森林荒廃が洪水・河川環境に 及ぼす影響の解明とモデル化 · t1 33.9...
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1
森林荒廃が洪水・河川環境に森林荒廃が洪水・河川環境に及ぼす影響の解明とモデル化及ぼす影響の解明とモデル化
代表:筑波大学大学院生命環境科学研究科代表:筑波大学大学院生命環境科学研究科
恩田恩田 裕一裕一
H15 採択課題
日本の水資源は,人工林の水循環に多くを依存
わが国の森林の40%は人工林
材価の下落等により,多くの人工林は放置・荒廃
荒廃したヒノキ林の問題
濁水
表面流
表面侵食
下流
洪水洪水渇水流量の低下渇水流量の低下侵食土砂による濁水侵食土砂による濁水河川水温,水質,栄養塩の流出河川水温,水質,栄養塩の流出河川生態系への影響河川生態系への影響
降雨時に表面流の発生降雨時に表面流の発生
森林荒廃による流出の変化,河川環境への影響についての研究はほとんどない
所管する各省庁の利害に関わる問題
本研究プロジェクトのねらい
人工林の荒廃という人為的改変が将来の水循環,洪水発生,下流河川環境に与える影響等の予測のための観測,シミュレーションを行う
*異なったスケールでの現地観測*モデリングと現地観測のフィードバック
研究開発スケジュール 本書は,国や自治体の実務者,施策立案者にとって必ず役立つ本である.年々荒廃してゆく人工林を,いかに修復し,健全に維持・管理するか.本書で解説される実態調査と実証研究の成果は,その難題に対処する指針を与えてくれる.林斜面から河川流域までの水・土砂移動のメカニズムを解き明かす,初めての研究書.
■体裁=A5判・上製・カバー・240頁■定価 5,040円(本体 4,800円 + 税5%)■2008年10月17日■ISBN978-4-00-005463-8 C3061
2
源流域スケール(荒廃度,樹種の異なるところで3-4箇所)
流量測定地下水位測定出水時採水, 18O分析水温,DOC,水質測定
パーシャルフリューム
スケールを異にする入れ子型の観測流域
流域スケール(荒廃度,樹種の異なるところで1-2箇所)
流量測定出水時採水,18O分析
細粒土砂同位体分析水温,DOC,水質測定
プロットスケール(荒廃度,樹種の異なるところで3-4箇所)
流量測定土壌水分測定浸透能測定
プロットから河川まで各スケールでの水文過程の解明とそれらのスケールアップを行う
東京東京長野長野
愛知愛知三重三重
高知高知
調査流域の位置調査流域の位置
試験流域
・プロット,流域の水文観測(共通の項目について観測)
各流域ごとに個別のテーマ
・航空機レーザースキャナによる1m DEM・高解像度オルソ画像(20cm解像度)・ハイパースペクトル画像・土壌調査,森林調査等
パーシャルフリュームの設置作業 プロットタンク・ホースの設置作業
自動採水機(27台)
パーシャルフリューム(30台)
降雨サンプラー(7台) 斜面小プロット(19地点)
各サイトの観測機材の概要
0.5m2m
広葉樹林流域
カラマツ林流域
500m0
長野県伊那市(信州大学 手良沢山演習林)
N1N2
N3
N4
N5
N6
信州サイト東京都青梅市
東京サイト愛知県犬山市(東京大学愛知演習林)
愛知サイト
高知県高岡郡四万十町
高知サイト
三重県度会郡大紀町
三重サイト
500m0
T2
T3
T4
T5
T6
T1
500m0
A1A2
A3A4
500m0
凡例パーシャルフリューム
雨量計
上流域
K2
K3
K4
K1
K5
K6
K7
K8
下流域
500m0
各観測サイトの調査流域
M1
M3
M4M5
M7
M8
M6
M2
3
高知サイト
No. 流域面積 (ha) 流域の特徴
K1 1880 特大観測流域K2 45.3 広葉樹林大観測流域
K3 4.85 広葉樹林小観測流域
K4 1.95 スギ一斉林観測流域K5 55.7 ヒノキ一斉林大観測流域
K6 5.65 ヒノキ林小観測流域
K7 33.2 ヒノキ林観測流域K8 0.59 ヒノキ林小観測流域K9 6.2 ヒノキ林観測流域
三重サイト
No. 流域面積 (ha) 流域の特徴
M1 4.9 大観測流域M2 1.2 間伐ヒノキ林観測流域
M3 3.5 中観測流域
M4 0.1 ヒノキ林(林床植生あり)小観測流域M5 0.3 ヒノキ林(林床裸地化)小観測流域M8 0.2 広葉樹林 小観測流域
愛知サイト
東京サイト
No. 流域面積 (ha) 流域の特徴
A1 5 ヒノキ林観測流域A2 7.5 広葉樹林観測流域
A3 3 ヒノキ林小観測流域A4 3.5 広葉樹小観測流域
信州サイト
No. 流域面積 (ha) 流域の特徴
N1 37 大観測流域N2 25 ヒノキ 中観測流域
N3 3.5 ヒノキ 1969・1970植栽 小観測流域N4 4.7 ヒノキ 1974・1975植栽 小観測流域
N5 0.6 カラマツ林(50年生)観測流域N6 1.8 広葉樹林(41年生)観測流域
No. 流域面積 (ha) 流域の特徴
T1 33.9 大観測流域T2 7.83 中観測流域
T3 4 スギ大径木観測流域T4 0.62 スギ・ヒノキ林(育成林)小観測流域
T5 1.29 スギ・ヒノキ林 小観測流域T6 1.28 広葉樹林観測流域
観測流域の概要
基底流の水サンプルは月1回または洪水イベント直前に採取
洪水時の水サンプルは自動採水器で採取。
