音楽のよさや楽しさを感じ取り, 創意工夫して表現 …...- 3-Ⅱ...

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- 1 - 音楽のよさや楽しさを感じ取り, 創意工夫して表現する力の育成を目指した指導方法の研究 ‐互いの考えを伝え合う学習活動を通して‐ 研究の概要 本研究は,中学校音楽科において,音楽のよさや楽しさを感じ取り,創意工夫してより豊かに表現 する力を高めていく指導の在り方について,効果的な方策を明らかにすることを目的としている。特 に学習過程において,鑑賞領域と表現領域(歌唱)を関連させた授業の構築を目指す。具体的には, 音楽を形づくっている要素を知覚し,それらの働きが生み出す特質や雰囲気を感受したことをもとに, 思考・判断し,試行錯誤しながら表現を工夫させる学習過程を仕組み,その中で言語活動の充実を図 り,自分の思いや意図を伝え合い,互いの考えを共有しながら,表現の深化につなげる指導の事例を 研究し,その有効性を検証していく。 キーワード 感受 思考・判断・表現力 創意工夫 歌唱 言語活動 主題設定の理由 学習指導要領から 新学習指導要領(平成20年3月告示)において中学校音楽科の目標は,「表現及び鑑賞の幅広い活 動を通して,音楽を愛好する心情を育てるとともに,音楽に対する感性を豊かにし,音楽活動の基礎 的な能力を伸ばし,音楽文化についての理解を深め,豊かな情操を養う」である。中でも「音楽活動 の基礎的な能力」について,中学校学習指導要領解説音楽編(平成20年9月)によると「音楽を形づ くっている要素を知覚し,それらの働きが生み出す特質や雰囲気を感受することがすべての音楽活動 の支えとなるもっとも基礎的な能力」として示されている。このことは,生涯にわたって,楽しく豊 かに音楽活動ができるための基になる能力の育成が重要であることを意味している。このことにより, 音楽科としての知覚・感受を重要視した学習の創造が重要であることが明確になった。 また,音楽に関する用語や記号,楽譜,発声法や楽器の奏法などの知識や技能も,要素の「知覚」 と「感受」が結び付くことによって意味をもつことが示されており,音楽活動の基礎的な能力の内容 が,より具体的に示された。 「知覚」とは,音楽の要素や要素同士の関連を識別する能力である。これに対して,「感受」とは, 音楽を形づくっている要素や要素同士の関連によって生み出される雰囲気や特質を, 感性によって質 として感じ取ることである。これらは〔共通事項〕として示された,音楽を形づくっている要素と曲 想とが,どのように関わり合っているかを感じ,そのことによって曲想が豊かになっていることが分 かり,自分なりの思いなどをもつといった,質的な深まりのある学習が求められている。この音楽を 形づくっている要素を指導する際には,単独で指導するのではなく,歌唱,器楽,創作,鑑賞の活動 を通して指導するものと示されている。

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Page 1: 音楽のよさや楽しさを感じ取り, 創意工夫して表現 …...- 3-Ⅱ 研究のねらい (1)音楽のよさや楽しさを,音楽を形づくっている要素と関連させて感じ取り,創意工夫して表現

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音楽のよさや楽しさを感じ取り,

創意工夫して表現する力の育成を目指した指導方法の研究

‐互いの考えを伝え合う学習活動を通して‐

研究の概要

本研究は,中学校音楽科において,音楽のよさや楽しさを感じ取り,創意工夫してより豊かに表現

する力を高めていく指導の在り方について,効果的な方策を明らかにすることを目的としている。特

に学習過程において,鑑賞領域と表現領域(歌唱)を関連させた授業の構築を目指す。具体的には,

音楽を形づくっている要素を知覚し,それらの働きが生み出す特質や雰囲気を感受したことをもとに,

思考・判断し,試行錯誤しながら表現を工夫させる学習過程を仕組み,その中で言語活動の充実を図

り,自分の思いや意図を伝え合い,互いの考えを共有しながら,表現の深化につなげる指導の事例を

研究し,その有効性を検証していく。

キーワード

感受 思考・判断・表現力 創意工夫 歌唱 言語活動

Ⅰ 主題設定の理由

1 学習指導要領から

新学習指導要領(平成20年3月告示)において中学校音楽科の目標は,「表現及び鑑賞の幅広い活

動を通して,音楽を愛好する心情を育てるとともに,音楽に対する感性を豊かにし,音楽活動の基礎

的な能力を伸ばし,音楽文化についての理解を深め,豊かな情操を養う」である。中でも「音楽活動

の基礎的な能力」について,中学校学習指導要領解説音楽編(平成20年9月)によると「音楽を形づ

くっている要素を知覚し,それらの働きが生み出す特質や雰囲気を感受することがすべての音楽活動

の支えとなるもっとも基礎的な能力」として示されている。このことは,生涯にわたって,楽しく豊

かに音楽活動ができるための基になる能力の育成が重要であることを意味している。このことにより,

音楽科としての知覚・感受を重要視した学習の創造が重要であることが明確になった。

また,音楽に関する用語や記号,楽譜,発声法や楽器の奏法などの知識や技能も,要素の「知覚」

と「感受」が結び付くことによって意味をもつことが示されており,音楽活動の基礎的な能力の内容

が,より具体的に示された。

「知覚」とは,音楽の要素や要素同士の関連を識別する能力である。これに対して,「感受」とは,

音楽を形づくっている要素や要素同士の関連によって生み出される雰囲気や特質を, 感性によって質

として感じ取ることである。これらは〔共通事項〕として示された,音楽を形づくっている要素と曲

想とが,どのように関わり合っているかを感じ,そのことによって曲想が豊かになっていることが分

かり,自分なりの思いなどをもつといった,質的な深まりのある学習が求められている。この音楽を

形づくっている要素を指導する際には,単独で指導するのではなく,歌唱,器楽,創作,鑑賞の活動

を通して指導するものと示されている。

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音楽の授業を組み立てていく上で,まず聴取活動等において〔共通事項〕に示されている要素など

