銀行・保険会社以外のg sifi(ノンバンクg sifi)を 規制対象化...

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銀行・保険会社以外のG-SIFI(ノンバンクG-IFI)を 規制対象化する動きについて (銀行、保険の次はファイナンス会社、証券会社、投資ファンド等) ムーディーズ・アナリティックス ディレクター [email protected] 2014114

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銀行・保険会社以外のG-SIFI(ノンバンクG-SIFI)を規制対象化する動きについて

(銀行、保険の次はファイナンス会社、証券会社、投資ファンド等) ムーディーズ・アナリティックス

ディレクター

水 野 裕 二

[email protected]

2014年1月14日

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銀行・保険会社以外のG-SIFI(ノンバンクG-SIFI)を規制対象化する動きについて

本資料ではFSB(金融安定理事会)が2014年1月8日に公表した「銀行・保険会

社以外のグローバルなシステム上重要な金融機関(ノンバンクG-SIFI)の選定

手法」(市中協議文書)および2013年9月2日に公表した「大きすぎてつぶせない

(TBTF)に終止符を打つための進捗と次のステップ」に基づき、ノンバンクG-S

IFIを規制対象化する動向についてまとめたものです。

“Consultative Document / Assessment Methodology for Identifying Non-Bank

Non-Insurer Global Systemically Important Financial Institutions / Proposed

high Level Framework and Specific Methodologies”(Jan 8, 2014)

“Progress and Next Steps Toward Ending “ Too-Big-To-Fail”(TBTF)”(Sep 2,

2013)

• 本資料ではFSBの資料の一部を翻訳してご紹介していますが、弊社はその正確な内容を保証するものではありま

せん。正確な内容につきましては、原文をご参照下さいますようお願い致します。

はじめに

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銀行・保険会社以外のG-SIFI(ノンバンクG-SIFI)を規制対象化する動きについて

FSBの資料では、Non-Bank Non-Insurer Global Systemically Important Financial Institutionsを略して

NBNI G-SIFIと呼んでいますが、本資料において日本語で表記する際には「ノンバンクG-SIFI」としてお

ります。資料をご覧頂ければお分かりの通り、本規制の対象は日本で一般に呼ばれるところの、いわ

ゆる「ノンバンク」に限定されたものではありませんのでご注意下さい。

注記

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銀行・保険会社以外のG-SIFI(ノンバンクG-SIFI)を規制対象化する動きについて

【G-SIFIフレームワークを銀行・保険以外へ拡張】

FSB(金融安定理事会)とIOSCO(証券監督者国際機構)は、銀行・保険会社以外のグローバルなシステム上重要な金融機関(ノンバンクG-SIFI)の選定手法に関する市中協議文書を公表した。(コメント期限:2014年4月7日)

2010年のG20ソウルサミットで合意された内容に従い、SIFI規制の枠組みが構築され、今までのところ銀行(G-SIB)と保険会社(G-SII)に関する枠組みが整備されてきた。

今回の文書はSIFIの枠組みを銀行・保険会社以外に適用することを前提に、ノンバンクG-SIFIの選定手法を市中協議にかけるものである。ただし、今回の文書では選定対象となる具体的な企業名や適用される政策手法は示していない。政策手法は選定手法の確定後に検討される。

【ノンバンクG-SIFIの対象範囲】

ノンバンクG-SIFIの対象範囲は、1)ファイナンス会社(Finance Companies)、2)市場仲介会社(証券ブローカー・ディーラー)、3)投資ファンド、から成る。

エグゼクティブ・サマリー(1)

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銀行・保険会社以外のG-SIFI(ノンバンクG-SIFI)を規制対象化する動きについて

【ノンバンクG-SIFIの選定手法を検討する際の基本原則】

FSBとIOSCOが選定手法を検討する際の基本原則は以下の2点である。

1)選定手法を検討する全体的な目的は、破綻したとすればその規模の大きさ、複雑さ、システミックな相互連関性のために、グローバルな金融システムや地域をまたがる経済活動に著しい混乱をもたらしかねないノンバンクG-SIFIを特定することにある。

