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平成22年度 事業報告書 教育プログラムの改善と新事業の展開 ・ゼミナールにおける意見形成力・発表力の養成 入門ゼミナール ・・・1 基礎ゼミナール ・・・3 専門ゼミナール ・・・5 ・授業におけるキャリア教育への取り組み キャリア形成 ・・・10 総合講座 ・・・12 キャリア教育環境の改善 ・・・14 ・授業における実践教育への取り組み チャレンジショップ ・・・16 インターンシップ ・・・18 ビジネスプランコンテスト ・・・20 ・リメディアル教育と学生支援体制の構築 キャリア開発1の授業改善 ・・・22 時間外学習支援体制の構築 ・・・25 ・ケース教材の開発と課題解決提案授業の導入 ケース教育 ・・・28

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平成22年度 事業報告書

教育プログラムの改善と新事業の展開

・ゼミナールにおける意見形成力・発表力の養成 入門ゼミナール ・・・1 基礎ゼミナール ・・・3 専門ゼミナール ・・・5 ・授業におけるキャリア教育への取り組み キャリア形成 ・・・10 総合講座 ・・・12 キャリア教育環境の改善 ・・・14 ・授業における実践教育への取り組み チャレンジショップ ・・・16 インターンシップ ・・・18 ビジネスプランコンテスト ・・・20 ・リメディアル教育と学生支援体制の構築 キャリア開発1の授業改善 ・・・22 時間外学習支援体制の構築 ・・・25 ・ケース教材の開発と課題解決提案授業の導入 ケース教育 ・・・28

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入門ゼミナール

担当 今井久人 片岡眞吾 島田大助

中野聡 花岡幹明

【概 要】

1 年次に設定されている入門ゼミナール 1・2 は、本学部の伝統である少人数制教育によ

り、多様な学問的枠組みにもとづく学生の主体的学習の奨励と反復、文章・レポート力を

育むための基礎リテラシー教育、論文・発表力を育むための学術リテラシー教育を行い、

社会人として求められる意見形成力と発表力を身につけることを目標としている。

入門ゼミナールは、これらの目標を達成するため、講義ノートの取り方、テキストの読

み方、調査の仕方、調査結果の整理法、レポートの書式の理解、文章の書き方、プレゼン

テーションの仕方及びレポートの作成を共通の習得目標として、担当教員が各自の専門性

をいかしながら運営している。

【事業内容(平成 22 年 4 月から平成 23 年 3 月)】

入門ゼミナール 1 においては、大学で学習するために必要とされる基本的な知識を身に

つけ、入門ゼミナール 2 においては、習得した知識を利用して発表、レポートの作成を行

うことを目標としている。平成 22 年度、入門ゼミナール 1、2 では、各担当の専門性をい

かした内容で講義を行い、具体的な作業を通して、大学で学ぶ学生として身につけなけれ

ばならない「資料を調べる」、「資料を読む」、「資料をもとに発表する」「発表をもと

に報告書を作成する」ことを学ばせた。具体的な内容は以下の通りである。

今井久人ゼミナール

1.『レポートの組み立て方』(筑摩書房)

の輪読。後に自由テーマでレポートを作成

した。

片岡眞吾ゼミナール

1.新聞や雑誌の英文と邦文の同一記事の輪

読と要約をした。

2.立体物の投影図作成と図形特性、面積の

計算、統計量の計算、製図用具そしてデジ

タルのストップウォッチや計量器などの取

り扱いを指導した。

ゼミの様子

3.(1)Boys be ambitious!(2)モノづくりフェア(3)ミニ筆(4)折り紙ヒコーキの4

課題の概略を全員に指導してから 4 グループ(各 2 名)に別れ、レポート構成を考えさ

せて調査や実験の追加とレポートの作成および発表会を行った。

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島田大助ゼミナール

1.学生相互のインタビューをもとにした人名辞典の作成。

2.自身が一番くつろげる場所についての発表。

3.各自の興味で決めた対象を、二つの月に絞って比較し、違いを発表した。なお、発表

終了後発表をもとにしてレポートを作成した。

なお、発表については、質疑応答を必須にし、学生の発言を促した。

中野聡ゼミナール

1.テキストの輪読 (見田宗介『社会学入門――人間と社会の未来』岩波新書 2006 年・同

『現代社会の理論――情報化・消費化社会の現在と未来』岩波新書 1996 年) 。現代資

本主義経済の変化、環境問題、南北問題や関連自由テーマ(e.g.東京は魅力的な都市か? 私の好きな音楽など)に関して、授業復習レポートを作成した。

2.レポートの作成 レポートは、テキスト関連テーマ(情報化・消費化社会の展開、環境

の臨界、資源の臨界、南の貧困、北の貧困、情報化・消費化社会の転回)または自由テー

マから選択。

花岡幹明ゼミナール

1.「社会起業をテーマにレポート作成を学ぶ」

配布した社会起業に関する論文・報告書から背景・定義を要約し、自ら選択した具体

的な事例に関するレポートを作成した。

2.チャレンジショップリニューアルプロジェクト

「レイアウト、新商品、パッケージデザイン、看板」のリニューアルに関してチャレ

ンジショップを運営する 3 年生とチームを組みそれぞれの課題解決と報告書(議事録)

の作成を行った。

【事業実施に対する評価】

大学生としてふさわしい文章表現能力が欠如している学生が多いため、今年度も教員に

よる文書作成の指導が中心になった。

新しい取り組みとして、各ゼミナールで作成した成果物を各

担当者が閲覧できるように1冊の冊子にまとめた。各担当者の

専門性をいかす形でゼミナールが行われているため、内容にば

らつきがあることが昨年度の反省点として指摘されていた。こ

れを是正する資料とするために行った。各ゼミナールから提出

された成果物を検証し、次年度の指導にいかしていく。

履修者全体の文章作成能力の向上が求められているため、指

導の中心が文書作成に置かれた。そのためコミュニケーション

力の養成という目標が達成できたとは言い難い。努力はするが、

時間の制約があり、コミュニケーション力の養成は難しいとい

うのが現状である。 レポート集

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学生支援推進プログラム・基礎ゼミナール

2011.3 1. 概要――基礎教養教育の目的 本学部の基礎ゼミナールは、人文、社会、自然科学領域における読書や情報収集、レポート・

小論文の作成、その発表と意見交換を通して、 ① 基礎的リテラシー(文章力や表現力の育成)、 ② 学術的リテラシー(既存知識の基礎的理解を前提とした自ら学ぶ方法の体得)、および、 ③ 各自の知的関心を反映した教養の習得と涵養、 に資することを目標とする(図/ 基礎ゼミナールの役割を参照)。 基礎教養ゼミナール(入門ゼミナールを含む)は、個々の学生が、自らの知的関心と既存の学問領