を知覚,感受させる指導や,そこで感受した音楽を形づくっている要素などをもとに,思いや意図を

もって,音楽表現を工夫し, 活用していく授業の創造が求められていると捉える。

こうした授業では,思考・判断し,表現する一連の学習過程を展開することが重要である。活動を

通して,音楽が豊かになる楽しさや「感じ取った」「分かった」「できた」と実感できる喜びを味わ

わせたいと考える。

2 言語活動の充実から

新学習指導要領(平成20年3月告示)において,「思考力・判断力・表現力等」を育む観点から,

「言語活動の充実」は各教科等を貫く改善の視点となっている。これは「生きる力」の育成の礎とい

え,普段の授業において生徒一人一人が感性を働かせながら,思考・判断し,音楽表現の思いや意図,

音楽のよさを言葉で表す学習の基盤となるのは,言語の能力である。

音楽科においては,創意工夫して音楽表現をする能力や味わって聴く能力を育成する観点から,音

楽を形づくっている要素を知覚し,それらの働きが生み出す特質や雰囲気を感受しながら,例えば表

現領域では,どのように音楽表現したいのかという思いや意図を言葉で表したり,鑑賞領域では,音

楽を聴いて価値などを考え,批評したりする学習活動を充実するといったことが求められている。ま

た,「内容と取り扱いと指導上の配慮事項」には「生徒が自己のイメージや思いを伝え合ったり,他

者の意図に共感したりできるようにする。」ことが示された。

そこで,これまでの音楽科の授業を振り返ってみると,教師の教え込みによる一斉授業形態で学習

が展開されることが多く,生徒自らの思いや意図を音楽に注ぎ込むような授業展開が少なかったので

はないだろうか。例えば,歌唱の表現を練り上げていく場面において,生徒が曲の演奏方法について

考えたり,グループで互いの考えを伝え合って,一つの音楽を創意工夫してつくり上げていくような

授業展開を行ってきたであろうか。教師の指示通りにした結果,どんなに素晴らしい表現ができたと

しても,子どもたちが音楽的な根拠をしっかりともった上で,主体的に「こんな考えで,こんな思い

や意図で工夫した」といったような実感がなければならない。また,教師の教え込みの学習では,そ

の曲は確かに表現が豊かになったとしても,その曲だけにしか通用しない技能にとどまってしまうこ

とも考えられ,本当の表現が身に付いたとは言えない。

今回の新学習指導要領全面実施に当たっての課題として,題材を通して,一人一人の子どもが共通

に学ぶ,音楽を形づくっている要素が明確になっているか,またそれらの要素が,複数の活動や教材

が必要に応じて関連付けられているか,子どもが感性を働かせて音楽のよさや面白さ,美しさを感じ

取ることが実際の授業の中で大切にされているか,などが挙げられている。来年度,中学校において

全面実施を迎えるに当たって,受け身的な学習から主体的な学習へ転換するための,学習指導の工夫

を考えることが大切である。

学習過程の中で,思考・判断し,自らの考えを相手に伝えるという活動では,必ず言語を介して行

われる。生徒一人一人が鑑賞活動で感受したことをもとに,音楽に対するイメージや,思いや意図を,

音楽の言葉を用いて,相互に伝え合う活動を位置付ける言語活動を取り入れることで,主体的に創意

工夫して音楽を表現する喜びを味わわせたい。

以上のことから,音楽のよさや楽しさを感じ取り,創意工夫して表現する力の育成を目指した指導

方法の在り方を明らかにすべく, 本主題を設定した。

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Ⅱ 研究のねらい

(1)音楽のよさや楽しさを,音楽を形づくっている要素と関連させて感じ取り,創意工夫して表現

する力の育成につながる指導方法の在り方を探る。

(2)A表現(1)「歌唱」において,創意工夫して表現する力を育成するための,効果的な言語活動の

在り方を明らかにする。

Ⅲ 研究の基本的な考え方

1「音楽のよさや楽しさを感じ取る」について

今回の改訂は,中央教育審議会の答申において「生きる力」を育むという学習指導要領の理念を実

現するために行われたものである。この答申における「小学校,中学校及び高等学校に通じる改善の

基本方針」では,音楽科における「改善の基本方針」が4項目示されている。中でも,「音楽のよさ

や楽しさを感じるとともに,思いや意図をもって表現したり,味わって聴いたりする力を育成するこ

と」「音や音楽を知覚し,そのよさや特質的な部分を感じ取りながら思考力・判断力のさらなる育成

を重視すること」は,本研究との関連が深い。

音楽のよさや美しさを感じ取るとは,「この音楽の○○の部分に優雅さを感じる。」などといった

言葉に見られるように,個々の内面に感じたことを自分なりの価値観をもって判断できることである。

これは音楽活動の基となる,音楽を形づくっている要素などが,曲想と関連していることを感じ取り,

このことにより,音楽全体のよさや美しさなどが分かることにつながると捉える。

具体的には,「リズムが弾んでいる感じ」とか「旋律が優しく語りかけているように聞こえるのは

音色が柔らかいから」などといった,音楽を形づくっている要素に関連した音楽の言葉を用いて,曲

想の豊かさをを感じ取れるようになることが,その音楽のよさや楽しさなど,自らの価値判断として

捉えることの大切な学習のステップであると考える。

その学習場面で感じ取った要素を基に,表現活動の中で活用する活動を通して,より一層音楽のよ

さを深めるとともに,仲間と一緒に表現することの楽しさを実感できると捉える。

2 音楽科における言語活動の工夫について

音楽科における言語活動の工夫については,学習において〔共通事項〕を窓口に音楽を形づくって

いる要素を聴き取り,感じ取ったことを言葉で表現したり,または歌唱曲の歌い方を工夫する際にお

いて,「歌詞の内容が○○だから●●のように歌いたい」といった音楽の言葉が,活動の中に導き出

されるような学習指導を充実させることであると考える。ここでいう音楽の言葉とは,音楽的な言語

活動を意味する。具体的には,音楽を聴いて自分なりの感じ取り,その根拠として音楽を形づくって

いる要素や構造に気付き,それらの言葉を使って説明する。この学習の過程を踏むことにより,曲に

対して自分なりの意味を見い出すことができるのである。曲想の豊かさについて,要素に関連した言

葉を用いて感じ取ることが大切な要因であると考える。次に感じ取ったことを基に,試行錯誤しなが

ら表現を工夫させる学習活動を展開する。その際の学習形態は,従来の一斉指導ではなく,少人数グ

ループ学習を取り入れ,話合いなどを行うコミュニケーション型の学習指導を仕組みながら,仲間と

ともに身に付けたい力を活用したり,深めてみたりする活動を展開していくこととする。

このような活動を意図して設定することにより,主体的に創意工夫して表現する力の育成につなが

るものと考える。

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ところで,音楽は他の教科とは違い,音を媒体としてコミュニケーションを図る特質をもっている。

したがって授業の流れの中で,音が全く流れないような話合い活動だけに留まらぬように留意したい。

グループ活動においては,音楽室の中に,歌声が響く時間があってこその音楽の活動である。また,

音楽を形づくっている要素を,試行錯誤してパズルのようにあてはめるだけが最終目的ではない。そ

こで繰り広げられるグループ活動において,一人一人が自分の思いや考えを伝えようとする気持ちを

もち,相手の思いや考えを受け止め,必ず生じるであろうズレを納得したり,合意したり,折り合い

をつけたりするなど,その場の雰囲気や状況を感じて反応することが大切である。

こうした学習の中での言語活動はあくまでも手段である。言語活動それらのことを通して,子ども

達がどうなったのかが重要である。学習の過程での生徒一人一人の変容を大事にし,創意工夫して表

現する力の育成及び,その先にある生涯にわたって音楽を愛好しようとする思いや,人と人とのコミ

ュニケーションの育成にもつながることを意識したい。

Ⅳ 研究の仮説

鑑賞領域と表現領域を関連させ,言語活動を取り入れた学習過程の工夫をすることによって,豊か

な表現力の育成につながるであろう。

Ⅴ 研究の内容と方法

1 研究の内容

〔共通事項〕を視点とした具体的な言語活動を位置付けた歌唱の指導計画の作成および検証授業を実

施する。

2 検証授業づくりに向けて

今回検証授業を行うにあたり,言語活動の充実との関わりとして,以下の具体的な手法を用いて研

究を進めていくこととする。

(1)学習過程の工夫

新学習指導要領に沿って題材全体の指導計画において,感性を高め,思考・判断し,表現する一連

の学習プロセスを考えた授業展開を計画していく。具体的には,〔共通事項〕の位置付けを明確にし

た鑑賞(聴取)活動を仕組み,その音楽の醸し出す雰囲気を感じ取り,言葉で表現する学習を仕組む。

次の段階として歌唱表現活動において,鑑賞(聴取)活動において学んだ〔共通事項〕の音楽を形

づくっている要素を活用し,歌唱教材を創意工夫して表現する一連の流れによる授業を展開する。

一題材の中に一人一人の生徒が「感じた取った」「分かった」「できた」といった実感をもたせら

れるように授業実践事例を作成することとする。

(2)教材・学習プリントの工夫

鑑賞教材については,題材のねらいである〔共通事項〕を明確に感じ取ることができる鑑賞教材の

選択を行うこととする。

歌唱教材については,歌詞の内容を手がかりに〔共通事項〕を活用できる教材を選ぶ。今回は,学

習指導要領において提示されている歌唱共通教材の中から一曲選択し,日本語のもつ美しさや歌詞か

ら醸し出されるイメージを捉えさせることとする。

学習プリントについては,表1のように,授業の進度に応じて,毎時間の授業のねらいに沿って一

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枚づつ作成を行う。形式については,なるべく短時間で記入できるように項目を一つまた二つとする。