ただし、多くの場合,降雨イベント時には現地に赴き、採水器のセットなどを行う必要があった。ただ,1つの流域でも欠測となるとそのデータはつかえないものとなった。
観測初年度の2004年には観測機材が流出するなどの事態も起こった。
洪水イベントでの水サンプル採取
2004年の出水時に大破したパーシャル
このような状況でも、現地での降雨イベント観測を粘り強く進めてきた。
高知サイトヒノキ小流域 2004/08/30
高知サイト恩田(筑波大)撮影
洪水時の
水サンプル採取と
対象降雨イベント
長野サイトでは、2006年7月19日の長野県中部に災害をもたらした降雨イベントの洪水イベントを観測した。
各サイトの3時間降雨の回帰年と降雨量
1 1010
100
1. 2004/9/28
2. 2004/10/8
3. 2004/12/4
4. 2005/9/6
三重サイト
降雨の回帰年
降雨(mm)
1 1010
100
高知サイト
東京サイト
1 1010
100
信州サイト
1 1010
100
愛知サイト
1 1010
100
①
②
③④
①②
1. 2004/8/1
2. 2005/9/6
1. 2005/7/27
2. 2006/8/9
①
1. 2004/8/4
2. 2005/7/4
3. 2006/7/17①
②
①
②
1. 2004/9/27
2. 2004/10/8
降雨の回帰年
②
③
1 1010
100
1. 2004/9/28
2. 2004/10/8
3. 2004/12/4
4. 2005/9/6
三重サイト
降雨の回帰年
降雨(mm)
1 1010
100
1 1010
100
高知サイト
東京サイト
1 1010
100
1 1010
100
信州サイト
1 1010
100
愛知サイト
1 1010
100
1 1010
100
①
②
③④
①②
1. 2004/8/1
2. 2005/9/6
1. 2005/7/27
2. 2006/8/9
①
1. 2004/8/4
2. 2005/7/4
3. 2006/7/17①
②
①
②
1. 2004/9/27
2. 2004/10/8
降雨の回帰年
②
③
四万十市の浸水状況
水サンプルの採取状況
通常時、降雨、洪水サンプルなど合計で、4205本の水サンプル採取が行われ、分析されている。
高知サイト6イベント
1030サンプル三重サイト9イベント
1599サンプル
愛知サイト5イベント
317サンプル
東京サイト6イベント
638サンプル
長野サイト7イベント
621サンプル
各サイトで、2~3イベントで広葉樹とヒノキ林の水流出・水質を比較できるサンプルを採取している。
4
Suspended sediment, pH,EC, stream temperature
Anion (PO43-, F-, Cl-, NO2
-, Br-, NO3-, SO4
2-)
Cation (Li+, Na+, NH4+, K+, Mg2+, Ca2+)
Total Phosphorus, Total Nitrogen, DOC, UV-DOC
Fe, Mg, AI, Ca, Mn, Na, Si
δ18O, δD
水分析の項目筑波大学、国立環境研究所、アリゾナ州立大学にて分析
4205サンプルを分析(水質3000サンプル分析済: 同位体2000サンプル分析済)
プロット流出観測結果
最大1時間雨量:28mm総降雨量 :120mm
12/4/200412:00
12/5/20040:00
12/5/200412:00
0
1
2
3
4
5
0
1
2
3
4
5
0
1
2
3
4
5
流出率0.28
流出率0.41
流出率0.28
間伐ヒノキ林
荒廃ヒノキ林
広葉樹林
mm
/5 m
in
斜面プロット(0.5x2m)における表面流発生の一例
表面流
三重サイト五味・宮田(農工大)・小杉・サイドル(京大)
0 100 200 300 4000
10
20
30
40
50
広葉樹林
ヒノキ林スギ林
1:0.1
0 20 40 60 80 1000
5
10
15
20
25
カラマツ林
ヒノキ林(10年)ヒノキ林(30年)
0 20 40 60 80 1000
2
4
6
8
10
広葉樹
ヒノキ林スギ林
1:0.1
0 100 200 300 4000
20
40
60
80
100
広葉樹
裸地ヒノキ林
ヒノキ林 林床植生あり
1:0.1
信州サイト
三重サイト
高知サイト
東京サイト
表面
流出
量(m
m)
総降雨量(mm)
0 100 200 300 4000
10
20
30
40
50
広葉樹林
ヒノキ林スギ林
1:0.1
0 20 40 60 80 1000
5
10
15
20
25
カラマツ林
ヒノキ林(10年)ヒノキ林(30年)
0 20 40 60 80 1000
2
4
6
8
10
広葉樹
ヒノキ林スギ林
1:0.1
0 100 200 300 4000
20
40
60
80
100
広葉樹
裸地ヒノキ林
ヒノキ林 林床植生あり
1:0.1
信州サイト
三重サイト
高知サイト
東京サイト
表面
流出
量(m
m)
0 100 200 300 4000
10
20
30
40
50
広葉樹林
ヒノキ林スギ林
1:0.1
0 100 200 300 4000
10
20
30
40
50
広葉樹林
ヒノキ林スギ林
0 100 200 300 4000 100 200 300 4000
10
20
30
40
50
0
10
20
30
40
50
広葉樹林
ヒノキ林スギ林広葉樹林