2)選定フレームワークは銀行(G-SIB)や保険会社(G-SII)の選定方法と概ね整合的なものでなければならない。すなわち、それは指標ベースの計測アプローチであり、ネガティブな外部性や金融システムの安定性にとって危機的な破綻を生み出す様々な要因を反映する複数の指標が選定される。

エグゼクティブ・サマリー(2)

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銀行・保険会社以外のG-SIFI(ノンバンクG-SIFI)を規制対象化する動きについて

ノンバンクG-SIFIを選定するフレームワーク

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【全てのノンバンクG-SIFIセクターに適用される基本的インパクト・ファクター】

バーゼル委員会によるG-SIB選定基準やIAIS(保険監督者国際機構)によるG-SII選定基準とは異なり、ノンバンクG-SIFIの場合にはより幅広い種類の企業に適用する難しさがある。そこで、ノンバンクG-SIFIをいくつかのセクターに分けて詳細な指標を確立すると共に、インパクト・ファクターの基本セットを導入して、全てのノンバンクG-SIFIに適用するものとした。

【インパクト・ファクターの基本セット】

全てのノンバンクG-SIFIに適用されるインパクト・ファクターは以下の通りである。これらはG-SIBやG-SIIの選定基準と概ね整合的である。

• サイズ :当該企業の規模

• 相互連関性 :金融システム内での他の金融機関との結び付きの強さ

• 代替可能性 :当該企業が果たす役割を他の企業が代替できる可能性

• 複雑性 :当該企業の業務内容の複雑さ

• グローバル活動 :当該企業のクロスボーダーな業務活動

ノンバンクG-SIFIを選定するフレームワークの全容(1)

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【監督当局の裁量の余地】

ノンバンクG-SIFIはG-SIBやG-SIIと比べて、整合的なデータを収集することが難しい可能性がある。よって、ノンバンクG-SIFIを選定するに際して、監督当局の裁量(Judgement)がより大きな役割を果たす可能性がある。ノンバンクG-SIFIの選定手法は各国当局が主に行う詳細な分析に依存することになる。各国当局は(選定手法の)指標をガイダンスとして利用することになろう。ただし、各国での導入は国際的に監督され、整合性の取れた適用が確保される。

【セクターごとに適用される選定基準】

以下の3セクターが設定され、それぞれに固有の指標が設定される。ただし、このセクター区分は最終的なものではなく、他のセクター用に指標を開発する作業を妨げるものではない。

• ファイナンス会社

• 市場仲介会社(証券ブローカー・ディーラー)

• 投資ファンド(集団投資スキーム、ヘッジファンド)

ノンバンクG-SIFIを選定するフレームワークの全容(2)

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【投資ファンドについて】

投資ファンドについては4つの可能性を検討してきた。エクスポージャーはファンドレベルで発生し、データも個別ファンドごとに利用可能であるから、今回の選定手法の市中協議では個別ファンドにフォーカスすることとした。他の3つの可能性については今後、広く市中の意見を聞いていく。

• ファンド

• ファンド・ファミリー(同じファンドマネージャーによって、同一もしくは類似した投資戦略下で運用される、一群のファンド)

• アセット・マネージャー

• アセットマネージャーとそのファンド

(注) 2013年9月2日にFSBが公表した「大きすぎてつぶせない(TBTF)に終止符を打つための進捗と次の

ステップ」のP17にはノンバンクG-SIFIの対象範囲として「アセットマネージャー」が記載されています

が、今回の市中協議案では変更された模様です。This category of firms includes securities

broker-dealers, finance companies, asset managers and investment funds, including hedge

funds.

