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Copy Right by C.KANAMORI 2008 1 軸(shaft):主に回転によって動力を伝達する要素 軸の種類 機械軸 車軸 伝動軸 プロペラ軸 クランク軸 軸の強度 軸に加わるトルク T の算出 ねじりモーメント T のみを 受ける軸 曲げモーメント M のみを 受ける軸 軸の強度(続き) 曲げとねじりの組合せ荷重 を受ける 動荷重を受ける軸 材料の疲労 軸の座屈 こわさによる設計 キー溝の影響 振動現象と危険速度 ふれ回り運動と危険速度 軸の材料

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軸(shaft):主に回転によって動力を伝達する要素

軸の種類

機械軸

車軸

伝動軸

プロペラ軸

クランク軸

軸の強度軸に加わるトルク T の算出

ねじりモーメント T のみを受ける軸

曲げモーメント M のみを

受ける軸

軸の強度(続き)

曲げとねじりの組合せ荷重を受ける

動荷重を受ける軸

材料の疲労

軸の座屈

こわさによる設計

キー溝の影響

振動現象と危険速度

ふれ回り運動と危険速度

軸の材料

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用途による軸の種類(1) 機械軸…回転機械の軸,変速機軸,工作機械の主軸(スピンドル)

高剛性=曲げ・ねじりによる変形が小,耐摩耗性が高.軸の工作時に精度が要求される.

※スピンドル…荷重による変形量が特に小さいことが要求される軸(2) 車 軸…車体の重量を車輪に伝達.動力伝達なし.

軸は固定/軸自身が回転→曲げモーメント/回転曲げ力を受ける.

例)自動車,鉄道車両,航空機の車輪の軸(3) 伝動軸…回転により動力を伝達→主にねじりを受ける.

一般に軸の全長が長い→ねじり強度,ねじり振動に注意.例)自動車のプロペラシャフト,原動機と機械を結ぶ軸

※たわみ軸…回転軸の方向を自由に変えながら小さな動力を伝達.曲げ剛性 <<< ねじり剛性.

(4) プロペラ軸…船など原動機からプロペラに回転を伝える軸主にトルクと軸力を受ける.軸力が軸心から離れる場合,曲げモーメントも受ける.

(5) クランク軸…往復運動と回転運動の相互変換用.曲げおよびねじりモーメントが衝撃的に繰返し作用する.

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軸の強度軸に加わる荷重

① 曲げ力

② ねじり力

③ 軸方向力

④ ①~③の組合せ荷重

軸の強度設計

1) 軸の荷重様式を調べる

2) 1)に応じた強度設計と評価を行う

21

2

P Tn

T Pn

π

π

=

=

(1)軸に加わるトルク T [N・m]を求める

軸に伝わる動力 P [W]= [N・m/s] ,

軸の回転数 n [rps]= n*60 [rpm]

① 曲げ力

② ねじり力

③ 軸方向力

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軸の強度計算法(2) ねじりモーメント T のみを受ける軸の軸径の設計

・ 中実軸の最大せん断応力 τ

(外周におけるせん断応力)

30

16

p

T TZ d

τπ

= =3

0

16pdZ π

=

4 4 4 32 1 2

2

( ) (1 )16 16p

d d dZd

π π λ− −= =

Zp:軸のねじり断面係数(極断面係数) (torsional section modulus)

中実軸の極断面係数:中実軸の直径:d0

・ 中空軸の最大せん断応力 τ

(外周におけるせん断応力)

中空軸の極断面係数:

中空軸の外径:d2,内径:d1 ,内径と外径の比:λ= d1/d2

24 4 4 3

2 1 2

16 16( ) (1 )p

TdT TZ d d d

τπ π λ

= = =− −

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ねじりモーメント T のみを受ける中実軸トルク T でねじるときの中実軸の軸径を求める

・ τ:中実軸の最大せん断応力(外周におけるせん断応力)