ヒノキ林スギ林
1:0.1
0 20 40 60 80 1000
5
10
15
20
25
カラマツ林
ヒノキ林(10年)ヒノキ林(30年)
0 20 40 60 80 1000 20 40 60 80 1000
5
10
15
20
25
0
5
10
15
20
25
カラマツ林
ヒノキ林(10年)ヒノキ林(30年)
カラマツ林
ヒノキ林(10年)ヒノキ林(30年)
0 20 40 60 80 1000
2
4
6
8
10
広葉樹
ヒノキ林スギ林
0 20 40 60 80 1000
2
4
6
8
10
0 20 40 60 80 1000 20 40 60 80 1000
2
4
6
8
10
0
2
4
6
8
10
広葉樹
ヒノキ林スギ林広葉樹
ヒノキ林スギ林
1:0.1
0 100 200 300 4000
20
40
60
80
100
広葉樹
裸地ヒノキ林
ヒノキ林 林床植生あり
1:0.1
0 100 200 300 4000
20
40
60
80
100
0 100 200 300 4000 100 200 300 4000
20
40
60
80
100
0
20
40
60
80
100
広葉樹
裸地ヒノキ林
ヒノキ林 林床植生あり
広葉樹
裸地ヒノキ林
ヒノキ林 林床植生あり
1:0.1
信州サイト
三重サイト
高知サイト
東京サイト
表面
流出
量(m
m)
総降雨量(mm)
斜面プロット(0.5x2m)の表面流出量と降雨量の関係
ヒノキ林において流出がやや多いものの,広葉樹からの流出もみられた。
斜面長が異なるプロットでの表面流の発生
0 100 200 300 4000 100 200 300 4000
20
40
60
0 100 200 300 400
荒廃ヒノキ林 間伐されたヒノキ林 広葉樹林
小プロット大プロット
表面
流流
出量
(mm)
1:0.1
1:0.11:0.1
総降雨量 (mm)
三重サイトでは、大プロット(斜面長25m幅8m)と小プロット(斜面長2m幅0.5m)おいて表面流の観測を行った。
大プロットの観測では、ヒノキ林と広葉樹林の表面流の発生量に明らかな違いが確認された。
1.5~3倍 10倍4~8倍
三重サイト五味(農工大)・上野・サイドル(京大)
図3.2-5 斜面での表面流の連続性
浸透
渓流
表面流
浸透
表面流
林床が裸地化している場合(荒廃ヒノキ林)
林床植生のある場合
発生した表面流は斜面を連続的に流下し渓流へ流れ込む。
斜面の一部で表面流が発生するが、流下過程で地中に浸透する。
5
(Dekker & Ritsme, 2000)
土壌が水をはじく性質 = 土壌の撥水性
土壌有機物,腐植,菌類,微生物に起因
山火事跡地で顕著に見られる
ユーカリ林,マツ林でも強度の土壌撥水性
撥水性の影響 土壌撥水性の鉛直分布(下層植生無し)
Critical Surface Tension 試験(Willis and Horne, 1992)様々な濃度のエタノール水溶液の水滴を土壌表面に滴下し,水滴が5秒以内で浸
透する最小濃度の水溶液の表面張力を撥水性の指標とする試験
Ethanol concentration (%)0 10 20 30 40
Dep
th (c
m)
0
10
20
30
40
50
60
noneslight
moderatestrong very strong extreme
Severity rating of water repellency
Water content (cm3/cm3)0.10 0.12 0.14 0.16 0.18 0.20
Dep
th (c
m)
0
10
20
30
40
50
60
三重サイト宮田・小杉(京大)
降雨時の撥水性による水流出
三重サイト宮田・小杉(京大)
バイオマット
鉱質土壌
図3.2-6 東京サイトにおける管理放棄されたヒノキ林斜面下部のバイオマットに沿った水の流出万能ナイフの長さは約10 cm,根の直径は数mm以下
東京サイト寺嶋(京大)・平野(千葉大)
小流域観測結果
東京サイト
Total Rain: 21.2 mm
05/5/23 14:00
05/5/23 18:00
05/5/23 22:00
0
2
4
6
8
0.000
0.005
0.010
0.015
0.020
0.025
広葉樹
ヒノキ林
愛知サイト
Total Rain: 35.8mm
05/8/12 18:00
02468
10121416
05/8/12 12:00
05/8/12 14:00
05/8/12 16:00
0.000.050.100.150.200.250.300.35
広葉樹
ヒノキ林
04/08/30 12:00
04/08/31 0:00
04/08/31 12:00
04/09/01 0:00
0.000
0.001
0.002
0.003
0.004
0.005
Total Rain: 40.8 mm
広葉樹
ヒノキ林
0.00.51.01.52.02.53.0
長野サイト
降雨量(mm/5min)
流出量(mm/5min)
小規模な降雨イベントに対する各サイトの流出特性(小流域)
すべてのサイトにおいて,ヒノキ林流域で,より降雨に対して応答が早く,大きなピーク流出量を観測していた。
6
表面流
浅い地中流
深い地中流・岩盤湧水
新しい水
古い水
水質を用いた流出成分分離
水の同位体比を用いた流出成分分離
降雨がどのような経路を通過して河川へ流出したか?