(表1)学習プリントの活用場面と内容

時 今回の検証授業での学習活動 形態 ワークシートの内容

1 歌詞の内容を理解する学習 個人 歌詞を提示し,歌詞の内容について自分の言葉に置き

時 (歌詞の解釈) 換えて記入するプリント。楽譜は入れない。

2 〔共通事項〕を感受する学習 個人 鑑賞する曲の歌詞を提示し,感じ取ったことを音楽的

時 な語彙を用いて記入できるプリント。

歌唱表現の工夫を 個人 前時で感受した〔共通事項〕を活用して,歌詞の内容

3 個人で考える学習 にあった表現の工夫を音楽的な語彙や記号を用いて記

時 入できるプリント。根拠を聞く問いかけを考える。

歌詞表現の工夫を グループ 歌唱表現の工夫を,音楽的な語彙や記号を用いて記入

グループで考える学習 できるプリント。

4 作品発表する学習 個人 相手の発表を聴いて,アドバイスや伝わってきた表現

時 グループ の工夫を音楽的な語彙や記号を用いて記入したり,文

章でまとめて記入できるプリント。

(3)少人数グループワーク活用場面の工夫

授業を進めていく上で,学習を定着させるために,「学び取らせなければならない事を教師がしっ

かり教える場面」と「生徒が主体的に表現する方法を追求する場面」をつくる必要がある。後者の場

面においては,学び方のスタイルとして4名の少人数グループワークを展開する。まず,生徒一人一

人が,自分の考えを明確にもち,その上で互いの考えを伝え合う活動を通して,自分と相手の考えと

のズレを実感し,理解を深めたり,または新たな発見があるなど,学びの広がりを実感できる場であ

る。

今回の検証授業では,歌唱表現の工夫を作り上げていく学習場面において,少人数グループ学習を

設定する。仲間と一緒に,音楽をつくりあげる喜びを味わわせるとともに,一人一人が思いや意図を

もって創意工夫して表現する力が高まるようにしたい。

(4)自己評価および相互評価の場面設定の工夫

生徒は自己評価プリントを毎時間行う。自己評価プリントの作成にあたっては,できるだけ生徒が

短時間で行えることを考慮し,毎時間の学習のねらいを基に,ポイントを絞った内容とする。授業後,

生徒の学習の状況を捉え,必要であれば,次時の授業展開の修正を行う。また生徒が自分の言葉でコ

メントを「書く」という活動を取り入れ,学習の経過における学びの様子や成果を振り返ることがで

きるように作成する。

グループ発表する場面では,相手の演奏を聴いて,相互評価をする場面を取り入れることで,自分

たちの演奏についての,伝え方の評価を受け,次時の意欲につなげていきたい。

3 研究の方法

(1)授業研究

ア 研究の対象:県内公立中学校 第3学年

イ 実施時期:平成23年11月から12月初旬

ウ 題材名及び時数:「歌詞の内容や曲想を味わい,表現を工夫しよう」全4時間

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(2)検証のための資料

ア 事前・事後アンケート調査 イ 授業観察(行動観察・発言・表現等)

ウ 学習プリント,自己評価プリントへの記述

(3)学習指導案

ア 題材名「歌詞の内容や曲想を味わい,歌唱表現を工夫しよう。」(4時間扱い)

イ 題材の目標

「歌詞が表す情景や心情を感じ取り,言葉の意味にふさわしい表現を工夫する。」

ウ 題材設定の理由

(ア)題材の特徴

本題材は,中学校学習指導要領の第2学年及び第3学年の目標(2)「多様な音楽表現の豊さ

や美しさを感じ取り,表現の技能を伸ばし,創意工夫して表現する能力を高める」を受け,内容

A表現(1)歌唱事項のア「歌詞の内容や曲想を味わい,曲にふさわしい表現を工夫して歌うこ

と。」,B鑑賞(1)ア「音楽を形づくっている要素や構造と曲想とのかかわりを理解して聴き,

根拠をもって批評するなどして音楽のよさや美しさを味わうこと。」を実現するための題材であ

る。

今回,表現領域と鑑賞領域の関連を図りながら,音楽を知覚,感受させていく学習を展開して

いく。また,少人数のグループ学習の中で,曲に対してイメージしたことを,自分の言葉で説明

したり,音楽の言葉(音楽に関しての記号や言葉)などを用いて,豊かに表現することで,その

活動を通じてコミュニケーション能力が高まり,音楽を工夫して表現したりする楽しさや喜びが

つかめるものと考える。

今回の題材では,歌唱共通教材である日本の歌から醸し出される情緒豊かな雰囲気や心情など

を感じ取り,表現活動との関連性を図っていきたい。特に,歌詞の内容や言葉の特徴を捉えなが

ら,日本語のもつ美しさを味わうなどの言語活動と旋律の表現との関係を大切にした指導を重視

したい。

そのため,旋律の表現の工夫として,強弱や速度の変化を捉えさせ,歌唱表現の工夫をさせた

い。これらの音楽を形づくっている要素の働きを知ることで,音楽や演奏の特徴を捉えて聴き音

楽への興味・関心を高め,最終的には生涯にわたって音楽文化に親しむ生徒の育成を図っていき

たい。

(イ)本題材で位置付ける〔共通事項〕

〔共通事項〕ア音色,リズム,速度,旋律,テクスチャア,強弱,形式,構成などの音楽を形

づくっている要素や要素同士の関連を知覚し,それらの働きが生み出す特質や雰囲気を感受する

こと。

〔共通事項〕 本題材における学習内容

旋律 旋律の抑揚やまとまりを感じ取りながら,歌唱表現の工夫を行う。

強弱 歌詞の内容から強弱の変化を感受及び歌唱表現の工夫を行う

速度 速度の動きと曲想との関わりを感受及び歌唱表現の工夫を行う。

エ 教材及び教材について

(ア)教材名

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・表現歌唱教材 「花」 武島羽衣 作詞/滝廉太郎 作曲

・参考曲鑑賞教材「赤とんぼ」 三木露風 作詞/山田耕筰 作曲

(イ)教材選択の理由

・「花」について

歌唱教材として学習する「花」は,春の隅田川の情景を優美に表した楽曲である。「花」のよ

うな有節歌曲は,歌詞と旋律表現との関連性が強いことが特徴である。それぞれの歌詞の違いを

生かし,1番から3番までの日本語のもつ美しさや歌詞の内容と感じ取り,それと関連した音楽

を形づくっている要素とを結び付けて豊かな表現となるような学習が展開できる。

特に今回は,歌詞の内容を手がかりに,旋律のまとまりを感じながら,強弱及び速度のかかわ

りについて,生徒たちが試行錯誤しながら表現の工夫をすることで,歌詞と音楽の関わりの重要

性を感じるとともに,日本歌曲のよさを改めて気付く学習を目指したい。

・「赤とんぼ」について

秋の季節,幼少の頃からの思い出を懐かしみ作詩された楽曲である。8小節の中に言葉の抑揚

や1番から3番までの歌詞の内容よって,声の音色や強弱を工夫できる曲である。日本情緒豊か

な曲として人々に愛され,親しまれてきた。ここでは,歌詞の内容にふさわしい強弱や速度を感

受させ,表現させたい。

オ 評価規準

ア 音楽への関心・意欲・態度 イ 音楽表現の創意工夫 ウ 音楽表現の技能

①歌詞が表す情景や心情を感じ取 ①旋律の音のつながり方や,強弱,速 ①表現したい思いや意図をもち,

ったり,旋律を覚えたりする活動 度を知覚し,日本語の持つ抑揚と音楽 「花」の歌詞が表す情景や心情,

に主体的に取り組もうとしている。 の関わりを感じ取っている。 曲想を生かした曲にふさわしい音

②歌詞が表す情景や心情や曲想に ②強弱や速度などを生かした音楽表現 楽表現をするために必要な,発声,

関心をもち,それらを生かし表現を を工夫し,どのように歌うかについて, 日本語の発音などの技能を身に付

工夫して歌う学習に主体的に取り 思いや意図をもっている。 けて歌っている。

組もうとしている。

【行動観察・学習プリント】 【行動観察・学習プリント】 【行動観察】

カ 指導計画及び評価計画(4時間扱い)

【第1次】ねらい:「花」の歌詞の内容を理解し,曲が表す情景や曲想などに関心をもつ。

時 主な学習内容と 教師の働きかけ・準備 学習活動における評価規準

学習活動 【評価方法】

○歌唱教材「花」の歌詞の ◇分かりづらい歌詞の言葉をあげ,意 ア①歌詞が表す情景や心情を感じ取った

内容や曲想に関心をもつ。 味を知らせる。 り,旋律を覚えたりする活動に主体的に

第 ◇歌詞の内容からどんな情景が思い浮 取り組もうとしている。

1 かぶか捉えさせる。 【行動観察・学習プリント①】

時 ○歌詞を現代語訳に直し, ◇学習プリント①へ歌詞の内容を考え

歌詞の内容を解釈する。 記入させる。

◇「花」の主旋律をアカペラで歌える

○主旋律を歌えるようにす ように指導する。

る。 ◇歌いづらい部分とできている部分を

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把握し,指導する。

○楽曲の曲想を感じ取って ◇歌詞の内容に応じて強弱や速度によ イ①旋律の音のつながり方や,強弱,速

鑑賞する。 って変化されていることを感じ取らせ 度を知覚し,日本語のもつ抑揚と音楽の

第 鑑賞曲【赤とんぼ】 る。 関わりを感じ取っている。

2 (有節歌曲) ◇集中して聴かせ,1番歌詞と4番歌詞 【学習プリント②】

時 の演奏の違いを感じ取らせる。 【学習プリント③】

(強弱・速度・抑揚)

