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NGC 1052

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  • 活動銀河NGC 1052の燃料を探る

    鹿児島大学大学院 理工学研究科 物理科学専攻

    宇宙情報講座 博士前期課程2年

    中村佳代子

  • 概 要

    AGNの中心核付近 0.1-1 pcの降着物質は、プラズマ、原子、分子ガスのような様々な状態で存在する。本研究の目的は、プラズマや分子トーラスの構造を活動銀河NGC 1052の FFA (自由-自由吸収)や水メーザーを通して明らかにすることである。私たちはこのNGC 1052をGBT (Green Bank Telescope)を用いて 2005年から 2006年に渡って 22GHzの連続波と水メーザーを観測し、VLSR = 1825 kms−1, 1680 km s−1, 1738 km s−1の視線速度の 3回のフレア成分を検出した。また、VLBAを用いて 2005年と 2006年に 2回、8.4, 15.4, 22.1, 43.2 GHzの多周波観測を行った。この観測で、VLBAで検出した水メーザーはジェットに沿って分布しており、GBTのフレア成分との同定ができた。また、ジェットと垂直な速度勾配が西側と東側それぞれ Vlsr=1685–1770 km s−1, Vlsr=1825 km s−1 で見えた。水メーザーのスポットは FFAの光学的厚み (τ0)が 100< τ0

  • 目 次

    第 1章 Introduction 21.1 AGN-活動銀河核-とは . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 2

    1.1.1 Active Galactic Nuclei:活動銀河核 . . . . . . . . . . . . . . . 21.1.2 活動銀河の種類 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 41.1.3 シンクロトロン放射 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 61.1.4 Free–free absorption (FFA) . . . . . . . . . . . . . . . . . . 7

    1.2 活動銀河NGC 1052 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 71.3 目的 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 9

    第 2章 Observation 102.1 Maser monitor using GBT . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 10

    2.2 VLBA Multifrequency imaging . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 11

    2.3 VLBA maser imaging . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 12

    第 3章 Results 133.1 GBT Maser Monitoring . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 13

    3.2 VLBA Images . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 13

    第 4章 Discussion 224.1 The Torus Model . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 22

    4.2 The Central Mass . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 22

    4.3 Physical Parameter of the Maser and Plasma . . . . . . . . . . . . . 24

    4.4 Accretion Flow . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 25

    第 5章 Conclusions 26

    Acknowlegement 27

    1

  • 第1章 Introduction

    1.1 AGN-活動銀河核-とは

    1.1.1 Active Galactic Nuclei:活動銀河核

    AGNのモデルを図 1.1に示す。中心には大質量ブラックホールがあり、中心から 0.1-1 pc のところに降着円盤が存在する。1-100 pc のところにはプラズマ、原子ガス、分子ガスなどからなるトーラスが存在する。また、中心からは数 pc-数十万 pcにも渡ってプラズマからなるジェットが、銀河面に垂直に双方向に噴出している。図 1.2より、中心領域の近くには高電離の broad line region が存在する。中心から 50-100 pcの距離になると低電離になり、narrow line region と呼ばれる。活動銀河核は、通常の銀河に比べて、電波やX線領域で莫大なエネルギーを放出しており、強いものでは、その中心核が母銀河よりも明るい。明るさは、強いクエーサーで 1012L¯よりも明るいが、放射領域は太陽系よりも小さい。中心核の質量は 108M¯にもなり、そこには大質量ブラックホールがあると考えられている。    ブラックホールの周りのガスは、その重力に引かれて降着していく。降着するガスはブラックホールの周りをゆっくりと回転しながら落ち込んでいく。この回転ガスがつくる円盤を降着円盤と呼ぶ。AGNはそのブラックホールに落ち込むガスが放つエネルギーによって明るく輝いている。しかし、ガスがブラックホールに落ち込むだけでは明るく輝かない。重力エネルギーは放射エネルギーではなく主に運動エネルギーに転化されるのである。では、放射エネルギーに効率よく転化されるためにはどうすればよいのか?それには高いガス密度が必要である。ガス密度を高くするためには、ガスがゆっくりと降着する必要があるが、ガスが角運動量を少しずつ失いながら中心へ落下するとゆっくりと降着することができる。内側ほど速く回っている回転円盤において粘性が働き、内側のリングが外側のリングに対して回転方向にトルクを及ぼすと、角運動量は内から外へと輸送される。角運動量を失うと遠心力が減少するので、ガスは中心へゆっくりと降着していくのである。粘性にはもう一つの働きがある。それは、運動エネルギーを熱エネルギーに転化させて円盤ガスを加熱するというはたらきである。こうして暖まったガスが電磁波を出すのである。このように、粘性が働くことによって、重力エネルギー→熱エネルギー→放射エネルギー というふうにエネルギーの転化が行われ、AGNは明るく輝くことができるのである。多くの活動銀河では、可視、紫外線、X線波長でとても明るい。そのほかの銀

