保険医療機関のための 診療報酬と カルテ記載 · 1.本書について...

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診療報酬と カルテ記載 保険医療機関のための 平成 30 年版 社会保険研究所

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Page 1: 保険医療機関のための 診療報酬と カルテ記載 · 1.本書について 診療報酬を請求するための要件についてはさまざまな規定があります。

診療報酬とカルテ記載

保険医療機関のための

平成30年版

社会保険研究所

Page 2: 保険医療機関のための 診療報酬と カルテ記載 · 1.本書について 診療報酬を請求するための要件についてはさまざまな規定があります。

1.本書について  診療報酬を請求するための要件についてはさまざまな規定があります。   本書は,これらのうち,『医科診療報酬点数表』において「診療録等に記載しなければならない」又は「診療録に添付(又は貼付)しなければならない」と明確に規定されているものを抽出し,その項目ごとにカルテを完備するためのチェックポイント及び記載例を収載しました。

2.構成について 

   本書は第1章及び第2章で構成されています。第1章はカルテ完備の必要性について,法的根拠を踏まえて解説しています。参考情報として,厚生労働省がホームページで公開している「指導・監査等の状況(平成28年度)」を収載しています。

   第2章は診療録への記載等を必要としている項目ごとに,概要,根拠規定,記載等のポイント及び記載例を掲載し解説しています。参考情報として,地方厚生 (支) 局のホームページで公開している「個別指導の状況等(平成28年度及び平成29年度)」を,点数表の部ごとに編集し掲載しています。

    ※ 地方厚生 (支) 局公開の個別指導の状況    

   また,レセプト記載要領ポイントとして,付録/診療報酬明細書の記載要領等 診療行為名称等の略号(医科・抜粋)及び摘要欄への記載事項等(医科・抜粋)を掲載しています。

3.本書の表記等について ✿1 項目の見出しに付している次のものについては,下記の規定より抽出しました。  

第1章 適切なカルテの重要性第2章 診療報酬とカルテ記載 (診療報酬点数表の「部」単位で掲載)  (抜粋)基本診療料 第1部初・再診料 ●個別指導の状況等(初・再診料関連)               ●概要,根拠規定,記載等のポイント,記載例付録 診療報酬明細書の記載要領等(略号,摘要欄への記載事項等)

初・再診料

〈記載〉・実施した画像診断の必要性,結果及び結果の評価について,記載がない又は乏しい。

・診断結果を記載し,以後の診療に反映すること(他医で撮影したものを含む)。

〈算定〉・個々の症状・所見に応じ,必要な項目を選択し,段階を踏み,漫然と実施することなく,その結果は適宜評価し治療に反映する。

・症状・所見等に応じて適正に行われていない。・医学的に必要性が乏しい。・画一的。・必要性を十分考慮したうえで,必要最小限の実施に努めること。

・健康診断(治療中の疾病又は負傷に対する医療行為とは別に実施されたもの)と判断されるものについて,保険診療として請求した。

〈算定〉・医師が緊急に画像診断を行う必要性を判断することなく,自動的に算定した。

〈記載〉・読影及び診断結果の報告文書に,地方厚生(支)局長に届け出た専ら画像診断を担当する常勤の医師名の記載がなく,当該常勤の医師が診療を担当する医師に報告したことが不明確である。

〈算定〉・地方厚生(支)局長に届け出た専ら画像診断を担当する常勤の医師以外の者が読影したものについて算定した。

・他の保険医療機関から画像診断の判読も含めて依頼を受け,その結果を文書により回答したものについて算定した(当該加算は,専ら画像診断を担当する医師の属する保険医療機関において当該患者の診療を担当する医師に報告した場合に算定する)。

〈算定〉

画像診断 全般

時間外緊急院内画像診断加算

画像診断管理加算

エックス線診断料 全般

・単純撮影であるものを造影剤使用撮影として算定した。

・写真診断及び撮影に係る費用を実際に撮影した枚数以上に請求した。

〈算定〉・胸腔穿刺・腎盂用カテーテル交換の補助手段として行う場合に算定した。

〈記載〉・診断内容の記載がない。

〈記載〉・所見及び検査結果の評価記載がない又は不十分。・記載が乏しいため,必要性が読み取れない。〈算定〉・個々の患者の状態に応じ診療上の必要性を十分考慮したうえで必要最小限の実施に努めること。

・医学的に必要性が乏しい。

〈記載〉・MRI,MRI前検査については,それぞれの検査の必要性について記載する。

・検査結果の所見の記載に努める。〈算定〉・実施項目はルーチンとせず,患者個々の状態に応じて必要最小限とする。

E000 透視診断

E001 写真診断

E200 コンピューター断層撮影(CT撮影)

E202 磁気共鳴コンピューター断層撮影(MRI撮影)

参考/個別指導の状況 ※重複する内容は編集しました

第2章 特掲診療料 第4部 画像診断

見出し 根 拠

施設基準

基本診療料→「基本診療料の施設基準等及びその届出に関する手続きの取扱いについて」(平成30年3月5日保医発0305第2号)特掲診療料→「特掲診療料の施設基準等及びその届出に関する手続きの取扱いについて」(平成30年3月5日保医発0305第3号)

給付調整「医療保険と介護保険の給付調整に関する留意事項及び医療保険と介護保険の相互に関連する事項等について」(平成30年3月30日保医発0330第2号)

DPC「厚生労働大臣が指定する病院の病棟における療養に要する費用の額の算定方法の一部改正等に伴う実施上の留意事項について」(平成30年3月20日保医発0320第3号)

掲示事項「「療担規則及び薬担規則並びに療担基準に基づき厚生労働大臣が定める掲示事項等」及び「保険外併用療養費に係る厚生労働大臣が定める医薬品等」の実施上の留意事項について」(平成30年3月5日保医発0305第6号)

凡 例

Page 3: 保険医療機関のための 診療報酬と カルテ記載 · 1.本書について 診療報酬を請求するための要件についてはさまざまな規定があります。

 ✿2  項目の見出しに 又は とマークが付されているものについては,平成30年度診療報酬改定に伴い,「診療録に記載(記録),添付又は貼付しなければならない」と規定されている項目が追加になった( )又は変更された( )項目です。

 ✿3  ✿1以外については,「診療報酬の算定方法の一部改正に伴う実施上の留意事項について」(平成30年3月5日保医発0305第1号)より抽出しました。

         ※ 根拠となる規定         

 ✿4    と表示したものについては,個々にその根拠を付しています。 ✿5 留意事項   ・ 各項目の冒頭における解説については,カルテ記載等への背景・関連性を想起する部分として概要を

記述していますので,算定のために必要なルール全てを解説したものではありません。   ・ 「※」等の傍注で,「解釈p○○○参照」としているものについては,「医科点数表の解釈(平成30年

4月版)(社会保険研究所発行)」における掲載頁を示しています。   ・ 照復の形式で出されている疑義解釈(QA)については,原文の趣旨を摘記し簡略化しているものも

あります。   ・ 「記載等のポイント」では,カルテへ記載(記録),添付又は貼付する内容等を箇条書きにして,チェ

ックボックスを付しています。院内確認等にリストとしてご活用ください。         ※ ポイントをチェックリスト形式で表示         

   ・ 「記載例」では,ポイントに焦点をあてたカルテの具体例を掲載しました。内容は図書用に創作したものであり,実在する症例とは異なります。「◉」等の傍注で,ポイントを再掲しています。

         ※ 記載例         

新 改

新 改

初・再診料

 地域包括診療加算又は認知症地域包括診療加算は,外来の機能分化の観点から,主治医機能を持った診療所の医師が,継続的かつ全人的な医療を行うことについて評価したものです※1。地域包括診療加算は,脂質異常症,高血圧症,糖尿病又は認知症のうち2以上の疾患を有する患者が対象であり,認知症地域包括診療加算は認知症患者であって認知症以外に1以上の疾病(疑いは除く)を有する患者が対象です。 算定に際しては患者の同意が必要であり,療養上必要な指導及び診療※2を行い,他の保険医療機関と連携の上,患者が受診している医療機関を全て把握するとともに,処方されている医薬品を全て管理する,健康相談を行うなどが算定要件となっています。

1)服薬管理等について 【記載】【貼付・記載】   他の保険医療機関と連携の上,患者が受診している医療機関を全て把握するとともに,当該患者に処方されている医薬品を全て管理し,診療録に記載する※3。

     「医薬品の管理」とは,他の医療機関で処方されたものも含め,直近の投薬内容の全てをカルテに記載するとともに,重複投薬や飲み合わせ等を含め全て管理すること。 (平26.4.4 医療課事務連絡)

   院外処方を行う場合※4は,診療録にお薬手帳若しくは保険薬局からの文書のコピーを貼付,又は,当該点数の算定時の投薬内容について診療録に記載する。

2)健康相談について 【記載】   健康診断や検診の受診勧奨を行い,その結果等を診療録に記載する。     健康診断・検診の受診勧奨を行う必要があるが,必ずしも受診を行っ

ている必要はない。なお,患者が企業の健康診断等を受けた場合は,その結果を把握し,結果を診療録に記載する等を行う。

(平26.4.4 医療課事務連絡)3)患者の同意について 【添付】   当該加算の初回算定時に,「別紙様式47」※5を参考に,当該患者の署名付の同意書を作成し,診療録に添付する。ただし,直近1年間に4回以上の受診歴を有する患者については,「別紙様式47」を参考に診療の要点を説明していれば,同意の手続きは省略して差し支えない。なお,当該医療機関自ら作成した文書を用いることでよい。

4)その他※6

     高血圧症,糖尿病,脂質異常症,認知症の4疾病のうち重複しない対象疾病について他医療機関で算定する場合,他の医療機関と連携のうえ,相互の医療機関が各々の診療計画を把握する必要がある。その際,他の医療機関において地域包括診療料又は地域包括診療加算を算定している旨をカルテに記載する。 (平26.4.10 医療課事務連絡)

※ 1 施設基準を満たす保険医療機関(診療所に限る)において,算定できます

※ 2 当該患者を診療する担当医(慢性疾患の指導に係る適切な研修を修了した医師)により指導及び診療を行った場合に算定できます

規定【記載】【貼付・記載】【添付】

※ 3 必要に応じ,担当医の指示を受けた看護職員等が情報の把握を行うことも可能です

※ 4 原則,院内処方です。院外処方の場合は条件があります

QA

QA

※ 5 「別紙様式47」→「地域包括診療加算」・「認知症地域包括診療加算」に関する説明書・同意書(解釈p1265参照)

※ 6 電子カルテであってもスキャンがない医療機関があるが,保存すべきものについては,電子媒体又は紙媒体を問わない。(平26.4.4 医療課事務連絡)

QA

記載等のポイント

□ (初回算定時)患者の署名付きの同意書(別紙様式47)を添付する。

A001 再診料  「注12」地域包括診療加算     「注13」認知症地域包括診療加算 

改改

基本 A‒4

19基本 A‒3,基本 A‒4

QA初・再診料

 オンライン医学管理料は,対面診療の原則のもとで,対面診療とオンライン診察※1を組み合わせた診療計画を作成し,当該計画に基づいて,オンライン診察による計画的な療養上の医学管理を行うことを評価したものです。オンライン診察の後の対面診療時に,特定管理料等※2と併せて算定します※3。 算定に当たっては,患者の同意を得た上で,対面による診療とオンライン診察を組み合わせた診療計画(対面による診療の間隔は3月以内のものに限る)※4

