宇都宮市女性職員活躍推進 アクションプラン -...

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宇都宮市女性職員活躍推進 アクションプラン 平成27年3月 宇都宮市

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Page 1: 宇都宮市女性職員活躍推進 アクションプラン - Utsunomiya...ポジティブ・アクション普及促進のためのシンボルマークについて ポジティブ・アクションへの関心,認知度を高め,ポジティブ・アクションの取組に向けての

宇都宮市女性職員活躍推進

アクションプラン

平成27年3月

宇都宮市

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はじめに

現在,我が国においては,少子・超高齢化や地方分権の進展に伴い,市民に

身近なサービスを提供する地方公共団体の役割は,ますます重要となっており

ます。本市においても,限られた経営資源のもとで組織力のさらなる向上を図

り,持続可能なまちづくりを推進するためには,性別にかかわらず,すべての

職員が能力を十分に発揮できる組織づくりが求められています。

本市では,「第 3 次宇都宮市男女共同参画行動計画」において,「さまざまな

分野における男女共同参画社会の実現」を基本目標に掲げ,企業や地域などに

おける意思決定の場への女性の参画を推進し,行政組織として,市民の半数を

占める女性の視点を,政策立案や行政運営に活かしていくために,市が自ら率

先して女性活躍に取り組んでいるところであります。 国においては,女性の活躍を成長戦略の中核と位置づけ,積極的な取組が進

められるなか,本市としても,女性の活躍は,喫緊かつ戦略的に取り組むべき

課題であると認識していることから,女性管理職16名による検討チームを中

心に,女性の視点から現状や課題を踏まえ提言をいただき,この度「女性職員

活躍推進アクションプラン」を策定いたしました。 女性の活躍推進に向けた取組は,女性のみならず,男性にとっても,ワーク・

ライフ・バランスが図られ,人を育てる風土が醸成された働きやすく,働きが

いのある職場環境づくりを目指すものであり,女性が活躍できる組織からは,

多様な価値観から新たな発想が生まれるなど,本市行政経営の基盤の強化につ

ながるものと確信しております。 結びに,職員一人ひとりが,女性活躍の必要性を十分に認識し,将来にわた

り持続可能なまちづくりを担える組織を目指し,管理監督者を始め,組織一体

となって,プランの実現に取り組まれることを期待し,あいさつといたします。 平成27年 3 月

宇都宮市長 佐藤栄一

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も く じ

第1章 策定にあたって

1 策定の趣旨 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 1 2 計画の位置付け ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 2 3 計画期間 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 2

第2章 背景

1 女性の活躍推進が求められる背景 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 3 2 女性の活躍により期待できる効果 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 6

第3章 現状と課題

1 本市における女性職員活躍に関連する計画等 ・・・・・・・・・・・・・・ 8

2 データからみる本市の現状と課題 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 9

3 職員の意識調査の結果 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 25

4 女性職員との意見交換・ヒアリングの結果 ・・・・・・・・・・・・・・ 31

5 課題のまとめ ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 33

第4章 アクションプランの目標

1 アクションプランのスローガン ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 34

2 成果指標の設定 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 34

第5章 施策の展開

1 体系図 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 37 2 アクションプランの取組 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 38 3 アクションプランの具体的事業 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 42

第6章 推進体制

1 全庁推進体制 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 53 2 進捗管理 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 53

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ポジティブ・アクション普及促進のためのシンボルマークについて ポジティブ・アクションへの関心,認知度を高め,ポジティブ・アクションの取組に向けての

社会的機運の醸成を図ることを目的に,女性の活躍推進協議会が公募により作成したもの。企業,

労使団体等はポジティブ・アクション普及促進の趣旨に賛同して活動を行う際に使用することが

できる。

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本市においては,これまで,採用,配置,研修,昇任など,男女の別なく人材育成を

進めてきたが,今年度,「宇都宮市人材育成基本方針」の改定にあたり実施した職員意

識調査によると,女性は,仕事と生活の両立の負担や管理監督者としての責務に対する

不安などから,管理監督職への昇任意向は,男性5割に対し,女性はその2分の1にと

どまり,また,今後伸ばしたい能力についても,男性はマネジメント能力を,女性は,

専門的能力を優先しており,男女のキャリアに対する意識に格差がみられた。特に,女

性職員は,出産や子育て等のライフイベントも影響し,能力が発揮しきれていない状況

も伺えるため,全ての職員が性別に関わらず,持てる能力を十分に発揮できる活力ある

組織づくりに向け,女性職員のさらなる活躍推進に向けた取組が求められる。

また,国においては2020年までにあらゆる分野で指導的地位に占める女性の割合

30%を目指すとともに,成長戦略においても,女性の力を 大限に発揮することが成

長戦略の中核をなすものとして,現在,国・地方自治体,企業に対し,女性登用の目標

や行動計画の策定,公表の義務化などの検討が進められるなど,女性活躍推進の動きが

加速化している。

こうした状況を踏まえ,本市においても,少子・超高齢化の進展等に伴い,より高度

化・多様化する市民ニーズに対応した質の高い行政サービスを提供していくためには,

女性の視点や女性の強みを組織として十分に活かしていくことが重要となることから,

女性職員の活躍推進に向けた人材育成や職場環境づくりに積極的に取り組むため,「宇

都宮市女性職員活躍推進アクションプラン」を策定するものである。

1 策策定定のの趣趣旨旨

第1章 策定にあたって

第1章 策定にあたって

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・ 「第5次宇都宮市総合計画改定基本計画」の分野別計画「Ⅵ持続的発展が可能な都市

の自治基盤を確立するために」の基本施策「行政経営基盤の強化」を実現するための計画

・ 総合計画の実現に向けた,本市職員の人材育成の指針を定めた「宇都宮市人材育成基

本方針」の目標達成に向けた女性職員の活躍推進に係る行動計画

・ 「第3次宇都宮市男女共同参画行動計画」の基本目標「さまざまな分野における男女

共同参画社会の実現」のための行政分野における本市組織内部の計画

・ 「次世代育成支援対策推進法」に基づく特定事業主行動計画,「宇都宮市職員楽しい子

育て応援計画」と密接に関連する計画

* 次世代育成支援対策推進法が10年間(平成27年4月~平成37年3月)延長され,

新たな行動計画策定指針の特定事業主行動計画部分に,「子育てを行う女性職員の活躍推

進に向けた取組」が盛り込まれたところであるが,本市においては,子育て中も含めた

すべての女性職員の活躍推進に向けた総括的な取組みを推進することとし,当アクショ

ンプランを策定することとした。

平成27年度から平成31年度までの5か年計画とする。

ただし,国における法制度の改正や本市を取り巻く環境の変化などにより,当プランに

大きな影響が生じる場合は,計画期間内であっても必要に応じて改定を行うものとする。

第5次宇都宮市総合計画改定基本計画

第3次宇都宮市

男女共同参画行動計画

宇都宮市女性職員活躍推進

アクションプラン

宇都宮市人材育成基本方針

【特定事業主行動計画】

宇都宮市職員楽しい

子育て応援計画

2 計計画画のの位位置置付付けけ

3 計計画画期期間間

(国)第3次男女共同参画基本計画

(国)次世代育成支援対策推進法 →行動計画策定指針

連携・整合

第1章 策定にあたって

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(1) 国等の動き

○ 『2020年30%目標』(平成15年6月20日男女共同参画推進本部決定)

国は,2020年までに,社会のあらゆる分野において指導的地位に占める女性の

割合を30%とする目標を掲げる。

○ 第3次男女共同参画基本計画(平成22年12月閣議決定)

・ 政策・方針決定過程への女性の参画の拡大は,日本社会にとって喫緊の課題とさ

れ,第3次男女共同参画基本計画においても,特に早急に対応すべき課題の一つと

して,実効性のある「積極的改善措置(ポジティブ・アクション)」*1 の推進が掲げ

られている。

(参考)「都道府県の本庁課長相当職以上に占める女性の割合」を,平成21年度の策

定時における5.7%から,平成27年度末までに10%程度とする目標を掲げて

いる。

○ 女性国家公務員の採用・登用拡大等に関する指針(平成23年1月 人事院)

・ 人事院は,「女性国家公務員の採用・登用の拡大等に関する指針」を平成23年

に改定し,当指針に基づき各府省は,平成27年度までの目標及び目標達成のため

の具体的取組を設定した5年間の計画である,「女性職員の採用・登用拡大計画」

を策定し,取組を推進している。

○ 日本再興戦略(平成25年6月【平成26年6月一部改訂】)

・ 国は,我が国 大の潜在力となっている「女性の力」を 大限発揮できるように

することは,少子高齢化で労働力人口の減少が懸念される中で,新たな成長分野を

支えていく人材を確保していくためにも不可欠であるとして,女性の活躍を成長戦

略の中核と位置づけている。

*1「積極的改善措置」(ポジティブ・アクション) 男女共同参画社会基本法第 2 条第 2号において,「男女が,社会の対等な構成員

として,自らの意思によって社会のあらゆる分野における活動に参画する機会に係る男女間の格差を改善するため,必要な範囲内において,男女のいずれか一方に対し,当該機会を積極的に提供すること」と規定。基本法上の積極的改善措置は,女性だけでなく男性も対象とするが,個別の措置については男性か女性のいずれか一方が対象となる。

第2章 背景

1 女女性性のの活活躍躍推推進進がが求求めめらられれるる背背景景

第2章 背景

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・ 「日本再興戦略改訂2014」では,女性の登用促進に向け新たに講ずるべき具体

