海外の上下水道分野におけるコンセッション等取組 …3...

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海外の上下水道分野におけるコンセッション等取組事例と わが国への示唆 地域企画部 ・ PPP/PFI推進センター 足立 慎一郎 2018216H29年度 地方ブロックプラットフォーム「コンセッション事業推進セミナー」 資料

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Page 1: 海外の上下水道分野におけるコンセッション等取組 …3 海外におけるコンセッション等活用の概況 • 厳しい財政制約下における公共インフラ整備・運営等に際し、民間ノウハウ・資金を活用する

海外の上下水道分野におけるコンセッション等取組事例と

わが国への示唆

地域企画部 ・ PPP/PFI推進センター

足立 慎一郎

2018年2月16日

H29年度 地方ブロックプラットフォーム「コンセッション事業推進セミナー」 資料

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1.海外におけるコンセッション等活用の概況

2.フランスの上下水道分野における官民連携

3.英国の上下水道分野における官民連携

4.おわりに -わが国に重要な視点・取組-

【参考】 日本政策投資銀行(DBJ)のPPP/PFI等における主な取組

内容

著作権(C)Development Bank of Japan Inc. 2018当資料は、株式会社日本政策投資銀行(DBJ)により作成されたものです。

当資料に記載された内容は、現時点において一般に認識されている経済・社会等の情勢および当行が合理的と判断した一定の前提に基づき作成されておりますが、当行はその正確性・確実性を保証するものではありません。また、ここに記載されている内容は、経営環境の変化等の事由により、予告なしに変更される可能性があります。当行の承諾なしに、当資料(添付資料を含む)の全部または一部を引用または複製することを禁じます。

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海外におけるコンセッション等活用の概況

Section 1

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海外におけるコンセッション等活用の概況

• 厳しい財政制約下における公共インフラ整備・運営等に際し、民間ノウハウ・資金を活用するPPPは諸外国でも積極的に取り組まれており、コンセッションは代表的手法の1つ

• コンセッション導入分野は、空港、道路、港湾、公共交通、上下水道等、多岐に渡る

国名 導入分野

米国(例:バージニア州)

橋・陸橋、トンネル、フェリー乗り場、空港、大量交通輸送施設、駐車場、港湾施設、等

フランス有料道路、空港、港湾、鉄道、水道、駐車場、ガス、駐車場、市場、プール等

英国 有料道路、空港、鉄道、バス等

ドイツ飲料水供給、電気・ガス供給、熱供給、交通(空港、港・河川、地域公共交通)等

【諸外国におけるコンセッション方式導入分野】

• 上記の他にも、諸外国におけるPPPの活用事例は多く、例えばオーストラリアでは、道路、空港から病院、刑務所等の幅広い分野でPPPを活用

<出典>PwC 「諸外国におけるPFI・PPP 手法(コンセッション方式)に関する調査報告書」をもとに作成注:米国は州毎に独自の法制度が存在するため、報告書では同州の法制度による導入分野を掲載フランス・英国・ドイツについては実際に事業が導入された分野を掲載

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インフラオペレーターのグローバル産業化

• 欧州各国では、国内のインフラ整備・運営において旧来より積極的な民間活用が行われてきた結果、インフラオペレーターが産業として成長

• 自国市場の成熟化等に伴い、1990年頃より各社が海外に展開スペインの建設会社(ACS、ferrovial等)、フランスの水道事業者(Veolia、Suez)等はグローバル企業体として全世界に事業を拡大

順位 企業名 国籍契約金額

(M$)件数

1 ACS スペイン 75,200 56

2 Frrrovial スペイン 74,300 33

3 Vinci フランス 70,800 36

4 Macquarie オーストラリア 48,200 43

5 Bouygues フランス 44,700 27

6 John Laing イギリス 32,900 16

7 Egis Projects フランス 24,100 25

8 Sacyr スペイン 22,900 22

9 FCC スペイン 21,200 43

10 OHL スペイン 19,900 21

※契約金額は1985年~2014年の累計。件数は2014年時点

出典:Public Works Financing

【世界の交通インフラPPPにおける企業別の契約金額と参画件数】【世界の代表的なインフラオペレーター】

交通インフラ

上下水道

コンテナターミナル

クルーズ船ターミナル

出典:各社ホームページ

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フランスの上下水道分野における官民連携

Section 2

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• フランスでは、古くから官民連携の土壌が発展しており、19世紀以降、水道や鉄道分野などで民間委託を実施。 「公役務の委任」(DSP)と「官民協働契約」(CP)の2つの類型あり