を作成します。

 当該計画に沿って,オンライン診察による計画的な療養上の医学管理を行った際には,当該管理の内容,当該管理に係るオンライン診察を行った日,診察時間等の要点を診療録に記載する。

※ 1 A003オンライン診療料を参照

※ 2 特定管理料等とは,B000特定疾患療養管理料,B001の 「5」 小児科療養指導料,同 「6」 てんかん指導料,同 「7」 難病外来指導管理料,同 「27」 糖尿病透析予防指導管理料,B001-2-9地域包括診療料,B001-2-10認知症地域包括診療料又はB001-3生活習慣病管理料をいいます

※ 3 オンライン診察による医学管理を行う医師は,特定管理料等を算定する際に診療を行う医師と同一のものに限ります

※ 4 当該診療計画に基づかない他の傷病に対する診察は,対面診療で行うことが原則であり,オンライン医学管理料は算定できません

規定【記載】

記載等のポイント

□ 対面による診療とオンライン診察を組み合わせた診療計画(対面による診療の間隔は3月以内のものに限る)を作成する。

□ オンライン医学管理に係るオンライン診察を行った日,診察時間を記載する。

□オンライン医学管理の内容の要点を記載する。

記載例

症例:外傷性てんかん,38歳,男性,てんかん指導料算定患者   オンライン診療及び医学管理について同意済み。   オンライン診療計画書作成済み。診療計画内容省略

5月○日 10:15~10:30 オンライン診療(A医師)A)本人確認。居宅であることを確認。  その他省略S)服薬・飲み忘れなし(空シート画像)  その他省略O ,P)引き続き内服をきちんと行う。飲み終わった薬の薬包とシートを確認し,服薬表をつけること。飲み忘れ,発作が再発した場合の緊急対応(近医の〇〇を受診→当院へ連絡し受診)を文書にして,家族に分かりやすい定位置に設置しておく。

次回のオンライン診察予約(6月〇日)。7月〇日は外来予約。てんかん指導以外の疾病が発症した場合は外来診療すること。

 オンライン医学管理

◉ 1 同意を得て,診療計画を作成します

◉ 2 オンライン医学管理に係るオンライン診察を行った日,診察時間を記載します

◉ 3 オンライン医学管理の内容の要点,オンライン医学管理が行われた旨を記載します

 ( 診療計画に基づく医学管理であることが必要です)

通則 オンライン医学管理料 新

特掲 B‒1

79参考/個別指導の状況,特掲 B‒1

初・再診料

 オンライン医学管理料は,対面診療の原則のもとで,対面診療とオンライン診察※1を組み合わせた診療計画を作成し,当該計画に基づいて,オンライン診察による計画的な療養上の医学管理を行うことを評価したものです。オンライン診察の後の対面診療時に,特定管理料等※2と併せて算定します※3。 算定に当たっては,患者の同意を得た上で,対面による診療とオンライン診察を組み合わせた診療計画(対面による診療の間隔は3月以内のものに限る)※4

を作成します。

 当該計画に沿って,オンライン診察による計画的な療養上の医学管理を行った際には,当該管理の内容,当該管理に係るオンライン診察を行った日,診察時間等の要点を診療録に記載する。

※ 1 A003オンライン診療料を参照

※ 2 特定管理料等とは,B000特定疾患療養管理料,B001の 「5」 小児科療養指導料,同 「6」 てんかん指導料,同 「7」 難病外来指導管理料,同 「27」 糖尿病透析予防指導管理料,B001-2-9地域包括診療料,B001-2-10認知症地域包括診療料又はB001-3生活習慣病管理料をいいます

※ 3 オンライン診察による医学管理を行う医師は,特定管理料等を算定する際に診療を行う医師と同一のものに限ります

※ 4 当該診療計画に基づかない他の傷病に対する診察は,対面診療で行うことが原則であり,オンライン医学管理料は算定できません

規定【記載】

記載等のポイント

□ 対面による診療とオンライン診察を組み合わせた診療計画(対面による診療の間隔は3月以内のものに限る)を作成する。

□ オンライン医学管理に係るオンライン診察を行った日,診察時間を記載する。

□オンライン医学管理の内容の要点を記載する。

記載例

症例:外傷性てんかん,38歳,男性,てんかん指導料算定患者   オンライン診療及び医学管理について同意済み。   オンライン診療計画書作成済み。診療計画内容省略

5月○日 10:15~10:30 オンライン診療(A医師)A)本人確認。居宅であることを確認。  その他省略S)服薬・飲み忘れなし(空シート画像)  その他省略O ,P)引き続き内服をきちんと行う。飲み終わった薬の薬包とシートを確認し,服薬表をつけること。飲み忘れ,発作が再発した場合の緊急対応(近医の〇〇を受診→当院へ連絡し受診)を文書にして,家族に分かりやすい定位置に設置しておく。

次回のオンライン診察予約(6月〇日)。7月〇日は外来予約。てんかん指導以外の疾病が発症した場合は外来診療すること。

 オンライン医学管理

◉ 1 同意を得て,診療計画を作成します

◉ 2 オンライン医学管理に係るオンライン診察を行った日,診察時間を記載します

◉ 3 オンライン医学管理の内容の要点,オンライン医学管理が行われた旨を記載します

 ( 診療計画に基づく医学管理であることが必要です)

通則 オンライン医学管理料 新

特掲 B‒1

79参考/個別指導の状況,特掲 B‒1

基本 A-13 A101 療養病棟入院基本料, A109 有床診療所療養病床入院基本料 32

基本 A-14 施設基準 A101 療養病棟入院基本料   34

基本 A-15 施設基準 A101 療養病棟入院基本料 「注4」 褥瘡対策加算  ,A109 有床診療所療養病床入院基本料 「注4」 褥瘡対策加算   35基本 A-16 A102 結核病棟入院基本料(結核患者に化学療法を行う際),A104 特定機能病院入院基本料(結核患者に化学療法を行う際) 36基本 A-17 A103 精神病棟入院基本料 「注4」重度認知症加算,A104 特定機能病院入院基本料 「注4」 重度認知症加算 37

基本 A-18 A106 障害者施設等入院基本料   38基本 A-19 A106 障害者施設等入院基本料 「注6」 脳卒中を原因とする重度の意識障害により入院する患者,A306 特殊疾患入院医療管理料「注4」〃,A309 特殊疾患病棟入院料「注4」〃 39

基本 A-20 A108 有床診療所入院基本料 「注7」 看取り加算,A109 有床診療所療養病床入院基本料 「注7」 看取り加算 40基本 A-21 A108 有床診療所入院基本料 「注9」 A109有床診療所療養病床入院基本料の例により算定する場合 41

基本 A-22 A108 有床診療所入院基本料 「注10」 栄養管理実施加算,A109 有床診療所療養病床入院基本料 「注10」 栄養管理実施加算 42

基本 A-23 A204-2 臨床研修病院入院診療加算 43基本 A-24 A205-3 妊産婦緊急搬送入院加算 44基本 A-25 A206 在宅患者緊急入院診療加算「2」 連携医療機関である場合 45基本 A-26 A226-2 緩和ケア診療加算,A226-2 緩和ケア診療加算 「注2」 緩和ケア診療加算(特定地域),A226-3 有床診療所緩和ケア診療加算 46

基本 A-27 A226-2 緩和ケア診療加算「注4」個別栄養食事管理加算   47

基本 A-28 A229 精神科隔離室管理加算 48基本 A-29 A230-4 精神科リエゾンチーム加算 49

Ⅰ カルテの意義と重要性 3Ⅱ カルテに関する留意事項及びその法的根拠 4Ⅲ なぜ守らなければならないのか 6Ⅳ 指導・監査等について 7

個別指導の状況 14基本 A-1 A000 初診料「注10」妊婦加算  ,A001 再診料「注15」妊婦加算  ,A002 外来診療料「注10」妊婦加算   16基本 A-2 A001 再診料 「注8」 外来管理加算 17基本 A-3 A001 再診料 「注9」 電話等再診 18基本 A-4 A001 再診料 「注12」 地域包括診療加算  ,「注13」認知症地域包括診療加算   19基本 A-5 A001 再診料「注14」薬剤適正使用連携加算   21基本 A-6 A003 オンライン診療料   22

個別指導の状況 24基本 A-7 第1章第2部 入院料等(入院中の患者の他医療機関への受診について) 26

基本 A-8 給付調整 入院料等(介護療養型医療施設に入院中の患者の医療保険における他保険医療機関への受診について) 27

基本 A-9 施設基準 入院料等(入院診療計画,院内感染防止対策,医療安全管理体制,褥瘡対策及び栄養管理体制の基準の取扱いについて) 28

基本 A-10 A100 一般病棟入院基本料 「注5」救急・在宅等支援病床初期加算,A308-3 地域包括ケア病棟入院料「注5」急性期患者支援病床初期加算,「注5」在宅患者支援病床初期加算 29

基本 A-11 A100 一般病棟入院基本料 「注11」A101療養病棟入院基本料の 「1」 の例により算定する場合 30

基本 A-12 A100 一般病棟入院基本料 「注12」ADL維持向上等体制加算 31

第1章 適切なカルテの重要性

第2章 診療報酬とカルテ記載

基本診療料 第 1 部 初・再診料

改 改

基本診療料 第 2 部 入院料等

目 次

Page 4: 保険医療機関のための 診療報酬と カルテ記載 · 1.本書について 診療報酬を請求するための要件についてはさまざまな規定があります。

特掲 B-22 B001 特定疾患治療管理料 「24」外来緩和ケア管理料,「24」 外来緩和ケア管理料 「注4」 外来緩和ケア管理料(特定地域) 105特掲 B-23 B001 特定疾患治療管理料 「26」植込型輸液ポンプ持続注入療法指導管理料 106特掲 B-24 B001 特定疾患治療管理料 「27」糖尿病透析予防指導管理料  ,「27」 糖尿病透析予防指導管理料 「注4」 糖尿病透析予防指導管理料(特定地域)   107特掲 B‒25 B001 特定疾患治療管理料「28」小児運動器疾患指導管理料   109特掲 B‒26 B001 特定疾患治療管理料「29」乳腺炎重症化予防ケア・指導料   110特掲 B-27 B001-2-2 地域連携小児夜間・休日診療料 111特掲 B-28 B001-2-3 乳幼児育児栄養指導料 112特掲 B-29 B001-2-4 地域連携夜間・休日診療料 113特掲 B-30 B001-2-5 院内トリアージ実施料 114特掲 B-31 B001-2-7 外来リハビリテーション診療料 115特掲 B-32 B001-2-8 外来放射線照射診療料 117特掲 B-33 B001-2-9 地域包括診療料  ,B001-2-9 地域包括診療料「注3」薬剤適正使用連携加算  ,B001-2-10 認知症地域包括診療料  ,B001-2-10 認知症地域包括診療料「注3」薬剤適正使用連携加算   118特掲 B-34 B001-3 生活習慣病管理料 120特掲 B-35 B001-3-2 ニコチン依存症管理料 121特掲 B-36 B001-7 リンパ浮腫指導管理料 122特掲 B-37 B001-8 臍ヘルニア圧迫指導管理料 123特掲 B‒38 B001-9 療養・就労両立支援指導料   124特掲 B-39 B002 開放型病院共同指導料 125特掲 B-40 B004 退院時共同指導料1,B005 退院時共同指導料2 126特掲 B-41 B005-1-2 介護支援連携指導料   127特掲 B-42 B005-1-3 介護保険リハビリテーション移行支援料 128特掲 B-43 B005-4 ハイリスク妊産婦共同管理料(Ⅰ),B005-5 ハイリスク妊産婦共同管理料(Ⅱ) 129特掲 B-44 B005-6 がん治療連携計画策定料 130特掲 B-45 B005-7 認知症専門診断管理料 131

