行政手続・民間取引it化の 検討方針と課題(案)...行政手続・民間取引...

13
行政手続・民間取引IT化の 検討方針と課題(案) <議論用メモ> 平成28125内閣官房IT総合戦略室 資料1-3

Upload: others

Post on 24-May-2020

1 views

Category:

Documents


0 download

TRANSCRIPT

行政手続・民間取引IT化の検討方針と課題(案)

<議論用メモ>

平成28年12月5日内閣官房IT総合戦略室

資料1-3

目次

1

今後の検討の基本方針(案)

行政手続IT化に向けた課題<デジタルファーストの実現> ①規制・手続の見直し ②本人確認の見直し ③地方自治体の取組の見直し

<ワンストップの実現> ④更なるワンストップサービスの推進

<ワンスオンリー原則の実現> ⑤バックヤードでの情報連携の推進 ⑥「データ共有型」手続の実現に向けた検討

民間取引のIT化に向けた課題<デジタルファーストの実現> 書面原則・対面原則からの脱却

今後の検討の基本方針(案)

2

次期アクションプランにおいては、資料1-1の「目指すべき方向」を達成するために、特にマイナンバー制度・法人番号の徹底活用にあたって必要な制度課題や検討課題等を中心に、盛り込むこととしてはどうか。

このため、「デジタルファースト」「ワンストップ」「ワンスオンリー原則」のそれぞれの項目において、具体的な分野・場面を想定しつつ今後の方向を検討し、それぞれの項目に係る制度・検討課題を明確化していくこととしてはどうか(今後のスケジュールを含む) 。

22

「画期的・効率的なサービス体験」を提供

マイナンバー制度・法人番号の徹底活用

デジタルファーストの実現

ワンストップの実現

ワンスオンリー原則の実現

<行政手続> <民間取引>

デジタルファーストの実現

書面原則からの脱却

対面原則からの脱却

次期アクションプランの策定

※規制改革推進会議等における検討と連携しながら推進。

行政手続IT化に向けた課題(案)

3

目指す方向 取り組むべき課題(案)

デジタルファーストの実現

• デジタルを前提とした、各省庁での①規制・手続自体の見直し・BPR(手続自体の合理化、添付書類数の削減、ユーザビリティの向上に向けたシステム見直し等)

• オンライン利用の障害となっている②本人確認におけるマイナンバーカードの活用(制度の見直し、各省庁の電子申請システムでの積極的活用等)

• モバイル対応やAIなど新技術を活用した双方向でユーザフレンドリーなシステム構築など• ③自治体の手続に係るオンライン化・標準化の推進に向けた見直し(自治体クラウドの

推進や更なる推進のための枠組みの検討) など

ワンストップの実現• 税・社会保険などの④事業者向けのワンストップ化の検討(デジタルを前提とした手続

の合理化・標準化を含む制度見直しとシステムの方向の検討)• 国民向けマイナポータルの更なる活用• 民間技術との連携に向けた取組の推進(API開放等) など

ワンスオンリー原則の実現• ⑤バックヤードでの情報連携・プレプリントの実現に向けた検討(対象手続・情報の特

定、阻害する制度の特定・見直し、法人番号の更なる活用を通じたシステム検討)• 税・社会保険などの調書型手続の⑥「データ共有型」に向けた抜本的な見直し など

<行政手続IT化に向けて取り組むべき課題(案)>

単にシステム面だけでなく、制度面での見直しと連携しながら課題を解決していくことが必要。 特に、マイナンバー制度・法人番号を活用し、本人確認の仕組みの導入、自治体も含むワ

ンストップ/共通クラウドの構築、ワンスオンリー原則に基づく省庁を超えた情報連携に向け、制度的課題も含めて、今後の取組方向や具体的課題を検討していくことが必要ではないか。