• 公役務の委任・・・コンセッション,アフェルマージュ,レジー・アンテレッセ等の伝統的手法(DSP:Délégation de Service Public)

• 官民協働契約・・・近年英国におけるPFI手法に倣って導入(CP:Contrat de Partenariat)

フランスにおけるPPP(概要)

概要 手法の例

DSP

1993年のサパン法によって導入

伝統的な種々の契約を包摂する概念

コンセッション(concession de service public)アフェルマージュ(affermage)レジー・アンテレッセ(régie intéressée)ジェランス(gérance)

CP

2004年6月17日オルドナンスによって導入

所謂「サービス購入型」PFIの契約類型が規定

パートナーシップ契約(CP)行政財産賃借権(BEA)病院財産賃借権(BEH)行政財産一時占有許可(AOT)買戻条項付賃借権(LOA)

参考文献:EPEC(2012) ”France PPP Units and Related Institutional Framework”、MAPPP(2007) “PPP:the French experience”木村琢磨(2005)「フランスにおけるPFI型行政の動向-公私協働契約を中心にー」季刊行政管理研究

中村義孝(2011)「フランスの裁判制度(1)」立命館法学2011年1号(335号)

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• DSPは、サービス提供や料金収受、設備投資負担等により慣習的に4つに分類

• 上下水道分野では、アフェルマージュが最も一般的(複数方式を組み合わせた形も存在)

フランスにおけるPPP(DSPの類型)

民間

利用者

公共

コンセッション…民間が整備・運営・料金収受を実施

民間

利用者

公共

アフェルマージュ…整備は公共、運営・料金収受は民間

民間 公共

レジー・アンテレッセ…整備・料金収受は公共、運営は民間

公共

ジェランス…レジー・アンテレッセより民間の裁量が小さい

③公共サービスの提供④利用料金支払

①施設の整備②管理・運営

契約 契約②管理・運営 ①施設の整備

③公共サービスの提供④利用料金支払

契約②管理・運営 ①施設の整備

③公共サービスの提供 ④利用料金支払

⑤事業対価支払

②管理・運営 ①施設の整備契約

③公共サービスの提供 ④利用料金支払

⑤事業対価支払

利用者 利用者

民間

(参考文献:EPEC(2012)「France PPP Units and Related Institutional Framework」、中村義孝(2011)「フランスの裁判制度(1)」立命館法学2011年1号(335号))

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フランスにおける上下水道事業(概要)

• 上下水道事業は、地方公共団体(コミューン=市町村)が供給等責任を有するが(上水:取水・浄水・供給等、下水:下水収集・汚水処理等)、運営は公共・民間いずれも可能(公共が選択)

• “Water Pays for Waterの原則”に則り、料金収入により収支バランスのとれた運営が求められる

• 上水:約65%、下水:約50%が民間委託されており、委託先は上位3社で寡占状態

Veolia

34%

Suez

19%Saur

12%

その他民間

事業者

1%

公営

34%

Veolia

21%

Suez

21%

Saur

10%

その他民間

事業者

1%

公営

47%

上水道事業のシェア(2013年)

下水道事業のシェア(2013年)

民間委託の合計:66% 民間委託の合計:53%

参考文献:(公財)水道技術研究センター(2013)「フランスの公共水道サービス(その3)」2013年6月21日p2(出典:BIPE/FP2E(2015) 「Les services publics d’eau et d’assainissement en France, Sixième édition Octobre 2015」p92)

・Veolia:1853年にリヨン市にて設立されたフランス国内初の民間水道事業会社。世界的水メジャーの1社・Suez:1858年設立。現在は水・廃棄物処理事業を行う、同じく水メジャーの1社・Saur:1933年設立。水・廃棄物処理事業やインフラ関連事業を行う

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フランスにおける上下水道事業(PPPが普及した経緯)

• 水道事業におけるPPPは、1853年にリヨン市がジェネラル・デ・ゾー社(現Veolia)に委託したことが始まり

• 普及の背景は、「コミューンの脆弱な行政基盤」と「地方分権」

• 現在は年間約800件の契約が更新されるなど、各地において普及

• 約9割が既存事業者との更新で、事業者の変更や再公営化に至る事例は少ない

フランスの基礎自治体(コミューン)は小規模かつ多数(約36,000)で、行政基盤脆弱

1980年代以降、急速に地方分権改革が進むも財源補償等不十分で、公共サービス供給は一層困難に(自治体同士の合併は進まず)