    2

  •   

      

    BlazarQuasar

    Seyfert 1

    Radio galaxy

    Seyfert 2

      

    図 1.1: AGNの概略図。(http://astronomyonline.org/) 

      

         

    図 1.2: AGNの断面図。(http://astronomyonline.org/) 

    3

  • 河はこれらの領域で母銀河よりも明るくはないが、強い電波天体である。X線や紫外線放射はディスクの最も内側の熱い部分やジェットからくるもので、可視光はディスクやジェットよりも外側から、赤外線は核の放射によってあたためられたダストの周りで放射する (図 1.2)。一般的なクエーサーの可視光や紫外線のスペクトルは適度に濃いガスで、強くて幅の広い輝線の特徴を示す。その線幅は速さ約 10000 km s−1で動いているガスから予想されるドップラーシフトと一致し、一般的に銀河回転よりも速い。多くの銀河核は変光する。数ヶ月、数日、あるいは数時間内で明るさを変え、その輝線もまた数日や数週間で変化する。

    1.1.2 活動銀河の種類

    • Seyfert galaxy Seyfert銀河の核は電波とX線で明るい点源に見える。電波放射はシンクロトロン放射で、光に近いスピードで磁場のラインのまわりにらせん状に電子を放出する。強い電波ジェットをもつものは珍しい。核から放射される連続波の光子は、もし broad-lineが放射ガスを通ったら吸収されてしまう。観測された lineは、核近くのたくさんの個々の雲からDopplar shiftした componentが集まったものである。高電離の lineはわずか数日遅れで連続波に続いておこる。一方、低電離の lineは核から最も遠いので、数週間内に遅れて起こる。

    核の明るさは L ∼ 1011L¯で、最も明るいものはクエーサーに分類される。それらのほとんどが渦巻銀河か S0銀河に存在する。Saや Sbの渦巻銀河の約 10 %が Seyfertの核をもち、約 25%が LINERsである。

    Seyfert銀河は Seyfert1 と Seyfert2 に分類される。

    – type 1 Seyfert

    中心のディスクを下から観測している。輝線の幅は約 1万 km s−1。nar-row line も broad line も両方見える。クエーサーのスペクトルに似ているが、クエーサーが star-likeで redshiftが大きいのに対して、1型セイファート銀河は中心核がクエーサーほど明るくないため、redshiftが大きいものまで見えず、redshiftが小さいものしか見えない。e.g.) NGC 5548

    – type 2 Seyfert

      ディスクを edge-onで見ている。輝線の幅は約 500 km s−1 程度。broad-line region はトーラスに隠されているので、ダストやガスの層の光の反射によってしかみえない。核からの低エネルギーの X線がトーラスによって簡単に吸収されるので、2型セイファート銀河のスペクトルは強いエネルギーの X線の割合が多い。そのエネルギーは Seyfert1

    4

  • よりも数 keV多い。e.g.) NGC 7742

    • starburst galaxy銀河全体で爆発的に星形成が起こっているもの。星形成は中心部で起こっているものもあれば、中心部をとりまくリング状の領域で起こっているものもある。e.g.) M 82

    • ULIRG(ultraluminous infrared galaxy)赤外線領域で異常に明るい銀河。赤外線領域だけで 1012L¯から 1013L¯くらい明るい。ガスやダストが大量に含まれており、スターバーストを起こしている最中だと考えられている。また、90%以上が衝突・合体中であることが観測されている。e.g.) Arp 220

    • LLAGN(low-luminousity active galactic nuclei)明るさは低いが、活動銀河の特徴を示すもの。e.g.) NGC 4258

    • LINER(low ionized nuclear emission region galaxy) 中心核のスペクトルに低電離で幅の狭い輝線をもつ銀河。銀河のおよそ1/3がこれに分類される。e.g.) M 81, NGC 1052

    • Radio galaxy  1 Mpc に及ぶ双方向の電波ローブをもつものが多い。電波放射は非熱的であり、非常に強い。Broad line radio galaxy (BLRG) は Seyfert1のように連続波と輝線をもち、Narrow line radio galaxy (NLRG) は Seyfert2と似たスペクトルをもつ。e.g.) M 87, NGC 5128, NGC 1265

    • Quasar 強い輝線をもち、非常に大きな赤方偏移を示すコンパクトな恒星状天体。 Radio-quiet quasars (quasi-stellar object:QSO)と Radio-loud quasars (quasi-stellar radio source:QSS) に分類される。QSSは、強い電波を出すが、QSOは出さない。e.g.) 3C 273

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  • Quasars Seyfert galaxies Radio galaxies BL Lac objects

    Galaxy type 楕円銀河・渦巻銀河 渦巻銀河 巨大楕円銀河 楕円銀河最大光度 1013L¯ 1011L¯ 電波で強い 1014L¯

    連続波スペクトル 非熱的 非熱的 非熱的 非熱的輝線 広輝線・狭輝線 広・狭輝線 まれに広・狭輝線 非常に弱い吸収線 あり なし あり なし変光 数日・数週間 数日・数週間 数日 数時間