的な施策として,女性活躍に向けた新たな法的枠組の構築や,企業における女性登用

の「見える化」と,両立支援のための働き方見直しの促進などを決定。

・ 「先ず隗より始めよ」の観点から,女性の採用・登用の促進や,男女の仕事と子育

て等の両立支援について,公務員から率先して取り組むこととしている。

こうした流れのなか,国においては,働く環境(長時間労働慣行の見直し,両立支

援制度の活用促進),管理職・人事当局の意識・姿勢(管理者の自覚の醸成と的確な対

応の徹底,育成と配置のバランスのとれた人事管理,育成計画の弾力化),女性職員の

意識・意欲(キャリアパスの見える化,人事配置上の工夫)の3つの側面から女性活

躍の取組のアプローチを積極的に進めている。

第2章 背景

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(2)社会環境の変化

・ 少子・超高齢化の進行に伴い,社会構造が大きく変化しようとしており,また,ラ

イフスタイルや価値観の多様化に伴い,市民ニーズも複雑・多様化してきている。

今後,生産年齢人口の減少とともに,医療,介護,福祉サービスや、子育て環境の

充実など,市民生活に直結する分野の市民ニーズが一層高まると考えられることから,

本市においても,生活者である男女双方の視点に立った,よりきめ細かな行政サービ

スの提供が求められる。

・ 地方分権改革が進む中,今後は,これまでのような一律の権限移譲ではなく,地域

がそれぞれの特徴を活かした自律的で持続的な社会を創生する「地方創生」に向けて,

地域の創意工夫ある提案による改革が求められることから,本市においても,多様な

価値観の中から生まれる新たな発想力や創造性,変化への柔軟な対応力がより一層求

められ,女性の活躍をはじめ多様な人材を活かすダイバーシティ*2 の視点に立った組

織経営が求められる。

・ 東日本大震災以降,防災分野をはじめとする様々な政策事業において,女性の視点

からの課題認識や企画立案の必要性が高まっており,意思決定の場への女性の参画を

積極的に推進していく必要がある。

・ 企業等においても女性の活躍推進に向け,経営戦略として,ダイバーシティやワー

ク・ライフ・バランスの実現に向けた取組が進んできているが,企業における取組を

促進するため,市においても自ら率先した取組が求められる。

【女性の活躍推進が求められる背景のまとめ】

社会環境の変化に伴い,複雑・多様化する行政課題に迅速かつ的確に対応していく

ためには,市民の半数を占める女性の視点や生活者としての女性の強みを活かし,多

様な価値観から生まれる新たな発想や変革の時代に対応した,細やかで柔軟な発想の

転換が求められることから,様々な意思決定の場への女性の参画を推進するとともに,

性別にかかわらず職員が持てる能力を最大限に発揮できる組織づくりに取り組み,行

政経営の基盤をより一層強化する必要がある。

*2 ダイバーシティ ダイバーシティとは,多様な人材を積極的に活用しようという考え方であり,

性別や人種の違いに限らず,年齢・性格・学歴・価値観などの多様性を受け入れ,広く人材を活用することで生産性を高めようとするマネジメントのこと。

第2章 背景

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女性の活躍推進の取組は,これからの社会環境の変化を捉えた経営戦略の一つとして

取り組んでいくにあたり,国の動向や本市を取り巻く環境の変化などを踏まえながら,

本市が女性活躍推進の必要性や効果を明らかにし,組織全体で共通認識を持って取り組

んでいくことが重要となる。

(1)組織力の向上

企業において女性の参画を進めることで,業績への好影響も期待されており,実際

に海外や国における研究でも女性が活躍することで企業イメージや業績が伸びたなど

の報告がなされている。これは,女性が活躍できる企業風土が相乗効果を生み,業績

に良い影響を与えるものとされ,働き方を見直し,多様なライフスタイルを持つすべ

ての人にとって働きやすい組織づくりのための取組が仕事の効率性を高め,多様な

人々の能力・発想を活かすことにつながっているためである。

本市においても,今後ますます複雑・多様化する市民ニーズや社会構造の変化に,

柔軟かつ的確に対応していくためには,様々な視点から課題を明らかにしながら,き

め細かな対応を行っていく必要があり,女性の活躍に向けた取組を積極的に行うこと

で,職員個々のワーク・ライフ・バランスに対する意識の醸成や相互理解が図られ,

女性だけでなく,男性にとっても,仕事と生活の両立が図られ,働きやすく,働きが

いのある職場環境が創出され,新たなアイデアや付加価値を生み出すなどの相乗効果

が得られ,ひいては組織力の向上が期待できる。

(2)優秀な人材の確保

働きやすく,働きがいのある職場環境を整備し,本市の女性職員活躍推進の取組を

広く庁内外に発信することにより,男女を問わず,本市で働いてみたいと思う意欲の

高い多くの人材が集い、ひいては優秀な人材の確保につながることが期待できる。

(3)市民サービスの向上

市民ニーズが複雑・多様化するなか,市民協働によるまちづくりを推進していくた

めには,市民の生活により密着し,地域と職員がともに知恵を出し合い,多様な価値

観をもって行政課題に対応し,施策に反映していくことが求められるなど,行政のあ

らゆる分野の政策の企画立案から意思決定過程に女性職員が参画する機会を拡充し,

女性の視点を政策に反映するとともに,女性の強みともいえる生活者の視点から,様々

な市民ニーズを的確に捉え,きめ細かな対応を図ることで,質の高い市民サービスの向

上が期待できる。

2 女女性性のの活活躍躍にによよりり期期待待ででききるる効効果果

第2章 背景

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(4)社会における男女共同参画の推進

国において,女性の活躍推進の動きが加速化するなか,市民に も身近な行政組織

である市が率先して女性の活躍に取り組み,地域にその成果を発信することで,地域

や企業などにおいて,意思決定の場への女性の参画が進み,社会における男女共同参

画の推進につながることが期待できる。

【女性活躍により期待できる効果】(イメージ図)

第2章 背景

男女とも働きやすい職場環境

意思決定の場への

女性の参画

全ての職員が能力を発揮できる職場風土

・男女双方の視点

⇒多様なニーズへ対応

・多様な価値観

⇒新たな価値の創造

女性職員の育成 ・登用

両立支援の環境整

備(ワーク・ライフ

バランスの推進,働

き方の見直しなど)

市民サービスの向上

組織力の向上

女性職員活躍推進の取組

社会における男女共同参画の推進

優秀な人材確保

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本市においては,これまで,人材育成,次世代育成支援,男女共同参画の観点から,

下記の3つの計画等において,女性の育成や両立支援の取組を推進してきた。

○ 宇都宮市人材育成基本方針(平成21年12月策定)

女性職員の人材育成のための研修として,育児休業明け1年以内の女性職員を対象

とした「女性職員のキャリア・デザイン研修」を実施するほか,女性管理監督者の養

成のため,自治大学校や女性職員を対象とした研修会等に女性職員を派遣するなど,

人材育成に取り組んでいる。

○ 宇都宮市職員楽しい子育て応援計画(計画期間:平成22~26年度)

次世代育成支援対策推進法に基づく特定事業主行動計画として,職員が子育てをし

やすい環境づくりを目指し,仕事と子育ての両立を支援する環境整備やワーク・ライ

フ・バランスの実践に向けた環境整備として,各種支援制度や,残業削減,休暇取得

促進に向けた取組などを進めている。

数値目標:①職員の育児休業等取得率

現状値:平成21年度 男性79%,女性100%→ 目標値:男女100%

②年次休暇平均取得日数

現状値:平成21年度 12.3日 → 目標値:15.0日

○ 第3次宇都宮市男女共同参画行動計画(計画期間:平成25~29年度)

重点施策として,「意思決定の場への女性の登用促進」を掲げ,「企業や地域におけ

る管理職・役員等への女性登用促進に向けた啓発」を進めることで,民間企業で管理

職等(係長相当職以上,役員含む)に女性を登用している割合を33%(平成24年度)

から40%とする目標を掲げ様々な取組を進めている。

上記計画等に基づく取組としては,これまで,仕事と子育てとの両立支援に向けた

環境づくり,育児休業明けの職員に限定した支援が中心であり,ポジティブ・アクシ

ョンとして,より女性に限定した育成のための施策事業が未実施であることや,女性

管理職の登用に向けた目標の設定は行っていない状況であり,目標を明確にし,これ

まで以上に人材育成に向けた各種施策事業を充実・強化していく必要がある。

第3章 現状と課題

1 本本市市ににおおけけるる女女性性職職員員活活躍躍にに関関連連すするる計計画画等等

第3章 現状と課題

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(1) 女性職員の年齢構成

表1 年齢別職員構成(H26年4月1日現在)

年齢 全体数 女性職員

備考 職員数 各年齢層に占める割合

55 歳以上 391 91 23.3%

50~54 歳 359 122 34.0%

45~49 歳 412 134 32.5%

40~44 歳 465 172 37.0%

35~39 歳 319 131 41.1%

30~34 歳 245 93 38.0%

25~29 歳 290 120 41.4%

20~24 歳 115 48 41.7%

20 歳未満 5 1 20.0%

合計 2,601 912 35.1%

* 技能労務職員(技能主査・技能主任を含む)を除く。指導主事を含む。

・ 本市職員に占める女性職員の比率は35.1%。

・ 45歳以上の管理職対象年齢層の率が低く,特に55歳以上の年齢層における女性

比率は23.3%と低い。

・ 20~44歳の各年齢層では,女性が約4割を占めていることから,今後,管理監

督者となる年代層の女性の割合は次第に高くなるものと予測される。

・ 特に,20歳台の女性が も高く,4割を超えていることから,今後,出産・育児

を迎える女性の比率も高まるものと予測される。

・ さらに,晩婚化・晩産化も社会的傾向としてみられることから,組織の中核となる

中堅職員から監督者にあたる年齢層が,出産・育児の時期と重なる場合や,育児と介

護が重なる場合も想定される。

2 デデーータタかかららみみるる本本市市のの現現状状とと課課題題

第3章 現状と課題

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【課題】

今後,各年代層において女性職員の比率が高まり,これから出産・育児等のライフイ

ベントを迎える年齢層の女性の比率も4割を超え,さらに親の高齢化に伴う介護など,

仕事以外の拘束時間が必要となることが予測され,仕事と生活の両立を図れる環境づく

りが求められる。

(2) 採用・昇任試験の状況

グラフ1-1 採用試験における受験者割合

グラフ1-2 採用試験における合格者割合

第3章 現状と課題

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・ 採用試験における受験者の女性比率は34.8%から43.5%,合格者の女性比

率は34.0%から40.0%の間で,女性職員については一定比率で推移している。

グラフ2-1 昇任試験状況(総括主査)受験者割合

グラフ2-2 昇任試験状況(総括主査)合格者割合

第3章 現状と課題

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グラフ3-1 昇任試験状況(専任主査)受験者割合

グラフ3-2 昇任試験状況(専任主査)合格者割合

・ 総括主査受験者の女性比率は26.0%から31.3%,合格者の女性比率は23.