公益事業の運営効率化ため、相対的に導入が容易なDSPが一層普及

入札プロセスを経た上下水道事業のDSPの件数(1998~2010)

582

684

509477

573 544

693632 603

883

611

771

875

0

100

200

300

400

500

600

700

800

900

1,000

出典: 【仏の人口・コミューン数】国土交通省国土政策局ホームページ「各国の国土政策の概要」(http://www.mlit.go.jp/kokudokeikaku/international/spw/)、【市町村数】総務省「広域行政・市町村合併」(http://www.soumu.go.jp/kouiki/kouiki.html)、 BIPE “Public water supply and sanitation services in France”(Fifth edition March2012)pp.60‐61

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フランスの紹介事例概要(H28・29 内閣府・DBJ・日経研協働調査より)

リール都市圏(MEL、上水)

• 人口約112万人の広域自治体。85の自治体(コミューン)で構成

• Veoliaへアフェルマージュにより委託(2015年~、期間:8年 ←従前30年)

出典:内閣府・DBJ・日経研「フランス・英国の水道分野における官民連携制度と事例の最新動向について」(H28/8)内閣府・DBJ・日経研「欧州等の水道分野における官民連携制度と事例の最新動向について(2)」(H29/10)

イルドフランス地域圏(SEDIF、上水)

• 人口約450万人の広域自治体(水道供給の場合、パリ除く)。150の自治体で構成

• Veoliaへアフェルマージュ+レジーアンテレッセにより委託(2011年~、期間:12年 ←従前30年)

ルーブシエンヌ地域圏(上水)

• 人口約45万人の広域自治体。25の自治体で構成

• Suezへアフェルマージュにより委託(2015年~、期間:12年 ←従前20年)

ボルドー地域圏(上下水)

• 人口約70万人の広域自治体

• 上水:23の自治体で構成。Suezへコンセッションにより委託(1992年~、期間:30年)

• 下水:27の自治体で構成。Suezへアフェルマージュにより委託(2013年~、期間:6年 ←従前20年)

【参考】 パリ市(上水):2010年までVeolia・Suezに100年以上委託していたが、その後再公営化

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主要都市における最近の傾向

• 契約形態・・・ 近年はアフェルマージュが一般的• 契約期間・・・ 短期化(30~50年 → 10年程度)• 役割分担・・・ 新設等の設備投資は公共、修繕については民間が実施• 料金収受・・・ 受託者の民間事業者が行うことが多く、インセンティブ/ペナルティ設定もあり

施設の所有権と施設整備に対する投資負担の分担(一例) 料金収受スキーム

SEDIFのケース

MELのケース

Veolia

民間 利用者

②費用控除後の事業の利益(支払料金×1/3-運営費用)

100%出資

Veolia

民間 利用者水道公団

①料金②水購入代

100%出資

ペナルティ

100%出資

①料金

③インセンティブ/ペナルティ

公共 民間

リール・水の生産

・管路所有・更新

・運営(給水・集金)

SEDIF・管路所有・更新

・新設

・運営(集金)

・管路修繕

ルーブシエ

ンヌ

・管路所有・更新

(直径150mm以上)

・新設

・運営(取水・生産・給水・

集金)

・石灰除去施設の整備・

運営(投資額1,200万€)

・管路修繕・更新(直径

150mm未満)

ボルドー

(下水)

・管路所有・更新(20m以

上)

・新設

・運営(排水収集・処理・

洪水対策)

・管路修繕・更新(20m未

満)

出典:内閣府・DBJ・日経研「フランス・英国の水道分野における官民連携制度と事例の最新動向について」(H28/8)内閣府・DBJ・日経研「欧州等の水道分野における官民連携制度と事例の最新動向について(2)」(H29/10)

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リールにおける事業者選定スキーム

• 水道供給事業について、2016年1月からVeoliaが8年間のアフェルマージュ契約で受託

• 2015年まではSuezが受託していたが、MELに対する提案競争の結果、Veoliaが落札

• 提案競争において、MEL自身も対案を検討し競争入札に参加している点が特徴的

提案募集開始VeoliaとSuezなど計4チームから提案を受領

2013.12

2014.07

事業者の最終決定

2015.04

リール市における事業者選定プロセス 更新時の主な変更内容

水道料金…値上げがあったものの公共による提案より値上げ幅は低い(公共1.1%/年、Veolia0.88%/年)

契約期間・・・短期化(30年→8年)

