を拡大

(製粉工場等再編合理化事業(平成2728年度7件))

図Ⅲ-1 国内産小麦の収穫量と作付面積の推移

表Ⅲ-1 小麦の主な作付品種(平成29年産)

Ⅲ 国内産麦の生産と流通の動向

1 国内産麦の生産状況

(1)小麦

① 作付面積

近年の国内産小麦の作付面積は約21万haと横ばいで推移して

います平成30年産の作付面積は北海道は121万ha都府県

は91万ha全国では212万haとなり前年産並となっていま

② 収穫量

平成30年産の国内産小麦の収穫量は主産地の北海道での6

月中旬から7月中旬にかけての低温日照不足の影響により登

熟不良となったこと等から前年産に比べ北海道で134万ト

ン(22)減少都府県では05万トン(2)減少全国

では139万ha(15)減少の768万トンとなり(図Ⅲ-1)

10a当たりの平均収量対比は91となりました

③ 小麦の作付品種の状況

栽培品種については各産地の気候条件や用途等に適した品

種が作付されており29年産では日本麺用では「きたほなみ」

「さとのそら」「シロガネコムギ」といった品種パン

中華麺用では「春よ恋」「ゆめちから」といった品種が上位

を占めています(表Ⅲ-1)

資料農林水産省「作物統計」品種毎の面積は農林水産省政策統括官調べ

注品種の育成年についてはシロガネコムギは農林認定が行われた年

それ以外の品種は出願公表が行われた年としている

資料農林水産省「作物統計」30年産の数値は概算値

- 19 -

(千トン)

年産

910 881

674

571

746

858 812

852

1004

791

907

768

210 209 208 207 212 209 210 213 213 214 212 212

100

120

140

160

180

200

220

240

260

280

300

0

200

400

600

800

1000

H19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30

収穫量 作付面積(千ha)

品種名 育成年 作付面積(千ha) 割合 主な作付地域

きたほなみ 平成19年 878 41 北海道

さとのそら 平成21年 159 7 関東東海

シロガネコムギ 昭和49年 152 7 九州近畿

春よ恋 平成11年 143 7 北海道

ゆめちから 平成20年 137 6 北海道

上位5品種計 1469 69

小麦作付面積 - 2123

図Ⅲ-2 国内産大麦及びはだか麦の収穫量と作付面積の推移

表Ⅲ-2 大麦及びはだか麦の主な作付品種(平成29年産)

(2)大麦及びはだか麦

① 作付面積

近年国内産大麦及びはだか麦の作付面積は約6万と横ば

いで推移しており平成30年産は前年産と比較すると二条

大麦は前年産並六条大麦は800ha(4)減少はだか麦

で460ha(9)増加となり全体では340ha(1)減少の

61万haとなりました(図Ⅲ-2)

② 収穫量

平成30年産の大麦及びはだか麦の収穫量は二条大麦及びは

だか麦はおおむね天候に恵まれ生育が順調で登熟も良好

であったこと等から前年産に比べ二条大麦は01万トン

(1)増加はだか麦は01万トン(8)増加となりました

六条大麦については北陸地方において大雪の影響で融雪時期

が遅れたこと等により穂数が少なくなり前年産に比べ14万

トン(26)減少しました

この結果大麦及びはだか麦の収穫量は合計で173万トンと

なり前年産に比べて12万トン(6)減少となりました

(図Ⅲ-2)

③ 大麦及びはだか麦の作付品種の状況

栽培品種については各産地の気候条件や用途等に適した品

種が作付されており29年産では二条大麦はビール用の「サ

チホゴールデン」六条大麦は主食用や麦茶用の「ファイ

バースノウ」はだか麦は麦味噌用の「マンネンボシ」いっ

た品種が上位を占めています(表Ⅲ-2)

資料農林水産省「作物統計」30年産の数値は概算値

- 20 -

(千トン)

資料農林水産省「作物統計」農林水産省調べ

注品種の育成年についてはシュンライイチバンボシは農林認定が行われ

た年それ以外の品種は出願公表が行われた年としている

195 217

179 161

172 172 183

170 177 170 185

173

54 57 58 59 60 60 59 60 61 61 61 61

0

10

20

30

40

50

60

70

80

90

100

0

50

100

150

200

250

H19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30

収穫量 作付面積 (千ha)

年産

麦種 品種名 育成年作付面積(千ha)

割合 主な作付地域

二条大麦

サチホゴールデン 平成18年 189 31 九州関東中国

はるしずく 平成17年 44 7 九州

ニシノホシ 平成11年 27 4 九州

六条大麦

ファイバースノウ 平成13年 107 17 北陸関東東海

シュンライ 平成2年 33 5 関東東北近畿

カシマゴール 平成22年 13 2 関東東海

はだか麦

マンネンボシ 平成13年 15 2 四国

イチバンボシ 平成4年 14 2 四国九州

トヨノカゼ 平成18年 11 2 九州中国

大麦はだか麦作付面積

- 614

資料農林水産省調べ

Aランク評価項目の基準値を3つ以上達成しかつ許容値を全て達成している麦Bランク評価項目の基準値を2つ達成しかつ許容値を全て達成している麦Cランク評価項目の基準値を1つ達成しかつ許容値を全て達成している麦

評価項目の基準値を2つ以上達成しているものの許容値を達成していない麦DランクA~Cランクのいずれにも該当しない麦

【評価項目】①小麦 日本麺用パン中華麺用(たんぱく灰分容積重フォーリングナンバー)

醸造用(たんぱく3項目容積重)②二条大麦 主食等用(容積重細麦率白度正常粒率)

麦茶用(たんぱく3項目細麦率)③六条大麦はだか麦 主食等用(容積重細麦率白度硝子率)

麦茶用(たんぱく3項目細麦率)

(参考) 麦の品質区分

(単位)

- 21 -

(2)品質評価

たんぱく質や灰分の含有率等に基づく品質評価結果につい

ては平成30年産の小麦ではAランクが899となってお

り過去5年平均(Aランク比率849)と比べ5ポイン

ト高くなっています

また平成30年産の大麦はだか麦ではAランクが

849となっており過去5年平均(Aランク比率832)

と比べ17ポイント高くなっています(表Ⅲ-4)

表Ⅲ-4 平成30年産麦の品質評価結果

2 国内産麦の品質状況

(1)農産物検査① 平成30年産の小麦について全国の1等比率は761

(平成30年12月末時点)と過去5年平均799と比較して低くなっています(表Ⅲ-3)

② 平成30年産の小粒大麦大粒大麦はだか麦及びビール大麦について1等比率は大粒大麦を除き過去5年平均と比較して低くなっています(表Ⅲ-3)

表Ⅲ-3 国内産麦の1等比率の推移(単位)

Aランク Bランク Cランク DランクAランク

過去5年平均(平成25~29年産)

小 麦 899 67 33 01 849

大麦はだか麦

849 37 108 06 832

注1)各年産翌年4月末時点の値であるただし平成30年産は30年12月末時点の値である

2)強力小麦の検査数量を含む値である

3 国内産麦に対する支援

平成31年度は経営所得安定対策等の対策のうち主に畑作

物の直接支払交付金と水田活用の直接支払交付金により国内

産麦に対する支援が行われます

(1)畑作物の直接支払交付金

畑作物の直接支払交付金として麦を生産する農業者に対

し標準的な生産費と標準的な販売価格の差額分を直接交付

することとしています

支払いは当年産の麦の品質及び生産量に応じて交付する

数量払を基本とし当年産の麦の作付面積に応じて交付する

面積払(営農継続支払)を数量払の先払いとして交付する仕

組みにしています

数量払の交付単価は品質に応じた単価を設けており需要

に応じた生産と品質に対する営農努力を適切に反映させる仕

組みになっています(表Ⅲ-5)

表Ⅲ-5 畑作物の直接支払交付金の麦の交付単価

(円単位数量)

品質区分(等級ランク)

1等 2等

A B C D A B C D

小麦(パン中華麵

用品種)(60kg当たり)

9040 8540 8390 8330 7880 7380 7230 7170

小麦(パン中華麺用品種以外)(60kg当たり)

6740 6240 6090 6030 5580 5080 4930 4870

二条大麦(50kg当たり) 5550 5130 5010 4960 4690 4270 4140 4090

六条大麦(50kg当たり) 6030 5610 5480 5430 5000 4580 4460 4410

はだか麦(60kg当たり) 8650 8150 8000 7910 7080 6580 6430 6350

(参考)

【平均交付単価小麦6940円60kg二条大麦5490円50kg六条大麦5720円50kg

はだか麦8230円60kg】

②面積払

当年産の作付面積に応じて交付 2万円10a

①数量払(品質に応じた単価)

- 22 -

【平成31年産に適用】

標準的な生産費

差額

ゲタ交付単価

標準的な販売価格

【交付単価のイメージ】lt畑作物の直接支払交付金のイメージgt

面積払(数量払の際に控除されます)

数量払

収量

交付金額

(2)水田活用の直接支払交付金

水田のフル活用を推進し食料自給率自給力の向上を図

るため水田で麦を生産する農業者に対しては畑作物の直

接支払交付金に加え水田活用の直接支払交付金(35000円

10a)を直接交付することとしています(表Ⅲ-6)

表Ⅲ-6 水田活用の直接支払交付金の交付単価

作 物 単 価

麦大豆飼料作物 35000円10a

WCS(ホールクロップサイレージ)用稲 80000円10a

加工用米 20000円10a

飼料用米米粉用米収量に応じ

55000円~105000円10a

このほか「産地交付金」により地域で作成する水田フル活用ビジョンに基づき二毛作や耕畜連携を含め産地づくりに向けた取組を支援します

戦略作物助成

注実需者等との出荷販売契約等を締結すること出荷販売することが要件

- 23 -

4 国内産食糧用麦の流通動向

(1)取引の概要

国内産食糧用麦は加工原料としての商品特性から需要に応じて計画的に生産できるようは種前契約に基づく取引が行われています

まず取引の指標となる透明性のある適正な価格を形成するためは種前に販売予定数量の3~4割(具体の比率は民間流通地方連絡協議会の協議を踏まえ決定)について入札が行われます残りは相対取引が行われておりその価格については入札で形成された指標価格(落札加重平均価格)を基本として取引当事者間で決められています(図Ⅲ-3)

また取引を円滑に進めるため生産者需要者等で構成される民間流通連絡協議会において取引に必要な情報交換取引に係る基本事項の見直し等が行われています(表Ⅲ-7)

今後とも国内産食糧用麦については円滑な流通が確保されるようは種前契約を基本としつつ適切に対応していきます

図Ⅲ-3 国内産食糧用麦の基本的な流通フロー

表Ⅲ-7 国内産食糧用麦の入札の仕組み

項 目 概 要 見直しの変遷

実施主体 一般社団法人 全国米麦改良協会

実施時期 は種前に2回実施(8~9月)平成13年産から1回rarr2回へ見直し

上場数量

産地銘柄別に販売予定数量が小麦3千トン以上大麦はだか麦1千トン以上の銘柄についてその30~40を上場(ほかに希望上場あり)

平成31年産から30rarr30~40へ見直し

基準価格

小麦は前年産の落札加重平均価格に当年産の入札実施時点での外国産麦の政府売渡価格の変動率を乗じた価格大麦はだか麦は前年産の落札加重平均価格

小麦の外国産麦との連動は平成24年産から実施

値幅制限 基準価格のplusmn10

小麦平成12年産~16年産plusmn5平成17年産~21年産plusmn7平成22年産plusmn10平成23年産plusmn30平成24年産~ plusmn10大麦はだか麦平成12年産~18年産plusmn5平成19年産~21年産plusmn7平成22年産plusmn10平成23年産plusmn15平成24年産~ plusmn10

取引価格の事後調整(小麦のみ)

外国産食糧用小麦の政府売渡価格の改定(410月)に合わせては種前の入札又は相対により契約された価格に外国産食糧用小麦の政府売渡価格の変動率を乗じて取引価格を改定

平成23年産から実施

申込限度数 量

買い手別に上場数量times買受実績シェアtimes145

小麦は平成17年産から大麦及びはだか麦は平成19年産から135rarr145へ見直し

相対取引入札で形成された指標価格を基本に生産者団体と需要者の間で協議決定

平成19年産から過去の実績シェアに基づく取引ルールを廃止

再入札

第1回入札及び第2回入札において落札残数量が発生した場合は売り手の希望により再度入札に付すか相対による契約を行うかいずれかの方法をとることができる

平成25年産から売り手の申し出により再入札における入札の値幅を設定できること等を規定

生産者団体から販売予定数量需要者団体から購入希望数量の相互提示

入札取引の実施(販売予定数量の約3~4割)

相対取引の実施(販売予定数量の約6~7割)

は 種(秋まき春まきは収穫年の4月)

収 穫 及 び 検 査

生産者団体と需要者の間では種前に契約を締結

需 要 者 へ 引 渡 し

<生産の流れ>

麦の生育期間

<契約の流れ>

は種前契約に基づき計画的に作付(は種)

収穫前年7月~

8~9月

9月~

~12月

6~8月

6月~

収穫年26年産から国内産麦の需要拡大を図るため地域の食文化のブランド化等による高付加価値化の取組等に対し安定的な原料供給が可能となる需要拡大推進枠を導入

- 24 -

表Ⅲ-8 国内産食糧用麦の供給量 (単位千トン)

注集荷団体からの聞き取り数量である

(2)流通の動向

平成30年産の国内産食糧用小麦の供給量は前年産から

約14万4千トン減少し約70万1千トンとなっています

また国内産食糧用大麦及びはだか麦の供給量は前年

産から約3千トン減少し約10万3千トンとなっています

(表Ⅲ-8)

生産者側から提示された平成31年産麦の販売予定数量は

国内産食糧用小麦で約82万4千トン国内産食糧用大麦及

びはだか麦で約10万8千トンとなっています

一方需要者側から提示された平成31年産麦の購入希望

数量は国内産食糧用小麦で約86万3千トン国内産食糧

用大麦及びはだか麦で約13万トンとなっています(表Ⅲ-

9)

表Ⅲ-9 国内産食糧用麦の販売予定数量及び購入希望数量の推移(単位千トン)

資料民間流通連絡協議会調べ注四捨五入の関係で差し引きが一致しないことがある

- 25 -

年産 20 21 22 23 24 25 26 27 28 2930

(見込)

小   麦 841 639 532 694 811 767 808 946 734 845 701

大麦はだか麦 125 100 84 98 93 105 103 103 92 106 103

年産 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31

販売予定数量① 887 906 909 951 948 909 905 880 820 846 834 824

購入希望数量② 833 880 818 859 904 869 751 802 834 875 880 863

①-② 54 25 91 91 44 40 154 78 14 29 46 39

(①-②)①() 61 28 100 96 47 44 170 89 18 34 55 47

販売予定数量① 121 132 134 127 122 116 110 112 113 112 108 108

購入希望数量② 199 219 135 149 147 138 141 149 145 138 148 130

①-② 78 87 1 23 26 21 31 37 32 26 39 22

(①-②)①() 640 660 06 179 209 182 282 330 284 234 363 204

表Ⅲ-10 国内産食糧用麦の入札結果の推移

資料一般社団法人全国米麦改良協会調べ

注1価格は税込み(26年産までは527年産以降は8)である

ただし31年産の落札価格は一般社団法人全国米麦改良協会公表の価格(税抜き)を基に農林水産省で税込み価格を算出

5 国内産食糧用麦の価格の動向

(1)平成31年産の入札の概要

平成31年産麦の入札は第1回は平成30年9月12日に第

2回は平成30年9月26日に実施されました

麦種別の入札結果をみると小麦は上場数量約21万4千

トンのうち約20万4千トンが落札(落札率954)され落

札価格は61714円トン(対前年産比1151)となりました

小粒大麦は上場数量約1万1千トンのうち約1万1千

トンが落札(落札率991)され落札価格は46560円トン

(対前年産比997)となりました

大粒大麦は上場数量約7千8百トンのうち5千6百トン

が落札(落札率717)され落札価格は46923円トン(対

前年産比879)となりました

はだか麦は上場数量約2千3百トンのうち約2千1百

トンが落札(落札率897)され落札価格は50817円トン

(対前年産比961)となりました(表Ⅲ-10)

なお国内産小麦については近年消費者の国産志向の高

まりなどを受け大手外食チェーンや2次加工メーカーが国

内産小麦を使用したパン中華麺等の商品を相次いで発表す

るなど人気が高まってきていますこれらを背景として平

成31年産小麦の落札価格は多くの銘柄で値幅制限の上限付

近となっておりまた申込倍数も14倍と高いものとなって

います

- 26 -

20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31

上場数量

(トン)①243510 243020 242310 251370 250980 244880 244320 234010 213360 221380 218500 214200

落札数量

(トン)②234930 238410 189350 247770 245320 220590 188240 192240 201140 214060 210560 204420

落札率

②①965 981 781 986 977 901 770 822 943 967 964 954

落札価格

(円トン)43229 59885 55241 48732 58340 49333 49319 49770 54164 51570 53624 61714

対前年産比 1064 1385 922 882 1197 846 1000 1009 1088 952 1040 1151

上場数量

(トン)①12240 13590 14210 13300 11760 11220 11290 11930 12210 12200 11750 11040

落札数量

(トン)②12050 13510 14040 13170 11550 10850 10900 11830 12090 12200 11440 10940

落札率

②①984 994 988 990 982 967 965 992 990 1000 974 991

落札価格

(円トン)45479 59709 53448 45871 46485 46453 46290 47595 47565 46880 46708 46560

対前年産比 1084 1313 895 858 1013 999 996 1028 999 986 996 997

上場数量

(トン)①10020 9690 10330 9290 9000 8700 7210 7620 7450 7620 6880 7810

落札数量

(トン)②8880 8920 8910 7990 7990 7830 6480 7130 6600 6700 6340 5600

落札率

②①886 921 863 860 888 900 899 936 886 879 922 717

落札価格

(円トン)36532 50492 46097 39649 40394 41582 42881 45740 47827 50442 53384 46923

対前年産比 1059 1382 913 860 1019 1029 1031 1067 1046 1055 1058 879

上場数量

(トン)①2910 3150 3030 3260 3060 2830 2840 2890 2740 2660 2570 2330

落札数量

(トン)②2910 3150 3030 3090 3020 2830 2810 2810 2520 2600 2470 2090

落札率

②①1000 1000 1000 948 987 1000 989 972 920 977 961 897

落札価格

(円トン)42222 58527 61489 52791 51905 52294 49656 47712 46547 48527 52876 50817

対前年産比 1063 1386 1051 859 983 1007 950 961 976 1043 1090 961

年産

小麦

小粒大麦(六条大麦)

大粒大麦(二条大麦)

はだか麦

平成31年産国内産食糧用小麦の入札結果をみると産地別銘柄別

の需給状況等を反映して落札価格に差が生じています

代表的な銘柄である北海道産「きたほなみ」は前年産の価格を

153上回る64752円トン香川県産「さぬきの夢2009」は前

年産の価格を152上回る73186円トンとなりましたまたパ

ン中華麺用の北海道産「ゆめちから」は前年産の価格を180

上回る62777円トン北海道産「春よ恋」は前年産の価格を

180上回る68792円トンとなりました(図Ⅲ-4図Ⅲ-5)

図Ⅲ-4 平成31年産国内産食糧用小麦の産地別銘柄別落札価格

資料農林水産省調べ注外国産小麦5銘柄加重平均価格は平成30年4月期の輸入小麦の政府売渡価格である

(2)平成31年産国内産食糧用小麦の産地別銘柄別落札価格の動向

資料農林水産省調べ注1国内産小麦の価格は(一社)全国米麦改良協会が実施する民間流通麦にかかる入札の第1回第2回

及び再入札の落札加重平均価格(税込み)年産の下段の( )内は当該第1回入札の実施年月である注2外国産小麦の価格は18年までは当該年度平均の実績価格であり19年以降は民間流通麦にかかる第

1回入札の実施年月時点での輸入小麦の政府売渡価格(5銘柄平均)である注3ホクシン(きたほなみ)については22年産までは「ホクシン」の価格であり23年産からは「きたほ

なみ」の価格である注4さぬきの夢については24年産までは「さぬきの夢2000」の価格であり25年産からは「さぬきの夢

2009」の価格である注5農林61号(さとのそら)については23年産までは「農林61号」の価格であり24年産からは「さとの

そら」の価格である

図Ⅲ-5 国内産食糧用小麦の産地別銘柄別落札価格の推移

- 27 -

(単位円トン税込み)

30000

60000

北海道ゆめちから 62777

福岡ミナミノカオリ 68393

滋賀農林61号 50763

茨城さとのそら 46310

佐賀チクゴイズミ 52193

岩手ゆきちから 39929

全銘柄落札加重平均 61714

香川さぬきの夢2009 73186

北海道きたほなみ 64752

外国産小麦5銘柄加重平均 54370

群馬さとのそら 48669

北海道キタノカオリ 63090

大分チクゴイズミ 48265

福岡シロガネコムギ 50643

佐賀シロガネコムギ 47998

40000

福岡チクゴイズミ 52203

滋賀ふくさやか 49534

岐阜イワイノダイチ 46874

埼玉さとのそら 47159

宮城シラネコムギ 44607

群馬つるぴかり 49785

北海道春よ恋 68792

愛知きぬあかり 50114

北海道はるきらり 60201

50000

埼玉あやひかり 46072

岐阜さとのそら 45919

70000

30000

40000

50000

60000

70000

80000

90000

100000

110000

120000

130000

12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 年産

(単位円トン税込み)

北海道ホクシン

香川さぬきの夢200973186円

茨城農林61号

香川さぬきの夢2000

茨城さとのそら

46310円

北海道きたほなみ

64752円

北海道ゆめちから

62777円

外国産小麦

5銘柄平均

54370円

北海道春よ恋

68792円

(128) (138) (148) (158) (168) (178)(1810) (199) (208)(2110)(2212) (239) (2410)(2510)(269)(279) (289) (299)(119) (309)

6 国内産麦の新品種の育成状況

(1)国内産麦については縞萎縮病抵抗性や耐倒伏性を備え

需要者等のニ-ズに合った新品種の開発が進められています

また作付け面積が1万haを超える「ゆめちから」「さとの

そら」をはじめ多数の品種が生産現場に導入されています

(図Ⅲ-6)

(2)今後とも赤かび病抵抗性や穂発芽耐性が高い小麦品種

小麦粉の色相や製粉性が優れる日本麺用小麦品種パンの膨

らみがカナダ産「1CW」並の小麦品種焼酎押麦味噌

などの加工適性が高い大麦品種等の開発を推進します

小麦品種「ゆめちから」及び「さとのそら」は優れた栽培特性

と加工適性を備えており作付けが拡大しています(平成29年

推定値「ゆめちから」約1万2千ha「さとのそら」約1万5

千ha)

パン用小麦品種の開発近年国産の小麦粉を使ったパンの需要増加に応えるためグルテンやでん粉の組成などパンの膨らみに関連する特性に注目した育種が進められていますその結果平成25年に製パン適性が「1CW」に近く多収の「せときらら」平成29年にはパン生地の力が強く穂発芽耐性や赤かび抵抗性が改良された「夏黄金」が育成されました

加工適性の高い大麦品種の開発機能性成分β-グルカンを多く含むもち性大麦の需要の高まりに応えるため平成29年に「はねうまもち」が育成されましたまた高品質なはだか麦の需要増加に対応して平成24年に味噌加工適性の高い「ハルヒメボシ」が育成されました

図Ⅲ-6 平成19年以降に育成された麦類の主な新品種

日本麺用小麦ゆめきらり

パン用小麦ゆめかおり福井県大3号

六条大麦ホワイトファイバー

北信越

日本麺用小麦あおばの恋

パン用小麦銀河のちから

東北

日本麺用小麦さとのそらきぬあかり

パン用小麦ゆめかおり

二条大麦とちのいぶき彩の星アスカゴールデンニューサチホゴールデン

六条大麦カシマゴール

はだか麦キラリモチ

関東東海

日本麺用小麦ふくはるかさぬきの夢2009

パン用小麦ゆめちからせときらら

はだか麦ハルヒメボシ

近畿中国四国

中華麺用小麦ちくしW2号

二条大麦煌二条白妙二条はるか二条トヨノホシ

九州

日本麺用小麦きたほなみ

中華麺用小麦つるきち

パン用小麦ゆめちからはるきらり

二条大麦札育2号

北海道

新品種のうち平成30年産で概ね100ha以上作付けされていると推定される品種を選定(農林水産省調べ)

- 28 -

7 国内産麦を利用した製品の動向

食料自給率の向上を図るためには国内産麦の需要開拓を行う

ことが必要です最近の消費者の国産志向の高まりや生産者と実

需者が一体となった地産地消の推進地域農業の振興を図る取り

組み等から国内産麦を使った麦製品(パン麺等)が増えてき

ており中には国内産麦を100使用した商品もあります(図Ⅲ-

7)

- 29 -

8 民間流通制度の運用改善

国内産麦の人気の高まりにより近年需要量が生産量を上回

る状況が継続しており国内産麦を積極的に使用したい実需者が

必要量を確保できない等の課題もあります

このような課題に対応するため民間流通連絡協議会において

入札上場比率の選択制の導入需要拡大推進枠設定の要件緩和

相対取引需要拡大推進枠において多様な取組が可能であること

の明確化等民間流通制度の運用改善が行われました(図Ⅲ-

8)

ピッツァ専用粉(北海道)(小麦)地元の製粉企業が北海道産小麦(きたほなみキタノカオリゆめち

から)を100使用した国内で初めてのピッツァ専用粉を開発平成30年2月に都内で試食会を開催し平成30年5月から販売

ピッツァ専用粉(群馬県)(小麦)地元の製粉企業が地元のピッツァ専門店ピッツァ窯メーカーと協力

して品質改良を重ね群馬県産小麦(さとのそらつるぴかりきぬの波)を100使用したピッツァ専用粉を平成30年4月から発売ピッツァイベントやイタリアン食材の展示会に出展

学校給食用パン(東京都)(小麦)都学校給食会の「学校給食パン加工規格」による配合基準に基づき国

内産小麦を100使用した学校給食パンを平成27年度から都内の一部の小中学校で提供を開始平成28年度からは都内全域の規格として採用

〇 市販用中華麺(愛知県)(小麦)地元の製粉企業が自社製品として愛知県産小麦きぬあかりを100使用

した中華麺を平成30年6月から自社通販で販売平成30年8月から一般販売を開始

フランスパン用粉(佐賀県)(小麦)近県製粉企業が農研機構と共同で育成した九州地域等の暖地温暖地

向けのフランスパン加工適性に優れる準強力小麦品種「さちかおり」を100使用したフランスパン用粉を平成30年8月から発売

市販用ゆで麺(長崎県)(小麦)地元の製麺企業近県製粉企業県生麺協同組合JA県等が連携し

平成26年3月に「長崎県育成麦活用開発協議会」を立ち上げ長崎県産長崎W2号(商標登録名長崎ちゃん麦)を100使用したちゃんぽん用のゆで麺を平成29年4月に製品化原料小麦の生産量が整った段階での本格販売を予定

もち性大麦を使用した機能性表示食品(静岡県)(大麦)地元の精麦企業が国内産もち性大麦でβ-グルカン量の多い銘柄を使用し

炊飯用精麦を製品化機能性表示食品として平成29年1月に届出し十分な原料を手当でき次第随時販売予定

〇 もち性大麦を使用したシリアル(愛知県)(大麦)地元の精麦企業が食物繊維が20を超える愛知県産もち性大麦「ワキ

シーファイバー」を使用した国内産もち麦100シリアルを開発平成30年4月から販売開始

図Ⅲ-7 国内産麦を100使用した商品事例

図Ⅲ-8 民間流通制度の運用改善のポイント

0

50

100

150

200

250

300

350

400円千人

大手製パンメーカーA社が国内産小麦100使用の新製品を発売

大手製食品スーパーB社が国内産小麦100使用の新製品をPBで発売

大手製パンメーカーA社が国内産小麦100使用の製品を初めて発売

(参考)国内産小麦を利用した製品の販売状況

(1)国内産小麦100使用の食パンの販売額

大きなシェアを占めるにはいたっていないものの国内産

小麦を100使用した食パンの販売金額の推移を見ると新製

品が登場する度に国内産小麦100使用の食パン市場が拡大し

ています(図Ⅲ-9)

図Ⅲ-9 国内産小麦100使用の食パンの販売額の推移(首都圏)

資料日本経済新聞デジタルメディア社による首都圏のスーパーマーケットなど100店舗におけるPOSデータに基づき農林水産政策研究所において集計

注食パンのうち国内産小麦を100使用していることが明らかな製品のみ計上菓子パン等は含んでいない

表Ⅲ-11 生麺ゆで麺(チルド)の販売金額のシェア(首都圏平成30年)

資料日本経済新聞デジタルメディア社による首都圏のスーパーマーケットなど120店舗におけるPOSデータに基づき農林水産政策研究所において集計

(2)生麺ゆで麺(チルド)の販売金額

生麺ゆで麺全体で上位15製品の売上高に占める国内産

小麦使用表示のある製品のシェアは30となっていますま

た主要な麺製品のうどんラーメン冷やし中華焼そば

全てで国内産小麦使用製品がランクインしています(表Ⅲ

-11)

2013年 2014年 2015年 2016年 2017年 2018年 2019年

                      (単位)

製品の種類製造企業の規模産地表示販売金額シェア

焼そば大手製品(国内産小麦使用表示なし) 99そば大手製品(国内産小麦使用表示なし) 27冷やしラーメン大手製品(国内産小麦使用表示なし) 20うどん大手製品(北海道産小麦使用表示あり) 20ラーメン大手製品(北海道産小麦使用表示あり) 14冷やし中華大手製品(国内産小麦使用表示なし) 14うどん大手製品(国内産小麦使用表示あり) 13焼そば大手製品(国内産小麦使用表示なし) 12焼うどん大手製品(国内産小麦使用表示なし) 12うどん大手製品(国内産小麦使用表示あり) 11焼そば大手製品(国内産小麦使用表示あり) 11そうめん大手製品(国内産小麦使用表示あり) 10うどんPB製品(北海道産小麦使用表示あり) 10つけ麺大手製品(国内産小麦使用表示なし) 10冷麺中小製品(国内産小麦使用表示なし) 10

303

14

89

15上位15製品の売上高に占める国内産小麦使用表示のある製品の

シェア

順位

1

10111213

234567

- 30 -

図Ⅲ-10 外食産業等と連携した農産物の需要拡大対策事業(麦類)

9 国内産麦の需要拡大イベント及び情報発信の取組

近年生産者と実需者等が連携し国内産麦を使用した製品が

数多く開発販売されており各地でイベント等の需要拡大の

取組みが行われております

また農林水産省としては平成30年度産地と外食事業者等

が連携して行う国内産麦を活用した新商品の開発試作製

造するために必要な取組を支援する「外食産業等と連携した農

産物の需要拡大対策事業」を一般社団法人全国米麦改良協会を

実施主体として行っているところです

農林水産省のホームページにおいてこれらのイベント等につい

て情報発信を行うとともに一般社団法人全国米麦改良協会が

開設している国産麦応援情報ホームページでの情報提供等を

行っています(図Ⅲ-10~12)

「国内産麦使用試作品全国統一試食会商談会」開催日平成31年2月12日~19日(土日を除く)場 所むぎくらべ(東京都千代田区神田小川町)

内 容平成29年度補正予算事業「外食産業等と連携した農産物の需要拡大対策事業」の一環として行われた国内産麦を使用した試作品の試食会商談会

「国内産麦使用試作品全国統一試食会商談会」で出品された試作品

- 31 -

第8回全国ご当地うどんサミットin 熊谷 開催日平成30年11月10日~11日 場 所熊谷スポーツ文化公園にぎわい広

場(埼玉県) 内 容全国の国内産小麦を使用した「ご

当地うどん」が一堂に集まりグランプリを決定

図Ⅲ-11 全国各地で開催されたイベント 図Ⅲ-12 一般社団法人 全国米麦改良協会の取組

国産麦応援情報ホームページ「日本の麦の底力」内容国産小麦粉ブランド名鑑国産小麦の逸品イベント情報研究

情報等を掲載URL httpnihonnomugicom

北海道小麦キャンプ2018 in オホーツク 開催日平成30年7月10日~11日 場 所ホテル黒部を主会場としたオホーツ

ク管内(北海道) 内 容国内産小麦北海道産小麦の魅力

を全国に広めることを目的にバスツアーやパン講習会などを実施

麦わらぼうしフェスタ 開催日平成30年11月4日 場 所笠原産業株式会社(栃木県) 内 容国内産小麦を使用したうどんパン

などの試食販売うどん教室などを実施

第7回 信州粉もん祭り 開催日平成30年11月11日 場 所JAながの ちくま埴生支所(長野県) 内 容長野県産小麦を使用した「粉もん料

理」が大集合粉もん試食会や手打ちうどん講習会 などを実施

国内産麦アンテナショップ「むぎくらべ」内容国内産麦を使用した商品のPRと販売の場を提供するものとして

平成30年7月東京都千代田区にオープン

- 32 -

オープニングセレモニーには上月前農林水産大臣政務官(写真中央)も出席

10 食料農業農村基本計画における麦の位置付け

平成27年3月31日に平成37年度を目標とする「食料農業

農村基本計画」が閣議決定され小麦は95万トン大麦はだ

か麦は22万トンの生産努力目標が設定されています(表Ⅲ-

12)

食料消費の見通し 生産努力目標(万トン) 克服すべき課題

1人1年当たり消費量

(kg人年)

国内消費仕向量

(万トン)

平成25年度

平成37年度

平成25年度

平成37年度

平成25年度

平成37年度

小麦 33 32 699 611 81 95

国内産小麦の需要拡大に向けた産地形成やブランド化

実需者ニーズに対応した生産流通体制の確立

新品種新技術の開発導入輪作体系の最適化排水対策等による収量品質の高位安定化

農地の集積集約化経営規模の拡大に対応した省力化に資する技術の開発導入等による生産コストの低減

大麦はだか麦

03 02 208 213 18 22

外国産大麦が多く用いられている焼酎用等の国内産麦の需要拡大

実需者ニーズに対応した生産流通体制の確立

新品種新技術の開発導入輪作体系の最適化排水対策等による収量品質の高位安定化

農地の集積集約化経営規模の拡大に対応した省力化に資する技術の開発導入等による生産コストの低減

表Ⅲ-12 麦の平成37年度における食料消費の見通し及び生産努力目標

資料「食料農業農村基本計画」(平成27年3月閣議決定)注1)国内消費仕向量には飼料用等の食糧用以外の用途への仕向量を含む

2)大麦はだか麦の国内消費仕向量及び生産努力目標にはビール大麦を含む

- 33 -

Ⅳ 米粉に関する動向

1 生産動向

米粉用米の生産量は平成25年産以降2万トン前後で推移していましたが平成29年度以降は約3万トンまで回復しています(表Ⅳ-1)

2 需要拡大に向けた対応

米粉用米の利用量は平成24年度以降年間2万数千トンで推移していましたがグルテンを使用しない米粉商品の開発や新たな米加工品(α化米粉米ゲルなど)の保湿性や粘性に着目した商品の開発「米粉の用途別基準」や「ノングルテン米粉製品第三者認証制度」の運用開始により平成29年度は25千トン30年度は31千トンに増加しています(表Ⅳ-2)

今後の更なる国内海外の需要拡大のためノングルテン米粉や用途別基準に適合する高品質な日本産米粉の流通を契機とした魅力ある新商品の開発や日本産米粉の優位性の情報発信等を推進する必要があります

表Ⅳ-1 上位5県の米粉用米の生産量と作付面積の推移

(参考) 米粉及び小麦粉の販売価格(税抜き)

米粉100~290円kg程度

(小麦粉 100円kg程度)

注1)平成26~29年度については新規需要米取組計画を認定した全需要者からの聞き取り注2)平成30年度については新規需要米取組計画を認定した主要な需要者からの聞き取り

により推計

表Ⅳ-2 米粉用米の利用量(需要者からの聞き取り)

- 34 -

資料26~29年産は新規需要米生産集出荷数量30年産は新規需要米取組計画

認定数量(農林水産省)

(単位千トン)

26年度 27年度 28年度 29年度 30年度見込

22 23 23 25 31

(単位千トン千ha)

26年産 27年産 28年産 29年産 30年産

生産量 59 97 87 130 107作付面積 11 18 15 24 19生産量 10 10 09 30 31作付面積 02 02 02 06 06生産量 08 10 00 19 30作付面積 01 02 00 03 06生産量 10 12 12 12 16作付面積 02 03 02 02 03生産量 20 24 07 12 13作付面積 03 04 01 02 02生産量 184 230 190 284 281作付面積 34 42 34 53 53

秋田県

全国計

新潟県

埼玉県

栃木県

群馬県

農林水産大臣は米穀の新用途への利用の促進に関する基本方針を定める

生産製造連携事業計画

生産者 製造事業者 促進事業者

必須

米穀の新用途への利用の促進に関する法律

米穀の新用途への利用の促進に関する基本方針

関係者が連携して計画を作成米穀の新用途への利用の促進に関する基本方針に照らし適切な計画について農林水産大臣が認定(計画期間は3~5年)

図Ⅳ 米粉用米に対する支援措置

3 米粉用米に対する支援

① 米粉用米についてはその利用の拡大を図るために平成21年に「米穀の新用途への利用の促進に関する法律」が制定されました同法に基づく「生産製造連携事業計画」の認定を受け「農山漁村

活性化計画」の採択を受けた取組に対して米粉用米の生産加工に必要な施設整備等の支援を行っています

② 米粉用米の生産者に対しては水田活用の直接支払交付金による支援を行っていますまたノングルテン米粉表示や米粉の用途別基準により需要者ニーズに合った高品質な米粉の製造や輸出拡大の取組を支援しています

③ 平成31年度は国内海外の需要獲得に向け引き続き魅力ある新商品開発を推進するほか日本産米粉の優位性の情報発信やノングルテン米粉の製造手法マニュアルの作成など輸出を含めた日本産米粉の需要拡大に向けた取組を支援していくこととしています

予 算 措 置

【水田活用の直接支払交付金】水田を活用して米粉用米等の作物を生産する農業者に対し交付金を直接交付 (米粉用米収量に応じ55万円~105万円10a)

【農山漁村振興交付金】米粉飼料用米の生産加工に係る施設整備に対し交付金を交付(補助率定額12)

【持続的生産強化対策事業】

日本産米粉の優位性の情報発信ノングルテン米粉の製造手法マニュアルの作成米粉用米生産者と製造事業者とのマッチング

等の取組を支援

金 融 措 置

【日本政策金融公庫による低利融資】(食品安定供給施設整備資金)

米粉製造施設米粉を原料とした食品の製造加工施設等への融資

(輸出を含めた日本産米粉の需要拡大支援事業)

(補助率定額)

【外食産業等と連携した需要拡大対策事業】

国産農林水産物食品の輸出等需要フロンティアの開拓を図るため産地と複数年契約を締結する民間企業(外食加工業者)に対し国産農林水産物を活用した新商品の開発やそれに必要な技術開発等を支援 (補助率定額12)

- 35 -

【農林水産物食品輸出促進緊急対策事業】コメ海外市場拡大戦略プロジェクトに参加する輸出産地や輸出事業者等が連携して戦略的に取り組む中国等の海外市場開拓プロモーション等を支援

(補助率定額12)

品目 現在の関税率 合意内容

小麦

枠内税率無税+マークアップ

枠外税率55円kg

現行の国家貿易制度を維持するとともに枠外税率(55円kg)を維持

既存のWTO枠に加え米国(15万(7年目以降))【不適用】カナダ(53万(同))豪州(5万(同))にSBS方式の国別枠を設定

マークアップを9年目までに45削減

大麦

枠内税率無税+マークアップ

枠外税率39円kg

現行の国家貿易制度を維持するとともに枠外税率(39円kg)を維持

既存のWTO枠に加えSBS方式のTPP枠(65万(9年目以降))を設定

マークアップを9年目までに45削減

1 TPP11協定概要(麦)(平成30年12月30日発効)

Ⅴ TPP11及び日EUEPAの協定概要(麦関係)

(参考主な麦製品)

現在の関税率合意内容

税率 枠数量

いった小麦小麦粉等

(国家貿易品目)

枠内税率125~25+マークアップ

枠外税率85~134円kg

枠内即時無税+マークアップ

(枠外税率は維持)

(発効時) (6年目)125千rarr175千

ベーカリー製品製造用

小麦粉調製品16~24

枠内即時無税(枠外税率は維持)

(発効時) (6年目)米国 105千rarr12千【不適用】米国以外 68千rarr 8千

その他小麦粉調製品

16~28枠内即時無税

(枠外税率は維持)(発効時) (6年目)15千rarr225千

マカロニスパゲティ

30円kg9年目までに60削減

ビスケット 1315 6年目に無税 -

注1)いった小麦とは小麦をいったものであり主にシリアル食品等に使用される

2)その他小麦粉調製品とは製麺まんじゅう等のベーカリー製品以外の製造用の

小麦粉調製品である

- 36 -

2 日EUEPA協定概要(麦)(平成31年2月1日発効)

品目 現在の関税率 合意内容

小麦

枠内税率無税+マークアップ

枠外税率55円kg

現行の国家貿易制度を維持するとともに枠外税率(55円kg)を維持

既存のWTO枠に加えSBS方式のEU枠(270(7年目以降))を設定

枠内のマークアップを9年目までに45削減

大麦

枠内税率無税+マークアップ

枠外税率39円kg

現行の国家貿易制度を維持するとともに枠外税率(39円kg)を維持

既存のWTO枠に加えSBS方式のEU枠(30(即時))を設定

枠内のマークアップを9年目までに45削減

(参考主な麦製品)

現在の関税率合意内容

税率 枠数量

いった小麦小麦粉等

(国家貿易品目)

枠内税率125~25+マークアップ

枠外税率85~134円kg

枠内即時無税+マークアップ

(枠外税率は維持)

(発効時) (6年目)38千rarr44千

ベーカリー製品製造用

小麦粉調製品16~24

枠内即時無税(枠外税率は維持)

(発効時) (6年目)104千rarr142千

その他小麦粉調製品

16~28枠内即時無税

(枠外税率は維持)(発効時) (6年目)

2千rarr3千

マカロニスパゲティ

30円kg 11年目に無税 -

ビスケット 1315 6年目に無税 -

注1)いった小麦とは小麦をいったものであり主にシリアル食品等に使用される

2)その他小麦粉調製品とは製麺まんじゅう等のベーカリー製品以外の製造用の

小麦粉調製品である

(参考) 麦の国境措置

小 麦 大 麦

輸入数量

価格

輸入数量

価格

政府売渡価格

マークアップ(輸入差益)

452円kgを上限

輸入価格

(枠内税率0円kg)

枠内輸入(国家貿易) 枠外輸入

(民間貿易)枠外税率を支払って輸入された数量(平成29年度)12千トン

WTOカレントアクセス数量5740千トン

枠外税率55円

政府売渡価格

輸入価格(枠内税率0円kg)

WTOカレントアクセス数量1369千トン

枠内輸入(国家貿易) 枠外輸入(民間貿易)

枠外税率を支払って輸入された数量(平成29年度)06千トン

枠外税率39円

民間貿易の場合の輸入価格

民間貿易の場合の輸入価格

286円kgを上限

マークアップ(輸入差益)

- 37 -

  • スライド番号 1
  • スライド番号 2
  • 麦の参考資料 麦の需給に関する見通し(動向編)
  • スライド番号 4
  • スライド番号 5
  • スライド番号 6
  • スライド番号 7
  • スライド番号 8
  • スライド番号 9
  • スライド番号 10
  • スライド番号 11
  • スライド番号 12
  • スライド番号 13
  • スライド番号 14
  • Ⅱ 小麦粉麦製品の生産と価格の動向
  • スライド番号 16
  • スライド番号 17
  • スライド番号 18
  • スライド番号 19
  • スライド番号 20
  • スライド番号 21
  • スライド番号 22
  • スライド番号 23
  • スライド番号 24
  • スライド番号 25
  • スライド番号 26
  • スライド番号 27
  • スライド番号 28
  • スライド番号 29
  • スライド番号 30
  • スライド番号 31
  • スライド番号 32
  • スライド番号 33
  • スライド番号 34
  • スライド番号 35
  • スライド番号 36
  • スライド番号 37
  • スライド番号 38
  • スライド番号 39
  • スライド番号 40
  • スライド番号 41
Page 17: 麦の参考資料 - maff.go.jp · 2020-03-31 · 2014/15 2015/16 2016/17 2017/18 2018/19 (平成26年) (平成27年) (平成28年)(平成29年)(平成30年) 見込

(3)食糧麦備蓄対策事業

即時販売方式の導入後は製粉企業等が23か月分の外国産

食糧用小麦の備蓄を行った場合国が18か月分の保管経費を

助成しています(図Ⅰ-7)

また不測の事態が生じた場合には国は製粉企業等に

対して備蓄する外国産食糧用小麦の取崩しの指示等を行い

ます

図Ⅰ-7 食糧麦備蓄対策事業のスキーム(2)即時販売方式

外国産食糧用小麦の売渡しについては平成22年10月以降輸入した小麦を直ちに製粉企業等に販売し製粉企業等が一定期間備蓄することとなっています

- 9 -

6 外国産食糧用小麦の政府売渡価格の動向

外国産食糧用小麦の政府売渡価格は穀物の国際相場や海上

運賃為替等の動向を反映した買付価格に連動して年2回改

定されています

平成30年10月期の政府売渡価格は輸入小麦の平均買付価格

(平成30年3月第2週~9月第1週)が①米国及び豪州の一

部の地域の乾燥による減収懸念等から小麦の価格が上昇②燃

料油価格の影響により海上運賃が上昇したことにより前期

に比べ上昇したことから5銘柄加重平均(税込価格)で

55560円トン対前期比22の引上げとなりました

また平成31年4月期の政府売渡価格は輸入小麦の平均買

付価格(平成30年9月第2週~平成31年3月第1週)が①小

麦の国際価格に大きな変動がない中②為替は円安傾向であっ

たものの海上運賃が下落したことにより前期に比べ低下し

たことまたTPP11協定に基づきカナダ豪州産小麦

にマークアップの引下げを適用したことから5銘柄加重平均

(税込価格)で54630円トン対前期比17の引下げとなり

ました(表Ⅰ-9)

表Ⅰ-9 外国産食糧用小麦の政府売渡価格

注1)5銘柄加重平均価格は税込み価格である2)5銘柄とはアメリカ産ダークノーザンスプリング(主にパン中華麺用)カ

ナダ産ウェスタンレッドスプリング(主にパン用)アメリカ産ハードレッドウィンター(主にパン中華麺用)オーストラリア産スタンダードホワイト(主に日本麺用)アメリカ産ウェスタンホワイト(主に菓子用)

時 期5銘柄加重平均価格

(円トン)対前期比()

平成29年4月期 50690 +46

平成29年10月期 52510 +36

平成30年4月期 54370 +35

平成30年10月期 55560 +22

平成31年4月期 54630 17

- 10 -

Ⅱ 小麦粉麦製品の生産と価格の動向

資料平成21年度までは農林水産省「米麦加工食品生産動態統計調査年報」平成22年度からは農林水産省「食品産業動態調査」及び農林水産省「製粉精麦工場需給実績報告」平成21年度以降の麦茶の生産量については全国麦茶工業協同組合調べ

注1)麺類及びパン類の生産量は小麦粉使用量でその他は製品生産量である2)小麦粉精麦及び麦茶の生産量は年度の計でありその他は暦年の計である

(単位千トン)

表Ⅱ-1 小麦粉麦製品の生産量の推移

1 小麦粉麦製品の生産量

小麦粉の生産量は460万~470万トンで安定的に推移してい

ます(表Ⅱ-1)

小麦の二次加工製品のうち

① パン類の生産量は平成22年以降プライベートブラン

ドの菓子パンや高価格帯食パンの人気等により堅調に推

移しています

② 麺類の生産量は平成23年には東日本大震災による即

席麺の需要増等から増加しましたその後冷凍麺や外食

産業での消費増等により平成30年は147万トンと増加し

ています

③ ビスケットの生産量は平成20年から26年までは24万ト

ン前後で推移しました平成27年は円安の影響による輸入

量の減少等に伴い増加しその後は25万トン程度で推移し

ています

焼酎みそ主食用に仕向けられる精麦の生産量は平成16

年度まで本格焼酎ブームにより増加傾向で推移しましたがそ

の後の焼酎用需要の低迷等により減少しました近年は主食用

の需要の伸びにより17万トン前後で推移しています

一方平成28年(2016年)以降健康志向等を背景に大麦及

びはだか麦の需要が増加しています特に水溶性食物繊維

(大麦β-グルカン)が豊富なもち性はだか麦の需要は平成

29年(2017年)半ば以降は落ち着いてきたものの引き続き高

い水準で推移しています(図Ⅱ-1 )

- 11 -

図Ⅱ-1 もち麦を使用した製品の販売額の推移(首都圏)

区分

前年 前年 前年 前年 前年 前年

増減率 増減率 増減率 増減率 増減率 増減率

年 (年度計) () (暦年計) () (暦年計) () (暦年計) () (年度計) () (年度計) ()

平成12 4623 01 1279 23 1421 09 223 19 161 45 49 89

13 4607 03 1272 05 1441 14 218 21 164 19 51 41

14 4591 03 1245 21 1421 13 210 39 177 75 51 00

15 4662 15 1247 01 1425 02 219 43 189 71 45 118

16 4667 01 1243 03 1414 08 214 20 212 118 47 44

17 4623 09 1232 09 1368 32 213 05 201 51 47 00

18 4599 05 1218 11 1324 32 218 24 196 25 47 00

19 4684 18 1211 06 1319 03 225 29 197 06 48 21

20 4564 26 1181 24 1277 32 240 70 173 120 50 42

21 4612 11 1179 02 1265 10 243 10 168 29 48 40

22 4725 25 1196 15 1251 11 241 06 161 45 52 83

23 4708 04 1215 16 1283 26 243 06 155 35 54 38

24 4654 11 1219 03 1269 11 239 14 164 60 55 19

25 4694 09 1226 06 1324 43 237 12 158 37 66 200

26 4683 02 1234 07 1371 35 244 33 162 25 66 00

27 4702 04 1234 00 1396 19 259 59 162 04 68 30

28 4683 04 1238 03 1409 09 258 05 169 44 60 118

29 4703 04 1254 13 1445 26 252 22 172 20 64 67

30 - - 1221 27 1473 19 259 30 - - - -

精麦 麦茶小麦粉 パン類 麺類 ビスケット

資料日本経済新聞デジタルメディア社による首都圏のスーパーマーケットなど119店におけるPOSデータに基づき農林水産政策研究所において集計

図Ⅱ-2 小麦粉麦製品の価格(消費者物価指数)の変化

資料総務省「消費者物価指数」(全国)

(参考) 家計に占める小麦関連製品の支出 (単位円世帯)

資料総務省「家計調査」(全国二人以上の世帯)

年間計(平成30年)

1か月平均

消 費 支 出 3447783 287315食 料 952172 79348

小 麦 関 連 製 品 計 82108 6842パ ン 30555 2546

め ん 類 17369 1447小 麦 粉 596 50

菓子類(ビスケット等) 11397 950調理食品(調理パン) 5352 446

外食(うどん等) 16839 1403

(平成27年=100)

2 小麦粉麦製品の価格の動向

小麦粉及び麦関連製品の価格は輸入小麦の政府売渡価

格の引上げ等による原材料費の上昇人件費や物流費の上

昇等の影響を受け平成30年以降小麦粉及びパンの価格

は上昇傾向にあります(図Ⅱ-2)

- 12 -

85

90

95

100

105

110

食料品総合 パン めん類 小麦粉

表Ⅱ-2 麦製品の輸入量の推移(参考1) 麦製品の輸入動向

(1)小麦粉調製品

小麦粉に砂糖脱脂粉乳等を混合した小麦粉調製品の輸

入量は平成11年以降デフレに伴う低価格品需要の拡大

により増加傾向で推移してきましたが麦の国際相場の

高騰に伴う輸入価格の上昇等により平成18年から平成20年

にかけて減少しましたその後も減少傾向で推移しており

平成30年は8万3千トンの輸入量となっています

(2)麦加工製品

①マカロニスパゲッティ

マカロニスパゲッティについては国内の全体需要が

増加する中で輸入量が増加傾向で推移してきました

平成30年は過去最高の輸入量であった前年からは減少

し13万8千トンとなっています

②ビスケット

ビスケットの輸入量は平成25年以降円安の影響を受

けて減少していましたが平成28年度以降増加傾向にあり

平成30年の輸入量は2万5千トンとなっています

資料財務省「貿易統計」注小麦粉調製品は穀粉が占める割合が85以下のものの輸入量

なお小麦粉調製品のうち加糖のものは一般に菓子類菓子パン類等の原料として利用され無糖のものは麺類等の原料として使用される

(単位千トン)

- 13 -

対前年 対前年 対前年 対前年 対前年

増減率 増減率 増減率 増減率 増減率

() () () () ()

平成12 107 118 85 92 97 26 45 95 108 11 123

13 121 126 75 99 81 27 51 93 25 13 209

14 126 131 35 102 30 29 52 101 94 15 142

15 116 133 13 101 06 31 82 108 63 21 400

16 108 136 28 98 32 38 222 112 35 25 219

17 110 140 26 98 01 42 90 110 17 24 49

18 116 139 09 99 12 39 59 110 02 24 23

19 118 117 155 87 128 30 224 104 49 23 56

20 104 100 144 72 173 29 60 127 219 18 221

21 94 102 23 73 15 30 42 116 85 17 83

22 88 107 40 73 07 33 119 121 36 19 173

23 80 108 12 78 59 30 90 134 115 22 143

24 80 106 16 78 02 28 63 142 58 22 07

25 97 100 53 73 64 28 25 133 68 18 182

26 105 98 21 73 02 25 83 133 03 17 74

27 121 94 40 69 55 25 03 132 08 14 166

28 109 91 32 65 58 26 40 145 99 19 348

29 112 92 05 65 02 27 14 150 32 24 296

30 110 83 92 59 85 24 110 138 75 25 23

国 名輸入割合()

国 名輸入割合()

国 名輸入割合()

国 名輸入割合()

国 名輸入割合()

韓国 409 韓国 528 シンガポール 442 イタリア 465 インドネシア 242

シンガポール 202 フランス 151 米国 126 トルコ 355 中国 205

フランス 114 シンガポール 105 韓国 114 米国 142 マレーシア 84

米国 75 中国 78 ニュージーランド 98 ギリシャ 20 ベトナム 63

中国 57 米国 55 豪州 69 アラブ首長国連邦 10 イタリア 55

国 名対前年増減率()

国 名対前年増減率()

国 名対前年増減率()

国 名対前年増減率()

国 名対前年増減率()

韓国 10 韓国 13 シンガポール 221 イタリア 107 インドネシア 202

シンガポール 124 フランス 92 米国 136 トルコ 45 中国 76

フランス 87 シンガポール 108 韓国 30 米国 09 マレーシア 245

米国 116 中国 546 ニュージーランド 87 ギリシャ 152 ベトナム 137

中国 543 米国 98 豪州 344 アラブ首長国連邦 135 イタリア 119

30

輸入上位5カ国

区分

為替レー

円ドル)

小麦粉調製品 麦加工製品

加糖のもの 無糖のもの マカロニスパゲッティ ビスケット

(参考2) 麦製品の輸出動向

麦製品の輸出量のうちその大部分を占める小麦粉の輸出量

は近年主要輸出先国の製粉技術の向上や現地製粉工場の立

上げ等により減少傾向で推移し平成30年は約16万トンとなっ

ています(表Ⅱ-3)

表Ⅱ-3 麦製品の輸出量の推移

資料財務省「貿易統計」

(単位トン)

- 14 -

対前年増減率()

対前年増減率()

対前年増減率()

309594 75 376 431 1028 375

321028 37 315 162 967 59

319968 03 253 197 953 14

318706 04 410 621 1052 104

304465 45 328 200 769 269

289911 48 1054 2213 719 65

290033 00 1196 135 762 60

255377 119 1150 38 1098 441

187040 268 743 354 1198 91

185403 09 822 106 898 250

196183 58 770 63 974 85

191480 24 607 212 698 283

192598 06 598 15 780 117

168205 127 573 42 769 14

166311 11 571 04 861 120

157938 50 553 32 1249 451

158896 06 549 07 1287 30

167600 55 532 32 778 395

163640 24 535 06 894 148

国 名輸出割合

() 国 名輸出割合

() 国 名輸出割合

()

香港 496 香港 888 中国 483シンガポール 207 中国 43 香港 314ベトナム 96 韓国 21 台湾 64

タイ 59 米国 17 ベトナム 37台湾 58 台湾 11 シンガポール 29

国 名対前年増減率() 国 名

対前年増減率() 国 名

対前年増減率()

香港 175 香港 26 中国 251シンガポール 583 中国 62 香港 329ベトナム 135 韓国 437 台湾 59

タイ 81 米国 1047 ベトナム 418台湾 47 台湾 261 シンガポール 449

24

30

輸出上位5カ国

25

181920212223

2627282930

17

  区分

小麦粉マカロニスパゲッティ

スイートビスケット

平成1213141516

(参考3) 麦製品の生産動向

麦製品の生産量は食パンや乾麺のように生産量が減少している製品もある一方で菓子パンや即席麺冷凍麺のように生産量が増加している製品もあることから使用される小麦粉の数量は平成22年以降概ね横ばい傾向で推移しています麦製品は食生活の多様化や簡便性といった消費者ニーズを

捉えつつ継続した新製品の開発がなされており新たな定番となる商品の登場や期間限定の商品やイベントなどが消費者の購買を促進していると考えられます(図Ⅱ-3表Ⅱ-4)

表Ⅱ-4 麦製品の生産量の推移

(単位千トン)

- 15 -

資料平成21年度までは農林水産省「米麦加工食品生産動態統計調査年報」平成22年度からは農林水産省「食品産業動態調査」及び農林水産省「製粉精麦工場需給実績報告」冷凍麺の生産量は(一社)日本冷凍食品協会調べ

注1)麺類及びパン類の生産量は小麦粉使用量で冷凍麺は製品生産量である2)小麦粉は年度の計でありその他は暦年の計である

区分

パ ン 麺 類 冷凍麺

小麦粉 食パン菓子パ

ンその他のパン

生麺 乾麺 即席麺

年度計 暦年計 暦年計 暦年計 暦年計 暦年計 暦年計 暦年計 暦年計 暦年計

昭和45 3422 970 469 - - - 514 327 267 -

50 3978 1062 588 251 63 - 541 289 335 -

55 4079 1189 687 285 89 1334 610 275 325 -

60 4243 1178 653 291 133 1397 659 297 316 9

平成2 4338 1193 661 321 146 1407 687 274 316 41

7 4633 1220 623 368 178 1456 729 268 314 120

12 4623 1279 619 382 235 1421 687 235 343 190

22 4725 1196 576 375 215 1251 555 203 332 257

23 4708 1215 580 392 215 1283 548 209 361 270

24 4654 1219 580 392 221 1269 542 204 363 283

25 4694 1226 598 384 218 1324 562 213 386 314

26 4683 1234 608 387 214 1371 578 213 410 318

27 4702 1234 605 403 201 1396 624 195 414 308

28 4683 1238 604 403 206 1409 652 186 419 308

29 4703 1254 602 409 218 1445 691 186 416 313

30 - 1221 585 401 211 1473 712 188 420 -

〔低糖質製品〕

〔多種多様な携帯サンドイッチ〕

〔手軽な冷凍麺〕

図Ⅱ-3 麦製品の商品事例

H18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29

製粉工場数 124 122 121 119 117 118 117 114 109 104 102 98

製粉企業数 100 98 98 96 94 95 94 90 88 83 81 77

うち輸入小麦取扱製粉工場数 91 91 90 90 87 87 86 83 78 76 74 73

うち輸入小麦取扱製粉企業数 67 67 67 65 64 64 64 60 57 55 53 52

50

70

90

110

130

150製粉工場数

製粉企業数

うち輸入小麦取扱製粉工場数

うち輸入小麦取扱製粉企業数

3 製粉企業の状況

(1)大手製粉企業及び中小製粉企業の動向

① 大手製粉企業4社の小麦粉の生産量は全体の78を占

めておりこれに年間小麦粉生産量が3万トン以上の企業

の生産量を加えた13社ベースでは全体の90を占めてい

ます

② 大手製粉企業は生産設備の臨海工場への集約化を進め

つつ工場の大規模化合理化を推進しています

平成29年度の1工場当たりの生産量は17万トンまた

稼働率は89となっています

③ 年間小麦粉生産量3万トン以上の中小製粉企業は工場

のほとんどが臨海地域に立地し小麦粉を域内の二次加工

メーカー等に供給しています

平成29年度の1工場当たりの生産量は約6万トン稼働

率は67となっています

④ 年間小麦粉生産量1千トン以上3万トン未満の中小製粉

企業は主に内陸に位置し小麦粉を地元のパン麺等の

加工業者に供給するほか乾麺等の製造を兼ねるものも多

くなっています

平成29年度の1工場当たりの生産量は13万トンと大

手製粉企業の約14分の1稼働率は35となっています

⑤ 年間小麦粉生産量1千トン未満の中小製粉企業は輸入

小麦を取り扱わない企業が大部分を占め国内産小麦のみ

を使用し麺用や菓子用に供給しています

表Ⅱ-5 大手製粉企業中小製粉企業の小麦粉生産等の動向

資料農林水産省調べ注四捨五入の関係で計と内訳が一致しない場合がある

(参考)製粉企業数と工場数の推移(企業工場)

- 16 -

3万トン以上1千トン以上3万トン未満

1千トン未満

平成24 94 4 90 9 50 31

29 77 4 73 9 38 26

24 4853 3679 1174 536 636 3

29 4877 3801 1075 569 504 2

24 100 758 242 110 131 01

29 100 779 221 117 103 00

24 3245 1177 2068 632 1360 76

29 2806 1057 1749 581 1114 54

24 1496 3126 568 848 468 39

29 1738 3596 615 980 452 44

24 415 1533 126 596 120 01

29 498 1728 142 569 126 01

24 692 887 414 709 311 42

29 731 888 454 670 347 46

全体 大手製粉

中 小 製 粉年間生産量

稼働率()

製粉企業数

小麦粉生産量(千トン)

生産シェア()

従業員数(人)

従業員一人当たりの生産量

(トン)

一工場当たりの生産量(千トン)

(2)製粉企業のコスト削減や品質安全性の向上に向けた取組

製粉企業は生産能力の増強によるコスト削減や品質安全性の向上に向けた取組を進めています(図Ⅱ-4)

また国も農業競争力強化プログラムを策定し製粉企業の取組みを支援しています(図Ⅱ-5)

① 供給能力の強化等によるコストダウン

製粉企業は供給能力の強化生産性の向上と原料小麦の受入体制の整備によるコストダウンを図るため製粉工場や原料サイロの増強等の設備投資を行っています

② 資本業務の提携

製粉企業の中には他の製粉企業と資本業務提携を行うこと等により原料調達規模の拡大や生産の効率化等による競争力の強化を図る取組もみられます

③ 品質安全性の向上

製粉企業は近年消費者の安全安心への関心が高まる中食品の品質安全性を確保するための設備やAIB食品安全システムの導入ISO認証の取得等様々な取組を行っています

④ 工場の集約化

大手製粉企業は内陸工場を閉鎖し海外からの原料調達に有利な臨海工場への集約を進めるとともに臨海工場の生産能力を増強させる等生産性の向上を図っています

⑤ 海外市場への進出

製粉企業の中にはアジア大洋州地域における買収や工場増設等海外市場に積極的な進出をする取組もみられます

① 供給能力の強化等によるコストダウン 日清製粉は関東地区の小麦サイロ収容力の増強を進め更なる原料小麦の安定供給を推進するため鶴見工場の原料小麦サイロを増設(平成28年)

日本製粉は神戸甲南工場の原料サイロの新設等(平成24年)千葉工場の原料サイロの増設(平成26年)を行い今後原料サイロを福岡工場及び知多新工場へ新設神戸甲南工場(第2期)へ増設する予定

千葉製粉は新たな顧客ニーズへの対応付加価値製品の創出等を図るため専用ラインを新設(平成27年)

② 資本業務提携 資本業務提携を行っている製粉企業

増田製粉所(兵庫) hArr 日東富士製粉

木田製粉(北海道)内外製粉(三重)奥本製粉(大阪)セントラル製

粉(愛知) hArr 昭和産業

東福製粉(福岡) hArr 日本製粉

③ 品質安全性の向上 多くの製粉企業がISO9001(品質マネジメントシステム)ISO22000(食品安全マネジメントシステム)の認証を受けることにより品質管理や食品安全管理を実施

④ 工場の集約化 日清製粉は生産性向上のため内陸工場を順次閉鎖し臨海工場への集約化を推進

筑後工場(福岡)鳥栖工場(佐賀) rarr 福岡工場(福岡)へ集約

(平成26年)

名古屋工場の2ライン rarr 知多工場(愛知)の新ラインへ集約

(平成27年)

日本製粉は生産性向上のため総生産能力の80を臨海部の大型工場に集約

⑤ 海外市場への進出状況(平成30年度) 日清製粉は豪州の小麦粉市場においてトップシェアを持つアライドピナクル社を買収またタイでは子会社の日清STC製粉がタイの製粉工場を買収するとともにベトナムでは業務用プレミックスの生産工場を建設することを決定

昭和産業はベトナムに新たにプレミックス製造会社を設立し生産工場を建設することを決定

図Ⅱ-4 製粉企業の各種取組の事例

- 17-

⑥ 再編合理化の取組

製粉企業の中には国の支援を活用した再編合理化の取

組もみられます

⑦ 地産地消の推進

中小製粉企業は地域とのつながりの強さや独自の立地

条件を活かした特色ある経営を模索する中で生産者と協

力した積極的な地産地消の取組を進めています

⑦ 地産地消の推進

岩手県主な実施者岩手県学校給食会岩手県パン工業組合県内製粉企業取 組 内 容 平成28年度から地元県産小麦(銀河のちからゆきちから)を

100使用した学校給食用パンを県内の小中学校に提供開始埼玉県

主な実施者埼玉産小麦ネットワーク「SWING group」(県内製粉企業が中心となり生産者加工業者販売業者等180社が加盟)

取 組 内 容 埼玉県産小麦のブランド価値を高めることなどを目的として埼玉県産小麦を自社製品に利用することで高付加価値商品の開発による自社の発展などを目指すとともに研修会の実施やイベントホームページなどを通じた消費者への情報提供を実施

京都府主な実施者地元製粉企業京都府全農京都府本部生産者府内製麺製

パン業者飲食店取 組 内 容 平成30年産から京都府産小麦品種を「せときらら」へ全面切替を

行ったことを機にブランド名を「京小麦」とし「京小麦」を100使用したメニューを参加店舗にて提供するイベント「京小麦の収穫祭」を平成31年1月21日から2月17日まで開催

福岡県主な実施者福岡県ラー麦普及推進協議会(県JA全農ふくれん県内製粉

業者5社製麺業者関係団体)取 組 内 容 以下の取組によりラーメン用小麦「ラー麦」を普及推進

産地への生産技術の普及指導 小麦品質評価最適製粉加工方法の検討 利用や消費を促進するための普及宣伝(試

食イベント等) 毎年産の製粉製麺適性評価および食味

官能評価の実施 平成21年に本小麦の名称「ラー麦」とロ

ゴデザインを商標登録しブランド化

- 18 -

2 生産者が有利な条件で安定取引を行うことができる流通加工の業界構造の確立

(1)生産者に有利な流通加工構造の確立現在の食料需給消費の実態等を踏まえた効率的機能

的で農業者と消費者双方がメリットを受けられる流通加工構造を確立するため以下のとおり取り組む

その際農林水産省経済産業省をはじめ政府一体となって取り組む①~⑦ (略)⑧ 加工業については生産性の低い工場が乱立している

種類の加工業界(製粉乳業等)について国は国際競争に対応できる生産性の確保を目指した業界再編設備投資等を推進することとし政府系金融機関の融資農林漁業成長産業化支援機構の出資等による支援を行う

⑨ 上記改革を推進するため農産物の流通加工に関し国の責務業界再編に向けた推進手法等を明記した法整備を進める

⑩ 上記改革を推進するため金融機関による流通加工関連産業の生産性向上に資する経営支援や資金供給の促進政府系金融機関や農林漁業成長産業化支援機構等との連携強化等を図る

図Ⅱ-5 農業競争力強化プログラム(抜粋)

(平成28年11月29日 農林水産業地域の活力創造本部決定)

⑥ 再編合理化の取組

製粉工場の廃棄撤去製粉施設の一部又は全部を撤去しミックス粉等の関連事業を拡大

(製粉工場等再編合理化事業(平成2728年度7件))

図Ⅲ-1 国内産小麦の収穫量と作付面積の推移

表Ⅲ-1 小麦の主な作付品種(平成29年産)

Ⅲ 国内産麦の生産と流通の動向

1 国内産麦の生産状況

(1)小麦

① 作付面積

近年の国内産小麦の作付面積は約21万haと横ばいで推移して

います平成30年産の作付面積は北海道は121万ha都府県

は91万ha全国では212万haとなり前年産並となっていま

② 収穫量

平成30年産の国内産小麦の収穫量は主産地の北海道での6

月中旬から7月中旬にかけての低温日照不足の影響により登

熟不良となったこと等から前年産に比べ北海道で134万ト

ン(22)減少都府県では05万トン(2)減少全国

では139万ha(15)減少の768万トンとなり(図Ⅲ-1)

10a当たりの平均収量対比は91となりました

③ 小麦の作付品種の状況

栽培品種については各産地の気候条件や用途等に適した品

種が作付されており29年産では日本麺用では「きたほなみ」

「さとのそら」「シロガネコムギ」といった品種パン

中華麺用では「春よ恋」「ゆめちから」といった品種が上位

を占めています(表Ⅲ-1)

資料農林水産省「作物統計」品種毎の面積は農林水産省政策統括官調べ

注品種の育成年についてはシロガネコムギは農林認定が行われた年

それ以外の品種は出願公表が行われた年としている

資料農林水産省「作物統計」30年産の数値は概算値

- 19 -

(千トン)

年産

910 881

674

571

746

858 812

852

1004

791

907

768

210 209 208 207 212 209 210 213 213 214 212 212

100

120

140

160

180

200

220

240

260

280

300

0

200

400

600

800

1000

H19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30

収穫量 作付面積(千ha)

品種名 育成年 作付面積(千ha) 割合 主な作付地域

きたほなみ 平成19年 878 41 北海道

さとのそら 平成21年 159 7 関東東海

シロガネコムギ 昭和49年 152 7 九州近畿

春よ恋 平成11年 143 7 北海道

ゆめちから 平成20年 137 6 北海道

上位5品種計 1469 69

小麦作付面積 - 2123

図Ⅲ-2 国内産大麦及びはだか麦の収穫量と作付面積の推移

表Ⅲ-2 大麦及びはだか麦の主な作付品種(平成29年産)

(2)大麦及びはだか麦

① 作付面積

近年国内産大麦及びはだか麦の作付面積は約6万と横ば

いで推移しており平成30年産は前年産と比較すると二条

大麦は前年産並六条大麦は800ha(4)減少はだか麦

で460ha(9)増加となり全体では340ha(1)減少の

61万haとなりました(図Ⅲ-2)

② 収穫量

平成30年産の大麦及びはだか麦の収穫量は二条大麦及びは

だか麦はおおむね天候に恵まれ生育が順調で登熟も良好

であったこと等から前年産に比べ二条大麦は01万トン

(1)増加はだか麦は01万トン(8)増加となりました

六条大麦については北陸地方において大雪の影響で融雪時期

が遅れたこと等により穂数が少なくなり前年産に比べ14万

トン(26)減少しました

この結果大麦及びはだか麦の収穫量は合計で173万トンと

なり前年産に比べて12万トン(6)減少となりました

(図Ⅲ-2)

③ 大麦及びはだか麦の作付品種の状況

栽培品種については各産地の気候条件や用途等に適した品

種が作付されており29年産では二条大麦はビール用の「サ

チホゴールデン」六条大麦は主食用や麦茶用の「ファイ

バースノウ」はだか麦は麦味噌用の「マンネンボシ」いっ

た品種が上位を占めています(表Ⅲ-2)

資料農林水産省「作物統計」30年産の数値は概算値

- 20 -

(千トン)

資料農林水産省「作物統計」農林水産省調べ

注品種の育成年についてはシュンライイチバンボシは農林認定が行われ

た年それ以外の品種は出願公表が行われた年としている

195 217

179 161

172 172 183

170 177 170 185

173

54 57 58 59 60 60 59 60 61 61 61 61

0

10

20

30

40

50

60

70

80

90

100

0

50

100

150

200

250

H19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30

収穫量 作付面積 (千ha)

年産

麦種 品種名 育成年作付面積(千ha)

割合 主な作付地域

二条大麦

サチホゴールデン 平成18年 189 31 九州関東中国

はるしずく 平成17年 44 7 九州

ニシノホシ 平成11年 27 4 九州

六条大麦

ファイバースノウ 平成13年 107 17 北陸関東東海

シュンライ 平成2年 33 5 関東東北近畿

カシマゴール 平成22年 13 2 関東東海

はだか麦

マンネンボシ 平成13年 15 2 四国

イチバンボシ 平成4年 14 2 四国九州

トヨノカゼ 平成18年 11 2 九州中国

大麦はだか麦作付面積

- 614

資料農林水産省調べ

Aランク評価項目の基準値を3つ以上達成しかつ許容値を全て達成している麦Bランク評価項目の基準値を2つ達成しかつ許容値を全て達成している麦Cランク評価項目の基準値を1つ達成しかつ許容値を全て達成している麦

評価項目の基準値を2つ以上達成しているものの許容値を達成していない麦DランクA~Cランクのいずれにも該当しない麦

【評価項目】①小麦 日本麺用パン中華麺用(たんぱく灰分容積重フォーリングナンバー)

醸造用(たんぱく3項目容積重)②二条大麦 主食等用(容積重細麦率白度正常粒率)

麦茶用(たんぱく3項目細麦率)③六条大麦はだか麦 主食等用(容積重細麦率白度硝子率)

麦茶用(たんぱく3項目細麦率)

(参考) 麦の品質区分

(単位)

- 21 -

(2)品質評価

たんぱく質や灰分の含有率等に基づく品質評価結果につい

ては平成30年産の小麦ではAランクが899となってお

り過去5年平均(Aランク比率849)と比べ5ポイン

ト高くなっています

また平成30年産の大麦はだか麦ではAランクが

849となっており過去5年平均(Aランク比率832)

と比べ17ポイント高くなっています(表Ⅲ-4)

表Ⅲ-4 平成30年産麦の品質評価結果

2 国内産麦の品質状況

(1)農産物検査① 平成30年産の小麦について全国の1等比率は761

(平成30年12月末時点)と過去5年平均799と比較して低くなっています(表Ⅲ-3)

② 平成30年産の小粒大麦大粒大麦はだか麦及びビール大麦について1等比率は大粒大麦を除き過去5年平均と比較して低くなっています(表Ⅲ-3)

表Ⅲ-3 国内産麦の1等比率の推移(単位)

Aランク Bランク Cランク DランクAランク

過去5年平均(平成25~29年産)

小 麦 899 67 33 01 849

大麦はだか麦

849 37 108 06 832

注1)各年産翌年4月末時点の値であるただし平成30年産は30年12月末時点の値である

2)強力小麦の検査数量を含む値である

3 国内産麦に対する支援

平成31年度は経営所得安定対策等の対策のうち主に畑作

物の直接支払交付金と水田活用の直接支払交付金により国内

産麦に対する支援が行われます

(1)畑作物の直接支払交付金

畑作物の直接支払交付金として麦を生産する農業者に対

し標準的な生産費と標準的な販売価格の差額分を直接交付

することとしています

支払いは当年産の麦の品質及び生産量に応じて交付する

数量払を基本とし当年産の麦の作付面積に応じて交付する

面積払(営農継続支払)を数量払の先払いとして交付する仕

組みにしています

数量払の交付単価は品質に応じた単価を設けており需要

に応じた生産と品質に対する営農努力を適切に反映させる仕

組みになっています(表Ⅲ-5)

表Ⅲ-5 畑作物の直接支払交付金の麦の交付単価

(円単位数量)

品質区分(等級ランク)

1等 2等

A B C D A B C D

小麦(パン中華麵

用品種)(60kg当たり)

9040 8540 8390 8330 7880 7380 7230 7170

小麦(パン中華麺用品種以外)(60kg当たり)

6740 6240 6090 6030 5580 5080 4930 4870

二条大麦(50kg当たり) 5550 5130 5010 4960 4690 4270 4140 4090

六条大麦(50kg当たり) 6030 5610 5480 5430 5000 4580 4460 4410

はだか麦(60kg当たり) 8650 8150 8000 7910 7080 6580 6430 6350

(参考)

【平均交付単価小麦6940円60kg二条大麦5490円50kg六条大麦5720円50kg

はだか麦8230円60kg】

②面積払

当年産の作付面積に応じて交付 2万円10a

①数量払(品質に応じた単価)

- 22 -

【平成31年産に適用】

標準的な生産費

差額

ゲタ交付単価

標準的な販売価格

【交付単価のイメージ】lt畑作物の直接支払交付金のイメージgt

面積払(数量払の際に控除されます)

数量払

収量

交付金額

(2)水田活用の直接支払交付金

水田のフル活用を推進し食料自給率自給力の向上を図

るため水田で麦を生産する農業者に対しては畑作物の直

接支払交付金に加え水田活用の直接支払交付金(35000円

10a)を直接交付することとしています(表Ⅲ-6)

表Ⅲ-6 水田活用の直接支払交付金の交付単価

作 物 単 価

麦大豆飼料作物 35000円10a

WCS(ホールクロップサイレージ)用稲 80000円10a

加工用米 20000円10a

飼料用米米粉用米収量に応じ

55000円~105000円10a

このほか「産地交付金」により地域で作成する水田フル活用ビジョンに基づき二毛作や耕畜連携を含め産地づくりに向けた取組を支援します

戦略作物助成

注実需者等との出荷販売契約等を締結すること出荷販売することが要件

- 23 -

4 国内産食糧用麦の流通動向

(1)取引の概要

国内産食糧用麦は加工原料としての商品特性から需要に応じて計画的に生産できるようは種前契約に基づく取引が行われています

まず取引の指標となる透明性のある適正な価格を形成するためは種前に販売予定数量の3~4割(具体の比率は民間流通地方連絡協議会の協議を踏まえ決定)について入札が行われます残りは相対取引が行われておりその価格については入札で形成された指標価格(落札加重平均価格)を基本として取引当事者間で決められています(図Ⅲ-3)

また取引を円滑に進めるため生産者需要者等で構成される民間流通連絡協議会において取引に必要な情報交換取引に係る基本事項の見直し等が行われています(表Ⅲ-7)

今後とも国内産食糧用麦については円滑な流通が確保されるようは種前契約を基本としつつ適切に対応していきます

図Ⅲ-3 国内産食糧用麦の基本的な流通フロー

表Ⅲ-7 国内産食糧用麦の入札の仕組み

項 目 概 要 見直しの変遷

実施主体 一般社団法人 全国米麦改良協会

実施時期 は種前に2回実施(8~9月)平成13年産から1回rarr2回へ見直し

上場数量

産地銘柄別に販売予定数量が小麦3千トン以上大麦はだか麦1千トン以上の銘柄についてその30~40を上場(ほかに希望上場あり)

平成31年産から30rarr30~40へ見直し

基準価格

小麦は前年産の落札加重平均価格に当年産の入札実施時点での外国産麦の政府売渡価格の変動率を乗じた価格大麦はだか麦は前年産の落札加重平均価格

小麦の外国産麦との連動は平成24年産から実施

値幅制限 基準価格のplusmn10

小麦平成12年産~16年産plusmn5平成17年産~21年産plusmn7平成22年産plusmn10平成23年産plusmn30平成24年産~ plusmn10大麦はだか麦平成12年産~18年産plusmn5平成19年産~21年産plusmn7平成22年産plusmn10平成23年産plusmn15平成24年産~ plusmn10

取引価格の事後調整(小麦のみ)

外国産食糧用小麦の政府売渡価格の改定(410月)に合わせては種前の入札又は相対により契約された価格に外国産食糧用小麦の政府売渡価格の変動率を乗じて取引価格を改定

平成23年産から実施

申込限度数 量

買い手別に上場数量times買受実績シェアtimes145

小麦は平成17年産から大麦及びはだか麦は平成19年産から135rarr145へ見直し

相対取引入札で形成された指標価格を基本に生産者団体と需要者の間で協議決定

平成19年産から過去の実績シェアに基づく取引ルールを廃止

再入札

第1回入札及び第2回入札において落札残数量が発生した場合は売り手の希望により再度入札に付すか相対による契約を行うかいずれかの方法をとることができる

平成25年産から売り手の申し出により再入札における入札の値幅を設定できること等を規定

生産者団体から販売予定数量需要者団体から購入希望数量の相互提示

入札取引の実施(販売予定数量の約3~4割)

相対取引の実施(販売予定数量の約6~7割)

は 種(秋まき春まきは収穫年の4月)

収 穫 及 び 検 査

生産者団体と需要者の間では種前に契約を締結

需 要 者 へ 引 渡 し

<生産の流れ>

麦の生育期間

<契約の流れ>

は種前契約に基づき計画的に作付(は種)

収穫前年7月~

8~9月

9月~

~12月

6~8月

6月~

収穫年26年産から国内産麦の需要拡大を図るため地域の食文化のブランド化等による高付加価値化の取組等に対し安定的な原料供給が可能となる需要拡大推進枠を導入

- 24 -

表Ⅲ-8 国内産食糧用麦の供給量 (単位千トン)

注集荷団体からの聞き取り数量である

(2)流通の動向

平成30年産の国内産食糧用小麦の供給量は前年産から

約14万4千トン減少し約70万1千トンとなっています

また国内産食糧用大麦及びはだか麦の供給量は前年

産から約3千トン減少し約10万3千トンとなっています

(表Ⅲ-8)

生産者側から提示された平成31年産麦の販売予定数量は

国内産食糧用小麦で約82万4千トン国内産食糧用大麦及

びはだか麦で約10万8千トンとなっています

一方需要者側から提示された平成31年産麦の購入希望

数量は国内産食糧用小麦で約86万3千トン国内産食糧

用大麦及びはだか麦で約13万トンとなっています(表Ⅲ-

9)

表Ⅲ-9 国内産食糧用麦の販売予定数量及び購入希望数量の推移(単位千トン)

資料民間流通連絡協議会調べ注四捨五入の関係で差し引きが一致しないことがある

- 25 -

年産 20 21 22 23 24 25 26 27 28 2930

(見込)

小   麦 841 639 532 694 811 767 808 946 734 845 701

大麦はだか麦 125 100 84 98 93 105 103 103 92 106 103

年産 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31

販売予定数量① 887 906 909 951 948 909 905 880 820 846 834 824

購入希望数量② 833 880 818 859 904 869 751 802 834 875 880 863

①-② 54 25 91 91 44 40 154 78 14 29 46 39

(①-②)①() 61 28 100 96 47 44 170 89 18 34 55 47

販売予定数量① 121 132 134 127 122 116 110 112 113 112 108 108

購入希望数量② 199 219 135 149 147 138 141 149 145 138 148 130

①-② 78 87 1 23 26 21 31 37 32 26 39 22

(①-②)①() 640 660 06 179 209 182 282 330 284 234 363 204

表Ⅲ-10 国内産食糧用麦の入札結果の推移

資料一般社団法人全国米麦改良協会調べ

注1価格は税込み(26年産までは527年産以降は8)である

ただし31年産の落札価格は一般社団法人全国米麦改良協会公表の価格(税抜き)を基に農林水産省で税込み価格を算出

5 国内産食糧用麦の価格の動向

(1)平成31年産の入札の概要

平成31年産麦の入札は第1回は平成30年9月12日に第

2回は平成30年9月26日に実施されました

麦種別の入札結果をみると小麦は上場数量約21万4千

トンのうち約20万4千トンが落札(落札率954)され落

札価格は61714円トン(対前年産比1151)となりました

小粒大麦は上場数量約1万1千トンのうち約1万1千

トンが落札(落札率991)され落札価格は46560円トン

(対前年産比997)となりました

大粒大麦は上場数量約7千8百トンのうち5千6百トン

が落札(落札率717)され落札価格は46923円トン(対

前年産比879)となりました

はだか麦は上場数量約2千3百トンのうち約2千1百

トンが落札(落札率897)され落札価格は50817円トン

(対前年産比961)となりました(表Ⅲ-10)

なお国内産小麦については近年消費者の国産志向の高

まりなどを受け大手外食チェーンや2次加工メーカーが国

内産小麦を使用したパン中華麺等の商品を相次いで発表す

るなど人気が高まってきていますこれらを背景として平

成31年産小麦の落札価格は多くの銘柄で値幅制限の上限付

近となっておりまた申込倍数も14倍と高いものとなって

います

- 26 -

20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31

上場数量

(トン)①243510 243020 242310 251370 250980 244880 244320 234010 213360 221380 218500 214200

落札数量

(トン)②234930 238410 189350 247770 245320 220590 188240 192240 201140 214060 210560 204420

落札率

②①965 981 781 986 977 901 770 822 943 967 964 954

落札価格

(円トン)43229 59885 55241 48732 58340 49333 49319 49770 54164 51570 53624 61714

対前年産比 1064 1385 922 882 1197 846 1000 1009 1088 952 1040 1151

上場数量

(トン)①12240 13590 14210 13300 11760 11220 11290 11930 12210 12200 11750 11040

落札数量

(トン)②12050 13510 14040 13170 11550 10850 10900 11830 12090 12200 11440 10940

落札率

②①984 994 988 990 982 967 965 992 990 1000 974 991

落札価格

(円トン)45479 59709 53448 45871 46485 46453 46290 47595 47565 46880 46708 46560

対前年産比 1084 1313 895 858 1013 999 996 1028 999 986 996 997

上場数量

(トン)①10020 9690 10330 9290 9000 8700 7210 7620 7450 7620 6880 7810

落札数量

(トン)②8880 8920 8910 7990 7990 7830 6480 7130 6600 6700 6340 5600

落札率

②①886 921 863 860 888 900 899 936 886 879 922 717

落札価格

(円トン)36532 50492 46097 39649 40394 41582 42881 45740 47827 50442 53384 46923

対前年産比 1059 1382 913 860 1019 1029 1031 1067 1046 1055 1058 879

上場数量

(トン)①2910 3150 3030 3260 3060 2830 2840 2890 2740 2660 2570 2330

落札数量

(トン)②2910 3150 3030 3090 3020 2830 2810 2810 2520 2600 2470 2090

落札率

②①1000 1000 1000 948 987 1000 989 972 920 977 961 897

落札価格

(円トン)42222 58527 61489 52791 51905 52294 49656 47712 46547 48527 52876 50817

対前年産比 1063 1386 1051 859 983 1007 950 961 976 1043 1090 961

年産

小麦

小粒大麦(六条大麦)

大粒大麦(二条大麦)

はだか麦

平成31年産国内産食糧用小麦の入札結果をみると産地別銘柄別

の需給状況等を反映して落札価格に差が生じています

代表的な銘柄である北海道産「きたほなみ」は前年産の価格を

153上回る64752円トン香川県産「さぬきの夢2009」は前

年産の価格を152上回る73186円トンとなりましたまたパ

ン中華麺用の北海道産「ゆめちから」は前年産の価格を180

上回る62777円トン北海道産「春よ恋」は前年産の価格を

180上回る68792円トンとなりました(図Ⅲ-4図Ⅲ-5)

図Ⅲ-4 平成31年産国内産食糧用小麦の産地別銘柄別落札価格

資料農林水産省調べ注外国産小麦5銘柄加重平均価格は平成30年4月期の輸入小麦の政府売渡価格である

(2)平成31年産国内産食糧用小麦の産地別銘柄別落札価格の動向

資料農林水産省調べ注1国内産小麦の価格は(一社)全国米麦改良協会が実施する民間流通麦にかかる入札の第1回第2回

及び再入札の落札加重平均価格(税込み)年産の下段の( )内は当該第1回入札の実施年月である注2外国産小麦の価格は18年までは当該年度平均の実績価格であり19年以降は民間流通麦にかかる第

1回入札の実施年月時点での輸入小麦の政府売渡価格(5銘柄平均)である注3ホクシン(きたほなみ)については22年産までは「ホクシン」の価格であり23年産からは「きたほ

なみ」の価格である注4さぬきの夢については24年産までは「さぬきの夢2000」の価格であり25年産からは「さぬきの夢

2009」の価格である注5農林61号(さとのそら)については23年産までは「農林61号」の価格であり24年産からは「さとの

そら」の価格である

図Ⅲ-5 国内産食糧用小麦の産地別銘柄別落札価格の推移

- 27 -

(単位円トン税込み)

30000

60000

北海道ゆめちから 62777

福岡ミナミノカオリ 68393

滋賀農林61号 50763

茨城さとのそら 46310

佐賀チクゴイズミ 52193

岩手ゆきちから 39929

全銘柄落札加重平均 61714

香川さぬきの夢2009 73186

北海道きたほなみ 64752

外国産小麦5銘柄加重平均 54370

群馬さとのそら 48669

北海道キタノカオリ 63090

大分チクゴイズミ 48265

福岡シロガネコムギ 50643

佐賀シロガネコムギ 47998

40000

福岡チクゴイズミ 52203

滋賀ふくさやか 49534

岐阜イワイノダイチ 46874

埼玉さとのそら 47159

宮城シラネコムギ 44607

群馬つるぴかり 49785

北海道春よ恋 68792

愛知きぬあかり 50114

北海道はるきらり 60201

50000

埼玉あやひかり 46072

岐阜さとのそら 45919

70000

30000

40000

50000

60000

70000

80000

90000

100000

110000

120000

130000

12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 年産

(単位円トン税込み)

北海道ホクシン

香川さぬきの夢200973186円

茨城農林61号

香川さぬきの夢2000

茨城さとのそら

46310円

北海道きたほなみ

64752円

北海道ゆめちから

62777円

外国産小麦

5銘柄平均

54370円

北海道春よ恋

68792円

(128) (138) (148) (158) (168) (178)(1810) (199) (208)(2110)(2212) (239) (2410)(2510)(269)(279) (289) (299)(119) (309)

6 国内産麦の新品種の育成状況

(1)国内産麦については縞萎縮病抵抗性や耐倒伏性を備え

需要者等のニ-ズに合った新品種の開発が進められています

また作付け面積が1万haを超える「ゆめちから」「さとの

そら」をはじめ多数の品種が生産現場に導入されています

(図Ⅲ-6)

(2)今後とも赤かび病抵抗性や穂発芽耐性が高い小麦品種

小麦粉の色相や製粉性が優れる日本麺用小麦品種パンの膨

らみがカナダ産「1CW」並の小麦品種焼酎押麦味噌

などの加工適性が高い大麦品種等の開発を推進します

小麦品種「ゆめちから」及び「さとのそら」は優れた栽培特性

と加工適性を備えており作付けが拡大しています(平成29年

推定値「ゆめちから」約1万2千ha「さとのそら」約1万5

千ha)

パン用小麦品種の開発近年国産の小麦粉を使ったパンの需要増加に応えるためグルテンやでん粉の組成などパンの膨らみに関連する特性に注目した育種が進められていますその結果平成25年に製パン適性が「1CW」に近く多収の「せときらら」平成29年にはパン生地の力が強く穂発芽耐性や赤かび抵抗性が改良された「夏黄金」が育成されました

加工適性の高い大麦品種の開発機能性成分β-グルカンを多く含むもち性大麦の需要の高まりに応えるため平成29年に「はねうまもち」が育成されましたまた高品質なはだか麦の需要増加に対応して平成24年に味噌加工適性の高い「ハルヒメボシ」が育成されました

図Ⅲ-6 平成19年以降に育成された麦類の主な新品種

日本麺用小麦ゆめきらり

パン用小麦ゆめかおり福井県大3号

六条大麦ホワイトファイバー

北信越

日本麺用小麦あおばの恋

パン用小麦銀河のちから

東北

日本麺用小麦さとのそらきぬあかり

パン用小麦ゆめかおり

二条大麦とちのいぶき彩の星アスカゴールデンニューサチホゴールデン

六条大麦カシマゴール

はだか麦キラリモチ

関東東海

日本麺用小麦ふくはるかさぬきの夢2009

パン用小麦ゆめちからせときらら

はだか麦ハルヒメボシ

近畿中国四国

中華麺用小麦ちくしW2号

二条大麦煌二条白妙二条はるか二条トヨノホシ

九州

日本麺用小麦きたほなみ

中華麺用小麦つるきち

パン用小麦ゆめちからはるきらり

二条大麦札育2号

北海道

新品種のうち平成30年産で概ね100ha以上作付けされていると推定される品種を選定(農林水産省調べ)

- 28 -

7 国内産麦を利用した製品の動向

食料自給率の向上を図るためには国内産麦の需要開拓を行う

ことが必要です最近の消費者の国産志向の高まりや生産者と実

需者が一体となった地産地消の推進地域農業の振興を図る取り

組み等から国内産麦を使った麦製品(パン麺等)が増えてき

ており中には国内産麦を100使用した商品もあります(図Ⅲ-

7)

- 29 -

8 民間流通制度の運用改善

国内産麦の人気の高まりにより近年需要量が生産量を上回

る状況が継続しており国内産麦を積極的に使用したい実需者が

必要量を確保できない等の課題もあります

このような課題に対応するため民間流通連絡協議会において

入札上場比率の選択制の導入需要拡大推進枠設定の要件緩和

相対取引需要拡大推進枠において多様な取組が可能であること

の明確化等民間流通制度の運用改善が行われました(図Ⅲ-

8)

ピッツァ専用粉(北海道)(小麦)地元の製粉企業が北海道産小麦(きたほなみキタノカオリゆめち

から)を100使用した国内で初めてのピッツァ専用粉を開発平成30年2月に都内で試食会を開催し平成30年5月から販売

ピッツァ専用粉(群馬県)(小麦)地元の製粉企業が地元のピッツァ専門店ピッツァ窯メーカーと協力

して品質改良を重ね群馬県産小麦(さとのそらつるぴかりきぬの波)を100使用したピッツァ専用粉を平成30年4月から発売ピッツァイベントやイタリアン食材の展示会に出展

学校給食用パン(東京都)(小麦)都学校給食会の「学校給食パン加工規格」による配合基準に基づき国

内産小麦を100使用した学校給食パンを平成27年度から都内の一部の小中学校で提供を開始平成28年度からは都内全域の規格として採用

〇 市販用中華麺(愛知県)(小麦)地元の製粉企業が自社製品として愛知県産小麦きぬあかりを100使用

した中華麺を平成30年6月から自社通販で販売平成30年8月から一般販売を開始

フランスパン用粉(佐賀県)(小麦)近県製粉企業が農研機構と共同で育成した九州地域等の暖地温暖地

向けのフランスパン加工適性に優れる準強力小麦品種「さちかおり」を100使用したフランスパン用粉を平成30年8月から発売

市販用ゆで麺(長崎県)(小麦)地元の製麺企業近県製粉企業県生麺協同組合JA県等が連携し

平成26年3月に「長崎県育成麦活用開発協議会」を立ち上げ長崎県産長崎W2号(商標登録名長崎ちゃん麦)を100使用したちゃんぽん用のゆで麺を平成29年4月に製品化原料小麦の生産量が整った段階での本格販売を予定

もち性大麦を使用した機能性表示食品(静岡県)(大麦)地元の精麦企業が国内産もち性大麦でβ-グルカン量の多い銘柄を使用し

炊飯用精麦を製品化機能性表示食品として平成29年1月に届出し十分な原料を手当でき次第随時販売予定

〇 もち性大麦を使用したシリアル(愛知県)(大麦)地元の精麦企業が食物繊維が20を超える愛知県産もち性大麦「ワキ

シーファイバー」を使用した国内産もち麦100シリアルを開発平成30年4月から販売開始

図Ⅲ-7 国内産麦を100使用した商品事例

図Ⅲ-8 民間流通制度の運用改善のポイント

0

50

100

150

200

250

300

350

400円千人

大手製パンメーカーA社が国内産小麦100使用の新製品を発売

大手製食品スーパーB社が国内産小麦100使用の新製品をPBで発売

大手製パンメーカーA社が国内産小麦100使用の製品を初めて発売

(参考)国内産小麦を利用した製品の販売状況

(1)国内産小麦100使用の食パンの販売額

大きなシェアを占めるにはいたっていないものの国内産

小麦を100使用した食パンの販売金額の推移を見ると新製

品が登場する度に国内産小麦100使用の食パン市場が拡大し

ています(図Ⅲ-9)

図Ⅲ-9 国内産小麦100使用の食パンの販売額の推移(首都圏)

資料日本経済新聞デジタルメディア社による首都圏のスーパーマーケットなど100店舗におけるPOSデータに基づき農林水産政策研究所において集計

注食パンのうち国内産小麦を100使用していることが明らかな製品のみ計上菓子パン等は含んでいない

表Ⅲ-11 生麺ゆで麺(チルド)の販売金額のシェア(首都圏平成30年)

資料日本経済新聞デジタルメディア社による首都圏のスーパーマーケットなど120店舗におけるPOSデータに基づき農林水産政策研究所において集計

(2)生麺ゆで麺(チルド)の販売金額

生麺ゆで麺全体で上位15製品の売上高に占める国内産

小麦使用表示のある製品のシェアは30となっていますま

た主要な麺製品のうどんラーメン冷やし中華焼そば

全てで国内産小麦使用製品がランクインしています(表Ⅲ

-11)

2013年 2014年 2015年 2016年 2017年 2018年 2019年

                      (単位)

製品の種類製造企業の規模産地表示販売金額シェア

焼そば大手製品(国内産小麦使用表示なし) 99そば大手製品(国内産小麦使用表示なし) 27冷やしラーメン大手製品(国内産小麦使用表示なし) 20うどん大手製品(北海道産小麦使用表示あり) 20ラーメン大手製品(北海道産小麦使用表示あり) 14冷やし中華大手製品(国内産小麦使用表示なし) 14うどん大手製品(国内産小麦使用表示あり) 13焼そば大手製品(国内産小麦使用表示なし) 12焼うどん大手製品(国内産小麦使用表示なし) 12うどん大手製品(国内産小麦使用表示あり) 11焼そば大手製品(国内産小麦使用表示あり) 11そうめん大手製品(国内産小麦使用表示あり) 10うどんPB製品(北海道産小麦使用表示あり) 10つけ麺大手製品(国内産小麦使用表示なし) 10冷麺中小製品(国内産小麦使用表示なし) 10

303

14

89

15上位15製品の売上高に占める国内産小麦使用表示のある製品の

シェア

順位

1

10111213

234567

- 30 -

図Ⅲ-10 外食産業等と連携した農産物の需要拡大対策事業(麦類)

9 国内産麦の需要拡大イベント及び情報発信の取組

近年生産者と実需者等が連携し国内産麦を使用した製品が

数多く開発販売されており各地でイベント等の需要拡大の

取組みが行われております

また農林水産省としては平成30年度産地と外食事業者等

が連携して行う国内産麦を活用した新商品の開発試作製

造するために必要な取組を支援する「外食産業等と連携した農

産物の需要拡大対策事業」を一般社団法人全国米麦改良協会を

実施主体として行っているところです

農林水産省のホームページにおいてこれらのイベント等につい

て情報発信を行うとともに一般社団法人全国米麦改良協会が

開設している国産麦応援情報ホームページでの情報提供等を

行っています(図Ⅲ-10~12)

「国内産麦使用試作品全国統一試食会商談会」開催日平成31年2月12日~19日(土日を除く)場 所むぎくらべ(東京都千代田区神田小川町)

内 容平成29年度補正予算事業「外食産業等と連携した農産物の需要拡大対策事業」の一環として行われた国内産麦を使用した試作品の試食会商談会

「国内産麦使用試作品全国統一試食会商談会」で出品された試作品

- 31 -

第8回全国ご当地うどんサミットin 熊谷 開催日平成30年11月10日~11日 場 所熊谷スポーツ文化公園にぎわい広

場(埼玉県) 内 容全国の国内産小麦を使用した「ご

当地うどん」が一堂に集まりグランプリを決定

図Ⅲ-11 全国各地で開催されたイベント 図Ⅲ-12 一般社団法人 全国米麦改良協会の取組

国産麦応援情報ホームページ「日本の麦の底力」内容国産小麦粉ブランド名鑑国産小麦の逸品イベント情報研究

情報等を掲載URL httpnihonnomugicom

北海道小麦キャンプ2018 in オホーツク 開催日平成30年7月10日~11日 場 所ホテル黒部を主会場としたオホーツ

ク管内(北海道) 内 容国内産小麦北海道産小麦の魅力

を全国に広めることを目的にバスツアーやパン講習会などを実施

麦わらぼうしフェスタ 開催日平成30年11月4日 場 所笠原産業株式会社(栃木県) 内 容国内産小麦を使用したうどんパン

などの試食販売うどん教室などを実施

第7回 信州粉もん祭り 開催日平成30年11月11日 場 所JAながの ちくま埴生支所(長野県) 内 容長野県産小麦を使用した「粉もん料

理」が大集合粉もん試食会や手打ちうどん講習会 などを実施

国内産麦アンテナショップ「むぎくらべ」内容国内産麦を使用した商品のPRと販売の場を提供するものとして

平成30年7月東京都千代田区にオープン

- 32 -

オープニングセレモニーには上月前農林水産大臣政務官(写真中央)も出席

10 食料農業農村基本計画における麦の位置付け

平成27年3月31日に平成37年度を目標とする「食料農業

農村基本計画」が閣議決定され小麦は95万トン大麦はだ

か麦は22万トンの生産努力目標が設定されています(表Ⅲ-

12)

食料消費の見通し 生産努力目標(万トン) 克服すべき課題

1人1年当たり消費量

(kg人年)

国内消費仕向量

(万トン)

平成25年度

平成37年度

平成25年度

平成37年度

平成25年度

平成37年度

小麦 33 32 699 611 81 95

国内産小麦の需要拡大に向けた産地形成やブランド化

実需者ニーズに対応した生産流通体制の確立

新品種新技術の開発導入輪作体系の最適化排水対策等による収量品質の高位安定化

農地の集積集約化経営規模の拡大に対応した省力化に資する技術の開発導入等による生産コストの低減

大麦はだか麦

03 02 208 213 18 22

外国産大麦が多く用いられている焼酎用等の国内産麦の需要拡大

実需者ニーズに対応した生産流通体制の確立

新品種新技術の開発導入輪作体系の最適化排水対策等による収量品質の高位安定化

農地の集積集約化経営規模の拡大に対応した省力化に資する技術の開発導入等による生産コストの低減

表Ⅲ-12 麦の平成37年度における食料消費の見通し及び生産努力目標

資料「食料農業農村基本計画」(平成27年3月閣議決定)注1)国内消費仕向量には飼料用等の食糧用以外の用途への仕向量を含む

2)大麦はだか麦の国内消費仕向量及び生産努力目標にはビール大麦を含む

- 33 -

Ⅳ 米粉に関する動向

1 生産動向

米粉用米の生産量は平成25年産以降2万トン前後で推移していましたが平成29年度以降は約3万トンまで回復しています(表Ⅳ-1)

2 需要拡大に向けた対応

米粉用米の利用量は平成24年度以降年間2万数千トンで推移していましたがグルテンを使用しない米粉商品の開発や新たな米加工品(α化米粉米ゲルなど)の保湿性や粘性に着目した商品の開発「米粉の用途別基準」や「ノングルテン米粉製品第三者認証制度」の運用開始により平成29年度は25千トン30年度は31千トンに増加しています(表Ⅳ-2)

今後の更なる国内海外の需要拡大のためノングルテン米粉や用途別基準に適合する高品質な日本産米粉の流通を契機とした魅力ある新商品の開発や日本産米粉の優位性の情報発信等を推進する必要があります

表Ⅳ-1 上位5県の米粉用米の生産量と作付面積の推移

(参考) 米粉及び小麦粉の販売価格(税抜き)

米粉100~290円kg程度

(小麦粉 100円kg程度)

注1)平成26~29年度については新規需要米取組計画を認定した全需要者からの聞き取り注2)平成30年度については新規需要米取組計画を認定した主要な需要者からの聞き取り

により推計

表Ⅳ-2 米粉用米の利用量(需要者からの聞き取り)

- 34 -

資料26~29年産は新規需要米生産集出荷数量30年産は新規需要米取組計画

認定数量(農林水産省)

(単位千トン)

26年度 27年度 28年度 29年度 30年度見込

22 23 23 25 31

(単位千トン千ha)

26年産 27年産 28年産 29年産 30年産

生産量 59 97 87 130 107作付面積 11 18 15 24 19生産量 10 10 09 30 31作付面積 02 02 02 06 06生産量 08 10 00 19 30作付面積 01 02 00 03 06生産量 10 12 12 12 16作付面積 02 03 02 02 03生産量 20 24 07 12 13作付面積 03 04 01 02 02生産量 184 230 190 284 281作付面積 34 42 34 53 53

秋田県

全国計

新潟県

埼玉県

栃木県

群馬県

農林水産大臣は米穀の新用途への利用の促進に関する基本方針を定める

生産製造連携事業計画

生産者 製造事業者 促進事業者

必須

米穀の新用途への利用の促進に関する法律

米穀の新用途への利用の促進に関する基本方針

関係者が連携して計画を作成米穀の新用途への利用の促進に関する基本方針に照らし適切な計画について農林水産大臣が認定(計画期間は3~5年)

図Ⅳ 米粉用米に対する支援措置

3 米粉用米に対する支援

① 米粉用米についてはその利用の拡大を図るために平成21年に「米穀の新用途への利用の促進に関する法律」が制定されました同法に基づく「生産製造連携事業計画」の認定を受け「農山漁村

活性化計画」の採択を受けた取組に対して米粉用米の生産加工に必要な施設整備等の支援を行っています

② 米粉用米の生産者に対しては水田活用の直接支払交付金による支援を行っていますまたノングルテン米粉表示や米粉の用途別基準により需要者ニーズに合った高品質な米粉の製造や輸出拡大の取組を支援しています

③ 平成31年度は国内海外の需要獲得に向け引き続き魅力ある新商品開発を推進するほか日本産米粉の優位性の情報発信やノングルテン米粉の製造手法マニュアルの作成など輸出を含めた日本産米粉の需要拡大に向けた取組を支援していくこととしています

予 算 措 置

【水田活用の直接支払交付金】水田を活用して米粉用米等の作物を生産する農業者に対し交付金を直接交付 (米粉用米収量に応じ55万円~105万円10a)

【農山漁村振興交付金】米粉飼料用米の生産加工に係る施設整備に対し交付金を交付(補助率定額12)

【持続的生産強化対策事業】

日本産米粉の優位性の情報発信ノングルテン米粉の製造手法マニュアルの作成米粉用米生産者と製造事業者とのマッチング

等の取組を支援

金 融 措 置

【日本政策金融公庫による低利融資】(食品安定供給施設整備資金)

米粉製造施設米粉を原料とした食品の製造加工施設等への融資

(輸出を含めた日本産米粉の需要拡大支援事業)

(補助率定額)

【外食産業等と連携した需要拡大対策事業】

国産農林水産物食品の輸出等需要フロンティアの開拓を図るため産地と複数年契約を締結する民間企業(外食加工業者)に対し国産農林水産物を活用した新商品の開発やそれに必要な技術開発等を支援 (補助率定額12)

- 35 -

【農林水産物食品輸出促進緊急対策事業】コメ海外市場拡大戦略プロジェクトに参加する輸出産地や輸出事業者等が連携して戦略的に取り組む中国等の海外市場開拓プロモーション等を支援

(補助率定額12)

品目 現在の関税率 合意内容

小麦

枠内税率無税+マークアップ

枠外税率55円kg

現行の国家貿易制度を維持するとともに枠外税率(55円kg)を維持

既存のWTO枠に加え米国(15万(7年目以降))【不適用】カナダ(53万(同))豪州(5万(同))にSBS方式の国別枠を設定

マークアップを9年目までに45削減

大麦

枠内税率無税+マークアップ

枠外税率39円kg

現行の国家貿易制度を維持するとともに枠外税率(39円kg)を維持

既存のWTO枠に加えSBS方式のTPP枠(65万(9年目以降))を設定

マークアップを9年目までに45削減

1 TPP11協定概要(麦)(平成30年12月30日発効)

Ⅴ TPP11及び日EUEPAの協定概要(麦関係)

(参考主な麦製品)

現在の関税率合意内容

税率 枠数量

いった小麦小麦粉等

(国家貿易品目)

枠内税率125~25+マークアップ

枠外税率85~134円kg

枠内即時無税+マークアップ

(枠外税率は維持)

(発効時) (6年目)125千rarr175千

ベーカリー製品製造用

小麦粉調製品16~24

枠内即時無税(枠外税率は維持)

(発効時) (6年目)米国 105千rarr12千【不適用】米国以外 68千rarr 8千

その他小麦粉調製品

16~28枠内即時無税

(枠外税率は維持)(発効時) (6年目)15千rarr225千

マカロニスパゲティ

30円kg9年目までに60削減

ビスケット 1315 6年目に無税 -

注1)いった小麦とは小麦をいったものであり主にシリアル食品等に使用される

2)その他小麦粉調製品とは製麺まんじゅう等のベーカリー製品以外の製造用の

小麦粉調製品である

- 36 -

2 日EUEPA協定概要(麦)(平成31年2月1日発効)

品目 現在の関税率 合意内容

小麦

枠内税率無税+マークアップ

枠外税率55円kg

現行の国家貿易制度を維持するとともに枠外税率(55円kg)を維持

既存のWTO枠に加えSBS方式のEU枠(270(7年目以降))を設定

枠内のマークアップを9年目までに45削減

大麦

枠内税率無税+マークアップ

枠外税率39円kg

現行の国家貿易制度を維持するとともに枠外税率(39円kg)を維持

既存のWTO枠に加えSBS方式のEU枠(30(即時))を設定

枠内のマークアップを9年目までに45削減

(参考主な麦製品)

現在の関税率合意内容

税率 枠数量

いった小麦小麦粉等

(国家貿易品目)

枠内税率125~25+マークアップ

枠外税率85~134円kg

枠内即時無税+マークアップ

(枠外税率は維持)

(発効時) (6年目)38千rarr44千

ベーカリー製品製造用

小麦粉調製品16~24

枠内即時無税(枠外税率は維持)

(発効時) (6年目)104千rarr142千

その他小麦粉調製品

16~28枠内即時無税

(枠外税率は維持)(発効時) (6年目)

2千rarr3千

マカロニスパゲティ

30円kg 11年目に無税 -

ビスケット 1315 6年目に無税 -

注1)いった小麦とは小麦をいったものであり主にシリアル食品等に使用される

2)その他小麦粉調製品とは製麺まんじゅう等のベーカリー製品以外の製造用の

小麦粉調製品である

(参考) 麦の国境措置

小 麦 大 麦

輸入数量

価格

輸入数量

価格

政府売渡価格

マークアップ(輸入差益)

452円kgを上限

輸入価格

(枠内税率0円kg)

枠内輸入(国家貿易) 枠外輸入

(民間貿易)枠外税率を支払って輸入された数量(平成29年度)12千トン

WTOカレントアクセス数量5740千トン

枠外税率55円

政府売渡価格

輸入価格(枠内税率0円kg)

WTOカレントアクセス数量1369千トン

枠内輸入(国家貿易) 枠外輸入(民間貿易)

枠外税率を支払って輸入された数量(平成29年度)06千トン

枠外税率39円

民間貿易の場合の輸入価格

民間貿易の場合の輸入価格

286円kgを上限

マークアップ(輸入差益)

- 37 -

  • スライド番号 1
  • スライド番号 2
  • 麦の参考資料 麦の需給に関する見通し(動向編)
  • スライド番号 4
  • スライド番号 5
  • スライド番号 6
  • スライド番号 7
  • スライド番号 8
  • スライド番号 9
  • スライド番号 10
  • スライド番号 11
  • スライド番号 12
  • スライド番号 13
  • スライド番号 14
  • Ⅱ 小麦粉麦製品の生産と価格の動向
  • スライド番号 16
  • スライド番号 17
  • スライド番号 18
  • スライド番号 19
  • スライド番号 20
  • スライド番号 21
  • スライド番号 22
  • スライド番号 23
  • スライド番号 24
  • スライド番号 25
  • スライド番号 26
  • スライド番号 27
  • スライド番号 28
  • スライド番号 29
  • スライド番号 30
  • スライド番号 31
  • スライド番号 32
  • スライド番号 33
  • スライド番号 34
  • スライド番号 35
  • スライド番号 36
  • スライド番号 37
  • スライド番号 38
  • スライド番号 39
  • スライド番号 40
  • スライド番号 41
Page 18: 麦の参考資料 - maff.go.jp · 2020-03-31 · 2014/15 2015/16 2016/17 2017/18 2018/19 (平成26年) (平成27年) (平成28年)(平成29年)(平成30年) 見込

6 外国産食糧用小麦の政府売渡価格の動向

外国産食糧用小麦の政府売渡価格は穀物の国際相場や海上

運賃為替等の動向を反映した買付価格に連動して年2回改

定されています

平成30年10月期の政府売渡価格は輸入小麦の平均買付価格

(平成30年3月第2週~9月第1週)が①米国及び豪州の一

部の地域の乾燥による減収懸念等から小麦の価格が上昇②燃

料油価格の影響により海上運賃が上昇したことにより前期

に比べ上昇したことから5銘柄加重平均(税込価格)で

55560円トン対前期比22の引上げとなりました

また平成31年4月期の政府売渡価格は輸入小麦の平均買

付価格(平成30年9月第2週~平成31年3月第1週)が①小

麦の国際価格に大きな変動がない中②為替は円安傾向であっ

たものの海上運賃が下落したことにより前期に比べ低下し

たことまたTPP11協定に基づきカナダ豪州産小麦

にマークアップの引下げを適用したことから5銘柄加重平均

(税込価格)で54630円トン対前期比17の引下げとなり

ました(表Ⅰ-9)

表Ⅰ-9 外国産食糧用小麦の政府売渡価格

注1)5銘柄加重平均価格は税込み価格である2)5銘柄とはアメリカ産ダークノーザンスプリング(主にパン中華麺用)カ

ナダ産ウェスタンレッドスプリング(主にパン用)アメリカ産ハードレッドウィンター(主にパン中華麺用)オーストラリア産スタンダードホワイト(主に日本麺用)アメリカ産ウェスタンホワイト(主に菓子用)

時 期5銘柄加重平均価格

(円トン)対前期比()

平成29年4月期 50690 +46

平成29年10月期 52510 +36

平成30年4月期 54370 +35

平成30年10月期 55560 +22

平成31年4月期 54630 17

- 10 -

Ⅱ 小麦粉麦製品の生産と価格の動向

資料平成21年度までは農林水産省「米麦加工食品生産動態統計調査年報」平成22年度からは農林水産省「食品産業動態調査」及び農林水産省「製粉精麦工場需給実績報告」平成21年度以降の麦茶の生産量については全国麦茶工業協同組合調べ

注1)麺類及びパン類の生産量は小麦粉使用量でその他は製品生産量である2)小麦粉精麦及び麦茶の生産量は年度の計でありその他は暦年の計である

(単位千トン)

表Ⅱ-1 小麦粉麦製品の生産量の推移

1 小麦粉麦製品の生産量

小麦粉の生産量は460万~470万トンで安定的に推移してい

ます(表Ⅱ-1)

小麦の二次加工製品のうち

① パン類の生産量は平成22年以降プライベートブラン

ドの菓子パンや高価格帯食パンの人気等により堅調に推

移しています

② 麺類の生産量は平成23年には東日本大震災による即

席麺の需要増等から増加しましたその後冷凍麺や外食

産業での消費増等により平成30年は147万トンと増加し

ています

③ ビスケットの生産量は平成20年から26年までは24万ト

ン前後で推移しました平成27年は円安の影響による輸入

量の減少等に伴い増加しその後は25万トン程度で推移し

ています

焼酎みそ主食用に仕向けられる精麦の生産量は平成16

年度まで本格焼酎ブームにより増加傾向で推移しましたがそ

の後の焼酎用需要の低迷等により減少しました近年は主食用

の需要の伸びにより17万トン前後で推移しています

一方平成28年(2016年)以降健康志向等を背景に大麦及

びはだか麦の需要が増加しています特に水溶性食物繊維

(大麦β-グルカン)が豊富なもち性はだか麦の需要は平成

29年(2017年)半ば以降は落ち着いてきたものの引き続き高

い水準で推移しています(図Ⅱ-1 )

- 11 -

図Ⅱ-1 もち麦を使用した製品の販売額の推移(首都圏)

区分

前年 前年 前年 前年 前年 前年

増減率 増減率 増減率 増減率 増減率 増減率

年 (年度計) () (暦年計) () (暦年計) () (暦年計) () (年度計) () (年度計) ()

平成12 4623 01 1279 23 1421 09 223 19 161 45 49 89

13 4607 03 1272 05 1441 14 218 21 164 19 51 41

14 4591 03 1245 21 1421 13 210 39 177 75 51 00

15 4662 15 1247 01 1425 02 219 43 189 71 45 118

16 4667 01 1243 03 1414 08 214 20 212 118 47 44

17 4623 09 1232 09 1368 32 213 05 201 51 47 00

18 4599 05 1218 11 1324 32 218 24 196 25 47 00

19 4684 18 1211 06 1319 03 225 29 197 06 48 21

20 4564 26 1181 24 1277 32 240 70 173 120 50 42

21 4612 11 1179 02 1265 10 243 10 168 29 48 40

22 4725 25 1196 15 1251 11 241 06 161 45 52 83

23 4708 04 1215 16 1283 26 243 06 155 35 54 38

24 4654 11 1219 03 1269 11 239 14 164 60 55 19

25 4694 09 1226 06 1324 43 237 12 158 37 66 200

26 4683 02 1234 07 1371 35 244 33 162 25 66 00

27 4702 04 1234 00 1396 19 259 59 162 04 68 30

28 4683 04 1238 03 1409 09 258 05 169 44 60 118

29 4703 04 1254 13 1445 26 252 22 172 20 64 67

30 - - 1221 27 1473 19 259 30 - - - -

精麦 麦茶小麦粉 パン類 麺類 ビスケット

資料日本経済新聞デジタルメディア社による首都圏のスーパーマーケットなど119店におけるPOSデータに基づき農林水産政策研究所において集計

図Ⅱ-2 小麦粉麦製品の価格(消費者物価指数)の変化

資料総務省「消費者物価指数」(全国)

(参考) 家計に占める小麦関連製品の支出 (単位円世帯)

資料総務省「家計調査」(全国二人以上の世帯)

年間計(平成30年)

1か月平均

消 費 支 出 3447783 287315食 料 952172 79348

小 麦 関 連 製 品 計 82108 6842パ ン 30555 2546

め ん 類 17369 1447小 麦 粉 596 50

菓子類(ビスケット等) 11397 950調理食品(調理パン) 5352 446

外食(うどん等) 16839 1403

(平成27年=100)

2 小麦粉麦製品の価格の動向

小麦粉及び麦関連製品の価格は輸入小麦の政府売渡価

格の引上げ等による原材料費の上昇人件費や物流費の上

昇等の影響を受け平成30年以降小麦粉及びパンの価格

は上昇傾向にあります(図Ⅱ-2)

- 12 -

85

90

95

100

105

110

食料品総合 パン めん類 小麦粉

表Ⅱ-2 麦製品の輸入量の推移(参考1) 麦製品の輸入動向

(1)小麦粉調製品

小麦粉に砂糖脱脂粉乳等を混合した小麦粉調製品の輸

入量は平成11年以降デフレに伴う低価格品需要の拡大

により増加傾向で推移してきましたが麦の国際相場の

高騰に伴う輸入価格の上昇等により平成18年から平成20年

にかけて減少しましたその後も減少傾向で推移しており

平成30年は8万3千トンの輸入量となっています

(2)麦加工製品

①マカロニスパゲッティ

マカロニスパゲッティについては国内の全体需要が

増加する中で輸入量が増加傾向で推移してきました

平成30年は過去最高の輸入量であった前年からは減少

し13万8千トンとなっています

②ビスケット

ビスケットの輸入量は平成25年以降円安の影響を受

けて減少していましたが平成28年度以降増加傾向にあり

平成30年の輸入量は2万5千トンとなっています

資料財務省「貿易統計」注小麦粉調製品は穀粉が占める割合が85以下のものの輸入量

なお小麦粉調製品のうち加糖のものは一般に菓子類菓子パン類等の原料として利用され無糖のものは麺類等の原料として使用される

(単位千トン)

- 13 -

対前年 対前年 対前年 対前年 対前年

増減率 増減率 増減率 増減率 増減率

() () () () ()

平成12 107 118 85 92 97 26 45 95 108 11 123

13 121 126 75 99 81 27 51 93 25 13 209

14 126 131 35 102 30 29 52 101 94 15 142

15 116 133 13 101 06 31 82 108 63 21 400

16 108 136 28 98 32 38 222 112 35 25 219

17 110 140 26 98 01 42 90 110 17 24 49

18 116 139 09 99 12 39 59 110 02 24 23

19 118 117 155 87 128 30 224 104 49 23 56

20 104 100 144 72 173 29 60 127 219 18 221

21 94 102 23 73 15 30 42 116 85 17 83

22 88 107 40 73 07 33 119 121 36 19 173

23 80 108 12 78 59 30 90 134 115 22 143

24 80 106 16 78 02 28 63 142 58 22 07

25 97 100 53 73 64 28 25 133 68 18 182

26 105 98 21 73 02 25 83 133 03 17 74

27 121 94 40 69 55 25 03 132 08 14 166

28 109 91 32 65 58 26 40 145 99 19 348

29 112 92 05 65 02 27 14 150 32 24 296

30 110 83 92 59 85 24 110 138 75 25 23

国 名輸入割合()

国 名輸入割合()

国 名輸入割合()

国 名輸入割合()

国 名輸入割合()

韓国 409 韓国 528 シンガポール 442 イタリア 465 インドネシア 242

シンガポール 202 フランス 151 米国 126 トルコ 355 中国 205

フランス 114 シンガポール 105 韓国 114 米国 142 マレーシア 84

米国 75 中国 78 ニュージーランド 98 ギリシャ 20 ベトナム 63

中国 57 米国 55 豪州 69 アラブ首長国連邦 10 イタリア 55

国 名対前年増減率()

国 名対前年増減率()

国 名対前年増減率()

国 名対前年増減率()

国 名対前年増減率()

韓国 10 韓国 13 シンガポール 221 イタリア 107 インドネシア 202

シンガポール 124 フランス 92 米国 136 トルコ 45 中国 76

フランス 87 シンガポール 108 韓国 30 米国 09 マレーシア 245

米国 116 中国 546 ニュージーランド 87 ギリシャ 152 ベトナム 137

中国 543 米国 98 豪州 344 アラブ首長国連邦 135 イタリア 119

30

輸入上位5カ国

区分

為替レー

円ドル)

小麦粉調製品 麦加工製品

加糖のもの 無糖のもの マカロニスパゲッティ ビスケット

(参考2) 麦製品の輸出動向

麦製品の輸出量のうちその大部分を占める小麦粉の輸出量

は近年主要輸出先国の製粉技術の向上や現地製粉工場の立

上げ等により減少傾向で推移し平成30年は約16万トンとなっ

ています(表Ⅱ-3)

表Ⅱ-3 麦製品の輸出量の推移

資料財務省「貿易統計」

(単位トン)

- 14 -

対前年増減率()

対前年増減率()

対前年増減率()

309594 75 376 431 1028 375

321028 37 315 162 967 59

319968 03 253 197 953 14

318706 04 410 621 1052 104

304465 45 328 200 769 269

289911 48 1054 2213 719 65

290033 00 1196 135 762 60

255377 119 1150 38 1098 441

187040 268 743 354 1198 91

185403 09 822 106 898 250

196183 58 770 63 974 85

191480 24 607 212 698 283

192598 06 598 15 780 117

168205 127 573 42 769 14

166311 11 571 04 861 120

157938 50 553 32 1249 451

158896 06 549 07 1287 30

167600 55 532 32 778 395

163640 24 535 06 894 148

国 名輸出割合

() 国 名輸出割合

() 国 名輸出割合

()

香港 496 香港 888 中国 483シンガポール 207 中国 43 香港 314ベトナム 96 韓国 21 台湾 64

タイ 59 米国 17 ベトナム 37台湾 58 台湾 11 シンガポール 29

国 名対前年増減率() 国 名

対前年増減率() 国 名

対前年増減率()

香港 175 香港 26 中国 251シンガポール 583 中国 62 香港 329ベトナム 135 韓国 437 台湾 59

タイ 81 米国 1047 ベトナム 418台湾 47 台湾 261 シンガポール 449

24

30

輸出上位5カ国

25

181920212223

2627282930

17

  区分

小麦粉マカロニスパゲッティ

スイートビスケット

平成1213141516

(参考3) 麦製品の生産動向

麦製品の生産量は食パンや乾麺のように生産量が減少している製品もある一方で菓子パンや即席麺冷凍麺のように生産量が増加している製品もあることから使用される小麦粉の数量は平成22年以降概ね横ばい傾向で推移しています麦製品は食生活の多様化や簡便性といった消費者ニーズを

捉えつつ継続した新製品の開発がなされており新たな定番となる商品の登場や期間限定の商品やイベントなどが消費者の購買を促進していると考えられます(図Ⅱ-3表Ⅱ-4)

表Ⅱ-4 麦製品の生産量の推移

(単位千トン)

- 15 -

資料平成21年度までは農林水産省「米麦加工食品生産動態統計調査年報」平成22年度からは農林水産省「食品産業動態調査」及び農林水産省「製粉精麦工場需給実績報告」冷凍麺の生産量は(一社)日本冷凍食品協会調べ

注1)麺類及びパン類の生産量は小麦粉使用量で冷凍麺は製品生産量である2)小麦粉は年度の計でありその他は暦年の計である

区分

パ ン 麺 類 冷凍麺

小麦粉 食パン菓子パ

ンその他のパン

生麺 乾麺 即席麺

年度計 暦年計 暦年計 暦年計 暦年計 暦年計 暦年計 暦年計 暦年計 暦年計

昭和45 3422 970 469 - - - 514 327 267 -

50 3978 1062 588 251 63 - 541 289 335 -

55 4079 1189 687 285 89 1334 610 275 325 -

60 4243 1178 653 291 133 1397 659 297 316 9

平成2 4338 1193 661 321 146 1407 687 274 316 41

7 4633 1220 623 368 178 1456 729 268 314 120

12 4623 1279 619 382 235 1421 687 235 343 190

22 4725 1196 576 375 215 1251 555 203 332 257

23 4708 1215 580 392 215 1283 548 209 361 270

24 4654 1219 580 392 221 1269 542 204 363 283

25 4694 1226 598 384 218 1324 562 213 386 314

26 4683 1234 608 387 214 1371 578 213 410 318

27 4702 1234 605 403 201 1396 624 195 414 308

28 4683 1238 604 403 206 1409 652 186 419 308

29 4703 1254 602 409 218 1445 691 186 416 313

30 - 1221 585 401 211 1473 712 188 420 -

〔低糖質製品〕

〔多種多様な携帯サンドイッチ〕

〔手軽な冷凍麺〕

図Ⅱ-3 麦製品の商品事例

H18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29

製粉工場数 124 122 121 119 117 118 117 114 109 104 102 98

製粉企業数 100 98 98 96 94 95 94 90 88 83 81 77

うち輸入小麦取扱製粉工場数 91 91 90 90 87 87 86 83 78 76 74 73

うち輸入小麦取扱製粉企業数 67 67 67 65 64 64 64 60 57 55 53 52

50

70

90

110

130

150製粉工場数

製粉企業数

うち輸入小麦取扱製粉工場数

うち輸入小麦取扱製粉企業数

3 製粉企業の状況

(1)大手製粉企業及び中小製粉企業の動向

① 大手製粉企業4社の小麦粉の生産量は全体の78を占

めておりこれに年間小麦粉生産量が3万トン以上の企業

の生産量を加えた13社ベースでは全体の90を占めてい

ます

② 大手製粉企業は生産設備の臨海工場への集約化を進め

つつ工場の大規模化合理化を推進しています

平成29年度の1工場当たりの生産量は17万トンまた

稼働率は89となっています

③ 年間小麦粉生産量3万トン以上の中小製粉企業は工場

のほとんどが臨海地域に立地し小麦粉を域内の二次加工

メーカー等に供給しています

平成29年度の1工場当たりの生産量は約6万トン稼働

率は67となっています

④ 年間小麦粉生産量1千トン以上3万トン未満の中小製粉

企業は主に内陸に位置し小麦粉を地元のパン麺等の

加工業者に供給するほか乾麺等の製造を兼ねるものも多

くなっています

平成29年度の1工場当たりの生産量は13万トンと大

手製粉企業の約14分の1稼働率は35となっています

⑤ 年間小麦粉生産量1千トン未満の中小製粉企業は輸入

小麦を取り扱わない企業が大部分を占め国内産小麦のみ

を使用し麺用や菓子用に供給しています

表Ⅱ-5 大手製粉企業中小製粉企業の小麦粉生産等の動向

資料農林水産省調べ注四捨五入の関係で計と内訳が一致しない場合がある

(参考)製粉企業数と工場数の推移(企業工場)

- 16 -

3万トン以上1千トン以上3万トン未満

1千トン未満

平成24 94 4 90 9 50 31

29 77 4 73 9 38 26

24 4853 3679 1174 536 636 3

29 4877 3801 1075 569 504 2

24 100 758 242 110 131 01

29 100 779 221 117 103 00

24 3245 1177 2068 632 1360 76

29 2806 1057 1749 581 1114 54

24 1496 3126 568 848 468 39

29 1738 3596 615 980 452 44

24 415 1533 126 596 120 01

29 498 1728 142 569 126 01

24 692 887 414 709 311 42

29 731 888 454 670 347 46

全体 大手製粉

中 小 製 粉年間生産量

稼働率()

製粉企業数

小麦粉生産量(千トン)

生産シェア()

従業員数(人)

従業員一人当たりの生産量

(トン)

一工場当たりの生産量(千トン)

(2)製粉企業のコスト削減や品質安全性の向上に向けた取組

製粉企業は生産能力の増強によるコスト削減や品質安全性の向上に向けた取組を進めています(図Ⅱ-4)

また国も農業競争力強化プログラムを策定し製粉企業の取組みを支援しています(図Ⅱ-5)

① 供給能力の強化等によるコストダウン

製粉企業は供給能力の強化生産性の向上と原料小麦の受入体制の整備によるコストダウンを図るため製粉工場や原料サイロの増強等の設備投資を行っています

② 資本業務の提携

製粉企業の中には他の製粉企業と資本業務提携を行うこと等により原料調達規模の拡大や生産の効率化等による競争力の強化を図る取組もみられます

③ 品質安全性の向上

製粉企業は近年消費者の安全安心への関心が高まる中食品の品質安全性を確保するための設備やAIB食品安全システムの導入ISO認証の取得等様々な取組を行っています

④ 工場の集約化

大手製粉企業は内陸工場を閉鎖し海外からの原料調達に有利な臨海工場への集約を進めるとともに臨海工場の生産能力を増強させる等生産性の向上を図っています

⑤ 海外市場への進出

製粉企業の中にはアジア大洋州地域における買収や工場増設等海外市場に積極的な進出をする取組もみられます

① 供給能力の強化等によるコストダウン 日清製粉は関東地区の小麦サイロ収容力の増強を進め更なる原料小麦の安定供給を推進するため鶴見工場の原料小麦サイロを増設(平成28年)

日本製粉は神戸甲南工場の原料サイロの新設等(平成24年)千葉工場の原料サイロの増設(平成26年)を行い今後原料サイロを福岡工場及び知多新工場へ新設神戸甲南工場(第2期)へ増設する予定

千葉製粉は新たな顧客ニーズへの対応付加価値製品の創出等を図るため専用ラインを新設(平成27年)

② 資本業務提携 資本業務提携を行っている製粉企業

増田製粉所(兵庫) hArr 日東富士製粉

木田製粉(北海道)内外製粉(三重)奥本製粉(大阪)セントラル製

粉(愛知) hArr 昭和産業

東福製粉(福岡) hArr 日本製粉

③ 品質安全性の向上 多くの製粉企業がISO9001(品質マネジメントシステム)ISO22000(食品安全マネジメントシステム)の認証を受けることにより品質管理や食品安全管理を実施

④ 工場の集約化 日清製粉は生産性向上のため内陸工場を順次閉鎖し臨海工場への集約化を推進

筑後工場(福岡)鳥栖工場(佐賀) rarr 福岡工場(福岡)へ集約

(平成26年)

名古屋工場の2ライン rarr 知多工場(愛知)の新ラインへ集約

(平成27年)

日本製粉は生産性向上のため総生産能力の80を臨海部の大型工場に集約

⑤ 海外市場への進出状況(平成30年度) 日清製粉は豪州の小麦粉市場においてトップシェアを持つアライドピナクル社を買収またタイでは子会社の日清STC製粉がタイの製粉工場を買収するとともにベトナムでは業務用プレミックスの生産工場を建設することを決定

昭和産業はベトナムに新たにプレミックス製造会社を設立し生産工場を建設することを決定

図Ⅱ-4 製粉企業の各種取組の事例

- 17-

⑥ 再編合理化の取組

製粉企業の中には国の支援を活用した再編合理化の取

組もみられます

⑦ 地産地消の推進

中小製粉企業は地域とのつながりの強さや独自の立地

条件を活かした特色ある経営を模索する中で生産者と協

力した積極的な地産地消の取組を進めています

⑦ 地産地消の推進

岩手県主な実施者岩手県学校給食会岩手県パン工業組合県内製粉企業取 組 内 容 平成28年度から地元県産小麦(銀河のちからゆきちから)を

100使用した学校給食用パンを県内の小中学校に提供開始埼玉県

主な実施者埼玉産小麦ネットワーク「SWING group」(県内製粉企業が中心となり生産者加工業者販売業者等180社が加盟)

取 組 内 容 埼玉県産小麦のブランド価値を高めることなどを目的として埼玉県産小麦を自社製品に利用することで高付加価値商品の開発による自社の発展などを目指すとともに研修会の実施やイベントホームページなどを通じた消費者への情報提供を実施