ノンバンクG-SIFIを選定するフレームワークの全容(3)

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銀行・保険会社以外のG-SIFI(ノンバンクG-SIFI)を規制対象化する動きについて

【G-SIBやG-SIIとの運用上の境界線】

銀行・保険以外の会社(以下「ノンバンク会社」)が銀行グループや保険グループに属し、その親会社である銀行や保険が連結ベースにてG-SIBやG-SIIとして評価され、当該ノンバンク会社が親会社に適用される規制によって捕捉されるのであれば、ノンバンクG-SIFI規制のスコープから除外される。

【評価対象の企業プールを選定する重要度基準】

ノンバンクG-SIFIを選定するための候補企業ユニバースを選び出すために、重要度基準を設定する。これにより、評価対象プールを実務的で管理可能なサイズに抑制することが可能になる。FSBは企業サイズを中心に検討しており、IOSCOと協働の上で以下の重要度基準を決定した。

• ファイナンス会社と市場仲介企業は総資産額1,000億ドル(約10兆円)以上

• 投資ファンドはネットAUM総資産額1,000億ドル(約10兆円)以上、ヘッジファンドはグロス想定エクスポージャー(全てのロング・ショートを合算) 4,000–6,000億ドルの間(約40-60兆円)。(ヘッジファンドの場合、ネットAUMかグロス想定エクスポー

ジャーのいずれかが該当すればプールに含められる、ということ。)

• その他は総資産額1,000億ドル(約10兆円)以上

ノンバンクG-SIFIを選定するフレームワークの全容(4)

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ノンバンクG-SIFIの3カテゴリーに関する選定手法

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銀行・保険会社以外のG-SIFI(ノンバンクG-SIFI)を規制対象化する動きについて

【ファイナンス会社の定義】

ファイナンス会社とは、個人や企業にファイナンスを提供する、銀行・保険以外の金融機関のことである。ファイナンス会社には以下が含まれる。

• 銀行の子会社や関連会社

• 製造業や流通業の企業のファイナンス子会社(大手自動車会社の資金調達を担うファイナンス会社等)

• 専門ファイナンス会社(ある特定の分野のファイナンスに特化した会社。鉄道や航空機のリースに特化した会社など。)

• 複数のファイナンス市場で業務を行うファイナンス会社

ファイナンス会社が関与する業務カテゴリーは大きく4つに分けることができる。消費者ローン、住宅ローン、自動車、ビジネスである。

個別セクター/ファイナンス会社の定義(1)

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銀行・保険会社以外のG-SIFI(ノンバンクG-SIFI)を規制対象化する動きについて

【ファイナンス会社のカテゴリー事例】

個別セクター/ファイナンス会社の定義(2)

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1.サイズ

1-1: グローバルで連結されたバランスシート資産合計額

1-2: グローバルで連結されたオフバランスシート・エクスポージャー額

2.相互連関性

2-1: 金融システム内資産額(金融機関への貸出等、5項目の合計額)

2-2: 金融システム内負債額(金融機関からの借入等、5項目の合計額)

2-3: 種類別の借入額(CP・ABCP等、5項目)

2-4: レバレッジ比率

3.代替可能性

3-1: 当該企業の様々なファイナンス市場におけるシェアと他の企業による代替の容易さを考慮した、代替可能性の定性的評価。

個別セクター/ファイナンス会社の評価に使用される指標(1)

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4.複雑性

4-1: OTCデリバティブの想定元本

4-2: 会社の解体処理の難しさ

5.グローバル活動

5-1: 国をまたがる債権額

5-2: 国をまたがる負債額

5-3: 業務を行っている法域の数

5-4: 海外での資産もしくは収入の額

個別セクター/ファイナンス会社の評価に使用される指標(2)

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銀行・保険会社以外のG-SIFI(ノンバンクG-SIFI)を規制対象化する動きについて

【市場仲介企業の定義】

市場仲介企業とは一般的に個別ポートフォリオを管理する業務を行い、証券に関するオーダーを執行したり、トレーディングや販売を行う。証券仲介企業には以下を行う企業も含まれる。

• 取引オーダーの受領と送金

• 自己勘定トレーディング

• 証券価格に関するアドバイザリーや証券売買や投資に関するアドバイザリー

• 証券引受

• 顧客へのファンディング提供(マージンローン、リバースレポ等)