降雨がどの程度流域内で滞留しているか?
岩盤
土壌
岩盤
土壌
赤
青
黄色
今回の雨(青)
以前に降った雨(黄色)
どこから?
いつ?
表面流
浅い地中流
深い地中流・岩盤湧水
新しい水
古い水
水質を用いた流出成分分離
水の同位体比を用いた流出成分分離
降雨がどのような経路を通過して河川へ流出したか?
降雨がどの程度流域内で滞留しているか?
岩盤
土壌
岩盤
土壌
赤
青
黄色
今回の雨(青)
以前に降った雨(黄色)
表面流
浅い地中流
深い地中流・岩盤湧水
新しい水
古い水
水質を用いた流出成分分離
水の同位体比を用いた流出成分分離
降雨がどのような経路を通過して河川へ流出したか?
降雨がどの程度流域内で滞留しているか?
岩盤
土壌
岩盤
土壌
赤
青
黄色
今回の雨(青)
以前に降った雨(黄色)
どこから?
いつ?
図3.3-1 新しい水と古い水
三重サイトおける「新しい水」成分の寄与
流出
量(m
m/3
0分)
流出成分の流出割合
2004/07/30 12:00
2004/07/31 0:00
2004/07/31 12:00
2004/08/01 0:00
0.00.20.40.60.81.0
流域2(間伐ヒノキ林)
流域4(ヒノキ林、林床植生あり)
流域5(荒廃ヒノキ林)
02468
10
0.00.20.40.60.81.0
0
10
20
3030分降雨(mm)
02468
10
02468
10
0.00.20.40.60.81.0
表面流流出寄与率:14.0%
表面流流出寄与率:34.5%
表面流流出寄与率:41.1%
最大時間雨量 32ミリ
総降雨量 235ミリ
三重サイト五味(農工大)・浅野(東大)
05/9/3 0:00
05/9/5 0:00
05/9/7 0:00
05/9/9 0:00
0
10
20
30
40
0
5
10
15
0
5
10
15
0
10
20
30
40
特大流域
(K1: 1880ha)
大流域ヒノキ林
(K7: 33.2ha)
大流域広葉樹林
(K2: 45.3ha)
流域
の流
出量
と新
しい
水成
分の
流出
量(m
m/h
our)
降雨量 (mm/hour)
新しい水成分
高知サイトにおける2005年9月5日台風14号時の水流出と「新しい水」成分の寄与
広葉樹林では、降雨に対応した新しい水成分が低い。
ヒノキ林流域では、降雨が強くなると新しい水成分の寄与が増大していた。
新しい水の割合がヒノキ林の方が広葉樹林より大きい!
高知サイト長嶺・平松(信大)浅井・恩田・水垣(筑大)・五味(農工大)
ピーク流出時における「新しい水」の寄与
高知サイト
(2005年9月5-7日)
総降雨量:646mm
最大時間雨量:31mm
長野サイト
(2005年7月4日)
総降雨量 87mm
最大時間雨量 8mm
愛知サイト
(2004年10月10日)
総降雨量: 181mm
最大時間雨量: 38mm
N4 (4.7 ha)
N6 (1.8 ha)
0.0
0.2
0.4
0.6
0.8
1.0
K7 (33.2ha)
K2 (45.3 ha)
A3 (3.0 ha)K4 (3.5 ha)
新し
い水
成分
の割
合
ヒノキ林小流域
広葉樹林小流域
高知サイト 愛知サイト 長野サイト
ヒノキ林大流域
広葉樹林大流域
ヒノキ林小流域
広葉樹林小流域
SiO2
2004/07/30 11:00
2004/07/30 23:00
2004/07/31 11:00
2004/07/31 23:00
0
5
10
15
0
10
20
30
2004/07/30 11:00
2004/07/30 23:00
2004/07/31 11:00
2004/07/31 23:00
0
1
2
3
4
5
6
0
1
2
3
4
5
6
0
1
2
3
4
5
6
0
5
10
15
M1
M2
M3
M4
M5
流域
の流
出(m
m) 濃
度(m
g l-1
)
降雨 (mm/h)
SiO2
2004/07/30 11:00
2004/07/30 23:00
2004/07/31 11:00
2004/07/31 23:00
2004/07/30 11:00
2004/07/30 23:00
2004/07/31 11:00
2004/07/31 23:00
0
5
10
15
0
5
10
15
0
10
20
30
0
10
20
30
2004/07/30 11:00
2004/07/30 23:00
2004/07/31 11:00
2004/07/31 23:00
2004/07/30 11:00
2004/07/30 23:00
2004/07/31 11:00
2004/07/31 23:00
0
1
2
3
4
5
6
0
1
2
3
4
5
6
0
1
2
3
4
5
6
0
1
2
3
4
5
6
0
1
2
3
4
5
6
0
1
2
3
4
5
6
0
1
2
3
4
5
6
0
5
10
15
0
5
10
15
M1
M2
M3
M4
M5
流域
の流
出(m
m) 濃
度(m
g l-1
)
降雨 (mm/h)
図3.3-5 2004年7月の降雨イベント中の,ハイエトグラフ,ハイドログラフ,シリカ濃度の変化.
