所長就任挨拶 -...

8
(1)漢方と鍼/平成 27 年 7 月号 2.5 10 11 湿27 39 159 姿

Upload: others

Post on 12-Oct-2020

0 views

Category:

Documents


0 download

TRANSCRIPT

Page 1: 所長就任挨拶 - 北里大学そ下痢、湿疹などに用いられ、し、頭痛、歯痛、鼻炎、腹痛、漢方ではその根を「白芷」と根には特異なにおいがある。経けい

(1)漢方と鍼/平成 27 年 7 月号

右絵は岩崎灌園『本草図譜』

に描かれたビャクシ

 

日本近畿以南~九州、朝鮮

半島、中国に分布するセリ科

ヨロイグサは高さ1~2.5mの

多年草。7~8月に茎頂に白

い小花を多数つける。葉茎が

枯れた10~11月頃掘り上げた

根には特異なにおいがある。

漢方ではその根を「白芷」と

し、頭痛、歯痛、鼻炎、腹痛、

下痢、湿疹などに用いられ、

疎そ

経けい

活かっ

血けつ

湯とう

、麗れい

沢たく

通つう

気き

湯とう

など

に応用される。 (坂田 

幸治)

平成27年7月号(第39巻第3号・通巻第159号)

学校法人 北里研究所 北里大学東洋医学総合研究所だより

芷 (ビャクシ)

所長就任挨拶

北里大学東洋医学総合研究所

所 

長 

小田口 浩

 

平素は北里大学東洋医学

総合研究所の事業にご理解

を賜り、まことにありがと

うございます。7月1日、

花輪壽彦前所長の任期満了

に伴い、第5代所長を拝命

いたしました。私は医学部

を卒業した後、心臓血管外

科学(循環器病学)を修め、

2003年より花輪前所長

に師事して漢方医学を学ん

で参りました。

 

さて、当研究所は197

2年に日本で最初の東洋医

学の総合的な研究機関とし

て設立されて以来現在に至

るまで、日本の漢方薬・鍼

灸治療や研究の中心的存在

であり、1986年からは

WHO(世界保健機関)の

伝統医学協力センターに指

定されております。特に漢

方鍼灸治療センターは、日

本人に合った、最高レベル

の漢方医療(漢方薬・鍼灸

治療)をご提供できる場と

して内外から高く評価され

ております。

 

漢方界の巨匠であった歴

代所長と比較すると浅学非

才の私ではございま

すが、これまで当研

究所で継承されてき

た本物の漢方医療・

研究の幹をさらに太

くすること、他方で

漢方医療の科学的解

明をさらに進めて現

代医療との融合を図

ること、それらを通じてこ

れまで以上に患者様に役立

つ漢方医療を提供できる体

制を整えること、以上が自

分に与えられた主要な役割

であると考え、粉骨砕身し

てまいる所存です。特に患

者様の悩みに真正面に向き

合い、漢方医療以外の方法

も含めた最良の解決策を真

摯に考える姿勢を大事にし

ていきたいと考えておりま

す。この意味で患者様の率

直なお声は大変参考になり

ます。どうぞ待合室に設置

してあります箱にご意見を

お寄せくださいますようお

願い申し上げます。

 

なお、漢方医療は医師や

鍼灸師など治療者の個性が

重視される医療です。診療

スタッフや診療日などにつ

きましては、当面大きな変

更は予定しておりません。

花輪前所長にも北里大学医

学部教授として引き続き診

療にあたっていただくこと

になっており、当研究所と

医学部のさらなる連携強化

が期待されます。

 

今後も当研究所の良き伝

Page 2: 所長就任挨拶 - 北里大学そ下痢、湿疹などに用いられ、し、頭痛、歯痛、鼻炎、腹痛、漢方ではその根を「白芷」と根には特異なにおいがある。経けい

漢方と鍼/平成 27 年 7 月号(2)

統を受け継ぎ、皆様の健康

に真に役立つ漢方医療を提

供するために努力する覚悟

です。どうぞよろしくお願

い申し上げます。

 

