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川内川直轄河川環境整備事業(水環境整備事業) 銀杏木川浄化事業 平成20年2月12日 国土交通省 九州地方整備局 いちょうのき

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川内川直轄河川環境整備事業(水環境整備事業)

銀杏木川浄化事業

平成20年2月12日

国土交通省 九州地方整備局

いちょうのき

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目 次

事業の概要 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 河川-1-1

事業の目的 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 河川-1-1

位置図 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 河川-1-1

実施内容 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 河川-1-4

事業の効果 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 河川-1-7

その他、事業との関わりが考えられる環境の変化 ・・・ 河川-1-12

対応方針(案) ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 河川-1-15

同種事業の計画・調査のあり方や事業評価手法の見直しの必要性(案) ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 河川-1-15

参考資料 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 河川-1-16

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事業名 銀杏木川浄化事業 事業主体 九州地方整備局

事業区間 鹿児島県薩摩川内市内 整備内容

取水ポンプ 0.3m3/s( 大)

導水管 5.5km

事業着手 平成8年度 事業完成 平成14年度

事業概要

全体事業費 1,274百万円

事業の目的

川内川に流入する銀杏木川の水質は、流域内の公共下水道が未整備であること、対象流域のうち特に下流地区が薩摩川内市の中心地であることから、発生する汚濁負荷量が多く、現況のBODの値が約10mg/ℓ前後であり合流する川内川本川の環境基準を大きく上回っている。

そのため、河川内に沈殿堆積した汚泥が嫌気化したヘドロから異臭が発生するなどしており、また、酸素不足により魚が死ぬなど、河川の生態系に悪影響が生じており、地元より水質改善の要望があるところである。

このため、早急な下水道整備・合併浄化槽の設置が望めない状況では、水質の改善を図ることができないことから、速やかな水質改善を目的とした浄化導水事業を実施し、河川及び周辺環境の改善・親水性の向上等、水環境の改善を図るものである。

河川-1-1

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事業名 銀杏木川浄化事業

●浄化手法

斧渕地点(川内川本川18k600右岸)から本川の水を取水し、延長5.5kmの導水管を通じて、水質の悪化が著しい銀杏木川上流(薩摩川内市中郷町字前牟田)に導水させ、銀杏木川の水環境を改善するものである。

河川-1-2

浄化模式図

銀杏木川・自浄能力を上回る負

荷が流入し、汚れた河川。

・水質悪化による生態系への悪影響

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事業名 銀杏木川浄化事業

●事業着工前の水質

導水事業着工前の銀杏木川の水質は、平成5年~平成10年までの水質調査結果(別府

地点)をみると、BODの値は7~12mg/ℓの高い値を示していた。また、銀杏木川への汚濁排水を汚濁源別に分類すると、別府地点では家庭雑排水である生活系が97%(平成6年時

点)を占めており、家庭からの雑排水が直接河川に流れ込んで、河床にゴミやヘドロが堆積しミズワタも発生するなど汚れていた。

河川-1-3

家庭雑排水が流れ込んでいる ゴミが溜まっている

ヘドロが堆積しているミズワタが発生している

銀杏木川の汚濁源割合

平成5年~平成10年 銀杏木川の水質(BOD)別府地点

0.0

2.0

4.0

6.0

8.0

10.0

12.0

14.0

16.0

18.0

BO

D(

mg/L

別府地点 8.3 11.7 9.8 7.91 9.72 6.55

H5 H6 H7 H8 H9 H10

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事業名 銀杏木川浄化事業

2.実施内容

①総事業費:1,274百万円

②整備期間:平成8年度~平成14年度

③設備内容:

河川-1-4

取水位置 川内川18k600右岸付近(斧渕地点)

取水方法 着脱式水中ポンプ直接取水

取水ポンプ規模 0.3m3/s( 大)

導水施設 ダクタイル鋳鉄管φ600 L=5.5km

供用開始年月日 平成15年3月21日

実施工程及び年度別事業費

注水地点(導水公園)

斧渕共同取水口

銀杏木川中流

導水管φ600

銀杏木川上流

川内川河川事務所

H8年度 H9年度 H10年度 H11年度 H12年度 H13年度 H14年度 事業費計

100 180 370 262 130 164 68 1,274

導 水 路 工(銀杏木川注水口~斧渕取水口)