域の整合性を意識しつつ、レポートや小論文の作成による対象理解の深化、発表による異なる意

見の摂取(いわゆる耳学問)などを通して、大学卒業時までに学ぶ方法を体得することを求めてい

る。こうした基礎的な教育方法は、重心の置き方こそ異なれ、専門ゼミナールにも妥当するだろ

う。経営情報学部開設時、故佐藤芳雄先生の下で領域を特化する「・・・を読む」のテーマを掲げて

始まった「現代版寺子屋教育」は、その意味を失っていない。こうした過程の反復が、知的アイ デンティティーの形成に資するからである。 2. 2010 年度事業報告

2010 年度秋学期には、担当教員(今井(久)、五味、島田、中野(聡)、花岡、森田)の指導のもと、

学生は以下のレポート・小論文を作成した(表/ レポート・小論文一覧を参照)。各担当者より任

意提出されたレポート・小論文のコピーは、複写の上、図書館に蔵書した。

図/ 基礎ゼミナールの役割

基礎ゼミナール ① 文章力・表現力の育成/ 基礎的 リテラシー ② 領域理解と自ら学ぶ方法の体得/ アカデミック・リテラシー ③ 各自の関心を反映した教養の涵養

中等 教育

入門

ゼミ

専門

ゼミ

生涯

学習

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表/ 2010 年度秋学期レポート・小論文一覧

担当教員 レポート・小論文

今井(久) 日本の年間死亡者数に関しての考察、洋画・邦画の違い、タイキグループの強み、

石油について、IPアドレス枯渇問題について、地球温暖化について、トヨタにつ

いて、レポートについて、あやみき亭の人気と安さの理由、携帯電話の恐怖。

五味 効率のいいディズニーリゾートの回り方、ディズニーリゾートの椅子、カルミア

豊橋の内部店舗のマーケティング戦略など。

島田 西鶴諸国はなしに関してレポート・小論文を作成した。驚くは三十七度、夢に京

より戻る、力なき大佛(力なしの大佛)、鯉のちらし紋、形は昼のまね

中野(聡) アイザック・ニュートン、ダーウィン、アダム・スミス、ロシア革命とボリシェ

ビキ、相対性理論とは、ダーウィンの自然淘汰説、マルサス・人口論について、

トクヴィルのフランス革命論。

花岡 日経ビジネスの特集記事を題材にレポートを作成。人づくり危機 「不安 3世代」

~バブル・氷河期・ゆとり組~、中国独り勝ちの代償~格差市場でつかむ日本の

勝機~、サムスン最強の秘密~日本が忘れた弱肉強食経営~、進化する変態企業

~変われない会社は 2年で滅ぶ~、衰退に抗う不沈企業~日本版ビジョナリーカ

ンパニー~

森田 学生が同一テーマで毎時間授業レポートを作成、「基礎ゼミレポート集」として

集約した。学生は、自己紹介、プロジェクト Xを見て、牛川の渡し、アメリカの

陪審員制度、星の王子様、吉田城跡地散策などの興味深いテーマでレポートを作

成した。

3. 基礎教養教育をめぐって

学習者の主体性を重んじる学びは、自由放任主義に帰結するという批判があるが、それはあた

らない。通常のプロセスでは、学生は良質な読書の機会を求められ、授業レポートの添削、レポ

ートや小論文の作成方法の指導を受けた後、しばしば課外時間中に自ら課題を作成し、作業結果

を報告・議論、さらにその問題点を指摘される。教員は、それぞれの領域を学ぶ意味を学生に伝

えなければならないし、座学以外の学習方法を課すゼミナールもある。

むしろ、大学入試を学校教育の目的にするような、一面では過度に自由放任主義的で(e.g.選抜

制度)、他面では過度に管理主義的な現場と行政のあり方が、適切な教育の実現を妨げてきたので

はないか。詰め込みが必要なのは、全ての人々に求められる基礎的リテラシーの領域に限られる

のではないか。本学部でも適切な形での実現が望まれるのだが、人々の競争ではなく共存を理念

に据えるならば、そうした詰め込みのプロセスもまた、大学の環境が許す限りで、ひとりひとり

のニーズに配慮した懇切丁寧な「寺子屋的」方法や、北欧にみられるような相互学習――できる

学生はできない学生を支援する――の要素を取り入れるべきだろう。 このレポート・小論文集への提出は任意であり、全ての論文が完成形態でもない。ホームペー

ジの「コピペ(コピー&ペースト)」はなくならず、質的にも玉石混淆だが、学生は各自の努力に応

じて、選択した領域を学んだのだと思う。 基礎ゼミナール担当 中野 聡

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専門ゼミナール

担当 専門ゼミナール担当教員(16 名) 【概 要】 専門ゼミナールは、大学での学習成果を卒業論文としてまとめるという目標のもと、論文作成作業を通

じて、総合的な学士力を身につけることを目的としている。専門ゼミナールでは、入門ゼミ、基礎ゼミで

必須の基礎能力として身につけた、資料調査、要約、考察、発表等のスキルを、各専門ゼミナールで、各

自の研究課題について具体的な作業として繰り返す事により、具体的かつ自主的に学修することを身につ

けさせようとしている。 【事業内容(平成 22 年 4 月から平成 23 年 3 月)】

実施概要としては、専門ゼミナールは、本学部の伝統である現代板寺子屋(少人数)教育を継承しつつ、

①多様な学問的枠組みにもとづく学生の主体的学習の奨励と反復、②論文・発表力を育むための学術リテ

ラシー教育を通し、意見形成力と発表力の促進に努めるものである。 実施計画、シラバスに記載した通り、各ゼミナールごとに講義、実習、発表等を行うことになっている。

3年生の間は主に各ゼミナールの活動となり、基礎的な調査、研究発表などが行われた。4年生では、大学

祭(10 月)では中間発表会、2月には卒業研究発表会が行われた。

10 月 23 日(土)、24 日(日)の二日間の大学祭では、各ゼミナールの参加により中間発表会が行われ、

学内の教員、職員の質問等に各ゼミナールの学生が答えるという形で行われた。卒業研究発表会の予行演

習的な側面もあり、外部からの見学者などからの質問も担当学生には良い効果を与えている。 2 月 7 日(月)の卒業研究発表会では、オーラルセッションには 14 テーマ、ポスターセッションには 66

テーマの発表が行われた。13:00-14:50 のオーラルセッションは発表 15 分、質疑 5分で各学生が研究をプ

レゼンテーションするという形式で行われ、活発な質疑応答が行われた。15:00-16:30 のポスターセッシ

ョンでは、前半後半に分かれて各 45 分間ずつポスター前での質疑応答という形式で行われ、こちらも教員

などの質疑に対して熱心な説明が行われていた。全ての会場で 30~40 名程度の参加者があり活況を保って

いるように見受けられた。(発表テーマおよびスケジュール等については、別添の卒業研究発表会プログラ

ムを参照のこと。)

図 1 卒業研究発表会の様子(オーラルセッション)

図 2 卒業研究発表会の様子(ポスターセッション)