3

16

p

T TZ d

τπ

= =

3

16pdZ π

=

・ Zp:軸のねじり断面係数(極断面係数) (torsional section modulus)

中実軸の極断面係数:

・ 材料のねじりに対する許容せん断応力τa・ 破損する限界条件 τ≦τa・ 中実軸の直径 d の範囲は,次式で表される。

316

a

Tdπτ

・ 中実軸の直径:d

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ねじりモーメント T のみを受ける中空軸トルク T でねじるときの中空軸の軸径を求める

・ τ:中空軸の最大せん断応力(外周におけるせん断応力)

4 32

16(1 )p

T TZ d

τπ λ

= =−

4 4 4 32 1 2

2

( ) (1 )16 16p

d d dZd

π π λ− −= =

・ Zp:軸のねじり断面係数(極断面係数) (torsional section modulus)

中空軸の極断面係数:

・ 材料のねじりに対する許容せん断応力τa・ 破損する限界条件 τ≦τa・ 中空軸の直径 d の範囲は,次式で表される。

3 4

16(1 ) a

Tdπ λ τ

≥−

・ 中空軸の外径:d2,内径:d1

1

2

dd

λ =軸径比:

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曲げモーメントを受ける中実軸曲げモーメント M を受ける中実軸の軸径を求める

・ σ:曲げ応力・ Z : 軸の曲げに対する断面係数・ d :中実軸の直径

中実軸の断面係数:3

32dZ π

=

3

32M MZ d

σπ

= =

・ 材料の曲げに対する許容応力 σa・ 破損する限界条件 σ≦σa・ 中実軸の直径 d の範囲は,次式で表される。

332

a

Mdπσ

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曲げモーメントを受ける中空軸曲げモーメント M を受ける中空軸の軸径を求める

・ σ:曲げ応力・ Z : 軸の曲げに対する断面係数

中空軸の断面係数:4 3

2(1 )32

dZ π λ−=

4 32

32(1 )

M MZ d

σπ λ

= =−

・ 材料の曲げに対する許容応力 σa・ 破損する限界条件 σ≦σa・ 中空軸の直径 d2 の範囲は,次式で表される。

32 4

32(1 ) a

Mdπ λ σ

≥−

・ 中空軸の外径:d2,内径:d11

2

dd

λ =軸径比:

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曲げとねじりの組合せ荷重を受ける軸曲げモーメント M →軸表面に最大引張応力

ねじりモーメント T →軸表面に最大せん断応力

ただし、両者の方向は異なる。

・ 中実軸に加わる最大引張応力:σmax 相当曲げモーメント: eM2 2 2 2

max 3

1 1 3242 2

eMM M Td Z

σ σ σ τπ

⎡ ⎤ ⎡ ⎤= + + = ⋅ + + ≡⎣ ⎦ ⎣ ⎦・ 中実軸に加わる最大せん断応力:τmax

2 2 2 2max 3

1 1 1642 2

e

p

TM Td Z

τ σ τπ

= + = ⋅ + ≡

相当ねじりモーメント: eT

・ 中空軸に加わる最大主応力:σmax

2 2max 4 3

2

1 162 (1 )

M M Td

σπ λ

⎡ ⎤= ⋅ + +⎣ ⎦−・ 中実軸に加わる最大せん断応力:τmax

2 2max 4 3

2

1 162 (1 )

M Td

τπ λ

= ⋅ +−

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曲げとねじりの組合せ荷重を受ける軸(続)使用する材料により、どちらで軸径を設計するかが異なる。