5%から33.8%で推移しており,女性の比率は低い。

・ 専任主査受験者の女性比率は5割を超えており,合格者も女性が7割を超える年度が

あるなど,女性の専任志向が高い。(女性は,庶務分野や市民生活窓口分野など偏る傾

向あり)

・ 男性の総括主査受験者割合は7割,専任主査受験者割合が4割であるのに対し,女性

の総括主査受験者割合は2割,専任主査受験者割合6割であり,男女のキャリア志向の

違いが顕著に表れている。

第3章 現状と課題

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【課題】

職員採用における女性比率は一定確保されているが,今後は,様々な分野における

女性の活躍を推進していくなか,行政の各分野において将来の管理監督者となる女性

職員の発掘・育成が求められることから,専門職・資格職も含めて,優秀な女性職員

の確保に向け,女性の活躍促進に取り組みながら,本市の魅力を高め,情報を発信し

ていく必要がある。

昇任試験に関しては,現在,女性は専任主査に占める受験者割合が高いが,組織と

しては,意思決定の場への女性の参画を推進していくため,可能な限り早期に様々な

業務経験を与え,マネジメント力など管理監督者に求められる能力を育成し,監督職

を目指す職員の比率を高めていくことが必要である。

(3) 職員のキャリア意識

グラフ4 キャリア適性(主任 36~40歳) (平成 25 年度自己申告書より)

・ 複線化のキャリア選択の時期にあたる主任について,自己申告におけるキャリア適

性をみると,男性は36歳で,ライン職を選択している職員は約76%と も高く,

以後40歳までは徐々に減少しているものの,高い率を示してしている。

・ 女性は36歳で,ライン職を選択している職員は15%と男性の5分の1であり,

37歳で31%と上昇するものの,その後は再び減少傾向である。

・ 女性の36歳から37歳では,未定(ライン職・スタッフ職いずれも選択しない職

員を含む)が41~55%みられ,男性の8~17%と比べると男女の差が大きくな

っている。

第3章 現状と課題

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グラフ5 職員に実施したアンケート結果(P23より女性の結果のみ抜粋)

「自分のキャリアを考えるにあたって,不安に思うことは何ですか。」

・ キャリアを考えるうえでの不安として,20歳台から40歳台までの女性の2割以が,

仕事と家庭生活との両立の不安を一番にあげており,特に女性の30歳台では,約3

割と も高くなっている。

【課題】

主任クラスのキャリア適性をみると,男性は8割近くがライン職を選択しているの

に対し,女性は2割以下で,特に複線化の昇任試験の対象となる年齢においては未定

の女性が多く,子育て等との両立による負担感や昇任に対する不安や迷いを抱いてい

ることから,この時期の主任クラスの女性職員に対するキャリア支援などが必要であ

る。

第3章 現状と課題

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グラフ6 キャリア適性(係長級・課長補佐級) (平成 25 年度自己申告書より)

・ 係長級では,ラインに適性があるとする職員は約6割で,男女の差はほとんどない。

ライン志向 女性 60.4% 男性 62.9% ・ 課長補佐級では,男性でラインに適性があるとする職員の割合は,係長級に比べ高く

なっているが,女性は4割を切り,「未定」の女性が半数近くにまで増えている。

ライン職 女性 38.5% 男性 64.1%

未定 女性 46.2% 男性 25.6%

【課題】

自己のキャリア適性については,係長級では男女差はみられないが,課長補佐級で

は,女性においてラインに適性があると感じている職員が4割を切っており,経験や

知識不足を認識している職員がいることから,課長補佐級の職員に対するキャリア・

アドバイス,職員に求められる研修の充実等の支援が必要である。

第3章 現状と課題

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(4)女性管理監督者の登用状況

表2 職位別女性職員の比率 (平成26年4月1日現在)

職名等 職員数 男性 女性 女性の比率

部長級(参事 9級) 25 24 1 4.0%

次長級(副参事 8 級) 28 27 1 3.6%

課長級(副参事 8 級) 28 28 0 0.0%

課長級(主幹 7級) 142 128 14 9.9%

課長補佐級(副主幹 6 級)*1 125 108 17 13.6%

係長級(副主幹 6 級)*2 20 14 6 30.0%

係長級(主査 6級) 301 250 51 16.9%

役付職員 合計 669 579 90 13.5%

副主幹指導主事(6級) 16 15 1 6.3%

指導主事

(副主幹指導主事を除く 6級) 17 12 5 29.4%

総括主査(主査 5級) 269 190 79 29.4%

専任主査(主査 5級) 161 80 81 50.3%

平主査・指導主事(5級) 26 24 2 7.7%

4 級職員以下 1,443 789 654 45.3%

一般職員 合計 1,932 1,110 822 42.5%

総 計 2,601 1,689 912 35.1%

*1 課長補佐級指導主事(1名)を含む

*2 副主幹係長級指導主事(5名)を含む

* 技能労務職を除く

【本市女性職員の登用状況】

・ 管理職(課長級以上)に占める女性の割合 7.2%

・ 役付職総数(係長以上)に占める女性の割合 13.5%

・ 監督職(課長補佐級,係長級,総括主査)に占める女性の割合 21.4%

・ 本市職員に占める女性職員の割合が35%であるのに対し,管理職,監督職の女性

比率は大きく下回っている。

・ 総括主査に占める女性の割合が29.4%であるのに対し,専任主査では50.3%

と,スタッフ職における女性の比率が高い。

第3章 現状と課題

監督職

21.4%

課長補佐~総

括主査まで ※副主幹指導

主事,指導

主事を除く

管理職

7.2%

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【課題】

女性管理監督職の登用状況のうち,総括主査における女性の比率は3割で,女性全

体の比率にほぼ近い割合であるのに対し,係長,課長補佐と職位が上がるごとに女性

の比率が低くなる傾向にあることから,ライン職を自ら目指した監督職が,可能な限

り昇任していけるよう,様々な業務を通した経験などの付与や研修を通し,管理監督

者として必要となる能力を育成していく必要がある。

表3 本市の管理職登用の推移

* 一般行政職員は,獣医師,薬剤師,保健師,医師,保育士,消防を除く全職種

* 管理職全体数は,消防,派遣職員を除く管理職

・ 本市における女性管理職の比率は,母数となる管理職数が減少したこともあるが,

積極的な人材育成に努めてきたことにより,年々上昇傾向にある。しかしながら,女

性管理職の数については,5年間で4名の増,平成23年度以降はわずか1名の増に

とどまっている。

年度 管理職 うち一般行政職

全体数 女性職員数 女性の割合 全体数 女性職員数 女性の割合

21 243 13 5.3% 239 13 5.4%

22 239 12 5.0% 235 12 5.1%

23 230 15 6.5% 227 14 6.2%

24 224 15 6.7% 222 15 6.8%

25 224 15 6.7% 221 15 6.8%

26 223 16 7.2% 220 15 6.8%

第3章 現状と課題

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グラフ7 女性管理職の推移

* 全国市区,政令市の平均値は「内閣府 H26 年度男女協働参画白書」より

・ 平成21~25年度までの5年間の推移を他市と比較すると,平成21~22年度

の落ち込みはあるものの,5年間の伸び率は約1.3倍で他市とほぼ同じである。

中核市との比較

・ 中核市43市のうち,女性管理職の比率が高い上位10市との比較分析を行った。

ア.管理職の登用状況

表4 中核市における管理職比率 (平成25年度 内閣府調査データより)

* 一般行政職=税務職,研究職,薬剤師・医療技術職,看護・保健職,福祉職,消防職,企業職,

技能労務職,教員職,臨時職員等を除く。

管理職の比率 女性管理職の比率一般行政職の

女性管理職の比率

中核市上位 10市平均 13.8% 14.6% 8.8%

中核市 43市平均 9.3% 9.0% 6.6%

宇都宮市 6.7% 6.7% 6.8%

第3章 現状と課題

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・ 職員に占める管理職全体の比率は,本市6.7%に対し,上位10市は13.8%

と2倍の開きがあり,上位市は,管理職ポストの数が多い。

・ 上位10市のうち9割は病院や幼稚園等を有しており,資格職などの女性職員の比

率が本市と比較しても高くなっている。

・ 中核市の女性管理職の平均9.0%と比較すると,本市は6.7%と低い水準にあ

るが,一般行政職のみの女性管理職の比率で比較すると,6.8%で,ほぼ平均レベ

ルにある。

イ.市長部局による職員の状況・・・地方行財政調査会(平成26年4月1日現在)

・ 自治体が,病院,幼稚園,学校等を有するか否かで,職種や管理職ポスト等の比率

に大きな差が生じることから,市長部局のみで比較した地方行財政調査会のデータを

参考に中核市との比較を行う。

表5 市長部局における職員の状況

都市名

うち

女性

うち

女性

総職員数に占

める役付職員

比率(%)

役付職員に

占める女性

の割合(%)

総職員数に

占める女性

の割合(%) 役付職員数(人) 総職員数(人)

豊中市 1,259 553 1,772 853 71.0 43.9 48.1

富山市 1,139 482 1,950 1,016 58.4 42.3 52.1

大津市 753 285 1,338 589 56.3 37.8 44.0

東大阪市 1,131 410 1,762 736 64.2 36.3 41.8

福山市 981 351 2,204 1,005 44.5 35.8 45.6

下関市 1,351 468 1,626 604 83.1 34.6 37.1

船橋市 1,025 347 2,524 1,205 40.6 33.9 47.7

盛岡市 704 219 1,284 472 54.8 31.1 36.8

枚方市 682 201 1,330 601 51.3 29.5 45.2

岡崎市 589 170 1,443 680 40.8 28.9 47.1

上位

10 市平均 961 349 1,723 776 55.8 36.3 45.0

中核市

43 市平均 783 203 1,669 641 46.9 26.0 38.4

宇都宮市 536 74 2,155 790 24.9 13.8 36.7

第3章 現状と課題

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・ 本市の市長部局の女性職員の構成比率は36.7%と,本市全体の女性比率35.