    電波放射 いくつか有 弱い 強い 弱いRedshift z

  • I I

      

    図 1.3: FFAの概略図。電波源から I0で放射された電波は、プラズマ中で吸収され、観測者には Iνで届く。

    1.1.4 Free–free absorption (FFA)

    電波源から放出されたシンクロトロン放射はプラズマ中で吸収を受ける。これを自由–自由吸収 (Free–free absorption)という。これは、シンクロトロン放射によって放出された光子がプラズマ中で電子に吸収され、イオンのまわりで回っていた電子が原子核まわりの軌道から離れるためである。FFAの概略を図 1.3に示した。 電波源から強度 I0でシンクロトロン放射された電波が、厚さ τ0のプラズマを通ったとすると、観測される電波強度 Iνは、

    Iν = I0e−τ + Iex(1− e−τ ) (1.1)

    τ = τ0ν−2.1 (1.2)

    Iex =²νκν

    (1.3)

    τ0 = 0.46

    ∫n2eT

    −3/2e dL (1.4)

    νは周波数、²νはプラズマの放射率、κνはプラズマの吸収率、neは電子密度、Teは電子温度である。

    1.2 活動銀河NGC 1052活動銀河 (AGN)の中心エンジンである降着物質は 1039 W 以上もの非常に強いエネルギーをもつ。降着物質の構造・分布・物理状態は中心へと物質が降着する過程を知るのに重要な鍵となる。中心エンジン付近の数 pc以内にある降着物質はプラズマ、原子ガス、分子ガス

    やダストのような様々な物理状態で存在する。これらの状態のいくつかは数 pcの分解能をもつVLBI観測によってみることができる。背景となるジェットは様々な

    7

  • 図 1.4: NGC 1052の可視光観測の写真。(鹿児島大学 1m光・赤外線望遠鏡で撮影。)

    周波数の連続波のVLBI観測で自由–自由吸収 (FFA)を通してイメージングすることができる [Kameno et al.(2003)]。HI吸収の観測からは原子ガスの密度と温度を知ることが出来る。いくつかのAGNのH2Oメーザーは、メガメーザーが約 107−9

    cm −3 の密度と約 103 K の温度でX線解離領域 (XDR) で励起されると考えられるので、高密度物質の構造と分布を知る手がかりになる。メガメーザー天体 NGC 1052 (図 1.4) は様々な状態のガスが観測されており、

    AGNの”rosetta stone” となりうる。距離は 20 Mpcであり、電波銀河の中では近い [Kameno et al.(2001)]。この距離から、1 milliarcsec (mas)は 0.1 pcに相当する。

    NGC 1052は pcスケールの P.A.= 68◦, −112◦の曲がった双方向のジェットをもつ。[Vermeulen et al.(2003)]のVLBIモニター観測によって、ジェットのスピードは βj = 0.25で、viewing angleは θj = 50◦ − 80◦ であることがわかっている。P.A.= 65◦のジェットに沿った FFAの分布は [Kameno et al.(2001)]によって示されている。したがって、ジェットの運動は降着物質を通してみることができる。

    [Kameno et al.(2005)]によると、水メーザーの速度範囲は1450 km s−1 ≤ VLSR ≤1850 km s−1である。また、水メーザーの輝度は数ヶ月で変動する [Braatz et al.(2003)]。[Kameno et al.(2005)]は、視線速度1787 km s−1でFWHM 21 km s−1の幅の狭い成分を発見した。この成分は中心から0.05 pcに位置し、原子ガスで励起されて増幅することによっておこったと考えられる [Kameno et al.(2005)]。[Claussen et al.(1998)]は、西側にあるメーザーがジェットの輝度に沿っていることを報告している。一方、Sawada-Satoh et al. 2007では、水メーザーを東西両側で検出している。

    [Kameno et al.(2001)]は、FFAの分布について報告し、中心核方向でFFAのピークが τf ∼ 300であるとしている。中心核から数pcの付近で、[Kameno et al.(2001)]

    8

  • は東側の近づくジェットより西側の遠ざかるジェットのほうが光学的厚みが厚いということを報告している。

    1.3 目的本研究の目的は、活動銀河NGC 1052の中心核数 pc付近の降着物質の物理状態と分布を調査することである。トーラス内の電離ガス、原子ガスの構造を明らかにするために、メーザーモニタ観測では周波数、フレアの間隔や継続時間を調べた。さらに、バースト成分の位置を決定するためにVLBI観測を行った。VLBI観測ではメーザーバーストとジェットコンポネント、プラズマの分布の関係を調査するために多周波観測を行っている。