特掲 B-46 B005-7-2 認知症療養指導料   132特掲 B‒47 B005-7-3 認知症サポート指導料   133

特掲 B-48 B005-8 肝炎インターフェロン治療計画料 134

特掲 B-49 B005-9 排尿自立指導料 135特掲 B-50 B006-3 退院時リハビリテーション指導料 136

特掲 B-51 B007 退院前訪問指導料 137特掲 B-52 B007-2 退院後訪問指導料 138特掲 B-53 B008-2 薬剤総合評価調整管理料 139特掲 B-54 B009 診療情報提供料(Ⅰ)   140特掲 B-55 B009 診療情報提供料(Ⅰ)「注3」保険薬局に対する情報提供 141

特掲 B-56 B009 診療情報提供料(Ⅰ)「注7」退院時診療情報等添付加算,「注11」 精神科医連携加算 142

特掲 B-57 B009 診療情報提供料(Ⅰ)「注13」 歯科医療機関連携加算 143特掲 B-58 B009-2 電子的診療情報評価料 144特掲 B-59 B010 診療情報提供料(Ⅱ) 145特掲 B-60 B010-2 診療情報連携共有料   146特掲 B-61 B011-3 薬剤情報提供料 147特掲 B-62 B014 退院時薬剤情報管理指導料 148

個別指導の状況 150特掲 C-1 第2章第2部 在宅医療(在宅療養支援診療所の連携保険医療機関等) 153

特掲 C-2 C001 在宅患者訪問診療料(Ⅰ)   154特掲 C-3 C001 在宅患者訪問診療料(Ⅰ)「注6」 在宅ターミナルケア加算,「注7」 看取り加算 155

特掲 C-4 C002 在宅時医学総合管理料,C002-2 施設入居時等医学総合管理料 156特掲 C‒5 C002 在宅時医学総合管理料「注12」オンライン在宅管理料   157

特掲 C-6 C003 在宅がん医療総合診療料 158特掲 C-7 C005 在宅患者訪問看護・指導料,C005-1-2 同一建物居住者訪問看護・指導料 160

特掲 C-8 C005 在宅患者訪問看護・指導料 「注4」 緊急訪問看護加算,C005-1-2 同一建物居住者訪問看護・指導料 「注4」 緊急訪問看護加算 161

特掲診療料 第 2 部 在宅医療

個別指導の状況 74特掲 B‒1 通則 オンライン医学管理料   79特掲 B-2 B000 特定疾患療養管理料 80特掲 B-3 B001 特定疾患治療管理料 「1」 ウイルス疾患指導料 81

特掲 B-4 B001 特定疾患治療管理料 「2」 特定薬剤治療管理料   82

特掲 B-5 B001 特定疾患治療管理料 「3」 悪性腫瘍特異物質治療管理料 83

特掲 B-6 B001 特定疾患治療管理料 「4」 小児特定疾患カウンセリング料 84

特掲 B-7 B001 特定疾患治療管理料 「5」 小児科療養指導料,「5」小児科療養指導料「注5」人工呼吸器導入時相談支援加算   85

特掲 B-8 B001 特定疾患治療管理料 「6」 てんかん指導料 86

特掲 B-9 B001 特定疾患治療管理料 「7」 難病外来指導管理料,「7」難病外来指導管理料「注5」人工呼吸器導入時相談支援加算   87特掲 B-10 B001 特定疾患治療管理料 「8」 皮膚科特定疾患指導管理料 88

特掲 B-11 B001 特定疾患治療管理料 「9」 外来栄養食事指導料,「11」 集団栄養食事指導料 89

特掲 B-12 B001 特定疾患治療管理料 「12」心臓ペースメーカー指導管理料 91

特掲 B-13 B001 特定疾患治療管理料 「13」在宅療養指導料   92

特掲 B-14 B001 特定疾患治療管理料 「14」高度難聴指導管理料 93

特掲 B-15 B001 特定疾患治療管理料 「15」慢性維持透析患者外来医学管理料 94

特掲 B-16 B001 特定疾患治療管理料 「16」喘息治療管理料 「ロ」 喘息治療管理料2 95

特掲 B-17 B001 特定疾患治療管理料 「18」小児悪性腫瘍患者指導管理料 96

特掲 B-18 B001 特定疾患治療管理料 「20」糖尿病合併症管理料 97

特掲 B-19 B001 特定疾患治療管理料 「21」耳鼻咽喉科特定疾患指導管理料 99

特掲 B-20 B001 特定疾患治療管理料 「22」がん性疼痛緩和指導管理料 100

特掲 B-21 B001 特定疾患治療管理料 「23」がん患者指導管理料の 「イ」,「ロ」,「ハ」 101

特掲診療料 第 1 部 医学管理等

基本 A-30 施設基準 A231-2 強度行動障害入院医療管理加算(医療度判定スコア) 50

基本 A-31 A231-3 重度アルコール依存症入院医療管理加算   51

基本 A-32 A233-2 栄養サポートチーム加算,A233-2 栄養サポートチーム加算 「注2」 栄養サポートチーム加算(特定地域) 52

基本 A-33 A236 褥瘡ハイリスク患者ケア加算 「注2」 褥瘡ハイリスク患者ケア加算(特定地域) 53

基本 A-34 A240 総合評価加算 54基本 A-35 A244 病棟薬剤業務実施加算 55基本 A-36 A246 入退院支援加算  ,A246 入退院支援加算 「注5」 入退院支援加算(特定地域)   56基本 A-37 A246 入退院支援加算 「注4」 地域連携診療計画加算 57基本 A-38 A247 認知症ケア加算 「1」 認知症ケア加算1 58基本 A-39 A247 認知症ケア加算 「注2」 身体的拘束を実施した日 60基本 A-40 A248 精神疾患診療体制加算 「1」精神疾患診療体制加算1 61基本 A-41 A250 薬剤総合評価調整加算 62基本 A-42 A301 特定集中治療室管理料「注4」早期離床・リハビリテーション加算   63基本 A-43 A308 回復期リハビリテーション病棟入院料   64基本 A-44 A308-3 地域包括ケア病棟入院料 65基本 A-45 A311 精神科救急入院料 「注3」 非定型抗精神病薬加算,A311-2 精神科急性期治療病棟入院料 「注3」 非定型抗精神病薬加算,A311-3 精神科救急・合併症入院料 「注3」非定型抗精神病薬加算,A312 精神療養病棟入院料 「注3」 非定型抗精神病薬加算,A318 地域移行機能強化病棟入院料 「注2」 非定型抗精神病薬加算 66

基本 A-46 A311-4 児童・思春期精神科入院医療管理料   67

基本 A-47 A312 精神療養病棟入院料   68基本 A-48 A314 認知症治療病棟入院料 69基本 A-49 A318 地域移行機能強化病棟入院料 70

基本 A-50 A400 短期滞在手術等基本料 「3」短期滞在手術等基本料3   72

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個別指導の状況 214特掲 H-1 通則 各区分のリハビリテーションの実施に当たって 216特掲 H-2 通則 疾患別リハビリテーションの実施に当たって 217特掲 H-3 通則 標準的算定日数を超えて疾患別リハビリテーションを行う患者 218特掲 H-4 通則 標準的算定日数を超えて疾患別リハビリテーションを行う患者 220特掲 H-5 給付調整 医療保険における疾患別リハビリテーションと介護保険のリハビリテーションを併用して行う場合   222特掲 H-6 H000 心大血管疾患リハビリテーション料 223特掲 H-7 H001-2 廃用症候群リハビリテーション料 224特掲 H-8 H003-2 リハビリテーション総合計画評価料   225特掲 H-9 H003-2 リハビリテーション総合計画評価料 「注3」 入院時訪問指導加算 226特掲 H-10 H003-3 リハビリテーション計画提供料「2」リハビリテーション計画提供料2   227特掲 H-11 H003-4 目標設定等支援・管理料 228特掲 H-12 H004 摂食機能療法   229特掲 H-13 H004 摂食機能療法 「注2」 経口摂取回復促進加算 230特掲 H-14 H005 視能訓練 232特掲 H-15 H007 障害児 (者) リハビリテーション料 233特掲 H-16 H007-2 がん患者リハビリテーション料 234特掲 H-17 H008 集団コミュニケーション療法料 235

個別指導の状況 238特掲 I-1 I000 精神科電気痙攣療法「注3」麻酔医師加算   240特掲 I-2 I001 入院精神療法 241特掲 I-3 I002 通院・在宅精神療法,給付調整 介護老人福祉施設に入所している患者等に対するもの 242

特掲診療料 第 7 部 リハビリテーション

特掲診療料 第 8 部 精神科専門療法

特掲 I-4 I002 通院・在宅精神療法 「注4」 児童思春期精神科専門管理加算の 「ロ」 20歳未満の患者に60分以上の通院・在宅精神療法を行った場合 243

特掲 I-5 I002 通院・在宅精神療法 「注5」 特定薬剤副作用評価加算 244

特掲 I-6 I002 通院・在宅精神療法 「注6」 3種類以上の抗うつ薬又は3種類以上の抗精神病薬を投与した場合 245

特掲 I-7 I002 通院・在宅精神療法「注7」措置入院後継続支援加算   246

特掲 I-8 I002-2 精神科継続外来支援・指導料,I002-2 精神科継続外来支援・指導料 「注4」 特定薬剤副作用評価加算 247

特掲 I-9 I002-3 救急患者精神科継続支援料 248特掲 I-10 I003 標準型精神分析療法 249特掲 I-11 I003-2 認知療法・認知行動療法,給付調整 介護老人福祉施設に入所している患者等に対するもの 250

特掲 I-12 I004 心身医学療法 251特掲 I-13 I005 入院集団精神療法  ,I006 通院集団精神療法   252

特掲 I-14 I006-2 依存症集団療法 253特掲 I-15 I007 精神科作業療法   254特掲 I-16 I008 入院生活技能訓練療法   255特掲 I-17 I008-2 精神科ショート・ケア  ,I009 精神科デイ・ケア   256

特掲 I-18 I010 精神科ナイト・ケア  ,I010-2 精神科デイ・ナイト・ケア  ,I010-2 精神科デイ・ナイト・ケア 「注5」 疾患別等診療計画加算   257

特掲 I-19 I008-2・I009・I010・I010-2 「精神科デイ・ケア等」 を開始した日から1年を超える期間で週4日以上算定する場合 258

特掲 I-20 I011 精神科退院指導料 259特掲 I-21 I011-2 精神科退院前訪問指導料 260特掲 I-22 I012 精神科訪問看護・指導料,I012 精神科訪問看護・指導料(算定回数の特例) 261