1%より高い。(P9表1参照)

・ 中核市における市長部局の役付け職の女性比率について,本市は13.8%で中核

市の中で も低く,男女を含めた役付け職全体の比率も24.9%で も低い。

・ 総職員数に占める役付職員の比率の高い都市は,豊中市の71%であり,半数以上

が役付け職となっている自治体は15市あり,自治体による管理監督者のポスト比率

の差が大きい。

【課題】

女性管理職等の比率については,各自治体の組織,職制の考え方により差異が生じる

ため,本市と同じ条件のもとで比較し,本市においては,「組織整備・定員適正化に

関する方針」を踏まえ,引き続きスリムで効率的な執行体制を整備することを基本と

し,より現実的で本市の特性を反映した目標を設定,女性の管理職となり得る人材を

計画的に育成しながら,拡大を図る必要がある。

第3章 現状と課題

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(5)女性職員の部門別配置状況

グラフ8 女性職員の部門別配置比率

・ 女性職員の配置状況を部局別で比較すると,保育士,保健師などの資格職の多い子

ども部や保健福祉部は,女性職員の比率が高くなっている。

・ 建設部や環境部,都市整備部,上下水道局については,技術職の男性が多く配置さ

れているため,女性の比率は低くなっている。

・ 資格職など職種の影響を受けにくい行政経営部や総合政策部などの内部管理部門に

おいては,女性の比率が他部と比較して低くなっている。

【課題】

管理監督者として求められるマネジメント能力や政策立案等の能力を早期に育成す

るうえで,政策立案や内部管理などの部門も含め,多様な経験を積むことが重要であ

り,特に,女性の配置率が低い管理部門に積極的に女性を配置し,行政経営の視点に

立った業務運営を行うことができる人材を育成していく必要がある。

第3章 現状と課題

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(6) 仕事と生活との両立支援

表6 育児や介護の両立支援制度の利用状況等

* 上段:新規取得者,下段:H26 以前からの継続取得者(・育児休業中職員も母数に含む)

・ 女性職員の育児休業取得率は100%であるが,男性職員については平成25年度

までの5年間の実績は6名で,その内3名は平成25年度に取得しており依然として

取得率が低い状況にある。

・ 介護休暇は,毎年,女性が2名から4名取得しており,男性は2名以下である。

・ 年次休暇の取得日数は,一人あたり12日から13日であり,「年休取得促進15日

以上」を目標とする取組等により微増傾向にある。

・ 時間外勤務についても,超勤削減の取組等により微減傾向にある。

年度

育児休業 育児短時間勤務

部分休業

(複数承認

は除外)

介護休暇

一人あたり

の年次休暇

取得日数

一人あたり

の時間外勤

務時間数

男性 女性女性の

取得率男性 女性

女性の

取得率男性 女性 男性 女性 男性 女性 男性 女性

21 0 40 100% 0 0 - 0 4 1 4 12.9 12.0

22 2 33 100% 0 0 - 1 4 1 3 13.1 12.0

23 0 26 100% 0 1 100% 1 7 2 4 13.5 12.6 174 142

24 1 25 100% 0 0 - 1 7 0 4 13.7 13.2 174 134

25 3 32 100% 0 0 - 1 11 0 2 13.5 13.0 171 136

26*

0 4 100% 0 0 -

0 8 0 0 - - - -0 32 - 0 0 -

第3章 現状と課題

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グラフ9 「宇都宮市職員楽しい子育て応援計画」改定に係るアンケート調査より抜粋

「現在のワーク・ライフ・バランスについて,満足していますか。」

・ 30歳台40歳台において「満足していない」「どちらかというと満足していない」

と回答している割合が高い。

【課題】

残業削減や年休取得促進については,取組の成果が数値にも現れているが,まだ十

分といえる状況ではなく,男性の育児休業取得は依然として進んでいない。今後,介

護との両立が,男女ともに大きな負担となることが予測されることから,すべての職

員が仕事と生活の両立を図れるよう,働き方の見直しを更に進め,ワーク・ライフ・

バランスの推進をより一層図っていくことが求められる。

第3章 現状と課題

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【データにおける課題の整理】

(1) 職員の年齢構成

・ 子育てを迎える年代の女性比率が4割を超える時代

⇒ 仕事と生活との両立が図れる職場環境づくりが一層求められる。

(2) 採用・昇任試験

・ 将来の管理監督者となる女性職員の早期発掘・育成

⇒ 採用においても優秀な女性職員の確保に向けた取組が求められる。

・ キャリア選択における女性職員のスタッフ志向

⇒ 主任までに,様々な業務経験を与え,自己の成長を実感しながら,監督職を

目指す女性職員の比率を高めていくことが必要である。

(3) キャリア意識

・ 性別によるキャリアの志向の違い

⇒ 複線化のキャリア選択の時期にある女性職員(主任)に対する仕事と生活の

両立の不安解消や,ライン適性を実感できるような職場経験の付与等が必要。

・ 課長補佐級女性職員の今後のキャリアへの不安や迷い

⇒ 課長補佐級の女性職員に対するキャリア支援や,マネジメント能力の強化の

ための取組が求められる。

(4) 女性の登用率

・ 国の統計上,他市と比較して低い本市の女性管理職比率

⇒ 他市との組織や職制の違いを踏まえた本市独自の目標設定による計画的な取

組が求められる。

(5) 異動・配置

・ 女性職員育成に向けた多様な部門への配置

⇒ 特に,女性の配置率が低い管理部門等に積極的に女性を配置し,政策立案やマ

ネジメントについて業務を通して学ぶ機会を付与していく必要がある。

(6) 仕事と生活との両立支援

・ 両立支援制度は整備されているが,活用が進まない男性の育児休業

⇒ 管理監督者等による取得しやすい職場風土づくりが求められる。

・ 子育てとの両立に加え,超高齢化に伴う男女を問わない介護との両立の問題

⇒ 仕事と育児・介護等との両立に向けた柔軟な働き方の検討が求められる。

・ 残業削減,年休取得のさらなる促進

⇒ 様々な時間的制約のなかで,すべての職員が仕事と生活の両立を図れるよう,

働き方の見直しを進め,ワーク・ライフ・バランスの推進をより一層図っていくこ

とが求められる。

第3章 現状と課題

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本市職員の人材育成を推進していくための基本的な指針である「宇都宮市人材育成基本

方針」を改定するにあたり実施した意識調査の中で,女性職員の意識について抜粋した。

【調査の概要】

1 対象 2,229 名(一般職から係長級の行政職職員対象)

2 回答者数 1,600 名

3 回答率 71.8%

4 期間 平成 26 年 2 月 27 日~平成 26年 3月 14 日

■ 自分のキャリアについて具体的に考えていますか。

・ 男女とも,「考えている」「考えていない」と回答した比率は6対4でほぼ同じ。

・ 男女とも,30歳~40歳台は「考えている」が7割と高い。これは,「キャリア・

デザイン研修」を受講済の年代であり,また,昇任試験の対象となる年代にあたるこ

とから高いもの考えられる。

・ 女性の20歳台では,「考えている人」が,5割を切っている。

3 職職員員のの意意識識調調査査のの結結果果

第3章 現状と課題

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■ 自分のキャリアを考えるにあたって,不安に思うことは何ですか。

第3章 現状と課題

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・ 「経験や知識不足による昇任に対する不安」については,男女とも2割程度みられ

るが,女性においては30歳台で高い状況であり,その後も持続的に不安を抱えている。

・ 男女比をみると,女性の「仕事と家庭生活の両立の負担感」が23%みられ,男性

(14%)よりも9%高い。

・ 20歳~40歳台の女性で特に「仕事と家庭生活の両立の負担感」を不安に思う割

合が23%~29%と高く,特に30歳台女性が29%で も高く,男性(18%)

の2倍以上となっている。

■ 将来,管理監督職になりたいと思いますか。

・ 「なりたい」「どちらかといえばなりたい」と回答しているのは,係長級で男性65%

女性34%,総括主査で男性66%女性39%,一般職で男性52%女性25%と,

いずれの階層も女性は男性の2分の1となっている。

・ 女性の昇任意欲は「総括主査」が も高く,一般職は低くなっている。

第3章 現状と課題

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■ 将来,管理監督職になりたいと思いますか。(一般職)

・ 一般職の主任以下の職員のうち,「なりたい」「どちらかといえばなりたい」と回答

しているのは,特に,30歳台で男性69%女性27%,20歳台で男性71%女性

36%と,複線化の昇任試験対象年齢前の世代で男女差が大きくなっている。

第3章 現状と課題

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■ 管理監督職になりたくない理由について,次の中から選んでください。