    9

  • 第2章 Observation

    2.1 Maser monitor using GBT

    A six-epoch single-dish monitoring program for H2O masers and 22.1-GHz con-

    tinuum was performed using the NRAO GreenBank Telescope (GBT). We used

    the K-band Rcvr18–22 receiving system that has two dual circular polarization

    feeds seprated by 3′ in azimuth. The telescope nodded with a 120-second intervalbetween two celestial position where one of two feeds pointed to the target source

    and the other to off-source, alternatively. A digital spectrometer was set to cover

    200-MHz bandwidth and 8192 spectral channles, that yielded a spectral resolution

    of 0.33 km −1.System noise temperature was measured in every 120-second scan. Atmospheric

    attenution was calibrated through results of sky-tipping scans at various elevation

    angles (typically 40◦ – 70◦ in each epoch. Pointing and focus were adjusted by crossscans toward 3C 48 and NGC 1052 to maximize responses from the ‘DCR’ digital

    continuum backend. These scans were also used in measurements of continuum

    flux densities of NGC 1052 by using 3C 48 as a flux calibrator of 1.119± 0.001 Jyat 22 GHz1.

    Spectral data were processed using the ‘GBTIDL’ software package. For every

    scan, each off-source spectrum was subtracted from each on-source one before time

    averaging. Four spectra from two feeds and dual polarization were also averaged.

    To subtract continuum flux density from the averaged spectrum, we regarded

    velocity ranges of ** - ** km s−1 and ** - ** km s−1 as line-free channels. Theaverage flux densities over the line-free channels were slightly (5 − 12%) differentfrom the continuum flux densities derived from the DCR. We considered that the

    difference was caused by pointing errors and anomaly refraction because the line-

    free flux density significantly changes among scans. The spectral data were scaled,

    in order to compensate the difference, and then the continuum level was subtracted

    to obtain maser spectra.

    The maser spectra were decomposed into several Gaussian features to extract

    properties of flux density, velocity, and velocity width.

    1K Band VLA/VLBA Polrization Calibration Database 2005:http://www.aoc.nrao.edu/s̃myers/calibration/2005/K band 2005.shtml

    10

  • Date Frequency Major Minor PA Image rms

    (GHz) (mas) (mas) (deg.) (mJy beam−1)

    2005.12.10 8.4 2.05 0.73 -5.93 0.73

    15.4 1.10 0.40 -4.87 1.17

    22.1 0.72 0.24 -5.72 1.57

    43.2 0.50 0.16 -10.5 7.90

    2006.01.03 8.4

    15.4

    22.1

    43.2

    表 2.1: VLBA observations

    2.2 VLBA Multifrequency imaging

    VLBA imaging observations were carried out twice on 2005 Dec. 10 and 2006 Jan

    3. Eight and seven VLBA stations were available in these two sessions, respectively.

    Observing log is summarized in table 2.1.

    In order to obtain maser images, the 22-GHz receiver was used for four hours

    in each session. Other frequency bands at 8, 15, and 43 GHz were also tuned to

    obtain snap-shot multi-frequency images that yielded FFA opacity analysis. Dual

    circular polarization signals were received at every frequency band. We used four

    IFs of a 16-MHz bandwidth. Two IFs for each polarization are overlapped by 1

    MHz to cover 31 MHz, i.e. 418 km s−1, for H2O maser. Baseband signals weresampled with 1-bit quantization. Correlation was proceeded in the NRAO VLBA

    correlator, with the velocity resolution of 0.84 km s−1.Fringe fitting, a-priori calibration, passband calibration, and flagging processes

    were acomplished using the NRAO AIPS packege. Continuum images were pro-

    cessed using the Difmap software package.

    Free–free absorprion opacity distribution was calculated from four-frequency

    images at the same epoch. Images were registered with respect to some reference

    components that could be identified across two or more frequencies. The scheme

    was the same with that in Kameno et al. (2003). We also restored all of the images

    with a common restoring beam whose major and minor FWHM were ** and **

    mas in p.a.= ∗∗◦.

    11

  • 2.3 VLBA maser imaging

    Maser features were processed and imaged using the AIPS. Since maser emission

    in NGC 1052 was weker than the continuum, its subtraction was critical to obtain

    maser images. We used strong continuum sources of J0423-012 and J0238+164

    as passband calibrators. Cross power spectra of these passband calibrators were

    smoothed with a 32-pixel boxcar function to obtain a bandpass table.

    Wide velocity width spred in two IFs also affected to determine line-free contin-

    uum level to be subtracted. We regarded velocity ranges of ** - ** km s−1 and **- ** km s−1 as ‘line-free’ spectral channels for continuum subtraction. Long tail ofmaser features in these channels could degrade maser images.

    A set of CLEAN components 22-GHz continuum image was used in the self-

    calibration for the line-free channels. The self-calibration solution was applied to

    visibilities in other spectral channles containing maser features. CLEAN processes

    were taken to obtain channel maps. We picked up maser features brighter than **

    mJy in channel maps.