◇感じ取ったことを学習プリント②に

記入させ,発表させる。

◇再度聴き,学級全体でねらいを確か

め共有化する。

○歌唱教材「花」を,歌詞 ◇前時に行ったプリントを基に感情を

の内容を意識しながら,強 込めて歌詞の内容を朗読させる。

弱や速度を個人で工夫する ◇「花」の歌唱表現をどのようにした

点を考える。 いか,一人一人,強弱や速度の表現の

工夫を学習プリント③に記入させる。

【第2次】ねらい:「強弱や速度を意識して,自分たちのイメージにあった歌唱表現を工夫する。」

○歌唱教材「花」の2番, ◇「花」の歌唱表現の工夫について, ア②歌詞が表す情景や心情や曲想に関心

3番を,グループの話し合 歌詞の内容を手がかりに,4名のグル を持ち,それらを生かして表現を工夫して

第 いの中で歌唱表現の工夫を ープ学習の形態で試行錯誤しながら表 歌う学習に主体的に取り組もうとしてい

3 行う。 現の工夫を行わせる。 る。 【行動観察】

時 ◇歌唱表現の工夫をするに当たり,根

拠をもって強弱や速度の工夫をするよ

うに助言する。

本時 ◇グループのイメージにあった表現が *教師はグループ指導を行う。グループ

できるように技能面などアドバイスす のイメージと表現とができているかどう

る。 か判断し,適切な技術的指導を行う。

○いくつかのグループが中 ◇進み具合の早いグループに,中間発

間発表をする。 表させる。 イ②強弱や速度などを生かした音楽表現

○発表を聴き,工夫されて ◇グループ演奏を聴き,表現の工夫点 を工夫し,どのように歌うかについて,

いた点または今後のアドバ や伝わってきたことについて具体的な 思いや意図をもっている。

イスを発表させる。 コメントをさせる。

◇演奏する側においても,記入したこ 【行動観察】

とと表現力のずれを感じさせ,次時の 【学習プリントグループ用④】

意欲につなげていく。

○前時のことを振り返りな ◇前時の学習で表現の足りない部分を ウ①表現したい思いや意図をもち,「花」

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がら,グループごとのイメ グループ活動において確認し,より豊 の歌詞が表す情景や心情,曲想を生かし

第 ージにあった表現を工夫す かな表現につながるように歌唱表現の た曲にふさわしい音楽表現をするために

4 る。 練習をする。 必要な,発声,日本語の発音などの技能

時 を身に付けて歌っている。

○全グループが発表する。 ◇他のグループの発表を聴き,表現の 【行動観察】

工夫点やアドバイスを具体的にコメン

トしたり学習プリント⑤に記入させる。

キ 検証授業《第3時間目/4時間中》 ※検証授業4時間のうち抜粋~補助資料参照~

①日 時 平成23年11月29日(火) 2校時

②対象学年 第3学年

③本時の目標 歌詞の内容をイメージしながら,強弱や速度を工夫して自分たちの表現をつくり

あげることができる。

④準 備 譜面台10本・クリップボード10枚・グループ用学習プリント・自己評価プリント

⑤展 開

過 程(時間配分) 主な学習内容と学習活動 教師の指導及び支援 評価規準と評価方法

導入

(5) 授業の雰囲気づくりをする。

◇発声練習をする。 ・姿勢や口の開け方等,不十分な生徒に助

・リーダーを中心に,チャ 言する。

イムと同時にメニューに沿

って発声練習を始める。 ・主旋律で3番まで音程が正しく歌えてい

◇「花」を歌う。 るか確認する。

強弱・速度を工夫して

展開 自分たちの表現をつくりあげよう

(40) ◇「花」の表現において,個 ・今までの学習のつながりを説明する。

人の思いや意図を基に,グ ・感覚的ではなく,「この部分は○○だか

ループで旋律の動きや強弱, らこのようにしたい」といったように根拠

速度の表現を工夫する。 をもって説明できるような活動が大切であ ア②歌詞が表す情景や心情や

・歌詞の2番・3番の担当 ることを助言する。 曲想に関心をもち,それらを

グループを分けて表現の工 ・前時に記入した「花」の学習プリントを 生かして表現を工夫して歌う

夫にあたる。 もとに,4名ごとのグループに分かれる。 学習に主体的に取り組もうと

〈グループ学習の注意点〉 している。 【行動観察】

①表現を工夫する段階で,必ず一つ自分の

意見を出し,伝え合うこと。その際にどう

してその表現にしたいのか自分の思いや意

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図を音楽の言葉や表現で伝え合うように意

識する。

②ねらいがぼけないように,音楽を形づく イ②強弱や速度などを生かし

っている要素である「強弱」「速度」の部 た音楽表現を工夫し,どのよ

分はおさえるようにする。 うに歌うかについて,思いや

③旋律のまとまりを感じながら表現するこ 意図をもっている。

とを意識させる。 【行動観察】

④初めはプリントに向き合うのもいいが, 【学習プリント】

歌って試しながら歌唱表現の工夫を行うよ

うに助言する。(時間を意識させる)

