技術ロードマップの作成と利用 - staff · 1 no.3...
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No.3技術ロードマップの作成と利用
関根重幸産業技術総合研究所 企画本部 戦略経営室[email protected]
科目No.GT512科目名 『社会技術革新特論』副題 「イノベーション技術の創造と社会受容」
2009年10月14日知の市場
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目次
1.技術ロードマップとは2.ポートフォリオとは3.技術ロードマップの3つの役割4.エントリーマーケット5.デメリット6.まとめ
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プロジェクトの目標に向かって効率的に行動する(させる)ためのツールの1つ。関係者間の意思疎通の効率化に利用。
技術ロードマップとは
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ロードマップの役割
「戦略を考える」の真下には「ロードマップ」はこない。上流や下流で利用。
事業を考える 戦略を考える 戦略を実施する
シナリオプランニングロードマップ進捗管理
ロードマップ広報ツール
ステージゲート
未来予測
ポートフォリオ
ロードマップ情報整理
SWOT
ロードマップ企画と実施との意思疎通
ポートフォリオ
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経済省の技術戦略マップ
経済省の技術戦略マップは汎用!自社事業ロードマップの情報源の1つ
では、どんな情報が有ればいいのか?
技術戦略マップを机において眺めても自社のロードマップは書けない。まずは、ロードマップに描き込む情報を整理
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技術ロードマップって?
旅行の計画を立てることと対比させて考えてみましょう。
市販の地図を買いさえすれば、旅行に行くのに十分か?
一定の期限内にアクションを完結させる点で、旅行は事業プロジェクトと良い対比になる
不十分では、少し分析的に考えてみましょう
多分「ロードマップ」の名前の由来
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なぜ旅-----電話じゃダメ、実体験、会いたい、見たい Why
何をするのか(目的)-----業務、観光、非日常体験 What
日程を決める When
行き先を決める-----近所、近県、国内、海外 Where
交通手段を決める-----自動車、鉄道、航空機、船舶 How
同行者を決める Who
旅行を計画するときの基本要素を5W1Hで見ると
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なぜ旅何をするのか(目的)日程を決める行き先を決める交通手段を決める同行者を決める
なにで調べる?
旅行ガイド(本、web)宿泊ガイド(本、web)地図時刻表
何を調べる?
目的にあった行き先ホテル交通機関、経路スケジュール調整行程天気
あなたがもし旅するとしたら(1)
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何を作る
スケジュール表メンバー連絡先経路記入した地図
何を持って行く?
旅行ガイドスケジュール表行程表地図メンバー連絡先時刻表予約済みチケットお金(クレジットカード)着替え道具時計パスポート雨具
事前行動
施設予約交通切符ホテル予約現地通貨の用意道具の用意メンバーへの連絡保険に入る空港駐車場
あなたがもし旅するとしたら(2)
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旅行と研究開発プロジェクトの対比
なぜ旅何をするのか(目的)日程を決める行き先を決める交通手段を決める同行者を決める
なにで調べる?
旅行ガイド(本、web)宿泊ガイド(本、web)地図時刻表
何を調べる?
目的にあった行き先ホテル交通機関、経路スケジュール調整行程天気
何を作る
スケジュール表メンバー連絡先経路記入した地図
何を持って行く?