事 業 費

工    種

電 気 機 械 設 備

維 持 費

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事業名 銀杏木川浄化事業

3.浄化目標

●目標水質

銀杏木川の目標水質は、①合流する川内川本川の環境基準(B類型)、②親水活動(水遊び)の観点より、環境基準B類型のBOD3mg/ℓ以下とする。

表 利水項目と目標水質

表 川内川環境基準設定状況

図 川内川環境基準設定状況図

河川-1-5

「下水処理水の修景・親水利用水質検討マニュアル(案)」:H2.建設省高度処理会議

3mg/ℓ以下親水用水利用親水活動

3mg/ℓ以下銀杏川が合流する川内川本川はB類型に指定されている

環境基準

摘 要水質(BOD)内 容項 目

<類型指定基準>

類型 A:BOD 2mg/ℓ以下 A(湖沼) :COD3mg/ℓ以下 B:BOD 3mg/ℓ以下

環境庁61年12月10日設定Ⅳ

鹿児島県48年4月2日設定A川内川上流(曽木の滝から上流)

鹿児島県46年5月25日設定B川内川下流(三堂川合流点から下流)

鹿児島県46年5月25日設定A川内川中流(鶴田ダムから三堂川合流点まで)

鹿児島県56年1月26日設定A(湖沼)鶴田ダム貯水地(曽木の滝から鶴田ダムまで)

宮崎県54年4月24日設定A川内川(鹿児島県境より上流,川内川に流入する河川を含む)

備 考指定年月日類型水域の範囲

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事業名 銀杏木川浄化事業

●導水量の算定

導水量については、平成7年度計画当時の条件を、①平成6年の水質は実測値を使用す

る、②将来人口は昭和61年から平成6年までの薩摩川内市の実績人口を基に相関式を求めて想定する、③銀杏木川流域の下水道整備については、事業認可計画は未策定(公共下水道は未整備)のため、雑排水処理は合併浄化槽を考慮することとし、この条件のもと、銀杏木川流域の将来の人口の変化を予測し、これを基に算出した汚濁排出量から、銀杏木川の将来の河川流量、河川水質を算定し、銀杏木川の目標水質BOD3.0 mg/ℓ以下を達成する

ために必要な導水量を算定した。

河川-1-6

【導水量Q=0.3m3/sによる銀杏木川の水質の変化】

目標水質3.0mg/ℓ 目標水質3.0mg/ℓ

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事業名 銀杏木川浄化事業

●水質(BOD)改善効果

導水開始前後の水質調査結果をみると、JR鉄橋下地点において、導水開始前が平均で約7mg/ℓであったものが、導水開始後は約3mg/ℓとなり、近年は目標水質(BOD3.0mg/l)以下となり、目標を達成している。一方、別府地点においては、導水開始前が平均で約9mg/ℓであったものが、導水開始後は約4mg/ℓで推移し、今年の夏場以降(0.3m3/s導水時)は目標値を達成している。

河川-1-7

※H19年のデータについては、0.3m3/s導水時(H19.8~H20.1)のデータの平均値。

平成5年~平成19年 銀杏木川水質の経年変化(BOD平均値)

0.0

2.0

4.0

6.0

8.0

10.0

12.0

14.0

H5 H6 H7 H8 H9 H10 H11 H12 H13 H14 H15 H16 H17 H18 H19

BO

D(m

g/L

別府地点 JR鉄橋下

目標水質3.0mg/ℓ

導水前水質(別府地点)約9mg/ℓ

導水前水質(JR鉄橋下)約7mg/ℓ

暫定取水H11.10.29

供用開始H15.3.21

年 月 BOD 備  考

8月 2.6 銀杏木川0.3m3/s導水開始

9月 3.4

10月 2.2

11月 (13.0) 川内川本川が渇水のため導水停止

12月 ( 8.8) 〃

平成20年 1月 3.2 川内川本川流量回復により銀杏木川0.3m3/s導水再開

2.9平 均

平成19年

銀杏木川0.3m3/s導水開始後の別府地点水質状況

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事業名 銀杏木川浄化事業

●導水後における水質変化に関する要因分析

銀杏木川流域の下流地区は、薩摩川内市の中心地であり土地区画整理事業も行われたことから、予測を上回る人口の増加があった。当該地区は、公共下水道は未整備のため平成14年度以降は、合併浄化槽設置を推進しているが、結果として汚濁排出量が増えた。また、導水量については、騒音に対する地元調整もあり導水量を0.10m3/s~0.15m3/s程度で運転していたこともあいまって、別府地点では改善効果があったものの目標水質に満たない期間もあったが0.3m3/s導水後は満足してい

