アジアの消費実態・トレンド...アジア「内需」とともに成長する我が国、持続的成長実現に向けたアジア・太平洋の枠組み...

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アジア「内需」とともに成長する我が国、持続的成長実現に向けたアジア・太平洋の枠組み 2010 White Paper on International Economy and Trade 188 第2章 (2)消費マインドの回復 世界経済危機は、アジア各国・地域の輸出減少、生 産・雇用調整を通じて、アジア消費にも大きく影響を 及ぼしている。アジア各国の消費信頼感指数は、2007 年後半から大きく落ち込んだ(第 2-3-1-9 図)。 しかし、その後アジアでは、景気刺激策の効果や今 後の成長期待から、2009 年に入り、各国の消費信頼 感指数は回復している。すでにインドネシアや韓国で は、世界経済危機以前の水準を上回るまでに回復して いる。また、アジア各国の家計支出をみても、2008 年後半から前年同月比でマイナスに転じた国が多い が、2009 年後半からは、韓国、インドネシア、タイ 等で回復しつつある(第 2-3-1-10 図)。 このように、アジア消費は世界経済危機の影響から いち早く回復し、さらなる拡大に向けて動き出してい る。 第 2-3-1-10 図  各国の家計支出(前年同月比)の 推移 -30 -20 -10 0 10 20 30 40 12 11 10 9 8 7 6 5 4 3 2 1 12 11 10 9 8 7 6 5 4 3 2 1 12 11 10 9 8 7 6 5 4 3 2 1 2009 2008 2007 中国 インドネシア 日本 韓国 マレーシア シンガポール タイ 資料:CEIC Databaseから作成。 (前年同月比) 第 2-3-1-9 図  各国の消費信頼感指数の推移 85 90 95 100 105 50 60 70 80 90 100 110 120 130 (2007 年 1 月=100) (2007 年 1 月=100) 資料:CEIC database から作成。 インドネシア 中国(右軸) 日本 タイ(右軸) (年月) 12 11 10 9 8 7 6 5 4 3 2 1 12 11 10 9 8 7 6 5 4 3 2 1 12 11 10 9 8 7 6 5 4 3 2 1 3 2 1 2008 2009 2010 2007 (1)アジアの消費トレンド 経済産業省では、日系企業のアジアのボリューム ゾーン獲得支援を目的に、平成 21 3 月に「アジア消 費トレンドマップ」 2 を作成し、拡大するアジアの中 間所得者層の消費実態調査を行った。本調査では、消 費トレンドの発信地として、アジアの 4 都市(香港、 シンガポール、バンコク、ムンバイ)を指定し、2030 代の中間所得者層を対象に、衣・食・住・移動・ 娯楽の各分野でどのような消費実態がみられるかを調 査した 3 (a)アジア消費トレンドの現状 アジアの都市中間層では、全体として経済成長に伴 う消費生活の現代化が進んでおり、更なる成熟への希 求がみられた。例えば、ファッション・美容にお金を かけると答えた消費者は全ての都市において 6 割を超 えており、食の分野でも多少高くても料理には良い食 材を使うと答えた消費者は 7 割を超えていた(第 2-3- 2-1 図)。携帯、PC、デジタルカメラ、白物家電など の家電製品も普及が進み、調査対象の中間層以上では 8 割を超えて普及していることがわかった。デジタル 機器に関しては、機能を絞り込み、価格を抑えた機種 が受容されていることが分かった。 (b)更なるマーケティング&プロモーションの必要性 日本製品の置かれた現状についてみると、調査対象 の都市全てにおいて、品質、信頼感、技術力が優れて いるというポジティブなイメージが抱かれている(第 2-3-2-2 表)。注目すべきは、品質や技術に次いで評価 されている項目として、「現代的」、「デザインがよい」 2 アジアの消費実態・トレンド 2 詳細については経済産業省Web サイトを参照(http://www.meti.go.jp/report/data/g100329aj.html)。 3 調査設計は二段階に分けられ、第一に、生活環境・価値観を示す商品の写真撮影による実態情報と意識項目の調査により、生活環境全 般及びライフスタイルの把握と消費傾向の分析を行うフォトダイアリー調査と、第二に、代表的な消費者像と見込まれる消費者に焦点 をあて、フォトダイアリーで得られた消費性向の背景、価値意識などをより精査な消費実態、嗜好、価値観などを明らかにするフォー カスグループインタビュー調査(FGI 調査)を行った。その上で、衣・食・住・移動・娯楽分野における各国の消費傾向をグラフにプ ロットし、各都市の消費者がどのような嗜好に基づいて消費を行っているかの相対的関係を示すマップを作成した。

