車載システム設計向け autosar ソリューション · 車載システム設計向け...

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車載システム設計向け AUTOSAR ソリューション 車載ソフトウェア設計用の新標準 AUTOSAR は、自動車の設計および製造に新 たな経済効率をもたらす可能性を秘めています。今日、自動車に搭載される電 子部品やソフトウエアのコストが全車両コストに占める割合は 45% 近くに上って おり、その大半は組込みソフトウェア・コードの開発コストによって占められてい ます。将来的には、自動車プラットフォームの差別化がソフトウェアによって行わ れるようになるでしょう。AUTOSAR は、その方向に進みつつある自動車業界を 牽引しています。 メンター・グラフィックスは、車載システム設計向けの総合的なツール群を通じて、 AUTOSAR の導入を支援します。 www.mentorg.co.jp/products/vnd

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Post on 29-Jan-2020

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車載システム設計向け AUTOSARソリューション

車載ソフトウェア設計用の新標準 AUTOSARは、自動車の設計および製造に新

たな経済効率をもたらす可能性を秘めています。今日、自動車に搭載される電

子部品やソフトウエアのコストが全車両コストに占める割合は 45%近くに上って

おり、その大半は組込みソフトウェア・コードの開発コストによって占められてい

ます。将来的には、自動車プラットフォームの差別化がソフトウェアによって行わ

れるようになるでしょう。AUTOSARは、その方向に進みつつある自動車業界を

牽引しています。

メンター・グラフィックスは、車載システム設計向けの総合的なツール群を通じて、

AUTOSARの導入を支援します。

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AUTOSARを採用する理由AUTOSARとは本来、インタフェースとソフトウェア・モジュールの定義を網羅した標準規格ですが、概念的にAUTOSARを新しいプラットフォームと見なすことにより、設計者は、機能の統合手法を思い煩うことなく、独自の革新的な機能の開発に専念できるようになります。何よりもAUTOSARの要は、車載ネットワークベースの複雑な分散型システムを最終的に駆動することになる組込みソフトウェアの構造を明確に定めていることにあります。

AUTOSARが自動車メーカーの間に浸透しつつある中で、AUTOSARのシステム設計、評価、実現可能性調査を自動で行うツールの開発が進んできました。こうしたツールは自動車設計分野で広く採用が進んでおり、利益率の高い車載製品をより効率的に設計するための最適化プロセスに欠かせないものとなっていくでしょう。

メンター・グラフィックスの VSxツールVolcano™ VSxは、車載システムや ECUのトップダウン設計に使用できる総合ツールスイートです。ツール同士は緊密に統合されていますが、もちろんツールを個別に使用することもでき、いずれもAUTOSAR標準のインポート/エクスポートをサポートしています。

VSxは、設計、解析、検証、仮想統合、テストに対応する最も包括的なAUTOSARベースのツール群として、車載ソフトウェアおよび電子システムの設計、仮想検証、テスト、コンフィギュレーションを網羅しています。VSxのツールはすべてEclipseフレームワークをベースに開発されているため、開発ツール用のモジュラ型のオープンなフレームワークの一部 として活用できます。

Volcano Vehicle Systems Architect – VSAAUTOSARベースのシステム設計ツールであるVolcano Vehicle Systems Architect(VSA)を使用して、車載ソフトウェア/ハードウェアのアーキテクチャ設計、ソフトウェアとハードウェアの連携、管理が行えます。またVSAには、複数の開発パートナーにまたがる大規模プロジェクトを管理するためのサポート機能も用意されています。

VSAによってサポートされる AUTOSAR 設計手順とプラットフォーム機能

VSAによって、AUTOSARシステムのソフトウェア/ハードウェア設計、ソフトウェア・コンポーネントの ECUへのマッピング、ソフトウェア/ハードウェア間のシステム信号のやり取りを実現できます。VSAは、AUTOSARデータモデルを全面的にサポートしており、コンフィギュレーションを統合的に管理およびマージする手法により、複数のユーザが関わる大規模開発プロジェクトや開発作業の繰り返しが多いプロジェクトを可能にします。

Volcano VSA COM DesignerVolcano VSA COM Designerは、タイミング要件、バリアント、コンフィギュレーション、リリースを管理しながら、最新のシステム・エンジニアリング・プラクティスに従って、車載用 CAN、LINおよび FlexRayのネットワークを設計するツールです。大規模な産業機器アプリケーションにも対応しているVolcano VSA COM Designerは、複数のユーザを同時にサポートし、設計システムの複数のコンフィギュレーションやバリアントの管理を簡略化します。

Volcano VSA COM Designerのネットワーク設計プロセス

また、AUTOSARベースの ECUを使用したネットワーク設計と、Volcano Target Package (VTP)を使用した標準的なCAN/LINの実装にも対応しています。さらに、AUTOSARのベーシック・ソフトウェア(BSW)と他の実装機能の両方を含むシステムを設計することが可能です。