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【事業実施に対する評価】

の伝統である現代板寺子屋(少人数)教育を継承しつつ、①多様な学問的枠

に学生の意識を高めさせるため 2,3 年生へ参加を促す具体策、参考事例としての

専門ゼミナールは、本学部

みにもとづく学生の主体的学習の奨励と反復、②論文・発表力を育むための学術リテラシー教育を通し、

意見形成力と発表力の促進に努めるものである。具体的には、調査研究および卒業論文の作成作業の中で

主体的な学習を行わせ、中間発表や卒研研究発表会の実施により発表力を養成している。卒業論文をはじ

め、卒業研究発表会のアブストラクトや質疑応答の様子から、専門ゼミナールは学習および発表力に対し

効果があるといえる。 発表の質の確保やさら

学院生の参加等は今後の検討課題である。内容の水準のばらつき等についての指摘があったが、卒業論

文を教員間での供覧した上での意見を集約し、今後の改善策を検討していく。

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司会 : 中野聡 教授

発表順 氏 名 ゼミナール 発 表 テ ー マ

1 大場 拓弥 川 北 フリーペーパーの現状と今後

2 稲垣 栄一 三 輪 DCG(Maya)によるNURBSを用いたCarモデリング

3 谷野 裕樹 三 好 確率的ゲームにおける優位な戦略立案の検討

4 白井 芳明 川 北 日本のフリーミアムの現状と今後

5 酒井 康利 見 目 水平面日射量をベースとする直達日射量計算モデルの検討

6 眞野 未奈子 三 好 インターネットフィルタリングソフトの比較研究

7 宮本 健史朗 川 北 消費者の有機農産物への関与が規格外有機農産物の価格受容度に与える影響

司会 : 三輪多恵子 准教授

発表順 氏 名 ゼミナール 発 表 テ ー マ

1 勝尾 大樹 三 好 Eラーニングシステムの構築と学習ログ分析

2 平賀 麻未 見 目 簡易追尾型太陽光発電システムの経済性評価

3 嶋津 永子 川 北 宿泊先選択における消費者の購買意思決定プロセス

4 竹内 啓泰 三 好 コンピュータを介したコミュニケーションにおける視覚情報の有用性に関する研究

5 太田 丞観 見 目 豊橋市内の小中学校における太陽光発電システムの導入効果の検討

6 福留 佑紀 川 北 インディーズ市場台頭の要因について

7 増田 弦 三 好 テレビCMの消費者購買行動への影響分析

※オーラル・セッションの各発表者の発表持ち時間は13分(発表:10分、質疑:3分)です。

平成22年度 豊橋創造大学情報ビジネス学部卒業研究発表会 発表プログラム

~ オーラル・セッション A会場(A22教室)【13:00 - 14:40】~

~ オーラル・セッション B会場(A23教室)【13:00 - 14:40】~

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発表番号 ゼミナール 氏 名 発 表 テ ー マ

1 髙倉 佑太 古本屋から考察する物流と環境に関する研究

2 谷野 智紀 ロジスティクス戦略の必要性に関する研究

3 筒井 俊如 路面電車の維持と活用に関する研究

4 白井 慎哉 ヤマサンにおける物流システムの有効性に関する研究

5 山本 綾 物語コーポレーションにおけるロジスティクス・システム構築に関する研究

6 杉浦 吉徳 CADについて

7 鈴木 聖也 アニメについて

8 松本 龍 戦争における経済効果と損失

9 宮﨑 慎也 戦争の未然防止と代替行為

10 明平 紘毅 中国経済の現状と課題

11 川瀬 晴義 巡回セールスマン問題における遺伝的アルゴリズムの適用に関する一考察

12 齊藤 龍也 ニューラルネットワークによる数字認識に関する一考察

13 藤原 和哉 AccessによるDVDレンタルデータベースの作成

14 大場 拓弥 フリーペーパーの現状と今後

15 嶋津 永子 宿泊先選択における消費者の購買意思決定プロセス

16 白井 芳明 日本のフリーミアムの現状と今後

17 福留 佑紀 インディーズ市場台頭の要因について

18 宮本 健史朗 消費者の有機農産物への関与が規格外有機農産物の価格受容度に与える影響

19 荻野 泰志 500倍集光式太陽光発電システムの発電量への結露の影響

20 平賀 麻未 簡易追尾型太陽光発電システムの経済性評価

21 太田 丞観 豊橋市内の小中学校における太陽光発電システムの導入効果の検討

22 狩野 寛明 家庭のCO2排出量の算出とその抑制策の提言

23 酒井 康利 水平面日射量をベースとする直達日射量計算モデルの検討

24 有賀 紀彦 超高齢社会における高齢者雇用

25 鈴木 貴博 SNSの利用者増加の理由と今後の展望

26 土屋 龍一 エコ活動は環境に良いのか

27 本間 敬典 たばこ税の現状と増税による税収の変化予測

28 三村 彩央里 アナログ放送からデジタル放送へ

29 加藤 誠 損益分岐点分析に関する一考察

30 佐藤 あゆみ 企業における環境会計への取組み

31 鈴木 崇之 固定資産における会計処理の変化

32 宮川 真一 中小企業におけるキャッシュ・フローの重要性

33 村上 聡史 GHQの教育政策

34 森田 憲司 福祉国家の歴史

35 今泉 貴宏 ファシズム論

36 新川 幸宏 フランス現代史

37 袴田 順一 ホロコースト

38 油井 孝斗 イタリア・ルネサンス

見 目

五味

中野一

中野聡

石 田

今井久

平成22年度 豊橋創造大学情報ビジネス学部卒業研究発表会 発表プログラム

~ ポスター・セッション (A24教室) 【15:00 - 16:40】~

今井正

川 北

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発表番号 ゼミナール 氏 名 発 表 テ ー マ

39 中村 一志 社会起業と社会起業家についての研究 ~企業の社会的責任(CSR)~

40 伊藤 宏次朗 社会起業と社会起業家についての研究 ~社会的企業の先行事例研究~

41 岡田 健一 社会起業と社会起業家についての研究 ~社会的事業のビジネスプランニング~

42 松原 徹 社会起業と社会起業家についての研究 ~社会起業家についての研究~

43 渡邊 慎吾 視覚障害者に対するwebアクセシビリティの評価方法に関する考察

44 勝尾 大樹 Eラーニングシステムの構築と学習ログ分析

45 竹内 啓泰 コンピュータを介したコミュニケーションにおける視覚情報の有用性に関する研究

46 谷野 裕樹 確率的ゲームにおける優位な戦略立案の検討

47 増田 弦 テレビCMの消費者購買行動への影響分析

48 眞野 未奈子 インターネットフィルタリングソフトの比較研究

49 神谷 佳郎 3DCG(Maya)によるレゴブロックの表現

50 坂崎 壮哉 3DCG による車の作成

51 伊藤 雅子 Flashを用いた情報発信系Webサイトの作成

52 稲垣 栄一 DCG(Maya)によるNURBSを用いたCarモデリング

53 杉浦 武志 3DCG(Maya)によるアニメーションCMの作成

web素材配布サイトにおけるサイト構造と画像加工

~ 閲覧・検索しやすいサイト作りと画像加工技術の習得~

55 金田 高人志 ポスターのレイアウト・デザインとその視覚効果について

56 村松 史崇 豊橋の代表企業見学

57 森 香奈絵 ホームヘルパーの生活援助と相談援助

58 石村 美樹 日本の技術力

59 鈴木 友和 ものづくりの現場と経営

60 西田 裕貴 ものづくり実態調査

61 馬 杰 製造業の現場調査報告

62 戸澤 伸晃 大学ネットワークシステムにおける諸問題に関する検討

63 秋葉 翔太 オーディオファイルフォーマットおよびコーデックに関する調査

64 稲熊 祐太 ビジネスバイク:ホンダスーパーカブに対する支持要因の考察

65 一柳 輝彦 仕事上のコミュニケーションの重要性

66 城所 勇 思考基礎能力開発ゲームの製作

※ポスター・セッションでは、発表番号により発表者の発表時間が異なります。

奇数番 15:05 - 15:50

偶数番 15:50 - 16:35

※オーラル・セッション発表者のポスターは、展示のみ(説明無し)の場合もあります。

花 岡

三 好

三 輪

後藤 彩香

森 田

山 口

吉 川

54

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キャリア形成

担当 山口 満、川北眞紀子 【概 要】 キャリア形成は、様々な経歴を持つ人材と接する機会を学生に提供し、彼らがどのようなキャリアを歩

んできたのか、キャリア発達という軸のもと提示する講義である。比較的若年の社会人 9 名を講師として

招聘し、彼らの講話を通して、学生一人一人が将来の決定に関する選択肢の幅、あるいは、将来の職業や

業務設計に関するビジョンを広げることを主目的とする。また、レポート(感想文)作成を通して個人の

意見形成能力を、講師との質疑応答を通してコミュニケーション力を養うことも目的とする。 本年度は、昨年の課題(就職への現実感が乏しく、積極的に外部講師と関わろうという意識が低い)を

踏まえ、より自然に講師と接触できるよう、(1)各自に個人名刺を作成させ、(2)名刺交換の方法につ

いて指導し、(3)興味を抱いた講演・講師の回には積極的に名刺交換するよう促した。この結果として、

講師の方々との接触回数を増加させることができた。本取り組みを通じて、学生たちに自らのキャリアを

思考させるきっかけ作りができたと考えている。 【事業内容(平成 22 年 4月から平成 23 年 3 月)】

1.講師の招聘実績 平成 22 年度の履修者は 57 名であった。講義概要を下表に示す。招聘した外部講師は 9 名である。

9 月 30 日(木) 講義 キャリアとは 10 月 7 日(木) 講義 働く視点、雇う視点 - ワークシート

10 月 14 日(木) 講義・実習 ネットワークを広げるツール - 名刺の作成 10 月 21 日(木) 講演① 西郷鎮廣氏 社会人大学院生(銀行員)

豊橋信用金庫 総合企画部 10 月 28 日(木) 講演② 斎藤 純氏 卒業生(ネット広告)

トランスコスモス株式会社 11 月 4 日(木) 講演③ 小木曽弘規氏(住宅販売、営業)

トヨタホーム名古屋株式会社 豊田店 11 月 11 日(木) 講演④ 河合沙奈美氏 卒業生(外食産業、人事)