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Page 1: アジアの消費実態・トレンド...アジア「内需」とともに成長する我が国、持続的成長実現に向けたアジア・太平洋の枠組み アジア消費市場の拡大

アジア「内需」とともに成長する我が国、持続的成長実現に向けたアジア・太平洋の枠組み

2010 White Paper on International Economy and Trade188

第 2章 アジア消費市場の拡大 〜良質な市場へ向けて

(2)消費マインドの回復世界経済危機は、アジア各国・地域の輸出減少、生産・雇用調整を通じて、アジア消費にも大きく影響を及ぼしている。アジア各国の消費信頼感指数は、2007

年後半から大きく落ち込んだ(第2-3-1-9図)。しかし、その後アジアでは、景気刺激策の効果や今後の成長期待から、2009年に入り、各国の消費信頼感指数は回復している。すでにインドネシアや韓国で

は、世界経済危機以前の水準を上回るまでに回復している。また、アジア各国の家計支出をみても、2008

年後半から前年同月比でマイナスに転じた国が多いが、2009年後半からは、韓国、インドネシア、タイ等で回復しつつある(第2-3-1-10図)。このように、アジア消費は世界経済危機の影響からいち早く回復し、さらなる拡大に向けて動き出している。

第2-3-1-10図 �各国の家計支出(前年同月比)の推移

-30

-20

-10

0

10

20

30

40

121110987654321121110987654321121110987654321

200920082007

中国 インドネシア 日本韓国 マレーシア シンガポールタイ

資料:CEIC Databaseから作成。

(前年同月比)

第2-3-1-9図 �各国の消費信頼感指数の推移

85

90

95

100

105

50

60

70

80

90

100

110

120

130(2007年1月=100) (2007年1月=100)

資料:CEIC databaseから作成。

インドネシア中国(右軸)

日本タイ(右軸)

(年月)121110987654321 121110987654321 121110987654321 321

2008 2009 20102007

(1)アジアの消費トレンド経済産業省では、日系企業のアジアのボリューム

ゾーン獲得支援を目的に、平成21年3月に「アジア消費トレンドマップ」2を作成し、拡大するアジアの中間所得者層の消費実態調査を行った。本調査では、消費トレンドの発信地として、アジアの4都市(香港、シンガポール、バンコク、ムンバイ)を指定し、20~30代の中間所得者層を対象に、衣・食・住・移動・娯楽の各分野でどのような消費実態がみられるかを調査した 3。

(a)アジア消費トレンドの現状アジアの都市中間層では、全体として経済成長に伴う消費生活の現代化が進んでおり、更なる成熟への希求がみられた。例えば、ファッション・美容にお金を

かけると答えた消費者は全ての都市において6割を超えており、食の分野でも多少高くても料理には良い食材を使うと答えた消費者は7割を超えていた(第2-3-

2-1図)。携帯、PC、デジタルカメラ、白物家電などの家電製品も普及が進み、調査対象の中間層以上では8割を超えて普及していることがわかった。デジタル機器に関しては、機能を絞り込み、価格を抑えた機種が受容されていることが分かった。

(b)更なるマーケティング&プロモーションの必要性日本製品の置かれた現状についてみると、調査対象の都市全てにおいて、品質、信頼感、技術力が優れているというポジティブなイメージが抱かれている(第2-3-2-2表)。注目すべきは、品質や技術に次いで評価されている項目として、「現代的」、「デザインがよい」

