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•問題意識
•分析モデル
•仮説立案
•ヒアリング調査結果&考察
•参考文献
目次
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3
採用選考 活動
問題意識
広報活動 採用選考活動
広報活動
正式内定
変更前
変更後
採用選考活動の時期が短くなる
12月 4月 3月 8月 10月
4
5
企業は採用するにあたって
学生との タッチポイントが 減ってしまう
↓ 学生に自社を 認知してもらいにくい
インターンシップが 注目されている
6
インターンシップとは学生が在学中に 将来のキャリアのために就業体験を行うこと
問題意識
インターンシップを実施する企業が増えている
2016年新卒採用を視野に入れた インターンシップの実施状況
7
参照:HR総研人事白書・調査「2016年卒向けインターンシップに関する調査」結果報告 調査対象:上場および未上場企業の人事担当者 調査方法:webアンケート 調査期間:2014年7月3日~7月10日 有効回答:198社
前年は実施していないが 今年は実施する
21%
前年同様に 実施する
前年同様に 実施しない
前年は実施したが 今年は実施しない
33%
2%
43%
インターンシップを実施する際の苦労や懸念点
問題意識
8
01020304050607080
75.1%
参照:「就職みらい研究所 就職白書2014 インターンシップ編」
調査方法:郵送法 調査対象:全国の新卒採用を実施している従業員規模5人以上の 企業4,303社
調査期間:2013年12月11日~2014年1月31日
回収社数:1,332社(回収率31.0%)
インターンシップ実施による従業員への メリットが少ないのではないか
問題意識
負担
メリット
従業員
9
10
本当に従業員の メリットは少ないのか?
10
インターンシップ生のやる気を見て、周りの社員にも火がついた
インターンシップ生の誠実さに 周りも動かされた
経済産業省(成長する企業のためのインターンシップ活用ガイド基本編)
これらはインターンの現場の生の声であり、 学術的な研究は少ない
11
12
インターンシップ生と接することで 従業員のやる気は 実際に高まるのか?
−研究の問い−
12
・高い職務のパフォーマンス ・高い職務満足 ・高い行動の持続性 ・組織変化に対する高い包容度 ・より良い心理的適合 ・組織に対する強いコミットメント (Deci et al., 1999)
やる気を内発的動機づけと捉える
活動に従事すること自体に関する興味から起こる動機づけ
(Deci&Ryan,2000)
内発的動機づけ とは
内発的動機づけの効果
13
14 14
有意義感
内発的動機づけ
職務多様性
職務重要性
分析モデル
(+)
(+) (+)
(+)
(+)
想起 観察
(+)
業務支援
15
ポジティブ感情
(+)
(+) (+)
(+)
内省支援 (+)
仮説立案
上位者は学習した知識や技術を下位者に伝えることにより、自らの知識や技術を再確認し、向上させ、同時に新たな知識や技術を習得するのである。
久村(1997)
上位者 下位者
仕事を教える
16
有意義感
職務多様性
職務重要性
(+)
(+) (+)
(+) 業務支援
(+)
内省支援
内発的 動機づけ
(+)
仮説立案
仮説1:従業員のインターンシップ生に対する業務支援が増加する ほど、従業員は自身の職務に対し多様性の認知が深まる。
業務支援
従業員 インターンシップ生 17
この仕事には さまざまな技能が 必要なんだ
有意義感
職務多様性
職務重要性
(+)
(+) (+)
(+) 業務支援
(+)
内省支援
内発的 動機づけ
(+)
仮説立案
業務支援
従業員 インターンシップ生
18
仮説2:従業員のインターンシップ生に対する業務支援が増加する ほど、従業員は自身の職務に対し重要性の認知が深まる。
この仕事は まわりに 影響を与えているんだ
有意義感
職務多様性
職務重要性
(+)
(+) (+)
(+) 業務支援
(+)
内省支援
内発的 動機づけ
(+)
職務特性 心理的影響 結果
内発的動機づけ
多様性
多様性・重要性という職務特性は有意義感を喚起し動機づける。
Hackman&Oldham(1976)
重要性
19
有意義感
仮説立案
有意義感
職務多様性
職務重要性
(+)
(+) (+)
(+) 業務支援
(+)
内省支援
内発的 動機づけ
(+)
仮説立案
仮説3:多様性が高い職務だと認知するほど従業員は仕事に 有意義感を感じる。
自身の仕事には 多様なスキルが必要なんだ 自身の仕事には
