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2011年11月12日東広島市国際化推進協議会 多文化共生講演会
とよた日本語学習支援システム
~企業の中の日本語教室~
豊田市委託事業
名古屋大学「とよた日本語学習支援システム」
システム・コーディネーター 土井佳彦1
第1部第1部
( )豊田市の概要(1)豊田市の概要
(2)とよた日本語学習支援システムの概要(2)とよた日本語学習支援システムの概要
(3)企業内日本語教室(3)企業内日本語教室
第 部第2部
(1)とよた日本語能力判定
(2)全体質疑応答(2)全体質疑応答2
第1部 (1)豊田市の概要
■総人口
423,947人, 人
■外国人登録者数
14 444人(3 41%)14,444人(3.41%)
◇国籍
①ブラジル、②中国、③韓国・朝鮮、④フィリピン、⑤ペルー①ブラジル、②中国、③韓国 朝鮮、④フィリピン、⑤ ル
◇在留資格
①永住者、②定住者、③日本人の配偶者等、④特別永住者、⑤永住者の配偶者等
■多文化共生施策
◇計画◇計画
豊田市国際化推進計画 (2009.3)
◇推進体制◇
豊田市多文化共生推進協議会 、豊田市外国人雇用企業懇談会、ほか3
多文化共生社会を阻む「3つの壁」と「3つの課題」
「3つの壁」
1 法律・制度の壁・外国人登録制度、学校教育法等
2 ことばの壁2 ことばの壁
・日本語によるコミュニケーション能力不足
3 心の壁
外国人集住団地
心の壁・生活習慣の違い等
「3つの課題」
1 教育問題・不就学、中退等
ごみの違法投棄
2 保険・労働問題・保険未加入、3K等
3 コミュニティ問題3 コミュニティ問題・ごみ、騒音、違法駐車等
違法駐車 4
豊田市における多文化共生の取り組み
◇教育問題への取組み
(1)ことばの教室(1)ことばの教室来日間もない児童生徒に、3ヶ月程度日本語指導と適応指導を実施【在籍児童数】12人(2008年4月現在)
ことばの教室
【設置校】西保見小学校(2000年9月より)野見小学校(2008年4月より)
(2)日本語指導員等の派遣 ことばの教室(2)日本語指導員等の派遣日本語指導員15人、日本語巡回指導員25人、外国人適応指導員3名を市費で雇用・派遣
(3) NPO法人による児童教育支援・外国人児童生徒学習支援事業(2002年より)
NPO法人子どもの国による日本語教育と学習支援のための「ゆめの木教室」の開設ための「ゆめの木教室」の開設
・外国人不就学児童生徒サポート事業(2005年より)不就学児童の居場所の提供と、教育の実施
ゆめの木教室5
豊田市における多文化共生の取り組み
◇コミュニティ問題と労働問題への取組み
(1)ごみの不法投棄をなくす取組み・ごみ処理を含む生活情報の多言語化・自治区役員により、毎週末の粗大ごみの不法投棄の
収集と廃棄公団 県によるごみステ ションの改善(鉄製ケ
多言語化された情報誌
・公団、県によるごみステーションの改善(鉄製ケージの設置とごみステーション場所の細分化)
多言語化された情報誌(2) 外国人雇用企業ガイドライン
2003年、豊田商工会議所では①労働法令の遵守②社会保険の加入②社会保険の加入③外国人労務管理者の選任を定めた「ガイドライン」
を作成し、外国人を雇用する会員に配布
鉄製ケージ付ごみステーション
6
(2)とよた日本語学習支援システムの概要
■背景
・2007年 予備調査実施 → 日本語を学びたくても学べていない人が85%!2008年 システム構築開始(試行期間)・2008年~ システム構築開始(試行期間)
・2010年~ 本格運用
■目的■目的
① 外国人が日常生活に必要な日本語能力を習得するための包括的なシステムを構築② 外国人と日本人の相互理解およびコミュニケーション能力の向上を支援③ 事 成 びプ 有 び 施策③ 本事業の成果およびプロセスを外部と共有し、他地域および国の施策に寄与する
■支援内容
① 日本語教室の開設・運営支援② とよた日本語能力判定③ 人材育成④ eラーニング開発⑤ コンサルティング
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<市内の日本語教室> (H23.5.1現在)
曜日 午前 午後 夕方~
月月
火
水
参加希望者のニーズと教室とのマッチング(時間帯・場所・レベル等)
水 ●木
金
土 ●土 ●日 ●●●● ●●●
● 既存の教室(ボランティア、市委託事業)
緊急雇用等(国・県委託事業)緊急雇用等(国 県委託事業)
「とよた日本語学習支援システム」支援教室8
(3)企業内日本語教室
企業概要 (2008年秋当時)
株式会社 (本社 豊 市内)
※(株)M HPより
株式会社M(本社・豊田市内)
主要製品:車の部品(ボルト、ナット等)の製造