株式会社物語コーポレーション 人材開発部 11 月 18 日(木) 講演⑤ 高橋良輔氏(IT 関係)

株式会社エクストラスト Chief Executive Officer 11 月 25 日(木) 講演⑥ 藤川良弘氏(NPO 法人)

NPO 法人ぎふママネット 代表 12 月 2 日(木) 講演⑦ 今泉昭洋氏(旅行業界、営業)

名鉄観光サービス株式会社 豊橋支店 支店長代理 12 月 9 日(木) 講演⑧ 竹内伸一氏(人事)

ケースメソッド教育研究所 代表取締役 12 月 16 日(木) 講演⑨ 夏目周吾氏(起業家)

有限会社夏目コーポレーション 代表取締役 1 月 13 日(木) 講義 講演の振り返り

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図 1 外部講師による講演の様子

図 2 講演後の質疑の様子

35 5

3 42 3 2

5

1

8

2 4

0

2

4

6

8

10

1回 2回 3回 4回 5回 6回 7回 8回 9回

質問数(時間内) 質問数(終了後)

図 3 各講演における質問件数

0 3 26

10

1

8

25

0

2

4

6

8

10

1回 2回 3回 4回 5回 6回 7回 8回 9回

名刺交換件数

図 4 講師との名刺交換件数

2.実施方法 前半の講義では、キャリアについて学び考えていく上での導入的講義、および、ワークシートを実施し

た。次いで、学生各自に個人の名刺を作成させ、さらに名刺交換に関する指導を行った。これは、昨年の

課題(就職への現実感が乏しく、積極的に外部講師と関わろうという意識が低い)を踏まえ、より自然に

講師と接触できるよう『名刺』というツールに着目したことによる。学生には、興味を抱いた講演・講師

の回には積極的に名刺交換するよう促した。講師の方に対しても、講演時間内の質問はもとより、講演後

の学生からの質問・名刺交換にも応じていただけるよう事前にお願いし、学生と講師との間でコミュニケ

ーションを図れるよう準備した。

外部講師の講演時の様子を図 1 に示す。学生には、講演を聴講して自身が感じたことについて、レポー

トとして提出することを課した。このため、学生たちは講演に耳を傾け真剣にメモを取り、感想あるいは

意見を形成し整理することに努めていた。

【事業実施に対する評価】

図 2 に、講演終了後の講師と学生との対話の様子を示す。また、図 3 及び図 4 に、各講演における学生

からの質問件数(講義時間中、講義後)と講師との名刺交換件数を示す。質問は合計 47 件(うち講演後

20 件)で講演当たりの平均は 5.2 件、名刺交換は合計 37 件、平均 4.1 件であった。この結果より、本年

度の取り組みを通じて、学生が積極的に他者との関わりを持つよう行動したといえる。特に、名刺交換の

流れから質問に移ることが多く、昨年度はほとんど見ることが出来なかった講師の方々との接触について、

その回数を増加させることができた。この名刺作成の取り組みは、次年度以降も継続していきたい。

教員ではない実務家の人々からの語りにより、学生たちが多様な視点を持つようになっていく様子を提

出レポートからうかがうことが出来た。就職という将来像のみならず、起業という選択もあり得ることを

彼らは知り、そのためには今何をすべきか、という気づきを与えることができたと考えられる。

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総合講座

担当 佐藤勝尚、三好哲也、石田宏之 【概 要】 総合講座は、第一線で活躍される経営者・企業家を招聘し、起業家マインドをテーマにして、様々な起

業や企画運営に取り組む際の視座や態度についての豊富な経験と知識を、学生に示し認識させる講義であ

る。そして、経営学や情報関連科目に関する通常の講義で学んだ学問知識が実践される経営活動の中でど

のように活用されているかについて学生に理解させる講義である。講師は産業界で活躍される経営者・企

業家であり、受講する学生にとっては、経済産業社会での出来事や考え方に直接接することができる機会

であるので、学生がその機会を積極的に活用できる工夫を施し、学生に活発な意見交換の体験をさせる。

このような企業人との交流体験や企業人が発する態度や視座を学生間で共有作業を積み重ねることにより

コミュニケーション力の強化を図る。 【事業内容(平成 22 年 4月から平成 23 年 3 月)】

1.講師の招聘実績

10 月 7 日 株式会社物語コーポレーション 人材開発部長 神谷 聡 氏

10 月 21 日 半田フルーツトマト研究会 代表 渡辺 勝久 氏

11 月 4 日 ニチエー吉田株式会社 代表取締役社長 吉田 晃 氏

11 月 18 日 本田プラス株式会社 代表取締役社長 本田 克弘 氏

12 月 2 日 蒲郡信用金庫 人事部長 長崎 全宏 氏

12 月 16 日 ライオン商事 前代表取締役社長 山田 脩二 氏

2010 年度 総合講座 講師陣

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講演の様子 総合講座の学びの概略

2.実施方法 学生にとって企業で活躍される講師の講演は、非常に興味深く、各自が働く場を想定して聴講する傾向

が例年の授業評価アンケート結果に表れている。ただし、学生の経験が十分でないため、講師の話や使用

される専門用語が理解できない場合も想定されるので、専任教員によって講演者の業界や経営についての

事前講義を行うことになっている。特別講演の当日は、講師による講演後、講演や講師の考え方に対して

自らの疑問や意見を発表する機会を設け、主体的にコミュニケーションができるようにしている。さらに、

講演や講演後の質疑をもとに講演内容や講師の主張を理解するためのレポートを課している。以上のよう

に、講演内容の把握とその内容に沿った自己意見形成力を習得できるように、講演の後の質疑やレポート

作成課題を課している。 本講座のように講師講演には様々な視点からの理解が可能である。人のモチベーションを志として理解

するかそれとも人的資源管理の視点で理解するなど、捉え方はさまざまである。そこで 2010 年度では、第

14 回目の講義において「経営者に学ぶ企業経営の諸問題」として、講演のアウトラインを示したのちに、

講演内容の類似項目と相違項目の事項をグループワークで検討する演習を課し、各講演に対する学生間の

理解の共有化を行った。

【事業実施に対する評価】

総合講座は、これまでの講義で学習した経営学の知識や情報処理スキルが実践の経営の中でどのような

意味を持っているかもしくは今後どのような視点で学習をすべきかを講師の講演の中から学生が感じ取る

講義である。講師の講話は実践的な話題であるため様々な視点による理解が可能であり、振り返りの段階

での解説や位置づけが重要である。そのため、学生間での情報共有ができる方法としてグループワークに

よって意見交換をさせ、広い視野での理解を促進した。 アンケートによると、内容の満足度は、平均以上であり、本講義の内容や運営について一定の評価があ

ったといえる。

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キャリア教育環境の改善

担当 五味悠一郎 【概 要】 総合的学士力の育成には、学生が自分のスキルアップを実感できる情報システムが必要であるという考

えから、平成 21 年度に「学生の成果物共有システム」が必要であるという結論に至った。 平成 22 年度は、平成 21 年度の結論から「学生の成果物共有システム」の設計と構築を行った。 平成 23 年度は、「学生の成果物共有システム」を運用し、システムの評価を行う。 【事業内容(平成 22 年 4月から平成 23 年 3 月)】

1.目的

総合的学士力の育成には、学生が自分のスキルアップを実感することが必要であるという考えから、キ

ャリア教育環境について調査した結果、

・ 成果物やアンケート、アセスメント結果などが一元管理されておらず、殆どが紙媒体で存在するため

活用しにくいため、有効活用されていない。

・ 現状の共有ファイルサーバは、誰でも書き込めるか、教職員ならだれでも書き込めるかの二つしかア

クセス管理が出来ない。などの問題があった。

などの問題が明らかになった。学生の成果物をいつでもどこでも保存・閲覧できる環境を整えることで、

学生のキャリア形成・発達をきめ細かく支援する。

2.方法

成果物を共有できるWebシステムを開発し、学内LANに設置する。

3.仕様

・ 一つのファイルやフォルダに対し、ユーザ・グループ・パブリックなどの「ヒト」別に、読み・書き・

両方の「権限」が設定できる(アクセス制限)。

・ 登録および閲覧はWebインターフェースとする。(図1~4)