役割分担・・・施設整備(更新投資)は民間→公共へ

MEL水道局に同内容を提示し競争入札を実施

更新に際しての「原則」について議決

2013.06

提案内容の開封

Suezが瑕疵により脱落

出典:内閣府・DBJ・日経研「フランス・英国の水道分野における官民連携制度と事例の最新動向について」(H28/8)

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• 図1は、上水道リモートコントロールセンター(施設及びシステム所有:ボルドーメトロポール、開発・運営:Suez)。当センターにて、全20カ所の浄水場及び総延長3,000km超の管路に関し、一元管理(常駐1名)

• 管路については、数千に及ぶ各セクター(10km毎)の出入り口に、IT企業と協定を組んで開発したセンサーを設置して、水質や漏水状況等を常時把握

• 図2は、雨水及び汚水に係る処理・管理を行うためのコントロールセンター(施設整備:ボルドーメトロポール、運営:Suez)。当センターにて全域の情報を集中管理

ボルドーにおける事業高度化例(IT等の活用)

【図1:上水道コントロールセンター:IT端末の様子】 【図2:ダイナミック・マネジメントシステム(コントロールルームの様子)】

出典:内閣府・DBJ・日経研「欧州等の水道分野における官民連携制度と事例の最新動向について(2)」(H29/10)

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• アフェルマージュ契約に基づく民間業務として石灰除去施設を整備(※)

• カルキ処理高度化の効果により、水質を向上また、管路への負担緩和を通じ将来の更新投資抑制にもつながり、水道料金値下げにも貢献

• 施設で発生する汚泥を周辺農地の酸性土壌中和のために活用(受託者提案により実現)

ルーブシエンヌにおける事業高度化例(石灰除去施設整備)

【石灰除去施設の外観】

(※)フランスの水はミネラル豊富な硬水であり、石灰(カルキ)が飲食だけでなく家庭の洗濯や掃除等にも影響を与える。そのため、一般的に浄水場または一般家庭の浄水器にてカルキ除去が行われている

【ルーブシエンヌ水処理施設】

出典:内閣府・DBJ・日経研「欧州等の水道分野における官民連携制度と事例の最新動向について(2)」(H29/10)

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• 全体的傾向として、これまでの反省もふまえ、公共による適切なガバナンス・モニタリングを取り戻すための工夫が各地でみられる(例:一定期間毎の契約見直し、KPI及びペナルティ設定、民間の工事原価開示、外部委員会等を通じた運営モニタリング 等)

• 入札基準は、価格面・技術面等バランス良く評価し、事業を高度化

⇒ 官民各々の責務や強みをしっかりとふまえ、官民連携をより適切な形へ進化させようという動き

公共によるガバナンス・モニタリング等

出典:内閣府・DBJ・日経研「フランス・英国の水道分野における官民連携制度と事例の最新動向について」(H28/8)内閣府・DBJ・日経研「欧州等の水道分野における官民連携制度と事例の最新動向について(2)」(H29/10)

リール イルドフランス ルーブシエンヌ ボルドー(下水)

概要・85自治体で構成

・2015年からVeoliaに委託

・150自治体で構成

・2011年からVeoliaに委託

・25自治体で構成

・2015年からSuezに委託

・23自治体で構成

・2013年からSuezに委託

特徴的な

モニタリング

等の仕組

・MEL/Veolia/NPO等で

構成される運営評議会等に

よるモニタリング

・投資や交渉等の経過に関す

る会議(年3回、地方議員

150名)

・事務局の会議(月1回、

地方議員13名)

・更新工事等に関する情報

(原価等)を開示させ、コストを

透明化

・管路更新の際、常に受託者

以外の工事事業者と比較

・3年毎の契約見直し

・年次報告書の作成・報告を

義務づけ

・(参考:上水) 漏水率等の

目標設定及び未達時のペナ

ルティ制度導入

その他

・SPCの取締役会にMELが

オブザーバーとして参加(2名)

・(既述) 2016年の契約

更新の際、公共自身も提案

競争に参加

・SEDIFの職員100名により

工事及び委託業務等をモニタ

リング

・2015年の契約更新の際、

再公営化も検討されたが、長

年の民間ノウハウ活用継続が

有効と判断

・入札基準では、価格のみで

なく技術等もしっかりと評価

・SPCの取締役会に公共から

参加

・入札基準では、価格30%、

技術30%、テクノロジー革新

10%他で評価

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パリ市における再公営化

• パリ市の上水道事業は、100年以上にわたってVeoliaやSuez等の民間企業に委託

• 2010年1月、水道事業の再公営化を公約に掲げていたデラノエ市長の下で再公営化(実際は「公社化」)