従業員数:約950名、うち外国人約350名(全員直接雇用)勤務形態:2交代(昼勤~17時/夜勤16時~)、一部3交代
開設経緯開設経緯
2008. 9.17 教室開設依頼→交渉開始(計4回)2008.10.24 日本語能力判定実施(受験者30名)2008.10.28 日本語パートナー研修会開催(参加者24名)2008.11.4 第1期教室活動開始(計10回)2009.1.27 第1期教室活動終了2009.2.10 日本語パートナー フォローアップ研修会開催2009.2.11 企業担当者とのふりかえり
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目的(なぜ、何のために)
企業担当者のニーズ企業担当者の ズ
・従業員間のコミュニケーション不足を解消したい・業務に必要な日本語 < あいさつ等からはじまる人間関係づくり通訳を介さなく も 理解し合おうと う姿勢をも
外国人従業員のニーズ
・通訳を介さなくても、理解し合おうという姿勢をもつ
外国人従業員のニ ズ
・日本語能力の向上・職場での人間関係づくり、職場環境の改善職場での人間関係づくり、職場環境の改善・待遇アップ < 日常生活の向上
日本人従業員のニーズ
・日本語能力の向上・異文化への興味
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活動形式(だれが、だれと、何を、どうやって、どのくらい)
<だれが>プログラム・コーディネーター(日本語教育の専門家 有給)プログラム コ ディネ タ (日本語教育の専門家、有給)
コースデザイン、教材作成、進行、活動状況の把握・改善、相談対応、等
<だれと><だれと>日本語パートナー(非専門家、無給)
①日本人従業員、②地域住民プログラム コ ディネ タ の進行に沿って 学習者と「おしゃべり」プログラム・コーディネーターの進行に沿って、学習者と「おしゃべり」
<何を>何を初回にシラバス作成(トピックシラバス)→ 自己紹介/好きな食べ物/家族・友人・ペット/日常生活/健康
今までに行ったところ/クリスマス・お正月/今年の目標・将来の夢休日の過ごし方/好きな場所
※日本語パートナーからの提案で、毎回10分の「ひとくちポルトガル語会話」を実施
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活動形式(だれが、だれと、何を、どうやって、どのくらい)
<どうやって>「会話クラス」の活動例「会話クラス」の活動例
①プログラム・コーディネーターから「モデル提示」②日本語パートナーと学習者のやりとり③交流タイム③交流タイム④ペアチェンジ⑤ミニ発表
<どのくらい>< くら >1教室につき120時間で、0レベル→2レベルを目指す
(例)90分/回×1日/週×10回/コース×3,4コース/年
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参加者の声 (外国人従業員)参加者の声 (外国人従業員)
・教室の外でも、職場や近所の日本人と挨拶を交わしたり、おしゃべりするようになった。
・日常生活で目にする日本語の意味が気になるようになったなった。
・家でも日本語の勉強を始めた。家でも日本語の勉強を始めた。
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参加者の声 (日本人従業員)
(職場や日常での)簡単な日本語での会話が増えた
参加者の声 (日本人従業員)
・(職場や日常での)簡単な日本語での会話が増えたこともあり、仕事の指示もやりやすくなった。笑顔も増えて人間関係がよくなっているように感じる笑顔も増えて人間関係がよくなっているように感じる。
・今までは通訳が必要だったが、最近は(簡単な話なら)今までは通訳が必要だったが、最近は(簡単な話なら)通訳がいらなくなった。まだまだ意思の疎通とまではいかないが、話を一生懸命に聞く姿勢が見られる。いかないが、話を 生懸命に聞く姿勢が見られる。
・日本語教室をはじめたことにより、外国人作業者・本 作業者 も 働き すくな う日本人作業者ともに働きやすくなっていると思う。
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とよた日本語能力判定の理念・目的
第2部 (1)とよた日本語能力判定
とよた日本語能力判定の理念・目的
<学習者>
自分の日本語力がどのくらいなのか知りたい
客観的・自分の日本語力がどのくらいなのか知りたい
・自分の日本語力を他者に示したい
れから どんな 本語を学べば か知りた
的で、具・これから、どんな日本語を学べばいいのか知りたい
<日本語ボランティア>
具体的で
日本<日本語ボランティア>
・学習者が日本語で何ができて、何ができないのかを知りたい