<行政手続IT化に向けた課題(案)>

①規制・手続自体の見直し・BPR

4

現在の紙ベースの手続をもとにした現行の多くの電子申請システムについては、デジタルを前提として、画期的・効率的なサービス体験を提供することを新たな目標(例えば、クリック数を最少化するなど)として、BPRを含む全体的観点から、個々の規制・手続自体を見直す必要があるのではないか。(具体的に、どのような分野で進めていくべきか)

その際、マイナンバー制度・法人番号を活用したワンストップ、ワンスオンリーの仕組みの導入等と並行して検討していくべきではないか。

項目紙が含まれる手続

• 「特別徴収税額の通知」の電子データを正とする

• 年末調整時の添付書類の電子化• 還付申告の電子化

電子関連手続の不便性

• 電子帳簿保存の承認要件の緩和• タイムスタンプの法的根拠• 電子証明書の利用ルールの簡素化・整

合性の確保システムの操作性改善、標準化

• eLTAXシステムの機能・操作性改善• 国・地方を通じた業務プロセス、帳票類の

標準化(出典) 「マイナンバーを社会基盤とするデジタル社会の推進に向けた提言」日本経済団体連合会(2015年11月17日)よりIT室作成(※なお、その後一部改善された項目もある)

産業界からの規制緩和要望 オンライン化されていても、手続の一部に紙が必要、電子で扱うと

きに要件が厳しい/不十分、システムの操作性が悪いなどの指摘を受けている。

手続種類別オンライン利用率 オンライン化されている手続のうちの改善促進手続の中でも、特に、社会

保険・労働保険に係る手続のオンライン利用率が低い。 今後、デジタルファーストの観点から、手続全体の精査を行い、問題点の

把握と見直しを進めていく必要があるのではないか。

(出典) 第1回規制制度改革WT資料

②本人確認の見直し

5

事業者(中小企業を含む)が、電子申請を行うためには、電子署名を利用することが必要であるが、コストが高いなどの問題があるのではないか。

マイナンバーカードの公的個人認証を、事業者における電子申請に活用できるようにすべく、制度整備と各電子申請システムへの実装を推進すべきではないか。

認定認証業務に係る電子証明書の発行枚数

(出典) JPDEC・電子署名・認証センター

総務省における検討の方向

(出典)総務省「公的個人番号カード・公的個人認証サービス等の利活用推進の在り方に関する懇談会」資料(2016年6月15日)

オンライン手続となる電子署名の有効枚数は、全国で約33万件で伸び悩んでいる。

総務省においては、マイナンバーカードの公的個人認証を活用して、事業者の電子証明として活用するための制度整備を検討中。

商業登記に基づく電子証明書の発行手数料証明期間 12か月 24か月発行手数料 7,900円 15,100円

(出典) 法務省ホームページ

③地方自治体の取組の見直し

6

デジタルファーストの実現に向け、自治体手続においても、オンライン化を進める必要。そのためには、まずは実態を把握した上で、今後の対応方策を検討する必要があるのではないか。

その際、自治体が個別に行政情報システムを構築することは、非効率であるとの指摘を踏まえて、今後、その在り方の見直しと併せて検討する必要があるのではないか。

地方自治体のオンライン化の現状

(出典) 平成28年 第19回経済財政諮問会議(2016年11月25日)

地方税の電子化システム(eLTAX)を通じて電子納税ができるのは12県、10市のみ。

2006年総務省指針に掲げた行政手続のオンライン化は、図書館、文化・スポーツ施設利用等を除いて未だ低水準。

地方自治体の行政情報システムの今後の方向

(出典) 平成24年 情報通信白書

自治体クラウドイメージ

現在は複数の自治体が共同利用を行う自治体クラウド等の導入を推進。(2016年4月1日現在速報値:自治体クラウド312団体、単独クラウド475団体) 今後、国と自治体の関係の在り方、コスト負担主体の在り方、業務の標