特掲 I-23 I012-2 精神科訪問看護指示料 262特掲 I-24 I013 抗精神病特定薬剤治療指導管理料 263

特掲 I-25 I014 医療保護入院等診療料 264特掲 I-26 I015 重度認知症患者デイ・ケア   265特掲 I-27 I016 精神科在宅患者支援管理料 266

特掲 C-9 C005-2 在宅患者訪問点滴注射管理指導料   162

特掲 C-10 C006 在宅患者訪問リハビリテーション指導管理料 163

特掲 C-11 C007 訪問看護指示料 164特掲 C-12 C010 在宅患者連携指導料 165特掲 C-13 C011 在宅患者緊急時等カンファレンス料 166

特掲 C-14 C013 在宅患者訪問褥瘡管理指導料 167

特掲 C-15 第2章第2部第2節第1款 在宅療養指導管理料 168

特掲 C‒16 C103 在宅酸素療法指導管理料「注2」遠隔モニタリング加算  ,C107-2 在宅持続陽圧呼吸療法指導管理料「注2」遠隔モニタリング加算   169特掲 C-17 C107 在宅人工呼吸指導管理料 170特掲 C-18 C110-2 在宅振戦等刺激装置治療指導管理料,C110-3 在宅迷走神経電気刺激治療指導管理料,C110-4 在宅仙骨神経刺激療法指導管理料 171

特掲 C-19 C116 在宅植込型補助人工心臓(非拍動流型)指導管理料 172特掲 C‒20 C118 在宅腫瘍治療電場療法指導管理料  ,C119 在宅経肛門的自己洗腸指導管理料   173

特掲 C-21 掲示事項 C200 薬剤 174

個別指導の状況 176特掲 D-1 D003 糞便検査「9」カルプロテクチン(糞便)   179

特掲 D-2 D006-11 FIP1L1-PDGFRα融合遺伝子検査  ,D006-12 EGFR遺伝子検査(血漿)   180

特掲 D-3 D014 自己抗体検査「44」抗HLA抗体(スクリーニング検査)  ,「45」抗HLA抗体(抗体特異性同定検査)   181

特掲 D-4 D023 微生物核酸同定・定量検査「15」細菌核酸・薬剤耐性遺伝子同時検出   182特掲 D-5 D211-3 時間内歩行試験 183特掲 D-6 D211-4 シャトルウォーキングテスト 184特掲 D-7 D215 超音波検査,D215 超音波検査 「3」 の 「ニ」 胎児心エコー法   185

特掲診療料 第 3 部 検 査

特掲 D-8 D220 呼吸心拍監視,新生児心拍・呼吸監視,カルジオスコープ(ハートスコープ),カルジオタコスコープ 186特掲 D-9 D225-4 ヘッドアップティルト試験 187特掲 D-10 D237 終夜睡眠ポリグラフィーの「1」,「2」,「3」 188特掲 D-11 D238 脳波検査判断料 「注3」 遠隔脳波診断を行った場合 189特掲 D-12 D246 アコースティックオトスコープを用いた鼓膜音響反射率検査 190特掲 D-13 D282-2 行動観察による視力検査の「1」,「2」 191

特掲 D-14 D282-3 コンタクトレンズ検査料 192特掲 D-15 D283 発達及び知能検査,D284 人格検査,D285 認知機能検査その他の心理検査 193特掲 D-16 D291-2 小児食物アレルギー負荷検査 194特掲 D-17 D291-3 内服・点滴誘発試験 195

個別指導の状況 198特掲 E-1 通則 画像診断管理加算1,2及び3  199特掲 E-2 通則 画像診断管理加算1,2及び3(遠隔画像診断) 200特掲 E-3 E202 磁気共鳴コンピューター断層撮影(MRI撮影) 201

個別指導の状況 204特掲 F-1 掲示事項 投薬期間に上限が設けられている医薬品(内服薬・外用薬) 208特掲 F-2,G-1 F200 薬剤 「注5」 ビタミン剤の算定, G100 薬剤 「注2」 ビタミン剤の算定 209特掲 F-3 F400 処方箋料 210特掲 F-4 F400 処方箋料 「注7」 一般名処方加算 211特掲 G-2 G004 点滴注射 「注3」 血漿成分製剤加算,G005 中心静脈注射 「注1」 血漿成分製剤加算 212

特掲診療料 第 4 部 画像診断

特掲診療料 第 5 部,第 6 部 投薬,注射

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特掲 I-28 I016 精神科在宅患者支援管理料「注4」精神科オンライン在宅管理料   267

個別指導の状況 270特掲 J-1 J038 人工腎臓 272特掲 J-2 施設基準 J038 人工腎臓 「注10」 下肢末梢動脈疾患指導管理加算 273特掲 J-3 J039 血漿交換療法   275特掲 J-4 J045-2 一酸化窒素吸入療法   276特掲 J-5 J118-4 歩行運動処置(ロボットスーツによるもの) 277

個別指導の状況 280特掲 K-1 施設基準 手術 「通則5」 及び 「通則6」 に掲げる手術 282

特掲 K-2 施設基準 手術 「通則16」 に掲げる手術(K664胃瘻造設術) 283

特掲 K-3 手術 「通則17」 周術期口腔機能管理後手術加算 284

特掲 K-4 K022 組織拡張器による再建手術「1」 乳房(再建手術)の場合,K476-4 ゲル充填人工乳房を用いた乳房再建術(乳房切除後) 285

特掲 K-5 K190-6 仙骨神経刺激装置植込術 286特掲 K-6 K546 経皮的冠動脈形成術「3」その他のもの  ,K549 経皮的冠動脈ステント留置術「3」その他のもの   287

特掲 K-7 K615 血管塞栓術(頭部,胸腔,腹腔内血管等)「2」 選択的動脈化学塞栓術 288

特掲 K-8 K656-2 腹腔鏡下胃縮小術(スリーブ状切除によるもの) 289

特掲 K-9 K920 輸血 290特掲 K-10 K939-5 胃瘻造設時嚥下機能評価加算 291特掲 L-1 L009 麻酔管理料(Ⅰ),L010 麻酔管理料(Ⅱ) 292

個別指導の状況 294特掲 M-1 M000-2 放射性同位元素内用療法管理料 295

特掲診療料 第 9 部 処 置

特掲診療料 第10部,第11部 手術,麻酔

特掲診療料 第12部,第13部放射線治療,病理診断

特掲 M-2 M001 体外照射 「2」 高エネルギー放射線治療 「注2」 1回線量増加加算 296特掲 M-3 M001-4 粒子線治療 「注2」 粒子線治療適応判定加算 297特掲 N-1 N000 病理組織標本作製「2」セルブロック法によるもの  ,N002 免疫染色(免疫抗体法)病理組織標本作製   298特掲 N-2 N007 病理判断料 299

介老1 第3章第1部 併設保険医療機関の療養に関する事項 「1」 緊急時施設治療管理料 302介老2 第3章第2部 併設保険医療機関以外の保険医療機関の療養に関する事項 「1」 施設入所者共同指導料 303DPC1 DPC 診断群分類点数表 304保外併療1 掲示事項 保険外併用療養費 305保外併療2 掲示事項 保険外併用療養費 306

診療報酬明細書の記載要領等 診療行為名称等の略号(医科・抜粋),摘要欄への記載事項等(医科・抜粋)

その他介護老人保健施設入所者に係る診療料診断群分類点数表(DPC/PDPS)

保険外併用療養費

付 録

第1章

適切なカルテの重要性

 本章では,カルテ記載の重要性について,法的根拠

も踏まえながら解説しています。

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カルテの重要性

 診療録(カルテ)は診察を行った際の記録となるもので,診療の記録,保険請求の為の資料,病院の管理資料統計,医療訴訟の証拠となるほか,紹介状・照会に対する返信,種々の申請書,診断書等,臨床医学研究などに使われるとても重要なものです。

1)診療報酬請求の根拠は診療録   前述に保険請求の為の資料とありますように,保険診療においては,診療報酬明細書(レセプト)に記載されていることの根拠はすべて診療録等に求められることとなっています。診療報酬の請求及び支払が行われた後であっても,診療録等に不備があると,時に行政指導等で多額の返還を求められることがあります。

2)医療訴訟の判断は診療録   また,医療訴訟の証拠とありますように,医療訴訟が発生した場合,診療録等に記載されている内容での判断となります。記載不足など不備があったとしても,原則,加筆することはできません。記載がない場合は,必要であった診療行為が行われていないと判断されることもあります。

3)不完備は自主返還などの恐れ   このように,診療録は法に基づくものとして,診療報酬の根拠や医療訴訟の証拠となり得るものです。その日に行った診療内容は,すみやかに診療録に記録しておかなければならず,その他の関連する書類なども完備して保管しておく必要があります。その法的根拠については,次の項目で説明します。   なお,診療録は単なる記録にとどまらず,診療報酬算定の根拠として,記載しておくべき内容や添付しておかなければならない書類などの詳細が決められているものが多数あります。診療報酬点数表における「診療報酬の算定方法の一部改正に伴う実施上の留意事項について」に,「…要点を診療録に記載する」「…別紙様式○○を添付する」「…を患者に交付し,説明する」等が規定されている項目のことです。これらは,算定要件ですので,診療録に記載,添付若しくは交付したことが実証(明記等)されている必要があります。   算定要件を完備していない場合又は不十分な場合は,前述のように,医療機関から自主返還※1するようなことにもなりかねません。   診療録は,保険医療機関にとって要となる大切なものであり,その作成及び管理はとても重要なものです。

〈ポイント〉1.診療報酬の根拠は診療録に求められる2.医療訴訟の判断は診療録に求められる3.診療録の不完備は自主返還などの恐れがある

※ 1 保険医療機関から自主的に該当する診療報酬分を返還すること

Ⅰ カルテの意義と重要性

3Ⅰ カルテの意義と重要性

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カルテの重要性

カルテの重要性

3)自費カルテとの区別   自由診療分については原則として保険診療分とは区分して,別の診療録を作成しなければなりません。

 【療養担当規則第8条】(診療録の記載及び整理)   保険医療機関は,第22条の規定による診療録に療養の給付の担当に関し必要な事項を記載し,これを他の診療録と区別して整備しなければならない。

4)カルテは5年間,その他書類は3年間の保存義務  診療録及び療養の給付に関わる書類には,保存義務があります。

 【療養担当規則第9条】(帳簿等の保存)   保険医療機関は,療養の給付の担当に関する帳簿及び書類その他の記録をその完結の日から3年間保存しなければならない。ただし患者の診療録にあってはその完結の日から5年間とする。 ※ 「治癒」・「死亡」・「中止」の転帰した日が,完結の日となります。 ※ その他の記録とは,検査記録やエックス線画像等です。 ※ 自由診療の診療録は保険診療と同様に5年間保存しなければなりませんが,その他の記録は2年間保存することとなっています(医療法第21条第1項第9号,医療法施行規則第20条第10号)。

 【医師法第24条第2項】   前項の診療録であって,病院又は診療所に勤務する医師のした診療に関するものは,その病院又は診療所の管理者において,その他の診療に関するものは,その医師において,5年間これを保存しなければならない。