BridgePoint - 実行可能/変換可能な UMLによるモデリング

BridgePoint™は、再利用可能でターゲットに依存しない実行可能な仕様とモデルに基づく包括的な設計環境です。故障を検出し、修復できる xtUML(Excutable and Translatable UML)モデルが提供されます。

BridgePoint xtUMLツールを使用すると、ターゲット・ハードウェアが開発される前に、プラットフォームに依存しない環境で組込みアプリケーションの概念を開発、モデル化、およびテストし、任意の言語による実行ファイルを生成できます。これにより、設計の早い段階で必要な設計変更を確実に行い、開発後期で行った場合に負担のかさむ変更リスクを回避します。

Volcano Virtual Systems Integrator - VSIVolcano Virtual Systems Integrator(VSI)は、ECU、バス、センサ、アクチュエータなどのハードウェア要素から構成されたソフトウェア検証環境であり、統合システムのように動作します。実ハードウェア開発前の早い段階でソフトウェア機能を検証できます。

• AUTOSARシステムの実行環境

• 仮想 ECUおよび BSWによるソフトウェア機能の早期 検証

• ソフトウェア・システム、オペレーティング・システム(OS)タスクまたは実行コードの関連するすべてのレベルでの完全なデバッグと対話型検証

• 単なるVFB(仮想機能バス)シミュレーションを越えたAUTOSAR OSをサポート

VSIでは、ハードウェアのプロトタイピングを最小限に抑えつつ、設計プロセスのどの段階でも組込みシステムのソフトウェアを検証できます。VSIの根幹であるモデル駆動型開発(MDD)テクノロジによって、その中でテストされた組込みソフトウェア・コードはアプリケーションとして使用できます。

VSIは、BridgePointから組込みソフトウェア・コードを、VSAからシステム特性を受け取ることができます。仮想バスを作成することにより、これらの要素間のソフトウェア面およびハードウェア面の相互作用を評価できます。

Copyright © 2012 Mentor Graphics Corporation. All rights reserved.Mentor GraphicsはMentor Graphics Corporationの登録商標です。その他記載されている製品名および会社名は各社の商標または登録商標です。製品の仕様は予告なく変更 されることがありますのでご了承ください。

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詳しい製品情報は、www.mentorg.co.jp/products/vndをご覧ください。

本  社 〒140-0001 東京都品川区北品川 4丁目 7番 35号 御殿山ガーデン電話(03)5488-3030 (営業代表)

大阪支店 〒532-0004 大阪府大阪市淀川区西宮原 2丁目 1番 3号 SORA新大阪 21電話(06)6399-9521

名古屋支店 〒460-0008 愛知県名古屋市中区栄 4丁目 2番 29号 名古屋広小路プレイス電話(052)249-2101

URL http://www.mentorg.co.jp

Volcano VSTAR – AUTOSARベーシック・ ソフトウェア(BSW)スタック

AUTOSAR 向けの Volcano VSTAR(VSTAR) 組込みBSWは、アプリケーション・プログラマにとって最大限の柔軟性と使いやすさを実現します。VSTARは、OS、ランタイム環境(RTE)ジェネレータ、モード管理モジュール、メモリ/診断/通信サービスなどの AUTOSARサービスのサポート・モジュール、I/Oハードウェア抽出ファームウェアから構

成されています。さらに、LIN、CAN、FlexRayの完全な通信スタックを搭載するオプションも用意されています。

メンター・グラフィックスの AUTOSAR OSは、OSEK/VDX規格に基づいており、すべての適合性クラスと 1から 4の拡張性クラスに対応しています。この OSは、AUTOSARシステム・サービスの一部であり、OSEK OS、カウンタ・インタフェース、スケジュール・テーブル、スタック・モニタリング、保護フック、タイミング保護、グローバル・タイムの同

期サポート、メモリ保護などの機能を提供します。

Volcano Vehicle Systems Builder - VSB

Volcano Vehicle Systems Builder(VSB)は、VSTARと連携して動作し、ECUネットワークを構成および構築します。

AUTOSAR 4.0におけるメンター・グラフィックスとMecel

のパートナーシップメンター・グラフィックスとMecelは、業界初の完全な AUTOSAR 4.0.xソリューションを共同で提供しています。これは、AUTOSAR BSWを設計、構成、生成、実装するためのソリューションです。

メンター・グラフィックスが提供するAUTOSAR設計ツール(2009年に出荷開始)には、AUTOSAR BSWが付属しています。同じく2009年から出荷開始されたMecelの製品には、Mecel Picea BSW、RTE、 コンフィギュレーション・ツールが組み込まれています。このコラボレーションにおいて、メンター・グラフィックスとMecelは、相互運用性を保証しながら、コンフィギュレーション・ツールとソフトウェア・スタックの異なる部分を実装しました。これにより、完全なスタックを相互の顧客に提供することができます。