意味がある
従業員
20
有意義感
職務多様性
職務重要性
(+)
(+) (+)
(+) 業務支援
(+)
内省支援
内発的 動機づけ
(+)
仮説立案
自身の仕事には 意味がある
従業員
仮説4:重要性が高い職務だと認知するほど従業員は仕事に 有意義感を感じる。
自身の仕事は 他に影響を与えているんだ
21
有意義感
職務多様性
職務重要性
(+)
(+) (+)
(+) 業務支援
(+)
内省支援
内発的 動機づけ
(+)
仮説立案
仮説5:従業員は仕事に対する有意義感が高まるほど、内発的に 動機づけられる。
22
やる気がでてきた! この仕事って 意味あるんだ
従業員
有意義感
職務多様性
職務重要性
(+)
(+) (+)
(+) 業務支援
(+)
内省支援
内発的 動機づけ
(+)
23
仮説立案
仮説6:内省支援する程、内発的動機づけが高まる。
有意義感
職務多様性
職務重要性
(+)
(+) (+)
(+) 業務支援
(+)
内省支援
内発的 動機づけ
(+)
この仕事には こういうところもあったんだ! 今まで気付かなかった!
内発的動機づけ
分析モデル
24
(+) 想起 観察
(+)
ポジティブ感情
(+)
(+) (+)
有意義感
職務多様性
職務重要性
(+)
(+) (+)
(+) 業務支援
(+)
内省支援
(+)
仮説立案
職場で、「やる気の高いと思う同僚」を、思い浮かべてもらい、その同僚の高いやる気への反応、面接協力者のやる気の変化について尋ねたところ 菊入(2014)
16件中15件がやる気が上がったと報告されている
従業員
やる気があがった! やる気の 高い同僚
25
(+) 想起 観察
(+) ポジティブ感情
(+)
(+) (+)
内発的 動機づけ
仮説立案
仮説7:従業員がインターンシップ生を好意的に認知する程度が高 まるほど、従業員の仕事に対する内発的動機づけが高まる。
観察
従業員 インターンシップ生
インターンシップ生は やる気がある
やる気が高まる
26
(+) 想起 観察
(+) ポジティブ感情
(+)
(+) (+)
内発的 動機づけ
仮説立案
特定の感情状態に一致した材料はいくつもの連合をもつことにより、想起時の手がかりが多くなって、想起されやすくなる。 鈴木(2007)
27
山
遭難
虫取り
ハイキング
連想ネットワーク
(+) 想起 観察
(+) ポジティブ感情
(+)
(+) (+)
内発的 動機づけ
仮説立案
仮説8:従業員がインターンシップ生を好意的に認知する程度が高まる ほど、従業員はやる気のあった過去の自分を想起しやすくなる。
28
インターン生のやる気
過去のやる気のあった自分
従業員
インターンシップ生の「やる気」が材料となり、従業員の「やる気」のあった過去の自分を想起しやすくなるのではないか。
(+) 想起 観察
(+) ポジティブ感情
(+)
(+) (+)
内発的 動機づけ
仮説立案
仮説9:従業員はやる気のあった過去のポジティブな自分を想 起するほどポジティブな感情になる。
29
従業員
やる気のあった 過去の自分
ポジティブな感情になる
Arnold B.Bakker,et al (2014)
(+) 想起 観察
(+) ポジティブ感情
(+)
(+) (+)
内発的 動機づけ
仮説立案
30
ポジティブは人から人へ伝わる性質を持っている
(Bakker,van Emmerik, & Euwema,2006)
ポジティブな感情
伝わる
(+) 想起 観察
(+) ポジティブ感情
(+)
(+) (+)
内発的 動機づけ
仮説立案
仮説10:従業員がインターンシップ生を好意的に認知する程度が高まる ほど、従業員はポジティブな感情を強く感じる
31
観察
従業員 インターンシップ生
従業員がポジティブな気分になる
(+) 想起 観察
(+) ポジティブ感情
(+)
(+) (+)
内発的 動機づけ
やる気 一生懸命さ
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仮説立案
ポジティブな気分にある人は、内発的動機づけを高める可能性がある (Isen, 1999, 2002c)
ポジティブな 感情
やる気が高まる
(+) 想起 観察
(+) ポジティブ感情
(+)
(+) (+)
内発的 動機づけ
仮説11:従業員のポジティブな感情が強くなるほど、従業員の 仕事に対する内発的動機づけが高まる。
33
やる気が高まる ポジティブな
感情
従業員
仮説立案
(+) 想起 観察
(+) ポジティブ感情
(+)
(+) (+)
内発的 動機づけ
ヒアリング調査 調査概要
調査対象企業
インターンシップ導入企業1社
調査対象者