・ 成果物登録は、教員、職員、学生とも行える。

・ 成果物登録時は、授業、担当教員、担当学生などのパラメータを設定可能。

・ 経過物閲覧時は、授業、担当教員、担当学生などのパラメータで検索可能。

・ 当初は学内でのみ運用する。学外からの利用は不可。

図1 認証フロー

図2 メニュー画面1

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図3 メニュー画面2

図4 一括アップロード

【事業実施に対する評価】

平成 22 年度は、平成 21 年度の結論から「学生の成果物共有システム」の設計と構築を行った。平成 23年度は、「学生の成果物共有システム」を運用し、システムの評価を行う。 「学生の成果物共有システム」で期待される効果を以下に示す。

・ 各授業での成果物を保存し続けることで、学生自身が自身のスキルアップを実感出来る。

→ キャリア教育、学士力

・ ゼミナール(入門・基礎・専門)の担当教員が、各授業での成果物やアセスメント結果を閲覧する

ことで学生の習熟度や性格を把握し、きめ細かな指導をすることが出来る。

→ 寺子屋教育

・ ゼミナール(基礎・専門)の担当教員が、学生の過去の成果物を参照することで、学生の習熟度に

合わせたシームレスな指導が出来る。

→ キャリア教育

・ 他の教員がどのような授業を行っているか、成果物を通して知ることが出来る。

→ FD

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チャレンジショップ

担当 花岡 幹明 【概 要】 本事業は、実際の店舗経営の企画立案・運営を通じてビジネスに関する学問領域の知識を体験的に学習

すること目的としている。また、店舗は豊橋駅前商店街に立地していることもあり、商店街における自治

活動等への参加や中心市街地の活性化問題に関する研究活動も本事業のテーマとしている。

チャレンジショップ自体の企画・運営は、メンバーである学生の自主的な活動として行われている。本

年度は、紅茶及び珈琲関連商品の店「ちっぷむんく」として 7月 31 日に開店した。メンバーは情報ビジネ

ス学部 13 名と短期大学部キャリアプランニグ科 3名であった。本年度は、店舗活動以外に、豊橋三大学に

よるサマーカレッジチャレンジショップ実行委員会へのメンバー派遣、ソーシャルビ・ジネス(社会起業)

に関する研究と実験的事業の企画・実践、第 14 回バイオフィリアリハビリテーション医学会総会において

ポスター発表1を行った。

専門家を招いた店舗企画会議 店舗開店

店内 バイオフィリアリハビリテーション医学総会での 東日新聞記事 2010 年 8 月 2 日(月)7面

パネル発表

【事業内容(平成 22 年 4月から平成 23 年 3 月)】

本事業の内容を「授業としての取り組み」で整理する。まず、チャレンジショップの運営は事業担当者

の「専門ゼミナール(3、4年)」テーマの一つである。本ゼミナールでは、経営学・経営戦略の研究を主

たるテーマとしており、店舗の基本的な企画立案と運営はその実践的な課題といえる。また、商店街活性

化やコミュニティの問題もマネジメントの問題と置き換えることで、身近な研究対象としている。授業は

毎週火曜日の午後に店舗内に設けた会議スペースで行っている。本年度は、社会起業をゼミのテーマとし、

チャレンジショップを利用した社会的事業の企画や社会起業家に対するインタビューなどの調査を行って

きた2。

次に「演習/実習A(チャレンジショップ演習)」という 4年生対象の科目では、履修生が店舗活動にお

1 岩田、大谷、岡田、花岡「学生チャレンジショップにおける地域高齢者サポートビジネスの展開」第 14 回バイオフィリ

アリハビリテーション医学総会予稿集 p21.2010 年 9 月 4 日(ISSN1884-8672)NPO 法人バイオフィリアリハビリテーシ

ョン学会発行 2 チャレンジショップに参加しているゼミナールの 4 年生(3 名)は社会起業に関する研究の中からテーマを設定してい

る。3 年生は社会起業家に対するインタビューや起業アンケートなどの調査に参加することを課題としている。

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ける自らの役割や課題を設定し、計画、実行、評価、改善を 1年間に渡り実践し、報告書を作成している。

本年度は 3名が履修し、運営会議(毎週水曜昼休み開催)の進行・管理と広報活動、会計(在庫管理)、商

品開発のテーマで報告書作成を行った。

また本年度は「入門ゼミナール2(秋学期開講:1年次配当)」において、店舗経営の改善をテーマに企

画書作成の課題演習を行った。具体的には、チャレンジショップを運営する 3年生 10 名が 4つの改善テー

マ(店内レイアウト、パッケージデザイン、シャッター、商品(珈琲の新ブレンド開発))を挙げ、入門ゼ

ミナールの 1年生 8名がそれぞれのチームに 2名ずつ加わり、共同で課題解決にと取り組むというもので

あった。これらの活動は授業時間外に行われるため、各自が毎回報告書を作成した。

卒論パネル(社会的事業のビジネスプランニング) 卒論パネル(社会起業の事例インタビュー) 入門ゼミナール店

チャレンジショップは、このような演習的内容の授業以外にも、ビジネス関連の講義科目における身近

で簡単な事例として活用可能である。本年度は、「経営戦略論(秋学期開講:3年次配当講義科目)」や「シ

ョップマネジメント(秋学期開講:3年次配当講義科目)」の各授業内においてケースとして使用した。こ

のような授業科目における共通ケースとしての利用は、ビジネス関連科目の横断的な理解につながる体験

的な学習の一つの効果と考えられる。

【事業実施に対する評価】

チャレンジショップは、ビジネス関連の専門的知識を体験的に学習する場である。それは経営や組織に

関する様々な課題を提供するだけでなく、来店客や近隣商店主、仕入等の取引関係者など、多くの利害関

係者の存在が学生の自律的な学習行動にも大きく影響を与えている。本年度の社会起業に関するテーマも

昨年5月に学生が受けたインタビュー3から本格的にスタートしている。このように、本事業は単なる経営

の疑似体験だけなく、個々の学生が社会的使命を自覚し、主体的に個性を発揮する機会を提供しており、

また卒業研究や学会発表等の学習・研究活動へ展開している。

3 浜松で高齢者向けサービス事業を行っている方から、チャレンジショップ学生に対して「(チャレンジショップで)高齢

者向けサービス(社会起業)をしてみては」という依頼があった。そこで企画書作成を目的に商店街における市場調査が

スタートした。

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インターンシップ

担当 花岡 幹明 【概 要】 本事業(インターンシップ)は産学連携による創造的な人材を育成する実践的な教育プログラムである。

学生の能力開発は学校生活のみでは限界がある。産官学連携の適切な教育と支援によるインターンシップ

は学生の知識や技術の習得とそれらを実地に応用する技能の実践力を向上させる。この実地体験は特に学

生の自律的学習能力を強化する効果がある。本学は平成 10 年の試験実施期間を経て平成 12 年に 3 年次学

生が選択できる専門教育科目(2 単位)とし、実習前後の指導・教育を続けている。平成 20 年度から学生

の報告書原稿を実習先事業所の担当者の方々に高閲と評価を依頼し、従来の実習態度等の評価票とあわせ

て学生の総合評価に活用している。尚、同年度より専任教員を配置し単位を設け診療情報管理実習を本委

員会と連携して実施している。 本事業に参加する学生は 3年生と定められ、授業科目「インターンシップ(通年科目;担当:片岡眞吾

教授、見目喜重教授)」を履修することが義務付けられている。

【事業内容(平成 22 年 4月から平成 23 年 3 月)】

1.事前学習:受入先事業所とのマッチング(特別講義)(5 月~6 月) 本年度からの試みとして、当地域における協力企業による特別講義を実

施した。①豊橋商工会議所から当地域の企業情報誌を戴き、就職支援担当

者による就職やインターン受入の状況、②社会インフラを担う企業の人事

担当者からは多彩な事業で構成するグループ企業と実習の概要、そして③

情報サービス業の経営者による海外展開を進める事業と教育担当者による

社内教育の講義をして頂いた。 特別講義

特別講義:日程と講師(所属)