京都府主な実施者地元製粉企業京都府全農京都府本部生産者府内製麺製

パン業者飲食店取 組 内 容 平成30年産から京都府産小麦品種を「せときらら」へ全面切替を

行ったことを機にブランド名を「京小麦」とし「京小麦」を100使用したメニューを参加店舗にて提供するイベント「京小麦の収穫祭」を平成31年1月21日から2月17日まで開催

福岡県主な実施者福岡県ラー麦普及推進協議会(県JA全農ふくれん県内製粉

業者5社製麺業者関係団体)取 組 内 容 以下の取組によりラーメン用小麦「ラー麦」を普及推進

産地への生産技術の普及指導 小麦品質評価最適製粉加工方法の検討 利用や消費を促進するための普及宣伝(試

食イベント等) 毎年産の製粉製麺適性評価および食味

官能評価の実施 平成21年に本小麦の名称「ラー麦」とロ

ゴデザインを商標登録しブランド化

- 18 -

2 生産者が有利な条件で安定取引を行うことができる流通加工の業界構造の確立

(1)生産者に有利な流通加工構造の確立現在の食料需給消費の実態等を踏まえた効率的機能

的で農業者と消費者双方がメリットを受けられる流通加工構造を確立するため以下のとおり取り組む

その際農林水産省経済産業省をはじめ政府一体となって取り組む①~⑦ (略)⑧ 加工業については生産性の低い工場が乱立している

種類の加工業界(製粉乳業等)について国は国際競争に対応できる生産性の確保を目指した業界再編設備投資等を推進することとし政府系金融機関の融資農林漁業成長産業化支援機構の出資等による支援を行う

⑨ 上記改革を推進するため農産物の流通加工に関し国の責務業界再編に向けた推進手法等を明記した法整備を進める

⑩ 上記改革を推進するため金融機関による流通加工関連産業の生産性向上に資する経営支援や資金供給の促進政府系金融機関や農林漁業成長産業化支援機構等との連携強化等を図る

図Ⅱ-5 農業競争力強化プログラム(抜粋)

(平成28年11月29日 農林水産業地域の活力創造本部決定)

⑥ 再編合理化の取組

製粉工場の廃棄撤去製粉施設の一部又は全部を撤去しミックス粉等の関連事業を拡大

(製粉工場等再編合理化事業(平成2728年度7件))

図Ⅲ-1 国内産小麦の収穫量と作付面積の推移

表Ⅲ-1 小麦の主な作付品種(平成29年産)

Ⅲ 国内産麦の生産と流通の動向

1 国内産麦の生産状況

(1)小麦

① 作付面積

近年の国内産小麦の作付面積は約21万haと横ばいで推移して

います平成30年産の作付面積は北海道は121万ha都府県

は91万ha全国では212万haとなり前年産並となっていま

② 収穫量

平成30年産の国内産小麦の収穫量は主産地の北海道での6

月中旬から7月中旬にかけての低温日照不足の影響により登

熟不良となったこと等から前年産に比べ北海道で134万ト

ン(22)減少都府県では05万トン(2)減少全国

では139万ha(15)減少の768万トンとなり(図Ⅲ-1)

10a当たりの平均収量対比は91となりました

③ 小麦の作付品種の状況

栽培品種については各産地の気候条件や用途等に適した品

種が作付されており29年産では日本麺用では「きたほなみ」

「さとのそら」「シロガネコムギ」といった品種パン

中華麺用では「春よ恋」「ゆめちから」といった品種が上位

を占めています(表Ⅲ-1)

資料農林水産省「作物統計」品種毎の面積は農林水産省政策統括官調べ

注品種の育成年についてはシロガネコムギは農林認定が行われた年

それ以外の品種は出願公表が行われた年としている

資料農林水産省「作物統計」30年産の数値は概算値

- 19 -

(千トン)

年産

910 881

674

571

746

858 812

852

1004

791

907

768

210 209 208 207 212 209 210 213 213 214 212 212

100

120

140

160

180

200

220

240

260

280

300

0

200

400

600

800

1000

H19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30

収穫量 作付面積(千ha)

品種名 育成年 作付面積(千ha) 割合 主な作付地域

きたほなみ 平成19年 878 41 北海道

さとのそら 平成21年 159 7 関東東海

シロガネコムギ 昭和49年 152 7 九州近畿

春よ恋 平成11年 143 7 北海道

ゆめちから 平成20年 137 6 北海道

上位5品種計 1469 69

小麦作付面積 - 2123

図Ⅲ-2 国内産大麦及びはだか麦の収穫量と作付面積の推移

表Ⅲ-2 大麦及びはだか麦の主な作付品種(平成29年産)

(2)大麦及びはだか麦

① 作付面積

近年国内産大麦及びはだか麦の作付面積は約6万と横ば

いで推移しており平成30年産は前年産と比較すると二条

大麦は前年産並六条大麦は800ha(4)減少はだか麦

で460ha(9)増加となり全体では340ha(1)減少の

61万haとなりました(図Ⅲ-2)

② 収穫量

平成30年産の大麦及びはだか麦の収穫量は二条大麦及びは

だか麦はおおむね天候に恵まれ生育が順調で登熟も良好

であったこと等から前年産に比べ二条大麦は01万トン

(1)増加はだか麦は01万トン(8)増加となりました

六条大麦については北陸地方において大雪の影響で融雪時期

が遅れたこと等により穂数が少なくなり前年産に比べ14万

トン(26)減少しました

この結果大麦及びはだか麦の収穫量は合計で173万トンと

なり前年産に比べて12万トン(6)減少となりました

(図Ⅲ-2)

③ 大麦及びはだか麦の作付品種の状況

栽培品種については各産地の気候条件や用途等に適した品

種が作付されており29年産では二条大麦はビール用の「サ

チホゴールデン」六条大麦は主食用や麦茶用の「ファイ

バースノウ」はだか麦は麦味噌用の「マンネンボシ」いっ

た品種が上位を占めています(表Ⅲ-2)

資料農林水産省「作物統計」30年産の数値は概算値

- 20 -

(千トン)

資料農林水産省「作物統計」農林水産省調べ

注品種の育成年についてはシュンライイチバンボシは農林認定が行われ

た年それ以外の品種は出願公表が行われた年としている

195 217

179 161

172 172 183

170 177 170 185

173

54 57 58 59 60 60 59 60 61 61 61 61

0

10

20

30

40

50

60

70

80

90

100

0

50

100

150

200

250

H19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30

収穫量 作付面積 (千ha)

年産

麦種 品種名 育成年作付面積(千ha)

割合 主な作付地域

二条大麦

サチホゴールデン 平成18年 189 31 九州関東中国

はるしずく 平成17年 44 7 九州

ニシノホシ 平成11年 27 4 九州

六条大麦

ファイバースノウ 平成13年 107 17 北陸関東東海

シュンライ 平成2年 33 5 関東東北近畿

カシマゴール 平成22年 13 2 関東東海

はだか麦

マンネンボシ 平成13年 15 2 四国

イチバンボシ 平成4年 14 2 四国九州

トヨノカゼ 平成18年 11 2 九州中国

大麦はだか麦作付面積

- 614

資料農林水産省調べ

Aランク評価項目の基準値を3つ以上達成しかつ許容値を全て達成している麦Bランク評価項目の基準値を2つ達成しかつ許容値を全て達成している麦Cランク評価項目の基準値を1つ達成しかつ許容値を全て達成している麦

評価項目の基準値を2つ以上達成しているものの許容値を達成していない麦DランクA~Cランクのいずれにも該当しない麦

【評価項目】①小麦 日本麺用パン中華麺用(たんぱく灰分容積重フォーリングナンバー)

醸造用(たんぱく3項目容積重)②二条大麦 主食等用(容積重細麦率白度正常粒率)

麦茶用(たんぱく3項目細麦率)③六条大麦はだか麦 主食等用(容積重細麦率白度硝子率)

麦茶用(たんぱく3項目細麦率)

(参考) 麦の品質区分

(単位)

- 21 -

(2)品質評価

たんぱく質や灰分の含有率等に基づく品質評価結果につい

ては平成30年産の小麦ではAランクが899となってお

り過去5年平均(Aランク比率849)と比べ5ポイン

ト高くなっています

また平成30年産の大麦はだか麦ではAランクが

849となっており過去5年平均(Aランク比率832)

と比べ17ポイント高くなっています(表Ⅲ-4)

表Ⅲ-4 平成30年産麦の品質評価結果

2 国内産麦の品質状況

(1)農産物検査① 平成30年産の小麦について全国の1等比率は761

(平成30年12月末時点)と過去5年平均799と比較して低くなっています(表Ⅲ-3)

② 平成30年産の小粒大麦大粒大麦はだか麦及びビール大麦について1等比率は大粒大麦を除き過去5年平均と比較して低くなっています(表Ⅲ-3)

表Ⅲ-3 国内産麦の1等比率の推移(単位)

Aランク Bランク Cランク DランクAランク

過去5年平均(平成25~29年産)

小 麦 899 67 33 01 849

大麦はだか麦

849 37 108 06 832

注1)各年産翌年4月末時点の値であるただし平成30年産は30年12月末時点の値である

2)強力小麦の検査数量を含む値である

3 国内産麦に対する支援

平成31年度は経営所得安定対策等の対策のうち主に畑作

物の直接支払交付金と水田活用の直接支払交付金により国内

産麦に対する支援が行われます

(1)畑作物の直接支払交付金

畑作物の直接支払交付金として麦を生産する農業者に対

し標準的な生産費と標準的な販売価格の差額分を直接交付

することとしています

支払いは当年産の麦の品質及び生産量に応じて交付する

数量払を基本とし当年産の麦の作付面積に応じて交付する

面積払(営農継続支払)を数量払の先払いとして交付する仕

組みにしています

数量払の交付単価は品質に応じた単価を設けており需要

に応じた生産と品質に対する営農努力を適切に反映させる仕

組みになっています(表Ⅲ-5)

表Ⅲ-5 畑作物の直接支払交付金の麦の交付単価

(円単位数量)

品質区分(等級ランク)

1等 2等

A B C D A B C D

小麦(パン中華麵

用品種)(60kg当たり)

9040 8540 8390 8330 7880 7380 7230 7170

小麦(パン中華麺用品種以外)(60kg当たり)

6740 6240 6090 6030 5580 5080 4930 4870

二条大麦(50kg当たり) 5550 5130 5010 4960 4690 4270 4140 4090

六条大麦(50kg当たり) 6030 5610 5480 5430 5000 4580 4460 4410

はだか麦(60kg当たり) 8650 8150 8000 7910 7080 6580 6430 6350

(参考)

【平均交付単価小麦6940円60kg二条大麦5490円50kg六条大麦5720円50kg

はだか麦8230円60kg】

②面積払

当年産の作付面積に応じて交付 2万円10a

①数量払(品質に応じた単価)

- 22 -

【平成31年産に適用】

標準的な生産費

差額

ゲタ交付単価

標準的な販売価格

【交付単価のイメージ】lt畑作物の直接支払交付金のイメージgt

面積払(数量払の際に控除されます)

数量払

収量

交付金額

(2)水田活用の直接支払交付金

水田のフル活用を推進し食料自給率自給力の向上を図

るため水田で麦を生産する農業者に対しては畑作物の直

接支払交付金に加え水田活用の直接支払交付金(35000円

10a)を直接交付することとしています(表Ⅲ-6)

表Ⅲ-6 水田活用の直接支払交付金の交付単価

作 物 単 価

麦大豆飼料作物 35000円10a

WCS(ホールクロップサイレージ)用稲 80000円10a

加工用米 20000円10a

飼料用米米粉用米収量に応じ

55000円~105000円10a

このほか「産地交付金」により地域で作成する水田フル活用ビジョンに基づき二毛作や耕畜連携を含め産地づくりに向けた取組を支援します

戦略作物助成

注実需者等との出荷販売契約等を締結すること出荷販売することが要件

- 23 -

4 国内産食糧用麦の流通動向

(1)取引の概要

国内産食糧用麦は加工原料としての商品特性から需要に応じて計画的に生産できるようは種前契約に基づく取引が行われています

まず取引の指標となる透明性のある適正な価格を形成するためは種前に販売予定数量の3~4割(具体の比率は民間流通地方連絡協議会の協議を踏まえ決定)について入札が行われます残りは相対取引が行われておりその価格については入札で形成された指標価格(落札加重平均価格)を基本として取引当事者間で決められています(図Ⅲ-3)

また取引を円滑に進めるため生産者需要者等で構成される民間流通連絡協議会において取引に必要な情報交換取引に係る基本事項の見直し等が行われています(表Ⅲ-7)

今後とも国内産食糧用麦については円滑な流通が確保されるようは種前契約を基本としつつ適切に対応していきます

図Ⅲ-3 国内産食糧用麦の基本的な流通フロー

表Ⅲ-7 国内産食糧用麦の入札の仕組み

項 目 概 要 見直しの変遷

実施主体 一般社団法人 全国米麦改良協会

実施時期 は種前に2回実施(8~9月)平成13年産から1回rarr2回へ見直し

上場数量

産地銘柄別に販売予定数量が小麦3千トン以上大麦はだか麦1千トン以上の銘柄についてその30~40を上場(ほかに希望上場あり)

平成31年産から30rarr30~40へ見直し

基準価格

小麦は前年産の落札加重平均価格に当年産の入札実施時点での外国産麦の政府売渡価格の変動率を乗じた価格大麦はだか麦は前年産の落札加重平均価格

小麦の外国産麦との連動は平成24年産から実施

値幅制限 基準価格のplusmn10

小麦平成12年産~16年産plusmn5平成17年産~21年産plusmn7平成22年産plusmn10平成23年産plusmn30平成24年産~ plusmn10大麦はだか麦平成12年産~18年産plusmn5平成19年産~21年産plusmn7平成22年産plusmn10平成23年産plusmn15平成24年産~ plusmn10

取引価格の事後調整(小麦のみ)

外国産食糧用小麦の政府売渡価格の改定(410月)に合わせては種前の入札又は相対により契約された価格に外国産食糧用小麦の政府売渡価格の変動率を乗じて取引価格を改定

平成23年産から実施

申込限度数 量

買い手別に上場数量times買受実績シェアtimes145

小麦は平成17年産から大麦及びはだか麦は平成19年産から135rarr145へ見直し

相対取引入札で形成された指標価格を基本に生産者団体と需要者の間で協議決定

平成19年産から過去の実績シェアに基づく取引ルールを廃止

再入札

第1回入札及び第2回入札において落札残数量が発生した場合は売り手の希望により再度入札に付すか相対による契約を行うかいずれかの方法をとることができる

平成25年産から売り手の申し出により再入札における入札の値幅を設定できること等を規定

生産者団体から販売予定数量需要者団体から購入希望数量の相互提示

入札取引の実施(販売予定数量の約3~4割)

相対取引の実施(販売予定数量の約6~7割)

は 種(秋まき春まきは収穫年の4月)

収 穫 及 び 検 査

生産者団体と需要者の間では種前に契約を締結

需 要 者 へ 引 渡 し

<生産の流れ>

麦の生育期間

<契約の流れ>

は種前契約に基づき計画的に作付(は種)

収穫前年7月~

8~9月

9月~

~12月

6~8月

6月~

収穫年26年産から国内産麦の需要拡大を図るため地域の食文化のブランド化等による高付加価値化の取組等に対し安定的な原料供給が可能となる需要拡大推進枠を導入

- 24 -

表Ⅲ-8 国内産食糧用麦の供給量 (単位千トン)

注集荷団体からの聞き取り数量である

(2)流通の動向

平成30年産の国内産食糧用小麦の供給量は前年産から

約14万4千トン減少し約70万1千トンとなっています

また国内産食糧用大麦及びはだか麦の供給量は前年

産から約3千トン減少し約10万3千トンとなっています

(表Ⅲ-8)

生産者側から提示された平成31年産麦の販売予定数量は

国内産食糧用小麦で約82万4千トン国内産食糧用大麦及

びはだか麦で約10万8千トンとなっています

一方需要者側から提示された平成31年産麦の購入希望

数量は国内産食糧用小麦で約86万3千トン国内産食糧

用大麦及びはだか麦で約13万トンとなっています(表Ⅲ-

9)

表Ⅲ-9 国内産食糧用麦の販売予定数量及び購入希望数量の推移(単位千トン)

資料民間流通連絡協議会調べ注四捨五入の関係で差し引きが一致しないことがある

- 25 -

年産 20 21 22 23 24 25 26 27 28 2930

(見込)

小   麦 841 639 532 694 811 767 808 946 734 845 701

大麦はだか麦 125 100 84 98 93 105 103 103 92 106 103

年産 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31

販売予定数量① 887 906 909 951 948 909 905 880 820 846 834 824

購入希望数量② 833 880 818 859 904 869 751 802 834 875 880 863

①-② 54 25 91 91 44 40 154 78 14 29 46 39

(①-②)①() 61 28 100 96 47 44 170 89 18 34 55 47

販売予定数量① 121 132 134 127 122 116 110 112 113 112 108 108

購入希望数量② 199 219 135 149 147 138 141 149 145 138 148 130

①-② 78 87 1 23 26 21 31 37 32 26 39 22

(①-②)①() 640 660 06 179 209 182 282 330 284 234 363 204

表Ⅲ-10 国内産食糧用麦の入札結果の推移

資料一般社団法人全国米麦改良協会調べ

注1価格は税込み(26年産までは527年産以降は8)である

ただし31年産の落札価格は一般社団法人全国米麦改良協会公表の価格(税抜き)を基に農林水産省で税込み価格を算出

5 国内産食糧用麦の価格の動向

(1)平成31年産の入札の概要

平成31年産麦の入札は第1回は平成30年9月12日に第

2回は平成30年9月26日に実施されました

麦種別の入札結果をみると小麦は上場数量約21万4千

トンのうち約20万4千トンが落札(落札率954)され落

札価格は61714円トン(対前年産比1151)となりました

小粒大麦は上場数量約1万1千トンのうち約1万1千

トンが落札(落札率991)され落札価格は46560円トン

(対前年産比997)となりました

大粒大麦は上場数量約7千8百トンのうち5千6百トン

が落札(落札率717)され落札価格は46923円トン(対

前年産比879)となりました

はだか麦は上場数量約2千3百トンのうち約2千1百

トンが落札(落札率897)され落札価格は50817円トン

(対前年産比961)となりました(表Ⅲ-10)

なお国内産小麦については近年消費者の国産志向の高

まりなどを受け大手外食チェーンや2次加工メーカーが国

内産小麦を使用したパン中華麺等の商品を相次いで発表す

るなど人気が高まってきていますこれらを背景として平

成31年産小麦の落札価格は多くの銘柄で値幅制限の上限付

近となっておりまた申込倍数も14倍と高いものとなって

います

- 26 -

20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31

上場数量

(トン)①243510 243020 242310 251370 250980 244880 244320 234010 213360 221380 218500 214200

落札数量

(トン)②234930 238410 189350 247770 245320 220590 188240 192240 201140 214060 210560 204420

落札率

②①965 981 781 986 977 901 770 822 943 967 964 954

落札価格

(円トン)43229 59885 55241 48732 58340 49333 49319 49770 54164 51570 53624 61714

対前年産比 1064 1385 922 882 1197 846 1000 1009 1088 952 1040 1151

上場数量

(トン)①12240 13590 14210 13300 11760 11220 11290 11930 12210 12200 11750 11040

落札数量

(トン)②12050 13510 14040 13170 11550 10850 10900 11830 12090 12200 11440 10940

落札率

②①984 994 988 990 982 967 965 992 990 1000 974 991

落札価格

(円トン)45479 59709 53448 45871 46485 46453 46290 47595 47565 46880 46708 46560

対前年産比 1084 1313 895 858 1013 999 996 1028 999 986 996 997

上場数量

(トン)①10020 9690 10330 9290 9000 8700 7210 7620 7450 7620 6880 7810

落札数量

(トン)②8880 8920 8910 7990 7990 7830 6480 7130 6600 6700 6340 5600

落札率

②①886 921 863 860 888 900 899 936 886 879 922 717

落札価格

(円トン)36532 50492 46097 39649 40394 41582 42881 45740 47827 50442 53384 46923

対前年産比 1059 1382 913 860 1019 1029 1031 1067 1046 1055 1058 879

上場数量

(トン)①2910 3150 3030 3260 3060 2830 2840 2890 2740 2660 2570 2330

落札数量

(トン)②2910 3150 3030 3090 3020 2830 2810 2810 2520 2600 2470 2090

落札率

②①1000 1000 1000 948 987 1000 989 972 920 977 961 897

落札価格

(円トン)42222 58527 61489 52791 51905 52294 49656 47712 46547 48527 52876 50817

対前年産比 1063 1386 1051 859 983 1007 950 961 976 1043 1090 961

年産

小麦

小粒大麦(六条大麦)

大粒大麦(二条大麦)

はだか麦

平成31年産国内産食糧用小麦の入札結果をみると産地別銘柄別

の需給状況等を反映して落札価格に差が生じています

代表的な銘柄である北海道産「きたほなみ」は前年産の価格を

153上回る64752円トン香川県産「さぬきの夢2009」は前

年産の価格を152上回る73186円トンとなりましたまたパ

ン中華麺用の北海道産「ゆめちから」は前年産の価格を180

上回る62777円トン北海道産「春よ恋」は前年産の価格を

180上回る68792円トンとなりました(図Ⅲ-4図Ⅲ-5)

図Ⅲ-4 平成31年産国内産食糧用小麦の産地別銘柄別落札価格

資料農林水産省調べ注外国産小麦5銘柄加重平均価格は平成30年4月期の輸入小麦の政府売渡価格である

(2)平成31年産国内産食糧用小麦の産地別銘柄別落札価格の動向

資料農林水産省調べ注1国内産小麦の価格は(一社)全国米麦改良協会が実施する民間流通麦にかかる入札の第1回第2回

及び再入札の落札加重平均価格(税込み)年産の下段の( )内は当該第1回入札の実施年月である注2外国産小麦の価格は18年までは当該年度平均の実績価格であり19年以降は民間流通麦にかかる第

1回入札の実施年月時点での輸入小麦の政府売渡価格(5銘柄平均)である注3ホクシン(きたほなみ)については22年産までは「ホクシン」の価格であり23年産からは「きたほ

なみ」の価格である注4さぬきの夢については24年産までは「さぬきの夢2000」の価格であり25年産からは「さぬきの夢

2009」の価格である注5農林61号(さとのそら)については23年産までは「農林61号」の価格であり24年産からは「さとの

そら」の価格である

図Ⅲ-5 国内産食糧用小麦の産地別銘柄別落札価格の推移

- 27 -

(単位円トン税込み)

30000

60000

北海道ゆめちから 62777

福岡ミナミノカオリ 68393

滋賀農林61号 50763

茨城さとのそら 46310

佐賀チクゴイズミ 52193

岩手ゆきちから 39929

全銘柄落札加重平均 61714

香川さぬきの夢2009 73186

北海道きたほなみ 64752

外国産小麦5銘柄加重平均 54370

群馬さとのそら 48669

北海道キタノカオリ 63090

大分チクゴイズミ 48265

福岡シロガネコムギ 50643

佐賀シロガネコムギ 47998

40000

福岡チクゴイズミ 52203

滋賀ふくさやか 49534

岐阜イワイノダイチ 46874

埼玉さとのそら 47159

宮城シラネコムギ 44607

群馬つるぴかり 49785

北海道春よ恋 68792

愛知きぬあかり 50114

北海道はるきらり 60201

50000

埼玉あやひかり 46072

岐阜さとのそら 45919

70000

30000

40000

50000

60000

70000

80000

90000

100000

110000

120000

130000

12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 年産

(単位円トン税込み)

北海道ホクシン

香川さぬきの夢200973186円

茨城農林61号

香川さぬきの夢2000

茨城さとのそら

46310円

北海道きたほなみ

64752円

北海道ゆめちから

62777円

外国産小麦

5銘柄平均

54370円

北海道春よ恋

68792円

(128) (138) (148) (158) (168) (178)(1810) (199) (208)(2110)(2212) (239) (2410)(2510)(269)(279) (289) (299)(119) (309)

6 国内産麦の新品種の育成状況

(1)国内産麦については縞萎縮病抵抗性や耐倒伏性を備え

需要者等のニ-ズに合った新品種の開発が進められています

また作付け面積が1万haを超える「ゆめちから」「さとの

そら」をはじめ多数の品種が生産現場に導入されています

(図Ⅲ-6)

(2)今後とも赤かび病抵抗性や穂発芽耐性が高い小麦品種

小麦粉の色相や製粉性が優れる日本麺用小麦品種パンの膨

らみがカナダ産「1CW」並の小麦品種焼酎押麦味噌

などの加工適性が高い大麦品種等の開発を推進します

小麦品種「ゆめちから」及び「さとのそら」は優れた栽培特性

と加工適性を備えており作付けが拡大しています(平成29年

推定値「ゆめちから」約1万2千ha「さとのそら」約1万5

千ha)

パン用小麦品種の開発近年国産の小麦粉を使ったパンの需要増加に応えるためグルテンやでん粉の組成などパンの膨らみに関連する特性に注目した育種が進められていますその結果平成25年に製パン適性が「1CW」に近く多収の「せときらら」平成29年にはパン生地の力が強く穂発芽耐性や赤かび抵抗性が改良された「夏黄金」が育成されました

加工適性の高い大麦品種の開発機能性成分β-グルカンを多く含むもち性大麦の需要の高まりに応えるため平成29年に「はねうまもち」が育成されましたまた高品質なはだか麦の需要増加に対応して平成24年に味噌加工適性の高い「ハルヒメボシ」が育成されました

図Ⅲ-6 平成19年以降に育成された麦類の主な新品種

日本麺用小麦ゆめきらり

パン用小麦ゆめかおり福井県大3号

六条大麦ホワイトファイバー

北信越

日本麺用小麦あおばの恋

パン用小麦銀河のちから

東北

日本麺用小麦さとのそらきぬあかり

パン用小麦ゆめかおり

二条大麦とちのいぶき彩の星アスカゴールデンニューサチホゴールデン

六条大麦カシマゴール

はだか麦キラリモチ

関東東海

日本麺用小麦ふくはるかさぬきの夢2009

パン用小麦ゆめちからせときらら

はだか麦ハルヒメボシ

近畿中国四国

中華麺用小麦ちくしW2号

二条大麦煌二条白妙二条はるか二条トヨノホシ

九州

日本麺用小麦きたほなみ

中華麺用小麦つるきち

パン用小麦ゆめちからはるきらり

二条大麦札育2号

北海道

新品種のうち平成30年産で概ね100ha以上作付けされていると推定される品種を選定(農林水産省調べ)

- 28 -

7 国内産麦を利用した製品の動向

食料自給率の向上を図るためには国内産麦の需要開拓を行う

ことが必要です最近の消費者の国産志向の高まりや生産者と実

需者が一体となった地産地消の推進地域農業の振興を図る取り

組み等から国内産麦を使った麦製品(パン麺等)が増えてき

ており中には国内産麦を100使用した商品もあります(図Ⅲ-

7)

- 29 -

8 民間流通制度の運用改善

国内産麦の人気の高まりにより近年需要量が生産量を上回

る状況が継続しており国内産麦を積極的に使用したい実需者が

必要量を確保できない等の課題もあります

このような課題に対応するため民間流通連絡協議会において

入札上場比率の選択制の導入需要拡大推進枠設定の要件緩和

相対取引需要拡大推進枠において多様な取組が可能であること

の明確化等民間流通制度の運用改善が行われました(図Ⅲ-

8)

ピッツァ専用粉(北海道)(小麦)地元の製粉企業が北海道産小麦(きたほなみキタノカオリゆめち

から)を100使用した国内で初めてのピッツァ専用粉を開発平成30年2月に都内で試食会を開催し平成30年5月から販売

ピッツァ専用粉(群馬県)(小麦)地元の製粉企業が地元のピッツァ専門店ピッツァ窯メーカーと協力

して品質改良を重ね群馬県産小麦(さとのそらつるぴかりきぬの波)を100使用したピッツァ専用粉を平成30年4月から発売ピッツァイベントやイタリアン食材の展示会に出展

学校給食用パン(東京都)(小麦)都学校給食会の「学校給食パン加工規格」による配合基準に基づき国

内産小麦を100使用した学校給食パンを平成27年度から都内の一部の小中学校で提供を開始平成28年度からは都内全域の規格として採用

〇 市販用中華麺(愛知県)(小麦)地元の製粉企業が自社製品として愛知県産小麦きぬあかりを100使用

した中華麺を平成30年6月から自社通販で販売平成30年8月から一般販売を開始

フランスパン用粉(佐賀県)(小麦)近県製粉企業が農研機構と共同で育成した九州地域等の暖地温暖地

向けのフランスパン加工適性に優れる準強力小麦品種「さちかおり」を100使用したフランスパン用粉を平成30年8月から発売

市販用ゆで麺(長崎県)(小麦)地元の製麺企業近県製粉企業県生麺協同組合JA県等が連携し

平成26年3月に「長崎県育成麦活用開発協議会」を立ち上げ長崎県産長崎W2号(商標登録名長崎ちゃん麦)を100使用したちゃんぽん用のゆで麺を平成29年4月に製品化原料小麦の生産量が整った段階での本格販売を予定

もち性大麦を使用した機能性表示食品(静岡県)(大麦)地元の精麦企業が国内産もち性大麦でβ-グルカン量の多い銘柄を使用し

炊飯用精麦を製品化機能性表示食品として平成29年1月に届出し十分な原料を手当でき次第随時販売予定

〇 もち性大麦を使用したシリアル(愛知県)(大麦)地元の精麦企業が食物繊維が20を超える愛知県産もち性大麦「ワキ

シーファイバー」を使用した国内産もち麦100シリアルを開発平成30年4月から販売開始

図Ⅲ-7 国内産麦を100使用した商品事例

図Ⅲ-8 民間流通制度の運用改善のポイント

0

50

100

150

200

250

300

350

400円千人

大手製パンメーカーA社が国内産小麦100使用の新製品を発売

大手製食品スーパーB社が国内産小麦100使用の新製品をPBで発売

大手製パンメーカーA社が国内産小麦100使用の製品を初めて発売

(参考)国内産小麦を利用した製品の販売状況

(1)国内産小麦100使用の食パンの販売額

大きなシェアを占めるにはいたっていないものの国内産

小麦を100使用した食パンの販売金額の推移を見ると新製

品が登場する度に国内産小麦100使用の食パン市場が拡大し

ています(図Ⅲ-9)

図Ⅲ-9 国内産小麦100使用の食パンの販売額の推移(首都圏)

資料日本経済新聞デジタルメディア社による首都圏のスーパーマーケットなど100店舗におけるPOSデータに基づき農林水産政策研究所において集計

注食パンのうち国内産小麦を100使用していることが明らかな製品のみ計上菓子パン等は含んでいない

表Ⅲ-11 生麺ゆで麺(チルド)の販売金額のシェア(首都圏平成30年)

資料日本経済新聞デジタルメディア社による首都圏のスーパーマーケットなど120店舗におけるPOSデータに基づき農林水産政策研究所において集計

(2)生麺ゆで麺(チルド)の販売金額

生麺ゆで麺全体で上位15製品の売上高に占める国内産

小麦使用表示のある製品のシェアは30となっていますま

た主要な麺製品のうどんラーメン冷やし中華焼そば

全てで国内産小麦使用製品がランクインしています(表Ⅲ

-11)

2013年 2014年 2015年 2016年 2017年 2018年 2019年

                      (単位)

製品の種類製造企業の規模産地表示販売金額シェア

焼そば大手製品(国内産小麦使用表示なし) 99そば大手製品(国内産小麦使用表示なし) 27冷やしラーメン大手製品(国内産小麦使用表示なし) 20うどん大手製品(北海道産小麦使用表示あり) 20ラーメン大手製品(北海道産小麦使用表示あり) 14冷やし中華大手製品(国内産小麦使用表示なし) 14うどん大手製品(国内産小麦使用表示あり) 13焼そば大手製品(国内産小麦使用表示なし) 12焼うどん大手製品(国内産小麦使用表示なし) 12うどん大手製品(国内産小麦使用表示あり) 11焼そば大手製品(国内産小麦使用表示あり) 11そうめん大手製品(国内産小麦使用表示あり) 10うどんPB製品(北海道産小麦使用表示あり) 10つけ麺大手製品(国内産小麦使用表示なし) 10冷麺中小製品(国内産小麦使用表示なし) 10

303

14

89

15上位15製品の売上高に占める国内産小麦使用表示のある製品の

シェア

順位

1

10111213

234567

- 30 -

図Ⅲ-10 外食産業等と連携した農産物の需要拡大対策事業(麦類)

9 国内産麦の需要拡大イベント及び情報発信の取組

近年生産者と実需者等が連携し国内産麦を使用した製品が

数多く開発販売されており各地でイベント等の需要拡大の

取組みが行われております

また農林水産省としては平成30年度産地と外食事業者等

が連携して行う国内産麦を活用した新商品の開発試作製

造するために必要な取組を支援する「外食産業等と連携した農

産物の需要拡大対策事業」を一般社団法人全国米麦改良協会を

実施主体として行っているところです

農林水産省のホームページにおいてこれらのイベント等につい

て情報発信を行うとともに一般社団法人全国米麦改良協会が

開設している国産麦応援情報ホームページでの情報提供等を

行っています(図Ⅲ-10~12)

「国内産麦使用試作品全国統一試食会商談会」開催日平成31年2月12日~19日(土日を除く)場 所むぎくらべ(東京都千代田区神田小川町)

内 容平成29年度補正予算事業「外食産業等と連携した農産物の需要拡大対策事業」の一環として行われた国内産麦を使用した試作品の試食会商談会

「国内産麦使用試作品全国統一試食会商談会」で出品された試作品

- 31 -

第8回全国ご当地うどんサミットin 熊谷 開催日平成30年11月10日~11日 場 所熊谷スポーツ文化公園にぎわい広

場(埼玉県) 内 容全国の国内産小麦を使用した「ご

当地うどん」が一堂に集まりグランプリを決定

図Ⅲ-11 全国各地で開催されたイベント 図Ⅲ-12 一般社団法人 全国米麦改良協会の取組

国産麦応援情報ホームページ「日本の麦の底力」内容国産小麦粉ブランド名鑑国産小麦の逸品イベント情報研究

情報等を掲載URL httpnihonnomugicom

北海道小麦キャンプ2018 in オホーツク 開催日平成30年7月10日~11日 場 所ホテル黒部を主会場としたオホーツ

ク管内(北海道) 内 容国内産小麦北海道産小麦の魅力

を全国に広めることを目的にバスツアーやパン講習会などを実施

麦わらぼうしフェスタ 開催日平成30年11月4日 場 所笠原産業株式会社(栃木県) 内 容国内産小麦を使用したうどんパン

などの試食販売うどん教室などを実施

第7回 信州粉もん祭り 開催日平成30年11月11日 場 所JAながの ちくま埴生支所(長野県) 内 容長野県産小麦を使用した「粉もん料

理」が大集合粉もん試食会や手打ちうどん講習会 などを実施

国内産麦アンテナショップ「むぎくらべ」内容国内産麦を使用した商品のPRと販売の場を提供するものとして

平成30年7月東京都千代田区にオープン

- 32 -

オープニングセレモニーには上月前農林水産大臣政務官(写真中央)も出席

10 食料農業農村基本計画における麦の位置付け

平成27年3月31日に平成37年度を目標とする「食料農業

農村基本計画」が閣議決定され小麦は95万トン大麦はだ

か麦は22万トンの生産努力目標が設定されています(表Ⅲ-

12)

食料消費の見通し 生産努力目標(万トン) 克服すべき課題

1人1年当たり消費量

(kg人年)

国内消費仕向量

(万トン)

平成25年度

平成37年度

平成25年度

平成37年度

平成25年度

平成37年度

小麦 33 32 699 611 81 95

国内産小麦の需要拡大に向けた産地形成やブランド化

実需者ニーズに対応した生産流通体制の確立

新品種新技術の開発導入輪作体系の最適化排水対策等による収量品質の高位安定化

農地の集積集約化経営規模の拡大に対応した省力化に資する技術の開発導入等による生産コストの低減

大麦はだか麦

03 02 208 213 18 22

外国産大麦が多く用いられている焼酎用等の国内産麦の需要拡大

実需者ニーズに対応した生産流通体制の確立

新品種新技術の開発導入輪作体系の最適化排水対策等による収量品質の高位安定化

農地の集積集約化経営規模の拡大に対応した省力化に資する技術の開発導入等による生産コストの低減

表Ⅲ-12 麦の平成37年度における食料消費の見通し及び生産努力目標

資料「食料農業農村基本計画」(平成27年3月閣議決定)注1)国内消費仕向量には飼料用等の食糧用以外の用途への仕向量を含む

2)大麦はだか麦の国内消費仕向量及び生産努力目標にはビール大麦を含む

- 33 -

Ⅳ 米粉に関する動向

1 生産動向

米粉用米の生産量は平成25年産以降2万トン前後で推移していましたが平成29年度以降は約3万トンまで回復しています(表Ⅳ-1)

2 需要拡大に向けた対応

米粉用米の利用量は平成24年度以降年間2万数千トンで推移していましたがグルテンを使用しない米粉商品の開発や新たな米加工品(α化米粉米ゲルなど)の保湿性や粘性に着目した商品の開発「米粉の用途別基準」や「ノングルテン米粉製品第三者認証制度」の運用開始により平成29年度は25千トン30年度は31千トンに増加しています(表Ⅳ-2)

今後の更なる国内海外の需要拡大のためノングルテン米粉や用途別基準に適合する高品質な日本産米粉の流通を契機とした魅力ある新商品の開発や日本産米粉の優位性の情報発信等を推進する必要があります

表Ⅳ-1 上位5県の米粉用米の生産量と作付面積の推移

(参考) 米粉及び小麦粉の販売価格(税抜き)

米粉100~290円kg程度

(小麦粉 100円kg程度)

注1)平成26~29年度については新規需要米取組計画を認定した全需要者からの聞き取り注2)平成30年度については新規需要米取組計画を認定した主要な需要者からの聞き取り

により推計

表Ⅳ-2 米粉用米の利用量(需要者からの聞き取り)

- 34 -

資料26~29年産は新規需要米生産集出荷数量30年産は新規需要米取組計画

認定数量(農林水産省)

(単位千トン)

26年度 27年度 28年度 29年度 30年度見込

22 23 23 25 31

(単位千トン千ha)

26年産 27年産 28年産 29年産 30年産

生産量 59 97 87 130 107作付面積 11 18 15 24 19生産量 10 10 09 30 31作付面積 02 02 02 06 06生産量 08 10 00 19 30作付面積 01 02 00 03 06生産量 10 12 12 12 16作付面積 02 03 02 02 03生産量 20 24 07 12 13作付面積 03 04 01 02 02生産量 184 230 190 284 281作付面積 34 42 34 53 53

秋田県

全国計

新潟県

埼玉県

栃木県

群馬県

農林水産大臣は米穀の新用途への利用の促進に関する基本方針を定める

生産製造連携事業計画

生産者 製造事業者 促進事業者

必須

米穀の新用途への利用の促進に関する法律

米穀の新用途への利用の促進に関する基本方針

関係者が連携して計画を作成米穀の新用途への利用の促進に関する基本方針に照らし適切な計画について農林水産大臣が認定(計画期間は3~5年)

図Ⅳ 米粉用米に対する支援措置

3 米粉用米に対する支援

① 米粉用米についてはその利用の拡大を図るために平成21年に「米穀の新用途への利用の促進に関する法律」が制定されました同法に基づく「生産製造連携事業計画」の認定を受け「農山漁村

活性化計画」の採択を受けた取組に対して米粉用米の生産加工に必要な施設整備等の支援を行っています

② 米粉用米の生産者に対しては水田活用の直接支払交付金による支援を行っていますまたノングルテン米粉表示や米粉の用途別基準により需要者ニーズに合った高品質な米粉の製造や輸出拡大の取組を支援しています

③ 平成31年度は国内海外の需要獲得に向け引き続き魅力ある新商品開発を推進するほか日本産米粉の優位性の情報発信やノングルテン米粉の製造手法マニュアルの作成など輸出を含めた日本産米粉の需要拡大に向けた取組を支援していくこととしています

予 算 措 置

【水田活用の直接支払交付金】水田を活用して米粉用米等の作物を生産する農業者に対し交付金を直接交付 (米粉用米収量に応じ55万円~105万円10a)

【農山漁村振興交付金】米粉飼料用米の生産加工に係る施設整備に対し交付金を交付(補助率定額12)

【持続的生産強化対策事業】

日本産米粉の優位性の情報発信ノングルテン米粉の製造手法マニュアルの作成米粉用米生産者と製造事業者とのマッチング

等の取組を支援

金 融 措 置

【日本政策金融公庫による低利融資】(食品安定供給施設整備資金)

米粉製造施設米粉を原料とした食品の製造加工施設等への融資

(輸出を含めた日本産米粉の需要拡大支援事業)

(補助率定額)

【外食産業等と連携した需要拡大対策事業】

国産農林水産物食品の輸出等需要フロンティアの開拓を図るため産地と複数年契約を締結する民間企業(外食加工業者)に対し国産農林水産物を活用した新商品の開発やそれに必要な技術開発等を支援 (補助率定額12)

- 35 -

【農林水産物食品輸出促進緊急対策事業】コメ海外市場拡大戦略プロジェクトに参加する輸出産地や輸出事業者等が連携して戦略的に取り組む中国等の海外市場開拓プロモーション等を支援

(補助率定額12)

品目 現在の関税率 合意内容

小麦

枠内税率無税+マークアップ

枠外税率55円kg

現行の国家貿易制度を維持するとともに枠外税率(55円kg)を維持

既存のWTO枠に加え米国(15万(7年目以降))【不適用】カナダ(53万(同))豪州(5万(同))にSBS方式の国別枠を設定

マークアップを9年目までに45削減

大麦

枠内税率無税+マークアップ

枠外税率39円kg

現行の国家貿易制度を維持するとともに枠外税率(39円kg)を維持

既存のWTO枠に加えSBS方式のTPP枠(65万(9年目以降))を設定

マークアップを9年目までに45削減

1 TPP11協定概要(麦)(平成30年12月30日発効)

Ⅴ TPP11及び日EUEPAの協定概要(麦関係)

(参考主な麦製品)

現在の関税率合意内容

税率 枠数量

いった小麦小麦粉等

(国家貿易品目)

枠内税率125~25+マークアップ

枠外税率85~134円kg

枠内即時無税+マークアップ

(枠外税率は維持)

(発効時) (6年目)125千rarr175千

ベーカリー製品製造用

小麦粉調製品16~24

枠内即時無税(枠外税率は維持)

(発効時) (6年目)米国 105千rarr12千【不適用】米国以外 68千rarr 8千

その他小麦粉調製品

16~28枠内即時無税

(枠外税率は維持)(発効時) (6年目)15千rarr225千

マカロニスパゲティ

30円kg9年目までに60削減

ビスケット 1315 6年目に無税 -

注1)いった小麦とは小麦をいったものであり主にシリアル食品等に使用される

2)その他小麦粉調製品とは製麺まんじゅう等のベーカリー製品以外の製造用の

小麦粉調製品である

- 36 -

2 日EUEPA協定概要(麦)(平成31年2月1日発効)

品目 現在の関税率 合意内容

小麦

枠内税率無税+マークアップ

枠外税率55円kg

現行の国家貿易制度を維持するとともに枠外税率(55円kg)を維持

既存のWTO枠に加えSBS方式のEU枠(270(7年目以降))を設定

枠内のマークアップを9年目までに45削減

大麦

枠内税率無税+マークアップ

枠外税率39円kg

現行の国家貿易制度を維持するとともに枠外税率(39円kg)を維持

既存のWTO枠に加えSBS方式のEU枠(30(即時))を設定

枠内のマークアップを9年目までに45削減

(参考主な麦製品)

現在の関税率合意内容

税率 枠数量

いった小麦小麦粉等

(国家貿易品目)

枠内税率125~25+マークアップ

枠外税率85~134円kg

枠内即時無税+マークアップ

(枠外税率は維持)

(発効時) (6年目)38千rarr44千

ベーカリー製品製造用

小麦粉調製品16~24

枠内即時無税(枠外税率は維持)

(発効時) (6年目)104千rarr142千

その他小麦粉調製品

16~28枠内即時無税

(枠外税率は維持)(発効時) (6年目)

2千rarr3千

マカロニスパゲティ

30円kg 11年目に無税 -

ビスケット 1315 6年目に無税 -

注1)いった小麦とは小麦をいったものであり主にシリアル食品等に使用される

2)その他小麦粉調製品とは製麺まんじゅう等のベーカリー製品以外の製造用の

小麦粉調製品である

(参考) 麦の国境措置

小 麦 大 麦

輸入数量

価格

輸入数量

価格

政府売渡価格

マークアップ(輸入差益)

452円kgを上限

輸入価格

(枠内税率0円kg)

枠内輸入(国家貿易) 枠外輸入

(民間貿易)枠外税率を支払って輸入された数量(平成29年度)12千トン

WTOカレントアクセス数量5740千トン

枠外税率55円

政府売渡価格

輸入価格(枠内税率0円kg)

WTOカレントアクセス数量1369千トン

枠内輸入(国家貿易) 枠外輸入(民間貿易)

枠外税率を支払って輸入された数量(平成29年度)06千トン

枠外税率39円

民間貿易の場合の輸入価格

民間貿易の場合の輸入価格

286円kgを上限

マークアップ(輸入差益)

- 37 -

  • スライド番号 1
  • スライド番号 2
  • 麦の参考資料 麦の需給に関する見通し(動向編)
  • スライド番号 4
  • スライド番号 5
  • スライド番号 6
  • スライド番号 7
  • スライド番号 8
  • スライド番号 9
  • スライド番号 10
  • スライド番号 11
  • スライド番号 12
  • スライド番号 13
  • スライド番号 14
  • Ⅱ 小麦粉麦製品の生産と価格の動向
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Page 19: 麦の参考資料 - maff.go.jp · 2020-03-31 · 2014/15 2015/16 2016/17 2017/18 2018/19 (平成26年) (平成27年) (平成28年)(平成29年)(平成30年) 見込

Ⅱ 小麦粉麦製品の生産と価格の動向

資料平成21年度までは農林水産省「米麦加工食品生産動態統計調査年報」平成22年度からは農林水産省「食品産業動態調査」及び農林水産省「製粉精麦工場需給実績報告」平成21年度以降の麦茶の生産量については全国麦茶工業協同組合調べ

注1)麺類及びパン類の生産量は小麦粉使用量でその他は製品生産量である2)小麦粉精麦及び麦茶の生産量は年度の計でありその他は暦年の計である

(単位千トン)

表Ⅱ-1 小麦粉麦製品の生産量の推移

1 小麦粉麦製品の生産量

小麦粉の生産量は460万~470万トンで安定的に推移してい

ます(表Ⅱ-1)

小麦の二次加工製品のうち

① パン類の生産量は平成22年以降プライベートブラン

ドの菓子パンや高価格帯食パンの人気等により堅調に推

移しています

② 麺類の生産量は平成23年には東日本大震災による即

席麺の需要増等から増加しましたその後冷凍麺や外食

産業での消費増等により平成30年は147万トンと増加し

ています

③ ビスケットの生産量は平成20年から26年までは24万ト

ン前後で推移しました平成27年は円安の影響による輸入

量の減少等に伴い増加しその後は25万トン程度で推移し

ています

焼酎みそ主食用に仕向けられる精麦の生産量は平成16

年度まで本格焼酎ブームにより増加傾向で推移しましたがそ

の後の焼酎用需要の低迷等により減少しました近年は主食用

の需要の伸びにより17万トン前後で推移しています

一方平成28年(2016年)以降健康志向等を背景に大麦及

びはだか麦の需要が増加しています特に水溶性食物繊維

(大麦β-グルカン)が豊富なもち性はだか麦の需要は平成

29年(2017年)半ば以降は落ち着いてきたものの引き続き高

い水準で推移しています(図Ⅱ-1 )

- 11 -

図Ⅱ-1 もち麦を使用した製品の販売額の推移(首都圏)

区分

前年 前年 前年 前年 前年 前年

増減率 増減率 増減率 増減率 増減率 増減率

年 (年度計) () (暦年計) () (暦年計) () (暦年計) () (年度計) () (年度計) ()

平成12 4623 01 1279 23 1421 09 223 19 161 45 49 89

13 4607 03 1272 05 1441 14 218 21 164 19 51 41

14 4591 03 1245 21 1421 13 210 39 177 75 51 00

15 4662 15 1247 01 1425 02 219 43 189 71 45 118

16 4667 01 1243 03 1414 08 214 20 212 118 47 44

17 4623 09 1232 09 1368 32 213 05 201 51 47 00

18 4599 05 1218 11 1324 32 218 24 196 25 47 00

19 4684 18 1211 06 1319 03 225 29 197 06 48 21

20 4564 26 1181 24 1277 32 240 70 173 120 50 42

21 4612 11 1179 02 1265 10 243 10 168 29 48 40

22 4725 25 1196 15 1251 11 241 06 161 45 52 83

23 4708 04 1215 16 1283 26 243 06 155 35 54 38

24 4654 11 1219 03 1269 11 239 14 164 60 55 19

25 4694 09 1226 06 1324 43 237 12 158 37 66 200

26 4683 02 1234 07 1371 35 244 33 162 25 66 00

27 4702 04 1234 00 1396 19 259 59 162 04 68 30

28 4683 04 1238 03 1409 09 258 05 169 44 60 118

29 4703 04 1254 13 1445 26 252 22 172 20 64 67

30 - - 1221 27 1473 19 259 30 - - - -

精麦 麦茶小麦粉 パン類 麺類 ビスケット

資料日本経済新聞デジタルメディア社による首都圏のスーパーマーケットなど119店におけるPOSデータに基づき農林水産政策研究所において集計

図Ⅱ-2 小麦粉麦製品の価格(消費者物価指数)の変化

資料総務省「消費者物価指数」(全国)

(参考) 家計に占める小麦関連製品の支出 (単位円世帯)

資料総務省「家計調査」(全国二人以上の世帯)

年間計(平成30年)

1か月平均

消 費 支 出 3447783 287315食 料 952172 79348

小 麦 関 連 製 品 計 82108 6842パ ン 30555 2546

め ん 類 17369 1447小 麦 粉 596 50

菓子類(ビスケット等) 11397 950調理食品(調理パン) 5352 446

外食(うどん等) 16839 1403

(平成27年=100)

2 小麦粉麦製品の価格の動向

小麦粉及び麦関連製品の価格は輸入小麦の政府売渡価

格の引上げ等による原材料費の上昇人件費や物流費の上

昇等の影響を受け平成30年以降小麦粉及びパンの価格

は上昇傾向にあります(図Ⅱ-2)

- 12 -

85

90

95

100

105

110

食料品総合 パン めん類 小麦粉

表Ⅱ-2 麦製品の輸入量の推移(参考1) 麦製品の輸入動向

(1)小麦粉調製品

小麦粉に砂糖脱脂粉乳等を混合した小麦粉調製品の輸

入量は平成11年以降デフレに伴う低価格品需要の拡大

により増加傾向で推移してきましたが麦の国際相場の

高騰に伴う輸入価格の上昇等により平成18年から平成20年

にかけて減少しましたその後も減少傾向で推移しており

平成30年は8万3千トンの輸入量となっています

(2)麦加工製品

①マカロニスパゲッティ

マカロニスパゲッティについては国内の全体需要が

増加する中で輸入量が増加傾向で推移してきました

平成30年は過去最高の輸入量であった前年からは減少

し13万8千トンとなっています

②ビスケット

ビスケットの輸入量は平成25年以降円安の影響を受

けて減少していましたが平成28年度以降増加傾向にあり

平成30年の輸入量は2万5千トンとなっています

資料財務省「貿易統計」注小麦粉調製品は穀粉が占める割合が85以下のものの輸入量

なお小麦粉調製品のうち加糖のものは一般に菓子類菓子パン類等の原料として利用され無糖のものは麺類等の原料として使用される

(単位千トン)

- 13 -

対前年 対前年 対前年 対前年 対前年

増減率 増減率 増減率 増減率 増減率

() () () () ()

平成12 107 118 85 92 97 26 45 95 108 11 123

13 121 126 75 99 81 27 51 93 25 13 209

14 126 131 35 102 30 29 52 101 94 15 142

15 116 133 13 101 06 31 82 108 63 21 400

16 108 136 28 98 32 38 222 112 35 25 219

17 110 140 26 98 01 42 90 110 17 24 49

18 116 139 09 99 12 39 59 110 02 24 23

19 118 117 155 87 128 30 224 104 49 23 56

20 104 100 144 72 173 29 60 127 219 18 221

21 94 102 23 73 15 30 42 116 85 17 83

22 88 107 40 73 07 33 119 121 36 19 173

23 80 108 12 78 59 30 90 134 115 22 143

24 80 106 16 78 02 28 63 142 58 22 07

25 97 100 53 73 64 28 25 133 68 18 182

26 105 98 21 73 02 25 83 133 03 17 74

27 121 94 40 69 55 25 03 132 08 14 166

28 109 91 32 65 58 26 40 145 99 19 348

29 112 92 05 65 02 27 14 150 32 24 296

30 110 83 92 59 85 24 110 138 75 25 23

国 名輸入割合()

国 名輸入割合()

国 名輸入割合()

国 名輸入割合()

国 名輸入割合()

韓国 409 韓国 528 シンガポール 442 イタリア 465 インドネシア 242

シンガポール 202 フランス 151 米国 126 トルコ 355 中国 205

フランス 114 シンガポール 105 韓国 114 米国 142 マレーシア 84

米国 75 中国 78 ニュージーランド 98 ギリシャ 20 ベトナム 63

中国 57 米国 55 豪州 69 アラブ首長国連邦 10 イタリア 55

国 名対前年増減率()

国 名対前年増減率()

国 名対前年増減率()

国 名対前年増減率()

国 名対前年増減率()

韓国 10 韓国 13 シンガポール 221 イタリア 107 インドネシア 202

シンガポール 124 フランス 92 米国 136 トルコ 45 中国 76

フランス 87 シンガポール 108 韓国 30 米国 09 マレーシア 245

米国 116 中国 546 ニュージーランド 87 ギリシャ 152 ベトナム 137

中国 543 米国 98 豪州 344 アラブ首長国連邦 135 イタリア 119

30

輸入上位5カ国

区分

為替レー

円ドル)

小麦粉調製品 麦加工製品

加糖のもの 無糖のもの マカロニスパゲッティ ビスケット

(参考2) 麦製品の輸出動向

麦製品の輸出量のうちその大部分を占める小麦粉の輸出量

は近年主要輸出先国の製粉技術の向上や現地製粉工場の立

上げ等により減少傾向で推移し平成30年は約16万トンとなっ

ています(表Ⅱ-3)

表Ⅱ-3 麦製品の輸出量の推移

資料財務省「貿易統計」

(単位トン)

- 14 -

対前年増減率()

対前年増減率()

対前年増減率()

309594 75 376 431 1028 375

321028 37 315 162 967 59

319968 03 253 197 953 14

318706 04 410 621 1052 104

304465 45 328 200 769 269

289911 48 1054 2213 719 65

290033 00 1196 135 762 60

255377 119 1150 38 1098 441

187040 268 743 354 1198 91

185403 09 822 106 898 250

196183 58 770 63 974 85

191480 24 607 212 698 283

192598 06 598 15 780 117

168205 127 573 42 769 14

166311 11 571 04 861 120

157938 50 553 32 1249 451

158896 06 549 07 1287 30

167600 55 532 32 778 395

163640 24 535 06 894 148

国 名輸出割合

() 国 名輸出割合

() 国 名輸出割合

()

香港 496 香港 888 中国 483シンガポール 207 中国 43 香港 314ベトナム 96 韓国 21 台湾 64

タイ 59 米国 17 ベトナム 37台湾 58 台湾 11 シンガポール 29

国 名対前年増減率() 国 名

対前年増減率() 国 名

対前年増減率()

香港 175 香港 26 中国 251シンガポール 583 中国 62 香港 329ベトナム 135 韓国 437 台湾 59

タイ 81 米国 1047 ベトナム 418台湾 47 台湾 261 シンガポール 449

24

30

輸出上位5カ国

25

181920212223

2627282930

17

  区分

小麦粉マカロニスパゲッティ

スイートビスケット

平成1213141516

(参考3) 麦製品の生産動向

麦製品の生産量は食パンや乾麺のように生産量が減少している製品もある一方で菓子パンや即席麺冷凍麺のように生産量が増加している製品もあることから使用される小麦粉の数量は平成22年以降概ね横ばい傾向で推移しています麦製品は食生活の多様化や簡便性といった消費者ニーズを

捉えつつ継続した新製品の開発がなされており新たな定番となる商品の登場や期間限定の商品やイベントなどが消費者の購買を促進していると考えられます(図Ⅱ-3表Ⅱ-4)

表Ⅱ-4 麦製品の生産量の推移

(単位千トン)

- 15 -

資料平成21年度までは農林水産省「米麦加工食品生産動態統計調査年報」平成22年度からは農林水産省「食品産業動態調査」及び農林水産省「製粉精麦工場需給実績報告」冷凍麺の生産量は(一社)日本冷凍食品協会調べ

注1)麺類及びパン類の生産量は小麦粉使用量で冷凍麺は製品生産量である2)小麦粉は年度の計でありその他は暦年の計である

区分

パ ン 麺 類 冷凍麺

小麦粉 食パン菓子パ

ンその他のパン

生麺 乾麺 即席麺

年度計 暦年計 暦年計 暦年計 暦年計 暦年計 暦年計 暦年計 暦年計 暦年計

昭和45 3422 970 469 - - - 514 327 267 -

50 3978 1062 588 251 63 - 541 289 335 -

55 4079 1189 687 285 89 1334 610 275 325 -

60 4243 1178 653 291 133 1397 659 297 316 9

平成2 4338 1193 661 321 146 1407 687 274 316 41

7 4633 1220 623 368 178 1456 729 268 314 120

12 4623 1279 619 382 235 1421 687 235 343 190

22 4725 1196 576 375 215 1251 555 203 332 257

23 4708 1215 580 392 215 1283 548 209 361 270

24 4654 1219 580 392 221 1269 542 204 363 283

25 4694 1226 598 384 218 1324 562 213 386 314

26 4683 1234 608 387 214 1371 578 213 410 318

27 4702 1234 605 403 201 1396 624 195 414 308

28 4683 1238 604 403 206 1409 652 186 419 308

29 4703 1254 602 409 218 1445 691 186 416 313

30 - 1221 585 401 211 1473 712 188 420 -

〔低糖質製品〕

〔多種多様な携帯サンドイッチ〕

〔手軽な冷凍麺〕

図Ⅱ-3 麦製品の商品事例

H18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29

製粉工場数 124 122 121 119 117 118 117 114 109 104 102 98

製粉企業数 100 98 98 96 94 95 94 90 88 83 81 77

うち輸入小麦取扱製粉工場数 91 91 90 90 87 87 86 83 78 76 74 73

うち輸入小麦取扱製粉企業数 67 67 67 65 64 64 64 60 57 55 53 52

50

70

90

110

130

150製粉工場数

製粉企業数

うち輸入小麦取扱製粉工場数

うち輸入小麦取扱製粉企業数

3 製粉企業の状況

(1)大手製粉企業及び中小製粉企業の動向

① 大手製粉企業4社の小麦粉の生産量は全体の78を占

めておりこれに年間小麦粉生産量が3万トン以上の企業

の生産量を加えた13社ベースでは全体の90を占めてい

ます

② 大手製粉企業は生産設備の臨海工場への集約化を進め

つつ工場の大規模化合理化を推進しています

平成29年度の1工場当たりの生産量は17万トンまた

稼働率は89となっています

③ 年間小麦粉生産量3万トン以上の中小製粉企業は工場

のほとんどが臨海地域に立地し小麦粉を域内の二次加工

メーカー等に供給しています

平成29年度の1工場当たりの生産量は約6万トン稼働

率は67となっています

④ 年間小麦粉生産量1千トン以上3万トン未満の中小製粉

企業は主に内陸に位置し小麦粉を地元のパン麺等の

加工業者に供給するほか乾麺等の製造を兼ねるものも多

くなっています

平成29年度の1工場当たりの生産量は13万トンと大

手製粉企業の約14分の1稼働率は35となっています

⑤ 年間小麦粉生産量1千トン未満の中小製粉企業は輸入

小麦を取り扱わない企業が大部分を占め国内産小麦のみ

を使用し麺用や菓子用に供給しています

表Ⅱ-5 大手製粉企業中小製粉企業の小麦粉生産等の動向

資料農林水産省調べ注四捨五入の関係で計と内訳が一致しない場合がある

(参考)製粉企業数と工場数の推移(企業工場)

- 16 -

3万トン以上1千トン以上3万トン未満

1千トン未満

平成24 94 4 90 9 50 31

29 77 4 73 9 38 26

24 4853 3679 1174 536 636 3

29 4877 3801 1075 569 504 2

24 100 758 242 110 131 01

29 100 779 221 117 103 00

24 3245 1177 2068 632 1360 76

29 2806 1057 1749 581 1114 54

24 1496 3126 568 848 468 39

29 1738 3596 615 980 452 44

24 415 1533 126 596 120 01

29 498 1728 142 569 126 01

24 692 887 414 709 311 42

29 731 888 454 670 347 46

全体 大手製粉

中 小 製 粉年間生産量

稼働率()

製粉企業数

小麦粉生産量(千トン)

生産シェア()

従業員数(人)

従業員一人当たりの生産量

(トン)

一工場当たりの生産量(千トン)

(2)製粉企業のコスト削減や品質安全性の向上に向けた取組

製粉企業は生産能力の増強によるコスト削減や品質安全性の向上に向けた取組を進めています(図Ⅱ-4)

また国も農業競争力強化プログラムを策定し製粉企業の取組みを支援しています(図Ⅱ-5)

① 供給能力の強化等によるコストダウン

製粉企業は供給能力の強化生産性の向上と原料小麦の受入体制の整備によるコストダウンを図るため製粉工場や原料サイロの増強等の設備投資を行っています

② 資本業務の提携

製粉企業の中には他の製粉企業と資本業務提携を行うこと等により原料調達規模の拡大や生産の効率化等による競争力の強化を図る取組もみられます

③ 品質安全性の向上

製粉企業は近年消費者の安全安心への関心が高まる中食品の品質安全性を確保するための設備やAIB食品安全システムの導入ISO認証の取得等様々な取組を行っています

④ 工場の集約化

大手製粉企業は内陸工場を閉鎖し海外からの原料調達に有利な臨海工場への集約を進めるとともに臨海工場の生産能力を増強させる等生産性の向上を図っています

⑤ 海外市場への進出

製粉企業の中にはアジア大洋州地域における買収や工場増設等海外市場に積極的な進出をする取組もみられます

① 供給能力の強化等によるコストダウン 日清製粉は関東地区の小麦サイロ収容力の増強を進め更なる原料小麦の安定供給を推進するため鶴見工場の原料小麦サイロを増設(平成28年)

日本製粉は神戸甲南工場の原料サイロの新設等(平成24年)千葉工場の原料サイロの増設(平成26年)を行い今後原料サイロを福岡工場及び知多新工場へ新設神戸甲南工場(第2期)へ増設する予定

千葉製粉は新たな顧客ニーズへの対応付加価値製品の創出等を図るため専用ラインを新設(平成27年)

② 資本業務提携 資本業務提携を行っている製粉企業

増田製粉所(兵庫) hArr 日東富士製粉

木田製粉(北海道)内外製粉(三重)奥本製粉(大阪)セントラル製

粉(愛知) hArr 昭和産業

東福製粉(福岡) hArr 日本製粉

③ 品質安全性の向上 多くの製粉企業がISO9001(品質マネジメントシステム)ISO22000(食品安全マネジメントシステム)の認証を受けることにより品質管理や食品安全管理を実施

④ 工場の集約化 日清製粉は生産性向上のため内陸工場を順次閉鎖し臨海工場への集約化を推進

筑後工場(福岡)鳥栖工場(佐賀) rarr 福岡工場(福岡)へ集約

(平成26年)

名古屋工場の2ライン rarr 知多工場(愛知)の新ラインへ集約

(平成27年)

日本製粉は生産性向上のため総生産能力の80を臨海部の大型工場に集約

⑤ 海外市場への進出状況(平成30年度) 日清製粉は豪州の小麦粉市場においてトップシェアを持つアライドピナクル社を買収またタイでは子会社の日清STC製粉がタイの製粉工場を買収するとともにベトナムでは業務用プレミックスの生産工場を建設することを決定

昭和産業はベトナムに新たにプレミックス製造会社を設立し生産工場を建設することを決定

図Ⅱ-4 製粉企業の各種取組の事例

- 17-

⑥ 再編合理化の取組

製粉企業の中には国の支援を活用した再編合理化の取

組もみられます

⑦ 地産地消の推進

中小製粉企業は地域とのつながりの強さや独自の立地

条件を活かした特色ある経営を模索する中で生産者と協

力した積極的な地産地消の取組を進めています

⑦ 地産地消の推進

岩手県主な実施者岩手県学校給食会岩手県パン工業組合県内製粉企業取 組 内 容 平成28年度から地元県産小麦(銀河のちからゆきちから)を

100使用した学校給食用パンを県内の小中学校に提供開始埼玉県

主な実施者埼玉産小麦ネットワーク「SWING group」(県内製粉企業が中心となり生産者加工業者販売業者等180社が加盟)

取 組 内 容 埼玉県産小麦のブランド価値を高めることなどを目的として埼玉県産小麦を自社製品に利用することで高付加価値商品の開発による自社の発展などを目指すとともに研修会の実施やイベントホームページなどを通じた消費者への情報提供を実施

京都府主な実施者地元製粉企業京都府全農京都府本部生産者府内製麺製

パン業者飲食店取 組 内 容 平成30年産から京都府産小麦品種を「せときらら」へ全面切替を

行ったことを機にブランド名を「京小麦」とし「京小麦」を100使用したメニューを参加店舗にて提供するイベント「京小麦の収穫祭」を平成31年1月21日から2月17日まで開催

福岡県主な実施者福岡県ラー麦普及推進協議会(県JA全農ふくれん県内製粉

業者5社製麺業者関係団体)取 組 内 容 以下の取組によりラーメン用小麦「ラー麦」を普及推進

産地への生産技術の普及指導 小麦品質評価最適製粉加工方法の検討 利用や消費を促進するための普及宣伝(試

食イベント等) 毎年産の製粉製麺適性評価および食味

官能評価の実施 平成21年に本小麦の名称「ラー麦」とロ

ゴデザインを商標登録しブランド化

- 18 -

2 生産者が有利な条件で安定取引を行うことができる流通加工の業界構造の確立

(1)生産者に有利な流通加工構造の確立現在の食料需給消費の実態等を踏まえた効率的機能

的で農業者と消費者双方がメリットを受けられる流通加工構造を確立するため以下のとおり取り組む

その際農林水産省経済産業省をはじめ政府一体となって取り組む①~⑦ (略)⑧ 加工業については生産性の低い工場が乱立している

種類の加工業界(製粉乳業等)について国は国際競争に対応できる生産性の確保を目指した業界再編設備投資等を推進することとし政府系金融機関の融資農林漁業成長産業化支援機構の出資等による支援を行う

⑨ 上記改革を推進するため農産物の流通加工に関し国の責務業界再編に向けた推進手法等を明記した法整備を進める

⑩ 上記改革を推進するため金融機関による流通加工関連産業の生産性向上に資する経営支援や資金供給の促進政府系金融機関や農林漁業成長産業化支援機構等との連携強化等を図る

図Ⅱ-5 農業競争力強化プログラム(抜粋)

(平成28年11月29日 農林水産業地域の活力創造本部決定)

⑥ 再編合理化の取組

製粉工場の廃棄撤去製粉施設の一部又は全部を撤去しミックス粉等の関連事業を拡大

(製粉工場等再編合理化事業(平成2728年度7件))

図Ⅲ-1 国内産小麦の収穫量と作付面積の推移

表Ⅲ-1 小麦の主な作付品種(平成29年産)

Ⅲ 国内産麦の生産と流通の動向

1 国内産麦の生産状況

(1)小麦

① 作付面積

近年の国内産小麦の作付面積は約21万haと横ばいで推移して

います平成30年産の作付面積は北海道は121万ha都府県

は91万ha全国では212万haとなり前年産並となっていま

② 収穫量

平成30年産の国内産小麦の収穫量は主産地の北海道での6

月中旬から7月中旬にかけての低温日照不足の影響により登

熟不良となったこと等から前年産に比べ北海道で134万ト

ン(22)減少都府県では05万トン(2)減少全国

では139万ha(15)減少の768万トンとなり(図Ⅲ-1)

10a当たりの平均収量対比は91となりました

③ 小麦の作付品種の状況

栽培品種については各産地の気候条件や用途等に適した品

種が作付されており29年産では日本麺用では「きたほなみ」

「さとのそら」「シロガネコムギ」といった品種パン

中華麺用では「春よ恋」「ゆめちから」といった品種が上位

を占めています(表Ⅲ-1)

資料農林水産省「作物統計」品種毎の面積は農林水産省政策統括官調べ

注品種の育成年についてはシロガネコムギは農林認定が行われた年

それ以外の品種は出願公表が行われた年としている

資料農林水産省「作物統計」30年産の数値は概算値

- 19 -

(千トン)

年産

910 881

674

571

746

858 812

852

1004

791

907

768

210 209 208 207 212 209 210 213 213 214 212 212

100

120

140

160

180

200

220

240

260

280

300

0

200

400

600

800

1000

H19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30

収穫量 作付面積(千ha)

品種名 育成年 作付面積(千ha) 割合 主な作付地域

きたほなみ 平成19年 878 41 北海道

さとのそら 平成21年 159 7 関東東海

シロガネコムギ 昭和49年 152 7 九州近畿

春よ恋 平成11年 143 7 北海道

ゆめちから 平成20年 137 6 北海道

上位5品種計 1469 69

小麦作付面積 - 2123

図Ⅲ-2 国内産大麦及びはだか麦の収穫量と作付面積の推移

表Ⅲ-2 大麦及びはだか麦の主な作付品種(平成29年産)

(2)大麦及びはだか麦

① 作付面積

近年国内産大麦及びはだか麦の作付面積は約6万と横ば

いで推移しており平成30年産は前年産と比較すると二条

大麦は前年産並六条大麦は800ha(4)減少はだか麦

で460ha(9)増加となり全体では340ha(1)減少の

61万haとなりました(図Ⅲ-2)

② 収穫量

平成30年産の大麦及びはだか麦の収穫量は二条大麦及びは

だか麦はおおむね天候に恵まれ生育が順調で登熟も良好

であったこと等から前年産に比べ二条大麦は01万トン

(1)増加はだか麦は01万トン(8)増加となりました

六条大麦については北陸地方において大雪の影響で融雪時期

が遅れたこと等により穂数が少なくなり前年産に比べ14万

トン(26)減少しました

この結果大麦及びはだか麦の収穫量は合計で173万トンと

なり前年産に比べて12万トン(6)減少となりました

(図Ⅲ-2)

③ 大麦及びはだか麦の作付品種の状況

栽培品種については各産地の気候条件や用途等に適した品

種が作付されており29年産では二条大麦はビール用の「サ

チホゴールデン」六条大麦は主食用や麦茶用の「ファイ

バースノウ」はだか麦は麦味噌用の「マンネンボシ」いっ

た品種が上位を占めています(表Ⅲ-2)

資料農林水産省「作物統計」30年産の数値は概算値

- 20 -

(千トン)

資料農林水産省「作物統計」農林水産省調べ

注品種の育成年についてはシュンライイチバンボシは農林認定が行われ

た年それ以外の品種は出願公表が行われた年としている

195 217

179 161

172 172 183

170 177 170 185

173

54 57 58 59 60 60 59 60 61 61 61 61

0

10

20

30

40

50

60

70

80

90

100

0

50

100

150

200

250

H19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30

収穫量 作付面積 (千ha)

年産

麦種 品種名 育成年作付面積(千ha)

割合 主な作付地域

二条大麦

サチホゴールデン 平成18年 189 31 九州関東中国

はるしずく 平成17年 44 7 九州

ニシノホシ 平成11年 27 4 九州

六条大麦

ファイバースノウ 平成13年 107 17 北陸関東東海

シュンライ 平成2年 33 5 関東東北近畿

カシマゴール 平成22年 13 2 関東東海

はだか麦

マンネンボシ 平成13年 15 2 四国

イチバンボシ 平成4年 14 2 四国九州

トヨノカゼ 平成18年 11 2 九州中国

大麦はだか麦作付面積

- 614

資料農林水産省調べ

Aランク評価項目の基準値を3つ以上達成しかつ許容値を全て達成している麦Bランク評価項目の基準値を2つ達成しかつ許容値を全て達成している麦Cランク評価項目の基準値を1つ達成しかつ許容値を全て達成している麦

評価項目の基準値を2つ以上達成しているものの許容値を達成していない麦DランクA~Cランクのいずれにも該当しない麦

【評価項目】①小麦 日本麺用パン中華麺用(たんぱく灰分容積重フォーリングナンバー)

醸造用(たんぱく3項目容積重)②二条大麦 主食等用(容積重細麦率白度正常粒率)

麦茶用(たんぱく3項目細麦率)③六条大麦はだか麦 主食等用(容積重細麦率白度硝子率)

麦茶用(たんぱく3項目細麦率)

(参考) 麦の品質区分

(単位)

- 21 -

(2)品質評価

たんぱく質や灰分の含有率等に基づく品質評価結果につい

ては平成30年産の小麦ではAランクが899となってお

り過去5年平均(Aランク比率849)と比べ5ポイン

ト高くなっています

また平成30年産の大麦はだか麦ではAランクが

849となっており過去5年平均(Aランク比率832)

と比べ17ポイント高くなっています(表Ⅲ-4)

表Ⅲ-4 平成30年産麦の品質評価結果

2 国内産麦の品質状況

(1)農産物検査① 平成30年産の小麦について全国の1等比率は761

(平成30年12月末時点)と過去5年平均799と比較して低くなっています(表Ⅲ-3)

② 平成30年産の小粒大麦大粒大麦はだか麦及びビール大麦について1等比率は大粒大麦を除き過去5年平均と比較して低くなっています(表Ⅲ-3)

表Ⅲ-3 国内産麦の1等比率の推移(単位)

Aランク Bランク Cランク DランクAランク

過去5年平均(平成25~29年産)

小 麦 899 67 33 01 849

大麦はだか麦

849 37 108 06 832

注1)各年産翌年4月末時点の値であるただし平成30年産は30年12月末時点の値である

2)強力小麦の検査数量を含む値である

3 国内産麦に対する支援

平成31年度は経営所得安定対策等の対策のうち主に畑作

物の直接支払交付金と水田活用の直接支払交付金により国内

産麦に対する支援が行われます

(1)畑作物の直接支払交付金

畑作物の直接支払交付金として麦を生産する農業者に対

し標準的な生産費と標準的な販売価格の差額分を直接交付

することとしています

支払いは当年産の麦の品質及び生産量に応じて交付する

数量払を基本とし当年産の麦の作付面積に応じて交付する

面積払(営農継続支払)を数量払の先払いとして交付する仕

組みにしています

数量払の交付単価は品質に応じた単価を設けており需要

に応じた生産と品質に対する営農努力を適切に反映させる仕

組みになっています(表Ⅲ-5)

表Ⅲ-5 畑作物の直接支払交付金の麦の交付単価

(円単位数量)

品質区分(等級ランク)

1等 2等

A B C D A B C D

小麦(パン中華麵

用品種)(60kg当たり)

9040 8540 8390 8330 7880 7380 7230 7170

小麦(パン中華麺用品種以外)(60kg当たり)

6740 6240 6090 6030 5580 5080 4930 4870

二条大麦(50kg当たり) 5550 5130 5010 4960 4690 4270 4140 4090

六条大麦(50kg当たり) 6030 5610 5480 5430 5000 4580 4460 4410

はだか麦(60kg当たり) 8650 8150 8000 7910 7080 6580 6430 6350

(参考)

【平均交付単価小麦6940円60kg二条大麦5490円50kg六条大麦5720円50kg

はだか麦8230円60kg】

②面積払

当年産の作付面積に応じて交付 2万円10a

①数量払(品質に応じた単価)

- 22 -

【平成31年産に適用】

標準的な生産費

差額

ゲタ交付単価

標準的な販売価格

【交付単価のイメージ】lt畑作物の直接支払交付金のイメージgt

面積払(数量払の際に控除されます)

数量払

収量

交付金額

(2)水田活用の直接支払交付金

水田のフル活用を推進し食料自給率自給力の向上を図

るため水田で麦を生産する農業者に対しては畑作物の直

接支払交付金に加え水田活用の直接支払交付金(35000円

10a)を直接交付することとしています(表Ⅲ-6)

表Ⅲ-6 水田活用の直接支払交付金の交付単価

作 物 単 価

麦大豆飼料作物 35000円10a

WCS(ホールクロップサイレージ)用稲 80000円10a

加工用米 20000円10a

飼料用米米粉用米収量に応じ

55000円~105000円10a

このほか「産地交付金」により地域で作成する水田フル活用ビジョンに基づき二毛作や耕畜連携を含め産地づくりに向けた取組を支援します

戦略作物助成

注実需者等との出荷販売契約等を締結すること出荷販売することが要件

- 23 -

4 国内産食糧用麦の流通動向

(1)取引の概要

国内産食糧用麦は加工原料としての商品特性から需要に応じて計画的に生産できるようは種前契約に基づく取引が行われています

まず取引の指標となる透明性のある適正な価格を形成するためは種前に販売予定数量の3~4割(具体の比率は民間流通地方連絡協議会の協議を踏まえ決定)について入札が行われます残りは相対取引が行われておりその価格については入札で形成された指標価格(落札加重平均価格)を基本として取引当事者間で決められています(図Ⅲ-3)

また取引を円滑に進めるため生産者需要者等で構成される民間流通連絡協議会において取引に必要な情報交換取引に係る基本事項の見直し等が行われています(表Ⅲ-7)

今後とも国内産食糧用麦については円滑な流通が確保されるようは種前契約を基本としつつ適切に対応していきます

図Ⅲ-3 国内産食糧用麦の基本的な流通フロー

表Ⅲ-7 国内産食糧用麦の入札の仕組み

項 目 概 要 見直しの変遷

実施主体 一般社団法人 全国米麦改良協会

実施時期 は種前に2回実施(8~9月)平成13年産から1回rarr2回へ見直し

上場数量

産地銘柄別に販売予定数量が小麦3千トン以上大麦はだか麦1千トン以上の銘柄についてその30~40を上場(ほかに希望上場あり)

平成31年産から30rarr30~40へ見直し

基準価格

小麦は前年産の落札加重平均価格に当年産の入札実施時点での外国産麦の政府売渡価格の変動率を乗じた価格大麦はだか麦は前年産の落札加重平均価格

小麦の外国産麦との連動は平成24年産から実施

値幅制限 基準価格のplusmn10

小麦平成12年産~16年産plusmn5平成17年産~21年産plusmn7平成22年産plusmn10平成23年産plusmn30平成24年産~ plusmn10大麦はだか麦平成12年産~18年産plusmn5平成19年産~21年産plusmn7平成22年産plusmn10平成23年産plusmn15平成24年産~ plusmn10

取引価格の事後調整(小麦のみ)

外国産食糧用小麦の政府売渡価格の改定(410月)に合わせては種前の入札又は相対により契約された価格に外国産食糧用小麦の政府売渡価格の変動率を乗じて取引価格を改定

平成23年産から実施

申込限度数 量

買い手別に上場数量times買受実績シェアtimes145

小麦は平成17年産から大麦及びはだか麦は平成19年産から135rarr145へ見直し

相対取引入札で形成された指標価格を基本に生産者団体と需要者の間で協議決定

平成19年産から過去の実績シェアに基づく取引ルールを廃止

再入札

第1回入札及び第2回入札において落札残数量が発生した場合は売り手の希望により再度入札に付すか相対による契約を行うかいずれかの方法をとることができる

平成25年産から売り手の申し出により再入札における入札の値幅を設定できること等を規定

生産者団体から販売予定数量需要者団体から購入希望数量の相互提示

入札取引の実施(販売予定数量の約3~4割)

相対取引の実施(販売予定数量の約6~7割)

は 種(秋まき春まきは収穫年の4月)

収 穫 及 び 検 査

生産者団体と需要者の間では種前に契約を締結

需 要 者 へ 引 渡 し

<生産の流れ>

麦の生育期間

<契約の流れ>

は種前契約に基づき計画的に作付(は種)

収穫前年7月~

8~9月

9月~

~12月

6~8月

6月~

収穫年26年産から国内産麦の需要拡大を図るため地域の食文化のブランド化等による高付加価値化の取組等に対し安定的な原料供給が可能となる需要拡大推進枠を導入

- 24 -

表Ⅲ-8 国内産食糧用麦の供給量 (単位千トン)

注集荷団体からの聞き取り数量である

(2)流通の動向

平成30年産の国内産食糧用小麦の供給量は前年産から

約14万4千トン減少し約70万1千トンとなっています

また国内産食糧用大麦及びはだか麦の供給量は前年

産から約3千トン減少し約10万3千トンとなっています

(表Ⅲ-8)

生産者側から提示された平成31年産麦の販売予定数量は

国内産食糧用小麦で約82万4千トン国内産食糧用大麦及

びはだか麦で約10万8千トンとなっています

一方需要者側から提示された平成31年産麦の購入希望

数量は国内産食糧用小麦で約86万3千トン国内産食糧

用大麦及びはだか麦で約13万トンとなっています(表Ⅲ-

9)

表Ⅲ-9 国内産食糧用麦の販売予定数量及び購入希望数量の推移(単位千トン)

資料民間流通連絡協議会調べ注四捨五入の関係で差し引きが一致しないことがある

- 25 -

年産 20 21 22 23 24 25 26 27 28 2930

(見込)

小   麦 841 639 532 694 811 767 808 946 734 845 701

大麦はだか麦 125 100 84 98 93 105 103 103 92 106 103

年産 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31

販売予定数量① 887 906 909 951 948 909 905 880 820 846 834 824

購入希望数量② 833 880 818 859 904 869 751 802 834 875 880 863

①-② 54 25 91 91 44 40 154 78 14 29 46 39

(①-②)①() 61 28 100 96 47 44 170 89 18 34 55 47

販売予定数量① 121 132 134 127 122 116 110 112 113 112 108 108

購入希望数量② 199 219 135 149 147 138 141 149 145 138 148 130

①-② 78 87 1 23 26 21 31 37 32 26 39 22

(①-②)①() 640 660 06 179 209 182 282 330 284 234 363 204

表Ⅲ-10 国内産食糧用麦の入札結果の推移

資料一般社団法人全国米麦改良協会調べ

注1価格は税込み(26年産までは527年産以降は8)である

ただし31年産の落札価格は一般社団法人全国米麦改良協会公表の価格(税抜き)を基に農林水産省で税込み価格を算出

5 国内産食糧用麦の価格の動向

(1)平成31年産の入札の概要

平成31年産麦の入札は第1回は平成30年9月12日に第

2回は平成30年9月26日に実施されました

麦種別の入札結果をみると小麦は上場数量約21万4千

トンのうち約20万4千トンが落札(落札率954)され落

札価格は61714円トン(対前年産比1151)となりました

小粒大麦は上場数量約1万1千トンのうち約1万1千

トンが落札(落札率991)され落札価格は46560円トン

(対前年産比997)となりました

大粒大麦は上場数量約7千8百トンのうち5千6百トン

が落札(落札率717)され落札価格は46923円トン(対

前年産比879)となりました

はだか麦は上場数量約2千3百トンのうち約2千1百

トンが落札(落札率897)され落札価格は50817円トン

(対前年産比961)となりました(表Ⅲ-10)

なお国内産小麦については近年消費者の国産志向の高

まりなどを受け大手外食チェーンや2次加工メーカーが国

内産小麦を使用したパン中華麺等の商品を相次いで発表す

るなど人気が高まってきていますこれらを背景として平

成31年産小麦の落札価格は多くの銘柄で値幅制限の上限付

近となっておりまた申込倍数も14倍と高いものとなって

います

- 26 -

20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31

上場数量

(トン)①243510 243020 242310 251370 250980 244880 244320 234010 213360 221380 218500 214200

落札数量

(トン)②234930 238410 189350 247770 245320 220590 188240 192240 201140 214060 210560 204420

落札率

②①965 981 781 986 977 901 770 822 943 967 964 954

落札価格

(円トン)43229 59885 55241 48732 58340 49333 49319 49770 54164 51570 53624 61714

対前年産比 1064 1385 922 882 1197 846 1000 1009 1088 952 1040 1151

上場数量

(トン)①12240 13590 14210 13300 11760 11220 11290 11930 12210 12200 11750 11040

落札数量

(トン)②12050 13510 14040 13170 11550 10850 10900 11830 12090 12200 11440 10940

落札率

②①984 994 988 990 982 967 965 992 990 1000 974 991

落札価格

(円トン)45479 59709 53448 45871 46485 46453 46290 47595 47565 46880 46708 46560

対前年産比 1084 1313 895 858 1013 999 996 1028 999 986 996 997

上場数量

(トン)①10020 9690 10330 9290 9000 8700 7210 7620 7450 7620 6880 7810

落札数量

(トン)②8880 8920 8910 7990 7990 7830 6480 7130 6600 6700 6340 5600

落札率

②①886 921 863 860 888 900 899 936 886 879 922 717

落札価格

(円トン)36532 50492 46097 39649 40394 41582 42881 45740 47827 50442 53384 46923

対前年産比 1059 1382 913 860 1019 1029 1031 1067 1046 1055 1058 879

上場数量

(トン)①2910 3150 3030 3260 3060 2830 2840 2890 2740 2660 2570 2330

落札数量

(トン)②2910 3150 3030 3090 3020 2830 2810 2810 2520 2600 2470 2090

落札率

②①1000 1000 1000 948 987 1000 989 972 920 977 961 897

落札価格

(円トン)42222 58527 61489 52791 51905 52294 49656 47712 46547 48527 52876 50817

対前年産比 1063 1386 1051 859 983 1007 950 961 976 1043 1090 961

年産

小麦

小粒大麦(六条大麦)

大粒大麦(二条大麦)

はだか麦

平成31年産国内産食糧用小麦の入札結果をみると産地別銘柄別

の需給状況等を反映して落札価格に差が生じています

代表的な銘柄である北海道産「きたほなみ」は前年産の価格を

153上回る64752円トン香川県産「さぬきの夢2009」は前

年産の価格を152上回る73186円トンとなりましたまたパ

ン中華麺用の北海道産「ゆめちから」は前年産の価格を180

上回る62777円トン北海道産「春よ恋」は前年産の価格を

180上回る68792円トンとなりました(図Ⅲ-4図Ⅲ-5)

図Ⅲ-4 平成31年産国内産食糧用小麦の産地別銘柄別落札価格

資料農林水産省調べ注外国産小麦5銘柄加重平均価格は平成30年4月期の輸入小麦の政府売渡価格である

(2)平成31年産国内産食糧用小麦の産地別銘柄別落札価格の動向

資料農林水産省調べ注1国内産小麦の価格は(一社)全国米麦改良協会が実施する民間流通麦にかかる入札の第1回第2回

及び再入札の落札加重平均価格(税込み)年産の下段の( )内は当該第1回入札の実施年月である注2外国産小麦の価格は18年までは当該年度平均の実績価格であり19年以降は民間流通麦にかかる第

1回入札の実施年月時点での輸入小麦の政府売渡価格(5銘柄平均)である注3ホクシン(きたほなみ)については22年産までは「ホクシン」の価格であり23年産からは「きたほ

なみ」の価格である注4さぬきの夢については24年産までは「さぬきの夢2000」の価格であり25年産からは「さぬきの夢

2009」の価格である注5農林61号(さとのそら)については23年産までは「農林61号」の価格であり24年産からは「さとの

そら」の価格である

図Ⅲ-5 国内産食糧用小麦の産地別銘柄別落札価格の推移

- 27 -

(単位円トン税込み)

30000

60000

北海道ゆめちから 62777

福岡ミナミノカオリ 68393

滋賀農林61号 50763

茨城さとのそら 46310

佐賀チクゴイズミ 52193

岩手ゆきちから 39929

全銘柄落札加重平均 61714

香川さぬきの夢2009 73186

北海道きたほなみ 64752

外国産小麦5銘柄加重平均 54370

群馬さとのそら 48669

北海道キタノカオリ 63090

大分チクゴイズミ 48265

福岡シロガネコムギ 50643

佐賀シロガネコムギ 47998

40000

福岡チクゴイズミ 52203

滋賀ふくさやか 49534

岐阜イワイノダイチ 46874

埼玉さとのそら 47159

宮城シラネコムギ 44607

群馬つるぴかり 49785

北海道春よ恋 68792

愛知きぬあかり 50114

北海道はるきらり 60201

50000

埼玉あやひかり 46072

岐阜さとのそら 45919

70000

30000

40000

50000

60000

70000

80000

90000

100000

110000

120000

130000

12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 年産

(単位円トン税込み)

北海道ホクシン

香川さぬきの夢200973186円

茨城農林61号

香川さぬきの夢2000

茨城さとのそら

46310円

北海道きたほなみ

64752円

北海道ゆめちから

62777円

外国産小麦

5銘柄平均

54370円

北海道春よ恋

68792円

(128) (138) (148) (158) (168) (178)(1810) (199) (208)(2110)(2212) (239) (2410)(2510)(269)(279) (289) (299)(119) (309)

6 国内産麦の新品種の育成状況

(1)国内産麦については縞萎縮病抵抗性や耐倒伏性を備え

需要者等のニ-ズに合った新品種の開発が進められています

また作付け面積が1万haを超える「ゆめちから」「さとの

そら」をはじめ多数の品種が生産現場に導入されています

(図Ⅲ-6)

(2)今後とも赤かび病抵抗性や穂発芽耐性が高い小麦品種

小麦粉の色相や製粉性が優れる日本麺用小麦品種パンの膨

らみがカナダ産「1CW」並の小麦品種焼酎押麦味噌

などの加工適性が高い大麦品種等の開発を推進します

小麦品種「ゆめちから」及び「さとのそら」は優れた栽培特性

と加工適性を備えており作付けが拡大しています(平成29年

推定値「ゆめちから」約1万2千ha「さとのそら」約1万5

千ha)

パン用小麦品種の開発近年国産の小麦粉を使ったパンの需要増加に応えるためグルテンやでん粉の組成などパンの膨らみに関連する特性に注目した育種が進められていますその結果平成25年に製パン適性が「1CW」に近く多収の「せときらら」平成29年にはパン生地の力が強く穂発芽耐性や赤かび抵抗性が改良された「夏黄金」が育成されました

加工適性の高い大麦品種の開発機能性成分β-グルカンを多く含むもち性大麦の需要の高まりに応えるため平成29年に「はねうまもち」が育成されましたまた高品質なはだか麦の需要増加に対応して平成24年に味噌加工適性の高い「ハルヒメボシ」が育成されました

図Ⅲ-6 平成19年以降に育成された麦類の主な新品種

日本麺用小麦ゆめきらり

パン用小麦ゆめかおり福井県大3号

六条大麦ホワイトファイバー

北信越

日本麺用小麦あおばの恋

パン用小麦銀河のちから

東北

日本麺用小麦さとのそらきぬあかり

パン用小麦ゆめかおり

二条大麦とちのいぶき彩の星アスカゴールデンニューサチホゴールデン

六条大麦カシマゴール

はだか麦キラリモチ

関東東海

日本麺用小麦ふくはるかさぬきの夢2009

パン用小麦ゆめちからせときらら

はだか麦ハルヒメボシ

近畿中国四国

中華麺用小麦ちくしW2号

二条大麦煌二条白妙二条はるか二条トヨノホシ

九州

日本麺用小麦きたほなみ

中華麺用小麦つるきち

パン用小麦ゆめちからはるきらり

二条大麦札育2号

北海道

新品種のうち平成30年産で概ね100ha以上作付けされていると推定される品種を選定(農林水産省調べ)

- 28 -

7 国内産麦を利用した製品の動向

食料自給率の向上を図るためには国内産麦の需要開拓を行う

ことが必要です最近の消費者の国産志向の高まりや生産者と実

需者が一体となった地産地消の推進地域農業の振興を図る取り

組み等から国内産麦を使った麦製品(パン麺等)が増えてき

ており中には国内産麦を100使用した商品もあります(図Ⅲ-

7)

- 29 -

8 民間流通制度の運用改善

国内産麦の人気の高まりにより近年需要量が生産量を上回

る状況が継続しており国内産麦を積極的に使用したい実需者が

必要量を確保できない等の課題もあります

このような課題に対応するため民間流通連絡協議会において

入札上場比率の選択制の導入需要拡大推進枠設定の要件緩和

相対取引需要拡大推進枠において多様な取組が可能であること

の明確化等民間流通制度の運用改善が行われました(図Ⅲ-

8)

ピッツァ専用粉(北海道)(小麦)地元の製粉企業が北海道産小麦(きたほなみキタノカオリゆめち

から)を100使用した国内で初めてのピッツァ専用粉を開発平成30年2月に都内で試食会を開催し平成30年5月から販売

ピッツァ専用粉(群馬県)(小麦)地元の製粉企業が地元のピッツァ専門店ピッツァ窯メーカーと協力

して品質改良を重ね群馬県産小麦(さとのそらつるぴかりきぬの波)を100使用したピッツァ専用粉を平成30年4月から発売ピッツァイベントやイタリアン食材の展示会に出展

学校給食用パン(東京都)(小麦)都学校給食会の「学校給食パン加工規格」による配合基準に基づき国

内産小麦を100使用した学校給食パンを平成27年度から都内の一部の小中学校で提供を開始平成28年度からは都内全域の規格として採用

〇 市販用中華麺(愛知県)(小麦)地元の製粉企業が自社製品として愛知県産小麦きぬあかりを100使用

した中華麺を平成30年6月から自社通販で販売平成30年8月から一般販売を開始

フランスパン用粉(佐賀県)(小麦)近県製粉企業が農研機構と共同で育成した九州地域等の暖地温暖地

向けのフランスパン加工適性に優れる準強力小麦品種「さちかおり」を100使用したフランスパン用粉を平成30年8月から発売

市販用ゆで麺(長崎県)(小麦)地元の製麺企業近県製粉企業県生麺協同組合JA県等が連携し

平成26年3月に「長崎県育成麦活用開発協議会」を立ち上げ長崎県産長崎W2号(商標登録名長崎ちゃん麦)を100使用したちゃんぽん用のゆで麺を平成29年4月に製品化原料小麦の生産量が整った段階での本格販売を予定

もち性大麦を使用した機能性表示食品(静岡県)(大麦)地元の精麦企業が国内産もち性大麦でβ-グルカン量の多い銘柄を使用し

炊飯用精麦を製品化機能性表示食品として平成29年1月に届出し十分な原料を手当でき次第随時販売予定

〇 もち性大麦を使用したシリアル(愛知県)(大麦)地元の精麦企業が食物繊維が20を超える愛知県産もち性大麦「ワキ

シーファイバー」を使用した国内産もち麦100シリアルを開発平成30年4月から販売開始

図Ⅲ-7 国内産麦を100使用した商品事例

図Ⅲ-8 民間流通制度の運用改善のポイント

0

50

100

150

200

250

300

350

400円千人

大手製パンメーカーA社が国内産小麦100使用の新製品を発売

大手製食品スーパーB社が国内産小麦100使用の新製品をPBで発売

大手製パンメーカーA社が国内産小麦100使用の製品を初めて発売

(参考)国内産小麦を利用した製品の販売状況

(1)国内産小麦100使用の食パンの販売額

大きなシェアを占めるにはいたっていないものの国内産

小麦を100使用した食パンの販売金額の推移を見ると新製

品が登場する度に国内産小麦100使用の食パン市場が拡大し

ています(図Ⅲ-9)

図Ⅲ-9 国内産小麦100使用の食パンの販売額の推移(首都圏)

資料日本経済新聞デジタルメディア社による首都圏のスーパーマーケットなど100店舗におけるPOSデータに基づき農林水産政策研究所において集計

注食パンのうち国内産小麦を100使用していることが明らかな製品のみ計上菓子パン等は含んでいない

表Ⅲ-11 生麺ゆで麺(チルド)の販売金額のシェア(首都圏平成30年)

資料日本経済新聞デジタルメディア社による首都圏のスーパーマーケットなど120店舗におけるPOSデータに基づき農林水産政策研究所において集計

(2)生麺ゆで麺(チルド)の販売金額

生麺ゆで麺全体で上位15製品の売上高に占める国内産

小麦使用表示のある製品のシェアは30となっていますま

た主要な麺製品のうどんラーメン冷やし中華焼そば

全てで国内産小麦使用製品がランクインしています(表Ⅲ

-11)

2013年 2014年 2015年 2016年 2017年 2018年 2019年

                      (単位)

製品の種類製造企業の規模産地表示販売金額シェア

焼そば大手製品(国内産小麦使用表示なし) 99そば大手製品(国内産小麦使用表示なし) 27冷やしラーメン大手製品(国内産小麦使用表示なし) 20うどん大手製品(北海道産小麦使用表示あり) 20ラーメン大手製品(北海道産小麦使用表示あり) 14冷やし中華大手製品(国内産小麦使用表示なし) 14うどん大手製品(国内産小麦使用表示あり) 13焼そば大手製品(国内産小麦使用表示なし) 12焼うどん大手製品(国内産小麦使用表示なし) 12うどん大手製品(国内産小麦使用表示あり) 11焼そば大手製品(国内産小麦使用表示あり) 11そうめん大手製品(国内産小麦使用表示あり) 10うどんPB製品(北海道産小麦使用表示あり) 10つけ麺大手製品(国内産小麦使用表示なし) 10冷麺中小製品(国内産小麦使用表示なし) 10

303

14

89

15上位15製品の売上高に占める国内産小麦使用表示のある製品の

シェア

順位

1

10111213

234567

- 30 -

図Ⅲ-10 外食産業等と連携した農産物の需要拡大対策事業(麦類)

9 国内産麦の需要拡大イベント及び情報発信の取組

近年生産者と実需者等が連携し国内産麦を使用した製品が

数多く開発販売されており各地でイベント等の需要拡大の

取組みが行われております

また農林水産省としては平成30年度産地と外食事業者等

が連携して行う国内産麦を活用した新商品の開発試作製

造するために必要な取組を支援する「外食産業等と連携した農

産物の需要拡大対策事業」を一般社団法人全国米麦改良協会を

実施主体として行っているところです

農林水産省のホームページにおいてこれらのイベント等につい

て情報発信を行うとともに一般社団法人全国米麦改良協会が

開設している国産麦応援情報ホームページでの情報提供等を

行っています(図Ⅲ-10~12)

「国内産麦使用試作品全国統一試食会商談会」開催日平成31年2月12日~19日(土日を除く)場 所むぎくらべ(東京都千代田区神田小川町)

内 容平成29年度補正予算事業「外食産業等と連携した農産物の需要拡大対策事業」の一環として行われた国内産麦を使用した試作品の試食会商談会

「国内産麦使用試作品全国統一試食会商談会」で出品された試作品

- 31 -

第8回全国ご当地うどんサミットin 熊谷 開催日平成30年11月10日~11日 場 所熊谷スポーツ文化公園にぎわい広

場(埼玉県) 内 容全国の国内産小麦を使用した「ご

当地うどん」が一堂に集まりグランプリを決定

図Ⅲ-11 全国各地で開催されたイベント 図Ⅲ-12 一般社団法人 全国米麦改良協会の取組

国産麦応援情報ホームページ「日本の麦の底力」内容国産小麦粉ブランド名鑑国産小麦の逸品イベント情報研究

情報等を掲載URL httpnihonnomugicom

北海道小麦キャンプ2018 in オホーツク 開催日平成30年7月10日~11日 場 所ホテル黒部を主会場としたオホーツ

ク管内(北海道) 内 容国内産小麦北海道産小麦の魅力

を全国に広めることを目的にバスツアーやパン講習会などを実施

麦わらぼうしフェスタ 開催日平成30年11月4日 場 所笠原産業株式会社(栃木県) 内 容国内産小麦を使用したうどんパン

などの試食販売うどん教室などを実施

第7回 信州粉もん祭り 開催日平成30年11月11日 場 所JAながの ちくま埴生支所(長野県) 内 容長野県産小麦を使用した「粉もん料

理」が大集合粉もん試食会や手打ちうどん講習会 などを実施

国内産麦アンテナショップ「むぎくらべ」内容国内産麦を使用した商品のPRと販売の場を提供するものとして

平成30年7月東京都千代田区にオープン

- 32 -

オープニングセレモニーには上月前農林水産大臣政務官(写真中央)も出席

10 食料農業農村基本計画における麦の位置付け

平成27年3月31日に平成37年度を目標とする「食料農業

農村基本計画」が閣議決定され小麦は95万トン大麦はだ

か麦は22万トンの生産努力目標が設定されています(表Ⅲ-

12)

食料消費の見通し 生産努力目標(万トン) 克服すべき課題

1人1年当たり消費量

(kg人年)

国内消費仕向量

(万トン)

平成25年度

平成37年度

平成25年度

平成37年度

平成25年度

平成37年度

小麦 33 32 699 611 81 95

国内産小麦の需要拡大に向けた産地形成やブランド化

実需者ニーズに対応した生産流通体制の確立

新品種新技術の開発導入輪作体系の最適化排水対策等による収量品質の高位安定化

農地の集積集約化経営規模の拡大に対応した省力化に資する技術の開発導入等による生産コストの低減

大麦はだか麦

03 02 208 213 18 22

外国産大麦が多く用いられている焼酎用等の国内産麦の需要拡大

実需者ニーズに対応した生産流通体制の確立

新品種新技術の開発導入輪作体系の最適化排水対策等による収量品質の高位安定化

農地の集積集約化経営規模の拡大に対応した省力化に資する技術の開発導入等による生産コストの低減

表Ⅲ-12 麦の平成37年度における食料消費の見通し及び生産努力目標

資料「食料農業農村基本計画」(平成27年3月閣議決定)注1)国内消費仕向量には飼料用等の食糧用以外の用途への仕向量を含む

2)大麦はだか麦の国内消費仕向量及び生産努力目標にはビール大麦を含む

- 33 -

Ⅳ 米粉に関する動向

1 生産動向

米粉用米の生産量は平成25年産以降2万トン前後で推移していましたが平成29年度以降は約3万トンまで回復しています(表Ⅳ-1)

2 需要拡大に向けた対応

米粉用米の利用量は平成24年度以降年間2万数千トンで推移していましたがグルテンを使用しない米粉商品の開発や新たな米加工品(α化米粉米ゲルなど)の保湿性や粘性に着目した商品の開発「米粉の用途別基準」や「ノングルテン米粉製品第三者認証制度」の運用開始により平成29年度は25千トン30年度は31千トンに増加しています(表Ⅳ-2)

今後の更なる国内海外の需要拡大のためノングルテン米粉や用途別基準に適合する高品質な日本産米粉の流通を契機とした魅力ある新商品の開発や日本産米粉の優位性の情報発信等を推進する必要があります

表Ⅳ-1 上位5県の米粉用米の生産量と作付面積の推移

(参考) 米粉及び小麦粉の販売価格(税抜き)

米粉100~290円kg程度

(小麦粉 100円kg程度)

注1)平成26~29年度については新規需要米取組計画を認定した全需要者からの聞き取り注2)平成30年度については新規需要米取組計画を認定した主要な需要者からの聞き取り

により推計

表Ⅳ-2 米粉用米の利用量(需要者からの聞き取り)

- 34 -

資料26~29年産は新規需要米生産集出荷数量30年産は新規需要米取組計画

認定数量(農林水産省)

(単位千トン)

26年度 27年度 28年度 29年度 30年度見込

22 23 23 25 31

(単位千トン千ha)

26年産 27年産 28年産 29年産 30年産

生産量 59 97 87 130 107作付面積 11 18 15 24 19生産量 10 10 09 30 31作付面積 02 02 02 06 06生産量 08 10 00 19 30作付面積 01 02 00 03 06生産量 10 12 12 12 16作付面積 02 03 02 02 03生産量 20 24 07 12 13作付面積 03 04 01 02 02生産量 184 230 190 284 281作付面積 34 42 34 53 53

秋田県

全国計

新潟県

埼玉県

栃木県

群馬県

農林水産大臣は米穀の新用途への利用の促進に関する基本方針を定める

生産製造連携事業計画

生産者 製造事業者 促進事業者

必須

米穀の新用途への利用の促進に関する法律

米穀の新用途への利用の促進に関する基本方針

関係者が連携して計画を作成米穀の新用途への利用の促進に関する基本方針に照らし適切な計画について農林水産大臣が認定(計画期間は3~5年)

図Ⅳ 米粉用米に対する支援措置

3 米粉用米に対する支援

① 米粉用米についてはその利用の拡大を図るために平成21年に「米穀の新用途への利用の促進に関する法律」が制定されました同法に基づく「生産製造連携事業計画」の認定を受け「農山漁村

活性化計画」の採択を受けた取組に対して米粉用米の生産加工に必要な施設整備等の支援を行っています

② 米粉用米の生産者に対しては水田活用の直接支払交付金による支援を行っていますまたノングルテン米粉表示や米粉の用途別基準により需要者ニーズに合った高品質な米粉の製造や輸出拡大の取組を支援しています

③ 平成31年度は国内海外の需要獲得に向け引き続き魅力ある新商品開発を推進するほか日本産米粉の優位性の情報発信やノングルテン米粉の製造手法マニュアルの作成など輸出を含めた日本産米粉の需要拡大に向けた取組を支援していくこととしています

予 算 措 置

【水田活用の直接支払交付金】水田を活用して米粉用米等の作物を生産する農業者に対し交付金を直接交付 (米粉用米収量に応じ55万円~105万円10a)

【農山漁村振興交付金】米粉飼料用米の生産加工に係る施設整備に対し交付金を交付(補助率定額12)

【持続的生産強化対策事業】

日本産米粉の優位性の情報発信ノングルテン米粉の製造手法マニュアルの作成米粉用米生産者と製造事業者とのマッチング

等の取組を支援

金 融 措 置

【日本政策金融公庫による低利融資】(食品安定供給施設整備資金)

米粉製造施設米粉を原料とした食品の製造加工施設等への融資

(輸出を含めた日本産米粉の需要拡大支援事業)

(補助率定額)

【外食産業等と連携した需要拡大対策事業】

国産農林水産物食品の輸出等需要フロンティアの開拓を図るため産地と複数年契約を締結する民間企業(外食加工業者)に対し国産農林水産物を活用した新商品の開発やそれに必要な技術開発等を支援 (補助率定額12)

- 35 -

【農林水産物食品輸出促進緊急対策事業】コメ海外市場拡大戦略プロジェクトに参加する輸出産地や輸出事業者等が連携して戦略的に取り組む中国等の海外市場開拓プロモーション等を支援

(補助率定額12)

品目 現在の関税率 合意内容

小麦

枠内税率無税+マークアップ

枠外税率55円kg

現行の国家貿易制度を維持するとともに枠外税率(55円kg)を維持

既存のWTO枠に加え米国(15万(7年目以降))【不適用】カナダ(53万(同))豪州(5万(同))にSBS方式の国別枠を設定

マークアップを9年目までに45削減

大麦

枠内税率無税+マークアップ

枠外税率39円kg

現行の国家貿易制度を維持するとともに枠外税率(39円kg)を維持

既存のWTO枠に加えSBS方式のTPP枠(65万(9年目以降))を設定

マークアップを9年目までに45削減

1 TPP11協定概要(麦)(平成30年12月30日発効)

Ⅴ TPP11及び日EUEPAの協定概要(麦関係)

(参考主な麦製品)

現在の関税率合意内容

税率 枠数量

いった小麦小麦粉等

(国家貿易品目)

枠内税率125~25+マークアップ

枠外税率85~134円kg

枠内即時無税+マークアップ

(枠外税率は維持)

(発効時) (6年目)125千rarr175千

ベーカリー製品製造用

小麦粉調製品16~24

枠内即時無税(枠外税率は維持)

(発効時) (6年目)米国 105千rarr12千【不適用】米国以外 68千rarr 8千

その他小麦粉調製品

16~28枠内即時無税

(枠外税率は維持)(発効時) (6年目)15千rarr225千

マカロニスパゲティ

30円kg9年目までに60削減

ビスケット 1315 6年目に無税 -

注1)いった小麦とは小麦をいったものであり主にシリアル食品等に使用される

2)その他小麦粉調製品とは製麺まんじゅう等のベーカリー製品以外の製造用の

小麦粉調製品である

- 36 -

2 日EUEPA協定概要(麦)(平成31年2月1日発効)

品目 現在の関税率 合意内容

小麦

枠内税率無税+マークアップ

枠外税率55円kg

現行の国家貿易制度を維持するとともに枠外税率(55円kg)を維持

既存のWTO枠に加えSBS方式のEU枠(270(7年目以降))を設定

枠内のマークアップを9年目までに45削減

大麦

枠内税率無税+マークアップ

枠外税率39円kg

現行の国家貿易制度を維持するとともに枠外税率(39円kg)を維持

既存のWTO枠に加えSBS方式のEU枠(30(即時))を設定

枠内のマークアップを9年目までに45削減

(参考主な麦製品)

現在の関税率合意内容

税率 枠数量

いった小麦小麦粉等

(国家貿易品目)

枠内税率125~25+マークアップ

枠外税率85~134円kg

枠内即時無税+マークアップ

(枠外税率は維持)

(発効時) (6年目)38千rarr44千

ベーカリー製品製造用

小麦粉調製品16~24

枠内即時無税(枠外税率は維持)

(発効時) (6年目)104千rarr142千

その他小麦粉調製品

16~28枠内即時無税

(枠外税率は維持)(発効時) (6年目)

2千rarr3千

マカロニスパゲティ

30円kg 11年目に無税 -

ビスケット 1315 6年目に無税 -

注1)いった小麦とは小麦をいったものであり主にシリアル食品等に使用される

2)その他小麦粉調製品とは製麺まんじゅう等のベーカリー製品以外の製造用の

小麦粉調製品である

(参考) 麦の国境措置

小 麦 大 麦

輸入数量

価格

輸入数量

価格

政府売渡価格

マークアップ(輸入差益)

452円kgを上限

輸入価格

(枠内税率0円kg)

枠内輸入(国家貿易) 枠外輸入

(民間貿易)枠外税率を支払って輸入された数量(平成29年度)12千トン

WTOカレントアクセス数量5740千トン

枠外税率55円

政府売渡価格

輸入価格(枠内税率0円kg)

WTOカレントアクセス数量1369千トン

枠内輸入(国家貿易) 枠外輸入(民間貿易)

枠外税率を支払って輸入された数量(平成29年度)06千トン

枠外税率39円

民間貿易の場合の輸入価格

民間貿易の場合の輸入価格

286円kgを上限

マークアップ(輸入差益)

- 37 -

  • スライド番号 1
  • スライド番号 2
  • 麦の参考資料 麦の需給に関する見通し(動向編)
  • スライド番号 4
  • スライド番号 5
  • スライド番号 6
  • スライド番号 7
  • スライド番号 8
  • スライド番号 9
  • スライド番号 10
  • スライド番号 11
  • スライド番号 12
  • スライド番号 13
  • スライド番号 14
  • Ⅱ 小麦粉麦製品の生産と価格の動向
  • スライド番号 16
  • スライド番号 17
  • スライド番号 18
  • スライド番号 19
  • スライド番号 20
  • スライド番号 21
  • スライド番号 22
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  • スライド番号 24
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  • スライド番号 26
  • スライド番号 27
  • スライド番号 28
  • スライド番号 29
  • スライド番号 30
  • スライド番号 31
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  • スライド番号 39
  • スライド番号 40
  • スライド番号 41
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図Ⅱ-2 小麦粉麦製品の価格(消費者物価指数)の変化

資料総務省「消費者物価指数」(全国)

(参考) 家計に占める小麦関連製品の支出 (単位円世帯)

資料総務省「家計調査」(全国二人以上の世帯)

年間計(平成30年)

1か月平均

消 費 支 出 3447783 287315食 料 952172 79348

小 麦 関 連 製 品 計 82108 6842パ ン 30555 2546

め ん 類 17369 1447小 麦 粉 596 50

菓子類(ビスケット等) 11397 950調理食品(調理パン) 5352 446

外食(うどん等) 16839 1403

(平成27年=100)

2 小麦粉麦製品の価格の動向

小麦粉及び麦関連製品の価格は輸入小麦の政府売渡価

格の引上げ等による原材料費の上昇人件費や物流費の上

昇等の影響を受け平成30年以降小麦粉及びパンの価格

は上昇傾向にあります(図Ⅱ-2)

- 12 -

85

90

95

100

105

110

食料品総合 パン めん類 小麦粉

表Ⅱ-2 麦製品の輸入量の推移(参考1) 麦製品の輸入動向

(1)小麦粉調製品

小麦粉に砂糖脱脂粉乳等を混合した小麦粉調製品の輸

入量は平成11年以降デフレに伴う低価格品需要の拡大

により増加傾向で推移してきましたが麦の国際相場の

高騰に伴う輸入価格の上昇等により平成18年から平成20年

にかけて減少しましたその後も減少傾向で推移しており

平成30年は8万3千トンの輸入量となっています

(2)麦加工製品

①マカロニスパゲッティ

マカロニスパゲッティについては国内の全体需要が

増加する中で輸入量が増加傾向で推移してきました

平成30年は過去最高の輸入量であった前年からは減少

し13万8千トンとなっています

②ビスケット

ビスケットの輸入量は平成25年以降円安の影響を受

けて減少していましたが平成28年度以降増加傾向にあり

平成30年の輸入量は2万5千トンとなっています

資料財務省「貿易統計」注小麦粉調製品は穀粉が占める割合が85以下のものの輸入量

なお小麦粉調製品のうち加糖のものは一般に菓子類菓子パン類等の原料として利用され無糖のものは麺類等の原料として使用される

(単位千トン)

- 13 -

対前年 対前年 対前年 対前年 対前年

増減率 増減率 増減率 増減率 増減率

() () () () ()

平成12 107 118 85 92 97 26 45 95 108 11 123

13 121 126 75 99 81 27 51 93 25 13 209

14 126 131 35 102 30 29 52 101 94 15 142

15 116 133 13 101 06 31 82 108 63 21 400

16 108 136 28 98 32 38 222 112 35 25 219

17 110 140 26 98 01 42 90 110 17 24 49

18 116 139 09 99 12 39 59 110 02 24 23

19 118 117 155 87 128 30 224 104 49 23 56

20 104 100 144 72 173 29 60 127 219 18 221

21 94 102 23 73 15 30 42 116 85 17 83

22 88 107 40 73 07 33 119 121 36 19 173

23 80 108 12 78 59 30 90 134 115 22 143

24 80 106 16 78 02 28 63 142 58 22 07

25 97 100 53 73 64 28 25 133 68 18 182

26 105 98 21 73 02 25 83 133 03 17 74

27 121 94 40 69 55 25 03 132 08 14 166

28 109 91 32 65 58 26 40 145 99 19 348

29 112 92 05 65 02 27 14 150 32 24 296

30 110 83 92 59 85 24 110 138 75 25 23

国 名輸入割合()

国 名輸入割合()

国 名輸入割合()

国 名輸入割合()

国 名輸入割合()

韓国 409 韓国 528 シンガポール 442 イタリア 465 インドネシア 242

シンガポール 202 フランス 151 米国 126 トルコ 355 中国 205

フランス 114 シンガポール 105 韓国 114 米国 142 マレーシア 84

米国 75 中国 78 ニュージーランド 98 ギリシャ 20 ベトナム 63

中国 57 米国 55 豪州 69 アラブ首長国連邦 10 イタリア 55

国 名対前年増減率()

国 名対前年増減率()

国 名対前年増減率()

国 名対前年増減率()

国 名対前年増減率()

韓国 10 韓国 13 シンガポール 221 イタリア 107 インドネシア 202

シンガポール 124 フランス 92 米国 136 トルコ 45 中国 76

フランス 87 シンガポール 108 韓国 30 米国 09 マレーシア 245

米国 116 中国 546 ニュージーランド 87 ギリシャ 152 ベトナム 137

中国 543 米国 98 豪州 344 アラブ首長国連邦 135 イタリア 119

30

輸入上位5カ国

区分

為替レー

円ドル)

小麦粉調製品 麦加工製品

加糖のもの 無糖のもの マカロニスパゲッティ ビスケット

(参考2) 麦製品の輸出動向

麦製品の輸出量のうちその大部分を占める小麦粉の輸出量

は近年主要輸出先国の製粉技術の向上や現地製粉工場の立

上げ等により減少傾向で推移し平成30年は約16万トンとなっ

ています(表Ⅱ-3)

表Ⅱ-3 麦製品の輸出量の推移

資料財務省「貿易統計」

(単位トン)

- 14 -

対前年増減率()

対前年増減率()

対前年増減率()

309594 75 376 431 1028 375

321028 37 315 162 967 59

319968 03 253 197 953 14

318706 04 410 621 1052 104

304465 45 328 200 769 269

289911 48 1054 2213 719 65

290033 00 1196 135 762 60

255377 119 1150 38 1098 441

187040 268 743 354 1198 91

185403 09 822 106 898 250

196183 58 770 63 974 85

191480 24 607 212 698 283

192598 06 598 15 780 117

168205 127 573 42 769 14

166311 11 571 04 861 120

157938 50 553 32 1249 451

158896 06 549 07 1287 30

167600 55 532 32 778 395

163640 24 535 06 894 148

国 名輸出割合

() 国 名輸出割合

() 国 名輸出割合

()

香港 496 香港 888 中国 483シンガポール 207 中国 43 香港 314ベトナム 96 韓国 21 台湾 64

タイ 59 米国 17 ベトナム 37台湾 58 台湾 11 シンガポール 29

国 名対前年増減率() 国 名

対前年増減率() 国 名

対前年増減率()

香港 175 香港 26 中国 251シンガポール 583 中国 62 香港 329ベトナム 135 韓国 437 台湾 59

タイ 81 米国 1047 ベトナム 418台湾 47 台湾 261 シンガポール 449

24

30

輸出上位5カ国

25

181920212223

2627282930

17

  区分

小麦粉マカロニスパゲッティ

スイートビスケット

平成1213141516

(参考3) 麦製品の生産動向

麦製品の生産量は食パンや乾麺のように生産量が減少している製品もある一方で菓子パンや即席麺冷凍麺のように生産量が増加している製品もあることから使用される小麦粉の数量は平成22年以降概ね横ばい傾向で推移しています麦製品は食生活の多様化や簡便性といった消費者ニーズを

捉えつつ継続した新製品の開発がなされており新たな定番となる商品の登場や期間限定の商品やイベントなどが消費者の購買を促進していると考えられます(図Ⅱ-3表Ⅱ-4)

表Ⅱ-4 麦製品の生産量の推移

(単位千トン)

- 15 -

資料平成21年度までは農林水産省「米麦加工食品生産動態統計調査年報」平成22年度からは農林水産省「食品産業動態調査」及び農林水産省「製粉精麦工場需給実績報告」冷凍麺の生産量は(一社)日本冷凍食品協会調べ

注1)麺類及びパン類の生産量は小麦粉使用量で冷凍麺は製品生産量である2)小麦粉は年度の計でありその他は暦年の計である

区分

パ ン 麺 類 冷凍麺

小麦粉 食パン菓子パ

ンその他のパン

生麺 乾麺 即席麺

年度計 暦年計 暦年計 暦年計 暦年計 暦年計 暦年計 暦年計 暦年計 暦年計

昭和45 3422 970 469 - - - 514 327 267 -

50 3978 1062 588 251 63 - 541 289 335 -

55 4079 1189 687 285 89 1334 610 275 325 -

60 4243 1178 653 291 133 1397 659 297 316 9

平成2 4338 1193 661 321 146 1407 687 274 316 41

7 4633 1220 623 368 178 1456 729 268 314 120

12 4623 1279 619 382 235 1421 687 235 343 190

22 4725 1196 576 375 215 1251 555 203 332 257

23 4708 1215 580 392 215 1283 548 209 361 270

24 4654 1219 580 392 221 1269 542 204 363 283

25 4694 1226 598 384 218 1324 562 213 386 314

26 4683 1234 608 387 214 1371 578 213 410 318

27 4702 1234 605 403 201 1396 624 195 414 308

28 4683 1238 604 403 206 1409 652 186 419 308

29 4703 1254 602 409 218 1445 691 186 416 313

30 - 1221 585 401 211 1473 712 188 420 -

〔低糖質製品〕

〔多種多様な携帯サンドイッチ〕

〔手軽な冷凍麺〕

図Ⅱ-3 麦製品の商品事例

H18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29

製粉工場数 124 122 121 119 117 118 117 114 109 104 102 98

製粉企業数 100 98 98 96 94 95 94 90 88 83 81 77

うち輸入小麦取扱製粉工場数 91 91 90 90 87 87 86 83 78 76 74 73

うち輸入小麦取扱製粉企業数 67 67 67 65 64 64 64 60 57 55 53 52

50

70

90

110

130

150製粉工場数

製粉企業数

うち輸入小麦取扱製粉工場数

うち輸入小麦取扱製粉企業数

3 製粉企業の状況

(1)大手製粉企業及び中小製粉企業の動向

① 大手製粉企業4社の小麦粉の生産量は全体の78を占

めておりこれに年間小麦粉生産量が3万トン以上の企業

の生産量を加えた13社ベースでは全体の90を占めてい

ます

② 大手製粉企業は生産設備の臨海工場への集約化を進め

つつ工場の大規模化合理化を推進しています

平成29年度の1工場当たりの生産量は17万トンまた

稼働率は89となっています

③ 年間小麦粉生産量3万トン以上の中小製粉企業は工場

のほとんどが臨海地域に立地し小麦粉を域内の二次加工

メーカー等に供給しています

平成29年度の1工場当たりの生産量は約6万トン稼働

率は67となっています

④ 年間小麦粉生産量1千トン以上3万トン未満の中小製粉

企業は主に内陸に位置し小麦粉を地元のパン麺等の

加工業者に供給するほか乾麺等の製造を兼ねるものも多

くなっています

平成29年度の1工場当たりの生産量は13万トンと大

手製粉企業の約14分の1稼働率は35となっています

⑤ 年間小麦粉生産量1千トン未満の中小製粉企業は輸入

小麦を取り扱わない企業が大部分を占め国内産小麦のみ

を使用し麺用や菓子用に供給しています

表Ⅱ-5 大手製粉企業中小製粉企業の小麦粉生産等の動向

資料農林水産省調べ注四捨五入の関係で計と内訳が一致しない場合がある

(参考)製粉企業数と工場数の推移(企業工場)

- 16 -

3万トン以上1千トン以上3万トン未満

1千トン未満

平成24 94 4 90 9 50 31

29 77 4 73 9 38 26

24 4853 3679 1174 536 636 3

29 4877 3801 1075 569 504 2

24 100 758 242 110 131 01

29 100 779 221 117 103 00

24 3245 1177 2068 632 1360 76

29 2806 1057 1749 581 1114 54

24 1496 3126 568 848 468 39

29 1738 3596 615 980 452 44

24 415 1533 126 596 120 01

29 498 1728 142 569 126 01

24 692 887 414 709 311 42

29 731 888 454 670 347 46

全体 大手製粉

中 小 製 粉年間生産量

稼働率()

製粉企業数

小麦粉生産量(千トン)

生産シェア()

従業員数(人)

従業員一人当たりの生産量

(トン)

一工場当たりの生産量(千トン)

(2)製粉企業のコスト削減や品質安全性の向上に向けた取組

製粉企業は生産能力の増強によるコスト削減や品質安全性の向上に向けた取組を進めています(図Ⅱ-4)

また国も農業競争力強化プログラムを策定し製粉企業の取組みを支援しています(図Ⅱ-5)

① 供給能力の強化等によるコストダウン

製粉企業は供給能力の強化生産性の向上と原料小麦の受入体制の整備によるコストダウンを図るため製粉工場や原料サイロの増強等の設備投資を行っています

② 資本業務の提携

製粉企業の中には他の製粉企業と資本業務提携を行うこと等により原料調達規模の拡大や生産の効率化等による競争力の強化を図る取組もみられます

③ 品質安全性の向上

製粉企業は近年消費者の安全安心への関心が高まる中食品の品質安全性を確保するための設備やAIB食品安全システムの導入ISO認証の取得等様々な取組を行っています

④ 工場の集約化

大手製粉企業は内陸工場を閉鎖し海外からの原料調達に有利な臨海工場への集約を進めるとともに臨海工場の生産能力を増強させる等生産性の向上を図っています

⑤ 海外市場への進出

製粉企業の中にはアジア大洋州地域における買収や工場増設等海外市場に積極的な進出をする取組もみられます

① 供給能力の強化等によるコストダウン 日清製粉は関東地区の小麦サイロ収容力の増強を進め更なる原料小麦の安定供給を推進するため鶴見工場の原料小麦サイロを増設(平成28年)

日本製粉は神戸甲南工場の原料サイロの新設等(平成24年)千葉工場の原料サイロの増設(平成26年)を行い今後原料サイロを福岡工場及び知多新工場へ新設神戸甲南工場(第2期)へ増設する予定

千葉製粉は新たな顧客ニーズへの対応付加価値製品の創出等を図るため専用ラインを新設(平成27年)

② 資本業務提携 資本業務提携を行っている製粉企業

増田製粉所(兵庫) hArr 日東富士製粉

木田製粉(北海道)内外製粉(三重)奥本製粉(大阪)セントラル製

粉(愛知) hArr 昭和産業

東福製粉(福岡) hArr 日本製粉

③ 品質安全性の向上 多くの製粉企業がISO9001(品質マネジメントシステム)ISO22000(食品安全マネジメントシステム)の認証を受けることにより品質管理や食品安全管理を実施

④ 工場の集約化 日清製粉は生産性向上のため内陸工場を順次閉鎖し臨海工場への集約化を推進

筑後工場(福岡)鳥栖工場(佐賀) rarr 福岡工場(福岡)へ集約

(平成26年)

名古屋工場の2ライン rarr 知多工場(愛知)の新ラインへ集約

(平成27年)

日本製粉は生産性向上のため総生産能力の80を臨海部の大型工場に集約

⑤ 海外市場への進出状況(平成30年度) 日清製粉は豪州の小麦粉市場においてトップシェアを持つアライドピナクル社を買収またタイでは子会社の日清STC製粉がタイの製粉工場を買収するとともにベトナムでは業務用プレミックスの生産工場を建設することを決定

昭和産業はベトナムに新たにプレミックス製造会社を設立し生産工場を建設することを決定

図Ⅱ-4 製粉企業の各種取組の事例

- 17-

⑥ 再編合理化の取組

製粉企業の中には国の支援を活用した再編合理化の取

組もみられます

⑦ 地産地消の推進

中小製粉企業は地域とのつながりの強さや独自の立地

条件を活かした特色ある経営を模索する中で生産者と協

力した積極的な地産地消の取組を進めています

⑦ 地産地消の推進

岩手県主な実施者岩手県学校給食会岩手県パン工業組合県内製粉企業取 組 内 容 平成28年度から地元県産小麦(銀河のちからゆきちから)を

100使用した学校給食用パンを県内の小中学校に提供開始埼玉県

主な実施者埼玉産小麦ネットワーク「SWING group」(県内製粉企業が中心となり生産者加工業者販売業者等180社が加盟)

取 組 内 容 埼玉県産小麦のブランド価値を高めることなどを目的として埼玉県産小麦を自社製品に利用することで高付加価値商品の開発による自社の発展などを目指すとともに研修会の実施やイベントホームページなどを通じた消費者への情報提供を実施

京都府主な実施者地元製粉企業京都府全農京都府本部生産者府内製麺製

パン業者飲食店取 組 内 容 平成30年産から京都府産小麦品種を「せときらら」へ全面切替を

行ったことを機にブランド名を「京小麦」とし「京小麦」を100使用したメニューを参加店舗にて提供するイベント「京小麦の収穫祭」を平成31年1月21日から2月17日まで開催

福岡県主な実施者福岡県ラー麦普及推進協議会(県JA全農ふくれん県内製粉

業者5社製麺業者関係団体)取 組 内 容 以下の取組によりラーメン用小麦「ラー麦」を普及推進

産地への生産技術の普及指導 小麦品質評価最適製粉加工方法の検討 利用や消費を促進するための普及宣伝(試

食イベント等) 毎年産の製粉製麺適性評価および食味

官能評価の実施 平成21年に本小麦の名称「ラー麦」とロ

ゴデザインを商標登録しブランド化

- 18 -

2 生産者が有利な条件で安定取引を行うことができる流通加工の業界構造の確立

(1)生産者に有利な流通加工構造の確立現在の食料需給消費の実態等を踏まえた効率的機能

的で農業者と消費者双方がメリットを受けられる流通加工構造を確立するため以下のとおり取り組む

その際農林水産省経済産業省をはじめ政府一体となって取り組む①~⑦ (略)⑧ 加工業については生産性の低い工場が乱立している

種類の加工業界(製粉乳業等)について国は国際競争に対応できる生産性の確保を目指した業界再編設備投資等を推進することとし政府系金融機関の融資農林漁業成長産業化支援機構の出資等による支援を行う

⑨ 上記改革を推進するため農産物の流通加工に関し国の責務業界再編に向けた推進手法等を明記した法整備を進める

⑩ 上記改革を推進するため金融機関による流通加工関連産業の生産性向上に資する経営支援や資金供給の促進政府系金融機関や農林漁業成長産業化支援機構等との連携強化等を図る

図Ⅱ-5 農業競争力強化プログラム(抜粋)

(平成28年11月29日 農林水産業地域の活力創造本部決定)

⑥ 再編合理化の取組

製粉工場の廃棄撤去製粉施設の一部又は全部を撤去しミックス粉等の関連事業を拡大

(製粉工場等再編合理化事業(平成2728年度7件))

図Ⅲ-1 国内産小麦の収穫量と作付面積の推移

表Ⅲ-1 小麦の主な作付品種(平成29年産)

Ⅲ 国内産麦の生産と流通の動向

1 国内産麦の生産状況

(1)小麦

① 作付面積

近年の国内産小麦の作付面積は約21万haと横ばいで推移して

います平成30年産の作付面積は北海道は121万ha都府県

は91万ha全国では212万haとなり前年産並となっていま

② 収穫量

平成30年産の国内産小麦の収穫量は主産地の北海道での6

月中旬から7月中旬にかけての低温日照不足の影響により登

熟不良となったこと等から前年産に比べ北海道で134万ト

ン(22)減少都府県では05万トン(2)減少全国

では139万ha(15)減少の768万トンとなり(図Ⅲ-1)

10a当たりの平均収量対比は91となりました

③ 小麦の作付品種の状況

栽培品種については各産地の気候条件や用途等に適した品

種が作付されており29年産では日本麺用では「きたほなみ」

「さとのそら」「シロガネコムギ」といった品種パン

中華麺用では「春よ恋」「ゆめちから」といった品種が上位

を占めています(表Ⅲ-1)

資料農林水産省「作物統計」品種毎の面積は農林水産省政策統括官調べ

注品種の育成年についてはシロガネコムギは農林認定が行われた年

それ以外の品種は出願公表が行われた年としている

資料農林水産省「作物統計」30年産の数値は概算値

- 19 -

(千トン)

年産

910 881

674

571

746

858 812

852

1004

791

907

768

210 209 208 207 212 209 210 213 213 214 212 212

100

120

140

160

180

200

220

240

260

280

300

0

200

400

600

800

1000

H19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30

収穫量 作付面積(千ha)

品種名 育成年 作付面積(千ha) 割合 主な作付地域

きたほなみ 平成19年 878 41 北海道

さとのそら 平成21年 159 7 関東東海

シロガネコムギ 昭和49年 152 7 九州近畿

春よ恋 平成11年 143 7 北海道

ゆめちから 平成20年 137 6 北海道

上位5品種計 1469 69

小麦作付面積 - 2123

図Ⅲ-2 国内産大麦及びはだか麦の収穫量と作付面積の推移

表Ⅲ-2 大麦及びはだか麦の主な作付品種(平成29年産)

(2)大麦及びはだか麦

① 作付面積

近年国内産大麦及びはだか麦の作付面積は約6万と横ば

いで推移しており平成30年産は前年産と比較すると二条

大麦は前年産並六条大麦は800ha(4)減少はだか麦

で460ha(9)増加となり全体では340ha(1)減少の

61万haとなりました(図Ⅲ-2)

② 収穫量

平成30年産の大麦及びはだか麦の収穫量は二条大麦及びは

だか麦はおおむね天候に恵まれ生育が順調で登熟も良好

であったこと等から前年産に比べ二条大麦は01万トン

(1)増加はだか麦は01万トン(8)増加となりました

六条大麦については北陸地方において大雪の影響で融雪時期

が遅れたこと等により穂数が少なくなり前年産に比べ14万

トン(26)減少しました

この結果大麦及びはだか麦の収穫量は合計で173万トンと

なり前年産に比べて12万トン(6)減少となりました

(図Ⅲ-2)

③ 大麦及びはだか麦の作付品種の状況

栽培品種については各産地の気候条件や用途等に適した品

種が作付されており29年産では二条大麦はビール用の「サ

チホゴールデン」六条大麦は主食用や麦茶用の「ファイ

バースノウ」はだか麦は麦味噌用の「マンネンボシ」いっ

た品種が上位を占めています(表Ⅲ-2)

資料農林水産省「作物統計」30年産の数値は概算値

- 20 -

(千トン)

資料農林水産省「作物統計」農林水産省調べ

注品種の育成年についてはシュンライイチバンボシは農林認定が行われ

た年それ以外の品種は出願公表が行われた年としている

195 217

179 161

172 172 183

170 177 170 185

173

54 57 58 59 60 60 59 60 61 61 61 61

0

10

20

30

40

50

60

70

80

90

100

0

50

100

150

200

250

H19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30

収穫量 作付面積 (千ha)

年産

麦種 品種名 育成年作付面積(千ha)

