次世代電力需給プラットフォームと セクターカップ …...3...
TRANSCRIPT
電力中央研究所
次世代電力需給プラットフォームとセクターカップリング
エネルギーイノベーション
創発センター (ENIC)
1
Smart City エネルギーワークショップ@METI (2020/1/28)
浅野 浩志一般財団法人 電力中央研究所 エネルギーイノベーション創発センター(ENIC)
内閣府戦略的イノベーション創造プログラム(SIP) 「IoE社会のエネルギーシステム」サブ・プログラムディレクター
スマートシティで目指すべきIoE社会
2
再生可能エネルギーの大量導入(主力電源化)
ユニバーサル・スマート・パワー・モジュールを導入した電気機器の普及による省エネルギー化。
電力供給のワイヤレス化による世の中のあらゆるものの設計・生産性の向上。
地域のレジリエンシー向上(無線給電ドローン)
E2E (Energy to Everything)の実現
二酸化炭素排出削減
Society 5.0社会の要求
電力・社会インフラ強靭化、ライフライン
の安定化
世界一安全・安心で世界一健康な社会へ
本SIPで実現する社会像
Society 5.0社会の要求エネルギーの需給情報がインターネットにより統合され、人間のゆとりと豊かさが実感できる社会をSmart Cityなどで実現する。
【IoEは、Internet of Energyの略】】
SIP課題「IoE社会のエネルギーシステム」
3
イノベーション創造プログラム(SIP)課題「IoE社会のエネルギーシステム」
IoE社会のエネルギーシステムのデザインテーマ(A)
テーマ(B)
②ワイヤレス電力伝送システムとしての
基盤技術の開発
①不規則な変動電源にも常に高効率の対応が可能な
USPM(ユニバーサル・スマート・パワーモジュール)の開発 ①室内でのセンサネットワークおよびモバイル機器への給電
IoE応用・実用化研究開発テーマ(C)
②互換性・安全性を考慮した走行中電気自動車への給電
電力化、脱炭素化、デジタル化に向かうSociety 5.0時代のIoE社会の実現のため、・再生可能エネルギーの変動を制御して無駄なく利用するエネルギーシステムの構築・その要素技術であるエネルギー変換・伝送システムのイノベーションの達成に向けた研究開発を実施し、スマートシティとして社会実装を目指す。
社会実装に向け、関係する府省庁横断で規格・標準を整備
・再生可能エネルギーが主力電源となる社会での、電源の出力・潮流などの系統状態の適切な監視、およびPV(太陽光発電)などの電源、蓄電池、電気自動車といった分散型資源がパワーエレクトロニクス機器を介して最適に制御されるエネルギーマネジメントシステムの構築。
・エネルギー、交通、水素、熱 等のセクターカップリングの実現に向けた、ワイヤレス電力伝送(WPT)によるエネルギーの効率的利用と利便性向上。
あらゆる機器がつながるためには、最適な制御を行う電力変換器と柔軟な接続性を有する電力伝送技術が不可欠
IoE共通基盤技術
③ドローンへの飛行中・駐機時給電
ワイヤレス電力伝送システムの具現化
3
「次世代電力需給プラットフォーム」
◆ Society5.0や需要の能動化への対応のため、共通概念モデルとしての「需要地系統」を主対象とした将来型グリッド運用基盤(PF)
◆ デジタル的な実装を想定した情報通信的なレイヤー構造
2019 4
設備・アセット層基幹系統 需要地系統需要協調分散エネルギー資源セクターカップリング
今後重要になるレイヤー
レイヤー
プラットフォーム層
データ収集・通信層
顧客層(機能・便益)
アプリケーション層
スマートメータデータ、DER、IoT機器
DERMS、CIM、API
電力市場
外部と細やかな連携基幹系統や他インフラ連携電力小売事業者、アグリゲータプロシューマ
DERやプロシューマを含む運用計画など
