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水道事業におけるIoT活用の 実証状況 平成28年11月29日 経済産業省 情報通信機器課 資料7-4

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Page 1: 水道事業におけるIoT活用の 実証状況...水道事業におけるIoT活用の 実証状況 平成28年11月29日 経済産業省 情報通信機器課 資料7-4 1 ステップ③

水道事業におけるIoT活用の 実証状況

平成28年11月29日

経済産業省 情報通信機器課

資料7-4

Page 2: 水道事業におけるIoT活用の 実証状況...水道事業におけるIoT活用の 実証状況 平成28年11月29日 経済産業省 情報通信機器課 資料7-4 1 ステップ③

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ステップ③ 分析・シミュレーション結果(意図した動作)を現実社会で正しく実現する

ステップ① 現実社会からサイバー空間に正しく写し取る

ステップ② サイバー空間において、データを正しく分析・シミュレーションする

出典:経済産業省「平成27年度製造基盤技術実態等調査(製造分野におけるIoTシステムのセキュリティ対策に関する調査事業)報告書」

図19. CPS/IoTの3つのステップ

IoT活用のコンセプト

現実社会をモデル化し、モデル化されたノウハウや経験・知識を活用。誰でも自由に情報・データを組み合わせることで新たな気付きや発見を得ることができ、現実社会で新たな価値を生み出すことができる。

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水道事業におけるIoT活用の背景とコンセプト

少子高齢化や設備の老朽化が進み、特に小規模事業体における事業運営が困難になりつつある。このような現状の打開策として広域化を進める必要があり、CPS/IoTの活用がその促進力になる。

IoTの活用により事業体毎にバラバラな業務の標準化やシステム間の連携・情報活用を図り、アセット・オペレーションの全体最適などの水道事業のスマート化や、事業体間の広域連携・広域化を推進する。

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広域化・効率化 少ない職員で高いサービス水準を維持した運営 統合・再配置による設備のダウンサイジング

取り組みの方向性 社会動向

・少子高齢化 ・人口減少 ・インフラ設備の老朽化

水道事業が抱える課題

・職員数の減少&ノウハウを持つベテラン職員の高齢化 ・給水収入の減少&設備の最適化 ・老朽化設備の維持保守コスト増加

特に、小規模事業体における持続可能な事業運営

【CPS/IoT活用の将来イメージ】 給水人口規模に応じた最適な設備更新、業務効率化を実現

資産とデータを 総動員して 最適化

浄水場

現場 作業者

ベテラン 職員

職員 (管理者)

広域管理

職員 (統合管理者)

浄水場

・・・ 現場作業者

浄水場

現場作業者

浄水場

現場 作業者

ベテラン 職員

職員 (管理者) ・・・

ベテラン職員

【現状】 管理方法や運用方法は事業体、浄水場ごとに様々 現場職員によって高水準サービスが維持されている

フィードバック (現場支援、制御)

情報・データ

フィードバック (計画、サービス)

故障予知

アセット マネジメント

CBM型保守

ノウハウ蓄積

CPS/IoT活用により水道事業のスマート化を図ることで広域化を促進

民間委託 直営

職員減・高齢化 給水収入 設備老朽化

CPS/IoT

出典:経済産業省「平成27年度我が国経済社会の情報化・サービス化に係る基盤整備 (水道事業におけるCPS(サイバーフィジカルシステム)実装のための調査研究)」報告書

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CPS/IoT活用の検討(事業フレームワークの整理)

安心・安全、人口減少、インフラ老朽化、職員高齢化

経営管理(財政計画、事業計画、投資計画、BCP、広域化計画)

需要予測 貯水 /取水 /導水

送水 配水 /給水

アセットマネジメント(浄水まで)

浄水

•水質、配水実績データを計画に反映

品質保証(クレーム対応)