三重サイト五味(農工大)・浅野(東大)・福島(筑波大)
0 1 2 3 4 5 6
0.0
0.2
0.4
0.6
0.8
1.0
1.2
1.4小プロット
降雨前渓流水
林内雨
シリカ濃度 (mg l-1)
カリ
ウム
濃度
(mg
l-1)
M1 M2 M3 M4 M5
降雨時渓流水
0 1 2 3 4 5 6
0.0
0.2
0.4
0.6
0.8
1.0
1.2
1.4
0.0
0.2
0.4
0.6
0.8
1.0
1.2
1.4小プロット
降雨前渓流水
林内雨
シリカ濃度 (mg l-1)
カリ
ウム
濃度
(mg
l-1)
M1 M2 M3 M4 M5
降雨時渓流水
M1 M2 M3 M4 M5
降雨時渓流水
エンドメンバーミキシング図
三重サイト五味(農工大)・浅野(東大)・福島(筑波大)
小プロットの水質成分を用い,ホートン地表流(表面流)成分を分離
7
0.0
0.2
0.4
0.6
0.8
1.0
0 1 2 3 4 5 6
0
50
100
M4
M5
M2M3
M1
M4
M5
M2 M3 M1
0 1 2 3 4 5 6
・V・オ・「・・・フ・・・・̂ヲ
・V・オ・「・・・フ・ャ・o・ハ(mm)
流域面積 (ha)
平均値
標準偏差値
流域面積と新しい水の寄与およびその量
三重サイト五味(農工大)・浅野(東大)・福島(筑波大)
流域スケールにより70%-35%流域スケールにより70%-35%
0 1 2 3 4 5 6
M4
M5
M2 M3 M1 M4
M5
M2 M3 M1
0
50
100
0.0
0.2
0.4
0.6
0.8
1.0
0 1 2 3 4 5 6
・z・[・g・・・・̂\・ハ・ャ・フ・・・・̂ヲ
・z・[・g・・・・̂\・ハ・ャ・フ・ャ・o・ハ(mm)
流域面積 (ha)
平均値
標準偏差値
流域面積とホートン型表面流の寄与およびその量
三重サイト五味(農工大)・浅野(東大)・福島(筑波大)
流域スケールにより40%-5%流域スケールにより40%-5%
まとめ
・林床が裸地化したヒノキ林の方が,一般的にプロット流出率は高い。特に斜面長の長いプロットでその傾向は顕著である。・林床が裸地化したヒノキ林においては,新しい水成分の寄与率が高く(40-50%),表面流が発生して
いる可能性が高い。・新しい水成分のうち,ホートン地表流の割合は,やや低い(5-40%)。
・ヒノキ林は,撥水性が高く,より表面流が発生しやすい条件にある。
河川環境への影響
濁水
表面流
表面侵食
下流
洪水洪水渇水流量の低下渇水流量の低下河川水温の上昇,河川水温の上昇,栄養塩の流出栄養塩の流出侵食土砂による濁水侵食土砂による濁水
降雨時に表面流の発生降雨時に表面流の発生
河川生態系への影響河川生態系への影響
浮遊砂の起源を推定する必要浮遊砂の起源を推定する必要
0
5
10
15
20
25
ヒノキ22 ヒノキ37 カラマツ 広葉樹
・y・・・N・H・ハ・it/ha・j
2005年
2006年
森林による0.5x2mのプロットにおける土壌侵食量の違い(2005年6~11月,2006年6~11月)
信州サイト金・北原(信大)
ガス態で拡散
侵食・堆積
大気降下
Cs-137(セシウム137)
•大気圏内核実験(人為起源核種)
•1950-60年代に降下
Pb-210(鉛210)
•土壌中ウラン238の壊変(地殻起源核種)•恒常的に降下
210Pb
222Rn
226Ra
222Rn
原位置生成成分(Supported Pb-210)
238U
大気降下成分(過剰Pb-210, 210Pbex )
210Pbex
137Cs
0 100 200 3000
5
10
15
20
25
30
Cs -137濃度 (Bq kg-1)
土壌表面からの深さ
(cm
)
0 500 1000 15000
5
10
15
20
25
30
Pb-210ex濃度 (Bq kg-1)
土壌表面からの深さ
(cm
)
Cs-137 Pb-210ex
100 200 300
s-137濃度 (Bq kg-1)
0 500 1000 15000
5
10
15
20
25
30
Pb-210ex濃度 (Bq kg-1)
土壌表面からの深さ
(cm
)
Cs-137 Pb-210ex
放射性降下物セシウム137と鉛210の陸域での挙動と未かく乱土壌での深度分布
三重サイト福山(金沢大)・恩田(筑大)
8
6
5
4
3
21
標高 (m)
Cs-137濃度 (Bq kg-1)
土壌
の深
さ (c
m)
0 100 200 3000
10
20
30
0.3 t ha-1 y-12784 Bq m-2
2.1 t ha-1 y-1
2.0 t ha-1 y-1
1666 Bq m-2
1586 Bq m-2
1.4 t ha-1 y-12071 Bq m-2
2.9 t ha-1 y-11128 Bq m-2
3.7 t ha-1 y-1611 Bq m-2
1
2
3
4
5
6
セシウム137の深度分布と侵食土砂量の平面分布グラフ右上の番号は採取地点を,数値はそれぞれセシウム137の現存量と侵食速度を表す.