人事部インターンシップ担当者1名
調査時期
2014年8月31日 34
職務多様性
有意義感 職務重要性
内発的動機づけ
ヒアリング結果・考察
(+)
(+)
(+)
(+)
(+)
想起
X (+) 観察
業務支援
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ポジティブ 感情
(+)
(+) (+)
(+)
想定外の結果
想定通りの結果
モデルは完全に否定されなかったものの…
職務多様性
職務重要性
(+)
(+)
業務支援
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想定外の結果についての考察
インターンシップ生に指導した内容と 普段の業務内容が全く違うので 気づきはあまり得られなかった。
従業員
従業員のインターンでの指導内容や助言が 日常の業務内容が類似する インターンを実施する企業に ヒアリング調査を行う必要があるのではないか
考察
内発的動機づけ
想定外の結果についての考察
(+) 想起
X (+) 観察
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ポジティブ 感情
(+)
(+) (+)
インターンシップ生は期待していたより やる気が低かった。
従業員
考察
今後はインターンシップ生を ポジティブに捉えている人にもヒアリングをして このモデルの妥当性を確認する必要がある。
今後の課題
▼引き続き複数のインターンシップ導入企業に ヒアリング調査を行い、モデルの妥当性を検討する。
▼モデルを検証するために、質問票調査を行う。
38
・安藤延男 石田梅男(1980)『E.L.デシ 内発的動機づけー実験社会心理学的アプローチ』
・浅海典子(2007)「学生にとってのインターンシップの成果とその要因」『国際経営フォーラム』
No18
・浅海典子(2006)「インターンシップの成果と課題―受入れ企業アンケート結果から―」 『神奈川大学
国際経営論集』 No.13
・江口彰(2009)「インターンシップと正課外活動の経験比較」『インターンシップ年報』No.12
・及川昌典 及川晴 (2013)「抑制、表出、反芻傾向と感情プライミング効果の関係」社会心理学研究第
29巻、第1号40‐46
・岡田 涼(2005)「友人関係への動機づけ尺度の作成および妥当性・信頼性の検討 : 自己決定理論の枠組み
から」『パーソナリティ研究』第14巻,第1号,pp101‐112
・岡田涼(2010)「自己決定理論における動機づけ概念間の関連性」『パーソナリティ研究』第18巻第二
号,pp152-160
・尾形真実哉[2011]「プロフェッショナルのキャリア初期における組織適応タイプに
関する実証分析」
・角田豊(1994)「共感経験尺度改訂版(EESR)の作成と共感性の類型化の試み」
・金井壽宏(2013)「日本のキャリア研究 :組織人のキャリアダイナミクス」白桃書房
・株式会社ディスコキャリアリサーチ「2014年度 日経就職ナビ 就職活動モニター特別調査レポート」
・菊入みゆき 岡田昌毅(2014)「職場における同僚間の達成動機の伝播に関する研究」
・斉藤勇 藤森立男(1994)『経営産業心理学パースペクティブ』
・杉村健(1985)『ワークモチベーションの日本的特質について』
・鈴木直人『感情心理学』朝日書店
・任 龍在 安藤隆男(2007)「肢体不自由養護学校における重複障害学級担任教師のとらえる職務特性と
職務満足感に関する研究」
・中原淳(2010)「職場学習論 —仕事の学びを科学する—」東京大学出版会
参考文献
39
40
・十川廣國(2000)ミドル・マネジメントと組織活性化 ・日本インターンシップ学会「インターンシップ研究年報(13) 61−96 2010 ・速水敏彦 (2012) 「感情的動機づけ理論の展開ーやる気の素顔ー」 ナカニシヤ出版 ・久村恵子(1997)「メンタリングの概念と効果に関する考察」『経営行動科学』第11巻,第2号,pp.81- 100 ・宮脇秀貴(2008)「内発的動機付けとエンパワメント」 ・村杉 健(1985)「ワークモチベーションの日本的特質について」 ・森久美子 (2005)「自己評価との関連から見た大学生の友人間におけるサポートの授受関係について-『求め』『受け取り』『求められ』『提供』の4側面からの検討-」『九州大学心理学研究』第6巻、 pp.207-216 ・文部科学省高等教育局専門教育課(2009)「インターンシップの導入と運用のための手引き」p.1 ・山口博幸(1997)「女性の雇用形態と職務満足ー職務特性モデルを用いてー」香川大学経済論叢 70(3), 33-64 ・山下 京(1996) 「因果関係モデルによる若年従業員の「仕事の楽しさ」の分析」 ・山崎勝之(2006) 「ポジティブ感情の役割:その現象と機序」 パーソナリティ研究14(3),305-321 ・HR総研人事白書・調査 ・Alice M. Isen(1999), A Neuropsychological Theory of Positive Affect and Its Influence on Cognition : Psychological Review, Vol. 106, No. 3. 