    12

  • 第3章 Results

    3.1 GBT Maser Monitoring

    GBTを用いた 6epochで得られたメーザースペクトルを図 3.1に示す。フラックス密度のピークは2ヶ月の間に 0.119 から 0.169Jy まで変化している。速度幅はVLSR = 1450 – 1950 km s

    −1 で、systemic velocity Vsys = 1456.1 km s−1 よりも赤方偏移している [Knapp et al.(1978)]。毎回 6–8conponentsを検出しており、それぞれを Aから Iとした(図 3.1, 表

    GBTspectracomp)。このモニタ観測の間に3回フレアを起こしている(表 3.1)。フレア成分 A,I,Gは 20 km s−1 よりも狭い速度幅をもつ。また、フレア成分の視線速度とフラックス密度はそれぞれ異なるので、それぞれ独立のものである。成分Aは今回の観測全てで検出されており、フラックス密度は徐々に減少して

    いる。一方、成分Gと Iは 5epoch目で初めて検出され、最後の 6epoch目ではフラックス密度は増加している。しかし、観測時期がフレアの増光と減光両方をとらえるということができなかったため、これらのフレア成分の最高値はおさえられなかった。

    2ヶ月の間の 3回のフレアは平均してそれぞれに 20日間の間隔があるということになる。フレア間隔 ∆t は、フラックス密度 S の変化から計算できる。

    ∆t = ∆S/Ṡ (3.1)

    この式から、∆t ∼ 106 sec である。22.1 GHz での連続波のフラックス密度は表 3.2に示す。平均は 1.47Jyである。

    3.2 VLBA Images

    図3.2は、VLBAで観測した連続波の図である。私たちはこれまで [Vermeulen et al.(2003)]などで報告されているような両方のジェットの検出に成功した。gapは連続波の中央付近で確認できる。図 3.3は、4周波のビームサイズをあわせたイメージから導かれた光学的厚み

    の分布を示している。光学的厚みの最高値は gapの位置で、τ = 1000であり、[Kameno et al.(2003)] で報告された値よりも大きいが、Sawada-Satoh et al. 2007

    13

  • 図3.

    1:M

    aser

    spec

    tra

    wit

    hth

    eG

    BT

    .T

    hes

    eflar

    eev

    ents

    wer

    edet

    ecte

    d.

    The

    flar

    eco

    mpon

    ent

    Aof

    VLSR

    =18

    25km

    s−1

    was

    in

    2005

    Nov

    17,th

    eflar

    eco

    mpon

    ents

    Ian

    dG

    ofV

    LSR

    =16

    80km

    s−1

    and

    VLSR

    =17

    38km

    s−1

    wer

    ein

    2006

    Jan

    12.

    14

  • 2005Nov17 Nov27 Dec06 Dec19 Dec26 2006Jan12

    A VLSR (km s1) 1824.92 1826.15 1825.57 1826.86 1825.03 1821.30

    Velocity Width (km s−1) 14.97 16.93 14.99 15.63 40.01 41.14Flux Density (mJy) 33.02 21.74 17.26 19.87 16.08 11.73

    B Velocity 1797.32 1794.02 1796.83 1745.01 1681.38 1683.63

    Width 93.19 104.21 102.43 162.50 237.20 316.79

    Flux Density 61.17 43.98 43.28 63.34 63.44 41.78

    C Velocity 1746.23 1747.39 1747.79 1740.43 1739.65 1758.73

    Width 42.98 39.57 35.81 49.25 63.67 23.94

    Flux Density 57.32 50.07 42.89 74.64 64.06 46.46

    D Velocity 1690.64 1697.75 1699.00 1686.83 1688.72 1720.90

    Width 83.44 88.91 101.12 61.82 101.16 93.96

    Flux Density 114.32 86.62 117.73 95.26 37.66 122.06

    E Velocity 1626.18 1627.98 1627.80 1628.41 1621.40 1628.33

    Width 28.09 33.09 34.39 38.48 21.88 65.65

    Flux Density 16.82 18.60 23.34 42.66 7.59 40.80

    F Velocity 1586.05 1607.08 1582.15 1575.38 1542.19 1552.59

    Width 133.90 172.87 151.09 132.02 48.13 75.06

    Flux Density 54.59 52.17 43.58 44.82 10.46 20.52

    G Velocity — — — 1737.11 1737.75 1738.22

    Width — — — 7.51 6.29 11.20

    Flux Density — — — 17.04 12.08 32.61

    H Velocity — — — 1719.48 — —

    Width — — — 16.58 — —

    Flux Density — — — 17.95 — —

    I Velocity — — — — 1686.29 1680.43

    Width — — — — 19.55 18.80

    Flux Density — — — — 24.09 54.31

    表 3.1: The spectral components (GBT monitoring). Flare components were A,G and I.