本年4月1日付けで薬剤

部部門長に就任いたしまし

た。大役を仰せ付かり大変

な光栄と同時に重責を感じ

ております。2007年に

薬学部生し

ょう

薬やく

学教室の教授

に就任して以来、花輪壽彦

前所長をはじめ多くの先生

方のご指導とご協力のも

と、薬学における漢方医薬

学の教育と研究に注力して

まいりました。生

しょう

薬やく

は、植

物・動物・鉱物などをその

まま、または簡単な処理を

して医薬品あるいは医薬原

料に供するもので、「きぐ

薬剤部門長就任の挨拶

薬剤部門 

部門長 小 林 義 典

すり」ともいいます。西洋

薬に対して、まさに生き(自

然のまま)の薬という意味

です。ところで、薬(藥)と

いう文字は、艸(草冠)と

楽(樂)とで構成されてい

ます。俗に草を楽しむとい

う意味である、といわれる

こともありますが、樂は割

砕く意で、例えば礫は岩石

の小さな破片のことです。

したがって、藥は病を治す

草を粉砕した粉末、という

のが本来の意味です。しか

し、この俗説にも捨てがた

い意味があります。漢方薬

は、西洋薬がもっている薬

理学的な働きだけでなく、

独特の味や香りの力で感覚

を刺激して様々な生体反応

を引き出すことで、生活環

境の変化や生活習慣の乱れ

によって生じた生体バラン

スのひずみを回復させる働

きも持っています。実際、

本草学(漢方における薬物

学)では生薬を「性味」で分

類します。「性」には温める

温・熱、冷ます涼・寒、どち

らでもない平へ

、「味」には

酸、苦、甘、辛、鹹か

ん(塩から

い)のそれぞれ5種類あり

ます。辛味は生理学的には

味覚ではありませんが、温

度や芳香成分の刺激を受容

する重要な感覚です。生薬

の性味の効果を存分に引き

出すためには、味や香りを

しっかり感じることができ

る昔ながらの煎じ薬が最適

です。現在、漢方の治療効

果を最大限に活かせるよう

サポートすることを目的と

して、辛味や芳香の持つ治

療効果の科学解明や、産地

拡大と栽培品種の多様化に

対応した生薬の品質管理に

関する研究を進めておりま

す。漢方医学の継承と発展

のために精進する所存です

ので、どうぞよろしくお願

い申し上げます。

疲労と漢方

副 

所 

長 及 川 哲 郎

 

疲労は、痛み、発熱と並ん

で生体の3大アラームと言

われ、身体にとって生命と

健康を維持する上で重要な

信号のひとつです。健常者

における生理的疲労は、精

神あるいは身体に負荷を与

えた際に作業効率が一時的

に低下した状態と定義でき、

休息を求める欲求と不快感

(いわゆる疲労・倦怠感)を伴

うことが多いとされます。

 

ただ、そのような重要な

症状にもかかわらず、疲労

を訴えても検査で見つかる

とは限りません。「最近ひど

く疲れやすい。毎年の健康

診断は正常値で、いくつか

の病院でも検査してもらっ

たが、異常はないと言われ

ている……。なぜだろう、

不安」といった話をよく聞

きます。西洋医学では、病

気を診断する手がかりとし

て「疲れやすい」「だるい」

という症状に注目しますが、

診断がつかない場合「疲れ

やすい」「だるい」という症

状自体に対する手立てがな

いことも少なくありません。

そうした場合、漢方医学で

は疲労に関連した症状に対

して、漢方独自の概念で対

応できることが多いのです。

 

例えば気血水理論では、

気は目に見えない根源的エ

ネルギーで人の活動を機能

的にささえる、血は血管内

の赤い液体である栄養など

を通して人を物質的にささ

える、水は無色の(血以外

の)液体で血とともに人の

活動を物質的にささえると

し、これらの失調があると

人は病気になると考えたわ

けです。気血水の失調は、

気の失調を中心に疲労につ

ながることが多いのです。

また虚実の考え方も大切で

す。体質強壮な者を実証、

体質虚弱な者を虚証と呼び

Page 3: 所長就任挨拶 - 北里大学そ下痢、湿疹などに用いられ、し、頭痛、歯痛、鼻炎、腹痛、漢方ではその根を「白芷」と根には特異なにおいがある。経けい

(3)漢方と鍼/平成 27 年 7 月号

第64回全日本鍼灸学会学術大会の報告

鍼灸診療部 井 田 剛 人

 

第64回全日本鍼灸学会学

術大会が、5月22日(金)

から24日(日)の日程で福

島県郡山市のビッグパレッ

トふくしまにて開催されま

した。大会会頭に福島県立

医科大学会津医療センター

漢方医学講座教授、三潴忠

道氏を迎え「今、鍼灸の復

ます。特に虚証タイプで

は、西洋医学にない補剤と

呼ばれる、体に足りない気

血を補う漢方薬を用いる機

会が多くなります。

 

疲労は気の不足(気虚)

に関連することが多いので

すが、ひとつの考え方とし

て喜多敏明先生の弛緩型疲

労と緊張型疲労という分類

を紹介します。弛緩型は胃

腸が特に弱った虚証タイプ

(ガス欠、電池切れ)で、人参

湯などで胃腸を整え燃料補

給する治療をします。緊張

型は実証タイプにも見ら

れ、ストレスなどによる興

奮・緊張が強いため疲労を

きたすタイプ(エンジン、部

品の調整不良)。桂枝加芍

薬湯などで胃腸の活動をリ

ラックスさせ、整備と燃費

改善を行います。私の考え

では、これに加齢型疲労(加

齢による腎気減少が関係す

るタイプで、八味丸や真武

湯などで体調改善を目指す)

を加えれば、さらに分類し

やすくなると思います。

 