相当曲げモーメント Me →最大引張応力あるいは最大主応力σmax

相当ねじりモーメント Te →最大せん断応力τmax

延性材料を使用する場合

一般に軸の材料としては、延性が大きく強靭な低炭素鋼が用いられる。

その場合、ねじりモーメントと曲げモーメントの比に関わらず

最大せん断応力を用いて軸径を設計すればよい。

ぜい材料を使用する場合

ぜい性材料を用いることは少ないが、もし使用するならば

最大引っ張り応力あるいは最大主応力を用いて軸径を設計すればよい。

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動荷重を受ける軸静止軸:軸の自重、支持物の重量ほか

回転軸:上記に加えて、歯車の重量と伝達トルク、プーリー(ベルト車)の重量と引張トルク等が回転ごとの繰り返し荷重となって加わる

動荷重係数を導入→荷重を大きめに見積る

曲げモーメントの動荷重係数:CM

ねじりモーメントの動荷重係数:CT

動荷重を受ける場合の曲げモーメント:MI

動荷重を受ける場合のねじりモーメント:TII M

I T

M C MT C T

= ⋅ ⎫⎬= ⋅ ⎭

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材料の疲労を考慮した設計軸が繰返し応力を受ける場合には、材料の疲労により許容応力よりも低い応力で破損する。

疲労を考慮するには疲労強度による設計が必要である。

手順

1)ねじり荷重と曲げ荷重ごとに、横軸に平均応力と縦軸に応力振幅をとり、耐久限度線図(fatigue limit diagram)を作成する。

2)軸の形状、寸法、表面粗さなどを考慮して耐久限度を決める。(切欠き係数,寸法効果係数,表面効果係数)

3)安全率を考慮した設計許容範囲を決める。

4)設計許容範囲の内側になるように軸寸法を決定する。

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繰り返し荷重による疲労限度横軸:平均応力,縦軸:応力振幅

標準平滑試験片に対する

ねじり疲労限度:τw0

(曲げ疲労限度:σw0)

・ 切欠き係数:βt(βm)

・ 寸法効果係数:ξ1

・ 表面効果係数:ξ2

繰り返し荷重によるねじり疲労限度:τw

(曲げ疲労限度:σw)

1 2 0

1 2 0

w w t

w w m

τ ξ ξ τ βσ ξ ξ σ β

= ⎫⎬= ⎭

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安全率を考慮する荷重、材料強度、切欠き効果、寸法効果、運転条件の推定誤差に起因する安全率:S

・ 静応力に対する安全率:S m

・ 繰返し応力に対する安全率:S w

許容応力・ 静的ねじり許容応力:τm

・ 静的曲げ許容応力:σm

al m m a w

al m m a w

S SS S

τ τ τσ σ σ

= + ⎫⎬= + ⎭

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切欠き係数,寸法効果係数,表面効果係数切欠き係数β

切欠き部の切欠き効果によって応力集中が発生する切欠き部:段付軸のすみ肉部、周方向環状みぞ、ねじ継手、車軸ボス、玉軸受などの座、油穴、キー溝など.

0w wβ σ σ=

寸法効果係数ξ1:大型の軸で0.86~0.89程度。0.5程度の実験例あり。直径が大きくなるほど表面の応力が大きくなり、疲労限度が低下する。小型試験片による疲れ限度から大型軸の疲れ限度を推定する場合には、寸法効果を考慮しなければならない。

表面効果係数ξ2:研削材:0.87~0.95,切削材:0.7~0.88,黒皮(鍛造,鋳鋼,鋳鉄):0.34~0.85程度。

材料の疲労によるき裂の進展は、表面に存在する微小き裂から始まる。表面の仕上げおよび加工状況、腐食作用などによって影響を受ける。表面加工(ロール加工,転造,ショットピーニング)、表面処理(浸炭,窒化),熱処理(高周波焼入れ,炎焼入れ)を行うと、材料の表面が安定し、疲れ強さが強くなり、1とおくこともできる。

切欠きを有する試験片の疲労限度:σw切欠き底の横断面積と等しい断面積をもつ一様な棒の疲労限度:σw0

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軸の座屈への配慮

圧縮力を受ける軸では座屈を起こす可能性がある。

軸径が決まった後に、座屈を起こすかどうか調べる。

オイラーの座屈理論一様断面の長柱:

柱長 l,断面積 A,

断面2次モーメント I,主断面2次半径 k :

ヤング率: E ,

軸端の条件: n値

座屈応力:σk2

2k

kn El

σ π ⎛ ⎞= ⎜ ⎟⎝ ⎠

k I A=

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こわさによる設計:ねじれ角θ

単位長さに対するねじれ角(比ねじれ角)θ

・ 半径 d/2 の軸に作用するトルク T と

ねじれ角θの関係4

32pI dπ=

pT G Iθ=

・ 中実軸の断面2次極モーメント:Ip

・ 単位長さに対するねじれ角(比ねじれ角) :θ

pGI T θ=

4

32

p

T TGI d

θπ

= =

GIp:ねじりこわさ=比ねじれ角に対するトルクを表す。

・ 中空軸ではどうなりますか?

・ 一般の伝動軸 比ねじれ角 θ<0.25 [°/m]ただし、 G は鋼材の種類による違いが少ない。d で調整することになる。

・ ねじれ角が大きくなると:カムの位置が変化する、歯車が片あたりする、

振動の発生原因となる。

ねじりモーメント T によるねじれ角θ

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こわさによる設計:ねじれ角θ(導出)ねじりモーメント T によるねじれ角θ

・ 半径 r 上のせん断ひずみγ tan /r lγ ϕ ϕ= ≒

/r l rγ ϕ θ= =

G Grτ γ θ= =

2dT r dr rπ τ= ⋅ ⋅ ⋅

4/ 2 3 4

0

( / 2)2 24 32

d

pdT dT G r dr G G d G Iππ θ π θ θ θ= = = = =∫ ∫

32 2r dr G r r G r drπ θ π θ= ⋅ ⋅ ⋅ =

・ は小さいので、とおくことができるので、

ϕ ϕ γ≅

・ 半径 r 上の円周上の任意

の点のせん断応力τは、せん断ひずみγと横弾性係数Gより

・ 半径 r 上の幅 dr のリング状に作用するトルク dT は、

・ 半径 d/2 の軸に作用するトルク T は、4

32pI dπ=

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こわさによる設計:たわみ曲げモーメント M によるたわみ角δ

・ 一般の伝動軸の曲げモーメントによる軸の場合、

最大たわみ角δmax ≦ 1/1000 [rad]・ たわみ角が大きくなると:

歯当たりの変化、軸のふれ回り、砥石軸の負荷変動、

軸受の片あたりが発生する。

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キー溝の影響キーとは

各種プーリー、歯車、はずみ車等のトルクを軸に伝える機械要素

キーを使うと

軸断面積の減少、キー溝による応力集中が発生

ねじれ強さの比 e (Mooreの式)

JISによる軸とキー溝の場合

e ≒0.64~0.90

e =キー溝付き軸強さ/キー溝なし軸強さ

0

0

1.0 0.2 1.1 dbed t

= − − d0 :軸の直径

b :キー溝の幅

t :キー溝の深さ

b

t

d0

キー

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振動現象と危険速度回転軸がある速度に達すると、急に振動が大きくなることがある。

・ 振動の種類:たわみ振動とねじり振動

共振現象

回転速度が軸の固有振動数に近づく→振幅が次第に増大

回転速度が軸の固有振動数と一致 →振幅が軸の弾性限界を超えて破損

→この回転速度を危険速度という。

(ねじりの危険速度,たわみの危険速度)

振動現象発生のメカニズム

ねじり変形、たわみ変形が発生→弾性軸の復元力が発生

→これが運動エネルギとなり,交互に変形を繰り返す振動現象となる。

主な変形の発生原因

・ 質量の不釣合い→たわみ変形

・ 軸のヒステリシス減衰(構造減衰)→ねじり変形

・ 回転力の変動→ねじり変形

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危険速度対策軸の設計においては、軸の使用回転速度を危険速度から20%以上離す。