準化の進め方等も含めて、どのように進めていくか検討していく必要があるのではないか。

項目 現在の目標自治体クラウドの更なる推進

• クラウド導入市区町村数を2017度までに倍増(約1,000団体)を図る

• 自治体クラウド導入団体にあたっては更なる業務の共通化・標準化を図る 等

④更なるワンストップサービスの推進

7

現在、NACCS、自動車OSSなどで、国、地方の手続を含むワンストップサービスを提供。 今後、マイナポータルを活用した国民向けサービスの更なる拡充に加えて、事業者向け

サービスについて、法人番号を活用しつつ、どのような分野でワンストップサービスの実現を検討していくべきか。

また、政府によるワンストップサービスの提供だけでなく、手続に係るAPI開放を推進することにより、民間のアプリ・サービス等を通じても手続が可能となるようにすべきではないか。

自動車OSS(自動車新規登録)のイメージ

(出典) 国土交通省ホームページ

NACCS(輸出入・港湾関連情報処理システム)のイメージ

(出典) NACCSセンターホームページ

<政府横断的(国・自治体を含む)ワンストップサービス(例)>

eLTAXのイメージ 子育てワンストップサービスの実現イメージ

(出典)IT本部子育てワンストップ検討タスクフォース 取りまとめ(2016年9月)(出典) eLTAXホームページ

<地方自治体の手続におけるワンストップサービス(例)>

自動車関連の手続に関し、運輸支局、警察署、都道府県事務所など、民間企業等との手続をワンストップ化

税関その他関係行政機関に対する手続及び関連する民間業務を一元的に処理

全国の地方自治体(都道府県、市町村)が共同で組織している(一社)地方税電子化協議会が提供している「地方税ポータルシステム」

マイナポータルを活用した、子育て関連手続・サービスに係るワンストップサービス(2017年7月以降、準備の整った自治体サービスから利用開始予定)

⑤バックヤードでの情報連携の推進

8

ワンスオンリー原則のためのバックヤード連携において、個人情報関連に関しては、マイナンバー法に基づく情報連携、また、法人・登記情報に関しては、法人番号を鍵とした情報連携が予定されているところ。

今後、更に事業者等の情報に係るバックヤード連携を進めるためには、どのような情報をどのようなアーキテクチャーのもとで進めて行けばよいか検討してはどうか。

マイナンバーに係る個人情報の情報連携 マイナンバー法別表第二に規定する手続については、2017年7月から、

情報提供ネットワークシステムが稼働し、添付書類の削減などが行われる予定。

登記・法人設立等関係手続における情報連携

(出典) 総務省個人番号企画室『マイナンバー制度における情報連携について』(2016年5月)

(出典) 各府省情報化統括責任者(CIO)連絡会議決定(2016年10月31日)上記図は、電子行政分科会資料

2018年から法務省において予定されている登記情報システムの更改にあたり、登記事項証明書等に係る情報連携の仕組みを導入予定。

⑥「データ共有型」手続の実現に向けた検討

9

ワンストップ型とバックヤードでの情報連携を同時に推進する観点から、例えば、税・社会保険などの分野において、手続自体の見直しを行い、一度必要な情報を登録すると、関連する行政手続が完了するような仕組み(「データ共有型」手続)の実現を検討してはどうか。

現状の行政手続 「データ共有型」手続

行政機関A

行政機関B

行政機関C

行政機関D

行政機関E ・・・

行政機関A

行政機関B

行政機関C

行政機関D

行政機関E ・・・

・・・

それぞれ申請・届出等をしないといけない

一度情報を登録すると、当該情報を用いて、必要な手続が完了する

申請・届出等ワンストップクラウド

申請・届出等固有情報

事業者事業者

ほぼ同じ情報を各窓口に提出基本情報

②処理

①参照 ①参照 ②通知 ②通知

②処理 ②処理 ③処理 ③処理

反復手続 単発手続

⓪基本情報登録①申請・届出等固有情報登録

①参照

(①手続開始通知)