大量の通信機器とそのデータ収集管理システム
設備データ活用API,CIM,IEC61850
次世代電力需給プラットフォーム キーワード例
スマート都市内で普及する各種分散型エ
ネルギー資源(PV,EV,電気バス、
充電point)
「次世代電力需給プラットフォーム」に求められる機能
◆ DR,VPP、ネットワーク型マイクログリッドなどの電力分野、さらに交通・物流・セキュリテイなど非エネルギー分野も対象にした新事業創造につなげる。
2019 5
目的従来型需給管理システムの役割 次世代電力需給プラットフォームの役割
•広域連系•上位系統への貢献•BCPの支援
事業創造支援機能小売電気事業者、アグリゲータ、e-mobility
service providerなどの事業創造
•分散型エネルギー資源管理機能(DERMS)PV,EV,蓄電池など分散型エネルギー資源(DER)の大量連系に対応、VPP等を通じてプロシューマーと協調する
①設備の形成・運用・管理
②需要家対応
③分散電源対応
•系統運用•設備の形成・管理•レジリエンス確保
•電力量計の管理•電力品質維持
•太陽光や風力の電源連系対応
設備のより統合的なシミュレーション、運用・管理機能
需要地系統
電中研ENICが目指す次世代電力需給プラットフォームの解析モデル
◆ 開発中の解析ツール群を今後、連携・統合化、範囲拡大し、将来的に総合的エネルギー解析およびビジネス創出に資する解析PFに進化
2019 6
地域供給系統の電気特性解析シミュレータ
地域需要系統の電力の売買、需要家EMS解析シミュレータ
PV出力予測技術
個別システムの解析 需給別の地域解析
基幹系統
配電設備データ抽出システム
基幹系統の需給シミュレータ
柔軟性シミュレータ
需要シミュレータxEV交通シミュレータ
BT寿命評価技術
統合的系統解析シミュレータ
需給の統合解析 エリア解析
今後、スマートシティ向け
エネルギー解析シミュレータなど
電力系統
異業種連携
スマートメータデータ×異業種データ解析
ビジネス創出プラットフォーム
統合的解析の進展
電力需給×地域運営
電力需給×異業種データ
相互フィードバック
次世代電力需給PF
の範囲
現在のENICの取り組み
ツール研修・人材育成人材エコシステム
今後の展開
1. 電力とデジタル技術が融合、地域や他セクターと協調・連携するための基盤として、需要地系統の視点と情報通信的な多層構造を考慮した次世代電力需給プラットフォームを提案
2. 電力のkWh価値に加えて、デジタル技術によるプラットフォームの様々な価値の具体化と社会的受容性の検証が必要
3. 我が国の提案の競争力は何か、見極めること
4. 移転先地域(スマートシテイ候補)の電力事情(スマートメータ設置、統計データ、規制等)、データ整備状況を勘案して、PFの機能を選択し、FSを実施
2018 8
Smart City構築支援:電力需要シミュレータ
◆ 地域の電力需要のシミュレーションツール
◆ 国勢調査等の統計情報を用いて、街区単位の電力負荷カーブを推定
◆ 住宅部門、業務・産業部門のカーブを推定
2019 10
W
0h 12h 24h
W
0h 12h 24h
W
0h 12h 24h
W
0h 12h 24h
W
0h 12h 24h
ツールの入力用GUI
ツールの出力用GUI
電力流通(安定供給に資する設備形成・保守・将来予測)、販売(省エネ・電化推進)など幅広い分野での利用を想定
参考
電気自動車交通シミュレータ
◆ 地図・道路データ、交通量データ、国勢調査データに基づく交通シミュレーションツール
◆ 充電器の配置や利用者の充電行動を考慮したシミュレーションにより、地点ごとのEV充電負荷カーブを推定
2019 11
地図・道路データ
交通量データ(パーソントリップデータなど)
国勢調査データ
交通シミュレータ
EV充電需要カーブ
・青い○はEV
・黒い□は充電器
参考