• 再公営化の成果として、料金値下げ等がPRされている

• 関係者からは 「再公営化は政治的な影響を受けたもの」との評価も

リール(MEL)

パリ市の再公営化は、政治的な動きであったと思う

イルドフランス州(SEDIF)

再公営化の議論は、選挙の争点となるので極めて政治的な目的で行われることが多い

Espelia(公共側コンサルタント)

再公営化については、議員が公営と民営の選択について真剣に検討を行った結果だと思う

リヨン(ML)

リヨンでも再公営化を検討したが、(コストが)高くなると思った。パリ市のケースはあくまで政治的な理由だと思う

関係者の評価

取水~給水までをアフェルマージュにより委託

1984年~1987年

デラノエ・新パリ市長が再公営化を発表

2004年1月

取水~配水のEau de Paris社を市100%出資に

2004年1月

Eau de Paris社を改組しパリ市商工公社発足

2009年5月

取水~給水まで商工公社へ一本化

2010年1月

パリ市の再公営化の経緯

VeoliaSuez

Eau de Paris

商工公社

VeliaSuez商工公社

出典:内閣府・DBJ・日経研「フランス・英国の水道分野における官民連携制度と事例の最新動向について」(H28/8)

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英国の上下水道分野における官民連携

Section 3

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英国における水道事業(概要)

• 英国の水道事業は、1973年に地域独占の10公社に広域化された後、1989年に民営化

• 公社化以降、自治体関与は基本的になく、日本の電力に近いイメージ

• 民営化以降、公的な規制・モニタリング機関であるOfwatが、料金の規制やサービス水準のモニタリングを実施。この仕組への内外の評価は高く、外資含む民間投資も進展

出典:内閣府・DBJ・日経研「フランス・英国の水道分野における官民連携制度と事例の最新動向について」(H28/8)

水道利用者

英国における水道の歴史 英国における水道事業の枠組み

19世紀 産業革命に伴い、水需要が拡大

20世紀初 約2,000の水道事業者が存在

1945年 統合・中央集権化へ

1973年流域単位で大きく10地域に再編され、「水管理公社」設立

1989年水管理公社や水道会社の株式が売却され、民営化

現在イングランド・ウェールズにおいて上下水道会社21社

上下水道会社

給水

規制

料金支払

Drinking Water Inspectorate

水質基準の監視機関(1990年設立)

The Water Services Regulation Authority

サービス水準のモニタリングや料金の規制(1989年設立)

Consumer Council for Water

水道顧客審議会(2005年設立)

環境・食糧・農村地域省

(Defra)

上下水道事業に係る政策決定

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英国における水道事業(主な上下水道事業会社)

Thames Water

スポンサー:豪州・中東・中国など

対象地域人口:1,483万人

Severn Trent

スポンサー:欧州・米国など

対象地域人口:1,047万人

United Utilities

スポンサー:米国など

対象地域人口:846万人

Yorkshire Water

スポンサー:英国

対象地域人口:598万人

Sutton and East Surrey

スポンサー:日本(住友商事・大阪ガス)

対象地域人口:67万人

Bristol Water

スポンサー:加州・日本(伊藤忠商事)など

対象地域人口:116万人

South Staffordshire

スポンサー:米国・日本(三菱商事)

対象地域人口:130万人

上下水道会社

上水道会社

出典:内閣府・DBJ・日経研「フランス・英国の水道分野における官民連携制度と事例の最新動向について」(H28/8)

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【参考】 フランス及び英国における料金推移

• EU環境規制対応や修繕・更新対応の結果、フランス・英国における水道料金は上昇⇒ フランス:1994年比約1.7倍(2012年時点)、英国:1989年比約1.4倍(2011年時点)

• 一方、日本の水道料金はこの間横ばいだが、今後の大更新投資対応等をふまえると ・・・

(1994年を100として指数化、2010年以降は推計値)

(1990年を100として指数化)