    2005Nov17 Nov27 Dec06 Dec19 Dec26 2006Jan12

    Flux Density (Jy) 1.44 1.34 1.41 1.51 1.49 1.47

    表 3.2: Total Flux Density of The Continuum (GBT monitoring)

    15

  • Center at RA 02 41 04.79854 DEC -08 15 20.7513

    NGC1052 IPOL 22094.460 MHZ BK129A.ICL001.1PLot file version 1 created 10-MAR-2007 16:35:17

    Peak flux = 1.8629E-01 JY/BEAM Levs = 1.863E-02 * (0.707, 1, 1.414, 2, 2.828, 4,5.657, 8, 11.31, 16, 22.63, 32, 45.25, 64, 90.51)

    Mill

    iAR

    C S

    EC

    MilliARC SEC10 5 0 -5 -10

    6

    4

    2

    0

    -2

    -4

    -6

    Center at RA 02 41 04.79854 DEC -08 15 20.7513

    NGC1052 IPOL 22105.859 MHZ BK129B.CONT.1PLot file version 1 created 10-MAR-2007 15:56:38

    Peak flux = 1.1457E-01 JY/BEAM Levs = 1.146E-02 * (0.707, 1, 1.414, 2, 2.828, 4,5.657, 8, 11.31, 16, 22.63, 32, 45.25, 64, 90.51)

    Mill

    iAR

    C S

    EC

    MilliARC SEC10 5 0 -5 -10

    6

    4

    2

    0

    -2

    -4

    -6

    図 3.2: The continuum map at 22.1 GHz. The map of the top was observed in2005 Dec 10. The bottom was observed in 2006 Jan 3.

    16

  • とは矛盾しない。ジェットに沿った厚みの分布は約 0.2pcのスケールでムラがある。この分布は [Kameno et al.(2001), Kameno et al.(2003)] で報告されたとおり、東側と西側とは非対称で、西側のほうが東側よりも大きい。また、上の図では FFAの厚みの分布とメーザースポットの位置を示した。縦に伸びている線がメーザーの位置を示し、長さは強度を示している。これを見てみると、メーザースポットの位置は、FFAの光学的厚み τ0 が 100 < τ0 < 300 の範囲でジェットと一致することがわかる。図 3.4はメーザーのチャンネルマップ、図 3.5は連続波とメーザーのマップである。メーザースポットの位置は東側と西側のジェットの componentと一致する。東側のジェット方向に位置するメーザースポットは Sawada-Satoh et al. 2007 と矛盾しない。

    GBTで観測したフレア成分は視線速度と時間間隔でVLBI観測結果の channelmapと同定された。1825 km s−1 の成分Aは、チャンネルマップで 1825 km s−1

    の速度チャンネルで東側に 2005年 12月に現れ、2006年 1月に消え、1680 km s−1

    の成分 Iと 1738 km s−1 の成分Gは、チャンネルマップで 1680 km s−1 と 1738km s−1 の速度チャンネルで西側に 2005年 12月にはなく、2006年 1月に現れたため、それぞれ同定できた。また、これらのフレア成分は連続波成分のピークと一致する。図 3.6は、ジェットに垂直の軸とジェットに沿った軸の position–velocity 図である。Claussen et al. 1998 で報告された西側のジェットに沿った (P.A.= −112◦) 、約 100 km s−1 mas−1 の速度勾配は、今回の観測でははっきりとしなかった。一方、768± 319 km s−1 mas−1, 766± 314 km s−1 mas−1 の東側と西側のジェットに垂直(P.A.= −22◦)な速度勾配は確認できた。このことから、両側のジェットで南側のガスが早い速度で動いていることがわかる。

    17

  • 図 3.3: The opacity distribution along the jets and maser distribution with VLBA.The opacity maximum is τ0 ∼ 1000. Maser distribution corresponded with the FFAopacity.

    18

  • 図 3.4: Channel map of H2O maser using VLBA. Both of western and rasternfeatures were detected. Burst features were identified.

    19

  • Mil

    liA

    RC

    SE

    C

    MilliARC SEC

    10 5 0 -5 -10

    6

    4

    2

    0

    -2

    -4

    -6

    Mil

    liA

    RC

    SE

    C

    MilliARC SEC

    10 5 0 -5 -10

    6

    4

    2

    0

    -2

    -4

    -6

    図 3.5: The continuum map with maser spots at 22 GHz with VLBA. The top wasobserved in 2005 Dec 10, the bottom was in 2006 Jan 03. Plus (+) is the position

    of H2O maser. Maser position corresponded with continuum peak.