・あくまでも歌いながら修正を行い,より

◇いくつかのグループが中 よいものを作りあげていくことが重要であ

間発表を行う。 ることを助言する。

・教師はグループ指導を行う。グループの

思いと表現ができているか,行き詰まって

いるグループに適切な技術指導に当たる。

・中間発表を聴き,表現の工夫がどんな点

か他のグループが意見を述べることで,伝

◇学習プリントを提出する。 えることの難しさを感じさせる。

まとめ 学習のまとめ

(5) ④学習のまとめを行う。 ・授業の内容を自己評価プリントでふりか 【自己評価プリント③】

えらせ次時の予定を知らせる。

Ⅵ 研究の結果と考察

1 学習過程の工夫

検証授業において,〔共通事項〕の位置付けを明確にした鑑賞(聴取)活動を仕組み,その音楽の

醸し出す雰囲気を感じ取り,学習プリントに言葉で表現する学習を仕組んだ。

まず「赤とんぼ」の演奏から学習のねらいである「強弱」「速度」の要素を感じ取る学習において,

授業後回収した学習プリント②(補助資料p12)の記述よりAまたは B 判定の記述が94.2%であっ

た。また自己評価プリント2時間目(1)「曲を聴いてどんなことに気づいたか」の記述(補助資料

p17参照)からも,75.7%の生徒が「強弱」「速度」に関することを挙げていた。「同じ旋律でも歌

詞の違いによって表現方法(強弱や速度)も変わる」等のコメントが挙げられる。体験から感じ取っ

たことを音楽を形づくっている要素を用いて表す学習活動を仕組むことで,今回の学習のねらいであ

る「強弱」「速度」が感受されたと捉える。また,同プリントの(3)「次の学習につなげたいこと」

の記述においては「歌詞の示している意味を声の強弱や速度,音色を変えて表現していることがわか

った。これからの合唱などでも活かしたい。」「次の「花」を歌うときに歌詞をイメージしながら強

弱をつけて歌い方を変えていきたい。」と,生徒の次時に対する意欲にもつながるコメントもあった。

これらのことから感受させる学習は,知識理解及び次の学習につながるための大事なプロセスである

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といえる。

次に前時で得た知識を活用して,「花」を創意工夫して歌唱表現する学習に取り組んだ。前時で身

に付けた新しい事柄を活用する場面である。学習プリント③の表記から,一人ひとりが歌詞の内容を

手がかりに,強弱や速度を工夫して記入されている記述が81.8%であった。中には,これまでの既習事

項である歌い方を加えて記入してあるものもあった。ただ単に記号だけでの不十分なものは10.8%で

あった。

事後アンケートにおいて,今回の授業を通して分かったことを3つ挙げる質問をした。その結果,

音楽を形づくっている要素(強弱・速度)に関すること21.4%,グループ学習の大切さや創意工夫に

関すること38.3%,歌詞及び表現の仕方に関することが35.0%であった。どれも学習の過程において

重要な事柄であり,段階を踏んだ指導計画を立案することでバランス良く学習が展開されたと捉える。

2 教材・学習プリントの工夫

(1)鑑賞教材について

検証授業2時間目の学習のねらいである〔共通事項〕の強弱・速度の感受に関して,1番歌詞と4

番歌詞の比較聴取できる演奏のCDを聴かせた。学習プリント②の記述内容から見取った。その結果,

1番及び4番の「強弱」「速度」の違いについて,記述できた生徒が94.2%であった。

また全体を通じて「音楽の言葉」を用いて記述している生徒が多く,学習のねらいである音楽の要

素を感受し学び取ることができたといえる。検証授業を参観した研究協力員からも,「この演奏は強

弱や速度が感じ取りやすい教材である」という感想を得た。

学習プリント②の主な記述内容は,以下のとおりである。音楽記号を用いた記述もあった。

(資料1)学習プリント②から

速度に関して・間が取られている・余韻を残して最後の言葉を丁寧にゆっくり歌っている

・秋が終わってしまうようにしんみりゆったりと終わらせている・ゆっくりと歌詞をかみしめながら歌っている感

じがした・いつの日か・・とまだ続きそうに速度も遅くして余韻を残している

強弱に関して・1番に比べて4番の方が歌詞の方が声が小さめにでていて寂しい感じである・包み込むような感じで優しく弱めに

歌っている・竿の先に止まっているように小さくささやくように歌っていた・赤とんぼが飛んでいかないように

そっとゆっくり,優しく・4番の方が強弱が波のようになっている・ゆったりと重みのある歌い方

これらのことから,今回取り扱った鑑賞教材は,学習のねらいをつかませるのにふさわしい演奏の

CDであったといえる。また,今回感じ取ったことを音楽の言葉で表す一時間目の授業としては,数

多くの言葉が表されたことを確認した。次時において歌詞を手がかりに表現を工夫していくステップ

となった。

(2)学習プリントについて

今回毎時間学習プリントに書く活動を取り入れた。音楽の時間での学習プリントに書く活動の実態

について事前アンケートを行い,資料2,資料3の結果が出た。

資料2の事前アンケートからは,音楽から感じ取ったことを言葉や文章で表現している回答が57.0

%であった(回答5,4)。また,どちらともしていない。そうしていないとの回答が42.8%であっ

た。音楽を聴いて感じたことを言葉や文章に表すことがあまりされていないといえよう。

資料3の事後アンケートにおいて,85.6%の生徒が,言葉や文章で表すことができたと回答した。

このことから,感じ取ったことを書く体験がない生徒でも,学習のステップを踏むことで,できる実

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感をもつことができるのであると考える。

(資料2)事前アンケートから

5:そうしている 4:どちらかといえばそうしている 3:どちらといえばしていない 2:そうしていない 1:その他

鑑賞する時にその音楽から感じ取ったことを言葉や文章などで表していますか。

5・・22.8% 4・・34.2% 3・・40% 2・・2.8% その他・・0

(資料3)事後アンケートから

5:そうしている 4:どちらかといえばそうしている 3:どちらといえばしていない 2:そうしていない 1:その他

鑑賞をした時,「赤とんぼ」「花」の発表から感じ取ったことを言葉や文章で表すこと

ができましたか。

5・・34.2% 4・・51.4% 3・・14.2% 2・・0% その他・・0

【学習プリントの記入状況】

・学習プリント①について:歌詞の裏側にある言葉を探らせながら,情景が思い浮かぶように個人で

歌詞の内容を考えさせた。言葉ばかりでなく,桜のイラストや歌詞のまとまりごとに色をつけて自

分のイメージしたことを記入した生徒もいた。97.1%の生徒が内容を捉えた記述をしていた。

・学習プリント②ついて:「赤とんぼ」の演奏を聴き,1番歌詞と4番歌詞の比較聴取する場面に

おいて,言葉で書く生徒の他,音楽記号を用いて記入する生徒もいた。最終問題については,書く

指示を与えず発言で共有させた。記述内容については資料1のとおりである。

・学習プリント③について:表現の工夫を記入する学習において,横書きで作成したことで,音楽記

号を記入しやすいと捉えた。しかし,4段構成の上,単語の隙間が空きすぎていたため,一つの旋

律のまとまりと捉えられずに,一語一語に対して表現方法を記入する生徒もいた。そのため,教師

側から「旋律のまとまりを考えていこう」と指示し,修正していった。このプリントについては研

究協力員からも,検証授業後,指摘を受けた。次時4時間目にグループで使用するプリントについ

ては,B4横長で歌詞を詰めて表すことで,旋律のまとまりを感じさせやすいように修正を行った。

・学習プリント④について(補助資料p15・16) (資料4)グループ学習プリント④から

右の資料4は検証授業3時間目の小グルー

プ学習ごとに,表現の工夫をする学習を行っ

た際の学習プリントである。全グループにお

いて音楽の言葉を用いて示されていた。また

言葉ばかりでなく強弱記号や速度記号を用い

て示されているグループもあった。

・学習プリント⑤について(補助資料p17)

全体発表の際に相手の発表を聞いて,伝わ

ってきたことやアドバイスを記入させた。要

素・表現の工夫・アドバイス共に記入してい

る生徒が全体の85.7%であった。

このことは,一時間目からの学習の積み重ねが関係していると捉える。毎時間の学習のねらいに

沿って5枚のプリントを作成したことで,評価をする際にも,見取りやすかった。有効活用できた

と考える。

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3 少人数グループワークの活用場面の工夫

資料5の授業後の自己評価表③(ア)及び感想記述から見取ると73.5%(回答5,4の合計)の

生徒がグループ学習を通して,一人一人自分の考えを伝え合っていたと評価した。第3時間目の授業

観察評価においても,85%の生徒は A または B と見取る評価をすることができた。実際のグループ

ワークにおいて,仲間と試行錯誤しながら表現を工夫している場面が多々みられ,表現活動に主体的

に取り組んでいたと捉えた。

また,評価事項(イ)においても,91.1%(回答5と4の合計)の生徒が,グループ活動を通し

て以前より演奏が豊かになったことを実感している評価であった。資料6の授業後の自己評価表③の

文章による記述においても,グループワークの良さを多くの生徒が記述していた。つまり生徒一人ひ

とりの感受の学習で得たことをグループ学習において意見の交換の中で活用し,高め合い,言葉や音

楽を通して学習を進めたことが有効であったと捉える。

(資料5)検証3時間目 自己評価表③の結果から

ア:グループ活動であなたの考えを言葉で伝えることができましたか?

5・・38.2% 4・・35.3% 3・・23.5% 2・・2.9% 1・・0%

イ:強弱や速度のなど変化させることで「花」が以前より工夫された表現になってきました

か?