三重サイト福山(金沢大)・恩田(筑大)
0
20
40
60
80
100
10 15 20 25 30・・̂・・ャ・o・ノ・ホ・キ・・・\・ハ・ャ・フ・・・・̂ヲ
・i・ェ・z・・̂ャ・o・・・f・・・ノ・・・・・v・Z・l・j(%)
相対照度 5%以上の面積割合 (%)
0
20
40
60
80
100
10 15 20 25 30・J・・・E・・・ナ・ャ・ェ・ェ・」・オ・ス・\・ハ・ャ・フ
・・・・̂ヲ・i4・C・x・・・g・フ・ス・マ・j(%)
相対照度 5%以上の面積割合 (%)
0
20
40
60
80
100
10 15 20 25 30・k・ャ・・・フ・・・V・サ・ノ・ホ・キ・・・X・ム・\・y
・フ・・・・̂ヲ(%)
相対照度 5%以上の面積割合 (%)
森林荒廃の程度と水土砂流出との関係森林荒廃の程度と水土砂流出との関係
三重サイト五味(農工大)・福山(金沢大)・山本(名大)
表面流が発生しているところで表層から土砂が河川へ流入
分布型流出モデルによる表面流分布型流出モデルによる表面流
エンドメンバー分析による表面流エンドメンバー分析による表面流
Cs-137を用いた土壌表面起源の浮遊砂の比Cs-137を用いた土壌表面起源の浮遊砂の比
(上)浮遊土砂サンプラーの採取口(下)河床に設置したサンプラー
浮遊土砂サンプラーによる浮遊砂の採集
A
B
C
雨量計
浮遊砂サンプラー
土砂生産源
ヒノキ林床
作業道
高知サイトヒノキ林流域(K7)における主な土砂生産源と調査地点(A: ヒノキ林床,B: 作業道, C: 河岸側壁)
高知サイト水垣・古賀・恩田(筑大)・福山(金沢大)
降雨量と河川中の浮遊土砂に対する森林表土の割合
高知サイト水垣・古賀・恩田(筑大)・福山(金沢大)
ヒノキ林においては,浮遊砂の多くの部分が表層土起源
ヒノキ林においては,浮遊砂の多くの部分が表層土起源
DOC NO3-N DN DP SS愛知 93% 93% 94% 43% 97%高知 96% 90% 89% 77% 84%三重 94% 90% 90% 78% 99%
全負荷量に占める降雨イベント寄与分の割合
三重サイト朝・福島(筑大)
栄養塩もほとんどが,出水時に運搬!栄養塩もほとんどが,出水時に運搬!
9
まとめ
ヒノキ林において,土壌侵食が多い
Cs-137, Pb-210exを用いることで,浮遊砂の
起源推定が可能。四万十川上流域においては,林床からの寄与率は40-80% (高知)
表面流発生の多いところで,表層土砂が河川へ流亡 (三重)
荒廃したヒノキ林では,出水時に平常時より格段に高い栄養塩の流出がある
対象とするスケール
分布型流出モデル
TOPOTUBE
飽和・不飽和浸透モデル
タンクモデル
斜面 小流域 大流域
プロセスの把握
対象とするスケール
分布型流出モデル
TOPOTUBE
飽和・不飽和浸透モデル
タンクモデル
斜面 小流域 大流域
プロセスの把握
図3.4-1 異なるスケールを対象とした水文モデルのアプローチ
現地浸透能測定(林内雨と同様な雨滴衝撃を与える)
振動ノズル式散水装置左:実験プロット概況,右:ノズル部拡大写真.