ちなみに、これからの時

期は暑さも本番、夏バテの

季節でもあります。『広辞

苑』によれば、夏バテは「夏、

暑さのために、体がぐった

りと疲れること」とありま

す。夏バテは、日本の高温

多湿な夏がそもそもの原因

とされています。暑さによ

る食欲低下や食事の偏り、

栄養バランスの悪化を起こ

しているところへ、冷たい

飲食物により胃腸機能がさ

らに低下、大量の発汗や睡

眠不足、冷房病(室内外の

温度差から自律神経失調症

状)といった様々な要因が

加わって、疲労が出現する

と考えられます。冷房対策

や冷たい飲食物を控えめに

することなどが大切です

が、漢方薬にも清暑益気湯

をはじめとした夏バテ治療

薬があります。胃腸を元気

にして食欲を増し、体を潤

し発汗による脱水を改善さ

せる効果があります。

 

最も身近な症状である疲

労。上手に付き合っていく

必要がありますが、状況に

応じて漢方も取り入れ、よ

り快適な毎日をお過ごしく

ださい。

興を~拓け未来、育め希望

~」をテーマに、3日間の

プログラムを、過去、現在、

未来に分け、伝統医学の歴

史を踏まえつつ、新たな知

識を付加していくことを目

指すという目的のもとに構

成され、福島の復興ととも

に鍼灸の復興も願う想いが

込められ、各会場には熱気

と活気があふれる大会とな

りました。

 

当鍼灸診療部からは、6

演題の発表を行いました。

伊藤剛鍼灸診療部長は専門

領域である、下半身型冷え

性の病因と殿中穴(奇穴)の

診断意義について口演発表

し、また難治性疾患のセッ

ションにて座長も務められ

ました。石原武は、日本、中

国、朝鮮における鍼灸医書

から、古典医書における風

市穴の記述についての発表

を行い、黒岩奈々子は、自身

が経験した片側顔面神経麻

痺に目窓穴が有効であった

症例を発表し、伊藤雄一は、

灸が生体に与える自律神経

反応の実験を行い、心兪穴

への温筒灸に対する心臓自

律神経反応としてまとめ、

発表を行いました。井田剛

人は、眼科疾患である加齢

黄斑変性による視力低下に

鍼治療が有効であった症例

を、霜降壮は、難治性の振

戦に鍼灸治療が有効であっ

た症例をそれぞれ発表し、

どの演題も質疑応答が活発

になされ多くの関心を得て

おりました。また近藤亜沙

鍼灸レジデント、および鍼

灸研修生数名も聴講として

参加し、日々の臨床に生か

す研鑽の場として意欲的に

参加をしてまいりました。

 

大会のプログラムとして、

「災害に備える鍼灸」、「東

日本大震災時における鍼灸

マッサージの経験から」な

ど、開催地である福島を意

識した講演も多数行われて

おりました。その他、「東

京オリンピック・パラリン

ピックに向けた鍼灸再考」、

Page 4: 所長就任挨拶 - 北里大学そ下痢、湿疹などに用いられ、し、頭痛、歯痛、鼻炎、腹痛、漢方ではその根を「白芷」と根には特異なにおいがある。経けい

漢方と鍼/平成 27 年 7 月号(4)

第116回日本医史学会総会・

       

学術大会開催

医史学研究部 加 畑 聡 子

 

平成27年4月25日(土)、

26日(日)、第116回日本

医史学会総会・学術大会が

大阪市中央区にある綿業倶

楽部(重要文化財指定建築物)

において開催されました。

 

日本医史学会は明治25年

「介護予防と鍼灸治療」と

題したパネルディスカッ

ションや、鍼灸実技セッ

ション、医師向け鍼灸入門

講座、「災害医療とは何か」

と題した教育講演、市民公

開講座では、福聚寺住職の

玄侑宗久氏による「陰陽と

いう生成原理」についての

講演がありました。シンポ

ジウムでは「難治・難病の

鍼灸治療」と題し、難病に

対する鍼灸治療の現状呈示

から、リウマチ、膠原病と

いった疾患に対して鍼灸治

療が、鎮痛、機能障害の改

善等QOLを向上させる可

能性が示唆されたという報

告、さらに、パーキンソン

病に対する鍼灸治療の効果

や治効機序などの報告があ

りました。また、「不妊症

と鍼灸治療」では、不妊治

療における鍼灸治療の現状

と課題を明らかにし、鍼灸

治療が果たせる役割につい

ての討論がなされました。

その他、鍼や灸、医療機

器、書籍などを扱った商業

展示コーナーをはじめ、地

元福島県からも地酒の販売

や、飲食店などの出店もあ

り、福島県のPRの場とし

ても活用されておりまし

た。来年は北海道札幌市で

の開催です。

(1892)に発足し、日

本医学会第一分科会にあた

る由緒ある学会です。本大

会は今年の2月から4月に

かけて関西地域にて開催さ

れた「第29回日本医学会総

会 

2015 

関西」に合わ

せての開催となりました。

 