① 5 月 25 日 豊橋商工会議所 業務推進部 人材サポート課係長 村松 正章 氏

② 6 月 8 日 ㈱サーラコーポレーション 人事戦略部 人事戦略グループ 竹本 圭佑 氏

③ 6 月 15 日 株式会社ブレインシティ 代表取締役社長 市原 清志 氏

2.実習(8 月~9 月)

本年度の履修生は 5名で、4業種 5事業所で実習を行った。実習時期は 8~9月、期間は 5~10 日間であ

った。

実習:実習先事業所と日程

NO 事業所名 人数 実施期間 日数 備考

1 上松町役場(長野県) 1 平成 22 年 8 月 23 日~8 月 31 日 7

2 株式会社ピコ・ナレッジ(名古屋市) 1 平成 22 年 8 月 16 日~8 月 27 日 10

3 豊橋市役所 1 平成 22 年 8 月 9 日~8 月 13 日 5 実施部署:環境部業務課

4 豊橋信用金庫 1 平成 22 年 8 月 9 日~8 月 13 日 5

5 ホテルアソシア豊橋

(㈱ジェイアール東海ホテルズ) 1 平成 22 年 8 月 23 日~9 月 2 日 10

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実習:株式会社ピコ・ナレッジ 実習:豊橋信用金庫 3.学内発表会、公開報告会、座談会 学内発表会は、実習生全員が実習概要書を作成し、プレゼンテーションを行った。公開報告会は、実習

生の代表 2 名と診療情報管理実習生 1 名の実習報告、並びに協力企業 5 社からのインターンシップへの取

り組み姿勢などをご報告頂いた。当日は、2 年生が「基礎ゼミナール2(必修科目)」の時間帯を利用し、

聴講した。また、報告会終了後に協力企業 5 社 6 名の方々とインターンシップ委員会、キャリアセンター、

並びに教職員で座談会を行った。 インターンシップ事業の主な日程

学内発表会 10 月 8 日 9:00~10:30 実習生 5 名発表

公開報告会 11 月 25 日 10:40~12:10

実習生代表 3 名報告(内 1 名は診療情報管理実習生)

協力企業 5 社(豊橋信用金庫、豊橋市役所、㈱サーラコ

ーポレーション、㈱ブレインシティ、日本通運㈱)

座談会 11 月 25 日 12:15~13:10

協力企業 5 社(豊橋信用金庫、渡辺農園、㈱サーラコー

ポレーション、㈱ブレインシティ、日本通運㈱)

インターンシップ委員会、キャリアセンター、ほか

学内発表会 公開報告会(インターン) 公開報告会(診療情報管理)

【事業実施に対する評価】

本年度の実習に対する受け入れ先企業の評価は概ね良好であった。しかし、特別講義や座談会を通じて、

現在、若年者が抱える就業問題は、景気不振や学力低下といった産学双方で個別に解決できる問題ではな

いと認識した。インターンシップを通じて、産官学における共通の問題意識や資源の共有は、本事業の意

義の一つであると考える。今後も、協力企業との関係を密にする取り組みとして本事業を展開していく。

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ビジネスプランコンテスト

担当 花岡 幹明 【概 要】 本事業は、各地域において開催されるビジネスプランコンテストに参加する学生、とりわけ『ビジネス

プランニング演習』(3年次秋学期科目)の履修生に対する授業外での全般的なのサポートを実施するもの

である。本年度の科目履修生は 8名であり、全員が『はままつビジネスコンテスト(学生部門)』(以下、

『はままつ』と記す)及び『東三河ビジネスプランコンテスト(学生部門)』(以下、『東三河』と記す)に

エントリーした。その結果、『はままつ』においては、2件のプランが最終審査会に進み、優秀賞、準優秀

賞を受賞した。また、『東三河』においては、5件のプランが審査会に進み、その内 1件が優秀賞と豊橋市

長賞を受賞した。

【事業内容(平成 22 年 4月から平成 23 年 3 月)】

1.試作品製作のサポート

試作品の製作は基本的に学生の自主的な行動によるが、専門的な技術を要する場合などにおいては、大

学として、学内外に協力者を求めてきた。本年度は、試作品の製作(技術・製作の協力や素材提供)以外

に、関連市場の市場動向やニーズ、機能性の実験など、ビジネスプランのソフト面に関するアドバイスが

得られた。また、これらにかかる経費の一部は、最終審査会で発表されるプランにのみ、大学負担として

いる。

図表1 プラン(試作品)製作における協力者の一例(『はままつ』優秀賞受賞プラン)

学外 有限会社ケイファクトリー(車いす工房) 原田昌宏様 試作品資材提供、市場及び技術に関

するアドバイス

学外 アビリティーズ・ケアネット株式会社 山下康雄様、国弘孝二様 試作品資材提供

学外 自転車工房オノ 小野雅史様 試作品製作、技術アドバイス

学外 秋田聡税理士事務所 秋田聡様 財務計画

学内 情報ビジネス学部 片岡眞吾教授 技術提供者の紹介及びアドバイス

学内 保健医療学部 理学療法学科 牧田光代教授 商品設計及び技術アドバイス、試作

品資材提供者の紹介、実験協力

図表2 試作品製作の画像(『はままつ』優秀賞受賞プラン)

専門家との打合せ 歩行器利用の免荷率測定調査 試作品(塗装前) 試作品

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2.ブラッシュアップ、最終審査会及び表彰式への引率

ビジネスプランのブラッシュアップ、最終審査会や表彰式など、学外における学生活動は、適切な指導

の下で、非常に重要な学習機会になると考えられる。従って、これらに際しては、授業担当者、本事業担

当者及び事務局担当者が引率同行している。本年度のコンテストに関連した活動スケジュールは図表3の

とおりである。

図表3 コンテストに関連した活動スケジュール

10 月 28 日 (木) 『はままつビジネスコンテスト』へのエントリー

11 月 8 日 (月) 『はままつ』審査結果の通知

11 月 16 日 (火) 『はままつ』第1回ブラッシュアップ(浜松:テクノ半田山事務所)19:00~22:00

11 月 22 日 (月) 『はままつ』第 2回ブラッシュアップ(浜松:テクノ半田山事務所)20:30~23:00

11 月 26 日 (木) 『東三河ビジネスプランコンテスト』へのエントリー

12 月 9 日 (木) 『はままつ』プレゼンテーション練習(浜松:はあもにい事務所)21:30~

12 月 13 日 (月) 『はままつ』最終審査会(浜松:アクトシティコングレスセンター)9:00~18:30

12 月 21 日 (火) 『東三河』審査結果の通知

1 月 6 日 (木) 『東三河』ブラッシュアップ(学内:C23 教室)9:00~17:00

1 月 12 日 (水) 『東三河』最終審査会(豊橋:サイエンスコア)13:00~17:00

2 月 3 日 (木) 『はままつ』表彰式(浜松:「浜松メッセ 2011(浜松グランドホテル)」)17:30~19:00

2 月 16 日 (水) 『東三河』表彰式(豊橋:「産業活性化フォーラム(サイエンスコア)」)13:00~13:30

図表4 画像

新聞記事 表彰式(はままつ) プレゼン資料作成指導 発表風景(はままつ)

【事業実施に対する評価】 せ

ビジネスプランの作成は経営学や会計学などビジネス系専門科目の知識を体験的に習得するのみならず、

それらを一貫した方針に基づき、条件設定を行っていくことから、一定の論理性(論理的思考)の養成に

役立つものと考えられる。また、ビジネスプランコンテストへの参加は、作成プランのブラッシュアップ、

製品の試作やプレゼンテーションの準備等のプロセスを経て、学生の自律的学習能力の強化にもつながっ

ている。これらのプロセスを経て、学生自身のプラン作成やプレゼン準備に対する姿勢は変化していく。

これまでの経験から、学内外の協力者との接触が多い学生ほど、この傾向が顕著であるといえる。本年度

は、このような効果を念頭に事業を進めた結果、受講生全員が最終審査会等で発表者をサポートするなど

自主的に参加し、審査委員や他の発表者たちと交流を深めていた。一部の学生は、“就職活動につながる”