• 確実なコミットのないベースでの金融商品の販売

個別セクター/市場仲介企業の定義

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銀行・保険会社以外のG-SIFI(ノンバンクG-SIFI)を規制対象化する動きについて

1.サイズ

1-1: グローバルで連結されたバランスシート資産合計額

1-2: グローバルで連結されたオフバランスシート・エクスポージャー額

1-3: 顧客の預り資産残高

2.相互連関性

2-1: 金融システム内資産額(金融機関への貸出等、5項目の合計額)

2-2: 金融システム内負債額(金融機関からの借入等、5項目の合計額)

2-3: レバレッジ比率

2-4: 短期負債比率

2-5: OTCデリバティブの資産と負債

2-6: クリアリングハウスもしくは中央清算機関で必要とされるマージン額

個別セクター/市場仲介企業の評価に使用される指標(1)

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3.代替可能性

3-1: 市場が当該企業の仲介サービスに依存している程度の定性的評価

3-2: 以下の2項目により計測されるマーケットシェア。(1)国内取引所での日次の取引ボリュームに占めるトレーディング、(2)(データが入手可能であれば)グローバルな証券の市場取引ボリューム(株、ボンド、先物を含む)

4.複雑性

4-1: 連結対象のリーガルエンティティの数により計測される構造の複雑性

4-2: レベル3アセット(注:非流動的なアセット)によって計測される業務の複雑性

5.グローバル活動

5-1: 自社及び/又は関連会社が業務を行う法域の数

5-2: 国をまたがる債権・債務額

個別セクター/市場仲介企業の評価に使用される指標(2)

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銀行・保険会社以外のG-SIFI(ノンバンクG-SIFI)を規制対象化する動きについて

【投資ファンドの定義】

投資ファンドには、集団投資スキーム(CIS)、一般的なミューチュアル・ファンド(MMFなどのサブカテゴリーを含む)、ETF(上場投信)、プライベート・ファンド(ヘッジファンド、プライベート・エクイティ・ファンド、ベンチャーキャピタルを含む)などを含む。

今回の市中協議では対象をファンドに絞ったが、以下の3つへの拡張についても検討を進める。

• ファンド・ファミリー(同じファンドマネージャーによって、同一もしくは類似した投資戦略下で運用される、一群のファンド)

• アセット・マネージャー

• アセットマネージャーとそのファンド

個別セクター/投資ファンドの定義

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銀行・保険会社以外のG-SIFI(ノンバンクG-SIFI)を規制対象化する動きについて

1.サイズ

1-1: ネットAUM額(ファンドについて)

1-2: グロス想定エクスポージャー額(ヘッジファンドについて)

2.相互連関性

2-1: レバレッジ比率

2-2: カウンターパーティー・エクスポージャー比率(対ネットAUM)

2-3: 金融システム内負債額

3.代替可能性

3-1: ファンドによる一定資産の取引額/当該資産の市場での日次取引額

3-2: ファンドによる総取引額 vs 同カテゴリーのファンドによる総取引額

3-3: プレーヤーが世界に10社以下の投資戦略(もしくはアセットクラス)

個別セクター/投資ファンドの評価に使用される指標(1)

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銀行・保険会社以外のG-SIFI(ノンバンクG-SIFI)を規制対象化する動きについて

4.複雑性

4-1: ファンドによるOTCデリバティブの取引金額/ファンドの取引総額

4-2: カウンターパーティーから受領した担保のうち、再担保に提供されている割合

4-3: 高頻度の取引戦略によりマネージされるネット資産額の割合

4-4: 加重平均したポートフォリオ流動性/加重平均した投資家流動性

(前者は投資ポートフォリオを売却するのに要する日数、後者は投資家が投資資金を得るまでの日数)

4-5: グロス想定エクスポージャーに対する担保制約のない現金の割合

5.グローバル活動

5-1: ファンドが投資をする法域の数

5-2: ファンドが販売されている、もしくは上場している法域の数

5-3: 異なる法域で設立されたカウンターパーティーの数

個別セクター/投資ファンドの評価に使用される指標(2)

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