本学会理事長でもある当

研究所医史学研究部小曽戸

洋部長が本大会会長を務

め、武田科学振興財団杏雨

書屋のご支援のもと、当研

究所職員が中心となって運

営しました。

 

本年は、会長講演、シン

ポジウム、基調講演、市民

公開講座3題、一般演題98

題が発表されました。シン

ポジウムは、「華岡青洲の

時代」と題して、この度大

阪市北区の中之島公園に建

立された華岡合水堂碑を記

念して行われました。華岡

合水堂とは、世界で初めて

全身麻酔による乳がん摘出

手術に成功したといわれる

華岡青洲の弟、華岡鹿城が

大坂に開いた医学塾です。

先人の偉業を称える記念す

べき大会となりました。

 

本研究所では、例年、医

史学研究の発展と啓蒙を目

的として、研究成果を本学

術大会に発表しています。

本大会においても、会長講

演「杏雨書屋のコレクショ

ン」(小曽戸洋)、「曲直瀬

流の口訣・医案に注目した

『和漢纂言要方』『本邦名医

類案』の解析」(星野卓之、

小曽戸洋、花輪壽彦)、

「『幼々新書』所引『千金翼

方』の検討」(堀田広満、

小曽戸洋、花輪壽彦)、「『奇

疾便覧』に引用される症例

について」(周防一平、小曽

戸洋)、「津田(田村)玄仙

による学校設立の試み」

(加畑聡子)、「浅田宗伯編

輯『皇朝医叢』について」

(渡辺浩二、天野陽介、小曽

戸洋、花輪壽彦)、「常煎法

の成立起源及びその経緯に

関する研究~江戸末期から

昭和にかけて~」(坂田幸

治、大里真奈美、花輪壽彦)

の7題が発表されました。

 

学会翌日の4月27日(月)

には、京都府内の医史跡や

植物園を巡るオプショナル

ツアーが開催されました。

行程には、武田薬品京都薬

用植物園、十念寺(曲直瀬

道三墓所)、六角獄舎跡・

山脇東洋観臓記念碑・近代

医学発祥の地・勤皇志士忠

霊碑・首洗井、昼食(南禅

寺順正)、日本新薬山科植

物資料館があり、大変充実

した内容であったためか、

参加希望者も多く、参加者

総勢39名、バス3台を利用

する大人数での見学となり

ました。

 

医史跡を巡ることで、漢

方医学を学ぶ上で肝要な歴

史を辿ることができたと同

時に、植物園では生育して

いる実物の生薬に触れて、

臨床を行うにあたって有用

な知識を得ることができま

した。この貴重な経験を糧

にして、今後の東洋医学の

研究及び臨床のさらなる発

展の一端を担うべく、精進

していく所存です。

 

次回の第117回日本医

史学会総会・学術大会は、

平成28年5月21日(土)、

22日(日)に広島県広島市

の広島国際会議場において

開催される予定です。

会長講演をする小曽戸部長

Page 5: 所長就任挨拶 - 北里大学そ下痢、湿疹などに用いられ、し、頭痛、歯痛、鼻炎、腹痛、漢方ではその根を「白芷」と根には特異なにおいがある。経けい

(5)漢方と鍼/平成 27 年 7 月号

ICCMR2015参加報告

鍼灸診療部  

EBMセンター 伊 藤 雄 一

 

2015年5月12日~15

日、韓国の済州(チェ

ジュ)島でICCMR20

15が開催され、当研究所

からは、小田口浩、川鍋伊

晃、石毛達也、伊藤雄一の

4名が参加しました。

 

会場となった済州島は、

日本でも放送された韓国の

 

日本薬学会第135年会

が、「薬学が拓く、健康と未

来」の大会テーマのもと、

2015年3月25日~28日

に神戸で開催されました。

本学会年会は、国内外の多

くの研究者や企業が参加す

る薬学関係の学術会議とし

ては国内最大級のもので

す。本年会では、2002

年にノーベル化学賞を受賞

された田中耕一先生をはじ

め、海外の著名な研究者に

よる特別講演やシンポジウ

ム、一般学術発表など、総

数にして約4000にも及

ぶ演題が発表され、混雑す

る中会場の至る所で活発な

議論が繰り広げられまし

た。また今回は国際交流シ

ンポジウムとして、米国薬

学会および韓国薬学会との

交流シンポジウムと国際薬

剤師・薬学連合フォーラム

に加えて、新たに国際創薬

日本薬学会第135年会in神戸

 

―学が拓く、健康と未来―

臨床研究部上級研究員 伊 藤 直 樹

シンポジウムが企画され、

創薬と育薬(薬剤師をはじめ、

医師、製薬会社、研究者、患

者らがそれぞれの立場で薬

をより使いやすく有効性お

よび安全性の高いものに育

てていく取り組み)の研究

者集団として独自に発展を

遂げた日本薬学を世界にア

ピールする契機になったの

ではないかと思います。

 