5・・38.2% 4・・52.9% 3・・ 5.9% 2・・2.9% 1・・0%

(資料6)検証授業3時間目自己評価プリントより

・男女混合でグループをつくっているのでハーモニーがとれていたと思う。他の人の意見を聞くことでより上

の段階へいっているのが分かる。自分の考えを相手に伝えることでいいものになるんだなあと思った。

・私が思いつかないこともグループで話し合うとたくさんのアイディアが浮かび,以前自分が考えたものより

もとても良いものになった。また他の班の表現の仕方を聴いて,「歌詞は同じでもこういう歌い方もあるん

だなあ」と発見することができた。次の時間は今日考えたものよりも更にパワーアップした表現方法にして

いきたいです。

4 自己評価プリント

毎時間のねらいに沿って自己評価プリントを作成した。この活用の仕方であるが,授業時数の少な

い音楽科にとって,生徒の生の声である記述コメントを読むことで,生徒の実態をつかみ次時に活か

すことと,前時の学びの振り返りができたといえる。学級全体で前時の学びを振り返らせることで本

時のねらいにつなげやすく, 言葉を通じてのコミュニケーションが図れたと考える。

Ⅵ 研究のまとめと課題

今回の研究は,中学校音楽科において,音楽のよさや楽しさを感じ取り,創意工夫してより豊かに

表現する力を高めていくことを主題に据え,それに迫るための指導の在り方について,効果的な方策

を明らかにすることを目的とした。

授業において一つの題材を基に,思考・判断,表現力の育成につながる授業スタイルを仕組み,そ

の学習過程の中で,少人数グループワークや学習プリント及び評価プリントの工夫を図ることは,創

意工夫して表現する力を育成させるためにも有効であることが分かった。特に,歌唱を創意工夫する

場面において取り入れた,少人数グループワークの活用場面では,グループ学習を通して,自分たち

の演奏が豊かになったことを多くの生徒が実感していた。ここでの学習は,生徒が主体的に表現を追

求する場面であり,伝え合う活動を通して,学びの広がりを実感できる場であったと捉える。これは,

表現の工夫を考えさせる場面に自分の考えを伝え合うグループ学習を取り入れたことで,今まで以上

に言語活動が充実するとともに,題材の目標である,豊かな表現に達成させるために有効であったと

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いえよう。

主体的に表現を追求する場面を設定するためには,その前段階の学習において,〔共通事項〕を窓

口として,音楽を形づくっている要素と楽曲の曲想などを,知覚・感受させることから始まる。「感

じ取った」「わかった」「できた」と実感する第一歩であると考える。

また,これまで感覚的で曖昧であったものを〔共通事項〕を窓口として「○○が◇◇だから☆☆を

~のように表現したい。」など具体例を挙げて学習の中に位置付けた。感受したことを基に,音楽表

現上の言葉で関連付けながら,ワークシートに考えを記述させたことは,次の歌唱表現の工夫をする

際に大変有効であった。このような学習は,教師側からの教え込みによる一斉授業形態に比べると,

一見手間がかかるが,今後生涯にわたって,はがれ落ちない学力をつけていくためには,取り組んで

いかなければならない学習形態であろう。年間授業時数が少ない現状ではあるが, 表面的な理解だけ

に終わることなく,言語活動を中心とした,表現と鑑賞との関連を重視した実践の構築を,今後も具

体的な手立てをもとに,歌唱領域ばかりでなく他の領域においても,重ねていく必要がある。

ところで,今回検証授業を行うにあたって, 授業案づくりの他にも大切なことがあることに気付い

た。それは学級集団の雰囲気の点である。音楽科の授業では,自分の思いを声や,楽器や,体で表す

活動が多く要求される。生徒一人一人が,安心して意見や表現を素直に表せる雰囲気があるか否かと

いうことも大事であることを感じた。このことは,教科指導の基本は,学級経営にあることを示して

いるのではないだろうか。生徒の自己評価のコメントの中に「グループ学習をする際には,他の人が

言ったことを尊重して聞くことが大事。」という記述があった。この一言からこの学級では,仲間を

互いに認め合う雰囲気が,醸成されていることを感じた。こうした学級環境の中,検証授業を実施さ

せていただいたことに大変感謝申し上げたい。

最後に,校務多忙にもかかわらず,研究の場を提供していただいた研究協力校,研究協力員の先生

方に感謝申し上げたい。

【引用・参考文献】 【研究協力校】

・中学校学習指導要領 笛吹市立春日居中学校 校長 佐藤 喜美子

・中学校学習指導要領解説音楽編

以上文部科学省編 【研究協力員】

・中学校新学習指導要領の展開 音楽科編 渡邉 さゆり 笛吹市立春日居中学校教諭

(2009) 原田 徹編 明治図書 五味 伸子 笛吹市立御坂中学校教諭

・平成20年改訂中学校教育課程講座 音楽 赤池 奈保 甲府市立笛南中学校教諭

(2010) 西園芳信・伊野義博編著ぎょうせい

・平成22年度研究紀要山梨県総合教育センター

・中学校音楽科の授業と学力育成

~生成の原理による授業デザイン~

西園芳信監修 廣済堂あかつき(株) 平成23年度 山梨県総合教育センター

・各教科等における言語活動の充実

髙木 展郎編 (株)教育開発研究所 執 筆 者 主査・研修主事 内田 浩恵

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-補助資料 1 -

中学校 第3学年 音楽科 検証授業指導案※以下の1~5につきましては,研究発表会資料をご覧ください。

1 題材名

2 題材の目標

3 題材設定の理由

4 教材及び教材について

5 評価規準

6 指導計画及び評価計画(4時間扱い)

【第1次】ねらい:「花」の歌詞の内容を理解し,曲が表す情景や曲想などに関心をもつ。

時 主な学習内容と 教師の働きかけ・準備 学習活動における評価規準

学習活動 【評価方法】

○歌唱教材「花」の歌 ◇分かりづらい歌詞の言葉をあ ア①歌詞が表す情景や心情を感じ取っ

詞の内容や曲想に関 げ,意味を知らせる。 たり,旋律を覚えたりする活動に主体

第 心をもつ。 ◇歌詞の内容からどんな情景が 的に取り組もうとしている。

1 思い浮かぶか捉えさせる。 【行動観察・ 学習プリント①】

時 ○歌詞を現代語訳に直

し,内容を解釈する。 ◇学習プリント①へ現代語訳を

考え記入させる。

○主旋律を歌えるよう

にする。 ◇「花」の主旋律をアカペラで

歌えるように指導する。

◇歌いづらい部分とできている

部分を把握し,指導する。

○楽曲の曲想を感じ取 ◇歌詞の内容に応じて強弱や速 イ①旋律の音のつながり方や,強弱,

って鑑賞する。 度によって変化されているこ 速度を知覚し,日本語のもつ抑揚と音

第 とを感じ取らせる。 楽の関わりを感じ取っている。

2 鑑賞曲 ◇集中して聴かせ 1 番歌詞と 4 【学習プリント②】

時 【赤とんぼ】 番歌詞の演奏の違いを感じ取 【学習プリント③】

(有節歌曲) らせる。(強弱・速度・旋律)

◇感じ取ったことを学習プリン

○歌唱教材「花」を, ト②に記入させ発表させる。

歌詞の内容を意識し ◇再度聴き,学級全体でねらい

ながら,強弱や速度 を確かめ,共有化する。

を個人で工夫する点 ◇前時に行ったプリントを基に

を考える。 感情を込めて朗読させる。

◇「花」の歌唱表現をどのよう

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-補助資料 2 -

にしたいのか一人一人,強弱

や速度の表現の工夫を学習プ

リント③に記入させる。

【第2次】ねらい:「強弱や速度を意識して,自分たちのイメージにあった歌唱表現を工夫する。」

○歌唱教材「花」の2 ◇「花」の歌唱表現の工夫につ ア②

番,3番を,グルー いてについて,歌詞の内容を 歌詞が表す情景や心情や曲想に関心

プの話し合いの中で 手がかりに,4名グループの をもち,それらを生かして表現を工夫

第 歌唱表現の工夫を行 学習形態で試行錯誤しながら して歌う学習に主体的に取り組もう

3 う。 で表現の工夫を行わせる。 としている。

時 ◇歌唱表現の工夫をするに当た 【行動観察】

り,根拠をもって強弱や速度

の工夫をするように助言す

る。 *教師はグループ指導を行う。グル

◇グループのイメージにあった ープのイメージと表現とができて

表現ができるように技能面な いるかどうか判断し,適切な技術

どアドバイスする。 的指導を行う。

○いくつかのグループ ◇進み具合の早いグループに中 イ②

が中間発表をする。 間発表させる。 強弱や速度などを生かした音楽表現

◇グループ演奏を聴き,表現の を工夫し,どのように歌うかについ

工夫点などや伝わってきた事 て,思いや意図をもっている。

について具体的なコメントを 【行動観察】

させる。 【学習プリント③】

○発表を聴き,工夫点 ◇演奏する側においても記入し

などを気付けるよう たことと表現力のずれを感じ

にする。 させ次時の意欲につなげてい

く。

○前時のことを振り返 ◇前時の学習で表現の足りない ウ①

りながら,グループ 部分をグループ活動において 表現したい思いや意図をもち,「花」

ごとのイメージにあ 確認し,より豊かな表現につ の歌詞が表す情景や心情,曲想を生

第 った表現を工夫す ながるように歌唱表現の練習 かした曲にふさわしい音楽表現をす

4 る。 をする。 るために必要な,発声,日本語の発

時 ○グループ発表を行う。◇他のグループの発表を聴き, 音などの技能を身に付けて歌ってい

表現の工夫点を具体的にコメ る。

ントしたり,学習プリント⑤ 【行動観察】

に記入させる。

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-補助資料 3 -

7 検証授業《第1時間目/4時間中》

(1)日 時 平成23年11月15日(火) 2校時

(2)場 所 公立中学校 2階音楽室

(3)学 級 第3学年

(4)目 標 「歌詞の内容を捉え,主旋律を歌えるようにする」

(5)準 備 教科書・学習プリント①・自己評価表①

(6)展 開

過 程(時間配分) 主な学習内容と学習活動 教師の指導及び支援 評価規準と評価方法

授業の雰囲気づくりをする。

導入

(5) ◇発声練習をする。

・リーダーを中心に,チ ・姿勢や口の開け方等,不十分な生

ャイムと同時に発声練 徒に助言する。

習を始める。

歌詞の内容をつかみ

主旋律を歌えるようにしよう。

展開

(30) ◇「花」の歌詞を1番か ・プリントを見て,意味の分かりづ ア①

ら3番まで朗読する。 らい歌詞の言葉に○を付けさせ, 歌詞が表す情景や心情を

意味を確認する。 感じ取ったり,旋律を覚

えたりする活動に主体的

◇言葉のもつリズムや抑 ・歌詞が五七調になっていることに に取り組もうとしてい

揚をつかむ。 気づく。 る。

・歌詞の現代語訳を自分で考えさせ 【行動観察】

る。 【「花」の歌詞学習プリ

◇歌詞の内容を自分で考 ・五七調であるので,言葉の裏側に ント①】

え,理解し,プリント ある隠された言葉やを補いながら

に記入する。 歌詞からイメージした情景や色な

ども含めて学習プリントに記入す

るようアドバイスする。

・その際に単語だけの意味の羅列に

ならないように気を付ける。

◇歌詞の大意を発表する。・生徒に大きな声で相手に伝わるよ

うに発表させ,いろいろな表現の

仕方があることを知る。

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-補助資料 4 -

(10) ◇「花」の1番~3番ま ・1番~3番まで母音唱及び歌詞を

で歌唱練習をする。 用いて歌う。

・ア カペラで歌えるようにさせる。

まとめ 学習のまとめ

(5)

