音響ビデオカメラ開発とその 運用に向けて音響ビデオカメラ開発とその...

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音響ビデオカメラ開発とその 運用に向けて 港湾空港技術研究所 新技術研究開発領域、計測システム研究グループ グループ長 松本さゆり 2016.12.9H28年度港湾空港技術講演会@海運クラブ

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音響ビデオカメラ開発とその運用に向けて

港湾空港技術研究所

新技術研究開発領域、計測システム研究グループ

グループ長 松本さゆり

2016.12.9、H28年度港湾空港技術講演会@海運クラブ

水中の濁りは、光学映像の天敵!

深海底

次世代海洋資源調査技術 -海のジパング計画-

作業による泥等の濁り 富栄養化による藻等の濁り

東京湾内

単一送受波器 深度計測 直下状況

シングルビーム(単素子)

魚群

海底

海面

超音波

2017/1/26 港湾空港技術研究所 4

斜方視

(サイドスキャンソナー)

a

a b

c

b c

移動

単一送受波器

受信信号

1.3m 0.7m

0.5m

3D音響ビデオカメラ(2007-2010)

カメラ固定 カメラ移動

戦略的イノベーション創造プログラム(SIP)次世代海洋資源調査技術

H28年度計画説明

音響ビデオカメラ

実用化

映像呈示システム

詳細地図

・3D前方探査映像表示 ・リアルタイムマッピング

ROV

・直轄工事等で使用 ・深海での使用 ・運用方法の検討

浅海用

深海用

送波器 受波器

アンプ、電源等

・深海用ROV搭載用音響ビデオカメラ製作完了

・浅海用、音響ビデオカメラ製作完了 ・小型・軽量で可搬型

8

最新システム デュアルレンジ ・ショートレンジ: 高周波数, 短距離, 高解像度 ・ロングレンジ: 低周波数, 長距離, 低解像度 ※SCOPEとの共同研究による

0.5~15 m

0.5~30 m

9

性 能 送波システム 224ch. / 電子フォーカス

受波システム 384ch. / ビームフォーミング

周波数 750 ~ 1500 kHz 450 ~ 750 kHz

レンジ 0.5 ~ 15 m 0.5 ~ 30 m

レンジ分解能 Up to 1 cm 縦横分解能 (V×H) 0.25°× 0.25°

0.5° × 0.5° 画像の更新レート ~10 Hz 視野角 (V×H) 40° × 80°

気中重量 50 kg / 100 kg 耐水深 100 m / 3000 m

実像 水面反射による像

水面

計測結果 ハシゴ (梱包材で包装)

60 mm 幅 = 3~4 画素

1/26/2017

10

計算による結果 縦横分解能 : V 0.25°X H 0.25°

voxel size@ 3.5 m range: V15 mm×H15 mm×D4 mm

60 mm 幅 /H15 mm = 4 画素

目標物 (ハシゴ)

40m

m

水槽実験(ショートレンジモード)

約3.5m

水槽内の配置

±30° 送波器

受波器 ※非開発品

岸壁試験(ショートレンジモード) +++海上試験、その1+++

日時;2016年7月19~21日 場所;国土交通省関東地方整備局 横浜港湾空港技術調査事務所、岸壁 目的;開発中の音響ビデオカメラの性能試験及び 音響映像提示ソフト開発のためのデータ取得 環境;水深1~3m、透明度0.3~1m