る。

河川-1-8

流域人口と合併浄化槽の(実績-想定)の比較

0

200

400

600

800

1,000

1,200

1,400

1,600

1,800

H6 H7 H8 H9 H10 H11 H12 H13 H14 H15 H16 H17 H18 H19

人口

(人

合併浄化槽処理人口(実績-想定) 人口(実績-想定)

H.14年以降は、合併浄化槽処理人口の増加数以上の人口の増加があり、汚濁排出量が増えた。

汚濁排出量の推移

0

10

20

30

40

50

60

70

80

90

100

平成15年 平成19年

汚濁

排出

量(kg/日

想定人口汚濁排出量(kg/日)

実績人口汚濁排出量(kg/日)

銀杏木川流域における人口及び合併浄化槽処理人口の推移

0

2,000

4,000

6,000

8,000

10,000

12,000

14,000

H6 H9 H12 H15 H18 H21 H24 H27 H30 H33 H36

人口

(人

H19

約1,500人増

約1,100人増

実積人口

将来人口(現在)

将来人口(当初)

実積浄化槽人口

浄化槽将来人口(当初)

浄化槽将来人口(現在)

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事業名 銀杏木川浄化事業

導水前後の銀杏木川の状況について、景観・生物相・住民の意識等を調べた結果、良好な環境が創出されたことが確認された。

●景観

導水後は、河床のゴミやヘドロがなくなり、水もきれいになり、良好な景観となった。

河川-1-8

【導水前後の銀杏木川の状況】

河床にゴミやヘドロが溜まっていた。

散歩道が整備され、河川愛護の意識が高まりゴミが減り、水量が増えたことでヘドロが流されてきれいになった。

《銀杏木川上流》

導水前は、河床にゴミやヘドロが堆積しており汚かった。

導水後は、河床のゴミが流されて水もきれいになり、魚もよく見られるようになった。

フナの群れ

《銀杏木川中流》

導水前導水前

河川-1-9

導水後導水後

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事業名 銀杏木川浄化事業

●生物相

銀杏木川においては、導水前(平成11年)に比べ、魚類・底生動物・鳥類のすべてにおいて、導水後(平成19年)の確認種数の方が多い結果となり、生物相の多様化がみられる。さ

らに、良好な水質に住む魚類(ヤリタナゴ、オイカワなど)や底生動物(テナガエビなど)が確認されている。

河川-1-10

コイ カワニナ

クロベンケイガニ キセキレイ アオサギ

トンボ

生物確認種数

魚類, 6魚類, 11

底生動物, 9

底生動物, 32

鳥類, 14

鳥類, 21

0

10

20

30

40

50

60

70

平成11年 平成19年

調査年

種 数

鳥類

底生動物

魚類

■ 比較的良好な水質を好む生物。

種 名事業前確認種(平成11年)

事業後確認種(平成19年)

コイ ● ●ゲンゴロウブナ ● ●ギンブナ ●ヤリタナゴ ●オイカワ ●カダヤシ ●グッピー ●ボラ ● ●カワアナゴ ●ウキゴリ ●ゴクラクハゼ ●トウヨシノボリ ●ナマズ ●ブルーギル ●

6種 11種

種 名事業前確認種(平成11年)

事業後確認種(平成19年)

イシマキガイ ●スクミリンゴガイ ●カワニナ ● ●チリメンカワニナ ●ヒメモノアラガイ ●サカマキガイ ●

二枚貝(1種) Corbicula属の一種 ●Branchiodrilus属の一種 ●エラミミズ ● ●Nais属の一種 ●Limnodrilus属の一種 ●イトミミズ科 ●