◎ 参考 医療事故による時効は,20年であることにも注意を要します

1)遅滞なく記載する   診療録への記載は,遅滞なく行わなければなりません。煩雑な診療に追われる中,後日まとめて記載するなどとはならないようにします。前述のように,何か問題が生じた場合には診療録の内容が重要視されることもあり,行ったけれどまだ記載していなかったなどは理由になりません。また,記載していないにも関わらず診療報酬の請求が行われた場合には,不正請求とみなされます。記載不備の場合は,50万円以下の罰則規定もあります。

 【医師法第24条第1項】   医師は,診療をしたときは,遅滞なく診療に関する事項を診療録に記載しなければならない。

 【医師法第33条の2】   次の各号のいずれかに該当する者は,50万円以下の罰金に処する。 一  第6条第3項,第18条,第20条から第22条まで又は第24条の規定に違反した者(二号以降省略)

 【療養担当規則第22条】(診療録の記載)   保険医は,患者の診療を行った場合には,遅滞なく,様式第1号※1又はこれに準ずる様式の診療録に,当該診療に関し必要な事項を記載しなければならない。

2)診療録の記載事項   下記のほか,次項の3)の療養担当規則にも「診療に関する事項」「診療上必要事項を記載すること」とあることから,保険医か否かにかかわらず診療に関することはすべて,診療録へ記載することになります。

   また,保険医は診療報酬の請求が適正になるよう,行った診療内容の情報を保険医療機関に正確に提供する義務があります。

   なお,診療録は個人的なものではないですし,法的根拠となるものですので,他人がみても判読できるようなものであることも大切です。

 【医師法施行規則第23条】  診療録の記載事項は,次の通りである。 ① 診療を受けた者の住所,氏名,性別及び年齢 ② 病名及び主要症状 ③ 治療方法(処方及び処置) ④ 診療の年月日

〈ポイント〉1.診療録へは遅滞なく記載する2.診療録の記載内容は定められている3.保険診療分と自費分は区別して診療録を作成する4.カルテは5年間,その他書類は3年間の保存義務がある

※ 1 様式第1号でなくても,医療機関が独自な様式でもよいとされていますが,この様式の各欄がすべて具備されていることは必要です。「労務不能に対する意見」「業務災害・通勤災害」の欄が省略されていることがあるので,完備するようにしましょう

Ⅱ カルテに関する留意事項及びその法的根拠

4 第1章 5Ⅱ カルテに関する留意事項及びその法的根拠

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カルテの重要性

 本章では,診療報酬の算定に当たり留意事項通知等

で,「診療録へ記載する,添付する,貼付する」と定

められている診療行為を抽出し,各項目について下記

の内容などを解説しています。

1)診療行為の概要

2)診療録への記載要件の規定

3)カルテ記載等のポイント

4)記載例

診療報酬とカルテ記載

第2章

10 第1章

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 初診料又は再診料は,簡単な検査の費用,簡単な物理療法の費

用,簡単な処置の費用など,基本的な診療行為の費用を含んだ点数

として規定されています。これらの簡単な診療行為をまったく行わ

ない場合も所定点数を算定できるものであり,逆に,何回行っても

所定点数しか算定できません。含まれる診療行為を行った場合にお

いても,診療録にその旨及び結果などを記載します。

 診療行為そのものの点数のほかに加算が規定されている場合があ

り,算定要件を満たすことで加算が算定できますが,その要件を満

たしている根拠が診療録において明確になっていることが必要です。

 例えば,初・再診料には,急患等やむを得ない事由により診療を

求められ診療時間外に診察を行った場合,時間外加算等が算定でき

ます。その際には,診療開始時間や受診時の状況など,診療録へ記

載しなければなりません。

 本書においては,診療録への記載や添付・貼付が必要となるもの

として,通知等において明確に規定されている項目について,留意

点を踏まえながら解説します。

初・再診料第1部

基本診療料

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初・再診料

初・再診料

〈記載〉・診療内容(治療上必要な適切な指示)の記載が不十分である。

・聴取事項,患者の症状,診察所見等を記載していない。

・診療継続中の患者につき,新たに発生した他の傷病で初診を行った場合には初診料は算定できないことに留意し,初診料の算定根拠を明確に記載する。

・初診時の主訴,現病歴及び既往歴の記載が乏しい。・同一日の再診について,再診に係る根拠の記載を充実する。

・患者の家族から症状を聞いて投薬した場合は,その旨を記載する。

〈算定〉・患者の傷病について医学的に初診といわれる診療行為があった場合に,初診料を算定する。

・再診料で算定すべきものを初診料で算定した。・診療継続中の患者に対し新たな傷病名により機械的に初診料を算定した。

・慢性疾患等,明らかに以前受診した疾病又は負傷等と同一の疾病又は負傷等であると推定される場合の診療は,初診として取り扱わない。

・付随する一連の行為で来院した患者に対して,初診料又は再診料を算定した。

・検査の必要性を認め,後日検査のみで受診した日に算定した。

・検体を持参しただけの場合に算定した。・検査の結果のみを聞きに来た患者に対して,再診料,外来管理加算を算定した。

・訪問診療後に,家族等が単に薬剤を取りに来た場合に算定した。

・訪問診療後,単に家族に対し処方箋を発行した場合に算定した。

・直接患者本人の診療を行わず,患者の家族が検査結果を聞きに来たものについて再診料を算定した。

・当該保険医療機関又は当該保険医療機関と特別の関係にある保険医療機関において過去にコンタクトレンズの装用を目的に受診したことのある患者に当該検査料を算定した場合は,初診料を算定せず,再診料を算定する。

・コンタクトレンズを処方し眼科学的管理を行ってい

A000初診料,A001再診料る患者に屈折異常以外の他の疾病が新たに発生した場合は,初診料を算定せず,再診料を算定する。

・同一日に他の傷病について,患者の意思に基づき,別の診療科を再診として受診した場合は,現に診療継続中の診療科1つに限り再診料の注3に掲げる所定点数(同一日2科目)を算定できる。

・同一の保険医が別の医療機関において,同一の患者について診療を行った場合に,最初に診療を行った医療機関でないにもかかわらず,初診料を算定した。

・施設入所者に対して特別の必要があって行う診療でないにもかかわらず算定した。

・自他覚的症状がなく健康診断を目的とする受診について,初診料を算定した。

・自他覚症状がなく健康診断を目的とする受診により疾患が発見された患者に,当該保険医が,特に治療の必要性を認め治療を開始したにもかかわらず,初診料を算定した。

・保険外診療に係る診断書の交付のための診療について算定した。

・療養費同意書の交付のみ行った患者について算定した。

・診療情報提供書のみを受け取りに来た際に算定した。・訪問看護ステーションの看護師が点滴注射を実施した際に算定した。

〈記載〉・受付時間等を記載し,算定根拠を明確にする。・システムの操作誤りで深夜加算を算定した。・常態として診療応需の態勢をとっているときに時間外の取扱いをした。

・急病等やむを得ない理由により受診した患者ではないのに,休日加算を算定した。

〈記載〉・受付時間を記載し,算定した根拠を明確にする。

〈算定〉・時間外対応加算1における緊急時の対応体制について,対応者,緊急時の対応体制,連絡先等を記載した文書の配布や診察券への記載等により患者に対し

時間外加算等

夜間・早朝等加算

時間外対応加算

参考/個別指導の状況 ※重複する内容は編集しました 周知する。

〈記載〉・算定要件を満たす診療が行われた場合には算定根拠を明確にし,医師の指示により算定する。

〈算定〉・医師が丁寧な問診と詳細な身体診察を行い,それらの結果を踏まえて患者に対して症状の再確認を行いつつ,病状や療養上の注意点等を懇切丁寧に説明するとともに,患者の療養上の疑問や不安を解消する取組みを行う。・医師による直接の診察がないものに算定した。・患者を診察せずに看護にあたっている者から症状を聴取したものを算定した。・電話等再診時に算定した。・やむを得ない事情で看護に当たっている者から症状を聞いて薬剤投与した場合に算定した。・創傷処置,消炎鎮痛等処置,鶏眼・胼胝処置,精神科専門療法等を行った日に算定した。・処置を行っているにもかかわらず,処置料を算定せず,外来管理加算を算定した。・リハビリテーションの実施時に算定した。

〈記載〉・診療依頼である旨及び聴取事項,診察所見の要点を記載していない,又は不十分である。・電話による診療であることを明記する。〈算定〉・患者又はその看護にあたっている者からの医学的な意見の求めに対し,治療上必要な適切な指示を行う。・療養上必要な指示を行っていない又は不十分であるにもかかわらず算定した。・医師から患者へ連絡した事案に算定した。・訪問看護を行っている看護師から治療上の意見を求められて指示したものに算定した。・検査結果のみを患者に報告した場合に算定した。・他の医療機関からの電話照会等への応対分に算定した。

〈記載〉・初回算定時に患者の署名付きの同意書が添付されていない。

外来管理加算

電話等による再診

地域包括診療加算

・他の保険医療機関と連携の上,患者が受診している医療機関を全て把握するとともに,当該患者に処方されている医薬品を全て管理し,記載する。

・医薬品の管理は,他医療機関の処方も含め,直近の投薬内容の全てを記載し管理する。

・投薬内容についての記載が不十分である。・他の医療機関で処方されたものも含め,患者に処方されている医薬品の全てを記載していない。

・健康診断や検診の受診勧奨を行い,その結果等を記載していない。

・お薬手帳の写しが貼付されていない,又は投薬内容について記載していない。

〈算定〉・患者の同意を得ていないのに算定した。・初回算定時に患者の署名付きの同意書を作成していない。

14 15第2章 基本診療料 第1部 初・再診料 参考/個別指導の状況

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初・再診料

初・再診料 妊婦に対して初診又は再診(外来診療料を含む)を行った場合の加算です。

妊娠に直接関連しない傷病への受診にも算定できます。算定上の留意点は次のとおりです。     医師が診察の上,妊婦であると判断した場合に算定可能であり,必ず

しも妊娠反応検査の実施や母子健康手帳の確認は必要ではない※1。     診察時には妊婦であるかが不明であったが,後日妊娠していることが

判明した場合等,診察の際に医師が妊婦であると判断しなかった場合には,遡って妊婦加算を算定できない※2。

     妊婦が感冒等の妊娠に直接関連しない傷病について受診を行った場合であっても,初診料,再診料又は外来診療料を算定する診察を行った場合は算定できる※3。

     当日の診察で妊娠が確認された場合であっても,初診料,再診料又は外来診療料を算定する診察を行った場合は算定できる※4。

     異所性妊娠,稽留流産,不全流産,胞状奇胎の患者の場合は,妊婦の外来診療について,妊娠の継続や胎児に配慮した適切な診療を評価するものであることから,診療時に当該患者であることが分かっている場合は算定できない※5。

     診療録や診療報酬明細書※6には,当該患者が妊婦であると判断した旨の記載が必要である。 (平30.3.30 医療課事務連絡)