割合 主な作付地域

二条大麦

サチホゴールデン 平成18年 189 31 九州関東中国

はるしずく 平成17年 44 7 九州

ニシノホシ 平成11年 27 4 九州

六条大麦

ファイバースノウ 平成13年 107 17 北陸関東東海

シュンライ 平成2年 33 5 関東東北近畿

カシマゴール 平成22年 13 2 関東東海

はだか麦

マンネンボシ 平成13年 15 2 四国

イチバンボシ 平成4年 14 2 四国九州

トヨノカゼ 平成18年 11 2 九州中国

大麦はだか麦作付面積

- 614

資料農林水産省調べ

Aランク評価項目の基準値を3つ以上達成しかつ許容値を全て達成している麦Bランク評価項目の基準値を2つ達成しかつ許容値を全て達成している麦Cランク評価項目の基準値を1つ達成しかつ許容値を全て達成している麦

評価項目の基準値を2つ以上達成しているものの許容値を達成していない麦DランクA~Cランクのいずれにも該当しない麦

【評価項目】①小麦 日本麺用パン中華麺用(たんぱく灰分容積重フォーリングナンバー)

醸造用(たんぱく3項目容積重)②二条大麦 主食等用(容積重細麦率白度正常粒率)

麦茶用(たんぱく3項目細麦率)③六条大麦はだか麦 主食等用(容積重細麦率白度硝子率)

麦茶用(たんぱく3項目細麦率)

(参考) 麦の品質区分

(単位)

- 21 -

(2)品質評価

たんぱく質や灰分の含有率等に基づく品質評価結果につい

ては平成30年産の小麦ではAランクが899となってお

り過去5年平均(Aランク比率849)と比べ5ポイン

ト高くなっています

また平成30年産の大麦はだか麦ではAランクが

849となっており過去5年平均(Aランク比率832)

と比べ17ポイント高くなっています(表Ⅲ-4)

表Ⅲ-4 平成30年産麦の品質評価結果

2 国内産麦の品質状況

(1)農産物検査① 平成30年産の小麦について全国の1等比率は761

(平成30年12月末時点)と過去5年平均799と比較して低くなっています(表Ⅲ-3)

② 平成30年産の小粒大麦大粒大麦はだか麦及びビール大麦について1等比率は大粒大麦を除き過去5年平均と比較して低くなっています(表Ⅲ-3)

表Ⅲ-3 国内産麦の1等比率の推移(単位)

Aランク Bランク Cランク DランクAランク

過去5年平均(平成25~29年産)

小 麦 899 67 33 01 849

大麦はだか麦

849 37 108 06 832

注1)各年産翌年4月末時点の値であるただし平成30年産は30年12月末時点の値である

2)強力小麦の検査数量を含む値である

3 国内産麦に対する支援

平成31年度は経営所得安定対策等の対策のうち主に畑作

物の直接支払交付金と水田活用の直接支払交付金により国内

産麦に対する支援が行われます

(1)畑作物の直接支払交付金

畑作物の直接支払交付金として麦を生産する農業者に対

し標準的な生産費と標準的な販売価格の差額分を直接交付

することとしています

支払いは当年産の麦の品質及び生産量に応じて交付する

数量払を基本とし当年産の麦の作付面積に応じて交付する

面積払(営農継続支払)を数量払の先払いとして交付する仕

組みにしています

数量払の交付単価は品質に応じた単価を設けており需要

に応じた生産と品質に対する営農努力を適切に反映させる仕

組みになっています(表Ⅲ-5)

表Ⅲ-5 畑作物の直接支払交付金の麦の交付単価

(円単位数量)

品質区分(等級ランク)

1等 2等

A B C D A B C D

小麦(パン中華麵

用品種)(60kg当たり)

9040 8540 8390 8330 7880 7380 7230 7170

小麦(パン中華麺用品種以外)(60kg当たり)

6740 6240 6090 6030 5580 5080 4930 4870

二条大麦(50kg当たり) 5550 5130 5010 4960 4690 4270 4140 4090

六条大麦(50kg当たり) 6030 5610 5480 5430 5000 4580 4460 4410

はだか麦(60kg当たり) 8650 8150 8000 7910 7080 6580 6430 6350

(参考)

【平均交付単価小麦6940円60kg二条大麦5490円50kg六条大麦5720円50kg

はだか麦8230円60kg】

②面積払

当年産の作付面積に応じて交付 2万円10a

①数量払(品質に応じた単価)

- 22 -

【平成31年産に適用】

標準的な生産費

差額

ゲタ交付単価

標準的な販売価格

【交付単価のイメージ】lt畑作物の直接支払交付金のイメージgt

面積払(数量払の際に控除されます)

数量払

収量

交付金額

(2)水田活用の直接支払交付金

水田のフル活用を推進し食料自給率自給力の向上を図

るため水田で麦を生産する農業者に対しては畑作物の直

接支払交付金に加え水田活用の直接支払交付金(35000円

10a)を直接交付することとしています(表Ⅲ-6)

表Ⅲ-6 水田活用の直接支払交付金の交付単価

作 物 単 価

麦大豆飼料作物 35000円10a

WCS(ホールクロップサイレージ)用稲 80000円10a

加工用米 20000円10a

飼料用米米粉用米収量に応じ

55000円~105000円10a

このほか「産地交付金」により地域で作成する水田フル活用ビジョンに基づき二毛作や耕畜連携を含め産地づくりに向けた取組を支援します

戦略作物助成

注実需者等との出荷販売契約等を締結すること出荷販売することが要件

- 23 -

4 国内産食糧用麦の流通動向

(1)取引の概要

国内産食糧用麦は加工原料としての商品特性から需要に応じて計画的に生産できるようは種前契約に基づく取引が行われています

まず取引の指標となる透明性のある適正な価格を形成するためは種前に販売予定数量の3~4割(具体の比率は民間流通地方連絡協議会の協議を踏まえ決定)について入札が行われます残りは相対取引が行われておりその価格については入札で形成された指標価格(落札加重平均価格)を基本として取引当事者間で決められています(図Ⅲ-3)

また取引を円滑に進めるため生産者需要者等で構成される民間流通連絡協議会において取引に必要な情報交換取引に係る基本事項の見直し等が行われています(表Ⅲ-7)

今後とも国内産食糧用麦については円滑な流通が確保されるようは種前契約を基本としつつ適切に対応していきます

図Ⅲ-3 国内産食糧用麦の基本的な流通フロー

表Ⅲ-7 国内産食糧用麦の入札の仕組み

項 目 概 要 見直しの変遷

実施主体 一般社団法人 全国米麦改良協会

実施時期 は種前に2回実施(8~9月)平成13年産から1回rarr2回へ見直し

上場数量

産地銘柄別に販売予定数量が小麦3千トン以上大麦はだか麦1千トン以上の銘柄についてその30~40を上場(ほかに希望上場あり)

平成31年産から30rarr30~40へ見直し

基準価格

小麦は前年産の落札加重平均価格に当年産の入札実施時点での外国産麦の政府売渡価格の変動率を乗じた価格大麦はだか麦は前年産の落札加重平均価格

小麦の外国産麦との連動は平成24年産から実施

値幅制限 基準価格のplusmn10

小麦平成12年産~16年産plusmn5平成17年産~21年産plusmn7平成22年産plusmn10平成23年産plusmn30平成24年産~ plusmn10大麦はだか麦平成12年産~18年産plusmn5平成19年産~21年産plusmn7平成22年産plusmn10平成23年産plusmn15平成24年産~ plusmn10

取引価格の事後調整(小麦のみ)

外国産食糧用小麦の政府売渡価格の改定(410月)に合わせては種前の入札又は相対により契約された価格に外国産食糧用小麦の政府売渡価格の変動率を乗じて取引価格を改定

平成23年産から実施

申込限度数 量

買い手別に上場数量times買受実績シェアtimes145

小麦は平成17年産から大麦及びはだか麦は平成19年産から135rarr145へ見直し

相対取引入札で形成された指標価格を基本に生産者団体と需要者の間で協議決定

平成19年産から過去の実績シェアに基づく取引ルールを廃止

再入札

第1回入札及び第2回入札において落札残数量が発生した場合は売り手の希望により再度入札に付すか相対による契約を行うかいずれかの方法をとることができる

平成25年産から売り手の申し出により再入札における入札の値幅を設定できること等を規定

生産者団体から販売予定数量需要者団体から購入希望数量の相互提示

入札取引の実施(販売予定数量の約3~4割)

相対取引の実施(販売予定数量の約6~7割)

は 種(秋まき春まきは収穫年の4月)

収 穫 及 び 検 査

生産者団体と需要者の間では種前に契約を締結

需 要 者 へ 引 渡 し

<生産の流れ>

麦の生育期間

<契約の流れ>

は種前契約に基づき計画的に作付(は種)

収穫前年7月~

8~9月

9月~

~12月

6~8月

6月~

収穫年26年産から国内産麦の需要拡大を図るため地域の食文化のブランド化等による高付加価値化の取組等に対し安定的な原料供給が可能となる需要拡大推進枠を導入

- 24 -

表Ⅲ-8 国内産食糧用麦の供給量 (単位千トン)

注集荷団体からの聞き取り数量である

(2)流通の動向

平成30年産の国内産食糧用小麦の供給量は前年産から

約14万4千トン減少し約70万1千トンとなっています

また国内産食糧用大麦及びはだか麦の供給量は前年

産から約3千トン減少し約10万3千トンとなっています

(表Ⅲ-8)

生産者側から提示された平成31年産麦の販売予定数量は

国内産食糧用小麦で約82万4千トン国内産食糧用大麦及

びはだか麦で約10万8千トンとなっています

一方需要者側から提示された平成31年産麦の購入希望

数量は国内産食糧用小麦で約86万3千トン国内産食糧

用大麦及びはだか麦で約13万トンとなっています(表Ⅲ-

9)

表Ⅲ-9 国内産食糧用麦の販売予定数量及び購入希望数量の推移(単位千トン)

資料民間流通連絡協議会調べ注四捨五入の関係で差し引きが一致しないことがある

- 25 -

年産 20 21 22 23 24 25 26 27 28 2930

(見込)

小   麦 841 639 532 694 811 767 808 946 734 845 701

大麦はだか麦 125 100 84 98 93 105 103 103 92 106 103

年産 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31

販売予定数量① 887 906 909 951 948 909 905 880 820 846 834 824

購入希望数量② 833 880 818 859 904 869 751 802 834 875 880 863

①-② 54 25 91 91 44 40 154 78 14 29 46 39

(①-②)①() 61 28 100 96 47 44 170 89 18 34 55 47

販売予定数量① 121 132 134 127 122 116 110 112 113 112 108 108

購入希望数量② 199 219 135 149 147 138 141 149 145 138 148 130

①-② 78 87 1 23 26 21 31 37 32 26 39 22

(①-②)①() 640 660 06 179 209 182 282 330 284 234 363 204

表Ⅲ-10 国内産食糧用麦の入札結果の推移

資料一般社団法人全国米麦改良協会調べ

注1価格は税込み(26年産までは527年産以降は8)である

ただし31年産の落札価格は一般社団法人全国米麦改良協会公表の価格(税抜き)を基に農林水産省で税込み価格を算出

5 国内産食糧用麦の価格の動向

(1)平成31年産の入札の概要

平成31年産麦の入札は第1回は平成30年9月12日に第

2回は平成30年9月26日に実施されました

麦種別の入札結果をみると小麦は上場数量約21万4千

トンのうち約20万4千トンが落札(落札率954)され落

札価格は61714円トン(対前年産比1151)となりました

小粒大麦は上場数量約1万1千トンのうち約1万1千

トンが落札(落札率991)され落札価格は46560円トン

(対前年産比997)となりました

大粒大麦は上場数量約7千8百トンのうち5千6百トン

が落札(落札率717)され落札価格は46923円トン(対

前年産比879)となりました

はだか麦は上場数量約2千3百トンのうち約2千1百

トンが落札(落札率897)され落札価格は50817円トン

(対前年産比961)となりました(表Ⅲ-10)

なお国内産小麦については近年消費者の国産志向の高

まりなどを受け大手外食チェーンや2次加工メーカーが国

内産小麦を使用したパン中華麺等の商品を相次いで発表す

るなど人気が高まってきていますこれらを背景として平

成31年産小麦の落札価格は多くの銘柄で値幅制限の上限付

近となっておりまた申込倍数も14倍と高いものとなって

います

- 26 -

20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31

上場数量

(トン)①243510 243020 242310 251370 250980 244880 244320 234010 213360 221380 218500 214200

落札数量

(トン)②234930 238410 189350 247770 245320 220590 188240 192240 201140 214060 210560 204420

落札率

②①965 981 781 986 977 901 770 822 943 967 964 954

落札価格

(円トン)43229 59885 55241 48732 58340 49333 49319 49770 54164 51570 53624 61714

対前年産比 1064 1385 922 882 1197 846 1000 1009 1088 952 1040 1151

上場数量

(トン)①12240 13590 14210 13300 11760 11220 11290 11930 12210 12200 11750 11040

落札数量

(トン)②12050 13510 14040 13170 11550 10850 10900 11830 12090 12200 11440 10940

落札率

②①984 994 988 990 982 967 965 992 990 1000 974 991

落札価格

(円トン)45479 59709 53448 45871 46485 46453 46290 47595 47565 46880 46708 46560

対前年産比 1084 1313 895 858 1013 999 996 1028 999 986 996 997

上場数量

(トン)①10020 9690 10330 9290 9000 8700 7210 7620 7450 7620 6880 7810

落札数量

(トン)②8880 8920 8910 7990 7990 7830 6480 7130 6600 6700 6340 5600

落札率

②①886 921 863 860 888 900 899 936 886 879 922 717

落札価格

(円トン)36532 50492 46097 39649 40394 41582 42881 45740 47827 50442 53384 46923

対前年産比 1059 1382 913 860 1019 1029 1031 1067 1046 1055 1058 879

上場数量

(トン)①2910 3150 3030 3260 3060 2830 2840 2890 2740 2660 2570 2330

落札数量

(トン)②2910 3150 3030 3090 3020 2830 2810 2810 2520 2600 2470 2090

落札率

②①1000 1000 1000 948 987 1000 989 972 920 977 961 897

落札価格

(円トン)42222 58527 61489 52791 51905 52294 49656 47712 46547 48527 52876 50817

対前年産比 1063 1386 1051 859 983 1007 950 961 976 1043 1090 961

年産

小麦

小粒大麦(六条大麦)

大粒大麦(二条大麦)

はだか麦

平成31年産国内産食糧用小麦の入札結果をみると産地別銘柄別

の需給状況等を反映して落札価格に差が生じています

代表的な銘柄である北海道産「きたほなみ」は前年産の価格を

153上回る64752円トン香川県産「さぬきの夢2009」は前

年産の価格を152上回る73186円トンとなりましたまたパ

ン中華麺用の北海道産「ゆめちから」は前年産の価格を180

上回る62777円トン北海道産「春よ恋」は前年産の価格を

180上回る68792円トンとなりました(図Ⅲ-4図Ⅲ-5)

図Ⅲ-4 平成31年産国内産食糧用小麦の産地別銘柄別落札価格

資料農林水産省調べ注外国産小麦5銘柄加重平均価格は平成30年4月期の輸入小麦の政府売渡価格である

(2)平成31年産国内産食糧用小麦の産地別銘柄別落札価格の動向

資料農林水産省調べ注1国内産小麦の価格は(一社)全国米麦改良協会が実施する民間流通麦にかかる入札の第1回第2回

及び再入札の落札加重平均価格(税込み)年産の下段の( )内は当該第1回入札の実施年月である注2外国産小麦の価格は18年までは当該年度平均の実績価格であり19年以降は民間流通麦にかかる第

1回入札の実施年月時点での輸入小麦の政府売渡価格(5銘柄平均)である注3ホクシン(きたほなみ)については22年産までは「ホクシン」の価格であり23年産からは「きたほ

なみ」の価格である注4さぬきの夢については24年産までは「さぬきの夢2000」の価格であり25年産からは「さぬきの夢

2009」の価格である注5農林61号(さとのそら)については23年産までは「農林61号」の価格であり24年産からは「さとの

そら」の価格である

図Ⅲ-5 国内産食糧用小麦の産地別銘柄別落札価格の推移

- 27 -

(単位円トン税込み)

30000

60000

北海道ゆめちから 62777

福岡ミナミノカオリ 68393

滋賀農林61号 50763

茨城さとのそら 46310

佐賀チクゴイズミ 52193

岩手ゆきちから 39929

全銘柄落札加重平均 61714

香川さぬきの夢2009 73186

北海道きたほなみ 64752

外国産小麦5銘柄加重平均 54370

群馬さとのそら 48669

北海道キタノカオリ 63090

大分チクゴイズミ 48265

福岡シロガネコムギ 50643

佐賀シロガネコムギ 47998

40000

福岡チクゴイズミ 52203

滋賀ふくさやか 49534

岐阜イワイノダイチ 46874

埼玉さとのそら 47159

宮城シラネコムギ 44607

群馬つるぴかり 49785

北海道春よ恋 68792

愛知きぬあかり 50114

北海道はるきらり 60201

50000

埼玉あやひかり 46072

岐阜さとのそら 45919

70000

30000

40000

50000

60000

70000

80000

90000

100000

110000

120000

130000

12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 年産

(単位円トン税込み)

北海道ホクシン

香川さぬきの夢200973186円

茨城農林61号

香川さぬきの夢2000

茨城さとのそら

46310円

北海道きたほなみ

64752円

北海道ゆめちから

62777円

外国産小麦

5銘柄平均

54370円

北海道春よ恋

68792円

(128) (138) (148) (158) (168) (178)(1810) (199) (208)(2110)(2212) (239) (2410)(2510)(269)(279) (289) (299)(119) (309)

6 国内産麦の新品種の育成状況

(1)国内産麦については縞萎縮病抵抗性や耐倒伏性を備え

需要者等のニ-ズに合った新品種の開発が進められています

また作付け面積が1万haを超える「ゆめちから」「さとの

そら」をはじめ多数の品種が生産現場に導入されています

(図Ⅲ-6)

(2)今後とも赤かび病抵抗性や穂発芽耐性が高い小麦品種

小麦粉の色相や製粉性が優れる日本麺用小麦品種パンの膨

らみがカナダ産「1CW」並の小麦品種焼酎押麦味噌

などの加工適性が高い大麦品種等の開発を推進します

小麦品種「ゆめちから」及び「さとのそら」は優れた栽培特性

と加工適性を備えており作付けが拡大しています(平成29年

推定値「ゆめちから」約1万2千ha「さとのそら」約1万5

千ha)

パン用小麦品種の開発近年国産の小麦粉を使ったパンの需要増加に応えるためグルテンやでん粉の組成などパンの膨らみに関連する特性に注目した育種が進められていますその結果平成25年に製パン適性が「1CW」に近く多収の「せときらら」平成29年にはパン生地の力が強く穂発芽耐性や赤かび抵抗性が改良された「夏黄金」が育成されました

加工適性の高い大麦品種の開発機能性成分β-グルカンを多く含むもち性大麦の需要の高まりに応えるため平成29年に「はねうまもち」が育成されましたまた高品質なはだか麦の需要増加に対応して平成24年に味噌加工適性の高い「ハルヒメボシ」が育成されました

図Ⅲ-6 平成19年以降に育成された麦類の主な新品種

日本麺用小麦ゆめきらり

パン用小麦ゆめかおり福井県大3号

六条大麦ホワイトファイバー

北信越

日本麺用小麦あおばの恋

パン用小麦銀河のちから

東北

日本麺用小麦さとのそらきぬあかり

パン用小麦ゆめかおり

二条大麦とちのいぶき彩の星アスカゴールデンニューサチホゴールデン

六条大麦カシマゴール

はだか麦キラリモチ

関東東海

日本麺用小麦ふくはるかさぬきの夢2009

パン用小麦ゆめちからせときらら

はだか麦ハルヒメボシ

近畿中国四国

中華麺用小麦ちくしW2号

二条大麦煌二条白妙二条はるか二条トヨノホシ

九州

日本麺用小麦きたほなみ

中華麺用小麦つるきち

パン用小麦ゆめちからはるきらり

二条大麦札育2号

北海道

新品種のうち平成30年産で概ね100ha以上作付けされていると推定される品種を選定(農林水産省調べ)

- 28 -

7 国内産麦を利用した製品の動向

食料自給率の向上を図るためには国内産麦の需要開拓を行う

ことが必要です最近の消費者の国産志向の高まりや生産者と実

需者が一体となった地産地消の推進地域農業の振興を図る取り

組み等から国内産麦を使った麦製品(パン麺等)が増えてき

ており中には国内産麦を100使用した商品もあります(図Ⅲ-

7)

- 29 -

8 民間流通制度の運用改善

国内産麦の人気の高まりにより近年需要量が生産量を上回

る状況が継続しており国内産麦を積極的に使用したい実需者が

必要量を確保できない等の課題もあります

このような課題に対応するため民間流通連絡協議会において

入札上場比率の選択制の導入需要拡大推進枠設定の要件緩和

相対取引需要拡大推進枠において多様な取組が可能であること

の明確化等民間流通制度の運用改善が行われました(図Ⅲ-

8)

ピッツァ専用粉(北海道)(小麦)地元の製粉企業が北海道産小麦(きたほなみキタノカオリゆめち

から)を100使用した国内で初めてのピッツァ専用粉を開発平成30年2月に都内で試食会を開催し平成30年5月から販売

ピッツァ専用粉(群馬県)(小麦)地元の製粉企業が地元のピッツァ専門店ピッツァ窯メーカーと協力

して品質改良を重ね群馬県産小麦(さとのそらつるぴかりきぬの波)を100使用したピッツァ専用粉を平成30年4月から発売ピッツァイベントやイタリアン食材の展示会に出展

学校給食用パン(東京都)(小麦)都学校給食会の「学校給食パン加工規格」による配合基準に基づき国

内産小麦を100使用した学校給食パンを平成27年度から都内の一部の小中学校で提供を開始平成28年度からは都内全域の規格として採用

〇 市販用中華麺(愛知県)(小麦)地元の製粉企業が自社製品として愛知県産小麦きぬあかりを100使用

した中華麺を平成30年6月から自社通販で販売平成30年8月から一般販売を開始

フランスパン用粉(佐賀県)(小麦)近県製粉企業が農研機構と共同で育成した九州地域等の暖地温暖地

向けのフランスパン加工適性に優れる準強力小麦品種「さちかおり」を100使用したフランスパン用粉を平成30年8月から発売

市販用ゆで麺(長崎県)(小麦)地元の製麺企業近県製粉企業県生麺協同組合JA県等が連携し

平成26年3月に「長崎県育成麦活用開発協議会」を立ち上げ長崎県産長崎W2号(商標登録名長崎ちゃん麦)を100使用したちゃんぽん用のゆで麺を平成29年4月に製品化原料小麦の生産量が整った段階での本格販売を予定

もち性大麦を使用した機能性表示食品(静岡県)(大麦)地元の精麦企業が国内産もち性大麦でβ-グルカン量の多い銘柄を使用し

炊飯用精麦を製品化機能性表示食品として平成29年1月に届出し十分な原料を手当でき次第随時販売予定

〇 もち性大麦を使用したシリアル(愛知県)(大麦)地元の精麦企業が食物繊維が20を超える愛知県産もち性大麦「ワキ

シーファイバー」を使用した国内産もち麦100シリアルを開発平成30年4月から販売開始

図Ⅲ-7 国内産麦を100使用した商品事例

図Ⅲ-8 民間流通制度の運用改善のポイント

0

50

100

150

200

250

300

350

400円千人

大手製パンメーカーA社が国内産小麦100使用の新製品を発売

大手製食品スーパーB社が国内産小麦100使用の新製品をPBで発売

大手製パンメーカーA社が国内産小麦100使用の製品を初めて発売

(参考)国内産小麦を利用した製品の販売状況

(1)国内産小麦100使用の食パンの販売額

大きなシェアを占めるにはいたっていないものの国内産

小麦を100使用した食パンの販売金額の推移を見ると新製

品が登場する度に国内産小麦100使用の食パン市場が拡大し

ています(図Ⅲ-9)

図Ⅲ-9 国内産小麦100使用の食パンの販売額の推移(首都圏)

資料日本経済新聞デジタルメディア社による首都圏のスーパーマーケットなど100店舗におけるPOSデータに基づき農林水産政策研究所において集計

注食パンのうち国内産小麦を100使用していることが明らかな製品のみ計上菓子パン等は含んでいない

表Ⅲ-11 生麺ゆで麺(チルド)の販売金額のシェア(首都圏平成30年)

資料日本経済新聞デジタルメディア社による首都圏のスーパーマーケットなど120店舗におけるPOSデータに基づき農林水産政策研究所において集計

(2)生麺ゆで麺(チルド)の販売金額

生麺ゆで麺全体で上位15製品の売上高に占める国内産

小麦使用表示のある製品のシェアは30となっていますま

た主要な麺製品のうどんラーメン冷やし中華焼そば

全てで国内産小麦使用製品がランクインしています(表Ⅲ

-11)

2013年 2014年 2015年 2016年 2017年 2018年 2019年

                      (単位)

製品の種類製造企業の規模産地表示販売金額シェア

焼そば大手製品(国内産小麦使用表示なし) 99そば大手製品(国内産小麦使用表示なし) 27冷やしラーメン大手製品(国内産小麦使用表示なし) 20うどん大手製品(北海道産小麦使用表示あり) 20ラーメン大手製品(北海道産小麦使用表示あり) 14冷やし中華大手製品(国内産小麦使用表示なし) 14うどん大手製品(国内産小麦使用表示あり) 13焼そば大手製品(国内産小麦使用表示なし) 12焼うどん大手製品(国内産小麦使用表示なし) 12うどん大手製品(国内産小麦使用表示あり) 11焼そば大手製品(国内産小麦使用表示あり) 11そうめん大手製品(国内産小麦使用表示あり) 10うどんPB製品(北海道産小麦使用表示あり) 10つけ麺大手製品(国内産小麦使用表示なし) 10冷麺中小製品(国内産小麦使用表示なし) 10

303

14

89

15上位15製品の売上高に占める国内産小麦使用表示のある製品の

シェア

順位

1

10111213

234567

- 30 -

図Ⅲ-10 外食産業等と連携した農産物の需要拡大対策事業(麦類)

9 国内産麦の需要拡大イベント及び情報発信の取組

近年生産者と実需者等が連携し国内産麦を使用した製品が

数多く開発販売されており各地でイベント等の需要拡大の

取組みが行われております

また農林水産省としては平成30年度産地と外食事業者等

が連携して行う国内産麦を活用した新商品の開発試作製

造するために必要な取組を支援する「外食産業等と連携した農

産物の需要拡大対策事業」を一般社団法人全国米麦改良協会を

実施主体として行っているところです

農林水産省のホームページにおいてこれらのイベント等につい

て情報発信を行うとともに一般社団法人全国米麦改良協会が

開設している国産麦応援情報ホームページでの情報提供等を

行っています(図Ⅲ-10~12)

「国内産麦使用試作品全国統一試食会商談会」開催日平成31年2月12日~19日(土日を除く)場 所むぎくらべ(東京都千代田区神田小川町)

内 容平成29年度補正予算事業「外食産業等と連携した農産物の需要拡大対策事業」の一環として行われた国内産麦を使用した試作品の試食会商談会

「国内産麦使用試作品全国統一試食会商談会」で出品された試作品

- 31 -

第8回全国ご当地うどんサミットin 熊谷 開催日平成30年11月10日~11日 場 所熊谷スポーツ文化公園にぎわい広

場(埼玉県) 内 容全国の国内産小麦を使用した「ご

当地うどん」が一堂に集まりグランプリを決定

図Ⅲ-11 全国各地で開催されたイベント 図Ⅲ-12 一般社団法人 全国米麦改良協会の取組

国産麦応援情報ホームページ「日本の麦の底力」内容国産小麦粉ブランド名鑑国産小麦の逸品イベント情報研究

情報等を掲載URL httpnihonnomugicom

北海道小麦キャンプ2018 in オホーツク 開催日平成30年7月10日~11日 場 所ホテル黒部を主会場としたオホーツ

ク管内(北海道) 内 容国内産小麦北海道産小麦の魅力

を全国に広めることを目的にバスツアーやパン講習会などを実施

麦わらぼうしフェスタ 開催日平成30年11月4日 場 所笠原産業株式会社(栃木県) 内 容国内産小麦を使用したうどんパン

などの試食販売うどん教室などを実施

第7回 信州粉もん祭り 開催日平成30年11月11日 場 所JAながの ちくま埴生支所(長野県) 内 容長野県産小麦を使用した「粉もん料

理」が大集合粉もん試食会や手打ちうどん講習会 などを実施

国内産麦アンテナショップ「むぎくらべ」内容国内産麦を使用した商品のPRと販売の場を提供するものとして

平成30年7月東京都千代田区にオープン

- 32 -

オープニングセレモニーには上月前農林水産大臣政務官(写真中央)も出席

10 食料農業農村基本計画における麦の位置付け

平成27年3月31日に平成37年度を目標とする「食料農業

農村基本計画」が閣議決定され小麦は95万トン大麦はだ

か麦は22万トンの生産努力目標が設定されています(表Ⅲ-

12)

食料消費の見通し 生産努力目標(万トン) 克服すべき課題

1人1年当たり消費量

(kg人年)

国内消費仕向量

(万トン)

平成25年度

平成37年度

平成25年度

平成37年度

平成25年度

平成37年度

小麦 33 32 699 611 81 95

国内産小麦の需要拡大に向けた産地形成やブランド化

実需者ニーズに対応した生産流通体制の確立

新品種新技術の開発導入輪作体系の最適化排水対策等による収量品質の高位安定化

農地の集積集約化経営規模の拡大に対応した省力化に資する技術の開発導入等による生産コストの低減

大麦はだか麦

03 02 208 213 18 22

外国産大麦が多く用いられている焼酎用等の国内産麦の需要拡大

実需者ニーズに対応した生産流通体制の確立

新品種新技術の開発導入輪作体系の最適化排水対策等による収量品質の高位安定化

農地の集積集約化経営規模の拡大に対応した省力化に資する技術の開発導入等による生産コストの低減

表Ⅲ-12 麦の平成37年度における食料消費の見通し及び生産努力目標

資料「食料農業農村基本計画」(平成27年3月閣議決定)注1)国内消費仕向量には飼料用等の食糧用以外の用途への仕向量を含む

2)大麦はだか麦の国内消費仕向量及び生産努力目標にはビール大麦を含む

- 33 -

Ⅳ 米粉に関する動向

1 生産動向

米粉用米の生産量は平成25年産以降2万トン前後で推移していましたが平成29年度以降は約3万トンまで回復しています(表Ⅳ-1)

2 需要拡大に向けた対応

米粉用米の利用量は平成24年度以降年間2万数千トンで推移していましたがグルテンを使用しない米粉商品の開発や新たな米加工品(α化米粉米ゲルなど)の保湿性や粘性に着目した商品の開発「米粉の用途別基準」や「ノングルテン米粉製品第三者認証制度」の運用開始により平成29年度は25千トン30年度は31千トンに増加しています(表Ⅳ-2)

今後の更なる国内海外の需要拡大のためノングルテン米粉や用途別基準に適合する高品質な日本産米粉の流通を契機とした魅力ある新商品の開発や日本産米粉の優位性の情報発信等を推進する必要があります

表Ⅳ-1 上位5県の米粉用米の生産量と作付面積の推移

(参考) 米粉及び小麦粉の販売価格(税抜き)

米粉100~290円kg程度

(小麦粉 100円kg程度)

注1)平成26~29年度については新規需要米取組計画を認定した全需要者からの聞き取り注2)平成30年度については新規需要米取組計画を認定した主要な需要者からの聞き取り

により推計

表Ⅳ-2 米粉用米の利用量(需要者からの聞き取り)

- 34 -

資料26~29年産は新規需要米生産集出荷数量30年産は新規需要米取組計画

認定数量(農林水産省)

(単位千トン)

26年度 27年度 28年度 29年度 30年度見込

22 23 23 25 31

(単位千トン千ha)

26年産 27年産 28年産 29年産 30年産

生産量 59 97 87 130 107作付面積 11 18 15 24 19生産量 10 10 09 30 31作付面積 02 02 02 06 06生産量 08 10 00 19 30作付面積 01 02 00 03 06生産量 10 12 12 12 16作付面積 02 03 02 02 03生産量 20 24 07 12 13作付面積 03 04 01 02 02生産量 184 230 190 284 281作付面積 34 42 34 53 53

秋田県

全国計

新潟県

埼玉県

栃木県

群馬県

農林水産大臣は米穀の新用途への利用の促進に関する基本方針を定める

生産製造連携事業計画

生産者 製造事業者 促進事業者

必須

米穀の新用途への利用の促進に関する法律

米穀の新用途への利用の促進に関する基本方針

関係者が連携して計画を作成米穀の新用途への利用の促進に関する基本方針に照らし適切な計画について農林水産大臣が認定(計画期間は3~5年)

図Ⅳ 米粉用米に対する支援措置

3 米粉用米に対する支援

① 米粉用米についてはその利用の拡大を図るために平成21年に「米穀の新用途への利用の促進に関する法律」が制定されました同法に基づく「生産製造連携事業計画」の認定を受け「農山漁村

活性化計画」の採択を受けた取組に対して米粉用米の生産加工に必要な施設整備等の支援を行っています

② 米粉用米の生産者に対しては水田活用の直接支払交付金による支援を行っていますまたノングルテン米粉表示や米粉の用途別基準により需要者ニーズに合った高品質な米粉の製造や輸出拡大の取組を支援しています

③ 平成31年度は国内海外の需要獲得に向け引き続き魅力ある新商品開発を推進するほか日本産米粉の優位性の情報発信やノングルテン米粉の製造手法マニュアルの作成など輸出を含めた日本産米粉の需要拡大に向けた取組を支援していくこととしています

予 算 措 置

【水田活用の直接支払交付金】水田を活用して米粉用米等の作物を生産する農業者に対し交付金を直接交付 (米粉用米収量に応じ55万円~105万円10a)

【農山漁村振興交付金】米粉飼料用米の生産加工に係る施設整備に対し交付金を交付(補助率定額12)

【持続的生産強化対策事業】

日本産米粉の優位性の情報発信ノングルテン米粉の製造手法マニュアルの作成米粉用米生産者と製造事業者とのマッチング

等の取組を支援

金 融 措 置

【日本政策金融公庫による低利融資】(食品安定供給施設整備資金)

米粉製造施設米粉を原料とした食品の製造加工施設等への融資

(輸出を含めた日本産米粉の需要拡大支援事業)

(補助率定額)

【外食産業等と連携した需要拡大対策事業】

国産農林水産物食品の輸出等需要フロンティアの開拓を図るため産地と複数年契約を締結する民間企業(外食加工業者)に対し国産農林水産物を活用した新商品の開発やそれに必要な技術開発等を支援 (補助率定額12)

- 35 -

【農林水産物食品輸出促進緊急対策事業】コメ海外市場拡大戦略プロジェクトに参加する輸出産地や輸出事業者等が連携して戦略的に取り組む中国等の海外市場開拓プロモーション等を支援

(補助率定額12)

品目 現在の関税率 合意内容

小麦

枠内税率無税+マークアップ

枠外税率55円kg

現行の国家貿易制度を維持するとともに枠外税率(55円kg)を維持

既存のWTO枠に加え米国(15万(7年目以降))【不適用】カナダ(53万(同))豪州(5万(同))にSBS方式の国別枠を設定

マークアップを9年目までに45削減

大麦

枠内税率無税+マークアップ

枠外税率39円kg

現行の国家貿易制度を維持するとともに枠外税率(39円kg)を維持

既存のWTO枠に加えSBS方式のTPP枠(65万(9年目以降))を設定

マークアップを9年目までに45削減

1 TPP11協定概要(麦)(平成30年12月30日発効)

Ⅴ TPP11及び日EUEPAの協定概要(麦関係)

(参考主な麦製品)

現在の関税率合意内容

税率 枠数量

いった小麦小麦粉等

(国家貿易品目)

枠内税率125~25+マークアップ

枠外税率85~134円kg

枠内即時無税+マークアップ

(枠外税率は維持)

(発効時) (6年目)125千rarr175千

ベーカリー製品製造用

小麦粉調製品16~24

枠内即時無税(枠外税率は維持)

(発効時) (6年目)米国 105千rarr12千【不適用】米国以外 68千rarr 8千

その他小麦粉調製品

16~28枠内即時無税

(枠外税率は維持)(発効時) (6年目)15千rarr225千

マカロニスパゲティ

30円kg9年目までに60削減

ビスケット 1315 6年目に無税 -

注1)いった小麦とは小麦をいったものであり主にシリアル食品等に使用される

2)その他小麦粉調製品とは製麺まんじゅう等のベーカリー製品以外の製造用の

小麦粉調製品である

- 36 -

2 日EUEPA協定概要(麦)(平成31年2月1日発効)

品目 現在の関税率 合意内容

小麦

枠内税率無税+マークアップ

枠外税率55円kg

現行の国家貿易制度を維持するとともに枠外税率(55円kg)を維持

既存のWTO枠に加えSBS方式のEU枠(270(7年目以降))を設定

枠内のマークアップを9年目までに45削減

大麦

枠内税率無税+マークアップ

枠外税率39円kg

現行の国家貿易制度を維持するとともに枠外税率(39円kg)を維持

既存のWTO枠に加えSBS方式のEU枠(30(即時))を設定

枠内のマークアップを9年目までに45削減

(参考主な麦製品)

現在の関税率合意内容

税率 枠数量

いった小麦小麦粉等

(国家貿易品目)

枠内税率125~25+マークアップ

枠外税率85~134円kg

枠内即時無税+マークアップ

(枠外税率は維持)

(発効時) (6年目)38千rarr44千

ベーカリー製品製造用

小麦粉調製品16~24

枠内即時無税(枠外税率は維持)

(発効時) (6年目)104千rarr142千

その他小麦粉調製品

16~28枠内即時無税

(枠外税率は維持)(発効時) (6年目)

2千rarr3千

マカロニスパゲティ

30円kg 11年目に無税 -

ビスケット 1315 6年目に無税 -

注1)いった小麦とは小麦をいったものであり主にシリアル食品等に使用される

2)その他小麦粉調製品とは製麺まんじゅう等のベーカリー製品以外の製造用の

小麦粉調製品である

(参考) 麦の国境措置

小 麦 大 麦

輸入数量

価格

輸入数量

価格

政府売渡価格

マークアップ(輸入差益)

452円kgを上限

輸入価格

(枠内税率0円kg)

枠内輸入(国家貿易) 枠外輸入

(民間貿易)枠外税率を支払って輸入された数量(平成29年度)12千トン

WTOカレントアクセス数量5740千トン

枠外税率55円

政府売渡価格

輸入価格(枠内税率0円kg)

WTOカレントアクセス数量1369千トン

枠内輸入(国家貿易) 枠外輸入(民間貿易)

枠外税率を支払って輸入された数量(平成29年度)06千トン

枠外税率39円

民間貿易の場合の輸入価格

民間貿易の場合の輸入価格

286円kgを上限

マークアップ(輸入差益)

- 37 -

  • スライド番号 1
  • スライド番号 2
  • 麦の参考資料 麦の需給に関する見通し(動向編)
  • スライド番号 4
  • スライド番号 5
  • スライド番号 6
  • スライド番号 7
  • スライド番号 8
  • スライド番号 9
  • スライド番号 10
  • スライド番号 11
  • スライド番号 12
  • スライド番号 13
  • スライド番号 14
  • Ⅱ 小麦粉麦製品の生産と価格の動向
  • スライド番号 16
  • スライド番号 17
  • スライド番号 18
  • スライド番号 19
  • スライド番号 20
  • スライド番号 21
  • スライド番号 22
  • スライド番号 23
  • スライド番号 24
  • スライド番号 25
  • スライド番号 26
  • スライド番号 27
  • スライド番号 28
  • スライド番号 29
  • スライド番号 30
  • スライド番号 31
  • スライド番号 32
  • スライド番号 33
  • スライド番号 34
  • スライド番号 35
  • スライド番号 36
  • スライド番号 37
  • スライド番号 38
  • スライド番号 39
  • スライド番号 40
  • スライド番号 41
Page 21: 麦の参考資料 - maff.go.jp · 2020-03-31 · 2014/15 2015/16 2016/17 2017/18 2018/19 (平成26年) (平成27年) (平成28年)(平成29年)(平成30年) 見込

表Ⅱ-2 麦製品の輸入量の推移(参考1) 麦製品の輸入動向

(1)小麦粉調製品

小麦粉に砂糖脱脂粉乳等を混合した小麦粉調製品の輸

入量は平成11年以降デフレに伴う低価格品需要の拡大

により増加傾向で推移してきましたが麦の国際相場の

高騰に伴う輸入価格の上昇等により平成18年から平成20年

にかけて減少しましたその後も減少傾向で推移しており

平成30年は8万3千トンの輸入量となっています

(2)麦加工製品

①マカロニスパゲッティ

マカロニスパゲッティについては国内の全体需要が

増加する中で輸入量が増加傾向で推移してきました

平成30年は過去最高の輸入量であった前年からは減少

し13万8千トンとなっています

②ビスケット

ビスケットの輸入量は平成25年以降円安の影響を受

けて減少していましたが平成28年度以降増加傾向にあり

平成30年の輸入量は2万5千トンとなっています

資料財務省「貿易統計」注小麦粉調製品は穀粉が占める割合が85以下のものの輸入量

なお小麦粉調製品のうち加糖のものは一般に菓子類菓子パン類等の原料として利用され無糖のものは麺類等の原料として使用される

(単位千トン)

- 13 -

対前年 対前年 対前年 対前年 対前年

増減率 増減率 増減率 増減率 増減率

() () () () ()

平成12 107 118 85 92 97 26 45 95 108 11 123

13 121 126 75 99 81 27 51 93 25 13 209

14 126 131 35 102 30 29 52 101 94 15 142

15 116 133 13 101 06 31 82 108 63 21 400

16 108 136 28 98 32 38 222 112 35 25 219

17 110 140 26 98 01 42 90 110 17 24 49

18 116 139 09 99 12 39 59 110 02 24 23

19 118 117 155 87 128 30 224 104 49 23 56

20 104 100 144 72 173 29 60 127 219 18 221

21 94 102 23 73 15 30 42 116 85 17 83

22 88 107 40 73 07 33 119 121 36 19 173

23 80 108 12 78 59 30 90 134 115 22 143

24 80 106 16 78 02 28 63 142 58 22 07

25 97 100 53 73 64 28 25 133 68 18 182

26 105 98 21 73 02 25 83 133 03 17 74

27 121 94 40 69 55 25 03 132 08 14 166

28 109 91 32 65 58 26 40 145 99 19 348

29 112 92 05 65 02 27 14 150 32 24 296

30 110 83 92 59 85 24 110 138 75 25 23

国 名輸入割合()

国 名輸入割合()

国 名輸入割合()

国 名輸入割合()

国 名輸入割合()

韓国 409 韓国 528 シンガポール 442 イタリア 465 インドネシア 242

シンガポール 202 フランス 151 米国 126 トルコ 355 中国 205

フランス 114 シンガポール 105 韓国 114 米国 142 マレーシア 84

米国 75 中国 78 ニュージーランド 98 ギリシャ 20 ベトナム 63

中国 57 米国 55 豪州 69 アラブ首長国連邦 10 イタリア 55

国 名対前年増減率()

国 名対前年増減率()

国 名対前年増減率()

国 名対前年増減率()

国 名対前年増減率()

韓国 10 韓国 13 シンガポール 221 イタリア 107 インドネシア 202

シンガポール 124 フランス 92 米国 136 トルコ 45 中国 76

フランス 87 シンガポール 108 韓国 30 米国 09 マレーシア 245

米国 116 中国 546 ニュージーランド 87 ギリシャ 152 ベトナム 137

中国 543 米国 98 豪州 344 アラブ首長国連邦 135 イタリア 119

30

輸入上位5カ国

区分

為替レー

円ドル)

小麦粉調製品 麦加工製品

加糖のもの 無糖のもの マカロニスパゲッティ ビスケット

(参考2) 麦製品の輸出動向

麦製品の輸出量のうちその大部分を占める小麦粉の輸出量

は近年主要輸出先国の製粉技術の向上や現地製粉工場の立

上げ等により減少傾向で推移し平成30年は約16万トンとなっ

ています(表Ⅱ-3)

表Ⅱ-3 麦製品の輸出量の推移

資料財務省「貿易統計」

(単位トン)

- 14 -

対前年増減率()

対前年増減率()

対前年増減率()

309594 75 376 431 1028 375

321028 37 315 162 967 59

319968 03 253 197 953 14

318706 04 410 621 1052 104

304465 45 328 200 769 269

289911 48 1054 2213 719 65

290033 00 1196 135 762 60

255377 119 1150 38 1098 441

187040 268 743 354 1198 91

185403 09 822 106 898 250

196183 58 770 63 974 85

191480 24 607 212 698 283

192598 06 598 15 780 117

168205 127 573 42 769 14

166311 11 571 04 861 120

157938 50 553 32 1249 451

158896 06 549 07 1287 30

167600 55 532 32 778 395

163640 24 535 06 894 148

国 名輸出割合

() 国 名輸出割合

() 国 名輸出割合

()

香港 496 香港 888 中国 483シンガポール 207 中国 43 香港 314ベトナム 96 韓国 21 台湾 64

タイ 59 米国 17 ベトナム 37台湾 58 台湾 11 シンガポール 29

国 名対前年増減率() 国 名

対前年増減率() 国 名

対前年増減率()

香港 175 香港 26 中国 251シンガポール 583 中国 62 香港 329ベトナム 135 韓国 437 台湾 59

タイ 81 米国 1047 ベトナム 418台湾 47 台湾 261 シンガポール 449

24

30

輸出上位5カ国

25

181920212223

2627282930

17

  区分

小麦粉マカロニスパゲッティ

スイートビスケット

平成1213141516

(参考3) 麦製品の生産動向

麦製品の生産量は食パンや乾麺のように生産量が減少している製品もある一方で菓子パンや即席麺冷凍麺のように生産量が増加している製品もあることから使用される小麦粉の数量は平成22年以降概ね横ばい傾向で推移しています麦製品は食生活の多様化や簡便性といった消費者ニーズを

捉えつつ継続した新製品の開発がなされており新たな定番となる商品の登場や期間限定の商品やイベントなどが消費者の購買を促進していると考えられます(図Ⅱ-3表Ⅱ-4)

表Ⅱ-4 麦製品の生産量の推移

(単位千トン)

- 15 -

資料平成21年度までは農林水産省「米麦加工食品生産動態統計調査年報」平成22年度からは農林水産省「食品産業動態調査」及び農林水産省「製粉精麦工場需給実績報告」冷凍麺の生産量は(一社)日本冷凍食品協会調べ

注1)麺類及びパン類の生産量は小麦粉使用量で冷凍麺は製品生産量である2)小麦粉は年度の計でありその他は暦年の計である

区分

パ ン 麺 類 冷凍麺

小麦粉 食パン菓子パ

ンその他のパン

生麺 乾麺 即席麺

年度計 暦年計 暦年計 暦年計 暦年計 暦年計 暦年計 暦年計 暦年計 暦年計

昭和45 3422 970 469 - - - 514 327 267 -

50 3978 1062 588 251 63 - 541 289 335 -

55 4079 1189 687 285 89 1334 610 275 325 -

60 4243 1178 653 291 133 1397 659 297 316 9

平成2 4338 1193 661 321 146 1407 687 274 316 41

7 4633 1220 623 368 178 1456 729 268 314 120

12 4623 1279 619 382 235 1421 687 235 343 190

22 4725 1196 576 375 215 1251 555 203 332 257

23 4708 1215 580 392 215 1283 548 209 361 270

24 4654 1219 580 392 221 1269 542 204 363 283

25 4694 1226 598 384 218 1324 562 213 386 314

26 4683 1234 608 387 214 1371 578 213 410 318

27 4702 1234 605 403 201 1396 624 195 414 308

28 4683 1238 604 403 206 1409 652 186 419 308

29 4703 1254 602 409 218 1445 691 186 416 313

30 - 1221 585 401 211 1473 712 188 420 -

〔低糖質製品〕

〔多種多様な携帯サンドイッチ〕

〔手軽な冷凍麺〕

図Ⅱ-3 麦製品の商品事例

H18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29

製粉工場数 124 122 121 119 117 118 117 114 109 104 102 98

製粉企業数 100 98 98 96 94 95 94 90 88 83 81 77

うち輸入小麦取扱製粉工場数 91 91 90 90 87 87 86 83 78 76 74 73

うち輸入小麦取扱製粉企業数 67 67 67 65 64 64 64 60 57 55 53 52

50

70

90

110

130

150製粉工場数

製粉企業数

うち輸入小麦取扱製粉工場数

うち輸入小麦取扱製粉企業数

3 製粉企業の状況

(1)大手製粉企業及び中小製粉企業の動向

① 大手製粉企業4社の小麦粉の生産量は全体の78を占

めておりこれに年間小麦粉生産量が3万トン以上の企業

の生産量を加えた13社ベースでは全体の90を占めてい

ます

② 大手製粉企業は生産設備の臨海工場への集約化を進め

つつ工場の大規模化合理化を推進しています

平成29年度の1工場当たりの生産量は17万トンまた

稼働率は89となっています

③ 年間小麦粉生産量3万トン以上の中小製粉企業は工場

のほとんどが臨海地域に立地し小麦粉を域内の二次加工

メーカー等に供給しています

平成29年度の1工場当たりの生産量は約6万トン稼働

率は67となっています

④ 年間小麦粉生産量1千トン以上3万トン未満の中小製粉

企業は主に内陸に位置し小麦粉を地元のパン麺等の

加工業者に供給するほか乾麺等の製造を兼ねるものも多

くなっています

平成29年度の1工場当たりの生産量は13万トンと大

手製粉企業の約14分の1稼働率は35となっています

⑤ 年間小麦粉生産量1千トン未満の中小製粉企業は輸入

小麦を取り扱わない企業が大部分を占め国内産小麦のみ

を使用し麺用や菓子用に供給しています

表Ⅱ-5 大手製粉企業中小製粉企業の小麦粉生産等の動向

資料農林水産省調べ注四捨五入の関係で計と内訳が一致しない場合がある

(参考)製粉企業数と工場数の推移(企業工場)

- 16 -

3万トン以上1千トン以上3万トン未満

1千トン未満

平成24 94 4 90 9 50 31

29 77 4 73 9 38 26

24 4853 3679 1174 536 636 3

29 4877 3801 1075 569 504 2

24 100 758 242 110 131 01

29 100 779 221 117 103 00

24 3245 1177 2068 632 1360 76

29 2806 1057 1749 581 1114 54

24 1496 3126 568 848 468 39

29 1738 3596 615 980 452 44

24 415 1533 126 596 120 01

29 498 1728 142 569 126 01

24 692 887 414 709 311 42

29 731 888 454 670 347 46

全体 大手製粉

中 小 製 粉年間生産量

稼働率()

製粉企業数

小麦粉生産量(千トン)

生産シェア()

従業員数(人)

従業員一人当たりの生産量

(トン)

一工場当たりの生産量(千トン)

(2)製粉企業のコスト削減や品質安全性の向上に向けた取組

製粉企業は生産能力の増強によるコスト削減や品質安全性の向上に向けた取組を進めています(図Ⅱ-4)

また国も農業競争力強化プログラムを策定し製粉企業の取組みを支援しています(図Ⅱ-5)

① 供給能力の強化等によるコストダウン

製粉企業は供給能力の強化生産性の向上と原料小麦の受入体制の整備によるコストダウンを図るため製粉工場や原料サイロの増強等の設備投資を行っています

② 資本業務の提携

製粉企業の中には他の製粉企業と資本業務提携を行うこと等により原料調達規模の拡大や生産の効率化等による競争力の強化を図る取組もみられます

③ 品質安全性の向上

製粉企業は近年消費者の安全安心への関心が高まる中食品の品質安全性を確保するための設備やAIB食品安全システムの導入ISO認証の取得等様々な取組を行っています

④ 工場の集約化

大手製粉企業は内陸工場を閉鎖し海外からの原料調達に有利な臨海工場への集約を進めるとともに臨海工場の生産能力を増強させる等生産性の向上を図っています

⑤ 海外市場への進出

製粉企業の中にはアジア大洋州地域における買収や工場増設等海外市場に積極的な進出をする取組もみられます

① 供給能力の強化等によるコストダウン 日清製粉は関東地区の小麦サイロ収容力の増強を進め更なる原料小麦の安定供給を推進するため鶴見工場の原料小麦サイロを増設(平成28年)

日本製粉は神戸甲南工場の原料サイロの新設等(平成24年)千葉工場の原料サイロの増設(平成26年)を行い今後原料サイロを福岡工場及び知多新工場へ新設神戸甲南工場(第2期)へ増設する予定

千葉製粉は新たな顧客ニーズへの対応付加価値製品の創出等を図るため専用ラインを新設(平成27年)

② 資本業務提携 資本業務提携を行っている製粉企業

増田製粉所(兵庫) hArr 日東富士製粉

木田製粉(北海道)内外製粉(三重)奥本製粉(大阪)セントラル製

粉(愛知) hArr 昭和産業

東福製粉(福岡) hArr 日本製粉

③ 品質安全性の向上 多くの製粉企業がISO9001(品質マネジメントシステム)ISO22000(食品安全マネジメントシステム)の認証を受けることにより品質管理や食品安全管理を実施

④ 工場の集約化 日清製粉は生産性向上のため内陸工場を順次閉鎖し臨海工場への集約化を推進

筑後工場(福岡)鳥栖工場(佐賀) rarr 福岡工場(福岡)へ集約

(平成26年)

名古屋工場の2ライン rarr 知多工場(愛知)の新ラインへ集約

(平成27年)

日本製粉は生産性向上のため総生産能力の80を臨海部の大型工場に集約

⑤ 海外市場への進出状況(平成30年度) 日清製粉は豪州の小麦粉市場においてトップシェアを持つアライドピナクル社を買収またタイでは子会社の日清STC製粉がタイの製粉工場を買収するとともにベトナムでは業務用プレミックスの生産工場を建設することを決定

昭和産業はベトナムに新たにプレミックス製造会社を設立し生産工場を建設することを決定

図Ⅱ-4 製粉企業の各種取組の事例

- 17-

⑥ 再編合理化の取組

製粉企業の中には国の支援を活用した再編合理化の取

組もみられます

⑦ 地産地消の推進

中小製粉企業は地域とのつながりの強さや独自の立地

条件を活かした特色ある経営を模索する中で生産者と協

力した積極的な地産地消の取組を進めています

⑦ 地産地消の推進

岩手県主な実施者岩手県学校給食会岩手県パン工業組合県内製粉企業取 組 内 容 平成28年度から地元県産小麦(銀河のちからゆきちから)を

100使用した学校給食用パンを県内の小中学校に提供開始埼玉県

主な実施者埼玉産小麦ネットワーク「SWING group」(県内製粉企業が中心となり生産者加工業者販売業者等180社が加盟)

取 組 内 容 埼玉県産小麦のブランド価値を高めることなどを目的として埼玉県産小麦を自社製品に利用することで高付加価値商品の開発による自社の発展などを目指すとともに研修会の実施やイベントホームページなどを通じた消費者への情報提供を実施

京都府主な実施者地元製粉企業京都府全農京都府本部生産者府内製麺製

パン業者飲食店取 組 内 容 平成30年産から京都府産小麦品種を「せときらら」へ全面切替を

行ったことを機にブランド名を「京小麦」とし「京小麦」を100使用したメニューを参加店舗にて提供するイベント「京小麦の収穫祭」を平成31年1月21日から2月17日まで開催

福岡県主な実施者福岡県ラー麦普及推進協議会(県JA全農ふくれん県内製粉

業者5社製麺業者関係団体)取 組 内 容 以下の取組によりラーメン用小麦「ラー麦」を普及推進

産地への生産技術の普及指導 小麦品質評価最適製粉加工方法の検討 利用や消費を促進するための普及宣伝(試

食イベント等) 毎年産の製粉製麺適性評価および食味

官能評価の実施 平成21年に本小麦の名称「ラー麦」とロ

ゴデザインを商標登録しブランド化

- 18 -

2 生産者が有利な条件で安定取引を行うことができる流通加工の業界構造の確立

(1)生産者に有利な流通加工構造の確立現在の食料需給消費の実態等を踏まえた効率的機能

的で農業者と消費者双方がメリットを受けられる流通加工構造を確立するため以下のとおり取り組む

その際農林水産省経済産業省をはじめ政府一体となって取り組む①~⑦ (略)⑧ 加工業については生産性の低い工場が乱立している

種類の加工業界(製粉乳業等)について国は国際競争に対応できる生産性の確保を目指した業界再編設備投資等を推進することとし政府系金融機関の融資農林漁業成長産業化支援機構の出資等による支援を行う

⑨ 上記改革を推進するため農産物の流通加工に関し国の責務業界再編に向けた推進手法等を明記した法整備を進める

⑩ 上記改革を推進するため金融機関による流通加工関連産業の生産性向上に資する経営支援や資金供給の促進政府系金融機関や農林漁業成長産業化支援機構等との連携強化等を図る

図Ⅱ-5 農業競争力強化プログラム(抜粋)

(平成28年11月29日 農林水産業地域の活力創造本部決定)

⑥ 再編合理化の取組

製粉工場の廃棄撤去製粉施設の一部又は全部を撤去しミックス粉等の関連事業を拡大

(製粉工場等再編合理化事業(平成2728年度7件))

図Ⅲ-1 国内産小麦の収穫量と作付面積の推移

表Ⅲ-1 小麦の主な作付品種(平成29年産)

Ⅲ 国内産麦の生産と流通の動向

1 国内産麦の生産状況

(1)小麦

① 作付面積

近年の国内産小麦の作付面積は約21万haと横ばいで推移して

います平成30年産の作付面積は北海道は121万ha都府県

は91万ha全国では212万haとなり前年産並となっていま

② 収穫量

平成30年産の国内産小麦の収穫量は主産地の北海道での6

月中旬から7月中旬にかけての低温日照不足の影響により登

熟不良となったこと等から前年産に比べ北海道で134万ト

ン(22)減少都府県では05万トン(2)減少全国

では139万ha(15)減少の768万トンとなり(図Ⅲ-1)

10a当たりの平均収量対比は91となりました

③ 小麦の作付品種の状況

栽培品種については各産地の気候条件や用途等に適した品

種が作付されており29年産では日本麺用では「きたほなみ」

「さとのそら」「シロガネコムギ」といった品種パン

中華麺用では「春よ恋」「ゆめちから」といった品種が上位

を占めています(表Ⅲ-1)

資料農林水産省「作物統計」品種毎の面積は農林水産省政策統括官調べ

注品種の育成年についてはシロガネコムギは農林認定が行われた年

それ以外の品種は出願公表が行われた年としている

資料農林水産省「作物統計」30年産の数値は概算値

- 19 -

(千トン)

年産

910 881

674

571

746

858 812

852

1004

791

907

768

210 209 208 207 212 209 210 213 213 214 212 212

100

120

140

160

180

200

220

240

260

280

300

0

200

400

600

800

1000

H19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30

収穫量 作付面積(千ha)

品種名 育成年 作付面積(千ha) 割合 主な作付地域

きたほなみ 平成19年 878 41 北海道

さとのそら 平成21年 159 7 関東東海

シロガネコムギ 昭和49年 152 7 九州近畿

春よ恋 平成11年 143 7 北海道

ゆめちから 平成20年 137 6 北海道

上位5品種計 1469 69

小麦作付面積 - 2123

図Ⅲ-2 国内産大麦及びはだか麦の収穫量と作付面積の推移

表Ⅲ-2 大麦及びはだか麦の主な作付品種(平成29年産)

(2)大麦及びはだか麦

① 作付面積

近年国内産大麦及びはだか麦の作付面積は約6万と横ば

いで推移しており平成30年産は前年産と比較すると二条

大麦は前年産並六条大麦は800ha(4)減少はだか麦

で460ha(9)増加となり全体では340ha(1)減少の

61万haとなりました(図Ⅲ-2)

② 収穫量

平成30年産の大麦及びはだか麦の収穫量は二条大麦及びは

だか麦はおおむね天候に恵まれ生育が順調で登熟も良好

であったこと等から前年産に比べ二条大麦は01万トン

(1)増加はだか麦は01万トン(8)増加となりました

六条大麦については北陸地方において大雪の影響で融雪時期

が遅れたこと等により穂数が少なくなり前年産に比べ14万

トン(26)減少しました

この結果大麦及びはだか麦の収穫量は合計で173万トンと

なり前年産に比べて12万トン(6)減少となりました

(図Ⅲ-2)

③ 大麦及びはだか麦の作付品種の状況

栽培品種については各産地の気候条件や用途等に適した品

種が作付されており29年産では二条大麦はビール用の「サ

チホゴールデン」六条大麦は主食用や麦茶用の「ファイ

バースノウ」はだか麦は麦味噌用の「マンネンボシ」いっ

た品種が上位を占めています(表Ⅲ-2)

資料農林水産省「作物統計」30年産の数値は概算値

- 20 -

(千トン)

資料農林水産省「作物統計」農林水産省調べ

注品種の育成年についてはシュンライイチバンボシは農林認定が行われ

た年それ以外の品種は出願公表が行われた年としている

195 217

179 161

172 172 183

170 177 170 185

173

54 57 58 59 60 60 59 60 61 61 61 61

0

10

20

30

40

50

60

70

80

90

100

0

50

100

150

200

250

H19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30

収穫量 作付面積 (千ha)

年産

麦種 品種名 育成年作付面積(千ha)

割合 主な作付地域

二条大麦

サチホゴールデン 平成18年 189 31 九州関東中国

はるしずく 平成17年 44 7 九州

ニシノホシ 平成11年 27 4 九州

六条大麦

ファイバースノウ 平成13年 107 17 北陸関東東海

シュンライ 平成2年 33 5 関東東北近畿

カシマゴール 平成22年 13 2 関東東海

はだか麦

マンネンボシ 平成13年 15 2 四国

イチバンボシ 平成4年 14 2 四国九州

トヨノカゼ 平成18年 11 2 九州中国

大麦はだか麦作付面積

- 614

資料農林水産省調べ

Aランク評価項目の基準値を3つ以上達成しかつ許容値を全て達成している麦Bランク評価項目の基準値を2つ達成しかつ許容値を全て達成している麦Cランク評価項目の基準値を1つ達成しかつ許容値を全て達成している麦

評価項目の基準値を2つ以上達成しているものの許容値を達成していない麦DランクA~Cランクのいずれにも該当しない麦

【評価項目】①小麦 日本麺用パン中華麺用(たんぱく灰分容積重フォーリングナンバー)

醸造用(たんぱく3項目容積重)②二条大麦 主食等用(容積重細麦率白度正常粒率)

麦茶用(たんぱく3項目細麦率)③六条大麦はだか麦 主食等用(容積重細麦率白度硝子率)

麦茶用(たんぱく3項目細麦率)

(参考) 麦の品質区分

(単位)

- 21 -

(2)品質評価

たんぱく質や灰分の含有率等に基づく品質評価結果につい

ては平成30年産の小麦ではAランクが899となってお

り過去5年平均(Aランク比率849)と比べ5ポイン

ト高くなっています

また平成30年産の大麦はだか麦ではAランクが

849となっており過去5年平均(Aランク比率832)

と比べ17ポイント高くなっています(表Ⅲ-4)

表Ⅲ-4 平成30年産麦の品質評価結果

2 国内産麦の品質状況

(1)農産物検査① 平成30年産の小麦について全国の1等比率は761

(平成30年12月末時点)と過去5年平均799と比較して低くなっています(表Ⅲ-3)

② 平成30年産の小粒大麦大粒大麦はだか麦及びビール大麦について1等比率は大粒大麦を除き過去5年平均と比較して低くなっています(表Ⅲ-3)

表Ⅲ-3 国内産麦の1等比率の推移(単位)

Aランク Bランク Cランク DランクAランク

過去5年平均(平成25~29年産)

小 麦 899 67 33 01 849

大麦はだか麦

849 37 108 06 832

注1)各年産翌年4月末時点の値であるただし平成30年産は30年12月末時点の値である

2)強力小麦の検査数量を含む値である

3 国内産麦に対する支援

平成31年度は経営所得安定対策等の対策のうち主に畑作

物の直接支払交付金と水田活用の直接支払交付金により国内

産麦に対する支援が行われます

(1)畑作物の直接支払交付金

畑作物の直接支払交付金として麦を生産する農業者に対

し標準的な生産費と標準的な販売価格の差額分を直接交付

することとしています

支払いは当年産の麦の品質及び生産量に応じて交付する

数量払を基本とし当年産の麦の作付面積に応じて交付する

面積払(営農継続支払)を数量払の先払いとして交付する仕

組みにしています

数量払の交付単価は品質に応じた単価を設けており需要

に応じた生産と品質に対する営農努力を適切に反映させる仕

組みになっています(表Ⅲ-5)

表Ⅲ-5 畑作物の直接支払交付金の麦の交付単価

(円単位数量)

品質区分(等級ランク)

1等 2等

A B C D A B C D

小麦(パン中華麵

用品種)(60kg当たり)

9040 8540 8390 8330 7880 7380 7230 7170

小麦(パン中華麺用品種以外)(60kg当たり)

6740 6240 6090 6030 5580 5080 4930 4870

二条大麦(50kg当たり) 5550 5130 5010 4960 4690 4270 4140 4090

六条大麦(50kg当たり) 6030 5610 5480 5430 5000 4580 4460 4410

はだか麦(60kg当たり) 8650 8150 8000 7910 7080 6580 6430 6350

(参考)

【平均交付単価小麦6940円60kg二条大麦5490円50kg六条大麦5720円50kg

はだか麦8230円60kg】

②面積払

当年産の作付面積に応じて交付 2万円10a

①数量払(品質に応じた単価)

- 22 -

【平成31年産に適用】

標準的な生産費

差額

ゲタ交付単価

標準的な販売価格

【交付単価のイメージ】lt畑作物の直接支払交付金のイメージgt

面積払(数量払の際に控除されます)

数量払

収量

交付金額

(2)水田活用の直接支払交付金

水田のフル活用を推進し食料自給率自給力の向上を図

るため水田で麦を生産する農業者に対しては畑作物の直

接支払交付金に加え水田活用の直接支払交付金(35000円

10a)を直接交付することとしています(表Ⅲ-6)

表Ⅲ-6 水田活用の直接支払交付金の交付単価

作 物 単 価

麦大豆飼料作物 35000円10a

WCS(ホールクロップサイレージ)用稲 80000円10a

加工用米 20000円10a

飼料用米米粉用米収量に応じ

55000円~105000円10a

このほか「産地交付金」により地域で作成する水田フル活用ビジョンに基づき二毛作や耕畜連携を含め産地づくりに向けた取組を支援します

戦略作物助成

注実需者等との出荷販売契約等を締結すること出荷販売することが要件

- 23 -

4 国内産食糧用麦の流通動向

(1)取引の概要

国内産食糧用麦は加工原料としての商品特性から需要に応じて計画的に生産できるようは種前契約に基づく取引が行われています

まず取引の指標となる透明性のある適正な価格を形成するためは種前に販売予定数量の3~4割(具体の比率は民間流通地方連絡協議会の協議を踏まえ決定)について入札が行われます残りは相対取引が行われておりその価格については入札で形成された指標価格(落札加重平均価格)を基本として取引当事者間で決められています(図Ⅲ-3)

また取引を円滑に進めるため生産者需要者等で構成される民間流通連絡協議会において取引に必要な情報交換取引に係る基本事項の見直し等が行われています(表Ⅲ-7)

今後とも国内産食糧用麦については円滑な流通が確保されるようは種前契約を基本としつつ適切に対応していきます

図Ⅲ-3 国内産食糧用麦の基本的な流通フロー

表Ⅲ-7 国内産食糧用麦の入札の仕組み

項 目 概 要 見直しの変遷

実施主体 一般社団法人 全国米麦改良協会

実施時期 は種前に2回実施(8~9月)平成13年産から1回rarr2回へ見直し

上場数量

産地銘柄別に販売予定数量が小麦3千トン以上大麦はだか麦1千トン以上の銘柄についてその30~40を上場(ほかに希望上場あり)

平成31年産から30rarr30~40へ見直し

基準価格

小麦は前年産の落札加重平均価格に当年産の入札実施時点での外国産麦の政府売渡価格の変動率を乗じた価格大麦はだか麦は前年産の落札加重平均価格

小麦の外国産麦との連動は平成24年産から実施

値幅制限 基準価格のplusmn10

小麦平成12年産~16年産plusmn5平成17年産~21年産plusmn7平成22年産plusmn10平成23年産plusmn30平成24年産~ plusmn10大麦はだか麦平成12年産~18年産plusmn5平成19年産~21年産plusmn7平成22年産plusmn10平成23年産plusmn15平成24年産~ plusmn10

取引価格の事後調整(小麦のみ)

外国産食糧用小麦の政府売渡価格の改定(410月)に合わせては種前の入札又は相対により契約された価格に外国産食糧用小麦の政府売渡価格の変動率を乗じて取引価格を改定

平成23年産から実施

申込限度数 量

買い手別に上場数量times買受実績シェアtimes145

小麦は平成17年産から大麦及びはだか麦は平成19年産から135rarr145へ見直し

相対取引入札で形成された指標価格を基本に生産者団体と需要者の間で協議決定

平成19年産から過去の実績シェアに基づく取引ルールを廃止

再入札

第1回入札及び第2回入札において落札残数量が発生した場合は売り手の希望により再度入札に付すか相対による契約を行うかいずれかの方法をとることができる

平成25年産から売り手の申し出により再入札における入札の値幅を設定できること等を規定

生産者団体から販売予定数量需要者団体から購入希望数量の相互提示

入札取引の実施(販売予定数量の約3~4割)

相対取引の実施(販売予定数量の約6~7割)

は 種(秋まき春まきは収穫年の4月)

収 穫 及 び 検 査

生産者団体と需要者の間では種前に契約を締結

需 要 者 へ 引 渡 し

<生産の流れ>

麦の生育期間

<契約の流れ>

は種前契約に基づき計画的に作付(は種)

収穫前年7月~

8~9月

9月~

~12月

6~8月

6月~

収穫年26年産から国内産麦の需要拡大を図るため地域の食文化のブランド化等による高付加価値化の取組等に対し安定的な原料供給が可能となる需要拡大推進枠を導入

- 24 -

表Ⅲ-8 国内産食糧用麦の供給量 (単位千トン)

注集荷団体からの聞き取り数量である

(2)流通の動向

平成30年産の国内産食糧用小麦の供給量は前年産から

約14万4千トン減少し約70万1千トンとなっています

また国内産食糧用大麦及びはだか麦の供給量は前年

産から約3千トン減少し約10万3千トンとなっています

(表Ⅲ-8)

生産者側から提示された平成31年産麦の販売予定数量は

国内産食糧用小麦で約82万4千トン国内産食糧用大麦及

びはだか麦で約10万8千トンとなっています

一方需要者側から提示された平成31年産麦の購入希望

数量は国内産食糧用小麦で約86万3千トン国内産食糧

用大麦及びはだか麦で約13万トンとなっています(表Ⅲ-

9)

表Ⅲ-9 国内産食糧用麦の販売予定数量及び購入希望数量の推移(単位千トン)

資料民間流通連絡協議会調べ注四捨五入の関係で差し引きが一致しないことがある

- 25 -

年産 20 21 22 23 24 25 26 27 28 2930

(見込)

小   麦 841 639 532 694 811 767 808 946 734 845 701

大麦はだか麦 125 100 84 98 93 105 103 103 92 106 103

年産 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31

販売予定数量① 887 906 909 951 948 909 905 880 820 846 834 824

購入希望数量② 833 880 818 859 904 869 751 802 834 875 880 863

①-② 54 25 91 91 44 40 154 78 14 29 46 39

(①-②)①() 61 28 100 96 47 44 170 89 18 34 55 47

販売予定数量① 121 132 134 127 122 116 110 112 113 112 108 108

購入希望数量② 199 219 135 149 147 138 141 149 145 138 148 130

①-② 78 87 1 23 26 21 31 37 32 26 39 22

(①-②)①() 640 660 06 179 209 182 282 330 284 234 363 204

表Ⅲ-10 国内産食糧用麦の入札結果の推移

資料一般社団法人全国米麦改良協会調べ

注1価格は税込み(26年産までは527年産以降は8)である

ただし31年産の落札価格は一般社団法人全国米麦改良協会公表の価格(税抜き)を基に農林水産省で税込み価格を算出

5 国内産食糧用麦の価格の動向

(1)平成31年産の入札の概要

平成31年産麦の入札は第1回は平成30年9月12日に第

2回は平成30年9月26日に実施されました

麦種別の入札結果をみると小麦は上場数量約21万4千

トンのうち約20万4千トンが落札(落札率954)され落

札価格は61714円トン(対前年産比1151)となりました

小粒大麦は上場数量約1万1千トンのうち約1万1千

トンが落札(落札率991)され落札価格は46560円トン

(対前年産比997)となりました

大粒大麦は上場数量約7千8百トンのうち5千6百トン

が落札(落札率717)され落札価格は46923円トン(対

前年産比879)となりました

はだか麦は上場数量約2千3百トンのうち約2千1百

トンが落札(落札率897)され落札価格は50817円トン

(対前年産比961)となりました(表Ⅲ-10)

なお国内産小麦については近年消費者の国産志向の高

まりなどを受け大手外食チェーンや2次加工メーカーが国

内産小麦を使用したパン中華麺等の商品を相次いで発表す

るなど人気が高まってきていますこれらを背景として平

成31年産小麦の落札価格は多くの銘柄で値幅制限の上限付

近となっておりまた申込倍数も14倍と高いものとなって

います

- 26 -

20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31

上場数量

(トン)①243510 243020 242310 251370 250980 244880 244320 234010 213360 221380 218500 214200

落札数量

(トン)②234930 238410 189350 247770 245320 220590 188240 192240 201140 214060 210560 204420

落札率

②①965 981 781 986 977 901 770 822 943 967 964 954

落札価格

(円トン)43229 59885 55241 48732 58340 49333 49319 49770 54164 51570 53624 61714

対前年産比 1064 1385 922 882 1197 846 1000 1009 1088 952 1040 1151

上場数量

(トン)①12240 13590 14210 13300 11760 11220 11290 11930 12210 12200 11750 11040

落札数量

(トン)②12050 13510 14040 13170 11550 10850 10900 11830 12090 12200 11440 10940

落札率

②①984 994 988 990 982 967 965 992 990 1000 974 991

落札価格

(円トン)45479 59709 53448 45871 46485 46453 46290 47595 47565 46880 46708 46560

対前年産比 1084 1313 895 858 1013 999 996 1028 999 986 996 997

上場数量

(トン)①10020 9690 10330 9290 9000 8700 7210 7620 7450 7620 6880 7810

落札数量

(トン)②8880 8920 8910 7990 7990 7830 6480 7130 6600 6700 6340 5600

落札率

②①886 921 863 860 888 900 899 936 886 879 922 717

落札価格

(円トン)36532 50492 46097 39649 40394 41582 42881 45740 47827 50442 53384 46923

対前年産比 1059 1382 913 860 1019 1029 1031 1067 1046 1055 1058 879

上場数量

(トン)①2910 3150 3030 3260 3060 2830 2840 2890 2740 2660 2570 2330

落札数量

(トン)②2910 3150 3030 3090 3020 2830 2810 2810 2520 2600 2470 2090

落札率

②①1000 1000 1000 948 987 1000 989 972 920 977 961 897

落札価格

(円トン)42222 58527 61489 52791 51905 52294 49656 47712 46547 48527 52876 50817

対前年産比 1063 1386 1051 859 983 1007 950 961 976 1043 1090 961

年産

小麦

小粒大麦(六条大麦)

大粒大麦(二条大麦)

はだか麦

平成31年産国内産食糧用小麦の入札結果をみると産地別銘柄別

の需給状況等を反映して落札価格に差が生じています

代表的な銘柄である北海道産「きたほなみ」は前年産の価格を

153上回る64752円トン香川県産「さぬきの夢2009」は前

年産の価格を152上回る73186円トンとなりましたまたパ

ン中華麺用の北海道産「ゆめちから」は前年産の価格を180

上回る62777円トン北海道産「春よ恋」は前年産の価格を

180上回る68792円トンとなりました(図Ⅲ-4図Ⅲ-5)

図Ⅲ-4 平成31年産国内産食糧用小麦の産地別銘柄別落札価格

資料農林水産省調べ注外国産小麦5銘柄加重平均価格は平成30年4月期の輸入小麦の政府売渡価格である

(2)平成31年産国内産食糧用小麦の産地別銘柄別落札価格の動向

資料農林水産省調べ注1国内産小麦の価格は(一社)全国米麦改良協会が実施する民間流通麦にかかる入札の第1回第2回

及び再入札の落札加重平均価格(税込み)年産の下段の( )内は当該第1回入札の実施年月である注2外国産小麦の価格は18年までは当該年度平均の実績価格であり19年以降は民間流通麦にかかる第

1回入札の実施年月時点での輸入小麦の政府売渡価格(5銘柄平均)である注3ホクシン(きたほなみ)については22年産までは「ホクシン」の価格であり23年産からは「きたほ

なみ」の価格である注4さぬきの夢については24年産までは「さぬきの夢2000」の価格であり25年産からは「さぬきの夢

2009」の価格である注5農林61号(さとのそら)については23年産までは「農林61号」の価格であり24年産からは「さとの

そら」の価格である

図Ⅲ-5 国内産食糧用小麦の産地別銘柄別落札価格の推移

- 27 -

(単位円トン税込み)

30000

60000

北海道ゆめちから 62777

福岡ミナミノカオリ 68393

滋賀農林61号 50763

茨城さとのそら 46310

佐賀チクゴイズミ 52193

岩手ゆきちから 39929

全銘柄落札加重平均 61714

香川さぬきの夢2009 73186

北海道きたほなみ 64752

外国産小麦5銘柄加重平均 54370

群馬さとのそら 48669

北海道キタノカオリ 63090

大分チクゴイズミ 48265

福岡シロガネコムギ 50643

佐賀シロガネコムギ 47998

40000

福岡チクゴイズミ 52203

滋賀ふくさやか 49534

岐阜イワイノダイチ 46874

埼玉さとのそら 47159

宮城シラネコムギ 44607

群馬つるぴかり 49785

北海道春よ恋 68792

愛知きぬあかり 50114

北海道はるきらり 60201

50000

埼玉あやひかり 46072

岐阜さとのそら 45919

70000

30000

40000

50000

60000

70000

80000

90000

100000

110000

120000

130000

12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 年産

(単位円トン税込み)

北海道ホクシン

香川さぬきの夢200973186円

茨城農林61号

香川さぬきの夢2000

茨城さとのそら

46310円

北海道きたほなみ

64752円

北海道ゆめちから

62777円

外国産小麦

5銘柄平均

54370円

北海道春よ恋

68792円

(128) (138) (148) (158) (168) (178)(1810) (199) (208)(2110)(2212) (239) (2410)(2510)(269)(279) (289) (299)(119) (309)

6 国内産麦の新品種の育成状況

(1)国内産麦については縞萎縮病抵抗性や耐倒伏性を備え

需要者等のニ-ズに合った新品種の開発が進められています

また作付け面積が1万haを超える「ゆめちから」「さとの

そら」をはじめ多数の品種が生産現場に導入されています

(図Ⅲ-6)

(2)今後とも赤かび病抵抗性や穂発芽耐性が高い小麦品種

小麦粉の色相や製粉性が優れる日本麺用小麦品種パンの膨

らみがカナダ産「1CW」並の小麦品種焼酎押麦味噌

などの加工適性が高い大麦品種等の開発を推進します

小麦品種「ゆめちから」及び「さとのそら」は優れた栽培特性

と加工適性を備えており作付けが拡大しています(平成29年

推定値「ゆめちから」約1万2千ha「さとのそら」約1万5

千ha)

パン用小麦品種の開発近年国産の小麦粉を使ったパンの需要増加に応えるためグルテンやでん粉の組成などパンの膨らみに関連する特性に注目した育種が進められていますその結果平成25年に製パン適性が「1CW」に近く多収の「せときらら」平成29年にはパン生地の力が強く穂発芽耐性や赤かび抵抗性が改良された「夏黄金」が育成されました

加工適性の高い大麦品種の開発機能性成分β-グルカンを多く含むもち性大麦の需要の高まりに応えるため平成29年に「はねうまもち」が育成されましたまた高品質なはだか麦の需要増加に対応して平成24年に味噌加工適性の高い「ハルヒメボシ」が育成されました

図Ⅲ-6 平成19年以降に育成された麦類の主な新品種

日本麺用小麦ゆめきらり

パン用小麦ゆめかおり福井県大3号

六条大麦ホワイトファイバー

北信越

日本麺用小麦あおばの恋

パン用小麦銀河のちから

東北

日本麺用小麦さとのそらきぬあかり

パン用小麦ゆめかおり

二条大麦とちのいぶき彩の星アスカゴールデンニューサチホゴールデン

六条大麦カシマゴール

はだか麦キラリモチ

関東東海

日本麺用小麦ふくはるかさぬきの夢2009

パン用小麦ゆめちからせときらら

はだか麦ハルヒメボシ

近畿中国四国

中華麺用小麦ちくしW2号

二条大麦煌二条白妙二条はるか二条トヨノホシ

九州

日本麺用小麦きたほなみ

中華麺用小麦つるきち

パン用小麦ゆめちからはるきらり

二条大麦札育2号

北海道

新品種のうち平成30年産で概ね100ha以上作付けされていると推定される品種を選定(農林水産省調べ)

- 28 -

7 国内産麦を利用した製品の動向

食料自給率の向上を図るためには国内産麦の需要開拓を行う

ことが必要です最近の消費者の国産志向の高まりや生産者と実

需者が一体となった地産地消の推進地域農業の振興を図る取り

組み等から国内産麦を使った麦製品(パン麺等)が増えてき

ており中には国内産麦を100使用した商品もあります(図Ⅲ-

7)

- 29 -

8 民間流通制度の運用改善

国内産麦の人気の高まりにより近年需要量が生産量を上回

る状況が継続しており国内産麦を積極的に使用したい実需者が

必要量を確保できない等の課題もあります

このような課題に対応するため民間流通連絡協議会において

入札上場比率の選択制の導入需要拡大推進枠設定の要件緩和

相対取引需要拡大推進枠において多様な取組が可能であること

の明確化等民間流通制度の運用改善が行われました(図Ⅲ-

8)

ピッツァ専用粉(北海道)(小麦)地元の製粉企業が北海道産小麦(きたほなみキタノカオリゆめち

から)を100使用した国内で初めてのピッツァ専用粉を開発平成30年2月に都内で試食会を開催し平成30年5月から販売

ピッツァ専用粉(群馬県)(小麦)地元の製粉企業が地元のピッツァ専門店ピッツァ窯メーカーと協力

して品質改良を重ね群馬県産小麦(さとのそらつるぴかりきぬの波)を100使用したピッツァ専用粉を平成30年4月から発売ピッツァイベントやイタリアン食材の展示会に出展

学校給食用パン(東京都)(小麦)都学校給食会の「学校給食パン加工規格」による配合基準に基づき国

内産小麦を100使用した学校給食パンを平成27年度から都内の一部の小中学校で提供を開始平成28年度からは都内全域の規格として採用

〇 市販用中華麺(愛知県)(小麦)地元の製粉企業が自社製品として愛知県産小麦きぬあかりを100使用

した中華麺を平成30年6月から自社通販で販売平成30年8月から一般販売を開始

フランスパン用粉(佐賀県)(小麦)近県製粉企業が農研機構と共同で育成した九州地域等の暖地温暖地

向けのフランスパン加工適性に優れる準強力小麦品種「さちかおり」を100使用したフランスパン用粉を平成30年8月から発売

市販用ゆで麺(長崎県)(小麦)地元の製麺企業近県製粉企業県生麺協同組合JA県等が連携し

平成26年3月に「長崎県育成麦活用開発協議会」を立ち上げ長崎県産長崎W2号(商標登録名長崎ちゃん麦)を100使用したちゃんぽん用のゆで麺を平成29年4月に製品化原料小麦の生産量が整った段階での本格販売を予定

もち性大麦を使用した機能性表示食品(静岡県)(大麦)地元の精麦企業が国内産もち性大麦でβ-グルカン量の多い銘柄を使用し

炊飯用精麦を製品化機能性表示食品として平成29年1月に届出し十分な原料を手当でき次第随時販売予定

〇 もち性大麦を使用したシリアル(愛知県)(大麦)地元の精麦企業が食物繊維が20を超える愛知県産もち性大麦「ワキ

シーファイバー」を使用した国内産もち麦100シリアルを開発平成30年4月から販売開始

図Ⅲ-7 国内産麦を100使用した商品事例

図Ⅲ-8 民間流通制度の運用改善のポイント

0

50

100

150

200

250

300

350

400円千人

大手製パンメーカーA社が国内産小麦100使用の新製品を発売

大手製食品スーパーB社が国内産小麦100使用の新製品をPBで発売

大手製パンメーカーA社が国内産小麦100使用の製品を初めて発売

(参考)国内産小麦を利用した製品の販売状況

(1)国内産小麦100使用の食パンの販売額

大きなシェアを占めるにはいたっていないものの国内産

小麦を100使用した食パンの販売金額の推移を見ると新製

品が登場する度に国内産小麦100使用の食パン市場が拡大し

ています(図Ⅲ-9)

図Ⅲ-9 国内産小麦100使用の食パンの販売額の推移(首都圏)

資料日本経済新聞デジタルメディア社による首都圏のスーパーマーケットなど100店舗におけるPOSデータに基づき農林水産政策研究所において集計

注食パンのうち国内産小麦を100使用していることが明らかな製品のみ計上菓子パン等は含んでいない

表Ⅲ-11 生麺ゆで麺(チルド)の販売金額のシェア(首都圏平成30年)

資料日本経済新聞デジタルメディア社による首都圏のスーパーマーケットなど120店舗におけるPOSデータに基づき農林水産政策研究所において集計

(2)生麺ゆで麺(チルド)の販売金額

生麺ゆで麺全体で上位15製品の売上高に占める国内産

小麦使用表示のある製品のシェアは30となっていますま

た主要な麺製品のうどんラーメン冷やし中華焼そば

全てで国内産小麦使用製品がランクインしています(表Ⅲ

-11)

2013年 2014年 2015年 2016年 2017年 2018年 2019年

                      (単位)

製品の種類製造企業の規模産地表示販売金額シェア

焼そば大手製品(国内産小麦使用表示なし) 99そば大手製品(国内産小麦使用表示なし) 27冷やしラーメン大手製品(国内産小麦使用表示なし) 20うどん大手製品(北海道産小麦使用表示あり) 20ラーメン大手製品(北海道産小麦使用表示あり) 14冷やし中華大手製品(国内産小麦使用表示なし) 14うどん大手製品(国内産小麦使用表示あり) 13焼そば大手製品(国内産小麦使用表示なし) 12焼うどん大手製品(国内産小麦使用表示なし) 12うどん大手製品(国内産小麦使用表示あり) 11焼そば大手製品(国内産小麦使用表示あり) 11そうめん大手製品(国内産小麦使用表示あり) 10うどんPB製品(北海道産小麦使用表示あり) 10つけ麺大手製品(国内産小麦使用表示なし) 10冷麺中小製品(国内産小麦使用表示なし) 10

303

14

89

15上位15製品の売上高に占める国内産小麦使用表示のある製品の

シェア

順位

1

10111213

234567

- 30 -

図Ⅲ-10 外食産業等と連携した農産物の需要拡大対策事業(麦類)

9 国内産麦の需要拡大イベント及び情報発信の取組

近年生産者と実需者等が連携し国内産麦を使用した製品が

数多く開発販売されており各地でイベント等の需要拡大の

取組みが行われております

また農林水産省としては平成30年度産地と外食事業者等

が連携して行う国内産麦を活用した新商品の開発試作製

造するために必要な取組を支援する「外食産業等と連携した農

産物の需要拡大対策事業」を一般社団法人全国米麦改良協会を

実施主体として行っているところです

農林水産省のホームページにおいてこれらのイベント等につい

て情報発信を行うとともに一般社団法人全国米麦改良協会が

開設している国産麦応援情報ホームページでの情報提供等を

行っています(図Ⅲ-10~12)

「国内産麦使用試作品全国統一試食会商談会」開催日平成31年2月12日~19日(土日を除く)場 所むぎくらべ(東京都千代田区神田小川町)

内 容平成29年度補正予算事業「外食産業等と連携した農産物の需要拡大対策事業」の一環として行われた国内産麦を使用した試作品の試食会商談会

「国内産麦使用試作品全国統一試食会商談会」で出品された試作品

- 31 -

第8回全国ご当地うどんサミットin 熊谷 開催日平成30年11月10日~11日 場 所熊谷スポーツ文化公園にぎわい広

場(埼玉県) 内 容全国の国内産小麦を使用した「ご

当地うどん」が一堂に集まりグランプリを決定

図Ⅲ-11 全国各地で開催されたイベント 図Ⅲ-12 一般社団法人 全国米麦改良協会の取組

国産麦応援情報ホームページ「日本の麦の底力」内容国産小麦粉ブランド名鑑国産小麦の逸品イベント情報研究

情報等を掲載URL httpnihonnomugicom

北海道小麦キャンプ2018 in オホーツク 開催日平成30年7月10日~11日 場 所ホテル黒部を主会場としたオホーツ

ク管内(北海道) 内 容国内産小麦北海道産小麦の魅力

を全国に広めることを目的にバスツアーやパン講習会などを実施

麦わらぼうしフェスタ 開催日平成30年11月4日 場 所笠原産業株式会社(栃木県) 内 容国内産小麦を使用したうどんパン

などの試食販売うどん教室などを実施

第7回 信州粉もん祭り 開催日平成30年11月11日 場 所JAながの ちくま埴生支所(長野県) 内 容長野県産小麦を使用した「粉もん料

理」が大集合粉もん試食会や手打ちうどん講習会 などを実施

国内産麦アンテナショップ「むぎくらべ」内容国内産麦を使用した商品のPRと販売の場を提供するものとして

平成30年7月東京都千代田区にオープン

- 32 -

オープニングセレモニーには上月前農林水産大臣政務官(写真中央)も出席

10 食料農業農村基本計画における麦の位置付け

平成27年3月31日に平成37年度を目標とする「食料農業

農村基本計画」が閣議決定され小麦は95万トン大麦はだ

か麦は22万トンの生産努力目標が設定されています(表Ⅲ-

12)

食料消費の見通し 生産努力目標(万トン) 克服すべき課題

1人1年当たり消費量

(kg人年)

国内消費仕向量

(万トン)

平成25年度

平成37年度

平成25年度

平成37年度

平成25年度

平成37年度

小麦 33 32 699 611 81 95

国内産小麦の需要拡大に向けた産地形成やブランド化

実需者ニーズに対応した生産流通体制の確立

新品種新技術の開発導入輪作体系の最適化排水対策等による収量品質の高位安定化

農地の集積集約化経営規模の拡大に対応した省力化に資する技術の開発導入等による生産コストの低減

大麦はだか麦

03 02 208 213 18 22

外国産大麦が多く用いられている焼酎用等の国内産麦の需要拡大

実需者ニーズに対応した生産流通体制の確立

新品種新技術の開発導入輪作体系の最適化排水対策等による収量品質の高位安定化

農地の集積集約化経営規模の拡大に対応した省力化に資する技術の開発導入等による生産コストの低減

表Ⅲ-12 麦の平成37年度における食料消費の見通し及び生産努力目標

資料「食料農業農村基本計画」(平成27年3月閣議決定)注1)国内消費仕向量には飼料用等の食糧用以外の用途への仕向量を含む

2)大麦はだか麦の国内消費仕向量及び生産努力目標にはビール大麦を含む

- 33 -

Ⅳ 米粉に関する動向

1 生産動向

米粉用米の生産量は平成25年産以降2万トン前後で推移していましたが平成29年度以降は約3万トンまで回復しています(表Ⅳ-1)

2 需要拡大に向けた対応

米粉用米の利用量は平成24年度以降年間2万数千トンで推移していましたがグルテンを使用しない米粉商品の開発や新たな米加工品(α化米粉米ゲルなど)の保湿性や粘性に着目した商品の開発「米粉の用途別基準」や「ノングルテン米粉製品第三者認証制度」の運用開始により平成29年度は25千トン30年度は31千トンに増加しています(表Ⅳ-2)

今後の更なる国内海外の需要拡大のためノングルテン米粉や用途別基準に適合する高品質な日本産米粉の流通を契機とした魅力ある新商品の開発や日本産米粉の優位性の情報発信等を推進する必要があります

表Ⅳ-1 上位5県の米粉用米の生産量と作付面積の推移

(参考) 米粉及び小麦粉の販売価格(税抜き)

米粉100~290円kg程度

(小麦粉 100円kg程度)

注1)平成26~29年度については新規需要米取組計画を認定した全需要者からの聞き取り注2)平成30年度については新規需要米取組計画を認定した主要な需要者からの聞き取り

により推計

表Ⅳ-2 米粉用米の利用量(需要者からの聞き取り)

- 34 -

資料26~29年産は新規需要米生産集出荷数量30年産は新規需要米取組計画

認定数量(農林水産省)

(単位千トン)

26年度 27年度 28年度 29年度 30年度見込

22 23 23 25 31

(単位千トン千ha)

26年産 27年産 28年産 29年産 30年産

生産量 59 97 87 130 107作付面積 11 18 15 24 19生産量 10 10 09 30 31作付面積 02 02 02 06 06生産量 08 10 00 19 30作付面積 01 02 00 03 06生産量 10 12 12 12 16作付面積 02 03 02 02 03生産量 20 24 07 12 13作付面積 03 04 01 02 02生産量 184 230 190 284 281作付面積 34 42 34 53 53

秋田県

全国計

新潟県

埼玉県

栃木県

群馬県

農林水産大臣は米穀の新用途への利用の促進に関する基本方針を定める

生産製造連携事業計画

生産者 製造事業者 促進事業者

必須

米穀の新用途への利用の促進に関する法律

米穀の新用途への利用の促進に関する基本方針

関係者が連携して計画を作成米穀の新用途への利用の促進に関する基本方針に照らし適切な計画について農林水産大臣が認定(計画期間は3~5年)

図Ⅳ 米粉用米に対する支援措置

3 米粉用米に対する支援

① 米粉用米についてはその利用の拡大を図るために平成21年に「米穀の新用途への利用の促進に関する法律」が制定されました同法に基づく「生産製造連携事業計画」の認定を受け「農山漁村

活性化計画」の採択を受けた取組に対して米粉用米の生産加工に必要な施設整備等の支援を行っています

② 米粉用米の生産者に対しては水田活用の直接支払交付金による支援を行っていますまたノングルテン米粉表示や米粉の用途別基準により需要者ニーズに合った高品質な米粉の製造や輸出拡大の取組を支援しています

③ 平成31年度は国内海外の需要獲得に向け引き続き魅力ある新商品開発を推進するほか日本産米粉の優位性の情報発信やノングルテン米粉の製造手法マニュアルの作成など輸出を含めた日本産米粉の需要拡大に向けた取組を支援していくこととしています

予 算 措 置

【水田活用の直接支払交付金】水田を活用して米粉用米等の作物を生産する農業者に対し交付金を直接交付 (米粉用米収量に応じ55万円~105万円10a)

【農山漁村振興交付金】米粉飼料用米の生産加工に係る施設整備に対し交付金を交付(補助率定額12)

【持続的生産強化対策事業】

日本産米粉の優位性の情報発信ノングルテン米粉の製造手法マニュアルの作成米粉用米生産者と製造事業者とのマッチング

等の取組を支援

金 融 措 置

【日本政策金融公庫による低利融資】(食品安定供給施設整備資金)

米粉製造施設米粉を原料とした食品の製造加工施設等への融資

(輸出を含めた日本産米粉の需要拡大支援事業)

(補助率定額)

【外食産業等と連携した需要拡大対策事業】

国産農林水産物食品の輸出等需要フロンティアの開拓を図るため産地と複数年契約を締結する民間企業(外食加工業者)に対し国産農林水産物を活用した新商品の開発やそれに必要な技術開発等を支援 (補助率定額12)

- 35 -

【農林水産物食品輸出促進緊急対策事業】コメ海外市場拡大戦略プロジェクトに参加する輸出産地や輸出事業者等が連携して戦略的に取り組む中国等の海外市場開拓プロモーション等を支援

(補助率定額12)

品目 現在の関税率 合意内容

小麦

枠内税率無税+マークアップ

枠外税率55円kg

現行の国家貿易制度を維持するとともに枠外税率(55円kg)を維持

既存のWTO枠に加え米国(15万(7年目以降))【不適用】カナダ(53万(同))豪州(5万(同))にSBS方式の国別枠を設定

マークアップを9年目までに45削減

大麦

枠内税率無税+マークアップ

枠外税率39円kg

現行の国家貿易制度を維持するとともに枠外税率(39円kg)を維持

既存のWTO枠に加えSBS方式のTPP枠(65万(9年目以降))を設定

マークアップを9年目までに45削減

1 TPP11協定概要(麦)(平成30年12月30日発効)

Ⅴ TPP11及び日EUEPAの協定概要(麦関係)

(参考主な麦製品)

現在の関税率合意内容

税率 枠数量

いった小麦小麦粉等

(国家貿易品目)

枠内税率125~25+マークアップ

枠外税率85~134円kg

枠内即時無税+マークアップ

(枠外税率は維持)

(発効時) (6年目)125千rarr175千

ベーカリー製品製造用

小麦粉調製品16~24

枠内即時無税(枠外税率は維持)

(発効時) (6年目)米国 105千rarr12千【不適用】米国以外 68千rarr 8千

その他小麦粉調製品

16~28枠内即時無税

(枠外税率は維持)(発効時) (6年目)15千rarr225千

マカロニスパゲティ

30円kg9年目までに60削減

ビスケット 1315 6年目に無税 -

注1)いった小麦とは小麦をいったものであり主にシリアル食品等に使用される

2)その他小麦粉調製品とは製麺まんじゅう等のベーカリー製品以外の製造用の

小麦粉調製品である

- 36 -

2 日EUEPA協定概要(麦)(平成31年2月1日発効)

品目 現在の関税率 合意内容

小麦

枠内税率無税+マークアップ

枠外税率55円kg

現行の国家貿易制度を維持するとともに枠外税率(55円kg)を維持

既存のWTO枠に加えSBS方式のEU枠(270(7年目以降))を設定

枠内のマークアップを9年目までに45削減

大麦

枠内税率無税+マークアップ

枠外税率39円kg

現行の国家貿易制度を維持するとともに枠外税率(39円kg)を維持

既存のWTO枠に加えSBS方式のEU枠(30(即時))を設定

枠内のマークアップを9年目までに45削減

(参考主な麦製品)

現在の関税率合意内容

税率 枠数量

いった小麦小麦粉等

(国家貿易品目)

枠内税率125~25+マークアップ

枠外税率85~134円kg

枠内即時無税+マークアップ

(枠外税率は維持)

(発効時) (6年目)38千rarr44千

ベーカリー製品製造用

小麦粉調製品16~24

枠内即時無税(枠外税率は維持)

(発効時) (6年目)104千rarr142千

その他小麦粉調製品

16~28枠内即時無税

(枠外税率は維持)(発効時) (6年目)

2千rarr3千

マカロニスパゲティ

30円kg 11年目に無税 -

ビスケット 1315 6年目に無税 -

注1)いった小麦とは小麦をいったものであり主にシリアル食品等に使用される

2)その他小麦粉調製品とは製麺まんじゅう等のベーカリー製品以外の製造用の

小麦粉調製品である

(参考) 麦の国境措置

小 麦 大 麦

輸入数量

価格

輸入数量

価格

政府売渡価格

マークアップ(輸入差益)

452円kgを上限

輸入価格

(枠内税率0円kg)

枠内輸入(国家貿易) 枠外輸入

(民間貿易)枠外税率を支払って輸入された数量(平成29年度)12千トン

WTOカレントアクセス数量5740千トン

枠外税率55円

政府売渡価格

輸入価格(枠内税率0円kg)

WTOカレントアクセス数量1369千トン

枠内輸入(国家貿易) 枠外輸入(民間貿易)

枠外税率を支払って輸入された数量(平成29年度)06千トン

枠外税率39円

民間貿易の場合の輸入価格

民間貿易の場合の輸入価格

286円kgを上限

マークアップ(輸入差益)

- 37 -

  • スライド番号 1
  • スライド番号 2
  • 麦の参考資料 麦の需給に関する見通し(動向編)
  • スライド番号 4
  • スライド番号 5
  • スライド番号 6
  • スライド番号 7
  • スライド番号 8
  • スライド番号 9
  • スライド番号 10
  • スライド番号 11
  • スライド番号 12
  • スライド番号 13
  • スライド番号 14
  • Ⅱ 小麦粉麦製品の生産と価格の動向
  • スライド番号 16
  • スライド番号 17
  • スライド番号 18
  • スライド番号 19
  • スライド番号 20
  • スライド番号 21
  • スライド番号 22
  • スライド番号 23
  • スライド番号 24
  • スライド番号 25
  • スライド番号 26
  • スライド番号 27
  • スライド番号 28
  • スライド番号 29
  • スライド番号 30
  • スライド番号 31
  • スライド番号 32
  • スライド番号 33
  • スライド番号 34
  • スライド番号 35
  • スライド番号 36
  • スライド番号 37
  • スライド番号 38
  • スライド番号 39
  • スライド番号 40
  • スライド番号 41
Page 22: 麦の参考資料 - maff.go.jp · 2020-03-31 · 2014/15 2015/16 2016/17 2017/18 2018/19 (平成26年) (平成27年) (平成28年)(平成29年)(平成30年) 見込

(参考2) 麦製品の輸出動向

麦製品の輸出量のうちその大部分を占める小麦粉の輸出量

は近年主要輸出先国の製粉技術の向上や現地製粉工場の立

上げ等により減少傾向で推移し平成30年は約16万トンとなっ

ています(表Ⅱ-3)

表Ⅱ-3 麦製品の輸出量の推移

資料財務省「貿易統計」

(単位トン)

- 14 -

対前年増減率()

対前年増減率()

対前年増減率()

309594 75 376 431 1028 375

321028 37 315 162 967 59

319968 03 253 197 953 14

318706 04 410 621 1052 104

304465 45 328 200 769 269

289911 48 1054 2213 719 65

290033 00 1196 135 762 60

255377 119 1150 38 1098 441

187040 268 743 354 1198 91

185403 09 822 106 898 250

196183 58 770 63 974 85

191480 24 607 212 698 283

192598 06 598 15 780 117

168205 127 573 42 769 14

166311 11 571 04 861 120

157938 50 553 32 1249 451

158896 06 549 07 1287 30

167600 55 532 32 778 395

163640 24 535 06 894 148

国 名輸出割合

() 国 名輸出割合

() 国 名輸出割合

()

香港 496 香港 888 中国 483シンガポール 207 中国 43 香港 314ベトナム 96 韓国 21 台湾 64

タイ 59 米国 17 ベトナム 37台湾 58 台湾 11 シンガポール 29

国 名対前年増減率() 国 名

対前年増減率() 国 名

対前年増減率()

香港 175 香港 26 中国 251シンガポール 583 中国 62 香港 329ベトナム 135 韓国 437 台湾 59

タイ 81 米国 1047 ベトナム 418台湾 47 台湾 261 シンガポール 449

24

30

輸出上位5カ国

25

181920212223

2627282930

17

  区分

小麦粉マカロニスパゲッティ

スイートビスケット

平成1213141516

(参考3) 麦製品の生産動向

麦製品の生産量は食パンや乾麺のように生産量が減少している製品もある一方で菓子パンや即席麺冷凍麺のように生産量が増加している製品もあることから使用される小麦粉の数量は平成22年以降概ね横ばい傾向で推移しています麦製品は食生活の多様化や簡便性といった消費者ニーズを

捉えつつ継続した新製品の開発がなされており新たな定番となる商品の登場や期間限定の商品やイベントなどが消費者の購買を促進していると考えられます(図Ⅱ-3表Ⅱ-4)

表Ⅱ-4 麦製品の生産量の推移

(単位千トン)

- 15 -

資料平成21年度までは農林水産省「米麦加工食品生産動態統計調査年報」平成22年度からは農林水産省「食品産業動態調査」及び農林水産省「製粉精麦工場需給実績報告」冷凍麺の生産量は(一社)日本冷凍食品協会調べ

注1)麺類及びパン類の生産量は小麦粉使用量で冷凍麺は製品生産量である2)小麦粉は年度の計でありその他は暦年の計である

区分

パ ン 麺 類 冷凍麺

小麦粉 食パン菓子パ

ンその他のパン

生麺 乾麺 即席麺

年度計 暦年計 暦年計 暦年計 暦年計 暦年計 暦年計 暦年計 暦年計 暦年計

昭和45 3422 970 469 - - - 514 327 267 -

50 3978 1062 588 251 63 - 541 289 335 -

55 4079 1189 687 285 89 1334 610 275 325 -

60 4243 1178 653 291 133 1397 659 297 316 9

平成2 4338 1193 661 321 146 1407 687 274 316 41

7 4633 1220 623 368 178 1456 729 268 314 120

12 4623 1279 619 382 235 1421 687 235 343 190

22 4725 1196 576 375 215 1251 555 203 332 257

23 4708 1215 580 392 215 1283 548 209 361 270

24 4654 1219 580 392 221 1269 542 204 363 283

25 4694 1226 598 384 218 1324 562 213 386 314

26 4683 1234 608 387 214 1371 578 213 410 318

27 4702 1234 605 403 201 1396 624 195 414 308

28 4683 1238 604 403 206 1409 652 186 419 308

29 4703 1254 602 409 218 1445 691 186 416 313

30 - 1221 585 401 211 1473 712 188 420 -

〔低糖質製品〕

〔多種多様な携帯サンドイッチ〕

〔手軽な冷凍麺〕

図Ⅱ-3 麦製品の商品事例

H18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29

製粉工場数 124 122 121 119 117 118 117 114 109 104 102 98

製粉企業数 100 98 98 96 94 95 94 90 88 83 81 77

うち輸入小麦取扱製粉工場数 91 91 90 90 87 87 86 83 78 76 74 73

うち輸入小麦取扱製粉企業数 67 67 67 65 64 64 64 60 57 55 53 52

50

70

90

110

130

150製粉工場数

製粉企業数

うち輸入小麦取扱製粉工場数

うち輸入小麦取扱製粉企業数

3 製粉企業の状況

(1)大手製粉企業及び中小製粉企業の動向

① 大手製粉企業4社の小麦粉の生産量は全体の78を占

めておりこれに年間小麦粉生産量が3万トン以上の企業

の生産量を加えた13社ベースでは全体の90を占めてい

ます

② 大手製粉企業は生産設備の臨海工場への集約化を進め

つつ工場の大規模化合理化を推進しています

平成29年度の1工場当たりの生産量は17万トンまた

稼働率は89となっています

③ 年間小麦粉生産量3万トン以上の中小製粉企業は工場

のほとんどが臨海地域に立地し小麦粉を域内の二次加工

メーカー等に供給しています

平成29年度の1工場当たりの生産量は約6万トン稼働

率は67となっています

④ 年間小麦粉生産量1千トン以上3万トン未満の中小製粉

企業は主に内陸に位置し小麦粉を地元のパン麺等の

加工業者に供給するほか乾麺等の製造を兼ねるものも多

くなっています

平成29年度の1工場当たりの生産量は13万トンと大

手製粉企業の約14分の1稼働率は35となっています

⑤ 年間小麦粉生産量1千トン未満の中小製粉企業は輸入

小麦を取り扱わない企業が大部分を占め国内産小麦のみ

を使用し麺用や菓子用に供給しています

表Ⅱ-5 大手製粉企業中小製粉企業の小麦粉生産等の動向

資料農林水産省調べ注四捨五入の関係で計と内訳が一致しない場合がある

(参考)製粉企業数と工場数の推移(企業工場)

- 16 -

3万トン以上1千トン以上3万トン未満

1千トン未満

平成24 94 4 90 9 50 31

29 77 4 73 9 38 26

24 4853 3679 1174 536 636 3

29 4877 3801 1075 569 504 2

24 100 758 242 110 131 01

29 100 779 221 117 103 00

24 3245 1177 2068 632 1360 76

29 2806 1057 1749 581 1114 54

24 1496 3126 568 848 468 39

29 1738 3596 615 980 452 44

24 415 1533 126 596 120 01

29 498 1728 142 569 126 01

24 692 887 414 709 311 42

29 731 888 454 670 347 46

全体 大手製粉

中 小 製 粉年間生産量

稼働率()

製粉企業数

小麦粉生産量(千トン)

生産シェア()

従業員数(人)

従業員一人当たりの生産量

(トン)

一工場当たりの生産量(千トン)

(2)製粉企業のコスト削減や品質安全性の向上に向けた取組

製粉企業は生産能力の増強によるコスト削減や品質安全性の向上に向けた取組を進めています(図Ⅱ-4)

また国も農業競争力強化プログラムを策定し製粉企業の取組みを支援しています(図Ⅱ-5)

① 供給能力の強化等によるコストダウン

製粉企業は供給能力の強化生産性の向上と原料小麦の受入体制の整備によるコストダウンを図るため製粉工場や原料サイロの増強等の設備投資を行っています

② 資本業務の提携

製粉企業の中には他の製粉企業と資本業務提携を行うこと等により原料調達規模の拡大や生産の効率化等による競争力の強化を図る取組もみられます

③ 品質安全性の向上

製粉企業は近年消費者の安全安心への関心が高まる中食品の品質安全性を確保するための設備やAIB食品安全システムの導入ISO認証の取得等様々な取組を行っています

④ 工場の集約化

大手製粉企業は内陸工場を閉鎖し海外からの原料調達に有利な臨海工場への集約を進めるとともに臨海工場の生産能力を増強させる等生産性の向上を図っています

⑤ 海外市場への進出

製粉企業の中にはアジア大洋州地域における買収や工場増設等海外市場に積極的な進出をする取組もみられます

① 供給能力の強化等によるコストダウン 日清製粉は関東地区の小麦サイロ収容力の増強を進め更なる原料小麦の安定供給を推進するため鶴見工場の原料小麦サイロを増設(平成28年)

日本製粉は神戸甲南工場の原料サイロの新設等(平成24年)千葉工場の原料サイロの増設(平成26年)を行い今後原料サイロを福岡工場及び知多新工場へ新設神戸甲南工場(第2期)へ増設する予定

千葉製粉は新たな顧客ニーズへの対応付加価値製品の創出等を図るため専用ラインを新設(平成27年)

② 資本業務提携 資本業務提携を行っている製粉企業

増田製粉所(兵庫) hArr 日東富士製粉

木田製粉(北海道)内外製粉(三重)奥本製粉(大阪)セントラル製

粉(愛知) hArr 昭和産業

東福製粉(福岡) hArr 日本製粉

③ 品質安全性の向上 多くの製粉企業がISO9001(品質マネジメントシステム)ISO22000(食品安全マネジメントシステム)の認証を受けることにより品質管理や食品安全管理を実施

④ 工場の集約化 日清製粉は生産性向上のため内陸工場を順次閉鎖し臨海工場への集約化を推進

筑後工場(福岡)鳥栖工場(佐賀) rarr 福岡工場(福岡)へ集約

(平成26年)

名古屋工場の2ライン rarr 知多工場(愛知)の新ラインへ集約

(平成27年)

日本製粉は生産性向上のため総生産能力の80を臨海部の大型工場に集約

⑤ 海外市場への進出状況(平成30年度) 日清製粉は豪州の小麦粉市場においてトップシェアを持つアライドピナクル社を買収またタイでは子会社の日清STC製粉がタイの製粉工場を買収するとともにベトナムでは業務用プレミックスの生産工場を建設することを決定

昭和産業はベトナムに新たにプレミックス製造会社を設立し生産工場を建設することを決定

図Ⅱ-4 製粉企業の各種取組の事例

- 17-

⑥ 再編合理化の取組

製粉企業の中には国の支援を活用した再編合理化の取

組もみられます

⑦ 地産地消の推進

中小製粉企業は地域とのつながりの強さや独自の立地

条件を活かした特色ある経営を模索する中で生産者と協

力した積極的な地産地消の取組を進めています

⑦ 地産地消の推進

岩手県主な実施者岩手県学校給食会岩手県パン工業組合県内製粉企業取 組 内 容 平成28年度から地元県産小麦(銀河のちからゆきちから)を

100使用した学校給食用パンを県内の小中学校に提供開始埼玉県

主な実施者埼玉産小麦ネットワーク「SWING group」(県内製粉企業が中心となり生産者加工業者販売業者等180社が加盟)

取 組 内 容 埼玉県産小麦のブランド価値を高めることなどを目的として埼玉県産小麦を自社製品に利用することで高付加価値商品の開発による自社の発展などを目指すとともに研修会の実施やイベントホームページなどを通じた消費者への情報提供を実施

京都府主な実施者地元製粉企業京都府全農京都府本部生産者府内製麺製

パン業者飲食店取 組 内 容 平成30年産から京都府産小麦品種を「せときらら」へ全面切替を

行ったことを機にブランド名を「京小麦」とし「京小麦」を100使用したメニューを参加店舗にて提供するイベント「京小麦の収穫祭」を平成31年1月21日から2月17日まで開催

福岡県主な実施者福岡県ラー麦普及推進協議会(県JA全農ふくれん県内製粉

業者5社製麺業者関係団体)取 組 内 容 以下の取組によりラーメン用小麦「ラー麦」を普及推進

産地への生産技術の普及指導 小麦品質評価最適製粉加工方法の検討 利用や消費を促進するための普及宣伝(試

食イベント等) 毎年産の製粉製麺適性評価および食味

官能評価の実施 平成21年に本小麦の名称「ラー麦」とロ

ゴデザインを商標登録しブランド化

- 18 -

2 生産者が有利な条件で安定取引を行うことができる流通加工の業界構造の確立

(1)生産者に有利な流通加工構造の確立現在の食料需給消費の実態等を踏まえた効率的機能

的で農業者と消費者双方がメリットを受けられる流通加工構造を確立するため以下のとおり取り組む

その際農林水産省経済産業省をはじめ政府一体となって取り組む①~⑦ (略)⑧ 加工業については生産性の低い工場が乱立している

種類の加工業界(製粉乳業等)について国は国際競争に対応できる生産性の確保を目指した業界再編設備投資等を推進することとし政府系金融機関の融資農林漁業成長産業化支援機構の出資等による支援を行う

⑨ 上記改革を推進するため農産物の流通加工に関し国の責務業界再編に向けた推進手法等を明記した法整備を進める

⑩ 上記改革を推進するため金融機関による流通加工関連産業の生産性向上に資する経営支援や資金供給の促進政府系金融機関や農林漁業成長産業化支援機構等との連携強化等を図る

図Ⅱ-5 農業競争力強化プログラム(抜粋)

(平成28年11月29日 農林水産業地域の活力創造本部決定)

⑥ 再編合理化の取組

製粉工場の廃棄撤去製粉施設の一部又は全部を撤去しミックス粉等の関連事業を拡大

(製粉工場等再編合理化事業(平成2728年度7件))

図Ⅲ-1 国内産小麦の収穫量と作付面積の推移

表Ⅲ-1 小麦の主な作付品種(平成29年産)

Ⅲ 国内産麦の生産と流通の動向

1 国内産麦の生産状況

(1)小麦

① 作付面積

近年の国内産小麦の作付面積は約21万haと横ばいで推移して

います平成30年産の作付面積は北海道は121万ha都府県

は91万ha全国では212万haとなり前年産並となっていま

② 収穫量

平成30年産の国内産小麦の収穫量は主産地の北海道での6

月中旬から7月中旬にかけての低温日照不足の影響により登

熟不良となったこと等から前年産に比べ北海道で134万ト

ン(22)減少都府県では05万トン(2)減少全国

では139万ha(15)減少の768万トンとなり(図Ⅲ-1)

10a当たりの平均収量対比は91となりました

③ 小麦の作付品種の状況

栽培品種については各産地の気候条件や用途等に適した品

種が作付されており29年産では日本麺用では「きたほなみ」

「さとのそら」「シロガネコムギ」といった品種パン

中華麺用では「春よ恋」「ゆめちから」といった品種が上位

を占めています(表Ⅲ-1)

資料農林水産省「作物統計」品種毎の面積は農林水産省政策統括官調べ

注品種の育成年についてはシロガネコムギは農林認定が行われた年

それ以外の品種は出願公表が行われた年としている

資料農林水産省「作物統計」30年産の数値は概算値

- 19 -

(千トン)

年産

910 881

674

571

746

858 812

852

1004

791

907

768

210 209 208 207 212 209 210 213 213 214 212 212

100

120

140

160

180

200

220

240

260

280

300

0

200

400

600

800

1000

H19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30

収穫量 作付面積(千ha)

品種名 育成年 作付面積(千ha) 割合 主な作付地域

きたほなみ 平成19年 878 41 北海道

さとのそら 平成21年 159 7 関東東海

シロガネコムギ 昭和49年 152 7 九州近畿

春よ恋 平成11年 143 7 北海道

ゆめちから 平成20年 137 6 北海道

上位5品種計 1469 69

小麦作付面積 - 2123

図Ⅲ-2 国内産大麦及びはだか麦の収穫量と作付面積の推移

表Ⅲ-2 大麦及びはだか麦の主な作付品種(平成29年産)

(2)大麦及びはだか麦

① 作付面積

近年国内産大麦及びはだか麦の作付面積は約6万と横ば

いで推移しており平成30年産は前年産と比較すると二条

大麦は前年産並六条大麦は800ha(4)減少はだか麦

で460ha(9)増加となり全体では340ha(1)減少の

61万haとなりました(図Ⅲ-2)

② 収穫量

平成30年産の大麦及びはだか麦の収穫量は二条大麦及びは

だか麦はおおむね天候に恵まれ生育が順調で登熟も良好

であったこと等から前年産に比べ二条大麦は01万トン

(1)増加はだか麦は01万トン(8)増加となりました

六条大麦については北陸地方において大雪の影響で融雪時期

が遅れたこと等により穂数が少なくなり前年産に比べ14万

トン(26)減少しました

この結果大麦及びはだか麦の収穫量は合計で173万トンと

なり前年産に比べて12万トン(6)減少となりました

(図Ⅲ-2)

③ 大麦及びはだか麦の作付品種の状況

栽培品種については各産地の気候条件や用途等に適した品

種が作付されており29年産では二条大麦はビール用の「サ

チホゴールデン」六条大麦は主食用や麦茶用の「ファイ

バースノウ」はだか麦は麦味噌用の「マンネンボシ」いっ

た品種が上位を占めています(表Ⅲ-2)

資料農林水産省「作物統計」30年産の数値は概算値

- 20 -

(千トン)

資料農林水産省「作物統計」農林水産省調べ

注品種の育成年についてはシュンライイチバンボシは農林認定が行われ

た年それ以外の品種は出願公表が行われた年としている

195 217

179 161

172 172 183

170 177 170 185

173

54 57 58 59 60 60 59 60 61 61 61 61

0

10

20

30

40

50

60

70

80

90

100

0

50

100

150

200

250

H19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30

収穫量 作付面積 (千ha)

年産

麦種 品種名 育成年作付面積(千ha)

割合 主な作付地域

二条大麦

サチホゴールデン 平成18年 189 31 九州関東中国

はるしずく 平成17年 44 7 九州

ニシノホシ 平成11年 27 4 九州

六条大麦

ファイバースノウ 平成13年 107 17 北陸関東東海

シュンライ 平成2年 33 5 関東東北近畿

カシマゴール 平成22年 13 2 関東東海

はだか麦

マンネンボシ 平成13年 15 2 四国

イチバンボシ 平成4年 14 2 四国九州

トヨノカゼ 平成18年 11 2 九州中国

大麦はだか麦作付面積

- 614

資料農林水産省調べ

Aランク評価項目の基準値を3つ以上達成しかつ許容値を全て達成している麦Bランク評価項目の基準値を2つ達成しかつ許容値を全て達成している麦Cランク評価項目の基準値を1つ達成しかつ許容値を全て達成している麦

評価項目の基準値を2つ以上達成しているものの許容値を達成していない麦DランクA~Cランクのいずれにも該当しない麦

【評価項目】①小麦 日本麺用パン中華麺用(たんぱく灰分容積重フォーリングナンバー)

醸造用(たんぱく3項目容積重)②二条大麦 主食等用(容積重細麦率白度正常粒率)

麦茶用(たんぱく3項目細麦率)③六条大麦はだか麦 主食等用(容積重細麦率白度硝子率)

麦茶用(たんぱく3項目細麦率)

(参考) 麦の品質区分

(単位)

- 21 -

(2)品質評価

たんぱく質や灰分の含有率等に基づく品質評価結果につい

ては平成30年産の小麦ではAランクが899となってお

り過去5年平均(Aランク比率849)と比べ5ポイン

ト高くなっています

また平成30年産の大麦はだか麦ではAランクが

849となっており過去5年平均(Aランク比率832)

と比べ17ポイント高くなっています(表Ⅲ-4)

表Ⅲ-4 平成30年産麦の品質評価結果

2 国内産麦の品質状況

(1)農産物検査① 平成30年産の小麦について全国の1等比率は761

(平成30年12月末時点)と過去5年平均799と比較して低くなっています(表Ⅲ-3)

② 平成30年産の小粒大麦大粒大麦はだか麦及びビール大麦について1等比率は大粒大麦を除き過去5年平均と比較して低くなっています(表Ⅲ-3)

表Ⅲ-3 国内産麦の1等比率の推移(単位)

Aランク Bランク Cランク DランクAランク

過去5年平均(平成25~29年産)

小 麦 899 67 33 01 849

大麦はだか麦

849 37 108 06 832

注1)各年産翌年4月末時点の値であるただし平成30年産は30年12月末時点の値である

2)強力小麦の検査数量を含む値である

3 国内産麦に対する支援

平成31年度は経営所得安定対策等の対策のうち主に畑作

物の直接支払交付金と水田活用の直接支払交付金により国内

産麦に対する支援が行われます

(1)畑作物の直接支払交付金

畑作物の直接支払交付金として麦を生産する農業者に対

し標準的な生産費と標準的な販売価格の差額分を直接交付

することとしています

支払いは当年産の麦の品質及び生産量に応じて交付する

数量払を基本とし当年産の麦の作付面積に応じて交付する

面積払(営農継続支払)を数量払の先払いとして交付する仕

組みにしています

数量払の交付単価は品質に応じた単価を設けており需要

に応じた生産と品質に対する営農努力を適切に反映させる仕

組みになっています(表Ⅲ-5)

表Ⅲ-5 畑作物の直接支払交付金の麦の交付単価

(円単位数量)

品質区分(等級ランク)

1等 2等

A B C D A B C D

小麦(パン中華麵

用品種)(60kg当たり)

9040 8540 8390 8330 7880 7380 7230 7170

小麦(パン中華麺用品種以外)(60kg当たり)

6740 6240 6090 6030 5580 5080 4930 4870

二条大麦(50kg当たり) 5550 5130 5010 4960 4690 4270 4140 4090

六条大麦(50kg当たり) 6030 5610 5480 5430 5000 4580 4460 4410

はだか麦(60kg当たり) 8650 8150 8000 7910 7080 6580 6430 6350

(参考)

【平均交付単価小麦6940円60kg二条大麦5490円50kg六条大麦5720円50kg

はだか麦8230円60kg】

②面積払

当年産の作付面積に応じて交付 2万円10a

①数量払(品質に応じた単価)

- 22 -

【平成31年産に適用】

標準的な生産費

差額

ゲタ交付単価

標準的な販売価格

【交付単価のイメージ】lt畑作物の直接支払交付金のイメージgt

面積払(数量払の際に控除されます)

数量払

収量

交付金額

(2)水田活用の直接支払交付金

水田のフル活用を推進し食料自給率自給力の向上を図

るため水田で麦を生産する農業者に対しては畑作物の直

接支払交付金に加え水田活用の直接支払交付金(35000円

10a)を直接交付することとしています(表Ⅲ-6)

表Ⅲ-6 水田活用の直接支払交付金の交付単価

作 物 単 価

麦大豆飼料作物 35000円10a

WCS(ホールクロップサイレージ)用稲 80000円10a

加工用米 20000円10a

飼料用米米粉用米収量に応じ

55000円~105000円10a

このほか「産地交付金」により地域で作成する水田フル活用ビジョンに基づき二毛作や耕畜連携を含め産地づくりに向けた取組を支援します

戦略作物助成

注実需者等との出荷販売契約等を締結すること出荷販売することが要件

- 23 -

4 国内産食糧用麦の流通動向

(1)取引の概要

国内産食糧用麦は加工原料としての商品特性から需要に応じて計画的に生産できるようは種前契約に基づく取引が行われています

まず取引の指標となる透明性のある適正な価格を形成するためは種前に販売予定数量の3~4割(具体の比率は民間流通地方連絡協議会の協議を踏まえ決定)について入札が行われます残りは相対取引が行われておりその価格については入札で形成された指標価格(落札加重平均価格)を基本として取引当事者間で決められています(図Ⅲ-3)

また取引を円滑に進めるため生産者需要者等で構成される民間流通連絡協議会において取引に必要な情報交換取引に係る基本事項の見直し等が行われています(表Ⅲ-7)

今後とも国内産食糧用麦については円滑な流通が確保されるようは種前契約を基本としつつ適切に対応していきます

図Ⅲ-3 国内産食糧用麦の基本的な流通フロー

表Ⅲ-7 国内産食糧用麦の入札の仕組み

項 目 概 要 見直しの変遷

実施主体 一般社団法人 全国米麦改良協会

実施時期 は種前に2回実施(8~9月)平成13年産から1回rarr2回へ見直し

上場数量

産地銘柄別に販売予定数量が小麦3千トン以上大麦はだか麦1千トン以上の銘柄についてその30~40を上場(ほかに希望上場あり)

平成31年産から30rarr30~40へ見直し

基準価格

小麦は前年産の落札加重平均価格に当年産の入札実施時点での外国産麦の政府売渡価格の変動率を乗じた価格大麦はだか麦は前年産の落札加重平均価格

小麦の外国産麦との連動は平成24年産から実施

値幅制限 基準価格のplusmn10

小麦平成12年産~16年産plusmn5平成17年産~21年産plusmn7平成22年産plusmn10平成23年産plusmn30平成24年産~ plusmn10大麦はだか麦平成12年産~18年産plusmn5平成19年産~21年産plusmn7平成22年産plusmn10平成23年産plusmn15平成24年産~ plusmn10

取引価格の事後調整(小麦のみ)

外国産食糧用小麦の政府売渡価格の改定(410月)に合わせては種前の入札又は相対により契約された価格に外国産食糧用小麦の政府売渡価格の変動率を乗じて取引価格を改定

平成23年産から実施

申込限度数 量

買い手別に上場数量times買受実績シェアtimes145

小麦は平成17年産から大麦及びはだか麦は平成19年産から135rarr145へ見直し

相対取引入札で形成された指標価格を基本に生産者団体と需要者の間で協議決定

平成19年産から過去の実績シェアに基づく取引ルールを廃止

再入札

第1回入札及び第2回入札において落札残数量が発生した場合は売り手の希望により再度入札に付すか相対による契約を行うかいずれかの方法をとることができる

平成25年産から売り手の申し出により再入札における入札の値幅を設定できること等を規定

生産者団体から販売予定数量需要者団体から購入希望数量の相互提示

入札取引の実施(販売予定数量の約3~4割)

相対取引の実施(販売予定数量の約6~7割)

は 種(秋まき春まきは収穫年の4月)

収 穫 及 び 検 査

生産者団体と需要者の間では種前に契約を締結

需 要 者 へ 引 渡 し

<生産の流れ>

麦の生育期間

<契約の流れ>

は種前契約に基づき計画的に作付(は種)

収穫前年7月~

8~9月

9月~

~12月

6~8月

6月~

収穫年26年産から国内産麦の需要拡大を図るため地域の食文化のブランド化等による高付加価値化の取組等に対し安定的な原料供給が可能となる需要拡大推進枠を導入

- 24 -

表Ⅲ-8 国内産食糧用麦の供給量 (単位千トン)

注集荷団体からの聞き取り数量である

(2)流通の動向

平成30年産の国内産食糧用小麦の供給量は前年産から

約14万4千トン減少し約70万1千トンとなっています

また国内産食糧用大麦及びはだか麦の供給量は前年

産から約3千トン減少し約10万3千トンとなっています

(表Ⅲ-8)

生産者側から提示された平成31年産麦の販売予定数量は

国内産食糧用小麦で約82万4千トン国内産食糧用大麦及

びはだか麦で約10万8千トンとなっています

一方需要者側から提示された平成31年産麦の購入希望

数量は国内産食糧用小麦で約86万3千トン国内産食糧

用大麦及びはだか麦で約13万トンとなっています(表Ⅲ-

9)

表Ⅲ-9 国内産食糧用麦の販売予定数量及び購入希望数量の推移(単位千トン)

資料民間流通連絡協議会調べ注四捨五入の関係で差し引きが一致しないことがある

- 25 -

年産 20 21 22 23 24 25 26 27 28 2930

(見込)

小   麦 841 639 532 694 811 767 808 946 734 845 701

大麦はだか麦 125 100 84 98 93 105 103 103 92 106 103

年産 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31

販売予定数量① 887 906 909 951 948 909 905 880 820 846 834 824

購入希望数量② 833 880 818 859 904 869 751 802 834 875 880 863

①-② 54 25 91 91 44 40 154 78 14 29 46 39

(①-②)①() 61 28 100 96 47 44 170 89 18 34 55 47

販売予定数量① 121 132 134 127 122 116 110 112 113 112 108 108

購入希望数量② 199 219 135 149 147 138 141 149 145 138 148 130

①-② 78 87 1 23 26 21 31 37 32 26 39 22

(①-②)①() 640 660 06 179 209 182 282 330 284 234 363 204

表Ⅲ-10 国内産食糧用麦の入札結果の推移

資料一般社団法人全国米麦改良協会調べ

注1価格は税込み(26年産までは527年産以降は8)である

ただし31年産の落札価格は一般社団法人全国米麦改良協会公表の価格(税抜き)を基に農林水産省で税込み価格を算出

5 国内産食糧用麦の価格の動向

(1)平成31年産の入札の概要

平成31年産麦の入札は第1回は平成30年9月12日に第

2回は平成30年9月26日に実施されました

麦種別の入札結果をみると小麦は上場数量約21万4千

トンのうち約20万4千トンが落札(落札率954)され落

札価格は61714円トン(対前年産比1151)となりました

小粒大麦は上場数量約1万1千トンのうち約1万1千

トンが落札(落札率991)され落札価格は46560円トン

(対前年産比997)となりました

大粒大麦は上場数量約7千8百トンのうち5千6百トン

が落札(落札率717)され落札価格は46923円トン(対

前年産比879)となりました

はだか麦は上場数量約2千3百トンのうち約2千1百

トンが落札(落札率897)され落札価格は50817円トン

(対前年産比961)となりました(表Ⅲ-10)

なお国内産小麦については近年消費者の国産志向の高

まりなどを受け大手外食チェーンや2次加工メーカーが国

内産小麦を使用したパン中華麺等の商品を相次いで発表す

るなど人気が高まってきていますこれらを背景として平

成31年産小麦の落札価格は多くの銘柄で値幅制限の上限付

近となっておりまた申込倍数も14倍と高いものとなって

います

- 26 -

20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31

上場数量

(トン)①243510 243020 242310 251370 250980 244880 244320 234010 213360 221380 218500 214200

落札数量

(トン)②234930 238410 189350 247770 245320 220590 188240 192240 201140 214060 210560 204420

落札率

②①965 981 781 986 977 901 770 822 943 967 964 954

落札価格

(円トン)43229 59885 55241 48732 58340 49333 49319 49770 54164 51570 53624 61714

対前年産比 1064 1385 922 882 1197 846 1000 1009 1088 952 1040 1151

上場数量

(トン)①12240 13590 14210 13300 11760 11220 11290 11930 12210 12200 11750 11040

落札数量

(トン)②12050 13510 14040 13170 11550 10850 10900 11830 12090 12200 11440 10940

落札率

②①984 994 988 990 982 967 965 992 990 1000 974 991

落札価格

(円トン)45479 59709 53448 45871 46485 46453 46290 47595 47565 46880 46708 46560

対前年産比 1084 1313 895 858 1013 999 996 1028 999 986 996 997

上場数量

(トン)①10020 9690 10330 9290 9000 8700 7210 7620 7450 7620 6880 7810

落札数量

(トン)②8880 8920 8910 7990 7990 7830 6480 7130 6600 6700 6340 5600

落札率

②①886 921 863 860 888 900 899 936 886 879 922 717

落札価格

(円トン)36532 50492 46097 39649 40394 41582 42881 45740 47827 50442 53384 46923

対前年産比 1059 1382 913 860 1019 1029 1031 1067 1046 1055 1058 879

上場数量

(トン)①2910 3150 3030 3260 3060 2830 2840 2890 2740 2660 2570 2330

落札数量

(トン)②2910 3150 3030 3090 3020 2830 2810 2810 2520 2600 2470 2090

落札率

②①1000 1000 1000 948 987 1000 989 972 920 977 961 897

落札価格

(円トン)42222 58527 61489 52791 51905 52294 49656 47712 46547 48527 52876 50817

対前年産比 1063 1386 1051 859 983 1007 950 961 976 1043 1090 961

年産

小麦

小粒大麦(六条大麦)

大粒大麦(二条大麦)

はだか麦

平成31年産国内産食糧用小麦の入札結果をみると産地別銘柄別

の需給状況等を反映して落札価格に差が生じています

代表的な銘柄である北海道産「きたほなみ」は前年産の価格を

153上回る64752円トン香川県産「さぬきの夢2009」は前

年産の価格を152上回る73186円トンとなりましたまたパ

ン中華麺用の北海道産「ゆめちから」は前年産の価格を180

上回る62777円トン北海道産「春よ恋」は前年産の価格を

180上回る68792円トンとなりました(図Ⅲ-4図Ⅲ-5)

図Ⅲ-4 平成31年産国内産食糧用小麦の産地別銘柄別落札価格

資料農林水産省調べ注外国産小麦5銘柄加重平均価格は平成30年4月期の輸入小麦の政府売渡価格である

(2)平成31年産国内産食糧用小麦の産地別銘柄別落札価格の動向

資料農林水産省調べ注1国内産小麦の価格は(一社)全国米麦改良協会が実施する民間流通麦にかかる入札の第1回第2回

及び再入札の落札加重平均価格(税込み)年産の下段の( )内は当該第1回入札の実施年月である注2外国産小麦の価格は18年までは当該年度平均の実績価格であり19年以降は民間流通麦にかかる第