底 ヌマビル ● ●生 イシビル科 ●動 ミズムシ ●物 ワラジムシ科 ●

(35種) ミゾレヌマエビ ●スジエビ ● ●テナガエビ ●クロベンケイガニ ● ●モクズガニ ●Gコカゲロウ ●アオモンイトトンボ ●オオシオカトンボ ●Tipula属の一種 ●チョウバエ科 ●コジボソガガンボ科 ●フチグロユスリカ ●セスジユスリカ ● ●Chironomus属の一種 ●Einfeldia属の一種 ●Polypedilum属の一種 ●Procladius属の一種 ●Tanytrarsus属の一種 ●エリユスリカ亜科 ●

9種 32種

生物種

表 - 生物確認種数(魚類)

魚類(14種)

腹足(6種)

ミミズ(5種)

ヒル(2種)

軟甲(7種)

昆虫(14種)

表 - 生物確認種数(底生動物)

合計

合計

生物種

種 名事業前確認種(平成11年)

事業後確認種(平成19年)

ゴイサギ ●コサギ ● ●アオサギ ● ●トビ ● ●ケリ ●イソシギ ●ドバト ●キジバト ● ●カワセミ ●キセキレイ ● ●ハクセキレイ ● ●ヒヨドリ ● ●モズ ●ジョウビタキ ●シロハラ ●ウグイス ●メジロ ●オオジロ ●アオジ ●スズメ ● ●ムクドリ ● ●ハシボソガラス ● ●ハシブトガラス ●タシギ ●イカルチドリ ●

14種 21種合計

表 - 生物確認種数(鳥類)

生物種

鳥類(25種)

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事業名 銀杏木川浄化事業

●住民の意識

銀杏木川流域住民の水質浄化に関する意識が、どのように変化したかを確認するために、アンケート調査を実施した。

アンケート調査結果より、導水前に比べて導水後は、銀杏木川の水質が改善されたと認識している住民が増えていることが確認された。

導水前は「きれい」と認識している人が1割にも満たなかったが、導水後は約5割へと増加した。

<アンケート実施方法>

・ 実施時期 : 平成19年12月

・ 対象者 : 銀杏木川流域の住民

・ 配布数 : 1,000名(未配達13名)

・ 回収数 : 339名(回収率34.3%)

河川-1-11

浄化導水前(H11年以前)の銀杏木川の水質

93%

124%

165%

4112%

16347%

9628%

21%

1)きれいだった

2)ややきれいだった

3)普通

4)やや汚かった

5)汚かった

6)わからない

7)不明

浄化導水開始後(現在)の銀杏木川の水質

10631%

5617%

3811%

165%

7221%

21%

4914%

1)きれい

2)ややきれい

3)普通

4)やや汚い

5)汚い

6)わからない

7)不明

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事業名 銀杏木川浄化事業

その他

事業との関わりが考えられる環境の変化

【関連事業等による効果】

関連事業として、導水公園や「万葉の散歩道(薩摩川内市)」などが整備され、市民の憩いの場として利用されている。

●銀杏木川

水質が改善されたことにより、浄化事業と併せて整備した導水公園など、銀杏木川で子供たちが水遊びや魚とりをする姿が確認された。

河川-1-12

水遊び(導水公園)

銀杏木川で水遊び・魚とりをする子ども達

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事業名 銀杏木川浄化事業

その他

事業との関わりが考えられる環境の変化

●万葉の散歩道

銀杏木川流域は、薩摩国府・国分寺や新田神社など古代より栄えた地である。

その歴史的背景を活かしながら薩摩川内市により、万葉川筋散策の路整備事業として「万葉の散歩道」が整備された。この「万葉の散歩道」は、銀杏木川沿いの豊橋から火扇橋までの630mの間に、万葉植物15種とその植物を題材にした万葉歌碑15基、散策路や自然石のベンチなどが整備されたもので、整備後は川沿いの散策を楽しむ人たちに利用されている。

河川-1-13

①石碑 ②国府案内板 ③大伴家持像

(導水前) (導水後)

万葉の散歩道

④万葉の散歩道 ⑤万葉の散歩道

注水地点(導水公園)⑤

②③

L=630m

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事業名 銀杏木川浄化事業

その他

事業との関わりが考えられる環境の変化

●河川愛護活動

銀杏木川においては、以前より河川清掃など行われていたところではあるが、銀杏木川の浄化事業完了後も、13自治会の地域住民と行政が連携して毎年5月頃に河川愛護活動が継続的に実施され、より身近な河川として地元住民に親しまれている。