• 例えば、税・社会保険など各種データに係る調書が求められる手続に関し、データを提供し、各行政機関が参照、手続き• また、企業の役員変更などの基礎データに関し、一か所に申請すれば、各行政機関の手続きが終わる仕組み など

10

民間取引IT化に向けた課題(案) 書面原則・対面原則からの脱却を目指すべく、政府としては、主に制度面・社会面での課題

に取り組むことが必要ではないか。その際、具体的にどのような取組を行う必要があるか。

目指す方向取り組むべき課題

制度面 社会面(意識)

①書面原則からの脱却• 書面交付(押印)を行わない場合の消費者保

護の担保(ex.重要事項説明書)• 証明書類(原本)の提示に代わる措置の検討

など

• 書面や印鑑への信頼性に対して、デジタル文書の信頼性が低いなど

②対面原則からの脱却• 非対面における消費者保護の担保(ex.重要

事項説明)• 非対面の場合の本人確認・年齢確認の手法の

確立 など

• 対面における信頼性に対して、非対面取引における信頼性が低い など

<民間取引IT化に向けた課題(案)>

書面原則・対面原則からの脱却

11

法令に基づき書面原則・対面原則となっている取引について、まずは実態を把握した上で、類型化し、それぞれに応じた対応の方向を示してはどうか(本人確認等における公的個人認証の活用等を含む)。

また、民間取引における社会面での意識改革等を進めるためには、官民それぞれどのような取組を進めていくことが必要か。

①書面原則からの脱却 ②対面原則からの脱却

<現状の類型化とその対応の方向(イメージ)> 国際法上、緊急時などに即座に参照できるように航空機

や船舶に書面での備え付けが求められているもの⇒国際的なデジタル化の動きを踏まえて対応を検討。

証明書や認可書等を書面での提示が求められているもの⇒タブレットその他の方法で対応できるか否か事例を検討。

消費者保護等の観点から、書類の交付義務付けが求められているもの⇒多くは、対面手続とセットであることから、例えば対面手続のオンライン化(テレビ電話など)とセットで対応を検討。

その他の事業報告書などの保存義務⇒書類の真正性の確保を明確化した上で、原則緩和の方向で検討。 など

<現状の類型化とその対応の方向(イメージ)>

消費者保護の観点から、重要事項等に関して、対面での確認を法的に求めているもの

本人確認・年齢確認を確実に行うために、本人との対面を法的に求めているもの

対面で行った方が効果的・効率的と社会的に考えられているもの(医療、教育など)

など

<社会面・意識面での改革の方向(イメージ)> 印鑑・署名なしで取引を完結させている事例の明確化と

普及展開 など

<社会面・意識面での改革の方向(イメージ)> テレビ電話などを活用して、非対面で取引を行っている

事例の明確化と普及展開 など

• 法令上オンライン化が不可な民間取引について、類型化し、対応の方向を示すとともに、オンライン化されている事例の提供を進めることによって、各省庁の取組を推進してはどうか。

• 法令上、対面が求められる主な手続をヒアリング等を通じてリストアップし実態把握、分類するとともに、オンライン化されている事例の提供を進めることによって、各省庁の取組を推進してはどうか。

ご議論いただきたいポイント<今後の検討の基本方針について> 次期アクションプランの改定に向けて、特にマイナンバー・法人番号の徹

底活用に係る課題を中心に、今後検討していくことについて⇒この方向で良いか。他に検討すべき課題はあるか。

<各項目に係る課題について> 行政手続での「①デジタルファースト」「②ワンストップ」「③ワンスオンリー

原則」の実現 や 民間取引での「①書面原則からの脱却」「②対面原則からの脱却」に向けて

⇒ 提示した課題認識に問題はないか。それぞれについて、具体的な方向のコメントはないか。特に、今後、優先的に取り組むべき分野、具体的に検討課題は何か。提示した課題以外に取り組むべき課題はないか。

その他12