活動という意識もあったようだ。以上のような効果を本事業の評価と考えている。

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キャリア開発1の授業改善

担当 見目喜重、三好哲也、今井正文

【概 要】

学生の基礎学力の低下に対応するため、平成 21 年度より講義科目(キャリア開発1)の運用を大幅に変更

した。平成 22 年度は、前年度より実施してきたクラス分けによる講義の実施および学習支援利用の指導に加

えて、科目の開講年次の変更、春・秋学期開講、低学力レベルのクラスの補習参加の必須化、中間試験結果

を用いた個別面談の実施などに取り組み、学生の時間外学習時間の担保に努めるとともに、学習支援と連係

して学生個々の問題に対応した。

一連の取り組みを通して、学生の学習への取り組み姿勢を改善することができた。また、1 年次および 3

年次に実施するプレスメントテスト(数学)の点数の比較から、特に低学力の学生の基礎学力習得に本事業

が一定の効果を上げていることが示された。

【事業内容(平成 22 年 4 月から平成 23 年 3 月)】

1.実施状況

キャリア開発1の開講・春学期 1 年次(三好、今井正、見目)

4 月 クラス分け試験の実施、クラス別講義の開始、補習の実施

サポートセンターの利用指導(利用曜日・時間帯を指定)

6 月 中間試験、個別面談の実施

8 月 期末試験

事業成果の分析

キャリア開発1の開講・秋学期 2 年次(三好、今井正、見目)

9 月 クラス分け試験の実施、クラス別講義の開始、補習の実施

サポートセンターの利用指導(利用曜日・時間帯を指定)

11 月 中間試験、個別面談の実施

2 月 期末試験

事業成果の分析

2.実施内容

学生の基礎学力の低下が大きな問題となっているが、中でも数学の基礎学力の低下は危機的な状況にある。

このような状況を踏まえ、基礎的な数学を取り扱ってきた講義科目(キャリア開発1)の主目的をリメディ

アル教育とし、その講義運用を平成 21 年度より大幅に変更した。

2.1 平成 21 年度からの継続内容

・クラス分けによる講義の実施

講義の第 1 回目にクラス分け試験を行い、その結果に応じて A クラス(学力上位)、B クラス(中

位)、C クラス(低位)の 3 クラスに分けて講義を実施した。

・補習授業の実施

単位取得に必要な学力を習得させるために、C・B クラスでは週 1 時間、補習授業を実施した。

・時間外学習支援利用の促進

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時間での学習を促進するために、C クラスを中心にサポートセンター(時間外学習支援)の利用日

時を指定した。

2.2 平成 22 年度からの新規内容

・科目の開講年次・学期の変更

できる限り早い段階で基礎力を習得させるために、従来の 2 年次秋学期開講を 1 年次春学期開講に

変更した。

・春・秋学期の開講

科目の開講年次・学期の変更と併せて、春学期に単位を取得できなかった学生に再度勉強をさせる

ために、秋学期にも再履修者用に本科目を開講した。このように勉強の機会を年 2 回設けることによ

り、早期に基礎学力を習得できる環境を整備した。

・補習への出席の義務化

従来実施してきた週 1 回の補習授業に対して、C クラスでは秋学期よりその参加を必須化した。そ

の結果、各回の平均参加者数は春学期の 6.8 人/回(期末試験受験者数:12 人)から、秋学期には 9.8

人/回(期末試験受験者数:12)と増加した。

・個別面談試験の実施

中間試験後、試験の成績を返しながら面談を実施し、どの分野に問題があるか、またその対応とし

て何を勉強する必要があるのかを項目を指定しながら指導した。

【事業実施に対する評価】

このような授業改善が基礎学力の習得にどの程度の効果があったのかを厳密に分析することは、履修者が

新規履修者と複数回履修者の混在であること、また毎回その比率も変わるなど評価対象(母集団)が同一で

はないことから難しい。また、時間外学習支援との相乗効果として成果が現れるものでもあり、この事業単

独の評価は基本的には難しい。

最終的に本事業で求められる成果は基礎的な数学力を早期に習得させることであることから、入学時およ

び 3 年次に実施する数学のプレスメントテストの結果を比較することで本事業の成果を評価する。

図 1 には授業改善前(H20 年入学生)と授業改善後(H21 年入学生)の 1 年次(入学時)と 3 年次のプレ

スメントテスト結果の比較を示す。

y = 0.6814x + 157.53

R2 = 0.577

300

400

500

600

700

800

300 400 500 600 700 800

1年次点数 [点]

3年

次点

数 [

点]

y = 0.5902x

R2 = 0

300

400

500

600

700

800

300 400 500 600 700

1年次点数 [点]

3年

次点

数 [

点]

+ 213.04

.4764

800

(a) 授業改善前(H20 年入学生) (b) 授業改善後(H21 年入学生)

図 1 1 年次(入学時)と 3 年次の数学のプレスメントテストの点数の比較

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図中の点線よりも上の部分は入学時よりも 3 年次の点数が上昇したケースである。授業改善前と比較して、

授業改善後にプレスメントテストの点数が上昇した学生が多く見られる。この傾向は 1 年次の点数が 500 点

以下の場合に顕著である。

また、散布図に対して 1 次近似直線を求めると、改善前と比較して改善後では、近似直線の 1 次係数の値

は 0.68 から 0.59 に低下し、その一方で y 切片の値は 157 から 213 に増大している。このような係数の変化か

らも全体の学力が上昇し、また特に学力レベルが低位の学生で学力が大きく伸びたことが分かる。

以上のことから、本事業のこれまでの取り組みが、基礎学力の習得に対して効果があったことが分かる。

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サポートセンターの開設(時間外学習支援対体制の構築)