旅行ガイドスケジュール表行程表地図メンバー連絡先時刻表予約済みチケットお金(クレジットカード)着替え道具時計パスポート雨具
事前行動
施設予約交通切符ホテル予約現地通貨の用意道具の用意メンバーへの連絡保険に入る空港駐車場
METI-MAP狭義の自社MAP
許認可リスク
社員
広義の自社MAPには全てを記述
VISION
マーケティング
リソース確認
知財
パートナー
設備
リスク
情報ソース
すなわち事業計画書になる
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広義のロードマップ
狭義のロードマップは進捗管理のチェックシート広義のロードマップは事業計画書そのもの
いずれにしても、ロードマップは、関係者間の意思疎通のためのツール
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METI技術戦略マップは情報源の一つ
ロードマップは関係者間の意思疎通ツール
METI技術戦略マップの関係者とは?企業、業界団体、行政、大学などの広い範囲
自社ロードマップの関係者とは?自社内のプロジェクト関係者
上記のように関係者が違うのだから、当然記入される内容も異なる
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同じ「戦略」と言うけれど
ここで1つ注意しましょう
METIの戦略とは「国内の企業や大学などは、出来るところは力を合わせて国際的に日本の産業の競争力を維持しましょう」
我が社の戦略とは「そうは言っても、商売ですから自分の利益を確保できることがまず第一です。」
このことが念頭にないと、METIのマップの良さがわからなくなります
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現実のプロジェクト立案
旅行の例えだけでは抽象的すぎるので、もう少し現実のロードマップ作成過程を考えてみましょう。
社内プロジェクトを立案するときにロードマップを使うことで関係者間の意思疎通を正確かつ迅速に進める。
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プロジェクトの目的
外部の情報 内部の情報
プロジェクト案(複数オプション)
プロジェクト選定
事前準備(リソース確保)
プロジェクト実施
プロジェクト中間評価
外部の情報マーケティング法規制標準規格ライバル
内部の情報技術(ノウハウ)知財リソース(人、設備)
プロジェクト案ロードマップポートフォリオリスク評価事業性評価
PLAN
DO
CHECK
VISION
このようなプロセスの中でロードマップを仕上げていく
プロジェクト立案の流れ
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ロードマップ図表例について(1)
ここまでにあげたロードマップ図表例はいずれも自社戦略について書かれたモノではない。
ーある程度信頼できそうな技術予測ー裏にある自社戦略を有利に導くための公表資料ー工程管理
などである。
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ロードマップ図表例について(2)
自社戦略のロードマップには、例えば次のような情報が描き込まれているはず。
ーライバル製品の動向予測ーリソース投入計画(資金、人員、設備など)ープロジェクトを中断するときの条件
(達成目標、ライバル動向、リソース超過)ーリスクなど
残念ながら例はお示しできません。
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戦略的なロードマップに必要な情報(例)
製品コンセプト
発売価格
発売時期ライバル
全て自社開発
開発コスト
開発チーム?
想定販売数
基本戦略
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目次
1.技術ロードマップとは
2.ポートフォリオとは
3.技術ロードマップの3つの役割4.エントリーマーケット5.デメリット6.まとめ
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外部の情報マーケティング法規制標準規格ライバル
内部の情報技術(ノウハウ)知財リソース(人、設備)
プロジェクト案ロードマップポートフォリオリスク評価事業性評価
プロジェクトの目的
外部の情報 内部の情報
プロジェクト案(複数オプション)
プロジェクト選定
事前準備(リソース確保)
プロジェクト実施
プロジェクト中間評価
PLAN
DO
CHECK
VISION
(再掲)プロジェクト立案の流れ
ポートフォリオとは?
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ポートフォリオとは?(1)
技術のポートフォリオ製品のポートフォリオ事業のポートフォリオ企業のポートフォリオ
というような、色々な階層が考えられる。
ポートフォリオとロードマップとは相補的なものあるいは、ロードマップ中の詳細図表の一部
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ポートフォリオとは?(2):軸の例
性能
価格
時間以外の軸を取った図表を指すことが多いなぜなら、時間軸のあるもの=ロードマップ
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ポートフォリオとは?(3):軸の例
製品ポートフォリオの軸の例
性能(大きさ、速さなどの物理量、製品寿命、消費電力)価格製造コスト開発コスト想定ユーザーの年齢層使用できる環境(温度、湿度、気圧、海外電源)互換性の高さ
自社製品の特徴を、他社製品との比較で表せる軸を選ぶ
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ポートフォリオとは?(3):軸の例
製品ポートフォリオの軸の例 (もう少し曖昧な軸)
自社知財の強さ標準・規格などへの適合度製品の魅力度ブランドイメージデザインの特徴扱いやすさ環境へのやさしさ生活空間とのマッチングリスク(安全、環境、
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乗用車タイヤの一般的ポートフォリオ
プレミアム
スポーツ(路面グリップ)静粛性、乗り心地
コストパフォーマンス
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乗用車の私見的ポートフォリオ
プレミアム
スポーツ
合理性経済性
ポルシェ
フェラーリ
ジャガーベンツ
BMW
コンパクト
セダンS
セダンA
ロールス
軽
ミニバン
コペンFD3S
ニッチ
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オートバイの私見的ポートフォリオ
趣味性実用性
オフロード
オンロード
原付スクーター
ビックスクーター
郵便新聞配達
軍用バイク
白バイ
ネイキッド
レーサーレプリカ
モトクロス
トライアル
ハンターカブ
ニッチ
価値観変化
アメリカン
モタード
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プロジェクトの目標に向かって効率的に行動する(させる)ためのツールの1つ。関係者間の意思疎通の効率化に利用。
あらためて、ロードマップとは
単に技術的な展望を示すものではなく、研究テーマ設定、研究の実施に必要な情報が整理されたものである。(未来予測だけでは不十分)
研究開発の進捗や、顧客、社会などからの要請により、臨機応変に更新するものである。
主に時間軸を横軸に書かれた図表を指すが、必要に応じ、技術テーマの分類をしたポートフォリオなども含めてロードマップという言葉が使われる。
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くどいようですが、
ロードマップは、意志疎通のためのツールであるから、ビジョンや戦略そのものではない。言い換えれば、ビジョンや戦略なしに作成されたロードマップには、ほとんど価値がない。
Q:では、どの範囲のコミュニケーションに使うの?