QA

※ 1~※4 平30.3.30 医療課事務連絡QA

QA

QA

QA

※ 5 平30.7.10 医療課事務連絡

規定【記載】QA ※ 6 レセプト摘要欄:レセプ

ト電算処理システム用コードの表示は,「妊婦」

記載等のポイント

□医師が診察の上,妊婦であると判断した旨を記載する。

記載例

症例:熱傷,30歳,妊娠患者,初診

10月15日 19:00来院(時間外)S: 午後6時頃,夕食の準備中に鍋の熱湯を左手にかけてしまった。すぐに冷水で冷やした。じんじんと痛む。妊娠5か月である。腹痛(-)

O:左手首~甲部 長径12cm大の紅斑(++),水泡(+) (図省略)  BP等省略,服薬なし,妊娠患者 A, P:Ⅱ度熱傷,消毒し軟膏を塗布。症状が落ち着くまで,継続して来院すること,かつ,明日,産科へ通院するよう指示。診療情報提供書作成。

◉ 1 妊婦であると判断した旨を記載します

A000 初診料   「注10」妊婦加算 A001 再診料   「注15」妊婦加算 A002 外来診療料 「注10」妊婦加算 

新新新

基本 A‒1

※ 1 外来管理加算が算定できない診療行為

  慢性疼痛疾患管理,厚生労働大臣が定める検査(超音波検査等,脳波検査等,神経・筋検査,耳鼻咽喉科学的検査,眼科学的検査,負荷試験等,ラジオアイソトープを用いた諸検査,内視鏡検査),第7部リハビリテーション,第8部精神科専門療法,第9部処置,第10部手術,第11部麻酔,第12部放射線治療

(参考)[診療内容の事例]1) 問診し,患者の訴えを総括

する2) 身体診察によって得られた

所見及びその所見に基づく医学的判断等の説明を行う

3) これまでの治療経過を踏まえた,療養上の注意等の説明・指導を行う

4) 患者の潜在的な疑問や不安等を汲み取る取組を行う

 診察に当たっては,上記に規定する項目のうち,患者の状態等から必要と思われるものを行うこととし,必ずしも全ての項目を満たす必要はない※ 2 簡単な症状の確認等を行ったのみで継続処方を行った場合は,外来管理加算は算定できません

※ 3 看護者に症状を聞いて薬剤を投与した場合は,外来管理加算は算定できません

 外来管理加算は,一般病床数が200床未満の保険医療機関において算定できる再診料への加算です。標榜診療科に関係なく算定できますが,複数科を標榜する保険医療機関おいて複数科を受診した場合を含めて,処置,リハビリテーション等を行わずに計画的な医学管理を行った場合に算定できます。 診療録に診察の所見や診療内容(具体的な治療行為等)を記載しますが,この診療内容に処置等の加算が算定できない行為※1が含まれているか否かで算定が異なります。 また,単に処置等の医療行為が行われていないだけでなく,医師が丁寧な問診と詳細な身体診察(視診,聴診,打診及び触診など)を行い,それらの結果を踏まえて患者に対して症状の再確認を行いつつ,病状や療養上の注意点等を懇切丁寧に説明するとともに,患者の療養上の疑問や不安を解消する取組みを行う必要があります。 再診料は診察の都度算定していく基本的なものですが,算定もれや誤った算定も多く,このような要件を満たしている旨が診療録に記載されていることが大切です。

 患者からの聴取事項や診察所見の要点を診療録に記載する。規定【記載】

記載等のポイント

□ 問診の内容(主訴,現病歴等),理学的所見,療養上の注意等※2を含み,記載する。

□具体的な診療行為を行った場合はその内容を記載する。□ やむを得ない事情等で患者以外の者が来院した場合※3はその旨を記載する。

記載例

症例:小児科,再診,急性咽頭炎,10歳

○月○日 祝日9:00来院既 往歴:○年○月○日より慢性湿疹で皮膚科通院中。軟膏塗布と日常生活への指導。主訴:発熱現病歴:昨日から38度発熱,その他の症状なし理 学的所見:咽頭発赤,胸部聴診雑音認めず,リンパ腺の腫脹なし,腹部異常所見なし指導内容:薬剤の服用・うがい・休養・食事について 母親同伴。本人及び母親に指導。  投薬3日分処方。熱が下がれば通学しても良い。熱が下がらない場合は再来。

◉ 1 日付け,時間外等の場合はその旨と時間を記載します

◉ 2 自院への通院状況や既往歴等を記載します

◉ 3 主訴,現病歴,理学的所見,指導内容,治療方針(投薬等)を記載します

◉ 4 診察,投薬(加算が算定できない行為がない等の要件が明確)⇒外来管理加算算定

A001 再診料 「注8」外来管理加算

基本 A‒2

16 第2章 基本診療料 第1部 初・再診料 17基本 A‒1,基本 A‒2

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初・再診料

初・再診料

※ 1 電話等再診は,外来管理加算,地域包括診療加算及び認知症地域包括診療加算は算定できません

   また,電話等再診料を算定する際には,特掲診療料第1部医学管理等の費用は算定できません

※ 2 平成30年3月31日以前に,3月以上継続して定期的に,電話,テレビ画像等による再診料を算定していた患者については,当該医学管理に係る一連の診療が終了するまでの間は引き続き算定することができます。その場合には,時間外加算等又は夜間・早朝等加算は算定できません

※ 3 同一日における初診又は再診に附随する一連の行為とみなされる場合,時間おきに病状の報告を受ける内容のものである場合等は算定できません

※ 4 受診後速やかに送信していなければ算定できません

 自院で初診を受けた患者について,再診以後,患者又はその看護に当たっている者から,電話,テレビ画像等によって治療上の意見を求められ必要な指示をした場合においても,再診料を算定することができます※1。ただし,定期的な医学管理を前提として行われる場合は算定できません※2。 また,ファクシミリ又は電子メール等については,聴覚障害者に限られます。 この電話等再診は,患者の病状の変化に応じ療養について医師の指示を受ける必要のある場合であって,医学的な意見の求めに対し治療上必要な適切な指示をした場合に限り算定できるものであり,例えば,単なる検査の結果の問い合わせ等に対して検査結果を伝えることのみでは算定できません※3。 来院等の再診とは異なりますので,電話等での診療であった旨を診療録に明記する必要があります。

 ファクシミリ又は電子メール等による再診については,再診の求めに速やかに応じた場合に限り算定できるものとし,この場合においては,診療録に当該ファクシミリ等の送受信の時刻を記載し,その写しを貼付する。

規定【記載】【貼付】

記載等のポイント

□ファクシミリ等の送受信の日付,時刻※4を記載する。□ファクリミリ等:相談内容,指示事項を具体的に記載する。

記載例

症例: 先天性聾,25歳,小児の頃から内科通院中,緊急指示希望の際はFAX&電話(FAX入れた旨)でやり取りしている

○月○日 19:05 TEL(本人:今FAXした)19:10 FAX確認  本日処方薬を昼から内服し,現在,体幹に痒み(+),腹部と背部にぶつぶつがでてきた。  KT36.5° 腹痛(-) 下痢(-) 吐気(-) 服用前の昼食はうどん。 18時夕食,サラダ,煮物,鶏のから揚げ。19:25 FAX送付 服薬中止。一晩様子見て,明日来院指示。 症状がひどくなるようなら,夜中でも再度FAX&TELするように。(FAXの写し貼付)

◉ 1 誰とどの手段でやり取りしたのか,及びその日時を記載します

◉ 2 患者が病状の変化に医師の指示を求めています

◉ 3 送信の時刻が記載され,速やかに指示をしています

◉ 4 ファクシミリの写しを貼付します

 地域包括診療加算又は認知症地域包括診療加算は,外来の機能分化の観点から,主治医機能を持った診療所の医師が,継続的かつ全人的な医療を行うことについて評価したものです※1。地域包括診療加算は,脂質異常症,高血圧症,糖尿病又は認知症のうち2以上の疾患を有する患者が対象であり,認知症地域包括診療加算は認知症患者であって認知症以外に1以上の疾病(疑いは除く)を有する患者が対象です。 算定に際しては患者の同意が必要であり,療養上必要な指導及び診療※2を行い,他の保険医療機関と連携の上,患者が受診している医療機関を全て把握するとともに,処方されている医薬品を全て管理する,健康相談を行うなどが算定要件となっています。

1)服薬管理等について 【記載】【貼付・記載】   他の保険医療機関と連携の上,患者が受診している医療機関を全て把握するとともに,当該患者に処方されている医薬品を全て管理し,診療録に記載する※3。     「医薬品の管理」とは,他の医療機関で処方されたものも含め,直近

の投薬内容の全てをカルテに記載するとともに,重複投薬や飲み合わせ等を含め全て管理すること。 (平26.4.4 医療課事務連絡)

   院外処方を行う場合※4は,診療録にお薬手帳若しくは保険薬局からの文書のコピーを貼付,又は,当該点数の算定時の投薬内容について診療録に記載する。

2)健康相談について 【記載】   健康診断や検診の受診勧奨を行い,その結果等を診療録に記載する。     健康診断・検診の受診勧奨を行う必要があるが,必ずしも受診を行っ

ている必要はない。なお,患者が企業の健康診断等を受けた場合は,その結果を把握し,結果を診療録に記載する等を行う。

(平26.4.4 医療課事務連絡)3)患者の同意について 【添付】   当該加算の初回算定時に,「別紙様式47」※5を参考に,当該患者の署名付の同意書を作成し,診療録に添付する。ただし,直近1年間に4回以上の受診歴を有する患者については,「別紙様式47」を参考に診療の要点を説明していれば,同意の手続きは省略して差し支えない。なお,当該医療機関自ら作成した文書を用いることでよい。

4)その他※6

     高血圧症,糖尿病,脂質異常症,認知症の4疾病のうち重複しない対象疾病について他医療機関で算定する場合,他の医療機関と連携のうえ,相互の医療機関が各々の診療計画を把握する必要がある。その際,他の医療機関において地域包括診療料又は地域包括診療加算を算定している旨をカルテに記載する。 (平26.4.10 医療課事務連絡)

※ 1 施設基準を満たす保険医療機関(診療所に限る)において,算定できます

※ 2 当該患者を診療する担当医(慢性疾患の指導に係る適切な研修を修了した医師)により指導及び診療を行った場合に算定できます

規定【記載】【貼付・記載】【添付】

※ 3 必要に応じ,担当医の指示を受けた看護職員等が情報の把握を行うことも可能です

※ 4 原則,院内処方です。院外処方の場合は条件があります

QA

QA

※ 5 「別紙様式47」→「地域包括診療加算」・「認知症地域包括診療加算」に関する説明書・同意書(解釈p1265参照)

※ 6 電子カルテであってもスキャンがない医療機関があるが,保存すべきものについては,電子媒体又は紙媒体を問わない。(平26.4.4 医療課事務連絡)

QA

記載等のポイント

□ (初回算定時)患者の署名付きの同意書(別紙様式47)を添付する。

A001 再診料 「注9」電話等再診

基本 A‒3

A001 再診料  「注12」地域包括診療加算     「注13」認知症地域包括診療加算 

改改

基本 A‒4

18 第2章 基本診療料 第1部 初・再診料 19基本 A‒3,基本 A‒4

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初・再診料

初・再診料

記載例

症例:高血圧症・高脂血症ほか,75歳,介護認定なし※初回算定時に署名付き同意書の添付あり

【受診・服薬等状況】①○○診療所 ○年○月○日~ 膝関節症にて消炎鎮痛等処置 2回/W    ××パップ 1日2枚14日分 月2回。②△△歯科クリニック ○年○月○日~ 歯石除去,口腔ケア指導等 1回/M③自院 療養指導,栄養食事指導及び投薬 1回/M。血液検査 1回/3M。    ○ムロジピン錠5mg(1×朝食後)30日分    リポ○ス錠5 (1×朝食後) 30日分