1回入札の実施年月時点での輸入小麦の政府売渡価格(5銘柄平均)である注3ホクシン(きたほなみ)については22年産までは「ホクシン」の価格であり23年産からは「きたほ

なみ」の価格である注4さぬきの夢については24年産までは「さぬきの夢2000」の価格であり25年産からは「さぬきの夢

2009」の価格である注5農林61号(さとのそら)については23年産までは「農林61号」の価格であり24年産からは「さとの

そら」の価格である

図Ⅲ-5 国内産食糧用小麦の産地別銘柄別落札価格の推移

- 27 -

(単位円トン税込み)

30000

60000

北海道ゆめちから 62777

福岡ミナミノカオリ 68393

滋賀農林61号 50763

茨城さとのそら 46310

佐賀チクゴイズミ 52193

岩手ゆきちから 39929

全銘柄落札加重平均 61714

香川さぬきの夢2009 73186

北海道きたほなみ 64752

外国産小麦5銘柄加重平均 54370

群馬さとのそら 48669

北海道キタノカオリ 63090

大分チクゴイズミ 48265

福岡シロガネコムギ 50643

佐賀シロガネコムギ 47998

40000

福岡チクゴイズミ 52203

滋賀ふくさやか 49534

岐阜イワイノダイチ 46874

埼玉さとのそら 47159

宮城シラネコムギ 44607

群馬つるぴかり 49785

北海道春よ恋 68792

愛知きぬあかり 50114

北海道はるきらり 60201

50000

埼玉あやひかり 46072

岐阜さとのそら 45919

70000

30000

40000

50000

60000

70000

80000

90000

100000

110000

120000

130000

12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 年産

(単位円トン税込み)

北海道ホクシン

香川さぬきの夢200973186円

茨城農林61号

香川さぬきの夢2000

茨城さとのそら

46310円

北海道きたほなみ

64752円

北海道ゆめちから

62777円

外国産小麦

5銘柄平均

54370円

北海道春よ恋

68792円

(128) (138) (148) (158) (168) (178)(1810) (199) (208)(2110)(2212) (239) (2410)(2510)(269)(279) (289) (299)(119) (309)

6 国内産麦の新品種の育成状況

(1)国内産麦については縞萎縮病抵抗性や耐倒伏性を備え

需要者等のニ-ズに合った新品種の開発が進められています

また作付け面積が1万haを超える「ゆめちから」「さとの

そら」をはじめ多数の品種が生産現場に導入されています

(図Ⅲ-6)

(2)今後とも赤かび病抵抗性や穂発芽耐性が高い小麦品種

小麦粉の色相や製粉性が優れる日本麺用小麦品種パンの膨

らみがカナダ産「1CW」並の小麦品種焼酎押麦味噌

などの加工適性が高い大麦品種等の開発を推進します

小麦品種「ゆめちから」及び「さとのそら」は優れた栽培特性

と加工適性を備えており作付けが拡大しています(平成29年

推定値「ゆめちから」約1万2千ha「さとのそら」約1万5

千ha)

パン用小麦品種の開発近年国産の小麦粉を使ったパンの需要増加に応えるためグルテンやでん粉の組成などパンの膨らみに関連する特性に注目した育種が進められていますその結果平成25年に製パン適性が「1CW」に近く多収の「せときらら」平成29年にはパン生地の力が強く穂発芽耐性や赤かび抵抗性が改良された「夏黄金」が育成されました

加工適性の高い大麦品種の開発機能性成分β-グルカンを多く含むもち性大麦の需要の高まりに応えるため平成29年に「はねうまもち」が育成されましたまた高品質なはだか麦の需要増加に対応して平成24年に味噌加工適性の高い「ハルヒメボシ」が育成されました

図Ⅲ-6 平成19年以降に育成された麦類の主な新品種

日本麺用小麦ゆめきらり

パン用小麦ゆめかおり福井県大3号

六条大麦ホワイトファイバー

北信越

日本麺用小麦あおばの恋

パン用小麦銀河のちから

東北

日本麺用小麦さとのそらきぬあかり

パン用小麦ゆめかおり

二条大麦とちのいぶき彩の星アスカゴールデンニューサチホゴールデン

六条大麦カシマゴール

はだか麦キラリモチ

関東東海

日本麺用小麦ふくはるかさぬきの夢2009

パン用小麦ゆめちからせときらら

はだか麦ハルヒメボシ

近畿中国四国

中華麺用小麦ちくしW2号

二条大麦煌二条白妙二条はるか二条トヨノホシ

九州

日本麺用小麦きたほなみ

中華麺用小麦つるきち

パン用小麦ゆめちからはるきらり

二条大麦札育2号

北海道

新品種のうち平成30年産で概ね100ha以上作付けされていると推定される品種を選定(農林水産省調べ)

- 28 -

7 国内産麦を利用した製品の動向

食料自給率の向上を図るためには国内産麦の需要開拓を行う

ことが必要です最近の消費者の国産志向の高まりや生産者と実

需者が一体となった地産地消の推進地域農業の振興を図る取り

組み等から国内産麦を使った麦製品(パン麺等)が増えてき

ており中には国内産麦を100使用した商品もあります(図Ⅲ-

7)

- 29 -

8 民間流通制度の運用改善

国内産麦の人気の高まりにより近年需要量が生産量を上回

る状況が継続しており国内産麦を積極的に使用したい実需者が

必要量を確保できない等の課題もあります

このような課題に対応するため民間流通連絡協議会において

入札上場比率の選択制の導入需要拡大推進枠設定の要件緩和

相対取引需要拡大推進枠において多様な取組が可能であること

の明確化等民間流通制度の運用改善が行われました(図Ⅲ-

8)

ピッツァ専用粉(北海道)(小麦)地元の製粉企業が北海道産小麦(きたほなみキタノカオリゆめち

から)を100使用した国内で初めてのピッツァ専用粉を開発平成30年2月に都内で試食会を開催し平成30年5月から販売

ピッツァ専用粉(群馬県)(小麦)地元の製粉企業が地元のピッツァ専門店ピッツァ窯メーカーと協力

して品質改良を重ね群馬県産小麦(さとのそらつるぴかりきぬの波)を100使用したピッツァ専用粉を平成30年4月から発売ピッツァイベントやイタリアン食材の展示会に出展

学校給食用パン(東京都)(小麦)都学校給食会の「学校給食パン加工規格」による配合基準に基づき国

内産小麦を100使用した学校給食パンを平成27年度から都内の一部の小中学校で提供を開始平成28年度からは都内全域の規格として採用

〇 市販用中華麺(愛知県)(小麦)地元の製粉企業が自社製品として愛知県産小麦きぬあかりを100使用

した中華麺を平成30年6月から自社通販で販売平成30年8月から一般販売を開始

フランスパン用粉(佐賀県)(小麦)近県製粉企業が農研機構と共同で育成した九州地域等の暖地温暖地

向けのフランスパン加工適性に優れる準強力小麦品種「さちかおり」を100使用したフランスパン用粉を平成30年8月から発売

市販用ゆで麺(長崎県)(小麦)地元の製麺企業近県製粉企業県生麺協同組合JA県等が連携し

平成26年3月に「長崎県育成麦活用開発協議会」を立ち上げ長崎県産長崎W2号(商標登録名長崎ちゃん麦)を100使用したちゃんぽん用のゆで麺を平成29年4月に製品化原料小麦の生産量が整った段階での本格販売を予定

もち性大麦を使用した機能性表示食品(静岡県)(大麦)地元の精麦企業が国内産もち性大麦でβ-グルカン量の多い銘柄を使用し

炊飯用精麦を製品化機能性表示食品として平成29年1月に届出し十分な原料を手当でき次第随時販売予定

〇 もち性大麦を使用したシリアル(愛知県)(大麦)地元の精麦企業が食物繊維が20を超える愛知県産もち性大麦「ワキ

シーファイバー」を使用した国内産もち麦100シリアルを開発平成30年4月から販売開始

図Ⅲ-7 国内産麦を100使用した商品事例

図Ⅲ-8 民間流通制度の運用改善のポイント

0

50

100

150

200

250

300

350

400円千人

大手製パンメーカーA社が国内産小麦100使用の新製品を発売

大手製食品スーパーB社が国内産小麦100使用の新製品をPBで発売

大手製パンメーカーA社が国内産小麦100使用の製品を初めて発売

(参考)国内産小麦を利用した製品の販売状況

(1)国内産小麦100使用の食パンの販売額

大きなシェアを占めるにはいたっていないものの国内産

小麦を100使用した食パンの販売金額の推移を見ると新製

品が登場する度に国内産小麦100使用の食パン市場が拡大し

ています(図Ⅲ-9)

図Ⅲ-9 国内産小麦100使用の食パンの販売額の推移(首都圏)

資料日本経済新聞デジタルメディア社による首都圏のスーパーマーケットなど100店舗におけるPOSデータに基づき農林水産政策研究所において集計

注食パンのうち国内産小麦を100使用していることが明らかな製品のみ計上菓子パン等は含んでいない

表Ⅲ-11 生麺ゆで麺(チルド)の販売金額のシェア(首都圏平成30年)

資料日本経済新聞デジタルメディア社による首都圏のスーパーマーケットなど120店舗におけるPOSデータに基づき農林水産政策研究所において集計

(2)生麺ゆで麺(チルド)の販売金額

生麺ゆで麺全体で上位15製品の売上高に占める国内産

小麦使用表示のある製品のシェアは30となっていますま

た主要な麺製品のうどんラーメン冷やし中華焼そば

全てで国内産小麦使用製品がランクインしています(表Ⅲ

-11)

2013年 2014年 2015年 2016年 2017年 2018年 2019年

                      (単位)

製品の種類製造企業の規模産地表示販売金額シェア

焼そば大手製品(国内産小麦使用表示なし) 99そば大手製品(国内産小麦使用表示なし) 27冷やしラーメン大手製品(国内産小麦使用表示なし) 20うどん大手製品(北海道産小麦使用表示あり) 20ラーメン大手製品(北海道産小麦使用表示あり) 14冷やし中華大手製品(国内産小麦使用表示なし) 14うどん大手製品(国内産小麦使用表示あり) 13焼そば大手製品(国内産小麦使用表示なし) 12焼うどん大手製品(国内産小麦使用表示なし) 12うどん大手製品(国内産小麦使用表示あり) 11焼そば大手製品(国内産小麦使用表示あり) 11そうめん大手製品(国内産小麦使用表示あり) 10うどんPB製品(北海道産小麦使用表示あり) 10つけ麺大手製品(国内産小麦使用表示なし) 10冷麺中小製品(国内産小麦使用表示なし) 10

303

14

89

15上位15製品の売上高に占める国内産小麦使用表示のある製品の

シェア

順位

1

10111213

234567

- 30 -

図Ⅲ-10 外食産業等と連携した農産物の需要拡大対策事業(麦類)

9 国内産麦の需要拡大イベント及び情報発信の取組

近年生産者と実需者等が連携し国内産麦を使用した製品が

数多く開発販売されており各地でイベント等の需要拡大の

取組みが行われております

また農林水産省としては平成30年度産地と外食事業者等

が連携して行う国内産麦を活用した新商品の開発試作製

造するために必要な取組を支援する「外食産業等と連携した農

産物の需要拡大対策事業」を一般社団法人全国米麦改良協会を

実施主体として行っているところです

農林水産省のホームページにおいてこれらのイベント等につい

て情報発信を行うとともに一般社団法人全国米麦改良協会が

開設している国産麦応援情報ホームページでの情報提供等を

行っています(図Ⅲ-10~12)

「国内産麦使用試作品全国統一試食会商談会」開催日平成31年2月12日~19日(土日を除く)場 所むぎくらべ(東京都千代田区神田小川町)

内 容平成29年度補正予算事業「外食産業等と連携した農産物の需要拡大対策事業」の一環として行われた国内産麦を使用した試作品の試食会商談会

「国内産麦使用試作品全国統一試食会商談会」で出品された試作品

- 31 -

第8回全国ご当地うどんサミットin 熊谷 開催日平成30年11月10日~11日 場 所熊谷スポーツ文化公園にぎわい広

場(埼玉県) 内 容全国の国内産小麦を使用した「ご

当地うどん」が一堂に集まりグランプリを決定

図Ⅲ-11 全国各地で開催されたイベント 図Ⅲ-12 一般社団法人 全国米麦改良協会の取組

国産麦応援情報ホームページ「日本の麦の底力」内容国産小麦粉ブランド名鑑国産小麦の逸品イベント情報研究

情報等を掲載URL httpnihonnomugicom

北海道小麦キャンプ2018 in オホーツク 開催日平成30年7月10日~11日 場 所ホテル黒部を主会場としたオホーツ

ク管内(北海道) 内 容国内産小麦北海道産小麦の魅力

を全国に広めることを目的にバスツアーやパン講習会などを実施

麦わらぼうしフェスタ 開催日平成30年11月4日 場 所笠原産業株式会社(栃木県) 内 容国内産小麦を使用したうどんパン

などの試食販売うどん教室などを実施

第7回 信州粉もん祭り 開催日平成30年11月11日 場 所JAながの ちくま埴生支所(長野県) 内 容長野県産小麦を使用した「粉もん料

理」が大集合粉もん試食会や手打ちうどん講習会 などを実施

国内産麦アンテナショップ「むぎくらべ」内容国内産麦を使用した商品のPRと販売の場を提供するものとして

平成30年7月東京都千代田区にオープン

- 32 -

オープニングセレモニーには上月前農林水産大臣政務官(写真中央)も出席

10 食料農業農村基本計画における麦の位置付け

平成27年3月31日に平成37年度を目標とする「食料農業

農村基本計画」が閣議決定され小麦は95万トン大麦はだ

か麦は22万トンの生産努力目標が設定されています(表Ⅲ-

12)

食料消費の見通し 生産努力目標(万トン) 克服すべき課題

1人1年当たり消費量

(kg人年)

国内消費仕向量

(万トン)

平成25年度

平成37年度

平成25年度

平成37年度

平成25年度

平成37年度

小麦 33 32 699 611 81 95

国内産小麦の需要拡大に向けた産地形成やブランド化

実需者ニーズに対応した生産流通体制の確立

新品種新技術の開発導入輪作体系の最適化排水対策等による収量品質の高位安定化

農地の集積集約化経営規模の拡大に対応した省力化に資する技術の開発導入等による生産コストの低減

大麦はだか麦

03 02 208 213 18 22

外国産大麦が多く用いられている焼酎用等の国内産麦の需要拡大

実需者ニーズに対応した生産流通体制の確立

新品種新技術の開発導入輪作体系の最適化排水対策等による収量品質の高位安定化

農地の集積集約化経営規模の拡大に対応した省力化に資する技術の開発導入等による生産コストの低減

表Ⅲ-12 麦の平成37年度における食料消費の見通し及び生産努力目標

資料「食料農業農村基本計画」(平成27年3月閣議決定)注1)国内消費仕向量には飼料用等の食糧用以外の用途への仕向量を含む

2)大麦はだか麦の国内消費仕向量及び生産努力目標にはビール大麦を含む

- 33 -

Ⅳ 米粉に関する動向

1 生産動向

米粉用米の生産量は平成25年産以降2万トン前後で推移していましたが平成29年度以降は約3万トンまで回復しています(表Ⅳ-1)

2 需要拡大に向けた対応

米粉用米の利用量は平成24年度以降年間2万数千トンで推移していましたがグルテンを使用しない米粉商品の開発や新たな米加工品(α化米粉米ゲルなど)の保湿性や粘性に着目した商品の開発「米粉の用途別基準」や「ノングルテン米粉製品第三者認証制度」の運用開始により平成29年度は25千トン30年度は31千トンに増加しています(表Ⅳ-2)

今後の更なる国内海外の需要拡大のためノングルテン米粉や用途別基準に適合する高品質な日本産米粉の流通を契機とした魅力ある新商品の開発や日本産米粉の優位性の情報発信等を推進する必要があります

表Ⅳ-1 上位5県の米粉用米の生産量と作付面積の推移

(参考) 米粉及び小麦粉の販売価格(税抜き)

米粉100~290円kg程度

(小麦粉 100円kg程度)

注1)平成26~29年度については新規需要米取組計画を認定した全需要者からの聞き取り注2)平成30年度については新規需要米取組計画を認定した主要な需要者からの聞き取り

により推計

表Ⅳ-2 米粉用米の利用量(需要者からの聞き取り)

- 34 -

資料26~29年産は新規需要米生産集出荷数量30年産は新規需要米取組計画

認定数量(農林水産省)

(単位千トン)

26年度 27年度 28年度 29年度 30年度見込

22 23 23 25 31

(単位千トン千ha)

26年産 27年産 28年産 29年産 30年産

生産量 59 97 87 130 107作付面積 11 18 15 24 19生産量 10 10 09 30 31作付面積 02 02 02 06 06生産量 08 10 00 19 30作付面積 01 02 00 03 06生産量 10 12 12 12 16作付面積 02 03 02 02 03生産量 20 24 07 12 13作付面積 03 04 01 02 02生産量 184 230 190 284 281作付面積 34 42 34 53 53

秋田県

全国計

新潟県

埼玉県

栃木県

群馬県

農林水産大臣は米穀の新用途への利用の促進に関する基本方針を定める

生産製造連携事業計画

生産者 製造事業者 促進事業者

必須

米穀の新用途への利用の促進に関する法律

米穀の新用途への利用の促進に関する基本方針

関係者が連携して計画を作成米穀の新用途への利用の促進に関する基本方針に照らし適切な計画について農林水産大臣が認定(計画期間は3~5年)

図Ⅳ 米粉用米に対する支援措置

3 米粉用米に対する支援

① 米粉用米についてはその利用の拡大を図るために平成21年に「米穀の新用途への利用の促進に関する法律」が制定されました同法に基づく「生産製造連携事業計画」の認定を受け「農山漁村

活性化計画」の採択を受けた取組に対して米粉用米の生産加工に必要な施設整備等の支援を行っています

② 米粉用米の生産者に対しては水田活用の直接支払交付金による支援を行っていますまたノングルテン米粉表示や米粉の用途別基準により需要者ニーズに合った高品質な米粉の製造や輸出拡大の取組を支援しています

③ 平成31年度は国内海外の需要獲得に向け引き続き魅力ある新商品開発を推進するほか日本産米粉の優位性の情報発信やノングルテン米粉の製造手法マニュアルの作成など輸出を含めた日本産米粉の需要拡大に向けた取組を支援していくこととしています

予 算 措 置

【水田活用の直接支払交付金】水田を活用して米粉用米等の作物を生産する農業者に対し交付金を直接交付 (米粉用米収量に応じ55万円~105万円10a)

【農山漁村振興交付金】米粉飼料用米の生産加工に係る施設整備に対し交付金を交付(補助率定額12)

【持続的生産強化対策事業】

日本産米粉の優位性の情報発信ノングルテン米粉の製造手法マニュアルの作成米粉用米生産者と製造事業者とのマッチング

等の取組を支援

金 融 措 置

【日本政策金融公庫による低利融資】(食品安定供給施設整備資金)

米粉製造施設米粉を原料とした食品の製造加工施設等への融資

(輸出を含めた日本産米粉の需要拡大支援事業)

(補助率定額)

【外食産業等と連携した需要拡大対策事業】

国産農林水産物食品の輸出等需要フロンティアの開拓を図るため産地と複数年契約を締結する民間企業(外食加工業者)に対し国産農林水産物を活用した新商品の開発やそれに必要な技術開発等を支援 (補助率定額12)

- 35 -

【農林水産物食品輸出促進緊急対策事業】コメ海外市場拡大戦略プロジェクトに参加する輸出産地や輸出事業者等が連携して戦略的に取り組む中国等の海外市場開拓プロモーション等を支援

(補助率定額12)

品目 現在の関税率 合意内容

小麦

枠内税率無税+マークアップ

枠外税率55円kg

現行の国家貿易制度を維持するとともに枠外税率(55円kg)を維持

既存のWTO枠に加え米国(15万(7年目以降))【不適用】カナダ(53万(同))豪州(5万(同))にSBS方式の国別枠を設定

マークアップを9年目までに45削減

大麦

枠内税率無税+マークアップ

枠外税率39円kg

現行の国家貿易制度を維持するとともに枠外税率(39円kg)を維持

既存のWTO枠に加えSBS方式のTPP枠(65万(9年目以降))を設定

マークアップを9年目までに45削減

1 TPP11協定概要(麦)(平成30年12月30日発効)

Ⅴ TPP11及び日EUEPAの協定概要(麦関係)

(参考主な麦製品)

現在の関税率合意内容

税率 枠数量

いった小麦小麦粉等

(国家貿易品目)

枠内税率125~25+マークアップ

枠外税率85~134円kg

枠内即時無税+マークアップ

(枠外税率は維持)

(発効時) (6年目)125千rarr175千

ベーカリー製品製造用

小麦粉調製品16~24

枠内即時無税(枠外税率は維持)

(発効時) (6年目)米国 105千rarr12千【不適用】米国以外 68千rarr 8千

その他小麦粉調製品

16~28枠内即時無税

(枠外税率は維持)(発効時) (6年目)15千rarr225千

マカロニスパゲティ

30円kg9年目までに60削減

ビスケット 1315 6年目に無税 -

注1)いった小麦とは小麦をいったものであり主にシリアル食品等に使用される

2)その他小麦粉調製品とは製麺まんじゅう等のベーカリー製品以外の製造用の

小麦粉調製品である

- 36 -

2 日EUEPA協定概要(麦)(平成31年2月1日発効)

品目 現在の関税率 合意内容

小麦

枠内税率無税+マークアップ

枠外税率55円kg

現行の国家貿易制度を維持するとともに枠外税率(55円kg)を維持

既存のWTO枠に加えSBS方式のEU枠(270(7年目以降))を設定

枠内のマークアップを9年目までに45削減

大麦

枠内税率無税+マークアップ

枠外税率39円kg

現行の国家貿易制度を維持するとともに枠外税率(39円kg)を維持

既存のWTO枠に加えSBS方式のEU枠(30(即時))を設定

枠内のマークアップを9年目までに45削減

(参考主な麦製品)

現在の関税率合意内容

税率 枠数量

いった小麦小麦粉等

(国家貿易品目)

枠内税率125~25+マークアップ

枠外税率85~134円kg

枠内即時無税+マークアップ

(枠外税率は維持)

(発効時) (6年目)38千rarr44千

ベーカリー製品製造用

小麦粉調製品16~24

枠内即時無税(枠外税率は維持)

(発効時) (6年目)104千rarr142千

その他小麦粉調製品

16~28枠内即時無税

(枠外税率は維持)(発効時) (6年目)

2千rarr3千

マカロニスパゲティ

30円kg 11年目に無税 -

ビスケット 1315 6年目に無税 -

注1)いった小麦とは小麦をいったものであり主にシリアル食品等に使用される

2)その他小麦粉調製品とは製麺まんじゅう等のベーカリー製品以外の製造用の

小麦粉調製品である

(参考) 麦の国境措置

小 麦 大 麦

輸入数量

価格

輸入数量

価格

政府売渡価格

マークアップ(輸入差益)

452円kgを上限

輸入価格

(枠内税率0円kg)

枠内輸入(国家貿易) 枠外輸入

(民間貿易)枠外税率を支払って輸入された数量(平成29年度)12千トン

WTOカレントアクセス数量5740千トン

枠外税率55円

政府売渡価格

輸入価格(枠内税率0円kg)

WTOカレントアクセス数量1369千トン

枠内輸入(国家貿易) 枠外輸入(民間貿易)

枠外税率を支払って輸入された数量(平成29年度)06千トン

枠外税率39円

民間貿易の場合の輸入価格

民間貿易の場合の輸入価格

286円kgを上限

マークアップ(輸入差益)

- 37 -

  • スライド番号 1
  • スライド番号 2
  • 麦の参考資料 麦の需給に関する見通し(動向編)
  • スライド番号 4
  • スライド番号 5
  • スライド番号 6
  • スライド番号 7
  • スライド番号 8
  • スライド番号 9
  • スライド番号 10
  • スライド番号 11
  • スライド番号 12
  • スライド番号 13
  • スライド番号 14
  • Ⅱ 小麦粉麦製品の生産と価格の動向
  • スライド番号 16
  • スライド番号 17
  • スライド番号 18
  • スライド番号 19
  • スライド番号 20
  • スライド番号 21
  • スライド番号 22
  • スライド番号 23
  • スライド番号 24
  • スライド番号 25
  • スライド番号 26
  • スライド番号 27
  • スライド番号 28
  • スライド番号 29
  • スライド番号 30
  • スライド番号 31
  • スライド番号 32
  • スライド番号 33
  • スライド番号 34
  • スライド番号 35
  • スライド番号 36
  • スライド番号 37
  • スライド番号 38
  • スライド番号 39
  • スライド番号 40
  • スライド番号 41
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(参考3) 麦製品の生産動向

麦製品の生産量は食パンや乾麺のように生産量が減少している製品もある一方で菓子パンや即席麺冷凍麺のように生産量が増加している製品もあることから使用される小麦粉の数量は平成22年以降概ね横ばい傾向で推移しています麦製品は食生活の多様化や簡便性といった消費者ニーズを

捉えつつ継続した新製品の開発がなされており新たな定番となる商品の登場や期間限定の商品やイベントなどが消費者の購買を促進していると考えられます(図Ⅱ-3表Ⅱ-4)

表Ⅱ-4 麦製品の生産量の推移

(単位千トン)

- 15 -

資料平成21年度までは農林水産省「米麦加工食品生産動態統計調査年報」平成22年度からは農林水産省「食品産業動態調査」及び農林水産省「製粉精麦工場需給実績報告」冷凍麺の生産量は(一社)日本冷凍食品協会調べ

注1)麺類及びパン類の生産量は小麦粉使用量で冷凍麺は製品生産量である2)小麦粉は年度の計でありその他は暦年の計である

区分

パ ン 麺 類 冷凍麺

小麦粉 食パン菓子パ

ンその他のパン

生麺 乾麺 即席麺

年度計 暦年計 暦年計 暦年計 暦年計 暦年計 暦年計 暦年計 暦年計 暦年計

昭和45 3422 970 469 - - - 514 327 267 -

50 3978 1062 588 251 63 - 541 289 335 -

55 4079 1189 687 285 89 1334 610 275 325 -

60 4243 1178 653 291 133 1397 659 297 316 9

平成2 4338 1193 661 321 146 1407 687 274 316 41

7 4633 1220 623 368 178 1456 729 268 314 120

12 4623 1279 619 382 235 1421 687 235 343 190

22 4725 1196 576 375 215 1251 555 203 332 257

23 4708 1215 580 392 215 1283 548 209 361 270

24 4654 1219 580 392 221 1269 542 204 363 283

25 4694 1226 598 384 218 1324 562 213 386 314

26 4683 1234 608 387 214 1371 578 213 410 318

27 4702 1234 605 403 201 1396 624 195 414 308

28 4683 1238 604 403 206 1409 652 186 419 308

29 4703 1254 602 409 218 1445 691 186 416 313

30 - 1221 585 401 211 1473 712 188 420 -

〔低糖質製品〕

〔多種多様な携帯サンドイッチ〕

〔手軽な冷凍麺〕

図Ⅱ-3 麦製品の商品事例

H18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29

製粉工場数 124 122 121 119 117 118 117 114 109 104 102 98

製粉企業数 100 98 98 96 94 95 94 90 88 83 81 77

うち輸入小麦取扱製粉工場数 91 91 90 90 87 87 86 83 78 76 74 73

うち輸入小麦取扱製粉企業数 67 67 67 65 64 64 64 60 57 55 53 52

50

70

90

110

130

150製粉工場数

製粉企業数

うち輸入小麦取扱製粉工場数

うち輸入小麦取扱製粉企業数

3 製粉企業の状況

(1)大手製粉企業及び中小製粉企業の動向

① 大手製粉企業4社の小麦粉の生産量は全体の78を占

めておりこれに年間小麦粉生産量が3万トン以上の企業

の生産量を加えた13社ベースでは全体の90を占めてい

ます

② 大手製粉企業は生産設備の臨海工場への集約化を進め

つつ工場の大規模化合理化を推進しています

平成29年度の1工場当たりの生産量は17万トンまた

稼働率は89となっています

③ 年間小麦粉生産量3万トン以上の中小製粉企業は工場

のほとんどが臨海地域に立地し小麦粉を域内の二次加工

メーカー等に供給しています

平成29年度の1工場当たりの生産量は約6万トン稼働

率は67となっています

④ 年間小麦粉生産量1千トン以上3万トン未満の中小製粉

企業は主に内陸に位置し小麦粉を地元のパン麺等の

加工業者に供給するほか乾麺等の製造を兼ねるものも多

くなっています

平成29年度の1工場当たりの生産量は13万トンと大

手製粉企業の約14分の1稼働率は35となっています

⑤ 年間小麦粉生産量1千トン未満の中小製粉企業は輸入

小麦を取り扱わない企業が大部分を占め国内産小麦のみ

を使用し麺用や菓子用に供給しています

表Ⅱ-5 大手製粉企業中小製粉企業の小麦粉生産等の動向

資料農林水産省調べ注四捨五入の関係で計と内訳が一致しない場合がある

(参考)製粉企業数と工場数の推移(企業工場)

- 16 -

3万トン以上1千トン以上3万トン未満

1千トン未満

平成24 94 4 90 9 50 31

29 77 4 73 9 38 26

24 4853 3679 1174 536 636 3

29 4877 3801 1075 569 504 2

24 100 758 242 110 131 01

29 100 779 221 117 103 00

24 3245 1177 2068 632 1360 76

29 2806 1057 1749 581 1114 54

24 1496 3126 568 848 468 39

29 1738 3596 615 980 452 44

24 415 1533 126 596 120 01

29 498 1728 142 569 126 01

24 692 887 414 709 311 42

29 731 888 454 670 347 46

全体 大手製粉

中 小 製 粉年間生産量

稼働率()

製粉企業数

小麦粉生産量(千トン)

生産シェア()

従業員数(人)

従業員一人当たりの生産量

(トン)

一工場当たりの生産量(千トン)

(2)製粉企業のコスト削減や品質安全性の向上に向けた取組

製粉企業は生産能力の増強によるコスト削減や品質安全性の向上に向けた取組を進めています(図Ⅱ-4)

また国も農業競争力強化プログラムを策定し製粉企業の取組みを支援しています(図Ⅱ-5)

① 供給能力の強化等によるコストダウン

製粉企業は供給能力の強化生産性の向上と原料小麦の受入体制の整備によるコストダウンを図るため製粉工場や原料サイロの増強等の設備投資を行っています

② 資本業務の提携

製粉企業の中には他の製粉企業と資本業務提携を行うこと等により原料調達規模の拡大や生産の効率化等による競争力の強化を図る取組もみられます

③ 品質安全性の向上

製粉企業は近年消費者の安全安心への関心が高まる中食品の品質安全性を確保するための設備やAIB食品安全システムの導入ISO認証の取得等様々な取組を行っています

④ 工場の集約化

大手製粉企業は内陸工場を閉鎖し海外からの原料調達に有利な臨海工場への集約を進めるとともに臨海工場の生産能力を増強させる等生産性の向上を図っています

⑤ 海外市場への進出

製粉企業の中にはアジア大洋州地域における買収や工場増設等海外市場に積極的な進出をする取組もみられます

① 供給能力の強化等によるコストダウン 日清製粉は関東地区の小麦サイロ収容力の増強を進め更なる原料小麦の安定供給を推進するため鶴見工場の原料小麦サイロを増設(平成28年)

日本製粉は神戸甲南工場の原料サイロの新設等(平成24年)千葉工場の原料サイロの増設(平成26年)を行い今後原料サイロを福岡工場及び知多新工場へ新設神戸甲南工場(第2期)へ増設する予定

千葉製粉は新たな顧客ニーズへの対応付加価値製品の創出等を図るため専用ラインを新設(平成27年)

② 資本業務提携 資本業務提携を行っている製粉企業

増田製粉所(兵庫) hArr 日東富士製粉

木田製粉(北海道)内外製粉(三重)奥本製粉(大阪)セントラル製

粉(愛知) hArr 昭和産業

東福製粉(福岡) hArr 日本製粉

③ 品質安全性の向上 多くの製粉企業がISO9001(品質マネジメントシステム)ISO22000(食品安全マネジメントシステム)の認証を受けることにより品質管理や食品安全管理を実施

④ 工場の集約化 日清製粉は生産性向上のため内陸工場を順次閉鎖し臨海工場への集約化を推進

筑後工場(福岡)鳥栖工場(佐賀) rarr 福岡工場(福岡)へ集約

(平成26年)

名古屋工場の2ライン rarr 知多工場(愛知)の新ラインへ集約

(平成27年)

日本製粉は生産性向上のため総生産能力の80を臨海部の大型工場に集約

⑤ 海外市場への進出状況(平成30年度) 日清製粉は豪州の小麦粉市場においてトップシェアを持つアライドピナクル社を買収またタイでは子会社の日清STC製粉がタイの製粉工場を買収するとともにベトナムでは業務用プレミックスの生産工場を建設することを決定

昭和産業はベトナムに新たにプレミックス製造会社を設立し生産工場を建設することを決定

図Ⅱ-4 製粉企業の各種取組の事例

- 17-

⑥ 再編合理化の取組

製粉企業の中には国の支援を活用した再編合理化の取

組もみられます

⑦ 地産地消の推進

中小製粉企業は地域とのつながりの強さや独自の立地

条件を活かした特色ある経営を模索する中で生産者と協

力した積極的な地産地消の取組を進めています

⑦ 地産地消の推進

岩手県主な実施者岩手県学校給食会岩手県パン工業組合県内製粉企業取 組 内 容 平成28年度から地元県産小麦(銀河のちからゆきちから)を

100使用した学校給食用パンを県内の小中学校に提供開始埼玉県

主な実施者埼玉産小麦ネットワーク「SWING group」(県内製粉企業が中心となり生産者加工業者販売業者等180社が加盟)

取 組 内 容 埼玉県産小麦のブランド価値を高めることなどを目的として埼玉県産小麦を自社製品に利用することで高付加価値商品の開発による自社の発展などを目指すとともに研修会の実施やイベントホームページなどを通じた消費者への情報提供を実施

京都府主な実施者地元製粉企業京都府全農京都府本部生産者府内製麺製

パン業者飲食店取 組 内 容 平成30年産から京都府産小麦品種を「せときらら」へ全面切替を

行ったことを機にブランド名を「京小麦」とし「京小麦」を100使用したメニューを参加店舗にて提供するイベント「京小麦の収穫祭」を平成31年1月21日から2月17日まで開催

福岡県主な実施者福岡県ラー麦普及推進協議会(県JA全農ふくれん県内製粉

業者5社製麺業者関係団体)取 組 内 容 以下の取組によりラーメン用小麦「ラー麦」を普及推進

産地への生産技術の普及指導 小麦品質評価最適製粉加工方法の検討 利用や消費を促進するための普及宣伝(試

食イベント等) 毎年産の製粉製麺適性評価および食味

官能評価の実施 平成21年に本小麦の名称「ラー麦」とロ

ゴデザインを商標登録しブランド化

- 18 -

2 生産者が有利な条件で安定取引を行うことができる流通加工の業界構造の確立

(1)生産者に有利な流通加工構造の確立現在の食料需給消費の実態等を踏まえた効率的機能

的で農業者と消費者双方がメリットを受けられる流通加工構造を確立するため以下のとおり取り組む

その際農林水産省経済産業省をはじめ政府一体となって取り組む①~⑦ (略)⑧ 加工業については生産性の低い工場が乱立している

種類の加工業界(製粉乳業等)について国は国際競争に対応できる生産性の確保を目指した業界再編設備投資等を推進することとし政府系金融機関の融資農林漁業成長産業化支援機構の出資等による支援を行う

⑨ 上記改革を推進するため農産物の流通加工に関し国の責務業界再編に向けた推進手法等を明記した法整備を進める

⑩ 上記改革を推進するため金融機関による流通加工関連産業の生産性向上に資する経営支援や資金供給の促進政府系金融機関や農林漁業成長産業化支援機構等との連携強化等を図る

図Ⅱ-5 農業競争力強化プログラム(抜粋)

(平成28年11月29日 農林水産業地域の活力創造本部決定)

⑥ 再編合理化の取組

製粉工場の廃棄撤去製粉施設の一部又は全部を撤去しミックス粉等の関連事業を拡大

(製粉工場等再編合理化事業(平成2728年度7件))

図Ⅲ-1 国内産小麦の収穫量と作付面積の推移

表Ⅲ-1 小麦の主な作付品種(平成29年産)

Ⅲ 国内産麦の生産と流通の動向

1 国内産麦の生産状況

(1)小麦

① 作付面積

近年の国内産小麦の作付面積は約21万haと横ばいで推移して

います平成30年産の作付面積は北海道は121万ha都府県

は91万ha全国では212万haとなり前年産並となっていま

② 収穫量

平成30年産の国内産小麦の収穫量は主産地の北海道での6

月中旬から7月中旬にかけての低温日照不足の影響により登

熟不良となったこと等から前年産に比べ北海道で134万ト

ン(22)減少都府県では05万トン(2)減少全国

では139万ha(15)減少の768万トンとなり(図Ⅲ-1)

10a当たりの平均収量対比は91となりました

③ 小麦の作付品種の状況

栽培品種については各産地の気候条件や用途等に適した品

種が作付されており29年産では日本麺用では「きたほなみ」

「さとのそら」「シロガネコムギ」といった品種パン

中華麺用では「春よ恋」「ゆめちから」といった品種が上位

を占めています(表Ⅲ-1)

資料農林水産省「作物統計」品種毎の面積は農林水産省政策統括官調べ

注品種の育成年についてはシロガネコムギは農林認定が行われた年

それ以外の品種は出願公表が行われた年としている

資料農林水産省「作物統計」30年産の数値は概算値

- 19 -

(千トン)

年産

910 881

674

571

746

858 812

852

1004

791

907

768

210 209 208 207 212 209 210 213 213 214 212 212

100

120

140

160

180

200

220

240

260

280

300

0

200

400

600

800

1000

H19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30

収穫量 作付面積(千ha)

品種名 育成年 作付面積(千ha) 割合 主な作付地域

きたほなみ 平成19年 878 41 北海道

さとのそら 平成21年 159 7 関東東海

シロガネコムギ 昭和49年 152 7 九州近畿

春よ恋 平成11年 143 7 北海道

ゆめちから 平成20年 137 6 北海道

上位5品種計 1469 69

小麦作付面積 - 2123

図Ⅲ-2 国内産大麦及びはだか麦の収穫量と作付面積の推移

表Ⅲ-2 大麦及びはだか麦の主な作付品種(平成29年産)

(2)大麦及びはだか麦

① 作付面積

近年国内産大麦及びはだか麦の作付面積は約6万と横ば

いで推移しており平成30年産は前年産と比較すると二条

大麦は前年産並六条大麦は800ha(4)減少はだか麦

で460ha(9)増加となり全体では340ha(1)減少の

61万haとなりました(図Ⅲ-2)

② 収穫量

平成30年産の大麦及びはだか麦の収穫量は二条大麦及びは

だか麦はおおむね天候に恵まれ生育が順調で登熟も良好

であったこと等から前年産に比べ二条大麦は01万トン

(1)増加はだか麦は01万トン(8)増加となりました

六条大麦については北陸地方において大雪の影響で融雪時期

が遅れたこと等により穂数が少なくなり前年産に比べ14万

トン(26)減少しました

この結果大麦及びはだか麦の収穫量は合計で173万トンと

なり前年産に比べて12万トン(6)減少となりました

(図Ⅲ-2)

③ 大麦及びはだか麦の作付品種の状況

栽培品種については各産地の気候条件や用途等に適した品

種が作付されており29年産では二条大麦はビール用の「サ

チホゴールデン」六条大麦は主食用や麦茶用の「ファイ

バースノウ」はだか麦は麦味噌用の「マンネンボシ」いっ

た品種が上位を占めています(表Ⅲ-2)

資料農林水産省「作物統計」30年産の数値は概算値

- 20 -

(千トン)

資料農林水産省「作物統計」農林水産省調べ

注品種の育成年についてはシュンライイチバンボシは農林認定が行われ

た年それ以外の品種は出願公表が行われた年としている

195 217

179 161

172 172 183

170 177 170 185

173

54 57 58 59 60 60 59 60 61 61 61 61

0

10

20

30

40

50

60

70

80

90

100

0

50

100

150

200

250

H19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30

収穫量 作付面積 (千ha)

年産

麦種 品種名 育成年作付面積(千ha)

割合 主な作付地域

二条大麦

サチホゴールデン 平成18年 189 31 九州関東中国

はるしずく 平成17年 44 7 九州

ニシノホシ 平成11年 27 4 九州

六条大麦

ファイバースノウ 平成13年 107 17 北陸関東東海

シュンライ 平成2年 33 5 関東東北近畿

カシマゴール 平成22年 13 2 関東東海

はだか麦

マンネンボシ 平成13年 15 2 四国

イチバンボシ 平成4年 14 2 四国九州

トヨノカゼ 平成18年 11 2 九州中国

大麦はだか麦作付面積

- 614

資料農林水産省調べ

Aランク評価項目の基準値を3つ以上達成しかつ許容値を全て達成している麦Bランク評価項目の基準値を2つ達成しかつ許容値を全て達成している麦Cランク評価項目の基準値を1つ達成しかつ許容値を全て達成している麦

評価項目の基準値を2つ以上達成しているものの許容値を達成していない麦DランクA~Cランクのいずれにも該当しない麦

【評価項目】①小麦 日本麺用パン中華麺用(たんぱく灰分容積重フォーリングナンバー)

醸造用(たんぱく3項目容積重)②二条大麦 主食等用(容積重細麦率白度正常粒率)

麦茶用(たんぱく3項目細麦率)③六条大麦はだか麦 主食等用(容積重細麦率白度硝子率)

麦茶用(たんぱく3項目細麦率)

(参考) 麦の品質区分

(単位)

- 21 -

(2)品質評価

たんぱく質や灰分の含有率等に基づく品質評価結果につい

ては平成30年産の小麦ではAランクが899となってお

り過去5年平均(Aランク比率849)と比べ5ポイン

ト高くなっています

また平成30年産の大麦はだか麦ではAランクが

849となっており過去5年平均(Aランク比率832)

と比べ17ポイント高くなっています(表Ⅲ-4)

表Ⅲ-4 平成30年産麦の品質評価結果

2 国内産麦の品質状況

(1)農産物検査① 平成30年産の小麦について全国の1等比率は761

(平成30年12月末時点)と過去5年平均799と比較して低くなっています(表Ⅲ-3)

② 平成30年産の小粒大麦大粒大麦はだか麦及びビール大麦について1等比率は大粒大麦を除き過去5年平均と比較して低くなっています(表Ⅲ-3)

表Ⅲ-3 国内産麦の1等比率の推移(単位)

Aランク Bランク Cランク DランクAランク

過去5年平均(平成25~29年産)

小 麦 899 67 33 01 849

大麦はだか麦

849 37 108 06 832

注1)各年産翌年4月末時点の値であるただし平成30年産は30年12月末時点の値である

2)強力小麦の検査数量を含む値である

3 国内産麦に対する支援

平成31年度は経営所得安定対策等の対策のうち主に畑作

物の直接支払交付金と水田活用の直接支払交付金により国内

産麦に対する支援が行われます

(1)畑作物の直接支払交付金

畑作物の直接支払交付金として麦を生産する農業者に対

し標準的な生産費と標準的な販売価格の差額分を直接交付

することとしています

支払いは当年産の麦の品質及び生産量に応じて交付する

数量払を基本とし当年産の麦の作付面積に応じて交付する

面積払(営農継続支払)を数量払の先払いとして交付する仕

組みにしています

数量払の交付単価は品質に応じた単価を設けており需要

に応じた生産と品質に対する営農努力を適切に反映させる仕

組みになっています(表Ⅲ-5)

表Ⅲ-5 畑作物の直接支払交付金の麦の交付単価

(円単位数量)

品質区分(等級ランク)

1等 2等

A B C D A B C D

小麦(パン中華麵

用品種)(60kg当たり)

9040 8540 8390 8330 7880 7380 7230 7170

小麦(パン中華麺用品種以外)(60kg当たり)

6740 6240 6090 6030 5580 5080 4930 4870

二条大麦(50kg当たり) 5550 5130 5010 4960 4690 4270 4140 4090

六条大麦(50kg当たり) 6030 5610 5480 5430 5000 4580 4460 4410

はだか麦(60kg当たり) 8650 8150 8000 7910 7080 6580 6430 6350

(参考)

【平均交付単価小麦6940円60kg二条大麦5490円50kg六条大麦5720円50kg

はだか麦8230円60kg】

②面積払

当年産の作付面積に応じて交付 2万円10a

①数量払(品質に応じた単価)

- 22 -

【平成31年産に適用】

標準的な生産費

差額

ゲタ交付単価

標準的な販売価格

【交付単価のイメージ】lt畑作物の直接支払交付金のイメージgt

面積払(数量払の際に控除されます)

数量払

収量

交付金額

(2)水田活用の直接支払交付金

水田のフル活用を推進し食料自給率自給力の向上を図

るため水田で麦を生産する農業者に対しては畑作物の直

接支払交付金に加え水田活用の直接支払交付金(35000円

10a)を直接交付することとしています(表Ⅲ-6)

表Ⅲ-6 水田活用の直接支払交付金の交付単価

作 物 単 価

麦大豆飼料作物 35000円10a

WCS(ホールクロップサイレージ)用稲 80000円10a

加工用米 20000円10a

飼料用米米粉用米収量に応じ

55000円~105000円10a

このほか「産地交付金」により地域で作成する水田フル活用ビジョンに基づき二毛作や耕畜連携を含め産地づくりに向けた取組を支援します

戦略作物助成

注実需者等との出荷販売契約等を締結すること出荷販売することが要件

- 23 -

4 国内産食糧用麦の流通動向

(1)取引の概要

国内産食糧用麦は加工原料としての商品特性から需要に応じて計画的に生産できるようは種前契約に基づく取引が行われています

まず取引の指標となる透明性のある適正な価格を形成するためは種前に販売予定数量の3~4割(具体の比率は民間流通地方連絡協議会の協議を踏まえ決定)について入札が行われます残りは相対取引が行われておりその価格については入札で形成された指標価格(落札加重平均価格)を基本として取引当事者間で決められています(図Ⅲ-3)

また取引を円滑に進めるため生産者需要者等で構成される民間流通連絡協議会において取引に必要な情報交換取引に係る基本事項の見直し等が行われています(表Ⅲ-7)

今後とも国内産食糧用麦については円滑な流通が確保されるようは種前契約を基本としつつ適切に対応していきます

図Ⅲ-3 国内産食糧用麦の基本的な流通フロー

表Ⅲ-7 国内産食糧用麦の入札の仕組み

項 目 概 要 見直しの変遷

実施主体 一般社団法人 全国米麦改良協会

実施時期 は種前に2回実施(8~9月)平成13年産から1回rarr2回へ見直し

上場数量

産地銘柄別に販売予定数量が小麦3千トン以上大麦はだか麦1千トン以上の銘柄についてその30~40を上場(ほかに希望上場あり)

平成31年産から30rarr30~40へ見直し

基準価格

小麦は前年産の落札加重平均価格に当年産の入札実施時点での外国産麦の政府売渡価格の変動率を乗じた価格大麦はだか麦は前年産の落札加重平均価格

小麦の外国産麦との連動は平成24年産から実施

値幅制限 基準価格のplusmn10

小麦平成12年産~16年産plusmn5平成17年産~21年産plusmn7平成22年産plusmn10平成23年産plusmn30平成24年産~ plusmn10大麦はだか麦平成12年産~18年産plusmn5平成19年産~21年産plusmn7平成22年産plusmn10平成23年産plusmn15平成24年産~ plusmn10

取引価格の事後調整(小麦のみ)

外国産食糧用小麦の政府売渡価格の改定(410月)に合わせては種前の入札又は相対により契約された価格に外国産食糧用小麦の政府売渡価格の変動率を乗じて取引価格を改定

平成23年産から実施

申込限度数 量

買い手別に上場数量times買受実績シェアtimes145

小麦は平成17年産から大麦及びはだか麦は平成19年産から135rarr145へ見直し

相対取引入札で形成された指標価格を基本に生産者団体と需要者の間で協議決定

平成19年産から過去の実績シェアに基づく取引ルールを廃止

再入札

第1回入札及び第2回入札において落札残数量が発生した場合は売り手の希望により再度入札に付すか相対による契約を行うかいずれかの方法をとることができる

平成25年産から売り手の申し出により再入札における入札の値幅を設定できること等を規定

生産者団体から販売予定数量需要者団体から購入希望数量の相互提示

入札取引の実施(販売予定数量の約3~4割)

相対取引の実施(販売予定数量の約6~7割)

は 種(秋まき春まきは収穫年の4月)

収 穫 及 び 検 査

生産者団体と需要者の間では種前に契約を締結

需 要 者 へ 引 渡 し

<生産の流れ>

麦の生育期間

<契約の流れ>

は種前契約に基づき計画的に作付(は種)

収穫前年7月~

8~9月

9月~

~12月

6~8月

6月~

収穫年26年産から国内産麦の需要拡大を図るため地域の食文化のブランド化等による高付加価値化の取組等に対し安定的な原料供給が可能となる需要拡大推進枠を導入

- 24 -

表Ⅲ-8 国内産食糧用麦の供給量 (単位千トン)

注集荷団体からの聞き取り数量である

(2)流通の動向

平成30年産の国内産食糧用小麦の供給量は前年産から

約14万4千トン減少し約70万1千トンとなっています

また国内産食糧用大麦及びはだか麦の供給量は前年

産から約3千トン減少し約10万3千トンとなっています

(表Ⅲ-8)

生産者側から提示された平成31年産麦の販売予定数量は

国内産食糧用小麦で約82万4千トン国内産食糧用大麦及

びはだか麦で約10万8千トンとなっています

一方需要者側から提示された平成31年産麦の購入希望

数量は国内産食糧用小麦で約86万3千トン国内産食糧

用大麦及びはだか麦で約13万トンとなっています(表Ⅲ-

9)

表Ⅲ-9 国内産食糧用麦の販売予定数量及び購入希望数量の推移(単位千トン)

資料民間流通連絡協議会調べ注四捨五入の関係で差し引きが一致しないことがある

- 25 -

年産 20 21 22 23 24 25 26 27 28 2930

(見込)

小   麦 841 639 532 694 811 767 808 946 734 845 701

大麦はだか麦 125 100 84 98 93 105 103 103 92 106 103

年産 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31

販売予定数量① 887 906 909 951 948 909 905 880 820 846 834 824

購入希望数量② 833 880 818 859 904 869 751 802 834 875 880 863

①-② 54 25 91 91 44 40 154 78 14 29 46 39

(①-②)①() 61 28 100 96 47 44 170 89 18 34 55 47

販売予定数量① 121 132 134 127 122 116 110 112 113 112 108 108

購入希望数量② 199 219 135 149 147 138 141 149 145 138 148 130

①-② 78 87 1 23 26 21 31 37 32 26 39 22

(①-②)①() 640 660 06 179 209 182 282 330 284 234 363 204

表Ⅲ-10 国内産食糧用麦の入札結果の推移

資料一般社団法人全国米麦改良協会調べ

注1価格は税込み(26年産までは527年産以降は8)である

ただし31年産の落札価格は一般社団法人全国米麦改良協会公表の価格(税抜き)を基に農林水産省で税込み価格を算出

5 国内産食糧用麦の価格の動向

(1)平成31年産の入札の概要

平成31年産麦の入札は第1回は平成30年9月12日に第

2回は平成30年9月26日に実施されました

麦種別の入札結果をみると小麦は上場数量約21万4千

トンのうち約20万4千トンが落札(落札率954)され落

札価格は61714円トン(対前年産比1151)となりました

小粒大麦は上場数量約1万1千トンのうち約1万1千

トンが落札(落札率991)され落札価格は46560円トン

(対前年産比997)となりました

大粒大麦は上場数量約7千8百トンのうち5千6百トン

が落札(落札率717)され落札価格は46923円トン(対

前年産比879)となりました

はだか麦は上場数量約2千3百トンのうち約2千1百

トンが落札(落札率897)され落札価格は50817円トン

(対前年産比961)となりました(表Ⅲ-10)

なお国内産小麦については近年消費者の国産志向の高

まりなどを受け大手外食チェーンや2次加工メーカーが国

内産小麦を使用したパン中華麺等の商品を相次いで発表す

るなど人気が高まってきていますこれらを背景として平

成31年産小麦の落札価格は多くの銘柄で値幅制限の上限付

近となっておりまた申込倍数も14倍と高いものとなって

います

- 26 -

20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31

上場数量

(トン)①243510 243020 242310 251370 250980 244880 244320 234010 213360 221380 218500 214200

落札数量

(トン)②234930 238410 189350 247770 245320 220590 188240 192240 201140 214060 210560 204420

落札率

②①965 981 781 986 977 901 770 822 943 967 964 954

落札価格

(円トン)43229 59885 55241 48732 58340 49333 49319 49770 54164 51570 53624 61714

対前年産比 1064 1385 922 882 1197 846 1000 1009 1088 952 1040 1151

上場数量

(トン)①12240 13590 14210 13300 11760 11220 11290 11930 12210 12200 11750 11040

落札数量

(トン)②12050 13510 14040 13170 11550 10850 10900 11830 12090 12200 11440 10940

落札率

②①984 994 988 990 982 967 965 992 990 1000 974 991

落札価格

(円トン)45479 59709 53448 45871 46485 46453 46290 47595 47565 46880 46708 46560

対前年産比 1084 1313 895 858 1013 999 996 1028 999 986 996 997

上場数量

(トン)①10020 9690 10330 9290 9000 8700 7210 7620 7450 7620 6880 7810

落札数量

(トン)②8880 8920 8910 7990 7990 7830 6480 7130 6600 6700 6340 5600

落札率

②①886 921 863 860 888 900 899 936 886 879 922 717

落札価格

(円トン)36532 50492 46097 39649 40394 41582 42881 45740 47827 50442 53384 46923

対前年産比 1059 1382 913 860 1019 1029 1031 1067 1046 1055 1058 879

上場数量

(トン)①2910 3150 3030 3260 3060 2830 2840 2890 2740 2660 2570 2330

落札数量

(トン)②2910 3150 3030 3090 3020 2830 2810 2810 2520 2600 2470 2090

落札率

②①1000 1000 1000 948 987 1000 989 972 920 977 961 897

落札価格

(円トン)42222 58527 61489 52791 51905 52294 49656 47712 46547 48527 52876 50817

対前年産比 1063 1386 1051 859 983 1007 950 961 976 1043 1090 961

年産

小麦

小粒大麦(六条大麦)

大粒大麦(二条大麦)

はだか麦

平成31年産国内産食糧用小麦の入札結果をみると産地別銘柄別

の需給状況等を反映して落札価格に差が生じています

代表的な銘柄である北海道産「きたほなみ」は前年産の価格を

153上回る64752円トン香川県産「さぬきの夢2009」は前

年産の価格を152上回る73186円トンとなりましたまたパ

ン中華麺用の北海道産「ゆめちから」は前年産の価格を180

上回る62777円トン北海道産「春よ恋」は前年産の価格を

180上回る68792円トンとなりました(図Ⅲ-4図Ⅲ-5)

図Ⅲ-4 平成31年産国内産食糧用小麦の産地別銘柄別落札価格

資料農林水産省調べ注外国産小麦5銘柄加重平均価格は平成30年4月期の輸入小麦の政府売渡価格である

(2)平成31年産国内産食糧用小麦の産地別銘柄別落札価格の動向

資料農林水産省調べ注1国内産小麦の価格は(一社)全国米麦改良協会が実施する民間流通麦にかかる入札の第1回第2回

及び再入札の落札加重平均価格(税込み)年産の下段の( )内は当該第1回入札の実施年月である注2外国産小麦の価格は18年までは当該年度平均の実績価格であり19年以降は民間流通麦にかかる第

1回入札の実施年月時点での輸入小麦の政府売渡価格(5銘柄平均)である注3ホクシン(きたほなみ)については22年産までは「ホクシン」の価格であり23年産からは「きたほ

なみ」の価格である注4さぬきの夢については24年産までは「さぬきの夢2000」の価格であり25年産からは「さぬきの夢

2009」の価格である注5農林61号(さとのそら)については23年産までは「農林61号」の価格であり24年産からは「さとの

そら」の価格である

図Ⅲ-5 国内産食糧用小麦の産地別銘柄別落札価格の推移

- 27 -

(単位円トン税込み)

30000

60000

北海道ゆめちから 62777

福岡ミナミノカオリ 68393

滋賀農林61号 50763

茨城さとのそら 46310

佐賀チクゴイズミ 52193

岩手ゆきちから 39929

全銘柄落札加重平均 61714

香川さぬきの夢2009 73186

北海道きたほなみ 64752

外国産小麦5銘柄加重平均 54370

群馬さとのそら 48669

北海道キタノカオリ 63090

大分チクゴイズミ 48265

福岡シロガネコムギ 50643

佐賀シロガネコムギ 47998

40000

福岡チクゴイズミ 52203

滋賀ふくさやか 49534

岐阜イワイノダイチ 46874

埼玉さとのそら 47159

宮城シラネコムギ 44607

群馬つるぴかり 49785

北海道春よ恋 68792

愛知きぬあかり 50114

北海道はるきらり 60201

50000

埼玉あやひかり 46072

岐阜さとのそら 45919

70000

30000

40000

50000

60000

70000

80000

90000

100000

110000

120000

130000

12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 年産

(単位円トン税込み)

北海道ホクシン

香川さぬきの夢200973186円

茨城農林61号

香川さぬきの夢2000

茨城さとのそら

46310円

北海道きたほなみ

64752円

北海道ゆめちから

62777円

外国産小麦

5銘柄平均

54370円

北海道春よ恋

68792円

(128) (138) (148) (158) (168) (178)(1810) (199) (208)(2110)(2212) (239) (2410)(2510)(269)(279) (289) (299)(119) (309)

6 国内産麦の新品種の育成状況

(1)国内産麦については縞萎縮病抵抗性や耐倒伏性を備え

需要者等のニ-ズに合った新品種の開発が進められています

また作付け面積が1万haを超える「ゆめちから」「さとの

そら」をはじめ多数の品種が生産現場に導入されています

(図Ⅲ-6)

(2)今後とも赤かび病抵抗性や穂発芽耐性が高い小麦品種

小麦粉の色相や製粉性が優れる日本麺用小麦品種パンの膨

らみがカナダ産「1CW」並の小麦品種焼酎押麦味噌

などの加工適性が高い大麦品種等の開発を推進します

小麦品種「ゆめちから」及び「さとのそら」は優れた栽培特性

と加工適性を備えており作付けが拡大しています(平成29年

推定値「ゆめちから」約1万2千ha「さとのそら」約1万5

千ha)

パン用小麦品種の開発近年国産の小麦粉を使ったパンの需要増加に応えるためグルテンやでん粉の組成などパンの膨らみに関連する特性に注目した育種が進められていますその結果平成25年に製パン適性が「1CW」に近く多収の「せときらら」平成29年にはパン生地の力が強く穂発芽耐性や赤かび抵抗性が改良された「夏黄金」が育成されました

加工適性の高い大麦品種の開発機能性成分β-グルカンを多く含むもち性大麦の需要の高まりに応えるため平成29年に「はねうまもち」が育成されましたまた高品質なはだか麦の需要増加に対応して平成24年に味噌加工適性の高い「ハルヒメボシ」が育成されました

図Ⅲ-6 平成19年以降に育成された麦類の主な新品種

日本麺用小麦ゆめきらり

パン用小麦ゆめかおり福井県大3号

六条大麦ホワイトファイバー

北信越

日本麺用小麦あおばの恋

パン用小麦銀河のちから

東北

日本麺用小麦さとのそらきぬあかり

パン用小麦ゆめかおり

二条大麦とちのいぶき彩の星アスカゴールデンニューサチホゴールデン

六条大麦カシマゴール

はだか麦キラリモチ

関東東海

日本麺用小麦ふくはるかさぬきの夢2009

パン用小麦ゆめちからせときらら

はだか麦ハルヒメボシ

近畿中国四国

中華麺用小麦ちくしW2号

二条大麦煌二条白妙二条はるか二条トヨノホシ

九州

日本麺用小麦きたほなみ

中華麺用小麦つるきち

パン用小麦ゆめちからはるきらり

二条大麦札育2号

北海道

新品種のうち平成30年産で概ね100ha以上作付けされていると推定される品種を選定(農林水産省調べ)

- 28 -

7 国内産麦を利用した製品の動向

食料自給率の向上を図るためには国内産麦の需要開拓を行う

ことが必要です最近の消費者の国産志向の高まりや生産者と実

需者が一体となった地産地消の推進地域農業の振興を図る取り

組み等から国内産麦を使った麦製品(パン麺等)が増えてき

ており中には国内産麦を100使用した商品もあります(図Ⅲ-

7)

- 29 -

8 民間流通制度の運用改善

国内産麦の人気の高まりにより近年需要量が生産量を上回

る状況が継続しており国内産麦を積極的に使用したい実需者が

必要量を確保できない等の課題もあります

このような課題に対応するため民間流通連絡協議会において

入札上場比率の選択制の導入需要拡大推進枠設定の要件緩和

相対取引需要拡大推進枠において多様な取組が可能であること

の明確化等民間流通制度の運用改善が行われました(図Ⅲ-

8)

ピッツァ専用粉(北海道)(小麦)地元の製粉企業が北海道産小麦(きたほなみキタノカオリゆめち

から)を100使用した国内で初めてのピッツァ専用粉を開発平成30年2月に都内で試食会を開催し平成30年5月から販売

ピッツァ専用粉(群馬県)(小麦)地元の製粉企業が地元のピッツァ専門店ピッツァ窯メーカーと協力

して品質改良を重ね群馬県産小麦(さとのそらつるぴかりきぬの波)を100使用したピッツァ専用粉を平成30年4月から発売ピッツァイベントやイタリアン食材の展示会に出展

学校給食用パン(東京都)(小麦)都学校給食会の「学校給食パン加工規格」による配合基準に基づき国

内産小麦を100使用した学校給食パンを平成27年度から都内の一部の小中学校で提供を開始平成28年度からは都内全域の規格として採用

〇 市販用中華麺(愛知県)(小麦)地元の製粉企業が自社製品として愛知県産小麦きぬあかりを100使用

した中華麺を平成30年6月から自社通販で販売平成30年8月から一般販売を開始

フランスパン用粉(佐賀県)(小麦)近県製粉企業が農研機構と共同で育成した九州地域等の暖地温暖地

向けのフランスパン加工適性に優れる準強力小麦品種「さちかおり」を100使用したフランスパン用粉を平成30年8月から発売

市販用ゆで麺(長崎県)(小麦)地元の製麺企業近県製粉企業県生麺協同組合JA県等が連携し

平成26年3月に「長崎県育成麦活用開発協議会」を立ち上げ長崎県産長崎W2号(商標登録名長崎ちゃん麦)を100使用したちゃんぽん用のゆで麺を平成29年4月に製品化原料小麦の生産量が整った段階での本格販売を予定

もち性大麦を使用した機能性表示食品(静岡県)(大麦)地元の精麦企業が国内産もち性大麦でβ-グルカン量の多い銘柄を使用し

炊飯用精麦を製品化機能性表示食品として平成29年1月に届出し十分な原料を手当でき次第随時販売予定

〇 もち性大麦を使用したシリアル(愛知県)(大麦)地元の精麦企業が食物繊維が20を超える愛知県産もち性大麦「ワキ

シーファイバー」を使用した国内産もち麦100シリアルを開発平成30年4月から販売開始

図Ⅲ-7 国内産麦を100使用した商品事例

図Ⅲ-8 民間流通制度の運用改善のポイント

0

50

100

150

200

250

300

350

400円千人

大手製パンメーカーA社が国内産小麦100使用の新製品を発売

大手製食品スーパーB社が国内産小麦100使用の新製品をPBで発売

大手製パンメーカーA社が国内産小麦100使用の製品を初めて発売

(参考)国内産小麦を利用した製品の販売状況

(1)国内産小麦100使用の食パンの販売額

大きなシェアを占めるにはいたっていないものの国内産

小麦を100使用した食パンの販売金額の推移を見ると新製

品が登場する度に国内産小麦100使用の食パン市場が拡大し

ています(図Ⅲ-9)

図Ⅲ-9 国内産小麦100使用の食パンの販売額の推移(首都圏)

資料日本経済新聞デジタルメディア社による首都圏のスーパーマーケットなど100店舗におけるPOSデータに基づき農林水産政策研究所において集計

注食パンのうち国内産小麦を100使用していることが明らかな製品のみ計上菓子パン等は含んでいない

表Ⅲ-11 生麺ゆで麺(チルド)の販売金額のシェア(首都圏平成30年)

資料日本経済新聞デジタルメディア社による首都圏のスーパーマーケットなど120店舗におけるPOSデータに基づき農林水産政策研究所において集計

(2)生麺ゆで麺(チルド)の販売金額

生麺ゆで麺全体で上位15製品の売上高に占める国内産

小麦使用表示のある製品のシェアは30となっていますま

た主要な麺製品のうどんラーメン冷やし中華焼そば

全てで国内産小麦使用製品がランクインしています(表Ⅲ

-11)

2013年 2014年 2015年 2016年 2017年 2018年 2019年

                      (単位)

製品の種類製造企業の規模産地表示販売金額シェア

焼そば大手製品(国内産小麦使用表示なし) 99そば大手製品(国内産小麦使用表示なし) 27冷やしラーメン大手製品(国内産小麦使用表示なし) 20うどん大手製品(北海道産小麦使用表示あり) 20ラーメン大手製品(北海道産小麦使用表示あり) 14冷やし中華大手製品(国内産小麦使用表示なし) 14うどん大手製品(国内産小麦使用表示あり) 13焼そば大手製品(国内産小麦使用表示なし) 12焼うどん大手製品(国内産小麦使用表示なし) 12うどん大手製品(国内産小麦使用表示あり) 11焼そば大手製品(国内産小麦使用表示あり) 11そうめん大手製品(国内産小麦使用表示あり) 10うどんPB製品(北海道産小麦使用表示あり) 10つけ麺大手製品(国内産小麦使用表示なし) 10冷麺中小製品(国内産小麦使用表示なし) 10

303

14

89

15上位15製品の売上高に占める国内産小麦使用表示のある製品の

シェア

順位

1

10111213

234567

- 30 -

図Ⅲ-10 外食産業等と連携した農産物の需要拡大対策事業(麦類)

9 国内産麦の需要拡大イベント及び情報発信の取組

近年生産者と実需者等が連携し国内産麦を使用した製品が

数多く開発販売されており各地でイベント等の需要拡大の

取組みが行われております

また農林水産省としては平成30年度産地と外食事業者等

が連携して行う国内産麦を活用した新商品の開発試作製

造するために必要な取組を支援する「外食産業等と連携した農

産物の需要拡大対策事業」を一般社団法人全国米麦改良協会を

実施主体として行っているところです

農林水産省のホームページにおいてこれらのイベント等につい

て情報発信を行うとともに一般社団法人全国米麦改良協会が

開設している国産麦応援情報ホームページでの情報提供等を

行っています(図Ⅲ-10~12)

「国内産麦使用試作品全国統一試食会商談会」開催日平成31年2月12日~19日(土日を除く)場 所むぎくらべ(東京都千代田区神田小川町)

内 容平成29年度補正予算事業「外食産業等と連携した農産物の需要拡大対策事業」の一環として行われた国内産麦を使用した試作品の試食会商談会

「国内産麦使用試作品全国統一試食会商談会」で出品された試作品

- 31 -

第8回全国ご当地うどんサミットin 熊谷 開催日平成30年11月10日~11日 場 所熊谷スポーツ文化公園にぎわい広

場(埼玉県) 内 容全国の国内産小麦を使用した「ご

当地うどん」が一堂に集まりグランプリを決定

図Ⅲ-11 全国各地で開催されたイベント 図Ⅲ-12 一般社団法人 全国米麦改良協会の取組

国産麦応援情報ホームページ「日本の麦の底力」内容国産小麦粉ブランド名鑑国産小麦の逸品イベント情報研究

情報等を掲載URL httpnihonnomugicom

北海道小麦キャンプ2018 in オホーツク 開催日平成30年7月10日~11日 場 所ホテル黒部を主会場としたオホーツ

ク管内(北海道) 内 容国内産小麦北海道産小麦の魅力

を全国に広めることを目的にバスツアーやパン講習会などを実施

麦わらぼうしフェスタ 開催日平成30年11月4日 場 所笠原産業株式会社(栃木県) 内 容国内産小麦を使用したうどんパン

などの試食販売うどん教室などを実施

第7回 信州粉もん祭り 開催日平成30年11月11日 場 所JAながの ちくま埴生支所(長野県) 内 容長野県産小麦を使用した「粉もん料

理」が大集合粉もん試食会や手打ちうどん講習会 などを実施

国内産麦アンテナショップ「むぎくらべ」内容国内産麦を使用した商品のPRと販売の場を提供するものとして

平成30年7月東京都千代田区にオープン

- 32 -

オープニングセレモニーには上月前農林水産大臣政務官(写真中央)も出席

10 食料農業農村基本計画における麦の位置付け

平成27年3月31日に平成37年度を目標とする「食料農業

農村基本計画」が閣議決定され小麦は95万トン大麦はだ

か麦は22万トンの生産努力目標が設定されています(表Ⅲ-

12)

食料消費の見通し 生産努力目標(万トン) 克服すべき課題

1人1年当たり消費量

(kg人年)

国内消費仕向量

(万トン)

平成25年度

平成37年度

平成25年度

平成37年度

平成25年度

平成37年度

小麦 33 32 699 611 81 95

国内産小麦の需要拡大に向けた産地形成やブランド化

実需者ニーズに対応した生産流通体制の確立

新品種新技術の開発導入輪作体系の最適化排水対策等による収量品質の高位安定化

農地の集積集約化経営規模の拡大に対応した省力化に資する技術の開発導入等による生産コストの低減

大麦はだか麦

03 02 208 213 18 22

外国産大麦が多く用いられている焼酎用等の国内産麦の需要拡大

実需者ニーズに対応した生産流通体制の確立

新品種新技術の開発導入輪作体系の最適化排水対策等による収量品質の高位安定化

農地の集積集約化経営規模の拡大に対応した省力化に資する技術の開発導入等による生産コストの低減

表Ⅲ-12 麦の平成37年度における食料消費の見通し及び生産努力目標

資料「食料農業農村基本計画」(平成27年3月閣議決定)注1)国内消費仕向量には飼料用等の食糧用以外の用途への仕向量を含む

2)大麦はだか麦の国内消費仕向量及び生産努力目標にはビール大麦を含む

- 33 -

Ⅳ 米粉に関する動向

1 生産動向

米粉用米の生産量は平成25年産以降2万トン前後で推移していましたが平成29年度以降は約3万トンまで回復しています(表Ⅳ-1)

2 需要拡大に向けた対応

米粉用米の利用量は平成24年度以降年間2万数千トンで推移していましたがグルテンを使用しない米粉商品の開発や新たな米加工品(α化米粉米ゲルなど)の保湿性や粘性に着目した商品の開発「米粉の用途別基準」や「ノングルテン米粉製品第三者認証制度」の運用開始により平成29年度は25千トン30年度は31千トンに増加しています(表Ⅳ-2)

今後の更なる国内海外の需要拡大のためノングルテン米粉や用途別基準に適合する高品質な日本産米粉の流通を契機とした魅力ある新商品の開発や日本産米粉の優位性の情報発信等を推進する必要があります

表Ⅳ-1 上位5県の米粉用米の生産量と作付面積の推移

(参考) 米粉及び小麦粉の販売価格(税抜き)

米粉100~290円kg程度

(小麦粉 100円kg程度)

注1)平成26~29年度については新規需要米取組計画を認定した全需要者からの聞き取り注2)平成30年度については新規需要米取組計画を認定した主要な需要者からの聞き取り

により推計

表Ⅳ-2 米粉用米の利用量(需要者からの聞き取り)

- 34 -

資料26~29年産は新規需要米生産集出荷数量30年産は新規需要米取組計画

認定数量(農林水産省)

(単位千トン)

26年度 27年度 28年度 29年度 30年度見込

22 23 23 25 31

(単位千トン千ha)

26年産 27年産 28年産 29年産 30年産

生産量 59 97 87 130 107作付面積 11 18 15 24 19生産量 10 10 09 30 31作付面積 02 02 02 06 06生産量 08 10 00 19 30作付面積 01 02 00 03 06生産量 10 12 12 12 16作付面積 02 03 02 02 03生産量 20 24 07 12 13作付面積 03 04 01 02 02生産量 184 230 190 284 281作付面積 34 42 34 53 53

秋田県

全国計

新潟県

埼玉県

栃木県

群馬県

農林水産大臣は米穀の新用途への利用の促進に関する基本方針を定める

生産製造連携事業計画

生産者 製造事業者 促進事業者

必須

米穀の新用途への利用の促進に関する法律

米穀の新用途への利用の促進に関する基本方針

関係者が連携して計画を作成米穀の新用途への利用の促進に関する基本方針に照らし適切な計画について農林水産大臣が認定(計画期間は3~5年)

図Ⅳ 米粉用米に対する支援措置

3 米粉用米に対する支援

① 米粉用米についてはその利用の拡大を図るために平成21年に「米穀の新用途への利用の促進に関する法律」が制定されました同法に基づく「生産製造連携事業計画」の認定を受け「農山漁村

活性化計画」の採択を受けた取組に対して米粉用米の生産加工に必要な施設整備等の支援を行っています

② 米粉用米の生産者に対しては水田活用の直接支払交付金による支援を行っていますまたノングルテン米粉表示や米粉の用途別基準により需要者ニーズに合った高品質な米粉の製造や輸出拡大の取組を支援しています

③ 平成31年度は国内海外の需要獲得に向け引き続き魅力ある新商品開発を推進するほか日本産米粉の優位性の情報発信やノングルテン米粉の製造手法マニュアルの作成など輸出を含めた日本産米粉の需要拡大に向けた取組を支援していくこととしています

予 算 措 置

【水田活用の直接支払交付金】水田を活用して米粉用米等の作物を生産する農業者に対し交付金を直接交付 (米粉用米収量に応じ55万円~105万円10a)

【農山漁村振興交付金】米粉飼料用米の生産加工に係る施設整備に対し交付金を交付(補助率定額12)

【持続的生産強化対策事業】

日本産米粉の優位性の情報発信ノングルテン米粉の製造手法マニュアルの作成米粉用米生産者と製造事業者とのマッチング

等の取組を支援

金 融 措 置

【日本政策金融公庫による低利融資】(食品安定供給施設整備資金)

米粉製造施設米粉を原料とした食品の製造加工施設等への融資

(輸出を含めた日本産米粉の需要拡大支援事業)

(補助率定額)

【外食産業等と連携した需要拡大対策事業】

国産農林水産物食品の輸出等需要フロンティアの開拓を図るため産地と複数年契約を締結する民間企業(外食加工業者)に対し国産農林水産物を活用した新商品の開発やそれに必要な技術開発等を支援 (補助率定額12)

- 35 -

【農林水産物食品輸出促進緊急対策事業】コメ海外市場拡大戦略プロジェクトに参加する輸出産地や輸出事業者等が連携して戦略的に取り組む中国等の海外市場開拓プロモーション等を支援

(補助率定額12)

品目 現在の関税率 合意内容

小麦

枠内税率無税+マークアップ

枠外税率55円kg

現行の国家貿易制度を維持するとともに枠外税率(55円kg)を維持

既存のWTO枠に加え米国(15万(7年目以降))【不適用】カナダ(53万(同))豪州(5万(同))にSBS方式の国別枠を設定

マークアップを9年目までに45削減

大麦

枠内税率無税+マークアップ

枠外税率39円kg

現行の国家貿易制度を維持するとともに枠外税率(39円kg)を維持

既存のWTO枠に加えSBS方式のTPP枠(65万(9年目以降))を設定

マークアップを9年目までに45削減

1 TPP11協定概要(麦)(平成30年12月30日発効)

Ⅴ TPP11及び日EUEPAの協定概要(麦関係)

(参考主な麦製品)

現在の関税率合意内容

税率 枠数量

いった小麦小麦粉等

(国家貿易品目)

枠内税率125~25+マークアップ

枠外税率85~134円kg

枠内即時無税+マークアップ

(枠外税率は維持)

(発効時) (6年目)125千rarr175千

ベーカリー製品製造用

小麦粉調製品16~24

枠内即時無税(枠外税率は維持)

(発効時) (6年目)米国 105千rarr12千【不適用】米国以外 68千rarr 8千

その他小麦粉調製品

16~28枠内即時無税

(枠外税率は維持)(発効時) (6年目)15千rarr225千

マカロニスパゲティ

30円kg9年目までに60削減

ビスケット 1315 6年目に無税 -

注1)いった小麦とは小麦をいったものであり主にシリアル食品等に使用される

2)その他小麦粉調製品とは製麺まんじゅう等のベーカリー製品以外の製造用の

小麦粉調製品である

- 36 -

2 日EUEPA協定概要(麦)(平成31年2月1日発効)

品目 現在の関税率 合意内容

小麦

枠内税率無税+マークアップ

枠外税率55円kg

現行の国家貿易制度を維持するとともに枠外税率(55円kg)を維持

既存のWTO枠に加えSBS方式のEU枠(270(7年目以降))を設定

枠内のマークアップを9年目までに45削減

大麦

枠内税率無税+マークアップ

枠外税率39円kg

現行の国家貿易制度を維持するとともに枠外税率(39円kg)を維持

既存のWTO枠に加えSBS方式のEU枠(30(即時))を設定

枠内のマークアップを9年目までに45削減

(参考主な麦製品)

現在の関税率合意内容

税率 枠数量

いった小麦小麦粉等

(国家貿易品目)

枠内税率125~25+マークアップ

枠外税率85~134円kg

枠内即時無税+マークアップ

(枠外税率は維持)

(発効時) (6年目)38千rarr44千

ベーカリー製品製造用

小麦粉調製品16~24

枠内即時無税(枠外税率は維持)

(発効時) (6年目)104千rarr142千

その他小麦粉調製品

16~28枠内即時無税

(枠外税率は維持)(発効時) (6年目)

2千rarr3千

マカロニスパゲティ

30円kg 11年目に無税 -

ビスケット 1315 6年目に無税 -

注1)いった小麦とは小麦をいったものであり主にシリアル食品等に使用される

2)その他小麦粉調製品とは製麺まんじゅう等のベーカリー製品以外の製造用の

小麦粉調製品である

(参考) 麦の国境措置

小 麦 大 麦

輸入数量

価格

輸入数量

価格

政府売渡価格

マークアップ(輸入差益)

452円kgを上限

輸入価格

(枠内税率0円kg)

枠内輸入(国家貿易) 枠外輸入

(民間貿易)枠外税率を支払って輸入された数量(平成29年度)12千トン

WTOカレントアクセス数量5740千トン

枠外税率55円

政府売渡価格

輸入価格(枠内税率0円kg)

WTOカレントアクセス数量1369千トン

枠内輸入(国家貿易) 枠外輸入(民間貿易)

枠外税率を支払って輸入された数量(平成29年度)06千トン

枠外税率39円

民間貿易の場合の輸入価格

民間貿易の場合の輸入価格

286円kgを上限

マークアップ(輸入差益)

- 37 -

  • スライド番号 1
  • スライド番号 2
  • 麦の参考資料 麦の需給に関する見通し(動向編)
  • スライド番号 4
  • スライド番号 5
  • スライド番号 6
  • スライド番号 7
  • スライド番号 8
  • スライド番号 9
  • スライド番号 10
  • スライド番号 11
  • スライド番号 12
  • スライド番号 13
  • スライド番号 14
  • Ⅱ 小麦粉麦製品の生産と価格の動向
  • スライド番号 16
  • スライド番号 17
  • スライド番号 18
  • スライド番号 19
  • スライド番号 20
  • スライド番号 21
  • スライド番号 22
  • スライド番号 23
  • スライド番号 24
  • スライド番号 25
  • スライド番号 26
  • スライド番号 27
  • スライド番号 28
  • スライド番号 29
  • スライド番号 30
  • スライド番号 31
  • スライド番号 32
  • スライド番号 33
  • スライド番号 34
  • スライド番号 35
  • スライド番号 36
  • スライド番号 37
  • スライド番号 38
  • スライド番号 39
  • スライド番号 40
  • スライド番号 41
Page 24: 麦の参考資料 - maff.go.jp · 2020-03-31 · 2014/15 2015/16 2016/17 2017/18 2018/19 (平成26年) (平成27年) (平成28年)(平成29年)(平成30年) 見込

H18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29

製粉工場数 124 122 121 119 117 118 117 114 109 104 102 98

製粉企業数 100 98 98 96 94 95 94 90 88 83 81 77

うち輸入小麦取扱製粉工場数 91 91 90 90 87 87 86 83 78 76 74 73

うち輸入小麦取扱製粉企業数 67 67 67 65 64 64 64 60 57 55 53 52

50

70

90

110

130

150製粉工場数

製粉企業数

うち輸入小麦取扱製粉工場数

うち輸入小麦取扱製粉企業数

3 製粉企業の状況

(1)大手製粉企業及び中小製粉企業の動向

① 大手製粉企業4社の小麦粉の生産量は全体の78を占

めておりこれに年間小麦粉生産量が3万トン以上の企業

の生産量を加えた13社ベースでは全体の90を占めてい

ます

② 大手製粉企業は生産設備の臨海工場への集約化を進め

つつ工場の大規模化合理化を推進しています

平成29年度の1工場当たりの生産量は17万トンまた

稼働率は89となっています

③ 年間小麦粉生産量3万トン以上の中小製粉企業は工場

のほとんどが臨海地域に立地し小麦粉を域内の二次加工

メーカー等に供給しています

平成29年度の1工場当たりの生産量は約6万トン稼働

率は67となっています

④ 年間小麦粉生産量1千トン以上3万トン未満の中小製粉

企業は主に内陸に位置し小麦粉を地元のパン麺等の

加工業者に供給するほか乾麺等の製造を兼ねるものも多

くなっています

平成29年度の1工場当たりの生産量は13万トンと大

手製粉企業の約14分の1稼働率は35となっています

⑤ 年間小麦粉生産量1千トン未満の中小製粉企業は輸入

小麦を取り扱わない企業が大部分を占め国内産小麦のみ

を使用し麺用や菓子用に供給しています

表Ⅱ-5 大手製粉企業中小製粉企業の小麦粉生産等の動向

資料農林水産省調べ注四捨五入の関係で計と内訳が一致しない場合がある

(参考)製粉企業数と工場数の推移(企業工場)

- 16 -

3万トン以上1千トン以上3万トン未満

1千トン未満

平成24 94 4 90 9 50 31

29 77 4 73 9 38 26

24 4853 3679 1174 536 636 3

29 4877 3801 1075 569 504 2

24 100 758 242 110 131 01

29 100 779 221 117 103 00

24 3245 1177 2068 632 1360 76

29 2806 1057 1749 581 1114 54

24 1496 3126 568 848 468 39

29 1738 3596 615 980 452 44

24 415 1533 126 596 120 01

29 498 1728 142 569 126 01

24 692 887 414 709 311 42

29 731 888 454 670 347 46

全体 大手製粉

中 小 製 粉年間生産量

稼働率()

製粉企業数

小麦粉生産量(千トン)

生産シェア()

従業員数(人)

従業員一人当たりの生産量

(トン)

一工場当たりの生産量(千トン)

(2)製粉企業のコスト削減や品質安全性の向上に向けた取組

製粉企業は生産能力の増強によるコスト削減や品質安全性の向上に向けた取組を進めています(図Ⅱ-4)

また国も農業競争力強化プログラムを策定し製粉企業の取組みを支援しています(図Ⅱ-5)

① 供給能力の強化等によるコストダウン

製粉企業は供給能力の強化生産性の向上と原料小麦の受入体制の整備によるコストダウンを図るため製粉工場や原料サイロの増強等の設備投資を行っています

② 資本業務の提携

製粉企業の中には他の製粉企業と資本業務提携を行うこと等により原料調達規模の拡大や生産の効率化等による競争力の強化を図る取組もみられます

③ 品質安全性の向上

製粉企業は近年消費者の安全安心への関心が高まる中食品の品質安全性を確保するための設備やAIB食品安全システムの導入ISO認証の取得等様々な取組を行っています

④ 工場の集約化

大手製粉企業は内陸工場を閉鎖し海外からの原料調達に有利な臨海工場への集約を進めるとともに臨海工場の生産能力を増強させる等生産性の向上を図っています

⑤ 海外市場への進出

製粉企業の中にはアジア大洋州地域における買収や工場増設等海外市場に積極的な進出をする取組もみられます

① 供給能力の強化等によるコストダウン 日清製粉は関東地区の小麦サイロ収容力の増強を進め更なる原料小麦の安定供給を推進するため鶴見工場の原料小麦サイロを増設(平成28年)

日本製粉は神戸甲南工場の原料サイロの新設等(平成24年)千葉工場の原料サイロの増設(平成26年)を行い今後原料サイロを福岡工場及び知多新工場へ新設神戸甲南工場(第2期)へ増設する予定

千葉製粉は新たな顧客ニーズへの対応付加価値製品の創出等を図るため専用ラインを新設(平成27年)

② 資本業務提携 資本業務提携を行っている製粉企業

増田製粉所(兵庫) hArr 日東富士製粉

木田製粉(北海道)内外製粉(三重)奥本製粉(大阪)セントラル製

粉(愛知) hArr 昭和産業

東福製粉(福岡) hArr 日本製粉

③ 品質安全性の向上 多くの製粉企業がISO9001(品質マネジメントシステム)ISO22000(食品安全マネジメントシステム)の認証を受けることにより品質管理や食品安全管理を実施

④ 工場の集約化 日清製粉は生産性向上のため内陸工場を順次閉鎖し臨海工場への集約化を推進

筑後工場(福岡)鳥栖工場(佐賀) rarr 福岡工場(福岡)へ集約

(平成26年)

名古屋工場の2ライン rarr 知多工場(愛知)の新ラインへ集約

(平成27年)

日本製粉は生産性向上のため総生産能力の80を臨海部の大型工場に集約

⑤ 海外市場への進出状況(平成30年度) 日清製粉は豪州の小麦粉市場においてトップシェアを持つアライドピナクル社を買収またタイでは子会社の日清STC製粉がタイの製粉工場を買収するとともにベトナムでは業務用プレミックスの生産工場を建設することを決定

昭和産業はベトナムに新たにプレミックス製造会社を設立し生産工場を建設することを決定

図Ⅱ-4 製粉企業の各種取組の事例

- 17-

⑥ 再編合理化の取組

製粉企業の中には国の支援を活用した再編合理化の取

組もみられます

⑦ 地産地消の推進

中小製粉企業は地域とのつながりの強さや独自の立地

条件を活かした特色ある経営を模索する中で生産者と協

力した積極的な地産地消の取組を進めています

⑦ 地産地消の推進

岩手県主な実施者岩手県学校給食会岩手県パン工業組合県内製粉企業取 組 内 容 平成28年度から地元県産小麦(銀河のちからゆきちから)を

100使用した学校給食用パンを県内の小中学校に提供開始埼玉県

主な実施者埼玉産小麦ネットワーク「SWING group」(県内製粉企業が中心となり生産者加工業者販売業者等180社が加盟)

取 組 内 容 埼玉県産小麦のブランド価値を高めることなどを目的として埼玉県産小麦を自社製品に利用することで高付加価値商品の開発による自社の発展などを目指すとともに研修会の実施やイベントホームページなどを通じた消費者への情報提供を実施

京都府主な実施者地元製粉企業京都府全農京都府本部生産者府内製麺製

パン業者飲食店取 組 内 容 平成30年産から京都府産小麦品種を「せときらら」へ全面切替を

行ったことを機にブランド名を「京小麦」とし「京小麦」を100使用したメニューを参加店舗にて提供するイベント「京小麦の収穫祭」を平成31年1月21日から2月17日まで開催

福岡県主な実施者福岡県ラー麦普及推進協議会(県JA全農ふくれん県内製粉

業者5社製麺業者関係団体)取 組 内 容 以下の取組によりラーメン用小麦「ラー麦」を普及推進

産地への生産技術の普及指導 小麦品質評価最適製粉加工方法の検討 利用や消費を促進するための普及宣伝(試

食イベント等) 毎年産の製粉製麺適性評価および食味

官能評価の実施 平成21年に本小麦の名称「ラー麦」とロ

ゴデザインを商標登録しブランド化

- 18 -

2 生産者が有利な条件で安定取引を行うことができる流通加工の業界構造の確立

(1)生産者に有利な流通加工構造の確立現在の食料需給消費の実態等を踏まえた効率的機能

的で農業者と消費者双方がメリットを受けられる流通加工構造を確立するため以下のとおり取り組む

その際農林水産省経済産業省をはじめ政府一体となって取り組む①~⑦ (略)⑧ 加工業については生産性の低い工場が乱立している

種類の加工業界(製粉乳業等)について国は国際競争に対応できる生産性の確保を目指した業界再編設備投資等を推進することとし政府系金融機関の融資農林漁業成長産業化支援機構の出資等による支援を行う

⑨ 上記改革を推進するため農産物の流通加工に関し国の責務業界再編に向けた推進手法等を明記した法整備を進める

⑩ 上記改革を推進するため金融機関による流通加工関連産業の生産性向上に資する経営支援や資金供給の促進政府系金融機関や農林漁業成長産業化支援機構等との連携強化等を図る

図Ⅱ-5 農業競争力強化プログラム(抜粋)

(平成28年11月29日 農林水産業地域の活力創造本部決定)

⑥ 再編合理化の取組

製粉工場の廃棄撤去製粉施設の一部又は全部を撤去しミックス粉等の関連事業を拡大

(製粉工場等再編合理化事業(平成2728年度7件))

図Ⅲ-1 国内産小麦の収穫量と作付面積の推移

表Ⅲ-1 小麦の主な作付品種(平成29年産)

Ⅲ 国内産麦の生産と流通の動向

1 国内産麦の生産状況

(1)小麦

① 作付面積

近年の国内産小麦の作付面積は約21万haと横ばいで推移して

います平成30年産の作付面積は北海道は121万ha都府県

は91万ha全国では212万haとなり前年産並となっていま

② 収穫量

平成30年産の国内産小麦の収穫量は主産地の北海道での6

月中旬から7月中旬にかけての低温日照不足の影響により登

熟不良となったこと等から前年産に比べ北海道で134万ト

ン(22)減少都府県では05万トン(2)減少全国

では139万ha(15)減少の768万トンとなり(図Ⅲ-1)

10a当たりの平均収量対比は91となりました

③ 小麦の作付品種の状況

栽培品種については各産地の気候条件や用途等に適した品

種が作付されており29年産では日本麺用では「きたほなみ」

「さとのそら」「シロガネコムギ」といった品種パン

中華麺用では「春よ恋」「ゆめちから」といった品種が上位

を占めています(表Ⅲ-1)

資料農林水産省「作物統計」品種毎の面積は農林水産省政策統括官調べ

注品種の育成年についてはシロガネコムギは農林認定が行われた年

それ以外の品種は出願公表が行われた年としている

資料農林水産省「作物統計」30年産の数値は概算値

- 19 -

(千トン)

年産

910 881

674

571

746

858 812

852

1004

791

907

768

210 209 208 207 212 209 210 213 213 214 212 212

100

120

140

160

180

200

220

240

260

280

300

0

200

400

600

800

1000

H19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30

収穫量 作付面積(千ha)

品種名 育成年 作付面積(千ha) 割合 主な作付地域

きたほなみ 平成19年 878 41 北海道

さとのそら 平成21年 159 7 関東東海

シロガネコムギ 昭和49年 152 7 九州近畿

春よ恋 平成11年 143 7 北海道

ゆめちから 平成20年 137 6 北海道

上位5品種計 1469 69

小麦作付面積 - 2123

図Ⅲ-2 国内産大麦及びはだか麦の収穫量と作付面積の推移

表Ⅲ-2 大麦及びはだか麦の主な作付品種(平成29年産)

(2)大麦及びはだか麦

① 作付面積

近年国内産大麦及びはだか麦の作付面積は約6万と横ば

いで推移しており平成30年産は前年産と比較すると二条

大麦は前年産並六条大麦は800ha(4)減少はだか麦

で460ha(9)増加となり全体では340ha(1)減少の

61万haとなりました(図Ⅲ-2)

② 収穫量

平成30年産の大麦及びはだか麦の収穫量は二条大麦及びは

だか麦はおおむね天候に恵まれ生育が順調で登熟も良好

であったこと等から前年産に比べ二条大麦は01万トン

(1)増加はだか麦は01万トン(8)増加となりました

六条大麦については北陸地方において大雪の影響で融雪時期

が遅れたこと等により穂数が少なくなり前年産に比べ14万

トン(26)減少しました

この結果大麦及びはだか麦の収穫量は合計で173万トンと

なり前年産に比べて12万トン(6)減少となりました

(図Ⅲ-2)

③ 大麦及びはだか麦の作付品種の状況

栽培品種については各産地の気候条件や用途等に適した品

種が作付されており29年産では二条大麦はビール用の「サ

チホゴールデン」六条大麦は主食用や麦茶用の「ファイ

バースノウ」はだか麦は麦味噌用の「マンネンボシ」いっ

た品種が上位を占めています(表Ⅲ-2)

資料農林水産省「作物統計」30年産の数値は概算値

- 20 -

(千トン)

資料農林水産省「作物統計」農林水産省調べ

注品種の育成年についてはシュンライイチバンボシは農林認定が行われ

た年それ以外の品種は出願公表が行われた年としている

195 217

179 161

172 172 183

170 177 170 185

173

54 57 58 59 60 60 59 60 61 61 61 61

0

10

20

30

40

50

60

70

80

90

100

0

50

100

150

200

250

H19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30

収穫量 作付面積 (千ha)

年産

麦種 品種名 育成年作付面積(千ha)

割合 主な作付地域

二条大麦

サチホゴールデン 平成18年 189 31 九州関東中国

はるしずく 平成17年 44 7 九州

ニシノホシ 平成11年 27 4 九州

六条大麦

ファイバースノウ 平成13年 107 17 北陸関東東海

シュンライ 平成2年 33 5 関東東北近畿

カシマゴール 平成22年 13 2 関東東海

はだか麦

マンネンボシ 平成13年 15 2 四国

イチバンボシ 平成4年 14 2 四国九州

トヨノカゼ 平成18年 11 2 九州中国

大麦はだか麦作付面積

- 614

資料農林水産省調べ

Aランク評価項目の基準値を3つ以上達成しかつ許容値を全て達成している麦Bランク評価項目の基準値を2つ達成しかつ許容値を全て達成している麦Cランク評価項目の基準値を1つ達成しかつ許容値を全て達成している麦

評価項目の基準値を2つ以上達成しているものの許容値を達成していない麦DランクA~Cランクのいずれにも該当しない麦

【評価項目】①小麦 日本麺用パン中華麺用(たんぱく灰分容積重フォーリングナンバー)

醸造用(たんぱく3項目容積重)②二条大麦 主食等用(容積重細麦率白度正常粒率)

麦茶用(たんぱく3項目細麦率)③六条大麦はだか麦 主食等用(容積重細麦率白度硝子率)

麦茶用(たんぱく3項目細麦率)

(参考) 麦の品質区分

(単位)

- 21 -

(2)品質評価

たんぱく質や灰分の含有率等に基づく品質評価結果につい

ては平成30年産の小麦ではAランクが899となってお

り過去5年平均(Aランク比率849)と比べ5ポイン

ト高くなっています

また平成30年産の大麦はだか麦ではAランクが

849となっており過去5年平均(Aランク比率832)

と比べ17ポイント高くなっています(表Ⅲ-4)

表Ⅲ-4 平成30年産麦の品質評価結果

2 国内産麦の品質状況

(1)農産物検査① 平成30年産の小麦について全国の1等比率は761

(平成30年12月末時点)と過去5年平均799と比較して低くなっています(表Ⅲ-3)

② 平成30年産の小粒大麦大粒大麦はだか麦及びビール大麦について1等比率は大粒大麦を除き過去5年平均と比較して低くなっています(表Ⅲ-3)

表Ⅲ-3 国内産麦の1等比率の推移(単位)

Aランク Bランク Cランク DランクAランク

過去5年平均(平成25~29年産)

小 麦 899 67 33 01 849

大麦はだか麦

849 37 108 06 832

注1)各年産翌年4月末時点の値であるただし平成30年産は30年12月末時点の値である

2)強力小麦の検査数量を含む値である

3 国内産麦に対する支援

平成31年度は経営所得安定対策等の対策のうち主に畑作

物の直接支払交付金と水田活用の直接支払交付金により国内

産麦に対する支援が行われます

(1)畑作物の直接支払交付金

畑作物の直接支払交付金として麦を生産する農業者に対

し標準的な生産費と標準的な販売価格の差額分を直接交付

することとしています

支払いは当年産の麦の品質及び生産量に応じて交付する

数量払を基本とし当年産の麦の作付面積に応じて交付する

面積払(営農継続支払)を数量払の先払いとして交付する仕

組みにしています

数量払の交付単価は品質に応じた単価を設けており需要

に応じた生産と品質に対する営農努力を適切に反映させる仕

組みになっています(表Ⅲ-5)

表Ⅲ-5 畑作物の直接支払交付金の麦の交付単価

(円単位数量)

品質区分(等級ランク)

1等 2等

A B C D A B C D

小麦(パン中華麵

用品種)(60kg当たり)

9040 8540 8390 8330 7880 7380 7230 7170

小麦(パン中華麺用品種以外)(60kg当たり)

6740 6240 6090 6030 5580 5080 4930 4870

二条大麦(50kg当たり) 5550 5130 5010 4960 4690 4270 4140 4090

六条大麦(50kg当たり) 6030 5610 5480 5430 5000 4580 4460 4410

はだか麦(60kg当たり) 8650 8150 8000 7910 7080 6580 6430 6350

(参考)

【平均交付単価小麦6940円60kg二条大麦5490円50kg六条大麦5720円50kg

はだか麦8230円60kg】

②面積払

当年産の作付面積に応じて交付 2万円10a

①数量払(品質に応じた単価)

- 22 -

【平成31年産に適用】

標準的な生産費

差額

ゲタ交付単価

標準的な販売価格

【交付単価のイメージ】lt畑作物の直接支払交付金のイメージgt

面積払(数量払の際に控除されます)

数量払

収量

交付金額

(2)水田活用の直接支払交付金

水田のフル活用を推進し食料自給率自給力の向上を図

るため水田で麦を生産する農業者に対しては畑作物の直

接支払交付金に加え水田活用の直接支払交付金(35000円

10a)を直接交付することとしています(表Ⅲ-6)

表Ⅲ-6 水田活用の直接支払交付金の交付単価

作 物 単 価

麦大豆飼料作物 35000円10a

WCS(ホールクロップサイレージ)用稲 80000円10a

加工用米 20000円10a

飼料用米米粉用米収量に応じ

55000円~105000円10a

このほか「産地交付金」により地域で作成する水田フル活用ビジョンに基づき二毛作や耕畜連携を含め産地づくりに向けた取組を支援します

戦略作物助成

注実需者等との出荷販売契約等を締結すること出荷販売することが要件

- 23 -

4 国内産食糧用麦の流通動向

(1)取引の概要

国内産食糧用麦は加工原料としての商品特性から需要に応じて計画的に生産できるようは種前契約に基づく取引が行われています

まず取引の指標となる透明性のある適正な価格を形成するためは種前に販売予定数量の3~4割(具体の比率は民間流通地方連絡協議会の協議を踏まえ決定)について入札が行われます残りは相対取引が行われておりその価格については入札で形成された指標価格(落札加重平均価格)を基本として取引当事者間で決められています(図Ⅲ-3)

また取引を円滑に進めるため生産者需要者等で構成される民間流通連絡協議会において取引に必要な情報交換取引に係る基本事項の見直し等が行われています(表Ⅲ-7)

今後とも国内産食糧用麦については円滑な流通が確保されるようは種前契約を基本としつつ適切に対応していきます

図Ⅲ-3 国内産食糧用麦の基本的な流通フロー

表Ⅲ-7 国内産食糧用麦の入札の仕組み

項 目 概 要 見直しの変遷

実施主体 一般社団法人 全国米麦改良協会

実施時期 は種前に2回実施(8~9月)平成13年産から1回rarr2回へ見直し

上場数量

産地銘柄別に販売予定数量が小麦3千トン以上大麦はだか麦1千トン以上の銘柄についてその30~40を上場(ほかに希望上場あり)

平成31年産から30rarr30~40へ見直し

基準価格

小麦は前年産の落札加重平均価格に当年産の入札実施時点での外国産麦の政府売渡価格の変動率を乗じた価格大麦はだか麦は前年産の落札加重平均価格

小麦の外国産麦との連動は平成24年産から実施

値幅制限 基準価格のplusmn10

小麦平成12年産~16年産plusmn5平成17年産~21年産plusmn7平成22年産plusmn10平成23年産plusmn30平成24年産~ plusmn10大麦はだか麦平成12年産~18年産plusmn5平成19年産~21年産plusmn7平成22年産plusmn10平成23年産plusmn15平成24年産~ plusmn10

取引価格の事後調整(小麦のみ)

外国産食糧用小麦の政府売渡価格の改定(410月)に合わせては種前の入札又は相対により契約された価格に外国産食糧用小麦の政府売渡価格の変動率を乗じて取引価格を改定

平成23年産から実施

申込限度数 量

買い手別に上場数量times買受実績シェアtimes145

小麦は平成17年産から大麦及びはだか麦は平成19年産から135rarr145へ見直し

相対取引入札で形成された指標価格を基本に生産者団体と需要者の間で協議決定

平成19年産から過去の実績シェアに基づく取引ルールを廃止

再入札

第1回入札及び第2回入札において落札残数量が発生した場合は売り手の希望により再度入札に付すか相対による契約を行うかいずれかの方法をとることができる

平成25年産から売り手の申し出により再入札における入札の値幅を設定できること等を規定

生産者団体から販売予定数量需要者団体から購入希望数量の相互提示

入札取引の実施(販売予定数量の約3~4割)

相対取引の実施(販売予定数量の約6~7割)

は 種(秋まき春まきは収穫年の4月)

収 穫 及 び 検 査

生産者団体と需要者の間では種前に契約を締結

需 要 者 へ 引 渡 し

<生産の流れ>

麦の生育期間

<契約の流れ>

は種前契約に基づき計画的に作付(は種)

収穫前年7月~

8~9月

9月~

~12月

6~8月

6月~

収穫年26年産から国内産麦の需要拡大を図るため地域の食文化のブランド化等による高付加価値化の取組等に対し安定的な原料供給が可能となる需要拡大推進枠を導入

- 24 -

表Ⅲ-8 国内産食糧用麦の供給量 (単位千トン)

注集荷団体からの聞き取り数量である

(2)流通の動向

平成30年産の国内産食糧用小麦の供給量は前年産から

約14万4千トン減少し約70万1千トンとなっています

また国内産食糧用大麦及びはだか麦の供給量は前年

産から約3千トン減少し約10万3千トンとなっています

(表Ⅲ-8)

生産者側から提示された平成31年産麦の販売予定数量は

国内産食糧用小麦で約82万4千トン国内産食糧用大麦及

びはだか麦で約10万8千トンとなっています

一方需要者側から提示された平成31年産麦の購入希望

数量は国内産食糧用小麦で約86万3千トン国内産食糧

用大麦及びはだか麦で約13万トンとなっています(表Ⅲ-

9)

表Ⅲ-9 国内産食糧用麦の販売予定数量及び購入希望数量の推移(単位千トン)

資料民間流通連絡協議会調べ注四捨五入の関係で差し引きが一致しないことがある

- 25 -

年産 20 21 22 23 24 25 26 27 28 2930

(見込)

小   麦 841 639 532 694 811 767 808 946 734 845 701

大麦はだか麦 125 100 84 98 93 105 103 103 92 106 103

年産 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31

販売予定数量① 887 906 909 951 948 909 905 880 820 846 834 824

購入希望数量② 833 880 818 859 904 869 751 802 834 875 880 863

①-② 54 25 91 91 44 40 154 78 14 29 46 39

(①-②)①() 61 28 100 96 47 44 170 89 18 34 55 47

販売予定数量① 121 132 134 127 122 116 110 112 113 112 108 108

購入希望数量② 199 219 135 149 147 138 141 149 145 138 148 130

①-② 78 87 1 23 26 21 31 37 32 26 39 22

(①-②)①() 640 660 06 179 209 182 282 330 284 234 363 204

表Ⅲ-10 国内産食糧用麦の入札結果の推移

資料一般社団法人全国米麦改良協会調べ

注1価格は税込み(26年産までは527年産以降は8)である

ただし31年産の落札価格は一般社団法人全国米麦改良協会公表の価格(税抜き)を基に農林水産省で税込み価格を算出

5 国内産食糧用麦の価格の動向

(1)平成31年産の入札の概要

平成31年産麦の入札は第1回は平成30年9月12日に第

2回は平成30年9月26日に実施されました

麦種別の入札結果をみると小麦は上場数量約21万4千

トンのうち約20万4千トンが落札(落札率954)され落

札価格は61714円トン(対前年産比1151)となりました

小粒大麦は上場数量約1万1千トンのうち約1万1千

トンが落札(落札率991)され落札価格は46560円トン

(対前年産比997)となりました

大粒大麦は上場数量約7千8百トンのうち5千6百トン

が落札(落札率717)され落札価格は46923円トン(対

前年産比879)となりました

はだか麦は上場数量約2千3百トンのうち約2千1百

トンが落札(落札率897)され落札価格は50817円トン

(対前年産比961)となりました(表Ⅲ-10)

なお国内産小麦については近年消費者の国産志向の高

まりなどを受け大手外食チェーンや2次加工メーカーが国

内産小麦を使用したパン中華麺等の商品を相次いで発表す

るなど人気が高まってきていますこれらを背景として平

成31年産小麦の落札価格は多くの銘柄で値幅制限の上限付

近となっておりまた申込倍数も14倍と高いものとなって

います

- 26 -

20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31

上場数量

(トン)①243510 243020 242310 251370 250980 244880 244320 234010 213360 221380 218500 214200

落札数量

(トン)②234930 238410 189350 247770 245320 220590 188240 192240 201140 214060 210560 204420

落札率

②①965 981 781 986 977 901 770 822 943 967 964 954

落札価格

(円トン)43229 59885 55241 48732 58340 49333 49319 49770 54164 51570 53624 61714

対前年産比 1064 1385 922 882 1197 846 1000 1009 1088 952 1040 1151

上場数量

(トン)①12240 13590 14210 13300 11760 11220 11290 11930 12210 12200 11750 11040

落札数量

(トン)②12050 13510 14040 13170 11550 10850 10900 11830 12090 12200 11440 10940

落札率

②①984 994 988 990 982 967 965 992 990 1000 974 991

落札価格

(円トン)45479 59709 53448 45871 46485 46453 46290 47595 47565 46880 46708 46560

対前年産比 1084 1313 895 858 1013 999 996 1028 999 986 996 997

上場数量

(トン)①10020 9690 10330 9290 9000 8700 7210 7620 7450 7620 6880 7810

落札数量

(トン)②8880 8920 8910 7990 7990 7830 6480 7130 6600 6700 6340 5600

落札率

②①886 921 863 860 888 900 899 936 886 879 922 717

落札価格

(円トン)36532 50492 46097 39649 40394 41582 42881 45740 47827 50442 53384 46923

対前年産比 1059 1382 913 860 1019 1029 1031 1067 1046 1055 1058 879

上場数量

(トン)①2910 3150 3030 3260 3060 2830 2840 2890 2740 2660 2570 2330

落札数量

(トン)②2910 3150 3030 3090 3020 2830 2810 2810 2520 2600 2470 2090

落札率

②①1000 1000 1000 948 987 1000 989 972 920 977 961 897

落札価格

(円トン)42222 58527 61489 52791 51905 52294 49656 47712 46547 48527 52876 50817

対前年産比 1063 1386 1051 859 983 1007 950 961 976 1043 1090 961

年産

小麦

小粒大麦(六条大麦)

大粒大麦(二条大麦)

はだか麦

平成31年産国内産食糧用小麦の入札結果をみると産地別銘柄別

の需給状況等を反映して落札価格に差が生じています

代表的な銘柄である北海道産「きたほなみ」は前年産の価格を

153上回る64752円トン香川県産「さぬきの夢2009」は前

年産の価格を152上回る73186円トンとなりましたまたパ

ン中華麺用の北海道産「ゆめちから」は前年産の価格を180

上回る62777円トン北海道産「春よ恋」は前年産の価格を

180上回る68792円トンとなりました(図Ⅲ-4図Ⅲ-5)

図Ⅲ-4 平成31年産国内産食糧用小麦の産地別銘柄別落札価格

資料農林水産省調べ注外国産小麦5銘柄加重平均価格は平成30年4月期の輸入小麦の政府売渡価格である

(2)平成31年産国内産食糧用小麦の産地別銘柄別落札価格の動向

資料農林水産省調べ注1国内産小麦の価格は(一社)全国米麦改良協会が実施する民間流通麦にかかる入札の第1回第2回

及び再入札の落札加重平均価格(税込み)年産の下段の( )内は当該第1回入札の実施年月である注2外国産小麦の価格は18年までは当該年度平均の実績価格であり19年以降は民間流通麦にかかる第

1回入札の実施年月時点での輸入小麦の政府売渡価格(5銘柄平均)である注3ホクシン(きたほなみ)については22年産までは「ホクシン」の価格であり23年産からは「きたほ

なみ」の価格である注4さぬきの夢については24年産までは「さぬきの夢2000」の価格であり25年産からは「さぬきの夢

2009」の価格である注5農林61号(さとのそら)については23年産までは「農林61号」の価格であり24年産からは「さとの

そら」の価格である

図Ⅲ-5 国内産食糧用小麦の産地別銘柄別落札価格の推移

- 27 -

(単位円トン税込み)

30000

60000

北海道ゆめちから 62777

福岡ミナミノカオリ 68393

滋賀農林61号 50763

茨城さとのそら 46310

佐賀チクゴイズミ 52193

岩手ゆきちから 39929

全銘柄落札加重平均 61714

香川さぬきの夢2009 73186

北海道きたほなみ 64752

外国産小麦5銘柄加重平均 54370

群馬さとのそら 48669

北海道キタノカオリ 63090

大分チクゴイズミ 48265

福岡シロガネコムギ 50643

佐賀シロガネコムギ 47998

40000

福岡チクゴイズミ 52203

滋賀ふくさやか 49534

岐阜イワイノダイチ 46874

埼玉さとのそら 47159

宮城シラネコムギ 44607

群馬つるぴかり 49785

北海道春よ恋 68792

愛知きぬあかり 50114

北海道はるきらり 60201

50000

埼玉あやひかり 46072

岐阜さとのそら 45919

70000

30000

40000

50000

60000

70000

80000

90000

100000

110000

120000

130000

12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 年産

(単位円トン税込み)

北海道ホクシン

香川さぬきの夢200973186円

茨城農林61号

香川さぬきの夢2000

茨城さとのそら

46310円

北海道きたほなみ

64752円

北海道ゆめちから

62777円

外国産小麦

5銘柄平均

54370円

北海道春よ恋

68792円

(128) (138) (148) (158) (168) (178)(1810) (199) (208)(2110)(2212) (239) (2410)(2510)(269)(279) (289) (299)(119) (309)

6 国内産麦の新品種の育成状況

(1)国内産麦については縞萎縮病抵抗性や耐倒伏性を備え

需要者等のニ-ズに合った新品種の開発が進められています

また作付け面積が1万haを超える「ゆめちから」「さとの

そら」をはじめ多数の品種が生産現場に導入されています

(図Ⅲ-6)

(2)今後とも赤かび病抵抗性や穂発芽耐性が高い小麦品種

小麦粉の色相や製粉性が優れる日本麺用小麦品種パンの膨

らみがカナダ産「1CW」並の小麦品種焼酎押麦味噌

などの加工適性が高い大麦品種等の開発を推進します

小麦品種「ゆめちから」及び「さとのそら」は優れた栽培特性

と加工適性を備えており作付けが拡大しています(平成29年

推定値「ゆめちから」約1万2千ha「さとのそら」約1万5

千ha)

パン用小麦品種の開発近年国産の小麦粉を使ったパンの需要増加に応えるためグルテンやでん粉の組成などパンの膨らみに関連する特性に注目した育種が進められていますその結果平成25年に製パン適性が「1CW」に近く多収の「せときらら」平成29年にはパン生地の力が強く穂発芽耐性や赤かび抵抗性が改良された「夏黄金」が育成されました

加工適性の高い大麦品種の開発機能性成分β-グルカンを多く含むもち性大麦の需要の高まりに応えるため平成29年に「はねうまもち」が育成されましたまた高品質なはだか麦の需要増加に対応して平成24年に味噌加工適性の高い「ハルヒメボシ」が育成されました

図Ⅲ-6 平成19年以降に育成された麦類の主な新品種

日本麺用小麦ゆめきらり

パン用小麦ゆめかおり福井県大3号

六条大麦ホワイトファイバー

北信越

日本麺用小麦あおばの恋

パン用小麦銀河のちから

東北

日本麺用小麦さとのそらきぬあかり

パン用小麦ゆめかおり

二条大麦とちのいぶき彩の星アスカゴールデンニューサチホゴールデン

六条大麦カシマゴール

はだか麦キラリモチ

関東東海

日本麺用小麦ふくはるかさぬきの夢2009

パン用小麦ゆめちからせときらら

はだか麦ハルヒメボシ

近畿中国四国

中華麺用小麦ちくしW2号

二条大麦煌二条白妙二条はるか二条トヨノホシ

九州

日本麺用小麦きたほなみ

中華麺用小麦つるきち

パン用小麦ゆめちからはるきらり

二条大麦札育2号

北海道

新品種のうち平成30年産で概ね100ha以上作付けされていると推定される品種を選定(農林水産省調べ)

- 28 -

7 国内産麦を利用した製品の動向

食料自給率の向上を図るためには国内産麦の需要開拓を行う

ことが必要です最近の消費者の国産志向の高まりや生産者と実

需者が一体となった地産地消の推進地域農業の振興を図る取り

組み等から国内産麦を使った麦製品(パン麺等)が増えてき

ており中には国内産麦を100使用した商品もあります(図Ⅲ-

7)

- 29 -

8 民間流通制度の運用改善

国内産麦の人気の高まりにより近年需要量が生産量を上回

る状況が継続しており国内産麦を積極的に使用したい実需者が

必要量を確保できない等の課題もあります

このような課題に対応するため民間流通連絡協議会において

入札上場比率の選択制の導入需要拡大推進枠設定の要件緩和

相対取引需要拡大推進枠において多様な取組が可能であること

の明確化等民間流通制度の運用改善が行われました(図Ⅲ-

8)

ピッツァ専用粉(北海道)(小麦)地元の製粉企業が北海道産小麦(きたほなみキタノカオリゆめち

から)を100使用した国内で初めてのピッツァ専用粉を開発平成30年2月に都内で試食会を開催し平成30年5月から販売

ピッツァ専用粉(群馬県)(小麦)地元の製粉企業が地元のピッツァ専門店ピッツァ窯メーカーと協力

して品質改良を重ね群馬県産小麦(さとのそらつるぴかりきぬの波)を100使用したピッツァ専用粉を平成30年4月から発売ピッツァイベントやイタリアン食材の展示会に出展

学校給食用パン(東京都)(小麦)都学校給食会の「学校給食パン加工規格」による配合基準に基づき国

内産小麦を100使用した学校給食パンを平成27年度から都内の一部の小中学校で提供を開始平成28年度からは都内全域の規格として採用

〇 市販用中華麺(愛知県)(小麦)地元の製粉企業が自社製品として愛知県産小麦きぬあかりを100使用

した中華麺を平成30年6月から自社通販で販売平成30年8月から一般販売を開始

フランスパン用粉(佐賀県)(小麦)近県製粉企業が農研機構と共同で育成した九州地域等の暖地温暖地

向けのフランスパン加工適性に優れる準強力小麦品種「さちかおり」を100使用したフランスパン用粉を平成30年8月から発売

市販用ゆで麺(長崎県)(小麦)地元の製麺企業近県製粉企業県生麺協同組合JA県等が連携し

平成26年3月に「長崎県育成麦活用開発協議会」を立ち上げ長崎県産長崎W2号(商標登録名長崎ちゃん麦)を100使用したちゃんぽん用のゆで麺を平成29年4月に製品化原料小麦の生産量が整った段階での本格販売を予定

もち性大麦を使用した機能性表示食品(静岡県)(大麦)地元の精麦企業が国内産もち性大麦でβ-グルカン量の多い銘柄を使用し

炊飯用精麦を製品化機能性表示食品として平成29年1月に届出し十分な原料を手当でき次第随時販売予定

〇 もち性大麦を使用したシリアル(愛知県)(大麦)地元の精麦企業が食物繊維が20を超える愛知県産もち性大麦「ワキ

シーファイバー」を使用した国内産もち麦100シリアルを開発平成30年4月から販売開始

図Ⅲ-7 国内産麦を100使用した商品事例

図Ⅲ-8 民間流通制度の運用改善のポイント

0

50

100

150

200

250

300

350

400円千人

大手製パンメーカーA社が国内産小麦100使用の新製品を発売

大手製食品スーパーB社が国内産小麦100使用の新製品をPBで発売

大手製パンメーカーA社が国内産小麦100使用の製品を初めて発売

(参考)国内産小麦を利用した製品の販売状況

(1)国内産小麦100使用の食パンの販売額

大きなシェアを占めるにはいたっていないものの国内産

小麦を100使用した食パンの販売金額の推移を見ると新製

品が登場する度に国内産小麦100使用の食パン市場が拡大し

ています(図Ⅲ-9)

図Ⅲ-9 国内産小麦100使用の食パンの販売額の推移(首都圏)

資料日本経済新聞デジタルメディア社による首都圏のスーパーマーケットなど100店舗におけるPOSデータに基づき農林水産政策研究所において集計

注食パンのうち国内産小麦を100使用していることが明らかな製品のみ計上菓子パン等は含んでいない

表Ⅲ-11 生麺ゆで麺(チルド)の販売金額のシェア(首都圏平成30年)

資料日本経済新聞デジタルメディア社による首都圏のスーパーマーケットなど120店舗におけるPOSデータに基づき農林水産政策研究所において集計

(2)生麺ゆで麺(チルド)の販売金額

生麺ゆで麺全体で上位15製品の売上高に占める国内産

小麦使用表示のある製品のシェアは30となっていますま

た主要な麺製品のうどんラーメン冷やし中華焼そば

全てで国内産小麦使用製品がランクインしています(表Ⅲ

-11)

2013年 2014年 2015年 2016年 2017年 2018年 2019年

                      (単位)

製品の種類製造企業の規模産地表示販売金額シェア

焼そば大手製品(国内産小麦使用表示なし) 99そば大手製品(国内産小麦使用表示なし) 27冷やしラーメン大手製品(国内産小麦使用表示なし) 20うどん大手製品(北海道産小麦使用表示あり) 20ラーメン大手製品(北海道産小麦使用表示あり) 14冷やし中華大手製品(国内産小麦使用表示なし) 14うどん大手製品(国内産小麦使用表示あり) 13焼そば大手製品(国内産小麦使用表示なし) 12焼うどん大手製品(国内産小麦使用表示なし) 12うどん大手製品(国内産小麦使用表示あり) 11焼そば大手製品(国内産小麦使用表示あり) 11そうめん大手製品(国内産小麦使用表示あり) 10うどんPB製品(北海道産小麦使用表示あり) 10つけ麺大手製品(国内産小麦使用表示なし) 10冷麺中小製品(国内産小麦使用表示なし) 10

303

14

89

15上位15製品の売上高に占める国内産小麦使用表示のある製品の

シェア

順位

1

10111213

234567

- 30 -

図Ⅲ-10 外食産業等と連携した農産物の需要拡大対策事業(麦類)

9 国内産麦の需要拡大イベント及び情報発信の取組

近年生産者と実需者等が連携し国内産麦を使用した製品が

数多く開発販売されており各地でイベント等の需要拡大の

取組みが行われております

また農林水産省としては平成30年度産地と外食事業者等

が連携して行う国内産麦を活用した新商品の開発試作製

造するために必要な取組を支援する「外食産業等と連携した農

産物の需要拡大対策事業」を一般社団法人全国米麦改良協会を

実施主体として行っているところです

農林水産省のホームページにおいてこれらのイベント等につい

て情報発信を行うとともに一般社団法人全国米麦改良協会が

開設している国産麦応援情報ホームページでの情報提供等を

行っています(図Ⅲ-10~12)

「国内産麦使用試作品全国統一試食会商談会」開催日平成31年2月12日~19日(土日を除く)場 所むぎくらべ(東京都千代田区神田小川町)

内 容平成29年度補正予算事業「外食産業等と連携した農産物の需要拡大対策事業」の一環として行われた国内産麦を使用した試作品の試食会商談会

「国内産麦使用試作品全国統一試食会商談会」で出品された試作品

- 31 -

第8回全国ご当地うどんサミットin 熊谷 開催日平成30年11月10日~11日 場 所熊谷スポーツ文化公園にぎわい広

場(埼玉県) 内 容全国の国内産小麦を使用した「ご

当地うどん」が一堂に集まりグランプリを決定

図Ⅲ-11 全国各地で開催されたイベント 図Ⅲ-12 一般社団法人 全国米麦改良協会の取組

国産麦応援情報ホームページ「日本の麦の底力」内容国産小麦粉ブランド名鑑国産小麦の逸品イベント情報研究

情報等を掲載URL httpnihonnomugicom

北海道小麦キャンプ2018 in オホーツク 開催日平成30年7月10日~11日 場 所ホテル黒部を主会場としたオホーツ

ク管内(北海道) 内 容国内産小麦北海道産小麦の魅力

を全国に広めることを目的にバスツアーやパン講習会などを実施

麦わらぼうしフェスタ 開催日平成30年11月4日 場 所笠原産業株式会社(栃木県) 内 容国内産小麦を使用したうどんパン

などの試食販売うどん教室などを実施

第7回 信州粉もん祭り 開催日平成30年11月11日 場 所JAながの ちくま埴生支所(長野県) 内 容長野県産小麦を使用した「粉もん料

理」が大集合粉もん試食会や手打ちうどん講習会 などを実施

国内産麦アンテナショップ「むぎくらべ」内容国内産麦を使用した商品のPRと販売の場を提供するものとして

平成30年7月東京都千代田区にオープン

- 32 -

オープニングセレモニーには上月前農林水産大臣政務官(写真中央)も出席

10 食料農業農村基本計画における麦の位置付け

平成27年3月31日に平成37年度を目標とする「食料農業

農村基本計画」が閣議決定され小麦は95万トン大麦はだ

か麦は22万トンの生産努力目標が設定されています(表Ⅲ-

12)

食料消費の見通し 生産努力目標(万トン) 克服すべき課題

1人1年当たり消費量

(kg人年)

国内消費仕向量

(万トン)

平成25年度

平成37年度

平成25年度

平成37年度

平成25年度

平成37年度

小麦 33 32 699 611 81 95

国内産小麦の需要拡大に向けた産地形成やブランド化

実需者ニーズに対応した生産流通体制の確立

新品種新技術の開発導入輪作体系の最適化排水対策等による収量品質の高位安定化

農地の集積集約化経営規模の拡大に対応した省力化に資する技術の開発導入等による生産コストの低減

大麦はだか麦

03 02 208 213 18 22

外国産大麦が多く用いられている焼酎用等の国内産麦の需要拡大

実需者ニーズに対応した生産流通体制の確立

新品種新技術の開発導入輪作体系の最適化排水対策等による収量品質の高位安定化

農地の集積集約化経営規模の拡大に対応した省力化に資する技術の開発導入等による生産コストの低減

表Ⅲ-12 麦の平成37年度における食料消費の見通し及び生産努力目標

資料「食料農業農村基本計画」(平成27年3月閣議決定)注1)国内消費仕向量には飼料用等の食糧用以外の用途への仕向量を含む

2)大麦はだか麦の国内消費仕向量及び生産努力目標にはビール大麦を含む

- 33 -

Ⅳ 米粉に関する動向

1 生産動向

米粉用米の生産量は平成25年産以降2万トン前後で推移していましたが平成29年度以降は約3万トンまで回復しています(表Ⅳ-1)

2 需要拡大に向けた対応

米粉用米の利用量は平成24年度以降年間2万数千トンで推移していましたがグルテンを使用しない米粉商品の開発や新たな米加工品(α化米粉米ゲルなど)の保湿性や粘性に着目した商品の開発「米粉の用途別基準」や「ノングルテン米粉製品第三者認証制度」の運用開始により平成29年度は25千トン30年度は31千トンに増加しています(表Ⅳ-2)

今後の更なる国内海外の需要拡大のためノングルテン米粉や用途別基準に適合する高品質な日本産米粉の流通を契機とした魅力ある新商品の開発や日本産米粉の優位性の情報発信等を推進する必要があります

表Ⅳ-1 上位5県の米粉用米の生産量と作付面積の推移

(参考) 米粉及び小麦粉の販売価格(税抜き)

米粉100~290円kg程度

(小麦粉 100円kg程度)

注1)平成26~29年度については新規需要米取組計画を認定した全需要者からの聞き取り注2)平成30年度については新規需要米取組計画を認定した主要な需要者からの聞き取り

により推計

表Ⅳ-2 米粉用米の利用量(需要者からの聞き取り)

- 34 -

資料26~29年産は新規需要米生産集出荷数量30年産は新規需要米取組計画

認定数量(農林水産省)

(単位千トン)

26年度 27年度 28年度 29年度 30年度見込

22 23 23 25 31

(単位千トン千ha)

26年産 27年産 28年産 29年産 30年産

生産量 59 97 87 130 107作付面積 11 18 15 24 19生産量 10 10 09 30 31作付面積 02 02 02 06 06生産量 08 10 00 19 30作付面積 01 02 00 03 06生産量 10 12 12 12 16作付面積 02 03 02 02 03生産量 20 24 07 12 13作付面積 03 04 01 02 02生産量 184 230 190 284 281作付面積 34 42 34 53 53

秋田県

全国計

新潟県

埼玉県

栃木県

群馬県

農林水産大臣は米穀の新用途への利用の促進に関する基本方針を定める

生産製造連携事業計画

生産者 製造事業者 促進事業者

必須

米穀の新用途への利用の促進に関する法律

米穀の新用途への利用の促進に関する基本方針

関係者が連携して計画を作成米穀の新用途への利用の促進に関する基本方針に照らし適切な計画について農林水産大臣が認定(計画期間は3~5年)

図Ⅳ 米粉用米に対する支援措置

3 米粉用米に対する支援

① 米粉用米についてはその利用の拡大を図るために平成21年に「米穀の新用途への利用の促進に関する法律」が制定されました同法に基づく「生産製造連携事業計画」の認定を受け「農山漁村

活性化計画」の採択を受けた取組に対して米粉用米の生産加工に必要な施設整備等の支援を行っています

② 米粉用米の生産者に対しては水田活用の直接支払交付金による支援を行っていますまたノングルテン米粉表示や米粉の用途別基準により需要者ニーズに合った高品質な米粉の製造や輸出拡大の取組を支援しています

③ 平成31年度は国内海外の需要獲得に向け引き続き魅力ある新商品開発を推進するほか日本産米粉の優位性の情報発信やノングルテン米粉の製造手法マニュアルの作成など輸出を含めた日本産米粉の需要拡大に向けた取組を支援していくこととしています

予 算 措 置

【水田活用の直接支払交付金】水田を活用して米粉用米等の作物を生産する農業者に対し交付金を直接交付 (米粉用米収量に応じ55万円~105万円10a)

【農山漁村振興交付金】米粉飼料用米の生産加工に係る施設整備に対し交付金を交付(補助率定額12)

【持続的生産強化対策事業】

日本産米粉の優位性の情報発信ノングルテン米粉の製造手法マニュアルの作成米粉用米生産者と製造事業者とのマッチング

等の取組を支援

金 融 措 置

【日本政策金融公庫による低利融資】(食品安定供給施設整備資金)

米粉製造施設米粉を原料とした食品の製造加工施設等への融資

(輸出を含めた日本産米粉の需要拡大支援事業)

(補助率定額)

【外食産業等と連携した需要拡大対策事業】

国産農林水産物食品の輸出等需要フロンティアの開拓を図るため産地と複数年契約を締結する民間企業(外食加工業者)に対し国産農林水産物を活用した新商品の開発やそれに必要な技術開発等を支援 (補助率定額12)

- 35 -

【農林水産物食品輸出促進緊急対策事業】コメ海外市場拡大戦略プロジェクトに参加する輸出産地や輸出事業者等が連携して戦略的に取り組む中国等の海外市場開拓プロモーション等を支援

(補助率定額12)

品目 現在の関税率 合意内容

小麦

枠内税率無税+マークアップ

枠外税率55円kg

現行の国家貿易制度を維持するとともに枠外税率(55円kg)を維持

既存のWTO枠に加え米国(15万(7年目以降))【不適用】カナダ(53万(同))豪州(5万(同))にSBS方式の国別枠を設定

マークアップを9年目までに45削減

大麦

枠内税率無税+マークアップ

枠外税率39円kg

現行の国家貿易制度を維持するとともに枠外税率(39円kg)を維持

既存のWTO枠に加えSBS方式のTPP枠(65万(9年目以降))を設定

マークアップを9年目までに45削減

1 TPP11協定概要(麦)(平成30年12月30日発効)

Ⅴ TPP11及び日EUEPAの協定概要(麦関係)

(参考主な麦製品)

現在の関税率合意内容

税率 枠数量

いった小麦小麦粉等

(国家貿易品目)

枠内税率125~25+マークアップ

枠外税率85~134円kg

枠内即時無税+マークアップ

(枠外税率は維持)

(発効時) (6年目)125千rarr175千

ベーカリー製品製造用

小麦粉調製品16~24

枠内即時無税(枠外税率は維持)

(発効時) (6年目)米国 105千rarr12千【不適用】米国以外 68千rarr 8千

その他小麦粉調製品

16~28枠内即時無税

(枠外税率は維持)(発効時) (6年目)15千rarr225千

マカロニスパゲティ

30円kg9年目までに60削減

ビスケット 1315 6年目に無税 -

注1)いった小麦とは小麦をいったものであり主にシリアル食品等に使用される

2)その他小麦粉調製品とは製麺まんじゅう等のベーカリー製品以外の製造用の

小麦粉調製品である

- 36 -

2 日EUEPA協定概要(麦)(平成31年2月1日発効)

品目 現在の関税率 合意内容

小麦

枠内税率無税+マークアップ

枠外税率55円kg

現行の国家貿易制度を維持するとともに枠外税率(55円kg)を維持

既存のWTO枠に加えSBS方式のEU枠(270(7年目以降))を設定

枠内のマークアップを9年目までに45削減

大麦

枠内税率無税+マークアップ

枠外税率39円kg

現行の国家貿易制度を維持するとともに枠外税率(39円kg)を維持

既存のWTO枠に加えSBS方式のEU枠(30(即時))を設定

枠内のマークアップを9年目までに45削減

(参考主な麦製品)

現在の関税率合意内容

税率 枠数量

いった小麦小麦粉等

(国家貿易品目)

枠内税率125~25+マークアップ

枠外税率85~134円kg

枠内即時無税+マークアップ

(枠外税率は維持)

(発効時) (6年目)38千rarr44千

ベーカリー製品製造用

小麦粉調製品16~24

枠内即時無税(枠外税率は維持)

(発効時) (6年目)104千rarr142千

その他小麦粉調製品

16~28枠内即時無税

(枠外税率は維持)(発効時) (6年目)

2千rarr3千

マカロニスパゲティ

30円kg 11年目に無税 -

ビスケット 1315 6年目に無税 -

注1)いった小麦とは小麦をいったものであり主にシリアル食品等に使用される

2)その他小麦粉調製品とは製麺まんじゅう等のベーカリー製品以外の製造用の

小麦粉調製品である

(参考) 麦の国境措置

小 麦 大 麦

輸入数量

価格

輸入数量

価格

政府売渡価格

マークアップ(輸入差益)

452円kgを上限

輸入価格

(枠内税率0円kg)

枠内輸入(国家貿易) 枠外輸入

(民間貿易)枠外税率を支払って輸入された数量(平成29年度)12千トン

WTOカレントアクセス数量5740千トン

枠外税率55円

政府売渡価格

輸入価格(枠内税率0円kg)

WTOカレントアクセス数量1369千トン

枠内輸入(国家貿易) 枠外輸入(民間貿易)

枠外税率を支払って輸入された数量(平成29年度)06千トン

枠外税率39円

民間貿易の場合の輸入価格

民間貿易の場合の輸入価格

286円kgを上限

マークアップ(輸入差益)

- 37 -

  • スライド番号 1
  • スライド番号 2
  • 麦の参考資料 麦の需給に関する見通し(動向編)
  • スライド番号 4
  • スライド番号 5
  • スライド番号 6
  • スライド番号 7
  • スライド番号 8
  • スライド番号 9
  • スライド番号 10
  • スライド番号 11
  • スライド番号 12
  • スライド番号 13
  • スライド番号 14
  • Ⅱ 小麦粉麦製品の生産と価格の動向
  • スライド番号 16
  • スライド番号 17
  • スライド番号 18
  • スライド番号 19
  • スライド番号 20
  • スライド番号 21
  • スライド番号 22
  • スライド番号 23
  • スライド番号 24
  • スライド番号 25
  • スライド番号 26
  • スライド番号 27
  • スライド番号 28
  • スライド番号 29
  • スライド番号 30
  • スライド番号 31
  • スライド番号 32
  • スライド番号 33
  • スライド番号 34
  • スライド番号 35
  • スライド番号 36
  • スライド番号 37
  • スライド番号 38
  • スライド番号 39
  • スライド番号 40
  • スライド番号 41
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(2)製粉企業のコスト削減や品質安全性の向上に向けた取組

製粉企業は生産能力の増強によるコスト削減や品質安全性の向上に向けた取組を進めています(図Ⅱ-4)