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目次
1.技術ロードマップとは2.ポートフォリオとは
3.技術ロードマップの3つの役割
4.エントリーマーケット5.デメリット6.まとめ
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・技術ロードマップ作成においては、作成参加者の参加意識の向上、参加者間でのアウトプットイメージの共有などの意味で、その役割・目的(=使われ方)を明確に打ち出すことが不可欠である。
技術RMの役割(作成目的)を明確に
技術ロードマップの3つの役割
=意思疎通する範囲の明確化
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目的による3タイプ
目的が違うのだから、見る人も違う
戦略型
広報型 戦術型
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・組織のビジョンを達成するための道筋や、プロジェクトのゴールまでの道筋を、要素技術を盛り込みながら、数枚の図表でわかりやすく示すものである。
・この中では、例えば、競合技術のある研究開発テーマの選択を決定するマイルストーンなどが描き込まれる。
・技術以外の要素(社会、市場、法規制など)も書き込む。
・つまり、ビジネスモデルそのものを記述したロードマップであり、経営者と事業部や研究開発部隊との意思疎通のために用いられる。
戦略型ロードマップ
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・ご都合主義のシナリオではダメ
・都合の悪いこと(リスク)は、評価した上で記入
・自己優位とリスクを検討した上で、ビジョン達成のためのオプションが書き込まれるべき
・世界NO.1でないなら、デファクトを主たるオプションとしない
戦略型ロードマップの価値
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・ある技術群が発達してできる社会の未来像(ビジョン)を広く社会に示すことで、技術開発にかかわる産業界、政策や社会そのものなどの方向性の合意を形成しようとするロードマップである。
・デファクト戦略と連動することで効果を発揮
・公的機関の技術ロードマップ (協調の誘導が目的)補助金や規制などの政策との連動で効果を発揮
広報型ロードマップ
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・プロジェクトマネージメントのツールとして存在するもの。
・プロジェクトの目標、中間のマイルストーン、それらへの達成時期、競合関係、連携関係やアウトプットの受取手などが明快に整理されたもの。
・プロジェクトごとに作成されるが、社内統一フォーマットとし、マネージメント担当者が、多くの並行プロジェクトを俯瞰的に見渡すことを可能にする。
戦術型ロードマップ
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2004 2005 200607-09 2010-
技術名関連商品名
膜圧制御技術
膜圧 10μmσ=1μm
10μm σ=0.1μmES作成速度1000枚/日
膜圧 5μm σ=0.1μm
07 08 09 10 11
ES04MS05
ES08MS(09)
エッチング技術
ES06MS
T装置との連動ES05
商品A(06-10発売)
リソ技術
商品B
商品C
商品A
商品C
商品A…(X大学へ委託)
ES04MS05
S社より装置購入
処理速度……
○○部○○グループ 研究計画
左側に要素技術
右側に製品
四角内にマイルストーン
ES:エンジニアリングサンプルの達成時期。MS:大量生産の達成可能時期全てのグループで、統一の規格で表を作成
グループの表を統合し、右側の商品名で表をソートすれば、その商品の実用化に必要な要素技術全てが網羅されていること
全社の全プロジェクトが同じフォーマットで書かれている
戦術型の例(架空)
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・それぞれの目的に合わせて、最適な書きぶりがある
・汎用型という意識で作成せず、専用とする事が大切である
・最初に自社のビジネスモデルを正確に表現した戦略型ロードマップを作成
・その中から、広報型ロードマップを切り出して、外部環境を自社ビジネスに有利な方向に導く
汎用型ではダメ(1)
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・一方、ビジネス(研究開発プロジェクト等も)を管理する戦術型RMは、戦略型RMを実行するのに必要な、全ての項目を網羅し、そして、必ず管理者が俯瞰できる様式で作成する。
・戦術型ロードマップの進捗状況は、ステージ・ゲート方式等によってモニタリングするのが、管理者側、実施者側のいずれからの立場にも納得されやすい。