•天候データによる取水水質の推定

•設備稼働の最適化による省エネ

•原材料コストの低減

•職員ノウハウの共有化 •水質向上 •検査コスト削減 •環境・衛生管理の強化

•要員計画、 在庫計画、 調達計画の最適化

•設備更新計画、 保守計画の最適化

•給配水計画の最適化

•広域送水計画の最適化

•水利用情報、天候情報、人口情報から需要変動を予測

• リアルタイムで水質・水量等を把握し、対応のスピード向上

•浄水場間での生産能力の融通

•設備容量の最適化

•漏水などへの早期対応によるクレームの削減

•適切な管路網補修計画を策定

活用領域4 経営管理革新領域 活用領域3 設計・マーケティング領域 活用領域2 サービス革新領域 活用領域1 生産革新領域

【業務フロー】

着水 薬品 混和

フロック 形成

沈殿 ろ過 浄水池

オペレーション(浄水まで) オペレーション(浄水後)

アセットマネジメント(浄水後)

•予防保全型によるコスト削減

•保守履歴の各種計画への反映

•広域配水計画の策定 •水の単価の監視

●業務フロー /プロセス

●ステーション /フィールド

●オペレーション

●事業体経営

●市場

【業務フェーズ】

●需要家 ●原水 ●送配水 ●浄水

●CPSによって目指すべきスマート化した水道事業の将来像(イメージ)

水道事業のCPS/IoT活用の検討に当たり、まず業務フェーズと業務フローを整理した。各部門・部署間で情報(データ)を相互利用することにより業務の有機的連携を促す。

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CPS/IoT活用シナリオと実証内容

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Step1 現在~数年後の姿 Step2 10年後の姿 Step3 20~30年後の姿

水道事業 シナリオ

CPS進展度

アセットマネジメント

5

4

3~1

オペレーション

5

4

3~1

水道事業の広域化・経営基盤強化

広域的管理 官民連携

職員の自然減

規模適正化の検討

施設の統廃合 広域化の検討 小規模水道の統合

設備の老朽化

技術継承・人材育成 経営基盤強化

LCCを考慮した効率的な資産運用

設備状態データ化

運転・維持管理データ化

劣化予兆診断

見える化

最適な水運用 (需給変動への対応、災害への対応)

遠隔監視制御 水質の自動管理 (水質変化への対応)

遠隔監視 ビジュアルマニュアル

設備状態データ化

運転・維持管理データ化

見える化

出典:経済産業省「平成27年度我が国経済社会の情報化・サービス化に係る基盤整備 (水道事業におけるCPS(サイバーフィジカルシステム)実装のための調査研究)」報告書

水道事業体や水道ベンダーと議論し、水道事業におけるCPS/IoTの活用方法(CPS/IoT活用シナリオ)を「アセットマネジメント」と「オペレーション」に分けて整理。平成28年度から実際の水道事業体のサイトにて、実証事業を実施。

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CPS/IoT活用に向けた標準化等の検討 IoT活用シナリオの実証を行うに当たり、IoTを一連の業務プロセス(設備管理、業務運営)に導入するための標準化をはかり、IoT活用による運営効率化を図る。これにより、日々のオペレーションの効率化や、最適なアセット維持管理等を実現する。あわせて、セキュリティ等の課題についても検討する。

インターフェース、APIの標準化により、システム・装置間での情報連携、アプリケーションによる情報活用が可能となり、広域化の促進、ベンダロックインの解消、調達の自由度向上、運用・保守費の低減、機能/設備拡張容易性の確保といった効果が期待できる。

標準化のイメージ

1.劣化予兆診断 各種設備・装置から収集するデータを活用し、機械劣化の予兆や操作ミスを自動検知。

多数のデータを入力

データ間の関係性を自動学習

操作異常・機器異常を自動検知

2.LCCを考慮した効率的な資産運用 人口の推移等の情報や運転情報、保守情報を活用し、施設・設備の統廃合シミュレーションを行うことで、効率的な設備更新計画を支援。 (※LCC:ライフサイクルコスト)

3.効率的な運転 広域に点在する複数施設の運転情報や送配水情報などを一元化し、稼動監視や遠隔制御を行うことで、各施設を効率的に運転。

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○IoT活用アプリケーションの例

○標準インターフェース、標準APIの検討

IoT活用アプリケーションを開発し、事業の効率化の効果検証を実施。