2 アジアの消費実態・トレンド

2 詳細については経済産業省Webサイトを参照(http://www.meti.go.jp/report/data/g100329aj.html)。3 調査設計は二段階に分けられ、第一に、生活環境・価値観を示す商品の写真撮影による実態情報と意識項目の調査により、生活環境全般及びライフスタイルの把握と消費傾向の分析を行うフォトダイアリー調査と、第二に、代表的な消費者像と見込まれる消費者に焦点をあて、フォトダイアリーで得られた消費性向の背景、価値意識などをより精査な消費実態、嗜好、価値観などを明らかにするフォーカスグループインタビュー調査(FGI調査)を行った。その上で、衣・食・住・移動・娯楽分野における各国の消費傾向をグラフにプロットし、各都市の消費者がどのような嗜好に基づいて消費を行っているかの相対的関係を示すマップを作成した。

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アジア「内需」とともに成長する我が国、持続的成長実現に向けたアジア・太平洋の枠組み アジア消費市場の拡大 〜良質な市場へ向けて 第3節

通商白書 2010 189

第2章

など感性的イメージが挙げられる点であり、これらを付加価値に変換した商品作りが求められている。また、日本製品に対する選択肢の豊富さや消費の楽しさを喚起しているといった評価も高く、様々なラインナップから自分の好みで選べることが大きな強みとなっている。他方で、日本製品は価格が高いというイメージが強く、価格に見合う価値をアピールできていない点が見い出された。例えば家電製品では、消費者の求める機能と製品にミスマッチが生じている可能性がある。また、そもそも日本製品の情報が不足しており、アジアの消費者から日本製品のイメージそのものが持たれていないケースもみられた。例えば、インドでは「日本について知っていることが一つもない」との回答が30%に達するなど、日本のファッションや食分野への接触機会が少なく、有効なプロモーションが行われて

いない可能性がある(第2-3-2-3図)。

(c)日本製品のチャンスと課題前述のとおり、日本製品は「品質」、「信頼感」、「技

第2-3-2-1図 �アジアにおけるライフスタイル意識項目

65.0

77.5

82.5

62.0

58.0

80.0

84.0

76.0

54.0

76.076.0

54.0

76.0

62.0

88.0

42.0

72.0

92.0

82.0

76.0

40

60

80

100

全体シンガポールインド

タイ香港

国内ブランドより海外ブランドが好き

ファッション・美容/着るものにはお金をかける

多少高くても料理には良い材料を使う

クルマにはこだわりがある

(%)

資料:経済産業省「平成21年度アジア消費トレンド研究会報告書」から作成。

第2-3-2-3図 �日本について知っていることが一つもないとの回答率

220

30

0

40

インド香港シンガポールタイ

(%)

資料:経済産業省「平成21年度アジア消費トレンド研究会報告書」から作成。

第2-3-2-2表 �アジアにおける日本製品のイメージ

n数 1 2 3 4 5 6

全体 200 品質が良い78.5

信頼できる65.5

技術力がある/高い56.5

デザインが良い54.5

現代的50.5

価格が高い42.0

タイ 50 品質が良い74.0

技術力がある/高い56.0

現代的52.0

信頼できる46.0

価格が高い36.0

デザインが良い32.0

シンガポール 50 品質が良い82.0

信頼できる80.0

技術力がある/高い74.0

価格が高い66.0

デザインが良い62.0

壊れにくい54.0

香港 50 品質が良い88.0

信頼できる80.0

デザインが良い78.0

多機能74.0

技術力がある/高い68.0

最先端66.0

インド 50 品質が良い70.0

信頼できる56.0

使う人のことを考えている48.0

高級感がある48.0

デザインが良い46.0

現代的42.0

資料:経済産業省「平成21年度アジア消費トレンド研究会報告書」から作成。

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アジア「内需」とともに成長する我が国、持続的成長実現に向けたアジア・太平洋の枠組み