汎用型ではダメ(2)
戦略型
広報型 戦術型
ダメ
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・企業における戦略型ロードマップでは、達成すべき目標(ビジョン)の設定と合意が、暗黙のうちになされている場合がほとんどである。つまり、目標は、自らの規模に照らし合わせた利益であり、条件は投資規模などに関する過去の経験値など。
・そうした企業でも、社会貢献のロードマップのように、本来の存在目的以外のプロジェクトでは、公的機関のケースと同様で、目的や対象が不明確になる。
ロードマップはビジョン無しには作れない
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・技術ロードマップ作成への研究者・技術者の参加意識を高めるためには、そのプロセスを正当な業務の一環として位置付け、できあがったロードマップをオーサライズする必要がある。
・そのため、技術ロードマップ作成の責任者としては、組織のトップ(事業部長や研究所長)あるいはそれに順ずるクラスの管理者を位置付けることが重要である。決してボランティア的な扱いをしないことで、意義あるロードマップとなり得る。
トップのコミットメントが重要
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・インタビュー調査から、技術ロードマップ作成への参加に対するインセンティブを分析すると、手当てなどの即物的なものではなく、その活動に参加者自身が見出す、「研究者・技術者としての視野を広げる」、「自らの意思・考え方を活動(組織やプロジェクト)の方向決定に反映させる」といった精神的なインセンティブが中心となっているようであった。民間の研究者は、広い見識を持つことを要求され、また、それに答えようとする風潮が感じられた。そのため、積極的な社内広報や、作成に必要なスキルの教育など、研究員が自ら参加へのインセンティブを見出すことのできる環境整備が重要である。
ロードマップ作成参加者のやる気
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・作成プロセスに参加することに意義があると言われてきたが、いまや、いかに有効に利用できるかが問われている。
・一般にロードマップは、作成者が利用者の一部ではあるが、全体ではない。
・作成者の都合を優先せず、無理にでも利用者の立場に立った様式での作成が必要である。
練習から実践の時代へ
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目次
1.技術ロードマップとは2.ポートフォリオとは3.技術ロードマップの3つの役割
4.エントリーマーケット
5.デメリット6.まとめ
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エントリーマーケット
「エントリーマーケット」とは「新規参入に適した市場」という意味。製造業におけるエントリーマーケットとして下記のような特徴を持つことが多い。
–市場規模(個数)が小さい。–高付加価値(高価格)商品。
自社製品の市場投入シナリオで、「エントリーマーケット」について検討し、必要に応じて戦略ロードマップに記載する。
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エントリーマーケットの特徴
●市場規模が小さく付加価値が高いマーケットとは?
・一部の少数ユーザーが高付加価値の商品を購入している状況にある。
・ユーザーニーズを取り込んでカスタマイズが求められることが多く、製品の検証、改善を行ないやすい。
・初期に大量生産のための大規模設備投資を必要とせず、生産規模を徐々に拡大していくことができる。
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エントリーマーケットの役割
・チャレンジングで、壮大すぎるターゲットを選定したがために、成果が生まれにくいケースが有る。
・この状況に陥らないために、大目標を掲げると同時にマイルストーンとしてエントリーマーケットを設定し、実際の成果を積み上げていくという形での研究開発・市場投入が必要である。
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ターゲットマップ
顧客不明
顧客想定可能
ニーズ確認済
パートナー有
ニーズの確度
実現時期1年後 3年後 5年後 10年後
MEMS用潤滑剤
OA機器用潤滑剤機械軸受用潤滑剤エントリー
低摩擦低摩耗抗酸化性
低摩擦低摩耗密着性
低摩擦低摩耗極薄密着性
エントリーマーケットから大きな市場へのシナリオ
(架空例)-潤滑剤-
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“Towards a European hydrogen energy roadmap”, HyNet, May 2004.