◇学習のまとめを行う。 ・授業の内容をプリントでふりかえ 【自己評価プリント①】

らせ,次時の予定を知らせる。

8 検証授業《第2時間目/4時間中》

(1)日 時 平成23年11月18日(金) 4校時

(2)目 標 「赤とんぼ」の強弱・速度・抑揚を知覚し,感じ取ることができる。

(3)準 備 学習プリント②・自己評価プリント②・「赤とんぼ」鑑賞CD

(4)展 開

過 程(時間配分) 主な学習内容と学習活動 教師の指導及び支援 評価規準と評価方法

授業の雰囲気づくりをする。

導入

(10) ◇発声練習をする。 ・姿勢や口の開け方等,不十分な生

・リーダーを中心に,チ 徒に助言する。

ャイムと同時に発声練

習を始める。

◇「花」を歌う。 ・主旋律で3番まで音程・リズムが

正しく歌えているか確認する。

曲の特徴を感じ取ろう。

展開 ◇自分が記入した「花」 ・歌詞の内容に合うように,抑揚を

(25) の現代語訳の歌詞をも つけた豊かな表現をもって朗読さ

とに,朗読する。 せる。

◇「花」の2番・3番歌 ・何名かの生徒に発表させる。

詞について生徒2~3 ・仲間の朗読のよかった点を分かり

名が朗読発表する。 やすく発表させる。

・ここまでの学習は手際よく進める。

◇「赤とんぼ」を鑑賞す ・曲を聴いて感じ取ったことを学習

る。 プリントに記入させる。

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-補助資料 5 -

・全体を一度聴く ・歌詞の抑揚と旋律の起伏がほとん イ①

・プリント記入する。 ど似ていることに気付かせる。 旋律の音のつながり方

・歌詞の1番と4番の ・1 番から 4 番まで有節歌曲である や,強弱,速度を知覚し,

演奏の違いを捉える。 「赤とんぼ」が,歌詞の内容よっ 日本語のもつ抑揚と音楽

て,強弱・速度の表現が変わって の関わりを感じ取ってい

・再度聴き確認する。 いることを感じ取らせる。 る。

・どのような違いがあるのか,また

それはどうしてそのような表現に 【「赤とんぼ」の

なっていると思うか,教師との言 学習プリント②】

葉のやりとりの中で発表させる。

【「花」の表現工夫の

(10) ◇「花」の2番・3番の ・【「花」の学習プリント】に,感受 学習プリント③】

部分を音楽を形づくっ したことを活かして,個人ごとに

ている要素を意識しな 表現の工夫を記入させる。

がら,個人で表現を工 ・自分の考えをもたせ,次のグルー

夫する点を考える。 プ活動にて考えが言えるように,

準備しておくことを伝える。

まとめ 学習のまとめ

(5)

◇学習のまとめと学習評 ・授業の内容をプリントで振り返ら 【自己評価プリント②】

価を行う。 せる。次時の予定を知らせる。

4名のグループ学習において「花」

の表現の工夫を行う事を伝える。

9 検証授業《第3時間目/4時間中》

(1)日 時 平成23年11月29日(火) 2校時

(2)目 標 歌詞の内容をイメージしながら,強弱や速度を工夫して自分たちの表現をつくりあげ

ることができる。

(3)準 備 譜面台 10 本・クリップボード 10 枚・グループ用学習プリント・自己評価プリント③

(4)展 開

過 程(時間配分) 主な学習内容と学習活動 教師の指導及び支援 評価規準と評価方法

導入 授業の雰囲気づくりをする。

(5)

◇発声練習をする。 ・姿勢や口の開け方等,不十分な生

・リーダーを中心に,チ 徒に助言する。

ャイムと同時に発声練

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-補助資料 6 -

習を始める。

◇「花」を歌う。 ・主旋律で3番まで音程が正しく歌

えているか確認する。

強弱・速度を工夫して

展開 自分たちの表現をつくりあげよう。

(40)

◇「花」の表現において, ・これまでの学習のつながりを説明 ア②

個人の思いや意図を基 する。 歌詞が表す情景や心情や

に,グループで旋律の ・感覚的ではなく,「この部分は○○ 曲想に関心をもち,それ

動きや強弱,速度の表 だからこのようにしたい」といっ らを生かして表現を工夫

現を工夫する。 たように根拠もって説明できるよ して歌う学習に主体的に

うな活動が大切であることを助言 取り組もうとしている。

◇歌詞の2番・3番の担 する。 【行動観察】

当グループを分けて表 ・前時に記入した「花」の学習プリ

現の工夫に当たる。 ントをもとに,4名ごとのグルー

プに分かれる。

〈グループ学習の注意点〉

①表現を工夫する段階で,必ず一つ イ②

自分の意見を出し,伝え合うこと。 強弱や速度などを生かし

その際にどうしてその表現にした た音楽表現を工夫し,ど

いのか自分の思いや意図を音楽の のように歌うかについ

言葉や表現で伝え合うように意識 て,思いや意図をもって

する。 いる。

②ねらいがぼけないように,音楽を 【行動観察】

形づくっている要素である「強弱」 【学習プリント③】

「速度」の部分はおさえるように

する。

③旋律のまとまりを感じながら表現

することを意識させる。

④初めはプリントに向き合うのもい

いが,歌って試しながら歌唱表現

の工夫を行うように助言する。

(時間を意識させる)

・あくまでも歌いながら修正やより

◇いくつかのグループが よいものを作りあげていくことが

中間発表を行う。 重要であることを助言する。

・初めはプリントに向き合うのもい

いが,歌って試しながら歌唱表現

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-補助資料 7 -

の工夫を行うように助言する。(時

間をを意識させる。)

・あくまでも歌いながら修正を行い,

よりよいものを作りあげていくこ

とが重要である。

・教師はグループ指導を行う。グル

ープの思いと表現とができている

か,行き詰まっているグループに

適切な技術指導に当たる。

・中間発表を聴き,表現の工夫がど

◇学習プリントを提出す んな点か他のグループが意見を述

る べることで,伝えることの難しさ

を感じさせる。

学習のまとめ

まとめ

(5) ◇学習のまとめを行う。 ・授業の内容を自己評価プリント③ 【自己評価プリント③】

で振り返らせ,次時の予定を知ら

せる。

10 検証授業《第4時間目/4時間中》

(1)日 時 平成23年12月2日(金)4校時

(2)目 標 自分の思いや意図をもって表現を工夫して歌うことができる。

(3)準 備 学習プリント④・自己評価プリント④・譜面台 10 本

(4)展 開

過 程(時間配分) 主な学習内容と学習活動 教師の指導及び支援 評価規準と評価方法

導入 授業の雰囲気づくりをする。

(5)

◇発声練習をする。 ・姿勢や口の開け方等,不十分な生

・リーダーを中心に,チ 徒に助言する。

ャイムと同時に発声練

習を始める。

展開 相手に伝わるように

(15) 表現の工夫をしよう。(発音・発声・曲想)