・ 管理職になりたくない理由として,男女とも3割程度が「自分の能力に自信がない」

と回答しており,女性の方がやや高い状況である。 ・ 理由のうち,男女差が顕著にあらわれているものは,「仕事と家庭生活の両立ができ

なくなる」という回答で,女性は男性の2倍にのぼる。

第3章 現状と課題

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■ 自分の能力についてこれから特に強化したいと思う能力は何ですか。

・ 男女差が顕著にあらわれているものとして,女性は「専門的知識・能力」「正確かつ迅

速な事務処理能力」が男性より高く,男性は「マネジメント能力」や「戦略的思考能力」

が女性より高い。男性のライン志向,女性のスタッフ志向も影響していると考えられる。

【職員の意識調査からみる課題の整理】

・ キャリアを考えるうえで,女性は「仕事と生活の両立の負担感」が男性より高く,

特に30歳台女性では3割が負担に感じていることから,こうした女性職員の不安を

解消できるようなキャリア支援が求められる。

・ 昇任意欲の男女差は全階層で2倍程度の開きがあり,特に30歳台以下で大きい。

女性が管理監督者になりたくないと考えている理由としては,「仕事と家庭生活の両

立ができなくなる」とする女性が男性の2倍に上ることから,女性が仕事と家庭生活

の両立を図り,能力を発揮できるための職場環境づくりが求められる。

第3章 現状と課題

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女性活躍推進に向けた女性職員の声(意見)を聴取するため,さまざまな機会におい

て意見交換会やヒアリングを実施。 * それぞれの意見等の詳細は資料編に掲載

(1) 女性管理職 (平成 26 年 7 月 2 日 検討チーム第1回会議より 15 名)

(2) 女性職員キャリア・デザイン研修受講者(平成 26年 7月 7日実施)

【対象:育児休業明け1年以内の女性職員 19 名】 (3) キャリア・アドバイザー(平成 26年 7月 7 日実施)

【対象:育児休業支援の女性のキャリア・アドバイザー 8名】 (4) 保育士(平成 26年 7月 25 日・30 日実施)

【対象:①保育士研修(勤続 30 年以上及び OJT 指導者,主任・総括主査等), ②保育園長連絡会議】

(5) 保健師(保健福祉総務課 保健師監督職)

(6) 消防士(消防本部総務課及び女性消防士)

(7) 女性職員とのワークショップ (平成 26年 8月 25 日実施)

○事業名:女性職員活躍推進ポジティブ・アクション・ワークショップ

「女性がもっと輝くために ~本音で語れば何かがみえる~」

○参加者:女性職員25名

(事務職8名,保育士2名,土木3名,建築1名,司書1名,獣医師1名,

保健師1名,薬剤師1名,課長補佐級,係長,総括主査,専任主査,一般職)

ファシリテーター(女性管理職7名)

4 女女性性職職員員ととのの意意見見交交換換・・ヒヒアアリリンンググのの結結果果

第3章 現状と課題

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【女性職員との意見交換・ヒアリングからみる課題の整理】

・ 責任ある職に挑戦することに対して,女性の意識に甘さもある。

⇒ 女性職員の意識醸成

・ 経験不足のため,監督者としてのマネジメント能力等に不安がある。

・ ライフイベントに左右される女性のキャリアに対する早期の育成支援が不足している。

・ マネジメント力は多様な業務経験により取得してきた。

⇒ 計画的な人材育成

・ 女性のロールモデルが身近に少なく,仕事と生活を両立できるイメージがわかない。

・ 職場では,管理職の苦労ばかりみえてしまい,上位の職の魅力が感じられない。

・ 男性の意識の中に性別により役割を固定化する考えが残っている。

・ 管理監督者が女性に対し,仕事と子育て等の負担に配慮し,男性と同等に業務を通し

た育成機会を与えていない場合もある。

・ 職種や階層を越えた女性職員同士の交流の機会が,仕事と生活の両立の不安の解消や

意欲向上にもつながる。

・ 管理監督者のタイムマネジメントが必要

⇒ 管理監督者によるキャリア支援

・ 資格職の管理職ポストがない。

・ 育児と複線化の昇任試験の対象年代が重なることによる昇任への不安がある。

・ 資格職など産休代替の確保や育成が課題

⇒ 人事管理制度

・ 残業が当たり前の組織風土のままでは,育児等の負担がある女性が活躍しにくい。

・ 育児休業中の情報提供や各種支援制度が職員に十分理解されていない。

・ 高齢化の進展により,介護との両立は男性にとっても大きな負担となってくる。

・ 休みやすい職場環境に向けた働き方の改革が必要

・ 管理監督者のタイムマネジメントが必要

⇒ 仕事と生活の両立に向けた職場環境

第3章 現状と課題

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(1) 女性職員の意識醸成

・仕事と育児・介護等との両立の不安 ⇒ 仕事と生活の両立不安軽減に向けた支援が必要

・ライフイベントに影響される女性職員のキャリア ⇒ ライフイベント前の早期のキャリア

意識の醸成が必要

・仕事と生活の両立やキャリア形成にかかる情報不足 ⇒ 女性職員の交流の場づくりが必要

(2) 計画的な人材育成と登用の促進

・他市と比較して低い女性管理職の登用率 ⇒ 目標を設定した計画的な登用促進が必要

・リーダーとして必要な能力に対する自信の欠如 ⇒ 管理監督者として必要な能力向上

に向けた育成が必要

・キャリア・アドバイザーの支援対象の偏り ⇒ 女性管理職による幅広い層への

キャリア・アドバイスが必要

(3) 管理監督者によるキャリア支援の充実

・両立への配慮による職場における育成機会の差 ⇒ キャリア支援としての男女平等の育成

が必要

・性別による固定的な役割分担意識による業務経験の差 ⇒ ダイバーシティ(多様性)の

観点からの女性の育成活用が必要

(4) 人事管理制度と連携した育成

・子育て期と重なる複線化の昇任試験 ⇒ 子育てに配慮したポジティブ・アクションの

方策の検討が必要

・育児休業等のキャリアの中断による男女の業務経験の差 ⇒ ライフイベント前の職場に

おける多様な経験の付与が必要

・活力ある組織づくりに向けた意欲ある女性職員の確保 ⇒ 採用募集における女性活躍推進

の取組の周知広報が必要

(5) 仕事と生活の両立に向けた職場環境づくり

・両立支援のための各種制度の周知不足 ⇒ 情報提供方法・機会の拡充が必要

・利用されにくい休業等の両立支援制度 ⇒ 取得に向けた理解促進,

制度利用の徹底のための方策の検討が必要

・女性に偏る育児・介護の負担 ⇒ 男性の育児等の参画促進,

ワーク・ライフ・バランスの推進が必要

5 課課題題ののままととめめ

第3章 現状と課題

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女性職員のキャリア形成を支援し,仕事と生活の両立を組織で支え合う風土を醸成す

ることで,性別に係わらず職員が持てる能力を十分に発揮し,いきいきと活躍できる職

場づくりを目指す。

達成状況の検証や評価を行い,本プランを着実に推進していくため,プランの目指すべ

き達成水準を明確化する成果指標を設定する。成果指標は,本プランの総合的な取組によ

り目標が実現した結果として表す「基本指標」と「施策の方向」ごとに指標を設定する。

(1) 基本指標

管理職に占める女性の割合(課長級以上)

現状値 7.2%(平成 26 年度) 目標値 15.0%(平成 31 年度)

【目標値の考え方】

国においては,2020年までに,社会のあらゆる分野において指導的地位に占める

女性の割合を30%とする目標を掲げるなか,都道府県の地方公務員に関しては,1

0%程度を目標値として設定し,段階的に取り組んでいることなどを踏まえ,本市にお

いては,現在の女性職員の割合,職種,階層別の年齢構成などを勘案し,中核市の一般

行政職における比率でトップクラスにあたる,現状値の2倍の15%を目標値として設

定する。

『女性が輝けば 組織はさらに輝く!』

仕事と生活の両立をみんなで支え合い 職員一人ひとりがキャリアを描き

持てる能力を最大限に発揮できる職場風土づくりを目指して

第4章 アクションプランの目標

1 アアククシショョンンププラランンののススロローーガガンン

2 成成果果指指標標のの設設定定

第4章 アクションプランの基本的な考え方

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男性の育児休業取得率

現状値 3.3%(平成 25 年度) 目標値 13.0%(平成 31 年度)

【目標値の考え方】

男性職員における育児休業取得率の現状値に,アンケート調査の結果により育児休業

取得の意向のある男性職員の割合を加え,目標値を設定するとともに,国の目標と整合

を図り,目標値を13%として設定する。

(2) 施策の方向ごとの指標

【施策の方向Ⅰ】 「キャリア形成支援による女性職員の育成」を目指して

総括主査に占める女性職員の割合

現状値 29.4%(平成 26 年度) 目標値 35.0%(平成 31 年度)

【目標値の考え方】

本市の人事管理制度上,昇任試験がキャリア形成における分岐点となることから,総

括主査の女性比率を現在の職員全体に占める女性の構成比率と同等の35%を目標値と

して設定する。

第4章 アクションプランの基本的な考え方

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【施策の方向Ⅱ】 「職員の能力を十分に発揮できる組織づくり」を目指して

所属におけるキャリア支援に関わる面談の実施率

現状値 - 目標値 100%を目指す(平成 31 年度)

【目標値の考え方】

職員のキャリア支援に向け,管理監督者が目標面接等を活用し,キャリア支援の視点

に立った面談をすべての職場で実施されることを目指し,実施率100%を目標値とし

て設定する。

【施策の方向Ⅲ】 「仕事と生活の両立に向けた環境づくり」を目指して

ワーク・ライフ・バランスの満足度

現状値 63.7%(平成 26 年度) 目標値 100%を目指す(平成 31 年度)