活動内容:ごみ拾い、草刈、泥上げ等

自治会 :下目、国府、原之馬場、野間島、下台、寺下、鶴峯、薗畑、橋口、

山田島、前畑、前薗、平原 計13自治会

河川-1-14

清掃活動状況

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事業名 銀杏木川浄化事業

針(案)

●今後の事後評価の必要性、改善措置の必要性

銀杏木川への導水0.3m3/sを行った結果、目標とする水質値を満足することが確認されたことから、今後の事後評価及び改善措置の必要性はないものと考える。

ただし、当面は水質調査を継続し、通年的な効果の把握に努める。

河川における水質対策の基本はあくまで流域からの流入負荷削減であることから、今後も河川管理者や下水道管理者、地方公共団体や住民等の関係者が一体となって、水環境改善のため取り組んでいく。

同種事業の計画・調査のあり方や事業評価手法の見直しの必要性(案)

●同種事業の計画・調査のあり方や事業評価手法の見直しの必要性(案)河川浄化事業としての効果が、水質、生息動物、住民意識などの評価項目により

確認された。

今後、同種事業の計画・調査の段階において、同様の事業評価手法を適用していくが、同種事業の採択や、進め方については、国と地元の役割分担を踏まえながら、検討していく必要がある。

河川-1-15

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事業名 銀杏木川浄化事業

●費用対効果(代替手法との比較による試算)

・銀杏木川浄化事業による目標水質BOD3.0mg/ℓ以下と同等の効果が得られる対策として公共下水道整備を選定し、その代替手法に必要な設置及び維持管理の費用と銀杏木川浄化事業の費用との比較を行った。なお、H19時点における目標水質を確保するための公共下水道の整備率を65%とし、その後の人口増については、整備率を向上させH36までに67%とす

る。・平成19年を基準年とし、評価対象期間を公共下水道整備目標年の平成36年までの18年間とし、割引率4%としたときの費用(C)の現在価値よりC’/Cを算定した。

河川-1-16

代替手法の総費用(C’) 銀杏木川浄化事業の総費用(C) C’/C

9,199 (百万円) 1,428 (百万円) 6.44

費用対効果算定フロー

1)公共下水道の概要

①銀杏木川浄化施設と同等の効果を得られる公共下水道の整備諸元

:薩摩川内市大小路処理区内(全 740ha中 370ha が銀杏木川流域)

:標準活性汚泥法 :日平均汚水量 4,880m3/日/銀杏木川流域 :整備率 67%

2)公共下水道整備費用(代替手法の総費用 C’)

①建設費の算出

建設費=管渠等設置費+処理場建設費

=6,445 百万円+2,316 百万円=8,761 百万円

②維持管理費の算出

維持管理費=管渠維持管理費+処理場維持管理費

=432 百万円+918 百万円=1,350 百万円

③公共下水道整備の総費用

建設費、維持管理費を現在価値化し残存価値を除いて総費用を算出

総費用=建設費C+維持管理費M-残存価値Z

=8,662 百万円+986 百万円-449 百万円=9,199 百万円

3)銀杏木川浄化事業の費用計算(総費用 C)

①建設費 1,274 百万円

②維持管理費 13 百万円/年+機械修繕費(耐用年数 15年)

③総費用

建設費、維持管理費を現在価値化し、残存価値を除いて算出

総費用=建設費C+維持管理費M-残存価値Z

=1,251 百万円+242 百万円-65万円=1428 百万円

4)費用対効果(代替手法との比較)

C’/C=公共下水道の総費用(代替手法の総費用)÷銀杏木川浄化事業の総費用

=9,199 百万円÷1,428 百万円=6.44

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河川-1-17

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河川-1-18

社会

割引

率全費

用9,620

全費

用3,455

全面積

370ha

年全

処理

量1,781

4.00%

耐用

年数

50

耐用年

数50

1費用

現在価

値費用

現在価

値費用

現在価

値費

用現

在価値

費用

現在

価値

残存

価値

現在

価値

F1.04(j-1)

(%

)C1

AC1

A(t)

C2A

C2A(t)

M1A

M1A(t)

M2A

M2A(t)

CA

CA(t)