◇「花」の歌詞の内容や ・自分たちの思いや意図を相手に伝

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-補助資料 8 -

曲想を生かすための歌 えるためにグループで発声や発音 ウ①

い方をグループで工夫 など歌い方が難しい所など挙げる。表現したい思いや意図を

し,練習する。 ・いろいろ試行錯誤しながら,練習 もち,「花」の歌詞が表

をさせる。 す情景や心情,曲想を生

・強弱・速度・旋律のまとまりを意 かした曲にふさわしい音

識した上で,相手に伝わるような 楽表現をするために必要

豊かな表現になるように助言する。な,発声,日本語の発音

・教師はグループ指導を行う。グル などの技能を身に付けて

ープの思いと表現とができている 歌っている。

か,行き詰まっているグループに 【行動観察】

適切な技術指導に当たる。

(20) ◇各グループごと発表を ◇他のグループの発表を聴き,表現

行う。 の工夫点,相手の演奏から伝わっ

てきたことなど具体的にコメント

したり,学習プリント④に記入す

る。

◇相手のグループの発表 ・数名に発表させる。

を聴いて気付いたこと

を発表する。 ・1番から3番歌詞をクラスとして

◇「花」を歌う。 どのように強弱や速度変化させる

か意見を出し,ひとつの作品とし

てまとめる。

まとめ 学習のまとめ

(10) 【自己評価プリント④】

◇学習のまとめを行う。 ・学習全体を振り返り,分かったこ

となどプリントに記入させる。

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-補助資料 9 -

11 評価計画

学習活動における ・具体的な評価方法

評価規準 ・Cと判断される状況への働きかけ

・Aと判断するキーワード

ア① ◇評価方法【観察】

歌詞が表す情景や心情を感じ取 ・意欲的に授業へ参加しているかどうか。

ったり,旋律を覚えたりする活 ・歌詞の内容を理解し,プリントに記入されているかを見取

動に主体的に取り組もうとして る。

いる。 ◇Cと判断される状況への働きかけ

【行動観察】 ・学習プリントへの記入ができるよう促す。

ア 【学習プリント①】 ・活動中,言葉かけを行う。

◇Aと判断するキーワード

□自ら進んで歌ったり,プリント記入が豊かな言葉でなさ

れているされている。

□歌詞の内容がイメージしやすく表されている。

ア② ◇評価方法【観察】

歌詞が表す情景や心情や曲想に ・グループの話し合いに積極的に参加しているかどうか。

関心をもち,それらを生かして 自分たちのイメージをつかんで歌おうとする姿から見取

表現を工夫して歌う学習に主体 る。

的に取り組もうとしている。 ◇Cと判断される状況への働きかけ

・口の開け方や歌い方を工夫して表現できるように促す。

【行動観察】 ◇Aと判断するキーワード

□自ら進んで堂々と歌う姿

□身振り手振りも使い,歌詞の内容にあった強弱や速度を

を意識した歌唱

イ① ◇評価方法【観察・プリント】

旋律の音のつながり方や,強弱,・強弱や速度,旋律のまとまり意識しながら楽曲を聴き取り,

速度を知覚し,日本語の持つ抑 1番と4番の違いに気付き,記入できているかどうか見取

揚と音楽の関わりを感じ取って る。

いる。 ◇Cと判断される状況への働きかけ

・強弱と速度の関わりを確認し,言葉かけを行う。

イ ◇Aと判断するキーワード

【観察・学習プリント②③】 □音楽を形づくっている要素などの細かい記入

□音楽的な言葉や形容詞的語彙

イ② ◇評価方法【観察・学習プリント】

強弱や速度などを生かした音楽 ・曲の特徴を意識しながら個人・グループでの活動において

表現を工夫し,どのように歌う の表現及び学習プリントから見取る。

かについて,思いや意図をもっ ◇Cと判断される状況への働きかけ

ている。 ・言葉かけを行い,自分がどうしたいのか記号の意味を確認

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-補助資料 10 -

【観察・学習プリント④】 したり表現を促し励ます。

◇Aと判断するキーワード

□強弱・速度・歌詞の抑揚などの工夫をなぜそうしたいの

か,思いや意図をもって歌唱表現を工夫している。

ウ① ◇評価方法【観察】

ウ 表現したい思いや意図をもち, ・グループで協力しながら強弱や速度を工夫し,歌唱表現に

「花」の歌詞が表す情景や心情, 結び付くことができることから見取る。

曲想を生かした曲にふさわしい ・発音・発声などの歌唱活動から見取る。

音楽表現をするために必要な, ◇Cと判断される状況への働きかけ

発声,日本語の発音などの技能 ・歌い方を範唱や言葉でアドバイスを行う。

を身に付けて歌っている。 ◇Aと判断するキーワード

□楽曲の特徴を生かした強弱,発声,など工夫された豊か

【行動観察】 な表現

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-補助資料 11 -

(中学校検証授業資料 1/4時間目) で使用した学習プリント

♪音楽科学習プリント ① 『花』

3年 組 番 班 氏名

●1番から3番までの歌詞を,わかりやすく情景が思い浮かぶように訳してみよう。

♪《1番》

春の うららの 隅田川 のぼり くだりの 船人が

櫂の しずくも 花と散る 眺めを何に たとうべき

♪《2番》

見ずや あけぼの 露浴びて われに もの言う 桜木を

見ずや 夕暮れ 手をのべて われさしまねく 青柳を

♪《3番》

錦 織りなす 長堤に 暮るれば のぼる おぼろ月

げに一刻も 千金の 眺めを何に たとうべき

●この歌詞を読んであなたが実際見てみたいと感じたところは,どこの部分ですか?

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-補助資料 12 -

(中学校検証授業資料 2/4時間目)

♪音楽科学習プリント ②

3年 組 番 班 氏名

《日本の歌い継がれている すてきな歌曲》

「赤とんぼ」の演奏を聴いて,歌い方の工夫においてあなたが感じとったこと、気がついたこと

をどんどん記入しよう。(1番・4番)

1番 ゆ う や け こ や け の あ か と ん ぼ

負 わ れ て 見 た の は い つ の 日 か

4番 ゆ う や け こ や け の あ か と ん ぼ

とまっ て い る よ さ お の さ き

■ 1番と4番の演奏を聴きくらべて、どんな点が違っていたかな?

また,どうしてそのような表現になったのだと思いますか?

違い: なぜ?

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-補助資料 13 -

(中学校検証授業資料 2・3/4時間目)

♪音楽科学習プリント③ 『花』「歌詞の内容にあった表現を工夫していこう」

~歌詞に対するあなたの思いやイメージが大事~

3年 組 番 班 氏名

●前回の2番・3番の歌詞の内容をよく考えて、どのように歌えばいいか表現を工夫させていこう。

(例)○○が◇◇だから☆☆を~~のようにして表現していきたい。

( 強弱・速度・フレーズ・音色など+α)

♪《2番》

見ずや あけぼの 露浴びて

われに もの言う 桜木を

見ずや ゆうぐれ 手をのべて

われさしまねく あおやぎを

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-補助資料 14 -

●前回の2番・3番の歌詞の内容をよく考えて、どのように歌えばいいか表現を工夫させていこう。

(例)○○が△△だから★★を■■のようにして表現していきたい。

( 強弱・速度・フレーズ・音色など+α)

♪《3番》

錦 織りなす 長堤に

暮るれば のぼる おぼろ月

げに いっこくも 千金の

眺めを なにに たとうべき

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-補助資料 15 -

(中学校検証授業資料4/4時間目)

♪音楽科学習プリント⑤ 『花』

3年 組 番 班 氏名

①グループ発表を聴いて,全体的に表現で気がついたことを「2つ」メモしておこう。

②コメントには「表現から伝わってきたこと」または「こうした方がもっと良かった」といった

アドバイスコメントを書こう。

グループ 発表を聴いて気がついたことをメモ (強弱・速度の変化など) ♪コメント♪

(アドバイス含む)

見ずやあけぼの 露浴びて われにもの言う 桜木を

見ずやゆうぐれ 手をのべて われさしまねく青柳を

見ずやあけぼの 露浴びて われにもの言う 桜木を

見ずやゆうぐれ 手をのべて われさしまねく青柳を

3 錦 織りなす 長堤に 暮るればのぼる おぼろ月

げに いっこくも千金の 眺めを なにに たとうべき

4 錦 織りなす 長堤に 暮るればのぼる おぼろ月

げに いっこくも千金の 眺めを なにに たとうべき

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-補助資料 16 -

《中学校検証授業資料・・授業後の自己評価表1~4》

■今日の授業を振り返って~すべてつながっている~■ 【1/4時間目】

2011年【 】月【 】日【 】曜日

組 番 氏名:

♪ 今日の気分( )

(1)今日の授業で歌詞の内容がつかめましたか? 5 4 3 2 1

(2)「花」の旋律を音程やリズムに気をつけなが 5 4 3 2 1

ら最後まで歌えるようになりましたか?

(3)言葉の発音に気をつけて歌えましたか? 5 4 3 2 1

(4)今日の授業を終えて・次につなげたいことなど (歌詞の内容・花の歌唱)

※以下,自己評価項目のみ提示させていただく。自分の思いを書くコメント行は実際1~2行多くして

作成した。

【2/4時間目】

(1)曲を聴いて,どんなことに気づきましたか?

(2)「花」の2番または3番の歌詞の内容をイメー 5 4 3 2 1

ジしながら、プリントに歌うときの表現の工

夫が言葉や記号で書けましたか?

(3)今日の授業をおえて感じたこと・次につなげたいことなど

(音楽を表現する上で大切なこと)

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-補助資料 17 -

【3/4時間目】 ※字はていねいにはっきりと濃く書きましょう。

(1)グループ活動であなたの考えを言葉で伝える 5 4 3 2 1

ことができましたか?

(2)「強弱」や「速度」など変化させることで「花」 5 4 3 2 1

が以前より工夫された表現になってきまし

たか?

(3)今日のグループ活動を行って,発見したことはどんなことでしたか?

(いよいよあと 1 時間です。授業の感想も含めてコメントしましょう。)

【4/4時間目】 ※字はていねいにはっきりと濃く書きましょう。

(1)強弱や速度の変化について,相手に伝わるよ 5 4 3 2 1

うな表現を意識して練習することができまし

たか?

(2)「花」の歌詞の内容に合うような歌い方が、 5 4 3 2 1

以前にくらべて表現できるようになりました

か。

(3)今日のグループ学習も含めてわかったことや発見したことはどんなこと

でしたか?3つあげてみましょう。

1つめ:

2つめ:

3つめ:

ご協力ありがとうございました。すべてつながっている♪♪