一口に「薬学」と言いま

しても、その分野は多岐に

渡っており、本学会年会の

一般演題では、「化学系薬

学」、「物理系薬学」、「生物

系薬学」、「環境・衛生系薬

学」、「医療系薬学」、「教育

系薬学・その他」の6つの

分野に分かれています。そ

して、それらの分野の中で

漢方薬・生薬関連の演題も

数多く発表され、多くの

方々がそれらの演題を聴講

しに会場に足を運んでいま

した。私の発表の時も、大

学院生や大学教員、製薬会

社や化粧品会社などの企業

の研究員、病院や薬局の薬

剤師、医師の方々に興味を

持って頂き、漢方薬に対す

る期待や関心の高さを改め

て実感しました。

 

漢方薬・生薬関連の演題

の中で当研究所からは合計

11演題の発表がありまし

た。臨床研究部からは、

「エフェドリンアルカロイ

ド除去麻黄エキス(EF

M)の薬理作用」、「エフェ

ドリンアルカロイド除去麻

黄エキス(EFM)の製造

法及びその成分組成につい

て」、「社会的ストレスに対

する香蘇散の有効性」、「麻

黄のcapsaicin

誘発性疼痛

における鎮痛効果」、「生薬

キクカの基原植物シマカン

ギクの試験栽培」、「一般用

漢方製剤の安全性確保に関

する研究(4):安全に使

うための一般用漢方処方の

鑑別シートの作成」が発表

されました。また基礎研究

部からは、「漢方方剤「小

青竜湯」の抗炎症効果の作

用機序の気道炎症モデルマ

ウスを用いた検討」、「メソ

トレキセート誘発小腸上皮

障害に対する補中益気湯の

制御作用と作用成分の解

析」、「漢方方剤「香蘇散」

による抗うつ様活性に関連

する脳内タンパク質の探

索」、「ワクチン経鼻接種モ

デルを用いた補中益気湯煎

剤の粘膜免疫機構調節作用

の解析」、「高血糖モデルマ

ウスでの呼吸器粘膜免疫系

異常に対する八味丸煎剤の

作用の解析」が発表されま

した。当研究所は日本を代

表する漢方医学の研究機関

でありますので、患者様に

より良い漢方医療を提供で

きることを意識しながら、

当学会年会で発表したよう

に研究で得られた成果や情

報を常に発信し、今後の漢

方医学の発展に貢献してい

く所存です。

 

次回の日本薬学会第13

6年会は、北里大学薬学部

長の伊藤智夫先生を組織委

員長とし、2016年3月

24日~29日にパシフィコ横

浜で開催される予定です。

人気時代劇ドラマ「宮廷女

官―チャングムの誓い」で、

主人公チャングムが島流し

にされた流刑の地だったと

聞いておりましたので、どん

なところか不安もあったの

ですが、現在ではリゾート

地になっており、特に今の

時期は適度に暖かく非常に

Page 6: 所長就任挨拶 - 北里大学そ下痢、湿疹などに用いられ、し、頭痛、歯痛、鼻炎、腹痛、漢方ではその根を「白芷」と根には特異なにおいがある。経けい

漢方と鍼/平成 27 年 7 月号(6)

 

美人の喩えに、「立てば

芍薬、座れば牡丹、歩く姿

は百合の花」とあります

が、元々は生薬の用い方に

ついての説明です。「腹が

立って、いらだった人に芍

薬の根を、下半身に血が滞

り座り込んだら動くのも

おっくうな人に牡丹の根皮

を、気もそぞろに落ち着き

がなくなりふらふら歩きま

わる人に百合の球根がよ

い」と言われています。ユ

リ根は、精神を安定させる

働きがあるとされていま

漢方豆知識

 ユ   リ薬

剤部 

須 藤 岳 大

過ごしやすいところでした。

 

ICCMRはInterna-

tional Congress on Comple-

mentary M

edicine Re-

searchの略称で、補完医

療の研究に関する国際学会

です。今回の学会は、これ

までの歴史を踏まえ、伝統

医療の現代医療における新

しい役割とその継続的な発

展に着目して、〝Inspiring

Future Healthcare

(将来の

医療を鼓舞する)〟といった

テーマで開催され、生薬や

鍼灸など様々な治療に関す

る研究についての発表が行

われました。当研究所から

は川鍋が“Com

plementari-

ty of Kam

po medicine for

refractory neurodegenera-tive disease

”という題で

「難治性の神経変性疾患に

対する漢方治療」につい

て、石毛が“Treatm

ent w

ith Kam

po Medicine for

otologic disorders

”という

題で「耳鼻科疾患に対する

漢方治療」について、伊藤

が“Artificial N

eural Net-

work for K

ampo M

edicine

という題で「人工ニューラ

ルネットワークによる漢方

診断サポートシステムの開

発」についてプレゼンテー

ションを行い、それぞれ活

発な議論が行われました。

 