特許出願済 この手法は,山口県森林環境税の評価にも使用されている
0
20
40
60
80
100
120
140
160
180
0
20
40
60
80
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120
140
160
180
0 5 10 15 20 25
Rain
fall(
mm
/h)
Infil
trat
ion
rate
(mm
/h)
Time(min)
Infiltration rate
Rainfall intensity
Infiltration rate
Rainfall intensity
図3 異なる被度区分の斜面における散水実験による浸透強度の変化.実験終了5分間の平均浸透強度を最終浸透能(FIR)とした.
三重サイト平岡・恩田(筑大)
0
25
50
75
100
125
150
0 25 50 75 100 125 150 175 200 225 250 275 300
最終
浸透
能(m
m/h)
降雨強度 (mm/h)
FIRmax=50 mm/h
FIRmax=100 mm/h
1 : 1
降雨強度最終浸透能の関係(田中・時岡, 2007)
最大最終浸透能が100mm/hでも,75mm/hの降雨の際に10mm程度の流出があることに注意!最大最終浸透能が100mm/hでも,75mm/hの降雨の際に10mm程度の流出があることに注意!
図-2 三重サイトの散水実験位置図
三重サイト平岡・恩田(筑波大)
10
y = 0.14 x - 15.65R²= 0.46
0
100
200
300
400
0 500 1000 1500 2000
・ナ・・・ナ・I・Z・ァ・\(mm/h)
林床被覆乾重 (g/m2)
y = 0.67 x + 38.89R²= 0.79
0
100
200
300
400
0 200 400 600
・ナ・・・ナ・I・Z・ァ・\(mm/h)
下層植生乾重 (g/m2)
(a) (b)
現地散水実験による(a)下層植生乾重b)林床被覆量と最大最終浸透能の関係
三重サイト平岡・恩田(筑波大)
0
100
200
300
400
最大
最終
浸透
能(m
m/h)
被度指標
r + 2 3 4 5
現地散水実験による被度指標と最大最終浸透能の関係
被度1にはプロットを設置していない.
三重サイト平岡・恩田(筑大)
少なくとも半分以上の被度がないと最大最終浸透能は50mm/hにすぎない!
少なくとも半分以上の被度がないと最大最終浸透能は50mm/hにすぎない!
被度指標 定義r ほぼ裸地+ 裸地化に近い状態であるが,下層植生が少し有(5 % 以下)1 下層植生が少なく,被度が10 % 以下2 下層植生が多い,または少ないが,被度が25 % 以下3 被度が25 – 50 %4 被度が50 – 75 %5 被度が75 – 100 %
ブラウン- ブランケ(1971)による林床被覆状況の被度区分
高知サイト
東京サイト
信州サイト
三重サイト愛知サイト
上流部 下流部
図3.4-8 三重サイトにおける林床植生被覆量の空間分布.緑色の箇所は植生量が多いメッシュをしめす.
三重サイト五味(農工大)・山本(名大)・野々田(三重林研)
航空機ライダーの透過率より林内照度の推定
航空機ライダーの透過率より林内照度の推定
既存のデータより,林内照度から下層植生量を推定
既存のデータより,林内照度から下層植生量を推定
下層植生量マップ
三重サイトにおける浸透能の空間分布.青色は流路を示す.
三重サイト五味(農工大)・サイドル(京大)山本(名大)
下層植生量より浸透能を推定
流出
量(m
m)
降雨
量(m
m)
04/07/30 04/07/31 04/08/01 04/08/02 04/08/03
0
10
20
30
0
5
10
15
0
2
4
6
8
10
12
2004年7月30~31日
総降雨量: 195.5 mm最大時間雨量: 31.2 mm
04/09/29 04/09/30 04/10/01
0
5
10
15
20
25
30
350
10
20
30
0
5
10
15
20
25
30
現状での計算値
実測値流域1(4.9 ha)
流域5(0.3 ha)
2004年9月29~30日
総降雨量: 322.2 mm最大時間雨量: 28.8 mm
相対照度2% <相対照度20% >
11
14 16 18 20 22 24 260
50
100
150
200
14 16 18 20 22 24 260
20
40
60
80
100
14 16 18 20 22 24 260
20
40
60
80
100
流入
表面
流量
(mm
)
M5 M3M2
M1
洪水
流出
にお
ける
表面
流の
寄与
率(%
)
相対照度5%以上の面積割合
M5M3
M2
M1 M5 M3
M2
M1
総流出 ピーク流出
2004年9月29~30日 降雨イベント
現状での計算値
土壌被覆が少ない条件
土壌被覆が多い条件
望ましい森林施業の確立に向けて
y = 0.14 x - 15.65R²= 0.46
0
100
200
300
400
0 500 1000 1500 2000
・ナ・・・ナ・I・Z・ァ・\(mm/h)
林床被覆乾重 (g/m2)