100108

115120

124124 126 127

132 134138

141146

151153

158

100

107

114117 119 121

122125

127 127129

133137

144148

151

100 102104 105 106 107

108 110113 115

118 120122 124

128 128 130133

136

90

110

130

150

170

1994 1996 1998 2000 2002 2004 2006 2008 2010 2012

公営

民間

消費者物価指数

100104 106 106

100 9890

110

130

150

170

1990 1995 2000 2005 2010 2014

水道料金

消費者物価指数

フランスの水道料金

日本の水道料金

英国の水道料金

出典:(公社)日本水道協会(2014)「平成26年度国際研修『イギリス水道事業研修』研修報告」、BIPE “Public water supply and sanitation services in France”

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フランス等における取組に係るポイント

1.公共の適切なガバナンス・モニタリングの再構築へ向けた対応⇒ これまでの反省等(例:長期にわたる民間任せ等)をふまえた改善対応に各地で取組(民間委託範囲見直し・縮小、数年毎の契約見直し規定、計画目標及び未達時のペナルティ設定、調達コスト開示義務、定期モニタリング会議、担い手の公社化移行、これら含め最適な事業形態検討・設定の取組等)

2.長期のコンセッション(=投資含む)から短期のアフェルマージュ(=投資少の運営委託)へシフト⇒ 上記1とも大きく関連。大投資一巡もあり、運営重点型の短期委託とした上で競争性を確保(→※ 日本では、これからが大更新投資の波 ・・・)。 また、契約期間内の主要管路更新等を公共が担うことでノウハウを確保

3.民間の新技術等の更なる活用は着実に進展⇒ IT活用等によるサービス向上等、生産性・効率性向上や技術開発面での民間活用はより進化(センサー設置等による水質・漏水等の常時一元管理、各種先進設備整備(石灰除去施設、高度下水処理施設等 →大投資一巡もあり料金値上げ伴わず実施のケース多い)、その他民間創意工夫による付帯事業実施等(汚泥処理事業等))

<日本へのインプリケーション(英国の取組等も含めて)>✓ 官民各々の責務・強みを活かした適切な役割・リスク分担、事業形態構築の重要性✓ 公共によるモニタリングの仕組の重要性✓ 英仏ともに過去20年タームでは、大投資等に伴いすべからく料金大幅上昇したことの再認識(⇒ 日本はこれから大更新投資時代。誰がやっても基本的に値上げ方向性は不可避か)✓ 官民連携+広域化(⇒ 仏:広域自治体ベースで民間委託or民が束ねる広域化、英:流域毎強制広域化)

出典:DBJ作成

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おわりに -わが国に重要な視点・取組-

Section 4

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わが国水道事業の将来シミュレーション -全国末端集計-

人口減少、設備更新対応により、30年後には6割以上の料金値上げが必要か(債務残高も2倍近くに増加見込み) ※DBJ試算

172 172

191

210

232

256

281

9.1%

20.0%

32.3%

46.0%

63.4%

0.0%

10.0%

20.0%

30.0%

40.0%

50.0%

60.0%

70.0%

100

120

140

160

180

200

220

240

260

280

300

2015

2016

2017

2018

2019

2020

2021

2022

2023

2024

2025

2026

2027

2028

2029

2030

2031

2032

2033

2034

2035

2036

2037

2038

2039

2040

2041

2042

2043

2044

2045

2046

供給単価

値上げ率(2015年度比)

(左軸)

円/㎥

6割以上の料金値上げ

継続的かつ段階的な値上げの実施

7年後から値上げを開始

(右軸)

給水人口1億1,998万人(2015年)

1億1,011万人(2015年比▼8.3%)

9,542万人(同▼20.5%)

円/㎥

出典:DBJ作成

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わが国水道事業の課題と対応方向性(案)

出典:DBJ作成

「官民連携を活用した(梃子とした)実質的広域化」

国内公営事業体の数の多さ(約1,300) + 現状の諸課題(ヒト・モノ・カネ、料金格差等) + 将来予測

「広域化」 と 「(進化した)官民連携」が重要

行政レベルでの広域化の難しさ

※ 地域の実情に応じたソリューションが重要

大都市 中核都市 一般都市

人口100万人超 人口十数万~数十万人 人口数千人~数万人

技術・運営に高いノウハウあり 技術・運営に一定程度のノウハウ、官民連携活用にも実績

単体による経営に限界、技術承継に課題あり

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官民連携を活用した実質的広域化スキーム -イメージ-

出典:DBJ作成

~コンセッション等活用による広域的官民水道事業~

③ 複数地域からの委託による広域化の実現

① 「広域的官民水道事業体」の組成

② 核となる公共団体から業務委託

広域的官民水道事業体(担い手)