1

2 3 4 5

1

2

2 3

4

5

3/10

項目 今回の実験で使用したもの 開発目標仕様 海外製品

周波数 750-1500 kHz 750-1500 kHz 375 / 610 kHz

指向幅 水平 0.25°× 鉛直 1° 水平 0.25° × 鉛直 0.25° 水平 0.39° × 鉛直 0.39°

セクタ角 水平 80°× 鉛直 64° 水平 80°以上 × 鉛直 40°以上 水平 50° × 鉛直 50°

ビーム数 水平 320 × 鉛直 64 水平 最大320 × 鉛直 最大160 水平 128 × 鉛直 128

更新レート 約10 fps 10 fps 以上 最大12 fps

レンジ 5-15 m 0.5-15 m

※将来、0.5-25 m 1-120 m @ 375 kHz 1-80 m @ 610 kHz

レンジ分解能 0.05 m 0.01 m 0.03 m

水中部寸法 - 0.4×0.3×0.2

※耐圧容器除く 0.38×0.3×0.16

気中重量 - 25 kg

※耐圧容器除く 22 kg

耐水圧 送波器のみ3000 m 3000 m 600 m

※3000 m対応可

・開発済送波器・・・解像度十分に確認できた(表内赤字)。 10m遠方にある幅10cmの部材、水平 0.21°×4点で認識。

画角80°表示のうち、実験では30°のみ表示。 ・受信系は非開発品を流用(表内緑字) ・受波器はH27d完成済。受信回路はH28d開発中、2月完成予定。 縦の解像度、レンジ共に、見通しは立っている。 ・映像呈示ソフト・・・ノイズ処理、色付け、レンダリング、H27d要素検討済。 プログラムとしてH28d開発中、3月の実験で使用予定。

最新システム デュアルレンジ ・ショートレンジ: 高周波数, 短距離, 高解像度 ・ロングレンジ: 低周波数, 長距離, 低解像度 ※SCOPEとの共同研究による

0.5~15 m

0.5~30 m

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性 能 送波システム 224ch. / 電子フォーカス

受波システム 384ch. / ビームフォーミング

周波数 750 ~ 1500 kHz 450 ~ 750 kHz

レンジ 0.5 ~ 15 m 0.5 ~ 30 m

レンジ分解能 Up to 1 cm 縦横分解能 (V×H) 0.25°× 0.25°

0.5° × 0.5° 画像の更新レート ~10 Hz 視野角 (V×H) 40° × 80°

気中重量 50 kg / 100 kg 耐水深 100 m / 3000 m

音響映像呈示システム、進捗

• 静止が

15 音響ビデオカメラを搭載したROVで 海底調査等をするイメージ図

3月予定の海上試験、その1 深海域での海底調査に向けて、予備試験

ROV 音響ビデオカメラ

ROVに搭載、連接し、前方探査を模擬した映像を取得(予定)

3月予定の海上試験、その2

直轄工事場所での使用 海中マウンドの測量 水中工事を音響カメラでモニター(予定)

音響ビデオカメラ (完成イメージ図)

・しゅんせつにより、濁りが発生する ・作業状況(出来高等)をリアルタイムに確認しながら、作業を継続する

維持管理用の概査

コンクリートケーソンの破損箇所(穴あき部)URL:www.mlit.go.jp/chosahokoku/h16giken/pdf/0106.pdf

鋼管矢板の破損箇所(穴あき部) URL:http://bouhoken.com/img/example03.jpg

・コンクリートケーソンのひび割れ ・鋼材の穴あき ・取排水口内のメンテナンス

・ショートレンジモード、手元を詳細に見る ・最短視程距離:0.5m~ ・画素サイズ@0.5m:2.1mm×2.1mm×0.01mm →10mm2以上の損傷箇所は視認できそうである

ケーソンドックにおける水中視認実験 ・水中建設機械の操作に音響カメラを応用した場合の課題点を検証

音響カメラ映像によるバックホウ姿勢認識

側面表示 上面表示

・任意の方向からの視点移動により, エンドエフェクタと対象物の位置関係を認識できる ・三次元座標を計測可能な音響カメラの特徴を生かした表示方法を検討

音響カメラ映像による地形認識

側面図

上面図

表示画面

・大まかな形状は認識可能,細部形状は不鮮明 ・マニピュレーション作業には,さらなる高精度化が必要

まとめ

• 音響ビデオカメラ技術の背景、SIPによる音響ビデオカメラの開発の進捗、運用例の検討について述べた。

• SIPプロジェクトは、終了時に「普及」を厳命されており、音響ビデオカメラ開発のみならず、映像呈示システムの開発、運用へのソフトランディングのため民間企業等への情報交換を並進している。

• 水中施工等の土木分野で、この技術が広く使われてゆくためには、技術者、研究者だけでなく、産官学のコミュニケーションとコラボレーションが必須である。

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今後の予定

• H28年3月

音響ビデオカメラ本体の開発終了

• H29年4月~

ソフトウエア改良、海上試験及びデモンストレーション

• H30年4月以降

販売開始予定

謝 辞

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• 本研究は戦略的イノベーション創造プログラム(SIP)、次世代海

洋資源調査技術―海のジパング計画―の一環として実施した。

• 京浜港ドックでの実験は、関東地方整備局との共同研究による

ものである。

• 音響ビデオカメラの音響センサについて、神奈川大学との共同

研究の成果の一部、SCOPEとの共同研究の一部が反映されている。

• ここに謝意を表する。