また国も農業競争力強化プログラムを策定し製粉企業の取組みを支援しています(図Ⅱ-5)

① 供給能力の強化等によるコストダウン

製粉企業は供給能力の強化生産性の向上と原料小麦の受入体制の整備によるコストダウンを図るため製粉工場や原料サイロの増強等の設備投資を行っています

② 資本業務の提携

製粉企業の中には他の製粉企業と資本業務提携を行うこと等により原料調達規模の拡大や生産の効率化等による競争力の強化を図る取組もみられます

③ 品質安全性の向上

製粉企業は近年消費者の安全安心への関心が高まる中食品の品質安全性を確保するための設備やAIB食品安全システムの導入ISO認証の取得等様々な取組を行っています

④ 工場の集約化

大手製粉企業は内陸工場を閉鎖し海外からの原料調達に有利な臨海工場への集約を進めるとともに臨海工場の生産能力を増強させる等生産性の向上を図っています

⑤ 海外市場への進出

製粉企業の中にはアジア大洋州地域における買収や工場増設等海外市場に積極的な進出をする取組もみられます

① 供給能力の強化等によるコストダウン 日清製粉は関東地区の小麦サイロ収容力の増強を進め更なる原料小麦の安定供給を推進するため鶴見工場の原料小麦サイロを増設(平成28年)

日本製粉は神戸甲南工場の原料サイロの新設等(平成24年)千葉工場の原料サイロの増設(平成26年)を行い今後原料サイロを福岡工場及び知多新工場へ新設神戸甲南工場(第2期)へ増設する予定

千葉製粉は新たな顧客ニーズへの対応付加価値製品の創出等を図るため専用ラインを新設(平成27年)

② 資本業務提携 資本業務提携を行っている製粉企業

増田製粉所(兵庫) hArr 日東富士製粉

木田製粉(北海道)内外製粉(三重)奥本製粉(大阪)セントラル製

粉(愛知) hArr 昭和産業

東福製粉(福岡) hArr 日本製粉

③ 品質安全性の向上 多くの製粉企業がISO9001(品質マネジメントシステム)ISO22000(食品安全マネジメントシステム)の認証を受けることにより品質管理や食品安全管理を実施

④ 工場の集約化 日清製粉は生産性向上のため内陸工場を順次閉鎖し臨海工場への集約化を推進

筑後工場(福岡)鳥栖工場(佐賀) rarr 福岡工場(福岡)へ集約

(平成26年)

名古屋工場の2ライン rarr 知多工場(愛知)の新ラインへ集約

(平成27年)

日本製粉は生産性向上のため総生産能力の80を臨海部の大型工場に集約

⑤ 海外市場への進出状況(平成30年度) 日清製粉は豪州の小麦粉市場においてトップシェアを持つアライドピナクル社を買収またタイでは子会社の日清STC製粉がタイの製粉工場を買収するとともにベトナムでは業務用プレミックスの生産工場を建設することを決定

昭和産業はベトナムに新たにプレミックス製造会社を設立し生産工場を建設することを決定

図Ⅱ-4 製粉企業の各種取組の事例

- 17-

⑥ 再編合理化の取組

製粉企業の中には国の支援を活用した再編合理化の取

組もみられます

⑦ 地産地消の推進

中小製粉企業は地域とのつながりの強さや独自の立地

条件を活かした特色ある経営を模索する中で生産者と協

力した積極的な地産地消の取組を進めています

⑦ 地産地消の推進

岩手県主な実施者岩手県学校給食会岩手県パン工業組合県内製粉企業取 組 内 容 平成28年度から地元県産小麦(銀河のちからゆきちから)を

100使用した学校給食用パンを県内の小中学校に提供開始埼玉県

主な実施者埼玉産小麦ネットワーク「SWING group」(県内製粉企業が中心となり生産者加工業者販売業者等180社が加盟)

取 組 内 容 埼玉県産小麦のブランド価値を高めることなどを目的として埼玉県産小麦を自社製品に利用することで高付加価値商品の開発による自社の発展などを目指すとともに研修会の実施やイベントホームページなどを通じた消費者への情報提供を実施

京都府主な実施者地元製粉企業京都府全農京都府本部生産者府内製麺製

パン業者飲食店取 組 内 容 平成30年産から京都府産小麦品種を「せときらら」へ全面切替を

行ったことを機にブランド名を「京小麦」とし「京小麦」を100使用したメニューを参加店舗にて提供するイベント「京小麦の収穫祭」を平成31年1月21日から2月17日まで開催

福岡県主な実施者福岡県ラー麦普及推進協議会(県JA全農ふくれん県内製粉

業者5社製麺業者関係団体)取 組 内 容 以下の取組によりラーメン用小麦「ラー麦」を普及推進

産地への生産技術の普及指導 小麦品質評価最適製粉加工方法の検討 利用や消費を促進するための普及宣伝(試

食イベント等) 毎年産の製粉製麺適性評価および食味

官能評価の実施 平成21年に本小麦の名称「ラー麦」とロ

ゴデザインを商標登録しブランド化

- 18 -

2 生産者が有利な条件で安定取引を行うことができる流通加工の業界構造の確立

(1)生産者に有利な流通加工構造の確立現在の食料需給消費の実態等を踏まえた効率的機能

的で農業者と消費者双方がメリットを受けられる流通加工構造を確立するため以下のとおり取り組む

その際農林水産省経済産業省をはじめ政府一体となって取り組む①~⑦ (略)⑧ 加工業については生産性の低い工場が乱立している

種類の加工業界(製粉乳業等)について国は国際競争に対応できる生産性の確保を目指した業界再編設備投資等を推進することとし政府系金融機関の融資農林漁業成長産業化支援機構の出資等による支援を行う

⑨ 上記改革を推進するため農産物の流通加工に関し国の責務業界再編に向けた推進手法等を明記した法整備を進める

⑩ 上記改革を推進するため金融機関による流通加工関連産業の生産性向上に資する経営支援や資金供給の促進政府系金融機関や農林漁業成長産業化支援機構等との連携強化等を図る

図Ⅱ-5 農業競争力強化プログラム(抜粋)

(平成28年11月29日 農林水産業地域の活力創造本部決定)

⑥ 再編合理化の取組

製粉工場の廃棄撤去製粉施設の一部又は全部を撤去しミックス粉等の関連事業を拡大

(製粉工場等再編合理化事業(平成2728年度7件))

図Ⅲ-1 国内産小麦の収穫量と作付面積の推移

表Ⅲ-1 小麦の主な作付品種(平成29年産)

Ⅲ 国内産麦の生産と流通の動向

1 国内産麦の生産状況

(1)小麦

① 作付面積

近年の国内産小麦の作付面積は約21万haと横ばいで推移して

います平成30年産の作付面積は北海道は121万ha都府県

は91万ha全国では212万haとなり前年産並となっていま

② 収穫量

平成30年産の国内産小麦の収穫量は主産地の北海道での6

月中旬から7月中旬にかけての低温日照不足の影響により登

熟不良となったこと等から前年産に比べ北海道で134万ト

ン(22)減少都府県では05万トン(2)減少全国

では139万ha(15)減少の768万トンとなり(図Ⅲ-1)

10a当たりの平均収量対比は91となりました

③ 小麦の作付品種の状況

栽培品種については各産地の気候条件や用途等に適した品

種が作付されており29年産では日本麺用では「きたほなみ」

「さとのそら」「シロガネコムギ」といった品種パン

中華麺用では「春よ恋」「ゆめちから」といった品種が上位

を占めています(表Ⅲ-1)

資料農林水産省「作物統計」品種毎の面積は農林水産省政策統括官調べ

注品種の育成年についてはシロガネコムギは農林認定が行われた年

それ以外の品種は出願公表が行われた年としている

資料農林水産省「作物統計」30年産の数値は概算値

- 19 -

(千トン)

年産

910 881

674

571

746

858 812

852

1004

791

907

768

210 209 208 207 212 209 210 213 213 214 212 212

100

120

140

160

180

200

220

240

260

280

300

0

200

400

600

800

1000

H19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30

収穫量 作付面積(千ha)

品種名 育成年 作付面積(千ha) 割合 主な作付地域

きたほなみ 平成19年 878 41 北海道

さとのそら 平成21年 159 7 関東東海

シロガネコムギ 昭和49年 152 7 九州近畿

春よ恋 平成11年 143 7 北海道

ゆめちから 平成20年 137 6 北海道

上位5品種計 1469 69

小麦作付面積 - 2123

図Ⅲ-2 国内産大麦及びはだか麦の収穫量と作付面積の推移

表Ⅲ-2 大麦及びはだか麦の主な作付品種(平成29年産)

(2)大麦及びはだか麦

① 作付面積

近年国内産大麦及びはだか麦の作付面積は約6万と横ば

いで推移しており平成30年産は前年産と比較すると二条

大麦は前年産並六条大麦は800ha(4)減少はだか麦

で460ha(9)増加となり全体では340ha(1)減少の

61万haとなりました(図Ⅲ-2)

② 収穫量

平成30年産の大麦及びはだか麦の収穫量は二条大麦及びは

だか麦はおおむね天候に恵まれ生育が順調で登熟も良好

であったこと等から前年産に比べ二条大麦は01万トン

(1)増加はだか麦は01万トン(8)増加となりました

六条大麦については北陸地方において大雪の影響で融雪時期

が遅れたこと等により穂数が少なくなり前年産に比べ14万

トン(26)減少しました

この結果大麦及びはだか麦の収穫量は合計で173万トンと

なり前年産に比べて12万トン(6)減少となりました

(図Ⅲ-2)

③ 大麦及びはだか麦の作付品種の状況

栽培品種については各産地の気候条件や用途等に適した品

種が作付されており29年産では二条大麦はビール用の「サ

チホゴールデン」六条大麦は主食用や麦茶用の「ファイ

バースノウ」はだか麦は麦味噌用の「マンネンボシ」いっ

た品種が上位を占めています(表Ⅲ-2)

資料農林水産省「作物統計」30年産の数値は概算値

- 20 -

(千トン)

資料農林水産省「作物統計」農林水産省調べ

注品種の育成年についてはシュンライイチバンボシは農林認定が行われ

た年それ以外の品種は出願公表が行われた年としている

195 217

179 161

172 172 183

170 177 170 185

173

54 57 58 59 60 60 59 60 61 61 61 61

0

10

20

30

40

50

60

70

80

90

100

0

50

100

150

200

250

H19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30

収穫量 作付面積 (千ha)

年産

麦種 品種名 育成年作付面積(千ha)

割合 主な作付地域

二条大麦

サチホゴールデン 平成18年 189 31 九州関東中国

はるしずく 平成17年 44 7 九州

ニシノホシ 平成11年 27 4 九州

六条大麦

ファイバースノウ 平成13年 107 17 北陸関東東海

シュンライ 平成2年 33 5 関東東北近畿

カシマゴール 平成22年 13 2 関東東海

はだか麦

マンネンボシ 平成13年 15 2 四国

イチバンボシ 平成4年 14 2 四国九州

トヨノカゼ 平成18年 11 2 九州中国

大麦はだか麦作付面積

- 614

資料農林水産省調べ

Aランク評価項目の基準値を3つ以上達成しかつ許容値を全て達成している麦Bランク評価項目の基準値を2つ達成しかつ許容値を全て達成している麦Cランク評価項目の基準値を1つ達成しかつ許容値を全て達成している麦

評価項目の基準値を2つ以上達成しているものの許容値を達成していない麦DランクA~Cランクのいずれにも該当しない麦

【評価項目】①小麦 日本麺用パン中華麺用(たんぱく灰分容積重フォーリングナンバー)

醸造用(たんぱく3項目容積重)②二条大麦 主食等用(容積重細麦率白度正常粒率)

麦茶用(たんぱく3項目細麦率)③六条大麦はだか麦 主食等用(容積重細麦率白度硝子率)

麦茶用(たんぱく3項目細麦率)

(参考) 麦の品質区分

(単位)

- 21 -

(2)品質評価

たんぱく質や灰分の含有率等に基づく品質評価結果につい

ては平成30年産の小麦ではAランクが899となってお

り過去5年平均(Aランク比率849)と比べ5ポイン

ト高くなっています

また平成30年産の大麦はだか麦ではAランクが

849となっており過去5年平均(Aランク比率832)

と比べ17ポイント高くなっています(表Ⅲ-4)

表Ⅲ-4 平成30年産麦の品質評価結果

2 国内産麦の品質状況

(1)農産物検査① 平成30年産の小麦について全国の1等比率は761

(平成30年12月末時点)と過去5年平均799と比較して低くなっています(表Ⅲ-3)

② 平成30年産の小粒大麦大粒大麦はだか麦及びビール大麦について1等比率は大粒大麦を除き過去5年平均と比較して低くなっています(表Ⅲ-3)

表Ⅲ-3 国内産麦の1等比率の推移(単位)

Aランク Bランク Cランク DランクAランク

過去5年平均(平成25~29年産)

小 麦 899 67 33 01 849

大麦はだか麦

849 37 108 06 832

注1)各年産翌年4月末時点の値であるただし平成30年産は30年12月末時点の値である

2)強力小麦の検査数量を含む値である

3 国内産麦に対する支援

平成31年度は経営所得安定対策等の対策のうち主に畑作

物の直接支払交付金と水田活用の直接支払交付金により国内

産麦に対する支援が行われます

(1)畑作物の直接支払交付金

畑作物の直接支払交付金として麦を生産する農業者に対

し標準的な生産費と標準的な販売価格の差額分を直接交付

することとしています

支払いは当年産の麦の品質及び生産量に応じて交付する

数量払を基本とし当年産の麦の作付面積に応じて交付する

面積払(営農継続支払)を数量払の先払いとして交付する仕

組みにしています

数量払の交付単価は品質に応じた単価を設けており需要

に応じた生産と品質に対する営農努力を適切に反映させる仕

組みになっています(表Ⅲ-5)

表Ⅲ-5 畑作物の直接支払交付金の麦の交付単価

(円単位数量)

品質区分(等級ランク)

1等 2等

A B C D A B C D

小麦(パン中華麵

用品種)(60kg当たり)

9040 8540 8390 8330 7880 7380 7230 7170

小麦(パン中華麺用品種以外)(60kg当たり)

6740 6240 6090 6030 5580 5080 4930 4870

二条大麦(50kg当たり) 5550 5130 5010 4960 4690 4270 4140 4090

六条大麦(50kg当たり) 6030 5610 5480 5430 5000 4580 4460 4410

はだか麦(60kg当たり) 8650 8150 8000 7910 7080 6580 6430 6350

(参考)

【平均交付単価小麦6940円60kg二条大麦5490円50kg六条大麦5720円50kg

はだか麦8230円60kg】

②面積払

当年産の作付面積に応じて交付 2万円10a

①数量払(品質に応じた単価)

- 22 -

【平成31年産に適用】

標準的な生産費

差額

ゲタ交付単価

標準的な販売価格

【交付単価のイメージ】lt畑作物の直接支払交付金のイメージgt

面積払(数量払の際に控除されます)

数量払

収量

交付金額

(2)水田活用の直接支払交付金

水田のフル活用を推進し食料自給率自給力の向上を図

るため水田で麦を生産する農業者に対しては畑作物の直

接支払交付金に加え水田活用の直接支払交付金(35000円

10a)を直接交付することとしています(表Ⅲ-6)

表Ⅲ-6 水田活用の直接支払交付金の交付単価

作 物 単 価

麦大豆飼料作物 35000円10a

WCS(ホールクロップサイレージ)用稲 80000円10a

加工用米 20000円10a

飼料用米米粉用米収量に応じ

55000円~105000円10a

このほか「産地交付金」により地域で作成する水田フル活用ビジョンに基づき二毛作や耕畜連携を含め産地づくりに向けた取組を支援します

戦略作物助成

注実需者等との出荷販売契約等を締結すること出荷販売することが要件

- 23 -

4 国内産食糧用麦の流通動向

(1)取引の概要

国内産食糧用麦は加工原料としての商品特性から需要に応じて計画的に生産できるようは種前契約に基づく取引が行われています

まず取引の指標となる透明性のある適正な価格を形成するためは種前に販売予定数量の3~4割(具体の比率は民間流通地方連絡協議会の協議を踏まえ決定)について入札が行われます残りは相対取引が行われておりその価格については入札で形成された指標価格(落札加重平均価格)を基本として取引当事者間で決められています(図Ⅲ-3)

また取引を円滑に進めるため生産者需要者等で構成される民間流通連絡協議会において取引に必要な情報交換取引に係る基本事項の見直し等が行われています(表Ⅲ-7)

今後とも国内産食糧用麦については円滑な流通が確保されるようは種前契約を基本としつつ適切に対応していきます

図Ⅲ-3 国内産食糧用麦の基本的な流通フロー

表Ⅲ-7 国内産食糧用麦の入札の仕組み

項 目 概 要 見直しの変遷

実施主体 一般社団法人 全国米麦改良協会

実施時期 は種前に2回実施(8~9月)平成13年産から1回rarr2回へ見直し

上場数量

産地銘柄別に販売予定数量が小麦3千トン以上大麦はだか麦1千トン以上の銘柄についてその30~40を上場(ほかに希望上場あり)

平成31年産から30rarr30~40へ見直し

基準価格

小麦は前年産の落札加重平均価格に当年産の入札実施時点での外国産麦の政府売渡価格の変動率を乗じた価格大麦はだか麦は前年産の落札加重平均価格

小麦の外国産麦との連動は平成24年産から実施

値幅制限 基準価格のplusmn10

小麦平成12年産~16年産plusmn5平成17年産~21年産plusmn7平成22年産plusmn10平成23年産plusmn30平成24年産~ plusmn10大麦はだか麦平成12年産~18年産plusmn5平成19年産~21年産plusmn7平成22年産plusmn10平成23年産plusmn15平成24年産~ plusmn10

取引価格の事後調整(小麦のみ)

外国産食糧用小麦の政府売渡価格の改定(410月)に合わせては種前の入札又は相対により契約された価格に外国産食糧用小麦の政府売渡価格の変動率を乗じて取引価格を改定

平成23年産から実施

申込限度数 量

買い手別に上場数量times買受実績シェアtimes145

小麦は平成17年産から大麦及びはだか麦は平成19年産から135rarr145へ見直し

相対取引入札で形成された指標価格を基本に生産者団体と需要者の間で協議決定

平成19年産から過去の実績シェアに基づく取引ルールを廃止

再入札

第1回入札及び第2回入札において落札残数量が発生した場合は売り手の希望により再度入札に付すか相対による契約を行うかいずれかの方法をとることができる

平成25年産から売り手の申し出により再入札における入札の値幅を設定できること等を規定

生産者団体から販売予定数量需要者団体から購入希望数量の相互提示

入札取引の実施(販売予定数量の約3~4割)

相対取引の実施(販売予定数量の約6~7割)

は 種(秋まき春まきは収穫年の4月)

収 穫 及 び 検 査

生産者団体と需要者の間では種前に契約を締結

需 要 者 へ 引 渡 し

<生産の流れ>

麦の生育期間

<契約の流れ>

は種前契約に基づき計画的に作付(は種)

収穫前年7月~

8~9月

9月~

~12月

6~8月

6月~

収穫年26年産から国内産麦の需要拡大を図るため地域の食文化のブランド化等による高付加価値化の取組等に対し安定的な原料供給が可能となる需要拡大推進枠を導入

- 24 -

表Ⅲ-8 国内産食糧用麦の供給量 (単位千トン)

注集荷団体からの聞き取り数量である

(2)流通の動向

平成30年産の国内産食糧用小麦の供給量は前年産から

約14万4千トン減少し約70万1千トンとなっています

また国内産食糧用大麦及びはだか麦の供給量は前年

産から約3千トン減少し約10万3千トンとなっています

(表Ⅲ-8)

生産者側から提示された平成31年産麦の販売予定数量は

国内産食糧用小麦で約82万4千トン国内産食糧用大麦及

びはだか麦で約10万8千トンとなっています

一方需要者側から提示された平成31年産麦の購入希望

数量は国内産食糧用小麦で約86万3千トン国内産食糧

用大麦及びはだか麦で約13万トンとなっています(表Ⅲ-

9)

表Ⅲ-9 国内産食糧用麦の販売予定数量及び購入希望数量の推移(単位千トン)

資料民間流通連絡協議会調べ注四捨五入の関係で差し引きが一致しないことがある

- 25 -

年産 20 21 22 23 24 25 26 27 28 2930

(見込)

小   麦 841 639 532 694 811 767 808 946 734 845 701

大麦はだか麦 125 100 84 98 93 105 103 103 92 106 103

年産 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31

販売予定数量① 887 906 909 951 948 909 905 880 820 846 834 824

購入希望数量② 833 880 818 859 904 869 751 802 834 875 880 863

①-② 54 25 91 91 44 40 154 78 14 29 46 39

(①-②)①() 61 28 100 96 47 44 170 89 18 34 55 47

販売予定数量① 121 132 134 127 122 116 110 112 113 112 108 108

購入希望数量② 199 219 135 149 147 138 141 149 145 138 148 130

①-② 78 87 1 23 26 21 31 37 32 26 39 22

(①-②)①() 640 660 06 179 209 182 282 330 284 234 363 204

表Ⅲ-10 国内産食糧用麦の入札結果の推移

資料一般社団法人全国米麦改良協会調べ

注1価格は税込み(26年産までは527年産以降は8)である

ただし31年産の落札価格は一般社団法人全国米麦改良協会公表の価格(税抜き)を基に農林水産省で税込み価格を算出

5 国内産食糧用麦の価格の動向

(1)平成31年産の入札の概要

平成31年産麦の入札は第1回は平成30年9月12日に第

2回は平成30年9月26日に実施されました

麦種別の入札結果をみると小麦は上場数量約21万4千

トンのうち約20万4千トンが落札(落札率954)され落

札価格は61714円トン(対前年産比1151)となりました

小粒大麦は上場数量約1万1千トンのうち約1万1千

トンが落札(落札率991)され落札価格は46560円トン

(対前年産比997)となりました

大粒大麦は上場数量約7千8百トンのうち5千6百トン

が落札(落札率717)され落札価格は46923円トン(対

前年産比879)となりました

はだか麦は上場数量約2千3百トンのうち約2千1百

トンが落札(落札率897)され落札価格は50817円トン

(対前年産比961)となりました(表Ⅲ-10)

なお国内産小麦については近年消費者の国産志向の高

まりなどを受け大手外食チェーンや2次加工メーカーが国

内産小麦を使用したパン中華麺等の商品を相次いで発表す

るなど人気が高まってきていますこれらを背景として平

成31年産小麦の落札価格は多くの銘柄で値幅制限の上限付

近となっておりまた申込倍数も14倍と高いものとなって

います

- 26 -

20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31

上場数量

(トン)①243510 243020 242310 251370 250980 244880 244320 234010 213360 221380 218500 214200

落札数量

(トン)②234930 238410 189350 247770 245320 220590 188240 192240 201140 214060 210560 204420

落札率

②①965 981 781 986 977 901 770 822 943 967 964 954

落札価格

(円トン)43229 59885 55241 48732 58340 49333 49319 49770 54164 51570 53624 61714

対前年産比 1064 1385 922 882 1197 846 1000 1009 1088 952 1040 1151

上場数量

(トン)①12240 13590 14210 13300 11760 11220 11290 11930 12210 12200 11750 11040

落札数量

(トン)②12050 13510 14040 13170 11550 10850 10900 11830 12090 12200 11440 10940

落札率

②①984 994 988 990 982 967 965 992 990 1000 974 991

落札価格

(円トン)45479 59709 53448 45871 46485 46453 46290 47595 47565 46880 46708 46560

対前年産比 1084 1313 895 858 1013 999 996 1028 999 986 996 997

上場数量

(トン)①10020 9690 10330 9290 9000 8700 7210 7620 7450 7620 6880 7810

落札数量

(トン)②8880 8920 8910 7990 7990 7830 6480 7130 6600 6700 6340 5600

落札率

②①886 921 863 860 888 900 899 936 886 879 922 717

落札価格

(円トン)36532 50492 46097 39649 40394 41582 42881 45740 47827 50442 53384 46923

対前年産比 1059 1382 913 860 1019 1029 1031 1067 1046 1055 1058 879

上場数量

(トン)①2910 3150 3030 3260 3060 2830 2840 2890 2740 2660 2570 2330

落札数量

(トン)②2910 3150 3030 3090 3020 2830 2810 2810 2520 2600 2470 2090

落札率

②①1000 1000 1000 948 987 1000 989 972 920 977 961 897

落札価格

(円トン)42222 58527 61489 52791 51905 52294 49656 47712 46547 48527 52876 50817

対前年産比 1063 1386 1051 859 983 1007 950 961 976 1043 1090 961

年産

小麦

小粒大麦(六条大麦)

大粒大麦(二条大麦)

はだか麦

平成31年産国内産食糧用小麦の入札結果をみると産地別銘柄別

の需給状況等を反映して落札価格に差が生じています

代表的な銘柄である北海道産「きたほなみ」は前年産の価格を

153上回る64752円トン香川県産「さぬきの夢2009」は前

年産の価格を152上回る73186円トンとなりましたまたパ

ン中華麺用の北海道産「ゆめちから」は前年産の価格を180

上回る62777円トン北海道産「春よ恋」は前年産の価格を

180上回る68792円トンとなりました(図Ⅲ-4図Ⅲ-5)

図Ⅲ-4 平成31年産国内産食糧用小麦の産地別銘柄別落札価格

資料農林水産省調べ注外国産小麦5銘柄加重平均価格は平成30年4月期の輸入小麦の政府売渡価格である

(2)平成31年産国内産食糧用小麦の産地別銘柄別落札価格の動向

資料農林水産省調べ注1国内産小麦の価格は(一社)全国米麦改良協会が実施する民間流通麦にかかる入札の第1回第2回

及び再入札の落札加重平均価格(税込み)年産の下段の( )内は当該第1回入札の実施年月である注2外国産小麦の価格は18年までは当該年度平均の実績価格であり19年以降は民間流通麦にかかる第

1回入札の実施年月時点での輸入小麦の政府売渡価格(5銘柄平均)である注3ホクシン(きたほなみ)については22年産までは「ホクシン」の価格であり23年産からは「きたほ

なみ」の価格である注4さぬきの夢については24年産までは「さぬきの夢2000」の価格であり25年産からは「さぬきの夢

2009」の価格である注5農林61号(さとのそら)については23年産までは「農林61号」の価格であり24年産からは「さとの

そら」の価格である

図Ⅲ-5 国内産食糧用小麦の産地別銘柄別落札価格の推移

- 27 -

(単位円トン税込み)

30000

60000

北海道ゆめちから 62777

福岡ミナミノカオリ 68393

滋賀農林61号 50763

茨城さとのそら 46310

佐賀チクゴイズミ 52193

岩手ゆきちから 39929

全銘柄落札加重平均 61714

香川さぬきの夢2009 73186

北海道きたほなみ 64752

外国産小麦5銘柄加重平均 54370

群馬さとのそら 48669

北海道キタノカオリ 63090

大分チクゴイズミ 48265

福岡シロガネコムギ 50643

佐賀シロガネコムギ 47998

40000

福岡チクゴイズミ 52203

滋賀ふくさやか 49534

岐阜イワイノダイチ 46874

埼玉さとのそら 47159

宮城シラネコムギ 44607

群馬つるぴかり 49785

北海道春よ恋 68792

愛知きぬあかり 50114

北海道はるきらり 60201

50000

埼玉あやひかり 46072

岐阜さとのそら 45919

70000

30000

40000

50000

60000

70000

80000

90000

100000

110000

120000

130000

12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 年産

(単位円トン税込み)

北海道ホクシン

香川さぬきの夢200973186円

茨城農林61号

香川さぬきの夢2000

茨城さとのそら

46310円

北海道きたほなみ

64752円

北海道ゆめちから

62777円

外国産小麦

5銘柄平均

54370円

北海道春よ恋

68792円

(128) (138) (148) (158) (168) (178)(1810) (199) (208)(2110)(2212) (239) (2410)(2510)(269)(279) (289) (299)(119) (309)

6 国内産麦の新品種の育成状況

(1)国内産麦については縞萎縮病抵抗性や耐倒伏性を備え

需要者等のニ-ズに合った新品種の開発が進められています

また作付け面積が1万haを超える「ゆめちから」「さとの

そら」をはじめ多数の品種が生産現場に導入されています

(図Ⅲ-6)

(2)今後とも赤かび病抵抗性や穂発芽耐性が高い小麦品種

小麦粉の色相や製粉性が優れる日本麺用小麦品種パンの膨

らみがカナダ産「1CW」並の小麦品種焼酎押麦味噌

などの加工適性が高い大麦品種等の開発を推進します

小麦品種「ゆめちから」及び「さとのそら」は優れた栽培特性

と加工適性を備えており作付けが拡大しています(平成29年

推定値「ゆめちから」約1万2千ha「さとのそら」約1万5

千ha)

パン用小麦品種の開発近年国産の小麦粉を使ったパンの需要増加に応えるためグルテンやでん粉の組成などパンの膨らみに関連する特性に注目した育種が進められていますその結果平成25年に製パン適性が「1CW」に近く多収の「せときらら」平成29年にはパン生地の力が強く穂発芽耐性や赤かび抵抗性が改良された「夏黄金」が育成されました

加工適性の高い大麦品種の開発機能性成分β-グルカンを多く含むもち性大麦の需要の高まりに応えるため平成29年に「はねうまもち」が育成されましたまた高品質なはだか麦の需要増加に対応して平成24年に味噌加工適性の高い「ハルヒメボシ」が育成されました

図Ⅲ-6 平成19年以降に育成された麦類の主な新品種

日本麺用小麦ゆめきらり

パン用小麦ゆめかおり福井県大3号

六条大麦ホワイトファイバー

北信越

日本麺用小麦あおばの恋

パン用小麦銀河のちから

東北

日本麺用小麦さとのそらきぬあかり

パン用小麦ゆめかおり

二条大麦とちのいぶき彩の星アスカゴールデンニューサチホゴールデン

六条大麦カシマゴール

はだか麦キラリモチ

関東東海

日本麺用小麦ふくはるかさぬきの夢2009

パン用小麦ゆめちからせときらら

はだか麦ハルヒメボシ

近畿中国四国

中華麺用小麦ちくしW2号

二条大麦煌二条白妙二条はるか二条トヨノホシ

九州

日本麺用小麦きたほなみ

中華麺用小麦つるきち

パン用小麦ゆめちからはるきらり

二条大麦札育2号

北海道

新品種のうち平成30年産で概ね100ha以上作付けされていると推定される品種を選定(農林水産省調べ)

- 28 -

7 国内産麦を利用した製品の動向

食料自給率の向上を図るためには国内産麦の需要開拓を行う

ことが必要です最近の消費者の国産志向の高まりや生産者と実

需者が一体となった地産地消の推進地域農業の振興を図る取り

組み等から国内産麦を使った麦製品(パン麺等)が増えてき

ており中には国内産麦を100使用した商品もあります(図Ⅲ-

7)

- 29 -

8 民間流通制度の運用改善

国内産麦の人気の高まりにより近年需要量が生産量を上回

る状況が継続しており国内産麦を積極的に使用したい実需者が

必要量を確保できない等の課題もあります

このような課題に対応するため民間流通連絡協議会において

入札上場比率の選択制の導入需要拡大推進枠設定の要件緩和

相対取引需要拡大推進枠において多様な取組が可能であること

の明確化等民間流通制度の運用改善が行われました(図Ⅲ-

8)

ピッツァ専用粉(北海道)(小麦)地元の製粉企業が北海道産小麦(きたほなみキタノカオリゆめち

から)を100使用した国内で初めてのピッツァ専用粉を開発平成30年2月に都内で試食会を開催し平成30年5月から販売

ピッツァ専用粉(群馬県)(小麦)地元の製粉企業が地元のピッツァ専門店ピッツァ窯メーカーと協力

して品質改良を重ね群馬県産小麦(さとのそらつるぴかりきぬの波)を100使用したピッツァ専用粉を平成30年4月から発売ピッツァイベントやイタリアン食材の展示会に出展

学校給食用パン(東京都)(小麦)都学校給食会の「学校給食パン加工規格」による配合基準に基づき国

内産小麦を100使用した学校給食パンを平成27年度から都内の一部の小中学校で提供を開始平成28年度からは都内全域の規格として採用

〇 市販用中華麺(愛知県)(小麦)地元の製粉企業が自社製品として愛知県産小麦きぬあかりを100使用

した中華麺を平成30年6月から自社通販で販売平成30年8月から一般販売を開始

フランスパン用粉(佐賀県)(小麦)近県製粉企業が農研機構と共同で育成した九州地域等の暖地温暖地

向けのフランスパン加工適性に優れる準強力小麦品種「さちかおり」を100使用したフランスパン用粉を平成30年8月から発売

市販用ゆで麺(長崎県)(小麦)地元の製麺企業近県製粉企業県生麺協同組合JA県等が連携し

平成26年3月に「長崎県育成麦活用開発協議会」を立ち上げ長崎県産長崎W2号(商標登録名長崎ちゃん麦)を100使用したちゃんぽん用のゆで麺を平成29年4月に製品化原料小麦の生産量が整った段階での本格販売を予定

もち性大麦を使用した機能性表示食品(静岡県)(大麦)地元の精麦企業が国内産もち性大麦でβ-グルカン量の多い銘柄を使用し

炊飯用精麦を製品化機能性表示食品として平成29年1月に届出し十分な原料を手当でき次第随時販売予定

〇 もち性大麦を使用したシリアル(愛知県)(大麦)地元の精麦企業が食物繊維が20を超える愛知県産もち性大麦「ワキ

シーファイバー」を使用した国内産もち麦100シリアルを開発平成30年4月から販売開始

図Ⅲ-7 国内産麦を100使用した商品事例

図Ⅲ-8 民間流通制度の運用改善のポイント

0

50

100

150

200

250

300

350

400円千人

大手製パンメーカーA社が国内産小麦100使用の新製品を発売

大手製食品スーパーB社が国内産小麦100使用の新製品をPBで発売

大手製パンメーカーA社が国内産小麦100使用の製品を初めて発売

(参考)国内産小麦を利用した製品の販売状況

(1)国内産小麦100使用の食パンの販売額

大きなシェアを占めるにはいたっていないものの国内産

小麦を100使用した食パンの販売金額の推移を見ると新製

品が登場する度に国内産小麦100使用の食パン市場が拡大し

ています(図Ⅲ-9)

図Ⅲ-9 国内産小麦100使用の食パンの販売額の推移(首都圏)

資料日本経済新聞デジタルメディア社による首都圏のスーパーマーケットなど100店舗におけるPOSデータに基づき農林水産政策研究所において集計

注食パンのうち国内産小麦を100使用していることが明らかな製品のみ計上菓子パン等は含んでいない

表Ⅲ-11 生麺ゆで麺(チルド)の販売金額のシェア(首都圏平成30年)

資料日本経済新聞デジタルメディア社による首都圏のスーパーマーケットなど120店舗におけるPOSデータに基づき農林水産政策研究所において集計

(2)生麺ゆで麺(チルド)の販売金額

生麺ゆで麺全体で上位15製品の売上高に占める国内産

小麦使用表示のある製品のシェアは30となっていますま

た主要な麺製品のうどんラーメン冷やし中華焼そば

全てで国内産小麦使用製品がランクインしています(表Ⅲ

-11)

2013年 2014年 2015年 2016年 2017年 2018年 2019年

                      (単位)

製品の種類製造企業の規模産地表示販売金額シェア

焼そば大手製品(国内産小麦使用表示なし) 99そば大手製品(国内産小麦使用表示なし) 27冷やしラーメン大手製品(国内産小麦使用表示なし) 20うどん大手製品(北海道産小麦使用表示あり) 20ラーメン大手製品(北海道産小麦使用表示あり) 14冷やし中華大手製品(国内産小麦使用表示なし) 14うどん大手製品(国内産小麦使用表示あり) 13焼そば大手製品(国内産小麦使用表示なし) 12焼うどん大手製品(国内産小麦使用表示なし) 12うどん大手製品(国内産小麦使用表示あり) 11焼そば大手製品(国内産小麦使用表示あり) 11そうめん大手製品(国内産小麦使用表示あり) 10うどんPB製品(北海道産小麦使用表示あり) 10つけ麺大手製品(国内産小麦使用表示なし) 10冷麺中小製品(国内産小麦使用表示なし) 10

303

14

89

15上位15製品の売上高に占める国内産小麦使用表示のある製品の

シェア

順位

1

10111213

234567

- 30 -

図Ⅲ-10 外食産業等と連携した農産物の需要拡大対策事業(麦類)

9 国内産麦の需要拡大イベント及び情報発信の取組

近年生産者と実需者等が連携し国内産麦を使用した製品が

数多く開発販売されており各地でイベント等の需要拡大の

取組みが行われております

また農林水産省としては平成30年度産地と外食事業者等

が連携して行う国内産麦を活用した新商品の開発試作製

造するために必要な取組を支援する「外食産業等と連携した農

産物の需要拡大対策事業」を一般社団法人全国米麦改良協会を

実施主体として行っているところです

農林水産省のホームページにおいてこれらのイベント等につい

て情報発信を行うとともに一般社団法人全国米麦改良協会が

開設している国産麦応援情報ホームページでの情報提供等を

行っています(図Ⅲ-10~12)

「国内産麦使用試作品全国統一試食会商談会」開催日平成31年2月12日~19日(土日を除く)場 所むぎくらべ(東京都千代田区神田小川町)

内 容平成29年度補正予算事業「外食産業等と連携した農産物の需要拡大対策事業」の一環として行われた国内産麦を使用した試作品の試食会商談会

「国内産麦使用試作品全国統一試食会商談会」で出品された試作品

- 31 -

第8回全国ご当地うどんサミットin 熊谷 開催日平成30年11月10日~11日 場 所熊谷スポーツ文化公園にぎわい広

場(埼玉県) 内 容全国の国内産小麦を使用した「ご

当地うどん」が一堂に集まりグランプリを決定

図Ⅲ-11 全国各地で開催されたイベント 図Ⅲ-12 一般社団法人 全国米麦改良協会の取組

国産麦応援情報ホームページ「日本の麦の底力」内容国産小麦粉ブランド名鑑国産小麦の逸品イベント情報研究

情報等を掲載URL httpnihonnomugicom

北海道小麦キャンプ2018 in オホーツク 開催日平成30年7月10日~11日 場 所ホテル黒部を主会場としたオホーツ

ク管内(北海道) 内 容国内産小麦北海道産小麦の魅力

を全国に広めることを目的にバスツアーやパン講習会などを実施

麦わらぼうしフェスタ 開催日平成30年11月4日 場 所笠原産業株式会社(栃木県) 内 容国内産小麦を使用したうどんパン

などの試食販売うどん教室などを実施

第7回 信州粉もん祭り 開催日平成30年11月11日 場 所JAながの ちくま埴生支所(長野県) 内 容長野県産小麦を使用した「粉もん料

理」が大集合粉もん試食会や手打ちうどん講習会 などを実施

国内産麦アンテナショップ「むぎくらべ」内容国内産麦を使用した商品のPRと販売の場を提供するものとして

平成30年7月東京都千代田区にオープン

- 32 -

オープニングセレモニーには上月前農林水産大臣政務官(写真中央)も出席

10 食料農業農村基本計画における麦の位置付け

平成27年3月31日に平成37年度を目標とする「食料農業

農村基本計画」が閣議決定され小麦は95万トン大麦はだ

か麦は22万トンの生産努力目標が設定されています(表Ⅲ-

12)

食料消費の見通し 生産努力目標(万トン) 克服すべき課題

1人1年当たり消費量

(kg人年)

国内消費仕向量

(万トン)

平成25年度

平成37年度

平成25年度

平成37年度

平成25年度

平成37年度

小麦 33 32 699 611 81 95

国内産小麦の需要拡大に向けた産地形成やブランド化

実需者ニーズに対応した生産流通体制の確立

新品種新技術の開発導入輪作体系の最適化排水対策等による収量品質の高位安定化

農地の集積集約化経営規模の拡大に対応した省力化に資する技術の開発導入等による生産コストの低減

大麦はだか麦

03 02 208 213 18 22

外国産大麦が多く用いられている焼酎用等の国内産麦の需要拡大

実需者ニーズに対応した生産流通体制の確立

新品種新技術の開発導入輪作体系の最適化排水対策等による収量品質の高位安定化

農地の集積集約化経営規模の拡大に対応した省力化に資する技術の開発導入等による生産コストの低減

表Ⅲ-12 麦の平成37年度における食料消費の見通し及び生産努力目標

資料「食料農業農村基本計画」(平成27年3月閣議決定)注1)国内消費仕向量には飼料用等の食糧用以外の用途への仕向量を含む

2)大麦はだか麦の国内消費仕向量及び生産努力目標にはビール大麦を含む

- 33 -

Ⅳ 米粉に関する動向

1 生産動向

米粉用米の生産量は平成25年産以降2万トン前後で推移していましたが平成29年度以降は約3万トンまで回復しています(表Ⅳ-1)

2 需要拡大に向けた対応

米粉用米の利用量は平成24年度以降年間2万数千トンで推移していましたがグルテンを使用しない米粉商品の開発や新たな米加工品(α化米粉米ゲルなど)の保湿性や粘性に着目した商品の開発「米粉の用途別基準」や「ノングルテン米粉製品第三者認証制度」の運用開始により平成29年度は25千トン30年度は31千トンに増加しています(表Ⅳ-2)

今後の更なる国内海外の需要拡大のためノングルテン米粉や用途別基準に適合する高品質な日本産米粉の流通を契機とした魅力ある新商品の開発や日本産米粉の優位性の情報発信等を推進する必要があります

表Ⅳ-1 上位5県の米粉用米の生産量と作付面積の推移

(参考) 米粉及び小麦粉の販売価格(税抜き)

米粉100~290円kg程度

(小麦粉 100円kg程度)

注1)平成26~29年度については新規需要米取組計画を認定した全需要者からの聞き取り注2)平成30年度については新規需要米取組計画を認定した主要な需要者からの聞き取り

により推計

表Ⅳ-2 米粉用米の利用量(需要者からの聞き取り)

- 34 -

資料26~29年産は新規需要米生産集出荷数量30年産は新規需要米取組計画

認定数量(農林水産省)

(単位千トン)

26年度 27年度 28年度 29年度 30年度見込

22 23 23 25 31

(単位千トン千ha)

26年産 27年産 28年産 29年産 30年産

生産量 59 97 87 130 107作付面積 11 18 15 24 19生産量 10 10 09 30 31作付面積 02 02 02 06 06生産量 08 10 00 19 30作付面積 01 02 00 03 06生産量 10 12 12 12 16作付面積 02 03 02 02 03生産量 20 24 07 12 13作付面積 03 04 01 02 02生産量 184 230 190 284 281作付面積 34 42 34 53 53

秋田県

全国計

新潟県

埼玉県

栃木県

群馬県

農林水産大臣は米穀の新用途への利用の促進に関する基本方針を定める

生産製造連携事業計画

生産者 製造事業者 促進事業者

必須

米穀の新用途への利用の促進に関する法律

米穀の新用途への利用の促進に関する基本方針

関係者が連携して計画を作成米穀の新用途への利用の促進に関する基本方針に照らし適切な計画について農林水産大臣が認定(計画期間は3~5年)

図Ⅳ 米粉用米に対する支援措置

3 米粉用米に対する支援

① 米粉用米についてはその利用の拡大を図るために平成21年に「米穀の新用途への利用の促進に関する法律」が制定されました同法に基づく「生産製造連携事業計画」の認定を受け「農山漁村

活性化計画」の採択を受けた取組に対して米粉用米の生産加工に必要な施設整備等の支援を行っています

② 米粉用米の生産者に対しては水田活用の直接支払交付金による支援を行っていますまたノングルテン米粉表示や米粉の用途別基準により需要者ニーズに合った高品質な米粉の製造や輸出拡大の取組を支援しています

③ 平成31年度は国内海外の需要獲得に向け引き続き魅力ある新商品開発を推進するほか日本産米粉の優位性の情報発信やノングルテン米粉の製造手法マニュアルの作成など輸出を含めた日本産米粉の需要拡大に向けた取組を支援していくこととしています

予 算 措 置

【水田活用の直接支払交付金】水田を活用して米粉用米等の作物を生産する農業者に対し交付金を直接交付 (米粉用米収量に応じ55万円~105万円10a)

【農山漁村振興交付金】米粉飼料用米の生産加工に係る施設整備に対し交付金を交付(補助率定額12)

【持続的生産強化対策事業】

日本産米粉の優位性の情報発信ノングルテン米粉の製造手法マニュアルの作成米粉用米生産者と製造事業者とのマッチング

等の取組を支援

金 融 措 置

【日本政策金融公庫による低利融資】(食品安定供給施設整備資金)

米粉製造施設米粉を原料とした食品の製造加工施設等への融資

(輸出を含めた日本産米粉の需要拡大支援事業)

(補助率定額)

【外食産業等と連携した需要拡大対策事業】

国産農林水産物食品の輸出等需要フロンティアの開拓を図るため産地と複数年契約を締結する民間企業(外食加工業者)に対し国産農林水産物を活用した新商品の開発やそれに必要な技術開発等を支援 (補助率定額12)

- 35 -

【農林水産物食品輸出促進緊急対策事業】コメ海外市場拡大戦略プロジェクトに参加する輸出産地や輸出事業者等が連携して戦略的に取り組む中国等の海外市場開拓プロモーション等を支援

(補助率定額12)

品目 現在の関税率 合意内容

小麦

枠内税率無税+マークアップ

枠外税率55円kg

現行の国家貿易制度を維持するとともに枠外税率(55円kg)を維持

既存のWTO枠に加え米国(15万(7年目以降))【不適用】カナダ(53万(同))豪州(5万(同))にSBS方式の国別枠を設定

マークアップを9年目までに45削減

大麦

枠内税率無税+マークアップ

枠外税率39円kg

現行の国家貿易制度を維持するとともに枠外税率(39円kg)を維持

既存のWTO枠に加えSBS方式のTPP枠(65万(9年目以降))を設定

マークアップを9年目までに45削減

1 TPP11協定概要(麦)(平成30年12月30日発効)

Ⅴ TPP11及び日EUEPAの協定概要(麦関係)

(参考主な麦製品)

現在の関税率合意内容

税率 枠数量

いった小麦小麦粉等

(国家貿易品目)

枠内税率125~25+マークアップ

枠外税率85~134円kg

枠内即時無税+マークアップ

(枠外税率は維持)

(発効時) (6年目)125千rarr175千

ベーカリー製品製造用

小麦粉調製品16~24

枠内即時無税(枠外税率は維持)

(発効時) (6年目)米国 105千rarr12千【不適用】米国以外 68千rarr 8千

その他小麦粉調製品

16~28枠内即時無税

(枠外税率は維持)(発効時) (6年目)15千rarr225千

マカロニスパゲティ

30円kg9年目までに60削減

ビスケット 1315 6年目に無税 -

注1)いった小麦とは小麦をいったものであり主にシリアル食品等に使用される

2)その他小麦粉調製品とは製麺まんじゅう等のベーカリー製品以外の製造用の

小麦粉調製品である

- 36 -

2 日EUEPA協定概要(麦)(平成31年2月1日発効)

品目 現在の関税率 合意内容

小麦

枠内税率無税+マークアップ

枠外税率55円kg

現行の国家貿易制度を維持するとともに枠外税率(55円kg)を維持

既存のWTO枠に加えSBS方式のEU枠(270(7年目以降))を設定

枠内のマークアップを9年目までに45削減

大麦

枠内税率無税+マークアップ

枠外税率39円kg

現行の国家貿易制度を維持するとともに枠外税率(39円kg)を維持

既存のWTO枠に加えSBS方式のEU枠(30(即時))を設定

枠内のマークアップを9年目までに45削減

(参考主な麦製品)

現在の関税率合意内容

税率 枠数量

いった小麦小麦粉等

(国家貿易品目)

枠内税率125~25+マークアップ

枠外税率85~134円kg

枠内即時無税+マークアップ

(枠外税率は維持)

(発効時) (6年目)38千rarr44千

ベーカリー製品製造用

小麦粉調製品16~24

枠内即時無税(枠外税率は維持)

(発効時) (6年目)104千rarr142千

その他小麦粉調製品

16~28枠内即時無税

(枠外税率は維持)(発効時) (6年目)

2千rarr3千

マカロニスパゲティ

30円kg 11年目に無税 -

ビスケット 1315 6年目に無税 -

注1)いった小麦とは小麦をいったものであり主にシリアル食品等に使用される

2)その他小麦粉調製品とは製麺まんじゅう等のベーカリー製品以外の製造用の

小麦粉調製品である

(参考) 麦の国境措置

小 麦 大 麦

輸入数量

価格

輸入数量

価格

政府売渡価格

マークアップ(輸入差益)

452円kgを上限

輸入価格

(枠内税率0円kg)

枠内輸入(国家貿易) 枠外輸入

(民間貿易)枠外税率を支払って輸入された数量(平成29年度)12千トン

WTOカレントアクセス数量5740千トン

枠外税率55円

政府売渡価格

輸入価格(枠内税率0円kg)

WTOカレントアクセス数量1369千トン

枠内輸入(国家貿易) 枠外輸入(民間貿易)

枠外税率を支払って輸入された数量(平成29年度)06千トン

枠外税率39円

民間貿易の場合の輸入価格

民間貿易の場合の輸入価格

286円kgを上限

マークアップ(輸入差益)

- 37 -

  • スライド番号 1
  • スライド番号 2
  • 麦の参考資料 麦の需給に関する見通し(動向編)
  • スライド番号 4
  • スライド番号 5
  • スライド番号 6
  • スライド番号 7
  • スライド番号 8
  • スライド番号 9
  • スライド番号 10
  • スライド番号 11
  • スライド番号 12
  • スライド番号 13
  • スライド番号 14
  • Ⅱ 小麦粉麦製品の生産と価格の動向
  • スライド番号 16
  • スライド番号 17
  • スライド番号 18
  • スライド番号 19
  • スライド番号 20
  • スライド番号 21
  • スライド番号 22
  • スライド番号 23
  • スライド番号 24
  • スライド番号 25
  • スライド番号 26
  • スライド番号 27
  • スライド番号 28
  • スライド番号 29
  • スライド番号 30
  • スライド番号 31
  • スライド番号 32
  • スライド番号 33
  • スライド番号 34
  • スライド番号 35
  • スライド番号 36
  • スライド番号 37
  • スライド番号 38
  • スライド番号 39
  • スライド番号 40
  • スライド番号 41
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⑥ 再編合理化の取組

製粉企業の中には国の支援を活用した再編合理化の取

組もみられます

⑦ 地産地消の推進

中小製粉企業は地域とのつながりの強さや独自の立地

条件を活かした特色ある経営を模索する中で生産者と協

力した積極的な地産地消の取組を進めています

⑦ 地産地消の推進

岩手県主な実施者岩手県学校給食会岩手県パン工業組合県内製粉企業取 組 内 容 平成28年度から地元県産小麦(銀河のちからゆきちから)を

100使用した学校給食用パンを県内の小中学校に提供開始埼玉県

主な実施者埼玉産小麦ネットワーク「SWING group」(県内製粉企業が中心となり生産者加工業者販売業者等180社が加盟)

取 組 内 容 埼玉県産小麦のブランド価値を高めることなどを目的として埼玉県産小麦を自社製品に利用することで高付加価値商品の開発による自社の発展などを目指すとともに研修会の実施やイベントホームページなどを通じた消費者への情報提供を実施

京都府主な実施者地元製粉企業京都府全農京都府本部生産者府内製麺製

パン業者飲食店取 組 内 容 平成30年産から京都府産小麦品種を「せときらら」へ全面切替を

行ったことを機にブランド名を「京小麦」とし「京小麦」を100使用したメニューを参加店舗にて提供するイベント「京小麦の収穫祭」を平成31年1月21日から2月17日まで開催

福岡県主な実施者福岡県ラー麦普及推進協議会(県JA全農ふくれん県内製粉

業者5社製麺業者関係団体)取 組 内 容 以下の取組によりラーメン用小麦「ラー麦」を普及推進

産地への生産技術の普及指導 小麦品質評価最適製粉加工方法の検討 利用や消費を促進するための普及宣伝(試

食イベント等) 毎年産の製粉製麺適性評価および食味

官能評価の実施 平成21年に本小麦の名称「ラー麦」とロ

ゴデザインを商標登録しブランド化

- 18 -

2 生産者が有利な条件で安定取引を行うことができる流通加工の業界構造の確立

(1)生産者に有利な流通加工構造の確立現在の食料需給消費の実態等を踏まえた効率的機能

的で農業者と消費者双方がメリットを受けられる流通加工構造を確立するため以下のとおり取り組む

その際農林水産省経済産業省をはじめ政府一体となって取り組む①~⑦ (略)⑧ 加工業については生産性の低い工場が乱立している

種類の加工業界(製粉乳業等)について国は国際競争に対応できる生産性の確保を目指した業界再編設備投資等を推進することとし政府系金融機関の融資農林漁業成長産業化支援機構の出資等による支援を行う

⑨ 上記改革を推進するため農産物の流通加工に関し国の責務業界再編に向けた推進手法等を明記した法整備を進める

⑩ 上記改革を推進するため金融機関による流通加工関連産業の生産性向上に資する経営支援や資金供給の促進政府系金融機関や農林漁業成長産業化支援機構等との連携強化等を図る

図Ⅱ-5 農業競争力強化プログラム(抜粋)

(平成28年11月29日 農林水産業地域の活力創造本部決定)

⑥ 再編合理化の取組

製粉工場の廃棄撤去製粉施設の一部又は全部を撤去しミックス粉等の関連事業を拡大

(製粉工場等再編合理化事業(平成2728年度7件))

図Ⅲ-1 国内産小麦の収穫量と作付面積の推移

表Ⅲ-1 小麦の主な作付品種(平成29年産)

Ⅲ 国内産麦の生産と流通の動向

1 国内産麦の生産状況

(1)小麦

① 作付面積

近年の国内産小麦の作付面積は約21万haと横ばいで推移して

います平成30年産の作付面積は北海道は121万ha都府県

は91万ha全国では212万haとなり前年産並となっていま

② 収穫量

平成30年産の国内産小麦の収穫量は主産地の北海道での6

月中旬から7月中旬にかけての低温日照不足の影響により登

熟不良となったこと等から前年産に比べ北海道で134万ト

ン(22)減少都府県では05万トン(2)減少全国

では139万ha(15)減少の768万トンとなり(図Ⅲ-1)

10a当たりの平均収量対比は91となりました

③ 小麦の作付品種の状況

栽培品種については各産地の気候条件や用途等に適した品

種が作付されており29年産では日本麺用では「きたほなみ」

「さとのそら」「シロガネコムギ」といった品種パン

中華麺用では「春よ恋」「ゆめちから」といった品種が上位

を占めています(表Ⅲ-1)

資料農林水産省「作物統計」品種毎の面積は農林水産省政策統括官調べ

注品種の育成年についてはシロガネコムギは農林認定が行われた年

それ以外の品種は出願公表が行われた年としている

資料農林水産省「作物統計」30年産の数値は概算値

- 19 -

(千トン)

年産

910 881

674

571

746

858 812

852

1004

791

907

768

210 209 208 207 212 209 210 213 213 214 212 212

100

120

140

160

180

200

220

240

260

280

300

0

200

400

600

800

1000

H19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30

収穫量 作付面積(千ha)

品種名 育成年 作付面積(千ha) 割合 主な作付地域

きたほなみ 平成19年 878 41 北海道

さとのそら 平成21年 159 7 関東東海

シロガネコムギ 昭和49年 152 7 九州近畿

春よ恋 平成11年 143 7 北海道

ゆめちから 平成20年 137 6 北海道

上位5品種計 1469 69

小麦作付面積 - 2123

図Ⅲ-2 国内産大麦及びはだか麦の収穫量と作付面積の推移

表Ⅲ-2 大麦及びはだか麦の主な作付品種(平成29年産)

(2)大麦及びはだか麦

① 作付面積

近年国内産大麦及びはだか麦の作付面積は約6万と横ば

いで推移しており平成30年産は前年産と比較すると二条

大麦は前年産並六条大麦は800ha(4)減少はだか麦

で460ha(9)増加となり全体では340ha(1)減少の

61万haとなりました(図Ⅲ-2)

② 収穫量

平成30年産の大麦及びはだか麦の収穫量は二条大麦及びは

だか麦はおおむね天候に恵まれ生育が順調で登熟も良好

であったこと等から前年産に比べ二条大麦は01万トン

(1)増加はだか麦は01万トン(8)増加となりました

六条大麦については北陸地方において大雪の影響で融雪時期

が遅れたこと等により穂数が少なくなり前年産に比べ14万

トン(26)減少しました

この結果大麦及びはだか麦の収穫量は合計で173万トンと

なり前年産に比べて12万トン(6)減少となりました

(図Ⅲ-2)

③ 大麦及びはだか麦の作付品種の状況

栽培品種については各産地の気候条件や用途等に適した品

種が作付されており29年産では二条大麦はビール用の「サ

チホゴールデン」六条大麦は主食用や麦茶用の「ファイ

バースノウ」はだか麦は麦味噌用の「マンネンボシ」いっ

た品種が上位を占めています(表Ⅲ-2)

資料農林水産省「作物統計」30年産の数値は概算値

- 20 -

(千トン)

資料農林水産省「作物統計」農林水産省調べ

注品種の育成年についてはシュンライイチバンボシは農林認定が行われ

た年それ以外の品種は出願公表が行われた年としている

195 217

179 161

172 172 183

170 177 170 185

173

54 57 58 59 60 60 59 60 61 61 61 61

0

10

20

30

40

50

60

70

80

90

100

0

50

100

150

200

250

H19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30

収穫量 作付面積 (千ha)

年産

麦種 品種名 育成年作付面積(千ha)

割合 主な作付地域

二条大麦

サチホゴールデン 平成18年 189 31 九州関東中国

はるしずく 平成17年 44 7 九州

ニシノホシ 平成11年 27 4 九州

六条大麦

ファイバースノウ 平成13年 107 17 北陸関東東海

シュンライ 平成2年 33 5 関東東北近畿

カシマゴール 平成22年 13 2 関東東海

はだか麦

マンネンボシ 平成13年 15 2 四国

イチバンボシ 平成4年 14 2 四国九州

トヨノカゼ 平成18年 11 2 九州中国

大麦はだか麦作付面積

- 614

資料農林水産省調べ

Aランク評価項目の基準値を3つ以上達成しかつ許容値を全て達成している麦Bランク評価項目の基準値を2つ達成しかつ許容値を全て達成している麦Cランク評価項目の基準値を1つ達成しかつ許容値を全て達成している麦

評価項目の基準値を2つ以上達成しているものの許容値を達成していない麦DランクA~Cランクのいずれにも該当しない麦

【評価項目】①小麦 日本麺用パン中華麺用(たんぱく灰分容積重フォーリングナンバー)

醸造用(たんぱく3項目容積重)②二条大麦 主食等用(容積重細麦率白度正常粒率)

麦茶用(たんぱく3項目細麦率)③六条大麦はだか麦 主食等用(容積重細麦率白度硝子率)

麦茶用(たんぱく3項目細麦率)

(参考) 麦の品質区分

(単位)

- 21 -

(2)品質評価

たんぱく質や灰分の含有率等に基づく品質評価結果につい

ては平成30年産の小麦ではAランクが899となってお

り過去5年平均(Aランク比率849)と比べ5ポイン

ト高くなっています

また平成30年産の大麦はだか麦ではAランクが

849となっており過去5年平均(Aランク比率832)

と比べ17ポイント高くなっています(表Ⅲ-4)

表Ⅲ-4 平成30年産麦の品質評価結果

2 国内産麦の品質状況

(1)農産物検査① 平成30年産の小麦について全国の1等比率は761

(平成30年12月末時点)と過去5年平均799と比較して低くなっています(表Ⅲ-3)

② 平成30年産の小粒大麦大粒大麦はだか麦及びビール大麦について1等比率は大粒大麦を除き過去5年平均と比較して低くなっています(表Ⅲ-3)

表Ⅲ-3 国内産麦の1等比率の推移(単位)

Aランク Bランク Cランク DランクAランク

過去5年平均(平成25~29年産)

小 麦 899 67 33 01 849

大麦はだか麦

849 37 108 06 832

注1)各年産翌年4月末時点の値であるただし平成30年産は30年12月末時点の値である

2)強力小麦の検査数量を含む値である

3 国内産麦に対する支援

平成31年度は経営所得安定対策等の対策のうち主に畑作

物の直接支払交付金と水田活用の直接支払交付金により国内

産麦に対する支援が行われます

(1)畑作物の直接支払交付金

畑作物の直接支払交付金として麦を生産する農業者に対

し標準的な生産費と標準的な販売価格の差額分を直接交付

することとしています

支払いは当年産の麦の品質及び生産量に応じて交付する

数量払を基本とし当年産の麦の作付面積に応じて交付する

面積払(営農継続支払)を数量払の先払いとして交付する仕

組みにしています

数量払の交付単価は品質に応じた単価を設けており需要

に応じた生産と品質に対する営農努力を適切に反映させる仕

組みになっています(表Ⅲ-5)

表Ⅲ-5 畑作物の直接支払交付金の麦の交付単価

(円単位数量)

品質区分(等級ランク)

1等 2等

A B C D A B C D

小麦(パン中華麵

用品種)(60kg当たり)

9040 8540 8390 8330 7880 7380 7230 7170

小麦(パン中華麺用品種以外)(60kg当たり)

6740 6240 6090 6030 5580 5080 4930 4870

二条大麦(50kg当たり) 5550 5130 5010 4960 4690 4270 4140 4090

六条大麦(50kg当たり) 6030 5610 5480 5430 5000 4580 4460 4410

はだか麦(60kg当たり) 8650 8150 8000 7910 7080 6580 6430 6350

(参考)

【平均交付単価小麦6940円60kg二条大麦5490円50kg六条大麦5720円50kg

はだか麦8230円60kg】

②面積払

当年産の作付面積に応じて交付 2万円10a

①数量払(品質に応じた単価)

- 22 -

【平成31年産に適用】

標準的な生産費

差額

ゲタ交付単価

標準的な販売価格

【交付単価のイメージ】lt畑作物の直接支払交付金のイメージgt

面積払(数量払の際に控除されます)

数量払

収量

交付金額

(2)水田活用の直接支払交付金

水田のフル活用を推進し食料自給率自給力の向上を図

るため水田で麦を生産する農業者に対しては畑作物の直

接支払交付金に加え水田活用の直接支払交付金(35000円

10a)を直接交付することとしています(表Ⅲ-6)

表Ⅲ-6 水田活用の直接支払交付金の交付単価

作 物 単 価

麦大豆飼料作物 35000円10a

WCS(ホールクロップサイレージ)用稲 80000円10a

加工用米 20000円10a

飼料用米米粉用米収量に応じ

55000円~105000円10a

このほか「産地交付金」により地域で作成する水田フル活用ビジョンに基づき二毛作や耕畜連携を含め産地づくりに向けた取組を支援します

戦略作物助成

注実需者等との出荷販売契約等を締結すること出荷販売することが要件

- 23 -

4 国内産食糧用麦の流通動向

(1)取引の概要

国内産食糧用麦は加工原料としての商品特性から需要に応じて計画的に生産できるようは種前契約に基づく取引が行われています

まず取引の指標となる透明性のある適正な価格を形成するためは種前に販売予定数量の3~4割(具体の比率は民間流通地方連絡協議会の協議を踏まえ決定)について入札が行われます残りは相対取引が行われておりその価格については入札で形成された指標価格(落札加重平均価格)を基本として取引当事者間で決められています(図Ⅲ-3)

また取引を円滑に進めるため生産者需要者等で構成される民間流通連絡協議会において取引に必要な情報交換取引に係る基本事項の見直し等が行われています(表Ⅲ-7)

今後とも国内産食糧用麦については円滑な流通が確保されるようは種前契約を基本としつつ適切に対応していきます

図Ⅲ-3 国内産食糧用麦の基本的な流通フロー

表Ⅲ-7 国内産食糧用麦の入札の仕組み

項 目 概 要 見直しの変遷

実施主体 一般社団法人 全国米麦改良協会

実施時期 は種前に2回実施(8~9月)平成13年産から1回rarr2回へ見直し

上場数量

産地銘柄別に販売予定数量が小麦3千トン以上大麦はだか麦1千トン以上の銘柄についてその30~40を上場(ほかに希望上場あり)

平成31年産から30rarr30~40へ見直し

基準価格

小麦は前年産の落札加重平均価格に当年産の入札実施時点での外国産麦の政府売渡価格の変動率を乗じた価格大麦はだか麦は前年産の落札加重平均価格

小麦の外国産麦との連動は平成24年産から実施

値幅制限 基準価格のplusmn10

小麦平成12年産~16年産plusmn5平成17年産~21年産plusmn7平成22年産plusmn10平成23年産plusmn30平成24年産~ plusmn10大麦はだか麦平成12年産~18年産plusmn5平成19年産~21年産plusmn7平成22年産plusmn10平成23年産plusmn15平成24年産~ plusmn10

取引価格の事後調整(小麦のみ)

外国産食糧用小麦の政府売渡価格の改定(410月)に合わせては種前の入札又は相対により契約された価格に外国産食糧用小麦の政府売渡価格の変動率を乗じて取引価格を改定

平成23年産から実施

申込限度数 量

買い手別に上場数量times買受実績シェアtimes145

小麦は平成17年産から大麦及びはだか麦は平成19年産から135rarr145へ見直し

相対取引入札で形成された指標価格を基本に生産者団体と需要者の間で協議決定

平成19年産から過去の実績シェアに基づく取引ルールを廃止

再入札

第1回入札及び第2回入札において落札残数量が発生した場合は売り手の希望により再度入札に付すか相対による契約を行うかいずれかの方法をとることができる

平成25年産から売り手の申し出により再入札における入札の値幅を設定できること等を規定

生産者団体から販売予定数量需要者団体から購入希望数量の相互提示

入札取引の実施(販売予定数量の約3~4割)

相対取引の実施(販売予定数量の約6~7割)

は 種(秋まき春まきは収穫年の4月)

収 穫 及 び 検 査

生産者団体と需要者の間では種前に契約を締結

需 要 者 へ 引 渡 し

<生産の流れ>

麦の生育期間

<契約の流れ>

は種前契約に基づき計画的に作付(は種)

収穫前年7月~

8~9月

9月~

~12月

6~8月

6月~

収穫年26年産から国内産麦の需要拡大を図るため地域の食文化のブランド化等による高付加価値化の取組等に対し安定的な原料供給が可能となる需要拡大推進枠を導入

- 24 -

表Ⅲ-8 国内産食糧用麦の供給量 (単位千トン)

注集荷団体からの聞き取り数量である

(2)流通の動向

平成30年産の国内産食糧用小麦の供給量は前年産から

約14万4千トン減少し約70万1千トンとなっています

また国内産食糧用大麦及びはだか麦の供給量は前年

産から約3千トン減少し約10万3千トンとなっています

(表Ⅲ-8)

生産者側から提示された平成31年産麦の販売予定数量は

国内産食糧用小麦で約82万4千トン国内産食糧用大麦及

びはだか麦で約10万8千トンとなっています

一方需要者側から提示された平成31年産麦の購入希望

数量は国内産食糧用小麦で約86万3千トン国内産食糧

用大麦及びはだか麦で約13万トンとなっています(表Ⅲ-

9)

表Ⅲ-9 国内産食糧用麦の販売予定数量及び購入希望数量の推移(単位千トン)

資料民間流通連絡協議会調べ注四捨五入の関係で差し引きが一致しないことがある

- 25 -

年産 20 21 22 23 24 25 26 27 28 2930

(見込)

小   麦 841 639 532 694 811 767 808 946 734 845 701

大麦はだか麦 125 100 84 98 93 105 103 103 92 106 103

年産 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31

販売予定数量① 887 906 909 951 948 909 905 880 820 846 834 824

購入希望数量② 833 880 818 859 904 869 751 802 834 875 880 863

①-② 54 25 91 91 44 40 154 78 14 29 46 39

(①-②)①() 61 28 100 96 47 44 170 89 18 34 55 47

販売予定数量① 121 132 134 127 122 116 110 112 113 112 108 108

購入希望数量② 199 219 135 149 147 138 141 149 145 138 148 130

①-② 78 87 1 23 26 21 31 37 32 26 39 22

(①-②)①() 640 660 06 179 209 182 282 330 284 234 363 204

表Ⅲ-10 国内産食糧用麦の入札結果の推移

資料一般社団法人全国米麦改良協会調べ

注1価格は税込み(26年産までは527年産以降は8)である

ただし31年産の落札価格は一般社団法人全国米麦改良協会公表の価格(税抜き)を基に農林水産省で税込み価格を算出

5 国内産食糧用麦の価格の動向

(1)平成31年産の入札の概要

平成31年産麦の入札は第1回は平成30年9月12日に第

2回は平成30年9月26日に実施されました

麦種別の入札結果をみると小麦は上場数量約21万4千

トンのうち約20万4千トンが落札(落札率954)され落

札価格は61714円トン(対前年産比1151)となりました

小粒大麦は上場数量約1万1千トンのうち約1万1千

トンが落札(落札率991)され落札価格は46560円トン

(対前年産比997)となりました

大粒大麦は上場数量約7千8百トンのうち5千6百トン

が落札(落札率717)され落札価格は46923円トン(対

前年産比879)となりました

はだか麦は上場数量約2千3百トンのうち約2千1百

トンが落札(落札率897)され落札価格は50817円トン

(対前年産比961)となりました(表Ⅲ-10)

なお国内産小麦については近年消費者の国産志向の高

まりなどを受け大手外食チェーンや2次加工メーカーが国

内産小麦を使用したパン中華麺等の商品を相次いで発表す

るなど人気が高まってきていますこれらを背景として平

成31年産小麦の落札価格は多くの銘柄で値幅制限の上限付

近となっておりまた申込倍数も14倍と高いものとなって

います

- 26 -

20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31

上場数量

(トン)①243510 243020 242310 251370 250980 244880 244320 234010 213360 221380 218500 214200

落札数量

(トン)②234930 238410 189350 247770 245320 220590 188240 192240 201140 214060 210560 204420

落札率

②①965 981 781 986 977 901 770 822 943 967 964 954

落札価格

(円トン)43229 59885 55241 48732 58340 49333 49319 49770 54164 51570 53624 61714

対前年産比 1064 1385 922 882 1197 846 1000 1009 1088 952 1040 1151

上場数量

(トン)①12240 13590 14210 13300 11760 11220 11290 11930 12210 12200 11750 11040

落札数量

(トン)②12050 13510 14040 13170 11550 10850 10900 11830 12090 12200 11440 10940

落札率

②①984 994 988 990 982 967 965 992 990 1000 974 991

落札価格

(円トン)45479 59709 53448 45871 46485 46453 46290 47595 47565 46880 46708 46560

対前年産比 1084 1313 895 858 1013 999 996 1028 999 986 996 997

上場数量

(トン)①10020 9690 10330 9290 9000 8700 7210 7620 7450 7620 6880 7810

落札数量

(トン)②8880 8920 8910 7990 7990 7830 6480 7130 6600 6700 6340 5600

落札率

②①886 921 863 860 888 900 899 936 886 879 922 717

落札価格

(円トン)36532 50492 46097 39649 40394 41582 42881 45740 47827 50442 53384 46923

対前年産比 1059 1382 913 860 1019 1029 1031 1067 1046 1055 1058 879

上場数量

(トン)①2910 3150 3030 3260 3060 2830 2840 2890 2740 2660 2570 2330

落札数量

(トン)②2910 3150 3030 3090 3020 2830 2810 2810 2520 2600 2470 2090

落札率

②①1000 1000 1000 948 987 1000 989 972 920 977 961 897

落札価格

(円トン)42222 58527 61489 52791 51905 52294 49656 47712 46547 48527 52876 50817

対前年産比 1063 1386 1051 859 983 1007 950 961 976 1043 1090 961

年産

小麦

小粒大麦(六条大麦)

大粒大麦(二条大麦)

はだか麦

平成31年産国内産食糧用小麦の入札結果をみると産地別銘柄別

の需給状況等を反映して落札価格に差が生じています

代表的な銘柄である北海道産「きたほなみ」は前年産の価格を

153上回る64752円トン香川県産「さぬきの夢2009」は前

年産の価格を152上回る73186円トンとなりましたまたパ

ン中華麺用の北海道産「ゆめちから」は前年産の価格を180

上回る62777円トン北海道産「春よ恋」は前年産の価格を

180上回る68792円トンとなりました(図Ⅲ-4図Ⅲ-5)

図Ⅲ-4 平成31年産国内産食糧用小麦の産地別銘柄別落札価格

資料農林水産省調べ注外国産小麦5銘柄加重平均価格は平成30年4月期の輸入小麦の政府売渡価格である

(2)平成31年産国内産食糧用小麦の産地別銘柄別落札価格の動向

資料農林水産省調べ注1国内産小麦の価格は(一社)全国米麦改良協会が実施する民間流通麦にかかる入札の第1回第2回

及び再入札の落札加重平均価格(税込み)年産の下段の( )内は当該第1回入札の実施年月である注2外国産小麦の価格は18年までは当該年度平均の実績価格であり19年以降は民間流通麦にかかる第

1回入札の実施年月時点での輸入小麦の政府売渡価格(5銘柄平均)である注3ホクシン(きたほなみ)については22年産までは「ホクシン」の価格であり23年産からは「きたほ

なみ」の価格である注4さぬきの夢については24年産までは「さぬきの夢2000」の価格であり25年産からは「さぬきの夢

2009」の価格である注5農林61号(さとのそら)については23年産までは「農林61号」の価格であり24年産からは「さとの

そら」の価格である

図Ⅲ-5 国内産食糧用小麦の産地別銘柄別落札価格の推移

- 27 -

(単位円トン税込み)

30000

60000

北海道ゆめちから 62777

福岡ミナミノカオリ 68393

滋賀農林61号 50763

茨城さとのそら 46310

佐賀チクゴイズミ 52193

岩手ゆきちから 39929

全銘柄落札加重平均 61714

香川さぬきの夢2009 73186

北海道きたほなみ 64752

外国産小麦5銘柄加重平均 54370

群馬さとのそら 48669

北海道キタノカオリ 63090

大分チクゴイズミ 48265

福岡シロガネコムギ 50643

佐賀シロガネコムギ 47998

40000

福岡チクゴイズミ 52203

滋賀ふくさやか 49534

岐阜イワイノダイチ 46874

埼玉さとのそら 47159

宮城シラネコムギ 44607

群馬つるぴかり 49785

北海道春よ恋 68792

愛知きぬあかり 50114

北海道はるきらり 60201

50000

埼玉あやひかり 46072

岐阜さとのそら 45919

70000

30000

40000

50000

60000

70000

80000

90000

100000

110000

120000

130000

12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 年産

(単位円トン税込み)

北海道ホクシン

香川さぬきの夢200973186円

茨城農林61号

香川さぬきの夢2000

茨城さとのそら

46310円

北海道きたほなみ

64752円

北海道ゆめちから

62777円

外国産小麦

5銘柄平均

54370円

北海道春よ恋

68792円

(128) (138) (148) (158) (168) (178)(1810) (199) (208)(2110)(2212) (239) (2410)(2510)(269)(279) (289) (299)(119) (309)

6 国内産麦の新品種の育成状況

(1)国内産麦については縞萎縮病抵抗性や耐倒伏性を備え

需要者等のニ-ズに合った新品種の開発が進められています

また作付け面積が1万haを超える「ゆめちから」「さとの

そら」をはじめ多数の品種が生産現場に導入されています

(図Ⅲ-6)

(2)今後とも赤かび病抵抗性や穂発芽耐性が高い小麦品種

小麦粉の色相や製粉性が優れる日本麺用小麦品種パンの膨

らみがカナダ産「1CW」並の小麦品種焼酎押麦味噌

などの加工適性が高い大麦品種等の開発を推進します

小麦品種「ゆめちから」及び「さとのそら」は優れた栽培特性

と加工適性を備えており作付けが拡大しています(平成29年

推定値「ゆめちから」約1万2千ha「さとのそら」約1万5

千ha)

パン用小麦品種の開発近年国産の小麦粉を使ったパンの需要増加に応えるためグルテンやでん粉の組成などパンの膨らみに関連する特性に注目した育種が進められていますその結果平成25年に製パン適性が「1CW」に近く多収の「せときらら」平成29年にはパン生地の力が強く穂発芽耐性や赤かび抵抗性が改良された「夏黄金」が育成されました

加工適性の高い大麦品種の開発機能性成分β-グルカンを多く含むもち性大麦の需要の高まりに応えるため平成29年に「はねうまもち」が育成されましたまた高品質なはだか麦の需要増加に対応して平成24年に味噌加工適性の高い「ハルヒメボシ」が育成されました

図Ⅲ-6 平成19年以降に育成された麦類の主な新品種

日本麺用小麦ゆめきらり

パン用小麦ゆめかおり福井県大3号

六条大麦ホワイトファイバー

北信越

日本麺用小麦あおばの恋

パン用小麦銀河のちから

東北

日本麺用小麦さとのそらきぬあかり

パン用小麦ゆめかおり

二条大麦とちのいぶき彩の星アスカゴールデンニューサチホゴールデン

六条大麦カシマゴール

はだか麦キラリモチ

関東東海

日本麺用小麦ふくはるかさぬきの夢2009

パン用小麦ゆめちからせときらら

はだか麦ハルヒメボシ

近畿中国四国

中華麺用小麦ちくしW2号

二条大麦煌二条白妙二条はるか二条トヨノホシ

九州

日本麺用小麦きたほなみ

中華麺用小麦つるきち

パン用小麦ゆめちからはるきらり

二条大麦札育2号

北海道

新品種のうち平成30年産で概ね100ha以上作付けされていると推定される品種を選定(農林水産省調べ)

- 28 -

7 国内産麦を利用した製品の動向

食料自給率の向上を図るためには国内産麦の需要開拓を行う

ことが必要です最近の消費者の国産志向の高まりや生産者と実

需者が一体となった地産地消の推進地域農業の振興を図る取り

組み等から国内産麦を使った麦製品(パン麺等)が増えてき

ており中には国内産麦を100使用した商品もあります(図Ⅲ-

7)

- 29 -

8 民間流通制度の運用改善

国内産麦の人気の高まりにより近年需要量が生産量を上回

る状況が継続しており国内産麦を積極的に使用したい実需者が

必要量を確保できない等の課題もあります

このような課題に対応するため民間流通連絡協議会において

入札上場比率の選択制の導入需要拡大推進枠設定の要件緩和

相対取引需要拡大推進枠において多様な取組が可能であること

の明確化等民間流通制度の運用改善が行われました(図Ⅲ-

8)

ピッツァ専用粉(北海道)(小麦)地元の製粉企業が北海道産小麦(きたほなみキタノカオリゆめち

から)を100使用した国内で初めてのピッツァ専用粉を開発平成30年2月に都内で試食会を開催し平成30年5月から販売

ピッツァ専用粉(群馬県)(小麦)地元の製粉企業が地元のピッツァ専門店ピッツァ窯メーカーと協力

して品質改良を重ね群馬県産小麦(さとのそらつるぴかりきぬの波)を100使用したピッツァ専用粉を平成30年4月から発売ピッツァイベントやイタリアン食材の展示会に出展

学校給食用パン(東京都)(小麦)都学校給食会の「学校給食パン加工規格」による配合基準に基づき国

内産小麦を100使用した学校給食パンを平成27年度から都内の一部の小中学校で提供を開始平成28年度からは都内全域の規格として採用

〇 市販用中華麺(愛知県)(小麦)地元の製粉企業が自社製品として愛知県産小麦きぬあかりを100使用

した中華麺を平成30年6月から自社通販で販売平成30年8月から一般販売を開始

フランスパン用粉(佐賀県)(小麦)近県製粉企業が農研機構と共同で育成した九州地域等の暖地温暖地

向けのフランスパン加工適性に優れる準強力小麦品種「さちかおり」を100使用したフランスパン用粉を平成30年8月から発売

市販用ゆで麺(長崎県)(小麦)地元の製麺企業近県製粉企業県生麺協同組合JA県等が連携し

平成26年3月に「長崎県育成麦活用開発協議会」を立ち上げ長崎県産長崎W2号(商標登録名長崎ちゃん麦)を100使用したちゃんぽん用のゆで麺を平成29年4月に製品化原料小麦の生産量が整った段階での本格販売を予定

もち性大麦を使用した機能性表示食品(静岡県)(大麦)地元の精麦企業が国内産もち性大麦でβ-グルカン量の多い銘柄を使用し

炊飯用精麦を製品化機能性表示食品として平成29年1月に届出し十分な原料を手当でき次第随時販売予定

〇 もち性大麦を使用したシリアル(愛知県)(大麦)地元の精麦企業が食物繊維が20を超える愛知県産もち性大麦「ワキ

シーファイバー」を使用した国内産もち麦100シリアルを開発平成30年4月から販売開始

図Ⅲ-7 国内産麦を100使用した商品事例

図Ⅲ-8 民間流通制度の運用改善のポイント

0

50

100

150

200

250

300

350

400円千人

大手製パンメーカーA社が国内産小麦100使用の新製品を発売

大手製食品スーパーB社が国内産小麦100使用の新製品をPBで発売

大手製パンメーカーA社が国内産小麦100使用の製品を初めて発売

(参考)国内産小麦を利用した製品の販売状況

(1)国内産小麦100使用の食パンの販売額

大きなシェアを占めるにはいたっていないものの国内産

小麦を100使用した食パンの販売金額の推移を見ると新製

品が登場する度に国内産小麦100使用の食パン市場が拡大し

ています(図Ⅲ-9)

図Ⅲ-9 国内産小麦100使用の食パンの販売額の推移(首都圏)

資料日本経済新聞デジタルメディア社による首都圏のスーパーマーケットなど100店舗におけるPOSデータに基づき農林水産政策研究所において集計

注食パンのうち国内産小麦を100使用していることが明らかな製品のみ計上菓子パン等は含んでいない

表Ⅲ-11 生麺ゆで麺(チルド)の販売金額のシェア(首都圏平成30年)

資料日本経済新聞デジタルメディア社による首都圏のスーパーマーケットなど120店舗におけるPOSデータに基づき農林水産政策研究所において集計

(2)生麺ゆで麺(チルド)の販売金額

生麺ゆで麺全体で上位15製品の売上高に占める国内産

小麦使用表示のある製品のシェアは30となっていますま

た主要な麺製品のうどんラーメン冷やし中華焼そば

全てで国内産小麦使用製品がランクインしています(表Ⅲ

-11)

2013年 2014年 2015年 2016年 2017年 2018年 2019年

                      (単位)

製品の種類製造企業の規模産地表示販売金額シェア

焼そば大手製品(国内産小麦使用表示なし) 99そば大手製品(国内産小麦使用表示なし) 27冷やしラーメン大手製品(国内産小麦使用表示なし) 20うどん大手製品(北海道産小麦使用表示あり) 20ラーメン大手製品(北海道産小麦使用表示あり) 14冷やし中華大手製品(国内産小麦使用表示なし) 14うどん大手製品(国内産小麦使用表示あり) 13焼そば大手製品(国内産小麦使用表示なし) 12焼うどん大手製品(国内産小麦使用表示なし) 12うどん大手製品(国内産小麦使用表示あり) 11焼そば大手製品(国内産小麦使用表示あり) 11そうめん大手製品(国内産小麦使用表示あり) 10うどんPB製品(北海道産小麦使用表示あり) 10つけ麺大手製品(国内産小麦使用表示なし) 10冷麺中小製品(国内産小麦使用表示なし) 10

303

14

89

15上位15製品の売上高に占める国内産小麦使用表示のある製品の

シェア

順位

1

10111213

234567

- 30 -

図Ⅲ-10 外食産業等と連携した農産物の需要拡大対策事業(麦類)

9 国内産麦の需要拡大イベント及び情報発信の取組

近年生産者と実需者等が連携し国内産麦を使用した製品が

数多く開発販売されており各地でイベント等の需要拡大の

取組みが行われております

また農林水産省としては平成30年度産地と外食事業者等

が連携して行う国内産麦を活用した新商品の開発試作製

造するために必要な取組を支援する「外食産業等と連携した農

産物の需要拡大対策事業」を一般社団法人全国米麦改良協会を

実施主体として行っているところです

農林水産省のホームページにおいてこれらのイベント等につい

て情報発信を行うとともに一般社団法人全国米麦改良協会が

開設している国産麦応援情報ホームページでの情報提供等を

行っています(図Ⅲ-10~12)

「国内産麦使用試作品全国統一試食会商談会」開催日平成31年2月12日~19日(土日を除く)場 所むぎくらべ(東京都千代田区神田小川町)

内 容平成29年度補正予算事業「外食産業等と連携した農産物の需要拡大対策事業」の一環として行われた国内産麦を使用した試作品の試食会商談会

「国内産麦使用試作品全国統一試食会商談会」で出品された試作品

- 31 -

第8回全国ご当地うどんサミットin 熊谷 開催日平成30年11月10日~11日 場 所熊谷スポーツ文化公園にぎわい広

場(埼玉県) 内 容全国の国内産小麦を使用した「ご

当地うどん」が一堂に集まりグランプリを決定

図Ⅲ-11 全国各地で開催されたイベント 図Ⅲ-12 一般社団法人 全国米麦改良協会の取組

国産麦応援情報ホームページ「日本の麦の底力」内容国産小麦粉ブランド名鑑国産小麦の逸品イベント情報研究

情報等を掲載URL httpnihonnomugicom

北海道小麦キャンプ2018 in オホーツク 開催日平成30年7月10日~11日 場 所ホテル黒部を主会場としたオホーツ

ク管内(北海道) 内 容国内産小麦北海道産小麦の魅力

を全国に広めることを目的にバスツアーやパン講習会などを実施

麦わらぼうしフェスタ 開催日平成30年11月4日 場 所笠原産業株式会社(栃木県) 内 容国内産小麦を使用したうどんパン

などの試食販売うどん教室などを実施

第7回 信州粉もん祭り 開催日平成30年11月11日 場 所JAながの ちくま埴生支所(長野県) 内 容長野県産小麦を使用した「粉もん料

理」が大集合粉もん試食会や手打ちうどん講習会 などを実施

国内産麦アンテナショップ「むぎくらべ」内容国内産麦を使用した商品のPRと販売の場を提供するものとして

平成30年7月東京都千代田区にオープン

- 32 -

オープニングセレモニーには上月前農林水産大臣政務官(写真中央)も出席

10 食料農業農村基本計画における麦の位置付け

平成27年3月31日に平成37年度を目標とする「食料農業

農村基本計画」が閣議決定され小麦は95万トン大麦はだ

か麦は22万トンの生産努力目標が設定されています(表Ⅲ-

12)

食料消費の見通し 生産努力目標(万トン) 克服すべき課題

1人1年当たり消費量

(kg人年)

国内消費仕向量

(万トン)

平成25年度

平成37年度

平成25年度

平成37年度

平成25年度

平成37年度

小麦 33 32 699 611 81 95

国内産小麦の需要拡大に向けた産地形成やブランド化

実需者ニーズに対応した生産流通体制の確立

新品種新技術の開発導入輪作体系の最適化排水対策等による収量品質の高位安定化

農地の集積集約化経営規模の拡大に対応した省力化に資する技術の開発導入等による生産コストの低減

大麦はだか麦

03 02 208 213 18 22

外国産大麦が多く用いられている焼酎用等の国内産麦の需要拡大

実需者ニーズに対応した生産流通体制の確立

新品種新技術の開発導入輪作体系の最適化排水対策等による収量品質の高位安定化

農地の集積集約化経営規模の拡大に対応した省力化に資する技術の開発導入等による生産コストの低減

表Ⅲ-12 麦の平成37年度における食料消費の見通し及び生産努力目標

資料「食料農業農村基本計画」(平成27年3月閣議決定)注1)国内消費仕向量には飼料用等の食糧用以外の用途への仕向量を含む

2)大麦はだか麦の国内消費仕向量及び生産努力目標にはビール大麦を含む

- 33 -

Ⅳ 米粉に関する動向

1 生産動向

米粉用米の生産量は平成25年産以降2万トン前後で推移していましたが平成29年度以降は約3万トンまで回復しています(表Ⅳ-1)

2 需要拡大に向けた対応

米粉用米の利用量は平成24年度以降年間2万数千トンで推移していましたがグルテンを使用しない米粉商品の開発や新たな米加工品(α化米粉米ゲルなど)の保湿性や粘性に着目した商品の開発「米粉の用途別基準」や「ノングルテン米粉製品第三者認証制度」の運用開始により平成29年度は25千トン30年度は31千トンに増加しています(表Ⅳ-2)

今後の更なる国内海外の需要拡大のためノングルテン米粉や用途別基準に適合する高品質な日本産米粉の流通を契機とした魅力ある新商品の開発や日本産米粉の優位性の情報発信等を推進する必要があります

表Ⅳ-1 上位5県の米粉用米の生産量と作付面積の推移

(参考) 米粉及び小麦粉の販売価格(税抜き)

米粉100~290円kg程度

(小麦粉 100円kg程度)

注1)平成26~29年度については新規需要米取組計画を認定した全需要者からの聞き取り注2)平成30年度については新規需要米取組計画を認定した主要な需要者からの聞き取り

により推計

表Ⅳ-2 米粉用米の利用量(需要者からの聞き取り)

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資料26~29年産は新規需要米生産集出荷数量30年産は新規需要米取組計画

認定数量(農林水産省)

(単位千トン)

26年度 27年度 28年度 29年度 30年度見込

22 23 23 25 31

(単位千トン千ha)

26年産 27年産 28年産 29年産 30年産

生産量 59 97 87 130 107作付面積 11 18 15 24 19生産量 10 10 09 30 31作付面積 02 02 02 06 06生産量 08 10 00 19 30作付面積 01 02 00 03 06生産量 10 12 12 12 16作付面積 02 03 02 02 03生産量 20 24 07 12 13作付面積 03 04 01 02 02生産量 184 230 190 284 281作付面積 34 42 34 53 53

秋田県

全国計

新潟県

埼玉県

栃木県

群馬県

農林水産大臣は米穀の新用途への利用の促進に関する基本方針を定める

生産製造連携事業計画

生産者 製造事業者 促進事業者

必須

米穀の新用途への利用の促進に関する法律

米穀の新用途への利用の促進に関する基本方針

関係者が連携して計画を作成米穀の新用途への利用の促進に関する基本方針に照らし適切な計画について農林水産大臣が認定(計画期間は3~5年)

図Ⅳ 米粉用米に対する支援措置

3 米粉用米に対する支援

① 米粉用米についてはその利用の拡大を図るために平成21年に「米穀の新用途への利用の促進に関する法律」が制定されました同法に基づく「生産製造連携事業計画」の認定を受け「農山漁村

活性化計画」の採択を受けた取組に対して米粉用米の生産加工に必要な施設整備等の支援を行っています

② 米粉用米の生産者に対しては水田活用の直接支払交付金による支援を行っていますまたノングルテン米粉表示や米粉の用途別基準により需要者ニーズに合った高品質な米粉の製造や輸出拡大の取組を支援しています

③ 平成31年度は国内海外の需要獲得に向け引き続き魅力ある新商品開発を推進するほか日本産米粉の優位性の情報発信やノングルテン米粉の製造手法マニュアルの作成など輸出を含めた日本産米粉の需要拡大に向けた取組を支援していくこととしています

予 算 措 置

【水田活用の直接支払交付金】水田を活用して米粉用米等の作物を生産する農業者に対し交付金を直接交付 (米粉用米収量に応じ55万円~105万円10a)

【農山漁村振興交付金】米粉飼料用米の生産加工に係る施設整備に対し交付金を交付(補助率定額12)

【持続的生産強化対策事業】

日本産米粉の優位性の情報発信ノングルテン米粉の製造手法マニュアルの作成米粉用米生産者と製造事業者とのマッチング

等の取組を支援

金 融 措 置

【日本政策金融公庫による低利融資】(食品安定供給施設整備資金)

米粉製造施設米粉を原料とした食品の製造加工施設等への融資

(輸出を含めた日本産米粉の需要拡大支援事業)

(補助率定額)

【外食産業等と連携した需要拡大対策事業】

国産農林水産物食品の輸出等需要フロンティアの開拓を図るため産地と複数年契約を締結する民間企業(外食加工業者)に対し国産農林水産物を活用した新商品の開発やそれに必要な技術開発等を支援 (補助率定額12)

- 35 -

【農林水産物食品輸出促進緊急対策事業】コメ海外市場拡大戦略プロジェクトに参加する輸出産地や輸出事業者等が連携して戦略的に取り組む中国等の海外市場開拓プロモーション等を支援

(補助率定額12)

品目 現在の関税率 合意内容

小麦

枠内税率無税+マークアップ

枠外税率55円kg

現行の国家貿易制度を維持するとともに枠外税率(55円kg)を維持

既存のWTO枠に加え米国(15万(7年目以降))【不適用】カナダ(53万(同))豪州(5万(同))にSBS方式の国別枠を設定

マークアップを9年目までに45削減

大麦

枠内税率無税+マークアップ

枠外税率39円kg

現行の国家貿易制度を維持するとともに枠外税率(39円kg)を維持

既存のWTO枠に加えSBS方式のTPP枠(65万(9年目以降))を設定

マークアップを9年目までに45削減

1 TPP11協定概要(麦)(平成30年12月30日発効)

Ⅴ TPP11及び日EUEPAの協定概要(麦関係)

(参考主な麦製品)

現在の関税率合意内容

税率 枠数量

いった小麦小麦粉等

(国家貿易品目)

枠内税率125~25+マークアップ

枠外税率85~134円kg

枠内即時無税+マークアップ

(枠外税率は維持)

(発効時) (6年目)125千rarr175千

ベーカリー製品製造用

小麦粉調製品16~24

枠内即時無税(枠外税率は維持)

(発効時) (6年目)米国 105千rarr12千【不適用】米国以外 68千rarr 8千

その他小麦粉調製品

16~28枠内即時無税

(枠外税率は維持)(発効時) (6年目)15千rarr225千

マカロニスパゲティ

30円kg9年目までに60削減

ビスケット 1315 6年目に無税 -

注1)いった小麦とは小麦をいったものであり主にシリアル食品等に使用される

2)その他小麦粉調製品とは製麺まんじゅう等のベーカリー製品以外の製造用の

小麦粉調製品である

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2 日EUEPA協定概要(麦)(平成31年2月1日発効)

品目 現在の関税率 合意内容

小麦

枠内税率無税+マークアップ

枠外税率55円kg

現行の国家貿易制度を維持するとともに枠外税率(55円kg)を維持

既存のWTO枠に加えSBS方式のEU枠(270(7年目以降))を設定

枠内のマークアップを9年目までに45削減

大麦

枠内税率無税+マークアップ

枠外税率39円kg

現行の国家貿易制度を維持するとともに枠外税率(39円kg)を維持

既存のWTO枠に加えSBS方式のEU枠(30(即時))を設定

枠内のマークアップを9年目までに45削減

(参考主な麦製品)

現在の関税率合意内容

税率 枠数量

いった小麦小麦粉等

(国家貿易品目)

枠内税率125~25+マークアップ

枠外税率85~134円kg

枠内即時無税+マークアップ

(枠外税率は維持)

(発効時) (6年目)38千rarr44千

ベーカリー製品製造用

小麦粉調製品16~24

枠内即時無税(枠外税率は維持)

(発効時) (6年目)104千rarr142千

その他小麦粉調製品

16~28枠内即時無税

(枠外税率は維持)(発効時) (6年目)

2千rarr3千

マカロニスパゲティ

30円kg 11年目に無税 -

ビスケット 1315 6年目に無税 -

注1)いった小麦とは小麦をいったものであり主にシリアル食品等に使用される

2)その他小麦粉調製品とは製麺まんじゅう等のベーカリー製品以外の製造用の

小麦粉調製品である

(参考) 麦の国境措置

小 麦 大 麦

輸入数量

価格

輸入数量

価格

政府売渡価格

マークアップ(輸入差益)

452円kgを上限

輸入価格

(枠内税率0円kg)

枠内輸入(国家貿易) 枠外輸入

(民間貿易)枠外税率を支払って輸入された数量(平成29年度)12千トン

WTOカレントアクセス数量5740千トン

枠外税率55円

政府売渡価格

輸入価格(枠内税率0円kg)

WTOカレントアクセス数量1369千トン

枠内輸入(国家貿易) 枠外輸入(民間貿易)

枠外税率を支払って輸入された数量(平成29年度)06千トン

枠外税率39円

民間貿易の場合の輸入価格

民間貿易の場合の輸入価格

286円kgを上限

マークアップ(輸入差益)

- 37 -

  • スライド番号 1
  • スライド番号 2
  • 麦の参考資料 麦の需給に関する見通し(動向編)
  • スライド番号 4
  • スライド番号 5
  • スライド番号 6
  • スライド番号 7
  • スライド番号 8
  • スライド番号 9
  • スライド番号 10
  • スライド番号 11
  • スライド番号 12
  • スライド番号 13
  • スライド番号 14
  • Ⅱ 小麦粉麦製品の生産と価格の動向
  • スライド番号 16
  • スライド番号 17
  • スライド番号 18
  • スライド番号 19
  • スライド番号 20
  • スライド番号 21
  • スライド番号 22
  • スライド番号 23
  • スライド番号 24
  • スライド番号 25
  • スライド番号 26
  • スライド番号 27
  • スライド番号 28
  • スライド番号 29
  • スライド番号 30
  • スライド番号 31
  • スライド番号 32
  • スライド番号 33
  • スライド番号 34
  • スライド番号 35
  • スライド番号 36
  • スライド番号 37
  • スライド番号 38
  • スライド番号 39
  • スライド番号 40
  • スライド番号 41
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図Ⅲ-1 国内産小麦の収穫量と作付面積の推移

表Ⅲ-1 小麦の主な作付品種(平成29年産)

Ⅲ 国内産麦の生産と流通の動向

1 国内産麦の生産状況

(1)小麦

① 作付面積

近年の国内産小麦の作付面積は約21万haと横ばいで推移して

います平成30年産の作付面積は北海道は121万ha都府県

は91万ha全国では212万haとなり前年産並となっていま

② 収穫量

平成30年産の国内産小麦の収穫量は主産地の北海道での6

月中旬から7月中旬にかけての低温日照不足の影響により登

熟不良となったこと等から前年産に比べ北海道で134万ト

ン(22)減少都府県では05万トン(2)減少全国

では139万ha(15)減少の768万トンとなり(図Ⅲ-1)

10a当たりの平均収量対比は91となりました

③ 小麦の作付品種の状況

栽培品種については各産地の気候条件や用途等に適した品

種が作付されており29年産では日本麺用では「きたほなみ」

「さとのそら」「シロガネコムギ」といった品種パン

中華麺用では「春よ恋」「ゆめちから」といった品種が上位

を占めています(表Ⅲ-1)

資料農林水産省「作物統計」品種毎の面積は農林水産省政策統括官調べ

注品種の育成年についてはシロガネコムギは農林認定が行われた年

それ以外の品種は出願公表が行われた年としている

資料農林水産省「作物統計」30年産の数値は概算値

- 19 -

(千トン)

年産

910 881

674

571

746

858 812

852

1004

791

907

768

210 209 208 207 212 209 210 213 213 214 212 212

100

120

140

160

180

200

220

240

260

280

300

0

200

400

600

800

1000

H19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30

収穫量 作付面積(千ha)

品種名 育成年 作付面積(千ha) 割合 主な作付地域

きたほなみ 平成19年 878 41 北海道

さとのそら 平成21年 159 7 関東東海

シロガネコムギ 昭和49年 152 7 九州近畿

春よ恋 平成11年 143 7 北海道

ゆめちから 平成20年 137 6 北海道

上位5品種計 1469 69

小麦作付面積 - 2123

図Ⅲ-2 国内産大麦及びはだか麦の収穫量と作付面積の推移

表Ⅲ-2 大麦及びはだか麦の主な作付品種(平成29年産)

(2)大麦及びはだか麦

① 作付面積

近年国内産大麦及びはだか麦の作付面積は約6万と横ば

いで推移しており平成30年産は前年産と比較すると二条

大麦は前年産並六条大麦は800ha(4)減少はだか麦

で460ha(9)増加となり全体では340ha(1)減少の

61万haとなりました(図Ⅲ-2)

② 収穫量

平成30年産の大麦及びはだか麦の収穫量は二条大麦及びは

だか麦はおおむね天候に恵まれ生育が順調で登熟も良好

であったこと等から前年産に比べ二条大麦は01万トン

(1)増加はだか麦は01万トン(8)増加となりました

六条大麦については北陸地方において大雪の影響で融雪時期

が遅れたこと等により穂数が少なくなり前年産に比べ14万

トン(26)減少しました

この結果大麦及びはだか麦の収穫量は合計で173万トンと

なり前年産に比べて12万トン(6)減少となりました

(図Ⅲ-2)

③ 大麦及びはだか麦の作付品種の状況

栽培品種については各産地の気候条件や用途等に適した品

種が作付されており29年産では二条大麦はビール用の「サ

チホゴールデン」六条大麦は主食用や麦茶用の「ファイ

バースノウ」はだか麦は麦味噌用の「マンネンボシ」いっ

た品種が上位を占めています(表Ⅲ-2)

資料農林水産省「作物統計」30年産の数値は概算値

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(千トン)

資料農林水産省「作物統計」農林水産省調べ

注品種の育成年についてはシュンライイチバンボシは農林認定が行われ

た年それ以外の品種は出願公表が行われた年としている

195 217

179 161

172 172 183

170 177 170 185

173

54 57 58 59 60 60 59 60 61 61 61 61

0

10

20

30

40

50

60

70

80

90

100

0

50

100

150

200

250

H19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30

収穫量 作付面積 (千ha)

年産

麦種 品種名 育成年作付面積(千ha)

割合 主な作付地域

二条大麦

サチホゴールデン 平成18年 189 31 九州関東中国

はるしずく 平成17年 44 7 九州

ニシノホシ 平成11年 27 4 九州

六条大麦

ファイバースノウ 平成13年 107 17 北陸関東東海

シュンライ 平成2年 33 5 関東東北近畿

カシマゴール 平成22年 13 2 関東東海

はだか麦

マンネンボシ 平成13年 15 2 四国

イチバンボシ 平成4年 14 2 四国九州

トヨノカゼ 平成18年 11 2 九州中国

大麦はだか麦作付面積

- 614

資料農林水産省調べ

Aランク評価項目の基準値を3つ以上達成しかつ許容値を全て達成している麦Bランク評価項目の基準値を2つ達成しかつ許容値を全て達成している麦Cランク評価項目の基準値を1つ達成しかつ許容値を全て達成している麦

評価項目の基準値を2つ以上達成しているものの許容値を達成していない麦DランクA~Cランクのいずれにも該当しない麦

【評価項目】①小麦 日本麺用パン中華麺用(たんぱく灰分容積重フォーリングナンバー)

醸造用(たんぱく3項目容積重)②二条大麦 主食等用(容積重細麦率白度正常粒率)

麦茶用(たんぱく3項目細麦率)③六条大麦はだか麦 主食等用(容積重細麦率白度硝子率)

麦茶用(たんぱく3項目細麦率)

(参考) 麦の品質区分

(単位)

- 21 -

(2)品質評価

たんぱく質や灰分の含有率等に基づく品質評価結果につい

ては平成30年産の小麦ではAランクが899となってお

り過去5年平均(Aランク比率849)と比べ5ポイン

ト高くなっています

また平成30年産の大麦はだか麦ではAランクが

849となっており過去5年平均(Aランク比率832)

と比べ17ポイント高くなっています(表Ⅲ-4)

表Ⅲ-4 平成30年産麦の品質評価結果

2 国内産麦の品質状況

(1)農産物検査① 平成30年産の小麦について全国の1等比率は761

(平成30年12月末時点)と過去5年平均799と比較して低くなっています(表Ⅲ-3)

② 平成30年産の小粒大麦大粒大麦はだか麦及びビール大麦について1等比率は大粒大麦を除き過去5年平均と比較して低くなっています(表Ⅲ-3)

表Ⅲ-3 国内産麦の1等比率の推移(単位)

Aランク Bランク Cランク DランクAランク

過去5年平均(平成25~29年産)

小 麦 899 67 33 01 849

大麦はだか麦

849 37 108 06 832

注1)各年産翌年4月末時点の値であるただし平成30年産は30年12月末時点の値である

2)強力小麦の検査数量を含む値である

3 国内産麦に対する支援

平成31年度は経営所得安定対策等の対策のうち主に畑作

物の直接支払交付金と水田活用の直接支払交付金により国内

産麦に対する支援が行われます

(1)畑作物の直接支払交付金

畑作物の直接支払交付金として麦を生産する農業者に対

し標準的な生産費と標準的な販売価格の差額分を直接交付

することとしています

支払いは当年産の麦の品質及び生産量に応じて交付する

数量払を基本とし当年産の麦の作付面積に応じて交付する

面積払(営農継続支払)を数量払の先払いとして交付する仕

組みにしています

数量払の交付単価は品質に応じた単価を設けており需要

に応じた生産と品質に対する営農努力を適切に反映させる仕

組みになっています(表Ⅲ-5)

表Ⅲ-5 畑作物の直接支払交付金の麦の交付単価

(円単位数量)

品質区分(等級ランク)

1等 2等

A B C D A B C D

小麦(パン中華麵

用品種)(60kg当たり)

9040 8540 8390 8330 7880 7380 7230 7170

小麦(パン中華麺用品種以外)(60kg当たり)

6740 6240 6090 6030 5580 5080 4930 4870

二条大麦(50kg当たり) 5550 5130 5010 4960 4690 4270 4140 4090

六条大麦(50kg当たり) 6030 5610 5480 5430 5000 4580 4460 4410

はだか麦(60kg当たり) 8650 8150 8000 7910 7080 6580 6430 6350

(参考)

【平均交付単価小麦6940円60kg二条大麦5490円50kg六条大麦5720円50kg

はだか麦8230円60kg】

②面積払

当年産の作付面積に応じて交付 2万円10a

①数量払(品質に応じた単価)

- 22 -

【平成31年産に適用】

標準的な生産費

差額

ゲタ交付単価

標準的な販売価格

【交付単価のイメージ】lt畑作物の直接支払交付金のイメージgt

面積払(数量払の際に控除されます)

数量払

収量

交付金額

(2)水田活用の直接支払交付金

水田のフル活用を推進し食料自給率自給力の向上を図

るため水田で麦を生産する農業者に対しては畑作物の直

接支払交付金に加え水田活用の直接支払交付金(35000円

10a)を直接交付することとしています(表Ⅲ-6)

表Ⅲ-6 水田活用の直接支払交付金の交付単価

作 物 単 価

麦大豆飼料作物 35000円10a

WCS(ホールクロップサイレージ)用稲 80000円10a

加工用米 20000円10a

飼料用米米粉用米収量に応じ

55000円~105000円10a

このほか「産地交付金」により地域で作成する水田フル活用ビジョンに基づき二毛作や耕畜連携を含め産地づくりに向けた取組を支援します

戦略作物助成

注実需者等との出荷販売契約等を締結すること出荷販売することが要件

- 23 -

4 国内産食糧用麦の流通動向

(1)取引の概要

国内産食糧用麦は加工原料としての商品特性から需要に応じて計画的に生産できるようは種前契約に基づく取引が行われています

まず取引の指標となる透明性のある適正な価格を形成するためは種前に販売予定数量の3~4割(具体の比率は民間流通地方連絡協議会の協議を踏まえ決定)について入札が行われます残りは相対取引が行われておりその価格については入札で形成された指標価格(落札加重平均価格)を基本として取引当事者間で決められています(図Ⅲ-3)

また取引を円滑に進めるため生産者需要者等で構成される民間流通連絡協議会において取引に必要な情報交換取引に係る基本事項の見直し等が行われています(表Ⅲ-7)

今後とも国内産食糧用麦については円滑な流通が確保されるようは種前契約を基本としつつ適切に対応していきます

図Ⅲ-3 国内産食糧用麦の基本的な流通フロー

表Ⅲ-7 国内産食糧用麦の入札の仕組み

項 目 概 要 見直しの変遷

実施主体 一般社団法人 全国米麦改良協会

実施時期 は種前に2回実施(8~9月)平成13年産から1回rarr2回へ見直し

上場数量

産地銘柄別に販売予定数量が小麦3千トン以上大麦はだか麦1千トン以上の銘柄についてその30~40を上場(ほかに希望上場あり)

平成31年産から30rarr30~40へ見直し

基準価格

小麦は前年産の落札加重平均価格に当年産の入札実施時点での外国産麦の政府売渡価格の変動率を乗じた価格大麦はだか麦は前年産の落札加重平均価格

小麦の外国産麦との連動は平成24年産から実施

値幅制限 基準価格のplusmn10

小麦平成12年産~16年産plusmn5平成17年産~21年産plusmn7平成22年産plusmn10平成23年産plusmn30平成24年産~ plusmn10大麦はだか麦平成12年産~18年産plusmn5平成19年産~21年産plusmn7平成22年産plusmn10平成23年産plusmn15平成24年産~ plusmn10

取引価格の事後調整(小麦のみ)

外国産食糧用小麦の政府売渡価格の改定(410月)に合わせては種前の入札又は相対により契約された価格に外国産食糧用小麦の政府売渡価格の変動率を乗じて取引価格を改定

平成23年産から実施

申込限度数 量

買い手別に上場数量times買受実績シェアtimes145

小麦は平成17年産から大麦及びはだか麦は平成19年産から135rarr145へ見直し

相対取引入札で形成された指標価格を基本に生産者団体と需要者の間で協議決定

平成19年産から過去の実績シェアに基づく取引ルールを廃止

再入札

第1回入札及び第2回入札において落札残数量が発生した場合は売り手の希望により再度入札に付すか相対による契約を行うかいずれかの方法をとることができる

平成25年産から売り手の申し出により再入札における入札の値幅を設定できること等を規定

生産者団体から販売予定数量需要者団体から購入希望数量の相互提示

入札取引の実施(販売予定数量の約3~4割)

相対取引の実施(販売予定数量の約6~7割)

は 種(秋まき春まきは収穫年の4月)

収 穫 及 び 検 査

生産者団体と需要者の間では種前に契約を締結

需 要 者 へ 引 渡 し

<生産の流れ>

麦の生育期間

<契約の流れ>

は種前契約に基づき計画的に作付(は種)

収穫前年7月~

8~9月

9月~

~12月

6~8月

6月~

収穫年26年産から国内産麦の需要拡大を図るため地域の食文化のブランド化等による高付加価値化の取組等に対し安定的な原料供給が可能となる需要拡大推進枠を導入

- 24 -

表Ⅲ-8 国内産食糧用麦の供給量 (単位千トン)

注集荷団体からの聞き取り数量である

(2)流通の動向

平成30年産の国内産食糧用小麦の供給量は前年産から

約14万4千トン減少し約70万1千トンとなっています

また国内産食糧用大麦及びはだか麦の供給量は前年

産から約3千トン減少し約10万3千トンとなっています

(表Ⅲ-8)

生産者側から提示された平成31年産麦の販売予定数量は

国内産食糧用小麦で約82万4千トン国内産食糧用大麦及

びはだか麦で約10万8千トンとなっています

一方需要者側から提示された平成31年産麦の購入希望

数量は国内産食糧用小麦で約86万3千トン国内産食糧

用大麦及びはだか麦で約13万トンとなっています(表Ⅲ-

9)

表Ⅲ-9 国内産食糧用麦の販売予定数量及び購入希望数量の推移(単位千トン)

資料民間流通連絡協議会調べ注四捨五入の関係で差し引きが一致しないことがある

- 25 -

年産 20 21 22 23 24 25 26 27 28 2930

(見込)

小   麦 841 639 532 694 811 767 808 946 734 845 701

大麦はだか麦 125 100 84 98 93 105 103 103 92 106 103

年産 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31

販売予定数量① 887 906 909 951 948 909 905 880 820 846 834 824

購入希望数量② 833 880 818 859 904 869 751 802 834 875 880 863

①-② 54 25 91 91 44 40 154 78 14 29 46 39

(①-②)①() 61 28 100 96 47 44 170 89 18 34 55 47

販売予定数量① 121 132 134 127 122 116 110 112 113 112 108 108

購入希望数量② 199 219 135 149 147 138 141 149 145 138 148 130

①-② 78 87 1 23 26 21 31 37 32 26 39 22

(①-②)①() 640 660 06 179 209 182 282 330 284 234 363 204

表Ⅲ-10 国内産食糧用麦の入札結果の推移

資料一般社団法人全国米麦改良協会調べ

注1価格は税込み(26年産までは527年産以降は8)である

ただし31年産の落札価格は一般社団法人全国米麦改良協会公表の価格(税抜き)を基に農林水産省で税込み価格を算出

5 国内産食糧用麦の価格の動向

(1)平成31年産の入札の概要

平成31年産麦の入札は第1回は平成30年9月12日に第

2回は平成30年9月26日に実施されました

麦種別の入札結果をみると小麦は上場数量約21万4千

トンのうち約20万4千トンが落札(落札率954)され落

札価格は61714円トン(対前年産比1151)となりました

小粒大麦は上場数量約1万1千トンのうち約1万1千

トンが落札(落札率991)され落札価格は46560円トン

(対前年産比997)となりました

大粒大麦は上場数量約7千8百トンのうち5千6百トン

が落札(落札率717)され落札価格は46923円トン(対

前年産比879)となりました

はだか麦は上場数量約2千3百トンのうち約2千1百

トンが落札(落札率897)され落札価格は50817円トン

(対前年産比961)となりました(表Ⅲ-10)

なお国内産小麦については近年消費者の国産志向の高

まりなどを受け大手外食チェーンや2次加工メーカーが国

内産小麦を使用したパン中華麺等の商品を相次いで発表す

るなど人気が高まってきていますこれらを背景として平

成31年産小麦の落札価格は多くの銘柄で値幅制限の上限付

近となっておりまた申込倍数も14倍と高いものとなって

います

- 26 -

20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31

上場数量

(トン)①243510 243020 242310 251370 250980 244880 244320 234010 213360 221380 218500 214200

落札数量

(トン)②234930 238410 189350 247770 245320 220590 188240 192240 201140 214060 210560 204420

落札率

②①965 981 781 986 977 901 770 822 943 967 964 954

落札価格

(円トン)43229 59885 55241 48732 58340 49333 49319 49770 54164 51570 53624 61714

対前年産比 1064 1385 922 882 1197 846 1000 1009 1088 952 1040 1151

上場数量

(トン)①12240 13590 14210 13300 11760 11220 11290 11930 12210 12200 11750 11040

落札数量

(トン)②12050 13510 14040 13170 11550 10850 10900 11830 12090 12200 11440 10940

落札率

②①984 994 988 990 982 967 965 992 990 1000 974 991

落札価格

(円トン)45479 59709 53448 45871 46485 46453 46290 47595 47565 46880 46708 46560

対前年産比 1084 1313 895 858 1013 999 996 1028 999 986 996 997

上場数量

(トン)①10020 9690 10330 9290 9000 8700 7210 7620 7450 7620 6880 7810

落札数量

(トン)②8880 8920 8910 7990 7990 7830 6480 7130 6600 6700 6340 5600

落札率

②①886 921 863 860 888 900 899 936 886 879 922 717

落札価格

(円トン)36532 50492 46097 39649 40394 41582 42881 45740 47827 50442 53384 46923

対前年産比 1059 1382 913 860 1019 1029 1031 1067 1046 1055 1058 879

上場数量

(トン)①2910 3150 3030 3260 3060 2830 2840 2890 2740 2660 2570 2330

落札数量

(トン)②2910 3150 3030 3090 3020 2830 2810 2810 2520 2600 2470 2090

落札率

②①1000 1000 1000 948 987 1000 989 972 920 977 961 897

落札価格

(円トン)42222 58527 61489 52791 51905 52294 49656 47712 46547 48527 52876 50817

対前年産比 1063 1386 1051 859 983 1007 950 961 976 1043 1090 961

年産

小麦

小粒大麦(六条大麦)

大粒大麦(二条大麦)

はだか麦

平成31年産国内産食糧用小麦の入札結果をみると産地別銘柄別

の需給状況等を反映して落札価格に差が生じています

代表的な銘柄である北海道産「きたほなみ」は前年産の価格を

153上回る64752円トン香川県産「さぬきの夢2009」は前

年産の価格を152上回る73186円トンとなりましたまたパ

ン中華麺用の北海道産「ゆめちから」は前年産の価格を180

上回る62777円トン北海道産「春よ恋」は前年産の価格を

180上回る68792円トンとなりました(図Ⅲ-4図Ⅲ-5)

図Ⅲ-4 平成31年産国内産食糧用小麦の産地別銘柄別落札価格

資料農林水産省調べ注外国産小麦5銘柄加重平均価格は平成30年4月期の輸入小麦の政府売渡価格である

(2)平成31年産国内産食糧用小麦の産地別銘柄別落札価格の動向

資料農林水産省調べ注1国内産小麦の価格は(一社)全国米麦改良協会が実施する民間流通麦にかかる入札の第1回第2回

及び再入札の落札加重平均価格(税込み)年産の下段の( )内は当該第1回入札の実施年月である注2外国産小麦の価格は18年までは当該年度平均の実績価格であり19年以降は民間流通麦にかかる第

1回入札の実施年月時点での輸入小麦の政府売渡価格(5銘柄平均)である注3ホクシン(きたほなみ)については22年産までは「ホクシン」の価格であり23年産からは「きたほ

なみ」の価格である注4さぬきの夢については24年産までは「さぬきの夢2000」の価格であり25年産からは「さぬきの夢

2009」の価格である注5農林61号(さとのそら)については23年産までは「農林61号」の価格であり24年産からは「さとの

そら」の価格である

図Ⅲ-5 国内産食糧用小麦の産地別銘柄別落札価格の推移

- 27 -

(単位円トン税込み)

30000

60000

北海道ゆめちから 62777

福岡ミナミノカオリ 68393

滋賀農林61号 50763

茨城さとのそら 46310

佐賀チクゴイズミ 52193

岩手ゆきちから 39929

全銘柄落札加重平均 61714

香川さぬきの夢2009 73186

北海道きたほなみ 64752

外国産小麦5銘柄加重平均 54370

群馬さとのそら 48669

北海道キタノカオリ 63090

大分チクゴイズミ 48265

福岡シロガネコムギ 50643

佐賀シロガネコムギ 47998

40000

福岡チクゴイズミ 52203

滋賀ふくさやか 49534

岐阜イワイノダイチ 46874

埼玉さとのそら 47159

宮城シラネコムギ 44607

群馬つるぴかり 49785

北海道春よ恋 68792

愛知きぬあかり 50114

北海道はるきらり 60201

50000

埼玉あやひかり 46072

岐阜さとのそら 45919

70000

30000

40000

50000

60000

70000

80000

90000

100000

110000

120000

130000

12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 年産

(単位円トン税込み)

北海道ホクシン

香川さぬきの夢200973186円

茨城農林61号

香川さぬきの夢2000

茨城さとのそら

46310円

北海道きたほなみ

64752円

北海道ゆめちから

62777円

外国産小麦

5銘柄平均

54370円

北海道春よ恋

68792円

(128) (138) (148) (158) (168) (178)(1810) (199) (208)(2110)(2212) (239) (2410)(2510)(269)(279) (289) (299)(119) (309)

6 国内産麦の新品種の育成状況

(1)国内産麦については縞萎縮病抵抗性や耐倒伏性を備え

需要者等のニ-ズに合った新品種の開発が進められています

また作付け面積が1万haを超える「ゆめちから」「さとの

そら」をはじめ多数の品種が生産現場に導入されています

(図Ⅲ-6)

(2)今後とも赤かび病抵抗性や穂発芽耐性が高い小麦品種

小麦粉の色相や製粉性が優れる日本麺用小麦品種パンの膨

らみがカナダ産「1CW」並の小麦品種焼酎押麦味噌

などの加工適性が高い大麦品種等の開発を推進します

小麦品種「ゆめちから」及び「さとのそら」は優れた栽培特性

と加工適性を備えており作付けが拡大しています(平成29年

推定値「ゆめちから」約1万2千ha「さとのそら」約1万5

千ha)

パン用小麦品種の開発近年国産の小麦粉を使ったパンの需要増加に応えるためグルテンやでん粉の組成などパンの膨らみに関連する特性に注目した育種が進められていますその結果平成25年に製パン適性が「1CW」に近く多収の「せときらら」平成29年にはパン生地の力が強く穂発芽耐性や赤かび抵抗性が改良された「夏黄金」が育成されました

加工適性の高い大麦品種の開発機能性成分β-グルカンを多く含むもち性大麦の需要の高まりに応えるため平成29年に「はねうまもち」が育成されましたまた高品質なはだか麦の需要増加に対応して平成24年に味噌加工適性の高い「ハルヒメボシ」が育成されました

図Ⅲ-6 平成19年以降に育成された麦類の主な新品種

日本麺用小麦ゆめきらり

パン用小麦ゆめかおり福井県大3号

六条大麦ホワイトファイバー

北信越

日本麺用小麦あおばの恋

パン用小麦銀河のちから

東北

日本麺用小麦さとのそらきぬあかり

パン用小麦ゆめかおり

二条大麦とちのいぶき彩の星アスカゴールデンニューサチホゴールデン

六条大麦カシマゴール

はだか麦キラリモチ

関東東海

日本麺用小麦ふくはるかさぬきの夢2009

パン用小麦ゆめちからせときらら

はだか麦ハルヒメボシ

近畿中国四国

中華麺用小麦ちくしW2号

二条大麦煌二条白妙二条はるか二条トヨノホシ

九州

日本麺用小麦きたほなみ

中華麺用小麦つるきち

パン用小麦ゆめちからはるきらり

二条大麦札育2号

北海道

新品種のうち平成30年産で概ね100ha以上作付けされていると推定される品種を選定(農林水産省調べ)

- 28 -

7 国内産麦を利用した製品の動向

食料自給率の向上を図るためには国内産麦の需要開拓を行う

ことが必要です最近の消費者の国産志向の高まりや生産者と実

需者が一体となった地産地消の推進地域農業の振興を図る取り

組み等から国内産麦を使った麦製品(パン麺等)が増えてき

ており中には国内産麦を100使用した商品もあります(図Ⅲ-

7)

- 29 -

8 民間流通制度の運用改善

国内産麦の人気の高まりにより近年需要量が生産量を上回

る状況が継続しており国内産麦を積極的に使用したい実需者が

必要量を確保できない等の課題もあります

このような課題に対応するため民間流通連絡協議会において

入札上場比率の選択制の導入需要拡大推進枠設定の要件緩和

相対取引需要拡大推進枠において多様な取組が可能であること

の明確化等民間流通制度の運用改善が行われました(図Ⅲ-

8)

ピッツァ専用粉(北海道)(小麦)地元の製粉企業が北海道産小麦(きたほなみキタノカオリゆめち

から)を100使用した国内で初めてのピッツァ専用粉を開発平成30年2月に都内で試食会を開催し平成30年5月から販売

ピッツァ専用粉(群馬県)(小麦)地元の製粉企業が地元のピッツァ専門店ピッツァ窯メーカーと協力

して品質改良を重ね群馬県産小麦(さとのそらつるぴかりきぬの波)を100使用したピッツァ専用粉を平成30年4月から発売ピッツァイベントやイタリアン食材の展示会に出展

学校給食用パン(東京都)(小麦)都学校給食会の「学校給食パン加工規格」による配合基準に基づき国

内産小麦を100使用した学校給食パンを平成27年度から都内の一部の小中学校で提供を開始平成28年度からは都内全域の規格として採用

〇 市販用中華麺(愛知県)(小麦)地元の製粉企業が自社製品として愛知県産小麦きぬあかりを100使用

した中華麺を平成30年6月から自社通販で販売平成30年8月から一般販売を開始

フランスパン用粉(佐賀県)(小麦)近県製粉企業が農研機構と共同で育成した九州地域等の暖地温暖地

向けのフランスパン加工適性に優れる準強力小麦品種「さちかおり」を100使用したフランスパン用粉を平成30年8月から発売

市販用ゆで麺(長崎県)(小麦)地元の製麺企業近県製粉企業県生麺協同組合JA県等が連携し

平成26年3月に「長崎県育成麦活用開発協議会」を立ち上げ長崎県産長崎W2号(商標登録名長崎ちゃん麦)を100使用したちゃんぽん用のゆで麺を平成29年4月に製品化原料小麦の生産量が整った段階での本格販売を予定

もち性大麦を使用した機能性表示食品(静岡県)(大麦)地元の精麦企業が国内産もち性大麦でβ-グルカン量の多い銘柄を使用し

炊飯用精麦を製品化機能性表示食品として平成29年1月に届出し十分な原料を手当でき次第随時販売予定

〇 もち性大麦を使用したシリアル(愛知県)(大麦)地元の精麦企業が食物繊維が20を超える愛知県産もち性大麦「ワキ

シーファイバー」を使用した国内産もち麦100シリアルを開発平成30年4月から販売開始

図Ⅲ-7 国内産麦を100使用した商品事例

図Ⅲ-8 民間流通制度の運用改善のポイント

0

50

100

150

200

250

300

350

400円千人

大手製パンメーカーA社が国内産小麦100使用の新製品を発売

大手製食品スーパーB社が国内産小麦100使用の新製品をPBで発売

大手製パンメーカーA社が国内産小麦100使用の製品を初めて発売

(参考)国内産小麦を利用した製品の販売状況

(1)国内産小麦100使用の食パンの販売額

大きなシェアを占めるにはいたっていないものの国内産

小麦を100使用した食パンの販売金額の推移を見ると新製

品が登場する度に国内産小麦100使用の食パン市場が拡大し

ています(図Ⅲ-9)

図Ⅲ-9 国内産小麦100使用の食パンの販売額の推移(首都圏)

資料日本経済新聞デジタルメディア社による首都圏のスーパーマーケットなど100店舗におけるPOSデータに基づき農林水産政策研究所において集計

注食パンのうち国内産小麦を100使用していることが明らかな製品のみ計上菓子パン等は含んでいない

表Ⅲ-11 生麺ゆで麺(チルド)の販売金額のシェア(首都圏平成30年)

資料日本経済新聞デジタルメディア社による首都圏のスーパーマーケットなど120店舗におけるPOSデータに基づき農林水産政策研究所において集計

(2)生麺ゆで麺(チルド)の販売金額

生麺ゆで麺全体で上位15製品の売上高に占める国内産

小麦使用表示のある製品のシェアは30となっていますま

た主要な麺製品のうどんラーメン冷やし中華焼そば

全てで国内産小麦使用製品がランクインしています(表Ⅲ

-11)

2013年 2014年 2015年 2016年 2017年 2018年 2019年

                      (単位)

製品の種類製造企業の規模産地表示販売金額シェア

焼そば大手製品(国内産小麦使用表示なし) 99そば大手製品(国内産小麦使用表示なし) 27冷やしラーメン大手製品(国内産小麦使用表示なし) 20うどん大手製品(北海道産小麦使用表示あり) 20ラーメン大手製品(北海道産小麦使用表示あり) 14冷やし中華大手製品(国内産小麦使用表示なし) 14うどん大手製品(国内産小麦使用表示あり) 13焼そば大手製品(国内産小麦使用表示なし) 12焼うどん大手製品(国内産小麦使用表示なし) 12うどん大手製品(国内産小麦使用表示あり) 11焼そば大手製品(国内産小麦使用表示あり) 11そうめん大手製品(国内産小麦使用表示あり) 10うどんPB製品(北海道産小麦使用表示あり) 10つけ麺大手製品(国内産小麦使用表示なし) 10冷麺中小製品(国内産小麦使用表示なし) 10

303

14

89

15上位15製品の売上高に占める国内産小麦使用表示のある製品の

シェア

順位

1

10111213

234567

- 30 -

図Ⅲ-10 外食産業等と連携した農産物の需要拡大対策事業(麦類)

9 国内産麦の需要拡大イベント及び情報発信の取組

近年生産者と実需者等が連携し国内産麦を使用した製品が

数多く開発販売されており各地でイベント等の需要拡大の

取組みが行われております

また農林水産省としては平成30年度産地と外食事業者等

が連携して行う国内産麦を活用した新商品の開発試作製

造するために必要な取組を支援する「外食産業等と連携した農

産物の需要拡大対策事業」を一般社団法人全国米麦改良協会を

実施主体として行っているところです

農林水産省のホームページにおいてこれらのイベント等につい

て情報発信を行うとともに一般社団法人全国米麦改良協会が

開設している国産麦応援情報ホームページでの情報提供等を

行っています(図Ⅲ-10~12)

「国内産麦使用試作品全国統一試食会商談会」開催日平成31年2月12日~19日(土日を除く)場 所むぎくらべ(東京都千代田区神田小川町)

内 容平成29年度補正予算事業「外食産業等と連携した農産物の需要拡大対策事業」の一環として行われた国内産麦を使用した試作品の試食会商談会

「国内産麦使用試作品全国統一試食会商談会」で出品された試作品

- 31 -

第8回全国ご当地うどんサミットin 熊谷 開催日平成30年11月10日~11日 場 所熊谷スポーツ文化公園にぎわい広

場(埼玉県) 内 容全国の国内産小麦を使用した「ご

当地うどん」が一堂に集まりグランプリを決定

図Ⅲ-11 全国各地で開催されたイベント 図Ⅲ-12 一般社団法人 全国米麦改良協会の取組

国産麦応援情報ホームページ「日本の麦の底力」内容国産小麦粉ブランド名鑑国産小麦の逸品イベント情報研究

情報等を掲載URL httpnihonnomugicom

北海道小麦キャンプ2018 in オホーツク 開催日平成30年7月10日~11日 場 所ホテル黒部を主会場としたオホーツ

ク管内(北海道) 内 容国内産小麦北海道産小麦の魅力

を全国に広めることを目的にバスツアーやパン講習会などを実施

麦わらぼうしフェスタ 開催日平成30年11月4日 場 所笠原産業株式会社(栃木県) 内 容国内産小麦を使用したうどんパン

などの試食販売うどん教室などを実施

第7回 信州粉もん祭り 開催日平成30年11月11日 場 所JAながの ちくま埴生支所(長野県) 内 容長野県産小麦を使用した「粉もん料

理」が大集合粉もん試食会や手打ちうどん講習会 などを実施

国内産麦アンテナショップ「むぎくらべ」内容国内産麦を使用した商品のPRと販売の場を提供するものとして

平成30年7月東京都千代田区にオープン

- 32 -

オープニングセレモニーには上月前農林水産大臣政務官(写真中央)も出席

10 食料農業農村基本計画における麦の位置付け

平成27年3月31日に平成37年度を目標とする「食料農業

農村基本計画」が閣議決定され小麦は95万トン大麦はだ

か麦は22万トンの生産努力目標が設定されています(表Ⅲ-

12)

食料消費の見通し 生産努力目標(万トン) 克服すべき課題

1人1年当たり消費量

(kg人年)

国内消費仕向量

(万トン)

平成25年度

平成37年度

平成25年度

平成37年度

平成25年度

平成37年度

小麦 33 32 699 611 81 95

国内産小麦の需要拡大に向けた産地形成やブランド化

実需者ニーズに対応した生産流通体制の確立

新品種新技術の開発導入輪作体系の最適化排水対策等による収量品質の高位安定化

農地の集積集約化経営規模の拡大に対応した省力化に資する技術の開発導入等による生産コストの低減

大麦はだか麦

03 02 208 213 18 22

外国産大麦が多く用いられている焼酎用等の国内産麦の需要拡大

実需者ニーズに対応した生産流通体制の確立

新品種新技術の開発導入輪作体系の最適化排水対策等による収量品質の高位安定化

農地の集積集約化経営規模の拡大に対応した省力化に資する技術の開発導入等による生産コストの低減

表Ⅲ-12 麦の平成37年度における食料消費の見通し及び生産努力目標

資料「食料農業農村基本計画」(平成27年3月閣議決定)注1)国内消費仕向量には飼料用等の食糧用以外の用途への仕向量を含む

2)大麦はだか麦の国内消費仕向量及び生産努力目標にはビール大麦を含む

- 33 -

Ⅳ 米粉に関する動向

1 生産動向

米粉用米の生産量は平成25年産以降2万トン前後で推移していましたが平成29年度以降は約3万トンまで回復しています(表Ⅳ-1)

2 需要拡大に向けた対応

米粉用米の利用量は平成24年度以降年間2万数千トンで推移していましたがグルテンを使用しない米粉商品の開発や新たな米加工品(α化米粉米ゲルなど)の保湿性や粘性に着目した商品の開発「米粉の用途別基準」や「ノングルテン米粉製品第三者認証制度」の運用開始により平成29年度は25千トン30年度は31千トンに増加しています(表Ⅳ-2)

今後の更なる国内海外の需要拡大のためノングルテン米粉や用途別基準に適合する高品質な日本産米粉の流通を契機とした魅力ある新商品の開発や日本産米粉の優位性の情報発信等を推進する必要があります

表Ⅳ-1 上位5県の米粉用米の生産量と作付面積の推移

(参考) 米粉及び小麦粉の販売価格(税抜き)

米粉100~290円kg程度

(小麦粉 100円kg程度)

注1)平成26~29年度については新規需要米取組計画を認定した全需要者からの聞き取り注2)平成30年度については新規需要米取組計画を認定した主要な需要者からの聞き取り

により推計

表Ⅳ-2 米粉用米の利用量(需要者からの聞き取り)

- 34 -

資料26~29年産は新規需要米生産集出荷数量30年産は新規需要米取組計画

認定数量(農林水産省)

(単位千トン)

26年度 27年度 28年度 29年度 30年度見込

22 23 23 25 31

(単位千トン千ha)

26年産 27年産 28年産 29年産 30年産

生産量 59 97 87 130 107作付面積 11 18 15 24 19生産量 10 10 09 30 31作付面積 02 02 02 06 06生産量 08 10 00 19 30作付面積 01 02 00 03 06生産量 10 12 12 12 16作付面積 02 03 02 02 03生産量 20 24 07 12 13作付面積 03 04 01 02 02生産量 184 230 190 284 281作付面積 34 42 34 53 53

秋田県

全国計

新潟県

埼玉県

栃木県

群馬県

農林水産大臣は米穀の新用途への利用の促進に関する基本方針を定める

生産製造連携事業計画

生産者 製造事業者 促進事業者

必須

米穀の新用途への利用の促進に関する法律

米穀の新用途への利用の促進に関する基本方針

関係者が連携して計画を作成米穀の新用途への利用の促進に関する基本方針に照らし適切な計画について農林水産大臣が認定(計画期間は3~5年)