y = 0.67 x + 38.89R²= 0.79
0
100
200
300
400
0 200 400 600
・ナ・・・ナ・I・Z・ァ・\(mm/h)
下層植生乾重 (g/m2)
(a) (b)
図3.5-3 現地散水実験による(a)下層植生乾重b)林床被覆量と最大最終浸透能の関係
三重サイト平岡・恩田(筑大)
図3.4-15 強間伐後の被度変化
0
20
40
60
80
100
被度
(%) 間伐前 間伐後
間伐18ヶ月後
間伐6ヶ月後
間伐直後間伐前
0
20
40
60
80
100
被度
(%) 間伐前 間伐後
間伐18ヶ月後
間伐6ヶ月後
間伐直後間伐前
間伐18ヶ月後間伐18ヶ月後
間伐6ヶ月後間伐6ヶ月後
間伐直後間伐直後間伐前間伐前
野々田(三重林研)
0
5
10
15
20
25
30
0 10 20 30 40 50
材積間伐率 (%)
相対
照度
(%
)
相対照度20%
相対照度10%
図3.5-6 材積間伐率と相対照度関係
野々田(三重林研)
図3.5-9 システム収穫表DDPSの概要
山本(名大)
12
上限収量比数(Ry)を維持するのに必要な間伐方法の予想結果
0
10
20
30
40
50
60
70
0年後 10年後 20年後 30年後 40年後
間伐時期
本数
間伐
率(%
)
通常施業(20年生~)
通常施業(30年生~)
通常施業(40年生~)
通常施業(50年生~)
通常施業(60年生~)
間伐手遅れ林(43~50年生)
0
10
20
30
40
50
60
70
0年後 10年後 20年後 30年後 40年後
間伐時期
本数
間伐
率(%
)
通常施業(20年生~)
通常施業(30年生~)
通常施業(40年生~)
通常施業(50年生~)
通常施業(60年生~)
間伐手遅れ林(43~50年生)
0
10
20
30
40
50
60
70
0年後 10年後 20年後 30年後 40年後
間伐時期
本数
間伐
率(%
)
通常施業(20年生~)
通常施業(30年生~)
通常施業(40年生~)
通常施業(50年生~)
通常施業(60年生~)
間伐手遅れ林(43~50年生)
上上Ry=0.70 上上Ry=0.60上上Ry=0.65
山本(名大)・野々田(三重林研)
相対照度18%以上 相対照度20%以上相対照度15%以上
間伐遅れ人工林の場合,相対照度を15%以上にするためには,本数で55%,相対照度20%以上にするためには本数で65%の間伐が必要!間伐遅れ人工林の場合,相対照度を15%以上にするためには,本数で55%,相対照度20%以上にするためには本数で65%の間伐が必要!
・林床が裸地化したヒノキ林においては、新しい水(表面流)成分の寄与率が高くなっていた。
→大出水のデータはとれなかった。(今後の課題)・荒廃ヒノキ林においては,林床の細粒土砂が河川に流出している可能性が高い。・森林内の浸透能と林床被覆との関連より,環境に配慮した施業法を提案できる。・リモートセンシング手法とモデリングを組み合わせることにより,荒廃人工林抽出,流出シミュレーションが可能
森林荒廃が洪水・河川環境に及ぼす森林荒廃が洪水・河川環境に及ぼす影響の解明とモデル化影響の解明とモデル化
本書は,国や自治体の実務者,施策立案者にとって必ず役立つ本である.年々荒廃してゆく人工林を,いかに修復し,健全に維持・管理するか.本書で解説される実態調査と実証研究の成果は,その難題に対処する指針を与えてくれる.林斜面から河川流域までの水・土砂移動のメカニズムを解き明かす,初めての研究書.
■体裁=A5判・上製・カバー・240頁■定価 5,040円(本体 4,800円 + 税5%)■2008年10月17日■ISBN978-4-00-005463-8 C3061
2004/12/04 10:00
2004/12/04 16:00
2004/12/04 22:00
2004/12/05 04:00
0
2
4
6
8
10
プロット流出(mm)
計算値2
観測値
0
10
20
30降雨量(mm/h)
土壌浸透能の空間分布を考慮した場合(計算値1)
0
10
20
30
04/12/04 10:00
04/12/04 18:00
04/12/05 2:00
04/12/05 10:00
0
5
10
15流出量(m3/h)
降雨量 (mm/h)
均質な浸透能
観測値
斜面大プロット[8 x 25 m]の流出
土壌浸透能の空間分布および標準偏差を考慮した場合(計算値2)
流域の流出
計算値1計算値1と2
降雨ピーク時における表面流の発生分布
(色の濃い箇所において表面流が集中的に発生している)
図9 密度管理図における最多密度線,等収量比数線及び等平均樹高線(南近畿・四国地方ヒノキ林分密度管理図より作図)
13
y = -81.074x + 71.572
R2 = 0.638
y = - 174.95x + 100
R2 = 0.661
0
10
20
30
40
50
60
70
0.3 0.4 0.5 0.6 0.7 0.8 0.9 1
・・・ホ・ニ・x・i・・・j
収量比数 Ry
林野庁(2001)
図3.5-6のデータ
上中ら(1983)
野々田(1985)
深田(2006)
図3.5-7 収量比数と相対照度の関係
野々田(三重林研)