・学習者や他のボランティアとの共通認識をもちたい
で、わか
本語能力・学習者や他のボランティアとの共通認識をもちたい
・これから、学習者にどんな日本語を教えればいいのか知りたい
かりやす
力の提示
<ハローワーク、外国人雇用企業>
・その人が日本語で何ができて、何ができないのかを知りたい
すい
示が必要その人が日本語で何ができて、何ができないのかを知りたい
・本人や関係者との共通認識をもちたい
要
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判定基準-技能別詳細-
段階 内容 聞く 話す 読み 書き
6
熟達段階
より抽象的な議論が日本語を用いてできる。
深化
効果的なコミュ
5化段階
ニケーションが日本語を用いてできる。
拡大
より多くの領域(必要性や頻度が高くないこと)で日本語を
車内放送や病院などのアナウンスを聞いて、必要な行動が取れる。仕事や個人的な話題に関して説明
自分の経験やできごとなど、まとまった話ができる。また相手に対し説明を求めたり 質問することがで
辞書を調べ、文章や文の概要を把握することができる。
辞書を調べたしながら、書類などの自由記述欄などを記入したり、手紙などの短いメッセージなどを書く
4大段階
と)で日本語を用いてコミュニケーションができる。
人的な話題に関して説明を聞いて理解できる。
めたり、質問することができる。
短いメッセージなどを書くことができる。短い簡単な作業報告が書ける。コンピュータのローマ字入力ができる。
自
自立して自分の身の周りの社会
職場や家庭など慣れた場所で質問や指示がわか
質問に文で答えることができる。わからないとき、説明
分かち書き、ルビ振りなどがあり、辞書を調べれば、
辞書を調べたりしながら、日常生活で必要度が高い
3
自立段階
身の周りの社会参加が日本語を用いてできる。
所で質問や指示がわかる。
きる。わからないとき、説明を求めることができきる。家族について説明したり、人と会う約束をしたり、簡単な感想を述べることができる。
があり、辞書を調 れば、日常生活で必要度が高い、または接する機会の多い文がわかる。
日常生活で必要度が高い書類などの必要事項を記入することができる。ひらがなやカタカナで簡単な単語のメモなどを書くことができる。
周囲の支援に基 簡単な日本語で話しても 簡単な質問なら単語で答 分かち書き、ルビ振りなど 住所や所属など日常生活
2
要支援段階
づいて、自分の身の周りの社会参加が日本語で行える。
らえば、質問や単純な指示がわかる。ものの値段や曜日、日付、時刻などが聞いてわかる。
えることができる。わからないと聞き返したり、ゆっくり話すよう依頼することができる。場所を聞くなど簡単な質問ができる。
があり、かつ外国人にとってもわかりやすい表現で書かれていれば、日常生活で必要度の高い、または接する機会の多い看板や表示などの語や文の中のキーワードがわかる
で必要度の高い書類などの必要事項の項目を得意な表記体系を使って記入することができる。ただし不自然さは残る。
のキーワードがわかる。
1
基礎段階
限られた単語の理解(聞く・読む)と産出(話す・書く)ができる。
はっきりゆっくり言ってもらえば、自分のよく聞き慣れたものの名前や地名などが聞いてわかる。
出身や居住地域、電話番号など基本的なことが単語で言える。
カタカナ・漢字で書かれた自分の名前、国名など日常生活で必要度が高く、接する機会の多い語であればわかる。書類の氏名・住所など記 事項がわ
名前、国名など使用頻度や必要度が高いいくつかの語をひらがな・カタカナ・漢字のいずれかで書くことができる。
住所など記入事項がわか
0
未学習段階
日本語を話したり書いたりすることがほとんどできない。
「名前は?」のような簡単な質問がわかる。
あいさつができる。名前が言える。
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判定ツール① Can-do-statements
自己評価チ クリスト自己評価チェックリスト
あなたは日本語で次のようなことができますか? あてはまる数字に○をつけてください。
1:まったくできない 2:あまりできない 3:なんとかできる 4:簡単にできる
質 問: 聞くこと 難 易 質 問: 聞くこと 難 易
1 指差したり、ジェスチャーを使ったりして、簡単な買い物ができます。 1 2 3 4
2 乗り物に乗っているとき、知っている駅や停留所の名前を聞きとることができます。 1 2 3 4
3 買い物のとき、物の値段や数を聞き取ることができます。 1 2 3 4
4 時間を聞いて、何時か聞き取ることができます。 1 2 3 4