利用料金

支払

サービス

提供

出融資

維持管理・運営・更新

監視

A市 B町 C村 D市 E町

金融機関

設立主体

モニタリング機関

OM企業(地元・大手)

利用者

コンセッション・包括委託等の手法

コア

順次拡大

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おわりに -今後のコンセッション等活用へ重要な視点・取組-

1.スタート地点で ・・・

✓ 経営の長期シミュレーション実施(→ 単体・直営・成行による将来の厳しい絵姿の関係者間共有)✓ 広域化や官民連携の意義・重要性の関係者間共有(→ 値上げ・地域負担増の「幅を抑制」等) 等

2.コンセッション等の活用意義は ・・・

✓ 長期的視点での更新投資等マネジメントを通じたコスト(LCC)最適化の手法として(→値上げの「幅を抑制」)✓ IT等の新技術活用による効果的・効率的サービス提供の手法として(→職人芸から脱皮、技術継承対応等)✓ 事業を支える人材基盤強化のための手法として(→官民協働で強化)✓ 広域化を実質的に推進するための手法として(→公共・地域をつなぐ接着財としての機能)✓ 地域経済の拡大等に資する新たな担い手・新産業創出の契機として(→地域関係者の脅威でなくチャンス)等

3.活用にあたっての重要な視点・取組は ・・・

✓ 「官か民か(=二者択一)」「官から民へ」等の短絡的議論でなく、それぞれの責務・強みを活かした官民の適切な役割・リスク分担、事業形態の検討・設定✓ そのための十分な官民対話✓ 公共の適切なガバナンス・モニタリングの仕組✓ 民間の強みを存分に引き出す性能発注への脱皮✓ 担い手サイドの機運醸成、ノウハウ形成、チームアップ、進化 等

出典:DBJ作成

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日本政策投資銀行(DBJ)のPPP/PFI等における主な取組

【参考】

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日本政策投資銀行(DBJ)の概要

設立2008年 (平成20年)10月1日(旧日本開発銀行 1951年(昭和26年)設立)

(旧北海道東北開発公庫 1956年(昭和31年)設立)(旧日本政策投資銀行 1999年(平成11年)設立)

代表取締役社長 柳 正憲

職員数 1,192名(2017年3月末)

資本金 1兆4億24百万円(全額政府出資)

本店所在地 〒100-8178 東京都千代田区大手町一丁目9番6号

URL http://www.dbj.jp/

支店・事務所等 支店10ヵ所、事務所8ヵ所、海外駐在員事務所1ヵ所、海外現地法人3ヵ所

総資産額 16兆4,225億円(2017年3月末)

貸出金残高 13兆2,101億円(2017年3月末)

総自己資本比率 16.24%(バーゼルⅢベース、国際統一基準) (2017年3月末)

発行体格付 A1 (Moody's)、A(S&P)、AA (R&I)、AAA (JCR)

出典:DBJ作成

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本支店・事務所・海外事務所等• 本店

• 支点(10カ所)

• 事務所(8カ所)

• 海外駐在員事務所(1カ所)

• 海外現地法人(3カ所)

DBJ Europe Limited

ニューヨーク駐在員事務所

政投銀投資諮詢(北京)有限公司

DBJ Singapore Limited

本店

北海道支店

東北支店

新潟支店

北陸支店

東海支店

関西支店

中国支店

四国支店

九州支店

南九州支店

函館事務所

釧路事務所

青森事務所富山事務所松江事務所

岡山事務所

松山事務所

大分事務所

DBJの拠点一覧

出典:DBJ作成

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DBJの公共ソリューション業務とPPP/PFI各フェーズ毎の取組

第1フェーズ 第2フェーズ 第3フェーズ 第4フェーズ持続可能な財政運営を実施するための様々な課題

様々な課題の洗い出し、解決策検討の支援

各手法を活用した事業化検討の支援

公募手続き/事業者の選定段階における支援

事業化段階における支援

○ 財政分析等支援

○ 公共施設等マネジメント支援

○ 事業手法・スキーム検討支援

○ PPP/PFI導入可能性調査支援

○ 事業者募集要項策定支援

○ 事業者選定手続支援

○ 事業者等へのファイナンス

○ 事業実施後のモニタリング

○ 公共団体等に対するサポート○ PPP/PFI推進センターと日経研等の連携により重点的に推進(※)

○ 民間事業者等へのファイナンス

(※)今後は、コンセッションをはじめ、需要リスク等を伴う多様なPPP/PFI事業ニーズが見込まれる→ 事業採算性評価や官民役割分担・リスク分担等の面での難度が高まり、より早期段階からのプロジェクト・コーディネートが重要に