図Ⅳ 米粉用米に対する支援措置

3 米粉用米に対する支援

① 米粉用米についてはその利用の拡大を図るために平成21年に「米穀の新用途への利用の促進に関する法律」が制定されました同法に基づく「生産製造連携事業計画」の認定を受け「農山漁村

活性化計画」の採択を受けた取組に対して米粉用米の生産加工に必要な施設整備等の支援を行っています

② 米粉用米の生産者に対しては水田活用の直接支払交付金による支援を行っていますまたノングルテン米粉表示や米粉の用途別基準により需要者ニーズに合った高品質な米粉の製造や輸出拡大の取組を支援しています

③ 平成31年度は国内海外の需要獲得に向け引き続き魅力ある新商品開発を推進するほか日本産米粉の優位性の情報発信やノングルテン米粉の製造手法マニュアルの作成など輸出を含めた日本産米粉の需要拡大に向けた取組を支援していくこととしています

予 算 措 置

【水田活用の直接支払交付金】水田を活用して米粉用米等の作物を生産する農業者に対し交付金を直接交付 (米粉用米収量に応じ55万円~105万円10a)

【農山漁村振興交付金】米粉飼料用米の生産加工に係る施設整備に対し交付金を交付(補助率定額12)

【持続的生産強化対策事業】

日本産米粉の優位性の情報発信ノングルテン米粉の製造手法マニュアルの作成米粉用米生産者と製造事業者とのマッチング

等の取組を支援

金 融 措 置

【日本政策金融公庫による低利融資】(食品安定供給施設整備資金)

米粉製造施設米粉を原料とした食品の製造加工施設等への融資

(輸出を含めた日本産米粉の需要拡大支援事業)

(補助率定額)

【外食産業等と連携した需要拡大対策事業】

国産農林水産物食品の輸出等需要フロンティアの開拓を図るため産地と複数年契約を締結する民間企業(外食加工業者)に対し国産農林水産物を活用した新商品の開発やそれに必要な技術開発等を支援 (補助率定額12)

- 35 -

【農林水産物食品輸出促進緊急対策事業】コメ海外市場拡大戦略プロジェクトに参加する輸出産地や輸出事業者等が連携して戦略的に取り組む中国等の海外市場開拓プロモーション等を支援

(補助率定額12)

品目 現在の関税率 合意内容

小麦

枠内税率無税+マークアップ

枠外税率55円kg

現行の国家貿易制度を維持するとともに枠外税率(55円kg)を維持

既存のWTO枠に加え米国(15万(7年目以降))【不適用】カナダ(53万(同))豪州(5万(同))にSBS方式の国別枠を設定

マークアップを9年目までに45削減

大麦

枠内税率無税+マークアップ

枠外税率39円kg

現行の国家貿易制度を維持するとともに枠外税率(39円kg)を維持

既存のWTO枠に加えSBS方式のTPP枠(65万(9年目以降))を設定

マークアップを9年目までに45削減

1 TPP11協定概要(麦)(平成30年12月30日発効)

Ⅴ TPP11及び日EUEPAの協定概要(麦関係)

(参考主な麦製品)

現在の関税率合意内容

税率 枠数量

いった小麦小麦粉等

(国家貿易品目)

枠内税率125~25+マークアップ

枠外税率85~134円kg

枠内即時無税+マークアップ

(枠外税率は維持)

(発効時) (6年目)125千rarr175千

ベーカリー製品製造用

小麦粉調製品16~24

枠内即時無税(枠外税率は維持)

(発効時) (6年目)米国 105千rarr12千【不適用】米国以外 68千rarr 8千

その他小麦粉調製品

16~28枠内即時無税

(枠外税率は維持)(発効時) (6年目)15千rarr225千

マカロニスパゲティ

30円kg9年目までに60削減

ビスケット 1315 6年目に無税 -

注1)いった小麦とは小麦をいったものであり主にシリアル食品等に使用される

2)その他小麦粉調製品とは製麺まんじゅう等のベーカリー製品以外の製造用の

小麦粉調製品である

- 36 -

2 日EUEPA協定概要(麦)(平成31年2月1日発効)

品目 現在の関税率 合意内容

小麦

枠内税率無税+マークアップ

枠外税率55円kg

現行の国家貿易制度を維持するとともに枠外税率(55円kg)を維持

既存のWTO枠に加えSBS方式のEU枠(270(7年目以降))を設定

枠内のマークアップを9年目までに45削減

大麦

枠内税率無税+マークアップ

枠外税率39円kg

現行の国家貿易制度を維持するとともに枠外税率(39円kg)を維持

既存のWTO枠に加えSBS方式のEU枠(30(即時))を設定

枠内のマークアップを9年目までに45削減

(参考主な麦製品)

現在の関税率合意内容

税率 枠数量

いった小麦小麦粉等

(国家貿易品目)

枠内税率125~25+マークアップ

枠外税率85~134円kg

枠内即時無税+マークアップ

(枠外税率は維持)

(発効時) (6年目)38千rarr44千

ベーカリー製品製造用

小麦粉調製品16~24

枠内即時無税(枠外税率は維持)

(発効時) (6年目)104千rarr142千

その他小麦粉調製品

16~28枠内即時無税

(枠外税率は維持)(発効時) (6年目)

2千rarr3千

マカロニスパゲティ

30円kg 11年目に無税 -

ビスケット 1315 6年目に無税 -

注1)いった小麦とは小麦をいったものであり主にシリアル食品等に使用される

2)その他小麦粉調製品とは製麺まんじゅう等のベーカリー製品以外の製造用の

小麦粉調製品である

(参考) 麦の国境措置

小 麦 大 麦

輸入数量

価格

輸入数量

価格

政府売渡価格

マークアップ(輸入差益)

452円kgを上限

輸入価格

(枠内税率0円kg)

枠内輸入(国家貿易) 枠外輸入

(民間貿易)枠外税率を支払って輸入された数量(平成29年度)12千トン

WTOカレントアクセス数量5740千トン

枠外税率55円

政府売渡価格

輸入価格(枠内税率0円kg)

WTOカレントアクセス数量1369千トン

枠内輸入(国家貿易) 枠外輸入(民間貿易)

枠外税率を支払って輸入された数量(平成29年度)06千トン

枠外税率39円

民間貿易の場合の輸入価格

民間貿易の場合の輸入価格

286円kgを上限

マークアップ(輸入差益)

- 37 -

  • スライド番号 1
  • スライド番号 2
  • 麦の参考資料 麦の需給に関する見通し(動向編)
  • スライド番号 4
  • スライド番号 5
  • スライド番号 6
  • スライド番号 7
  • スライド番号 8
  • スライド番号 9
  • スライド番号 10
  • スライド番号 11
  • スライド番号 12
  • スライド番号 13
  • スライド番号 14
  • Ⅱ 小麦粉麦製品の生産と価格の動向
  • スライド番号 16
  • スライド番号 17
  • スライド番号 18
  • スライド番号 19
  • スライド番号 20
  • スライド番号 21
  • スライド番号 22
  • スライド番号 23
  • スライド番号 24
  • スライド番号 25
  • スライド番号 26
  • スライド番号 27
  • スライド番号 28
  • スライド番号 29
  • スライド番号 30
  • スライド番号 31
  • スライド番号 32
  • スライド番号 33
  • スライド番号 34
  • スライド番号 35
  • スライド番号 36
  • スライド番号 37
  • スライド番号 38
  • スライド番号 39
  • スライド番号 40
  • スライド番号 41
Page 28: 麦の参考資料 - maff.go.jp · 2020-03-31 · 2014/15 2015/16 2016/17 2017/18 2018/19 (平成26年) (平成27年) (平成28年)(平成29年)(平成30年) 見込

図Ⅲ-2 国内産大麦及びはだか麦の収穫量と作付面積の推移

表Ⅲ-2 大麦及びはだか麦の主な作付品種(平成29年産)

(2)大麦及びはだか麦

① 作付面積

近年国内産大麦及びはだか麦の作付面積は約6万と横ば

いで推移しており平成30年産は前年産と比較すると二条

大麦は前年産並六条大麦は800ha(4)減少はだか麦

で460ha(9)増加となり全体では340ha(1)減少の

61万haとなりました(図Ⅲ-2)

② 収穫量

平成30年産の大麦及びはだか麦の収穫量は二条大麦及びは

だか麦はおおむね天候に恵まれ生育が順調で登熟も良好

であったこと等から前年産に比べ二条大麦は01万トン

(1)増加はだか麦は01万トン(8)増加となりました

六条大麦については北陸地方において大雪の影響で融雪時期

が遅れたこと等により穂数が少なくなり前年産に比べ14万

トン(26)減少しました

この結果大麦及びはだか麦の収穫量は合計で173万トンと

なり前年産に比べて12万トン(6)減少となりました

(図Ⅲ-2)

③ 大麦及びはだか麦の作付品種の状況

栽培品種については各産地の気候条件や用途等に適した品

種が作付されており29年産では二条大麦はビール用の「サ

チホゴールデン」六条大麦は主食用や麦茶用の「ファイ

バースノウ」はだか麦は麦味噌用の「マンネンボシ」いっ

た品種が上位を占めています(表Ⅲ-2)

資料農林水産省「作物統計」30年産の数値は概算値

- 20 -

(千トン)

資料農林水産省「作物統計」農林水産省調べ

注品種の育成年についてはシュンライイチバンボシは農林認定が行われ

た年それ以外の品種は出願公表が行われた年としている

195 217

179 161

172 172 183

170 177 170 185

173

54 57 58 59 60 60 59 60 61 61 61 61

0

10

20

30

40

50

60

70

80

90

100

0

50

100

150

200

250

H19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30

収穫量 作付面積 (千ha)

年産

麦種 品種名 育成年作付面積(千ha)

割合 主な作付地域

二条大麦

サチホゴールデン 平成18年 189 31 九州関東中国

はるしずく 平成17年 44 7 九州

ニシノホシ 平成11年 27 4 九州

六条大麦

ファイバースノウ 平成13年 107 17 北陸関東東海

シュンライ 平成2年 33 5 関東東北近畿

カシマゴール 平成22年 13 2 関東東海

はだか麦

マンネンボシ 平成13年 15 2 四国

イチバンボシ 平成4年 14 2 四国九州

トヨノカゼ 平成18年 11 2 九州中国

大麦はだか麦作付面積

- 614

資料農林水産省調べ

Aランク評価項目の基準値を3つ以上達成しかつ許容値を全て達成している麦Bランク評価項目の基準値を2つ達成しかつ許容値を全て達成している麦Cランク評価項目の基準値を1つ達成しかつ許容値を全て達成している麦

評価項目の基準値を2つ以上達成しているものの許容値を達成していない麦DランクA~Cランクのいずれにも該当しない麦

【評価項目】①小麦 日本麺用パン中華麺用(たんぱく灰分容積重フォーリングナンバー)

醸造用(たんぱく3項目容積重)②二条大麦 主食等用(容積重細麦率白度正常粒率)

麦茶用(たんぱく3項目細麦率)③六条大麦はだか麦 主食等用(容積重細麦率白度硝子率)

麦茶用(たんぱく3項目細麦率)

(参考) 麦の品質区分

(単位)

- 21 -

(2)品質評価

たんぱく質や灰分の含有率等に基づく品質評価結果につい

ては平成30年産の小麦ではAランクが899となってお

り過去5年平均(Aランク比率849)と比べ5ポイン

ト高くなっています

また平成30年産の大麦はだか麦ではAランクが

849となっており過去5年平均(Aランク比率832)

と比べ17ポイント高くなっています(表Ⅲ-4)

表Ⅲ-4 平成30年産麦の品質評価結果

2 国内産麦の品質状況

(1)農産物検査① 平成30年産の小麦について全国の1等比率は761

(平成30年12月末時点)と過去5年平均799と比較して低くなっています(表Ⅲ-3)

② 平成30年産の小粒大麦大粒大麦はだか麦及びビール大麦について1等比率は大粒大麦を除き過去5年平均と比較して低くなっています(表Ⅲ-3)

表Ⅲ-3 国内産麦の1等比率の推移(単位)

Aランク Bランク Cランク DランクAランク

過去5年平均(平成25~29年産)

小 麦 899 67 33 01 849

大麦はだか麦

849 37 108 06 832

注1)各年産翌年4月末時点の値であるただし平成30年産は30年12月末時点の値である

2)強力小麦の検査数量を含む値である

3 国内産麦に対する支援

平成31年度は経営所得安定対策等の対策のうち主に畑作

物の直接支払交付金と水田活用の直接支払交付金により国内

産麦に対する支援が行われます

(1)畑作物の直接支払交付金

畑作物の直接支払交付金として麦を生産する農業者に対

し標準的な生産費と標準的な販売価格の差額分を直接交付

することとしています

支払いは当年産の麦の品質及び生産量に応じて交付する

数量払を基本とし当年産の麦の作付面積に応じて交付する

面積払(営農継続支払)を数量払の先払いとして交付する仕

組みにしています

数量払の交付単価は品質に応じた単価を設けており需要

に応じた生産と品質に対する営農努力を適切に反映させる仕

組みになっています(表Ⅲ-5)

表Ⅲ-5 畑作物の直接支払交付金の麦の交付単価

(円単位数量)

品質区分(等級ランク)

1等 2等

A B C D A B C D

小麦(パン中華麵

用品種)(60kg当たり)

9040 8540 8390 8330 7880 7380 7230 7170

小麦(パン中華麺用品種以外)(60kg当たり)

6740 6240 6090 6030 5580 5080 4930 4870

二条大麦(50kg当たり) 5550 5130 5010 4960 4690 4270 4140 4090

六条大麦(50kg当たり) 6030 5610 5480 5430 5000 4580 4460 4410

はだか麦(60kg当たり) 8650 8150 8000 7910 7080 6580 6430 6350

(参考)

【平均交付単価小麦6940円60kg二条大麦5490円50kg六条大麦5720円50kg

はだか麦8230円60kg】

②面積払

当年産の作付面積に応じて交付 2万円10a

①数量払(品質に応じた単価)

- 22 -

【平成31年産に適用】

標準的な生産費

差額

ゲタ交付単価

標準的な販売価格

【交付単価のイメージ】lt畑作物の直接支払交付金のイメージgt

面積払(数量払の際に控除されます)

数量払

収量

交付金額

(2)水田活用の直接支払交付金

水田のフル活用を推進し食料自給率自給力の向上を図

るため水田で麦を生産する農業者に対しては畑作物の直

接支払交付金に加え水田活用の直接支払交付金(35000円

10a)を直接交付することとしています(表Ⅲ-6)

表Ⅲ-6 水田活用の直接支払交付金の交付単価

作 物 単 価

麦大豆飼料作物 35000円10a

WCS(ホールクロップサイレージ)用稲 80000円10a

加工用米 20000円10a

飼料用米米粉用米収量に応じ

55000円~105000円10a

このほか「産地交付金」により地域で作成する水田フル活用ビジョンに基づき二毛作や耕畜連携を含め産地づくりに向けた取組を支援します

戦略作物助成

注実需者等との出荷販売契約等を締結すること出荷販売することが要件

- 23 -

4 国内産食糧用麦の流通動向

(1)取引の概要

国内産食糧用麦は加工原料としての商品特性から需要に応じて計画的に生産できるようは種前契約に基づく取引が行われています

まず取引の指標となる透明性のある適正な価格を形成するためは種前に販売予定数量の3~4割(具体の比率は民間流通地方連絡協議会の協議を踏まえ決定)について入札が行われます残りは相対取引が行われておりその価格については入札で形成された指標価格(落札加重平均価格)を基本として取引当事者間で決められています(図Ⅲ-3)

また取引を円滑に進めるため生産者需要者等で構成される民間流通連絡協議会において取引に必要な情報交換取引に係る基本事項の見直し等が行われています(表Ⅲ-7)

今後とも国内産食糧用麦については円滑な流通が確保されるようは種前契約を基本としつつ適切に対応していきます

図Ⅲ-3 国内産食糧用麦の基本的な流通フロー

表Ⅲ-7 国内産食糧用麦の入札の仕組み

項 目 概 要 見直しの変遷

実施主体 一般社団法人 全国米麦改良協会

実施時期 は種前に2回実施(8~9月)平成13年産から1回rarr2回へ見直し

上場数量

産地銘柄別に販売予定数量が小麦3千トン以上大麦はだか麦1千トン以上の銘柄についてその30~40を上場(ほかに希望上場あり)

平成31年産から30rarr30~40へ見直し

基準価格

小麦は前年産の落札加重平均価格に当年産の入札実施時点での外国産麦の政府売渡価格の変動率を乗じた価格大麦はだか麦は前年産の落札加重平均価格

小麦の外国産麦との連動は平成24年産から実施

値幅制限 基準価格のplusmn10

小麦平成12年産~16年産plusmn5平成17年産~21年産plusmn7平成22年産plusmn10平成23年産plusmn30平成24年産~ plusmn10大麦はだか麦平成12年産~18年産plusmn5平成19年産~21年産plusmn7平成22年産plusmn10平成23年産plusmn15平成24年産~ plusmn10

取引価格の事後調整(小麦のみ)

外国産食糧用小麦の政府売渡価格の改定(410月)に合わせては種前の入札又は相対により契約された価格に外国産食糧用小麦の政府売渡価格の変動率を乗じて取引価格を改定

平成23年産から実施

申込限度数 量

買い手別に上場数量times買受実績シェアtimes145

小麦は平成17年産から大麦及びはだか麦は平成19年産から135rarr145へ見直し

相対取引入札で形成された指標価格を基本に生産者団体と需要者の間で協議決定

平成19年産から過去の実績シェアに基づく取引ルールを廃止

再入札

第1回入札及び第2回入札において落札残数量が発生した場合は売り手の希望により再度入札に付すか相対による契約を行うかいずれかの方法をとることができる

平成25年産から売り手の申し出により再入札における入札の値幅を設定できること等を規定

生産者団体から販売予定数量需要者団体から購入希望数量の相互提示

入札取引の実施(販売予定数量の約3~4割)

相対取引の実施(販売予定数量の約6~7割)

は 種(秋まき春まきは収穫年の4月)

収 穫 及 び 検 査

生産者団体と需要者の間では種前に契約を締結

需 要 者 へ 引 渡 し

<生産の流れ>

麦の生育期間

<契約の流れ>

は種前契約に基づき計画的に作付(は種)

収穫前年7月~

8~9月

9月~

~12月

6~8月

6月~

収穫年26年産から国内産麦の需要拡大を図るため地域の食文化のブランド化等による高付加価値化の取組等に対し安定的な原料供給が可能となる需要拡大推進枠を導入

- 24 -

表Ⅲ-8 国内産食糧用麦の供給量 (単位千トン)

注集荷団体からの聞き取り数量である

(2)流通の動向

平成30年産の国内産食糧用小麦の供給量は前年産から

約14万4千トン減少し約70万1千トンとなっています

また国内産食糧用大麦及びはだか麦の供給量は前年

産から約3千トン減少し約10万3千トンとなっています

(表Ⅲ-8)

生産者側から提示された平成31年産麦の販売予定数量は

国内産食糧用小麦で約82万4千トン国内産食糧用大麦及

びはだか麦で約10万8千トンとなっています

一方需要者側から提示された平成31年産麦の購入希望

数量は国内産食糧用小麦で約86万3千トン国内産食糧

用大麦及びはだか麦で約13万トンとなっています(表Ⅲ-

9)

表Ⅲ-9 国内産食糧用麦の販売予定数量及び購入希望数量の推移(単位千トン)

資料民間流通連絡協議会調べ注四捨五入の関係で差し引きが一致しないことがある

- 25 -

年産 20 21 22 23 24 25 26 27 28 2930

(見込)

小   麦 841 639 532 694 811 767 808 946 734 845 701

大麦はだか麦 125 100 84 98 93 105 103 103 92 106 103

年産 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31

販売予定数量① 887 906 909 951 948 909 905 880 820 846 834 824

購入希望数量② 833 880 818 859 904 869 751 802 834 875 880 863

①-② 54 25 91 91 44 40 154 78 14 29 46 39

(①-②)①() 61 28 100 96 47 44 170 89 18 34 55 47

販売予定数量① 121 132 134 127 122 116 110 112 113 112 108 108

購入希望数量② 199 219 135 149 147 138 141 149 145 138 148 130

①-② 78 87 1 23 26 21 31 37 32 26 39 22

(①-②)①() 640 660 06 179 209 182 282 330 284 234 363 204

表Ⅲ-10 国内産食糧用麦の入札結果の推移

資料一般社団法人全国米麦改良協会調べ

注1価格は税込み(26年産までは527年産以降は8)である

ただし31年産の落札価格は一般社団法人全国米麦改良協会公表の価格(税抜き)を基に農林水産省で税込み価格を算出

5 国内産食糧用麦の価格の動向

(1)平成31年産の入札の概要

平成31年産麦の入札は第1回は平成30年9月12日に第

2回は平成30年9月26日に実施されました

麦種別の入札結果をみると小麦は上場数量約21万4千

トンのうち約20万4千トンが落札(落札率954)され落

札価格は61714円トン(対前年産比1151)となりました

小粒大麦は上場数量約1万1千トンのうち約1万1千

トンが落札(落札率991)され落札価格は46560円トン

(対前年産比997)となりました

大粒大麦は上場数量約7千8百トンのうち5千6百トン

が落札(落札率717)され落札価格は46923円トン(対

前年産比879)となりました

はだか麦は上場数量約2千3百トンのうち約2千1百

トンが落札(落札率897)され落札価格は50817円トン

(対前年産比961)となりました(表Ⅲ-10)

なお国内産小麦については近年消費者の国産志向の高

まりなどを受け大手外食チェーンや2次加工メーカーが国

内産小麦を使用したパン中華麺等の商品を相次いで発表す

るなど人気が高まってきていますこれらを背景として平

成31年産小麦の落札価格は多くの銘柄で値幅制限の上限付

近となっておりまた申込倍数も14倍と高いものとなって

います

- 26 -

20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31

上場数量

(トン)①243510 243020 242310 251370 250980 244880 244320 234010 213360 221380 218500 214200

落札数量

(トン)②234930 238410 189350 247770 245320 220590 188240 192240 201140 214060 210560 204420

落札率

②①965 981 781 986 977 901 770 822 943 967 964 954

落札価格

(円トン)43229 59885 55241 48732 58340 49333 49319 49770 54164 51570 53624 61714

対前年産比 1064 1385 922 882 1197 846 1000 1009 1088 952 1040 1151

上場数量

(トン)①12240 13590 14210 13300 11760 11220 11290 11930 12210 12200 11750 11040

落札数量

(トン)②12050 13510 14040 13170 11550 10850 10900 11830 12090 12200 11440 10940

落札率

②①984 994 988 990 982 967 965 992 990 1000 974 991

落札価格

(円トン)45479 59709 53448 45871 46485 46453 46290 47595 47565 46880 46708 46560

対前年産比 1084 1313 895 858 1013 999 996 1028 999 986 996 997

上場数量

(トン)①10020 9690 10330 9290 9000 8700 7210 7620 7450 7620 6880 7810

落札数量

(トン)②8880 8920 8910 7990 7990 7830 6480 7130 6600 6700 6340 5600

落札率

②①886 921 863 860 888 900 899 936 886 879 922 717

落札価格

(円トン)36532 50492 46097 39649 40394 41582 42881 45740 47827 50442 53384 46923

対前年産比 1059 1382 913 860 1019 1029 1031 1067 1046 1055 1058 879

上場数量

(トン)①2910 3150 3030 3260 3060 2830 2840 2890 2740 2660 2570 2330

落札数量

(トン)②2910 3150 3030 3090 3020 2830 2810 2810 2520 2600 2470 2090

落札率

②①1000 1000 1000 948 987 1000 989 972 920 977 961 897

落札価格

(円トン)42222 58527 61489 52791 51905 52294 49656 47712 46547 48527 52876 50817

対前年産比 1063 1386 1051 859 983 1007 950 961 976 1043 1090 961

年産

小麦

小粒大麦(六条大麦)

大粒大麦(二条大麦)

はだか麦

平成31年産国内産食糧用小麦の入札結果をみると産地別銘柄別

の需給状況等を反映して落札価格に差が生じています

代表的な銘柄である北海道産「きたほなみ」は前年産の価格を

153上回る64752円トン香川県産「さぬきの夢2009」は前

年産の価格を152上回る73186円トンとなりましたまたパ

ン中華麺用の北海道産「ゆめちから」は前年産の価格を180

上回る62777円トン北海道産「春よ恋」は前年産の価格を

180上回る68792円トンとなりました(図Ⅲ-4図Ⅲ-5)

図Ⅲ-4 平成31年産国内産食糧用小麦の産地別銘柄別落札価格

資料農林水産省調べ注外国産小麦5銘柄加重平均価格は平成30年4月期の輸入小麦の政府売渡価格である

(2)平成31年産国内産食糧用小麦の産地別銘柄別落札価格の動向

資料農林水産省調べ注1国内産小麦の価格は(一社)全国米麦改良協会が実施する民間流通麦にかかる入札の第1回第2回

及び再入札の落札加重平均価格(税込み)年産の下段の( )内は当該第1回入札の実施年月である注2外国産小麦の価格は18年までは当該年度平均の実績価格であり19年以降は民間流通麦にかかる第

1回入札の実施年月時点での輸入小麦の政府売渡価格(5銘柄平均)である注3ホクシン(きたほなみ)については22年産までは「ホクシン」の価格であり23年産からは「きたほ

なみ」の価格である注4さぬきの夢については24年産までは「さぬきの夢2000」の価格であり25年産からは「さぬきの夢

2009」の価格である注5農林61号(さとのそら)については23年産までは「農林61号」の価格であり24年産からは「さとの

そら」の価格である

図Ⅲ-5 国内産食糧用小麦の産地別銘柄別落札価格の推移

- 27 -

(単位円トン税込み)

30000

60000

北海道ゆめちから 62777

福岡ミナミノカオリ 68393

滋賀農林61号 50763

茨城さとのそら 46310

佐賀チクゴイズミ 52193

岩手ゆきちから 39929

全銘柄落札加重平均 61714

香川さぬきの夢2009 73186

北海道きたほなみ 64752

外国産小麦5銘柄加重平均 54370

群馬さとのそら 48669

北海道キタノカオリ 63090

大分チクゴイズミ 48265

福岡シロガネコムギ 50643

佐賀シロガネコムギ 47998

40000

福岡チクゴイズミ 52203

滋賀ふくさやか 49534

岐阜イワイノダイチ 46874

埼玉さとのそら 47159

宮城シラネコムギ 44607

群馬つるぴかり 49785

北海道春よ恋 68792

愛知きぬあかり 50114

北海道はるきらり 60201

50000

埼玉あやひかり 46072

岐阜さとのそら 45919

70000

30000

40000

50000

60000

70000

80000

90000

100000

110000

120000

130000

12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 年産

(単位円トン税込み)

北海道ホクシン

香川さぬきの夢200973186円

茨城農林61号

香川さぬきの夢2000

茨城さとのそら

46310円

北海道きたほなみ

64752円

北海道ゆめちから

62777円

外国産小麦

5銘柄平均

54370円

北海道春よ恋

68792円

(128) (138) (148) (158) (168) (178)(1810) (199) (208)(2110)(2212) (239) (2410)(2510)(269)(279) (289) (299)(119) (309)

6 国内産麦の新品種の育成状況

(1)国内産麦については縞萎縮病抵抗性や耐倒伏性を備え

需要者等のニ-ズに合った新品種の開発が進められています

また作付け面積が1万haを超える「ゆめちから」「さとの

そら」をはじめ多数の品種が生産現場に導入されています

(図Ⅲ-6)

(2)今後とも赤かび病抵抗性や穂発芽耐性が高い小麦品種

小麦粉の色相や製粉性が優れる日本麺用小麦品種パンの膨

らみがカナダ産「1CW」並の小麦品種焼酎押麦味噌

などの加工適性が高い大麦品種等の開発を推進します

小麦品種「ゆめちから」及び「さとのそら」は優れた栽培特性

と加工適性を備えており作付けが拡大しています(平成29年

推定値「ゆめちから」約1万2千ha「さとのそら」約1万5

千ha)

パン用小麦品種の開発近年国産の小麦粉を使ったパンの需要増加に応えるためグルテンやでん粉の組成などパンの膨らみに関連する特性に注目した育種が進められていますその結果平成25年に製パン適性が「1CW」に近く多収の「せときらら」平成29年にはパン生地の力が強く穂発芽耐性や赤かび抵抗性が改良された「夏黄金」が育成されました

加工適性の高い大麦品種の開発機能性成分β-グルカンを多く含むもち性大麦の需要の高まりに応えるため平成29年に「はねうまもち」が育成されましたまた高品質なはだか麦の需要増加に対応して平成24年に味噌加工適性の高い「ハルヒメボシ」が育成されました

図Ⅲ-6 平成19年以降に育成された麦類の主な新品種

日本麺用小麦ゆめきらり

パン用小麦ゆめかおり福井県大3号

六条大麦ホワイトファイバー

北信越

日本麺用小麦あおばの恋

パン用小麦銀河のちから

東北

日本麺用小麦さとのそらきぬあかり

パン用小麦ゆめかおり

二条大麦とちのいぶき彩の星アスカゴールデンニューサチホゴールデン

六条大麦カシマゴール

はだか麦キラリモチ

関東東海

日本麺用小麦ふくはるかさぬきの夢2009

パン用小麦ゆめちからせときらら

はだか麦ハルヒメボシ

近畿中国四国

中華麺用小麦ちくしW2号

二条大麦煌二条白妙二条はるか二条トヨノホシ

九州

日本麺用小麦きたほなみ

中華麺用小麦つるきち

パン用小麦ゆめちからはるきらり

二条大麦札育2号

北海道

新品種のうち平成30年産で概ね100ha以上作付けされていると推定される品種を選定(農林水産省調べ)

- 28 -

7 国内産麦を利用した製品の動向

食料自給率の向上を図るためには国内産麦の需要開拓を行う

ことが必要です最近の消費者の国産志向の高まりや生産者と実

需者が一体となった地産地消の推進地域農業の振興を図る取り

組み等から国内産麦を使った麦製品(パン麺等)が増えてき

ており中には国内産麦を100使用した商品もあります(図Ⅲ-

7)

- 29 -

8 民間流通制度の運用改善

国内産麦の人気の高まりにより近年需要量が生産量を上回

る状況が継続しており国内産麦を積極的に使用したい実需者が

必要量を確保できない等の課題もあります

このような課題に対応するため民間流通連絡協議会において

入札上場比率の選択制の導入需要拡大推進枠設定の要件緩和

相対取引需要拡大推進枠において多様な取組が可能であること

の明確化等民間流通制度の運用改善が行われました(図Ⅲ-

8)

ピッツァ専用粉(北海道)(小麦)地元の製粉企業が北海道産小麦(きたほなみキタノカオリゆめち

から)を100使用した国内で初めてのピッツァ専用粉を開発平成30年2月に都内で試食会を開催し平成30年5月から販売

ピッツァ専用粉(群馬県)(小麦)地元の製粉企業が地元のピッツァ専門店ピッツァ窯メーカーと協力

して品質改良を重ね群馬県産小麦(さとのそらつるぴかりきぬの波)を100使用したピッツァ専用粉を平成30年4月から発売ピッツァイベントやイタリアン食材の展示会に出展

学校給食用パン(東京都)(小麦)都学校給食会の「学校給食パン加工規格」による配合基準に基づき国

内産小麦を100使用した学校給食パンを平成27年度から都内の一部の小中学校で提供を開始平成28年度からは都内全域の規格として採用

〇 市販用中華麺(愛知県)(小麦)地元の製粉企業が自社製品として愛知県産小麦きぬあかりを100使用

した中華麺を平成30年6月から自社通販で販売平成30年8月から一般販売を開始

フランスパン用粉(佐賀県)(小麦)近県製粉企業が農研機構と共同で育成した九州地域等の暖地温暖地

向けのフランスパン加工適性に優れる準強力小麦品種「さちかおり」を100使用したフランスパン用粉を平成30年8月から発売

市販用ゆで麺(長崎県)(小麦)地元の製麺企業近県製粉企業県生麺協同組合JA県等が連携し

平成26年3月に「長崎県育成麦活用開発協議会」を立ち上げ長崎県産長崎W2号(商標登録名長崎ちゃん麦)を100使用したちゃんぽん用のゆで麺を平成29年4月に製品化原料小麦の生産量が整った段階での本格販売を予定

もち性大麦を使用した機能性表示食品(静岡県)(大麦)地元の精麦企業が国内産もち性大麦でβ-グルカン量の多い銘柄を使用し

炊飯用精麦を製品化機能性表示食品として平成29年1月に届出し十分な原料を手当でき次第随時販売予定

〇 もち性大麦を使用したシリアル(愛知県)(大麦)地元の精麦企業が食物繊維が20を超える愛知県産もち性大麦「ワキ

シーファイバー」を使用した国内産もち麦100シリアルを開発平成30年4月から販売開始

図Ⅲ-7 国内産麦を100使用した商品事例

図Ⅲ-8 民間流通制度の運用改善のポイント

0

50

100

150

200

250

300

350

400円千人

大手製パンメーカーA社が国内産小麦100使用の新製品を発売

大手製食品スーパーB社が国内産小麦100使用の新製品をPBで発売

大手製パンメーカーA社が国内産小麦100使用の製品を初めて発売

(参考)国内産小麦を利用した製品の販売状況

(1)国内産小麦100使用の食パンの販売額

大きなシェアを占めるにはいたっていないものの国内産

小麦を100使用した食パンの販売金額の推移を見ると新製

品が登場する度に国内産小麦100使用の食パン市場が拡大し

ています(図Ⅲ-9)

図Ⅲ-9 国内産小麦100使用の食パンの販売額の推移(首都圏)

資料日本経済新聞デジタルメディア社による首都圏のスーパーマーケットなど100店舗におけるPOSデータに基づき農林水産政策研究所において集計

注食パンのうち国内産小麦を100使用していることが明らかな製品のみ計上菓子パン等は含んでいない

表Ⅲ-11 生麺ゆで麺(チルド)の販売金額のシェア(首都圏平成30年)

資料日本経済新聞デジタルメディア社による首都圏のスーパーマーケットなど120店舗におけるPOSデータに基づき農林水産政策研究所において集計

(2)生麺ゆで麺(チルド)の販売金額

生麺ゆで麺全体で上位15製品の売上高に占める国内産

小麦使用表示のある製品のシェアは30となっていますま

た主要な麺製品のうどんラーメン冷やし中華焼そば

全てで国内産小麦使用製品がランクインしています(表Ⅲ

-11)

2013年 2014年 2015年 2016年 2017年 2018年 2019年

                      (単位)

製品の種類製造企業の規模産地表示販売金額シェア

焼そば大手製品(国内産小麦使用表示なし) 99そば大手製品(国内産小麦使用表示なし) 27冷やしラーメン大手製品(国内産小麦使用表示なし) 20うどん大手製品(北海道産小麦使用表示あり) 20ラーメン大手製品(北海道産小麦使用表示あり) 14冷やし中華大手製品(国内産小麦使用表示なし) 14うどん大手製品(国内産小麦使用表示あり) 13焼そば大手製品(国内産小麦使用表示なし) 12焼うどん大手製品(国内産小麦使用表示なし) 12うどん大手製品(国内産小麦使用表示あり) 11焼そば大手製品(国内産小麦使用表示あり) 11そうめん大手製品(国内産小麦使用表示あり) 10うどんPB製品(北海道産小麦使用表示あり) 10つけ麺大手製品(国内産小麦使用表示なし) 10冷麺中小製品(国内産小麦使用表示なし) 10

303

14

89

15上位15製品の売上高に占める国内産小麦使用表示のある製品の

シェア

順位

1

10111213

234567

- 30 -

図Ⅲ-10 外食産業等と連携した農産物の需要拡大対策事業(麦類)

9 国内産麦の需要拡大イベント及び情報発信の取組

近年生産者と実需者等が連携し国内産麦を使用した製品が

数多く開発販売されており各地でイベント等の需要拡大の

取組みが行われております

また農林水産省としては平成30年度産地と外食事業者等

が連携して行う国内産麦を活用した新商品の開発試作製

造するために必要な取組を支援する「外食産業等と連携した農

産物の需要拡大対策事業」を一般社団法人全国米麦改良協会を

実施主体として行っているところです

農林水産省のホームページにおいてこれらのイベント等につい

て情報発信を行うとともに一般社団法人全国米麦改良協会が

開設している国産麦応援情報ホームページでの情報提供等を

行っています(図Ⅲ-10~12)

「国内産麦使用試作品全国統一試食会商談会」開催日平成31年2月12日~19日(土日を除く)場 所むぎくらべ(東京都千代田区神田小川町)

内 容平成29年度補正予算事業「外食産業等と連携した農産物の需要拡大対策事業」の一環として行われた国内産麦を使用した試作品の試食会商談会

「国内産麦使用試作品全国統一試食会商談会」で出品された試作品

- 31 -

第8回全国ご当地うどんサミットin 熊谷 開催日平成30年11月10日~11日 場 所熊谷スポーツ文化公園にぎわい広

場(埼玉県) 内 容全国の国内産小麦を使用した「ご

当地うどん」が一堂に集まりグランプリを決定

図Ⅲ-11 全国各地で開催されたイベント 図Ⅲ-12 一般社団法人 全国米麦改良協会の取組

国産麦応援情報ホームページ「日本の麦の底力」内容国産小麦粉ブランド名鑑国産小麦の逸品イベント情報研究

情報等を掲載URL httpnihonnomugicom

北海道小麦キャンプ2018 in オホーツク 開催日平成30年7月10日~11日 場 所ホテル黒部を主会場としたオホーツ

ク管内(北海道) 内 容国内産小麦北海道産小麦の魅力

を全国に広めることを目的にバスツアーやパン講習会などを実施

麦わらぼうしフェスタ 開催日平成30年11月4日 場 所笠原産業株式会社(栃木県) 内 容国内産小麦を使用したうどんパン

などの試食販売うどん教室などを実施

第7回 信州粉もん祭り 開催日平成30年11月11日 場 所JAながの ちくま埴生支所(長野県) 内 容長野県産小麦を使用した「粉もん料

理」が大集合粉もん試食会や手打ちうどん講習会 などを実施

国内産麦アンテナショップ「むぎくらべ」内容国内産麦を使用した商品のPRと販売の場を提供するものとして

平成30年7月東京都千代田区にオープン

- 32 -

オープニングセレモニーには上月前農林水産大臣政務官(写真中央)も出席

10 食料農業農村基本計画における麦の位置付け

平成27年3月31日に平成37年度を目標とする「食料農業

農村基本計画」が閣議決定され小麦は95万トン大麦はだ

か麦は22万トンの生産努力目標が設定されています(表Ⅲ-

12)

食料消費の見通し 生産努力目標(万トン) 克服すべき課題

1人1年当たり消費量

(kg人年)

国内消費仕向量

(万トン)

平成25年度

平成37年度

平成25年度

平成37年度

平成25年度

平成37年度

小麦 33 32 699 611 81 95

国内産小麦の需要拡大に向けた産地形成やブランド化

実需者ニーズに対応した生産流通体制の確立

新品種新技術の開発導入輪作体系の最適化排水対策等による収量品質の高位安定化

農地の集積集約化経営規模の拡大に対応した省力化に資する技術の開発導入等による生産コストの低減

大麦はだか麦

03 02 208 213 18 22

外国産大麦が多く用いられている焼酎用等の国内産麦の需要拡大

実需者ニーズに対応した生産流通体制の確立

新品種新技術の開発導入輪作体系の最適化排水対策等による収量品質の高位安定化

農地の集積集約化経営規模の拡大に対応した省力化に資する技術の開発導入等による生産コストの低減

表Ⅲ-12 麦の平成37年度における食料消費の見通し及び生産努力目標

資料「食料農業農村基本計画」(平成27年3月閣議決定)注1)国内消費仕向量には飼料用等の食糧用以外の用途への仕向量を含む

2)大麦はだか麦の国内消費仕向量及び生産努力目標にはビール大麦を含む

- 33 -

Ⅳ 米粉に関する動向

1 生産動向

米粉用米の生産量は平成25年産以降2万トン前後で推移していましたが平成29年度以降は約3万トンまで回復しています(表Ⅳ-1)

2 需要拡大に向けた対応

米粉用米の利用量は平成24年度以降年間2万数千トンで推移していましたがグルテンを使用しない米粉商品の開発や新たな米加工品(α化米粉米ゲルなど)の保湿性や粘性に着目した商品の開発「米粉の用途別基準」や「ノングルテン米粉製品第三者認証制度」の運用開始により平成29年度は25千トン30年度は31千トンに増加しています(表Ⅳ-2)

今後の更なる国内海外の需要拡大のためノングルテン米粉や用途別基準に適合する高品質な日本産米粉の流通を契機とした魅力ある新商品の開発や日本産米粉の優位性の情報発信等を推進する必要があります

表Ⅳ-1 上位5県の米粉用米の生産量と作付面積の推移

(参考) 米粉及び小麦粉の販売価格(税抜き)

米粉100~290円kg程度

(小麦粉 100円kg程度)

注1)平成26~29年度については新規需要米取組計画を認定した全需要者からの聞き取り注2)平成30年度については新規需要米取組計画を認定した主要な需要者からの聞き取り

により推計

表Ⅳ-2 米粉用米の利用量(需要者からの聞き取り)

- 34 -

資料26~29年産は新規需要米生産集出荷数量30年産は新規需要米取組計画

認定数量(農林水産省)

(単位千トン)

26年度 27年度 28年度 29年度 30年度見込

22 23 23 25 31

(単位千トン千ha)

26年産 27年産 28年産 29年産 30年産

生産量 59 97 87 130 107作付面積 11 18 15 24 19生産量 10 10 09 30 31作付面積 02 02 02 06 06生産量 08 10 00 19 30作付面積 01 02 00 03 06生産量 10 12 12 12 16作付面積 02 03 02 02 03生産量 20 24 07 12 13作付面積 03 04 01 02 02生産量 184 230 190 284 281作付面積 34 42 34 53 53

秋田県

全国計

新潟県

埼玉県

栃木県

群馬県

農林水産大臣は米穀の新用途への利用の促進に関する基本方針を定める

生産製造連携事業計画

生産者 製造事業者 促進事業者

必須

米穀の新用途への利用の促進に関する法律

米穀の新用途への利用の促進に関する基本方針

関係者が連携して計画を作成米穀の新用途への利用の促進に関する基本方針に照らし適切な計画について農林水産大臣が認定(計画期間は3~5年)

図Ⅳ 米粉用米に対する支援措置

3 米粉用米に対する支援

① 米粉用米についてはその利用の拡大を図るために平成21年に「米穀の新用途への利用の促進に関する法律」が制定されました同法に基づく「生産製造連携事業計画」の認定を受け「農山漁村

活性化計画」の採択を受けた取組に対して米粉用米の生産加工に必要な施設整備等の支援を行っています

② 米粉用米の生産者に対しては水田活用の直接支払交付金による支援を行っていますまたノングルテン米粉表示や米粉の用途別基準により需要者ニーズに合った高品質な米粉の製造や輸出拡大の取組を支援しています

③ 平成31年度は国内海外の需要獲得に向け引き続き魅力ある新商品開発を推進するほか日本産米粉の優位性の情報発信やノングルテン米粉の製造手法マニュアルの作成など輸出を含めた日本産米粉の需要拡大に向けた取組を支援していくこととしています

予 算 措 置

【水田活用の直接支払交付金】水田を活用して米粉用米等の作物を生産する農業者に対し交付金を直接交付 (米粉用米収量に応じ55万円~105万円10a)

【農山漁村振興交付金】米粉飼料用米の生産加工に係る施設整備に対し交付金を交付(補助率定額12)

【持続的生産強化対策事業】

日本産米粉の優位性の情報発信ノングルテン米粉の製造手法マニュアルの作成米粉用米生産者と製造事業者とのマッチング

等の取組を支援

金 融 措 置

【日本政策金融公庫による低利融資】(食品安定供給施設整備資金)

米粉製造施設米粉を原料とした食品の製造加工施設等への融資

(輸出を含めた日本産米粉の需要拡大支援事業)

(補助率定額)

【外食産業等と連携した需要拡大対策事業】

国産農林水産物食品の輸出等需要フロンティアの開拓を図るため産地と複数年契約を締結する民間企業(外食加工業者)に対し国産農林水産物を活用した新商品の開発やそれに必要な技術開発等を支援 (補助率定額12)

- 35 -

【農林水産物食品輸出促進緊急対策事業】コメ海外市場拡大戦略プロジェクトに参加する輸出産地や輸出事業者等が連携して戦略的に取り組む中国等の海外市場開拓プロモーション等を支援

(補助率定額12)

品目 現在の関税率 合意内容

小麦

枠内税率無税+マークアップ

枠外税率55円kg

現行の国家貿易制度を維持するとともに枠外税率(55円kg)を維持

既存のWTO枠に加え米国(15万(7年目以降))【不適用】カナダ(53万(同))豪州(5万(同))にSBS方式の国別枠を設定

マークアップを9年目までに45削減

大麦

枠内税率無税+マークアップ

枠外税率39円kg

現行の国家貿易制度を維持するとともに枠外税率(39円kg)を維持

既存のWTO枠に加えSBS方式のTPP枠(65万(9年目以降))を設定

マークアップを9年目までに45削減

1 TPP11協定概要(麦)(平成30年12月30日発効)

Ⅴ TPP11及び日EUEPAの協定概要(麦関係)

(参考主な麦製品)

現在の関税率合意内容

税率 枠数量

いった小麦小麦粉等

(国家貿易品目)

枠内税率125~25+マークアップ

枠外税率85~134円kg

枠内即時無税+マークアップ

(枠外税率は維持)

(発効時) (6年目)125千rarr175千

ベーカリー製品製造用

小麦粉調製品16~24

枠内即時無税(枠外税率は維持)

(発効時) (6年目)米国 105千rarr12千【不適用】米国以外 68千rarr 8千

その他小麦粉調製品

16~28枠内即時無税

(枠外税率は維持)(発効時) (6年目)15千rarr225千

マカロニスパゲティ

30円kg9年目までに60削減

ビスケット 1315 6年目に無税 -

注1)いった小麦とは小麦をいったものであり主にシリアル食品等に使用される

2)その他小麦粉調製品とは製麺まんじゅう等のベーカリー製品以外の製造用の

小麦粉調製品である

- 36 -

2 日EUEPA協定概要(麦)(平成31年2月1日発効)

品目 現在の関税率 合意内容

小麦

枠内税率無税+マークアップ

枠外税率55円kg

現行の国家貿易制度を維持するとともに枠外税率(55円kg)を維持

既存のWTO枠に加えSBS方式のEU枠(270(7年目以降))を設定

枠内のマークアップを9年目までに45削減

大麦

枠内税率無税+マークアップ

枠外税率39円kg

現行の国家貿易制度を維持するとともに枠外税率(39円kg)を維持

既存のWTO枠に加えSBS方式のEU枠(30(即時))を設定

枠内のマークアップを9年目までに45削減

(参考主な麦製品)

現在の関税率合意内容

税率 枠数量

いった小麦小麦粉等

(国家貿易品目)

枠内税率125~25+マークアップ

枠外税率85~134円kg

枠内即時無税+マークアップ

(枠外税率は維持)

(発効時) (6年目)38千rarr44千

ベーカリー製品製造用

小麦粉調製品16~24

枠内即時無税(枠外税率は維持)

(発効時) (6年目)104千rarr142千

その他小麦粉調製品

16~28枠内即時無税

(枠外税率は維持)(発効時) (6年目)

2千rarr3千

マカロニスパゲティ

30円kg 11年目に無税 -

ビスケット 1315 6年目に無税 -

注1)いった小麦とは小麦をいったものであり主にシリアル食品等に使用される

2)その他小麦粉調製品とは製麺まんじゅう等のベーカリー製品以外の製造用の

小麦粉調製品である

(参考) 麦の国境措置

小 麦 大 麦

輸入数量

価格

輸入数量

価格

政府売渡価格

マークアップ(輸入差益)

452円kgを上限

輸入価格

(枠内税率0円kg)

枠内輸入(国家貿易) 枠外輸入

(民間貿易)枠外税率を支払って輸入された数量(平成29年度)12千トン

WTOカレントアクセス数量5740千トン

枠外税率55円

政府売渡価格

輸入価格(枠内税率0円kg)

WTOカレントアクセス数量1369千トン

枠内輸入(国家貿易) 枠外輸入(民間貿易)

枠外税率を支払って輸入された数量(平成29年度)06千トン

枠外税率39円

民間貿易の場合の輸入価格

民間貿易の場合の輸入価格

286円kgを上限

マークアップ(輸入差益)

- 37 -

  • スライド番号 1
  • スライド番号 2
  • 麦の参考資料 麦の需給に関する見通し(動向編)
  • スライド番号 4
  • スライド番号 5
  • スライド番号 6
  • スライド番号 7
  • スライド番号 8
  • スライド番号 9
  • スライド番号 10
  • スライド番号 11
  • スライド番号 12
  • スライド番号 13
  • スライド番号 14
  • Ⅱ 小麦粉麦製品の生産と価格の動向
  • スライド番号 16
  • スライド番号 17
  • スライド番号 18
  • スライド番号 19
  • スライド番号 20
  • スライド番号 21
  • スライド番号 22
  • スライド番号 23
  • スライド番号 24
  • スライド番号 25
  • スライド番号 26
  • スライド番号 27
  • スライド番号 28
  • スライド番号 29
  • スライド番号 30
  • スライド番号 31
  • スライド番号 32
  • スライド番号 33
  • スライド番号 34
  • スライド番号 35
  • スライド番号 36
  • スライド番号 37
  • スライド番号 38
  • スライド番号 39
  • スライド番号 40
  • スライド番号 41
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資料農林水産省調べ

Aランク評価項目の基準値を3つ以上達成しかつ許容値を全て達成している麦Bランク評価項目の基準値を2つ達成しかつ許容値を全て達成している麦Cランク評価項目の基準値を1つ達成しかつ許容値を全て達成している麦

評価項目の基準値を2つ以上達成しているものの許容値を達成していない麦DランクA~Cランクのいずれにも該当しない麦

【評価項目】①小麦 日本麺用パン中華麺用(たんぱく灰分容積重フォーリングナンバー)

醸造用(たんぱく3項目容積重)②二条大麦 主食等用(容積重細麦率白度正常粒率)

麦茶用(たんぱく3項目細麦率)③六条大麦はだか麦 主食等用(容積重細麦率白度硝子率)

麦茶用(たんぱく3項目細麦率)

(参考) 麦の品質区分

(単位)

- 21 -

(2)品質評価

たんぱく質や灰分の含有率等に基づく品質評価結果につい

ては平成30年産の小麦ではAランクが899となってお

り過去5年平均(Aランク比率849)と比べ5ポイン

ト高くなっています

また平成30年産の大麦はだか麦ではAランクが

849となっており過去5年平均(Aランク比率832)

と比べ17ポイント高くなっています(表Ⅲ-4)

表Ⅲ-4 平成30年産麦の品質評価結果

2 国内産麦の品質状況

(1)農産物検査① 平成30年産の小麦について全国の1等比率は761

(平成30年12月末時点)と過去5年平均799と比較して低くなっています(表Ⅲ-3)

② 平成30年産の小粒大麦大粒大麦はだか麦及びビール大麦について1等比率は大粒大麦を除き過去5年平均と比較して低くなっています(表Ⅲ-3)

表Ⅲ-3 国内産麦の1等比率の推移(単位)

Aランク Bランク Cランク DランクAランク

過去5年平均(平成25~29年産)

小 麦 899 67 33 01 849

大麦はだか麦

849 37 108 06 832

注1)各年産翌年4月末時点の値であるただし平成30年産は30年12月末時点の値である

2)強力小麦の検査数量を含む値である

3 国内産麦に対する支援

平成31年度は経営所得安定対策等の対策のうち主に畑作

物の直接支払交付金と水田活用の直接支払交付金により国内

産麦に対する支援が行われます

(1)畑作物の直接支払交付金

畑作物の直接支払交付金として麦を生産する農業者に対

し標準的な生産費と標準的な販売価格の差額分を直接交付

することとしています

支払いは当年産の麦の品質及び生産量に応じて交付する

数量払を基本とし当年産の麦の作付面積に応じて交付する

面積払(営農継続支払)を数量払の先払いとして交付する仕

組みにしています

数量払の交付単価は品質に応じた単価を設けており需要

に応じた生産と品質に対する営農努力を適切に反映させる仕

組みになっています(表Ⅲ-5)

表Ⅲ-5 畑作物の直接支払交付金の麦の交付単価

(円単位数量)

品質区分(等級ランク)

1等 2等

A B C D A B C D

小麦(パン中華麵

用品種)(60kg当たり)

9040 8540 8390 8330 7880 7380 7230 7170

小麦(パン中華麺用品種以外)(60kg当たり)

6740 6240 6090 6030 5580 5080 4930 4870

二条大麦(50kg当たり) 5550 5130 5010 4960 4690 4270 4140 4090

六条大麦(50kg当たり) 6030 5610 5480 5430 5000 4580 4460 4410

はだか麦(60kg当たり) 8650 8150 8000 7910 7080 6580 6430 6350

(参考)

【平均交付単価小麦6940円60kg二条大麦5490円50kg六条大麦5720円50kg

はだか麦8230円60kg】

②面積払

当年産の作付面積に応じて交付 2万円10a

①数量払(品質に応じた単価)

- 22 -

【平成31年産に適用】

標準的な生産費

差額

ゲタ交付単価

標準的な販売価格

【交付単価のイメージ】lt畑作物の直接支払交付金のイメージgt

面積払(数量払の際に控除されます)

数量払

収量

交付金額

(2)水田活用の直接支払交付金

水田のフル活用を推進し食料自給率自給力の向上を図

るため水田で麦を生産する農業者に対しては畑作物の直

接支払交付金に加え水田活用の直接支払交付金(35000円

10a)を直接交付することとしています(表Ⅲ-6)

表Ⅲ-6 水田活用の直接支払交付金の交付単価

作 物 単 価

麦大豆飼料作物 35000円10a

WCS(ホールクロップサイレージ)用稲 80000円10a

加工用米 20000円10a

飼料用米米粉用米収量に応じ

55000円~105000円10a

このほか「産地交付金」により地域で作成する水田フル活用ビジョンに基づき二毛作や耕畜連携を含め産地づくりに向けた取組を支援します

戦略作物助成

注実需者等との出荷販売契約等を締結すること出荷販売することが要件

- 23 -

4 国内産食糧用麦の流通動向

(1)取引の概要

国内産食糧用麦は加工原料としての商品特性から需要に応じて計画的に生産できるようは種前契約に基づく取引が行われています

まず取引の指標となる透明性のある適正な価格を形成するためは種前に販売予定数量の3~4割(具体の比率は民間流通地方連絡協議会の協議を踏まえ決定)について入札が行われます残りは相対取引が行われておりその価格については入札で形成された指標価格(落札加重平均価格)を基本として取引当事者間で決められています(図Ⅲ-3)

また取引を円滑に進めるため生産者需要者等で構成される民間流通連絡協議会において取引に必要な情報交換取引に係る基本事項の見直し等が行われています(表Ⅲ-7)

今後とも国内産食糧用麦については円滑な流通が確保されるようは種前契約を基本としつつ適切に対応していきます

図Ⅲ-3 国内産食糧用麦の基本的な流通フロー

表Ⅲ-7 国内産食糧用麦の入札の仕組み

項 目 概 要 見直しの変遷

実施主体 一般社団法人 全国米麦改良協会

実施時期 は種前に2回実施(8~9月)平成13年産から1回rarr2回へ見直し

上場数量

産地銘柄別に販売予定数量が小麦3千トン以上大麦はだか麦1千トン以上の銘柄についてその30~40を上場(ほかに希望上場あり)

平成31年産から30rarr30~40へ見直し

基準価格

小麦は前年産の落札加重平均価格に当年産の入札実施時点での外国産麦の政府売渡価格の変動率を乗じた価格大麦はだか麦は前年産の落札加重平均価格

小麦の外国産麦との連動は平成24年産から実施

値幅制限 基準価格のplusmn10

小麦平成12年産~16年産plusmn5平成17年産~21年産plusmn7平成22年産plusmn10平成23年産plusmn30平成24年産~ plusmn10大麦はだか麦平成12年産~18年産plusmn5平成19年産~21年産plusmn7平成22年産plusmn10平成23年産plusmn15平成24年産~ plusmn10

取引価格の事後調整(小麦のみ)

外国産食糧用小麦の政府売渡価格の改定(410月)に合わせては種前の入札又は相対により契約された価格に外国産食糧用小麦の政府売渡価格の変動率を乗じて取引価格を改定

平成23年産から実施

申込限度数 量

買い手別に上場数量times買受実績シェアtimes145

小麦は平成17年産から大麦及びはだか麦は平成19年産から135rarr145へ見直し

相対取引入札で形成された指標価格を基本に生産者団体と需要者の間で協議決定

平成19年産から過去の実績シェアに基づく取引ルールを廃止

再入札

第1回入札及び第2回入札において落札残数量が発生した場合は売り手の希望により再度入札に付すか相対による契約を行うかいずれかの方法をとることができる

平成25年産から売り手の申し出により再入札における入札の値幅を設定できること等を規定

生産者団体から販売予定数量需要者団体から購入希望数量の相互提示

入札取引の実施(販売予定数量の約3~4割)

相対取引の実施(販売予定数量の約6~7割)

は 種(秋まき春まきは収穫年の4月)

収 穫 及 び 検 査

生産者団体と需要者の間では種前に契約を締結

需 要 者 へ 引 渡 し

<生産の流れ>

麦の生育期間

<契約の流れ>

は種前契約に基づき計画的に作付(は種)

収穫前年7月~

8~9月

9月~

~12月

6~8月

6月~

収穫年26年産から国内産麦の需要拡大を図るため地域の食文化のブランド化等による高付加価値化の取組等に対し安定的な原料供給が可能となる需要拡大推進枠を導入

- 24 -

表Ⅲ-8 国内産食糧用麦の供給量 (単位千トン)

注集荷団体からの聞き取り数量である

(2)流通の動向

平成30年産の国内産食糧用小麦の供給量は前年産から

約14万4千トン減少し約70万1千トンとなっています

また国内産食糧用大麦及びはだか麦の供給量は前年

産から約3千トン減少し約10万3千トンとなっています

(表Ⅲ-8)

生産者側から提示された平成31年産麦の販売予定数量は

国内産食糧用小麦で約82万4千トン国内産食糧用大麦及

びはだか麦で約10万8千トンとなっています

一方需要者側から提示された平成31年産麦の購入希望

数量は国内産食糧用小麦で約86万3千トン国内産食糧

用大麦及びはだか麦で約13万トンとなっています(表Ⅲ-

9)

表Ⅲ-9 国内産食糧用麦の販売予定数量及び購入希望数量の推移(単位千トン)

資料民間流通連絡協議会調べ注四捨五入の関係で差し引きが一致しないことがある

- 25 -

年産 20 21 22 23 24 25 26 27 28 2930

(見込)

小   麦 841 639 532 694 811 767 808 946 734 845 701

大麦はだか麦 125 100 84 98 93 105 103 103 92 106 103

年産 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31

販売予定数量① 887 906 909 951 948 909 905 880 820 846 834 824

購入希望数量② 833 880 818 859 904 869 751 802 834 875 880 863

①-② 54 25 91 91 44 40 154 78 14 29 46 39

(①-②)①() 61 28 100 96 47 44 170 89 18 34 55 47

販売予定数量① 121 132 134 127 122 116 110 112 113 112 108 108

購入希望数量② 199 219 135 149 147 138 141 149 145 138 148 130

①-② 78 87 1 23 26 21 31 37 32 26 39 22

(①-②)①() 640 660 06 179 209 182 282 330 284 234 363 204

表Ⅲ-10 国内産食糧用麦の入札結果の推移

資料一般社団法人全国米麦改良協会調べ

注1価格は税込み(26年産までは527年産以降は8)である

ただし31年産の落札価格は一般社団法人全国米麦改良協会公表の価格(税抜き)を基に農林水産省で税込み価格を算出

5 国内産食糧用麦の価格の動向

(1)平成31年産の入札の概要

平成31年産麦の入札は第1回は平成30年9月12日に第

2回は平成30年9月26日に実施されました

麦種別の入札結果をみると小麦は上場数量約21万4千

トンのうち約20万4千トンが落札(落札率954)され落

札価格は61714円トン(対前年産比1151)となりました

小粒大麦は上場数量約1万1千トンのうち約1万1千

トンが落札(落札率991)され落札価格は46560円トン

(対前年産比997)となりました

大粒大麦は上場数量約7千8百トンのうち5千6百トン

が落札(落札率717)され落札価格は46923円トン(対

前年産比879)となりました

はだか麦は上場数量約2千3百トンのうち約2千1百

トンが落札(落札率897)され落札価格は50817円トン

(対前年産比961)となりました(表Ⅲ-10)

なお国内産小麦については近年消費者の国産志向の高

まりなどを受け大手外食チェーンや2次加工メーカーが国

内産小麦を使用したパン中華麺等の商品を相次いで発表す

るなど人気が高まってきていますこれらを背景として平

成31年産小麦の落札価格は多くの銘柄で値幅制限の上限付

近となっておりまた申込倍数も14倍と高いものとなって

います

- 26 -

20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31

上場数量

(トン)①243510 243020 242310 251370 250980 244880 244320 234010 213360 221380 218500 214200

落札数量

(トン)②234930 238410 189350 247770 245320 220590 188240 192240 201140 214060 210560 204420

落札率

②①965 981 781 986 977 901 770 822 943 967 964 954

落札価格

(円トン)43229 59885 55241 48732 58340 49333 49319 49770 54164 51570 53624 61714

対前年産比 1064 1385 922 882 1197 846 1000 1009 1088 952 1040 1151

上場数量

(トン)①12240 13590 14210 13300 11760 11220 11290 11930 12210 12200 11750 11040

落札数量

(トン)②12050 13510 14040 13170 11550 10850 10900 11830 12090 12200 11440 10940

落札率

②①984 994 988 990 982 967 965 992 990 1000 974 991

落札価格

(円トン)45479 59709 53448 45871 46485 46453 46290 47595 47565 46880 46708 46560

対前年産比 1084 1313 895 858 1013 999 996 1028 999 986 996 997

上場数量

(トン)①10020 9690 10330 9290 9000 8700 7210 7620 7450 7620 6880 7810

落札数量

(トン)②8880 8920 8910 7990 7990 7830 6480 7130 6600 6700 6340 5600

落札率

②①886 921 863 860 888 900 899 936 886 879 922 717

落札価格

(円トン)36532 50492 46097 39649 40394 41582 42881 45740 47827 50442 53384 46923

対前年産比 1059 1382 913 860 1019 1029 1031 1067 1046 1055 1058 879

上場数量

(トン)①2910 3150 3030 3260 3060 2830 2840 2890 2740 2660 2570 2330

落札数量

(トン)②2910 3150 3030 3090 3020 2830 2810 2810 2520 2600 2470 2090

落札率

②①1000 1000 1000 948 987 1000 989 972 920 977 961 897

落札価格

(円トン)42222 58527 61489 52791 51905 52294 49656 47712 46547 48527 52876 50817

対前年産比 1063 1386 1051 859 983 1007 950 961 976 1043 1090 961

年産

小麦

小粒大麦(六条大麦)

大粒大麦(二条大麦)

はだか麦

平成31年産国内産食糧用小麦の入札結果をみると産地別銘柄別

の需給状況等を反映して落札価格に差が生じています

代表的な銘柄である北海道産「きたほなみ」は前年産の価格を

153上回る64752円トン香川県産「さぬきの夢2009」は前

年産の価格を152上回る73186円トンとなりましたまたパ

ン中華麺用の北海道産「ゆめちから」は前年産の価格を180

上回る62777円トン北海道産「春よ恋」は前年産の価格を

180上回る68792円トンとなりました(図Ⅲ-4図Ⅲ-5)

図Ⅲ-4 平成31年産国内産食糧用小麦の産地別銘柄別落札価格

資料農林水産省調べ注外国産小麦5銘柄加重平均価格は平成30年4月期の輸入小麦の政府売渡価格である

(2)平成31年産国内産食糧用小麦の産地別銘柄別落札価格の動向

資料農林水産省調べ注1国内産小麦の価格は(一社)全国米麦改良協会が実施する民間流通麦にかかる入札の第1回第2回

及び再入札の落札加重平均価格(税込み)年産の下段の( )内は当該第1回入札の実施年月である注2外国産小麦の価格は18年までは当該年度平均の実績価格であり19年以降は民間流通麦にかかる第

1回入札の実施年月時点での輸入小麦の政府売渡価格(5銘柄平均)である注3ホクシン(きたほなみ)については22年産までは「ホクシン」の価格であり23年産からは「きたほ

なみ」の価格である注4さぬきの夢については24年産までは「さぬきの夢2000」の価格であり25年産からは「さぬきの夢

2009」の価格である注5農林61号(さとのそら)については23年産までは「農林61号」の価格であり24年産からは「さとの

そら」の価格である

図Ⅲ-5 国内産食糧用小麦の産地別銘柄別落札価格の推移

- 27 -

(単位円トン税込み)

30000

60000

北海道ゆめちから 62777

福岡ミナミノカオリ 68393

滋賀農林61号 50763

茨城さとのそら 46310

佐賀チクゴイズミ 52193

岩手ゆきちから 39929

全銘柄落札加重平均 61714

香川さぬきの夢2009 73186

北海道きたほなみ 64752

外国産小麦5銘柄加重平均 54370

群馬さとのそら 48669

北海道キタノカオリ 63090

大分チクゴイズミ 48265

福岡シロガネコムギ 50643

佐賀シロガネコムギ 47998

40000

福岡チクゴイズミ 52203

滋賀ふくさやか 49534

岐阜イワイノダイチ 46874

埼玉さとのそら 47159

宮城シラネコムギ 44607

群馬つるぴかり 49785

北海道春よ恋 68792

愛知きぬあかり 50114

北海道はるきらり 60201

50000

埼玉あやひかり 46072

岐阜さとのそら 45919

70000

30000

40000

50000

60000

70000

80000

90000

100000

110000

120000

130000

12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 年産

(単位円トン税込み)

北海道ホクシン

香川さぬきの夢200973186円

茨城農林61号

香川さぬきの夢2000

茨城さとのそら

46310円

北海道きたほなみ

64752円

北海道ゆめちから

62777円

外国産小麦

5銘柄平均

54370円

北海道春よ恋

68792円

(128) (138) (148) (158) (168) (178)(1810) (199) (208)(2110)(2212) (239) (2410)(2510)(269)(279) (289) (299)(119) (309)

6 国内産麦の新品種の育成状況

(1)国内産麦については縞萎縮病抵抗性や耐倒伏性を備え

需要者等のニ-ズに合った新品種の開発が進められています

また作付け面積が1万haを超える「ゆめちから」「さとの

そら」をはじめ多数の品種が生産現場に導入されています

(図Ⅲ-6)

(2)今後とも赤かび病抵抗性や穂発芽耐性が高い小麦品種

小麦粉の色相や製粉性が優れる日本麺用小麦品種パンの膨

らみがカナダ産「1CW」並の小麦品種焼酎押麦味噌

などの加工適性が高い大麦品種等の開発を推進します

小麦品種「ゆめちから」及び「さとのそら」は優れた栽培特性

と加工適性を備えており作付けが拡大しています(平成29年

推定値「ゆめちから」約1万2千ha「さとのそら」約1万5

千ha)

パン用小麦品種の開発近年国産の小麦粉を使ったパンの需要増加に応えるためグルテンやでん粉の組成などパンの膨らみに関連する特性に注目した育種が進められていますその結果平成25年に製パン適性が「1CW」に近く多収の「せときらら」平成29年にはパン生地の力が強く穂発芽耐性や赤かび抵抗性が改良された「夏黄金」が育成されました

加工適性の高い大麦品種の開発機能性成分β-グルカンを多く含むもち性大麦の需要の高まりに応えるため平成29年に「はねうまもち」が育成されましたまた高品質なはだか麦の需要増加に対応して平成24年に味噌加工適性の高い「ハルヒメボシ」が育成されました

図Ⅲ-6 平成19年以降に育成された麦類の主な新品種

日本麺用小麦ゆめきらり

パン用小麦ゆめかおり福井県大3号

六条大麦ホワイトファイバー

北信越

日本麺用小麦あおばの恋

パン用小麦銀河のちから

東北

日本麺用小麦さとのそらきぬあかり

パン用小麦ゆめかおり

二条大麦とちのいぶき彩の星アスカゴールデンニューサチホゴールデン

六条大麦カシマゴール

はだか麦キラリモチ

関東東海

日本麺用小麦ふくはるかさぬきの夢2009

パン用小麦ゆめちからせときらら

はだか麦ハルヒメボシ

近畿中国四国

中華麺用小麦ちくしW2号

二条大麦煌二条白妙二条はるか二条トヨノホシ

九州

日本麺用小麦きたほなみ

中華麺用小麦つるきち

パン用小麦ゆめちからはるきらり

二条大麦札育2号

北海道

新品種のうち平成30年産で概ね100ha以上作付けされていると推定される品種を選定(農林水産省調べ)

- 28 -

7 国内産麦を利用した製品の動向

食料自給率の向上を図るためには国内産麦の需要開拓を行う

ことが必要です最近の消費者の国産志向の高まりや生産者と実

需者が一体となった地産地消の推進地域農業の振興を図る取り

組み等から国内産麦を使った麦製品(パン麺等)が増えてき

ており中には国内産麦を100使用した商品もあります(図Ⅲ-

7)

- 29 -

8 民間流通制度の運用改善

国内産麦の人気の高まりにより近年需要量が生産量を上回

る状況が継続しており国内産麦を積極的に使用したい実需者が

必要量を確保できない等の課題もあります

このような課題に対応するため民間流通連絡協議会において

入札上場比率の選択制の導入需要拡大推進枠設定の要件緩和

相対取引需要拡大推進枠において多様な取組が可能であること

の明確化等民間流通制度の運用改善が行われました(図Ⅲ-

8)

ピッツァ専用粉(北海道)(小麦)地元の製粉企業が北海道産小麦(きたほなみキタノカオリゆめち

から)を100使用した国内で初めてのピッツァ専用粉を開発平成30年2月に都内で試食会を開催し平成30年5月から販売

ピッツァ専用粉(群馬県)(小麦)地元の製粉企業が地元のピッツァ専門店ピッツァ窯メーカーと協力

して品質改良を重ね群馬県産小麦(さとのそらつるぴかりきぬの波)を100使用したピッツァ専用粉を平成30年4月から発売ピッツァイベントやイタリアン食材の展示会に出展

学校給食用パン(東京都)(小麦)都学校給食会の「学校給食パン加工規格」による配合基準に基づき国

内産小麦を100使用した学校給食パンを平成27年度から都内の一部の小中学校で提供を開始平成28年度からは都内全域の規格として採用

〇 市販用中華麺(愛知県)(小麦)地元の製粉企業が自社製品として愛知県産小麦きぬあかりを100使用

した中華麺を平成30年6月から自社通販で販売平成30年8月から一般販売を開始

フランスパン用粉(佐賀県)(小麦)近県製粉企業が農研機構と共同で育成した九州地域等の暖地温暖地

向けのフランスパン加工適性に優れる準強力小麦品種「さちかおり」を100使用したフランスパン用粉を平成30年8月から発売

市販用ゆで麺(長崎県)(小麦)地元の製麺企業近県製粉企業県生麺協同組合JA県等が連携し

平成26年3月に「長崎県育成麦活用開発協議会」を立ち上げ長崎県産長崎W2号(商標登録名長崎ちゃん麦)を100使用したちゃんぽん用のゆで麺を平成29年4月に製品化原料小麦の生産量が整った段階での本格販売を予定

もち性大麦を使用した機能性表示食品(静岡県)(大麦)地元の精麦企業が国内産もち性大麦でβ-グルカン量の多い銘柄を使用し

炊飯用精麦を製品化機能性表示食品として平成29年1月に届出し十分な原料を手当でき次第随時販売予定

〇 もち性大麦を使用したシリアル(愛知県)(大麦)地元の精麦企業が食物繊維が20を超える愛知県産もち性大麦「ワキ

シーファイバー」を使用した国内産もち麦100シリアルを開発平成30年4月から販売開始

図Ⅲ-7 国内産麦を100使用した商品事例

図Ⅲ-8 民間流通制度の運用改善のポイント

0

50

100

150

200

250

300

350

400円千人

大手製パンメーカーA社が国内産小麦100使用の新製品を発売

大手製食品スーパーB社が国内産小麦100使用の新製品をPBで発売

大手製パンメーカーA社が国内産小麦100使用の製品を初めて発売

(参考)国内産小麦を利用した製品の販売状況

(1)国内産小麦100使用の食パンの販売額

大きなシェアを占めるにはいたっていないものの国内産

小麦を100使用した食パンの販売金額の推移を見ると新製

品が登場する度に国内産小麦100使用の食パン市場が拡大し

ています(図Ⅲ-9)

図Ⅲ-9 国内産小麦100使用の食パンの販売額の推移(首都圏)

資料日本経済新聞デジタルメディア社による首都圏のスーパーマーケットなど100店舗におけるPOSデータに基づき農林水産政策研究所において集計

注食パンのうち国内産小麦を100使用していることが明らかな製品のみ計上菓子パン等は含んでいない

表Ⅲ-11 生麺ゆで麺(チルド)の販売金額のシェア(首都圏平成30年)

資料日本経済新聞デジタルメディア社による首都圏のスーパーマーケットなど120店舗におけるPOSデータに基づき農林水産政策研究所において集計

(2)生麺ゆで麺(チルド)の販売金額

生麺ゆで麺全体で上位15製品の売上高に占める国内産

小麦使用表示のある製品のシェアは30となっていますま

た主要な麺製品のうどんラーメン冷やし中華焼そば

全てで国内産小麦使用製品がランクインしています(表Ⅲ

-11)

2013年 2014年 2015年 2016年 2017年 2018年 2019年

                      (単位)

製品の種類製造企業の規模産地表示販売金額シェア

焼そば大手製品(国内産小麦使用表示なし) 99そば大手製品(国内産小麦使用表示なし) 27冷やしラーメン大手製品(国内産小麦使用表示なし) 20うどん大手製品(北海道産小麦使用表示あり) 20ラーメン大手製品(北海道産小麦使用表示あり) 14冷やし中華大手製品(国内産小麦使用表示なし) 14うどん大手製品(国内産小麦使用表示あり) 13焼そば大手製品(国内産小麦使用表示なし) 12焼うどん大手製品(国内産小麦使用表示なし) 12うどん大手製品(国内産小麦使用表示あり) 11焼そば大手製品(国内産小麦使用表示あり) 11そうめん大手製品(国内産小麦使用表示あり) 10うどんPB製品(北海道産小麦使用表示あり) 10つけ麺大手製品(国内産小麦使用表示なし) 10冷麺中小製品(国内産小麦使用表示なし) 10

303

14

89

15上位15製品の売上高に占める国内産小麦使用表示のある製品の

シェア

順位

1

10111213

234567

- 30 -

図Ⅲ-10 外食産業等と連携した農産物の需要拡大対策事業(麦類)

9 国内産麦の需要拡大イベント及び情報発信の取組

近年生産者と実需者等が連携し国内産麦を使用した製品が

数多く開発販売されており各地でイベント等の需要拡大の

取組みが行われております

また農林水産省としては平成30年度産地と外食事業者等

が連携して行う国内産麦を活用した新商品の開発試作製

造するために必要な取組を支援する「外食産業等と連携した農

産物の需要拡大対策事業」を一般社団法人全国米麦改良協会を

実施主体として行っているところです

農林水産省のホームページにおいてこれらのイベント等につい

て情報発信を行うとともに一般社団法人全国米麦改良協会が

開設している国産麦応援情報ホームページでの情報提供等を

行っています(図Ⅲ-10~12)

「国内産麦使用試作品全国統一試食会商談会」開催日平成31年2月12日~19日(土日を除く)場 所むぎくらべ(東京都千代田区神田小川町)

内 容平成29年度補正予算事業「外食産業等と連携した農産物の需要拡大対策事業」の一環として行われた国内産麦を使用した試作品の試食会商談会

「国内産麦使用試作品全国統一試食会商談会」で出品された試作品

- 31 -

第8回全国ご当地うどんサミットin 熊谷 開催日平成30年11月10日~11日 場 所熊谷スポーツ文化公園にぎわい広

場(埼玉県) 内 容全国の国内産小麦を使用した「ご

当地うどん」が一堂に集まりグランプリを決定

図Ⅲ-11 全国各地で開催されたイベント 図Ⅲ-12 一般社団法人 全国米麦改良協会の取組

国産麦応援情報ホームページ「日本の麦の底力」内容国産小麦粉ブランド名鑑国産小麦の逸品イベント情報研究

情報等を掲載URL httpnihonnomugicom

北海道小麦キャンプ2018 in オホーツク 開催日平成30年7月10日~11日 場 所ホテル黒部を主会場としたオホーツ

ク管内(北海道) 内 容国内産小麦北海道産小麦の魅力

を全国に広めることを目的にバスツアーやパン講習会などを実施

麦わらぼうしフェスタ 開催日平成30年11月4日 場 所笠原産業株式会社(栃木県) 内 容国内産小麦を使用したうどんパン

などの試食販売うどん教室などを実施

第7回 信州粉もん祭り 開催日平成30年11月11日 場 所JAながの ちくま埴生支所(長野県) 内 容長野県産小麦を使用した「粉もん料

理」が大集合粉もん試食会や手打ちうどん講習会 などを実施

国内産麦アンテナショップ「むぎくらべ」内容国内産麦を使用した商品のPRと販売の場を提供するものとして

平成30年7月東京都千代田区にオープン

- 32 -

オープニングセレモニーには上月前農林水産大臣政務官(写真中央)も出席

10 食料農業農村基本計画における麦の位置付け

平成27年3月31日に平成37年度を目標とする「食料農業

農村基本計画」が閣議決定され小麦は95万トン大麦はだ

か麦は22万トンの生産努力目標が設定されています(表Ⅲ-

12)

食料消費の見通し 生産努力目標(万トン) 克服すべき課題

1人1年当たり消費量

(kg人年)

国内消費仕向量

(万トン)

平成25年度

平成37年度

平成25年度

平成37年度

平成25年度

平成37年度

小麦 33 32 699 611 81 95

国内産小麦の需要拡大に向けた産地形成やブランド化

実需者ニーズに対応した生産流通体制の確立

新品種新技術の開発導入輪作体系の最適化排水対策等による収量品質の高位安定化

農地の集積集約化経営規模の拡大に対応した省力化に資する技術の開発導入等による生産コストの低減

大麦はだか麦

03 02 208 213 18 22

外国産大麦が多く用いられている焼酎用等の国内産麦の需要拡大

実需者ニーズに対応した生産流通体制の確立

新品種新技術の開発導入輪作体系の最適化排水対策等による収量品質の高位安定化

農地の集積集約化経営規模の拡大に対応した省力化に資する技術の開発導入等による生産コストの低減

表Ⅲ-12 麦の平成37年度における食料消費の見通し及び生産努力目標

資料「食料農業農村基本計画」(平成27年3月閣議決定)注1)国内消費仕向量には飼料用等の食糧用以外の用途への仕向量を含む

2)大麦はだか麦の国内消費仕向量及び生産努力目標にはビール大麦を含む

- 33 -

Ⅳ 米粉に関する動向

1 生産動向

米粉用米の生産量は平成25年産以降2万トン前後で推移していましたが平成29年度以降は約3万トンまで回復しています(表Ⅳ-1)

2 需要拡大に向けた対応

米粉用米の利用量は平成24年度以降年間2万数千トンで推移していましたがグルテンを使用しない米粉商品の開発や新たな米加工品(α化米粉米ゲルなど)の保湿性や粘性に着目した商品の開発「米粉の用途別基準」や「ノングルテン米粉製品第三者認証制度」の運用開始により平成29年度は25千トン30年度は31千トンに増加しています(表Ⅳ-2)

今後の更なる国内海外の需要拡大のためノングルテン米粉や用途別基準に適合する高品質な日本産米粉の流通を契機とした魅力ある新商品の開発や日本産米粉の優位性の情報発信等を推進する必要があります

表Ⅳ-1 上位5県の米粉用米の生産量と作付面積の推移

(参考) 米粉及び小麦粉の販売価格(税抜き)

米粉100~290円kg程度

(小麦粉 100円kg程度)

注1)平成26~29年度については新規需要米取組計画を認定した全需要者からの聞き取り注2)平成30年度については新規需要米取組計画を認定した主要な需要者からの聞き取り

により推計

表Ⅳ-2 米粉用米の利用量(需要者からの聞き取り)

- 34 -

資料26~29年産は新規需要米生産集出荷数量30年産は新規需要米取組計画

認定数量(農林水産省)

(単位千トン)

26年度 27年度 28年度 29年度 30年度見込

22 23 23 25 31

(単位千トン千ha)

26年産 27年産 28年産 29年産 30年産

生産量 59 97 87 130 107作付面積 11 18 15 24 19生産量 10 10 09 30 31作付面積 02 02 02 06 06生産量 08 10 00 19 30作付面積 01 02 00 03 06生産量 10 12 12 12 16作付面積 02 03 02 02 03生産量 20 24 07 12 13作付面積 03 04 01 02 02生産量 184 230 190 284 281作付面積 34 42 34 53 53

秋田県

全国計

新潟県

埼玉県

栃木県

群馬県

農林水産大臣は米穀の新用途への利用の促進に関する基本方針を定める

生産製造連携事業計画

生産者 製造事業者 促進事業者

必須

米穀の新用途への利用の促進に関する法律

米穀の新用途への利用の促進に関する基本方針

関係者が連携して計画を作成米穀の新用途への利用の促進に関する基本方針に照らし適切な計画について農林水産大臣が認定(計画期間は3~5年)

図Ⅳ 米粉用米に対する支援措置

3 米粉用米に対する支援

① 米粉用米についてはその利用の拡大を図るために平成21年に「米穀の新用途への利用の促進に関する法律」が制定されました同法に基づく「生産製造連携事業計画」の認定を受け「農山漁村

活性化計画」の採択を受けた取組に対して米粉用米の生産加工に必要な施設整備等の支援を行っています

② 米粉用米の生産者に対しては水田活用の直接支払交付金による支援を行っていますまたノングルテン米粉表示や米粉の用途別基準により需要者ニーズに合った高品質な米粉の製造や輸出拡大の取組を支援しています

③ 平成31年度は国内海外の需要獲得に向け引き続き魅力ある新商品開発を推進するほか日本産米粉の優位性の情報発信やノングルテン米粉の製造手法マニュアルの作成など輸出を含めた日本産米粉の需要拡大に向けた取組を支援していくこととしています

予 算 措 置

【水田活用の直接支払交付金】水田を活用して米粉用米等の作物を生産する農業者に対し交付金を直接交付 (米粉用米収量に応じ55万円~105万円10a)

【農山漁村振興交付金】米粉飼料用米の生産加工に係る施設整備に対し交付金を交付(補助率定額12)

【持続的生産強化対策事業】

日本産米粉の優位性の情報発信ノングルテン米粉の製造手法マニュアルの作成米粉用米生産者と製造事業者とのマッチング

等の取組を支援

金 融 措 置

【日本政策金融公庫による低利融資】(食品安定供給施設整備資金)

米粉製造施設米粉を原料とした食品の製造加工施設等への融資

(輸出を含めた日本産米粉の需要拡大支援事業)

(補助率定額)

【外食産業等と連携した需要拡大対策事業】

国産農林水産物食品の輸出等需要フロンティアの開拓を図るため産地と複数年契約を締結する民間企業(外食加工業者)に対し国産農林水産物を活用した新商品の開発やそれに必要な技術開発等を支援 (補助率定額12)

- 35 -

【農林水産物食品輸出促進緊急対策事業】コメ海外市場拡大戦略プロジェクトに参加する輸出産地や輸出事業者等が連携して戦略的に取り組む中国等の海外市場開拓プロモーション等を支援

(補助率定額12)

品目 現在の関税率 合意内容

小麦

枠内税率無税+マークアップ

枠外税率55円kg

現行の国家貿易制度を維持するとともに枠外税率(55円kg)を維持

既存のWTO枠に加え米国(15万(7年目以降))【不適用】カナダ(53万(同))豪州(5万(同))にSBS方式の国別枠を設定

マークアップを9年目までに45削減

大麦

枠内税率無税+マークアップ

枠外税率39円kg

現行の国家貿易制度を維持するとともに枠外税率(39円kg)を維持

既存のWTO枠に加えSBS方式のTPP枠(65万(9年目以降))を設定

マークアップを9年目までに45削減

1 TPP11協定概要(麦)(平成30年12月30日発効)

Ⅴ TPP11及び日EUEPAの協定概要(麦関係)

(参考主な麦製品)

現在の関税率合意内容

税率 枠数量

いった小麦小麦粉等

(国家貿易品目)

枠内税率125~25+マークアップ

枠外税率85~134円kg

枠内即時無税+マークアップ

(枠外税率は維持)

(発効時) (6年目)125千rarr175千

ベーカリー製品製造用

小麦粉調製品16~24

枠内即時無税(枠外税率は維持)

(発効時) (6年目)米国 105千rarr12千【不適用】米国以外 68千rarr 8千

その他小麦粉調製品

16~28枠内即時無税

(枠外税率は維持)(発効時) (6年目)15千rarr225千

マカロニスパゲティ

30円kg9年目までに60削減

ビスケット 1315 6年目に無税 -

注1)いった小麦とは小麦をいったものであり主にシリアル食品等に使用される

2)その他小麦粉調製品とは製麺まんじゅう等のベーカリー製品以外の製造用の

小麦粉調製品である

- 36 -

2 日EUEPA協定概要(麦)(平成31年2月1日発効)

品目 現在の関税率 合意内容

小麦

枠内税率無税+マークアップ

枠外税率55円kg

現行の国家貿易制度を維持するとともに枠外税率(55円kg)を維持

既存のWTO枠に加えSBS方式のEU枠(270(7年目以降))を設定

枠内のマークアップを9年目までに45削減

大麦

枠内税率無税+マークアップ

枠外税率39円kg

現行の国家貿易制度を維持するとともに枠外税率(39円kg)を維持

既存のWTO枠に加えSBS方式のEU枠(30(即時))を設定

枠内のマークアップを9年目までに45削減

(参考主な麦製品)

現在の関税率合意内容

税率 枠数量

いった小麦小麦粉等

(国家貿易品目)

枠内税率125~25+マークアップ

枠外税率85~134円kg

枠内即時無税+マークアップ

(枠外税率は維持)

(発効時) (6年目)38千rarr44千

ベーカリー製品製造用

小麦粉調製品16~24

枠内即時無税(枠外税率は維持)

(発効時) (6年目)104千rarr142千

その他小麦粉調製品

16~28枠内即時無税

(枠外税率は維持)(発効時) (6年目)

2千rarr3千

マカロニスパゲティ

30円kg 11年目に無税 -

ビスケット 1315 6年目に無税 -

注1)いった小麦とは小麦をいったものであり主にシリアル食品等に使用される

2)その他小麦粉調製品とは製麺まんじゅう等のベーカリー製品以外の製造用の

小麦粉調製品である

(参考) 麦の国境措置

小 麦 大 麦

輸入数量

価格

輸入数量

価格

政府売渡価格

マークアップ(輸入差益)

452円kgを上限

輸入価格

(枠内税率0円kg)

枠内輸入(国家貿易) 枠外輸入

(民間貿易)枠外税率を支払って輸入された数量(平成29年度)12千トン

WTOカレントアクセス数量5740千トン

枠外税率55円

政府売渡価格

輸入価格(枠内税率0円kg)

WTOカレントアクセス数量1369千トン

枠内輸入(国家貿易) 枠外輸入(民間貿易)

枠外税率を支払って輸入された数量(平成29年度)06千トン

枠外税率39円

民間貿易の場合の輸入価格

民間貿易の場合の輸入価格

286円kgを上限

マークアップ(輸入差益)

- 37 -

  • スライド番号 1
  • スライド番号 2
  • 麦の参考資料 麦の需給に関する見通し(動向編)
  • スライド番号 4
  • スライド番号 5
  • スライド番号 6
  • スライド番号 7
  • スライド番号 8
  • スライド番号 9
  • スライド番号 10
  • スライド番号 11
  • スライド番号 12
  • スライド番号 13
  • スライド番号 14
  • Ⅱ 小麦粉麦製品の生産と価格の動向
  • スライド番号 16
  • スライド番号 17
  • スライド番号 18
  • スライド番号 19
  • スライド番号 20
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3 国内産麦に対する支援

平成31年度は経営所得安定対策等の対策のうち主に畑作

物の直接支払交付金と水田活用の直接支払交付金により国内

産麦に対する支援が行われます

(1)畑作物の直接支払交付金

畑作物の直接支払交付金として麦を生産する農業者に対

し標準的な生産費と標準的な販売価格の差額分を直接交付

することとしています

支払いは当年産の麦の品質及び生産量に応じて交付する

数量払を基本とし当年産の麦の作付面積に応じて交付する

面積払(営農継続支払)を数量払の先払いとして交付する仕

組みにしています

数量払の交付単価は品質に応じた単価を設けており需要

に応じた生産と品質に対する営農努力を適切に反映させる仕

組みになっています(表Ⅲ-5)

表Ⅲ-5 畑作物の直接支払交付金の麦の交付単価

(円単位数量)

品質区分(等級ランク)

1等 2等

A B C D A B C D

小麦(パン中華麵

用品種)(60kg当たり)

9040 8540 8390 8330 7880 7380 7230 7170

小麦(パン中華麺用品種以外)(60kg当たり)

6740 6240 6090 6030 5580 5080 4930 4870

二条大麦(50kg当たり) 5550 5130 5010 4960 4690 4270 4140 4090

六条大麦(50kg当たり) 6030 5610 5480 5430 5000 4580 4460 4410

はだか麦(60kg当たり) 8650 8150 8000 7910 7080 6580 6430 6350

(参考)

【平均交付単価小麦6940円60kg二条大麦5490円50kg六条大麦5720円50kg

はだか麦8230円60kg】

②面積払

当年産の作付面積に応じて交付 2万円10a

①数量払(品質に応じた単価)

- 22 -

【平成31年産に適用】

標準的な生産費

差額

ゲタ交付単価

標準的な販売価格

【交付単価のイメージ】lt畑作物の直接支払交付金のイメージgt

面積払(数量払の際に控除されます)

数量払

収量

交付金額

(2)水田活用の直接支払交付金

水田のフル活用を推進し食料自給率自給力の向上を図

るため水田で麦を生産する農業者に対しては畑作物の直

接支払交付金に加え水田活用の直接支払交付金(35000円

10a)を直接交付することとしています(表Ⅲ-6)

表Ⅲ-6 水田活用の直接支払交付金の交付単価

作 物 単 価

麦大豆飼料作物 35000円10a

WCS(ホールクロップサイレージ)用稲 80000円10a

加工用米 20000円10a

飼料用米米粉用米収量に応じ

55000円~105000円10a

このほか「産地交付金」により地域で作成する水田フル活用ビジョンに基づき二毛作や耕畜連携を含め産地づくりに向けた取組を支援します

戦略作物助成

注実需者等との出荷販売契約等を締結すること出荷販売することが要件

- 23 -

4 国内産食糧用麦の流通動向

(1)取引の概要

国内産食糧用麦は加工原料としての商品特性から需要に応じて計画的に生産できるようは種前契約に基づく取引が行われています

まず取引の指標となる透明性のある適正な価格を形成するためは種前に販売予定数量の3~4割(具体の比率は民間流通地方連絡協議会の協議を踏まえ決定)について入札が行われます残りは相対取引が行われておりその価格については入札で形成された指標価格(落札加重平均価格)を基本として取引当事者間で決められています(図Ⅲ-3)

また取引を円滑に進めるため生産者需要者等で構成される民間流通連絡協議会において取引に必要な情報交換取引に係る基本事項の見直し等が行われています(表Ⅲ-7)

今後とも国内産食糧用麦については円滑な流通が確保されるようは種前契約を基本としつつ適切に対応していきます

図Ⅲ-3 国内産食糧用麦の基本的な流通フロー

表Ⅲ-7 国内産食糧用麦の入札の仕組み

項 目 概 要 見直しの変遷

実施主体 一般社団法人 全国米麦改良協会

実施時期 は種前に2回実施(8~9月)平成13年産から1回rarr2回へ見直し

上場数量

産地銘柄別に販売予定数量が小麦3千トン以上大麦はだか麦1千トン以上の銘柄についてその30~40を上場(ほかに希望上場あり)

平成31年産から30rarr30~40へ見直し

基準価格

小麦は前年産の落札加重平均価格に当年産の入札実施時点での外国産麦の政府売渡価格の変動率を乗じた価格大麦はだか麦は前年産の落札加重平均価格

小麦の外国産麦との連動は平成24年産から実施

値幅制限 基準価格のplusmn10

小麦平成12年産~16年産plusmn5平成17年産~21年産plusmn7平成22年産plusmn10平成23年産plusmn30平成24年産~ plusmn10大麦はだか麦平成12年産~18年産plusmn5平成19年産~21年産plusmn7平成22年産plusmn10平成23年産plusmn15平成24年産~ plusmn10

取引価格の事後調整(小麦のみ)

外国産食糧用小麦の政府売渡価格の改定(410月)に合わせては種前の入札又は相対により契約された価格に外国産食糧用小麦の政府売渡価格の変動率を乗じて取引価格を改定

平成23年産から実施

申込限度数 量

買い手別に上場数量times買受実績シェアtimes145

小麦は平成17年産から大麦及びはだか麦は平成19年産から135rarr145へ見直し

相対取引入札で形成された指標価格を基本に生産者団体と需要者の間で協議決定

平成19年産から過去の実績シェアに基づく取引ルールを廃止

再入札

第1回入札及び第2回入札において落札残数量が発生した場合は売り手の希望により再度入札に付すか相対による契約を行うかいずれかの方法をとることができる

平成25年産から売り手の申し出により再入札における入札の値幅を設定できること等を規定

生産者団体から販売予定数量需要者団体から購入希望数量の相互提示

入札取引の実施(販売予定数量の約3~4割)

相対取引の実施(販売予定数量の約6~7割)

は 種(秋まき春まきは収穫年の4月)

収 穫 及 び 検 査

生産者団体と需要者の間では種前に契約を締結

需 要 者 へ 引 渡 し

<生産の流れ>

麦の生育期間

<契約の流れ>

は種前契約に基づき計画的に作付(は種)

収穫前年7月~

8~9月

9月~

~12月

6~8月

6月~

収穫年26年産から国内産麦の需要拡大を図るため地域の食文化のブランド化等による高付加価値化の取組等に対し安定的な原料供給が可能となる需要拡大推進枠を導入

- 24 -

表Ⅲ-8 国内産食糧用麦の供給量 (単位千トン)

注集荷団体からの聞き取り数量である

(2)流通の動向

平成30年産の国内産食糧用小麦の供給量は前年産から

約14万4千トン減少し約70万1千トンとなっています

また国内産食糧用大麦及びはだか麦の供給量は前年

産から約3千トン減少し約10万3千トンとなっています

(表Ⅲ-8)

生産者側から提示された平成31年産麦の販売予定数量は

国内産食糧用小麦で約82万4千トン国内産食糧用大麦及

びはだか麦で約10万8千トンとなっています

一方需要者側から提示された平成31年産麦の購入希望

数量は国内産食糧用小麦で約86万3千トン国内産食糧

用大麦及びはだか麦で約13万トンとなっています(表Ⅲ-

9)

表Ⅲ-9 国内産食糧用麦の販売予定数量及び購入希望数量の推移(単位千トン)

資料民間流通連絡協議会調べ注四捨五入の関係で差し引きが一致しないことがある

- 25 -

年産 20 21 22 23 24 25 26 27 28 2930

(見込)

小   麦 841 639 532 694 811 767 808 946 734 845 701

大麦はだか麦 125 100 84 98 93 105 103 103 92 106 103

年産 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31

販売予定数量① 887 906 909 951 948 909 905 880 820 846 834 824

購入希望数量② 833 880 818 859 904 869 751 802 834 875 880 863

①-② 54 25 91 91 44 40 154 78 14 29 46 39

(①-②)①() 61 28 100 96 47 44 170 89 18 34 55 47

販売予定数量① 121 132 134 127 122 116 110 112 113 112 108 108

購入希望数量② 199 219 135 149 147 138 141 149 145 138 148 130

①-② 78 87 1 23 26 21 31 37 32 26 39 22

(①-②)①() 640 660 06 179 209 182 282 330 284 234 363 204

表Ⅲ-10 国内産食糧用麦の入札結果の推移

資料一般社団法人全国米麦改良協会調べ

注1価格は税込み(26年産までは527年産以降は8)である

ただし31年産の落札価格は一般社団法人全国米麦改良協会公表の価格(税抜き)を基に農林水産省で税込み価格を算出

5 国内産食糧用麦の価格の動向

(1)平成31年産の入札の概要

平成31年産麦の入札は第1回は平成30年9月12日に第

2回は平成30年9月26日に実施されました

麦種別の入札結果をみると小麦は上場数量約21万4千

トンのうち約20万4千トンが落札(落札率954)され落

札価格は61714円トン(対前年産比1151)となりました

小粒大麦は上場数量約1万1千トンのうち約1万1千

トンが落札(落札率991)され落札価格は46560円トン

(対前年産比997)となりました

大粒大麦は上場数量約7千8百トンのうち5千6百トン

が落札(落札率717)され落札価格は46923円トン(対

前年産比879)となりました

はだか麦は上場数量約2千3百トンのうち約2千1百

トンが落札(落札率897)され落札価格は50817円トン

(対前年産比961)となりました(表Ⅲ-10)

なお国内産小麦については近年消費者の国産志向の高

まりなどを受け大手外食チェーンや2次加工メーカーが国

内産小麦を使用したパン中華麺等の商品を相次いで発表す

るなど人気が高まってきていますこれらを背景として平

成31年産小麦の落札価格は多くの銘柄で値幅制限の上限付

近となっておりまた申込倍数も14倍と高いものとなって

います

- 26 -

20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31

上場数量

(トン)①243510 243020 242310 251370 250980 244880 244320 234010 213360 221380 218500 214200

落札数量

(トン)②234930 238410 189350 247770 245320 220590 188240 192240 201140 214060 210560 204420

落札率

②①965 981 781 986 977 901 770 822 943 967 964 954

落札価格

(円トン)43229 59885 55241 48732 58340 49333 49319 49770 54164 51570 53624 61714

対前年産比 1064 1385 922 882 1197 846 1000 1009 1088 952 1040 1151

上場数量

(トン)①12240 13590 14210 13300 11760 11220 11290 11930 12210 12200 11750 11040

落札数量

(トン)②12050 13510 14040 13170 11550 10850 10900 11830 12090 12200 11440 10940

落札率

②①984 994 988 990 982 967 965 992 990 1000 974 991

落札価格

(円トン)45479 59709 53448 45871 46485 46453 46290 47595 47565 46880 46708 46560

対前年産比 1084 1313 895 858 1013 999 996 1028 999 986 996 997

上場数量

(トン)①10020 9690 10330 9290 9000 8700 7210 7620 7450 7620 6880 7810

落札数量

(トン)②8880 8920 8910 7990 7990 7830 6480 7130 6600 6700 6340 5600

落札率

②①886 921 863 860 888 900 899 936 886 879 922 717

落札価格

(円トン)36532 50492 46097 39649 40394 41582 42881 45740 47827 50442 53384 46923

対前年産比 1059 1382 913 860 1019 1029 1031 1067 1046 1055 1058 879

上場数量

(トン)①2910 3150 3030 3260 3060 2830 2840 2890 2740 2660 2570 2330

落札数量

(トン)②2910 3150 3030 3090 3020 2830 2810 2810 2520 2600 2470 2090

落札率

②①1000 1000 1000 948 987 1000 989 972 920 977 961 897

落札価格

(円トン)42222 58527 61489 52791 51905 52294 49656 47712 46547 48527 52876 50817

対前年産比 1063 1386 1051 859 983 1007 950 961 976 1043 1090 961

年産

小麦

小粒大麦(六条大麦)

大粒大麦(二条大麦)

はだか麦

平成31年産国内産食糧用小麦の入札結果をみると産地別銘柄別

の需給状況等を反映して落札価格に差が生じています

代表的な銘柄である北海道産「きたほなみ」は前年産の価格を

153上回る64752円トン香川県産「さぬきの夢2009」は前

年産の価格を152上回る73186円トンとなりましたまたパ

ン中華麺用の北海道産「ゆめちから」は前年産の価格を180

上回る62777円トン北海道産「春よ恋」は前年産の価格を

180上回る68792円トンとなりました(図Ⅲ-4図Ⅲ-5)

図Ⅲ-4 平成31年産国内産食糧用小麦の産地別銘柄別落札価格

資料農林水産省調べ注外国産小麦5銘柄加重平均価格は平成30年4月期の輸入小麦の政府売渡価格である

(2)平成31年産国内産食糧用小麦の産地別銘柄別落札価格の動向

資料農林水産省調べ注1国内産小麦の価格は(一社)全国米麦改良協会が実施する民間流通麦にかかる入札の第1回第2回

及び再入札の落札加重平均価格(税込み)年産の下段の( )内は当該第1回入札の実施年月である注2外国産小麦の価格は18年までは当該年度平均の実績価格であり19年以降は民間流通麦にかかる第

1回入札の実施年月時点での輸入小麦の政府売渡価格(5銘柄平均)である注3ホクシン(きたほなみ)については22年産までは「ホクシン」の価格であり23年産からは「きたほ

なみ」の価格である注4さぬきの夢については24年産までは「さぬきの夢2000」の価格であり25年産からは「さぬきの夢

2009」の価格である注5農林61号(さとのそら)については23年産までは「農林61号」の価格であり24年産からは「さとの

そら」の価格である

図Ⅲ-5 国内産食糧用小麦の産地別銘柄別落札価格の推移

- 27 -

(単位円トン税込み)

30000

60000

北海道ゆめちから 62777

福岡ミナミノカオリ 68393

滋賀農林61号 50763

茨城さとのそら 46310

佐賀チクゴイズミ 52193

岩手ゆきちから 39929

全銘柄落札加重平均 61714

香川さぬきの夢2009 73186

北海道きたほなみ 64752

外国産小麦5銘柄加重平均 54370

群馬さとのそら 48669

北海道キタノカオリ 63090

大分チクゴイズミ 48265

福岡シロガネコムギ 50643

佐賀シロガネコムギ 47998

40000

福岡チクゴイズミ 52203

滋賀ふくさやか 49534

岐阜イワイノダイチ 46874

埼玉さとのそら 47159

宮城シラネコムギ 44607

群馬つるぴかり 49785

北海道春よ恋 68792

愛知きぬあかり 50114

北海道はるきらり 60201

50000

埼玉あやひかり 46072

岐阜さとのそら 45919

70000

30000

40000

50000

60000

70000

80000

90000

100000

110000

120000

130000

12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 年産

(単位円トン税込み)

北海道ホクシン

香川さぬきの夢200973186円

茨城農林61号

香川さぬきの夢2000

茨城さとのそら

46310円

北海道きたほなみ

64752円

北海道ゆめちから

62777円

外国産小麦

5銘柄平均

54370円

北海道春よ恋

68792円

(128) (138) (148) (158) (168) (178)(1810) (199) (208)(2110)(2212) (239) (2410)(2510)(269)(279) (289) (299)(119) (309)

6 国内産麦の新品種の育成状況

(1)国内産麦については縞萎縮病抵抗性や耐倒伏性を備え

需要者等のニ-ズに合った新品種の開発が進められています

また作付け面積が1万haを超える「ゆめちから」「さとの

そら」をはじめ多数の品種が生産現場に導入されています

(図Ⅲ-6)

(2)今後とも赤かび病抵抗性や穂発芽耐性が高い小麦品種

小麦粉の色相や製粉性が優れる日本麺用小麦品種パンの膨

らみがカナダ産「1CW」並の小麦品種焼酎押麦味噌

などの加工適性が高い大麦品種等の開発を推進します

小麦品種「ゆめちから」及び「さとのそら」は優れた栽培特性

と加工適性を備えており作付けが拡大しています(平成29年

推定値「ゆめちから」約1万2千ha「さとのそら」約1万5

千ha)

パン用小麦品種の開発近年国産の小麦粉を使ったパンの需要増加に応えるためグルテンやでん粉の組成などパンの膨らみに関連する特性に注目した育種が進められていますその結果平成25年に製パン適性が「1CW」に近く多収の「せときらら」平成29年にはパン生地の力が強く穂発芽耐性や赤かび抵抗性が改良された「夏黄金」が育成されました

加工適性の高い大麦品種の開発機能性成分β-グルカンを多く含むもち性大麦の需要の高まりに応えるため平成29年に「はねうまもち」が育成されましたまた高品質なはだか麦の需要増加に対応して平成24年に味噌加工適性の高い「ハルヒメボシ」が育成されました

図Ⅲ-6 平成19年以降に育成された麦類の主な新品種

日本麺用小麦ゆめきらり

パン用小麦ゆめかおり福井県大3号

六条大麦ホワイトファイバー

北信越

日本麺用小麦あおばの恋

パン用小麦銀河のちから

東北

日本麺用小麦さとのそらきぬあかり

パン用小麦ゆめかおり

二条大麦とちのいぶき彩の星アスカゴールデンニューサチホゴールデン

六条大麦カシマゴール

はだか麦キラリモチ

関東東海

日本麺用小麦ふくはるかさぬきの夢2009

パン用小麦ゆめちからせときらら

はだか麦ハルヒメボシ

近畿中国四国

中華麺用小麦ちくしW2号

二条大麦煌二条白妙二条はるか二条トヨノホシ

九州

日本麺用小麦きたほなみ

中華麺用小麦つるきち

パン用小麦ゆめちからはるきらり

二条大麦札育2号

北海道

新品種のうち平成30年産で概ね100ha以上作付けされていると推定される品種を選定(農林水産省調べ)

- 28 -

7 国内産麦を利用した製品の動向

食料自給率の向上を図るためには国内産麦の需要開拓を行う

ことが必要です最近の消費者の国産志向の高まりや生産者と実

需者が一体となった地産地消の推進地域農業の振興を図る取り

組み等から国内産麦を使った麦製品(パン麺等)が増えてき

ており中には国内産麦を100使用した商品もあります(図Ⅲ-

7)

- 29 -

8 民間流通制度の運用改善

国内産麦の人気の高まりにより近年需要量が生産量を上回

る状況が継続しており国内産麦を積極的に使用したい実需者が

必要量を確保できない等の課題もあります

このような課題に対応するため民間流通連絡協議会において

入札上場比率の選択制の導入需要拡大推進枠設定の要件緩和

相対取引需要拡大推進枠において多様な取組が可能であること

の明確化等民間流通制度の運用改善が行われました(図Ⅲ-

8)

ピッツァ専用粉(北海道)(小麦)地元の製粉企業が北海道産小麦(きたほなみキタノカオリゆめち

から)を100使用した国内で初めてのピッツァ専用粉を開発平成30年2月に都内で試食会を開催し平成30年5月から販売

ピッツァ専用粉(群馬県)(小麦)地元の製粉企業が地元のピッツァ専門店ピッツァ窯メーカーと協力

して品質改良を重ね群馬県産小麦(さとのそらつるぴかりきぬの波)を100使用したピッツァ専用粉を平成30年4月から発売ピッツァイベントやイタリアン食材の展示会に出展

学校給食用パン(東京都)(小麦)都学校給食会の「学校給食パン加工規格」による配合基準に基づき国

内産小麦を100使用した学校給食パンを平成27年度から都内の一部の小中学校で提供を開始平成28年度からは都内全域の規格として採用

〇 市販用中華麺(愛知県)(小麦)地元の製粉企業が自社製品として愛知県産小麦きぬあかりを100使用

した中華麺を平成30年6月から自社通販で販売平成30年8月から一般販売を開始

フランスパン用粉(佐賀県)(小麦)近県製粉企業が農研機構と共同で育成した九州地域等の暖地温暖地

向けのフランスパン加工適性に優れる準強力小麦品種「さちかおり」を100使用したフランスパン用粉を平成30年8月から発売

市販用ゆで麺(長崎県)(小麦)地元の製麺企業近県製粉企業県生麺協同組合JA県等が連携し

平成26年3月に「長崎県育成麦活用開発協議会」を立ち上げ長崎県産長崎W2号(商標登録名長崎ちゃん麦)を100使用したちゃんぽん用のゆで麺を平成29年4月に製品化原料小麦の生産量が整った段階での本格販売を予定

もち性大麦を使用した機能性表示食品(静岡県)(大麦)地元の精麦企業が国内産もち性大麦でβ-グルカン量の多い銘柄を使用し

炊飯用精麦を製品化機能性表示食品として平成29年1月に届出し十分な原料を手当でき次第随時販売予定

〇 もち性大麦を使用したシリアル(愛知県)(大麦)地元の精麦企業が食物繊維が20を超える愛知県産もち性大麦「ワキ

シーファイバー」を使用した国内産もち麦100シリアルを開発平成30年4月から販売開始

図Ⅲ-7 国内産麦を100使用した商品事例

図Ⅲ-8 民間流通制度の運用改善のポイント

0

50

100

150

200

250

300

350

400円千人

大手製パンメーカーA社が国内産小麦100使用の新製品を発売

大手製食品スーパーB社が国内産小麦100使用の新製品をPBで発売

大手製パンメーカーA社が国内産小麦100使用の製品を初めて発売

(参考)国内産小麦を利用した製品の販売状況

(1)国内産小麦100使用の食パンの販売額

大きなシェアを占めるにはいたっていないものの国内産

小麦を100使用した食パンの販売金額の推移を見ると新製

品が登場する度に国内産小麦100使用の食パン市場が拡大し

ています(図Ⅲ-9)

図Ⅲ-9 国内産小麦100使用の食パンの販売額の推移(首都圏)

資料日本経済新聞デジタルメディア社による首都圏のスーパーマーケットなど100店舗におけるPOSデータに基づき農林水産政策研究所において集計

注食パンのうち国内産小麦を100使用していることが明らかな製品のみ計上菓子パン等は含んでいない

表Ⅲ-11 生麺ゆで麺(チルド)の販売金額のシェア(首都圏平成30年)

資料日本経済新聞デジタルメディア社による首都圏のスーパーマーケットなど120店舗におけるPOSデータに基づき農林水産政策研究所において集計

(2)生麺ゆで麺(チルド)の販売金額

生麺ゆで麺全体で上位15製品の売上高に占める国内産

小麦使用表示のある製品のシェアは30となっていますま

た主要な麺製品のうどんラーメン冷やし中華焼そば

全てで国内産小麦使用製品がランクインしています(表Ⅲ

-11)

2013年 2014年 2015年 2016年 2017年 2018年 2019年

                      (単位)

製品の種類製造企業の規模産地表示販売金額シェア

焼そば大手製品(国内産小麦使用表示なし) 99そば大手製品(国内産小麦使用表示なし) 27冷やしラーメン大手製品(国内産小麦使用表示なし) 20うどん大手製品(北海道産小麦使用表示あり) 20ラーメン大手製品(北海道産小麦使用表示あり) 14冷やし中華大手製品(国内産小麦使用表示なし) 14うどん大手製品(国内産小麦使用表示あり) 13焼そば大手製品(国内産小麦使用表示なし) 12焼うどん大手製品(国内産小麦使用表示なし) 12うどん大手製品(国内産小麦使用表示あり) 11焼そば大手製品(国内産小麦使用表示あり) 11そうめん大手製品(国内産小麦使用表示あり) 10うどんPB製品(北海道産小麦使用表示あり) 10つけ麺大手製品(国内産小麦使用表示なし) 10冷麺中小製品(国内産小麦使用表示なし) 10

303

14

89

15上位15製品の売上高に占める国内産小麦使用表示のある製品の

シェア

順位

1

10111213

234567

- 30 -

図Ⅲ-10 外食産業等と連携した農産物の需要拡大対策事業(麦類)

9 国内産麦の需要拡大イベント及び情報発信の取組

近年生産者と実需者等が連携し国内産麦を使用した製品が

数多く開発販売されており各地でイベント等の需要拡大の

取組みが行われております

また農林水産省としては平成30年度産地と外食事業者等

が連携して行う国内産麦を活用した新商品の開発試作製

造するために必要な取組を支援する「外食産業等と連携した農

産物の需要拡大対策事業」を一般社団法人全国米麦改良協会を

実施主体として行っているところです

農林水産省のホームページにおいてこれらのイベント等につい

て情報発信を行うとともに一般社団法人全国米麦改良協会が

開設している国産麦応援情報ホームページでの情報提供等を

行っています(図Ⅲ-10~12)

「国内産麦使用試作品全国統一試食会商談会」開催日平成31年2月12日~19日(土日を除く)場 所むぎくらべ(東京都千代田区神田小川町)

内 容平成29年度補正予算事業「外食産業等と連携した農産物の需要拡大対策事業」の一環として行われた国内産麦を使用した試作品の試食会商談会

「国内産麦使用試作品全国統一試食会商談会」で出品された試作品

- 31 -

第8回全国ご当地うどんサミットin 熊谷 開催日平成30年11月10日~11日 場 所熊谷スポーツ文化公園にぎわい広

場(埼玉県) 内 容全国の国内産小麦を使用した「ご

当地うどん」が一堂に集まりグランプリを決定

図Ⅲ-11 全国各地で開催されたイベント 図Ⅲ-12 一般社団法人 全国米麦改良協会の取組

国産麦応援情報ホームページ「日本の麦の底力」内容国産小麦粉ブランド名鑑国産小麦の逸品イベント情報研究

情報等を掲載URL httpnihonnomugicom

北海道小麦キャンプ2018 in オホーツク 開催日平成30年7月10日~11日 場 所ホテル黒部を主会場としたオホーツ

ク管内(北海道) 内 容国内産小麦北海道産小麦の魅力

を全国に広めることを目的にバスツアーやパン講習会などを実施

麦わらぼうしフェスタ 開催日平成30年11月4日 場 所笠原産業株式会社(栃木県) 内 容国内産小麦を使用したうどんパン

などの試食販売うどん教室などを実施

第7回 信州粉もん祭り 開催日平成30年11月11日 場 所JAながの ちくま埴生支所(長野県) 内 容長野県産小麦を使用した「粉もん料

理」が大集合粉もん試食会や手打ちうどん講習会 などを実施

国内産麦アンテナショップ「むぎくらべ」内容国内産麦を使用した商品のPRと販売の場を提供するものとして

平成30年7月東京都千代田区にオープン

- 32 -

オープニングセレモニーには上月前農林水産大臣政務官(写真中央)も出席

10 食料農業農村基本計画における麦の位置付け

平成27年3月31日に平成37年度を目標とする「食料農業

農村基本計画」が閣議決定され小麦は95万トン大麦はだ

か麦は22万トンの生産努力目標が設定されています(表Ⅲ-

12)

食料消費の見通し 生産努力目標(万トン) 克服すべき課題

1人1年当たり消費量

(kg人年)

国内消費仕向量

(万トン)

平成25年度

平成37年度

平成25年度

平成37年度

平成25年度

平成37年度

小麦 33 32 699 611 81 95

国内産小麦の需要拡大に向けた産地形成やブランド化

実需者ニーズに対応した生産流通体制の確立

新品種新技術の開発導入輪作体系の最適化排水対策等による収量品質の高位安定化

農地の集積集約化経営規模の拡大に対応した省力化に資する技術の開発導入等による生産コストの低減

大麦はだか麦

03 02 208 213 18 22

外国産大麦が多く用いられている焼酎用等の国内産麦の需要拡大

実需者ニーズに対応した生産流通体制の確立

新品種新技術の開発導入輪作体系の最適化排水対策等による収量品質の高位安定化

農地の集積集約化経営規模の拡大に対応した省力化に資する技術の開発導入等による生産コストの低減

表Ⅲ-12 麦の平成37年度における食料消費の見通し及び生産努力目標

資料「食料農業農村基本計画」(平成27年3月閣議決定)注1)国内消費仕向量には飼料用等の食糧用以外の用途への仕向量を含む

2)大麦はだか麦の国内消費仕向量及び生産努力目標にはビール大麦を含む

- 33 -

Ⅳ 米粉に関する動向

1 生産動向

米粉用米の生産量は平成25年産以降2万トン前後で推移していましたが平成29年度以降は約3万トンまで回復しています(表Ⅳ-1)

2 需要拡大に向けた対応

米粉用米の利用量は平成24年度以降年間2万数千トンで推移していましたがグルテンを使用しない米粉商品の開発や新たな米加工品(α化米粉米ゲルなど)の保湿性や粘性に着目した商品の開発「米粉の用途別基準」や「ノングルテン米粉製品第三者認証制度」の運用開始により平成29年度は25千トン30年度は31千トンに増加しています(表Ⅳ-2)

今後の更なる国内海外の需要拡大のためノングルテン米粉や用途別基準に適合する高品質な日本産米粉の流通を契機とした魅力ある新商品の開発や日本産米粉の優位性の情報発信等を推進する必要があります

表Ⅳ-1 上位5県の米粉用米の生産量と作付面積の推移

(参考) 米粉及び小麦粉の販売価格(税抜き)

米粉100~290円kg程度

(小麦粉 100円kg程度)

注1)平成26~29年度については新規需要米取組計画を認定した全需要者からの聞き取り注2)平成30年度については新規需要米取組計画を認定した主要な需要者からの聞き取り

により推計

表Ⅳ-2 米粉用米の利用量(需要者からの聞き取り)

- 34 -

資料26~29年産は新規需要米生産集出荷数量30年産は新規需要米取組計画

認定数量(農林水産省)

(単位千トン)

26年度 27年度 28年度 29年度 30年度見込

22 23 23 25 31

(単位千トン千ha)

26年産 27年産 28年産 29年産 30年産

生産量 59 97 87 130 107作付面積 11 18 15 24 19生産量 10 10 09 30 31作付面積 02 02 02 06 06生産量 08 10 00 19 30作付面積 01 02 00 03 06生産量 10 12 12 12 16作付面積 02 03 02 02 03生産量 20 24 07 12 13作付面積 03 04 01 02 02生産量 184 230 190 284 281作付面積 34 42 34 53 53

秋田県

全国計

新潟県

埼玉県

栃木県

群馬県

農林水産大臣は米穀の新用途への利用の促進に関する基本方針を定める

生産製造連携事業計画

生産者 製造事業者 促進事業者

必須

米穀の新用途への利用の促進に関する法律

米穀の新用途への利用の促進に関する基本方針

関係者が連携して計画を作成米穀の新用途への利用の促進に関する基本方針に照らし適切な計画について農林水産大臣が認定(計画期間は3~5年)

図Ⅳ 米粉用米に対する支援措置

3 米粉用米に対する支援

① 米粉用米についてはその利用の拡大を図るために平成21年に「米穀の新用途への利用の促進に関する法律」が制定されました同法に基づく「生産製造連携事業計画」の認定を受け「農山漁村

活性化計画」の採択を受けた取組に対して米粉用米の生産加工に必要な施設整備等の支援を行っています

② 米粉用米の生産者に対しては水田活用の直接支払交付金による支援を行っていますまたノングルテン米粉表示や米粉の用途別基準により需要者ニーズに合った高品質な米粉の製造や輸出拡大の取組を支援しています

③ 平成31年度は国内海外の需要獲得に向け引き続き魅力ある新商品開発を推進するほか日本産米粉の優位性の情報発信やノングルテン米粉の製造手法マニュアルの作成など輸出を含めた日本産米粉の需要拡大に向けた取組を支援していくこととしています

予 算 措 置

【水田活用の直接支払交付金】水田を活用して米粉用米等の作物を生産する農業者に対し交付金を直接交付 (米粉用米収量に応じ55万円~105万円10a)

【農山漁村振興交付金】米粉飼料用米の生産加工に係る施設整備に対し交付金を交付(補助率定額12)

【持続的生産強化対策事業】

日本産米粉の優位性の情報発信ノングルテン米粉の製造手法マニュアルの作成米粉用米生産者と製造事業者とのマッチング

等の取組を支援

金 融 措 置

【日本政策金融公庫による低利融資】(食品安定供給施設整備資金)

米粉製造施設米粉を原料とした食品の製造加工施設等への融資

(輸出を含めた日本産米粉の需要拡大支援事業)

(補助率定額)

【外食産業等と連携した需要拡大対策事業】

国産農林水産物食品の輸出等需要フロンティアの開拓を図るため産地と複数年契約を締結する民間企業(外食加工業者)に対し国産農林水産物を活用した新商品の開発やそれに必要な技術開発等を支援 (補助率定額12)

- 35 -

【農林水産物食品輸出促進緊急対策事業】コメ海外市場拡大戦略プロジェクトに参加する輸出産地や輸出事業者等が連携して戦略的に取り組む中国等の海外市場開拓プロモーション等を支援

(補助率定額12)

品目 現在の関税率 合意内容

小麦

枠内税率無税+マークアップ

枠外税率55円kg

現行の国家貿易制度を維持するとともに枠外税率(55円kg)を維持

既存のWTO枠に加え米国(15万(7年目以降))【不適用】カナダ(53万(同))豪州(5万(同))にSBS方式の国別枠を設定

マークアップを9年目までに45削減

大麦

枠内税率無税+マークアップ

枠外税率39円kg

現行の国家貿易制度を維持するとともに枠外税率(39円kg)を維持

既存のWTO枠に加えSBS方式のTPP枠(65万(9年目以降))を設定

マークアップを9年目までに45削減

1 TPP11協定概要(麦)(平成30年12月30日発効)

Ⅴ TPP11及び日EUEPAの協定概要(麦関係)

(参考主な麦製品)

現在の関税率合意内容

税率 枠数量

いった小麦小麦粉等

(国家貿易品目)

枠内税率125~25+マークアップ

枠外税率85~134円kg

枠内即時無税+マークアップ

(枠外税率は維持)

(発効時) (6年目)125千rarr175千

ベーカリー製品製造用

小麦粉調製品16~24

枠内即時無税(枠外税率は維持)

(発効時) (6年目)米国 105千rarr12千【不適用】米国以外 68千rarr 8千

その他小麦粉調製品

16~28枠内即時無税

(枠外税率は維持)(発効時) (6年目)15千rarr225千

マカロニスパゲティ

30円kg9年目までに60削減

ビスケット 1315 6年目に無税 -

注1)いった小麦とは小麦をいったものであり主にシリアル食品等に使用される

2)その他小麦粉調製品とは製麺まんじゅう等のベーカリー製品以外の製造用の

小麦粉調製品である

- 36 -

2 日EUEPA協定概要(麦)(平成31年2月1日発効)

品目 現在の関税率 合意内容

小麦

枠内税率無税+マークアップ

枠外税率55円kg

現行の国家貿易制度を維持するとともに枠外税率(55円kg)を維持

既存のWTO枠に加えSBS方式のEU枠(270(7年目以降))を設定

枠内のマークアップを9年目までに45削減

大麦

枠内税率無税+マークアップ

枠外税率39円kg

現行の国家貿易制度を維持するとともに枠外税率(39円kg)を維持

既存のWTO枠に加えSBS方式のEU枠(30(即時))を設定

枠内のマークアップを9年目までに45削減

(参考主な麦製品)

現在の関税率合意内容

税率 枠数量

いった小麦小麦粉等

(国家貿易品目)

枠内税率125~25+マークアップ

枠外税率85~134円kg

枠内即時無税+マークアップ

(枠外税率は維持)

(発効時) (6年目)38千rarr44千

ベーカリー製品製造用

小麦粉調製品16~24

枠内即時無税(枠外税率は維持)

(発効時) (6年目)104千rarr142千

その他小麦粉調製品

16~28枠内即時無税

(枠外税率は維持)(発効時) (6年目)

2千rarr3千

マカロニスパゲティ

30円kg 11年目に無税 -

ビスケット 1315 6年目に無税 -

注1)いった小麦とは小麦をいったものであり主にシリアル食品等に使用される

2)その他小麦粉調製品とは製麺まんじゅう等のベーカリー製品以外の製造用の

小麦粉調製品である

(参考) 麦の国境措置

小 麦 大 麦

輸入数量

価格

輸入数量

価格

政府売渡価格

マークアップ(輸入差益)

452円kgを上限

輸入価格

(枠内税率0円kg)

枠内輸入(国家貿易) 枠外輸入

(民間貿易)枠外税率を支払って輸入された数量(平成29年度)12千トン

WTOカレントアクセス数量5740千トン

枠外税率55円

政府売渡価格

輸入価格(枠内税率0円kg)

WTOカレントアクセス数量1369千トン

枠内輸入(国家貿易) 枠外輸入(民間貿易)

枠外税率を支払って輸入された数量(平成29年度)06千トン

枠外税率39円

民間貿易の場合の輸入価格

民間貿易の場合の輸入価格

286円kgを上限

マークアップ(輸入差益)

- 37 -

  • スライド番号 1
  • スライド番号 2
  • 麦の参考資料 麦の需給に関する見通し(動向編)
  • スライド番号 4
  • スライド番号 5
  • スライド番号 6
  • スライド番号 7
  • スライド番号 8
  • スライド番号 9
  • スライド番号 10
  • スライド番号 11
  • スライド番号 12
  • スライド番号 13
  • スライド番号 14
  • Ⅱ 小麦粉麦製品の生産と価格の動向
  • スライド番号 16
  • スライド番号 17
  • スライド番号 18
  • スライド番号 19
  • スライド番号 20
  • スライド番号 21
  • スライド番号 22
  • スライド番号 23
  • スライド番号 24
  • スライド番号 25
  • スライド番号 26
  • スライド番号 27
  • スライド番号 28
  • スライド番号 29
  • スライド番号 30
  • スライド番号 31
  • スライド番号 32
  • スライド番号 33
  • スライド番号 34
  • スライド番号 35
  • スライド番号 36
  • スライド番号 37
  • スライド番号 38
  • スライド番号 39
  • スライド番号 40
  • スライド番号 41
Page 31: 麦の参考資料 - maff.go.jp · 2020-03-31 · 2014/15 2015/16 2016/17 2017/18 2018/19 (平成26年) (平成27年) (平成28年)(平成29年)(平成30年) 見込

(2)水田活用の直接支払交付金

水田のフル活用を推進し食料自給率自給力の向上を図

るため水田で麦を生産する農業者に対しては畑作物の直

接支払交付金に加え水田活用の直接支払交付金(35000円

10a)を直接交付することとしています(表Ⅲ-6)

表Ⅲ-6 水田活用の直接支払交付金の交付単価

作 物 単 価

麦大豆飼料作物 35000円10a

WCS(ホールクロップサイレージ)用稲 80000円10a

加工用米 20000円10a

飼料用米米粉用米収量に応じ

55000円~105000円10a

このほか「産地交付金」により地域で作成する水田フル活用ビジョンに基づき二毛作や耕畜連携を含め産地づくりに向けた取組を支援します

戦略作物助成

注実需者等との出荷販売契約等を締結すること出荷販売することが要件

- 23 -

4 国内産食糧用麦の流通動向

(1)取引の概要

国内産食糧用麦は加工原料としての商品特性から需要に応じて計画的に生産できるようは種前契約に基づく取引が行われています

まず取引の指標となる透明性のある適正な価格を形成するためは種前に販売予定数量の3~4割(具体の比率は民間流通地方連絡協議会の協議を踏まえ決定)について入札が行われます残りは相対取引が行われておりその価格については入札で形成された指標価格(落札加重平均価格)を基本として取引当事者間で決められています(図Ⅲ-3)

また取引を円滑に進めるため生産者需要者等で構成される民間流通連絡協議会において取引に必要な情報交換取引に係る基本事項の見直し等が行われています(表Ⅲ-7)

今後とも国内産食糧用麦については円滑な流通が確保されるようは種前契約を基本としつつ適切に対応していきます

図Ⅲ-3 国内産食糧用麦の基本的な流通フロー

表Ⅲ-7 国内産食糧用麦の入札の仕組み

項 目 概 要 見直しの変遷

実施主体 一般社団法人 全国米麦改良協会

実施時期 は種前に2回実施(8~9月)平成13年産から1回rarr2回へ見直し

上場数量

産地銘柄別に販売予定数量が小麦3千トン以上大麦はだか麦1千トン以上の銘柄についてその30~40を上場(ほかに希望上場あり)

平成31年産から30rarr30~40へ見直し

基準価格

小麦は前年産の落札加重平均価格に当年産の入札実施時点での外国産麦の政府売渡価格の変動率を乗じた価格大麦はだか麦は前年産の落札加重平均価格

小麦の外国産麦との連動は平成24年産から実施

値幅制限 基準価格のplusmn10

小麦平成12年産~16年産plusmn5平成17年産~21年産plusmn7平成22年産plusmn10平成23年産plusmn30平成24年産~ plusmn10大麦はだか麦平成12年産~18年産plusmn5平成19年産~21年産plusmn7平成22年産plusmn10平成23年産plusmn15平成24年産~ plusmn10

取引価格の事後調整(小麦のみ)

外国産食糧用小麦の政府売渡価格の改定(410月)に合わせては種前の入札又は相対により契約された価格に外国産食糧用小麦の政府売渡価格の変動率を乗じて取引価格を改定

平成23年産から実施

申込限度数 量

買い手別に上場数量times買受実績シェアtimes145

小麦は平成17年産から大麦及びはだか麦は平成19年産から135rarr145へ見直し

相対取引入札で形成された指標価格を基本に生産者団体と需要者の間で協議決定

平成19年産から過去の実績シェアに基づく取引ルールを廃止

再入札

第1回入札及び第2回入札において落札残数量が発生した場合は売り手の希望により再度入札に付すか相対による契約を行うかいずれかの方法をとることができる

平成25年産から売り手の申し出により再入札における入札の値幅を設定できること等を規定

生産者団体から販売予定数量需要者団体から購入希望数量の相互提示

入札取引の実施(販売予定数量の約3~4割)

相対取引の実施(販売予定数量の約6~7割)

は 種(秋まき春まきは収穫年の4月)

収 穫 及 び 検 査

生産者団体と需要者の間では種前に契約を締結

需 要 者 へ 引 渡 し

<生産の流れ>

麦の生育期間

<契約の流れ>

は種前契約に基づき計画的に作付(は種)

収穫前年7月~

8~9月

9月~

~12月

6~8月

6月~

収穫年26年産から国内産麦の需要拡大を図るため地域の食文化のブランド化等による高付加価値化の取組等に対し安定的な原料供給が可能となる需要拡大推進枠を導入

- 24 -

表Ⅲ-8 国内産食糧用麦の供給量 (単位千トン)

注集荷団体からの聞き取り数量である

(2)流通の動向

平成30年産の国内産食糧用小麦の供給量は前年産から

約14万4千トン減少し約70万1千トンとなっています

また国内産食糧用大麦及びはだか麦の供給量は前年

産から約3千トン減少し約10万3千トンとなっています

(表Ⅲ-8)

生産者側から提示された平成31年産麦の販売予定数量は

国内産食糧用小麦で約82万4千トン国内産食糧用大麦及

びはだか麦で約10万8千トンとなっています

一方需要者側から提示された平成31年産麦の購入希望

数量は国内産食糧用小麦で約86万3千トン国内産食糧

用大麦及びはだか麦で約13万トンとなっています(表Ⅲ-

9)

表Ⅲ-9 国内産食糧用麦の販売予定数量及び購入希望数量の推移(単位千トン)

資料民間流通連絡協議会調べ注四捨五入の関係で差し引きが一致しないことがある

- 25 -

年産 20 21 22 23 24 25 26 27 28 2930

(見込)

小   麦 841 639 532 694 811 767 808 946 734 845 701

大麦はだか麦 125 100 84 98 93 105 103 103 92 106 103

年産 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31

販売予定数量① 887 906 909 951 948 909 905 880 820 846 834 824

購入希望数量② 833 880 818 859 904 869 751 802 834 875 880 863

①-② 54 25 91 91 44 40 154 78 14 29 46 39

(①-②)①() 61 28 100 96 47 44 170 89 18 34 55 47

販売予定数量① 121 132 134 127 122 116 110 112 113 112 108 108

購入希望数量② 199 219 135 149 147 138 141 149 145 138 148 130

①-② 78 87 1 23 26 21 31 37 32 26 39 22

(①-②)①() 640 660 06 179 209 182 282 330 284 234 363 204

表Ⅲ-10 国内産食糧用麦の入札結果の推移

資料一般社団法人全国米麦改良協会調べ

注1価格は税込み(26年産までは527年産以降は8)である

ただし31年産の落札価格は一般社団法人全国米麦改良協会公表の価格(税抜き)を基に農林水産省で税込み価格を算出

5 国内産食糧用麦の価格の動向

(1)平成31年産の入札の概要

平成31年産麦の入札は第1回は平成30年9月12日に第

2回は平成30年9月26日に実施されました

麦種別の入札結果をみると小麦は上場数量約21万4千

トンのうち約20万4千トンが落札(落札率954)され落

札価格は61714円トン(対前年産比1151)となりました

小粒大麦は上場数量約1万1千トンのうち約1万1千

トンが落札(落札率991)され落札価格は46560円トン

(対前年産比997)となりました

大粒大麦は上場数量約7千8百トンのうち5千6百トン

が落札(落札率717)され落札価格は46923円トン(対

前年産比879)となりました

はだか麦は上場数量約2千3百トンのうち約2千1百

トンが落札(落札率897)され落札価格は50817円トン

(対前年産比961)となりました(表Ⅲ-10)

なお国内産小麦については近年消費者の国産志向の高

まりなどを受け大手外食チェーンや2次加工メーカーが国

内産小麦を使用したパン中華麺等の商品を相次いで発表す

るなど人気が高まってきていますこれらを背景として平

成31年産小麦の落札価格は多くの銘柄で値幅制限の上限付

近となっておりまた申込倍数も14倍と高いものとなって

います

- 26 -

20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31

上場数量

(トン)①243510 243020 242310 251370 250980 244880 244320 234010 213360 221380 218500 214200

落札数量

(トン)②234930 238410 189350 247770 245320 220590 188240 192240 201140 214060 210560 204420