5 はっきりした発音で ゆっくり言ってもらえれば 質問や指示が理解できます 1 2 3 45 はっきりした発音で、ゆっくり言ってもらえれば、質問や指示が理解できます。 1 2 3 4
6 病院などのアナウンスを聞いて、自分の番や行き先などがわかります。 1 2 3 4
質 問: 話すこと 難 易
7 相手の人が言っていることがわからないとき、わからないと伝えることができます。 1 2 3 4
8 相手にもっとゆっくり話してもらいたいとき 日本語で頼むことができます 1 2 3 48 相手にもっとゆっくり話してもらいたいとき、日本語で頼むことができます。 1 2 3 4
9 自分の国籍や住んでいるところなどを日本語で人に伝えることができます。 1 2 3 4
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判定ツール② 読み書き判定シート
1 質問にわかる範囲で記入してください 書ける場合は日本語の文字で書いてください1.質問にわかる範囲で記入してください。書ける場合は日本語の文字で書いてください。
名前(なまえ):
生年月日(せいねんがっぴ): ( 歳)
住所(じゅうしょ):
2 当てはまるものに○をつけてください2.当てはまるものに○をつけてください。
性別: 男・女
国籍: ペルー ・ ブラジル ・ フィリピン ・ コロンビア ・ 中国 ・韓国国籍: ル ブラジル フィリピン コロンビア 中国 韓国
3.つぎの文字はどういう意味ですか。ポルトガル語で書いてください。
1 バス1.バス:
2.インターネット:
3 出口:3.出口:
4.危険:
4.あなたの知っていることばを3つ日本語で書いてください。
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判定ツール③ インタビューシート①
6 住んでいるところ6 住んでいるところ理解G テスター 表出G 被験者の答え 答えの例
2 □今は、どこに住んでいますか。 2 □文で答える 保見に住んでいます/家は保見です/市役所の近くです/会社の寮です
1 □語のみ 保見/初吹/寮2 □うち/いえはどこですか。 1 □質問を理解しているが、「(ど 住所、わかりません/知りません
こに住んでいるか)分からない」と答える
1 □うち、いえ、どこ? 0 □質問を理解して、字を書く(漢字)、簡単な地図を書く等の方法で答える
うち え ど 保見 好 岡崎 (例1
□うち、いえ、どこ? 保見?三好、岡崎?(例示) 0 □反応なし、理解できない
7 通勤の交通手段
7へ
7 通勤の交通手段理解G テスター 表出G 被験者の答え 答えの例
2 □ここまで、どうやって来ていますか。 2 □文で答える 車で通っています/バスで行きます/自転車でです/送迎で来てます
2 □ここまで、なんで来ますか。 2 □「〜です」で答える 自転車です/送迎です/あるきます1 □ここまで、バスで来ますか、車で来ますか(例 2 □「(手段)で」で答える 自転車で/バスで/歩いて1 □ここまで、バスで来ますか、車で来ますか(例
示)2 □ (手段)で」で答える 自転車で/バスで/歩いて
1 □ここに来ます。バス?車?電車?歩きます?送迎?(うなずく、答えるまで例を出す)
1 □語で答える 自転車/車/バス/送迎
1 □テスターのキューを繰り返して答える
(テスター「車?」)うん、車
1 □「はい、うん/いいえ」で答える
はい/うん/ううん/いいえ
0 □質問を理解して、母語や漢字を使って答える/テスターのキューにうなずく
autobus/車(漢字で書く)/「ブッブー」と擬音で伝える
0 □反応なし、理解できない
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判定ツール③ インタビューシート②
<ロールプレイ><ロールプレイ>
レベル0~
今から、あなたが私に質問してください。あなたと私は、今はじめて会って、これから自己紹介を始めます
(そう考えてください)(そう考えてください)。私たちが仲良くなるために、①名前、②住んでいるところ、③家族、④好きなこと(スポーツや音楽などの趣味)、について質問しながら、自然な会話をしてください。
レベル2~
新しいアパートに引っ越してきました。ごみのすてかたがわかりません。となりの人に いつ どこにごみを出すか聞いてください。
レベル2
となりの人に、いつ、どこにごみを出すか聞いてください。
今、朝8時です。あなたは きのうの夜から熱が高くて、今日は仕事に行けません 会社に電話して 上司に伝えてください あなたの会社は「とよだません。会社に電話して、 上司に伝えてください。あなたの会社は「とよだ自動車」だとします。上司の名前は鈴木課長です。
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