【目標値の考え方】 職員一人ひとりが,ライフステージの各段階に応じ,仕事と仕事以外の生活の調和が

図られるよう組織として環境づくりを推進していく必要があり,全ての職員が,ワーク・

ライフ・バランスが図られていると感じられる環境づくりを目指すこととし,ワーク・

ライフ・バランスの満足度100%を目標値として設定する。

第4章 アクションプランの基本的な考え方

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12 女性職員登用率の見える化(新規)

13 子育て中の職員に配慮した昇任試験制度の検討

(新規)

14 多様な行政分野への配置による経験付与(拡充)

15 女性活躍やワーク・ライフ・バランスの取組評価の仕組の

検討(新規)

16 採用における意欲の高い女性職員の確保(拡充)

施策の方向 施策 事業

Ⅰ キャリア形成支援

による女性職員の育成

Ⅱ 職員の能力を十分

に発揮できる組織づく

Ⅲ 仕事と生活の両立

に向けた環境づくり

1 女性職員のキャリ

ア形成支援の充実

2 女性職員のネット

ワーク形成支援

4 女性職員の育成と

登用促進に向けた人

事管理制度

3 管理監督者の意識

醸成と風土改革

5 両立支援制度の活

用促進

6 仕事と生活の両立

を支える職場環境の

整備

1 キャリア・デザイン研修の充実(拡充)

2 早期からのキャリア意識の醸成(新規)

3 仕事と子育て両立支援研修の充実(拡充)

4 女性職員キャリア・アップ研修の実施(新規)

5 女性職員を対象とした派遣研修の実施(新規)

6 管理職等によるプラン推進に向けた

応援会議の設置(新規)

7 女性職員のネットワーク構築(新規)

8 ロールモデルによる支援の充実(新規)

9 ダイバーシティ推進に向けた意識醸成(新規)

10 管理監督者によるキャリア支援の充実(拡充 )

11 早期育成を見据えた業務経験の付与(拡充)

17 休暇制度の利用促進(新規)

18 男性職員の育児参画の促進(新規)

19 育児休業中職員への情報提供の充実(拡充)

20 ワーク・ライフ・バランス推進に向けた意識醸成(拡充)

21 柔軟な勤務形態の検討(新規)

22 女性の活躍と仕事と生活の両立の支援に

向けた情報発信(新規)

第5章 施策の展開

1 体体系系図図

※ 網かけは重点事業

第5章 施策の展開

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【施策の方向 Ⅰ】 キャリア形成支援による女性職員の育成

職員一人ひとりのキャリア・デザインの実現に向けて,仕事と生活との両立を図りな

がら,目標を持ってキャリア・アップができるよう,キャリア意識の醸成や能力開発,

ネットワーク形成の場を設け,「キャリア形成支援による女性職員の育成」を推進する。

施策1 女性職員のキャリア形成支援の充実

・ 結婚や出産などのライフイベントに影響を受けやすい女性職員のキャリア支援に向け,

仕事と生活との両立への不安や,昇任への迷いを解消させるため,キャリア・デザイン研

修の充実を図るとともに,育児休業などのキャリアの中断後も,モチベーションを維持し

てキャリア・アップが図れるよう,ライフイベント前の早期からのキャリア意識の醸成を

図る。

・ 家事や子育て等の負担が女性に偏るなか,両立の負担への配慮や,性別による固定的

な役割分担意識を背景に,業務を通した育成が機会均等に与えられてこなかった状況も

あることから,ポジティブ・アクションとして,女性管理監督者の育成に向けた研修を

充実し計画的に実施する。

【事業】

1 キャリア・デザイン研修の充実(拡充)

2 早期からのキャリア意識の醸成(新規)

3 仕事と子育て両立支援研修の充実(拡充)

4 女性職員キャリア・アップ研修の実施(新規)【重点】

5 女性職員を対象とした派遣研修の実施(新規)【重点】

2 アアククシショョンンププラランンのの取取組組

第5章 施策の展開

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施策2 女性職員のネットワーク形成支援

・ 階層や職種を越えて様々な立場で先輩職員との意見交換を行う機会を設けることで,

女性職員の視野の拡大や不安・悩みの軽減,モチベーションの向上につながるよう,女

性職員のネットワークの構築に向け支援する。

・ 監督職となっても,管理職への昇任に不安を抱く女性職員の解消に向け,女性管理職

等がロールモデルとしてアドバイスを行うほか,女性職員活躍の推進のネットワークを

通して,キャリア・アドバイザーによる支援の拡充を図る。

【施策の方向 Ⅱ】 職員の能力を十分に発揮できる組織づくり

女性が活躍できる組織づくりに向け,管理監督者の意識改革を図るとともに,女性職

員の活躍を組織として後押ししていくため,人事管理制度等についても女性の視点に立

って必要な見直しを行い,「職員の能力を十分に発揮できる組織づくり」を推進する。

施策3 管理監督者の意識醸成と風土改革

・ 男性中心の働き方が当たり前となっている現状のなか,重要な仕事は,家事等の負担

の少ない男性職員に配分されるなど,性別による固定的な役割分担が行われている場合

もあり,また,女性に対する上司の配慮が,時に女性のモチベーションの低下を招く場

合があることから,キャリア・デザインについて,上司と部下双方のコミュニケーショ

ンを図り,状況に応じて適切な支援や働きかけが行えるよう,管理監督者の意識醸成を

図る。

・ 多様な人材を育成・活用することで組織力を高めるため,戦略的な組織経営の視点に

立った,ダイバーシティ(多様性)を活かしたマネジメントの考え方や知識について管

理職等に啓発していく。

【事業】

6 管理職等によるプラン推進に向けた応援会議の設置(新規)

7 女性職員のネットワーク構築(新規)【重点】

8 ロールモデルによる支援の充実(新規)

【事業】

9 ダイバーシティ推進に向けた意識醸成(新規)

10 管理監督者によるキャリア支援の充実(拡充)【重点】

11 早期育成を見据えた業務経験の付与(拡充)

第5章 施策の展開

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施策4 女性職員の育成と登用促進に向けた人事管理制度

・ 本市の複線化の昇任試験が子育て期と重なるケースも増えることから,受験しないこ

とでキャリア形成においてマイナスとならないよう,制度上の配慮を検討するほか,管

理監督者による昇任に対する後押しなどのキャリア支援の充実を図る。

・ 女性職員は,出産などのライフイベント前に,早い段階から多様な経験を積ませ,仕

事へのやりがいや誇りを強く持たせることが大切であり,育児休業明け後の成長にもつ

ながることから,ジョブローテーションやOJTによる早期育成を図る。

【施策の方向 Ⅲ】 仕事と生活の両立に向けた環境づくり

職員が,各ステージにあったワーク・ライフ・バランスを実現し,やりがいを持って

働けるよう,両立支援制度等の活用を促進するとともに,職員の意識醸成や働き方の改

革に向けた検討を進め,「仕事と生活の両立に向けた環境づくり」を推進する。

施策5 両立支援制度の活用促進

・ 今後,出産・子育てを迎える年代の女性職員が継続的に4割を越え,高齢化社会にお

ける親の介護の問題など,時間的な制約を持ちながら,仕事と生活の両立を図る必要が

ある職員の比率が高まると予想され,仕事と生活の両立を図りながら,業務を継続でき

るよう,様々な両立支援制度の活用を促進するとともに,職員が互いに協力し支え合い

ながら,組織全体で仕事と生活の両立を図れる環境づくりにより一層取り組む。

・ ワーク・ライフ・バランスの推進により,仕事も生活も充実した好循環を産むために,

残業時間の縮減や休暇等の制度の活用促進に取り組む。

・ 男性職員の育児休業取得など,男女を問わず,ワーク・ライフ・バランスの取組の推

進につなげるための意識啓発や取組を強化する。

【事業】

17 休暇制度の利用促進(新規)

18 男性職員の育児参画の促進(新規)【重点】

19 育児休業中職員への情報提供の充実(拡充)

【事業】

12 女性職員登用率の見える化(新規)【重点】

13 子育て中の職員に配慮した昇任試験制度の検討(新規)

14 多様な行政分野への配置による経験付与(拡充)

15 女性活躍やワーク・ライフ・バランスの取組評価の仕組の検討(新規)

16 採用における意欲の高い女性職員の確保(拡充)

第5章 施策の展開

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施策6 仕事と生活の両立を支援する環境の整備

・ 育児や介護などの時間に制約がある職員の仕事と生活の両立を支えるため,テレワー

クやワークシェアなどの柔軟な勤務体制等について,課題を踏まえ,先進事例等を参考

に対応方策などを検討していく。また,職員に対するワーク・ライフ・バランスの啓発

に向けた研修や取組事例の情報発信等を行うなど,職員の意識の醸成に取り組んでいく。

【事業】

20 ワーク・ライフ・バランス推進に向けた意識醸成(拡充)【重点】

21 柔軟な勤務形態の検討(新規)

22 女性の活躍と仕事と生活の両立の支援に向けた情報発信(新規)

第5章 施策の展開

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Ⅰ キャリア形成支援による女性職員の育成

1.女性職員のキャリア形成支援の充実 ※内容の下線=拡充・変更部分

No.の★は重点事業

No 1 キャリア・デザイン研修の充実 区 分 拡充

対象 行政職員 実施年度 平成 27 年度~

内容

・職員が,結婚や出産などのライフイベントも視野に入れたうえで,人生の各

段階に応じたキャリア・デザインを前向きに描けるよう,既存のキャリア・デ

ザイン研修に「ワーク・ライフ・バランス」や「女性の活躍」の視点を盛り込

み,キャリアの節目における研修内容の充実を図る。

○対象研修: キャリア・デザイン研修(平成 17年度導入)