方法

(a) 剛性軸(rigid shaft)常用回転数を常に危険速度の下に離しておく方法。

軸を太くしてばね定数を大きくし,危険速度を大きくする。

(b) たわみ軸(flexible shaft)常用回転数を常に危険速度の上に離しておく方法。

ねじり剛性はあるが曲げ剛性を著しく小さくした軸

→回転伝達のみ,または小動力用

→数層の密巻きコイル(より線形たわみ軸)

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中央ローター軸のふれ回り:教科書の式ここでは軸の質量は無視する

22

2 cos( )d x dxM C kx Me tdt dt

ω ω ϕ= − − + −

( ) ( )2 2 2

2

cos( )Mk c

Mex tω ω

ω ω ϕ φ− +

= − −

nkM

ω =2

CMk

ξ = 21 2cr nω ξ ω= − 60 2crN ω π=

x 方向の運動方程式

任意の回転速度に対する振動

e :偏心量,ω:回転速度[rad/s]

外力=遠心力

振幅

振幅が最大となる回転速度=危険速度

機械力学の教科書で復習してください!

復元力=弾性力減衰力=摩擦力

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中央ローター軸のふれ回り:本格的な式

ロータ重心(x,y)に関する運動方程式

定常振動解=ふれ回りの式

つり合いの式→Rとδの連立方程式を解く

軸受のばね剛性

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中央ローター軸のふれ回り:本格的な式

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中央ローター軸のふれ回り:つり合いの式ここでは軸の質量は無視する

ckm

ω =

30602

c kNm

ωπ π

= =

遠心力:Fロータ偏心量:ε,軸のたわみ:δ

軸の弾性力:D軸のばね定数:k

ω=ωc で振幅が無限大となる→ωc:軸の危険速度

2( )F m ε δ ω= +

D kδ=

2( )k mδ ε δ ω= +遠心力Fと弾性力Dがつり合う

軸のたわみδについて解く

( )( )

22 2

22 21 1c

c

m m kk m m k

ω ωεω εωδ εω ω ω ω

= = =− − −

D F= →

ωc [rad/s]:軸の固有振動数

軸の危険速度(回転数):N [rpm]

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レーリー(Rayleigh)の方法ここで軸の質量は無視する

ロータ質量:M1,M2,M3

静たわみ:x1,x2,x3

系の危険速度での振動: cosi ix A tω=

系の運動エネルギーの総和: ( )2 2 2 21 1 2 2 3 3

1 1max2 2i iT M x M x M x M x⎡ ⎤= = + +⎢ ⎥⎣ ⎦∑

系の位置エネルギーの総和: ( )1 1 2 2 3 31 1max2 2i iU g M x g M x M x M x⎡ ⎤= = + +⎢ ⎥⎣ ⎦∑

エネルギ保存則より T = U 系とおくことができる。これをωについて解く。

( )1 1 2 2 3 32 2 2 2

1 1 2 2 3 3

i i

i i

g M xg M x M x M xM x M x M x M x

ω+ +

= =+ +

∑∑

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軸の材料軸の多くは回転軸

→回転体の不釣合いによる繰返し荷重(機械軸,伝動軸)

→回転曲げ荷重(車両の車軸)

一般には,延性が大きく強度の高い低炭素鋼(炭素分0.1~0.4%)

たとえば、

安価なもの:SS41,SS50,S10C~S30C(機械構造用炭素鋼鋼材 )の冷間引抜材

大きな径:同上の熱間,鍛造

高荷重,高速回転機械軸(車軸,タービン軸など)では,

S40C,S50C,SNC(ニッケルクロム鋼鋼材 ),SCM(クロムモリブデン鋼鋼材 ),SCr(クロム鋼鋼材 ),SNCM(ニッケルクロムモリブデン鋼鋼材)などの合金鋼の熱間圧延材

機械加工した後で熱処理をして使用する。