落札率

②①965 981 781 986 977 901 770 822 943 967 964 954

落札価格

(円トン)43229 59885 55241 48732 58340 49333 49319 49770 54164 51570 53624 61714

対前年産比 1064 1385 922 882 1197 846 1000 1009 1088 952 1040 1151

上場数量

(トン)①12240 13590 14210 13300 11760 11220 11290 11930 12210 12200 11750 11040

落札数量

(トン)②12050 13510 14040 13170 11550 10850 10900 11830 12090 12200 11440 10940

落札率

②①984 994 988 990 982 967 965 992 990 1000 974 991

落札価格

(円トン)45479 59709 53448 45871 46485 46453 46290 47595 47565 46880 46708 46560

対前年産比 1084 1313 895 858 1013 999 996 1028 999 986 996 997

上場数量

(トン)①10020 9690 10330 9290 9000 8700 7210 7620 7450 7620 6880 7810

落札数量

(トン)②8880 8920 8910 7990 7990 7830 6480 7130 6600 6700 6340 5600

落札率

②①886 921 863 860 888 900 899 936 886 879 922 717

落札価格

(円トン)36532 50492 46097 39649 40394 41582 42881 45740 47827 50442 53384 46923

対前年産比 1059 1382 913 860 1019 1029 1031 1067 1046 1055 1058 879

上場数量

(トン)①2910 3150 3030 3260 3060 2830 2840 2890 2740 2660 2570 2330

落札数量

(トン)②2910 3150 3030 3090 3020 2830 2810 2810 2520 2600 2470 2090

落札率

②①1000 1000 1000 948 987 1000 989 972 920 977 961 897

落札価格

(円トン)42222 58527 61489 52791 51905 52294 49656 47712 46547 48527 52876 50817

対前年産比 1063 1386 1051 859 983 1007 950 961 976 1043 1090 961

年産

小麦

小粒大麦(六条大麦)

大粒大麦(二条大麦)

はだか麦

平成31年産国内産食糧用小麦の入札結果をみると産地別銘柄別

の需給状況等を反映して落札価格に差が生じています

代表的な銘柄である北海道産「きたほなみ」は前年産の価格を

153上回る64752円トン香川県産「さぬきの夢2009」は前

年産の価格を152上回る73186円トンとなりましたまたパ

ン中華麺用の北海道産「ゆめちから」は前年産の価格を180

上回る62777円トン北海道産「春よ恋」は前年産の価格を

180上回る68792円トンとなりました(図Ⅲ-4図Ⅲ-5)

図Ⅲ-4 平成31年産国内産食糧用小麦の産地別銘柄別落札価格

資料農林水産省調べ注外国産小麦5銘柄加重平均価格は平成30年4月期の輸入小麦の政府売渡価格である

(2)平成31年産国内産食糧用小麦の産地別銘柄別落札価格の動向

資料農林水産省調べ注1国内産小麦の価格は(一社)全国米麦改良協会が実施する民間流通麦にかかる入札の第1回第2回

及び再入札の落札加重平均価格(税込み)年産の下段の( )内は当該第1回入札の実施年月である注2外国産小麦の価格は18年までは当該年度平均の実績価格であり19年以降は民間流通麦にかかる第

1回入札の実施年月時点での輸入小麦の政府売渡価格(5銘柄平均)である注3ホクシン(きたほなみ)については22年産までは「ホクシン」の価格であり23年産からは「きたほ

なみ」の価格である注4さぬきの夢については24年産までは「さぬきの夢2000」の価格であり25年産からは「さぬきの夢

2009」の価格である注5農林61号(さとのそら)については23年産までは「農林61号」の価格であり24年産からは「さとの

そら」の価格である

図Ⅲ-5 国内産食糧用小麦の産地別銘柄別落札価格の推移

- 27 -

(単位円トン税込み)

30000

60000

北海道ゆめちから 62777

福岡ミナミノカオリ 68393

滋賀農林61号 50763

茨城さとのそら 46310

佐賀チクゴイズミ 52193

岩手ゆきちから 39929

全銘柄落札加重平均 61714

香川さぬきの夢2009 73186

北海道きたほなみ 64752

外国産小麦5銘柄加重平均 54370

群馬さとのそら 48669

北海道キタノカオリ 63090

大分チクゴイズミ 48265

福岡シロガネコムギ 50643

佐賀シロガネコムギ 47998

40000

福岡チクゴイズミ 52203

滋賀ふくさやか 49534

岐阜イワイノダイチ 46874

埼玉さとのそら 47159

宮城シラネコムギ 44607

群馬つるぴかり 49785

北海道春よ恋 68792

愛知きぬあかり 50114

北海道はるきらり 60201

50000

埼玉あやひかり 46072

岐阜さとのそら 45919

70000

30000

40000

50000

60000

70000

80000

90000

100000

110000

120000

130000

12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 年産

(単位円トン税込み)

北海道ホクシン

香川さぬきの夢200973186円

茨城農林61号

香川さぬきの夢2000

茨城さとのそら

46310円

北海道きたほなみ

64752円

北海道ゆめちから

62777円

外国産小麦

5銘柄平均

54370円

北海道春よ恋

68792円

(128) (138) (148) (158) (168) (178)(1810) (199) (208)(2110)(2212) (239) (2410)(2510)(269)(279) (289) (299)(119) (309)

6 国内産麦の新品種の育成状況

(1)国内産麦については縞萎縮病抵抗性や耐倒伏性を備え

需要者等のニ-ズに合った新品種の開発が進められています

また作付け面積が1万haを超える「ゆめちから」「さとの

そら」をはじめ多数の品種が生産現場に導入されています

(図Ⅲ-6)

(2)今後とも赤かび病抵抗性や穂発芽耐性が高い小麦品種

小麦粉の色相や製粉性が優れる日本麺用小麦品種パンの膨

らみがカナダ産「1CW」並の小麦品種焼酎押麦味噌

などの加工適性が高い大麦品種等の開発を推進します

小麦品種「ゆめちから」及び「さとのそら」は優れた栽培特性

と加工適性を備えており作付けが拡大しています(平成29年

推定値「ゆめちから」約1万2千ha「さとのそら」約1万5

千ha)

パン用小麦品種の開発近年国産の小麦粉を使ったパンの需要増加に応えるためグルテンやでん粉の組成などパンの膨らみに関連する特性に注目した育種が進められていますその結果平成25年に製パン適性が「1CW」に近く多収の「せときらら」平成29年にはパン生地の力が強く穂発芽耐性や赤かび抵抗性が改良された「夏黄金」が育成されました

加工適性の高い大麦品種の開発機能性成分β-グルカンを多く含むもち性大麦の需要の高まりに応えるため平成29年に「はねうまもち」が育成されましたまた高品質なはだか麦の需要増加に対応して平成24年に味噌加工適性の高い「ハルヒメボシ」が育成されました

図Ⅲ-6 平成19年以降に育成された麦類の主な新品種

日本麺用小麦ゆめきらり

パン用小麦ゆめかおり福井県大3号

六条大麦ホワイトファイバー

北信越

日本麺用小麦あおばの恋

パン用小麦銀河のちから

東北

日本麺用小麦さとのそらきぬあかり

パン用小麦ゆめかおり

二条大麦とちのいぶき彩の星アスカゴールデンニューサチホゴールデン

六条大麦カシマゴール

はだか麦キラリモチ

関東東海

日本麺用小麦ふくはるかさぬきの夢2009

パン用小麦ゆめちからせときらら

はだか麦ハルヒメボシ

近畿中国四国

中華麺用小麦ちくしW2号

二条大麦煌二条白妙二条はるか二条トヨノホシ

九州

日本麺用小麦きたほなみ

中華麺用小麦つるきち

パン用小麦ゆめちからはるきらり

二条大麦札育2号

北海道

新品種のうち平成30年産で概ね100ha以上作付けされていると推定される品種を選定(農林水産省調べ)

- 28 -

7 国内産麦を利用した製品の動向

食料自給率の向上を図るためには国内産麦の需要開拓を行う

ことが必要です最近の消費者の国産志向の高まりや生産者と実

需者が一体となった地産地消の推進地域農業の振興を図る取り

組み等から国内産麦を使った麦製品(パン麺等)が増えてき

ており中には国内産麦を100使用した商品もあります(図Ⅲ-

7)

- 29 -

8 民間流通制度の運用改善

国内産麦の人気の高まりにより近年需要量が生産量を上回

る状況が継続しており国内産麦を積極的に使用したい実需者が

必要量を確保できない等の課題もあります

このような課題に対応するため民間流通連絡協議会において

入札上場比率の選択制の導入需要拡大推進枠設定の要件緩和

相対取引需要拡大推進枠において多様な取組が可能であること

の明確化等民間流通制度の運用改善が行われました(図Ⅲ-

8)

ピッツァ専用粉(北海道)(小麦)地元の製粉企業が北海道産小麦(きたほなみキタノカオリゆめち

から)を100使用した国内で初めてのピッツァ専用粉を開発平成30年2月に都内で試食会を開催し平成30年5月から販売

ピッツァ専用粉(群馬県)(小麦)地元の製粉企業が地元のピッツァ専門店ピッツァ窯メーカーと協力

して品質改良を重ね群馬県産小麦(さとのそらつるぴかりきぬの波)を100使用したピッツァ専用粉を平成30年4月から発売ピッツァイベントやイタリアン食材の展示会に出展

学校給食用パン(東京都)(小麦)都学校給食会の「学校給食パン加工規格」による配合基準に基づき国

内産小麦を100使用した学校給食パンを平成27年度から都内の一部の小中学校で提供を開始平成28年度からは都内全域の規格として採用

〇 市販用中華麺(愛知県)(小麦)地元の製粉企業が自社製品として愛知県産小麦きぬあかりを100使用

した中華麺を平成30年6月から自社通販で販売平成30年8月から一般販売を開始

フランスパン用粉(佐賀県)(小麦)近県製粉企業が農研機構と共同で育成した九州地域等の暖地温暖地

向けのフランスパン加工適性に優れる準強力小麦品種「さちかおり」を100使用したフランスパン用粉を平成30年8月から発売

市販用ゆで麺(長崎県)(小麦)地元の製麺企業近県製粉企業県生麺協同組合JA県等が連携し

平成26年3月に「長崎県育成麦活用開発協議会」を立ち上げ長崎県産長崎W2号(商標登録名長崎ちゃん麦)を100使用したちゃんぽん用のゆで麺を平成29年4月に製品化原料小麦の生産量が整った段階での本格販売を予定

もち性大麦を使用した機能性表示食品(静岡県)(大麦)地元の精麦企業が国内産もち性大麦でβ-グルカン量の多い銘柄を使用し

炊飯用精麦を製品化機能性表示食品として平成29年1月に届出し十分な原料を手当でき次第随時販売予定

〇 もち性大麦を使用したシリアル(愛知県)(大麦)地元の精麦企業が食物繊維が20を超える愛知県産もち性大麦「ワキ

シーファイバー」を使用した国内産もち麦100シリアルを開発平成30年4月から販売開始

図Ⅲ-7 国内産麦を100使用した商品事例

図Ⅲ-8 民間流通制度の運用改善のポイント

0

50

100

150

200

250

300

350

400円千人

大手製パンメーカーA社が国内産小麦100使用の新製品を発売

大手製食品スーパーB社が国内産小麦100使用の新製品をPBで発売

大手製パンメーカーA社が国内産小麦100使用の製品を初めて発売

(参考)国内産小麦を利用した製品の販売状況

(1)国内産小麦100使用の食パンの販売額

大きなシェアを占めるにはいたっていないものの国内産

小麦を100使用した食パンの販売金額の推移を見ると新製

品が登場する度に国内産小麦100使用の食パン市場が拡大し

ています(図Ⅲ-9)

図Ⅲ-9 国内産小麦100使用の食パンの販売額の推移(首都圏)

資料日本経済新聞デジタルメディア社による首都圏のスーパーマーケットなど100店舗におけるPOSデータに基づき農林水産政策研究所において集計

注食パンのうち国内産小麦を100使用していることが明らかな製品のみ計上菓子パン等は含んでいない

表Ⅲ-11 生麺ゆで麺(チルド)の販売金額のシェア(首都圏平成30年)

資料日本経済新聞デジタルメディア社による首都圏のスーパーマーケットなど120店舗におけるPOSデータに基づき農林水産政策研究所において集計

(2)生麺ゆで麺(チルド)の販売金額

生麺ゆで麺全体で上位15製品の売上高に占める国内産

小麦使用表示のある製品のシェアは30となっていますま

た主要な麺製品のうどんラーメン冷やし中華焼そば

全てで国内産小麦使用製品がランクインしています(表Ⅲ

-11)

2013年 2014年 2015年 2016年 2017年 2018年 2019年

                      (単位)

製品の種類製造企業の規模産地表示販売金額シェア

焼そば大手製品(国内産小麦使用表示なし) 99そば大手製品(国内産小麦使用表示なし) 27冷やしラーメン大手製品(国内産小麦使用表示なし) 20うどん大手製品(北海道産小麦使用表示あり) 20ラーメン大手製品(北海道産小麦使用表示あり) 14冷やし中華大手製品(国内産小麦使用表示なし) 14うどん大手製品(国内産小麦使用表示あり) 13焼そば大手製品(国内産小麦使用表示なし) 12焼うどん大手製品(国内産小麦使用表示なし) 12うどん大手製品(国内産小麦使用表示あり) 11焼そば大手製品(国内産小麦使用表示あり) 11そうめん大手製品(国内産小麦使用表示あり) 10うどんPB製品(北海道産小麦使用表示あり) 10つけ麺大手製品(国内産小麦使用表示なし) 10冷麺中小製品(国内産小麦使用表示なし) 10

303

14

89

15上位15製品の売上高に占める国内産小麦使用表示のある製品の

シェア

順位

1

10111213

234567

- 30 -

図Ⅲ-10 外食産業等と連携した農産物の需要拡大対策事業(麦類)

9 国内産麦の需要拡大イベント及び情報発信の取組

近年生産者と実需者等が連携し国内産麦を使用した製品が

数多く開発販売されており各地でイベント等の需要拡大の

取組みが行われております

また農林水産省としては平成30年度産地と外食事業者等

が連携して行う国内産麦を活用した新商品の開発試作製

造するために必要な取組を支援する「外食産業等と連携した農

産物の需要拡大対策事業」を一般社団法人全国米麦改良協会を

実施主体として行っているところです

農林水産省のホームページにおいてこれらのイベント等につい

て情報発信を行うとともに一般社団法人全国米麦改良協会が

開設している国産麦応援情報ホームページでの情報提供等を

行っています(図Ⅲ-10~12)

「国内産麦使用試作品全国統一試食会商談会」開催日平成31年2月12日~19日(土日を除く)場 所むぎくらべ(東京都千代田区神田小川町)

内 容平成29年度補正予算事業「外食産業等と連携した農産物の需要拡大対策事業」の一環として行われた国内産麦を使用した試作品の試食会商談会

「国内産麦使用試作品全国統一試食会商談会」で出品された試作品

- 31 -

第8回全国ご当地うどんサミットin 熊谷 開催日平成30年11月10日~11日 場 所熊谷スポーツ文化公園にぎわい広

場(埼玉県) 内 容全国の国内産小麦を使用した「ご

当地うどん」が一堂に集まりグランプリを決定

図Ⅲ-11 全国各地で開催されたイベント 図Ⅲ-12 一般社団法人 全国米麦改良協会の取組

国産麦応援情報ホームページ「日本の麦の底力」内容国産小麦粉ブランド名鑑国産小麦の逸品イベント情報研究

情報等を掲載URL httpnihonnomugicom

北海道小麦キャンプ2018 in オホーツク 開催日平成30年7月10日~11日 場 所ホテル黒部を主会場としたオホーツ

ク管内(北海道) 内 容国内産小麦北海道産小麦の魅力

を全国に広めることを目的にバスツアーやパン講習会などを実施

麦わらぼうしフェスタ 開催日平成30年11月4日 場 所笠原産業株式会社(栃木県) 内 容国内産小麦を使用したうどんパン

などの試食販売うどん教室などを実施

第7回 信州粉もん祭り 開催日平成30年11月11日 場 所JAながの ちくま埴生支所(長野県) 内 容長野県産小麦を使用した「粉もん料

理」が大集合粉もん試食会や手打ちうどん講習会 などを実施

国内産麦アンテナショップ「むぎくらべ」内容国内産麦を使用した商品のPRと販売の場を提供するものとして

平成30年7月東京都千代田区にオープン

- 32 -

オープニングセレモニーには上月前農林水産大臣政務官(写真中央)も出席

10 食料農業農村基本計画における麦の位置付け

平成27年3月31日に平成37年度を目標とする「食料農業

農村基本計画」が閣議決定され小麦は95万トン大麦はだ

か麦は22万トンの生産努力目標が設定されています(表Ⅲ-

12)

食料消費の見通し 生産努力目標(万トン) 克服すべき課題

1人1年当たり消費量

(kg人年)

国内消費仕向量

(万トン)

平成25年度

平成37年度

平成25年度

平成37年度

平成25年度

平成37年度

小麦 33 32 699 611 81 95

国内産小麦の需要拡大に向けた産地形成やブランド化

実需者ニーズに対応した生産流通体制の確立

新品種新技術の開発導入輪作体系の最適化排水対策等による収量品質の高位安定化

農地の集積集約化経営規模の拡大に対応した省力化に資する技術の開発導入等による生産コストの低減

大麦はだか麦

03 02 208 213 18 22

外国産大麦が多く用いられている焼酎用等の国内産麦の需要拡大

実需者ニーズに対応した生産流通体制の確立

新品種新技術の開発導入輪作体系の最適化排水対策等による収量品質の高位安定化

農地の集積集約化経営規模の拡大に対応した省力化に資する技術の開発導入等による生産コストの低減

表Ⅲ-12 麦の平成37年度における食料消費の見通し及び生産努力目標

資料「食料農業農村基本計画」(平成27年3月閣議決定)注1)国内消費仕向量には飼料用等の食糧用以外の用途への仕向量を含む

2)大麦はだか麦の国内消費仕向量及び生産努力目標にはビール大麦を含む

- 33 -

Ⅳ 米粉に関する動向

1 生産動向

米粉用米の生産量は平成25年産以降2万トン前後で推移していましたが平成29年度以降は約3万トンまで回復しています(表Ⅳ-1)

2 需要拡大に向けた対応

米粉用米の利用量は平成24年度以降年間2万数千トンで推移していましたがグルテンを使用しない米粉商品の開発や新たな米加工品(α化米粉米ゲルなど)の保湿性や粘性に着目した商品の開発「米粉の用途別基準」や「ノングルテン米粉製品第三者認証制度」の運用開始により平成29年度は25千トン30年度は31千トンに増加しています(表Ⅳ-2)

今後の更なる国内海外の需要拡大のためノングルテン米粉や用途別基準に適合する高品質な日本産米粉の流通を契機とした魅力ある新商品の開発や日本産米粉の優位性の情報発信等を推進する必要があります

表Ⅳ-1 上位5県の米粉用米の生産量と作付面積の推移

(参考) 米粉及び小麦粉の販売価格(税抜き)

米粉100~290円kg程度

(小麦粉 100円kg程度)

注1)平成26~29年度については新規需要米取組計画を認定した全需要者からの聞き取り注2)平成30年度については新規需要米取組計画を認定した主要な需要者からの聞き取り

により推計

表Ⅳ-2 米粉用米の利用量(需要者からの聞き取り)

- 34 -

資料26~29年産は新規需要米生産集出荷数量30年産は新規需要米取組計画

認定数量(農林水産省)

(単位千トン)

26年度 27年度 28年度 29年度 30年度見込

22 23 23 25 31

(単位千トン千ha)

26年産 27年産 28年産 29年産 30年産

生産量 59 97 87 130 107作付面積 11 18 15 24 19生産量 10 10 09 30 31作付面積 02 02 02 06 06生産量 08 10 00 19 30作付面積 01 02 00 03 06生産量 10 12 12 12 16作付面積 02 03 02 02 03生産量 20 24 07 12 13作付面積 03 04 01 02 02生産量 184 230 190 284 281作付面積 34 42 34 53 53

秋田県

全国計

新潟県

埼玉県

栃木県

群馬県

農林水産大臣は米穀の新用途への利用の促進に関する基本方針を定める

生産製造連携事業計画

生産者 製造事業者 促進事業者

必須

米穀の新用途への利用の促進に関する法律

米穀の新用途への利用の促進に関する基本方針

関係者が連携して計画を作成米穀の新用途への利用の促進に関する基本方針に照らし適切な計画について農林水産大臣が認定(計画期間は3~5年)

図Ⅳ 米粉用米に対する支援措置

3 米粉用米に対する支援

① 米粉用米についてはその利用の拡大を図るために平成21年に「米穀の新用途への利用の促進に関する法律」が制定されました同法に基づく「生産製造連携事業計画」の認定を受け「農山漁村

活性化計画」の採択を受けた取組に対して米粉用米の生産加工に必要な施設整備等の支援を行っています

② 米粉用米の生産者に対しては水田活用の直接支払交付金による支援を行っていますまたノングルテン米粉表示や米粉の用途別基準により需要者ニーズに合った高品質な米粉の製造や輸出拡大の取組を支援しています

③ 平成31年度は国内海外の需要獲得に向け引き続き魅力ある新商品開発を推進するほか日本産米粉の優位性の情報発信やノングルテン米粉の製造手法マニュアルの作成など輸出を含めた日本産米粉の需要拡大に向けた取組を支援していくこととしています

予 算 措 置

【水田活用の直接支払交付金】水田を活用して米粉用米等の作物を生産する農業者に対し交付金を直接交付 (米粉用米収量に応じ55万円~105万円10a)

【農山漁村振興交付金】米粉飼料用米の生産加工に係る施設整備に対し交付金を交付(補助率定額12)

【持続的生産強化対策事業】

日本産米粉の優位性の情報発信ノングルテン米粉の製造手法マニュアルの作成米粉用米生産者と製造事業者とのマッチング

等の取組を支援

金 融 措 置

【日本政策金融公庫による低利融資】(食品安定供給施設整備資金)

米粉製造施設米粉を原料とした食品の製造加工施設等への融資

(輸出を含めた日本産米粉の需要拡大支援事業)

(補助率定額)

【外食産業等と連携した需要拡大対策事業】

国産農林水産物食品の輸出等需要フロンティアの開拓を図るため産地と複数年契約を締結する民間企業(外食加工業者)に対し国産農林水産物を活用した新商品の開発やそれに必要な技術開発等を支援 (補助率定額12)

- 35 -

【農林水産物食品輸出促進緊急対策事業】コメ海外市場拡大戦略プロジェクトに参加する輸出産地や輸出事業者等が連携して戦略的に取り組む中国等の海外市場開拓プロモーション等を支援

(補助率定額12)

品目 現在の関税率 合意内容

小麦

枠内税率無税+マークアップ

枠外税率55円kg

現行の国家貿易制度を維持するとともに枠外税率(55円kg)を維持

既存のWTO枠に加え米国(15万(7年目以降))【不適用】カナダ(53万(同))豪州(5万(同))にSBS方式の国別枠を設定

マークアップを9年目までに45削減

大麦

枠内税率無税+マークアップ

枠外税率39円kg

現行の国家貿易制度を維持するとともに枠外税率(39円kg)を維持

既存のWTO枠に加えSBS方式のTPP枠(65万(9年目以降))を設定

マークアップを9年目までに45削減

1 TPP11協定概要(麦)(平成30年12月30日発効)

Ⅴ TPP11及び日EUEPAの協定概要(麦関係)

(参考主な麦製品)

現在の関税率合意内容

税率 枠数量

いった小麦小麦粉等

(国家貿易品目)

枠内税率125~25+マークアップ

枠外税率85~134円kg

枠内即時無税+マークアップ

(枠外税率は維持)

(発効時) (6年目)125千rarr175千

ベーカリー製品製造用

小麦粉調製品16~24

枠内即時無税(枠外税率は維持)

(発効時) (6年目)米国 105千rarr12千【不適用】米国以外 68千rarr 8千

その他小麦粉調製品

16~28枠内即時無税

(枠外税率は維持)(発効時) (6年目)15千rarr225千

マカロニスパゲティ

30円kg9年目までに60削減

ビスケット 1315 6年目に無税 -

注1)いった小麦とは小麦をいったものであり主にシリアル食品等に使用される

2)その他小麦粉調製品とは製麺まんじゅう等のベーカリー製品以外の製造用の

小麦粉調製品である

- 36 -

2 日EUEPA協定概要(麦)(平成31年2月1日発効)

品目 現在の関税率 合意内容

小麦

枠内税率無税+マークアップ

枠外税率55円kg

現行の国家貿易制度を維持するとともに枠外税率(55円kg)を維持

既存のWTO枠に加えSBS方式のEU枠(270(7年目以降))を設定

枠内のマークアップを9年目までに45削減

大麦

枠内税率無税+マークアップ

枠外税率39円kg

現行の国家貿易制度を維持するとともに枠外税率(39円kg)を維持

既存のWTO枠に加えSBS方式のEU枠(30(即時))を設定

枠内のマークアップを9年目までに45削減

(参考主な麦製品)

現在の関税率合意内容

税率 枠数量

いった小麦小麦粉等

(国家貿易品目)

枠内税率125~25+マークアップ

枠外税率85~134円kg

枠内即時無税+マークアップ

(枠外税率は維持)

(発効時) (6年目)38千rarr44千

ベーカリー製品製造用

小麦粉調製品16~24

枠内即時無税(枠外税率は維持)

(発効時) (6年目)104千rarr142千

その他小麦粉調製品

16~28枠内即時無税

(枠外税率は維持)(発効時) (6年目)

2千rarr3千

マカロニスパゲティ

30円kg 11年目に無税 -

ビスケット 1315 6年目に無税 -

注1)いった小麦とは小麦をいったものであり主にシリアル食品等に使用される

2)その他小麦粉調製品とは製麺まんじゅう等のベーカリー製品以外の製造用の

小麦粉調製品である

(参考) 麦の国境措置

小 麦 大 麦

輸入数量

価格

輸入数量

価格

政府売渡価格

マークアップ(輸入差益)

452円kgを上限

輸入価格

(枠内税率0円kg)

枠内輸入(国家貿易) 枠外輸入

(民間貿易)枠外税率を支払って輸入された数量(平成29年度)12千トン

WTOカレントアクセス数量5740千トン

枠外税率55円

政府売渡価格

輸入価格(枠内税率0円kg)

WTOカレントアクセス数量1369千トン

枠内輸入(国家貿易) 枠外輸入(民間貿易)

枠外税率を支払って輸入された数量(平成29年度)06千トン

枠外税率39円

民間貿易の場合の輸入価格

民間貿易の場合の輸入価格

286円kgを上限

マークアップ(輸入差益)

- 37 -

  • スライド番号 1
  • スライド番号 2
  • 麦の参考資料 麦の需給に関する見通し(動向編)
  • スライド番号 4
  • スライド番号 5
  • スライド番号 6
  • スライド番号 7
  • スライド番号 8
  • スライド番号 9
  • スライド番号 10
  • スライド番号 11
  • スライド番号 12
  • スライド番号 13
  • スライド番号 14
  • Ⅱ 小麦粉麦製品の生産と価格の動向
  • スライド番号 16
  • スライド番号 17
  • スライド番号 18
  • スライド番号 19
  • スライド番号 20
  • スライド番号 21
  • スライド番号 22
  • スライド番号 23
  • スライド番号 24
  • スライド番号 25
  • スライド番号 26
  • スライド番号 27
  • スライド番号 28
  • スライド番号 29
  • スライド番号 30
  • スライド番号 31
  • スライド番号 32
  • スライド番号 33
  • スライド番号 34
  • スライド番号 35
  • スライド番号 36
  • スライド番号 37
  • スライド番号 38
  • スライド番号 39
  • スライド番号 40
  • スライド番号 41
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4 国内産食糧用麦の流通動向

(1)取引の概要

国内産食糧用麦は加工原料としての商品特性から需要に応じて計画的に生産できるようは種前契約に基づく取引が行われています

まず取引の指標となる透明性のある適正な価格を形成するためは種前に販売予定数量の3~4割(具体の比率は民間流通地方連絡協議会の協議を踏まえ決定)について入札が行われます残りは相対取引が行われておりその価格については入札で形成された指標価格(落札加重平均価格)を基本として取引当事者間で決められています(図Ⅲ-3)

また取引を円滑に進めるため生産者需要者等で構成される民間流通連絡協議会において取引に必要な情報交換取引に係る基本事項の見直し等が行われています(表Ⅲ-7)

今後とも国内産食糧用麦については円滑な流通が確保されるようは種前契約を基本としつつ適切に対応していきます

図Ⅲ-3 国内産食糧用麦の基本的な流通フロー

表Ⅲ-7 国内産食糧用麦の入札の仕組み

項 目 概 要 見直しの変遷

実施主体 一般社団法人 全国米麦改良協会

実施時期 は種前に2回実施(8~9月)平成13年産から1回rarr2回へ見直し

上場数量

産地銘柄別に販売予定数量が小麦3千トン以上大麦はだか麦1千トン以上の銘柄についてその30~40を上場(ほかに希望上場あり)

平成31年産から30rarr30~40へ見直し

基準価格

小麦は前年産の落札加重平均価格に当年産の入札実施時点での外国産麦の政府売渡価格の変動率を乗じた価格大麦はだか麦は前年産の落札加重平均価格

小麦の外国産麦との連動は平成24年産から実施

値幅制限 基準価格のplusmn10

小麦平成12年産~16年産plusmn5平成17年産~21年産plusmn7平成22年産plusmn10平成23年産plusmn30平成24年産~ plusmn10大麦はだか麦平成12年産~18年産plusmn5平成19年産~21年産plusmn7平成22年産plusmn10平成23年産plusmn15平成24年産~ plusmn10

取引価格の事後調整(小麦のみ)

外国産食糧用小麦の政府売渡価格の改定(410月)に合わせては種前の入札又は相対により契約された価格に外国産食糧用小麦の政府売渡価格の変動率を乗じて取引価格を改定

平成23年産から実施

申込限度数 量

買い手別に上場数量times買受実績シェアtimes145

小麦は平成17年産から大麦及びはだか麦は平成19年産から135rarr145へ見直し

相対取引入札で形成された指標価格を基本に生産者団体と需要者の間で協議決定

平成19年産から過去の実績シェアに基づく取引ルールを廃止

再入札

第1回入札及び第2回入札において落札残数量が発生した場合は売り手の希望により再度入札に付すか相対による契約を行うかいずれかの方法をとることができる

平成25年産から売り手の申し出により再入札における入札の値幅を設定できること等を規定

生産者団体から販売予定数量需要者団体から購入希望数量の相互提示

入札取引の実施(販売予定数量の約3~4割)

相対取引の実施(販売予定数量の約6~7割)

は 種(秋まき春まきは収穫年の4月)

収 穫 及 び 検 査

生産者団体と需要者の間では種前に契約を締結

需 要 者 へ 引 渡 し

<生産の流れ>

麦の生育期間

<契約の流れ>

は種前契約に基づき計画的に作付(は種)

収穫前年7月~

8~9月

9月~

~12月

6~8月

6月~

収穫年26年産から国内産麦の需要拡大を図るため地域の食文化のブランド化等による高付加価値化の取組等に対し安定的な原料供給が可能となる需要拡大推進枠を導入

- 24 -

表Ⅲ-8 国内産食糧用麦の供給量 (単位千トン)

注集荷団体からの聞き取り数量である

(2)流通の動向

平成30年産の国内産食糧用小麦の供給量は前年産から

約14万4千トン減少し約70万1千トンとなっています

また国内産食糧用大麦及びはだか麦の供給量は前年

産から約3千トン減少し約10万3千トンとなっています

(表Ⅲ-8)

生産者側から提示された平成31年産麦の販売予定数量は

国内産食糧用小麦で約82万4千トン国内産食糧用大麦及

びはだか麦で約10万8千トンとなっています

一方需要者側から提示された平成31年産麦の購入希望

数量は国内産食糧用小麦で約86万3千トン国内産食糧

用大麦及びはだか麦で約13万トンとなっています(表Ⅲ-

9)

表Ⅲ-9 国内産食糧用麦の販売予定数量及び購入希望数量の推移(単位千トン)

資料民間流通連絡協議会調べ注四捨五入の関係で差し引きが一致しないことがある

- 25 -

年産 20 21 22 23 24 25 26 27 28 2930

(見込)

小   麦 841 639 532 694 811 767 808 946 734 845 701

大麦はだか麦 125 100 84 98 93 105 103 103 92 106 103

年産 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31

販売予定数量① 887 906 909 951 948 909 905 880 820 846 834 824

購入希望数量② 833 880 818 859 904 869 751 802 834 875 880 863

①-② 54 25 91 91 44 40 154 78 14 29 46 39

(①-②)①() 61 28 100 96 47 44 170 89 18 34 55 47

販売予定数量① 121 132 134 127 122 116 110 112 113 112 108 108

購入希望数量② 199 219 135 149 147 138 141 149 145 138 148 130

①-② 78 87 1 23 26 21 31 37 32 26 39 22

(①-②)①() 640 660 06 179 209 182 282 330 284 234 363 204

表Ⅲ-10 国内産食糧用麦の入札結果の推移

資料一般社団法人全国米麦改良協会調べ

注1価格は税込み(26年産までは527年産以降は8)である

ただし31年産の落札価格は一般社団法人全国米麦改良協会公表の価格(税抜き)を基に農林水産省で税込み価格を算出

5 国内産食糧用麦の価格の動向

(1)平成31年産の入札の概要

平成31年産麦の入札は第1回は平成30年9月12日に第

2回は平成30年9月26日に実施されました

麦種別の入札結果をみると小麦は上場数量約21万4千

トンのうち約20万4千トンが落札(落札率954)され落

札価格は61714円トン(対前年産比1151)となりました

小粒大麦は上場数量約1万1千トンのうち約1万1千

トンが落札(落札率991)され落札価格は46560円トン

(対前年産比997)となりました

大粒大麦は上場数量約7千8百トンのうち5千6百トン

が落札(落札率717)され落札価格は46923円トン(対

前年産比879)となりました

はだか麦は上場数量約2千3百トンのうち約2千1百

トンが落札(落札率897)され落札価格は50817円トン

(対前年産比961)となりました(表Ⅲ-10)

なお国内産小麦については近年消費者の国産志向の高

まりなどを受け大手外食チェーンや2次加工メーカーが国

内産小麦を使用したパン中華麺等の商品を相次いで発表す

るなど人気が高まってきていますこれらを背景として平

成31年産小麦の落札価格は多くの銘柄で値幅制限の上限付

近となっておりまた申込倍数も14倍と高いものとなって

います

- 26 -

20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31

上場数量

(トン)①243510 243020 242310 251370 250980 244880 244320 234010 213360 221380 218500 214200

落札数量

(トン)②234930 238410 189350 247770 245320 220590 188240 192240 201140 214060 210560 204420

落札率

②①965 981 781 986 977 901 770 822 943 967 964 954

落札価格

(円トン)43229 59885 55241 48732 58340 49333 49319 49770 54164 51570 53624 61714

対前年産比 1064 1385 922 882 1197 846 1000 1009 1088 952 1040 1151

上場数量

(トン)①12240 13590 14210 13300 11760 11220 11290 11930 12210 12200 11750 11040

落札数量

(トン)②12050 13510 14040 13170 11550 10850 10900 11830 12090 12200 11440 10940

落札率

②①984 994 988 990 982 967 965 992 990 1000 974 991

落札価格

(円トン)45479 59709 53448 45871 46485 46453 46290 47595 47565 46880 46708 46560

対前年産比 1084 1313 895 858 1013 999 996 1028 999 986 996 997

上場数量

(トン)①10020 9690 10330 9290 9000 8700 7210 7620 7450 7620 6880 7810

落札数量

(トン)②8880 8920 8910 7990 7990 7830 6480 7130 6600 6700 6340 5600

落札率

②①886 921 863 860 888 900 899 936 886 879 922 717

落札価格

(円トン)36532 50492 46097 39649 40394 41582 42881 45740 47827 50442 53384 46923

対前年産比 1059 1382 913 860 1019 1029 1031 1067 1046 1055 1058 879

上場数量

(トン)①2910 3150 3030 3260 3060 2830 2840 2890 2740 2660 2570 2330

落札数量

(トン)②2910 3150 3030 3090 3020 2830 2810 2810 2520 2600 2470 2090

落札率

②①1000 1000 1000 948 987 1000 989 972 920 977 961 897

落札価格

(円トン)42222 58527 61489 52791 51905 52294 49656 47712 46547 48527 52876 50817

対前年産比 1063 1386 1051 859 983 1007 950 961 976 1043 1090 961

年産

小麦

小粒大麦(六条大麦)

大粒大麦(二条大麦)

はだか麦

平成31年産国内産食糧用小麦の入札結果をみると産地別銘柄別

の需給状況等を反映して落札価格に差が生じています

代表的な銘柄である北海道産「きたほなみ」は前年産の価格を

153上回る64752円トン香川県産「さぬきの夢2009」は前

年産の価格を152上回る73186円トンとなりましたまたパ

ン中華麺用の北海道産「ゆめちから」は前年産の価格を180

上回る62777円トン北海道産「春よ恋」は前年産の価格を

180上回る68792円トンとなりました(図Ⅲ-4図Ⅲ-5)

図Ⅲ-4 平成31年産国内産食糧用小麦の産地別銘柄別落札価格

資料農林水産省調べ注外国産小麦5銘柄加重平均価格は平成30年4月期の輸入小麦の政府売渡価格である

(2)平成31年産国内産食糧用小麦の産地別銘柄別落札価格の動向

資料農林水産省調べ注1国内産小麦の価格は(一社)全国米麦改良協会が実施する民間流通麦にかかる入札の第1回第2回

及び再入札の落札加重平均価格(税込み)年産の下段の( )内は当該第1回入札の実施年月である注2外国産小麦の価格は18年までは当該年度平均の実績価格であり19年以降は民間流通麦にかかる第

1回入札の実施年月時点での輸入小麦の政府売渡価格(5銘柄平均)である注3ホクシン(きたほなみ)については22年産までは「ホクシン」の価格であり23年産からは「きたほ

なみ」の価格である注4さぬきの夢については24年産までは「さぬきの夢2000」の価格であり25年産からは「さぬきの夢

2009」の価格である注5農林61号(さとのそら)については23年産までは「農林61号」の価格であり24年産からは「さとの

そら」の価格である

図Ⅲ-5 国内産食糧用小麦の産地別銘柄別落札価格の推移

- 27 -

(単位円トン税込み)

30000

60000

北海道ゆめちから 62777

福岡ミナミノカオリ 68393

滋賀農林61号 50763

茨城さとのそら 46310

佐賀チクゴイズミ 52193

岩手ゆきちから 39929

全銘柄落札加重平均 61714

香川さぬきの夢2009 73186

北海道きたほなみ 64752

外国産小麦5銘柄加重平均 54370

群馬さとのそら 48669

北海道キタノカオリ 63090

大分チクゴイズミ 48265

福岡シロガネコムギ 50643

佐賀シロガネコムギ 47998

40000

福岡チクゴイズミ 52203

滋賀ふくさやか 49534

岐阜イワイノダイチ 46874

埼玉さとのそら 47159

宮城シラネコムギ 44607

群馬つるぴかり 49785

北海道春よ恋 68792

愛知きぬあかり 50114

北海道はるきらり 60201

50000

埼玉あやひかり 46072

岐阜さとのそら 45919

70000

30000

40000

50000

60000

70000

80000

90000

100000

110000

120000

130000

12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 年産

(単位円トン税込み)

北海道ホクシン

香川さぬきの夢200973186円

茨城農林61号

香川さぬきの夢2000

茨城さとのそら

46310円

北海道きたほなみ

64752円

北海道ゆめちから

62777円

外国産小麦

5銘柄平均

54370円

北海道春よ恋

68792円

(128) (138) (148) (158) (168) (178)(1810) (199) (208)(2110)(2212) (239) (2410)(2510)(269)(279) (289) (299)(119) (309)

6 国内産麦の新品種の育成状況

(1)国内産麦については縞萎縮病抵抗性や耐倒伏性を備え

需要者等のニ-ズに合った新品種の開発が進められています

また作付け面積が1万haを超える「ゆめちから」「さとの

そら」をはじめ多数の品種が生産現場に導入されています

(図Ⅲ-6)

(2)今後とも赤かび病抵抗性や穂発芽耐性が高い小麦品種

小麦粉の色相や製粉性が優れる日本麺用小麦品種パンの膨

らみがカナダ産「1CW」並の小麦品種焼酎押麦味噌

などの加工適性が高い大麦品種等の開発を推進します

小麦品種「ゆめちから」及び「さとのそら」は優れた栽培特性

と加工適性を備えており作付けが拡大しています(平成29年

推定値「ゆめちから」約1万2千ha「さとのそら」約1万5

千ha)

パン用小麦品種の開発近年国産の小麦粉を使ったパンの需要増加に応えるためグルテンやでん粉の組成などパンの膨らみに関連する特性に注目した育種が進められていますその結果平成25年に製パン適性が「1CW」に近く多収の「せときらら」平成29年にはパン生地の力が強く穂発芽耐性や赤かび抵抗性が改良された「夏黄金」が育成されました

加工適性の高い大麦品種の開発機能性成分β-グルカンを多く含むもち性大麦の需要の高まりに応えるため平成29年に「はねうまもち」が育成されましたまた高品質なはだか麦の需要増加に対応して平成24年に味噌加工適性の高い「ハルヒメボシ」が育成されました

図Ⅲ-6 平成19年以降に育成された麦類の主な新品種

日本麺用小麦ゆめきらり

パン用小麦ゆめかおり福井県大3号

六条大麦ホワイトファイバー

北信越

日本麺用小麦あおばの恋

パン用小麦銀河のちから

東北

日本麺用小麦さとのそらきぬあかり

パン用小麦ゆめかおり

二条大麦とちのいぶき彩の星アスカゴールデンニューサチホゴールデン

六条大麦カシマゴール

はだか麦キラリモチ

関東東海

日本麺用小麦ふくはるかさぬきの夢2009

パン用小麦ゆめちからせときらら

はだか麦ハルヒメボシ

近畿中国四国

中華麺用小麦ちくしW2号

二条大麦煌二条白妙二条はるか二条トヨノホシ

九州

日本麺用小麦きたほなみ

中華麺用小麦つるきち

パン用小麦ゆめちからはるきらり

二条大麦札育2号

北海道

新品種のうち平成30年産で概ね100ha以上作付けされていると推定される品種を選定(農林水産省調べ)

- 28 -

7 国内産麦を利用した製品の動向

食料自給率の向上を図るためには国内産麦の需要開拓を行う

ことが必要です最近の消費者の国産志向の高まりや生産者と実

需者が一体となった地産地消の推進地域農業の振興を図る取り

組み等から国内産麦を使った麦製品(パン麺等)が増えてき

ており中には国内産麦を100使用した商品もあります(図Ⅲ-

7)

- 29 -

8 民間流通制度の運用改善

国内産麦の人気の高まりにより近年需要量が生産量を上回

る状況が継続しており国内産麦を積極的に使用したい実需者が

必要量を確保できない等の課題もあります

このような課題に対応するため民間流通連絡協議会において

入札上場比率の選択制の導入需要拡大推進枠設定の要件緩和

相対取引需要拡大推進枠において多様な取組が可能であること

の明確化等民間流通制度の運用改善が行われました(図Ⅲ-

8)

ピッツァ専用粉(北海道)(小麦)地元の製粉企業が北海道産小麦(きたほなみキタノカオリゆめち

から)を100使用した国内で初めてのピッツァ専用粉を開発平成30年2月に都内で試食会を開催し平成30年5月から販売

ピッツァ専用粉(群馬県)(小麦)地元の製粉企業が地元のピッツァ専門店ピッツァ窯メーカーと協力

して品質改良を重ね群馬県産小麦(さとのそらつるぴかりきぬの波)を100使用したピッツァ専用粉を平成30年4月から発売ピッツァイベントやイタリアン食材の展示会に出展

学校給食用パン(東京都)(小麦)都学校給食会の「学校給食パン加工規格」による配合基準に基づき国

内産小麦を100使用した学校給食パンを平成27年度から都内の一部の小中学校で提供を開始平成28年度からは都内全域の規格として採用

〇 市販用中華麺(愛知県)(小麦)地元の製粉企業が自社製品として愛知県産小麦きぬあかりを100使用

した中華麺を平成30年6月から自社通販で販売平成30年8月から一般販売を開始

フランスパン用粉(佐賀県)(小麦)近県製粉企業が農研機構と共同で育成した九州地域等の暖地温暖地

向けのフランスパン加工適性に優れる準強力小麦品種「さちかおり」を100使用したフランスパン用粉を平成30年8月から発売

市販用ゆで麺(長崎県)(小麦)地元の製麺企業近県製粉企業県生麺協同組合JA県等が連携し

平成26年3月に「長崎県育成麦活用開発協議会」を立ち上げ長崎県産長崎W2号(商標登録名長崎ちゃん麦)を100使用したちゃんぽん用のゆで麺を平成29年4月に製品化原料小麦の生産量が整った段階での本格販売を予定

もち性大麦を使用した機能性表示食品(静岡県)(大麦)地元の精麦企業が国内産もち性大麦でβ-グルカン量の多い銘柄を使用し

炊飯用精麦を製品化機能性表示食品として平成29年1月に届出し十分な原料を手当でき次第随時販売予定

〇 もち性大麦を使用したシリアル(愛知県)(大麦)地元の精麦企業が食物繊維が20を超える愛知県産もち性大麦「ワキ

シーファイバー」を使用した国内産もち麦100シリアルを開発平成30年4月から販売開始

図Ⅲ-7 国内産麦を100使用した商品事例

図Ⅲ-8 民間流通制度の運用改善のポイント

0

50

100

150

200

250

300

350

400円千人

大手製パンメーカーA社が国内産小麦100使用の新製品を発売

大手製食品スーパーB社が国内産小麦100使用の新製品をPBで発売

大手製パンメーカーA社が国内産小麦100使用の製品を初めて発売

(参考)国内産小麦を利用した製品の販売状況

(1)国内産小麦100使用の食パンの販売額

大きなシェアを占めるにはいたっていないものの国内産

小麦を100使用した食パンの販売金額の推移を見ると新製

品が登場する度に国内産小麦100使用の食パン市場が拡大し

ています(図Ⅲ-9)

図Ⅲ-9 国内産小麦100使用の食パンの販売額の推移(首都圏)

資料日本経済新聞デジタルメディア社による首都圏のスーパーマーケットなど100店舗におけるPOSデータに基づき農林水産政策研究所において集計

注食パンのうち国内産小麦を100使用していることが明らかな製品のみ計上菓子パン等は含んでいない

表Ⅲ-11 生麺ゆで麺(チルド)の販売金額のシェア(首都圏平成30年)

資料日本経済新聞デジタルメディア社による首都圏のスーパーマーケットなど120店舗におけるPOSデータに基づき農林水産政策研究所において集計

(2)生麺ゆで麺(チルド)の販売金額

生麺ゆで麺全体で上位15製品の売上高に占める国内産

小麦使用表示のある製品のシェアは30となっていますま

た主要な麺製品のうどんラーメン冷やし中華焼そば

全てで国内産小麦使用製品がランクインしています(表Ⅲ

-11)

2013年 2014年 2015年 2016年 2017年 2018年 2019年

                      (単位)

製品の種類製造企業の規模産地表示販売金額シェア

焼そば大手製品(国内産小麦使用表示なし) 99そば大手製品(国内産小麦使用表示なし) 27冷やしラーメン大手製品(国内産小麦使用表示なし) 20うどん大手製品(北海道産小麦使用表示あり) 20ラーメン大手製品(北海道産小麦使用表示あり) 14冷やし中華大手製品(国内産小麦使用表示なし) 14うどん大手製品(国内産小麦使用表示あり) 13焼そば大手製品(国内産小麦使用表示なし) 12焼うどん大手製品(国内産小麦使用表示なし) 12うどん大手製品(国内産小麦使用表示あり) 11焼そば大手製品(国内産小麦使用表示あり) 11そうめん大手製品(国内産小麦使用表示あり) 10うどんPB製品(北海道産小麦使用表示あり) 10つけ麺大手製品(国内産小麦使用表示なし) 10冷麺中小製品(国内産小麦使用表示なし) 10

303

14

89

15上位15製品の売上高に占める国内産小麦使用表示のある製品の

シェア

順位

1

10111213

234567

- 30 -

図Ⅲ-10 外食産業等と連携した農産物の需要拡大対策事業(麦類)

9 国内産麦の需要拡大イベント及び情報発信の取組

近年生産者と実需者等が連携し国内産麦を使用した製品が

数多く開発販売されており各地でイベント等の需要拡大の

取組みが行われております

また農林水産省としては平成30年度産地と外食事業者等

が連携して行う国内産麦を活用した新商品の開発試作製

造するために必要な取組を支援する「外食産業等と連携した農

産物の需要拡大対策事業」を一般社団法人全国米麦改良協会を

実施主体として行っているところです

農林水産省のホームページにおいてこれらのイベント等につい

て情報発信を行うとともに一般社団法人全国米麦改良協会が

開設している国産麦応援情報ホームページでの情報提供等を

行っています(図Ⅲ-10~12)

「国内産麦使用試作品全国統一試食会商談会」開催日平成31年2月12日~19日(土日を除く)場 所むぎくらべ(東京都千代田区神田小川町)

内 容平成29年度補正予算事業「外食産業等と連携した農産物の需要拡大対策事業」の一環として行われた国内産麦を使用した試作品の試食会商談会

「国内産麦使用試作品全国統一試食会商談会」で出品された試作品

- 31 -

第8回全国ご当地うどんサミットin 熊谷 開催日平成30年11月10日~11日 場 所熊谷スポーツ文化公園にぎわい広

場(埼玉県) 内 容全国の国内産小麦を使用した「ご

当地うどん」が一堂に集まりグランプリを決定

図Ⅲ-11 全国各地で開催されたイベント 図Ⅲ-12 一般社団法人 全国米麦改良協会の取組

国産麦応援情報ホームページ「日本の麦の底力」内容国産小麦粉ブランド名鑑国産小麦の逸品イベント情報研究

情報等を掲載URL httpnihonnomugicom

北海道小麦キャンプ2018 in オホーツク 開催日平成30年7月10日~11日 場 所ホテル黒部を主会場としたオホーツ

ク管内(北海道) 内 容国内産小麦北海道産小麦の魅力

を全国に広めることを目的にバスツアーやパン講習会などを実施

麦わらぼうしフェスタ 開催日平成30年11月4日 場 所笠原産業株式会社(栃木県) 内 容国内産小麦を使用したうどんパン

などの試食販売うどん教室などを実施

第7回 信州粉もん祭り 開催日平成30年11月11日 場 所JAながの ちくま埴生支所(長野県) 内 容長野県産小麦を使用した「粉もん料

理」が大集合粉もん試食会や手打ちうどん講習会 などを実施

国内産麦アンテナショップ「むぎくらべ」内容国内産麦を使用した商品のPRと販売の場を提供するものとして

平成30年7月東京都千代田区にオープン

- 32 -

オープニングセレモニーには上月前農林水産大臣政務官(写真中央)も出席

10 食料農業農村基本計画における麦の位置付け

平成27年3月31日に平成37年度を目標とする「食料農業

農村基本計画」が閣議決定され小麦は95万トン大麦はだ

か麦は22万トンの生産努力目標が設定されています(表Ⅲ-

12)

食料消費の見通し 生産努力目標(万トン) 克服すべき課題

1人1年当たり消費量

(kg人年)

国内消費仕向量

(万トン)

平成25年度

平成37年度

平成25年度

平成37年度

平成25年度

平成37年度

小麦 33 32 699 611 81 95

国内産小麦の需要拡大に向けた産地形成やブランド化

実需者ニーズに対応した生産流通体制の確立

新品種新技術の開発導入輪作体系の最適化排水対策等による収量品質の高位安定化

農地の集積集約化経営規模の拡大に対応した省力化に資する技術の開発導入等による生産コストの低減

大麦はだか麦

03 02 208 213 18 22

外国産大麦が多く用いられている焼酎用等の国内産麦の需要拡大

実需者ニーズに対応した生産流通体制の確立

新品種新技術の開発導入輪作体系の最適化排水対策等による収量品質の高位安定化

農地の集積集約化経営規模の拡大に対応した省力化に資する技術の開発導入等による生産コストの低減

表Ⅲ-12 麦の平成37年度における食料消費の見通し及び生産努力目標

資料「食料農業農村基本計画」(平成27年3月閣議決定)注1)国内消費仕向量には飼料用等の食糧用以外の用途への仕向量を含む

2)大麦はだか麦の国内消費仕向量及び生産努力目標にはビール大麦を含む

- 33 -

Ⅳ 米粉に関する動向

1 生産動向

米粉用米の生産量は平成25年産以降2万トン前後で推移していましたが平成29年度以降は約3万トンまで回復しています(表Ⅳ-1)

2 需要拡大に向けた対応

米粉用米の利用量は平成24年度以降年間2万数千トンで推移していましたがグルテンを使用しない米粉商品の開発や新たな米加工品(α化米粉米ゲルなど)の保湿性や粘性に着目した商品の開発「米粉の用途別基準」や「ノングルテン米粉製品第三者認証制度」の運用開始により平成29年度は25千トン30年度は31千トンに増加しています(表Ⅳ-2)

今後の更なる国内海外の需要拡大のためノングルテン米粉や用途別基準に適合する高品質な日本産米粉の流通を契機とした魅力ある新商品の開発や日本産米粉の優位性の情報発信等を推進する必要があります

表Ⅳ-1 上位5県の米粉用米の生産量と作付面積の推移

(参考) 米粉及び小麦粉の販売価格(税抜き)

米粉100~290円kg程度

(小麦粉 100円kg程度)

注1)平成26~29年度については新規需要米取組計画を認定した全需要者からの聞き取り注2)平成30年度については新規需要米取組計画を認定した主要な需要者からの聞き取り

により推計

表Ⅳ-2 米粉用米の利用量(需要者からの聞き取り)

- 34 -

資料26~29年産は新規需要米生産集出荷数量30年産は新規需要米取組計画

認定数量(農林水産省)

(単位千トン)

26年度 27年度 28年度 29年度 30年度見込

22 23 23 25 31

(単位千トン千ha)

26年産 27年産 28年産 29年産 30年産

生産量 59 97 87 130 107作付面積 11 18 15 24 19生産量 10 10 09 30 31作付面積 02 02 02 06 06生産量 08 10 00 19 30作付面積 01 02 00 03 06生産量 10 12 12 12 16作付面積 02 03 02 02 03生産量 20 24 07 12 13作付面積 03 04 01 02 02生産量 184 230 190 284 281作付面積 34 42 34 53 53

秋田県

全国計

新潟県

埼玉県

栃木県

群馬県

農林水産大臣は米穀の新用途への利用の促進に関する基本方針を定める

生産製造連携事業計画

生産者 製造事業者 促進事業者

必須

米穀の新用途への利用の促進に関する法律

米穀の新用途への利用の促進に関する基本方針

関係者が連携して計画を作成米穀の新用途への利用の促進に関する基本方針に照らし適切な計画について農林水産大臣が認定(計画期間は3~5年)

図Ⅳ 米粉用米に対する支援措置

3 米粉用米に対する支援

① 米粉用米についてはその利用の拡大を図るために平成21年に「米穀の新用途への利用の促進に関する法律」が制定されました同法に基づく「生産製造連携事業計画」の認定を受け「農山漁村

活性化計画」の採択を受けた取組に対して米粉用米の生産加工に必要な施設整備等の支援を行っています

② 米粉用米の生産者に対しては水田活用の直接支払交付金による支援を行っていますまたノングルテン米粉表示や米粉の用途別基準により需要者ニーズに合った高品質な米粉の製造や輸出拡大の取組を支援しています

③ 平成31年度は国内海外の需要獲得に向け引き続き魅力ある新商品開発を推進するほか日本産米粉の優位性の情報発信やノングルテン米粉の製造手法マニュアルの作成など輸出を含めた日本産米粉の需要拡大に向けた取組を支援していくこととしています

予 算 措 置

【水田活用の直接支払交付金】水田を活用して米粉用米等の作物を生産する農業者に対し交付金を直接交付 (米粉用米収量に応じ55万円~105万円10a)

【農山漁村振興交付金】米粉飼料用米の生産加工に係る施設整備に対し交付金を交付(補助率定額12)

【持続的生産強化対策事業】

日本産米粉の優位性の情報発信ノングルテン米粉の製造手法マニュアルの作成米粉用米生産者と製造事業者とのマッチング

等の取組を支援

金 融 措 置

【日本政策金融公庫による低利融資】(食品安定供給施設整備資金)

米粉製造施設米粉を原料とした食品の製造加工施設等への融資

(輸出を含めた日本産米粉の需要拡大支援事業)

(補助率定額)

【外食産業等と連携した需要拡大対策事業】

国産農林水産物食品の輸出等需要フロンティアの開拓を図るため産地と複数年契約を締結する民間企業(外食加工業者)に対し国産農林水産物を活用した新商品の開発やそれに必要な技術開発等を支援 (補助率定額12)

- 35 -

【農林水産物食品輸出促進緊急対策事業】コメ海外市場拡大戦略プロジェクトに参加する輸出産地や輸出事業者等が連携して戦略的に取り組む中国等の海外市場開拓プロモーション等を支援

(補助率定額12)

品目 現在の関税率 合意内容

小麦

枠内税率無税+マークアップ

枠外税率55円kg

現行の国家貿易制度を維持するとともに枠外税率(55円kg)を維持

既存のWTO枠に加え米国(15万(7年目以降))【不適用】カナダ(53万(同))豪州(5万(同))にSBS方式の国別枠を設定

マークアップを9年目までに45削減

大麦

枠内税率無税+マークアップ

枠外税率39円kg

現行の国家貿易制度を維持するとともに枠外税率(39円kg)を維持

既存のWTO枠に加えSBS方式のTPP枠(65万(9年目以降))を設定

マークアップを9年目までに45削減

1 TPP11協定概要(麦)(平成30年12月30日発効)

Ⅴ TPP11及び日EUEPAの協定概要(麦関係)

(参考主な麦製品)

現在の関税率合意内容

税率 枠数量

いった小麦小麦粉等

(国家貿易品目)

枠内税率125~25+マークアップ

枠外税率85~134円kg

枠内即時無税+マークアップ

(枠外税率は維持)

(発効時) (6年目)125千rarr175千

ベーカリー製品製造用

小麦粉調製品16~24

枠内即時無税(枠外税率は維持)

(発効時) (6年目)米国 105千rarr12千【不適用】米国以外 68千rarr 8千

その他小麦粉調製品

16~28枠内即時無税

(枠外税率は維持)(発効時) (6年目)15千rarr225千

マカロニスパゲティ

30円kg9年目までに60削減

ビスケット 1315 6年目に無税 -

注1)いった小麦とは小麦をいったものであり主にシリアル食品等に使用される

2)その他小麦粉調製品とは製麺まんじゅう等のベーカリー製品以外の製造用の

小麦粉調製品である

- 36 -

2 日EUEPA協定概要(麦)(平成31年2月1日発効)

品目 現在の関税率 合意内容

小麦

枠内税率無税+マークアップ

枠外税率55円kg

現行の国家貿易制度を維持するとともに枠外税率(55円kg)を維持

既存のWTO枠に加えSBS方式のEU枠(270(7年目以降))を設定

枠内のマークアップを9年目までに45削減

大麦

枠内税率無税+マークアップ

枠外税率39円kg

現行の国家貿易制度を維持するとともに枠外税率(39円kg)を維持

既存のWTO枠に加えSBS方式のEU枠(30(即時))を設定

枠内のマークアップを9年目までに45削減

(参考主な麦製品)

現在の関税率合意内容

税率 枠数量

いった小麦小麦粉等

(国家貿易品目)

枠内税率125~25+マークアップ

枠外税率85~134円kg

枠内即時無税+マークアップ

(枠外税率は維持)

(発効時) (6年目)38千rarr44千

ベーカリー製品製造用

小麦粉調製品16~24

枠内即時無税(枠外税率は維持)

(発効時) (6年目)104千rarr142千

その他小麦粉調製品

16~28枠内即時無税

(枠外税率は維持)(発効時) (6年目)

2千rarr3千

マカロニスパゲティ

30円kg 11年目に無税 -

ビスケット 1315 6年目に無税 -

注1)いった小麦とは小麦をいったものであり主にシリアル食品等に使用される

2)その他小麦粉調製品とは製麺まんじゅう等のベーカリー製品以外の製造用の

小麦粉調製品である

(参考) 麦の国境措置

小 麦 大 麦

輸入数量

価格

輸入数量

価格

政府売渡価格

マークアップ(輸入差益)

452円kgを上限

輸入価格

(枠内税率0円kg)

枠内輸入(国家貿易) 枠外輸入

(民間貿易)枠外税率を支払って輸入された数量(平成29年度)12千トン

WTOカレントアクセス数量5740千トン

枠外税率55円

政府売渡価格

輸入価格(枠内税率0円kg)

WTOカレントアクセス数量1369千トン

枠内輸入(国家貿易) 枠外輸入(民間貿易)

枠外税率を支払って輸入された数量(平成29年度)06千トン

枠外税率39円

民間貿易の場合の輸入価格

民間貿易の場合の輸入価格

286円kgを上限

マークアップ(輸入差益)

- 37 -

  • スライド番号 1
  • スライド番号 2
  • 麦の参考資料 麦の需給に関する見通し(動向編)
  • スライド番号 4
  • スライド番号 5
  • スライド番号 6
  • スライド番号 7
  • スライド番号 8
  • スライド番号 9
  • スライド番号 10
  • スライド番号 11
  • スライド番号 12
  • スライド番号 13
  • スライド番号 14
  • Ⅱ 小麦粉麦製品の生産と価格の動向
  • スライド番号 16
  • スライド番号 17
  • スライド番号 18
  • スライド番号 19
  • スライド番号 20
  • スライド番号 21
  • スライド番号 22
  • スライド番号 23
  • スライド番号 24
  • スライド番号 25
  • スライド番号 26
  • スライド番号 27
  • スライド番号 28
  • スライド番号 29
  • スライド番号 30
  • スライド番号 31
  • スライド番号 32
  • スライド番号 33
  • スライド番号 34
  • スライド番号 35
  • スライド番号 36
  • スライド番号 37
  • スライド番号 38
  • スライド番号 39
  • スライド番号 40
  • スライド番号 41
Page 33: 麦の参考資料 - maff.go.jp · 2020-03-31 · 2014/15 2015/16 2016/17 2017/18 2018/19 (平成26年) (平成27年) (平成28年)(平成29年)(平成30年) 見込

表Ⅲ-8 国内産食糧用麦の供給量 (単位千トン)

注集荷団体からの聞き取り数量である

(2)流通の動向

平成30年産の国内産食糧用小麦の供給量は前年産から

約14万4千トン減少し約70万1千トンとなっています

また国内産食糧用大麦及びはだか麦の供給量は前年

産から約3千トン減少し約10万3千トンとなっています

(表Ⅲ-8)

生産者側から提示された平成31年産麦の販売予定数量は

国内産食糧用小麦で約82万4千トン国内産食糧用大麦及

びはだか麦で約10万8千トンとなっています

一方需要者側から提示された平成31年産麦の購入希望

数量は国内産食糧用小麦で約86万3千トン国内産食糧

用大麦及びはだか麦で約13万トンとなっています(表Ⅲ-

9)

表Ⅲ-9 国内産食糧用麦の販売予定数量及び購入希望数量の推移(単位千トン)

資料民間流通連絡協議会調べ注四捨五入の関係で差し引きが一致しないことがある

- 25 -

年産 20 21 22 23 24 25 26 27 28 2930

(見込)

小   麦 841 639 532 694 811 767 808 946 734 845 701

大麦はだか麦 125 100 84 98 93 105 103 103 92 106 103

年産 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31

販売予定数量① 887 906 909 951 948 909 905 880 820 846 834 824

購入希望数量② 833 880 818 859 904 869 751 802 834 875 880 863

①-② 54 25 91 91 44 40 154 78 14 29 46 39

(①-②)①() 61 28 100 96 47 44 170 89 18 34 55 47

販売予定数量① 121 132 134 127 122 116 110 112 113 112 108 108

購入希望数量② 199 219 135 149 147 138 141 149 145 138 148 130

①-② 78 87 1 23 26 21 31 37 32 26 39 22

(①-②)①() 640 660 06 179 209 182 282 330 284 234 363 204

表Ⅲ-10 国内産食糧用麦の入札結果の推移

資料一般社団法人全国米麦改良協会調べ

注1価格は税込み(26年産までは527年産以降は8)である

ただし31年産の落札価格は一般社団法人全国米麦改良協会公表の価格(税抜き)を基に農林水産省で税込み価格を算出

5 国内産食糧用麦の価格の動向

(1)平成31年産の入札の概要

平成31年産麦の入札は第1回は平成30年9月12日に第

2回は平成30年9月26日に実施されました

麦種別の入札結果をみると小麦は上場数量約21万4千

トンのうち約20万4千トンが落札(落札率954)され落

札価格は61714円トン(対前年産比1151)となりました

小粒大麦は上場数量約1万1千トンのうち約1万1千

トンが落札(落札率991)され落札価格は46560円トン

(対前年産比997)となりました

大粒大麦は上場数量約7千8百トンのうち5千6百トン

が落札(落札率717)され落札価格は46923円トン(対

前年産比879)となりました

はだか麦は上場数量約2千3百トンのうち約2千1百

トンが落札(落札率897)され落札価格は50817円トン

(対前年産比961)となりました(表Ⅲ-10)

なお国内産小麦については近年消費者の国産志向の高

まりなどを受け大手外食チェーンや2次加工メーカーが国

内産小麦を使用したパン中華麺等の商品を相次いで発表す

るなど人気が高まってきていますこれらを背景として平

成31年産小麦の落札価格は多くの銘柄で値幅制限の上限付

近となっておりまた申込倍数も14倍と高いものとなって

います

- 26 -

20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31

上場数量

(トン)①243510 243020 242310 251370 250980 244880 244320 234010 213360 221380 218500 214200

落札数量

(トン)②234930 238410 189350 247770 245320 220590 188240 192240 201140 214060 210560 204420

落札率

②①965 981 781 986 977 901 770 822 943 967 964 954

落札価格

(円トン)43229 59885 55241 48732 58340 49333 49319 49770 54164 51570 53624 61714

対前年産比 1064 1385 922 882 1197 846 1000 1009 1088 952 1040 1151

上場数量

(トン)①12240 13590 14210 13300 11760 11220 11290 11930 12210 12200 11750 11040

落札数量

(トン)②12050 13510 14040 13170 11550 10850 10900 11830 12090 12200 11440 10940

落札率

②①984 994 988 990 982 967 965 992 990 1000 974 991

落札価格

(円トン)45479 59709 53448 45871 46485 46453 46290 47595 47565 46880 46708 46560

対前年産比 1084 1313 895 858 1013 999 996 1028 999 986 996 997

上場数量

(トン)①10020 9690 10330 9290 9000 8700 7210 7620 7450 7620 6880 7810

落札数量

(トン)②8880 8920 8910 7990 7990 7830 6480 7130 6600 6700 6340 5600

落札率

②①886 921 863 860 888 900 899 936 886 879 922 717

落札価格

(円トン)36532 50492 46097 39649 40394 41582 42881 45740 47827 50442 53384 46923

対前年産比 1059 1382 913 860 1019 1029 1031 1067 1046 1055 1058 879

上場数量

(トン)①2910 3150 3030 3260 3060 2830 2840 2890 2740 2660 2570 2330

落札数量

(トン)②2910 3150 3030 3090 3020 2830 2810 2810 2520 2600 2470 2090

落札率

②①1000 1000 1000 948 987 1000 989 972 920 977 961 897

落札価格

(円トン)42222 58527 61489 52791 51905 52294 49656 47712 46547 48527 52876 50817

対前年産比 1063 1386 1051 859 983 1007 950 961 976 1043 1090 961

年産

小麦

小粒大麦(六条大麦)

大粒大麦(二条大麦)

はだか麦

平成31年産国内産食糧用小麦の入札結果をみると産地別銘柄別

の需給状況等を反映して落札価格に差が生じています

代表的な銘柄である北海道産「きたほなみ」は前年産の価格を

153上回る64752円トン香川県産「さぬきの夢2009」は前

年産の価格を152上回る73186円トンとなりましたまたパ

ン中華麺用の北海道産「ゆめちから」は前年産の価格を180

上回る62777円トン北海道産「春よ恋」は前年産の価格を

180上回る68792円トンとなりました(図Ⅲ-4図Ⅲ-5)

図Ⅲ-4 平成31年産国内産食糧用小麦の産地別銘柄別落札価格

資料農林水産省調べ注外国産小麦5銘柄加重平均価格は平成30年4月期の輸入小麦の政府売渡価格である

(2)平成31年産国内産食糧用小麦の産地別銘柄別落札価格の動向

資料農林水産省調べ注1国内産小麦の価格は(一社)全国米麦改良協会が実施する民間流通麦にかかる入札の第1回第2回

及び再入札の落札加重平均価格(税込み)年産の下段の( )内は当該第1回入札の実施年月である注2外国産小麦の価格は18年までは当該年度平均の実績価格であり19年以降は民間流通麦にかかる第

1回入札の実施年月時点での輸入小麦の政府売渡価格(5銘柄平均)である注3ホクシン(きたほなみ)については22年産までは「ホクシン」の価格であり23年産からは「きたほ

なみ」の価格である注4さぬきの夢については24年産までは「さぬきの夢2000」の価格であり25年産からは「さぬきの夢

2009」の価格である注5農林61号(さとのそら)については23年産までは「農林61号」の価格であり24年産からは「さとの

そら」の価格である

図Ⅲ-5 国内産食糧用小麦の産地別銘柄別落札価格の推移

- 27 -

(単位円トン税込み)

30000

60000

北海道ゆめちから 62777

福岡ミナミノカオリ 68393

滋賀農林61号 50763

茨城さとのそら 46310

佐賀チクゴイズミ 52193

岩手ゆきちから 39929

全銘柄落札加重平均 61714

香川さぬきの夢2009 73186

北海道きたほなみ 64752

外国産小麦5銘柄加重平均 54370

群馬さとのそら 48669

北海道キタノカオリ 63090

大分チクゴイズミ 48265

福岡シロガネコムギ 50643

佐賀シロガネコムギ 47998

40000

福岡チクゴイズミ 52203

滋賀ふくさやか 49534

岐阜イワイノダイチ 46874

埼玉さとのそら 47159

宮城シラネコムギ 44607

群馬つるぴかり 49785

北海道春よ恋 68792

愛知きぬあかり 50114

北海道はるきらり 60201

50000

埼玉あやひかり 46072

岐阜さとのそら 45919

70000

30000

40000

50000

60000

70000

80000

90000

100000

110000

120000

130000

12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 年産

(単位円トン税込み)

北海道ホクシン

香川さぬきの夢200973186円

茨城農林61号

香川さぬきの夢2000

茨城さとのそら

46310円

北海道きたほなみ

64752円

北海道ゆめちから

62777円

外国産小麦

5銘柄平均

54370円

北海道春よ恋

68792円

(128) (138) (148) (158) (168) (178)(1810) (199) (208)(2110)(2212) (239) (2410)(2510)(269)(279) (289) (299)(119) (309)

6 国内産麦の新品種の育成状況

(1)国内産麦については縞萎縮病抵抗性や耐倒伏性を備え

需要者等のニ-ズに合った新品種の開発が進められています

また作付け面積が1万haを超える「ゆめちから」「さとの

そら」をはじめ多数の品種が生産現場に導入されています

(図Ⅲ-6)

(2)今後とも赤かび病抵抗性や穂発芽耐性が高い小麦品種

小麦粉の色相や製粉性が優れる日本麺用小麦品種パンの膨

らみがカナダ産「1CW」並の小麦品種焼酎押麦味噌

などの加工適性が高い大麦品種等の開発を推進します

小麦品種「ゆめちから」及び「さとのそら」は優れた栽培特性

と加工適性を備えており作付けが拡大しています(平成29年

推定値「ゆめちから」約1万2千ha「さとのそら」約1万5

千ha)

パン用小麦品種の開発近年国産の小麦粉を使ったパンの需要増加に応えるためグルテンやでん粉の組成などパンの膨らみに関連する特性に注目した育種が進められていますその結果平成25年に製パン適性が「1CW」に近く多収の「せときらら」平成29年にはパン生地の力が強く穂発芽耐性や赤かび抵抗性が改良された「夏黄金」が育成されました

加工適性の高い大麦品種の開発機能性成分β-グルカンを多く含むもち性大麦の需要の高まりに応えるため平成29年に「はねうまもち」が育成されましたまた高品質なはだか麦の需要増加に対応して平成24年に味噌加工適性の高い「ハルヒメボシ」が育成されました

図Ⅲ-6 平成19年以降に育成された麦類の主な新品種

日本麺用小麦ゆめきらり

パン用小麦ゆめかおり福井県大3号

六条大麦ホワイトファイバー

北信越

日本麺用小麦あおばの恋

パン用小麦銀河のちから

東北

日本麺用小麦さとのそらきぬあかり

パン用小麦ゆめかおり

二条大麦とちのいぶき彩の星アスカゴールデンニューサチホゴールデン

六条大麦カシマゴール

はだか麦キラリモチ

関東東海

日本麺用小麦ふくはるかさぬきの夢2009

パン用小麦ゆめちからせときらら

はだか麦ハルヒメボシ

近畿中国四国

中華麺用小麦ちくしW2号

二条大麦煌二条白妙二条はるか二条トヨノホシ

九州

日本麺用小麦きたほなみ

中華麺用小麦つるきち

パン用小麦ゆめちからはるきらり

二条大麦札育2号

北海道

新品種のうち平成30年産で概ね100ha以上作付けされていると推定される品種を選定(農林水産省調べ)

- 28 -

7 国内産麦を利用した製品の動向

食料自給率の向上を図るためには国内産麦の需要開拓を行う

ことが必要です最近の消費者の国産志向の高まりや生産者と実

需者が一体となった地産地消の推進地域農業の振興を図る取り

組み等から国内産麦を使った麦製品(パン麺等)が増えてき

ており中には国内産麦を100使用した商品もあります(図Ⅲ-

7)

- 29 -

8 民間流通制度の運用改善

国内産麦の人気の高まりにより近年需要量が生産量を上回

る状況が継続しており国内産麦を積極的に使用したい実需者が

必要量を確保できない等の課題もあります

このような課題に対応するため民間流通連絡協議会において

入札上場比率の選択制の導入需要拡大推進枠設定の要件緩和

相対取引需要拡大推進枠において多様な取組が可能であること

の明確化等民間流通制度の運用改善が行われました(図Ⅲ-

8)

ピッツァ専用粉(北海道)(小麦)地元の製粉企業が北海道産小麦(きたほなみキタノカオリゆめち

から)を100使用した国内で初めてのピッツァ専用粉を開発平成30年2月に都内で試食会を開催し平成30年5月から販売

ピッツァ専用粉(群馬県)(小麦)地元の製粉企業が地元のピッツァ専門店ピッツァ窯メーカーと協力

して品質改良を重ね群馬県産小麦(さとのそらつるぴかりきぬの波)を100使用したピッツァ専用粉を平成30年4月から発売ピッツァイベントやイタリアン食材の展示会に出展

学校給食用パン(東京都)(小麦)都学校給食会の「学校給食パン加工規格」による配合基準に基づき国

内産小麦を100使用した学校給食パンを平成27年度から都内の一部の小中学校で提供を開始平成28年度からは都内全域の規格として採用

〇 市販用中華麺(愛知県)(小麦)地元の製粉企業が自社製品として愛知県産小麦きぬあかりを100使用

した中華麺を平成30年6月から自社通販で販売平成30年8月から一般販売を開始

フランスパン用粉(佐賀県)(小麦)近県製粉企業が農研機構と共同で育成した九州地域等の暖地温暖地

向けのフランスパン加工適性に優れる準強力小麦品種「さちかおり」を100使用したフランスパン用粉を平成30年8月から発売

市販用ゆで麺(長崎県)(小麦)地元の製麺企業近県製粉企業県生麺協同組合JA県等が連携し

平成26年3月に「長崎県育成麦活用開発協議会」を立ち上げ長崎県産長崎W2号(商標登録名長崎ちゃん麦)を100使用したちゃんぽん用のゆで麺を平成29年4月に製品化原料小麦の生産量が整った段階での本格販売を予定

もち性大麦を使用した機能性表示食品(静岡県)(大麦)地元の精麦企業が国内産もち性大麦でβ-グルカン量の多い銘柄を使用し

炊飯用精麦を製品化機能性表示食品として平成29年1月に届出し十分な原料を手当でき次第随時販売予定

〇 もち性大麦を使用したシリアル(愛知県)(大麦)地元の精麦企業が食物繊維が20を超える愛知県産もち性大麦「ワキ

シーファイバー」を使用した国内産もち麦100シリアルを開発平成30年4月から販売開始

図Ⅲ-7 国内産麦を100使用した商品事例

図Ⅲ-8 民間流通制度の運用改善のポイント

0

50

100

150

200

250

300

350

400円千人

大手製パンメーカーA社が国内産小麦100使用の新製品を発売

大手製食品スーパーB社が国内産小麦100使用の新製品をPBで発売

大手製パンメーカーA社が国内産小麦100使用の製品を初めて発売

(参考)国内産小麦を利用した製品の販売状況

(1)国内産小麦100使用の食パンの販売額

大きなシェアを占めるにはいたっていないものの国内産

小麦を100使用した食パンの販売金額の推移を見ると新製

品が登場する度に国内産小麦100使用の食パン市場が拡大し

ています(図Ⅲ-9)

図Ⅲ-9 国内産小麦100使用の食パンの販売額の推移(首都圏)

資料日本経済新聞デジタルメディア社による首都圏のスーパーマーケットなど100店舗におけるPOSデータに基づき農林水産政策研究所において集計

注食パンのうち国内産小麦を100使用していることが明らかな製品のみ計上菓子パン等は含んでいない

表Ⅲ-11 生麺ゆで麺(チルド)の販売金額のシェア(首都圏平成30年)

資料日本経済新聞デジタルメディア社による首都圏のスーパーマーケットなど120店舗におけるPOSデータに基づき農林水産政策研究所において集計

(2)生麺ゆで麺(チルド)の販売金額

生麺ゆで麺全体で上位15製品の売上高に占める国内産

小麦使用表示のある製品のシェアは30となっていますま

た主要な麺製品のうどんラーメン冷やし中華焼そば

全てで国内産小麦使用製品がランクインしています(表Ⅲ

-11)

2013年 2014年 2015年 2016年 2017年 2018年 2019年

                      (単位)

製品の種類製造企業の規模産地表示販売金額シェア

焼そば大手製品(国内産小麦使用表示なし) 99そば大手製品(国内産小麦使用表示なし) 27冷やしラーメン大手製品(国内産小麦使用表示なし) 20うどん大手製品(北海道産小麦使用表示あり) 20ラーメン大手製品(北海道産小麦使用表示あり) 14冷やし中華大手製品(国内産小麦使用表示なし) 14うどん大手製品(国内産小麦使用表示あり) 13焼そば大手製品(国内産小麦使用表示なし) 12焼うどん大手製品(国内産小麦使用表示なし) 12うどん大手製品(国内産小麦使用表示あり) 11焼そば大手製品(国内産小麦使用表示あり) 11そうめん大手製品(国内産小麦使用表示あり) 10うどんPB製品(北海道産小麦使用表示あり) 10つけ麺大手製品(国内産小麦使用表示なし) 10冷麺中小製品(国内産小麦使用表示なし) 10

303

14

89

15上位15製品の売上高に占める国内産小麦使用表示のある製品の

シェア

順位

1

10111213

234567

- 30 -

図Ⅲ-10 外食産業等と連携した農産物の需要拡大対策事業(麦類)

9 国内産麦の需要拡大イベント及び情報発信の取組

近年生産者と実需者等が連携し国内産麦を使用した製品が

数多く開発販売されており各地でイベント等の需要拡大の

取組みが行われております

また農林水産省としては平成30年度産地と外食事業者等

が連携して行う国内産麦を活用した新商品の開発試作製

造するために必要な取組を支援する「外食産業等と連携した農

産物の需要拡大対策事業」を一般社団法人全国米麦改良協会を

実施主体として行っているところです

農林水産省のホームページにおいてこれらのイベント等につい

て情報発信を行うとともに一般社団法人全国米麦改良協会が

開設している国産麦応援情報ホームページでの情報提供等を

行っています(図Ⅲ-10~12)

「国内産麦使用試作品全国統一試食会商談会」開催日平成31年2月12日~19日(土日を除く)場 所むぎくらべ(東京都千代田区神田小川町)

内 容平成29年度補正予算事業「外食産業等と連携した農産物の需要拡大対策事業」の一環として行われた国内産麦を使用した試作品の試食会商談会

「国内産麦使用試作品全国統一試食会商談会」で出品された試作品

- 31 -

第8回全国ご当地うどんサミットin 熊谷 開催日平成30年11月10日~11日 場 所熊谷スポーツ文化公園にぎわい広

場(埼玉県) 内 容全国の国内産小麦を使用した「ご

当地うどん」が一堂に集まりグランプリを決定

図Ⅲ-11 全国各地で開催されたイベント 図Ⅲ-12 一般社団法人 全国米麦改良協会の取組

国産麦応援情報ホームページ「日本の麦の底力」内容国産小麦粉ブランド名鑑国産小麦の逸品イベント情報研究

情報等を掲載URL httpnihonnomugicom

北海道小麦キャンプ2018 in オホーツク 開催日平成30年7月10日~11日 場 所ホテル黒部を主会場としたオホーツ

ク管内(北海道) 内 容国内産小麦北海道産小麦の魅力

を全国に広めることを目的にバスツアーやパン講習会などを実施

麦わらぼうしフェスタ 開催日平成30年11月4日 場 所笠原産業株式会社(栃木県) 内 容国内産小麦を使用したうどんパン

などの試食販売うどん教室などを実施

第7回 信州粉もん祭り 開催日平成30年11月11日 場 所JAながの ちくま埴生支所(長野県) 内 容長野県産小麦を使用した「粉もん料

理」が大集合粉もん試食会や手打ちうどん講習会 などを実施

国内産麦アンテナショップ「むぎくらべ」内容国内産麦を使用した商品のPRと販売の場を提供するものとして

平成30年7月東京都千代田区にオープン

- 32 -

オープニングセレモニーには上月前農林水産大臣政務官(写真中央)も出席

10 食料農業農村基本計画における麦の位置付け

平成27年3月31日に平成37年度を目標とする「食料農業

農村基本計画」が閣議決定され小麦は95万トン大麦はだ

か麦は22万トンの生産努力目標が設定されています(表Ⅲ-

12)

食料消費の見通し 生産努力目標(万トン) 克服すべき課題

1人1年当たり消費量

(kg人年)

国内消費仕向量

(万トン)

平成25年度

平成37年度

平成25年度

平成37年度

平成25年度

平成37年度

小麦 33 32 699 611 81 95

国内産小麦の需要拡大に向けた産地形成やブランド化

実需者ニーズに対応した生産流通体制の確立

新品種新技術の開発導入輪作体系の最適化排水対策等による収量品質の高位安定化

農地の集積集約化経営規模の拡大に対応した省力化に資する技術の開発導入等による生産コストの低減

大麦はだか麦

03 02 208 213 18 22

外国産大麦が多く用いられている焼酎用等の国内産麦の需要拡大

実需者ニーズに対応した生産流通体制の確立

新品種新技術の開発導入輪作体系の最適化排水対策等による収量品質の高位安定化

農地の集積集約化経営規模の拡大に対応した省力化に資する技術の開発導入等による生産コストの低減

表Ⅲ-12 麦の平成37年度における食料消費の見通し及び生産努力目標

資料「食料農業農村基本計画」(平成27年3月閣議決定)注1)国内消費仕向量には飼料用等の食糧用以外の用途への仕向量を含む

2)大麦はだか麦の国内消費仕向量及び生産努力目標にはビール大麦を含む

- 33 -

Ⅳ 米粉に関する動向

1 生産動向

米粉用米の生産量は平成25年産以降2万トン前後で推移していましたが平成29年度以降は約3万トンまで回復しています(表Ⅳ-1)

2 需要拡大に向けた対応

米粉用米の利用量は平成24年度以降年間2万数千トンで推移していましたがグルテンを使用しない米粉商品の開発や新たな米加工品(α化米粉米ゲルなど)の保湿性や粘性に着目した商品の開発「米粉の用途別基準」や「ノングルテン米粉製品第三者認証制度」の運用開始により平成29年度は25千トン30年度は31千トンに増加しています(表Ⅳ-2)

今後の更なる国内海外の需要拡大のためノングルテン米粉や用途別基準に適合する高品質な日本産米粉の流通を契機とした魅力ある新商品の開発や日本産米粉の優位性の情報発信等を推進する必要があります

表Ⅳ-1 上位5県の米粉用米の生産量と作付面積の推移

(参考) 米粉及び小麦粉の販売価格(税抜き)

米粉100~290円kg程度

(小麦粉 100円kg程度)

注1)平成26~29年度については新規需要米取組計画を認定した全需要者からの聞き取り注2)平成30年度については新規需要米取組計画を認定した主要な需要者からの聞き取り

により推計

表Ⅳ-2 米粉用米の利用量(需要者からの聞き取り)

- 34 -

資料26~29年産は新規需要米生産集出荷数量30年産は新規需要米取組計画

認定数量(農林水産省)

(単位千トン)

26年度 27年度 28年度 29年度 30年度見込

22 23 23 25 31

(単位千トン千ha)

26年産 27年産 28年産 29年産 30年産

生産量 59 97 87 130 107作付面積 11 18 15 24 19生産量 10 10 09 30 31作付面積 02 02 02 06 06生産量 08 10 00 19 30作付面積 01 02 00 03 06生産量 10 12 12 12 16作付面積 02 03 02 02 03生産量 20 24 07 12 13作付面積 03 04 01 02 02生産量 184 230 190 284 281作付面積 34 42 34 53 53

秋田県

全国計

新潟県

埼玉県

栃木県

群馬県

農林水産大臣は米穀の新用途への利用の促進に関する基本方針を定める

生産製造連携事業計画

生産者 製造事業者 促進事業者

必須

米穀の新用途への利用の促進に関する法律

米穀の新用途への利用の促進に関する基本方針

関係者が連携して計画を作成米穀の新用途への利用の促進に関する基本方針に照らし適切な計画について農林水産大臣が認定(計画期間は3~5年)

図Ⅳ 米粉用米に対する支援措置

3 米粉用米に対する支援

① 米粉用米についてはその利用の拡大を図るために平成21年に「米穀の新用途への利用の促進に関する法律」が制定されました同法に基づく「生産製造連携事業計画」の認定を受け「農山漁村

活性化計画」の採択を受けた取組に対して米粉用米の生産加工に必要な施設整備等の支援を行っています

② 米粉用米の生産者に対しては水田活用の直接支払交付金による支援を行っていますまたノングルテン米粉表示や米粉の用途別基準により需要者ニーズに合った高品質な米粉の製造や輸出拡大の取組を支援しています

③ 平成31年度は国内海外の需要獲得に向け引き続き魅力ある新商品開発を推進するほか日本産米粉の優位性の情報発信やノングルテン米粉の製造手法マニュアルの作成など輸出を含めた日本産米粉の需要拡大に向けた取組を支援していくこととしています

予 算 措 置

【水田活用の直接支払交付金】水田を活用して米粉用米等の作物を生産する農業者に対し交付金を直接交付 (米粉用米収量に応じ55万円~105万円10a)

【農山漁村振興交付金】米粉飼料用米の生産加工に係る施設整備に対し交付金を交付(補助率定額12)

【持続的生産強化対策事業】

日本産米粉の優位性の情報発信ノングルテン米粉の製造手法マニュアルの作成米粉用米生産者と製造事業者とのマッチング

等の取組を支援

金 融 措 置

【日本政策金融公庫による低利融資】(食品安定供給施設整備資金)

米粉製造施設米粉を原料とした食品の製造加工施設等への融資

(輸出を含めた日本産米粉の需要拡大支援事業)

(補助率定額)

【外食産業等と連携した需要拡大対策事業】

国産農林水産物食品の輸出等需要フロンティアの開拓を図るため産地と複数年契約を締結する民間企業(外食加工業者)に対し国産農林水産物を活用した新商品の開発やそれに必要な技術開発等を支援 (補助率定額12)

- 35 -

【農林水産物食品輸出促進緊急対策事業】コメ海外市場拡大戦略プロジェクトに参加する輸出産地や輸出事業者等が連携して戦略的に取り組む中国等の海外市場開拓プロモーション等を支援

(補助率定額12)

品目 現在の関税率 合意内容

小麦

枠内税率無税+マークアップ

枠外税率55円kg

現行の国家貿易制度を維持するとともに枠外税率(55円kg)を維持

既存のWTO枠に加え米国(15万(7年目以降))【不適用】カナダ(53万(同))豪州(5万(同))にSBS方式の国別枠を設定

マークアップを9年目までに45削減

大麦

枠内税率無税+マークアップ

枠外税率39円kg

現行の国家貿易制度を維持するとともに枠外税率(39円kg)を維持

既存のWTO枠に加えSBS方式のTPP枠(65万(9年目以降))を設定

マークアップを9年目までに45削減

1 TPP11協定概要(麦)(平成30年12月30日発効)

Ⅴ TPP11及び日EUEPAの協定概要(麦関係)

(参考主な麦製品)

現在の関税率合意内容

税率 枠数量

いった小麦小麦粉等

(国家貿易品目)

枠内税率125~25+マークアップ

枠外税率85~134円kg

枠内即時無税+マークアップ

(枠外税率は維持)

(発効時) (6年目)125千rarr175千

ベーカリー製品製造用

小麦粉調製品16~24

枠内即時無税(枠外税率は維持)

(発効時) (6年目)米国 105千rarr12千【不適用】米国以外 68千rarr 8千

その他小麦粉調製品

16~28枠内即時無税

(枠外税率は維持)(発効時) (6年目)15千rarr225千

マカロニスパゲティ

30円kg9年目までに60削減

ビスケット 1315 6年目に無税 -

注1)いった小麦とは小麦をいったものであり主にシリアル食品等に使用される

2)その他小麦粉調製品とは製麺まんじゅう等のベーカリー製品以外の製造用の

小麦粉調製品である

- 36 -

2 日EUEPA協定概要(麦)(平成31年2月1日発効)

品目 現在の関税率 合意内容

小麦

枠内税率無税+マークアップ

枠外税率55円kg

現行の国家貿易制度を維持するとともに枠外税率(55円kg)を維持

既存のWTO枠に加えSBS方式のEU枠(270(7年目以降))を設定

枠内のマークアップを9年目までに45削減

大麦

枠内税率無税+マークアップ

枠外税率39円kg

現行の国家貿易制度を維持するとともに枠外税率(39円kg)を維持

既存のWTO枠に加えSBS方式のEU枠(30(即時))を設定

枠内のマークアップを9年目までに45削減

(参考主な麦製品)

現在の関税率合意内容

税率 枠数量

いった小麦小麦粉等

(国家貿易品目)

枠内税率125~25+マークアップ

枠外税率85~134円kg

枠内即時無税+マークアップ

(枠外税率は維持)

(発効時) (6年目)38千rarr44千

ベーカリー製品製造用

小麦粉調製品16~24

枠内即時無税(枠外税率は維持)

(発効時) (6年目)104千rarr142千

その他小麦粉調製品

16~28枠内即時無税

(枠外税率は維持)(発効時) (6年目)

2千rarr3千

マカロニスパゲティ

30円kg 11年目に無税 -

ビスケット 1315 6年目に無税 -

注1)いった小麦とは小麦をいったものであり主にシリアル食品等に使用される

2)その他小麦粉調製品とは製麺まんじゅう等のベーカリー製品以外の製造用の

小麦粉調製品である

(参考) 麦の国境措置

小 麦 大 麦

輸入数量

価格

輸入数量

価格

政府売渡価格

マークアップ(輸入差益)

452円kgを上限

輸入価格

(枠内税率0円kg)

枠内輸入(国家貿易) 枠外輸入

(民間貿易)枠外税率を支払って輸入された数量(平成29年度)12千トン

WTOカレントアクセス数量5740千トン

枠外税率55円

政府売渡価格

輸入価格(枠内税率0円kg)

WTOカレントアクセス数量1369千トン

枠内輸入(国家貿易) 枠外輸入(民間貿易)

枠外税率を支払って輸入された数量(平成29年度)06千トン

枠外税率39円

民間貿易の場合の輸入価格

民間貿易の場合の輸入価格

286円kgを上限

マークアップ(輸入差益)

- 37 -

  • スライド番号 1
  • スライド番号 2
  • 麦の参考資料 麦の需給に関する見通し(動向編)
  • スライド番号 4
  • スライド番号 5
  • スライド番号 6
  • スライド番号 7
  • スライド番号 8
  • スライド番号 9
  • スライド番号 10
  • スライド番号 11
  • スライド番号 12
  • スライド番号 13
  • スライド番号 14
  • Ⅱ 小麦粉麦製品の生産と価格の動向
  • スライド番号 16
  • スライド番号 17
  • スライド番号 18
  • スライド番号 19
  • スライド番号 20
  • スライド番号 21
  • スライド番号 22
  • スライド番号 23
  • スライド番号 24
  • スライド番号 25
  • スライド番号 26
  • スライド番号 27
  • スライド番号 28
  • スライド番号 29
  • スライド番号 30
  • スライド番号 31
  • スライド番号 32
  • スライド番号 33
  • スライド番号 34
  • スライド番号 35
  • スライド番号 36
  • スライド番号 37
  • スライド番号 38
  • スライド番号 39
  • スライド番号 40
  • スライド番号 41
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表Ⅲ-10 国内産食糧用麦の入札結果の推移

資料一般社団法人全国米麦改良協会調べ

注1価格は税込み(26年産までは527年産以降は8)である

ただし31年産の落札価格は一般社団法人全国米麦改良協会公表の価格(税抜き)を基に農林水産省で税込み価格を算出

5 国内産食糧用麦の価格の動向

(1)平成31年産の入札の概要

平成31年産麦の入札は第1回は平成30年9月12日に第

2回は平成30年9月26日に実施されました

麦種別の入札結果をみると小麦は上場数量約21万4千

トンのうち約20万4千トンが落札(落札率954)され落

札価格は61714円トン(対前年産比1151)となりました

小粒大麦は上場数量約1万1千トンのうち約1万1千

トンが落札(落札率991)され落札価格は46560円トン

(対前年産比997)となりました

大粒大麦は上場数量約7千8百トンのうち5千6百トン

が落札(落札率717)され落札価格は46923円トン(対

前年産比879)となりました

はだか麦は上場数量約2千3百トンのうち約2千1百

トンが落札(落札率897)され落札価格は50817円トン

(対前年産比961)となりました(表Ⅲ-10)

なお国内産小麦については近年消費者の国産志向の高

まりなどを受け大手外食チェーンや2次加工メーカーが国

内産小麦を使用したパン中華麺等の商品を相次いで発表す

るなど人気が高まってきていますこれらを背景として平

成31年産小麦の落札価格は多くの銘柄で値幅制限の上限付

近となっておりまた申込倍数も14倍と高いものとなって

います

- 26 -

20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31

上場数量

(トン)①243510 243020 242310 251370 250980 244880 244320 234010 213360 221380 218500 214200

落札数量

(トン)②234930 238410 189350 247770 245320 220590 188240 192240 201140 214060 210560 204420

落札率

②①965 981 781 986 977 901 770 822 943 967 964 954

落札価格

(円トン)43229 59885 55241 48732 58340 49333 49319 49770 54164 51570 53624 61714

対前年産比 1064 1385 922 882 1197 846 1000 1009 1088 952 1040 1151

上場数量

(トン)①12240 13590 14210 13300 11760 11220 11290 11930 12210 12200 11750 11040

落札数量

(トン)②12050 13510 14040 13170 11550 10850 10900 11830 12090 12200 11440 10940

落札率

②①984 994 988 990 982 967 965 992 990 1000 974 991

落札価格

(円トン)45479 59709 53448 45871 46485 46453 46290 47595 47565 46880 46708 46560

対前年産比 1084 1313 895 858 1013 999 996 1028 999 986 996 997

上場数量

(トン)①10020 9690 10330 9290 9000 8700 7210 7620 7450 7620 6880 7810

落札数量

(トン)②8880 8920 8910 7990 7990 7830 6480 7130 6600 6700 6340 5600

落札率

②①886 921 863 860 888 900 899 936 886 879 922 717

落札価格

(円トン)36532 50492 46097 39649 40394 41582 42881 45740 47827 50442 53384 46923

対前年産比 1059 1382 913 860 1019 1029 1031 1067 1046 1055 1058 879

上場数量

(トン)①2910 3150 3030 3260 3060 2830 2840 2890 2740 2660 2570 2330

落札数量

(トン)②2910 3150 3030 3090 3020 2830 2810 2810 2520 2600 2470 2090

落札率

②①1000 1000 1000 948 987 1000 989 972 920 977 961 897

落札価格

(円トン)42222 58527 61489 52791 51905 52294 49656 47712 46547 48527 52876 50817

対前年産比 1063 1386 1051 859 983 1007 950 961 976 1043 1090 961

年産

小麦

小粒大麦(六条大麦)

大粒大麦(二条大麦)

はだか麦

平成31年産国内産食糧用小麦の入札結果をみると産地別銘柄別

の需給状況等を反映して落札価格に差が生じています

代表的な銘柄である北海道産「きたほなみ」は前年産の価格を

153上回る64752円トン香川県産「さぬきの夢2009」は前

年産の価格を152上回る73186円トンとなりましたまたパ

ン中華麺用の北海道産「ゆめちから」は前年産の価格を180

上回る62777円トン北海道産「春よ恋」は前年産の価格を

180上回る68792円トンとなりました(図Ⅲ-4図Ⅲ-5)

図Ⅲ-4 平成31年産国内産食糧用小麦の産地別銘柄別落札価格

資料農林水産省調べ注外国産小麦5銘柄加重平均価格は平成30年4月期の輸入小麦の政府売渡価格である

(2)平成31年産国内産食糧用小麦の産地別銘柄別落札価格の動向

資料農林水産省調べ注1国内産小麦の価格は(一社)全国米麦改良協会が実施する民間流通麦にかかる入札の第1回第2回

及び再入札の落札加重平均価格(税込み)年産の下段の( )内は当該第1回入札の実施年月である注2外国産小麦の価格は18年までは当該年度平均の実績価格であり19年以降は民間流通麦にかかる第

1回入札の実施年月時点での輸入小麦の政府売渡価格(5銘柄平均)である注3ホクシン(きたほなみ)については22年産までは「ホクシン」の価格であり23年産からは「きたほ

なみ」の価格である注4さぬきの夢については24年産までは「さぬきの夢2000」の価格であり25年産からは「さぬきの夢

2009」の価格である注5農林61号(さとのそら)については23年産までは「農林61号」の価格であり24年産からは「さとの

そら」の価格である

図Ⅲ-5 国内産食糧用小麦の産地別銘柄別落札価格の推移

- 27 -

(単位円トン税込み)

30000

60000

北海道ゆめちから 62777

福岡ミナミノカオリ 68393

滋賀農林61号 50763

茨城さとのそら 46310

佐賀チクゴイズミ 52193

岩手ゆきちから 39929

全銘柄落札加重平均 61714

香川さぬきの夢2009 73186

北海道きたほなみ 64752

外国産小麦5銘柄加重平均 54370

群馬さとのそら 48669

北海道キタノカオリ 63090

大分チクゴイズミ 48265

福岡シロガネコムギ 50643

佐賀シロガネコムギ 47998

40000

福岡チクゴイズミ 52203

滋賀ふくさやか 49534

岐阜イワイノダイチ 46874

埼玉さとのそら 47159

宮城シラネコムギ 44607

群馬つるぴかり 49785

北海道春よ恋 68792

愛知きぬあかり 50114

北海道はるきらり 60201

50000

埼玉あやひかり 46072

岐阜さとのそら 45919

70000

30000

40000

50000

60000

70000

80000

90000

100000

110000

120000

130000

12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 年産

(単位円トン税込み)

北海道ホクシン

香川さぬきの夢200973186円

茨城農林61号

香川さぬきの夢2000

茨城さとのそら

46310円

北海道きたほなみ

64752円

北海道ゆめちから

62777円

外国産小麦

5銘柄平均

54370円

北海道春よ恋

68792円

(128) (138) (148) (158) (168) (178)(1810) (199) (208)(2110)(2212) (239) (2410)(2510)(269)(279) (289) (299)(119) (309)

6 国内産麦の新品種の育成状況

(1)国内産麦については縞萎縮病抵抗性や耐倒伏性を備え

需要者等のニ-ズに合った新品種の開発が進められています

また作付け面積が1万haを超える「ゆめちから」「さとの

そら」をはじめ多数の品種が生産現場に導入されています

(図Ⅲ-6)

(2)今後とも赤かび病抵抗性や穂発芽耐性が高い小麦品種

小麦粉の色相や製粉性が優れる日本麺用小麦品種パンの膨

らみがカナダ産「1CW」並の小麦品種焼酎押麦味噌

などの加工適性が高い大麦品種等の開発を推進します

小麦品種「ゆめちから」及び「さとのそら」は優れた栽培特性

と加工適性を備えており作付けが拡大しています(平成29年

推定値「ゆめちから」約1万2千ha「さとのそら」約1万5

千ha)

パン用小麦品種の開発近年国産の小麦粉を使ったパンの需要増加に応えるためグルテンやでん粉の組成などパンの膨らみに関連する特性に注目した育種が進められていますその結果平成25年に製パン適性が「1CW」に近く多収の「せときらら」平成29年にはパン生地の力が強く穂発芽耐性や赤かび抵抗性が改良された「夏黄金」が育成されました

加工適性の高い大麦品種の開発機能性成分β-グルカンを多く含むもち性大麦の需要の高まりに応えるため平成29年に「はねうまもち」が育成されましたまた高品質なはだか麦の需要増加に対応して平成24年に味噌加工適性の高い「ハルヒメボシ」が育成されました

図Ⅲ-6 平成19年以降に育成された麦類の主な新品種

日本麺用小麦ゆめきらり

パン用小麦ゆめかおり福井県大3号

六条大麦ホワイトファイバー

北信越

日本麺用小麦あおばの恋

パン用小麦銀河のちから

東北

日本麺用小麦さとのそらきぬあかり

パン用小麦ゆめかおり

二条大麦とちのいぶき彩の星アスカゴールデンニューサチホゴールデン

六条大麦カシマゴール

はだか麦キラリモチ

関東東海

日本麺用小麦ふくはるかさぬきの夢2009

パン用小麦ゆめちからせときらら

はだか麦ハルヒメボシ

近畿中国四国

中華麺用小麦ちくしW2号

二条大麦煌二条白妙二条はるか二条トヨノホシ

九州

日本麺用小麦きたほなみ

中華麺用小麦つるきち

パン用小麦ゆめちからはるきらり

二条大麦札育2号

北海道

新品種のうち平成30年産で概ね100ha以上作付けされていると推定される品種を選定(農林水産省調べ)

- 28 -

7 国内産麦を利用した製品の動向

食料自給率の向上を図るためには国内産麦の需要開拓を行う

ことが必要です最近の消費者の国産志向の高まりや生産者と実

需者が一体となった地産地消の推進地域農業の振興を図る取り

組み等から国内産麦を使った麦製品(パン麺等)が増えてき

ており中には国内産麦を100使用した商品もあります(図Ⅲ-

7)

- 29 -

8 民間流通制度の運用改善

国内産麦の人気の高まりにより近年需要量が生産量を上回

る状況が継続しており国内産麦を積極的に使用したい実需者が

必要量を確保できない等の課題もあります

このような課題に対応するため民間流通連絡協議会において

入札上場比率の選択制の導入需要拡大推進枠設定の要件緩和

相対取引需要拡大推進枠において多様な取組が可能であること

の明確化等民間流通制度の運用改善が行われました(図Ⅲ-

8)

ピッツァ専用粉(北海道)(小麦)地元の製粉企業が北海道産小麦(きたほなみキタノカオリゆめち

から)を100使用した国内で初めてのピッツァ専用粉を開発平成30年2月に都内で試食会を開催し平成30年5月から販売

ピッツァ専用粉(群馬県)(小麦)地元の製粉企業が地元のピッツァ専門店ピッツァ窯メーカーと協力

して品質改良を重ね群馬県産小麦(さとのそらつるぴかりきぬの波)を100使用したピッツァ専用粉を平成30年4月から発売ピッツァイベントやイタリアン食材の展示会に出展

学校給食用パン(東京都)(小麦)都学校給食会の「学校給食パン加工規格」による配合基準に基づき国

内産小麦を100使用した学校給食パンを平成27年度から都内の一部の小中学校で提供を開始平成28年度からは都内全域の規格として採用

〇 市販用中華麺(愛知県)(小麦)地元の製粉企業が自社製品として愛知県産小麦きぬあかりを100使用

した中華麺を平成30年6月から自社通販で販売平成30年8月から一般販売を開始

フランスパン用粉(佐賀県)(小麦)近県製粉企業が農研機構と共同で育成した九州地域等の暖地温暖地

向けのフランスパン加工適性に優れる準強力小麦品種「さちかおり」を100使用したフランスパン用粉を平成30年8月から発売

市販用ゆで麺(長崎県)(小麦)地元の製麺企業近県製粉企業県生麺協同組合JA県等が連携し

平成26年3月に「長崎県育成麦活用開発協議会」を立ち上げ長崎県産長崎W2号(商標登録名長崎ちゃん麦)を100使用したちゃんぽん用のゆで麺を平成29年4月に製品化原料小麦の生産量が整った段階での本格販売を予定

もち性大麦を使用した機能性表示食品(静岡県)(大麦)地元の精麦企業が国内産もち性大麦でβ-グルカン量の多い銘柄を使用し

炊飯用精麦を製品化機能性表示食品として平成29年1月に届出し十分な原料を手当でき次第随時販売予定

〇 もち性大麦を使用したシリアル(愛知県)(大麦)地元の精麦企業が食物繊維が20を超える愛知県産もち性大麦「ワキ

シーファイバー」を使用した国内産もち麦100シリアルを開発平成30年4月から販売開始

図Ⅲ-7 国内産麦を100使用した商品事例

図Ⅲ-8 民間流通制度の運用改善のポイント

0

50

100

150

200

250

300

350

400円千人

大手製パンメーカーA社が国内産小麦100使用の新製品を発売

大手製食品スーパーB社が国内産小麦100使用の新製品をPBで発売

大手製パンメーカーA社が国内産小麦100使用の製品を初めて発売

(参考)国内産小麦を利用した製品の販売状況

(1)国内産小麦100使用の食パンの販売額

大きなシェアを占めるにはいたっていないものの国内産

小麦を100使用した食パンの販売金額の推移を見ると新製

品が登場する度に国内産小麦100使用の食パン市場が拡大し

ています(図Ⅲ-9)

図Ⅲ-9 国内産小麦100使用の食パンの販売額の推移(首都圏)

資料日本経済新聞デジタルメディア社による首都圏のスーパーマーケットなど100店舗におけるPOSデータに基づき農林水産政策研究所において集計

注食パンのうち国内産小麦を100使用していることが明らかな製品のみ計上菓子パン等は含んでいない

表Ⅲ-11 生麺ゆで麺(チルド)の販売金額のシェア(首都圏平成30年)

資料日本経済新聞デジタルメディア社による首都圏のスーパーマーケットなど120店舗におけるPOSデータに基づき農林水産政策研究所において集計

(2)生麺ゆで麺(チルド)の販売金額

生麺ゆで麺全体で上位15製品の売上高に占める国内産

小麦使用表示のある製品のシェアは30となっていますま

た主要な麺製品のうどんラーメン冷やし中華焼そば

全てで国内産小麦使用製品がランクインしています(表Ⅲ

-11)

2013年 2014年 2015年 2016年 2017年 2018年 2019年

                      (単位)

製品の種類製造企業の規模産地表示販売金額シェア

焼そば大手製品(国内産小麦使用表示なし) 99そば大手製品(国内産小麦使用表示なし) 27冷やしラーメン大手製品(国内産小麦使用表示なし) 20うどん大手製品(北海道産小麦使用表示あり) 20ラーメン大手製品(北海道産小麦使用表示あり) 14冷やし中華大手製品(国内産小麦使用表示なし) 14うどん大手製品(国内産小麦使用表示あり) 13焼そば大手製品(国内産小麦使用表示なし) 12焼うどん大手製品(国内産小麦使用表示なし) 12うどん大手製品(国内産小麦使用表示あり) 11焼そば大手製品(国内産小麦使用表示あり) 11そうめん大手製品(国内産小麦使用表示あり) 10うどんPB製品(北海道産小麦使用表示あり) 10つけ麺大手製品(国内産小麦使用表示なし) 10冷麺中小製品(国内産小麦使用表示なし) 10

303

14

89

15上位15製品の売上高に占める国内産小麦使用表示のある製品の

シェア

順位

1

10111213

234567

- 30 -

図Ⅲ-10 外食産業等と連携した農産物の需要拡大対策事業(麦類)

9 国内産麦の需要拡大イベント及び情報発信の取組

近年生産者と実需者等が連携し国内産麦を使用した製品が

数多く開発販売されており各地でイベント等の需要拡大の

取組みが行われております

また農林水産省としては平成30年度産地と外食事業者等

が連携して行う国内産麦を活用した新商品の開発試作製

造するために必要な取組を支援する「外食産業等と連携した農

産物の需要拡大対策事業」を一般社団法人全国米麦改良協会を

実施主体として行っているところです

農林水産省のホームページにおいてこれらのイベント等につい

て情報発信を行うとともに一般社団法人全国米麦改良協会が

開設している国産麦応援情報ホームページでの情報提供等を

行っています(図Ⅲ-10~12)

「国内産麦使用試作品全国統一試食会商談会」開催日平成31年2月12日~19日(土日を除く)場 所むぎくらべ(東京都千代田区神田小川町)

内 容平成29年度補正予算事業「外食産業等と連携した農産物の需要拡大対策事業」の一環として行われた国内産麦を使用した試作品の試食会商談会

「国内産麦使用試作品全国統一試食会商談会」で出品された試作品

- 31 -

第8回全国ご当地うどんサミットin 熊谷 開催日平成30年11月10日~11日 場 所熊谷スポーツ文化公園にぎわい広

場(埼玉県) 内 容全国の国内産小麦を使用した「ご

当地うどん」が一堂に集まりグランプリを決定

図Ⅲ-11 全国各地で開催されたイベント 図Ⅲ-12 一般社団法人 全国米麦改良協会の取組

国産麦応援情報ホームページ「日本の麦の底力」内容国産小麦粉ブランド名鑑国産小麦の逸品イベント情報研究

情報等を掲載URL httpnihonnomugicom

北海道小麦キャンプ2018 in オホーツク 開催日平成30年7月10日~11日 場 所ホテル黒部を主会場としたオホーツ

ク管内(北海道) 内 容国内産小麦北海道産小麦の魅力

を全国に広めることを目的にバスツアーやパン講習会などを実施

麦わらぼうしフェスタ 開催日平成30年11月4日 場 所笠原産業株式会社(栃木県) 内 容国内産小麦を使用したうどんパン

などの試食販売うどん教室などを実施

第7回 信州粉もん祭り 開催日平成30年11月11日 場 所JAながの ちくま埴生支所(長野県) 内 容長野県産小麦を使用した「粉もん料

理」が大集合粉もん試食会や手打ちうどん講習会 などを実施

国内産麦アンテナショップ「むぎくらべ」内容国内産麦を使用した商品のPRと販売の場を提供するものとして

平成30年7月東京都千代田区にオープン

- 32 -

オープニングセレモニーには上月前農林水産大臣政務官(写真中央)も出席

10 食料農業農村基本計画における麦の位置付け

平成27年3月31日に平成37年度を目標とする「食料農業

農村基本計画」が閣議決定され小麦は95万トン大麦はだ

か麦は22万トンの生産努力目標が設定されています(表Ⅲ-

12)

食料消費の見通し 生産努力目標(万トン) 克服すべき課題

1人1年当たり消費量

(kg人年)

国内消費仕向量

(万トン)

平成25年度

平成37年度

平成25年度

平成37年度

平成25年度

平成37年度

小麦 33 32 699 611 81 95

国内産小麦の需要拡大に向けた産地形成やブランド化

実需者ニーズに対応した生産流通体制の確立

新品種新技術の開発導入輪作体系の最適化排水対策等による収量品質の高位安定化

農地の集積集約化経営規模の拡大に対応した省力化に資する技術の開発導入等による生産コストの低減

大麦はだか麦

03 02 208 213 18 22

外国産大麦が多く用いられている焼酎用等の国内産麦の需要拡大

実需者ニーズに対応した生産流通体制の確立

新品種新技術の開発導入輪作体系の最適化排水対策等による収量品質の高位安定化

農地の集積集約化経営規模の拡大に対応した省力化に資する技術の開発導入等による生産コストの低減

表Ⅲ-12 麦の平成37年度における食料消費の見通し及び生産努力目標

資料「食料農業農村基本計画」(平成27年3月閣議決定)注1)国内消費仕向量には飼料用等の食糧用以外の用途への仕向量を含む

2)大麦はだか麦の国内消費仕向量及び生産努力目標にはビール大麦を含む

- 33 -

Ⅳ 米粉に関する動向

1 生産動向

米粉用米の生産量は平成25年産以降2万トン前後で推移していましたが平成29年度以降は約3万トンまで回復しています(表Ⅳ-1)

2 需要拡大に向けた対応

米粉用米の利用量は平成24年度以降年間2万数千トンで推移していましたがグルテンを使用しない米粉商品の開発や新たな米加工品(α化米粉米ゲルなど)の保湿性や粘性に着目した商品の開発「米粉の用途別基準」や「ノングルテン米粉製品第三者認証制度」の運用開始により平成29年度は25千トン30年度は31千トンに増加しています(表Ⅳ-2)

今後の更なる国内海外の需要拡大のためノングルテン米粉や用途別基準に適合する高品質な日本産米粉の流通を契機とした魅力ある新商品の開発や日本産米粉の優位性の情報発信等を推進する必要があります

表Ⅳ-1 上位5県の米粉用米の生産量と作付面積の推移

(参考) 米粉及び小麦粉の販売価格(税抜き)

米粉100~290円kg程度

(小麦粉 100円kg程度)

注1)平成26~29年度については新規需要米取組計画を認定した全需要者からの聞き取り注2)平成30年度については新規需要米取組計画を認定した主要な需要者からの聞き取り

により推計

表Ⅳ-2 米粉用米の利用量(需要者からの聞き取り)

- 34 -

資料26~29年産は新規需要米生産集出荷数量30年産は新規需要米取組計画

認定数量(農林水産省)

(単位千トン)

26年度 27年度 28年度 29年度 30年度見込

22 23 23 25 31

(単位千トン千ha)

26年産 27年産 28年産 29年産 30年産

生産量 59 97 87 130 107作付面積 11 18 15 24 19生産量 10 10 09 30 31作付面積 02 02 02 06 06生産量 08 10 00 19 30作付面積 01 02 00 03 06生産量 10 12 12 12 16作付面積 02 03 02 02 03生産量 20 24 07 12 13作付面積 03 04 01 02 02生産量 184 230 190 284 281作付面積 34 42 34 53 53

秋田県

全国計

新潟県

埼玉県

栃木県

群馬県

農林水産大臣は米穀の新用途への利用の促進に関する基本方針を定める

生産製造連携事業計画

生産者 製造事業者 促進事業者

必須

米穀の新用途への利用の促進に関する法律

米穀の新用途への利用の促進に関する基本方針

関係者が連携して計画を作成米穀の新用途への利用の促進に関する基本方針に照らし適切な計画について農林水産大臣が認定(計画期間は3~5年)

図Ⅳ 米粉用米に対する支援措置

3 米粉用米に対する支援

① 米粉用米についてはその利用の拡大を図るために平成21年に「米穀の新用途への利用の促進に関する法律」が制定されました同法に基づく「生産製造連携事業計画」の認定を受け「農山漁村

活性化計画」の採択を受けた取組に対して米粉用米の生産加工に必要な施設整備等の支援を行っています

② 米粉用米の生産者に対しては水田活用の直接支払交付金による支援を行っていますまたノングルテン米粉表示や米粉の用途別基準により需要者ニーズに合った高品質な米粉の製造や輸出拡大の取組を支援しています

③ 平成31年度は国内海外の需要獲得に向け引き続き魅力ある新商品開発を推進するほか日本産米粉の優位性の情報発信やノングルテン米粉の製造手法マニュアルの作成など輸出を含めた日本産米粉の需要拡大に向けた取組を支援していくこととしています

予 算 措 置

【水田活用の直接支払交付金】水田を活用して米粉用米等の作物を生産する農業者に対し交付金を直接交付 (米粉用米収量に応じ55万円~105万円10a)

【農山漁村振興交付金】米粉飼料用米の生産加工に係る施設整備に対し交付金を交付(補助率定額12)

【持続的生産強化対策事業】

日本産米粉の優位性の情報発信ノングルテン米粉の製造手法マニュアルの作成米粉用米生産者と製造事業者とのマッチング

等の取組を支援

金 融 措 置

【日本政策金融公庫による低利融資】(食品安定供給施設整備資金)

米粉製造施設米粉を原料とした食品の製造加工施設等への融資

(輸出を含めた日本産米粉の需要拡大支援事業)

(補助率定額)

【外食産業等と連携した需要拡大対策事業】

国産農林水産物食品の輸出等需要フロンティアの開拓を図るため産地と複数年契約を締結する民間企業(外食加工業者)に対し国産農林水産物を活用した新商品の開発やそれに必要な技術開発等を支援 (補助率定額12)

- 35 -

【農林水産物食品輸出促進緊急対策事業】コメ海外市場拡大戦略プロジェクトに参加する輸出産地や輸出事業者等が連携して戦略的に取り組む中国等の海外市場開拓プロモーション等を支援

(補助率定額12)

品目 現在の関税率 合意内容

小麦

枠内税率無税+マークアップ

枠外税率55円kg

現行の国家貿易制度を維持するとともに枠外税率(55円kg)を維持

既存のWTO枠に加え米国(15万(7年目以降))【不適用】カナダ(53万(同))豪州(5万(同))にSBS方式の国別枠を設定

マークアップを9年目までに45削減

大麦

枠内税率無税+マークアップ

枠外税率39円kg

現行の国家貿易制度を維持するとともに枠外税率(39円kg)を維持

既存のWTO枠に加えSBS方式のTPP枠(65万(9年目以降))を設定

マークアップを9年目までに45削減

1 TPP11協定概要(麦)(平成30年12月30日発効)

Ⅴ TPP11及び日EUEPAの協定概要(麦関係)

(参考主な麦製品)

現在の関税率合意内容

税率 枠数量

いった小麦小麦粉等

(国家貿易品目)

枠内税率125~25+マークアップ

枠外税率85~134円kg

枠内即時無税+マークアップ

(枠外税率は維持)

(発効時) (6年目)125千rarr175千

ベーカリー製品製造用

小麦粉調製品16~24

枠内即時無税(枠外税率は維持)

(発効時) (6年目)米国 105千rarr12千【不適用】米国以外 68千rarr 8千

その他小麦粉調製品

16~28枠内即時無税

(枠外税率は維持)(発効時) (6年目)15千rarr225千

マカロニスパゲティ

30円kg9年目までに60削減

ビスケット 1315 6年目に無税 -

注1)いった小麦とは小麦をいったものであり主にシリアル食品等に使用される

2)その他小麦粉調製品とは製麺まんじゅう等のベーカリー製品以外の製造用の

小麦粉調製品である

- 36 -

2 日EUEPA協定概要(麦)(平成31年2月1日発効)

品目 現在の関税率 合意内容

小麦

枠内税率無税+マークアップ

枠外税率55円kg

現行の国家貿易制度を維持するとともに枠外税率(55円kg)を維持

既存のWTO枠に加えSBS方式のEU枠(270(7年目以降))を設定

枠内のマークアップを9年目までに45削減

大麦

枠内税率無税+マークアップ

枠外税率39円kg

現行の国家貿易制度を維持するとともに枠外税率(39円kg)を維持

既存のWTO枠に加えSBS方式のEU枠(30(即時))を設定

枠内のマークアップを9年目までに45削減

(参考主な麦製品)

現在の関税率合意内容

税率 枠数量

いった小麦小麦粉等

(国家貿易品目)

枠内税率125~25+マークアップ

枠外税率85~134円kg

枠内即時無税+マークアップ

(枠外税率は維持)

(発効時) (6年目)38千rarr44千

ベーカリー製品製造用

小麦粉調製品16~24

枠内即時無税(枠外税率は維持)

(発効時) (6年目)104千rarr142千

その他小麦粉調製品

16~28枠内即時無税

(枠外税率は維持)(発効時) (6年目)

2千rarr3千

マカロニスパゲティ

30円kg 11年目に無税 -

ビスケット 1315 6年目に無税 -

注1)いった小麦とは小麦をいったものであり主にシリアル食品等に使用される

2)その他小麦粉調製品とは製麺まんじゅう等のベーカリー製品以外の製造用の

小麦粉調製品である

(参考) 麦の国境措置

小 麦 大 麦

輸入数量

価格

輸入数量

価格

政府売渡価格

マークアップ(輸入差益)

452円kgを上限

輸入価格

(枠内税率0円kg)

枠内輸入(国家貿易) 枠外輸入

(民間貿易)枠外税率を支払って輸入された数量(平成29年度)12千トン

WTOカレントアクセス数量5740千トン

枠外税率55円

政府売渡価格

輸入価格(枠内税率0円kg)

WTOカレントアクセス数量1369千トン

枠内輸入(国家貿易) 枠外輸入(民間貿易)

枠外税率を支払って輸入された数量(平成29年度)06千トン

枠外税率39円

民間貿易の場合の輸入価格

民間貿易の場合の輸入価格

286円kgを上限

マークアップ(輸入差益)

- 37 -

  • スライド番号 1
  • スライド番号 2
  • 麦の参考資料 麦の需給に関する見通し(動向編)
  • スライド番号 4
  • スライド番号 5
  • スライド番号 6
  • スライド番号 7
  • スライド番号 8
  • スライド番号 9
  • スライド番号 10
  • スライド番号 11
  • スライド番号 12
  • スライド番号 13
  • スライド番号 14
  • Ⅱ 小麦粉麦製品の生産と価格の動向
  • スライド番号 16
  • スライド番号 17
  • スライド番号 18
  • スライド番号 19
  • スライド番号 20
  • スライド番号 21
  • スライド番号 22
  • スライド番号 23
  • スライド番号 24
  • スライド番号 25
  • スライド番号 26
  • スライド番号 27
  • スライド番号 28
  • スライド番号 29
  • スライド番号 30
  • スライド番号 31
  • スライド番号 32
  • スライド番号 33
  • スライド番号 34
  • スライド番号 35
  • スライド番号 36
  • スライド番号 37
  • スライド番号 38
  • スライド番号 39
  • スライド番号 40
  • スライド番号 41
Page 35: 麦の参考資料 - maff.go.jp · 2020-03-31 · 2014/15 2015/16 2016/17 2017/18 2018/19 (平成26年) (平成27年) (平成28年)(平成29年)(平成30年) 見込

平成31年産国内産食糧用小麦の入札結果をみると産地別銘柄別

の需給状況等を反映して落札価格に差が生じています

代表的な銘柄である北海道産「きたほなみ」は前年産の価格を

153上回る64752円トン香川県産「さぬきの夢2009」は前

年産の価格を152上回る73186円トンとなりましたまたパ

ン中華麺用の北海道産「ゆめちから」は前年産の価格を180

上回る62777円トン北海道産「春よ恋」は前年産の価格を

180上回る68792円トンとなりました(図Ⅲ-4図Ⅲ-5)

図Ⅲ-4 平成31年産国内産食糧用小麦の産地別銘柄別落札価格

資料農林水産省調べ注外国産小麦5銘柄加重平均価格は平成30年4月期の輸入小麦の政府売渡価格である

(2)平成31年産国内産食糧用小麦の産地別銘柄別落札価格の動向

資料農林水産省調べ注1国内産小麦の価格は(一社)全国米麦改良協会が実施する民間流通麦にかかる入札の第1回第2回

及び再入札の落札加重平均価格(税込み)年産の下段の( )内は当該第1回入札の実施年月である注2外国産小麦の価格は18年までは当該年度平均の実績価格であり19年以降は民間流通麦にかかる第

1回入札の実施年月時点での輸入小麦の政府売渡価格(5銘柄平均)である注3ホクシン(きたほなみ)については22年産までは「ホクシン」の価格であり23年産からは「きたほ

なみ」の価格である注4さぬきの夢については24年産までは「さぬきの夢2000」の価格であり25年産からは「さぬきの夢

2009」の価格である注5農林61号(さとのそら)については23年産までは「農林61号」の価格であり24年産からは「さとの

そら」の価格である

図Ⅲ-5 国内産食糧用小麦の産地別銘柄別落札価格の推移

- 27 -

(単位円トン税込み)

30000

60000

北海道ゆめちから 62777

福岡ミナミノカオリ 68393

滋賀農林61号 50763

茨城さとのそら 46310

佐賀チクゴイズミ 52193

岩手ゆきちから 39929

全銘柄落札加重平均 61714

香川さぬきの夢2009 73186

北海道きたほなみ 64752

外国産小麦5銘柄加重平均 54370

群馬さとのそら 48669

北海道キタノカオリ 63090

大分チクゴイズミ 48265

福岡シロガネコムギ 50643

佐賀シロガネコムギ 47998

40000

福岡チクゴイズミ 52203

滋賀ふくさやか 49534

岐阜イワイノダイチ 46874

埼玉さとのそら 47159

宮城シラネコムギ 44607

群馬つるぴかり 49785

北海道春よ恋 68792

愛知きぬあかり 50114

北海道はるきらり 60201

50000

埼玉あやひかり 46072

岐阜さとのそら 45919

70000

30000

40000

50000

60000

70000

80000

90000

100000

110000

120000

130000

12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 年産

(単位円トン税込み)

北海道ホクシン

香川さぬきの夢200973186円

茨城農林61号

香川さぬきの夢2000

茨城さとのそら

46310円

北海道きたほなみ

64752円

北海道ゆめちから

62777円

外国産小麦

5銘柄平均

54370円

北海道春よ恋

68792円

(128) (138) (148) (158) (168) (178)(1810) (199) (208)(2110)(2212) (239) (2410)(2510)(269)(279) (289) (299)(119) (309)

6 国内産麦の新品種の育成状況

(1)国内産麦については縞萎縮病抵抗性や耐倒伏性を備え

需要者等のニ-ズに合った新品種の開発が進められています

また作付け面積が1万haを超える「ゆめちから」「さとの

そら」をはじめ多数の品種が生産現場に導入されています

(図Ⅲ-6)

(2)今後とも赤かび病抵抗性や穂発芽耐性が高い小麦品種

小麦粉の色相や製粉性が優れる日本麺用小麦品種パンの膨

らみがカナダ産「1CW」並の小麦品種焼酎押麦味噌

などの加工適性が高い大麦品種等の開発を推進します

小麦品種「ゆめちから」及び「さとのそら」は優れた栽培特性

と加工適性を備えており作付けが拡大しています(平成29年

推定値「ゆめちから」約1万2千ha「さとのそら」約1万5

千ha)

パン用小麦品種の開発近年国産の小麦粉を使ったパンの需要増加に応えるためグルテンやでん粉の組成などパンの膨らみに関連する特性に注目した育種が進められていますその結果平成25年に製パン適性が「1CW」に近く多収の「せときらら」平成29年にはパン生地の力が強く穂発芽耐性や赤かび抵抗性が改良された「夏黄金」が育成されました

加工適性の高い大麦品種の開発機能性成分β-グルカンを多く含むもち性大麦の需要の高まりに応えるため平成29年に「はねうまもち」が育成されましたまた高品質なはだか麦の需要増加に対応して平成24年に味噌加工適性の高い「ハルヒメボシ」が育成されました

図Ⅲ-6 平成19年以降に育成された麦類の主な新品種

日本麺用小麦ゆめきらり

パン用小麦ゆめかおり福井県大3号

六条大麦ホワイトファイバー

北信越

日本麺用小麦あおばの恋

パン用小麦銀河のちから

東北

日本麺用小麦さとのそらきぬあかり

パン用小麦ゆめかおり

二条大麦とちのいぶき彩の星アスカゴールデンニューサチホゴールデン

六条大麦カシマゴール

はだか麦キラリモチ

関東東海

日本麺用小麦ふくはるかさぬきの夢2009

パン用小麦ゆめちからせときらら

はだか麦ハルヒメボシ

近畿中国四国

中華麺用小麦ちくしW2号

二条大麦煌二条白妙二条はるか二条トヨノホシ

九州

日本麺用小麦きたほなみ

中華麺用小麦つるきち

パン用小麦ゆめちからはるきらり

二条大麦札育2号

北海道

新品種のうち平成30年産で概ね100ha以上作付けされていると推定される品種を選定(農林水産省調べ)

- 28 -

7 国内産麦を利用した製品の動向

食料自給率の向上を図るためには国内産麦の需要開拓を行う

ことが必要です最近の消費者の国産志向の高まりや生産者と実

需者が一体となった地産地消の推進地域農業の振興を図る取り

組み等から国内産麦を使った麦製品(パン麺等)が増えてき

ており中には国内産麦を100使用した商品もあります(図Ⅲ-

7)

- 29 -

8 民間流通制度の運用改善

国内産麦の人気の高まりにより近年需要量が生産量を上回

る状況が継続しており国内産麦を積極的に使用したい実需者が

必要量を確保できない等の課題もあります

このような課題に対応するため民間流通連絡協議会において

入札上場比率の選択制の導入需要拡大推進枠設定の要件緩和

相対取引需要拡大推進枠において多様な取組が可能であること

の明確化等民間流通制度の運用改善が行われました(図Ⅲ-

8)

ピッツァ専用粉(北海道)(小麦)地元の製粉企業が北海道産小麦(きたほなみキタノカオリゆめち

から)を100使用した国内で初めてのピッツァ専用粉を開発平成30年2月に都内で試食会を開催し平成30年5月から販売

ピッツァ専用粉(群馬県)(小麦)地元の製粉企業が地元のピッツァ専門店ピッツァ窯メーカーと協力

して品質改良を重ね群馬県産小麦(さとのそらつるぴかりきぬの波)を100使用したピッツァ専用粉を平成30年4月から発売ピッツァイベントやイタリアン食材の展示会に出展

学校給食用パン(東京都)(小麦)都学校給食会の「学校給食パン加工規格」による配合基準に基づき国

内産小麦を100使用した学校給食パンを平成27年度から都内の一部の小中学校で提供を開始平成28年度からは都内全域の規格として採用

〇 市販用中華麺(愛知県)(小麦)地元の製粉企業が自社製品として愛知県産小麦きぬあかりを100使用

した中華麺を平成30年6月から自社通販で販売平成30年8月から一般販売を開始

フランスパン用粉(佐賀県)(小麦)近県製粉企業が農研機構と共同で育成した九州地域等の暖地温暖地

向けのフランスパン加工適性に優れる準強力小麦品種「さちかおり」を100使用したフランスパン用粉を平成30年8月から発売

市販用ゆで麺(長崎県)(小麦)地元の製麺企業近県製粉企業県生麺協同組合JA県等が連携し

平成26年3月に「長崎県育成麦活用開発協議会」を立ち上げ長崎県産長崎W2号(商標登録名長崎ちゃん麦)を100使用したちゃんぽん用のゆで麺を平成29年4月に製品化原料小麦の生産量が整った段階での本格販売を予定

もち性大麦を使用した機能性表示食品(静岡県)(大麦)地元の精麦企業が国内産もち性大麦でβ-グルカン量の多い銘柄を使用し

炊飯用精麦を製品化機能性表示食品として平成29年1月に届出し十分な原料を手当でき次第随時販売予定

〇 もち性大麦を使用したシリアル(愛知県)(大麦)地元の精麦企業が食物繊維が20を超える愛知県産もち性大麦「ワキ

シーファイバー」を使用した国内産もち麦100シリアルを開発平成30年4月から販売開始

図Ⅲ-7 国内産麦を100使用した商品事例

図Ⅲ-8 民間流通制度の運用改善のポイント

0

50

100

150

200

250

300

350

400円千人

大手製パンメーカーA社が国内産小麦100使用の新製品を発売

大手製食品スーパーB社が国内産小麦100使用の新製品をPBで発売

大手製パンメーカーA社が国内産小麦100使用の製品を初めて発売

(参考)国内産小麦を利用した製品の販売状況

(1)国内産小麦100使用の食パンの販売額

大きなシェアを占めるにはいたっていないものの国内産

小麦を100使用した食パンの販売金額の推移を見ると新製

品が登場する度に国内産小麦100使用の食パン市場が拡大し

ています(図Ⅲ-9)

図Ⅲ-9 国内産小麦100使用の食パンの販売額の推移(首都圏)

資料日本経済新聞デジタルメディア社による首都圏のスーパーマーケットなど100店舗におけるPOSデータに基づき農林水産政策研究所において集計

注食パンのうち国内産小麦を100使用していることが明らかな製品のみ計上菓子パン等は含んでいない

表Ⅲ-11 生麺ゆで麺(チルド)の販売金額のシェア(首都圏平成30年)

資料日本経済新聞デジタルメディア社による首都圏のスーパーマーケットなど120店舗におけるPOSデータに基づき農林水産政策研究所において集計

(2)生麺ゆで麺(チルド)の販売金額

生麺ゆで麺全体で上位15製品の売上高に占める国内産

小麦使用表示のある製品のシェアは30となっていますま

た主要な麺製品のうどんラーメン冷やし中華焼そば

全てで国内産小麦使用製品がランクインしています(表Ⅲ

-11)

2013年 2014年 2015年 2016年 2017年 2018年 2019年

                      (単位)