また、韓国の国立韓医学

研究院(KIOM)、台湾

の国立中国医薬研究所(N

RICM)、および日本の

当研究所の3施設で国際伝

統医学研究ネットワーク

(GRNTM)を結成して

おり、その定期ミーティン

グも今学会中に合わせて行

われました。ここでは、各

施設の代表者(当研究所か

らは小田口)がそれぞれの

施設で行われている臨床や

研究だけでなく、それぞれ

の国における各施設の歴史

的背景や年間の予算など、

多面的な視点から紹介しあ

い、異なる国における施設

間での情報交換が行われま

した。

 

伝統医療は、それぞれの

国や地域ごとで伝統的に発

展してきた医療なので、当

然お互いに未知の部分が多

く、また、現代の西洋医学

に比べ、今のところ科学的

な根拠がはっきりしていな

い部分も多く、それゆえ効

果はあっても普及はしにく

い医療技術が多数存在して

いると思われます。しかし、

今学会で行われたような伝

統医療のグローバルな連携

を通して、お互いの理解を

深め、また研究を重ねてい

くことで、様々な伝統医療

の普及につながり、それが

臨床の現場に生かされてい

くことが期待されます。今

後も、当研究所がグローバ

ルな伝統医療発展の一端を

担えるよう、また、そこか

ら得られる有用な医療を

日々の臨床に還元できるよ

う、微力ながら尽力してい

きたいと考えております。

す。昔の中国の書物にある

「百

びゃく

合ごう

病びょう」もそこからきて

いるようです。

 

ユリはユリ科ユリ属の総

称で、アジアを中心にヨー

ロッパ、北アメリカなど広

く分布し、原種は百種以上

を数えます。観賞用、食

用、薬用に汎用される有用

植物です。名前の由来は、

茎が細く、風に吹かれると

揺れる事から、「揺ゆ

る」が

「ユリ」、あるいは根の部分

が沢山の鱗片が寄り集まっ

た様子から「寄る」が「ユ

リ」になったとする説など

幾つかあるそうです。漢字

でユリを「百合」の字を使

うのは根の鱗片が寄り集

まった事に由来しているそ

うです。

 

生薬名は百

びゃく

合ごう

といい、二

千年前の中国の薬物書『神し

農のう

本ほん

草ぞう

経きょう』

に収載されてい

ます。ユリ科のオニユリ、ヒ

メユリ、ハカタユリなどの

ユリ属の鱗茎の鱗片を乾燥

したもので、日本産のもの

ではヤマユリ、ササユリ、

オニユリが利用されます。

 

百合はデンプン、蛋白

質、脂肪などのほか、微量

のアルカロイドを含み、滋

養強壮、消炎、鎮咳、利

尿、鎮静薬として咳、吐血

に利用され漢方薬では、辛し

夷い

清せい

肺はい

湯とう

や、百

びゃく

合ごう

固こ

金きん

湯とう

配合されています。

 

また、日本では古くか

ら、ユリは祭りの中にとり

こまれています。奈良・大

神神社の鎮花祭は厄病神鎮

圧の祭りですが、その神前

に「ユリの球根」が供えら

れ、奈良・率川神社の三枝

祭では、ユリの花を手に巫

Page 7: 所長就任挨拶 - 北里大学そ下痢、湿疹などに用いられ、し、頭痛、歯痛、鼻炎、腹痛、漢方ではその根を「白芷」と根には特異なにおいがある。経けい

(7)漢方と鍼/平成 27 年 7 月号

 

曲直瀬玄朔は初代道三の

跡を継ぎ、江戸時代日本漢

方の礎を築いた偉人です。

 

名は正紹、幼名大刀之

助、通称道三、号は東井、

院号は延命院のち延寿院。

天文18年(1549)京都

に曲直瀬正盛(初代道三)

の妹の子(甥)として生ま

れ、天正9年(1581)

正盛の孫娘を娶って曲直瀬

家を継ぎました。この家系

を今い

大おお

路じ

家ともいいます。

同年昇殿を許され、翌年法

眼、同14年に医官最高位の

古医書のはなし

曲ま

直な

瀬せ

玄げん

朔さく

と『医い

学がく

天てん

正しょう

記き

医史学研究部部長 小 

曽 

戸 洋

女が舞を納めます。この時

のユリは三輪山に自生して

いるササユリです。

 

民間薬として、ユリの花

粉をゴマ油で練ったものを

切り傷やあかぎれに外用し

ツボの効用 

子 宝 の ツ ボ

鍼灸診療部 

黒 岩 奈々子

 「妊活」とは女性が妊娠

について前向きに考え妊

娠・出産するための活動を

いい、最近テレビや雑誌な

どでよく特集されていま

す。今回は、妊活している

女性にお勧めしたい子宝の

ツボを紹介します。お灸で

逆子が治るという話を聞い

た事があるかもしれませ

ん。実際、鍼灸治療は逆子

治療、不妊治療などの婦人

科領域でも積極的に行われ

ています。

 