2010 White Paper on International Economy and Trade190

第 2章 アジア消費市場の拡大 〜良質な市場へ向けて

術力」といった項目において評価が高く、次いで「デザインがよい」、「オシャレ」、「かっこいい」、「かわいい」等のイメージが持たれている。特に品質が安定しない製品やサービスがまだまだ多いアジア諸国においては、信頼感や安心感は、日本における以上に価値あるイメージとなっている。また、コンパクトに工夫された製品は日本のイメージとうまく合致しており、ライフスタイルの都市化が進むアジアの消費者に高評価を得ている。他方で多機能・高機能で価格が高くなるよりも、むしろ「適度な機能と価値に見合った価格」が望まれていることが伺えた。例えば韓国製品は、求められる機能を絞り込み、価格を押さえ積極的なプロモーションでシェアを急激に伸ばしている(第2-3-2-4図)。特に、香港、バンコク、シンガポールでは、韓国文化・製品の浸透が急激に進んでいる。音楽、アイドル、ドラマなどコンテンツ領域では日本を大きく上回る浸透がみられた。こうした状況はコンテンツ分野だけでなく、テレビドラマの中でみられる韓国製のファッションや携帯電話などの消費を促していると推測される。コンテンツや日本のライフスタイル、ブランドイメージをうまくプロモーションに組み込むことで他の分野の消費につながる可能性が高い(第2-3-2-5

表)。

(2)耐久消費財の消費動向製品ごとの消費状況を国・地域別にみると、液晶テレビやノートブックPC等、2008年の欧米での消費需要は依然として大きい(第2-3-2-6図)。しかし、2014年の消費需要予測(乗用車については2015年)をみると、中国、アジアの消費需要は欧米に匹敵するほど高く、アジア市場の存在感のさらなる高まりが見込まれている。なお、ルームエアコンや洗濯機といった家電製品については、既に2008年において、中国やその他アジアの消費需要が大きく、アジア消費市場の存在感が高まっている。液晶テレビやパソコン等については、既に製造拠点

が中国等のアジア新興国に移転しており、自動車についても、現地で販売するものについては、現地で生産するなど、市場の拡大に応じて、生産・販売拠点のアジア新興国地域へのシフトが進められている。さらに、近年では、現地市場向けに家電製品等の製品設計

を行うなど、研究開発拠点をアジアに設置する動きもみられている。

第2-3-2-4図 �アジア消費トレンドマップ・グループインタビュー発言の一部

「サムソン製は家で使っているが、サムソン製のほうがプロモーションがよい。日本のものよりもプロモーションが良ければ、韓国のものを買う。」(シンガポール女性)「携帯電話ではサムソン製も安いので好き。サムソン製で狙っているものは、800万画素のカメラつきの携帯電話。カメラ重視で購入する。」(バンコク男性)

資料:経済産業省「平成21年度アジア消費トレンド研究会報告書」から作成。

グループインタビュー発言より

第2-3-2-5表 �各都市における衣食住、乗用車バイク等、娯楽(コンテンツ)における日本ものの浸透度等

衣・日本のファッションの浸透度は、香港>シンガポール・バンコク>ムン

バイ。・香港では日本のファッション誌が読まれており、実際の洋服にも接触有

り。シンガポール以下では情報は少ない。少数の日本のテレビ番組などで接する断片的な情報からイメージ。むしろ韓国ファッションの方が浸透。

・一部、日本ファッションの情報が非常に先端的、尖鋭的なものに偏り、「過激すぎる」「極端すぎる」といったイメージあり。ボリュームゾーン向けのファッション情報発信が必要。

食・4都市ともに、目新しさや見た目の華やかさへの期待から、家庭内でも

外国料理を取り入れ出している様子。・重視されている要素としては、香港→食の安全性、シンガポール→味と

簡便性、ムンバイ→味、バンコク→健康、美容・ムンバイ以外の3都市では、日本製品は広く出回っており、品質の高さ、

安全性への信頼、味の良さなどの好イメージ。・ムンバイでは日本製品の認知度が低い。住・4都市ともに、日本の家電製品は幅広く浸透し、イメージも高い。・最も評価されているのは“きちんと品質管理されて作られている”とい