キャリア・デザインⅠ(採用 2年以上,27歳) 年 1回

キャリア・デザインⅡ(主任昇任者,主任 10 年目)年 3回

キャリア・デザインⅢ(係長級 2年目,専任主査 5 年目)年 2回

キャリア・デザインⅣ(ライフプランセミナー) 年 1 回

☆活動指標: 研修実施回数/ 現状値 年7回→ 目標値 年7回

課題への

対応

○ 女性職員の意識醸成 計画的な人材育成と登用促進

○ 管理監督者によるキャリア支援 人事制度と連携した育成

○ 仕事と生活の両立に向けた職場づくり

No 2 早期からのキャリア意識の醸成 区 分 新規

対象 行政職員 実施年度 平成 27 年度~

内容

・キャリアの節目の年代だけでなく,ライフイベントを今後に控えた若手職員

に対しても,役所生活の早い段階から,キャリア・デザインについて理解を

させ,早期の意識醸成を図る。

①新採用職員研修において,キャリア・デザインや女性活躍の視点についての

プログラムを導入し,先輩職員の体験を聴くほか,職員の多様なキャリアに

ついて学ぶ機会を設ける。(例:「先輩が案内人!キャリア探訪)

②職員一人ひとりの目標をもった能力開発へとつなげるため,研修機会や人材

育成ホームページを活用した啓発や支援ツールの紹介などを行う。

☆活動指標:研修実施回数/現状値 年0回→目標値 年1回

課題への

対応

○ 女性職員の意識醸成 計画的な人材育成と登用促進

管理監督者によるキャリア支援 人事制度と連携した育成

○ 仕事と生活の両立に向けた職場環境づくり

3 アアククシショョンンププラランンのの具具体体的的事事業業

第5章 施策の展開

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No 3 仕事と子育て両立支援研修の充実 区 分 拡充

対象 女性職員 実施年度 平成 27 年度~

内容

・仕事と家庭の両立に対する女性職員の不安の軽減を図るために実施している

「女性職員のキャリア・デザイン研修」において,これまで,育児休業明け職

員を対象としていたものを育児休業中の職員等も含めた研修とする。

○対象研修:女性職員のキャリア・デザイン研修(平成 22 年度導入)

→ 新名称案:「子育て応援キャリア支援セミナー」

☆活動指標:研修実施回数/ 現状値 年1回→ 目標値 年1回

課題への

対応

◎ 女性職員の意識醸成 計画的な人材育成と登用促進

○ 管理監督者によるキャリア支援 人事制度と連携した育成

◎ 仕事と生活の両立に向けた職場環境づくり

No 4★ 女性職員キャリア・アップ研修の実施 区 分 新規

対象 行政職員(女性) 実施年度 平成 27 年度~

内容

・将来の女性リーダー育成を視野に,キャリア意識の醸成と管理監督者に求め

られるスキル等の習得を図るための研修プログラムを新たに導入する。

・進路選択時期を前に仕事と生活の両立への不安や,管理監督者としての能力

への不安をもつ「主任」,及び係長に向けた育成期間にある「総括主査」等を優

先するが,意欲ある女性職員に学ぶ機会を与えるため「公募」枠も設ける。

☆活動指標:研修受講人数/ 現状値0人 →目標値 延 100 名/5年間

課題への

対応

◎ 女性職員の意識醸成 ◎ 計画的な人材育成と登用促進

管理監督者によるキャリア支援 人事制度と連携した育成

○ 仕事と生活の両立に向けた職場環境づくり

第5章 施策の展開

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2.女性職員のネットワーク形成支援

No 5★ 女性職員を対象とした派遣研修の実

区 分 新規

対象 行政職員(女性) 実施年度 平成 27 年度~

内容

・他都市や民間等における女性活躍の 新の事例等に触れ,幅広い視点を養う

とともに,女性職員の意識と意欲を高めるため,外部機関の実施する女性の活

躍推進に関連する研修に,女性職員を優先的に派遣する。 ・派遣にあたっては,部局推薦の方法をとることで,女性職員を部局において

も育成する意識を醸成するとともに,研修後には他職員に伝達する機会を予め

設定することで,研修効果を高め,本市全体に女性職員の活躍を推進する風土

を醸成する。 年間 5 名程度 派遣予定

(参考)継続事業 自治大学校(第 1 部・第 2 部特別)1 名 市町村アカデミー(女性リーダー育成関連)2 名

☆活動指標:年間派遣人数/現状値 年2人 →目標値 年8人 延べ40人

課題への

対応

◎ 女性職員の意識醸成 ◎ 計画的な人材育成と登用促進

○ 管理監督者によるキャリア支援 人事制度と連携した育成

仕事と生活の両立に向けた職場環境づくり

No 6 管理職等におけるプラン推進に向け

た応援会議の設置

区 分 新規

対象 女性管理職等 実施年度 平成 27 年度~

内容

・提言組織「宇都宮市女性職員活躍推進検討チーム」が,策定後も引き続きプ

ランの着実な推進に向けて,女性の視点からの提案や女性職員への育成や両立

支援に向けた助言など,女性活躍推進に向けた取組を積極的に応援・支援する

組織を立ち上げ,引き続き会議を運営する。

名称仮)宇都宮市かがやく女性応援会議

※部会の活動も今後検討(ネットワーク部会,情報発信部会等)