子宝のツボは、お腹にあ

り灸をするツボです。位置

は唇の両端の幅で正三角形

を作り、ひとつの頂点をへ

そに合わせて、残りの二つ

ます。また、ユリ根を常食

すると不眠症や不定愁訴を

改善すると言われていま

す。不眠でお困りの時はユ

リ根を食べてみてはいかが

でしょう。

の頂点がこのツボに当たり

ます。この特徴的なツボの

取り方から「△字様点」と

も呼ばれていました。この

ツボがある下腹部には子宮

や卵巣があり、下腹部や下

半身を冷やすと血液循環が

悪くなり、子宮や卵巣に悪

影響を与えることが考えら

れます。東洋医学では冷え

や血流が悪い状態を「瘀血

(おけつ)」という病態とし

てとらえ、この瘀血が月経

困難症や不妊症を引き起こ

す原因と考えます。このよ

うに、血流が悪いと子宮や

卵巣自体の血流や働きが悪

くなり、妊娠しにくい身体

になってしまいます。身体

を冷やさない事は健康維持

においても重要ですが、妊

娠を希望する女性にとって

大切な事なのです。

 

子宝のツボは、江戸時代

の漢方医師・津田玄仙(つ

だげんせん)や昭和に活躍

した灸師・深谷伊三郎(ふ

かやいざぶろう)が書いた

治療書の中に不妊症の灸ポ

イントとして記載されお

り、昔から使われていまし

た。一般的に灸をすると血

流が良くなるので、これら

のツボに灸をすると子宮や

卵巣の血流が良くなり、妊

娠力の向上に繫がると考え

られます。この他にも、婦

人科系の代表的なツボとし

ては、お腹にある関元(か

んげん)穴、気海(きかい)

穴、腰部にある腎兪(じん

ゆ)穴、次髎(じりょう)

穴、中髎(ちゅうりょう)

穴などと組み合わせて使う

のも効果的です。最近で

は、ドラックストア等など

で色々な種類の灸が販売さ

れています。お腹に灸をす

る場合、特に火傷しやすい

所なのでなるべく熱感が弱

めの物を選び、熱く感じた

ら早め取りましょう。毎

日、1回してみましょう。

もちろん妊娠しやすい体質

作りには、日常における食

事や睡眠、適度な運動など

生活スタイルを整えること

がとても大切です。

法印へと累進しました。豊

臣秀吉に仕え、文禄の役で

は毛利輝元の療治のため渡

韓。文禄4年(1595)

7月、豊臣秀次切腹の事件

に侍医の故をもって連坐

し、常陸国水戸に配流さ

れ、佐竹義宣に預けられま

した。

 

慶長3年(1598)、

後ご

陽よう

成ぜい

天皇の療治のため許

されて帰京、天皇を全快せ

しめ、黄金の花瓶と白銀一

千両という破格の恩賞を賜

り、玄朔は再び絶大な医名

Page 8: 所長就任挨拶 - 北里大学そ下痢、湿疹などに用いられ、し、頭痛、歯痛、鼻炎、腹痛、漢方ではその根を「白芷」と根には特異なにおいがある。経けい

漢方と鍼/平成 27 年 7 月号(8)

○週刊朝日MOOK『正し

く付き合う漢方完全ガイド

2015』「ここまで治せ

る「名医」の最新治療術」

 

花輪 

壽彦

○日経BP社『日経トレン

ディ』「中国4000年の

歴史にメス!デジタル化で

変わる漢方医学」小田口 

浩○YMS『Lattice V

OL3

「東洋医学の現状と未来」

堀田 

広満

○朝日新聞社『M

edical A

SAH

I 4

』「漢方私のこだ

わり処方 

香蘇散」花輪 

壽彦・伊藤 

直樹

○毎日新聞出版『サンデー

毎日4・26号』「家庭ででき

る腸のツボ押し」伊藤 

○カタログハウス『通販生

活 

2015夏号』「夏ス

パッツ」伊藤 

〈テレビ〉

○TBSテレビ駆け込みド

クター平成27年5月31日

(日)「超スッキリ!腸内環

境ランキングスペシャ

ル!」伊藤 

〈新 

聞〉

○漢方医薬新聞 

平成27年

1月1日(木)「JAPA

N漢方を世界に」北里WH

O・COIシンポジウム

○漢方医薬新聞 

平成27年

2月1日(日)「33処方に

絞って標準化」北里WH

O・COIシンポジウム

○北海道新聞 

平成27年3

月18日(水)「八雲拠点に

漢方薬研究」東洋医学総合

研究所

献しました。多くの書を

編著しましたが、とりわ

け『医学天正記』は、つ

とに玄朔の医名を高から

しめた名著です。同書

は、正親町天皇、豊臣秀

吉・秀次・秀頼、徳川家

康・秀忠、毛利輝元・ほ

か当時の政界要人など3

47の治験例を実名入り

で記載。整った体裁をも

つ医案集としては日本で

初の出版物で、同種の書

物の規範となりました。

推定するに、もとは年月

日順に記された医療日記

であり、のちに病門別に

再編集されたものと考え

られ、当初は出版公開の

意図はなく、門人間の秘

伝書であったと思われま

す。曲直瀬道三流医術の

具体的運用法を示す資料

として高い価値がある書

です。

をほしいままにすることに

なりました。

 