11月21日S)時に顔面の紅潮あるも一時的で改善。その他特に変化なし。  ※ 10/30会社の検診:BP125/65,末血一般,生化(肝機能・腎

機能・血糖)異常なし,胃X-Pで要精検,結果添付  ※ 11/14会社近くの○○クリニックで胃・十二指腸EF,T-M施

行。   診断名:胃潰瘍。 ⇒11/28次回通院予約済み      ○スター20mg(分2×朝夕食後)14日分  ※11/18 △△歯科クリニックで麻酔をかけて歯石除去      カ○ナール錠300mg(1回1錠2回分)⇒未服用0)BP:136/78 P:72  胸・腹部異常所見無し。A,P)処方継続にて経過観察。  食事・運動等日常生活の注意事項(内容省略)  来月12/○,血液検査予約。食事抜きで来院のこと。   胃潰瘍治療のための○○クリニックの次回通院時に,当院で地域包括診療加算を算定している旨を伝えて,診療状況及び治療方針等の所見を書いてもらってくるよう指示。その状況をもとに連携を予定。

処方 ◉ 1 全ての受診・服薬状況を記載します

処方

◉ 2 現病状のほか,他の医療機関の受診状況等も都度把握し,記載します

処方

処方

◉ 3 当該患者の全人的な医療を担当するため,継続治療する他の医療機関と連携をとります

□受診している全ての医療機関について記載する。□他医療機関も含め,直近の投薬内容の全てを記載する。□ (院外処方)お薬手帳若しくは保険薬局からの文書のコピーを貼付,又は,当該点数の算定時の投薬内容を記載する。

□ (他医療機関でも当該加算,認知症地域包括診療加算,地域包括診療料又は認知症地域包括診療料を算定している場合)医療機関名及び項目名(診断名含む)等を記載する。

 地域包括診療加算又は認知症地域包括診療加算を算定する患者であって,他の保険医療機関に入院又は介護老人保健施設に入所していたものについて,他の保険医療機関又は介護老人保健施設(以下,当該項目中「保険医療機関等」という)と医薬品の適正使用に係る連携を行った場合の評価です。 薬剤の服用状況や薬剤服用歴に関する情報共有等を行うとともに,入院・入所中の内服薬の種類数が,入院・入所までの内服薬の種類数より少ない場合に算定できます※1。 患者の同意を得て,入院又は入所までに,入院又は入所先の他の保険医療機関等に対し,処方内容,薬歴等について情報提供すること,そして,退院又は退所後1か月以内に,調整した入院・入所中の処方内容について,入院・入所先の他の保険医療機関等から情報提供を受けていることが必要です。

 他の保険医療機関等との情報提供又は連携に際し,文書以外を用いた場合には,情報提供内容を診療録等に記載する。

※ 1 退院日又は退所日の属する月から起算して2月目までに1回に限り,加算できます

規定【記載】

記載等のポイント

□患者から同意を得た旨を記載する。□ (入院・入所まで)入院・入所先の他の医療機関等に処方内容※2,薬歴等について情報提供をし,その履歴がある※3。

□ (退院・退所後1月以内)入院・入所先の他の医療機関等から入院・入所中の処方内容について情報提供を受け,その履歴がある※4。□ (入院又は入所先の保険医療機関等に対する情報提供又は連携に際し,文書以外を用いた場合)情報提供内容を記載する。

※ 2 処方内容には,当該保険医療機関以外の処方内容を含みます

※ 3,※4 診療情報提供書等の文書により情報提供をした場合は控えを添付するなど根拠を明示します

記載例

症例: 2型糖尿病,高血圧等,55歳,地域包括診療加算1算定患者   9月1日~7日:A総合病院へ糖尿病の食事・運動療法教育入院

8月17日S) A総合病院へ入院までの処方内容・薬歴等について情報提供を行い,医薬品の適正について連携する旨を説明。患者の同意を得る。

O, P)診療情報提供書を交付(診療情報提供書の写し添付)  処方内容:① 〇イスン0.3mg  3T(毎食前)       ②,③,④,⑤,⑥,⑦,省略       ⑧ マ〇スリー5mg  1T(就寝前)  9月8日S) A総合病院より入院中及び退院時の処方内容,治療内容等についての診療情報提供書を受け取る。(診療情報提供書添付)

   処方内容:①~⑦は同,⑧は削除。O, P)食事,運動療法を取り入れることで睡眠状態が安定し,マ〇スリーの服用を中止とし,快眠継続の現況報告あり。このまま維持。

  入院前の内服薬8種 ⇒ 入院中の内服薬7種    他省略

◉ 1 患者の同意を得た旨を記載します

◉ 2 情報提供に当たって文書を用いた場合は,写し等を添付します(文書以外の場合は内容を記載)

◉ 3 退院1か月以内に入院中の処方内容について,入院先の他の保険医療機関から情報提供を受けています

◉ 4 内服薬の種類数が減少した旨,記載します

A001 再診料 「注14」薬剤適正使用連携加算 新

基本 A‒5

20 第2章 基本診療料 第1部 初・再診料 21基本 A‒4,基本 A‒5

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在宅医療

在宅医療

 在宅患者訪問診療料1は,在宅での療養を行っている患者※1であって,疾病,傷病のために通院による療養が困難な者※2に対して,患者の入居する有料老人ホーム等に併設される保険医療機関以外の保険医療機関が定期的に訪問して診療を行った場合に算定します。 在宅患者訪問診療料2は,当該患者の同意を得て,計画的な医学管理のもと,主治医として定期的に訪問診療を行っている保険医が属する他の保険医療機関の求めを受けて,当該他の保険医療機関が診療を求めた傷病に対し訪問診療を行った場合に算定します。

  訪問診療を実施する場合には,以下の要件を満たす。 

◎  在宅患者訪問診療料の所定点数は,次のように分かれています

 C001  在宅患者訪問診療料(Ⅰ)

 「1」在宅患者訪問診療料1  イ  同一建物居住者以外の

場合  ロ  同一建物居住者の場合 「2」在宅患者訪問診療料2  イ  同一建物居住者以外の

場合  ロ 同一建物居住者の場合 C001-2  在宅患者訪問診療

料(Ⅱ)※ 1 保険医療機関,介護老人保健施設又は介護医療院で療養を行っている患者以外の患者をいいます。ただし,特に規定する場合を除き,医師の配置が義務づけられている施設に入所している患者については算定の対象となりません

※ 2 継続的な診療の必要のない者や通院が可能な者に対して安易に算定してはならないことになっています

規定【添付】【記載】

ア  当該患者又はその家族等の署名付の訪問診療に係る同意書を作成した上で診療録に添付する。イ  訪問診療の計画及び診療内容の要点を診療録に記載する。在宅患者訪問診療料2を算定する場合には,主として診療を行う医師である保険医が所属する他の保険医療機関が診療を求めた傷病も記載する。ウ  訪問診療を行った日における当該医師の当該在宅患者に対する診療時間(開始時刻及び終了時刻)及び診療場所について,診療録に記載する。

記載等のポイント

□ 患者又はその家族の署名付きの訪問診療に係る同意書を添付する。□ 訪問診療計画を記載する。□ 訪問診療の開始及び終了時刻,診療場所,診療内容の要点を記載する。〈在宅患者訪問診療料2〉□ 依頼を受けた他の保険医療機関が診療を求めた傷病を記載する。

記載例

●11月1日 初診・往診(自宅) 95歳,女性,脳梗塞後遺症,認知症,大腿骨骨折術後 障害老人の日常生活自立度 ランク B 認知症高齢者の日常生活自立度 Ⅳ  経口摂取可能も誤嚥の可能性大,左片麻痺。移動も介助要。他略●訪問診療計画及び在宅療養計画 月2回訪問診療,週1回の訪問看護,訪問入浴週2回  感染(肺炎,尿路感染等)及び投薬等管理。褥瘡の予防法。他省略 (同意書(署名・長男)・訪問診療計画書及び在宅療養計画書添付)

11月15日 訪問診療(自宅) 10:00~10:30S) 食事摂取量が少ない。ベッド上で過ごすことが多いが,車椅子で過ごすようにしている。発熱(-)。家族が分担して介護に当たっている。

O)理学的所見;初診時とほぼ同様。P)今後も訪問診療を継続。Do処方 2週間。

◉ 1 訪問診療計画の要点を記載し,同意書等を添付します

◉ 2 訪問診療の開始及び終了時刻,診療場所,診療内容の要点を記載します

 在宅ターミナルケア加算は,死亡日及び死亡日前14日以内の計15日間に2回以上往診又は訪問診療※1を行った患者が,在宅で死亡した場合(往診又は訪問診療を行った後,24時間以内に在宅以外で死亡した場合を含む)に算定します。 看取り加算は,事前に当該患者又はその家族等に対して,療養上の不安等を解消するために充分な説明と同意を行った上で,死亡日に往診又は訪問診療を行い,当該患者を患家で看取った場合に算定します※2。

〈在宅ターミナルケア加算〉 診療内容の要点等を診療録に記載する。〈看取り加算〉 診療内容の要点等を当該患者の診療録に記載する。

※ 1 ターミナルケアの実施については,厚生労働省「人生の最終段階における医療の決定プロセスに関するガイドライン」等の内容を踏まえ,患者本人及びその家族等と話し合いを行い,患者本人の意思決定を基本に,他の関係者との連携の上対応します

※ 2 看取り加算には,死亡診断に係る費用が含まれており,「注8」の死亡診断加算は別に算定できません

規定【記載】

記載等のポイント

〈在宅ターミナルケア加算〉□診療内容の要点等を記載する。〈看取り加算〉□診療内容の要点,看取った時間を記載する。

記載例

症例:100歳,女性,慢性心不全,認知症   障害老人の日常生活自立度 ランクC   認知症高齢者の日常生活自立度 Ⅴ

11月1日  訪問診療(自宅) 10:30~11:00S)最近寝ていることが多く,食事もほとんどしなくなる。  カロリーメイトは,僅かに摂取可能。薬は飲めたり飲めなかったり。  夜間呼吸が不規則。O)BP;120/78  P;98 不整  呼吸;不規則(Cheyne-Stokes)  呼びかけにはうなずくが,発語無しP)呼吸が不規則になるのは,心不全がさらに悪化。  家族に死期が近いことを説明。  家族の希望:経管栄養など無理な延命はしないで自然に。