529-550 ・ Burke,R.J.(1984)Mentors in Organizations. Group&Organization Studies. Vol.9 pp.353-372 ・Greenwald, A. G., Klinger, M. R., & Lui, T. J. (1989). Unconscious processing of dichoptically musked words, Memory and Cognition, 17, 35-47. ・Hackman, J.R. and Oldham, G.R(1976).: Motivation through the design of work: Test of a theory Organizational Behavior and Human Performance ・日本経済団体連合会(8月24日アクセス) http://www.keidanren.or.jp/policy/2013/081.html
参考文献
41
・就職みらい研究所 就職白書2014 インターンシップ編(2014/8/24アクセス) http://data.recruitcareer.co.jp/research_data/hakusyo/hakusyo_2014is.pdf#search='http%3A%2F%2Fdata.recruitcareer.co.jp%2Fresearch_data%2Fhakusyo%2Fhakusyo_2014is.pdf ・セイデンテクノ株式会社<http://www.city.sado.niigata.jp/internship/03.html>(2014/8/26アクセ ス) ・つくばインターンシップ・コンソーシアム(9月2日アクセス) http://www.tic-tsukuba.jp/ ・日本経済団体連合会(8月24日アクセス) http://www.keidanren.or.jp/policy/2013/081.html ・ベンチャー修行「中長期実践型インターンシップのご提案~成長企業と成長学生の出会い~」 http://www.brainchildren.co.jp/venture/benefit.html>(2014/8/26アクセス) ・文部科学省のホームページ(8月25日アクセス) https://www.mext.go.jp/component/a ・Fringe81 社長 田中弦のブログより(9月2日アクセス) http://www.fringe81.com/blog/?p=1782 ・「2016年卒向けインターンシップに関する調査」結果報告(2014/8/24アクセス) https://www.hrpro.co.jp/research_detail.php?r_no=93
参考文献
ご清聴ありがとうございました
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変数項目 変数の定義
業務支援 従業員がインターンシップ生に業務の助言や指導をした程度(中原,2010)
内省支援 部下・後輩に対し、彼らの経験した業務や、上司に対する部下・後輩としての振る舞いを、客観的に振り返る機会を与える頻度(中原,2010)
職務多様性 日常の職務を行うためにさまざまなスキルや知識が必要だと再認識する程度 (Hackman&Oldham,1976)
職務重要性
日常の職務が組織内外の人々の生活や仕事に影響を与えていると再認識する程度 (Hackman&Oldham,1976)
有意義感 職務は自分にとって意義があると感じる程度
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変数の定義
変数項目 変数の定義
観察 従業員がインターンシップ生を好意的に認知した程度
想起 過去のポジティブな自分を思い出しやすくなる程度
ポジティブ感情
幸福感や希望といった感情の程度(山崎,2006)
内発的動機づけ 報酬がなく、その活動を目的に行動している状態の程度(deci,1980)
44
変数の定義