う品質への信頼感。デザインがよい、オシャレ、かっこいい、かわいい等といったイメージも高評価。

・一方、日本製の住宅機器は認知が不十分。あまりブランドが意識されていない分野。

・ムンバイを除くと、日本に似た住環境であり、日本の住宅機器のコンパクトさと、信頼性をうまくアピールすれば、受容性は大きい可能性。

移動①(携帯)・香港>シンガポール>バンコク>ムンバイの順でハイスペックなものが

求められている。・目新しさ、デザインのかっこよさは共通して重視。・日本製品は、シンガポールでは先進的なイメージが持たれているが、香

港ではむしろ台湾・韓国などより遅れているイメージ。バンコクやムンバイでは情報自体が少ない。

移動②(車・バイク)・ムンバイではステータス感がかなり意識されているが、他の都市では実

用性重視。・4都市ともに、日本の車・バイクに対するイメージは高い。技術力の高

さや燃費の良さ、耐久性への評価。・付加価値としては、運転をサポートしたりアメニティを高めたりといっ

た実利的な方向への関心あり。・エコカーや運転サポート機能に対する興味は高いものの、実際の購入・

利用に対してはコスト面に関心。娯楽(コンテンツ)・日本のコンテンツの浸透度は、香港>シンガポール・バンコク>ムンバ

イ。・最も浸透している日本コンテンツはゲームとアニメ。ともに、日本のも

のはクオリティが高く深みもあると評価が高い。・日本のものより韓国のテレビ番組や音楽、タレントがポピュラー。

資料:経済産業省「平成21年度アジア消費トレンド研究会報告書」から作成。

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アジア「内需」とともに成長する我が国、持続的成長実現に向けたアジア・太平洋の枠組み アジア消費市場の拡大 〜良質な市場へ向けて 第3節

通商白書 2010 191

第2章

アジア新興国における、消費需要の高まりは、携帯電話、パソコン等の耐久消費財の普及率からも予想することができる(第2-3-2-7表)。特に、巨大な人口を抱える中国、インド、インドネシア等では、携帯電

話、パソコン、乗用車等の普及率が、我が国等の先進国と比較すると低い。今後の普及率の高まりを考慮すると、アジア消費市場の拡大が期待できる。

第2-3-2-6図 �製品別の各国・地域の消費需要

携帯電話(UMTS)

50,000

100,000

150,000

200,000

250,000

液晶テレビ(LCD-TV)

0

0

5,000

10,000

15,000

20,000

25,000

30,000

35,000

40,000

45,000

50,000

その他欧州中南米北米アジア中国日本

その他欧州中南米北米アジア中国日本

その他欧州中南米北米アジア中国日本 その他欧州中南米北米アジア中国日本

その他欧州中南米北米アジア中国日本 その他欧州中南米北米アジア中国日本

2008年 2014年(予測) 2008年 2014年(予測) 2008年 2014年(予測)

2008年 2014年(予測) 2008年 2015年(予測) 2008年 2014年(予測)

(千台)

(千台)

ルームエアコン

0

10,000

20,000

30,000

40,000

50,000

60,000(千台)ノートブックPC

0

10,000

20,000

30,000

40,000

50,000

60,000

70,000(千台)

洗濯機

0

5,000

10,000

15,000

20,000

25,000(千台)自動車

0

5,000

10,000

15,000

20,000

25,000

30,000

資料:FOURIN「世界自動車統計年刊」から作成。

(千台)

資料:Euromonitor International 2010 から作成。 資料:Euromonitor International 2010 から作成。資料:Euromonitor International 2010 から作成。