    20

  • 1400

    1500

    1600

    1700

    1800

    1900

    -0.8 -0.6 -0.4 -0.2 0 0.2 0.4

    LSR

    Vel

    ocity

    [km

    s-1

    ]

    Position along jet [mas] (PA=-22 deg)

    1400

    1500

    1600

    1700

    1800

    1900

    -4 -3 -2 -1 0 1 2 3 4

    LSR

    Vel

    ocity

    [km

    s-1

    ]

    Position along jet [mas] (PA=-112 deg)

    1400

    1500

    1600

    1700

    1800

    1900

    -1.2 -1 -0.8 -0.6 -0.4 -0.2 0 0.2 0.4 0.6 0.8

    LSR

    Vel

    ocity

    [km

    s-1

    ]

    Position along jet [mas] (PA=-22 deg)

    1400

    1500

    1600

    1700

    1800

    1900

    -2 -1 0 1 2 3 4 5

    LSR

    Vel

    ocity

    [km

    s-1

    ]

    Position along jet [mas] (PA=-112 deg)

    図 3.6: The position-velocity diagrams across jets (left) and along jets (right).Two diagrams of the top are observed in 2005 Dec 10, the bottom diagrams are

    in 2006 Jan 03. Plus (+) is the eastern masers, cross (×) is the wastern masers.Velocity gradient of the across the eastern and western jets can be seen.

    21

  • 第4章 Discussion

    4.1 The Torus Model

    [Claussen et al.(1998)]では西側のメーザーは検出されているが、東側のメーザーは検出されていない。しかし、今回の観測で西側だけでなく東側のメーザーとFFAも検出することに成功した。これは、Sawada-Satoh et al. (2007) の結果と一致する。西側と東側のメーザーの両方を検出したことから、トーラスは両側のジェット共カバーしており、half thicknessは、90◦ − θj (jet viewing angle θj ∼ 50◦) よりも大きい。メーザーフレアは2003年の野辺山45m(NRO)で観測したところ4日で1回観測さ

    れている [Kameno et al.(2005)]。今回のGBTの観測では2ヶ月に3回観測している。つまり、メーザーフレアの間隔は約 20日であることがわかる。メーザーフレアの継続時間∆tは、GBTで観測したところ、約3×106 secであった (*章参照)。分子ガスのムラのサイズ∆Lは∆L ∼ vj∆t(ジェットの速度:vj ∼ 0.25c[Kameno et al.(2001)])から約 0.0043 pcである。

    NGC 1052の質量降着のメカニズムを図 4.1に示す。まず、中心核領域からきたphotonによってXDRにある分子からプラズマが放出される。そして、プラズマが中心へと降着する。それによって中心は光り、再び photonを放出する。このようにして中心領域は光り続けることができる。

    4.2 The Central Mass

    中心核領域の質量 enclosed mass は、ωを角速度、rを中心からメーザーの位置までの距離、Gを万有引力定数とすると、

    M =r3ω2

    G(4.1)

    から、2.4 × 108M¯である。ここで、ωは、ω ∼ 2.6 × 10−10 rad s−1で、*章記述の速度勾配 約 766 km s−1 mas−1と 1 mas ∼ 0.1 pcから導出される。rはメーザーまでの距離で、0.2 pc とした。次に、エディントン光度を求める。mpは陽子の質量、cは光速、σTはトムソン散乱断面積、M は降着物質の質量で、先ほど求めた enclosed massを用いた。

    LEdd =4πGmpc

    σTM (4.2)

    22

  • 図 4.1: NGC 1052の質量降着の様子。

    23

  • よってエディントン光度は、1.5×1039Wとなり、X線の光度LX ∼ 1035 W ([Sazonov et al.(2007)])と比べると、104大きい。これはエネルギーの放射への変換効率が悪いことを意味する。そして、なかなかエネルギーが放射されないために停滞したエネルギーによって降着円盤が膨張し、降着円盤は光学的に薄く、幾何学的に厚いと考えられる。

    4.3 Physical Parameter of the Maser and Plasma

    FFAの光学的厚み τ0の分布とジェットとメーザースポットの関係を見てみると、100 < τ0 と τ0 < 300の場所でメーザースポットとジェットの一致が見られる。τ0を 22 GHzの FFAの光学的厚み τ22に変換すると、0.15 < τ22, τ22 < 0.44となる。τ22 < 0.44では、励起しているガスに到達するまでにジェットから飛び出した光子が十分に残っているため、メーザーが起きることが出来る。また、τ22 > 0.15でメーザーが存在するということは、FFAプラズマと励起している分子ガスが共存していることの証拠となる。もしも、τ22 ¿ 0.1ならば、XDRが薄すぎるためにメーザーは起きることができない。また、1.0 ¿ τ22ならば、プラズマの層が厚すぎてメーザーを隠してしまう。このことから、100 < τ0 < 300の範囲で水メーザーは起きることができると言える。メーザースポットの分布と FFAの分布との一致から、圧力一定だと考える。

    τ0 = 0.46

    ∫n2eT

    −3/2e dL (4.3)

    この式から、光学的厚みの最大値は中心核方向に τ0 ∼ 1000で、ムラのサイズがL∼ 0.1 pcなので、

    n2eT−3/2e = 1.4× 104 cm−6K−

    32 (4.4)