江戸幕府が開かれたの

ち、徳川家が玄朔を重用し

ないはずがありません。慶

長13年以後は玄朔は1年ご

とに江戸と京都に居住。幕

府・朝廷双方の医療を担当

しました。寛永8年(16

31)江戸にて83歳の長寿

を全うしました。当研究所

の程近く、渋谷区広尾に現

存する臨済宗祥雲寺に葬ら

れました。同寺には今なお

多くの子孫や弟子達の墓に

囲まれた玄朔の墓石があり

ます。

 

玄朔は初代道三の学風を

忠実に継承し、新渡来の中

国医書の知識を加味して、

医学文化の普及に大いに貢

メディア紹介

〈雑 

誌〉

○週刊朝日MOOK『正しく付

き合う漢方完全ガイド201

5』「東洋伝統医学のルーツを

探る」小曽戸 

東洋医学総合研究所漢方鍼灸治療センター 外来案内

休診日:日曜日・祝祭日・第4土曜日・北里記念日(11/5)・年末年始(12/29 〜 1/3)ホームページ:http://www.kitasato-u.ac.jp/toui-ken/

漢 方 科 鍼 灸 科(平成27年7月〜)

※青字は男性医師または男性鍼灸師 赤字は女性医師または女性鍼灸師

代  表:03 ─ 3444 ─ 6161予約電話:03 ─ 5791 ─ 6169  (月〜金)8:30〜17:00  (土曜日)8:30〜12:30

(第4土曜日は除く)お薬に関しての問い合わせ:     03 ─ 5791 ─ 6167

初診受付時間漢方科 月〜金曜日 土曜日(午前のみ)午 前 8:00〜 10:30 8:00〜 10:30午 後 12:50〜 15:30

鍼灸科 月〜金曜日 土曜日(午前のみ)午 前 8:00〜 10:00 8:00〜 10:30午 後 12:50〜 15:00

再診受付時間(漢方科・鍼灸科とも同じ時間となります)漢方科・鍼灸科 月〜金曜日 土曜日(午前のみ)午 前 8:00〜 11:00 8:00〜 11:30午 後 12:50〜 16:00

東洋医学ドック月〜金(完全予約制)9:00〜 15:30

①:月曜日の花輪医師の外来は、初診の方のみとさせていただきます。

②:水曜日午前(第1・3)、金曜日午後の冷え症外来は初診のみとさせていただきます。

③:土曜日の川鍋医師、石毛医師の外来は交代制とさせていただきます。

④:週によって休診となることがあります。⑤:第2・4金曜日のみとさせていただきます。

漢方と鍼・第 159 号発行日/平成 27 年 7 月 1 日発行人/小 田 口 浩編 集/北里大学東洋医学総合研究所    漢方と鍼編集部 代表・新地 敏博    東京都港区白金5‒9‒1    ㈹ 03(3444)6161

(制作/㈱医聖社)  

携帯サイト

月 火 水 木 金 土

午 

花輪① 花輪 花輪 花輪 伊藤(剛)伊藤(剛)星野 小田口 小田口 小田口 及川 鈴木堀田 鈴木 及川 及川 鈴木 星野石毛  森 齋藤 五野  森  森

石毛 櫻井 川鍋 川鍋/石毛③【冷え症

外来】 【小児外来】伊藤②(剛) 堀田

午 

星野 伊藤(剛)鈴木 小田口 堀田川鍋 鈴木 星野 及川  森堀川 堀田 川鍋 堀田

石毛 齋藤 五野 【冷え症外来】

櫻井 鈴木②【思春期女性外来】

【痛み・しびれ外来】

【鼻炎・はな外来】

【便秘・下痢外来】

 森 川鍋 石毛 星野

月 火 水 木 金 土

午 

伊藤(剛) 柳澤 石野 伊藤(剛) 石原 伊東石原 石原 石原 石原 井田 石原黒岩 小濵 井田 小濵 黒岩 井田小山 小山 黒岩 小山 小山 黒岩

小濵

午 

石原 石原④ 石原 井田 伊藤⑤(剛)

井田 井田 小濵 黒岩 石原小濵 黒岩 伊藤(雄) 伊藤(雄) 小濵小山 伊藤(雄) 霜降 小山 伊藤(雄)掛川 小山 益山 掛川 小山

『医学天正記』上下 2巻。慶長12年(1607)成、寛永4年(1627)刊。