課題への

対応

○ 女性職員の意識醸成 計画的な人材育成と登用促進

◎ 管理監督者によるキャリア支援 人事制度と連携した育成

○ 仕事と生活の両立に向けた職場環境づくり

第5章 施策の展開

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No 7★ 女性職員のネットワークの構築 区 分 新規

対象 女性職員 実施年度 平成 27 年度~

内容

・身近にロールモデルがいないことで昇任や働き方,ライフイベントに対する

不安を感じている女性職員のために,先輩職員(管理監督者を含む)との情報

交換や意見交換の場を新たに設け,女性職員のネットワーク形成につなげる。

・ランチ・ミーティングの開催など,時間外も活用した幅広い情報交流会など,

多様なスタイルでの交流機会についても段階的に検討していく。

・民間企業等との交流の機会も男女共同参画課と連携を図り,今後検討する。

☆活動指標:年間実施回数/ 現状値 0回 →目標値 年4回

課題への

対応

◎ 女性職員の意識醸成 ○ 計画的な人材育成と登用促進

○ 管理監督者によるキャリア支援 人事制度と連携した育成

○ 仕事と生活の両立に向けた職場環境づくり

No 8 ロールモデルによる支援の充実 区 分 新規

対象 女性職員 実施年度 平成 27 年度~

内容

・管理者になることに不安を感じる監督者等の不安を軽減するため,新たに女

性管理職がロールモデルとなり,部下指導だけでなく,キャリア・アドバイザ

ー(CA)として,所属を越えて広く後輩職員を支援できるよう,キャリア・ア

ドバイザー制度の充実を図る。

・キャリア・アドバイザー制度について職員に広く周知し,必要な時に必要な

アドバイスが受けられるよう支援する。

☆活動指標: CA 活用研修等 現状値 2回 → 目標値 年 4回

課題への

対応

○ 女性職員の意識醸成 ○ 計画的な人材育成と登用促進

○ 管理監督者によるキャリア支援 人事制度と連携した育成

○ 仕事と生活の両立に向けた職場環境づくり

第5章 施策の展開

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Ⅱ 職員の能力を十分発揮できる組織づくり

1.管理監督者の意識醸成と風土改革

No 9 ダイバーシティ推進に向けた意識醸

区 分 新規

対象 管理監督者等 実施時期 平成 27 年度

内容

・性別による固定的な役割分担意識を解消するとともに,ダイバシティー(多

様性)の観点から,女性活用推進やワーク・ライフ・バランス等をテーマとし

た講演会や研修を実施し,管理監督者の女性のキャリア支援を図る。

☆活動指標: 研修実施回数 現状値 0回 → 目標値 年 1回

課題への

対応

○ 女性職員の意識醸成 計画的な人材育成と登用促進

◎ 管理監督者によるキャリア支援 人事制度と連携した育成

○ 仕事と生活の両立に向けた職場環境づくり

No 10

管理監督者によるキャリア支援の充

区 分 拡充

対象 管理監督者等 実施時期 平成 27 年度~

内容

・管理監督者を対象として,これまで実施してきたキャリア支援研修に加え,

女性職員の育成や仕事と生活の両立の支援など,女性職員の現状を踏まえ,キ

ャリア支援をさらに強化するため,新たに外部講師を活用したキャリア支援研

修を実施する。

・目標管理や人事ヒアリング等において,職員の中長期的なキャリアを意識し

た人材育成について,管理監督者がより効率的・効果的に取り組めるよう,キ

ャリア支援を補完するツールについて検討する。

☆活動指標: 研修実施回数 現状値 1回 → 目標値 年 2回

課題への

対応

○ 女性職員の意識醸成 ○ 計画的な人材育成と登用促進

◎ 管理監督者によるキャリア支援 ○ 人事制度と連携した育成

○ 仕事と生活の両立に向けた職場環境づくり

第5章 施策の展開

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2.人事管理制度活用による女性の育成と登用促進

No.11 早期育成を見据えた業務経験の付与 区 分 拡充

対象 全職員 実施時期 平成 27 年度~

内容

・採用後の早い段階から多様な業務経験を与え,適性分野の見極めや仕事の達

成感ややりがい等を感じさせることにより,ライフイベントによる環境の変化

や育児休業等によるキャリアの中断後も,意欲を高くもって目標に向かって挑

戦する女性職員を意識的に育成する。

・性別による固定的な役割分担意識による業務分担の不平等をなくし,男女が

平等に育成機会を与えられるよう管理監督者の意識を醸成する。

課題への

対応

○ 女性職員の意識醸成 ◎ 計画的な人材育成と登用促進

◎ 管理監督者によるキャリア支援 人事制度と連携した育成

仕事と生活の両立に向けた職場環境づくり

No 1 2

女性職員登用率の見える化 区 分 新規

対象 全職員,市民 実施時期 平成 27 年度~

内容

・女性管理職登用の目標値を設定し,意識的・計画的に取組を推進するととも

に,目標値の推移を毎年公表し,庁内外での見える化を図る。

・女性活躍の推進に向けて,市自らが率先して取り組む姿勢を市民にアピール

することで,市内企業等の女性活躍の推進に係わる機運を高める。

☆活動指標: 公表回数/ 現状値 年0回 → 目標値 年 1回

課題への

対応

○ 女性職員の意識醸成 ◎ 計画的な人材育成と登用促進

○ 管理監督者によるキャリア支援 ○ 人事制度と連携した育成

仕事と生活の両立に向けた職場環境づくり

第5章 施策の展開

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No.13 子育て中の職員に配慮した昇任試験

制度の検討

区 分 新規

対象 行政職員(女性) 実施時期 ―

内容

・育児期間と総括・専任主査の複線化の受験の時期が重なるため,受験に迷い

が生じている女性職員の現状を踏まえ,昇任試験を受験し合格後,子育て期間

中の一定の期間昇任を猶予する制度など,先進事例を参考に,ポジティブ・ア

クションとしての方策を検討する。

課題への

対応

○ 女性職員の意識醸成 ○ 計画的な人材育成と登用促進

管理監督者によるキャリア支援 ◎ 人事制度と連携した育成

○ 仕事と生活の両立に向けた職場環境づくり

No.14 多様な行政分野への配置による経験

付与

区 分 拡充

対象 行政職員 実施時期 平成 28 年度~

内容

・内部管理,企画調整部門等の分野を早期に経験させることで,より広い視野

やマネジメント能力を育てる機会を積極的に設けるとともに,資格職の職員に

ついても行政職場での業務経験を与え,行政運営に係わる知識等の習得やダイ

バシティー(多様性)の意識を持った人材の育成を推進する。

◇参考指標:内部管理部門への女性職員の配置比率

課題への

対応

◎ 女性職員の意識醸成 ◎ 計画的な人材育成と登用促進

管理監督者によるキャリア支援 ○ 人事制度と連携した育成

仕事と生活の両立に向けた職場環境づくり

第5章 施策の展開

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No.15 女性活躍やワーク・ライフ・バランス

の取組評価の仕組の検討

区 分 新規

対象 全職員 実施時期 ―

内容

・管理監督者が女性の活躍やワーク・ライフ・バランスの積極的な推進に向け,

目標管理における目標の設定や,進捗確認などの評価などのあり方について検

討する。

・育児休業を取得した同僚等をフォローした職員について,一定の評価を可能

とするための評価のあり方について検討する。

課題への

対応

女性職員の意識醸成 ○ 計画的な人材育成と登用促進

◎ 管理監督者によるキャリア支援 ◎ 人事制度と連携した育成

○ 仕事と生活の両立に向けた職場環境づくり

No.16 採用における意欲の高い女性職員の

確保

区 分 拡充

対象 市民,県内外大学ほか 実施時期 平成 28 年度

内容

・将来の管理職育成を視野に入れた女性職員の確保のため,女性活躍推進等の

本市の取り組みについて大学等,外部にアピールし,組織貢献意欲の高い人材

の確保につなげる。

☆参考指標:女性職員の採用試験 応募比率,採用比率

課題への

対応

○ 女性職員の意識醸成 ○ 計画的な人材育成と登用促進

○ 管理監督者によるキャリア支援 ○ 人事制度と連携した育成

仕事と生活の両立に向けた職場環境づくり

第5章 施策の展開

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Ⅲ 仕事と生活の両立に向けた環境づくり

1.支援制度の活用促進

No.17 休暇制度の利用促進 区 分 新規

対象 全職員 実施時期 平成 28 年度

内容

・ 年次休暇や両立支援の制度を気軽に利用できるような名称を工夫する。

例)アニバーサリー休暇,家族ふれあい休暇

・上司も含め,全職員が各種制度を十分に理解できるよう,制度の周知を庁内

LANや研修等,様々な機会を活用して行う。

・育児休業代替職員の確保に向けた支援等について検討する。

☆活動指標: 制度等の周知回数: 年0回→目標値 年 4回

課題への

対応

女性職員の意識醸成 計画的な人材育成と登用促進

○ 管理監督者によるキャリア支援 人事制度と連携した育成

◎ 仕事と生活の両立に向けた職場環境づくり

No.18

男性職員の育児参画の促進 区 分 新規

対象 全職員 実施時期 平成 28 年度

内容

・妻が妊娠した後,対象となる職員に対し,「子育て参加計画書」を作成させ,

所属長は面談を通して,男性の育児参加を促すとともに,対象職員が休暇を取

得できるよう,組織体制について配慮する。また,所属職員に対し,理解・協

力を促す。

・男性の育児参画やワーク・ライフ・バランス推進に関するハンドブック等の

作成により,両立支援の制度や育児に関する情報提供と職員全体の意識の醸成

を図る。

☆活動指標: 子育て参加計画書の提出率 100%

課題への

対応

○ 女性職員の意識醸成 計画的な人材育成と登用促進

◎ 管理監督者によるキャリア支援 人事制度と連携した育成

◎ 仕事と生活の両立に向けた職場環境づくり

第5章 施策の展開

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2 仕事と生活の両立を支える職場環境の整備

No.19 育児休業中職員への情報提供の充実 区 分 拡充

対象 全職員 実施時期 平成 27 年度

内容

・育児休業前の所属の管理監督者等から制度の説明と休業中の所属や人事課に

おける研修等の情報提供を徹底する。

・妊娠~育児中の女性職員に対して,管理監督者として配慮すべき点などが,

随時チェックできるようなシートを作成する。

・育児と家庭の両立に不安を感じる育児休業中の女性職員の不安軽減のため,

女性職員のネットワーク(No.7)等の情報も提供する。

☆活動指標: 人事課による提供回数 現状値 0回 → 目標値 4回

課題への

対応

○ 女性職員の意識醸成 計画的な人材育成と登用促進

管理監督者によるキャリア支援 人事制度と連携した育成

◎ 仕事と生活の両立に向けた職場環境づくり

No.20

ワーク・ライフ・バランス推進に向け

た意識醸成

区 分 拡充

対象 管理監督者・全職員 実施時期 平成 27 年度

内容

・少子・超高齢化社会の進展に伴い,性別を問わず,仕事と,育児や介護など

の生活との両立を支援する職場環境が今後ますます求められることから,管理

監督者研修のマネジメント研修において,働き方の改革などについて経営戦略

の視点から強く意識付けし,ワーク・ライフ・バランスの推進向けた管理監督

者の意識醸成と,各所属における改善取組を促進する。

☆活動指標: 実施研修/現状値 0回→ 目標値 2回

課題への

対応

女性職員の意識醸成 計画的な人材育成と登用促進

○ 管理監督者によるキャリア支援 人事制度と連携した育成

◎ 仕事と生活の両立に向けた職場環境づくり

第5章 施策の展開

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No.21 柔軟な勤務形態の検討 区 分 新規

対象 全職員 実施時期 ―

内容

・高齢化社会の進展に伴い,今後は,育児だけでなく,介護と仕事の両立支援

の対象職員の増加が見込まれることから,出産後も継続して働くことができる

よう,テレワークによる在宅勤務やワークシェアなど柔軟な勤務形態について

の研究を行う。

・テレワークについては,自治体の導入例はまだ少ないが,国の動向や先進自

治体における導入効果や課題を把握し,情報システムの構築・制度・風土など

の視点から,本市にふさわしい方法について研究を進める。

課題への

対応

女性職員の意識醸成 計画的な人材育成登用促進

管理監督者によるキャリア支援 ○ 人事制度と連携した育成

◎ 仕事と生活の両立に向けた職場環境づくり

No.22

女性の活躍と仕事と生活の両立の支

援に向けた情報発信

区 分 新規

対象 全職員 実施時期 平成 27 年度~

内容

・女性職員の活躍推進の取組や,仕事と生活の両立のためのアイデアなど,女

性職員のチャレンジを応援するため,庁内掲示板や人材育成ホームページ等を

活用して広く職員に情報発信し,職員の意識の醸成と理解促進を図る。

☆活動指標:情報発信回数/現状値 0回 →目標値:年 4回

課題への

対応

◎ 女性職員の意識醸成 ○ 計画的な人材育成と登用促進

管理監督者によるキャリア支援 人事制度と連携した育成

○ 仕事と生活の両立に向けた職場環境づくり

第5章 施策の展開

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・ 女性活躍推進アクションプラン策定委員会のメンバーを核とした「(仮称)女性職員活

躍推進委員会」(構成員:行政経営部長,各部局次長級,女性管理職代表等)を設置し,

本計画の進捗管理等を行う。

・ また,女性管理職等による推進チームを設置し,女性職員のネットワーク形成支援や,

職員へのキャリア支援などの活動を推進するとともに,必要に応じて女性の視点からの

女性活躍推進に向けた提案を女性職員活躍推進委員会に対して行う。

・ 毎年,アクションプランの進捗状況をまとめ,推進組織に報告するとともに,職員へ

の情報共有を図る。さらに,市民に対しても「見える化」を図るため,女性管理職の比

率等など成果指標を毎年公表していく。

・ なお,密接に関連する特定事業主行動計画「宇都宮市楽しい子育て応援計画」の両立

支援の施策のうち,当プランに位置づけられた施策については,女性職員活躍推進委員

会にて進捗管理を行う。

【推進体制】

第 6 章 推進体制

1 全庁推進体制

2 進捗管理

(仮称)女性職員活躍推進委員会

(構成員:各部次長級職,女性管理職代表)

【役割】 ・プランの進捗管理

・プランの見直し等

女性管理職等による推進チーム

女性職員等

【役割】 ・女性職員のネットワーク形成支援 ・ロールモデルとしてのキャリア支援

連携

宇都宮市職員 楽しい子育て応援計画進捗報告

活動報告 (提案)

支 援 相談等

第6章 推進体制