エントリーマーケットを記述した例
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顧客不明
顧客想定可能
ニーズ確認済
パートナー有
ニーズの確度
実現時期
1年後 3年後 5年後 10年後
最終目標
–ターゲットとしては最終目標よりも実現性が高く、ニーズ確度が高い、つまり最終目標よりも左下にマッピングされるものを選択する。
–また、どんなに実現性があっても、顧客不明のテーマは基本的には選択しない。
–最終目標に至るまでのターゲットには、なるべく最終目標に要求される性能・技術が含まれているものを選ぶ。
ターゲットマップ作成上のルール
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市場動向、政策動向から読みとれるニーズを整理する。見つけにくいニーズほど、ビジネスチャンスにつながるはず。
潜在的ニーズの発掘
高度な探索が必要
「コーヒーを持ってきてください」
「のどが渇いたので飲み物をください」
具体性
「あの人はきっと1時間後にのどが渇くので手配しておこう」
「のどは渇いてませんか?」
ニーズの把握
wants
顕在化したニーズへの対応
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目次
1.技術ロードマップとは2.ポートフォリオとは3.技術ロードマップの3つの役割4.エントリーマーケット
5.デメリット
6.まとめ
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注意:ロードマップ悪循環のストーリー
戦略性が高い
機密性が高くなる
公開範囲が狭くなる
公開原則で作成
戦略性が低くなる
重要性が低くなる
意思疎通が困難
このジレンマは必ず存在するので、作成前に利用範囲を想定すること。
=使えないRM
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注意:ロードマップの功罪(私案)
国際的
功
罪
publicの度合い
社内 国家レベルナショプロ業界 コンソ内
人類の繁栄への貢献
効率の向上戦略の浸透etc
過剰秘密主義による孤立化
国内の意思統一(産学連携、企業間連携)重複の排除
足並みの統一
秘密保持の困難
非参加者の有利性(情報提供なしに、ライバルの情報を得る)
海外への情報流出
ぬけがけサブマリン特許
分野融合
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注意:ありがちなロードマップ作成上の問題・課題
(1)「技術」が発想の出発点になってしまっている。研究者がロードマップを作成すると、テーマ選定はどうしても「アプリケーション」からではなく「技術」から決められることとなり、技術のEXIT意識が乏しく、製品への貢献度が高まってこないという結果に陥っている。
(2)現実的なステップを想定できていない。研究者は往々にして「現実的であること」よりも「チャレンジングなテーマであること」を好んで選択する。それ自体は決して悪いことではないのだが、重要な点は、そのテーマで「研究の現実的なステップが想定できるかどうか」ということにある。大きな目標を掲げては見たものの、いつまでたっても実現できないという状況がしばしば見られる。
(3)マーケティングで出てくる課題は卑近か非現実的顧客(消費者)の意見から、革新的なテーマは出てこないと考えられる。また、そのテーマは競合相手にも伝わっていると想定すること。
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目次
1.技術ロードマップとは2.ポートフォリオとは3.技術ロードマップの3つの役割4.エントリーマーケット5.デメリット
6.まとめ
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まとめ
1.プロジェクトの目標に向かって効率的に行動する(させる)ためのツールの1つ。関係者間の意思疎通の効率化に利用。
2.ポートフォリオとロードマップとは相補的なものあるいは、ロードマップ中の詳細図表の一部
3.単に技術的な展望を示すものではなく、研究テーマ設定、研究の実施に必要な情報が整理されたものである。(未来予測だけでは不十分)
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まとめ
4.研究開発の進捗や、顧客、社会などからの要請により、臨機応変に更新するものである。
5.最初に自社のビジネスモデルを正確に表現した戦略型ロードマップを作成
6.トップのコミットメントが重要
7.作成者の都合を優先せず、無理にでも利用者の立場に立った様式での作成が必要
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まとめ
8.大目標を掲げると同時にマイルストーンとしてエントリーマーケットを設定し、実際の成果を積み上げていくという形での研究開発・市場投入が必要
9.技術ロードマップ作成の際、先ず、自身の研究開発テーマが、主演、助演のどちらの立場であるかを明確に自覚することが重要
10.デメリットを回避するよう運用