資料:Euromonitor International 2010 から作成。資料:富士通キメラ総研「ワールドワイドエレクトロニクス市場総調査」から作成。

第2-3-2-7表 �アジア各国・地域の耐久消費財普及率世帯当たり

人口(百万人) 携帯電話 年 パソコン 年 乗用車 年 テレビ 年日本 127.7 86.4 (2008) 40.7 (2003) 44.1 (2004) 99.0 (2004)韓国 48.6 93.8 (2008) 57.6 (2007) 24.0 (2006) ―中国 1,327.7 47.8 (2008) 5.7 (2006) 1.8 (2006) ―香港 7.0 163.0 (2008) 68.6 (2007) 5.2 (2006) 99.0 (2007)シンガポール 4.7 131.7 (2008) 74.3 (2007) 10.5 (2006) 98.6 (2002)マレーシア 27.3 100.5 (2008) 23.1 (2006) 22.5 (2003) ―タイ 66.4 118.0 (2007) 6.7 (2005) 5.4 (2003) ―インドネシア 228.6 61.6 (2008) 2.0 (2006) 1.2 (1996) 65.4 (2004)フィリピン 90.5 75.4 (2008) 7.2 (2006) 0.9 (2005) 63.1 (2003)ベトナム 86.2 81.2 (2008) 9.6 (2006) ― 70.0 (2002)カンボジア 13.7 28.8 (2008) 0.4 (2007) 2.5 (2001) 55.2 (2005)インド 1,186.3 30.4 (2008) 3.3 (2007) 0.8 (2003) 45.9 (2006)オーストラリア 21.6 103.5 (2008) 60.3 (2003) 54.2 (2005) ―ニュージーランド 4.3 108.2 (2008) 52.6 (2006) 60.9 (2006) 98.5 (2007)

備考:人口は2008年、携帯電話、パソコン、乗用車は100人当たりの保有台数、テレビは、100世帯当たりの保有台数。資料:IMF「World Economic Outlook」、世銀「World Development Indicators 2009」から作成。

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アジア「内需」とともに成長する我が国、持続的成長実現に向けたアジア・太平洋の枠組み

2010 White Paper on International Economy and Trade192

第 2章 アジア消費市場の拡大 〜良質な市場へ向けて

(3)アジア各国のサービス支出動向アジア各国で耐久消費財の普及率が高まる中で、

サービスについても支出が増えている。1998年から2008年の10年間に、アジア全体のサービス支出は1.6

倍に増えており、今後10年間でさらに2倍増え、2018

年には7.5兆ドルに近づくことが予測されている。(第2-3-2-8図)サービス支出の家計消費に占める割合についても増加しており、中国、インドでは家計消費の4

割程度をサービス支出が占めている(第2-3-2-9図)。

アジア新興国におけるサービス支出の中身をみると、それぞれ異なる特徴を持っている。中国では情報通信、タイ、インド等では旅行、インドネシアでは教育が、サービス支出のうち最も支出額の多い分野となっている(第2-3-2-10図)。いずれの分野も2000年から2008年にかけて支出が

拡大している。アジア新興国ではサービス需要が拡大すると同時に、求められるサービスの質も向上すると考えられる。

第2-3-2-8図 �アジア各国・地域のサービス支出の実績・予測

0

1

2

3

4

5

6

7

8

1998 2008 2018 (年)

NIEs3豪州・ニュージーランドインドASEAN中国日本

(兆ドル)

資料:Euromonitor International 2010から作成。

第2-3-2-9図 �中国、インド、インドネシア、タイのサービス支出及び家計支出に占めるサービス支出の割合

18.4

40.9

27.3

39.7

14.9

32.929.2

34.1

7,000

6,000

5,000

4,000

3,000

2,000

1,000

0

1990年

2008年

1990年

2008年

1990年

2008年

1990年

2008年

タイインドネシアインド中国

45

40

35

30

25

20

15

10

5

0

サービス支出額家計支出に占めるサービス支出の割合(右目盛)(億ドル)

資料:EUROMONITOR「World Consumer Spending 2009/2010」   から作成。

(%)