  ほとんど食事もとれていないので,利尿剤は中止。  特に点滴も行わず。連日の訪問看護で経過を見ることとする。  状態に変化があった場合は,すぐ連絡のこと

◉ 1 訪問診療の開始及び終了時間,診療場所,診療内容の要点を記載します

C001 在宅患者訪問診療料(Ⅰ) 改

特掲 C‒2

C001 在宅患者訪問診療料(Ⅰ)  「注6」在宅ターミナルケア加算 「注7」看取り加算

特掲 C‒3

154 第2章 特掲診療料 第2部 在宅医療 155特掲 C‒2,特掲 C‒3

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その他

◎ 解釈p1433,p1434参照◎  本制度に係る特別の料金の徴収を行おうとする保険医療機関は,次のことを行います

 ・ 当該事項について院内の見やすい場所に分かりやすく掲示する

 ・ あらかじめ患者に対し,その内容及び費用に関して明確かつ懇切に説明を行い,患者の自由な選択に基づき,文書によりその同意を得る(特別の料金等を明示した文書に患者側の署名を受ける)

 ・ 特別の料金を徴収する場合,保険外併用療養費の一部負担に係る徴収額と特別の料金に相当する自費負担に係る徴収額を明確に区分した当該特別の料金の徴収に係る領収書を交付する

 ・ 特別の料金等の内容を定め又は変更しようとする場合は,別紙様式13(解釈p1447参照)により地方厚生(支)局長にその都度報告する

 ・ 患者から特別の料金を徴収した保険医療機関については,毎年の定例報告の際に,その実施状況について,地方厚生(支)局長に報告する

 本制度は,患者の要望に従い,患者の自己の選択に係るものとして,医科点数表等に規定する回数を超えて行う診療であって,次の①から③までについて,その費用を患者から徴収することができることとしたものです。

 当該診療の実施に当たっては,その旨を診療録に記載する。

①検査 D009腫瘍マーカーα-フェトプロテイン(AFP)癌胎児性抗原(CEA)前立腺特異抗原(PSA)CA19-9

患者の不安を軽減する必要がある場合

②リハビリテーション

H000心大血管疾患リハビリテーション料H001脳血管疾患等リハビリテーション料H001-2廃用症候群リハビリテーション料H002運動器リハビリテーション料H003呼吸器リハビリテーション料

患者の治療に対する意欲を高める必要がある場合

③精神科専門療法

I008-2精神科ショート・ケアI009精神科デイ・ケアI010精神科ナイト・ケアI010-2精神科デイ・ナイト・ケア

患者家族の負担を軽減する必要がある場合

規定【記載】

記載等のポイント

□ 患者の要望等により実施した旨を明記する。□ 同意書の写しを添付する。□ 保険外併用療養費として実施した旨及び内容を記載する。

診療報酬明細書の記載要領に関する事項「点数」欄及び「初診」、「再診」、「医学管理」、「在宅」、「投薬」、「注射」、「処置」、「手術・麻酔」、「検査・病理」、「画像診断」、「その他」及び「入院」欄について 書面による請求を行う場合においては、名称について、別表Ⅱ「診療行為名称等の略号一覧(医科)」に示す略号を使用して差し支えないこと、また、名称、回数及び点数以外の「摘要」欄に記載する事項等は、別表Ⅰ「診療報酬明細書の「摘要」欄への記載事項等一覧(医科)」のとおりであることと定められています。 なお、原則、略号は複初等と四角囲みをして記載します。(「診療報酬請求書等の記載要領等について」等の一部改正について(保医発0326第 5 号平成30年 3 月26日))

 この付録については、別表Ⅱ「診療行為名称等の略号一覧(医科)」及び別表Ⅰ「診療報酬明細書の「摘要」欄への記載事項等一覧(医科)」を抜粋・編集したものです。

-付録-

診療報酬明細書の記載要領等診療行為名称等の略号(医科・抜粋)摘要欄への記載事項等(医科・抜粋)

掲示事項 保険外併用療養費 ※ 医科点数表等に規定する回数を超えて受けた診療であって別に厚生労働大臣が定める

ものに関する事項

保外併療2

306 その他 介護老人保健施設入所者に係る診療料, 診断群分類点数表 (DPC/PDPS), 保険外併用療養費

Page 17: 保険医療機関のための 診療報酬と カルテ記載 · 1.本書について 診療報酬を請求するための要件についてはさまざまな規定があります。

●初・再診料(略号)区分 診療行為名称等 略号

A000 初診料/紹介率等が低い保険医療機関・紹介なし初診 初減初診料/妥結率が低い保険医療機関 初妥減初診料/2つ目の診療科初診 複初初診料/2つ目の診療科初診(紹介率等が低い保険医療機関) 複初減初診料/2つ目の診療科初診(妥結率が低い保険医療機関) 複初妥減

A001 再診料/妥結率が低い保険医療機関 再妥減再診料/2つ目の診療科再診 複再再診料/2つ目の診療科再診(妥結率が低い保険医療機関) 複再妥減時間外対応加算1 時外1時間外対応加算2 時外2時間外対応加算3 時外3明細書発行体制等加算 明地域包括診療加算1 再包1地域包括診療加算2 再包2認知症地域包括診療加算1 再認包1認知症地域包括診療加算2 再認包2地域包括診療加算又は認知症地域包括診療加算/薬剤適正使用連携加算 薬適連

A000、A001 夜間・早朝等加算 夜早A002 外来診療料/紹介率等が低い保険医療機関 外診減

外来診療料/妥結率が低い保険医療機関 外診妥減外来診療料/2つ目の診療科再診 複外診外来診療料/2つ目の診療科再診(紹介率等が低い保険医療機関) 複外診減外来診療料/2つ目の診療科再診(妥結率が低い保険医療機関) 複外診妥減

A000、A001、A002 時間外加算の特例 特小児科標榜保険医療機関における夜間加算の特例 小特夜小児科標榜保険医療機関における休日加算の特例 小特休小児科標榜保険医療機関における深夜加算の特例 小特深産科又は産婦人科標榜保険医療機関における夜間加算の特例 産特夜産科又は産婦人科標榜保険医療機関における休日加算の特例 産特休産科又は産婦人科標榜保険医療機関における深夜加算の特例 産特深

A003 オンライン診療料 オン診●初・再診料(摘要欄への記載事項等)

区分 診療行為 記載事項 ※( )書は、該当する場合に記載する事項A000 初診料 (2つ目の診療科初診料)…2つ目の診療科の診療科名

(妊婦加算等(注7、注10、注11の加算))…当該患者が妊婦である旨 例)妊婦A001 再診料 (2つ目の診療科再診料)…2つ目の診療科の診療科名

(乳幼児加算/月の途中から乳幼児加算を算定しなくなった場合)…月の途中まで乳幼児であった旨 例)月の途中まで乳幼児

(妊婦加算等(注5、注15、注16の加算))…当該患者が妊婦である旨 例)妊婦(同一日に2回以上の再診(電話等再診を含む))…同一日に2回以上の再診(電話等再診を含む)がある旨 例)同日再診料、同日電話等再診料 等

A000A001

初診料再診料

(初診又は再診の後、当該初診又は再診に附随する一連の行為を後日行った場合であって、当該初診日又は再診日が前月である場合)…「診療報酬の算定方法の一部改正に伴う実施上の留意事項について」(平成30年3月5日保医発0305第1号)別添1第1章第1部通則2のアからウまでに規定するものの中から、該当するものを選択 例)ア 初診又は再診時に行った検査、画像診断の結果のみを聞きに来院 等

A003 オンライン診療料

○特定疾患療養管理料、小児科療養指導料、てんかん指導料、難病外来指導管理料、糖尿病透析予防指導管理料、地域包括診療料、認知症地域包括診療料、生活習慣病管理料、在宅時医学総合管理料又は精神科在宅患者支援管理料のうち、当該患者が算定しているものを選択 例)特定疾患療養管理料算定患者、小児科療養指導料算定患者 等○算定を開始した年月

●入院料等(略号)区分 診療行為名称等 略号

通則8 管理栄養士の配置について基準を満たせない場合の経過措置 経措栄養管理体制未整備減算/非常勤の管理栄養士又は常勤の栄養士が1名以上配置 40減

区分 診療行為名称等 略号A100 一般病棟入院基本料/急性期一般入院基本料・急性期一般入院料1 急一般1

一般病棟入院基本料/急性期一般入院基本料・急性期一般入院料2 急一般2一般病棟入院基本料/急性期一般入院基本料・急性期一般入院料3 急一般3一般病棟入院基本料/急性期一般入院基本料・急性期一般入院料4 急一般4一般病棟入院基本料/急性期一般入院基本料・急性期一般入院料5 急一般5一般病棟入院基本料/急性期一般入院基本料・急性期一般入院料6 急一般6一般病棟入院基本料/急性期一般入院基本料・急性期一般入院料7 急一般7一般病棟入院基本料/地域一般入院基本料・地域一般入院料1 地一般1一般病棟入院基本料/地域一般入院基本料・地域一般入院料2 地一般2一般病棟入院基本料/地域一般入院基本料・地域一般入院料3 地一般3一般病棟入院基本料/特別入院基本料等 一般特別一般病棟入院基本料/夜勤時間特別入院基本料 一般夜特一般病棟入院基本料/夜間看護体制特定日減算 一般夜看特定減

A108 有床診療所入院基本料1 診1有床診療所入院基本料2 診2有床診療所入院基本料3 診3有床診療所入院基本料4 診4有床診療所入院基本料5 診5有床診療所入院基本料6 診6有床診療所入院基本料/有床診療所一般病床初期加算 有一初有床診療所入院基本料/夜間緊急体制確保加算 有緊有床診療所入院基本料/医師配置加算1 有医1有床診療所入院基本料/医師配置加算2 有医2有床診療所入院基本料/看護配置加算1 有看1有床診療所入院基本料/看護配置加算2 有看2有床診療所入院基本料/夜間看護配置加算1 有夜看1有床診療所入院基本料/夜間看護配置加算2 有夜看2有床診療所入院基本料/看護補助配置加算1 有補1有床診療所入院基本料/看護補助配置加算2 有補2有床診療所入院基本料/看取り加算(在宅療養支援診療所以外) 看取有床診療所入院基本料/看取り加算(在宅療養支援診療所) 看取在支有床診療所入院基本料/介護連携加算1又は2 介連1、介連2

入院基本料等加算A200 総合入院体制加算1 総入体1

総合入院体制加算2 総入体2総合入院体制加算3 総入体3

A204 地域医療支援病院入院診療加算 地入診A204-2 臨床研修病院入院診療加算 臨修A205 救急医療管理加算1 救医1

救急医療管理加算2 救医2救急医療管理加算/乳幼児加算 乳救医救急医療管理加算/小児加算 小救医

A205-2 超急性期脳卒中加算 超急A205-3 妊産婦緊急搬送入院加算 妊搬A206 在宅患者緊急入院診療加算 在緊A207 診療録管理体制加算1 録管1

診療録管理体制加算2 録管2A207-2 医師事務作業補助体制加算1(15対1) 医1の15

医師事務作業補助体制加算1(20対1) 医1の20医師事務作業補助体制加算1(25対1) 医1の25医師事務作業補助体制加算1(30対1) 医1の30医師事務作業補助体制加算1(40対1) 医1の40医師事務作業補助体制加算1(50対1) 医1の50医師事務作業補助体制加算1(75対1) 医1の75医師事務作業補助体制加算1(100対1) 医1の100医師事務作業補助体制加算2(15対1) 医2の15医師事務作業補助体制加算2(20対1) 医2の20

付録 診療報酬明細書/略号・摘要欄への記載事項等308 309初・再診料(略号)、初・再診料(摘要欄記載事項)、入院料等(略号)