担当 見目喜重、三好哲也、今井正文

【概 要】

学生の基礎学力(数学力)向上を目的に、平成 21 年度よりキャリア開発1の講義運営を大幅に変更すると

ともに、学習支援スタッフによる個別指導を中心とした学生の時間外学習支援体制をサポートセンター内に

構築した。平成 22 年度も春学期(4~8 月)、秋学期(10~2 月)にそれぞれ時間外学習支援活動を実施した。

その結果、春学期の利用者は延べ 202 人(日平均:4.39 人)、秋学期は 269 人(日平均:5.60 人)と、昨年度

の実績(延べ 146 人(日平均:3.17 人))を大きく上回り、学生の時間外学習時間の担保に大きな役割を果た

した。

【事業内容(平成 22 年 4 月から平成 23 年 3 月)】

1.実施状況

具体的な実施状況

4 月 サポートセンターのレイアウト変更

時間外学習支援(春学期)の開始

個別指導、学生の学習進度に関する情報処理作業

※春学期は 1 年次学生、ならびに 4 年次学生が中心

10 月 時間外学習支援(秋学期)の開始

個別指導、学生の学習進度に関する情報処理作業

※秋学期は 2 年次学生が中心

※この他に、キャリア開発1との連係を密にするため、講義内容および学生の学習進度に関して、講

義担当者と学習支援スタッフとの意見交換会を 2 月末までに計 12 回開催

2.実施方法

学生の基礎学力の向上には、時間的制限のある講義科目の運営変更による対応だけでは限界があり、時間

外での自主勉強と個別指導が不可欠である。そうしたことから、講義時間外に学生が個別に指導を受けられ

る学習支援体制をサポートセンター内に構築し、講義と連係して学生の学習を支援する活動を平成 21 年度よ

り開始した。なお、本事業では数学基礎力の習得を目標に、講義科目:キャリア開発1と連係して活動を行

う。図 1 には講義と学習支援の連係の概要を示す。

時間外学習支援は、サポートセンター内に確保した学習スペースに学習支援スタッフが待機して、講義や

課題の内容に関して相談に訪れた学生の習熟状況や希望に合わせて個別に指導するというスタイルで実施し

た。スタッフが待機する指導日は水曜日を除く平日の午後(3~5 限)とし、春学期:4~8 月と秋学期:10

~2 月に実施した。

このような支援体制を実効的な物にするために、学生に対して自主的にこの制度を利用するようにアナウ

ンスをする一方、下位クラスの学生に対しては優先的に指導を受けるコマを割り当てた。

また、講義の内容と支援の内容を連係させるために、学生の学習状況をファイルで管理し、キャリア開発

1の科目担当者と学習支援スタッフ間で毎日やり取りして、最新情報の共有化に努めた。また、科目担当者

とスタッフとの意見交換会を月 1・2 回のペース(2 月末までに計 12 回)で実施し、学生の状況や問題点、

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今後の指導方針など学生支援の方向性を確認した。

また、平成 22 年 4 月には一部学生からの要望を取り入れ、より多くの学生を収容でき、かつ個別に課題に

取り組めるように学習用スペースを含めてサポートセンターのレイアウトを変更した。

学生の学習状況を記録したファイルを作成して情報交換を行ってきたが、この内容についても一部見直し

を行い、基礎学力部分を中心に理解度を詳細に把握できるようにした。具体的には、いくつかの項目を設け、

各項目毎に演習問題の実施日と点数を記録し、目標点数に到達したかどうかを確認することで理解度・到達

度を確認した。

内容:

SPIを教材にした

数学基礎の再教育

(リメディアル教育)

講義、

小テスト、演習、

補習・補講

体制:

サポートセンター内に学習用の

スペースを確保

学習支援スタッフが待機

・平日(水曜を除く)3~5限・通常は1名(状況により2名)

内容:

ドリル、問題集、課題を使用

不得意分野を個別指導

キャリア開発1

時間外学習支援

教員:

情報提供

講義内容

学生の様子

学習支援スタッフ:

情報提供学生の理解度

来室状況

学生の誘導:

自主的に指導を受けるように講義内でアナウンス

下位クラスでは、学生に優先的に指導を受けるコマを指定

※分からない箇所や課題の点数を確認して個別指導を受ける

内容:

SPIを教材にした

数学基礎の再教育

(リメディアル教育)

講義、

小テスト、演習、

補習・補講

体制:

サポートセンター内に学習用の

スペースを確保

学習支援スタッフが待機

・平日(水曜を除く)3~5限・通常は1名(状況により2名)

内容:

ドリル、問題集、課題を使用

不得意分野を個別指導

キャリア開発1

時間外学習支援

教員:

情報提供

講義内容

学生の様子

学習支援スタッフ:

情報提供学生の理解度

来室状況

学生の誘導:

自主的に指導を受けるように講義内でアナウンス

下位クラスでは、学生に優先的に指導を受けるコマを指定

※分からない箇所や課題の点数を確認して個別指導を受ける

図 1 講義科目と時間外学習支援の連係の概要

【事業実施に対する評価】

時間外学習支援の目的は、学生の講義時間外学習時間の担保と、個別に抱える問題点に対処することで学

生の基礎学力の習得を支援することである。なお、後者については、連係科目であるキャリア開発1の授業

改善との絡みもあり、本事業の効果を独立の因子として厳密に測ることは難しい。

図 2 には平成 21 年秋学期から平成 22 年秋学期までの各学期の時間外学習支援の利用者数を、図 3 には利

用者数の延べ人数を示す。利用者数は受講者数の数などにより増減が見られるが、延べ人数はセメスタを重

ねる毎に確実に増加している。平成 22 年度春学期の利用者は延べ 202 人(日平均:4.39 人)、秋学期は 269

人(日平均:5.60 人)と、昨年度の実績(延べ 146 人(日平均:3.17 人))を大きく上回っている。

0

5

10

15

20

25

30

H21年秋 H22年春 H22年秋

実施年度/学期

利用

者数

[人

]

その他

Aクラス

Bクラス

Cクラス

0

50

100

150

200

250

300

H21年秋 H22年春 H22年秋

実施年度/学期

利用

者数

(延

べ人

数) [

人]

その他

Aクラス

Bクラス

Cクラス

図 2 時間外学習支援の利用者数の推移 図 3 時間外学習支援の延べ利用者数の推移

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02468

10

1214161820

1-5日 6-10日 11-15日 16-20日 21-25日 26-30日 31-35日 36-40日 40日超

利用頻度

人数

[人

]

H21年秋

H22年春

H22年秋

図 4 時間外学習支援利用者の利用頻度の分布

また、セメスタを重ねるとともに、利用者の利用形態にも変化が現れている。図 4 には時間外学習支援を

利用した学生の利用頻度の分布を示す。この図より、平成 21 年秋から平成 22 年秋へと進むにつれて、利用

頻度の多い学生数が増加していることが分かる。これは、定期的に利用する学生が増えていることを意味し、

学習が習慣化している学生の数が増加していることを表している。

実際に、冬期休業期間など、授業期間外でもセンターの利用を希望する学生も見られた。

このように、利用者数の増加やその利用頻度から、時間外学習時間を十分に担保するという目的に対して

着実に成果を上げている。

また、基礎学力の習得に関して、キャリア開発1の授業改善前と改善後の数学プレスメントテストの点数

の比較結果から、授業改善による成果が見られる。この成果は時間外学習支援との相乗効果で現れるもので

あり、本事業は基礎学力の習得にも一定の成果を上げていると言える。

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ケース教育

担当 佐藤勝尚、加藤尚子

【概 要】 今回取り組んだケース教育の目的は、①ビジネスの基本理解、②リーダーとしての行動養成/リーダー

シップの疑似体験、③ケース教材を用いた職業人にとって必要なコミュニケーション力の養成、を促すこ

とにあった。使用教材は、(1)昨年度開発した職業人にとって必要なコミュニケーション力の養成を目的

としたケース教材(既存ケースを大学生向けに改変したケース教材)と(2)学部学生向けに文字による

ケース教材とともに視覚教材を用いて、会社の中での仕事をより理解しやすくする工夫をしているケース

教材(昨年度ケース教育に使用した教材)であった。以下、前者をケースA、後者をケースBと表記する。 【事業内容(平成 22 年 4月から平成 23 年 3 月)】

ケース教育を通じて、学生自身が自ら考え、議論を行う過程で、ビジネス経験のない学部学生に対し、

ケース内容を分析し議論しながら、そのビジネスが置かれている状況についてどう判断したらよいかの議

論を深めることが期待できる。さらにさまざまな議論を通じて、学生自身が実際その立場であればどう考

え、判断するか、その根拠はなにか、とった観点から自分の考えを形成することが期待できる。その結果、

職業人に必要なコミュニケーション力の養成が期待される。 ケースAを用いた授業では、リーダーとしての行動育成を目的とし、リーダーシップに関する講義を行

った上で、ケース教材を取り入れた。ケース教材を用いて、個人対個人でのディスカッション、グループ

対グループでのディスカッション、グループでのケース分析及び発表を行った。 ケースBを用いた授業では、企業内リーダーシップの疑似体験を目的とし、チームでのディスカッショ

ンを中心とした形態で実施した。学生たちにはあらかじめチームにおける個々人の役割が与えられた。そ

れは彼らが仕事をする上で、それぞれが与えられた役割をきちんと果たすことの大切さも合わせて体験す

る授業構成としているためである。役割は 1 コマ毎に変えるよう指示した。 また職業人にとって必要なコミュニケーション力の養成を促すため、聞く力、発表力、意見形成力につ

いて、学生自身が自分を振り返ることができるシートを用意し、実施した。初回の授業で学生にはファイ

ルを配布し、シートを学生自身がファイルに保管できるようにした。そのファイルは毎回授業に持参する

よう指示した。

【事業実施に対する評価】

学生自身が自ら考え、議論を行う過程で、ビジネス経験のない学部学生に対し、学生自身が実際その立

場であればどう考えるかといった観点からビジネスの基本理解を促すとともに、リーダー及びフォロワー

としての役割について理解を深めることにつながったといえよう。

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