出典:DBJ作成

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DBJ「PPP/PFI推進センター」の取組内容(例)

地域金融機関・内閣府・PFI推進機構等と連携し、PPP/PFIを取り巻く環境や最近の関連施策動向、具体事例など民間ノウハウや民間資金を活用した公共施設再構築等の推進に役立つ情報発信を実施

平成24年度 6回開催 -栃木県、茨城県、岩手県、千葉県、福島県、宮城県-

平成25年度 8回開催 -群馬県、北海道、滋賀県、新潟県、青森県、鹿児島県、愛媛県、愛知県-

平成26年度 16回開催 -愛知県、秋田県、奈良県、高知県、北海道、岩手県、茨城県、宮城県(2回)、青森県、兵庫県、福岡県、岡山県、埼玉県、山形県、神戸市-

平成27年度 25回開催 -沖縄県、宮城県(2回)、岐阜県、石川県、富山県、福井県、香川県、愛媛県、徳島県、高知県、神戸市(3回)、岡山市(4回)、習志野市(3回)、浜松市(4回)-

平成28年度 28回開催 -岐阜県、秋田県、京都府、習志野市(2回)、浜松市(2回)、岡山市(3回)、滋賀県(4回)、長野県(2回)、富山市(3回)、盛岡市(4回)、福井県(3回)、群馬県、山梨県-

「PPP/PFI推進セミナー」開催状況 (地域金融機関との連携)

平成25年6月、「PPP/PFI推進センター」を創設○ 多様なPPP/PFI手法や各種支援制度、先進事例等に係る普及活動 (「PPP/PFI 推進セミナー」「PPP/PFI大学校」等)○ 地域の公共施設再構築等に係る諸課題をふまえたPPP/PFI事業の案件発掘・形成支援○ 特に、コンセッション(空港・道路・上下水道等)や収益施設併設型事業等のモデル的PPP/PFI事業の検討支援○ PPP/PFIの活用拡大へ向けた各種調査・情報発信、提言の実施○ 上記諸項目について、H25/10に創設された「PFI推進機構」との適切な連携

「PPP/PFI推進センター」の取組内容例

対象 全国の地方公共団体中心に、地域金融機関・民間も対象(民間は第4期から)期間 ・H26/10スタートの第1期を皮切りに、半年を1タームとして開講(月1回)

・現在は、第7期開講中(H29/10~H30/3)内容 PPP/PFI概論、公有資産マネジメント、国の取組み、各地の先進的取組み等(※ 当行本支店のTV会議システムを活用→本店及び全国の支店・事務所で受講可能)

講師陣 DBJ、日本経済研究所、内閣府、PFI推進機構、先進地公体、民間事業者等

※ DBJでは、全国各地の地域金融機関101行と業務協力協定を締結済

「PPP/PFI大学校」概要

出典:DBJ作成

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国内外の水道事業の動向や課題を整理し、情報発信や政策提言等を実施

<レポート>2015/8 「わが国水道事業者の現状と課題」

2016/6 「わが国下水道事業 経営の現状と課題」

2016/8・ 「欧州等の水道分野における官民連携制度と事例2017/10 の最新動向について(1)(2)」

(内閣府等との協働、 「日本再興戦略2016」に明記)

2017/4 「水道事業の将来予測と経営改革」

<シンポジウム等>2016/10 「水道事業における民間活用とイノベーションに

関するシンポジウム」(次頁)

2017/3 「日経フォーラム ~水道事業における官民連携ソリューション~」

※ 宮城県・村井知事による基調講演、パネルディスカッション他

<政策提言プレゼン>2017/4 経済財政諮問会議 経済・財政一体改革推進委員会

評価・分析WG においてプレゼン

<書籍>2017/11 「水道事業の経営改革

~広域化と官民連携(PPP/PFI)の進化形~」(ダイヤモンド社)

上下水道分野における近時の調査・情報発信・政策提言等事例

出典:DBJ作成

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香川県善通寺市と共同で市営水道事業へのコンセッション導入を検討(2004年)

水道PPP検討支援事例(公共アドバイザリー)

出典:DBJ作成

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日本政策投資銀行 地域企画部 ・ PPP/PFI推進センター

お問い合わせ先

ご質問、ご相談等がございましたら、何なりと下記連絡先にお問い合わせください。

連絡先

TEL: 03-3244-1513 FAX: 03-3270-0231