ZA

ZA(t)

1H8

0.997

00

2H9

1.005

00

3H10

0.985

00

4H11

0.976

00

5H12

0.978

00

6H13

0.962

00

7H14

0.952

00

8H15

0.958

00

9H16

0.969

00

10

H17

0.980

00

11

H18

1.000

00

12

1H19

1.000

1.000

65%

6,253

6,253

2,246

2,246

24

24

5151

8574

8574

13

2H20

0.962

65%

00

00

24

23

5149

75

72

14

3H21

0.925

65%

00

00

24

22

5147

75

69

15

4H22

0.889

65%

00

00

24

21

5145

75

66

16

5H23

0.855

65%

00

00

24

21

5144

75

65

17

6H24

0.822

65%

00

00

24

20

5142

75

62

18

7H25

0.790

65%

00

00

24

19

5140

75

59

19

8H26

0.760

65%

00

00

24

18

5139

75

57

20

9H27

0.731

66%

96

70

35

26

24

18

5137

206

151

21

10

H28

0.703

66%

00

00

24

17

5136

75

53

22

11

H29

0.676

66%

00

00

24

16

5134

75

50

23

12

H30

0.650

66%

00

00

24

16

5133

75

49

24

13

H31

0.625

66%

00

00

24

15

5132

75

47

25

14

H32

0.601

66%

00

00

24

14

5131

75

45

26

15

H33

0.577

66%

00

00

24

14

5129

75

43

27

16

H34

0.555

66%

00

00

24

13

5128

75

41

28

17

H35

0.534

66%

00

00

24

13

5127

75

40

29

18

H36

0.513

67%

96

49

35

18

24

12

5126

206

105

876

449

6,445

6,372

2,316

2,290

432

316

918

670

10,111

9,648

876

449

9,199

維持管

理費

期間

処理場

建設費

②管渠

維持

管理費

③デフ

レータ

換算

番号

α*30.3(Q/365)0.329

建設費

代替手

法の

総費

用(C

’)

総合

計整備

率年

⑤-

α(0.044A+10)

処理場

維持

管理

費④

⑤=

①+②

+③+④

残存

価値

⑥管

渠等

建設

費①

Page 21: 銀杏木川直轄河川環境整備事業(水環境整備事業) 銀杏木川 ... · 2008-03-18 · 銀杏木川流域の下流地区は、薩摩川内市の中心地であり土地区画整理事業も行

河川-1-19

社会

割引

4.00%

耐用年

数50

耐用年

数15

1費用

現在

価値

費用

現在

価値

費用

現在

価値

費用

現在

価値

残存価

値現在

価値

F1.04(

j-1)

C1A

C1A(t)

M1A

M1A(t)

M2A

M2A(t)

CA

CA(t)

ZA

ZA(t)

1H8

0.997

100

100

100

100

2H9

1.005

180

181

180

181

3H10

0.985

370

364

370

364

4H11

0.976

262

256

262

256

5H12

0.978

130

127

130

127

6H13

0.962

164

158

164

158

7H14

0.952

68

6568

65

8H15

0.958

13

1213

12

9H16

0.969

13

1313

13

10H17

0.980

13

1313

13

11H18

1.000

13

1313

13

121

H19

1.000

1.000

13

1313

13

132

H20

0.962

13

1313

13

143

H21

0.925

13

1213

12

154

H22

0.889

13

1213

12

165

H23

0.855

13

1113

11

176

H24

0.822

13

1113

11

187

H25

0.790

13

1013

10

198

H26

0.760

13

1013

10

209

H27

0.731

25

1813

1038

28

2110

H28

0.703

13

913

9

2211

H29

0.676

13

913

9

2312

H30

0.650

13

813

8

2413

H31

0.625

13

813

8

2514

H32

0.601

13

813

8

2615

H33

0.577

13

813

8

2716

H34

0.555

13

713

7

2817

H35

0.534

13

713

7

2918

H36

0.513

13

713

7127

65

1,274

1,251

25

18286

224

1,585

1,493

127

651,428

計デフ

レー

換算値

年度

④=①

+②+

③残存

価値

⑤機

械修

繕費②

建設

費①

維持管

理費

④-

合計

銀杏木

川浄

化事

業の

総費

用(C

運転管理

費③

期間

番号