    また、H2O分子の励起状態での密度と温度は nH ∼ 107−8 cm−3, TH ∼ 102.5−3 K[Maloney(2002)]なので、圧力一定より、

    neTe = 1010 cm−3K (4.5)

    従って、電子密度と電子温度はそれぞれ ne ∼ 3.3× 105 cm−3, Te ∼ 3.0× 104 Kとなる。次に、トーラスの質量を求める。

    Mgas = np ·mp · f · V (4.6)

    から、Mgas ∼ 1.7× 104fM¯ 陽子の個数密度は np ∼ 3× 1011 m−3で、陽子の質量はmp ∼ 1.67× 10−27 kg である。トーラスの体積 V は、トーラスの断面の半径を0.5 pcとして求めた。f はトーラス内の分子雲の割合、filling factorである。

    24

  • 4.4 Accretion Flow

    メーザーの速度は systemic velocityに比べ、redshiftしている。また、メーザーはジェットの手前にあり、ジェットに沿った分布をしているので、メーザーの速度は回転ではなく降着を意味する。その降着速度は vin = Vsys − VLSR ∼ 400 km s−1である。トーラスの半径 rは、0.1 pcとした。ρ = nemH ∼ 3× 10−16 kg m−3で、hはトーラスの厚みで 0.1 pcとした。すると、

    ṁ = 2πrρvinh (4.7)

    より、2.3× 1029 kg yr−1 ∼ 1.2× 10−1M¯ yr−1となった。次に、この求めた降着率から放射効率を求める。降着率と放射効率の関係式は、

    ṁ =L

    ζc2(4.8)

    Lは光度で、[Sazonov et al.(2007)]から 1041.91 erg s−1を代入した。ζは放射効率である。この式から求めた降着率は 1

    ζ3.2× 1025 kg yr−1である。式**と式**から、

    放射効率は ζ ∼ 1.4× 10−4と求まった。粘性は、以下の式から求められる。

    ν =η

    ρ(4.9)

    η =1

    3ne

    √〈v2e 〉mel (4.10)

    ηは粘性率で neは電子密度、veは電子の平均速度、meは電子の質量、lは平均自由行程である。平均自由行程は

    l =1

    4neσ(4.11)

    σ =1

    4

    (e2

    4π²0mev2e

    )2 ∫1

    sin4 θ2

    (4.12)

    この 2式から、

    l = 3× 104T 2e106m−3

    nem (4.13)

    σは散乱断面積、eは電気素量、²0は真空の誘電率、θは散乱角である。また、電子の平均速度は 〈

    1

    2mev

    2e

    〉=

    3

    2kTe (4.14)

    から求めることができる。以上より、粘性は 1.9× 1022 m2s−1と求まる。降着円盤の半径を 0.1 pcと考えると、降着物質が落下する時間は、

    t =A

    ν(4.15)

    から、0.5年となる。*******

    25

  • 第5章 Conclusions

    私たちは活動銀河NGC 1052の水メーザーとFFAをGBTとVLBAを用いて観測した。トーラス内の分子とプラズマガスは共存しており、分子ガスと電離ガスのトーラス内での分布の規模は、メーザーモニタの数が十分ではないため、わからなかった。GBTで観測したフレアコンポネントはVLBAで観測したメーザーのchannnel mapと同定することができ、メーザースポットは連続波のピークと一致した。このことから、メーザーフレアはジェットの連続波の輝度と関係するということがわかる。メーザースポットの分布の範囲と FFAの opacityは 0.1 pc の範囲で一致をみせているため、メーザーを起こしているガスとFFAプラズマは共存していると考えられる。このことから、電子密度と温度はそれぞれ ne ∼ 3.3 × 105cm−3 と Te ∼ 3.0× 104 K と見積もった。観測結果から得られた粘性から、やはり分子粘性だけでなく、乱流粘性や磁気乱流粘性が必要だという結論に達した。

    26

  • Acknowlegement

    27

  • 関連図書

    [1] Ajit K. Kembhavi and Jayant V. Narlikar, ”Quasars and Active Galactic

    Nuclei” CAMBRIDGE UNIVERSITY PRESS

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    M. 2003, apjs, 146, 249

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    [2] 福江純, ”輝くブラックホール降着円盤-降着円盤の観測と理論-”プレアデス出版 天文学・宇宙科学叢書

    [Kadler et al.(2004)] Kadler, M., Kerp, J., Ros, E., Falcke, H., Pogge, R. W.,

    Zensus, J. A. 2004, aap, 420, 467

    [Kameno et al.(2003)] Kameno, S., Inoue, M., Wajima, K., Sawada-Satoh, S.,

    Shen, Z.-Q. 2003, Publications of the Astronomical Society of Australia, 20,

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  • [5] 小山勝二・嶺重慎, ”ブラックホールと高エネルギー現象” 日本評論社 シリーズ現代の天文学 8

    [6] 坂下志郎・池内了, ”宇宙流体力学” 培風館 新物理学シリーズ 30

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    http://astronomyonline.org/

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