製品の種類製造企業の規模産地表示販売金額シェア

焼そば大手製品(国内産小麦使用表示なし) 99そば大手製品(国内産小麦使用表示なし) 27冷やしラーメン大手製品(国内産小麦使用表示なし) 20うどん大手製品(北海道産小麦使用表示あり) 20ラーメン大手製品(北海道産小麦使用表示あり) 14冷やし中華大手製品(国内産小麦使用表示なし) 14うどん大手製品(国内産小麦使用表示あり) 13焼そば大手製品(国内産小麦使用表示なし) 12焼うどん大手製品(国内産小麦使用表示なし) 12うどん大手製品(国内産小麦使用表示あり) 11焼そば大手製品(国内産小麦使用表示あり) 11そうめん大手製品(国内産小麦使用表示あり) 10うどんPB製品(北海道産小麦使用表示あり) 10つけ麺大手製品(国内産小麦使用表示なし) 10冷麺中小製品(国内産小麦使用表示なし) 10

303

14

89

15上位15製品の売上高に占める国内産小麦使用表示のある製品の

シェア

順位

1

10111213

234567

- 30 -

図Ⅲ-10 外食産業等と連携した農産物の需要拡大対策事業(麦類)

9 国内産麦の需要拡大イベント及び情報発信の取組

近年生産者と実需者等が連携し国内産麦を使用した製品が

数多く開発販売されており各地でイベント等の需要拡大の

取組みが行われております

また農林水産省としては平成30年度産地と外食事業者等

が連携して行う国内産麦を活用した新商品の開発試作製

造するために必要な取組を支援する「外食産業等と連携した農

産物の需要拡大対策事業」を一般社団法人全国米麦改良協会を

実施主体として行っているところです

農林水産省のホームページにおいてこれらのイベント等につい

て情報発信を行うとともに一般社団法人全国米麦改良協会が

開設している国産麦応援情報ホームページでの情報提供等を

行っています(図Ⅲ-10~12)

「国内産麦使用試作品全国統一試食会商談会」開催日平成31年2月12日~19日(土日を除く)場 所むぎくらべ(東京都千代田区神田小川町)

内 容平成29年度補正予算事業「外食産業等と連携した農産物の需要拡大対策事業」の一環として行われた国内産麦を使用した試作品の試食会商談会

「国内産麦使用試作品全国統一試食会商談会」で出品された試作品

- 31 -

第8回全国ご当地うどんサミットin 熊谷 開催日平成30年11月10日~11日 場 所熊谷スポーツ文化公園にぎわい広

場(埼玉県) 内 容全国の国内産小麦を使用した「ご

当地うどん」が一堂に集まりグランプリを決定

図Ⅲ-11 全国各地で開催されたイベント 図Ⅲ-12 一般社団法人 全国米麦改良協会の取組

国産麦応援情報ホームページ「日本の麦の底力」内容国産小麦粉ブランド名鑑国産小麦の逸品イベント情報研究

情報等を掲載URL httpnihonnomugicom

北海道小麦キャンプ2018 in オホーツク 開催日平成30年7月10日~11日 場 所ホテル黒部を主会場としたオホーツ

ク管内(北海道) 内 容国内産小麦北海道産小麦の魅力

を全国に広めることを目的にバスツアーやパン講習会などを実施

麦わらぼうしフェスタ 開催日平成30年11月4日 場 所笠原産業株式会社(栃木県) 内 容国内産小麦を使用したうどんパン

などの試食販売うどん教室などを実施

第7回 信州粉もん祭り 開催日平成30年11月11日 場 所JAながの ちくま埴生支所(長野県) 内 容長野県産小麦を使用した「粉もん料

理」が大集合粉もん試食会や手打ちうどん講習会 などを実施

国内産麦アンテナショップ「むぎくらべ」内容国内産麦を使用した商品のPRと販売の場を提供するものとして

平成30年7月東京都千代田区にオープン

- 32 -

オープニングセレモニーには上月前農林水産大臣政務官(写真中央)も出席

10 食料農業農村基本計画における麦の位置付け

平成27年3月31日に平成37年度を目標とする「食料農業

農村基本計画」が閣議決定され小麦は95万トン大麦はだ

か麦は22万トンの生産努力目標が設定されています(表Ⅲ-

12)

食料消費の見通し 生産努力目標(万トン) 克服すべき課題

1人1年当たり消費量

(kg人年)

国内消費仕向量

(万トン)

平成25年度

平成37年度

平成25年度

平成37年度

平成25年度

平成37年度

小麦 33 32 699 611 81 95

国内産小麦の需要拡大に向けた産地形成やブランド化

実需者ニーズに対応した生産流通体制の確立

新品種新技術の開発導入輪作体系の最適化排水対策等による収量品質の高位安定化

農地の集積集約化経営規模の拡大に対応した省力化に資する技術の開発導入等による生産コストの低減

大麦はだか麦

03 02 208 213 18 22

外国産大麦が多く用いられている焼酎用等の国内産麦の需要拡大

実需者ニーズに対応した生産流通体制の確立

新品種新技術の開発導入輪作体系の最適化排水対策等による収量品質の高位安定化

農地の集積集約化経営規模の拡大に対応した省力化に資する技術の開発導入等による生産コストの低減

表Ⅲ-12 麦の平成37年度における食料消費の見通し及び生産努力目標

資料「食料農業農村基本計画」(平成27年3月閣議決定)注1)国内消費仕向量には飼料用等の食糧用以外の用途への仕向量を含む

2)大麦はだか麦の国内消費仕向量及び生産努力目標にはビール大麦を含む

- 33 -

Ⅳ 米粉に関する動向

1 生産動向

米粉用米の生産量は平成25年産以降2万トン前後で推移していましたが平成29年度以降は約3万トンまで回復しています(表Ⅳ-1)

2 需要拡大に向けた対応

米粉用米の利用量は平成24年度以降年間2万数千トンで推移していましたがグルテンを使用しない米粉商品の開発や新たな米加工品(α化米粉米ゲルなど)の保湿性や粘性に着目した商品の開発「米粉の用途別基準」や「ノングルテン米粉製品第三者認証制度」の運用開始により平成29年度は25千トン30年度は31千トンに増加しています(表Ⅳ-2)

今後の更なる国内海外の需要拡大のためノングルテン米粉や用途別基準に適合する高品質な日本産米粉の流通を契機とした魅力ある新商品の開発や日本産米粉の優位性の情報発信等を推進する必要があります

表Ⅳ-1 上位5県の米粉用米の生産量と作付面積の推移

(参考) 米粉及び小麦粉の販売価格(税抜き)

米粉100~290円kg程度

(小麦粉 100円kg程度)

注1)平成26~29年度については新規需要米取組計画を認定した全需要者からの聞き取り注2)平成30年度については新規需要米取組計画を認定した主要な需要者からの聞き取り

により推計

表Ⅳ-2 米粉用米の利用量(需要者からの聞き取り)

- 34 -

資料26~29年産は新規需要米生産集出荷数量30年産は新規需要米取組計画

認定数量(農林水産省)

(単位千トン)

26年度 27年度 28年度 29年度 30年度見込

22 23 23 25 31

(単位千トン千ha)

26年産 27年産 28年産 29年産 30年産

生産量 59 97 87 130 107作付面積 11 18 15 24 19生産量 10 10 09 30 31作付面積 02 02 02 06 06生産量 08 10 00 19 30作付面積 01 02 00 03 06生産量 10 12 12 12 16作付面積 02 03 02 02 03生産量 20 24 07 12 13作付面積 03 04 01 02 02生産量 184 230 190 284 281作付面積 34 42 34 53 53

秋田県

全国計

新潟県

埼玉県

栃木県

群馬県

農林水産大臣は米穀の新用途への利用の促進に関する基本方針を定める

生産製造連携事業計画

生産者 製造事業者 促進事業者

必須

米穀の新用途への利用の促進に関する法律

米穀の新用途への利用の促進に関する基本方針

関係者が連携して計画を作成米穀の新用途への利用の促進に関する基本方針に照らし適切な計画について農林水産大臣が認定(計画期間は3~5年)

図Ⅳ 米粉用米に対する支援措置

3 米粉用米に対する支援

① 米粉用米についてはその利用の拡大を図るために平成21年に「米穀の新用途への利用の促進に関する法律」が制定されました同法に基づく「生産製造連携事業計画」の認定を受け「農山漁村

活性化計画」の採択を受けた取組に対して米粉用米の生産加工に必要な施設整備等の支援を行っています

② 米粉用米の生産者に対しては水田活用の直接支払交付金による支援を行っていますまたノングルテン米粉表示や米粉の用途別基準により需要者ニーズに合った高品質な米粉の製造や輸出拡大の取組を支援しています

③ 平成31年度は国内海外の需要獲得に向け引き続き魅力ある新商品開発を推進するほか日本産米粉の優位性の情報発信やノングルテン米粉の製造手法マニュアルの作成など輸出を含めた日本産米粉の需要拡大に向けた取組を支援していくこととしています

予 算 措 置

【水田活用の直接支払交付金】水田を活用して米粉用米等の作物を生産する農業者に対し交付金を直接交付 (米粉用米収量に応じ55万円~105万円10a)

【農山漁村振興交付金】米粉飼料用米の生産加工に係る施設整備に対し交付金を交付(補助率定額12)

【持続的生産強化対策事業】

日本産米粉の優位性の情報発信ノングルテン米粉の製造手法マニュアルの作成米粉用米生産者と製造事業者とのマッチング

等の取組を支援

金 融 措 置

【日本政策金融公庫による低利融資】(食品安定供給施設整備資金)

米粉製造施設米粉を原料とした食品の製造加工施設等への融資

(輸出を含めた日本産米粉の需要拡大支援事業)

(補助率定額)

【外食産業等と連携した需要拡大対策事業】

国産農林水産物食品の輸出等需要フロンティアの開拓を図るため産地と複数年契約を締結する民間企業(外食加工業者)に対し国産農林水産物を活用した新商品の開発やそれに必要な技術開発等を支援 (補助率定額12)

- 35 -

【農林水産物食品輸出促進緊急対策事業】コメ海外市場拡大戦略プロジェクトに参加する輸出産地や輸出事業者等が連携して戦略的に取り組む中国等の海外市場開拓プロモーション等を支援

(補助率定額12)

品目 現在の関税率 合意内容

小麦

枠内税率無税+マークアップ

枠外税率55円kg

現行の国家貿易制度を維持するとともに枠外税率(55円kg)を維持

既存のWTO枠に加え米国(15万(7年目以降))【不適用】カナダ(53万(同))豪州(5万(同))にSBS方式の国別枠を設定

マークアップを9年目までに45削減

大麦

枠内税率無税+マークアップ

枠外税率39円kg

現行の国家貿易制度を維持するとともに枠外税率(39円kg)を維持

既存のWTO枠に加えSBS方式のTPP枠(65万(9年目以降))を設定

マークアップを9年目までに45削減

1 TPP11協定概要(麦)(平成30年12月30日発効)

Ⅴ TPP11及び日EUEPAの協定概要(麦関係)

(参考主な麦製品)

現在の関税率合意内容

税率 枠数量

いった小麦小麦粉等

(国家貿易品目)

枠内税率125~25+マークアップ

枠外税率85~134円kg

枠内即時無税+マークアップ

(枠外税率は維持)

(発効時) (6年目)125千rarr175千

ベーカリー製品製造用

小麦粉調製品16~24

枠内即時無税(枠外税率は維持)

(発効時) (6年目)米国 105千rarr12千【不適用】米国以外 68千rarr 8千

その他小麦粉調製品

16~28枠内即時無税

(枠外税率は維持)(発効時) (6年目)15千rarr225千

マカロニスパゲティ

30円kg9年目までに60削減

ビスケット 1315 6年目に無税 -

注1)いった小麦とは小麦をいったものであり主にシリアル食品等に使用される

2)その他小麦粉調製品とは製麺まんじゅう等のベーカリー製品以外の製造用の

小麦粉調製品である

- 36 -

2 日EUEPA協定概要(麦)(平成31年2月1日発効)

品目 現在の関税率 合意内容

小麦

枠内税率無税+マークアップ

枠外税率55円kg

現行の国家貿易制度を維持するとともに枠外税率(55円kg)を維持

既存のWTO枠に加えSBS方式のEU枠(270(7年目以降))を設定

枠内のマークアップを9年目までに45削減

大麦

枠内税率無税+マークアップ

枠外税率39円kg

現行の国家貿易制度を維持するとともに枠外税率(39円kg)を維持

既存のWTO枠に加えSBS方式のEU枠(30(即時))を設定

枠内のマークアップを9年目までに45削減

(参考主な麦製品)

現在の関税率合意内容

税率 枠数量

いった小麦小麦粉等

(国家貿易品目)

枠内税率125~25+マークアップ

枠外税率85~134円kg

枠内即時無税+マークアップ

(枠外税率は維持)

(発効時) (6年目)38千rarr44千

ベーカリー製品製造用

小麦粉調製品16~24

枠内即時無税(枠外税率は維持)

(発効時) (6年目)104千rarr142千

その他小麦粉調製品

16~28枠内即時無税

(枠外税率は維持)(発効時) (6年目)

2千rarr3千

マカロニスパゲティ

30円kg 11年目に無税 -

ビスケット 1315 6年目に無税 -

注1)いった小麦とは小麦をいったものであり主にシリアル食品等に使用される

2)その他小麦粉調製品とは製麺まんじゅう等のベーカリー製品以外の製造用の

小麦粉調製品である

(参考) 麦の国境措置

小 麦 大 麦

輸入数量

価格

輸入数量

価格

政府売渡価格

マークアップ(輸入差益)

452円kgを上限

輸入価格

(枠内税率0円kg)

枠内輸入(国家貿易) 枠外輸入

(民間貿易)枠外税率を支払って輸入された数量(平成29年度)12千トン

WTOカレントアクセス数量5740千トン

枠外税率55円

政府売渡価格

輸入価格(枠内税率0円kg)

WTOカレントアクセス数量1369千トン

枠内輸入(国家貿易) 枠外輸入(民間貿易)

枠外税率を支払って輸入された数量(平成29年度)06千トン

枠外税率39円

民間貿易の場合の輸入価格

民間貿易の場合の輸入価格

286円kgを上限

マークアップ(輸入差益)

- 37 -

  • スライド番号 1
  • スライド番号 2
  • 麦の参考資料 麦の需給に関する見通し(動向編)
  • スライド番号 4
  • スライド番号 5
  • スライド番号 6
  • スライド番号 7
  • スライド番号 8
  • スライド番号 9
  • スライド番号 10
  • スライド番号 11
  • スライド番号 12
  • スライド番号 13
  • スライド番号 14
  • Ⅱ 小麦粉麦製品の生産と価格の動向
  • スライド番号 16
  • スライド番号 17
  • スライド番号 18
  • スライド番号 19
  • スライド番号 20
  • スライド番号 21
  • スライド番号 22
  • スライド番号 23
  • スライド番号 24
  • スライド番号 25
  • スライド番号 26
  • スライド番号 27
  • スライド番号 28
  • スライド番号 29
  • スライド番号 30
  • スライド番号 31
  • スライド番号 32
  • スライド番号 33
  • スライド番号 34
  • スライド番号 35
  • スライド番号 36
  • スライド番号 37
  • スライド番号 38
  • スライド番号 39
  • スライド番号 40
  • スライド番号 41
Page 36: 麦の参考資料 - maff.go.jp · 2020-03-31 · 2014/15 2015/16 2016/17 2017/18 2018/19 (平成26年) (平成27年) (平成28年)(平成29年)(平成30年) 見込

6 国内産麦の新品種の育成状況

(1)国内産麦については縞萎縮病抵抗性や耐倒伏性を備え

需要者等のニ-ズに合った新品種の開発が進められています

また作付け面積が1万haを超える「ゆめちから」「さとの

そら」をはじめ多数の品種が生産現場に導入されています

(図Ⅲ-6)

(2)今後とも赤かび病抵抗性や穂発芽耐性が高い小麦品種

小麦粉の色相や製粉性が優れる日本麺用小麦品種パンの膨

らみがカナダ産「1CW」並の小麦品種焼酎押麦味噌

などの加工適性が高い大麦品種等の開発を推進します

小麦品種「ゆめちから」及び「さとのそら」は優れた栽培特性

と加工適性を備えており作付けが拡大しています(平成29年

推定値「ゆめちから」約1万2千ha「さとのそら」約1万5

千ha)

パン用小麦品種の開発近年国産の小麦粉を使ったパンの需要増加に応えるためグルテンやでん粉の組成などパンの膨らみに関連する特性に注目した育種が進められていますその結果平成25年に製パン適性が「1CW」に近く多収の「せときらら」平成29年にはパン生地の力が強く穂発芽耐性や赤かび抵抗性が改良された「夏黄金」が育成されました

加工適性の高い大麦品種の開発機能性成分β-グルカンを多く含むもち性大麦の需要の高まりに応えるため平成29年に「はねうまもち」が育成されましたまた高品質なはだか麦の需要増加に対応して平成24年に味噌加工適性の高い「ハルヒメボシ」が育成されました

図Ⅲ-6 平成19年以降に育成された麦類の主な新品種

日本麺用小麦ゆめきらり

パン用小麦ゆめかおり福井県大3号

六条大麦ホワイトファイバー

北信越

日本麺用小麦あおばの恋

パン用小麦銀河のちから

東北

日本麺用小麦さとのそらきぬあかり

パン用小麦ゆめかおり

二条大麦とちのいぶき彩の星アスカゴールデンニューサチホゴールデン

六条大麦カシマゴール

はだか麦キラリモチ

関東東海

日本麺用小麦ふくはるかさぬきの夢2009

パン用小麦ゆめちからせときらら

はだか麦ハルヒメボシ

近畿中国四国

中華麺用小麦ちくしW2号

二条大麦煌二条白妙二条はるか二条トヨノホシ

九州

日本麺用小麦きたほなみ

中華麺用小麦つるきち

パン用小麦ゆめちからはるきらり

二条大麦札育2号

北海道

新品種のうち平成30年産で概ね100ha以上作付けされていると推定される品種を選定(農林水産省調べ)

- 28 -

7 国内産麦を利用した製品の動向

食料自給率の向上を図るためには国内産麦の需要開拓を行う

ことが必要です最近の消費者の国産志向の高まりや生産者と実

需者が一体となった地産地消の推進地域農業の振興を図る取り

組み等から国内産麦を使った麦製品(パン麺等)が増えてき

ており中には国内産麦を100使用した商品もあります(図Ⅲ-

7)

- 29 -

8 民間流通制度の運用改善

国内産麦の人気の高まりにより近年需要量が生産量を上回

る状況が継続しており国内産麦を積極的に使用したい実需者が

必要量を確保できない等の課題もあります

このような課題に対応するため民間流通連絡協議会において

入札上場比率の選択制の導入需要拡大推進枠設定の要件緩和

相対取引需要拡大推進枠において多様な取組が可能であること

の明確化等民間流通制度の運用改善が行われました(図Ⅲ-

8)

ピッツァ専用粉(北海道)(小麦)地元の製粉企業が北海道産小麦(きたほなみキタノカオリゆめち

から)を100使用した国内で初めてのピッツァ専用粉を開発平成30年2月に都内で試食会を開催し平成30年5月から販売

ピッツァ専用粉(群馬県)(小麦)地元の製粉企業が地元のピッツァ専門店ピッツァ窯メーカーと協力

して品質改良を重ね群馬県産小麦(さとのそらつるぴかりきぬの波)を100使用したピッツァ専用粉を平成30年4月から発売ピッツァイベントやイタリアン食材の展示会に出展

学校給食用パン(東京都)(小麦)都学校給食会の「学校給食パン加工規格」による配合基準に基づき国

内産小麦を100使用した学校給食パンを平成27年度から都内の一部の小中学校で提供を開始平成28年度からは都内全域の規格として採用

〇 市販用中華麺(愛知県)(小麦)地元の製粉企業が自社製品として愛知県産小麦きぬあかりを100使用

した中華麺を平成30年6月から自社通販で販売平成30年8月から一般販売を開始

フランスパン用粉(佐賀県)(小麦)近県製粉企業が農研機構と共同で育成した九州地域等の暖地温暖地

向けのフランスパン加工適性に優れる準強力小麦品種「さちかおり」を100使用したフランスパン用粉を平成30年8月から発売

市販用ゆで麺(長崎県)(小麦)地元の製麺企業近県製粉企業県生麺協同組合JA県等が連携し

平成26年3月に「長崎県育成麦活用開発協議会」を立ち上げ長崎県産長崎W2号(商標登録名長崎ちゃん麦)を100使用したちゃんぽん用のゆで麺を平成29年4月に製品化原料小麦の生産量が整った段階での本格販売を予定

もち性大麦を使用した機能性表示食品(静岡県)(大麦)地元の精麦企業が国内産もち性大麦でβ-グルカン量の多い銘柄を使用し

炊飯用精麦を製品化機能性表示食品として平成29年1月に届出し十分な原料を手当でき次第随時販売予定

〇 もち性大麦を使用したシリアル(愛知県)(大麦)地元の精麦企業が食物繊維が20を超える愛知県産もち性大麦「ワキ

シーファイバー」を使用した国内産もち麦100シリアルを開発平成30年4月から販売開始

図Ⅲ-7 国内産麦を100使用した商品事例

図Ⅲ-8 民間流通制度の運用改善のポイント

0

50

100

150

200

250

300

350

400円千人

大手製パンメーカーA社が国内産小麦100使用の新製品を発売

大手製食品スーパーB社が国内産小麦100使用の新製品をPBで発売

大手製パンメーカーA社が国内産小麦100使用の製品を初めて発売

(参考)国内産小麦を利用した製品の販売状況

(1)国内産小麦100使用の食パンの販売額

大きなシェアを占めるにはいたっていないものの国内産

小麦を100使用した食パンの販売金額の推移を見ると新製

品が登場する度に国内産小麦100使用の食パン市場が拡大し

ています(図Ⅲ-9)

図Ⅲ-9 国内産小麦100使用の食パンの販売額の推移(首都圏)

資料日本経済新聞デジタルメディア社による首都圏のスーパーマーケットなど100店舗におけるPOSデータに基づき農林水産政策研究所において集計

注食パンのうち国内産小麦を100使用していることが明らかな製品のみ計上菓子パン等は含んでいない

表Ⅲ-11 生麺ゆで麺(チルド)の販売金額のシェア(首都圏平成30年)

資料日本経済新聞デジタルメディア社による首都圏のスーパーマーケットなど120店舗におけるPOSデータに基づき農林水産政策研究所において集計

(2)生麺ゆで麺(チルド)の販売金額

生麺ゆで麺全体で上位15製品の売上高に占める国内産

小麦使用表示のある製品のシェアは30となっていますま

た主要な麺製品のうどんラーメン冷やし中華焼そば

全てで国内産小麦使用製品がランクインしています(表Ⅲ

-11)

2013年 2014年 2015年 2016年 2017年 2018年 2019年

                      (単位)

製品の種類製造企業の規模産地表示販売金額シェア

焼そば大手製品(国内産小麦使用表示なし) 99そば大手製品(国内産小麦使用表示なし) 27冷やしラーメン大手製品(国内産小麦使用表示なし) 20うどん大手製品(北海道産小麦使用表示あり) 20ラーメン大手製品(北海道産小麦使用表示あり) 14冷やし中華大手製品(国内産小麦使用表示なし) 14うどん大手製品(国内産小麦使用表示あり) 13焼そば大手製品(国内産小麦使用表示なし) 12焼うどん大手製品(国内産小麦使用表示なし) 12うどん大手製品(国内産小麦使用表示あり) 11焼そば大手製品(国内産小麦使用表示あり) 11そうめん大手製品(国内産小麦使用表示あり) 10うどんPB製品(北海道産小麦使用表示あり) 10つけ麺大手製品(国内産小麦使用表示なし) 10冷麺中小製品(国内産小麦使用表示なし) 10

303

14

89

15上位15製品の売上高に占める国内産小麦使用表示のある製品の

シェア

順位

1

10111213

234567

- 30 -

図Ⅲ-10 外食産業等と連携した農産物の需要拡大対策事業(麦類)

9 国内産麦の需要拡大イベント及び情報発信の取組

近年生産者と実需者等が連携し国内産麦を使用した製品が

数多く開発販売されており各地でイベント等の需要拡大の

取組みが行われております

また農林水産省としては平成30年度産地と外食事業者等

が連携して行う国内産麦を活用した新商品の開発試作製

造するために必要な取組を支援する「外食産業等と連携した農

産物の需要拡大対策事業」を一般社団法人全国米麦改良協会を

実施主体として行っているところです

農林水産省のホームページにおいてこれらのイベント等につい

て情報発信を行うとともに一般社団法人全国米麦改良協会が

開設している国産麦応援情報ホームページでの情報提供等を

行っています(図Ⅲ-10~12)

「国内産麦使用試作品全国統一試食会商談会」開催日平成31年2月12日~19日(土日を除く)場 所むぎくらべ(東京都千代田区神田小川町)

内 容平成29年度補正予算事業「外食産業等と連携した農産物の需要拡大対策事業」の一環として行われた国内産麦を使用した試作品の試食会商談会

「国内産麦使用試作品全国統一試食会商談会」で出品された試作品

- 31 -

第8回全国ご当地うどんサミットin 熊谷 開催日平成30年11月10日~11日 場 所熊谷スポーツ文化公園にぎわい広

場(埼玉県) 内 容全国の国内産小麦を使用した「ご

当地うどん」が一堂に集まりグランプリを決定

図Ⅲ-11 全国各地で開催されたイベント 図Ⅲ-12 一般社団法人 全国米麦改良協会の取組

国産麦応援情報ホームページ「日本の麦の底力」内容国産小麦粉ブランド名鑑国産小麦の逸品イベント情報研究

情報等を掲載URL httpnihonnomugicom

北海道小麦キャンプ2018 in オホーツク 開催日平成30年7月10日~11日 場 所ホテル黒部を主会場としたオホーツ

ク管内(北海道) 内 容国内産小麦北海道産小麦の魅力

を全国に広めることを目的にバスツアーやパン講習会などを実施

麦わらぼうしフェスタ 開催日平成30年11月4日 場 所笠原産業株式会社(栃木県) 内 容国内産小麦を使用したうどんパン

などの試食販売うどん教室などを実施

第7回 信州粉もん祭り 開催日平成30年11月11日 場 所JAながの ちくま埴生支所(長野県) 内 容長野県産小麦を使用した「粉もん料

理」が大集合粉もん試食会や手打ちうどん講習会 などを実施

国内産麦アンテナショップ「むぎくらべ」内容国内産麦を使用した商品のPRと販売の場を提供するものとして

平成30年7月東京都千代田区にオープン

- 32 -

オープニングセレモニーには上月前農林水産大臣政務官(写真中央)も出席

10 食料農業農村基本計画における麦の位置付け

平成27年3月31日に平成37年度を目標とする「食料農業

農村基本計画」が閣議決定され小麦は95万トン大麦はだ

か麦は22万トンの生産努力目標が設定されています(表Ⅲ-

12)

食料消費の見通し 生産努力目標(万トン) 克服すべき課題

1人1年当たり消費量

(kg人年)

国内消費仕向量

(万トン)

平成25年度

平成37年度

平成25年度

平成37年度

平成25年度

平成37年度

小麦 33 32 699 611 81 95

国内産小麦の需要拡大に向けた産地形成やブランド化

実需者ニーズに対応した生産流通体制の確立

新品種新技術の開発導入輪作体系の最適化排水対策等による収量品質の高位安定化

農地の集積集約化経営規模の拡大に対応した省力化に資する技術の開発導入等による生産コストの低減

大麦はだか麦

03 02 208 213 18 22

外国産大麦が多く用いられている焼酎用等の国内産麦の需要拡大

実需者ニーズに対応した生産流通体制の確立

新品種新技術の開発導入輪作体系の最適化排水対策等による収量品質の高位安定化

農地の集積集約化経営規模の拡大に対応した省力化に資する技術の開発導入等による生産コストの低減

表Ⅲ-12 麦の平成37年度における食料消費の見通し及び生産努力目標

資料「食料農業農村基本計画」(平成27年3月閣議決定)注1)国内消費仕向量には飼料用等の食糧用以外の用途への仕向量を含む

2)大麦はだか麦の国内消費仕向量及び生産努力目標にはビール大麦を含む

- 33 -

Ⅳ 米粉に関する動向

1 生産動向

米粉用米の生産量は平成25年産以降2万トン前後で推移していましたが平成29年度以降は約3万トンまで回復しています(表Ⅳ-1)

2 需要拡大に向けた対応

米粉用米の利用量は平成24年度以降年間2万数千トンで推移していましたがグルテンを使用しない米粉商品の開発や新たな米加工品(α化米粉米ゲルなど)の保湿性や粘性に着目した商品の開発「米粉の用途別基準」や「ノングルテン米粉製品第三者認証制度」の運用開始により平成29年度は25千トン30年度は31千トンに増加しています(表Ⅳ-2)

今後の更なる国内海外の需要拡大のためノングルテン米粉や用途別基準に適合する高品質な日本産米粉の流通を契機とした魅力ある新商品の開発や日本産米粉の優位性の情報発信等を推進する必要があります

表Ⅳ-1 上位5県の米粉用米の生産量と作付面積の推移

(参考) 米粉及び小麦粉の販売価格(税抜き)

米粉100~290円kg程度

(小麦粉 100円kg程度)

注1)平成26~29年度については新規需要米取組計画を認定した全需要者からの聞き取り注2)平成30年度については新規需要米取組計画を認定した主要な需要者からの聞き取り

により推計

表Ⅳ-2 米粉用米の利用量(需要者からの聞き取り)

- 34 -

資料26~29年産は新規需要米生産集出荷数量30年産は新規需要米取組計画

認定数量(農林水産省)

(単位千トン)

26年度 27年度 28年度 29年度 30年度見込

22 23 23 25 31

(単位千トン千ha)

26年産 27年産 28年産 29年産 30年産

生産量 59 97 87 130 107作付面積 11 18 15 24 19生産量 10 10 09 30 31作付面積 02 02 02 06 06生産量 08 10 00 19 30作付面積 01 02 00 03 06生産量 10 12 12 12 16作付面積 02 03 02 02 03生産量 20 24 07 12 13作付面積 03 04 01 02 02生産量 184 230 190 284 281作付面積 34 42 34 53 53

秋田県

全国計

新潟県

埼玉県

栃木県

群馬県

農林水産大臣は米穀の新用途への利用の促進に関する基本方針を定める

生産製造連携事業計画

生産者 製造事業者 促進事業者

必須

米穀の新用途への利用の促進に関する法律

米穀の新用途への利用の促進に関する基本方針

関係者が連携して計画を作成米穀の新用途への利用の促進に関する基本方針に照らし適切な計画について農林水産大臣が認定(計画期間は3~5年)

図Ⅳ 米粉用米に対する支援措置

3 米粉用米に対する支援

① 米粉用米についてはその利用の拡大を図るために平成21年に「米穀の新用途への利用の促進に関する法律」が制定されました同法に基づく「生産製造連携事業計画」の認定を受け「農山漁村

活性化計画」の採択を受けた取組に対して米粉用米の生産加工に必要な施設整備等の支援を行っています

② 米粉用米の生産者に対しては水田活用の直接支払交付金による支援を行っていますまたノングルテン米粉表示や米粉の用途別基準により需要者ニーズに合った高品質な米粉の製造や輸出拡大の取組を支援しています

③ 平成31年度は国内海外の需要獲得に向け引き続き魅力ある新商品開発を推進するほか日本産米粉の優位性の情報発信やノングルテン米粉の製造手法マニュアルの作成など輸出を含めた日本産米粉の需要拡大に向けた取組を支援していくこととしています

予 算 措 置

【水田活用の直接支払交付金】水田を活用して米粉用米等の作物を生産する農業者に対し交付金を直接交付 (米粉用米収量に応じ55万円~105万円10a)

【農山漁村振興交付金】米粉飼料用米の生産加工に係る施設整備に対し交付金を交付(補助率定額12)

【持続的生産強化対策事業】

日本産米粉の優位性の情報発信ノングルテン米粉の製造手法マニュアルの作成米粉用米生産者と製造事業者とのマッチング

等の取組を支援

金 融 措 置

【日本政策金融公庫による低利融資】(食品安定供給施設整備資金)

米粉製造施設米粉を原料とした食品の製造加工施設等への融資

(輸出を含めた日本産米粉の需要拡大支援事業)

(補助率定額)

【外食産業等と連携した需要拡大対策事業】

国産農林水産物食品の輸出等需要フロンティアの開拓を図るため産地と複数年契約を締結する民間企業(外食加工業者)に対し国産農林水産物を活用した新商品の開発やそれに必要な技術開発等を支援 (補助率定額12)

- 35 -

【農林水産物食品輸出促進緊急対策事業】コメ海外市場拡大戦略プロジェクトに参加する輸出産地や輸出事業者等が連携して戦略的に取り組む中国等の海外市場開拓プロモーション等を支援

(補助率定額12)

品目 現在の関税率 合意内容

小麦

枠内税率無税+マークアップ

枠外税率55円kg

現行の国家貿易制度を維持するとともに枠外税率(55円kg)を維持

既存のWTO枠に加え米国(15万(7年目以降))【不適用】カナダ(53万(同))豪州(5万(同))にSBS方式の国別枠を設定

マークアップを9年目までに45削減

大麦

枠内税率無税+マークアップ

枠外税率39円kg

現行の国家貿易制度を維持するとともに枠外税率(39円kg)を維持

既存のWTO枠に加えSBS方式のTPP枠(65万(9年目以降))を設定

マークアップを9年目までに45削減

1 TPP11協定概要(麦)(平成30年12月30日発効)

Ⅴ TPP11及び日EUEPAの協定概要(麦関係)

(参考主な麦製品)

現在の関税率合意内容

税率 枠数量

いった小麦小麦粉等

(国家貿易品目)

枠内税率125~25+マークアップ

枠外税率85~134円kg

枠内即時無税+マークアップ

(枠外税率は維持)

(発効時) (6年目)125千rarr175千

ベーカリー製品製造用

小麦粉調製品16~24

枠内即時無税(枠外税率は維持)

(発効時) (6年目)米国 105千rarr12千【不適用】米国以外 68千rarr 8千

その他小麦粉調製品

16~28枠内即時無税

(枠外税率は維持)(発効時) (6年目)15千rarr225千

マカロニスパゲティ

30円kg9年目までに60削減

ビスケット 1315 6年目に無税 -

注1)いった小麦とは小麦をいったものであり主にシリアル食品等に使用される

2)その他小麦粉調製品とは製麺まんじゅう等のベーカリー製品以外の製造用の

小麦粉調製品である

- 36 -

2 日EUEPA協定概要(麦)(平成31年2月1日発効)

品目 現在の関税率 合意内容

小麦

枠内税率無税+マークアップ

枠外税率55円kg

現行の国家貿易制度を維持するとともに枠外税率(55円kg)を維持

既存のWTO枠に加えSBS方式のEU枠(270(7年目以降))を設定

枠内のマークアップを9年目までに45削減

大麦

枠内税率無税+マークアップ

枠外税率39円kg

現行の国家貿易制度を維持するとともに枠外税率(39円kg)を維持

既存のWTO枠に加えSBS方式のEU枠(30(即時))を設定

枠内のマークアップを9年目までに45削減

(参考主な麦製品)

現在の関税率合意内容

税率 枠数量

いった小麦小麦粉等

(国家貿易品目)

枠内税率125~25+マークアップ

枠外税率85~134円kg

枠内即時無税+マークアップ

(枠外税率は維持)

(発効時) (6年目)38千rarr44千

ベーカリー製品製造用

小麦粉調製品16~24

枠内即時無税(枠外税率は維持)

(発効時) (6年目)104千rarr142千

その他小麦粉調製品

16~28枠内即時無税

(枠外税率は維持)(発効時) (6年目)

2千rarr3千

マカロニスパゲティ

30円kg 11年目に無税 -

ビスケット 1315 6年目に無税 -

注1)いった小麦とは小麦をいったものであり主にシリアル食品等に使用される

2)その他小麦粉調製品とは製麺まんじゅう等のベーカリー製品以外の製造用の

小麦粉調製品である

(参考) 麦の国境措置

小 麦 大 麦

輸入数量

価格

輸入数量

価格

政府売渡価格

マークアップ(輸入差益)

452円kgを上限

輸入価格

(枠内税率0円kg)

枠内輸入(国家貿易) 枠外輸入

(民間貿易)枠外税率を支払って輸入された数量(平成29年度)12千トン

WTOカレントアクセス数量5740千トン

枠外税率55円

政府売渡価格

輸入価格(枠内税率0円kg)

WTOカレントアクセス数量1369千トン

枠内輸入(国家貿易) 枠外輸入(民間貿易)

枠外税率を支払って輸入された数量(平成29年度)06千トン

枠外税率39円

民間貿易の場合の輸入価格

民間貿易の場合の輸入価格

286円kgを上限

マークアップ(輸入差益)

- 37 -

  • スライド番号 1
  • スライド番号 2
  • 麦の参考資料 麦の需給に関する見通し(動向編)
  • スライド番号 4
  • スライド番号 5
  • スライド番号 6
  • スライド番号 7
  • スライド番号 8
  • スライド番号 9
  • スライド番号 10
  • スライド番号 11
  • スライド番号 12
  • スライド番号 13
  • スライド番号 14
  • Ⅱ 小麦粉麦製品の生産と価格の動向
  • スライド番号 16
  • スライド番号 17
  • スライド番号 18
  • スライド番号 19
  • スライド番号 20
  • スライド番号 21
  • スライド番号 22
  • スライド番号 23
  • スライド番号 24
  • スライド番号 25
  • スライド番号 26
  • スライド番号 27
  • スライド番号 28
  • スライド番号 29
  • スライド番号 30
  • スライド番号 31
  • スライド番号 32
  • スライド番号 33
  • スライド番号 34
  • スライド番号 35
  • スライド番号 36
  • スライド番号 37
  • スライド番号 38
  • スライド番号 39
  • スライド番号 40
  • スライド番号 41
Page 37: 麦の参考資料 - maff.go.jp · 2020-03-31 · 2014/15 2015/16 2016/17 2017/18 2018/19 (平成26年) (平成27年) (平成28年)(平成29年)(平成30年) 見込

7 国内産麦を利用した製品の動向

食料自給率の向上を図るためには国内産麦の需要開拓を行う

ことが必要です最近の消費者の国産志向の高まりや生産者と実

需者が一体となった地産地消の推進地域農業の振興を図る取り

組み等から国内産麦を使った麦製品(パン麺等)が増えてき

ており中には国内産麦を100使用した商品もあります(図Ⅲ-

7)

- 29 -

8 民間流通制度の運用改善

国内産麦の人気の高まりにより近年需要量が生産量を上回

る状況が継続しており国内産麦を積極的に使用したい実需者が

必要量を確保できない等の課題もあります

このような課題に対応するため民間流通連絡協議会において

入札上場比率の選択制の導入需要拡大推進枠設定の要件緩和

相対取引需要拡大推進枠において多様な取組が可能であること

の明確化等民間流通制度の運用改善が行われました(図Ⅲ-

8)

ピッツァ専用粉(北海道)(小麦)地元の製粉企業が北海道産小麦(きたほなみキタノカオリゆめち

から)を100使用した国内で初めてのピッツァ専用粉を開発平成30年2月に都内で試食会を開催し平成30年5月から販売

ピッツァ専用粉(群馬県)(小麦)地元の製粉企業が地元のピッツァ専門店ピッツァ窯メーカーと協力

して品質改良を重ね群馬県産小麦(さとのそらつるぴかりきぬの波)を100使用したピッツァ専用粉を平成30年4月から発売ピッツァイベントやイタリアン食材の展示会に出展

学校給食用パン(東京都)(小麦)都学校給食会の「学校給食パン加工規格」による配合基準に基づき国

内産小麦を100使用した学校給食パンを平成27年度から都内の一部の小中学校で提供を開始平成28年度からは都内全域の規格として採用

〇 市販用中華麺(愛知県)(小麦)地元の製粉企業が自社製品として愛知県産小麦きぬあかりを100使用

した中華麺を平成30年6月から自社通販で販売平成30年8月から一般販売を開始

フランスパン用粉(佐賀県)(小麦)近県製粉企業が農研機構と共同で育成した九州地域等の暖地温暖地

向けのフランスパン加工適性に優れる準強力小麦品種「さちかおり」を100使用したフランスパン用粉を平成30年8月から発売

市販用ゆで麺(長崎県)(小麦)地元の製麺企業近県製粉企業県生麺協同組合JA県等が連携し

平成26年3月に「長崎県育成麦活用開発協議会」を立ち上げ長崎県産長崎W2号(商標登録名長崎ちゃん麦)を100使用したちゃんぽん用のゆで麺を平成29年4月に製品化原料小麦の生産量が整った段階での本格販売を予定

もち性大麦を使用した機能性表示食品(静岡県)(大麦)地元の精麦企業が国内産もち性大麦でβ-グルカン量の多い銘柄を使用し

炊飯用精麦を製品化機能性表示食品として平成29年1月に届出し十分な原料を手当でき次第随時販売予定

〇 もち性大麦を使用したシリアル(愛知県)(大麦)地元の精麦企業が食物繊維が20を超える愛知県産もち性大麦「ワキ

シーファイバー」を使用した国内産もち麦100シリアルを開発平成30年4月から販売開始

図Ⅲ-7 国内産麦を100使用した商品事例

図Ⅲ-8 民間流通制度の運用改善のポイント

0

50

100

150

200

250

300

350

400円千人

大手製パンメーカーA社が国内産小麦100使用の新製品を発売

大手製食品スーパーB社が国内産小麦100使用の新製品をPBで発売

大手製パンメーカーA社が国内産小麦100使用の製品を初めて発売

(参考)国内産小麦を利用した製品の販売状況

(1)国内産小麦100使用の食パンの販売額

大きなシェアを占めるにはいたっていないものの国内産

小麦を100使用した食パンの販売金額の推移を見ると新製

品が登場する度に国内産小麦100使用の食パン市場が拡大し

ています(図Ⅲ-9)

図Ⅲ-9 国内産小麦100使用の食パンの販売額の推移(首都圏)

資料日本経済新聞デジタルメディア社による首都圏のスーパーマーケットなど100店舗におけるPOSデータに基づき農林水産政策研究所において集計

注食パンのうち国内産小麦を100使用していることが明らかな製品のみ計上菓子パン等は含んでいない

表Ⅲ-11 生麺ゆで麺(チルド)の販売金額のシェア(首都圏平成30年)

資料日本経済新聞デジタルメディア社による首都圏のスーパーマーケットなど120店舗におけるPOSデータに基づき農林水産政策研究所において集計

(2)生麺ゆで麺(チルド)の販売金額

生麺ゆで麺全体で上位15製品の売上高に占める国内産

小麦使用表示のある製品のシェアは30となっていますま

た主要な麺製品のうどんラーメン冷やし中華焼そば

全てで国内産小麦使用製品がランクインしています(表Ⅲ

-11)

2013年 2014年 2015年 2016年 2017年 2018年 2019年

                      (単位)

製品の種類製造企業の規模産地表示販売金額シェア

焼そば大手製品(国内産小麦使用表示なし) 99そば大手製品(国内産小麦使用表示なし) 27冷やしラーメン大手製品(国内産小麦使用表示なし) 20うどん大手製品(北海道産小麦使用表示あり) 20ラーメン大手製品(北海道産小麦使用表示あり) 14冷やし中華大手製品(国内産小麦使用表示なし) 14うどん大手製品(国内産小麦使用表示あり) 13焼そば大手製品(国内産小麦使用表示なし) 12焼うどん大手製品(国内産小麦使用表示なし) 12うどん大手製品(国内産小麦使用表示あり) 11焼そば大手製品(国内産小麦使用表示あり) 11そうめん大手製品(国内産小麦使用表示あり) 10うどんPB製品(北海道産小麦使用表示あり) 10つけ麺大手製品(国内産小麦使用表示なし) 10冷麺中小製品(国内産小麦使用表示なし) 10

303

14

89

15上位15製品の売上高に占める国内産小麦使用表示のある製品の

シェア

順位

1

10111213

234567

- 30 -

図Ⅲ-10 外食産業等と連携した農産物の需要拡大対策事業(麦類)

9 国内産麦の需要拡大イベント及び情報発信の取組

近年生産者と実需者等が連携し国内産麦を使用した製品が

数多く開発販売されており各地でイベント等の需要拡大の

取組みが行われております

また農林水産省としては平成30年度産地と外食事業者等

が連携して行う国内産麦を活用した新商品の開発試作製

造するために必要な取組を支援する「外食産業等と連携した農

産物の需要拡大対策事業」を一般社団法人全国米麦改良協会を

実施主体として行っているところです

農林水産省のホームページにおいてこれらのイベント等につい

て情報発信を行うとともに一般社団法人全国米麦改良協会が

開設している国産麦応援情報ホームページでの情報提供等を

行っています(図Ⅲ-10~12)

「国内産麦使用試作品全国統一試食会商談会」開催日平成31年2月12日~19日(土日を除く)場 所むぎくらべ(東京都千代田区神田小川町)

内 容平成29年度補正予算事業「外食産業等と連携した農産物の需要拡大対策事業」の一環として行われた国内産麦を使用した試作品の試食会商談会

「国内産麦使用試作品全国統一試食会商談会」で出品された試作品

- 31 -

第8回全国ご当地うどんサミットin 熊谷 開催日平成30年11月10日~11日 場 所熊谷スポーツ文化公園にぎわい広

場(埼玉県) 内 容全国の国内産小麦を使用した「ご

当地うどん」が一堂に集まりグランプリを決定

図Ⅲ-11 全国各地で開催されたイベント 図Ⅲ-12 一般社団法人 全国米麦改良協会の取組

国産麦応援情報ホームページ「日本の麦の底力」内容国産小麦粉ブランド名鑑国産小麦の逸品イベント情報研究

情報等を掲載URL httpnihonnomugicom

北海道小麦キャンプ2018 in オホーツク 開催日平成30年7月10日~11日 場 所ホテル黒部を主会場としたオホーツ

ク管内(北海道) 内 容国内産小麦北海道産小麦の魅力

を全国に広めることを目的にバスツアーやパン講習会などを実施

麦わらぼうしフェスタ 開催日平成30年11月4日 場 所笠原産業株式会社(栃木県) 内 容国内産小麦を使用したうどんパン

などの試食販売うどん教室などを実施

第7回 信州粉もん祭り 開催日平成30年11月11日 場 所JAながの ちくま埴生支所(長野県) 内 容長野県産小麦を使用した「粉もん料

理」が大集合粉もん試食会や手打ちうどん講習会 などを実施

国内産麦アンテナショップ「むぎくらべ」内容国内産麦を使用した商品のPRと販売の場を提供するものとして

平成30年7月東京都千代田区にオープン

- 32 -

オープニングセレモニーには上月前農林水産大臣政務官(写真中央)も出席

10 食料農業農村基本計画における麦の位置付け

平成27年3月31日に平成37年度を目標とする「食料農業

農村基本計画」が閣議決定され小麦は95万トン大麦はだ

か麦は22万トンの生産努力目標が設定されています(表Ⅲ-

12)

食料消費の見通し 生産努力目標(万トン) 克服すべき課題

1人1年当たり消費量

(kg人年)

国内消費仕向量

(万トン)

平成25年度

平成37年度

平成25年度

平成37年度

平成25年度

平成37年度

小麦 33 32 699 611 81 95

国内産小麦の需要拡大に向けた産地形成やブランド化

実需者ニーズに対応した生産流通体制の確立

新品種新技術の開発導入輪作体系の最適化排水対策等による収量品質の高位安定化

農地の集積集約化経営規模の拡大に対応した省力化に資する技術の開発導入等による生産コストの低減

大麦はだか麦

03 02 208 213 18 22

外国産大麦が多く用いられている焼酎用等の国内産麦の需要拡大

実需者ニーズに対応した生産流通体制の確立

新品種新技術の開発導入輪作体系の最適化排水対策等による収量品質の高位安定化

農地の集積集約化経営規模の拡大に対応した省力化に資する技術の開発導入等による生産コストの低減

表Ⅲ-12 麦の平成37年度における食料消費の見通し及び生産努力目標

資料「食料農業農村基本計画」(平成27年3月閣議決定)注1)国内消費仕向量には飼料用等の食糧用以外の用途への仕向量を含む

2)大麦はだか麦の国内消費仕向量及び生産努力目標にはビール大麦を含む

- 33 -

Ⅳ 米粉に関する動向

1 生産動向

米粉用米の生産量は平成25年産以降2万トン前後で推移していましたが平成29年度以降は約3万トンまで回復しています(表Ⅳ-1)

2 需要拡大に向けた対応

米粉用米の利用量は平成24年度以降年間2万数千トンで推移していましたがグルテンを使用しない米粉商品の開発や新たな米加工品(α化米粉米ゲルなど)の保湿性や粘性に着目した商品の開発「米粉の用途別基準」や「ノングルテン米粉製品第三者認証制度」の運用開始により平成29年度は25千トン30年度は31千トンに増加しています(表Ⅳ-2)

今後の更なる国内海外の需要拡大のためノングルテン米粉や用途別基準に適合する高品質な日本産米粉の流通を契機とした魅力ある新商品の開発や日本産米粉の優位性の情報発信等を推進する必要があります

表Ⅳ-1 上位5県の米粉用米の生産量と作付面積の推移

(参考) 米粉及び小麦粉の販売価格(税抜き)

米粉100~290円kg程度

(小麦粉 100円kg程度)

注1)平成26~29年度については新規需要米取組計画を認定した全需要者からの聞き取り注2)平成30年度については新規需要米取組計画を認定した主要な需要者からの聞き取り

により推計

表Ⅳ-2 米粉用米の利用量(需要者からの聞き取り)

- 34 -

資料26~29年産は新規需要米生産集出荷数量30年産は新規需要米取組計画

認定数量(農林水産省)

(単位千トン)

26年度 27年度 28年度 29年度 30年度見込

22 23 23 25 31

(単位千トン千ha)

26年産 27年産 28年産 29年産 30年産

生産量 59 97 87 130 107作付面積 11 18 15 24 19生産量 10 10 09 30 31作付面積 02 02 02 06 06生産量 08 10 00 19 30作付面積 01 02 00 03 06生産量 10 12 12 12 16作付面積 02 03 02 02 03生産量 20 24 07 12 13作付面積 03 04 01 02 02生産量 184 230 190 284 281作付面積 34 42 34 53 53

秋田県

全国計

新潟県

埼玉県

栃木県

群馬県

農林水産大臣は米穀の新用途への利用の促進に関する基本方針を定める

生産製造連携事業計画

生産者 製造事業者 促進事業者

必須

米穀の新用途への利用の促進に関する法律

米穀の新用途への利用の促進に関する基本方針

関係者が連携して計画を作成米穀の新用途への利用の促進に関する基本方針に照らし適切な計画について農林水産大臣が認定(計画期間は3~5年)

図Ⅳ 米粉用米に対する支援措置

3 米粉用米に対する支援

① 米粉用米についてはその利用の拡大を図るために平成21年に「米穀の新用途への利用の促進に関する法律」が制定されました同法に基づく「生産製造連携事業計画」の認定を受け「農山漁村

活性化計画」の採択を受けた取組に対して米粉用米の生産加工に必要な施設整備等の支援を行っています

② 米粉用米の生産者に対しては水田活用の直接支払交付金による支援を行っていますまたノングルテン米粉表示や米粉の用途別基準により需要者ニーズに合った高品質な米粉の製造や輸出拡大の取組を支援しています

③ 平成31年度は国内海外の需要獲得に向け引き続き魅力ある新商品開発を推進するほか日本産米粉の優位性の情報発信やノングルテン米粉の製造手法マニュアルの作成など輸出を含めた日本産米粉の需要拡大に向けた取組を支援していくこととしています

予 算 措 置

【水田活用の直接支払交付金】水田を活用して米粉用米等の作物を生産する農業者に対し交付金を直接交付 (米粉用米収量に応じ55万円~105万円10a)

【農山漁村振興交付金】米粉飼料用米の生産加工に係る施設整備に対し交付金を交付(補助率定額12)

【持続的生産強化対策事業】

日本産米粉の優位性の情報発信ノングルテン米粉の製造手法マニュアルの作成米粉用米生産者と製造事業者とのマッチング

等の取組を支援

金 融 措 置

【日本政策金融公庫による低利融資】(食品安定供給施設整備資金)

米粉製造施設米粉を原料とした食品の製造加工施設等への融資

(輸出を含めた日本産米粉の需要拡大支援事業)

(補助率定額)

【外食産業等と連携した需要拡大対策事業】

国産農林水産物食品の輸出等需要フロンティアの開拓を図るため産地と複数年契約を締結する民間企業(外食加工業者)に対し国産農林水産物を活用した新商品の開発やそれに必要な技術開発等を支援 (補助率定額12)

- 35 -

【農林水産物食品輸出促進緊急対策事業】コメ海外市場拡大戦略プロジェクトに参加する輸出産地や輸出事業者等が連携して戦略的に取り組む中国等の海外市場開拓プロモーション等を支援

(補助率定額12)

品目 現在の関税率 合意内容

小麦

枠内税率無税+マークアップ

枠外税率55円kg

現行の国家貿易制度を維持するとともに枠外税率(55円kg)を維持

既存のWTO枠に加え米国(15万(7年目以降))【不適用】カナダ(53万(同))豪州(5万(同))にSBS方式の国別枠を設定

マークアップを9年目までに45削減

大麦

枠内税率無税+マークアップ

枠外税率39円kg

現行の国家貿易制度を維持するとともに枠外税率(39円kg)を維持

既存のWTO枠に加えSBS方式のTPP枠(65万(9年目以降))を設定

マークアップを9年目までに45削減

1 TPP11協定概要(麦)(平成30年12月30日発効)

Ⅴ TPP11及び日EUEPAの協定概要(麦関係)

(参考主な麦製品)

現在の関税率合意内容

税率 枠数量

いった小麦小麦粉等

(国家貿易品目)

枠内税率125~25+マークアップ

枠外税率85~134円kg

枠内即時無税+マークアップ

(枠外税率は維持)

(発効時) (6年目)125千rarr175千

ベーカリー製品製造用

小麦粉調製品16~24

枠内即時無税(枠外税率は維持)

(発効時) (6年目)米国 105千rarr12千【不適用】米国以外 68千rarr 8千

その他小麦粉調製品

16~28枠内即時無税

(枠外税率は維持)(発効時) (6年目)15千rarr225千

マカロニスパゲティ

30円kg9年目までに60削減

ビスケット 1315 6年目に無税 -

注1)いった小麦とは小麦をいったものであり主にシリアル食品等に使用される

2)その他小麦粉調製品とは製麺まんじゅう等のベーカリー製品以外の製造用の

小麦粉調製品である

- 36 -

2 日EUEPA協定概要(麦)(平成31年2月1日発効)

品目 現在の関税率 合意内容

小麦

枠内税率無税+マークアップ

枠外税率55円kg

現行の国家貿易制度を維持するとともに枠外税率(55円kg)を維持

既存のWTO枠に加えSBS方式のEU枠(270(7年目以降))を設定

枠内のマークアップを9年目までに45削減

大麦

枠内税率無税+マークアップ

枠外税率39円kg

現行の国家貿易制度を維持するとともに枠外税率(39円kg)を維持

既存のWTO枠に加えSBS方式のEU枠(30(即時))を設定

枠内のマークアップを9年目までに45削減

(参考主な麦製品)

現在の関税率合意内容

税率 枠数量

いった小麦小麦粉等

(国家貿易品目)

枠内税率125~25+マークアップ

枠外税率85~134円kg

枠内即時無税+マークアップ

(枠外税率は維持)

(発効時) (6年目)38千rarr44千

ベーカリー製品製造用

小麦粉調製品16~24

枠内即時無税(枠外税率は維持)

(発効時) (6年目)104千rarr142千

その他小麦粉調製品

16~28枠内即時無税

(枠外税率は維持)(発効時) (6年目)

2千rarr3千

マカロニスパゲティ

30円kg 11年目に無税 -

ビスケット 1315 6年目に無税 -

注1)いった小麦とは小麦をいったものであり主にシリアル食品等に使用される

2)その他小麦粉調製品とは製麺まんじゅう等のベーカリー製品以外の製造用の

小麦粉調製品である

(参考) 麦の国境措置

小 麦 大 麦

輸入数量

価格

輸入数量

価格

政府売渡価格

マークアップ(輸入差益)

452円kgを上限

輸入価格

(枠内税率0円kg)

枠内輸入(国家貿易) 枠外輸入

(民間貿易)枠外税率を支払って輸入された数量(平成29年度)12千トン

WTOカレントアクセス数量5740千トン

枠外税率55円

政府売渡価格

輸入価格(枠内税率0円kg)

WTOカレントアクセス数量1369千トン

枠内輸入(国家貿易) 枠外輸入(民間貿易)

枠外税率を支払って輸入された数量(平成29年度)06千トン

枠外税率39円

民間貿易の場合の輸入価格

民間貿易の場合の輸入価格

286円kgを上限

マークアップ(輸入差益)

- 37 -

  • スライド番号 1
  • スライド番号 2
  • 麦の参考資料 麦の需給に関する見通し(動向編)
  • スライド番号 4
  • スライド番号 5
  • スライド番号 6
  • スライド番号 7
  • スライド番号 8
  • スライド番号 9
  • スライド番号 10
  • スライド番号 11
  • スライド番号 12
  • スライド番号 13
  • スライド番号 14
  • Ⅱ 小麦粉麦製品の生産と価格の動向
  • スライド番号 16
  • スライド番号 17
  • スライド番号 18
  • スライド番号 19
  • スライド番号 20
  • スライド番号 21
  • スライド番号 22
  • スライド番号 23
  • スライド番号 24
  • スライド番号 25
  • スライド番号 26
  • スライド番号 27
  • スライド番号 28
  • スライド番号 29
  • スライド番号 30
  • スライド番号 31
  • スライド番号 32
  • スライド番号 33
  • スライド番号 34
  • スライド番号 35
  • スライド番号 36
  • スライド番号 37
  • スライド番号 38
  • スライド番号 39
  • スライド番号 40
  • スライド番号 41
Page 38: 麦の参考資料 - maff.go.jp · 2020-03-31 · 2014/15 2015/16 2016/17 2017/18 2018/19 (平成26年) (平成27年) (平成28年)(平成29年)(平成30年) 見込

0

50

100

150

200

250

300

350

400円千人

大手製パンメーカーA社が国内産小麦100使用の新製品を発売

大手製食品スーパーB社が国内産小麦100使用の新製品をPBで発売

大手製パンメーカーA社が国内産小麦100使用の製品を初めて発売

(参考)国内産小麦を利用した製品の販売状況

(1)国内産小麦100使用の食パンの販売額

大きなシェアを占めるにはいたっていないものの国内産

小麦を100使用した食パンの販売金額の推移を見ると新製

品が登場する度に国内産小麦100使用の食パン市場が拡大し

ています(図Ⅲ-9)

図Ⅲ-9 国内産小麦100使用の食パンの販売額の推移(首都圏)

資料日本経済新聞デジタルメディア社による首都圏のスーパーマーケットなど100店舗におけるPOSデータに基づき農林水産政策研究所において集計

注食パンのうち国内産小麦を100使用していることが明らかな製品のみ計上菓子パン等は含んでいない

表Ⅲ-11 生麺ゆで麺(チルド)の販売金額のシェア(首都圏平成30年)

資料日本経済新聞デジタルメディア社による首都圏のスーパーマーケットなど120店舗におけるPOSデータに基づき農林水産政策研究所において集計

(2)生麺ゆで麺(チルド)の販売金額

生麺ゆで麺全体で上位15製品の売上高に占める国内産

小麦使用表示のある製品のシェアは30となっていますま

た主要な麺製品のうどんラーメン冷やし中華焼そば

全てで国内産小麦使用製品がランクインしています(表Ⅲ

-11)

2013年 2014年 2015年 2016年 2017年 2018年 2019年

                      (単位)

製品の種類製造企業の規模産地表示販売金額シェア

焼そば大手製品(国内産小麦使用表示なし) 99そば大手製品(国内産小麦使用表示なし) 27冷やしラーメン大手製品(国内産小麦使用表示なし) 20うどん大手製品(北海道産小麦使用表示あり) 20ラーメン大手製品(北海道産小麦使用表示あり) 14冷やし中華大手製品(国内産小麦使用表示なし) 14うどん大手製品(国内産小麦使用表示あり) 13焼そば大手製品(国内産小麦使用表示なし) 12焼うどん大手製品(国内産小麦使用表示なし) 12うどん大手製品(国内産小麦使用表示あり) 11焼そば大手製品(国内産小麦使用表示あり) 11そうめん大手製品(国内産小麦使用表示あり) 10うどんPB製品(北海道産小麦使用表示あり) 10つけ麺大手製品(国内産小麦使用表示なし) 10冷麺中小製品(国内産小麦使用表示なし) 10

303

14

89

15上位15製品の売上高に占める国内産小麦使用表示のある製品の

シェア

順位

1

10111213

234567

- 30 -

図Ⅲ-10 外食産業等と連携した農産物の需要拡大対策事業(麦類)

9 国内産麦の需要拡大イベント及び情報発信の取組

近年生産者と実需者等が連携し国内産麦を使用した製品が

数多く開発販売されており各地でイベント等の需要拡大の

取組みが行われております

また農林水産省としては平成30年度産地と外食事業者等

が連携して行う国内産麦を活用した新商品の開発試作製

造するために必要な取組を支援する「外食産業等と連携した農

産物の需要拡大対策事業」を一般社団法人全国米麦改良協会を

実施主体として行っているところです

農林水産省のホームページにおいてこれらのイベント等につい

て情報発信を行うとともに一般社団法人全国米麦改良協会が

開設している国産麦応援情報ホームページでの情報提供等を

行っています(図Ⅲ-10~12)

「国内産麦使用試作品全国統一試食会商談会」開催日平成31年2月12日~19日(土日を除く)場 所むぎくらべ(東京都千代田区神田小川町)

内 容平成29年度補正予算事業「外食産業等と連携した農産物の需要拡大対策事業」の一環として行われた国内産麦を使用した試作品の試食会商談会

「国内産麦使用試作品全国統一試食会商談会」で出品された試作品

- 31 -

第8回全国ご当地うどんサミットin 熊谷 開催日平成30年11月10日~11日 場 所熊谷スポーツ文化公園にぎわい広

場(埼玉県) 内 容全国の国内産小麦を使用した「ご

当地うどん」が一堂に集まりグランプリを決定

図Ⅲ-11 全国各地で開催されたイベント 図Ⅲ-12 一般社団法人 全国米麦改良協会の取組

国産麦応援情報ホームページ「日本の麦の底力」内容国産小麦粉ブランド名鑑国産小麦の逸品イベント情報研究

情報等を掲載URL httpnihonnomugicom

北海道小麦キャンプ2018 in オホーツク 開催日平成30年7月10日~11日 場 所ホテル黒部を主会場としたオホーツ

ク管内(北海道) 内 容国内産小麦北海道産小麦の魅力

を全国に広めることを目的にバスツアーやパン講習会などを実施

麦わらぼうしフェスタ 開催日平成30年11月4日 場 所笠原産業株式会社(栃木県) 内 容国内産小麦を使用したうどんパン

などの試食販売うどん教室などを実施

第7回 信州粉もん祭り 開催日平成30年11月11日 場 所JAながの ちくま埴生支所(長野県) 内 容長野県産小麦を使用した「粉もん料

理」が大集合粉もん試食会や手打ちうどん講習会 などを実施

国内産麦アンテナショップ「むぎくらべ」内容国内産麦を使用した商品のPRと販売の場を提供するものとして

平成30年7月東京都千代田区にオープン

- 32 -

オープニングセレモニーには上月前農林水産大臣政務官(写真中央)も出席

10 食料農業農村基本計画における麦の位置付け

平成27年3月31日に平成37年度を目標とする「食料農業

農村基本計画」が閣議決定され小麦は95万トン大麦はだ

か麦は22万トンの生産努力目標が設定されています(表Ⅲ-

12)

食料消費の見通し 生産努力目標(万トン) 克服すべき課題

1人1年当たり消費量

(kg人年)

国内消費仕向量

(万トン)

平成25年度

平成37年度

平成25年度

平成37年度

平成25年度

平成37年度

小麦 33 32 699 611 81 95

国内産小麦の需要拡大に向けた産地形成やブランド化

実需者ニーズに対応した生産流通体制の確立

新品種新技術の開発導入輪作体系の最適化排水対策等による収量品質の高位安定化

農地の集積集約化経営規模の拡大に対応した省力化に資する技術の開発導入等による生産コストの低減

大麦はだか麦

03 02 208 213 18 22

外国産大麦が多く用いられている焼酎用等の国内産麦の需要拡大

実需者ニーズに対応した生産流通体制の確立

新品種新技術の開発導入輪作体系の最適化排水対策等による収量品質の高位安定化

農地の集積集約化経営規模の拡大に対応した省力化に資する技術の開発導入等による生産コストの低減

表Ⅲ-12 麦の平成37年度における食料消費の見通し及び生産努力目標

資料「食料農業農村基本計画」(平成27年3月閣議決定)注1)国内消費仕向量には飼料用等の食糧用以外の用途への仕向量を含む

2)大麦はだか麦の国内消費仕向量及び生産努力目標にはビール大麦を含む

- 33 -

Ⅳ 米粉に関する動向

1 生産動向

米粉用米の生産量は平成25年産以降2万トン前後で推移していましたが平成29年度以降は約3万トンまで回復しています(表Ⅳ-1)

2 需要拡大に向けた対応

米粉用米の利用量は平成24年度以降年間2万数千トンで推移していましたがグルテンを使用しない米粉商品の開発や新たな米加工品(α化米粉米ゲルなど)の保湿性や粘性に着目した商品の開発「米粉の用途別基準」や「ノングルテン米粉製品第三者認証制度」の運用開始により平成29年度は25千トン30年度は31千トンに増加しています(表Ⅳ-2)

今後の更なる国内海外の需要拡大のためノングルテン米粉や用途別基準に適合する高品質な日本産米粉の流通を契機とした魅力ある新商品の開発や日本産米粉の優位性の情報発信等を推進する必要があります

表Ⅳ-1 上位5県の米粉用米の生産量と作付面積の推移

(参考) 米粉及び小麦粉の販売価格(税抜き)

米粉100~290円kg程度

(小麦粉 100円kg程度)

注1)平成26~29年度については新規需要米取組計画を認定した全需要者からの聞き取り注2)平成30年度については新規需要米取組計画を認定した主要な需要者からの聞き取り

により推計

表Ⅳ-2 米粉用米の利用量(需要者からの聞き取り)

- 34 -

資料26~29年産は新規需要米生産集出荷数量30年産は新規需要米取組計画

認定数量(農林水産省)

(単位千トン)

26年度 27年度 28年度 29年度 30年度見込

22 23 23 25 31

(単位千トン千ha)

26年産 27年産 28年産 29年産 30年産

生産量 59 97 87 130 107作付面積 11 18 15 24 19生産量 10 10 09 30 31作付面積 02 02 02 06 06生産量 08 10 00 19 30作付面積 01 02 00 03 06生産量 10 12 12 12 16作付面積 02 03 02 02 03生産量 20 24 07 12 13作付面積 03 04 01 02 02生産量 184 230 190 284 281作付面積 34 42 34 53 53

秋田県

全国計

新潟県

埼玉県

栃木県

群馬県

農林水産大臣は米穀の新用途への利用の促進に関する基本方針を定める

生産製造連携事業計画

生産者 製造事業者 促進事業者

必須

米穀の新用途への利用の促進に関する法律

米穀の新用途への利用の促進に関する基本方針

関係者が連携して計画を作成米穀の新用途への利用の促進に関する基本方針に照らし適切な計画について農林水産大臣が認定(計画期間は3~5年)

図Ⅳ 米粉用米に対する支援措置

3 米粉用米に対する支援

① 米粉用米についてはその利用の拡大を図るために平成21年に「米穀の新用途への利用の促進に関する法律」が制定されました同法に基づく「生産製造連携事業計画」の認定を受け「農山漁村

活性化計画」の採択を受けた取組に対して米粉用米の生産加工に必要な施設整備等の支援を行っています

② 米粉用米の生産者に対しては水田活用の直接支払交付金による支援を行っていますまたノングルテン米粉表示や米粉の用途別基準により需要者ニーズに合った高品質な米粉の製造や輸出拡大の取組を支援しています

③ 平成31年度は国内海外の需要獲得に向け引き続き魅力ある新商品開発を推進するほか日本産米粉の優位性の情報発信やノングルテン米粉の製造手法マニュアルの作成など輸出を含めた日本産米粉の需要拡大に向けた取組を支援していくこととしています

予 算 措 置

【水田活用の直接支払交付金】水田を活用して米粉用米等の作物を生産する農業者に対し交付金を直接交付 (米粉用米収量に応じ55万円~105万円10a)

【農山漁村振興交付金】米粉飼料用米の生産加工に係る施設整備に対し交付金を交付(補助率定額12)

【持続的生産強化対策事業】

日本産米粉の優位性の情報発信ノングルテン米粉の製造手法マニュアルの作成米粉用米生産者と製造事業者とのマッチング

等の取組を支援

金 融 措 置

【日本政策金融公庫による低利融資】(食品安定供給施設整備資金)

米粉製造施設米粉を原料とした食品の製造加工施設等への融資

(輸出を含めた日本産米粉の需要拡大支援事業)

(補助率定額)

【外食産業等と連携した需要拡大対策事業】

国産農林水産物食品の輸出等需要フロンティアの開拓を図るため産地と複数年契約を締結する民間企業(外食加工業者)に対し国産農林水産物を活用した新商品の開発やそれに必要な技術開発等を支援 (補助率定額12)

- 35 -

【農林水産物食品輸出促進緊急対策事業】コメ海外市場拡大戦略プロジェクトに参加する輸出産地や輸出事業者等が連携して戦略的に取り組む中国等の海外市場開拓プロモーション等を支援

(補助率定額12)

品目 現在の関税率 合意内容

小麦

枠内税率無税+マークアップ

枠外税率55円kg

現行の国家貿易制度を維持するとともに枠外税率(55円kg)を維持

既存のWTO枠に加え米国(15万(7年目以降))【不適用】カナダ(53万(同))豪州(5万(同))にSBS方式の国別枠を設定

マークアップを9年目までに45削減

大麦

枠内税率無税+マークアップ

枠外税率39円kg

現行の国家貿易制度を維持するとともに枠外税率(39円kg)を維持

既存のWTO枠に加えSBS方式のTPP枠(65万(9年目以降))を設定

マークアップを9年目までに45削減

1 TPP11協定概要(麦)(平成30年12月30日発効)

Ⅴ TPP11及び日EUEPAの協定概要(麦関係)

(参考主な麦製品)

現在の関税率合意内容

税率 枠数量

いった小麦小麦粉等

(国家貿易品目)

枠内税率125~25+マークアップ

枠外税率85~134円kg

枠内即時無税+マークアップ

(枠外税率は維持)

(発効時) (6年目)125千rarr175千

ベーカリー製品製造用

小麦粉調製品16~24

枠内即時無税(枠外税率は維持)

(発効時) (6年目)米国 105千rarr12千【不適用】米国以外 68千rarr 8千

その他小麦粉調製品

16~28枠内即時無税

(枠外税率は維持)(発効時) (6年目)15千rarr225千

マカロニスパゲティ

30円kg9年目までに60削減

ビスケット 1315 6年目に無税 -

注1)いった小麦とは小麦をいったものであり主にシリアル食品等に使用される

2)その他小麦粉調製品とは製麺まんじゅう等のベーカリー製品以外の製造用の

小麦粉調製品である

- 36 -

2 日EUEPA協定概要(麦)(平成31年2月1日発効)

品目 現在の関税率 合意内容

小麦

枠内税率無税+マークアップ

枠外税率55円kg

現行の国家貿易制度を維持するとともに枠外税率(55円kg)を維持

既存のWTO枠に加えSBS方式のEU枠(270(7年目以降))を設定

枠内のマークアップを9年目までに45削減

大麦

枠内税率無税+マークアップ

枠外税率39円kg

現行の国家貿易制度を維持するとともに枠外税率(39円kg)を維持

既存のWTO枠に加えSBS方式のEU枠(30(即時))を設定

枠内のマークアップを9年目までに45削減

(参考主な麦製品)

現在の関税率合意内容

税率 枠数量

いった小麦小麦粉等

(国家貿易品目)

枠内税率125~25+マークアップ

枠外税率85~134円kg

枠内即時無税+マークアップ

(枠外税率は維持)

(発効時) (6年目)38千rarr44千

ベーカリー製品製造用

小麦粉調製品16~24

枠内即時無税(枠外税率は維持)

(発効時) (6年目)104千rarr142千

その他小麦粉調製品

16~28枠内即時無税

(枠外税率は維持)(発効時) (6年目)

2千rarr3千

マカロニスパゲティ

30円kg 11年目に無税 -

ビスケット 1315 6年目に無税 -

注1)いった小麦とは小麦をいったものであり主にシリアル食品等に使用される

2)その他小麦粉調製品とは製麺まんじゅう等のベーカリー製品以外の製造用の

小麦粉調製品である

(参考) 麦の国境措置

小 麦 大 麦

輸入数量

価格

輸入数量

価格

政府売渡価格

マークアップ(輸入差益)

452円kgを上限

輸入価格

(枠内税率0円kg)

枠内輸入(国家貿易) 枠外輸入

(民間貿易)枠外税率を支払って輸入された数量(平成29年度)12千トン

WTOカレントアクセス数量5740千トン

枠外税率55円

政府売渡価格

輸入価格(枠内税率0円kg)

WTOカレントアクセス数量1369千トン

枠内輸入(国家貿易) 枠外輸入(民間貿易)

枠外税率を支払って輸入された数量(平成29年度)06千トン

枠外税率39円

民間貿易の場合の輸入価格

民間貿易の場合の輸入価格

286円kgを上限

マークアップ(輸入差益)

- 37 -

  • スライド番号 1
  • スライド番号 2
  • 麦の参考資料 麦の需給に関する見通し(動向編)
  • スライド番号 4
  • スライド番号 5
  • スライド番号 6
  • スライド番号 7
  • スライド番号 8
  • スライド番号 9
  • スライド番号 10
  • スライド番号 11
  • スライド番号 12
  • スライド番号 13
  • スライド番号 14
  • Ⅱ 小麦粉麦製品の生産と価格の動向
  • スライド番号 16
  • スライド番号 17
  • スライド番号 18
  • スライド番号 19
  • スライド番号 20
  • スライド番号 21
  • スライド番号 22
  • スライド番号 23
  • スライド番号 24
  • スライド番号 25
  • スライド番号 26
  • スライド番号 27
  • スライド番号 28
  • スライド番号 29
  • スライド番号 30
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  • スライド番号 36
  • スライド番号 37
  • スライド番号 38
  • スライド番号 39
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  • スライド番号 41
Page 39: 麦の参考資料 - maff.go.jp · 2020-03-31 · 2014/15 2015/16 2016/17 2017/18 2018/19 (平成26年) (平成27年) (平成28年)(平成29年)(平成30年) 見込

図Ⅲ-10 外食産業等と連携した農産物の需要拡大対策事業(麦類)

9 国内産麦の需要拡大イベント及び情報発信の取組

近年生産者と実需者等が連携し国内産麦を使用した製品が

数多く開発販売されており各地でイベント等の需要拡大の

取組みが行われております

また農林水産省としては平成30年度産地と外食事業者等

が連携して行う国内産麦を活用した新商品の開発試作製

造するために必要な取組を支援する「外食産業等と連携した農

産物の需要拡大対策事業」を一般社団法人全国米麦改良協会を

実施主体として行っているところです

農林水産省のホームページにおいてこれらのイベント等につい

て情報発信を行うとともに一般社団法人全国米麦改良協会が

開設している国産麦応援情報ホームページでの情報提供等を

行っています(図Ⅲ-10~12)

「国内産麦使用試作品全国統一試食会商談会」開催日平成31年2月12日~19日(土日を除く)場 所むぎくらべ(東京都千代田区神田小川町)

内 容平成29年度補正予算事業「外食産業等と連携した農産物の需要拡大対策事業」の一環として行われた国内産麦を使用した試作品の試食会商談会

「国内産麦使用試作品全国統一試食会商談会」で出品された試作品

- 31 -

第8回全国ご当地うどんサミットin 熊谷 開催日平成30年11月10日~11日 場 所熊谷スポーツ文化公園にぎわい広

場(埼玉県) 内 容全国の国内産小麦を使用した「ご

当地うどん」が一堂に集まりグランプリを決定

図Ⅲ-11 全国各地で開催されたイベント 図Ⅲ-12 一般社団法人 全国米麦改良協会の取組

国産麦応援情報ホームページ「日本の麦の底力」内容国産小麦粉ブランド名鑑国産小麦の逸品イベント情報研究

情報等を掲載URL httpnihonnomugicom

北海道小麦キャンプ2018 in オホーツク 開催日平成30年7月10日~11日 場 所ホテル黒部を主会場としたオホーツ

ク管内(北海道) 内 容国内産小麦北海道産小麦の魅力

を全国に広めることを目的にバスツアーやパン講習会などを実施

麦わらぼうしフェスタ 開催日平成30年11月4日 場 所笠原産業株式会社(栃木県) 内 容国内産小麦を使用したうどんパン

などの試食販売うどん教室などを実施

第7回 信州粉もん祭り 開催日平成30年11月11日 場 所JAながの ちくま埴生支所(長野県) 内 容長野県産小麦を使用した「粉もん料

理」が大集合粉もん試食会や手打ちうどん講習会 などを実施

国内産麦アンテナショップ「むぎくらべ」内容国内産麦を使用した商品のPRと販売の場を提供するものとして

平成30年7月東京都千代田区にオープン

- 32 -

オープニングセレモニーには上月前農林水産大臣政務官(写真中央)も出席

10 食料農業農村基本計画における麦の位置付け

平成27年3月31日に平成37年度を目標とする「食料農業

農村基本計画」が閣議決定され小麦は95万トン大麦はだ

か麦は22万トンの生産努力目標が設定されています(表Ⅲ-

12)

食料消費の見通し 生産努力目標(万トン) 克服すべき課題

1人1年当たり消費量

(kg人年)

国内消費仕向量

(万トン)

平成25年度

平成37年度

平成25年度

平成37年度

平成25年度

平成37年度

小麦 33 32 699 611 81 95

国内産小麦の需要拡大に向けた産地形成やブランド化

実需者ニーズに対応した生産流通体制の確立

新品種新技術の開発導入輪作体系の最適化排水対策等による収量品質の高位安定化

農地の集積集約化経営規模の拡大に対応した省力化に資する技術の開発導入等による生産コストの低減

大麦はだか麦

03 02 208 213 18 22

外国産大麦が多く用いられている焼酎用等の国内産麦の需要拡大

実需者ニーズに対応した生産流通体制の確立

新品種新技術の開発導入輪作体系の最適化排水対策等による収量品質の高位安定化

農地の集積集約化経営規模の拡大に対応した省力化に資する技術の開発導入等による生産コストの低減

表Ⅲ-12 麦の平成37年度における食料消費の見通し及び生産努力目標

資料「食料農業農村基本計画」(平成27年3月閣議決定)注1)国内消費仕向量には飼料用等の食糧用以外の用途への仕向量を含む

2)大麦はだか麦の国内消費仕向量及び生産努力目標にはビール大麦を含む

- 33 -

Ⅳ 米粉に関する動向

1 生産動向

米粉用米の生産量は平成25年産以降2万トン前後で推移していましたが平成29年度以降は約3万トンまで回復しています(表Ⅳ-1)

2 需要拡大に向けた対応

米粉用米の利用量は平成24年度以降年間2万数千トンで推移していましたがグルテンを使用しない米粉商品の開発や新たな米加工品(α化米粉米ゲルなど)の保湿性や粘性に着目した商品の開発「米粉の用途別基準」や「ノングルテン米粉製品第三者認証制度」の運用開始により平成29年度は25千トン30年度は31千トンに増加しています(表Ⅳ-2)

今後の更なる国内海外の需要拡大のためノングルテン米粉や用途別基準に適合する高品質な日本産米粉の流通を契機とした魅力ある新商品の開発や日本産米粉の優位性の情報発信等を推進する必要があります

表Ⅳ-1 上位5県の米粉用米の生産量と作付面積の推移

(参考) 米粉及び小麦粉の販売価格(税抜き)

米粉100~290円kg程度

(小麦粉 100円kg程度)

注1)平成26~29年度については新規需要米取組計画を認定した全需要者からの聞き取り注2)平成30年度については新規需要米取組計画を認定した主要な需要者からの聞き取り

により推計

表Ⅳ-2 米粉用米の利用量(需要者からの聞き取り)

- 34 -

資料26~29年産は新規需要米生産集出荷数量30年産は新規需要米取組計画

認定数量(農林水産省)

(単位千トン)

26年度 27年度 28年度 29年度 30年度見込

22 23 23 25 31

(単位千トン千ha)

26年産 27年産 28年産 29年産 30年産

生産量 59 97 87 130 107作付面積 11 18 15 24 19生産量 10 10 09 30 31作付面積 02 02 02 06 06生産量 08 10 00 19 30作付面積 01 02 00 03 06生産量 10 12 12 12 16作付面積 02 03 02 02 03生産量 20 24 07 12 13作付面積 03 04 01 02 02生産量 184 230 190 284 281作付面積 34 42 34 53 53

秋田県

全国計

新潟県

埼玉県

栃木県

群馬県

農林水産大臣は米穀の新用途への利用の促進に関する基本方針を定める

生産製造連携事業計画

生産者 製造事業者 促進事業者

必須

米穀の新用途への利用の促進に関する法律

米穀の新用途への利用の促進に関する基本方針

関係者が連携して計画を作成米穀の新用途への利用の促進に関する基本方針に照らし適切な計画について農林水産大臣が認定(計画期間は3~5年)

図Ⅳ 米粉用米に対する支援措置

3 米粉用米に対する支援

① 米粉用米についてはその利用の拡大を図るために平成21年に「米穀の新用途への利用の促進に関する法律」が制定されました同法に基づく「生産製造連携事業計画」の認定を受け「農山漁村

活性化計画」の採択を受けた取組に対して米粉用米の生産加工に必要な施設整備等の支援を行っています

② 米粉用米の生産者に対しては水田活用の直接支払交付金による支援を行っていますまたノングルテン米粉表示や米粉の用途別基準により需要者ニーズに合った高品質な米粉の製造や輸出拡大の取組を支援しています

③ 平成31年度は国内海外の需要獲得に向け引き続き魅力ある新商品開発を推進するほか日本産米粉の優位性の情報発信やノングルテン米粉の製造手法マニュアルの作成など輸出を含めた日本産米粉の需要拡大に向けた取組を支援していくこととしています

予 算 措 置

【水田活用の直接支払交付金】水田を活用して米粉用米等の作物を生産する農業者に対し交付金を直接交付 (米粉用米収量に応じ55万円~105万円10a)

【農山漁村振興交付金】米粉飼料用米の生産加工に係る施設整備に対し交付金を交付(補助率定額12)

【持続的生産強化対策事業】

日本産米粉の優位性の情報発信ノングルテン米粉の製造手法マニュアルの作成米粉用米生産者と製造事業者とのマッチング

等の取組を支援

金 融 措 置

【日本政策金融公庫による低利融資】(食品安定供給施設整備資金)

米粉製造施設米粉を原料とした食品の製造加工施設等への融資

(輸出を含めた日本産米粉の需要拡大支援事業)

(補助率定額)

【外食産業等と連携した需要拡大対策事業】

国産農林水産物食品の輸出等需要フロンティアの開拓を図るため産地と複数年契約を締結する民間企業(外食加工業者)に対し国産農林水産物を活用した新商品の開発やそれに必要な技術開発等を支援 (補助率定額12)

- 35 -

【農林水産物食品輸出促進緊急対策事業】コメ海外市場拡大戦略プロジェクトに参加する輸出産地や輸出事業者等が連携して戦略的に取り組む中国等の海外市場開拓プロモーション等を支援

(補助率定額12)

品目 現在の関税率 合意内容

小麦

枠内税率無税+マークアップ

枠外税率55円kg

現行の国家貿易制度を維持するとともに枠外税率(55円kg)を維持

既存のWTO枠に加え米国(15万(7年目以降))【不適用】カナダ(53万(同))豪州(5万(同))にSBS方式の国別枠を設定

マークアップを9年目までに45削減

大麦

枠内税率無税+マークアップ

枠外税率39円kg

現行の国家貿易制度を維持するとともに枠外税率(39円kg)を維持

既存のWTO枠に加えSBS方式のTPP枠(65万(9年目以降))を設定

マークアップを9年目までに45削減

1 TPP11協定概要(麦)(平成30年12月30日発効)

Ⅴ TPP11及び日EUEPAの協定概要(麦関係)

(参考主な麦製品)

現在の関税率合意内容

税率 枠数量

いった小麦小麦粉等

(国家貿易品目)

枠内税率125~25+マークアップ

枠外税率85~134円kg

枠内即時無税+マークアップ

(枠外税率は維持)

(発効時) (6年目)125千rarr175千

ベーカリー製品製造用

小麦粉調製品16~24

枠内即時無税(枠外税率は維持)

(発効時) (6年目)米国 105千rarr12千【不適用】米国以外 68千rarr 8千

その他小麦粉調製品

16~28枠内即時無税

(枠外税率は維持)(発効時) (6年目)15千rarr225千

マカロニスパゲティ

30円kg9年目までに60削減

ビスケット 1315 6年目に無税 -

注1)いった小麦とは小麦をいったものであり主にシリアル食品等に使用される

2)その他小麦粉調製品とは製麺まんじゅう等のベーカリー製品以外の製造用の

小麦粉調製品である

- 36 -

2 日EUEPA協定概要(麦)(平成31年2月1日発効)

品目 現在の関税率 合意内容

小麦

枠内税率無税+マークアップ

枠外税率55円kg

現行の国家貿易制度を維持するとともに枠外税率(55円kg)を維持

既存のWTO枠に加えSBS方式のEU枠(270(7年目以降))を設定

枠内のマークアップを9年目までに45削減

大麦

枠内税率無税+マークアップ

枠外税率39円kg

現行の国家貿易制度を維持するとともに枠外税率(39円kg)を維持

既存のWTO枠に加えSBS方式のEU枠(30(即時))を設定

枠内のマークアップを9年目までに45削減

(参考主な麦製品)

現在の関税率合意内容

税率 枠数量

いった小麦小麦粉等

(国家貿易品目)

枠内税率125~25+マークアップ

枠外税率85~134円kg

枠内即時無税+マークアップ

(枠外税率は維持)

(発効時) (6年目)38千rarr44千

ベーカリー製品製造用

小麦粉調製品16~24

枠内即時無税(枠外税率は維持)

(発効時) (6年目)104千rarr142千

その他小麦粉調製品

16~28枠内即時無税

(枠外税率は維持)(発効時) (6年目)

2千rarr3千

マカロニスパゲティ

30円kg 11年目に無税 -

ビスケット 1315 6年目に無税 -

注1)いった小麦とは小麦をいったものであり主にシリアル食品等に使用される

2)その他小麦粉調製品とは製麺まんじゅう等のベーカリー製品以外の製造用の

小麦粉調製品である

(参考) 麦の国境措置

小 麦 大 麦

輸入数量

価格

輸入数量

価格

政府売渡価格

マークアップ(輸入差益)

452円kgを上限

輸入価格

(枠内税率0円kg)

枠内輸入(国家貿易) 枠外輸入

(民間貿易)枠外税率を支払って輸入された数量(平成29年度)12千トン

WTOカレントアクセス数量5740千トン

枠外税率55円

政府売渡価格

輸入価格(枠内税率0円kg)

WTOカレントアクセス数量1369千トン

枠内輸入(国家貿易) 枠外輸入(民間貿易)

枠外税率を支払って輸入された数量(平成29年度)06千トン

枠外税率39円

民間貿易の場合の輸入価格

民間貿易の場合の輸入価格

286円kgを上限

マークアップ(輸入差益)

- 37 -

  • スライド番号 1
  • スライド番号 2
  • 麦の参考資料 麦の需給に関する見通し(動向編)
  • スライド番号 4
  • スライド番号 5
  • スライド番号 6
  • スライド番号 7
  • スライド番号 8
  • スライド番号 9
  • スライド番号 10
  • スライド番号 11
  • スライド番号 12
  • スライド番号 13
  • スライド番号 14
  • Ⅱ 小麦粉麦製品の生産と価格の動向
  • スライド番号 16
  • スライド番号 17
  • スライド番号 18
  • スライド番号 19
  • スライド番号 20
  • スライド番号 21
  • スライド番号 22
  • スライド番号 23
  • スライド番号 24
  • スライド番号 25
  • スライド番号 26
  • スライド番号 27
  • スライド番号 28
  • スライド番号 29
  • スライド番号 30
  • スライド番号 31
  • スライド番号 32
  • スライド番号 33
  • スライド番号 34
  • スライド番号 35
  • スライド番号 36
  • スライド番号 37
  • スライド番号 38
  • スライド番号 39
  • スライド番号 40
  • スライド番号 41
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第8回全国ご当地うどんサミットin 熊谷 開催日平成30年11月10日~11日 場 所熊谷スポーツ文化公園にぎわい広

場(埼玉県) 内 容全国の国内産小麦を使用した「ご

当地うどん」が一堂に集まりグランプリを決定

図Ⅲ-11 全国各地で開催されたイベント 図Ⅲ-12 一般社団法人 全国米麦改良協会の取組

国産麦応援情報ホームページ「日本の麦の底力」内容国産小麦粉ブランド名鑑国産小麦の逸品イベント情報研究

情報等を掲載URL httpnihonnomugicom

北海道小麦キャンプ2018 in オホーツク 開催日平成30年7月10日~11日 場 所ホテル黒部を主会場としたオホーツ

ク管内(北海道) 内 容国内産小麦北海道産小麦の魅力

を全国に広めることを目的にバスツアーやパン講習会などを実施

麦わらぼうしフェスタ 開催日平成30年11月4日 場 所笠原産業株式会社(栃木県) 内 容国内産小麦を使用したうどんパン

などの試食販売うどん教室などを実施

第7回 信州粉もん祭り 開催日平成30年11月11日 場 所JAながの ちくま埴生支所(長野県) 内 容長野県産小麦を使用した「粉もん料

理」が大集合粉もん試食会や手打ちうどん講習会 などを実施

国内産麦アンテナショップ「むぎくらべ」内容国内産麦を使用した商品のPRと販売の場を提供するものとして

平成30年7月東京都千代田区にオープン

- 32 -

オープニングセレモニーには上月前農林水産大臣政務官(写真中央)も出席

10 食料農業農村基本計画における麦の位置付け

平成27年3月31日に平成37年度を目標とする「食料農業

農村基本計画」が閣議決定され小麦は95万トン大麦はだ

か麦は22万トンの生産努力目標が設定されています(表Ⅲ-

12)

食料消費の見通し 生産努力目標(万トン) 克服すべき課題

1人1年当たり消費量

(kg人年)

国内消費仕向量

(万トン)

平成25年度

平成37年度

平成25年度

平成37年度

平成25年度

平成37年度

小麦 33 32 699 611 81 95

国内産小麦の需要拡大に向けた産地形成やブランド化

実需者ニーズに対応した生産流通体制の確立

新品種新技術の開発導入輪作体系の最適化排水対策等による収量品質の高位安定化

農地の集積集約化経営規模の拡大に対応した省力化に資する技術の開発導入等による生産コストの低減

大麦はだか麦

03 02 208 213 18 22

外国産大麦が多く用いられている焼酎用等の国内産麦の需要拡大

実需者ニーズに対応した生産流通体制の確立

新品種新技術の開発導入輪作体系の最適化排水対策等による収量品質の高位安定化

農地の集積集約化経営規模の拡大に対応した省力化に資する技術の開発導入等による生産コストの低減

表Ⅲ-12 麦の平成37年度における食料消費の見通し及び生産努力目標

資料「食料農業農村基本計画」(平成27年3月閣議決定)注1)国内消費仕向量には飼料用等の食糧用以外の用途への仕向量を含む

2)大麦はだか麦の国内消費仕向量及び生産努力目標にはビール大麦を含む

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Ⅳ 米粉に関する動向

1 生産動向

米粉用米の生産量は平成25年産以降2万トン前後で推移していましたが平成29年度以降は約3万トンまで回復しています(表Ⅳ-1)

2 需要拡大に向けた対応

米粉用米の利用量は平成24年度以降年間2万数千トンで推移していましたがグルテンを使用しない米粉商品の開発や新たな米加工品(α化米粉米ゲルなど)の保湿性や粘性に着目した商品の開発「米粉の用途別基準」や「ノングルテン米粉製品第三者認証制度」の運用開始により平成29年度は25千トン30年度は31千トンに増加しています(表Ⅳ-2)

今後の更なる国内海外の需要拡大のためノングルテン米粉や用途別基準に適合する高品質な日本産米粉の流通を契機とした魅力ある新商品の開発や日本産米粉の優位性の情報発信等を推進する必要があります

表Ⅳ-1 上位5県の米粉用米の生産量と作付面積の推移

(参考) 米粉及び小麦粉の販売価格(税抜き)

米粉100~290円kg程度

(小麦粉 100円kg程度)

注1)平成26~29年度については新規需要米取組計画を認定した全需要者からの聞き取り注2)平成30年度については新規需要米取組計画を認定した主要な需要者からの聞き取り

により推計

表Ⅳ-2 米粉用米の利用量(需要者からの聞き取り)

- 34 -

資料26~29年産は新規需要米生産集出荷数量30年産は新規需要米取組計画

認定数量(農林水産省)

(単位千トン)

26年度 27年度 28年度 29年度 30年度見込

22 23 23 25 31

(単位千トン千ha)

26年産 27年産 28年産 29年産 30年産

生産量 59 97 87 130 107作付面積 11 18 15 24 19生産量 10 10 09 30 31作付面積 02 02 02 06 06生産量 08 10 00 19 30作付面積 01 02 00 03 06生産量 10 12 12 12 16作付面積 02 03 02 02 03生産量 20 24 07 12 13作付面積 03 04 01 02 02生産量 184 230 190 284 281作付面積 34 42 34 53 53

秋田県

全国計

新潟県

埼玉県

栃木県

群馬県

農林水産大臣は米穀の新用途への利用の促進に関する基本方針を定める

生産製造連携事業計画

生産者 製造事業者 促進事業者

必須

米穀の新用途への利用の促進に関する法律

米穀の新用途への利用の促進に関する基本方針

関係者が連携して計画を作成米穀の新用途への利用の促進に関する基本方針に照らし適切な計画について農林水産大臣が認定(計画期間は3~5年)

図Ⅳ 米粉用米に対する支援措置

3 米粉用米に対する支援

① 米粉用米についてはその利用の拡大を図るために平成21年に「米穀の新用途への利用の促進に関する法律」が制定されました同法に基づく「生産製造連携事業計画」の認定を受け「農山漁村

活性化計画」の採択を受けた取組に対して米粉用米の生産加工に必要な施設整備等の支援を行っています

② 米粉用米の生産者に対しては水田活用の直接支払交付金による支援を行っていますまたノングルテン米粉表示や米粉の用途別基準により需要者ニーズに合った高品質な米粉の製造や輸出拡大の取組を支援しています

③ 平成31年度は国内海外の需要獲得に向け引き続き魅力ある新商品開発を推進するほか日本産米粉の優位性の情報発信やノングルテン米粉の製造手法マニュアルの作成など輸出を含めた日本産米粉の需要拡大に向けた取組を支援していくこととしています

予 算 措 置

【水田活用の直接支払交付金】水田を活用して米粉用米等の作物を生産する農業者に対し交付金を直接交付 (米粉用米収量に応じ55万円~105万円10a)

【農山漁村振興交付金】米粉飼料用米の生産加工に係る施設整備に対し交付金を交付(補助率定額12)

【持続的生産強化対策事業】

日本産米粉の優位性の情報発信ノングルテン米粉の製造手法マニュアルの作成米粉用米生産者と製造事業者とのマッチング

等の取組を支援

金 融 措 置

【日本政策金融公庫による低利融資】(食品安定供給施設整備資金)

米粉製造施設米粉を原料とした食品の製造加工施設等への融資

(輸出を含めた日本産米粉の需要拡大支援事業)

(補助率定額)

【外食産業等と連携した需要拡大対策事業】

国産農林水産物食品の輸出等需要フロンティアの開拓を図るため産地と複数年契約を締結する民間企業(外食加工業者)に対し国産農林水産物を活用した新商品の開発やそれに必要な技術開発等を支援 (補助率定額12)

- 35 -

【農林水産物食品輸出促進緊急対策事業】コメ海外市場拡大戦略プロジェクトに参加する輸出産地や輸出事業者等が連携して戦略的に取り組む中国等の海外市場開拓プロモーション等を支援

(補助率定額12)

品目 現在の関税率 合意内容

小麦

枠内税率無税+マークアップ

枠外税率55円kg

現行の国家貿易制度を維持するとともに枠外税率(55円kg)を維持

既存のWTO枠に加え米国(15万(7年目以降))【不適用】カナダ(53万(同))豪州(5万(同))にSBS方式の国別枠を設定

マークアップを9年目までに45削減

大麦

枠内税率無税+マークアップ

枠外税率39円kg

現行の国家貿易制度を維持するとともに枠外税率(39円kg)を維持

既存のWTO枠に加えSBS方式のTPP枠(65万(9年目以降))を設定

マークアップを9年目までに45削減

1 TPP11協定概要(麦)(平成30年12月30日発効)

Ⅴ TPP11及び日EUEPAの協定概要(麦関係)

(参考主な麦製品)

現在の関税率合意内容

税率 枠数量

いった小麦小麦粉等

(国家貿易品目)

枠内税率125~25+マークアップ

枠外税率85~134円kg

枠内即時無税+マークアップ

(枠外税率は維持)

(発効時) (6年目)125千rarr175千

ベーカリー製品製造用

小麦粉調製品16~24

枠内即時無税(枠外税率は維持)

(発効時) (6年目)米国 105千rarr12千【不適用】米国以外 68千rarr 8千

その他小麦粉調製品

16~28枠内即時無税

(枠外税率は維持)(発効時) (6年目)15千rarr225千

マカロニスパゲティ

30円kg9年目までに60削減

ビスケット 1315 6年目に無税 -

注1)いった小麦とは小麦をいったものであり主にシリアル食品等に使用される

2)その他小麦粉調製品とは製麺まんじゅう等のベーカリー製品以外の製造用の

小麦粉調製品である

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2 日EUEPA協定概要(麦)(平成31年2月1日発効)

品目 現在の関税率 合意内容

小麦

枠内税率無税+マークアップ

枠外税率55円kg

現行の国家貿易制度を維持するとともに枠外税率(55円kg)を維持

既存のWTO枠に加えSBS方式のEU枠(270(7年目以降))を設定

枠内のマークアップを9年目までに45削減

大麦

枠内税率無税+マークアップ

枠外税率39円kg

現行の国家貿易制度を維持するとともに枠外税率(39円kg)を維持

既存のWTO枠に加えSBS方式のEU枠(30(即時))を設定

枠内のマークアップを9年目までに45削減

(参考主な麦製品)

現在の関税率合意内容

税率 枠数量

いった小麦小麦粉等

(国家貿易品目)

枠内税率125~25+マークアップ

枠外税率85~134円kg

枠内即時無税+マークアップ

(枠外税率は維持)

(発効時) (6年目)38千rarr44千

ベーカリー製品製造用

小麦粉調製品16~24

枠内即時無税(枠外税率は維持)

(発効時) (6年目)104千rarr142千

その他小麦粉調製品

16~28枠内即時無税

(枠外税率は維持)(発効時) (6年目)

2千rarr3千

マカロニスパゲティ

30円kg 11年目に無税 -

ビスケット 1315 6年目に無税 -

注1)いった小麦とは小麦をいったものであり主にシリアル食品等に使用される

2)その他小麦粉調製品とは製麺まんじゅう等のベーカリー製品以外の製造用の

小麦粉調製品である

(参考) 麦の国境措置

小 麦 大 麦

輸入数量

価格

輸入数量

価格

政府売渡価格

マークアップ(輸入差益)

452円kgを上限

輸入価格

(枠内税率0円kg)

枠内輸入(国家貿易) 枠外輸入

(民間貿易)枠外税率を支払って輸入された数量(平成29年度)12千トン

WTOカレントアクセス数量5740千トン

枠外税率55円

政府売渡価格

輸入価格(枠内税率0円kg)

WTOカレントアクセス数量1369千トン

枠内輸入(国家貿易) 枠外輸入(民間貿易)

枠外税率を支払って輸入された数量(平成29年度)06千トン

枠外税率39円

民間貿易の場合の輸入価格

民間貿易の場合の輸入価格

286円kgを上限

マークアップ(輸入差益)

- 37 -

  • スライド番号 1
  • スライド番号 2
  • 麦の参考資料 麦の需給に関する見通し(動向編)
  • スライド番号 4
  • スライド番号 5
  • スライド番号 6
  • スライド番号 7
  • スライド番号 8
  • スライド番号 9
  • スライド番号 10
  • スライド番号 11
  • スライド番号 12
  • スライド番号 13
  • スライド番号 14
  • Ⅱ 小麦粉麦製品の生産と価格の動向
  • スライド番号 16
  • スライド番号 17
  • スライド番号 18
  • スライド番号 19
  • スライド番号 20
  • スライド番号 21
  • スライド番号 22
  • スライド番号 23
  • スライド番号 24
  • スライド番号 25
  • スライド番号 26
  • スライド番号 27
  • スライド番号 28
  • スライド番号 29
  • スライド番号 30
  • スライド番号 31
  • スライド番号 32
  • スライド番号 33
  • スライド番号 34
  • スライド番号 35
  • スライド番号 36
  • スライド番号 37
  • スライド番号 38
  • スライド番号 39
  • スライド番号 40
  • スライド番号 41
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10 食料農業農村基本計画における麦の位置付け

平成27年3月31日に平成37年度を目標とする「食料農業

農村基本計画」が閣議決定され小麦は95万トン大麦はだ

か麦は22万トンの生産努力目標が設定されています(表Ⅲ-

12)

食料消費の見通し 生産努力目標(万トン) 克服すべき課題

1人1年当たり消費量

(kg人年)

国内消費仕向量

(万トン)

平成25年度

平成37年度

平成25年度

平成37年度

平成25年度

平成37年度

小麦 33 32 699 611 81 95

国内産小麦の需要拡大に向けた産地形成やブランド化

実需者ニーズに対応した生産流通体制の確立

新品種新技術の開発導入輪作体系の最適化排水対策等による収量品質の高位安定化

農地の集積集約化経営規模の拡大に対応した省力化に資する技術の開発導入等による生産コストの低減

大麦はだか麦

03 02 208 213 18 22

外国産大麦が多く用いられている焼酎用等の国内産麦の需要拡大

実需者ニーズに対応した生産流通体制の確立

新品種新技術の開発導入輪作体系の最適化排水対策等による収量品質の高位安定化

農地の集積集約化経営規模の拡大に対応した省力化に資する技術の開発導入等による生産コストの低減

表Ⅲ-12 麦の平成37年度における食料消費の見通し及び生産努力目標

資料「食料農業農村基本計画」(平成27年3月閣議決定)注1)国内消費仕向量には飼料用等の食糧用以外の用途への仕向量を含む

2)大麦はだか麦の国内消費仕向量及び生産努力目標にはビール大麦を含む

- 33 -

Ⅳ 米粉に関する動向

1 生産動向

米粉用米の生産量は平成25年産以降2万トン前後で推移していましたが平成29年度以降は約3万トンまで回復しています(表Ⅳ-1)

2 需要拡大に向けた対応

米粉用米の利用量は平成24年度以降年間2万数千トンで推移していましたがグルテンを使用しない米粉商品の開発や新たな米加工品(α化米粉米ゲルなど)の保湿性や粘性に着目した商品の開発「米粉の用途別基準」や「ノングルテン米粉製品第三者認証制度」の運用開始により平成29年度は25千トン30年度は31千トンに増加しています(表Ⅳ-2)

今後の更なる国内海外の需要拡大のためノングルテン米粉や用途別基準に適合する高品質な日本産米粉の流通を契機とした魅力ある新商品の開発や日本産米粉の優位性の情報発信等を推進する必要があります

表Ⅳ-1 上位5県の米粉用米の生産量と作付面積の推移

(参考) 米粉及び小麦粉の販売価格(税抜き)

米粉100~290円kg程度

(小麦粉 100円kg程度)

注1)平成26~29年度については新規需要米取組計画を認定した全需要者からの聞き取り注2)平成30年度については新規需要米取組計画を認定した主要な需要者からの聞き取り

により推計

表Ⅳ-2 米粉用米の利用量(需要者からの聞き取り)

- 34 -

資料26~29年産は新規需要米生産集出荷数量30年産は新規需要米取組計画

認定数量(農林水産省)

(単位千トン)

26年度 27年度 28年度 29年度 30年度見込

22 23 23 25 31

(単位千トン千ha)

26年産 27年産 28年産 29年産 30年産

生産量 59 97 87 130 107作付面積 11 18 15 24 19生産量 10 10 09 30 31作付面積 02 02 02 06 06生産量 08 10 00 19 30作付面積 01 02 00 03 06生産量 10 12 12 12 16作付面積 02 03 02 02 03生産量 20 24 07 12 13作付面積 03 04 01 02 02生産量 184 230 190 284 281作付面積 34 42 34 53 53

秋田県

全国計

新潟県

埼玉県

栃木県

群馬県

農林水産大臣は米穀の新用途への利用の促進に関する基本方針を定める

生産製造連携事業計画

生産者 製造事業者 促進事業者

必須

米穀の新用途への利用の促進に関する法律

米穀の新用途への利用の促進に関する基本方針

関係者が連携して計画を作成米穀の新用途への利用の促進に関する基本方針に照らし適切な計画について農林水産大臣が認定(計画期間は3~5年)

図Ⅳ 米粉用米に対する支援措置

3 米粉用米に対する支援

① 米粉用米についてはその利用の拡大を図るために平成21年に「米穀の新用途への利用の促進に関する法律」が制定されました同法に基づく「生産製造連携事業計画」の認定を受け「農山漁村

活性化計画」の採択を受けた取組に対して米粉用米の生産加工に必要な施設整備等の支援を行っています

② 米粉用米の生産者に対しては水田活用の直接支払交付金による支援を行っていますまたノングルテン米粉表示や米粉の用途別基準により需要者ニーズに合った高品質な米粉の製造や輸出拡大の取組を支援しています

③ 平成31年度は国内海外の需要獲得に向け引き続き魅力ある新商品開発を推進するほか日本産米粉の優位性の情報発信やノングルテン米粉の製造手法マニュアルの作成など輸出を含めた日本産米粉の需要拡大に向けた取組を支援していくこととしています

予 算 措 置

【水田活用の直接支払交付金】水田を活用して米粉用米等の作物を生産する農業者に対し交付金を直接交付 (米粉用米収量に応じ55万円~105万円10a)

【農山漁村振興交付金】米粉飼料用米の生産加工に係る施設整備に対し交付金を交付(補助率定額12)

【持続的生産強化対策事業】

日本産米粉の優位性の情報発信ノングルテン米粉の製造手法マニュアルの作成米粉用米生産者と製造事業者とのマッチング

等の取組を支援

金 融 措 置

【日本政策金融公庫による低利融資】(食品安定供給施設整備資金)

米粉製造施設米粉を原料とした食品の製造加工施設等への融資

(輸出を含めた日本産米粉の需要拡大支援事業)

(補助率定額)

【外食産業等と連携した需要拡大対策事業】

国産農林水産物食品の輸出等需要フロンティアの開拓を図るため産地と複数年契約を締結する民間企業(外食加工業者)に対し国産農林水産物を活用した新商品の開発やそれに必要な技術開発等を支援 (補助率定額12)

- 35 -

【農林水産物食品輸出促進緊急対策事業】コメ海外市場拡大戦略プロジェクトに参加する輸出産地や輸出事業者等が連携して戦略的に取り組む中国等の海外市場開拓プロモーション等を支援

(補助率定額12)

品目 現在の関税率 合意内容

小麦

枠内税率無税+マークアップ

枠外税率55円kg

現行の国家貿易制度を維持するとともに枠外税率(55円kg)を維持

既存のWTO枠に加え米国(15万(7年目以降))【不適用】カナダ(53万(同))豪州(5万(同))にSBS方式の国別枠を設定

マークアップを9年目までに45削減

大麦

枠内税率無税+マークアップ

枠外税率39円kg

現行の国家貿易制度を維持するとともに枠外税率(39円kg)を維持

既存のWTO枠に加えSBS方式のTPP枠(65万(9年目以降))を設定

マークアップを9年目までに45削減

1 TPP11協定概要(麦)(平成30年12月30日発効)

Ⅴ TPP11及び日EUEPAの協定概要(麦関係)

(参考主な麦製品)

現在の関税率合意内容

税率 枠数量

いった小麦小麦粉等

(国家貿易品目)

枠内税率125~25+マークアップ

枠外税率85~134円kg

枠内即時無税+マークアップ

(枠外税率は維持)

(発効時) (6年目)125千rarr175千

ベーカリー製品製造用

小麦粉調製品16~24

枠内即時無税(枠外税率は維持)

(発効時) (6年目)米国 105千rarr12千【不適用】米国以外 68千rarr 8千

その他小麦粉調製品

16~28枠内即時無税

(枠外税率は維持)(発効時) (6年目)15千rarr225千

マカロニスパゲティ

30円kg9年目までに60削減

ビスケット 1315 6年目に無税 -

注1)いった小麦とは小麦をいったものであり主にシリアル食品等に使用される

2)その他小麦粉調製品とは製麺まんじゅう等のベーカリー製品以外の製造用の

小麦粉調製品である

- 36 -

2 日EUEPA協定概要(麦)(平成31年2月1日発効)

品目 現在の関税率 合意内容

小麦

枠内税率無税+マークアップ

枠外税率55円kg

現行の国家貿易制度を維持するとともに枠外税率(55円kg)を維持

既存のWTO枠に加えSBS方式のEU枠(270(7年目以降))を設定

枠内のマークアップを9年目までに45削減

大麦

枠内税率無税+マークアップ

枠外税率39円kg

現行の国家貿易制度を維持するとともに枠外税率(39円kg)を維持

既存のWTO枠に加えSBS方式のEU枠(30(即時))を設定

枠内のマークアップを9年目までに45削減

(参考主な麦製品)

現在の関税率合意内容

税率 枠数量

いった小麦小麦粉等

(国家貿易品目)

枠内税率125~25+マークアップ

枠外税率85~134円kg

枠内即時無税+マークアップ

(枠外税率は維持)

(発効時) (6年目)38千rarr44千

ベーカリー製品製造用

小麦粉調製品16~24

枠内即時無税(枠外税率は維持)

(発効時) (6年目)104千rarr142千

その他小麦粉調製品

16~28枠内即時無税

(枠外税率は維持)(発効時) (6年目)

2千rarr3千

マカロニスパゲティ

30円kg 11年目に無税 -

ビスケット 1315 6年目に無税 -

注1)いった小麦とは小麦をいったものであり主にシリアル食品等に使用される

2)その他小麦粉調製品とは製麺まんじゅう等のベーカリー製品以外の製造用の

小麦粉調製品である

(参考) 麦の国境措置

小 麦 大 麦

輸入数量

価格

輸入数量

価格

政府売渡価格

マークアップ(輸入差益)

452円kgを上限

輸入価格

(枠内税率0円kg)

枠内輸入(国家貿易) 枠外輸入

(民間貿易)枠外税率を支払って輸入された数量(平成29年度)12千トン

WTOカレントアクセス数量5740千トン

枠外税率55円

政府売渡価格

輸入価格(枠内税率0円kg)

WTOカレントアクセス数量1369千トン

枠内輸入(国家貿易) 枠外輸入(民間貿易)

枠外税率を支払って輸入された数量(平成29年度)06千トン

枠外税率39円

民間貿易の場合の輸入価格

民間貿易の場合の輸入価格

286円kgを上限

マークアップ(輸入差益)

- 37 -

  • スライド番号 1
  • スライド番号 2
  • 麦の参考資料 麦の需給に関する見通し(動向編)
  • スライド番号 4
  • スライド番号 5
  • スライド番号 6
  • スライド番号 7
  • スライド番号 8
  • スライド番号 9
  • スライド番号 10
  • スライド番号 11
  • スライド番号 12
  • スライド番号 13
  • スライド番号 14
  • Ⅱ 小麦粉麦製品の生産と価格の動向
  • スライド番号 16
  • スライド番号 17
  • スライド番号 18
  • スライド番号 19
  • スライド番号 20
  • スライド番号 21
  • スライド番号 22
  • スライド番号 23
  • スライド番号 24
  • スライド番号 25
  • スライド番号 26
  • スライド番号 27
  • スライド番号 28
  • スライド番号 29
  • スライド番号 30
  • スライド番号 31
  • スライド番号 32
  • スライド番号 33
  • スライド番号 34
  • スライド番号 35
  • スライド番号 36
  • スライド番号 37
  • スライド番号 38
  • スライド番号 39
  • スライド番号 40
  • スライド番号 41
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Ⅳ 米粉に関する動向

1 生産動向

米粉用米の生産量は平成25年産以降2万トン前後で推移していましたが平成29年度以降は約3万トンまで回復しています(表Ⅳ-1)

2 需要拡大に向けた対応

米粉用米の利用量は平成24年度以降年間2万数千トンで推移していましたがグルテンを使用しない米粉商品の開発や新たな米加工品(α化米粉米ゲルなど)の保湿性や粘性に着目した商品の開発「米粉の用途別基準」や「ノングルテン米粉製品第三者認証制度」の運用開始により平成29年度は25千トン30年度は31千トンに増加しています(表Ⅳ-2)

今後の更なる国内海外の需要拡大のためノングルテン米粉や用途別基準に適合する高品質な日本産米粉の流通を契機とした魅力ある新商品の開発や日本産米粉の優位性の情報発信等を推進する必要があります

表Ⅳ-1 上位5県の米粉用米の生産量と作付面積の推移

(参考) 米粉及び小麦粉の販売価格(税抜き)

米粉100~290円kg程度

(小麦粉 100円kg程度)

注1)平成26~29年度については新規需要米取組計画を認定した全需要者からの聞き取り注2)平成30年度については新規需要米取組計画を認定した主要な需要者からの聞き取り

により推計

表Ⅳ-2 米粉用米の利用量(需要者からの聞き取り)

- 34 -

資料26~29年産は新規需要米生産集出荷数量30年産は新規需要米取組計画

認定数量(農林水産省)

(単位千トン)

26年度 27年度 28年度 29年度 30年度見込

22 23 23 25 31

(単位千トン千ha)

26年産 27年産 28年産 29年産 30年産

生産量 59 97 87 130 107作付面積 11 18 15 24 19生産量 10 10 09 30 31作付面積 02 02 02 06 06生産量 08 10 00 19 30作付面積 01 02 00 03 06生産量 10 12 12 12 16作付面積 02 03 02 02 03生産量 20 24 07 12 13作付面積 03 04 01 02 02生産量 184 230 190 284 281作付面積 34 42 34 53 53

秋田県

全国計

新潟県

埼玉県

栃木県

群馬県

農林水産大臣は米穀の新用途への利用の促進に関する基本方針を定める

生産製造連携事業計画

生産者 製造事業者 促進事業者

必須

米穀の新用途への利用の促進に関する法律

米穀の新用途への利用の促進に関する基本方針

関係者が連携して計画を作成米穀の新用途への利用の促進に関する基本方針に照らし適切な計画について農林水産大臣が認定(計画期間は3~5年)

図Ⅳ 米粉用米に対する支援措置

3 米粉用米に対する支援

① 米粉用米についてはその利用の拡大を図るために平成21年に「米穀の新用途への利用の促進に関する法律」が制定されました同法に基づく「生産製造連携事業計画」の認定を受け「農山漁村

活性化計画」の採択を受けた取組に対して米粉用米の生産加工に必要な施設整備等の支援を行っています

② 米粉用米の生産者に対しては水田活用の直接支払交付金による支援を行っていますまたノングルテン米粉表示や米粉の用途別基準により需要者ニーズに合った高品質な米粉の製造や輸出拡大の取組を支援しています

③ 平成31年度は国内海外の需要獲得に向け引き続き魅力ある新商品開発を推進するほか日本産米粉の優位性の情報発信やノングルテン米粉の製造手法マニュアルの作成など輸出を含めた日本産米粉の需要拡大に向けた取組を支援していくこととしています

予 算 措 置

【水田活用の直接支払交付金】水田を活用して米粉用米等の作物を生産する農業者に対し交付金を直接交付 (米粉用米収量に応じ55万円~105万円10a)

【農山漁村振興交付金】米粉飼料用米の生産加工に係る施設整備に対し交付金を交付(補助率定額12)

【持続的生産強化対策事業】

日本産米粉の優位性の情報発信ノングルテン米粉の製造手法マニュアルの作成米粉用米生産者と製造事業者とのマッチング

等の取組を支援

金 融 措 置

【日本政策金融公庫による低利融資】(食品安定供給施設整備資金)

米粉製造施設米粉を原料とした食品の製造加工施設等への融資

(輸出を含めた日本産米粉の需要拡大支援事業)

(補助率定額)

【外食産業等と連携した需要拡大対策事業】

国産農林水産物食品の輸出等需要フロンティアの開拓を図るため産地と複数年契約を締結する民間企業(外食加工業者)に対し国産農林水産物を活用した新商品の開発やそれに必要な技術開発等を支援 (補助率定額12)

- 35 -

【農林水産物食品輸出促進緊急対策事業】コメ海外市場拡大戦略プロジェクトに参加する輸出産地や輸出事業者等が連携して戦略的に取り組む中国等の海外市場開拓プロモーション等を支援

(補助率定額12)

品目 現在の関税率 合意内容

小麦

枠内税率無税+マークアップ

枠外税率55円kg

現行の国家貿易制度を維持するとともに枠外税率(55円kg)を維持

既存のWTO枠に加え米国(15万(7年目以降))【不適用】カナダ(53万(同))豪州(5万(同))にSBS方式の国別枠を設定

マークアップを9年目までに45削減

大麦

枠内税率無税+マークアップ

枠外税率39円kg

現行の国家貿易制度を維持するとともに枠外税率(39円kg)を維持

既存のWTO枠に加えSBS方式のTPP枠(65万(9年目以降))を設定

マークアップを9年目までに45削減

1 TPP11協定概要(麦)(平成30年12月30日発効)

Ⅴ TPP11及び日EUEPAの協定概要(麦関係)

(参考主な麦製品)

現在の関税率合意内容

税率 枠数量

いった小麦小麦粉等

(国家貿易品目)

枠内税率125~25+マークアップ

枠外税率85~134円kg

枠内即時無税+マークアップ

(枠外税率は維持)

(発効時) (6年目)125千rarr175千

ベーカリー製品製造用

小麦粉調製品16~24

枠内即時無税(枠外税率は維持)

(発効時) (6年目)米国 105千rarr12千【不適用】米国以外 68千rarr 8千

その他小麦粉調製品

16~28枠内即時無税

(枠外税率は維持)(発効時) (6年目)15千rarr225千

マカロニスパゲティ

30円kg9年目までに60削減

ビスケット 1315 6年目に無税 -

注1)いった小麦とは小麦をいったものであり主にシリアル食品等に使用される

2)その他小麦粉調製品とは製麺まんじゅう等のベーカリー製品以外の製造用の

小麦粉調製品である

- 36 -

2 日EUEPA協定概要(麦)(平成31年2月1日発効)

品目 現在の関税率 合意内容

小麦

枠内税率無税+マークアップ

枠外税率55円kg

現行の国家貿易制度を維持するとともに枠外税率(55円kg)を維持

既存のWTO枠に加えSBS方式のEU枠(270(7年目以降))を設定

枠内のマークアップを9年目までに45削減

大麦

枠内税率無税+マークアップ

枠外税率39円kg

現行の国家貿易制度を維持するとともに枠外税率(39円kg)を維持

既存のWTO枠に加えSBS方式のEU枠(30(即時))を設定

枠内のマークアップを9年目までに45削減

(参考主な麦製品)

現在の関税率合意内容

税率 枠数量

いった小麦小麦粉等

(国家貿易品目)

枠内税率125~25+マークアップ

枠外税率85~134円kg

枠内即時無税+マークアップ

(枠外税率は維持)

(発効時) (6年目)38千rarr44千

ベーカリー製品製造用

小麦粉調製品16~24

枠内即時無税(枠外税率は維持)

(発効時) (6年目)104千rarr142千

その他小麦粉調製品

16~28枠内即時無税

(枠外税率は維持)(発効時) (6年目)

2千rarr3千

マカロニスパゲティ

30円kg 11年目に無税 -

ビスケット 1315 6年目に無税 -

注1)いった小麦とは小麦をいったものであり主にシリアル食品等に使用される

2)その他小麦粉調製品とは製麺まんじゅう等のベーカリー製品以外の製造用の

小麦粉調製品である

(参考) 麦の国境措置

小 麦 大 麦

輸入数量

価格

輸入数量

価格

政府売渡価格

マークアップ(輸入差益)

452円kgを上限

輸入価格

(枠内税率0円kg)

枠内輸入(国家貿易) 枠外輸入

(民間貿易)枠外税率を支払って輸入された数量(平成29年度)12千トン

WTOカレントアクセス数量5740千トン

枠外税率55円

政府売渡価格

輸入価格(枠内税率0円kg)

WTOカレントアクセス数量1369千トン

枠内輸入(国家貿易) 枠外輸入(民間貿易)

枠外税率を支払って輸入された数量(平成29年度)06千トン

枠外税率39円

民間貿易の場合の輸入価格

民間貿易の場合の輸入価格

286円kgを上限

マークアップ(輸入差益)

- 37 -

  • スライド番号 1
  • スライド番号 2
  • 麦の参考資料 麦の需給に関する見通し(動向編)
  • スライド番号 4
  • スライド番号 5
  • スライド番号 6
  • スライド番号 7
  • スライド番号 8
  • スライド番号 9
  • スライド番号 10
  • スライド番号 11
  • スライド番号 12
  • スライド番号 13
  • スライド番号 14
  • Ⅱ 小麦粉麦製品の生産と価格の動向
  • スライド番号 16
  • スライド番号 17
  • スライド番号 18
  • スライド番号 19
  • スライド番号 20
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  • スライド番号 22
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  • スライド番号 27
  • スライド番号 28
  • スライド番号 29
  • スライド番号 30
  • スライド番号 31
  • スライド番号 32
  • スライド番号 33
  • スライド番号 34
  • スライド番号 35
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  • スライド番号 37
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農林水産大臣は米穀の新用途への利用の促進に関する基本方針を定める

生産製造連携事業計画

生産者 製造事業者 促進事業者

必須

米穀の新用途への利用の促進に関する法律

米穀の新用途への利用の促進に関する基本方針

関係者が連携して計画を作成米穀の新用途への利用の促進に関する基本方針に照らし適切な計画について農林水産大臣が認定(計画期間は3~5年)

図Ⅳ 米粉用米に対する支援措置

3 米粉用米に対する支援

① 米粉用米についてはその利用の拡大を図るために平成21年に「米穀の新用途への利用の促進に関する法律」が制定されました同法に基づく「生産製造連携事業計画」の認定を受け「農山漁村

活性化計画」の採択を受けた取組に対して米粉用米の生産加工に必要な施設整備等の支援を行っています

② 米粉用米の生産者に対しては水田活用の直接支払交付金による支援を行っていますまたノングルテン米粉表示や米粉の用途別基準により需要者ニーズに合った高品質な米粉の製造や輸出拡大の取組を支援しています

③ 平成31年度は国内海外の需要獲得に向け引き続き魅力ある新商品開発を推進するほか日本産米粉の優位性の情報発信やノングルテン米粉の製造手法マニュアルの作成など輸出を含めた日本産米粉の需要拡大に向けた取組を支援していくこととしています

予 算 措 置

【水田活用の直接支払交付金】水田を活用して米粉用米等の作物を生産する農業者に対し交付金を直接交付 (米粉用米収量に応じ55万円~105万円10a)

【農山漁村振興交付金】米粉飼料用米の生産加工に係る施設整備に対し交付金を交付(補助率定額12)

【持続的生産強化対策事業】

日本産米粉の優位性の情報発信ノングルテン米粉の製造手法マニュアルの作成米粉用米生産者と製造事業者とのマッチング

等の取組を支援

金 融 措 置

【日本政策金融公庫による低利融資】(食品安定供給施設整備資金)

米粉製造施設米粉を原料とした食品の製造加工施設等への融資

(輸出を含めた日本産米粉の需要拡大支援事業)

(補助率定額)

【外食産業等と連携した需要拡大対策事業】

国産農林水産物食品の輸出等需要フロンティアの開拓を図るため産地と複数年契約を締結する民間企業(外食加工業者)に対し国産農林水産物を活用した新商品の開発やそれに必要な技術開発等を支援 (補助率定額12)

- 35 -

【農林水産物食品輸出促進緊急対策事業】コメ海外市場拡大戦略プロジェクトに参加する輸出産地や輸出事業者等が連携して戦略的に取り組む中国等の海外市場開拓プロモーション等を支援

(補助率定額12)

品目 現在の関税率 合意内容

小麦

枠内税率無税+マークアップ

枠外税率55円kg

現行の国家貿易制度を維持するとともに枠外税率(55円kg)を維持

既存のWTO枠に加え米国(15万(7年目以降))【不適用】カナダ(53万(同))豪州(5万(同))にSBS方式の国別枠を設定

マークアップを9年目までに45削減

大麦

枠内税率無税+マークアップ

枠外税率39円kg

現行の国家貿易制度を維持するとともに枠外税率(39円kg)を維持

既存のWTO枠に加えSBS方式のTPP枠(65万(9年目以降))を設定

マークアップを9年目までに45削減

1 TPP11協定概要(麦)(平成30年12月30日発効)

Ⅴ TPP11及び日EUEPAの協定概要(麦関係)

(参考主な麦製品)

現在の関税率合意内容

税率 枠数量

いった小麦小麦粉等

(国家貿易品目)

枠内税率125~25+マークアップ

枠外税率85~134円kg

枠内即時無税+マークアップ

(枠外税率は維持)

(発効時) (6年目)125千rarr175千

ベーカリー製品製造用

小麦粉調製品16~24

枠内即時無税(枠外税率は維持)

(発効時) (6年目)米国 105千rarr12千【不適用】米国以外 68千rarr 8千

その他小麦粉調製品

16~28枠内即時無税

(枠外税率は維持)(発効時) (6年目)15千rarr225千

マカロニスパゲティ

30円kg9年目までに60削減

ビスケット 1315 6年目に無税 -

注1)いった小麦とは小麦をいったものであり主にシリアル食品等に使用される

2)その他小麦粉調製品とは製麺まんじゅう等のベーカリー製品以外の製造用の

小麦粉調製品である

- 36 -

2 日EUEPA協定概要(麦)(平成31年2月1日発効)

品目 現在の関税率 合意内容

小麦

枠内税率無税+マークアップ

枠外税率55円kg

現行の国家貿易制度を維持するとともに枠外税率(55円kg)を維持

既存のWTO枠に加えSBS方式のEU枠(270(7年目以降))を設定

枠内のマークアップを9年目までに45削減

大麦

枠内税率無税+マークアップ

枠外税率39円kg

現行の国家貿易制度を維持するとともに枠外税率(39円kg)を維持

既存のWTO枠に加えSBS方式のEU枠(30(即時))を設定

枠内のマークアップを9年目までに45削減

(参考主な麦製品)

現在の関税率合意内容

税率 枠数量

いった小麦小麦粉等

(国家貿易品目)

枠内税率125~25+マークアップ

枠外税率85~134円kg

枠内即時無税+マークアップ

(枠外税率は維持)

(発効時) (6年目)38千rarr44千

ベーカリー製品製造用

小麦粉調製品16~24

枠内即時無税(枠外税率は維持)

(発効時) (6年目)104千rarr142千

その他小麦粉調製品

16~28枠内即時無税

(枠外税率は維持)(発効時) (6年目)

2千rarr3千

マカロニスパゲティ

30円kg 11年目に無税 -

ビスケット 1315 6年目に無税 -

注1)いった小麦とは小麦をいったものであり主にシリアル食品等に使用される

2)その他小麦粉調製品とは製麺まんじゅう等のベーカリー製品以外の製造用の

小麦粉調製品である

(参考) 麦の国境措置

小 麦 大 麦

輸入数量

価格

輸入数量

価格

政府売渡価格

マークアップ(輸入差益)

452円kgを上限

輸入価格

(枠内税率0円kg)

枠内輸入(国家貿易) 枠外輸入

(民間貿易)枠外税率を支払って輸入された数量(平成29年度)12千トン

WTOカレントアクセス数量5740千トン

枠外税率55円

政府売渡価格

輸入価格(枠内税率0円kg)

WTOカレントアクセス数量1369千トン

枠内輸入(国家貿易) 枠外輸入(民間貿易)

枠外税率を支払って輸入された数量(平成29年度)06千トン

枠外税率39円

民間貿易の場合の輸入価格

民間貿易の場合の輸入価格

286円kgを上限

マークアップ(輸入差益)

- 37 -

  • スライド番号 1
  • スライド番号 2
  • 麦の参考資料 麦の需給に関する見通し(動向編)
  • スライド番号 4
  • スライド番号 5
  • スライド番号 6
  • スライド番号 7
  • スライド番号 8
  • スライド番号 9
  • スライド番号 10
  • スライド番号 11
  • スライド番号 12
  • スライド番号 13
  • スライド番号 14
  • Ⅱ 小麦粉麦製品の生産と価格の動向
  • スライド番号 16
  • スライド番号 17
  • スライド番号 18
  • スライド番号 19
  • スライド番号 20
  • スライド番号 21
  • スライド番号 22
  • スライド番号 23
  • スライド番号 24
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  • スライド番号 26
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品目 現在の関税率 合意内容

小麦

枠内税率無税+マークアップ

枠外税率55円kg

現行の国家貿易制度を維持するとともに枠外税率(55円kg)を維持

既存のWTO枠に加え米国(15万(7年目以降))【不適用】カナダ(53万(同))豪州(5万(同))にSBS方式の国別枠を設定

マークアップを9年目までに45削減

大麦

枠内税率無税+マークアップ

枠外税率39円kg

現行の国家貿易制度を維持するとともに枠外税率(39円kg)を維持

既存のWTO枠に加えSBS方式のTPP枠(65万(9年目以降))を設定

マークアップを9年目までに45削減

1 TPP11協定概要(麦)(平成30年12月30日発効)

Ⅴ TPP11及び日EUEPAの協定概要(麦関係)

(参考主な麦製品)

現在の関税率合意内容

税率 枠数量

いった小麦小麦粉等

(国家貿易品目)

枠内税率125~25+マークアップ

枠外税率85~134円kg

枠内即時無税+マークアップ

(枠外税率は維持)

(発効時) (6年目)125千rarr175千

ベーカリー製品製造用

小麦粉調製品16~24

枠内即時無税(枠外税率は維持)

(発効時) (6年目)米国 105千rarr12千【不適用】米国以外 68千rarr 8千

その他小麦粉調製品

16~28枠内即時無税

(枠外税率は維持)(発効時) (6年目)15千rarr225千

マカロニスパゲティ

30円kg9年目までに60削減

ビスケット 1315 6年目に無税 -

注1)いった小麦とは小麦をいったものであり主にシリアル食品等に使用される

2)その他小麦粉調製品とは製麺まんじゅう等のベーカリー製品以外の製造用の

小麦粉調製品である

- 36 -

2 日EUEPA協定概要(麦)(平成31年2月1日発効)

品目 現在の関税率 合意内容

小麦

枠内税率無税+マークアップ

枠外税率55円kg

現行の国家貿易制度を維持するとともに枠外税率(55円kg)を維持

既存のWTO枠に加えSBS方式のEU枠(270(7年目以降))を設定

枠内のマークアップを9年目までに45削減

大麦

枠内税率無税+マークアップ

枠外税率39円kg

現行の国家貿易制度を維持するとともに枠外税率(39円kg)を維持

既存のWTO枠に加えSBS方式のEU枠(30(即時))を設定

枠内のマークアップを9年目までに45削減

(参考主な麦製品)

現在の関税率合意内容

税率 枠数量

いった小麦小麦粉等

(国家貿易品目)

枠内税率125~25+マークアップ

枠外税率85~134円kg

枠内即時無税+マークアップ

(枠外税率は維持)

(発効時) (6年目)38千rarr44千

ベーカリー製品製造用

小麦粉調製品16~24

枠内即時無税(枠外税率は維持)

(発効時) (6年目)104千rarr142千

その他小麦粉調製品

16~28枠内即時無税

(枠外税率は維持)(発効時) (6年目)

2千rarr3千

マカロニスパゲティ

30円kg 11年目に無税 -

ビスケット 1315 6年目に無税 -

注1)いった小麦とは小麦をいったものであり主にシリアル食品等に使用される

2)その他小麦粉調製品とは製麺まんじゅう等のベーカリー製品以外の製造用の

小麦粉調製品である

(参考) 麦の国境措置

小 麦 大 麦

輸入数量

価格

輸入数量

価格

政府売渡価格

マークアップ(輸入差益)

452円kgを上限

輸入価格

(枠内税率0円kg)

枠内輸入(国家貿易) 枠外輸入

(民間貿易)枠外税率を支払って輸入された数量(平成29年度)12千トン

WTOカレントアクセス数量5740千トン

枠外税率55円

政府売渡価格

輸入価格(枠内税率0円kg)

WTOカレントアクセス数量1369千トン

枠内輸入(国家貿易) 枠外輸入(民間貿易)

枠外税率を支払って輸入された数量(平成29年度)06千トン

枠外税率39円

民間貿易の場合の輸入価格

民間貿易の場合の輸入価格

286円kgを上限

マークアップ(輸入差益)

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(参考) 麦の国境措置

小 麦 大 麦

輸入数量

価格

輸入数量

価格

政府売渡価格

マークアップ(輸入差益)

452円kgを上限

輸入価格

(枠内税率0円kg)

枠内輸入(国家貿易) 枠外輸入

(民間貿易)枠外税率を支払って輸入された数量(平成29年度)12千トン

WTOカレントアクセス数量5740千トン

枠外税率55円

政府売渡価格

輸入価格(枠内税率0円kg)

WTOカレントアクセス数量1369千トン

枠内輸入(国家貿易) 枠外輸入(民間貿易)

枠外税率を支払って輸入された数量(平成29年度)06千トン

枠外税率39円

民間貿易の場合の輸入価格

民間貿易の場合の輸入価格

286円kgを上限

マークアップ(輸入差益)

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